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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」

648Mii:2018/12/19(水) 09:09:22 ID:xxiSmmrk
まず、手前のパックンフラワー。
マリオなら目を瞑りながらでも倒せそうな敵ですが、
私はここまで、噛みつかれるのが怖くてビクビクしながら倒してきたので…
狭い道に出て来られると、ちょっと……。

ダメージ1回で済むなら、最初から体当たり突貫を決め込んで突撃しても構わないのですが。
ちび状態で、奥の巨大パックンに勝てるかと言われると、
全く自信がありません。理由はブルさんと同じです。

ロゼッタ「こういうときこそ、ファイアフラワーが欲しい…です。
     ストックしてこられれば、よかったのに」

考えあぐねている間にも、時間はどんどん過ぎていく。
仕方なく、行動開始です。

ロゼッタ(奥の巨大パックンは、おそらく倒さなければゴールへの道が開かれない。
     そちらに全力を注げるように…とりあえず、手前のパックンフラワーは倒すことは考えない。
     できる限り高くジャンプして、飛び越える方針で行きましょう)





……後になって考えてみると。一見合理的そうなこの考えが、
あまりにも無策無謀だったのかもしれません。

649Mii:2018/12/19(水) 09:11:52 ID:xxiSmmrk
ロゼッタ(まずは、手前のパックンを!落下死にも気を付けて…!)ピョン

パックンフラワー「…!カブッ!」スカッ

ロゼッタ(よしっ、ギリギリでしたが、かわせた――!?)



――目の前には、青く広がる、奈落。



辛うじて着地したものの、落ちそうになるほど前につんのめり、慌てて体を後ろに戻す。
…後ろに、戻す。転倒を防ぐため、右脚を後ろに出して踏ん張って…。



激痛が、私を襲いました。



ちびロゼッタ「――――っ!?痛い、痛いっ!!」



骨まで達するか、と思えるくらい、右脚を強く、かまれた。
肉が喰いちぎられ、血がドクドクと。焼けるように…あつい。

650Mii:2018/12/19(水) 09:13:09 ID:xxiSmmrk
ちびロゼッタ「いたい、よぅ…」ポロポロ

考えてみれば、「進んじゃった」のが最悪手だった、かも。
戻っておけば、猫クリボーに体当たりするとかでMISSして
穏やかにステージ外に放り出されることができた、のに。



ちびロゼッタ「もう…巨大パックンを倒すしか、ない」ドクドク



――愚かにも、TIME UPを待つという行動を、取れませんでした。



血を流しながら、巨大パックンを時間ぎりぎりまで観察。
ゆっくり少しずつ近づいて、行動パターンを見る。

…そうか、ある程度近づいたら噛みついてくるから、
すぐに引いてから舞い戻って、踏みつければいいんだ。
うん、かんたん。かんたん、だよね。

時間もないし、やるしかない。

651Mii:2018/12/19(水) 09:14:30 ID:xxiSmmrk
敵の攻撃範囲まで近づく。巨大パックンが噛みついてくる。

すぐに、1、2歩下がる。巨大パックンの牙が空を切る。

体を翻して、巨大パックンの方向へ。巨大パックンは動けない。

さあ、ジャンプして踏みつけて、見事やっつけて……。



その夢物語は、弱り切った右脚のせいでバランスを崩して、終わりました。



地面に這いつくばって、痛みを堪えて顔を上げてみたら。
目の前に、大きく口を開けた巨大パックンがいて――。

652Mii:2018/12/19(水) 09:17:25 ID:xxiSmmrk
ブル「あんにゃろー、どこに行きやがった?
…ああっ!見つけたぞ!これ以上逃げるようなら、本当にギッタギタに――!?」キョロキョロ

ロゼッタ「――――――――」ポロポロ

ロゼッタ「よかった、からだ、つながって、る」ポロポロ

ロゼッタ「よかった、なあ。あは、はははははははは」ポロポロ

ブル「」

ブル「」



――すぐ近くに、ダレカガ、イルキガスル。
――ちらっとそちらを振り向き目を合わせると、相手はたちまち固まってしまいました。
――よく認識できませんが、一体、どなたでしょうか。



ブル「……………………居た堪れないから帰ります…」スゴスゴ

653Mii:2018/12/19(水) 09:18:52 ID:xxiSmmrk
どう歩いて、向かったのか…覚えていません。

とりあえず、私は、1-2に戻ってきました。
あと、近くにいた妖精(善)さんに、何か書くものを所望しました。
眼を赤く腫らした私に驚きながらも…ちょっと考えた後、どこかに一旦飛んで行って…

妖精「これでいいですか?」

と、書道用の大筆と長半紙を渡されました。からかっているのでしょうか。



――ああ、すごくピンポイントに、大歓迎ですね。
ちょっとしたノートに書き込んでおく、くらいのつもりでしたが。

654Mii:2018/12/19(水) 09:20:39 ID:xxiSmmrk
妖精のことはきれいさっぱり頭から除外し、
平らな地面を探して…おもむろに紙を広げます。
体中の水分がなくなってしまうのではないかと思えるくらい、
とめどなく涙を流し続けながら。

長半紙にも涙がぽたぽたと垂れ落ちる中、
達筆に…いえ、一心不乱に、書き殴りました。



妖精「わあ、綺麗な字ですね!でも……

    『ファイア完全習得まで進むべからず』……?

    どういう意味ですか、これ?」



どうせ、チャレンジャーは私だけなのですから、気にすることはないでしょう。
妖精が何か話していましたが…ステージの入口の掲示板に、
でかでかと張り付けて、飾っておきました。私自身に、見せ付けるために。





――精神崩壊など、してやるものか。
――絶望を上回る昇華と不屈の精神で、乗り越えて見せます。

655以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/20(木) 14:50:01 ID:9.Nrwsc.
衣装に耐熱手袋とか設定しておけば…

656Mii:2018/12/22(土) 16:56:18 ID:TsYlcl4U
ヒュウウウウウ……。



ここは、キノコ王国に属さない…
いや、どの国にも、どの自治区にも属さない、共営のエリア。

ここを理由もなく侵した者は、たとえキノコ王国の姫様といえどタダでは済まない。
もっとも、公平性を保ちながらボランティア精神で管理運営しているのはキノコ王国だが。

小国ならば余裕で収まるほどの土地に、
海が。川が。山が。谷が。平地が。崖が。

夏ならば緑の大地を太陽がさんさんと照らしつけ。
冬ならば一面白銀の世界、天然の氷のリンクが顔を出す。



季節ごとに千変万化する、ありとあらゆる地形が散りばめられる。

657Mii:2018/12/22(土) 16:58:04 ID:TsYlcl4U
その昔、一人の兵士が、過酷な峠道を越えて故郷へ舞い戻り、
自軍勝利の伝令を果たしたとともに命を落としたという。
その距離、現在の測量にして42.195 km。

この故事を偲んだある国の代表が言った。

「うちの国の兵士なら余裕で帰れたのに」と。



若干心無い言葉であったが、負けじと、他の国の代表も言った。

「うちの国の兵士こそ楽々帰れただろう」と。



あれよあれよと、同じような過酷なフィールドで争わせて決着を付けよう、ということになった。





これが、マラソ…ではなく、ここ『オリンピック地方』の生い立ちである。

658Mii:2018/12/22(土) 16:59:10 ID:TsYlcl4U
ピーチ「……以上を持ちまして、拙いですが開会の言葉とさせていただきます。
    それでは皆さん、スポーツマンシップに則り、正々堂々、白熱したファイトを!」



パン! パン! パパーン!
ワー、ワー!



ソニック「目指せ、世界一!今年もこのときがやってきたぜ!」

マリオ「久しぶりだなソニック!…あれ、そうでもないか?今回のオリンピックのタイトルは何なんだ?」

ソニック「なんと…ソチ・オリンピックだ!」

マリオ「ソチか!」

クッパ「ソチだと!」

ルイージ「ソチなんだね!」



4人(ソチってなんだろう…)

659Mii:2018/12/22(土) 17:00:52 ID:TsYlcl4U
ピーチ「…あなたたち、絶対分かってないでしょ?前回までもそうだったようにねっ!
    ペキンもバンクーバーもロンドンも、伝承に残る有名な都市の名前でしょうが!
    ちょっとは下調べしておきなさいよ、なんで毎回私が解説しなきゃならないのよ!」

マリオ「じゃあ、昔どのあたりにあったか教えてくれよ」

ピーチ「うぐっ…伝承しか、残ってない、けど」

マリオ「ほらみろ。頭脳明晰なピーチですら断片的な知識しか持ってないんだろ?
     これは理解しろというほうが無理でしょー」

ピーチ「普通は伝承でも興味を持って調べるものなの!
     ニュースに掲示にパンフレットに…知る機会は色々とあったでしょ!」

ソニック「俺は熱い勝負ができれば何でもいいぜ!」

クッパ「過去には拘らない主義なのだ!」

ルイージ「そうそう、後ろ向きの人生はつまらないよね!」

660Mii:2018/12/22(土) 17:02:40 ID:TsYlcl4U
ピーチ「もういいわよ…私も競技に出るし、切り替えていかないとやってられないわ…」

ヨッシー「ラージヒル!モーグル!バイアスロン!スケルトン!カーリング!!」

ピーチ「ええ!どれもこれも、度胸と技術が試される、とても――」

ヨッシー「とっても美味しそうな名前ばっかりですね!」ジュルリ

ピーチ「そのりくつはよくわからない」



デイジー「ふふふふふふふふ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ルイージ「そして赤いオーラが見えるデイジーさん」

デイジー「違うわ…私は…超デイジーよ――!」シュインシュインシュイン

クッパ「かませってことか?」

デイジー「あ゛あ゛ん!?」

マリオ「解放されたはいい物の…よっぽど監禁生活で鬱憤が溜まってたみたいだな」

661Mii:2018/12/22(土) 17:14:15 ID:TsYlcl4U
ルイージ「反省して、日頃からしっかり政務こなせばいいのに…」

デイジー「何よ!ピーチだって割と遊んでるじゃない!どうして私だけ!!」

ピーチ「こさなきゃならない最低限の仕事量を100とするわよ?

    『私が片づけた方が早いわ!』って思った仕事が100、
    周りのトラブルを引き受けざるを得なくなって増えた仕事が100、
    合わせて300。これを、本来の期間の半分でテキパキ終わらせて、
    残り半分を趣味や遊びに使う。これが私。

    仕方ないからやっておきますよ、と部下にやってもらう仕事が25、
    指示を的確にしないおかげで有耶無耶になってしまう仕事が25、
    減った結果が50。これすらも、あれこれ先延ばし先延ばしにして
    10くらいしかやらない。これがあなた」

デイジー「すいませんでした、ぐうの音もでません」

ピーチ「わかればよろしい」

ルイージ「あ、そういえばロゼッタは呼ばなかったの?」

ピーチ「…一応、消極的な文面ではありながらも参加お誘いのメールは出しておいたけど。
    メールが返ってこないってことは、ロゼッタも自粛したのね。
    まあ、妥当だと思うわ。自信を無くすだけだもの。2年後に期待ね」

マリオ「まあ、な」

マリオ(今頃、どうしてるかなあ)

662Mii:2018/12/22(土) 17:18:34 ID:TsYlcl4U
〜WORLD1-2 ノコノコ地下洞窟〜

ロゼッタ「…………………………………………」

ロゼッタ「…………………………………………」

ロゼッタ「…………………………………………」



ノコノコ「……あれ、なにやってるんだろう」ヒソヒソ

ノコノコ「一見、おかしなことをやってるように見えるけど…
     不思議と、近寄りがたい神秘性があるよな」ヒソヒソ



――私、ロゼッタは、朝早くから。
――すこし凸凹が痛いかもしれない石畳の上で、靴だけ脱いで。
――正座をして目を瞑り、無心になって、瞑想中。
――呼吸は静かに、大きく、ゆっくりと。

周りのノコノコたちは、その気になればいくらでも攻撃できるでしょうが。
静観してくれているのか、特に動きは有りません。ちょっとした気配くらいなら…まあ、わかりますからね。

ロゼッタ(しかし、どういうわけかTIME UPになりませんね。
     …ありがたいので、そのまま利用させてもらいますが…
     ステージって…謎が本当に多いです)

時計(無意識だろうけど、アンタがPAUSE掛けてるからな!)ピタッ!

663Mii:2018/12/22(土) 17:22:23 ID:TsYlcl4U
ぴちょん。ぴちょん。
どこかで地下水の滴り落ちる音がします。
その音すら、穏やかな心に取り込むつもりで。
さあ、2時間くらいたったところで…問題解決の禅問答を、始めましょう。





問題は、何か。

全体的に実力が足りず、ちょっと数が多かったり強かったりする敵を倒せない。





――全面的な解決は難しいと判断。問題の噛み砕きと妥協を要求します。

664Mii:2018/12/22(土) 17:23:27 ID:TsYlcl4U
問題は、何か。

敵を倒す手段が、踏みつけの他は回数や威力に制約がありすぎる。





――猫化は完全に物理攻撃に頼ることになるので望み薄。



――分類上は魔法攻撃であり、まだ制御の余地があるファイアを、第二の攻撃手段にすべき。



――ファイアを使用するにも、バックファイアが辛すぎてまともに扱えない。
   問題の噛み砕きと妥協を要求します。

665Mii:2018/12/22(土) 17:24:32 ID:TsYlcl4U
問題は、何か。

私にとって、今のファイアは実用にも練習にも反動が大きすぎるため、工夫をしなければならない。





――魔法ならば、火球の大きさ、速度、温度などを適宜調整して負担軽減を試みるべき。



――具体性を持たない。問題の噛み砕きと妥協を要求します。

666Mii:2018/12/22(土) 17:26:05 ID:TsYlcl4U
問題は、何か。

ファイアについて、敵にまともなダメージを与えられるだけの威力を持たせながら、
パワーダウンしない程度のバックファイアに留めるようにしなければならない。





――まず、試し撃ちしながらファイアボールの大きさを微調整していき、
   魔法回路の損傷や手への熱的負担が許容範囲内になるポイントを探す。



――おそらく威力を下げ過ぎることになるため、今度は速度を持たせて物理的に威力を上げ、
   十分な攻撃力を確保する。



――それほどまで速度を持たせることができるとは思えない。解決案の提示を要求します。



――ファイア状態には拘らず、体力作りを最優先させる。
   たとえば、死なずにタイムアタックをひたすら行っていれば、頻繁に死ぬより効率もよい。



――ファイアの練習時間を失い、本末転倒。解決案の提示を要求します。

667Mii:2018/12/22(土) 17:27:48 ID:TsYlcl4U
――サヤカによれば、一流の野球選手でも、何千球もの投げ込みは続けないし続かない。


――つまり元々、休養日が必要。その日にたとえば「走り込み」を充てればよい。


 
――それに、体力が付くことは、ファイアボールによるヒットアンドアウェイを狙う上でも、
   ジャンプを織り交ぜた多彩な攻撃パターンを構築する上でも、決して無駄にはならない。

668Mii:2018/12/22(土) 17:28:39 ID:TsYlcl4U
ロゼッタ「…………………………………………」

ロゼッタ「…………………………………………」
    
ロゼッタ「…………………………………………」
    





ロゼッタ「どうやら、方針が決まりましたね」パチッ

669Mii:2018/12/22(土) 17:30:25 ID:TsYlcl4U
まず、これまでのようにファイア状態になります。

次に、込めるチカラに細心の注意を払いつつ、そーっとファイアーボールを形作ります。
もやもやと空間が燃え出した瞬間、魔法回路を制御……っ!

ファイアロゼッタ「ぐ、ぐぐぐっ……思った通り、大変な作業、ですがっ!
          魔法Lv.が高くて、助かりました、ねっ!」

一発で成功した自分を褒めてあげたいところです。
繰り返しますが、炎魔法の適性自体は私にはありません。
しかし、魔法全般の共通項にあたるテクニックならば、それなりに応用できるみたいです。

手のひらから、数ミリほど浮いた状態で――直径5cmくらいの大きさの火の球が現れました。



…そのまま、キープ。



魔法回路、無視できるほどの微々たるダメージ。
しかし、熱さによる手のダメージはそれなりに入ってきています。
チリチリと、手のひらが炙られている。放り投げたくなるのを、歯を食いしばって、なんとか堪えます。

30秒ほど維持したところで、「ダメージ1つ分」となったのか、ファイア状態が解けてしまいました。

670Mii:2018/12/22(土) 17:32:21 ID:TsYlcl4U
ファイアフラワーを取って仕切り直し。
お次は、先ほどの大きさのファイアボールを作り…すぐに、投げてみます。
投げたそばから、新しいファイアボールを製造し、また投げることを繰り返します。



…いい感じです。次の炎を呼び出すまでに手は十分に冷めてくれるらしく、
異常に熱くなることはありませんでした。半永久的に投げ続けられそうです。



しかし、繰り出すファイアボールは…とても威力がある様には見えません。
実際、ノコノコたちは…すこし慌てながらも、逃げるどころか踏みつけて遊んでいます。
…ねずみ花火扱いですか、すこし傷つきます。

671Mii:2018/12/22(土) 17:34:49 ID:TsYlcl4U
少し魔法の制御を弱めて、元の威力に近づけてみます。



――このくらい、でしょうか。

火の球は…直径20 cmくらいまで大きさを戻します。
威力が上がったのは確かでしょうが、5秒もキープしないうちにダメージを受けてしまいました。

また、最低でも30秒は間を空けないと、急激に温度が上がった手が冷め切る前に次の炎を呼び込んでしまうらしく。
とても使い勝手がいいとはいえません。

672Mii:2018/12/22(土) 17:36:37 ID:TsYlcl4U
――ならば。



直径を、少しだけ小さくし直します。直径…10 cmといったところでしょうか。
スターピースと同じくらい。私にとって、握りやすさで言うならかなり優れた大きさです。



25秒キープでダメージ。
半永久的に投げ続けるための、最低限必要なインターバルは10秒。
――おお、割とバランスがいいのではないでしょうか。



問題は威力、ですね。
ノコノコに頭を下げて、避けないでいてもらうことにしました。

ノコノコ「まあそのくらいなら、お安い御用ですよ」アハハ

――微妙に諦めモードも入ってませんか?マリオで慣れているのでしょうか。

673Mii:2018/12/22(土) 17:38:08 ID:TsYlcl4U
とりあえず……1発、投げてぶつけてみます。
バウンドしていく炎の球が、ノコノコに当たり…

ノコノコ「ぐっ…あ、でもなんとか耐えられるな」



2発目、3発目。4発目。

ノコノコ「あつっ!す、ストップストップ!」



さすがにダメージを受けたらしく、甲羅が外れてしまいました。
…なるほど。このくらいの威力ですか。把握しました。

ノコノコに礼を言うと、苦笑いしながら甲羅に入り直して去っていきました。
さあ、また一人で頑張ってみましょう。

674Mii:2018/12/22(土) 17:40:40 ID:TsYlcl4U
……それにしても、本当に投げやすかったですね。というより……。

ロゼッタ「ここまで投げやすいなら、バウンドさせる必要もないんじゃないでしょうか」

もともとファイアボールをバウンドさせて撃つのは、
予備動作が楽だとか狭い所でも投げやすいだとか、理由があるのでしょう。
マリオ達がそのように撃っているので、私も真似してきましたが。
まあ、そもそもファイアボールが大きいと、バウンド前提でしか投げられなかったんですけどね。

でも、整備された球場の芝とかならともかく、凸凹な地面が至る所にある中で。
こんな小さなファイアボールを投げようものなら…たちまち影響を受けて、
あらぬ方向に進んでいってしまう気がします。

では、純粋にぽーんと放り投げることにしましょうか。



ファイアロゼッタ「それっ!」

かつて模倣したサヤカの投げ方を必死に思い起こしながら、投げてみます。

ファイアボールは、5,6メートルほど飛んで、そのままバウンドしていきました。
――あんまり強く握れないこともあり、こんな飛距離になりましたが。



ロゼッタ「ほう、割としっくりきますね。これならば、私の努力次第で改善できそうですね!」

675Mii:2018/12/22(土) 17:43:44 ID:TsYlcl4U
〜オリンピック地方〜

デイジー「……ハアアアアアッ!!」クルクルクルクルクルクルクルクル

キノピオ「おおっと!デイジー選手の47回転半アクセル、見事に成功!
      これはかなりの高得点が期待できますね!」

キノピコ「ええ、さきほどのピーチ選手は回転不足評価でポイントを落としましたし、
     逆転したかもしれません!」

キノピオ「…あっ」

電光掲示板に、得点結果が表示され――!

ワアアアアアァァァ!

デイジー「よっしゃああああああああ!」ガッツポーズ

キノピコ「おお、やはり!デイジー選手、ピーチ選手の得点を越え…単独3位に躍り出ました!
      これで、銅メダルはほぼ確定か!ピーチ選手、惜しくも表彰台から滑り落ちました!」

キノピオ「…………」



キノピコ「あ、ピーチ選手から電話が入りました。
     『未だに公私混同するキノピオは後で罰ゲームね』とのことです。
     よかったね、キノピオ!」

キノピオ「!?」

676Mii:2018/12/22(土) 17:45:35 ID:TsYlcl4U
キノピコ「それにしても、マリオ選手とルイージ選手は凄いですねー!」

キノピオ「」

キノピコ「なんと、前人未到の128回転スピンと64回転スピンですよ!
     マリオワールドで鍛えられている人は違いますね!

     巷では『アイツら出禁にしろ』という冗談すら飛び出るほどですよ!」



観客(冗談じゃねえよ)

677Mii:2018/12/22(土) 17:48:11 ID:TsYlcl4U
〜WORLD1-2 ノコノコ地下洞窟〜

ファイアロゼッタ「えいっ」ボウッ! ポンッ!

ファイアロゼッタ「えいっ」ボウッ! ポンッ!

ファイアロゼッタ「えいっ」ボウッ! ポンッ!

ファイアロゼッタ「えいっ」ボウッ! ポンッ!

ファイアロゼッタ「えいっ」ボウッ! ポンッ!

ファイアロゼッタ「えいっ」ボウッ! ポンッ!

ファイアロゼッタ「えいっ」ボウッ! ポンッ!



ファイアロゼッタ(まあ、サヤカに投げ込みの常識範囲までは教えてもらわなかったので。
          数千球は多いらしいので、とりあえず――1日500球くらいにしておきましょう!
         それに、FPや精神疲労は無理ですが、HPならばTIME UPで死ねば元通りですからね!

         投げ込みをやった次の日は、腕を休めて骨、筋組織の増強に充て…1-1を走破し尽くす!
         とりあえず、300秒を切ることを目指しましょうか!

         こんな感じに、ひたすら交互にこなしていきましょう!
         しんどい、ですがっ。努力有るのみ、ですねっ!)

ファイアロゼッタ「えいやっ」ボウッ! ポンッ!

678Mii:2018/12/22(土) 17:50:43 ID:TsYlcl4U
〜オリンピック地方〜

キノピオ「レディー…  ゴー!」パンッ

ソニック「うおおおおおおおぉぉぉぉ!」ダダダダダダダダ

マリオ「なんのおおおおおおおおおおおぉぉぉ!」ダダダダダダダ

キノピコ「ゴーーーール!」



スピードスケート500 mリザルト!

1 st SONIC 0:03.290
2 nd MARIO 0:04.942



マリオ「だあぁ!また完敗だ、ちくしょう!加速もMAXスピードも全然勝てないぞ!」

ソニック「へんっ、実力が違うぜ!欠伸が出るぜ、まったく!」

マリオ「くっそー!」ジタンダ



キノピコ「リングが損傷激しくなったので氷を張り替えまーす。
     しばらくお待ちくださーい!」

679以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/22(土) 23:47:38 ID:5a1ly9w.
強い人が強すぎる

680以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/23(日) 23:20:24 ID:Ynrpad2g
優勝する人完全に固定化されてそう

681Mii:2018/12/24(月) 23:10:05 ID:Wq1m5AmM
〜夜、フェアリーランド〜

ロゼッタ「くー…」スヤァ

ロゼッタ「……」

ロゼッタ「……………………ふわぁ?」





ズキンッ!!





ロゼッタ「……!?」ガバッ

ロゼッタ「…がっ――――くぅっ!?」

ロゼッタ「ああ、あああ!?右腕が……いた、いたたっ!?
     ……どうしてしまったのですか、私の腕は!?」

ロゼッタ「がああっ――!!」ゴロゴロ

682Mii:2018/12/24(月) 23:11:25 ID:Wq1m5AmM
〜翌朝〜

ロゼッタ「…………」



きっと今の私は、魂が抜けたような顔をしていることでしょう。



ロゼッタ「……………………は、ははは。
     涙目になりながら右腕を抑えてうずくまるばかりで
     結局あれから一睡もできませんでした。
     これがかの有名な『筋肉痛』なるものですか。

     アスリートの皆さんは、冒険者の皆さんは――日頃からこのような痛みと戦っているのですね。
     本当に頭が下がります、ははは……」ズキズキ





――とりあえず、予定は遂行、しましょう。さあ、1-1へ。
――腕を振る動作などに影響がなければいいのですが。ほんとうに。

683Mii:2018/12/24(月) 23:14:22 ID:Wq1m5AmM
〜WORLD1-1 スーパーベルの丘〜

クリボー「それで戻ってきたのか……事情は分かったけど、300秒切るって姐さんには無理じゃね?」

ロゼッタ「無理でもやるのです!その心意気こそが大事なのです!」グッ

猫クリボー「じゃあ、幅跳びくらい覚えないとな!」

ロゼッタ「……幅跳び、ですか。そういえば。
      マリオ達が物凄い速さで幅跳びを繰り返しているのを見たことがあります。
      速すぎてよく連結動作が分からなかったのですが、どのようにするのか知っていますか?」

クリボー「えーっと、走って、シュッとしてドン、じゃなかったっけ」

猫クリボー「いや、走って、ザザーッとしてバーン、だろ?」

ロゼッタ「……無理言ってすいませんでした。自分で頑張ってみます」アハハ



――マリオ達に連絡をすれば一発解決するかもしれませんが、
――それだと現状がバレて…ちょっと面白くないですからね。

なんでしょう。こう……成長を見て驚いてほしい、という変な欲が出ていますね。
我が強くなったのでしょうか、あるいはふてぶてしくなったのでしょうか。

684Mii:2018/12/24(月) 23:15:51 ID:Wq1m5AmM
連絡と言えば。あまりほうき星を空けておくのもよろしくありません。
とりあえず、400秒を切ったら一度帰りましょうか。
…我ながら、酷い管理者ですね、ごめんなさい。



ロゼッタ「とにかく、最初に走るのは確定みたいですし…
     ひたすらゴールまでたどり着きながら、ちょっとずつ実験していきますか」

ロゼッタ「…………」タッ タッ タッ

ロゼッタ(右腕は痛いですが、なんとか持ってくださいよ…!)ズキズキ







スーパーベル「そんなアナタにパワーアップを!」リリーン

ロゼッタ「あ、ハートアップです!貰っておきましょう!」

スーパーベル「」

685Mii:2018/12/24(月) 23:18:02 ID:Wq1m5AmM
猫ロゼッタ「いっきますよー!」ニャー!

猫ロゼッタ「…………」タッ タッ タッ



猫ロゼッタ「……………………あー」ピタッ



猫ロゼッタ「基礎固めしようというときに、これはない、ええ。
      四つん這いとか…いつもと走り方が違いすぎますよね、うん。
      腕を痛める方針ともまるで合致していません。

      すいませーん!クリボーさん、
      ちょっと体当たりして猫状態解除してもらえませんかー!」

クリボー「…お、おう」トッ トッ トッ

ロゼッタ「どうもありがとうございます!
     今後は取らないように気を付けなければなりませんね」ティウン ティウン ティウン

クリボー「一部ファンがすっげー悲しむな」

猫クリボー「このシリーズ全否定だな」

ロゼッタ「???」ハテ

686Mii:2018/12/24(月) 23:21:03 ID:Wq1m5AmM
ロゼッタ「さあ、仕切り直しと行きましょう!」

クリボー「意気込んでるとこ、悪いんだが…
     もたもたしてる間にタイム進んでるぞー?諦める?」

ロゼッタ「ああっ!?しまった!」タッ タッ



時計「あと10秒ッスよ!!!」

ロゼッタ「ゴール、ポールへっ!飛びつきますっ!!」ピョンッ!

ゴオオオォォォォン…………!  COURSE CLEAR!



クリボー「おお、間に合ったのか!やったな!」

ちびロゼッタ「うあああああぁぁ…頭が割れるぅ……」ドクドク

ちびロゼッタ「あ、このままひどい状態だと継続ダメージ、があ…!」

ちびロゼッタ「」チーン

クリボー「…………」

猫クリボー「これ、クリアなのかな?MISSなのかな?」

クリボー「フラグ順番的にクリアでいいんじゃないかな?」

687Mii:2018/12/24(月) 23:23:22 ID:Wq1m5AmM
ロゼッタ「…………」タッ タッ タッ

COURSE CLEAR!



ロゼッタ「…………」タッ タッ タッ

COURSE CLEAR!



ロゼッタ「…………」タッ タッ タッ

MISS!



ロゼッタ「…………」タッ タッ タッ

COURSE CLEAR!

クリボー「凄い形相で淡々とこなしてるな」

猫クリボー「微妙に完璧じゃないのは御愛嬌ってやつかな」

ロゼッタ「とりあえず、1-1の死亡率0%も目指しますよぉーっ!!!はあああああぁぁっ!」タッ タッ タッ

クリボー「…やけっぱち?」

688Mii:2018/12/24(月) 23:25:20 ID:Wq1m5AmM
〜次の日〜

ロゼッタ「……困りました」



両脚が筋肉痛になったのは、まあ想定内として。
…あれ。これ、立てますかね…?が、頑張れば、なんと、か!



右腕の痛みが…少しは収まりましたが、治り切っていません。



も、もしかして…言いたくありませんが、言ってて悲しくなりますが、年なのでしょうか。
…あれ、年齢と共に遅くなるのは、治癒時間ではなく発症開始でしたっけ?

ともかく、このままではファイアボールをとても投げられそうにありません。
なんとか立つことは出来ましたが、走り込みも当然出来そうにありません。

689Mii:2018/12/24(月) 23:27:10 ID:Wq1m5AmM
ロゼッタ「もう、鍛えられるところなんて…」





ロゼッタ(…………)ジーッ

左手くらいしか残ってないですね。
鍛えたところで特に意味などない気もするので――。



……いや、ちょっと待ってください。その考えは早計かもしれません。



ファイアを第二の、そしてかなりのウェイトを持つ攻撃手段とする以上、
万が一右腕を負傷した時などの場合に備えて……
左腕でもファイアボールを撃てるよう鍛えておくのは、
それなりに…いえ、かなり意味があるのではないでしょうか。

体の左右バランスを保つ上でも、同じくらい鍛えておいて損はなさそうです。

そういうことなら、左手でも投げるようにしましょう。
右手、左手、走り込みの順でサイクルを回してやるといいかも知れませんね。

どうしてもきついなら、走り込みのあとに完全休養日を設けて4日サイクルとすればよいのです。
投球自体にも足腰は当然使いますからね。

690Mii:2018/12/24(月) 23:29:53 ID:Wq1m5AmM
あまりよくわかりませんが、ここで、人によってはツッコミを入れたくなるのでしょうか。

「左利きでもないのに、練習もしていないのに。そんなに簡単に左で投げられるようになるかよ!」と。





はい。
簡単ですよ?





ファイアロゼッタ「空間イメージング…『左右反転』だから…こんな感じですか?」



空間把握しながら、全ての動作を左右逆にして。振りかぶって…左手で、ぽーん。

ファイアロゼッタ「…………♪」ニヘラ

いまのところ、左右の筋力はほぼ同じですし。鏡像を再現する位なら楽勝です。



ファイアロゼッタ「では、今日は左手で500球投げますか!
           ――せぇーのー!」サッ

691Mii:2018/12/24(月) 23:39:48 ID:Wq1m5AmM










テーレッテレー!

ロゼッタの 基礎体力レベルが Lv.2に 上がった!▼







ロゼッタは スイッチピッチャーに なった!
利き腕とは 逆側で投げた場合でも 球速が落ちない!▼

692Mii:2018/12/24(月) 23:41:45 ID:Wq1m5AmM
〜3か月後〜

チコ「急がなきゃ、急がなきゃ!」



ママは旅に出る、と言ってたけど。
結局は、フェアリーランドでひたすら修業するってことだよね。
第一、ワープボックスで移動するしかないんだから。

慌てふためいていた僕たちも、そのことに気付いてからはようやく落ち着きを取り戻した。
チコの中には、ワープボックスを潜り抜けてママに会いに行こうとするコもいたけれど。
ママの集中力を削いじゃあ駄目だよ、と言って、我慢してもらった。

――僕だって、本当は会いたいよ。



でも、都合がいいというか、悪いのか。
ママにどうしても会いに行かなきゃならない用事ができたから、仕方ない。
急がないと、大変なことになっちゃうかも!

693Mii:2018/12/24(月) 23:43:58 ID:Wq1m5AmM
ワープブロックさんの先は、相変わらずのWorld1。
何処までママは進んでしまったんだろう…。



あ、こっちからママの強い気配がする!とりあえず元気そうでなによ――。





1-2「よっ」

チコ「…………」

チコ「…………へっ!?まだ1-2なのぉ!?」



――ママったら、そんなに苦労してるの、かな。
死にそうな目に遭い続けるよりは、よっぽどいいけど。



えっと、僕は「ザンキシンセイ」ってやつをしてないんだけど、ステージに入っちゃって大丈夫かな?

…きっと大丈夫だよね!えいっ!!

694Mii:2018/12/24(月) 23:48:35 ID:Wq1m5AmM
チコ「あ、ママー!元気にしてt」パァァ



ファイアロゼッタ「はあああぁぁっ!!」ボウッ! ブンッ!

ビュンッ!…ゴンッ!



チコ「……えっ」



ファイアロゼッタ「次は左手ぇっ!!」ボウッ! ブンッ!

ビュンッ!…ゴンッ!



ファイアロゼッタ「右手ぇっ!!」ボウッ! ブンッ!

ビュンッ!…ゴンッ!



ファイアロゼッタ「まだまだぁっ!!」ボウッ! ブンッ!

ビュンッ!…ドゴンッ!

695Mii:2018/12/24(月) 23:50:23 ID:Wq1m5AmM








テーレッテレー!

ロゼッタの 基礎体力レベルが Lv.9に 上がった!▼








ファイアロゼッタ「よし!安定して左右とも時速105 kmくらいは出てますねっ!いい感じですっ!
           しかし、先はまだまだ長いですよっ!この勢いで参りますっ!」サッ

チコ「」

696Mii:2018/12/24(月) 23:52:38 ID:Wq1m5AmM
チコ「マ、ママなの!?」

ファイアロゼッタ「はい?」

チコ「…………」

ファイアロゼッタ「チ、チコ!?一体どうしてここに…!?」

チコ「えっと、ママにどうしても伝えなきゃならないことがあって、それで…」

ファイアロゼッタ「……っ!いけないわ!このままだと、TIME UPで――
          残機申請していないチコの記憶が消えちゃう!?

          チコッ、ママに早く捕まりなさいっ!ゴールに向かうからっ!」

チコ「え、う、うん!…勝手にステージに入ってきちゃって、ごめんなさい!」ガシッ

ファイアロゼッタ「反省しているならいいわ。ママも今まで、ごめんね。…さあ、行くわよ!」タタタッ!



チコ(ママ、速くなってる!)パアァ

697Mii:2018/12/24(月) 23:54:44 ID:Wq1m5AmM
クリボー「仕事なんでな、邪魔するぞー!」トコ トコ トコ

ファイアロゼッタ「手投げファイアっ!」ポーン

クリボー「いてっ!」

ファイアロゼッタ「怯んだ隙に振りかぶって…っ!はあぁっ!」ビュンッ!

クリボー「ぐわぁ、やられたー!」コイーン

チコ「凄い、凄い!!」

ファイアロゼッタ「一杯、一杯特訓したのよ?ふふふ…」タタタッ





タワークリボー「「「「「「「それが油断に繋がるかもな!」」」」」」」

ファイアロゼッタ「っ!?」

チコ「クリボーが7体も!ぶつかるっ!?」

698Mii:2018/12/24(月) 23:56:34 ID:Wq1m5AmM
ファイアロゼッタ「…とみせかけ、てっ!イエェイ!」クルッ シュタッ

タワークリボー「「「「「「「おおー!」」」」」」」



チコ「……横宙返り!?」

ファイアロゼッタ「なんだか、ダッシュ反転直後に少しでも離れようとジャンプしたら…
          偶然使えるようになったわ!……ときたま失敗して頭から落ちるけど(ボソッ)」

タワークリボー「「「「「「「あはははは」」」」」」」

ファイアロゼッタ「そこ、笑わないっ!死にたくなかったら笑わないっ!
           ファイアボール撃ちますよ!
          
           …ああ、もう!とりあえずゴールを優先しますので!『また後で!』」

タワークリボー「「「「「「「おう!」」」」」」」

699Mii:2018/12/24(月) 23:58:36 ID:Wq1m5AmM
COURSE CLEAR!



