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【ミ】泥の中には光なく

353『サキュバスメイドとドリームご奉仕』:2021/08/24(火) 15:57:35

君達は、勝利した。
それを祝うが如く、傍観者たるレオニスは拍手を鳴らす。

「お見事、お見事。いいものを見せてもらったよ。露悪と淫欲も悪くはないけど快活な勝利は胸がすく! ミントみたいに爽やかだ!」

満面の笑みを浮かべる、コック帽の彼女から偽りのサインを感じ取ることは不可能だろう。
レオニスは、本心から君達四人の勝利を祝福している――それが、人間的感性によるものかは定かではないが。

「さぁて、ここから先は『関係者以外』には、一旦『お目覚め』願おうか――なっと!」

そう言って、レオニスが『ぱん』と大きく手を打ち鳴らすと、『メイド達』の姿が陽炎のように消え去った。
血痕などは残っているが――彼女達はもう、ここにはいない。

「なんでこんなことが出来るのかって顔と、なんでこんなことしたのかって顔してるね? 最初のはシンプル、『夢の主』は夢意識を失い『巣食う夢魔』も死んだ――なら『夢の支配率』は、ボクの総取りになるって訳さ」

レオニスは、彼女から見て右側――君達が立ち入らなかった奥を指差す。

「ボクが出てきたあそこから先は、ボクの『スタンド』……『キッチン』の領域。『夢に調理場を作る』ボクの能力は、逆説的に『夢を維持する』機能も持つ。この状態の夢を永遠にも不変にも出来ないけど、しばらくは維持できるのさ」

「そして……2つ目は、君達へのサービスだよ。宮永クンを殺さなかったってことは、現実でも殺すつもりは無いんだろ? でも、北落ちゃんのセリフを覚えてる。『お前に明日はねぇ!』的な……『このまま眼を覚ましたら、君達はただ使われただけで終わっちまうよ?』」

いたずらっぽく笑ったレオニスは、北落に同じ笑みを向けた。

「さぁ、北落ちゃんはさっさとそこで死にかけてる人を『戻す』んだ。趨勢は既に決してる――中立を気取る必要は無いはずだろ? それとも、残り三人殺して、総取り狙うかい?」
「そんなつもりは、欠片もない」

白と黒のレディーススーツに身を包む北落は、鉄面皮を欠片も変えずにジョンに近寄ると、『ザ・オーメン』のスタンドヴィジョンを顕現――素早く(ス;A)拳を打ち込む。
――瞬間、全身を粉々に締め砕かれていた筈のジョンの身体が、一瞬で元通りに戻った。

「私の能力は『巻き戻し』だ。君の身体は、『一時間前』に巻き戻った」

淡々と能力を告げた北落は、周囲、君達を見渡す。
そして――告げる。

「では、事後処理と『報酬』の話をしたい――私を信用できないならそこからでの立ち話でも構わないが、私は無事な、あちらのテーブルに座らせてもらう」

北落は言うが早いが、左上の――エフィーとメーラの完全なる死によってか『墨』の黒が消え――『白』い地肌が晒されたテーブルに向かって歩き始めた――途中で一つ、椅子を手に取りながら。


(バトルパートは終了したので、MAP表記はここまでとなります)

354夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/08/25(水) 05:53:54
>>352-353

『何もしてない』では済まされない。
魂を拘束する事で『時間』を奪っている。
家族の心痛も計り知れないだろう。
昏睡中の入院費だってタダじゃあない。
宮永には、『自分が何をしたか』を理解させる必要がある。

        スゥゥゥゥ………………

迅速精緻の『外科手術』を終え、
『ドクター・ブラインド』の両目が再び閉じられた。
『時間切れ』だ。
『視覚移植』によって得た視力は失われ、
元通りの『盲目(ブラインド)』に戻る。

             マ ジ
「――――――私を『本気』にさせたアンタが悪い」

『ドクター』を解除し、北落のいるテーブルに向かう。
ひとまず『終わった』。
敵は片付いたし、ジョンも助かった。
『被害者達の心』という問題は残るが、
四人の力で『最大の山場』を乗り切ったのだ。
両腕を高く上げて、思い切り大きく伸びをする。

             グググッ

     「んんんんん〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ」

「『ヨントおうモノはイットもえず』――――メイゲンだな!!
 『プレゼンテッド・バイ・イエリ』!!」

「ね!!イエリちゃん!!」

      ポンッ ポンッ

イエリの両肩を両方の手で叩き、屈託のない笑みを見せる。
一片の曇りもない明るい笑顔。
そこにあるのは『元通りの表情』だ。

「ロブちゃんもゲンキになったしさ!!」

今の自分は『光の世界に飛び込んだ自分』。
しかし、『闇の世界で生まれた自分』も消えてはいない。
どちらの自分も『真実の自分』だ。

「ロブちゃん、ケガしてたのにイロイロやらせてゴメン。
 でも、スッゴイたすかった」

            ペコッ

       「アリガトーございます」

この世は『見える者』が生きやすいように出来ている。
『見えない人間』は、
『見える者』よりも『安全』に気を配らなければならない。
そのために、ずっと『好奇心』を抑え続けて生きてきた。
だが、初めて『光』を知った時、
今まで抑圧されてきたものが一斉に解き放たれたのだ。
精神的な反動によって、
『感情』や『衝動』が行動原理の大半を占めるようになり、
『理性』や『思慮』といった側面は、
意識の奥深くに引っ込んでしまった。
それ以来、滅多に出てくる事はない。
『必要がある時』を除いては。

355夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/08/25(水) 05:57:01
>>354

ジョンにお礼を言って頭を下げてから、
レオニスに視線を移して肩を竦める。

「なんだよなんだよ??『タナバタ』か??
 もうとっくにすぎてるだろ!!
 くえないヤツめ…………!!
 わたしは『くえるモノ』がほしいな〜〜〜」

おん??『タナボタ』だっけ??
『タル』の『ナカミ』は『ボルト』と『タワシ』。
りゃくして『タナボタ』だ。
『おたから』かとおもってタルをあけてみたら、
なかみは『ボルト』と『タワシ』でガッカリした。
だけど、そのボルトとタワシは、
マニアのあいだでユウメイな『チョーレアモノ』だったのだ!!
みためだけでは、
『ホントウのジツリョク』はわからないってコトだな。
レオニスは『ボルトとタワシ』だったワケか…………!!

「『スタミナ・オムライス』と『ミックス・ヒドラサンド』ちょうだい。
 ドタバタドタバタしてたらハラへっちゃったよ〜〜〜」

漁夫の利的に実権を握ったレオニスに注文を出す。
この結果を狙っていたとしたら、相当の『策士』だ。
じゃあ、わたしは『サッキョク』をやろう。

       グビグビグビィッ

残っていたホットミルクを手に取り、
喉を鳴らしながら一気に飲み干す。
『シゴトのあとのイッパイ』はカクベツだ!!
そういえば、ナンかわすれてるような…………。

「タケルくん、ボチボチおもいだしてない??
 『アレ』とか『ソレ』とかさぁ。
 つってもウチらがイッショにいたのって、
 さいしょに『あつまった』ときだけだったけど。
 だからインショウうすかったとか??」

席に着きながら、『前回の夢の話』をタケルに振る。

「あ、ハナシすすめてドーゾ」

北落の話も適当に聞いておこう。

356小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/25(水) 11:30:28
>>353-354

「良かった……あぁ 良かった……『今度は』、助けられた」ツーーゥ

北落さんのスタンドにより、一瞬にして復元された肉体。もうジョンさんは大丈夫だ。
安堵と喜びによって、知らず知らず細い雫が私の瞳から流れていた。

……『今度は』
そうだ、私は 多分、以前にも似た経験をしていた。夢見ヶ崎さんの言葉
ジョンさんが誰かの小さな影と重なるのも、きっとその時の体験からだ。

多分、私は夢の中で一度死んだのだろう。そして、誰よりも守りたかった人を
この手を伸ばす前に倒れるのを知って、深い記憶の奥底に恐らく埋めたんだ。

大切だった 眩しかった 幸せになってほしかった そんな『夢』が水泡のように――

(どうしようもないな、私は……)

>『関係者以外』には、一旦『お目覚め』願おうか――なっと!

「さようなら、已己巳己(いこみき)さん。達者で……」

また会おうと言う言葉は、メイド達と共に消える赤目の彼女には告げない。
この夢の中で、彼女が受けた傷は浅くは無い。出来の悪い悪夢として
早々に記憶から、心から今回の件を忘れるほうが身のためだ。

>>355
>タケルくん、ボチボチおもいだしてない??

「……」

「夢見ヶ崎さん……いえ『アリス』 
私は多分、貴方と共に別の夢で。このように夢の主と対峙して、そして恐らく
敗れて大切な人を目の前で失って……それが、とても苦しくて悲しくて許せなくて
私が弱いから、貴方との邂逅も忘れたんだと思います」

彼女の言葉に、精一杯の微笑を作り上げて答える。
 無知よりも忘却は遥かに重い罪ならば、私は大罪人だ。ならば、その罪を知る
夢の探索者(アリス)に、告解しよう。

「もう、ほんの少しだけ。お時間を貰っても良いですか?
必ず、思い出します……えぇ、必ず」

357小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/25(水) 11:35:38
>>356(続き)

席につく。『レオニス』の言葉や挙動については……今は特に何も言わない事にした。
少なくとも『此処で討つべき者』で無いのだろう。我々の誰一人として、彼女に
危害を加えられてはいないのだから。

「じゃあ、私も『ホワイト・ホット・ミルク』と『アイスティー』。
他に、お勧めの自信作のドリングがあるなら、そちらを……」

夢見ヶ崎(アリス)のオーダーに合わせて見る。流石に、これ以上戦闘は
無いだろうが念のためにスタンド発現の媒体の準備。あと、夢の飲料水を
味わう事は、今後滅多にないだろうから作家として参考の為に味見したい。

「北落さん……『報酬』についてですが、私から個人的に一つ要望があります」

「この一件で『メイド』の方も亡くなりました。現実では夢を見なくなるだけですが
『それだけ』で済ませるのは私が許せない。
……私の『報酬』は切り捨てて構わない。被害者の彼女達への出来る限りの
アフターケアと、ヴェール向こうで夢魔の方達に犠牲にされた方達の治療に当てて欲しい」

私は『大切』な事柄について、再び手に取り抱きしめられようとしている。
それで十分なんだ。それ以上の幸福が何処にあるのだろう?
 私が受ける恵の水は、私の幸福の下で目の端に映るか映らない泥の中に横たえる方達に
降りかかるべきだろう。

358空井イエリ『ソラリス』:2021/08/25(水) 19:15:17
>>352-353
>>354-355
>>356-357

「よしてくれ、おれは大したことは言ってないぜ。
 あんまり、褒められるのも、得意じゃないし。
 ただ……おまえさんが楽しいなら、いいことだ」

            フ

小林も何らかの納得を得たらしい。
彼の抱えるものは想像以上に複雑そうだが、
この場を切り抜けた今、イエリに言える事もない。

「さて、幕は降りた。観客の時間はおしまいだな?
 レオニスさん……ありがとうと言っておくぜ。
 おっしゃる通り、このまま帰る気はなかったし。
 それから、メイドさんたちを帰してくれたことも」

あと、残ったのはレオニスと北落だ。
前者についても未だ底は知れず、
彼女の掌がどこに向いているのかも、
何を乗せているのかも、今は伺えない。
分かるのはこちらに爪牙を向けていない事だけだ。

「それに北落さんにも、お礼を言わなきゃな。
 ジョンさんを助けてくれて、ありがとう。
 ああ、それと……良いものを貸してくれたのも」

してくれた事は決して多くはないが、
そのほとんどが状況の解決に繋がったし、
彼女の立場からすれば『妥当』なのだろう。

          ――――が。

「でも……まあ、本物の銃なんてのを持ってて、
 悪い子を私刑にする方法も、持っている。
 そういう立ち位置の人間ではあるわけだからさ。
 一人くらいは『信用しないでおく』としようか?
 せっかく椅子を取ってもらったのに、悪いけど」

アリーナという組織全てがそうなのかは不明だし、
アリスや小林らは『慣れてる』のかもしれないが、
北落という人間の印象は完全に『ギャング』だ。
警戒する立場は自分が背負おう。席には着かない。

「もちろん話を疑ってかかるわけじゃないぜ。
 …………内容による、って事だが。
 魔物退治の報酬は、どんな素敵な物なのかな」

どちらかと言えば、気にかかるのは『事後処理』だ。
そのまま、北落の続く言葉を待つ。

359ジョン・ロブ『グラム・スラム』:2021/08/25(水) 19:19:27
>>352
>>353

「お、おお?」

元に戻った身体を確認するように動かす。

「これは助かった、、、のか?」

身体に問題ないことを確認し、安堵の息を漏らす。

「し、死ぬかと思った、、、いや、すまない。ありがとう」

北落に礼を言いながら、自分も席に座る。

360『サキュバスメイドとドリームご奉仕』:2021/08/26(木) 00:02:58
>>354
>>356
>>358
>>359
「はーい、キミは、『スタミナ・オムライス』と『ミックス・ヒドラサンド』。キミは、も『ホワイト・ホット・ミルク』と『アイスティー』 『すぐ』作るから、待っててねー」

夢見ヶ崎の注文に、レオニスは奥――彼女の語るところの『キッチン』へと、姿を消す。
『ドクター・ブラインド』の超聴覚と超嗅覚を作動させているのなら、凄まじい速度での『調理音』と、周囲の血臭とは別に香ばしい香りが漂い出すのを感じるだろう。

レオニスがキッチンに向かい、君達がそれぞれの位置に付いた後、北落は口を開いた。

「ではまず――報酬に付いて話そう」

北落はまず、君、小林を見る。

「君への報酬を『切り捨てた』ところで、微々たるものだ。被害者の数を『最低』メイド達と考えても七人だ。君への報酬を彼女達に分け与えても、入院代の僅かな足しにしかならないだろう――精神的ケアに関しては『必要がない』」

そして、君達四人を北落は見渡した。

「君達への報酬は『一人』『三十万』――これは、私の属する組織から、私に支払われる予定の『成功報酬』が『120万』であり、それを『4分割』した額になる」

表情、動悸、気配。北落の言葉に誤魔化しの臭いを感じることは不可能だろう。感じようとすれば感じれるだろうが、それは疑心の生むプラシーボだ。

「そして、『事後処理』に付いてだが――メイド達に付いては『問題ない』」

その言葉にも、偽りの気配はなかった。

「彼女達の記憶には、然るべき処理が施される。何が夢で起きたかも忘れ去るだろう――そして、あれについてだが」

北落の眼が、倒れている宮永を射抜く。そこに、感情の色は見いだせない。

「宮永空飛に関しては、私の言葉を覚えているか? 『明日』はない。壊れるまですり潰してから、殺す」

人を殺すと告げる言葉を発しながらも、感情の色は無かった。

「では、何か質問はあるかな」

361空井イエリ『ソラリス』:2021/08/26(木) 00:46:37
>>360

「30万か、害獣駆除には結構な大金だ。
 金はまあ……貰えるならうれしいよな。
 なにせ、ペットのケージを替えたいし、
 猫の餌を、少し良いのにしてやれるかもな?
 それとも? 服代にでもするか……フ。
 金があるっていうのはいいことだ。夢が広がるよ」

片目を閉じ、くすくすと笑い、
それから大きく息を吐いた。

「……子供殺しのマフィアから貰った金で?
 は、はは、はぁ。どんな夢が見られるんだろうな」
 
北落という人間がどれほど大物かは知らないし、
どんな強力なスタンド使いかも知らないし、
アリーナがどんな大組織だかも知らないが、
目で見た光景では彼女は単なる傍観者でしかない。

「ま、おれが何を言おうがおまえさんは『仕事』だ。
 やるからには、やるんだろうし、
 スタンド使いも……夢魔も、法では裁けない。
 きっと妥当ってやつで、いいことなんだろうさ。
 おれには止める手段も、まあ、義理もあまりない」

故にリスペクトは無い。厭世と、諦念だけ。

「だが、わざわざその事を喋ったのは、
 組織の冷酷さをアピールしてるだけじゃないな?」

それと――合理的に判断することだけだ。
アリスが『あえて生かした』のが明白な以上、
わざわざ今ここで反感を買う必要などない。

つまり、ここから何か『ある』のだろう――そう考える。

362夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/08/26(木) 05:02:56
>>356

「アリスはこまかいコトきにしないから、
 タケルくんもきにすんなよ!!
 わたしだって、『まえのとき』はスゲー『ひさん』だったし。
 さいしょにいったっけ??
 ジブンごとトラックをバクハツさせて、
 『やきかげんミスったステーキ』みたいになったってハナシ」

「わすれちゃったんならさぁ、
 これから『あたらしいオモイデ』とか、
 イロイロつくっていけばイイじゃん」

「『マイナス』が『100』でも、『プラス』を『10000』にしたら、
 『モト』とれて『オツリ』もくるよ」

          グッ

「つーワケで――――『これからもよろしく』!!」

タケルの手を取り、そのまま握手する。
忘れられているのが全く残念じゃないといえばウソになる。
だが、それはほんの『一ページ』に過ぎないのだ。
これから幾らでも思い出は作っていける。
『今この時』を『スタート地点』にすればいい。

>>360

「たしかに『なかったコト』にしちゃうのがイチバンかも」

「どうせ『ユメ』だし」

あくまで当人の記憶から消えるだけであって、
時間が巻き戻る訳ではない。
だが、完全なアフターケアというのも難しいだろう。
被害者の救済としては妥当な措置だ。

「ひとり『サンジューマン』かぁ。
 ま、そんなモンかな〜〜〜。
 いまチョキンが『99マン』ほどあるから…………。
 ついに『3ケタ』のオオダイとつにゅうだ!!」

初めて『三十万』を手にした時は大喜びしたり、
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453646843/29)
危うくバラまいてしまって慌てたりしたものだが、
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/288)
すっかり価値観が麻痺してしまった。
むしろ順当な価値観になったのかもしれない。
どっちにしろ、今は重要な事じゃない。

「――――――ふーん」

テーブルに頬杖をつきながら、
北落の話に曖昧な相槌を打つ。
この前の『観戦』の時、
『最中派』の様子はチラッとだけ見たので、
これといって驚きはしないが、
何がしたいのか今一つ読み取れない。
宮永は腐っても『スタンド使い』だ。
生かしておいた方が何かと役に立つだろう。
凶悪な奴なら、殺されても仕方ないのかもしれない。
だが、宮永は『そうじゃない』。
そうじゃないのに始末するというのは、
あんまり頭のいい考えとは思えなかった。
まぁ、『使い潰す』という意味かもしれない。
こいつらだったら、その方が納得できる。

「『セツメイ』ってソレでゼンブ??」

イエリに追従するように短く付け加える。
彼女の言うように、もし続きがあるなら聞く気はある。
また、自分が手を下すのではないとはいえ、
『子供』という『弱者』を殺す事に抵抗を感じるのも事実だ。
もっとも、宮永自身が、
『一般人』という『弱者』を弄んでいたのだが。
だからこそ、自分は被害者達のために体を張れた。
しかし、今は宮永の方が『弱者』だ。
『弱者』という立場にある人間は、
『全盲』であった頃の『かつての自分』と被る。

「あ、『オムライス』と『サンドイッチ』まだかな??」

        ズ ギ ュ ン

傍らに『ドクター・ブラインド』を発現させる。
『キッチンの様子を見るため』――――ではない。
自分自身の『意思表示』として。
話の進み方によっては『切れる札』が一つある。
もちろん『力』ではなく、『それ以外のカード』だ。

363 小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/26(木) 14:58:21
>>362

>これからもよろしく』!!

「えぇ……宜しくお願いしますね」 ニコッ…

『マイナス』が『100』でも、『プラス』を『10000』にすれば良い。

とても、良い言葉だ。勇気が湧いてくる言葉だ。
 失ってしまったけれど、それでも私はまだこの夢の中で生きている。
ならば『過去』でなく『未来』を見据えられる筈だ。


>>360

「そうですか……今回の事は、あの方達は覚えずに済むのですね」

安堵が心に広がる。そうだ、それで良い……これ以上、彼女達が苦しむ必要など無い。

>『明日』はない。壊れるまですり潰してから、殺す

「…………そうですか」

実際の、宮永自身も夢と同年齢であるなら。善悪の区別が付かない年齢とは言わずも
きっと幼いのだろう。『彼のように』

スゥ――――ッ

『水槽』を手元に戻す。『ブラックコーヒー』の水槽×2つ。
エフィーの気道を防ぐのに使用した『混合馬力水』が一つ。

>では、何か質問はあるかな

「……『田岡ジェニー』さんを、連れ戻す為。そう、最初に私達との話で
北落さんは、おっしゃりましたね?」

  ギュルギュルギュル…。

小林の手の平の上で、三つの水槽は互いを擦り鳴らしつつ回転する。

「…………あの方は、今後どうなるのか聞かせて貰って良いですか?」

静かに彼女に問いかける。

364ジョン・ロブ『グラム・スラム』:2021/08/26(木) 20:19:50
>>360

「あなたには危ないところを助けてもらった恩がある。
 それに、俺の常識なんて通用しない世界で生きているんだろうな。
 だからあんたがこれからすることに、偉そうに口を出すつもりはない
 きっとあの『宮永』も相応のことをしたんだろうしな」

一拍おいて、北落にはっきりと告げる。

「だからと言って、『殺す』なんて平気で口にする奴から金を受け取る気にはなれない。その報酬は辞退する」

365『サキュバスメイドとドリームご奉仕』:2021/08/26(木) 23:18:36
>>362
>>363
>>364
>>361


>「だが、わざわざその事を喋ったのは、
 組織の冷酷さをアピールしてるだけじゃないな?」
>「『セツメイ』ってソレでゼンブ??」

君達の問いに北落は僅か、頷いた。

「話が早くて助かる。今回の仕事、実際にこなしたのは『君達』だ。私が属する組織は、『功労者』の意向を飲むのが仁義と考えているフシがある。私が属する部署も、例外ではない」

仁義という言葉を口にした時、北落の口元に微かな笑みが浮かんだ。
ほんの一瞬浮かんだ感情は、嘲か、悦か、敬か。その判断は難しいだろう。

「君達は組織が送り込んだ『協力者』という訳ではない。私は何もせず、君達が全てを行った、君達が彼の『助命』を願うと言うなら、『組織からの君達への報酬』としてそれを飲むだろう……問題を解決できたらになるがね」

>「…………あの方は、今後どうなるのか聞かせて貰って良いですか?」

「『田岡ジェニー』の顔と名前を知っている以上、隠す意味はない。教えよう『ホテル・スターゲイザー』を知っているな?」


星見町に住んでいる君達であれば、名前くらいは聞いた事がある筈だ。
『観光地』と言うには小さな町である星見町であるが、レジャー施設を初めとした『外貨』が落ちる場所はある。
それらの利用者が全員キャンプを行う訳もなく――当然、『観光者向け』のホテルは、星見町に存在している。
『ホテル・スター・ゲイザー』もその一つだ。
『最高ランク』からはワンランク落ちる、『二つ星』のホテル。
夕暮れのテレビや芸能人の取材番組に出る格はあっても出ないような、中途半端な立ち位置のホテル。
しかし、一流は一流であり、『海外客』や『県外客』の利用者は多く、リピーター率が極めて高いことがラジオニュースで流れた記憶を持つものが、いるかも知れない、

「彼女の父親は、『ホテル・スター・ゲイザー』の『オーナー』だ。親子関係の詳細については、私も知らない。しかし、この一件の解決を組織に依頼したのは『彼』だ。『組織』との関係を深めてまで娘を助けようとした――それが、彼女の未来への答えにはならないかね」

そう言うと、北落は人差し指を立てた。

「さて、問題というのが、これだ。まず、『依頼者』は宮永への惨たらしい死を望んでいる。そして、宮永が関わっていないとすることは不可能だ。夢に招かれて『帰った』客は少なくない上に、生還したメイド達が夢の話をしているだろうからな」

北落は、改めて君達四人を見渡す。

「つまり、必要なのは『依頼者への説得』だ。君達が脚本を作るなら、私は乗ろう」

そして、君、ジョンを見る。

「それで、君はどうするかね? 『報酬』もいらず『関与』もしないというなら……メイド達が消えたことを考えるに、アレに頼めば一足先に『目覚める』事も出来ると思うが――」

噂をすればの諺通り、北落の言葉に合わせるように
レオニスの巨体が、キッチンから出てきた――二体のヴィジョンを侍らせて。
二体と共にテーブルに駆け寄ったレオニスは、君達五人に笑顔を浴びせる。
「おまたせおまたせ、急いだよ! はい! まずは『ミックス・ヒドラサンド!』」

そう言って、ヴィジョンがテーブルの中央に置いた大皿に乗っていたのは――『香ばしく焼かれた』『小ぶりのライスバーガー』×4であった。
持ち上げて中身を見れば『うなぎの蒲焼』と『卵の薄焼き』が見えるだろう。『鰻玉ライスサンド』とも呼べるだろう、料理だった。

「うなぎってにょろにょろしてて『ヒドラ』みたいでしょ? だから、ヒドライコールうなぎのサンドイッチ! で、パンよりご飯だから、タレ染み込ませたおにぎりで挟んだんだ!」

そして、夢見ヶ崎の前に置いたのは『オムライス』である。
ただし、『米を覆っているだろう卵が黒い』香り自体は――香ばしい。すこし、香辛料の効いた辛めの香りがぷんと香る。

「『スタミナ・オムライス』は『ガッツリ系』ケチャップライスを辛めに炒めてるからピリ辛で、スタミナ付く工夫をいっぱいしてるんだ!」

そして、小林の前には『アイスティー』と『ホワイト・ホットミルク』の容器が置かれた。

「キミ、気に入ってくれたみたいで嬉しいな! でも、お腹がタプタプにならないように、飲みすぎ注意だよ!」

そして、レオニスは一歩引く。

食べながら話を続けるか、食べずに話を続けるか。
それは君達の自由だ。

366 小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/27(金) 01:50:26
>>365

>お腹がタプタプにならないように、飲みすぎ注意だよ!

「えぇ、ご配慮 痛み入ります……それと、独自にティスティングを
しても構いませんか? このままの味でも大変美味かと思いますが
何分、これ以降試す機会も無いかと思うので……」

『アイスティー』『ホワイト・ホット・ミルク』互いを1つずつ軽く口に含み
舌で転がし味わう。

そしてホワイト・ホット・ミルクにアイスティーを混ぜ『ミルクティー』として飲む。
最後に、まだ携行してる二つの内の一つ。『ブラック・コーヒー』を
『ホワイト・ホット・ミルク』と混ぜて味わう。1・1の比率の基準が良い。
そうすればカフェオレとして味わえる。異なった味わいを新たに楽しめる。

「人間とは好奇心旺盛な生き物でしてね。こうすれば更に美味しいのではないか?
と考えたら、失敗成功に関わらず試す生き物なんですよ。レオニスさん」


>必要なのは『依頼者への説得』だ。君達が脚本を作るなら、私は乗ろう

「……北落さんは『神』と言う存在を信じますか?」

試飲を一通り済ませ、他の飲料水からも水槽を発現し
手元には水槽が六つ。
ホワイト・ホット・ミルク。アイスティー。ブラック・コーヒー。
アイスティー。カフェオレ。馬力水。異なる六つの水槽を手の中で収めつつ
静かな目で北落に話しかける。

「『運命』と言葉を置き換えて貰っても構いません。いえ、突拍子もない事を告げて
話をはぐらかそうと言う意図はありません。何が私が言いたいのか整理すると……
これまで数多くの事を私は体験しました」

怪盗事件・アリーナでの闘い・喫茶店でのロダンとの問答
刀傷を負った通り魔達との対峙。日常での様々な大切な人達との語らい。

「それ等には、全て『意味』があって……私にとって必要不可欠だった。
総称した全てを運命と片付けるのは簡単だが、私は一括りで私自身が今まで
得たものを一言だけで書き上げようとは思わない。
彼(宮永)の所業は許されるものでないが……この夢の中で命は潰えなかった。
なら、目覚めても直ぐに終える『意味』は無い」

そう、私は思いたい。と言い切りつつ、軽く目を伏せ回転する水槽を見つめつつ
纏め上げた意見を述べ終える。

「彼を『殺す』なら……『意味のある死』を以て、そうして下さい。
ただただ使い潰すだけでなく、意義の伴った十字架を背負わせてから……。
そちらの『依頼者』は『死』を望むとしても。対峙した私から彼に臨むのは
『罰(生)』のみなのです。今の彼には自身の過ちの重さすら満足に認知しては
いないでしょう……過酷な生の中で一皮剥け、分別を伴ったと判断してからでも
正式な刑の執行は遅くはないのでしょうか?」

「貴方がたアリーナが彼の酷使を望むなら、反対は致しません。
ですが叶うならば、その酷使の内容に私は要望があります。
『ホテル・スター・ゲイザー』に、彼がアリーナの下で働く上での利益の大部分を
今までの謝罪と共に今後献上する……依頼者が許しを与えるまでは。
そして成年に達しても尚、死の求刑を先方が望むならばアリーナの流儀に従っての
処理をすれば良いでしょう」

どうですかね? と、他の皆にも意見を仰いだ上で口上を終えた。

彼(宮永)は明らかに罪を犯した人間だ。だか、法の適さない罪であるからと言って
法外の集いによる私刑での死を課すのが最適かと言われればNOだ。

まだ大人になりきれてない彼には大人になるまでの間に多くの経験を経つつ
自分の罪に向きあいながら生きなければならないと私は思う。
 そして、その向き合いが真摯であれば依頼者も執行の内容を顧みてくれる筈だ。
娘の為に、自身を危険な社会に踏み込む度量あるならば……。

367夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/08/27(金) 12:22:33
>>365

『依頼者』から『宮永の処遇』を頼まれていた。
これで、さっき北落が発した言葉の意味も理解できる。
道理で貴重なスタンド使いを活かそうとしない訳だ。

「――――――そうなんだ」

『北落砂錫』がどういう人間かは知らないし、
この場で深く尋ねる気もない。
だが、思った以上に『話』は通じるらしい。
理性的な相手で助かった。

>>366

「…………うん」

「わたしは…………『アイツ』しんでほしくないな…………」

顔を俯かせ、いつになく切実な表情でポツリと零す。
『この世界』には楽しい事が沢山ある。
それを知らずに死んでしまうというのは、
たとえ自分でなかったとしても耐えられない。
宮永だって、もっと世の中を知っていれば、
こうならなかったかもしれない。
その前に自分が出会っていれば、
色んな事を教えてあげられたかもしれない。
でも、もう『手遅れ』だ。
今は、その事が悲しかった。

「あのバカ、ジブンがナニやったかもわかってねーし。
 そんなんじゃイミないよね。
 『ホンニンてき』にも『イライシャてき』にもさ」

タケルの意見には、共感できる部分がある。
『意義があるかどうか』という点だ。
宮永は、『自分の行いの結果』を理解していない。
今の状態で『罰』を受けたとしても、
本人は『なぜ自分がそうなるのか』すら分からないままで、
短い生涯を終える事になる。
『依頼者』にとっても、それで本当に、
心から納得できるのだろうかという疑問もある。
ただ、まだ賛成も反対もしない。
自分にも『案』があるからだ。

>>365

「『ホテル・スター・ゲイザー』??」

知らない名前だった。
夢見ヶ崎明日美は『星見町生まれ』の『星見町育ち』という、
生粋の『星見っ子』だ。
だが、その事実に反して、この町の事は詳しく知らない。
『見えなかった』ゆえに分からない事が多く、
外出の機会も多くはなかった。
自分にとって『星見町』は、
『知っているけど知らない場所』だった。

「――――ちょっとイイ??」

「イマおもいだしたんだけど、
 『アルカラ』から『デンゴン』があるらしいよ」

         スッ

自身の人差し指で、
隣に佇む『ドクター・ブラインド』を指差す。
これから話すのは、
『夢見ヶ崎明日美』ではなく『アルカラ』だ。
『アルカラ』の代理として、『ドクター』に喋ってもらおう。

《『最中派』は私に『借り』がある。『それ』を返して欲しい》

『赤月』と『真金』の試合後に起きた『一悶着』で、
『アルカラ』は『事態の解決』に『一役買った(>>156)』。
ここで、そのカードを切る。
『仁義』という言葉を自分で口に出したからには、
無下には出来ないだろう。
しかし、これは『最後の一押し』に過ぎない。
『宮永を殺させない策』は、ちゃんと考えてある。

368夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/08/27(金) 12:36:12
>>367

《最終的な判断は砂錫や皆に任せるとして、
 とりあえず『私のアイディア』を話すわ。
 多少の無理があったとしても、
 『最中派の尽力』で穴埋めしてもらう。
 それで『貸し借りなし』》

『ドクター』を通して、『スタンドの声』で北落に告げる。

《『依頼者の希望』は、
 『宮永が惨たらしく死ぬ事』なんでしょう?
 言い換えれば、『宮永が徹底的に苦しむ事』を望んでいる。
 ここが『ポイント』》

《だからこそ、逆に『宮永を生かす』。
 『自分の罪の重さ』を理解させた上で、
 『良心の呵責』という苦痛を与え、残りの人生が続く限り、
 『醜い欲望に溺れた最低の屑』として『生き恥』を晒させる。
 生きる事は、時として死ぬ事よりも苦しい事だから》

《記憶がなくなったとしても、
 ジェニーは『一生消えない傷』を負わされた。
 宮永が死んだとしても、苦しみは一回だけ。
 それでは『罰』として不適切。
 『同じ目に遭わせる』のが『刑』として正当》
 
《宮永には『死よりも大きな苦しみ』を与える。
 その方向で説得してもらいたいの。
 これなら『依頼者』も納得するはずよ》

『宮永の助命』を嘆願してはいるが、
決して宮永だけに肩入れする訳ではない。
子供であり、一応は被害者の一人とはいえ、
宮永のした事は謝って済む所業ではないのだから。
『子供だから許してやって欲しい』などと言っても、
『依頼者』が納得する可能性は限りなくゼロに近い。
それゆえに、『単純な死以上の罰を与える』という形で、
『依頼者』を納得させる。
『執行』を先送りにするのではなく、
『生きる事そのもの』を『報い』とするのだ。
将来的に宮永が『更生』できれば、
同じように道を踏み外す人間が出た時、
『防波堤』の一部にもなってくれるだろう。
それが『最善』だ。

「――――――『ってコトらしい』んだけど」

『アルカラの伝言』を終え、
料理を持って現れたレオニスに視線を向ける。
ヴィジョンが複数あるスタンド。
以前に『孤児院』で見た『影』を思い出した。

「お!!きたきた!!みんなもたべない??
 ほら、ちょうど『4つ』あるしさ。
 さすがレオニス、きがきくな〜〜〜!!
 ゼンインでシェアしようぜ!!」

こ、これは…………!!
まさか『ウナギ』を『ヒドラ』にみたてるとは…………!!
たしかに『パン』より『メシ』のほうがあいそうなきはする。
『リョーリ』のウデだけじゃなく、
『ユーモア』のサイノウもあるらしい。
この『ニオイ』からすると、やきかげんもバッチリ。
レオニスもナカナカやるじゃないか!!
アリスのライバル『137ゴウ』にニンテイしよう。

            ヒョイッ

「ジツはナニをかくそう、
 イマのわたしは『グルメのくにのアリス』だからな!!
 みんながアッ!!とおどろくような、
 チョーいちりゅうの『しょくレポ』をしてやろう!!」

        ムッシャ ムッシャ ムッシャ

早速『ライスバーガー』を手に取って食べる。
ついでに『超人的味覚』を本体に『移植』。
このパーフェクトな『ベロ』で、ソザイからチョウリホウまで、
あますコトなくスミズミまでチェックだ!!

369ジョン・ロブ『グラム・スラム』:2021/08/27(金) 19:47:02
>>365
>それで、君はどうするかね?

「、、、正直、決めかねている。
 俺は部外者で、裁判官でもない。
 この件について判断ができる立場でもないし、そうすべきだとも思わない」

「だが、このまま『ハイさよなら』で終わるのはすわりが悪い。
 もう少し成り行きを見させてもらう」

370空井イエリ『ソラリス』:2021/08/27(金) 20:51:38
>>365

「なるほど、そこもあくまでも『仕事』――か。
 おれはひどく誤解してたよ。
 おまえさん達の大義でやるんじゃなく……
 請け負った仕事だから、やるって事で。
 仕事をやるだけなのは、おまえさんだけじゃない。
 組織自体が、そういうものだっていうことか」

危険な集団であろう事に変わりはないが、
金目当てという事なら話は分かりやすい。

「それに、依頼人がそういう事情なら、
 殺したくなるのは大袈裟な話でもないよな。
 ただ、それが出来る立場だったから、
 おまえさん達に話をつけた、というだけで。
 現実的で……いいことだ。わかりやすくなったぜ」

親が、娘の尊厳を傷つけた者の死を望むのは、
至極普通で……あり触れた話でも、あるだろう。

「ただまあ、おれは、喋るのが遅いから……
 言いたいことは小林君とアリスが、
 ちゃんと全部言ってくれたようだな?
 まったく頼りになるぜ、本当に」

         フ…

「…………情や道徳を度外視するにしても、
 殺すのにかかるコストはただじゃないだろう。
 親御さんは金ならいくらでも払うんだろうけど、
 救出を依頼したのと、殺害を依頼したのは、
 だいぶ話は変わってくるんじゃないか?
 つまり……『組織との関係』ってやつについてさ」

娘のためなら、と今は燃えているだろうが、
抱えた『弱み』は決して小さな物にはならない。
最悪、その娘に『取立て』が及ぶ可能性さえある。

「もっとも、おれはその親御さんを知らないから。
 その人を知ってる北落さんの考えで、
 こういう妥当な話は通らないっていうなら、
 おれも何か、良いことを思い付くかもしれないな」

ライスバーガーのうち一つは、『北落』の物だろう。
レオニスが料理に罠を仕掛ける可能性は低いが、
いずれにせよ自分がそれに手を伸ばす理由は、無い。

371『サキュバスメイドとドリームご奉仕』:2021/08/27(金) 23:03:02
>>366
>>367
>>369
>>370
「君達の『絵図』は解った」

一通りの言葉を聞き終えた北落は、僅か、思案を伴っているであろう沈黙を為す。
それが破られた時、北落は君達に向けて頷いて見せた。

「ホテルに対する『返済』――そして、なるほど我々、『アルカラ』には貸しがある。それは飲まねばならないだろう」

了承――しかし、了解とは口にしない。

「だが、その為には、君達に『もう一仕事』が必要だ。『君達の意思』こそを依頼人は『決め手』とするだろうからな」

そして、改めて四人を見る。

「宮永の延命に必要な『最後の一仕事』。それは、『依頼者』に対する『君達の声』だ」

問いかけるような眼で。

「我々の目覚めが同一に起きるとして――『2時間以内』に君達に連絡をしたい。その際、こちらから連絡を入れたいので、『君達の電話番号を教えて欲しい』――この番号は君達と私だけの話、という訳には行かないがね」

あるいは、試すような眼で。

「つまり、君達と我々の組織に『縁』が生まれるということだ。あるいは、今後のな――そのリスクがある『一仕事』をやってくれるなら、宮永の命は八割方保証できる」

そういうと、北落は『ミックス・ヒドラサンド』を一つ手に取って、口に運ぶ。
うなぎのタレを染み込ませた『焼きおにぎり』の香ばしさと歯ごたえ。挟まったうなぎと卵の濃厚な味わい。
君、夢見ヶ崎がより鮮烈に感じ取った味を、北落も感じている筈だ。

「これを食べ終わる頃には、君達も結論は出ているだろう」

北落はそういうと、もぐもぐと『ミックス・ヒドラサンド』をかじっている。

372 小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/27(金) 23:49:37
>>371

>君達と我々の組織に『縁』が生まれるということだ。
>あるいは、今後のな――そのリスクがある『一仕事』をやってくれるなら
>宮永の命は八割方保証できる

「『構わない』 
と言うか……以前、アリーナでは試合に出た身ですからね。二度、三度と
請け負う内容が違ったところで今更拒絶はありません。北落さんの属する組織とは
違ってたかも知れませんが……」

親友『ヤジ』はアリーナに身を置いてる。自分もブルバックス『エクサ―ツ』と
対峙した身だ。ヴァリキュラさん、ザビエルさんと言った面々にも北落の言葉に
応じれば、いずれ再会の機会もあるかも知れない。とにかく、親友の話から
アリーナの組織形態が一枚岩で無いのは既に知ってる。
 
「まぁ……私の連絡先については、丁度良いので今いるメンバー全員に
教えますよ。アリスさんも、多分以前の夢で同席した時は
そんな余裕は無かったような気がしますので。夢の中ですから四人分メモするのや
覚えるのも面倒でしょうし。私のだけ覚えてくだされば、後でラインで経由して
全員の連絡先を交換出来ますし……それよりも夢から帰還したら一度皆さんで
何処か集合場所を指定して会いませんか?」

北落さん、ジョンさん、そしてアリスにも私の電話番号を教える。
悪用するような人物達でないと、この共闘の中で知ったし現実でも再度
今回手助けして貰った事に直接会って礼を言いたい。

……そうだ『感謝』を。きっと、私は誰よりも『  』君に……。

373夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/08/28(土) 09:29:40
>>371

      「  う  め  え  !  !  」

          ムッシャ ムッシャ ムッシャ

豪語していた割には、語彙力に乏しい食レポだった。
本当に美味しい料理には、多くを語る必要などない。
ただ素直に気持ちを表現すればいいのだ。
『フシギのくにのグルメガイド2』のコラムにかいてあった。
そのホンは、アリスのココロのほんだなの、
うえから2だんめのヒダリから5ばんめにしまってあるぞ。

「ん〜〜〜??」

「ベツにいいけど。つーか、いってなかったっけ??」

『アルカラ』もとい『夢見ヶ崎』は、
既に『アリーナ』と関わっており、
仕事を引き受けた事も数回ある。
それらは『他の派閥』だったが、
今さら一つ増えようと大した違いはない。
むしろ『ツテ』が増えるのは歓迎だ。
その分だけ『ラビット・ホール』が増えるのだから。
『不思議の国』への入り口だ。

「イエリちゃん、これハンブンたべてくれない??
 いがいと『ヒドラサンド』がハラにたまっちゃったからさ」

               スッ

「コッチからソッチがアリスのブン。
 ソッチからコッチがイエリちゃんのブン」

        スススッ

「ひとりでモクモクとたべてるのって、
 けっこうサビシーからつきあってよ。
 ね??いいでしょ??ね??ね??」

『スタミナ・オムライス』が載った皿を、
自分とイエリの中間に置く。
そして、ちょうど半分に当たる部分で切り分けた。
ついでにスプーンも渡そう。
多分、『作った本人』が用意してくれるはずだ。
レオニスは『きがきく』し。

         パク パク パク

「コレくったら『ゲンチカイサン』するってカンジ??
 それとも、『ニジカイ』でカラオケとか??
 『50テンいか』だったヒトのオゴリで!!」

         パク パク パク

『オムライス』を味わいながら、能天気に戯言をほざく。

>>372

「おっ、いいね〜〜〜!!タケルくんナイスアイディア!!」

「じゃあカラオケは、そのときにいくってコトにして。
 シュウゴウバショは『『フェミレス』でどう??
 『フェアリー・ミトン・レストラン』のリャクで、
 『オトギバナシ』がモチーフになってて、
 ナカナカいいフンイキのみせでさぁ…………」

「あ!!そういえば、タケルくんに、
 『オーベロンノーブルデラックスパフェ』オゴるんだった!!
 そこゲンテイだから、ちょうどイイじゃん!!
 グッドグッド!!」

タケルの提案に乗っかって、勝手に場所を決め始めた。
実際はどこでもいいのだが、気に入っている店だ。
いい機会だし、せっかくだから全員にオススメしておきたい。

374ジョン・ロブ『グラム・スラム』:2021/08/28(土) 10:11:44
>>371
「まあ、電話番号くらいなら、、、」

組織―――『アリーナ』。
あの赤月という少女が探っている組織。
それにパイプを作っておくというのも、悪くはないかもしれない。

(しかし、思ってたより、随分物騒な組織みたいだな、、、
 大丈夫なのか、あの子は、、、?)

375空井イエリ『ソラリス』:2021/08/28(土) 16:28:41
>>374

「縁ってものは、結構好きだから……
 貰えるものならぜひ貰っておこう。
 それがいい事にもなるんだから、尚更だぜ」

(アリーナ……こいつらがその縮図なのか、
 それとも例外なのかは知らねーが、
 こういう『ありえない』連中との縁は、
 おれの重しになってくれるかも、しれないしな)

現実に存在する危険な集団であり、
営利を目的としているとしても、
関わる事が損になるだけとは限らない。
むしろ、イエリには得難い機会にもなるだろう。
スタンド使いである以上、最終的な決定は、
その自由意志無くしては行えないのだから。

「アリスからパーティーにお誘いいただいたなら」

           コツ

「断る理由はないよ。いただきます」

アリスに一歩近づき、皿に手を伸ばす。
よほどでなければ食べない理由は無くなった。

「一仕事の前の諸々は北落さんに任せるが、
 二度寝は、しないように気をつけるよ。
 なにせこんな夢だったから。
 あんまり……寝た気もしない気がするんでね」

段取りとかは北落の仕事の範疇だろうし、
その上でアリスや小林の要望が通るならそれも良い。

376サキュバスメイドとドリームご奉仕:2021/08/28(土) 20:03:11
>>372
>>373
>>374
>>375
「君達の意見は了解した。では、私への連絡先を教えておこう」

君達が連絡先を告げた後、北落は一つの電話番号を口にした。

「私の『私的な』職場への電話番号だ。この番号の先で私の名前を出せば、必ず私に連絡が行く」

君達がその番号を、料理とともに会釈する時間が経過した頃である、レオニスがぱんと手を叩いた。

「ごちそうさまって感じだね! お粗末じゃあないけどありがとう!」

ニコニコとした笑みを、レオニスは君達に向ける。

「それじゃあ、夏の日のアリスよさようならってね! 白猫(キティ)の代わりに、ライオンが目覚めにお導きだ!」

その言葉と共に、君達は見る。

『世界が罅割れる』

メイド喫茶とも呼ぶべき空間が砕けていく、割れていく。
ガラガラと、音を立てて周囲が零れ落ちていく。夢が終わっていく、形つくられた妄念が、捕食上が夢幻へと還っていく。
いつしか、君達の周囲以外の『全て』が虚無に帰る。たった一つのテーブルの周囲に見えるは、星の海だ。
君達は、星の海の中、一つのテーブルを囲んでいる。銀河鉄道の窓辺から見るのは、きっとこんな光景なのだろう。
しかし、下を覗いて見れば――『魔界』があった。
はるか下の『大地』から、君達を見ているのは女達、しかし、尋常の女達ではない。
有翼の女、有角の女、多腕の女、蛇体の女、蛞蝓の女、蜥蜴の如き女、単眼の女。
美しい女達の大半が、人ではない何かを備えており――君達に、そして星々に羨望と『飢え』を向けている。

「この星々は、人の夢。夢の壁が無くなった今、君達は夢の星海の中にいる――キレイだろう? そして、夢の底がボクら、夢魔(サキュバス)の領域さ」

明るいレオニスの声も、君達にはどこか遠く聞こえ始める。君達は気付く、覚醒の時が近いと。

「さぁ、浮き上がるんだ、夢の上に、現実に! まだまだお日様上がってて、お味噌汁の香りにゃちと早い! もう一仕事を頑張りな!」

そして、君達は浮遊感を感じ――『目覚める』



君達は目覚めた、『どこか』は解らない。『時間』は……16時頃。
この季節では、夕暮れと呼ぶには早すぎる時間だ。
そして、目覚めてから、少し――君達の通信機器に、見知らぬ番号からの電話が掛かる。
普段ならば出ないだろう君達は、夢を思い出してそれに出る。
そして、男の声を聞く。

「私は、田岡誉といいます――娘の件で、あなたにお電話をさせていただきました」

電話越しで全てを判断することは出来なかろうが、声だけを聞くならば壮年の男性。
たおやかな口調であるが、媚びた様子も畏怖もない。

「――ありがとうございます。あなた、いえ、皆様のお陰で娘は夢から救われました」

ただ、その謝礼には感謝だけが籠もっている――いた。

「……だからこそ、私はこの話をあなた達にしています、誠意と経緯として。その上でお聞きします、なぜ、私の娘を穢した相手に慈悲を掛ける必要があるのか? お聞かせ願いたい」


(この電話は、同時に掛かって着ている訳ではありません)

(目覚める場所は各々の任意で構いません)

377夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/08/29(日) 07:56:46
>>376

「いやぁ〜〜〜くったくった!!
 マジでココは『リョーリだけ』はサイコーだな〜〜〜!!
 『アリスのオススメ・オブ・ザ・イヤー』にニンテイしよう!!」

     パチパチパチパチパチ

『ミックス・ヒドラサンド』と『スタミナ・オムライス』を完食し、
満足げな表情でレオニスに拍手を送った。

              「お??お??お??」

        キョロ キョロ キョロ キョロ キョロ

それも束の間、崩壊を始める空間を見渡し――――――。

「  う  お  お  お  お  お  お  ッ  !  !  」

眼下に広がる異様な光景に目を見張り、
心からの歓声を上げる。
『不思議の国』。
『未知の世界』。
『見た事のない場所』。
その瞬間、爆発的な勢いで無限に湧き起こる『好奇心』。

「チョットまって!!『アッチ』いってみたい!!
 『ムリョウおためしコース』でいいから!!」

足元に開いた新たな『ラビット・ホール』。
その奥に飛び込んでいきたい衝動に駆られる。
どのような危険があろうとも、
止め処なく溢れる『未知への想い』を止める事は出来ない。

「レオニス『ストップ』!!!!
 『いちじていし』!!!!『ポーズ』!!!!
 『ダルマさんがころんだ』!!!!」

あらん限りの大声を張り上げ、
レオニスに向かって両手を振り回すが――――――。

    「『スト〜〜〜〜〜〜〜〜〜ップ』!!!!」

そのリクエストが聞き届けられる事はなく、
いつしか意識は『闇の世界』に溶けていった――――――。

378夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/08/29(日) 07:57:43
>>377

          パ チ ッ

そして、『冒険』を終えた『アリス』は目覚める。
場所は『フェミレス』だ。
『御伽噺』をモチーフにした『フェアリー・ミトン・レストラン』。
ちょっと前、ここで『フェアチャイルド』とパフェを食べながら、
『最近冒険が足りない』という話をした。
あの後で『新しい冒険』に出会えた訳だから、
何でも言ってみるもんだ。

「――――――おん??」

テーブルの上には『漢字ドリル』が広げられている。
『小学校二年生』用のものだ。
生まれつき視力を持たなかった夢見ヶ崎は『漢字』に弱い。
だから、ここで勉強していたのだが、
いつの間にか眠ってしまったらしい。
なんてメイワクなキャクだ。
でも、さすが『フェミレス』はココロがひろい。
みんなもいこう!!『スカイモール』から『とほ5ふん』!!

「レオニス、『コーヒー』…………」

    キョロ キョロ キョロ

        「って、いないんだっけ」

                「ふわぁぁぁ〜〜〜〜〜〜」

盛大にアクビをしながらスマホを取り上げ、
画面を一瞥してから通話ボタンを押す。

           ピッ

「――――『慈悲を掛ける』訳じゃありません」

「死んだら『そこで終わり』。
 この事件も、そう時間が掛からずに『風化』するでしょう。
 全てが忘れられて、『なかった事』にされてしまいます」

「あなたの娘さんは『一生消えない傷』を負わされました。
 だから、『同じ苦しみを与える』のが、
 『正当な罰』だと判断したまでの事です」

「自分が犯した『罪の重さ』を理解させ、
 『良心の呵責』と『周囲からの非難』に苛まれ、
 『醜い欲望に溺れた最低の人間』として『生き恥』を晒し、
 残りの人生が続く限り『苦しみ続ける』」

「『決して忘れさせない』――――それが『報い』です」

宮永に関して言う事は、それだけだ。

「ジェニーさんは何も覚えていません。
 『記憶を奪われる事』は必ずしもいい事とは思いませんが、
 彼女にとっては最良だと考えています」

「『あなたの気持ちが分かる』なんて事は言えません。
 私みたいな子供には、きっと分からないと思います」

「だけど…………。
 『家族を想う気持ち』は理解できるつもりです」

「私が『娘さんの立場』だったら、
 自分の父親に『人殺し』なんてして欲しくありません。
 それが『間接的』だったとしても…………」

「もしジェニーさんの記憶が残っていたとしたら…………。
 彼女は『どう思うでしょうか』?」

これは『田岡』に向けた言葉だ。
被害者の家族が『犯人の死』を望むのは自然な事だが、
『人を殺めた』という事実は田岡の心に残り続け、
彼を苦しませる要因になる。
『報復の意思』に囚われている間は気付かなくても、
いずれは心に重く圧し掛かってくるだろう。
それを娘が知ってしまった時、どう思うか。
たとえ隠していたとしても『親子』だ。
父親の変調には、いつかは感付いてしまうだろう。
『愛する者』が手を汚せば、
結果的に『娘の心』をも苦しめる事になる。

「…………これからも『娘さん』を大切にしてあげて下さい」

「それから――――――『お元気で』」

田岡の話が続くなら聞くが、終わるのであれば通話を切る。

379小林  丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/29(日) 10:31:26
>>376
「わかりました。レストランですね、アリス。大体19時頃、夕飯時に
皆さん急用なければ向かう形にしましょう」
起床時間が、どの程度になるか不明だが深夜と言う事はないだろう。
突然夢の中に放り込まれて気持ちの整理をつける意味も含めて夜に会う約束を取り付け
北落さんの電話番号に関し短く頷きを返した。

>夏の日のアリスよさようならってね! 白猫(キティ)の代わりに
>ライオンが目覚めにお導きだ!
「…………さようなら、色々と有難う。レオニス」
また会おう、とは言えない。彼女は料理人と言ったが『つまみ喰い』もすると
仄めかしていた。メーラやエフィー程でなくも、彼女に掛かった魂は少なからず居る。
次に再会した時、擁護する事由なければ私の蟷螂の斧を向けざるを得ないだろう。

(三人には十分助けを貰った)
気を取り直し、今回の事について想い馳せる。ジョンさんには囚われてた際に
身を呈し助けられ、アリスや空井さんの機転によってメーラとエフィーを討つのに
多く救われた。己の力では成せなかった。唯一心残りあるとすれば……。

(結局 思い出せず仕舞い……か…………)
         ――『世界が罅割れる』   
       【『天』が割れ砕け、異様な音が響き渡る。】
   「…………ぁ…………」
まだ手元にある『ブラック・コーヒ』の水槽を見る
     ――珈琲は飲めないんです。こ、子供ですから。貰ってください…
    「…………そう……だ……珈琲……」
 その罅割れと共に、小林の側頭部を鋭い刃物が抉ったかのように幾つもの
言葉と情景が流れ込んできた。無意識に浮かび上がらせてた水槽の液体を包む色合い。
それが回転しつつ遠くなる意識の中へ重複に飛び込み 奥深くへ潜り込んでいく。

     ――『夢』とは、『魂』を『再構築』する為の『仮想儀礼』
>皆様は、『夢の引力』に引かれて、ここに入り込んだ『魂』です。
>『夢の主』と『夢魔』の魂の重量が生み出す、『夢の引力』だ。
人間一人の魂のエネルギーでは『質量差』で脱出を阻まれて終わりだ
【此処はっすねェ。いわば『セーフルーム』でして、
 無理やり『冷凍』して『夢』の中の皆さんを延命しています
なので、此処から出たら確実に死にますぅー】

    「希釈された『魂』を仮初の『世界』へと変じさせ、
     架空の『自己』を移ろわせ、無軌道な『物語』を辿る」
>バレた以上は隠す必要もない――搾り殺してあげますよ
【お望み通り、ぶち殺してやるよッ!】
>ま、お客様は『詰み』ですぅ
【君達は、『ゲームオーバー』だ……】
>『君の夢も道連れ』だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
【アタシらは、この夢の世界に城を築くッ!】
>メーラと素敵なメイド達の、ドリームご奉仕を、とくとご堪能あれぇ
【『ウルトラ星見ボーイズ』は終わらない】

    「毎夜、それを経て『魂』は生まれ変わる。
     もし、この世に『魂』を司るスタンドがあるのなら、
     それはやはり『夢』や『眠り』によって、働きかけるだろう」
  ――ルンバ    ――マスミ     ―――タカ
馬場ガド子   アスナ    アリス……
そして    そして…………。

       ――友達というより小林さんはお兄ちゃんみたいな…?
――私の全てを…託し…      ――ははっ、いや、本物のお兄ちゃんみたいだ。
 ――『過去』が自分なんだ。積み上げてきた現実を捨てて来たな
  ――自分を認められない人間が幸せになれるわけないだろォ!
             ――小林さん
・・
きみは『星(光)』だったんだ

旅路としては、少し長い散歩程度だったかも知れないけど。
半生程の輝きを、意思を君がくれた。
君を守りたかった。君を褒めて抱きしめてあげたかった。君の為に生きて死にたかった。
いま私は生きている、アリスさんも。だから君もこの星の海の彼方の何処かで
元気なんだろうね。それでも、あの一瞬の中で、私は全てに替えてでも
君の幸福の結末を願ってたんだ。君が日常の中で屈託ない笑みの中で生きる情景を。

 「い……ち……」    「ま……つ……くん」
 ――もう、私は忘れない。浮かぶグラス(水槽)の向こう側へ手を伸ばす。
泥の中に光は無い。未だ私は泥の中を泳ぐブリキの金魚なのかも知れない。
それでも良い。【答えは得た】 私は泳ぎ続けよう、光なき泥の中を。

     ――あの【星(光)】が輝ける為ならば、幾らでも・・・

380小林  丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/29(日) 11:13:39
>>379続き

――場所 『アポロン・クリニックセンター』

『湖畔』より睡眠不足と軽い日射病の併せ倒れた小林は、そこで目を覚まし
軽く医者に診察をして貰って、時期が時期だから水分補給を欠かさないようにと
小言と共に携行補給液を貰い、救急搬送証申請書などの手続きを終えた後に
陽射しの遮られた涼しい風が吹く庭先でスマホに耳を当てた。

「……いえ、私はほんの手伝いだけですから。お気持ちは嬉しいですが」

「…………その答えを申し上げる前に、私の過去について少し話させて頂きます。
昔、私は自身の不徳で……結果的に大勢の方を悲惨な目に遭わせてしまいました。
故意でなくとも、私はその罪を清算する為に清く生きようと、その後から努めてます」

「だから、相手に慈悲を掛けている……と思うかも知れませんが 【違います】
あの時、彼は貴方の娘さんを愚弄する言葉を吐き、その瞬間では私も貴方同様に
手を掛けるべきだとも思ったのです。殺すべきが、この後の彼と彼の周りを
考えれば【慈悲】であろうと。
 ですが、その考えが変わったのは彼が仲間の奮戦により傷を受けて狼狽えて
命乞いした発言からでした。【夢でしか何もしてない】
それが彼の言葉でした、彼は人の魂の苦痛が夢幻や現実でも変わらない事を
私は直接対峙して理解しました。【彼には死の慈悲すら不釣り合い】なのです」

二人の囚人が鉄格子の外を眺め、一人は泥を見た。もう一人は星を見た。
彼、宮永は鉄格子の外すら眺めてない。罪を直視してない者に
死を唐突に突きつけた所で業苦は彼を困惑させるだけだ。

「罪を理解しない者を死刑にしても、魂は受け入れない。今の彼は罪を
理解出来ないし、良くて共謀者と言えた既に死んだ人物の所為だと責任転嫁
するのが関の山です。そして、最悪なのは執着してた人物へ死後も呪う事です。
 それは形となって理不尽に襲い掛かる手につかない存在でしょう。
私達の知る世界(スタンド)には、そう可笑しくない事例ですから……」

   フゥ……

「とは言え……色々と合理的に死刑執行が危ぶまれる理由や、最もな理論を
展開して見ましたが……ただ、単純に……私は」

「自分よりも未だ幼い子供が、未来ある若者が。誰かを救い、誰かの星に
なれる可能性の芽を、少しでも目に映る範囲で潰れないのなら潰したくない為に
私のエゴで告げているだけなのだと思います」

「私は、彼ぐらいの歳の子に沢山の事を学び、助けられました。
だから出来る限り。取返しのつく者も、取返しのつかない者も助けられるのなら
助けたい。それが……私の正直な気持ちです」

私は彼(一抹君)から多くの事を教えられた。
 過去を背負い、生きていく勇気。小さな体の中に多くの苦しみがあっても
精一杯上を見上げて光へ歩む希望を。

私は『星(光)』を掴む事は出来ないのかも知れない。
 されど、星の周りで泳ぎ願う事は出来る。その輝きを見守れはするのだ。

381空井イエリ『ソラリス』:2021/08/29(日) 20:36:25
>>376

「――――そうか。スキュラもいるんだもんな。
 幻想(ファンタジー)の世界っていうのも、
 本当にあることなのか。そうなのか。
 でもさ…………これで全部じゃあないよな?
 ……『ソラリス』、世界は広くて深いようだぜ」

「夢でまた会えたら、って気分ではないけど。
 いろいろありがとう。残りのお仕事も、頑張るよ」

己の没頭する、幻想文学の世界のような――
この世ならざる光景を眺め、読み解く時間は無い。
自室の天井を見上げ、寝転んだままスマホを取る。

             pi

「ごきげんよう、社長さん。おれの意見は一つ。
 『慈悲』じゃなく、おまえさんのためだから。
 それがおれの考えた、結論ってやつで……
 結論から言えって大学で学んだから、先に言った」

もちろん事情は伝わってるのだろうが、
本名で、自分で電話をかけてきたのは、
田岡という男の『誠実さ』の表れだろう。

「道徳とか、人情とかは、おれは得意じゃなくて。
 だからそういうのは他の人に任せるけどさ。
 宮永を殺したいのは、正当な欲求だろうと思う。
 10年後に振り返ってもそう言えるんだろうし、
 言えなくっても、今この瞬間は正当だろうさ」

誠実で、まともな親だから、娘の尊厳の為に、
穢したものに制裁を与えようとするのは当然だ。

「だけどさ、それを実行するのは『アリーナ』だ」

だが、制裁に使う手段と結果が問題なのだ。
北落のような一見まともに見える人間が、
容易く殺しの選択を支持する『集団』――――

「どんな正当性があっても、罪は罪だから……
 アリーナは実行犯を切り捨てれば終わりだが、
 おまえさんにとっては、永遠に消えない借りだ。
 利益を得るために、殺しを請け負う連中だぞ。 
 そこに、仁義なんか、期待できるわけはないよな」

そんなものにまともな倫理観があるはずは無い。
それは北落の言葉の中にも窺い知れた。

「『殺人教唆罪』……を、握られることになる。
 おまえさんは咎を覚悟してるのかもしれないが、
 娘さんのジェニーさんどころか、
 孫の代まで、強請られても何もおかしくない。
 おまえさんの会社が傾くだけならいいだろうが、
 ……自分の為に、誰かを殺したって自覚は、重い」
 
関係が深まることが、リスクになるという事――
『借り』という縁が、無限搾取に繋がる集団なのだ。
 
「だが、宮永を『生かす』選択をしたなら、
 おまえさんが頼んだのは『救出』だけだ。
 その借りなら、いくらかすれば消えるだろうし、
 余計な罪悪感なんかも、万に一つも湧かないし」

              フ ゥー ・・・

「……逆に返せない借りを背負うことになるのは、
 アリーナに『助命』された形になる宮永だ。
 未来はあるが、ラクな人生にはならないだろうな?
 軽すぎる制裁って事には、ならないんじゃないか」

宮永の罪は死ぬほどの事ではなくても、
決して罰を免れるべき存在ではない。

「とまあ……大人の人に、おれみたいな小娘が、
 説教臭く申し上げてみた。どうするかは任せるよ。
 どうなっても、おれは背負えない物語だから」

司法が罰せないなら、アリーナがやるのだろう。
そこは、そういうふうに、出来ているのだと諦める。

「一つだけ添えるなら……娘さんとお元気で、だ」

――――そこまで言い終えて、田岡の答えを待つ。

382ジョン・ロブ『グラム・スラム』:2021/08/29(日) 21:26:43
>>376
「、、、他の3人がどう答えるかはわからないが、、、
 俺はあの場にたまたま居合わせただけの人間で、当事者でもないし、人の親でもない。
 あなたの気持ちが理解できるなんて言うつもりは全く無い」

「ただ、人が死なせるというのは、取り返しのつかないことで、、、
 あなたがそれをしてしまう前に、もう一度だけ考える機会があってもいいんじゃないか、とは思ったかな」

「俺が考えたのは、それだけだ。その上で、あなたがどうするかは、、、好きにするといい。
 田岡ジェニーが人殺しの子になっても良いと、あんたがそう思うとしても、、、俺は何も言わないよ」

383『サキュバスメイドとドリームご奉仕』:2021/08/30(月) 20:13:53
「……あなたも、お元気で。いつか、また試合を見れる時を楽しみにしていますよ」
>>377


「『助け合う』それは、素晴らしい言葉です。そして、あなた達は言葉を『行動』にした」

「あなたはあなたの言葉をエゴとおっしゃいましたが、私もまた『エゴ』にて彼の未来を『潰したい』と思っています」

「しかし、その形は一つではない。そして、あなたは相応のリスクを払って尚、彼の命を請うた」

「……あなたのような人達に助けられたのは、娘たちにとっても良かったのでしょう。ありがとうございました」
>>379


「……そうですね、彼女達に『貸し』を作ることは、途方も無いリスクを伴うことでしょう」

「しかし、『私』もまた、彼らを『使える』程度にはわがままを言える付き合いがあります。この件に於いて、強い貸し借りは存在しません」

「しかし、あなたには――あなた達には、借りがある」

「彼にも一つ、借りを背負わせることを、考えて見てもいいのかもしれませんね」
>>381


「私は既に、人でなしで、親ですよ。アリーナと関わった瞬間から、私の手は汚れている。拭うことは、もう出来ない」

「……しかし、娘を救った手で、あなた達は彼の命を助けた。その生命を、私の私情で奪い去る行為は……私が浴びる返り血を、娘の人生にも被せることになるのでしょうね」
>>382



君達の、それぞれの言葉に、電話の向こうの男はそれぞれに答え、通話を終えた。


それから、暫く。
夜、君達の通信機器に『留守電』があった。見知らぬ番号だ。
『カン』の騒いだ君達は、聴く。相手は、北落だった。


「『話し合い』が終わった。詳細を教えることは出来ないが、『処理されない』ことが決まった」

「さて、改めて、報酬の話をしたい――30万――『支払場所』は、『フェアリー・ミトン・レストラン』で構わないかね」

「待ち合わせている時間は、君達が待ち合わせている時間に合わせる。私は、報酬を渡すだけだ。そちらの話し合いは、一度、君達でしてくれ。結果を私に伝えるのは、誰でもいい。連絡先はこの番号でも、夢で教えた番号でも、構わない」

そして、君、ジョン・ロブだけは、違う言葉を聞いただろう。

「君は報酬を辞退したが、依頼主からの希望でな。是非に受け取って欲しいそうだ」

「私としては、無理強いはしないがね」

384夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/08/30(月) 21:00:41
>>383

       ガチャッ

「ハミガキしたしトイレいったし、ジュンビばんたん!!」

『自室』に戻ってきて、ベッドに入ろうとした時、
着信が入っている事に気付いた。
壁の一隅には『鳩時計』が掛かっている。
また、机の上には『電球』の形のキャンドルと、
キャンドルホルダーが置かれていた。
その他にも、『古びた鍵』やら、
『コインに似たマグネット』やらが飾ってある。
ベッドの上には、『シロウサギのぬいぐるみ』が乗っていた。

             スッ

  「――――おん??『さすず』かよ??」

これからねようってときに、タイミングわるいヤツだな!!
まぁ、いいや。
とりあえず、『オーケー』のヘンジだけしとこう。

         ピッ

「で、ナンカ『そーいうコト』らしいんだけど。
 『スケジュール』とかダイジョーブそう??」

全員に電話して、問題がなければ北落に連絡しておく。
場所は当然『フェミレス』だ。
モロモロきまったら、さっさとねる!!
きょうはイロイロあったから、スゲーつかれたきがするぞ。
『ユメのセカイ』にくるのは『3どめ』だった。
でも、スッキリおわったのは『ハジメテ』だ。
なんだかんだあったけど――まぁ、よかったよかった!!

          スヤァ…………

やがて、本当の意味で『夢の中』に落ちていった。
あとは、みんなで『フェミレス』いくだけかな??
『オーベロンノーブルデラックスパフェ』をオタノシミに!!

385小林  丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/31(火) 19:35:07
>>383

「こちらこそ、私達の話に耳を傾けてくださった事を感謝します」

「また、何か助けを望む場合は電話して下さい。私に出来る事でしたら
出来る限り手を貸しますので」

田岡との通話を終え、その後暫くして学生寮で今回の事を日誌として
書き写していると、没頭してた為か通話に出る前の『留守電』があった事に
遅れて気づいた。

>>384

「えぇ、勿論ですアリス。パフェは楽しみにしてますよ」

『お二人とも(空井・ジョン)明日19時で、レストランで
再会を今よりお待ちしてます。
 特にジョンさん、夢の中で貴方は報酬を辞退したが
私は貴方に命を救われた。エフィーの節足とメーラと対峙した二回。
もし報酬を再度断ろうと思うのなら、私からの頼みと言う事で
どうか受け取ってくれませんか? そうしないと気が済みません。
私の我儘を聞き届けてくれないでしょうか』

アリスの通話に、穏やかに受け答え。空井さんとジョンさんには
Lineのほうで、そう文章で書き込んで置く。
 彼(ジョン)の御蔭で、私は特に損傷する事なく夢の世界にて
切り抜ける事が出来たのだ。いま出来る事は少ないが彼の為にして
上げる事は、こちらから頼み正当な報酬を受けて貰いたい。

「……良かった」

宮永が、安易に死なない事を聞いて ようやく安堵出来た。
 今は星にも泥にも至れないだろう。彼との接触の第一印象は正直
最悪の形としか綴れないものの、未来は誰にも知り得ない。
 また交錯する時が、これから先もありえるだろう。北落の申し出を受けたのだ。
その未来は、そう遠くないと感じられる。

 「……あぁ、今日の夜空は星が輝いてるな」

窓辺に椅子を回し、顔を仰げば夏の大三角が煌めいている。

「一抹君……」

 私の心は再び蘇ったのだと感じられる。

これから先、どんな荒波が訪れようと きっと溺れる事は無いと思える。
 今見る『夢』の果てより、更なる『未来(夢)へと泳いで行ける――。

386ジョン・ロブ『グラム・スラム』:2021/08/31(火) 20:41:43
>>383
>>385

「、、、そうだな、助かったのなら、貰っておこうか」

人死にが出なかったのなら、それくらい貰ってもいいだろう。夢の中とは言え酷い目にあったし。
『打ち上げ』にももちろん参加させてもらおう。

387空井イエリ『ソラリス』:2021/08/31(火) 20:54:55
>>383
>>384

トカゲに餌をやっていてスマホを見ていなかった。
留守電が入っている事と、その意味を知る。

「うまくやってくれたようで、なによりだ。
 大人のひとはさすが、頼りになるぜ」

上下無地のパジャマに包んだ身を、
ベッドにゆっくりと横たえて。

「どこでも、何時でも、おれは空いてるよ。
 この時期の文系学生ってのはひまなんだ。
 おれだけかも、しれないけどさ。
 とはいえ、どんな多忙な大学生にだって、
 『これ』よりも大事な用なんてないだろうな」

       『連絡ありがとう。
        10分前には着いておく。
        楽しみにしておくよ』
   
アリスと小林に連絡を返し、
そのまま目覚ましもかけずに、静かに眠りについた。

388『サキュバスメイドとドリームご奉仕』:2021/08/31(火) 21:42:36
>>384
>>385
>>386
>>387


翌日、19時ジャスト。『フェアリー・ミトン・レストラン』
既に集まっていた君達四人から、僅か、遅れるようにして北落は姿を見せた。
白と黒のレディース・スーツは変わりなく。目に見える場所に駐車場があるなら、白黒塗装のマスタングを停めて来たことが解るだろう。

「申し訳ない。少し遅れた」

君達にそう謝罪した北落は、君達と同じテーブルに付く。
そして、手にしていたビジネスバッグから、茶封筒を4つ、取り出した。

「これが、今回の件の報酬だ――中身を改めてくれ」

君達が中身を改めたなら――確かに、三十万が入っていることが解るだろう。
そして、北落は、自らの財布から、五万円を取り出して、テーブルに置いた。

「ここの払いの分だ」

――君達が、北落に何かを問うことが無ければ、北落はこの場を去るだろう。

389小林  丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/09/01(水) 15:33:49
>>388

店装は童話チックであり、家族連れやカップル、女友達のグループ連れなど
賑やかな感じに和気あいあいしている。

「美味しいですね。あ、皆さんも欲しい方はどうぞ」

アリスから奢って貰うオーベロンノーブルデラックスパフェと言うのを
小皿にアイスやクリーム類を移しつつ、他に注文したマスカットソース掛けのタルト
と共に食べつつ他三人にも小皿を寄せつつ一緒に食べるのを促す。
 流石に容量が多い。全部食べ切るとなると、これだけで胃がもたれそうだ。

「有難う御座います。あ、北落さん。少々聞きたい事が」

報酬に礼を述べ、最後に聞きたい事を尋ねる。
「……『メーラ』のような所業は、世界各地で知らず知らず起きてるのでしょうか?
根本から喰いとめる術は無い……と考えるべきなのですかね」

『レオニス』は生き延びた。今回の元凶である二体、メーラとエフィーを刺した
生々しい感触は、まだデザートにナイフを差し込んでる手の平に残っている。

それでも後悔はしない。『星』を守る為ならば幾らでも泥の中を泳ぐと決めた私に
後悔は無い。ただ、似たような事例があって止める術があるなら方法を聞きたかった。

「それと、いま現在、宮永さんは何をしてらっしゃるか聞いても?」

彼の現状も聞いておこう。処分はしない、とは言われたが処遇がどのようなものか
聞いてない。余りに酷いのなら、流石に物申すべきだろう。

390夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/01(水) 16:36:20
>>388

『夢の夢』を見ていた。
ややこしい表現だが、
『夢の中で過去の夢を垣間見た』という事だ。
その数は『三つ』。

   ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

『最初の夢』は、『ドクター・ブラインド』がいなくなる夢だった。
『ドクター』の代わりに、
『サブマシンガンのスタンド』を手に入れて、
銃口から『妖精』を召還したんだっけ。
なかなか出来ない体験で、結構楽しかった覚えがある。

   ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

『次の夢』は『中世ファンタジーの世界』で戦う夢だった。
『馬に乗った騎士』がいたり、
『トラックを乗り回すサイコ野郎』がいたり。
メチャクチャ苦戦させられた上に、
最後は『相打ち』になっちゃった。

   ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

『最後の夢』は『サキュバスメイドの店』だ。
色々とアレな場所だったけど、
みんなのお陰で悪くない結末になったと思う。
『あの世界』に行けなかった事だけが、
唯一の心残りだった――――――。

          パ ッ チ リ

『翌朝』――――グッスリ眠って、自然と目が覚めた。
何故か、顔の上に『ウサギのぬいぐるみ』が乗っかっている。
自分の寝相が悪かったせいかもしれないし、
何か伝えたい事があったのかもしれない。
とりあえず、そこから退いてもらおう。
またこんど、オハナシしようね。

「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ」

全身を伸ばしながら、『今日の予定』を思い出す。

「きょうは『フェミレス』で『うちあげ』やるんだっけ」

『フェアリー・ミトン・レストラン』。
ん??『フェアリー』…………??
『エアリー・フェアリー・ナンセンス』…………。
キオクのスミにひっかかってるような…………。
なんだっけ、ソレ??

