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【場】『自由の場』 その3

1『星見町案内板』:2022/10/15(土) 22:39:13
特定の舞台を用意していない場スレです。
使いたい場スレが埋まっている時や、
現状スレのない地域での場活動にご利用下さい。
町にありえそうな場所なら、どこでもお好きにどうぞ。

249妖狐『キン・コン・ユウ』:2023/05/20(土) 12:28:02
どこかの家の庭先

犬「ワン」狐「こゃーん」

犬と狐耳の生えた少女が何か話し込んでいる
>>250の家かもしれないし、関係無いかもしれない

250斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/20(土) 22:10:49
>>249

ある『家』の話をしよう。

むかーしむかし、ある複雑な思い出したくもない事件のせいで
この星見町に単身引っ越し……というより、引き取られた僕は
父方の祖父母の家に部屋を用意された。

星見町の喧騒から少しばかり離れた山中の寺、そのすぐ隣に建てられた屋敷は
どうも祖父母2人で過ごすには随分と部屋が余っているらしい。

ここの広さと静けさは僕にとって、
縁側でどれだけリラックスしようと座布団を枕代わりに寝転んでも
自分が……よそ者で、この家にとって赤の他人だという感覚を引き起こさせるに余りあるものだった。

だから、(いい年こいて大型二輪を乗り回してるあの)ばあちゃんの
まだ芽を出したばかりの紫陽花が置かれた小さなほうの庭先で、知らないなにかの話し声がした時
眠りの浅い僕はゆっくりと上体を起こして声の方をみなければならなかったのだ。

 (おかしいな、爺ちゃんもばあちゃんも、今日は出払ってる筈なのに……)

ねぼけまなこのピントが合うのは、それから更に数秒を要した……。

251妖狐『キン・コン・ユウ』:2023/05/21(日) 17:59:51
>>250
ねぼけまなこで庭先の話声の方を見て見ると
白い狐耳が生えた9歳くらいの少女と犬が犬語で何か話し込んでいるのが見える

斑鳩の祖父母は犬を飼っているのだろうか?
飼っているのならそういった体で話しを進めても良いが
飼っていないなら、山から下って来た狸という事にしよう

わんわん こゃんこゃん

少なくとも見た目は人間に見える狐がこゃんこゃん言ってるのは
こいつ頭大丈夫か?となる事だろう

まぁもっと異常なのは、少女が牛刀に何かの肉を刺して食っている事だが
この肉、かなり薄っぺらいハムのようだが、斑鳩は恐らく見た事の無いはずの肉だ
その薄っぺらい肉を話し相手も貪っている

そして犬用の飲み皿に何かのパックから注がれた赤い液体が入っている
肉を肴にこの赤い液体で飲みをしているようだが、何かこう、血生臭いにおいが漂っている

252斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/21(日) 21:21:02
>>251

まず目頭を抑えた。
夢だと思いたいが、『今の僕に限って』それは『あり得ない』事だ。
つまり目の前で……えー……

爺ちゃんが山から拾ってきてなんかおかしい犬だなぁ、と思ってたら
3か月後に『狸』だと判明した『ポチ』と。

なんかうちの庭に勝手に入ってる、『狐耳生やした少女』が
牛刀片手に……ハムと……ザクロジュースかな?いやこの…鉄臭い…っていうか
そのまま……血生臭い液体で。

酒盛りしてる、人の庭で。
えっ、はた目から見てすごい楽しそうじゃん……話盛り上がって見えるし。
ポチ、お前そんな友人居たんだ……へー……ところで血生臭いんだけど?鼻につくんだけど??
え?この匂いファブ〇ーズできなかったら、あのばあちゃんに説明、僕がすんの?マジィ???