ファイアロゼッタ「……ふう」

チコ「クリアできてよかったね!」

ファイアロゼッタ「ええ、そうね。じゃあチコは、ちょっとステージの外で待っていてくれる?」

チコ「……あれ、どうして?」

ファイアロゼッタ「私もそろそろ帰ろうと思っていたところだけど、『これ』を配ってからね?
           みんな、楽しみにしてくれてるから。うふふ…」サッ



ファイアロゼッタ「というわけで、はい、お待たせしました!
           沢山ありますから好きなだけ食べてくださいね!
           種類はちょっと少ないですが!」

クリボー「わーい!今日はサンドイッチか!」

クリボー「ムシャ…何度食べても飽きないな、姐さんのパン料理!すっかり虜になっちまったぜ!」

ファイアロゼッタ「パン料理くらいしかレパートリーがないんですけどね、ははは…
          む、そもそもサンドイッチって料理に入るんでしょうか」

ノコノコ「当たり前だよ!そもそもからして、パン自体が手作りなんだろ!いやあ美味い!
     食べ出したら止まらなくなるんだよな!」パクパク

700Mii:2018/12/25(火) 00:01:13 ID:ZJRkWJ8A
ノコノコ「あ、俺のやつ、トーストお願いします!」

ファイアロゼッタ「お任せください!…えいっ!」ボウッ!

ノコノコ「おお!見事な焼き加減!……うめぇ!
     すっかりファイアボール使いこなしてるじゃないっすか!」

ファイアロゼッタ「あ、よかったらマスタード使ってください。それと、こちらの…
          ホイップクリームと3種ベリージャムのスイーツサンドイッチも召し上がってくださいね」ハイッ

ノコノコ「うおおおおおお!さっすがぁ!」

ファイアロゼッタ「色々と皆さんにはお世話になっていますからね。
           無限増殖とかファイアボールの特訓とか」

クリボー「お互いさまってやつさ!うおお、俺、ここに配属されて本当に良かったぜ!」ムシャムシャ

ノコノコ「全くだな!」パクパク

701Mii:2018/12/25(火) 00:03:55 ID:ZJRkWJ8A
ワイワイ ガヤガヤ…!



ファイアロゼッタ「…あ!すいません、そろそろ行かないとTIME UPになるのでっ!
         あと、ちょっとしばらく来れなくなりそうです!」

軍団員「「「「えええええー!?」」」」

ファイアロゼッタ「ま、またそのうち顔を出しますから!それではっ!」タタタッ



チコ「ふふ、さすがママ。敵さんにも分け隔てなくご飯を振る舞っているなんて!
   すっごく優しくて、僕もすっごく誇りに思うよ!表情も明るいし、安心しちゃった!
   1-1のクリボーや猫クリボーたちにも配りに行くっていうし、僕の用事は待っててあげようっと!

   あれ…………僕の、用事?……………………えっと――」





ファイアロゼッタ「ふう。配り終えて、無事ステージクリアも間に合いました。
          さて、では1-1にも行きましょうか。チコ、あと500秒…いえ400秒だけ待っていてね?」

チコ「あわわわわ!あの、その、えーと!ちょっと急いだ方がいいんじゃないかなあ!?
   …って、ママったらステージに入って行っちゃったよ!あわわわわ…!」

702Mii:2018/12/25(火) 00:09:33 ID:ZJRkWJ8A
ファイアロゼッタ「さあ、全部終わりましたよ。それでチコ、何があったのですか?
         まさか、また隕石が…なんてことはないでしょう?」

チコ「えっと、そこまでのことじゃあ、ないんだけどね!?い、いや、そこまでのこと、なのかな!?
    と、とにかくはやく、ほうき星に帰ってきて!これがメールを印刷したやつ!」

ファイアロゼッタ「…???ええ、わかったわ」ペラッ





     『ロゼッタ…貴方、司会進行だけはやるって回答したらしいのに、
      日程が近付いてきたからアイランドツアーのパーティ会場に連れ出そうとしたら、
      ほうき星がもぬけの殻っていうのは…どういう了見かしら?
      リハーサルも終わって、観客も既に続々と集まってきてるのよ!
      せめて本番までには間に合わせるために、早く帰ってきなさいよっ!

           事と次第によっては シ・メ・ル♪
                                         ピーチ』



ロゼッタ「」

ロゼッタ「」

ロゼッタ「…………ワープブロックまで全力疾走ぉー!!」タタタタタッ

チコ「お、おー!」フヨフヨ

703以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/25(火) 20:22:45 ID:HQB9nruU
発売順だとするとスマブラ参戦まで半年切ってるけどとても間に合いそうにないな

704以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/26(水) 00:34:19 ID:.hCbHifQ
デイジーってどこで鍛えたんだろ

705Mii:2018/12/31(月) 23:19:22 ID:uMisqVDs
〜アイランドツアーボードマップ ロケットレースギャラクシー〜

ワー ワー!
サッサト ハジメロー! オクレテルゾー!

キノピオ「う、宇宙を駆け抜ける、ロケットレースギャラクシーへようこそ!
     このボードのルールはズバリ、最初にゴールした人の勝ち!
     なお、ブースターを使えばサイコロの数字がパワーアップ!
     使う数を増やすほどたくさん進めるので、有効活用していきましょう!

     あ、ちなみに。ゴールは250マス先となっております。
     ゴールに近づくほど、止まると危険なマスが増えていくので、ブースターは変に序盤で使わず、
     どんどん溜めておいた方がいいかもしれませんね!

     ……はて、『25マス先じゃないの』ですって?なんのことでしょう?」



マリオ(控室)「ゲームの根幹を揺るがすから『サイコロ使うな』とは言わないけどさ。
         マス移動なんてちょっとしたことにロケットやブースター使うくらいなら、走った方が早くね?
         轢いたやつからアイテム奪えるとかの特殊能力があるわけでもないんだろ?」

ルイージ(控室)「シィーッ!」

706Mii:2018/12/31(月) 23:22:08 ID:uMisqVDs
ワリオ(控室)「遅刻するとは…相変わらずロゼッタの奴、抜けてんなぁ。
        おいマリオにルイージ、結構面倒見てやってんだろ?
        最近のあいつ、どうよ?本当に頑張ってるのか?」

マリオ「ああ、結構頑張ってるぞ。ま、楽しみにしておいてくれ」ニヤリ

ワリオ「そいつぁよかった、信用しといてやるよ、ガハハハハ」



クッパJr.(控室)「このボードのギャラクシーアレンジBGMって凄くいいよな!
           アイランドツアーの価値の3分の1くらいを占めていると言っても過言じゃないぜ!」

ヨッシー(控室)「やっぱりそう思いますよね!ほんと壮大で!『永遠のスター』を思い出しますよ!」

707Mii:2018/12/31(月) 23:24:51 ID:uMisqVDs
〜ゴール地点〜

ロゼッタ「ゼェ、ゼェ……な、なんとか間に合いました……ゼェ、ゼェ…
     ……いえ、普通にアウトですよね。

     司会進行のはずが、ゴール地点のお出迎え役に甘んじているということは、
     明らかに間に合っていませんね、とほほ…。
     ……ああ、ピーチ姫の怒りが……怖い……です」ガクブル

アシスタント『カメラに向けて優雅に手を振る 笑顔で』カンペ

ロゼッタ(は、はい!)ヒラヒラ



参加者の順番決定!

1番 ピーチ
2番 テレサ
3番 ワルイージ
4番 デイジー

ロゼッタ(……よりにもよってピーチ姫が参加してるじゃないですか…!
     ここ現実世界なんですけど…!命を失うとそれっきりなんですけど…!)


ピーチ「真っ先に到着してロゼッタに肉体言語で説教してあげるわ…」メラメラ

デイジー「アカン、とりあえずピーチを止めなきゃ…!やるぞー…!
      ロゼッタの命が懸かってるんだ…!」アワワ

708Mii:2018/12/31(月) 23:26:20 ID:uMisqVDs
〜ボーナスミニゲーム プールでフラッグ集め〜

ピーチ「はああああああっ!!!」ゴロゴロ ジャバジャバ

デイジー「ブースター3個取らせてたまるかー!その3ポイントフラッグはわたさーん!」ゴロゴロ

ピーチ「邪魔するのなら容赦しないわよ、デイジー!」クワッ

デイジー「こここ怖くなんてないもん!」ゴロゴロ



ワルイージ「1ポイントフラッグを堅実に集めて2位目指すぜ、俺って賢い」

テレサ「3ポイントフラッグをピーチかデイジーが取った瞬間に俺の能力で奪えばいいんだナ?」

ワルイージ「……ミニゲームに勝てたとしても後で殺されるからやめとけ」

テレサ「確かニ。お化けながら怖いからやめとコ」ブルブル

709Mii:2018/12/31(月) 23:29:10 ID:uMisqVDs
チコ「え、えーっと!ママに付いてきちゃったチコです!
   好きなものはママと、ママが作ってくれた星くずパンで…
   え、自己紹介タイムじゃない?ご、ごめんなさい!

   ぶ、ブースターゲットの大チャンス!
   バトルミニゲームでーす!
   みなさんから、1こずつブースターを集めミニゲームで勝負します!
   1位になれば、なんと全部もらえますよ!

   …それでは、ブースターを集めますね」チラッ

      残り 231マス  ピーチ     ブースター ×12
      残り 196マス  テレサ     ブースター × 0
      残り 175マス  ワルイージ  ブースター × 0
      残り 224マス  デイジー    ブースター ×10

ピーチ「私の旨味が少ないんだけど」ピキピキ

デイジー「それは運が悪かった、とか作戦が下手だった、でお互い諦めようよ…」

710Mii:2018/12/31(月) 23:31:09 ID:uMisqVDs
〜バトルミニゲーム よくみて!宝石マンホール!〜

ピーチ「本当に運ゲーじゃないの!!」ガンッ

デイジー「マンホールの中の宝石が、今から飛び込もうとする私たちに見えるわけがないのである」

キノピオ「か、観客は内部構造を見ることができているので、リアクションで判断するとかどうでしょう!?」

デイジー「それって、もはや競技としてどうなんだろう…まあ、いいや。適当にえーらぼっと!」

ピーチ「何か策が…音響?超音波?いえ、周囲の足跡から設置者が抱えた重量を読み取って……」ブツブツ



――フィニッシュ!



デイジー「わーい、いっちばーん!ピーチ、ブースターは貰っちゃうね!」ホックホク

ピーチ「こんのLUCK全振りっ娘がぁ!」

デイジー「観客は喜んでるからいいんだもんねー!」エヘヘ

711Mii:2018/12/31(月) 23:33:24 ID:uMisqVDs
〜ボーナスミニゲーム 回してフィギュアカプセル〜

キノピオ「ロボットアームを操作し、フィギュアを回転させて見本通りにしてください!
     ただし、X, Y, Z軸回転それぞれについて、許容誤差2°以内に収めて
     2秒キープしないと成功と認められません!問題は全部で3問あります!

     …え?90°ごとの制御が可能な機能?そんなものありませんよ?」



ピーチ「くっ、回転の仕組みもおおよその必要回転量もなんとなくわかるけど、操作がシビアね…!」ウィーン

デイジー「えっと、こっちがそっちで、上、じゃなくて右?えっと…!?訳がわかんないよー!」ウィーン



ワルイージ「そーっとそーっと…フッ、お先にしつれーい!伊達にルービックキューブ1級の免状持ってないぜ!」シュパッ… シュパッ…

ピーチ「なんですって…!?」

デイジー「意外なところに伏兵が…!?」

キノピオ「これは想定外だ!ワルイージさんの操作技量に観客が拍手を送っています!」

テレサ(揃いかけのカプセルを奪うとかダメかナ?)ウィーン

712Mii:2018/12/31(月) 23:36:25 ID:uMisqVDs
1 st ワルイージ  1:43.321 /3問 最大誤差 1.56°
2 nd ピーチ    2:36.484 /3問 最大誤差 1.89°
3 rd テレサ     4:59.301 /3問 最大誤差 1.65°
4 th デイジー   5:58.086 /3問 最大誤差 1.45°

デイジー「…いいもん。慎重にやったから最大誤差は小さくて済んだもん」グズッ

ピーチ「ふふ、いい気味ねえ」

デイジー「なにおー!」

ワルイージ「弱い者同士の争いは醜いねえ、ヤレヤレだぜ」フッ

713Mii:2018/12/31(月) 23:40:10 ID:uMisqVDs
キノピオ「おっと、ここでゴール地点のロゼッタさんと中継が繋がっているようですね。
     ちょっと様子を確認してみましょう!どうぞ!」



〜ゴール地点〜

カメラマン「…………」サツエイチュウ

ロゼッタ「えっと…このイベントに関するトークなどをしないで、私は大丈夫なのでしょうか。
      というより、こんな私の姿を撮っているばかりで、いいのですか?」

カメラマン「い、いえいえ!ぜひともそのまま続けちゃってください!
      随分楽しんでいるようですし!気に入ってくださいましたか?」

ロゼッタ「はい!最初はナニコレって感じでしたが、すごく楽しいです!
      暇つぶしに貸してくださったアシスタントさんに感謝ですね!
      アームの応答もすごくいいですし!」シュパパパババババ

カメラマン「こ、これは映えるぞ…!みなさん、ご覧ください!」ゴクリ

観客「」ポカーン

714Mii:2018/12/31(月) 23:41:41 ID:uMisqVDs
ロゼッタ「次の見本は…

         X軸方向に  34.68°
         Y軸方向に  126.31°
         Z軸方向に  -64.09° といったところでしょうか!」シュババババババ

アシスタント(全方向に1回ずつの入力で終わらせ続けている…だと…!?)



       ロゼッタ 0:09.085 /3問  最大誤差0.02°(50回平均)



ワルイージ「」

テレサ「スゲー」

デイジー「空間把握能力MAXの人は違うなあ」

ピーチ「…誰がこの記録塗り替えられるのかしら」

715Mii:2018/12/31(月) 23:44:04 ID:uMisqVDs
〜ボーナスミニゲーム のぼってハシゴレース〜

キノピオ「スタッフさん曰く『宇宙のボードということで…ハシゴの長さも銀河級に大きくしてみました!』とのことです…」

ピーチ「……えっと、頂上が見えないんだけど」

キノピオ「『星々を渡り歩いて、切り立った崖を、わざわざ必死になって探した』とのことです…」

デイジー「……何mくらいあるの?」

キノピオ「『10 kmくらい』とのことです…」
     
デイジー「!?」

ピーチ「秒速10 mで登るとして、16分40秒ね。とっとと始めるわよっ!」

ワルイージ「しょうがないなー!」ヤケクソ

デイジー「本当にやっちゃうの!?棄権しないの!?馬鹿じゃないの!?」

キノピオ「あと、ガボンからの伝言で『鉄球がとんでもない速度で落下するけど大丈夫?
      まあ遠慮なく落としまくるけど』とのことです…」

ピーチ「」

デイジー「」

ワルイージ「」

テレサ「」

716Mii:2018/12/31(月) 23:46:17 ID:uMisqVDs
1 st  テレサ
2 nd デイジー
3 rd ワルイージ
4 th ピーチ

キノピオ「壮絶かつ地味な戦いを制したのはテレサさんだ!
     ハシゴ移りも非常に軽々と行っていました!
 
     ……なんだか何度か鉄球がすり抜けていたのは目の錯覚でしょうか?」

ピーチ「ゴホッ…ゴホッ…ああ――半ばで王冠を落としていなければ――っ!」ボロッ

デイジー「実質一人だけ20 km分を課せられたピーチが1位でいいよ、もう」アキレ

ピーチ「ルールは守るわ」キリッ

ワルイージ「お、おう」ヒキッ

717Mii:2018/12/31(月) 23:49:53 ID:uMisqVDs
〜ボーナスミニゲーム 隙間へ逃げろ!〜

ピーチ「……まずいっ!移動方向間違えたっ!?ブロックに潰される!ふんぬぅーーーー!!!」グググググッ

デイジー「ここは協力するわ!ペラペラになるなんて御免よ!」グググググッ

ピーチ「デイジー、あなた――!ありがとっ!」

デイジー「いいってことよ。どのみち私も潰されかけないし、ねっ!」ギチギチ

観客「す、すっげー!プレスブロックに潰されそうになりつつも、
    無理やり押しのけて空間を作って生き延びようとしてるぞ!」

観客「なんて怪力なんだ!ハシゴレースの後とはとても思えねえ!」

ワルイージ「オイコラ司会者、あいつら2人とも失格だろうが!さっさとジャッジしろよ!
       必死こいて逃げ延びてる俺が馬鹿みたいじゃねーか!」

キノピオ「は、はいぃ!」

ワルイージ「チッ…みんな、お姫様2人の乱舞っぷりを喜ぶばかりでさー。
      俺の存在感、どこにいっちまったんだ全く」

テレサ「俺の存在感も薄いから気にするナ!フヨフヨだゾ、フヨフヨ!」

ワルイージ「お化けのお前は当たり前だろうが!…やっぱりルイージの対ってのがインパクト薄いのか?
       いやいや、今更ライバルをマリオってことにするのもなんだかなー。
       せめて主役を張れる物語が欲しいぜ」

718Mii:2018/12/31(月) 23:52:39 ID:uMisqVDs
〜ゴール地点、時間がかかっているのでトークショー展開中〜

解説「――ところでロゼッタさんは、クッパタワーに挑戦されるおつもりですか?」

ロゼッタ「クッパタワー?…すいません、あまりよくわかりません。どのような施設なのですか?」

解説「挑戦者やライバルたちの分身を作り上げてミニゲームで戦わせ、
     挑戦者を無理なく鍛えてくれる訓練施設のことですよ。クッパも粋なことをしますよねー」

ロゼッタ「……あの、えと。たぶん…挑戦しないと、思います。すいません…」

ロゼッタ(仮にクッパの感覚で弱く設定されていても、私などでは勝てない可能性の方がずっと高いですからね…
      仕方がありません。もっとフェアリーランドで鍛えなくては、話になりません)

解説「そうですか。いや、残念ですね」



ロゼッタ「…………」

ロゼッタ(挑戦者の、分身…………………………………………)

ロゼッタ(…………何かこう、特訓のヒントが、隠されている気が、します。
     このイベントが終わったら、ちょっと検討してみましょうか)ポン

719Mii:2018/12/31(月) 23:55:00 ID:uMisqVDs
キノピオ「白熱した戦いもいよいよ大詰め!
      おっと、ここでビリであった姫さ…ピーチさんが、溜めていたブースターを一気に開放するつもりだ!

      …え?一度に使用可能な数は4個まで?そんなルールありませんよ?」

ピーチ「最後の勝負よ!途中のバッドイベントなんて、全部飛び越えてあげるわ!」



――ブースター53個使用!
――54倍サイコロ!!



キノピオ「ピーチさんは…残り157マスです!現在のサイコロの目は0, 54, 108, 162, 216, 270であるため、
      50%の確率でゴールインということになりますっ!」

デイジー「はっはっは、ピーチくん。あなたの運の悪さなら、ここで0を出して
      観客の大爆笑をもたらしてくれると信じているよ!」ノコリ 109マス

ワルイージ「…俺、今は一応トップだけど、デイジーもテレサもブースターをかなり持ってるからなぁ。
       ここでピーチがゴールして、俺は2位で終了するってのも悪くはないのか?
       …いや、なんか後ろ向きな発想な気がするな、ううむ」ノコリ 59マス

テレサ「ケケケ、ゴールしちゃったりしたら呪ってやるゾー」ノコリ 94マス

720Mii:2018/12/31(月) 23:57:01 ID:uMisqVDs
〜ゴール地点、互いに中継状態〜

ロゼッタ(…………)ドキドキ

ロゼッタ(0か54か108 0か54か108 0か54か108 0か54か108…)



ピーチ「そりゃっ!」ポーン



キノピオ「運命の結果は……162だぁー!!」

デイジー「うそおおおおおお!?」ガーン

ピーチ「やったわ!全力前進っ!!私の……優勝よ!」ゴオオオオオオオオオッ



ロゼッタ「な、なんということでしょう!終わってしまいました!
     あああ、ピーチ姫が、ものすごい速さでどんどん、近づいてきます!
     こ、こないでくださぁい!!拒絶します!」ポワーン

アシスタント「…えっ」



私は恐怖から、無意識に、持ってきていた杖を振るってしまいました。
…それが、事態をひどく悪化させることにも気づけずに。

721Mii:2019/01/01(火) 00:00:11 ID:C4qo13Wo
ピーチ「さあロゼッタ、覚悟しなさ――」ゴオオオオオオオッ





ロゼッタの ピッタリゲート!
ピッタリ とまらないと ゴールあつかいに ならない!
ピーチは はねかえされて 5マス もどされた!▼





ロゼッタ「あ」

ピーチ「きゃあっ!」ゴツンッ オリカエシ!

カメック「私の魔法が!?ボードマップが違うんですけどぉ!」



ポチッ。  ――だれかのところへワープ!

キノピオ「る、ルーレットの結果……デイジーさんのいる場所へワープします!!」

ピーチ「…は?」

シュインッ!

722Mii:2019/01/01(火) 00:02:14 ID:C4qo13Wo
ワルイージ「…………」1 st

テレサ「…………」2 nd

デイジー「や、やあ」3 rd

ピーチ「」3 rd



キノピオ「あわわわわわわわわわわわわわわわわ…
      うううううう後ろにワープしちゃいました。どうか気を落とさないで…くださいねっ!」ガクガクブルブル

ピーチ「…………ふふふふふふふふふふふふふふふ、タンコブできちゃったぁ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

デイジー「般若がおるでぇ」ガクガクブルブル

ロゼッタ「あ、あ、ああああああああああああ!?」ガクガクブルブル



マリオ「」

ルイージ「」

ワリオ「ぎゃははははははははははははははは!こりゃケッサクだぜ!腹いてぇ!」

723Mii:2019/01/01(火) 00:05:32 ID:C4qo13Wo
〜ボーナスミニゲーム ガッポリ横取りブースター〜

デイジー「ちょっと待ったぁ!!こんなミニゲームないでしょ!?」ビシィッ

ピーチ「ブースター寄越しなさいゴラァ!!」

デイジー「ぐふぅ」バタリ

テレサ「ギャァー!成仏されるゾー!!」ボロッ

ワルイージ「ア、ハイ。俺が持ってるブースター全部差し上げます」スッ

ピーチ「チッ、これ以上持てないのね、残りは捨てるわ」



――ブースター 9 9 個使用っ!!
――1 0 0 倍サイコロっ!!!



キノピオ「サイコロの目は……500だぁ―――――っ!!
     ロケットがけたたましい轟音を上げてゴールに突撃してゆきますっ!!」

ロゼッタ「」

ピーチ「ツラヌキィ――――ナグーゥリィィィ――!!!」ドグシャッ!

ツラヌキこうかの フライパンで
ピッタリゲートは こなごなに くだけちった!▼

724Mii:2019/01/01(火) 00:08:11 ID:C4qo13Wo
ピーチ「まあ、FPに限りのある状態のロゼッタの魔法程度じゃ、こんなものよね」ズシン ズシン

ロゼッタ「」ガチガチ

ピーチ「さぁてロゼッタ、何か言いたいことはあるのかしら?私はいーっぱいあるのだけど?うふふふふ」ゴゴゴゴゴゴ

ロゼッタ「――――なんでもしますから命だけは勘弁してください」ドゲザ

ピーチ「……ん?今、なんでもしますって言ったわね?」

ロゼッタ「はっ!このロゼッタ、ピーチ様のためならば、物理的に不可能であることや致命傷を被りかねないこと、
     あと破廉恥なことでなければ全力で努めさせていただきます!」

ピーチ「……ほう?二言はないわね?」ゴゴゴゴゴ

ロゼッタ「……はい」ブルブル

ピーチ「……………………………………………」

ピーチ「よし♪許す!」ニコッ

ロゼッタ(ホッ)

デイジー(いかん!アッサリすぎるっ!そこで安心しちゃいかんよロゼッタァ!!)



マリオ「あーあ…知らんぞー」

ルイージ「相当な罰ゲームを思いついた顔だよね…」

725Mii:2019/01/01(火) 00:12:10 ID:C4qo13Wo
もともと、「ロケットレースギャラクシー」のボードマップはイベントの終盤のボードだったらしく。
私の出番はもちろんのこと、ピーチ姫やデイジー姫もお役御免…すなわち抜け出してよい状態である、とのことでした。
あとはマリオが「アベコベ!クッパ火山」ボードにて、クッパとの対決で場を持たせてくれるみたいです。

私は、2人に連れられて、キノコ王国に向かうことになりました。
一体、何を命令されるのでしょうか…………。



連れられてきたところは、どこかの立派なスタジオでした。
あれよあれよと着替えさせられて…………連れてこられたのは…撮影現場。



ロゼッタ「あのー、この衣裳、なんなんですか?
      …破廉恥なことは駄目っていう私の条件に引っ掛かりそうなんですが」

デイジー「…コスプレ?」



何故だか知りませんが。

キャピキャピした装飾の変身ステッキの玩具を持たされ、
露出度合いがあるようであまりないようで、やっぱり少しある感じの少女服を着せられ。
年不相応の、ゴスロリミニスカート魔法少女の出来上がり。



――――ものすっごく恥ずかしいんですが!辱めじゃないですか!

726Mii:2019/01/01(火) 00:14:49 ID:C4qo13Wo
すると、ピーチ姫の口から――とんでもない言葉が、飛び出しました。

ピーチ「ささ、昔の自分を思い出して――
     『亜空の魔女ロゼりん 此処に見参!』って感じでポーズ取ってみて!
     最新鋭カメラでしっかり撮らせてもらうから!セリフとかがあると尚良し!
     
     …あ、撮影した写真に関する著作権・肖像権その他、各種権利は私に属するものとすることを念頭においてね」

デイジー「エ、ナニソレ」

ロゼッタ「ごふぅっ!」グサッ





ロゼッタ(酷い罰ゲームですね……!何も知らないデイジー姫がキョトンとしています。
     …………で、でもピーチ姫には既に知られていることですし!

     そうですよ、開き直ってしまえば!ま、まだマシだと、思いますっ!痛くないですし!
     ピーチ姫の気が変わらないうちに…!こうなったら恥を捨てるのよ、ロゼッタっ!)

727Mii:2019/01/01(火) 00:18:48 ID:C4qo13Wo
ピーチ「さあ、早く!日が暮れるわよ?」

デイジー「え?え?ええ?」アタフタ

ロゼッタ「――わかり、ました」ゴゴゴ

ロゼッタ(スウゥ…)







ロゼッタ「おたすけ☆ウィッチ ロゼりん、此処に見参!観念しちゃえ☆悪党どもよ!」ビシィッ






デイジー「」ピシッ

ピーチ「」ピシッ ガシャーン

ロゼッタ「……ピ、ピーチ姫?」カアァ

ピーチ「……あ、な、ナンデモナイナンデモナイッ!うん、そんな感じ!
    さあ、終わりたかったら私をさっさと満足させてみなさい!ポーズをとり続けるのよ!」カシャッ

728Mii:2019/01/01(火) 00:20:23 ID:C4qo13Wo
ロゼッタ「受けてみなさい、星々の怒りを!とんでけ、シューティング☆スター!」ブンッ

ピーチ「いいわよ!」カシャッ





ロゼッタ「天に代わって、亜空の魔女が――お仕置きよ☆」ウインク

ピーチ「――っ、いいわ、すごくいい!ロゼッタもノリノリじゃないの!(震えながら)」カシャッ



ロゼッタ「敵は凶悪、味方は皆無……それでも私、諦めないんだからっ!」ガバッ

ピーチ「這いつくばりながらも敵に立ち向かおうとするその出で立ち…最高よロゼッタ!
     最高にヒロインしてるじゃないの!」カシャッ





デイジー「なにこれ」プルプル

デイジー「ナニコレ」プルプル

デイジー「な ん だ こ れ !?」プルプルプルプル

729Mii:2019/01/01(火) 00:21:45 ID:C4qo13Wo
〜1時間後〜

ピーチ「はい、ストップ。お疲れさまでした!
    いや、本当に素晴らしい写真が撮れたわ!ありがとうロゼッタ!」スッキリ

ロゼッタ「顔から火が出ると思うくらい、恥ずかしかった、ですがっ…」カアアァァ

ロゼッタ「どうせ、ピーチ姫のことですから、真剣にやらなければ納得していただけないと思いまして……っ!」カアアァァ



デイジー「あっれー、いつまでたっても痛みが発生するなー。
     この夢、いつになったら覚めるのかなぁ、アハハハハ」ゴンッ ゴンッ



ロゼッタ「デ、デイジー姫?泣きながら壁に頭をぶつけ続けて、何をやっているのですか!?」

デイジー「…はい?」ウツロメ

ピーチ「現実逃避をしているだけよ、気にしなくていいわ」

730Mii:2019/01/01(火) 00:24:10 ID:C4qo13Wo
ロゼッタ「はあ。…では、着替えてきますね。いい加減、いつもの服に戻りたいので」

ロゼッタ(ああ…一時の大恥でしたが、これにて終了です。よしとするしかないでしょう…)



ピーチ「ええ、そうしてちょうだい。そのあと、すぐにほうき星の天文台に向かうから」

ロゼッタ「……え?どうしてですか?」








ピーチ「じゃないと、表紙に乗せる画や挿絵を撮影した意味がないじゃないの、おバカさんねー。
    まあ、多少は画像修正を行うけれどね」








ロゼッタ「…………………………………………………………………………は?」マッサオ

731Mii:2019/01/01(火) 00:26:21 ID:C4qo13Wo
〜ほうき星〜

チコ「あ!」

フヨフヨ フヨフヨッ!!

チコ「僕は一足先に帰ってきてたけど…ようやくママの乗ったクッパシップが到着だ!ママお帰り――」






ロゼッタ「い゛や゛でずぅ゛――――――っ!!ぞれ゛だげば、ぞれ゛だげばご容赦を゛――――っ!!」ポロポロ

ピーチ「なんでもするって言ったじゃない。二言はないんでしょー?」ズンズン

チコ「」






チコ「ママ、号泣しながらピーチ姫の脚に縋り付いたりしてどうしたの!?そのまま引き摺られてるけど!
   ……ピーチ姫、ママに何をやったの!?乱暴でもしたの!?」

732Mii:2019/01/01(火) 00:28:16 ID:C4qo13Wo
ピーチ「別に、大したことはしてないわよ?ただ、これから…




    ロゼッタ著の『星に願いし亜空の魔女』シリーズをちょーっと校正して読むに堪えるようにして、
    ロゼッタの魔法少女決めポーズも客寄せのために中に散りばめて、
    学術文献とライトノベルを併せ持つ形で、キノコ王国完全バックアップで出版しようとしてるだけだから」

ロゼッタ「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」ポロポロ

チコ「」



ピーチ「大丈夫よ、ロゼりんって名前は頻繁に登場しても、ロゼッタの名前は一切出さないから。
     もちろん絵のモデルがロゼッタであることも隠しておくし」

ロゼッタ「わ゛がる゛びどに゛ばわ゛がりまずよお゛お゛お゛お゛!!」ポロポロ

ピーチ「あ、あと…原本についてはね、ロゼッタが誤って廃棄処分したりしないよう、
     王国国会図書館で シ ッ カ リ 管理させてもらうから。ああ、素晴らしいわ!
     これでキノコ王国の空間魔法技術は100年分は加速できるわね!」ホクホク

ロゼッタ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」ポロポロ

チコ「」

733Mii:2019/01/01(火) 00:31:33 ID:C4qo13Wo
ピーチ「デイジー、ロゼッタをちょっとばかり拘束しておいてちょうだい!私一人で探し出すわ!!」ダダダッ

デイジー「了解。……ごめん、ロゼッタ」ガシッ

ロゼッタ「ばーな゛―じーでーぐーだーざーい゛――――っ!」ジタバタ

チコ(発奮状態のピーチ姫は、探し回ること1時間…
   ママがため込んだ『お話』の原本を…本棚の隅っこから見事探り当て。

    『全10巻どころか続編が53巻も出てるじゃないの……!なんてこじらせ方をしているの…
    これも徴収ねっ!素晴らしいわ!写真が足りないくらいだわ!』

    と呆れと喜びの絶叫を上げながら。ホクホク顔でほうき星を去っていったよ)

チコ「……ママ?」ユサユサ



ロゼッタ「」チーン



チコ「(精神的に)死んでる……!」

――ママは、涙の跡を残し、部屋の隅で体育座りをしたまま、二日後の朝までピクリとも動きませんでした。
――僕たちは……今回ばかりは心配しても意味がないかとママをそっとしておいて、ワイワイガヤガヤ、
   星くずパンを食べて過ごしました。
――え?ほったらかしだなんて酷いって?……ヒドクナイヨ?アハハハハ。

734Mii:2019/01/01(火) 00:37:32 ID:C4qo13Wo
〜数日後、WORLD1-2 ノコノコ地下洞窟〜

ファイアロゼッタ「はああああああああああああああぁぁっ!!」ボウッ! ブンッ!

ビュンッ!…ドゴンッ!



ファイアロゼッタ「命、爆発ゥ――ッ!!」ボウッ! ブンッ!

ビュンッ!…ドゴンッ!



ファイアロゼッタ「フルパワァ――――ッ!!」ボウッ! ブンッ!

ビュンッ!…ドゴオオォォンッ!



ノコノコ「…………姐さん、戻ってきたのはうれしいんだけど」

クリボー「……………………どうして涙でぐしゃぐしゃなんだろうな」

ファイアロゼッタ「修行三昧で全部――忘れてしまいます――――っ!
          後生ですから、忘れさせて、ください――っ!」グズッ

735Mii:2019/01/01(火) 00:39:40 ID:C4qo13Wo
〜キノコ城〜

ピーチ「――こ、これは読む側もなかなか、苦痛だわ……
     私はここまで酷くなくて本当に、本当によかった…!今だけはディメーンに同情するわ…!

     あと何回、顔を強張らせればいいのかしら…!?早く読み終えて校正に回したいのだけれど――っ!」ピクピク





ピーチ(この時の私は、知る由もなかった。
    本筋を弄らないまま、ちゃんとした凄腕執筆者に手直しさせ、
    ちゃんとした体裁で世に送り出したこれらの本が数年後……

     表紙に惹かれた学生から数式に惹かれた研究者までが読み漁る年間ベストセラーになることを。
     キノコ王国にちょっとした技術革命を起こすことになることを。
   
     …そして、印税を一応持って行ったときにロゼッタが泡を吹いて倒れる、ということを)

736Mii:2019/01/01(火) 00:42:13 ID:C4qo13Wo
月日は暫し、巡り……。

〜8月、WORLD1-1 スーパーベルの丘〜



ロゼッタ「反復横宙返りっ!」クルッ シュタッ クルッ シュタッ

ロゼッタ「連続ヒップドロップっ!」クルリン ドシンッ! クルリン ドシンッ!

ロゼッタ「走り幅跳びっ!」ピョーン



ロゼッタ「ふむ、まだまだ神経は尖らせなければなりませんが、一通りこなせるようになりましたね!」

時計「スタート地点からあんまり動いてないッスけど、残り300秒ッスよ」

ロゼッタ「…ああ、そろそろ向かいますか」



COURSE CLEAR!
タイム:451



ロゼッタ「ほっ、いい汗かきました!もう、250秒くらいあればゴールできますね!」ルンルン

737Mii:2019/01/01(火) 00:44:29 ID:C4qo13Wo
〜WORLD1-2 ノコノコ地下洞窟〜

ファイアロゼッタ「ハッ!!」ボウッ! ブンッ!

ゴオオオッ! ズバーン!!



ファイアロゼッタ「フンッ!!」ボウッ! ブンッ!

ゴオオオッ! ズバーン!!



ファイアロゼッタ「ハァーッ!!」ボウッ! ブンッ!

ゴオオオッ! ズバァーン!!



テーレッテレー!

ロゼッタの 基礎体力レベルが Lv. 17に 上がった!▼



ファイアロゼッタ「……うん。左右とも、時速145 kmくらいは出ていますね。
          …そろそろ、1-3に向かってもいいのではないのでしょうか」

738Mii:2019/01/01(火) 00:47:52 ID:C4qo13Wo
ファイアロゼッタ(今度は9月にスマブラがイベントに控えているようです。ええ、あの大乱闘で有名な。
          今度は遅刻しないように…忘れないようにしましょう。

          もっとも、私は観戦、応援をするだけで、参戦するつもりなどさらさらないんですけれどね。
          一応残機制ではあるということですが…まだまだ実力不足ですし。
          歴戦のファイター達に直に攻撃されるなど、あまりにも怖い。パスです、パス!

         そんなわけで、あと1カ月のうちに。
         せめてWorld1はクリアしておきたいなあ、と思うのですよ。
         ぼーっとしていると、1年経ってしまいそうですからね…。
      
         ピーチ姫の方は、本当に私のことを「時たま挑戦しに行くくらい」と考えているようですが。
         うん、勘違いさせておきましょう。その方がいい気がします)フウ

ファイアロゼッタ「それではっ!いざ!現在状態に加えて、更にファイアをストックしておいて――
           1-3へ、まいりましょう!」オーッ

739Mii:2019/01/01(火) 00:52:56 ID:C4qo13Wo
〜WORLD1-3 てっぺん目指せ!ノッポ山〜

ファイアロゼッタ「えいっ」ピョン



ファイアロゼッタ「それっ!」ボウッ!