      「ま、いっかぁ」

                  ピョンッ

ベッドから飛び降りて、自室を出て行く。
『必需品』である『サングラス』は寝る前に外していた。
『不思議の国』を巡り歩いた末に、
アリスは『現実の世界』に帰ってきた。
それと同じように、『光の世界』の冒険を終えた夢見ヶ崎は、
一日の最後には『闇の世界』に戻ってくる。
『自分が生まれた世界』は、『奇妙な安心感』を与えてくれた。
今は『見えない状態』だが、何ら問題はない。
家の中であれば、
『見えている時』と同じように行動できるのだ。

   バシャバシャ

             モクモク

                      ゴソゴソ

顔を洗って、朝ごはんを食べて、服を着替える。
それらの全てを見えないままこなしてから、
おもむろに『サングラス』を掛けた。
『リボン』のような形のフレームと、
大きなレンズが特徴の『バタフライ型』のサングラス。
最初は視界がぼやけているが、
徐々に『世界の輪郭』が鮮明になってくる。
ウサギを追いかけたアリスが、
『ラビット・ホール』から『不思議の国』に迷い込んだように、
『闇の世界』から『光の世界』に飛び込む瞬間だ。
初めて『光』を知った時の事を思い出す。
いつ見てもワクワクする瞬間だった。

「――――――よし!!」

『準備』を整え、自宅の玄関を出て街へ向かう。
待ち合わせの時間までまだまだあるが、
立ち止まってはいられない。
だって、私は『アリス』だから。

391夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/01(水) 16:59:32
>>390

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

「これが『オーベロンノーブルデラックスパフェ』と――――」

        ド ン ッ ! !

「――――『ティターニアロイヤルジャンボパフェ』だ!!」

                ド ン ッ ! !

「『アリスのオススメ』だから、みんなたべてほしいな〜〜〜」

『妖精の王と女王』の名を冠する巨大なパフェが、
テーブルの上に鎮座していた。
さっき注文しといたヤツだ。
『フェアチャイルド』と共に戦いを挑み、
見事に打ち倒した二つの巨星。
強敵だったが、今回は四人でシェアできる。
『前回』よりは簡単だろう。

「あ、サスズじゃん。ごくろうごくろう。
 ワザワザきてもらってサンキュー!!」

自分の分の封筒を取り上げ、中身を見ずにしまう。
経験上、『アリーナ』が仕事に対する報酬を渋る事はない。
その辺りは信用していた。

「『サスズのオゴリ』ィ〜〜〜??
 おいおい、ずいぶんキマエがいいじゃねーかよ。
 そこまでしてくれとはいってないけど。
 なんかコエーなァ〜〜〜」

「もしかして、コレで『ベツのシゴトさせよう』ってハラ??
 まっさかぁ〜〜〜」

そんな事はないだろうとは思うが、
考えの読めない相手である事は確かだ。

「そういえば――――まだ『カンパイ』してないよね??」

              ス ッ

「『シゴトおわったきねん』と『であったきねん』のカンパイ」

全員の顔を見渡しつつ、
手元の『アイスミルクティー』を持ち上げる。

>>389

「イイみせでしょ??
 まえは『フェアチャイルド』とイッショにきてさぁ。
 『ボウケンがたりない』ってハナシしてたんだよね〜〜〜。
 『フェアチャイルド』は、
 『まいにちがボウケン』だっていってたけど」

「ヤなコトもあったけど、ひさびさに『ボウケン』できたから、
 アリスはマンゾクかな!!
 『ユメのセカイにいくとスッキリおわらない』っていう、
 フキツな『ジンクス』もやぶれたし」

一度目は『星の女』。
二度目は『ガド子』。
三度目は『サキュバスメイド』。
それぞれ毛色の異なる『夢の世界』を経験してきたが、
ようやく『キレイに終わる事が出来た』という感じだ。
もはや『ユメのプロ』をなのってもいいな!!

392ジョン・ロブ『グラム・スラム』:2021/09/01(水) 21:00:48
>>388
「それで、田岡さん達はどうしているんだ?」

報酬を受け取りながら、なんとなく気になって北落に尋ねる。

今後彼らが自分と関わり合いになることは恐らく無いのだろうが、、、
だからこそここで聞いておかなければ。

393空井イエリ『ソラリス』:2021/09/01(水) 21:25:17
>>388

(オーベロンにティターニア………………………
 ときたらシェイクスピアネタかと思ったんだが、
 妥当に、名前を借りてるってだけの話みたいだな)

童話から出てきたような服装のイエリは、
童話を切り抜いたような店の情景に溶け込んでいた。

「忙しいんだろうから、気にしちゃいないぜ。
 多分そっちの仕事はまだ続いてるんだろうし。
 ――なるほど、確かに30万だ」

             パラパラパラ

「いいことをして、お金ももらえる。
 こんなにいいことってないよな?」

重ねた『ソラリス』の指先で、金額を改めた。
そして――もう一つの、追加の『五万』も。

「おいおい、これはどういうことだろうな?
 どれだけ食べると思われてるんだ、おれたちは。
 ……おれは結構図々しいから、
 大人の人に奢られるのを借りとは思わないぜ」

北落の意図は分からない。
太っ腹なだけかもしれないが……本当にそうか?

「ま、ともかく……いいことをした記念に乾杯」

アイスコーヒーを軽く持ち上げ、アリスの乾杯に応える。

「それと……今回1番の強敵に、挑む前の、乾杯」

パフェ二つを果たして食い切れるだろうか?

394サキュバスメイドとドリームご奉仕:2021/09/02(木) 19:19:05
>>389


>「……『メーラ』のような所業は、世界各地で知らず知らず起きてるのでしょうか?
根本から喰いとめる術は無い……と考えるべきなのですかね」

「君達も『底』を見ただろう? 『最低限』あれだけは存在し、生存の為に他者の夢を貪っている――世界中でな。『今回のような案件』についての信頼できる記録も、100年以上前のものが存在している」

君、小林の問いに、北落は肯定を返した。

「『抜本的解決』に付いては我々としても調査中だが、不可能だろうな。『全ての元凶』が存在し、処理に成功した所で、それで全てが消えるというのは都合がいい話だろう」

そして、宮永については――

「学生生活に戻す前に、『倫理教育』を施している最中だ。怒りに任せて動物に使うような真似をされても困るからな」

>>390


「たかが食事の払い程度で仕事の先約になるなどとは、思っていないよ」

にこりともせずに、君、夢見ヶ崎に北落は答えた。

「無事に仕事をこなした相手への、最低限の礼儀だと思ってくれればいい」

>>392


「彼女達は消すべき記憶を消し、日常に帰った。長寝をしていたので、リハビリをしながらだがね」

君、ジョンの問いに、北落は答えた。

「その内の何人かからは、君達への伝言がある。それぞれの表現を一言にまとめると、『ありがとう』だ」
>>393


『借り』という言葉に、北落は君、空井を向く。

「今回、私は何もしなかった――貸し借りの話を言うのなら、先に貸しを作ったのは私だ」

そして、各々と会話を交わし、答えた北落は――最後、君達を見回した。
ごく僅かに、薄く笑みを浮かべ。

「当然、この五万円で返した積りもない。用事があれば、連絡をくれ」


そう言い残し――去っていった。

残された君達は――祝宴を始めるだろう。

395小林  丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/09/03(金) 02:47:26
>>394(了解です。長期にわたってのミッションお疲れ様でした。
本当に有難うございました)


「成程……あながち、古今東西の怪奇譚の大まかは彼女達のような存在が
関わってるのでしょうね」

世の中には数多くの伝説に神話がある。その一つの『夢魔』が本当に
実在し私達の前に出た。
 人の夢の空間とは言え、バジリスクと邂逅した事もあるのだ。何時か
本当に別の場所で竜とも対面する機会は訪れるやも知れない。

>『倫理教育』を施している最中だ

「そうですか……では、その後も宜しくお願いします」

宮永の今後の処遇。教育の内容がアリーナの一存で決まるあたり、どのような
思想を彼が根付くかは本人しか知り得ない。
 だが、例えどうなっても私は迷わないと決めた。
この心には、輝く星の光が差し込んでいる。

「それと北落さん。今回の一件では演技とは言え失礼な発言があった事を
お詫びします。あと十分助けには私はなりましたよ
貴方を通して全体の目を作れましたし、銃も借りれた。
ジョンさんも助けて貰えましたからね」

水槽を彼女の耳元に仕込みをする際は、色々と無礼をした。
彼女は気にも留めてないかも知れないが、謝礼はきちんと行う。

「あと最後に、これだけ述べさせて頂きますね。
今後、そちらのアリーナが要請する仕事。汚れ仕事や、今回のような
夢を見なくなるだけでは済まなくなるような危険な仕事も我々に
舞い込んでくるだろうと思います。けど、何が来ようと構いません。
――私は思いだしたんだ。
 『ガド子』さんに招かれ、アリスさんと共に依頼され
誰より守りたかった彼と共に歩んだ旅路で学んだ事を。
 どれ程に道が過酷で転げ落ちようとも空に星は輝いていて
その星を目指し歩める事をね。
 ですので、覚えておいて頂きたい。
貴方がたアリーナが仕事を賜れば、謹んで お受けします。
ですが、その内容が私の目に映る大切な星々を穢すのであれば。
――私は悪魔や神であれ『無慈悲』になる事を お忘れなく」

  スゥー   キュルキュル……ッ

携えたコーヒーから浮かぶ水槽は、手のひらで回転する。
 その勢いは、他の物から見れば脅威では無い緩やかなものであるだろう。

だが胸に掲げた光のうねりは舟すら沈まんとする勢いを、この血流に回してる。


私は迷わない。
 

彼が教えてくれた指針の元に黄金の意思『ジョジョ』へと沿って泳いでいく。

396小林  丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/09/03(金) 03:09:47
>>395(追記)

「それじゃあ、皆さん。乾杯しましょうか」……ニコッ

「『アリス』さんには、改めての再会を祝して」

「空井さんにも夢からの無事の帰還を祝し
ジョンさんも、死の淵より互いに生還を祝して」

乾杯……。

 黒い水面は他の茶器とぶつかり波紋を立たせる。

いずれ機会があれば、この席に もう一つを用意しよう。
きっと彼もパフェは気に入る筈だ。ただ、コーヒーは好きじゃないと
言ってたから、少し甘めに砂糖とミルクを注いで。

 楽しい宴は、あっと言う間に過ぎて家路へと帰るがてらには
すっかり日は沈み空は暗くなる。
 例え雲に覆われていても構わない。空には星が輝いてるのだ。

397夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/03(金) 19:13:37
>>394

「うんうん!!『セカイはひろい』!!」

「わたしは『アリス』だから、
 もっともっと『いろんなセカイ』をボウケンしたいんだよね。
 こんどは『どんなセカイ』がまってるのか――――」

「たのしみだなぁ〜〜〜!!」

メーラ達に対する北落の見解。
それを聞いている内に、無意識に笑顔になっていた。
この世には、まだ見ぬ『不思議』が数多くある。
『現実世界』だけではなく、
『夢世界』を含めた『別の世界』にもだ。
そう思うと、自然と湧き上がる『ときめき』を抑えられなかった。
これから先、もっともっと沢山の『世界』を見てみたい。
将来は、『そういう職業』を目指すのもいいかもしれない。

「こんなトコでいうのもナンだけど、
 わたし『カメラマン』になってみたいかも。
 セカイをアチコチとびまわって、
 いろんなモノをみてまわってさぁ」

「ジブンがみたモノをとったら、
 みんなにもソレみてもらいたいなぁ。
 そういうふうにドンドンひろがっていくのって、
 スッゴイたのしそうじゃない??」

実際どうなるかなんて事は誰にも分からない。
でも、『夢』くらいは見てもバチは当たらないだろう。
もしかすると『先生』になったりするかもしれないけど。
いや、さすがにソレはないか!!
『きそアリスがく』でもおしえようか??
『ウサギ』をみたらおいかけよう!!
『コウキシン』は『ジンセイのエナジードリンク』です!!

「ま、『そういうコト』ならソレでいいけど。
 どうもアリガトーございます。
 わたしは『ヒトのオゴリ』だとスゲーくうぞ」

ちょっと勘繰ってみたが、
これを『貸し』にされる事はなさそうだ。

「ついでにさぁ、『アイツ』にいっといてくれない??
 ウチらのおかげで『いのちびろい』したコトを、
 イッショウわすれるなよって。
 それから――――――」

「今度ふざけた真似したら『あの続き』が待ってる」

「――――――ってさ」

必要ないかもしれないが、言いたい事は伝えた。
手を振って、去っていく北落を見送る。
あとは、ひたすら『盛り上がる』だけだ。
そのスジから『パーティーのキリコミたいちょう』とよばれる、
このわたしのでばんらしいな!!
レキシのカゲでひそかにうけつがれてきた、
モンガイフシュツの『にぎやかしのテクニック』を、
とくとゴヒロウしてやろう!!

>>393
>>395-396

        「 カ ン パ イ ! ! 」

             キ ィ ン ッ

乾杯の音頭を取りながら、全員とグラスを触れ合わせる。
そして、これから挑むべき『新たな強敵』と向き合った。
テーブルという名の戦場に並び立つ、
『妖精の王』と『妖精の女王』。
まさか、ふたたびであうコトになろうとは…………!!
じつは、ぜんかいたおしたのは、
『キング』と『クイーン』の『カゲむしゃ』だったのか??
『フェアチャイルド』よ……みまもっていてくれ……。
わたしたちは、こんどこそかならずヤツらをたおす!!

「チョットまえにココきたときはさぁ、
 『フェアチャイルド』と『ふたり』でゼンブたべたよ。
 いま『4ニン』いるんだし、ダイジョーブダイジョーブ」

「だって、『バケモノ』にかったウチらだぜ??
 これぐらいラクショーでしょ」

               ス ッ

        「――――『いざ』!!」

おもむろにスプーンを手にして、
『妖精の国を統べる者達』に『宣戦布告』を行うのだった。
この『光が溢れる世界』で、『アリスの冒険』は続いていく。
今日も、明日も、明後日も――――――。

398ジョン・ロブ『グラム・スラム』:2021/09/03(金) 19:27:39
>>394
「、、、、、」

北落の言葉にジョンは答えない。
だがその顔には照れくさそうな笑みが浮かんでいた。


無言のまま、手に持ったコップを掲げ、仲間たちと杯を合わせる。

399空井イエリ『ソラリス』:2021/09/03(金) 19:44:05
>>394-398

「なんだろうな。『アリーナ』という組織は、
 ぜんぜん、信用すべきではないのだろうけど」

両目を開け、所感を述べる。

「――――おまえさんは。わるくない人なのかもな」

「そう思わせる駆け引きだとしても、
 おれは、その術中にハマる事にしておこう。
 借りを返してくれるのは……別にいつでもいい」

それ以上は何も言わない。
テーブルの上の、二つの『強敵』に視線を向ける。

「本当に綺麗なおしまいにするためには、
 エンドロールの祝宴も、綺麗に幕を引かないとな?
 さ、それじゃあ…………始めようじゃないか」

終わらせるのではなく、これからが始まりだ。
あるいは、『夢魔』という存在との関係も――そうなのだろう。

400『サキュバスメイドとドリームご奉仕』:2021/09/03(金) 20:26:46


小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』
夢見ヶ崎 明日美『ドクター・ブラインド』
ジョン・ロブ『グラム・スラム』
空井イエリ『ソラリス』

――『30万』&『北落への連絡手段』get

良き夢と、これからの秋を!




メーラ『アイム・ユア・サーヴァント』
エフィー『ブラック・イン・ビースト』

――『夢死』get!

眠りに巣食うものの魂は、何処へ。



宮永空飛『カウンティング・スターズ』

――『機会』get!

現在、教育中。


レオニス『キッチン』

――『娯楽』get!

今夜もまた、誰かの夢にて口福は満たされる

401アリーナ『資料室』、該当資料より一部引用:2021/09/03(金) 20:33:59


『夢魔』(サキュバス)

『精神』の吸血鬼。
全人類が繋がる『普遍的無意識の浅瀬』に生息し、『魂の希釈』の中、希釈によって『薄れる精神』から『夢』に干渉。
更に、夢から『魂への寄生』を行う形で寄生主の『夢』に巣食い、『寄生主の欲望』を具現化したような『巣』を構築。
各々のやり方で宿主の『精神』を貪っていく。

普遍的無意識を通じ、更に『他者』の魂を夢に招き、より多くを纏めて喰らう夢魔も少なくない。

『夢魔』達は、『存在』を維持する為に、『他者の精神エネルギー』を必要とし、『人間の魂のエネルギーを啜る』事で活動に必要な『精神のエネルギー』を補給する。
精神のエネルギーとは、『魂』の発露する『感情のエネルギー』に等しく、夢魔達はあの手この手の『夢』を見せて感情を引きずり出し、その心を貪っていく。
夢魔とは、意識と夢の狭間を渡り、魂を喰らい続ける心食の獣。
『精神のエネルギーの塊』であるため、生身での『スタンド干渉能力』を夢魔達は有しているが、『近接パワータイプ』に匹敵する様な純粋性能を持つサキュバスは僅か。

『悪霊』に等しい『悪魔』であり、『肉を持つ生者』と相容れる事は性質的に困難。
ただし、必ずしも『殺害』を行うわけでも無いので、場合によっては共存共栄も不可能では無い。

『生物』として人間ではないので、基礎スペックは高く、『スタンド使い』としては、例外なく誕生時点から能力を持つ『生来型』となる。鳥が羽を持つように、獣が牙を供えるように、『生態型』と言うべきかも知れない。
人間から夢魔に変化した場合はスタンド能力を獲得し、スタンド使いが夢魔に変化した場合もスタンド使いの変容が見られる。
よって、スタンド能力は人間と同じく『多種多様』だが、『捕食手段』そのものがスタンド能力になる、あるいは変容しているケースく見られる。

『夢魔』の寄生した魂は『重量』を増し、『夢への引力』を生む。
この引力は『他者の夢を巻き込み、巣穴へと引きずり込む』力を有し、夢魔の犠牲者を加速度的に増やしていく。
ただし、『夢魔』がスタンド使いである関係上、『惹かれ合い』の法則により、夢魔を殺し得る『スタンド使い』を引きずりこむ可能性も、時間経過で増していく。
また、『夢魔の領域』を生み出した宿主や、招かれた人間は『惹かれ合い』の因果からか、『スタンド使い』に至る可能性が一般人に比べて高い。



夢魔の階梯として、『成り立て』である『レッサー・サキュバス』、『一人前』である『サキュバス』、『上位種』である『エルダー・サキュバス』の三種が現在、確認されている。

『原種』。『クイーン・サキュバス』の存在を、過去、アリーナが夢世界で遭遇した『エルダー・サキュバス』の幾匹かが明言しているが、実在可能性は不明。

厳密な起源については不明だが、信頼できる資料として、以下。

ジャン=マルタン・シャルコー博士による『研究記録』
ハーグリーヴズ婦人の『日誌』
アンドレ・ド・ロルドの『未発表脚本』

これらが存在しているため、最低でも二次大戦前には発生していると思われる。
それ以前のものは、伝説や神話の領域に遡るため、信憑性は怪しい。

何れにしても、『原種』が実在するのであれば、『肉体を喪失した精神のみのスタンド使い』。
あるいは『夢を流離う完全自立型スタンド』であると思われる。

402<削除>:<削除>
<削除>

403スタンド使い図鑑:2021/09/03(金) 20:41:21

メーラ

スタンド『アイム・ユア・サーヴァント』

『メイド契約』のスタンドで、メーラの『捕食手段』
より上位の『ご主人さま』を持つ事により、『ご主人さま』から『給与』を徴収し
『メイド』としたものを『支配』し『搾取』する事が可能になる能力。

順序としては『ご主人さまに使える』意思を表明し、隷属を誓った瞬間『ご主人さま』から『給与』として『精神エネルギー』を吸収した瞬間から、『メイド長』としてのロールが可能となり、自分が操作する『メイド』を契約によって増やす事が出来るようになる。

『メイド』の契約条件は『給与』をどの様な形であれ、『支払う』ことで成立する。
メーラは『チョメチョメによる快楽』を『先払い』することで、相手を『メイド』とし『支配』する。
この『契約』はネズミ講的に増殖し、『メイド』が新たな『メイド』を契約で増やす事も可能。

『メイド』になってしまった人間は、模擬サキュバスとなり、『精神エネルギー捕食能力』を得るなどの『強化』を手にするが……『契約』のエネルギーによって『行動』を完全に支配される上に『搾取』によってメーラに自動的に『精神のエネルギー』を吸われてしまい。『精神のエネルギー』が吸われる内に人間は衰弱し、最終的には『精神の死』に至る。
それを避ける為には『充足』のエネルギーを『お客様』より貪る必要が出てくる。

どの程度『支配』を受けているかはメーラの意思によって決定され、ある程度の自由意志が残されている場合もあれば、メーラの意思で動く『人形』にまで堕ちている場合もある。
当人の意思が消滅した『人形』の場合、自己保存を無視した限界を越えた膂力を発揮する事も可能だが、当然のように『自壊』する。

また、給与を支払う『ご主人さま』の精神エネルギーも枯渇していく。メーラが自分を維持する為のエネルギーは『通常時』は『ご主人さま』が2、『メイド』が8なのですぐには死なないが、最終的にはどちらも『枯れ果てる』。

『ご主人さま』があってこそ発現可能な能力なので、逆に言えば『ご主人さま』がメーラの意思で開放される事は『有り得ない』。
感覚的にも、メーラを通じた『メイド達の精神エネルギー供給』によって『夢の中でのパワーアップ』が果たされる為、自発的に夢から逃れる事は難しいだろう。

メーラは『アイム・ユア・サーヴァント』を使い、『ご主人さま』と『多数のメイド』及び、メイドを通じた『お客様』の精神を貪り喰い、『ご主人さま』の魂が枯れ果てた後、巣穴を解除。
自己を形成する『精神エネルギー』が枯渇する前に『次のご主人さま』を見つけ、繰り返す日々を送っていた。

「主」と「メイド」、「お客様」三方からの「搾取」を行う悪辣なスタンドであるが、致命的な弱点として最上位の命令権限は『ご主人さま』にある。
メーラが『首』にされれば、メーラはその時点で『メイド長』としての資格を失い、『ご主人さま』及び『メイド』からの精神エネルギー供給を断たれる上、『ご主人さま』はメーラを無視して『メイド』に命令を下す事も可能であるし、『メイド』を『首』にする事も可能。
手荒な手段としては、『ご主人さま』を『夢死』に追い込むことで、強制的な『契約解除』に持ち込む事も可能である。


破壊力:- スピード:-  射程距離:A
持続力:A 精密動作性:A 成長性:完成


『サキュバス・メーラ』(通常)

破壊力:B スピード:B  射程距離:E(肉体の及ぶ範囲)
持続力:B 精密動作性:B 成長性:完成

『サキュバス・メーラ』(契約完全消滅=通常)

破壊力:D スピード:D  射程距離:-
持続力:D 精密動作性:D 成長性:完成


『メイド』
破壊力:B(自壊するので発揮限度あり) スピード:C  射程距離:E肉体の範囲
持続力:C 精密動作性:C 成長性:不変


能力無効化条件
「メイド契約」
『契約者(ご主人さま、メイドの夢殺害)』
『メーラに契約を解除させる』
『ご主人さまに契約解除を行わせる』


敗北条件、
『殺害』○
『降伏を受け入れる(全契約者を殺害するか契約解除を行わせると命乞いをする)』
『スタンド能力の活用によるリタイア級ダメージ』○

404スタンド使い図鑑:2021/09/03(金) 20:46:39

宮永空飛

スタンド『カウンティング・スターズ』


あらゆる物を『任意方向に跳弾する砲弾』として『射出』』する『間接射撃』の能力。
右腕前腕部が『銃口』になった人型ヴィジョン。『視覚』を共有可能。

右腕は『握拳』くらいのサイズまでならあらゆる物を飲み込み、『一発』だけ『弾丸』として『装填』可能。
『射出』は本体の意思によって行われ、『砲弾』は『弾丸並(ス:B)』のスピードで直線飛翔する。威力は『素材』によって代わるが、ある程度の質量を用いれば『B』はくだらないだろう。
そして、『必ず』『跳弾』が発生する。『跳弾前』の砲弾には何を傷つけることも『不可能』
『跳弾』方向は本人の意思で決定可能で、砲弾の物理的な形状などは一切無視して、任意の角度に『跳弾』するが音速で飛翔する砲弾の速度に感覚追従を行う事は不可能なので、『射出前』に角度を決定する必要がある。
『跳弾』の為には、最低でも『2m』の飛翔が必要であり、それ以下の場合は弾丸が消滅する。また、本体の精神を反映して『直線的跳弾攻撃(足元に撃って目の前を撃つ)などは不可能』
『絶対に直線攻撃が出来ない』トリックに気付く事が出来れば『一直線に突っ込む』ことで突破可能だが、気付く事が出来ずに射撃戦を挑むことになれば、高確率で嬲り殺されるだろう。

本体の業が具現化した、『生き物を離れた所から、バレないように傷つけたい』という邪念が具現化したスタンド。

破壊力C スピード:C  射程距離:E
持続力:D 精密動作性:A  成長性:C

砲弾

破壊力E~A スピード:B  射程距離:B
持続力:E 精密動作性:A  成長性:-

能力無効化条件
「跳弾」
『至近距離からの突撃』○
『弾く』○



敗北条件、
『夢殺害』
『説得』(目覚めた後の安全保障)
『メーラの撃破』○
『スタンド能力の活用によるリタイア級ダメージ』○


エフィー

『サキュバススキュラ・エフィー』

破壊力:C スピード:D  射程距離:D(触手射程・2m)
持続力:C 精密動作性:B 成長性:B

スタンド『ビースト・イン・ブラック』

『射出孔』の空いた『コルセット』と『触手』の一対のスタンド

下半身には大量の、実体化した『10本の吸盤付き触手』が蠢いており、本体の意思に伴って『自在』に動かせる。長さは2m程。触手のフィールドバックは『両手指』
触手の太さは『大の男の腕並み』で、発揮できる力は一本毎に『破:C』相当。吸盤の吸着能力も『破:C』相当であり、力で引き剥がすには最低でも同レベルのパワーが必要。

そして、コルセットの孔からは『破ス精射:ECCC』の『墨』を『噴射』可能。
『噴射』した墨は『実体化したスタンド物質』で、常人にも視認可能。
効果は、『接触対象を黒く塗る』&『塗装範囲同士を暗黒空間で繋げる』

塗装範囲は、『触手』のみが潜れる『暗黒空間』に繋がっており、『触手』に限り、『暗黒空間』を通した限定的な空間跳躍が可能。『フープ・スカートの内側』を黒く塗装しており、そこから各所に触手を飛ばしての遠隔攻撃を得意とする。

ただし、潜れるのはあくまでも『触手』だけなので、引きずり込んでの『ガオン』は不可能。
また、『繋がっている』空間を通して『触手』の音だけは響くため、感覚に優れているスタンド使いや『音』に起因する探知能力を持つスタンド使いであれば、奇襲予兆を察知する事は可能、。

……とは言え、『足首』などを『触手』で縛られ、そこから触手で全身を縛られた場合――待つのは『絞殺』のみだろう。


破壊力C スピード:C  射程距離:B
持続力:A(本体と一体化している) 精密動作性:B  成長性:C



本体???
スタンド『ユー・ノウ・マイ・ネーム』

『夢を繋ぐコード』のスタンド
現実世界でこの『コード』で繋いだ同士は『確実に同じ夢を見る』し『夢に囚われた人間』に繋げば、『夢への突入が可能』となる。
本来は、本体が『客』とつなげて、客の異常願望を叶える『明晰夢イメクラ』の為に用いられているスタンドであるが、最中派閥の『夢案件』の解決にも用いられる。

破壊力:- スピード:-  射程距離:E
持続力:A 精密動作性:A 成長性:D

405『スタンド使い図鑑』:2021/09/03(金) 20:48:39

レオニス

エルダーサキュバス・レオニス

破壊力:C~? スピード:C~?  射程距離:-
持続力:D〜? 精密動作性:? 成長性:完成


(下限=スタンド能力最大行使時 上限=スタンド完全解除時)

スタンド『キッチン』
『精神エネルギー』/『夢エネルギー』/『スタンドエネルギー』/『自身の精神エネルギー』
これらを『食材』に『加工/変成』する『調理場』と『スタッフ』と『加工手袋』の能力。
本人の調理欲求が具現化したスタンド。

『キッチン・ルーム』
『第一の能力』
『調理場』のスタンド。
顕現する『夢』によってサイズや形状は代わるが。
『キッチンルーム』を顕現可能。夢を移動可能な『キッチンカー』も顕現は可能。
ガスや電気、水道などは現実性が曖昧な『夢』だからこそ無制限に扱えるが、逆に言えば『現実』で顕現することは困難なスタンド。

『キッチン・ルーム』の破壊は本体の『内蔵破壊』に等しいDFを生む。
後述の『二つの能力』の存在起点ともなる部屋であり、キッチンルームなくしてスタッフもグローブも生み出せない。

破壊力:- スピード:-  射程距離:C
持続力:A 精密動作性:- 成長性:完成

『キッチン・スタッフ』
キッチン『第二の能力』
中性的なボディラインを持つ、『白一色』の人型ヴィジョン。『遠距離操縦型』
『キッチン』が生成する『スタッフ』のスタンドで、最高で『3体』生成可能。
『本体』の指示に従い、『注文』を聞き『料理』を運ぶ。それだけの能力しか有しておらず、戦闘等には不得意。
DFは存在せず、破壊を受けると『次の夢』まで再精製は不可能。
視聴覚の同期、及び『本体の代理発声能力』は有しているが、この能力を発揮するためには本体が『キッチン・ルーム』にいる必要がある。

破壊力:C スピード:C  射程距離:B
持続力:C 精密動作性:C 成長性:完成

『キッチン・グローブ』
『第三の能力』

詳細不明


破壊力:- スピード:-  射程距離:E
持続力:- 精密動作性:- 成長性:完成

この三種の能力を統合して『キッチン』となる。
ただし、この能力は『夢』『精神』を『消耗』する能力であり、『巣』を初めとした夢の世界で無軌道に使い続ければ寄生主の精神は加速度的に疲弊していく。レオニス自身の精神エネルギーで顕現する場合も、長期的には使えない。
その為、料理を振る舞った相手の『充足』『満足』のエネルギーを吸収した際、部分的に還元する事で寄生主の寿命を伸ばしている。

加えて、『スタンド能力』顕現中は『本体のスペック』に制限が発生。
特に『持久力』の弱体化は著しく『通常の調理』『活動』を行うならともかく、運動、特に『戦闘機動』を行う際は凄まじい速度で『疲弊』。『ラッシュ』など行おうものなら、即座に再行動は不可能なレベル。
無理に動き続ける事は人間と同じく『可能』だが、限界を超えるとスタンドヴィジョンは消滅する上、本体性能は『弱体時』のまま。

406『サキュバスメイドとドリームご奉仕』:2021/09/03(金) 20:50:39
参加者の皆様、本当におつかれさまでした!

407『さらば愛しのエイドリアン』:2022/03/30(水) 22:59:19
恋は痺れるように
愛は焦がれるように
どちらも、稲妻のように訪れ、轟きを残して終わる。

408『さらば愛しのエイドリアン』:2022/03/30(水) 23:01:09
キミは夢を見た。どのような夢かは忘れてしまっただろう。いや、『必ず』忘れただろう。
だが、声を聞いた。どのような声かは忘れてしまっただろう。だが、『何を』聞いたか記憶にある。

時間は、深夜1時。場所は、『湖畔公園』のバスケットコート。この2つを。
平日、休日を問わず、運動を求めるものどもが集って、汗を流す公共開放なされた運動の場。
どのような思考を経たにしろ、キミは夢の声に導かれるがまま、『そこ』に向かった。
そして、辿り着いた場所で――キミは遠巻きからでも、キミは見た。
バスケットコートを囲む若人たちの歓声を。
遠巻きで眺めるかは、キミの自由だ。しかし、バスケットコートの内側を見ることは出来ない。
近づくのも、また自由だ。無論、結果としてバスケットコートの観客たちにキミは認識されるだろう。

どちらを選ぶかは、キミの自由。だが、その前に
――夢見たキミよ、キミは何者だ?

キミの外見は?
キミの服装は?
キミの所持品は?
キミの『才能(スタンド)』は?
キミの『人生』は?

それらを示しながら、キミの今宵は始まることになる。

(意訳、初回レス時に簡素な自己紹介をお願いします。ロールレスとは分けて大丈夫です)

409稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/03/31(木) 10:19:27
>>408

   「ホウ」

      ヴァンパイアタイム
「こんな【吸血鬼の幕開け刻】(夜中)に、【ミサ】とは…
 【生が満ちている】(元気)のは【良き世界線】の【タナトス】ではあるが…、
 【城下町の民】(近隣の住民)達は【霊災】(迷惑)を被っていないだろうか…

 【我】、『孵卵舎時代】(学生時代)、【盾の団】(文化部)だったからか、
 【過ぎ去りし龍玄】(いい歳)と化しても、未だに【矛の団】(運動部)に対して【鎧と盾を備えて】(身構えて)しまうな」


万が一に備えて片手にスマホを握り、
遠巻きにコートで輪を作っている若者達に近づいてみる。


「【魔法陣】の中心に【望まれなき贄】(いじめられっ子)とか居ないと良いが……」






【スタンド】
双剣のスタンド。斬撃時に刀身を電流状に変化させ、
その電流による『電気療法』を施すことが可能である。

『ショッカー・イン・グルームタウン』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E(1m)
持続力:D 精密動作性:C 成長性:B

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/212


【外見】
細身、黒髪、長髪、薄眉、奥二重、
全体的に印象が薄いアラサーメガネ女。


【服装】
メガネ、グリーンミントのパーカーに白のロングスカート。カジュアルな私服の上から漆黒色の白衣を纏っている。
 靴は真っ白なスニーカー。


【所持品】
スマホ、化粧ポーチ、iQOS、手帳、ハンカチ、ペンケース、ペンライト、仕事用のケータイ
 上記の物を収納した手さげのポーチ。
 

【人生】
平凡を絵に描いたようなアラサー女で、
職業は市内の総合病院に勤務する『緩和ケア医』。
最近のマイブームは休み前の夜に自家製の季節の果実酒を飲みながらのネット人狼。
村陣営の時はヘイトを買う事を恐れず果敢に攻め込み、考察を伸ばしそれなりに勝率は高いが、
嘘が声色に出やすい性質らしく、人狼になった時の勝率はあまり宜しくない。
猫狩スイッチなどの理外からの一刺しを見抜くのが大の苦手。
好きな役職は『猫又』。引きたくない役職は『悪女』。
好きタイプは『窪田正孝』『本郷奏多』。

410『さらば愛しのエイドリアン』:2022/03/31(木) 20:13:30
>>409



近づいたキミであるが、コートを囲むものたちは気にも止めない。今が、クライマックスなのだ。
それを、近づいたキミもまた、目撃するだろう。キミの想定した悪しき想定を超えるかどうかはわからないが、よくはない光景だ。

28m×15m。一般的な、バスケットコートである。
出入り口の空間を除き、金網フェンスに囲まれた中には、バスケットゴールを除き何もない。
ないが、人影が3つある。
中央から離れた位置、フェンスに腰を預けて状況を眺めている、一人の女。
白黒の『千鳥格子柄』の、レディーススーツを着た、硬そうな雰囲気を持つ女であり、掛けた眼鏡の奥には、いかなる感情も伺えない。
そして、彼女の瞳の先、キミの瞳の先、観衆達の瞳の先――行われているのは、戦いである。

コートの端、金髪碧眼の少女がいた、酷く、冷めた目の色をした少女だ。
その傍らには『ヴィジョン』がある、女性の体格を持つ、『蒼い』ヴィジョン――明らかなまでに『スタンド』だ。
両拳には、20cm程の『突起』がある。その突起が付いた拳が、目の前の少年に乱れ撃たれていた。
フェンスに背を預けるか預けないかの位置で、で彼女の『スタンド』の拳を懸命に捌いている少年は、けったいな事に『空手着』を着ている。
素手で、突起を捌いているからか、その両手は既に血塗れであり、明らかに息は荒い。
疲弊か、手のダメージか、どちらが原因となったのか、何れにしろ少年の『動き』は遅れ――観客たちは、歓声をあげた。
しかし――中、拳を、『突起』の刺突を腹部に受けた少年は声も挙げずに、腹を抑えて崩れ落ちている。空手着の内側から、見間違えのない失血が溢れ、コートに溢れる。血の滲みは濃くなり、滴る量は増える、明らかに『戦闘不能』だ。
金髪の少女は、何も言わずに、倒れる少年を見下ろしながら――ヴィジョンを消し、生身の拳を掲げた。歓声が再び湧く。
そして、硬そうな雰囲気の女が、二人の元に向かう。

これを見ているキミは、どうするか。
これからどうするかは、自由だ。



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■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□□□□北□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
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■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□◎□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
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黒=フェンス(全体、とまでは言わないまでも、ところどころに観客がいる)
白=バスケコート内部


△=空手着の少年
◎=金髪碧眼の少女
北=白黒の女

現時点のキミは『何処か』にいる。が、少なくとも『コート内部』でないことは留意されたし

411稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/01(金) 18:11:24
>>410



  「…」 ワナワナ


       「ッ」  フルフル


「【暗愚猿】共がッ!!!!!!」


目の前で繰り広げられる光景に、目一杯の怒気を込めた叫びを上げる。
そしてバスケットコート内部へ侵入し、血塗れで倒れている少年に駆け寄る。


「【汝ら】が、どの様な意図があって【ヘイヤードの沢の進軍】(意味不明)を【開始】しているかは知らないがッ!
 【我が帝国】(日本)は【フォルナ=チのバビロン】(法治国家)だッ!
 こんな事が 許される道理がないだろ…!」


    「それにッ!」


「【月影の騎士】(医療従事者)の前でよくもこんな事をッ!
 【汝】っ、【魂の燭台の火は揺らいで】(大丈夫)いないか!?
 今、手当をするッ!
 ーーーー誰か【百十九番目の鉄の白馬】(救急車)を呼んでくれッ!!!!」

412『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/01(金) 20:19:17
>>411
乗り込んだキミの啖呵に、囲んでいた面々はざわついた。
ただ、非難にバツを悪くしたり怒っているというよりも、何を言っているかよく解らなかった可能性が高いだろう、大半は。
そして、中の三人――まず、血塗れの少年の前に立つ彼女は、即座にスタンドヴィジョンを顕現させ――キミを、冷めた儘の目で見る。

「かなり錯乱しているようでござるが――なるほど、今夜の新人で御座るか……」

もう一人、白黒の服を来た女も、キミに視線を向けながら、少年に近づき――はっきりと、『キミ』を見て、声を掛けた

「……ひとまず、説明より先に彼の『治療』をする。『ルール内』の負傷であるが、長持ちはしない傷だからな――」

直後、瞬間、白黒の女の傍らに『ヴィジョン』が顕現――マッシブな、修道女を思わせる女体。時計と数字の意匠を持つ、異形である。
『ヴィジョン』は、近づいてくるキミが――かりに、スタンド能力を用いたとしても、絶対に間に合わない速度で、血塗れの拳を叩き込む。

「今、彼は『戻った』。傷一つなく――失血すらもなかったことに、な」

その言葉の意味は、すぐに理解できただろう。血に濡れていたはずの少年は、息を荒く吐きながらも身体を起こす――顔を歪めて腹を抑えてはいたが、失血は収まっている。
――否、失血そのものが『消えている』。空手着にあるはずの穴すらも、閉じていた。

「えと、あの……ありがとうございました」

よろけながら立ち上がった少年は、金髪の少女に一礼をし――キミに向けて、申し訳無さそうに頭を下げた。
そして――金髪の少女が、スタンドを顕現させたまま、キミに近づき――声を投げかけた。

「さて、何から話したものでござろうかな……と、不味いでござるな、このままでは『次の試合』の邪魔になる。ひとまず、拙者達と外に出るでござるよ。……もっとも」

金髪の少女は、外に視線を向ける、ざわつきは収まり、喧々諤々とし始めている。
それは、明らかに何か、危険なものの高ぶりを意味していた。

「残って、『次の試合』に出たいと言うなら止めんでござるが、別に噂を聞いて来たわけでもないんでござろう?」

キミは金髪の少女の指示にしたがっても構わないし、残っても構わない。
だが、残ることは『勧めない』
その場合、【アカシックレコード】(事前告知難易度)は、変更を余儀なくされるだろう。

413稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/01(金) 22:36:55
>>412


    「【ゑ】ッ!!?」


「ーーー【Cave to Rondarchia】な【月欠け】(重症)を一瞬にして癒しただとぉ…!
 【汝】の傍に現れたその【像】…それが【立ち向かうもの】(スタンド)というものか。
 【我】が【漆黒丸】と【光輪丸】とは随分【フォーム】が異なるな…。
 どの様な方法で【少年】を【月を満たした】(治した)のかは【残酷な天使と人造人間】(よくわからない)ではあるが、
 【死の殺戮者】(医者)の【我】からしたら【世紀末の蛮族達の零番目】(喉から手が出る程欲しい)な【才能】だな…」


「とりあえず、此処に居ては邪魔か…。
 詳しい【詩】(話し)に【耳を傾けたい】(聞きたい)から出よう」


と言うわけでスーツ姿の女に先導されコートの外へ出たい。

414『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/01(金) 23:22:32
>>413
外に歩き出したのは、金髪の少女と少年のみ、白黒の女は場に残っている。
先導する彼女に付いて行く意図を持ったキミ――二人だけ動き出した少年と少女。キミはおそらく、瞬時に二人を追うことはしなかっただろう。

「……私はこの場に残る。『治療』役、が私の役目だからな。次が始まり次第、私の仕事が始まるかもしれない」

少々、困惑気味な白黒スーツの女はそう言って、コートの中央へと向かう――
そして、金髪の少女が、キミを振り向いた。

「説明は拙者がするでござるよ。とりあえずは出るでござる」

そう言って、金髪の少女は、先を歩む少年の後を辿るように外へと歩き出した。
白黒のスーツ姿の女は、残っている。キミは、今の所は中にいる。

415稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/02(土) 23:01:15
>>414

「【こうして私は首を縦に振る】(わかりました)」


金髪の少女へとついて行きます。

416『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/03(日) 00:45:52
>>415

「さて、あんたがどこまで知っているのかはわからんでござるが、とりあえずこの場所の説明からするでござる」

キミと共に外に出た金髪の少女は、奇怪な口調で語り始めた。

「この場所は、【闘技場】でござる。もっとも、インスタントな、粗雑極まりないものでござるが……あんたも、夢に呼ばれた口でござろう?」

少女は、キミの答えを待たずに、話を続ける。

「近頃、スタンド使いの夢の中に、時間と場所が告げられて、おおよそ十人程度のスタンド使いが『集まる』事態が、いや、事件が起きているのでござるよ」

どこか苦々しく、苛立ちを滲ませた声色――実際、金髪の少女は不快そうな顔をしていた。

「特別な力を持つものが夜に集まって、平和的なお茶会が始まるわけもなし。見せあいから比べ合いが始まって……ま、見ての通りでござるよ。二回目の『リピーター』が新人に前の話をしたら、バカな盛り上がりを見せて……三回目には、ルールが出来たんでござる」

そして、金髪の少女は、指を4つ立てた。

「一つ、戦いはサシ、二つ、取り返しのつかない――まぁ、殺しとか、『ブッ壊す』レベルの拷問でござるな。そういうことはしない、取り返しが付けば、白黒の女がどうにかするでござる。三つ、連戦禁止。独占は悪でござる。四つ、その日の終わりはあそこの白黒の女が決める。単純な話、あの女は中々強くて、怪我も直せるでござるからな。『公開殺人』なんて事態を避けれてるのは、あの女が仕切ってるからでござる。逆らえば、命の保証のない勝負になる。次の遊びがなくなるよりはって感じで、みんな従ってるでござる」

ルールの説明を終えた金髪の少女は、じっとキミを見据える。

「それで、あんたは――参加、するんでござるか? まぁ、次の試合の後にはなるでござろうが……」

417稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/03(日) 02:03:21
>>146


「……その『スタンド使い』という【言の葉】は【火鼠の皮衣】(聞いた事がない)だが、
 確かに【我】が肉体には特殊な【ストレングス・パワー・フォース】(力)が【備え】られている…。
 最も【我】以外の、その【狼憑き】に邂逅するのは今日が【箸の神の祝福】(初めて)だがな」


        「ん?ご、ござる?」

金髪の少女の少々風変わりな喋り口調に面食らった様子を見せる。


「【我】が察するに、【汝】は【狼憑き】達が【マグネットフォース】で【ユニオン】(集結)し、
 互いに【殺戮ごっこ】を行うこの現状を【黒色蟲】の如く感じている(嫌悪している)のだろう…。

 ーー【殺戮ごっこ】に関しては乗り気ではないな。
 正直、先程の光景は【黒色蟲】を観ている気分だったし、
 その場で負った傷の【月が満ち】(治る)ようとも、【死の殺戮者】(医者)としてはあの様な【ミサ】(集会)な見逃せる道理がない。、

 なので、あの【ミサ】をできれば【破滅】(中止)させたいなぁ。
 その為に【殺戮ごっこ】に参加するのは仕方なしと考えているが…」

418『さらば愛しのエイドリアン』 1:2022/04/03(日) 12:05:51
>>417


金髪の少女は、キミへの返答を常に即断せず、数秒ほど思考している。
キミの言葉を、どうにか噛み砕いて意味合いを理解しようとしているのだろう。

「『スタンド』というのも『知られた名前』でしかないでござるから、あんたが自分の力に名付けた名前がその、『ストレングス・パワー・フォース』であるならば、そう読んでもいいと思うでござるよ」

>「最も【我】以外の、その【狼憑き】に邂逅するのは今日が【箸の神の祝福】(初めて)だがな」

この言葉への返答は更に遅れた。
文脈から意味合いは解せたのであろうが、やはり理解には時間がかかっている。

「スタンド使いは惹かれ合う性質があるでござる。だから、知らず会っているとは思うでござるよ」

>金髪の少女の少々風変わりな喋り口調に面食らった様子を見せる。

「ござるでござる。商売上のキャラ付けで御座る。あんたもその口でござろう? YouTuberとかにも、オモテとウラが『混じった』日常を送るのはいるでござるからな」

少女は、キミの職業を確実に誤解している様子だ。
そして、キミが告げた意思を咀嚼した少女は、呟く。

>「【我】が察するに、【汝】は【狼憑き】達が【マグネットフォース】で【ユニオン】(集結)し、
 互いに【殺戮ごっこ】を行うこの現状を【黒色蟲】の如く感じている(嫌悪している)のだろう…」

「確かに、ごっこは好みではないでござるな。拙者が来たのは付き合いのようなものでござる」

419『さらば愛しのエイドリアン』2:2022/04/03(日) 12:06:36

不快げだった少女は、キミの名乗り――死の殺戮者という名乗りに、僅か、興味を向けた。

「『死の殺戮者』でござるか。なるほど、そう名乗るほどであれば、確かにこの場のヌルさは見過ごせんでござろうよ――『あんた向き』の遊び場を知っているでござるが――そこはまぁ、いずれの縁でござろうよ。こんな場で住所氏名を名乗るような輩は、バカでござろうしな」

>「なので、あの【ミサ】をできれば【破滅】(中止)させたいなぁ。
 その為に【殺戮ごっこ】に参加するのは仕方なしと考えているが…」

「この場にいる面子を皆殺しにした所で『不可能』でござる」

少女は、はっきりと断言した。

「開催場所も集まる人間も毎回違い、変わらないのは夢という導きだけ。あそこの白黒も仕切っているが『主催者』ではない――引き抜くべき根を……誰も認識していないからこそのカオスでござる」

そして、リング――コートへと目を向けた。

「……まぁ、こんな馬鹿騒ぎ、長くは続かないでござるよ。何かがいつか、終わらせるでござろう。今は、とりあえず試合を――……」

少女の顔が、大いに顰められた。
その瞳に、この上なく冷めた怒り――冷徹が浮かぶ。
冷徹の先――コートに入ってくるのは、『一組』の男女。
年若く、スポーツウェアを来た少年。両拳にはバンテージが巻かれており、髪も短い。
視覚のみで判断するならば、『ボクサー』だ。
そして、もう一人――少年に腰を抱かれる女。
キミの目はそれを『人間の女』とは認識しなかったであろう。
明らかに、それは人間ではなかったからだ。

4203『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/03(日) 12:08:13

どぎつい紅い髪――ピンク色の肌――露出過多のワンピースにハイヒール。
下品なまでに官能を漂わせた肢体――その背からは、蝙蝠にも似た翅が広がり、その頭部には羊めいた巻き角が。
悪魔、あるいは――現代の、通称的なイメージとして知られた名がある。キミがそれを知っているかは、定かではない。
しかし、『確か』な事はある。それは、『スタンド』であった。
そのスタンドは、高らかな声で唄う。恐らくは、キミも知っているメロディを。

「テッテーレレレーレレレーレレレ♪」

ロッキーのテーマである。
闘士の高ぶりの歌である。
拳闘士の、一つの象徴たる旋律である
旋律を放ち、歌声を撒き散らしながら中央に歩んだ二人――『スタンド』は、身体をくねらせながら、少年に絡むように抱きついた。

「ねぇ正信。今日も、ステキなところを見せてくれるんでしょう?」

甘い声を響かせながら、女体のスタンドは正信と呼ばれた少年の股間を撫でる。
少年は明らかに興奮を強めながら、頷く。

「ああ、エイドリアン……たっぷりと、な。楽しめるかは、解らないが……」

そして、少年は『大声』で叫ぶ。

「次は俺だ! 俺とやりたいやつは――来い!」

――キミが応じたかは定かではないが、『一番乗り』は出来なかった。
二人が揃い、白黒の女が何かを告げ――明らかなる闘争の空気が、張り詰めていく。

「……面白くない試合になるでござるな」

コートに入れなかったキミは、少女の呟きを聴いただろう。
そして――試合の始まりを、見る。

421稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/03(日) 22:16:49
>>420

「【豪火】(あんぐり)…」


目の前に現れた如何にも格闘家めいた少年と、その傍に立つ悪魔めいた風体の女の子スタンドに呆気に取られる。
横に立つ金髪の少女の怒りの表情を見て色々と察した。


「なぁ、【三千六百一番娘】(サムライ少女)よ…
 ーー【運動の聖衣】(ジャージー)を備えていたりしないか?
 別になければ仕方がないのだが、【契約の対価を支払った】(買った)ばかりの、この【朧の女王の祝福】(春物のお洋服)を汚したくないんだ」


 「次、行こうか?」


とりあえず試合の様子を見よう。

422『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/04(月) 19:42:43
>>421

「あの白黒は、対人限定ではなく服も『纏めて』直すでござるから、心配無用でござる……もっとも、次までに、少し時間は掛かるでござろうが」

そして、キミと少女の目線の先――『試合』が始まった。


「『フィスト・ファック』!」

ボクサーめいた少年が吠えた言葉は、キミにも届いたであろうか。
叫びと共に、さらなるヴィジョンが少年の『拳』に顕現し――覆いかぶさる。
一言で言えば、それはカートゥーンじみた『爆弾』である。
黒いグローブから垂れるように『導火線』が生えており、その端にはちりと『火花』が散っている。
一方の女は、人形のスタンドに持ち込んだ鉄パイプを握らせ――鉄パイプを、瞬間的に『棘』が覆う。どちらも、露骨なまでの暴力性を溢れさせた外観をしている。
そして始まった戦いは、一方的な展開で始まり、続いた。

少年は、軽快なフットワークと、欠片も減衰しない速度をもって、巧みに相手の攻撃を躱しながら、黒い拳を叩き込んでいく。
何発も、何発も――女はそれを数発はスタンドで防ぐが防ぎきれずに、幾度かの被弾を受ける。
無論、コートに入った以上は、無抵抗主義ではない、手にした棘バットを振り回すが、全て躱され――命中と思った一発は『拳』にて迎撃される。
鋭いトゲは、グローブに僅か減り込んだが、深く刺さることはなく弾かれた。つまり、相手にはあらゆる意味合いをもって、少年を傷つける手段はない。
ならば、キミの前で展開されている光景は、闘争ではない。試合という名の凌遅刑。ただの『暴力』だ。
必殺足り得ぬ拳ではあれども、浴びる程に女の動きは鈍くなり、やがて、キミの少女の近くのコート際に押し込まれる――その最中にも、『導火線』は短くなる。
そして、コートに女の背が触れた瞬間に、名目上ですら闘争は終わった。
女に注ぐ拳の雨、背が触れているため倒れることも叶わずに、サンドバッグが如く打ち据えられる女。

「いっけー! ステキよ! 正信! アナタの拳は、女殺しの無敵の手!」

少年の背後で、エイドリアンが煽るように歓声をあげ、観客たちが――厭気の目を浮かべているものもるが――追従するように湧く。

キミの間近かどうかは解らないが、キミの、確実に視界内で戦いは行われている。
これを能力を見る機会と思うか、それとも――

ともかく、行動は自由だ。

423稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/05(火) 20:34:55
>>422


 「【洗い宿儺】(ひどい)な、これは。
  【見せ物】だとしても些か【カルマとギルティ】が過ぎる(趣味が悪い)」

目の前で繰り広げられる凄惨な光景に思わず顔を歪める。



「しかし【妙】だな。
 あの『エイドリアン』と呼ばれた【極楽鳥】(派手な女)は、【人狼】(スタンド)なのだろう…?
 何故、【狼付き】(スタンド使い)の傍に立たず、【PRAY】(エール)をしているんだ……」


       「何かわからんが」



「【肥溜めに産み落とされ、異星からの襲来者に命刈り取られし者ー!】
『肥溜めに産み落とされ、異星からの襲来者に命刈り取られし者ー!】(ブーブー!)」


暴力を用いての同調圧力はひどく気に入らない。
男達の観察をしつつとりあえずブーイングを送っておく。

424『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/05(火) 20:46:22
>>423
エイドリアンが煽るように歓声をあげ、観客たちが――厭気の目を浮かべているものもるが――追従するように湧く。
キミのブーイングは、恐らくは歓声の一つと受け取られたのではないだろうか?
少なくとも、
少年は興奮の度合いを高めている、『1段上』とはいかぬまでも攻撃の『ペース』は増した。

そして、導火線はさらに短くなり――少年が、笑みを深め、右ストレートを女に挿し込んだ瞬間、『拳が爆ぜた』


響く爆音

――その後に、キミが見たものは。

コート端のフェンスを突き破って吹き飛んだ、血塗れの女が痙攣する姿と、充足と、どこか虚脱感のある笑みを浮かべる少年であった。

「キャーステキー! マイハニー!」

僅かに疲れを見せる少年を抱きとめるスタンド――明らかな瀕死状態の女が、少年の直上に倒れていなければ、微笑ましい光景だったかもしれない。

「けったくそ悪い…・・…」

――少なくとも、キミのとなりの少女は、微笑ましさなど欠片も感じていないようだが。

425稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/05(火) 21:13:59
>>424


   「…………」

「ーー【素敵】ではないだろ。
 既に【ブラックアウト】していた【剣闘者】に対しての、【追の衝撃】(追い討ち)、
 いや、あの行為はもはや【ペーシェント・キル】(死体蹴り)だ。
 相手へのリスペクトなき【oremater Nankayachya imasiter】(自慰行為)…
 【ムーンアイランドのソウルフード】(ゲロ)に等しい【イーヴィル・ブラスト】(邪悪さ)だ」


    「完全に【ラス・オブ・ゴッド】(頭にきた)だ」



金髪の少女の肩を叩き、
ぐいっと一歩前へ出る。


「次は【我】の【ターン】だ」

426『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/05(火) 21:52:04
>>425

「『連戦』は禁止でござる。ルール違反は、『尊厳』を賭すことになりかねぬぞ」

少女はキミの背に声を投げかける。
位置的に顔は見えないはずだが、氷のように冷えた声色だった。

「それに――あいつは『長引かせすぎた』そろそろ、『頃合い』でござるよ」

少女の言葉の意味する所を、キミはすぐに知る。

『マタトナケメ!』

空、見上げたキミは、見えただろうか。
闇に溶ける、『鴉』の姿を。
人語を解す鴉というものは、珍しくはあるが実在するが、嫌に響く『声』を持つ鴉であった。

『マタトナケメ!』

カァカァとは叫ばず、ただマタトナケメと鳴く鴉――それを見て、聞いた周囲のギャラリー達から『熱』が引いているのを、キミは感じただろう。
そして、白黒の女が――告げる。

「今日は、終わりだ! 次は――また、夢のままに!」

少女がキミに並び――キミを見上げる。

「『鴉が鳴くから帰ろう……』これもまた、この場のルール。あのカラスも『スタンド使い』でござってな、参加はしない代わりに、『頃合い』を図るための『見張り』をしているんでござる」

少女の言葉が真実である保証は存在しない、疑うのは自由だ。
しかし、白黒の女が告げるように、人気は徐々に散っていく――『二度と無い』のだ。
キミをみる金髪の少女は、どこか申し訳なさげだ。

「あんたが、もう少し『こっち』に寄ってるようであれば、アレとやる舞台を用意出来たかも知れないでござるが……『義憤』で動くような人間が、向いてるところではない……ん」

コートから出てきた少年とスタンドが、『キミたち』の元に向かって歩いてきた。
その奥では、白黒の女がスタンドでフェンスを修復している。
少年は、どこか申し訳無さそうで、キミに頭を下げた。

「あの。すんません。あなたも『やる気』になったんでしょうけど、長引かせてしまったせいで……」

嫌味や皮肉の様子はない、彼は、本心からキミに詫びを入れているようだ。
その後ろで、スタンド体はアカンベーをしている。

427稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/07(木) 22:29:12
>>426


「【地底に眠りし邪竜の鼾】(ぐぬぬ)…!
 【カオス・フィールド】にも【不文律】は存在するという事か。

 いや、良いんだ。
 どの道【我】は【戦場】に立った事なんてない。【ニケに抱かれる】(勝てる)かどうか【オーギュ神の開示し鎖の魔導書】(わからない)だったしな…」


熱や、苛立ちもすっかり引いてしまった。
足早にその場を立ち去ろうと思った時に、先程まで戦っていた少年に話しかけられる。


「【アルテマ】(ん)…
 【我】も【龍玄】(いい歳した)の【女】だ。
 【月が欠ける】(怪我する)前に、【ミサ】の【帳が降り】(終わって)てくれて結果的には良かったかもしれん。

 ーー最も、【汝】の【対峙した剣闘者】に対しての過剰な【ページェント・キル】(死体蹴り)めいた【violence】(暴力)と、
 汝の傍に立つ【極楽鳥】(派手)な【女】の【人狼】(スタンド)の態度は未だに気に食わないがな…」

428『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/08(金) 19:27:55
>>427
少年は腕を組んで思い悩んでいる、キミの言葉の意味が本当に解っていないようだ。

「はぁ、なんか……不愉快にさせたみたいで……すいません……でも」

少年は、素直に頭を下げた。
だが、キミの『スタンド』に対する意識だけは伝わったのだろう、上げた顔には少しばかりの敵意が浮かんでいる。

「俺のエイドリアンのこと、悪く言うのは止めてくれません? もしもルールが許すんなら、『やる気』なっちまうところでしたよ?」

そこには、絶対の自信がある。負けるわけがないという。
若さの中に潜む愚かなまでの自信、力が与えた自負。
だが、それを、それ以上に表に出そうとはしなかった。

「でも、今日は俺も疲れましたし――これから、エイドリアンと過ごしますんで……やるんなら、次あった時にしましょうや」

そう言って、少年はエイドリアンと呼ぶスタンドを抱く――キャーという悲鳴を漏らすスタンドと共に、少年は去っていく。
キミが何を言おうとも彼は去るだろうが、僅かばかりに応答はあるかもしれない。

429稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/13(水) 20:45:10
>>428

「フフッ【古】の【甘き書物】に出てくる【英雄】の如くだ。
 【真ん中の、更に中心】の【トリ・ヴァ・トリシューラ】の【病】の【若かりし頃の龍の髭を用いし弦】か。
 【八百】の【命の代償】を払い【水の無敵の盾】に【魔法】を施し【メビウスへの負の螺旋】。
 【雷を放ちしスカイドラゴン】みたいだなぁ」


皮肉なのか賞賛なのか意図が全く伝わらないように崩した言語を、
去りゆく少年の背中へと言い放つ。

430『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/14(木) 12:19:56
>>429
そして、キミの今日は終わる――帰って何かをしたかもしれないし、せずに寝たかもしれない。それが、キミの物語に影響を及ぼすことは、おそらく無い。
キミの物語が動き出すのは、数日後。

――キミは、キミが『ある程度』自由に動ける時間帯において、夜の星見町を歩いている。
キミが何処を歩いているかは、キミの生活環境によって変動するため、キミが決めるべきだろう。

431稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/17(日) 21:53:47
>>430


久々の休日、日中は家でゆっくりと過ごした後、
夕方になると街に出て、前から観たかった映画を観た。
(映画自体は若手俳優が主演を務める漫画原作の実写化で、毒にも薬もならないような内容だった)



「昨今は【ディープ・パープル】(喫煙者)への当たりが中々に【ハード・ロード】(厳しい)な。
 まさか、【幻影の館】(映画館)で【疑似紫煙】(電子タバコ)を吸えないとは…。

 とりあえず、【紫煙を燻らせ】(煙草を吸った)た後に、【田園の月を満たす】(ご飯を食べる)とするか……」


iQOSのカートリッジを片手に喫煙所を探している。

432「さらば愛しのエイドリアン」:2022/04/19(火) 18:52:56
>>431

都会においては絶滅危惧種である喫煙所を探していたキミは、嫌煙者にとっての喫煙所よりもおぞましい光景を目の当たりにした。

「いけいけ、ゴーゴー! いけいけ、ゴーゴー!」

あの夜も聞いたスタンドの応援――煽り――キミがその方角に目を向けたのならば、通常、あるべきではない光景を見ることになる。
見紛うことなくあの少年が、戦っている。それだけならば――キミは知らないだろうが――この街のスタンド使いとしてはそう珍しくない。
この街の暗部を知るものならば目を剥きかねない異常が、起きていなければ、そう言えただろう。
少年はスタンドを出して戦っている相手は、明らかにカタギの容貌をしていない――ヤクザか半グレが如き『ヤカラ』であったが、『スタンド使いではない』
キミが対人にスタンドを使ったことがあるかは解らないが、一般人からすればスタンドは不可視の凶器そのもの、技や体格で対抗できる力ではない。
ならば、キミが目撃しているのは『ストリートファイト』ではない、『暴行』だ。

即座、止めることはまず敵わない、少年の速度はそれほどに早く、正確だ。
グローブに包まれた片方の拳は解かれており、生身が晒されている――周囲に散らばるヤカラの同類、そしてへし折れたバットや角材などが、グローブの成果であろうか?
相手は集団。されど……正当防衛で済ませるには過剰な拳を、少年は行使したと言えるだろう。
逃さないように、逃すまいと、徹底して。
そして、最後の一人――少年は、その股間をグローブの拳で殴り――相手は悶絶して倒れ伏す。
少年は荒く、息を吐く――疲れが見えている。
そして、ぼつり、何かを呟くと、残されたグローブが消える。
残ったのは――エイドリアン
消えず――残っている、グローブとは違って。そして、少年に抱きついた。

「ステキよ! 流石、マイヒーロー! マイダーリン! でも、まだ足りないんじゃない?」

エイドリアンは――倒れ伏した輩共を見下ろす。

「フィニッシュフィニッシュフェイタリティ! もっとしっかり――と・ど・め、みたいなぁ……?」
少年は、明らかな戸惑いをエイドリアンに向けている。

キミの行動はここから、自由だ。

433稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/20(水) 20:43:06
>>432

「どうやら【真】(マジで)に、
【真ん中の、更に中心】の【トリ・ヴァ・トリシューラ】の【病】(中二病)を患っているようだな………。
 己の【人狼】(スタンド)に【龍の弦】を【握られている】(洗脳されている)ではないか……

 いや、そもそも、あの【極楽鳥の狼】(ケバいスタンド)は、ふむん……」


色々と思う所はあるが、
まずは怪我人の安全の確保の為に動かなくてはならない。


「何をしているッ!!この【暗愚猿】が!!!!」


騒ぎの中心に急いで駆け寄り、スタンドに煽られトドメを刺そうとする少年を制したい。
思考を巡らすのは後で良い。

434『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/21(木) 19:23:57
>>433
キミの声は、暗雲の中の稲妻のように煌めき、雷轟の如くに響き渡る。
その声は、彼女の声をもかき消して――少年に至る。
彼は、はっとキミを見る。そして、自分の成した成果を見渡す――思い切り、自らの両頬を張った。

「しゃっ!」

ばちんと響く音は、破邪の鳴弦の如く。
頬を晴らした少年の目ははっきりと正気であり、ぼつりと呟く。

「エイドリアン、今日は終わりだ」
「えー、でもー」
「終わりだ……」
「ぶー、ぶー!」

ぶーたれる彼女を後目に、彼はキミを見て――頭を下げる。

「……ありがとうございます、すいませんでした」

声色だけを聞けば、誠心誠意の謝罪である。キミがどう認識するかは自由だが。
そして、彼は言葉を続ける。

「……あのう、よかったら……相談に乗ってもらえませんか? この力のこと……相談できる相手、いないんです。あそこにあつまる連中は、もっとやれって言う連中ですし……でも、あなたは止めてくれた」

改めて、彼は頭を下げた。

「話聞いてくれるだけでもいいんです、もう、抱えきれなくなってきて……」

キミの答えは、自由だ。

435稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/24(日) 21:13:16
>>434


「話は後にいくらでも聞いてやる。
 だが、後にしろ………ッ!!」


頬を張り、こちらに頭を下げて如何にも「正気に戻った」所作をしているが、
一般人である稲崎の感覚からしたら、
悪漢を一方的に蹂躙して気にも留めていない時点で既に正気ではない。


     ブレーメン
「おい、【無頼男】(ヤクザさん)達、【虫は死んでいない】(生きている)か!
 【我】に頭を下げる暇があるならば、【依存の板】(スマホ)で【百十九の刻印】(119番して)を刻み、【赤き十字の鉄牛】(救急車)を【召喚】しろッ!」


倒れているチンピラ達の状況を確認し、応急処置を施したい。

436『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/25(月) 21:44:33
>>435
「あ、はい……」

我に返った様子の少年は――倒れ伏す者たちを見ながら、多少躊躇いながらも――スマホで連絡をする。キミが聞いていたならば、間違いなくこの場所へ救急車を呼ぶ通報だと解るだろう。
そして、キミが応急処置を施す――調べれば、怪我はあるが命には別状は無いと解るはずだ。
骨は折れておらず、精々が打撲である。戦闘不能に追い込むほどなので、軽くはないが……
そして、サイレンの音がキミたちの元に近づいてくる――

キミの行動は自由だ。
自由ではあるが、この物語は、キミをこれ以上の非日常に『強引』に引きずり込む引力を持つものではない。
それは運命の筋書きの稚拙さがもたらした喜劇であるが、同時に変えようのない事実である。

改めて言おう、キミの選択は自由だ。
だが、キミが少年の問題に踏み込まない受動者たる人間であるというのならば、キミは常識的な決断を下すべきだろう。
それをもって、キミは僅かな奇妙との遭遇を記憶に宿し、日常に帰ることになる。

437稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/04/28(木) 09:08:14
>>436



「………【斬月】(手術)からは遠ざかって久しいが、なんとかなった。
 【バベルの如き金貨】(バカ高い学費)を払い【死殺者の孵卵器】(医大)に閉じ込めてくれた、
 理解のある【永久凍土に近し国に住む我が創造主達】(北海道の両親)には【謝りたいと感じる】(ありがとう)……」



ならず者達の応急処置を済ませて、安堵の表情を浮かべる。
本来ならば怪我人達に付き添い、搬送先の病院へと行かなければならないのだが、
今回の場合、少々特殊な事情らしい。



「此方の【我】(が)は通した。
 【両の手でエルシオンの扉を開こうか】(約束は守ろう)。
 だが、此処だと【赤十字軍】(救急隊員)や【無責任な群衆】(ヤジウマ)の目があるから、立ち去るぞ。
 何処か【クリスタルの設営地】(落ち着ける場所)で汝の話を聞こうか。
 場所を…変えるぞ」

438『さらば愛しのエイドリアン』:2022/04/29(金) 22:23:10
>>437
「あ、はい……」

少年が、キミの言葉に頷いた後――

「けぇ〜〜〜〜!!!」

エイドリアンが、凄まじい声を発した。
聞いただけならば、鶏の真似とも思われかねぬ雄叫び――だが、次に続く言葉を聞いたのならば、意味する所は解るだろう。
『けっ』の、最上位系だ。

「ダーリンダーリン、ねぇダーリン。ちょっと情けなさ過ぎない! 女に言われて救急車なんて呼んじゃって、もしかしたら警察だって呼ばれたかも知れないのよ解るダーリン。いくらダーリンが強くたって警官はともかく警官隊なんて来たらスタンドあってもボコられて終わりよ、なのにだのになーのに言われてヘタれて呼んじゃってさ、強くなっても性根はやっぱり変わらないのねぇ〜、ねぇ、変わるチャンスを教えてあげましょうか。今すぐ……」
「黙れ、黙ってよエイドリアン!」

それまでの、甘美な態度を崩し、顔を歪ませて罵りを発するエイドリアン――本体の意思すら無視して、言葉を止めない。

「あらやだマイハニー。言うことを聞かせるのにお願いしますは無いでしょう? それに、黙れじゃなくて、黙って! そういう時はぶん殴って……」
「エイドリアン! ここで僕が捕まったらお前も少年院に付きそうんだぞ! いいから、今は――黙れ!」
「―――はーい、マイハニー?」

どこか、満足そうな笑みを浮かべたエイドリアン――キミにウインクをすると、黙る。

「――――すいません。後は――付いてきてください。人があまり来ない場所を知っていますから――」

そういって、少年は歩き出した。

439稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/05/01(日) 02:37:46
>>438



   「あ〜〜……」

クシャと顔を歪めて、少年の後ろで茶々を入れる『エイドリアン』と呼ばれるスタンドに対し、
露骨に嫌悪の表情を向けた。
しかめっ面を作ったまま少年の後に続く。


「……【探求の為に探求を求める冒険譚】(回りくどい)には【星を取り上げたい】(好まない)性質なんだ。
 【海獣のマリー】(とどのつまり)…その【女】の【狼】(スタンド)をどうにかしたいってことだよな?」

440『さらば愛しのエイドリアン』:2022/05/01(日) 16:10:12
>>439

「……どうにかできれば、いいんですけどね」

少年は苦笑いをした。したというよりは、作ったと言うべきだろうが

「スタンドは、一人一体で――精神の具現化だっていうんです。なら、エイドリアンは俺の心のなにかなんでしょう」
「一心同体ってことね! ヘタれてない時は!」

からからと笑うエイドリアンを無視しながら、少年は空虚な笑みを浮かべた。

「グローブは解るんですよ……俺、昔ちょっといじめられてて――それで、殴りたい、殴り返したいっていう願望が、俺のこれなんでしょう」

少年がそう言うと、片手にグローブのヴィジョンが重なるようにして形成された。
そして――エイドリアンをちらりと見る。

「エイドリアンも俺の心の何かなら――エイドリアンの言う通り、俺はヘタレで――誰かに煽って貰わないと、何も出来ない男ってことなんでしょう。グローブと扇動者で一組の『ボクサー』のスタンド――情けない、スタンドですよ」

少年から、ため息が零れた。

「さっきの連中の、昔俺をいじめてた連中の『オトモダチ』って感じで、俺に焼き入れに来たんです。その前に仕返しをした俺の自業自得って言っちゃそれまでですが、やりすぎて良い理由は、ないですよね……」

さて、スタンドは一人に付き一つのみが原則と少年は言う。グローブと本体への扇動者を持って『ボクサー』という一つと定義し得ることは出来るだろう。
だが――しかし――グローブにさえ、『明らかに能力はある』
この事実に違和感を覚えるかはキミの自由ではあるが、違和感を抱くのであれば、相応の思考過程を経るべきだろう。キミは、スタンドの素人なのだから。
そして――少年の言葉に対する返答も、当然に自由だ。

441稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/05/08(日) 21:46:28
>>440


「ふむん」

確かに前回に少年の戦いを観た時奇妙な『違和感』を覚えた(>>423)。
少年がグローブを用いて闘っている間、この『エイドリアン』と呼ばれるスタンドは、
群衆に紛れて半分野次の様なエールを送り続けているだけで、
何か『能力』らしきものを使った様子もなかった。


「なぁ『少年』、ちぃっとばかしその【腕】(かいな)を前に突き出してくれないかァ?
 その手に纏った【具拳】(グローブ)を解除してくれるとありがたいのだが…」

442『さらば愛しのエイドリアン』:2022/05/09(月) 18:49:47
>>441
「ええ?……はい、どうぞ」

少年はキミの指示に従い、スタンドを解除して拳と腕をを出した
――エイドリアンは、消えていない。

443稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/05/12(木) 19:58:12
>>442

「『藤原』だったかな…?
 【我】に【人狼】(スタンド)を与えし女に、我が【漆黒丸】と【光臨丸】(スタンド)に宿し【ギフト】(能力)を尋ねた時、
 【女史】はこう答えた…。
 【我】の【狼】が砕けし時、その衝撃は【我】の【骨】(コツ)へと【伝播】する、と。
 
 これから、試す手段はだなぁ。
 ーーううむ、何というか【酩酊殺しの牛の死骸の味】(罪悪感でいっぱい)なんだがァ。
 先程、過剰なまでに殴られた【無頼漢】(ヤクザさん)達への詫びだと思って耐えてくれ」


         ーーズギュン!!