 (……とりあえず、人の家の庭に『不法侵入』かまして、刃物もとい『銃刀法違反』もつけて
 酒盛り……『未成年飲酒?』してるのは……ギルティでいいんだよな?あまりにも当たり前に、目の前で行われてるわけだけど。)

法律違反!フルコンボだドン!『レオン』か何かか、次は体をキメキメに捩じりながらア〇ンでもキメるのか。
白黒の浴衣姿をゆっくりと起こし、2匹…1人と1匹にゆっくりと歩いていく。……苦笑いしながら。
いざとなったら、使わなくてはならないものを、心の中で準備しながら。

 「あー……もしもし?」

253妖狐『キン・コン・ユウ』:2023/05/22(月) 16:24:52
>>252
狸「キューン…」狐「こゃーん」

一見すると
仲良く酒盛り(?)をしているように見える狐と狸だが
狐の方は狸を見下しているような態度を取っている
狸の方も狐をうんざりしたような顔で見ている…ように見えるかもしれない

こいつら険悪というか、そんなに仲が良いわけではないのかもしれない
そんな奴らが何で人ん家で飲み会してんだよって感じだが
人間である斑鳩には犬の会話は理解出来ないのでそんな理由分かるわけないだろう

狸が赤い液体をペロペロと舐めると、口元がべったりと赤く着色される
それと一緒に、狐が盃に注がれた液体を舐めるように飲む
どうやら、この液体はがぶがぶ煽るように飲むものではないようだ
高級品なのだろうか?

以下は斑鳩には理解不能の犬語を翻訳した会話である

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
狸「この血、サラサラでさっぱりしてて美味いな」
狐「裏ルートで買ってるAB型だからな、お前のような狸には勿体無い代物よ
  きちんと我に感謝しろよ?」
狸「ババァがいちいち恩着せがましいんだよ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

>あー……もしもし?

そんな会話をしている折、外野から声が入って来る
人の声だ

その声に反応して狸が斑鳩を見る
口元をベッタベタの真っ赤にしてじっと斑鳩を見ている

そして人の姿をした狐がさも面倒臭そうに斑鳩の声に応える

「なんじゃ小僧、貴様も食うか?」

牛刀に刺さったハム…のような物を斑鳩に突き出す

254斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/22(月) 20:46:35
>>253

ポチを一瞥し、すぐ目の前の狐耳に視線を戻す、巻き込みかねない位置にいるのは実に困る。
困るが、まだなんとかなる範囲だ。すくなくともまだ紫陽花の苗も無事の筈だ。

 「食わない。しかし……日本語を理解できるようで何よりだ。
 人んちの庭に玄関以外から無断で侵入してるから、つい礼儀知らずの獣かと思ったァ〜……。」

勿論、皮肉80%事実40%だ。
余った20%は適当にツケといてくれ、誰も気にしない。
少なくとも、今この状況よりは気にすべき事じゃあない。

 「とはいえ此方は礼儀知らずになりたくないんで、一応『こんにちは』と言ってやる。
 ポチ、離れてろ……何かあったらお爺ちゃんとお祖母ちゃんが悲む。」

家族に警告終了、通じるかは兎も角として……

 (夢の方がマシだったな……これは。)

口調からして既に、眼前の相手が『常識』だの『年齢相応の態度』だのが欠如してるのは理解した。
少なくとも『のじゃろり狐耳刃物BBA』とかアニメから抜け出してなきゃあり得ない生き物だ、頭の中の警報が一段と甲高い音をたてている……
廊下のダイヤル式電話で応援を呼ぶのは無理だろうな、それを目の前の人間?にいう必要はないが。

 「……ついでに10秒以内に何してんのかと、
 今すぐ警察に通報しないで済む理由を教えてくれると助かるぜ。……勿論あんたが助かる方だが。」

斜めに身体を構え、右腕を背の裏に回すと『ロスト・アイデンティティ』を右腕に『部分発現』させる。
右腕に銀の鎖が巻き付いていようと、これで向こうからは見えない、他に視界があれば別だが。
左腕を浴衣のたもとに、携帯を探す『フリ』だ……僕が奇襲するにも防御するにも時間はいる。

