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【個】『サロン』【他】
1
:
『主宰者』
:2024/06/15(土) 23:23:56
閑静な高級住宅地に立つ『離れ付きの一戸建て』。
『ラベンダー』の花が咲く庭には、心を落ち着かせる芳香が漂う。
ここは『小石川文子』の住まいであり、『市井のスタンド使い』が集う『社交の場』。
詳細は
>>2
を参照。
239
:
朱鷺宮 笑美『トループス・アンダー・ファイア』
:2025/10/23(木) 22:20:06
>>238
「了解しました。
おんなじ場所かもしれませんし…違うなら違うで
他の人のこともわかります。
いつから手に入れたのかはわかりませんが…」
そう言って頷いた。
「どちらも…思いの強さという点では一緒でしょうね…。」
『サマー・フォー・エヴァー』も『ゴールデン・キャンドルス』も想念のようなものを強く感じたのである。
そして空間に引き込むという点も…
「子供の精神はある意味では大人以上に強いものなのかも知れませんね。
純粋な思いも強さの理由なんでしょうか…」
過去の光景を思い起こしながら呟く。
古き友人と出会ったことが、ある意味で過去と向き合うことになったのだろう。
「…そう言えばそうでしたね。」
その時のことを思い出して、自分が変わらなかったことも思い出した。
そしてその理由は何となく分かる。
「あのスタンドは、その人の『一番幸せな時』の世界へと引き込む能力だった…と思います。
そして…あの世界は『私の幸せな時』ではなかった。」
そう言って頷く。
「私にとっての『黄金時代』がまさに今だったからなのでしょうね。
家族も居て…友人にも出会うことが出来た。まさに今この時が。」
彼女は心の底から、今を大事に生きているのがその口ぶりから感じられるはずだろう。
240
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【5/7】
:2025/10/24(金) 16:34:40
>>239
幼いスタンド使いというのは、知り合いの中にも複数いる。
不意に『ユウリ・桃園・シャルロット』を思い出した。
彼女は『仲間が増えると新しい武器が貰える』と言っていたが、
あの『剣』も特殊なスタンドなのだろうか。
「一概には言い切れませんが、
子供が持つ精神力は良くも悪くも純粋なのでしょう。
秋斗くんの場合は、今後の成熟によって、
スタンドに変化が生じる可能性もあるのではないでしょうか」
当事者だった『斗鬼夏子』と『志那都秋斗』を思い浮かべた。
複雑な事情を抱えた親子だったが、きっと乗り越えられるだろう。
そう確信できる。
「――今が『黄金時代』……」
笑美の言葉を聞き終えて、自分自身を振り返る。
「私は……『結婚式』でした。
それが私の『最も幸せな時』なのでしょう。
ただ、どうしても笑美さんのことが気掛かりだったのです」
あの時、小石川は『笑美と同じ世界』に行くことを望んだ。
一度でも移動してしまえば、二度と『黄金時代』には戻れなくなる。
そのことを理解した上で、笑美を助けに向かった。
「自分が下した選択に後悔はありません」
小石川文子と朱鷺宮笑美は別々の意思を持ち、
それぞれ辿ってきた道筋は異なるが、
『今を大切にしている』という部分は共通している。
241
:
朱鷺宮 笑美『トループス・アンダー・ファイア』
:2025/10/24(金) 22:21:01
>>240
「子供のスタンドは成長もするでしょうし、
いずれあの子のスタンドも成長して
変化するのかも知れません…」
夏子と秋斗、あの二人は今どうしているだろう。
そう思いつつ答えた。
(またいずれ会いに行こうかな…)
と密かに考えた。
「…そうですか。
小石川さんの黄金時代は…」
彼女の過去に関する話…
そのことを考えると少し悲しくなりそうだ。それでも…
「小石川さん、あの時『今』を選んでくれたことを
私は嬉しく思います。」
笑美の表情はすぐに晴れやかになった。
「黄金時代は過ぎ去っても、それは終わりではないですからね。
大勢の友人ができました…
今だってとても…美しい輝ける時代、ですもの。」
今を大切に思うものとして、
それはお互いに思っていることだと思いたい。
242
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【5/7】
:2025/10/25(土) 15:18:09
>>241
丁寧に一語ずつ噛み締めるように、ただ静かに笑美の言葉に耳を傾ける。
「――ええ……おっしゃる通りです」
まもなく笑美に返した言葉に偽りはなかった。
「私は『幸せ』です。
今が不幸だとは感じていません。
大切な人と交わした約束があり、支えてくれる方々もいるのですから」
理解し合える仲間がいるということは、他の何よりも救われる。
小石川にとって、特に『朱鷺宮家』の存在は大きい。
そして、その繋がりを得られたのは『朱鷺宮笑美』がいたからだ。
「……『サマー・フォーエヴァー』を巡る事件や、
『ゴールデン・キャンドルス』の一件を経て、
私は自分自身の目標を見つけました」
「変えられないことを受け入れる『勇気』と、
変えられることを変えようとする『強さ』を持ち、
それらを正しく見分ける『知恵』を身に付けたいと――」
「私自身が二度と過ちを犯さないために……」
最大限の信頼を寄せる友人に対し、自らが胸に秘めていた『決意』を表明する。
243
:
朱鷺宮 笑美『トループス・アンダー・ファイア』
:2025/10/25(土) 22:33:44
>>242
「そう、ですね。」
「たとえ黄金時代じゃなくても
幸せな時はいつでも来ますから…
これからは色んな幸せを掴みましょう。」
そう言って大きく頷いた。
「『勇気』と『強さ』と『知恵』…
一人では難しい目標ですが、
きっと知り合った皆さんと一緒なら出来ます。
それに…」
「もし足りなければみんなで補いましょう!
そのための、サロンですものね。」
改めて笑美も力強く告げた。
「私も、その目標を一緒に目指します!」
小石川の目標を尊重し、そして自分もまた目指すことを自身を持って告げる。
どこか、その姿は頼もしさも感じられるものだっただろう。
244
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【5/7】
:2025/10/26(日) 06:27:53
>>243
無意識の内に、自分の両手に視線を落としていた。
左右の薬指には、同じデザインの『銀の指輪』が煌めく。
その曇りのない輝きが、研ぎ澄まされた『刃』を思わせる。
「……笑美さん――あなたと『再会』できて良かった」
ニコ…………
再び正面に向き直り、笑美の宣言に微笑を返す。
お互い大人になり、それぞれ人生の変化を経験した後も、
幼少時代に遊んでもらった記憶は消えていない。
あの時に生まれた思い出は、この瞬間にも繋がっているのだろう。
「『未来の幸せ』のために、これからも助け合いましょう」
ス ゥ ッ
笑美の口から告げられた『サロン』の理念を肯定する。
そして、『会員証』である『ラベンダーの香り袋』を取り出す。
ラベンダーが持つ『鎮静作用』のように、
星見町に安らぎをもたらしたいという願いを込めたものだ。
「――ありがとう……『お姉さん』」
そんな言葉が紡ぎ出されたのは、今も心の片隅にいる『小さな文子』が、
『鵲笑美』に感謝を伝えたかったせいなのかもしれない。
245
:
朱鷺宮 笑美『トループス・アンダー・ファイア』
:2025/10/26(日) 22:42:33
>>244
「…私もそう思います。」
幼少期のあの子が前に踏み出すことを選んだ。
そのことはまるで自分の子供のように嬉しく思えてくる。
「ええ、もちろんです。
私も、手に入れた幸せを護るために、
そして皆さんの幸せのために一緒に頑張ります。」
小石川が取り出した袋を見て、笑美も同じく袋を取る。
心に深く響くような匂いを感じる。
「お姉さん…か…」
かつて言われた自分への言葉。
それを聞いて普段細くしている目を、見開いてみせる。
雰囲気は変わっていたが、どこか人を寄せ付けなそうな鋭い目は健在である。
「…まかせろ。
これからは笑顔ばっかりにしてやるからな…
覚悟しとけよ、ガキンチョ。」
どこか強気なその言葉は、かつての彼女…
破壊女神なんて言われてた頃のものだ。
それはとても頼りになるような、そんな声に感じられるだろう。
246
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【5/7】
:2025/10/28(火) 17:46:21
>>245
小石川文子と朱鷺宮笑美の出会いは、数奇な巡り合わせの積み重ねだった。
20年以上前に出会った2人が、スタンドを得て再会し、今は同じ志を抱いている。
そう感じられることが本当に心強い。
「――にゃあ……」
そして、これからも『サロン』の営みは続いていくだろう――――。
247
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/14(金) 23:45:13
>(涙音)
長期に亘る調査の末、『小林丈の生存』を確信できた今、残る大きな不安は一つだ。
────────────────────────────────────────
小角さんの件について、準備をしておきたいと思っています。
『室内遊技同好会』の方々に渡すために、お菓子を手作りするので、
調理を手伝っていただけますか?
よろしければ『サロン』でお待ちしています。
────────────────────────────────────────
「――……」
上記のメッセージを送信し、『正会員』の『朱鷺宮涙音』を待っていた。
248
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/15(土) 17:17:17
>>247
────────────────────────────────────────
お菓子作りですか?いいですねー。
同好会の皆さんと仲良くしておきたいですし、ここは協力させてください。
一応、小角さんが好きなタイプのお菓子を選びたいですね。
────────────────────────────────────────
メッセージは以上のように返ってきた。
おそらく間もなくやってくるだろう。
ピンポーン
しばらくして、チャイムが鳴り響いた。
「すいませーん。いますかー?」
どうやら涙音が来たようだ。
249
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/15(土) 18:50:02
>>248
チャイムの音を聞いて玄関に移動し、ドアを開けて涙音を出迎える。
「……来てくださってありがとうございます」
スッ
軽く頭を下げると、先に立って廊下を歩いていく。
「お菓子の件ですが、実は『トマト』を使ったものを作ろうかと考えています。
以前、『ミステリーツアー』に出かけた際に、
小角さんを含めた同好会の方々とお会いしたのですが、
『私の実家はトマト農園を営んでいる』と話したことがありました。
その時、興味を持っていただけていたようですから、
『トマトを使ったお菓子』を持っていきたいのです」
旅行中の会話を思い出しながら、涙音に説明する。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1552052081/71)
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1552052081/75)
250
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/15(土) 19:32:39
>>249
「はい、お邪魔します。」
軽く頭を下げたあと、小石川の後ろからついていく。
「お菓子作り…とても楽しみにしています。
まああんまりやったことはないんですけどね…」
ちょっとそのへんについては不安に思っているようだ。
「へぇー、トマトを使ったお菓子ですか…
たしかにそれなら興味を惹かれそうですね!
しかし…」
少し不思議そうな顔をしながら首を傾げる。
「トマトを使ったお菓子というのはあんまり知らないですね。
どんな感じのを創るんでしょうか?」
251
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/15(土) 20:11:09
>>250
以前、朱鷺宮姉妹と『チキンカレー』を作ったことがある。
涙音には『バターライス』を任せたが、彼女の手際は良かった。
当時を振り返れば、そう心配はしていない。
「……大丈夫ですよ。
それほど奇抜なものは作りません。
『多くの人が知っているお菓子にトマトを加える』と考えてください」
ニコ…………
「具体的には『トリュフ』です。
フルーツトマトのピューレとホワイトチョコレートを使って、
『ピンク色のトリュフ』を作ります」
トリュフと呼ばれる球形のチョコレートは、おそらく涙音にも馴染みがあるだろう。
「それから『ラベンダー』のお菓子も一つ作るつもりです。
そちらは『ショートブレッド』にしましょう。
バタークッキーの一種です」
撫子が眠るリビングを通り抜け、まもなくキッチンに到着した。
252
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/15(土) 23:53:44
>>251
「へー、トマトってそういうのにも使えるんですね…
トリュフ…それなら作れそうな気がします。」
感心するように答えた。
とは言えフルーツトマトならばたしかに問題ないだろう。
「ラベンダーは香り高いから、お菓子に入れるのも悪くないですねー。
クッキー焼いたことあるので問題ないですよ!」
そう言ってぐっと手を握った。
「ふむ、そこまで凝ったものを創るわけではないですね。
早速やりますか?」
どこか楽しそうに答える。
料理を作ることは好きな様子である。
253
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/16(日) 02:58:28
>>252
一般的に、フルーツトマトは特別な栽培方法で作られた高糖度のトマトを指す。
文字通り果物のような味わいで、そのまま食べても甘味が強い。
だからこそ、お菓子の材料としても適している。
「目新しさを残しながらも、比較的とっつきやすく仕上げたかったので、
今回あまり凝ったものは避けました。
涙音さんがよければ、始めていきましょう」
キッチンの調理台には、既に材料や調理器具が用意されていた。
「まず、ホワイトチョコレートを溶かしやすくするために、包丁で細かく刻みます……」
トントントントントン
「――涙音さん、このように刻んでいただけますか?
刻み終わったら、そちらのボウルに入れておいてください」
まな板の上に包丁を置くと、自分はトマトピューレと生クリームを計量カップで量る。
254
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/16(日) 11:46:19
>>253
「はい、いつでも準備は…」
そういいつつ、涙音はエプロンや三角巾の準備を行っている。
「はい、出来ました!
じゃあ始めましょう!」
手を念入りに洗い、手伝う準備を整えたようだ。
「あっはい。細かく刻めばいいんですね?
