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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

1ルイーダ★:2008/05/03(土) 01:08:47 ID:???0
【重要】以下の項目を読み、しっかり頭に入れておきましょう。
※このスレッドはsage進行です。
※下げ方:E-mail欄に半角英数で「sage」と入れて本文を書き込む。
※上げる際には時間帯等を考慮のこと。むやみに上げるのは荒れの原因となります。
※激しくSな鞭叩きは厳禁!
※煽り・荒らしはもの凄い勢いで放置!
※煽り・荒らしを放置できない人は同類!
※職人さんたちを直接的に急かすような書き込みはなるべく控えること。
※どうしてもageなければならないようなときには、時間帯などを考えてageること。
※sageの方法が分からない初心者の方は↓へ。
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1117795323.html#562


【職人の皆さんへ】
※当スレはあくまで赤石好きの作者・読者が楽しむ場です。
 「自分の下手な文章なんか……」と躊躇している方もどしどし投稿してください。
 ここでは技術よりも「書きたい!」という気持ちを尊重します。
※短編/長編/ジャンルは問いません。改編やRS内で本当に起こったネタ話なども可。
※マジなエロ・グロは自重のこと。そっち系は別スレをご利用ください。(過去ログ参照)


【読者の皆さんへ】
※激しくSな鞭叩きは厳禁です。
※煽りや荒らしは徹底放置のこと。反応した時点で同類と見なされます。
※職人さんたちを直接的に急かすような書き込みはなるべく控えること。


【過去のスレッド】
一冊目 【ノベール】REDSTONE小説うpスレッド【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1117795323.html

二冊目 【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 二冊目【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1127802779.html

三冊目 【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 三冊目【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1139745351.html

四冊目 【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 四冊目【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/19634/1170256068/

五冊目【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 五冊目【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/19634/1182873433/

六冊目【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 六冊目【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/19634/1200393277/

【小説まとめサイト】
RED STONE 小説upスレッド まとめ
ttp://www27.atwiki.jp/rsnovel/

35◇68hJrjtY:2008/05/13(火) 05:13:28 ID:eBxhk3.k0
>黒頭巾さん
おぉ、リングやらバースディやら懐かしい。流行(?)だった当時に買い漁ったものの、数回しか読み返してなかったりorz
SFは当時どうもあまり好みのジャンルではなかったというのがあってなかなか読む機会がなかったのですよね。
でもでも、最近はSFも大好きになりましたし今は無節操に何でもかんでも読み漁っています(笑)
歌の方も気になるところですが、なかなかチャットの方に参加できず申し訳ない。スレにはなるべく出現しようとしてはいますが( ´・ω・)
ふぁみたん話のキャラ紹介もありがとうございます!リク話(私のリクじゃないですが(笑))も楽しみにしています。
---
チャットイベント…もう不定期に実施しちゃっていいんじゃないでしょうか(笑)
気が向いた時に行ったら誰か居るみたいな。まあ皆さんもそこまで時間取れる日ばかりではないとは思いますが…。
もし企画してイベント化するなら個人的には前回参加できなかった人たちに是非来てもらいたいとかはあります。


>スメスメさん
アルとアイナーの馴れ初め話。
登場していきなりあの姿あの狂気っぷりでしたからね、信念に燃えていた頃のアイナー君の姿がとても眩しい。
「自分よりも強い狩り場で戦い続けて目に見えるスピードで強くなっていった」っていうのは私も体験あります(ノ∀`)
低レベル秘密で友達になった人にどんどんレベルが引き離されていくあの悲しさは言葉では言い表せないというか(苦笑)
アイナーがあの姿になってしまったその原因かまたは遠因と思われる「秘術」と「石」というのは。キリエの方も気になります。
続きお待ちしています!

36黒頭巾:2008/05/13(火) 17:54:31 ID:fou9k2gM0
>スメスメさん
Σ禁句ですか、すいません!
そして、奥義なのにナンパ術とは…凄そうなナンパ術ですな。
どんなだろうwktk!
元曲、ソレで合ってます…お好きな方には怒られそうですがガクガク(((((゚д゚;)))))ブルブル

昔の出会いキタ―(・∀・)―ッ!!
うぅ、蟲って装備揃ってない1stや2nd時代には適正ではキツかった想い出。
蟲秘密で出会ったコと今でも付き合いがあったりして勝手に共感してしまいました。
無事に生き残ったコトはよかったですが、あの後一体何があったのか…謎は深まるばかり!
モニタの前で正座しながら続きお待ちしております(ノ∀`*)ペチン


>68hさん
かの作品は私も当時一度読んだだけです(ノ∀`)ペチン
流行っていたから、ではなく…趣味の合った友人が面白いよ、と言ったからでしたが(´ー`)
乱読は昔からの得意技でした…食べ物の趣味とは違い、わりと何でも美味しく頂けマス。

チャットイベントは不定期でも勿論イイと思うのですが、ソレだと中々お時間取れない方や前回参加出来なかった参加希望者さんにはキツイかなぁと。
突発的にやりながらも、公式にこの日ってのも決めて集まれれば…お時間ない方の一つの目安にならないかなぁと思った次第です。
言うだけじゃアレなので、時間出来たら張ってみます(*´∀`)ウフフ
私は新鯖に篭ってるだけなので、夜ならGvとかと重ならなければわりと時間を取ろうと思えば取れるのですよね(ノ∀`)アチャー



…では、いけめんさん話を。


【何となく】ふぁみりあいーえっくすシリーズ【目次】

・ばれんたいんでー
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1200393277.html#322

・ほわいとでー
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1200393277.html#619 〜 同スレ621

・きゃら紹介
>>29

37黒頭巾:2008/05/13(火) 17:55:50 ID:fou9k2gM0
僕はふぁみりあいーえっくす。
僕のごしゅじんさまがどんなに素敵な人かってのは……文字数の関係上、過去ろぐ参照で!
今日はそんなごしゅじんさまと一緒に、ぎるどほーるに来てる。
所属ぎるどは、ぎるどほーるれべるいち。
ほーるのすぺっく、庭なし木造一戸建て。
窓がないからじめじめするけど、広さは十分。
木造なのに酔っ払ったいけめんさんが悪戯にめておをどーんって落としても大丈夫なんだよ!
そんな頑丈なぎるどほーるでも……かびさんにかもされたら困るから、ごしゅじんさまは風雨切ってるけど。
今日は頑張って集めた水の元素をぎるど石像に換えっこする日。
ぎるど石像ってね、ぎるどほーるの後ろの方にある、古代の神様のおっきな石像のこと。
欠片や結晶体を集めると、ものくろな唯の石像に綺麗な色がついてご利益があるんだって。
水の石像の一番の目玉は攻速あっぷ!
Gめんの貴重な壁剣士って種類のはんらさんが「コレでフレ一個上がるぞぉぉぉ」とかはしゃいでたけど、ふれって何だろう……お友達のことかな?
「ちょっと早く来すぎたかなぁ……マスターしかいないね」
ごしゅじんさまの言葉通り、ぎるどほーるにいたのはほーるの主の一人だけ。
その一人は、机に突っ伏して泡をぶくぶく噴いてるいけめんさん。
ごしゅじんさま曰く、明け方まで狩りをしてたらしいいけめんさんは酷くお疲れのご様子。
硬い木の机の上、両手を枕にして幸せそうにすーすーと寝てた。
「マスター、皆集まるまでに起きるかなぁ」
いけめんさんの向かいに座ったごしゅじんさまが、頬杖をついて苦笑する。
無理みたいだよ、ごしゅじんさま。
だって、てれぽーたー前には見慣れたお友達の姿。

「……やっほー!皆揃うの久しぶりじゃない?」
入口で手をぶんぶん振ってるのは、今日も元気なおじょうさま。
豪華などれすも何のその……ぱたぱた駆けてくる姿は優雅と言うよりお転婆姫。
僕ともよく遊んでくれるんだよ!
おじょうさまの後ろから歩いてくるのは、げぼくさんを従えたないすばでぃーなおねぇさま。
やぁ、げぼくさん…お久しぶり!
右手をあげて挨拶した僕に応える様に、げぼくさんはかたかた揺れた。
おねぇさまはね…怒らせたら恐いのは内緒内緒!
そんなおねぇさまのないすなばでぃーから目を逸らしながら歩いて来るのは、はんらさん。
しまーを回すのが大好きな壁剣士さん……今じゃ絶滅危惧種ってゆって特別保護区が作られるとか作られないとかって話もあるらしい。
今も無意味に僕に盾を飛ばしてるのはきっと職業病。
僕に合わせてみにまむさいずになった盾がくるくる回る姿に、実は可愛いもの好きなごきぶりさんが嬉々とした目を向けた。
お名前の由来は、かさかさごそごそと罠を仕掛ける姿がごきぶりみたいだからなんだって。
僕はごきぶりって見たことないけど、ごしゅじんさまは黒い悪魔だって言ってたから……きっと目の前にいるごきぶりさんも強いんだろうなぁ!
しまーに負けじと、まっするさんが僕に光のご加護と硬い鎧をかけてくれた。
一見減った様に見えるえっちぴーばーを見て反射的に治療をかけたごしゅじんさまと一瞬になって、ふるひーりんぐで回復競争だ。
いつもならここでいけめんさんからもあすひや支援が飛んでくるんだけど、生憎すやすや夢の中。
そんな幸せそうないけめんさんの髪の毛をみつあみにしだしたのは、おどりこさん。
くるくる槍を回して戦場を駆ける姿はまるで踊ってるみたいに綺麗なんだよ!
これで、ぎるどめんばー勢揃い。
揃ったからには話題になるのはやっぱり……。

38黒頭巾:2008/05/13(火) 17:57:36 ID:fou9k2gM0
「……で、コレ如何する?」
これ、と呼ばれたのはやっぱり只今幸せ真っ只中のいけめんさんで。
普段は凄くいい人のいけめんさん、一度寝ると中々起きないのが玉に瑕。
ごきぶりさんが、困ったなぁと頬を掻いて提案する。
「……姐さん、いつものアレやっちゃって下さい」
「わかったわ……久々にマスターの美形な顔が苦痛に歪むのを見れるのね……うふふ」
ないすばでぃーなおねぇさまが、恍惚の笑みを浮かべて腰を振ると……そこには、もこもこしたお洋服のお人形さんみたいなねくらさんの姿!
ねくらさんは頭の青い炎で机を焼かない様に注意しながら隣の椅子に攀じ登ると、いけめんさんの耳元に大きなお手々を当ててぼそぼそ囁き始めた。
「nonameが一匹、nonameが二匹、nonameが三匹……」
途端に、幸せそうだったいけめんさんが苦悶の表情を浮かべる。
「姐御の悪夢、流石だな……」
あまりの即効性に、はんらさんが真っ青な顔で呟いた。
周りの皆も頷くしか出来ない。
「nonameが六匹、nonameが七匹、nonameが……」
「や、やめてくれ……」
ずっとねくらさんのたーん。
可哀想ないけめんさんはがたがた震えだした。
「nonameが十匹……」
やめて、ねくらさん……いけめんさんのらいふはもう0よ!
「せめて召喚獣とバラして……ごふっ」
……いけめんさんは力尽きた。

その後、まっするさんのりざで生き返ったいけめんさんは、ばつが悪そうに謝ってた。
皆は少し弄った後で床に円座で座って、集めた元素の出し合いっこ。
「私は98個!」
「おっしゃ、俺104個だから勝った!」
「ふ、甘い……僕は123個も集まったぞ」
「支援BISには2個が限界でした……申し訳ない」
「仕方ないよ、気にしないで……それより、頑張って2個も出してくれたのが凄いよ!」
「そうそう、ありがとう!」
和気藹々と交換して、次々に出来る200個のせっと。
「これ、一箇所ずつならもっと早く作れたんじゃ……」
はんらさん、それは言わないお約束!
「皆が思ったより頑張ったから、嬉しい誤算……だね」
そうそう、そういうこと!
元素の山が3つになったところで、皆の目線はまだ何も出してないいけめんさんへと。
いけめんさんは俯いたまま、懐に手を入れた。
「ふはははは、聞いて驚くがいい愚民共……私は386個だ!」
……いけめんさんが壊れた。
やっぱりまだ悪夢のだめーじから復活してないのかな。
「ええぇぇぇ」
「嘘だろぉぉぉ!?」
「まだ寝ぼけてるんじゃないの?」
「まぁ、冗談は口調だけなんですがね」
皆信じてなかった様だけど、いけめんさんが机の上に出したのは確かに2せっと弱。
いけめんさんは珍しくはっちゃけてみた口調に突っ込んで貰えなかったことにしょぼりしながら、驚き顔のめんばーに説明する。
「明け方のソロ狩り中に、ぽろっとカザヤン出ちゃったから。
 ソレを売ったお金を元手に……300個程さくっと買ってしまいました」
この人、さらりと凄いこと言った!
「運無振りなのにリアルラックだけはいいよな、お前……」
若干運振りのごきぶりさんがお部屋の隅でいじけだしたのも……仕方ないと思う。

39黒頭巾:2008/05/13(火) 17:59:55 ID:fou9k2gM0
結局、皆で持ち寄った元素は全部で5せっと+あるふぁになった。
転送員さんに古都に送って貰って、皆で向かった先は古都南東の製鉄所。
ぎるどめんばーだけじゃなくて、僕にも白い大きな羽をくれるいけめんさんの優しさが大好きだ。
本人は「癖みたいなものだけどね」って笑うけど。
いけめんさんがでっぷりびーる腹のおじさんに元素を渡して、石像と交換してもらった。
その瞬間、遠く離れてる筈のぎるどほーるの石像がれべるあっぷするんだから凄いよね。
このおじさんも魔法使いさんなのかなぁ。
そんなことを考えてる間に、五回終わったみたい。
「ファミちゃん、帰るよー」
ぎるどほーるの不思議な時計を振るごしゅじんさまの言葉に、僕は慌てて駆け寄った。

次の瞬間、僕はぎるどほーるにいた。
ごしゅじんさまの後ろを追いかけて、ぎるど石像に近寄ると。
「……緑、ですね」
「ああ……緑、だな」
思わず固まった皆の目線を独り占めしてる変なとんがった石像は……思う存分、緑一色だった。
「石像ってカラフルなんじゃなかったでしたっけ……」
「だよな……あーあ、勿体ねー。麻雀なら役なのに!」
「ソコなの!?」
皆ちょっとがっかりしたみたいだけど、すぐに和気藹々とねたにして。
完成した石像の前で皆で並んで記念撮影!
かめらも見えないけど、お空の上から撮れるんだって。
魔法って便利だなぁ。
かめらを操作してたらしいいけめんさんが、振り向いてこう言った。
「SSは後でGブログにあげとくよ」
……お写真貰えるぶろぐさんって誰だろう?

その後、こつこつと完成していった他の石像は……からふるで綺麗だったのを、ちゃんと追記しとくね。



…いけめんさん話ってより、Gメンさん話になったのは仕様です。
いけめんさんのキャラ壊れてて、ごめんなさい…書いてた時眠かったんです(ノ∀`)(そんな)

40名無しさん:2008/05/13(火) 21:33:01 ID:UHEVc6Cs0
上げようね^^;

41◇68hJrjtY:2008/05/13(火) 21:49:36 ID:eBxhk3.k0
>黒頭巾さん
いけめんさんの別人格(?)、そしてギルメンのみんなのワイワイ話。楽しかったです。
最初は短編と仰っていたこのお話もなんだかだんだん長編化の兆しが!
しかし、こうしてキャラが増えてくると色々勝手な妄想が始まってしまいます(ノ∀`*)
ふぁみたんの呼び名がまたなんとも言えず分かりやすい…ごきぶりさんって言ったら本人怒るのかなぁ(笑)
いけめんさんのいろんな素顔が見えてもやっぱりいけめんさんはやさしくてカッコいいのさっ!とふぁみたん調に。
次回作お待ちしています。
---
お時間あるのですか、ではもう黒頭巾さんがチャット幹事ということで!(待
やっぱり企画にした方が良いでしょうね…ただ前スレ以来まったく顔を見せてくれないFATさんが個人的に心配。ブログにコメしまくっちゃったしなぁ(;´Д`A

42◇68hJrjtY:2008/05/13(火) 21:53:36 ID:eBxhk3.k0
●○●○●○●○●○●○●○ というわけでチャットイベント企画第二弾 ●○●○●○●○●○●○●○●

またまた企画させてもらいます!

とりあえず第二回チャットイベは第一回で参加できなかった人の参加を優先にしたいと思いますので
希望日をもう少し長い期間で尋ねてみようかと思います(ある程度出揃えばもちろんOKなのですが)。
というわけで希望日などなど、ありましたら小説UPの傍らにちょこっと書いてもらえたら嬉しいです〜。
もちろんROM専さんの参加もお待ちしています。前回は3名のROM専さんがいらしたので嬉しい限りでした!

ちなみに前回は4/26(土)の夜19時からの開始でした。終了時間は例によって不明となっています(笑)

チャットルームURLはやたらにまるごとを貼り付けるのもアレなので、前スレの881を参照して下さい。
また前スレの955には白猫さんによるチャットの心得もあります。まだ読んでない人などは併せてお読み下さい。

43白猫:2008/05/14(水) 22:56:04 ID:HQcswubo0
Puppet―歌姫と絡繰人形―


第一章〜第五章及び番外編もくじ 5冊目>>992
第六章〜第十八章もくじ 6冊目>>924
第十九章 -愛しき君への言葉 迫り来るもう一つの敵- >>5-16



第二十章 激戦の、一歩手前








太陽の日も届かない、地下深くの大迷宮。
 「ッ退けえ!!」
襲い来る狼の胸を爆砕し、ネルは前方にグングニルを放つ。
ガギャン、と見事壁に突き刺さったグングニルは、一瞬後に[爆風]を発動――前方の壁一面を吹き飛ばした。
標的を失ったグングニルが地面に落ちる前に掴んだネルは、目の前に空いた巨大な穴からさらに前進する。
 「ブリッジヘッドにこんな地下があるとは、驚きます」
壁の向こうにいたシーフ達を瞬時に薙ぎ払い、辺りを見回して溜息を吐く。
その後をゆるりと前進していた覆面男は、その無茶苦茶な破壊力に息を呑む。
此処、団長クレリアが発見し、数年前からアジトとして機能している地下道――ブリッジヘッド地下迷宮。
長さは数キロにも渡るこの地下迷宮の最深部に、クレリアがいるはずである。
だが、最深部へ行くには無数の魔物達の攻撃をかいくぐり、進まなければならない。
普段はこの大迷宮を通る必要はない。だが"数千人のシーフ達の探知をかいくぐってクレリアの元へ行く"には、この方法しかないのだ。
作戦の内容はこうだ。

   《戦闘換算レベル450を超える魔物達の群れを抜け、クレリアの元へと行く。
    集団戦闘、個人戦闘、広い場所、閉鎖空間、どちらでも圧倒的な破壊力を誇るネルが先頭を走り、まっすぐ進む》

これだけ。
その[まっすぐ]に嫌な予感を覚えた男は、自分の予感が的中してしまったことを呪う。
ネルは文字通り、壁や階段を無視し[まっすぐ]進んでる。グングニルの破壊力に任せ、全てを破壊しながら進み続けていた。
ルフィエとマイはネルと一定の間隔を保ちながら進んでいる。彼女たちもある程度気配を察知できるので、やられる前に逃げることは可能だろう。
……だが、ネルは本当にムチャクチャな戦い方をしている。
敵は全てモリネルタワーのそれを超える凶暴な魔物達ばかり。並の冒険者なら魔物と遭遇した地点で殺されてしまっているだろう。
だが、ネルはグングニル一本で数十の魔物達を薙ぎ倒してゆく。迷宮に入ってから、まだ一撃ももらっていない。
加えてその体力。
迷宮に入り込んで早一時間。その間彼はずっと、先のペースで驀進を続けている。
彼なら[ドラゴン]も一人で倒せるのではないか、と男は思わず呟いた。
 「覆面、後どれくらいまっすぐ進めば良いのですか」
 「……後、30メートルといったところか」
いつの間にか自分の呼び名は覆面になったらしい。確かに特徴らしい特徴といえばこの覆面とツンツンした髪の毛ぐらいだが……
 (もう少しネーミングセンスというものを――む)
と、その前方。
 「……扉?」
今まで扉だろうと壁だろうと爆砕して進み続けていたネルが、そこでふと立ち止まった。
全長5mほどの、巨大な巨大な扉。
錆びた鉄のような色をしているあたり、かなり古い時代のものに見えるが――
 「地下迷宮にこんなものが……? 無駄に大きいですね」
 「どうしたのネルくん――うわ、でか」
 「ふむ、かなり古い扉だな」
ようやく追い付いてきたルフィエとマイが、ネルの両脇で立ち止まる。
二人とも目立った外傷はない。まぁ、ネルが前方であれほど爆音を鳴らしながら進んでいたのだから、当たり前と言えば当たり前。
その二人を少しだけ見やり、男は扉に触れる。
……冷たい。だが、特に罠の気配もない。
 「罠の気配はないです。行きましょう」

44白猫:2008/05/14(水) 22:56:26 ID:HQcswubo0


 (――よし、来い)
その扉の向こう側、巨大な砲台を構えていた男が薄ら笑いを浮かべる。
自分の位置は扉と2mほどしか離れていない。この、近距離からの砲撃。
幽霊鎧すらも一撃で打倒す威力の砲台である。これほど至近距離で放たれれば、まず間違いなく致命傷を負う。
 (扉を開けた瞬間が、お前らの死ぬときだ――)

   ――ゴッ!!!

ネルは鋭い左まわし蹴りで、その扉を蹴破る。
とてつもない重量のはずの扉が、ネルの蹴りによりバガンと淵ごと外れ、倒れる。
 「へっ!?」
突如傾いてくる扉に、砲台を構えた男が目を見開く。
慌てて逃げようとするが、安全ベルトによって砲台と繋がれており、動かない。
 「――――――!!!」

物凄い音量と土煙と共に、厚さ20センチほどの扉は見事向こう側に倒れた。
見れば、ネルの蹴った部分が凹んでいる。なんというムチャクチャなキック力だろう。
と、
 「……どうやら向こう側に、伏兵がいたようです」
真っ先に扉を飛び越えたネルは、扉と床のわずかな隙間を覗き、言う。
ぇ、と立ち止まったルフィエとは対照的に、やっぱりかとマイは苦笑する。
 「通常の罠ではなく伏兵を仕掛けていたということか。しかし扉の下敷きとは可哀想に」
ええ、と冷や汗をかくルフィエの横を通り過ぎ、男は溜息を吐く。
 「随分と長い回廊だ――主の元へ繋がっていそうだな」
 「こんな場所に一人だけ配置していた……ということは、かなりの実力者だったわけですか?」
 「そんな奴が扉に押し潰されるか? 普通」
 「…………」
なんとも後味の悪い勝ち方に、ルフィエは小さく溜息を吐いた。

45白猫:2008/05/14(水) 22:56:47 ID:HQcswubo0



 「…………」
ヴァリオルド邸、第二武器庫。
ほぼ毎日此処に入り浸っているカリンは、目の前の剣にグクリと唾を飲み込む。

   [哀咽剣]

間違いない。
遥か古代に打たれ、現代まで誰一人として扱うことのできなかった呪われた剣。
血と嘆きにより汚れた刀身は、まるでカリンの心を映すように、黒く煌いていた。
 (これだけ大量に剣があるんだ、一本くらい無くなっても――)
そう思いかけたカリンは、しかしブルブルと顔を振ってその思いを断ち切る。
が。
 「…………」
少しだけ。
少しだけなら、大丈夫。
そう心中で思い、カリンは哀咽剣に手を伸ばす。
 「カリンお姉ちゃん?」
 「!」
剣まであと数センチ、というところで、後ろからメアリーの顔をかけられる。
その方向を見やり、物凄い形相でメアリーを睨む。
が、メアリーは首をかしげ、カリンの横へ歩く。
 「きれいな剣だね、カリンお姉ちゃん」
 「……きれい?」
メアリーの言葉に、カリンは剣へと視線を戻す。
哀咽剣は真っ黒に穢れているように見える。目を細めて凝視しても、お世辞にも[きれい]とは言えなかった。
 「カリンお姉ちゃんとおんなじ、黒くてつやつやしてる」
 「……!」
その言葉に、カリンは目を見開いた。

   "カリンと同じ"。

 「…………フン」
鼻で笑い、カリンは上げていた手をゆっくりと降ろす。
なんだか気分が削がれてしまったカリンは、踵を返して倉庫から出て行ってしまう。
それを見たメアリーは、慌ててカリンの後を追う。
 「カリンお姉ちゃん、待ってよー」
 「うるさい、付いて来るなチビ」






アリアン、傭兵ギルド。
 「だ―――――――――――ッッッ!!!!!!!」
ガシャーン、と机をひっくり返し、蒼髪のランサー……アーティが椅子から立ち上がった。
机の上に乗っていた無数の書類、羽ペン、インク、ついでにコーヒーカップが辺りに散らばり、やかましい音を立てる。
イライラした様子で部屋の端に立てかけてあった槍を掴み、窓の額縁に手をかける。
 「アーティはん、何処行くねん?」
 「…………」
その後ろ姿を呼び止めたカリアスは、部屋中に散らばっていた書類だか紙屑だかを見やり溜息を吐く。
手に持っていた書類の山を棚に置き、アーティへ詰め寄る。
 「一人だけ逃げようなんて虫のええこと考えてへんやんなー?」
 「……書類多い。無理。死ぬ。書類死する」
 「書類死て何やねん書類死て。まだ半分も終わってへんねんから、頼むから暴れんといて下さい」
 「……フッ、甘いわっ!!」
カリアスの言葉に、アーティは手に持ったランスを旋回させる。
途端に巻き起こる旋風に、カリアスは「げ」と一歩下がった。

   「『 シャベリンテンペストォッ!! 』」



 「ててっ……」
地面に突っ伏し、立ち上がったカリアスは痛む体で辺りを見回す。
先に持ってきた書類諸共、部屋中は紙屑で無茶苦茶な状態になっている。室内で嵐なんて起こればそうなっても不思議ではない。
そしてやっぱり、アーティの姿はどこかに消えてしまっていた。
 「……これで何回目の脱走やねん」
お転婆にも程があるアーティの行動に、カリアスはゆっくりと溜息を吐いた。
ちなみに、アーティはまだ怪我人である。