「【混濁街に現れし、悪戯好きの双子悪魔】(ショッカー・イン・グルームタウン)」



『ショッカー・イン・グルームタウン』を発現。
右手に持った『漆黒丸』を軽く振るい、その刃の腹で少年の腕に、ある程度の痛みを伴う傷を付けたい
(勿論、間違えて指を落とさないように細心の注意を払う)。
『スタンド』というのは通常、本体とダメージを共用している、らしい。
本体と同じ形状の『人型』ならその伝播は、稲崎の『刀』と違い、よりはわかりやすい形で反映されるであろう。
少年と『エイドリアン』の様子を注視する。

444『さらば愛しのエイドリアン』:2022/05/14(土) 18:42:20
>>443
「痛っ!?」

少年は、キミの攻撃――というよりは『試し』によって軽いダメージを負った。

キミのスタンドの精密性はC(人並み)であり、達人の技量は存在しない。
しかし、動かない標的に狙った傷を負わせる程度の精密さはある。

皮一枚に肉少々――軽い手当で後も引かないだろう傷を右腕に負った少年は、即座に後方に飛び――困惑の眼の中に違うものを宿しながら、ファイティングポーズ
――其処には、スタンドのグローブが顕現している。

そして、


「――あーら、あらダァァァァリン、やっぱりそいつは裏切るのよいつだって他人は裏切るのよホラ見なさいやっぱりみなさいそのクソアマは裏切ったぁ!」


エイドリアンに痛みの様子もなく――顕たる肌に傷もなく。


「殺すのよダーリンやるのよダーリン! ヘタレだからいじめられてシクシク鳴いてたダーリンはもういない今いるのはスーパーパーチャーなマイハニー! やられたんだからやっていいのよやっていいのよ!」


喚き散らすその面構えは、ただ笑みだけが浮かんでいる。

445稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/05/14(土) 20:54:20


   「今のは『裏切り』ではなく、『撫で斬り』だが…?」


「ーーしかし、分かりやすい程に【邪神】(悪役)めいた台詞を【詠唱】してくれてるな…。
 遥か昔に流行した【甘き書物】(ケータイ小説)並に浅き【言霊の海】(語彙)から掬われた【ダンガン】(罵声)を何発撃ち込まれようが、
【我が船】(感情)の航海に影響はない」

 「【「餓死!放火!!」我は滅びた。甘味(笑)】という【電刻印】(コピペ)は知ってるかな……?」
 


自らに対して罵声を浴びせてくる『エイドリアン』に対し、『漆黒丸』の切っ先を向けながら煽りを返す。
尚、左手の『光臨丸』はダラリと下げておく。



「今、貴様の【傷】のない【陶磁器】の如き【腕】を見て確信した。

 『エイドリアン』…貴様は少年の【人狼】(スタンド)ではない。

 恐らくあの【ヘイヤードの沢の進軍】(意味不明)な【闘技場】に関係する誰かが本来の【狼憑き】(スタンド使い)であり、
 この【狼憑きの少年】に【取り憑き】、彼の中の【暴力性】を増幅させているのだろう」

446『さらば愛しのエイドリアン』:2022/05/17(火) 19:31:00
>>445

「ス・タ・ン・ド? スタンドォォォォォォォォ!?」

傷一つ無い様相のエイドリアンは、淫蕩な笑みを浮かべてせせら笑う。
否――淫蕩という上っ面の奥にあるものは、紛うことなき邪悪であろう。
隠しようもない邪悪を顕にしたエイドリアンは、ちっちと顔の前で指を振った。

「NONONONO! こぉぉぉの私が、人間の精神から湧き上がる如きのもんなワケねぇでしょうが! ルーツは同じだけど、出てきた場所が違う、違う!」

エイドリアンは、少年の背に柔らかそうな身体を押し付ける。少年はびくりと反応したが、まずキミに対する警戒を解いていない。
そして、その警戒は背後で豹変するエイドリアンにも向けられていた。

「私は――夢魔(サキュバス!)。人の精神の『奥底』から生まれた精神生命体――そして――『スタンドを与えるスタンド使い!」

にんまりと笑うエイドリアン――そこから瘴気じみたオーラが立ち上る。

「他の連中と違って、私は夢で『繋がった』相手を通じて――そいつの『スタンド』として現実に出力される――それが、私のスタンド能力『エイドリアン』」

くつくつと、エイドリアンは笑う。

「そして――私が宿った相手は『副作用』としてスタンドに目覚める! そして、自らの『欲望』を満たすことで生まれた精神エネルギーを私は食う! Win winの関係よ――もっとも、そのために煽ったりはしてるけどねぇ!」

――エイドリアンは、歯をむき出しにして異形の笑みを浮かべた。

「そーしーてー――――私が居なくなれば私が目覚めさせたスタンドも消えるのよブァァァァァァァァカ!! 私が来るまでいじめられてしくしく泣いてマス?くぐらいしか人生の慰めがなかったどヘタレが、スタンドを捨てれるわけぇぇぇぇぇわよねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

少年は歯を食いしばるが――何も言わない。
ゲタゲタと嘲笑を浮かべながら、エイドリアンはキミを指さした。

「でぇ、スタンドの名前も知らなかったど素人が何だって? 何をするぅ? 私を殺るぅ?」

くいくいと、エイドリアンは手招いた。

「確かに! 私はスタンドと同じ性質を持っているからスタンドで触れられるしぃ? こいつと繋がってるわけじゃないから私殺しても、コイツは死なないわよぉ? でぇもぉ、それでコイツが救われると思う? チンピラに狙われる日常を送るように『なった』この元いじめられっ子が!」

げらげらと、からからと、魔は笑う。

「ムリムリムリ、絶対無理! 元通りのいじめられっ子にも戻れやしないわよ! 待ってるのは、やってきたことのしっぺ返し! 半殺しで済めば良い方で――だったら、その前に私に煽られて殺してムショ行った方がまだマシよねぇ!?」

そして――キミに悪意の眼差しが向いた。

「テメェだって望んでスタンドの力を身につけた口だろォ!? スタンドの力を使って人生の何かを変えたんだろォォ? 変える必要がなかったならそれはテメェがハッピーなだけ! いつか――スタンド使いは自分の人生をスタンドで変える! コイツは今変えてる真っ最中! それを奪い権利はないし――お前も、変わりたくないよなぁ!?」


「なァ? お前はこれから私無しで生きられるのかァ〜? ずっといじめられっ子でいたくない。それがお前の望みだァ! お前は夢で私に抱かれながらずっと願った! もしも願いが叶うならと! その渇望に、私は憑いた! 私は救った!この女はお前を救わない! ただの偽善者! さァ〜どうするゥゥゥ〜〜??」

少年は口を紡いでいる――そこには決意が無い。
ただ、迷いだけがある。

キミは――どうする?

447稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/05/18(水) 15:04:53
>>446


     「………………」


スゥン


手に握った『ショッカー・イン・グルームタウン』を一旦解除。
はぁ、と深く嘆息を漏らし首を左右に振る。



「それを【我】に言われても、【見えぬ場所に咲く彼岸花】(知らんがな)だが……。
 【ホースレッグ】(馬脚)を現すのが、【良き樹木の打楽器の如く】(無駄に早い)し…。

 ええと…【レーヴァンテインを握りし炎の巨人の要】(要約すると)だと、
 【汝】は【人狼】(スタンド)であると同時に【少年】を【狼憑き】(スタンド使い)にする【大神】(神様)のような存在であり、
 更にそれと同時に【オーガ味のある女将】(お母さんのような存在)で、元来【狼憑き】(スタンド使い)ではない【少年】は、【汝】を【拝み】倒さなければならないと言う事か…?」


「【武器を持たなし男】(童貞さん)が【臀部に羽の生えた虹孔雀】(※×♨︎な卍▲★女)に誑かされたという【RとGの物語】(あるある)な話だな…」



       「【梟と雷】(オーライ)」

「確かに【我】には、つい先日あったばかりの【少年】の人生を変える権利があるかどうか等【漆黒の秘箱】(わからない)だな。【汝】の仰る通りだ」



   「では【少年】に決めてもらったらどうだ?」



「【少年】が、【狼憑き】(スタンド使い)として『エイドリアン』と共に生きる覚悟があるなら『右手』を挙げろ。
 最も【狼付き】として生きた所で行き着く先は『破滅』だろうし、【我】は未来永劫【汝】を【軽蔑】するがね。

 
 だが逆に、【少年】が【狼】を捨て、『漢』として生きる『覚悟』があるのならば逆の『左手』を挙げればいい…。
 勿論、【狼】(スタンド)を失えば、【無頼漢】(ヤクザさん)達の【卍の白黒馬】(復讐)は必死だが…」

      「だが」


「『左手』を挙げれば【我】はできる限り、【少年に】を【紫煙】(助ける)してやる。


 さぁーー、【掲げる手を決めろ】(決断)」

448『さらば愛しのエイドリアン』:2022/05/18(水) 20:02:19
>>447


悪党の口上を受け、自らへの寄生者から問を投げかけられた少年に、キミはさらなる問を投げかけた。
これまでを続ける、右腕。
これからを目指す、左腕。

少年は身動きを止め、誰の眼にも解る苦悶を浮かべていたが――

「遅漏よダーリン?」

『エイドリアン』によって、強制的に右腕を掲げられた。
スタンドは顕現しており、その能力的、恩恵は既に受けれる筈であるが、密着している上に攻撃を想定するのが難しいせいだったのか、少年は躱すことも出来ずに隷属の証を掲げられた。

「先に質問したのはわ・た・し。質問には返答で返すのが礼儀ってもんでしょうが間違っても他の質問への返答で悩んで待たせるもんじゃないでしょうが〜?、で結果は出たわよね?」
「――俺は!」
「迷うことが結果だってんだよダーリン?。これからも仲良く愛し合いましょうよ抱いてあげるからさぁ――んで、お前!」

エイドリアンの目が、キミを見る。

「『どうしたい?』って聞かれて『こうしたい』って即断出来るイケメンなら私のダーリンはヘタレじゃねーっつーの? で、今も俺はの後はだんまりで――これって、もう私が答えを出したようなもんじゃない?」

そして、エイドリアンはしっしと手を振った。

「結論は出てるんだよ。ダーリンは私を捨てられない、お前は捨てさせられない――行きずりのあんたは、さっさと失せな。」

449稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/05/18(水) 21:14:38
>>468
彼我の距離を教えてください

450『さらば愛しのエイドリアン』:2022/05/18(水) 23:46:35
>>449
手を軽く傷つけた時に距離を取ったわけでもないので、1m以内ですね。

451稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/05/24(火) 22:56:54
>>448


       「………」


「【ザ・ウォ〜〜〜〜ル】(へぇ〜〜〜)、
 【少年】は【風切り羽抜かれし天使】(自由が奪われている)な訳かぁ〜〜。
 【脱げ落ちた兜】(恐れ入った)だなぁぁ〜〜〜」


「【我】はなぁ【捌き手を語りし者】(自称サバサバ系)な【女】が苦手でだなぁ…。
 【性なる語りの下の句】(下ネタ)を平気で語れる【我?】(私?)に【ナルキソッス】(酔っている)な所とか特になぁ、
 やはり【日ノ本のオナゴ】はある程度の奥ゆかしさを心掛けなければ、ならないと思う【世界】なのだよ」



       「【海獣のマリー】(つまり)」



「【我】は【貴様】を【吐瀉物】だと思ってる」



『ショッカー・イン・グルームタウン』を両手に発現、
左手の『光臨丸』を少年を避け背後の『エイドリアン』の身体に突き刺す。

馬鹿正直に攻撃すれば咄嗟に『少年』を盾にされる事は必至だろうが、
幸い『エイドリアン』は勝ち誇った馬鹿笑いをし、
こちらの思惑に見事に引っ掛かり、
『少年』の右手をあげさせる事でご丁寧に自分への攻撃の『隙』と『道』を同時に作ってくれている。

これまでのやり取りを見る限り『エイドリアン』が少年の身体を操作する為には、直接身体に触れる必要がある様子。
少年の身体を操作するのに車の運転操作の『感覚』を要するのならば、この『不意打ち』は回避できない筈。
『1m』足らずの距離など、『ショッカー』の『50cm』の刃渡りとそれを振るう自身の腕のリーチを合わせれば無いに等しい距離だ。

また右手の『漆黒丸』は刃を少年の左拳に添える形で発現する事で拳の『カウンター』を『封殺』しておく。

452『さらば愛しのエイドリアン』:2022/05/26(木) 20:05:16
>>451

さて、一般的――スタンドの戦いにそんなものがあるかと言われれば疑問に思うものも多いだろうが、『傾向』はある。
器具のヴィジョンを持つ、いわゆる『器具型』は本体を守るすべが少なく、直接的な攻撃に弱い。『着用型』に比較すれば、明確なまでに防御面積に差異はある。
――しかしながら、傾向には当然例外もあるのだ。 

それは、闘争者としての本能だったのだろう。
あるいは、逃避者としての選択だったのかもしれない。
もしくは、飼い主から待てを解かれただけなのかもしれない。
どちらであれ、どちらもであれ。


エイドリアンが笑みを強めた瞬間、少年の右手は魔女から解き放たれ――そこに、グローブが形成された。。
当然、今の少年はファイティングポーズなど取っていない――攻撃の挙動に移るには一つの挙動が必要となる。
ボクサーの繰り出す最速の拳打たるジャブですら、ファイティングポーズたる構えがいる。
キミは攻撃を開始しており、彼は攻撃に移るのに一挙動――そうであれば、キミの攻撃は目標に辿り着いただろう。
しかし、構えは『成っている』
少年は手を掲げているた。即ち『振り下ろす』には最適な構え!
――その速度は、常人の枠にあらず(スB)
グローブを纏った拳は振り下ろされ――光臨丸を受け止める。
そして、キミの動きが二つあるように、彼の動きも二つある。
『グローブ』なき左手、『漆黒丸』添えられた左手である。
……スタンドの、顕現速度そのものは『瞬間』であり、キミが太刀を顕現させる方向がそうである以上、君の刀は確かに、左手へと添えられた。
だが……こうも言い換えられる。『少年の拳は君の刀に動かさずとも触れていると』
少年は、勢いなしの手打ち――力任せ(破ス:BB)にて、君の漆黒丸を弾く! それに伴って左手が傷つくが、握る拳に支障はない。キミは、まるで鉄で弾かれたように感じただろう。

「カーン?」

ゴングの音を真似て発するエイドリアン――違う。
キミが仕掛けたのがゴングであり、その瞬間から闘争は始まったのだ。
――もう、引き下がれない。リングは『ここ』だ、決着も『ここ』で付く。

「……俺は、俺は……何が正しいのかはわかりません、、負け犬なのかもしれない――けど」

少年の目は、前を向いている。キミを、敵を。

「俺は、暴力を振るわれて黙っていたくないから! 俺は殴って、殴り返して――だから!」

それは、逃避なのかもしれない。しかし、迷いは見えない。
――キミは、光臨丸に、力が加わるのを感じた。
――キミは、左拳が動くのを見た。

キミには次の一手を打てる。
しかし――速度差だけは考えるべきだ。あるいは、速度を歪める奇手を探すか。

選択は自由だ。

453稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/06/02(木) 16:20:57
>>452


    「【邪】ッ!」


容赦なく振り下ろされる鉄槌に、思わず悲鳴を漏らす。



「ほう…躊躇なく【女】に【拳】を振るうか。
 かの【鬼女ダーキニー】(田嶋陽子)が見たら【デス・ヴォルケーノ】(憤死)しそうな光景だな…。

 【ブレイン・コントロール】(洗脳)されている素振りを見せてくれるのならば、
 多少は【手心】を【プラス】できたようなもんだが……」


少年の拳から血が流れるのを見た。
つまり、グローブの『鉄の爆弾』のような質感はあくまでも『イメージ』に過ぎなく、
その強固そうな印象はただの『見せかけ』だ。


       「なぁ」

「やはり【死殺者】(医者)という職業柄、どうにも【休戦日】(休み)が【スライム】(不定期)で、
 かつての【仲間】達とも予定が合わず、【休戦日】はもっぱら【ソリティア・ソルジャー】(1人遊び)する事が多くてなァ」


互いの膂力は『同等』。
だが、『刃』と『拳』が同じ力で正面からぶつかった場合『殺傷力』に優れているのは比べるまでもなく前者。



「最近はもっぱら、【三色旗の蔦屋敷】(ゲオ)で【幻影】(映画)や【古の虚影】(アニメ)を借りる事に【沼】(ハマって)っているのだが……。
 これはこの間観た【究極と至高の料理戦争】(美味しんぼ)から得た【知識】なんだが…」



          シュッ!


片足を大きく踏み込みつつ、


「【刃物】は【引く】時により【切れ味】を発揮するらしいぞ」
 

両の手に握った二振の『ショッカー』をVの字に思い切り、手元に『引き寄せる』事で『刃のカーテン』を作る。
互いの速度には明確な『差』がある様だが、
『速さ』はある程度の距離が離れている事で初めて有用な『武器』と化す。
こちらの『得物』が接触しているこの状況では『速度』の差はアドバンテージになり得ない。


『ショッカー』の刃を掴もうとすればその掌を切り裂く、
『ショッカー』を拳で弾こうとすればその拳骨を切り裂く、
『右腕』で『ショッカー』を去なそうとすれば右肩から先を切り裂く、
『左拳』を振るおうとすればそれよりも先に『ショッカー』で少年の身体を切り裂く。
『左拳』で『ショッカー』を迎撃しようとするのならばその拳を切り裂く。
足りない速度は持ち前の『良識』と『常識』で補う。

454『さらば愛しのエイドリアン』:2022/06/02(木) 22:27:54
>>453
キミは刃を引く――それ自体は成功した。
光臨丸に力を加えた『右拳』の所作は『弾き』であり、『引く』という力を致命的に阻害するものではない。少なくとも、『右』の力はキミの力とそう変わらない。
『左』もまた。既に『振りかぶられた』拳である、キミに拳を叩き込むのには一挙動。
キミが刃を引くのもまた一挙動。同数の挙動であれば絶対的に速度差がモノをいう。
そして、それはあくまでも『数値上』の話であり、少年が『前進』を選んだ場合の仮定だ。
現実としては、少年は『引いた』――ボクシングはは拳闘とも呼ばれるが、それを生かすのは距離を定める歩法である。
速度は人並み(ス:C)。しかし、引いたキミが即座に刺突を行ったとて間に合わぬ速度で、少年は後方にステップする。それを見て、エイドリアンが舌打ちをした。

『なぁぁにスットロイ事やってんだこのクソヘタレが〜〜!!! 今ブッこんどきゃ確実に顔面ぶち抜けたでしょダァァァァァリィィィィィィン!!!!????』
「突っ込んだらやられたかも知れないだろ!」

醜い言葉への買い言葉――少年は僅かに後ろを向きかけたが、その眼はキミを見ている。
見ながら、呼吸を整えている。僅かに汗をかいている

さて、現状を整理しよう。
キミと彼の距離は1m以上――少なくとも、動かずに攻撃を当てれる距離ではない。しかし、僅かでも踏み込めばキミの射程には入る。
純粋速度は、少なくとも『左』に限ればキミが劣る。

次の挙動は、自由だ。言葉を交わすことも十二分に可能だろう。

そして、断言する
『キミに勝機はある』
『少年に弱点がある』
『少年はボクサーであり、彼の能力もまた究極的にはボクサーでしか無い』

455稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/06/03(金) 14:14:45
>>454


「おい【吐瀉孔雀】(クソ※◯×)…、
 貴様は【仮初】とは言え【少年】の【眷属】で【調教師】で【狼】なんだろう…?
 そこは【虚】でも構わないから「よくやった!」とでも誉めて【モンキークライミング】(いい気にさせておく)させるべきでは……?」


        「まぁ」


「此方としては【永劫ニ降リ注グ流星群】(願ったり叶ったり)だが。
 今の…【ゑゑと】(えーっと)…【剛角鬼刃】(スラッシュカーテン)も不発に終わらないかと内心、【ヴォルケーノ】(バクバク)だったよ……」



           スチャッ


左手の『光臨丸』を前に、右手の『漆黒丸』をその後ろにやや隙間を開けて交叉させ、いわゆる『×字』に構え、
更に大きく一歩踏み込むと同時にーーー


「【付け焼き刃】で【剣拳士】に立ち向かうのは非常に【心の刃】(心が痛い)だが……、


 いざーー【八十九番目】の【情景】をッ!!!」


交叉させた刃を『少年』の胸元に対して放つ。
少年が『ショッカー』を止める為に手を出せばダメージを与えられるし、
リスクを承知で腕で受け止めてくれるようならば、結果的に動きを止める事になるし、
意を決し『スウェー』で懐に潜り込もうとしてもそこは既に此方の『殺傷領域』。
少年が危機を感じ、再び後方にステップされたのならば、この状況に置いて決して絶やしてはいけない『戦意』を削ぐ事ができる。

何にせよ、この状況での此方のこの行動はーー『出し得』でしかない。

456『さらば愛しのエイドリアン』:2022/06/03(金) 21:13:48
>>455

キミの動きに少年は『対応』する――前のめりに、接敵を選んだ(ス・B)。
当然に、『リーチ』はキミが上、交差されている両刀は『確実』に拳がキミに届くよりも早く、少年の肉を穿つだろう。
だが――それは、少年がキミ自身を狙った場合に限る。少年が『右』の、グローブに込められた拳は――キミの刃の『交差地点』に直撃した。
さて、キミのパワーは人を越えている(B相当)上に、スタンドは『刃物』。直に受ければ確実に肉体は致命打を受ける。スタンドとて、無傷では済まぬ。
――だが、キミの刃はグローブを傷つけることはおろか、拳を弾くことすらも出来ず――右拳の『導火線』が、『一気に縮んだ』。残りは『数センチ』と行ったところか。
そして、キミの刀が二本であるように、少年の拳も二つある。そして、ワンツーパンチは、ボクシングの『基本』だ。
右を繰り出し、刃を止めた少年は更に身を前に繰り出し――

「シッ!」

――左のフックが、キミの『右手首』に『打ち込まれる』――その威力は人力を遥かに越えたもの!(パス:BB)
純然たる生身で受ければキミの右手首は明後日の方向に向いていただろうが、キミはパワーに伴って強度も有している。おおよそ同等の力で放たれる打撃であれば『2.3発』は持つだろう。つまり『長持ち』はしない。鋼鉄同士でぶん殴りあえば、遅かれ早かれどっちかが壊れるのだ
そして――少年は素早く下がる。早く、精密な動き――動作だけならプロボクサーのそれだ。
否、攻撃力も体捌きも、全てがボクサーであることに特化している。ボクサーに蹴り技があるとはとある漫画の言葉だが、ボクサーのフットワークは拳に勝るとも劣らぬ『生命線』であろう。
その様な相手に、ダメージを受けたキミが即座に追撃を行う事はできない。
仕切り直しだ。キミにダメージが乗った状態で。
――キミが勝つには、生命線を断つ必要がある。少なくとも、どちらかを。
そして――キミの手段は、斬る突くに限った話ではない。射程内であれば……キミは、ボクサーが絶対的に想定しない攻撃を行うことが出来るだろう。

457稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/06/03(金) 22:07:41
>>456
こちらの一挙動に対し、割り込み→反撃→距離を取るという行動は、
『スピード』を『行動過多』に割けると履き違えた『多重行動』ではないですか?

458『さらば愛しのエイドリアン』:2022/06/03(金) 23:08:40
>>457
キミの動きに少年は『対応』する――前のめりに、接敵を選んだ(ス・B)。
当然に、『リーチ』はキミが上、交差されている両刀は『確実』に拳がキミに届くよりも早く、少年の肉を穿つだろう。
だが――それは、少年がキミ自身を狙った場合に限る。少年が『右』の、グローブに込められた拳は――キミの刃の『交差地点』に直撃した。
さて、キミのパワーは人を越えている(B相当)上に、スタンドは『刃物』。直に受ければ確実に肉体は致命打を受ける。スタンドとて、無傷では済まぬ。
――だが、キミの刃はグローブを傷つけることはおろか、拳を弾くことすらも出来ず――右拳の『導火線』が、『一気に縮んだ』。残りは『数センチ』と行ったところか。
次の一手を繰り出すのは確実に少年が早い。キミはそれを極めて高確率にて受ける。
その後をどう動くか、あるいは次を封じる奇手を繰り出すか――それはキミの自由だ。

459稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/06/06(月) 15:10:54
>>458

 

      「フッ」


「【Fear, and Loathing in Las Vegas】(恐怖で叫びたい心境)だな…」


「貴様…やはり【我】の【コード】(言語)の【理解】を拒否し、【言霊】ではなく【呪詛】と捉えているな…。
 【拳闘】の【流法】(スタイル)に合わせて、せっかく【告知の剣】(テレフォンパンチ)を放ったのだが……」


少年の拳に対する『策』とそれを成すための『覚悟』は既に用意している。
拳と『光臨丸』が交わるその刹那ーー


 「【心の刃】、【刃の心】ーー【HEART OF SWORD 〜夜明け前〜】を知らないか?
 【我】の世代ではこの【虚像劇】(アニメ)が、大流行してな…。
 【我が兄】や【雄】(男の子)達は、もっぱら【九頭龍閃】やら【牙突】やらを【模倣】していたが、【我】が1番好きな【技】はこれだ…」


「【るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-】、【第八十九幕「蒼紫対翁(柏崎念至)】より、【情景の拝借】……」





 「小太刀二刀流ーー『陰陽交叉』。はっ!!!」

   

          キィィンーーーッ!!!


『光臨丸』の背にあえて隙間を開けた『漆黒丸』を叩き付ける事で更に勢いと膂力を加えた衝撃でグローブを斬りつける。
 ーー『グローブ』で『ショッカー』を弾かれる可能性は懸念はしていた。
 此処の狙いは最初から『陰陽交叉』による『力勝ち』だ
(>>455メル欄 11 104 =るろうに剣心11巻104頁。四乃森蒼紫が翁のトンファーに陰陽交叉を放つシーン)。

 いくら『少年』が獣と同等のスピードを誇ろうが、それを操る少年の『思考力』は人間のそれと同等だ。
 『虚』を突かれれば当然動きは止まるだろうし、
 こちらが『覚悟』を持って『準備』した『二刀』による『力押し』を、その場しのぎの『対応』による『力押し』で押し勝てる道理はない筈。
 結果、少年の『拳』は大きく仰け反り体勢を崩すなり『硬直』するなりして『隙』が生まれるだろう。
 そこにーーー



「【邪】ッッ!!!!!」
 

少年の身体目掛け、人知を超えた膂力による『前蹴り』を放つ(パB)。
『拳』の『導火線』に『火』が点き『爆発』の前兆を見せているが、
当たらなければどうということはない。

460『さらば愛しのエイドリアン』:2022/06/06(月) 21:07:47
>>459
キミは力押しを選んだ――確かに、片手と双刀――更に加えた力。
これだけなら、キミが上回る。
――あえて告げよう、『最悪手』だ。

「……残念ですね」

少年がぼそりと口ずさみ――

「フィニッシュブロウを、『叩き込めない』のは!」

直後、キミのスタンドが接触している少年の右拳――否、グローブが光り輝き――大爆発!
凄まじい轟音と衝撃がキミを襲う――爆炎煙こそは伴わないが、その衝撃たるやまさに『爆弾の炸裂』(破:B)(衝撃伝播速度/ス:B)そのもの。
『ゼロ距離』で爆風を浴びたキミのスタンドに『罅』が入る(2〜3発目に至る『一発目』)
当然、キミも後方に思い切り吹き飛ぶ――スタンド破損に伴うフィードバックは存在しないとは言え、至近距離での爆発である。キミ自身の耐久力(パ:B)が無ければ即時リタイアのダメージが発生しており、キミは全身に鈍痛を覚える。肉体稼働に影響が出ない最終ラインの上にいる。
そして、吹き飛んだキミは見るだろう。少年の両拳に『グローブがない』光景を。
導火線が付いているグローブは『無い』だが、『グローブが無いことがスタンドへの干渉力を持たない』ことを『意味しない』と、キミは既に理解しているだろう。

「俺の、『フィスト・ファック』は、『グローブに受けたダメージを蓄積して、爆発させる』このくらいは、解ってましたよね、『導火線』を見てたのなら……あんまりにも露骨過ぎる仕組みなんで、野試合じゃ大抵見切られちゃうんですよこれ……これが『第二の能力』――そして、根本の能力は」

少年は、ファイティングポーズを取る。

「俺に、『超人の肉体とボクサーの技量を与える』――この能力に『ヴィジョン』は必要じゃない、俺の拳は、このままあんたの剣と撃ち合える。スピードで俺が上なんだ、もう、勝負は見えている」

そして――キミに告げる。

「あんたが『人型』を持ってれば、上に喰らいながらでも俺の『足』を攻めることが出来た。射程距離次第では、片方を俺の足に『ぶん投げる』ことも……でも、もう間に合いませんよ。今の俺は、『抜き身の刃』だ」

少年の眼差しは完全に勝利を確信している――その根拠を信じている。

「チェックメイトですよ。俺は引かない――そして、俺は後ろからは殴りつけませんよ」

キミの答えは、自由だ。

461稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/06/07(火) 15:38:15
>>460



      「ッッ〜〜ッ!!!?」


全身に襲い掛かる未だ経験したことのない衝撃に声にならない叫びを上げる。
だが身体はまだ動くし、『思考』も出来るらしい。
とりあえず立ち上がり、少年と対峙し彼我の距離を確認する。




「【痛】ッ、ぐぉ…まぁ、【ウ・カー&トゥ】(迂闊)だったのは【自覚】したが、
あァ【リビングデッド】(痛い)だなァ……。
 だが、【鉄の女】(丈夫)に【研磨】(育ててくれた)した我が【創造主】(両親)に感謝だな。

             ーー【光臨丸】」



幸いにも『少年』を『ご高説』を垂れてくれている。
その隙に左手の『光臨丸』を右腕に突き刺し『電流化』。疲労の回復を行使する。



   「【俺の】じゃなくて【エイドリアン】の、だろ?」


「【仮初の狼】(借り物のスタンド)で、随分と【ご満悦】じゃあないか…。
 【ゴブリン】(下衆)な本性が【バイカル湖の中に隠れているぞ】(透けて見えている)」



       だらぁ

『漆黒丸』を握った右手をだらりと下げ脱力。
空いた左手を軽く握り、対峙している少年に手の甲を向け、



「【超人の肉体】を目指すのならば【器頑城】(スポーツジム)にでも行けば良いし、
 【スピード】を欲すのならば、【鉄牛の手綱】(運転免許)でも【取得】すれば良いのでは…?
 その程度の『矮小』な夢の為に街で【辻斬擬き】を敢行されるのは、
 【グッドピープル】(善良市民)の【我】としては【迷惑な狩人】な【世界】なんだよなァ…。


 【チャクラが湧きにくい】(気が乗らない)から、
 これは【禁忌】としていたのだが……まぁ【サーフェイス】(しょうがない)」



          ピッ


心底うんざりしたような表情で深く溜息を吐くと同時に、
手の甲からぴんと中指だけ起こす。



「はァァ〜〜〜〜……、
 これが【我】が【フィストファッカー】(暴力狂い)の【マザーファッカー】(クソ野郎)に送る、
 生涯で初めて作った渾身の【ファックユー】(くたばりやがれ)だ。

 その【ご自慢】の【スピード】で早くーー『来い』」

462『さらば愛しのエイドリアン』:2022/06/07(火) 22:00:16
>>461
「つまり、続けるってことですね」

淡々と少年は告げる――そこに、勝利を確信したものの余裕はない。
あるのはただ、キミをブチのめすという意志だけだ――冷徹なまでの。
そして、その背後では――エイドリアンが、口に手を当てて震え――笑い出した。

「ブギャハハハハハハハハハアハ!!!!!!! ダーリンとやりあったスタンド使いは何人も見たけどアンタ以上の間抜けは見なかったわ――アーッハッハッハッハッ」

響く嘲笑に少年は反応せず――『その場』で僅かに片膝を落として屈む。

「ダーリンはチンカスヘタレだけどさぁ! 『弱い』わけじゃねーし『馬鹿』でもねーのよ! そんな露骨に引っかかるかっつーの!」

少年は聞かない。そのままに、ボクサーとしてはあり得ない姿勢のまま――

「――らぁっ!」

地面を思い切り殴りつけた。何度も、何度も――それはラッシュと呼ぶべき乱打!(破ス・BB)
そして、ここは街角である。地面は当然アスファルト。地面を割ることは出来ずとも、ラッシュを打ち込めば『破片』程度を生み出す威力は、少年の拳にはあった。
当然、生身の拳ではあるが、鉄に比する強度。アスファルトを砕いた程度では皮は破れず血も散らぬ。――ノーリスクの成果物は、見てわかるだろう。
打ち砕かれて飛び散った『破片』――少なくとも『握れる』程度の大きさを持ったアスファルト片も、ちらほらと。
距離があるので、破片がキミにあたったとしても『有効打』を与えることはない。逆に言えば、キミも即座に少年の行動を妨害するのは不可能な距離である。一足一刀の間合いには遠い。

「これはただの試合です、『スタンドバトル』です。露骨に何かを仕込んでる相手に突っ込むのは――まぁ、俺はしませんね。俺は、割りと引け目なんで」

息を荒くした少年はそう言うと、アスファルトの一つを握る。

「で、何が起きるかはともかく、その右手の剣が『ヤバい』ってのは分かりますし、もう一本が使えないってのも解ります」

なんで、そう言って少年は。

「『あんたが動くまで破片を投げ続けます』、踏み込めば『あんたに向けて地面を砕きます』少なくとも、垂らした右手の種が割れるまではね」

そういって、立ち上がる。

――投球ならぬ、投石までは、一瞬。屈んで砕くのを再開するにも、一瞬、どちらにしてもキミの次の挙動よりは確実に早い。
動かなければ、キミは的当ての的になる。
右腕を動かせば、切り札が消える。速度でキミは勝てない
ならばとそのままに近づけば、アスファルトの礫がキミに当たる。キミは頑丈だが行動に支障が出はじめる一歩前、怒涛の勢いで飛んでくるアスファルトの破片に耐えることは不可能だ。破ス:BBの生み出す破片の嵐は、軽い威力ではない。

これらの可能性を『最低でも』突破できない場合、あるいは行動を確実に止めれる一手を打たない場合。
キミは、敗北となる。

463稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/06/08(水) 00:02:11
>>462
彼我の距離を教えてください。
また>>457でも申し上げましたが『スピード』は早く動けると言う多く動けると言う事ではありません。
こちらが割り入れる余地が一切がなく、『挙動の速度差』という言葉では片付けられない『明らかな過多行動』及び、
明らかにこちらの『メル蘭』を見た上での『GMレス』及びそれを反映させたNPCの行動は到底納得できません。
明確な納得のいく説明を求めます。

464『さらば愛しのエイドリアン』:2022/06/08(水) 19:57:31
>>463

距離に関しましては
「破ス:BB相当の爆風を至近距離で浴びた」「距離がある程度生まれている」ということから、5mとします。

多重行動については改めてですが、申し訳ありません。
以下、改訂版になります。



「つまり、続けるってことですね」

淡々と少年は告げる――そこに、勝利を確信したものの余裕はない。
あるのはただ、キミをブチのめすという意志だけだ――冷徹なまでの。
少年は反応せず――『その場』で僅かに片膝を落として屈む。その眼差しには、確固たる警戒が見える。

465稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/06/16(木) 16:48:51
>>464


「なぁ、【我】は【拳闘】には【無灯火】(明るくない)のだが…、
 確か【拳闘】は足の裏以外を着けた場合、【ダウン】を取られるんだよな…。
 意図的に【シツ・オブ・月】(ヒザ)を地面につけるという事は、つまり【汝】は【拳闘士】として【破綻】しているのでは…?」


        『ビリッ ビリビリッ』



右手の『漆黒丸』を『電流化』。


「ーー【汝】は【美学】を持ち合わせていないようだなぁ。
 何を仕掛けてくるか、さして興味はないが」


そのまま、『電流化』した『漆黒丸』を自身の右脚に柄を残し挿し込み、
少年の挙動を注視しつつ大きく一歩踏み込む。




    「こちらは【死神戦法】(ハンドレス)で行くかぁ」

466『さらば愛しのエイドリアン』:2022/06/16(木) 20:37:09
>>465
少年は、君の言葉に応じない――しかし、瞳は逸していない。確固たる意思と目的が、少年の眼にはある。
屈んだ少年は、そのまま平手を地面――アスファルト舗装の床に振れると……そのままに『握り込んだ』(破:B)
人智越えたる膂力は、固められた地べたを容易く――という訳でもないが、ともあれ握る所作によって毟り取り、握る所作の果てとして握り込む。球状と呼ぶには怪しいが、その手にはアスファルトの『塊』が握られている。

467稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/06/24(金) 15:30:07
>>466




 「【豪火】(あんぐり)」



こちらに目線を向けたまま屈んだ姿勢で、
コンクリート片を抉る少年の姿に絶句する。



       「決まり、だな」


 「やはり完全に【拳闘士】として【破綻】している。
 【石】を握り込む【拳闘士】など【遣唐使】(見たことない)だ。

 『エイドリアン』に誑かされたから、『そうなった』のか、
 はたまた『そう』だがら『エイドリアン』に誑かされたのか、【ゴッドスープ】(神のみぞ知る)だが…。

 
 素直に【石】を投げて来るのか…?
 もしくは【破砕】して【散弾銃】の真似事をしてくるつもりか?
 最も【拳闘士】の【技術】では【拳銃師】の真似事などできないだろうし、【小石】如きでは【不動明王】(倒れない)の如しだが。

 あるいは更に砕いて【暗黒】(目潰し)を与えるつもりか?
 どのみち【水晶】(メガネ)をしているから『効果』は薄いだろうが……。


 その場で【超越の玉】(スーパーボール)のように叩きつけて、【鳳梨礫】(手榴弾)の再現でもするのか…?
 それは【汝】にも【悪夢のペイン】(痛み訳)だが。
 それとも単純に【グリップ・ストーン】(握り込んだ石)で殴って来るのか…?

 ウウム…考え出したら【晴天の地】(キリがない)だが」



         「まぁ」


「きっとそのご自慢の【拳闘士】の【速度】と【膂力】を用いて【拳闘士】らしからぬ事をするのだろう。
 ……さぁ、【破綻者・ファースト】だ(お先にどうぞ)」


メガネのブリッジをあげて敵の挙動に備える。

468『さらば愛しのエイドリアン』:2022/06/24(金) 23:52:19
>>467
彼我距離、およそ5m。
キミが一歩を踏み出し、少年が動いていないことを考慮すると、4m弱と言ったところか。
何れにしろ、拳の距離でも刀の距離でもない。投擲すらも、射程外だ――少なくとも。キミは。

「来るか引くかをすると思ったんですけどね……待ちですか」

少年は、握り固めたコンクリートを更に力強く握る――それは強く圧縮され、既に『塊』である。

「でも、動かないと――当たることになりますよ!」

そして――投球――ならぬ『投塊』!(破ス精:BCC)。その狙いは、キミの土手っ腹。
キミの対応は自由で――十分に間に合うだろう。

469稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/07/15(金) 21:54:19
>>468


「なんだァ…、随分とお優しい【告知の剣】(テレフォンパンチ)だな。
 【砂漠の血溜まり】(普通に避けれそう)なのだが、
 これは【柳】の如く対応をして良いのか…?ええい!」


ある程度の速度は乗っているが、距離は充分にあり、
この『石塊』は完全に『射程外』からの攻撃であり次の行動への『布石』に過ぎないのであろう。
少年の次の挙動は気にはなるが、
少なくとも『ボクサー』は『変化球』や『跳弾』を放つ『技術』など持ち得ない。
なので真横に飛び退き、普通に回避する。

             ビリッ ビリリッ…

470『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/17(日) 00:01:47
>>469

キミは躱す――動く。少年は着地まで動きを放棄した。

「動けますか……支障なく。剣を刺したままで……」

そして――少年は再び、ボクシングスタイルの構えを取る。
軽くステップし、フットワークを使い始める。

「なら、『待ち』に徹するのは無意味ですね――」

そして――キミに向かい出した。
勢い任せの『突撃』ではなく、キミの対応に応じることを前提とした『接近』だ。全速(ス・B)ではない。

キミが待ち構えるのなら、もう数秒は準備に使えるだろう。
キミが前進するのなら、次の瞬間が激突の時になろう。

471稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/07/24(日) 21:58:44
>>468

「【魔戒王に二言は無し、故に吐いた唾は飲まない】。
 【破綻者ファースト】(お先にどうぞ)と言った筈だ。
 あまり恥をかかせてくれるなよ…」

待ち構えて、攻撃に備える。

472『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/24(日) 22:29:07
>>471
君は、動かぬ。君は、留まる。
それは迎撃の意図を持った所作であり、無為なる停止とは異なるものだ。
――それを見て、『待つ』という選択をするものも居るだろう。しかし、少年は違う。
ただ、構えのままに前進する――その速度は、早い(ス:B相当)
その両手はファイティングポーズで固められており、繰り出しを狙うは明らかなるジャブ――最速の拳打である。
つまり、次、君は攻撃を受ける。だが、それには瞬間――そう呼ぶには僅かに長い時の隙間がある。
少年が、間合いを詰め切るまでの、拳を繰り出すための。少年は真っ向からくる。フェイントの予感はない。
君が何かをするとして、『間合いの見切り』をしくじることはない。だが、打てる手は相当に限られるだろう。少なくとも生中の速さでは『間に合わない』そして。少年の拳の威力は人の限界を超えている。
手の打ち方次第では、君の戦いは終わりを告げる。そのうえで、選択は自由だ。

473稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/07/25(月) 16:49:44
>>472


 「【微温き風】(はあぁぁ〜〜〜)…」



再び深いため息を吐く。


「ーー【貴様】は【速度】を【龍の髭】あるいは【海上竜の鰭】(自信がある)と捉えている様だな。
 それと同時に【速度】で劣る【我】は絶対に【貴様】に勝てないと言ったよな…?」


        「いや」

「【超人の肉体】結構。
 【拳闘士の技量】大いに結構。
 【人狼酔い】(スタンド自慢)、【鎖を千切ると良い】(ご自由にどうぞ)」


「だが、【貴様】のその【理】では【海獣のマリー】(とどのつまり)…
 自分より【速度】と【身体能力】の勝る【闘技者】には【ヨルムンガンドと対峙しヘケト】と化す(勝てない)と【吐露】しているようなものだ……」


「【チャクラが湧かない】(気が乗らない)、【愚手】ではあるが、
【貴様】の【理】(理論)では、この攻撃を返す事は【不可能】なのだろ?」


肉食獣の如く勢いで迫り来る『少年』を見据え、
体感ではそのご自慢の速度を遥かに上回る早さで『思考』し、
フル回転させた『脳味噌』から『電気信号』を発す。



            『ビリッ!』


「【蛇足】(ダーティブーツ)」


右脚で『蹴る』と『決意』した瞬間、突き刺した『漆黒丸』の『電気療法』による『肉体操作』を発動。


1.『電流』化した『ショッカー』を肉体に突き刺している。
2.『能力』の発動を『意識』する。
3.『電流』化した『ショッカー』を刺した肉体の部位を動かす。


上記の条件を満たした時、一挙動に限るが『稲崎充希』は『ショッカー』の力を借り『獣』の『膂力』に加えて人知を超えた『速度』を得る。
『生中』の速さを自慢する『少年』を遥かに上回る『速さ』で、
その脛目掛け渾身の威力を込めた『ローキック』を放ち、派手に転倒させたい(パス精BAC)。



尚、『蛇足』ではあるが『ボクシング』では対戦相手の『下半身』を攻撃する行為は『反則』とされている筈だ。

なので『少年』が『ボクサー』の『技術』を再現する能力ならば、こちらの『蹴り』を『迎撃』する手段はーー『無い』。
こちらに一撃与えんと距離を詰めてきたこの状況で、
散々『速度自慢』した自身を上回る速度の『蹴り』を一度止まって『バックステップ』で回避できる『理』はーー『無い』。
互いの階級を揃え無駄な肉を削ぎステップを刻む事に特化した『下半身』への攻撃を想定していない『ボクサー』の足腰にこちらの一撃を耐える強度はーー『無い』。
普段ならばまずあり得ない『下半身』の攻撃に対処しながら、敵より先に『ジャブ』を当てる方法は『ボクサー』にはーー『無い』。
故に、『稲崎充希』の【蛇足】が不発に終わる事はーー『無い』。

474『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/25(月) 20:18:01
>>473



スタンド能力の本質とはなんだろうか?
名前? 何が出来るか? 基礎スペック?
違う。それらは皆、表層的な事象に過ぎない。
スタンドとは、自らの魂の化身である。自らが自らである以上、あるいは死して尚、側に立つ己自身である。
そして、君――稲崎のスタンド――の持つ本質――とまでは言うまい。
しかし、一側面としては、紛うことなき稲妻のそれがある。
ごく、刹那と言っていい瞬間に、輝き、煌めき、破壊を齎す天よりの槌。
君が、自らの脚部に行使させた、雷電の加護は、そういうものだ。

それは、獣の如く人を砕く力である――破壊力:B
それは、雷光が如くに人智を越えた速度である――スピード:A
それは、意思を持って行使する限り狙い過たぬ緻密である――精密:C

一箇所に、ただ一挙動のみ、君は雷電となる。
さて、君は多くの根拠を思考した――ソレはまさしく蛇足である。
――人が、稲妻を捉え得ようものか!

「がぁっ……」

少年の喉から、くぐもった悲痛が漏れる。
雷光となりて奔った君のローキック――達人の放つそれは一撃で鍛えた人間の足を折り、氷柱を蹴り砕くが――人智超越たる雷電が齎す破壊はその程度には収まらない。
スタンドの効能を持ってであろうか――氷柱どころではなくなった少年の腿をブチ折り――その衝撃と威力を持って、少年は見事にすっ転んだ。

戦闘能力は喪失していない――彼の拳は、未だにコンクリートをむしり取る。
しかし、今、倒れ込んだ少年は、手にした全ての力を行使する事が不可能だ。衝撃で、痛みで。
彼は、立ち上がれない、しかし永遠に戦えない訳では無い。

君のこれからの行動は自由だ。しかし、『まだ』戦いは終わっていない。まだ、『ゴール前』だ。
戦いとは、どちらか一方が完膚なきまでに魂を圧し折られるか、戦闘不能なまでに肉体を破壊されるか、意識を失うか、戦闘意思を喪失するか。

君が何処を目指すのか――それは、君の自由だ。

475稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/07/26(火) 10:15:41
>>474


「【クラインの壺の底】(最低)だな【我】は…。
 【速さ】を【龍】(誇る)と思う相手に対して、更なる【速さ】で【鉄塊龍をぶつける】(力押し)…。
 お世辞にも【美学】があるとは言えない、恥ずべき【愚手】だ。

 【過ぎ去りし龍玄の女】(いい歳した女)が、【卵】(子供)相手にして良い【行為】ではない…」



       「【コカトリス・ブレス】〜〜(はぁぁぁぁぁぁ)」



「まぁ、【愚手】は続けなければならないのだが」


          『ズボッ』


『右脚』に刺した『漆黒丸』を右腕で抜き『顕在化』。
その刀身の切っ先を倒れている『少年』の『首』の『頚椎』のある位置に突きつける。


「ーー【翼をたたみ、牙を仕舞え】(動くなよ)。


 この状況では彼我の【速度差】など【枯れた井戸】(意味がない)であると理解できるだろう?
 【我】の【落水刃】(ブラッドクラウン)は、【貴様】らが動いた瞬間ーー【ズドン】だ。


 なぁ、なぁ…、
 あの【エイドリアン】とかいう【狼】はハッキリ言って【吐瀉物】(クソ)だ。

 あんな【性悪】に【月】(命)を賭ける価値などカケラもないし、
 此処は【休戦協定】の【理】を結んだ【世界線】へと【移行】しないか?」

476『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/26(火) 20:23:19
>>475
少年には過去がある。誰もがそうであるように、今とはすなわち過去の果てに連なる到達点であり、未来へのスタートラインだ。
そして、少年が振り返った先に見るかつては、惨めな物である。
敗北と、屈辱と、怨念と――その過去に囚われたが故に克服を望み、力を手にした。
だが、力故にこそ、少年は願いを抱く、行使と、闘争に。
力を手にしたが故に人を気軽には殴れなくなった、ボクシングの技を使って喧嘩をしてみたい。そして、もう一つ、惨めな過去を持つが故の、承認欲求である。

エイドリアンという魔が与えた力――その先で待っていたスタンド使い達の戦いは、その全てを少年に与えた。
命を張る戦いの場を――スタンドによって極まった暴力の行使を――己を称えるまっさらな歓声を。
少年は満ち足りた、満ち足りながらも飢え――そして、歯止めが効かなくなっていた。
エイドリアンの煽りにより、増しゆく飢え――過剰なまでに高ぶる暴力衝動。発散は快楽を生むが、少年はいつしか疲れ始めたのだ。
人生とは終わらない戦いの別名だが、戦いだけの日々に耐えられる人間は多くない。少年は解放を――あるいは、終わりを望み始めていた。
そして、である。

少年は立ち上がれない――回復は間に合わない。
少年は戦えない――その瞬間にでも首を掻き切られるだろう。
この状況に少年の魂は――『敗北を認めた』
無論、この街の多くのスタンド使いであれば、絶体絶命こそ、やっとエンジンが掛かる状況とするだろう。
しかし、少年には『戦わなければいけない理由がない』『命を賭して求めるべき勝利がない』
――よって――君によって追い詰められ――情けを掛けられた時、

「わかり、ました……」

少年は戦士ではなくなり――

「――――参り、ましたっ……!!」

どこにでも居る、正信という名の少年に戻った。

和霊正信『フィスト・ファック』⇒『敗北』『再起可能』

そして。

『チッ』

和霊正信『フィスト・ファッ』⇒『敗北』『再起可能』

悪意に満ちた舌打ちが響く

和霊正信『フィスト・ファ』⇒『敗北』『再起可能』

『結局負け犬かよ』

和霊正信『フィスト・フ』⇒『敗北』『再起可能』

その猛毒を放つのは、まさに毒の塊のごとき女のヴィジョン。

和霊正信『フィスト』⇒『敗北』『再起可能』

『あ〜……ほんっとクソ、負け犬にも研げば牙はあると思ったけど、結局負け犬の牙は折れやすいんだわ』

和霊正信『フィス』⇒『敗北』『再起可能』

心底からの苛立ちを滲ませた溜息を漏らす。

和霊正信『フィ』⇒『敗北』『再起可能』

『ま、いいか――こうも無様なら、期待のしようもない』

和霊正信『フ』⇒『敗北』『再起可能』

『さよなら、ダーリン? 残りの人生マスカきだけを生きがいにしておっちね?』

和霊正信⇒『敗北』『再起可能』『スタンド能力喪失』

「え、あれ……見えない……聞こえ、聞こえなくなった……・そんな……そんな!?」

少年の喉から、悲痛が溢れる。その背後にて、この世ならざる夢の塊が、悪意と失望の目を倒れた少年に向けている。
君がどちらに声をかけるかは自由だし、あるいは、全て終わったとして去ってもいい。
少なくとも、戦闘は終わった。

477『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/26(火) 20:30:54
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478稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/07/27(水) 01:01:30
>>469


    スチャ


少年の首元に突きつけた『漆黒丸』を外し肩に担ぎ、
悲痛な表情を浮かべる少年と、自称サキュバスを眺める。


「此処まで【帝国軍】(わかりやすい悪人)だと、【限りなき白】(どっちらけ)だな…。
 【仮初のギフテッド】で【人狼酔い】(スタンド自慢)して【危害】を加えていた【少年】に【スペース】(同情の余地)はないが」


     「しかし」


「【あのお方】(黒幕)気取りの【管理能力】のない【淫乱女】の【マスカキ】に【メイルシュトロウム】(巻き込まれた)の【黒点】だけは【憐れむ】がね。
 最も貴様らの【これから】に対しては【床の目での阿弥陀クジ】(興味がない)だが」

479『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/27(水) 07:52:27
>>478

『それはこっちのセリフでもあるわよ〜私だってもう、アンタにもそれにもなんの興味もNO! NO!』

そして、唾を地面に吐き捨てる――果てしなく品性がない。

『負けただけなら兎も角……私にもあるのよ、『最低基準』ってモンが。ま、時間を投資した分だけは食えたけど〜』

そう言い放ちながら――エイドリアンの姿は薄れていく。ヴィジョンの輪郭がぼやけ、薄れ――透過していく。

『だから、ここは引き退きってやつなのよ。これ以上は面倒事だから――それじゃあ、グッパイ! 二度と会わないことを魔女の婆サマに祈ってるわ』

――まるで、空に溶けるように、闇と同化するように。エイドリアンの姿は消えて失せた。
残されたるは、君たち二人――だが、近づく足音――急速なそれは、疾走音。
すぐに――君が即時撤退を選んだとしても、相互視認が避けられない速度で現れた影。嗚咽する少年の目に入ったかは解らないが、彼にも君にも見覚えがある影だ。

「ふむ、どうやらコトは終わっていたようでござるな」

奇妙な口調の、金髪の少女――彼女は君たちをしげと見渡すと、君を見た。

「何が起きたかは『大体』解ったでござる。一つ提案があるでござる――その少年はこちらで引き取る故、この場は一時解散を提案するでござる。それなりの物音もしたはず、直に警察も来よう――この提案に乗るのであれば、ある程度の事情説明と、迷惑料を約束するが?」

君の返答は、自由だ。

480稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/07/27(水) 16:37:17
>>479

「嗚呼…【汝】はあの【悪趣味】な【興行】の【手先】(プロモーター)か」


『ショッカー・イン・グルームタウン』を解除する。
『電流』は気休め程度には身体を癒してくれただろうし歩く分には問題ないだろう。


「【シャーマン・マネー】(迷惑料)にも、
 この【少年】と【汝】の【物語】(経緯)にはさして興味はないが、
 【語り部】として【紐解かれた物語】(事情説明)をするのは【汝】らの【義務】だし、
 この【少年】の【物語】(人生)の【バベルの塔を崩壊させ】(狂わせ)てしまった【我】にも、その【物語】を聞く【義務】があるな……。

 良いだろう、後日【依存の板】(スマホ)に【狼煙を燻らせろ】(連絡してくれ)」


足早にその場を後にする。

481『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/27(水) 20:08:41
>>480

さて――数日後、である。
先日――君に昼前に来ると連絡があった場所は、一件の『ファミレス』だ。
星見街にある、『フェアリー・ミトン・レストラン』
お伽話をモチーフにせし、全体ファンシー、大体ファンタジー、ちょっぴりファンキーなレストランである。
もし、君が指定された店に行き、指定された席に向かえば、『王様プレート』……その名に反して、薄く切られたハムのサンドイッチとサラダのセットを食べている金髪の少女を見つけるだろう。
当然、行かなければ、夕方頃に彼女は帰る。それもまた君の選択可能な未来だ。

482稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/07/27(水) 21:52:42
>>481

「【エル・ベーヴ・イーグル】{こんにちは)」

来ました。
金髪の少女の向かいの席に座ります。

483『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/27(水) 23:07:58
>>482
「来たでござるか……朝飯がまだだったのでな、少し食わせてもらっていたでござる」

サンドイッチを食むのをやめた少女は、正面に座った君を見た。

「さて、電話番号まで知った以上――礼節として、こちらも名を名乗らせてもらうでござる。カリーナ・鈴木。一応、本名でござる」

少女――カリーナはそう名乗ると、君の目を深く見据える。

「知りたいことがあるなら、先にいって欲しいでござる。こちらとしても、何もかもを語るわけには行かないでござるがゆえに」

484稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/07/28(木) 16:51:20
>>462

「【カリーナ鈴木女史】か。
 【我が真名】は【稲崎充希】。さて、どの【疑問符から破壊】するか…」


纏っている白衣の胸ポケットからサインペンを取り出し、
紙ナプキンに絵を描く。
一つは、悪意をたっぷり込めたデフォルト調の『エイドリアン』のイラスト、
もう一つは『和霊少年』のイラストだ。
こういう状況で、手っ取り早く話を伝える為に
いつも使っている手法だ。


「この【愚者】(バカ女)は一体全体、何だったんだ。
 あんな【吐瀉物】(不愉快)な気持ちを抱かされたのは、【ヴァージン・ヴォルケーノ】(初めて)だぞ…。
 それに、あの【吐瀉物女】は自ら【淫魔】(サキュバス)で、【狼】(スタンド)を司る者を【自称】していたが、
 汝ら【闘技場】(アリーナ)サイドは【彼奴】を【認識】していたのか?

 それと、この【少年】は結局【どの様な結末を迎えた?】」

485『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/28(木) 19:45:33
>>484

「エイドリアンの名乗りを聞いたのでござろう? 『夢魔(サキュバス)』でござるよ」

あっけらかんと、気の狂ったような発言をカリーナはした。冗談を言っている様子は欠片もない。

「さて、これから話すことには一つの前提があるでござる。『夢の世界』これを信じてもらわなければ、寝言にしか聞こえなかろう。信じていたとしても、聞こえるかもでござるが」

君が信じるかどうかは無論に自由だ。
どのようなリアクションをしたとしても。カリーナは言葉を続ける。

「人類全ての意識の底にあるとされる、普遍的無意識――その、更に奥の、夢の奈落とでも呼ぶべき場所に蔓延っている化け物ども――拙者達は、それらをサキュバスと定義しているでござる。連中は、夢見る魂に繋がっては取り憑き、一夜の夢で精気を貪る程度なら可愛いもので……スタンド絡みの悪事を拐かす輩もいる。エイドリアンは、その一匹でござるな。

そう言って、コーヒーを口に含む――僅か、喉を潤した後、言葉が続く。

「認知していた――どころではないでござる。アレははっきりと我々の『所有物』でござった。厳密には、前の憑依者がでござるが……」

カリーナは溜息を付いた。嫌なものが籠もった吐息である。

「拙者達の正式な闘技場に出し続けることで、色々と管理していたんでござるが、前の憑依者が……『事故死』したんでござるよ。そして、アレは我々の管理下から解き放たれ、夢を通じて次の憑依者を見つけた……その前に、夢の奥で協力者を見つけたようでござるがな――お主も、公園に『呼ばれた』のであろう? その声の持ち主が協力者――エイドリアンが一時的に消えた今、暫くはあの手の乱痴気騒ぎは怒らないでござろう……さて」

次に出た言葉は、夢魔に関することではなかった。

「あの少年に付いてでござるが……警察に任せることにしたでござる。お主とやりあう前の相手が、救急車の中で唄ったらしくてな……ま、過剰暴行を咎められたとしても相手は多数。懲役を食らっても一年は行かないでござろう……ああ、お主のことは問題ない」

カリーナは君を見る――真っ直ぐに。

「あの少年から、スタンドにまつわる全ての記憶が消えたでござる。夜の決闘も、拙者達の公園での勝負も、全て忘れているでござる。精神的ショックによる記憶喪失だとか……スタンドも消えたことでござるし、ちょうどいいと言えばいいでござるがな」

そして、カリーナは口を閉ざす。君がどのような意見を言うかは、自由だ。

486稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/07/29(金) 12:00:25
>>485


    「…………」


『クシャ』


絵を描いた紙ナプキンを強く握る。
掛けている眼鏡のブリッジを上げ、カリーナ鈴木の眼を見る。


「まるで【風の拳】(なんだそりゃあ)な感じで【鮮血の刻牌】(中々)だなァ……。



         「【レーヴァティン】(つまり)」


「あの、【漆黒世界の踊り手】(胸糞悪い)を顕在化したかのような【エイドリアン】という存在は元々【貴様】らの【所有物】であり、
 以前【我】が目撃した、あの【金箔の神父】(悪趣味でモラルがない)めいた【興行】の【道具】として利用していた訳だな。
 【豹紋】(危険な存在)であると言う事を承知しておきながらな。


 【クロスデイズ】(ある日)…貴様らの杜撰な【管理】のせいで【淫魔】は【逃亡者】となった。
 そして…新たな【宿主】を捉えていたにも関わらず【捕縛】する事もなく、
 【ライブラの魔法】(監視)だけかけて【野放し】にした結果、どんどん【月に狂い】(暴走)、
 あの【少年】はめでたく【刻印者】(前科者)の【リユニオン】(仲間入り)だ。


 それに【ブラックボックスのメモリーも消去され】(記憶も失った)たから、
 【貴様】らの存在が【バビロン】(警察)に割れる事もない。
 いやぁーー-まるで【九重の月の恋愛協奏劇】(ハッピーエンド)だ。クックック…」



自身の発す、この『呪い』めいた語調を解く手段はまだ無い。
この『呪い』を自らに施した時点で、伝達に『齟齬』が生じる事など当然理解しているし、
結果『稲崎充希』という人間が誰からも『理解』されなくなるかもしれない、という『孤独』の恐怖もきちんと覚悟している、つもりだ。

勿論、自身の『感情』は伝えられるに越した事はないし、どうしても気持ちを伝えたい盤面に出くわす事もある。
ーー故に今、目の前に座るこの『サムライ女』に自分の現在の『気持ち』を確実に伝える為に、
全身に稲妻のように走るこの激しい『怒り』を自らの『呪い』に練り込んでいき、ゆっくりと言葉を紡ぐ。



「【夢なら夢喰い獣に食わせておけよ】(ふざけるなよ)…。


 あの【少年】も【エイドリアン】も【8番目の巨人】(ムカつく)だが、貴様らも、【百合と鋼】(同じようなもの)だな……ッ。
 【少年】が行使した【ページェント・キル】めいた【violence】(暴力)の数々は決して【Unforgiven】(許される物では無い)ではあるが、
 そもそも貴様らが【淫魔】の【尻尾】を取り逃がしさえしなければ、
 あの【少年】も【人狼】(スタンド)に魅入られ、【力】に溺れる事もなかった筈だ…。


 【リザルト】(結果)…あの【少年】が1人【泥喰い獣】(割を食った)化しただけじゃあないか………。
 貴様、あの場でよくも『引き取る』だなんて言えたものだな。
 あの【少年】を、【金貨に替えた】(売り飛ばしている)だけじゃあないか……ッ!!」

487『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/29(金) 18:16:57
>>486

「如何にもその通り。『アリーナ』とはそういう組織でござる」

君の言葉を、カリーナは正面から認めた。冷えた目で。

「老若男女の区別なく、人であることすら最低条件ではない。利になるものなら何でも使う――それが、拙者達の『アリーナ』でござる」

そして、君の言い分を受け止めた上で――きっぱりと告げた

「あの少年に関して言えば、『自業自得』でござる」

その言葉に、一切の罪悪感は感じ取れないだろう。
カリーナは、本心を持って少年にこそ咎があると言っていた。

「誰かを殴る決断をしたのも、殴ることに溺れたのも、闘うことに溺れたのも――全て、自分自身。むしろ、彼は幸運でござるよ。自分に咎があると解りきった事柄で応報を受けたのだから。それを忘れたとしても」

更に――言葉は続く。

「割りを食ったとは言うが――『最悪』の結果というわけでもない」

前科持ちをなお、カリーナは最悪ではないと言い張った。

「忘れてはいまいか――あの少年は、公園での場で少なからず勝利を収めている。恨みというのは、塵のように積もり、しかし、決して崩れることのないものでござる。下手にスタンド能力を失ったままにシャバに居させてみよ――スタンド使いのお礼参りは、路上のチンピラよりも遥かに残虐な破滅に繋がる……むしろ、塀の中のほうが安全でござるよ。いつ殺されるか解らない明日を生きれる性根とも思えん、綺麗さっぱり忘れた上でマエの一つの方がまだマシ。拙者はそう思うでござるがな……ま、人の意見は千差万別でござる。そう思えとは言わん」

そう言って、カリーナはカバンから茶封筒を『二枚』取り出した。

「迷惑料には興味が無いようでござるが、ソレとは別に支払うべき金というものはあるでござる――十万円――それと、病院への紹介状でござる」

それを、テーブルの上において、君に差し出す。

「アポロン・クリニックセンター。お主のスタンド知識を思えば『旧病棟』に付いても知るまいな。そこの『第5外科』に行くとよい。今のお主程度の負傷であれば、痕も残らずその金で治る。この街でスタンド使いをやるのなら、覚えておいて損は無いでござるよ」

488稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/07/30(土) 15:37:42
>>487


「【昇降機】(論点のすり替え)からの【合気道スタイル】(責任転嫁)か。
 銃や【薬物】と違い【向日葵の陽に当たらない】(法で裁けない)、【人狼】(スタンド)を生業としている分、下手な【肆佰肆拾捌】(半グレ)よりずっと【悪性】(タチが悪い)だな」



      「【コングラッチュレーション】(おめでとう)」



「【貴様】ら【アリーナ】は、
 【排泄物】(クソ)から【※※※】(クソ以下)に無事、【翅が生えた】(昇格)ようだ。

 
 【最悪】なのは、自らの【失態山のドラゴン】(不手際)を【頭上に掲げて奉り】(棚に上げて)、
 この場に居ない【少年】を【贄に捧げる】事で(悪者にし)、【虚栄魔神を召喚する】(大物ぶる)貴様らだ。

 そもそも、貴様らが【エイドリアン】などと言う【危険な存在】の【尻尾を取り漏らす】(取り逃がさす)事もなければ、
 【少年】は【狼憑き】(スタンド使い)になる事もなかったわけだし、
 【エイドリアン】に誑かされ、【月が狂う】(イカれる)事もなかったという事実も【忘却の空】(忘れている)のようだしな…」



             スッ…. 『グシャ』


「要らん」

差し出された2枚の茶封筒を受け取り、
特に躊躇する事なく両の手でぐしゃっと握り、丸めた状態でテーブルの上に放り、席を立つ。


「生憎、【ダークマネー】(汚い金)は受け取らない【流儀】だ。
 【死殺者】(医者)である【我】に【死殺者への割符】(紹介状)など要らん。
 話が済んだか?ならば、もう此処に留まる理由はない」

489『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/30(土) 17:52:07
>>488

「ご自由に。こちらも話は終わりでござる」

カリーナはなんの感情も見せずに、そう言った。
君が出ていくタイミングは自由だ。君がすぐにでも出ていくのなら、この物語は終わる。
そして、この場に残って論戦を続ける意味は、特にはないであろう。

490稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2022/07/30(土) 18:55:14
>>489
店を後にし、日常へと帰還する。

491『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/30(土) 20:15:43
>>490

稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』――報酬拒否。打撲による軽症、全治『2週間』

何を手にすることもなく、君は日常に帰った。
あるいは、アリーナの名を得たことが、一つの成果だろうか。


エイドリアン『エイドリアン』――夢界沈没。

彼女は帰ってくる。

カリーナ鈴木『ムラサメ』

この後、アリーナの試合に出た。

刈安春夢『カラテ・チャンプ』

夏休み


和霊正信――逮捕

現在は少年鑑別所にいる。

492『さらば愛しのエイドリアン』スタンド解説:2022/07/30(土) 20:18:24


『フィスト・ファック』

『暴力の貯蔵と解放。そしてボクサーの技量を授けるスタンド』

ヴィジョンは『導火線に鉄球――『爆弾』を思わせるボクシンググローブ』の『纏うヴィジョン』。
これが『本体』に顕現すると同時に、本体の肉体を強化して『ボクシングの達人』にさせつつ、肉体全てに『スタンド干渉力』を得させる。
『先代』のフィスト・ファックとは別能力なのだが、エイドリアンが皮肉を込めて名付けた。。

『ボクシンググローブ』の能力は『衝撃の吸収と貯蔵、そして炸裂』
『ボクシンググローブ』には『あらゆる衝撃/ダメージを吸収する』特性が存在し、『単純な破壊』においては『無敵』。能力を用いた特殊な破壊においてはケースバイケース。
『ボクシンググローブ』への衝撃チャージは『威力』によってチャージ度合いが変更、『貯め具合』によってグローブから生える『導火線が縮んでいく』。
しかし、『ボクシングクローブ』は吸収力が高い為に分厚く柔らかく、威力相当は『D』
スピードが乗れば無視出来ない威力にはなるが、この拳で勝負を決めることは難しいだろう。

しかし、切り札はある。
『ボクシンググローブ』を『爆発』させる事で『ボクシンググローブ』のヴィジョンは消滅。
そのエネルギーそのまま『拳に宿る』
爆発の威力は『最大(導火線の長さが1センチ以下)で破:B』の『本体に影響を及ぼさない爆発』として顕現。直撃を受けてノーダメージで済ますことは、どのようなスタンドでも難しいだろう。
破壊された『ボクシンググローブ』は再顕現に『一日』を必要とするが、曝け出された『生身の拳』の威力は『C〜B』相当。

フィニッシュブローの『炸裂』を経た上、立ち上がることが出来ても、待ち受ける『近接パワー型』の速度を持つ打撃に耐えきる余力は、残っていないだろう。
しかし、それは『本体』も同じこと。『スタンドエネルギー』の拳である『爆発』を用いる度に『射精後』にも似た『疲弊』が本体を襲い、『精密性』がワンランクずつ落ちる。

『二度』のフィニッシュブローを凌ぎさえすれば『ボクシングの達人』も『早いだけの素人』にまで弱体化する。特殊な絡め手に抵抗することは不可能な上、単純速度で上回る相手に抵抗する切り札手段は、ない。

『ボクシンググローブ装着時』
破壊力:D(C〜B、爆発威力) スピード:B  射程距離:C
持続力:B 精密動作性:B 成長性:完成

『片方爆破時』
破壊力:D、B=生身の拳(C〜B、爆発威力)  スピード:B  射程距離:C
持続力:B 精密動作性:B 成長性:完成

『双方爆破』
破壊力:B スピード:B  射程距離:C
持続力:C 精密動作性:C(素人の拳) 成長性:完成



『エイドリアン』

自立憑依スタンド。
能力は『憑依対象に対するスタンド能力の限定的許与』」

ヴィジョンは『妖艶な肢体を持つ美女』即ち『魔性の女』の自立型スタンドであり、魂に燻る暴力衝動に『取り憑く』ことで『本体をスタンド使いにする』タイプ
……本質は『夢世界』に存在する『夢魔(サキュバス)』であり、『エイドリアン』側から見れば、『夢を通じて憑依した対象をスタンド使いにすることで現実に顕現する』能力であると言える。
ただし、『本体』を得ている間は、魂そのものにサキュバスの精神が癒着しているため、本体から離れることも夢の世界を流離うことも出来ず。射程は極めて短い。
本体を貪るが、本体から自発的に離れる能力を持たない『寄生虫』である。

『本体の魂』と一体化した『エイドリアン』は、本体を強制的に『発展性のない=完成したスタンド使い』に変貌させた上で、スタンドの『一体』として、本体の魂を『あらゆる手段』で刺激。喚起された精神エネルギーを『貪る』
和霊の場合は『本体』の『暴力衝動』を喚起。
『殴りたい』『戦いたい』という欲望を肥大化させ、行使する時の感情のエネルギーを貪ることで糧にした。

エイドリアンが『目覚めさせる』事によって、本体は事実上『2つ』のスタンドを有することになり、『一人一つ』の原則から逸脱することによって、精神は徐々に不安定になっていき、徐々に精神の破綻を迎えることになる。
また、本体が『元から』スタンドを所持していた場合、『三刀流』のスタンド使いになるケースも確認されているが、その場合の精神破綻速度は尋常ではなく、基本的に一月もせずにスタンドが発現不可能になるレベルで精神が崩壊することになるだろう。


『エイドリアン』は、最中派閥が先代を本体諸共管理し、『アリーナへの出場』という形で管理確保収容を行っていたのだが本体の『自殺』に伴って『解放。』
新たな『宿主』を得た『エイドリアン』は、全てのルールを無視して本体の衝動を貪り始めた。

『エイドリアン』

破壊力:C スピード:C  射程距離:D
持続力:A 精密動作性:C 成長性:完成

493『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/30(土) 20:20:07
泥の中には、星はない。居るのは泥から養分を啜る蟲だけだ。
そして、星見の恥部たる風俗ビル――その内の一室に、溝口最中のオフィスはある。
彼女は、パラパラとファイルを捲っている。ファイルの中には、『公園の試合』の隠し撮り写真――『スタンド』は写っていないが――参加者の顔はくっきりと写っている。
スタンドで顔を変えてでも居ない限り、何人かは『追う』事が出来るだろう。彼や彼女は、間違いなく市内にいる。

「くふふ……」

最中は笑った。彼女は十分な成果を得た。ケガの功名とはこの事だ。
エイドリアンが引き起こした事態――それを察知するのが遅れたせいでスタンド使いの野試合という事態を招いたが――どうにか、初期の介入には成功し、無軌道な拡散の抑止と、参加者の情報を入手する事ができた。
残念なことに、エイドリアンの新たな宿主はアリーナ参加選手に至る精神を持ち得なかったが、その代わりの候補は見繕えた。結果だけを言えば、『最悪』ではない。事態を指揮した北落とカリーナにはボーナスを出さねばなるまい。

「さて……」

最中は、デスクの上に置かれた折られた紙を見る。中を見る必要はない。中身は覚えている。

『スタンドに関する全ての記憶』

(後で、あそこにしまわないと……)

することは多い、毎日は忙しい。生きるためには、働かなければならない。
明日はどっちだ? 明日は、やるべきことをやった明日にあるのだ。頑張らなければ……


最中派閥――『スタンド能力者の情報』入手

494『さらば愛しのエイドリアン』:2022/07/30(土) 20:20:56
>>490
ミッション終了です。お疲れ様でした。

感想会を希望しますか?

495『夏だ!水着だ!アリーナだ!』:2022/08/07(日) 00:28:20
夏と言ったら水着でしょ? 
水着と言ったら魅せるもの――煌めく素肌に輝く汗!
薄い布地のその奥に、秘密と情熱を秘めて! いざいざいざ!