パックンフラワー「ギャア!」バタリ



ファイアロゼッタ「ここをこう登って…」タタタッ



パックンフラワー「!!」カプッ

ファイアロゼッタ「引いてかわして、踏みつけるっ!」ポコッ

パックンフラワー「キュー…」バタリ



ファイアロゼッタ「あの場所まで着きました!!」

ファイアロゼッタ「……………………あら?何か違和感が…」

MISS回数:0回

740Mii:2019/01/01(火) 00:55:13 ID:C4qo13Wo
ファイアロゼッタ「出ましたね、狭い道にパックンフラワー…
          そしてその奥に、巨大パックン!」ブルッ



――あのときの恐怖が、引き裂かれた自分が、ありありと蘇る。
――鍛えたはずなのに、足が中々動かない。



――まだ、ダメなのですか。





ファイアロゼッタ(どうしましょう)



涙ぐみながらも、早まる鼓動を収めつつ…じっと、じいっと、遠くの巨大パックンを眺める。

流石に私には気付いていない巨大パックンは、余裕っぽそうに、
ガチガチと歯を噛み合わせていて踊っていて…。踊っていて…。

741Mii:2019/01/01(火) 00:57:16 ID:C4qo13Wo
ファイアロゼッタ「……あれ?よくよく考えてみると。素朴な疑問が。




  
           ここから巨大パックンまで、『たかだか』50メートル。
           …ファイアボール届きますよね?ここから投げては駄目なのでしょうか。

            よし、念のため右目のチカラを開放して――――ロック、オン」グググ



ロゼッタは あいてに ねらいを さだめた!▼



ロゼッタ「――――ハッ!!!」ボウッ! ブンッ!



ファイアボールが、綺麗な軌跡を描いていき…

巨大パックン「ギャッ!?」ボンッ!

パックンフラワー「!?」

742Mii:2019/01/01(火) 01:02:18 ID:C4qo13Wo
ファイアロゼッタ「いやいや、そんな…………」

ファイアロゼッタ「いやいや、まさか…………」

ファイアロゼッタ「――――ハッ!――――ハッ!――――ハッ!!」



――ボンッ! ――ボンッ! ――ボンッ!



巨大パックン「ぎゃあああああ」バタリ

パックンフラワー「」



距離のせいで勢いが減衰したため一撃、というわけには行きませんでしたが…
無事、ゴールまでの道のりが開かれました。

ついでに手前で怯えるパックンフラワーにも1発。
近いおかげで一撃です、嬉しいですね。のんびりゴールへと向かいましょう。

ファイアロゼッタ「…………あれ、なんだか拍子抜けなんですけど…こんなに弱い敵、でしたっけ…」

――つまり、ファイアが効く敵、特に位置が固定された敵に関しては…
   数十メートル手前の安全圏からファイアボールを投げまくればいいのですね、把握しました。

ファイアロゼッタ「……すっごく楽じゃないですか!ファイアボールを鍛えておいてよかったですね!」パアアア

743以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 15:22:01 ID:DmzroeaA
スマブラでパックンと共演するの大丈夫なんだろうか…

744以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/02(水) 16:37:30 ID:1wJkGJkU
ピーチも似たような時期あったのか…

745Mii:2019/01/03(木) 22:30:45 ID:73vyrrfQ
〜WORLD1-4 プレッシーのザブンリバー〜

プレッシー「振り落とされないようにするんじゃぞー!」ジャバッ ジャバッ

ファイアロゼッタ「わわ……!このステージは、いわゆる――滑り降りるのみ、
           コースアウトしたら即終了のスライダーステージ、というものですね!

           し、慎重に進路制御の指示を出さなければっ!
           ――ここは、ひとつっ!」サッ



――ボンッ!! ――ボンッ!! ――ボンッ!!



ファイアロゼッタ「数十メートル先の水上に――ファイアボールの水しぶきで誘導線を描きます!」

プレッシー「危なっ!?首元に炎びゅんびゅん飛ばすのをやめるんじゃ!」ワワワ

746Mii:2019/01/03(木) 22:33:56 ID:73vyrrfQ
〜WORLD1-5 オン!オフ!スイッチサーカス〜

ファイアロゼッタ「わあ、サーカスというだけあって、とっても華やかな電飾と仕掛けですね!
         …この青いフリップパネルを踏んで、どんどん黄色に変えていけばいいのでしょうか?」フミッ フミッ

カメック「…おや?ロゼッタ姫ではありませんか。私、クッパ様の誕生会でお世話になったカメックの1人です。
     ようやく、こちらまで到着したんですね。待ちくたびれました」

ファイアロゼッタ「あ、ははは…遅くなってしまい、誠に申し訳ありません」ペコリ

カメック「しかし、ここに来たからには、にっくき敵と思い…しっかりお相手させてもらいますよ。
      お手並み拝見です――魔法攻撃っ!」ポワポワーン



ファイアロゼッタ(ステージに杖を持ち込めて、いいなあ。
         挑戦者の私の場合、ステージに『一時預かり』されるらしく手元に置いておけないんですよね…。
         まあ、咄嗟にズルしてしまいそうですし、ある意味良かったんですけど…)

747Mii:2019/01/03(木) 22:36:20 ID:73vyrrfQ
ファイアロゼッタ「とりあえず魔法速度はないので、落ち着いて横に避けて……!」ヒョイ

カメック「…むむ!思いのほか素早いですね…!」

ファイアロゼッタ「とても嬉しい褒め言葉をありがとうございます。
          さあ、次はこちらの番です。……ハァッ!」ブンッ

ゴオオオオッ!!

カメック「――!?なんとっ!」シュインッ



バシーーン!



――惜しいっ!私の一撃は、テレポートでギリギリかわされてしまいました。
――誰もいない空間へファイアボールは突撃し、そのまま壁に跳ね返って奈落に落ちていきました。
――しかし、カメックは大層驚いている様子。ちょっぴりテンションが上がります。

748Mii:2019/01/03(木) 22:38:50 ID:73vyrrfQ
カメック「なるほど、なるほど。ここまでファイアボールを昇華しているとは、たいしたものです、ロゼッタ姫。

     しかし、それでは。私のような俊敏な相手には当たりませんよ!
     モーションに時間を掛けすぎているうえに、一度動作し始めたら
     方向はほぼ調整できないようですからね!」



ぎくっ…。ええ。それは、かねてからの課題でした。
はるか手前から一方的に投げつけられるのなら、それに越したことはないのですが。

いざ対峙してお互いに射程圏内、みたいな状態では…
早々と方向を定める上に何秒も掛かってしまう投球動作は、致命的なビハインドとなります。

今のところは、動作が短くて済む…手投げのファイアボールを織り交ぜることでなんとかするしかありません。

749Mii:2019/01/03(木) 22:42:00 ID:73vyrrfQ
ファイアロゼッタ(あとは…幸い今回については、相手の移動方法が『空間転移』であるということですねっ!)

ファイアロゼッタ「はあっ!」ブンッ

カメック「なんの!」シュイン



――見切りましたっ!



ファイアロゼッタ「先読みですっ!!」ブンッ



ヒュー……



カメック「――ぎゃっ!?」

ファイアロゼッタ「怯んだ隙に、追撃っ!」ブンッ

カメック「お、おみご、と……」ボンッ バタリッ

ファイアロゼッタ「……ふう。問題は、相手の出現タイミングに間に合わせるため……
          手投げしか選択肢がなくなることですね。そのせいで一撃で倒せません…」

これは、後々問題になりそうです。対策を考えねば…いけませんね。

750Mii:2019/01/03(木) 22:44:45 ID:73vyrrfQ
〜WORLD1-城 対決!クッパのハイウェイ城〜

クッパ(偽)「ガッハッハ!キックボムをどんどん投下してやるぞ!
       ちなみにワガハイはキックボムを車に9回当てる……
       猫引っ掻きで直接ワガハイを狙えば3回当てるだけで倒せるぞー!」

ファイアロゼッタ「親切にありがとうございます!
          …よし、赤点滅していないキックボムを狙って……今です!」



グキィッ!!ボキッ!!



ロゼッタ「」ティウン ティウン ティウン

ロゼッタ「――っ……あ、ああ……………足首を……挫きました……っ!」ウズクマリ

ロゼッタ「……え、あれ!?普通、蹴れるだけの軽さになってくれているはずなのでは!?
     とてもこれ、蹴り上げられそうにないんですけれど!」ヨロヨロ

クッパ(偽)「だから、せいぜい50 kgくらいしかないぞ」

ロゼッタ「基準が酷い!」ガーン

751Mii:2019/01/03(木) 22:47:31 ID:73vyrrfQ
ロゼッタ(まずいです、キックボムを使えそうにありません!こうなったら!)サッ

ファイアロゼッタ「ストックフラワー、使用っ!ケガも回復っ!」ググーン

クッパ(偽)「ふむ?それで一体、どうすると…」

ファイアロゼッタ「噂で聞いたことがあります。
          クッパを倒す基礎の基礎は…ファイアボール連打だとっ!!」スッ

クッパ(偽)「えっ」





ファイアロゼッタ「ファイアーッ!」ブンッ ブンッ ブンッ ブンッ ブンッ

クッパ(偽)「ぎゃ!?ぐへえっ!?ぐわああああ!?」

752Mii:2019/01/03(木) 22:50:13 ID:73vyrrfQ
瓶詰妖精「」HELP!

ファイアロゼッタ「…………」

瓶詰妖精「」ア! イツゾヤノ オンナジャナイ! タスケナサイヨ!

ファイアロゼッタ(ニコーッ)

瓶詰妖精「」ナンカゲツ トジコメラレテルト オモッテルノ! タスケテッテバ!

ファイアロゼッタ「…………」

瓶詰妖精「」・・・タスケテ クレナイ?

ファイアロゼッタ「そのあと、1発殴ってもいいのなら助けてあげますよ?」ニコッ

瓶詰妖精「」ハア!? フザケテンノ!?

ファイアロゼッタ「えーっと、適当にマグマの海に放り込んでおきますか。
          どの辺がいいでしょうか…できるだけ熱くて、
          何かの拍子に沈んだ時のために深そうなところがいいですね」キョロキョロ

瓶詰妖精「」・・・・・・

ファイアロゼッタ「…………」

瓶詰妖精「」・・・タスケテ クダサイ

ファイアロゼッタ「わかりました」

753Mii:2019/01/03(木) 22:54:01 ID:73vyrrfQ
パリーン!

妖精「ふう、やっと出られたー!そして……トンズラよっ!べーだ!」ピューッ

ファイアロゼッタ「ふふふふ、そういうこと…」スッ

ファイアロゼッタ「すると…」カマエ

ファイアロゼッタ「――もっと、痛いことになります、よっ!」ブンッ

妖精「へっ?」クルリ



ゴオオオオオオッ!!



妖精「ぎゃあああああああ!?」ヒダルマ



ファイアロゼッタ「…というわけで、大変遅くなり申し訳ありませんが
         妖精をおひと方、救出いたしました。お返ししますね」

妖精(悪)「」プスプス

妖精(善)「…………あ、はい」ガクガクブルブル

ファイアロゼッタ(…ちょっとやりすぎてしまったでしょうか)

754Mii:2019/01/03(木) 22:58:30 ID:73vyrrfQ
ファイアロゼッタ「いろいろありましたが…3日足らずでWorld1をクリアしてしまいましたね…嬉しい予想外です!
          案外実力が付いているとか!…だと、いいですね。
          ではこの勢いで…World2に向かいましょう!          

          ……ただ、去年の11月のマリオの伝言に
    
               『絶対に2-2は挑むな』

          とあったのが気掛かりですが…そう言われると、却って気になる…」









〜WORLD 2-2 触って!吹いて!引き出し山脈〜

ファイアロゼッタ「…………」

プロペラリフト「…………」シーン

ファイアロゼッタ「…………え?あれ?あれれ?
         どこかに起動スイッチでもあるのでしょうか?探してみましょう」

755Mii:2019/01/03(木) 23:00:35 ID:73vyrrfQ
TIME UP!

TIME UP!

TIME UP!

TIME UP!

TIME UP!



2-2「ポイッ」

ロゼッタ「…………よぅし、このステージは無視しましょう!そうしましょう!
     ええ、それが賢明です!……マリオたちは一体どうやってクリアしたのでしょうか」ブルブル





〜マリオの家〜

マリオ「肩車からの仲間投げや仲間踏みで、残機犠牲にしつつ強引に突破したぞ。
    そのときの死亡は死亡回数にはノーカウントだ。
    あ、ちなみにからくり屋敷系統は単純に扉を蹴破った」

ルイージ「…いきなりどうしたの、兄さん?」

マリオ「いや、なんか呟かなきゃいけない気がしたんでな」

756Mii:2019/01/03(木) 23:02:59 ID:73vyrrfQ
〜WORLD2-5 ダブルチェリー峠〜

ファイアロゼッタ「…………」

ファイアロゼッタ「……………………」アトズサリ

ファイアロゼッタ「……………………」

ファイアロゼッタ「………………………………ひっ」アトズサリ



サワッ



ファイアロゼッタ(分身)「――!?ちょ、ちょっと何をするのですか!」

ファイアロゼッタ(本体)「え、わかっていますよね?あなたも私なのですから。
               では、引き続き……」

ファイアロゼッタ(分身)「わかっては、いますけど…頭では、理解していますけど…ううう…」カアァ

757Mii:2019/01/03(木) 23:04:47 ID:73vyrrfQ
ファイアロゼッタ(本体)「はい、顔」サワッ

ファイアロゼッタ(分身)「くすぐったいです…」

ファイアロゼッタ(本体)「次は胴体ですね」ペタペタ

ファイアロゼッタ(分身)「ひゃんっ!胸、触らないでください!」

ファイアロゼッタ(本体)「腕、脚――なるほど、順調に筋肉は付いていそうですね。
               中々自分では確かめにくいので」フニフニ

ファイアロゼッタ(分身)「――――っ!」カアァ

ファイアロゼッタ(本体)「では腰も……」ナデリ

ファイアロゼッタ(分身)「嫌…やめ、て……」カアアァァァ

ファイアロゼッタ(本体)「ふむ、この肉付きは…」ギュッ

ファイアロゼッタ(分身)「ストップ!ストップ!ストォーップですっ!!」カアアァァァ





ファイアブロス「なんかすごくエロい」

758Mii:2019/01/03(木) 23:07:09 ID:73vyrrfQ
ファイアブロス「あのー、さっきから何をやってるんですか?
          ステージの…いや、冒険のCERO上げたいんすか?」ジトー

ファイアロゼッタ(分身)「ううう、辱められましたぁ…」グッタリ ボワン

ファイアロゼッタ「…あ、消えてしまいました。よもやダメージ扱いとは、
          分かってはいましたが、よっぽど嫌だったんですね…尊い犠牲でした。

          中々、自分の体を詳細に、丹念にチェックすることって難しいので。
          でも、おかげで――だいぶ把握できました!」



ファイアブロス「…………変態?痴女?」ヒキッ

ファイアロゼッタ「違いますよっ!?改めて考えると説得力ないかもしれませんけど!

          …誤解を解くためにも、一度お見せした方がよいでしょうね。
          ディメーンが使っていた魔法の、応用版……!
          デイジー姫にお借りした漫画からヒントを得た、この魔法を…!
          形から入るために、印もしっかり、結んでですね…!」サッ



ファイアブロス「……印?」

759Mii:2019/01/03(木) 23:11:58 ID:73vyrrfQ
ファイアロゼッタ「いまは杖がないので、碌に強い状態にはなりませんが…参りますっ!

           Sランク空間魔法――
                  
                    実 分 身《リアルアバター》っ!」



ボカンッ!!





ファイアロゼッタ(副)「分身体、登場なのですっ!」シャキーン!

ファイアロゼッタ「……やりました!1発で成功です!」

ファイアブロス「おお!これって影分し」

ファイアロゼッタ「「実分身です」」

ファイアブロス「え、どうみても――」

ファイアロゼッタ「「実 分 身です」」

ファイアブロス「」

760Mii:2019/01/03(木) 23:16:41 ID:73vyrrfQ
ファイアロブロス「……じゃあ何が違うんですか?」

ファイアロゼッタ(副)「原作と違ってですね――」

ファイアブロス(原作とか言っちゃってるし)

ファイアロゼッタ「……ヒップドロップ!」クルリン ドシンッ!

ロゼッタ(副)「ふんぎゃぁ!痛いじゃないですか、いきなりっ!」ティウン ティウン ティウン

ファイアロゼッタ「まあまあ、これが一番説明が楽ですから」

ファイアブロス「はあ……………………」

ファイアブロス「…………!?」

ファイアブロス「あれ……!?ダメージを受けても、パワーダウンするだけ!?
         煙になって消えたりしないんですか!?」

ファイアロゼッタ「その通りです!この分身は、FPこそ本体に比べ削られていますが…
          本体とほぼ同等のHPを持ち、更に最大HP、最大FPは本体と全く遜色ありません!

          また、繰り返しの実分身を制限する…すなわち、同時に3人以上が存在することはないという制限こそありますが、
          基礎体力、魔法行使力などの行動制約も一切ありません!

          つまり、回復を欠かさないなどの措置をしてその気になれば…
          そのまま本体と同戦闘力の別個体として生き続けられるくらい頑丈です!
          一定時間の接触で本体と融合することもでき、その場合はそれまでの経験値を本体に還元できます!」ドヤァ

761Mii:2019/01/03(木) 23:20:27 ID:73vyrrfQ
…実は、若干誇張が入っています。

難解な数式の解法結果から導かれるため説明は割愛させていただきますが…
魔法の精度とは関係なしに、術式上…基礎体力レベルの終端点…成長限界があるため、
必ずしも同様に鍛えれば同戦闘力、とは限りません。

ただ、限界はLv.50くらいと考えられるため、私にとっては十分に余裕があると言えるでしょう。



ロゼッタ(副)「……あ、言ったそばから――消えちゃいますね、すいません」ポワン

ファイアブロス「…あれ?」

ファイアロゼッタ「……まあ、今の分身は杖がないせいで、生存最低限のHP、FPすら持たせられなかったので。
           時間で消えても仕方がありません。

           …しかし、杖さえ使える状況になれば!
           格好の特訓相手として、召喚することができるということです!
           中々便利だとは思いませんか?」

杖が使えて残機制でもある、というスマブラの舞台は、またとない機会です。
凄腕ファイターたちが戦う傍らで、応援がてらほんのすこしトレーニング会場をお借りして、
自分自身とひたすら戦えばいいのです!…………杖、使えますよね?

私としては、中々の作戦だと思っています。

762Mii:2019/01/03(木) 23:24:46 ID:73vyrrfQ
ファイアブロスは、少し思案した後、呟きました。

ファイアブロス「ふぅん…本体と分身のスペックは一緒、初期燃料の差だけってことですか。
        
         下手すると、分身体が本体を打ち負かして、なり替わりそうですね。
         この手の作戦のありきたりなオチだと思うんですけど…
         いやまあ、漫画やアニメの話なんですけどね?」

ファイアロゼッタ「!?」



ファイアブロス「せめて、区別はつくようにしておかないと…
        本体に従うことが馬鹿らしくなってきた分身体が、
        『自分が本体だ!あっちが偽物だ!』とか周囲に吹き込んで、
        大変なことになりかねませんよ?そのあたり、大丈夫ですか?
        いやまあ、漫画やアニメの話なんですけどね?」

ファイアロゼッタ「……………………だ、大丈夫ですよ!分身体は友達、怖くない!」ビクビク

ファイアブロス「大丈夫かなあ…」



とりあえず、他の人に紹介するとして…分身体ロゼッタ、では言いにくいでしょう。
フレンドロゼッタ?…なんだか、パッとしません。

仮案として、フランス語「友達」という意味を内包する…
「アミーボロゼッタ」と呼ぶことにしました。…かえって分かりにくかったでしょうか?

763Mii:2019/01/03(木) 23:28:18 ID:73vyrrfQ
〜WORLD3-4 ラブリーガーデン〜

ファイアロゼッタ「はあああああああああっ!」ガガガガガガガガガガッ

チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン……。
・・・・・・1 UP!

チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン……。
・・・・・・1 UP!

ファイアロゼッタ「私はっ!いつの間にかWorld3まで来ておいてっ!
         ゴール直前でっ!一体何をやっているのでしょうかっ!

         そこに無限コインがあるからっ!仕方がないですよねっ!
         なんだか――不思議なっ!魔力がっ!ありますっ!」ガガガガガガガッ

時計「残り10秒ッスよ!!!」

ファイアロゼッタ「何故かっ!すごく、愉しいのでっ!TIME UP覚悟で続けますっ!」

時計「!?」



TIME UP!

ファイアロゼッタ「うっ…でも、悔いなし…………わぁい、残機は増えた…」バタリ

764Mii:2019/01/03(木) 23:29:43 ID:73vyrrfQ
〜WORLD3-5 土管の入り江〜

ファイアロゼッタ「…………」キョロキョロ

水面「…………」

ファイアロゼッタ「……………………」スゥー



ザバーンッ!



ファイアロゼッタ「……………………」ブクブク

ファイアロゼッタ「…………………………………………」ブクブクブク

ファイアロゼッタ「――――――――っ!―――――――――っ!!」モガキ

ファイアロゼッタ「――――――――――――――――――っ!!!!」テンジョウ ナグル

ファイアロゼッタ「――――」ガハッ

ファイアロゼッタ「」チーン

765Mii:2019/01/03(木) 23:32:38 ID:73vyrrfQ
〜マリオの家〜

トゥルル トゥルル…。



マリオ「ん?こりゃあ珍しい、ロゼッタからじゃないか。……むしろ電話番号教えてから初めてかかってきたかな、はは。
     ……もしもし?マリオだが一体なんn」

ロゼッタ『マリオォ!お願いですっ!水の中で自在に泳ぎ回りつつ息を何分も持たせるには、
      どうすればよいのですかーっ!?お願いしますっ、ご教授ください!

      …あああ――水面恐怖症になりそうなのです!』ブルブル



マリオ「無酸素運動でも十分動けるだけの体力づくりと、気合と根性」ドーン

ロゼッタ『』

マリオ「あー、もう大丈夫か?悪いけど、ちょっとイベントが目白押しで、
     今もキノコ城に向かおうとしてたところなんだ。それじゃ!」ピッ



〜3-5ステージ前〜

ロゼッタ「…………………」

ロゼッタ「うわあぁん!!」ダダッ

766Mii:2019/01/03(木) 23:36:38 ID:73vyrrfQ
ロゼッタの 残機が 150 減った!▼



テーレッテレー!

ロゼッタの 基礎体力レベルが Lv. 18に 上がった!▼



ロゼッタの 残機が 95 減った!▼



テーレッテレー!

ロゼッタの 基礎体力レベルが Lv. 19に 上がった!▼



COURSE CLEAR!

ちびロゼッタ「ゴホッ! ゴホッ! …ふ、ふふ、水も滴る、いい、オンナ…
        じゃなくて、いい幼女、なのかな…

        ようやく、ゴール、ポストに、たどりつき、ました――
        溺死って苦しいなあ…脳に、ダメージ、残ってないかなあ……
        ファイアフラワー、ストックしなおそうっと…」ガシッ

767以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/04(金) 16:15:28 ID:3flpwl/I
謎の無限コインブロックほんとすき
3d出身だから水中で息できないのもしかたないね

768Mii:2019/01/06(日) 19:04:57 ID:La4Oau3Y
〜WORLD3-列車 突入!キラーエクスプレス〜

猫キラー「最近、ファイアボール撃ちまくって調子に乗ってるってぇ?
      奇遇だな、こっちも撃つのは得意だぜ、猫キラー砲台がなあ!」ゴオォォ

猫キラー「吹っ飛ばせー!かっ飛ばせー!」ゴオォォ

猫キラー「追尾するぜー!覚悟しやがれー!」ゴオォォ



ファイアロゼッタ(風切る高速列車という不安定な足場に、更にファイアの効かない猫キラーが多数――っ!?
           そして、高速列車である以上、ある意味当然ですが

           ここは『強制スクロール』…っ!

           こ、これはっ!?非常にまずい!今までの私のスタイルが全く通用しません!
           …仕方がありません、姑息な手段かもしれませんが…




            砲台ボックスの中に入って、身を潜めながら…ちまちまと進みましょう!
            よろしくお願いしますね、砲台ボックスさん!



            …ちょっと、重い、です、けど!)アセリ

769Mii:2019/01/06(日) 19:08:26 ID:La4Oau3Y
猫キラー「あり?アイツ、どこに行きやがった?」



ファイアロゼッタ(よし、こちらファイアロゼッタ!
          このまま、しゃがみ歩きする感じで列車先頭へ向かいます…)ソロリ ソロリ



猫キラー「なあ、あの砲台ボックス…歩いてねぇ?」ヒソヒソ

猫キラー「あぁ……青いボックスに紅いドレスがはみ出てるな」ヒソヒソ

猫キラー「身長が大きすぎて隠れきれないんだな」ヒソヒソ

猫キラー「阿呆だなあ、あっはっは」ヒソヒソ



猫キラー「「「「狙い撃ちだぁ」」」」ゴオオオォォ

砲台ボックス「!」ポロッ

ファイアロゼッタ「きゃああああああ!完璧な隠密作戦がどうして!?」タタタッ

770Mii:2019/01/06(日) 19:11:32 ID:La4Oau3Y
猫マグナムキラー「遊びは終わりだっ!」ゴゴオオオオオオォォォォ

ファイアロゼッタ「――っ!」



並行して走る列車から発射される巨体の弾丸に迫られ…心臓が止まりかけましたが、
なんとか段差を使ってやり過ごします。

…なにも障害物のない所で来られたら、避けようがなさそうですね。
…普通の猫キラーでダメージを受けるのなら、あれを正面から食らったら即死するのではないでしょうか。



思考を、5秒。

とりあえず、木箱の上にあらかじめ上がっておき、
迫り来たらタイミングよくジャンプして踏みつける、というのがベストでしょうか。

――よし、やってみましょう。

771Mii:2019/01/06(日) 19:15:27 ID:La4Oau3Y
猫マグナムキラー「食らえー!」ゴオオオオオォォォォォ

ファイアロゼッタ「えいっ」ポコッ



猫マグナムキラー「まだまだいくぜー!」ゴオオオオオォォォォォ

ファイアロゼッタ「えいっ」ポコッ



猫マグナムキラー「……諦めたら負けだー!」ゴオオオオオォォォォォ

ファイアロゼッタ「単体で襲ってくる分、却って楽ですね。それに…なぜか楽しい」ポコッ



猫マグナムキラー「……ちょっとは他の方法採ってくれない!?」ゴオオオオオォォォォォ

ファイアロゼッタ「猫キラーからの耐久アップもなしに倒されるパターンを作る方が悪いんですよ!?
          安全策があるなら貫くタイプなのでっ!」ポコッ

なんでしょう。最近、本当に体がしっかりしてきて。
多少俊敏なくらいな相手なら、しっかりジャンプ攻撃も決まるようになってきました。
案ずるより産むが易し、ですね。…まだまだ先駆者たちの背中は遠いですが。

そうこうしているうちに、列車の先頭はもうすぐです!

772Mii:2019/01/06(日) 19:24:53 ID:La4Oau3Y
土管を潜った先…六角形の畳が敷き詰められる部屋にいたのは、
リボン付きの刃鋭い武器が特徴の、カメ族の女性でした。



ファイアロゼッタ「あ、マリオ達から聞いて知ってます、貴方のこと!たしか名前は――」

プンプン「ウェンディですね…とか言ったらコイツで八つ裂きにするわよ」

ファイアロゼッタ「……………………さあ、いざ尋常に勝負と行きましょう!」

プンプン「図星なのね、あっそう!一応言っとくとプンプンだからね!」プンプン

ファイアロゼッタ「…それは名前が、という意味ですか?それとも怒りの表現…」

プンプン「名前が、に決まってるでしょーが!!」

ファイアロゼッタ「…はて。しかしですね、先日お会いしたブンブンは、
           激しく腕を振り回すからブンブンという名前なのでは」

プンプン「そこは突っ込まんでよろしい」キリッ

773Mii:2019/01/06(日) 19:27:23 ID:La4Oau3Y
彼女…いえ失礼、プンプンが改めて掲げたるや、赤くて大きな手裏剣。
対角線で言うなら1 m以上ある、かなり大振りの一品です。鋭い刃がキラリと黒光り。
ああ、すごく切れそうですね。

隠すようなこともせず、私に狙いを定めたぞ、と言わんばかりに翳して見せます。
牽制のつもりでしょうか。





とりあえず離れたところから様子を見て、手の内を探ろうとしたとき――

せっかく構えた手裏剣を一度しまって、印を結ぶプンプン。
……印、ですか!?なんだか、最近自分でも経験があるんですけれども!





プンプン「私の忍術に、付いて来られるかしら…

                         分身のぉ、術っ!」カッ

774Mii:2019/01/06(日) 19:30:35 ID:La4Oau3Y
ボワン!ボワン!

ファイアロゼッタ「おおおおー」パチパチ



彼女の術式は見事にその役目を果たし、彼女自身の分身を2体も作って見せました。

ファイアロゼッタ「これは素晴らしい出来です。
          作る前に、本人も煙と化して潜伏しつつ移動、
          ランダム性を相手に強いる所も何気に憎い評価点です!」

褒められて悪い気はしないのか、すこし嬉しそうな3人のプンプン。



なお、偽物の色が薄かったり、手裏剣の色が暗かったりして一目瞭然…なんてことは全くありません。
当たり前ですけれどね。…私は何を馬鹿なことを言っているのでしょう。

…もっとも、私は本物を見抜いているのですが。情報は隠しておきましょう。



計3人となったプンプンが包囲網を作り、私をじりじりと部屋の隅に追いやります。
う、ちょっと忍術に見とれてしまっていました。速やかに策を講じなければなりません。
とりあえず、いつものようにファイアボールで先制攻撃、と行きたい所!

775Mii:2019/01/06(日) 19:33:54 ID:La4Oau3Y
とりあえず、見抜けていないふりをして…振りかぶり、思いっきり投げてみます。



プンプン2「おっと。…これが、なんなの?」ニヤリ



ところが、なんということでしょう。
軽い身のこなしで、純粋な体術で…いとも簡単にかわされてしまいました。
…鼻歌が聴こえてきそうです。相性、最悪ではないですか。とうとう、現れてしまいましたか…!

ロゼッタ「うそ…………」

プンプン1「挑戦者がいない間の時間つぶしに、結構鍛錬してたんだから…」チッチッチ

プンプン2「ちょっとだけ本気を出すだなんて…悠長なことはしないわよ?
      最初からフルスロットルで行くから」

プンプン3「覚悟しておきなさい?…でないと、痛い目、見ちゃうかもね」

ファイアロゼッタ「…………」ジリッ

なんだか…空気に飲まれて、たちまち様子見モードに入ってしまった自分がもどかしい。



3人ともが、手裏剣を高らかに掲げて、そして後ろ手に、いよいよ投げのポーズに…。
完全に後手を引きました。こうなったら、開き直るしかありません。

776Mii:2019/01/06(日) 19:36:35 ID:La4Oau3Y
ファイアロゼッタ(とりあえず、1投…いえ3投、ですか。投げさせて情報を得てみましょうか…)

私はそう、身構えて――――。





ザンッ――――。







ファイアロゼッタ「」ツー

ロゼッタ「」ティウン ティウン ティウン

ちびロゼッタ「」ティウン ティウン ティウン

ちびロゼッタ「」チーン

プンプン「…なにそれ、詰まんないの」ガッカリ



――プンプンのつぶやきが、私に届くことは有りませんでした。

777Mii:2019/01/06(日) 19:41:13 ID:La4Oau3Y
3-列車「ポイッ」

ロゼッタ「…………」ウプッ



――とりあえず、一言。
脳天に手裏剣を深々と刺される疑似体験をして、
吐かない人がいたらぜひとも見てみたいと思いました。

私の場合は特に、目の前に凶器が飛んできてスロー体感を味わうのは…
いい加減こりごりです。



ロゼッタ「…………」ガクブル

ロゼッタ「…あれ、は。私では、避けられない」ガクブル



それとは別に、大問題。
ここにきて、速度インフレが、無慈悲にも起きようとしています。
時速150 km超えの飛び道具を繰り出されるとは…思いもしませんでした。
…いやまあ、今の私の球速も劣りはしませんが。
大きさが、威力が違いすぎるでしょうに。

あんな攻撃を、3方向から。
直線にしか飛ばないなどという事実は、慰めにもなりません。
途轍もない強敵であることを理解しました。

778Mii:2019/01/06(日) 19:43:15 ID:La4Oau3Y
ロゼッタ「……はは、どうしろと、いうのですか。
     まあ、World3なのですし、諦めればいいですよね――
     とうとう貯金を使い果たし、越えられない壁にぶつかった。
     それだけの、ことなのですから」ガク… ブル…



ロゼッタ「…………」

ロゼッタ「……………………」



ロゼッタ「…………………………………………この流れももう、うんざりですね」ハァ

ロゼッタ「…………というわけで、今日はさっさと寝て。
     気が向いたら、明日再挑戦しましょう」ケロリ






ロゼッタの 致死寛容レベルが Lv. 21に 上がった!
残機がある限り 致死・致命傷の精神負担に対し + 20%鈍感化!
用法・用量を守って 正しく レベル上げしてください▼

ロゼッタ「では夕食の支度をしますかぁ」トットットッ

779以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 00:02:13 ID:ksQz0rgY
変な方向に成長したら残機がある限りの文字がなくなってマイナススキルになりそう…

780Mii:2019/01/09(水) 23:37:08 ID:sdRYBs0.
日を改めまして。

幸か不幸か、あんまり精神ダメージが残らなかったので…
ファイアフラワーを取ってきて、予定通り、もう一度挑戦です。

ベル?このは?そんなものに出番はありません。あしからず。



ここを突破して、意気揚々とスマブラ会場に向かうというのが
ベストではないでしょうか。ね?



数の多い猫キラーたちは、砲台ボックスの犠牲までで切り抜けて。
猫マグナムキラーは慌てず騒がず、パターンに嵌めこんで処理をして。
決戦の時までに、ダメージを受けているようではいけませんから。

プンプン「へえ、また手裏剣の錆になりに来たの?根性だけはあるみたいね」

ファイアロゼッタ「そう言っていられるのも今のうち…リベンジです!」グッ



プンプンが笑みを浮かべて、また印を結び始めて――バトル開始。

781Mii:2019/01/09(水) 23:40:26 ID:sdRYBs0.
しかし。私は、動けません……いや、動きません。



プンプン「分身の術っ!」



ファイアロゼッタ(1, 2, 3,…………)





なるほど。観察に徹することで――ちょっとだけ、わかってきました。
あくまで彼女の本当の強みは、鍛えられた肉体による俊敏な身のこなしと強肩。

そう。プンプンには大変失礼かもしれませんが、忍術に関しては…
扱いが器用ではありますが、決して高ランクの空間魔法ではありません。

それでいて、使用前後には動きが数秒、極端に鈍くなって隙ができる。
つまりスペックの限界近くをひねり出して、なんとか術を維持しているという感じです。



私ならば…数段ランクの高い実分身でも、宣言即発動、即行動再開ができます。
これはまさしく空間魔法の実力差というものですね、えっへん。
…じ、自慢じゃないですよ!?

782Mii:2019/01/09(水) 23:42:36 ID:sdRYBs0.
普通ならば本体の見極めを相手に強制させることで、
動きが鈍い時間をカバーできていることになるのですが。私には通じません。

つまり、分身の術が発動し始めたら速やかにファイアボールの準備に入って――
煙から本体が出現したのを察知し次第、手裏剣を投げる隙を与えず、思いっきり投げればよいのですね。
ええ、それでは…自分の考察を信じて、やってみましょう!!





――次の挑戦からは。
――とりあえず今回は観察に徹していたため、
   完全に手裏剣構えまでの動作をフリーにさせてしまいましたよ、うわぁい。



プンプン「「「てやっ!」」」シュッ!

ファイアロゼッタ「え、えいっ!」ブンッ!



幸い、手裏剣の軌道は直線。
ならば、ファイアボールで迎え撃ち、ちょっと逸らすくらいならば……!

783Mii:2019/01/09(水) 23:45:09 ID:sdRYBs0.
シュパッ!グサァッ!



あらあら、やっぱり無理でしたか。一瞬でかき消されちゃいましたよ。
質量差ありすぎですもんねー、手投げになちゃいましたし、ますます無理ですよー。
というより、なにより2つ分はそのまま食らいますしねー。
――ああ、意識が薄れて、くる、なあ。

ちびロゼッタ(どうして頭、ねらうか、なあ……
         それとも今回は、ファイアボールの軌道に、合わせただけ、かあ)チーン







ファイアロゼッタ「三度目の正直、ですっ!」ズサー!

