[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
( ^ω^)ブーンが遊戯王の世界で頂点を目指すようです
153
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:45:57 ID:eFylFSgA0
長くなりそうになったので、前のほうだけ投下します
デュエルしてないんで暇なときに気が向いたら……って感じでおねがいします
154
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:46:51 ID:eFylFSgA0
☆これまでのあらすじ☆
市内のデュエルアカデミアに通う主人公:内藤ホライゾンは、このままだと留年確定のクズ学生。
落とした単位を取り戻すため「ナンバーズ・バトル・ロワイヤル」略してNBRと呼ばれる特別講義に参加する内藤だったが、その実態は成績不振者同士の血で血を洗う死闘!
留年を回避できるのは、最後に生き残ったひとりだけ。所持ナンバーズによって使用可能なカードに制限が課される特殊ルールの中、内藤はなんとか初戦に勝利、2枚目のナンバーズを手に入れる……
☆用語説明☆
ガスタの巫女ウィンダ:かわいい。
155
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:47:33 ID:eFylFSgA0
――――――
( ^ω^)
本棚の前に立った内藤は、棚にずらりと並ぶ本の一冊を抜き出してみて、じろじろと眺め回す。
本にはビニール製のブックカバーがかけられていて、そのカバー裏には《ガスタの巫女 ウィンダ》のカードがびっしりと仕込まれていた。
( ^ω^)(表紙が)
( ^ω^)(見えねえ)
棚の本全部がそんな感じである。
(^ω^ )「……ショボーン。貸してくれるっつった漫画、どれがどれだかわかんねーんだけど」
(´・ω・`)「ん? ああ、どれだったかな……まあとりあえず。このコーヒーはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい」
家主のショボンが、湯気の立つカップを2つトレイに載せてやってきた。
とりあえず数冊の本を抱えてテーブルに着いた内藤は、軽く礼を言ってからカップを持ち上げ……
( ^ω^)
カップの下に敷かれたコースターにも、《ガスタの巫女 ウィンダ》のカードが使われていた。
(´・ω・`)「安心してくれ、カラーコピーだ」
( ^ω^)「そういう問題じゃない」
(´・ω・`)「やっぱりカードをエクシーズ以外で下敷きにするのはどこか忍びなくて」
( ^ω^)「そういう問題じゃない」
156
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:48:13 ID:eFylFSgA0
本やコースターだけではない。部屋の壁には四方八方、所狭しと《ガスタの巫女 ウィンダ》のカードが貼り付けられている。
数分前、何の気なしにトイレを借りたら洗面所の鏡にすら《ウィンダ》がびっしり貼られているのを見てしまったので、内藤はもうショボンの正気を信じていない。
( ´・ω・)
( つ旦O
《ガスタの巫女 ウィンダ》に狂気的な愛情を示す、アカデミアでも有名なデュエリスト、ショボン。
ガスタで言うとカーム派、というかもっと言うとエリアル派な内藤とわかり合うことはなかったが、それでも二人は良き悪友として共に青春を謳歌していた。
( ^ω^)「ウィンダの無限回収始めてから……今年で何年目だっけ」
(´・ω・`)「うーん、覚えてないかなあ。ウィンダと出会う前の世界は全部モノクロの曖昧な形でしか思い出せないんだ」
( ^ω^)「マジな話、おまえ《ウィンダ》何百……いや、何千枚持ってんだお。前に来た時ここまでひどくなかったと思うんだけど」
(´・ω・`)「何千って、見た目ほど多くはないよ。使用用に関してはどんどん減っていくわけだし、最近は買い足すにしても使用分を少し補充するくらいだから」
( ^ω^)「減るの?」
(´・ω・`)「減るよ」
( ^ω^)(なるほど使用用……。……? 使用? 使用……??)
だが、デュエルの腕に関しては、内藤が一歩遅れを取っていた。ショボンは内に秘めた性欲がそのまま強さに変換されるタイプのデュエリストだった。
県大会や全国大会の常連と言えるほどの腕前で、違う学校の選手たちからも”インフィニティ”ショボンの名で恐れられるようになった、その実力。
元は『《ガスタの巫女 ウィンダ》を無限回収しているから』という理由で付けられたはずのこの名は、いつしか決して途切れることなく無限に湧き続ける軍勢の駆り手を指す異名となる――
( ^ω^)「……いつも思うんだけど、こんだけ量あったらさあ、一番最初に手に入れたウィンダがどれだったかとか、もうわかんないんじゃないかお?」
(´・ω・`)「いや、その1枚はちゃんと区別してるよ。心配はない」
ショボンは首元のペンダントを揺らして答える。カードが1枚入るようになっているタイプのペンダントだ。
( ^ω^)「……」
そう、ショボンは強かった。
157
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:49:30 ID:eFylFSgA0
(´・ω・`)「で、最近学校どうだい?」
( ^ω^)「……シラネーヨは、退職ってことになったお。さすがに、責任問題とかで」
(´・ω・`)「へー」
本当に、強かったのだ――
( ^ω^)「……やっぱり、戻ってこれないのかお?」
(´・ω・`)「無理かな」
コーヒーカップを持つショボンの手は、さっきから小刻みに震えていた。
( ^ω^)「もう、……もう、デュエル、できねーのかお、やっぱ」
(´・ω・`)「こうして、努力はしてるんだけどね」
部屋中に貼られた《ウィンダ》を見回し、ショボンは他人事のように言う――――
……内藤の物語は、《夢魔の亡霊》を破壊することによって再開する。
・
( -ω-)
( ^ω^)
妙な肌寒さで目を覚ます内藤。大きく欠伸をすると、ぶるりと体が震えた。
158
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:50:11 ID:eFylFSgA0
( ^ω^)「……また微妙な夢を……んなとこ来てまで……」
伸びをすると、腕にはめたデュエルディスクから1枚のカードが落ちた……《No.13 ケインズ・デビル》。
モララーとの死闘を終えた内藤は、あの後一度6号室に戻り、デッキの調整に取りかかっていたが、いつの間にやら眠っていた。
思うより、消耗していたらしい―――割れた窓から外を見てみると、夕日が赤々と照り付けている。
”死神”モララーの死体は、無い。
( ;^ω^)「誰かが持っていったか……。"処理班"までいるんだとしたら、改めてこの島って相当な魔窟だおね……」
チ チ ナンバーズ・バトル・ロワイヤル
単位で単位を洗う異次元の死闘、【NBR】。《異次元からの帰還》は既に禁止カード、参加者全員が生きて帰ることはできない。
"死神"モララーを下した内藤。はたして彼は、《D・D・R》――元の世界への一筋の希望をつかみ取ることができるのだろうか?
これは《異次元の邂逅》を繰り返しながら、もがき、あがいて前に進む、一人のデュエリストの物語である―――――
-遊戯王NBR-
その2.「愛憎人形劇」
159
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:52:37 ID:eFylFSgA0
西日でオレンジ色に染まった部屋の中、内藤は静かに悔いていた。
( ^ω^)
( ^ω^)「寒い」
あんまりヤンチャするもんじゃねえなと今更のように悔いていた。
モララーの死体は何者かが処理してくれたらしいが、モララーから逃走する際に割ったガラスはそのまま割れていた。
日中はそれなりに温かかったが、陽が落ちようとしている今、体感温度はちょっと笑えない領域に突入しつつある。
( ^ω^)(いや……どうしたもんだろマジで……)
( ^ω^)(こっから、というか夜の間ってどうするのがセオリーなんだお。寝る、いや寝るんだけど……夜襲? 夜襲とか大丈夫なの?)
( ^ω^)(まあ、変に動かず身を潜めておくのがベストだとは思うんだけど……この部屋で……?)
( ^ω^)
( ^ω^)(死ぬかも)
吹き込む風に身を震わし、寒さで眠ることもできずに暗闇の中で神経を削る自分の姿が目に浮かぶ。内藤はわしゃわしゃと頭を掻き毟った。
( #^ω^)(あ"ーーーーくそ、この感じ去年の補習合宿思い出すお……また嫌なこと思い出させやがって……)
( ^ω^)(……何にせよ、ずっとここにいるのは厳しそーだお。そもそも、こっちからも攻めて行かなきゃどうにもならないわけだし)
( ^ω^)「……それについてはわかってんだけど……」
戦場に乗り出す肚は決まっていた。しかし、内藤にとっての気がかりは――
( ^ω^)(いい加減日も暮れてきた……そろそろ、一戦、二戦くらいは、終わらせたやつも多いはず)
( ^ω^)(複数枚のナンバーズを得て、強化されたデッキの持ち主……そいつらとも、必ずどこかで戦わなくちゃならない……)
160
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:53:28 ID:eFylFSgA0
( ;^ω^)っ■(……このデッキで……戦えるのだろうか……)
( ;^ω^)っ■(……《No.13》、拾ったはいいけど、使えるカード増えた実感があんまりない……)
デッキの調整は済ませていた。しかし、増えたカードはATK100およびDEF300。潤沢なプールとは言い難い。
やれるだけのことはやったと自分では思っているものの、一抹の不安は拭い去れずにいた。
( ;-ω-)「……今更、んなこと言っててもしょうがねえお。カードプールが貧相なら、なおさら戦って獲得するしかない……」
内藤はバチンと自分の頬を叩き、どうにか気合を入れ――寮の部屋を出た。
外の世界への一歩を、踏み出した――――
・・・・・
勝負の世界に身を置く者なら、誰にでも必ず訪れる。判断の難しい局面、立ち止まっての長考が、必要とされるそんな場面。
そのときデュエリストに与えられる時間は、およそ3分と定められている。それ以上の手を止めた長考は、不正な遅延行為とみなされる。
長いようで短い、3分。深く、長く考えることが求められると同時に、しかし足を止めることは許されない。動きながらの即断が求められるのも、また、デュエリスト―――――
161
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:54:09 ID:eFylFSgA0
( ;^ω^)
_
( ;゚∀゚)
_
バッ ( ;^ω^) (゚∀゚; ) タリ
求められていた。
即断が。
話は、3秒前にさかのぼる。
〜〜〜〜
( ^ω^)「できれば暗くなる前に校舎へ移りたい……」テクテク
_
( ゚∀゚)「あっ」テクテク
( ^ω^)「あっ」
_
( ^ω^) バッタリ (゚∀゚ )
〜〜〜〜
―――――玄関開けたら、サトウのごはん。
6号室を出た内藤は、そのまま寮の階段を降り、いや、階段を降り切らない内に、出くわしてしまった。
162
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:54:55 ID:eFylFSgA0
_
( ;^ω^) バッタリ (゚∀゚; )
静止する二人。
殺るか、逃げるか。一瞬の判断―――
内藤は後手に回ることとなる。
_
( ;-∀-)「……ハァ。なんつーか、今日はもういいんだけどなァ……」
眉毛の男は心底うんざりしたような口調でそう言った。
覇気のない台詞。しかし内藤には、それが余裕の表れであるかのように聞こえた。
_
( -∀゚)=3「……どうする? やるかい? あ、待て。変に近づくなよ、デュエル始まっちまうからな……」
男はデュエルディスクに手をやり、エクストラデッキを展開した。
咄嗟に身構える内藤だが、しかし戦意は感じられない。
_
( ゚∀゚)「俺は正直やりたくない。今日はもういい。そっちは?」
( ;^ω^)「……!?」
眉毛の男は、エクストラデッキから5枚のカードを抜き出すと、それを扇のように広げた。
内藤からは裏面しか見えない。しかし――――
_
( ゚∀゚) 「獲ったはいいが、後ろ1枚のぶんについては、まだ調整も済んでなくてね……5枚あるっつっても、実質4枚みてーなもんだ」
つ■■■■■
( ^ω^)(5枚……5枚?)