496――――――:2022/08/07(日) 00:34:00
と、まぁ、そんな素敵な夏は、最中派閥にあるでなし。

待っているのは、スタンド使いにとっての当たり前の夏。
当たり前に危険で、難しい――戦いの夏。

497正規タイトル『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/07(日) 00:35:43
       /´〉,、     | ̄|rヘ
  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´               (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                `ー-、__,|   



――楽しい楽しい水着試合を、始めましょう。

498『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/07(日) 01:47:39
さて、君たちは――街を歩いていたら最中派閥のスカウトマンに引っかかったのかもしれない。
それとも、なぜか知られていた連絡先からの連絡に興味を持ったのかもしれない。
何れにしても、君たちは『最中派閥のアリーナへの出場打診』に応じる形で『この場』へと訪れた。
それは、闇に輝くもの、そして夜の世界。すなわち、星の世界だ。

表があれば、裏がある、光があれば、影がある。
それは、一般的には暗いもの――しかし、星見町の中にあるその『ビル』に秘せられたものは、絢爛としていた。
そこは、『倉庫街闘技場』と同じく、いかなる派閥の存在であれ利用と招待を許可された宿泊施設。
『ホテル・スターゲイザー』
ラスベガスがホテルの街でもあるように。
大型の遊園地には少なからずホテルが併設されているように
『アリーナ』もまた、『客』や『選手』を招くホテルを持つ――その一つだ。

さて、ホテルにとっての必需品とは言わないが、それなりの格のホテルには備わっている物がある。
ラウンジバーだ。スターゲイザーの格はよく言って上の下だが、低いわけではない。備えるべきものは、備えている。
大理石のカウンターの奥に、無数の琥珀を備えた場所は、上の下の格には恥じないだろう。
――そんな場所は、昼頃からは動かない。日が沈む時に、動き出す。
だが――君たちは、真っ昼間からここにいる。ホテルの入口で、伝えられた『合言葉』を告げた時、開いていないはずのバーに入り、カウンター席で待つように言われたのだ。
そ君たちは『偶然』にバーの入り口で出くわすだろう。そこからでも、琥珀を備えたカウンターの奥立つ、一人のバーメイト。
そして、カウンター席で君たちに背を向けて待つ、小さな金髪の女性を目撃できるはずだ。
行動は君たちの自由であるが、まずは彼女に近づいて話しかけることを薦める

さて、君たち二人には、物語の運命に踏み入る前に、示して貰わねばならないものがある。


キミの外見は?
キミの服装は?
キミの所持品は?(この場に置いては特別意味を持ちません)
キミの『才能(スタンド)』は?
キミの『人生』は?
キミの『訪れた経緯』は?(不自然なモノでなければ自由にどうぞ)

それらを示しながら、キミの今宵は始まることになる。

(意訳、初回レス時に簡素な自己紹介をお願いします。ロールレスとは分けて大丈夫です)

499赤月『サクソン』:2022/08/07(日) 08:50:55
【スタンド能力】

トレンチコートを着た人型ヴィジョンのスタンド
トレンチコートの中に隠した物品を『暗器』に変える

『サクソン』
破壊力:C スピード:C  射程距離:C(15m)
持続力:D 精密動作性:A 成長性:D
能力詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/220-221

【外見】黒いセミロングの髪型に赤いメッシュを入れている
    顔つきはやや幼いが、背が高く姿勢が良いため、はっきりとした印象を相手に与える

【服装】清月学園の学生服(ブレザータイプ:ジャケット、ワイシャツ、リボンタイ、スカート)    

【持ち物】財布(小銭と紙幣)、ハンカチ、ボールペン3本(胸ポケット)、学生手帳

【簡易プロフィール(人生)】『アリーナ』に対して強い憎悪を抱く14歳の中学生女子
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/146

【訪れた経緯】
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/303-306
かつて・・・・『夏のクリスマス』と呼ばれる一つの『騒動』があった
その『騒動』の渦中で、赤月は溝口最中と一つの『契約』を行った
それは、ここ『スターゲイザーホテル』でクリスマスパーティを開催するという些細なものであったが、
赤月はその事を『最中派』に対する『借り』として感じていた

今回、『最中派』からの怪しい申し出を受けたのは、きっとそのためだろう

>>498

「ん・・・・・・。」

怪しげな『誘い』に乗ってこの場所に来たものの、ここは既に『敵地』
その思いが赤月の警戒心を強めている

  キョロ    キョロ・・・・

加えて、高級なホテルに入るのは実は初めてという事もありどことなくそわそわしている
この場に居るのは『3人』・・・・・彼女らは『最中派』の関係者だろうか

    スト・・・

「君が『最中派』の案内人か?」

カウンター席、金髪の女性の隣に腰を下ろし、そう問いかける

500小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/08(月) 19:54:51
>>498

『ホテル・スターゲイザー』に、一人の『黒い女』が現れた。
その身を包んでいるのは、
楚々としていながらも凛とした装束。
『死者』を悼むために纏う『喪服』だ。
目深に被った漆黒のキャペリンハットが、
どこか憂いを帯びた顔に影を落としている。
両手の薬指には、
銀色に光る小さな『輪』――二つの『結婚指輪』が見えた。

         コツ コツ コツ……

ミドルヒールの踵を響かせながら、『バー』の中に入っていく。
一見すると何気ない所作ではあるものの、
その模範的な足取りや立ち姿からは、
繊細かつ優美な品格が感じられる。
ある者は『貴婦人』と表現するだろう。
また別の者は『手弱女』と言い換えるかもしれない。
決して気取った印象ではなく、
自然と滲み出す上品な美しさがあった。

  「――……『失礼します』」

            スゥッ

やがて静かに歩みを止めると、断りを入れてから、
『金髪の女性』の隣に腰を下ろす。
それ以上は、こちらから話し掛ける事はしない。
慎ましく沈黙を守ったまま、相手の出方を待つ。
『アリーナ』とは『個人的な関わり』がある。
無論、『最中派』ではない。

>>499

帽子の下で視線を動かし、同席する少女を見つめる。
その言動から、『主催者側』ではない事は一目瞭然だった。
おそらくは、自分と同じような立場なのだろう。

  「――こんにちは……」

       コク……

丁寧な会釈と共に、挨拶の言葉を送る。

――――――――――――――――――――――――――――――――

◆能力概要◆

己の部位を『切り離す』事で、それを遠隔操作できるナイフと、
他の生命体の部位を『切り離す』事で、同じく遠隔操作できるナイフ。
解除時に切り離されたままの部位は崩れ、切断面から元通り『生え代わる』。

『スーサイド・ライフ』Suicide Life
破壊力:C スピード:B 射程距離:D(2m)
持続力:C 精密動作性:B 成長性:D

『ビー・ハート』Be Hurt.
破壊力:C スピード:B 射程距離:D(2m)
持続力:C 精密動作性:B 成長性:D

『操作』
破壊力:D スピード:C 射程距離:B(10m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:―

◆能力詳細◆
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/140-141

◆所持品◆
・財布
・スマホ
・包帯
・ハンカチ
・ティッシュ
・手製の香り袋(ラベンダー)

◆外見◆
・年齢28歳
・身長170cm
・黒髪のアップヘア
・色白の肌
・細身の体型
・洋装の喪服
・黒いキャペリンハット
・ミドルヒールパンプス
・左手薬指に結婚指輪
・右手薬指に形見の指輪

◆簡易プロフィール◆
『自殺願望』と『自傷癖』を抱える未亡人。
『亡き夫の分まで生きる』という約束を果たし、
『命』を全うした先で『再会』するために生きている。
『夏の魔物事件』に関わった事で、
『悲しみを生む争いを減らす』という新たな『意思』を得た。

◆経緯◆
街中で『最中派』のスカウトに声を掛けられ、
自らの『目的』のために誘いに応じ、ここに来ている。

501『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/08(月) 23:17:32
>>500
>>499
意図してか、偶然か――二人の女に挟まれる形となった金髪の少女は、双方に会釈をすると、口を開く。


「案内人――そう言われれば、否定はせぬ。しかし、それだけではない」

滑稽なほどに時代がかった口調の少女は、君の問いの半分を肯定した。

「拙者は今回の試合の『プロモーター』でござる。わかりやすく言えば、総仕切り役……だからこそ、具体的な『話』を詰めに来たでござる」

そして、君たち二人に彼女は名乗る。

「拙者の名は、カリーナ・鈴木。最中派閥の――具体的な役職名は無いが、『幹部』の一人と認識して貰えれば結構」

少女――カリーナは、名乗りを終えると、改めて君たちを見た。

「そちらも、自己紹介をするでござる。なにせ、そなたら二人は『タッグ』を組む事になるのでござるからな……ああ、喉湿しが欲しければ、好きに注文するでござる。対戦相手が来るまで、もう少しは掛かるでござろうし」

語らうも良し、バーカウンターの奥に立つ彼女に注文をするも良し、質問をするも良し。
君たちの行動は自由だ。

502赤月『サクソン』:2022/08/08(月) 23:40:58
>>500

「こんにちわ・・・・」

金髪の女性を挟んで、軽い会釈とともに挨拶を返す
若干の猜疑心とともに、値踏みをするような目で小石川に視線を送る

>>501

「カリーナ・鈴木か」

『ござる』などという時代錯誤な言葉遣いに普通であれば何らかの反応を返すだろう
しかし、赤月の顔に変化はない・・・・この口調の不自然さに気づいてもいないからだ

「能書きはいい。試合に出すために私を呼んだのだろう
 ならば、さっさと試合をさせればいい」

相手は試合の『プロモーター』であり、派閥の『幹部』である
にも関わらず、赤月は格式張らない・・・・いや、乱暴とも言える口調で彼女に接する
『溝口最中』との接触、『アリーナ』への憎悪、『最中派』への嫌悪感・・・・
それらが積み重なった結果ともいえるし、単純に数多くの修羅場を潜り抜けた事で天狗になっているのかもしれない

>>(小石川)

「スタンド試合に出るとは聞いていたけど、
『タッグマッチ』になるとは知らなかった」

再び、小石川の姿をじろじろと見つめる

「君が、どんな理由でこの場所に来たのかは知らない
 けれども、試合が始まったらあまり前に出ない方がいい・・・・怪我をする」

と、言い放つ
聞く者が聞けば殴られてもおかしくはない程の『暴言』だ

(彼女の恰好から見て、あまり『荒事』に慣れた雰囲気に思えない
 恐らくは『最中派』の下卑た『ショー』のために声をかけられたのだろう)

赤月はいくつかの勘違いを抱えていた
一つは、『最中派』は試合の敗者を『私刑』にかける事で楽しんでいるというもの
それはある意味では正しいが、こと『女性』に対してはそれよりももっと『惨い』ものになりうる

そしてもう一つは・・・・小石川が『戦えない人間』だと思い込んでいる事だ

「私の名前は赤月ナカレ
 君が大人しくしているのなら、対戦相手は私がみんな倒してやる
 君が無理に前に出ていく必要は・・・・・・ない」

503小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/09(火) 02:45:33
>>501-502

『夏の魔物』を巡る一件で、自分の『弱さ』を思い知った。
もっと力があれば、
より良い結末を迎えられたかもしれないと。
しかし、後悔する事に意味はない。
どれだけ悔やんでも『過去』は変えられないのだから。
だからこそ、『未来』を変えるために行動する。
そのために『ここ』へ来た。
自分自身を『研鑽』し、悲劇を防ぐ『強さ』を得るために。

  「――『小石川文子』です……」

『鈴木』の言葉に応じ、二人に対して自身の名前を告げる。
それから、今回の『パートナー』となるらしい赤月と向き合う。
年端も行かない少女だが、驚きはなかった。
彼女と同年代や、もっと年下の子供にも、
『スタンド使い』の知人がいるからだ。
その中には、戦う事を躊躇わない人間も少なくない。

  「はい……分かりました」

赤月の隣に座る小石川は、
線の細い華奢な体つきをしていた。
ほんの少し力を込めるだけで折れてしまいそうな風貌は、
いかにも『非戦闘員』といった印象だ。
その姿からは、到底『戦闘』が出来る人間には見えない。
戦うどころか、一匹の虫すら殺せないように思える。
このような場所に来るのは、まさしく『場違い』だろう。

  「赤月さん――よろしくお願いいたします……」

自分の欠点は、何もかも一人でやろうとする事だ。
無理をしすぎると致命的な破綻を招き、
結局は周りに迷惑を掛けてしまう。
それを理解したからこそ、
赤月の『助言』を聞いて素直に頷いた。

  「……『お水』を一杯いただけますか?」

『対戦相手』を待つ間、鈴木に『水』を注文する。

504『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/09(火) 19:28:50
>>503
>>502
「――かしこまりました」

君、小石川の注文に応じたのはカリーナではなく、バーメイトである。
彼女は、君に冷えたミネラルウォーターの入ったグラスを差し出した。
それを確認するように眺めた後、カリーナは君、赤月に苦笑する

「血気盛んなのは頼もしいでござるが……今回の試合は、色々と特殊でござるし、事前に『相互の承認』がないとやれん形式なのでござるよ……お、来たでござる」

コツコツと、床を叩く音が響く、床を歩む音が響く。
カリーナが振り向く、君たちが振り向いたのならば、同じものを見るだろう。
女である。中年――その称号が相応しくなる、二歩手前あたりの年頃だろうか。
それなりに整った顔つきに皺はないが、目に見える溌剌とした若さはない。視認のみで判断するのであれば、3.40代に見えるだろう。
袖の短いブラウスに、柔らかく広がるフレアスカート。セミロングの黒髪。それだけを見れば、際立った奇怪や奇妙はない。
しいて言うならば、左手の薬指に嵌められた指輪だけが、最中派閥に関わる人間としては、異形であろうか。

「こんにちは。すいません、遅れてしまったかしら?」

朗らかに笑う彼女は、君、小石川の隣に座り、カリーナを含む三人に優しい笑みを投げかけた。

「広井克子といいます――よろしくお願いします。」

505赤月『サクソン』:2022/08/09(火) 20:42:09
>>503

「やっぱり・・・・」

傲岸不遜の提案に大人しく乗る小石川の様子を見て、
赤月は納得の言葉とともに、その眉が怒りで大きくひそめられる
そして、大きくため息をつくと、心配そうな声で小石川に話しかけた

「やはり、君も『最中派』の連中に何か借りがあるのか?
 それとも、お金か? お金がなくてこんな場所に連れてこられたのか?」

「どちらにせよ・・・・私が全てケリをつけてみせる」

緊張感が漂う、気負った表情だ

>>504

「『相互の承認』? それはいったい・・・・・ん?」

音を頼りに後ろを振り向いた
年配の女性・・・小石川よりもさらに年を経た女がそこにいた
赤月が視線を向けたのはその指に嵌められた指輪であった

(確か、左手の薬指に嵌める指輪は・・・・)

昔読んだ本の内容を思い出す
『その位置』に嵌められた指輪が指し示す意味は『結婚』であったはずだ

>「こんにちは。すいません、遅れてしまったかしら?」

「ん・・・・・・」

指輪の意味について考えていた事で機先を制された
喉の奥まで出かかっていた『宣戦布告』の言葉は彼女の柔らかい雰囲気に霧散する

「赤月ナカレだ
 君が・・・・我々の『対戦相手』という事でいいのか?」

506小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/10(水) 01:29:19
>>504-505

  「――ありがとうございます」

出てきたグラスを受け取り、
バーメイトだけではなく鈴木にも頭を下げる。
今回の『プロモーター』。
注文一つ取っても、彼女を通すのが筋というものだろう。

  「私が『ここ』に来たのは――」

         ニコ……

  「……『個人的な理由』です」

赤月から掛けられる言葉に、困ったような笑みを浮かべる。
訂正はしない。
この場で語る事ではないと判断した。

  「もし何か必要な事があれば……
   その時は遠慮なくおっしゃって下さい」

彼女は、全てを一人でやろうとしている。
その考えが『間違い』である事は、
誰よりも知っているつもりだった。
また、それが『精神の根本』に根ざした部分であるなら、
容易には変わらない事も分かっている。
自分も『同じ』なのだから。
赤月に示すものがあるとすれば、
それは『言葉』ではなく『行動』だ。

  「……『小石川文子』です」

先程と同じように、『広井』に名乗り返す。
その際、無意識に『指輪』へ視線が向く。
曖昧な意識の中で、ぼんやりと『彼』の事を考えてしまう。

            ハッ

我を失っていたのは、ごく僅かな時間だけであった。
すぐに現実の世界に立ち戻ると、
おもむろに水の入ったグラスを持ち上げる。
それを音もなく傾けると、冷えた水が喉を通っていく。

  「いえ……お気になさらず」

帽子の陰で、それとなく『入り口』の方向へ視線を巡らす。
『主催者側』を除いて、ここには『三人』いる。
そう――『三人しかいない』のだ。
『タッグマッチ』なら、『二対二』というのが最も自然な形。
『もう一人』が来る気配がなければ、
おそらく可能性は一つしかないだろう。

507『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/10(水) 07:47:25
>>505
>>506

「ええ、いい試合をしましょうね。小石川さん」

広井の目も、君、小石川の指先に向いた。その目には君の指輪が移ったことだろう。
しかし、それに対する減給はなさずに、広井は君、赤月の問に応えた

「はい、そう聞いています」

和やかな笑みを崩さずに、広井はカリーナを見やる。

「今回の試合は、私とあなた達の1対2だと――そうですよね、鈴木さん」
「左様」

カリーナは、広井と君たちにコクリと頷いた。

「今回の試合の大前提の一つが、そなたら二人とそこの広井の変則マッチ。そして――試合中の、水着着用でござる」

およそ、これまでのアリーナにおいて前例があるかも怪しい奇天烈な大前提を口にしながら、カリーナは君たちを見やる。

「『細かい所』――持ち込み品であったり、スタンド能力の制限等においてはこれから詰めるが、ひとまずは大前提の方を理解してもらいたいでござる。」

508<削除>:<削除>
<削除>

509赤月『サクソン』:2022/08/10(水) 18:12:15
>>506

「『個人的な理由』・・・・それは・・・・?
 いや、詮索するべきではないな。すまなかった」

疑問の言葉を投げかけようとして止める
小石川の困ったような表情が目に入ったからだ
自分自身、心の底のパーソナルな部分には立ち入られたくはない・・・・彼女にも後ろ暗いものがあるのだろう
赤月はそう考えた

>  「もし何か必要な事があれば……
>   その時は遠慮なくおっしゃって下さい」

「ありがとう。その言葉だけで嬉しい」

彼女の言葉に笑みを返す
戦えない人間が、それでも何か出来る事をしようとしている、と思ったからだ
その心意気は赤月にとって好ましいものであった

>>507

「1対2・・・・・?」

その言葉に少しだけ不審な表情を浮かべる
普段であれば、この戦闘形式に不満の声を上げていただろう
ハンディ戦を挑まれるという事は自分自身が『侮られている』という事だからだ

だが、今の思考は・・・・・

    チラッ

ちらりと小石川の方を確認する

「なるほど・・・・彼女を護りながら戦えという事か」

そのように解釈していた

「しかし、水着着用というのはどんな理由からだ?
 古代ローマの闘技場においては水戦もショーの見世物として執り行われていたというが
 今回の『試合』も水場を使った戦いになるという事か?」

「だとしても、私は別に普段着でも戦えるのだが・・・・」

510小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/10(水) 20:52:25
>>507
>>509

鈴木の口から告げられたのは、
考えていた通りの言葉であった。
それは同時に、『広井の能力』の片鱗を窺えるものだ。
少なくとも、『複数の相手』を、
『同時に相手取る事が可能な能力』だと推察できる。

  「『水着』……ですか……」

しかし、次に耳にした言葉は予想していなかった。
これまで『スタンド使い』としての経験を積んできたが、
『アリーナ』の『闘技場』に参加する事は初めてだ。
奇妙ではあるものの、『そういうものだ』と解釈する。
ただ、これが『興行』である以上、
そこには多数の『観客』がいるはず。
『水着になる』というのは、
大勢の前で『肌を見せる』という事だろう。
一瞬、心の奥に戸惑いが生じる。
『罪悪感』を伴う『躊躇』を感じ、
瞑想するかのように両目を深く閉じた。

          スッ

  「――……『承知』しました」

短い沈黙の後で再び目を開き、示された前提を『了承』する。
自分自身を研ぎ澄ますには、却って好都合なくらいだ。
本当の意味で、『自分の身体一つ』で戦う。
『研鑽』には相応しいシチュエーションだろう。
それに、人前で肌を曝す程度で恥じらうようでは、
強くはなれない。

  「『お話』を……続けていただけますか?」

話の先を促しながら、赤月の視線を受け止める。
『味方がいる』というのは、基本的には有利な条件だが、
考慮に入れておかなければならない事がある。
それは、『味方同士』で、
『足の引っ張り合い』になってしまう可能性だ。
特に、多くの人間が集まっている状況では、
このような事態が起こりやすい。
今回は『二人』であるため、
そこまで注意を払う必要はないだろうが、
『連携』をスムーズに進めるためには、
それなりの『やり方』というものがある。

  「赤月さん――
   私は『邪魔』にならないように心掛けます……」

彼女には『彼女の考え』で動いてもらう。
それに自分が『合わせる』形にする。
そうする事が、最も円滑に進める方法だろう。

  「……『余分な武器』を持たない事を、
   明らかにする意味もあるのでしょう」

赤月の疑問を受けて、そのように付け加えた。
水着を着ている状態では、
小さなもの以外は隠すのが難しい。
『主催者側の意図』は知らないが、
そういった影響も無視できないのは事実だ。

511『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/10(水) 23:49:34
>>510
>>509


>「しかし、水着着用というのはどんな理由からだ?
 古代ローマの闘技場においては水戦もショーの見世物として執り行われていたというが
 今回の『試合』も水場を使った戦いになるという事か?」

>「だとしても、私は別に普段着でも戦えるのだが・・・・」

「露出が多いほうが、客に受けるからでござるよ」

カリーナの返答は、極めて分かり易いものであった。

「『試合場』は――原初の地を使う、この様に」

そういうと、カリーナはタブレットを取り出して操作して――一枚の画像を出した。
表現するならば、このような内容になる。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

「とまぁ、砂浜を模したエリアになるでござる。あくまでも予定図でござるので、そなたらの希望があれば多少は聞くが……砂地の方が、『事故死』の可能性は減って、助かるでござるな。客は、脳ミソぶち撒ける選手を見に来るわけではないゆえ」


そして、君、小石川の承認に、カリーナは頷く。

> 「……『余分な武器』を持たない事を、
   明らかにする意味もあるのでしょう」

「そこに話が出たからには、改めて提示して置くでござる……」

――持ち込み品について。そう言った上で、カリーナは言葉を続けた。

「当然でござるが、水着試合なのだから――次の試合に認められる服装は『水着』のみでござる。この場合の水着は『水着を一種類』のみとするでござるよ。男性であれば『ラッシュガード』と『パンツ』の併用は不可能であり、女性であれば、『バッグスタイルの一着』か『ビキニスタイルのパンツとブラ』でござる。それ以上の着衣は、ビーチサンダルすら禁止にござる」

つまり、身に着けるものは、文字通りに水着のみ――それを、カリーナは改めて断じた。

「そして、『試合会場』への持ち込み品は『一人一つ』にござる。内容に『制限は掛けない』でござるが、それは必ず『自己調達』して貰うでござる……」

そう言うと、カリーナは僅かばかりに口元を緩めた。

「当然、服装もアリでござる。上着を着ても靴を履いても問題ないでござるよ。ただし、『一つ』には限らせてもらうでござるが……質問はあるでござるか?」

カリーナは、質問を求めた――真っ先に反応したのは、広井である。

「これまでのルールに問題はないんですが――いくつか、よろしいですか?」
「ふむ、申せ」
「『スタンド能力の使用開始タイミング』についてです……それは、『試合場』に入ってからですか? それとも、『試合会場』に入ってからですか?」
「意図を言え」
「知っての通り、私は、能力のフルパフォーマンスに少々の時間が掛かってしまうので、控室で多少の準備をさせていただけるなら、ありがたいんですよ」
「……それで、他は?」
「後は単純な話に、私の相手はお二人ですので、私の持ち込み品を『2つ』許していただけたらなと」

カリーナは、少しばかり考え込んだ後――君たち、赤月と小石川の二人を見やる。

「対戦相手はそちらでござる。決める権利はそなたらにある」

君たちの答えは自由だ。
一つ、断じておく。
彼女に許されることは、君たちにも許される。
しかし、彼女に許さなかったことは、君たちにも許されない。
故にこそ、どちらを選んだとしても君たちに絶対の有利を生むことはない。

512赤月『サクソン』:2022/08/11(木) 00:39:58
>>510

「君は・・・・自分の身を護る事を最優先にしてくれ
 我々の戦いの余波に巻き込まれてしまうかもしれないから」

「しかし、なるほど
 確かに『水着姿』では余計な物を隠すにも苦労しそうだ
 持ち歩けるとすれば、水着の下に隠せる程度の物か・・・・」

          「厳しい戦いになりそうだな」 ボソッ・・・

最後の言葉は、広井に聞かれない程度に呟くように言った

>>511

「露出・・・・?」

『露出が多い方が良い』という理由に今一つピンと来ていない様子の赤月
しばらく考えた後に、自分なりの結論を出す

「そうか・・・・肌が見えた方が斬撃や刺突を受けた時に出血が良く見えるからか
 確かに、古代の剣闘競技の事を考えると
 血が鮮やかに吹き出る程、より残虐に演出する事が出来るな・・・・」

『水着』である事に納得がいった
次に細かい条件の精査に移っていく

「なるほど。あたり一面が砂の大地
 そして、持ち歩ける『道具』も一つのみと、徹底しているな・・・・」

条件を確認するに従って、徐々に赤月の表情が曇り始める
自身の能力は『道具』を『暗器』に変える能力・・・・
使える『道具』が無ければそのスペックは十全に発揮できない

「質問を一つ。私は学校の水練授業では水泳帽を被っているが、
 水泳帽とゴーグルは『水着』の一部という事でいいか?
 授業では、その辺も含めて一つの『ユニフォーム』として認識していたのだが」

ひとまずは自由に出来る『道具』を確保する必要がある
駄目元ではあるが聞いてみた

「それと、『使用タイミング』と『持ち込み品』についての協議だけど・・・・」

ちらりと小石川に視線を向ける

(克子の言葉を素直に受け取るのなら、
 彼女の能力は時間をかけて徐々に増強していくものなのか・・・・?
 それは・・・・マズい)

(もしも、彼女の能力が大規模な破壊を生じるものだとしたら
 文子がそれに巻き込まれてしまう可能性が高い
 彼女を危ない目に遭わせずに勝利を得られる確率が一番高いのは・・・・)

「『使用開始タイミング』は『試合会場』に入ってから、を希望する
 悪く思わないで欲しいけど、こちらには準備が出来る能力なんて何もないからな
 君だけに準備を許してしまうと、少々不利が大きくなる」

「その代わり、持ち込み品を『2つ』にする事は構わないと考えている」

513小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/11(木) 06:03:54
>>511-512

  「――ご説明ありがとうございます……」

鈴木の説明を聞き、
『同意』の意思表示として控えめな頷きを返す。
『砂の足場』は『仕込み』が容易い。
『スーサイド・ライフ』にとっては好都合な環境と言える。

  「広井さんのお気持ちは理解できるつもりです。
   ただ――もし私があなたの立場なら……」

  「『本体の工夫』で『短所を補う』事を考えます」

言外に『控え室での準備』を『却下』する。
仮に、こちらが同じような計らいを受けたとしても、
メリットに成り得る要素が見当たらない。
ただ、相手側だけが一方的に有利になるに過ぎないのだ。
自分だけなら、それでも良かった。
『研鑽』のためには、より高い壁と相対する事が望ましい。
しかし、今回は『パートナー』がいる。
万が一にも、赤月に迷惑を掛けるような真似は出来なかった。

  「『持ち込み品』を『二つ』にする事に異論はありません」

『第二の希望』を『承認』しつつ、赤月の視線を感じ、
そちらに目を向ける。
彼女の『能力』は知らないが、
その表情から『質問の意図』は分かった。
どうにかして、『使える道具』を増やしたいと考えているのだろう。

  「私からも『質問』があります……」

  「『持ち込まれた道具を持ち込んだ本人以外が使ってはいけない』――」

  「……という『ルール』はありますか?」

『スーサイド・ライフ』にも『ビー・ハート』にも『道具』は『不要』。
文字通り『自分の身体』さえあれば事足りる。
『試合』が始まった後で、
『自分の持ち込み品を赤月に提供する事』が、
この質問の意図だった。

514『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/11(木) 20:57:15
>>513
>>512

>「広井さんのお気持ちは理解できるつもりです。
   ただ――もし私があなたの立場なら……」
>「『本体の工夫』で『短所を補う』事を考えます」

君、小石川の言葉に、広井はこくんと頷いた。

「まさに、その通りですわね……スタンドバトルは、創意工夫ですもの。出来ることをどこまで認識できるか、広げられるかがスタンドの『深み』……早める手段を、検討しますわ」

その微笑みは、温和そのもの。敵意は見えない。少なくとも、見える形では。


>「『持ち込み品』を『二つ』にする事に異論はありません」
>「その代わり、持ち込み品を『2つ』にする事は構わないと考えている」

君たちは広井の提案を承諾した――彼女は、嬉しそうに頭を下げた。

「お二人とも、ありがとうございます。これで、お約束できますわ……『勝負』にならないような試合には、ならないだろうと」

直後告げられた言葉――温和な口調から放たれた、自らへの自信。
そこには、君たちと戦いになるという確信が籠もっている


>「私からも『質問』があります……」
>「『持ち込まれた道具を持ち込んだ本人以外が使ってはいけない』――」
>「……という『ルール』はありますか?」

そして、君、小石川の質問であるが――

カリーナは無言で広井に顎を向けた――お前らで決めろという合図だろう。
受けた広井は、即答した。

「私としては構いません。そちらの道具をこちらで使ってもいいのでしょう? ならば、状況はイーブンですわ」

他に、君たちはなにかあるだろうか?

515赤月『サクソン』:2022/08/11(木) 21:04:43
>>514

水泳帽とゴーグルについての質問の答えはありますか?

516『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/11(木) 21:30:39
>>515

>「質問を一つ。私は学校の水練授業では水泳帽を被っているが、
 水泳帽とゴーグルは『水着』の一部という事でいいか?
 授業では、その辺も含めて一つの『ユニフォーム』として認識していたのだが」

「NOにござる。水泳帽もゴーグルも、衣服であり防具の――持ち込みによる『武器』として成立する。持ち込みは禁止せぬが、その場合は『枠』を使ってもらう事になるでござる」

つまり、君、赤月がルール上持ち込めるのは、『枠を用いた一つ』と『水着』のみになる。

517赤月『サクソン』:2022/08/11(木) 22:27:27
>>513

「・・・・ありがとう」

『持ち込まれた道具』に関する質問
小石川が赤月の懸念に対して援護をしてくれている事に気づき、
小さな声で感謝の言葉を口にする

>>514

「私も、持ち込んだ道具は持ち込まれた時点でフリーな物だと考える
 我々が我々の道具を使うのが許されるなら、君の方も我々の道具を使えておかしくはないだろう
 しかし・・・・それはこちらも同じことだ」

「君が持ち込んだ道具も私は使う可能性があると、忘れないでくれ」

確認をするようにきっぱりと言う

「しかし・・・・そうか・・・・
 水練衣装をそのまま持ち込むのは『道具』として見なされるか
 仕方がない。それは諦めよう」

はあ、とため息をつきながら掌を上に向ける

(ならば・・・・『枠』を使って『道具』を確保する必要があるか
 幸いな事に文子が持ってくる『道具』を使う事も出来るけど・・・・
 なるべくなら、自前の物で戦力を整えていく必要があるな)

少しの間、目を瞑って考える

「では・・・・私は持ち込み『道具』として『浴衣』を着ていきたいのだがいいか?
 その・・・・やはり人前で肌を晒すのは恥ずかしいから・・・・」

「・・・・・・駄目か?」

彼女らに懇願するように言う
勿論、肌を晒すのが嫌だというのは建前だ
『浴衣』を道具として選んだのは、純粋にその服装を構成する『パーツ』が多いためであり、
建前を口にした理由は対戦相手にその理由がバレないようにするためのカモフラージュである

518小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/11(木) 23:51:00
>>514-517

『ルールに対する質問』の体裁で尋ねたのだが、
それすらも選手側に委ねるというのは、
思っていたよりも『放任主義的』な気風だと感じた。
『自由主義』とも言えるが、
それが『最中派』の傾向なのだろう。
しかし、今は何も言う事はない。

  「ええ――もちろんです……」

広井の言葉を『肯定』する。
『自分の持ち込み品』に関しては、
あとで赤月と相談して決める事にする。
『タッグ』を組む『パートナー』なのだから、
二人だけで話をする時間は当然あるだろう。
赤月が扱いやすいと思うものを選んでもらえばいい。
ただ、『露骨な武器』は選択肢から外す。

      ソッ……

赤月の謝辞に目礼を返す。
『相手の道具も使える』事を確認できたのは、
むしろ幸いだった。
おそらくは、
『能力』に何らかの『道具』を必要とするらしい赤月には、
逆に都合が良さそうだ。

  「……私からは他に『質問』はありません」

そして、自分には『道具』も『準備』も要らない。
何もない状態でも『万全の動き』が可能な『即応性』は、
『スーサイド・ライフ』の長所の一つだ。
水のグラスを傾けながら、赤月らのやり取りを見守る。

519『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/13(土) 13:10:10
>>518
>>517

>「私も、持ち込んだ道具は持ち込まれた時点でフリーな物だと考える
 我々が我々の道具を使うのが許されるなら、君の方も我々の道具を使えておかしくはないだろう
 しかし・・・・それはこちらも同じことだ」

>「君が持ち込んだ道具も私は使う可能性があると、忘れないでくれ」

「フフッ」

広井は、おかしそうに笑い……直ぐに頭を下げた。

「あ、失礼しました。ええ、もちろん使っても構いませんよ?」

言葉の上では、広井は君、赤月の言葉を承諾した――君たちが広井の言葉に承諾したように。


>「では・・・・私は持ち込み『道具』として『浴衣』を着ていきたいのだがいいか?
 その・・・・やはり人前で肌を晒すのは恥ずかしいから・・・・」

>「・・・・・・駄目か?」

「NO」

カリーナは断固として告げる。

「衣服に枠を使うのは自由――ただし、特別枠というものはない」

「いいでござるか、『衣服』も枠。そして、一人一つしか会場には持ち込めない――これが、ルールにござる」

これは、カリーナにとって譲らないことのようだ……正面から例外が認められることは諦めるべきだろう。

>「……私からは他に『質問』はありません」

そして、君、小石川の言葉を受け――

「ならば、打ち合わせは終了ということで、よろしいか?」

君たちが特になければ、場面転換となる。
更に、君たちが二人で水着を選ぶロールなどを挟む自由もある。
特になにもないのなら、シーンエンドとなる。

520赤月『サクソン』:2022/08/13(土) 15:30:03
>>519

確認なのですが、『枠』を使って浴衣を完品のまま試合会場に持ち込むのは拒否されたという事でいいですか?

521『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/13(土) 15:41:55
>>520
『浴衣』を枠で持ち込むのはアリです、別枠ではなしです。

522赤月『サクソン』:2022/08/13(土) 16:53:07
>>518
>>519

「異論はない。妥当な判断だ」

何かを企んでいる様子の広井の笑みに、仏頂面のままの頷きで返す
お互いに隠し事があるのは当然の話だ・・・・後は戦地で相まみえよう

「打ち合わせはこれで問題ない」

「しかし・・・・少し困ったな
 実は私は水着というものを学校のやつしか持っていないんだ」

少しだけ困った素振りを見せる
苛烈な戦闘を行う以上、水着が駄目になる可能性も考えないといけない
うつむき加減に顎に手を当てて思考した後、ふと小石川に視線を向けた

「折角だ、選ぶのを手伝ってもらえないか?」

・・・・実のところ、赤月は最近一つの悩みを抱えていた
それは・・・・どうも自分の趣味嗜好が周りと比べて子供過ぎるのではないかというものだ

(思い返すだけで腹立たしい・・・・)

先日の週末、クラスメイト達に誘われて買い物に出た日の事を思い出す
服を見に行こうと言われ、ショッピングセンターを歩くことになったのだ
バリバリにカッコいい服を見つけて、意気揚々と見せびらかした時の彼女らの表情が・・・・

(・・・・・・やめておこう。思い出すのは)

だが、このままでは終わらない
自分のセンスが駄目だと言うのなら、積極的に大人の意見を取り入れるべきだ

(文子・・・・彼女のような大人の女性の意見を聞きたいな)

「付き合ってくれるか?」

523小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/13(土) 19:04:18
>>519-522

広井の様子から推し量れるのは、
『彼女の道具』は『彼女にしか使えない』であろうという事。
それは当然の配慮だ。
相手にも使われる可能性があるものより、
一方的に自分だけが利用できるものを選ぶ方が、
奪われてしまうリスクを減らせるはず。
『露骨な武器』を持ち込まないのは、そのためだった。
もっとも、『スペック』や『能力』次第では、
身の回りの全てが『凶器』に成り得る。

  「ええ……私でよければ、お付き合いさせて下さい」

穏やかな微笑と共に、赤月の申し出を承諾した。
同時に『持ち込み品の相談』や、
『能力の説明』を行う事も出来る。
断る理由はない。

  「最後に一つだけお聞きしたい事があります」

            スゥッ

  「これは『質問』ではなく『確認』なのですが……」

『広井克子』ではなく『カリーナ・鈴木』に視線を向ける。

  「先程、広井さんは『知っての通り』とおっしゃいました。
   鈴木さんは、『彼女の能力』を把握していらっしゃるようです。
   そして、赤月さんも『初めて』ではないでしょう」

  「鈴木さん――あなたは『私の能力』をご存知ですか?」

この点を確かめたなら、『次の行動』に入る事になるだろう。

524『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/13(土) 21:35:26
>>523
>>522


「知らぬ」

君、小石川の問いかけに、カリーナは断言した。

「お主は闘争を了承した――ならば、闘う力はあるだろうと判断したまでのこと。お主のスタンドに戦闘能力が乏しければ、お主は悔いることになるだろう」

逆に――そう前置きして、カリーナは口元を歪めた。

「仮に、お主のスタンドが『過剰』であった場合……例えば、鋼鉄を容易くぶち抜き、挙動が音速を超えて、目に見える所に飛んでいける……そういった場合は、それはそれで面白いことになる。蹂躙も試合の華であるが故な。最中派閥に損は無い」
「そうなったら……私は、あまり愉快ではないんですけれどね……舞台を用意していただいたので、やるだけは、やりますが」

カリーナの言葉に、広井は苦く笑った。

525赤月『サクソン』:2022/08/13(土) 22:44:01
>>523
>>524

「助かる」

固く結ばれていた口元が僅かにほころぶ
試合前のこの状況ではあるが、少し楽し気な様子だ

「文子がどんな能力を持っていても問題ない
 私なら・・・・彼女に指一本触れさせる事もなく君を倒す事も可能だからな」

広井を真っ正面から見つめて、そう宣言する

526小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/14(日) 01:13:46
>>524-525

鈴木の答えを受けて、軽く目を伏せながら頷く。

  「――……ありがとうございます」

以前、小石川文子は『小林丈』に言った。
『能力を明かしても構わない』と。
しかし、鈴木は『知らない』と答えた。
あれから時間が経っている事を考えると、
とっくに話していても不思議はない。
だが、『把握されていない』。
そこから推測できる可能性は、
『小林が話さなかった』という事だ。
当然、『何故か』は分からない。

  「『この場』でお尋ねする事は、もうありません……」

         コト

空のグラスをカウンターに置き、鈴木と広井に会釈を送る。

  「それでは赤月さん……『ご一緒』しましょう」

              スゥッ

打ち合わせの終了を待って、椅子から立ち上がる。
『試合』のために『用意』をしなければいけない。
赤月に付き添い、『水着』を選びに行く事にしよう。

527『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/14(日) 19:31:07
>>525
>>526
そして、君たちは新たなる目的――水着選びの為に、場所を移した。
何処に行くか――それは、君たちに決定権がある。
無論、速やかに闘争の場に移りたいのなら『行った』ことにすることも、可能である

528赤月『サクソン』:2022/08/14(日) 20:26:31
>>526
>>527

    ・・・・・・・・・・。

「むぅ・・・・・」

打ち合わせが終わって数十分後
赤月と小石川の二人は星見駅前の百貨店に来ていた
試合に使う『水着』を選ぶべく、この場所を訪れていたのだが
赤月の顔は浮かない

「種類が・・・・多い・・・・・」

サマーシーズンは既に到来している
本来であれば水着を売り出す時期などとうに過ぎているだろう
だが、そんな時期にも関わらずこの売り場には数多く、種々の水着が揃えられていた

「わからない・・・・私はいったい何を選べばいいんだ・・・・?」

529小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/14(日) 22:47:33
>>527-528

  「――……そうですね」

赤月と共に、水着売り場を散策する。
改めて振り返ると、
『水着を選ぶ』というのも久しぶりの事だった。
そういった意味では、
あまり赤月と変わらないのかもしれない。
しかし、まずは自分が選んでみせるべきだろう。
そのように思い、一着の水着に目を留める。

  「私は『これ』などを……」

       ソッ

腕を伸ばして手に取ったのは、
シンプルなデザインの黒い『ワンピース型』の水着だ。
背中が大きく開いており、
丈の短いフレアスカートが付随している。
普段着である『喪服』と比べれば肌が出ているが、
全体的には露出の少ないタイプだった。
(ttps://wowma.jp/item/511598034)

  「『動きやすさ』はもちろんですが……
   『着慣れているもの』に近い形がよろしいかと思います」

赤月は『学校のものしか持っていない』と言った。
しかし、それで参加するというのは、
学校を特定される恐れがある。
似通った種類となると、やはり『ワンピース』になるだろう。
露出が少ないというのもあった。
彼女の年齢は知らないが、
それを考慮した上で選ぶ必要がある。

530赤月『サクソン』:2022/08/14(日) 23:13:53
>>529

「なるほど。大人っぽいデザインと言ったらもっと派手なイメージがあったけど・・・・」

中学生である赤月にとって
学校の友達と話す『大人っぽい』の基準はせいぜい高校生〜大学生レベルであった
その時の会話を思い出すように、水着を眺める

「こういう水着も大人らしいデザインなのか
 ならば・・・・」

そう言いながら、取り出してきたのは小石川と同じくワンピースタイプの水着
だが、彼女と違う点はそれがどうしようもなく子供向けのデザインであり・・・・・

「これはどうだろう!!」

自信満々に持ってきたのは所謂小学生用の『スクール水着』というものだ
全体的な形状は小石川のものに似ていると言えなくもないが・・・・・

「どうだろう?名前も書いておけるんだ」

531小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/14(日) 23:37:23
>>530

  「――赤月さんが『いい』と思われるのでしたら……」

選ばれた水着を眺め、遠慮がちに感想を告げる。
客観的に見ると、年齢相応よりは、
いささか下の部類に入るだろう。
ただ、ギャラリーの視線を考えると、
これくらいの面積が丁度いいのかもしれない。

  「ただ……『名前』を書くのは控えた方がいいかもしれません」

  「見ず知らずの相手に知られてしまうかもしれませんので……」

控えめに注意を促しつつ、水着を手にしてレジに向かう。
『購入』を済ませたら、目的の一つは達成できる。
残る課題は『試合』の事について。

  「『持ち込み品』の件ですが……」

  「私の能力は『道具』を必要としません。
   ですから……私が持ち込んだ品も、
   赤月さんに使っていただきたいと思います」

  「……『赤月さんが望むもの』を私が持ち込みましょう」

先程とは逆に、今度は赤月に選んでもらう事にする。

532赤月『サクソン』:2022/08/15(月) 01:09:46
>>531

「そうか! なら・・・・・」

小石川のお墨付きを貰ったものと解釈して
意気揚々とレジに向かおうとするのだが・・・・

「いや・・・・・」

ふと、足を止める

「確かにこの衣装は動きやすそうだ・・・・だけど」

改めて自分が持ってきた水着を確認する
それは明らかに小学生用であり、身長が160cmある赤月にとっては・・・・

「よそう。・・・・・体型に合っていないみたいだ」

そう言って、水着を棚まで戻しに行く
代わりとして持ってきたのは『セパレート型』の水着だ
お腹を全面的に覆い隠すデザインで、下は腿の半分までが覆われている
学校で使っている水着と似たようなデザインのものであった
ttps://item.rakuten.co.jp/isec/13020039/

「結局はこちらの方が無難か」

会計を済ませた後、店の前で立ち止まりながら相談を交わす

「助かる
 私の能力は性質上、どうしても『道具』が必要になるんだ
 だから、何か使えそうな物を持ち込んでもらえるとありがたい」

「できれば『棒状の物』があればいいけど・・・・
 そうだ、『箸』みたいなものの方が都合がいいかな」

思いついた物の名前をあげる

「まあ・・・・私はこう見えても『アリーナ』の試合で2度勝利を収めている
 今度の試合も当然、勝利するつもりだ・・・・・だけど」

小石川の眼を真剣な表情で見つめる

「もしも・・・・もしも、私の力が及ばずに倒れてしまった時は
 その時は無理をせずに『降参』の道を選んで欲しい」

「『最中派』の試合において、勝利とは『勝者』が決めるものとなる
 『降参』が認められずに、対戦相手から酷い目に遭わされる事もある
 だが・・・・流石に克子のように温和そうな人がそこまで酷い事態を望む事もないだろう」

「戦えない人間が無理をする必要はない」

533小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/15(月) 01:53:04
>>532

水着を変更した赤月の様子を後ろから見守る。
同時に、密かな『安堵』を覚えた。
あちらの方が面積は広い。

  「――『箸』……ですか」

意外な提案だった。
だが、『スタンド使い』にとっては、
どんな品物であっても武器に成り得る。
『それが必要だ』と言われたなら、用意しなければいけない。

  「……分かりました」

赤月の言葉を承諾する。
適当な店で『箸』を購入して、それを持ち込む事にしよう。
少しでも『彼女の力』になれるのなら。

  「私は『試合』に参加するのは『初めて』です。
   ご迷惑をお掛けする事になるかと思いますが……」

  「――……よろしくお願いいたします」

これまで、何度か『スタンド』を駆使する局面に遭遇してきた。
だが、面と向かった状態から始まった事はない。
『アリーナ』の戦いは、また違うのだろう。

  「『試合』の前に――私の『能力』をお見せしておきます」

念のために辺りを見渡し、人気のない場所に歩いていく。

534赤月『サクソン』:2022/08/15(月) 09:10:05
>>533

「『能力』?」

街を歩き、人気のない場所についていく赤月
彼女にとって、小石川の能力への関心はそれ程高くはなかった
彼女が能力を使う事態・・・・それは赤月が倒れ、追い込まれた状況だと認識しているからだ

「まあ・・・一応見ておこうかな」

535小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/15(月) 21:13:36
>>534

        スゥッ……

適当な場所で足を止め、
赤月に分かりやすいように『両手』を持ち上げる。

  「これが『私のスタンド』です」

  スラァァァァァ――――――z________

意識を集中すると、『左手』に『ナイフ』が発現された。
いわゆる『器具型』に分類されるヴィジョン。
その刃は美しく磨かれており、
人体を切り裂く鋭さを有している。

  「『スーサイド・ライフ』――そういう『名前』です」

  「そして、『こちら』が……」

  スラァァァァァ――――――z________

僅かな間を置いて、今度は『右手』に『ナイフ』が現れた。
『短剣』による『二刀流』。
一見すると、それらは『同じ』に見える。

  「――『ビー・ハート』です」

これらを出してみせた一番の理由は、
『スタンドヴィジョン』にあった。

  「……この『ナイフ』は『道具』に含まれますか?」

『赤月のスタンド』は『道具』を必要とする。
そして、『小石川のスタンド』は『器具型』。
もし、『器具型スタンド』も『道具』に含まれるのであれば、
赤月の戦力は更に向上させられる。
また、『人型スタンド』なら、
単純に『手持ち武器』として使用する事も出来るだろう。
『射程距離』の問題は残るが、
ある程度までなら『延長』可能だ。

536赤月『サクソン』:2022/08/15(月) 21:40:29
>>535

「『スーサイド・ライフ』に・・・・『ビー・ハート』
 それが君のスタンド能力なのか」

目の前で開示される小石川の持つスタンドのヴィジョン
自身も『トレンチコート』という道具のヴィジョンを併せ持つものの
完全な『器具型』のヴィジョンは珍しい

そして、小石川から発せられる質問
その質問の意味は・・・・ある程度察せられる

「結論から言おう
 君の持つスタンド・・・・その『ナイフ』は私の能力の対象となる」

「だが、一つ聞きたい
 君がそんな質問をした理由はある程度の察しが付く、
 だが、君は自分のスタンドをどうするつもりなんだ?」

わからないのはその『質問』をした『理由』であった
候補はいくつかに絞られるものの、その『理由』如何によっては
聞かなければならない事がさらに増えるだろう

537小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/15(月) 23:47:13
>>536

  「最初から『戦略』に組み込む意図はありませんが……。
   利用できる『カード』は多い方がいいはずです」

  「もし赤月さんが『貸して欲しい』と言われた場合、
   あるいは私が『貸した方がいい』と判断した場合――」

  「『一方』か『両方』を『お貸しする可能性』がある事だけ、
   意識の隅に残しておいて下さい」

積極的に使わせようという意図はない。
赤月は『赤月の力』で戦うだろうし、
自分は『自分の力』で戦うつもりでいる。
各々が行動した結果として『連携』に繋がったのなら、
それで十分だと思っているからだ。
もし使うとすれば、『最後の手段』という事になるだろう。
そして、赤月が『道具』に拘っていた事は、
広井にも伝わっている。

  「ただ……私がスタンドを出せば、
   『その可能性』には広井さんも気付くでしょう。
   それを計算に入れた上での使用になります」

  「逆に――その分だけ『警戒心』を引き出せると考えれば、
   実際に使わずとも相手の注意を逸らす事や、
   『心理的な牽制効果』を得られます……」

『使ってくる可能性がある』と分かっているという事は、
それを注意していなければならなくなる。
警戒要素が増えれば、
そこにリソースを割く必要が出てくるのだ。
つまり『心理戦』を仕掛けられる余地がある。

538赤月『サクソン』:2022/08/16(火) 00:51:17
>>537

「・・・・・・戦いに協力をしてくれるのは嬉しい。だけど」

掌を小石川に向け、発現した『ナイフ』を仕舞う様に促す

「その手を使いたくはない
 敵の『警戒心』を煽ればその分、相手の注意が君の方へ向いてしまう
 それは君がスタンドを出すだけでも同じ事だ」

赤月は・・・・小石川の事を『戦えない人間』だと思い込んでいる

「克子のスタンド能力が戦場の全てを攻撃するようなものならまだしも、
 彼女の攻撃も、ダメージも、全ては私が引き付け、勝負を挑むつもりだ」

「気持ちだけでもありがたい・・・・それで十分だ
 あとは・・・・私が無事に勝てるように祈っていてくれ」

そう言い放つと、くるりと振り返り、帰路につこうとする
何か特に言う事がなければ、このまま試合に備えて帰宅するだろう

539小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/16(火) 01:17:23
>>538

赤月の答えを耳にして、瞳に悲しげな色を湛えて、
労わるような表情を浮かべた。

  「――そうですか……」

           フッ

否定も肯定もせず、ただ両手の『ナイフ』を解除する。
同時に、自分の中で一つの考えを抱いた。
それを赤月に伝える事はしない。

  「また……『当日』にお会いしましょう」

立ち去る赤月の背中を見つめる。
遠ざかる後姿が『少し前の自分』と重なって見えた。
不吉な予感が脳裏をよぎる。

   ――あのままでは、おそらく彼女は……。

しばらくの間その場に佇み、
やがて赤月とは反対方向に歩き出した。

540『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/16(火) 10:41:23
>>538
>>539

さて、試合当日である。
場所は、『倉庫街アリーナ』……どの派閥でも使える『聖地』である。
君たちは住所を伝えられており、向かうことが出来る。
試合開始予定時刻は10時だが、会場が開くのは8時と聞いている。
君たちは宮本武蔵をしても良いし、早めに行っても良い
但し、試合開始予定時刻より一時間以上は遅れるべきではないだろう。

541赤月『サクソン』:2022/08/16(火) 17:50:43
>>539
>>540

『経験』を積んだ小石川には理解できる・・・・
全てを『一人』で抱えてしまう事の危うさが
だが、今の赤月がその『考え』を察することはなかった

それは2度の『試合』に勝利をした事による驕りかもしれないし
純粋に双方のディスコミュニケーションによるものなのかもしれない
だが、一つだけ言えることは・・・・時間は待ってはくれないという事だ

      ・・・・・・・・・・・・・

そして『試合』のその日がやってきた
試合開始時間は10時・・・・しかし、赤月は会場が開くと同時にやって来た

もっ もっ もっ もっ もっ もっ 


――――『控室』だ。
椅子に座りながら、水着の上に浴衣を着たスタイルの赤月が黙々と寿司を食べている
寿司が納められた寿司桶には『星前寿司』の屋号が刻まれていた

542『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/16(火) 20:10:20
君、赤月は『八時』に訪れた。
そして、君、小石川が同一時刻に訪れているのなら、君はこの場にいるだろう。
だが、そうでない場合――『少し』ばかり、彼女、赤月だけの物語が始まる。

543小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/17(水) 05:51:19
>>540-542

『試合前夜』――動きやすさを確認するため、
自宅で『水着』を『試着』していた。

            スッ……

大きな姿見の前に立ち、『背中越し』に鏡を見つめる。
同時に、鮮明に思い出す。
あの時の『彼の行動』を。
それに対する『自分の行動』を。
そして、自分が『背負うべきもの』を。

  「――忘れていませんよ……」

『誰か』に呼び掛けるように、小さな声で呟く。
これは一種の『儀式』だった。
赤月も、広井も、鈴木も、
誰一人として『その意味』を知る者はいない。

―――――――――――――――――――――――――

『小石川文子』は、まだ来ない。

       コツ コツ コツ……

確固たる『意思』を心に秘めて、『黒衣の女』が街を歩く。
その足取りは繊細でありつつ、一縷の迷いも感じさせない。
遅くとも『一時間前』には到着するだろう。

544『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/17(水) 19:02:05
>>541
寿司を水着で貪る君を、呆れた笑みで見る小さな影があった。

「ウチの試合がどういうのかは知ったろうに、よく入るもんだこと」

君は、彼女に見覚えがあるだろう。以前、最中派閥のアリーナで戦ったスタンド使い――掛巣真金である。
とは言っても、今の彼女はギャルギャルしい格好をしておらず、アリーナ職員によくある黒服を着ている。
もっとも、その黒服は量販店のセール品以下の、ディスカウントストアで売っているコスプレ用の品質でしかなさそうなのが、最中派閥の懐具合を表している。
今の彼女は、最中派閥の構成員として『スタンド能力の使用タイミング遵守』の為に、君を控室で監視していた。

「その根性『だけ』には、あーしは勝てる気しないわ……」

冗談交じりの口調でそう言った彼女は、少しだけ顔を引き締めた。

「でも、少しばかり不味いかもよ? あのクソアマの仕掛ける『最悪』は回避したけどさ……あんたの相棒、そんなに頼れるの?」

545赤月『サクソン』:2022/08/17(水) 20:06:51
>>544

「真金・・・・ 君も来ていたのか」

口の中にいっぱいになっていたシャリをごくんと飲み込み、
そのままペットボトルから飲料水を喉に流し込む
朝から何も食べておらず、空腹だった身体に活力がみなぎってきた

「『最悪』? 何を言っているのかわからないけど、
 私は、パートナー・・・・小石川文子を戦いに巻き込むつもりはない」

最初の『勘違い』が訂正される機会もないまま尾を引いている

「待て・・・・『最悪』と言ったか?
 もしかして、私は既に・・・・何かを仕掛けられそうになっていたのか?」

546『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/17(水) 20:53:29
>>545
「仕掛けられそうに?」

君の言葉に、掛巣は首を振った。

「いいえ、もう、『仕掛けられてる』わよ……多分、あんた達が『事前調整』した段階でね……あの二人にね」

二人――君の対戦相手は一人、しかし、彼女は二人と言った。

「すぐに解ることだから言っておくけど、鈴木さんとあの女はグルで、この試合はフーヴィアン派あたりがまず顔を顰める茶番劇よ。で、『最悪』で無いって言うのは……あんた達が『試合場に入るまでのスタンド能力の使用』を禁止したことよ。

これの許可だしたら、あんたはいくつか仕込みをやれたかもしれないけど……多分、バクバク食ってるその寿司にあの女は『盛った』わよ」

そして、掛巣は何かを思い返すような目をした。

「これは、先輩から聞いた話なんだけどね……『去年』の夏……鈴木さんプロデュースであの女が、水着試合をやって、『事前使用』を許可したのよ。どうなったと思う?」

君がどう答えようとも、彼女は言葉を続ける。

「あの女、早めに来て倉庫の空調設備ぶっ壊して、施設全体を灼熱地獄に変えてね……で、相手も早めに来たから熱いワケ。だから、冷蔵庫の飲み物を飲むなり、備え付けのシャワールームを使って少し涼むのよ……

そこから、具体的に『どうやって』かは言えないけどね、あの女は、相手が控室にいる間に、戦闘不能に追い込んだわ……タチが悪いのはね。鈴木さん、『賭け』そのものは、チケット撒いた段階で成立させてたのよ。当然揉めたらしいけど、

控室襲撃なんて海外のプロレスじゃよくあることだって押し通したらしいわ……」

そして、吐き捨てるように告げた。

「その後、『答え合わせ』のクイズショーを客の前でやって、客も落ち着かせたみたいだからね。鈴木さんの組んだ試合で、マトモな試合なんてまずありゃしない……あんたも、覚悟したほうがいいよ」

547赤月『サクソン』:2022/08/17(水) 21:14:27
>>546

「む・・・・ぅうっ・・・・・!?」

掛巣が語る『仕込み』の話を聞き、顔色が青褪める
実際には何かが変わったわけではないのだが、今まで食べていた寿司への不信感に
右手でお腹をおさえる

「『毒』・・・・・?
 しかし、あからさまな薬物の使用など『勝負』そのものが成立するはずが・・・・
 いや・・・・まさか、それが彼女の能力だというのか・・・・?」

「教えてくれてありがとう
 やはり『アリーナ』は魔境・・・・一歩でも足を踏み入れたら、
 いや、足を踏み入れる前から警戒を怠ってはいけなかったか」

『答え合わせ』のクイズショーという言葉に嫌悪を色を隠さずに言う

「その上で、『アリーナ』ではなく君の事を信用して聞きたい
 彼女らは・・・・『試合』のルール以上の『仕込み』を何かしていると思うか?」

548『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/17(水) 21:49:29
>>547

>「『毒』・・・・・?
 しかし、あからさまな薬物の使用など『勝負』そのものが成立するはずが・・・・
 いや・・・・まさか、それが彼女の能力だというのか・・・・?」

掛巣は、申し訳無さそうな顔をした。

「悪いけど、能力そのものに付いてはあーしは言えない。けど、『薬物』の使用は別にアウトじゃないよ。『持ち込み』を許可した以上、毒持ってくるのもウチじゃアリ。『山』からカエンダケ持ってきたやつもいたし」

もっとも、かの山に住まうモノに感知されないという幸運は必要になるだろうが……毒茸が手に入ることは、手に入る場所なのだ。


>「その上で、『アリーナ』ではなく君の事を信用して聞きたい
 彼女らは・・・・『試合』のルール以上の『仕込み』を何かしていると思うか?」

「それ、順番が逆だよ」

掛巣ははっきりと口を開き――断言した。

「『決められたルール以外は決まってない』。これが、鈴木さんのアリーナだよ。暗黙のルールとして『興行そのものを破綻させない』っていうのがあるけど、逆に言えば、客に受ければルール違反だってありになる。そして、仕込みに関していうなら『あの女は、もう試合場にいる』としか、あーしは言えない……いや、もう少しだけ、言えるかな。周りを見な」

さて、ここは控室である。
夏ということもあって冷房がかかっており、少し冷える温度がある。
今回、君を警戒してのことだろうか――前の控室に比べて明らかに物品が少ない。ポスターのようなものはなく、時計すら掛かっていない目立つ電化製品は、冷蔵庫程度だ。
ミニサイズの冷蔵庫の中には500mlのミネラルウォーターが置かれている。封は切られていない。
部屋に置かれたテーブルの上には、君が摘んだ寿司の他に、何故かアルフォートが置かれている。今回の軽食と判断するかは君の自由だ。
また、控室には隣接してシャワールームとトイレが存在している。
君の着替えを置くのはパイプ椅子の上に編みカゴであり、ロッカー等は置かれていない。編みカゴの下には貴重品入れと書かれたカゴがある。

「『禁止されたのは、試合会場への持ち込みで、あんたは浴衣を持ち込んだ』……で、『試合場』への持ち込みにスタンドを使うのは見逃せねーけどさ……」

掛巣は、口を紡いだ。
後、君の行動は自由だ――ただし、『GMにミスが無い限り、質疑含めて二レス』のみとする。
それが過ぎた時、君は小石川と合流することになる。

549赤月『サクソン』:2022/08/17(水) 22:17:12
>>548

「――――十分だ。
 危険な橋をよく渡ってくれた・・・・ありがとう」

掛巣に感謝の言葉を口にする
彼女の立場を考えれば、こうして自分に『ヒント』を渡す事も懲罰の理由となるだろう
だからこそ・・・・彼女から貰った『ヒント』は生かさなければならない

   きゅっ
          きゅっ

まずは可能性を検証する必要がある
『去年の試合』において、広井は灼熱地獄からの『水』を使って対戦相手に何かを仕込んだ
『水』に何か仕掛けをされている可能性がある

シャワールームの蛇口を捻り、水が流れるようにする
ただし、自分自身はシャワールームの外に出て、水が流れる様子を観察していく

550『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/17(水) 22:23:45
>>549
シャワールームはカーテンで覆われる簡素なものであり、鏡で見繕いを確認することは可能だ。
シャワーから出る水に、これと行って変哲なものはない。スタンドの干渉は無いだろう。

551赤月『サクソン』:2022/08/17(水) 22:33:33
>>550

「流石に・・・・同じ手を何度も使うような相手ではないか
 では、こちらはどうだろう?」

現在、自分の服装は水着の上に浴衣を着たスタイルだ
『アリーナ』に来るのに使った普段着・・・・学生服と鞄は編みカゴの中に置いていた

その編みカゴの中と貴重品入れのカゴを観察する
着替えや所持品に何か無くなったものはないか、また、逆に増えている物はないか
それを確認する

552『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/19(金) 20:12:45
>>551
何もない。
特別に違和感を覚える編みカゴではない。有り触れた、どこにでもあるような網籠だ。
貴重品に対して介入を受けた痕跡もない。

そして、控室の入り口をくぐり――君の相棒が現れた。

君、小石川は、このような状況に置いて、控室への入室を果たした。

「どーも、あーしが事前にスタンドを使わせない為の見張り役だよ」

そして、安物とすら形容できないスーツモドキを来た少女から、君はそのように告げられる。

「着替えはシャワールームでしてもいいし、ここでしてもいい。別にカメラとかは仕込まれてないから、そこは安心して」

553赤月『サクソン』:2022/08/19(金) 22:22:14
>>552
>>小石川

「来たか、小石川文子」

控室には既に浴衣姿の少女、赤月が居た
どうやら彼女は控室の中で家探しをしている様子だ

「急な話で悪いけど、少しマズい話を聞いた
 私たちの対戦相手である『広井克子』が試合前に何かを仕込んでるかもしれないという話だ」

荷物をカゴに置き直し、振り返る

「君の身にも何か危険が迫っているかもしれない
 念のため注意してほしい」

554小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/19(金) 22:51:55
>>552-553

  「赤月さん――こんにちは……」

赤月の言葉と『見張り役』を称する少女の存在から、
この場の事情を察した。
おそらくは『盤外戦』の対策だろう。
『盤外戦』とは『心理戦』の一種であり、
外交やビジネスの場でも用いられる。
このような『勝負の世界』において、
それを警戒する事は決して珍しくない――。

 「――そうでしたか」

初めて鈴木や広井と顔を合わせた時、
小石川文子は『最低限の受け答え』のみを貫いた。
『能力』は勿論の事、
『自分の素性』や『参加動機』についても、
一切口にしていない。
それは『相手に情報を渡さないため』だった。

  「ええ……十分に『注意』しておきます」

また、もう一つ『別の理由』もある。

  「……お手数お掛けします」

言葉を掛けてきた少女に対し、丁寧に頭を下げる。

       スッ

  「私は『これ』を持ち込ませていただきたいのですが……」

ハンドバッグの中から、『桐の箱』を取り出す。

             コトッ

  「『家にあったもの』を持ってきました」

蓋を外すと、中から現れたのは、二組の『鉄木の箸』。
いわゆる『夫婦箸』と呼ばれるものだ。
紫色に塗装されたものと、黒く塗装されたものの二種類。
金箔と銀箔があしらわれ、
奥ゆかしいながらも華やかな印象が漂う。
安い品ではない事は一目で分かる。

  「使うのは『片方』だけですが……
   何か問題はおありでしょうか?」

紫色の一組を手に取って、少女に尋ねる。

555『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/20(土) 15:47:40
>>554
>>553
「『箸』かー……」

掛巣は君の上質な箸を見やり――やがて、こくんと頷いた。

「問題ないんじゃね? 完全に『2つで一つ』の代物だし。これが駄目なら、じゃあシャーペンみたいな『バラして使える』もの、一切駄目になっちゃうし」

少なくとも、掛巣の見解では『アリ』の様だ。

「そんで、持ち込み品は決まって、後は着替えたら会場に行ける……どうする?」

着替えを済ませたのなら、君たちはもう会場に向かうことは出来る。
逆に、ギリギリまで控室で時間を潰して待っても良い。
どちらであれ、君たちの自由だ。

556赤月『サクソン』:2022/08/20(土) 16:53:25
>>554

「これは・・・・・!」

世間の事情に疎い赤月に『夫婦箸』と呼ばれる文化の知識はない
だが、それでも立派に塗装された二組の箸を見た瞬間に想像は働く

「『いい』のか・・・・?」

わざわざ『二組』の箸を作る意味・・・・
そこからは『食卓』を共に囲む『二人』の人物の姿が想像できる

(つまり、この『箸』は大切な『家族』との・・・・)

「私は・・・・この『道具』を無傷で済ませられる自信がない
 最悪の場合、圧し折れて原型すら留められないかもしれないぞ」

>>555

(とはいえ、丈夫な箸の存在はそれだけでありがたい
 使える『道具』が限られた状況では『袖擶』二発分の装備は貴重だ)

『箸』は試合会場における小石川の持ち込み品だ
実際の受け渡しは試合が始まってからになるだろう

「私は既に着替えてしまったからな
 先に試合会場に行って状況を見てこよう
 文子は後から来てくれ・・・・・寿司もある事だしね」

既に着替えを済ませた自分は早めに動くことが出来るだろう
宣言通りに先に会場に行く事にする

557小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/20(土) 20:31:05
>>555-556

  「――……ありがとうございます」

見張りの少女に短く返し、同時に小さく頷いた。

  「……赤月さんは『願掛け』というものをご存知ですか?」

それから赤月を正面から見つめ、おもむろに口を開く。

  「『信仰』の一種ですが……
   心身を清浄かつ堅固にし、
   なおかつ自身に『苦行』を課す事で、
   『願い』に対する真摯な姿勢を神仏に伝え、
   また自らの精神的な『決意』を強める意味があります」

  「その内の一つが『供物』です。
   『自分にとって大切なもの』を差し出す事で、
   『願いの成就』を祈るのですよ……」

  「たとえば……ここで私が『割り箸』を出したとしましょう。
   『大切でないもの』を差し出したとしても、
   それは『大した覚悟ではない』という事になります」
   だから、私は『大切な箸』を持ち込んだのです」

  「――『必ず勝利する』という決意を以って」

小石川の表情は穏やかでありながら、
そこには確かな意思が表れている。

  「どのように扱っていただいても構いません。
   私にとっても『過去』は大切ですが、
   それが『未来』の礎となるのなら、
   私はこれをあなたに捧げましょう」

  「それに――『もの』がなくなってしまったとしても……
   心の中に『思い出』は残ります」

          ニコ……

己の意思を赤月に示し、柔らかく微笑む。

            ソッ

そして、持ってきた荷物を編み籠の中に入れた。

  「では……着替えさせていただきます」

先に出発した赤月を見送り、持参した水着を持って、
シャワールームに入っていく。

558赤月『サクソン』:2022/08/20(土) 20:47:35
>>557

「なるほど、そういう考え方もあるのか」

小石川の語る『供物』による『願いの成就』についての持論を感心したように聞く
だが、その表情は少しずつ・・・・影のようなものを落とし始める

「私には・・・・『大切な物』はもう何も残っていない
『思い出の品』は全てあの場所に置いてきてしまった・・・・」

「・・・・君の『思い』は決して無駄にはしないと誓おう」

その言葉を最後に、会場へと向かっていく

559『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/22(月) 23:58:03
>>558
>>557

君、赤月は先に、『試合場』へと辿り着いた。
空調が聞いているが、試合会場に満ちる『熱気』――温度ではなく、気配のようなもの――はたしかに感じられるだろう。
そして、一歩を踏み入れた時、君に視線が集い、歓声が湧く。

「露出すくねぇと思ったけどああいうのもいいじゃねえか!」
「アイドルのイメージビデオとかでよくあるしな!……下がどうなってるか……!!」
「下の下がどうなってるかも見たいわね……あの二人に『期待』しなきゃ!」

君に期待が湧く、それは、粘ついたものであり、他のアリーナの客がまず闘技者に向けぬ感情が籠もっている。
その中で、君は見るだろう。


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□広□□□□□■∴∴
∴■□□□□□男冷□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□=1m面積の『コンクリート』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

広=広
男=男
冷=冷蔵庫

赤=赤月


――二人の姿を。
君に向かって手を振る広井の姿はIパック。露出少なめの――鉛色の水着だ。
決して若い肌ではないが、惨めに枯れた肌ではない。いい具合に熟れた肌である。
胸部の張り出しも臀部の柔みも、少なくとも平均よりはある――悪くない肢体だと言えるだろう。
一方、その隣――ビキニパンツを履いた中年男性の姿は、広井の姿とは正反対である。
肌の血色は悪く、頬は痩せこけている。
体格や手足の太さは決して貧相ではない、それどころかそれなりの鍛錬を経ているようにすら見えるのだが、誰が見ても彼を健康と認識することは不可能だろう。
そして、男からみて左側――君たちの控室にもあったミニサイズの冷蔵庫がでんと置かれており、そのコードは男の手に握られている。

君は何も言わずに相棒の到着を待ってもいいし、明らかな異常事態に苦情を申し立てても良い。
また、君、小石川は『その前』に登場してもいい

560小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/23(火) 00:38:03
>>559

シャワールームの中で『着替え』を済ませた。
『ゴム』や『ピン』を使えないため、
普段は纏めている黒髪を下ろしており、『背中』は見えない。
荷物を『貴重品入れ』に置き、見張り役の少女に向き直る。

  「……『装飾品の持ち込み』も『不可能』ですね?」

                スッ

  「あなたを『信頼』して『これ』をお預けします」

両手の薬指から外した『指輪』を、少女に渡す。
状況から見て、赤月に『仕込み』の話をしたのは彼女だろう。
また、小石川を『戦えない人間』だと思っている赤月が、
自分と『二人きり』にさせた事も、その裏付けとなる。

  「『対戦相手』は『盤外戦』がお得意のようですが……」

少女とすれ違う形で、控え室から出て行く。

  「――『仕掛けた』のは『彼女だけ』ではありません」

その一言を残し、奥ゆかしくも確かな足取りで、『戦いの場』へ赴く。

561赤月『サクソン』:2022/08/23(火) 00:42:55
>>559

空調による人工の風に乗って、粘り付くような『熱気』が届いてくる
だが、その『熱』は以前別の『アリーナ』で戦った時のものとは違う・・・・
黒く、粘り付くような仄暗い『情熱』・・・・

>「露出すくねぇと思ったけどああいうのもいいじゃねえか!」

「ふっ・・・・」

当然だ、と心の中で思う
水着の選択に小石川の力を借りたのと同様に、浴衣の選択にも学友の力を借りている
中途半端では済まさせない・・・・『ガッチリ』とスタイルが決まるように着付けを行っているのだ

ここで、浴衣を構成するパーツについて説明をしよう
浴衣を着る際、着物が汗を吸ったり痛んだりするのを予防するために
『肌襦袢』と『裾よけ(腰巻のような肌着)』を肌の上(この場合は水着の上)に着る

その上から『浴衣』本体を羽織り、合わせていくのだが
ここで『腰紐』を使って浴衣がはだけない様にスタイルを整えていく必要がある

この段階で『浴衣姿』としてのシルエットを整えたうえで
最後に、『帯』を腰上あたりで巻き付けて完成だ

つまり、『浴衣』という『道具』は
『肌襦袢』、『裾避け』、『腰紐』、『浴衣本体』、『帯』という複数のパーツで構成されているともいえる
会場に持ち込める『道具』は一つだけであるが、これらのパーツを持ち運べる限り会場に持ち込みたい
(※アウトなパーツがあればそれは持ってこれなかった事にしてください)

ただし、これらのパーツは美しい『浴衣姿』を作るために必要な物だ
観客達が『イメージビデオ』のような『美』を求めているのであれば、
このまま素通りとなる可能性はかなり高いと考える

>「アイドルのイメージビデオとかでよくあるしな!……下がどうなってるか……!!」
>「下の下がどうなってるかも見たいわね……あの二人に『期待』しなきゃ!」

「むぅ・・・・」

観客たちは浴衣の『下の下』を望んでいるようだ
浴衣の下には当然の事ながら水着・・・・そして肌がある
その『下』と言えば・・・・・

(『血』・・・・・! そして『臓物』か!
 やはり、あいつらの望む事は聞くに堪えん!)

・・・・・実際のところ、観客たちが望んでいるのはもう少し上の『レイヤー』なのだろう
だが、社会的な知識が偏った赤月にとっては、男たちが『そういうもの』を望むという発想がまず無かった

「おい・・・・」

顔合わせの時と比べて、言葉遣いが乱暴なものとなっている
それも当然だ・・・・先ほどの観客の言葉はこの勝負が事前の告知のような『1対2』ではない事を示しているのだから

(こちらは・・・・・文子が戦えない以上、実質的に私一人でどうにかするしかない)

「おい。そこの男はいったい何者だ?
 確か事前の説明では・・・・君は一人で戦うはずではなかったのか?」

『冷蔵庫』・・・・そして『男』・・・・・

(そういえば・・・・克子が持ち込める『持ち込み品』は『2つ』・・・・・まさか)

赤月の中に、一つの発想が生まれる

「まさか、その『男』が君の『持ち込み品』だとは言わないよな?」

562小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/23(火) 08:33:14
>>559

1m面積の『コンクリート』とあるが、(>>511)では1m面積の『砂地』となっている。
どちらが正しい?

563『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/24(水) 19:24:52
>>562
砂地となります

>>560
>>561


「ああ、うん。確かに『持ってきた』ものを持ち込むのは一つだけしかダメだね…・…わかった、預かっておくよ」

ギャルの雰囲気を持つ彼女は――真摯にそう言って、君、小石川の指輪をポケットの中に入れた。

「あんたの信頼には、ちゃんと答える――個人的には、無事なあんたに返したいもんだ」


> 「『対戦相手』は『盤外戦』がお得意のようですが……」

>少女とすれ違う形で、控え室から出て行く。

> 「――『仕掛けた』のは『彼女だけ』ではありません」

そして、君を見送った掛巣は、溜息を付いた。

「気付いて無視したのか、気がついて無視したのか、使えるものがなかったのか――」

彼女は、じっと、控室を見つめる――結局、何も持ち出されない部屋を。



そして、『試合場』」


>「まさか、その『男』が君の『持ち込み品』だとは言わないよな?」

君、赤月の問いかけに、広井はこくんと頷いた。

「ええ――ああ、紹介しますわ。私の夫である広井苗太です。あなた、挨拶して」
「どうも、苗太と申します」

彼――苗太は、君に礼儀正しく頭を下げた。
広井は、その様子を見た後、君に眼差しを向ける。

「『持ち込み物品』の制限は存在しませんでしたわよね?」

――存在しない。取り決めたルールの中には、間違いなく存在しない。

「夫を連れてこようと犬を連れてこようと問題ない――それが、この試合のルール。あなた達も、何を持ち込んでも良かったんですよ?――そして、私、少し驚いています」

広井――克子は、冷蔵庫を指さした。

「あなたの『スタンド』が物を持つ力があるのなら『控室にあるもので使えるものはあったでしょうに』……もう、解っているのでしょう? 『試合会場』への持ち込みと『試合場』への持ち込み制限は、『違う』のですよ。
あなたは、控室にある何を持ってきても良かったんです。それとも、そのかわいい浴衣の中にシャワールームのガラスでも仕込んであるのかしら? なら、ちょっぴり怖いわね……」

広井は、僅かばかりにも警戒していない様子で、笑みを浮かべる。
――その時、君たちの入り口に――小石川が現れた。
おおっという声が響く。君、赤月に対する眼差しとは、少々に質の異なる目線が小石川へと注がれる。
君、赤月が今現在、決して得ることが出来ないもの――そして、広井の持つそれと同質ではありながら、『格上』であるもの――それを醸し出す君に、歓声が飛ぶ。
――そして。

「全選手、入場完了ですわーっ!!!!!!!」

異様なまでにテンションの高い声が、会場に響き渡った。




∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□克□□□□□■∴∴
∴■□□□□□苗冷□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□赤□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□小□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太
冷=冷蔵庫

赤=赤月
小=小石川

564赤月『サクソン』:2022/08/24(水) 21:06:43
>>563

「・・・・・これはどうも
 私は、今からあなたの奥さんと戦う赤月ナカレという」

広井苗太からの一礼に、刺々しい敵意を孕んだ挨拶を返す

(しかし・・・・何故彼女はこんな形で『夫』を持ち込んできた?)

脳裏に疑問が巡る
そもそもの試合形式として『1対2』のハンデ戦になっているとはいえ
克子と自分たちとでは、そこまでのハンデが必要な程の成績差があるとは思えない
選手登録ではなく、『持ち込み品』として戦場に現れた理由は・・・・・?

