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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですね、是非!」
1
:
Mii
:2019/03/31(日) 10:37:38 ID:iLEqj1bw
このスレは
ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」
を前スレとする続編となります。
前スレをご覧になられていない方はそちらを先にどうぞ。
遅い進行のスレですが引き続き頑張っていきたいと思います。
よろしくお願いします。
パルテナ「そのほか、いくつか注意点があります。
・スレ主のスマブラfor経験は、CPU(Lv.9)とのタイマンで
勝ち越せない程度の実力しかありません。
戦闘描写に過度な期待をすると酷いことになります。
むしろ、『うわあ、この描写ニワカだな』と粗探しするくらいの気持ちで
読むようにしてください(最重要)。
・前スレ同様、いろいろとパロデイ、メタ発言が散りばめられています。
キャラが自分たちの背景情報を活用する…みたいなご都合主義は
白ける方もいらっしゃると思います。そんな時は…
別のスレに移って、このスレのことは忘れましょう。
パルテナお姉さんとのお約束ですよ♪うふふふふ」
193
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:11:44 ID:1o4lZnlk
マリオ「精神摩耗の激しいピーチにばっかり、頼ってられないな。
ここは俺に任せとけ」ズイッ
ピーチ「…悪いわね、私自身も…一杯で」
眩暈も結構ある感じ。心も体も調子が悪すぎる、はぁ…。
マリオは小さく「気にするな」とだけ答えて、ロゼッタの傍に立つ。
マリオ「ロゼッタ、2人が何処かに囚われたのは…断じて、
ロゼッタのせいなんかじゃない。ロゼッタは最善を尽くしてくれた。
ロゼッタを恨む奴は…それこそ、ハイラル代表のリンク含めて、誰もいない」
リンク「ああ、その通りだぞ、ロゼッタ。
むしろ、2人のことをそこまで想ってくれて、本当にうれしいよ」ニコッ
ロゼッタ「で、ですが――――!」ポロポロ
視線を彷徨わせながら、ロゼッタは蚊の鳴くような声で呟く。
ホント、損な性分をしているんだから。
194
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:13:39 ID:1o4lZnlk
マリオ「いいか、聞いてくれ、ロゼッタ。
キノコ王国の、そして俺たちの威信にかけて。
いなくなった2人は、なんとしてでも取り返す。
だから、元気を出してくれ」ポンッ
ロゼッタ「…ふ、ふたりが、生きている保証なんて、ど、こにも――」ポロポロ
マリオ「それがあるんだよ、実は」フフン
ロゼッタ「――――――――――ほ、ほんとう、ですか!!」
一瞬固まって目を見開いた後、涙顔のロゼッタが、ようやくまともに顔を上げる。
…ロゼッタの体格が大きいせいで。ベッドに寝た状態とか関係なく。
ロゼッタの目線の高さ>マリオの目線の高さなのは気にしない。
マリオ「ほい、ピーチ解説」
……あ、ここで唐突に振ってくるの?ごめん、分かってないんだけど。
一拍遅れて、ブンブンと首を振る。
195
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:15:07 ID:1o4lZnlk
マリオ「あー…ピーチがそこまでポンコツ化しているとは重症だな…。
いや、別に大したことじゃない。
『あの不可思議なチカラに、ロゼッタが捉えられなかった』という事実。
これが全てを物語っているんだ。
どういう戦いがあったかは知らないが、ロゼッタ。
お前も、2人と同様に攻撃を受けたんだろう?」
ロゼッタ「…は、はい!その通りです!
朝起きて、3人で朝食を摂っているさなかに、いきなり激しい爆発音が。
何事かと駆けつけてみれば、城のあちこちが酷いありさま。
慌ててピーチ姫に連絡を取りに行こうとしましたが、
その場を動くことも叶わない怒涛の攻撃と引力を身に受けて、
あ、あのような…状態に――!」
より発言の自信を増したとばかりに、マリオが腕を組んで頷いた。
196
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:16:30 ID:1o4lZnlk
マリオ「そんなところか。…でもそれ、よく考えるとおかしいんだ。
キノピオが気付いて、一目散に俺たちを呼びに来るまでの時間。
俺たちがキノピオの一報を聞きつけて向かうまでの時間。
正直、かなりの時間だけ後手を引いちまってる。それなのにだ。
言っちゃ悪いが、ヒルダはともかく、ゼルダが太刀打ちできない攻撃に…
ロゼッタがあそこまで対抗できるはずがないんだよ。
ゼルダはどっちかというとヒルダを庇うのに専念してたみたいだし」
リンク「…確かに。強さ的にはゼルダ姫>>ロゼッタ>>ヒルダ で合ってるよな?」
クッパ「…ふむ」
…い、言われてみれば。でも…それって、どういうこと?
――――まさか。
マリオ「暗躍する者――何者か未だに分からんが――
やろうと思えば、ロゼッタだって難なく亡き者にできたはずだ。
ロゼッタ自身が思い切り白旗を上げていたしな。
それが、満身創痍とはいえ助かった。
これは、『あえて助けた』という考え方をするべきだ」
ざわっ…と、限られた人数しかいない病室が騒がしくなる。
197
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:18:30 ID:1o4lZnlk
むらびと「そそそ、それって、どういうこと!?」
マリオ「つまり、犯人の目的は、恨みで選手の命を奪うこと…とかじゃない。
どっちかというと、慌てふためく俺たちをみて愉しみたいっていう愉快犯だな。
都合よく、これまで事故が小刻みに起きてきただろう?
その情報を何らかの方法で入手して、便乗してやろうとか考えたんだぜ、きっと。
犯人の思惑通り、今の俺たちのテンションはズタボロだ」
むらびと「最悪じゃん、そんなの!」カッ
マリオ「…だが、逆に言えば、命を奪うことに執着をしているわけではない、と言える。
いつぞやのディメーンよろしく、むしろ生かして交渉材料に使った方が
犯人サイドとしても動きやすいからな。
結論として、生きている可能性も割と高いと言える」
しぃんと病室が静まり返る。
各々が、マリオの言葉を一語一句、頭の中で噛みしめている。
198
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:20:15 ID:1o4lZnlk
ピーチ「…でも、今のマリオの推測自体に、わりと多分に希望が混ざってるわよね。
確実に真綿で締めるように命を奪っていくことに悦を感じる…
猟奇的な犯人だったらどうするの?」
マリオ「……そんな谷底に付き落とすような発言しないでほしいんですが。
それを言われると『後の祭です、どうしようもありません』と無慈悲に返すしかないじゃん」
…それも、そうか。
でも、周りの皆は、マリオの意見に同調しようとしている。
ゼルダとヒルダの生存を、信じようとしている。
なら、私もそう動くだけ。
マリオ「やれやれ、ピーチの横槍が入っちゃって話の締め方が難しいけど…
ともかく、ロゼッタ。繰り返すが…2人は、絶対、助けて見せる。
俺に、俺たちに、任せとけ!!」
ロゼッタは、マリオを見つめる。
更に更に、大粒の涙を流し始める。
そうよね、心配しないで、ロゼッタ。なんとしてでも、彼女たちは――!
199
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:22:30 ID:1o4lZnlk
ロゼッタ「――――――――っ!!お願い、いたし、ます――っ!!」ガバッ
マリオ「へぶっ」
感極まってしまったのか。
上半身をガバッと動かしたロゼッタが、反応が遅れたマリオに――
マリオの頭を抱え込む形で、思い切り抱き着いて一層激しく泣き出した。
ピーチ「…………」
ピーチ「……………………」
ピーチ「…………………………………………
ちょっと待ったああああああああぁぁぁぁぁ――――――――っ!!」
200
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:24:27 ID:1o4lZnlk
ロゼッタ「…はい?」ナミダメ
なぜ急に叫ばれたのかがわからないのか、顔だけこちらに向ける、涙目のロゼッタ。
マリオ「」
何気に成長してきた胸を押し付けられて、完全に石と化したマリオ。
リンク(あ、なんかデジャブ)
ルキナ(あ、あ、ああああ…)カァッ
おいそこ、なにがあった。ああ、あの夜の邂逅か。
…って、そうじゃなーい!
ピーチ「感動したのは分かったから、とっととマリオから離れなさいよゴラァ!
マリオもさっさと引きはがしなさーい!!!」グイッ
マリオ「」
マリオは こおってしまって うごかない!▼
201
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:26:02 ID:1o4lZnlk
むらびと「よし帰ろう」クルッ
ファルコ「賛成」クルッ
クッパ「おっと持病の仮病が」クルッ
リンク「管理室で解析の続きしよーっと。あとはヒーローのマリオに任せよう」クルッ
ルキナ「あ、ええと、ええと。私も、お暇させていただきます」クルッ
ロゼッタ「ピーチ姫、痛いです!強く引っ張らないでくださいっ!」ギューッ
マリオ「」
ピーチ「抱きしめる力強くするなぁ――!
ああもう、なまじ病人相手だから力加減が難しいっ!?
アンタたちも手伝いなさいよぉ薄情者――!!!」
…結局、ひっぺがすのに5分程度費やしました。
益々、体がふら付いてきた気がする…。
202
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:27:50 ID:1o4lZnlk
マリオ「…………」ハッ
ピーチ「よし、とっとと退散するわよ、こんなとこ!」
ロゼッタ「そう、ですか…」ショボン
ようやく、マリオが正気に戻ったし…やってられないわ…。
名残惜しそうにするロゼッタを一切振り返さずにマリオと一緒に病室を出る。
無自覚とはいえ、ロゼッタ、恐ろしい子…!
マリオ「…………」
マリオ「…………」
マリオ「…………」
マリオ「…………………………………………やれやれ」ハァ
203
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:31:12 ID:1o4lZnlk
〜情報管理室〜
リンク「…………」ジーッ
……やっぱり、寝ぼけての勘違いとかじゃなかった。おっかしいなー?
うーん?何故に?どして?
コンコン。
リンク「どうぞー?」
マリオ「お、やってるやってる。どんな感じだ、リンク?」ガチャッ
リンク「お、色男のおでましだ。お疲れさまっしたー」ケラケラ
マリオ「お前だけには言われたくない」
リンク「…なんでさー。
え、調べてきた内容?あ、マリオも聞いてくれよ。
みんなの行動履歴を紐解いて行ってるんだけど、なんか腑に落ちないんだ」
マリオ「ほほう?どんな具合に?」
リンク「百聞は一見に如かず、だな。…ちょっとこいつを見てくれ」カタッ カタッ
204
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:33:23 ID:1o4lZnlk
パッ!!
リンク「これ、ダックハントの行動記録ね。
道なき道を、すっげー縦横無尽に動いているのが呆れるけれど。
選手カードをほっぽり出したりしていなくて助かった」
マリオ「うわ、あちこちで無料食事イベントに有り付いてやがる。
食欲に忠実だなあ、ははは。…会話とかどうしたんだろ」
リンク「そんでもって……ほいっと」カタッ カタッ
パパパッ!