 「おたくの家庭や人生がどうだったかなんて知らないが、『無礼』という行為に該当するんだぜ……
 『人んちの庭に挨拶もなしに無断侵入して、無断飲食かつ、人の家族(ポチ:狸)に無断エサやり』はな……。」

口角を吊り上げ、日差しの陰で不敵に笑いながら狐耳の眼を真っ直ぐと見抜く、動揺を悟られるのはアドバンテージの損失だ
少なくとも、今までの戦いではそうだった。頼むから話し合いでなんとかなってくれれば助かるのに。

 「はい、10……9……」

……おっと、刃物振り回してんのを追加し忘れた。
僕も流石にこの状況で、人並みには緊張しているらしい。

255妖狐『キン・コン・ユウ』:2023/05/23(火) 13:05:41
>>254
狸「ウューン」(は?何言ってんだこいつ?)

斑鳩がポチと呼ぶ狸に離れてろと言うが、
残念ながら斑鳩が犬語を解さないのと同じように、狸も人語を理解出来ない
何か怖い顔してごちゃごちゃ言ってるくらいにしか見えない
そんな斑鳩をうざそうな顔で見る狸
狸の表情など斑鳩に分かるかは不明だが

ちなみに斑鳩はポチと呼んでいるが
狸世界でのこの個体は徳家康川という名前で呼ばれている
これも犬語など分からない斑鳩には知る由もないし、どうでもいい事だろう

「ペラペラとよく喋る小僧だな…」

斑鳩がカウントを始めたところで、その口数の多さにはぁ…と溜息を付く
やけに喧嘩腰な斑鳩を後目に2匹はハムを食っている

喧嘩腰な斑鳩に対して狐の方は、
斑鳩に敵意はあるものの殺気というものは放っていない
心底ダルそうな態度を取っている

この狐、寿命までに出来るだけ多くの人間を殺そうと思っているが
最近は歳のせいで体がボロボロで思うように体が動かない
故に狩りは他の犬達と共同で行う事が主だ
今食ってるハムも101匹のダルメシアンと協力してようやく仕留めた肉だ
肉が極薄なのは102匹で山分けしたからだ

まぁそんなわけで、今日は持病の喘息も酷いし、狩りの気力が沸かないという事だ

「無礼というのは貴様ら人間の方ではないのか?
 この土地は元より我ら狐狸の領域(てりとりぃ)だった
 そこを貴様らが勝手に踏み入ってきたのだろうが」

斑鳩の質問に答えず別な話をする狐
何百年前の事言ってんだよって話でもあるし
土地の所有権とか持ってこられたら困るが

256斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/23(火) 21:01:34
>>255

斑鳩は喧嘩腰だった、何故か?

喧嘩腰にならないといけないのは、そもそも目の前の生き物の存在が、現代日本&人の庭に喧嘩を特売セールしてるからである。
スタンド使いが存在してるのは身体で理解していても、まさか『むかしむかし』から始まるお伽噺の存在がまだ生きてるとは思わなかった。
むしろ生きてると思ってるやつは月刊ムーの編集者に就職するか、精神科に通院するべきであろう。両方でもまったく構わない。

 (創作の中の生き物って、現実に目にすると本当に面倒なんだな……。)

まぁ、よく考えなくてもそうだろう フィクションのバトルジャンキーはフィクションであれば楽しめるのであって
目の前にいたらそれはただの社会不適合者である。丁度目の前でハム食ってるのもそうだ。
おお、クラスメイトの天童よ、義理の妹が欲しい欲しいと常日頃言っていたが、お前は考え直したほうがいい。現実は非情である。

 (そして、厚かましいにも程がある。玄関から入ってきてもねぇくせに無礼だとぉ?)
 