>『控室にあるもので使えるものはあったでしょうに』

「あ・・・・・・・・・・。」

しまった、と内心の焦りが思わず口から出てしまった
真金が口走った妙な言動・・・・それはこういう意味だったのか、と

(すまない、真金・・・・・君の好意を無駄にしてしまった)

「ふん・・・・君程度の相手と戦うのに、『控室』の物なんて必要ないという意味だ
 君が『夫』を持ち込もうが、『冷蔵庫』を持ち込もうが関係はない
 君程度の相手は、私一人、この身一つで十分過ぎるほどだ」

急に心中に不安の感情が忍び寄る
もう既に、自分は『盤上戦』という状況で目の前の相手に後れを取っている
普段であれば・・・自分の身一つであれば、負けたとしても自分一人が犠牲になればそれで終わりだ

だが、今日の試合には小石川がいる
自分の『負け』は、すなわち彼女への『暴虐』を意味する

>「全選手、入場完了ですわーっ!!!!!!!」

「すまない、文子
 遅れを取った・・・・彼女は持ち込み品として『夫』を持ち込んできた
 さらに言えば、控室にあった『冷蔵庫』もああして持ち込んできている・・・・」

「『2対1』の形だ
 抑えきれなかった相手が君に向かうかもしれない・・・・・
 私がもう一人を片付けている間、頑張って逃げてくれ」

首筋を汗で濡らしながら、背後にいる小石川に声をかける

「それと、例の『箸』は開始直後に渡してほしい」

565小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/25(木) 01:16:30
>>563

周囲から無遠慮に注がれる視線を受けて、
無意識の内に両手で体を抱く。
肌を見られる事には慣れていない。
覚悟していたものの、やはり実際に目の当たりにすると、
隠し切れない動揺を感じずにはいられなかった。

                 ザッ……

しかし、『戦いの場』に立つ事には慣れている。
いつの間にか慣れてしまっていた。
自ら望んだ事ではない。
だが、『そうなってしまった』のだ。
その結果が『今の自分』なのだから。

           ザッ……

歩きながら、足裏の感覚で『砂の質』を調べる。
一般的な『砂浜』と同質かどうか。
また、それとなく『天井』の様子を確かめる。
高さはどれくらいか、どんな風になっているのか。
『試合』が始まる前に、それらの点を確認しておきたい。

      スッ……

『広井の夫』を控えめに見やり、彼に会釈を送る。
『広井の持ち込んだ道具を使う可能性がある』――
そのように赤月が告げた時、広井は笑いながら答えた。
『もちろん使っても構わない』と。

      ――『言葉通り』にさせてもらう。

>>564

  「――『手が滑りました』……」

          パッ

意図的に『箸』を手放し、『赤月の足元』に落とす。
あとは、それを彼女が拾うだけでいい。
こうして間近にいる事で、赤月の緊張が伝わってくる。
彼女の立場を考えれば当然だろう。
不安を少しでも和らげるため、その肩に手を添えた。

  「ええ……」

同時に、赤月の耳元で小さく言葉を返す。

  「私は赤月さんの『邪魔』にはなりません」

  「……『決して』」

両手を後ろで組み、赤月の後ろに立つ。
『戦いに巻き込まれないため』ではない。
『戦況』を『俯瞰』できるように。

566『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/27(土) 22:55:56
>>565
>>554

>「ふん・・・・君程度の相手と戦うのに、『控室』の物なんて必要ないという意味だ
 君が『夫』を持ち込もうが、『冷蔵庫』を持ち込もうが関係はない
 君程度の相手は、私一人、この身一つで十分過ぎるほどだ」

「まぁ、すごい自信。若いって凄いわね……」

克子は君、赤月の啖呵に少しばかり羨ましげな眼差しを向け、ウインクをした。

「なら、出来るだけお手柔らかに……」

そして、闘技の場に赴くものとして寝言以外の何者でもないセリフを吐き――直後、観客の視線を釘付けにした君、小石川に柔らかい目線を向けた。

「すいません、少しばかり速く来すぎてしまいまして……水着、似合ってらっしゃいますよ。ですが、だからこそ……この試合を見ているだろうあなたの『パートナー』には、申し訳ないことになるかも知れませんわね」

克子の声色には、少しばかりの棘があるように聞こえたかもしれない。
君たちがどう感じるかは、自由だ。

>歩きながら、足裏の感覚で『砂の質』を調べる。
>一般的な『砂浜』と同質かどうか。
>また、それとなく『天井』の様子を確かめる。
>高さはどれくらいか、どんな風になっているのか。
>『試合』が始まる前に、それらの点を確認しておきたい。


君は『砂』を確認する――素足で歩む。
君の体重分、僅かに砂地が凹む。少なくとも、踏んだ程度で『地面』に接する浅さではない。
砂地は柔らかく、墜落や衝突の衝撃を十分にカバーするだろう――『一般的な砂地』と言っていいかは解らないが、『衝撃をカバーする深さと細かさ』は存在している。仮に頭から落ちても、即座に再起不能ということはあるまい。
そして、天井を見上げた君――『天井までは』高い。
……空で君たちを照らす電灯まで、おおよそ『10M』と言ったところだろうか。金網のような『ギミック』は存在しない。



>「――『手が滑りました』……」

>意図的に『箸』を手放し、『赤月の足元』に落とす。
>あとは、それを彼女が拾うだけでいい。


――さて、これは、『落とした』君だろうか。
――もしくはは、『拾う』君だろうか。

いずれにしろ、君たちは明確に『屈み』『顔を近づけ』『砂地を見た』
ならば、『砂地そのもの』を中止せずとも、気が付くだろう――砂地に、『輝き』がある。
注視するだけに留めても、手にとってでも解るだろう――尖り輝くそれは……『細かな鏡のの破片』だ。


「すいません、実は、私も手が滑りまして……」

申し訳無さそうに、克子が頭を下げた。

「実は、速く来すぎてしまったので、時間つぶしに『シャワールームの鏡』を剥がして持ってきたのを、壊して撒かせて貰いました。あまり『大きい鏡』ではなかったので、細かな破片にするしかありませんでしたが……その辺りでは、足元に気をつけることをおすすめしますよ」


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□克□□□□□■∴∴
∴■□□□□□苗冷□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□赤□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□小■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太
冷=冷蔵庫

赤=赤月(足元に箸)
小=小石川


そして――君たちは高らかな声を聞く。

「はーい! バチバチいい感じですわーッッッッッ 申し遅れました。私、レフェリー件実況の、朱華唄器(はねず ばいき)ちゃーん!」

そう言って、観客席の上方にある実況席の、『赤尽くめ』の女が高らかに叫んだ。

「ちなみに、『現時点』において、反則行為は存在しませんわーッッッ!!!、そして、『試合開始予定時刻まで……おおよそ、50分!』」

さて、その割には、客席の大半は埋まっている。観客達の嬌声は収まり、何かを待っている様子が見える。

君たちがどう動くかは自由で――あるいは『待つ』のも自由だ。もっとも、『長く』待つことは無いだろう。

567赤月『サクソン』:2022/08/27(土) 23:32:38
>>566

「ぐっ・・・・」

苦し紛れに放った挑発も、盤外戦で完全にマウントを取られた今の状況では逆効果か
大人らしい余裕を持った相手の態度に返す言葉も持てずに呻き声をあげる

しかし、どうやら試合前の状況の『道具』の受け渡しは制限されていないようだ
下手な小芝居もそこそこに、身をかがませて砂地に落ちた『箸』を拾い上げる

「痛っ・・・・!」

チクリとした痛みで砂地の『異常』に気が付いた
細かく砕けた『鏡の破片』・・・・それが既に周囲にばら撒かれている事に

「姑息な真似を・・・・」

拾い上げた『箸』を胸元から水着の下に隠す
この『道具』を使うべきタイミングは終盤だ・・・・
それまでは、いつでも使えるように手元に確保しておく必要がある

「文子・・・・すまない
 どうやら、既にこの戦場には彼女らの罠が仕掛けられているようだ
 他に何か・・・・仕込みがないか調べてくる」

そう言いながら、試合開始までの猶予時間をいっぱいに使い、
会場内に他に罠が仕掛けられていないか見て回る

568小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/28(日) 00:54:40
>>566-567

広大な範囲を照らし出す電灯。
当然、それ相応の『規模』を持っていると考えられる。
そのような特殊な照明が存在するからには、
設置するための『枠組み』か何かがあるのではないだろうか。
この点を確かめる。
たとえばの話だが、『人間が上に乗れるかどうか』を。

  「――……ありがとうございます」

広井の言葉に目を伏せて目礼を返し、
肯定とも否定とも取れない言葉を告げる。

  「赤月さんは慣れていらっしゃるようですが……私は『初めて』です」

自分はシャワールームで『着替え』を行った。
そこにも『鏡』はあったはずだ。
その『サイズ』を思い出す。

  「どうぞ、よろしくお願いいたします……」

いずれにせよ、『鏡一枚』程度で、
この会場全体を覆えるはずもない。
そもそも、そんな事をすれば自分の首を絞める事になる。
撒かれたのは、あくまでも限定的な範囲。
広井の言うように、『自分と赤月の周辺のみ』と見ていい。
目視で発見できる点を考えても、大きな脅威にはならないが、
見せる事が目的の『ブービートラップ』としては悪くない手だろう。

   ――むしろ主目的は『警戒心』を煽る事……。

つまり、『他にもあるかもしれない』という意識を植え付けて、
相手の動きを制限する『心理的トラップ』の側面が強いと言える。

  「私は――『掃除』をしておきましょう……」

            ソッ……

赤月に伝え、『残り時間』を『鏡片の撤去』に費やす事にする。
出来る限り拾い集めて『一ヶ所』に固めておく。
置き場所は、『自分が現在いる位置』で構わない。
『集めた鏡片』と『鏡のサイズ』を、
頭の中で照らし合わせれば、『全て拾えたかどうか』が分かる。
また、回収する途中で、『最も大きな破片』に目星をつけておく。

569『邪悪なる鉄の支配者』:2022/08/30(火) 21:21:32
>>568
>>567

>そう言いながら、試合開始までの猶予時間をいっぱいに使い、
>会場内に他に罠が仕掛けられていないか見て回る。

君、赤月は砂の上を見渡す――目に見えるものは、ない。
少なくとも、砂の上に見える罠は存在しないだろう。決して。

さて、質問だ。
君が『ちくり』を感じたのは、体重を掛けた足か? それとも箸に伸ばした手か?


>広大な範囲を照らし出す電灯。
>当然、それ相応の『規模』を持っていると考えられる。
>のような特殊な照明が存在するからには、
>設置するための『枠組み』か何かがあるのではないだろうか。
>この点を確かめる。
>たとえばの話だが、『人間が上に乗れるかどうか』を。

見上げた先に映る証明――それは『鉄骨』によって支えられている。
たどり着くことが可能であれば、十分に人が乗ることは可能だろう。そして、それは一人二人ではない。

>赤月に伝え、『残り時間』を『鏡片の撤去』に費やす事にする。
>出来る限り拾い集めて『一ヶ所』に固めておく。
>置き場所は、『自分が現在いる位置』で構わない。
『集めた鏡片』と『鏡のサイズ』を、
>頭の中で照らし合わせれば、『全て拾えたかどうか』が分かる。
>また、回収する途中で、『最も大きな破片』に目星をつけておく。

……君は『視認しうる限り』の多くを拾うことが出来た。
そして、破片とサイズから脳内計算を行うのなら、大凡、『七割』は回収したことになる。
全てを拾う事は出来ずとも、大抵は拾い終えたと考えていいだろう。そして、大きな破片――踏みでもしたら確定で足を裂くサイズ――君は、確かにそれを感覚した。



だが、『動いた』のは、君たちばかりではない。


「そんなこと――させるとお思いかしら――ええ、させますとも」

克子が、頬に手を当てて妖しく笑う。
外の陽光に等しく輝く証明は、直下の君たちに熱すらも感じる光量だ。

「だって、ねぇ、あなた――私達にも、することがあるのですもの……『エレクチオン』」

その卑猥なる『名』が唱えられた時、二人の前の砂場が『ざわり』と、砂の下で何かが動いたかのように蠢き――『液体』が飛び出て、開いていた苗太の口内に飛び込んだ。
――そして。

「うっ……ぐつっ……!!」

苗太の顔色が、変わる。
より不健康に、形相は苦痛に満ち――青く暗く――しかし、眼には奇怪な精気が灯り始める。


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□克□□□□□■∴∴
∴■□□□□□苗冷□□□□■∴
∴■□□□△△△△△□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□赤□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□小■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太
冷=冷蔵庫

赤=赤月(足元に箸)
小=小石川(足元にガラス片が一杯)

570赤月『サクソン』:2022/08/30(火) 22:20:33
>>569

>君が『ちくり』を感じたのは、体重を掛けた足か? それとも箸に伸ばした手か?

「――――痛っ」

鏡の破片で傷を負ったのは、箸に手を伸ばした指先であった
具体的に言えば、右手の人差し指の先端に血が滲む程度の刺傷を負っていた

(眼に見える範囲では、他に怪しい物はないか)

そう思いながら歩いていたところで、対戦相手に新たな動きが見えた
砂場の奥で蠢くもの・・・・それは・・・・・!

「おい・・・・お前ッ!」

「何をしている・・・・・勝負はまだ始まっていないぞ!!」

彼女らの奇怪な行いに思わず怒号をあげる
それとともに『サクソン』の『トレンチコート』のみを自らが着込む形で発現
怒りを露にするように砂が纏わりついた両腕を振り下ろす

571小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/08/31(水) 03:40:00
>>569-570

『天井』には十分な『足場』が確認できた。
無論、そこに至る『手段』がなければ無意味。
『小石川文子』には、『それ』がある。

  「――まもなく『開始』のようですね……」

『スタンド』を発現したらしい赤月の背後から囁き掛ける。
自分は、『残り時間』の全てを、『鏡片の撤去』に費やした。
それが『途中で終わった』という事は、
『時間がなくなった』としか解釈できない。

  「『破片』は集めておきました――」

           スッ

  「……『必要』があれば使って下さい」

先程と同じように、再び両手を後ろに回し、
『試合開始』の合図を待つ――『だけではない』。

  スラァァァァァ――――――z______

同時に、左手に『スーサイド・ライフ』を発現。
『達人の技量』を駆使し、後ろ手のままで、
『両手の小指』を切り落とす。
切断するのは『第一関節から先』の『最小限の部分』だけだ。

         スゥゥゥゥ――……

身体の陰に隠しながら、『二つのパーツ』を足元に下ろし、
密かに『砂の中』に潜らせる(パス精DCC)。
表面からは見えないように、適度に深い位置まで。
本体は、『パーツの位置』を感知できるため、視認は不要。


(※マップ上の△について記載がないようですが、
  それは何を表しますか?
  また、箸は赤月PCが回収(>>567)していますので、
  足元にはないと思われます)

572邪悪なる鉄の支配者:2022/09/03(土) 20:42:10
>>570
(箸に付いてはミスです。申し訳ない)
(△については「蠢いた砂」とお考えください。)

>「何をしている・・・・・勝負はまだ始まっていないぞ!!」

「ええ、そうですわね――」

克子の笑みが、強まる。
まるで、憐れむようであり、また、嘲るようでもある。
少なくとも、決して良性の感情など有していない笑み――言い換えるならば。
これは、『敵』が『敵』に向けるたぐいの、笑みであった。

「予定は予定――速く来たんですから、速く始めるのも一興でしょう?――あなた!」
「……ああ」

克子の言葉に、血を吐くような声色で苗太が応じる。
否、『血を吐いている』。喀血する苗太――眼光以外の全てが不健康を告げる状態。
逆に言えば、その意志は明瞭なほどに、君たちへの暴意に溢れていた。
不健康に青みがかった肌――それはまるで鉄のようで。
確固たる事実として、彼の足の砂へのめりこみは、明確に深まっていた。

「始めようか」

その言葉と共に、苗太は『冷蔵庫につながったコードを握って』真正面に向けて走る(ス:C)――未だ『どちら』を狙っているかは、目に見えて分かる状態ではない。


「おおーっと!!!!」

苗太の疾走は、誰がどう見ても、致命的なまでの、不可逆なる『引き金』である。
赤ずくめの女が興奮気味に叫んだ。

「ちょぴっと予定変更ッッッッッ! たった今から試合、開始ですわーっ!!!!」


そして、君、小石川の2つの小指は『潜航』を開始する。
この砂は『ただ』の砂である。君の指は、蚯蚓の用に砂を泳ぎ、目指す箇所へと動くことができるだろう。











∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□克□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□苗冷□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□赤□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□小■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太
冷=冷蔵庫

赤=赤月(左に袖箭)
小=小石川(足元にガラス片が一杯)

指=砂地のどこか
>>571

573赤月『サクソン』:2022/09/04(日) 00:02:38
>>571
>>572

「ぐっ・・・・」

『卑怯者』という言葉が口をついて出そうになった
だが、その言葉を口にする前に思いとどまる

(何を・・・・馬鹿な事を考えているんだ
『アリーナ』は私にとって『敵』であり、ここは既に『敵地』だぞ!
 馴れ合いや遊びでこの場所にいるんじゃあないんだ!)

『タダヒト派』での試合を経て、赤月の『アリーナ』への態度は多分に軟化してしまっていた
『甘え』の感情を自覚し、改めて己を戒めていく

「文子!! 『鏡の破片』を踏まないように気を付けてくれ!」

後方の小石川に呼び掛ける
その理由は、実は先ほどの動作で一つの『仕込み』を砂に対して行っていたからだ

>>567メール欄
>>570メール欄
砂は本来、『道具』として認識できないものだ
だが、対戦相手が『鏡』を混入した『砂』は明確に相手を害する意図を持った・・・・目的を持つ『道具』である
赤月は『鏡混じりの砂』を『トレンチコート』で包まれた袖の中に隠す事で『袖箭』への『暗器化』の能力を仕込んでいた
これにより『鏡混じりの砂』は誰かを傷つけた際に『袖箭』の発射機構が再現され、
赤月が意図した方向に向けて自身を『発射』することが出来る
現段階では『鏡混じりの砂』の外見のままであるため、対戦相手にも感知する事は難しいだろう

だが、この仕込みはまだ発動させない
小石川に声をかけたのは、誤って彼女が仕込みを発動してしまうのを防ぐためだ

ならば・・・・・この状況で赤月はどうするか?
『トレンチコート』は既に自身の身体を覆っている・・・・
ならば、意思の速さで自身の持ち物を『暗器化』するまでだ
その対象は『帯』と『腰紐』・・・・それらに『縄金票(ジョウヒョウ)』を仕込んでおく

「『サクソン』―――――ッ!!」

   ダッ!!!

             しゅるる・・・・・

そのまま、前方に向かって駆け出し・・・・
その動作の途中で腰にある帯の結び目を解く
『帯』を『解く』という使用動作により『暗器化』を発動
それにより『帯』を『縄金票(ジョウヒョウ)』に変化させて、武器として右手に構えていく

(すまない・・・・)

心の中で学友たちへの謝罪の言葉を念じていく
腰紐が残っているため、浴衣の合わせがはだける事はまだないが、
帯が解けていく事で丁寧に形作られた浴衣のシルエットが崩れていったからだ
美しく仕上げてもらった着付けを破壊する・・・・覚悟していたとはいえ、罪悪感が赤月の心に湧いて出る

574小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/09/04(日) 09:00:39
>>572-573

『本体』を囮にして、『パーツ』を仕込む。
あるいは、『パーツ』で不意を突き、『本体』が攻める。
それは、『スーサイド・ライフ』を扱う小石川が、
最も得意とする戦い方だった。
『小石川文子』は『指揮者』だ。
『戦略』を構築し、『伏兵』を配置し、『号令』を出す。

  「……『正面』から来ましたか」

分かりやすい行動ではあるものの、油断は出来ない。
真っ直ぐ向かってくれば、
そちらを意識せざるを得ないのだから。
これは『フェイク』で、
『本命』は別にあるという可能性も考えられるだろう。
先程の克子の動きが、その裏付けとなる。
そして、『小石川自身の動き』も。

  「ええ……『注意』しておきます」

         ス ト ン ッ

赤月に答えながら、慣れた動作で『右手』を切り落とす。
そのままの位置で『浮遊』させ、
あたかも『繋がっている』ように偽装しておきたい。
潜ませた『小指』は自身に『追随』させる。

               ……スッ

『下ろした髪』で覆われているため、
『背中は見えない(>>560)』。
『スーサイド・ライフ』を、自身の背に根元まで突き刺す。
こうしておけば、
そこに『ナイフ』が存在する事は分からなくなる。
『器具型スタンド』の長所は、目立つ『人型』などと違い、
容易に隠せるという事。
自らの肉体を『鞘』に出来る『スーサイド・ライフ』は、
極めて『隠密性』が高い。

          ザッ……

『右手』の親指と人差し指で、
『最も大きな鏡片(>>569)』を摘み上げると、
『北西』へ歩き出す。
『小指』の欠損した両手も、握っておけば見えはしない。
自身と赤月の『座標』がズレたなら、
『どちらを狙っているか』が明確になる。

     ザッ……

自分が進もうとする方向に、
『赤月の仕込み』があるらしい事も計算に入れていた。
おそらく、相手に踏ませる事が目的なのだろう。
こちら側を狙おうとする相手の接近を、
誘発させやすい状況を作り出す。
赤月には彼女自身の考えで動いてもらい、
それに自分が合わせていく。
当初の予定通りに行動を進める。

575『邪悪なる鉄の支配者』:2022/09/04(日) 21:11:11
>>573
>>574


凶器を発現しながら赤月は『正面』に向かい
凶器を内包しながら小石川は『北西』へと向かう。
二手に別れた可憐なる花――今や、鉄色へと変じた苗太は――冷蔵庫を引きずり、真正面へと駆ける!
必然として、君、赤月との距離が縮まり……

「激突だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

赤ずくめの絶叫を引き金にするかのように、苗太は
右手に持ったコードを『軽々と振るい』――接続された『冷蔵庫』を、まるで鎖付き鉄球の用に『赤月目掛けて振るう!』(ス:C)
さて、改めて冷蔵庫の『外見』を説明する。一段サイズの、飲料のみが入る『小型』の冷蔵庫――小型とはいえ、軽くはない。遠心力の乗ったそれが直撃すれば、必ず『ただでは済まないだろう』

次の瞬間の衝突が確約された修羅場を前方に進みながら、彼女、克子も前方へと歩みを始めた。その視界には、君たち全員が入っている。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□克□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□苗冷□□□□■∴
∴■□□□□□□赤□□□■∴ 
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□小□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太
冷=冷蔵庫

赤=赤月
小=小石川

ガ=たくさんのガラス片

576赤月『サクソン』:2022/09/05(月) 00:53:40
>>575

「なるほど・・・人間を超越した程度のパワーは備えているか!
 だが所詮は傀儡・・・・君自身からは戦いに臨む意思も強さも感じない・・・・!」

(予想外の連続だ・・・・!
 ルールを握る『審判』が敵の味方である以上、速攻で決めていかなければ磨り潰される!)

真正面への前進とともに、右手に重なる様に『サクソン』の腕を発現する
そして、手に持った『縄金票(ジョウヒョウ)』をそのまま正面に投げつける パス精CCA

目標は一つ
振るわれる『冷蔵庫』を支える・・・・『コード』を切断する事だ
『縄金票(ジョウヒョウ)』の先端には、その名前の通りに『金票(ヒョウ)』がある
これは投げナイフのような要領で投擲を行う事が出来る刃物だ

敵が遠心力の力を使っている以上、電源コードにかかる張力はかなりのものとなるだろう
そこを目掛けた投擲・・・・ほんの少しでも傷が入れば後は張力で真っ二つに切断されるはず

うまく『冷蔵庫』のコードが切断されたなら、
そこに生じた一瞬の隙を突いて克子へと向かおうとする

577小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/09/05(月) 06:23:53
>>575-576

こちらを狙っていない事を確認し、足を止めて後退する。
二人の激突を目の当たりにしながらも、今は手を出さない。
向こうから手を出してこない限りは。

   ――『一人でやれる』と言いましたね……。

『赤月と苗太の対峙』を見ながら、心中で思う。

   ――私は……あなたを『助けません』。

ここに来る前から考えていた。
全てを一人でやろうとするのは間違いだ。
それに気付かせるためには、一度『窮地』に陥るしかない。
だから、『本当に危ない時』を除いて、
赤月を『助けない』つもりでいる。
彼女には『二体一』の状況で戦って消耗してもらう。

        ズズズズズズズズズ

だが、『準備』は怠らない。
二本の『小指』を前進させ、赤月の反対側に配置。
必要な場合は、苗太の前に飛び出させ、隙を作れるように。


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□克□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□★□苗冷□□□□■∴
∴■□□□□□□赤□□□■∴ 
∴∴■□□□□★□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□小ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

(小石川自身は一歩後退し、★の地点に小指を移動させる)

578『邪悪なる鉄の支配者』:2022/09/12(月) 17:44:50

>>576
>>577
>真正面への前進とともに、右手に重なる様に『サクソン』の腕を発現する
>そして、手に持った『縄金票(ジョウヒョウ)』をそのまま正面に投げつける パス精CCA

君、赤月のたましいの形たるスタンド――『サクソン』が行使せし、暗記投擲。
力と速度は人の領域に留まるも、その精密は機械の如し。『高速旋回』しているならまだしも……『回し始め』の状態の、『冷蔵庫』のコードに対する狙いを外すなど『あり得ない』
後数瞬後には、万全の破壊を持って君に襲いかかった『冷蔵庫』は――コードの寸断によって、『スッポ抜けるように』吹き飛んでいく……

「な……!?」

苗太は、何が起きたのかわからない様子であったが――それでも『君』赤月に対する、視線を外すことはない。
手にコードを握ったまま、君、赤月に――つまり、君が向かう先である、小石川の元へと。
要するに『君たち』の元へと向かい出す。

>だが、『準備』は怠らない。
>二本の『小指』を前進させ、赤月の反対側に配置。
>必要な場合は、苗太の前に飛び出させ、隙を作れるように。


そして、君は『罠』を潜航させつつ、一歩を下がる。
君たちを見ながら、彼女はまた、一歩を進む。

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□克□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□★□□□□□□□■∴
∴■□□□□□苗□□□□■∴ 
∴∴■□□□□★赤□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□小ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太
冷=冷蔵庫

赤=赤月
小=小石川

ガ=たくさんのガラス片
星=『指』

579小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/09/12(月) 19:15:41
>>578

小石川は、赤月が傷付けられる事を望んではいない。
持参した『箸』を渡したのも、
彼女が最大限に力を振るえる条件を整えるため。
何よりも、『未来の世界』で傷付いて欲しくないからこそ、
『手を出さない』事を決めたのだ。

本当に一人だけで二人を倒せるのなら、
『彼女の方が正しかった』と認めるつもりでいる。
しかし、もし手に余るようなら、
別の場所でも同じような事態に陥るだろう。
これは『試合』であり、たとえ卑劣であろうとも、
『生命の危険』には直結しない。
ただ、『そうではない場合』もある。
そして、その時に気付いたとしても遅い。

今の状況こそが、理解するために最も相応しい機会なのだ。
ここで気付かせなければならない。
これから先の『未来』で、
取り返しのつかない『悲しみ』を生まないために。

  ――あなたの『意思』を見極めさせていただきます……。

内心の思案を表に出さず、慎ましく沈黙を守ったまま、
揺れ動く戦況を見守る。
まずは赤月の一撃が決まった。
これで『ハンマー』としては使用不能になったと見ていい。
しかし、まだ『コード』が残っている。
人間以上のパワーで振り回されたなら、
十分な凶器に成り得るだろう。

  「――……」

           スッ

苗太と克子の動向を窺いながら、『西』に動く。
こちらに狙いを変えるなら、赤月がフリーになり、
苗太に対する追撃が可能になるはず。
狙いが変わらなければ、このまま『静観』を続ける。

         ズズズズズ

さらに、『前衛』に配置した『指』を前進。
克子を警戒できる位置で待機させておく。
『後衛』の『指』は後退し、苗太に備える。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□克□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□★□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□苗□□□□■∴ 
∴∴■□□□□□赤□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□★□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■小□ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

580赤月『サクソン』:2022/09/12(月) 20:59:56
>>578

「・・・・・・・ ッ!?」

赤月の目論見は、半ばまで果たす事が出来た
電源コードを切断する事で冷蔵庫はあらぬ方向にすっぽ抜けた
コードが切れた事で空いた隙間を縫って進めば、『対戦相手』たる克子の所へ向かう事が出来ただろう

「こいつ・・・・文子の方に!?」

予想外であったのは、『彼』が脇目も振らずに小石川へと向かった事であった
人間を超えた苗太のパワー、その力の前では『戦う力の無い人間』は大風の前の木の葉の様に吹き散らされるだろう

「させるかぁっ!!」

    しゅるるる・・・・

先ほど帯と同時に『暗器化』を施していた『腰紐』を解く
『脱衣』という動作をトリガーとして『暗器化』を発動・・・・『縄金票(ジョウヒョウ)』へと変化させる
そのまま自身は苗太に向かって前進しつつ、前端の『金票(ヒョウ)』を苗太の顔に向かて投擲する パス精CCA

「逃げろ! この男は・・・・危険だ!」

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□克□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□★□□□□□□□■∴
∴■□□□□□苗□□□□■∴ 
∴∴■□□□□★赤□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□◎□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□小ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

苗太に向かう様にして◎の位置に行き、小石川との間に立とうとする

581『邪悪なる鉄の支配者』:2022/09/22(木) 16:55:17
>>579
>>580


君、小石川は『罠』たる『指』を砂中にて蠢かしつつ『南』へと一歩を歩む。
それにより『合流』は遠のいたが、彼女、赤月と君との距離は、僅かな間ではあるが絶対的な『分断』を見舞われた。
即ち――彼、苗太は狙う対象の選択を強いられたということであり――ごく僅かであるが、彼は狙いを定めかねるように逡巡した。
その時である。
「させるかぁっ!!」

>先ほど帯と同時に『暗器化』を施していた『腰紐』を解く
>『脱衣』という動作をトリガーとして『暗器化』を発動・・・・『縄金票(ジョウヒョウ)』へと変化させる
>そのまま自身は苗太に向かって前進しつつ、前端の『金票(ヒョウ)』を苗太の顔に向か>て投擲する パス精CCA

脱衣、暗器――投擲!
金票――いわゆる、『投げナイフ』に定義される獲物である。
人並みの力であろうとも、速度であろうとも、およそ尋常な生物の『顔』に当たれば、決して軽くは澄まぬ威力がそこには存在する。
ましては、君のスタンド、サクソンの精密性はスタンド能力に許された極限の領域にある。狙いを違えるなどはあり得ない。
――最も、並大抵の精密さであろうとも、外れることはなかっただろう。
彼、苗太の顔には驚きはあったが『恐れ』はない。
そして――顔面に直撃した金票は――『弾かれた』
同時に鳴り響くのは、『金属音』――不健康を極めた苗太の肌色は――そうでない『力』を秘めている。

「うおおおおおおおおおっ!!!」
「ヌギヌギ開始ですわーっ! 赤月・ザ・ストリップショー!!!」


君が帯を解いた所作に興奮した実況と観客たちが吠える――その中で、君、赤月は彼の声を聞いた。

「いまのが君の能力か」

そこには、安堵と。

「なら、『安心』だ――」

確信があった。
そうして、苗太は、君に向けて拳を振りかぶる……『この瞬間』においては『それだけ』だ。
小石川の移動による分断と逡巡――赤月の攻撃への反応――それが、君、赤月の『次の挙動』を許す程度の瞬間を生み出したのだ。
だが、時間はない。そして、君は一つだけこの瞬間に理解できる過ちを犯している。

「すいませんけれど――赤月さん」

また、一歩を踏み出した克子――その意識は、君へと向けられていた。

「この戦いの『相手』は、私なのですよ?」

同時……『位置』として、確実に認識できるのは、小石川の方だろう。
――スッポ抜けた冷蔵庫の扉が僅かに『開き』そこから、鉛色の液体が砂中に向けて垂れ落ち――赤月の方へ『這う』光景が。

「眼中に無いのは、愉快ではありません。位置取りには少し早いですが――まぁ、お客様を楽しませてあげましょうか」

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□克□□□□□■∴
∴■□□□★□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□赤□鉛□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■小□ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴


□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン

赤=赤月(下に指)
小=小石川

ガ=たくさんのガラス片

582小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/09/22(木) 19:35:58
>>580

  「ええ――『承知』しています……」

『逃げる事』を促す赤月の『気遣い』は『正しい』と感じた。
しかし、同時に『間違い』でもある。
『街中で襲われた』訳ではなく、
『自分の意思』で『闘技場』に『出場』しているのだから。

  「彼が手にしている『あれ』は……
   まだ十分に『用を成す』でしょう」

苗太の手には、未だに『電源コード』が握られたままだ。
今の状態で迂闊に動けば、それこそ『的』になるだろう。
むしろ、相手の出方を待った方が安全と言える。

>>581

『苗太の力』――というよりは、
『克子の能力』と呼ぶべきだろう。
その外見に相応しく、
『鉛』に近い性質を得ていると考えて間違いない。
ただ、あくまでも『生物』であるのなら――。

  「……『注意深い』方のようですね」

苗太と克子にとって、『小石川文子』は全く『未知の存在』。
ある程度の注意を割く事は予想できた。
『ここにいる事』そのものが、
赤月に対する『援護』に繋がっている。
今の時点で、赤月にしてやれるのは『そこまで』だ。
それ以上の『積極的な支援』はしない。

  「――……」

視界の端で、確かに『鉛色のヴィジョン』を目視する。
しかし、敢えて『何も言わなかった』。
傍目からは、『恐れ』と『驚き』で、
声も出せないように見えたかもしれない。
この不利な状況を『赤月が覆せるかどうか』を見極める。
もし『蹂躙』されてしまうようなら……『それまで』だ。

  ――『前衛』は『浮遊』の『限界点』……。

戦況の変化に合わせて、『前方の指』は『東』に、
『後方の指』は『西』へ移動。
自身は『静観』を続けながら、リング全体を見渡し、
些細な変化であっても見落とさないように気を配る。
また、必要が生じた際には、いつでも『刃』を抜けるように。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□克□□□□□■∴
∴■□□□□★□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□★赤□鉛□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■小□ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

(※上記の位置に移動)

583赤月『サクソン』:2022/09/22(木) 20:56:02
>>581

    ひゅるり・・・

腰紐を解き、変形した『それ』を正確な動きで投擲する
帯と腰紐をともに失った事で、浴衣の合わせが完全に生き別れとなり
布に隠されていた水着が露となった

>「うおおおおおおおおおっ!!!」
>「ヌギヌギ開始ですわーっ! 赤月・ザ・ストリップショー!!!」

赤月が来ている水着は、決して露出の多い物ではない
だが、隠されていたものが露となる背徳感からだろうか・・・・
観客席から聞こえる興奮の歓声は赤月の心に微かな苛立ちを・・・・

「しまっ・・・・・た・・・・・」

――――否。
今の赤月にそんな事を気にしている余裕なんてなかった
破れかぶれとはいえ、金票による攻撃は完全にクリーンヒットしていた
それが防御される事もなく、弾かれたのだ

己に向けて、振りかぶられる拳を見つめる

(どこで間違えた――――?)

『勝利』を目指すのであれば、
 パー ト ナー
『小石川文子』の事は放っておいて広井克子を討つべきであった

『勝利』も『パートナー』の安全もと欲張った結果がこれだ
                     サ ク ソ ン
相手の裏を掻く事しか出来ない『自身の能力』を過信した結果だ

「くっ!!」

慌てて両手を顔の前でクロスさせ、敵の攻撃に対して防御姿勢を取る

584『邪悪なる鉄の支配者』:2022/09/25(日) 19:13:22
>>582
>>583

君、赤月の十字受け――『スタンド』を用いたか、はたまた『生身』で受けたか。
……それが、然程に結果の差を生む訳では無い。ただ、君が防御を選んだという結果だけが残る。その結果は、このような形になる。

「なら、『安心』だ――」

苗太はそう言って、拳を振りかぶり――腰を載せて、君に突き出す!
渾身の、右ストレートを、真っ向から君の防御にブチ込んだ――その威力、人智超越!(破BスC精D)
……そして、ただ、『強い』拳ではない。
『硬い』拳である。君の暗器を弾く硬度を、苗太の体表は有していた。比喩抜きに、彼の拳は鉄槌だ。
文字通りの鉄拳を、人並みに受けたのだ――君の腕は、、摂理として砕かれた。
……ただし、それは組んだ腕の『前』に出したほうだ。もう片方も無事ではなく、罅ぐらいは入っているかもしれないが、痛みを堪えれば、機能に支障はない。
もっとも、君が害されたのは『腕』だけでは、ない。どろり、垂れた鉛色の液体が、君の足に向かって伸びる――その先端は、、雫すら垂れぬ固形であり――鋭角である。秘めた威力は定かではないが、素足に傷もつかない――そうは思わない方がいい。

「今のうちに哭きなさいな、もうすぐ、声を上げれなくなるから――」

克子はそう言って、更に保を進める――その隣には、君、小石川の『指』がある。
不動なる君、小石川――君がいつ、どのようにどの指を動かすかは、自由だ。


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□★克□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□★赤鉛□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■小□ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴



□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン

赤=赤月(下に指)
小=小石川

ガ=たくさんのガラス片

585赤月『サクソン』:2022/09/25(日) 21:59:29
>>584

「あ・・・・あ”ぁ”・・・・・っ!!」

『左腕』の中心でベキベキと骨が圧し折れる音が聞こえる
鉄のハンマーを正面からまともに受けたようなものだ・・・その衝撃は計り知れない

(駄目・・・・だ・・・・・・!)

戦いに臨んだ心が折れそうになる
普段であればこの状況からでも『勝機』を見出し、なんとかして敵に噛みつこうとするだろう
だが・・・・今回のこの戦場は普段とは違う

(このまま戦いを続けたら、文子が・・・・!)

『降参』を宣言したとしても、
『最中派』のルール下で無事に済むとは限らない
それは赤月も理解している・・・・だが

(だけど、今すぐに『降参』したら私だけで満足してくれるかもしれない・・・・)

普段ならば、まず考える事もしないような『弱い考え』だ
『最中派』のルールで言えば、『敗北』は『勝者』のみが決定する
つまり・・・・『降参』したところでこの後に控えている凄惨な『暴力』を止めてくれる保証などない

だが、そんな甘い考えを浮かべてしまうくらいに赤月の心は弱くなっていた・・・・
『守るべき者がいる戦い』・・・・そんな『戦い』をした事は今までになかったからだ

(攻撃が・・・・彼女の方に向かわないように時間を稼いで・・・・すぐに『降参』をする)

――――決断した。
それと同時に右足を地面に向かって打ち付ける!
この場所の砂には『袖箭化』を施した『ガラス入り砂』がある(>>573
そして、赤月は先ほどの移動でその場所に向かっていた(>>580メール欄)
ガラス砂に強く自身の足を打ち付ければ、足裏はガラス片で傷つくだろう
この『ガラス入り砂』は人を傷つけるために作られた『道具』だ
この殺傷をトリガーにして『暗器』への変形のスイッチにする

「痛っ・・・・」

目的は『袖箭』の発射機構を再現した『ガラス砂』を苗太の顔面に吹き付け
視界を遮るための目つぶしにする事だ
それによって時間を稼ぎ・・・・・・

「私、赤月ナカレはこの試合に『降さ・・・・・・・・・・」

『降参』・・・・・その宣言が今まさに発せられようと・・・・・!

586小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/09/26(月) 02:09:37
>>584
>>585

  「――……」

『助けに入りたい』という気持ちを心の奥底で押し殺し、
辛うじて落ち着きを保った沈痛な面持ちで、
眼前で展開される攻防を見守り続けていた。
『常人並みの腕力』で『常人を超える拳』を受ける。
相応のダメージを負う事は『当然の帰結』。

   ――『ここまで』なのですか……?

この攻撃は『始まり』に過ぎない。
次は『鉛のヴィジョン』が来る。
それと共に『苗太の一撃』も来る。
その『同時攻撃』を凌げなければ、
このまま畳み掛けられてしまう可能性は十分に有り得る。
万全ではない傷付いたコンディションで、
それらを捌ききれるかどうか。

  「赤月さん――あなたは私を助けようとしてくれました」

それは赤月が『自分の意思で選んだ行動』だ。
『小石川が願った結果』ではない。
しかし、『小石川がいなければ取らなかった行動』である事も、
また事実であると解釈できるだろう。
『一つ』に対して『一つ』を返す。
それは『静観の決意』とは異なる『礼節』の問題だった。

  「今……『それ』をお返しします」

         ドヒュゥッ!

開始直後から潜伏させていた『指弾』を発射(破ス精DCC)。
『克子の至近』に配置した『前衛』――
この場の誰よりも早い『予備動作ゼロ』の『飛び道具』で、
『克子の片目』を狙う。
あの『鉛のヴィジョン』に、
独立した『視聴覚』が備わっているとは思えなかった。
おそらく、直接『本体の目』で見て操っている可能性が高い。
それならば、克子の意識が逸れた瞬間は、
必然的に『操作』も止まるはず。

  「……諦める事も『勇気ある選択』です」

  「赤月さんが心から『納得』しているのなら……
   このまま『降りて』いただいて構いません」

  「ですが……『私のために降りる』というのでしたら――」

そして、『苗太の力』は『克子の能力』に『依存』している。
『克子が不意打ちされた』と知れば、
『状況確認』のために『振り返らざるを得ない』。
『自分は攻撃されても平気』だからこそ、
逆に『振り向く事に躊躇いがない』はず。
これで苗太の側にも『間隙』が生じるだろう。
『最小限の手数』で『最大限の効果』を引き出す。
『用兵』にも似た戦い方。
それが『スーサイド・ライフ』の戦術だ。

  「他でもない『あなた自身』のために『戦って下さい』」

             ザッ

敵方の双方に生じるであろう隙を突いて『北西』へ走り出し、
『戦場から離れる方向』に動く。
赤月に『迷い』を断ち切らせる。
そのためには、
『戦いの中心部』から遠ざからなければならない。

587『邪悪なる鉄の支配者』:2022/09/28(水) 17:27:27
>>585
>>586
君、赤月の左腕は砕かれ、右腕も――昨日は有しているが無事ではない。
しかし、その中で君は動いた。自傷しながらも、ガラス片の吹付けによって時を稼ぐ。
痛みの中――即座の反撃は苗太の予想外だったか、それとも、スタンド能力による加速が想定の外であったか。
いずれにしても、君、赤月は『降参』を口ずさむだけの時を稼ぎ、

――『過ち』を犯した。

それは、防御を選んだことではない。
敗北を口にしたことでもない。
この状況、この段階に置いて致命とすら言えるそれは、二つ。
一つ、『自ら』足を傷つけ――『失血』を生んだこと。『ガラス片』は君の血管を深く裂くようなことはないが、それでも皮膚の破れと失血は免れない。
二つ、迫る『鉛』への対処を行わなかった事。だからこそ、君は、『終わり始める』

「あらあら、大変、血が流れてしまったわね」

克子が笑う、嗤う、嘲笑う。
それは、侮蔑の笑みだ、そして、確信の笑みだ。
――相手を、嵌めた笑みである。

「なら、『輸血』して上げましょう。折れた骨も補ってあげましょう――私の、エレクチオン――『鉄血』のスタンドで!」

既に『至近』に存在していた鉛――否、『鉄血』は、君の足元にまとわりつく。
君は、すぐに『違和感』を感じたはずだ。『異物』が体内へと侵入する、異形の感覚に。
――既に、侵入は始まっている。君の右足の傷痕から、『鉄血』は、君の体内を犯し始めている。

しかし、されど、『君は一人ではない』

「――あ、ぎっ!」

――克子が悲鳴を上げた。それは、必然の悲鳴である。

「おおーっと! 誰かが何かをやらかしたーっ! 見えない罠! 浮かび上がる力! 未知こそスタンドバトルの醍醐味ですわーっ!!!!!!」

実況が呷り、観客が湧く。その中で、克子は呻き続ける。
誰であろうとも、うめき声をあげようというものだ。――地中から指が飛び出て、目を抉ったのだから!
破壊力D――それに、眼球を貫く威力はない。しかし、決して遅くはなく(スC)、緩やかな動体目標には外さぬ精密性(精C)
合わされば――激痛、生み出す威力は生まれる。

「目っ、私の、目……」

顔を抑えて呻く克子――その『周囲』から、滲み上がる『鉛色の液体』
それは、数条の鞭となって、周囲をやたらめったらに『薙ぐ』(スC)目を奪われての動揺状態――精密さなどは存在しない。しかし、君、小石川の指はすぐに『捕まる』だろう。
だが、瞬時ではない。


「――克子!?」

同時、眼に吹きかけられた苗太が振り返る――その所作に躊躇いはない。そして、君、赤月の吹きかけによるダメージも見受けられない。
……しかし、次の『瞬時の行動』は封じられたことは、間違いはない。

――君は、機会を得た。彼女、小石川の『援護』による、機会を。

その上で赤月、君がどう動くかは自由だ。
ただし、『侵入量』はゼロではない……

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□鉛□□□□□□■∴
∴■□□□□鉛克□□□□□■∴
∴■□□□□鉛□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□小□□苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□★赤鉛□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴



□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子(片目を抑えている)
苗=苗太(振り向いている)
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン

赤=赤月(侵入量、微)
小=小石川

ガ=たくさんのガラス片

588赤月『サクソン』:2022/09/28(水) 17:45:20
『腰紐』から変化させた『縄金票(ジョウヒョウ)』はまだ『暗器』の形を保っていますか?
(『暗器化』は通常10秒程度持続します)

589GM:2022/09/28(水) 21:27:02
>>588
保ってていいとします

590赤月『サクソン』:2022/09/28(水) 22:36:59
>>589
回答ありがとうございます

>>586
>>587

「あ・・・・・ああああぁぁ・・・・・っ!!!」

『ガラス砂』による牽制の直後、自身の足から体内に侵入する『それ』に気付く
『異物』が血管の中に侵入するその不快感に痛み以上の声が出る

(だ、けど・・・・今ならまだ『降参』すれば・・・・・)

「・・・・・・えっ?」

だが、そんな赤月が目にしたのは予想外の出来事であった
広井克子が目を押さえて呻いている・・・・いや!
 ・ ・ ・ ・ ・   ・ ・
『小石川文子』が『攻撃』をしているのだ!!

心中に「何故?」という言葉が駆け巡る
「何故、攻撃する事が出来たのか?」と

(スタンド能力を身に着けているとはいえ、戦う事が出来ない人間はいる・・・・
 身体がデカいばかりで人を殴る覚悟を持たない人間を私はストリートで見てきた!
 文子もそういう人間だと思っていた・・・・・!)

ならば・・・・極限の状況下で『覚悟』が生まれたのだろうか?
この戦いの中で成長して『戦う事が出来る人間』になったのか・・・・?

(違う・・・・! 彼女のあの言動は・・・・そういう人間の言葉ではない!
 彼女は元々、『戦う事が出来る人間』だった・・・・・・だったら・・・・・)

「だったら・・・・『戦う事が出来る』のに何故黙っていたんだ・・・・?」

赤月のその呟きの直後、小石川の動きを見た
『戦場から離れていく』彼女の動きを・・・・・!

(まさか・・・・まさか君は・・・・最初から・・・・)

「最初から!私の事を『囮』に使うつもりだったのかッ!?」

瞬間!怒りの感情が心の中に満ちる!
彼女を護るために『降参』しようなどという甘えた発想が吹き飛んだ

――――腹立たしい。
腹立たしいが・・・・彼女の『援護』を無駄にする事も出来ない
追及は、試合が終わった後にする事にした

「ええいっ! 『サクソン』!」

まずは体内に侵入しようとする『鉛』の対処をしないといけない
手に持った『縄金票(ジョウヒョウ)』の縄部分を腿に巻き付け、一回だけ強く引き絞る!

例えば・・・・毒などの対処をする時に噛まれた部分よりも中枢側を縛る事で
毒が体内に回るのを遅らせる処置がある
その場合、巻き付けた紐を縛る事が必要であるが・・・・今の赤月に縄を縛る時間はない

だからこそ、『サクソン』の『回復阻害効果』を使う
大勢の観衆に見られているこの状況では条件を満たす事は容易い
一度だけ・・・・血管を圧迫するくらいに強く絞れば、その『絞扼状態』は永続する
つまり、縄がなくなっても『絶対に解けない紐』で縛ったのと同じ状態になるという事だ

そのまま、反時計回りに迂回するように苗太の横を通り抜け、克子の所へ向かおうとする
現状、無傷で相手に痛烈なダメージを与えた小石川と
手負いであり、敵のスタンドの体内侵入も許してしまった赤月
警戒の度合いはこちらの方が低いだろう

591小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/09/29(木) 04:08:13
>>587

赤月が『何か』をされた。
実際に体験しておらずとも、十分すぎる程に理解できる。
明らかに『危険』な兆候である事を。

  ――『鉛』……。

『鉛』を思わせるスタンドヴィジョン。

  ――『体内』……。

『鉛』が『人体』に侵入する。

  ――『鉛中毒』……!

自然と連想されたのは『それ』だった。
味方には『肉体の強化』を、敵には『身体の不調』を。
おそらくは、そうした能力なのではないだろうか。
事前に『鏡の破片』を撒いていたのも、
『体内侵入』を容易にするための下準備。
苗太と戦っている間に破片を踏ませ、
そこから『エレクチオン』が入り込む手筈だったのだろう。

  「どうやら……それが『全て』のようですね」

最初に目撃した『蠢き』は『五つ』だった。
苗太が取り込んだ一つを除くと、残りは『四つ』。
地上に現れている数で『全部』と思って良さそうだ。

          ザッ ザッ ザッ

足を止めずに『北西』へ走り続け、敵方から距離を取りたい。
克子の目を突いた『指弾』は、
遠隔操作して飛び回らせておく(ス精CC)。
『手数』でカバーされているが、
こちらにも『サイズが小さい』という利点がある。
『捕虫網』が三つあっても、でたらめに振り下ろしていては、
『羽虫』を捕まえるのは難しい。
精彩を欠いた攻撃なら、多少は持ち堪えられるはず。

                 ズズズズズ

『第一の指弾』が時間を稼いでいる間に、
『第二の指弾』を前進させる。
『無事な方の目』に照準を合わせ、
そのまま『発射』(破ス精DCC)。
この攻撃の目的は、『指』の捕獲を妨害する事。
だから、避けられても構わない。
克子が反応して一瞬でも隙を見せた直後、
二つとも砂の中に潜らせて再び隠す。

592『邪悪なる鉄の支配者』:2022/10/03(月) 22:05:07

>>590

>>591

君、赤月は己のスタンド能力を持って『血流の阻害』に成功した。
長期的に行えば、君の命にも関わってこようが――今、この場に於いては、君に起き得る事象を阻害する効果しか齎さない。
そして、君は彼――苗太の隣を抜けようとするが――

「させるかぁ!」

如何に動揺していても、敵を。まして、自ら以外――即ち、妻へと向かおうとする相手を、見逃すことは、あり得ない。
彼は、思い切り腕をブン回し――ラリアットを君に、叩き込もうと、したのだろう。

「……」

だが、腕をブン回そうとした時――彼は、自らの胸を抑え――どさり、と砂の上に倒れ伏した。
そして、穴と言う穴から、鉛が溢れ出す……!!

「赤月選手、見事に一名仕留めましたわ――ッッッ! しかし、彼はあくまでも『持ち込み道具!』 試合は当然続行いたします!!!」

その通達より、刹那、前である。

「――ちょこっ、まかっ!」

君、小石川が飛び回らせる指――克子を狙うでもなくただ、羽虫の如くに飛び回る指。
確かに、それは捉えにくい。羽虫を張り手で落とすのは、極まって困難な事象であろう。
しかし、されど。だからこそ、人は叡知を生んだ。

「小蝿眼め――舐めるなっ!!!」

――それまでの、液体の攻撃は『鞭』のそれであった。
だが、その時――鞭は、『変形』を果たした。先端が膨れ、平たい――それは、まさにハエ叩きである。
『点』ではなく、『面』へと変じた3つの液体の乱舞は――君の指を捉えた(破CスC精密B)。
それは、『鉄板』で殴られる程度の威力は有している――叩き、落とされた君の指は、砕けた。
だが――もう一本の指の動きが、止まった訳では無い。第二の魔弾は――

「ぐ……!?」

顔に手を置いた姿勢が、幸いしたのだろう。『直撃』は免れた。だ
しかし、顔の――急所たる眼窩を2度、狙われたことにより……克子は、初めて君、小石川を『明確な敵意』を込めて見つめ。

どさり、倒れ伏す音を聞いた。
実況の叫びも、宣告も。その時である。克子から、敵意が薄れ――彼女は、片手を上げた。

「……『降参』を、認めていただけますか?――『戦いの目的』は、終わりましたので」

砂に潜る指を放置して、彼女は君たちに問うた。

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□鉛□□□□□□■∴
∴■□□□□鉛克□□□□□■∴
∴■□□□□鉛□□□□□□■∴
∴■小□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□赤苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□鉛□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴



□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子(降参ポーズ)
苗=苗太(倒れている。スタンドヴィジョンが滲み出ている)
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン

赤=赤月
小=小石川

593小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/03(月) 22:57:11
>>592

  「――……ッ!」

切り離された『パーツ』は、物理的には繋がっていないが、
見えない糸で接続されているようなもの。
すなわち、『感覚』は残っている。
『身体の一部』を叩き落された事で、確かな『痛み』を感じた。
しかし、解除すれば自動的に『再生』が始まり、
『切り離す前の状態』で復元される。
実質的なダメージには成り得ない。

  「……一つだけ聞かせて下さい」

克子を見つめる視線には、激しい感情は存在しない。
穏やかな水面のように落ち着きを保ったまま、
おもむろに口を開く。
その『真意』を知ろうとするかのように。

  「『戦いの目的』とは……何なのですか?」

『北』に向かって歩きながら、
叩き落された『指』の動作を確認する。
どの程度まで動かせるのか。
そもそも『動く』のかどうか。

594赤月『サクソン』:2022/10/03(月) 23:00:25
>>592

「よしっ! これで少しは時間稼ぎが・・・・しまった!」

『血流を阻害』させ、『鉄血』が身体に昇るのを防ぐ
そして、『対戦相手』である克子の方に向かおうとするが、
やはり苗太の守りを突破するのは難しかった・・・・・だが

「えっ・・・・・?」

そんな気の抜けた声が漏れたのは、目の前の光景が信じられなかったからだ
先ほどまで無敵の超人のように振舞っていた彼が、糸の切れた人形の様に地面に倒れ伏す

>赤月選手、見事に一名仕留めましたわ――ッッッ!

「ち、違う・・・・私は何も・・・・
 お、おい!これはどういう事だ!?」

戸惑い、立ち止まっているうちに戦況はさらに動いていた

>「……『降参』を、認めていただけますか?――『戦いの目的』は、終わりましたので」

「・・・・・・!?
 わかった!君の『降参』を認める・・・・だから早く『彼』の治療をしてやれ!」

・・・・・・不思議な直感があった
『苗太』と呼ばれ、戦場に持ち込まれた『道具』である『彼』・・・・
『彼』の倒れ方は尋常な様子ではなかった

「おい! しっかりしろ・・・・おい!」

『苗太』の身体を抱き起こし、呼吸や脈を確認する

595邪悪なる鉄の支配者:2022/10/04(火) 14:31:00
>>593
>>594


……砕かれた指は『動く』。動く、が、精密性と速度は一段階は落ちる。
そして、何よりも『骨』が砕かれているため、用いれるのは肉の部位のみ。
実質的には、破EスD精Dとなる。これを前提とすれば、存在しているのだから。動ける。
そして、君、小石川はその事実を確かめながら、彼女、克子と向かい合う位置に経ち――克子は、問に答えた。

「『保険金』です」

淡々とした、答えである。

「そこのそれには『生命保険』を掛けておりまして……ええ、当然、『合意』の上ですよ? 夫婦というのは、そういうものでしょう? 私に万が一が起きたときも、それに保険金が降りる事になっています」

克子は、苗太に目線を向ける。
それ、と称された男――時期、『物体』に成り果てる男に向けるそれは、モノに向ける眼差しだ。

「で、私はそれが欲しいんですよ。けれど、『夫』は要らないんです。つまり、死んでくれた方が助かるというわけです……一年足らずとはいえ、私を『妻』と出来たのですから、命くらいは安いものでしょう?」

そして、仰々しくため息を付く。

「けれど……これは、私の理屈。夫が死んで私が保険金が出る――何度も繰り返せば。問題視もされるでしょう。く……なら、『事故死』してもらうのが一番です」

克子は、清楚さすら称えて微笑んだ。

「それも、誰かが『事後処理』をしてくれて、『証拠隠滅』と『辻褄合わせ』をしてくれるような、『事故死』」

克子は――周囲を見渡す。
都市の闇の奥を、絶対に『表』には出ない闇の領域を。

「『アリーナ』は、最高の場所ですよね? 『万が一』が起きても『絶対に表に出ない』し、観客を巻き込まないために、『工作』も行ってくれる。死亡診断書も問題ないものが出てきます……ええ、3回連続で夫が『鉄中毒での心停止』は、警察も私に眼をつけようというもの。けれど、全く私の関わりのない場所で、死んだことになってもらえれば……怪しまれるだけで、終わりです。警察も、保険会社も」

そして、克子の眼差しが、、闇の一点を向く――上階席。
君たちが目をやったならば、この試合をプロデュースした、金の少女の姿を見つけるだろう。
彼女は、鉄よりも尚底冷えした、氷のような目で試合会場を見下ろしている。

「『運営』には、保険料から手間賃を払う話を付けてあります。あなた達も、この場で勝ってくれるなら、私から勝利報酬のボーナスを出しましょう」

596邪悪なる鉄の支配者:2022/10/04(火) 14:31:31

>「・・・・・・!?
 わかった!君の『降参』を認める・・・・だから早く『彼』の治療をしてやれ!」

君、赤月の声が響くと、克子はやれやれと肩を竦めた。

「目的の関係上、それは出来ません。私は、彼の死を、お金に変えるのですから。それまでは、『試合放棄』としての降参はできかねます」

克子は、再び闇を見る――観客の最前列。
君、赤月は知っているはずだ。白黒の装いをした、彼女のことを。
――時を戻すスタンド使いを。


「……たしか……心停止からか、『本当に』助からなくなるまでは、『10分』。もう少し時間がかかるので……その間は、おしゃべりでもしませんか?」


>『苗太』の身体を抱き起こし、呼吸や脈を確認する

君、赤月は苗太の状態を調べる。
呼吸は止まっている、脈も止まっている――『心停止』だ。
だが。

「なんという衝撃ネタバレ! この女、腐ってやがる……けれども、この波乱万丈が最中アリーナですわ――ッッッッ!!!」

赤ずくめが吠える、叫ぶ。そして。

「そう、『10分!』――私達の記録上、人間が戻らなくなる――比喩的な表現になりますが――ヒトが、モノになる――『魂』がどこかに向かうまで――心停止状態から、おおよそ10分! 倒れた彼のタイムリミッツ!!!――そしてぇ!皆様! スマホ開いて――入場時にお配りした用紙から繋がる――URLをもう一度開いてログインしてください!」

君たちは、観客たちが何を見ているかを知ることは出来ない。だが、聞くことは出来るだろう。

「はい――『サプライズギャンブル!』。熟若タッグが『飲む』か『飲まない』か! 『飲まない』を選んだ方は、『勝つ』か『負ける』か!――通常の勝ち負けとは『別』のギャンブルですわよ――っ!! より損するか、二重に勝つか! 皆様の勇気に期待しますわ――っ!」

すると、不満すら浮かべていた観客たちが――どっと盛り上がりを見せる。
スマートフォンを操作しながら、彼らは君たちに吠える。

「見殺しにしろ!」「10分待て!」「あんたらも儲けてあたしらも儲ける!」
「勝て! 飲むな!」「そいつを助けろ!」「俺をダブルに勝たせろ――っ!!!!」

喧々囂々と、観客達は叫ぶ。一人、倒れ伏す男の命運を、彼らは賭けて、金へと変える。
彼や彼女が見ているのは、金だった。克子も、金を見ている。苗太の目は、何も見ていない。

――君たちが何を見るかは、自由だ。


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□鉛□□□□□□■∴
∴■小□□□鉛克□□□□□■∴
∴■□□□□鉛□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□赤苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□鉛□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴



□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太(抱き起こされている)
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン

赤=赤月
小=小石川

597赤月『サクソン』:2022/10/04(火) 17:49:23
595-596

「『保険金』・・・・だと・・・・?」

淡々と、感情のない口調で解説される克子の『本当の目的』
目の前の男・・・・『苗太』の脈は既に止まっている
このまま彼女の語る流れ通りに事が進めば、彼は本当に死んでしまうだろう

選択肢は二つに一つ
このまま、彼が死ぬのに任せて克子の『降参』を引き出すか
それとも、あるいは・・・・・・・

「彼は・・・・『苗太』は本当にお前の事を大事にしていた・・・・」

先ほどの彼の行動を思い出す
赤月が克子のもとへと向かおうとした時、彼は本気になって彼女を護ろうとしていた

「それを・・・・『家族』であるお前が裏切るというのか・・・・?
『金』欲しさの為に・・・・『家族』の命を奪うだと・・・・?」

「論外だッ!!」

克子の提案など、受ける気はないと言わんばかりに、再び克子に向かって駆け出す
縛り上げた右足がうっ血によって赤く腫れようとも、その足を止める気はない

「『10分』だッ!
 彼はまだ生きている・・・・『10分以内』にお前を倒し、
 『ザ・オーメン』に苗太の治療をさせる!」

    タタタタタタタッ!!

「小石川文子! 力を貸せ!」

598小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/04(火) 20:58:14
>>595-596

観客の声は聞こえない。
正確には聞こえてはいるが、耳に入っていないのだ。
克子の口から告げられた『真意』が、
果てしなく『現実的』で限りなく『残酷』な響きを持って、
胸の深奥に木霊した。

  「――『そうですか』……」

僅かな忘我の後、ぽつりと呟くように発したのは、
喉から絞り出すような『か細い一言』だけだった。

  「克子さん――あなたは……
   私とは違った『価値観』をお持ちのようですね」

『小石川の母親』は、両親から結婚を反対され、
愛する者と手を取り合って家を出た。
二人は『駆け落ち』し、その先で『娘』が生まれた。
彼女も『母親の因子』を色濃く受け継いでいる。
すなわち、『愛のために生きる』という事。
控え室で預けてきた『指輪』を思い出す。
ただ一人の相手を愛し、『生死の境界』に分かたれた後も、
変わる事なく愛し続ける。
それは克子とは『正反対の生き方』だ。

  「よく……『理解』できました」

『右手首』を接続した上で、残った『パーツ』を解除する。
同時に、欠損部位の『再生』が始まる。
完了までの時間は『二つ』で『40秒』。

  「……あなたに『謝らなければならない事』があります」

  「きっと『無傷で帰る予定』でいらしたのでしょう……」

『指弾』を受けた時、克子は激しい感情を露にしていた。
自分が攻撃を受けるとは思っていなかったのだろう。
おそらく今までも『そうだった』に違いない。

  「私が『粗相』をしたせいで『傷』が付いてしまいました」

          スゥッ

  「――『申し訳ありません』」

且子に向き合い、『傷』を抉るように、丁寧に頭を下げる。
『母親の実家』は『裕福な家柄』だった。
家を捨てた母も、『礼儀作法』は『教養』として娘に教え、
その結果として文子は、
『みだりに感情を表に出さない人間』に育つ事になった。
どのような場であっても、積み重ねてきた年月が、
『はしたない振る舞い』を許さないのだ。
『燃え立つような想い』を心に秘めていたとしても。

  「その『お詫び』に――」

          グッ

たおやかな所作で背中に左手を回し、『グリップ』を掴む。

  「次は『私の価値観』をご説明したいと思いますが……」

        シャリィィィィィィィィンッ

『鞘』である己の肉体から、『スーサイド・ライフ』を引き抜く。

             ストンッ ストンッ

そして、『両方の小指』を切り離す。
普段であれば『靴』が邪魔になるが、今は『裸足』。
つまり、『両足の小指』を切り離せる。

  「――『一分』ほど、お時間をいただけますか?」

『静観』を決めた瞬間から、
余計な手出しは極力しないつもりだった。
赤月が殴られても助けに入らず、
『鉛』が向かってきた時も故意に見過ごした。
ここで自分が手を貸しては、赤月のためにならない。
そう思って、『最低限の助力』以外は避けてきたのだ。
しかし、『状況』が変わった。

  「その間に『説明』を終わらせます」

ここからは――『本気』を出させてもらう。

>>597

小石川文子は答えない。
赤月のように激昂しておらず、
目の前の相手を静かに見つめる姿は、
表面的には穏やかなように見える。
だが、その身に纏う雰囲気には、
確かな『変化』が窺い知れた。
一匹の虫も殺せないような儚い容貌の中で、
その憂いを帯びた瞳に、強い『意思の光』が宿っている。
左手に握り締める『ナイフ』のように、
研ぎ澄まされた『刃』の輝きを思わせた。

599邪悪なる鉄の支配者:2022/10/09(日) 21:30:43
>>598
>>597

>「――『そうですか』……」

>「克子さん――あなたは……
>私とは違った『価値観』をお持ちのようですね」

「価値観は、人の数だけあります。アリーナとて、そうでしょう? このアリーナは、私の案に乗った試合を組んでくれましたが――フーヴィアン派に提案したら、飲まないでしょうし」


>「よく……『理解』できました」

>「……あなたに『謝らなければならない事』があります」

>「きっと『無傷で帰る予定』でいらしたのでしょう……」

「ええ、ええ、そうでした……『それ』には力尽きて貰って、あなた達にも負けて貰う予定でした……こうなってしまったのでお教えしますが、『シャワールーム』に、私のエレクチオンが、いたのですよ。もしもシャワーを浴びていたら、多少は浸透していたでしょうに」

>「私が『粗相』をしたせいで『傷』が付いてしまいました」
>「――『申し訳ありません』」
>「その『お詫び』に――」

          グッ

>たおやかな所作で背中に左手を回し、『グリップ』を掴む。

>「次は『私の価値観』をご説明したいと思いますが……」

        シャリィィィィィィィィンッ

>『鞘』である己の肉体から、『スーサイド・ライフ』を引き抜く。

             ストンッ ストンッ

克子の目が細まる。どこか、愉快そうに。

>「――『一分』ほど、お時間をいただけますか?」

600邪悪なる鉄の支配者:2022/10/09(日) 21:31:01

>「その間に『説明』を終わらせます」

おっとりとしたほほえみを浮かべた克子は、君、小石川にうなずく。
明瞭なる戦意は、この場にいる誰もが感じ取れるだろう、彼女は直ぐに――答えた。

「ええ、一分――構いませんよ? 私は、その『一分』に備えをさせてもらいます」

克子がそう告げると、同時である。全面に展開された鉛――この表現を許していただきたいのだが――『上下2マス分』
この2マス分が……『克子』へと、突き刺さった。美しい――少なくとも、一般的にな美的感覚において、美しい『外面』が、痛みに歪む――そして、顔色が、『変わる』――『変わり始める、ではない』。
……青白く、不関係な、まるで、まるで鉄を飲んだような顔色に。
倒れ伏す前の苗太、彼よりはまだ、健康そうな顔――加速度的に不健康になりつつあるその形相は、君、赤月に向く。小石川に向けた微笑みは、そこにはない。
純粋な、純然な、一切の混じりけのない――嘲りがあった。

>「彼は・・・・『苗太』は本当にお前の事を大事にしていた・・・・」

「ええ、それはそうでしょう。彼は私のことを好きといいました、君と一緒に老いるといいました。嘘ではなかったでしょう――スタンド使いですらないのに、私の能力を受け入れ……このアリーナに幾度も立ったのですから。ああ、怖かったでしょう、スタンドが見えない身で戦うのは。その愛は……真であったことでしょう」

「それを・・・・『家族』であるお前が裏切るというのか・・・・?
『金』欲しさの為に・・・・『家族』の命を奪うだと・・・・?」

「ええ――私はそうではないから。『男』など、使い捨て乗り換える――車のようなものなのです。当然、車を乗り換えるには金銭的な余裕が必要で、私には――クリスマスケーキの売り時を超えても衰えない「「美貌」があった。持って生まれたモノを『金』に変える。それは、スタンド能力で金銭を得ようとする、あなたたちと同じです」

>「論外だッ!!」

「正論。といいなさいな」

君、赤月。彼女、克子。君たちの倫理は、相容れまい。


>>「『10分』だッ!
 彼はまだ生きている・・・・『10分以内』にお前を倒し、
 『ザ・オーメン』に苗太の治療をさせる!」

>「小石川文子! 力を貸せ!」

「――との、こととですが。小石川さん」

苗太から溢れた鉛が蠢く。鉄の支配者の眼が、赤月を捉える。

「――『1分』。二人で来ますか? それとも、『1分』。お待ちいただけますか?」

「その1分舞っていただけるなら、私はあの子を黙らせますので」


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■小□□□鉛克□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□赤苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□鉛□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴



□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太(抱き起こされている/周囲に鉛が溢れ出ている。鉛は蠢いている)
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン(脈動中)

赤=赤月
小=小石川

601赤月『サクソン』:2022/10/09(日) 23:56:29
>>598
>>599-600

「小石川・・・・文子・・・・ッ!!」

かけた言葉に返事はなく、小石川はただ目の前の克子とだけ話をする
会話の内容を聞いた赤月の中に・・・・一つの『不信』が芽生える

(彼女は・・・・自分が戦える人間である事を隠し、私を囮に使った・・・)

(そんな彼女の目的はなんだ・・・・?)

一瞬だけ見えた彼女の眼差し
身に纏う雰囲気の変化・・・・それはどこか『強い意志』を見せていた
彼女は・・・・・『何かをやろう』としている!

(彼女の目的が『勝利』にあるとすれば・・・・
 なるべく苦労せず、傷を負わない『勝利』が目的とすれば・・・・?
 今のこの状況で・・・・それを簡単に叶える方法は・・・・・?)

「まさか! 君は・・・・『苗太』を殺そうとしているのか!?」

――――導き出した結論。
そもそも、『敵』である克子の目的はこの『試合』を使って『苗太』を殺す事にある
その目的がすぐに達成できたのなら・・・・彼女は喜んで我々に『勝利』を譲るだろう

そこに・・・・克子からの嘲り混ざりの言葉が届く
『苗太』という男の『誠実さ』に唾を吐くようなその言動に
心の底から怒りが燃え盛る!

「『外道』め・・・・!
 『家族』は・・・・車やケーキのように替えが効くものじゃあない!」

動き出す。
真っ直ぐに克子に向かいながら、胸元を右手で探る
先ほど『袖箭化』を施した箸を二本、水着の下に隠していたからだ(>>590メール欄)
赤月はそれを右手で持ち、食事をする時のようにカチと片手で動かす

その瞬間!使用動作をトリガーとして『暗器化』が発動する!
『袖箭』となった箸はそれぞれ対象へと飛んでいく・・・・その相手は!

(小石川文子・・・・広井克子・・・・君たちだ!)

自身のスタンド『サクソン』の精密動作性で修正を加え、
二人の標的の胴体を目掛けて『袖箭』を飛ばす!

602小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/10(月) 19:54:18
>>599-600

倒れ伏している苗太の姿に、『愛する者』の面影が重なる。
永久(とわ)の愛を誓い、いつまでも想い続ける『彼』の姿が。
この瞬間、苗太は『彼』だ。
『彼の命』が消えかけているというのに、
何もしないでいる事など出来るはずがなかった。
私は一刻も早く、『彼』を助けなければならない。

  「今から『一分間』……私は『手を出しません』」

  ――絶対に『失敗』は許されない……。

  「あなたが『一分で赤月さんを倒せる』というのでしたら――」

  ――私は必ず『あなた』を助けます……。

  「『証明』して見せて下さい」

本当なら、すぐに飛び出していきたかった。
溢れ出てしまいそうな感情を必死で押し殺し、
克子の提案に『乗る』
『手を出さない』とは言ったが、
『準備をしない』とは言っていない。
『新たな布陣』を敷くまでの『時間稼ぎ』。
『確実』に勝つために『万全』を期す。

    ズズズズズズズズ

砂の中に『指』を両方とも沈め、
『北東』に向かって歩き始める。
『指の一方』は『現在地』に残す。
『もう片方』は自身に随行させておく。

  「――……」

克子に起きた『現象』から読み取れるのは、
苗太と同一の『変貌』。
単純な物理攻撃を受け付けない『強靭な皮膚』と、
常人を超えた『膂力』だ。
しかし、彼女は『二つ分』を吸収した。
おそらくは『効力』も強いと考えるのが妥当だろう。
肉体的なコンディションにおいて、
片腕を奪われた赤月の不利は明らかだ。

  ――ごめんなさい……。

それでも『一分間』は『加勢しない』。
赤月から恨まれても憎まれても、『確実に救える道』を選ぶ。
『泥の中』に『光』を見出すために。

>>601

小石川は与り知らない事だが、『目撃者』が存在する限り、
『サクソン』の『暗器』は治療を阻害する。
しかし、その効果が発揮されるのは『生物』のみ。
したがって――。

             カキィンッ!

  「……そんな事をしている『余裕』があるのですか?」

『ナイフの達人』である『スーサイド・ライフ』で、
飛んできた『袖箭』を『弾き返す』。
刃を振るのではなく、角度を調整して構えておくだけだ。
『手を出した』のは赤月であり、この『跳弾』は『事故』。

       ビシュゥッ!

『袖箭の跳弾』が向かう先は克子。
効かない事は分かっているし、
そもそも『鉛』で防がれる可能性も高いが、
予想外の角度からの『反射』。
ほんの一瞬、気が逸れる程度の効果があるのなら、
多少なりとも『赤月の援護』に出来るかもしれない。

  「『あなたに渡した武器』で私を攻撃する事は、
   苗太さんを救う事よりも優先すべき事なのですか?」

赤月に投げ掛ける言葉は、『優先順位』を問うものだ。

  「『その通りだ』とおっしゃるなら――」

  「私は赤月さんを『誤解』していたのでしょう……」

赤月の認識は訂正しない。
ただ、『本来すべき事』に意識を向けさせるだけ。
その上で尚も攻撃してくるというのであれば、
自分が見極めようとしていた『赤月ナカレの意志』は、
『そこまでのものだった』という事なのだろう。

603邪悪なる鉄の支配者:2022/10/11(火) 11:38:23
>>601
>>601
(ここからは、『1レス10秒』とお考えください。)

>「『外道』め・・・・!
 『家族』は・・・・車やケーキのように替えが効くものじゃあない!」

「替えは聞かなくても、新しく増やせるのよ? 」

にたりと笑った克子は、君、小石川にちらり、視線を送った。

「では、証明してみせましょう――その後、どうするか……懸命な決断を期待していますよ」

鉄の女はそう告げると――君、赤月に両手を広げて、脚を進める。
砂の沈みは重くなっているが、速度は人並み(C)。重量はともかく、純粋速度は変わっていない。

「……抱き潰してあげましょう」

更に、前へと駆け抜ける君の背後を――『鉄血』が『エレクチオン』が追う。
その速度も、やはり人並み(C)。君の移動と『同速度』だ。
そして、君、赤月の怒りに満ちたる暗器、投擲。
人並みの力ではあろうが、投擲したのは紛うことなき金属凶器。並大抵の速度たれ、人の表皮なぞ容易くぶち抜く威力はある。
だが――相手、胴体に『直撃』を受けた克子はにたりと笑った。

「無駄、無駄……『直』は、早いんですのよ……?『鉄塊』を投げた『鉄片』で――穿てるもの――……?」

君、小石川が『弾いた』暗器は――地べたに垂れた『エレクチオン』の上を通過して、克子へと直撃した。
やはり、傷はない。しかし。視界は向いた――が、すぐに赤月へと戻る。
この刹那、克子の動きは止まり、赤月を追うエレクチオンの速度も僅かに落ちた(スD)。瞬間的な行動であれば、静止して行うことも出来るだろう。

――残り、50秒。


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□小□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□鉛□□□□□□■∴
∴■□□□□□克□□□□□■∴
∴■□□□□赤□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□鉛苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴



□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン

赤=赤月
小=小石川

604赤月『サクソン』:2022/10/11(火) 23:49:01
>>602

「今の行動ではっきりとわかった・・・・
 戯言だ・・・・ お前の言葉は全て・・・・!」

己の行動の誘導を図ろうとする小石川の言葉に応える
その視線は先ほど発射された『袖箭』の軌道に向けられていた

「お前は言った・・・・『大事な物を捧げる事で願掛けとする』と
 私は・・・・その言葉を聞いて誓った・・・・『絶対に無駄にはしない』と・・・・」

射出したのはただの『袖箭』ではない
小石川文子から供せられた・・・・夫婦の思い出が詰まっていると嘯かれた『夫婦箸』だ

「どうしてそうも平然としていられるッ!?
 これは・・・・お前から預かった『大切な物』のはずだ・・・・
 決してッ! 単なる『武器』なんかじゃあない!!」

一息の激昂の後、酷く悲し気な目で小石川を見る

「嘘だったんだろう・・・・全て・・・・
 私をその気にさせるための・・・・」

「ああ・・・・お前の行動は正しい・・・・
『アリーナ』という闘争の場で、なるべく汗をかかず、血を流さずに勝つためには正しい行動だ
 私のような愚か者を・・・・利用できるものを何でも利用するのは正しい行いだ・・・・」

「『苗太』に手を出すな・・・・ッ!
 お前が彼を手に掛けるようなら・・・・試合が終わった後でも、私がお前を殺してやる・・・・ッ!!」

>>603

(状況は・・・・かなり悪い
 小石川がどう動くかもわからない以上、良くて『三つ巴』の状態と考えるべきだ・・・・)

頭の中で互いの利害関係を整理する
『苗太』の殺害を狙う広井克子・・・・これは動きが読みやすい
だが・・・・

(問題は小石川文子だ・・・・『三つ巴』の状況とは言ったが、
 私がこの場を離れた瞬間に『苗太』に止めを刺し、『勝利』を克子から引き出す可能性が高い)

「迂闊には動けない・・・・か・・・・」

前方からは『鉄血』の力を得た広井克子
後方からは力の源である『鉄血』そのもの
そして、遠方では小石川文子が戦況を監視している

「退くわけにはいかない・・・・
 私が倒れれば・・・・彼は本当に死んでしまうのだ!」

決心し、最後の手段を取る
先ほどから右足に適応していた『回復阻害効果』を全解除
それにより、足の血流を開通させる

「ぐ・・・・うぅうう・・・・!」

それは同時に、体内に『鉄血』が取り込まれる事を意味する
先ほどからの観察結果を考えるに、『鉄血』には人体を『金属化』する能力と
それに伴う『中毒作用』の二種類の効能があるようだ

ならば!『鉄血』を全身に取り込む事で広井克子と同様の『超人』となる事が出来るはず
だが・・・・それは苗太と同様に心不全のリスクを抱える事になるだろう・・・・

(やってやる・・・・・!)