マリオ「あ、履歴の線が1本増えたな。これ、誰のだ?」
リンク「Mr. ゲーム&ウォッチのだよ。まあ、ダックハントに比べれば
ずっと行動範囲は狭いな。大して施設利用履歴もないし」
マリオ「あのなりで一般施設に入ったらギョッとされるから自重してるのかな。
だとしたら悪いことをしたな…。
で、いろんなところで線が交差してるな。
このどこかで、Mr. ゲーム&ウォッチがハンマーを落として、
他の人に気付かれる猶予さえなくダックハントがつい拾っちゃったと」
205
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:35:30 ID:1o4lZnlk
リンク「いや、それ、違う」
マリオ「…違う?」
リンク「線だけ見ると重なってるけど、どの交点も時間帯がずれてばっかりだ。
最低でも1時間は…ずれてる。
ほぼ同時刻に2選手が同地点にいた形跡、なんてものは…………
この2選手間には――存在しない」
マリオ「…………なんだって?」
リンク「あんな目立つハンマーなのに、通りかかった人が悉く無視するなんて、
有り得るのか…?まあ気味悪がられ続けた可能性が0とは言えないけど…」
マリオ「……!!」
206
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:38:19 ID:1o4lZnlk
リンク「あ、ついでにさ。その後で、むらびととファルコの相互関係についても、
なんか気になって調べてみたんだよ。
むらびとは…『シロ』だ。
さっきと同じく、同時刻同地点の状況がなかった。
こっちについては、どう言い訳しようが『ぶつからないと』
アイテムの移動が起こり得ないんだっけ。訳が分からなくなってきてるよ…」
マリオ「……サンキューな、リンク。
おかげで、ほっそいほっそい俺の仮説が信憑性を増してきたぞ」
リンク「は?なんだよそれ?」ハァ?
マリオ「ときにリンク。もう、全員分の行動履歴を調べ上げたのか?」
リンク「あ、いや。プライバシーのことも考えて、とりあえず女性陣は後回しにしてた。
ピーチに止められたらそこで素直に止めておくか…って感じで。
まあ、ようやく男性陣および性別不明陣の解析が終わったから、
そろそろ申し訳ないが女性1人目のサムスについて調べ始めようと…」
マリオ「そりゃあ、ちょうどいい。
…順番変更だ。ゼルダとヒルダについて追跡を開始してくれ。
とりあえず急ぎだから、現在の位置だけでいい」
リンク「…………!!!あ、そりゃあ、最初からそうすべきだったな、迂闊っ!!
早速やってみるぜ!現在の2人の位置…どうぞっ!」カタッ カタッ
207
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:41:58 ID:1o4lZnlk
パッ!!パッ!!
リンク「…ああっ!!」
表示は…………なんと、大会会場を示している!
リンク「と、とりあえず、会場にいる…というか、
どこかのフィールドに幽閉でもされているのか!?
くそっ、さすがにこれ以上拡大はできないか…!」カチッ カチッ
マリオ「実は2人とも既に命はなくて、
俺たちを誘導するために選手カードだけ罠設置されている、
とかでなければな」
リンク「おっそろしいこと言うなよ…
よ、よし!急ぎ、みんなで捜索に…!」
マリオ「いや、そのまえに、あと1つ…いや、2つだけ」
リンク「ど、どうしてだよ!急いだ方がいいだろ?」
マリオ「いいから、頼む」
208
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:44:44 ID:1o4lZnlk
リンク「……わかったよ。そこまで真剣な顔をされたら断れないよ。
で、なにをすればいい?」フッ
マリオ「その2人の履歴、なんだが。
ちょっと時間は掛かるけれど、今の光点の位置が動き始めるまで、
どんどん履歴を遡っていってくれないか?」
リンク「…は?別に、いいけど。
昨日までは普通に、ロゼッタとあちこち見て回ってただろ…?」
マリオ「いいからいいから」
リンク「無駄なことが好きだな…じゃあ、いくぞ?」カタッ カタッ
【1時間前 動きなし】
リンク「こんなの見て、なにか分かるのか…?」フゥ
【2時間前 動きなし】
リンク「…………」
209
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:46:33 ID:1o4lZnlk
【4時間前 動きなし】
リンク「…………あり?そろそろ動いてもいい頃、だよな…?」
【24時間前 動きなし】
リンク「…………え、なにこれ、おかしいだろ?壊れてるのか?ここまで見させておいて」
【1週間前 動きなし】
リンク「はああああああああ!?」
【1か月前 動 き な し 】
リンク「」
マリオ「はあああああぁぁぁ……………」タメイキ
210
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:51:40 ID:1o4lZnlk
リンク「なんだよなんだよ、なんだってんだよ、これ?
何がどうなってるんだ!?」
訳がまるでわからない。
普通にいたよ!ゼルダ姫とヒルダ、ふっつーにいたよ!?
リンク「…ハッ!?ま、まさかその頃から、
選手カードを会場に落としてたとか、か?
おっちょこちょいすぎるだろ」
マリオ「ちゃうちゃう」
マリオは満足と呆れが混ざったような…不思議な顔をしている。
何か合点がいったらしい。幸か不幸か。
マリオ「混乱しているところ悪いが、2つ目のお願いだ。
…………ロゼッタの履歴、同じように追跡してほしいんだけど」
リンク「お、おう…………わ、わかった…」
それが、マリオの仮説とやらを信じる助けになるのなら。
211
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:54:02 ID:1o4lZnlk
〜数日後、とあるフィールド〜
ロゼッタ「あ、あのう。怪我は完治しましたが、一体どうして私は、
こちらに連れて来られたのですか?おまけに…」
リンク「それは、俺もマリオに聞きたい」
クッパ「全くなのだ、忙しいというのに」
マリオ「まーまー。ごねるピーチをなんとかかんとか躱して、
ようやくロゼッタを連れ出せたんだから。
一応一命を取り止めたとはいえ、現状で一番…
命を狙われる可能性があるのは、間違いなくロゼッタだ。
力の弱さを完全に理解されてしまったからな。
というわけで、ちょっと俺たち『3強』が、一夜漬けででも――
ロゼッタを鍛えてあげた方がいいと考えたまでだ」
212
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:55:55 ID:1o4lZnlk
ロゼッタ「……ええっ!?あなた方を相手に、特訓、ですか!?
私などではとても耐えきれませんよ!?」
マリオ「なに、心配するな。思いっきり手は抜くから。
それに、3人のうちロゼッタの相手をするのは1人だけ、と決めておく。
残り2人は、ロゼッタの戦術・身のこなしをじっくり観察して、
あとでアドバイスする、というスタイルを取ろうと思う」
ロゼッタ「無茶ですよね!ね!」チラッ
リンク「…まあ、3強全員が時間を奪われるなら、優勝争いに不公平は無し、か。
いいぜ、やってみよう」
クッパ「…やれやれ、なのだ。やるからには徹底的に、なのだ」
ロゼッタ「」
213
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:58:20 ID:1o4lZnlk
マリオ「判断がおそーい!バックステップが甘―い!」ドンッ
ロゼッタ「あいたっ!…あ、でもなんとか…耐えられる」ドンッ
マリオ「手加減はするって言っただろ?でも余所見はするなよ、
うんざりする位の攻撃は繰り返すぞ、反撃してみろ!」ダッ
ロゼッタ「わわわっ…や、やってみますっ!」
マリオ「どうしたどうした、そんなんじゃあ
キノコ王国の平和は任せられないぞー!」ズガガガ
ロゼッタ「そのような大役、任された覚え有りませんよ!?」
リンク「…………」メモメモ
クッパ「…………」メモメモ
214
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:59:38 ID:1o4lZnlk
リンク「当たり前のことを言わせてもらうけど、
避ける実力も十分にないのに、剣に対して正面から突っ込むなよー!
冗談抜きで真っ二つになるぞー!俺、みねうちは得意じゃないんだ」ブンッ
ロゼッタ「ひいいいいぃぃっ!手加減の文字はどこに!?」
クッパ「…………」メモメモ
マリオ「…………」メモメモ
クッパ「炎こそが最強!全てを焼き尽くせば解決なのだ!
ロゼッタの実力だと、掠っただけで全身に火が回るかもしれんぞ!
服だけ燃えて裸になるとかは気にしなくていい!体ごと燃え尽きるからな!」ゴオォ
ロゼッタ「きゃあああああああああ――――っ!!
逃げるしかないじゃないですか――!!」タタタッ
マリオ「…………」メモメモ
リンク「…………」メモメモ
215
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:01:20 ID:1o4lZnlk
・
・
・
マリオ「これにて特訓、しゅーりょー!!いやあ、よく頑張ったな」
ロゼッタ「はぁ、はぁ、はぁ…………」チーン
マリオ「いやあ、寝そべってピクリとも動かない」
クッパ「全く、特訓と言えどやりすぎなのだ」
リンク「俺はマリオがピーチに天誅受けないか心配だぞー」
マリオ「それは考えない方針で」HAHAHA
ロゼッタ「…で、では。皆さん、お疲れさまでした。
私は、戻ることに…致します」ヨロッ
216
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:04:08 ID:1o4lZnlk
リンク「あ、そのまえに、ロゼッタ。
最後の保険として、俺からこいつを、大会期間中、貸しておくよ。
マリオからしつこく頼まれたもんでね」
キラーン!
ロゼッタ「……これは、なんですか?
とても美しい、腕輪ですね。吸い込まれそうな…」
リンク「『いにしえのシルバーリング』って言っていう、激レア防具でな。
手首に装着しているだけで、あらゆるダメージを10分の1程度にしてくれる
失われたはずの国宝級産物だ。ゼルダ姫に激怒されそうではあるけどな。
しっかり固定できるから、肌身離さず持っておけ…というか装着しておけよ?」
ロゼッタ「じゅ、10分の1!?反則級ではないですか!
最初からこれをくださいよ!?」スチャッ
217
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:06:34 ID:1o4lZnlk
リンク「装着したところで…突然の騙し討ちぃ!」ブンッ!
ガツンッ!!
ロゼッタ「きゃっ!?ああああ、あぶないじゃないですか!?酷すぎます!」ドサッ
リンク「今の剣戟、痛かった?結構本気出してたけど」
ロゼッタ「……………………痛く、ない」
リンク「よしよし、性能はバッチリだな」
ロゼッタ「あ、ありがとうございます!!」パアア
リンク「呼び止めて済まなかったな、じゃあ、今日はゆっくり休んでくれ」
ロゼッタ「本当に、お世話になりました!」タッ タッ タッ
218
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:11:07 ID:1o4lZnlk
マリオ「…………」
リンク「…………言われた通り、あのリングを渡したけど…さてと」
クッパ「…………それで」
リンク「俺たちのいる場所と…『ロゼッタたち3人が』いる場所、
違うのはなんでだ?」
クッパ「ログに有った『FP(フィギュアプレイヤー)』って…なんだ?」
マリオ「 『Rosalina? 再チャレンジ数:0回(3Dワールド)』 は
いくらなんでも言い逃れできないよなあ…やれやれ…
抱き着くことでばれるとか、本人と同じく、墓穴は掘りやすいんだなあ…」
219
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:13:19 ID:1o4lZnlk
〜1か月以上、前 『とある』フィールド〜
ゼルダ「はああああああっ!!…ちぃっ、びくともしない!
こう、強い力をぶつけることで空間に穴が開いたりしないのですか!?
精神と何とかの部屋みたいに!」バコッ ズドドド・・・
ヒルダ「ゼ、ゼルダ姫。あまり暴れ回らないでください、
体力を、体力を消耗してしまいます!!」アタフタ
ゼルダ「こうしているっ!間にもっ!
私たちの『ニセモノ』が、外で悪事を働こうとしているのですよ!