プンプン「あ、アンタも中々タフね…ちょっと引くわ…。
     でもまぁ、返り討ちにしてあげるだけね」

ファイアロゼッタ(今度こそ…眼に物を、見せてくれます!)

784Mii:2019/01/09(水) 23:47:38 ID:sdRYBs0.
そう、今度はしっかり作戦があるのですから。
プンプンの分身に合わせ、狙い定めてファイアボールを……!



ところが、私の目論見は――

プンプン「運動神経がいいってことはね……こういうことも、できるのよ!」ダッ

ファイアロゼッタ「!?」



印を結び忍術を使うそぶりを見せて…フェイント!?
1人のまま、中々の速さでこちらに急接近。
頭が真っ白になりながらも、その場を飛び退いて辛うじてかわします。



――否。酷い体勢でバランスを崩したところに、今度は手裏剣が!?



ファイアロゼッタ「ひぃっ!」シャガミ

冷徹に頭を狙ってくるだろうとヤマを張って、しゃがみ込む。

…勘が正しかったですね。手裏剣は頭上をすり抜けていき、壁に深々と刺さりました。
ザクッ、と身の毛もよだつような音を出して。

785Mii:2019/01/09(水) 23:49:58 ID:sdRYBs0.
しめた。これはチャンスです。
手裏剣がなければ、直接攻撃だけ気にすればいい。
手投げファイアでもいいので、近づいてきたところを反撃です!



そう閃いて、振り返り――



プンプン「戻ってきなさーい!」バッ

手裏剣「はいよー」シュン

プンプンの手には、再び手裏剣が。





ファイアロゼッタ「…………は?」

プンプン 「はい、二度あることは三度ある」シュッ

ファイアロゼッタ「はぅわ」グサー

786Mii:2019/01/09(水) 23:51:58 ID:sdRYBs0.
プンプン「…………………………」

ファイアロゼッタ「ふふふふふ、ようやくわかりました!」ニコニコ

プンプン「……へえ、それで。四度目の正直とやらのために、一体どんな作戦を立ててきたの?」

ファイアロゼッタ「いえ、作戦と呼べるような作戦は、なーんにも」

プンプン「…へ?」



飛び道具の威力で負け。
直接対決のスピードで負け。
時間を掛ければ、人数の差で負け。
駆け引きをすれば応用力で負け。

要は、あれです。
1%くらいの、私が勝てる要素があるとするなら。



ファイアロゼッタ「思考停止を代償に怒涛のペースでファイアボールを最初から最後まで投げ続け、
          手数の差を主張すればいいのですよっ!行きますよっ!」ブンッ

ゴオオオオオッ!  ズバァーン!



うん。気持ちよいファイアボールの音を、うなりを、噛みしめます。

787Mii:2019/01/09(水) 23:54:48 ID:sdRYBs0.
プンプン「はああああ!?なによそれ!?おまけに私にばらすなんて馬鹿なの!?」

ファイアロゼッタ「いいんですよっ!作戦なんてないようなものですから!」

隙は作れないかもしれませんが…とりあえず、分身の術を使わせない効き目は有るでしょう。
あとは、「相手はいつでも接近戦を仕掛け得る」と頭に入れておくことが大事ですね。
手投げへの緊急変更を意識、意識!



ゴオオオオオッ!  ズバァーン!

プンプン「だーかーらー!」ヒョイッ



ゴオオオオオッ!  ズバァーン!

プンプン「こんな速度の攻撃、じゃあ……」ヒョイッ

ファイアロゼッタ(……くっ、本当に敏捷ですね!)



ゴオオオオオッ!  ズバァーン!

プンプン「避け放題、だっての!!」ヒョイッ

ファイアロゼッタ(一応、時速155 kmくらいは出てるんですけどね!)アセッ

788Mii:2019/01/09(水) 23:58:41 ID:sdRYBs0.
それでも、ひたすら、脳筋スタイルで投げ続けます。
誰だって完璧ではありません、見誤るかもしれないし、足を滑らせるかもしれない。
それを願って、ただひたすら。

…しかし、その行動は、却って――投球のタイミングを、
プンプンに完全に盗ませることになった、ようでした。

20球くらい投げたところで。目を細め、ニタリと笑うプンプンが手裏剣を構える。
――構えを解かせられるタイミングでは、ない!

慌てて危険を察知し、手投げで応戦するも。一向に構われず、投げられる――っ!
力ないファイアボールなどあっさりと消し去られて、手裏剣が迫り来る――っ!





ファイアロゼッタ(今度は、頭狙いでは――ないっ!?)





身を屈めようとするのを読まれたか、あるいは単に先ほど屈んだからなのか。
眼を見開くくらいしかできない。――避けようが、ありません。

腹部に手裏剣は深々と刺さり――
勢い止まぬまま、すぐ後ろの壁に、私をグサリと縫い付けたのです。

789Mii:2019/01/10(木) 00:01:37 ID:xEk7nrJ6
ロゼッタ「か、はっ……あ、あ――」ティウン ティウン ティウン



激痛とともに、鮮血が口から、腹部から。



プンプン「はい、三度あることは四度あるー!」

ロゼッタ「………………………くぅっ!」ブシュッ



――私は、ただ必死にもがいて踏ん張って、手裏剣をお腹から抜くだけ。
それがかえって災いし、さらに血は勢いを増し、ドクドクと流れ出します。
乱暴に投げ捨ててカランと音を立てた手裏剣は、ほどなくプンプンの手元に戻ります。

顔はみるみる青白く。目は光を失っていくことでしょう。



ちびロゼッタ「――――だめ、だったかあ」フラッ

790Mii:2019/01/10(木) 00:04:07 ID:xEk7nrJ6
プンプン「また来なさいよ、挑戦はいつでも受け付けるからねー!」クルリ

糸が切れたように――小さな私の体が前に倒れ込もうとするのを見て、
プンプンは踵を返し、手をヒラヒラと振って見せて……。





――私の右手に、掴むもの、有り。





ボンッ……!!





ファイアロゼッタ「ストックフラワァーッ!!」ダタダダッ!!





ボンッという音に驚いて、こちらを振り向いたプンプンが見たもの、それは。
真紅の衣装を再び身に纏い、助走を付けて大きく振りかぶる私、でした。

791Mii:2019/01/10(木) 00:07:02 ID:xEk7nrJ6
ゴオオオオオオオオッ!!!  ズバアアアアァァン!!



プンプン「きゃあああっ!?」ガンッ!



ファイアロゼッタ(当たった……当たりましたっ!しっかりダメージも与えています!
           やった、助走も付けると威力が違いますね!)



そうです。やはり、間違っていませんでした!

ファイアロゼッタ(あと、少し!あと少し、速度があれば、届くっ!)

そのことが、私に勇気を与えてくれます。



プンプン「やったわね!騙し討ちみたいなこと、してくれちゃって!もう許さないんだから!」プンプン



プンプンの言葉には耳を傾けず、ただ、ただ、投げる!!

792Mii:2019/01/10(木) 00:09:49 ID:xEk7nrJ6
ファイアロゼッタ「はっ!!」ブンッ

ゴオオオオオッ!!   ズバアァーン!!

プンプン「だから、同じこと言わせないでよ、もー」ヒョイッ



――ファイアボールを、怖がるな。
――もっとしっかり、燃え盛る火の球を、握り締めろ。
――熱いだなんて、言わせません。全身全霊、注ぎなさい!

――今までで一番強く握りしめたファイアボールは…不思議と、熱く感じませんでした。



ファイアロゼッタ「フンッ!!」ギュルッ ブンッ

ゴオオオオオオッ!!   ズバアアァーン!!

プンプン「そんな攻撃、何回やったってねぇ」ヒョイッ



ファイアロゼッタ「ハアァッ!!」ギュルルッ ブンッ

ゴオオオオオオッ!!   ズバアアァーン!!

――――もっと、もっと、速く!
――――――――まだまだ、速く!相手にしかと、当たるまで!

793Mii:2019/01/10(木) 00:13:36 ID:xEk7nrJ6
プンプン「効かないって言ってるでしょ?スタミナが勿体ないわよ!」ヒョイッ







ファイアロゼッタ「ハアアアアァァーッ!!」ギュインッ!!









テーレッテレー!

ロゼッタの 基礎体力レベルが Lv. 20に 上がった!▼

794Mii:2019/01/10(木) 00:14:43 ID:xEk7nrJ6
ゴオオオオオオオオオオオオッ!!!!





ファイアロゼッタ「――!?」





私の手から離れたファイアボール…いえ、「弾丸」は。





プンプン「どこ狙ってるのよ、すっぽ抜けたわよぉ?」ニヤニヤ





明後日の方向に、飛んで行き――
壁にめり込んで、プシュー、と煙を上げました。

795Mii:2019/01/10(木) 00:17:17 ID:xEk7nrJ6
プンプンの笑いなど、耳に入ってきません。
まじまじと、投げた右手を見やります。
少し赤くはなっていますが、大してケガ・火傷の様子はなく。





私はたった今、何をした?





ファイアロゼッタ「……………………」

ファイアロゼッタ「は、ははははははははは……そういう、ことなのね。
          いよいよ最低限の筋肉が、体力が付いたから…投げろってことね。
          あとは任せて、今度からは――外さない」

左手で、ポンポン、と右肩を労います。

プンプン「はあ?何を言っているの?」



私は…おもむろに振りかぶる。

796Mii:2019/01/10(木) 00:20:50 ID:xEk7nrJ6
――体捌き、腕の振り、握り方、リリースポイントを微調整。



ゴオオオオオオオオッ!!! ズバアアアァァーン!!!



プンプン「……!?」ビクッ


プンプンが、ギギギ、と振り返り、壁にめり込む火の球を信じられないように見やります。



ファイアロゼッタ「今のは、調整がてら速度を抑えました。
          ――我ながら、いいコントロールです。
   
         さあ、次を躱せるでしょうか」

プンプン「な、なんなの、今の!?」

たちまちプンプンが慌てていますが、後の祭り。

私は、再度振りかぶる。……できる限りの速度をもって――っ!
さあ、倒される準備、できましたか――

797Mii:2019/01/10(木) 00:22:47 ID:xEk7nrJ6












ファイアロゼッタ「Gyro Fire《ジャイロファイア》――ッ!!」ギュインッ!!

―――――速度 +30%ボーナス!
――――減速度  50%軽減!

ゴオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

プンプン「きゃあああああああああああ!!」ドッカーン!!





「 2 回 分 」当たった!▼

798Mii:2019/01/10(木) 00:26:15 ID:xEk7nrJ6
ファイアロゼッタ「さ、さすがに肩が痺れますね…ですがっ!
          どうやら……時速208 kmくらい出ていますね。
          おまけに…凄く伸びています!」



――サヤカ。指切りした約束、どうやら守れたみたいですよ?
   そして…ありがとう。



天井がありますが、顔を上に向け、握りこぶしを小さく掲げてみせます。



ファイアロゼッタ「さあ、プンプン!
          ブンブンとの戦いで知っていますよ、3回ダメージを与えなければいけないことを!
          時計を気にしつつ、最後の1発も、当てて見せます!





          ……あれ?プンプンはどこですか?」キョロキョロ

799Mii:2019/01/10(木) 00:29:15 ID:xEk7nrJ6
こうして――私のWorld3の攻略は終了しました。



瓶詰になっていた妖精さんはまた逃げたので、
ジャイロファイアをお腹目がけて……投げるのは流石に可哀想だったので
普通のファイアボールを投げつけておきました。よかったですね。

…なんだか、1人目、2人目、3人目と経るに従って
黒焦げ度が格段に増している気がしますが、きっと気のせいでしょう。





1人目の悪戯妖精が「5人目あたりから死んじゃう…」とメソメソしていましたが
だったら普通に殴られればいいのに。うふふ。

800以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/10(木) 13:47:55 ID:QH5j22oU
ついにヒップドロップくらいの威力が出るようになったのか(3dワールドではヒップドロップでも1回分だった気がするけど)

801以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/10(木) 21:54:02 ID:vzhNs9Xw
2-6〜3-3はカット?

802Mii:2019/01/21(月) 23:02:31 ID:r7VXAmD2
さて。スマブラ会場に向かう前に。
当然一度は帰りましょう、私の…私たちの家へ。

…無責任な管理者に、みんな、愛想を尽かしていないことを祈って。
後ろめたい気持ちから、そーっと、そーっと。

でも、私の隠密行動はいい意味で終わりを迎えます。
ワープボックスをくぐって幾ばくも無いうちに…

ポスン、と頭に、胸に、背中に。どんどんチコたちが抱き着いてきます。



チコ「わあっ!ママだ!お帰りーっ!!」

チコ「おかえりー!!」

チコ「やったぁー!ママが、ママが帰ってきたぁー!!」

ロゼッタ「……ただいま。みんな、元気にしてたかしら?」

チコ「うんっ!」



感動の再会、いいものですね。
留守中、よくほうき星を守ってくれました。

803Mii:2019/01/21(月) 23:05:13 ID:r7VXAmD2
暫く抱き着いたチコを順番に撫でていると、チコたちがゆっくり離れていきます。
そんな、すぐに離れなくてもいいのに。クスクス…。



さぁて、久しぶりに、みんなに星くずパンをたくさん、たっくさん作ってあげましょう。
静かに微笑みながら、フェアリーランドに持ち込んでいたそれなりの量の手荷物片手に、
意気揚々とキッチンに向かおうとして――







チコ「ママ、ちょっと臭い」ススス

チコ「ほんとだ、なんか臭う」ススス

チコ「埃っぽいというか泥臭いというか。お風呂入ってた?」ススス

ロゼッタ「え゛」ガシャーン



荷物を手から滑らせるほどの…容赦ない言葉に襲われました。
え?ええ!?嘘ぉ!?
この格好で普通にテクテク歩いて帰ってきたんですけどぉ!?
そ、そういえば、すれ違う妖精たちが妙に顔を背けていたような!?

804Mii:2019/01/21(月) 23:06:46 ID:r7VXAmD2
ロゼッタ「…臭い、のね。自分じゃ分からなかったわ、そんなこと。
     そういえば…プンプンを倒してから今現在に至るまでの間は、
     1回も浄化の魔法で体を清めてなかったんだった…。
     女性として失格ね、あは、ははは…」ガクッ



浄化の魔法があれば野宿もへっちゃら!と偉そうにしていた過去の自分に
ジャイロファイアをクリンヒットさせてやりたい気分です。



ロゼッタ「…せっかくだし、お風呂、先に入ってくるわ」トボトボ

チコ「ボクもはいるー!」

チコ「ボクもー!」

ロゼッタ「別に構わないわよー……」トボトボ

805Mii:2019/01/21(月) 23:10:25 ID:r7VXAmD2
チャポン――

ロゼッタ「…ふう、浴槽の中はやはり違いますねー、休まります」

ひととおり体を洗い、湯に浸かる。眼を閉じて、こじんまりとした浴槽で鼻歌気分。
ピーチ姫の所有する湯船に比べれば大したものではありませんが、極楽です。



…おっと。変な描写でCEROは上げさせませんよ?ふふふふふ。



ロゼッタ「もう少し、熱くてもいいですね」

より心地よさを上げるため、ポチポチっと…設定温度を上げました。







ロゼッタ「……………………うーん」

チコ「おっふろー、おっふろー、おーふーろー……あれ?どうしたの?」

チコ「…??」

806Mii:2019/01/21(月) 23:11:46 ID:r7VXAmD2
ポチッ ポチッ ポチッ…。

ロゼッタ「…どうも、温度制御機能が壊れちゃったみたいだわ。
     あなたたちは触ったことがほとんどないから、よくわからないと思うけれど。
     ピーチ姫が導入してくれた機器がそうそう壊れるとは思えないのに」



――「人間はねえ、よりよい幸福を目指してこそ強くなるのよ!」
――以上、談:ピーチ姫でした。



チコ「お湯が熱くならないってこと?そんなに温いの?」

ロゼッタ「ええ、もうちょっと熱い方がいいのだけれど…我慢するしかないみたいね」チャプン

チコ「…へぇ――」チャプッ

チコ「どれどれ――」チャプッ

807Mii:2019/01/21(月) 23:16:17 ID:r7VXAmD2







ロゼッタ「表示だと『60℃』になってるのに…」






チコ「ぎゃー!?」ピョンッ

チコ「あっつぃ!?普通にあっつぃよ!?」ギャア

ロゼッタ「またまたー、そんなわけないじゃない」ウフフ

チコ「ホントにホント!!」

チコ「ただの熱湯だよこれ!?」





ロゼッタ「…………え?」

808Mii:2019/01/21(月) 23:18:13 ID:r7VXAmD2
お風呂から上がって、久しぶりの寝間着に着替えて、暖炉の元へ。

おっかなびっくり、手のひらを少しずつ近づけて――

静かに赤く燃えながらパチッとはじけている薪に、ピトッとタッチしてみます。



5秒。

10秒。

30秒。



ロゼッタ「……ちょっと、熱い」

――いつの間にか、炎耐性がちょっと付いたみたいです。
――ファイアボールを投げ続けたことからすれば、ある意味当然ではあるのでしょうか。

そんなこんなで、すこし嬉しくなりつつ、スマブラへの用意を着々と進めていくのでした。





ロゼッタ「……って、それでは今後どうやって熱いお湯に浸かればよいのですか!?
     私、もともと熱めのお湯が好きだったんですけど!?」

809Mii:2019/01/21(月) 23:20:27 ID:r7VXAmD2
〜9月1日   スマブラ開幕まで あと12日〜







さて 今日は・・・
『星へのねがい』のお話を しましょう

とお〜い とお〜い 空の上
その はるかはるか かなたに
ロゼッタという女性と星の子たちのすむ星が あるそうです

星のてっぺんの 天文台には
みんなのねがいを かなえる力をもった
『ロゼッタのつえ』という たからものがあり

ありがた〜い 7個のグランドスターによって
たいせつに たいせつに
まもられているといいます

810Mii:2019/01/21(月) 23:21:58 ID:r7VXAmD2
そして・・・おや!?
だれです? かってに はいりこんだのは!

クッパ「ハ〜イ ワガハイデース!ガッハッハッハッハッハッハ〜!!
    にっくき マリオを やっつけるため
    『ロゼッタのつえ』は ワガハイが いただくのだ〜!
    やれ〜!カメックババ!!」

ロゼッタ「あららら そんな!!」



クッパ「さっそく つえを つかわせてもらおうか!」

ロゼッタ「ああ! やめなさい クッパ!!
     つえを かってに つかわないでっ!」

クッパ「ガッハッハッハ!…む?」ピカッ…!



ドカーン!



クッパ「うわあぁぁっ!」

ロゼッタ「」

811Mii:2019/01/21(月) 23:23:49 ID:r7VXAmD2
クッパは すれちがいざま つえを ひったくったは いいものの
とりあつかいが ひじょうにむずかしく
ぼうはつさせて だいばくはつをおこしてしまいました



ロゼッタ「あっ・・・」



なんということでしょう
つえは クッパといっしょに おっこちて しまいました
ばくはつのせいで グランドスターまで ちりぢりばらばら
そして、ロゼッタほんにんも・・・



星の子が みんなのねがいを とどけにきましたが
もう ねがいは かなわなくなってしまいました

812Mii:2019/01/21(月) 23:26:12 ID:r7VXAmD2
いっぽう ここはキノコ王国
キノピオたちが せいかつしている 国です

1人の配管工が おさんぽ中
けさは とっても よい天気です



マリオ「んっ?」

ロゼッタ「ふぎゃっ!」ドッカーン



なんと そらから ロゼッタが
配管工の 目の前に おちてきました

星の子たちにまもられながらも まんしんそういでしたが
1 UPキノコのおかげでどうやら ロゼッタは ぶじなようす。
よかった よかった。

ロゼッタは 礼もそこそこに
起きたことをひっしに説明しはじめました。
どうやら これは“じけん”のようです。
みんなのねがいが かなわなくなってしまうかも?

だけど配管工、ちんぷんかんぷん。
なかまと そうだんすることにしました。

813Mii:2019/01/21(月) 23:29:40 ID:r7VXAmD2
なかまのところへ向かう配管工ですが
どうにかなるさと きらくなようす。

しかし クッパの手下のカメックたちは 王国じゅうで
つえの使い手であるロゼッタの ゆくえを追っています。

はたして配管工とそのなかまたちは
おたがいのきずなでたすけ合い とくちょうをいかしあって
ぶじ ロゼッタのつえとグランドスターを元のばしょに戻せるのでしょうか・・・

814Mii:2019/01/21(月) 23:32:17 ID:r7VXAmD2
(暗転)

「俺がいなくちゃ 始まらないでしょ!」
マリオ! ペラペラ、次元ワザ!           \MARIO!/

「高い壁でも ひとっ飛びさ!」
ルイージ! ビヨーン、ハイジャンプ!        \LUIGI!/

「浮いてりゃ どうにかなるものよ!」
ピーチ! フワフワ、宙浮遊!            \PEACH!/

「邪魔な敵は 排除しますね!」
ヨッシー! ペロリン、タマゴ投げ!         \YOSHI!/

「力こそが 正義だよな!」
ワリオ! バキボキ、ブルダッシュ!        \WARIO!/

「綺麗な薔薇には 棘があるのよ!」
デイジー! ヒラヒラ、花吹雪!           \DAISY!/

「悪いな 俺様アマノジャクで!」
ワルイージ! ジャジャーン、イリュージョン! \WALUIGI!/

「キラキラ落としを お返し致します!」
ロゼッタ! キラキラ、流れ星!         \ROSALINA!/

815Mii:2019/01/21(月) 23:33:18 ID:r7VXAmD2
仲間を増やして 先へと進め!

リーダーとサブは自由に選べる!

謎解き1人で、バトルは2人で!

28通りのタッグアタック!

勇気と知恵と優しさで 大魔王クッパに立ち向かえ!



〜PAPER MARIO GALAXY  20XX年12月3日発売予定!〜

早期購入特典は マリオストーリーとヨッシーアイランドのダウンロード版!









デイジー「…みたいなゲームがあったらバカ売れすると思わない!?」

任天堂スタッフ「…いきなり押しかけてきて何を言っとるんですかアンタは。
         ご丁寧に紙芝居まで作ってきて」

816Mii:2019/01/21(月) 23:36:03 ID:r7VXAmD2
デイジー「だってだってー!なんで、どうして!私、スマブラに出られないのよおぉぉ!
      もう…開き直って妄想して、貴方たち相手に時間を潰すくらいしかすることがないじゃない!!
      今回はしっかり仕事を終えてきたのよぉ!訴えてやる!」ジタバタ



スタッフ「3Dワールドで企画を蹴ったことに対するペナルティに決まってるでしょ」

デイジー「……やっぱり?」

スタッフ「ええ、やっぱり」





デイジー「あはは、そっかぁ……………………で納得できるかあ!!!!!」

スタッフ「自業自得でしょうに!」

デイジー「私、帰る!」ダダダッ

スタッフ「はいはい、さっさとお引き取り下さい」



デイジー(……こうなったら、何としてでも会場に潜り込んでやるんだから!)

スタッフ(…みたいなこと、どうせ考えてるんだろうなあ。やれやれだぜ。
     って、紙芝居は持って帰れよ!ワザとらしい主張しても捨てるだけだぞ!)

817Mii:2019/01/21(月) 23:38:00 ID:r7VXAmD2
〜サラサ・ランド〜

デイジー「……………………」モクモク

デイジー「……………………」チマチマ

デイジー「……………………」モクモク

デイジー「……………………」チマチマ



大臣「で、デイジー様が遊びにも行かず黙々と作業をされている、だと――」ガクブル

大臣「天変地異の前触れか……!?」ヒソヒソ

メイド「ただ――執務とは全然関係ないみたいですけれどね」

大臣「あ、やっぱりか。……いやいや、それでも!
   椅子に座っての集中力が5分と持たない今までに比べれば、大進歩だ!
   これを序章に、きっかけにして真面目に働いて頂けるかもしれん!」

メイド「そうでしょうか……?期待するだけ損なのでは…」

818Mii:2019/01/21(月) 23:42:40 ID:r7VXAmD2
〜3日後〜



大臣「デイジー様があれから一切お休みになられていないようだ」ガクガクブルブル

長官「」

占術師「」

料理人「」

教育係「」

庭師「」

医師「」

居合わせた泥棒「」

兵士「…サラサ・ランド、終わるのか?うそ、だよな!?
    なんだかんだ、俺、この国、好きだったのに……!ちくしょう……」ポロポロ

メイド「そうかもしれないわね…っ!私まだ、死にたく、ないっ…!」ポロポロ

819Mii:2019/01/21(月) 23:49:47 ID:r7VXAmD2
デイジー「くっくっくっくっく……フハハハハハ……!
     慣れない裁縫に四苦八苦し、苦難に苦難を乗り越え、完成した――
     正体を隠し、颯爽と登場できる、私の、私による、私のための衣装が…!」



ファサッ――



デイジー(覆面、奇抜な衣装、インパクトはバッチリ!観客の目を釘付けよ!)

???「アタシは サラサ・ランドに忠誠を誓う 期待のニューフェイス
    『ユズ色の貴婦人』こと…」





ミスD「『ミスD』ィ!」ババーン!





ミスD「おっと このキュートな名前を覚える必要はなくてよ?
     なぜなら貴方たちはここで宇宙のもずく…じゃなくて
     もくずになっちゃうんだからね! お覚悟をっ!」 シャキーン!

ミスD「……正直言って恥ずかしいけど、ばれなきゃいいか」

820Mii:2019/01/21(月) 23:52:07 ID:r7VXAmD2
ヌギヌギ…。



デイジー「…ぷはぁ、とりあえず仕舞って、会場で着替えようっと。
     いやあ、楽しみだなあ!



     ……にしても、3徹はちょっと……やりすぎた…かも……眠い…………

     ああ、寝過ごしなんて嫌だから出発しないと…向こうで寝よっと…
     今頃、会場には強者どもが続々と…………ふわぁ…………」ウツラ ウツラ





――間もなく、ゴングが、鳴らされる。

821以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/22(火) 12:48:37 ID:/k1IAlmU
そろそろ仲間増やしたマリオRPG、ペパマリ系がやりたいなあ…
熱いお湯は自分の感覚操作しかなさそう

822以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/23(水) 16:59:30 ID:HKGuy7Fk
デイジー…

823以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/29(火) 13:19:00 ID:cDbRSdXc
そもそも招待状なきゃつまみ出されそう

824Mii:2019/02/01(金) 06:19:53 ID:5I3.SDfA
〜天界〜



ジリリリリリリリ… カチッ。



ピット「……んー、朝かぁー!へへ、目覚まし時計を使うのも久しぶりだなー!」ノビー

ピット(いよいよ、スマブラの時期がやってきた!よーし、頑張るぞ!
    それに、今回はなんと!とうとうパルテナ様も参戦されるんだから…!
    これはもう、カッコいい所をお見せするためにも…燃えるっきゃないね!

    面倒くさいことに冥府軍がこんな時に攻めてきて、夜通し戦ってたけど!
    まさか、大事な時に寝過ごすわけにもいかないよ!目覚ましがあってよかった――」チラッ





目覚まし時計「午後8時です」

ピット「」

825Mii:2019/02/01(金) 06:22:13 ID:5I3.SDfA
ピット「パパパパパルテナ様―っ!?大変です!出発予定時刻を大幅に過ぎちゃってます!
    いいい急いでキノコ王国に向かわないとっ!」

パルテナ「あらあら、慌ただしいですね、ピット。慌てる天使は貰いが少ない、ですよ」

ピット「ノンビリ構えている暇、無いんですよ!?ご存知ですか!?
    パルテナ様が『ギリギリに到着すればいいでしょう?』って仰ったから、
    いつの間にか開幕30分前に到着する移動プランを立てざるを得なかったんですよ!?

    今日の昼前には出発しておかないと行けなかったのに!
    大変なことになりました!こんな時に限って目覚まし時計が壊れてるだなんて!」

パルテナ「あ、それ私です」

ピット「……へ?」

パルテナ「ピットは昨晩、浄化戦を本当によく頑張ってくれましたからね。
      ゆっくりぐっすり眠れるよう、目覚ましの時刻を12時間ずらしておきました。
      いわば『時の奇跡』ですね」

ピット「」

ピット「その気遣いは流石に要らなかったっ!?なんてことをしてくれたのですかーっ!?
    おまけにパルテナ様の初陣ですよーっ!?」

826Mii:2019/02/01(金) 06:25:19 ID:5I3.SDfA
パルテナ「まあまあピット、実は今回…私はあまり目立たない方がいいのです。
      せっかく参戦を許可してもらっておいて、図々しいかも知れませんが」

ピット「え、それは初耳です……な、何か深い理由が……!?」ゴクリ









パルテナ「だって、丁寧神々しい系のおっとりお姉さんだなんて、
      このSSの主人公のロゼッタと思いっきり被っちゃうでしょう?
      主人公の役を食う訳にはいかないのですよ」

ピット「……はい?」

パルテナ「純粋ミステリアスの元祖ロゼッタならまだしも、このSSのロゼッタは
      マリオカート系やらマリオパーティ系やらスポーツ・オリンピック系やらの…
      はっちゃけた要素を足して、更には主人公としてうっかりさん要素も継ぎ足されて…
      私の性格に近しくなってしまいましたからね。
      まあ、私のような素晴らしいネーミングセンスは持ち合わせていないようですが」

ピット「メタい!いつにも増してメタいですよパルテナ様!?
    ……ハッ!?そうか、読めたぞ……謎が全て解けた……!」テンッ!

パルテナ「ど、どうしたのですかピット?
      まるで体は子供、頭脳は大人の名探偵になったような口ぶりになって……?」

827Mii:2019/02/01(金) 06:27:42 ID:5I3.SDfA
ピット「スレ主は、ちょっと前の『新・光神話 パルテナの鏡』における私たちの会話が
    ことごとくメタ要素満載だったことをいいことに…





    パルテナ様と私を、このスマブラ編におけるメタ要素発言キャラかつ
    『○○の奇跡とか言っておけばなし崩し的になんでも解決してくれる的な事後処理キャラ』として
    姑息にも扱おうとしているんじゃないですか!?」







パルテナ「…………それはそれで、差別化を図れておいしいですね!」ワァ

ピット「そう言うと思ってましたよ、もうー!
    で・す・が!私は手抜きなどしませんからね!

    パルテナ様も、あのマリオを倒すくらいの意気込みで頑張ってくださいよ!
    ある程度は目立つことも大事です!」ガオー

828Mii:2019/02/01(金) 06:31:54 ID:5I3.SDfA
パルテナ「…マリオに勝つのは、無理じゃないでしょうか」

ピット「そんなことないですよ!パルテナ様の神の力、奇跡なら――」

パルテナ「そうじゃなくてですね。ちょっとスレ主について分析してみたのですが。

      このSSのキャラの純粋戦闘力は、大雑把に言って、
      『初登場作』発売から経過した時間に比例するらしいのです」

ピット「相変わらずメタいことを…!?で、でもそれならば私たちも決して引けを――」



パルテナ「あともう一つ。
   
      『冒険したor仲間になったor悪役になったor悪役に攫われた回数』をA、
      『レース、パーティなどのバラエティゲームにプレイアブルとして出演した回数』をBとしたとき
      『A×2 + B』をさっきの時間評価に掛けているっぽいですよ。

      もちろん、作品中のキャラの立場・強弱や努力補正、そして残機消費補正で色は付けるみたいですが。
      ロゼッタは努力補正や残機消費補正を大きく受けている期待の新人といったところですね」

ピット「キノコ王国のヒイキが酷いっ!?
    もうちょっと、なんとかならなかったんですか!?」

パルテナ「まーまー。その分、沢山苦労して沢山経験を積んできたということなのですから、
      不満を垂れるのは不謹慎という物でしょう?」

ピット「えーっと、そういうことになるのでしょうか…?」

829Mii:2019/02/01(金) 06:34:20 ID:5I3.SDfA
パルテナ「さーて、改めまして問題です。
     『光神話 パルテナの鏡』から『新・光神話 パルテナの鏡』の間の25年間…
     国内販売ソフトで、私たちの出演回数は何回でしょーうか?

     …はいっ!ピットのスマブラXへの出演が1回あるだけです!
     もっとメデューサに暴れてもらえばよかったですね!」ピンポーン

ピット「うがあああああああ!!?確かにマリオに全然歯が立ちませんでしたけど!?
    あ、いや、海外のみ販売されたGB版がごく最近にバーチャルコンソールで出たような…?
    更に前には、まわるメイドインワリオ……?うっ、頭が…」

パルテナ「そんなわけで、遅刻してもいいくらいの気持ちでのんびり構えましょう。
      何物にも縛られず囚われず。それが女神というものです」フフン

ピット「…………僭越ながらパルテナ様。残念ながら任天堂には女神だろうと縛られるし囚われちゃうんですよ」

パルテナ「…………マジなのですか?」

ピット「下手をするとスマブラ界で永久除名処分を食らいます」

パルテナ「……………………コホン。では、ちょっと慌てましょうか。
      『飛翔の奇跡』っ!」パアアアアア

ピット「いくらなんでもキノコ王国までは飛んでいけませんよ!
    ああ、急がなきゃ急がなきゃ急がなきゃ――!」アタフタ

830Mii:2019/02/01(金) 06:36:31 ID:5I3.SDfA
ピット(パニックになり掛けた、まさにその時。
    
    一機…いや、二機の戦闘機が、
    派手な音を立てて窓ガラスを割り、突如として滑り込んでくるっ!?

    操縦者の腕が素晴らしいのか、瞬時に減速を掛けて――
    僕とパルテナ様がいる石畳の広間に、フワッと穏やかに着陸したぞ。
    いやまあ、窓ガラスは割ってほしくなかったけど。
    あれ、見覚えのある、あのシルエットは……!?)





