したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

戦場スレpart1

878アカリ ◆Tg./UqnJ52:2012/06/08(金) 23:28:10 ID:o0FnveVA
>>868

スプリットミサイルによる牽制射撃は、思った以上の効果を発揮したらしい。
が、致命的なダメージを与えたわけではなく、敵は未だ健在。しかも、

「な、なにあれ!?」

敵小隊は捕らえた二機を、あろうことか海中で振り回し、ハンマー投げの要領でバルクレイスへと攻撃したではないか。
あんな攻撃、滅茶苦茶にも程がある。捕らえた機体など、どうでも良いと言わんばかりだ。
一方、そんな常識外れの攻撃の矛先を向けられたバルクレイスは、海中でロールをうち、ギリギリの所で回避したらしい。
危なっかしいなあ、と思ったのも束の間、バルクレイスの挙動が何だかおかしいことに気づく。
目視では確認できないが、何かに引っかかっているようだ。敵小隊が振り回した時に使った、ワイヤーか何かに絡め取られたのだろう。
このままではハンマーにされた機体共々、バルクレイスも満足な身動きが取れないまま攻撃されてしまう。

「……っ、いいわよ、やってやろうじゃない。
 極東仕様のゲシュペンストが、海戦でどれだけ恐ろしい存在か、思い知らせてやるわ」

ブーステッド・ライフルの撃鉄を起こしたゲシュペンストは、ライフルの銃身下部に設置された擲弾筒に、
腰部ラッチに提げられていた特殊弾を装填する。
そして、両手でしっかりとライフルを保持し、狙撃体勢へ。
ホバリング移動を続けながらの発射態勢であり、お世辞にも照準が静止しているとは言いづらい。
しかし、水上ホバリング中の射撃体勢において、汎用機の中では極東仕様のゲシュペンストはトップクラスの安定性を誇る。
そして、水上から水中への射撃というシチュエーションも、この機体が想定しているものの一つであった。

「光学偏差修正のち光学測距……照準設定……。海流及び水の抵抗を予測……」

操縦桿の近くにあるパネルを忙しなく叩きながら、水中の敵へ攻撃するにはどこに照準を置けばよいかを、
ゲシュペンストのCPUに計算させる。
早くしなければバルクレイスや保護対象の機体が危ない、という焦りが、アカリの鼓動を早くする。
バックアップにまわると言ったのだ。であれば、これを仕損じるわけにはいかない。
そして、ゲシュペンストのCPUが、最適な照準を叩き出す。実際の時間は数秒程度だったのだろう。しかし、アカリにはひどく長く感じられた。
ゲシュペンストが叩き出した照準へ、ブーステッド・ライフルを向ける。

「上手く当たってよ、乱暴者さん……。弾だって、ロハじゃないんだから!!」

激したアカリの言葉と同時に、ブーステッド・ライフルが二回、吠えた。
狙いは、二機の月光のうちの一機。二機同時に狙ったところで、避けられるのがオチ。であれば、狙いを一つに絞り、確実に一機を叩いた方が良い。
二発撃ったうちの初弾は捨て弾だ。こちらの方が避けられる確立は高い。
しかし、敵の回避出来る方向は、隣の僚機のせいで限られている。全方位に逃げられるわけではない。
上は水面。水中専用機が、わざわざ水上に顔を出すわけがない。であれば、僚機の居ない方の横か、下。
アカリは横に賭けた。そこに飛び込むよう、二発目を放っている。
残りの一機のほうは、バルクレイスが拘束を解けばそちらに任せ、そうでなければ、自分が前に行くだけのことだ。
自分のゲシュペンストが、相手にとって、バルクレイスや保護対象の機体に攻撃できない程度の存在を感じさせるようにしなければならないのだから。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板