落ち着いていられるものですか!!」ドガガガ
220
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:14:12 ID:1o4lZnlk
・
・・
・・・
ゼルダ「…!?」
ロゼッタ(分身)「…ああ、ついやりすぎちゃいました」クク
崩れ落ちる、ロゼッタの体。――分身体が、本体を、何故!?
ゼルダ「……貴方!なんてことをするのですか!
…さては分身体として不完全だったのね、生かしておけない。
私の全力、受けてみなさいっ!
ヒルダ姫、緊急事態です!迂闊に動いてはなりませんよ!」
ヒルダ「は、はい!」
ゼルダ「残りの分身のお二人さんも、協力してください!」
ゼルダ(分身)「わかりました!」バッ!
ヒルダ(分身)「ロゼッタを助けるのです!」バッ!
ロゼッタ(分身)「ハ、ハ、ハハハハ――」ブゥゥン
ゼルダ「何をしようとしても、無駄ですっ!!」ダダッ
221
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:19:15 ID:1o4lZnlk
ドゴッ……!!
ゼルダ(分身)「…そう、何をしても、無駄なのです」ニヤリ
まさかの、不意打ち。
ゼルダ「がっ――!?い、一体、なに、を」
ヒルダ(分身)「…くく、うまくいきました。今です!!」
ロゼッタ(分身)「…………空間隔離《エア・ロック》――――っ!!」パアアアア
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・!!
ゼルダ「!?」
ヒルダ「な、なんですかこの――刺さるような空気!?」
222
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:20:40 ID:1o4lZnlk
そのとき、反逆した3人の分身体が、想いも寄らぬ行動に出た。
一目散に、フィールドと外とを繋ぐ出口に駆けていく。
つい一斉に飛び掛かってくるものと思い込み、
所詮は私が本気になれば十分張り合えると冷静に判断したつもりで身構えていた、
なにより倒れたままのロゼッタ本体を放置することも出来ず、反応が遅れた。
一瞬安堵しかけて…………
敵の意図を察して、顔面蒼白になった時には、時すでに、遅し。
バタン、と扉は閉められ――――
おぞましい暗黒の結界によって、扉は姿を失った。
・・・
・・
・
223
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:22:33 ID:1o4lZnlk
ゼルダ「これもそれもっ!ロゼッタ、貴方が無駄に空間魔法を使えるからっ!!
どう落とし前を付けてくれるのですかっ!」クルッ
ロゼッタ「すいませんすいませんすいませーーん!!
絶賛、誠心誠意、解呪に努めさせてもらっておりまーす!!」パアアアアア
チコ「ママを虐めるなー!頑張ってるんだぞー!!」フヨフヨ
チコ「そうだそうだー!!」フヨフヨ
チコ「ママの力になりたいっ!」フヨフヨ
ヒルダ「ロ、ロゼッタも…あんまり無理はしないでください…
病み上がりですのに…」
ロゼッタ「おかげさまでといいますか、してやられたといいますか…
分身体がいなくなった途端に体調不良はコロッと治ったんですよ!
おかげで言い訳にできませーん!」パアアアアア
224
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:25:47 ID:1o4lZnlk
ゼルダ「だいたい、話を聞けば、分身体の魔法レベルは50で頭打ちなのでしょう!?
ずっとレベルが高い本体なら、あっさり解呪できてしかるべきでしょうが!」
ロゼッタ「発動前なら、分身体の空間魔法をインターセプトする位、楽勝ですよ!
でも、今回は既に発動しちゃってるんですよぉー!
秩序を乱すのに比べて、秩序を正すのは恐ろしくコストがかかるんです!
さすが私、空間庭園《スカイガーデン》の無効化までピンポイントで
掛けちゃってくれてますし!!ああもう!!」パアアアアア
ゼルダ「…つまり、どういうことですか?分かりやすく話しなさい」
ロゼッタ「パソコンにパスワードを設定するとしますよね!?
十分パソコンに詳しければ1分でできる行為ですよね!?
じゃあ、悪戯で出鱈目に設定された100桁のパスワードを
同じ達人に『ノーヒントで解いてみろ』って命令して、
1時間で…いえ1日2日でできると思いますか!?
初期化による強引解除も出来ないおまけ付きです!」パアアアアア
ゼルダ「……!!」サアッ
225
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:28:31 ID:1o4lZnlk
ロゼッタ「ここまで『解きにくさ特化』の結界を張られていると、
正直どうしようもありません!試行錯誤するしか――!」パアアアアア
ヒルダ「……そ、そんな。どの程度、掛かるのですか?」
ロゼッタは一瞬息を飲んだ後、重苦しい声で…返す。
ロゼッタ「…単純計算で、ざっと1000年以上。
下手をすると桁数がもっと増えるかもしれません」パアアアア
ヒルダ「」
ゼルダ「」
226
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:30:37 ID:1o4lZnlk
ロゼッタ「…あ、で、でもですね!『ヒントがあれば』ずっと早くなりますよっ!」
一瞬意識を持って行かれたが、ロゼッタの言葉に息を吹き返す。
ゼルダ「…ヒント?」
ロゼッタ「早い話が、私たちが閉じ込められていることに気付いたマリオ達が、
この閉鎖された空間に多少なりとも干渉してくれればいいのです。
それこそ、扉の入り口側を思い切り殴ってくれる…とかでも構いません。
繋ぐべき先の空間の情報を、一気に入手することができます!
大会が終われば間違いなく点検が行われるでしょうから、
私としては最悪でも大会終了時には出られると踏んでいますよ!
私の努力は割と無駄になりますがっ!」パアアアアア
ゼルダ「ホッ、よかった…ここで死ぬことになるだなんて御免ですよ…
……って、よくないですよ!
大会期間中、分身体たちを野放しにするということではないですか!!!」
ロゼッタ「そうなんですよねぇ…………」パアアアア
227
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:35:07 ID:1o4lZnlk
ヒルダ「そ、そんなことよりも、大変です!!」バタバタ
ゼルダ「何ですか!!こんな時に!!
ヒルダ姫も脱出の為に策を講じてください!」ギロッ
ヒルダ「それはそうなんです、けど!
最長で3か月耐えなければならないとして…
ライフラインがあるのは僥倖ですが、食料がありません!!」マッサオ
ゼルダ「あ」
ロゼッタ「あ」パアアアアア
私たちは、一体どうなってしまうのでしょうか――。
228
:
Mii
:2019/10/12(土) 20:53:24 ID:VNNXsmsg
〜3日後〜
ヒルダ「…………」グッタリ
ゼルダ「…………」グッタリ
ヒルダ「…………」
ゼルダ「…………」
ヒルダ「…………おなかが、すきました」グゥゥ
ゼルダ「…………分かりきっていることを言わないでいただけますか?
……余計に空腹感が増すのですが」グゥゥ
ヒルダ「…………」チラッ
ロゼッタ「――――ああ、もうっ!空腹、空腹ですっ!
昔の私なら、この位の食事抜き、全く問題なかったのに!?
自分の体の変化が恨めしいですよ、後悔などありませんがっ!
………………はあああああっ!!!」パアアアア
ヒルダ「…………ロゼッタ、空元気で気合いを高めなくても…
もう、解呪は断念して…体力温存に努めて…ください。
助けが来る前に命を落としてしまいますよ」
ロゼッタ「大丈夫です、残機があるのでっ!」パアアアア
229
:
Mii
:2019/10/12(土) 20:55:22 ID:VNNXsmsg
ゼルダ「…………ロゼッタ。もしかして…勘違いしていますか?
餓死含めて、体調の都合で死亡した場合――
残機があったとしても健康、満腹状態では復活しませんよ?」
ロゼッタ「」ピタッ
ヒルダ「…ど、どういうことですか、ゼルダ姫?」
ゼルダ「それが可能なら、不治の病に侵された人は片っ端から残機を与えたうえで
死んでもらうことが流行りますね。…しかし、無理なことが分かっています。
ピーチ姫いわく、残機復活は、あくまで体の『ガワ』を元通りにするだけです。
もちろん、外傷ならば……治ってめでたしめでたしですが。
今の私たちの場合、餓死からの復活を遂げたとして、
体内エネルギーの枯渇による機能障害は確かに治りますが…
機能障害をもたらした…根本の問題は解決されていません。
復活したそばから、たいした猶予もなく…ふたたび機能障害を起こし始めます」
ヒルダ「…そ、それが延々と繰り返されるのですか…?」ゾッ
ゼルダ「ええ。延々と苦痛に苛まれることとなります。精神に異常をきたしますよ。
よろしいのですか?ロゼッタ?」
ロゼッタ「よろしくないので休憩します」ザザッ
ゼルダ「そうですね、それが賢明だと思います」フッ
230
:
Mii
:2019/10/12(土) 20:57:46 ID:VNNXsmsg
ヒルダ「ロゼッタ…貴方の空間魔法で、なんとかならないのですか?
食べ物を出現させる、とか」
ロゼッタ「できなくはないですけど…」
ヒルダ「そうですよね、流石に無理難題ですよね…………
って、えええええええ!?可能なのですか!?」
ロゼッタ「ちょっと、やってみますね。料理にリクエストはございますか?
そこの机の上に出現させますから」
ヒルダ「え、え、えええ?……………………
………………………………ふわふわ卵のオムライスで」
ロゼッタ「オムライスですね!ふわふわかどうかは分かりませんが…それっ!」パアア
ポンッ!!
ヒルダ「…わああああああ!!ほ、本当に美味しそうなオムライスじゃないですかぁ!
何故、早く教えてくれなかったのですか!!
こ、こ、これは頂いても構わないですか!?お願い致します!」グゥゥ
231
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:00:00 ID:VNNXsmsg
ゼルダ「待ちなさいヒルダ姫!先に私が毒味をして差し上げますっ!」ズイッ
ヒルダ「ああっ!勝手に席に着くだなんて、最低ですよっ!
ゼルダ姫はゼルダ姫で、ロゼッタに何か食べ物を出して貰えばいいではないですか!」
ゼルダ「ふふふ、世の中、弱肉強食なのですよっ!
ヒルダ姫は改めてロゼッタに依頼しなさい!
ああ、そうでしたロゼッタ、スプーンをおひとつ頂けますか?」
ヒルダ「どいてくださいっ!!」
ゼルダ「お断りしますっ!!」
ギャーギャー!
ロゼッタ「あのー、盛り上がっているところ、大変申し訳ないのですが…」
ゼルダ「ああ、スプーンは難しいのですか?
…仕方が有りません、この際、はしたないですが…
殿方には誰にも見られていないですし、手づかみで――っ!」サッ
232
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:02:34 ID:VNNXsmsg
ロゼッタ「それ、私の記憶をもとに構成した……ただの幻影(イリュージョン)ですよ?」
ゼルダ「」スカッ
ヒルダ「じゃあこれに何の意味が!?」
ロゼッタ「美味しそうで、お腹が満たされる…とか?」
ヒルダ「どう考えても余計にお腹がすきますよ!!」
ロゼッタ「結局のところ、空間を切り離されているので、
私のスターピース倉庫を始めとして他のエリアにアクセスできないんですよ…」
ヒルダ「それを早く言ってください…
あと、スターピース倉庫って一体なんですか…………」ガックリ
233
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:05:29 ID:VNNXsmsg
チコ「ぱくぱく」
チコ「もぐもぐ」
チコ「あんまりおいしくないけど、食べ物なら一杯あるのにー」
ヒルダ「……地面や壁を食べて凌げるのなら苦労しませんよ」
ゼルダ「…………」
ヒルダ「…………」
ロゼッタ「…………」
ゼルダ「…………はやく、リンク、来なさいよ…」グッタリ
ヒルダ「…………」グッタリ
ロゼッタ(……私の空間魔法で、木製のものを原子レベルまで分解して、
組み換え直して炭水化物を作る…うん、流石に神の領域ですね、できません!