46白猫:2008/05/14(水) 22:57:11 ID:HQcswubo0



ブリッジヘッド地下迷宮に突入してから、早二時間。
 「だーかーらー! 絶対右のボタンですって!!」
 「いーや違うな! 絶対左のボタンだこれは!!」
ようやくクレリアの部屋の前まで到着した四人は、最後の最後で奇妙な仕掛けに足止めを食っていた。
目の前にはクレリアの部屋へと続く扉。
表面が焦げているのは、最初にネルが[爆風]で破壊しようとした跡。
いや、グングニルどころか、マイの[唄]で上乗せされたルフィエの[スーパーノヴァ]や覆面男の持っていた手榴弾数発、ネルの超人的な破壊力の攻撃を持ってすら、この扉は破れなかった。
戻る道はない。扉に攻撃を加えた途端、背後の扉にロックがかかってしまった。
背後の扉も前方の扉と同じことを行ったが、結果は散々である。

そして、扉横にある2つのボタン。

そこにはかわいらしい文字で「どっちかを押すと扉が開いて、どっちかを押すと死にます☆」と書かれている。
それを見るや否や右のボタンを押そうとしたネルを引きとめ、今しょーもない口論が起こっていた。
 「僕はこういう二択は得意なんです! いいから黙って右のボタンを押させなさいっ!!」
 「信用ならんなお前は! そもそも出口が閉まったのはお前が攻撃を加えたせいだろう!!」
 「それはそれです! そもそもこの中だと僕が一番運がいい!!」
 「スターライトを使えば私の方が上だッ!! そこを退けえッ!!」
ネルがボタンを押そうとすればその手をはたき、
マイがボタンを押そうとすればその手を蹴り上げ、
ボタンをけり押そうとすればその足に光弾を投げつけ、
その隙にボタンを押そうとすればその眼前にグングニルが突き刺さる。
なんだか徐々に危険な空気になっている。

部屋の端っこで体育座りをしていたルフィエは、溜息を吐いて空中に絵を描く。
右側に「右」、左側に「左」と書き、中央に区切りの縦線をシャッと走らせる。
 「ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な、て、ん、の、か、み、さ、ま、の、い、う、と、お、り」
右左右左と交互に指すルフィエは、首を傾げながら言い続ける。
 「か、き、の、た、ね、ちゅっちゅくちゅーのちゅ、ちゅ、ちゅ」
ピタリ、と止まった指は、左を指した。
 「決まりー! 左を押そう!」

   「「ルフィエうっさい!!」」

ネルはともかく、左を押すと言っていたマイにまで怒鳴られルフィエはむすっとする。
再び体育座りで地面に座り込み、今度は地面に光の線を描いていく。
 「右に倒れたら右。左に倒れたら左ね……」
スターワンドを地面に立て、えい!と手を離す。
パタリ、と倒れたワンドが指す方は、右。
 「決まりー! やっぱり右押そう!!」

   「「どっちだよ!!!」」

覆面男は寝てる。

 「………………………………………………………」
異様に長い沈黙の中、クレリアはイライラしながら目の前の扉を睨む。
その扉の向こうにはネル達がいるはず――というか、いる。
先からやかましい声が聞こえてくる。このときほど、扉に防音設備を整えなかったことを後悔した。
実のところ、ボタンはどちらを押しても即、天井が落ちるという仕組みになっている。
要するにボタンさえ押してくれれば、彼らはお陀仏なわけだが――

 「だーかーらー! こういうのは僕に任せればいいんですよっ!!」
 「ええい! うっさい、四の五の言わずに私に押させろっっ!!」
 「ねージャンケンで決めようよ〜」
 「「うっさい!!」」

 「……いつ終わるんだこいつらのコレは」

47白猫:2008/05/14(水) 22:57:39 ID:HQcswubo0



十分後。

 「……もうこうなったら、ボタンを押さずに扉をぶち抜くしかないようですね」
 (何故そうなる!?)
(ノヴァが体に数発炸裂した跡のある)ネルの殺気立った声に、クレリアは目を見開く。
慌てて扉から離れようとするが、しかし思い出す。
この扉はミスリル合金製。さらに防護魔法を数十加えることで、無双の防御力を誇る。
いくら攻撃力が高い武器を使おうとも、この扉は破れない。
 「ルフィエ、女神を」
 「うん」
ネルに頷きかけ、(とばっちりで火傷した)ルフィエはスターワンドを鋭く払う。
途端にネルを包み込む、金色の光。
それを目を細めて見やり、(全身ズタボロな)マイは端のほうで寝ていた(やっぱりというか無傷の)覆面男を蹴起こした。
 「……どちらを押すか決めたのか?」
 「いいや。扉をぶち抜くことにした」
 「…………」
絶句する覆面男を引きずりながら、部屋の奥へと下がった。

白く煌くグングニルを肩に番え、ネルは両足の間隔をさらに開く。
腰を低く落とし、右手に込められるだけの力を込めた。
 「ッスゥ――――」
肺いっぱいに息を吸い込み、小さく吐く。
右手の甲に埋め込まれたエリクシル、その輝きを見やり、ネルは少しだけ微笑んだ。
 (おまえの力が必要だ、エリクシル)
その紅に煌く宝石の中、
無限とも思える膨大な魔力の渦。その中から、一握りの魔力を取り出し、燃やす。
この扉をぶち抜くには、単なる[槍の力]だけでは足りない。
唯一無二の[破壊神の槍]たる、その力を極限にまで引き出す。
それが、必要不可欠なのだ。
 「……エリクシル、[第三段階]」

ネルの呟きと同時、

ネルの体を紅色の炎が覆い尽くし、その全身を紅色に彩る。
その光景を目を細めて見やったルフィエは、胸の十字架を握り締め、心中で呟く。
 (どうして、なの)
徐々に形作られていく全身鎧や[深紅衣]、巨大な仮面にルフィエは顔を俯かせる。

   怖い。

そう思ってしまった。ネルのことを見て。
それほどの魔力が、部屋全体を渦巻き、包み込んでいた。
以前見た[第三段階]とは違う――なにかが。
と、
 「――!!」
ネルの髪の色が、染め上げられてゆく。
見惚れてしまうほど美しい、紅色へと。
いつの日か見た――[第四段階]のときと同じだ。
 〈ルフィエ、[断罪者]にはならぬよう〉
 (分かってる)
むかつく胃を抑え、ルフィエは深呼吸をする。
最初は早く、徐々にゆっくりと。
ようやく落ち着いた後、ルフィエはネルの姿を見やる。
ネルの左側に立っているルフィエは、その仮面のせいで顔を見ることができない。
だが、彼がどんな顔をしているか――それは、簡単に分かった。
 「ルフィエ、信じてて」
その言葉で、分かった。
 「僕が、護るから――君を」
 「……うん」


 「――アアアァアアアアアアッッッッ!!!!!」
体中に溜めた力を、一気に解放する。
右手に番えた槍に全神経を注ぎ、右足をさらに深く、左足をさらに強く踏み込んだ。
 「――『 破(トライ)、槍(デント)ッ!! 』」
そして、グングニルが放たれた。
ルフィエの力たる金、ネルの力たる紅、グングニルの力たる白の混ざりあった、魔力と共に。

凄まじい勢いで、ほぼ零距離から放たれた槍は、

とてつもない音と共に、前方の扉をぶち抜いた。

48白猫:2008/05/14(水) 22:58:03 ID:HQcswubo0




 「……ひゃー。私たちがあれだけやっても壊れなかった扉を、ああも易々と壊すか」
言葉と裏腹に、マイはやけに嬉しそうである。
そのマイと対象に、覆面男はぐったりとした顔で目の前、扉の縁ごと消滅し、ポッカリと空いた穴を見やる。
 「ネルくん、やったね」
 〈見事です。この短期間で[破槍]まで覚えてしまいましたか。やはり貴方はワルキュ――〉
 「ほら、いいからさっさと先に進みますよ」
向こうの部屋、すぐ傍の床に突き刺さっていたグングニルを引き抜き、ネルは辺りを見回す。
シーフギルドの団長が使う部屋――にしては、特に何も置かれていない。
唯一目に入るのは、部屋の奥に置かれた肘掛椅子、そしてその後ろに飾られた、ヴァリオルドのタペストリー。
ご丁寧にも逆さまに飾り、真っ二つに裂かれている。最も、ヴァリオルドを憎む者は少なくない。こんなもの、今まで捨てるほど見てきたが。
それよりも、今はクレリアがどこにいるか――
 ([先制攻撃]で探知できる範囲内にいない――!?)
扉を破る前までは、奇妙な気配を感じていた。
この上なく忌々しく、そしてどこか懐かしい気配――クレリアの気配。
[先制攻撃]の範囲から瞬時に離脱することなど有り得るはずがない。
 「――覆面! 奴はポータルスフィアを所持しているのですか!?」
ポータルスフィア。
瞬時に大陸間を移動できるほどの魔力を込めた宝玉。
さらに持主の運字体を上昇させることもできるが、この宝玉一つで家が5つは立つため好き好んで買おうとする者は少ない。
だが、自分がグングニルから意識を離した一瞬――[先制攻撃]が解除された一瞬――の間に、クレリアの気配が消えた。
 「それはない。第一、この地下迷宮でそんな物は使えん」
 「……僕以上の速度で移動はない、スフィアが使用不可能、となると――」
そう呟き、ネルは己の足元を見やった。

そこに刻まれている、血で描かれたような赤の線。
その線は部屋の床いっぱいに続き、まるで何かを描いたかのような――
 「――マイ! "これ"、解読できますか!?」
 「ん」
ネルの言葉に、マイは部屋の中へゆっくりと入る。
目を細めてその線を眺め、
 「ああ、分かった」
 「早っ」
即答した。
ルフィエの呟きに苦笑し、マイはネルを通り過ぎて部屋の中央に立つ。
 「これはエナジーフィールド――平たく言えば魔方陣だな」
 「マホージン――て何ですか?」
首をかしげてルフィエの方を見やるが、ルフィエも首を横に振る。
まぁ無理もない。と肩を落としたマイは、部屋の奥の肘掛椅子に腰かけた。
 「魔方陣は簡単に言えば――魔力の"場"みたいなものだ」
 「場――範囲のようなものですか?」
ネルの冒険者、武術家としては至極真っ当な答えに、マイはしかし目を閉じる。
 「似て非なるものだ。"それが影響を及ぼすことのできる場"が範囲ならば、魔方陣の"場"は「魔力そのものが影響を及ぼすことができる場」だ」
 「…………?」
どうにもマイの言い回しは難しい。ネルはその半分も理解できない。
かろうじて理解できたらしいルフィエも、こめかみに指を置いてうーんと唸っている。
覆面男は鼾をかき始めてる。どこででも寝れるのかこの人は。
 「魔方陣はその場の魔力を自動的に起動する力を持っている。まぁ、例えばの話――」

49白猫:2008/05/14(水) 22:58:27 ID:HQcswubo0

@わかりやすい(?)マイ先生の魔方陣講座@

マ:仮に、私とネル公が戦ったとする。神器の使用は不可とするぞ。

ネ:100パー僕の圧勝ですね。

マ:やかましい。……でだ。私とネルが15mの距離を空けて立っていたとする。私の射程は10m、ネル公の射程を5mと仮定するぞ。

 :このとき、双方の攻撃は相手には届かない。攻撃範囲の中に相手がいないからだ。これは理解できるな?

ネ:ええ、まぁ……。

ル:だいたいは、ね……。

マ:だが私が一歩も動かなくても、ネル公に攻撃を当てる方法がある。それが[魔方陣]だ。

 :魔方陣はいわば"即席の神器"だ。魔方陣を描き、そこに魔力を込めるだけで、魔方陣は自動的に発動する。

ネ:具体的にどうなるんですか?

マ:魔方陣は、その形と描かれるルーン文字によって効果は異なる。地雷のように中に入った者を攻撃することも、逆に回復することも可能。

 :さらに、術者の魔力を増強させることも減衰させることも思いのまま――分かったか?

ル:術者を強くできちゃうんだ――どれくらいの効果があるの?

マ:効果は式が高度なものであればあるほど増す。私の魔方陣はそうだな、精々70%といったところか?

ネ:術の威力も射程も七割増……おっそろしいですね、魔方陣。

マ:ま、実際の戦闘で魔方陣なんぞ使えんがな。書く時間ないし。

 :だがやろうと思えば衣服に魔方陣を描いておくことくらいわけない。実際、私も背中に魔方陣のタトゥーを入れてるからな。



   :要するに私の圧勝だ、ハッハッハッハ!!!

ネ:………………。

ル:(絶対これが言いたかっただけだ……)

@わかりやすい(?)マイ先生の魔方陣講座でした!@

50白猫:2008/05/14(水) 22:58:53 ID:HQcswubo0


 「で、魔方陣のことは分かりましたから……問題は、これが何の魔方陣かってことです」
 「ああ、これ。私がず――――――――っと前に……修業時代お遊びで書いた魔方陣だ。瞬移の」
ネルの言葉に、思い出したようにマイが頷く。
うんうん、と何度も首を縦に振るマイを見、ネルはそうですか――と頷きかけて、

止まった。

 「……………………瞬、移?」
 「……瞬間、移動?」
 「テレポートのことか?」
三者三様の反応に、マイは頭をガリガリと掻いて笑う。
 「あー、そ。テレポート。これなら魔力さえあれば、フランテル中どっこにでも飛べるだろうな。ハッハッハ。若い頃の私の才能が憎いなー!」
が、
ドズン、とネルの足が、一歩部屋の奥へと踏み出される。
コンクリートで固められているはずの床にネルの足が埋まり、マイはビクッとする。
全身からまさに憤怒のオーラを撒き散らすネルは、ゆっくりとマイに微笑みかける。
 「要、する、に。あなたが書いたこの魔方陣がいつの間にかクレリアの手に渡って、いつの間にかシーフギルド内で使われるようになって、いつの間にかクレリアはこれで逃げ出したってことですかねぇ? マイ?」
 「あー……いや、えーっと……」

   「往生せいや―――――――ッッッッ!!!!!」
   「勘弁しろ―――――――ッッッ!!?」







十五分後。

 「なんで最初から後を追えるって言わなかったんですか」
グングニルを煤だらけの床から引き抜き、ネルは溜息を吐く。
その目の前、小声で「若干チビッた……」と震えるマイは、慌てて立ちあがって涙目で怒鳴る。
 「言う前に襲いかかってきただろうがッッ!!!」
 「そうでしたっけね? いいから早くやってください」
抜け抜けと言うネルを睨み、マイはブーツで床を二度、カンカンと叩く。
途端、抉れたり盛り上がったりしていた床が平らに均され、赤色の文様――魔方陣が再生する。
 「"逆転魔法"で行き先を特定する」
 「逆転魔法くらいなら、私が――」
 「いい」
ルフィエの言葉を遮り、マイは魔方陣を撫で、笑う。
 「あなたには、大仕事があるだろう?」
 「…………?」
微笑んだマイに首を傾げ、しかしルフィエは黙ったままその姿を見やる。
しばらく魔方陣に手を当て黙っていたマイは、やがて立ち上がり、言った。
 「古都ブルンネンシュティングへ繋がっていたようだな」
 「…………!」
その言葉に目を見開いたネルは、しかし頷く。
クレリアは十中八九ヴァリオルド邸だ。一体、何を考えている。
 「この魔方陣、今すぐ起動できますか」
 「できる。――が、生憎と私の魔力では"ふたり"が限界だ」
 「ふた、り――」
 「そう。ネル公と小娘の二人」
心配そうに俯くルフィエに微笑み、その背中をぐいと押す。
 「ほら、さっさと行ってこい」
微笑むマイを首を傾げて見やりルフィエは、しかしとりあえずその指示に従う。
ネルとルフィエ、二人が魔方陣の中に入ったのを見、マイはゆっくりとしゃがみ込み、両手を魔法陣に当てた。
そして、一瞬。

音もなく、その場からネルとルフィエの姿が掻き消えた。



FIN...

51白猫:2008/05/14(水) 22:59:15 ID:HQcswubo0
おまけの番外編


 ガチでバトル、しようぜ!



古都襲撃事件後の、オアシス都市アリアン。
多忙を極めた四月も終わりに差し掛かり、ようやくネルはアリアンの傭兵ギルドをルフィエ、カリアス、アーティ、カリン、アネットと共に出た。
 「傷を癒す暇なくこれはキッツいわー……」
肩を回しながら、うんざりとしたようにアーティは言う。
それもそうだ。ベッドから起きた途端に仕事が用意され、養生などろくにしていない。
傷そのものは塞がってしまっているが、それでも傷に障るものは障る。
その点なんにもやっていないアネットとカリンは、抜け抜けと感想を漏らす。
 「アリアン傭兵ギルドも大したことないわねぇ」
 「どいつもこいつも、弛んでいる……」
その二人の感想に、同じく何もやっていないルフィエがクスリと笑う。
 「私たちも今月は修行どころじゃなかったから、弛みまくりじゃないかな」
そのルフィエの言葉に、しかしネルは目を細める。
 「……僕は鍛錬は欠かしてませんが?」
 「え」
 「オレもや。瞑想は日課やからな」
 「え?」
 「修行サボってたの、ルフィエだけじゃない?」
 「えっ!?」
あわわと手を振るルフィエに笑い、しかしネルは言う。

言ってはいけない言葉を。

   「でも、ルフィエの実力はこの中でも抜きん出ていますからね」



しばらくの、沈黙。
最初に口を開いたのは、カリンだった。
 「……聞き捨てならんな。最強は私に決まっている」
その言葉に目を細めたのは、カリアスだった。
 「はぁ? 何言うとんねん、最強はオレかアーティはんやろ」
その声に剣を握ったのは、アネットだった。
 「それは違うわね……ちいちゃな坊やが、私に勝てると思ってるのかしら?」
最後に油を注いだのは、ルフィエだった。
 「いちばん強いの、ネルくんだと思うけど……」

その後、数分の議論の末に「実際にやり合おうじゃねえか」みたいな物騒な提案がされたのは言うまでもない。

52白猫:2008/05/14(水) 23:00:36 ID:HQcswubo0

①ネリエルvs②ルフィエvs③カリアスvs④アーティvs⑤カリンvs⑥アネット。

厳正な(くじbうわなにをするやめ(ry)審査の結果、以下の対戦表となった。

第一回戦 カリアス vs アネット

第二回戦 ルフィエ vs ネリエル

第三回戦 アーティ vs カリン

準決勝 一回戦勝者 vs 二回戦勝者

決勝戦 準決勝勝者 vs 三回戦勝者

 「……アーティはんと黒騎士、せこないか?」
 「運も実力のうちよ」
 「そういうことだ」


・ルール・
どちらかが気絶するか、負けを認めるか、反則を犯すかするまで続けられる。
反則
  相手(男)の急所(大事なところ)を攻撃する。
  アイテムを使用する。
  その他審判が反則と判断するような行為を行う。


第一回戦

古都の守護神、フランテル最速の冒険者
[白の魔術師]カリアス=ハイローム

vs

ヴァリオルド家長女、[月影団]首領
[紅豹]アネット=ライラ



試合開始。






 「んじゃま――!?」
速攻でヘイストを発動しようとしたカリアスの眼前、

既にアネットは、軽快なステップでカリアスに向けて剣を突き出していた。
 「ッ!?」
術の詠唱を中断し、カリアスはその突きを咄嗟に避ける。
バックステップで距離を取り、再び詠唱しようと息を吸う。
が。
アネットはその合間にもさらに前進、長剣とは思えない速度でその剣を払う。
それを杖で受け止め、カリアスはようやくその場に踏み止まった。
ギリギリと杖越しに感じる、アネットの凄まじい腕力。
この細い腕から、一体どうすればここまで強い力を出せるのだろう。
 「フフ――直接手合わせするのは初めてかしら。だけど、そんな小賢しい杖じゃ私は倒せない」
小賢しい杖、というアネットの言葉に、カリアスの目付きが変わった。
この杖は普段の[通常戦闘用の杖]ではない。正真正銘、[対人外用の杖]である。
つまり、カリアスの最も愛用する杖。
アーティやカリアスのように、一流の冒険者は自らの武器には少なからず愛着がある。
それを侮辱されるということは、自らを侮辱されたに等しい。
 「――小賢しいか、見せたるやんけ……『 フレイム・ストーム 』」
と、カリアスとアネットの間。
僅かに空いていた隙間で、炎の球が凝縮される。
 「!」
それを目ではなく肌で感じたアネットは、咄嗟に足に黒い靄を纏わせ、跳んだ。
一度の跳躍で、しかも前屈という体勢から一瞬で数メートルの高さまで。
一瞬遅れて、カリアスの胸の辺りから凄まじい勢いで炎の塊が吐き出された。
反応が遅れていたら、恐らく火傷では済まない威力。
その炎を見やり、アネットは小さく首を傾げる。
 (……モーションが無い?)

53白猫:2008/05/14(水) 23:00:59 ID:HQcswubo0
自分は剣で、確実にカリアスを仕留める為に杖を封じていた――はずである。
だがカリアスはそれにも関わらず、フレイムストーム"ともう一つの術"を発動した。
通常なら有り得ない速度。一度目の呪文は詠唱すら聞こえなかった。
 「……凄いわね、カリアス=ハイローム。モーションがない上、ヘイストは詠唱もなし?」
空中から、いつの間にかエンチャントと水の壁を纏ったカリアスへと笑いかける。
相対するカリアスは、小さく呪文を呟き[リビテイト]を発動する。やはり、モーションは無い。
これでは相手にブロックさせようとも杖を破壊しようとも、やすやすと術を発動される。
 (んっとに厄介)
戦いは激化すればするほど、"相手の術をどう防ぐか"ではなく"相手の術をどう発動させないか"というところに重きが置かれる。
一撃決まれば致命傷という威力を持つ術がほとんどなのだ。発動させないことで、相手を倒すしかない。
だが、カリアスは違う。
カリアスの攻撃は、"どこからが攻撃でどこからが技なのか"分からない。
しかも通常の攻撃も半端ではなく速いと聞く。まともに戦い続けても、体力を消耗するだけ。
ダラダラと長く続けるのも趣味ではない。
 「ッスゥ――」
上空で息を吸い、肺いっぱいに空気を送る。
準備術は必要ない。空には巨大な満月が輝いている。
両手で剣を掴み、地面のカリアスに怒鳴りかける。
 「本ッ気の一撃でケリをつけてあげる……防御も回避も不可能なこの術、受けてみなさい」
 「…………」
アネットの言葉にではなく、構えにカリアスは杖を握り直す。
彼女の構え。あれは間違いなく奥義[月光斬]の構えだ。
アーティにあの術の特性はよく聞かされている。彼女自身も、あの術で深手を負ったことがあるという。
その一撃が今、自分へ向けられる。
逃げようとは思わない。逃げられない術であるかどうかは関係がない。
ここで逃げれば、自分は試合に勝とうとも、勝った気分にはなれない。
 「……相手の奥義を跳ね返してこそ、完全勝利やな」
そう言い、カリアスは両手で杖を握る。
己の魔力を全て集め、あの術へぶつけるのだ。

 「『 ――月光斬ッ!! 』」
 「『 ウォーター、キャノン――!! 』」

金色の煌きを見、カリアスは誤算をした。
一つ。ウォーターキャノンを出すタイミングが、僅かに速過ぎた。
これでは失速し、威力が乗りきらない。
二つ。[月光斬]の攻撃範囲が、思ったより広い。
ウォーターキャノンを槍のように放ってしまい、これでは相殺できな――




 「ってことで、勝者アネット=ライラ〜」
 「うっせうっせ!!」
 「ま、当然ね」
特大の[月光斬]を喰らい、半アフロ状態になったカリアスを見、ビッショビショになったアネットが得意げに笑う。
やはりカリアスのウォーターキャノンは、[月光斬]を相殺できなかった。
だが槍のように中央に集めた水の怒涛が、アネットを飲み込み服を濡らしてしまったわけだが。
だが、とりあえず水と閃光では威力がそれこそ桁で違った。
見事に[月光斬]でカリアスを下し、アネット=ライラが準決勝へと進む。


つづけ。

54白猫:2008/05/14(水) 23:01:20 ID:HQcswubo0
おまけのさらにおまけ




999字小説


それは種。
それは一人の女の子が埋めた種。
戦で滅びてしまった古都の跡地に埋められた種。
世界は海で繋がり、魔法も廃れ、科学の先行した時代の種。
それを、少女は古都の、小さな塔の近くに埋めた。
この辺りに、草木は一本も生えていない。
度重なる戦で腐敗した土に、生命は宿ることはできなかった。
それでも少女は、種を埋めた。
いつか大きな花が咲く――そう願い、そう信じ、少女は埋めた。

少女は毎日水をやった。
水は吸収されず、黒く薄汚れた水溜りとなって残ってしまった。
それでも少女は、毎日水をやった。
人が腐敗した土に触れ続ければどうなってしまうか分からなかったというのに。
それでも少女はずっとずっと、水をやり続けた。


やがて時が経ち、少女は女になっていた。
若い男と野を巡り山を越え、旅をする最中。
女はふと、十年前のあの跡地を思い出した。花は咲いているだろうか?
いや、咲いているはずがない。あの地は腐敗し、草木一本生えることはなくなってしまっていたのだから。
だが興味は湧いた。もしもあの種が芽を出し――花を咲かせていたら。
きっと再び、あの地に活気が戻るだろう。
そう思い立った女は、男を説き伏せ、あの跡地へと向かった。

だがやはり、そこには花どころか、芽すら出ていなかった。
やはりそんなものなのか…と女は諦め、そこを後にした。


やがて時が経ち、女は老婆になっていた。
あの時の男と結ばれ、子宝に恵まれ、決して裕福ではなかったが、幸せな家庭を築いた。
そしてあの時の男が死に、一人身となった老婆は、唐突に種のことを思い出した。
 (そうだ――あの時の種を見に行こう)
そう思い立った老婆は、すぐ跡地へと向かった。
だが、花は咲いていなかった。
あのときの跡地のままの姿だけが、残されていた。
草木一本生えない。ということは、やはり正しいのだろうか。
そう諦めかけた老婆は、しかし考えた。今からでも遅くはない、もう一度、水をやってみよう。
老婆は跡地の近くに小屋を建て、毎日種に水をやった。


やがて老婆はこの世を去った。
それから数百年後、跡地の腐敗した土もいつしか太陽に焼かれ雨風に打たれ、その毒素も抜け切った。

そんなある日、一人の旅人がこの跡地へとやってきた。
その旅人が、真っ先に見たもの。


それは、古都の跡地でただ一つ咲く、小さな小さな美しい花だった。

55白猫:2008/05/14(水) 23:01:43 ID:HQcswubo0

---
どうも、ご無沙汰しております、白猫です。
今回は嵐一歩手前仕様となっております。20章で完結という目標は無理でしたので、25章完結を狙おうと思います(コラ
今回は半分くらいユルーいお話で構成されています。白猫のおふざけです。

>之神さん
おほめの言葉ありがとうございます、ANDラストバッターお疲れ様でございます。
…��
すみません、いつもの癖でやっちまいましたorz
今度からゴールドを心がけますorz

>名無し(68h)さん
ありがとうございます。本命は999番だったのですが、まぁ結果オーライというやつです笑
前回の手法は「過去」視点で書くので臨場感に欠けるのですが、諸々の事情であの手法へ。
次から次へとポロポロ謎が出てきますが、最終章になんとかまとめようと思います。
最終章でもまとめられないものは次回まで引っ張ろうと思います(ぇ
これからどんどん物語が暗くなっていくかと思いますが、どうか最後まで眺めてやってください。
---
GW、人がいっぱいであんまり楽しめませんでした…orz
テスト期間にもうすぐ突入してしまうため、またIN時間が……。

第二回チャットイベ。
私の予定は「午後八時以降」のみです。平日だろうと休祝日だろうとINはできますが、部活の関係上8時以前は厳しいです。
参加ができれば、楽しみにしています〜!