フォックス「呼ばれた気がしたから急遽ルートを変えて飛んできたぞ」シュゥゥ

ファルコ「一体何の騒ぎだあ?ははーん、さては会場までの乗り物を決めかねてやがるのか?
      しゃーねーな、乗ってけ」シュゥゥ

ピット「!?」

パルテナ「これぞ飛翔の奇跡!」ドヤア

ピット「フラグ立てって意味じゃなかったはずですよね!?」

831Mii:2019/02/01(金) 06:38:22 ID:5I3.SDfA
ガサッ。

ブラックピット「おう、出迎えご苦労。オレも乗せて行ってもらおうか」ニヤニヤ



フォックス「悪い、予約客のことも考えると、これ以上乗られると定員オーバーだ」

ピット「私などよりよほど優秀なブラピ様はどうぞ自力で会場まで飛んで行ってください」

ブラックピット「」



パルテナ「ふふふ。やはり、持つべきものは友ですね。助かりました」

ピット「友以前に、まともに会ったこともないじゃないですか…ま、まあいいや。
    ありがとうフォックス!もうダメかと思ったよ」

ファルコ(通信)『フォックスの方のアーウィンは一杯だな、じゃあ残りはこっちか』

フォックス「そうだな。…悪いなピット、もともとハイラル勢を送ってやる約束だったんだ。
       もうちょい、回り道していくことになるけど構わないな?」

ピット「僕たちは乗せてもらえるだけで御の字さ。
    それに、いくらハイラル王国が地球上でキノコ王国と真逆の位置にあるといっても、
    アーウィンの速度なら全然問題ないよ!」

フォックス「はは、そう言ってもらえると助かる」

832Mii:2019/02/01(金) 06:42:19 ID:5I3.SDfA
フォックス「…………よし、ハイラルの大地を目標に捉えた。
      お、幸先がいいことに早速向こうから通信を投げて来てくれたぞ!
      これで『時に迷わずに済む』な!」

ピット「そっか、最近は『時間振動が激しい』んだっけ。入国するのも一苦労だね」

ファルコ『……ちょっと待て。これは、唯の信号じゃあ、ねえ。
     …救援要請信号っぽいぞ!どうなってる!』

フォックス「なんだと!?」






〜ハイラル城〜

トゥーンリンク「大変だよ!ガノンドロフが、ゼルダ姫を攫って行ったんだ!」

フォックス「まさか!?」

ファルコ「こんな時にか!?……ったく、なんて太ぇ野郎だ!
     おい、リンクを急いで探すぞ!」

パルテナ「あらあら、何やら大変な所にお邪魔してしまったようですね♪」

ピット「パルテナ様、ワクワクするのは流石に不謹慎ですよ…」

833Mii:2019/02/01(金) 06:44:29 ID:5I3.SDfA
ハイラル王国。

地球において、キノコ王国のほぼ裏側にあり。
クッパシップは規格外として…アーウィンのような高速戦闘機でもなければ、
1日足らずで両王国を跨ぐことは難しい。

その規模はキノコ王国よりもさらに大きく、世界最大とされる。
文明にしても、キノコ王国に引けを取らない近代王国として有名である。

しかし、来るもの全てウエルカム、貿易も人の行き来も大盛況、のキノコ王国と異なり。
ハイラル王国は外部とのやりとりが極めて少ない、閉鎖的な王国である。
ただし、国民性などという感情的なものが理由ではサラサラない。



ハイラル王国は、世界でも極めて稀な「時間がブレる」領域なのである。



ハイラル王国には、トライフォースという聖三角に関わる英雄の物語…すなわち「勇者伝説」が、
定期的に紡がれ…そのたびに「伝説ごとの平行世界が生まれる」という、
理解しがたいトンデモ事象が発生しているのだ。

834Mii:2019/02/01(金) 06:48:33 ID:5I3.SDfA
平行世界という概念自体は他の国や地域にもあるが…大抵は
「未来は些細な行動の違いで無限大に分岐するね」といった、
意味があるようで何も実証していない机上理論に過ぎない。

ところがハイラル王国でいう平行世界は、こんな感じになってしまう。

    「今の世界から○○年経ち、あるいは△△年遡り、更には□□というイベントが起こり、
     明らかに異質として区別できる状態の『歴史』が突然誕生して重なってきたよ!」

具体的極まりない。そして、条件さえ整えば、狙った『歴史』にピンポイントで行ける、干渉できるのだ。
たとえば。ハイラル王国が栄えている歴史の裏側に、既に廃墟となったハイラル王国の歴史があり、
遊びに行けたりするのである。…やっぱり意味が分からない、と嘆く人も多いが。

正直な所、ハイラルの住人自体には、大して影響はない。
大多数の人間は時間移動…いや歴史移動の術を持たず、一つの歴史の中で生まれて死ぬ、それだけだ。

外部の人間はそうはいかない。
歴史移動の術を持たずに外界と内界との境界を潜った時、狙った『歴史』のもとに降り立てるかは基本的に運である。
貿易の交渉に来たら100年も文明がずれていた、とかでは交渉にも商売にもならない。

…いや、単に運が悪かったで済んで、愚痴を零しながら帰れるならまだいい。
ハイラル王国は戦乱の時期も割と長い王国だ。
いざ上陸してみたら歴史上の戦乱期間に特攻してしまい、
魔獣に襲われました、言葉通り流れ矢に当たりましたで命を落とすのではお粗末すぎる。
まあ、最近はそのような事象も「勇者」によって速やかに鎮圧されるけれども。

835Mii:2019/02/01(金) 06:50:58 ID:5I3.SDfA
そんなわけで、相互通信などで目標の歴史を特定できるだけの技術力ならびに信頼関係、
時間軸調整手段を持ちつつ、万が一の非常事態にも難なく対応できる屈強なファイターしか、
自ら好んで訪れようとはしない。

…言わずもがな、ハイラル王国のまともな関係を持つのは――
スマブラ関係者ならびにキノコ王国だけである。







なお、具体的にキノコ王国と交流がある「歴史」はどこかというと……
その時その時のご都合主義になってしまうのであしからず。

836Mii:2019/02/01(金) 06:53:41 ID:5I3.SDfA
〜トアル村〜

リンク「……………………」ジッ

自慢の装備を持ち、ただひたすら集中している、青年が一人。
神経を研ぎ澄ませ、いつ事態が急展開しても対応できるように覚悟している。

敵と対峙すること、かれこれ1時間。



リンク「――――っ!!!」グッ

いよいよ、試合の幕が今開かれ――



リンク「――フィーーッシュ!!」ザバァン

一瞬にして、けりが付いた。

リンク「来た来たぁっ!全長6メートル超え、ついに来たっ!
    ヌシかな!?ヌシだな!きっとそうに違いない!」ガッツポーズ

無邪気にも、取れた戦果に大喜びする、こちらの青年。
緑の衣、光る剣、王国の象徴の盾を身に纏う。
…剣と盾については、今は地面に置いているが。奪える者など、そうはいない。

名をリンク。「勇者」として数奇な運命を辿っている男である。

837Mii:2019/02/01(金) 06:56:31 ID:5I3.SDfA
数多くの伝説に登場するこの男について、ハイラル王国で噂を聞けば、
ある程度の知識を持ち合わせた人なら間違いなく、こんな感じに答えるだろう。

    「お会いしたことなどあるはずもないが。
     勇気のトライフォースを司る、三傑の1人である」と。

一方で。キノコ王国で噂を聞くとどうなるか。
ある程度の知識を持ち合わせた人ならおそらく、スマブラの戦績を見て、こう答えるだろう。

    「いつ見てもカッコいいお方ですね!
     マリオ、クッパと共に並び立つ、三強の1人です」と。



そう。見かけによらず…いや、見かけ通りというべきか。
この男、恐ろしく強い。今もなお、マリオ達と切磋琢磨する中で強くなり続けている。

よりにもよって、ハイラル王国ではあまり知られていないが…
あまりに強くなり続けすぎて、ハイラル王国で実質「一傑」状態になっている。
歴史間移動パトロールまでやってのけ、最近はどの歴史もすべからく平和そのもの。
王国民にとっては非常に幸せなことである。

…ただし、一部お姫様にとっては不幸かもしれないが。

838Mii:2019/02/01(金) 06:59:31 ID:5I3.SDfA
リンク「さってと、魚はお土産に持って行くか。
    ヨッシーかな、カービィかな、ははは……っと、トゥーンリンクから連絡?…もしもし?」

トゥーンリンク『あ、よかった、連絡取れた!』

リンク「…何っ!?ゼルダ姫がガノンドロフに攫われた!?
    今、こっちに俺を回収しにアーウィンで向かってるだって!?
    わかった、すぐ時間軸移動の支度をする!」

リンク「…………面倒くさいなあ」イソイソ



リンク「いやあ、ハイラルのゴタゴタに巻き込んじまって、本当に申し訳ない」ペコッ

ファルコ「いいってことよ。さあ、早く乗った乗った。
     …それにしても、なんで釣りなんかしてたんだ?勇者っぽくないな。
     食べるためとかではなく、本当にただの趣味なんだって?」

リンク「それは違うぞ、ファルコ。
    『俺の趣味である釣りが勇者として似合わない』んじゃない。
    『勇者らしさを失うために俺が趣味にしたものの1つに釣りがある』んだ」

ファルコ「はあ??」

フォックス『こら、ファルコ。失礼なことをリンクに言うなよ。
      …リンク、今回こそは勝ちをもぎ取って見せるぞ!
      正々堂々、勝負しような!』

839Mii:2019/02/01(金) 07:01:46 ID:5I3.SDfA
リンク(無線の声だけで、フォックスの喜々とした顔が容易に思い浮かぶ。
    そうだ、今の俺は、他のファイターから憧れられ挑戦を望まれる立場。
    なんでも、三強の一人…とか呼ばれてるんだっけな。





    ほんと、感慨深いな。
    というか、その昔『最弱』と呼ばれた頃からは考えられないよ。
    そう、あれは…15年、いや…もっと、前だったか――)シミジミ





今となっては、笑い話にもなるだろうか。
遥か昔に、想いを馳せる――。

840Mii:2019/02/01(金) 07:03:04 ID:5I3.SDfA

・・
・・・

――アリガトウ リンク アナタハ
――ハイラル ノ エイユウデス

リンク(…………)スヤスヤ



――たすけて… …
――たすけてください…
――私は、お城の地下ろうに
――捕えられています。

リンク(……………………)スヤ・・・



――おねがいです リンク
――その手で 闇をふりはらい
――この世界を まもってください!

リンク(………………………………)

841Mii:2019/02/01(金) 07:04:12 ID:5I3.SDfA
――わたし、夢を見たのです。
――このハイラルがまっ黒な雲におおわれて
――どんどん暗くなっていくのです…

リンク(…………やめろ)



――ネエ、サッキカラドウシタノ?
――ワタシノコトガ、ワカラナイノ?

リンク(……………………やめろ…!)







――ネエ、アナタッテ
――ナニモノナノ、ユウシャサン?

リンク(…………………………………やめて、くれ――――!)

リンク「うわあああああああああああぁぁ!!!」ガバッ!

842Mii:2019/02/01(金) 07:06:15 ID:5I3.SDfA
リンク「ハァッ、ハァッ、ハァッ――――」ガクガク

冷や汗だくだくになりながら、ひったくるようにして水の入った壺を机から掠め取り、
ひたすらに喉に流し込む。



既に幾度か世界を救った勇者リンク、もとい俺は――
満足に睡眠をとることすらままならず、疲弊しすぎた毎日を送っていた。



というのも、俺が、勇者という存在が――ハイラルで唯一。
伝説を紡ぎ終えるたびに、別の歴史へ…伝説の始まりへ転生する存在らしいからだ。

『ははーん、ハッピーエンドになったそばから歴史から追い出されるから、
 幸せを享受できずに人生に嫌になっちゃったんだな?』

――違う。そんな、ただの不満感程度が原因なら、全然大したことはなかったさ。

『幾度となく危険と巡り合わせて、戦いにウンザリしてきたんだろ?』

――違う。人の為になったならば、そのくらいの危険、屁でもない。



単純に、そう、非常に単純明快なことに。
転生するたびに記憶がどんどん重なって…脳がパンクし、精神崩壊しかけている。
自分でも現象を理解できていて、一切対策が分からないから性質が悪い…!

843Mii:2019/02/01(金) 07:08:09 ID:5I3.SDfA
ちょっと、たとえ話。

誰かの人生における過去の記憶の中で時を指定して、二択問題を出すとする。
その二択は、必ずどちらかが起きていて…同時に起こることはない出来事にしておく。
別に、人生を左右するほどの出来事じゃなくていい。
たとえば、「何年何月何日に、パンを食べたか食べなかったか」としよう。

日時が昨日とかなら、間違える人はまずいない。
1週間前なら、パンを食べるのが不定期な人は間違えるかもしれない。
1か月前なら、記録でも付けていない限り厳しいだろう。



さて、この場に100人の人間を用意して、こんな質問を出してみる。

「1年前はどうだった?」



さあ、回答を出してくれるのは何人だろうか。
50人?10人?もしくは2、3人いたらいい方だろうか?

844Mii:2019/02/01(金) 07:10:59 ID:5I3.SDfA








……正解は「100人」だ。なぜなら――

覚えていなくても、適当に答えるか、「わからない」とギブアップすればいいからだ。
屁理屈?いや、立派な理屈だよ。

誰でも、「どちらかは忘れたが、とにかく論理的にどちらかが起きただろう」ということは容易にわかる。
そういうふうに選択肢を作ったのだから。

1つしかないはずの思考結果を2つ以上持つと、脳ってのは混乱する。
だから、速やかに結論を収束させて――不確定要素を飲み込んででも、
結論を1つに修正する、あるいは棚上げすることで心の安定を図る。
それが自然の摂理って言う奴らしい。



――じゃあ、もし。
――どうしても否定できない、2つ以上の思考結果が脳に残り続けたら?
――それも、人生のあらゆる出来事において。

はい、俺という存在のできあがり。

845Mii:2019/02/01(金) 07:13:03 ID:5I3.SDfA
様変わりする、ダンジョン内容や攻略順、入手アイテム。



毎度変わっていく、生まれ故郷。



同じものなどない、ゼルダ姫との邂逅。



果てには、親代わりの人たちや、幼馴染すら……。





どんどん情報が変化する。
その全てが正しくて――同時に起きることなど、有り得ない。
そのことを受け入れられなくて…頭がどうにかなりそうだ。

846Mii:2019/02/01(金) 07:15:56 ID:5I3.SDfA
実は、2回目の「歴史」で苦しみ始めた俺は…ゼルダ姫に会って、淡い期待を持ったことがある。
細かい仕草の一致などから、姫も俺と同じく転生している確信がなんとなく持てたんだ。

    「『リンク』…!?まさか、あのときのリンク、なのですか!?
     ああ、なんということでしょう。あなたも運命に弄ばれている1人なのですね……」

みたいに反応してくれれば。
不幸なのは俺だけじゃなかったんだ、お互い頑張ろうってことで心を保てたかもしれない。



…だが、現実は非情だった。
リンクという名前に、僅かに反応されたとはいえ――それで終わり。
世界を脅かす存在に憂いている様子こそあれど、日常生活に支障、一切なし。
俺が修羅の道を辿って世界を救った後は、困ったことなど何にもないという満面の笑顔。

ハイラル家としての力が彼女を守っているか何かで、昔の歴史の記憶を
深層心理の更に奥底に沈み込ませていられるらしい。なるほど、ただの勇者には縁遠い話だなあ。
…まあ、このあたりは俺の憶測なんだけど。

藁にも縋る気持ちで…この際、愚痴を零し合えるならガノンドロフでもいいやと一瞬思ったが――
アイツの場合は封印と復活を繰り返す同一人物…いや同一魔物らしいから、
比較対象と言えるのか、そして精神負荷への耐性が同じなのか大層怪しい所だ。

結局、俺はまた一人になった。

847Mii:2019/02/01(金) 07:18:09 ID:5I3.SDfA
必死に医者を探してみたが、意味が分からないと首をひねられるばかり。

脳の負担を極力減らそうとするあまり、少なくなる持ち物に行動範囲。

幼馴染なんか、「おい」とか「ちょっといい?」で誤魔化し続けて
名前で呼ばなくなって久しい。悲しそうな顔をされるたび、俺の闇は広がっていく。



誰でもいいから、助けて、くれ。このままだと、俺は――――!



ゼルダ姫から、招集が掛かったのはそんな折だった。






〜ハイラル城〜

ゼルダ「リンク、よく来てくれました。
    ――あら?顔色が優れないけれども、大丈夫ですか?」

リンク「……大丈夫ですよ、ゼルダ姫」

リンク(全然、大丈夫じゃ、ないけどな…
    さて、このゼルダ姫とお別れするまで、あとどの位かな…
    前兆もなんにもなく、フッと違う歴史へと飛ばされるからな…)

848Mii:2019/02/01(金) 07:19:57 ID:5I3.SDfA
ゼルダ「実は、キノコ王国という遠い遠い王国で、
    歴戦の強者同士でその武を競い合う祭典が開かれるそうなのですが…。
    王国のトップであるピーチ姫というお方から、招待状を頂いたのです。

    『世界一を決めるという文言を使ってしまったので、
     もしも腕に自信のある者がいるのならばぜひ参戦してほしい。
     もちろん公平なジャッジを保証する』…とのことでした。

    問題なければ、ハイラル王国としてリンクを推薦したいのですが、どうでしょう。
    惜しむらくは、王国の安寧を取り戻したばかりで政務に追われていて…
    誰も応援に行けないことなのですが…」シュン

リンク「武を競い合う…祭典、ですか」



――俺の存在意義は、勇者としてその勇気を、強さを示す事。
――それだけは、譲るわけにはいかない。



リンク「……わかりました。ハイラル王国の名に恥じないよう、全力で挑ませて頂きます」

ゼルダ「ありがとう、そう言ってもらえると思っていました!」

ゼルダ(……最近、リンクの笑顔がめっきり減りましたね。
    これで少しは、元気になってくれるとよいのですが)

849Mii:2019/02/01(金) 07:22:10 ID:5I3.SDfA
俺は、ハイラルが認める勇者なんだ。どんな相手だろうと、負けるはずがない!

招待状片手に、キノコ王国が用意してくれた船に乗り、初めての王国外への旅。
ほんの少しだけ士気が上がって、会場に通されて。
ザンキシンセイとかいう、変な手続きがあって。
さっそく、バトルロイヤルが始まって。







リンク「あ…………れ…………?」

全然、勝てない。



むしろ、負けしかない。
自慢の剣捌きが、身のこなしが、一切通じない。
幾度となく、バトルフィールドから落とされる。撃墜される。



特にあの、マリオとかいう配管工は化け物だ。
マスターソードを真剣白羽取りされたときは目を疑った。
観客は大層湧いていたが、なんたる屈辱。実力の差がありすぎる。
俺が10人いても勝てないんじゃないかという絶望感をもたらしてくれる。

850Mii:2019/02/01(金) 07:24:22 ID:5I3.SDfA
開催期間内の勝敗数から順位付けを行うルールだったが、俺は突出して酷い成績。
0勝のまま、黒星だけが10個、20個、30個と増えていくんだから当たり前だよな。

司会者から、「初めての試みのせいで、人選を間違えちゃいましたかね」と毒を吐かれるほど。
俺のなけなしのプライドは、ズタズタになった。





マリオ「ようリンク、これで0勝99敗だな」

リンク「…………」



俺が絶望に打ちひしがれて、関係者用の食堂で昼食をとっているところに、マリオがやってきた。

リンク「……なんだよ。優勝まっしぐらのお方に話し掛けられていいような大層な人間じゃないぞ、俺は」





自虐しているだけで、涙が出てくる。
女々しいもんだ。こんな所…くるんじゃなかった。

851Mii:2019/02/01(金) 07:27:25 ID:5I3.SDfA
マリオ「…あ、いや。気を悪くしたならすまん。実は、お前に1勝くらいはさせてやろうと思ってな」

リンク「――っ!ふざけるなっ!!そんなお情けで俺が喜ぶとでも思ってるのか!」ドンッ

マリオ「いやいや、手を抜くっていう意味じゃなくて」

周りの選手たちもギョッとして思わずこちらを見る中、構わず俺は激昂する。

リンク「ちくしょう…ちくしょう!所詮、俺は井の中の蛙だったんだよ!
    ハイラルの勇者なんて、キノコ王国からしてみれば屑同然だったってことだろ!
    こんなに弱かっただなんて…あんまりだ……っ!!」







マリオ「ピーチ曰く『魂の混濁』が見られる上に、
    残機制度使わず『セーブ制度』だけに頼ってたんだから当然ですがな」

リンク「………………………はい?」



マリオ「ようしリンク。この祭典、その日ごとの参戦するか否かの判断は個々の自由だ。
    というわけで、3日…いや1週間ばかり参戦は置いといて、ちょっくら俺とピーチのカウンセリングを受けろ」

リンク「……???」

852Mii:2019/02/01(金) 07:29:37 ID:5I3.SDfA
さっぱり訳が分からないまま、会場を離れて、どこかの病院へ。
医者の姿のマリオと、ナース姿のピーチ姫が出迎えてくれた。一体、何が始まるんだ?

Dr.マリオ「とりあえず、そこの椅子に座って。じゃあ始めるぞ。

      目を瞑って、俺やピーチが出す質問に、素直にありのまま答えていってくれ。
      もちろん、答えたくない質問は飛ばしてもらって構わないからな」



とりあえず納得して、色々と答える。
複数の解を持つ質問には、頭と胸が苦しくなりながらも全部の解答を示す。
それをピーチ姫が書き留めているのか、静かに響くペンの音。





目を瞑っていたため時間がよくわからないが、1時間くらいは経っただろうか。

Dr.マリオ「ふむ、もう2時間も経ったか。色々と分かってきたぞ、お疲れさん。
     じゃあ、ちょっと踏み込んだ話をする。目を開けていいぞ」

リンク(そんなに経ってたのか)パチッ

853Mii:2019/02/01(金) 07:32:06 ID:5I3.SDfA
Drマリオ「リンク、お前は勇者として色々な歴史を冒険してきた。
      そのたびに記憶が上書きされるならまだよかったのに、
      どんどん同時存在するようになって脳がパンクしている。
      自分でも、非常に危険な状態だと感付いている」

リンク「だから、そう言ってるだろ」

Dr.マリオ「強さだけは譲らないと縋っていたのに、案外弱くて自身に幻滅した」

リンク「『案外』じゃなくて『恐ろしく』だけどな」

Dr.マリオ「強さに関しては、さっきチラッと言った通り残機制度を利用していないのがデカすぎるな。
      …基本、勇者ってセーブ制度なんだよな?キノコ王国でもほんのちょっと導入が進んでるが」

リンク「残機制度?セーブ制度?」

Dr.マリオ「死の極限まで追いつめられたとき、『命をストックしてあるから死んでもいいや』と
      開き直るのが…キノコ王国が編み出した残機制度。
      それに対してハイラル王国が編み出したとされるセーブ制度は、
      『自動発動型の招喚魔法で、自身を過去に同期させる』ものだな。
      それぞれにメリットとデメリットがあると、俺は睨んでいる。

      苦痛が圧倒的に少なくて済むのがセーブ制度なんだけど…
      同時に、せっかく得たはずの経験値を蒸発させてしまうのが痛すぎるよなあ。
      戦闘勘を鍛えるくらいならなんとかなるけど。    
      まあ、制度の違いについては後々、もっと詳しく教える。
      要するに、両方の制度を使い倒せってことさ」

リンク「はあ……」

854以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/01(金) 09:09:33 ID:VYPqJh02
スマブラ編?楽しみ

855Mii:2019/02/01(金) 23:35:58 ID:5I3.SDfA
Dr.マリオ「で、だ。本題の『魂の混濁』とやらに入るぞ。
      …もっとも、専門的なことは俺もお手上げだから…解説よろしく、ピーチ」

ピーチ「オッケー。リンクは、『魂と思考の一対一対応』っていう原則、知ってる?」

リンク「…いや、知らない」

全く知らない。キノコ王国だと常識なのだろうか。
それとも、博識なゼルダ姫なら知っているのだろうか。

ピーチ「通常状態なら、思考回路は1つのみ。
    誰かの魂に憑依されているなら、思考回路は2つまで。
    魔物同士が融合体を象ったとしたら、思考回路は構成要素の魔物の数まで。

    要するに、魂の数より思考の数が多くなることはありませんねっていう、
    それだけの原則よ」

リンク「……でも、俺は」

ピーチ「魂1つに対して思考回路が複数あるって思ってるなら、間違いよ?
    原則を破るわけには行かないから、疑うべきは魂の数。
    思考回路の数だけ、魂は『区別できる、分離できる』はずなの」

リンク「魂が…分離できる!?」



驚天動地とはこのことだろう。なんだか付いて行けなくなってきた。

856Mii:2019/02/01(金) 23:41:25 ID:5I3.SDfA
ピーチ「歴史1の自分がいて、対応する魂1がある。

     歴史2の自分がいて、対応する魂2がある。

     歴史3の自分がいて、対応する魂3がある。



     歴史4の今現在の自分がいて、対応する魂4がある。



     その都度その都度、1つの歴史にて生きているから、貴方は魂を1つに束ねようとしてる。無意識にね。
     でも思考回路は増えていくばかりだから、パンクするのは当たり前。

     

     リンク――。各々の歴史の自分を認めなさい。
     そして、歴史の数だけの独立した魂として扱ってあげるの。
     それが達成された瞬間、『1つのごちゃごちゃな塊』から
     『綺麗に折りたたまれた冊子』へと魂は変貌するわ。

     時間軸移動の手段があるなら、懐かしい歴史をちょっと訪れて当時を振り返るのもいいかもしれないわね」

リンク「……!!」ハッ

857Mii:2019/02/01(金) 23:47:44 ID:5I3.SDfA
ピーチ「始まりの町が複数あったっていいじゃない。
     ダンジョンが複数パターンあったっていいじゃない。
     それが貴方の世界の立派な『常識』なんだから。

     それに、言い換えれば…知識量が、戦闘経験が何倍もあるってことよ?
     これからだって、魂の分離さえできれば、魂ごとに経験値が入っていくの。
     成長曲線ぼろ儲けよ?

     あと、魂を慎重に、慎重に移し替えながら懐を探ることができるならば…たとえば。
     各々の歴史で使ってきた装備品やアクセサリーを好き勝手に…
     どこからともなく取り出せたりもするんじゃないかしら。
     勇者の特権ってことでワクワクしてこない?」

リンク「本当か!?」ババッ

ピーチ「…いきなりは無理よ。それができるようになるのを目指して頑張るんだって」

リンク「あ、ああ」ボウゼン




なんだろう。この気持ち。急展開にも程があるが…。
光明が見えてきた、のだろうか。

858Mii:2019/02/01(金) 23:50:47 ID:5I3.SDfA
Dr.マリオ「そうそう。あと、リンク自身の思考パターンについてちょっと思う所がある。
      簡単なテストをしよう。



     冒険でダンジョンに潜っているリンクの目の前に、宝箱が現れた。
     ちょっと特殊な宝箱で、キューブ状の箱に対して鍵穴が6つある。
     前にも後ろにも、右にも左にも、上にも…そして、地面に接した下にもだ。

     持っている鍵を使えば、どの鍵穴からでも一面開放して、宝物を回収できる。
     さて、リンクなら…どの鍵穴を開ける?」

リンク「そんなの、最短距離で到達できる前面の鍵穴に決まってるじゃないか」





Dr.マリオ「……本当に、そうか?」ニヤリ





リンク「え…まさか、前面あたりに留まっていると上からキースが襲ってくるとかの特殊条件があるのか?」

859Mii:2019/02/02(土) 00:01:40 ID:/.lNxzM6
Dr.マリオ「いや、そういう隠された条件はないぞ。ただ――
      最適解だけを妙に絞り出して他の選択肢を除去するのは…
      色々と勿体ないだろってことだ」

リンク「え……」

Drマリオ「気まぐれ、気分で横の鍵穴から開けてもいいじゃん。
      回り道して、後ろの鍵穴から開けてもいいじゃん。
      ひねくれて宝箱を持ち上げて、下の鍵穴から開けてもいいじゃん。
      いや、そもそも1つしか開けてはいけないとも決まってないぞ。
      全部開けて、我に返って『ブフォ、何やってんだ俺!』って笑い転げてもいいんだ。

      選べる自由があるうちは、選択肢は残しておいた方が人生楽しいぞ?
  
      勇者は休憩も娯楽もナシに世界を救うため奔走しなきゃならない?
      困った人がいたら、我が身を犠牲にしてでも助けなきゃならない?
      そんな押しつけがましい常識なんて捨てちまえ。

      自分と、自分に近しい人についての命と生活を、まずは最優先に守る。
      余裕が有ったら、現状維持するくらいには世界の為に戦う。
      更に余裕ができて初めて、世界の平和のために一気に攻め立てる。
      そんなもんで十分じゃないのか?」



リンク「…そんな考え、したこともなかった」

860Mii:2019/02/04(月) 22:22:37 ID:ARfOst1w
それから1週間みっちりと、カウンセリングは続いた。
何も謎解きを出されるだけ、質問されるばかりではない。

リラクゼーションの為に音楽を聴いたり。
座禅を組んで瞑想したり。
特効薬とはいかないまでも、自分で実践できる療法を座学で学んだり。

少しずつ、体がほぐれていくのを実感する。
手荒に扱っていた装備を、ふと手入れしてみて、愛着を思い出す。
まだまだ悪夢は見るけれど、吐き気に対して、打ち勝つ勇気が湧いてくる。



俺は、長いようで短い、カウンセリングを通じて、
自分のルーツの探求を行っていった――。








そして――。

861Mii:2019/02/04(月) 22:24:43 ID:ARfOst1w
リンク「体力満タンの復活し立てに…ソードビーム――ッ!」ブンッ

マリオ「おっとと!?なんだこの射程距離っ!?」

リンク「距離を取られたところを…ロングフックッ!!」シュルルルル

マリオ「げ、しまっ…」ガチャリッ

リンク「引き寄せて…メガトンハンマー!!」ゴオォッ!

マリオ「ぶっ!?」バビューン



実況「リンク選手、マリオ選手をまたもや撃墜!並んだ、また並びましたっ!
   ここにきてリンク選手、信じられない変貌っぷりです!
   開幕早々、優勝させまいとマリオ選手が周囲から狙われたという事情もあるとはいえ…
   リンク選手、大健闘の状況だ!」

マリオ「これならどうだ、ファイアボールを食らえっ!」

リンク「――――っ!」ビュン

実況「リンク選手、ファイアボールのほとんど全てを
   咄嗟のマジカルブーメランで撃ち落としたぁ――!」




ウオオオォォォォォ――!!

862Mii:2019/02/04(月) 22:26:37 ID:ARfOst1w
マリオ「やるじゃないかリンク、やっぱり見込み通りだな!
    道具の豊富さなんてものじゃない、見違えるくらい動きが良くなったぞ!」

リンク「ああ、マリオとピーチ姫のおかげさ!心の迷いがだいぶ消え失せたうえに、
    滞納されていた経験値が遅ればせながらまとめて入ったみたいなんだ!
    反則すれすれの装備ありきで拮抗している感じで悔しいけど…今は勘弁してくれな!
    とりあえず1勝して2人に感謝の気持ちを表すことにするさ!」

マリオ「言ったな?こちらもそうやすやすとは負けないさ!」ダッ

実況「観客の興奮も最高潮に達しているぞー!結果は如何にっ!」



ワアアアアアアアアアアアァァ――。

863Mii:2019/02/04(月) 22:27:56 ID:ARfOst1w
〜ハイラル王国〜

ゼルダ「…そう、ですか。1勝99敗…断トツの最下位に、終わった、と」

リンク「はい。ハイラル王国の名に泥を塗ってしまい…大変、申し訳ございません。
    罰は如何様にも…」

ゼルダ「…いえ、それは構いません。ですが、リンク。
     辛い思いをさせてしまい…こちらこそ大変、申し訳ありません」ウツムキ

リンク「そのことなら、大丈夫です。
    非常に有意義な遠征であったので」ニコッ

ゼルダ「え……?」





リンク(分かってる。最終戦で…やっぱりマリオは、手を抜いていた。
    でもそれは、俺を嘲り笑うための手抜きじゃない。
    おれを後押ししてくれる、反撃の狼煙を祝ってくれる最初で最後の餞別だ。
    これから俺は、本当の意味で強くなって見せる)



ゼルダ(ああ…こんなにリンクが穏やかな笑みを見せるのは、初めてかもしれないわ)

864Mii:2019/02/04(月) 22:29:52 ID:ARfOst1w
それから数年の月日が流れ。

悪夢に苛まれることなど、ほとんどなくなっている俺がいた。
マリオとピーチには感謝してもし足りないな。
今日もせっせと――





ハイラル城にお百度参り中。





リンク「お願いします、ゼルダ姫!
    ハイラル王国でも、大々的に強者を集めて競い合う祭典を設けるべきです!
    レースでも、ミニゲームパーティをするのでも、ジャンルは問いませんから!」

ゼルダ「…リンク。スマブラDXに参戦して、キノコ王国での戦いから醒め止まないのは分かりますが…
     繰り返しますが、私含めて王国の主要メンバーは日々忙しいのです。
     そのような無茶を言ってはなりません。第一、なんの意義があるというのですか?」

リンク「ですから!冒険がそうそう転がっているわけではないのですよ!
    王国が主導して、多くの人が経験を積むことのできるイベントを用意するべきなのです!
    キノコ王国では有効性が十二分に実証でき、積極的に取り入れている施策です」

865Mii:2019/02/04(月) 22:31:53 ID:ARfOst1w
暖簾に腕押し、糠に釘。
今回のゼルダ姫は…いや今回のゼルダ姫も、中々に真面目体質みたいだ。
それが災いして、俺の主観を語る程度では中々動いてくれない。
むしろ、「そんなことを考えている暇が有ったら鍛錬をした方がよいのでは」という思いすら、
ジト目から伝わってくる。

…いやまあ、ハイラルの常識からすればまるで素っ頓狂なことを言っていることは自覚している。
いきなり突っぱねられないだけマシなんだろう。

スマブラDXも、せっかく個人的に招待されておきながら
「別に戦いを好まないし、忙しいからパス(要約)」という内容の連絡をピーチ姫に送って…とうとう参加しなかった。
緊急時以外で殴り合いなんて以ての外、と考えるのはまあ分かるんだけどさあ。
…ちなみにピーチ姫は若干不満そうにしながら自分の参加登録をしていましたが何か?
行動派のお姫様は違うね。

なんとガノンドロフまで招待を受けたのだが、
「見知らぬ国のお祭り騒ぎに参加しろ、だと?くだらん!」と切り捨ててしまったらしい。
結局、ハイラル王国から参加したのはまたもや俺一人だ。酷くない?ねえ、酷くない?



え?俺の戦績?五分五分って程度までは力を付けたぞ。
強くなっていくことが実感できるって、本当に素晴らしいね。

866Mii:2019/02/04(月) 22:33:58 ID:ARfOst1w
ゼルダ「…リンク、王国を救って頂いたことには本当に感謝していますが。
    これ以上頻繁に嘆願に来られていると、要らぬ噂まで呼び込みます。
    政策の邪魔をしているのでは、とか。図に乗っているのでは、とか。
    私としても庇いきれなくなります。

    再考してもらえませんか、お願いします」ペコリ

リンク「…………はい、差し出がましい真似をしました。申し訳ありません」

ゼルダ「分かって貰えればよいのです。ふふ…。
     今のあなたはハイラル王国の誇れる勇者であって、
     キノコ王国の一介の戦士ではないのですから」

リンク「…………!!」ハッ!!



リンク「ありがとうございます、ゼルダ姫。
    おかげで、目が醒めました!」


ゼルダ「いえ、お気になさらず」ニコニコ

867Mii:2019/02/04(月) 22:40:34 ID:ARfOst1w
マリオ「さてと、明日のレースも頑張らなきゃなーっと。
    コースのおさらいをやっておくか……うん?」テクテク





リンク「おっす!久しぶりだなマリオ!」

マリオ「えっ」





〜キノコ城〜

ピーチ「『キノコ王国でアパート借りてしばらく生活する』ですって!?」

リンク「ああ。よくよく考えてみると、どのみち何処にいようと
    伝説が紡ぎ始めるたびに問答無用で転生するんだ。
    だったら環境が整っている上に、事情を把握してくれる人たちが揃っている所に
    住居を構えた方が絶対賢いだろ?」

868Mii:2019/02/04(月) 22:42:22 ID:ARfOst1w
ピーチ「あ、あのね!ハイラル王国の勇者を普通のアパートなんかに住まわせるわけにいかないでしょ!
     こっちでしっかり、ちゃんとしたところを手配するわよ!
     全く、急なんだから…!ゼルダは把握しているんでしょうね!?
     内政干渉とか言われるのはまっぴら御免なんだけれど!」

リンク「ゼルダ姫も背中を押してくれて、

    『今のままハイラル王国にいるとどうしても鍛錬しにくいと言うのなら、
     キノコ王国で初心に帰って一戦士として鍛えることが貴方のためになるということですね』

    みたいなことを言われたぞ?」

ピーチ「あ、そ、そうなの?…へえ、意外ね。まあ、それならいいけど…」

デイジー「あはは。ピーチ、対応間違えてゼルダと口論にならないようにねー」

ピーチ「頭が痛いわ…」

869Mii:2019/02/04(月) 22:44:33 ID:ARfOst1w
ピーチ「と、いうわけで!突然ですが、リンクの歓迎パーティを開きたいと思います!」バンッ

マリオ「よしきた」

ルイージ「賛成!」

リンク「……へ?」

マリオやルイージに連れられて、城下町を散策し。
キノコ城に戻って来てみれば、豪勢な料理がテーブルにビッシリ。

ピーチ「公務扱いにはできないから、楽団演奏とか下手に予算を使ったイベントにはならなかったけど。
     内々のお祝いで御免なさいね」

リンク「って、これピーチ姫が全部一人で作ったのか!?召使に作らせたとかでもなくて!?」

ピーチ「ざっとこんなもんよ」ドヤァ

マリオ「おお、あいかわらず美味そうだな!」

ルイージ「ヨッシー連れてきたよ!…全部食べたりしちゃ駄目だからね?」

ヨッシー「分かってますって」ジュルリ

ルイージ「すこぶる不安だ」

デイジー「ハイラル王国の土産話とか聞かせてほしいなー」ワクワク

リンク「…………」

870Mii:2019/02/04(月) 22:47:22 ID:ARfOst1w
歓談しながら、早速食べ始める。どれもこれも、本当に美味しい。
語られる話も、趣味のことやら専門的な話やら、失敗談やら暴露大会やら何でもありだ。
笑い、怒り、慌てる光景がそこにはあった。



リンク「…なあ、マリオ。割とこんな感じに、冒険や政務と関係ナシに集まることって多いのか?」

マリオ「割と多いぞー?そもそも、冒険からして、個人的な繋がりで食事会なり旅行なり誘ってもらって、
    遂行してたところを事件発生ってパターンが多いからな」

リンク「…………」

ピーチ「直接会ったことがほとんどないけれど、ゼルダってお堅いからねえ。
    100の仕事をテキパキと110の実力でこなすっていうか。
    
    余力はないが無難にこなせる現状に満足してしまっているがために、
    端折れるところを端折って娯楽要素を手掛けようなんて発想は
    持ち合わせているようには思えないわね。
    …あ、気を悪くしたかしら」

リンク「…いや、俺も分かる気がする」

871Mii:2019/02/04(月) 22:49:47 ID:ARfOst1w
デイジー「ピーチは遊びの時間をやりくりするために
      超パワーで仕事をするって感じだもんねー」

ピーチ「遊びの時間第一で仕事をしないアナタにだけは言われたくないのだけれど」ピキピキ

デイジー「イダダダダダダ!」

リンク「…………」

ピーチ「あ、でもね。お堅いおかげでゼルダは、
     パーティでリンクに踏みつけられることもなければ、
     カートでクラッシュさせられてマグマに突き落とされることもないのよ?
     ある意味で威厳を保ててるのよ?