どうシミュレートしてもエネルギー的に大損になりますし…)
234
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:07:21 ID:VNNXsmsg
ゼルダ「…………」
ヒルダ「…………」
ロゼッタ「…………」
ゼルダ「…………」
ヒルダ「…………」
ロゼッタ「…………」
・・・・・・
チコ「……………………あれ?今、何か、音がしなかった?」
ロゼッタ「気のせいじゃないですか?私たち以外、誰も――」
235
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:10:06 ID:VNNXsmsg
ガタンッ!
ゼルダ「…………確かに、あちらの部屋…仮眠室の方から聞こえましたね。
初日にちょっと覗いたくらいで、利用はしませんでしたけど」
ヒルダ「更に扉をロックされて狭い部屋に閉じ込められてはたまらない…って
無意識に思っていたみたいです。皆さんも同じですか?」
ロゼッタ「はい」
ゼルダ「ええ」
ヒルダ「…………何の音だと、思います?」
ロゼッタ「時間差で働くトラップを仕掛けられていた、とか」
ゼルダ「…あり得ますね。正直、今の私たちの状態では――
スマブラでいうところの平均的な強さのファイター1人を仕掛けられた程度でも、
まず…まともには、張り合えません」
236
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:12:55 ID:VNNXsmsg
ヒルダ「ど、どうするのですか!?」
ゼルダ「ヒルダ姫、声を落としなさい。ばれてしまいますよ。
……一か八か、扉の前で待機して、不意打ちを仕掛けましょう」ヒソヒソ
ロゼッタ「それを敵が察知して、中々現れずに膠着状態に入ったら…?」ヒソヒソ
ゼルダ「……そうなれば、疲労困憊のこちらが先に倒れてしまうのは自明の理。
10分待機して動きが無ければ、逆にこちらから特攻する…という作戦で行きましょう。
ファイターなら、何が何でも殲滅。初撃が運命の全てを左右します。
爆発物、有毒物の類なら、速やかに翻して反対の部屋に駆け込む。
ロゼッタ、可能ならば空間魔法で…扉の向こうに押し戻すなり、
隔離するなり抑制するなりしてください。方法は問いません」
ロゼッタ「――――っ、わかりました。それで、問題は有りません。
それではここからは無音で行動しましょう」
ヒルダ「…そん、な。わ、わたくし、まだ覚悟が…!」
心が痛みますが、泣き顔のヒルダ姫の口を、手で素早く押さえます。
まだしばらく、ひっくひっくと悲しみに暮れていましたが、30秒ほどして…
ようやく、震えも弱まり、落ち着いてくれました。
237
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:14:57 ID:VNNXsmsg
音を立てずに、3人で、扉の傍に近寄ります。
扉は、向こう側に開く、一般的な片開きタイプ。
不意打ちが扉に邪魔されることはありません。
幸い、この間に襲撃されずに済みました。…助かりました。
気配が、悠々と近づいてくるのがわかります。
小物がゴトンと落ちた音、とかなら杞憂で済んだのですが、
そうは問屋が卸さなかったようです。
気配が、扉のすぐ奥までやってきました。
ゼルダ姫とヒルダ姫に、アイコンタクト。理解したのか、すぐに頷きが返ってきます。
さあ、正念場が――。
がちゃり。
扉が、ギイイイと開いていき――
238
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:17:35 ID:VNNXsmsg
ゼルダ「はあああああ――――っ!!」キランッ!
ロゼッタ「やあぁ――――っ!!」パアアアアッ!
ヒルダ「て、てやぁ――――っ!!」ピカーッ!
デイジー「グッドモーニーング!呼ばれて飛び出てお邪魔しまゴフゥッ!?」グサーッ
ゼルダ「……あら?」
ロゼッタ「…えっ」
ヒルダ「……あ」
ありったけの魔法を食らい吹き飛んだのは……
まさかまさかの、デイジー姫だったのでした。
239
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:19:58 ID:VNNXsmsg
すったもんだして、落ち着きを取り戻して。
とりあえず、危機なんてものは、はなからなかったみたいです。
そして…ゼルダ姫が、頭を抱えています。
ゼルダ「変装して受付の眼を欺いて適当なフィールドに潜り込んだはいいものの、
3徹した反動で――――3日間寝てた…ですって?正常ですか?」
デイジー「そーそー!私も驚いたよ、目が醒めてみたら!
時計の日付表示が3日も進んでいるんだもん!」
ヒルダ「か、仮眠室はちらっと覗きましたけれど、
デイジー姫の姿など見えませんでしたよ?」
デイジー「ははは、デイジーでいいって。よろしくね、ヒルダ。
うーん…3日前はフラフラだったからよく覚えていないけど、
確か…なるべくばれないようにって思考に従うままに、
若干ホコリっぽいベッドの下で寝てたからなあ。
改めて考えると、自分でも頭がおかしいとしか思えないね」
ヒルダ「え、えええ…………」アキレ
240
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:21:43 ID:VNNXsmsg
――拍子抜けしてしまいましたが、まずは。
――デイジー姫に、現状の厳しさを伝えねば、なりません。
ロゼッタ「実は、いま、私たちは…私の分身体たちの反逆によって、
このフィールドに閉じ込められているのです。
巻き込んでしまい、本当に申し訳ございません」
デイジー「え、ええ、えええええええ!?
そんな大変なことになってるの!?ってか、分身体ってなに!?
ロゼッタ、とうとう影分身を使えるようになったの!?」
ロゼッタ「実分身です」
デイジー「名前は変えたけど、実際の所は影分身だったりするんだよn」
ロゼッタ「実分身です」
241
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:25:58 ID:VNNXsmsg
デイジー「…あ、うん。わかった。わかったからそんなに睨まないで。
うわ、あのおどろおどろしい結界がそうなのかー。
それで、脱出するメドはあるの?も、もちろんあるよね?ねっ?
私、スマブラ大会に参加したいってひたすら思った挙句に
ここまで素っ頓狂なことをやってきたんだけれど」
ロゼッタ「今の所、大会終了まで出られそうにありません…
重ね重ね、申し訳ございません…」
デイジー「そんなぁ!?せっかく苦労して苦労して潜りこんだのに!?」
うがーっと頭を抱えて天井に叫ぶデイジー姫。
ある意味呑気なデイジー姫を、ゼルダ姫とヒルダ姫が
何いってるんですかこの人は、という目で見やります。
…私は思っていませんよ。…多分。
242
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:27:38 ID:VNNXsmsg
ゼルダ「そんなことは今はいいでしょう!このままでは飢え死にしてしまいますよ!」
デイジー「…え?なんで?」
ゼルダ「本当に頭、大丈夫ですか!?このフィールドに、食料が一切ないからです!
もう3日間も、食事を摂っていないのです…………よ…………!」グゥゥ
デイジー「私もスマブラ大会にそこまで詳しくないし、聞いただけの話なんだけど、
フィールドのルールを『アイテム:おおい』にして
食べ物を召喚し続けて、それを食べればいいんじゃないの?
ちょっとアイテムスイッチを探してみるね」タタタッ
ゼルダ「えっ」
ロゼッタ「えっ」
ヒルダ「えっ」
チコ「……?」フヨフヨ
243
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:31:41 ID:VNNXsmsg
ゼルダ「…………」モグモグ
ヒルダ「…………」モグモグ
ロゼッタ「デイジー姫、本当に、本当に助かりました」モグモグ
デイジー「いいのいいの。というかゼルダ、アンタは気付きなさいと言いたい。
普通に前回も出てたでしょ。頭、大丈夫ー?」ニヒヒ
ゼルダ「アイテムありのルールなんて知りません」ムスッ
デイジー「あー、まー、そうか。大会中は基本『アイテム:でない』だって話だからね、ごめんごめん。
とりあえず、食べ物とマキシムトマトだけをひたすら出るように設定しておいたから。
これで飢え死にすることはなくなるはずだよ」
ロゼッタ「何から何まで…ありがとうございます」ペコリ
ゼルダ「ま、まあ。礼は言っておきます。ありがとうございました」
ヒルダ「本当にありがとうございました、ふふ、美味しいです…!」パクッ
244
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:34:03 ID:VNNXsmsg
デイジー「あと、『アレ』も」ビッ
ロゼッタ「『アレ』……?」クルリ
激辛カレーライス×4「冷める前に食ってくれ」ドサッ
ロゼッタ「…あ、あれは遠慮したいのですが」
デイジー「まあまあ、そんなこと言わずにー!捨てるだなんて勿体ないよ!」アハハ
ロゼッタ「か ら あ い!!」ボオオオオオオオ
ゼルダ「きゃああああああ!!」ボオオオオオオ
ヒルダ「水、み、みず―――――!!」ボオオオオオ
デイジー「あはははは!」ボオオオオオ
245
:
Mii
:2019/10/16(水) 05:58:45 ID:mzEHWB1E
――食後のコーヒーで一息、なんて気の利いたものはありませんが、
――とりあえず食べられるだけ食べて、小休憩。
――デイジー姫はのほほんと、他の皆は、皮一枚繋がったことを噛みしめて。
物思いに、耽る。
冷静になってきて、ようやく考えるべきことを思い出しました。
まず、デイジー姫には、事の顛末をしっかりと伝えます。
私がメインで話し、ゼルダ姫とヒルダ姫が時折、補足説明をする。
時に呆れ、時に驚きながら、彼女は耳を傾けてくれました。
デイジー「そ、そんなことになってたんだ…ロゼッタもついてないね…」
ゼルダ「ロゼッタは自業自得ではないですか。
一番ついていないのは、巻き込まれた私とヒルダ姫なのですが」
ロゼッタ「うぐっ」
ヒルダ「…ゼルダ姫、大人げないですよ」
デイジー「ないわー。その言い方はないわー」
ゼルダ「…じょ、冗談です!」
ロゼッタ「いえ、間違いではないので…申し訳ございません」
246
:
Mii
:2019/10/16(水) 06:03:09 ID:mzEHWB1E
デイジー「ときに、ロゼッタ。こうなっちゃった、そもそもの原因って
推測が立ってたりするの?」
ロゼッタ「…分身体を作れば作るほど私の体調が顕著に悪くなったところからして、
最初は空間魔法にだけ反応する呪いみたいなものを掛けられたと思いました。
ですがそれだと、今の私が快調なことの説明が付きません。
実は、解呪がてら、このあたりの空間を解析することができたのですが。
……ほんのわずかですが、淀んでいますね」
デイジー「淀んでる?」
ロゼッタ「簡単に言うと、『思念魔素』が薄く漂っているといいますか…」
ヒルダ「簡単ってなんでしょう」
デイジー「できればキノコ王国の言葉で教えてほしいなあ」
ゼルダ「ハイラル王国かロウラル王国の言葉でも全然かまいませんよ」
247
:
Mii
:2019/10/16(水) 06:06:47 ID:mzEHWB1E
ロゼッタ「ええっと…ナノレベルの微細物でありながら、散布者の組み込んだ、
簡単なプログラムに従って集合や離散、周囲への干渉を行う物の総称、ですね」
ゼルダ「っ!?」バッ
ヒルダ「っ!?」バッ
ロゼッタ「…別に、口を押さえたところで意味がないですよ?