>黒頭巾さん
クレリアの設定を考えている時に「兄貴とか面白くね?」と思いついただけなのです(オイ
クレリア編をまだ引き延ばす私。さあお言いなさい、「おばかさん」t(ry

ということで、最終章まで出ないカリアスを。勝たせるつもりだったんだけど、気付いたから負けてました。てh(殴
私はRSを始めた時、ウィザードは絶対に眼鏡キャラだと思っていました。キャラ選択の画面を見てがっかりしたのは言う間瀬もありませんorz
---
若干壊れかけのいけめんさn……いけめんっちが楽しくて楽しくて……(コラ
私も一度BISでファミにブレスを回したことがあるのですが、
あれ名前がついてても難しいものなんですよね……どこまでかけたっけ、あれ?ということが多々……orz
次回は何だろう……ギルドネタ続きでGv編? 時事ネタならそろそろ梅雨……ともあれ、続きを楽しみにしていますね。




さて最近、次回作を真剣に考えています。
一応ネタは3つ上がっており、その内2つは短編仕様なので全部やろうとは考えていますが……。
①フランテルの東、架空の海[スバイン海]を舞台とする海賊のお話
②声の出ない少女と記憶を失った少年の、ビルスを舞台とする小さなお話
③[ルヴィラィの内乱]後の古都を舞台とする、二人の魔術師の冒険記

この1,2,3は一応番号順に執筆を開始しています。
二番についてはもう話の筋は完成していますので、このまま突っ切ろうと思っております。


では今回はこの辺で失礼します。
白猫の提供でお送りしました。

56◇68hJrjtY:2008/05/15(木) 00:04:51 ID:q4tF/sLE0
>白猫さん
いつもなら書き手さんの小説が2、3個ほどUPされてからレスするようにしている私ですが(スレ消費抑止)…
前回仰っていた999文字小説までUPされてる(*´д`*) てなわけでレスしちゃいます(笑)

Puppet20章。今回は(前回もちょこっと)コメディ仕様といいますか、なるほど嵐の前の静けさを醸し出していますね。
今までの展開が展開だけにほのぼのシーンの連発にはこっちも頬が緩みっぱなしでした。覆面さん、何気に気に入りました(笑)
悪く言えば無駄足で終わってしまいそうになりつつも、ブリジ編はマイやクレリアといった新キャラでありつつネルたちにも深い繋がりがあるキャラが総出ですね。
そして一方その頃では無いですが不気味な剣を見つけたカリンと脱走したアーティ…彼女たちもまた騒動に関与してきそうな雰囲気。
またもヴァリオルド邸が戦闘の舞台になってしまうのでしょうか。続きお待ちしています。

そしてガチバトル編(笑)
チャットイベで話した天下○武道会風味な、白猫さん十八番の戦闘シーンが堪能できるイイ番外編ですね(´¬`*)
反則の①に吹きつつもさっそくカリアスvsアネット。こんな風にお互いの実力が逼迫している戦いはホント、面白いです。
最後の決め手も「速すぎた」ウォーターキャノンのせいでカリアスの敗北という意外な展開。
しかし、普段の生活ぶりからではなく戦闘によってキャラの性格が垣間見えてくるというのもある意味不思議な気分です。
次のマッチはルフィエvsネルですか…全力全開で戦ったら果たしてどちらが!楽しみにしています。

そしてそして999文字小説。
RS舞台というよりも普通の短編小説として読んでも良い、どこか悲しくてホロリと来るけど素敵な話ですね。
ひとりの女の子が成長して老婆になるという流れがたったこれだけの中で語られるのも儚いというか。
女の子と一緒に成長はできなかったけれど、彼女が死んだ後にしっかり芽を出して花を咲かせた種。
きっとそのうち大きな花畑になるだろうなあと想像しながら読ませていただきました!
999文字という制限内での小説、ありがとうございました。この七冊目ラストでも是非!(笑)

57ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/15(木) 10:14:22 ID:BnQc0o7w0
最新スレなのでキャラ紹介も入れておかないと;;;
これから登場予定のキャラもちょびっと出してみたり・・・・・


+ミリアン・ウォン…性別:女 年齢:14 職業:ビーストテイマー
エルベルグ山脈北東部に暮らす,とあるロマの村の出身。好奇心旺盛で人懐っこく,甘えん坊でちょっと泣き虫。
まだまだ精神は幼いが純粋で心優しい女の子である。その反面,生まれた村の習慣により(*後述)武術を会得。
スタイルは東洋が発祥とされている「八極拳」なる拳法をベースとした打撃主体の格闘術を得意としている。
もちろんビーストテイマーとしての腕も高く,春風のような優しい笛の音色はペットたちを勇気付けてくれる。
ペットとしてファミリアexとエルフ戦士zinを飼っていて,彼女と彼らの仲の良さはとてもイイ。
仲間からは「ミリア」と呼ばれている。一人称は「ミリア」,口癖は「うにゅ〜」「やぅ〜」

+ラティナ・シノノメ(本名:東雲あやね)…性別:女 年齢:18 職業:ランサー
はるか東に存在する異国である,とある島国の出身。明るく優しい性格だが,多少頑固で融通の利かないところも。
正義感は人一倍強く,犯罪を見るとすぐに追跡してすぐに解決。古都治安維持局から授与された勲章や賞状は数知れず・・・
それが成せるのも彼女の驚異的なフットワークの軽さと機動力のおかげで,かつて在籍していたギルドでの戦闘において
ダメージを負わずに単独で勝利してしまうほど。仲間のトレスヴァントとは紆余曲折もあったが晴れて恋人同士に。
彼の前では大胆にデレデレするくらいにトレスヴァントが大好き。一人称は「わたし」

+トレスヴァント・ヘンリケス…性別:男 年齢:19 職業:戦士
港湾都市ブリッジヘッドのスラム街出身。気さくで一直線な性格,鋼のマッチョボディを有する。
腕力は1tの鉄塊を片手で持ち上げれるほどに強力,そのおかげで重量のある大剣もナイフのように軽々と振り回せる。
全身のしなやかな筋肉のおかげで運動能力は超人レベルなのだが・・・いかんせん,勉強だけは苦手らしい。
少年時代の学校の成績は体育以外オール1という悲惨さ,なのに魔法の扱いは人並みという不思議。
ラティナ(あやね)とは相思相愛のバカップル。彼女に何かあろうものなら鬼のような形相で飛んでくる・・・
一人称は「俺」。

+エディ・ヘンリケス…性別:男 年齢:19 職業:シーフ
トレスヴァントとは双子の兄弟。おちゃらけた軽い性格のお調子者で,何かとジョークをとばしてくる。
だが戦闘となれば冷徹な性格に豹変。爆薬に地雷,有刺鉄線といったえげつない罠を駆使して血祭りにあげる。
しかし相手に死を与えるのだけは忌避するらしく,致命傷を与える程度で済ませている。他にも武術を使えるのだが
流派は珍しいことに,旧世界の格闘技「カポエイラ」を使う。あまりにトリッキーな足技が多いため,過去のギルドウォーでも
彼にダメージを与えられずに蹴り飛ばされた者も多い。小柄だがイケメンなので隠れ女性ファンが非常に多い。
一人称は「オレっち」

+バーソロミュー・サヴェスティーロ…性別:男 年齢:21 職業:ウィザード
魔法都市スマグの出身。同都市において5本指に数えられる名家,「サヴェスティーロ・ファミリー」の元御曹司。
一家はかつては普通の財閥だったのだが,バーソロミューの父が麻薬に手を染めたことで裏ではマフィアの顔も持つように。
彼の母親は悪に染まり行く夫に愛想を尽かして離婚,バーソロミューは父親に虐待を受けて育つこととなる・・・
20才を迎えた日に,彼は叔父やその年に知り合ったエディと手を組み父親を暗殺することに成功,ファミリーを
解散させた。性格は温厚で丁寧口調だが,怒らせると非常に恐い。闇の元素も扱える程に魔法を使うのが上手い。
あとエロに関しては小学生レベル。一瞬見ただけでも顔を赤くして憤慨する。一人称は「僕」。

+フィナーア・ウォン…性別:女 年齢:22 職業:ビーストテイマー スリーサイズ:B96:W59:H88
ミリアの姉,おそらく本スレ唯一のセクシー担当。性格はかなり陽気でハイテンション,そしてエッチ大好きで露出狂。
基本的に下着はハイレグでTバックのものじゃないと身に着けない。「お尻にキュッって食い込むのがたまらないの♪」とのこと。
古都を裸で走り回ったり大通りで人目を気にせず逆レイプを敢行したりと,治安維持局のブラックリストに載ることばかりしてきた。
過去に100回以上も牢屋に入れられた経験があるが,驚異の身体能力とエロ技で何度も脱獄に成功している記録保持者でもある。
一方,レスリングを基軸とした格闘スタイルで数々の武騰大会を制覇,さらには数え切れない程のマフィアなども叩き潰してきた。
ペットは上級者向けとも言われるリプリートマーキzinや原始人zin。一人称は「アタシ」,口癖は「いやぁ〜ん☆」

58ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/15(木) 11:08:56 ID:BnQc0o7w0
+ミカエル・ウォン…性別:男 年齢:19 職業:サマナー
ミリアの兄でフィナーアの弟,次男。性格はエディの軽さにトレスヴァントの気さくさを混ぜて2で割ったような好青年。
身長は180cm以上という大柄な体格で,トレスヴァントほどではないが筋肉質。銀色のミディアムヘアに程よく焼けた小麦色の肌。
両腕には炎を象ったトライバル調の刺青が彫られており,彼の生い立ちと関係している。どういうわけだか天使が使うような
移動能力などが扱えるがその理由はいずれ描写ということで。他にも炎の扱いに関しては大陸一を誇る,炎に愛された申し子。
精鋭の炎熱系の術者のみが集う実力派ギルド「SOL86(ソル・エイティーシックス)」の総長で『熾炎のミカエル』の異名を持つ。
ケルビーを相棒に世界各地を旅してきた冒険野郎でもあり,東の島国に行ったこともある。一人称は「オレ」。

+ニーナ・ガブリエル…性別:女 年齢:17 職業:サマナー/天使
ミリアやフィナーア,ミカエルと同じロマの村の出身。10年前にガディウス砂漠の地下遺跡にてレイスの猛攻に遭い重体に。
意識を失っている間,7年近くザッカルに保護(ただし彼女の能力を悪用するために)されていたが,残る3年を海の神殿の深層水の中で
過ごしてきた。彼女の家系は地上に追放された四大天使の一人,ガブリエルのものである。一族の女性は彼女の力を代々受け継いで
子孫を残してきた。ニーナも例に漏れずガブリエルの天使としての能力を受け継いでおり,水を使った魔法は一級品であり美しい。
水の神獣であるマーマンやスウェルファーと交流が深く,彼らもまたガブリエルの残した一族の子孫たちを支えてきた。
性格は明るいがドジっ娘。ここぞという時に失敗することがあるのがネック。一人称は「わたし」。

+ミゲル・ヘンリケス…性別:男 年齢:21 職業:シーフ
トレスヴァント,エディら双子の兄。10年前に砂漠の地下遺跡にて恋人のニーナを失い(しかし彼女は生きていた)自暴自棄に。
後に出会ったザッカルに「俺の下で働く代わりに彼女を蘇生させてやろう」と条件を出され承諾,最初は成果を挙げていたが
時が経つに連れて彼女の命と殺してきた者の命の重さの間で葛藤を繰り返し,性格も不安定になってきていた。
エルフの村の襲撃においてエディと死闘を繰り広げるが,そこに現れたニーナによって10年前の彼に戻っていった。
ザッカルの下で働いていた頃は傲岸不遜な性格だったが,ニーナが戻ってきたことで弟思いの優しい性格になった。
一人称は「俺」,ナイフを駆使した暗殺術を得意としている。成功率は非常に高い,生来の殺し屋。

+ジャック・"ルシフェル"・ロウ…性別:男 年齢:42(実際は数千年も生きたと思われる) 職業:ビショップ/セラフィム
天上界での天使たちの分裂によって地上に追放された,神に次ぐ実力を持つ大天使。不老不死である。
地上で出会った悪魔の女性,マリアと恋に落ちて結婚,子供も作る。人間時はビショップとして活動しており
アウグスタの教会では司祭も勤めている。10年前にニーナの回復が遅れたことを自責していたが,しがらみを断って天使として
能力を久しく開放した。大陸が公認している魔法以外にも,すでに廃れたとされる古代魔法も扱えるほどの魔力を有する。
性格は親父らしくエロくてパッパラパ〜だが,いざという時は威厳あふれる言動を見せるいい親父。一人称は「俺」。

+マリア・"アシュタロト"・ロウ…性別:女 年齢:32(実際は数千年以上) 職業:ファッションモデル/悪魔
天界と魔界の軋轢を嫌い,地上へと出てきた悪魔の一人。悪魔らしからぬ心優しさを持つ,グラマラスな女性。
普段は成人女性のファッション誌で巻頭を飾るほどの人気モデル,女優として活躍している。冒険の際は悪魔の姿で
魔界の生物や妖艶な歌唱力を駆使して敵を惑わす戦法を取る。夫のルシフェルの浮気性には手を焼いてはいるものの
実際はお互いを真面目に愛し合っている良き夫婦。でもやっぱり夫が他の女性に鼻を伸ばせばワームでお仕置き。
鞭でビシバシ責めまくる。ちょっとSなところもあるが,いじめは嫌う性質。一人称は「私」

+エレナ・クレモンティーネ…性別:女 年齢:18 職業:リトルウィッチ
ビガプールの大富豪,クレモンティーネ家の出身。幼い頃より英才教育を受けて育ってきたため,自身はこの世のトップと思い込んでいる。
だがラティナに出会ったことでその考えも変わりつつある。高飛車で自己中心的,典型的なお嬢様口調で話す生粋のお嬢様。
現在トラン森周辺でエレナとバトル中,決着は近い・・・一人称は「わたくし」。

59ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/15(木) 11:58:53 ID:BnQc0o7w0
<!>Here comes new characters<!>

+?????…性別:女 年齢:23 職業:ランサー/???
デフヒルズに住む少数狩猟部族「ラフュア族」出身の娘。6年前のザッカルによるデフヒルズ大量虐殺事件によって
ラフュアの部族はほぼ全滅,彼女だけが生き残る。狩りの腕前は非常に高く,人間離れしたバネから生まれるスピードは驚異的。
風に乗るような高速移動でホースキラーを片手に敵を瞬殺する様から「銀の鷹(シルバーホーク)」の異名を持つ。
フレンドリーで家族思いの優しい性格だが,家族や友達を侮辱するものには決して容赦しない程,家族愛が非常に強い女性。
褐色の肌に銀髪のポニーテールをなびかせ,部族の衣装(さらしと褌の様なもの)そして両腕に翼を象った刺青があるのが特徴。
ラティナがかつて所属していた,女性のみが構成する狩猟ギルド「アマゾネス」の酋長(こう呼ばれるのが好きらしい)でもある。
一人称は「わたし」,ギルドを離脱したラティナを妹のように今でも愛している。イメージはネイティブ・アメリカンみたいな感じ。

+?????…性別:男 年齢:44 職業:デザイナー/ウィザード/???
スマグ出身,人気高級ブランド「Espirito(エスピリト)」のデザイナーであり,とある天使の生まれ変わり。
生まれつき盲目なのだが,石や鉱物を通じて思念を伝える能力を持っており,それらを「大地の子供」と呼び,愛する。
彼が作るブランドの主なフォーマットは眼鏡やサングラス。光の元素と地の元素の扱いにおいて右に出るものがいなく
色覚異常や失明した者の視力を回復させるために,ハノブの鉄鉱山から金属を取り寄せ,独自の技術で加工している。
地の元素を注入し作られたフレームはダイヤモンド以上の硬度を誇る頑丈な設計で,信頼する顧客も多い。
バーソロミューの叔父であり,彼の兄でバーソロミューの父の暗殺を計画,成功させた。サヴェスティーロの名を捨てて
今は別のファミリーネームを名乗っている。一人称は「私」,とても穏やかな人だ。

っと,本編はまた随時アップしたいです;;

>スメスメさん
序盤の突っ込みまくりなテンションがイイ(・∀・)!
それに剣士さんのおバカだけども熱い性格がなかなか,GJですb
話の流れもスムーズで読み易い・・参考にしたいです;;

>黒頭巾さん
なんかこう,「フル○ウス」みたいなホームドラマのような笑いが描けるのが羨ましいですw
悪夢喰らって吐血して瀕死になるイケメンさんがツボだったり・・・・さらに面白いネタが出そうで期待です^^
ふぁみりあいーえっくすの語りも何だかほのぼの〜な感じで癒されます。

>白猫さん
あらゆる描写が神レベル・・・((((;゚Д゚))))
戦闘もスリルがあって心理描写ものめり込みやすくて,もうスゴいとしか;;;;
自分はぶつ切りなストーリー描写しかできないので勉強になります。

60ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/15(木) 12:11:06 ID:BnQc0o7w0
パラリラ+*゚ヽ(゚∀゚)ノ゚*+パラリラ
企画提案〜!!「作者間ギルド・ウォー コラボレーション」とかいかがでしょうか?
各作者様の作品に登場するギルド同士でバトってみたらどうなるんだろうと考えてしまって・・・
チャットとかで色々話し合ってやってみたいと思いますがこれいかに,失礼しました〜;;;

61名無しさん:2008/05/16(金) 15:36:05 ID:4vFDtYh.0
はじめまして。
前スレを読んでどうしてもコメしたかったので・・・

>黒頭巾さん(前スレ990、993〜994)
も、もしかして某曲というのはSHですか!!

62ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/17(土) 10:59:26 ID:OhTl4zsk0
Episode07:TRIBAL FUNK〜女酋長の乱入〜

トラン森入り口付近のフォーリンロード、そこで繰り広げられている女同士の決闘は白熱している。
「はいやァアァァァァァっ!!!!」青龍偃月刀を豪快に振り回し、怒号と共にラティナの突きが放たれる、しかしエレナも負けじと
回避して、小さな隕石を同時に射出する!!!「(いくら強力な突きでも、小隕石で相殺すれば隙ができるはずっ)いっけぇ―――っ!!!」
隕石がぶつかり爆発が起きた。だがラティナの猛攻はそれしきでは収まらない、槍を縦に構え旋回させながら突撃に移った・・・!!
「手加減しないわよっ、『龍走撃(りゅうそうげき)』っ!!!」地面を強く踏み込んで加速し、ワーリングアサルトを放った!!
だが彼女の突撃がヒットするその刹那、エレナの体が突如消えた・・・そのままラティナが直線状に通過するが、その数メートル後ろに
瞬間移動したのだろうか、エレナの姿があった。「間一髪でしたわ・・・これでも魔術師が使う基礎魔法も覚えていますのよ、お気に召して?」
「ええ、すっごくイイわ・・・強ければ強いほど、わたしは余計に熱くなっちゃうんだからっ!!」力強く微笑むと、再びラティナが踏み込んだ!!
「それはわたくしも同じことでしてよ!!倒せるものなら倒してご覧なさいっ!!ウルトラノヴァっ!!!」エレナがステッキをクルクルと振り回し
3度目の彗星郡を呼び寄せた。朝を迎え終わった青い空から金色に輝く星々が降り注いでくる!!!しかしラティナの顔に勝気な微笑みは残ったまま。
そして彗星は地表に激突し、大音量の爆発音を轟かせながら大地にクレーターを作る・・・だが、そこにラティナが倒れこんだ姿はまったく見られない!
「(また俊足で回避しましたわね・・・一体どこに!?)・・・ハッ!!」背後の気配に気付いて振り向くと、ラティナが既に構えていた・・・!!!
「また同じ突撃ばかりですの!?そんなもの、ムーンウォークで避ければ・・・」「じゃぁ、こんなのはどう?『360°包囲された状態での同時攻撃』は」

「ま・・・まさかっ!!!」数秒後に襲い来る彼女の攻撃が何なのかを理解したエレナに冷や汗が流れる・・・

「東雲流槍舞術、空蝉の極意奥義っ!!!『鴉揚羽(からすあげは)』っ!!!」

エレナの周囲に展開されたラティナの分身8人の突きが、目標に回避する間を与えることなく貫いた・・・

63ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/17(土) 11:18:23 ID:OhTl4zsk0
「きゃぁああぁぁああぁぁぁぁあぁぁっ!!!?!」
攻撃の全段がヒットしたエレナの断末魔が響き渡る・・・彼女はゆっくりと地面に膝を付き
傾くように前のめりに倒れた。やや露出度の高いコスチュームは破れ、腕や太ももに大小それぞれの切り傷が。
かろうじて意識は保っているが、起き上がるのだけは困難なようだ。そこへラティナが歩み寄って、静かに座り込んだ。
「…大丈夫?」「うぅっ…ふふふ、負けましたわ…悔しいっ、悔しいけどっ…後悔はしていませんわ。」
何かから開放されたように微笑むも、涙を流しながら小声でエレナが口を開く・・・ラティナは無言で頷いていた。
「それで…エレナちゃん、どうしてわたしのお父さんが…わたしを連れ戻そうとクエストバーに依頼したの?」
「そうですわね…バーのマスターによれば、彼が依頼したのもあなたとその奇妙な槍を取り戻すためだそうですわ。
 ラティ…いいえ、あやねさん。あなたもしかして家出してきたんじゃなくて?」心配そうな表情でエレナが尋ねる。

「うん…わたしの故郷はこの大陸の遥か東にある島国、この大陸の知識人は『ジパーヌ』って呼んでる島なの。
 そこはとても狭いから、わたし子供の頃からここに来てみたいって思ってたの。だけどお父さんが強く反対してるし
 娘離れもできない人だから、ちょっと反発心もあって・・・ほぇ?どうしたのエレナちゃん?」
上を見上げて口をパクパクと開いているエレナに彼女は尋ねるが・・・何者かの影が二人を覆っていることに気付くと
即座に振り向いて青龍偃月刀を手に構えを取った!!!だが、見覚えのある影の主にラティナ、いや・・・あやねは
動揺と旋律を覚えた・・・影の主は身長2メートル程もあろう巨漢、長く伸びきった黒い髭を携え、異国の衣装に身を包んでいる。

「探したぞあやね・・・さぁ、パパと一緒に帰ろう、なっ?」

野太い声が彼女に向かって投げかけられる・・・・

64ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/17(土) 11:52:51 ID:OhTl4zsk0
「お、お父さんっ!!?!何でこんなところに・・・それにお母さんはどうしてるのよ!?置いてけぼりじゃないでしょうねっ!?」
父親を前にするも強気な態度で、ラティナは父親と思わしき大男に尋ねるが・・・娘の態度に男も声を荒げて対応する。
「くぉら!!パパに向かってその口の聞き方は何だ!!?それに家宝の青龍偃月刀を勝手に持ち出しおってからに!!!
 もう許さんぞぉ〜・・・・嫌でもお前を連れて帰ってやる!!!ほらあやね、早く来なさい!!!」
「やだぁ〜っ!!!わたしもう18歳なのよ!?いつまでも子供扱いしないでよね、このバカ親父っ!!!」
さらに語気を強めてラティナは反発するが、最後の『バカ親父』という発言に大男の堪忍袋の尾が切れた・・・!!!
顔を赤くし、額に青筋を浮かべ・・・さらには空間転移魔法で取り出した槍を手に、ギリギリと歯軋りをしている。
あまりにも恐ろしすぎる形相に、座り込んでいたエレナはラティナの背に隠れて震えていた・・・

「な、おまっ・・・・きぃさぁまぁ〜!!!!!パパに向かってバカ親父だとぉ〜!!!!??!?!?
 頭来たっ!!もうアッタマ来たぞこのバカ娘ぇ!!そのバカ親父の愛の鉄拳でお仕置きじゃ、歯ァ食いしばれよぉ!!?!」
これまた青筋ビッシリな拳骨をぷるぷると震わせて、勢いよく愛娘に振り下ろす大男。ラティナも思わず怯むが
その拳は彼と彼女の間に割って入った者によって止められていた・・・・!!!「むっ!?誰だお前は!!」

その人物は銀色のポニーテールに結わいた美しい長髪に、キャラメル色の褐色肌、バランスのとれたしなやかなボディに
さらしとふんどしのような扇情的で露出度の高い格好。腕には翼の刺青、そしてスラリと細長い手足、手にはホースキラー。
どこかの部族のような出で立ちの女性が男を一睨みしながらラティナたちを振り返り口を開いた・・・
「まったく、あたしの大事なラティナちゃんに何てことするんだィ…ラティナちゃん、それにそこのキャピ子ちゃん、だいじょぶ?」
「(なっ,この人まで・・・)わ、わたくしはエレナっ!!エレナ・クレモンティーネですわっ!!!////////」「あ、メンゴメンゴw」
「ほぇ・・・もも、もしかして、ティエラ…ティエラ・ラファエルさんですか!?」ラティナが驚き混じりの声で尋ねる・・・

「おいっす!!久しぶりだねぇラティナちゃん・・・いや、本名あやねちゃん?まァいいや、無事で何より…お姉さん嬉しいよ。
 ・・・で、そこのデカ親父ィ。愛娘に暴力で説教とは大した根性してるじゃないか、えぇ!?それでも親かコノヤロー!!!」
「貴様ァ・・・黙ってればイケシャァシャァとっ!!!名を名乗れィ!!?!」

「あん?あたしはティエラ、どこぞの砂漠の部族の生まれだよ。そして、おにゃのこいっぱい狩猟ギルド『アマゾネス』の酋長だ、よろしこ!!」
真面目なんだかフザケてるのかわからない、妙に明るい彼女を相手に男は槍を構える・・・ティエラも無言で頷き、ホースキラーを構えた!!!
「ははっ・・・オッサン、あんたわかりやすいわ!!あたしもこういうやり方大好きさ、いくわよっ!!」「東雲流槍舞術師範、東雲燈道…参るっ!!」
突如乱入した部族の女、ティエラとラティナもといあやねの父、燈道のバトルが勃発してしまった・・・・

一方、トラン森の中・・・・
「うぉぉおぉぉおぉぉおぉ、南ってどっちだ!!?!あっちか、あっちだな!?うぉぉおぉぉぉおぉぉ!!!!!」
勢いのまま森の中を延々と走り回っていた・・・・・大丈夫なのだろうか。

to be continued...

65ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/17(土) 11:57:00 ID:OhTl4zsk0
あ、最後のところは「トレスヴァントは」と付け加えてもらえれば;;;
どうも間違いがちでオレ涙目(´;ω;`)

66◇68hJrjtY:2008/05/17(土) 13:04:56 ID:LN1SstPI0
>ESCADA a.k.a. DIWALIさん
やっとラティナ(これからは「あやね」と呼ぶべきだろうか(笑))とエレナの戦いが終わったと思ったら、今度はラティナ父vsティエラ戦…。
しかしこの父もかなりの爆発した性格で…いやいや、娘を思う父の気持ちとしておきましょう(笑)
ワールなどのランサ和名スキルもなかなか凝っていますね。このラティナ父も同じく和・槍使いなのでしょうか…ワクワク。
そしてトレスヴァント迷子ですか(ノ∀`) 21Rさんのアデルや之神さんナザ君もそうですが、剣士戦士って迷子がセットなんだろうか(笑)
ティエラの目的なども気になりながら次回作楽しみにさせていただきます。
---
キャラ紹介ありがとうございました!なにやら今後登場する謎キャラの紹介まで…。
ちゃんと設定作ってるのは流石ですね。個人的にミューたんが虐待されてたとかミカエルがかなり強い人だったとかに驚いてます。
エディは小柄なんですねェ(*´д`*) ミゲルがスロー系でエディが罠+武道と両極端なのも理解できるトコですね。
そして「ギルド・ウォー・コラボ」。参加はできませんが(笑)、是非とも企画して書き手さんたちにやってもらいたいですね。
楽しみにさせてもらいます!

67感想スメスメ:2008/05/17(土) 13:34:12 ID:ddy6MTJU0

はぁい、小説スレ界でのレギュラーの座を何とか射止めたい感想スメスメです。
PCからこんにちわです。

…いきなり調子こいた事抜かしてすみません!
キングベアーに裸一貫で殴られてきます…。

つー事でコメントいってみましょうか。
黒頭巾さん
ふぁみりあいーえっくす……家に持って帰って良いですか?(マテ

そして『いけめんさん』、壊れちゃった…

だ が そ れ が い い。

つーか悪夢!こんなもの喰らってしまったら僕はべそ掻きまくり呼吸困難になりながら寝てますよ!(でも寝てるw
文章でこんな風にふぁみりあ君を人?となりを表現できるのは羨ましいっす。

白猫さん
ちょ、ネル君特攻野郎!?

だ が そ れ が い い。

扉の反対側で侵入者を砲台とセットで待ち続けるシーフ…。
あのオチをオイシイと思ってしまったのは僕だけでしょうか?
何より全体を通してのノリ。僕にとっては目指したいテンションですので憧れます。
そして番外編次回予定(で良いんだよね?僕の勝手な妄想?)の
ネルvsルフィエ。
ガチでブツカったら相当量の範囲が消し飛ぶと思うんだけど…
これも僕の『気の所為』だよね…ウフフ。

ESCADA a.k.a DIWALIさん
ダメですよ〜w
ちゃんとフィナーアさんの所に『あるく18禁』と追k(うわなにをs…

ラティナsオヤジきたー!!
DIWALIさんの作品はテンポよくてなおかつキャラが若々しく活発に動いていくので心躍らせてもらい。
いつも画面を目の前に半笑いで読ませて貰ってます♪
是非今度のイベントでそのノリのコツを聞かせて貰いますよっ!
企画についても具体的なモノを話し合ってみたいですね。



さてさて、チャットイベントの件ですが。
僕は月・木・土曜意外の夜でしたら何とかなるかと思います。
因みに日曜の20時位でしたら大歓迎ですよ!

68名無しさん:2008/05/17(土) 23:41:09 ID:4Ec7nyjU0
ageますね^w^

69姫々:2008/05/18(日) 01:32:12 ID:VbnAj5DM0
あ、こんばんは。火曜日にうpしようとしたけど読み直すと納得いかなかったので
今日手直ししてました。
◇68hJrjtY>ガッカリする前に言っておくと多分想像とはまったく違う人です^p^
黒頭巾さん>「譲ちゃんは」普通に「嬢ちゃん」の誤字です、まったく気づきませんでした。
そこはかとなく最悪です

ではとりあえず>>23-26から続きます


「お前か?入り口の坊主の装備盗んだってのは。」
 厄介なのに会った・・・。傭兵だろう。武器は大した物を使っているというわけではなさそうだが見た目は
筋骨隆々、使う得物は両手剣。正に絵に書いたような戦士がそこにいた。
 そう言えばスマグに行った時、何故か傭兵団が駐留していた。そこから暇している人物を雇うくらいは簡単だろう。
「ああ、そうさ。それで何か用かい?」
 姉さんには見せたくないが今は幸いな事に姉さんは今ここにいない。
 ならば私は下手に出る必要などはない。
「所詮貴族の道楽だろう?あんなもんはあんなガキが持つべきじゃねえだろ。あたし達が欲しがってる人に
 売ってやろうって言うのさ。これも社会貢献の一貫と思わないかい?」
「けっ‥‥、偽者掴まされたガキがよく言うぜ」
 傭兵が吐き捨てるように言うが模造品というくらい実際に使ってみれば目利きじゃなくても誰でも分かる。
 が、模造品だとしても良くできている、もし模造品として店に売ったとしても数十万ゴールドは堅い。
 それよりも目の前の男との戦闘は避けられないだろう。
 完全に舐められているが、妙な騎士道精神を振りかざしてくる相手よりは様々な意味でずっと戦いやすい。
「はっ、ガキだから何だい?少なくともあたしはお前よりは強いと思うよ?」
「あ?試してみるかガキ」 
 見ただけで強いか弱いか分かるほどの技量は持っていないが、相手が私の手に負えないほど強いなら逃げればいい。
 けれど、この程度の口上に乗ってくるような人間が強いかと聞かれると大抵はそんな事はない。
 とは言え、単純な戦闘能力で言うと強い方だろう、普通傭兵は単独ではあまり行動せずに大抵はギルドの仲間か
同じクエストを請けた同業者と共に仕事をこなす。
 それが一人でいるという事は私を一人で倒す自信はあるのだろう。その自身を後押ししているのは経験か筋力か。
どちらにしても単純な強さでは私より上と見積もって損はしない。
「いいよ。来いよデカブツ」
 舌打ちとともに、目の前の傭兵が自分の得物に手をかける。
 私の得物は刃渡り60cmほどのシャムシール、あれと打ち合うのは正直な所無理だろう、大人の男の力に子供の女が
敵うはずが無いと言う事くらいは理解しているつもりだ。
「お前は抜かないのか?」
 大剣を構えた傭兵が私に尋ねてくる。片手で扱える長剣を使う私に対し、相手は刃渡り1mを越えるであろう
両手剣、まず重量が全然違う。危なくなれば自分の得物はいつでも鞘から抜ける自信がある。
「あらあら、心配してくれているのですか?けれど手加減くらいは必要でしょう?」
 さっきのウィザードの口調を真似して、最後に満面の笑みを送ってみる。
 それと同時、敵の剣戟が振ってきた。
「(短気だなぁ‥‥)」

70姫々:2008/05/18(日) 01:35:01 ID:VbnAj5DM0
 横に一歩、その切り返しをバックステップで避ける。
 最小限の動きで避けれたと思う、当たる気がしない。目の前の相手ですらそれは感じ取っただろう。
「弱いね。何で一人でいるの?馬鹿じゃないの?」
 この口調で追いはぎ業を始めてそれなりに経つが随分口が悪くなってしまった気がする。
 家事、特に料理と整理整頓はうまくなっている気がするが剣術やら挑発やらがうまくなっても素直には喜べない。
「はぁ・・・」
 そんな事を考えていると不意に溜息が出てしまった、目の前の傭兵は自分に向けられたものと、
勘違いしたのだろう、洞窟内全体に響き渡るような雄叫びを発しながら切りかかってくる。
 冷静さを失った相手の剣など当たる気がしない。それよりもこれだけ大声が響いているのに誰も来てくれないのは
何故だろう。
 ――いや理由は分かっている、どうせ宴会の真っ只中なのだろう。
 この状況には慣れているつもりだし、それにきっと半分くらいは私を気遣ってくれている気持ちがあるのは分かる。
 だとしてもこれほどの大声を聞き逃すようでは流石に呆れてしまう。
「っと、来いよ。馬鹿でも前に突っ込んでくる位の頭は持ってるんだろ?」
 さて、無駄に挑発しているわけでは無い。先に言った通り、いくら相手が隙だらけといっても腕の長さやら筋力
やらを考えるとこのまま懐に飛び込むのはリスクが大きい。
 では後ろに回ってしまって首筋にでも剣を突きつけてしまえばいいのだが、これも先に言ったように
この洞窟はギリギリ二人がすれ違える位の道幅しかない、そんな道のど真ん中で剣を振り回されると流石に
後ろに回ることは難しい。
 が、実の所さっき姉さんと話していた所は道幅が3倍程度に膨らんでいる。そこなら後ろに回ることは容易だろう。
 もし後ろに回っても抵抗してくるようなら相手の右肩にでも剣を突きたててしまえばいい。
 当分右腕は使えないだろうが無茶しなければまず死にはしない。
「遅いね、本当に傭兵?実はその辺の農夫じゃないの?」
 農夫でもこんな挑発には乗らないだろうが、という言葉は飲み込んだ。
 何故なら背後に人の気配を感じたから。さらに松明に照らされた背後の壁に人影が映ったから。
 後退を弛めてできるだけ左右に避けるように動きを変える。
 背後の曲がり角を曲がるとすぐに目的の地点がある、耳はいいほうと自負している、聞こえた声は二つ。
 一つはまだそこにいたと思われる姉さんのもの。あと一つは場違いなほどに幼い声、きっと姉さんを連れてきた
プリンセスの声だろう。
「‥‥‥」
 舌打ちしたくなる気持ちを押さえ、私の得物を鞘から引き抜く。
 このまま後ろに下がれば間違いなく二人を巻き込んでしまう。
 とは言えプリンセスは大丈夫だろう、何せ逃げるのと隠れるのは私の知る限りどんな人種よりうまい連中だ、
彼女達の変身能力に限界は無く、どんな事があっても最善の姿に変身できる。
 それに殺されても死なないとか言う噂すら聞いたことがある。多少無茶しても何事も無かったかのように
逃げおおせるだろう。
 が、問題は姉さんの方だ、つい数分前まで泣いていた人が召喚獣を操れるだろうか。
 私の出した結論はノー。なら逃げればいいというかもしれないが私の知る限りお世辞にも足が速いとはいえない。
 今はまだ巻き込めない、もう少し時間が欲しい。
 私は真正面に対峙する敵に向かって飛び込んだ。剣を持っているだけでもそれだけで牽制にはなる、今まで後退
に徹していた分前進すればそれだけで相手の歩調が多少緩む。
間合いからさらに内側に入ってしまえば剣の速度も必然的に落ちる、全力で振られた剣でなければ何とか受け流す
ことは出来た。

71姫々:2008/05/18(日) 01:37:10 ID:VbnAj5DM0
 洞窟内で剣がぶつかる音が響く。
右手の剣はあくまで攻撃を避けるための補助、まともにぶつけられなくても数センチ相手の剣の軌道を
ずらせばそれだけ後退の歩幅は小さくて済む。
 しかしそれでも数分持つかと言う所だ、それ以上となると姉さんを巻き込まざるを得なくなる。できることなら
あのプリンセスに姉さんを連れて行ってほしい所である。
 ――が、これだけ剣がぶつかる音が響いていたり雄叫びを上げる男がいたりしたら不審に思うなと思うのが
無理な話だった。
「タスカ‥‥‥?」
 後ろから声、来てしまった。再び舌打ちしそうになるがぐっと堪え、私は思いっきり叫んだ。
「っ――離れてろっ!!」
 その後、背後を確認する、幸い姉さんはいない。いや、別に姉さんにこの口調を聞かれなくてよかった。と安堵した
わけではない。
 プリンセスだけならすぐ逃げられる、そう思って安堵したのだ。
「っ‥‥くぅ‥‥」
 が、逃げない、唖然とした様子でこちらを見ている。退路が塞がれた私は下がらず、避けきるしかない。
剣で受けることは考えてはいけない。あの大剣を受けてしまうとまず私の身が持たない。
 が、そうは言ってもここから横に凪がれたら流石に受けるか後ろに跳ぶしかない。
両手剣の直撃を受けて無事なほど剣も私も丈夫ではない。とっさにプリンセスを突き飛ばしてそのスペースに
飛び込んだ。
 そしてすぐに立ち上がってプリンセスの前に出た後に剣を構えなおす。
 きっと私の後ろのプリンセスもこいつの標的として捉えられてしまっているだろう、
 そしてその標的となっている少女は腰が抜けているのか逃げるどころか立ち上がる素振りすら見えない。
 戦闘慣れしていないのか?いや、そんな馬鹿な。そう思ったが腰元に携えてあるスリングは子供の遊び用程度の
代物、補助専門のプリンセスなのかもしれない。
「タスカ‥‥?」
 後ろから声を掛けられる。
「逃げて。」
 曲がった剣を構え、前の敵と対峙する。さっきよりは冷静に振舞えたとは思うが目の前の男もかなり冷静さを
取り戻してしまっている。挑発しなおすのは難しいだろう。
「脚に力が‥‥」
 それと同時に再び始まる敵の猛攻。
「じゃあ何でもいいから変身して!」
 相手が攻撃してくるとそれを捌きながら喋る事になるため、ついつい口調が強くなる。攻撃の鋭さがさっきまでの
比ではない、流れを完全に持って行かれてしまっている。
 私はプリンセスがいるおかげで五歩と後ろに下がれない、とは言え向こうはこちらに迫ってくる、
剣で攻撃を受け流しつつ私が前に出て牽制するしかないのだがリーチと力は向こうが完全に上、それに受け流すには
あまりに向かない私の得物、それに対し相手は無理をしなくても敵が勝手に突っ込んで来てくれるという状況。
 圧倒的不利、牽制するたびにバックステップして間合いを開けるとそのたびに相手は間合いを詰めてくる。
 私自身にも体力の限界がある、しかし下がってはいけない、相手の懐に入り続けないと大剣に叩き潰される。
「‥‥っあ」
 一瞬の気の緩み、ほぼ密着するくらいの近さまで近づいているのだ、相手の攻撃手段は剣だけではない。
相手の剣を避けた時、振り向きざまに相手の手刀が手首に入った。
「‥‥」
 もはや見捨てるしかないか、少なくともこのまま私が前に出て戦う意味がない。攻撃手段を失ってはすぐに
相手はそこに付け込んで来るだろう、後ろのプリンセスに気を配りながら相手の攻撃を避けるなんて芸当も
出来るとは思っていない。
 それに幸いな事に少女はプリンセス、兎にでも変身できれば何とでも逃げられる。
 その時、後ろからその少女の声が聞こえた。

72姫々:2008/05/18(日) 01:38:58 ID:VbnAj5DM0
「タスカっ!!使って!」
 その声の方を目だけで確認すると、後ろから長剣が飛んできていた。
「って、危ないな」
 剣を受け取る、濃い桃色に光る剣。魔力が通っているのだろうが属性がいまいち分からない。
「けどいい剣だね、ありがと。」
「でしょう?」
 どこか得意げなその声が聞こえた場所は後ろではなく前、つまりこの武器はあのプリンセスの変身した
姿なのだろう。
「ああ‥‥」
 そのときの私はどんな顔をしていただろう‥‥。きっと苦虫を噛み潰したような顔をしていたに違いない。
「タスカっ!!」
「!?‥‥くぅっ!!」
 完全に隙を突かれた、集中を切らした私が悪いのだが真正面から攻撃を受けてしまう。
「タスカ、大丈夫!?」
「いや、平気‥‥」
 攻撃が直撃すると同時に剣を盾にして後ろに跳んだ。着地で後ろに転んだが特に怪我はしていない。
 一瞬でも動作が遅れたらきっと私の腕がへし折れていただろう。それにしてもこの剣は刃こぼれすらしない、
補助専門プリンセスというのも馬鹿には出来ないなと思った。
「いや、うん‥‥。別にいいよ。あんた名前は?」
「ルゥって呼んで」
「ん、分かった。で、姉さんは?」
「皆の所に行ってるはず」
 今度は敵の攻撃を見ながら確実に避ける。姉さんが離れてくれていたらこちらも全力を出せる。
それに後ろに私の障害物になるものはない、避けやすさもさっきの比ではない。
「って、痛い!タスカ痛い!!」
「ああ、ごめんごめん。」
 折れたり刃こぼれしないのをいい事に相当無理して相手の大剣に攻撃を叩き込んでいたらしい。
 形成はさらに逆転し、最初の状況に戻った、もはや流れが変わる事はないだろう。
「痛くない?」
「うん、大丈夫。」
 そして目の前の傭兵はと言うと、叫びながら剣を振り回している。最初はその声の大きさに驚いたが慣れてくると
ただ煩いだけだ。
「うるさい、鬱陶しい。」
「ああ?」
 焦燥している相手を言葉で突き飛ばす、すると相手は飛びかかってくる。それをまた往なす。
 それの繰り返しで後ろに下がっていく。
「タスカ‥‥?」
「あ、口悪いのはごめんね、後でちゃんと話そうね」
 怖がらせたかと思ったが違うと返事が返ってくる。じゃあ何?と返すとこう言った
「入り口の方で気配が‥‥。感じ取ったのは私の精霊だけど‥‥。」
 仲間だろうか?入り口からここまでせいぜい二,三百メートル位しかない。というより、だ。
「会話できるなら仲間呼べたんじゃないの?」
「あー‥‥リリィはねえ‥‥。相当楽しかったみたいよ?今日の宴会‥‥」
 それは分かっていた、それに宴会といえばお酒がつき物だろう。
「酔いつぶれたって事ね‥‥。」
 流石に冒険の途中で酔いつぶれるほど飲むのはどうかと思うが。と思っているとプリンセスはこう言った
「いやそうじゃなくて、買出しとかで私がここに来る前にスマグの方に行っちゃっててね‥‥」
「‥‥」
 あの人は何をしているのだろうか‥‥、というより本当にウィザードなのかすら疑問に思えてきた、実の所
どこぞの貴族のメイドか何かでは無いのだろうか‥‥そんな事を考えてしまった。
 しかし、そうなると使えている相手は目の前の剣になっているルゥという事になってしまう、こう言っては何だが
貴族にしては少々カリスマが足りないような気がするのは気のせいでは無いと思う。
 いや、今はそれよりだ。
「ルゥの精霊ってあの子だよね?」
 さっき私の記憶を辿るのに使っていたあの小さいのだろう。
「うん、その子がこっち来てるってさ。」
 戦闘には向いていない気がしたのだが実際の所はどうなのだろうか。
『まったく、私を呼んでも時間を止めるか戻すか位しか出来ないわよ?』
「うん、それでいい。もしもの時は助けてね?」
『了解、終わるまで見といてあげるわよ』
 確かに精霊だった、妖精やら悪魔では無いのは見れば分かる。けれど引っかかる、あれは何の精霊だ‥‥とか、
そう言うことではない、何故か一年前にもあの精霊に会った気がする。あの妖精とは雰囲気が全然違うけれど。
「タスカ、前っ!!」
「あっと、危ないなあ‥‥」
 また雄叫びを上げながら大剣を振り下ろしてくる。
 さっきから怒鳴ってばかり、たしかに怒鳴られるのに慣れていない人間を相手にするなら効果的かもしれないが
私は現盗賊だ、冒険者に追い立てられるのは日常茶飯事、もう慣れた。

73姫々:2008/05/18(日) 01:41:13 ID:VbnAj5DM0

 そして機は熟した、もう目的の地点に足を踏み入れている。
「お前は狼にもなれない、ただの犬。犬は犬らしく地面を舐めてろ。」
 もはやまともに聴いているかすら分からないが挑発を続ける。剣の持ち方を見るかぎり、相手は右利き、
そして剣は重く、いくら筋力があり振り下ろした際の勢いがあってもその重さで片手では扱えないと見える。
 けれどここまで怒らせてしまって後ろから剣を突きつけた程度で止まるかという疑問がある。
「(まあいっか。)」
 一瞬浮かんだ疑問はその一言でかき消しチャンスをうかがう。思いっきり振り上げて叩きつけるように振り下ろす、
こいつの癖のような縦切り、一番隙の大きいその攻撃。
「(来た)」
 振り上げると同時に左斜め前、大剣の間合いの内側に飛び込む。右側に飛ぶと切りかえしが来るが、左側は
相手の攻撃の死角となる、熟練している戦士はこの死角が無いに等しい狭いのだが、この傭兵の場合その死角を
消していない、つまり攻撃までに二、三秒の遅れが生じる。
「たぁっ!」
 しゃがんで思いっきり脚を払う。
「ぐぁ‥‥」
 情けない声を上げて背中から男が倒れる。何が起こったかわからないと言う感じで倒れている傭兵の右腕を
思いっきり踏みつけた。
 体重はせいぜい20数キロ位だから骨は折れないだろう、けれどブーツに鉄の補強具が付いているから踏まれたら
それなりに痛いはずだ。現に相手の手からは剣が零れ落ちている。
 そして相手の手から剣が離れた所で相手の剣を奪って思いっきり投げとばした。
 数メートルしか飛ばなかったがこれで十分だろう。その時左手で足を掴まれたが眉間に剣を突きつけたらすぐに
離した。
「ほら、出ていきな。剣は置いていけ。あとお前の雇い主は‥‥訊いても無駄か。」
 物凄い形相でこちらを睨んでいる。右肘と右肩を踏みつけて立っている情況だがそれほど自分がそれほど重いと
思ってはいない。
 その気になれば軽がると起き上がられてしまうだろう。それをしないのは眉間に剣を突きつけているからか、
ただ単に負けを認めたからか。
 ‥‥いや、後者はないだろうな、なにせ必死に剣に手を伸ばそうとしているのだから。
「言ったら返してやる。」
 顎で剣を指したあとに眉間に突きつけている剣を数センチ近づける。
 それでも微動だにせずこちらを睨みつけてくる。安っぽいプライドを守り続けるのも傭兵の性分なのか。
 命にかけてまで守らなければならないプライドなど私には考えられない。
「そうか、じゃあさよなら。」
 そう言って剣をさらに近づける。額に剣先は当たっているのだがそれでも表情を変えない。
「はあ‥‥」
 数十秒の時間が過ぎ、私のほうが折れた。今日何度目の溜息だろう、何で今日に限ってこんなに溜息が
多いのだろうか。
「ああ、お前のせいか。」
「あ?っがっ!!?」
 無性に腹が立ったので顎を思いっきり蹴り飛ばしておいた、数分間は昏倒しているだろうからその間に離れよう、
「タスカ、今物凄く理不尽な理由で蹴ってなかった?」
「ん?気のせいよ。そういえばそこに倒れてる奴の仲間が来てたんじゃ無かったっけ?」
 入り口まで来ていたらしいが姿が見えない。相当ゆっくり歩いていてもそろそろ見えていいはずなのだが。
「あ、そう言えば。スピカ、そっちはどうなの?」
『んー?ああ、大丈夫っぽいわよ。洞窟から出て行ったわ』
 忘れ物にでも気づいたのだろうか?確かにダンジョンに入ってから気づくと言うのはよくある話ではあるが。
「まあ心配しても仕方ないんじゃない?」
「うん、そうだね。」
 一抹の不安はあるがルゥの言うとおり、気にしたところでどうにかなる問題でもない。

74姫々:2008/05/18(日) 01:42:30 ID:VbnAj5DM0
 それよりも疲れた、このまま単身寝ずの番は流石に辛い。とりあえず誰か一人か二人位ついてきてもらいたい。
「そろそろ元に戻るよ。」
 手に持っている武器に変身しているルゥに話しかけられた。
「うん――」
 分かった、という前に剣がピンク色の煙を吹きながら大爆発した。
「‥‥遠くに投げた方がよかったかな。」
「え、何?」
 キョトンとした顔をしているが私を何を言いたいか、分かっているのだろう、これでもどうみても山賊か盗賊という
格好しかしていない皆に代わって単身街まで行って商人の真似事をしていたりもするのだ、表情を読むくらいの事は
出来ないとすぐに足元を見られてしまう。
 あの顔はきっとそんな事しようものなら覚悟しておきなさいよ、という顔だ。
「一回帰るよ、ルゥもついて来て。」
「え、あ‥‥うん‥‥。帰るって、あの隠し部屋?」
「それ以外に家なんて無いわよ。」
 ルゥの目が泳いでいる気がするのはきっと気のせいでは無いだろう。
 何がいいたいかは分かっている。この1年で何度も経験した事だから。
「宴会してたって言ったわよね‥‥?」
「訊いてるよ。」
 ここで確信を持った。
「覚悟、しておいたほうがいいわよ?」
「分かってる」 
 部屋の中は凄惨たる状態なのだろう、宴会では大抵私一人が素面同然の状態でいるため、どれだけ騒いでも
多少遠慮している節が見受けられる。
 それが私と言うストッパーが無くなればどうなるのだろうか?
 いやそれより姉さんをその中に入れたのか?きっとルゥ自身すぐ追いつくと思っていたのだろうし一応はそれで
助かったのだが押しに非常に弱いだけに非常に心配だ。が、何故かお酒には多少強かった気がするから最悪の事体
にはなっていないだろう。と、そう信じたい。
「さて、帰ろうか‥‥。」
 溜息混じりに再び帰ろうかと言って、ルゥの前に出た。

75姫々:2008/05/18(日) 01:50:10 ID:VbnAj5DM0
 さて、やっと中盤と言った感じです。スウェブタワーに向かうといって
早10ヶ月、未だにスウェブタワーにたどり着きません、次回もきっと
たどり着くことはないでしょう。ていうかたどり着きません^p^

 チャットイベントはそうですねー、31日は飲み会だそうなのできっと
無理でしょう。それ以外なら大丈夫かなーとは思うんですが実際はどうなるか
分からんのです(´・ω・`)

 という訳なのでまた次回も頑張って書いていきます。

76◇68hJrjtY:2008/05/18(日) 02:32:00 ID:LN1SstPI0
>姫々さん
…がっかりなんかしてないんだからねっ!
いや本当に(笑) 確かに予想とは違う人物でしたが、タスカの戦いぶりが見れたことの方が嬉しいです。
やっぱり少女ながらも姉とは違って過酷な環境で生きてきたことが良く分かりますね。ルゥとの会話然り。
スピカを見て思うタスカの記憶…あの精霊ノヴァとスピカの関係も気になるところですね。
しかし、ここでカスタークエを出すとは思いませんでした。すっかり忘れてました、このクエ(笑) ボコボコにされた記憶しかありませんがorz
続きの方楽しみにしています。