大丈夫です、お任せください。」
そう言って、小石川の動きを見様見真似で包丁を扱い始める。
トントントントン
「これくらいでいいでしょうか?」
手慣れた様子でチョコレートを刻んでいく。
どうやら問題なく行えているようだ。
255
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/16(日) 18:05:17
>>254
準備を整えた涙音を微笑ましく見つめ、小さく首肯を返す。
「……ええ、良い調子です。そのまま続けてください」
────ピッ
「トマトピューレと生クリームを混ぜて耐熱容器に入れ、
電子レンジで軽く沸騰するまで加熱します……」
涙音の様子を確かめつつ、自分自身も手を止めず、淀みなく作業をこなす。
「先程お話した『ミステリーツアー』について、
詳しく説明しておきましょうか?
『室内遊技同好会』と出会ったのは、丁度その時でした。
それについて知っておけば、話題の一つになるかもしれません」
調理を進めつつ、涙音に話を振る。
まな板の隣にはボウルが出してあった。
刻んだチョコレートは、この中に入れておけばいいだろう。
256
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/16(日) 23:58:47
>>255
「どうもありがとうございます。」
そういいつつ包丁をトントンと動かしていく。
「ふむ、もうちょっとやってみますね。」
そう言って多めにチョコレートを刻んでいく。
どうやらスタンドを使って…というようなことはないらしい。
「そう言えば…ミステリーツアーの話、ちょっと気になりますね。
面白い話とかも色々あるんじゃないですか?」
そう言って一旦手を止めて、小石川の方を振り向く。
「話題を振るためにも…というだけじゃなく、
純粋にどんな事があったのかも気になるという感じですかね。
ぜひ教えて下さい。」
257
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/17(月) 20:42:13
>>256
涙音と同じく『スーサイド・ライフ』には頼らない。
個人的にスタンドの使用を禁じているという事情もあるが、
何よりも大きな理由は自分の手で心を込めて作りたいからだ。
また、特別な力を使わずに調理できるからこそ、その料理は他の人にも教えられる。
「……分かりました。
『相互理解』は『サロン』の理念です。
私が見聞きしたことをお伝えしましょう」
コト…………
電子レンジから耐熱容器を取り出すと、かつて体験した出来事を語り始める。
「――スカイモールの抽選会で『ミステリーツアー』のチケットが当たったのです。
『行き先が明かされていない旅行』でした」
「私達は朝に集合して、駅前でバスに乗車しました。
およそ3時間ほど走り続け、
星見町のある『S県』から『A県』を経由して、
『G県』に入ったのです」
「私は『N県』の生まれですから……実家の隣ということになりますね」
今にして思えば、ツアーで向かった場所は、小石川の出身地と隣接している県だった。
「あの時に『赤い霧』が出ていたことを覚えています……」
トマトピューレと生クリームが混ざったものをボウルに移し、それを涙音の手元に置く。
「このボウルにチョコレートを加えてから、
全体が馴染むまで混ぜてくれますか?」
ソッ
手が空くタイミングを待って、ゴムベラを差し出す。
258
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/17(月) 22:01:52
>>257
「ぜひ、お願いします。」
そういいつつ時折、残りのチョコレートを細かく刻む。
「ミステリーツアー…
往く場所がわからないというのはなかなか面白そうですね。
ただ…スタンドを持つとちょっと気になるところですね。そこは…」
「ふむ…実家のお隣県だったんですね。
…赤い霧…」
少し手を止めてその話に聞き入る。
「なにか不穏な気配がしますね…っと」
自分の手元に置かれたボウルを見てハッとする。
「わかりました。
ちょうどチョコレートもいい感じに出来ましたし。」
そう言ってチョコレートを混ざりあった素材の中に入れていく。
「旅行先でなにかある…というのは
割とあることなんでしょうかね…
母もそうでしたし。」
なにか縁があるような気がするのかも知れない…
259
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/17(月) 22:45:53
>>258
旅行先で奇妙な事件に巻き込まれたのは、笑美も同様だろう。
そこには小石川も居合わせていたので、涙音が言いたいことは分かった。
また、『大きな依頼を受けた』と言っていた烏丸の現在も気掛かりだ。
「……では、こちらを使って混ぜ合わせてください」
涙音にゴムベラを手渡し、彼女に代わってまな板の前に立つ。
次に取り上げたのは『ドライトマト』だ。
天日干しで余計な水分が抜け、元々の甘味が凝縮されている。
「これも加えましょう……。
そちらのトマトピューレと同じように、
『実家』で収穫したフルーツトマトを加工したものです」
トントントン
トントントン
トントントン
扱い慣れた包丁を握り、ドライトマトも刻んでいく。
「ええ――その『赤い霧』は夕焼けのような色で、スタンドの力が作用していました。
スタンドを持たない方には、普通の霧に見えていたようですね。
『空の色』も赤かったのですが、やはりスタンド使い以外の目には、
自然な空に映っていたいたようです」
「やがて、私達は『紅鏡町』という不思議な場所に着きました。
全体的に赤色の建物が多い町で、『赤い町』という表現が相応しいでしょう」
「そして、私は主催者側の会話を小耳に挟み、
『ツアーの予定ではない土地』に迷い込んでいることを知ったのです」
ふと、トマトを彩る赤色が、あの時の記憶を蘇らせるような気がした。
260
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/18(火) 00:12:57
>>259
「了解しました。
こうしてこう、と…」
手渡されたゴムベラを丁寧に使いながら
混ぜ合わせていく。手並みも問題なさそうだ。
「ドライトマト…後でちょっと食べさせてもらっても?」
とても美味しそう、と思ったのだろう。
かなりドライトマトに興味を持っているようだ。
「…やはりそれは、スタンドの空間だったんでしょうか。
参加者の皆さんは…まぁスタンド使いはほぼ居なかったでしょうけど。」
丁寧に混ぜ合わせながらも彼女の話を聞く。
「全部赤い街だなんて、落ち着かなそうですねぇ。
ツアーの主催者側がスタンド使いではない、ということになりますかね…」
261
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/19(水) 09:47:19
>>260
トマトピューレと生クリームの中に、
溶けたホワイトチョコレートが混ざり合い、淡いピンク色に変わっていく。
「参加者は20人でしたが、スタンド使いは複数人いたことを覚えています。
ただ、積極的に動ける人間は少なく、
私の他には『黒峰』という女性だけでした。
もし彼女がいてくれなかったら、
たった一人で切り抜けなければならなかったでしょう」
黒峰には大いに助けられた。
できれば挨拶しておきたかったが、
連絡先が分からないので、あれから一度も会っていない。
今頃どうしているのか、少し気になるところだ。
「……到着後は『自由行動』になりました。
主催者側としては、参加者を混乱させないために、
『ミステリーツアーの一貫』として通すことにしたのです」
食べやすく切ったドライトマトをボウルに加える。
「私は『遊園地』に向かい、『バンジージャンプ』を体験しました。
町全体を見渡せる場所に立ってみれば、
何か見えるかもしれないと考えたからです。
実際、森の中には『空間の歪み』のようなものが確認できました」
あの時バンジージャンプに挑戦したのは、
幸せな家族連れを見て『死に対する欲求(デストルドー)』を感じ、
気持ちを切り替えたかったという理由もある。
「その後、『観覧車』で改めて『歪みの位置』を確かめ、
私は森の方向に足を運びました……」
いったん話を切ると、ドライトマトを摘み上げ、涙音の口元に近付ける。
「――涙音さん、口を開けていただけますか?」
それと同時に、ドライフルーツを思わせる甘い香りが漂う。
262
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/20(木) 00:14:55
>>261
「ふう、もうちょっと混ぜておきますね。」
とりあえず滑らかになるまで混ぜるつもりだろう。
「…そうですか。そこまで言うほどの恩人なのですね。
その人…黒蜂さんはどのような人だったんでしょう…
ちょっと会ってみたくなります。」
小石川の言葉に興味を惹かれる。
彼女にとって友人のような存在になれたのだろうか…とも考えているようだ。
「そこは仕方ないでしょうね。
…不測の事態と言ったらパニックになりそうですし。」
少し手を止めて、視線を小石川に向ける。
「空間の歪み…
スタンド空間だとしたらそれが鍵でしょうか…
ん?」
ふと考えているうちに涙音はドライトマトが自分に向けて運ばれているのを見た。
「い、いいんですか?
それじゃあ…んぁーん…」
少し嬉しそうに口を開ける。
263
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/20(木) 10:24:37
>>262
黒峰について知っていることは少ないが、あの場においては心強い味方の一人だった。
「あまり個人的な話をする余裕はありませんでしたが……
『睡眠』に対するこだわりが強い方です。
彼女のスタンドは『ベッド』で、
まるで『四足獣』のように動いていました」
これまで様々なスタンドを見てきたが、
似た能力は見た覚えがなく、かなり特殊なタイプだった。
「――……どうぞ」
ソッ…………
次の瞬間、ドライトマトが涙音の口に入る。
通常のトマトよりも糖度が高い上に、乾燥させて風味が増した果肉からは、
濃厚な甘さが感じられるだろう。
まさしくフルーツトマトという呼び名に相応しい。
「おっしゃる通り、私が見つけた『空間の歪み』は、
一種の『出入り口』の役目を果たしていました。
ただし、背後関係は単純ではありません」
「結論から言うと、まず『紅鏡町を作った能力』が存在し、
また別に『紅鏡町を維持する能力』もあったのです。
さらに『紅鏡町に入れる能力』があり、
それが『歪み』を生み出した要因です。
そして、その機会に乗じ、『良からぬ目的を持って侵入した勢力』も……」
「あの時、私達は混乱した状況の中に迷い込んでしまいました」
ボウルの中身は次第に滑らかになってきており、あと少しで次のステップに進めそうだ。
264
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/21(金) 19:03:48
>>263
「ベッドがスタンド像なのですか…
乗り物として活用できそうな見た目のスタンドですね。
こだわりというのはどのような感じのこだわりなんでしょうね…」
そういいつつ微笑みかける。
「むぅっ…このトマトは!」
口をモグモグさせながらその表情はとても嬉しそうになる。
「これは…とても甘くて美味しいです!