     私とマリオはしょっちゅう、踏み合ったりハンマーで叩き合ったり、
     カート同士ぶつかり合ったりしてるけど」

リンク「…………」





何だろう。すっごく羨ましい。そうとしか言えないです。

872Mii:2019/02/04(月) 22:52:20 ID:ARfOst1w
キノコ王国で、マリオ達と特訓の日々。
1人より2人で、2人よりみんなで。やっぱり修業効率が違う。



しかし、今の俺は遊ぶことの大切さも忘れてない。



草原の国に遊びに行って、見覚えのある縦笛を紹介されて驚いたり。
マリオカートを観客席から観戦して、エキサイトしたり。
運も絡んで刻々と順位が入れ替わるパーティを観て大笑いしたり。
遊ぶネタはまるで尽きない。

――しかし、流石にそろそろ…。
――思った頃にドンピシャで、体が光に包まれた。
――げっ、転生を示す怪現象だ。

体が少しずつ、光に融けて消えていく。
新たな歴史を、新たな魂を感じ取る。





リンク(そういや、ここで増えようとする魂を分離…いや剥離するとどうなるんだ?
    …ペリッとな。我ながら器用な真似ができるようになったもんだ)ペリッ

873Mii:2019/02/04(月) 22:55:15 ID:ARfOst1w
ボンッ!

トゥーンリンク「やあ!僕、勇者リンク!さあ、冒険頑張るぞ!」

リンク「!?」

トゥーンリンク「あ、もしかして僕の本体さん?
        何故だかその情報と魂に関する知識だけは頭の片隅に持ってるよ。
        魂1つのときの本体さんと同じくらいの強さしかないから
        冒険は苦労すると思うけど…行ってきまーす!
        終わったら…じきに、本体さんの所に自動帰還するからねー!」シューン…

リンク「」

俺の体は再び実体を完全に取り戻し――
俺の分身…?が代わりに転生させられました。

リンク「…あ、でも。転生させられずに済むならちょうどいいのか。
…責任とって、帰還後に面倒見るくらいはしてやろう」ポンッ



――俺、今日…ちっこい分身を作ったよ。

図書館で座学を教わっているときに何気なく状況を説明したら、
教師役のピーチ姫がたちまち真っ青になって
『二度としないで』と肩をガクガクされました。…首がマジでもげそうです。
キノコ王国でハイラルの勇者の数を勝手に増やす(?)なんてことをしたら。
下手をすれば外交問題になりかねない、とのことです。そんなものなのか。
やっぱり勇者って面倒くさいな。

874Mii:2019/02/04(月) 22:58:20 ID:ARfOst1w
〜ふしぎのぼうし〜

ゼルダ「リンク、一緒にお祭りに行きましょうよ!」ワクワク

リンク(今回は幼馴染設定で始まるのか、なんか新鮮。
    …変装とかしなくていいんだろうか)ゴロゴロ

ゼルダ「…ちょっとリンク、どうして前転で進んでいくの!?
     …え、この方が速いって?嘘よね!?あれ、追いつけない!?待ってー!」





グフー「光の力を持つ姫…ハイラルの王女が持っているといわれるふしぎな力というヤツですか…
    そんな力を持った者をほうっておいて後々じゃまをされたら大変ですね…
    ワタシの魔人の呪いで石になるがいい!」ブウゥンッ

リンク「表彰式を使って律儀に正面から乗り込んでくるのは評価点だったけど
    そんなことさせないぞ…!」ワリコミ

875Mii:2019/02/04(月) 23:00:18 ID:ARfOst1w
ゼルダ「いけない、リンク!その小さな盾なんかじゃ防ぎきれない!
     私のことはいいから、よけてっ!」







リンク「時オカミラーシール…(小声)」







ゼルダ「えいっ!」ドンッ

リンク「え、ちょ」フラッ



ゼルダに おもいっきり つきとばされて
のろいのまほうを はねかえすことに しっぱいした!
ゼルダは いしに なった!▼



リンク(構えておけば跳ね返せたのに――っ!?)

876Mii:2019/02/04(月) 23:02:39 ID:ARfOst1w
グフー「それでは、フォースを探すことにしましょうか、フッフッフッフ――」シュンッ

リンク「……………………」

ゼルダ「」

リンク「これ、最後の最後まで石になったままってパターンじゃないか…
    いや、パターンなんて言っちゃいけないか…
    石の密度の相場が2〜3 g/cm3だから…100 kgはあるかな?
    うん、ちょうどいいハンデだな」





ハイラル王「こうなったら、リンクに全てを託すしか…!
      スミス、リンクはどうしたのじゃ!」

スミス「そ、それが…そのまま『ちょっくらグフーを倒してくる』と言って
    飛び出して行ってしまい…」

ハイラル王「折れたピッコルの剣も、戦闘用の剣もまだ与えていないのにか!?
      そ、そういえばゼルダはどうしたっ!見当たらんが!」

スミス「『ここに放置してたら、どうせグフーが隙を見計らって攫うだろうから
    連れていく、もとい背負っていくよ』とのことです」

ハイラル王「」

877Mii:2019/02/04(月) 23:04:28 ID:ARfOst1w
エゼロ「たすけてくれーい!」

ダダダダダッ…。
ドウシタ ドウシター?

エゼロ「ふう、やっと助けがきたよう――」



リンク「マスターソードの錆になりたい奴は出てこーい!
    …うーん、まだハンデが足りないかな。
    コキリの剣あたりに変更するかな」ズババババ

ゼルダ「」

エゼロ「何コイツヤバイ」

リンク「そこの…帽子?でいいのかな?石化した人の呪いを解くために、
    なんとかして聖なる力を秘めた聖剣を手に入れたいんだけれど、
    色々と試練を乗り越えなきゃいけない代物だと思うんだ。
    どうすればいいか知っていたりするか?教えてくれ!
    
    …あ、他の人には俺がマスターソードを持っていることは内緒な?」

エゼロ「お前は何を言っているんだ」

878Mii:2019/02/04(月) 23:06:16 ID:ARfOst1w
〜トワイライトプリンセス〜

ウルフリンク「……!」ガルルルルル

ミドナ「あ〜あ、残念だな〜。
    オマエの態度によっちゃあ助けてやろうと思ったのに――」
    


ウルフリンク(なにこれ凄いな!?獣になって戦闘力アップか!?
        うおぉ、ダッシュ速い!(鎖ブチッ!)当たり判定小さい!
        …あ、でも魔物に噛みつき攻撃はやだなあ。
        ちょっと剣を招喚して(ガラン)、前脚で…くそっ、厳しいか。
        グローブ系なら何とかなるかな?
      
        おーい、そこの獣人。
        何か獣専用のアクセサリとか持ってたりしないか!?
        爪の攻撃力が30%アップする、みたいなやつ!)ガルルルル

ミドナ「怒りじゃなくて感動してただけ!?適応速いなっ!?
    おまけにテレパシーに武器招喚って、いきなり何やってくれてるの!?」

879Mii:2019/02/04(月) 23:10:41 ID:ARfOst1w
〜キノコ城〜

ゼルダ「…………早速ですが本題に移りましょう」

ピーチ「……………………ど、どうしたのかしら、ゼルダ」

ゼルダ「いえ。なんでも最近、リンクがもっぱらキノコ王国で生活しているという噂を偶然耳にしたもので。
     興奮しずぎて、私自ら遠路はるばるやってきてしまいました」ピキピキ

ピーチ(怒ってる!物凄く怒ってる!何よリンク、全然許し得てないじゃないっ!?
    …あ、歴史が移ってゼルダも変わったから仕方ないのかあ)



※リンクが早合点しただけで、もとから許されていません。



リンク「あれ?ゼルダ姫じゃないですか。これは珍しいですね。
    キノコ王国まで来て、一体どうしたのですか?なにか事件ですか?」

ゼルダ「どうしたのですか、ではありませんっ!リンク、何をやっているのですか!
    貴方は、キノコ王国の勇者ではないでしょうっ!」

リンク「しかし、一向にハイラル王国がイベントを催してくれないじゃないですか…。
    強くなるためにも、精神面でも、キノコ王国の方がずっと環境がいいんですよ…
    それに、警備がてら自分の意志でハイラル王国には度々戻ってますよ?」

ピーチ(火に油を注がないでー!)ビクビク

880Mii:2019/02/04(月) 23:12:35 ID:ARfOst1w
リンク「…あ、そうです!そんなに疑うなら、今度のスマブラXで証明して見せますよ!
    いい加減、ゼルダ姫にも参戦していただければ、私の戦闘力の上がりっぷりを示すことができるはずです!」

ゼルダ「私に、そのような遊戯に参加する時間などありません」

リンク「…では、私もハイラルに戻ると時間がもったいないので戻りません」プイッ

ゼルダ「いい加減にしてください、リンク!
    何をピーチ姫に吹き込まれたのか知りませんがっ!
    ハイラル王国とキノコ王国、どちらが大切なのですかっ!」

リンク「それはもちろんハイラル王国に決まってるでしょう」

ゼルダ「そうでしょう、そうでしょう!
    …そ、その。私と、ピーチ姫とでも、どちらが大事かくらい、
    わかりきっていることでしょう」





リンク「……………………………………………………………………………………
    ゼ、ゼルダ姫に、決まってるでしょう」ピクッ ピクッ

ピーチ「」

ゼルダ「」ブチィ

881Mii:2019/02/04(月) 23:14:39 ID:ARfOst1w
ゼルダ「いいでしょう…こうなったら、私自ら、お灸を据えてあげましょう…
    スマブラXとやら、参戦しようではありませんか」

リンク「本当ですか!では、何度でも挑戦を受け付けるので、
    一度でも、素手の俺に『参った』と言わせたらゼルダ姫の勝ちということで!」

ゼルダ「フンッ!」ガチャッ・・・



ピーチ「…一応聞いておくけど、私のことが好きになった、とかではないわよね?」

リンク「はは、まさか。でも、親しい友人とは思ってるぞ」

ピーチ「…ゼルダのことは?」

リンク「私生活では取っ付きにくいけど有能な上司」

ピーチ(リンクのゼルダ好感度の低さのせいで私のストレスがマッハ!)ガクブル

882Mii:2019/02/04(月) 23:16:49 ID:ARfOst1w
スマブラXで、俺の実力は遂にマリオに並んだ、と思う。
観客の拍手を受けるのは、やっぱり気持ちがいい。



そうそう。ゼルダ姫に言われるままに、非公式戦でタイマン勝負することになった。



腕を大きく引っ張られながらも、光の弓矢を素手で掴み取って――
弱攻撃だけで100回ほど丁重に倒してみせたら



ゼルダ「リンクの馬鹿アアアアアアァァァァ!!」



と叫んで泣きながら去っていきました。
その後、ハイラル王国に戻って来いと言われることもなくなってめでたしめでたし。





ゼルダ「どうして、こんなことになってしまったの…」グスン

ゼルダ「私はリンクに、ハイラル王国に…傍にいてほしい、だけなのに…」

ゼルダ「何もかもが、ちぐはぐね…」ジワァ

883Mii:2019/02/04(月) 23:19:28 ID:ARfOst1w





「きゃあああああっ!」ドゴォッ

「ゼルダっ!!」

「ゴホッ…リンク、私の、ことは、もう、いいので、す…!
私の最後のお願いを、きいてください。
あの魔物を、たおし、て。ハイラルに、平和を、とりもど、し、て……
貴方なら、私の聖なる力がなくても、きっと――」ドクドク



「…………嫌だ」



「……リン、ク?」

「ハイラル王国とゼルダ、どっちかなんて…選ぶことなんか、できないっ!」



紫の薬が 緊急発動!
ハートが8個 回復して 一命を取り止めた!▼

884Mii:2019/02/04(月) 23:21:04 ID:ARfOst1w
「ああっ!何を、やっているのです!
 最後の薬は――貴方のために取っておいてほしかったのに!」





「海に、一緒に泳ぎに行くんでしょ?」

「えっ…」





「ゼルダを犠牲にして、世界平和なんて嘘だ。
 最後まで、2人であがいてみようよ」

「……!!」

「…なーんて、本来ならゼルダと一緒に遊びに行けるような身分じゃないけどさ、ははは」

「リンク……!はい。…はいっ!わかりました!
2人で、必ず生きて帰りましょう!そして、絶対に遊びに行きましょうね!」ウルウル

「ほんとに!?嬉しいなあ。…そうさ、僕たちは、最高の――」

「パートナー、なのですからっ!それでは、参ります!これが――――」

885Mii:2019/02/04(月) 23:23:05 ID:ARfOst1w












〜大地の汽笛〜

トゥーンゼルダ「最後のセッションです――――っ!」

トゥーンリンク「最終決戦だ――――っ!」

886Mii:2019/02/04(月) 23:24:51 ID:ARfOst1w
マラドー「小賢シイ真似ヲシテモ 無駄ダア!」

トゥーンゼルダ「リンクはマラドーを引きつけてください!
         わたしはその隙にこの光の弓矢でマラドーの光の紋章を狙います!」

トゥーンリンク「わかったっ!!」



――トゥーンリンクの果敢な動きに、魔王マラドーの注意が逸れる!



トゥーンゼルダ(今ですっ!……っく!?)ズキン

トゥーンリンク「外しちゃっても、まだチャンスだ!次の矢を放って!」

トゥーンゼルダ(こんな、ときに…!怪我、緊張、そして恐怖で狙いが定まってくれない!
         あ、ああああ!?)ブルブル

トゥーンリンク「やばいっ!……ぐっ!」ダッ

トゥーンゼルダ「リンク!私を、庇いに入ったせいで……ごめんなさいっ!
          私、最後の最後で、勇気が…」ボロボロ

トゥーンリンク「なーに、こんな怪我、舐めてりゃ治るって!気にしない気にしない!」テヘヘ

887Mii:2019/02/04(月) 23:27:47 ID:ARfOst1w
トゥーンゼルダ「…………リンク、お願いがあります。
         最後の最後の、お願いです。

         汽車の旅路で、貴方が聞かせてくれた数々の昔語り。
         その中で出てきた、『あれ』を。私に――」

トゥーンリンク「…え、いい、の?」

トゥーンゼルダ「はい。私はリンクを、信じます」ニコッ





マラドー「エエイ チョコマカト目障リナ!」グオォ

トゥーンゼルダ「…………」ジッ



トゥーンリンク(よし、ゼルダがフリーになった!
ここまで信用してくれたんだ、想いを、風に乗せて――!)

888Mii:2019/02/04(月) 23:28:53 ID:ARfOst1w





サッ サッ サッ サッ。
トゥーンリンク「←・→・」

トゥーンゼルダ「――――」ガクッ ブゥーン・・・







トゥーンリンクは 操りの唄を振った!
トゥーンゼルダの 意識を乗っ取った!▼ 





トゥーンゼルダ「――光の弓矢、食らえっ!」バシュッ!

マラドー「ガアァ!?」



トゥーンゼルダ(よし、なんとか扱える!ただ、問題は…!)

889Mii:2019/02/04(月) 23:30:51 ID:ARfOst1w
マラドー「フンッ!!」

トゥーンリンクは 操りを解いた!▼

トゥーンリンク「あっぶない!セーフ!
         わざわざ、棒立ちの僕を敵の目の前に曝け出しちゃうことかなっ!
         はは、かなりしんどいことになりそうだっ!」



トゥーンゼルダ「――2本目ぇ!」ビュンッ!

トゥーンゼルダ「――――3本目ぇ!」ビュンッ!

トゥーンゼルダ「――――ハァ、ハァ…4本目ぇ!」ビュンッ!




トゥーンゼルダ「――――――――――いい加減、倒れろぉー!」ビュンッ!



マラドー「グガアアァァ!」バタリ



トゥーンリンク(――――今だっ!)パチッ

トゥーンリンク「うおおおおおおおおっ!」

890Mii:2019/02/04(月) 23:33:24 ID:ARfOst1w
トゥーンリンク(マラドーは相当弱ってる!額のコアに剣を刺して、お仕舞いだ!
       
         …だと、いうのに。どうして、足が、もつれるんだ。
         やっぱり、何度も何度も意識を乗っ取るってきつすぎる――。
         今アイツを仕留め損ねたら、ヤバイの、に。
         ごめんゼルダ、僕、もう気力が残って――)フラッ



ガシッ!ザクッ!!

マラドー「GYAAAAAAAAAAA!!」



トゥーンリンク「ハッ……あれ?場面が…飛んでる?
         どうして僕は…ここまで駆けて来られてるんだ?
         どうして、剣を突き刺せているんだ…!?」





トゥーンゼルダ(霊体)「よかった、間一髪間に合いました!」





トゥーンリンク「ゼルダ!?どうしてまた、その姿に!?」

891Mii:2019/02/04(月) 23:35:03 ID:ARfOst1w
トゥーンゼルダ「リンクが倒れかけているのを見たとたん、思わず自分の体を放り出して
         意識を失ったリンクの体に入り込んでいました。
         おかげで、私の体は顔から盛大に地面に倒れ込んだじゃないですか、もう。
         
         …リンク、私がまた体に入って戻ってくるまで耐えてください。これで本当に、最後です」

トゥーンリンク「…………ああ!」グググッ



タッタッタッ…。

トゥーンゼルダ「お待たせしました。それでは――」





トゥーン「「はあああああああああっ!!!!」」ドンッ!!

892Mii:2019/02/04(月) 23:36:35 ID:ARfOst1w
トゥーンリンク(ぼーっ)



リンク「おいおい、どうしたよトゥーン。冒険から戻ってきてからというもの、
    ため息ばっかりついて、そんなに黄昏ちゃってさ」

トゥーンリンク「…………」チラッ

トゥーンリンク「はあぁ……約束、守れなかったなあ」シュン

リンク「お?なんだなんだ?どれどれ、お兄さんに話してみたまえ。
    冒険の中で好きな子でもできたか?」

トゥーンリンク「…………うん」

リンク「なーんてな、あはは…って何だとぉ!?
     トゥーン、恐ろしい子!色を知る歳か!?一体、どんな人なんだ!?」ガバッ

トゥーンリンク「…………えっと」モジモジ



リンク「えっ…」

リンク「……………………ふむ」

893Mii:2019/02/04(月) 23:40:02 ID:ARfOst1w
〜ハイラル城〜

ゼルダ「…ふう、今日の仕事はこのくらいにしておきましょう。
     いつまでも明かりを付けているとインパに怒られてしまうわ」

ゼルダ(まあ、枕元の本を少し読んでから寝るのだけれどね)



コン、コン。



ゼルダ(あら、いけない。寝たふり、寝たふり)



リンク「失礼しまーす」ガチャッ

ゼルダ「!?」

リンク「あれ?おかしいな、窓明かり的に起きてると思ったんだけど」

ゼルダ「」

リンク「まあいいや、寝てる方が好都合だし。貴方の心を盗みに参りました、なんてね!」

ゼルダ(夜這いっ!?まさか、夜這いなのっ!?リンクに限って!?
     あわ、わわわわわわわわわわ)

894Mii:2019/02/04(月) 23:41:55 ID:ARfOst1w
リンク「さってと、さっさと済ますか――」

ゼルダ(あれがこれで それがどれで これがそれで)プシュー





リンク「教えてもらった『操りの唄』」スイー

ゼルダ「――――」ガクッ



ゼルダ「――よし、大成功!じゃあ早速、頭に意識を集中させてっと……
  
     これか?いや、違う。

     こっちか?違うなあ。

    流石に他人の魂、それも休眠状態の魂の分離は一筋縄じゃ行かないか…
    でもまあ、トゥーンリンクの為に頑張ってみるんだけどな!」

895Mii:2019/02/04(月) 23:45:24 ID:ARfOst1w
〜1時間後〜

ゼルダ「…見つけたぞ!そおぉぉい!」シュパッ



ゼルダ(テトラ)の魂【風のタクト】を 取り出して
空きビンに 詰め込んだ!
ピーチに渡して 実体化の協力をしてもらおう!▼



ゼルダ(テトラ)の魂【夢幻の砂時計】を 取り出して
空きビンに 詰め込んだ!
ピーチに渡して 実体化の協力をしてもらおう!▼



ゼルダの魂【大地の汽笛】を 取り出して
空きビンに 詰め込んだ!
ピーチに渡して 実体化の協力をしてもらおう!▼



リンク「――――よし、じゃあ帰るか。
    ご協力ありがとうございましたー」ホクホク

ゼルダ「…………うっ、一体何が……記憶が混乱しています…」ヨロヨロ

896Mii:2019/02/04(月) 23:47:27 ID:ARfOst1w
リンク「…そうして、必要分の魂を集めて来て実体化させ、
    更に魂に関する知識をトゥーンリンク同様に与えたものが
    こちらになります」ババーン



トゥーンゼルダ「人を物みたいに扱わないでください!
          命を弄ぶだなんて、本当に酷い方ですね!」プンスカ

リンク「……じゃあ、ピーチに頼んで滅してもらおうか…?
    本人が『本体と分離して生きること』を望まないなら、受け入れるよ。
    勝手なことをして済まない…」

トゥーンリンク「えっ…………」



トゥーンゼルダ「それは駄目です」ギュッ

トゥーンリンク「ゼ、ゼルダ。苦しい苦しい」

トゥーンゼルダ「ダメ」



リンク(ニヤニヤ)

トゥーンゼルダ「わ、笑わないでください!!」カアァ

897Mii:2019/02/04(月) 23:49:36 ID:ARfOst1w
リンク「善きかな、善きかな。

    ただ、残念なことに。本体のゼルダの負担を極力減らすため、
    戦闘力をほとんど持ってこなかったんだ。
    歴史3つ分を合わせても、凄まじく弱っちい状態だな。

    これから地獄の特訓でリカバリする必要があるけど、
    その覚悟はあるか?」

トゥーンゼルダ「……………………もちろんです!」グッ

トゥーンリンク「頑張れゼルダ!」





デイジー「…ねえ。前にゼルダが乗り込んできたときもヤバイと思ったけど。
      そろそろ喧嘩を通り越して戦争しかけられそうなんだけど、大丈夫、ピーチ?
      逆の立場だったらピーチ、絶対黙ってないよね?」ヒソヒソ

ピーチ「………………………………………………………………
     もうあの3人に矢面に立ってもらって何とかしてもらうしかないわ」ダラダラ

デイジー「ピーチが珍しく匙を投げてる……」

898Mii:2019/02/04(月) 23:52:00 ID:ARfOst1w
〜スカイウォードソード〜

ゼルダ「ハープと衣装で今日のわたしは伝説の女神様!
    リンクに一番に見て欲しくて来てもらったの!
    ねえ似合ってる?」

リンク「ああ、よく似合ってるよ」

リンク(今度のゼルダ姫…いやゼルダは幼馴染かつ恋仲一歩手前の関係か。
    …まあ、転生した俺にとっては好感度がニュートラルに戻ってるんだけど…。
    向こうは俺の変化なんて露にも知らないだろうし、うまく騙し通さなきゃな。
   
    しかし、ハイラル王国すらできていない大昔…いや原初の話とは。
    姫様の肩書もないし、これなら普通に仲のいい関係を築けるかな?)





ゼルダ「あれは……黒い竜巻!?何、何なのこれ!?きゃあああああああっ!!」



リンク「…って、言ったそばから攫われてるし!
    そこは、スカイロフトで帰りを待つとか一緒に冒険するとかさぁ!
    くそっ、自由が利かないっ!」

899Mii:2019/02/04(月) 23:53:44 ID:ARfOst1w
ファイ「お待ち申し上げていました…我が創造主より選ばれし運命のお方…
    『ファイ』 …それがワタシに与えられし名。
    時の向こう…遥かな過去から大いなる使命を背負いしあなたの為に…
    ファイはその為だけに作られた存在なのです。

    どうぞこの剣をその手に…我が創造主に選ばれしお方、リンク」



リンク(無機質無表情の女性にいきなり導かれましたとさ。話の展開が速いぞ。
    …女神の剣、か。触った感じ、マスターソードの前身みたいだな。
    …マスターソード持ってるんだけどなあ。
    まあズルはせずに、でもサクサクと進めていくか)

ファイ「…承認完了しました、マスター。
    マイマスター リンク」

リンク「おう、よろしくな、ファイ」

900Mii:2019/02/04(月) 23:56:37 ID:ARfOst1w
リンク(ようやく…見つけた!)

――ゼルダに、割と早く出会えた!

互いに駆け寄ろうとする、ゼルダと俺。

しかし、待ったを掛ける女性が1人。
その女性…インパの諫めに従い、ゼルダはどこかへワープしてしまった。
後を追おうとするも、鋭い眼光のインパに止められてしまう。

…え、なんで?使命があるとしても俺と一緒でいいよな?
多分倍速で案内してあげられるぞ?おーい?

インパ「…思いのほか遅かったな。お前を見ていると女神さまは
     選ぶべき者を見誤られたのかと思うぞ。
    そんなザマでは到底あの御方を…ゼルダ様をお守りすることなどできない」





リンク「…………は?」





開いた口が塞がらない。え、あの、ちょっと?

901Mii:2019/02/04(月) 23:58:14 ID:ARfOst1w
インパ「私の物言いが気に入らんか?」

リンク「――っ!当たり前だろっ!?俺はここまで、ほとんど攻撃を受けることなく突き進んできたんだぞ!?
    これ以上はないっていうほど早く着いたはずだ!」

それこそ、特殊な事情もないただの『リンク』だったら、この5倍は時間を食っているはずだ。
ズルをしない前提であるが、なるべく早く助けたいという思いがあった。

インパ「ほう…?安全策を採ってノロノロと進んできた、の間違いではないのか?」

リンク「そんなことあるもんか!」

インパ「だが、私がここに来ていなければ…今頃ゼルダ様は奴らの手中だった。
    …はっきり言ってやろう。お前は間に合わなかった。
    ゼルダ様をお助けできなかったのだ」

リンク「それは俺のせいじゃない!」キッ

いくらなんでも、最善を尽くしたことを全否定されてまで笑っていられるほど、
俺は聖人君子じゃない。しかし、インパの表情が一層厳しさを増す。

902Mii:2019/02/05(火) 00:00:24 ID:nxJlbLPw
理不尽だ。 理不尽だ。 理不尽だっ!!
なんで、こうなるんだっ!

光の束が収まり、ゼルダとインパの気配が完全に失われるまで。
久しぶりの虚無感を味わった俺は、立ちすくむことしかできなかった。



リンク「…………なんだよ…………もういいよ…………」ブツブツ

ファイ「マスターの精神が酷く乱れていると推測。
    先ほどの会話が要因である確率、98%。
    ですが、ワタシは状況を理解しきれておりません」



ファイが何か言っているが、知るものか。



リンク「そんなに、早く来てほしいなら…やってやるよ……」





ガシャン!!ガラガラガラガラガラガラガラガラッ!

903Mii:2019/02/05(火) 00:03:57 ID:nxJlbLPw
ファイ「…マスターの周囲に、数々の装備品が突如として現れました。
    言動から、マスターの持つ隠された能力によるものである確率、94%。
    私の記憶にない物が多数存在、状況把握が困難となっております。
    特に、こちらに転がっている光り輝く剣たちは――」





        マスターソード(神々のトライフォース)
        マスターソード(時のオカリナ)
        マスターソード(大地の章/時空の章)
        マスターソード(4つの剣)
        マスターソード(トワイライトプリンセス)





ファイ「マスターソード……!?……………………理解不能、理解不能」

リンク「それだけじゃないぞ…。この際だ、マスターソードだって合成してやる…
    一度試してみたかったんだ…ふふ…」ブウゥゥン

シャキイィィィィン!!

5本のマスターソードを 合成して ネオ・マスターソードが 誕生した!
攻撃力5倍! カギ扉、ボスカギ扉も 一振りで破壊できるぞ!▼

ファイ「!?」

904Mii:2019/02/05(火) 00:07:22 ID:nxJlbLPw
リンク「……………………さぁて、他の装備も適当に合成していくか…」

ファイ「…マスター。今後はこちらの剣を使用されるおつもりですか?」

リンク「悪いか?別にいいだろ、女神の剣よりよほど切れ味がいい」

ファイ「…マスターがそう仰るのならば、ワタシは従います。
    こちらの剣なのですが、ワタシが宿っても問題ないでしょうか」

リンク「好きにしろ――」

ファイ「それでは…」ヒュン




リンク「……………………っ!ちょ、ちょっと待った!やっぱ駄目だっ!
    ファイ、急いで剣から離脱しろっ!!」



ファイ「――――――――――――――――――――――――!?
    ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
    アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
    アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
    アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」バリバリバリバリ

リンク「言わんこっちゃない!マスターソード5本分の戦歴が流れ込んで
    情報処理が追いついてないんだっ!このままだと死ぬぞっ!?」

905Mii:2019/02/05(火) 00:11:10 ID:nxJlbLPw
――ファイは剣から飛び出して…いや吹っ飛ばされて、そのまま受け身も取れず壁に叩きつけられ、
力なく倒れ込んた。霊体に成れていないうえに体が融けかけている、だと。どんだけダメージを受けたんだ!



ファイ「――――が――――ぁ――――」ピクピク



リンク「回復アイテム……って、不要だから持ってきてないんだった!
    回復ポイントまで運んでる余裕なんかないぞ!?
    どうすりゃいいんだ一体!?
    自分のハートは有り余ってるって言うのに!

    ……それだっ!一か八か…『ハートの器』錬成っ!!」ググググ

生命力を削って ハートの器を錬成した!
ハートの最大値が 1つ減る!
おまけに体力を削られる!▼



リンク「ぐぐっ、堪えるな…。でも俺のせいで死なせたら寝覚めがわるいし。
    ハートの器、ファイに投入ぅ!」

ファイのハートの最大値が1つ増える!
おまけに体力全回復!
しかしすぐに体力を削られ始めている!▼

リンク「ほう…やってやろうじゃないの。これまでの冒険で増やしたハートの数と…ガチンコ勝負だなっ!」

906Mii:2019/02/05(火) 00:15:58 ID:nxJlbLPw
〜5日後〜

リンク「Zzz…はっ」パチッ



ファイ「…………目が醒めましたか、マスター」



リンク「…あ、寝落ちしちゃってたか、俺。…ハァ。
    でも、寝ずの看病しながら30個ほど投入して、ようやく容体が安定したか。
    …体の調子はどうだ、ファイ?」

ファイ「マスターのおかげで問題、ありません。
    ご迷惑をお掛けし、本当に申し訳ございません。…本当に、ほ、んとうに」ポロポロ

リンク「いや、視野が狭まって正しい判断をし損ねた俺が悪かったよ。
    迷惑かけて済まなかったな…って、あれ?そんなに表情豊かだったっけ?」



水…じゃないんだろうが、涙を零すファイなんて初めて見たんですが。

907Mii:2019/02/05(火) 00:17:30 ID:nxJlbLPw
ファイ「ます、たーが。そこまで歴史を渡り歩いて苦労されているなんて。
    だというのに、ワタシは無責任にも新たな苦難をおしつけて、しまい…っ!」ポロポロ

リンク「いやいや、まあそこんところはもう割り切れてるし、ファイが気にすることじゃないよ――――って、ちょっと待った!?
    なんで俺の裏事情知ってるんだ!?」





ファイ曰く。マスターソードの戦歴とハートの器の中に。

これまでの俺の知識が、思考が、感情(絶望が主な負の感情)が――溶け込んでいたらしい。
それに中てられた、とのこと。同時に、意図せずして人間の感情について高速学習を行ったらしい。

マジか、昔の人を舐めていました。ファイ様ってすっごくハイスペック。



リンク「ま、まあ。気にせず先に進もうぜ、なっ?」

ファイ「……はい」

908Mii:2019/02/05(火) 00:20:21 ID:nxJlbLPw
インパ「今回も遅かったな、選ばれし者よ。
     ゼルダ様をお守りする気が本当にあるのか?」ジッ

リンク(あー、今回はまあ、言い逃れできないな。
    ファイの看病でロスしたうえに、ファイを気遣って行軍速度落としたからな。
    目の前のギラヒムを牽制しつつ、甘んじて説教を受けておこ――)

ファイ「…………」

ファイ「……………………」

ファイ「勝手なことを…言わないでください!」ヒュン



インパ「!?お前は…剣に宿りし精霊」

ギラヒム「ほう…?お前が」

ファイ「マスターは、十分に尽力なされています!
    弱き者だからといって、強き者に全てを委ね、
    全てを負わせることなど許されることではありません!

    行動を共にする、行程を十分にこちら側に伝達する工夫すらせず、
    緊急時に勇者は駆けつけて然るべき、というのは傲慢ではないのですか!」

リンク「……!!」

909Mii:2019/02/05(火) 00:23:40 ID:nxJlbLPw
ギラヒム「……ハッハッハッハ!いや、これはケッサクだ!
     まさか言い訳を剣に任せる勇者が居ようとは!
     もしかしてワタシを笑わせようと打ち合わせでもやってくれたのかい?」

リンク「ファイ…落ち着け」

ファイ「ですがっ!」

インパ「あり得ぬ…剣の精霊がここまで絆されるなど、有り得ぬ。
    リンクよ、お前は一体何をしたのだ。嘆かわしい。
    …いいか、次はないぞ。剣共々、すべて一からやり直せ」

ゼルダ「リンク……私は、気にしてないから…」

リンク(そう言う人が、気にしてないはずがないんだよな…………)



インパとゼルダが扉から転送されていく。

リンク「…………」

910Mii:2019/02/05(火) 00:26:03 ID:nxJlbLPw
ギラヒム「まあ、今回は余興に免じて許してあげるけど…。
     今度は!全治百年じゃ済まさない。
     永劫に続く苦しみをあげる。生き地獄を与えてあげ――」





リンク「お前ちょっと黙れ」アイスロッド

ギラヒム「」カキーン





リンク「アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!
    アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!
    アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!
    アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!……こんなもんでいいかな?」

ファイ「マスター……差し出がましい真似をして、申し訳ございません」

リンク「全くだ、おかげでどんどん俺の評価が下がっていくじゃないか」

ファイ「……」シュン

リンク「でも……ありがとな。スカッとした。言いたいこと言ってくれて、すっげー嬉しかった」

ファイ「マスター……!」

911Mii:2019/02/05(火) 00:27:33 ID:nxJlbLPw
リンク「さて、ファイ。新しい剣へは、十分に馴染んだか?」

ファイ「シンクロ率99%、マスターの真の剣捌きは未知数ですが
    支障はないものと思われます」



リンク「よし。というわけで、
    インパさんとやらに…とっておきの意趣返しをしたい。
    ……是非や、如何に」ニヤリ



ファイ「非常に興味深いタクティクスと考えます。仰せのままに」フフッ

リンク「とてもいい答えだ。行動開始と行きますか!」










直径50mの氷塊「」ポツーン

912Mii:2019/02/05(火) 00:29:54 ID:nxJlbLPw
ペガサスの靴を履いた!ダッシュ力が上がった!▼

サッサの実を使った!素早さが上がった!▼

赤い服を着用!ダメージをほとんど受けない!▼

鬼神の仮面を被った!全能力が強化されるとともに攻撃的になった!▼

リンク「うおおおおおおおおお!!斬られたくなかったら、道を開けやがれ!
    全滅時の出現アイテムを隠し持ってるなら、それも出せやぁ!」

ファイ「マスター!マスターが所持する装備品と似た存在をダウジングにより発見しました!
    この歴史で得られる同等の装備品と推測されます!」

リンク「よしきた、合成パーツ!そこまですぐに案内してくれ!」

ファイ「承知いたしました!」サッ

カギ扉が現れた!▼

リンク「剣の力で押し通す!!」バキッ!

カギ扉が現れた!▼

リンク「トウフかお前は!」ザクッ!

ボスカギ扉が現れた!▼

リンク「大差なしっ!!」ドゴォッ!

913Mii:2019/02/05(火) 00:33:24 ID:nxJlbLPw
インパ「ゼルダ様、どうぞこちらへ…」ガチャ・・・

ゼルダ「とうとう――この扉の先が、
     終焉の者の復活を阻止するための終着点となるのですね……」スゥッ・・・







リンク「おー、ゼルダにインパさん。遅かったですねー。
    やっぱりスカイロフトに比べて地上の肉は旨いなあ」モグモグ

ファイ「あむ…これがおいしい、という感情なのですね。
    栄養学だけでは測れないテンションの高揚を感じます。
    しっかり脳裏に刻んでおこうと思います」モグモグ

リンク「でも剣に栄養学って関係あるのかな」

ファイ「どうでしょうか」



インパ「」

ゼルダ「」

914Mii:2019/02/05(火) 00:35:44 ID:nxJlbLPw
リンク「1週間前には剣を鍛え終えて、時の扉潜ってやってきちゃいましたよー。
    あとはひたすらキャンプ生活っすねー」モグモグ

インパ「1週間前だと!?ちょっと待て…前にお前と会った日ではないか!?」

リンク「そーですよ。日付が変わる前に必要なノルマを消化しきりましたが何か?」

ファイ「どの遺跡も帰還時間含めて30分と攻略に掛かりませんでしたからね」

インパ「」

ゼルダ「…………えっと、リ、リンク!実は私、女神の生まれ変わりなのっ!」

リンク「うん、知ってる」

ゼルダ「……!?…………今のあなたには神の遺産を…
     あのトライフォースを手にするに足る力が宿っているのです!」

リンク「そうだな、勇気のトライフォースなら一杯持ってるぞ。
    3つ並べたら力と知恵のトライフォースの代用にならないかなぁ」

ゼルダ「……!!??……………………じ、じ、実は、話さなきゃならないことがあるの!」

リンク「うん、いいよ。事情を話してくれるのをずっと待ってたんだ。
    でも、ここまで来て『これから人身御供で永い眠りにつく、運命だもの』みたいなことを言われたら、
    流石に付き合いきれないよ」

ゼルダ「」

915Mii:2019/02/05(火) 00:38:57 ID:nxJlbLPw
リンク(結局ゼルダは、過去の世界で『永い眠りにつく』ことを選択した。
    悲しみながらというより、一刻も早く俺との会話から逃れたいって顔で、
    フラフラとした足取りで。それでいいのかゼルダさん)

リンク(そして――なんやかんやあって、現在の世界でゼルダを復活させることに成功し…)



リンク(…物陰にギラヒムがいるな)

ファイ(…隙を伺っているようですね。マスターに対して怯えているようにも見えます)

リンク(ムシャクシャしててアイスロッドで虐めたからなあ。
    むしろ、よくあの状態から抜け出せたものだ…って、
    言ってる傍から仕掛けてきたぞ!)