_
( ゚∀゚)「ほら、ナンバーズ増えれば使えるモンスターも増えるっつーけどさあ、結局使うカードはターミナルから引き出してこなきゃならねえだろ。俺ここ来んの初めてだけど、このシステムはどうかと思うわ」
( ;゚ω゚)(……ナンバーズが……5枚ってことかお!?)
163
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:55:36 ID:eFylFSgA0
5枚のカードをゆらゆらと見せつけ、気の抜けた声でそうぼやく。
だが、内藤はその5枚から迸るオーラをまともに受け、今にも留年しそうになっていた。
( ;^ω^)(ちょ、ちょ、いや! もしかして僕丸一日寝過ごしてたとかそーいうのかお!? これまだ一日目だおね!? 夕方っつっても一日目だおね!?)
( ;^ω^)(なんでもう5枚も持ってるバケモノがいるんだお!? いやそんなもんか……? そんなもんか??? 5枚って普通の数字かお!?)
_
( ゚∀゚)「ほんっと、トレード可能っつーから喜び勇んでやったってーのに、結局は拠点まで戻ってこないと生かせねーんだもんなあ。つーか、これ気付かねえで死んだ奴もいるんじゃねえの?」
( ;^ω^)(聞くかぎり向こうに戦意はない……が! が! 5枚! 2枚! 3枚差!)
・・・・・・・
( ;^ω^)(背を向ければ! 弱味を見せれば! 舐められてしまったら! 『んじゃおまえを今日のデュエル納めにしよう』とか言われて狩られるに決まってる!)
_
( ゚∀゚)「……で、どーするよ?」
( ;^ω^)「……」
回ってきた内藤のターン。
即断を、迫られる―――
( ;^ω^)
( ^ω^)
( ^ω^)「……今日はもういい、って言ったおね。気持ちはわかるお」
_
( ゚∀゚)「おう?」
164
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:56:17 ID:eFylFSgA0
( ^ω^)「僕も、いい加減ここで待ち伏せ続けるの飽きてきてて。いい加減出ていこーかって時にまたこれだから、ぶっちゃけマジでいい加減にしろって感じだお」
( ^ω^)「……しかし、5枚だっけ? さすがにこのくらいの時間になると強いやつも増えてくるおねー。1枚差かお」
_
( ゚∀゚)「……ん?」
( ^ω^)「やってみてもいいんだけど、さすがに楽勝ってわけにもいかないだろうし……あ、いや、実質4枚だっけ。じゃあ2枚差かお……まあ、どっちにしても、微妙だけど」
_
( ゚∀゚)「……へえ。2枚差、ねえ」
( ^ω^)「フフ……」
交差する二者の不敵な笑み。
「しまりがない」「だらしない」「《マシュマロン》」昔からそう言われてきた顔を今では懸命に作り替え、内藤は精一杯の不敵さを演出していた。
_
( -∀-)「勝ったほうが、11枚……クク、いつもこんなもんなのか? 初日から、いきなり二桁だぜ」
( ^ω^)「さあ……? 僕も、これが初めてだから」
( ^ω^)「自分がどのくらい強いのか……いまいち、わかってないんだおね……」 ニタァ....
ジャキン、と内藤のディスクが鳴る。
_
( -∀゚)「言うじゃねえか……」
眉毛も、それに呼応するように、5枚のカードをエクストラデッキにしまうと、ディスクを展開した。
( ^ω^)「フフフ……」
一触即発の緊迫感。辺りに、決闘者特有の殺気が満ちる―――――
165
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:56:58 ID:eFylFSgA0
( ;゚ω^)(……盛ったら退いてくれるかと思って、だいぶテキトーぶちかましたけど!! そうだ、狂戦士パターンを想定してなかった……!!)
( ;゚ω^)(敵のナンバーズも多いって言われたときに! ハイリスクよりも、ハイリターンのほうを重視する可能性を!! 想定してなかった!!!)
「どうでもいい嘘はやたらうまい」と言われて育ってきた内藤だが、このときばかりはその特技を恨んだ。
身を裂くほどの殺気。素人がその場に居合わせようものなら全身に裂傷を作って死ぬであろうほどの殺気、もはや決闘《りゅうねん》は避けられないかと思われたその時。
_
( -∀-)「……ま、いいさ」
( ;゚ω^)「……?」
再びエクストラデッキから5枚のカードを抜き出し、ひらひらと振りながら、眉毛の男は薄く微笑んだ。
_
( -∀゚)「初日なら上出来だよなあ、こんなもんで。つーか、この5枚ですらまだ1枚持て余してんだ、焦る必要もねーよなあ?」
_
( ゚∀゚)「腹も空かねえし小便も出ない、本気でデュエル以外やることねー場所なんだから。生き急いでもしょーがねえ」
( ^ω^)(……あれ? そーいや、飲まず食わずの割に、腹減ったって感じはしねえお)
_
( ゚∀゚)「それに……」
( ^ω^)「?」
_
( -∀゚)「お互い、そんだけ強えなら、ほんとに強えなら……また、どっかで会えるだろーしよ。5、6枚なんてはした金じゃねえ」
_
( -∀-)「もっともっと、膨れ上がったところで……なあ?」
166
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:57:39 ID:eFylFSgA0
( ^ω^)「……お預け、ってことかお」
内藤は内心の安堵を表に出さないよう全力を尽くしつつ、デュエルディスクのエクストラデッキをオープン。そこから2枚のカードを取り出し――
_
ミ ⊂( ^ω^) 彡 --==≡≡ ■■ (゚∀゚ ) !
眉毛の男に向かって、投げた。
わずかに頭を振ってそれをかわし、2枚のカードは眉毛の男の背後にあった壁へと突き刺さる。
⊂( ^ω^)「……じゃ、これは招待状ってとこかお」
_
( ゚∀゚)「……っは。1枚、余っちまうぜ? 2未」
( ^ω^)「予備ってことで、とっとけお」
_
( ゚∀゚)「太っ腹なやつだなあ……って、見たまんまか」
( ^ω^)「やめろ」
今や、場の空気は内藤の腹まわりの脂肪と同じくらい弛緩していた。
内藤が静かに歩き出すと、眉毛の男もすべてを承知したような顔で一歩下がる。
強制デュエル装置が作動しない程度の距離を保った上で、二人はすれ違い――――
167
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:58:25 ID:eFylFSgA0
内藤は、一度だけ振り返った。
( ^ω^)「せっかく2枚もくれてやったんだから、途中で落ちんじゃねーお?」
_
( ゚∀゚)「ハッ、こっちの台詞だよ……って、言いてえが、いらねえ心配か?」
_
( ゚∀゚)「わざわざ2枚も寄越すってことは、そのくらいすぐに取り返す自信があるってことだろうしな……」
( ^ω^)「フフフ……」
眉毛の男は、未だその場から一歩も動いていない。不動の姿勢を貫いている。
それを確認してから、内藤は姿を消した。
――――
168
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:59:05 ID:eFylFSgA0
――――
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚) チラッ
っ■■■■■
【No.47 ナイトメア・シャーク】【No.7 ラッキー・ストライプ】【旋風のボルテクス】【旋風のボルテクス】【旋風のボルテクス】
_
( ゚∀゚)
_
( -∀゚) =3 「………フゥ〜〜〜ーーーーー……………」
_
(;;-∀゚) ブワッ
169
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:59:47 ID:eFylFSgA0
_
(;;゚∀゚)(た、助かった……危なかった……!! 出せもしないボルテクスを数合わせに3枚も積んどいた甲斐があった……!!)