皮膚からでも余裕で取り込まれるサイズですし。
それに、悪さをするならとっくに体がおかしくなっています。
時間差で発動するような高度なプログラムは仕込めないので。
というわけで、一般には…さして影響のない存在ですね」
デイジー「まあ、そんなことだろうと思ったよ。ロゼッタ落ち着いてたし」
ゼルダ「いつも思いますが、デイジーは暢気すぎますよ」
ヒルダ「…逆に言うと、ロゼッタには思いっきり干渉する代物だったのですね?」
ロゼッタ「そのよう、ですね。実分身を使っているうちに体中に纏わりつかれて、
コンディションの著しい低下を招いたようです。気持ち悪いですね…。
幸い…と言っていいのか分かりませんが、今は――
用済みとなったからなのか、私の体には、皆さんと同じ程度の思念魔素しか
残留していませんが」
デイジー「…よし。事が全て済んだら、空間もろとも――私たちの体、ロゼッタの魔法で浄化してほしいんだけど。
無害と分かっていても気味が悪い」
ロゼッタ「は、はい。承りました」
248
:
Mii
:2019/10/16(水) 06:11:56 ID:mzEHWB1E
ゼルダ「で、肝心の事件の犯人は分からない、ということでよろしいのですね?」
ロゼッタ「…はい。ある程度の空間魔法の使い手、ということと、
膨大な量のFPを所有する者、ということくらいしかわかりません」
ゼルダ「膨大な量のFP?」
ロゼッタ「思念魔素って、陰で悪さをする上で非常に便利なのは確かですが、
寿命が短くすぐ霧散してしまう、強力な威力を持たせられない、
空間が大きくなるほど必要量も比例して多くなる…と
デメリットも相当大きいのですよ。
そんな代物を、おそらく――あちこちのフィールドにまき散らして
獲物が掛かるのを待っていられる。
FPを湯水のように使える術者でなければ、とてもできない芸当です」
ヒルダ「…そこまでして、一体何がしたかったのでしょうか」
ロゼッタ「…まず間違いなく、空間魔法に秀でた者を戦力として探していた、
というところでしょう。それで、私の実力が眼鏡にかなったと」
ヒルダ「さすがロゼッタです!」
ロゼッタ「ふっふっふ」
ゼルダ「調子に乗らないでくださいます?」バシッ
ロゼッタ「すいません!」ババッ
249
:
Mii
:2019/10/16(水) 06:19:20 ID:mzEHWB1E
デイジー「…………犯人、わかったかもしれない」
――デイジー姫のその一言が、私たちを黙り込ませました。
ゼルダ「……犯人に、心当たりが?」
引き締まった顔のゼルダ姫に対して――デイジー姫は、一息おいて、話し始めます。
デイジー「ピーチが、言ってた。前回の大会で。おまけに私も会場で観戦してたし。
『亜空の使者事件』っていう事件がキーになると思うな」
250
:
Mii
:2019/10/16(水) 06:23:21 ID:mzEHWB1E
ロゼッタ「別空間に誘う者――『タブー』!?
そんな存在が前回大会で――!」
ヒルダ「大変じゃないですか――!」
ゼルダ「まさか、そんなことが起こっていただなんて――!」
デイジー「いい加減にゼルダは反省しろと言いたい。
アンタ、前回大会で何やってたねん」
ゼルダ「」
ロゼッタ「なるほど、そこまで大がかりなことができる敵なら、
膨大な量のFPを持っている…というか他所から持ってこられることは
十分に考えられますね。とりあえず、『黒』にしておきましょう――」
デイジー姫から頂いた貴重な情報をもとに、これまでを振り返って分析します。
敵側の描くシナリオが、おぼろげながら見えてきました。
251
:
Mii
:2019/10/16(水) 06:28:47 ID:mzEHWB1E
ロゼッタ「では、私の仮説を披露させて頂きます。
前回大会で大いに暴れようとしたものの、マリオ達によって倒されたタブー。
倒し切ったと思いきや、潜伏状態で生き延びて、
野望を捨て切れないからか、はたまた恨み、復讐心からか…
大会会場で虎視眈々とチャンスを伺っていました。
しかし、このまま単独で挑んでは勝ち目は薄いと判断。
自分の能力を補強できる空間魔法の使い手を手駒にして
攪乱させることを目論みました。
無尽蔵のFPを糧に、着々と準備を進めます。
大会が開かれず警備が薄いことが災いし、誰も思念魔素に気付きません」
デイジー「いやまあ、それに気づくのはロゼッタか――
キノコ王国の誇る最新技術くらいだと思うけど。
常人に気付けというのは酷っす」
252
:
Mii
:2019/10/16(水) 06:34:45 ID:mzEHWB1E
ロゼッタ「そして大会直前、空間魔法を繰り出し続ける私に目を留めます。
おまけにカンペキな分身体まで作れるとくれば、
攪乱に使ってくれと言っているようなもの。
いやぁ、我ながら気前のいいことをしてしまいましたね!
敵に塩どころか兵糧と作戦ノートと金塊を送っていますね!
あとは、頃合いを見計らって本体と入れ替わり、
ついでにラッキーということでゼルダ姫やヒルダ姫もすり替えて。
ゼルダ姫が強いことは分かっているため、下手に戦うよりは
本体たちを隔離しておいてとっとと離脱した方が賢い、という判断をして。
…もしも私が敵の立場だったら…そうですね。
フィールドから出た後、何事もなかったかのように皆と合流しつつ、
仕掛けを着々と施す一方で空間魔法を使った選手同士の仲違いを狙い、
不信感が募りに募ったところで仕掛けの方が準備万端、
一斉始動させて、してやったり…みたいなシナリオを描くと思います」
デイジー「えっと、ロゼッタが考えるってことは、コピー先の偽ロゼッタが
考える可能性も高い作戦だってことでいいかな?」
ロゼッタ「実際には、私の思考回路とタブーの思考回路が合わさっていますから、
より効果的な解が出ていることも考えられますが…」
デイジー「そっかぁ…中々、安心できる要素がないね…」
ゼルダ「状況を理解すればするほど、私達の偽者が間者として暗躍するなんて、と
目の前が真っ暗になっていくのですが…」
ヒルダ「…………うう」
253
:
Mii
:2019/10/16(水) 06:39:43 ID:mzEHWB1E
――沈み込む皆さん。ただ、沈ませっぱなしの私ではありません。
――振り払ってしまえるよう、ある提案をしてみます。
ロゼッタ「デイジー姫、お願いがあります。
――――私たちを、鍛えて頂けませんか」
デイジー「…………はい?」
突拍子もないことを言われたからか、目をぱちくりさせるデイジー姫。
でも、意図はあるのです。
ロゼッタ「いますぐに、脱出できない。大会が終わるまで、釘付け状態。
…このままでは敵の言いなりです。あまりにも悔しいではありませんか。
せめて――敵の裏をかいてやる、最大限の努力をするべきだと思います。
そのうえで一つ、大きな、かなり大きな期待要素があります」
デイジー「え、なになに?何か希望を見つけたの!?」
ロゼッタ「ええ。私の力というより、思いっきり運によるものですが。
とりあえず、タブーの知識量は置いておいて…
分身体は、その他には、分身体を作った瞬間の私の知識しかありません」
デイジー「そりゃあ…そうでしょ?」
ロゼッタ「つまり、立てられる作戦も、そのときの私を基準としたものになります。
その後に私が知った情報について、分身体は考慮することができません。
そこを衝けば、敵の作戦の裏をかくことができるはずです」
254
:
Mii
:2019/10/16(水) 06:45:55 ID:mzEHWB1E
デイジー「えっと、何かめぼしい新情報ってあったっけ?」
ヒルダ「…とりあえず、私達が十分生きられそうな環境が整ったというのはありますね。
でも、どのみち脱出できないのでは敵への干渉のしようが…」
ゼルダ「…ああ、そういうことですか。一番のイレギュラーがありますね」
デイジー「イレギュラー?」
ゼルダ姫と二人して、同じところを見つめます。
…見つめられた「彼女」が、再び目をパチクリ。
ロゼッタ「デイジー姫の存在ですよ」
デイジー「……ほへ?私?」
私は大きく頷きます。まさに僥倖、運はまだ残っているようです。
255
:
Mii
:2019/10/16(水) 06:50:46 ID:mzEHWB1E
もちろん、ゼルダ姫やヒルダ姫がこれからもたらしてくれる知識が、
敵の裏をかく要因になることも多少は考えられます。
ゼルダ姫やヒルダ姫の姿を象った分身体と言えど、知識まで彼女たちのものを
持っているわけではないので。所詮、知識ベースは私なのです。
ですが、分身体の私は、少なくとも――
「本体の私が、ゼルダ姫やヒルダ姫の知識を参考にするだろう」
という推測は、当然ながら立てているはずで、対策もしているはず。
つまり、あまり出し抜くことが期待できません。
その一方で、デイジー姫のことは、あの感じだと…
仮眠室でくぅくぅ寝ていることなど、まるで知らなかったことでしょう。
空間魔法探知に躍起になるあまり、通常の索敵ができなくなっているというのは
なんだかシュールです。…大助かりですけれどね。
言うなれば――デイジー姫を皮切りにした作戦は、裏をかき放題です。
256
:
Mii
:2019/10/16(水) 06:54:02 ID:mzEHWB1E
デイジー「だからって、どうして私が鍛えることになるの?」
ロゼッタ「ではひとつお尋ねします。真剣に答えてください――」
デイジー「…………うん」ゴクリ
ロゼッタ「実は、ここから抜け出す裏口みたいなものをご存知だとか!」
デイジー「ふっふっふ、実はこう見えてフィールド設計の内部事情に詳しくて…
って、なんでやねーん!」ビシィ
ロゼッタ「でしょう?」
……まあ、さすがにそこまでご都合主義とは思っていません。
冗談であることをさすがに理解しているのか、ゼルダ姫もヒルダ姫も、
とやかく言うことはありませんでした。
ロゼッタ「ですから、愚直に、単純明快に――
デイジー姫には、私達のレベルアップの手助けをしていただけないかと。
相手が想定するよりずっと早いペースで力を伸ばすことで、
強引に結界を破る総合力、あるいはブレイクスルーとなる新技…
それらを得ることに期待するのです」
257
:
Mii
:2019/10/16(水) 07:00:18 ID:mzEHWB1E
デイジー「本当に地道だね…。うーーーん。
…………でも、期待されているところ悪いけれど、
この中でいうと私って…ゼルダとどっこいどっこいの実力しかないよ…?」
ヒルダ姫は、そうなんですか、と言いたげな顔。
ゼルダ姫も、うんうん、と頷いています。
…………そ、そんなゼルダ姫には、すこし耳障りな話を、しようとしているのですが…。
ええい、現状打開のためです!思い切りが大事です!
258
:
Mii
:2019/10/16(水) 07:06:35 ID:mzEHWB1E
ロゼッタ「…………それって、本当に本当ですか?