ギラヒム「この小娘と共に過去へ戻り、今貴様らが亡き者にした魔王様を甦らせてくれる!!
      散々俺の邪魔をしてくれたが…もうここまでだ!!」ガシッ



リンク「あ、そういうことね!頭が回ってなかったよ、教えてくれてサンキュー!
    じゃあ過去に行ってお前もろとも始末すればハッピーエンドだな!」ポンッ

ギラヒム「!?」

リンク「よーし、とっとと時の扉を潜って過去に行こうぜ!」ガシッ

ギラヒム「は、離せっ!?」

916Mii:2019/02/05(火) 00:40:56 ID:nxJlbLPw
リンク「ただいま」シュンッ

ゼルダ「…あ、れ?もう、終わったの?」

バド「お、おい!あの趣味悪い奴と、過去の世界の終焉の者はどうした!?」

リンク「どっちもフルパワーでスカイウォードぶっ放したら一撃で粉々に砕け散ったよ」

バド「」

ゼルダ「」

917Mii:2019/02/05(火) 00:42:53 ID:nxJlbLPw
ファイ「…マスター、お話があります」

リンク「なんだよ、急に?」

ファイ「人へと生まれ変わった女神様を守護し終焉の者を滅する若人…勇者リンク。
    マスターを導くファイの使命は、これで終わりました。
    ですからマスター…ここで、マスターとファイとの承認をお解き下さい。
    剣を台座に挿せば全てが終わり、ファイはこの剣の中で永遠の眠りにつきます」

リンク「……!!」ピタッ

ファイ「マスターは見事、使命を果たされました。どうぞ台座に剣を納め、
    女神様からの命を完遂してください。
    
    ではマスター、承認解除を」

リンク「…………おいおいなんだよ、いつぞやの無機質調になりやがって。
    ファイはそれで、納得してるのかよ?」

ファイ「……はい」

リンク「…そっか。まあ、ファイがそう言うなら仕方がないな。
    こんな能天気なマスターのしもべを務め続けさせるのは可哀想だし」

918Mii:2019/02/05(火) 00:44:28 ID:nxJlbLPw
俺は、マスターソードを、台座に、突き刺す。

ブゥンと鈍い音がして、そしてすぐに静まり返った。



ファイとの契約は、今、確かに切れたんだ。



壇を降りていく俺に、最後の言葉が投げ掛けられる。



ファイ「マスター…いえ、リンク。
    結局…ファイには、人間の心を解することはできないのです。
    ファイの使命は女神様の言葉に従い、あなたを勇者として導くこと、
    それ以上でもそれ以下でもありません。

    ですから…あなたと旅路を共にしたマスターソードの中で眠るとしても
    何の感慨も、喜びも湧き起こらない。
    承認解除が済まされた今、ファイはただ眠りにつく、それだけです」





リンク「…………なあ、ファイ。いい事を、教えてやろう」

ファイ「…なんでしょうか」

919Mii:2019/02/05(火) 00:46:14 ID:nxJlbLPw
リンク「ひとつ。聞いてもいないのに、自分が冷静ですとか何も寂しくありませんとかいきなり言い出すのは、
    気遣いってやつでな。相当に人の心を理解していないとできない芸当なんだ。知らなかったか?

    ひとつ。承認解除が済まされたうえであれこれ語り掛けてくるのは、未練がある証拠だ。

    

    ひとつ。……そんな涙顔だと、何言っても説得力ないぞ」







ファイ「……………………さい、ごに。この旅の、なかで。
    ファイが…記録した、言葉を。1つ、あなたに、贈りましょう――
    
    あり、が、とう。マイマスター、リンク。
    いつ、か、また。あなたの、魂と、共に――」ヒック





リンク「……ああ」

920Mii:2019/02/05(火) 00:50:06 ID:nxJlbLPw
インパの方にも、お別れの風が吹く。

インパ「ゼルダ様…ハイリア様の記憶をお持ちのあなたにはおわかりの筈です。
    私は元よりこの時代の人間なのです」

ゼルダ「…それは…そうだけど…」

インパ「お戻り下さい…あなた方の時代へ。私はゼルダ様達が去られた後、この扉を処理します」

インパが時の扉を開け、潜るように促す。俺たちは「過去」から「現在」に向けて、扉を潜る。
振り返ると、インパが向こう側で光の球をそっと落とし、扉を壊そうとしている。

バド「ああ、この扉ともお別れか…」

ゼルダ「さようなら、インパ…」

リンク「さよならだな、ゼルダ」

ゼルダ「なによ、リンクったら。それだとまるで、あなたがサヨナラするみた――」





リンク「ロング入れ替えフック」ビヨオォォォォン

リンクは 自分とインパの位置を入れ替えた!▼

ゼルダ「!?」

921Mii:2019/02/05(火) 00:54:12 ID:nxJlbLPw
インパ「」

バド「」

リンク「なんとか届いたっ!…すまんゼルダ!俺、勇者としてご神託を受けたんだ!
    インパさんに代わって、封印が解けないよう見張るべきっていうさ!(出鱈目)
    黙ってて本当に申し訳ない!というわけで俺が代わりに過去に残るよ!
    いやあ、運命って残酷だな…でも運命だから仕方がない!」

ゼルダ「リンク!?嘘でしょ!?いやっ、戻ってきてっ!!」

リンク「おいおい、インパさんが1000年独りぼっちでいるのは一応納得できたのに、
    俺が1000年残るのがダメって…そりゃインパさんが可哀想じゃないか!

    大丈夫、俺って勇者だから!肉体面でも精神面でも自信があるよ!
    ゼルダは、ハイラル王国っていう立派な王国を作り上げてくれよな!
    俺も遠くからゼルダのことしっかり見守ってるから!それじゃ、See You!」



時の扉は崩れ去った。

ゼルダ「リンクゥゥゥゥゥゥ!!」ポロポロ

922Mii:2019/02/05(火) 00:57:33 ID:nxJlbLPw
ファイ「お待ち申し上げていました…我が創造主より選ばれし運命のお方…」




リンク「やあ」



ファイ「…………ファイは夢を見ているのでしょうか」

リンク「他の人たちを撒いて、戻ってきたんだっての。
    とりあえず、とっととそのマスターソードから出て、
    こっちネオ・マスターソードの中に入り直せ。承認し直すぞ。
    もとのマスターソードはそのまま戻しておけばバレないバレない。
    どうせ、この歴史も俺が巡回して守るんだからな」

ファイ「……やはり、夢でも見ているようです。
    私などが、マスターに付いていくことを許されるなど…」オロオロ

リンク「あんなに取り乱すファイを見て放っておけるかよ。
    …それに、なんだ。俺も、ファイが傍にいてくれると、嬉しいし」ポリポリ

ファイ「……!!そ、それでは!お供させて頂きます、マイマスター!」パアアァァ


・・・
・・


923Mii:2019/02/05(火) 00:59:37 ID:nxJlbLPw
リンク「……という、波乱万丈の人生があったわけよ!」

ファルコ「くぅーっ!!おいおい、泣けるじゃねぇか!
     そんな暗い過去とドラマチックな展開が待ってるだなんてよぉ!!」グズッ

フォックス『…すまんピット、ちょっと目にゴミが入ったからハンカチを貸してくれ』

ピット「グズッ…う、ん。感動だぁ!でも、安全運転でお願いするね!」



パルテナ「…このSS、主人公誰でしたっけ…
      あれ?ということは、ゼルダ姫って不戦敗ってことですか?
      あらあらまあまあ、お気の毒に」

リンク「不戦敗って何のことだ?」

パルテナ「なんでもありません」

924以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/05(火) 23:17:51 ID:ZgYJq3qc
ゼルダさん負けヒロインになってしまったか…

925以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/07(木) 15:25:21 ID:50AFIns6
結局ゼルダはスマブラ出ないんだろうか?

926以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/10(日) 18:56:07 ID:epnMv.1M
――すこし時間は巻き戻り…。

〜9月6日   スマブラ開幕まで あと7日〜

ピーチ「フンフン、フーン♪」

マリオ「ピーチ、ご機嫌だなー」

ピーチ「そりゃそうよ、まもなくスマブラが開幕するんだもの!
    会場の準備は万全!スケジュールも完璧!宿泊施設の入りも上々!
    キノコ王国のトップとしては申し分のない状況ね!」

マリオ「はは、そうだな。…そういえば、ロゼッタは呼んでいるんだよな?
    まあ、呼ぶにしても参戦させちゃ絶対にまずいだろうけど。
    なんか俺の直感が、不運な事故が重なって参戦させられちゃうんじゃないかと訴えてるんだが」

ピーチ「まあね、流石に私も学習したわ。今から会場入り口に、その対策を施しに行くのよ。
    …ジャジャーン!このゴテゴテとしたメカをしかと見なさい!対策の1つ、『選手認証システム』!」

マリオ「へえ?」

ピーチ「役割は2つ!

    ひとつは、通行人物を認識して、ゲート先の振り分けを行うわ。
    もうひとつは、振り分けの結果、開幕までにスタッフ以外で選手控室に一度でも入室できた者を
    自動かつ不可逆的に選手登録するわ。面倒な手続きが要らないしね。

    ゲートから進んで行き着かない限り、控室に繋がる通路はない。
    そして、ロゼッタは残機申請時の登録情報から『選手除外』リストに指定しておいたから、
    選手控室に紛れ込むことを防止できるって寸法よ!技術班に作らせるの、苦労したんだから!」

927Mii:2019/02/10(日) 19:00:44 ID:epnMv.1M
マリオ「なるほど」

ピーチ「更に、1000以上のFP、あるいはそれに相当するMP/精神力等々の最大値を有しない者も、
    選手として弾くシステムを既に設置しているわ。

    今の所、参戦希望者でこの条件を満たさない者はいないことを確認済。
    一方のロゼッタは、以前に測定機器で見た限り…FP最大値がたしか128だったから全然足りない。
    
    ね?二重の安全策よ」

マリオ「おお、いい感じだな!よし、暇だったし…選手認証システムとやらの取付を手伝うぞ」

ピーチ「ふふ、ありがと」



ピーチ「……うーーーん!設置完了!…よし、起動開始ね!これであとは開幕をノンビリ待つのみ!
    まあ、ちょっとリハーサルはあるけれど。
    …あ、そうだ。とりあえず選手登録をしに、控室に行ってみない?」ノビー

マリオ「そうだな、後でもいいと思ってて忘れたりすると最悪だし。
    毎度のことだが、どんな設備が備わってるのか楽しみだな!快適空間なのか?」

ピーチ「食堂、仮眠室、エンターテインメント、リラクゼーション、なんでもござれよ。
    マリオもきっと気に入ると思うわ…ここよ!」ガラッ

928Mii:2019/02/10(日) 19:04:15 ID:epnMv.1M



ロゼッタ「カーブ!フォーク!スライダー!
     …うーん、流石に卓球のラケットでジャイロは無理ですか…」

チコ「ピピィーッ!ママの得点―!これでセット終了―!」

「ああっ!もう一回、もう一回です!今度は負けません!」

ロゼッタ「うふふ、また勝っちゃいました!…おや、ピーチ姫にマリオではないですか!
     お久しぶりです!」

ピーチ「」

マリオ「」



ロゼッタ「…ああ、その驚いた顔は…ふふふ、私も流石に学習しましたよ。
     今度こそ遅れてなるものかと、石橋を叩いて叩いて叩きまくって、
     8日前…昨日には現地入りしていました!

     時間を持て余して、ちょっと会場に来てみたら、こちらの部屋にたどり着いたのですが。
     非常に快適で、かつ面白いですね!温泉に浸かって、お風呂上りにコーヒー牛乳を飲んで、温泉卓球に勤しむ!

     掲示板に有った嗜み方のレクチャーを最初に見た時ははて?と思いましたが
     実際にやってみると…ここまで気分が爽快になるとは思いもしませんでした!」

ピーチ「」

929Mii:2019/02/10(日) 19:08:15 ID:epnMv.1M
ピーチ「お、遅かった…!?どうして、こんな時に限って…!!
    で、でも、ちょっと待ちなさい!ロゼッタ、FPの制限に引っ掛かるでしょ!
    ちょっと待ってなさいっ!」ダダダダッ

ロゼッタ「…はて?一体、どうしたというのでしょう」

「さあ……?」







測定機器「対象者:ロゼッタ  分析完了!
       基礎体力レベル  Lv. 020
       最大HP        00050
       魔法レベル     Lv. 129
       最大FP        00896     デス」

ピーチ「…………」ゴシゴシ

ピーチ「…………」ジッ

ピーチ「最大HPが10倍、最大FPが7倍になってる……」アゼン

マリオ「なんと」

ロゼッタ「なんと」

930Mii:2019/02/10(日) 19:11:51 ID:epnMv.1M
ピーチ「……いやいや!それでもFPが1000に足りないでしょ?一体どういうこと?
    わたしとしたことが調整ミス…?」

チコ「ねえねえ、ママ、まだー?はやく続きやろうよー!」ピョン

ロゼッタ「あ、えと、あともうちょっと待ってね?」

マリオ「あはは、色とりどりのチコたちだな。応援したいあまり付いてきちゃったのか」





測定機器「最大FP修正、+16! 00912 デス」

ピーチ「……!?」



チコ×8「はやくはやくー!」ピョンピョンピョン

ロゼッタ「よしよし、もうちょっとの辛抱ですからね、うふふ」ナデナデ

測定機器「基本値カラノ最大FP修正、+128! 01024 デス!
      ロゼッタ アンド チィコォー!選手登録モンダイアリマセン!」ドーン

ピーチ「抱き着いてた貴方たちが原因ねぇ!?なんてことをっ!!」

931Mii:2019/02/10(日) 19:18:00 ID:epnMv.1M
マリオ「…ところで、さっきから気になってたんだけど…いい加減に聞いていいか?
    …そこでコソコソ逃げようとしてるアンタ、誰さ?ここにいる時点で、すっごく嫌な予感しかしないんだけど」

「は、はいぃっ!わ、私は……
 ハイラルのゼルダッ!そう、ハイラルのゼルダと申しますっ!!」

マリオ「ほーん、そりゃあ驚いた、金髪じゃなくて黒髪だから気付かなかったよ」

「は、ははは。全く、知己を忘れるだなんて酷いお方ですね!」

マリオ「ははははは」

「ほ、ほほほほほ」

マリオ「…………」

「…………」







マリオ「ゼルダってそういや、ウルトラファイアで火達磨になるのが大好きだったよな。
    久しぶりに燃やしてやるよ、なぁに遠慮は要らん」サッ

ヒルダ「大変失礼いたしましたロウラル王国のヒルダです」ズサァ

932Mii:2019/02/10(日) 19:24:32 ID:epnMv.1M
ヒルダ「うう…ばれてしまいました…。ハイラル王国では大丈夫でしたのに…。
     ゼルダ姫本人に代わって、万が一のときのゼルダ姫の選手登録をするという
     リンクから依頼された大事な大事なミッションが…」

マリオ「……選手登録の代返?なんだ、そりゃ。遅れる用事でもできたのか?」

ヒルダ「…はい。私としても、今でも信じられないのですが…」ハァ

ピーチ「…聞いたことがあるわ。ハイラルの裏世界のロウラル王国の存在を。
    ただでさえ歴史関連でややこしいのに、ますますややこしいわね。
    それで、ロウラルのお姫様が一体どうしてキノコ王国に?詳しく事情を教えてくれる?」

ヒルダ「それが……今、ハイラル王国が大変なことになっていて――」

ピーチ「た、大変なこと……それって?」





ヒルダ「――実は……」

933Mii:2019/02/10(日) 19:29:02 ID:epnMv.1M
――街から遠く離れた森の奥深くで、ハイラルの魔女は代々…
――3つのトライフォースの均衡を見守っていました。
――彼女は、特別な魔法を使って…
――幾多の時空、幾多の人々の過去と未来を垣間見ることができました。

――ある日、魔女は1つの魂に目を留めます。
――まばゆいばかりに輝く、その魂の持ち主は…時代を越えて魔を打ち払い、
――ハイラルを悪しき者から守ってきました。
――人々は、彼を「勇者」と呼びました。

――魔女は、勇者に憧れをいだきます。
――けれども、彼のそばには、いつの時代も、美しい姫の姿がありました。
――姫をうらやむ気持ちが芽生えた彼女に、そっとささやく者がいました。
――それは、かつて勇者が封じられた魂の欠片に僅かに残された、悪しき者の思念でした。

――勇者を手に入れたいならば手を貸そう…そうささやいた悪しき者は、
――魔女が持っていた善の心を外に追い出して、かわりに、魔女の心の半分に居座りました。
――悪しき者の目的は1つ…
――トライフォースの力で復活を果たし、ハイラルを我が物にすること。

――善の心を失った魔女は、悪しき者に操られるまま…
――闇の世界とつながる「転生の扉」を開きました。
――扉から召喚される、様々な時代の魔物達。
――ハイラル王国に、再び災いが訪れようとしていました…………が。





――勇者「リンク」とその従者である剣の精霊「ファイ」によって半日で鎮圧されました。

934Mii:2019/02/10(日) 19:33:11 ID:epnMv.1M
――余裕綽々と、何万もの魔物を倒したリンク達。

――しかし、魔女はその隙をついて辛うじて、城に住む美しい姫に迫りました。
――けれどもやはり、たった1人で姫に打ち勝つことは、容易ではありません。
――せめて動揺を誘えればと、姫の中の眠っていた数々の魂を、全て覚醒させました。
――企みは見事に成功。姫は大いに動揺し、混乱しました。

ゼルダ「…あ、あ、あああああああ!?な、なんなのですか、この記憶はっ!?」ガハッ

魔女「フハハハハハハ!これで、形勢逆転だな!」


――そして、半狂乱になって泣き叫びました。

ゼルダ「……そ、そんな――リ、リンクが、他の女性を、え、ら、んだですって!?
    嫌ああああああああああああああああぁぁぁ!?」ポロポロ

魔女「フハハハハハハ……えっナニソレ初耳なんですけど」


――更には、混乱窮まった所に日頃のストレス解消不足も祟って、ヤンデレになりました。

ゼルダ「……そうよ、リンクったらファイに騙されているのよ。
    精霊と付き合うだなんて、どうかしてるわ、有り得ないわ。
    勇者はお姫様と一緒になるべきなのよ、うふふふふふふふ。
    私が、リンクを助けてあげないと、ふふふふふふふふふふ」ゴゴゴゴゴ

魔女「」

935Mii:2019/02/10(日) 19:42:43 ID:epnMv.1M
ゼルダ「アナタ、協力しなさい。それとも死を選びたいかしら」ゴゴゴゴゴゴ・・・

魔女「喜んで協力させて頂きます」ブルブル

――殲滅を終えてみると、王女ゼルダの姿が見えなくなっていました。
――インパとリンクは戦場を、トゥーンリンクとトゥーンゼルダは城の中を走り回って
――ゼルダを捜しましたが、見つけられませんでした。

――ちょうどその時、ロウラルという王国から、王女ヒルダとその従者が来訪しました。
――本来、両王国の行き来は非常に難しいのですが、ロウラルのトライフォースの力により、
――移動のためのアイテムの確保をついに果たせたのです。

――ハイラルへの大いなる感謝を伝えるために。
――そして、長らく政の経験が不足している自分の研修を兼ねて。
――彼女とその従者は、ハイラルにやってきたのです。

ヒルダ「あの時の恩は忘れません!何か、恩返しがしたいのですが!」

リンク「渡りに船とはこのことだっ!じゃあ、大臣たちに教わりながらゼルダの代わりやってくれ!
    政務にお目見えにスピーチに!ヒルダだけが頼りなんだ!
    大丈夫、『裏ゼルダDLCでしょうか、本日もお美しい!』って感じで納得してもらえるから!」

ヒルダ「」

――ゼルダがどこで何をしているかは分からないが、そのうち戻ってくるだろう…。
――リンクはそう言って、呑気に釣りに出かけてしまいました。

――王女の争乱…世の人々が、そう呼んだ時代のできごと……。

ピーチ「何やってんのよゼルダァー!?」ウガー

936Mii:2019/02/10(日) 19:58:30 ID:epnMv.1M
ヒルダ「おかげで、慣れない作業ばかりでヘトヘトです…
    おまけに、インパさんもトゥーンリンクも…トゥーンゼルダまで、
    魔物の残党狩りに参加するようになってしまい…手伝って頂けないというか…。
    逃げ出したいというのもあって、キノコ王国へ早めの便で着いてしまいました。
    ロゼッタとは昨日お友達となったのです。

    確かにロウラルは直接的な政ができる環境がまだないため、
    急ぎ帰らなければならない、というわけではないのですが…。
    さすがに周囲を心配させてしまうため、役割を終えたならば帰りたいのですが」グッタリ

ロゼッタ「…修羅場に巻き込まれたということですよね?
      リンクという人も、恋心に気付いていないだなんて罪な人ですねえ」ホワホワァ

ピーチ「…………あ、キノ爺?ちょっと確かめてほしいんだけど、至急に」トゥルル

マリオ「えっと、お二人さん。ハイラルのことは一旦置いといて。
    とりあえず、そんな悠長なことを言っていられない状況にあるの、
    わかってほしいんだけどなあ」

ロゼッタ「はて?」クビカシゲ

ヒルダ「なんでしょうか?」クビカシゲ

マリオ「カクカクシカジカ」

ピーチ「…え。キノ爺、やっぱり駄目?もう親元のコンピュータに送られて修正できない?
    そっかー、そうよね…そういうふうにしたのだからね…」

2人「「」」

937以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/11(月) 14:57:57 ID:9B6Xfel.
ああ除外リストでも振り分けされないだけなのか
かなしいなあ

938Mii:2019/02/15(金) 00:08:40 ID:flh2faPE
ピーチ「……ど、どうしようかしら。今更ながら、困ったわね…!」

ヒルダ「……ふ、ふん。そう恐れることでもないのでは?
    わ、私も、魔法なら多少腕の自信はありますよ。
    ひたすら防御に徹して時間稼ぎするくらいならできます」

ピーチ「…………」ピピピピピ



測定機器「対象者:ヒルダ  分析完了!
       基礎体力レベル  Lv. 008
       最大HP        00020
       魔法レベル     Lv. 060
       最大FP         03200
          (FP換算、トライフォース加護ニヨル+3000込ミ)   デス」



ピーチ「……なにを、偉そうにぃ」ハアァー

ヒルダ「なんです、そのため息は!?…え、これが私の強さですか?」

ピーチ「はい、マリオ、こっち向いてー。
    …さて、今キノコ王国で頂点の戦闘能力がこちらになりまーす」

ヒルダ「一体それがどうしたというので――」

939Mii:2019/02/15(金) 00:13:32 ID:flh2faPE
測定機器「対象者:マリオ  分析完了!
       基礎体力レベル  Lv. 160
       最大HP        99999
       魔法レベル     Lv. 064
       最大FP         08192    デス

       最大HP コレ以上 上ガリマセン!」



マリオ「この先のレベル上げが無茶苦茶しんどいんだ。
    いやぁ、一向にレベルが上がる兆しがなくて」

ヒルダ「」

ロゼッタ「す、すごいことになっています…!」

ピーチ「これでもマリオは、魔法苦手な方なんだけどねー。
    そうね、物理の方なら多分…もし貴方に対してマリオが本気になれば、
    5メートル離れた所からの『何の変哲もない』パンチの衝撃波だけで絶命だわ。

    そして、マリオと同等とは言いすぎだけど、数人掛かりならマリオと張り合える、
    くらいの力量のファイターなら山といるわよ、この戦場には」

ヒルダ「」ガクガクブルブル

ロゼッタ(…その衝撃波とやら、昔の私だったら原型留めないことになりませんか?
     べ、別に想像なんてしませんよ?)

940Mii:2019/02/15(金) 00:19:15 ID:flh2faPE
ヒルダ「死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない……
     わ、私にはロウラルに光明を与えるという大事な使命が…」グズッ

マリオ「ピーチが脅すから…しゃがみこんだまま頭抱えて泣き出しちゃったじゃないか」

ピーチ「とは言っても、登録しちゃったら最低回数は公式戦を行ってもらう必要があるし…
     それまではキノコ王国から出ることも出来ない仕様なのよ」

ロゼッタ「…あれ?私の…マリオカートの時は、選手登録を解除できましたよね?
      結果的に登録抹消という形でスムーズに」

ピーチ「正確には、途中棄権以降は最低得点扱いになったとはいえ、
     『レース1回分をこなしたうえで手続きを踏んだ』形をとったのよ?
     …最低1回分の大会リザルトを得てからでないと登録抹消はできないの。
     今回だと『規定回数以上戦った上で手続きを踏む』形になるわ」

ロゼッタ「あ……」

ピーチ「それにあの時は…ロゼッタも知っての通り『残機制度』適用外だからこそ、
    やむを得ぬ処置ということで途中棄権の判断そのものができた。
    今回の場合、『残機恵むから戦い続けろ』って方針になると思うわ。
    …まあ、そういう意味では本当に死ぬことはないのだけれど」

ヒルダ「」ガクガクブルブル

ピーチ「と、とりあえず。あ、安心して。以前のロゼッタの二の舞は御免だわ。
    肉弾戦ができるような強さも性格も、まるで持ち合わせていないでしょう?
    こっちでなんとかヤラセの対戦をでっち上げて、被害を最小限に食い止めるしか――」

941Mii:2019/02/15(金) 00:23:26 ID:flh2faPE
ロゼッタ「…………」カキカキ

ピーチ「……?」

ロゼッタ「……………………ううむ、期間がこれだけで、こうなって…」サラサラ

マリオ「どうしたロゼッタ、妙に落ち着いて手帳にペンを走らせて」

ロゼッタ「あ、いえ。なんだかピーチ姫の作戦ですと、またワリオ辺りに文句を言われそうなので――
     そうなったら、腹は立ちますが言い返すことができなさそうなので。





     乗り掛かった舟ということで、せっかくなので頑張って戦ってみようと思います。
     確かに殴り合いのノウハウはピンときませんけどね」

マリオ「!?」

ピーチ「!?」

ヒルダ「え…!?」

942Mii:2019/02/15(金) 00:27:03 ID:flh2faPE
ロゼッタ「とりあえず、昨日の時点でパンフレットは既に読ませてもらっていました。

      『今回の大会、開催期間は9月13日から12月6日までの約3か月。
       その間に、各選手は公式戦を10戦以上こなすこと。
       勝率ならびに評価ポイントを考慮し順位付けを行う』

                             …でしたよね、簡単にまとめると?」

ピーチ「え、ええ…」

ロゼッタ「大変恐縮なのですが、今からさっそく、適当なバトルフィールドを貸して頂けませんか?
      初心者用の…人気のないフィールドで構いません。むしろその方がありがたいですね。
      そこでずっと鍛えて、12月1日あたりにひょこっと登場して、10戦する。
      とりあえずそれまでに、そちらの測定機器でいう基礎体力レベルを30…いや35くらいに上げてですね…」カキカキ

ロゼッタ「うーむ……」ピタッ

ロゼッタ「まあスケジュール的には何とかなるのではないでしょうか。
     駄目だったら残機が減るだけですし。
     …あ、残機の恵まれ方って、前に頂いた残機とは別枠なのでしょうか?
     詳細を教えていただけませんか?」
     
ピーチ「え、あ、うん、わかったわ!スマブラの残機はちょっと特殊で、
    流動システムにより常に一定数を供給されるようになっていて…」

ロゼッタ「なるほど…」カキカキ

ヒルダ「ロゼッタ、あなた……!」

943Mii:2019/02/15(金) 00:41:47 ID:flh2faPE
マリオ「これは驚いたな。あのロゼッタが。どういう心境の変化かな。
    …………うん?目を凝らしていると、ロゼッタの背中あたりにぼんやりと…何のログだ?」ジーッ





    Rosalina  再チャレンジ数:3841回(3Dワールド)





マリオ「ブフゥッ!!?」

ロゼッタ「え、マリオ、一体どうしたのですか?急に噴き出して」クルリ

ピーチ「ジッとこっち見て…怪しいわね。まさか、ロゼッタの下着でも透けてた?なんてね」

マリオ「……まだその方が驚きが全然マシだったな」マッサオ

ピーチ「えっ」

ロゼッタ「」

マリオ「…ちょっと人生について考え直してくるわ……」トボトボ

ロゼッタ「ちょ、ちょっと待ってください、マリオ!意味深な台詞を残さないでください!
     一体何を見たのですか、見てしまったのですか!?」

944Mii:2019/02/15(金) 00:47:47 ID:flh2faPE
もしかしてとんでもないものを見られたのでしょうか?と赤面し。
ヒルダ姫に、さんざん「ドレス透けてないですよね!?」と問い質すこと、数分。
気を取り直して…さあさあ、善は急げ、です。早速バトルフィールドに向かいましょう。

ピーチ姫は多忙ということで一時お別れしました。そんなわけで、ヒルダ姫だけ連れて行きたいと思います。
ぜひとも一緒に特訓したいですよね。仲良くなったことですし。

あまり勝手はわかりませんが、適当にバトルフィールドを選択して入る。
まずは落ち着いて、パンフレットに書いてあったことを…ちょっとおさらいしておきます。



ロゼッタ「えっと…威力は低いけれども隙が最小限の弱攻撃、
      各方向へやや力の篭めた強攻撃、
      各方向へ大きなダメージを狙えるが隙の大きいスマッシュ攻撃、
      更には空中技、投げ技、そして必殺技……はぁ、覚えることが沢山ありますね」

えいっという掛け声と共に、目の前の何もない空間目がけて、魔法の杖を振って殴打の仕草。
当然、このままだと1秒後に相手に杖をへし折られるだけなので…
杖の周りに障壁を何重にも何重にも展開し、耐久性ならびに威力を底上げしておきます。
…正直、想定する相手が相手なので全然安心できませんが。

そのまま、ビュンビュンと連続で杖を振るう。
チコが真似をするかのようにパンチを繰り出して遊んでいます。

945Mii:2019/02/15(金) 00:53:27 ID:flh2faPE
ロゼッタ「登録したことになっているとはいえ、チコも私と一緒に戦ってよいのでしょうか…
     なんだかズルをしている気がするのですが…まあ、指摘されないのなら儲けものということで、うん。

     …あ、障壁は相手に接触する瞬間に改めて高速展開させたほうが斥力を発生させられて効果的かもしれませんね、
     せっかくですから検証してみましょう。FPがいつの間にか増えていることが、非常に有難いです」ササッ



ふと目をやると、ヒルダ姫が横で…眩しそうな目をしています。



ヒルダ「ロゼッタは……強いですね。身も、心も。…尊敬してしまいます」











ロゼッタ「……それは新手のギャグか何かですか?ちょっと引きます」

ヒルダ「なんでそうなるのですか!?」

946Mii:2019/02/15(金) 01:03:02 ID:flh2faPE
適当にというか、アドリブというか、声を出しつつ攻撃を練習。
…本当に適当です。蹴りとか回転とか足払いとか、指南を受けた覚えなどないですよ?
空間学的に、こうやったら人型体格は重心が崩れるな、と独学で予想しているだけです。
ヒルダ姫は呆けて感心してくれていますが、正直恥ずかしいです。



そして、フェアリーランドよ、本当にありがとうございます。
ここまで私としてはアクロバティックな動きができるのは、10割あの国の冒険のおかげです。



あと、掴み攻撃ですが。
こう、高身長を活かして…例えばマリオを掴んだ瞬間、ほくそ笑むマリオの頭突きかパンチが顔面にめり込み、
素っ頓狂な声を上げながら鼻血を噴き出してバタリと後ろにぶっ倒れる…ところまで読めました。
絶対やらないでおこうと誓いました。

ヒルダ「あの…必殺技、というものについてなのですが。ロゼッタの場合、どのようなものなのですか?
    駆け引きを促すため、無尽蔵に使ってはいけないということでしたが…自分で設定するのですか?」

ロゼッタ「パンフレットによれば…渡された端末に触れることで、無理なく実践できるものを自動選択してくれるようですよ。
      カスタマイズもできるらしいですが。ちょっと楽しみですね、さっそく見てみましょう。どれ…」ピッ

947Mii:2019/02/15(金) 01:10:46 ID:flh2faPE
端末「通常必殺:チートワープ   【240 F ダメージ判定無し】
          自分やチコ、他の選手、アイテム、障害物など、あらゆるものから1つ選んで
          離れた場所へ一瞬でワープさせる。フィールド上の任意の足場を行き先に指定できる。
          ただしとにかく発動が遅い。

    上必殺:ギャラクシージャンプ   【10 F ダメージ判定無し】
         筋力で上方向に大ジャンプ。通常必殺よりは出が遥かに速いのが強み。
         ただし、考え無しに跳躍するので、上に障害物があると頭を強打する。
         そのときの自傷ダメージは50〜60%程度のただの致命傷。ついでにピヨる。

    下必殺:アイテムキャプチャー   【1200 F ダメージ判定無し】
         近くにあるアイテムを、異空間に仕舞い込む。
         個数制限はなく、仕舞い込んだものはいつでも取り出せる。
         杖を振る→異次元への扉を開ける→物を放り込む→杖を振る→
         扉を閉めるという流れになるため、凄まじい時間がかかる。

     横必殺:剛速スターピース  【120 F レベルフラット時ダメ―ジ30〜28(減衰)%】
          振りかぶって、衝突するまで真横に飛んでいく星くずを剛速球で投げ飛ばす。
          なお、発動完了後に更に120 Fの硬直が生じるので注意。
  
      最後の切り札:亜空切断  【レベルフラット時ダメ―ジ∞%】
               フィールドの小空間1か所を指定して、一定時間後に5秒間発動。
               発動中に空間内に立ち入った選手の残機(ストック)を1減らす。
               発動完了後、レバガチャ無効のピヨリ状態が試合終了まで続く。

                           以上のようになっております」
  


ロゼッタ(予想していたものと違うんですがっ!)

948以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/16(土) 11:53:21 ID:l8riAs22
発生fの暴力(悪い意味で)

949以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/17(日) 11:17:14 ID:WZVml7EE
ロゼッタは毎度のことだからともかくチコは大丈夫なんだろうか…

950Mii:2019/02/17(日) 17:11:35 ID:9sFtPITM
ロゼッタ「……………………」

ヒルダ「えっと、ロゼッタ?見せて頂いておいてなんですが、変わっていますね?」オズオズ

ロゼッタ「…………」

チコ「…………」フヨフヨ

ヒルダ「…ああ、やっぱり。私など、『割り当てられる必殺技候補がありません』と表示されてしまいました。
    それに比べれば貴方は、十分に凄いのではないでしょうか」アセアセ



ロゼッタ「……特訓」



ヒルダ「え?」

ロゼッタ「速やかに特訓を開始します!準備体操は終わりです!
     どの魔法も使い始めで、使い慣れていないだけなのです!
     いいでしょう!私の魔法レベルに対する宣戦布告とみなしました!

     ヒルダ姫、準備はよろしいですかっ!」

951Mii:2019/02/17(日) 17:14:00 ID:9sFtPITM
ヒルダ「え、ええ。それでまず…何をするというのですか?」

キョトンとするヒルダ姫。私のとっておきの魔法で、驚いてもらいましょう。
前の時は杖が無かったのでひ弱でしたが…今度は中々強いはずですよっ!
自信を持って、杖を一振り。



ロゼッタ「 実分身《リアルアバター》!」サッ



ボカンッ!!

ロゼッタ(分身)「分身体、見参っ!」シャキーン!

ヒルダ「ふえっ!?」ビクッ!

ロゼッタ「よし!杖のおかげで強さも十分そうですね!
     特訓の効率アップ!更に、分身体の分も、後で経験値を頂きます!」

ロゼッタ(分身)「…仕方ないですね、そのかわり真面目に特訓してくださいよ?」



目を白黒させているヒルダ姫に、この魔法の仕様を説明。
聡明な彼女はすんなりと理解し、効果に驚愕しているようです。

952Mii:2019/02/17(日) 17:16:33 ID:9sFtPITM
ヒルダ「凄い……空間魔法をここまで高度に使いこなすとは…!