まさにフルーツ!…これをお菓子の素材にしたら
間違いなく美味しいお菓子になりますよ!」
涙音もトマトの味がたいそう気に入ったようだ。
うっかりもう一個食べてしまいそうである。
「作る能力と維持する能力。スタンド能力が2つ…
スタンド使いは二人いたんですか。
…いや、それどころか」
小石川の言葉を聞いても状況がかなり混沌としていることが伺えた。
「状況は紅鏡町の能力者だけではなくなってきたんですね。
…その良からぬ目的の勢力は一体何を?」
265
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/21(金) 22:37:56
>>264
涙音の表情を見て、思わず笑みが零れる。
「――気に入ってもらえて安心しました……」
自分の生家で栽培したものを認めてもらえることは素直に嬉しい。
「『紅鏡町に入れる能力』の本体は『アリーナのスタンド使い』でした。
笹暮という男性ですが、彼のスタンドは『鍵を開ける能力』です。
それを使って『出入り口』を作ったのでしょう」
「彼が来た目的は『紅鏡町を維持する能力』の本体に会うことです。
しかし、『出入り口』を開けた途端に奇襲され、
身動きの取れない状態にされていました。
笹暮さんを不意打ちしたのが、先程も話した『紅鏡町に侵入した勢力』です」
「彼らは……『隕石』を求めていると聞きました。
それが何なのかは分かりませんが、実際に大掛かりな動きをしている以上、
かなり重要なものであることは間違いありません」
話の途中で涙音の手元を見やり、出来具合を確かめて小さく頷く。
「……そろそろボウルの中身は良さそうですね。
成形しやすい固さになるまで、しばらく置いておきましょう」
次の段階だ。
涙音が多めに切ってくれたホワイトチョコレートの一部を、あらかじめ分けておいた。
それを別のボウルに入れて、鍋で湯を沸かしながら、もう一つボウルを取り出す。
「今度はコーティング用のチョコレートを作ります。
これから行うのは『テンパリング』という温度調整作業で、
表面に光沢を出したり、適度な食感や固さを得るための工程です。
こちらに半分ほど水を張っていただけますか?」
スッ
取り出したばかりのボウルを涙音に差し出した。
266
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/22(土) 19:38:53
>>265
「フヒヒヒ、こんなに美味しければ本当に…
何個でも食べたくなりますよ。」
すっかりお気に入りになったのか、少し飲み込むのが名残惜しそうだ。
フッと軽く笑いながらも楽しそうである。
「うーむ、アリーナのスタンド使いにも色々いるのですね。
しかも鍵を開ける能力…いかなる厳重な扉も開けられるんでしょうか…
厄介な能力と言えます…」
そういいつつ何度も混ぜ続けていたが、そろそろと感じたのか手を止める。
「あっ了解です。
それじゃあそのように…」
涙音は次の作業に出る。
サバー…
まずは水をボウルの中に半分ほど入れていく。
「隕石…それはその『町』の中にあったんでしょうか?」
267
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/23(日) 11:46:29
>>266
調理されていくチョコレートによって、だんだんキッチンに甘い香りが漂う。
「……笹暮さんのスタンドは『オフビート・ミミック』という名前でした」
そのように付け加え、話を本題に戻す。
「私は『隕石』と呼ばれるものを見ていないので、それについては何とも言えません。
ただ、『紅鏡町』は『存在しない町』です。
分かりやすく言うと、『かつて存在した町の再現』でしょうか……」
「『紅鏡町を作った能力』の本体は……既に亡くなっていました。
本来であれば、本体の死亡と同時に『紅鏡町』も消えるはずでしたが、
『紅鏡町を維持する能力』が作用したことで、ずっと残り続けていたのです」
「『紅鏡町』を維持していたのは『出雲明』という方です。
彼の『イレテ・ユンヌ・フォア』は、『時間を繰り返す能力』を持っていました」
お湯が沸いたタイミングで、
チョコレートの入ったボウルを鍋の中に入れ、湯煎で溶かしていく。
「まずはチョコレートを溶かします。
これはホワイトチョコレートですから、概ね40℃まで加温します」
調理用の温度計を手に取り、チョコレートの温度を確認した。
「――丁度いいですね。
次は、水を張ったボウルにチョコレートが入ったボウルの底を当て、
25℃程度まで温度を下げましょう。
空気が入らないように注意しながら、丁寧に混ぜていきます」
涙音の代わりにゴムベラを扱い、溶けたチョコレートを混ぜる。
268
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/23(日) 21:32:53
>>267
「うーん、とてもいい匂いがしますね。」
思わず鼻も膨らむ匂いを嗅いで
軽く深呼吸をする涙音。
「『オフビート・ミミック』…
そのようなスタンドがあるとは…」
「かつて存在した町…ってことは
その人の過去のイメージでしょうか。
もうすでに亡くなっていた人のスタンド…だったとは」
驚いた様子を見せる。
死後に残るスタンドというのは涙音も知らないようだ。
「…つまり、死んだ人間の生きていた時間を繰り返すことで
死んだ人の能力を維持し続けていたと?」
考えられる可能性として一つ答える涙音。
能力を維持する方法としてまず思いついたようだ。
「ふむ、結構手間がかかりますね…チョコ作りは…」
269
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/24(月) 06:40:33
>>268
自分が体験した出来事は、可能な限り詳しく伝える。
相互に情報共有しておけば、いつか役に立つ時が来るかもしれない。
それが『サロン』の意義だ。
「温度が下がったことを確かめたら、もう一度28℃ぐらいまで加温します」
再び湯煎を行いながらチョコレートを混ぜて、
温度計で温度をチェックすると、湯の中からボウルを引き上げた。
「……これで『テンパリング』は完了です。
主成分であるカカオバターの結晶が安定して、
チョコレートが美味しくなりますよ」
コト
調理台にボウルを置き、ステンレス製のバットとスプーンを準備する。
「――その通りです。
『繰り返し』を止めた『紅鏡町』は消滅しました。
そこに至るまでには困難を乗り越える必要もありましたが……」
「もう先程のボウルは十分でしょう。
固まっている『ガナッシュ』……トリュフの中心になる部分を、
スプーンでくり抜いて手で丸めてから、そちらのバットに並べてください」
少しずつ完成が近付いていた。
トリュフというチョコレートは、
核となるガナッシュにコーティングを施して成立するお菓子だ。
ここからは、また涙音に手伝ってもらいたい。
270
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/24(月) 20:19:29
>>269
「ふむふむ、これまた…」
彼女の手際のいい動きにウンウンと頷きながら確認する。
「こうしてみるとやっぱり料理は科学ですね…
なんだか科学の実験みたいで面白いです。」
テンパリングの様子が見ていて楽しいようである。
「…なるほど、その消滅に至るまでにいろんなことがあったのですね。
困難、ですか…どんな困難があったのでしょうね。」
内容的に見て悲しい結末が待っていたように思える。
少しそこは気になる部分デアはあった。
「了解です。
これを、こうすれば…良いんですね?」
そう言ってスプーンを手に取り、
ガナッシュをくり抜きに行く。
「おっと、ちょっと思ったより柔らかい…」
そういいながらなんとかきれいにくり抜いて見せる。
「なんだかねんどみたいですね…」
丸めている様子はどこか楽しそうだ。
とは言え手に載せすぎたら人肌で溶けてしまうだろう。
なるべくで早くやっている。
271
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/25(火) 19:00:47
>>270
ガナッシュは完全に固まっていない状態だが、
だからこそ形を変えることも難しくないだろう。
「――ふふ……そうかもしれませんね」
料理と科学の共通点を考えたことはなかったものの、
一つの意見としては興味深い言葉だ。
「私達が直面した困難を話す前に、
『紅鏡町』に侵入した勢力についてお話します」
そう前置きしてから、再び口を開く。
「『侵入者』は『5人』で、
『イズ』・『ゴウ』・『トウゲ』・『テルヤ』という男性4人と、
『レイト』という女性1人です。
リーダーはイズさんで、全員がスタンド使いです。
彼らは何者かに雇われて行動しているようでした」
「ただ、テルヤさんだけは所属が異なり、
『雇い主から貸与された戦力』であると……」
あの一件には謎が残されており、未だに解決していない。
「……結局『雇い主』の正体は不明のままです」
涙音に続く形で、ガナッシュを丸く整える。
「私にとって、料理で大事なのは『心』です。
相手に喜んでもらうことを考えながら、
気持ちを込めて作れば、きっと上手くできますよ」
コロロ…………
穏やかな心持ちで捏ねると、自然と角の取れた球形に仕上がっていった。
272
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/25(火) 23:34:13
>>271
「せっかくだから、他にも色んなお菓子に挑戦してみたいですね。
興味深いです…」
そういいつつ軽くこねながら丸形を造っていく。
「5人も居たんですか…
正直スタンド使い同士の戦いなど、一人でも大変なのに
それだけの相手は…流石に大変そうです。」
5人いるスタンド使い…
涙音は想像して少し恐ろしくも感じている。
「雇い主?…うーむ…
それは誰なんでしょう…いえ、暗躍するようなタイプで
スタンド使いというと『エクリプス』の残党もありえますけど…」
そう考えているうちにきれいな丸形が出来上がった。
「ふう、心を込めて…ですね。
この調子でどんどんと造ってみせますよ。」
そう言って、出来上がった丸型のチョコを優しく置いていく。
次も手際よく始めていくだろう。
273
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/26(水) 04:48:46
>>272
優しい手つきでガナッシュを丸め、それらを一つずつ並べていく。
「積極的に動けるのは私と黒峰さんだけでしたから、
もし戦えば勝ち目はなかったでしょう。
それに『一般人』のツアー客も多数いたので、
私は争いを避けることを最優先に考えて、ある作戦を提案しました」
そこまで話した後、次の言葉を告げる合間に、涙音が発した名前が耳に入る。
「――涙音さんも『エクリプス』をご存知なのですね。
私も『アリーナ』の知人から聞いた覚えがあります。
以前この町を支配しようと試みた組織だそうですが……」
あの時、笹暮は奇襲を受けたことに驚いていた。
実行者であるイズ一味を操り、裏で糸を引いた何者かは相当な手練れらしい。
謎に包まれた『雇い主』と『残党』を結び付ける涙音の仮説は、
単なる憶測に留まらない説得力を感じる。
「……涙音さんの言う通りだとしたら、
何故『隕石』に興味を持ったのでしょうか?」
そして、まだ分からないのは『動機』だ。
「あれには……『秘密』が隠されているのかもしれません」
もちろん詳細は知る由もないが、
おぼろげながら何かがあるのではないかと考え始めていた。
274
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/26(水) 22:36:29
>>273
「よいしょ、どのくらい作りましょうか?」
そういいつつ、いくつか丸まったガナッシュを作り上げる。
「たしかに…普通に戦うのでは不利になりますね。
相手の能力もわからない状況と、一般人を巻き込むことも出来ませんし…
ある作戦というと…?」
少し気になったようで顔を向ける。
「ええ、実を言うとそういう相手と戦ったことがあります。
まぁ私は手酷くやられてしまって、他の方の活躍のお陰で助かりましたけど…
私はエクリプスが何を目指していたのかはわかりませんでした。
病院で治療を受けている間に大方の戦いが終わっていたみたいで…」
母がスタンド使いになるよりも前の話だろう。
涙音も結構危ない戦いをしてきたようだ…
「隕石ねぇ…
何らかのエネルギー、未知の金属…そういうのが漫画とかアニメとかの定番ですけどね…
もしかしたらまだその人達が欲しがってるものがどこかにあるのかも…」
それだけの価値があるものかまでは、涙音にもわからない。
275
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/27(木) 04:11:52
>>274
優しくガナッシュを転がす手が止まり、思わず驚いた表情を浮かべる。
「――そうだったのですか……」
涙音が以前からスタンド使いだった話は聞いているが、
崩壊前の『エクリプス』と交戦した経験があったというのは初耳だ。
これは貴重な情報であり、共有しておけば役立つかもしれない。
しかし、まずは問いかけに応じることを優先した。
「私が『アリーナの一員』に成りすまし、彼らのリーダーと『交渉』する作戦です。
もうすぐ『アリーナの増援』が到着するので、
今の内に手を引いた方が得策だと信じさせ、『撤退』を決断してもらいました」
また手を動かしながら、涙音の質問に答える。
「幸い、慎重な判断を下せる方でしたから、『4人』の説得には成功しました」
しかし、最初に言った通り、敵の総数は『5人』だった。
「残った『1人』――『テルヤ』さんだけは、私達に攻撃を仕掛けてきました。
彼は『雇い主』と直接的な繋がりがあったようですから、
何か特別な指示を受けていたのかもしれません」
ふとバットの上に並べられたガナッシュを見やる。
「……もう少し作って、余った分は2人で『味見』しましょう」
ニコ…………
涙音を見つめて穏やかに笑う。
最初に準備したボウルの中身は減ってきており、全て丸めるのも時間の問題だろう。
次の工程に移るまで、そう長くは掛からないはずだ。
276
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/27(木) 19:03:01
>>275
「足のダメージがそれはもうひどく…
あっ、そのあたりは気にしなくで大丈夫ですよ。
重傷は負いましたけど、病院の治療は
後遺症ゼロで治してもらえますから。」
そう言って軽く微笑みかけながら足をさす。
「アリーナの一員だと思わせること…
なるほど…それであ相手が応じたのですか。
アリーナ関係者でしょうかね…」
どうやら4人の説得には成功したらしい。
だが…
「むう、なぜその人だけは残ったのでしょうね…
そうなると、戦うしかなくなりましたか。」
一気に緊張感を感じる状況になったと思い、
少し息を呑む。
「…はっ、そうですね!
せっかくだからもうちょっと造っちゃいましょう。」
しかし、肝心のお菓子作りに関しては
すぐに楽しそうに作業を再開する。『味見』ができると聞いてますますやる気が出てきたのだろう。
277
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/28(金) 11:12:31
>>276
涙音が大怪我を負っていたと聞き、改めて『エクリプス』の脅威を実感した。
組織そのものが滅んだ後、『残党』が活動を行っていることも見過ごせない事実だ。
大きな『災禍』を招きかねない存在である以上、
万一の備えとして周知しておく必要を感じる。
「ここまで『雇い主』という言葉を使いましたが、厳密に言えば少し違います。
彼らの会話を盗み聞きした際、背後にいる人物を『協力者』と呼んでいました。
つまり、少なくとも表面上は『対等な関係』だったのでしょう。
ただ、正体不明の『影の協力者』は『狡猾な人間』だと……」
これと同時に、他にも『重要な情報』を聞き取っていたが、ひとまず後に回す。
「彼らは笹暮さんの『オフビート・ミミック』が開けた『出入り口』の前に陣取って、
『紅鏡町』を出ていく者達――つまりツアー客の『荷物』を調べました。
その時、私は『鞄の中』に隠れていたので、
危ない橋を渡ることになりましたが……
なんとか見つからずに『紅鏡町の外』に出られました」
『スーサイド・ライフ』の能力を知る涙音なら、この言葉の意味は分かるだろう。
「……ですが、私は『交渉』のために引き返しました。
笹暮さんが彼らに捕えられており、
そのままでは『命』を奪われる可能性が高かったからです」
「先程お話したように話し合いは成功し、
『協力者の身内』であるテルヤさんを残して、
イズさん達は引き上げてくれました。
テルヤさんは交戦するしかありませんでしたが、
戦力的には私達が有利になっていましたので、
あまり時間を掛けずに無力化できました。
それから彼は『アリーナ』に身柄を拘束されたようです」
あるいは、おそらくテルヤから情報を得たであろう『アリーナ』は、
既に『全貌』を把握しているかもしれない。
「そして、私達は星見町に戻ってくることができました……」
話している間にも、順調にガナッシュの数が増え、次第にバットの面積を埋めていく。
278
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/28(金) 23:24:43
>>277
「むむ、協力者…ですか。
しかし狡猾な人間だとしたら…
そこに隕石があるという話自体も実際にそうなんでしょうかね?」
少し不思議そうに首を傾げた。
「…鞄の中に自分の体を入れて、
荷物と一緒に外に出されたというわけですか…」
彼女のスタンドは自分の体を切り離すことができる。
その能力を活かせばあとは解除すればいいのだと考える。
「流石に他の人を残したままには出来ませんね…
笹暮さんは無事…だったのですね?」
そこは特に心配なのかも知れない。
「無事に戻ることが出来たのは良かったです…
その、テルヤという人ははどんなスタンドを?」
数でなんとかなる相手だとは思うものの、
雇われた相手なだけにそこそこの実力はあるかと考える。
「ふむ…なかなか大変なことが起こったのですね…
とはいえ、結局その協力者のことはいまだわからず…でしょうかね?」
そう言っている間にもガナッシュをどんどん造っていくが。
「…ふう、ちょっと疲れました。」
さすがにずっと続けていたためか、てを軽く振って一休みする。
279
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/29(土) 06:05:07
>>278
涙音が口にした疑問を受けて、自らの考えを語り始める。
「……『隕石がある』という話は本当でしょう。
最初に『隕石』の情報を掴んだのは『協力者』ではなく、
リーダー格のイズさんでした。
それ以前の段階では、外部の人間は『隕石の在り処』を知らなかったのですから、
場所を誤魔化すような嘘は言えないはずです」
「そして、私の説得に応じたことからも分かる通り、
イズさんは慎重な性格の持ち主なので、
『紅鏡町に隕石がある』と確信しなければ、実際に行動しなかったでしょう」
「これは予想ですが、おそらくイズさん達は、
最初から『捨て駒』だったのではないでしょうか。
彼ら4人に注意が向いている隙に、テルヤさんが『隕石を奪取する』ことが、
『協力者の計画』だったのかもしれません」
別れ際にイズが言い残した『狡猾な人物』であれば、
味方を出し抜く策謀も巡らせていただろう。
「『協力者の正体』は不明ですが……笹暮さんは無事に助けられました。
当時は負傷していましたが、涙音さんと同じように、
元気を取り戻しているでしょう」
あの時、笹暮を救えたのは幸いだった。
ふと彼の現在が気になったが、簡単に連絡を取ることはできないし、
そもそも連絡先すら分からない。
相手が『アリーナ所属』では、近況を知ることは困難だ。
「テルヤさんのスタンドは『ギリースーツ』で、
『隠密性』に特化した能力です。
涙音さんの『フォートレス・アンダー・シージ』と、
『ジャンル』が似ているかもしれませんね……」
カモフラージュとして着用する『迷彩服』と、
『狙撃手』のヴィジョンを持つ涙音のスタンドは、どちらも『軍隊』という共通点がある。
「――お疲れ様でした。
もうガナッシュは十分ですから、今から『仕上げ』に入ります」
バットの上には、淡いピンク色のガナッシュが多く並べられ、次の工程を待っていた。
「その前に――1つ食べてみてください」
新しいバットを準備しながら、涙音に『味見』を促す。
280
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/29(土) 18:36:07
>>279
「まぁ…本人が来ないということは
捨て駒だったのでしょうね。
とは言え単なる雇い主だとしたらそのくらいの扱いでしょうか…」
「…とりあえず笹暮さんが無事だったのは良かったです。
他の人にも被害が出ていないのも…幸いでしたね。」
無関係な人間が巻き添えになることは
避けられたのだろう。安堵した表情を見せた。
「隠密性…姿や気配を消すということですか?