 「質問に質問で返すなァーッ!」

とは言ったが、斑鳩は既に相手との会話でのキャッチボールは諦めている。
ドッジかラグビーかデッドボールありきのベースボールにしかならないだろうと、さしもの斑鳩も予想していた。
すくなくともミットの代わりに刃物向けてきてる相手とキャッチボールはできない。
 
 「こっちが舌回してんのはなぁ、あんたのやってる事が言わせてんだよ!何その刃物!何その肉と……」

斑鳩はどうみても『血』だとかまだ認めていない。
というか認めたくなかった、『夢見ヶ先』はこんな面白い事が星見町にあるなぞ言ってくれなかったのだ。
もっと早く言ってほしかった……知ってたら……知っててもどうしようもなかったかもしれない、何故そんな生き物が自分の祖父母の家の庭先に?
家屋が落雷で燃えたと思ったら、逃げ出した矢先に隕石が頭部に直撃して死ぬくらいの運命ではないか。予測不可&回避不可のクォーラルボンバーである。

 (とはいえムカついてきたな……何で不法侵入してる側が不遜な態度で僕の前に立ってんだ?)
 (罪を犯した側が、犯していない者に道理を垂れてるのか?……そう考えるとスゲーむかついてきたな。)

祖父インストール、脳みそが最適な罵倒を考え出した。
目の前のこいつの性根におそらく警察は無意味、読んだところで小馬鹿にしながら逃げられるだけだ、ならば全力の罵倒でボコボコにするまで。
これは、心を抓む戦い……!(たぶん)

 「……あんたの仲間は見た事ない、それはつまり元々いたとしても人間との種族競争で負けたって事だ。」
 「それだけ知識があって人語を解せるなら、人間社会に溶け込めたし、人間のルールに従って土地を金で買う事もできた、でもしなかった。現実にここはあんたの土地でも屋敷でもなく、俺の祖父の土地で屋敷だからだ。」
 「しなかった理由は知らない、だが競争に負けておいて敗者のルールにも従わずに、刃物振り回して先祖のしたことをそいつの17のガキに礼を失するだの駄々こねてんのが、おたくらの正しい姿か?」

 (ペットになってるポチの扱い見て察したぜ、テメーが獣の側だって言うなら、弱肉強食の敗者のルールを知らないとは言わせねぇ……本来は自分も首輪で繋がれてる側だから優しくしてたんだろ?)
 (負け犬……いや、負け狐が人の家に不法侵入かまして、屋敷を立てた僕の祖先を嘲るだって?……ボコボコにしたくなるよなぁ〜〜!)

 「随分とご立派な……『負け犬』の姿じゃあないか……すまないなぁ、言いすぎたよ。僕が悪かった。」

構えを解くと、浴衣の襟元を正す。負け犬の部分をゆっくりと……強調しながら。
よく考えたら何でもない事だった、とでも言う風に。わざと一旦謝ることで冷や水を浴びせ……

 「アンタらの中じゃあ、刃物片手に人の土地に土足で踏み入って、親の罪を知らない子供にご高説とやらを垂れるのが『ご立派』で『カッコイイ』姿なんだもんなぁ?尊重してやるよ。」

親の罪が子の罪になるなど通らない話、相手の主張は祖先を持ち出した最初の時点で既に矛盾しているのだ。
そしてトドメに相手の現状を叩きつけてフィニッシュ、完璧だ……!言葉のデッドボールとしては。

 (……こっちの主張に言い返してテメーは尊重を強要する癖に、お前はこっちの事欠片も尊重してないって『皮肉』だけどなぁ〜!)
 (ケッ、野郎がすこしでもムカツクんならこう言ってやるぜ。内心欠片も謝ってねぇけどな〜〜馬鹿にしてんだよぉ!!)