━─━─━─━─━─━─━ チャットイベント第二弾 vol.2 ━─━─━─━─━─━─━
希望者さん数名の日時について了解いたしました!
その日が近づかないと予定が立たない人もいらっしゃると思いますが
早めに開催するならば5/25日前後に、期間をもう少し取るなら6月に食い込むようになるかな?
まあ、チャットルーム自体はいつでも誰でも入れるのでイベント化する方は
例え遅まっても希望者全員参加できる日を調整した方が良さそうな気もします。
いずれにせよ、6月半ば以前には開催したいとは思っております〜。

77ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/20(火) 11:10:54 ID:OhTl4zsk0
>>62からの続きですよ〜

Episode08:Talk with Sword 〜一刀必殺vs居合抜き〜

木々が鬱蒼と茂るトラン森の中・・・トレスヴァントは迷子になっていた。が、そんなの事も気にせず雄叫びを上げて走り続ける。
「うぉぉぉおぉぉぉおぉぉおぉぉぉぉぉおぉぉおぉおおぉぉ!!!!ラティナァああぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!」
「もし、そこの剣士はん・・・今、ラティナいう名前を呼びはりましたの?」艶やかで大人びた、柔和な声が彼を引き止めた。
トレスヴァントが振り向くと、大木の幹に寄りかかる一人の女性の姿がそこにあった・・・美しく長い黒髪、雪のような白い肌。
金色の刺繍が施された黒い着物をはだけさせ、胸の谷間や太ももを露わにした、フランデル出身の者とは違う出で立ち・・・
口を縛った細長い棒状の袋を携えながら、女性は振り向きざまにニコリと微笑むがトレスヴァントは怪訝そうな表情のままだ。
「(何だこの人、顔がラティナと似ているなぁ…誰だろう?)あ、そうっすけど…実はラティナが行方不明になってるんで探してるんです。」
「はァ…そうどすか。あの子にもちゃんとお友達ができてはったんどすなァ…生みの親としてとてもとても、嬉しいどすえ〜。」
「生みの親・・・?え、アンタひょっとして・・・ラティナの母親なのか!?」トレスヴァントが驚きながら尋ねる。
「せやなかったら"生みの親"とか言うわけあらしまへんて、ところで…ラティナ、いえ、あやねちゃんとどういう関係でいてはるの?」
「えっ、あやね・・・?一体どういうことだよ、ラティナってのは本名じゃな」「質問しとるのは私どすえ!?ちゃんと答えよし!!」
質問を質問で返されたのが嫌なのか、ラティナ(あやね)の母を自称する女性は少し不機嫌そうに彼の言葉を遮った。
「すんません・・・オレは、その・・・ラティナ、いや、あやねの・・・恋人です!!大好きな女性(ひと)なんですっ!!」
「あらあらまァまァ、あやねちゃんもやりおるわァ〜・・・で、あんさん名前は何て言いはりますの?教えてもらえへんやろか?」
「・・・トレスヴァント、トレスヴァント・ヘンリケスです。お母さん、あなたの名は?」だが彼の質問に彼女は・・・・
「お、お母さんなんて・・・ややわァ〜、まだそないな覚悟できてへんのにィ////////」「いや、だから名前を・・・」
「あらあら、すんまへんなぁ〜・・・私の名前は"東雲 雪乃(しののめ ゆきの)"、これでも38どすえ?」「・・・マジかよ」
どう見ても20代半ばにしか見えない外見と実年齢とのギャップに思わずトレスヴァントの呆ける声が出る・・・
「あ、それどころじゃねぇや!すいませんお母さん・・・オレ、早くラティナを見つけてあげないと。じゃぁまた・・・」
「ちょっとお待ちおす、あなた・・・見たところ剣士、しかもかなりの強者とお見受けしはりますが、どないどすか?」
女性の柔和な笑顔はそのままだが、ラティナと同じ戦いを楽しみにするような勝気な微笑が浮かんでいる・・・。
「・・・雪乃さん、あなたこそ今手に持ってるその袋、何かはわかりませんが得物が入っているんじゃないですか?」
「・・・うふふ、ようわかりましたなァ。これでも私も剣士の端くれ、この大陸にはない技の使い手どすえ・・・?」
お互い目線を交錯させながら、笑みは浮かべてはいるものの・・・あからさまな闘志を燃やしながら、二人は向き合う。
まずはトレスヴァントが構えた・・・!!背負っていたビッグセイジを握り、切先を女性に向けた・・・。
対する女性も、袋の口を縛っていた紐をほどき・・・黒く艶光りする細長い棒状の得物を取り出す・・・!!
「トレスヴァント・ヘンリケス・・・騎士道に則りお相手致す!!!」「東雲流抜刀術師範、東雲 雪乃・・・参りますえ!!」

若葉がひらりと落ち行くトラン森で、二人の剣士の闘いが始まろうとしていた。

78ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/20(火) 12:00:35 ID:OhTl4zsk0
それと、話題になってる第2回チャットイベについて。
オレは親のいないところでまったり茶会したいので、
金曜日以外の平日PM19:00からなら参加可能かもです。

79名無しさん:2008/05/20(火) 12:37:39 ID:aY5Buyq.0
私のいつもと変わらない一日が始まる。

朝、起床。新聞を見る。
特にめぼしい記事はない。
軽く食事をとり、午前の研究。

昼、いつもの通り昼食は抜く。そのまま研究に没頭する。

気がつくと深夜。夜食をとる。
軽く風呂に入り目途の立つところまで研究。

いつもこんな感じだ。
食事は作ってくれる人がいるから研究以外本当に何もしていない。
よくこのままではまずい、と言われる。
…何がまずいのかが分からない。
まああまり迷惑はかけたくないとは思っているが。

そんな生活を3年続けてきた。
そして4940年
ついに私の世界が変わり始める。

「…はいはい。変なこと言ってないでご飯食べなさい。」

…その言葉で現実に引き戻された気がする。
「アル、なんてことをするんだ。これから私の活躍を辿って行くところだったというのに。」
当然抗議する。これはかなりの重罪だ。
「別にいいけどご飯冷めるよ?それでもいいならどうぞ。ちなみに作り直す気はありません。」
「ぬぅ…」
痛いところを突いてきた。反論できん。この魔性の女め。
「…何か言った?」
そして相変わらず鋭かった。
「いえ、何も」
「ならよし。早く食べちゃいなさい。」
まあ口でも力でも勝てないからな。大人しくしていよう。

冒険者達が大勢押し寄せる砂漠の都市、流通の首都アリアン。
ここに私の家がある。
と言っても普通の場所ではなく、地下遺跡の中だが。
中に巣くっていたネズミやら蜘蛛はアルが全部処理した。
最近貯金を崩してここを私有地にした。
そしてこいつ以外誰も来ないここは私の絶好の研究場所だ。
もうだれに何を言われてもここが安住の土地と信じて疑わない。
「また聞き捨てならない独り言を…こんなところ早く出なさい。」

また現実に引き戻された。今私のこととかを説明しないといけない気がするのだ。
だから無視して続けよう。
次は…私とアルについてか。
今私の向かい側に座っている悪魔…ではなく女性はアルフィーナ。愛称?はアル。苗字は忘れた。
覚える価値のないものは覚えない主義なのだ。
私の古くからの知り合いで毎日なぜか食事を作りに来る。
まあそれ自体はありがたいことなのだが、いかんせん性格に問題がある。
昔から、最近再会してからもずっと腹黒い。
そしていつも私の言動に突っかかってくる。そして昔から喧嘩で勝ったことがない。

つまり私の天敵である。
「なかなか楽しい説明ねぇ?」

…何か聞こえたがあえて無視するのが正解だと思う。
次は…私か。

私の名前は…忘れた。
覚える価値のないものは忘れる主義なのだ。
職業は研究者。一応ウィザードの資質があると言われた。
今は研究をしている。

80名無しさん:2008/05/20(火) 12:39:09 ID:aY5Buyq.0
ふぅ…自己紹介なんて久しぶりだ。
誰が見ても完璧な自己紹介だ。
多分これを聞いただけで万人が感動しそう…
「ごちそうさま。」
…え?
ちょっとまて。この女、いつの間に食べ終わった?
「ではお皿を回収しま〜す。」
「ちょっとまってくれ、まだ食べて…」
「あら?約束でしょう?私が食べ終わるまでに食べきるって。」
ぬぬぬ…
ちょっと前に昔「食べるのが凄い遅かったな」、と話の種にして笑ったのをまだ根に持っているのか…
「変な妄想して食べるのをおろそかにするのが悪い。それじゃあね。」
私の皿を取り上げて去っていく彼女。
この悪魔め!
ちなみに私の家に水道はない。いくら万能な私でも遺跡をそこまで改造できない。

朝から多少憂鬱だが、とりあえず新聞でも見るか。
めぼしい記事は…

「トラン森にて新種のモンスター発見!」「ブルン議会の裏に飛ぶ金の嵐」
「デフヒルズ古代遺跡に新たな道が発見」「アリアン大食い大会のお知らせ」

どれも興味を引かれん…

必要なことを済ませて研究に入ろうかと言う時にアルがやってきた。
「午前中買い物に付き合ってくれない?」
会うなりわけのわからないことを言ってきた。
「私はこれから研究だ。そんな暇はない。」
当然拒否する。これだけは譲れん。
鉄の意志で跳ね返す。
「来てくれたら食べ損ねた朝ご飯奢るよ?」
早くも鉄が溶けだした。
なかなかいい条件…というか朝食食べ損ねたのはお前のせいな気がするが…
まあ黙っているが。
「たまには昼間に外に出ようよ。」
…これが目的か?別に私がどこにいようとアルには関係ないだろうに。
「まあ腹が減っては研究はできんと過去の偉人はいっているしな。」
まあたまにはいいか。

「ちょっとここで待ってて。あそこの露店見てくるから。」
「あ、ああ、行って…来い。で、すぐに…帰ろう。」
私の返事を聞くとアルは走り出した。

連れ出されて荷物持ちさせられて…もう限界だ。
その場に座り込む。上を見上げるといい天気だった。
やはり昼間は外に出るものではないな。喧騒が鬱陶しい。
早く静かな所に行きたい…
アルの方を見ると露天主と話し合っている。
また値引きか。頼むからもう9割引きにさせるのはやめろよ?相手が悲惨すぎる。

まだ時間がかかりそうなのでその辺を見るて回ることにした。
ドラゴンの牙、由緒ありそうな騎士剣、楽器…
聖水がなくなりそうだったので少し買い足し、元の場所に戻ろうとしたとき…

「おっと」
「きゃっ!」
小柄な人とぶつかった。

81名無しさん:2008/05/20(火) 12:42:01 ID:aY5Buyq.0
「失礼…大丈夫かな?」
おそらく私の方からぶつかったのだろう。先に謝罪を入れておく。
フード付きのマントを深くかぶって顔は見えない。
「ごごご、ごめんなさい。急いでいたもので。」
相手も謝ってくるがどうやら急いでいるようだ。
「いや、急いでいるようだし私は何ともないから大丈夫だよ。」
「すみませんでした。それでは…」
そう言って走り去って行った。

ふぅむ。女性かな?声の高さから。あと金髪だったな。
まあ面倒にならんでよかった。
そう考えていたら声をかけられた。
「おい、あんた。この辺にマントをした小柄な女が来なかったか?」
そう言ったのは先ほどの彼女が走ってきた方角からこれまた走ってきた派手な鎧を着た男だった。

ジャストタイミング!今会ったよ…と言ってもいいが、
あいにく赤の他人、特に野郎には厳しいのだ。私は。
「ああ先ほど見ましたよ。私をショルダータックルでふっ飛ばしたあとあちらの方に走って行きましたよ。」
私の中のあまのじゃくが彼女が走り去った方角と違う方角を指差す。
「そうか、失礼した。」
男はそれだけ言って去って行った。
まあ頑張ってくれや。1日探しても見つからんと思うが。
そして追われている彼女。頑張って逃げて面倒をこっちに持ってこないでくれよ?
そう願いつつもどろうとしたら向こうからアルが走ってきた。
「ねぇ、今派手な鎧を着た男がこの辺に来なかった?」

今日はよく人に尋ねられる日だな。
まあアルには嘘は言えん。
「安心しろ。私が罠にはめておいた。」
「はぁ?何言ってんの?」
事情を説明してみた。
「あっちに行ったのね…」
何やら考え込むアル。そして、
「ごめん、先に帰ってて。」
そうして男が言った方向に走り出した。

しばし呆然としてたがある重要なことに気づいた。
「あの野郎!」
そうしてアルに追いつくために全力で走りだした。

しばらく走り、路地に入ったあたりでアルの背中が見えた…が雰囲気がいつもと違うな。
遠巻きに盗み聞きをしようと近づく。
話しているのは先ほどの男か。
!!
男の手にはナイフが、腕の中には先ほどの彼女が。
嘘教えたのに捕まるなよ…
話し声が聞こえる位置まで来た。
「まだそんなことをしてたの?」
「お前に何も言われる筋合いはない。」
ううむ…どうも殺伐としているな…
ここは空気を読んで出直すか。
そう思い回れ右をした直後、
「誰だ!」
男の声が響いた。
全員の視線が俺に注目する。
「あっ」「貴様…」「ちょっと、どうして来たの!?」
三者三様の反応だ。誰の分から返答しようか。
「また会いましたね、失礼、先ほどのは嘘でした、まだ私に飯をおごっていないからだ。」
とりあえず反応の早かった順に返してみた。

「これで2対1よ。今回はあきらめなさい。」
よくわからないがアルがいつもの数倍の迫力で脅しにかかっている。
男は苦虫をかみつぶしたような顔をして
「っち」
腕で拘束していた彼女をこちらに突き飛ばしてそのまま走り去って行った。
「この子をお願い」
そう言うとアルは追いかけて行った。

「説明ぐらいして行け!!」
今のおれの心境を叫んでから気絶した彼女をとりあえず我が家に運んだ。

82名無しさん:2008/05/20(火) 12:43:10 ID:aY5Buyq.0
「さて、説明してもらおうか。」
帰ってきたアルをとりあえず問い詰める。
「いきなりね…
さっきの男は人さらい。顔を知っていたからもしかしたら、と思ったから追った。
そうしたら案の定だった。」
淡々と説明するアル。
「彼女は?」
「あら、女の子だったの?知らない人よ。たまたま助けただけ。」
「で、彼女を助けてどうするつもりだった?」
「?もちろん…」
「助けたから御礼を貰うと?」
…ゴッ!
殴られた。痛いぞ
「…冗談だ。今私のベッドで寝ている。できれば引き取ってほしい。」
「…え?連れて帰ってきたの?」
「ほかにどうしろと?」
「あ、ああ、そうね。わかったわ。私の家にとりあえず連れていくわ。」
一瞬動揺していた気もしたがアルは彼女を担いで行った。獲物を担いだ猟師のように。
と、部屋を出る直前にこちらに振り返った。
「まさか…とは思うけど変なことはしてないでしょうね?」
やってないから。あと迫力が凄いからやめてくれ。

次の日、いつもの時間に起こされた。
「おはよう。起きた?お客さんも来てるからしゃきっとしなさい。」
アルはそう言ってリビングのほうに歩いていった。
…客?
「お、おはようございます。」
リビングに二人の人影があった。
一人はアル、そしてもう一人は昨日の彼女だった。
アルは心なしか不機嫌に、彼女の方は緊張気味だった。
「おはよう、目覚めたんだね。」
「はい…あの、昨日は助けていただいてありがとうございます。」
何を言うかと思えば…
「それを言うためだけに来たのか?気にしなくていいのに。」
とりあえず大人の対応をしてみる。私は紳士だからな。
アルが続いた
「ひとつお願いがあるんだけど」
「なんだ?」
私は今機嫌がいい。何でも聞いちゃうぞ。
「この子…あなたの家にしばらく泊めてあげて。」

…は?

時は4940年
私の世界が変わりはじめた。

83名無しさん:2008/05/20(火) 12:46:26 ID:aY5Buyq.0
初めまして

勇気を振り絞って投稿してみました。
無駄に長いのは推敲できていないからです。
中程度の長さで完結できたらいいなぁとか思っていますのでどうかよろしくお願いします

文章書くのって難しいですね…
他の方が偉大に見えます。

84◇68hJrjtY:2008/05/20(火) 13:36:58 ID:LN1SstPI0
>ESCADA a.k.a. DIWALIさん
ラティナ父も豪快な性格なら、京美人的なラティナ母もまた爽快な(?)性格ですね。
なんかこう、無言の中から剣を交える雰囲気になるのって凄く爽やかというか、自然と憧れてしまいます。
そういえばティエラと燈道さんもなんか自然に戦闘になっちゃったし(笑) 家訓っていうかそういう血筋なのか…。
ラティナが知ったらどう反応するかが実に楽しみなトレスヴァントvs雪乃。騎士vs武士という構図でもありますね、続き楽しみにしています!
---
イベント日時了解しました。分かります、親の居ないところで茶会したい気持ち(笑)

>名無しさん(>>79-83
もう書き手さんは全員コテハン強制で!…ってのは冗談で。
初投稿、ありがとうございます!全然遠慮なんかしないでガンガン好きなようにUPして下さい(笑)
いやーしかし、この主人公君の性格が実にイイ。天然インテリというか。名前忘れたってある意味凄いよ(;・∀・)
冷静そうな性格の主人公君が移り変わる出来事に対して動揺したり焦ってたり困ってたりと読んでる方としては実に楽しいです。
深く詳しく描写せずある程度で文章を区切るという淡々とした書き方もまた良い味を出してますね。
アルと主人公君のほんのりラブを想像させる関係も気になりますが、さて、フードの彼女の実情とアルとの関係とは。
続き楽しみにしています!

85感想スメスメ:2008/05/21(水) 00:35:48 ID:ddy6MTJU0
どうも、感想スメスメです。
どうにも自分の文章が進まないのでまた感想から…。

姫々さん
まづは一言…。

『その戦闘描写を書く能力を僕に下さい!』

…失礼、取り乱したようですね。
僕はあまり事細かに書くと言う事が出来ていないようなのでとても羨ましいです。
そしてタスカの口の悪さ、ここまで来るとむしろ気持ちいいですな(何

武器姫ですよ、皆さん武器姫ですよー!
…また取り乱してしまいました。
武器姫と言うのはなかなかどうして魅力的なのでしょうか?
他の作家さんでもチラホラ登場することがあるのでなんとも不思議な話です。
かく言う自分も登場しているわけですしね。
チャットイベントでお会いできることを楽しみにしていますよ〜。

ESDADA a.k.a DIWALIさん

今度はラティナ(あやね)のオカーチャンきたぁぁ!
みなさーん、おかちゃんですよ〜!
…またまた取り乱した様で。
京都美人なおかーちゃんで、しかも見た目も中身も若々しいおかーちゃんときたらもう鼻血もんですなっ(マテ

今まさに切り結ぼうとするママンとトレスヴァントの二人。
果たして勝負は一瞬で決まるのか…?
次回を楽しみにさせて貰います♪

名無し(>>79-83)さん
取りあえず初投稿おめでとうございます。
自分も新参のの部類なのでデカい事を言えませんがとにかく楽しんでお互いの作品を投稿していきましょう!

つーか。
あ、あんた自分の名前を忘れたって…
ある意味豪快な人ですな…。

何ででしょう?
『アル』と言う名前の響きにとても懐かしい感じを受けるのですが…
そしてこの主人公とアルの関係も気になるところですが、やはりフードの子が加わる事で出来る三角関k(ry
…すんません、妄想が止まらなくて。
何よりあっさりした文章なのに情景が浮かんでくる書き方…
これも羨ましいですよ、嫉妬して良いですか?
最後に68hさんの言う通り、何かしらのコテハンがあると何かと楽ですよ(こっちが)?

86みやび:2008/05/21(水) 09:29:36 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]0/9

 お久しぶりの方もそうでない方もこんにちは。
 半死人のみやびと申します。

 GGアプデの影響でRSにINできなくなり、ひとまず引退しまし
たが、OSの入れ替えでなんとかログインは可能になりました。
 もっともOS再インスコの際にバックアップが取れなったこともあ
り、一切のデータ(特に創作関係のファイル)が昇天したため、創作
意欲は地の底まで萎えました……(泣)
 よって今後も投稿の復活は予定していませんが、せっかくログイン
できたのでメインクエからデータを取り出して来ました。
 資料として投稿しておきますので、「オリジナル設定再現派」の方
はご活用くださいませ。(使えるかどうか微妙ですけど;)

 尚、資料性の観点から、本文はメインクエ“CHAPTER1”で
入手できる「アイノの報告書」に記載されているテキストを、誤字・
脱字・句読点、および「もはや日本語ですらないトチ狂った文章」に
いたるまで、忠実に書き写してあります。文章が言葉としての意味を
成していない点はあらかじめご了承ください。

 ただし書式上の理由から、以下の部分についてのみ修正しています。

①半角英字「RED STONE」を全角の「レッド・ストーン」に変更。
②半角数字を全角漢数字に変更。
③改行位置と段落の変更および挿入。

 ――という訳でしばし(9レスほど)レス消費をば。

87みやび:2008/05/21(水) 09:30:48 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]1/9

●序 論…レッド・ストーンの生成に関するレッドアイの報告書要約

●第一章…レッド・ストーンの存在可否

●第二章…追放された天使たち

●第三章…レッド・ストーンが地に落ちた理由

●第四章…レッド・ストーンの盗難それから

●結論

88みやび:2008/05/21(水) 09:31:21 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]2/9

 ――序 論――
 レッド・ストーンの生成に関するレッドアイの報告書要約

 レッド・ストーン。不死の霊薬、または富貴栄華を持ってくれる富
と権力の源泉。
 空から落ちたというこの赤色の石を実際に見た人はあんまりいない。
 この石は人々がよく称する紅玉、ルビーではない。
 我々レッドアイは長い間、ブルンネンシュティグ国王の勅命を受け
て、いわば「神の目」とも呼ばれるこの石の行方を追って来て、また、
その結果を見た。
 ここに書かれている内容は、レッドアイの三七つの支部で収集した
資料を土台として、再構成したもので、レッドアイ研究の一番核心的
な部分のみを選りすぐっておいた物だと言える。
 この文を読む人々がレッド・ストーンに関する疑惑を明らかにでき
ることと同時に、正しい判断の根拠にできることを願う。

            ブルン暦四八〇五年十二月八日
            レッドアイ三九代会長 アイノ・ガスピル

89みやび:2008/05/21(水) 09:32:01 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]3/9
 ――第一章――
 レッド・ストーンの存在可否

 先にレッド・ストーンの存在可否が、一番大きい関心事になるだろ
う。
 今までレッド・ストーンは、見た人が極めて少ないミステリーに包
まれた物体だった。公信力のある機関や人物がこの品物の存在を認め
なかったから、その存在可否に関する論争はいつも消極的になるしか
なかった。
 ここで、レッドアイでは、これに関する確かな証拠と証言を提示し
て、レッド・ストーンの存在可否を明らかにしようとする。

 追放天使という言葉を聞いて見た事があるはずだ。
 我らが住んでいる地上界の上には、天上界があり、天上界で暮す住
民たちが天使だ。
 この天使の中で、重罪を犯した者等は空の権勢によって、羽が折れ
たまま地上に追放される事がたびたびある。追放されて地上界に落ち
た天使たちを普通追放天使と呼ぶが、これらは二度と高く飛ぶことが
できないように羽が折れたまま追い出されるの一般的だ。

 約四〇〇年前、ゴドム共和国にあった「赤き空の日」以後、このよ
うな追放天使を見つけたという報告が多数あった。しかし、その時堕
ちた追放天使たちは、あの時まであった多くの人々とは違う面があっ
た。
 まず大部分の追放天使たちが、以前の天使としての権能を取り上げ
られて、その象徴として、羽が丸ごと折れたまま追放されたり、少な
くとも片方の羽が完全に消える位の刑罰を受けた。
 しかし、「赤き空の日」以後現われた多くの追放天使たちは、彼ら
の羽、特に右羽半分だけがか破れたままで、天使としての力も、ある
程度は発揮できたようだ。
 また、以前の追放天使たちが平凡な住民か惨めな下層民として住ま
なければならなかったのとは対照的に、これら大部分はビショップと
して活発な活動をしていた。

90みやび:2008/05/21(水) 09:32:37 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]4/9

 ――第二章――
 追放された天使たち

 たとえ四〇〇年という長い時間をビショップとして住みながら、天
使だった時の記憶や力をまったく喪失した者等も多かったが、一部は
四〇〇年前の事件を覚えている者もいて、自分らがどうして追放され
たのかを分かっている人々もいた。
 ここで、私たちレッドアイでは、追放天使たちを直接捜してさまざ
まを探問し、多くの情報を得ることができた。
大部分の情報はレッド・ストーンに関するものだった。

 まず、この事実からレッドアイは次のような何種類かの事実を類推
し出した。

 「赤き空の日」以後に追放された多くの追放天使たちは、その日の
事件と関連があり、これらは地上界である任務を任されて追放された
のだ。
 また、地上界で活動をするために、これらはビショップの姿を主に
使って、レッド・ストーンに関する各種のうわさを作る震源地の役目
をしたと見られる。
 これは天上界と地下界、または、少なくとも天上界がこのレッド・
ストーンと関係があるはずだという推測を生むようにした。天上界で
どんな理由のためレッド・ストーンを地上界に流布させて、その後、
行方がはっきりしなくなったそのレッド・ストーンを捜すために人間
たちの力を貸す事に決めた後、追放天使たちを通じてレッド・ストー
ンに関するそのようなうわさを広めたのが一番適当な推理のようにみ
えた。

 一つ異常な点は、なぜ既に地上界に投げつけられたレッド・ストー
ンの回収のために、天上界でそんなにも努力するのかという点だった。
 それに、数多くの天使たちがどうして追放天使になって、天上界で
追放されて、その姿を隠したままビショップの姿として地上界で生き
ていくのかに対するのも疑問だった。

91みやび:2008/05/21(水) 09:33:12 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]5/9

 ――第三章――
 レッド・ストーンが地に落ちた理由

 追放天使の一つ、「ルインルス・ナルミナス・イエ・アリエンカム」、
地上界名「ゲール」は、その「赤き空の日」当時の状況に対して詳ら
かに覚えていて、レッドアイの調査員たちは、ガディウス砂漠にある
「荒廃都市ダメル」でビショップの活動をしているこの追放天使と面
談を通じて詳細な顛末を聞くことができた。