_
( ;゚∀゚)(実質4枚で2枚差ってことは向こう6枚じゃねえか……こっちの3倍じゃねえか……勝てるわけねえよ……)
_
( ゚∀゚)(ハッタリも言うだけ言ってみるもんだな……学ばしてもらったよ……)
――"モンスターを殺さなくても人は殺せる" それが信条のデュエリスト、ジョルジュ長岡。
無駄なことはしなくていい、何事も最短経路を通るべきという信念を持つ彼は、初めてできた彼女に執拗に着衣プレイを要求して別れられた悲しい過去を持つ。
知る人からは『モンスターを殺さなくても人は殺せる』という信条の下ダイレクトアタッカーを多用するデュエリストとしてそれなりに知られてはいるものの、
取り立てて優秀な点があるわけでもなく、事実このNBRに参加している時点で、長岡は単位をいくつか落としている。
〜〜〜〜〜
( #ФωФ)「うおおおおおおお苦紋様クィーンズライトストライプ777オラアアアアアアアアアアアア!!!!!」
_
( ;゚∀゚)「うわァァァァァァァァァナイトメアシャークぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」
〜〜〜〜〜
初戦で《No.7 ラッキー・ストライプ》と死闘を演じ、長時間の格闘の末、消耗しきった末にどうにか勝利を手にはしたものの、
既に日も暮れつつあるというのに手に入ったのが一桁ナンバーズ、それも《No.7》というハズレ中のハズレ。
カードプールがほとんど増えなかったことに絶望し、校舎から寮までとぼとぼ逃げ帰ってきたというものである。
だが、長岡の目は、死に切ってはいない。
170
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 22:00:39 ID:eFylFSgA0
〜〜〜〜〜
_
( ;゚∀゚)「お、おまえ……《ミラフォ》なんか、伏せてなかったんじゃねーか!」
( ФωФ)「……ああ、あれは吾輩のハッタリ……。このデュエルは、吾輩の負けだ」
_
( ;゚∀゚)「……なにも対抗策なんかなかったのに……なんで、なんでこんな土壇場で……そんなふうに強がれるんだよ……」
_
( ;゚∀゚)「……わかってんのかよ! 留年だぞ! 1年からやり直しなんだぞ!? それを、なんで……!!」
( ФωФ)「……吾輩はデュエリストだ。そして同時に、ギャンブラーでもある……そんな吾輩が《ラッキー・ストライプ》を引けたのは、もはや”運命”だ」
_
( ゚∀゚)「運命……」
( ФωФ)「賭博師は、いついかなるときでも、ハッタリと、不敵な笑みを崩さぬもの……」
( ФωФ)「……その吾輩を破ったのだから、おまえも一流の決闘者であり、賭博者だ」
っ《No.7 ラッキー・ストライプ》
_
( ;゚∀゚)「……!」
〜〜〜〜
パチンコ、麻雀、賭けデュエル。落ちるべくして落ちてきて、NBRに参加した、不良決闘者……いや、不良賭博師:杉浦ロマネスク。
彼との決闘は、確かに長岡に何かを残したようだ―――
_
( ゚∀゚)(……ところで)
そして、その長岡は今、壁に突き刺さった2枚のカードを凝視し、立ち尽くしていた。
171
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 22:01:23 ID:eFylFSgA0
_
( ゚∀゚)(……ところで、あいつ投げた2枚そのまんまにして行っちまったぞ! マジか!?)
_
( ゚∀゚)(いくら6枚持ってるからって、そのうち2枚捨てていくって無頓着すぎんだろ! 狂人だよ狂人! 2枚くらいはした金って言い切れるくらい強えってことだろ?)
_
( ゚∀゚)(”図書室の狂戦士”と同レベルくらいでヤバい奴だろ、間違いなく……ほんと良かったよ戦わなくて……)
ほっと胸を撫で下ろしながら、ジョルジュは壁からカードを引き抜く。
_
( *゚∀゚)っ■■ (つーか、いや、マジかよマジかよ! こんなところで2枚もナンバーズ入手しちゃっていいんですかぁ〜〜〜!?)
_
( *゚∀゚)っ□□ (さあ何番だー!? ご対面!)ガバッ
172
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 22:02:17 ID:eFylFSgA0
《TG レシプロ・ドラゴン・フライ》
シンクロ・効果モンスター
星2/風属性/昆虫族/攻 300/【守 300】
チューナー+チューナー以外のモンスター1体
1ターンに1度、このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する
「TG」と名のついたシンクロモンスター1体を選択して発動する事ができる。
選択したモンスターを墓地へ送る。
さらに、墓地へ送ったモンスターのシンクロ召喚に使用した
シンクロモンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、
この一組を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
_
( ゚∀゚)っ【レシプロ】【レシプロ】
_
( ゚∀゚)っ
――――みんな、考えることって同じなんだなあと思いました。 ジョルジュ長岡
173
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 22:02:58 ID:eFylFSgA0
............
( ^ω^)(出すことはないだろうと思いつつ、それでも一応持っといたレシプロ……思わぬところで役に立ったお……)
( ^ω^)
⊂二二二( ^ω^)二⊃ (拾われる前に逃げよ)
内藤はジョルジュが視界から消えた時点で全力の逃走を開始していた。
「今デュエルするのは避けたい」一致した2人の思惑は、思わぬところで思わぬ誤解を生むことになったが……はたして、彼らがNBR中に再会することはあるのだろうか?
( ^ω^)(……しかし、あいつの顔どっかで見たことあるような……?)
174
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 22:03:39 ID:eFylFSgA0
前編ここまで
デュエルパートはそのうち投下します たぶん
175
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 22:17:31 ID:tmOve6NQ0
乙
待ってた
176
:
名も無きAAのようです
:2015/07/24(金) 22:01:24 ID:Yv3peIo60
乙!
最近の遊戯王は1ターンに発動する効果が多すぎてデュエル1話書くのに時間がかかり過ぎる
177
:
名も無きAAのようです
:2015/07/25(土) 20:26:03 ID:URDLzmOM0
おつ!
多分じゃなくてよろしくたのむ!!
178
:
名も無きAAのようです
:2015/08/03(月) 00:51:53 ID:TV9qXKxA0
まきちゃん
179
:
名も無きAAのようです
:2015/08/19(水) 04:46:56 ID:nmXGSlkc0
ヌッ!
180
:
名も無きAAのようです
:2015/08/19(水) 22:03:17 ID:vonfpym60
ルッ!
181
:
名も無きAAのようです
:2015/09/01(火) 20:43:37 ID:wec3lUxE0
ポッ!
182
:
名も無きAAのようです
:2015/09/06(日) 20:38:48 ID:oqcv3Fdk0
ガッ!
183
:
名も無きAAのようです
:2015/09/14(月) 23:03:54 ID:oGZ1o3cs0
ほ
184
:
名も無きAAのようです
:2015/09/14(月) 23:34:25 ID:T0nzggLo0
投下します
帰ってきた店長R2-常識にとらわれない公式をぶち壊すデュエル-
登場人物の紹介
(・´ω`・) シャボーン
FXで有り金を全部溶かし店を失ったかつての店長。
首を吊ったが死にきれず障害者となったことから障害者年金でカードを買う屑となった。
SSには登場しない。
( ω^^) バーン
ヤクザのパシリ。
事務所の金で松屋のドレッシングを買い占めたことから手足の指を全て詰めた過去を持つ。
当然SSには登場しない。
('o`) イクオ
予備校のトイレでオナニーしたことから逮捕され言動がアレだったため鑑定留置中。
ヴァニティーの原初神は存在すると思っている。
やはり登場しない。
185
:
名も無きAAのようです
:2015/09/14(月) 23:52:59 ID:oGZ1o3cs0
乙!面白かったぜ!!
186
:
名も無きAAのようです
:2015/09/16(水) 18:50:32 ID:1RgM8xNc0
なんだろう笑っちまった
187
:
名も無きAAのようです
:2015/09/16(水) 23:49:39 ID:kARyG5L.0
前回までのあらすじ
ひょんなことから共闘することとなった放火犯の( ^ω^)とそれを追う刑事の('A`)
骸骨王を死へと追いやった店長=(´・ω・`)を打ち倒したかに見えた( ^ω^)と('A`)であったが、
倒したのは(´・ω・`)の双子の弟であるショボノスであった。
死に際にショボノスが残した、スタンディングマスターベーションという謎の言葉に、二人は戦慄を覚える。
一方その頃、オサティファクションタウンでは、
店長=(´・ω・`)による恐るべき死のゲームが幕を開けようとしていた。
188
:
名も無きAAのようです
:2015/09/16(水) 23:50:29 ID:kARyG5L.0
帰ってきた店長R2-常識にとらわれない公式をぶち壊すデュエル-
33章第4話 「松屋出入り禁止!?ゴマドレが消えた日」
(´・ω・`)「ドクオ、お前には死のテーマパーク、DEATH-Tに挑んでもらう!」
('A`)「DEATH-Tだと!?Tとはまさか……」
(´・ω・`)「そう、Tとは―――」
( ^ω^)「チンコのT」
('A`)「そしてチャンバラのT……」
(´・ω・`)「ちげーよ店長のTだよ」
( ^ω^)「ドクオが行くなら僕も行かせてもらうお」
(´・ω・`)「いいだろう、まとめて葬ってやる。僕は頂上で待っているよ」
189
:
名も無きAAのようです
:2015/09/16(水) 23:51:11 ID:kARyG5L.0
('A`)「DEATH-T-1……これが第一のアトラクションか」
( ^ω^)「どうやら最初のアトラクションはガンシューティングバトルらしいお」
('A`)「相手は3人……つまり3対2のタイマンバトルってことだな」
( ^ω^)「装着したベストの胸の部分を撃たれたら負けみたいだお。行くおドクオ!」
(´・ω・`)「DEATH-T-1にいるのは選りすぐりのプロを選んでいる」
でつ
チャーリーのところから脱走してきたナルシストデュエル犬
にしこり
デュエル中に野球解説をする元野球選手
( ∵ )
元アイドルのあつこ
(´・ω・`)「ドクオ達に持たせた銃はただの玩具だが、この三人の持つレーザー銃はお前らに触れた瞬間100万ボルトの電流が流れるようになっている」
(´・ω・`)「ドクオ、お前達の死のゲームをゆっくり見物させてもらうぞ」
190
:
名も無きAAのようです
:2015/09/16(水) 23:51:56 ID:kARyG5L.0
〜中略〜
( ^ω^)「クソ!僕達の銃は役に立たない玩具だお!」
('A`)「ここは俺に任せておけ!」
( ∵ )「私の整形費用を稼ぐために、お前達には死んでもらう!」
('A`)「それはどうかな?喰らえッ!必殺、権力の鉛弾!!」
( ∵ )「ぐえー!!」
191
:
名も無きAAのようです
:2015/09/16(水) 23:53:03 ID:kARyG5L.0
(´・ω・`)「DEATH-T-1を攻略した程度でいい気になるなよ」
(´・ω・`)「果たしてDEATH-T-2では生き残れるかな?」
〜中略〜
('A`)「チョッピーの館だと!?こいつはヤバ過ぎるぜ……」
( ^ω^)「ここは僕に任せるお!必殺、刑法108条!!」
(´^ิ౪^ิ)「ジュヘエエエエエエ!!!」
192
:
名も無きAAのようです
:2015/09/16(水) 23:53:55 ID:kARyG5L.0
そんなこんなで頂上へ
('A`)「予想以上にテンポが早いな……」
( ^ω^)「作者が飽きてきてるからだお」
(´・ω・`)「最終ステージへようこそ、ドクオ!」
('A`)「店長!」
(´・ω・`)「もはや僕達に言葉は意味を持たない……僕達に代わって運命を決めるのは……カードのみ!」
('A`)「おう!」
('A`)(骸骨王の魂のカードデッキ!!)