うーむ、デザインと言うと、見た目が『兵士』っぽさがあるのですか…
でも戦う相手としては厄介ですね。それに…」
「その能力的に見ても他の4人は囮にするつもりだったと見ていいかも知れませんね。」
そう言って頷いた。
「ふぅー、結構疲れますね。この作業も…」
軽く手を振りながら答える涙音。
その表情はどこか嬉しそうだ。
「むっやっと味見ができます!
こういうのは作る側の特権ですね。」
そう言って歓びながら、一つだけつまむ。
「いっただきまーす。」
口の中にヒョイッと放り込む。果たしてその味は?
281
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/11/30(日) 03:22:11
>>280
さっき用意した新しいバットの上に粉砂糖を敷きながら、
幻の町で起きた『唯一の戦闘』を振り返る。
「テルヤさんのスタンドは『マイ・ソロ・ホロウウォーク』……。
おそらく『本体が動いている間だけ姿が消える』――そういったものでした。
最初から裏切る予定で送り込まれてきたとしたら、
涙音さんの言う通り『最適な能力』でしょう」
テルヤの能力と役割の関係について、涙音の意見に同意を示す。
「笹暮さんが『紅鏡町』を訪れた目的は、
『時間を繰り返すスタンド使い』である出雲さんを、
『アリーナ』にスカウトすることです。
そして、その役目も果たされました」
「……今までは確信に至らなかったのですが、
私は『隕石に繋がる可能性のある情報』を持っています」
薄桃色に染められたガナッシュを口の中に放り込むと、
濃厚な甘味と適度な酸味の甘酸っぱい風味が広がっていく。
ホワイトチョコレートとフルーツトマトピューレは相性が良く、
両方が合わさった味わいはクリーミーかつフルーティーだ。
刻んだドライトマトはドライフルーツのようなアクセントを生み出し、
全体に華を添えていた。
「――涙音さん、いかがですか?」
いよいよ次は『仕上げ』の段階に入れるだろう。
282
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/11/30(日) 21:48:55
>>281
「なるほど…
消えることができるスタンドなのですね。
騒ぎが起こっている間にこっそりいなくなることも十分できそうです。」
能力の詳細を聞いてより確信した様子を見せる。
「うーむ、つまりアリーナに行くことになったのでしょうか…
まぁ、場所次第では悪くないと思いますけど…」
笹暮のことを少し心配しつつ答える。
「隕石につながる…その情報とは何でしょうか?」
少し気になったようでじっと小石川を見つめてくる。
もし機密事項ならばこれ以上聞くつもりはなさそうだが。
…一通り話し終わった後で
ガナッシュがようやく口の中に入った。
「むぐむぐ…これは…」
目を輝かせながら答える。
「とても美味しいです!
チョコレートとフルーツトマト、どっちも違う甘さで
それでいて喧嘩しないでうまく溶け合ってます!
それとドライトマトの食感もなかなか面白いです。」
とても嬉しそうだ。どうやらとても良い出来だったようだ。
「ふむ、この調子ならきっと気に入ってもらえますね!」
283
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/01(月) 04:45:11
>>282
『アリーナ』に対する見解は、こちらも同意見だ。
現に『最中派』という極端な派閥も存在する。
しかし、笹暮は誠実な人間であると考えているので、
彼が属する派閥にも一定の信用があった。
「そう言っていただけて安心しました。
『室内遊技同好会』の皆さんにも美味しく食べてもらえるように、
最後まで心を込めて作りましょう」
ニコ…………
涙音の感想を受け取り、柔らかい微笑みで応じる。
「『隕石』を求めるイズさん達は、
同時に『鞘と刃』と呼ばれる何かも探していたようです。
その詳細は定かではありませんが、彼らは『絶大な力』だと話していました。
もし、これらが『同じもの』だとすれば……」
一呼吸する程度の間を挟み、涙音を見つめ返しながら口を開く。
「――『隕鉄の刀剣』なのかもしれません」
それが最終的に辿り着いた『結論』だ。
「この情報を涙音さんも覚えておいてください。
ただ、信頼できる人を除いて、あまり口に出さない方が良いでしょう。
現に『紅鏡町』では大きな争いが起きていましたから、
また誰かが傷付いてしまうことは避けたいのです」
スッ
テンパリングしたホワイトチョコレートが入ったボウルを、
粉砂糖を敷き詰めたバットの隣に置いた。
「……ガナッシュをチョコレートに浸してから、
粉砂糖の上で転がしていただけますか?
こうすることで、全体が斑なくコーティングされていきます」
手本を見せるように、一連の流れを淀みなく行う。
284
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/01(月) 23:30:19
>>283
「ふー、とても美味しかったですよ。
…後はこれに心を込める、ですね。」
精神的なものが効果はあるか…
というのはスタンド能力を持っている以上、あり得るかもと思えるのだ。
「むむ、鞘と刃?…
隕石から刀剣を造ったということですか?
しかしますますその…刀剣にどんな効果があるのかと思えますね…」
小石川の言葉を聞いて不思議そうに首を傾げた。
只者ではない隕石…ではなく隕鉄で作られた剣なのだ。
どんな価値があるのかナゾに思っているようだ。
「えっと、はい…よく覚えておきますよ。
それに…これらの話は、もしかしたら
アリーナの人の耳にも入ってしまうかも知れませんし…
何より、意外と近くに『雇い主』がいたりするかも知れませんし…ね。」
同意するように頷いた。
どんなものかは自分にはわからないが、それでもそこまでして欲しがる価値のあるものなのだろう。
またなにか起こるようなことがあってはいけない。
「ふむふむ、なるほど…
まるで粉雪みたいになるように、ですね?」
小石川の動きを真似するようにチョコレートにガナッシュを浸す。
ムラにならないように粉砂糖を軽く転がして見せる。
285
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/02(火) 04:24:16
>>284
涙音の手つきを見守りながら、自分もガナッシュを摘み上げる。
「……涙音さんも私も、自分に合ったサイズの服を着ていますね。
『心を込める』というのは、それと同じようなものですよ。
『相手の心に合うサイズ』を探すことです。
『室内遊技同好会』の皆さんは、全員が涙音さんと同年代の女の子ですから、
『同級生』にプレゼントするつもりで作ってみてください。
そうすれば、自然と心の籠もったお菓子に仕上がるでしょう」
ふと『最愛の人』――『彼』を思い出していた。
「いえ……既に『アリーナ』は『鞘と刃』を知っているはずです。
『テルヤさんがアリーナに身柄を拘束された』と言いましたが、
おそらく彼から情報を聞き出したでしょう。
もしかすると『どんな力を持つか』も把握済みかもしれません」
イズはテルヤを名指しで、『アリーナの尋問を受ければ吐くだろう』と評していた。
その通りの人物だとしたら喋っただろう。
また、『アリーナ』には数多くのスタンド使いが所属している。
その中に『吐かせる能力』が含まれていても不思議はない。
いずれにせよ、『アリーナ』が情報を得ていることは確実だ。
「少なくとも『紅鏡町』は消滅しました。
あの町に『鞘と刃』があったとしても、誰も手に入れることはできません。
しかし……」
「――『これで終わった』とは思えないのです」
もし、どこかに『鞘と刃』が現存しているとしたら、それは大きな災いを招きかねない。
286
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/02(火) 22:08:51
>>285
「心を込める…相手の心に合うサイズを探す…
なかなかいいことをいいますね。
そう考えるとなんだか、いいものが作れそうな気がしてきました。」
小石川の言葉を聞いて納得するように頷いた。
たとえとしてもとてもわかり易いのだ。
「それでは心のサイズに合わせて作り、更に素敵にデコレーションしましょう。」
そう言って微笑みかけた。
「ふむ…アリーナもそれを欲しがっているのでしょうか…
一体どんな力があるんでしょうね。」
どこか疑問でしょうがないようだ。
一体どんな力を持つ刃なのだろう…或いは鞘も?
「…結局未だに鞘と刃は見つからず…ですか。
これからも、そのアイテムを巡って争いが起こるのでしょうかね…」
不安が一瞬表情を曇らせる。
またなにか起こるのだろうかという不安がまだあるのだ…
287
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/03(水) 07:13:18
>>286
涙音に微笑を返し、『心』を込めてチョコレートにコーティングを施していく。
「『鞘と刃』に大きな力が秘められていることは確かですが、
それが何なのかは分かりません。
ただ、例えば『エクリプス』の手に渡ってしまえば、
良くないことに使われるのは予想できます。
『アリーナ』としては、そのような事態は避けたいでしょう」
実際そうなってしまったら、星見町全体に危険が及ぶ。
「今後、なるべく私も情報を集めたいと思っていますが、
今のところ他に手掛かりを見つけていない状態です」
今この瞬間にも、どこかで災いが進行しているかもしれない。
未来を予測することは困難だが、それを想定して備えておくことはできる。
だからこそ、互助組織である『サロン』は存在意義を持つ。
「……涙音さんは『特別な刺青』を彫ることでスタンドが目覚めたのでしたね」
以前ここで涙音と交わした会話が思い浮かび、何気ない口調で呟きを漏らす。
一般的な刺青というのは、まず針で皮膚を傷付け、
そこに色素を注入して絵を描く行為だ。
何か『引っ掛かり』を感じたものの、それ以上は掴み切れない。
288
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/03(水) 21:59:04
>>287
「…何にしても、そこまでして欲しがるものですからね…
エクリプスの生き残りが手に入れたら悪いことに使うのは目に見えていますね。
アリーナの人が手にしたら、普通に保管してくれるといいんですけどね…」
少し作業の手を止めながら考える。
アリーナの側にもよからぬことを考えている人間がいるだろうが
いずれにしてもエクリプスが持つよりはマシなはずだ。
「手がかりを探そうにも、そもそもどんな代物なのかもわからないですよね。
まさに雲を掴むような話です…」
軽くため息を付きながら答える。
刃だということがわかっても、それ以上何があるのかも不明だ…
「あ、はい。
刺青を彫り込んでもらうことでスタンド能力を手に入れたんです。
ただそれがあの人の能力だったのかはわかりませんけど。」
思えば、刺青を彫り上げるときにその様子を見ていなかったような気がする。
わからぬことだらけのままスタンド能力を得てしまったように思う。
「…或いは…なにか特別な『モノ』を使って彫っていただいたから能力を得たかですが…
…む…もし仮にそれが出来たとしたら」
「その刃というのに『スタンドを目覚めさせる力』…があるという可能性もありますね。」
あくまで仮定の話だが、涙音は答える。
同じような事例は自分が身を持って受けているのだから、ありえなくはないかも知れないと。
289
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/04(木) 11:20:12
>>288
涙音の言葉を聞いたことで、無意識下で感じた『引っ掛かりの正体』に気付いた。
「針と刃は両方とも『金属』で、
形こそ違うものの『鋭い』という共通点があります。
もし『材質』が似たものだとしたら、
それによって起こる『結果』も近いのかもしれません。
そして、そうだとしたら『絶大な力』と呼べるでしょう」
『刺青を彫った者』については知る由もないが、刺青なら針を使ったはずだ。
あるいは『特別な針』だった可能性もある。
『紅鏡町』に存在した『鞘と刃』も、『同一の特徴』を備えていたかもしれない。
「『スタンドを目覚めさせる刀剣』……この仮説が正しければ、
イズさん達や彼らの背後にいた人物が、
入念な準備を整えて動く理由になります」
誰でも『音仙』のような芸当が可能になるというのは、
計り知れない脅威に成り得るだろう。
「……おそらく『アリーナ』は、
『保管』よりも『破壊』を優先するのではないでしょうか?