 レッド・ストーンと言うのは、天上界にいる六種の神獣の一つのフェ
ニックスの卵のことを称する。
 天上界には火、水、風、大地、光、闇、六種の世の中の基本元素を
支配する神獣たちが、多く居住していて、これら神獣たちは、お互い
に調和を成して地上界と天上界に不均衡が起きないように六種の元素
を治めている。

 今から四〇〇年前、そして地上界で称する「赤き空の日」と言う事
件が起こる十三日前、天上界に赤色の悪魔たちが大挙して侵入する事
態が起きた。
 この悪魔たちは天上界の神獣の中で、火の神獣の卵レッド・ストー
ンを盗むために潜入し、これらは自分らの卵を守っていた火の神獣、
フェニックスと守護天使多数を殺害して、組織的で専門的な方法を用
いてレッド・ストーンを盗んで逃走した。
 この途中で自分らの卵を守っていた火の神獣、フェニックスの多数
が消滅し、守護天使長を含めた守護天使の半分以上が死んだ。
 この悪魔たちは、レッド・ストーンを持って地下界ではない、地上
界に隠れて、それはレッド・ストーンの回収をもっと難しくした。
 各種の暗闘と憎しみの目がある地下界よりは安全で、レッド・ストー
ンに関心がなかった地上界こそが犯罪をやらかした悪魔たちが隠れる
には、ふさわしく良い場所だったということだ。

92みやび:2008/05/21(水) 09:33:51 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]6/9

 ――第四章――
 レッド・ストーンの盗難それから

 レッド・ストーンの盗難は天上界をひっくりかえした。
 まず、先に事件の責任を問うことと、事件にどう結末をつけるのか
がカギだった。
 事件の責任の所在については、厳しかった警備網をくぐって、どう
悪魔たちが侵入したのかが審判の対象になった。
 その頃、責任者であったレッド・ストーンの守護天使長は、既に死
亡した状態で、その配下にあった守護天使たちも既に半分以上が死亡
した状態だった。そして、副指揮官クラスと上級天使にあたる天使三
人がこの事に責任を負って、地上界に完全追放され、生き残った大部
分のレッド・ストーン守護天使たちも一緒に追放された。
 ただ、これらレッド・ストーン守護天使たちは、完全追放を免れ、
その代わりに片方の羽の半分を剥奪されたまま地上界でビショップで
奉仕活動をしながら、レッド・ストーンを探索する任務を引き受ける
ようになった。

 あまりにも多い数の天使たちだった為、皆を放逐する事は天上界に
も大きい被害になったはずであり、何よりも地上に降りてレッド・ス
トーン探索の適任者たちを選ぶことができなかった状況で、このよう
な選択は賢明な決定だったと見られるはずだ。
 責任の所在と事件の結末はうまく収めたが、結局のところレッド・
ストーンを探すことができず、四〇〇年余りの時間がさらに流れた。
 その間、地上に降りた天使たちは、ビショップとして活動して、レッ
ド・ストーンに対する噂を流したり、情報をあかすなど、人間たちの
協力を求めながら積極的な探索活動をしてきたが、レッド・ストーン
と悪魔たちを探すことは易しいことではなかった。

93みやび:2008/05/21(水) 09:34:25 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]7/9

 ――結 論――

 悪魔たちがどうしてレッド・ストーンを盗んだのかは、いまだ明ら
かになっていない。
 地上界に降った一部の追放天使たちは、活動初期にレッド・ストー
ンを盗む事件に加わった小さな悪魔何人かを生け捕ることには成功し
たが、詳しい審問はまともにしなかったと知られている。
 怒りに満ちた追放天使たちが悪魔たちを捕まえるや即座に審判した
為であるが、その審判さえも、生き残った悪魔たちでは信頼するに足
らず、信憑性のある情報を持っていなかった下級悪魔たちであった為、
その真偽は迷宮に落ちたまま時間だけが過ぎてしまった。
 ただ、審問に成功した小さな悪魔たちと天上界、追放天使たちの間
で、自分なりに推理した結論がある。
 それは、レッド・ストーンが発する火のオーラを利用して悪魔達が
さらに強い力を得ることが狙いだという噂のことだが、自分の考えか
らも利に適っているようであり、大半の追放天使たちと人間たちはこ
の推定を信じている。

 レッド・ストーンがどのような力を持っている物か、我々としては
想像もつかないが、神々が暮す天上界と悪魔たちが住む地下界で扱う
に値する物なら、人間が手をつけてはいけない物かも知れない。
 これに対する厳重な警告としてみたレッドアイは、レッド・ストー
ンの探索を全面中断することを要請して、以後、レッドアイの活動も
制限的に行うと明らかにする。

 とりあえず、我々レッドアイはレッド・ストーンの手がかりに非常
に近づいていて、それに対する正体についても、殆ど明かしたことで、
近い内にまた他の報告書を公開することを約束しながら短い文を終え
る。

94みやび:2008/05/21(水) 09:35:04 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]8/9

 ――メ モ――

 こんな古文書にメモをするということが、少々おこがましくはある
が、キミの記憶力がよくないため、どうしようもない。

 この本に関心が多い者たちの中で、購入希望を知らせてきた者たち
は、古都ブルンネンシュティグのロングシュ、港街ブリッジヘッドの
ケブティス、オアシス都市アリアンにいる隊員募集担当グレイツ!
 以上だ。

 この三人の内、誰か一人を選択することはキミの自由だ。あ!今度
もっと良い条件を出す人がいることもあるから持っていても構わない
がね。


         編者注)アイノの報告書より抜粋――ここまで。

95みやび:2008/05/21(水) 09:35:50 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]9/9

 ――編者あとがき――

 あらためてゲーム内のテキストを書き写してみて、ここまでキチガ
イじみた(言葉として成立していない)文章だったのかと、今更なが
ら愕然としました(笑)
 しかしこれ、いったいどうやって日本語にしたんでしょうね?
 自動翻訳ソフトに本家のテキストをコピペして、ただ「変換」ボタ
ンを押しただけとか?(汗)

 しかしある意味、物書きとしては「解釈のし甲斐がある」と言えな
くもない気がしないこともないようなあるような……(汗)

 ポスト・スクリプト――
 前回のチャットについては、開催される旨、小耳に挟んではいたの
ですが……参加できなくて残念!
 今度は参加できるといいなあ……♪
 ちなみにここしばらくは暇してる(とは言え基本的にスケジュール
未定の不定期ですが)と思います。
 6月に入っちゃうとまた予定はわかりません。今月中なら時間問わ
ずオーケイ……なはず(汗)
 ではでは。また死人に戻ります。

96◇68hJrjtY:2008/05/21(水) 16:33:50 ID:LN1SstPI0
>みやびさん
みやびさんキタ━o┃*´・ω・┠o━!
サイトの方ではお世話になっております。PC不調の話を聞いていながらもっさりとしたまま助力できなかったりorz
メインクエを題材にして小説を書いておられる方も居ますし、この資料はテンプレに入れたいくらい重要ですね。
メインクエっていえばチャプター1すらクリアしてないや…(´▽`*)アハハ
---
チャットの話は私の方の不手際影響が強かったのもありますし気にしないで下さい!
うーむ、6月に入ると微妙ということですか…了解しました。やっぱり今月中に開催が良さそうですね。
実を言えばFATさんだけ(以前常駐していた書き手さん含めたらもっとたくさん居ますが)連絡取れてないので気になっていたのです…が
また企画すればいいことですしね。とりあえず、ちょこっと調節して決めてしまいますね。

97◇68hJrjtY:2008/05/21(水) 16:44:25 ID:LN1SstPI0

      l> 第二回チャットイベントの告知 <l

 チャットイベントの告知をさせていただきます。コピペウェーイ
 21Rさん提案、白猫さん場所提供によりチャットイベントを開催します。
 参加資格などは特にありませんが、このスレの住人様を優先します。
 それについては書き手さん、読み手さん、ROM専さんは問いません。


   日時:5月 28日 水曜日 20:00(午後8時)より   (終了時間未定)
   場所:前スレ>>881  他のスレ、掲示板などへのURL転載は遠慮ください。
   心得:前スレ>>955  参加希望者様はご一読ください。特にチャットでのHNについては重要。



一応今まで希望が出た皆さんの「無理な日時」を避けてみましたが…
たぶん来週までには調整可能なのでどうしても他の日にしてくれという希望がありましたら遠慮なくどうぞ。
もちろん希望を出してない人でも参加OKです。お気軽に〜♪

98ななしじろう:2008/05/21(水) 18:51:55 ID:8DVZ7PwM0
病気のコボルトがあらわれた!

けんし
H:20
C:20

→たたかう
 にげる

→こうげき  まほう
 ぼうぎょ  どうぐ

けんしのこうげき!
コボルトに11のダメージ

コボルトのこうげき!
けんしに3のダメージ!
けんしは病におかされた!

H:17
C:20

→たたかう
 にげる

 こうげき  まほう
 ぼうぎょ →どうぐ

→キャンディーSP  3
 帰還の巻物 2
 
けんしはキャンディーSPをたべた!
病気が治った!

コボルトのこうげき!
クリティカルヒット!
けんしに5のダメージ!
けんしは病におかされた!

H:12
C:20

→たたかう
 にげる

 こうげき  まほう
 ぼうぎょ →どうぐ

 →キャンディーSP 2
  帰還の巻物 2

けんしはキャンディーSPをたべた!
病気が治った!

コボルトのこうげき!
ダブルクリティカルヒット!
けんしに10のダメージ!
けんしは病におかされた!

H:7
C:20

→たたかう
 にげる

→こうげき  まほう
 ぼうぎょ  どうぐ

けんしのこうげき!
コボルトに3のダメージ!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

コボルトのこうげき!
けんしに3のダメージ!

H:3
C:20

 たたかう
→にげる

けんしはにげだした…
しかし にげきれなかった!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

99ななしじろう:2008/05/21(水) 18:54:50 ID:8DVZ7PwM0
コボルトのこうげき!
けんしはこうげきをかわした!

H:2
C:20

→たたかう
 にげる

→こうげき  まほう
 ぼうぎょ  どうぐ

けんしのこうげき!
コボルトに2のダメージ!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

コボルトはニヤニヤしている

病気のコボルトがあらわれた!

けんし
H:20
C:20

→たたかう
 にげる

→こうげき  まほう
 ぼうぎょ  どうぐ

けんしのこうげき!
コボルトに11のダメージ

コボルトのこうげき!
けんしに3のダメージ!
けんしは病におかされた!

H:17
C:20

→たたかう
 にげる

 こうげき  まほう
 ぼうぎょ →どうぐ

→キャンディーSP  3
 帰還の巻物 2
 
けんしはキャンディーSPをたべた!
病気が治った!

コボルトのこうげき!
クリティカルヒット!
けんしに5のダメージ!
けんしは病におかされた!

100ななしじろう:2008/05/21(水) 18:55:12 ID:8DVZ7PwM0
H:12
C:20

→たたかう
 にげる

 こうげき  まほう
 ぼうぎょ →どうぐ

 →キャンディーSP 2
  帰還の巻物 2

けんしはキャンディーSPをたべた!
病気が治った!

コボルトのこうげき!
ダブルクリティカルヒット!
けんしに10のダメージ!
けんしは病におかされた!

H:7
C:20

→たたかう
 にげる

→こうげき  まほう
 ぼうぎょ  どうぐ

けんしのこうげき!
コボルトに3のダメージ!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

コボルトのこうげき!
けんしに3のダメージ!

H:3
C:20

 たたかう
→にげる

けんしはにげだした…
しかし にげきれなかった!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

コボルトのこうげき!
けんしはこうげきをかわした!

H:2
C:20

 たたかう
→にげる

けんしはにげだした…
しかし にげきれなかった!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

けんしは力尽きた…

ななしじろうです こんばんは。かいぎょうが おおくて すいません。
でもチャットは やりたいと思います。 ぶんしょうも
きもちわるくてすいません。でも8時からごはんなので 遅れるかもしれません。
今日は僕の好きなカレーなので たのしみです。では またあいましょう

101ななしじろう:2008/05/21(水) 18:58:03 ID:8DVZ7PwM0
すいませんいまきずいたんですが
HPがへんになっててすいません
ぼく頭がわるいので算数できませんでした。
あと、ぼくなんかが100とってすいません。
でも、みなさんは文章をかくのがうまくて尊敬します。よんでいてとてもたのしいです。
これからもよろしくおねがいします。

102黒頭巾:2008/05/21(水) 20:33:03 ID:fou9k2gM0
皆様こんばんわ、黒頭巾です。
長い感想レス行きます…えぇ、何事も溜め込む癖が悪いのです。


>68hさん
長編と言うより、オムニバス形式のシリーズならいけそうです(´∀`)ノ
いけめんさんのに関しては、当初の設定と大幅な狂いが……理想のWIZ像は何処に!笑
ただ、紳士ってのだけは崩さずにいれたらイイなぁ。
女性に「貴方ってイイ人ね」と言われるのに恋愛対象にはされない、みたいなキャラを目指します(如何なの)
増えたキャラで色々勝手な妄想は思う存分なさって下さい……そしてその内容を教えて下s(ry
ごきぶりさんは呼び名を知ったら怒らずにしょんもりすると思います(ヘタレかよ)
そう言えば、ごしゅじんさまはファミたんが何て呼んでるか知ってるんですよね……きっと皆をニヤニヤ見てるんだろうなぁ(酷)

チャットに関しては了解です(`・ω・´)ノ
P戦で少し中抜けするかもしれませんが、後は基本的に大丈夫だと思いますー。
前回は恐ろしい事態だった終了時間、今度は一体何時になるのか…流石に平日なので大丈夫だとは思いますが!笑


>白猫さん
Pの支援はやっぱり難しいですが、他職より名前を注意深く見るので面白い出会いがある事だけが救いです!笑
今降りてきてるネタとしては、「いけめんっちの初心者クエ」か「お誕生日」か「他作家さんとのコラボ」でしょうか(アンタ何する気だ)
WIZに眼鏡は魅力を10倍にも100倍にも上げると思います…うちのいけめんさんも読書時は眼鏡です(何)
Gvだとごしゅじんさまとファミたん活躍出来ないんですよね…Pへのダメ√問題が!

今回も盛り沢山で読み応えがありました(*ノノ)
そして、言わなきゃいけない気がするので言います…うふふ、おばかさーん(デコピn(ry
本編、手段を選ばないネルくんの姿に、友人に貰った面白写真を思い出しました。
迷路のゴールに餌置いたラットの実験の写真で、迷路の壁が一直線に齧られて破壊されてるの(ちょ)
しかし、砲台男が可哀想すぎて笑いが止まりません!(酷)
お兄ちゃんへと繋がる扉の可愛らしい文字と言い、待ち構える姿と言い…お兄ちゃん可愛いよお兄ちゃん(*´д`)ハァハァ(ちょ)
そしてネルくんとマイの喧嘩が小学生の喧嘩みたいで面白かったです(ノ∀`*)ペチン
お家にお留守番してる妹とお兄ちゃんが鉢合わせしたら大変な事になりそうでソワソワです。
番外編はアフロカリアスが見所ですね(違)
可愛い子程苛めたくなるものです…カリアスはきっとそういう作者の愛を以下略(待って)
999文字小説のお花は元少女(失礼)の生まれ変わりなのかもしれないなぁとしんみりしました。


>ESCADA a.k.a. DIWALIさん
その昔、フル○ウスが大好きで帰宅すると毎日見ておりました…笑
あのシュールな笑い要素は、今の自分のSSにも少しは散らばっているかも知れません(ノ∀`)アチャー
いけめんさんはある意味可哀想なキャラです…カッコいい男は壊してナンボだと思っています、後は眼鏡と白衣もイイね(違)
マンネリ化しない事を祈りつつ、ネタ集めの旅に出たいと思います、はい。
ふぁみたんの語り口調は、ほのぼののほほんと無邪気に無意識に毒を吐く幼児をイメージしております(台無し)

バカ親父KOEEEE!
地震雷火事親父みたいな卓袱台返し親父さんかと思いきや、一人称がパパだったりお茶目な親父様にが素敵です。
お母様も随分とえっちぃ格好で…ちらりずむですね(*ノノ)キャ
しかし、親父さんもお母様も戦いを楽しむ姿勢と言うか、娘と同じく喧嘩早いなぁと親子の絆(?)を感じます。
キャピ子ちゃんは随分と角が取れてイイコになりましたね…よいツンデレに育ちそうです(待って)

103黒頭巾:2008/05/21(水) 20:33:23 ID:fou9k2gM0
>61の名無しさん
初めまして、お返事遅くなりましたが仕様ですのでゴメンなさい(そんな)
Σぎゃぼー、サンホラーさんに見付かったー!Σ(´□`|||)
コレが答えになりますかと…嗚呼、石を投げないで!
曲名でなく略称で言われたので、もう一曲の方もバレてるのかなぁと監視鏡の前でガクブルしております(嗚呼)


>小説スレ界でのレギュラー@スメスメさん
副マス狙い発言といい、レギュラー狙い発言といい…この野心家さんめー(デコツーn(ry
ゴメンなさい調子に乗りました。
お詫びに私も子クマーの方に突貫してキングクマーのHPでも全快させにいこうと思います(酷)
ファミたんお持ち帰りは、きっと小生意気だと思いますがビシビシ教育してやって下さい。
ねくらさんの悪夢は、狩り装備のいけめんさんがきっと抵抗装備していなかったのが悪いと思います。
きっと前にもやられてる筈なのに学習しない辺り、Mなのかもしれません(待って)


>姫々さん
あんぎゃー、KYな質問そこはかとなくゴメンなさい。
兎も角、タスカちゃん強くてカッコよかったとです。
そうか、あの広場状になってる沸き場所に秘密基地あるとですね!
折角なので、今度ちょろりと観光に行って思いを馳せてみます。
姫は殺されても死なない、の件は死んだ振りかなぁと姫持ちの私はニヨニヨ読ませて頂きました。
詳細な戦闘描写に、風景が浮かんできます…見習いたい(ノ∀`)
ノヴァとスピカの関係はその内語られるのでしょうが、こうした人と人の運命的な繋がりはとても気になってしまします。
続き、楽しみにしておりますねー(*ノノ)


>79の名無しさん
初めましてー(*´∀`*)ノ
WIZっぽい研究者さんキタ―(・∀・)―ッ!!
自分の名前すら必要ないと切り捨てる主人公さんの潔さにきゅんきゅんです!笑
特に、三人に対する三様の返事を一気にした辺りもう合理的すぎて、自分の中のWIZ像にバッチリ一致していて悶えました(勝手に)
アルが不機嫌そうだったのはフードの彼女に嫉妬してるのかなぁとか勝手に想像してニヨニヨしております。
世界が変わり始めた、との事で…これからどんなドタバタが待ち構えているのか、果たして主人公さんは自分の名前を思い出せるのか、等々…楽しみにしております!(*゚д゚)b


>みやびさん
ぎゃー、お帰りなさいませ!
アイノの報告書データ、ありがとう御座います!
活用出来る日が来れば活用させて頂きたいものです(ノ∀`*)ペチン
コレ、次スレではテンプレにリンク記載させて貰わないと!(*゚д゚)b
公式の誤訳などは真面目に面白いですよね…クエやNPCの話を見ていて時々噴出します!笑
チャットでお会い出来れば嬉しいです(*´∀`*)ノ


>ななしじろうさん
Σドラ○エ風RS!爆笑
すいません、地味に笑わせて頂きました(*´艸`)
学問の家卒業したての若葉には、病コボすら強敵ですよね…けんし、古都からの再出発がんがれ(´・ω・)

104ななしじろう:2008/05/21(水) 21:42:29 ID:fm2dgT7U0
「ちくしょう、殺されちまった。今度こそ!」
けんしは張り切って西口へ向かった。
すると、急に足が動かなくなってしまった。
「な、なんだ!?」
足元を見わたしても何もない。
しばらくすると
バッサバッサ…
と羽ばたく音がした。見ると白い鳩らしき鳥がけんしに向かってきていた。
その鳩はけんしの前で落ちないように羽を羽ばたかせ、けんしに手紙をよこした。
「こんにちは、冒険家のみなさん…ブロームのひしょ」
けんしはすっかりやる気をなくしてしまいました。手紙をその場で破り捨て、けんしは自分の家に帰りました。

「じいちゃんただいまー」
ドアをあけると、けんしは不機嫌そうな顔でチョキーに声を掛けた。
「おお、おかえり、グー助。コボルトは倒せたかい?」
チョキーは家の奥の工房で槌をつくりながら返した。
けんしは話しをききながらリビングの椅子に腰掛け、テーブルに突っ伏した。
「それがさー、町でヘンな鳩に金縛りさせられて…もうさいあく」
すると、チョキーは槌をつくる手を止め、思い切り首を天井に向けて大笑いした。
「ははははは!あの鳩は不思議じゃのー。まあもうあいつはこないから、懲りずにいって来い!」
「何笑ってるの?外までまる聞こえよ?」
ドアの少し開いた隙間から可憐な美女が顔を覗かせた。
「あ、ねーちゃん。おかえり。」
うなだれていたグー助は少し元気を取り戻して、ドアの方へ返事をした。
それにチョキーが続けた。
「おかえりパー子。買い物はすんだかい?」
「ええ、ちょっと買いすぎちゃったかしら…あい子は?」
パー子は両手で抱えた大きな紙袋をグー助のすぐ横にドンと置いた。
「あい子なら部屋で寝とるよ。今日の夕飯はなにかの?」
「あらそう。今日はグー助の好きなハンバーグ(ー)よ」
今までテーブルに伏していたグー助が勢いよく顔を上げた。
「ほんと!?やったー!」
「良かったの〜グー助」

こうしてグー助たちは楽しい夕食の時をむかえるのでした…。

105ななしじろう:2008/05/21(水) 21:44:04 ID:fm2dgT7U0
考えることがいかにもばかですよね。ほんと僕の頭はしょうがくせい以下です…。
でもがんばって書きたいとおもいます。よんでくれたひとありがとうございまた。
みなさんの書いているのを参考にしてがんばってかいていきたいとおもいます。

106◇68hJrjtY:2008/05/21(水) 23:04:11 ID:LN1SstPI0
>ななしじろうさん
いいなぁ…RSを普通の家ゲとして遊んでみたいです。しかし毎回のように病気をうつされてるのが(ノ∀`)
そしてやっぱり最後は「まわりこまれて毒効果でぜんめつした…」(苦笑) 凄くデジャヴです。
「病気のコボルト」って最初見た時ビビりましたよ!普通にザコモンスターなのは分かったけど、名前がまんますぎて。
ブローム手紙は放置され、楽しい楽しい晩御飯…これが冒険者ってもんさ!(何
---
チャット参加大歓迎です〜!是非お越しくださいな。
ななしじろうさんって以前にも何か小説書かれませんでしたか?なんかそのひらがな口調に見覚えがあるのですが(笑)
次回作も考えておられましたら楽しみにしていますね。

>黒頭巾さん
いけめんさんってそういう設定でしたか!
なんていうか、男性にも女性にもモテそう(いや変な意味ではなくて)。才色兼備で高嶺の花風味という感じもしますねい。
しかしてその実態は別のところに…あったりするんだろうなぁ(笑) これはワクテカしつつ今後のいけめんさんの仕草をヲチせねば。
オムニバス形式、なるほどそういう書き方もありますね。登場人物だけ一貫させて色々なお題で書いていくのも楽しそう。
チャット時間は前回はヤバヤバでしたね(苦笑) うんうん、今回は私も翌日(29日)予定があったりしますのでたぶん早めに失礼するかもです。
でも逆に他の皆さんのテンションが上がって寝かせてもらえなかったら知りません(何

107名無しさん:2008/05/22(木) 02:25:25 ID:n19Iy/ug0
また21Rさん消失か

108黒頭巾:2008/05/22(木) 17:40:54 ID:fou9k2gM0
――貴方と私が出会ったのはきっと、運命だったのでしょう?


【妄想日記】


○月×日 天気:風雨

今日もいつもの様にモリネルに狩りに行ったの。
運極でタゲが来たら即死だから、記憶で飛んでアイテム確認しないですぐに敵に特技命令しちゃったんだけど、WIZさんが使ってたのよね。
すぐに「ごめんなさい」って言って狩場を離れたんだけど、また「使ってますよこの低魔^w^」とか「横しないで下さい>< 通報します^^;」とか耳メテオされるのかと思ってビクビクしてたわ。
そしたら、そのWIZさんから何て言ったと思う?
「故意に何度も繰り返された訳でもないですし、一度のミスくらい気にしませんので大丈夫ですよ」ですって!
私、ビックリしちゃってマウスを持つ手が震えたのを感じたわ。
このWIZさんはきっとロリコンで、私に一目惚れしたに違いないわね!
私も貴方のその愛に答えようと思うわ。


○月○日 天気:きまぐれ

昨日のWIZさんに会えるかと思って、今日もモリネルへ。
やっぱり昨日の場所にいたわ……私が来るのを待ってたのね、愛しい人!
貴方の横の狩場が埋まってたから、使ってた人がPOTを買いに行っている間に狩場を奪ってあげたの。
私は狩りに適当に狩りながら、貴方の発言が聞こえる範囲でずっと観察していたの。
うっかり耳誤爆した貴方も可愛いわ……でも、その相手は一体貴方の何なの!
貴方は背中に羽を生やしてエンチャを纏い、チリでクールに攻撃していたわ。
貴方のその素敵なエンチャで私の身体を熱く火照らせて欲しい……あらやだ、私ったら!
こんなはしたない私を貴方に叱って欲しいわ。


○月△日 天気:憂鬱

今日もINして速攻でモリネルに……残念、貴方はいなかったの。
耳せずにIN状況を知る裏技で10秒毎に1時間ずっと調べてたけど、INもしていない様だし。
体調不良とかじゃなければいいのだけれど。
愛しい貴方の名前でググってみたらブログを発見したから、即お気に入りに登録したの。
今から過去ログ一年分全部を読んでくるわ。
貴方の秘密が沢山で……一年も前から私の為に綴ってくれていたのね。
何て素敵な人なのかしら!