('A`)(俺は骸骨王のカードを信じて……)
('A`)「デュエル!」
(´・ω・`)「デュエル!」
誰かがデュエルシーンを書いてくれると信じて……!
ご愛読ありがとうございました!
193
:
名も無きAAのようです
:2015/09/17(木) 19:36:06 ID:EqWZ2e960
乙!面白かったぜ!!
194
:
名も無きAAのようです
:2015/09/19(土) 22:33:50 ID:OHPiRg.I0
帰ってきた店長R2-常識にとらわれない公式をぶち壊すデュエル- WRGP編
虚言妄想 O-BOKATA
帰ってきた店長シリーズにおけるラスボスにして、物語のすべての黒幕。
STAP細胞によりサムラゴウチ、ノノムラ、サノを蘇らせ、様々な手段を用いて歴史改変を試みる。
未来で人類破滅の原因となった東京五輪を消すため、ネオトウキョウシティの消滅を目論む。
防音のサムラゴウチ
少年期、青年期、老年期にそれぞれ耐え難い騒音を味わい、それらを「3つの騒音」としてREVO、KBTIT、タクヤの3人に分離、イリアステルを組織。
有史以前から歴史に修正を加え、O-BOKATAの計画の主体となっていた。
強いデュエリストのデュエルによって「HIROSHIMA」を描き出し、オボカタが待つ「STAP細胞」を現代に出現させるのが最終目的。
ニイガキ軍団、通称ゴーストを使いドクオたちを襲撃する。
号泣のノノムラ
デュエルで日本の世の中を変えたい謎のD・ホイーラーとしてドクオの前に現れ、その他にも別の姿でドクオたちをサポートする。
ドクオに不明瞭支出について教え、記者会見を促した。
しかし彼らに協力していたのは、進化したドクオたちとサムラゴウチとのデュエルによって生まれるエネルギーを増幅させ「HIROSHIMA」を完全なものにするためであり、そのため元々の記憶は封印されていた。
しかし記憶を封印された状態でドクオたちと行動を共にしていたことで、彼らを本当の仲間と思うようになり……
模倣のサノ
サノは東京五輪ではなく、東京五輪と結びつき急速な進化の原因となったデュエルモンスターズの消滅を計る。
タイムスリップするD・ホイールで過去に飛び、各時代から集めた最上級モンスターを実体化させてベルギーのリエージュ劇場を襲撃しエンブレムを消そうとした。
195
:
名も無きAAのようです
:2015/09/19(土) 22:46:50 ID:m0eTXVTw0
どういう脳みそしてたらこんなん思い付くんだよ……
196
:
名も無きAAのようです
:2015/09/29(火) 20:53:46 ID:EiyK7Voc0
投下します
店長のカードショップ奮闘記3rd テンチョウ・メイクス・レヴォリューション
(´・ω・`) 店長
仲間からは店長と呼ばれているが自分の店を経営したことはない
趣味は他人の店に行きあたかも店長であるかのように振る舞うこと
s(´H`)u ぷに穴大好きマンズリ太郎先輩
職歴無しで三十路を過ぎているのに自分は未成年だから労働の義務はないと言いはる社会の屑
趣味はカードゲームでいたいけな小学生をいたぶること
( ^ω^) 脇役その1
趣味はココイチで全トッピングをすること
('A`) 脇役その2
趣味はビンビンのアレを咥えて差し上げること
197
:
名も無きAAのようです
:2015/10/05(月) 21:20:14 ID:ehLjZ2qg0
乙!面白かったぜ!!
198
:
名も無きAAのようです
:2015/10/22(木) 00:35:21 ID:pLmwb77I0
なんだかんだでレスがあれば反応がある当たり見てる人がいるよね
SS書いてなくてもVIP時代の作者とかもたまに見てたりするのかな
199
:
名も無きAAのようです
:2015/10/22(木) 00:43:36 ID:okhXjzlE0
このスレがVIPで生まれた時からいるけど、既に惰性で見てる感はある
200
:
名も無きAAのようです
:2015/10/22(木) 00:49:53 ID:okhXjzlE0
すまん、嘘ついた
とっくに惰性で見とるな・・・
201
:
名も無きAAのようです
:2015/10/22(木) 00:52:24 ID:pLmwb77I0
惰性じゃない奴がおるんかいな
202
:
名も無きAAのようです
:2015/10/22(木) 00:57:22 ID:okhXjzlE0
それもそうだな・・・
書いていた頃の熱意はどこへ行ったことやら
203
:
名も無きAAのようです
:2015/10/22(木) 01:05:39 ID:pLmwb77I0
俺も妄想レベルの熱意ならあるんだがな
文章化までには至らないわというか今の遊戯王は文章化に向いてないわ
204
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 08:58:42 ID:jO/LBusM0
アクションデュエルが悪いよー
205
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 22:39:02 ID:qK5ESpZA0
めっちゃSS書きたいけど一話書くのにかかる時間と労力考えると尻込みするわ
脳内の文章を書き出す装置があったら毎日投下できるわ
206
:
名も無きAAのようです
:2015/12/25(金) 08:51:02 ID:6BMrYOHM0
HDリマスター版店長SS書いたけど需要ある?
207
:
名も無きAAのようです
:2015/12/25(金) 20:18:14 ID:padkJL0M0
乙!面白かったぜ!!
208
:
名も無きAAのようです
:2016/02/27(土) 14:35:00 ID:4jPlbI2U0
今年一番乗り
やはりもう人はいないようだな・・・
209
:
名も無きAAのようです
:2016/02/28(日) 22:02:32 ID:NeRwYBu.0
そんなに新作店長SSを読みたいのかな?
210
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 17:35:46 ID:JWiEkvSo0
乙!面白かったぜ!!
211
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:17:07 ID:kG7JXMeY0
( ^ω^)「……」
もくもくと煙を上げる火山を横目に見つつ、内藤は森の中を移動する。
時折、人の気配を感じては木陰に隠れ、木の上に登り、自然と同化することでやり過ごし――内藤は、どうにか目当ての建物までたどり着いていた。
| ̄l\ .| ̄l\
| ̄l`| | | ̄ ̄ ̄ ̄| | \
TTTTT.| | | (┘) | | TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTlヽ
[二二二| | | | | [二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二]\lヽ
`l []l[] .| | | 日日日 | | | 田田 田田 田田 田田 田田 田田 田田 | \l
[二二二| | | | | [二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二] |i-i-i-i-i、
`l []l[]. | | | 日日日 | | | 田田 田田 田田 田田 田田 田田 田田 | |二二二]\
[二二二| | | | | [二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二] | 田田 | |
`l []l[] .| | | 日日日 | | | 田田 田田 田田 田田 田田 田田 田田 | l二二二] |
[二二二| | | | | [二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二] | 田田 | |
`l []l[]. | | l| ̄| ̄|ニl .| | | 田田| ̄| ̄| 田田 田田 田田 田田 田田 l l二二二] |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | |] _|_| [二二二| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | |/ | |
| | | | |
| | |____, _ _ | |
| | | | |
_______|_l/ . .|_|__________________________
( ^ω^)(……やっぱ、ここ……学校、だおね?)
無人島、それも活火山の麓に建てられた学校。敷地はバカバカしいほど広い。なんだそれはと内藤も思うが、どうもその建物は、いわゆる"デュエルアカデミア"であるように思われた。
空はまだ赤く染まっていて、日が沈むには少し間がある。まだ明るい。だがしかし、建物の窓にはところどころ、電気がついているようだった。
212
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:18:22 ID:kG7JXMeY0
(^ω^; )三( ;^ω^)(何を、どう考えても……間違いなく、ここが主戦場……!)
門の陰に身を隠し、周囲に誰もいないことを確認してから、内藤は校舎へと駆け寄った。
玄関のガラス戸を開けると、まずあったのは下駄箱。その先には、2階へ上がる階段も見える。
( ^ω^)
( ^ω^)(いや、こっからどうすりゃいいの?)
内装は、どことなく内藤が普段通っているアカデミアと通ずるところがあった。
長らく使われていないのは確からしく、ところどころ埃が目立ちはするものの――始めて来た気がしない、どこか親しみの持てる空間。
今のところ、殺気は感じない。しかし、少し手慣れた決闘者なら、己の気配などたやすく消せる。
( ;^ω^)(一瞬たりとも、気は抜けない……)
いつどこでデュエルが始まってもおかしくない。内藤はめいっぱい気配を殺すと、物陰に隠れ、床を這い、天井に張り付いて移動する。
そうして、一度広いホールに出た内藤は、今度は壁に背を付けるようにして移動し――その壁にかかっていた、掲示板に気が付いた。
213
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:19:50 ID:kG7JXMeY0
( ^ω^)(……掲示板?)
その掲示板には、2枚のカードが貼り付けられていた。《魔導書庫ソレイン》と《魔導書庫クレッセン》の2枚。
これは一体とあたりを見回し、ふと内藤の目に留まったのは――ホールから伸びる一本の廊下。
突き当たりは校舎の外へと続くドアになっていて、ドアの上には【図書館→】と書かれたプレート。そのプレートにも、『(王立魔法)』と落書きがされていた。
( ^ω^)(図書館……別館の、かお)
要するにここの図書館は、生徒たちにも茶化されるほど広く、雰囲気のある空間だった――そういうことだろう。
以前、昼飯奢りを賭けたデュエルで図書館エクゾを持ち出してきた友人をぶん殴ったときのことを思い出しつつ、内藤はひとり頷く。
( ^ω^)「……」
だが、今大事なのは身内間のシングル戦で図書館エクゾを使うことの是非ではない。
《ソレイン》と《クレッセン》のカード、そして掲示されたプリントはどこか古びているが、その中に1枚、妙に新しい紙が混ざっている。
214
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:20:47 ID:kG7JXMeY0
__________________________________________
【トレード希望】
下記のナンバーズを希望しています。
○《No.X4》 一の位が4のナンバーズ
○《No.10X》 オーバーハンドレッド・ナンバーズ
下記のナンバーズを提供出来ます。
○《No.5X》 十の位が5のナンバーズ
○《No.X1》 一の位が1のナンバーズ
希望者は図書室の中へ、詳しい手順の説明は室内で行います。
こちらに決闘の意志はありませんので、トレードは一定の距離を保った上で行われることになります。
信用出来ないと言う方は、トレードをなさらぬ様に。
__________________________________________
( ^ω^)
( ^ω^)(ブラックボックス)
希望カードも提供カードも、指定の仕方がざっくりしすぎている。
提供カードを隠すのは、自分の戦力を晒すことを避ける意図があるのかもしれないが――
215
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:21:37 ID:kG7JXMeY0
( ^ω^)(この書き方、100以上もしくは下一桁が4のナンバーズなら、なんでも構わないってことだおね。……いったい、何が目当てなんだお?)