実際は、ゼルダ姫の数倍強かったりしませんか?」
ゼルダ「…は?」イラッ
デイジー「…え?いきなり何を藪から棒に。
ロゼッタも知ってるでしょ、私、ピーチに負けまくってるじゃない。
冗談はやめてよー」ケラケラ
ロゼッタ「以前、ピーチ姫に伺ったことがあるのですが…」
デイジー「え、何を……?」
259
:
Mii
:2019/10/16(水) 07:09:21 ID:mzEHWB1E
・
・・
・・・
ピーチ「ふわぁ…今日も平和ね…平和が一番」
ロゼッタ「これも、ピーチ姫の日頃の努力の賜物ですよ」
ピーチ「ふふ、ありがと。まあ、一大事にはマリオ達が駆けつけてくれるし、
なんだかんだ言ってクッパは協力的だし、それほど憂いがないってのは
大きいと思うけれどね」
ロゼッタ「1人でこなす仕事量が半端ないことくらい、とっくに知っていますよ…。
他の誰が代われるっていうんですか…」
ピーチ「あー、それはそうかもしれないわね、我ながら」
ロゼッタ「ちなみに、仮に今、クッパが本気でキノコ王国を侵略しに来たら
キノコ王国としてはまずいことになるのですか?
あんまり戦力関係を理解できていないのですが」
ピーチ「…王国のトップに、無邪気な顔して何て話題を振るのよ。
そうねえ、王国内に戦力を潜伏されてからの不意打ちだとしたら、
正直な所、王国が半壊してもおかしくないけれど。
そんな卑怯なことは流石にしないだろうから、
宣戦布告のうえで陣取って全面戦争するとして…
結構な痛み分け、くらいの表現ね。まあ耐えられるとは思うわ」
260
:
Mii
:2019/10/16(水) 07:13:22 ID:mzEHWB1E
ロゼッタ「仮に今、マリオが催眠術で操られるとかで――
キノコ王国に反旗を翻した場合はどうでしょうか?」
ピーチ「え、なに?ロゼッタ、キノコ王国つぶしたいの?
なんだったら牢屋に放り込んであげましょうか」ユラア
ロゼッタ「めめめ滅相もない!申し訳ございません!」
ピーチ「マリオが反逆、かあ。それはもう、大変なことになるわね。
王国の弱点という弱点、知り尽くしてるし。
なにより、マリオとルイージが引いた配管系、何万本あると思ってるのよ。
その気になれば、全部を計画暴走させて、可燃ガス有毒ガスばら撒いて…
王国木っ端微塵とかにでもできるんじゃないかしら…うわぁ」
ロゼッタ「うわぁ」
261
:
Mii
:2019/10/16(水) 07:24:13 ID:mzEHWB1E
ロゼッタ「ま、まあ…そんなことあり得ませんし、他の方でそれほど強者などいませんし。
キノコ王国も、ピーチ姫の御身も、至極安泰ということですね!」
ピーチ「目の前の貴方が不穏なIFを提示してくれていることを除けばね。
…………あ、私の命については、そうでもないか」
ロゼッタ「…え、えええ?倒したつもりだけれども復活が恐ろしい敵が、
まだまだいる、とかですか?ディメーンのときみたいに」
ピーチ「いいえ、当然ながら、今は普通に味方の人の話よ?」
ピーチ姫は、小さく笑いながら…
ピーチ「もしも――――
デイジーに本気で憎み恨まれて、1対1の状況を見計らって襲われたら、
私の命は1時間…いえ、10分も持たないと思うわ。間違いない、うん」
絶句する私に、ピーチ姫は笑い続けながら、こう続けました。
――もしかしてロゼッタ、私の方が一回りも二回りも…
――いえ、その感じだと五回りくらい強いって思い込んでた?
――本気を出したときのデイジー、おっそろしく強いわよ?
262
:
Mii
:2019/10/16(水) 07:28:03 ID:mzEHWB1E
・・・
・・
・
ロゼッタ「……と、ピーチ姫が話されていたので。
どういうわけか、そのあと急に『今の話は忘れてちょうだい』と
あたふたされていましたが」
デイジー「…………ピーチめぇ」ボソッ
デイジー「…コホン。それ、ピーチがロゼッタを驚かせようと思って、
テキトーにでっち上げたホラ話だよ、気付いてないの?
私がそんなに強いわけないじゃーん、おっかしー」
ロゼッタ「神に誓って言えますか?」
デイジー「言えるともさ!」フフン
ロゼッタ「任天堂に誓って言えますか?」
デイジー「……………………いいいいいいいいえると、ともさ!」ダラダラ
263
:
Mii
:2019/10/16(水) 07:29:15 ID:mzEHWB1E
ロゼッタ「嘘を付いてしまうと冒険ができなくなるかもしれませんよ?」ハクシン
デイジー「ロゼッタの鬼ぃぃぃぃ――――!!」
ゼルダ「」
ヒルダ「」
264
:
Mii
:2019/10/16(水) 07:31:19 ID:mzEHWB1E
デイジー「…………いやいや、ロゼッタ、ここは落ち着こうじゃないか。
私は、そうだね、本気を出すとちょっとは強くなるかもしれない、
それは認めてあげようじゃないか。嘘を付いてごめんね?
でもね、このチカラは厄介なことにね、すっごくリスクを伴うんですわ。
いわゆる『軽くヤバイ』ってやつ?そうそう、それだよ。それなんだよ。
とりあえず救助待ちができるこの状況で、行使するようなものじゃないっす。
おとなしく救助を待ってようよ、ね?それが賢明、最適解だよ。
もちろん、普通の範囲で特訓に参加するのは全然かまわないからさ?
別に手を抜いているわけじゃないよ、総合的に判断してこう言ってるんだ。
一時的に効果があっても、みんなすぐに後悔する羽目になるよ?
というか私が後悔するので絶対使いたくないし使わない、おーけー?どぅーゆーあんだーすたん?
ロゼッタはちょっとドジかもしれないけど、賢いからわかってくれるよね?
ゼルダはハイラルって言う大国を統治する者として、冷静な判断できるよね?
できないなら大人しく引退してリンクの尻を追っかけてるといいよ。
ヒルダはいい勉強材料として、落ち着きの有難みを理解しなきゃ駄目だよ!
いやあ、ロゼッタが変なこと言うもんだからすっかりお腹がすいちゃったよ。
よし、もっと何か食べようか!よーし食い倒れるぞー!
激辛カレーライス、一番多く食べた人が勝ちってことでどう?
よーし燃えてきたぞー!」
ロゼッタ(溢れんばかりの凄まじい拒絶の意志を感じる)
怒涛の勢いで捲し立てるデイジー姫に気圧されて、この日はお開きとなりました。
…デイジー姫に気圧されて、食い倒れ大会をやってから。
仮眠室でみんな横になりましたが、唇がヒリヒリします…………。
それにしても……。
265
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/10/20(日) 18:05:41 ID:kTeQvGU6
〜翌日〜
ガチャッ……
デイジー「おはよー!みんな、よく眠れた?
昨日は、私の勝手な食い倒れ大会に巻き込んじゃってごめーん!
さてと、朝日は特に見えないけど…今日も張り切って、脱出に向けて頑張ろう!」
ロゼッタ「――――」ヒソヒソ
ゼルダ「――――」ヒソヒソ
ヒルダ「――――」ヒソヒソ
デイジー「……3人して小声で、私をのけ者にして何話してるの?」
ロゼッタ「…………あ、いえ、なんでもありません!おかまいなくおかまいなく!
さあ朝食としましょうか!」タタタッ
ゼルダ「ほぼお腹は空いていないのですけれどもね…デイジーは気にしないでください」
ヒルダ「そ、そうです。つまらない話をしていただけですから」
デイジー「…ふーん?」ハテ
266
:
Mii
:2019/10/20(日) 18:11:41 ID:kTeQvGU6
ゼルダ「ハンバーガーにピザにローストチキンにドーナツに……
正直、油がきつすぎるラインナップですね…ジャンクフードが多い…」
デイジー「パーティっぽくて私は結構好きだけどね、こういうの。
パーティといえば、マリオパーティでよく見かけるかな、うん。
確かに飽きやすそうではある」
ヒルダ「体に悪そう……ランダムで出現するに任せているので
仕方がないのですが……冷蔵庫もないことですし、食べてしまいますか…」
ロゼッタ(あ、でも最近の私としてはカロリーの心配は全くしなくなりましたね)
ロゼッタ「とりあえず…マキシムトマトを使ってトマトジュースを作ってみました。
少しはサッパリして口直しとなればよいのですが」
デイジー「お、気が利くじゃーん!ありがとー!
あとは果物がいくつか湧いてくれると、なおありがたいんだけどね。
それでは席について…いただきまーす!
さっそく、そのトマトジュースを頂くね。…牛乳ビン?まあ、いいか」サッ
267
:
Mii
:2019/10/20(日) 18:17:20 ID:kTeQvGU6
ロゼッタ「ところで、デイジー姫……」
デイジー「んー?」ゴクゴク
〜ケース1 単刀直入に頼み込んでみよう!〜
ロゼッタ「昨日話に出た『本気のチカラ』、私達に披露してくださいっ!」
デイジー「ぶふぉっ」ブハッ
ゼルダ「神回避っ!!」ズサーッ!!
ヒルダ「きゃああああああっ!?トマトジュースがぁ――っ!!
私になすり付けておいて神回避だなんて言わないでください――っ!!」
268
:
Mii
:2019/10/20(日) 18:19:56 ID:kTeQvGU6
デイジー「……ごほごほっ」
ロゼッタ「…………」キラキラ
ゼルダ「…………」
ヒルダ「体中が真っ赤なんですけど。洗いたいんですけど」ポタポタ
デイジー「いやいや、ウチ断るって言うたやん」
ロゼッタ「色々と事情はあるのでしょうが、そこをなんとか!
私達を助けると思って!」
デイジー「ぜ っ た い 嫌!」
ゼルダ「まあ、私を遥かに超す力というのはハッタリでしょうがね。
そんな力、デイジーにあるわけがない」
デイジー「言い方がなんか癪だけど、ゼルダの言う通りだよ。
大したこともないし、期待するだけ無駄、無駄。
諦め給へ、ロゼッタくん」
ロゼッタ「ゼルダ姫はどちらの味方なのですか!?」
269
:
Mii
:2019/10/20(日) 18:26:52 ID:kTeQvGU6
〜ケース2 論破してみよう!〜
ロゼッタ「私、思うんです」
デイジー「何を?」
ロゼッタ「何だかんだ拒絶しながらも、デイジー姫は…私達が空想妄想するしかないチカラについて、
リスクだとか使用条件だとかを少しずつ説明してくれていますよね?
本当に使う気がないなら、一切合財無視しておけばいいだけというのに。
これは、あれですよ。深層心理で、自分自身が持てあますチカラとやらについて、
周囲に理解してほしい、受け入れてほしいという想いがあって、
自分を言いくるめてみなさい、という立場を取って、
私達に試練という名のチャンスを与えてくれているのですよ。
合ってます?合ってますよね!
さあ、デイジー姫のチカラ、私達は忌み嫌ったりなどしません。
すべて受け入れますから、思い切って使って見せてください!」ドーン!
デイジー「妄想乙」ハッ!
ロゼッタ「鼻で笑われました!?」
ヒルダ(手強いですね)
ゼルダ(というより、ロゼッタの演技が微妙過ぎて…
デイジーにクリティカルヒットしないというのも大きくないですか?)
270
:
Mii
:2019/10/20(日) 18:30:40 ID:kTeQvGU6
〜ケース3 罰ゲーム化してみよう!〜
デイジー「…その、牛乳ビンに入った…棒?は何なのかな?」
ロゼッタ「あ、はい!キノコ王国で余興として流行っているという、
『王様げーむ』というものをやってみたいなと思いまして!