『どの派閥が管理するか』で、不毛な争いが生まれかねません」
特定の派閥だけが強力な武器を得るという状況は、
『派閥の集合体』である『アリーナ』にとって、決して歓迎すべき事態ではない。
「涙音さんのお陰で『新しい手掛かり』を見つけられました。
『お互いを知ること』は大いに意味があるのです」
一見すると無関係に思える事柄が、時として予期せぬ形で繋がっていく。
『涙音がスタンドに目覚めた経緯』を知らなければ、ここには辿り着けなかった。
こうした『相乗効果』も、まさしく『サロン』の意義だ。
290
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/04(木) 21:42:56
>>289
「スタンドを目覚めさせる刀剣…もし刺青と同じような存在だとしたら
スタンド使いを『生産』することも可能になるかも知れませんね。
エクリプスがそのことを知って探しているならなおのこと
彼らのもとに渡ってしまうのは危険であると言えますね。」
刺青を彫ってくれたあの人はどのような方法で彫り上げたのかは彼女にもわからない。
しかしその可能性はありうること何度あろう。
「確かに、その刀剣の存在そのものが災いになりかねませんね。
破壊するのを選ぶでしょうか…もし出来たらですけど。」
材質も不明なので破壊可能なのかもナゾだろう。
更に…
「破壊するのであれば欠片一つ残さないくらいやらないと危なそうですね。
もし破片になっても効果があったら大変ですし…」
もう一つの危惧でもあるスタンド能力を覚醒させるものが『増える』可能性も涙音は考えているようだ。
「私でもお役に立てたのなら幸いです。
少なくとも、探し求めているものの『形』と『能力』について
憶測ではありますが掴むことが出来たと思います。」
そう言って頷いた。
自分がスタンドを覚醒させた話が、謎の解明に繋がったのならば
涙音にとっても嬉しい限りのことだろう。
291
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/05(金) 04:21:16
>>290
涙音の意見は的を得ている。
例の『刃』に対して、中途半端に壊すことは逆効果だ。
もし破壊する時は、この世から完全に消し去るつもりで、徹底的に行わなければならない。
「おっしゃる通り、破壊するという行為そのものが、
事態を悪化させてしまう可能性は考えられます。
ただ、『アリーナ』には大勢のスタンド使いが所属していますから、
相応しい能力を用意することはできるでしょう。
例えば、完全に『消滅』させてしまえるような……」
今のところ心当たりはないが、おそらく『星見町のスタンド使い』の中にも、
そういった力を持つ者は存在するだろう。
「ただ……それでも油断は禁物です。
万一のために『刃を消滅させられるスタンド使い』が必要になるかもしれません」
会話の最中も手を止めず、チョコレートを作り続けていた。
「……もうすぐ全て仕上がりそうですね。
これが完成したら冷蔵庫に入れて、
次は『ラベンダーのショートブレッド』に取り掛かりましょう」
調理は順調に進み、そろそろ『フルーツトマトのトリュフチョコレート』が出来上がる。
292
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/05(金) 23:28:13
>>291
「ふーむ、完全に消滅させられる能力ですか…
思い当たる人は、私の知る人の中には多分
居ないかな…」
そう言って首を傾げた。
とは言え、アリーナならばそういう人材もいる可能性はあるだろう。
「一応、こちらが先に手に入れたときのことも考えないといけないでしょうね。
もし意外と近くにあったら、大変ですから…」
万が一にもほどがあるとは思うものの、スタンド使いが集まる街なのだ。
そのようなことは考えておく必要があるだろう。
「と、もうすぐ出来上がりそうですね。
こうして話していると、なんだか直ぐにできてしまったみたいですね。
…色々と考えてたからでしょうか。」
涙音も一旦考えるのをやめて、お菓子の作業を手伝っている。
もうすぐ出来上がるのもあって、どこか楽しみそうだ。
293
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/06(土) 02:26:36
>>292
小石川自身、今まで多くのスタンド使いに出会ってきた自覚はあるものの、
『物体を消滅させられる能力』は見たことがなかった。
「仮に『鞘と刃』が現存しているとして、
『アリーナ』や『エクリプス』も動いているなら、
おそらく彼らが先に見つけるでしょう。
しかし、誰も『魔物』の存在を知らなかったように、
今後どういった事態が起こるか分かりません。
私達にできる範囲で、あらゆる可能性に備えておくべきです」
そう言った後、しばらくお菓子作りに集中し、完成まで進めていく。
「――『できあがり』ですね……」
やがて、乳白色のホワイトチョコレートでコーティングされ、
雪を思わせる粉砂糖を纏ったトリュフチョコレートが、バットの上に整然と並ぶ。
「あとは冷蔵庫で冷やしておいて、それからラッピングしましょう。
涙音さん、また『味見』をしてもらえますか?」
先程はガナッシュだったが、今度は完成品のトリュフを勧める。
294
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/06(土) 16:57:54
>>293
「そうですね。
サロンはそういう万が一の時のために設立された…という話を聞いています。
お母さんにもそのような事態を想定するように伝えておきますね。」
そう言って頷いた。
何が起こるかはわからないのだ。これからのことも考えなければならないだろう。
そんなこんなで小石川のお菓子作りを手伝い…
「ふう、出来ましたね。」
トリュフチョコレートがようやく完成した。
たくさん並んだそれを見て、とても嬉しくなってくる。
「む、また味見をしてもいいのですか?
もちろん喜んで!」
そう言って頷きつつ、一つトリュフを取ろうとする。
「あっ、直接触らないほうがいいですよね…」
ひとまずフォークなどがないかと確認する。
295
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/07(日) 06:40:29
>>294
フルーツトマトを混ぜた薄桃色のガナッシュを、
テンパリングしたホワイトチョコレートが包み、最後に粉砂糖でコーティングした。
見た目は白いトリュフで、その中身は食べるまで分からない。
もちろん涙音は知っている。
「ええ――『鞘と刃』のことは、笑美さんにも情報共有をお願いします」
ジャアァァ…………
次の作業のために、まずは流し台で手を洗う。
「……気を遣ってくださったのですね。
このトリュフに込められた『心』も、きっと彼女達に伝わってくれるでしょう」
ソッ
「どうぞ……これを使ってください」
涙音の配慮に感謝しつつ、引き出しから取った一本のフォークを差し出す。
296
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/08(月) 00:15:46
>>295
「んふふー、見た目も綺麗ですね。
これはとても美味しそう!」
出来上がってきたトリュフチョコを見て
すっかり嬉しそうな様子を見せる。
中に入っているフルーツトマトはまずわからないだろう。
「お母さんもきっとこのことを放っておかないでしょうね。
色々手助けしてもらえると思います。」
そう言って頷いた。
「フヒヒ、なんだかそう言われると照れてしまいますよ。
…保証できますよ。味は。」
フォークを受け取った涙音はニッコリと微笑む。
「ありがとうございます…それでは
いただきます。」
軽く会釈してから一つフォークに刺して口の中に運んだ。
想像できる。美味しいものに違いない。
297
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/08(月) 07:12:26
>>296
まず、きめ細やかな『粉砂糖』と『ホワイトチョコレート』が混ざり合い、
少しずつ口の中で溶けていく。
事前に『テンパリング』してあることによって、チョコレートは滑らかな舌触りが楽しめる。
その中心部分には『フルーツトマト』を使った『ガナッシュ』が収まっており、
こちらは先程と同じものだ。
しかし、全体をコーティングされた完成品は、より満足感のある味わいを堪能できるだろう。
また、『自分達で作った』という実感も、少なからず影響を及ぼしていることは間違いない。
「――……涙音さん、いかがでしょうか?」
涙音が味見している間に、使い終わった調理器具を片付けながら、
『トリュフチョコレート』の感想を尋ねる。
『小角宝梦の様子を探る』という目的はあるものの、
『室内遊技同好会』の『仲真紗蕗』と『大丸六花』に喜んでほしい気持ちも本当だ。
そして、もちろん『朱鷺宮涙音』にも美味しく食べてもらいたかった。
298
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/08(月) 17:30:57
>>297
目にも鮮やかなトリュフチョコレート。
見れば見るほど食べるのがもったいないが…
それでもひとくち食べてみる涙音。
「むぐむぐ…」
しばらく口を動かしていたが、すぐに表情がほころんだ。
「これは、美味しい!
チョコレートと砂糖のとろける感触もいいですけど、
その中からフルーツトマトの心地よい酸味が溢れてきます!」
よほど美味しかったのだろう。
すごく嬉しそうな表情で小石川に視線を向ける。
「むぅ、差し入れとするのがもったいないレベルですよ。
お店に出せるくらいです!」
涙音は笑顔で太鼓判を押す。
この調子なら、おそらくは同好会のメンバーも気にいるかも知れない。
299
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/09(火) 06:50:22
>>298
涙音が食べた後で、自分も同じように味見を行い、まもなく頷いてみせた。
「……ありがとうございます。
これは冷蔵庫で冷やしておいて、それからラッピングしましょう」
トリュフの載ったバットを持ち上げ、いったん冷蔵庫に収める。
「次は『ラベンダーのショートブレッド』を作りましょう。
まずはオーブンを160℃に予熱して、その間に生地を用意します……」
ピッ
口頭の説明と並行して、オーブンレンジを160℃に設定して予熱を開始する。
「ショートブレッドはバター・小麦粉・砂糖・塩で作るお菓子です。
今回は乳酸菌を加えて発酵させた『発酵バター』を使います。
芳醇な香りとコクの強い風味が特徴で、シンプルなお菓子と好相性です」
コト
「あらかじめ常温で柔らかくしておきました。
こちらのボウルにバターを入れますから、
泡立て器でクリーム状になるまで練ってください」
バターをボウルに投入しながら、再び涙音に手伝いを頼む。
「それから……『学園内の行動』についておさらいしましょう。
まず最初に何をするか――覚えていらっしゃいますか?」
実際に現場で動いてもらうのは、現役の『清月生』である涙音だ。
彼女を信頼しているが、万が一にも失敗することは避けたい。
そのために、ここで改めて『全体の流れ』を確認しておきたかった。
300
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/09(火) 19:32:45
>>299
「このままだともっと食べたくなっちゃいそうです…」
「さてさて、次のメニューも美味しそうな感じがしますねー。」
次に作るのはラベンダーのショートブレッドだ。
「ふーむ、バターに小麦粉と…
つまり卵を使わないクッキーみたいなものですか。
ラベンダーの香りは大好きですし、これもいい仕上がりにすれば
喜ばれるんじゃないでしょうか。」
そういいつつ、泡だて器を手に取る。
「もちろん、お手伝いはお任せください!」
自信あり!とでもいいたげな表情だ。
「学園内の行動ですか…えっと。」
少し手を止めながら考える。
少々考え事をしているようだ。
「確か…学校の中等部に噂を流していただきたいと言う話でしたか?」
301
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/09(火) 20:56:20
>>300
必要な材料を調理台に並べていき、また涙音に向き直る。
「ええ、丁度そのようなお菓子です。
それでは、お任せしますね……」
コト…………
薄力粉や塩と一緒に準備した砂糖の瓶には、ラベンダーの花が混ざっていた。
「これは『ラベンダーシュガー』と言って、
グラニュー糖にラベンダーの香りを移したものです。
私が庭で育てた花を摘んでおきました。
こちらをショートブレッドに使いましょう」
ボウルにラベンダーシュガーを加えると、優しく甘い芳香が漂う。
「いえ……今は状況が変わりましたので、噂を流すことは中止しましょう。
最初に『室内遊技同好会』の活動場所を見つけていただきたいのです。
あくまでも『同好会』なので、決まった部屋はないのかもしれません。
その場合は、『仲真紗蕗さん』と『大丸六花さん』を探してください」
彼女達の特徴は分かっており、涙音と同じ『中等部』であることも含めれば、
そこまで困難な大仕事ではないはずだ。
「……お二人の外見は覚えていらっしゃいますか?」
一応、念のために『齟齬』がないことだけは確かめておきたい。
302
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/10(水) 21:16:43
>>301
「了解しました。
早速…やっていきますね。」
そう言ってバターの入ったボウルを
泡だて器でかき混ぜ始める。
「ふむ、これは意外と力がいりますね…」
柔らかくなったとは言え、まだ個体であるバター。
混ぜるのには少々力がいりそうだ。
「…確かに、色々と場の状況が変わってしまいましたね。
えっと、室内遊戯同好会の活動場所ですか…
それだったら、二人のどちらかに声をかければ…
きっと活動場所に案内してくれますね。」
そう言って頷いた後、もう一つの質問を聞く。
「えーと、二人の外見ですか?