( ^ω^)(《34》……《テラ・バイト》とか掴まされたらどうすんだって話だし、ナンバーズの性能が目的ってわけではないはず。であれば……)
( ^ω^)(……どうしても必要なキーカードがある。そのカードのステータスが、ATK1000、もしくはDEF400?)
( ^ω^)
( ^ω^)(っていうか、ナンバーズってトレード大丈夫なのかお?)
ぐるぐると思考を巡らせる内藤。どうしても拭えないうさん臭さ。
( ;^ω^)(何かの罠かもしれない……というか、まず僕の手持ちは《6》と《13》なわけで、どっちもトレードの弾にはならない)
( ^ω^)(つーか、そもそも提供もどうなんだお? 《5X》と《X1》なら何でも揃ってます……って意味ではないだろうし)
( ^ω^)(《5X》……《5X》? 可能性としては……《50/ブラック・コーン号》、《52/ダイヤモンド・クラブ・キング》、《56/ゴールド・ラット》……うーん……)
( ^ω^)(《X1》。《11/ビッグ・アイ》、《21/氷結のレディ・ジャスティス》、《31/アベルズ・デビル》……)
( ^ω^)
( ゚ω゚)(《アベルズ》!)
だが、見過ごすには惜しい誘惑もあった。
216
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:22:32 ID:kG7JXMeY0
( ;^ω^)(いや、いや待て落ち着けお。まだこのトレード主が《アベルズ・デビル》を持ってるとは限らないわけで……むしろ全然関係ないカードの可能性のほうが高いわけで……)
( ^ω^)(……いや、でも、こうしてトレードに出すってことは、失っても惜しくないカードなのは間違いないわけで。《ビッグアイ》引いといてトレードに出すやつはいない……)
( ^ω^)(《アベルズ》は単独じゃ役に立たないカードだし、トレードでうまく押し付けられればしめたもの……そう考えるのも自然……)
( ;^ω^)(いやいやいや、落ち着けお。仮に相手が《アベルズ・デビル》を持ってたとしても、僕にはトレードの弾がない。そもそもトレードが成立しない……)
( ^ω^)(……いや、でも、交渉しようと思えば、その余地がないわけでもない……?)
( ^ω^)(向こうも2枚以上ナンバーズを持ってるのは確定なんだから、場合によっちゃ《アトランタル》も、そこそこ強力なカードとして売り込めるかも……)
( ^ω^)
( ^ω^)(っていうか、最悪強引にデュエルに持ち込んでしまっても)
( ^ω^)
( ;^ω^)(いやいやいやいや落ち着けお。理性ある文明人のやることじゃないお。野蛮人の所業だおそれは。蛮族の狂宴Lv10ぐらいあるお)
( ^ω^)
( ^ω^)(や、でもこうしてわざわざトレードを持ちかけるってことは、向こうの持ち札もそんなにいいもんではないってことなのでは……?)
( ^ω^)(勝算、ないわけでもないのでは……?)
( ^ω^)
( ^ω^)(いやいや)
誰が見ているわけでもないのに、内藤はあたりをきょろきょろと見回す。内藤の脳内に召喚された《ゼラの戦士》が、《大天使ゼラート》と《デビルマゼラ》の間で激しく揺れ動いていた。
217
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:23:23 ID:kG7JXMeY0
だが、そうしている間にも、欲望に忠実な内藤の足は、意思とは無関係に、動いていた。
( ^ω^)(……)
( ^ω^)(……)
( ^ω^)(……いや、まあ、とりあえずは……ねえ?)
( ^ω^)(とりあえず、話聞くくらいは……ねえ? 話わかる人っぽいし? ねえ?)
( ^ω^)(その上で、なんか使えそうなナンバーズがもぎ取れそうなら……)
( ^ω^)(ねえ?) ニタァ....
――廊下の奥の、図書館に向かって。内藤の足は動いていた。
そうして、内藤は《万魔殿-悪魔の巣窟-》の扉を開く。そもそも、こんな場所に堕ちてくる人間が、留年の危機に陥るような人間が、《天空の聖域》にたどり着ける道理など存在しないのである――――
《王立魔法図書館》と揶揄されるだけあって、図書館はかなりの広さがあった。
カーテンがすべて閉め切られているので、館内は薄暗い。内藤が一見したところでは、誰か人がいるような気配はない――
218
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:24:08 ID:kG7JXMeY0
( ^ω^)(天井たっけー……)
「やあ。トレード希望者かな? ようこそ図書館へ」
( ;^ω^)「!」
と、どこからか聞こえてくる声。
奥のほうの本棚、その陰から、ゆらりと現れた人影――人影が、一冊の本を放り投げた。
心臓が飛び出るほど驚いた内藤だが、なんとかその本をキャッチする。
( ;^ω^)「おわ……っ!」
つ【DTマスターガイド】⊂
(´・ω・`)「この本はサービスだから、まず読んで落ち着いてほしい……」
(´・ω・`)「……ん?」
( ^ω^)「……DTマスターガイド?」
( ^ω^) (・ω・` )
(´・ω・`)「あれ、ブーンじゃないか」
( ゚ω゚)「ショボン!?」
お互いに、思わぬ再会であった。
219
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:24:57 ID:kG7JXMeY0
( ^ω^)「久しぶりだおね、ショボン。一年……くらいだっけ」
(´・ω・`)「そんなものかな。僕もまさかこんなところで会うとは思わなかったけど……あれほど出席には気をつけろと言ったのに」
( ;^ω^)「うっせ。わかってても月曜一限はダルいんだお」
(´・ω・`)「あ、ほんとに出席日数なんだ」
( ^ω^)「……うっせ」
本当の親友というのは、長い間会っていなくても、ふと再会したとき昨日の続きのような自然さで言葉を交わすことができる間柄のことだ――そんなふうに言うこともある。
だが、なんだこの余裕ぶりは。
コロ
こうしてこの場にいる以上、二人はもはや友ではない。互いに留年し合う関係だというのに、なぜこうも自然な会話ができる?
( ^ω^)「……なんでおまえがここにいんのかとか、聞きたいことはいろいろあるお。でも、その前にひとつ」
( ^ω^)「掲示板のとこに貼ってた、トレード希望って、あれ、おまえが書いたやつかお。つーか、トレードって大丈夫なのかお?」
(´・ω・`)「それ質問ひとつじゃなくない?」
( ^ω^)「んなくだらねーツッコミ入れるほど余裕あるシチュエーションじゃないと知れ」
220
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:25:38 ID:kG7JXMeY0
(´・ω・`)「まあ、トレードはOKみたいだよ。ルールブックに書いてるし」
( ゚ω゚)「ルールブック!?」
(´・ω・`)「うん。合意の上ならOKだって」
近付くわけにも逃げるわけにもいかず、中途半端な位置で立ち尽くしている内藤に対し、ショボンは落ち着いたものだった。机の上に座って、静かに本を読んでいる。
机に積んであった本のうち一冊をひょいと持ち上げると、内藤めがけて放り投げた。
( ^ω^)「合意って……いや、そんなルールならデュエルしないで暴力に出るやつとか」
つ【NBR 掟】⊂ パシッ
( ^ω^)(掟て)
つ【NBR 掟】⊂
(´・ω・`)「いや、デュエルしないで暴力って。近付いたら強制デュエルなのにどうしろってのさ」
( ^ω^)「あー……」
(´・ω・`)「というか、デュエルディスクのほうにも監視機能とか付いてるみたいだよ? 『あまりに見苦しい手を使った者はその時点で失格とする』らしいし、そういう心配はいらないと思う」
( ^ω^)「……」
やけに古めかしい装丁の本に目を落とし、とりあえずページをパラパラとめくってみる内藤。
読むともなく読みながら、ショボンの言葉に耳を傾ける。
221
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:26:18 ID:kG7JXMeY0
(´・ω・`)「ただ、トレードが可能なのはナンバーズのみ……というか、あれだ、メインデッキに入るモンスターはデュエルディスクのほうで認識してるらしいから」
(´・ω・`)「手持ちのナンバーズで使用が許可されてないモンスターをトレードで入手しようってのは無理なんだってさ」
( ^ω^)「……っていうと?」
(´・ω・`)「たとえば君がNo.39、僕がNo.17を持っていたとして、君が僕からトレードでATK100のモンスターを受け取ったとしても、デッキに入れるのは不可能ってこと」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「持っとくだけなら自由らしいから、トレード自体はできる感じかな。ただ、そのカードが使えるのは、10番台のナンバーズを獲得してからだ」
(´・ω・`)「でないと、デュエルに臨んだ時点で、ルール違反で即仮死状態だってさ」
こつ、こつ、こつ、と。
広い図書館に、ゆっくりとした足音が響き渡る。
( ^ω^)「……で、ショボン」
本から顔を上げず、内藤は聞いた。
(´・ω・`)「なんだい?」
( ^ω^)「トレードのことだけど……」
(´・ω・`)「ああ、それなら別に心配いらない。あの紙書いたのはお前か、とも聞いたよね。そうだよ」
222
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:27:00 ID:kG7JXMeY0
【――敵性ナンバーズを感知! 敵性ナンバーズを感知! これよりデュエルモードに移行します!】
(´・ω・`)「だけど、僕は別にトレードがしたかったわけじゃない」
( ^ω^)
(´・ω・`)
デュエルフィールドが出現する。
内藤は、改めてショボンに向き直った。
223
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:27:44 ID:kG7JXMeY0
―――――
・デュエルディスクを装備した者と接近した場合、強制的にデュエルモードとなる。
―――――
対峙する内藤とショボンのふたり。
トレードは一定の距離を保って――その注意書きを無視して、ショボンは今、明確に、内藤に向かって一歩踏み出していた。
( ^ω^)「何が手に入るかも不明瞭なトレード。すでに十分な戦力が整っているプレイヤーなら、そんな話に乗る必要はない」
( ^ω^)「これで釣れるのは、ほんの少しでも手持ちのナンバーズが良くなることに期待する弱者。そーいうやつを釣り出して狩る……そういうことかお?」
(´・ω・`)「そんな認識でも、まあ構わないよ。君だって、まさかバカ正直にトレードだけが行われると、本気で思ってたわけじゃないだろう?」
( ^ω^)「まあ、なんとなく、こうなる気はしてたお……」
ショボンは淡々と言いながらデュエルディスクを展開する。内藤も、それに応じた。
( ^ω^)(そーいう雰囲気は感じてた。でもまあ、逃げたところで、いつかは必ず誰かとデュエルしなきゃならないんだから……受けてやった、けど)