○月□日 天気:霧

今日も貴方のブログを見に行ったわ。
更新されているけど、忙しいみたいでIN出来ないって書いてあったの。
そして、お友達からのコメントに貴方らしく丁寧にレスしてあったわ。
私だけにレスして欲しいけど、優しい貴方だから少しくらいは仕方ないのかしらね。
折角だから私の連絡先をコメントしておいたの。
貴方からの連絡が来るまで、貴方のSSでも眺めて思いを馳せる事にするの。

109黒頭巾:2008/05/22(木) 17:41:23 ID:fou9k2gM0
○月▽日 天気:のどか

教えておいた連絡先に連絡が来ないの。
貴方ってば、全くシャイな人ね。
ブログを見に行ったら、「どなたか存じ上げませんが、個人情報を書かれるのは宜しくないですよ」とコメント削除されていたの。
きっと貴方と私の関係が皆に気付かれない様に取り計らってくれたのね!
私はそこまで気が回らなかったわ……益々惚れ直しちゃった。


○月◇日 天気:風雨

貴方のブログにGメンとの石像完成記念SSが載せてあったわ。
祝福コメントを寄せようとした私の目に、信じられないものが飛び込んできたの。
そのSSで貴方の膝の上に座っている黒い頭巾の女は誰なのよ!
待って、この名前に見覚えがあるわよ。
モリネルで貴方が耳ミスした名前だわ……今、SSで確認したから間違いない。
いくら私に会えないからって浮気なんてよくないわよ!
そんな事で私の気を引こうとするなんて、罪作りな人なんだから。
その愛に答えなくちゃね……ブログに6時間連続で「愛してるわ」とコメントし続けてみたわ。
貴方の情熱的な返事が楽しみね。


○月◎日 天気:憂鬱

私の愛情で埋め尽くされたコメントが削除されていたの。
貴方ったら全くシャイなんだから、もう!
「誰がこんな悪戯をするのか思い当たらない」なんて書いているけど、取巻きに悟られない様に目立つ行為を避けなさいって貴方からのメッセージなんだわ!
「続く様なら、ブログの閉鎖も考えています」ですって。
貴方の取巻きとの縁を切って、私の耳元だけに愛を囁こうとしているのね!
私は貴方のその愛情に答えようと、「素敵な考えだわ」とレスしようとしたの。
「このドメインからのコメントは拒否されています」なんて無機質なエラー文章に阻まれたけど。
そうね、私の答えなんて聡明な貴方にはまるっとお見通しだから態々書かなくてもわかってるのね。
私達に言葉はいらないの……私達には運命の赤い糸が繋がっているんですもの。
私ったらそんな事も思い至らないなんて、おバカさんだわ。


○月*日 天気:きまぐれ



……私は日付と天気だけ書いて、日記帳を閉じた。
綴られる内容はこれからの私の行動如何で変わるの。
目の前には、コミュ拒否にして耳を防ぎながらGメンと打ち合わせをしている貴方の姿。
メンバーの中には、例の黒い頭巾の女もいるわ!
生意気にファミリアを一匹だけ連れちゃって小憎たらしいったらありゃしない。
そのファミリアが「いけめんさーん」って言いながら貴方に近寄ると、貴方は優しい笑顔で「如何したんだい?」って言いながらファミリアの頭を撫でたの。
まるで昼下がりのほのぼのファミリーみたいじゃない!
わかったわ、貴方と私の子どもの予行練習をしているのね……積極的すぎて照れちゃうじゃないの。
そうね、私も貴方の子どもが沢山欲しいわね。
そして、郊外に庭付きの一軒家を買って家族で暮らすの。
何て素敵なのかしら!
そんな素敵な想像中にいつの間にか取巻きは立ち去り、貴方も何処かに行こうとしたから慌てて声をかけたの。

「こんにちは……お久しぶりですね」

言葉を選びながら勇気を出して言った私に、貴方は苦笑しながらこう言った。

「こんにちは。
 ええと……どちら様でしょうか?
 申し訳ありませんが、貴女と何処でお会いたか記憶にないのですよ」

……全く、貴方って二人きりでもシャイで罪作りな人なのね。



――続かない。

110黒頭巾:2008/05/22(木) 17:41:44 ID:fou9k2gM0
調子に乗って、歌からSSを以下略の第二段。
元の歌詞が思い込みの激しいアレなカンジなので、パロに近いです。
タイトルでググって頂ければ、歌詞やようつべ動画が出ると思われますので気になる方は合わせて如何ぞ。
どちらかと言えば、イメージ的には思い込みの激しそうな♀キャラって姫か悪魔さんなのですが、ごしゅじんさまのライバルテイマーさんで。
68hさんが「いけめんさんはモテそう」とか仰るから、妄想が広がって勢いだけで一気に書き上げてしまいますた(*ノノ)(他人の所為にした)
書きかけの武道家さん話が中々終わらないままグダグダ長くなっている事の現実逃避とも言います(ちょ)


今回はこまめにレス。

>ななしじろうさん
ΣメインクエEscボタンキャンセル自重w
キャラ名がジャンケンになっているのですね(ノ∀`)
ロングッシュは凶悪な鳩を使って金縛り攻撃をしまくっているので、グー助が放置してもきっと誰かがやってくれる!(そんな)
頑張れ鳩、負けるな鳩。

>68hさん
設定は二転三転するものです…ソレが仕様ってもんです(誤魔化した)
Σ68hさんってば、いけめんさんを買い被りすぎですよ!!爆笑
で、「モテそう」との自分的には想像もしなかった発想を頂いてこんな事に(ノ∀`)アチャー
いけめんさんはモテたとしても自覚していなさそうです…きっとGメンに楽しくヲチされてる事でしょう。
長編だと発生する縛りもオムニバスだとあまりないので気楽にいけそうで…笑
チャットは盛り上がって欲しいけど、盛り上がりすぎたら楽しすぎて先に寝れないというジレンマ!(ちょ)
兎も角、楽しみにしております(*´∀`)ノ

111aY5Buyq.0:2008/05/23(金) 05:53:26 ID:aY5Buyq.0
「おはようございます!朝ですよ!」

布団越しに声が聞こえた。
…ぬ?まだ早いな。
私は眠いのだ。睡眠を続行する。
「あれ?おはようございます!朝ですよ!朝!」
…妙にうるさいのがいる。アルか。私の睡眠を妨害するとは…
本来なら八つ裂きにするところだが眠いので声だけ返した。
「…うるさい、眠いんだ。あと6時間寝させてくれ。」
「ダメですよ!あと6時間も寝たらお昼になっちゃいます!起きてください!」
布団をめくられる。電気が眩しい。地下なので残念ながら朝日は見えないが。
「さあ!覚悟してください!」
何を覚悟すればいいのか今一わからんがとりあえず抗議しておく。
「寒い。」
「今は夏です!」
…今日のアルは妙だな。何が妙ってテンションが異常に高い。
「そんなにハイテンションでどうした?新聞の血液型占いで1位だったか?」
「いえ、乗っているのは星座占いで私の星座は最下位でした。」
…ますます意味がわからん。というかいつものノリじゃない。
「私は冷え症なんだ。あと朝日を見れないと目が覚醒しないのだ。」
「え?ここからじゃ朝日は見れませんよ…?
まさか、朝日を見れないとずっとこのままとか!?」

ギャーギャー騒ぎ出した…
だがどうも様子がおかしい。
私は仕方がなくゆっくりと身を起こした。
部屋の入り口でフリーズしているアルと目が合った。
「おはよう…朝っぱらから何の騒ぎ?」
ん?なんでそこにいるんだ?確か私を起こしていた気が…
そうか、
「ついに分身を極めたか…もう私が教えることは何もないな。」
「そんなに私を人間から外したい?」
笑顔で睨まれる。うむこっちは正真正銘のアルだ。
落ち着いてゆっくりと周りを見渡す。
目の前には強面のアルと椅子、テーブル。
なぜか自室ではなくリビングで布団を敷いて寝ていた。
…なんでだ?

「どうしよう!どうしよう!」
隣でわめいているのを見る。
小柄で金髪、フード付きのマントをしている女の子。
停止していた脳が動き出し、先日の記憶がよみがえってきた
「ああ…思い出した。最近歳で記憶力が…」
「まだ20にもなっていないのにそんなこと言わないの。あとそこの騒音発生機早くとめて。」
「了解だ。ボス。」
頭がようやく回り始めた。
隣で錯乱しているこの家の新しい居候を落ち着かせる。
「ふにゃ?」
規制を停止してこちらを見てくる。
まあどんな文化をもっていようと朝はこの挨拶だよな…アル以外に言うのは久しぶりで少し照れくさいが。
「おはよう。ミア。」
「あ、おはようございます!」
彼女…ミアは眩しいぐらいの笑顔で答えてくれた。

112aY5Buyq.0:2008/05/23(金) 06:07:53 ID:aY5Buyq.0
どもです >>79-83で初投稿させていただいたものです。
コテハンをつけた方が良い、と言われたのですがなにも思いつかなかったので
79のIDをコテハンにしてみました。
たまにIDが変わってしまいますが以後これで行かせてもらいたいと思っております。

さて、なぜこんなに短いかと言いますと、先ほど4時半ごろ、停電が発生いたしまして、
電気ダウン→PCダウン→書いていたものデリート→オワタ\(^o^)/
というコンボが…
一気にやる気が無くなりかけましたが、生きていた途中の部分を発見し睡魔が来るまで書きなおし
なんとか最初の次の部分っぽく仕上げました。
…手抜きですみませんorz

あとバックアップって大事ですね。次からメモ帳じゃなくてちゃんとしたワープロソフトでやります。

皆様感想ありがとうございます。
グダグダですがこれからもよろしくお願いします。

あと私、戦闘描画がこれでもか!と言うぐらい苦手でして、
RSというmmoRPGを題材にしておいてあれですが…
戦闘描画ALLカットでいくかもしれません(というかそのつもりです。)
戦闘描画うまい方凄過ぎでっせ。

113◇68hJrjtY:2008/05/23(金) 16:45:29 ID:LN1SstPI0
>黒頭巾さん
音楽に疎い私には前回の話もそうでしたが元ネタが分かりませんでしたorz …が、プラス思考過多なストーカーっ娘になんか萌えた(*´д`*)
いけめんさん買い被りすぎですかね!?でも「モテモテ」が言いすぎなら「素敵パパ」と言い換えてもいいかもしれないです。
「パパ」っていう感じは今回の小説で新たに沸いた感想なのですけども(笑) ふぁみたんとかに対するところはそんな感じっぽい。
優しくて紳士的な態度がなんかツボだと思いますよ!でも酔っ払って性格豹変しててもそれはそれでイイ(何
あと個人的には前回チャットイベントでちょっと彼の行動を書いてからというもの、はんらさんも好きですよ(。・ω・。)ノ

>aY5Buyq.0さん
なんか無理につけてもらったようで申し訳ない気持ちがありながら、コテハン決定おめでとう!
私のコテハンも一番最初に感想を書いてみた時のIDなんで気にしないで下さい(笑) ていうか( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ナカマー!
しかし今回は驚愕の真実が…主人公君って20歳前だったのかッ!妄想の中では20代前半のインテリ系だったのでなかなかびっくりですがそれはそれでイイ!
むしろ20前で冷え性って方がアルではないですが心配です…そしてフード少女、ミアもまた性格イイ(笑)
データ吹っ飛びご愁傷様です( ´・ω・) ゆっくりで構いませんし元の小説から別物に変えちゃってもいいし、ともあれ続きお待ちしています!

114感想スメスメ:2008/05/23(金) 21:26:18 ID:ddy6MTJU0
やっと次の話が出来上がりあとは読み直し&訂正をするだけなスメスメです。
こんばんわ〜。

みやびさん

おぉ!アイノの報告書ですか!?
自分も作品資料用にSS撮ってありますけど文章のみだと助かります!
ハッ、一度PC壊れてるから資料も吹っ飛んでたんだ…。

めっちゃ助かります!!
ムハァー。
…興奮しすぎですね。
またむくりと起きあがって(蘇生して)くる事を期待しています。


ななしじろうさん

はじめまして〜。
一瞬ポケ○ンかと思いましたよ。
ポ○モンじゃなく●ラクエなんですね…失敬。
いやいやいや、コボルト強すぎでしょっ?
あ、相手してみたい…(武道家の悲しい性)
つーかRSのステ異常に『病気』って項目があったら一体どんな効果が出るんでしょうね……CPがどんどん減っていくとか?

黒頭巾さん

第2弾キター!!
今度は星k(ry
つーか、このままだといけめんさん撃たれちゃうじゃん!?
いけめんさんのシャツが真っ赤になっちゃうよっ!?
だからふぁみたん、危ないから今のウチに僕の元へいr(殴
また興奮しすぎたようで……。


aY5Buyq.0さん

まずはコテハン決定おめですたい。

むっはぁー!この展開イィ!!
このフードの子もといミアさん下さい(イヤマテ
そして主人公くんって20未満!?
68hさんと同じくてっきり20代後半かと…
いやいや、失敬。

バックアップは大事ですよ〜。
僕もしょっちゅうデータ飛ばしていますから♪
よく家電クラッシャーとも言われていますしね(マテ
最近も新作の推敲中に突然消えましたからね。
何かやったのかな?

…まぁ、複数のバックアップはあると楽だと思いますよと、言う話です。

115黒頭巾:2008/05/23(金) 22:33:24 ID:fou9k2gM0
書き終わってない新作が途中経過で既に20KB超えて如何しようかガクガク((((゚д゚;))))ブルブルしている黒頭巾です、こんばんわ。
短くまとめる才能を誰か分けて下s(ry

>aY5Buyq.0さん
コテハンおめでとうですーヽ(´д`)ノ
私の妄想の中の主人公くん、25〜27くらいだと思ってました(細かい)
若年寄は若年寄で萌です(黙れ)
主人公くんの天然ぶりが可愛くて可愛くて(*´д`)ハァハァ
途中保存せずに書き上げた瞬間に間違えて「保存せずに終了」を押してデータぶっ飛んだ経験があるのでその悔しさは!
ぜんぜん手抜きでないですよー、むしろ萎えかねない中頑張りましたです(´;ω;`)ウッ
続き、やんわりお待ちしておりますー。

>68hさん
メジャーじゃない曲ばっかり持ってきてる私が悪いんだと思います(ノ∀`)アチャー
確認してみたら、やっぱり「妄想日記」でググれば歌詞とライブ動画出ましたー笑
此処までプラス思考だといっそ天晴れだと思って楽しく書けました(*´∀`)
素敵ぱぱん@いけめんさんとな…確かに現実世界なら保父さんとかやってそうです(ぇー)
酔って性格が豹変するともう本当に大変なコトになります。
皆恐ろしがって誰もその時の事は語りたがりません(何と)
例のはんらさんネタは楽しかったです!笑
こっそりログ残ってるんで、その内ちょいと肉付けして何処かで出てくるかもです。
でも、あのはんらさんは悪いはんらさんなので、ライバルテイマーちゃんと一緒にライバルGにいる別人だと思います(・ω・)ノ(何人いるの←)

>スメスメさん
おぉ、執筆お疲れ様ですー!
続き楽しみにしてますよー(*´∀`)ウフフ
Σごめんなさ、今回の元ネタはスタダじゃないんでs(ry
しかし、読み返してみたら確かにそう思えなくもないですね、コレ…笑
スタダ子がモデルだったら、二人が永遠に一つになれないってわかったら何するか!ガクガク(((((゚д゚;)))))ブルブル
サバイバルモード発動で赤WIZが誕生してしまう!(いっそ死ぬよ)
私のSSは自分の趣味が練りこまれまくってるので、わかる方はニヨニヨ出来るか怒るかだと思っています(駄目じゃん)
怒らないで下さる方には感謝です(ノ∀`)ペチン

116ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/24(土) 11:05:38 ID:OhTl4zsk0
>>77からの続きなりぃ〜

東雲流抜刀術・・・その一太刀、見切ること適わずとみつけたり。その一太刀、彼岸花の花びらが舞い散るが如し。
15年前に雪乃と切り結んだ、当時では5本指に入るほどの実力者だった元剣士の男はこう語る・・・

「とにかく、あの女の使う技は信じられない・・・あの黒い得物が刀であるのはわかっていたんだがな、刀身が全く見えないんだ。
 女の右手が消えたと思ったら赤い閃光が見えて、そして・・・刀を納めると同時に、オレは全身を斬られていた。
 思い出すだけでもゾッとするぜ・・・15年たった今でも忘れられねぇよ、多分あいつに勝てる奴といったら・・・・・

 炎熱系の能力者達の首領『"炎帝"ミカエル』、ラフュア族の生き残りで砂漠の女酋長『"銀の鷹"ティエラ・ラファエル』、
 あとは・・・滅多に闘いの舞台には出てこないが、スマグのデザイナー兼錬金術師『"鋼帝"ウリエル・フランベル』

 ・・・こいつら3人くらいだろうな。とにかく、あの女に剣術で勝とうなんざ考えねぇこった。刺身にされちまう・・・」

15年経った今・・・トラン森の中、トレスヴァントは元剣士の男を簡単に下した居合いの使い手に挑もうとしていた!!!
「(刀の柄に手を添えた・・・!!あれが構えか、おそらく向こうは当身を狙っているはずだ、ここは慎重に動かないとな・・・)」
表情を険しくし、彼はジリジリと間合いを把握するように移動する・・・一方の雪乃は構えを崩さないものの、視線は彼を追っている。
「(なるほど、いきなり斬りかからずに間合いを確認どすか・・・この駆け引きがええんやわァ、楽しませてもらいますえ?)」
・・・二人の動きが止まった、かに思えたその刹那だった!!「当身だけ、居合の戦い方とは違いますえ!?はっ!!!」
何と雪乃の側から仕掛けてきた!しかし刀は抜かず、右手を柄に当てたままトレスヴァントへと走ってくる・・・!!
対するトレスヴァントもビッグセイジを握る手に力を込めた・・・雪乃と接触するまであと2秒もない、ガードの構えを取る!!
だが、雪乃はそのまま彼の背後へと抜けた。刀は抜いてい・・・た。血のような真紅色の刃、その全てが赤く染まっている。
「・・・東雲流抜刀術、走り斬りの意『朱牡丹(しゅぼたん)』。」そう呟き刀を納める雪乃、鞘に戻し『チンッ…』と音を立てる。

同時に、トレスヴァントの握っている大剣に衝撃が襲い掛かった!!!止め処なく響く太刀音、体に伝わる重力・・・
トレスヴァントは腕力で衝撃をカヴァーし、すぐに体勢を立て直した・・・しかし、腕に痺れがまだ残っている。

「・・・さすがだぜ雪乃さん、オレとすれ違った瞬間に10以上の斬撃を放っているとはな。これが東の異国の技か・・・」
「そう・・・相手に悟られずに斬るのが、東雲流抜刀術の粋どすえ。せやけど、私の太刀筋を見切ったのはあなたが初めてですよって。」
「へへっ、そいつァどうも。ガキの頃から反射神経は人一倍すごかったんでね・・・じゃぁ今度はオレから行かせてもらうぜっ!?」
次はトレスヴァントの番、力強く屈伸して、そのまま空中へと垂直に飛び上がった!!ビッグセイジを振り上げ、雪乃目掛けて
落下し始めた!!!「うぉぉおぉぉらぁああぁぁぁあぁぁぁああぁぁぁあっ!!!!!!!!!!!」
高速で落下したトレスヴァントの斬撃が、大砲のような轟音を響かせた・・・地面がぱっくりと割れている。
当たったら例え防御していても武器ごと真っ二つにされているだろう。だが、着地点に雪野の姿がない・・・!!

117ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/24(土) 11:46:19 ID:OhTl4zsk0

「何も受け切るだけが剣の道と違います・・・なかなか力強い一撃やったけど、『空蝉』で避けさしてもらいましたえ?」
涼しい笑みを浮かべた雪乃が彼の背後に立っていた・・・振り向くトレスヴァントの顔に冷や汗が流れる。
「ウツセミ??何だそりゃ、一体何しやがったんだ…」「うふふ…ええやろ、教えてあげますよって。これが空蝉どす。」
すると彼女の分身が次々と、トレスヴァントを囲むように現われた・・・同時にトレスヴァントも気付いた。「これはマズい!!」
「さてはて・・・トレスヴァント君、いくら反射神経が良うてもこれを全部受け切るのは至難の技どすえ?ほな、行きますえ〜」

                東雲流抜刀術、空蝉の極意奥義!!『彼岸花(ひがんばな)』!!!

例えるならフランデル大陸のランサーが使う、分身を駆使した奇襲用同時攻撃スキル『エントラップメント・ピアシング』。
それを赤い刀身の刀で、中央の目標を切り刻むその攻撃はまるで赤い花・・・東の異国ではあの世とこの世を結ぶと言われる花を
文字通り表現したような、美しくも残酷な技・・・それが奥義"彼岸花"。その餌食となったトレスヴァントは身をかがめて耐え忍ぶ。
鎧が斬撃に喘ぎ、軋み、鈍い金属音を矢次早に奏でる・・・しかし彼の身を包む鎧も、立て続けに襲う鞭のような斬撃に耐えられるはずが
なかった。ついに鎧は派手に大破し、露になった裸体の上半身を赤い刀が切り刻む!!!「うぐっ…ぐぁあぁぁああぁぁぁああぁっ!!!」
血飛沫が舞う・・・それは彼女が放った技の所以を一層強調するかのように宙を舞い、血の雨となって降り注ぐ。
そしてトレスヴァントは倒れた・・・ビッグセイジを握る手に力はなく、ぽろりと落ちて鈍い落下音を出す・・・

・・・雪乃は泣いていた、静かに涙を流していた。刀を鞘に納め、髪を振り解く・・・
「また・・・人を斬ってしまいましたわ。ごめんなさいねトレスヴァント君、かんにんえ・・・かんにんえ・・・はぁっ」
合掌した後、さめざめと泣きながらその場を後にしようとする雪乃、だが・・・

「おいアンタぁ・・・何勝手にオレを死人にしてやがる?オレぁもう怒ったぞ・・・・!!!」
ムクリと起き上がるトレスヴァント・・・上半身は血に濡れているが、それでも立ち上がる!!!
「どうしてっ・・・どうして起き上がりはるの!?どうして血塗れになっても立ち上がりはるのぉっ!!?!
 これ以上やる言うんなら・・・ほんに死んでしまっても、私・・・私知りまへんえ!?!ええんどすか!?」

涙混じりに雪乃が問う・・・そしてトレスヴァントは答えた。

「死なねぇよ・・・つい場の空気のせいでバトっちまったけどよ、オレはこんな所でアンタと油売ってるわけにはいかねぇんだ!!
 オレが死ぬときはっ!!ラティナ・・・いや!!あやねと一緒に死ぬっ!!!だから、オレはここで死ぬつもりはねぇっ!!!」
彼の叫びが場をビリビリと振るわせる・・・地面に落ちたビッグセイジを拾い、ふたたび彼は構えを取る・・・!!
「・・・ようわかりました。その覚悟、しかと受け取りましたよって・・・おいでやす!!」
涙は止まらないが、雪乃もまた再び居合刀に手を添えて構えをとる・・・だが今度はトレスヴァントに変化があった。
大剣を持つ手を後ろに引き、上半身を捻り・・・まるで野球のバッターのような構えを取っていた・・・

「オレはこの一発に賭ける・・・今からオレが放つのは!!超ド級の『嵐』だ!!!」

to be continued...

118ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/24(土) 12:15:22 ID:OhTl4zsk0
さ〜てお兄さんが感想やレス返しを書いちゃうゾ☆

>>aY5Buyq.0さん
どうもはじめまして。クールでどこか無頓着なウィザード、いいキャラしてます^^
相棒(?)のアルとのやりとりが某ハ○ヒみたいで読んでいて楽しいですね〜
ウィザード宅に転がり込んできたミアちゃんとの共同生活はどうなることやら、楽しみですw

>>ななじろうさん
これまたお初でございます。某有名RPGパロディな内容に笑わせてもらいましたぜbb
しかしコボルトにリベンジなるのでしょうかね、にしてもグー助くん一家のほのぼのな雰囲気がいいなぁw

>>スメスメさん
うふっふ〜♪着物美人に居合刀って乙な萌えスタイルだと思いませんかィ?和風いいですよね〜
それとオレのお話作りのコツ、茶会も参加しやすい時間なのでぜひぜひ暴露させて下さいな^^
基本的には「キャラクターに焦点を置く」のがミソなんですがね、詳しくは後日にて。

>>黒頭巾さん
おぉ、こりゃ「いけめんさん」にベタ惚れな女性キャラの視点からつづったブログ風日記ですかなw
あまりに思い込み激しすぎるヒロインも可愛らしいけども、ふぁみたんを撫で撫でしてる「いけめんさん」がもう////
オチは結局『誰だか忘れられていた』というベタな(ry・・・今度は誰の日常が描かれるのか楽しみですよ〜

雪乃さんは「和服美人」「熟女だけど見た目若い」をテーマに作ってみました。
あれですね・・・女の和服の着崩し、特に胸元やスリットのはだけとか、そそる物がありますよねぇw
そこんところは茶会で思う存分暴露し合いましょうぞ!!!