確か…仲真紗蕗さんは『明るい茶色の髪にベレー帽』で…
大丸六花さんは『三つ編みでメガネ』…でしたか?」
そういいつつも泡だて器を回し続ける。
「イメチェンしてない限りそうだとおもいますけど…」
303
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/11(木) 05:25:19
>>302
最初は固く感じるが、力を入れて混ぜ続けると、次第に柔らかくなってきた。
「泡立て器を使うとバターの中に空気が入って、
滑らかなホイップバターに仕上がります。
最初は難しいかもしれませんが、
しっかり混ぜた分だけ美味しくなりますので……」
「ええ――その通りです。
実際に教室を回るよりも、『職員室』で訊いた方が早いかもしれません。
涙音さんは同じ学校に通っているのですから、同好会に興味があると言えば、
『室内遊技同好会』の活動場所を教えてもらえるでしょう」
パラパラ…………
発酵バターとラベンダーシュガーの入ったボウルに、少量の塩を加える。
「仲真さんと大丸さんに会った後は、
『彼女達を捜していた理由』を話してください。
どんな風に説明する予定になっていたか、
私に教えていただけますか?」
あらかじめ涙音に伝えておいた手順を辿りながら、さらに確認を行う。
304
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/12(金) 14:47:45
>>303
「ん、段々と柔らかくなってきましたね。
この調子で行きますよ」
そういいながら、涙音はかき混ぜる手を早める。
ただしあまり激しくしすぎないように気をつけるのだ。
「あちこち回ってるとちょっと目立っちゃいますかね。
…同好会のことならひとまずお任せください。」
そう言って頷いた。
興味がないわけでもないのだ。少し同好会に対しての興味は純粋にある…
「えーっと、お二人に会いに来た理由についてですね。
確か…小石川さんが小角さんと連絡が取れなくて心配しており…
私が事情を確かめるという理由で会いに来た…という話をすればいいんですよね?
たしかお二人とはミステリーツアーの時にお知り合いになったんでしたよね。」
305
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/13(土) 07:42:26
>>304
涙音の答えに首肯を返し、薄力粉と粉ふるいを手元に引き寄せた。
「……ええ、その通りです。
ただ、彼女達は『スタンド』の存在を知らないはずですから、
あくまでも『普通に旅行した』という体裁を保つ必要があるでしょう。
もしかすると旅行中にトラブルがあったことは察しているかもしれませんが、
それについて尋ねられたら『聞いていないので分からない』と答えてください」
パッ パッ パッ
調理台にクッキングペーパーを敷くと、
その上から薄力粉をふるってダマを取り除き、粒子の間に空気を含ませる。
「それから……もし誰かが近付いてきたら、十分に注意してください。
小角さんの身に何が起きているか分からない以上、
学校内だからといって油断できません」
小角と連絡が取れないことに、もし何者かが関与しているとすれば、
涙音に接触してくる可能性も有り得るだろう。
「――二人を捜していた理由を説明した後は、
どうする予定になっていたでしょうか?」
サラ サラ サラ
全体が均一になった薄力粉が、一足早い新雪のように降り積もっていく。
306
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/13(土) 20:52:51
>>305
「あぁ、そうですね…
ツアーのことについては…スタンドを知らない人に
伝えるのは難しいでしょう。」
同意するように頷く。
ある程度かき混ぜたら視線を再び小石川に向ける。
「このくらいでいいでしょうかね…?」
いい感じに混ざったと感じたのだろう。
見た感じはちょうど良さそうだ。
「確かに、そうですね。
お母さんはあやしい人間が学園内にいるかも知れないと言ってましたし…
夏の魔物の件で…でしたね。」
香音という人物についての話は聞いている。
もし本当に学園内にイたら大変だろう。
「えーと、その後は確か小石川さんとの電話を繋いで…
そこでお二人とお話をする…でしたか?
もちろんスピーカーにして二人にも聞こえるように…」
307
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/14(日) 03:46:33
>>306
しばらく練っていると、
ボウルの中でバター・ラベンダーシュガー・塩が混ざり合い、
空気を含んだクリーム状に変わっていた。
「――ちょうど良い具合ですね。
次は、このボウルに薄力粉を加えて、切るように混ぜていきます。
ここからは私が担当しましょう」
ス…………
涙音に代わってボウルの前に立ち、ゴムベラを手にして生地を混ぜ始める。
「香音さんが清月生かどうかは定かではありませんが……
そちらの件も併せて注意をお願いします」
涙音の言葉に頷く。
以前、遊部が連れてきた香音も、不審な点がある人物だ。
小角の消息に関わっている確証はないものの、彼女にも注意を払わなければならない。
「……それで間違いありません。
ただ、あれから考え直してみて、
『ビデオ通話』が適切であると感じました。
お互いの顔が見えた方が話しやすいと思うのですが、
涙音さんの意見を聞かせてください」
その場合も、おそらく『ここ』で話すことになるだろう。
308
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/14(日) 19:10:57
>>307
「どうもありがとうございます。
結構かき混ぜたのでちょっと腕が疲れちゃったので…」
そう言って両手をブラブラとさせる。
スタンドを使えばもっと楽だろうが、それはしないようだ。
「通っていない可能性もありますが…
あの話をするためにあえて学校に潜入しているという可能性もあります。
探りまわるのは警戒されそうですね…顔を合わせていますし…」
同意するように答える。
夏の魔物の件に参加しているため、顔は割れているのだ。
「ふう、どうやら正解みたいですね。
…ふむ、ビデオ通話ですか。確かに単なる通話よりも
顔を合わせての会話のほうがわかりやすいと思います。
それに、実際に心配しているということを信用してもらえるでしょうし。」
どうやら涙音はビデオ通話に同意しているようだ。
そのほうが話が早いと思ったのだ。
309
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/15(月) 06:45:23
>>308
切るように混ぜていると、徐々に粉っぽさがなくなり、一つの生地として馴染んでいく。
「仲真さんと大丸さんから小角さんのことを聞ければいいですが……
もし何も分からなかった場合は完全な『手詰まり』になります。
くれぐれも慎重に動きましょう」
この線を追うことが唯一の手掛かりであり、
もし失敗してしまえば、これ以上の追跡は不可能になる。
「……涙音さんの『フォートレス・アンダー・シージ』について、
改めて話していただけませんか?
もちろん大体のことは分かっています。
ただ、まだ私が知らない部分があれば、念のために教えてください」
涙音の能力は概ね把握していた。
『攻撃に向かう的』を設置する人型スタンドで、
破壊力・スピード・精密性を兼ね備えたヴィジョンに加えて、
ライフルという武器を有する強力なスタンドだ。
本体である涙音は穏当な性格であるものの、
極めて戦闘向きのスタンドと言えるだろう。
「例えば『魔物事件』で使われなかった力など……」
学校で『FUS』を出すような場面はないと思うが、万一の可能性が有り得るかもしれない。
310
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/15(月) 23:11:24
>>309
「ふーむ、あの二人がなにか知っているといいのですが…
それもありますけど、なにより…
他の無関係な人まで巻き込むことになることは避けたいですね…」
もちろん小角の手がかりを探ることも大事だが、
もし危険なことに他の人を巻き込むことになってしまったら、という危惧もあるのである。
「私の能力ですか?
そうですね。お互いの能力を改めて把握しておきたいですね。
それでは改めて能力を説明しますね。」
そう言うと涙音は
「では…『フォートレス・アンダー・シージ』」
ドギュゥン!!
自身のスタンドを発動させた。
傍らに佇むのは屈強そうな兵士の姿。
ライフルを抱えており、その姿はいかにも強そうだ。
「以前もお見せしましたね。
私のスタンドは弾丸を撃ち込んだ相手に『的』を設置する。
そしてその的は攻撃に向かうように動きます。」
そう言ってから更に、自分のライフルをよく見せる。
「そしてもう一つ…『ナイト・カレス』は…」
ギュンッ! とライフルにスコープが発現する。
「新たに追加されるスコープ。これによって狙いはより定まり、
弾丸の射程も『200m』に延長することが出来ます。
ただし、精密に狙うには数秒を要します。」
と、改めて能力を説明した。
「ああそうだ。攻撃を受けた『的』は受けた瞬間に急停止し、慣性を失います。
これは解除した場合も同様ですから、応用はできるかと。
…的は破損するか、攻撃を『6回』受けたら強制解除です。
的の設置最大数は…同じく『6個』ですね…」
「ふむ、もっと私のスタンドで聞きたいことがあれば…お願いします。」
なにか役に立てられただろうか、と涙音は期待している顔で答える。
311
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/16(火) 08:14:22
>>310
生地を混ぜていた手を止めて、
『フォートレス・アンダー・シージ』を見つめ、涙音の説明に耳を傾ける。
「『ナイト・カレス』……そんな能力があったのですね」
『兵士』に向けられていた視線が、『ライフル』から『スコープ』に移っていく。
かつて涙音と共闘した経験はあるものの、これは見覚えがない。
やはり、まだ知らない部分が残されていたようだ。
「――それは『成長』によるものですか?」
自分自身に当てはめて、そのように判断した。
「『ナイト・カレス』は『200m』まで狙えるそうですが、
『的』の射程距離を教えてください。
つまり、『スコープ』で狙った場合にも、
『的』を設置できるのかということですが……」
『的』の設置が不可能だとしても、
『200m先』からの『超精密長距離狙撃』を察知できるスタンド使いは、
そうそういないだろう。
ほぼ確実に不意を打てるだけで、十分すぎるほど頼りになる能力だ。
もちろん、その力を使う必要がなければ、それに越したことはない。
「それから……望遠鏡や双眼鏡には、倍率を変えられるものがありますが、
『ナイト・カレス』にも『ズーム』は可能でしょうか?
あるいは、他に『特別な機能』があれば、そちらも併せてお願いします」
一通り質問を終えると、再びゴムベラを動かし、また生地を作り始めた。
312
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/16(火) 12:35:00
>>311
「フヒヒ、個人的に気に入ってるんです。こちらのスコープは。
いかにもスナイパーっぽいですよね?」
そう言って軽く見せびらかしている。
気に入っていることがうかがえるだろう。
「…まぁ、そうですね。
夏の魔物のときにも少し使ってはいましたが…
エクリプスとの戦いの後に『成長』をすることが出来ました。
色々ありましたので」
どうやらエクリプスの戦いの後に手に入れた能力であるようだ。
死線を一度くぐり抜けたことによる成長なのだろうか。
「うーむ、一度試したことがありますが…
たとえ200mまで射程を伸ばしたとしても
『50m』よりも遠くへ『的』の設置はできませんね…
一応銃弾自体にもそれなりの威力(パC)はありますから
不意のダメージを与えるくらいのことはできると思います。」
実銃ほどではないが、彼女のスタンドの弾丸はそこそこの威力がある。
それを長射程から撃てるということは強みになるかも知れない。
「ふむ、確かに『ナイト・カレス』にはズーム機能が搭載されています。
少なくとも射程内であればバッチリ見えると思いますよ。」
これもまた、一つの強みとなるだろう。モノを遠くから見るというやり方で使えるかも知れない。
「後は…そうですね。最初から『スコープ』を付けた状態でも発現できます。
精密な狙撃をするにはスコープを覗くことが必要…という感じでしょうかね。」
そう言ってじっとお菓子を作る様子を眺める。
「どうでしょう…参考になりましたか?」
313
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/17(水) 04:45:16
>>312
スコープを自慢する涙音を見て、柔らかい微笑みで応じる。
「――そうですか……」
成長の経緯について、それ以上は言及しない。
この場で訊かなければならない理由はないし、おそらく並々ならぬ戦いだったのだろう。
そういった背景を考慮に入れると、簡単に触れるべきではないと感じた。
「今後、『狙撃手』として力を貸していただく機会も、
いつか有り得るかもしれません。
今すぐ必要ではありませんが、万一のために、
何か『合図』があれば役立つでしょう」
もしかすると涙音が喜ぶのではないかと思い、そのような話題を振った。
「……もう少し知りたいのですが、
『的』を設置する際に制限はあるのでしょうか?
例えば、『生物』や『スタンドに対しても、
『無生物』と同じように能力を行使できますか?」
────ピタ
「それから……相手の『大きさ』は問わないのでしょうか?」
まもなくゴムベラを動かす手を止め、生地の出来具合を確認する。
「――涙音さんが疲れていなければ、また手伝っていただけますか?