224
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:28:27 ID:kG7JXMeY0
( ^ω^)「……おまえ、デュエル、できるように……なったのかお?」
険しい目で問いかける内藤に、ショボンは一度肩をすくめると、パチンと指を鳴らした。
それが合図だったかのように、閉め切られていたカーテンが一斉に開き――窓から差し込む茜色の夕日が、床に、ふたりぶんの影を落とす。
(´・ω・`)「おかげさまで、……ってわけじゃないかな。まだちょっと厳しいところはあったよ」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「ま、無駄話はいつでもできる。そんなことより、久しぶりのデュエルなんだ。今は、そっちに集中しない?」
( ^ω^)「……言われるまでもねーお」
(´・ω・`)「OK。じゃあ……」
( ^ω^)「「デュエル!!」」(・ω・` )
225
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:29:08 ID:kG7JXMeY0
・TURN 1-
( ^ω^)「どーも先攻はこっちらしいお。僕は、モンスターを1体裏守備表示でセット!」
( ^ω^)「リバースカードを1枚伏せて、ターン終了。おまえの番だお」
(´・ω・`)「じゃ、僕のターンかな……」
( ^ω^)「……」
―――――――
226
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:29:49 ID:kG7JXMeY0
――――――
去年――NBR以前の話。
夏休みが間近に迫ったある日、内藤は職員室に呼び出された。
( ^ω^)「あのー、なんすか、話って」
( ´∀`)「まあ、ちょっと……君、たしかショボンくんと仲良かったよね? ”インフィニティ”の、ショボンくん」
( ^ω^)「あー、まあ……最近はそんなに会ってないですけど。この頃、休みがちですし、あいつ」
( ´∀`)「……そうか、君でもそんな感じか。どうして休んでるかは知ってる?」
( ^ω^)「調子悪いってのは聞いてますけど……詳しいところは」
( ´∀`)「なるほど……。で、それはそうと」
( ^ω^)「はい」
( ´∀`)「君、【盤面解決専門演習】の単位落としたよね?」
( ゚ω゚)「落ちたんですかお!? マジで!?」
( ´∀`)「あ、まだ成績出てなかったか……まあいいや、とにかく、君、補習決定。夏休みの間、一週間。盤面解決専門演習、ネーヨ先生の補習です」
227
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:30:35 ID:kG7JXMeY0
( ´∀`)「で……あまりこういうこと言うのはよろしくないんだけど。ショボンくんも、この講義を落としました。補習決定です」
( ^ω^)「……まあ、出席足りてませんよね、どう見ても」
( ´∀`)「というわけで、君に頼みたいことがあって。その補習で、できればショボンくんの面倒を見てほしいんですね。
彼はこの頃精神的に不安定らしくて、保健室であてがってもらったカウンセラーとのデュエルにも負け越してる」
( ^ω^)「……はあ」
( ´∀`)「あと、君も結構単位危ないから。荷物を背負うことで、より必死になって補習に取り組んでくれたらなーと考えています」
( ^ω^)「それ教師としてどうなんすか?」
”インフィニティ”と呼ばれ恐れられたショボンだが、ある時期を境に調子を崩し、それ以降は学校も休みがちになった。
( ^ω^)(あれはたしか、ショボンが県大会で負けてからのこと――)
( ^ω^)(――”あのカード”に、負けてから……)
―――――――
228
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:31:35 ID:kG7JXMeY0
・TURN 3-
( ^ω^)「魔法カード発動。クロス・ソウル」
《クロス・ソウル》
通常魔法
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(1):相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
このターン自分がモンスターをリリースする場合、
自分のモンスター1体の代わりに対象の相手モンスターをリリースしなければならない。
(´・ω・`)「む……?」
( ^ω^)「このターン僕はバトルフェイズを行わないかわりに、上級モンスターを召喚する際、自分じゃなく相手のモンスターを生贄にできる」
( ^ω^)「おまえの、その裏守備モンスターを生贄に――モンスターを、裏守備表示でセット!」
(´・ω・`)「……ふーん」
( ^ω^)(さて、生贄にしたモンスターは……)
( ^ω^)「……!」
229
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:32:24 ID:kG7JXMeY0
《ガスタ・ガルド》
チューナー(効果モンスター)
星3/風属性/鳥獣族/攻 500/守 500
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
デッキからレベル2以下の「ガスタ」と名のついた
モンスター1体を特殊召喚できる。
(´・ω・`)「アドバンス召喚のリリースにされちゃ、ガルドの効果は使えない。タイミングを逃してしまうからね」
( ;^ω^)「ガスタ……」
(´・ω・`)「……まあ、僕はやっぱり、どこにいても、誰と勝負してても……これしか、使えないみたいでね」
( ^ω^)「……リバースカードを1枚セット。僕は、これでターンエンドだお」
(´・ω・`)「けど、《帝王の烈旋》じゃなくて《クロス・ソウル》とはまた古風なカードだね。エクストラデッキを使うアテでもあるのかな? どうでもいいけどさ」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「……そんなにカタい顔しないでほしいなあ。ひさしぶりのデュエルじゃないか」
230
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:33:06 ID:kG7JXMeY0
――――――――
・TURN 2-
(´・ω・`)「ドロー。僕もモンスターを1体守備表示で出して……これでターン終了」
・TURN 2- 終了
( ^ω^) 手札:3 LP8000
場:《裏守備》 / 伏せ:1枚
(´・ω・`) 手札:5 LP8000
場:《裏守備》
( ^ω^)「……お互い消極的だおねー」
(´・ω・`)「別に、いつもこんなもんだっただろう?」
( ^ω^)「僕のターン、ドロー(……じゃあ、ちょっと小突いてみるかお)」
231
:
順番まちがい >>227と>>228の間に>>230が入る
:2016/03/07(月) 20:35:21 ID:kG7JXMeY0
――――――――――――
( ; ω )「はー、はー、はー……うっ! おげええええ……」
夏休みだというのに、内藤はその日一日をアカデミアで過ごしていた。
【盤面解決専門演習】の試験で鬼のような赤点を取った内藤は、休みにも関わらず補習のためアカデミアへ出なければならなかったのだ。
( ; ω-)(あ、あのクソ野郎……あれが教師のやることか……ッ! あんなのもうデュエルじゃねえお……お…おえええええ)
補習担当が鬼と名高いシラネーヨ教諭だったのが運の尽き。
内藤を含む成績不振者全員は、「相手フィールドに《M・HERO ダーク・ロウ》が召喚されている状態からデュエルが始まる」という補習デュエルをひたすら繰り返すことになった。
そのデュエルに勝利すると、次は《ダーク・ロウ》の隣に《エルシャドール・ミドラーシュ》が増えた。
そのデュエルにも勝利すると、次は《ダーク・ロウ》《ミドラーシュ》の隣に《タイタニック・ギャラクシー》が増え……
内藤はカンニングペーパーとして《コアキメイル・デビル》をデッキに投入、ただそれだけに望みを託し、敗北に敗北を重ねながらも死ぬ思いで勝利をつかみ取っていた。
が、もはや何度目かもわからないほど繰り返されたデュエルの途中、《D-HERO Bloo-D》が追加されたのを見た瞬間に気を失った。
( ;^ω^)「あ"ー……くそ」
昼休み、とりあえず補習に一区切りついた内藤は、アカデミアの屋上に来ていた。何も考えず、青空の下で寝っ転がっていたい気分だったのだ。
しかし、屋上には先客がいた。
232
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:36:05 ID:kG7JXMeY0
(´・ω・`)「……ブーン?」
( ^ω^)「お、ショボン。おまえも来てたのかお」
フェンスにもたれかかっていたショボンの隣に歩み寄ると、内藤はその場に座り込む。
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)
ショボンは、どこか虚ろな瞳で、空を見上げていた。
( ^ω^)「……調子、悪いみたいだおね。どしたお?」
(´・ω・`)「さあ……。どうしてだろうね」
ショボンは首にかけていたペンダントから1枚のカードを取り出した。《ガスタの巫女 ウィンダ》。
(´・ω・`)「……補習、どこまでなら、クリアできた?」
( ^ω^)「お? おー……《クリスティア》まではどうにかなったけど、《Bloo-D》からはさすがに無理だったお」
(´・ω・`)「そっか」
( ^ω^)「あれ、ほとんどエクストリーム詰めデュエルの領域だと思うお。もっとこう、現実的な布陣と実戦的な返し方を教えるべきだと――」
(´・ω・`)「僕はね、レベル2からもう無理だったんだ」
( ^ω^)「……レベル2って、……」
233
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:36:50 ID:kG7JXMeY0
( ^ω^)「……ミドラーシュ、かお」
(´・ω・`)「ああ」
( ^ω^)「……やっぱ、まだ引きずってんのかお?」
春の県大会。ショボンは、準決勝で大敗を喫していた。
当時、まだ出たばかりだった新カード群――【シャドール】をメインとするデッキを使う相手に、である。
(´・ω・`)「……そうかもしれないね」
( ^ω^)「めちゃくちゃ強いおねー、シャドール。そのくせあれでまだ序の口とか、もっと強いカードがこれからどんどん出るなんて噂もあるし」
( ^ω^)「僕も、この先ついてけるかどうか……進路どうするとか考えてるかお?」
(´・ω・`)「そうかもしれない。けど、たぶんそれだけじゃない」
( ^ω^)「は?」
ペンダントから取り出したカードを、ショボンはデュエルディスクにセット。
晴れた屋上に現れる、ソリッドビジョンの《ウィンダ》の姿。
234
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:37:34 ID:kG7JXMeY0