>> 68hさん
チャット時間了解です、時間や曜日も丁度いいので是非参加させてもらいますね^^
あやねや雪乃、燈道ら東雲家は勝負事が好きというか、ちと血の気が多い設定です。
まぁ、あやねはさほどバトルジャンキーでもありませんが、活発女子の典型といえばこうでしょ!みたいなw
そろそろバトル三昧も飽きてきたので(ぉ 前回の茶会で予告した「ミリアちゃん再び幼児化」の執筆にも
取り掛かっていこうと思います。ミリアが兄のミカエルにいっぱい甘えるキュンキュンな妹ぶりをこうご期待b


P・S
ttp://jp.youtube.com/watch?v=00qgdHQ5PVA
某ゲームのやつですが読むときのBGMにどうぞ、和風テイストです。

119◇68hJrjtY:2008/05/24(土) 14:28:16 ID:DfeyJKUU0
>黒頭巾さん
妄想日記…!ググらせてもらいました。歌詞だけ読んでみたらまさにドンピシャ(ノ∀`) 動画の方もいずれこのボロPCに鞭打って見させてもらいます(笑)
なんか憎めないんですよねぇ、ストーカー気質なのは分かるけど(笑) 一途な恋愛少女は強いわけです。
普段怒らない人が怒るとメッチャ怖いっていう法則もいけめんさんの場合は凄そうな気もする…!
はんらさんのログ残ってるってマジっすか(;´Д`A なんかそう言われると恥ずかしくなってorz
なるほど彼はいけめんさんギルドの人ではないブラックはんらさんでしたか…ま、まあ、あの性癖はなかなか深夜放送チックでしたが(笑)

>ESCADA a.k.a. DIWALIさん
彼岸花というネーミングもさながら、雪乃の華麗なる剣捌きに見惚れ中(*´д`*)
エントラの刀バージョンというだけでなくてそれ以上のモノであるかのような気がします、彼岸花。まさにあの花の形そのままの斬り方と想像させますね。
速度に勝る雪乃とパワーに勝るトレスヴァント…しかし今のところはトレスヴァント、押され気味でしょうか。
嵐という予告に実にワクテカしております。出るか、禁断のあの技…!楽しみにしています。

120◇68hJrjtY:2008/05/27(火) 12:25:45 ID:DfeyJKUU0
直前告知!

      l> 第二回チャットイベントの告知 <l

 チャットイベントの告知をさせていただきます。コピペウェーイ
 21Rさん提案、白猫さん場所提供によりチャットイベントを開催します。
 参加資格などは特にありませんが、このスレの住人様を優先します。
 それについては書き手さん、読み手さん、ROM専さんは問いません。


   日時:5月 28日 水曜日 20:00(午後8時)より   (終了時間未定)
   場所:前スレ>>881  他のスレ、掲示板などへのURL転載は遠慮ください。
   心得:前スレ>>955  参加希望者様はご一読ください。特にチャットでのHNについては重要。


直前となりましたがチャットイベント告知です。特に希望や参加表明を出したりせずに突然来訪してくれて構いません。
チャット内容は…まあ、雑談+書き手さん同士のコラボネタ(前回チャットで少し話した続き?)等になるかと思います。
入退室の時間や制限等もありませんのでお気軽に。

121之神:2008/05/28(水) 20:37:55 ID:a6g3wSDo0
1章〜徹、ミカの出会い。
-1>>593―2 >>595―3 >>596-597―4 >>601-602―5 >>611-612―6 >>613-614
◆――――――――――――――――――――――――――――――――――――◆
2章〜ライト登場。
-1>>620 -621―2>>622―○>>626―3>>637―4>>648―5>>651―6 >>681
◆――――――――――――――――――――――――――――――――――――◆
3章〜シリウスとの戦い。
-1>>687―2>>688―3>>702―4>>713-714―5>>721―6>>787―7>>856-858
―8>>868-869
◆――――――――――――――――――――――――――――――――――――◆
4章〜兄弟
-1>>925-926 ―2>>937 ―3>>954 ―4>>958-959 ―5>>974-975
◇――――――――――――――――5冊目―――――――――――――――――◇
-6>>25 ―7>>50-54 ―8>>104-106 ―9>>149-150 ―10>>187-189 ―11>>202-204

◆――――――――――――――――――――――――――――――――――――◆
5章〜エリクサー
-1>>277 ―2>>431-432―3>>481-482―4>>502―5>>591-592―6>>673-674
-7>>753-754―8>>804-806―9>>864-866―10>>937-939―11>>971-972―12>>997-1000
◆――――――――――――――――――――――――――――――――――――◆
番外

クリスマス  >>796-799
年末旅行>>894-901 」5冊目
節分  >>226-230
バレンタインデー>>358-360 >>365-369
雛祭>>510-513
ホワイトデー@シリウス >>634-637
◆――――――――――――――――――――――――――――――――――――◆
キャラ画>>907 (6冊目

122之神:2008/05/28(水) 20:40:22 ID:a6g3wSDo0
γ



エレベーター内は、まるで動いていないかのように静かで、俺は少し不安になった。

「ライトだ…、乗り込んだが、これから先は?」

『そうですねぇ、降りてすぐに研究所内の案内書きがあるので、特に迷うことはないと重いまずが…』

「ますが?」

『研究所は四方に扉があります…それぞれ東西南北、そして貴方には…』


迷っているのか、それとも気まぐれなのか、少し間が空く。

「おい?」

『貴方には、東口から入っていただきます』

「入るところによって何か違うのか?」

『いえ、特に変わりはないですよ…ですが、これから起こることを考えると、貴方には東口が最適ですから』

「…意味わかんねぇし…まぁいい、今は乗ってりゃいいんだな」

『そうです、では、お気をつけて』

「ん、了解」

プッ、と音がして、フィアレスとの通信は終了した。

階数表示には 23 とある。階数は忘れたが、順々に下がって行く数字を見て俺は、これが動いていることを再確認した。


ψ

「謝罪を要求する!」シリウスは荒々しく、ジャージ姿の男を怒鳴り散らす。

「まぁ、うん、悪かった!んでさー…」

「貴様、それで謝ったつもりか…」

悔しそうな、やるせないような、そんな表情をしてシリウスはまた向きを直す。

「まぁいい。馬鹿の相手をしているほど、私はヒマでは無い…さらばだ、もう遭うことは無いだろうが」

「お前おもしろい奴だなー!頼んでもいないのにベラベラ喋ってるし!うん、でも俺はお喋りな奴好きだぞ!」

シリウスは完全スルーして、再び自分に支援を掛けなおした。

「また逢おうなー!」

と、ナザルドが言ったころにはもうシリウスは走り出しており、耳に届くことは無かっただろう。


「まぁいいや、これで普通の通路に出れたしっ…俺もノルマをこなすかなーっと…?」

走り出した時、すぐさま違いに気づいた。


「あれ、俺にも支援くれたんだぁ…」

自分に掛けられた魔法の翼が、それを確信させる。

「ますます、また会いたいなぁー!」

スキップまじりのよくわからない走り方で、合っているかもわからない方向へナザルドは走り出した。


κ


――グッ…ウォォォ…。

パタン…!と、通路に響く大きな音で廃人は門番の役目を終えた。


「悪いなアライブコープス。時間があれば低下無しでタイマンしたかった所だが…」

「アルシェは私のノヴァが無いとねーっ?」クスクス、とエトナは笑う。

「別に、必要では無い。それより、さっさと行くぞ」

アルシェは身を翻し、廃人が守っていた扉を開き進んで行った。

123之神:2008/05/28(水) 21:18:27 ID:a6g3wSDo0
小説半端ですが、こんばんわー之神です。
皆さんは今チャット中ですね、私も参加してますが…。

さて、イベントでも話題の

『小説キャラクター天下ー大会』

ここで、書き手さんに書いてもらい事があるのです。

①出して欲しいキャラクター
②細かい設定
③備考(たとえば、キャラの具体的なセリフを入れたり、守って欲しい事など。


自分の場合

①ナザルド
②運剣士、しかも極。体育会系で、快活、元気。ノリで動いてるような彼も、運に守られ今までこれたようで。
③語尾はたいてい「〜っ!」のように感嘆符がついたりします。まぁ、元気なんですよ。服装はジャージ、スェット。
 剣士に必要なスキルはそろっているので、技は何を出しても平気です。武器はタルワGDXの運比率。とにかく全身運装備。


こんな感じですね。ではでは。

124幕間:2008/05/28(水) 21:23:06 ID:of5VjV0.0
①ハイブリシフ
②いわゆるバカ GV中に仰け反るOFFのままだったり重要なアイテム忘れたりはあたりまえ
③噛ませ犬以下  ギ ャ ク 要 員 で お ね

125ESCADA a.k.a. DIWALI:2008/05/28(水) 21:37:58 ID:7cLheTbg0
え〜,之神さんがおっしゃってる「小説スレキャラ天下一大会」,オレも設定ageですよ!

1:エディ
2:カポエイラの使い手,同時に罠設置(有刺鉄線や電流爆破)を駆使する。
  戦闘時はクールながらも内心は熱くなっている,ちょっとニヒルな感じ。
3:「ハッ!」「イ〜ハァ!」など楽しむような掛け声を入れてもらえれば,服装は
  グレーのニットキャップ,黒いスウェット,ブラックレザーのベルボトムパンツ。
  カポエイラの動きは描写が難しく技名もややこしいです,ググって頂ければ;;


1:東雲"ラティナ"あやね
2:物理ランサー,スキル名は和風になります。例えばワールは「龍走撃」,エントラは「鴉揚羽」
  他にはサイドステップが「空蝉」などなど・・・
3:上記以外のスキルの和名アレンジは白猫さんにお任せ致します。
  戦闘時の台詞は某格闘ゲームのアル○ェイドみたいに楽しみながらも熱いカンジでお願いします。

126スメスメ:2008/05/28(水) 21:38:13 ID:ddy6MTJU0
①アル・キリエ
②熱血バカ・愛すべきマスコット
③とにかくアルに熱い台詞を!

127みやび:2008/05/29(木) 14:59:01 ID:3CgPRCb.0
◇―― リレー企画 ――――――――――――――――――Red stone novel[1/9P]

 という訳でチャットで走った「天下」企画とは別に、人がまばらになった頃に沸いたもうひと
つの企画です(笑)
 常連の方はもちろん、初参加の方でもお気軽に投下してください。

 ――以下 テンプレです――

●タイトル…『銀河ネットワークで歌を歌った鯨』
 好きな方はご存知のことと思いますが、某メジャータイトルから拝借。
 タイトルの元ネタはSFですが、だからといって内容がSFである必要はありません。
 といいつつ初回はSF風味に書きましたけど(笑)
 ただし今後の展開を“RSの世界”に移行できる方向に引っ張っていますので、あとはRS
 ネタに漂着させるだけです。
 その後の展開も、それぞれの職人さんの独断と趣味で構築してください。

●文体…それぞれの職人さんに一任します。(それがリレーの醍醐味ですから)

●展開…こちらも自由です! 唯一「シリアス」という点だけは固定させていただきます。
 もちろん当スレの趣旨を逸脱しない限り、笑い……エログロ……恋愛などなど、各職人さ
 んの主観でスレの許容範囲と判断したものは、自由に挿入してかまいません。
 「基本路線がシリアスである」ということだけを頭の隅に置いていただければOKです。

●書式…読み易さを考慮して一行の文字数(正確には文字数ではなく「見た目」の改行位
 置)は統一したいところですが、書き慣れていない人にはけっこうな手間となります。
 なので強制はしませんが、もし揃えてくださるという方はこの文章および本文(第一話)を
 参考に改行してみてください。大雑把でかまいません。

●ノンブル(ページ数)についてもお好みで。
 私の場合、複数者による同時投稿の危険性を少しでも避けるために、投稿の際にはノン
 ブルを振るようにしています。
 (他の方がスレを見た際、まだ私が投稿中“現在進行形”であることをノンブルによって確
 認することができるため)

128みやび:2008/05/29(木) 14:59:36 ID:3CgPRCb.0
◇―― リレー企画 ――――――――――――――――――Red stone novel[2/9P]

 ――テンプレの続き――

●投稿時に併記していただくもの…
 ※自身の投下分に新たなキャラを登場させたら、次を書く方のために、本文の最後(冒頭
 に持ってくるとネタバレにもなり得るので、あとがきの形で書くのがベター)に簡潔な人物設
 定を明記すること。

 例>
 追加キャラ設定
 名前…「赤石 駄目男」
 備考…28歳(男)。独身。
 引きこもりニートの廃ゲーマーだが実はイケメン。臆病で神経質。特技はワンクリ放置。
 一人称…「俺」※かしこまった場では「私」
 そのキャラ固有の口調など設けたい場合は別途「終始べらんめえ調」等、明記する。

 みたいな感じです。
 同様に固有名詞やその他設定(歴史、小道具、国、etc)についても自分で追加したもの
 は明記してください。こちらについてはある意味「早い者勝ち」なのでイメージが沸いた方
 はお早めに投稿してください(笑)

●注意!!
 言うまでもなく本企画はスレの趣旨に準じています。
 作品に対する批判は控えてください。荒し・叩きは完全スルーのこと。
 ご新規さんも萎縮したり躊躇する必要はありません。アマ創作に求められるのは技術と
 完成度ではなく「創造の楽しさを共有すること」です。自由に参加してくださいね♪

  
 ――テンプレ ここまで――
 尚、次回以降テンプレは概要のみとし、簡略化してもOKです。いっそここに安価振るだけ
にして「毎回分はテンプレ無し」ってのもアリかと。次の方にお任せします。

 では、第一話は言い出しっぺの私が投下します。

129みやび:2008/05/29(木) 15:00:08 ID:3CgPRCb.0
◇―― リレー企画 ――――――――――――――――――Red stone novel[3/9P]

   『銀河ネットワークで歌を歌った鯨』(第一話)



 果たしてかのプリナス・プリミティブ・ライトを故人と決め付けてよいものでしょうか?

 それが、ホサナ議員の第一声だった。

 確かに彼――彼女――は、生き抜くという意味においては利己的で狡猾な人物だった。
 きっと思考そのものが“死”を許容するようには出来ていないのだろう。
 もし仮に、この世にこれ以上の虚無感はないというほどの絶望的な状況があるとして、そ
の最悪の牢獄につながれたのがプリナスであったなら……おそらく彼や彼女は決して諦め
たりはしないだろうと思う。落胆も、絶望も、恐怖も悲しみもなく、ただ「現在の状況を打開
する」ことだけに没頭し、やがては本当に奇跡を起こしてしまうだろう。

 つまり彼や彼女というのは、そういう人物だということだ。
 たとえ彼と彼女が宇宙世代の最初の種――“第一世代”はリスクと引き換えに極端な優
遇種が生まれてくる、というのが一般的な見解だ――であったとしても、銀河中の医師や科
学者たちの予想と予言を遥かに超えた寿命を生き長らえ――もちろんそれらの予定表に
はあらかじめ各種の延齢処置の処方も含まれている――かつ、あまたの危機を乗り越え
てきた事実が、氏の人間離れした逸話やそのた伝説の類を裏付けるものとして存在してい
るのだから。

 さすがに中央銀河評議会の元老連中も、ホサナ議員の言葉を無視することはできなかっ
た。なぜなら、数世紀は生きているであろう元老たちでさえ、氏の家計図でいえば見落とさ
れてしまいそうなほど、幹から遠く離れた場所で風に揺られる、無数の枝葉の先端に位置
する歳でしかないからだ。
 覚醒期間が飛び飛びとは言え、記憶の一部を回路に移植し、第一次宇宙進出の時代か
ら人格を保ち続けているホサナ議員の――そしてなによりプリナス氏とペアであった経緯を
持つ彼の言葉を、いったい誰が黙らせ、一笑に伏すことができるだろうか?

 結論からいうと、ホサナ議員の熱弁が元老たちの気持ちを変えさせ、プリナス氏のことは
ひとまず“行方不明者リスト”に現状のまま保留扱いとなった。

130みやび:2008/05/29(木) 15:00:38 ID:3CgPRCb.0
◇―― リレー企画 ――――――――――――――――――Red stone novel[4/9P]

   *≪月の台地号≫と議員と部下


 メイン・コンピューターに現在位置と航行速度をリピートさせると、アナハムはコンピュー
ターに“目と耳を塞いでいるように”命令した。
 それを見ていたホサナ議員は鼻を鳴らした。
「ずいぶんと用心深いんだなきみは」
 アナハムはかしこまってイエスと答えた。
「当然です。むしろあなたのほうが無用心なのですよ、議員」
 そうかい? とホサナ。
 上司のとぼけた態度を盗み見ながら、部下はそうですとも。と心の中で思った。
「そもそもこれは重要度Aランクにカテゴライズされることなのです……。それをあなたとき
たら――」そこまで言ったアナハムの言葉を、ホサナはうんざりした顔で制した。
「ああやめてくれ。それがなんだっていうんだ? 僕はかつての恋人であり、友人であり、そ
して元妻を捜したいと願っているだけの、ただのくたびれた老人にすぎんよ」
「ええ。“あなた”にとってはそうでしょうとも……。しかし“そのほかの全人類”にとっては違
います。いわば彼は“人類の財産”なんですからね!」
 それを聞いたホサナは天を仰いだ。
「はん。馬鹿馬鹿しい!」
「それはあなたの主観です議員。あらゆるジャンルにおける彼の死――いえ、たとえ失踪
だとしてもです。そのことによっていったいどれだけの人々と科学が打撃を受け、そして得
をすると思っているのですか? 前者はともかく――後者を支持する連中にとっては、あな
たの大切な人が五体満足に発見され、銀河ネットワークのトップ・ニュースに速報が流れる
のをなんとしてでも避けたいと思っているはずです。つまり今こうしているあいだも――あな
たは命を狙われているということですよ。もちろん部下である私も含めてね! 私はごめん
ですよ。この歳で再生法の世話になるなんて!」
 年老いた議員――もっとも外見は三十代前半の容姿を保っていたが――は、深いため
息をついた。
「まったくよく喋る男だ……」
「饒舌にもなりますよ。とくに上司が無用心で無鉄砲な場合は――」
 ああわかったわかった、と、ホサナは身振りで部下をなだめると、頭上の空間に向かって
言った。
「コンピューター! 会話を許可する。今のを聞いていただろう?」
 女性人格のコンピューターはおっとりした口調で答えた。
<イエスでありノーです。ミスタ・アナハムは“立ち聞きをするな”とおっしゃいました>
 ホサナはオーバーに目をむいて驚きを表した。
「アナハム――まったくきみに似て偏屈なコンピューターだな!」
 部下は肩をすくめた。

131みやび:2008/05/29(木) 15:01:10 ID:3CgPRCb.0
◇―― リレー企画 ――――――――――――――――――Red stone novel[5/9P]

「言葉遊びはいい、コンピューター! きみのテンポラリーにとどめている記憶のことを言っ
ているんだ。そいつを消去しちまう前に、今しがた僕らが交わした会話について意見を聞き
たい。ここにいる、この出来損ないの部下は僕の身が危ないと言って、この僕を脅している
んだが――きみはどう思うね? 今現在、僕の身に危険が及ぶ可能性はあるかい?」
 コンピューターは人間の思考速度に合わせた時間単位を使って躊躇い、そして言った。
<アナハム氏を“出来損ない”と形容することには同意できませんが……彼の言葉の半分
がいわゆる“ハッタリ”であるのは否定できません……。わたしのボディ――つまりこの船の
中枢は既存の索敵システムを無効にでき、いかなる兵器も私の船体を破壊することはでき
ません。もちろん船内クルーの身辺チェックも完璧です。仮に見落としがあれば――その確
率は天文学的な数値ですけれど――わたしは自分の判断ですみやかに“対象者”を排除
する権限を与えられていますし、その場合には躊躇わずに実行します。……つまりわたし
の目の届く場所にいる限り、あなたの安全は保障されていますわ、議員>
「ふん。やっぱりきみは偏屈な女性だな……。この男の言った、ハッタリではない“残りの半
分”についてはなぜ言わない?」
<それは……>
 今度は形式的でなく“本当の彼女”が躊躇ったように、ホサナは感じた。
 同じことをアナハムも感じ取っていたが、いくら心の中でコンピューターにサインを送り―
―また実際に何らかのテレパシーによってそれが通じたとしてもだ――絶対的な権限を持
つホサナの言葉に、彼女が逆らえるはずもなかった。
<……それはあなたが今後、どうなさるおつもりかで決まります。むろんあなたの意思は察
しがついていますが……しかし議員――わたしは船を降りたあなたを完璧にサポートする
ことはできません。あなたの安全が保証されるのは船内にいるときだけです……>
「ふふん。いい子だ……。つまりあれだ――きみらはふたりして、僕が船を抜け出さないよ
う計画を立てたか……あるいは今立てている最中という訳だな?」
 アナハムは小さく息を吐き、壁際のバーに行ってブランディのボタンを押した。
「いいですか議員。私たちはすでにプリナス氏を失ったのです……このうえあなたという財
産まで失う訳にはいかないのです」
 ホサナは下品なスラングで悪態をついた。
「おいアナハム! 僕を絵画や骨董品と一緒にする気か!? 評議会だの人類の損失だ
の――そんなものはクソくらえだ! まったく話しにならん」
 そう言うとホサナはつかつかと部下のところまで行き、ディスペンサーの口が吐き出した
ブランディのグラスを、アナハムより先にぶん取った。
「それは私のです、議員」
「うるさい!」
 ひと息にグラスを空ける上司を見つめながら、アナハムは十分に予想していた事態をこ
うして実体験しながら、気が滅入ってくるのを感じた。

132みやび:2008/05/29(木) 15:01:42 ID:3CgPRCb.0
◇―― リレー企画 ――――――――――――――――――Red stone novel[6/9P]

 プリナス・プリミティブ・ライト――別名“天使の卵”と云われた人物が生まれたのはおよそ
二千年ほど昔のこと。
 当時、人類の月面基地がようやく実用的なレベルで稼動を始めた頃、基地内の研究施
設で氏は創造された――そう。氏は人工的に造られた遺伝子工学の落とし子だ。もちろん
技術的な意味では人工物だが、単に両親の快楽から生まれてこなかったというだけで、ちゃ
んとした人間から精子と卵子を提供された、まぎれもない人間だ。その技術が元になり、の
ちの“宇宙世代”を生み出す基盤となった訳だが、多くの失敗例のなかで唯一の成功とされ
た氏の成長にも、問題があることがわかった。
 彼が五歳のとき、実は“彼女でもある”ことが発覚したのだ。
 俗に言われる“半陰陽”などという表層的なものではなく、根本から両性が共存していた
のだ。要するに彼の染色体は男であり女であって、その身体的な特徴は本人の意思ひと
つで自在に入れ換えることが可能で、しかも生理だけでなく人格さえも“ふたり分”の心
を内包していた。彼――そして彼女が“天使”と称されたのはそういった理由からだ。
 プリナスは早熟で好奇心が強く、また完璧な自我を持っていた。
 あらゆる状況に瞬時に適応し、どんな人間をも許容し理解し、また誰からも好かれた。
 プリナスの遺伝子系譜は人類の“始まり”とされる遺伝子を含んでおり、その意味ではす
でに人類の遺産としての価値を持っていたが、そのほかのあらゆる方面でも恩恵を振りま
き、彼――彼女の遺伝子情報がもたらした特効薬、血清、新医療技術は枚挙にいとまが
無い。
 彼――彼女はまさに天使の形容に相応しい扱いを受け、本人にその意思がなくとも必然
的に巨万の財と権限を持つにいたったが、当の彼らはそんなことには興味も示さず、絶え
ず新しいものを――面白いことを求めた。

 そうして今から四半世紀ほど前――彼――彼女――プリナス・プリミティブ・ライト――ま
たは天使の卵――は、人々の前から忽然と行方をくらました。

 そのとき人類の版図は複数の銀河に及び、探検隊の先端は常に宇宙の中心と外部の両
方へ向けて延びていた。
 だが“宇宙を震撼”させた天使の失踪事件は、宇宙中の見識と科学をもってしても解決す
ることなく、ときだけが無慈悲に過ぎていった。

 一方、増殖した人類の箱庭となった宇宙の法を司る最初の権威――中央銀河評議会の
末席を担うホサナ・クリストファー議員は、プリナスの技術から生まれた量産型“第一世代”
の先駆けで、またプリナスとは別に、人類に“一般延齢技術”――もちろんその基礎を作っ
てくれたのはプリナスだったが――をもたらした最初の被験者として、その価値が見出され
た人物だった。
 彼はのちに、記憶や人格をコンピューターに移植する技術を生み出し、自らを実験体に
して安全性を立証した。
 もっとも当時から数えて四百年ほどは――彼に続く宇宙世代しかり――人類の感情は機
械との融合を拒み、全人類のなかでもホサナだけが、プリナスに近い年齢と記憶を持って
いる希少種ということになった。
 彼らの生い立ちと社会的な位置付けからすれば、ホサナとプリナスの出会いは必然的で、
彼らが恋に落ちたとしてもなんら不思議ではないし、実際に彼らは出会い、結ばれた。

133みやび:2008/05/29(木) 15:02:15 ID:3CgPRCb.0
◇―― リレー企画 ――――――――――――――――――Red stone novel[7/9P]

 以上のような経緯があり、ホサナはこれ以上の捜索は資源の無駄だと言い始めた評議
会の元老たちを言いくるめ、単身――まあ直属の部下であるアナハムおよびその補佐の
船内コンピューター、そしてその他のスタッフたちも同伴しているが――元妻で恋人のプリ
ナスを探すため、漆黒の海原へと飛び出したのだった。


 追記――

 ホサナ議員が得たプリナスの行方に関する手がかりのうち、彼がもっとも注目したのは、
宇宙に点在する公共サービスのひとつ――プリナス専用のパーソナル・メモリーに残され
ていた以下のキー・ワードである。



          スター・シード(宇宙の種子) = レッド・ストーン



 このレッド・ストーンというキーで調査を続けたホサナ氏は、ある特定の宙域から同じキー
を受信した形跡のあるプリナスの個人衛星をつきとめた。
 ただ、同信号の送信元は銀河の中心側であったが、どこの天文記録所にも該当宙域は
“人類未踏破”として記録されていた。

 とにかくも手がかりはほかになく、ホサナ氏は恒星間宇宙船≪月の台地号≫のお尻を
引っ叩き、文句を言う秘書のアナハムとその他諸々を引き連れ、くだんの宙域を目指した
のだった――。

◇―――――――――――――――――――――――――Red stone novel[−Fin−]

134みやび:2008/05/29(木) 15:02:46 ID:3CgPRCb.0
◇――――――――――――――――――――Red stone novel−Postscript[8/9P]
※本編中の誤字・脱字は脳内変換をお願いします。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      『銀河ネットワークで歌を歌った鯨』(第一話)

 ――あとがき――

 こんなん出ましたー。
 なるたけ自由度を上げてみたつもりですが……どうでしょうか。ダメ?(泣)
 と、とりあえず現在の設定を……(汗)


 時代――あとの職人さんが決められるように具体的な数字は未設定としました。
 まあ……月面基地が実用的な稼動をしてから二千年後、が現在ということなので、ある
程度は範囲が決まってしまうでしょうけどね(汗)

 社会――本文中にあるものが現在の全て。
 ぼかしているもの、および触れていない部分はのちの伏線に使うなり、自由に設定して
ください。

 人物――
 プリナス・プリミティブ・ライト…別名“天使の卵”
 齢二千年を誇る人類最高齢の人間。
 人類が宇宙へ拡散した現在もなお、解明しきれていない“生命”の大元を紐解くための
カギとされ、人類にとっての“遺産”と位置付けられている人物。
 身体、人格ともに独立した男女のそれを持ち、自らの意思で性別と人格を選んで交代
できる。
 容姿はもちろん萌え〜……じゃなくて。美しい設定で。
 清楚でか弱い外見とは相反し、行動的で好奇心の塊。
 ある星域から受信した「レッド・ストーン」というキー・ワードに惹かれ、そこへ旅立ったも
のと思われる。(ホサナ・談)
 一人称は未設定とします。好きにイジってください。早い者勝ちということで(笑)

 ホサナ・クリストファー…中央銀河評議会の議員のひとり。人工培養の第一世代。
 年齢…実年齢はおよそ千五百年ほどだが、途中にコールド・スリープの期間を挟んでい
るため、主観活動期間は年齢よりも短い。記憶の一部をコンピューターに移植し、自身の
細胞から培養した“新しい体”に再びその記憶を戻す、といったことを繰り返しつつ、寿命
を伸ばしてきた。見かけは常に三十代を保っている。中肉中背だが骨格はしっかりしてい
て全体に無骨な印象。
 容姿…あまり美形ではない。いわゆる“味がある”といったタイプの“いい男”。
 ユーモアがあり豪快で行動的。抜け目がなく決断は躊躇わない。
 一人称…状況や相手に応じて「私、俺、僕」を使い分ける。


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