能力の解除直後に、『鉄血』が取り込まれた右足を克子に向けて伸ばし、
足裏を相手に押し付けるようなヤクザキックをかます

605小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/12(水) 02:23:49
>>603-604

この世界には、大きく分けて『二種類の人間』がいる。
自分の思う事を感情のままに大きな声で叫ぶ者。
自分の思う事を胸の内に秘めて何も言わない者。
『赤月ナカレ』は『前者』、『小石川文子』は『後者』だ。
両者に明確な違いがあるとすれば『認識』である。
小石川は赤月が『前者』だと知っているが、
赤月は小石川が『後者』だと気付いていない。
自らの心の中を剥き出しにし、
声高に主張する事だけが『スタンド使い』の――
引いては『人間の美徳』であると考えるのならば、
感情を隠す事なく相手に叩き付けられる赤月は『善』であり、
それをする事が出来ない小石川は『悪』であろう。

―――――――――――――――――――――――――

出会ってからの時間は短いものの、
赤月の性格は概ね感じ取れる。
反論がない事は『敵意の表れ』と見なすだろう。
しかし、小石川は答えなかった。
『そんな事をしている余裕がない』のは、
むしろ小石川の方なのだ。
苗太の命が――『彼の命』が尽きかけているという時に、
赤月との会話に費やす集中力さえも惜しい。
また、赤月から小石川に対する敵意が膨らめば、
それと同じ分だけ『克子の油断』を誘える。
ゆえに、今は『自分の行動』のみに専念し、
しかるべき時のために『刃を研ぐ』。

       ザッ……

『北東』に向かって歩き続ける。
ちょうど『克子の背後』に回るような位置を目指す。
普通ならば間違いなく警戒される動きだが、
『エレクチオン』によって強化されている彼女は、
おそらく気にも掛けないはず。

              スパンッ

克子の死角に入った瞬間、『右手』を切断し、この場に残す。
自身に随行させておいた『指』は、引き続き追従させる。
『完全な準備』には、まだ足りない――。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□☆□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□★□□鉛□□□□□□■∴
∴■□□□□□克□□□□□■∴
∴■□□□□赤□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□鉛苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴∴■■□□ガ■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

(※★の位置に指の片方を残し、本体は☆の位置に移動したい)

606邪悪なる鉄の支配者:2022/10/14(金) 20:15:58

>>604

>>605
君、赤月は『束縛』を解き、血を、『鉄血』を巡らせ始めた。

『鉄血』は巡る、君の血管を。
『鉄血』は変ず、君の筋骨を。
『鉄血』は穢す、君の未来を。

――君を『異形』の感覚が襲う。肉体が、『作り変えられる』、異形の感覚だ。
血管が、『鉄管』に、筋肉が『鉄筋』に、骨が『鉄骨』へと変わっていく。
重く、堅く、強く――肉(ミート)が、鋼鉄(クローム)に。
その感覚は、凄絶なまでの違和感と気持ち悪さを君に与える。慣れ親しめばともかく――鋼鉄の処女喪失を済ませたばかりの君は、まともに身体を動かすことは難しい。
しかし、されど、君の肉は間違いなく強化される――込み上げる吐き気と痛みを堪えながらでも、君は蹴りを放つことが出来るだろう。

できるだけだ。

『万全』ならばまだしも、初体験の気色悪さに苛まれての蹴りの勢いはともかく、精密性は――並以下(D)
その、上に。

「ねぇ、赤月さん。その判断は、少しばかり面倒を生んだわね?」

君の蹴りを、克子はガードもせずに受けた、多少動いたが、ダメージを受けた様子はない。

「だって、そうなると――――――頑丈になると、壊すのに、少し時間が掛かるじゃないの」

――克子は、『鉄』の女は――君の腹を思い切り殴打する!
――鉄そのものの拳!(破BスC精C)
常人ならばノックアウトの一撃であるが、鉄に変じつつある君は確実に耐えきれる。凄絶なまでの激痛と、さらなる嘔吐感と引き換えに。

「『量』が違えば、『質量』が違う! 『侵食速度』も『密度』も、ましてや 『大人』と、『子供』! スタンドの総量!――私が一時間を掛けた意味――もう少し、考えるべきだったかもね」

――そして、君の脚に、君を追う『鉄血』が触れた。
君がどう動くかは自由だ、激痛の中であるが、『動けない』ということはない、鉄血も、触れただけだ。
しかし、しかし。鉄血の影響で君の地力が増してははいるが――気色悪さで『精密性』が落ちたことは、考慮に入れるべきだろう。
そして――君、小石川は、動く。
決意と共に、罠、仕込ませながら。目指す場所に。
10秒。である。疾駆であれ、徒歩であれ、十分に届く距離だ。
君は歩く、君は潜ませる。その先に、君は――?





∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□小□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□鉛□□□□□□■∴
∴■□□□□□克□□□□□■∴
∴■□□□□赤□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□ガ■■∴∴∴∴

□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子(足元にならスタンドが絡もうとしている)
苗=苗太
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン

赤=赤月
小=小石川

607赤月『サクソン』:2022/10/14(金) 23:13:59
>>605
>>606

「広井克子・・・・私にばかり構っていると足元を掬われるぞ
 小石川文子は『何か』をしようとしている」

状況は依然悪い
赤月はこれまでにいくつもの戦いを経験してきたが、
複数勢力の入り混じった・・・・・『乱戦』はほぼ初めてと言ってもいい

(少しでも・・・・相手の集中力を削って・・・・・ ・・・・・!!!???)

『束縛』を解いた事による『鉄血』の影響が、ここで現れる
右足から体幹に昇った『鉄血』が全身を駆け巡り・・・赤月の肉体を作り変える

「ひぅ・・・・ あっ・・・・!」

生温い鉄の棒で内臓を優しくかき混ぜられるような感覚
身体の奥が火で炙られる様な・・・・ぞわぞわと蟲が駆け回るような・・・・異常なまでの不快感!

(お腹の・・・・・中が・・・・・)

   「はっ!?」

          ドグゴォォォッ!!

肉体の変化に戸惑う赤月の腹をハンマーのような拳が殴打する
その瞬間に、喉の奥を胃酸と・・・・先ほど食べた寿司の遺残が逆流した!

「うぐっ ごぽっ・・・・」

胃液を吐き戻し、ぐらぐらと世界が揺れる感覚が続く
だが・・・・それでも赤月の脳は思考する事を止めない・・・・『勝つ』ための思考を!

(駄目・・・・だ・・・・)

(同じ『鉄』の力でも・・・・彼女と私とでは物量が違う・・・・)

(『無敵』だ・・・・『鉄血』の力を得た彼女は『無敵』になったんだ・・・・)

巡らせた思考が『絶望』の解を打ち付ける
『鉄の女』となった広井克子に敵う道理など・・・・

    うぞっ・・・

「・・・・・・。」

赤月の脚に泥状の『鉄血』が身を寄せる

(・・・・・・・・ち、がうっ!
 まだだ・・・・ まだ活路はある・・・・ッ!!)

ふと、『あの夏』の出来事を思い出した
『あの夏の日』・・・・赤月は自身の肉体を『雲状』に変化させる敵と戦い・・・・
『サクソン』の『回復阻害能力』を使って彼に致命傷を負わせた事があった

(スライムのようなこのヴィジョン・・・・
 普通に殴ったり蹴ったりするだけじゃダメージを与えられないだろう・・・・
 だけど・・・・『サクソン』の『回復阻害能力』を使えば・・・・!)

例え・・・・相手が雲人間であろうとも
千切れれば千切れたままとなり、打ち払えば打ち払われたままとなる『サクソン』の力
その力を・・・・『エレクチオン』に使えば・・・・!

「『サク・・・・・ ソン・・・・・・』ッ!」

『トレンチコート』の下の『浴衣』と『水着の上半身部分』に『暗器化』を使用
『浴衣』には『鉄扇』、『水着』には『縄金票(ジョウヒョウ)』を仕込んでおく
そして、すぐさま『トレンチコート』とともに『浴衣』を脱衣!!
脱衣という使用をトリガーにして『浴衣』を『鉄扇』に変化させる!

「あ・・・ あああ・・・・」

広井克子には背後の小石川に対して注意を促した
なおかつ、彼女はこの状況で赤月が『エレクチオン』に干渉出来るとは考えていないだろう
その油断を突き、『鉄扇』を使って『エレクチオン』のスタンドヴィジョンをコマ切りにする!
差し詰め・・・・まな板の上で輪切りに刻まれるウインナーソーセージのように!

608小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/15(土) 03:25:39
>>606

最初は赤月と同じく、
すぐさま克子に挑みかかるつもりでいた。
背中を強く押したのは、心に秘めた『静かな激情』。
しかし、敵である克子が発した言葉が、
逆に小石川を冷静にさせたのだ。
『落ち着いた思考』なくして、『確かな結果』は得られない。
それゆえに、『今の行動』がある。

『駒』を進めながら、内心の感情を表に出さず、
赤月の戦いを見守り続ける。
お互いに決定打が通りにくい状況は、
見ようによっては膠着状態にも思えるが、実際は違う。
赤月側の強化は『付け焼刃』の域を出ない。
克子は万全のコンディションで、
本体とスタンドの『同時攻撃』を仕掛けている。
よほど劇的な『切り札』でもない限り、
『一人で勝つ』のは極めて困難だろう。

  「――……」

赤月の姿に『過去の自分自身』が重なり、
胸の奥に宿る『忘れ得ぬ記憶』を鮮明に呼び覚ます。
全てを一人で背負おうとした結果、
自らが犯してしまった『大きな過ち』を。
もがけばもがく程に『泥の中』に沈んでいき、
やがては『最悪の結末』を招いてしまう。
今の赤月は、まさに『あの時の自分』そのものだった。
だからこそ――同じ轍を踏んで欲しくないと願ったからこそ、
ここに立った時、赤月の意志を見極めようとしていたのだ。

       ザッ……

                 ザッ……

自身に随行していた『指』を前進させ、
自らは克子の側面を取る位置に歩いていく。
『もう一つの指』は『西(>>602)』に配置し、
『右手』は『北(>>605)』に残している。
それが意味するのは、本体を含めた四方からの『包囲網』。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□手□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□鉛□□□□□□■∴
∴■□指□□□克□□□小□■∴
∴■□□□□赤□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□指ガ■■∴∴∴∴

(※本体および部位を上記の位置に移動する)

609邪悪なる鉄の支配者:2022/10/17(月) 18:00:08
>>607


>>608



>「広井克子・・・・私にばかり構っていると足元を掬われるぞ
 小石川文子は『何か』をしようとしている」

君、赤月の言葉――『ハッタリ』と考えることは、可能であったかもしれない。
誰であろうとも、小石川が本当に何もせずに待つとは思わないだろう、小石川は、克子にとっての次の敵であるのだから。
そして、君は明確に重症を追っている――上に、水銀に絡まれてもいる。積みの状態に近い。
だから、だろう。彼女は振り向いた。そして、君、小石川の『移動』を認識する。
そして

「――!?」

君、小石川は怪訝な――それでいて、驚愕した克子の顔を見たことだろう。当然だ、誰であろうとも、突然に『右手』が消え去ったことに、気付いたならば!

「おーっと、ついに気付いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 観客の皆様、ご協力に感謝します。小石川女史――そう、彼女はまさしく、何かを狙っている!」

嬉々として叫ぶ赤尽くめ――しかし、君、小石川の移動と部位の喪失に気がついたとしても、瞬時に正答には至るまい。
だが、克子は、僅かながらに『思考』した――君、赤月の次の挙動が、間に合う刹那を生み出す、思考を。

――サクソンの握る『鉄扇』が振るわれる。

握るは、人並み。されど、技量は――傷つけども、人智超越の粋に在り!
君を覆うとした『エレクチオン』のヴィジョンは、飛沫となって飛び散り――1つになろうとし……『戻らない!』

「……な……!?」

君のスタンドによって受けた『治らぬ傷』それは、スタンドの状態にも作用する。
飛沫となって飛び散った『エレクチオン』の状態に、『ダメージフィールドバック』は存在しない……だが、少なくとも、超、直接的な暴力の助けを生むことはないだろう。

「――この、なら――『エレクチオンッッッッッッッ』!

克子は『なにか』をしようとしている。
しかし、克子が想定もしない状態に追い込んだが故に、克子がスタンドを『戻そうと』した僅かがあるがゆえに。
君たちは僅かに次の挙動を上回れる。

――残り、40秒。


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□手□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□鉛□□□□□□■∴
∴■□指□□□克□□□小□■∴
∴■□□□□赤□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□指ガ■■∴∴∴∴

(※本体および部位を上記の位置に移動する)
□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子
苗=苗太
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン

赤=赤月(拘束寸前から開放。足元には水銀の雫が散らばっている)
小=小石川

610赤月『サクソン』:2022/10/17(月) 21:24:03
>>609

「私を・・・・舐めるなよ・・・・広井克子
 こちらの『エレクチオン』は既に細切れにした・・・・」

そう言いながら、『トレンチコート』を解除
自身のスタンド『サクソン』に着用させた状態で再発現する

「次はお前の番だ・・・・小石川文子にも邪魔はさせない
 今・・・・ここで細切れにしてやる・・・・」

・・・・挑発は繰り返しているのには『意味』がある
今、克子の精神は動揺が走っているはずだ・・・・恐らくは防御を固めるために
細切れにした『エレクチオン』を回収して自分の身体に取り込むつもりだろう
そう・・・・その方針をさらに『促す』ためだ!

「もっとも・・・・いくら細切れにしたところで
 お前の身体なんか悪食の魚ですら食べないだろうけど!」

『サクソン』の精密動作性を生かして、
細切れにした『エレクチオン』の一部を一瞬だけ『トレンチコート』の裾で隠す
それとともに『暗器化』を仕込んでおく

『エレクチオン』は先ほどの斬撃で細切れになっている
そのうえ、広井克子は小石川にも注意を払わなければならない
『サクソン』の精密さがあればほんの一瞬、『水銀』の一部を隠すくらい
相手に気付かれない様に出来るはずだ

『エレクチオン』のヴィジョンは明らかに無機的であり、
飲食による『使用』を想定された能力である・・・・DFがない事を考えると
分類としては『器具型スタンド』に該当するだろう(能力の対象内だ)

仕込むべき『暗器』は『スタンガン』ッ!!
それを『3つ』の『エレクチオン断片』に仕込む!

「掛かってこい!広井克子!
『1分以内』に私を倒すのだろう!?」

『暗器化』した『エレクチオン断片』は広井克子に『取り込まれる』瞬間に発動
『スタンガン』に変形させ、克子の身体に強力な電撃を浴びせかけてやる!!

611小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/18(火) 04:55:02
>>609

『右手』の切り離しについては、
克子と対峙した際には見せなければならなかった。
遅かれ早かれ気付かれた事だ。
そもそも目の前で『指』を切り落として見せた以上、
『スーサイド・ライフ』の能力には大方の察しがつくだろう。
発覚が早まったところで、こちらの動きに支障はない。
事前に分かっていたとしても、
対処しきれない戦略を用意すればいいのだから。

           スゥッ

その場で足を止め、背筋を伸ばして『正座』する。

  「皆さんに明言しておきます。
   赤月さんが戦っている間、自衛の場合を除き、
   私は『宣言なしの攻撃』は行いません」

  「この言葉が破られた場合、
   どのようなペナルティでも受け入れましょう」

見えない何かを見極めようとするかのように、
厳かな佇まいで戦況を観察する。
『布陣』が整った今、いつでも攻撃可能な状態にあるが、
『一分だけ待つ』と宣言した。
残りの時間で『赤月が勝つ』なら、それもいいだろう。
その時は『彼女の方が正しかった』という事だ。
違う結果になった場合――『小石川が宣言した時間』が、
『一分』から『数十秒』に短縮される事になる。

612邪悪なる鉄の支配者:2022/10/21(金) 17:46:24
>>610
>>611

君、赤月は一つの過ちを犯した。『エレクチオン』の性質に付いてだ。
それは、例えるなら水の身体を持つ大地の神の如く。
はたまた、ここならざる何処かの怪異都市に封ぜられた殺人鬼のそれの如く。

「今」

克子が笑う
――『器物』ではない。

「なにか」

克子が嘲る
――『液体』のスタンドである。

「しようとしましたか?――私の『生き血』に」

克子が――闘志を取り戻す。
――『鉄血』のスタンドである。

『粉微塵』になろうとも、『鉄血』は在り続ける限り、『鉄血』! 『流体生物(スライム)』!

断じてモノにあらず!
故に、君の能力は――『不発に終わる!』

「けれど、なにも起きていない――ならば、ならば――そうですね、『一分以内』――残りは、30秒もありませんが……決めさせて貰いましょう!」

そして、克子は素早く――しくじった君に抱きつき――思い切り、抱き、『締める!』(破B)
人智超えたる剛力の――鉄腕のベアハッグ。君の背に、激痛が走る。呼吸が困難になる。
君の脚から、細切れた『鉄血』が登る。この状況が続けば――少なくとも現状が続けば、君は、克子の予言の実行を――目にできるかは、解らない。その時、意識があるかも解らないからだ。

だから、彼女、小石川の『宣言』と『星座』の光景を目にできたかどうかは解らない。しかし――聞いたことは、間違いない。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」

まずは、赤ずくめの驚愕の絶叫を。

「見捨てたッ! マジに見捨てたッ! なんてタッグマッチだ! なんて波乱! なんてカオス! ここはアリーナ修羅の巷! けれども、組んだ相手のピンチに『何もしない』を選んだ選手は、激レアですわぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

小石川が――誰も本心を知り得ない今――君を『見捨てる』としか取れない行動を、取ったことを。

残り、30秒




∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□手□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□鉛□□□□□□■∴
∴■□指□□□克□□□小□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□指ガ■■∴∴∴∴

(※本体および部位を上記の位置に移動する)
□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子=赤月をハグ
苗=苗太
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン

赤=赤月――克子と同一マス
小=小石川=正座

613赤月『サクソン』:2022/10/21(金) 21:32:09
>>612

「しまっ―――――」

己の後悔を口にするには、残された時間が足らなさ過ぎた
代わりに飛び出すのは、痛みと苦痛に満ちた絶叫

「ぐ、が、ぎゃああああああああアアアアアッ!!!!」

一見すれば、それは大人の女性が子供を抱きかかえるようにも見えただろう
しかし、そこに込められた膂力は野生の羆のように強靭
両腕を抱えるような姿勢で行われた締め付けに折れた左腕がミシミシと悲鳴を上げる

    「ああぁ・・・・」


     ぽろ・・・
             ぽろ・・・・

苦痛に顔を歪ませながら、目尻からは珠のような涙が零れ落ちる
だが・・・・この涙は、苦痛からでも、ましてや恐怖から零れたものでもない

          ――――悔しいッ!!

そこに込められた感情は純粋な『悔しさ』
己が美徳と信じた『家族愛』も、戦いにかける戦士としての『誇り』も
全てが・・・・全てがこの女達に利用され、踏みにじられようとしている!!
その事実が、赤月にとってはたまらない程の悔しさとなって滲み出ているのだ

(嫌だ・・・・)

用意した『道具』は全て使い果たした

(嫌だ・・・・)

助けてくれる『仲間』もいない

(嫌だ・・・・)

両腕は抑えられ、『身体』はろくに動かない

(嫌だ・・・・・・ッ!!)

だが、それでも戦わなければ、勝たなければならない
もしも・・・・ここで『苗太』の命を諦めてしまったら・・・・

(私は、二度と『戦士』として立ち上がる事は出来ない・・・・!)

――――なりふり構うのは辞めた。

(『サク・・・・ソン』・・・・・)

克子に抱きしめられながらも、『トレンチコート』を一度解除
すぐさま自身の身を覆う様に『トレンチコート』を再発現、しっかりと着込む
これは・・・・『隠す』ためだ。これから行う仕込みを、そして己の『身体』を。

それと同時に『暗器化』を仕込む
対象は自身の水着の『ショーツ(下部分)』に『スタンガン』だ

「これで・・・・私を壊せると思ったのか・・・・?
 ・・・・・・・・・・・大間違いだ!!」

そのまま『サクソン』を操作して、『ショーツ』を下方に引き下ろす!
『脱衣動作』をトリガーとして『暗器化』を発動
『スタンガン』に変化させて克子の身体に電撃を浴びせかける!

614小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/22(土) 07:51:34
>>612

『鉄血』を受け入れた赤月は、
克子に匹敵する膂力と防御力を手に入れた。
しかし、技を掛けている側と掛けられている側では、
まるで状況が異なる。
ここで有利なのは、言うまでもなく『前者』だ。
そして、『エレクチオン』は本体と『同時行動』が可能。
赤月と『サクソン』には、それが出来ない。

ここに来た最初の目的は『自己研鑽』だった。
赤月と出会った事で、
『一人で全てを背負う危うさ』を伝えようと考えたのだ。
そして、今は『苗太の命を救う事』に変わっている。
小石川文子の中には『三つの目的』があった。
それらを胸の奥に秘め、今こうして地面に座している。

これは小石川にとっても『試練』だった。
『あの夏の出来事』を思い出す。
かつて体験した事がない程の『大きな事件』。
その『最終局面』において、
当時の自分は冷静な状態とは言い難かった。
出来る限りの事をしようと考えすぎるあまり、
自らを酷使し続け、周囲の変化に翻弄され、
『精神の安定』が崩れ去った。

いつしか『在るべき本来の自分』を見失ってしまっていたのだ。
その結果、自身の内に宿る『狂気』と向き合う事になった。
『狂気』に支配されてはいけない。
たとえ『狂気』が存在していたとしても、
それに飲み込まれる事があってはならない。
『己の未熟さ』を乗り越えて先に進むためには、
『自分自身の弱さ』を克服しなければならない。

顔を前方に向け、しっかりと両方の目で、
『眼前の光景』を見据える。
その行為は『座禅』に似ていた。
苗太と赤月を助けるためには、
『この瞬間』に攻撃するべきなのだ。
だが、敢えて『堪える』。
それこそが――自らに課した『大きな試練』だった。

615『邪悪なる鉄の支配者』:2022/10/24(月) 19:41:18
>>614
>>613

君、赤月の行いは、常に何かが一体となる。
攻防が、回避が、常に何かと共に行われる――それが、サクソンの『暗器』の性質たるが故に。
そして、今、君の攻撃は『脱衣』と共に発現する。
――『ショーツ』が、『スタンガン』に。
克子がそれに気付いたか、気づかなかったかは解らない。しかし、されど、彼女は君への攻撃を続行する――だからこそ、『相打った』

君が生み出した暗器――『スタンガン』は、暗器、そして『凶器』たるに相応しい出力を有している。人間に当てれば、確実に怯むだろう出力を。
そして、鉄の肌は――稲妻を通すのだ。

「――あ、ぎっ!?」

君にスタンガンを押し当てられた克子から痙攣したような悲痛が漏れ――僅か、『拘束』が緩み、君は抜け落ちる。しかし、君は『すぐ』には動けない――君が受けたダメージは、決して『軽い』ものではないのだ。君は砂地に『墜落』して、倒れる――仰向けか、うつ伏せかは君が決めていいだろう。どちらであろうとも、君は気付く。
「――にがさ、ないわ」

――自らに向け、『倒れ込む』克子の姿を。あるいは、『影』を。
『予言』しよう。
君の、『回避』は間に合わない。君はダメージの余韻と息苦しさがあり、『即応』は極めて困難だ。成功した先を事前に決めていたのならば、まだしもであるが。
避けきれない、しかし動ける。どう動くかは、君の自由だ。


無論――君、小石川。君の行動も自由である。
動くも、動かぬも。残り、二十秒を。

616小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/25(火) 09:33:30
>>615

会場内の歓声、実況の叫び声、赤月の絶叫、克子の悲鳴。
無数の声が入り混じり、頭の中で大きな渦を巻く。
その巨大な渦の中心から、さながら台風の目のように、『一つの声』が聞こえてきた。

  ――君は、あの出来事で『優しさ』を否定され、『理想』を打ち砕かれた。

  ――だから、今の君は、必要以上に『厳しくあろうとしている』。

懐かしい声だった。
忘れ得ぬ声色だった。
それは幻聴に過ぎなかったのだろう。

  ――だけど、それは君が『本当に望んだ事』なのかな。

  ――『無理』をしている君を見ているのは辛い。

ただ……それでも今だけは、こう思いたかった。

  ――君は、『自分が本当にしたいと思う事』をすればいいんだよ。

霧の深い森の中。
『真理』を得ようとして、進むべき道に思い悩んでいる自分。
その時に、『彼』が導いてくれたのだと。

617赤月『サクソン』:2022/10/25(火) 09:40:21
>>614
>>615

「ごほっ! ごほっ!」

電撃による衝撃によって、自身を拘束する克子の力が緩む
脱出し、体勢を立て直さねばと足に力を込めた、その時

   ぐらっ・・・・

「あ・・・・・っ」

――――気が付いた。
己の身体が既に・・・・限界を迎えていた事に

そのまま、前方に倒れこみ・・・・うつ伏せとなって砂地に着地した
目の前に『影』が見える・・・・追撃のため、倒れこむ克子の『影』だ

「や・・・・・」

両目から零れ落ちた涙が砂地に染み込む
『恥ずかしさ』がないわけではない
スタンドで隠しているとはいえ、『こんな場所』で、衆目の前で下半身を丸出しにしているのだ
何もなかったように振舞える程厚顔無恥ではない

「いや、だ・・・・」

だが、逃げ出すわけにはいかない
目の前の女が、味方だと思っていた女が、ルールが、審判が、観衆が、
全てが敵に回った状況であろうとも、この戦いから逃げるわけにはいかない

「嫌だっ!!」

世界の全てが敵に回ろうとも
己が信じた『価値あるもの』が奪われるのを黙って見ている事は出来ない
それは己の心の敗北を意味するからだ

罵倒も、痛みも、死も怖くはない
ただ、己の心が敗北する事だけは・・・・どうしようもなく嫌だ

「あぁアアア・・・・・ッ!!」

だからこそ、最後まで足掻く
それが悪足掻きに過ぎないとしても

「アアアアア!!」

砂地に着地した瞬間・・・・痛みに悲鳴を上げる全身を引き絞るようにして、
砂地の平面を・・・・『泳ぐ』
正確には平泳ぎのように砂上を『泳ぐ』動作を行う

>>607により水着のトップスには既に『縄金票(ジョウヒョウ)』が仕込まれている
『水着』とは泳ぎを行う際に着るもの・・・・
『着用した状態で泳ぐ』動作を使用トリガーとして『暗器化』を発動する

うつ伏せとなった自身の背中に、金票の剣先を垂直に立てるようにして『暗器』を形成
それにより、上空から倒れこむ克子の重みを利用して、彼女の胴体を貫くようにして剣を突き立てる

(己の全てを使って・・・・・戦うと決めたんだ・・・・・ッ!)

これで己が持ちうる全ての道具は使い切る
文字通り、一糸纏わぬ姿で倒れる事になるだろう

618小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/25(火) 09:44:48
>>616

倒れている赤月、その上に圧し掛からんとする克子。
それら一連の光景が、まるでスローモーションのように流れていく。
この瞬間、『小石川文子』の『取るべき行動』は、既に『決まっていた』。

  「 『 克 子 さ ん 』 ! ! 」

          バ ッ ! !

先程、自分は告げた。
『宣言なしの攻撃』は行わないと。
だから今、再び『宣言』する。

  「 私 は 今 か ら 『 あ な た を 攻 撃 し ま す 』 ! ! 」

            ダ ッ ! !

素早く立ち上がり、克子に向かって走り出す!!
しかし、『正座している状態から』だ。
まず間に合わないだろう。
だから、この動きは『見せかけ』…………。
実際は――――そう、実際の『本命』は!!

  「あなたに『苗太さんの命』を奪わせる事も!!!!」

        ズギュン!!

克子の背後に配置した『右手』を全速で接近!
スピードこそ常人レベルだが、彼我の距離は近い。
十分に『間に合う』はずだ。

    そして――――――

  「赤月さんに『とどめ』を刺させる事も!!!!」

  スラァァァァァ――――――z________

『右手』を前進させながら、『第二の刃』である『ビー・ハート』を発現する!!
その能力は、『本体以外の生物』を容易く斬る『不殺の刃』。
それは『傷付けるための力』ではない。
ゆえに、いかに頑強な肉体を誇ろうとも、この刃の前では『無力』と化す。
『鉄の強度』を備えながらも、未だ『生物』の範疇である『克子の胴体』を、真っ二つに『両断』する!!

    ズ ッ バ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ ! !

  「 決 し て さ せ ま せ ん ! ! ! ! 」

『上半身』が消え失せれば『重さ』は『半分』になり、倒れ込んだ際の『面積』も大幅に減少する。
これで赤月を助けられる!!
もちろん、それだけではない。
『克子の上半身』を丸ごと奪い取り、こちらの『制御下』に置く!!
克子が『自分の意思』で動かせるのは、残った『下半身』のみ…………。
すなわち、小石川が『許可』しなければ、指先すらも動かす事が出来ないという事!!
自分の夫を『道具扱い』してきた克子が、今度は逆に『支配される側』に堕ちる事になる。

619邪悪なる鉄の支配者:2022/10/28(金) 15:01:44

>>616
>>617
>>618

スタンドバトルとは、理論的に構築され、論理的に行使される異能の激突である。
如何に起きることが異常であれ、奇妙であれ、其処には確実にスタンド能力という理(ルール)による、絶対論理が存在する。
だが、しかし――『起きる』ことそのものは、常に異常であり、奇妙なのだ。

――君、小石川の『一手』、『背後』からの奇襲
もしも、克子が立っていた状態であれば、君の掛け声に応じて何らかのアクションを打てたかもしれない。
しかし、克子は前方に――赤月に向けて『倒れ伏している』状態。墜落状態の克子は、絶対的に身体を動かすことが出来ない状態なのだ。
よって、必然的に――

「――!?」

克子の顔に驚愕が浮かぶ――観客たちも度肝を抜かれる。
当然だ、如何に残虐非道、凌辱暴力なんでもアリの最中アリーナとて、『両断』すなわち、『殺害しか至らない暴力』は滅多に起こるものではない。

「て、手――ッ!? 包丁――ッ!? うおあっ!?し、試合終…… ――おおっと!?」

動揺に塗れた赤ずくめが試合終了を告げようとした時――誰もが、ソレを見る。

「て、テケテケだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

未だ、『生きている』上半身を見て――赤ずくめが吠えた。

「ビックリドッキリテケテケ誕生! これが、小石川選手のスタンド能力かーっ!? 美貌のマジシャン、一手動いてトリック完了! これが本物の種無し手品ですわーッ!?」

その傍らで――君、赤月は、想像よりも遥かに少ない『衝撃』を受けたことだろう。
小石川が制御に置いた肉体に『どのような』所作をさせたかは定かではないが、ダメージが少なくなる『なにか』はしたのだろう。よって君が感じる衝撃は『下半身』の鉄塊の直撃となる。背に当てた暗器は――君に上体が伸し掛からない以上は、『不発』となろう。
とは言え、『ダイブ』ならばまだしも、倒れ込みである。上体を失った上に、制御できるがゆえにもたついた克子の関心はバタつき、一直線にもなりはしない。

君は、尻あたりに金属バットでぶん殴られたかのような衝撃を感じたかもしれない。だが、骨が折れたということはない――そして、君の眼前。『鉛』
それは、君に向かう――(スC精C)

――残り。『10秒』


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□鉛手□□□□□■∴
∴■□指□□赤克□小□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□指ガ■■∴∴∴∴

(※本体および部位を上記の位置に移動する)
□=1m面積の『砂地』
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M

克=克子=ズンバラリン
赤=赤月
苗=苗太
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン
小=小石川=ダッシュ

620小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/28(金) 17:23:58
>>619

        パーツ
切り離された『部位』は、特に指定していない限り、
『浮遊している状態』を保つ。
それが『基本の状態』なのだ。
よって、『克子の上半身』も空中に浮かんでいる事になり、
赤月に倒れたのは『下半身だけ』となる。

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/141
1.これらの刃で切り離した『部位』は浮遊し、
  遠隔で、まるで自分の身体の一部のように操作できる。

―――――――――――――――――――――――――

この戦いは、既に『終わっている』。
生物を『鋼鉄の強度』に変える『エレクチオン』に対し、
生物を『障子紙』のように切り裂く『ビー・ハート』は、
圧倒的に『相性』が悪い。
『頭部』を含む『上半身』を、ごっそり削り取られた瞬間、
『克子の敗北』は確定した。

         ザッ ザッ ザッ

  「先程『お約束』しましたね――――」

         ズ ゥ ン ッ !

  「――――『私の価値観を説明する』と」

『戦いの中心部』に歩み寄りながら、
『克子の上半身』を『操作』し、
赤月に迫る『エレクチオン』の上に『圧し掛からせる』。
切り離された『上半身』は『パーツ』扱い。
その挙動は常人以下(破ス精DCC)に低下する。
しかし、『重量』は『元のまま』だ。
その『重さ』で『エレクチオン』を押さえつけ、動きを封じる。

  「『新婚旅行中』に、私は夫と死に別れました」

  「ですが、『彼』を忘れた事は一度たりともありません」

  「今でも――――いえ、私は『永遠』に愛し続けるでしょう」

明瞭な口調で克子に断言し、赤月の方に視線を移す。

  「赤月さん、『力を貸せ』と言ってくれた事を嬉しく思います」

  「『力を貸す』のが遅れてしまい、申し訳ありませんでした」

丁寧な所作で、赤月に深く頭を下げ、再び克子と向き合う。

  「『広井克子』さん――『最後』に言う事はありますか?」

克子の『最後の言葉』を聞き終えた直後、
あるいは『何かしようとする』直前に、
切り離し済みの『パーツ』を『解除』。
『パーツ』は『一括解除』のみ可能なため、
『二本の指』と『右手』と『克子の上半身』が消え失せる。
『意思の中枢』を司る『頭部』の消失により、
『克子の意識』は消滅する事になるだろう。

621赤月『サクソン』:2022/10/28(金) 17:30:46
>>619

(これで・・・・いい・・・・)

『泳ぎ』の動作により変形した水着が背中の上で直立する
真上から人間大の鉄の塊が落ちてくれば、肋骨も背骨も全身の骨がバラバラに砕けるだろう
それでも、その一撃を甘んじて受けてでも、彼女には一撃を受けてもらう

来たるべき衝撃に備え、全身の筋肉を強張らせたところで、『それ』は来た

「ぎゃっ!  ・・・・・・え?」

予想よりもずっと乏しい『衝撃』
全身を痛めつけるであろうダメージは、予想に反して下半身のみを傷つける

「まさか・・・・・」

――――見る。
遠く、小石川が動き始めている
彼女の目的は未だにはっきりとはわからない
先ほど、何かを言っていたようだがきっとあれも嘘だろう
彼女はもう既に『1分間』の制約を破っているのだ、それくらいの嘘はつく

「まさか、お前は・・・・!」

ならば、何のために彼女は動き始めたのか
わからない。わからない。わからない。
だが、一つだけ確かにわかる事がある

「お前は――――!!
 私から『戦う事』まで奪おうとするのか――――!?」

分の悪い賭けではあったが、赤月は命を賭けて克子と相対しようとしていた
金票で彼女の身体を貫くのが先か、それともこの身体が砕け散るのが先か
己の心、信念を護るために、命懸けの戦いに挑もうとしていた・・・・

だが、『戦いの機会』は横からかっさらわれた
わけのわからない言葉とともに

「答えろ!小石川文子――――――ッ!!」

尊厳を奪われた惨めさを怒りで覆い尽くす
絶叫が喉を裂き、その言葉には血が滲んでいた
動けない身体を無理に動かし、戦場に戻るべく行動を開始する

「げほっ! ごほっ! ふざけ、るなよ・・・・・」

目の前を這う『鉛』を見つめる。こちらに向かってくる克子のスタンドだ
それを・・・・『サクソン』で掴み取り、己の口の中に放り込む!

(喰らってやる・・・・・)

そのまま流体のヴィジョンを嚥下し、喉の奥に流し込む
どのみちこの身体ではまともに動く事もままならない
ならば・・・・賭けに出る必要がある

622赤月『サクソン』:2022/10/28(金) 18:02:30
>>620

(やめろ――――。)

(やめてくれ――――。)

自身の行動を続けながら、横で語られる小石川の言葉を聞く
『夫とのエピソード』も『詫びの言葉』も、赤月の心に響くようなものではない

ずっと、傍観を続けていた彼女の行動との矛盾・・・・
それを経験した今、彼女のその言葉にはまるで重みを感じられなかった

だが、『広井克子への最後通告』だけは話が違う
振るわれた小石川の能力、それを考えると・・・・
彼女は既に、攻撃を終了しているという事がはっきりとわかってしまったからだ

(それなら・・・・私は最初から・・・・)

ここで、彼女は勝負を決める
使ったちり紙をくずかごに捨てるように呆気なく

自分が、命を賭けた戦いだと思っていたものは、
彼女にとっては最初から何でもないものに過ぎなかったのだ

(くそ・・・・・っ!)

その事実に心が揺れながらも、行動は最後まで継続する

623邪悪なる鉄の支配者:2022/10/31(月) 11:42:46
>>620
>>621
>>622

“浮いた”克子の『墜落』
それは、人間の上半身の形状をした鉄塊の落下に等しく――まして、『スタンド干渉力』を有する、鉄の肉である。
故に、一切の問題なく、克子の上体は赤月に迫る最後の『エレクチオン』を押し潰す。
――君、赤月が伸ばした『手』を、纏めて。
君、赤月の手は砕け――貪ることを封じられる。肉体の制御権を奪われた克子は、当然のように動けない。

――チェックメイト。そう呼ぶにふさわしい、一指しであった。

そして、何もかもの決着が付いた状態――克子は、ゆっくりと呟いた。

「話す前に、能力を解除してもよろしいかしら? この力、続けると疲れてしまうので」


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□克手□□□□□■∴
∴■□指□□赤小□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴ 
∴∴■□□□□苗□□冷□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□指ガ■■∴∴∴∴


克=克子=ズンバラリン
赤=赤月=伸ばした手が破砕
苗=苗太
冷=冷蔵庫
鉛=鉛色のスタンドヴィジョン
小=小石川=到着

624小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/31(月) 14:35:04
>>623

『右手』を本体と接合し、『克子の上半身』を浮かせる。
手を引き抜けるだけの『隙間』を作ってから、自分の両腕で赤月を引っ張り出す。
その間、『エレクチオン』は克子の両腕で押さえておけばいい。

  「赤月さん――申し訳ありません……。
   私の配慮が至らないばかりに、あなたに怪我を負わせてしまいました」

赤月を助け出してから、改めて丁寧に頭を下げる。

  「……あなたが『知りたい』とおっしゃるのであれば、全てをお話する所存です」

  「最初に言うべき事は、あなたは『早合点』し、私は『口下手』でした……。
   そのために『不要な誤解』を招いたのです」

  「私は自分が『戦える人間』だと言いませんでした。
   私は自分の事を『弱い人間』だと思っています」

  「そのために、『小石川文子は戦えない人間である』と思い込ませてしまったのです。
   これが誤解の始まりでした」

  「『力を貸せ』と言われた時、私はその通りにしませんでした。
   これは私の過ちです。
   心から……申し訳なく思っています」

  「……『一分待つ』と宣言した時は、本当にそうするつもりでした。
   今までの自分では駄目だと考えたからです」

  「私には、強くならなければならない『理由』があります
   強くなるためには『変わらなければ』と思っていたからです」
   
  「ですが……私は『助けない事』に耐えられませんでした。
   そして、その事で『自分自身』を再確認したのです」

  「出来ない事を無理にやろうとしていたと……。
   ここに来たからこそ、『大切な事』に気付けたのです」

  「この戦いが私にとって『何でもないものに過ぎなかった』とお考えなら……」

  「……それは間違いです」

そこまで言って、言葉を切る。

625小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/10/31(月) 14:36:33
>>624

  「私も……」

  「私も強くなりたくて『ここ』に来たのです!!」

  「その『資格』を持つのは!!『あなただけ』ではありません!!」

声を高くしたのは一瞬だけだった。

  「最初に私が『協力』を申し出た時、赤月さんは固辞されました。
   それは私を『邪魔な荷物でしかない』だとお考えだったからです」

  「赤月さんは独断で『降参』をお決めになりました。
   私の意見など『どうでも良かったから』です」

  「『客観的な証拠』がない内から、赤月さんは私に攻撃を加えました。
   もし誤解だったとしても『大した事ではない』とお思いだったからです」

  「赤月さんは、最初から『小石川文子』を、『荷物』あるいは『道具』としてしか見ていなかった」

小石川と赤月は相性が良かったとは言えない。
小石川は言葉足らずで、赤月は思い込みが強すぎた。
しかし――。

  「赤月さん――どうか答えて下さい……」

  「……『この考え』に『間違い』はありませんか?」

  「『言葉足らず』も『思い込み』もなしで……私はあなたと向き合いたいのです」

赤月から苗太に視線を移し、その後で『克子の半身』を見つめる。

  「……『お好きなように』」

626赤月『サクソン』:2022/10/31(月) 19:34:00
>>623
>>624-625

         ――――グシャッ

「―――――ィィィィッ!!!」

一縷の望みをかけて、『鉛』に伸ばした手が『鉄塊』の落下に巻き込まれて潰される
皮膚が裂け、隙間からは鮮やかな肉が流れ出る鮮血とともに顔を覗かせる
激烈な痛みに言葉にならない叫びを上げた

その直後、微かな浮遊感とともに自身の身体が持ち上がる感覚を覚える
肉の塊のように横たわるこの身体を持ち上げたのは小石川であった

「ひ、や・・・・ はなせ・・・・」

彼女の手から逃れるようにじたばたと身体を動かす
・・・・もっとも、両腕は砕け、肋骨は先ほどの締め上げに悲鳴を上げた直後であるため
芋虫のような無様な動きで抵抗するに過ぎないのだが

「お、まえは・・・・・」

無抵抗の状態で語られる彼女の言葉
その言葉を聞き、赤月は・・・・・   ただただ畏れていた。

「そんな事を語るために・・・・ 手を止めたのか・・・・?」

『苗太』の心停止状態は続いている
『唄器』の予想によれば、心停止した人間が真に『死亡』するまでの制限時間は『10分』
しかし、それはあくまでも彼女らの経験則に過ぎない

『苗太の魂』といえるものが、今この瞬間に消えてなくなるとしてもおかしくはなく、
彼の生存を考えるのであれば一刻も早くこの『試合』を終わらせる必要がある
こんなところで立ち止まって会話をしている暇なんてないはずだ

だが、彼女の語る言葉・・・・
そこに込められたものからは、これを一概に嘘と言い切る事は出来なかった

「違う・・・・」

「そうか・・・・お前にとっては全て・・・・」

――――もし、彼女が最初から本当の事を語っていたとしたら
彼女の語る謝罪も、彼女の傍観も、彼女の糾弾も、
その全てが均しく彼女の本心だとしたら・・・・

(――――狂ってる。)

(この女にとって、人の命も、己の自己満足も、
 全て同等に扱い、そこに優先順位がないんだ・・・・)

人間を超越したその『倫理観』と『精神性』
”それ”を喩える言葉があるとすれば、『悪魔』かまたは・・・・

(『神』・・・・)

「『神』だ・・・・お前の精神性は・・・・既に人間のものじゃない・・・・」

ぶるりと、身を震わせる
目の前に立つ小石川文子という女への畏怖が無意識に身体に染みついていた
『神』に対して、人間の命がなんの保証も得られない事はすぐ傍に倒れる『苗太』が証明している

「・・・・・・・。」

「――――間違い、だ。
 私はただ・・・・・」

次の瞬間には己の命が消し飛ぶかもしれない
その事を自覚しながらも、己の本心を正直に語る

克子は何らかの手立てを考えているようであり、
こうしている間にも苗太の命が少しずつ危ぶまれている
それでも・・・・赤月に出来る事は目の前の女・・・・小石川文子に相対する事だけであった

決死の覚悟を噛み締め、言葉を続ける

「私は・・・・お前を護りたかった
『戦士』として、戦えない民間人を護る事は当然の責務だからだ」

「そして、『降参』しようとした理由も同じだ
 お前の身を・・・・少しでも傷つけない選択をしようとした
 そのためには・・・・戦いが激化しないうちにこの戦いを終わらせる必要があると思った」

「全て、私がお前の本性を見抜けなかった事が原因だ・・・・」

身体の芯から凍えるような恐怖の中で、一つずつ言葉を紡ぐ
この回答は彼女の心証を悪くするだろう・・・・しかし、真実から逃げるつもりはない
目の前のこの女を、『護るべき民間人』と見紛うた事は己自身の最大の罪だからだ

「そして、最後の糾弾だが・・・・」

「お前を攻撃したその選択に、一切の後悔はない
 小石川文子・・・・・ 私はお前が恐ろしい・・・・・」

はっきりと言葉にして表す

627『邪悪なる鉄の支配者』:2022/11/03(木) 00:26:05
>>624
>>625
>>626

君たちは語らう、君たちは分かり合う。
あるいは、分かり会えぬことを、分かり合う。
手を引かれ、取り合い。助け合い。そして、断絶へと至りつつある。
勝利に伴うにしては、あまりにも苦い――否、否。だ
まだ、戦いは終わっていない――だれも、決着を告げてはいない。
それが、次の瞬間には訪れるものであろうと。

「……ありがとうございます」

礼を述べる克子から、『色』が失せる――下半身、上半身が共に人肌へと戻っていく。そして、汗のような雫となって『エレクチオン』が体表から溢れていく。
それは、君――赤月も同様だ。君の身体から鉄は溢れ……君の肉体はともかく、スタンドスペックは正常を取り戻した。
まるで、蝋が溶けるにも似た、粘ついた終わりが訪れようとしている。

「では、『最後』に――」

――君、小石川は、『一つ』最後に、致命的な過ちを犯した。
それは、『エレクチオン』が『砂への潜航』を行えるスタンドである事を忘れていたこと。
そして、『エレクチオン』を押しつぶすのに克子を使い――即ち、稼働可能な『エレクチオン』を一塊、見逃したこと。
それが、『最後』の機会を克子に与えることになったこと。

……君、赤月は、小石川と向き合う君は、それを視認できる。
――小石川の背後――『射出』される『エレクチオン』の煌めきを。
君、小石川は『気付けない』――気付くとしたら、相応の論理的ロジックを提示すること。

『エレクチオン』(破CスC精B)――『確実』に小石川の心臓を貫くと、君、赤月は直感する。

――『躱す』ことを信じて告げるか、あるいは直接的にスタンドを使って『庇う』『動かす』か。
それとも、無言を貫いて最後の一差しを見守るか。

――全て、君の自由だ。


そして――次レス。

小石川PLが回避ロジックを提示できる場合は例外で構わないが、そうでなけれrば『必ず』赤月PLが先にアクションを起こすこと。

628赤月『サクソン』:2022/11/03(木) 09:50:46
>>627

「ぐっ・・・・・」

克子の言葉とともに、自身の身体から『鉄』が抜け出し
己が別物に変容していた不快感が洗い流され、肉体が元の状態に戻ったのを感じる

だが、克子という女がこのまま終わるはずがない
短い間ながらも、彼女の凶悪なまでの『悪意』に晒されてきた赤月にはそれがわかった
・・・・・だからだろうか。 周囲に漂う『違和感』に気が付く事が出来たのは

「あ・・・・」

――――見えた。
小石川の背後、鋭く煌めく『悪意』の先鋭に
小石川はまだ気が付いていない

その時・・・・赤月の心に『迷い』が生じた
このまま、この『危機』を黙っていたとしたらどうなるだろうか
『エレクチオン』の凶刃は確実に小石川の心臓を貫き・・・・彼女を『始末』出来るかもしれない

労せずして、この恐ろしい女を排除する事が出来るのだ
その選択には一考の価値が・・・・・

(あるはずが、ないだろうッ!!)

振り払う。 その醜悪な考えを
克子を倒すためには、小石川の力が必要だと思ったから、かもしれない
あくまでも、打算的に己に勝利をもたらす選択をしただけ、かもしれない
だが、その時赤月の心を占めていたことは一つ

(このまま彼女を見捨てたのなら・・・・
 それではこいつらと同じ『人でなし』ではないか!)

――――『嫌悪感』。
己が、軽蔑する相手と同じ存在になる事への忌避
その心が赤月の背中を押していた

「とどめを刺すまで油断をするな!」

その言葉とともに『サクソン』を動かし、
小石川に向けてタックルをするようにして彼女の身体を動かす
彼女の立ち位置に割り込むことで、己が『エレクチオン』の攻撃を受ける可能性はあるが
それは甘んじて受けよう

629小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/11/08(火) 16:24:51
>>626

長い付き合いのある人間だって、分からない部分は沢山ある。
ましてや、小石川と赤月は『初対面』同然。
お互いに知らない事が星の数ほどあり、知っている事は星一つ分にすら満たない。
これが『町で出会った』なら、まだ良かった。
平和な時間の中なら、今よりも話す時間はあっただろう。
戦いの中で伝えられる内容は、ごく僅かでしかないのだから。
そして、片方が片方から『拒絶』された場合、終わった後に理解を深める道も閉ざされる。

  「私は……赤月さんが私を『蔑ろ』にしていたとは思っていません……。
   先程の私の言葉は……根拠のない『憶測』です……」

  「『間違い』は簡単に生まれてしまう事を……
   せめて伝えたかった……それだけです……」

  「私達は……『お互いに間違った』のです……」

恐怖を吐露した赤月を前にして、悲哀の滲んだ面持ちで、ゆっくりと首を横に振る。

  「……神は『恐れ』を抱きません」

かつて『ある事件』の解決に関わった事がある。
『五人のスタンド使い』を敵に回し、自分を含めて『二人』だけで対処しなければならず、さらに『人質』まで取られていた。
『夏の事件』ほど大規模ではなく、広く知られてはいない。
しかし、それに匹敵するほどの大きな『苦境』。
困難な状況だったが、全力を尽くして人命を救い、敵側も撤退させる事で、無用な血を流す事のない結末を実現したのだ。

  「拭い去れない恐れを抱いている私は……ただの『人間』です……」

だが…………あの『夏の日』の結末は…………。

  「私の……『私の恐れ』は……」

『続き』を口にしようとした時、赤月の『表情』に気付き、『言いかけた言葉』が途中で止まる――――。

>>627

他者の存在は、自分の『鏡』であるという。
小石川文子は赤月ナカレの鏡であり、赤月ナカレは小石川文子の鏡だ。
そして、鏡というのは『映るもの』である。

   ――『後ろ』……!!

小石川は赤月を気遣い、些細な変化も見逃さないように、十分な注意を払っていた。
ゆえに、『赤月の表情』に対しても、相応の敏感さを持っていたはずだ。
自身の心臓を狙う『エレクチオン』には気付けないが、赤月に意識を向けていたからこそ、『赤月の視線の動き』には気付けただろう。
その時点では、まだ具体的な事は分からない。
だが、『心の準備』は終えられる。

  「――『赤月さん』……!!」

続く『赤月の声』に反応し、反射的に『解除』を行いたい。
『エレクチオン』のスピードは『常人レベル』。
それに対し、『解除』は『思うだけ』で完遂できる行動。
同じ『一行動』ではあるが、『スピード差』は歴然としている。
仮に攻撃そのものを阻止できなかったとしても、致命傷に至る前に『強制解除』させられるはず…………!!

630『邪悪なる鉄の支配者』:2022/11/12(土) 09:38:46


>>628
>>629


死にゆく虫は、毒を撃つ。
あるいは、死を前提として、毒を撃つ。
エレクチオン――広井克子の最後の毒が、どちらであったかは解らない。
しかし。
いずれにしろ

「―――――――」

君、小石川は『間に合った』 最後の棘は、誰にも刺さることなく――克子の『解除』と共に、スタンドの機動を司る脳髄の瞬間的消失と共に、『消失』した。

「うぉぉぉぉぉぉぉお!!!!! これは、誰の目にも明らかに――――あ、あらっ!?」

赤い女の赤い叫び――赤い驚愕。
――そう、『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』の切断は、『必ず』再生が伴うもの。
今、寸断された下半身より、ホラー映画の情景が如く、克子の上半身が再形成されていく。

「え、これは、克子選手の能力……??、しかし、再生、えっ、えっ???しかし――グロキモですわ――ッッッッッッ!!!!! これは、すっごいマニアック映像……!!」

観客たちは、言葉なく再生を見守っている。水着すら消え失せた上半身の再生を、下卑た目で。

――観客も、解説も、未だ『決着』とは判断していない。
実際問題、克子は40秒がすぎれば、多少の混乱の後――躊躇なく戦闘を再開することだろう。


そう、『40秒』

君、赤月は知り得ない時間だが――それでも、今の克子が致命的に無防備であることは、解る筈だ。

――まな板の上の鯉。
それを、どう調理して決着をつけるのか、それとも40秒後を待つのか、それは、きみ達の自由だ。

631小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/11/12(土) 16:12:48
>>630

  「赤月さん――『ありがとうございます』……」

『間に合った』。
少なくとも、それだけは確かな事実なのだ。
大きく安堵しつつも、『再生中の克子』に向き直り、
素早く『次の行動』に移る。

  「克子さん……これが『あなたの言葉』ですか……」

『スーサイド・ライフ』と『ビー・ハート』は、
『小石川文子のスタンド』だ。
ゆえに、その『性質』を最も深く理解しているのは、
本体である小石川に他ならない。
すなわち、自動的に起こる『再生』も『予測の範囲内』。

  「私は……『今までの自分』を否定するつもりで……
   この場所を訪れました……」

    スラァァァァァ――――――z______

即座に『ビー・ハート』を『再発現』。
全てを『解除』する前に、
『右手』を本体と『接合(>>624)』しておいた。
だからこそ、間髪入れずに『追撃』が可能になる。

  「『強くなる』ためには……そうするべきなのだと……」

            スパァンッ!

『克子の下半身』から『片足』を切り落とす(破ス精CBB)。
『再生』は『切り離し』を阻害しない。
この行動も問題なく成功させられる。
克子は『狡猾』だ。
念には念を入れて、『克子の一部』を確保しておく。

  「だから……私と『正反対』の……
   『あなたの言葉』を確かめたかったのです……」

      そして――――

  「やはり私は……あなたには『同意』できません……」

            …………シャラァンッ

  「これで……完全に『理解』できました……」

          左手に『スーサイド・ライフ』を発現する。

                   ヒ ュ ッ

  「私は……『私にしかなれない』のだと……」

    ズバババババババババババババババ

    ババババババババババババババババ

    ババババババババババババババババ

    ババババババババババババババババ

    バババババババババババババッ!!

『再生完了』までの『静止した時間』。
徐々に再生する『克子の身体』を、『達人のナイフ術』で、
『死なない程度』に切り刻む(破ス精CCB)。
『頭部』の再生が完了するまでは『思考』する事すら不可能。
降り注ぐ『刃の雨』を防ぐ事は決して出来ない。
意識が戻った時には、
全身に『不可逆』のダメージを負っているだろう。

632赤月『サクソン』:2022/11/12(土) 22:18:30
>>630
>>631

「―――――ッ」

      「・・・・・・・・・・・・??」

小石川を庇い、来たるべき衝撃に備えていた赤月
歯を食いしばる様にして『最後の一撃』に備えていた彼女の意に反して、
攻撃によるダメージは、発生しなかった

「なん・・・・・だ・・・・・・?」

目の前で起きている光景―――『広井克子の人体消失』を見て、
赤月は小さく驚きの声をあげる

「お前・・・・・本当に小石川文子か・・・・・?」

それは、目の前で繰り広げられる不可思議な事態を見たから・・・・ではない
むしろ逆。 小石川文子がまともに攻撃をしかけているのを目の当たりにしたからだ

(小石川文子なら・・・・さっきまでの小石川ならば、ここで攻撃を仕掛ける事なんてしない
 うだうだと・・・・だらだらと余裕ぶった攻撃で克子を動けない状態にして、
 その後で再び能書きを垂れるだけ・・・・・のはずだ)

「まさか・・・・本当に・・・・・
 彼女の言う通りに『誤解』だったとでも言うのか・・・・・?」

「――――だとしても!
 まだまだ手が甘い!!」

目の前で起きている光景を見る限り、
どうやら彼女の能力はダメージのない『人体切断』を基盤としているようだ
詳しい条件はまだわからないが、ダメージを与えるか否かを何らかの条件で使い分ける事が出来るのだろう

そして、彼女は克子に対して『死なない程度』にダメージを与えようとしているようだ

(それじゃあ駄目だ! 遅すぎる!)

目の前で死の淵に瀕する『苗太』を助けるためには
一秒一瞬たりとも無駄にしていい時間はない
致命とならないかすり傷を積み重ねれば、彼女は負けを認めるだろう・・・・だが

「克子が意識を取り戻して、負けを認めるまでにどれだけの時間がかかる・・・・!?
 それだけの時間、待てるわけがない!」

両腕は彼女との戦いでべきべきに圧し折れている
だが、両足はいまだ・・・・なんとか無事の状態でいる
小石川がナイフで斬り込んだ部位を蹴りで深くえぐる事で追撃を行う!
その目的は・・・・・克子にとって致命となる一撃を加える事!

「見るからに致命傷となる一撃が発生してしまえば・・・・・
 お前たちは試合を止めざるを得ないはずだ・・・・・そうだろう!『アリーナ』!!」

633小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/11/13(日) 08:10:14
>>631

  「――……!」

赤月の行動を目の当たりにした直後、
『実況席』に座る人間――『バイキ』に向けて口を開く。

  「『敗北を認める事が出来ない状態』は、
   事実上の『敗北』と『同義』です!」

死なない程度に全身を切り刻んだ。
『命』こそ繋ぎ止めているものの、
相当量の出血を伴う『重傷』。
客観的に見て、今の克子は、
明確な『戦闘不能状態』に陥っているはず。

  「――『違いますか』!?」

既に深手を負った克子に対する全力の追撃は、
本当の意味で『致命』になりかねない。

  「どうか……『宣言』をお願いします……!」

赤月の言葉を『後押し』するように、『バイキ』に懇願する。

  「『手遅れ』にならない内に……!」

『苗太』だけではない。
『克子』も死なせないし、『赤月』にも一線は越えさせない。
願う事は一つ――これ以上『誰も傷付いて欲しくない』。

634『邪悪なる鉄の支配者』:2022/11/16(水) 18:38:17
>>632
>>633
>>「見るからに致命傷となる一撃が発生してしまえば・・・・・
 お前たちは試合を止めざるを得ないはずだ・・・・・そうだろう!『アリーナ』!!」

キミ、赤月の吠えるが如き、問い。
――それは、『他』のアリーナであれば、そうであろう。

「『NO』ですわ―――――ッッッッッッっ!!!」

赤ずくめの女は、はっきりと血塗られた答えを返す。

「赤月選手! あなたは『二試合』行っている、ならば――『基本的な4つのルール』は耳にしているはず!そこで『答え』は聞いているはずですわ――ッッッ!!!」

>>88

それは、キミ、小石川にカリーナが『語らなかった』そして、『変えた』
しかし、赤月がはっきりと聞いた筈のルール。

「最中派閥、は『止めませんッッッ!!!』、殺傷はあくまでも『結果として起こり得ること!』。『無効試合による勝利報酬の未発生!』そして、『戦績上の敗北!』そして――『ペナルティ』は起きますが。『殺傷』を力ずくで止めるということは――ありませんッッッっ!!!」

赤ずくめの司会者は――はっきりと、断じた。

「『勝者はあくまでも勝者の宣告によって決定される!』『運営は基本的に関与しない』これがっ、最中派閥の、『絶対にネジ曲がらない』根幹のルールですわ――――ッッッッッ!!!!」

ならば、どうするか――キミたちには、出来ることがある。

「『勝ち誇りなさいッッ』『勝ち名乗りなさいッッ』、『試合』を終わらせるのは、あくまでも、『勝者!!』――――『ウルフ!!!』」

その叫びとともに、赤ずくめの少女の背後に『ヴィジョン』が立つ。
『バイク』の意匠を持つ、『人型の機械』、その『スタンド』が、何かを握り――君たちの足元に投げつけた。
到達せしもの――『マイク』

「声を出せぬと言うのなら! 『サービス』です! 終わらせないというのも――『權利』です! 」

――1本のマイク、は君たちの足元に落ちた。

それをどうするかは、君たちの自由だ。

635小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/11/16(水) 19:46:37
>>634

小石川文子の抱える『恐れ』とは、
『救おうとして救えない事』である。
『成長』のきっかけとなった事件で、
小石川は困難を乗り越えて、一人の命を救う事が出来た。
しかし、あの『夏の事件』では、そうはならなかった。
それは『トラウマ』に近いものがあったのだろう。
無意識の内に、『自分自身』を信じられなくなっていた。

あの時、自分は本当に全力を尽くしていたのか?
もっと深く考えていれば良かったのではないか?
もっと上手く行動していれば結果は変わったのではないか?
もっと念入りに準備する事も出来たのではないか?
後悔に意味がないと頭では分かっていても、
心に残った感情までは消し去れない。

誰かを助けようとすると、
『救おうとして救えなかった記憶』が脳裏を掠める。
その度に考えてしまう。
自分には誰も助けられないのではないか。
それどころか、自分が動いたせいで、
事態が悪化するのではないかとさえ思える。
そう考えると、動きたくても動けなくなかった。

その状態を脱するためには、強くならなければならない。
今の『弱い自分』では、誰も救えない。
だからこそ、『今までの自分』を否定してしまうべきだと。
自らの内に根付いた苦しみと向き合い、
必死で足掻いた末の結論だった。
しかし、赤月や克子や苗太の『生き様』を目の当たりにして、
自分の認識が『間違い』だった事に気付かされた。

  「――……『配慮』に感謝します」

               もう、迷う必要はない。

赤月の両腕は深い傷を負っている。
左手の『スーサイド・ライフ』を解除し、
彼女の代わりに『マイク』を拾い上げる。
そして、それを赤月の口元に向けた。

  「――『お願いします』……」

花を持たせるような意図はない。
『事実』として、『勝利宣言』の資格は赤月にあるだろう。
これ以上は誰も傷付かないように、
この戦いを終わらせて欲しい――思う事は、それだけだ。

636赤月『サクソン』:2022/11/17(木) 00:25:35
>>634
>>635

「なっ・・・・・・!」

赤月は絶句する。それと同時に己自身の見通しの甘さを悔いた
別の『アリーナ』を経験したため・・・・それ故に先入観を持ってしまっていたのだ

(しまった・・・・!)

「『最中派』は・・・・選手の生死に責任を負うつもりは『ない』・・・・!」

「どうすれば・・・・?」

自分の予想から大きく外れた事態に動揺し、『唄器』の言葉が上手く耳に入らない
頭の奥で、血管に血が流れる音だけがやけに大きく聞こえる
腕の痛みから来る脂汗が、冷や汗となって背筋を冷やす・・・・・その時

ふと、目の前に『マイク』が見えた
『それ』を持つ者が横に見える・・・・小石川文子だ

『マイク』の意味を理解すると同時に、『唄器』が語った言葉の意味が追いついた
自分が為すべきことも・・・・・!

「私・・・・は・・・・」

小石川文子が『マイク』を掲げている意味がわからなかった
今までの小石川ではありえない行動だと思ったからだ

「私・・・・・が・・・・・・」

だが、それは逆に『わからない』という事がわかったという事だ
小石川には、何か・・・・赤月には推測不能の価値観があり、判断基準があり
そして・・・・この試合の中で迷い続けていたという事なのだろう

「私こそが・・・・・!!」

すぅ、と息を深く吸う
拡張した肺が折れた肋骨を押しのけて痛みが走るが、今は気にしない

「私こそが・・・・この『戦い』の勝者だ・・・・・ッ!!!」

振り絞るような声に胃液が逆流し焼けた喉が熱くなる
持てる物は全て使い切った・・・・ 物も、身体も、心も・・・・
そして、肺の奥の空気すらも使い尽くすような勢いで、『勝利』を宣言する

(小石川文子・・・・・ わけのわからない女だ・・・・
 彼女は・・・・ ずっと迷い続けていたのだろうか・・・・)

「はた迷惑な奴め・・・・・」

637『邪悪なる鉄の支配者』:2022/11/18(金) 15:27:20
>>635
>>636

君は吠える、高らかに。
君は吠える、全てを賭して、
君は吠えた、私、と。

君たちは決して仲間ではなく――しかし、その結果は――

「試合っ、終了ぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!! 赤月、小石川チームのだいっしょうっり!!!!!ですわァァァッァァァッ!!」

君たちの勝利を告げる、紅い咆哮であった。
観客たちから響く、怒号、激怒――金返せ、もっと脱げ。
観客たちから響く、完成、歓喜――いいもん見れたぜ! 今夜は焼肉っしょ!
畜生共の鳴き声にも似た声の雨の中、闘技場の中に飛び入る、影、一つ。
白黒の『千鳥格子柄』の、レディーススーツを着た、硬そうな雰囲気を持つ女。
掛けた眼鏡の奥には、勝者の姿が、まず2つ。
彼女は、つかつかと君たちの元に歩み寄り――背後から、『スタンドヴィジョン』を顕現させる。

「小石川選手には初めましてになるだろう。私は、『治療係』だ――早速、治療を始めたいが――かまわないかな」

638赤月『サクソン』:2022/11/18(金) 18:15:22
>>637

「・・・・・・・・!
 ・・・・・っ! っかはぁ・・・・! はぁ・・・・・!」

腹の奥から酸素を振り絞るような『勝利宣言』
『私たち』ではなく『私』と自称したのは、ほんのちっぽけな『プライド』を護るためか

(『私』・・・・の・・・・勝利・・・・・だ・・・・・)

最終的に、自らが為した何事をも勝利に寄与する事が出来なかった『無力感』
かといって、勝利を為した『小石川』を仲間として認める事は、
彼女が『わからない』という事がわかった今でも、今までの経緯ゆえに難しい己の心情があった

(『私』の・・・・・・・?)

結果として、あえて己自身の『勝利』を嘯く事で
赤月は自身の小さな『プライド』を護ろうとしたのだが・・・・それは逆効果であった

「違う・・・・・」

拡声器を通して発せられた自らの言葉
全周から聞こえる歓声
勝利の熱

「私は・・・・・無力だった・・・・・・」

その中心で、赤月の心を占めるものはより強い『無力感』であった
自分自身のちっぽけさを自覚してしまったがために、それはさらに強くなる
周囲から感じる『熱』と『圧』に潰されそうなほど、赤月は自分自身の小ささと惨めさを自覚していた

だらりと両腕を下げて立ち尽くす彼女の前に白黒スーツの女が現れる

「北落・・・・・ ・・・・・・そうだ!
『治療』をしてくれ! 私たちではない・・・・・!」

言いながら、視線で苗太を指し示す

「『彼』だ・・・・・!
 私たちの事は後回しでいい
 一刻も早く、『彼』の治療をしてやってくれ!」

639小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/11/19(土) 21:30:42
>>637

  「――赤月さんのおっしゃる通りになさって下さい……」

やってきた女性に一礼し、その場から身を引いて、
『治療』の様子を見守る。
周囲の騒がしさも、どこか遠くに聞こえていた。
耳を傾けていたのは、内側から響く声。
自分自身の『内なる声』に耳を澄ます。
『スーサイド・ライフ』を引き出した『彼女』のように。

『不殺の刃』の能力は、
『エレクチオン』の『天敵』とも呼べるものだろう。
だから、『鉄壁の防御』を突破できたのは、
言ってしまえば当然の結果だ。
彼女には、赤月には、それがなかった。
それでも、彼女は戦い抜いた。
もしかすると、あのまま『勝利』していたかもしれない。
不利な条件で戦い抜いた彼女と、
有利な力を持ちながら戦えなかった自分。
赤月ナカレの生き様は、小石川文子よりも『強かった』。

最後まで諦めない姿勢。
あの『夏の日』の自分も、それと同じ想いはあった。
しかし、その結果は、成功とは遥かに程遠い。

やった事といえば、
ただ『最後まで放棄しなかった』というだけ。
『人ならざる者』を救える可能性は、
確かに極めて低かっただろうと思う。
けれど、もしかすると出来たかもしれないのだ。
だが、出来なかった。
その上、多くの人々の気持ちまでも傷付けてしまった。

何もかもが失敗に終わった時、同時に、
自分という存在の全てが否定されたように感じられた。
この町で自分が歩んできた道のりは、全て無駄だった。
『自分の今まで』は、何の価値もない無意味なものだった。
そんな考えさえ頭に浮かんできた。
こんな風になってしまうくらいなら、いっその事、
『スタンド使い』になどならなければ――。

  「――……」

ふと、知らず知らず、『昔の事』を思い出していた。
スタンド使いになって、
初めて『実戦の場』に立った時の記憶を。
『遊部玲実』と共に、
『世界の治療』を標榜する一派と対峙していた。

640小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/11/19(土) 21:31:28
>>639

「夢と希望、光る正義を宿す貴方は
 日々心に疾患を負う患者を助けるべく奮闘していた。
 家族間での不和、虐待、愛の亀裂。
 尽きぬ差別や虐め、精神的な暴虐。
 先生はご立派です、本当に……ご立派だと思います。
 ……ですが、貴方は『見捨てた』」

「……貴方は故郷を離れ、この国で最愛の人物と出会った。
 どうしようもなく、暗い闇の中を互いに行きかう男女。
 人は不完全な生き物です。
 心を専門とするお医者様だからと言って、
 愛する人の自殺未遂を救えなかった咎人と糾弾するなんて事、
 それこそ告げるほうが無責任ですよ」

「話を戻しますが、先生。
 貴方はそして心を鉄のようにして使命を遂行し
 神の啓示を受けるに等しく、
 スタンドに目覚める切っ掛けを得た。
 非常に……えぇ、とても非常に感動的な話です。
 ……ですが、貴方は『見捨て』ている」

「――何が言いたいんだ?
 そうですね……『貴方自身』の事ですよ 先生。
 ……ねぇ 先生。 本当はご自分でもお気づきなのでしょう?
 ――世界を癒す前に、
 本当に癒さなければならないのは『ご自分』である事を」

「リンゴ・ナイチンゲール。
 貴方は今も傷つき倒れそうな自分の精神をないがしろにしている。
 他者と向かい合う事が出来ても、
 己と向き合えば崩れてしまいそうな自分自身を、
 あえて無視している」

かつて共闘した遊部が、『一派の主』に告げた言葉だった。
『今の自分』は『リンゴ・ナイチンゲール』に似ている。
そして、『当時の自分』は、
『リンゴ・ナイチンゲール』に『共感』を覚えていた。
だからこそ、長い時を経て自分と彼が重なったのは、
ある種の『必然』だったのかもしれない。
これも『運命』――なのだろうか。

   ――『遊部』さん……。

   ――『ナイチンゲール』さん……。

   ――私は……私は……。

心の中で、彼らの姿が幻影となって、浮かんでは消えた。
そして、再び意識が現実に引き戻される。
今、自分には何も出来ない。
ただ祈る事しか出来ない。
しかし、『それ』をする。

641邪悪なる鉄の支配者:2022/11/21(月) 16:38:41
>>638
>>639
「判った――が、まず、君たちから行いたい」

白黒の女は、冷えた目で君達を見る。

「君たちは『他のアリーナ』を知っているから解るだろうが、この試合は尋常の試合ではない――『観客』に身内を招待するというのは前例があるが、試合上に、それも殺害のために上げるというのは、他のアリーナではまず、有り得ない」

それどころか、他のアリーナにおいて『殺害』は明確なる禁忌事項。
事故死が起きただけでも、該当するアリーナに対する信頼が揺らぐ事態となる。
まして、身内とは言えスタンド使いですらない相手を殺すために、上げるなどは。

「……『彼』を先に治療した場合、複雑な経緯の説明がいる上に、思惑を破壊されたもう一方が何を始めるかも解らない。この後も出し物がある、ここで揉め事を続けさせる積りはない」

そして――北落は君たちに告げる。

「まず、君達を治療する――その足で、控室に向かって欲しい。すぐにギャラを『持って行かせる』。君たちが通路に入り次第、私はもう一方を治療する」

君たちの、答えは――

642小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/11/21(月) 18:40:24
>>641

北落の言い分としては、
表面上は『何事もなかった』という形で、
この試合を終わらせてしまいたいのだろう。
そのために、まず片方を退場させたがっている。
理屈としては筋が通っているが、引っ掛かる点があった。

  「――考慮しておかなければならないのは、
   彼が『所持品扱い』になっている事です……」

『スーサイド・ライフ』で、自らの『片目』を抉り、
『片耳』を切断して、それらを地面に落とす。

  「『もう一方を治療する』という言葉は……
   『選手だけを治療する』という意味にも解釈できます。
   あとで我々が責めても、
   『約束は果たした』と言ってしまえるでしょう……」

  「『広井苗太』と『広井克子』の両名を、
   必ず治療して生存させて下さい」

北落に念を押し、赤月に向き合う。

  「赤月さん――私はお先に失礼します……」

手短に告げてから、入口に向かって歩き出し、
そのまま会場を立ち去る。
ここで北落と議論していても、時間の浪費になるだけだ。
そして、自分には治療の必要はない。

  「……『お待ちしています』」

すれ違う際、北落に囁く。
『控え室で待て』とは言われていない。
『通路』に出たところで立ち止まり、
残した『片目』と『片耳』で状況を把握する。

643赤月『サクソン』:2022/11/21(月) 19:30:12
>>641
>>642

心の底からの無力感、そして信頼出来る味方が居ないこの状況に
赤月の心は寒気の様なものを感じ、凍えていた
それでも、立ち続ける事が出来たのは『苗太』を見殺しにしてはいけないという責任感からであった

「え・・・・・・。」

北落の語る言葉を聞いた直後、愕然とした表情を浮かべる
足元がふらつき、尻餅を着くようにその場にへたりこんだ
彼女ら、『最中派』が語る言葉が欺瞞に満ちている事を知っているからだ

小石川が何事かを囁いてこの場から立ち去っていく
それほど信頼しているわけではなかったが、これで本格的に赤月は一人取り残される事となった

『ザ・オーメン』は本当に『苗太』の治療をするのだろうか
『もう一方』の中に『苗太』は含まれているのだろうか
それを肯定できるものはない

「わかった・・・・・ わかった・・・・・!
 お前の提案を呑む・・・・・だから早く私を治療しろッ!!」

『最中派』が約束を守る証拠など存在しない
だが、今の状況で何かをしようとしても、いたずらに時間を消費するだけだ
焦る心に心を騒めかせながら、北落の言葉を飲み込む

644邪悪なる鉄の支配者:2022/11/23(水) 16:37:30
>>642
>>643

>「『広井苗太』と『広井克子』の両名を、必ず治療して生存させて下さい」

「無論、そうする」

北落は君、小石川の言葉に断ずるように答えた。

「試合中の死者は事故だが、試合後の死者は我々の不手際だ。我々を信頼しないのは自由だが、我々は自らをリスクに晒してまで悪辣な趣向をするほど愚かではない」

そして、去りゆく君が残したモノに僅か、目線を投げかけた後――

>「わかった・・・・・ わかった・・・・・!お前の提案を呑む・・・・・だから早く私を治療しろッ!!」

「判った――『ザ・オーメン』」

君、赤月に応じるように、マッシブな修道女――時計の意匠を有する異形のスタンドウィジョンが、軽く、君をこつく。
すると――それだけで、君の肉体は『巻き戻り』を果たす。

「『一時間』君の肉体は巻き戻った――歩くにも走るにも問題はない。服装も、戻しておいた……いきたまえ」

装いも含めて完膚なきまでに『巻き戻り』を終えた君を見た北落は、そのままにまず、『苗太』の方に歩き出す。

645赤月『サクソン』:2022/11/23(水) 17:32:09
>>644

「・・・・・・・・・。」

無言で両手をグーパーに握り、開く
痛みはない。先日の戦いと同様に外傷は完全に治癒しているようだ

      ぴしっ・・・・

同時に、赤月の身を包み込む衣類の存在を知覚できた
化繊と綿で織られた布地が体にフィットする感覚
文字通り一糸纏わぬ状態であった事による緊張が解けて、ほっと安堵の念が生まれる

「信用、するぞ・・・・・」

『最中派』に対する不信感は依然として胸中に残り続けている
しかし、この状況で暴れたところで心臓が止まった『彼』を助ける手立てはない
『彼』の命を、『アリーナ』に委ねるしかない状況に奥歯を強く嚙み締める

「もしも・・・・故意に彼の治療を遅らせてみろ
 私は決してお前を許さない・・・・絶対にお前を殺してみせる」

去り際にその言葉を残して、会場を立ち去る

・・・・・・『通路』の途中で片目と片耳を失った『小石川文子』と遭遇し、立ち止まった

「小石川・・・・・文子・・・・・・」

『戦い』を通して、何一つ『わからなかった』相手だ
彼女が実力を隠していた理由も、戦わなかった理由も、突然戦いに参加した理由も
何一つわからない

だが、彼女に対して大きな『借り』を作ってしまった事は事実だ
『勝利』・・・・・そして、『苗太の命』という『借り』が重く心に圧し掛かる

「結局・・・・・お前はいったい何をしたかったんだ?」

立ち止まり・・・・・しばらく彼女の隣に佇んだのち、やがてそう声をかけた
『苗太』の治療を監視するためにも、控室に戻るわけにはいかない
必然的に、小石川文子と同じ場所に留まる必要がある

沈黙の時間。
その中で会話の口火を切ったのは心中に渦巻く様々な思いに耐えかねたためだろうか
体力と精神力を擦り減らし、澱んだ目が小石川を見つめる

646小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/11/23(水) 19:50:27
>>644