257妖狐『キン・コン・ユウ』:2023/05/24(水) 14:16:09
>>256
狐を…世界最高種族を侮辱した罪―――軽くねーぜ?
…という事にはならなかった

狐はこれでも気さくに話をしてやっていたつもりで、喧嘩など別に売っていなかった
しかし、こうも会話が成り立たない相手となると白けるというか、冷めるというか

1000℃の炎で熱された焼石の如くありったけの罵倒で殴りかかる斑鳩だが
無気力な今の狐の精神状態は謂わば水
水をいくら力任せに殴ったところで砕く事は出来ない

そして斑鳩の罵倒は正論もあるが些か検討違いなところもある
まず、狐という種族は知っての通り世界中に分布している生物だ
別に人間との種族競争に負けたという事実は存在しない

斑鳩は勘違いしているのかもしれないが
この狐と同じような狐を見た事はないのは当然の事だ
この狐が、狐の中でも特殊な個体であり、同じような妖狐がいるわけがない
仮に妖狐をそういう種族と定義するなら一匹一種族だ、元より一匹しかいない

負け犬という言葉に関してはその通りだ、血縁者を、子供達を遊びで鏖にされ誰一人守る事の出来なかった負け犬だ
だからこそ、その憎しみの炎で今日まで生きてきたが、その命の灯火も後僅かか…

しかし一々反論したり訂正する気は起きない狐だった

「元気な小僧だな…」

いちいちうるせえやつだなお前は本当に(無慈悲)
というのが狐の斑鳩に対する印象だが、同時に血気盛んさ羨ましくも思った

若者は元気で良いな…
ん百年前は人間共を殺して殺して殺しまくっておったな、懐かしい…

まだ若き日の事を懐かしむ老いぼれた狐だった

徳家「おい婆さん、さっきから顔真っ赤にして何言ってんだこいつ?」(犬語)
狐「ここは人間様の土地だから出て行け、とさ」(犬語)

いつの間にか飲み皿の血を飲み干していた徳家
狐もハムと盃の血をさっさと胃袋に片付け、チリ紙で牛刀『剃刀』をスッと拭き懐にしまう
ゆらりと立ち上がり、1万円札を斑鳩に前に落とす
葉っぱなどではない本物だ

「場所代じゃ、足りるだろう?」

斑鳩が知るわけないが、この狐はその界隈では人気の人肉料理研究家・作家として
人間社会においてそれなりの地位を持ち、それなりの家・土地・収入がある

狐「商談の続きは我の家で良いか?」(犬語)
徳家「やだよ婆さんの家なんて、犬カフェにしようぜ」(犬語)

2匹のビジネスで繋がっている関係だ
お互い嫌い合っている相手でも、こういう場を設けて話し合わなければならないのだ
犬の社会にも色々あるという事だ

改めて商談をするべく、屋敷を立ち去る狐と狸

258斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/25(木) 07:40:55
>>257

妖狐が土地から去っていくのを、気配が消え去るまでただ待つ。
相手は怒りもしなければ論じもしなかった、ただうっとうしそうに去っただけだ。
傍目には、小型犬がキャンキャン鳴いてるのを大型犬が迷惑そうに去っていったように見えた。

この場合、何方が滑稽に見えるかなどと論ずるまでもない……小型犬の方だ、斑鳩 翔の方だ。

 「…………。」

          テ ン プ レ ー ト
 (けっ、どーせ『こんなこったろう』と思ってたさ……。)

老人という物はえてして、若者と隔絶し、理解しがたいものに映る。
過ぎ去った昔はよかったと回顧し、あるいは内心で向こう見ずさ等を馬鹿にして、終わり
後に残ったのはから回った間抜けな若者が一人だ。

 (『生きるという事は、たいへんな事だ。あちこちから鎖がからまっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。』)

だが、今回はそのから回った若者は家を守った
昔は守れなかった家族を、酷く滑稽で間抜けな形とはいえ。
スタンドを手に入れるきっかけとなった、あの事件の時にはできなかった事を。