この生地を手で捏ねて、ちょうど良い一塊にしてほしいのです。
その工程が終わったら、概ね全体の半分は完了しますよ」
再びボウルを涙音に託し、まな板と麺棒の用意を始めた。
314
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/18(木) 00:01:54
>>313
「どうもありがとうございます。
そうですね、狙撃手として活用させていただけたら
嬉しいです。私も…ある程度は激戦を越えてきたので
なんとかなる気がしますよ!」
過去に色々あったことを特に気にしていない様子だ。
不幸などを乗り越えるにはこれくらい前向きになる必要があったのかも知れない。
「ふむ、的の設置の件ですか…
生物にも的は設置できますね。
ある程度設置に適したものである必要はありますが…」
設置されても違和感を感じないもの。という制限があるのだ。
サンドバッグを人間にぶら下げる。といったことも不可なのだろう。
「ふむぅ…大きさについては上限はワゴン車くらいの大きさが限界ですかね…
あくまで動かせる的としてですが…
設置できる場所の上限はおそらくないと思いますが…
まぁ、生きものには大体できると思いますよ。」
少なくとも人間までのものは設置したことがあるが
どこまでの大きさの相手まで可能かは少し曖昧そうだ。
「あっ、ちょうどよかったです。
それじゃあ早速手伝いますよ。」
少し嬉しそうに手を動かすと、
ゆっくりと手で生地をこね始める。
多少休んだ効果は出ているようだ。
315
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/18(木) 06:11:07
>>314
涙音の過去を考えて、明るく振る舞おうと意識したが、その必要はなかったようだ。
彼女が強いことは分かっている。
ただ、それを信じればいい。
「……最初に思っていた以上に、色々なことができるようですね」
『フォートレス・アンダー・シージ』の能力は、
『トループス・アンダー・ファイア』と似ている。
ただ、違っている部分も少なくない。
やはり、別々の存在にスタンドを引き出されたことが関係しているのだろうか。
「それが終わったら、成形した後で食べやすくカットしましょう。
焼き上がったものは味見していただきますので、また感想を聞かせてください」
生地を捏ねる作業は涙音に任せ、予熱しておいたオーブンの様子を確認する。
「涙音さんもご存知かと思いますが、
私は『スタンドを使わない』というルールを、
今の自分自身に課しています。
その間、色々と考えることがありました……」
涙音の隣に戻りながら、再び口を開く。
「例えば……人間として強い人は、
スタンドに頼らなくても窮地を切り抜けられるということです。
私は、それを実際に体験し、まだ自分が未熟であると感じたのです」
ある日、『神社』で起きた出来事を振り返り、同時に『巫女』の姿を思い出す。
316
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/18(木) 20:43:40
>>315
「ふむ、そうですね…
できることが多いと却ってどうすればいいのかなーって
迷ってしまうことも多くなるんですけどね。」
少し困った顔をしながら答える。
とは言え見た感じでは、そこまで悩みのタネというわけでもなさそうである。
「了解です。
試食が楽しみになってきました。」
嬉しそうな顔でこね回す作業を続ける。
出来立ての味見は料理づくりの特権だろう。
「スタンドを使わない…
そうですね。出来うる限り私も使わないようにしています…
万が一の時以外に使わないようにと」
小石川の言葉に同意するように頷いた。
「人間としての強さ、ですか…
確かに、スタンドの強さはそのままその人の強さとなるわけではないです。
でも…きっと己が強くなれば、スタンドも答えてくれるかも知れません。」
「小石川さんは、夏の魔物の時からずっと強くなっていると感じます。
サロンを設立して、色んな人と協力することを考えて…
私にはちょっと出来ないことですよ。」
そう言って微笑みかける。
317
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/19(金) 06:30:22
>>316
涙音の手で形を変えていく生地には、ラベンダーシュガーに使われた花が混じっており、
フローラルな香りと共に彩りを添えている。
「これは実践する前から分かっていましたが……
『スタンドを使わない』という試みは、かなり個人差が出ます。
私や涙音さんのように、日常的に使用していない場合、
ほとんど『普段通りの生活』を送ることになるでしょう。
その中で何かを見つけられるかどうかは、結局のところ『その人次第』です」
今日まで続けてきて、『スタンドを出せなくて困った場面』は滅多になかった。
そういった点を踏まえても、万人に勧められるものではない。
しかし、大切なのは『機会の活かし方』だ。
ただ漫然と過ごしているだけでは、大きな変化は起こらないだろう。
何かを見出そうとする心構えが伴うからこそ、自然と新たな発見に繋げられる。
「少なくとも、私は『気付き』を得られました。
涙音さんが言われたように、『一人の人間』として強くなれば、
その人は『スタンド使い』としても強くなれます……」
軽く目を閉じてから、すぐに開く。
「……それら両方において、まだ私は未熟者です。
だから、『もっと強くなりたい』と感じ、『もっと強くなれる』と思うのです」
やんわりと涙音の言葉を受け止め、自分の両手を見下ろす。
『スーサイド・ライフ』と『ビー・ハート』――初めて自覚してから長い付き合いになるが、
完全には向き合いきれていない。
それを掘り下げるためにも、自ら『スタンドの見える一般人』として過ごした日々は、
良い『きっかけ』になっていた。
318
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/19(金) 23:28:12
>>317
「ふむ、私もたまーにしか使いませんね…
さほど困ることはありませんでした。
…色々とぶつかりましたけど。」
そう言ってみぞおちを軽く撫でる。
彼女はどうやら自分に降りかかる『不幸』を回避するのにたまに使っているようだ。
「なるほど…自分がまだ未熟だという『理解』を得ることで
更に強くなれる、ということですか…
私もなんとなく理解できます。
スタンドはあくまで『きっかけ』でしか無いですからね」
そう言って頷いた。
「自分を見つめ直すことが自分の強さに繋がる…
私もそう思います。
きっとその気付きを得るのも強くなったと言えるかも知れませんね。」
小石川の言葉に共感を多く得ているようだ。
自分が能力を得ようと思ったきっかけも『不幸』に立ち向かうためであった。
そして自分自身を見つめ直す余裕もできたのだ。
「ならば小石川さんはもっと強くなるでしょう!
私が保証します。」
そういったところで、捏ねる動作を止める。
「ふう、いい感じに出来たと思いますよ。」
そう言って生地の様子を見せる。
丁寧に作ったため、ちょうどいい塊になっているだろう。
319
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/20(土) 03:08:12
>>318
涙音に頷いた後、ボウルから生地を取り出し、まな板の上に載せる。
「まず、この麺棒で1cmの厚さになるように伸ばします」
ゴロ…………
生地の上で麺棒を転がすと、適度な厚みを持った四角い形が出来上がった。
「それから、仕上げ用のラベンダーシュガーをまぶします」
サラ サラ サラ
全体にグラニュー糖とラベンダーの花を振りかけていく。
「次は、食べやすい大きさにカットしましょう」
トン トン トン
トン トン トン
包丁を手に取り、片手で摘める程度のサイズに切り始める。
「――『できることが多いと迷ってしまう』とおっしゃっていましたが、
そうした場合は『できることを減らしてみる』と捉えやすくなりますよ。
例えば、能力を使わずにヴィジョンだけで解決する方法を考えるなど……」
「そうすることによって、
今まで気付かなかった新しい使い方を発見できるかもしれません。
私が行っている『一般人に近い立場』に身を置く試みも、
それと同じようなものです。
たとえスタンドが使えなくても、本当に強い人であれば、
きっと何らかの方法を見つけられるでしょう」
「そして、『できること』を徐々に増やしていけば、
自分自身について理解を深める助けになるのではないでしょうか?」
手際良く作業を進めながら、自らの思うところを語る。
320
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/20(土) 18:48:40
>>319
「ふむふむ、いい感じの形になってきましたねー。
目にも鮮やかで美味しそうです…」
ラベンダーシュガーをまぶされた生地は
一気に鮮やかな雰囲気が出始めている。
「できることを減らしてみる…ですか。
確かに…私のスタンドは力も器用さも結構ある方ですし…
他のことで色々できるかも知れません。」
人型のヴィジョンはできることも多い。
その点で言うと彼女のスタンドはできることが多いのかも知れない。
「後は…はい、できることを増やすことで応用力も強くなる…かも知れませんね。
もしかしたら、今までできなかったことも見えてくるかも…」
そう言うと、頭を軽く下げて
「ありがとうございます。
小石川さんのアドバイス、参考にさせてもらいますね。」
感謝の言葉を述べた。
涙音にとって、能力の使い方の道筋になるのかも知れない。
321
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/21(日) 03:57:56
>>320
いったん手を止めると、隣に立つ涙音を見つめて穏やかに微笑んだ。
「……お役に立てたのでしたら、私も嬉しく思います」
トン トン トン トン トン
そのまま包丁を動かし続け、まもなく切り分ける工程が完了した。
「あとは焼き上げれば完成ですが……その前に模様を付けておきましょう」
スッ
引き出しから爪楊枝を取り出し、調理台の上に置く。
「これを使って、生地の表面に穴を開けてください。
基本的には等間隔に配置すれば、見栄えも良くなりますよ」
ショートブレッドに模様を入れる作業は、涙音にも手伝ってもらいたい。
「――小角さんにも食べていただきたかったのですが……」
使い終わった調理器具を片付けながら、ふと小角の顔を思い浮かべる。
もし彼女が危険な状態に置かれていたら。
小角の能力を考えれば、それは大いに有り得る可能性であり、
だからこそ心配は尽きなかった。
322
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/21(日) 21:22:17
>>321
「はい…スタンドについてはまだまだ
私は未熟です。」
そういいながらも小石川の感謝を感じられる表情だ。
「おお、そろそろ完成ですね〜。
…あっ、これで穴を開ければいいんですね。」
そう言って爪楊枝を手に取った。
「そう言えばこういう形のものに…
穴がこういうふうに空いているのをよく見ますね。
こうしたら、ちゃんと焼けるんですか?」
そういいつつ、慎重に爪楊枝を生地に向けて刺していく。
「…大丈夫ですよ!」
小石川の表情を見て、涙音は顔を上げる。
「小角さんのために…また作りましょう!
今度はサロンに招待して、できたてほやほやのやつを用意して!
ほら、またお菓子は作れますから。」
彼女なりの励ましなのだろう。
お菓子は何度も作れるのだから
後でまた、お菓子を振る舞ってしまおうということなのだ。
323
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/22(月) 05:05:31
>>322
涙音の顔を見つめ返す表情には、隠しきれない不安が滲み出ていた。
しかし、今は涙音が隣にいてくれる。
それが何よりも心強く、同時に嬉しかった。
「――涙音さん……」
目を伏せながら、静かに口を開く。
「私は……小角宝梦さんを『サロン』に迎える意思はありません。
もし彼女が危険な目に遭っているなら、
私が力を使わせたせいかもしれないからです。
だから、無事を確認できた後は、もう二度と関わらないつもりでした」
その声色には、どこか物悲しいような寂しさが感じられた。
「でも、『小角さんにも食べてほしい』という気持ちも本当です。
もし叶うなら、労いの意味を込めて渡したいと思っています」
ニコ…………
「……『小角さんの分』は、別にラッピングしましょう」
やがて自らの想いを告げ、涙音に微笑みかける。
涙音の意見と同じではないものの、励まされたからこそ、
『小角の分を用意する』という考えに至ったのだ。
そこには大きな意味があった。
「表面に穴を開けておくことで水分が抜けやすくなり、
サクサクした軽やかな食感が生まれるのです。
もうすぐ出来上がりですから、また味見してくださいね」
穴開けの工程は順調に進んでいき、残っているのは半分程度だろうか。
324
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/22(月) 23:02:30
>>323
「…そう、ですか…
小石川さんがそう思うならそうします。
でも…小角さんとはいいお友達で居ましょうよ。」
小石川の様子を見て、励ますように声を返す。
関わらないで居続けるのは、もしかしたらどちらにも辛いかも知れないと思ったのだ。
「それじゃあ、おみやげとして小角さんにも渡しましょう。
きっと美味しいと言ってくれると思いますから。」
小角へとお菓子を渡す。その思いはどちらも一緒だ。
無事であると信じるからこそ、彼女の分まで作っておくのだ。
「なるほどねー。
あのポツポツにそういう仕組があったとは…
それじゃあもう少しで出来ますので…」
そう言って順調に穴を開けていく。
意外と手慣れているようだ。
「味見!もちろんさせてもらいます!」
325
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/23(火) 07:03:50
>>324
こちらの気持ちに理解を示してくれたことに対する謝意と、
涙音の気持ちに対する同意を込めて頷きを返す。
「焼き上がりを待つ間、一緒に『お手紙』を用意しましょう。
小角さんに渡していただく分には、そちらも添えておくのです。
たとえ何かがあったとしても、『必ず渡したい』という思いを込めて……」
穴を開ける作業を行いながら、さらに言葉を続ける。
ただお菓子を渡す以上に、きっと『心』が伝わるはずだ。
もし小角と話せなかった場合も、ある程度は対応できるだろう。
「――ちょうど良い模様を付けられましたね……」
やがて、穴開けの工程も滞りなく完了した。
オーブントレイにクッキングシートを敷き、そこに生地を並べていく。
あらかじめ予熱しておいたオーブンに入れて、その中で焼き始める。
「……完成まで20分ほど掛かりますので、
先程お話した手紙を準備しておきましょうか」
────ピッ
まず手を洗い、キッチンタイマーをセットしてから、
お菓子に添える手紙を書くためにリビングへ向かう。
326
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/23(火) 22:28:11
>>325
「ふむ、お手紙ですか。
小角さんに対しての手紙…
書くとしたら、ご病気を心配する文章になるでしょうね。」
なにかあったとしても、まずは普通に友人としての文章を書くことが必要だろう。
「ふむ、よく出来ましたね。
そろそろ…完成しそうです。」
オーブンの中に入った生地を見て
楽しみそうな表情を浮かべる。
「そうですね…お手紙…
どんな内容にしましょうかね。
色々考えないと…」
涙音も後をついていく。
どんなことを書けば良いのか、多少悩みどころだ。
327
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/24(水) 05:56:54
>>326
リビングに戻ってきた後でキャビネットを開け、
そこから筆記用具とレターセットを取り出して、テーブルの上に載せた。
「私が小角さんと知り合ったのは、スタンド使いになって間もない頃でした。
しばらくは会う機会がなかったのですが、
『ミステリーツアー』に参加した際に再会したのです。
そして、『魔物事件』でも呼びかけに応じてくださいました」
「――にゃ……」
それから、自分もソファーに腰を下ろす。
向かいの席では、帽子猫の撫子が目覚めたところだった。
以前も訪れた涙音のことを覚えているらしく、観察するように眺めている。
「涙音さんも、小角さんと顔を合わせていらっしゃると思いますが……」
かつて『20人のスタンド使い』を集めた時に、2人も対面しているからだ。
しかし、それ以前に面識があったかどうかは把握していない。
もっとも、同じ学校に通う同性かつ同学年の生徒なのだから、
会話を交わしたことがあっても何ら不自然ではないだろう。
サラサラサラ…………
涙音に話しかけながらペンを取り上げ、静かに筆先を走らせ始める。
────────────────────────────────────────
小角宝梦さんへ
朱鷺宮涙音さんと一緒に、この手紙を私の家で書いています。
長く連絡が取れず、心配していました。
お加減いかがでしょうか?