北落の返答を受けて、内心で呟く。

     『その言葉が聞きたかった』――と。

外に出ると、通路で立ち止まり、
『目』と『耳』を通して様子を見守る。
同時に、『箸』を置いてきてしまった事に気付く。
既に出て行った以上、取りには戻れない。
出来れば拾っておきたいが、ひとまず後回しでいいだろう。
それよりも『治療の完了』を見届けておきたかった。

  「――……」

『ザ・オーメン』の発現と能力の発動を目撃する。
あのスタンドなら、確かに『治療』は容易だろう。
今は北落を信じ、ただ見守るだけだ。

647邪悪なる鉄の支配者:2022/11/25(金) 13:53:14
>>646
>>647
君、小石川は『見聞き』するだろう。

まず、北落のスタンド――ザ・オーメンの拳が苗太に触れる――すると、苗太の様子は、元通りに戻った。
決して健康そうではない、不健康な青白い肌――それは鉄色ではなく、紛れもない人間の肌色だった。

『あれ……僕は……試合は?』
『終わった、君たちの負けだ。君のパートナーは、これから治す』

直後、苗太は克子を見て――喚く、叫ぶ。助けてくれと北落に頭を下げる。
せせら笑う観客たちの声――彼らは等しく苗太の知らない事実を知っている――彼らからしてみれば、苗太の態度はコメディにほかならない。
その、全てを無視しながら、北落は克子にスタンドの拳を叩き込み――その肉体を『逆行』させた。
元通りになった克子――彼女は、何があったのかを、理解している。
彼女の目が得たものは、立ち上がった自分の夫と、北落と、敗北の事実。

『控室に、戻り給え。君たちには、運営スタッフから話がある』
『私は――承諾を――』
『気絶して送られたいかね』

……多少、場は荒れかけたが――夫婦――少なくとも今はまだ夫婦である彼らは、彼らの未知で帰った。。
――君たちがどうするかは、自由だ。

648小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/11/25(金) 22:37:08
>>645

  「昔……『レミ』という方と共に……
   『世界の治療』を掲げる『スタンド使いの一派』と対峙しました……」

  「……『一派の主』に向けて――レミさんは『こう言いました』」

目の前に立つ『赤月ナカレ』の姿が、
かつての『遊部玲実』の姿と重なり、
『当時の情景』が鮮明に思い起こされる。

  「あなたは『自分自身を見捨てている』。
   傷付き、今にも倒れてしまいそうな自分の精神を無視し、蔑ろにしている。
   そうでなければ『押し潰される』から」

  「本当は、あなたも気付いているのではないか。
   世界を癒す前に、本当に癒さなければならないのは、『あなた自身』だと……」

部位の『欠落』した顔が、赤月ナカレを見つめる。

  「――『自分は何をしたい』のか……」

赤月が発した問いは、まさに小石川自身が、
自らに問い掛けてきたものと同じであった。
あの事件で、小石川文子の精神には、深い『傷』が残った。
表面上は平静を取り繕っていても、
今にも崩れ落ちそうな心を必死で保とうとしている状態。
そんな状態が長く続けられるはずがなかったのだ。
今日の試合における自分自身が、それを裏付けている。

  「……『同じ質問』を、私は『自分自身』に問い掛けているのです」

強くならなければならないと思った。
もう二度と繰り返さないために。
そして、強くなるためには捨てなければならないと考えた。
今までの自分を。
しかし、捨てられなかった。

  「私は……『その答えを知りたかった』のかもしれません……」

人間には、どうしようもない部分がある。
『スタンドを得る以前』から、
『スタンドの成長』を経験する前から、
ずっと変わらない部分だ。
小石川文子も、それを持っている。

  「傍にいる人が幸せでいてくれる事が、私にとっての幸せになります……」

脳裏を流れていくのは、この町で歩んできた『これまで』。
多くの『出会い』と、多くの『交流』。
それは決して『戦い』だけに限ったものではない。
『平穏な日常』を共に過ごせた事も、大切な思い出だ。
むしろ、自分にとって『より大事』なのは、
そちらの方だったように思う。

  「『答え』があるとするなら……『それを願う事』でしょう……」

『自分自身』を見捨てる者は、人を『幸せ』に出来ない。
今になって、『遊部玲実』の言葉が胸に刺さる。
あの時に見た『リンゴ・ナイチンゲール』の姿は、
『未来の自分自身の姿』だったのかもしれない。

>>647

  「――苗太さんの『治療』は終わりました……」

一通り話し終えた後で、赤月に告げる。
もちろん問題は残っている。
あの二人が、これからどうなるのかという事が。
別の試合で今日と同じ事が起こるかもしれないし、
そうでなくとも今まで通りの関係ではいられないだろう。
ただ、それでも『ひとまずは終わった』。
全員の命が救われたのだ。
それを見届けられた事に安堵する。

  「……彼らは『控え室』に戻るようです」

『スーサイド・ライフ』の解除。
それと共に、『欠落していた部分』を埋めるように、
『目』と『耳』が再生する。
能力で付けられた傷は、心の傷とは違い、
いとも簡単に治ってしまう。

  「私も――『部屋』に戻ります……」

元通りの顔になった後、赤月に目礼し、
『控え室』に向かって歩き始める。

649赤月『サクソン』:2022/11/26(土) 15:23:18
>>647
>>648

「そう、か・・・・・。」

眼を閉じて、背を壁に預けながら小石川の話に耳を傾ける
『迷い』、そして『傷』、それこそが彼女が起こした奇妙な行動の根源なのだろう

「なるほど、納得がいった
 お前の持つ『強大な力』とアンバランスな程の『混乱した判断』・・・・
 それらが全て、お前の『傷』に由来しているのであれば・・・・」

ぐっと唾を飲む

「私も・・・・一つ昔話をしよう
 昔と言ってもつい最近の・・・・『夏の話』だ」

「前の夏に『夏の魔物退治』という騒動があった
『夏の魔物』と呼ばれるスタンドが人間に憑りついた事で起きた出来事なのだが
 私の・・・・宿敵。 そう、『宿敵』が『魔物』に憑りつかれる事件があった」

思い出しながら語る
『宿敵』の少年が起こした、壮絶な惨劇を

「過激な少年ではあったが、この街を護ろうという強い意志を持った少年だった
 そんな彼に、夏を楽しもうという『魔物』が憑りついて・・・・・惨事が起きた」

「本来であれば、あいつも『魔物』もそんな事を望んではいなかったのだろう
 だけど、二人が一緒になった事で強大な力と大きな混乱を得た少年は・・・・街に対して牙を剥いた」

「たまたま、治療を行えるスタンド使いがいたおかげで事なきを得たが、
 私を含めて何人ものスタンド使いが犠牲となり、2、3人は死んでいてもおかしくはない事態だった
 そいつも・・・・『魔物』すら望んではいない事態だったはずだ・・・・」

眼を開けて、小石川を見つめる

「『強大な力』は制御されずに振るわれるだけで災いを呼ぶ
 お前の『それ』も・・・・同じことだ」

そう言いながら、小石川に一歩遅れるようにして控室に向かう

「『彼』が無事に生き返ってくれて良かった・・・・」

650邪悪なる鉄の支配者:2022/11/29(火) 12:40:07
>>648
>>649

控室――待つものはない。
君たちは着替えていてもいいし、雑談をしていてもいい。
いずれにしろ、30分程度は誰も来ない。
……待ちぼうけて、帰ってしまっても構わない。

しかし、帰らないのであれば――君たちの前に、見覚えのある影が顕れる。

ドアを開けて入室してきたのは――金髪の、氷のように冷えた目をした、感情を伺わせない少女である。
――カリーナだ。君達をここに誘った少女が、顕れた。

「勝利、おめでとうでござる。報酬の受け渡しに来たが――構わんか?」

651小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/11/30(水) 13:18:59
>>649-650

赤月の語った『昔話』には、自らも深く関与していた。
だが、それを口には出さない。
たとえ同じ出来事に関わっていたとしても、
感じた事や考えた事は大きく違う。
彼女には、彼女の人生と背負うものがある。
そして、小石川自身にも。

  「――……」

『彼』は決して生き返らない。
だからこそ、苗太が生きていてくれて良かったと思う。
今日という日において、
あらゆる意味で『救い』になったと感じる。

  「――……ええ」

赤月が最後に発した一言に、呟くような声色で、
背中越しに小さく『同意』を返した――。

―――――――――――――――――――――――――

着替えを終えた後、言葉もなく、椅子に座って待ち続ける。
試合の前に『預けたもの』があるのだから。
それを受け取るまでは、帰る訳にはいかなかった。

  「――『お疲れ様です』……」

カリーナの入室を見て立ち上がり、軽く頭を下げる。

  「その前に――お聞きしたい事があるのですが……」

  「……『広井夫妻』はどうしていますか?」

報酬に関心はなかった。
『仕組まれた』のも分かっている。
しかし、その事に関しては、今はいい。
ただ『二人の現在の様子』を、カリーナに尋ねる。
素直に答えてくれる保証はないが、
答えがなかったとしても、それは一つの回答だ。

652赤月『サクソン』:2022/11/30(水) 22:58:45
>>650
>>651

「・・・・・・・。」

『昔話』を語り、しばらく言葉を待つも反応はない
この話が、聞こえていたのか、それとも聞こえていないのかもわからない

「薄気味悪い女だ・・・・」

そう言いながら、控室へと戻ってきた
部屋の様子は先ほどと一切変わりはないだろう
だが、ほんの少しの間に赤月の疲労はピークに達していた

「少し・・・・横に・・・・・」

身体の負傷は『ザ・オーメン』の能力で既に完治している
だが・・・・今回の試合においては精神的な疲労の方が遥かに強かった
完全にアウェイとなった会場、誰が敵かもわからない状況、その全てが彼女の精神力を削っている

「すぅー・・・・・ すぅー・・・・・」

椅子に座ると同時に、机に突っ伏す形でうずくまる
彼女が寝息を立てるのはそれとほぼ同時であった
着替える時間も、シャワーを浴びる時間もない

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・

「んぁ・・・・」

金髪の少女がドアを開ける音に反応して目を覚ます
中途半端に寝たせいで身体は泥の様に重く、深部体温の低下により芯から冷えていた
頭を起こすのもおっくうだというような遅い動きで頭を上げる

「報酬・・・・」

眠りに冷え込んだ脳が鸚鵡返しに言葉を返す

653邪悪なる鉄の支配者:2022/12/02(金) 16:13:56
>>651
>>652
>「……『広井夫妻』はどうしていますか?」

君、小石川の問掛けに、カリーナは少しだけ考えた様子を見せた。
「どこまで興味があるかは分からんが――そうで御座るな。今のところ、試合前と、変化はない仲睦まじい夫婦を演じておるよ、片方はな。もう一方は相も変わらぬ様子で、気落ちした女房を慰めておる」

カリーナの言葉に、嘘を感じ取ることは難しいだろう。そも、感情が見えにくい無表情であるが。

「今回の負け方は中々に酷いものだった、暫くはアリーナには上がれまい……拙者のボーナスも、暫くは無いということでござる」

だが、その最後にだけ僅かばかりの感情が乗った――それが何であるか、君たちがどう感じ取ったかは自由だ。
そして、カリーナは茶封筒を2つ、控室のテーブルの上に置いた。

「それぞれ、綺麗な金が30万円入っている――言うまでもなく、使うことに問題が無いという理由でござる……さて」

氷の目が、君、赤月を見る。

「そちらが起きれるようなら、最寄り駅への迎えを呼ぶが?」

654小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/02(金) 21:19:49
>652

カリーナが控え室に来る少し前――時間は『30分前』に遡る。

『来訪者』を待っている間、
眠り込んだ赤月の様子を見守っていた。
『近くで眠る』というのは、言い換えれば『隙を作る』行為。
いくら疲れていたとはいえ、
警戒していれば決して取らない行動だ。
だからといって、
『気を許してくれた』などと自惚れるつもりはない。
しかし、先程までの彼女なら、そうしなかったはず。

 『強大な力』は制御されずに振るわれるだけで災いを呼ぶ
        
        お前の『それ』も・・・・同じことだ

つい先程の『赤月の言葉』を、
ずっと胸の奥で考え続けていた。
『心の傷』を抱えたままで何かをしようとしても、
結局は周囲を傷付けてしまう。
誰かを救おうとする前に、
まず『自分の傷』を癒さねばならない。
そして、小石川文子にとって『自分自身を癒す』というのは、
『傍にいる相手』が『幸せ』でいてくれる事だ。
『隣にいる人が幸せである事が自分にとっての幸せ』。
だからこそ、『赤月の寝顔』を眺めていると、
自らも満ち足りた気持ちになれる。
いくらか固さを残していた表情が、
徐々に柔らかいものになっていく。

  「『自分自身を救えない者に他人は救えない』……」

それまで黙り込んでいたが、眠り続ける赤月の前で口を開く。

  「私も……『一派の主』と同じ道を……」

  「『リンゴ・ナイチンゲール』と同じ道を……
   歩もうとしていたのかもしれません……」

『告解室』で『懺悔』を行うように、ぽつりぽつりと語る。
今、彼女は『まどろみ』の中にいるのだ。
それでも言わずにはいられなかった。

  「私は……もう少し『私自身の幸せ』と向き合ってみるつもりです……」

  「赤月さん……あなたを傷付けてしまってごめんなさい……」

  「大切な事を思い出させてくれて……ありがとうございました……」

語り終えた直後、ドアが開く音を聞き、
立ち上がってカリーナに頭を下げる。

  「――ええ、そうです……」

  「『今日の試合』は終わったのですよ……」

それから赤月に視線を移し、
起きたばかりの子供にするように、
穏やかな声色で言葉を掛けた。
その面持ちは、どこか『憑き物』が落ちたようにも見える。
眠っていた『30分』の間に、『何か』があったのかもしれない。

>>653

カリーナが嘘を言っているとは思わない。
今回の試合で、夫の苗太は死にかけた。
それが妻である克子の目的だったのだ。
しかし、苗太は、その事実を知らない。
また『次の試合』があれば、今日と同じように戦うだろう。
その時に助かる保証はない。
彼らが出場し続ける限り。

  「――……そうですか」

愛されていると信じたまま命を落とす。
愛されていなかったと知って生き続ける。
苗太にとって、果たしてどちらが『幸せ』なのか。
あるいは、愛が『偽り』であった事を知って、
なお愛する事を止めないかもしれない。
いずれの場合においても、
『苗太が克子を愛している事』だけは『真実』なのだ。

  「――……」

自分にも『似た経験』がある。
『彼』と出会う前、愛した相手に裏切られ、捨てられた。
最初は傷付いた。
けれど、恨んではいない。
そのお陰で、『真実の愛』を捧げる相手と出会えたのだから。

  「お手数ですが……
   この部屋にいらっしゃった『見張り役』の方を、
   こちらに呼んでいただけませんか?」

  「その際に……
   『箸』を持ってきていただきたいのですが……」

  「それから――『紙とペン』を……」

655赤月『サクソン』:2022/12/03(土) 00:29:09
>>654
>>653

「ZZZ・・・・」

寝息を立てる赤月の前で、『来訪者』を待つ小石川
呼吸のリズムは整っており、ぐっすりと眠っているように見える
確かに・・・・先ほどまでの様な、『敵か味方か』というような関係性ではありえない程に安眠しているようだ
少なくとも、『敵ではない』と彼女が認識を改めたからであろうか・・・・

「ん・・・・。」

「終わった・・・・そうだ。終わったんだ・・・・」

寝起きに掛けられた言葉に答える
小石川の面立ちが少し前と比べて変化している事に気付いてか気付かぬままにか
それとも、ただこの眠りで疲れを落したせいか、険が取れた眼差しを向ける

「・・・・・・・っ!」

だが、穏やかな時間もそれまでだ
カリーナの登場に、そしてその言葉に、再び赤月の目付きが鋭さを増す
特に『ボーナス』という言葉を彼女が口にした瞬間、
一瞬だけではあるが、この場で飛び掛からんばかりの形相を浮かべる程であった

「・・・・・・迎えは必要ない。一人で帰れる
 それよりも『苗太』は・・・・そうか、事の真相を知らないまま全てが終わってしまったのか」

家族の愛も、戦いも、それらは全て赤月にとっては尊ぶべきもの、神聖なものであった
だからこそ、それらを踏みにじり・・・・金ですべてを売り飛ばす広井克子らのやり口に怒りを覚えていた
だが、彼女らと会ったのも、関りを持ったのも、全てはこの『戦いの場』に限定された話
そこから離れてしまえば、もはや手出しは出来ない・・・・と諦めかけていたその時
小石川が口にした言葉を聞いた

「何をするつもりだ・・・・・?」

『箸』はわかる。それはやはり彼女にとって大事な物だった・・・・のだろう
だが、『真金』と『筆記用具』を何に使うつもりなのか・・・・?
興味を抱き、声をかけた

656邪悪なる鉄の支配者:2022/12/04(日) 17:07:13
>>655
>>654

「あい、判った。今、呼ぶ」

カリーナが手にしたスマホで連絡を行う――10分もしない内に、黒服に身を包んだ掛巣真金が姿を表した。
その手には、ビニール袋に入った『箸』――君が持ち込んだものに相違ない。
そして、紙とペン――何の変哲もない「A4用紙』と『ボールペン』が、もう一つの手に抱えられていた。

「えーと、その――」
「無駄口はいい。物を置け」

カリーナの指示の元、真金は室内のテーブルの上に、要求された物品を置いた。
更に、真金はポケットから取り出した、『メモ帳』を置く。

「紙としか言われていないから、一応、このサイズも」
「それを決めるのは拙者ではない」

カリーナはそう言うと、君、小石川を見つめる。

「――それで、これでよろしいかな」

君の目に入るテーブルの上には、『箸の入ったビニール』『ボールペン』『メモ帳』『A4用紙』がある。

これをどうするかは、自由だ。

657赤月『サクソン』:2022/12/04(日) 21:34:18
>>656

「真金・・・・。」

『最中派』には珍しく、多少なりとも気を許せる相手が現れた事にほっと息をつく
結局のところ、彼女が『アリーナ』の・・・・それも『最中派』の人間である事には変わりないが
それでも、掛巣真金は戦いの中で多少なりとも心を通じ合えた相手だ(赤月の思い込みかもしれないが)

「・・・・・・それで、『筆記用具』を持ってこさせて何をするつもりなんだ?」

大人しく、事の行く末を見守る
小石川は『何か』をしようとしているらしい
少しの警戒と、ほんの僅かな期待を込めて、彼女の行動を見つめる

658小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/05(月) 00:04:31
>>655

赤月とカリーナの間に生じる剣呑な空気。
正確には、一方的なものではあるだろう。
ともかく、この場では爆発に至らなかったのを見て、
胸を撫で下ろす。
カリーナに対しては、自分にも思うところがあった。
しかし、彼女の独断という訳ではなく、
組織そのものに起因する問題に対して、
ここで個人を責めても根本的な解決にはならない。

  「試合が始まる前に……
   『大事なもの』を預けておいたのです……」

赤月に目線を合わせて、穏やかな調子を保ちながら、
彼女の問い掛けに答える。

  「それから……
   苗太さんに『手紙』を渡したいと思っています……。
   克子さんは耳を傾けてくれないでしょうが……
   きっと彼なら……」

ふと、その表情が苦しげに歪む。

  「ただ……彼に『真実』を伝えるのは……
   私には難しい事です……」

自分の愛する人が、自分の死を望んでいた。
あまりにも残酷すぎる現実。
『何も知らないまま終わる』というのが、
『いい事』であるはずがない。
だが、『心の問題』というのは非常に繊細だ。
やり方を間違えてしまうと、取り返しがつかない事になる。
正面から真実を突き付けるというのも、
一つの方法ではあるが、
それは『死刑宣告』にも等しいだろう。
もしかすると、二度と立ち直れなくなってしまうかもしれない。

  「せめて……私に出来る事をしたいのです……。
   広井苗太さん……『彼の愛情』は『本物』……。
   『勝てない場合がある』事も……
   今日の試合で分かったでしょう……」

  「これを機会に試合から離れるように……
   苗太さんを促すつもりです……。
   心から克子さんを愛しているなら……
   これ以上『愛する者』が傷付く事を……
   彼は望まないはずです……」

苗太に『試合から遠ざかる事』を勧める。
克子のためだと言えば、彼も無視は出来ない。
そうする事で、苗太を『試合中の事故』から救えるはず。

  「すぐに変わるはずがない事は分かっています……。
   けれど『苗太さんの愛』が……『克子さんの心』を……
   少しずつでも変えてくれるかもしれません……」

  「それが……私の『願い』です……」

愚かな考えかもしれないが、
それを望む『自分の心』に嘘はつけない。

659小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/05(月) 00:06:39
>>656

  「――ありがとうございます……」

まずビニール袋から箸を取り出し、桐の箱に戻す。
次にボールペンを手に取った。
そして、A4用紙に以下の文面を綴る。

―――――――――――――――――――――――――

お疲れ様でした。
本日の対戦相手の小石川文子です。
折り入って、どうしてもお伝えしたい事があり、
こうして筆を執りました。

そちらの事情は存じ上げませんが、
このような場に参加するからには、
相応の理由があるものと思います。
ただ、差し出がましい事を承知で申し上げますと、
今回を機に試合から離れられてはいかがでしょうか。
あなたも克子さんも、今日は無事でいられました。
ですが、次の安全は保障されていません。
本当に彼女を愛しているのなら、
どうか今一度考え直してみて下さい。

私は最愛の人を失いました。
あなたに同じ思いをして欲しくありません。
克子さんにも、あなたを失って欲しくありません。

私が本気であるという証拠に、本日の賞金を同封します。
また、私の連絡先を併記しておきます。
お考えが決まりましたら、
こちらまでご一報をお願いいたします。

あなたの愛情が、克子さんに伝わる事を、
心から祈っています。

―――――――――――――――――――――――――

茶封筒に『広井苗太様』と書き、折り畳んだ手紙を入れる。

>>657

  「……これを苗太さんに渡してもらうつもりです」

折り畳む前に、『手紙の内容』を赤月に見せておく。
通じるかどうかは分からない。
しかし、小石川文子にとっては、偽らざる『本心』だった。

  「赤月さんは……どう思われますか……?」

660赤月『サクソン』:2022/12/05(月) 13:03:24
>>658

「『大事なもの』・・・・・・。」

その言葉とともに小石川が受け取った物を見て、思わずばつが悪そうに眼を背ける
戦いの激情の中で己が行った行動、その意味
少し休んで冷静になった頭が少しの罪悪感とともにそれを受け止める

「・・・・・悪かった。」

まともに視線を合わせられず、俯き加減のまま呟く

そして、彼女が手紙を書きしたためる様子を背後から見つめ、
提示された文面を見た

「悪くはない、と思う
 ただ・・・・・」

手紙を使ったやり取り、それ自体に危険はなく、悪くはない
だが・・・・と赤月は心の中で思う

家族のために、戦場に出て戦う覚悟を決めた人間が
この程度の助言で止まるだろうか・・・・?

(止まらない・・・・いや、止める事なんて出来ない)

自分自身の事を顧みて、そう結論付ける
戦場に出て、他者と戦う。 その業は一朝一夕に落とす事は出来ない
必ず、いつかまたこの場所に戻ってきてしまうのだと

そう、覚悟を決めてしまったのだから

「ただ・・・・彼が私と同じ人間だとしたら
 この程度の言葉だけで彼を止める事は難しいだろう」

そう言い切る
彼が、『苗太』という男の持つ家族への愛を認めながら、
だがその愛ゆえに彼を止める事なんて出来ない、という諦めの念とともに

661邪悪なる鉄の支配者:2022/12/10(土) 01:10:22


>>669
>>660
「良かろう、渡す」

君たちの会話を無言で聞いていたカリーナは、はっきりと告げた。

「しかし、結果は保証しない――それも、分かっているな……おい、真金」

彼女、カリーナは傍らのギャルを呼び寄せた。

「拙者が受け取って渡すと言っても、信用はせぬだろう。拙者は此度の仕掛け人であり、得られる筈の金を得られなかった身分なのだから――だから、これに渡させる――異存はないな?」

それで良いというのなら、カリーナは彼女に手紙を運ばせるだろう。
信用できぬというのなら――

「あるいは、直接渡しにいくか? 勝者が敗者に会いに行くことほど、残酷なことは無いと思うが」

どちらであれ、君たちの自由だ。

662小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/10(土) 04:04:40
>>660

  「どうか――お気になさらないで下さい……」

まだ受け取っていないが、小石川の両手には、
最初に見た『指輪』がなかった。
だから、『預けていたもの』が何であるかを推し量る事は、
決して難しくない。
事実、赤月の『予想』は当たっていたのだから。

  「……もちろん『そうでしょう』」

『赤月の答え』は、心の片隅で思っていた通りのものだった。
彼女の性格を考えれば――そうでなくとも大抵の人間なら、
似通った言葉を返しただろう。
それを確認したのは、
実際に赤月の口から聞きたかったからだ。

  「彼と私は、この試合で出会っただけの関係……。
   赤月さんとカリーナさんがおっしゃったように、
   一切の保障はありません。
   このまま何もせずに帰ってしまう方が、
   お互いにとって『幸せ』なのかもしれません。
   そうすべきなのかもしれません」

  「ですが……私は『そうしたくない』のです……」

静かに言葉を切り、一呼吸の間を置く。

  「その事を……あなたが教えてくれました……」

そして、『自分自身の答え』を口にする。
多くの違いはあるものの、理由の根本は『赤月と同じ』。
一朝一夕では生じない『背負ったもの』が、そうさせていた。
今日という『長い一日』の中で、
それを思い出させてくれたのは赤月だ。
変わろうと思っても変われない部分が、
人にはあるという事を。
『赤月』もそうだろうし、『苗太』もそうかもしれない。
そして、『小石川文子』もそうなのだ。

>>661

  「――『ご配慮』に感謝します……」

           スッ

  「『真金さん』……よろしくお願いします」

カリーナの判断に従い、賞金と手紙の入った茶封筒を、
真金に差し出す。
同時に、預けていた『指輪』を受け取る。
『指輪を他人に預ける』という行為。
それが、また『夏の日』を思い起こさせた。
『鉄夕立』と『小林丈』の顔も。

  「差し支えがなければ、
   ここの『連絡先』をもらいたいのですが……」

改めて、カリーナに向き合う。
あの場所で別れる直前、
小林は『最中派』に身売りしたと言い残している。
これについても、いずれ確かめておきたい。

663赤月『サクソン』:2022/12/10(土) 19:05:54
>>661
>>662

「・・・・・・『自己満足』を満たすために、か?」

小石川の話を聞き、不満げにそう問いかける
『何もしたくはないから、何かをする』・・・その言葉をそう解釈したのだろう

「私は・・・・嫌だ
 動くのなら、何かを『為し』たい。成し遂げてみせたい」

「カリーナ!
 先ほどお前は・・・・手紙を直接渡しに行くか聞いたな?」

恫喝するような荒々しさで彼女にそう問いかける
            タチ
「生憎私は残酷な性質だ
 真金、私も彼女らのところに連れて行って欲しい」

「言いたいことは、直接彼らに話す」

664小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/11(日) 01:25:21
>>663

  「私に出来るのは……
   『私に考えられる最善の方法』だけです……」

  「『もっといい方法』があったとしたら……
   私の考えが足りなかったのでしょう……」

  「それを埋めてくれるのは……
   『あなた』かもしれません……」

小石川は『最善の方法』を模索していた。
もちろん、赤月も同じだろう。
ただ、『小石川の考える最善』と、
『赤月の考える最善』が違っていたというだけだ。
だからこそ、互いに補い合える。
必ずしも、『同じ答え』を導き出す必要はない。

  「――赤月さん……」

       ソッ……

赤月の肩に両手を添える。
拒まれても構わない。
これを最後まで言い終わるまでは。

  「先程お話しましたね……。
   『私には真実を伝える事は難しい』と……」

  「私が……『小石川文子』だからです……。
   『そういう人間だから』です」

  「『残酷な性質だ』と言われましたが、
   あなたがそういう行動を取るのも、
   『赤月ナカレだから』ではありませんか?」

  「どう説明すればいいのか……
   悩みながら話していますが……」

  「『出来ない』のです……私には……」

  「その自分に何が出来るのか……
   どうすればいいのか……
   それを必死に考えているのです……」

  「今だってそうです。
   どうすればあなたに伝えられるのか……
   懸命に考えています……」

  「その事を……あなたに分かって欲しい……。
   私の事が嫌いでも構いません……」

  「でも……『お願い』……分かって……」

懇願するように、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
『赤月ナカレ』には出来る事が『小石川文子』には出来ない。
極めてシンプルで、それでいて単純ではない真実。
『小石川は赤月にはなれない』。
しかし、『赤月の行動』は尊重する。

    だから――『彼女を止めない』。

665邪悪なる鉄の支配者:2022/12/11(日) 12:57:20
>>663
>>664

>「差し支えがなければ、
   ここの『連絡先』をもらいたいのですが……」

「問題ない、また、こちらから連絡をすることもあるでござろうしな」

カリーナは、君、小石川の言葉に頷いた。

「メモは残したくないので、口頭で告げる。スマホの準備はよいか?」

……カリーナは、君が登録をし終わるまで口頭で番号を告げるだろうし、それを繰り返すことも苦にはしないだろう。
そして、終わったならば。

「今のが、事務所への番号でござる。拙者の名か、溝口最中の名を出せば、まず『こちら」の案件と伝わるでござろう……』


>「言いたいことは、直接彼らに話す」

君の言葉に、真金は“うぇっ”とでも言いたげな顔をした。
その眼差しには、頼むから揉めないでくれという思いがありありと浮かんでいる。
だが、カリーナには格別、感情の揺れ動きはなく――

「あい判った。真金、案内しろ」
「は、はい……付いてきて」

カリーナの言葉に頷いた真金は、君、赤月をいざない、彼女たちの控室に向かうはずだ。
さて、君、小石川である。
状況として、君はカリーナと二人きりになる。特に何もなければカリーナも退室するだろうし、そうなれば君は迎えに乗る事もできる。
当然、赤月に同行することも出来る。選択は君の自由だ。

666赤月『サクソン』:2022/12/11(日) 13:33:56
>>664
>>665

「『最善』なんてもの・・・・」

言いかけたところで止める
その言葉に込めた『自嘲』の意思は心の底の『秘密』に強く根付いていたからだ
心の奥に『秘密』を仕舞いこんで鍵を閉めるように、強く口を噤む

(『最善の方法』を取れるような人間であったら・・・・
 私はこんな所まで来てはいない・・・・)

       ソッ……

  「・・・・!?」

            ビクッ

両肩に置かれた手に、思わずびくりと両肩が持ち上がる
だが、それをあえて表情に出す事もなく、大人しく彼女の話を聞いた

「小石川文子・・・・お前の伝えたいことは、なんとなく理解した
 ・・・・・・その危険性も」

やはり・・・と心の中で思う
やはり、小石川文子は『危険』な人間である、と

「お前が・・・・お前が願う全ての人々の幸福のために、
 ただ一生懸命に事を為そうとしているのはわかった
 私に対しても、苗太に対しても・・・・あの広井克子に対してさえも・・・」

「全てを選ぶという事は、何も選ばないという事と同じだ
 いずれ・・・・全てを失ってしまうぞ」

くるりと踵を返す

「真金! 案内してくれ!」

右手に小石川の手紙を握りしめ、真金とともに『敵』の控室へ向かう

667小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/13(火) 00:05:58
>>666

  「――そうかも……しれません……」

全てを選ぶ事は何も選ばない事と同じ。
赤月が発した言葉が、胸の奥に重く響いた。
今の自分は、『それに近い』と言えるのかもしれない。

『被害者達』を救うために、『魔物』を打倒しようと努力した。
そして、出来るならば、
『魔物』にも『償いの機会』を与えたいと。
苦心した末に得たのは『惨憺たる結末』だった。
もしかすると本当に救えたかもしれない『魔物』は滅び、
事件に関わった多くの人々の『心』を傷付けてしまった。
幽閉されていた『被害者達』が元に戻った事が、
せめてもの救いだった。

だが、この心に焼き付いた『傷』は、まだ癒えていない。

  「それでも……私は私にしかなれないのです……」

今日、自らを『否定』した事で、
逆に『自分自身』を深く理解できた。
『別の答え』を探し求めても、
最後には『同じ場所』に戻ってくる。
それは『どうしようもない部分』なのだろう。

  「きっと……あなたも……」

そして、おそらくは赤月も『彼女以外の誰か』にはなれない。

  「けれど……ここにあなたがいて私がいる……」

ここにいるのは『二人』だ。
『一人』じゃない。
『別の人間』にはなれなくても、
それぞれが『それぞれに出来る事』をする事は出来る。

             スゥ……

赤月の肩から手を離し、慎ましく一歩身を引く。

  「ありがとう……赤月ナカレさん……」

  「今日……ここにいてくれて……」

  「――……『よろしくお願いします』」

真金に渡すはずだった『手紙』を赤月に差し出す。

  「『リンゴ・ナイチンゲール』――」

  「『一派の主』の名前です。
   どうか……この言葉を覚えておいて下さい……」

  「そして――私が『過ち』を犯しそうになった時は、
   この名前を囁いて下さい」

  「『その名』が……私にとっての『戒め』となるでしょう……」

>>665

  「――『ありがとうございます』……」

教えられた番号の登録を終え、スマートフォンをしまい直す。

  「真金さん……お手数ですが『これ』を……」

           ソッ

  「……『持っていていただくだけ』で結構です」

『スーサイド・ライフ』で自身の『片耳』を切り落とし、
『手紙』の代わりに真金に渡したい。
同行する事はしない。
ただ、『結果』は知っておく必要がある。
『見て見ぬ振り』をする事は出来ない。
自分も『無関係』ではないのだから。

  「万一『助け』が必要な時は……『三回』握って下さい」

また、『最悪』に備えるためでもある。
現実の問題として、真金も予想しているように、
揉めてしまう事は十分に考えられる。
むしろ、『揉めない理由がない』とさえ思えた。
それを止める役目を、真金一人だけに押し付けるのは、
あまりにも『酷』だろう。
『もしも』が起きた際、彼女を助けられるのは、
自分しかいない。

そのように考えて、カリーナと共に『控え室』に残る。

668邪悪なる鉄の支配者:2022/12/16(金) 12:34:56
>>666
>>667

「では、拙者も待たせて貰うぞ。流石にスタンドを使っている人間を放置して、問題が起きたら拙者の責任になるのでな」

――カリーナは、残るようだ。
キミ、小石川は――話しかけてもいいだろうし、ひたすらに赤月の連絡を待ってもいい。彼女が、キミに自分から話しかけることはないだろう。

そして、キミ、赤月は真金に案内され――もう一つの控室の前に立った。

「……スポーツマンシップに溢れた“いい勝負”の後ならともかく、ああいう終わりの後に会いに行くっていうのは、ウチに限らずどのアリーナでもあまり、無いと思うよ……」

だから――そう、前置いて、真金は告げる。

「気ィ付けてね。能力の性質はだいたいわかったと思うけど、狭い部屋の中は、スタンドを下に隠せる砂場に負けず劣らず向こうに有利――喧嘩は、不味いよ」

そういって、ノック――声色に苛立ち混じりの応答。

「どなた? 迎えが来たのかしら?」
「えーと、赤月選手が、お話があるそうで」
「あ゛?」

キミ、赤月にも、聞こえただろう。怒り困惑疑念苛立ち――多くが入り混じったその声色を。

「……分かりました。ただし、あなたも入って、立ち会ってください」
「はい、分かりました……つーわけで、あーしも入るよ」

――真金が、扉を開く。そこには、君たちと同じく、戦いの傷跡など無い夫婦の姿があった。
夫たる苗太は変哲もない夏服に、克子も平服に着替え終えて、パイプ椅子に足を組んで座っている。
苗太はキミの意図が分からないだろうし、克子も理解は出来ていないだろう。

「……それで、ご要件は?」

669小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/16(金) 14:19:42
>>668

二人を見送り、椅子に座って『耳』を澄ます。
真金に渡したのは、『自らの一部』。
それを通して、あちら側の状況は把握できる。

  「――……」

克子の反応は、概ね予想していた通り。
それに対し、赤月は感情的で激しやすい。
規模の大小は別として、おそらく『荒れる』だろう。
『仕掛け人』ではあるものの、
カリーナが残ってくれた事は幸いだ。
この場においては、最終的な『安全装置』として機能してくれる。

  「……先程おっしゃいましたね」

  「『こちらから連絡する事もあるかもしれない』と……」

  「たとえば――どのような場合なのでしょうか……?」

心の中で赤月を気遣いながら、カリーナに話しかける。
この時間を使って、『最中派』について知っておきたい。
消息不明となっている『小林丈』のために。

670赤月『サクソン』:2022/12/17(土) 00:09:43
>>667

「・・・・・・!!」

「ああ・・・・そうだとも・・・・
 結局、私は・・・・私以外の何者にも成れやしない・・・・」

小石川の語る言葉、『人は自分以外の誰にも成れない』という言葉を聞き、
俯き加減のまま、自嘲と諦観が込められた声で呟き返す

そして、続けて彼女の話と・・・一人の男の名前を聞く
その男の名は、赤月にとってはまったく聞き覚えの無い、誰かの名前であった
だが、彼女の口ぶりからこの名前が小石川文子という女にとっての最大の『戒め』なのだという事を理解した

「・・・・・・。」

それを理解した時、赤月の胸を襲ったものは強い『無力感』であった

「お前が・・・・その『名前』を私に与えた理由はわかる
 自分自身を止めさせるために、その『名』で自分を縛るため・・・・なのだろう」

「私の・・・・力が及ばないから・・・・
 私の力も、声も、お前を止めるには全てが足らないから・・・・
 だから、その『名』を私に授けた、のだろう・・・・弱い私でもお前を止められるように」

『無力感』に苛まれた声が微かな震えとともに響く

「ああ、わかった・・・・『リンゴ・ナイチンゲール』・・・・確かに覚えておく」

己の力への誇りも、強さへの自信も、くしゃくしゃになって崩れていく感覚を覚えた
そうして出来たひび割れの中に、誰とも知らない男の名前が入り込む

目の前の女を止めるための武器として・・・・
自分の力ではなく、見知らぬ男の名を頼らなければならない
その屈辱を、砂山に染み入る水の様に受け入れるしかなかった

そして、小石川のもとを離れて、相手側の控室へと向かう

>>668

「無論、だ。真金
 別に暴力に訴えるためにここに来たわけではない」

「それに・・・・私は実質的に克子に一度負けている・・・・
 無理な事はしないさ」

普段の赤月ならばあり得ない程の気弱な態度
そのまま、開かれた扉をくぐり控室へと入る

「・・・・・・。」

「要件は一つだけ
 私の・・・・パートナーである小石川文子から手紙を預かっている
 宛先は・・・・・『広井苗太』・・・・君に向けて、だ」

ズズズ、と適当なパイプ椅子を引き、それに座る
そして、用意していた手紙(>>659)を開き、朗読しようとする

「私は、それを伝えに来たメッセンジャーに過ぎない」

671邪悪なる鉄の支配者:2022/12/17(土) 20:54:21

>>669

>>670
  >「『こちらから連絡する事もあるかもしれない』と……」

  >「たとえば――どのような場合なのでしょうか……?」

「第一には、試合へのスカウトで御座るな」

キミの問に、カリーナは答え始めた。

「ここのアリーナの選手は『ゲテモノ』が多い上に、特殊でござる。一度参加したきり二度とでないという選手も、珍しくはない。よって、一度参加した相手には、着品拒否をしない限り、試合に出るかと聞くことは、よくあることでござる」

そして――言葉は続く

「後は、『仕事』の依頼でござる。この街は、常にどこかで何かが起きているでござる。その何か――原因不明の大抵は、スタンドの案件。それらの処理に、アリーナは外部協力者を募ることがある。そういう時、アリーナで腕を示したものは、呼ぶ候補の筆頭になる――と、納得できたでござるか?」

キミの返答は、自由だ。




克子も、苗太も、キミの行動を止めようとはしない。
キミの話を聞くという態度を取った以上、スタンド攻撃とも思えないような『朗読』を阻止する理由はないのだろう。
だから、キミは『朗読』をする。
――二人は、無言であった。
苗太は、神妙に、克子は眉をひくつかせ――露骨に不快を示したという違いはあったが。

「克子――」
「赤月さん」

何かを言おうとした苗太の言葉を上塗るように、克子はぴしゃりと告げた。

「私からも、一つ、伝言があります。『余計なお世話』だと。伝えていただけますか。ソレ以上の言葉は、不要でしょう」

苗太は――何も、言わない。言わないが、君を見た。君と目が合った時、克子の目に入らぬよう、こくり、小さく頷いた。
それをどう解釈するかは、自由だ。
これからどうするかも、また。

672赤月『サクソン』:2022/12/17(土) 21:48:13
>>671

『朗読』を終え、しんと静まり返った二人の様子を観る
克子の反応は予想通りであった・・・彼女の目的からすれば怒りを買うのは当然だ
そして、苗太・・・・彼の反応を見て、しっかりとこちらの想いが伝わった事を理解する

「・・・・伝えておこう」

もっとも、この状況は既に小石川の『耳』に入っているのだが
・・・・・その事は言わずに、その場で踵を返す

もし・・・・苗太がこの手紙に関心を示さなかったり、
あるいは、克子の邪魔が入るようだったら・・・・赤月は容赦なく力に訴えかけるつもりであった
だが、この結果は赤月にとっても予想以上であり、力を行使する必要もないと判断したのだ

「そうだ・・・・最後に一つだけ聞かせて欲しい」

「君たちは、今でもお互いの事を愛しているのか?」

最後にひとつだけ質問を送る

673小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/18(日) 11:51:00
>>671

  「……よく『理解』できました」

カリーナの答えに頷き、その所作で『納得』を示す。
『最中派』について大方の事は分かった。
前置きは抜きにして『本題』に入る。

  「私が『最中派』を知ったのは『知人』からの紹介です」

  「『小林丈』さん……
   こちらに所属していらっしゃるそうですね」

  「――彼も『選手』ですか?」

小林は『最中派に情報を提供しなければならない』と言った。
それが『条件』だと。
しかし、『小石川文子の能力』は知られていなかった。
もし知られていたら、今回の試合には出さなかっただろう。
『ビー・ハート』は『エレクチオン』の『天敵』。
『克子を勝利させたい試合』に出場させる訳がない。
この点からも『情報を取れていない』のは確実だ。

  「一言『挨拶』をさせていただければと思うのですが……」

彼が話さなかったのは、消息を絶った事と関わりがある。
『最中派』の意図で、連絡がつかない可能性もあった。
しかし、そもそも『ここにいない』とも考えられるのだ。

―――――――――――――――――――――――――

全ては赤月に任せている。
『小石川文子よりも強い彼女』に。
今回の試合において、精神的に明らかに『上』だった。

今の自分に出来る事は、ただ『聴き続ける』だけだ。

やはり『無意味』だったのだろうか。
赤月の言う通り、何も為す事は出来なかったのか。
覚悟していたとはいえ、重く暗い感情が、
心の中に広がっていくのを感じる。

674邪悪なる鉄の支配者:2022/12/19(月) 15:43:55


>>672

「最初から、愛していますわ」
「最期まで、愛しています」

それが――彼らの答えだ。

>>673
「小林丈……」

君の出した名前に、カリーナはわずかに考え込み――怪訝な顔をした。

「拙者達のアリーナと『関わった』ことはある。しかし、所属はしたという話は、聞いたことがないでござるな」

それは、かの騒動に纏わる事象であろうが、最中派閥は夏の事件に無関係ではないが、その収束には無関係だ。
自然と消え去った物語も、少なくはないだろう――

「少なくとも、拙者が派閥の中で小林とやらと会ったことはない」



君たちの応答――対応は、自由だ。

675赤月『サクソン』:2022/12/19(月) 19:35:54
>>674

「そうか・・・・・。」

その言葉を聞き、
伝えるべき事は伝わったと判断した
そのまま、彼女らに背を向けて控室へと戻る

(最期まで・・・・・その覚悟があるのなら)

あれは、苗太の『覚悟』だ
例え、彼女に騙されていたとしても、その結果として『死』が待ち受けていようとも
苗太がそう『覚悟』を決めた以上、それを覆す理由はない

「・・・・・私も、彼と同じように『覚悟』を決めなければ」

すっと目を閉じ、己自身の『終わり』を見据える
苗太が、愛する妻の為にその人生を捧げるように
自分にも、人生を捧げるべき『目的』があるのだから

「人は・・・・。 私は・・・・、私にしかなれない・・・・」

小石川文子の語った言葉だ
それを己自身に刻み付けるように呟く
『何者か』になろうかという、己自身の浮ついた心を抑えるように

控室に戻ったのならば、ここにはもう用はない
着替えを済ませたら、荷物をまとめて帰る事にしよう

676小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/20(火) 07:33:22
>>674

  「……そうでしたか」

カリーナの言葉は本当だろう。
やはり小林は来ていないのだ。
あの時、自分が倒れてしまった後で、
『何か』が起きたに違いない。

  「では……私の『勘違い』でしょう」

僅かに目を伏せ、短い一言を返してから、
『スーサイド・ライフ』を解除して赤月を待つ。

―――――――――――――――――――――――――

同時に、『広井夫妻の声』を聞き、状況を察した。
こちらから干渉できるのは、『これまで』だという事を。
心に浮かぶのは『絶望』でも『諦観』でもない。
ありのままの『現実』を受け入れた上で、
『未来の幸福』を願う。
それが『小石川文子』という人間だ。

>>675

赤月が着替えている間、背を向けて椅子に座っている。
先に帰ろうともしていない。
やがて、着替えが終わった頃合に、ぽつりと呟いた。

  「赤月さん――あなたは意地悪な方ですね」

表情は窺い知れない。
だが、声色に憤りは含まれていなかった。
落ち着いた柔らかい響き。

  「ですから、私も少しだけ『わがまま』になる事にします」

そして、今ここで何かを言おうとしている。

677赤月『サクソン』:2022/12/23(金) 01:04:28
>>676

「んっ・・・・・・。」

着替えを終え、顔面にこびり付いた砂を拳で落としながら小石川の声を聞く
汗に濡れた全身が砂でじゃりじゃりして気持ちが悪いが、
広井克子が何かを仕掛けたであろうシャワーを使う気分には到底なれなかった

「いじわる・・・・意地悪か
 自分の性格が良いと思った事はないけど・・・・」

「言ってみろ」

678小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/24(土) 07:51:04
>>677

「『そうなのだろう』と思うのは、誰もがしている事です。
 ただ、自分の考えが事実かどうかを確認しないまま、
 すぐに決め付けてしまうのは良くありませんよ」

「赤月さん――あなたはそうやって私を困らせるのですね」

椅子から立ち上がり、正面に向き直る。
どこかたしなめるような言い方ではあるものの、
口調や表情に棘はない。
むしろ穏やかだった。

「あなたの『言葉』と『行動』は、
 今日の私に大きな『影響』を与えました。
 そんなあなたを『弱い』などと、
 どうして思う事が出来るでしょう?」

「あなたは確かな『強さ』を持った人です。
 私は、そう感じています」

赤月では小石川を止められない。
その考えは間違っている。
何故なら、彼女は『止めた』のだから。

「なぜ私があなたに『あの話』をしたか……。
 それは『過ちを犯さない』という『意思表示』です」

「……私は『あの名前』を使わせる気はありません。
 『そうならないようにしたい』というのが、
 私の本当の気持ちだからです」

「決して赤月さんを侮っているから伝えたのではありません。
 『今日のパートナー』であるあなただからこそ、
 敬意を込めて打ち明けたのです」

679赤月『サクソン』:2022/12/24(土) 15:42:12
>> 678

「・・・・・・っ!」

小石川の語る言葉は、無力感に苛まれる今の赤月にとって福音のようにも聞こえた
広井克子を一刀で沈めた彼女が、自分の力を認めている
『強い』と・・・・そう言ってくれている

思わず、彼女の甘い囁きに心を委ねてしまいそうになる
彼女の言葉を受け入れてしまえば・・・自分は『強い』のだと再び思う事が出来るだろう

     ズキっ・・・・
                 「痛っ」

その考えを遮ったのは、右手の痛みであった
『ザ・オーメン』の能力により負傷は完全に無かった事になっている
だが・・・・この瞬間、試合終盤に感じたあの痛みが記憶の底から蘇る

戦うために・・・・『エレクチオン』を求めて伸ばした手が潰れた時の痛みだ

「・・・・・・・。」

「お前は・・・・多分、本当の事を言っているのだろう
 私の事を『強い』と言ってくれた事には感謝する・・・・・でも」

「ここでお前の言葉を受け入れてしまっては、
 私はもう二度と自分の力では立ち上がれない・・・・そんな気がする」

行動は言葉よりも雄弁に物を言う
あの瞬間、戦いの意思が砕けたという事実は言葉を重ねても癒される事はない
その事実が払拭されるとしたら・・・・それはただ『勝利』によってのみ齎されるのだろう

「お前が、『過ち』を犯したなら・・・・
 私は私自身の力でお前を止める」

「誰とも知らない男の名前を使うつもりはない」

680小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/25(日) 18:05:05
>>679

  「……私は思うのです。
   この世界に完全な人間は存在していません」

  「どんな人にも『強い部分』と『弱い部分』があります」

  「――あなたにも、もちろん私にも」

強さを肯定する。
それは弱さの否定を意味しない。
赤月には彼女自身の強さがあり、
同時に彼女自身の弱さを持つ。
欠点については、先程も指摘した通り。
深く考える前に突っ走ってしまうところだ。

  「私はあなたの事を、
   『全てにおいて強い人間』だとは思っていません」

  「他の人々と同じように、あなたには『強さ』があり、
   同時に『弱さ』があるのです」

      ソッ

  「だからこそ人は補い合い、共に強くなれるのだと……」

言葉を続けながら、左手の指輪を無意識に撫でる。
『エレクチオン』の能力は、
確かに『ビー・ハート』には通じなかった。
しかし、それは『相性』が良かっただけ。
不利な状況下で自らの意思を貫き通そうとした赤月の方が、
精神面では遥かに上回っていた。
あの『夏の日』を経験した事によって、
ずっと胸の奥で責め苛まれてきた心は、
簡単に崩れてしまうほど脆弱になってしまっていたのだから。

  「少なくとも、『今の私』にない強さを、
   『今日のあなた』は持っていました」

  「それによって……私は、
   自分自身の『弱さ』と向き合う事が出来たのです」

  「あなたの存在が『きっかけ』になってくれたのです」

  「それなのに……私はあなたを傷付けてしまって……」

    スゥ……

一呼吸ついて心を落ち着かせる。
『自分の力で止める』という赤月の言葉を聞き、
彼女の瞳を見返しながら、しっかりと頷く。
そして、再び口を開いた。

  「赤月ナカレさん――」

  「今日の私を……赦して下さいますか……?」

681赤月『サクソン』:2022/12/25(日) 20:57:29
>>680

「なるほど・・・・確かに世の中に完全な人間は存在しないのだろう
 スタンドに『強い弱い』の概念が存在しないように、
 絶対的な『強弱』というものはないのだろう・・・・だけど」

「『勝ち』と『負け』は存在している
 『広井克子』が『負けた』ように、お前が彼女に『勝った』ように」

背を丸め、庇う様に拳を左手で包み込む

「言いたくはないが言ってやる
 あの瞬間・・・・私はお前に『負けた』んだ・・・・
『力』に、『暴力』に屈してしまった・・・・」

震える手を下げ、背筋を伸ばす

「だが勘違いはしないで欲しい
 私は別にお前に対して恨みを抱いているわけでも、怒っているのでもない!
 今更赦すまでもなく・・・・な」

「許せないのは・・・自分自身だ・・・・!
『戦士』としての生き方を通せずに、『力』で負けてしまった己の・・・・
 それがどうしても許せない」

すっと、荷物をまとめて帰る用意をする

「お前の気持ちはわかった・・・・
 でも・・・・お前も負けず劣らず残酷な人間のようだな」

強いて皮肉気な笑いを浮かべようとするが、
その眼は泣きそうな程に歪められていた

「『敗者』に対する慰めの言葉ほど、鞭打つものはないというのに」

682小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2022/12/26(月) 17:32:48
>>681

  「もし、あなたがいなければ……」

  「あなたがいなければ、
   きっと『違った結果』になっていたでしょう」

  「……仮に私が勝ったのだとしても、
   『私だけの力で勝てた』とは思いません」

  「試合を見ていた多くの人々も、
   同じ事を考えたはずです」

  「今日、私が勝ったのであれば……
   それは『あなたと私の勝利』です」

ぽつりぽつりと言葉を返しながら、
泣き笑いのような表情を浮かべた赤月を見つめる。
相対する自身の顔には、
一言では言い表せない『悲しみ』が刻まれていた。
何かをしてあげたいのに何もしてあげられない。
躊躇、苦悩、葛藤。
様々な思いが混ざり合う複雑な『悲哀』の色だった。

  「――……もう一つだけ『わがまま』を言わせて下さい」

自分の荷物を手にして、帰りかけた赤月に歩み寄る。

  「途中まで……ご一緒していただけませんか……?」

  「今日は『一人で帰りたくない』のです……」

  「誰かに……『側にいて欲しい』のです……」

寄り添うようにして赤月の傍らに立ち、小さく頭を下げる。

  「赤月さん……どうか……お願いします……」

683赤月『サクソン』:2022/12/26(月) 17:58:45
>>682

「・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

小石川のその言葉に、長い、長い時間口を閉ざす
伏せ目がちなその瞳は縋る様にも、探る様にも見える僅かな動きを見せる

「・・・・・・・・・・・わかっ、た」

やがて、こくんと首を頷かせて小さく了承を示した

684邪悪なる鉄の支配者 結:2022/12/26(月) 19:59:51
>>682
>>683
そうして、君たちの夏の戦いは――終わりを告げた。
秋が来る、冬が来る。その果てに春が訪れ、また、夏が訪れる。
それまでに、夫婦は変わるだろうか? 君たちはどの様に変わるだろうか?

そんなことは、分からない。解ることは――君たちの懐に増した、厚みだけだ。

赤月&小石川
――『報酬・30万円』――GET

夫婦
――『きっかけ』――GET

カリーナ鈴木
――『ボーナス』――LOST

溝口最中
――『見知らぬ所で行われたトラブル』――GET

685邪悪なる鉄の支配者 エネミーステータス:2022/12/26(月) 20:02:42

『エレクチオン』本体:広井克子

『鉄血』のスタンドであり、能力は『人体に浸透しただけ、侵入した相手を鉄に変えていく』――に、付随する様々な事象。

ヴィジョンは『鉄色の液体金属』であり、無形。本体の意思によって自在に変形する。
ヴィジョンは液体であるため、スタンドヴィジョンへの直接攻撃は無効化されるが、DF自体は存在。熱攻撃、冷却攻撃、感電攻撃などは本体にDFされる。

ヴィジョンスペックは『自在に変形可能な液体金属』であり、硬化時の強度は『鉄』のそれ。
本体をガードする際に盾や膜を構築した際の直接突破に必要なパワーは鉄を破壊できる『B〜A』相当。Bならば『鉄を歪める』ラッシュでガードを吹き飛ばして本体に拳を到達させることが可能。
このヴィジョンは液状であるが『重い金属』であるため、粘性は存在しない。
しかし、形状変化によって鈎や棘を生成して、壁などをよじ登ることが可能であったり、床に浸透させた上で地面から棘を生やして攻撃するなども可能とする。
えげつない手としては、天井に張り付いた上で、無数の針礫として落下する技も有している。

『攻撃』の手段としては、液体金属を『ナイフ』上に変形させて、『鞭の先端に括り付けるようにして振るう』や、『飛沫のように身体を分散させて、画鋲や針を地面に生み出す』がある。
また、『飛沫そのものを攻撃手段とする面攻撃、』例としては、『針の雨を飛ばす』場合は、精密性は低い上に速度も遅い。ただし、『重く』はあるので、まともに浴びれば確実に『刺さる』
液体から固体への変形速度そのものは『C』。
連続変形や、別個の形状を構築することも可能であるが、当然に『1つずつの質量』は落ちる。
ス『B』以上であれば、変形のスキを突破することは可能であり、同じく『B』相当のパワーであれば、質量を込めれていない、『分散した防御』を一発でブチ抜くことは可能。

液体金属ヴィジョンの移動速度は『C』相当だが、変形して硬質部位を増やしていると速度は僅かずつに低下。人並みの上から下の間だが、『複数展開』を行っている場合は通常のC相当ならばどうにか抜けられる程度の速度となる。
また、『分散』した場合は、『群体型』でない為、スタンドパワーそのものも分散。
基礎的な性能は変わらないが、同時操作にスタンドパワーを割かれて、D相当になる。全てを飛沫に分散させるレベルの大量分散を行えばE相当になる。


自在に変形可能な液体金属――それだけでも1つの能力として成立するが、バイアグラの本質的な能力はもう一つある。
生物の体内に侵入することによって、『鉄血』となり、肉体を巡ることで侵入した相手の肉体を鉄に変えていくのだ。
侵入手段は、主に『経口摂取』『傷口からの侵入』『皮膚浸透』が存在

『傷口からの侵入』は『素早い直』に相当する手段であり、戦闘中の成功率も低く、侵入直後に傷口を抉るなどされたら追い出されるので、主には経口摂取や皮膚浸透となる。


具体的な変化プロセスは『鉄血』が侵入した血管が『鉄管』へと代わり、それが巡る毎に筋肉が『鉄筋』に、骨が『鉄骨』へと変貌。
最終的には全員の筋肉と骨、血管が『鉄』へと変貌してしまう。
それに伴って、寄生者は『全身金属の肉体を動かすに足るパワーと、金属の超重量』を得るのだが、その動きを司るのは寄生した『バイアグラ』であり、バイアグラの操り人形と貸す。
また、寄生された人間は急速な『鉄中毒』に侵され始め、病状が進行。

数分以内に、寄生された肉体は発熱や嘔吐感を覚え始め、意思を無視した吐血とともに激しい腹痛を感じる。
更に時間が経過すれば、最終的に『鉄血』を巡らせる心臓に異常が生じ、心不全によって死亡してしまう。
『バイアグラ』に心臓を稼働させるパワーは存在せず、また血を巡らせるのには『心臓』の機能が必要であるため、死者を操ることは不可能であるが、『鉄血』を固着させることによって能力を解除するまでポーズの固定をすることは可能。

『寄生状態』の解除は、『バイアグラ=鉄血の喪失である大量失血』あるいは『寄生者の死亡』によって為される。

686邪悪なる鉄の支配者 エネミーステータス:2022/12/26(月) 20:03:03



「液体金属状態」
破壊力:C スピード:D〜C  射程距離:B
持続力:A 精密動作性:B 成長性:D

主な攻撃は液体金属のヴィジョンを攻撃的に、硬質的に変形させて相手の皮と肉を破り、そこから体内侵入を図る。
相手を完全に支配するために必要な総量は『血液量の10%』

ロール的には『小ダメージを連続、あるいは継続して受ける』『失血を伴う中ダメージを受ける』『直接的な侵入攻撃を受ける』


「人体寄生時(鉄人状態)」

破壊力:B スピード:C  射程距離:B
持続力:A(鉄中毒で寄生された人体が死亡するまで、およそ十分) 精密動作性:C 成長性:D

解除ロールとしては『バイアグラ』そのものにも大ダメージを与える攻撃を行う(最適解は感電)、寄生体そのものへの『致命傷』、大量出血を伴う『攻撃』、あるいは『行動不能な拘束』を行った場合、バイアグラは寄生体から脱出する。

687風歌GM:2022/12/26(月) 20:23:44
お疲れ様です。感想戦を希望しますか?

688風歌GM:2022/12/26(月) 21:00:03
申し訳ありません。上記文章で一部ミスがあります
バイアグラ→エレクチオン です

689風歌GM:2022/12/26(月) 21:00:33
あ、あげます。重ねて申し訳ない

690赤月『サクソン』:2022/12/26(月) 21:04:56
>>687

お疲れ様です
今回も風歌さんらしい個性バリバリのミッションで
心の中でツッコミを入れながら楽しんでました

感想戦ですが、一応希望させてください
点呼スレに可能な日程について別途記載していきます

691『良薬口に苦し』:2024/01/30(火) 21:01:35
良薬口に苦く、猛毒は口に甘し。

692『良薬口に苦し』:2024/01/30(火) 21:08:33
夜の町、星を見る町。
見上げた先には星はなく、目線を下げればゴミが散らばる。
あまねく快楽と汚濁が日々作られる歓楽街。

ある日の夜。夜の町が脈動する時間に、君たちは出会った。

自己紹介をお願いします。
内容は、
氏名
スタンド能力名及び能力へのリンク
現在の持ち物、簡単なプロフィール

です

693白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/01/31(水) 15:44:12
>>692(GM)

『白岸・ノエル・トーリ』はその物腰や風貌通り、
『歓楽街』に来ることはそれほど多くはない。…………が、
地方都市の『高3』というのは、夜更かしは普通になっても、
『夜遊び』はまだまだ憧れの背伸び、という年頃だ。
  
     自分達の身の丈に合う店は多くなくとも、
     なんとなくこの辺で集まる学生は多くいる。
     
トーリ自身はそうというわけではないにせよ――
そんな学友らの集まりに流れで呼ばれることはある。
そして、カラオケ屋で『18歳でも高校生は18歳未満』扱いを受けた帰り。

帰る方向の関係でちょうど一人になったところで、その出会いがあった。

┌────────────────────┐
│                             │
│        シラキシ                     │
│        白岸・ノエル・トーリ           .│
│ スタンド名― 『ダムゼル・イン・ディストレス』  │
│                             │
└────────────────────┘
           
●能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/241

●持ち物
ハンカチ、スマホ。清月の学生カバン。
カバンの中に財布、小さなステンレス水筒、手鏡。
服装の一部としてマフラー。手袋。
※ほか持ち歩いていて当然な物は持っているが、使用しないので割愛。

●外見
髪はミルクティー色でストレートロング。切れ長の目。瞳は濃い青。
表情が少なく、冷たい印象の顔立ち。服装は清月の学生服(冬服)
体つきは華奢だが、背筋が伸びていることもあり背が高い印象。

●プロフィール
私立清月学園、高等部三年生。愛称は『トーリ』。
現在は親元や学生寮ではなく、『保護者』の下で暮らしている。
自分で何かを決めるのが苦手で、話す言葉もゆっくり選ぶ。
感情が出にくいものの、性格については温厚で至って善良。

694ソラ『ステインド・スカイ』:2024/01/31(水) 19:25:05
>>692
氏名:ソラ
スタンド:『ステインド・スカイ』
能力詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/203-204
現在の持ち物:胃薬、頭痛薬、スマホ、財布

簡易プロフィール:
白い髪と赤い目というヤバい見た目をしている
身長120㎝
若年性痴呆症を疑われている
癇癪持ちでストレスにも弱く頭痛薬や胃薬は手放せない
仕事はしているが何の仕事かは今の所不明


その日は非番だった
休日を活かして、スイパラ星見店に行く…はずだった
それがッ!職場からの急な呼び出しで予定が中止になってしまった!

ようやく要件が済んだと思ったら、既に夜…
せっかく綿密に立てた予定が台無しだ

イライラと落胆を抱えながら闇夜をネオンが照らす歓楽街を歩く

いや、ここはそんなに明るい所か?

695『良薬口に苦し』:2024/01/31(水) 22:38:17
>>693
>>694

星の街は夜は全てを受け入れる。
ラッコがスタンドを使い、カラスが煙草を吸い、怪生物が出る。夢にすらサキュバスが現れる。
つまるところ、奇妙からの逃げ道はない。
さて、そんな街の、路地裏に繋がる道の前で、君たちは偶発的に遭遇した。軽い会話があれば、すればいいだろう。

最も、その会話の『途中』であるか、会話の『終わり』に、路地裏から響くうめき声を聞くはずだ。

    〜〜〜
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
~=見えない。

任意会話可能、『5レス以内』に呻き声に気付き、何らかのアクションを決定すること

696白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/01(木) 01:41:31
>>694(ソラ)
>>695(GM)

「――――――――……」

危うげな風貌の子供という事で、
思わず視線を向けてしまったのかもしれない。

                      ペコ ・・・

目が合ったので、軽く会釈をして通り過ぎようとする、が。

「…………」

             チラ

『路地裏』の方から、妙な声が聞こえた『気がする』
だが、酔っ払いかもしれない。ここはそういう町だ。
『どうするべきか』を決めるのが得意ではない。
酔っ払いがあんなうめき声をあげるだろうか?

「あの。……今の。あなたにも、聞こえましたか?
 トーリには……聞こえたのです。『あちら』の、奥から」

              ス ・・・

           「苦しむ、ような。声が」

子供相手に何を言っているのか――――
それを頭の隅から引っ張り出してきたのは、遅れてだった。

               つまり、今。切迫していたのだ。

697ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/01(木) 19:23:30
>>695-696
街を徘徊するラッコだの、サキュバスだの
こうして改めてみると全てを受け入れ過ぎだ
奇妙の一言で片づけられるのだろうか…
星見町に脅威を感じた政府に完全封鎖・隔離、最悪自衛隊に殲滅されてもおかしくはないぞ
それらを政府が認識しているかは不明だが

さて、そんなとんでもない街の夜道を歩いている時の事だ

こういう日は憂さ晴らしにビールでも飲みたいところだが、生憎と休肝日だ
そういえば、家の冷蔵庫にノンアルコールを冷やしてあった事を思い出す
のんある気分 洋梨スパークリングだ、帰ったら飲むか
そうなるとつまみを買わなくちゃだ
森永の小さなチーズケーキが良いか?期間限定のレアチーズケーキ味、売っているだろうか?
いや、いっそ自分で作るか?
趣味で料理教室に通っていてそれなりに料理の腕には自信があった

そんな風に思考を巡らせていると、ミルクティー色の髪の少女と出くわす
知り合いでも何でもなく、本来ならこのまますれ違うだけだろう
会釈をされれば取り合えず返す、そのくらいだ

しかし、今日は少し事情が違いそうだ

>あの。……今の。あなたにも、聞こえましたか?
>トーリには……聞こえたのです。『あちら』の、奥から

確かに聞こえた

「ああいう所から聞こえる声ってのは…
 碌なもんじゃなさそうだけどなぁ?」

君子危うきに近寄らず
聞こえなかったふりして通り過ぎるのが賢明かもしれないが

「気になるか?」

698白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/01(木) 20:44:40
>>697(ソラ)

「はい。……気になります。
 『ろくなこと』ではない。トーリもそう思います。
 ですが……放っておいて帰ったら、きっと。
 それは、酔った方に絡まれるだとか、
 そういうことよりも……ずっと」

「トーリは……いやな気持ちに、なると思うのです」

何が起きているのかもわからない今、
動く理由は『正義』ではないだろう。 
自分の気持ちの問題だ。不安と、一握の好奇心。

「………………………………あなたは」

それをもって、自分の足を動かすのは難しいけど。

「あなたは、どう思っていますか?」

『子供』の言葉は自分のそれより鋭く、
加えて言えばそれは子供特有の蛮勇にも感じない。
実年齢は分からないが――精神年齢においては、
間違いなく自分以上に修羅場を超えた『先達』だ。

「それを聞ければ……トーリは。
 やるべきことを、ちゃんと、決められるでしょうから」

それでも戦えるのは自分の方だろうから、
ただローファーの爪先を路地に向けて、『指針』を乞う。

699ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/02(金) 19:11:14
>>698
「こういうのは知らねぇふりして行くのが一番良いんだよ」

そこに居るのが病人だとか怪我人だったしたら
善良な一般市民としては様子を見に行って
救急車なり警察なりを呼ぶのが正しい事だ

だが確率的に言えば、
関わっちゃいけない奴がいる可能性の方が圧倒的に高いはずだ
そんなリスクを負ってまで見に行くべきか?

「けど気になるんだろ?」
「やっぱあの時ああしときゃよかったとか
 後悔して後でうだうだ言うくらいなら行きゃ良い」

「はぁ…
 ま、ちょっと様子見るだけだ」

本当に怪我か病気で困っている人がいるかもしれない
付き合う義理だとかはないが、そういう人間を見かけたら放置しておくほど冷血でもない
もしトーリが行くというなら、まず自分が先に確認するくらいはしてもいい

700白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/02(金) 20:00:04
>>699(ソラ)
>GM

「――――そう。ですね。
 トーリも『最も安全』なのは立ち去る事だと、思ってはいます」

         「……!」

ソラの言葉を『否定』ととらえ、ゆっくりと首肯しようとしたが――――
続く言葉に、顔を慌ててあげる。

「……ありがとうございます。
 はい。気になっているのです。
 最も安全ではなくても――――最善の選択だと。トーリは信じます」

「信じれば、迷わず、その後のことも出来るでしょう」


                 ザッ


「――危ない様子なら。あなたは先に逃げて、警察に連絡を」

               「お願いしても、いいですか?」

それはすべきことだ。
指針が定まっているなら、すべきことは分かる。

――――『路地裏の奥』。 うめき声が聞こえる方法へと、一歩ずつ進んでいく。

701ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/03(土) 18:23:05
>>700
「そうだな〜…
 通報すんのは任せろ」

そうは言うが、やべー奴が出て来たとして
少女を置いて一人でさっさと逃げるのもどうなんだ、という気がする

「じゃあ行くかぁ」

そうして不気味な呻き声の聞こえる空間へと踏み込む

「鬼が出るか蛇が出るか…」
「何で鬼の比較が蛇なんだよ…」

からくり人形師が人形の入った箱を開ける前に
観客の注目を引くために言ったセリフだ
そんな故事に文句を付けながら、何が出るか分からないこの状況にぴったりだと考えていた

路地裏あるのは一体何なのか

702『良薬口に苦し』:2024/02/03(土) 21:22:13
>>700
>>701

さて、踏み込んだ君たちは、奇妙とも異常とも言える光景に直面する。
うめき声の源――それは、男女であった。
冬のアスファルトに寝転がり、苦しそうに呻いている。
その前―――君たちの目線の先には、上下ジャージ姿の女――少なくとも、一般的には女性と思われそうな後ろ髪をした人物が、スマートフォンを持っているのが、手元の光で解るだろう。灯りがない訳ではないが、スマートフォンの灯りが目立つ程度には薄暗い、そんな路地裏だ。
そして、彼女の『左腰』には、『瓢箪』のような物がぶら下がっているのが、見えるだろう。
……君たちがどうするかは、自由だ。


    ∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□男女□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴←
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女?=ジ
倒れてうめいている男=男
倒れてうめいている女=女

←==参加者たちの初期位置

703白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/03(土) 22:34:54
>>701(ソラ)
>>702(GM)

「ありがとうございます。
 トーリは……あなたを、頼もしく思っています」

言葉通り、そう思っている。

           ザッ

「…………」

視界に入る光景は、最悪の想像ほどではない。
一見すれば大学生の無茶な飲み会結果にも見えなくはない。

「すみません。大丈夫、ですか? 『救急車』を呼びましょうか?」

端的な声かけをしつつ、視線の先には『瓢箪』――――あれは、なんだ?

704ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/04(日) 18:30:36
>>702
路地裏に鉄パイプが落ちているというのは
まぁ別に不自然な事でもないだろうが
その鉄パイプがどんな感じになっているのかというのは一応チラッと確認をする
ひしゃげているだとか、血痕が付着しているなんて事はないか?
それと、倒れている男女の容態も確認したいが、手前にいるジャージ女が邪魔だろうか?

「っていうか…何してんすか?」

ジャージ女はスマホをいじっているようだが
病院だとかに通報している…って感じじゃないか
そこにぶっ倒れてる奴らを撮影してSNSに晒してるって所か?

そしてお腰に付けた『瓢箪』も気になる
瓢箪といえば、水や酒を中入れて水筒にするのが主な用途だ
酒でも入ってるのか?

705『良薬口に苦し』:2024/02/04(日) 20:29:42

鉄パイプは、単に落ちているだけだ。暴力的な用途に使われた形跡はない。

そして、君たちの問いかけに、ジャージ姿は振り向いた。
一瞬、君たちを見やった彼女は、直ぐに「ひえ」と一言呟いて、右往左往するように喋り初めた。

「あ、あの、わ、わたし今ここに来たばかりで、なんか、この人達倒れてて、苦しそうで、どうしようかなって考えてて、それで……」

「そう、救急車、救急車呼ぼうとしてたんですよ。でも、番号うっかり忘れてたから検索してて……はい……応急処置とかもわからないし、はい……」

まくしたてるように、彼女はこう告げた。
君たちが今、『どこ』にいるかは不明であるが、この空間はスマホの灯りが目立つ程度には暗い。男女の病状を肉眼のみで確かめるには、ゴミ置き場の辺りには近寄る必要があるだろう。

  ∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□男女□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
倒れてうめいている男=男
倒れてうめいている女=女
>>704
>>703

706白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/04(日) 22:32:56
>>704(ソラ)
>>705(GM)

(救急車の番号が、分からない…………………)

トーリには『覚える』ことに難のある友人がいる。
そういう可能性は十分にあり得るだろうし、
見るからにおどおどした姿勢から考えると、
パニックになっている……という事も考えられる。

「……落ち着いてください。
 救急車は。こちらで、呼ぼうと思います」

            チラ

『ソラ』に視線を向ける。

                ザッ

「動かせる容体なら……表通りに近いところまで、
 運んで。そこで見守った方が、良いかもしれません」

「誰か一人は表にいないと。
 救急隊員が気付くのが遅れる、と」

   「トーリはテレビで……見たことがあります」

ゴミ置き場付近……図で言えば鉄パイプのある位置の、
右下のあたりまで移動し、様子を詳しく見てみる。

『倒れている』理由がガス漏れなどの可能性も考え、
一旦、あまり深く息を吸わないようにしておく。

707ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/05(月) 18:23:45
>>705-706
救急車の番号を忘れるっていうのは…
まぁ、滅茶苦茶動揺してればあり得なくはない
それでもかなりのレアケースだが

それにしても挙動不審なジャージ女だが、パニックを起こしてればこうなるか?

>            チラ
>誰か一人は表にいないと。
>救急隊員が気付くのが遅れる、と

「あーそうだなぁ」

救急車は言われるまでもなく呼ぶつもりだが
これは表に居ろと言われてるのか?
だったら表で待ってる役はトーリに譲りたいところだが
先にトーリが行ってしまったためソラがその役を引き受ける事になる

「すいませーん、路地裏で人が倒れてるんですけど…」

スマホで救急車に電話をかける
ちゃんと繋がっているか?

708『良薬口に苦し』:2024/02/05(月) 19:53:52


>>706

「あ、ありがとう、ありがとうございます。普段救急車なんて、よ、呼ばないから……番号、ど、ど忘れしちゃって、す、すいません……」

そして、近寄ったことで、君は倒れ伏した人達の様子を見ることが出来る。
酷く荒い息、溢れる汗、苦痛に歪んだ顔。声を発することも難しそうな様子。
インフルエンザ――あるいは、星見FM放送で流れて、動画サイトにも転載されて近頃話題のSFラジオドラマに登場する、『王冠』の名を持つ新型ウイルスに感染した場合の病状にも似ているかも知れない

>>707

問題なく、通じる。
そして、電話先の職員は、君に要件を問う。


 ∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□男女□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□ト□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
倒れてうめいている男=男
倒れてうめいている女=女
トーリ=ト


―――そして、君たちの所作の後、ジャージの女のスマホが鳴り、女はトーリに頭を下げて、出た。

「あ、溝口サン。あ、はい、大丈夫です。はい、通りすがりの人が救急車呼んでくれたんで、ええ、救急車に渡したら、帰ります……はい……」

709『良薬口に苦し』:2024/02/05(月) 19:55:09
>>707
追記。
人が倒れている、と聞かされたのであれば。当然、相手は倒れている相手の病状や様子を問うだろう。

710白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/05(月) 21:23:09
>>707(ソラ)
>>708-709(GM)

『ガス漏れ』や、範囲に作用するスタンド能力の影響であれば、
こうして位置を分ければ『片方』だけが被害にあったとしても『もう片方』が戦える。
トーリ自身がそこまで深く考えていたかは分からないが――――

「――――……酔っている、わけではなさそうです。
 『息が荒い』『汗』……『苦しそうに、していて』『言葉が出ていない』」

路地の表に移動したであろう『ソラ』に聞こえるように声を上げる。
そちらに視線を向けはしない。何かあれば、たぶん彼女が反応するだろう。

「『泥酔』していれば、顔色がもっと変わる、と。トーリは知っています。
 ……そして外傷は見当たりません。『体調不良』……二人同時、に」

食中毒か何かだろうか?
一応確認しておくが、『嘔吐』等をした形跡はありそうだろうか?