この面子だと『女王様ゲーム』に改名した方がいいかも知れませんが、
野暮なツッコミは無しということでお願いします!」
ゼルダ「わあ、面白そうですねー」
ヒルダ「さっそく4人でやってみましょうー」
デイジー「…………」
4人「「「「王様だーれだ!!」」」」スッ
デイジー「…の前に、空間魔法で棒のすり替えくらい楽勝と思われるロゼッタと、
棒の交換を要求しまーす。確認してないからいいよね?異論は認めない」ガシィッ!
ロゼッタ「」
ゼルダ「あ」
ヒルダ「あ」
271
:
Mii
:2019/10/20(日) 18:36:14 ID:kTeQvGU6
デイジー「はーい、王様、わたしー!」パーン
ロゼッタ「そ、そ、それで、デイジー姫。どんな命令を出しますか?
ちょ、直接名前で指定しての命令は駄目ですよ?
全員が対象になってしまったり、特定の人を狙えるような命令の仕方も駄目ですよ!」ダラダラ
デイジー「そんなのはいいから、私にチカラの行使を迫るような命令は今後一切禁止ね」
ロゼッタ「な、なんのことでしょう?ははは…」
デイジー「……あれ、引き下がってくれないのー?別の命令に変えろって?」
ゼルダ「ま、まあ、こじつけでもなんでもいいからなりふり構わず、という状況なので…」
ヒルダ「身も蓋もありませんけれどね、ふぅ…」
デイジー「…………………………よーし、じゃあ。命令を実行する番号はすぐ後に発表するとして。
先に、罰ゲームの内容から宣言しちゃうぞー。マジでやらせるからねー。
私がこの命令を言い終わった瞬間から、フィールド外に無事脱出して、
タブーを倒し切るその瞬間まで、周囲の人たちになんと言われようとも、
ガン見されようと写真を撮られようと、下着含めた一切の衣服を身に付けずに行動するk」
ロゼッタ「さあ特訓の続きに戻りましょうかぁ!!!」ダダダッ
ゼルダ「全くですね!!急ぎましょう!!」ダダダダッ
ヒルダ「こんなことをしている暇ではなかったですねっ!」ダダッ
デイジー「…………やれやれ」
272
:
Mii
:2019/10/20(日) 18:41:32 ID:kTeQvGU6
〜ケース4 脅してみよう!〜
スッ…。
ロゼッタ「…………こうなったら、私も、賭けに出ます」
デイジー「な、なにを。危ないよ、ナイフなんて首に当てて!」
ロゼッタ「チカラを使ってくれなければ…もはや光明を見出せません。
思い直せば、私が原因で皆を苦しめてばかり。
私、状況に…自分自身に、絶望しました。この命、絶ってしまおうと思います。
デイジー姫、これまで色々と…お世話に…なりました」
デイジー「…………」
ロゼッタ「…………さあ」ゴクリ
デイジー「いや、『さあ』じゃないよ。ちょっとは驚いたけど…冷静になったらさ、
そんな勝手な暴挙に出られてもロゼッタのことを見損なうだけなんだけど」
ロゼッタ「えっ」
デイジー「というよりですね。今更、料理用のナイフごときで致命傷を受けるとも思えないし、
なにより万が一の際は残機で復活するじゃないですか」
ロゼッタ「それもそうでした」
デイジー「…ほんと、ロゼッタはドジだなあ。頭に血がのぼってきたよ」ピキピキ
ロゼッタ「ごめんなさいごめんなさい」ガクガクブルブル
273
:
Mii
:2019/10/20(日) 18:44:31 ID:kTeQvGU6
・
・
・
・
ズドドドドッ…………。ズガガガガ――――ッ!
デイジー「ゼルダ、さっきの攻撃、いまいち連結が上手くいってないっぽいよ。
着地硬直の解除も甘い。ゼルダならもうちょっと改善できるはずだから」モグモグ
ゼルダ「ありがとうございます……」イラッ
デイジー「どういたしましてー」モグモグ
デイジー「ヒルダぁ、相手の攻撃に怯むなとは言わないけど、目線を逸らしたまま相手と対峙するのだけはやめた方がいいなあ。
思い切り、回避位置を探し回ってるのがばれるよ。
あと、隙あらば虚を突いて突撃する癖があるみたいだけれど、ヒルダの身体能力だと…ぶっちゃけ隙になってない。
片手間で対処されちゃう。むしろ、無謀さを露わにして斬って捨てられるだけだよ…味方の動きを束縛させる最悪なパターンだ」
ヒルダ「わ、わかっては、いるのですが…申し訳ございません」
デイジー「ま、今は深く考えなくていいよー。じきに理解できるようになるさー」モグモグ
274
:
Mii
:2019/10/20(日) 18:48:17 ID:kTeQvGU6
デイジー「ロゼッタは…魔法は素晴らしい、はずなんだけど。まだまだ活かし切れてない感がある。
そもそも、何より、発動が遅すぎっ!もっともっとフレーム数を減らさなきゃ!」
ロゼッタ「は、はい!」スタッ
デイジー「せっかくのテレポーテーションもさあ。事前に溜めが必要だなんて、
見切られやすいことこの上ないよ、もったいない。
専門外の私が首を突っ込んでいいのかは分からない所だけど」
ロゼッタ「対処を間に合わせないくらい…もっと、発動を早く、ですね。参考になります」
デイジー「それにしても、ロゼッタがここまで基礎体力が上昇しているのは驚いたー。
その勢いで、レベル上げていこう!」ムシャムシャ
ゼルダ「ところで、デイジー。いい加減、口先ばかりで、結局私任せの特訓とするのは、辞めて頂けませんか?
一人だけ呑気に物見遊山気分で料理を堪能しながら、というのはどうかと思いますが?」
デイジー「……だって、教え方、ゼルダの方が上手だもん。今更私が直接指導するまでもない気がするしー。
それに正直、今日はロゼッタの陰謀を掻い潜るので疲れちゃった。
…うげ、そんなに睨まないでよ。ま、明日からはまた考えるよ」ヒラヒラ
ロゼッタ「…でも、のほほんと観戦しているように見えて、かなり的確に問題点を洗い出してくれているような」
デイジー「経験値は割とあるからねっ」ドヤァ
ゼルダ「どうだか…………」
デイジー「…どうしようロゼッタ、ゼルダちゃんが反抗期だ」
ヒルダ「あはは…」
275
:
Mii
:2019/10/20(日) 18:51:37 ID:kTeQvGU6
時を経るごとにデイジー姫とゼルダ姫との軋轢を生みながら、
特訓は続いて行きます。
デイジー姫を精神的に疲労させた私達――というより私――が悪いのです。
一体、なにをしているのでしょうか、私は…!
私の気持ちは、徐々に、徐々に、果てしなく沈んでいきました。
276
:
Mii
:2019/10/20(日) 18:56:39 ID:kTeQvGU6
〜夜〜
ロゼッタ「…デイジー姫」
デイジー「どうしたの、改まって」
ロゼッタ「本日は色々と…ご迷惑をお掛けして、申し訳ございませんでした」ペコリ
デイジー「あー、そのこと?いいよいいよ、気にしてない気にしてない。
変にほのめかした私も悪かったよ。
これでロゼッタの無茶ぶりな作戦は全て攻撃終了、
ひゃっひゃっひゃっひゃ、やったー!私の勝ちだー!」
ロゼッタ「その、ゼルダ姫とも仲直り…していただければ、と」
デイジー「そんなに悲観的な顔をしないでって。
そりゃ、ちょっとはロゼッタやゼルダにムッときたけどさ。
…わかった、適当に下手に出ていればゼルダの気も収まるよ。
あと…明日からは、やっぱり私もちょっくら直接指導することで
納得してくれるでしょ」
ロゼッタ「…………はい……………………」ウツムキ
277
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:00:28 ID:kTeQvGU6
デイジー「ロゼッタの行動は時として調子っぱずれな音を奏でるけど、
それはそれでロゼッタの個性だし。何も悪いことじゃないよ。
今回ヘマをしたと思ったのなら、次に挽回すればいいんだし」
ロゼッタ「……………………」
デイジー「…………ひょ?ロゼッタ?」
ロゼッタ「――――――――――――――――――――――――
ずみまぜん、でじだあ゙ぁぁぁぁぁぁぁ―――――――」ポロポロ
デイジー「」
デイジー「」
デイジー「……いやいや!いやいやいやいや、待って待って!!」ナニゴト!?
ロゼッタ「あああああああああぁぁぁぁ――――――――――――」ポロポロポロポロ
余りの申し訳のなさに、不甲斐なさに、うずくまって。
大粒の涙が、次から次へと溢れ出てきます。
278
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:04:54 ID:kTeQvGU6
ゼルダ「……っ!なるほど!ロゼッタのバトルフェイズは、まだ終了していない!」ハッ!?
ヒルダ「何か知っているのですか、ゼルダ姫!」クルッ
ゼルダ「にっちもさっちもいかなくなったときの最終手段……
速攻魔法発動!『泣 き 落 と し』っ!」
ヒルダ「な、泣き落とし!?」
ゼルダ「プライドを全てかなぐり捨てて、効果発動!
これは相手の妥協が出るまで、何時間でも情に訴えて、
理屈や道理による拒絶を選択肢からデリートするモード……っ!
そしてその時間の分だけ、最大FP1500以下のファイターは――
精神的に追加攻撃できるっ!」
ヒルダ「最大FP1500以下…?ハッ!?」
ゼルダ:元々FPが高いうえにトライフォースの加護のおかげで最大FP+3000
ヒルダ:元々のFPは高くないがトライフォースの加護のおかげで最大FP +3000
ロゼッタ:大会7日前時点で最大FP896
ヒルダ「ロゼッタったら、そこまで考えて…
…って、違いますよね、絶対!?どう考えてもこじつけではないですか!?
何か悪い物でも食べましたかゼルダ姫!?」
279
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:07:18 ID:kTeQvGU6
ゼルダ「さあ、ロゼッタが仕掛けますよ!
まず1時間目!涙をドロー!魔法戦士ロゼッタ、追加攻撃っ!!」ビシッ!
ヒルダ「ゼルダ姫!?正常な思考回路の貴方に戻ってきてください!
幽閉生活のせいで少しおかしくなっているのですか!?」ユサユサ
デイジー(外野の喧しいやりとりも、丸聴こえ、なんだけど)チラッ
ロゼッタ「うわああああああああああああ――――――――」ポロポロ
デイジー(……………………これ、作戦とかじゃなくて
正真正銘のマジ泣きだあああああああぁぁぁぁ!?)
チコ「ママを泣かせるなんて、酷いっ!」
チコ「そうだそうだっ!」
デイジー「ちょっとだまらっしゃい!!」
280
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:09:58 ID:kTeQvGU6
〜2時間後〜
ロゼッタ「――――――――っ、えぐっ、えぐっ」グズグズ
デイジー「いい加減泣き止んでくださいなロゼッタさんや!
女性の涙は女性には効果はいまひとつ、これ基本!
おまけに私の10倍以上の年齢を重ねてて、そんなにガチで泣いて…
恥ずかしくないの!?恥ずかしいよね!?だからさっさと泣き止んで!?」
ロゼッタ「年齢の話をしないでくださあああい!!