(´・ω・`)「ただ強いだけのデッキなら、今までに何回も見てきたし、そのたびに乗り越えてもきた。そのはずなのに」
(´・ω・`)「どうして、だろうね……」
( ^ω^)「……おまえ……」
最愛の《ウィンダ》を眺めるショボンの手は、小刻みに震えていた。
この《ウィンダ》は立体映像にすぎない。だが、なぜだろう。
内藤には、彼女がどこか悲しげな表情を浮かべているように見えてならなかった。
(´・ω・`)「……これは笑い話なんだけどね、最近《ウィンダ》を見てるとどうも体が震えてくるんだ。家でも。どこでも。デュエル中でも。
前は、あんなに興奮してたのに、今じゃまるっきり逆なんだよ。自分で無限回収しといて自分で追い詰められてるんだから、ほんと、笑い話なんだけど」
(´・ω・`)「似てるからかな。どうしても、"あっち"を思い出してしまうんだ」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「強いことは、強いよ、シャドール。でも、『これはもう無理だ』って、本気で思ってるかっていうと、たぶん違うはずなんだ」
(´・ω・`)「違うと、僕は思ってる。思ってるのに、どうしても……《ウィンダ》を見るたび、どうしても」
(´・ω・`)「あの"人形"に、おまえは、もうダメなんだ、って……言われてるような、気がして……」
( ´・ω・)「……」
( ^ω^)(……ショボン……)
235
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:38:57 ID:kG7JXMeY0
――たぶん、本人にもわかっていなかっただろう。
シンクロ召喚に適応できず決闘界を去る者もいたし、エクシーズ召喚に適応できず決闘者人生を終えた者もいた。
折れるきっかけなど、人それぞれだ。
( ´ー`)「おら、立て! どうしたショボン! "インフィニティ"の名が泣くぞ!! エルシャドール・ミドラーシュで攻撃!」
(;´・ω-`)「う、うう……けど、破壊されたガスタ・イグルの効果……デッキから、新たなガスタモンスターを――」
(;´・ω・`)「……ッ!」
ただ、ショボンはこの後ゲロを吐くまで補習を繰り返した。
《ウィンダ》に似た《ミドラーシュ》への拒否反応を克服するため、何度も、何度も、デュエルを続けて――
( # ´ー`)「エルシャドール・ミドラーシュが場に存在する限り――お互いのプレイヤーは、1ターンに1度しか、モンスターの特殊召喚が行えない!」
(;´・ω・`)「……」
( # ´ー`)「ダイレクトアタック!」
( ;´ ω )「う……ぐ、うッ、ああああああああああ!!!」
それでも結局無理だったショボンは、それでダメになってしまったショボンは、結局、アカデミアを去った。
――――――――――――
236
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:39:43 ID:kG7JXMeY0
・TURN 3- 終了
( ^ω^) 手札:1 LP8000
場:《裏守備》 《裏守備》 / 伏せ:2枚
(´・ω・`) 手札:5 LP8000
場:なし
・TURN 4-
(´・ω・`)「僕のターン、ドロー。しょうがないな、ガスタの神官ムストを召喚。バトルに入ろうか」
《ガスタの神官 ムスト》
星4/風属性/サイキック族/攻1800/守 900
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。
自分の墓地の「ガスタ」と名のついたモンスター1体を選択してデッキに戻し、
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して
その効果をエンドフェイズ時まで無効にする。
( ^ω^)(500/500の次は、DEF900……そして、そのどちらも、《ガスタ》。どこまで揃えてるか、ってとこかお……)
(´・ω・`)「さて、そこの上級モンスターが何かもちょっと知りたくはあるけどね、まあ無難に下級のほうから叩こう、裏守備モンスターに攻撃」
237
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:40:25 ID:kG7JXMeY0
( ^ω^)「残念、このモンスターはヘル・セキュリティ」
《ヘル・セキュリティ》
星1/闇属性/悪魔族/攻 100/守 600 【チューナー】
(1):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
デッキから悪魔族・レベル1モンスター1体を特殊召喚する。
( ^ω^)「増援部隊! デッキから、2体目のヘル・セキュリティを特殊召喚するお」
(´・ω・`)「ふむ。じゃあ、ターン終了」
・TURN 4- 終了
( ^ω^) 手札:1 LP8000
場:《ヘル・セキュリティ》@DEF 600 《裏守備》 / 伏せ:2枚
(´・ω・`) 手札:5 LP8000
場:《ガスタの神官ムスト》@ATK1800
・TURN 5-
( ^ω^)「僕のターン、ドロー(……!)」
238
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:41:06 ID:kG7JXMeY0
《増援》
通常魔法(制限カード)
(1):デッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加える。
( ^ω^)(増援……)
引いたカードを見て、内藤の脳裏に蘇る記憶―― 一戦目、"留年死神"との戦いの記憶。
今、必要なカードは何か。それを見極めなくてはならない。慎重に、しかし素早く。
内藤は決断した。
( ^ω^)「……増援、発動!」
( ^ω^)「デッキから、E・HERO エアーマンを手札に加え……召喚!」
《E・HERO エアーマン》
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの
「HERO」モンスターの数まで、
フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
( ^ω^)「エアーマンの効果! デッキからD-HERO ディフェンドガイを手札に加えるお」
《D-HERO ディフェンドガイ》
星4/闇属性/戦士族/攻 100/守2700
239
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:42:11 ID:kG7JXMeY0
( ^ω^)「さて、エアーがDEF300に、ディフェンドのATKは100。早々に開示してやったけど……どう読むお、これ」
(´・ω・`)「どうでもいいさ」
( ^ω^)「あん?」
(´・ω・`)「君のナンバーズがなんであれ……僕は、僕のプレイスタイルを通していくだけのこと」
( ^ω^)「……言ってろ、だお。僕は……」
( ^ω^)「(……エアーとムストじゃ相打ち、ここはカウンター狙いで行く!)レベル1!ヘル・セキュリティでレベル4エアーマンをチューニング!」
( ^ω^)「シンクロ召喚。転生竜サンサーラ!」
(´・ω・`)「……ふーん」
《転生竜サンサーラ》
星5/闇属性/ドラゴン族/攻 100/守2600 【シンクロ】
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
「転生竜サンサーラ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードが相手の効果で墓地へ送られた場合、
または戦闘で破壊され墓地へ送られた場合、「転生竜サンサーラ」以外の
自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
240
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:42:51 ID:kG7JXMeY0
黒い、コウモリのような竜。黒い炎のようにも見える毛むくじゃらの翼。
その陰に隠れて、内藤はひそかに拳を握りしめた。
( ^ω^)(守備力2600! なまっちょろいアタッカーじゃあ突破に苦労する数字だし、破壊されてもヘルセキュリティを復活させて戦線を繋ぐか、エアーマンで手札を補充することができる!)
( ^ω^)(攻撃力こそ無いものの、こいつが使えるようになったのは僥倖だお……!)
( ^ω^)「僕はこれでターンエンド!」
・TURN 5- 終了
( ^ω^) 手札:2 LP8000
場:《転生竜サンサーラ》@DEF2600 《裏守備》 / 伏せ:2枚
(´・ω・`) 手札:5 LP8000
場:《ガスタの神官ムスト》@ATK1800
(´・ω・`)「エアーマンに、サンサーラ。いいカード持ってるじゃないか、意外と」
( ^ω^)「おまえなら知ってるはずじゃないかお? この僕の、悪運の強さ」
241
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:43:43 ID:kG7JXMeY0
(´・ω・`)「ああ、本当に運がいいよ、僕は」
( ^ω^)「……おまえが?」
(´・ω・`)「そうだよ。もともと、ここには死ぬつもりで来たからね」
( ^ω^)「は?」
(´・ω・`)「だから最初のナンバーズを見た時、本当に運がいいと思った。運命すらも僕に死ねって言ってくれてると思ったんだ。『彼女』が使えたからね」
( ^ω^)「……」
( ;^ω^)「いや、なんだって?」
二人は向かい合っているはずだ。今まさに決闘の最中のはずだ。けれど、ショボンは僕を見ていない――内藤はそう感じた。
ショボンはどこか虚ろな目をそのままに、カードを1枚引く。そして淡々とゲームを進めた。
・TURN 6-
242
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:44:25 ID:kG7JXMeY0
(´・ω・`)「レベル1、チューナーモンスター:ガスタ・イグルを手札から召喚。レベル4、ガスタの神官ムストにイグルをチューニング……シンクロ召喚」
《ガスタ・イグル》
星1/風属性/鳥獣族/攻 200/守 400 【チューナー】
《ガスタの神官 ムスト》
星4/風属性/サイキック族/攻1800/守 900
( ^ω^)(こいつもレベル5のシンクロ……?)
(´・ω・`)「口上、不要。ただ――"愛"。僕の隣に、ダイガスタ・ガルドス」
《ダイガスタ・ガルドス》
星5/風属性/サイキック族/攻2200/守 800 【シンクロ】
チューナー+チューナー以外の「ガスタ」と名のついたモンスター1体以上
1ターンに1度、自分の墓地の「ガスタ」と名のついた
モンスター2体をデッキに戻して発動できる。
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊する。
( ;^ω^)(ガルドス…! そういやこいつも守備3ケタかお!)