今後もし可能であれば、どこかで会って、
お互いの近況などを話すことができればと思っています。
それが難しい場合は、電話やメッセージでも構いません。
今、黒猫を飼っています。
脚の短い長毛種で、とても大人しい性格です。
撫でられることが好きなので、撫子と名付けました。
いつか、また落ち着いた時に、小角さんのことも聞かせてください。
小石川文子より
────────────────────────────────────────
コト
「……涙音さんから見て、どこか不足している部分はありますか?」
ひとまずペンを置き、涙音に感想を求める。
328
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/24(水) 21:35:31
>>327
「へぇ、そうだったんですか…
ミステリーツアーで色んな人と出会いがあったんですね…
夏の魔物でもいろんなことに協力していただいて…
小石川さんと小角さんが色んな人を繋いでいったんですね。」
夏の魔物事件のことを思い返しながら感慨深げに呟く。
本当にいろんなことがあったと思いながら頷いた。
「ああ、私と小角さんはその…
割と出会いは偶然でしたね。
転びそうになった彼女を偶然助けて…
まぁそれから知り合いになりました。」
どうやら夏の魔物より前から知り合いであったらしい。
「手紙を早速書くんですね。
ふむ…」
じっと手紙を確認する。
「見た感じ、いい感じの手紙だと思いますね。
…せっかくだからかわいい猫ちゃんの写真も一緒に
添付してみたりとかどうでしょうか。
あとは…ふむ、体調を崩していると聞きました、みたいなことを言うと
心配の気持ちが伝わってくるかな…と思いますが。」
小石川の手紙は優しい気持ちが伝わってくる感じがする。
後はこれくらいでいいか、と提案をしてみる。
329
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/25(木) 08:12:45
>>328
涙音の言葉を傾聴し、しばし考えた後で口を開く。
「健康状態については『ここ』で触れているのですが、
きっと分かりにくかったのでしょうね……」
手紙の『お加減いかがでしょうか?』という部分を指差す。
これは怪我や病気で療養中の相手に使用する表現で、逆に健康な人間には使わない。
つまり、小角の体調不良を知っていることを、先方に知らせる意図も含んでいる。
「……正直に言うと、私は『これは体調の問題ではないのではないか』と考えています。
だから、病気を建前にするようで気が引けてしまったのですが、
小角さんに気持ちが伝わらなければ意味がありません。
涙音さんの意見を参考にさせていただきます」
────スッ
「撫子の写真は……実際に会ってほしいので敢えて同封しないつもりでしたが、
喜んでもらえるのなら添えるべきでしょうか?」
新しい便箋を用意し、涙音の手元にも同じ物を置き、ペンを差し出した。
「よろしければ、涙音さんも書いてみてください。
あまり気を張らずに、短いものでも大丈夫ですよ」
以前からの知り合いなら、色々と積もる話もあるだろうと考えて、
涙音にも手紙を書くことを勧める。
330
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/25(木) 21:24:04
>>329
「ええ、こんな感じで大丈夫でしょう。
…もしかしたら体調の問題じゃないかも知れませんが…
それでも余り踏み込んだことを言うよりは、心配という思いを告げるのが良いかと思いまして…」
彼女が考えたのは、あんまり探ろうとする発言を自重したいという思いだろう。
「ふむ、実際にあってほしいですか…
たしかにそのほうがいいかもしれませんね。
帽子猫の見た目で興味を引くというのも考えたんですが…」
小石川の考えを聞いて、それならばいいだろうか。とも考える。
涙音もそこまで細かい指示をするつもりはなさそうだ。
「…あっ、はい。
私も書いてみますね。
ふむ…とはいえ…」
少し考えながらペンを受け取る。
「どういうふうなことを書くべきでしょう…」
そう思いながら少しペンを回して考え事をする…
「……ふむ、こんな感じでしょうか。」
少し考えてから、サラサラと書き始めた。
────────────────────────────────────────
小角宝梦さんへ
小角さん、お久しぶりです。夏の魔物の時以来ですね。
しばらく会えなかったのでちょっと心配に思い
どうせなら、思いを込めてみようと思い、ペンを取りました。
せっかくなので、どこかでお話ができればと思います。
体調が優れないのであれば無理強いはしませんが…
そうであれば、メールなどでのやり取りでも私はOKです。
うちのお母さんもあの時のお礼を改めて言いたいそうです。
今度はうちの妹ちゃんと一緒にお話しませんか?
朱鷺宮涙音
────────────────────────────────────────
「うーむ、いざ手紙を書いてみると…
ちょっと自身がなくなってきますね。」
どうやら文面は出来たようだ。小石川にもこの手紙を見せる。
331
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/26(金) 05:07:48
>>330
小角を心配する気持ちは本当だが、
それが単なる体調不良によるものである可能性は低いと考えていた。
ここで『体調を崩していると聞きました』と書くのは、
彼女に対して嘘をつく形になってしまうのではないか。
そのように感じていたからこそ、
『お加減いかがでしょうか?』という控えめな表現に抑えていたのだ。
しかし、涙音の助言は相手を思いやる『優しい嘘』だろう。
時として、そういった方便も必要になるということを思い出す。
「――……『思いを込めてみようと思い、ペンを取りました』というのは、
とても素敵な言い方だと感じます。
きっと涙音さんの気持ちが伝わりますよ」
サラサラサラ…………
────────────────────────────────────────
小角宝梦さんへ
朱鷺宮涙音さんと一緒に、この手紙を私の家で書いています。
朝山さんから体調を崩していると聞き、
長く連絡が取れずに心配していました。
その後、お加減いかがでしょうか?
今後もし可能であれば、どこかで会って、
お互いの近況について話す機会を作りたいと思っています。
それが難しい場合は、電話やメッセージでも構いません。
今、黒猫を飼っています。
脚の短い長毛種で、とても大人しい性格です。
撫でられることが好きなので、撫子と名付けました。
いつか、また落ち着いた時に、小角さんのことも聞かせてください。
小石川文子より
────────────────────────────────────────
改めて書き直すと、ペンをテーブルに置き、涙音に向き直る。
「『撫子の写真』の代わりに……
『私達の写真』を同封するというのはいかがでしょう?
小角さんが元気になれるような写真を撮って、同じ封筒に入れておくのです」
こちら側の様子を伝えられるし、小角にも喜んでもらえるかもしれない。
332
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/26(金) 15:56:31
>>331
「フヒヒ、ちゃんと思いが伝わりますかね?
そう言っていただけると、私も嬉しいです。」
彼女の顔はとても嬉しそうだ。
涙音は思ったままの内容を書き記すことを考えていただけに
他の人から良いと判断されることは嬉しかったようだ。
改めて書き直された手紙を確認して…
「ふむ、これはいい感じの手紙だと思います。
これだと心配という気持ちもより良く伝わる…と思います。」
うん、と涙音は頷きながら答える。
手紙の内容を気に入ったようだ。
「私たちの写真ですか。たしかにそれなら…
元気になってもらえそうな気がしますね。」
そう言ってあたりを確認する。
「あぁ、写真ってことは…カメラが必要になりますかね。」
333
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/27(土) 06:58:38
>>332
便箋を丁寧に折り畳み、セットになった封筒に入れる。
このレターセットはアンティーク調のデザインで、
蓋と封筒本体にボタンのような部品が付いていた。
それらに付属する紐を巻きつけることで閉じられる『玉紐付き封筒』だ。
この手紙も贈り物の一つである以上、なるべく小角の好みに合わせたい。
彼女も『室内遊技同好会』の一員なら、
こういった『仕掛けのあるもの』が喜ばれるのではないだろうか。
「……大丈夫ですよ。
『これ』で撮ったものをプリントして添えます」
自分のスマートフォンを取り出し、目の高さに持ち上げる。
「『撮影してくれる人』が必要になりますね……」
この場には2人しかいないが、それが可能な方法はあるはずだ。
「『フォートレス・アンダー・シージ』で撮影していただけませんか?
撮る時には……立っていた方が良いでしょう」
スゥッ
ソファーから立ち上がり、スマートフォンを涙音に差し出す。
ライフルの代わりにカメラを構えてもらおうという意図だ。
どちらも『狙いを定める』という共通点があり、
『狙撃手』である『FUS』の得意とする分野だろう。
334
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/27(土) 22:36:27
>>333
「この封筒も結構いいデザインですね。
なんだか、おしゃれな感じがします…
レトロな雰囲気も興味を引くでしょうか。」
封筒を興味津々に眺める。
室内遊戯同好会となれば、一昔前のレトロなゲームを思わせるものが似合うだろう。
「ああ、プリントすれば…写真はできますね。
それなら、ぜひやりましょう。」
そう言ってちょうど小石川と並ぶように近くに立つ。
「…ふむ、こういう時に違和感なく自撮りができるのが
スタンドの良いところですね。それでは…」
彼女の提案に大いに喜んだようだ。
涙音は『撮影してくれる人』を呼び出すことにする。
「お願いしますねー。『フォートレス・アンダー・シージ』」
ドォン!!
彼女の意志に答えるように軍人じみた外見のスタンドが姿を表した。
「バッチリですよ。
手ブレもありえないくらい綺麗に撮ってみせますから。」
そう言って小石川から受け取ったスマホを
『FUS』に持たせる。
「とりあえず…二人ともが枠に入るようにしないとですね。
そうそう、ポーズもキメときましょう。」
そういいながら、スタンドをちょうどいい距離まで離れさせる。
335
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/28(日) 09:17:10
>>334
『フォートレス・アンダー・シージ』にスマートフォンを渡す。
その時、『FUS』の足元に撫子が近寄ってきた。
帽子猫はスタンド生物であるため、スタンドに触れることができる性質を持つ。
「にゃあ」
軍人のヴィジョンを通して、涙音に柔らかい感触が伝わるだろう。
まもなく離れると、『フォートレス・アンダー・シージ』を見上げる。
もしかすると写真撮影の様子を見守っているのかもしれない。
「――涙音さん、お願いします……」
自然体の姿勢で柔らかく微笑んだ表情を作り、そのまま写真に収まる。
あとは涙音のタイミングでシャッターを切れば問題ない。
『カメラマン』のお陰で、おそらく綺麗に仕上がるはずだ。
336
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/29(月) 01:02:47
>>335
「おっと…フヒヒ、ちょっとくすぐったいです。
でも、なんだか悪くないですね。」
スタンドの足元にすり寄ってくる猫の感覚に
どこか心地よさも感じる涙音。
どこか不思議な感触であった。
「ふむ、それじゃあいきますね。
私も、こんなふうに」
そう言ってピースサインを見せてにっこり笑ってみせた。
「チーズ!」
というと同時に
パシャッ
軽くシャッター音が聞こえた。
撮影ができたようだ。
「はい、撮影できましたよ。
どうでしょう。もう一回やりますか?」
そう言って撮影した写真を見せる。
スタンドの腕前ならばいい感じに撮影ができたはずだ。
337
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【6/7】
:2025/12/29(月) 03:36:59
>>336
渡されたスマートフォンを受け取り、撮ったばかりの写真を確かめた。
グレーとベージュの中間色である『グレージュ』を基調とした室内に、
フレンチテイストの『猫脚』を持つソファーが見え、
その手前に2人の人物が写っている。
出来栄えとしては十分だ。
「――ありがとうございます。
あとでプリントして入れておきましょう」
ピピピピピ…………
その時、奥の方からタイマーの音が聞こえてくる。
「……『20分』経ったようですね。
ショートブレッドの様子を見てみましょうか」
涙音に微笑みかけ、再びキッチンに向かう。
今頃は『ラベンダーシュガーのショートブレッド』が焼き上がっているだろう。
味見をして、問題がなければラッピングを行い、
それも済ませたら一連の準備は完了する。
338
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2025/12/29(月) 23:46:54
>>337
「ふむ、なかなかの出来栄えですね。
それにお互い元気そうですし。」
励ましに重要なのはこっちが元気そうに見えることだ。
とてもいい感じの写真に仕上がった。という自負を涙音は感じている。
「おー、ついに焼き上がりですね…
確認してみましょう。」
小石川の後を追ってキッチンに向かう。
出来上がりを確認すると…
「ふむ、これはとても良さそうな仕上がりですね…
美味しそうです。」
出来立てのショートブレッドはとても美味しそうな出来だ。
ラベンダーの香りがあたりに漂ってくる。
「それでは早速…味見をさせていただいてもいいでしょうか?」
少し小石川の様子を確認しながら涙音が聞いてきた。
流石に出来立てはアツアツすぎるだろうが。
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