そうですよ、私はダメダメな人間なのですよぉ―――――!!!」ポロポロ
ヒルダ「あ、号泣の勢いが5割増しになりました」
デイジー「」
デイジー「」
ゼルダ(…割と効いている感じがありますね)
ゼルダ「ところで私とヒルダ姫はそろそろ就寝しますね」スタスタ
ヒルダ「えっと、えっと、おやすみなさい」スタスタ
デイジー「ちょ」
281
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:12:30 ID:kTeQvGU6
〜4時間後〜
ゼルダ「ZZZ・・・」
ヒルダ「ZZZ・・・」
デイジー「…いい子いい子、だからお願いだからいい加減…
泣き止んでほしいなあ、日付変わっちゃったんだけど」ナデナデ
ロゼッタ「わ、わだじ、だぢが。……わだ、じが。
もっど、づよぐで、がじごがっだら。
…ごんな、ごどに、ならながっだ、のに」
デイジー「いや、別にロゼッタ達の強さや知能に不満があるから使わないとかじゃ…」
ロゼッタ「ぐずっ……おおいに、ありまず、よお!」バンッ
デイジー「どうして、そう思うのさ。一回、涙拭いて落ち着いて、話して、みてよ…」
ロゼッタ「……………………」フキフキ
ロゼッタ「…………」スゥー
ロゼッタ「だ、だって。デイジー姫に、何があったのかは、知り得ませんが。
私に、話すには、ま、まだ――信頼が足らないって、ことでしょう?」
282
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:15:33 ID:kTeQvGU6
デイジー「そんなことないよ!ロゼッタも、ゼルダも、ヒルダも!信頼してるよ!
いきなり何を言ってくれちゃってるのさ!」
ロゼッタ「――で、も。ピーチ姫は、そのチカラについて、
目にして、その強さも、もろさも、理解している、んですよね?」
デイジー「うっ…」
ロゼッタ「なのに、だというのに――!
私は、ピーチ姫と違って、受け止めることができない…と。
誤って理解してしまう…と、デイジー姫に思われて、気遣われているから、
今の、今まで、教えてもらえずに、いる。
そん、な、デイジー姫の信頼を勝ち取れていない自分が、悔しく、て――!」ポロポロ
デイジー「違う、違うからっ!!ピーチが私のチカラについて詳しいのは、
あくまで成り行き上仕方なかったの!私の方から教えたりなんかしてない!
ロゼッタにだけ、気に食わないから、信じてないから話さない、なんてこと、
絶対にありえない!!」
ロゼッタ「私は、ピーチ姫に比べればずっと弱くて、泣き虫で……!
何をするにも、自分だけでは解決できずに、むしろ問題ばかり起こして……っ!
自分を責めて反省しているようで、実はそれが一番楽であることも薄々と気付いていて、
ますます悲しくなっていって…っ!」
デイジー「ちょっとは聴く耳持ってくれないかなあ…!
――――――――――――――――――――――――」
283
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:17:40 ID:kTeQvGU6
デイジー(あ、れ。
この感覚…このロゼッタの振る舞い、どこかで…
いつ、だった、だろう…………?)
284
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:21:25 ID:kTeQvGU6
・
・・
・・・
デイジー「お父様、聞いて聞いて!私、今日も、城下の子供たちと沢山遊んだよ!
生意気に駆けっこ勝負を挑んできたから、ぶっちぎりの返り討ちにしてやったわ!
流石に涙目になってて可哀想と思ったから、肉まんの一つでも奢ってあげたら、
あっさり元気を取り戻してくれてさ。子供って単純だよねー」
国王「おお、そうかそうか、デイジーは元気で偉いなあ。
でも、遊ぶのもいいけど、家庭教師さんとの約束を放り出したのは
やっちゃいけないことだったって気付いてるかー?」ナデナデ
デイジー「ぎくっ。……ちょ、ちょっと悪いことしたかなーって。
でも、あの人、少し間違うだけですぐに怒るしさ。
勉強中は私語は禁止―、とか居眠りしないー、とかうるさいし。
だいいち、経済学とか帝王学とか、面白くないしつまんないよ」
国王「…魔法や体術の修業の方は?」
デイジー「…………てへ」コツン
285
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:24:11 ID:kTeQvGU6
国王「…はぁ。デイジーも、もう二十歳を過ぎてるだろう?
いつまでも子供っぽい行動じゃ許されないぞ?
そんなことを言っていると、将来、立派な女王になれないぞ?
学問に王道なし、だ。
かのキノコ王国のピーチ姫は、最近即位したばかりだが、
それはそれは有能な傑物で、どんな難題もたちどころに解決してしまうそうだ。
デイジーも、そんな人に少しでも近づきたいだろう?」
デイジー「い、いやね?こう、城下を巡っている間に、
若者同士の喧嘩を取り押さえたり、迷子を案内してあげたり、
治安向上に結構貢献してるよ?王国民の立場で物事を見るって大事だよ、きっと。
最近は、知識を深めるために各国を行脚してみたいなーとも思い始めてるし。
あ、そのキノコ王国ってところにも行ってみたい!ぜひ!」
国王「稽古事から解放されて、旅行して美味しい物を食べたり観光したりしたい、
の間違いだろう?懲りないな」
デイジー「…………てへ」コツン
国王「二度目は禁止。……はあ、とにかくすぐに、家庭教師さんに十分謝ってきなさい」
デイジー「かしこまりましたっ!」
286
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:27:00 ID:kTeQvGU6
大臣「王よ、いくら愛娘といえど、齢21にもなって、立場を理解しない愚鈍な振る舞い、
いい加減に本気で矯正してやらねば…サラサ・ランドの将来が危ういですぞ?」アキレ
大臣「全くですな、もはや手遅れの可能性もありますが…
これは、夜逃げの準備をしておいた方がよいかもしれません」タメイキ
国王「うむ、皆の言い分も至極もっともだ。…だがまあ、
デイジーはこの明るさが最強の持ち味だからな!
その分、私と妻がしゃかりき働いて見せるから大目に見てやってくれ」ドーン!
大臣「では、王が退位された暁には…私、お暇を頂きますね」
大臣「あ、私も」
大臣「俺も」
国王「えっ あの それはちょっと困るなあ、我慢してくれないか?
デイジーも悪い子じゃないんだよ、うん。お転婆なだけで」アセリ
大臣「まあ、元気のないデイジー姫が爆誕したらそれはそれで気持ち悪いな」ヒソヒソ
大臣「言えてる言えてる」ヒソヒソ
287
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:31:20 ID:kTeQvGU6
デイジー「大臣さんたちー、聞こえてるよー。というわけで、謝罪しに行ってきまーす。
のびのびと成長出来て、私はサラサ・ランド、大好きだよぉー!じゃあねー!」タタタッ
国王「うむ、そうしてきなさい」ニッコニコ
大臣「いや、のびのび過ぎだろ。親バカここに極まれりだな」
大臣「全くだ…これでなんとかなっているのが不思議でならん。
それだけ王が有能ということになるが…本気で次代が心配だ」
大臣「まあ、侵略されたことが一切なければ、こんな王国でもやっていけるってことだろ」
国王「こんな王国で悪かったなー、はっはっは!」
大臣「しょうがないですね」
大臣「まったく、ふふ…」
・・・
・・
・
288
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:33:02 ID:kTeQvGU6
デイジー「―――――――っ」ギリッ
デイジー(状況は全然違う、はずなのに。
昔の私と、今のロゼッタが、重なって見える)グサッ
デイジー(…………吐き気が、する)
ロゼッタ「私にできることなら、なんでも、しますから。
何をすれば、デイジー姫の、信頼を、勝ち取ることが、できますかー!」グズッ
デイジー「――――え」
289
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:34:55 ID:kTeQvGU6
――――嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だっ!嫌だっ!!
――――こんな自分、要らないっ!何にも守れないなら、死んだ方が万倍まし!
――――いなくなってしまった方が、いいっ!!
――――だから…マリオッ!私の、一生のお願いっ!
――――私に力を。全てを、一切合財を…己でねじ伏せてしまえる、力をちょうだい!
――――それさえあれば、私はどうなってもいい!なんだってする!
――――体を慰み物にされたって、悪魔に魂売ったって構わないっ!!
デイジー「――――っ!!」ハッ!
――――私は…ロゼッタをみて、何を想う?
――――もしロゼッタの立場だったら…自分の無力さに苛まれてたら…
――――それをヒラヒラ手を振りつつ「また今度」と受け流されたら…どんなに絶望する?
デイジー「わ、たし、は」
――――なんて、酷いことを、していたんだろう。
290
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:38:43 ID:kTeQvGU6
ロゼッタ「くー」スヤァ
ロゼッタ「……うーん。あら?もしかして…泣いて泣いて…そのまま寝ちゃいました、か…?
時刻は…ああっ!もう昼過ぎ!?すっかり寝坊ですっ!」ガバッ!
デイジー「…………」ズーン
ゼルダ「…………」
ヒルダ「…………」
ロゼッタ「…あのー。これは一体、どういう状況ですか?」
ゼルダ「…ああロゼッタ、ようやく目が醒めましたか。お寝坊さんですね。
私とヒルダ姫が起きてきたときから、あの調子です。
時折、聞き取れないくらいの小声でぶつぶつ呟きながら、
呼びかけにも碌に応じず突っ伏したままの状態で」
ヒルダ「ロゼッタ、あのあと一体…何があったのですか?」
ロゼッタ「何があった、と言われましても。 私がその…無様に泣いて泣いて泣き続けただけで、
特に何か妥協を得られたわけでは…むしろ、重ねてデイジー姫に無礼を働いたということで
謝ることが増えたと言いますか…」
ヒルダ「…ロゼッタ、お疲れ様です!」ビシッ
291
:
Mii
:2019/10/20(日) 19:40:27 ID:kTeQvGU6
デイジー姫は、うっすら眼を開けて、無表情のまま、焦点の定まらない視線を…
ただ前方へ投げやっています。
ゼルダ「きっと、ロゼッタの渾身の泣き落としが効いたのですよ。さすがですね」ヒソヒソ
ロゼッタ「何がさすがなのか気になる所ではありますが…本当にそうなのでしょうか」ヒソヒソ
ヒルダ「もうひと押しと言うことですか?ロゼッタ、頑張ってください!」ヒソヒソ
ロゼッタ「わ、私が最後まで押し切るんですか…?
お二方の助太刀も欲しかったりするのですが」
ゼルダ「私とヒルダ姫では追加攻撃出来ないので駄目です」
ヒルダ「駄目だそうです」
ロゼッタ「何の話ですか!?」
292
:
Mii
:2019/10/23(水) 00:34:29 ID:nJDn.zMQ
デイジー「……………………アンタたち、聞こえてるよー」
ロゼッタ「!!」
ゼルダ「あら」
デイジー「……ああ、別に心配しなくていいよ。……参った、降参。
私のチカラ、使ってあげても、いい、よ」
ロゼッタ「ええっ、どういう風の吹き回しですか?」
デイジー「まあ、細かいことはいいじゃん。
ただねぇ、そこは踏ん切り付いたうえで、チカラを使うことを既定路線にして、
100通りほどシミュレーションしてみたんだけど。
どう転んでも、この事件の全てが片付いた後に…
私、3人から絶縁求められる結末しか導けなくて。
ほとほと困ってたところなんだよ、はぁ」トオイメ
ロゼッタ「私たちが…」
ゼルダ「絶縁を…」
ヒルダ「迫る…?どういうことですか…?」
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