( ;^ω^)(素材に縛り付きとはいえ、軽めに出せて除去能力持ち……ぶつかり合うのは不利そうだお……)
243
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:45:40 ID:kG7JXMeY0
大きな鳥を駆る少女。その少女こそ、かつてショボンが愛した《ウィンダ》に他ならない。
薄暗い図書室にフワフワと滞空する《ガルドス》の姿を眺めて、ショボンは独り言のように言った。
(´・ω・`)「愛したカードで勝てもしない。愛した女で勃ちもしない。戦士としても男としても僕は不具だ」
( ^ω^)「……?」
(´・ω・`)「だから、NBRに呼び出されたとき、最初のナンバーズを見たときに――ここでなら死ねると思った。彼女を持て余したまま死ねば、それで終われると思った」
(´・ω・`)「でも、僕は勝ってしまった。マジックカード、発動」
西日がショボンの影を形作る。
その影が、ゆらり。
244
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:46:25 ID:kG7JXMeY0
シャドール・フュージョン
(´・ω・`)「《影依融合》」
( ^ω^)
《影依融合-Shaddoll Fusion-》
通常魔法
「影依融合」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・フィールドから
「シャドール」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合、
自分のデッキのモンスターも融合素材とする事ができる。
( ^ω^)「は?」
245
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:47:05 ID:kG7JXMeY0
窓から差し込む夕日によって形作られたサンサーラの影。
その影は不気味にうねうねと蠢き、不自然な形にゆがんでいく。
(´・ω・`)「デッキから、シャドール・ファルコンとシャドール・ハウンドの2体を融合―――――」
《シャドール・ファルコン》
星2/闇属性/魔法使い族/攻 600/守1400 【リバース/チューナー】
《シャドール・ハウンド》
星4/闇属性/魔法使い族/攻1600/守 900 【リバース】
ついに、影はひとりでに立ち上がると、《ガルドス》の隣に浮き上がり――
《ガルドス》とよく似た影人形を形作った。
246
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:49:14 ID:kG7JXMeY0
(´・ω・`)「降霊、エルシャドール・ミドラーシュ」
《エルシャドール・ミドラーシュ》
星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800 【融合】
「シャドール」モンスター+闇属性モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードは相手の効果では破壊されない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
その間はお互いに1ターンに1度しかモンスターを特殊召喚できない。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
( ^ω^)
沈黙する内藤。
( ^ω^)(……《x8》、《x9》、《6x》……《69》? 《コート・オブ・アームズ》?)
( ;゚ω゚)(……いや、それどころじゃねえ!!)
現れた影人形をちらりと眺め――ショボンはかすかな笑みを浮かべた。
内藤はとっさに身構える。
247
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:49:56 ID:kG7JXMeY0
(´・ω・`)「ファルコンとハウンドの効果発動、素材となったファルコンは僕の場に裏側表情で蘇り……」
(´・ω・`)「ハウンドは、君の裏守備モンスターを攻撃表示に変える! さっき《クロス・ソウル》で出した、そいつをだ!」
裏守備 DEF ??? → タン・ツイスター ATK 400
《タン・ツイスター》
星6/闇属性/悪魔族/攻 400/守 300
アドバンス召喚したこのカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
この効果を発動した場合、このカードをゲームから除外する。
( ;^ω^)「や、やば……ッ!?」
(´・ω・`)「妙なモンスターを使うね。まあ、なんでもいいんだけど……ガルドスの効果発動、墓地のムストとガルドをデッキに戻し、君の場のサンサーラを破壊する!」
( ;^ω^)「ぬおお……っ!」
ガルドスの杖から放たれた雷を受け、サンサーラの肉体は爆散する。
胸に埋め込まれていたアンクだけが、原型をとどめて地面に落ち――内藤は、すぐにそれを拾い上げた。
( ;^ω^)つ♀ バッ! 「だが、サンサーラの効果発動! サンサーラが破壊された時、それと入れ替わりに墓地のモンスターが1体復活す……」
( ;^ω^)$っ♀ 「るッ!?」
しかし、内藤が腕を振り上げた瞬間、その手首に糸が絡みつく。
248
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:51:10 ID:kG7JXMeY0
(´・ω・`)「わかってるとは思うけど、エルシャドール・ミドラーシュの効果」
糸に引っ張り上げられるように、内藤の腕がひとりでに上がっていく。
細い糸の端は天井へと続いているが、その果ては暗がりに吸い込まれ、見えない――――
(´・ω・`)「ミドラーシュが僕の下にある限り、僕も、君も、1ターンに1回しか、モンスターの特殊召喚が行えなくなる」
( ;^ω^)「……言われなくても、知ってるお」
手首を絞める糸の感触に、内藤は《ミドラーシュ》を睨みつけた。
人形に表情はない。
( ^ω^)(こんなところで、こいつの顔を見ることになろうとは……)
(´・ω・`)「さて……どうする?」
( ^ω^)「言われなくても……その1回を、ここで使う! 墓地より、エアーマンを守備表示で特殊召喚! そしてこのときエアーマンの効果でデッキからD-HEROデビルガイを手札に加える!」
(´・ω・`)「かまわないさ。エルシャドール・ミドラーシュで、エアーマンを攻撃」
どこからか飛び出した無数の糸がエアーマンの全身に絡みつき、ボンレスハムのようにその肉体を締め上げる。
249
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:51:52 ID:kG7JXMeY0
どこからか飛び出した無数の糸がエアーマンの全身に絡みつき、ボンレスハムのようにその肉体を締め上げる。
( ;^ω^)$っ「耐えろ……ッ! リバースカード、オープン!」
しかし、エアーマンの肉体は突如急激なビルドアップを始め、怒張していく筋肉が体に巻き付いた糸を引き千切った。
わずかに目を丸くするショボンを尻目に、内藤はダブルバイセップス・フロントの姿勢で1枚のカードを誇示する。
( ^ω^)「速攻魔法、ドロー・マッスル……発動させてもらったお。デッキからカードを1枚ドローして、エアーマンは戦闘では破壊されない!」
《ドロー・マッスル》
速攻魔法
「ドロー・マッスル」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの守備力1000以下の表側守備表示モンスター1体を対象として発動できる。
自分のデッキから1枚ドローする。
そのモンスターはこのターン戦闘では破壊されない。
(´・ω・`)「ふーん。なら、ダイガスタ・ガルドスでタン・ツイスターを攻撃!」
( ゚ω゚)「ばばばばばばばばばば」LP8000→6200
ショボンは動じることなく妖怪ベロお化けを内藤もろとも雷で焼き払った。
( ;^ω^)「け、けど! アドバンス召喚したタンツイスターが墓地へ行ったとき、これを除外することで僕はデッキからカードを2枚引ける! ドロー!」
(´・ω・`)「すごいね、転んでもただでは起きない。手札がいっぱいだ……まあ」
(´・ω・`)「それを《ミドラーシュ》の前で、どれだけ消化できるかって話だけど……リバースカードを2枚出してターンエンド」
250
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:52:41 ID:kG7JXMeY0
・TURN 6- 終了
( ^ω^) 手札:6 LP6200
場:《E・HERO エアーマン》@DEF 300 / 伏せ:1枚
(´・ω・`) 手札:2 LP8000
場:《エルシャドール・ミドラーシュ》@ATK2200 《ダイガスタ・ガルドス》@ATK2200 《裏守備 ※シャドール・ファルコン》 / 伏せ:2枚
・TURN 7-
( ^ω^)「僕のターン、ドロー。……魔法カード、デステニー・ドローを発動!」
( ^ω^)「手札のD-HERO、ディフェンドガイを墓地に送って2枚ドロー。……」
手札の5枚と引いた2枚。手元の戦力を確かめながら、しかし内藤の顔面は歪んでいた。
( ;^ω^)(……この7枚の潤沢な手札! どうとでもなる、どうとでもなる……普通ならどうとでもなる場面なのに! 相手がちょっと規格外!!)
例えるなら、雑に作ったばかりのデッキ――《サイクロン》すら積んでいないデッキで、当たった相手が《スキルドレイン》《マクロコスモス》を発動し――対抗策が《ハーピィの羽根帚》を引く以外にないことを思い出した時。
例えるなら、エクストラデッキの枠がもったいないからと《ホープ・ザ・ライトニング》を積まなかったようなデッキで―――眼前に降り立った《アポクリフォート・キラー》の突破が、綺麗ごとや精神論を挟む余地すらなく、文字通り「不可能」であると悟った時。
そんな絶望感を、内藤は目の前の相手から感じ取っていた。
251
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:53:29 ID:kG7JXMeY0
( ;^ω^)(どこまで……どこまでカードを揃えているかはわからない……が! 《影依融合》を堂々とぶちかましてくる程度には、まとまった構築がなされたデッキ……どう見たって、パワーが違いすぎる!)
( ;^ω^)(下手に闘いが長引けば、待ち受けるのは間違いなく……)
わずか1枚2枚のカードだけを手札に抱えた自分が、その数倍のカードをバックにちらつかせつつ場に君臨する《ミドラーシュ》に絞め殺される――
頭に浮かんだそんなヴィジョンを振り払い、内藤は手札のカードをひとまとめにすると、そこから1枚のカードを抜き出した。
( ;^ω^)「(だが、とりあえずは……)D-HERO デビルガイを召喚!」
《D-HERO デビルガイ》
星3/闇属性/戦士族/攻 600/守 800
このカードが自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する場合、
1ターンに1度だけ相手モンスター1体をゲームから除外する事ができる。
この効果を使用したプレイヤーはこのターン戦闘を行えない。
この効果によって除外したモンスターは、
2回目の自分のスタンバイフェイズ時に同じ表示形式で相手フィールド上に戻る。
(´・ω・`)「まあ、やっぱそう来るか」
( ^ω^)「デビルガイは時を操る! 効果発動、このターン、僕は一切の攻撃を放棄するかわりに、相手モンスター1体を一時的にゲームから消し飛ばすことができる!」
( #^ω^)「この効果で除外されたモンスターは、僕のターンで数えて2ターン経過するまで戻ってこれない! バトルを放棄! ミドラーシュを……除外しろ!」
(´・ω・`)「うん、かっこつけたのはいいけど、ここまで予定調和だよね。エアーマンでサーチしてたわけだし……だから」
(´・ω・`)「リバースカードオープン。手札のガスタ・グリフを、エルシャドール・ミドラーシュに……」
252
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 20:54:20 ID:kG7JXMeY0
(´・ω・`)「神の写し身との接触(エルシャドール・フュージョン)」
《神の写し身との接触-El Shaddoll Fusion-》
速攻魔法
「神の写し身との接触」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・フィールドから、
「シャドール」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
( ;^ω^)「……そこまで……引いてんのかお!」
(´・ω・`)「そう。僕のデュエルは異物である《ミドラーシュ》をガスタたちの元へ迎え入れることで完成する」
(´・ω・`)「速攻魔法の効果によって、相手ターン中に融合召喚を行う。シャドールモンスター/ミドラーシュに、風属性/グリフを融合し――」
(´・ω・`)「降霊、エルシャドール・ウェンディゴ」
《エルシャドール・ウェンディゴ》
星6/風属性/サイキック族/攻 200/守2800 【融合】
「シャドール」モンスター+風属性モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
「エルシャドール・ウェンディゴ」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターは特殊召喚された相手モンスターとの戦闘では破壊されない。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板