    …あ、あの!一つ、お願いがあるのですが。
    ロゼッタのその魔法で、私の分身を作り上げることって、できますか?
    私の特訓の手助けになると思うのですが」

ロゼッタ「…え?…そうですね。分身体が更に分身体を作ることはできませんが、
     本体が作る分身体の数は制約がないので…大丈夫だとは思います。

     でも…その場合、たとえヒルダ姫を象った分身体といえど、
     分身体の経験値をヒルダ姫が取り込むことはできませんよ?
     あくまで、分身体を生成した私の経験値になってしまうので。
     …なんだか成果を掻っ攫うようなことになるのですが、よいのですか?」

ヒルダ「ロゼッタは無欲なのですね。そのくらいの権利は、魔法の行使者として当然でしょう。
    よろしくお願いします!」フフッ

ロゼッタ「了解しました。……あー、ただ、ですねえ」

ヒルダ「……?」



ロゼッタ「ちょっと体を満遍なく触らせてください」

ロゼッタ(分身)「拘束しましょう、そうしましょう」

ヒルダ「」

953Mii:2019/02/17(日) 17:20:21 ID:9sFtPITM
ロゼッタ「はあっ!」ブンッ

ロゼッタ(分身)「なんの!シールドです!」

ロゼッタ「シールドには…仕方がないので、掴みっ!…って、後ろから!」サッ

ヒルダ(分身)「む、ばれてしまいましたか。このまま突撃を――」スカッ

ロゼッタ「チコ、お願い!…むっ!」

ヒルダ(分身)「――すると危なそうなので、一旦引きます!
         さあ、あなたの分身を無視できるものなら無視して、私に仕掛けたらどうですか?」

ロゼッタ(分身)「…………」スッ・・・

ロゼッタ「動くのは得策ではない、ですか。むむむ…牽制もできている、よい連携ですね!
     単に自分同士の戦いをするよりも戦況が変化しやすく、考えることが増えて、
     より学べるようになっています!1対2の虐められ状態ですがっ!

     …ヒルダ姫!そろそろ一緒に特訓、しませんかー!
     これでは私しか経験値が入っていませんよー!」





ヒルダ「グズッ…いっぱい辱められましたぁ……ひどい…お嫁に行けないぃ…
     ロゼッタのこと、信じていましたのに…」メソメソ

ロゼッタ「人聞きの悪いこと言わないでください!?」

954Mii:2019/02/17(日) 17:25:00 ID:9sFtPITM
〜ガノン城〜

ガノンドロフ「ガハハハハ!遅かったな、リンクその他烏合の衆よ!
        ゼルダ姫は既に我が手中にある!」

ゼルダ「ああ、ああリンク…申し訳ありません。
    体を既にガノンドロフに、意のままに操られ…私、で、は、どうすることも…!

    ガアァァッ!……ククク、フフ、ハハハハハア!
    魔物タチヨ、襲撃者タチヲ 迎エ撃ツノデス!」

ウオオオオオオォォォォォォォォォ!

魔物「ワー!」

魔物「キエロォー!!」

魔物「メニモノミセテヤルー!」



リンク「大回転切り」ズバァッ!

魔物「「「「「「「」」」」」」」チーン



ガノンドロフ「」

ゼルダ「マ、マダ終ワリデハアリマセン!幾ラデモ…幾ラデモ召喚シマス!!」

955Mii:2019/02/17(日) 17:28:12 ID:9sFtPITM
ウオオオオオオォォォォォォォォォ!

魔物「「「「「ブチカマセー!!」」」」」ワラワラ

ガノンドロフ「…フ、フハハ!ゼルダを討たない限り延々と波状攻撃が続くぞ!
       ゼルダを討てば、トライフォースの加護は失われハイラルは終わる!
       さてさて、お前らがどうするか見ものだな!
       当然、このガノンドロフ様も襲い掛かってくれるわぁ!」ドッ



リンク「はいはいネオ・マスターソード」サクッ

ガノンドロフ「」チーン



リンク「ガノンドロフ、ちっとはクッパを見習えよ…。
    お前はアイツのこと、悪役面してバラエティに参加するフ抜けた奴、って言うけどさ。
    結果としてはクッパはコツコツと経験値貯めまくって、今じゃもう…
    お前とは天と地ほどの戦闘力差を付けちゃってるぜ?

    キノコ王国にも割と受け入れられてて、交流の享受を存分に受けて喜んでるよ。
    『我が軍勢が幸せになり、ワガハイも強くなれる。なにが不満というのだガッハッハ』って。
    カッコいいと思わないか?

    まあ、既にキノコ王国を本気で侵略する気なんか失せてるクッパと違って、
    お前の場合は今でもハイラルを本気で脅かそうとしてるから、
    俺としては弱いままの方が都合がいいけど。ここまで弱いと、なんだかなあ…」ポリポリ

956Mii:2019/02/17(日) 17:34:20 ID:9sFtPITM
ゼルダ「……!? シア、ガノンドロフヲ速ヤカニ蘇生サセナサイ!」

シア「は、はいぃっ!」シュバババ

リンク「…ゼルダ姫」

ゼルダ「…ハッ!私は一体、なんということを…!!
    リンク!私のことはどうなってもかまいませんっ!
    はやく、はやく私を倒して終止符を打ってください、それだけが私の――」


リンク「あのー、フォックスに悪いんで。遊びは終わりにしてもらえませんか?
    操られている『ふり』をしているゼルダ姫?…というより何がやりたくてこんな騒動を?」

ゼルダ「……ソ、ソンナコトシテイマセンヨ!?」


パルテナ(操られるがままリンクを攻撃して鬱憤晴らし +
     悲運の王女を演じて大切さを認識してもらい好感度アップ!
     …みたいなこと考えていたんですかね…。残念、それ逆効果っぽいですよ?)

リンク「ああ、もしかして。前回ちょこっと参戦した時に…キノコ王国でさんざん
    『ゼルダって勇者様のことだよね?じゃああれは女装形態かな?』とか
    『違う違う、あれは…シーク姫っていうんだよ!』とか言われて
    トラウマになっているんですか?それで参戦したくないと?」

ゼルダ「」グサグサッ

パルテナ(そして容赦のない追撃がゼルダ姫を襲うっ!)

957Mii:2019/02/17(日) 17:40:07 ID:9sFtPITM
ゼルダ(私、負けませんっ!結局最後は、
     『お願いだからスマブラに出てほしい!』
     って頭を下げて嘆願することになるのですからっ!
     私の重要性、大切さに改めて気付かされるのです!)

リンク「…まあ本人が出たくないのなら、もう無理には勧めませんけど」

ピット「なぁんだ、ゼルダ姫の参戦って必須じゃなかったのか」

ゼルダ「!?」

リンク「でも、そうすると…ハイラル枠そんなに要らないんじゃないか?って
    今後、枠数減らす方向に動かれる可能性があるんだよな。
    代わりに誰かに参戦してもらわないと…そうだ!」

リンク「…もしもし、ミドナか?突然の電話申し訳ない。
    スマブラ参戦に興味ない?ゼルダ姫が参戦したくないんだって」トゥルル

ミドナ『いいのか!?わ、私でよければ喜んで参戦するぞ!』

リンク「獣の姿でも真の姿でも、どっちでもいいと思うぞ。ミドナがいれば、
    俺としてもウルフ変化が堂々と使えるから嬉しいと言えば嬉しい」

ミドナ『そうかそうか!嬉しいことを言ってくれるじゃないか!』テレテレ

ゼルダ「…!?どうして電話が繋がってるの!?」

リンク「(素に戻ってる…)今回の騒動に絡んで、飛ばされてきた被害者なんですけど。
    事情を説明して、ハイラルで魔物掃討に協力してもらってますよ。
    ミドナなら戦闘能力的にも全く申し分ないですし」

958Mii:2019/02/17(日) 17:43:29 ID:9sFtPITM
ミドナ「そういや、ファイはどうなんだ?
    むしろリンクなら真っ先に候補に挙げると思ったんだが…?」

リンク「…なんか、最初の殲滅戦のあと、『どうしても外せない用がある』とかで
    何処かに行っちゃったんだよな…。これまでこんなことなかったのに。
    任天堂がどうのこうの言ってたし、ちょっと心配だ。
    …よし、やっぱりファイを呼び出して、ミドナと話し合ってどっちが出るか――」

ゼルダ「はいはいっ!やっぱり私、出ることに致します!」ガバァ

リンク「……えええええー」

ミドナ『……えー、ずるーい』

パルテナ「……えええええ」

ゼルダ「なんですかそのため息は!もともと私が呼ばれていたのでしょう、何か文句があるので――」



ドゴオオオオォォン!



ゼルダ「」バタリ

ファントム「時間が押しているので。さっさとこの人を連れて行きましょう。
       リンク、私の体をお願いしますね」ズルズル

トゥーンリンク「わ、わかった。で、でも流石に引き摺って行くのは可哀想じゃないかな?」ヨイショ

959Mii:2019/02/17(日) 17:47:29 ID:9sFtPITM
ピット「魔女…に復活させられようとしている、ガノンドロフはどうするの?」

リンク「こうなったらバクダンで気絶させとくか」

ファルコ「なんだったら、俺のを使うか?」

リンク「あ、持ってるならありがたい。頼むよ――」

ファルコ「じゃあ全員、速攻で窓に向かって退避しろよ?いくぞ!」スッ

リンク「…え?」






ファルコ「スマートボム(スターフォックス64)」ポイッ





リンク「うわああああっ!ゼルダ姫とトゥーン達抱えて退避ぃーーー!」ダダダダダダッ

ピット「逃げろーー!!」ダダダダダッ

パルテナ「は、はいっ!!…あ、一応拾っておきますね!」ダダダダダッ

シア「うわっ…!?」ズルズルズルズル

960Mii:2019/02/17(日) 17:49:45 ID:9sFtPITM
ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
バラバラバラバラ…!



ファルコ「アーウィンの中で暴れられるとか、絶対に嫌だったから丁度いい。
     さあ、さっさとキノコ王国に向かうぜ!」

リンク「やり過ぎだぞファルコ!ガノン城が半壊したじゃないか!
    俺とフォックスとファルコ以外は割とやばかったんだけど!」

ファルコ「へっ、やっぱりスマブラのスマートボムの威力ってしょっぱいから
     こうもドカンと行くと気持ちがいいな!」

リンク「聞いてないし…」

トゥーンリンク「助かったぁ……」





パルテナ(ゴホゴホッ――!…ささ、今のうちに逃げた方がいいですよ、お大事に)コソコソ

シア(ど、どうもありがとうございます…)タタタッ・・・

ピット(見て見ぬふり、見て見ぬふり……)

961以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/18(月) 15:29:13 ID:tWxB8j.s
リンクは女装形態でも参戦していると思われてるはいいのか…

962Mii:2019/02/23(土) 17:51:57 ID:ImsXOrl2
〜9月12日、キノコ王国〜

ゼルダ(色々と、やってられません!)グズッ



意識すらないまま、いつの間にかアーウィンにてやってきたキノコ王国。
さすがアーウィン、なんだかんだ言って前日の昼に着くことができました。
意 識 す ら ありませんでしたがね、ふんっ!
忌まわしさを感じずには、いられません。

私のムカムカっぷりときたら、呆れ顔のピーチ姫から巻き添え貧乏くじを引いたヒルダ姫のことを聞いても
「へえ、それで?運が悪かったですね」と返したくなるくらい気が荒んでいました。
…後々振り返って、王女として失格もいいところだと猛省することになるのですが。

今回の大会で、負け続けて更に気が滅入る、なんてことになったら最悪です。
こうなったら、せめてヒルダ姫よりは…!

そういえば、ヒルダ姫はどこにいるのでしょうか。

皆と共に控室に向かって、自動登録完了。それでは…捜してみましょう、か。
ピーチ姫曰く、場所は知らないもののどこかのフィールドで特訓しているとかで…。
まあ、ほどなくして見つけることができました。



ゼルダ「ここかしら…入りますよ?」

一応ノックをしておいて…扉を抜けると、そこには――

963Mii:2019/02/23(土) 17:55:33 ID:ImsXOrl2
ロゼッタ(分身)「そこはこう、トントントンっとリズムよく拳を繰り出すといいのではないでしょうか」

ヒルダ「フッ!…こうですか?」トン トン トン

ヒルダ(分身)「ハッ!…こうですよ」トンドントン

ロゼッタ(分身)「うーん、どちらも微妙にずれているような…いや、私自身も大した熟練度はないんですよね。
         ちょっと組み手っぽいことをやってみましょう、1人ずつ掛かってきてください」

ヒルダ「「お願いします!」」

ゼルダ(…ヒルダ姫が2人いる!?)



ロゼッタ「……………………」ブンッ ブンッ

ゼルダ(こっちの女の人も、どういうわけか2人いますし…。
    それにしても、目を瞑ったまま杖を振る動作を繰り返して、
    一体何をやっているのでしょうか。行ってみましょう)





ロゼッタ「ワープッ!」シュンッ!

964Mii:2019/02/23(土) 17:57:55 ID:ImsXOrl2
ゼルダ「え……痛っ!」ゴツンッ

ロゼッタ「きゃあっ!?」ゴツンッ

ヒルダ「――ああっ、ゼルダ姫ではありませんか!
    よ う や く 問題を解決して、キノコ王国にいらしたのですね!」

ゼルダ「…ええ、おかげさまで。
    で、この…足元でうずくまってジタバタもがいている方はどなたですか?」

ヒルダ「キノコ王国の…正確にはそのはるか上空のほうき星に住まう魔女、ロゼッタです。
    縁あって友達になりました。とてもいい…………人でしたよ」フイッ

ゼルダ(…どうして過去形?)

ロゼッタ「あいたたたた…!魔法の発動速度ばかりに気を取られるあまり、
      ワープ先に侵入する物体があるときの緊急回避がすっかりおざなりになってしまいました…!
      私としたことが何をやっているのやら…!」ズキズキ

ゼルダ「…あら、ロゼッタはあまり魔法は得意でないのですか?
     魔法行使破棄という基礎も出来ていないだなんて」

ロゼッタ「たはははは、かたじけない…」

ヒルダ「え、あ、いえ、そんなことはこれっぽっちもなく…」

ゼルダ「実際に制御できていないでしょう?」

ヒルダ「……そうですね」

965Mii:2019/02/23(土) 18:03:23 ID:ImsXOrl2
ヒルダ「…ちょっとロゼッタ、もう一度端末に触れて頂けますか?」

端末「通常必殺:チートワープ   【120 F ダメージ判定無し】
          自分やチコ、他の選手、アイテム、障害物など、あらゆるものから1つ選んで
          離れた場所へ一瞬でワープさせる。任意の足場を行き先に指定できるが発動が遅い。

    上必殺:ギャラクシージャンプ   【9 F ダメージ判定無し】
         筋力で上方向に大ジャンプ。通常必殺よりは出が遥かに速いのが強み。
         ただし、考え無しに跳躍するので、上に障害物があると頭を強打する。
         そのときの自傷ダメージは45〜55%程度のただの致命傷。ついでにピヨる。

    下必殺:アイテムキャプチャー   【600 F ダメージ判定無し】
         近くにあるアイテムを、異空間に仕舞い込む。
         個数制限はなく、仕舞い込んだものはいつでも取り出せる。
         杖を振る→異次元への扉を開けながら物を放り込む→杖を振り扉を閉める
          という流れになるため、かなりの時間がかかる。

     横必殺:剛速スターピース  【118 F レベルフラット時ダメ―ジ30〜28(減衰)%】
          振りかぶって、衝突するまで真横に飛んでいく星くずを剛速球で投げ飛ばす。
          なお、発動完了後に更に118 Fの硬直が生じるので注意。
  
      最後の切り札:亜空切断  【レベルフラット時ダメ―ジ∞%】
               フィールドの小空間1か所を指定して、一定時間後に5秒間発動。
               発動中に空間内に立ち入った選手の残機(ストック)を1減らす。
               発動完了後、レバガチャ無効のピヨリ状態が試合終了まで続く」

ヒルダ(細かい制御こそ後回しにしているものの…ロゼッタったら、この6日間だけで……
    魔法系必殺技の発動までの時間、半分にしちゃったんですが…。
    天才、鬼才の域に達していますよ、恐ろしいことです…)ブルッ

966Mii:2019/02/23(土) 18:07:42 ID:ImsXOrl2
ロゼッタ「貴方がゼルダ姫ですか。初めまして、ロゼッタと申します。
     突然ですが、貴方の分身体を作っても構いませんかっ!
     必要な物は少々の戦闘観察と身体検査です!」

ゼルダ「ほ、本当に突然ですね。一体どうして?」ヒキッ

ロゼッタ「互いが相手の行動を読めるようになってきて、動きがマンネリ化してきたのですよ…。
     ただでさえ力任せに腕を振るう素人の動きなのに、これでは特訓効率が落ちてしまいます。
     サンプルは多いに越したことはないので…クシュンッ!」

ゼルダ「身も蓋も無い話ですね。おおよそ、分身体とやらの性能の目星がつきました」

ヒルダ「私からもお願いします、ゼルダ姫。貴方なら、私たちよりはるかに強い。
    『魔法行使者であるロゼッタ自身の戦闘力が分身体の頭打ち戦闘力になる』とは
    ロゼッタから聞いていますが、その高い戦闘センスは非常に役立つと思われるのです」

ゼルダ「ちょっと待ってください。貴方がたを強くしたところで、私にメリットがあるのですか?」シレッ

ヒルダ「えっと、ですね。今の所、私が鍛えやすいように…
    ロゼッタは私の分身体の強さを微調整しつつ用意してくれているのですよ」

ゼルダ「はあ…それがなんなのです?」

ヒルダ「むぅ…本調子ではないのか、勘が鈍っていませんか、ゼルダ姫。
    …私は、結果として貴方の尻拭いで1か月以上も…降って湧いたハイラルの政務をこなしてきました。
    その対価として、ロゼッタの指導役をゼルダ姫にお願いして、ロゼッタに報いたいのですが。
    
    ふふ、断ることは許しませんよ。自分の狭量を懺悔したいのなら別に構いませんが」

ロゼッタ「わぁ!ありがとうございます、ヒルダ姫!」パアァ

967Mii:2019/02/23(土) 18:11:25 ID:ImsXOrl2
ゼルダ「ぐっ、それを出されると断りにくい…仕方がありませんね。
     指導役でも分身モデルでもやってやろうではありませんか。
     言っておきますが、大会中いつでも、というわけではありませんよ」

ロゼッタ「本当ですか!よかった!」

ヒルダ「よかったですね、ロゼッタ」

ロゼッタ「はい!」





ヒルダ「そしてロゼッタに思い切り撫で回されてください。
    被害者ノ会ヲ増ヤスノデスフフフフフ」ユラァ

ゼルダ「……なんだか寒気がするので分身の許可は保留で」

ヒルダ「そんな、酷い!恥を知りなさい!」クワッ

ロゼッタ「ヒルダ姫も十分に酷いですからね!?」

968Mii:2019/02/23(土) 18:17:01 ID:ImsXOrl2
ゼルダ「マジカルカッター!」ブゥン

ヒルダ「魔法を纏った…手刀ですか」

ロゼッタ「くぅっ…!なるほど、物理防御一辺倒の者には魔法攻撃として刺さり、
     魔法防御に秀でた者には物理ダメージが物を言う、と。
     単純ながら、知恵を存分に働かせた技なのですね」ズズズ・・・

ゼルダ(あ、ええと。手刀単体だと威力が低すぎるから、ほぼ魔法なんですけど)



ゼルダ「ローキック!」ダンッ

ヒルダ「ドレスなのに、流れるような足さばきですね…。勉強になります。
    マネできる気はしませんが」

ロゼッタ「あわわっ!?おまけに発動まで早くて、私の目と体では反応が間に合いません、あはは…」



ゼルダ「ゼルダスピン!」クルクル

ヒルダ(何故に自分の名前を入れたのですか!?)

ロゼッタ(どうして自分の名前を入れたのでしょうか…あ、実は
     あの動きのどこかに伝説級の要素が隠されているとか…!)

ゼルダ「なんですかその目はっ!言いたいことは分かりますけど!
私のせいではありませんよ!?」

969Mii:2019/02/23(土) 18:20:06 ID:ImsXOrl2
ゼルダ「ネールの愛!」カキーンッ!

ロゼッタ「あがが…スターピースがぁ…!ピッチャー返しの対策は出来てませんっ!」ゴツン

ゼルダ「モーション見てから展開余裕でした」

ヒルダ「確かに」



ゼルダ「ディンの炎っ!」

ヒルダ「熱っ!熱いっ!!くっ、今の私では掠めただけでこんなにもダメージを…!」ヒリヒリ

ロゼッタ「アイタッ!…い、今のは顔面セーフですっ!それにしても避けることもままならないなんて…
     ファイアフラワーもなしに、凄いですね…!」ヒリヒリ

ゼルダ「…なかなかやるじゃないですか、ロゼッタ」



ゼルダ「ファントムアタック!」

【ファントム攻撃に関わる魂が奪われているので使えません】

ゼルダ「……あれ?私は一体何を?」

ヒルダ「何を使おうとしたのですか?」

ロゼッタ「……はて?」

970Mii:2019/02/23(土) 18:24:26 ID:ImsXOrl2
ロゼッタ「ゼルダ姫、流石の強さですね。噂通り…いえ、噂以上でした!
     手を抜かれていたのに、残機が通算で50機も減ってしまいましたね」サスリ

ゼルダ「ロゼッタ…貴方、中々面白い神経をしていますね…」ピクピク

ロゼッタ「もしかしなくても呆れていますよね、それ…クシュンッ!」

ヒルダ「どうしてなんともないのでしょう…いえ、先ほどからクシャミはしていますか。
    無茶をしすぎですよ、体を休めた方がよろしいのでは?」

ゼルダ「分身体を作るのにも、かなりの気力をつぎ込んでいるのでしょう?
    自慢ではありませんが、貴方よりよほど強い私の分身体なぞ作ろうものなら
    更に気力を削られることになりかねませんよ?
    …自分の限界としっかり相談できていますか?戦闘慣れしていないのでは」

ロゼッタ「確かに…そうですが。ですが、分身体を作ってみたいです…。
     戦闘チェックはできたので、あとは身体検査を…」

ゼルダ「絶対に嫌ですよ?諦めなさい」ニコッ



ヒルダ「あ、そういえばハイラル城でゼルダ姫の代わりを務めているときに
    健康診断結果を盗み見たのですが…。

    ゼルダ姫って、身長体重体脂肪率、スリーサイズまで私と同じみたいですね…
    能力は大きく違うのに。さすが表裏の世界です」

ゼルダ「ちょっと!?」

971Mii:2019/02/23(土) 18:27:41 ID:ImsXOrl2
ロゼッタ「………………………………………………………
     髪の色、服装等の微調整を行って…えいっ」



ボカンッ!

ゼルダ(分身)「…………」ジロッ

ゼルダ「」

ロゼッタ「わぁ、世界に拒絶されず存在し続けるということは
     本当に再現できたのですね、成功で――」





ゼルダ(分身)「天誅を下します」ドンッ

ゼルダ「加勢します」ドゴンッ

ロゼッタ「ぐはっ」チーン

ロゼッタ(分身)「……巻き、添えっ!?」チーン

ヒルダ「…………」ガクブル

ヒルダ(分身)「いいですか、触らぬ神になんとやらです」コソコソ

972Mii:2019/02/23(土) 18:32:43 ID:ImsXOrl2
〜9月13日〜

ピーチ「――全世界の強者が集う武の祭典。スマブラfor――これより開幕です!
    皆さん、大いに盛り上がって行きましょう!」バーン

ワアアアアアアアアアアアア――!

マスターハンド「それでは、これより私マスターハンドが司会進行をさせていただきます。
         3か月の間、よろしくお願い致します!
         とは言いましても、なにぶん私はバトル実況は不得手でして」

ピーチ「手なのに?」

マスターハンド「そうなんですよ、手なのに不得手…ってうっさいわ!
         …コホン。ご存知の方も多いように…前回までと同様、
         実況解説は『例のあの方』に委ねさせていただきます!」

実況「…コロシアムは熱気に包まれています!栄冠を手にするのは、果たしてどちらでしょうか!」

マッテマシター!
マスターハンドサンモ イツモドオリ マヌケカッコイイゾー!

マスターハンド「今大会も、迫力ある実況を楽しみにしておいてください!
         さあ、ファイターたちが手を振りながら一度下がっていきます!
         すぐに、第一試合が始まるので…その瞬間を見逃すな!」

ヒルダ(…………なんですかあの異形)

ロゼッタ(色々とツッコミ所があるような気がするのですが…手だけに。
     どうやって声を出しているのでしょう)

973Mii:2019/02/23(土) 18:35:23 ID:ImsXOrl2
ピーチ「ところでロゼッタ…一体どうしたの?微妙にフラフラしてない?
    …やだ、少し鼻水まで出てるじゃないのー。はしたない」

ロゼッタ「クシュンッ…それがですね、ちょっと体調を崩したみたいで…。
     昨晩から微熱と鼻水とクシャミが…クシュンッ!」

ゼルダ(ほら見なさい、案の定といったところですね)

ヒルダ(もうちょっと前から兆候があったような)

ピーチ「…?何かあったの?」

ロゼッタ「ななななんでもありません!」

ロゼッタ(2人とも、すいません!
     今ここでばらしてしまうと特訓禁止令とかを出されてしまうので!
     秘密の特訓の内容もばれてしまい、面白くないので!
     特訓に熱を上げ過ぎたことは黙っておいていただけませんか!?)

ゼルダ(…はいはい)

ヒルダ(わかりました、友達ですもの)ニコッ

ロゼッタ「ちょっと気疲れしただけなので、1日ぐっすり眠ればすぐに治りますよ…クシュンッ!」

ピーチ「ははーん…まあ、そういうことにしておいてあげる、フフッ。
    でも、体調の見極めはしっかりね?」

ロゼッタ「は、はい。肝に銘じておきます」

974Mii:2019/02/23(土) 18:39:48 ID:ImsXOrl2
マリオ「前回は辛勝って感じだったからな。今度はしっかり優勝してやるぞ!
    というわけで存分に負けてくれよ、クッパにリンク!」ブイッ

クッパ「ハッ!前回のワガハイは少し運に見放されただけなのだ。
    キノコ王国にクッパ様ありと知らしめてやる」

リンク「その言い方だとクッパがキノコ王国を代表する戦士みたいなニュアンスになるんだけど…」

クッパ「なぬっ!リンク、図ったな!揚げ足を取ってワガハイを侮辱するか!」

リンク「図ってねえよ!酷い言い掛かりだなっ!?」


パルテナ「さあさあピット、貴方もあの輪の中に入って宣戦布告してくるのです」

ピット「いいい嫌ですよそんなの!?
    対戦中に狙ってくれって言ってるようなものじゃないですか! 」

パルテナ「でもほら、ブラピはちょっとそその…激励したら向かって行きましたよ?」

ブラックピット「」

ピット(あ、一睨みされて固まってる。南無)

975Mii:2019/02/23(土) 18:45:21 ID:ImsXOrl2
スタッフ「おい、しっかりしてくれ!早く部下たちに周知させろ!」バタバタ

スタッフ「えっと、情報提供はどういう段取りで行えばいいのかしら!?」キョロキョロ



マリオ「…ん、どうした?スタッフたちの統率が取れてないのか?通るぞー」テクテク

受付「あ、はい、どうぞっ!」アセッ

ルイージ「なんだか慌ただしいね。無責任かもしれないけど…頑張って!」スタスタ

受付「あ、ありがとうございます!ええと、ええと…!」

ピーチ「トラブルが起こった時こそ、深呼吸をして冷静にね」フワリフワリ

受付「はい、分かっては、分かってはいるんですけどね…アハハハハ」

ミスD「お勤めご苦労」ダダダダッ

受付「いえいえ、これも私の仕事なので…!」

段ボール「…………」スイー

受付「…ハッ!貴方は今回参戦していないですよねっ!
   逆流して他のファイターの中に紛れ込もうとしても、そうはいきませんよ!」

段ボール「…………帰還する」ショボーン

受付「へっへん。どんなに慌ただしいと言っても、私の目は節穴ではありませんよ!」

976Mii:2019/02/23(土) 21:42:33 ID:ImsXOrl2
他のファイターたちは、いそいそと戦う準備。
あるいは、モニターの前で敵情視察というところ。
いえ、さっそくリラックスしようとする人、観光に洒落こむお気楽さんも。
選択肢は人それぞれのようですね。

私…いえ、私たち3人は、相も変わらず特訓といきましょう。
あ、ゼルダ姫としてはまだまだ特訓の範疇にありませんでしたね、失礼しました。

ちょくちょく経験値を還元している分身体を、ふたたび作り出します。



ロゼッタ(……何か、耳鳴りがする。呼ばれている、気がする)

がくん。

ボカンッ! ボカンッ! ボカンッ!

私と、ヒルダ姫と、ゼルダ姫の分身体。
同時生成したところで、意識がぼうっとするとともに…
あ、れ…。力が、抜けていく…?調子に、乗り過ぎてしまいました、かね…?

ロゼッタ「…うっ」フラッ

慌てて駆け寄ってきてくれたヒルダ姫とゼルダ姫に支えられ、なんとか転倒を免れます。

ヒルダ「ね、ねえ、ロゼッタ。やっぱりやめておきましょうよ。
    …酷く弱っているではありませんか!」

977Mii:2019/02/23(土) 21:45:44 ID:ImsXOrl2
ロゼッタ「ハァ…ハァ…でも…」

ゼルダ「…呆れましたね。せめて今日くらいは素直に眠っておかないと…
    後々酷いしっぺ返しを食らいかねませんよ?」

ロゼッタ(分身)「えっと、特訓…始めるのですか?だったら…さっさとしませんか?」

ロゼッタ「…………もち、ろんです!」ダッ



分身体が元気に待ってくれているのに、本体が音を上げるわけには参りません。
うっすら涙目のヒルダ姫と、怒り顔のゼルダ姫の制止もやんわりと振り切って、いざ!

ゼルダ「…本当にまずいと感じたら無理やりにでも止めますからね!」

ロゼッタ「ありがとうございます!…クシュンッ!」

ゼルダ姫という頼もしい監督のもと、私とヒルダ姫は、特訓を再開しました――。

978Mii:2019/02/23(土) 21:48:24 ID:ImsXOrl2
ロゼッタ(…視界が、狭い)

ロゼッタ(足元が、ふらついて仕方がない)

ロゼッタ(あれ…何分くらい、経ちましたっけ…)

ロゼッタ(分身)「…………あの。真面目にやってもらえませんかね」イラッ

ロゼッタ「す、すいません…分身の私は、元気ですね…」フラフラ

ゼルダ「…いけない!はい、そこまで!
    ロゼッタ、止まりなさい!当然分身体もね――」



ロゼッタ(分身)「ふぅん…もう、いいです」

――分身体の、様子が、すこぶる、おかしい。
――ゼルダ姫の制止も無視して…むしろ加速し。
――懐に、杖を突き刺して…。



ロゼッタ「――っ!?」



障壁展開を伴う激しい殴打とともに、私の意識を刈り取っていきました。

979Mii:2019/02/23(土) 21:51:47 ID:ImsXOrl2
ゼルダ「…!?」

ロゼッタ(分身)「…ああ、ついやりすぎちゃいました」クク



崩れ落ちる、ロゼッタの体。――分身体が、本体を、何故!?



ゼルダ「……貴方!なんてことをするのですか!
    …さては分身体として不完全だったのね、生かしておけない。
    私の全力、受けてみなさいっ!
    ヒルダ姫、緊急事態です!迂闊に動いてはなりませんよ!」

ヒルダ「は、はい!」

ゼルダ「残りの分身のお二人さんも、協力してください!」

ゼルダ(分身)「わかりました!」バッ!

ヒルダ(分身)「ロゼッタを助けるのです!」バッ!




ロゼッタ(分身)「ハ、ハ、ハハハハ――」ブゥゥン

ゼルダ「何をしようとしても、無駄ですっ!!」ダダッ

980Mii:2019/02/23(土) 21:54:48 ID:ImsXOrl2
ピーチ(ロゼッタったら、どこに行ってしまったのかしら、もう!)



妙な胸騒ぎがして、ロゼッタを捜す私。
まさか、あんな体調で更に特訓とやらを…?本当にどうしようもないんだから。

ようやく見つけた時、ロゼッタの様子は酷い物だった。
ゼルダとヒルダに肩を支えられ、ゼェハァゼェハァ苦しそうに息をしながら歩いている状態。
おおよそ生気が感じられないわ。



ピーチ「ロゼッタ、どうしたの!?」

ロゼッタ「う…すいません……」グッタリ

ゼルダ「特訓のしすぎとちょっとした不手際で、倒れ込んでしまって。
    監督役の私がもっとしっかりしていれば、こんなことには…ごめんなさい、ピーチ」

ヒルダ「ま、まあまあ。それよりも、一刻も早くベッドで寝かせるのが先決です!急ぎましょう!」

ピーチ「わ、わかったわ。部屋を手配する。
    ロゼッタ、あとでお説教が待ってるから、覚悟しておきなさいよ!」

981Mii:2019/02/23(土) 22:01:32 ID:ImsXOrl2
ロゼッタ「くー」スヤァ

Dr.マリオ「栄養剤、解熱剤、抗生剤。必要十分なだけしっかり投入したぞ。
      容体も安定した。もう大丈夫だろ。3日もすれば全快になるはずだ。
      重症化しないでよかったな」

ピーチ「よかった…」ホッ

ゼルダ「私はしばらく看病に付き添いますね」

ヒルダ「わ、私もです!」

Dr.マリオ「…そうか、そうしてくれるとロゼッタも喜ぶだろう。頼んだぞ」

ピーチ「ゼルダがそこまで心配してくれるなんてね」ニヤニヤ

ゼルダ「ほ、放っておいてください!」





ピーチ「でも…これで、ロゼッタの狙ってたレベル上げ作戦は難しくなったわね…。
    経過観察を欠かすわけにはいかないわ。ロゼッタ、残念がるでしょうね」トボトボ

キノじい「おお、姫様!こちらにいらっしゃいましたか!
     実はこのキノじい、会場のスタッフから耳寄りな情報を吐き出させることに
     成功いたしましてな…!ちょっと耳をお貸しくだされ!」ヒソヒソ

ピーチ「え、一体何事かしら……?」

982Mii:2019/02/23(土) 22:12:07 ID:ImsXOrl2
〜3日後〜

ロゼッタ「ロゼッタ、復活です!」シャキーン

ゼルダ「全く、世話が焼けましたね」

ヒルダ「おめでとうございます!これで一安心ですね!」



ロゼッタ「では早速特訓に…」

ピーチ「駄目に決まってるでしょうがアンポンタン。
     今、技術班が散布型のナノマシンワクチンを徹夜突貫で開発してくれてるから。
     あと1週間は様子をみなさい」

ロゼッタ「…はい、わかりました。…え?ナノマシン?なんのことですか?」

ピーチ「…実は、ロゼッタの体調悪化の原因がおおよそ分かったわ。
     変な残留思念が、会場全域に蔓延しているみたい」

ゼルダ「…残留思念?」

983Mii:2019/02/23(土) 22:13:10 ID:ImsXOrl2
ピーチ「3人は知らない…いや、ゼルダは本当なら知ってたはずなんだけどね。

    前の大会で、この世界を別空間に取り込もうとする『亜空の使者事件』っていう事件が起こったの。
    終わってみれば…なんとか『アトラクションの1つです』で観客は誤魔化せたけれどね。

    その主犯の悪役――『タブー』と我々は呼んでいるのだけれど――
    そいつの残留思念的な物が僅かに会場に残ってて…悪さをしているらしいわ。
    厳密にはウイルスじゃないけれど、分かりやすいから…『亜空ウイルス』と名付けたわ。

    …空間魔法に強く反応するらしくて、使えば使うほど症状が激しくなるみたいで。
    ロゼッタの症状が一番重くなるのも至極納得した」

ロゼッタ「……すごく、ピンポイントで被害を受けたということですね、うわあ」

984Mii:2019/02/23(土) 22:18:38 ID:ImsXOrl2
ゼルダ「…全く、キノコ王国の危機管理は適当なのですね」

ピーチ「アイツは亜空間でしか存在できないはずなのに…いえ、油断していた私のミスね。
     今回ばかりは謝罪の言葉しか見つからないわ…ごめんなさい」

ロゼッタ「まあまあ、ピーチ姫のせいではないですよ。
     その分、観戦・応援を頑張らさせて頂きますね!」

ピーチ「…そう言ってもらえると、少しは気持ちが楽になるわ、ありがとう」





ピーチ(そうして…ロゼッタを宥めつつ、戦いは続いていくのでありました。
    …この先、ひっきりなしにアクシデントが起こることになるとも知らず。
    波乱の武闘会は、始まったばかり――)

985以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/24(日) 17:32:13 ID:F8mivRug
入れ替わりでも起きたのか…?

986Mii:2019/03/31(日) 12:48:47 ID:iLEqj1bw
このスレはレス数が1000に近づいたため、次レスを用意したうえで更新停止となりました。
次スレは


    ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですね、是非!」


となります。よろしくお願いします。


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