 (安い値段だ。ぎゃあぎゃあと喚いて、顔を真っ赤にして、恥をかいて、かっこ悪かろうが。)
 (俺ができなかった事を今できると証明するには随分安いじゃあねえか、えぇ?情けないのに、代わりないがよ……。)

無論悔しい、噛んだ唇から血が滲み、握りこんだ拳の爪が、掌を抉るほどに僕は恥をかいた。
次に見つけたら問答無用でスタンドを叩き込んで、全身の骨を折ってやりたかった。
いやさ、今から追いかけて奴の後頭部に叩き込んでやろうか……そんな考えすら赤熱した火箸を入れられたようにじりじりとする頭によぎった。

 (いいや、今は家を守るのが先決だ。優先順位は二度と、二度と間違えない。)
 (俺が周囲など顧みず暴れたせいで、私の父と母は病院の寝床から起きなくなったのだ……これ以上僕の家を荒らされてたまるか。どんな理由のある、何処の誰であろうと……。)
 (いくら僕たちが泥を飲んだとしても、あってはならない。家族への累が及ぶ事態は……!)

妖狐は知る由もない、目の前で怒っていた子供はかつての妖狐自身とほぼ同じように、心無い者の手によって己自身より大事な家族を奪われた事を。
そして己自身に枷をつけて、未だその胸に炎を付けたままにしている事を。今日の妖狐がした事はまさに、彼にとっての妖狐が受けた仕打ちだという事を。

氷のような瞳を向け、足元の万札を一瞥する。
もう血混じりの泥に汚れてしまって使えるかどうかわからない。

 (場所代ね……最後まで本当に馬鹿にしてるな、あの女にとって礼を失すると言う土地の問題は、紙切れ一枚で解決できると思ってた事なのか?)
 (それとも人間に合わせただけか?どちらにしても、こっちを馬鹿にしてる事には変わりはないが。)

                                               カゾク
 「言うに事欠いて場所代だって?安い値段だ。……俺なら青天井に跳ね上げても売らないぜ、テメェの土地はな。」

拾い上げると、爪に泥が跳ねるのもお構いなしに袂に入れる。
息を吸って、吐く。煮えたぎる重油のような感情と共に吐き出したかった。

 (できないな……喉につかえてばかりだ。ちゃんと笑顔を作らないと心配させてしまうぞ。斑鳩翔。)

 「……お祖母ちゃんの朝顔の苗は無事として、この匂い、換気でごまかせんのかな。」
 「家政婦さんに頭下げなきゃダメかな……こりゃあ。」

259妖狐『キン・コン・ユウ』:2023/05/25(木) 13:54:50
>>258
結局、狐は斑鳩に反論せずに退散したのだから
レスバは斑鳩の勝ちという事で良いのではないだろうか
レスバは相手が逃亡して書き込まなくったら勝ちなのだから

斑鳩が気にする匂いだが、その元となる液体は
既に綺麗さっぱりと舐めとられていてもう無い
だからもう匂いなどしないはずなのだが、
皿に顔を近付けて嗅げばまだ血の匂いが辛うじて嗅ぎ取れるかもしれない
その程度、ちょっと洗えば取れるだろうが、それでも気になるのなら皿を処分してしまえばいいだろう

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
斑鳩の屋敷を去ってからしばらくの事
結局狐達は都内の犬カフェに来ていた

徳家「やっぱ犬カフェは良いな、若くて可愛い犬がいっぱいいるぜ!」
徳家「俺、ちょっとあの子に声かけてみようかな?」
狐「あー、良いんじゃないか?」

徳家「おーい、そこのお嬢さ

バンッ!

警察「警察だ!」
狐狸「な、なんだ?」
警察「このカフェは違法風俗店の摘発があった、今から調査をさせてもらう!
   逆らえば…射殺する!」

徳家「おい、お前がこんな所連れてくるからこうなったんだぞ!どうすんだよ!」
狐「ふざけるな!お主が来たいと言ったんじゃろうが!」

おわり


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