「…………」

(『電話』……この口ぶり、すでに『この電話相手』には現状を伝えていた?)

救急車を忘れるほどパニックになっているのに?
――――ジャージ女から注意を完全にはそらせないので、視線だけで地面を探る。

711ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/06(火) 19:23:07
>>708-710
「えー…
 症状は、息が荒くて、汗をかいてて、苦しそうです
 声も出せなさそうです」

トーリに伝えられた症状をそのまま通話相手に伝える

「外傷はないみたいですねぇ」

話しながら、トーリやジャージ女、男女からは目は離さない

712『良薬口に苦し』:2024/02/06(火) 19:44:12
>>710
>>711

嘔吐の様子はない。
電話先の職員は、現在位置を聴いている。告げれば、10分〜15分で来るだろう。


「じゃ、じゃ、後は救急車がくれば一安心ですね……と……」

電話を終えた後、僅か、顔を赤らめたジャージ姿の女は、左腰の瓢箪を左手で掴むと、その『中身』を『右手』に振りかけた。
零れ出たのは『虹色の液体』―――色彩に彩られているというのに、水よりも尚、臭い伴わぬ奇妙な液体――君たちは理解するだろう。瓢箪は『スタンド』であり、その液体も『スタンド液体』であると。

「……あ、すいません。こ、これ、骨を鳴らしてるんですよ、左手がなんかコンでまして、こういう風に動かすと、小さくバキ、バキって……気が抜けると、こうしたく、なるんですね……」

そういう女から、顔の赤らみは消えていた。
――君たちの行動は、自由だ。


∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□男女□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□ト□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
倒れてうめいている男=男
倒れてうめいている女=女
トーリ=ト

713白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/06(火) 20:43:25
>>711(ソラ)
>>712(GM)

―――――――――『癖』というものはトーリにもあった。
悩んだ時には、上を見る。
トーリにとって決断とは湧くのではなく下りてくるものだから。

「そう。なのですね」

今はまっすぐ前を向いていた。
相手はスタンド使いだ。『目的』は読めないが。『能力』を使っている。

「『ダムゼル』」

          「『イン』」


                         ガキン


             「――――『ディストレス』」


檻でも、鎧でも、枷でも、剣でもある己の『翼』を発現し、左の翼から『羽』を1枚取る。

「トーリは。『スタンド使い』です。――――あなたと、同じ」

現時点では攻撃はしかけないが、『自衛手段』は必要だ。

「そして。あなたが救急車が来るのをただ待っていて、くれるなら。
 トーリも……その時はあなたと同じように、ただ。待っている事にするのでしょう」

 
           「『あなたが決めてください』」

                                スッ

腕を伸ばして、手に持った羽を、前に向ける。

『白岸・ノエル・トーリ』は、敵と対峙するときでさえ、最も大きな『決定』の権利を握らない。

714ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/07(水) 14:12:39
>>712-713
瓢箪が零れ落ちた『虹色の液体』、そして『翼』
どっちもスタンド使いだ
僅かに眉を顰め、小さく舌打ちをする

「場所は――――です」

通話相手に現在地を告げる

「それとぉ、ひょっとしたら患者が増えるかもしれません
 じゃあ、よろしく…」

用を済まし通話を切る


『ステインド・スカイ』を展開し、杖を壁に叩きつける

ガキィィィン

「…で、マジで何やってんだ?」

トーリの少し後ろ側に移動する感じに動き
杖で両名を指差す感じで尋ねる

715『良薬口に苦し』:2024/02/07(水) 18:16:19

「ス、スタンド使い、あ、あなた達も?」

ジャージ姿の女は一瞬驚いた様子を見せると、慌てて両手を上げた。

「な、何って、手、手に軟膏を振りかけた、だけですけど? わ、私のスタンドは、軟膏が出るスタンドなんですよ。液体ですけど……」

「あ、手、手に塗ると落ち着くんですよ。これ、気が楽になるというか、それだけのクソザコスタンドですぅ……」

「だから、ええ、私、『何も』しませんよ。ええ、『何もしません』。救急車が来るまで何もしませんし、来ても何もしませんし、乗せていったら……善意の発見者としてそのまま帰ります……はい……」


∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□男女□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□ト□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ソ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
倒れてうめいている男=男
倒れてうめいている女=女
トーリ=ト
ソラ=ソ
>>714
>>713

716白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/07(水) 20:53:21
>>714(ソラ)
>>715(GM)

「そう……だったのですね。
 ――――トーリは、警戒をしてしまいました。
 見たことのないスタンドが、能力を発動したなら、そうすべきだと」

          「とても、失礼をいたしました」

『杖』の少女への説明と、『ジャージ女』への釈明を兼ねる。
そして、そうは言いつつ、スタンドは解除しない。

恐らく『ジャージ女』の側もそうだろう。視線も、切らない。

「それなら、トーリは……ただ。待つことにします。それは、得意ですので」

攻撃を仕掛けるに足る理由はまだない。
『ダムゼル・イン・ディストレス』の攻撃を考えれば、
背後に倒れている男女も気がかりではあった。


「…………」

(『軟膏』のスタンド――――『癒し』の能力なのであれば、
 倒れた二人に使わないのは、単に発動条件か、彼女が酷薄だから?)

           (使え、と要求するには、実態が怪しすぎる)


それでも、それ以上に、『理由の無さ』がこの膠着の要因だ。
一応、手持ち無沙汰なうちに周囲の状況確認を進める。

男女の奥、この路地の『向こう側』には、別の太い通りなどがあるのだろうか?

717ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/08(木) 12:59:07
>>715-716
「あぁー、そうか」

ジャージ女の言う事に納得してるのかしてないのか

「で、落ち着いたか?落ち着いたら消しとけよ」

瓢箪から出て来た液体、本当に軟膏か?

スマホでジャージ女を映してみる
確か、スタンドはこういうのには映らないはずだ
もし、瓢箪や液体が映ったなら実体化しているという事になる
それを判別したところでどうだってところだが…

それにしても、『何もしません』を強調しているのは何なのだろう

718『良薬口に苦し』:2024/02/09(金) 01:12:07

『奥』は行き止まりだ。二人の男女の先はない。

「んじゃ、待ちましょう……」

そして――ソラ、君の言葉。

『「で、落ち着いたか?落ち着いたら消しとけよ」』

に対し―――

「いやぁ……『それ』は、お断りしますね。わ、わたし、そ、そのぅ。初対面の人の何もかも、全部信用とか、で、出来ないので……そっちも出してていいですよ」

と、返す。
君のスマホには、『瓢箪』も、『液体』も映らない。
しかし、次の光景は、映った。

「ガハッ……」

――倒れ伏す女――彼女の外見的特徴をあげるなら『野球帽』を被った女だ。
倒れ伏していた女は、唐突に喀血した――げぇげぇと、少なくない血を吐き出す。
そして、君たちも、何者も見ていなかった目が、ジャージ姿の女を見据え。

「『ホーム、ラン、キング……!!』」

倒れ伏したその背より、『スタンド』が現れた。
人型のスタンド――女性スポーツ選手めいたヴィジョンが、『バット』を、女目掛けて振り上げた途端に……
――女は崩れ落ち、『スタンド』も消失した。ぐったりと崩れ落ちた姿は、魂が肉体から離れる『間近』と言ったところだろうか。

ジャージ姿の女は、完全に表情を消して野球帽を見下ろした後、君たちを視る。

「そ、そのう。つ、つまりは、こういう『予期せぬ事態』もあるかもで……いや、今のバットで殴られたら、多分わ、わたしなんて、死んじゃうんですけど、あは、ははは……」

ジャージ姿の女は、変わらずに笑う。

「あ、でも、血、少しかかっちゃったな、汚な……]


そう言って、彼女は顔をしかめた。

――君たちの反応、行動は自由だ。


∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□男女□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□ト□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ソ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
倒れてうめいている男=男
完全に意識を失った野球帽の女=女
トーリ=ト
ソラ=ソ
>>717
>>716

719白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/09(金) 23:36:53
>>717(ソラ)
>>718(GM)

「……彼女とは、何が?
 トーリには――――意味もなく、
 人を、殴ろうとする理由が分かりません」

『光景』の意味が分からないが、
野球帽とジャージ女は敵対関係なのは間違いあるまい。
だが、だからこそ、『酷薄』に取れるジャージ女の態度は、
敵相手と思えば格別に不思議だったりはしない。


この場で追い打ちをかけでもしているなら、
流石に制止する理由もあったにせよ――――

    ザ …

『軟膏』でしかないというスタンドを自衛に使うのは、
いささか『話の筋』が通っていない、そんな気はするにせよ。


「彼女とあなたは、何か、あったという事なのでしょうか」


         ザッ

いずれにせよ、トーリは少しずつ、きわめてゆっくりと前に出る。
『ダムゼル・イン・ディストレス』発現時の『移動』は遅い。

前に出る理由があるとすれば、それは、論理の外にあるものだ。

720ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/10(土) 14:13:02
>>718-719
立ち上がり、殴りかかり、また倒れ伏す野球帽の女
その一連の流れを見て、トーリと同じような違和感を覚える

こいつ、何でいきなり殴りかかって来たんだ?

「なるほどなぁ」
「『何もしなかった』な」

「が、『予期せぬ事態』ってのをその水を手に塗るだけの能力で防げるもんなのか?」

今、倒れたのはたまたま息を吹き返した野球帽女が
たまたま既の所でくたばっただけか、それとも、ジャージ女がスタンドで自衛したのか?

「お前、そいつがスタンド使いだって知ってたように見えたんだが、気のせいか?」

予期せぬ事態を想定していた…にしても、驚きも慌てる様子も全く見られなかった
実に落ち着き払ったって感じだ

「何でそいつがいきなり殴りかかって来たか
 考えられる可能性は」

「そいつが頭のイカれた犯罪者で誰でもいいからぶっ殺したくなったか」
「もしくは」
「お前とそいつらは元々関係があって、お前にやられたから反撃しようとしたか」

勿論、可能性は他にも色々あるわけだが
とりあえず考え得る可能性を述べてみる

後者だったとしても、ジャージ女と野球帽の女
どっちが悪いのか?それを判断する材料は今の所少ない

721『良薬口に苦し』:2024/02/10(土) 17:33:52
>>720
>>719


「い、いや、知りませんよぉ。い、言ったじゃないですか、『来たばかり』って……『たまたま』、そう、『たまたま』二人が倒れてるところに出くわしたんですよぉ……」

君、トーリの追求に、ジャージの女はそう言うが……

>「お前、そいつがスタンド使いだって知ってたように見えたんだが、気のせいか?」

君、ソラが具体例を上げていくと、やがてため息を付いた。

「ええ、まぁ、知ってました……実を言うと、この二人とは『待ち合わせ』をしてまして、で……『来たら』、こうなってたワケでして……」

そして、君たちを見やる。

「あ、ひょっとして、わ、私がやったって、疑ってます?……ムリですよぉ、ムリムリ、見ての通り、私の能力は『自分にしか効かない液体軟膏の容器』!それで、バットなんて武器を持ってる近接タイプと、どうやってやりあえっていうんですかぁ……?」

ジャージ姿の女は、どこか乞うように君たちを見ると、誤魔化すように振り向き、女を見る。

「に、にしても、ち、血を吐くなんて……こ、この人、だ、大丈夫、な、何でしょうか……ちょ、ちょっと脈を……あ」

ジャージ姿の女は、野球帽の女の様子を見ると、ため息を付いた。

「『死んでます』ね……これ、脈、測るまでもない……ど、どうしよう……ああ、もう……ま、不味いなぁ……こ、こっちの人、し、死なれたら、め、めんどうくさい……ね、ねぇ、わ、私、『何もしてない』って、救急の人に、言ってくれます、よね?」

―――サイレンの音が、近づいてくる。『二レス後』に、到着するだろう。

∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□男女□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□ト□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ソ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
倒れてうめいている男=男
女の死体=女
トーリ=ト
ソラ=ソ

722白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/10(土) 20:27:39
>>720(ソラ)
>>721(GM)


「『死んで』――――――……そう、なのですね。とても。……残念です」

            ス …

                   「どんな人間、だったとしても」

目を少しだけ伏せる。死ぬのは悪いことだ。どうしようもない、永遠の断絶。

「『面倒』という言葉の是非を、トーリは今、追究しません。
 トーリが見たのは……ここに来てからの光景だけだから。
 ……あなたが何かをしたという事を、証言は出来ないでしょう。
 きっと、仮にそうだとして、スタンドの暴力は証拠を残さないのです」

言葉は僅かな熱を帯びる。
『白岸・ノエル・トーリ』は『善性』によって立つ人間だ。
保身と酷薄さを垣間見せるジャージ女に思う所は当然、ある。
パニックで救急車を呼べなかったというのも、当然『嘘』だろう。
最初の前提が嘘なのだから、その後の言葉も全て疑惑がかかる。

そう、ただの、疑惑だ。

「『あなたが立っていたこと』
 『あなたが救急車を呼んでいなかったこと』
 『あなたを襲おうとしていた人間であること』 」

「トーリは……ただ。それを観たまま伝えるつもりです。
 『あなたは何もしなかった』 ただ、その悪徳を。トーリは伝えるのです」

救護活動をすべきだった。
救急車を呼ぶべきだった。
保身のための嘘をつくべきではなかった。

社会的に非難されることであれ、裁かれるべきことかと言えば『そうでもない』

「『すぐに帰る』事は――――できなくなるかもしれません」

             ジリ

更に1歩踏み込む。馬脚を隠し続けてくれるなら、それでもかまわないと思った。

723ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/11(日) 18:37:52
>>721-722
何もしないというのは、場合によっては犯罪になる
例えば、親が子供に食事を与えずに餓死させた場合
こういうのを不作為犯という

今、目の前で起こったケースはどうだ?
救急車を呼ぶ義務というものがあったとしても
本人がパニックを起こして番号を忘れてしまったと主張している
苦しい所だが、罪を立証する手立てはない
応急処置も何もしなかった事について、素人の介護では却って状況を悪化させかねない

つまり、このケースについては何もしなかった事を罪とする事は出来ない
人が死んだというあんまり気持ちの良いもんじゃない事実があるだけだ

ただ、まだジャージ女の罪を立証できるかもしれない人物は残っている
もう一人の死にかけだ

ジャージ女は死なれたらめんどうくさいと言った
その言葉を信じるなら、死ぬのはジャージ女にとっては不本意という事だろうか?

服のポケットから胃薬の瓶を取り、後ろに回してさり気なく浮上させておく
これを残しておけば、自分がもっと奥に入って行っても
瓶が浮いているという異様な物を発見した救急隊員がこっちに気が付くかもしれない

「なあ、そっちの奴はまだ息してるよな?」
「随分苦しそうだが、なんなら俺が息の根止めてやろうか?」

そう言って男に歩み寄ろうとする
ジャージ女はどう出る?

724『良薬口に苦し』:2024/02/11(日) 22:09:26


>「『面倒』という言葉の是非を、トーリは今、追究しません。
 トーリが見たのは……ここに来てからの光景だけだから。
 ……あなたが何かをしたという事を、証言は出来ないでしょう。
 きっと、仮にそうだとして、スタンドの暴力は証拠を残さないのです」

「そ、そもそも、『暴力』なんて、振るってませんって、何回か言ってますけど、来た時にはこうなってたんですって」

>「トーリは……ただ。それを観たまま伝えるつもりです。
 『あなたは何もしなかった』 ただ、その悪徳を。トーリは伝えるのです」
>「『すぐに帰る』事は――――できなくなるかもしれません」

「そ、そんなこと、言われてもぉ、私、救急よ、呼ぼうとはしたんですよ、た、ただ『番号』忘れてただけで……まぁ、実際『何も』しなかったって言ってくれるだけでも、助かるんですけどォ……『すぐに帰れなく』ても、逮捕されることは、ないでしょうし……」

>「なあ、そっちの奴はまだ息してるよな?」
>「随分苦しそうだが、なんなら俺が息の根止めてやろうか?」

君、ソラの言葉に、ジャージ姿の女は慌てたように手を降った。

「だ、ダメですよぉ、ダメダメ……あ、あなたの能力、知りませんけど、『外傷』とかあったら、もうすぐにでも来る救急に『殺人』疑われるじゃないですか……『でもぉ』」

にたり、にへらとジャージ姿は笑みを浮かべた。

「『残らない』。なら……まぁ、ご自由にと……待ち合わせこそしてましたけど、見知らぬスタンド使いとヤってまで、守ろうって仲でも、ないですからねぇ……」

―――君たちの行動は自由だ。
そして、君たちの次のアクションの直後、救急隊は訪れる。


∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□男女□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□ト□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ソ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□胃□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
倒れてうめいている男=男
女の死体=女
トーリ=ト
胃=胃薬の瓶
>>723
>>722

725白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/11(日) 22:47:17
>>724(GM)
>>723(ソラ)

「トーリはあなたを疑いません。……信じも、しません。
 人の命が……失われている今、トーリには『決められない』
 ……あなたが何もしないなら、きっと、決める理由もないのでしょう」

この女をいますぐぶちのめせば能力が解けるとして、
もしこの女が『襲われていた側』だったら目も当てられない。
或いは本当に無関係の『ちゃらんぽらん』という可能性もある。
限りなく不審ではあるが、『引っかかる』以上の物はない。

「――――――!
 ……同じ。意見です。
 『スタンド』自体は消せるとしても、外傷は消せません」

杖の少女の考えは『理解できる』。
しっぽを出させるための行動だろう。
……本気で言っている可能性もなくはないが。

「ですが」

「『声』を聴き遂げる意味は、あるのかもしれません。
 ――――救急車が去る前に、彼に。話す余裕が、あるのであれば」

スタンドを解除して更に前に出る。
鉄パイプは避ける。拾う必要性は感じない。
『うめいている男』に近づくためだ。

『ジャージ女』はここから攻撃を始めるとは『考えにくい』とはいえ、
何かあったときは――――『杖の少女』は甘くはないだろう。後詰めを任せる。

726ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/12(月) 15:45:14
>>724-725
ちょっとずつだがジャージ女の考えが分かって来た
死ぬのは本意じゃないが、それは殺人を疑われたくないからでしかない
だから、自分に疑いがかかりさえしなければ死のうが生きようがどっちでもいい
仮にジャージ女のスタンド能力による被害だったとしても
それを医者や警察に訴えても信じてはもらえないだろう

そして、この挙動不審なジャージ女の言う通り
来た時にはこうなってた
本当に何もしていないと仮定したらだ
二人纏めてこんな状態になる状況っていうのは何だ?
二人とも同じ病気を患っていて、同時に発症した
限りなく可能性は低いが0じゃないだろう
だがもっと分かり易いパターンもある
ジャージ女以外の誰かによるスタンド能力だ
この可能性も無くはない、そしてもしそうだとしたら
その誰かはターゲットが死ぬまでどこかで見張っているかもしれない

もう一度、ぐるりと周囲を見渡して他の誰かの気配がないかを確認する


>『声』を聴き遂げる意味は、あるのかもしれません。
>――――救急車が去る前に、彼に。話す余裕が、あるのであれば

「話せりゃいいけどなぁ」

ソラが行動するよりも前に進んだトーリ
やるっていうなら任せよう
そのトーリの後ろに着いて動く

727『良薬口に苦し』:2024/02/12(月) 19:11:26
>>725
>>726

――君たち二人は『男』の近くに近づいた。
『男』の痙攣はやまず、その意識は見るからに薄れかけている。意識、どころか命が消えかけているのは明らかだった。
その状況の男の朦朧とした眼が、君たちを『見た』。死の寸前の眼、消えかけた意志。
最後に見えたものは、懇願であった。君たちは、このような『単語』の連呼を、数秒に渡って聞く。

「瓢箪」
「中身」
「口から」

それだけを言い残し、男は崩折れる。息はまだ、僅かにあるようだ。
――そして、『救急隊』は訪れた。
片方は死体、片方は死にかけ。
特別な手段を用いない限り、即座(次レス後)に、男女は搬送され、救命(そして蘇生)措置を行いながら救急車は発車する。

―――救急隊員が、君たちに発見状況を聞いている。
ジャージ姿の女は『待ち合わせしていた相手に会いに来たら二人が倒れていて、慌てているところに来たそこの二人が通報してくれた』と言っている。
君たちがどう言っても、救急車は出ようとするだろう。事は一刻を争うように見えるのだから。


∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□男女□∴∴∴∴
∴∴∴∴□トジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□ソ□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□胃□∴∴∴∴
□□□□車□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
倒れた=男
女の死体=女
トーリ=ト
胃=胃薬の瓶(まだある?)
救急車=車

728白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/12(月) 19:22:46
>>727(GM)
>>726(ソラ)

「―――――――……ありがとう、ございます」

生きて救急隊に引き渡せたなら、それ以上することはない。
彼を無理に話させるのも毒だろう。

「この人と、同じです。うめき声を聴いてここに着たら、
 この人が、倒れているお二人の近くにいました。
 救急車は呼んでいないとのことでしたので、
 トーリは事情を聞いて……救急車はこの子に、呼んでもらいました」

救急隊員にはありのままをそのまま伝える。
冤罪をかけられるような可能性はまずありえないだろう。

説明が終わったら、ジャージ女に視線を向けて。

「『瓢箪』『中身』『口から』
 ……意味するところはトーリには分かりませんが、
 一つだけ、分かるのは。『瓢箪』を持っているのはあなたです」

             ジ ・・・

「あなたが悪いのか、それとも身を守っただけなのか、
 それも――――分かりません。けど、あなたは『分かっているはず』」

ゆっくり。少しだけ離れつつ(MAPで言えば左下のマス)声をかける。
救急隊員が去ったとたん、豹変するという可能性はあるかもしれない。

「……答えたくないと、もしくは彼の言葉が
 単なる譫言だというなら、トーリにそれ以上、追究の手段はないのですが」

                  「どう、なのですか?」

729ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/13(火) 14:32:54
>>727-728
(能力を解除してないので胃薬の瓶はまだあります)

ぐるっと周囲を見渡してもそれらしい気配は感じられない
別の犯人がいる可能性も完全には捨てきれないが
少なくとも、視界に映る範囲内には確認出来ない

「はい、呻き声が聞こえたんで、来てみたらこうなってました」
「この人は な に も してませんでした」

わざとらしく何もを強調して救急隊員に話す


「はぁ〜…
 いい加減推理ごっこも飽きてきたな」

男が発した『瓢箪』『中身』『口から』というワード
ヒントはもう出揃っている

「その瓢箪の中身を飲んでみりゃ分かる」
    ・・・・・・   ・・・・・・
「それで何もなければお前が何もしてない証明にもなるだろ?」

勿論、この案は幾つも穴があるが、敢えてそれを言わなくてもいいだろう

そしてそれを誰が飲むか?

730『良薬口に苦し』:2024/02/13(火) 19:34:06
>>728
>>729

君たちの会話は、救急隊員からすれば徹底して『意味不明』であり、かつ、君たちの証言そのものは行われたため、直ぐに『搬送』は行われた。
君たちの言葉の『意図』を理解する


「うーん……う、嘘は、つ、つきません。こ、これは本当です、ええ、本当ですとも……全部本当だけど、これは、格別に本当なんです……」

ジャージ女は、変わらない口調で。しかし、迷いを感じさせない力強い口調で、言葉を紡ぐ。

「『私は悪くない』……ええ、わ、私はこ、心からそう思っていますともせん妄状態っぽい人の寝言なんて、どうでもいいじゃないですか、ね、ね……?」


――そして、ソラ、君の言葉・

>「その瓢箪の中身を飲んでみりゃ分かる」
    ・・・・・・   ・・・・・・
>「それで何もなければお前が何もしてない証明にもなるだろ?」

「うーん、別に『いいですよ?』飲んでも、害はないですし……」

そして、ジャージ女は、少しだけ申し訳無さそうに。

「ただ、これ、少し『冷たくて』、冬の夜空の下で飲みたいものじゃないんですよ。なに、『どこでもいいので』、どっかのお店……それこそ喫茶店でもファミレスなんでもいいので、入った後ならいいですよ……数分もかからずに、見つけて店に入れるでしょ……」



∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴トソ□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□胃□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
倒れた男=搬送された
女の死体=搬送された
トーリ=ト
胃=胃薬の瓶
救急車=去った。

731白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/13(火) 21:20:37
>>729(ソラ)
>>730(GM)

「――――そう、なのですね。全ては本当のことだ、と」

世界は推理小説ではないし、この路地裏は謎解きゲームの会場でもない。
『謎』というの物自体が、『解かせる気』を帯びるわけはないのだろう。

「トーリにも……疑う根拠は、それほどありません。
 ですが、『冬の夜空』で起きたことなのであれば――――
 トーリが。それを。今、ここで飲めば分かるのではないでしょうか」

だから、まっすぐな目で切り出した。

「トーリは……人並には暖かい恰好をしていますし、
 それに、もし冷えてしまったら、
 その時に『お店』に行けばいい、と。トーリはそう考えます。
 ……すぐ近くに、宇治抹茶ラテの美味しい喫茶店があります」

『断る理由』をはぎ取り、『真贋』を確かめる。
『トーリ』からの申し出であれば、この女は『悪くない』。

『自分が悪くない』なら、ガードを上げきれない。
そういう人柄は、得られた手掛かり。

「あなたは、どう思いますか? トーリは……そうすべきだと思うのです」

『指針』は既に定められた。そのための行動を惜しむ理由は存在しない。

732ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/14(水) 15:02:42
>>730-731
飲んでもいいが、今ここで飲むつもりはない
ここで飲むのはまずいのか?
それにしても、随分余裕そうな感じだ
このままジャージ女の言う通りにしたら、何か完全犯罪を成立させてしまうようで
気分が悪いと思うソラ

そしてトーリ
トーリは自分が飲んで確かめると迫るが
こいつの今までの言動パターンを考えれば、あれこれ理由を付けてかわされそうだ

「めんどくさ…
 もういいよ、俺が飲む」

そう言ってジャージ女に迫り、瓢箪を寄越せというような動きを見せる

                                 と、見せかけて

バリィィィン

後方に浮かせていた胃薬の浮上を解除し、地面に叩きつけて割る
おそらく、その音に気を取られてほんの一瞬ではあるが隙が生じるだろう

             『瓢箪』『中身』『口から』

このワードにはちょっと違和感があった
軟膏の事を言ってるなら、『瓢箪』『中身』なんて回りくどい事を言わずに一言『軟膏』って言えばいい
それを敢えてこう言ったのは何故か


瓶が割れる音で生じるであろう隙をついて、
ジャージ女の持つ『瓢箪』の『口の中』に杖を――――突き立てるッ!!!

733『良薬口に苦し』:2024/02/14(水) 18:30:44

>>732
>>731


トーリ、君の提案に、ジャージ姿の女は安堵めいた笑みを浮かべた。

「い、いいですね、ま、抹茶ラテ。わ、私も、す、好きですよ……それ、じゃ……」
>「めんどくさ…
 もういいよ、俺が飲む」

>そう言ってジャージ女に迫り、瓢箪を寄越せというような動きを見せる

「……し、しかた、な、ないので……・べ、別に、いいですよ。害は、な、ないです、から……」

そう言って『左手』で、『瓢箪』を掴み、君に差し出そうとする……その時。

>バリィィィン

「……!?」

>後方に浮かせていた胃薬の浮上を解除し、地面に叩きつけて割る
>おそらく、その音に気を取られてほんの一瞬ではあるが隙が生じるだろう

――そう、確かに、ジャージ姿の女に『隙』は生じた。

>瓶が割れる音で生じるであろう隙をついて、
>ジャージ女の持つ『瓢箪』の『口の中』に杖を――――突き立てるッ!!!

ぴしり。突き立つ。穴にステッキをねじ込まれ、注ぎ口が砕け散る。スタンドの液体が飛び散る。
君の速度はB相当―――後、『一瞬』あれば、『瓢箪』を貫き、破壊し尽くすのには十分だ。
だが、それは、相手が『人並み』であることを、前提とする。

ジャージ女の『右手』が君がステッキを握る手を『抑え』、刺突の進行を『止める』
その腕力はC相当――成人女性の腕力――『大人並み』の力を持っている君なと、五分だ。そして、君はこの静止を防ぐことが、『出来ない』『押し込む』ことも、瞬時には出来ない。

3つ、根拠がある。

一つ。単に杖での刺突を行った君にとっての必然―――体格差を考慮しても尚存在する、『杖』の分のリーチを女の右手が『突如として上回ったこと』
二つ。
ジャージ女の右腕が『伸びた』速度が、純粋に君(B)を上回る領域(A)で、あったことにある。
三つ
―――ソラ、君は、女の『右手』に触れられた『瞬間』から、『急激な高熱』に襲われているからだ。
それこそ、インフルエンザのような。あるいは、この世には起こり得ぬ王冠の名を冠した役際のような。『強烈な高熱』が、君に発生している。

「……落ち着いて、落ち着いて……危なかった……」

ジャージ女は、僅かにもどもらずに、冷えて濁った眼で、君を見る。

「『瓢箪』が壊れたら、アウトなんだ。まず、私が、次に、今運ばれたカスが、最後に、あんたが……」

「『忠告』はしてやる。私に『触れられた』、以上、君は瓢箪を壊すと、『死ぬ』。その前に私が死ぬけどね……」

「『3分』、『3分』だ。それで、『私の仕事』は終わる、その後、君のも含めた『全ての毒を消し去る』」

「……『戦う理由』なんて、ないでしょう?。『大人しく』待って……それで、『解決』に、しよう?」

―――君たちの決断は、自由だ。


∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴トソ□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
トーリ=ト
ソラ=ソ

734白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/15(木) 02:02:27
>>733(GM)
>>732(ソラ)

「…………!!」

少女の強行と、その結果――――――驚きが顔に出た。

             「つまり」

「あなたは『仕事』をしたまでだと。
 彼らを『能力』で殺すのが仕事で……『3分』で先ほどの彼は死ぬ、と」

         「そういう、事なのですね」

それ自体をどうこう言うつもりはない。
トーリは『善』を貴びすすんで良いことをしようとする側の人間だが、
そもそも、そうした『殺伐』たる世界の中にいた人間でもあった。

        このジャージ女の真意は分からないが、
        『おかしな話』をしているとは思わない。

「あなたが提示してくれた指針の意味は、分かります。
 『3分後』あなたが能力を解かなければ……この子も死ぬのでしょう」

『ダムゼル・イン・ディストレス』を発現し、
『羽』を即座にむしって、少女とジャージ女の間の足元へ投げる。

                 『追撃』を防ぐための牽制だ。

「――――『能力の個別解除』は、きっと。できないのでしょう」

『仕事』がどのような立場に根付いたものかは分からない。
この女が説明をしないからだ。しない理由は分かる。殺人の説明など出来まい。

「『全解除』をすれば。あなたの仕事は失敗するのでしょう。
 ……それを、しろ、とは。トーリには言えません。
 きっと、あなたも誰かに指針をもらって、それに従っているのだから。
 ……それが、悪いことだと、トーリは心の底からは言えません」

電話の相手が恐らくその『仕事相手』なのだろう。
ジャージ女が好きで殺人を繰り返しているわけでもあるまい。
もちろん楽しんでいる可能性はゼロではないにせよ――――

「けれど――――3分後、あなたは能力を解除しないかもしれません。
 あなたのことを信用できる理由も、トーリにはありません。
 ですから、トーリは『もう1つ』の解除手段を選ぶことにしました」

    「スタンドは。『スタンド使いが気を失えれば強制解除される』」

話しながら、余裕があればもう1枚、羽をむしっておきたい。

「……『待てば必ず能力を解除する保証』、を。
 それを出せるなら、トーリはあなたに、ご面倒をかけないでしょう」

735ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/15(木) 10:47:18
>>733-734
「なるほどなぁ…」

この気怠い感じ……さっきのくたばってた男女と同じ症状だ
結果的に男女が死にかけていたのはこの女のせいだという事が証明される事になった

「お前、梅毒の擬人化かよ」

この高熱の病、まさしくウィルスの王、王冠の名を冠するに相応しい
これをコロナウィルスと命名しよう
この梅毒女はホスト、キャリアー、ベクター……呼び方は色々あるがそんなところか?

自分自身が身を以て受けた事で、
さっきの男が何を言わんとしていたかが何となく分かって来た…気がする

『瓢箪』『中身』『口から』『瓢箪が壊れたらアウト』『死ぬ順番(梅毒女→男→ソラ)』

さっきの死にかけの男は『懇願』をしていた
おそらく、この梅毒女の『何もしていない』というのは、瓢箪の中身を与えなかったという事だ

梅毒女との力は互角
このまま押し込む事は困難
腕を動かす事で引っかかっている瓢箪を傾ける事は出来る

ここからの行動は確証はないし下手すれば死ぬ、全てが命懸けだ

多分、瓢箪の中身が無害というのは本当だ
それどころか、それはこの女にとっても生命線

ソラの推測が正しければ――――

               「『良薬口に苦し』」

口が砕けて零れ落ちる液体を飲む
軟膏なんて決して美味くはないだろうが良薬は口に苦しだ(女に触られている部分にもかかればベスト)

液体を飲んだら(念のため少し口の中に残しておく)
瓢箪を3mまで浮上させる(パスCB)
梅毒女改めコロナ女は化け物染みた身体能力……いや化け物そのものかもしれないが
ソラとトーリを相手取りながら、突然浮かび上がるそれに対応出来るか?

>……『戦う理由』なんて、ないでしょう?。『大人しく』待って……それで、『解決』に、しよう?

戦う理由なんてのは簡単だ

「お前の態度が気に入らない」

736『良薬口に苦し』:2024/02/15(木) 17:47:09
>>735
>>734

今、『ジャージ女』はソラと『鍔迫り合い』の状態にあり、君の行動を防ぐ余裕は存在しない
故にトーリ、君の『投擲』も『毟り』に、完膚なきまでに『成功』する。
そして、ソラ、君の行動も『失敗』は、しない。女の右手は、君のステッキを抑え込むのに全てを尽くしているからだ。
だが、『浮遊』はしない――瓢箪は『生物』とは呼べないが、無生物とも呼べない。『スタンド』だ。
代わりに、君は瓢箪から『溢れ続ける』液体を『飲む』ことには成功すし、女の右手にも飛び散る……君は、『一瞬』健康体に戻ったが、瞬時に体に熱が籠もり始める。良かれ悪しかれ『差し引きゼロ』だ。

>「……『待てば必ず能力を解除する保証』、を。
 それを出せるなら、トーリはあなたに、ご面倒をかけないでしょう」

この状況――トーリ、君の問いに、まさに顔を苦くしながら、ジャージ女は答え始めた

「……私のスタンドは、『毒手』と『薬酒瓢箪』のスタンド」

「スタンドを発現している時の『右手』は毒手で、『触れた相手を感染させる』……けど、この毒は『私も犯し続ける』」

「けど、『右手に薬酒を浴びせれ』ば、私の毒の進行状況はリセットされる……そして、私が『飲む』ことで、『毒の全てが解除される』」

そして、ソラ、彼女の眼が君を見る。

「……で、君が身を持って理解したように、毒を受けた人間が飲めば、そいつの毒が消え去る。味は、まぁ、漢方薬って感じかな……?」

そして、にへらと笑って、彼女はトーリ、君を見た。

「……保証ってのはね、『三分立てば野郎の方も絶対に死んでる』ってこと。女の方と『同時期』に打ったからね……さっきから三分って考えたらそれはもう、『誤差を超えて人間なら死ぬ』……『仕事が終わる』。それが、保証……ま、『もう死んでる』って、可能性もあるけどさ……ンククっ……」

>「お前の態度が気に入らない」

「……こっちはこう言ってるけどさぁ、私、仕事以外で殺しは上がうるさいしぃ……二対一じゃ勝ち目薄いし……そもそも、『気を失って能力が解除されるか判らない』しね……私の、『毒』は、一度感染すると、宿主を殺すまで『消えない』……毒の射程距離は、この街から出ても消えないよ……たぶんね」

ジャージ女は口を閉じる。反応を、待っているようだ。
君たちの反応は、自由だ。

形成はともかく『立ち位置』は変わらないため、MAP更新は行わない。

737白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/15(木) 21:31:15
>>736(GM)
>>735(ソラ)

要するに、あの二人を救う方法があるとすればそれだったのだろう。
『最初から無理やりあの二人に話を聞く』が正解だったのだろうか?
トーリはそれを選ばなかった。『罪悪感』がない、と言えばウソにはなる。
 
    だが『頭をひねれば分かった』ような話ではない以上、
    それも『選択』の結果だ。過剰に落ち込むようなものでは、ない。

「…………」

本体が死んでも解除されないスタンドと言うのは確かに存在する。
『ああ言えばこう言う』の典型だが、それ故に言葉で崩せない。

「あなたの言っている事は。なんの保証でもありません。
 あなたを信じない限りは。……トーリは悩んでいます。
 あなたがもっと暴力的か、もっと誠実なら、悩まなかったでしょう。
 ……あなたが『なぜ彼らを殺すのか』 それさえ、知らないのですから」

加えていつまでも手を出してこないのだから『暴力』にも訴えづらい。
殺人稼業の人間などぶちのめしても文句は言われないにせよ、
ぶちのめすことで解決するのは『溜飲』だけと言える。

       今は、『誰も得をしていない状況』だ。
       『ジャージ女』も、『杖の少女』も。

「……それでも。『仕事』に、トーリは強く異議は申し立てません。
 殺人を。喜んでいるような、その態度はトーリも気に入りませんが、
 だからといってあなたをここで、トーリが倒す理由には……足りません。」

               「……ですが、それでも」

         スッ

「『確実な解決方法』をトーリは選べます。
 あなたの右腕を破壊し、毒を封じたうえで、瓢箪の中身を貰う。
 どこまでも信用できないあなたには、難しくても、きっと一番確実だから」

手に持った『羽』を前にかざす。それを持って切りつけるとでも言わんばかりに。

738ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/16(金) 18:22:28
>>736-737
マジで梅毒の擬人化みたいな女だ
その上大嘘付きのアバズレビッチ野郎だ

ただこの梅毒女をぶっ殺すだけなら二人がかりなら出来なくもなさそうだが
それではこの女の目的は達成されてしまいそうだ
それじゃあ気分が悪い
ここはとことんこいつの邪魔をしてスッキリしたい

今、トーリが『羽』をかざし女に脅しかけるように迫っている
いや、脅しではないかもしれないがどっちでもいい
重要なのはトーリが注意を逸らしてくれる事だ
勿論、梅毒女がソラの手を掴む手を緩めたりはしないだろうが

トーリが少しでも注意を逸らしてくれるうちに一瞬、『ステインド・スカイ』を解除し
即座にもう片方のフリーな方の手に持ち替え、杖の柄を梅毒女の首に引っ掛けこちらに引き寄せる!
そして梅毒女の口に自分の口をくっ付け、口の中に残していた薬酒を流し込むッ!

相手は口を開けて素直に飲んでくれたりはしないだろうが、
だったら膝蹴りで腹でも蹴り上げて無理矢理口を開けさせてやればいい

739『良薬口に苦し』:2024/02/17(土) 17:35:49
>>737
>>738

>「『確実な解決方法』をトーリは選べます。
 あなたの右腕を破壊し、毒を封じたうえで、瓢箪の中身を貰う。
 どこまでも信用できないあなたには、難しくても、きっと一番確実だから」

「フゥン、そう」

ジャージ女から、表情が完全に消えた。

「やってみな」

その言葉を聴いた途端に、ジャージ女はソラの手を『放し』、『振りかぶる』
同時、ソラ、君は

『トーリが少しでも注意を逸らしてくれるうちに一瞬、『ステインド・スカイ』を解除し
即座にもう片方のフリーな方の手に持ち替え、杖の柄を梅毒女の首に引っ掛けこちらに引き寄せる!』

――この行動を、実行に移す。
君の行動は『限定的に』成功する。
一瞬――『B相当』の一瞬。それは、『A相当』の一瞬より、劣る。
解除→再発現よりも、女が『腕を振るう』速度の方が、疾い。
さらに、その『精密さ』も、女の手の方が『一枚上』君の杖は薙ぐように払われた女の右手によって『捌かれた』――同時。女は広報に『一歩』飛び。

『女の右腕が伸びる』

骨格構造を完全に無視した、『鞭』の如き挙動――『しなる』様を、君たちは捉えることは出来なかっただろう。
ぱぁん。と、『音の壁を破る音』だけが、君達の耳に宿り、トーリ、君は頬を『C相当』の威力で張り飛ばされる痛みと共に、『熱』を体に感じ始める。

「――私の腕は、一芸しかないけど、『速度』と『精密さ』は並じゃねんだわ」

「小細工抜きの『速さ比べ』しか脳がないなら――単に飛び道具しかないんなら――あんたらは、自殺を選択したよ?」



『男』の余命。『残:GM6レス後』
トーリの病状=『発熱』
ソラの病状=『発熱』+(口に含んだものを呑まない限り)『軽度の呼吸難(行動に影響なし)』
瓢箪から=『コンクリート』に垂れ続けている。『染み』になるまで、まだ時間はありそうだ。


∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴トソ□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
トーリ=ト
ソラ=ソ
1レス内での=『メートル規模移動』を含めた複数挙動『許可』

ヒントを兼ねるGMからの質問。
『それぞれの地肌の露出部位』

740白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/18(日) 03:23:53
>>739(GM)
>>738(ソラ)

                    ザッ

「…………っ」

頬を打たれた痛みに顔を顰め――――痛みだけではないのを理解した。
とはいえ聞いていた通りの効果だ。今の『熱』は、それ単体で死因にはならない。

衣服に覆われていない顔や、手、膝下丈のスカートや靴下で隠れていない脚から、
外気の冷たさを感じた。心の中の熱のせいも、あるのかもしれなかった。

「……選択の結果は。トーリには分かりません。あなたにも分かりません。
 ですが確かなことは、選択をしたこと自体を後悔する事はないでしょう」

               ブ
               ン!

前に出している『羽』を投擲する。
ジャージ女に着弾してもいいが、狙いの甘い手投げだ。
恐らく後方の壁などに当たるか、撃ち落されるのが関の山。
だがそれでもいい。『対応』か『反応』を引き出せばいいし、
発熱でどの程度動きが阻害されているか、のテストでもある。

「『自殺』をするつもりも――――当然、ありません」

「……『生きて楽しむ』 それがトーリに与えられた、最大の指針だから」

この女の能力の弱点は一芸しかない事ではない。『一本しかない事』だ。
どれほど速度があろうが、脳は一つ。『一本の腕』ですべてを捌ききれはしない。

                       『それが1つ目』だ。
                       これから、『弱点』を1つずつ、突く。

741ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/20(火) 18:40:40
>>739-740
「妖怪かよ」

最早人間をやめている女の動きに対して言う
人を病気にする妖怪というと、疱瘡婆なんてのがいるが
こいつは新種の妖怪、コロナ女と言ったところか

化け物染みているのは右腕だけだが
その化け物の部分がとんでもなく厄介だ

さっき女に触られ感染した右手を確認するが何か異常は無いか?
そして同じく露出してる左手にも何か変化は無いか?
頭部は自分では確認しようがないが…

さり気なくお気に入りのうさちゃんパーカーを脱げるようにしておく
このパーカー、とても肌触りがよく暖かいのでその下には何も着ていない
つまり、これを脱いだら上半身裸の変態になる
ちなみに頭痛薬の瓶はズボンのポケットに入っている

さて、ここはどう行動すべきか?
梅毒女の右腕はとんでもないスピードだ、まともに正面からやりあったんじゃ勝ち目は無い
射程もそれなりにあるようだが、どれくらいあるのだろうか?
その辺も探っていきたいところだが…
トーリと連携を図るべきなのだろうか

ここでソラが取った行動は…最寄りのゴミ捨て場に移動
そして、ゴミを漁っていたカラスを捕獲する!

ヒュン!

そして捕まえたカラスを勢いを付けながら敵にぶん投げるッ!

742『良薬口に苦し』:2024/02/22(木) 20:14:33
>>740
>>741

>前に出している『羽』を投擲する。
>ジャージ女に着弾してもいいが、狙いの甘い手投げだ。
>恐らく後方の壁などに当たるか、撃ち落されるのが関の山。
>だがそれでもいい。『対応』か『反応』を引き出せばいいし、
>発熱でどの程度動きが阻害されているか、のテストでもある。

>「『自殺』をするつもりも――――当然、ありません」

>「……『生きて楽しむ』 それがトーリに与えられた、最大の指針だから」

「『生きて楽しむ』ね。それは同感よ、ええ、誰だって『生きて』、『楽しみ』たいものよね」

『B』の速度で飛来する君の『羽』――それは、君がジャージ女の『何処』を狙ったにせよ、その位置に向けて、寸分違わず飛翔する。
無論、投擲した君の腕力は人並みであるため、その速度は『並C』である。故に。

「でも、現実のこれからは――『死ぬまで』『苦しむ』だよ」

鞭の如くしなる女の腕が、容易く君の『羽』を『捌く』。

「……ッ、重ッ」

僅か、女の顔が顰められるが――逆に言えば『それだけ』だ。
『重さ』があろうと、それ以外の全てが『並』ではなど苦でも無いように、君の羽は叩き落される。。
そして、鞭の腕は『振るわれる』時よりは緩やかに戻りながら、再び振り上げられ――

>そして、ゴミを漁っていたカラスを捕獲する!

>ヒュン!

>そして捕まえたカラスを勢いを付けながら敵にぶん投げるッ!

「―――無駄ァ!」

再びの神速へと至った毒の肉鞭が、飛翔するカラスを叩き落とす!
既に君たちが味わったように『右手』それ自体の破壊力は、人並みに過ぎない。しかし、ただのカラスの一匹を撲殺するには、オトナの腕力があれば『十分』だ。

「……このくらいなら、いくらだって防げるよ。もっとも、このくらいを、いつまでも続けてられないのが、あたしの毒だけれど……」


『男』の余命。『残:GM5レス後』
トーリの病状=『発熱』+『軽度の呼吸難』
ソラの病状=『発熱』+(口に含んだものを呑まない限り)『軽度の呼吸難』+『全身に鈍い痛み(行動に支障なし)』


∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□跡□□∴∴∴∴
∴∴∴∴ト□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□ソ◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
トーリ=ト
ソラ=ソ
1レス内での=『メートル規模移動』を含めた複数挙動『許可』
羽の墜落箇所=跡

743白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/23(金) 03:07:52
>>742(GM)
>>741(ソラ)

「―――――――――……いいえ。
 トーリのこれからはあなたが決める事ではありません」

                   グラ…

発熱特有の苦しみは、死に向かう物で間違いないのだろう。
カラスの死骸に視線を一瞬だけ落とし、顔を上げた。

「トーリ自身にも……決められないとしても」

この状態が続けば、状況はより悪い物になっていくのだろう。
それでも、問題は無かった。


                    ガコ

もう1枚、羽をむしる。そして――――――――――――


「決められないとしても。決められたくないと、そう思う事は……出来るのです」

          「そのために」

           「トーリは、スタンドに目覚めたのでしょう」

『離陸』する。
即ち前方の足跡へ向けての、『跳躍』を開始する。

       跳躍を『打撃で阻止する』という事は出来ない。
       それはトーリの意志による浮遊ではなく『能力の過程』。
       『跳躍し』『足跡まで飛ぶ』その過程は必ず完遂される。
       全力で押さえつけでもすれば別かもしれないが――――

そして、ジャージ女より前方が着地点になるが、それは何ら問題は無い。

「この――――『翼の剣』に」

                ブ
                     ン!!!

跳躍中、『翼』は重さを失い、自由に振るう事が出来る。
長さ『1m』に達するそれを上から、身を翻すようにして叩きつける(パス精BBC)

跳躍の移動速度は人並だ。専念すれば回避は可能だろう。
だが、最低でも意識は全てこちらに割くハズだ。

              加えて言えば――――巨大な羽ばたきは、
               単なる腕の一撃とは違い『広く』視界を埋め尽くす。

744ソラ『ステインド・スカイ』:2024/02/24(土) 16:53:10
>>742-743
…殺したのか?カラスを
無辜のカラスを、ただ飛んで来ただけという理由で
殺さなくても、ただ払い除けるだけで良かったはずだろう

何の罪も無い通りすがりの鳥を無駄に殺した梅毒女にソラは怒りを覚える

しかし、いくら超高速の鞭のような腕といっても、
人並みの力の素手で一撃でカラスを撲殺出来るのだろうか?
といっても、動きの精密さも相当なものだ、急所を狙えば可能か
あるいは、やはり毒によって殺されたのだろうか?
女によって無残に殺されたカラスの死骸を観察する

腕の射程を見極めるために投擲をしたが、射程自体はそれほど長くはないのだろうか…?
そして、やはりというか相手は右腕を使うしか攻撃を防ぐ手立てはないとみても良いかもしれない
なら、右腕で防がざるを得ない、且つ、右腕で防げばダメージ必至の攻撃を繰り出せば良いわけだ

ゴミ捨て場に落ちている手袋を拾い、両手に装着する

ガシャアアアアアアアン

そして、同じく不法投棄されていた鏡を杖で叩き割る
砕かれた叩き割られた鏡の破片を手袋をはめた手でかき集め

ダッ!!!

敵に向かって走り、何枚もの破片を投擲する
鋭利な刃物であるそれは、素手で防ごうとすれば非常に危険だ

745『良薬口に苦し』:2024/02/27(火) 20:33:03

>>744
>>743


結論を先に述べるのならば、君たちは限りなく致命に近い一打を与えた。


>ゴミ捨て場に落ちている手袋を拾い、両手に装着する

>ガシャアアアアアアアン

>そして、同じく不法投棄されていた鏡を杖で叩き割る
砕かれた叩き割られた鏡の破片を手袋をはめた手でかき集め

>ダッ!!!

>敵に向かって走り、何枚もの破片を投擲する
>鋭利な刃物であるそれは、素手で防ごうとすれば非常に危険だ

『手裏剣』というにはあまりにお粗末なそれではあるが、『多数』を大のオトナの力で投擲すれば、十二分に凶器となる。まして、相手は厚着でもない『ジャージ』だ。

「―――食らうかっ!」

女の右手が飛翔するよううに伸びて、くねり、うねり――ガラス片を瞬時に叩き落とす。並を外れたその技巧は、傷一つ追うことなく総撃墜を果たす。
しかし――故に、『腕は伸びた』
そして――『鞭』の最高加速度は、振るわれた『直後』には発揮できない。
故に、次の迎撃はあらゆる意味で不可能だった。

そして――

>『離陸』する。
>即ち前方の足跡へ向けての、『跳躍』を開始する。

>跳躍を『打撃で阻止する』という事は出来ない。そ
>れはトーリの意志による浮遊ではなく『能力の過程』。
>『跳躍し』『足跡まで飛ぶ』その過程は必ず完遂される。
>全力で押さえつけでもすれば別かもしれないが―

ジャージ女は『阻止』も『抑止』も行えなかった。彼女の速度は予想を超えており、羽の『重さ』は身を持って知っている。
そして、伸びた『右』で彼女は受けようとせず――『右』をかばうように『左腕』で、君の一撃を受けた。

「グ……ゲェっ!」

鶏を捻るような声が響く。そして、君、トーリは、骨の砕けるその音色から、左腕の『破砕』を感じ取るだろう。

∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□ト□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□ソ∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ

746白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/02/28(水) 19:49:27
>>745(GM)


「…………っ!」


他人を傷つけるのは当然気分のいいものでは無い。
こちらも攻撃を受けているとは言えど、だ。

    着地しながら『杖の少女』に視線を向ける。
    単なる投擲ではなく、接近を伴う投擲。
    彼女も『次の攻撃』に繋がる動きをしている。

           『も』だ。トーリ『も』そうしている。

「降伏を。『選んで』……能力の解除に協力するなら、
 トーリはこれ以上……あなたを攻撃しません」

先ほど、『羽』を女の頭上を越える軌道で投げるべく、
翼に隠してその動きを行っていた(>>743 メール欄)


     仮にそれが失敗していたとしても今行うだけだ。
     導く結果は、『相手の後方に足跡を刻む』こと。
     すなわち『突撃の直撃ルートを作る』ことだ。


「……次の攻撃は。『降伏を不要にするため』に行います」


『嫌な気分』ではある。本当に。
『したくない選択をしなくてはならない』。
トーリが最も苦手とする事だ。
責任を託せる指針はここには無い。

            身を覆う熱が冷める程に、心が冷え込む。

747ソラ『ステインド・スカイ』:2024/03/01(金) 16:51:04
>>745
傷一つ負わずに鏡の散弾を全て正確に叩き落した右腕
こいつ…本気で機関銃でも持ってこないと倒せないんじゃないか?
そんな考えが過るが、それでも隙と言うものは生じる

トーリが梅毒女の腕をぶっ潰した
が、潰したのは左だ
肝心な右はまだ生きている

トーリは降伏勧告をしているようだが、相手はプロだ
この程度の負傷で降伏するだろうか?自分だったらしない
右腕という武器がある限りは

走りながら叩き落された鏡の破片を数枚回収し、
回収した破片をそのまま右腕に向けて投げ付ける
同時に杖を瓢箪に引っ掛けて奪い取りたい

この行動のどちらかは女に阻まれるか、両方とも阻まれるかもしれない
あるいはソラ自身がぶん殴られてぶっ飛ばされるか
それはそれで構わない、トーリの次の行動を成功させやすい囮になるなら

ところで、
壊されて酒を口からどばどば垂れ流している瓢箪は今どうなっている?
垂れ流され酒は水溜まりにでもなっているか?

748『良薬口に苦し』:2024/03/03(日) 01:16:18
>>747
>>746
>「……次の攻撃は。『降伏を不要にするため』に行います」

トーリ、君のその言葉に、ジャージ女は顔を歪めた。
痛み、違う。それもあるだろう。だが、それ以上に濃いものは――
怒りだ。

「返答は1つだ――糞食らえ!」

左腕をブチ砕かれた女は、悪鬼の形相で君の首に『腕』を伸ばす。
鞭の如く振るわれるそれではない。手打ちにも似た『腕伸ばし』
しかし、その速度は『並外れ』――君が『即座』に応じることは出来ない。

「あたしは、これで飯食ってんだよォォォォォォォォォ!!!」

そして――君の『首』を、握り――そこに。

「がぁっ……!」

君、ソラの再び投擲したガラスが突き刺さる。
腕の強度は人並みで、ガラスが刺さった腕は鈍る。『一瞬』なら、トーリ、君が上だろう。
そして――ソラ、君は瓢箪を奪うことは、トーリの羽が邪魔となって困難だろうが。
足元に、どばどばと垂れ流された『スタンド汁』が、まさに水たまりになっているのが見えるだろう。


∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□ジ□∴∴∴∴
∴∴∴∴□ト□ソ∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□△□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□◯∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
∴∴∴∴□□□□∴∴∴∴
□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□

□=1m面積
∴=(行き止まり)ビル壁面
◯=ゴミ捨て場(内容は自由。ただし、物によっては却下します)
△=鉄バイプ
ジャージ姿の女=ジ
男の余命=『3レス』

749白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/03/03(日) 06:18:44
>>748(GM)
確認です。
>>746での『羽の投擲』は成功していますか?
投げ上げより早く首を握られて失敗しましたか?

750『良薬口に苦し』:2024/03/03(日) 17:12:46
>>749
成功してます

751白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/03/04(月) 20:29:40
>>748(GM)

首を掴む手の感覚、苦痛に、冷えた顔立ちが歪む。
それは内から湧き出す罪悪の苦痛でもあるが、
『やると決まっていること』だ。

「そう、なのですね。
 そうなので、あれば―――――――」

    敵と己の間を繋ぐ『腕』は、
    宙に揺れているより余程狙える。


「トーリは。あなたの『矜持』を――壊させていただきます」


『女の背後の足跡』へ跳躍し、
その初動の上昇過程で『翼』を右腕に叩き込む。

        腕が緩む一瞬は一撃でなく
        首を掴む手を『振り切る』事に使い、
        それで生まれた追加の隙に翼の一撃を入れるのだ。

――『瓢箪』の回収は、その間に『杖の少女』がやってくれるはずだ。

752ソラ『ステインド・スカイ』:2024/03/05(火) 16:32:53
>>748
自分の口の中に残してある薬酒
女が持っている瓢箪
その瓢箪の馬鹿みたいに開いた口から零れて水溜まりになった薬酒

どうやって飲ませるかが問題だ
まず、自分から飲ませるというのは難しい
やはり強引に飲ませるしかないだろう

飲ませる方法は一旦置いておき、次はどうするか
ここは、完全に右腕を使い物にならなくしておきたい


梅毒女の右腕に突き刺さった数枚のガラス片4枚を杖で触れて浮上させる
角度によっては浮上したガラス片は肉を切り裂き突き上がっていく
角度によっては浮上したガラス片は骨に突き当たって、そこに雲で固定されるだろう
固定されたガラス片は、女が腕を動かせば自ら肉を切り刻む刃となる

その動きのついでといった感じに杖で瓢箪を叩き落そうとする

スピード的にこの攻撃は失敗する可能性はあるが、
トーリとの同時攻撃であるためにどちらかは成功するかもしれない
どっちの攻撃もヒットするのがベストではあるが

753『良薬口に苦し』:2024/03/05(火) 22:38:27
>>752
>>751


――戦闘は終了した。

では、その過程を告げるとしよう。


まず――

>梅毒女の右腕に突き刺さった数枚のガラス片4枚を杖で触れて浮上させる
>角度によっては浮上したガラス片は肉を切り裂き突き上がっていく
>角度によっては浮上したガラス片は骨に突き当たって、そこに雲で固定されるだろう
>固定されたガラス片は、女が腕を動かせば自ら肉を切り刻む刃となる


この、悪辣極まりない所作を持って、ジャージ女の『右腕』は動きを止めた。

「お、ごっ!?」

斬られるだけなら、刺されるだけなら、耐えたかも知れない。
ああ、しかし、されど――スタンド能力によって発生せし、条理を超えたる『奇妙』なるガラスの上昇による痛みは、想定など不可能で――
それは、ジャージ女に『さらなる』隙をもたらした。故に。


>『女の背後の足跡』へ跳躍し、
>その初動の上昇過程で『翼』を右腕に叩き込む。
>腕が緩む一瞬は一撃でなく
>首を掴む手を『振り切る』事に使い、
>それで生まれた追加の隙に翼の一撃を入れるのだ。

――トーリ。君の『初撃』は見事に叩き込まれた。
動きを止めた腕は、据えものに等しく。君の協力無比なる一撃は、直撃する。
――蛇であろうとも、正真の軟体生物であろうとも、理外の剛力を加えた鉄板の一打を加えれば、死ぬ。
女は死ななかった、しかし、右腕は――『砕けた』

「――――ッ」

悲鳴は、漏れきらない。
彼女の目には、悪夢が映っていた。

>杖で瓢箪を叩き落そうとする

この一打を持って、瓢箪はジャージ女との『接続』を立たれ、冷たいコンクリートの上に『落ちた』
どぼどぼと、大量の液体を零しながら。
女は何かを言おうとしている。右手を抑えながら。

さぁ――君たちは、どうする?

トーリの病状=『40度を超える高熱→重篤な呼吸困難→全身への刺すような激痛→立つのも困難な脱力感』(ス1段階。精2段階低下)
男の余命=『2レス』(オラオラ的な何かででフィニッシュを行う場合次レスは換算しません。思いっきりやってください。

754白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/03/08(金) 18:55:50
>>753(GM)

片手で裾を抑えながら『頭の上』を飛び越え、着地したときには、
足元がふらつき、そのまま倒れてしまう。

                   シュ ン


「…………っ、はぁぁっ……ふ…………ゲホッ」

                 
『ダムゼル・イン・ディストレス』の維持もままならない。
『死』を齎すスタンドをまともに受けたのだ。当然だろう。

            足が重い。もう飛び上がれはしない。
            選択権は自分の手から離れてしまった。


       「降……、ふ、伏を」 


冷たい路地裏に身を横たえ、辛うじて口だけを動かす。


「する、なら。…………殺さない……で、あげて……くだ、さい」


『ジャージ女』にも選択権は無い。
だから委ねる先は決まっていた。

『生殺与奪』を握っているのは、立って歩く『杖の少女』だけだ。


「……選択を。出来るなら……『よい方向』に……そう、あるべきです」


自分が選ばずに済むとしても――――
それでも、『好きにしろ』と、全てを投げ出そうとは思おうとしたくなかった。

755ソラ『ステインド・スカイ』:2024/03/08(金) 19:45:48
>>753
ゴクリ
口の中に残っていた薬酒を飲みこむ
これで自身を侵す毒は消え失せたはずだ

何かを言おうとしている女
多分、命乞いではないだろう
恨み言か?

女はただ自分の仕事を全うしようとしていただけで
それを邪魔したのはこっちだ、何の関りも無いないのに
いくら罵られても文句は言えない

いや、もっと重要な話かもしれない
だが聞いている時間はあまりない

サッ

「恨み言なら後でいくらでも聞いてやるよ」

女の首に杖の柄を引っ掛け、地面に叩きつける
両腕がぶっ壊れた女に対応する術は恐らくないだろう
それでも毒手を動かしてくるならマジモンの化け物だが

冷たいコンクリートの上に出来上がった冷たい酒の海に顔を突っ込ませ
足で頭を押さえつける無理矢理飲ませようとする

始末するのは後でも出来る
とりあえず今は飲ませる事が優先だ

酒を垂れ流す瓢箪を見た後、トーリを見て

「飲むか?案外飲めなくもないぜ」

まあ、梅毒女が飲めば全ての毒が消え去るはずだ
この女の言葉を信じるなら
だからトーリが飲む必要も無いだろう

756『良薬口に苦し』:2024/03/10(日) 17:03:48
>>755
>>754

「ぐっ……」

突っ伏した上に頭で足を抑え込まれた女は、呻きながら痙攣するも、生きるためには息を吸わねばならず。
薬液に顔を突っ込んだ以上ーーそれを含まず呑まずに呼吸を行うのは限りなく困難であった。あるいは、呑まずに君たちに殺されることを恐れたのかも知れない。
何れにしても、病に侵されていたトーリはともかく、君、ソラは液体を啜る音を聞いたであろう。
すると、君、トーリの病状は、瞬間的に『消滅』する。
物理的なダメージを一切受けていない君は、完全な『健康体』として在ることが出来る。

……さて。

踏みつけていたままでは、当然に『会話』は行えない。

『叩きのめす』も『足をどける』も、ソラ、君の自由だ。
……あるいは。

突如として鳴り響く、ジャージ女の『スマートフォン』今の戦闘で、地面に落ちている。
それに出るというのも、1つの手だろう。

757白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/03/10(日) 19:25:20
>>756(GM)

「…………」

               スッスッ

ゆっくりと立ち上がる――――嘘のように不調が消えている。
『能力』の影響だからだろうが、なんとなく不思議な気持ちだ。
服に着いた土埃を少しだけ落として、ジャージ女に近づく。

「降伏を。してくれて、ありがとうございます。
 あなたはよい選択をしたと、トーリは思います」

        チラ

『ジャージ女』に選択権は無いが、『杖の少女』にはある。
電話は大方、この女の仕事相手からの連絡のハズだが――――


「……トーリが。出て、顛末を説明するべき……でしょうか?」


女を抑えるのを少女に任せるなら、適任は自分という事になるだろう。

そもそもなんで自分たちがこの女と戦う羽目になったのか――――
その部分から『成り行き』としか言いようがないのが、難しいところではあるが。

758ソラ『ステインド・スカイ』:2024/03/11(月) 20:38:23
>>756-757
降伏して飲んだ…という感じはどうもしないのだが
トーリがそう思うならそういう事にしておこう

>……トーリが。出て、顛末を説明するべき……でしょうか?

「いや」

頭を押さえつける足を退け、首を踏みつける
そして杖で右手の甲をサンドイッチのピックみたいに
コンクリートとの間に刺すように突き立てる

「出ろよ」

空いた手でスマホを取り、スピーカー機能をONにして女の顔の前に置く
余計な事言うとどうなるかは、分かるはずだ

759『良薬口に苦し』:2024/03/11(月) 23:22:44
>>758
>>757
聞こえてきたのは、女の声だ。

『もしもし、モモ? あなた、仕事はどうしたの。もうとっくに終わっていい頃でしょう?』
「あ、はい、その、エット……」

ジャージ女は、自分を殺せる君、ソラの反応を伺っているようだ。

――君の、あるいはトーリの返答は、自由だ。

760白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/03/12(火) 19:04:18
>>759(GM)
>>758(ソラ)

本当のところ、『意図』を確かめる術はないが……
トーリは皮肉や曲解でなく、降伏を呑まれたと思った。

「…………」

       ジッ…

頼まれてもいないどころか制止された以上は、
この状況において、やや気まずげに様子を見守る。

気の毒に映りはするが、トーリが出ていれば、
この女は間違いなく『失敗』を詳らかにされていた。
『杖の少女』に脅されているという前提だったとしても、
『選択権』が再びこの女に与えられたのは『福音』だ。

          少なくとも『言い訳』が出来る。

761ソラ『ステインド・スカイ』:2024/03/13(水) 18:24:11
>>759
チッ

いちいちこっち見んな

こっちの顔色を伺うモモ(?)に苦虫を潰したような顔を向ける

「言い訳くらい自分で考えろよ」

通話相手には聞こえないように小声で言う
どう答えるかはモモとやらの自由だ
本当の事を正直に言ったって良い
無論、それはソラとトーリの事を伏せた上でではあるが

762『良薬口に苦し』:2024/03/15(金) 20:14:26
>>761
>>759

ジャージ女は、ダメージなど感じさせない雰囲気で、舌を回らせ始めた。

「ああ、はい。鉄風の方は、はい、仕留めたんですけど、はい、野郎の方は、ええ……逃げられまして」
『逃げられた?』
「はい……」

しばらく、通話先から声が途絶えた。なにやら唸っているような音が響く。

『………それで、回収は済ませたのかしら?』
「あ、はい。それは、バッチリ……」
『じゃあ、『60万』持ってとっとと帰ってきなさい。話は、直にするから』

……通話は終わった。君たちの反応は、自由だ。

763白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/03/16(土) 03:02:48
>>762(GM)
>>761(ソラ)

言い訳に良く回る舌には感心はしても、
特にコメントするような部分はなさそうだ。

「…………このまま去るなら。
 トーリは、追撃はしません」

この後彼女がどうなるのかは知らないし、
知ったとして、どうなるというわけでもない。

「あなたの仕事を。
 失敗させてしまったことは、お詫びします。
 けれどトーリはその選択を後悔はしません」

「あなたはこれからも、こういう仕事をして、
 トーリは……それにまた遭遇をしたとき、
 どうするかは、そのときに……決めるのでしょう」

それを伝える意味もないのかもしれないけれど、
大きな選択があって、それを乗り越えたことを、
自分の中だけでは無く、言葉にしたかったのかもしれない。

             スッ

「あの。……手伝ってくれて、ありがとうございました」

           ペコリ

ついてきてくれた杖の少女に一礼をする。

そしてジャージ女から離れ、周囲を一応確認する。
野次馬など集まってきてはいなさそうだが、
事後処理が必要ないのであれば、ここにこれ以上の用事は無い。

764ソラ『ステインド・スカイ』:2024/03/16(土) 20:46:32
>>762-763
>あの。……手伝ってくれて、ありがとうございました

「イライラしてたから誰かぶん殴りたかっただけだ、気にすんな」

礼を言うトーリにそう返すソラ
本気でそう言っているのかどうかは分からない

>……通話は終わった。君たちの反応は、自由だ。

「あんた(トーリ)に付き合って来ただけだから
 あんたが良いんなら俺も別に良いんだけど…」
「自分達が何に首突っ込んだかくらいは知っときたいよなぁ」

トーリがそのままこの場を去るなら引き留めもしない
それはトーリが決める事だ
そしてトーリがモモを捨て置くのならソラもモモを捨て置くだろう

だが、自分達がした事は何だったのか?
最低限それは知っておかないともやもやが残ってしまいそうだ

トントントン

人差し指で杖をトントンと突く
痛みを与えない程度ではあるが、微妙に振動がモモの右手に伝わる

765『良薬口に苦し』:2024/03/19(火) 06:53:45
>>763
>>764

「……話せば長く……は、ならないですね」

――彼女は、ぼつぼつと、語り始めた。

「ウチは、まぁ、スタンド能力者が所属する反社で、まぁ色々とあるんですよ」

「色々とありすぎて、抜けたいってのも偶には出るんですが、はいですさようなら、ボン・ボヤージュとは行かないのも、いるんですぅ……」

「さっき死んだ女は、ウチの派閥のトップから金借りてましてね、それでまぁ、返すまで舐めたこと抜かすなボケ!って感じだったんですぅ」

「でも、ガキ孕んだから男と人生やり直したとかいいって……金庫から60万、ガメて逃げたんですよ」

「慌ててあたしに指示が出て、逃がし屋と合流する前に追い込んで……」

「まー、野郎も警察に駆け込めるような人間じゃない……金は取り返したし、ウチからしたら最悪じゃないって感じですかね……」

そういって、口を閉じた。今のところ、話すのはこれが全てのようだ。

766白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/03/20(水) 23:36:02
>>765(GM)
>>764(ソラ)

「……そう。だったのですね。……『子供』を」

                「…………」

『嫌な話』ではある。『闇の深い話』かもしれない。
ジャージ女は結局ただの猟犬でしかないわけだし、
狩られた男女も、鎖を切った猟犬でしかないし、
犬の飼い主も、逃げた猟犬を追わせただけであって、
この件で『一方的に』悪い人間はその中にいないように思える。

      いずれにせよ、もう終わった話だ。

「教えてくれて……ありがとうございます」

    ・・・・・・・・・・
あるいは始まってもいなかったのかもしれない。

『偶然』…………ここに二人が居合わせたというだけで、
何もしなかった場合『男女』共に死んでいただろうし、
例えば……特に証拠も、助けを求められたでもなく、
男女を助けるためにジャージ女を初手で気絶させても、
『能力』の影響によっておそらくは3人が死んでいた。
かといって『片方だけ生き残った』のが理想だろうか?
死ぬより良いだろうが、この女は半分任務を失敗した。
それに伴う痛みや罰は、2人が来なければ無かった物だ。
      
      『考えて分かる』ような『正答』は無く、
      あるいは全ての終わりがそうなのだろう。


「………………………………トーリには、やはり。
 もし、追われた側に『事情』があっても……
 ただ、『言われた事』をやっただけのあなたを、
 これ以上罰しなくてはいけないとは思えないのです。
 あるいは、あなたに指示を出した方のことも…………
 少なくとも。今のトーリには、罰する道理がありません」


噛み締めるように言葉を選ぶ。


「だから……この『選択』を。後悔なく、選ぶことにしたのです」


              ザッ

それでも……選ばなかったあらゆる選択が脳裏に渦巻くのは、
トーリの善性が、この状況を認めたくなかったからだろうか?
『理不尽』に思える状況の中では、誰もがそうなのだろうか?

『モモ』と呼ばれたその女が立ち去るなら、その背を見送るだろう。

767ソラ『ステインド・スカイ』:2024/03/21(木) 16:16:03
>>765-766
「はっ、やっぱ碌でもない話だった」
「反社も、金盗んで逃げた奴も屑」
「そこに所属してて、腹の中の子供諸共殺したお前も
 登場人物全員屑じゃねえか」

勿論、そこにくだらない理由で割り込んで来てかき乱したソラも屑だ
そうじゃない奴は、トーリと何の罪も無い子供くらいじゃないか?

「スタンド使いの組織っていうと…
 アリーナか?」

スタンド使いの組織なんてアリーナ以外にいくらでもあるだろうが
パッと思いついたのはアリーナだ
やけに派閥の多い組織だ、そういう所があっても何もおかしくない

「まっ、こいつが見逃すっていうなら俺も別に良いわ」

768『良薬口に苦し』:2024/03/23(土) 17:15:07

君たちの言葉を聞いたジャージ姿の女は――何も言わず。
痛みを堪えながら立ち上がると、辛うじて動く腕を使って、ジャージの内ポケットより……『厚い茶封筒』を取り出した。


「……あの、『アリーナ』を知ってるってことは、その……今回、色々と不味いんで……」


「……口止め料。です、60万、割って30万あります……」


「どうか――お持ちください……」


君たちが金を受け取るかは、自由だ。
しかし、受け取らなければ『報酬』を受け取る機会は、ない。

769白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/03/25(月) 01:37:18
>>768(GM)
>>767(ソラ)


「…………」


ソラの言葉に反論こそない――――できない。
だが、ある意味では全員、『しょうがなかった』話だ。
ソラが事態に介入したことにも『道理』はある。


「それ、は。……いえ。
 受け取らないと、あなたが困るのですね」

        ス …


白い手を差し出し、『封筒』を受け取る。
『お小遣い』に困っている事はないので、
保護者に伝え、保管を願う事になるだろう。
『あの人』も『そうした事情』は理解している。
怒られたりは――――しないハズだと思った。
トーリが、自主性に基づいてした善行なら。


「…………」

            ジ

『モモ』に少しだけ視線を向ける。
その弱弱しい姿には何かを言うべきような気がしたけれど。

「あなたが。……そんなに、怒られないことを。
 もちろん、トーリが願えた義理は無いですが……そう願います」

               ペコリ

上手い言葉が思いつかなくって、顔を下げ、封筒をしまいこんだ。

770ソラ『ステインド・スカイ』:2024/03/25(月) 18:30:28
>>768-769
「あぁ、やっぱアリーナか」

どこの派閥だろうなぁ
そんな事考えてもしょうがないしどうでもいいか

>……口止め料。です、60万、割って30万あります……
>どうか――お持ちください……

60万
間違いなくターゲットから回収したもんだろう
借金してる相手から更に金分捕って逃げるのもすげぇ話だ
というか、この金は持って帰らないとまずいんじゃないのか?

「おいおい、んなやべーもん受け取れるかよ」

口止めするにしても、もうちょっとマシな交渉材料は無いのか
別に言いふらすつもりなんか最初からないが

…トーリが受け取るつもりなら別に止めもしない
それは本人の自由だ

771『良薬口に苦し』:2024/03/27(水) 20:20:39
>>769
>>770
かくて、君、トーリカは金を受け取り、
君、ソラは金を受け取らなかった。

「で、では、こ、これで……失礼します……」

君たちに恐怖の、畏怖の眼差しを向けながら、ジャージ姿の女はその場を去ろうとする。

―――彼女を呼び止める用事がないのならば、彼女は、去る。
それが、この物語の終りとなるだろう。

772白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/03/28(木) 07:14:11
>>770(ソラ)
>>771(GM)

「…………さようなら。
 受け取った以上……『口外』は、決してしません」

『受け取るべき』ではなかったのか――――
口止めをされなかったこと、されたこと。
どちらが災いを招くか、どちらも招かないのか。

           チラ

「きっと。そろそろ『警察』や、野次馬が来るでしょう。
 トーリ達も。ここを離れるべき……かも、しれませんね」

少なくとも『取り返した金で、かつ独断で口止めした』以外なら、
受け取ったことが大きな禍根にはならないとは思いたいが……


「あの。名前を――――聞いていませんでした。
 またいつか、どこかでお会いした時の、ために」

『杖の少女』―――――
闘いを切り抜けても彼女の名前をまだ聴いていない。
『ジャージ女』も、『モモ』という名前だったのか、定かでもない。

    そこに理由があるのだとすれば、
    後味の悪い『暴力』を飲み下すための、
    何かを求めていたのかもしれない。

           シラキシ
「『トーリ』――――『白岸・ノエル・トーリ』と、言います。
 ……トーリが。教えたいから、教えただけなので」

「あなたは教えたくなくっても、トーリは……気にしません」


ある種一方的ではあるけれど、それを伝えて反応を待った。

773ソラ『ステインド・スカイ』:2024/03/28(木) 19:10:07
>>771-772
というか、
モモの上司に自分達の事をチクられたらまずいのではないだろうか?
逆にこっちが口止め料を払った方が良い気がするくらいだ

「おい」

去ろうとするモモに声をかける

「そいつは口止め料だ」

突っ返した30万の事だ
無茶苦茶な理論だが文句は言わせない
一度くれると言った物だし

ターゲットの片方を逃がした上に金も回収出来なかったとあれば
ただじゃ済まないだろうが
半分は取り返して仕事も半分は片付けたって事なら多少はマシになるかもしれない
いや、ならないかもしれないが


>あの。名前を――――聞いていませんでした。
>またいつか、どこかでお会いした時の、ために

「…『藤原』」「ソラ」

こう、名乗るという事はあまり無いが
ソラにとって自分の名前は大事なものだ


「ノエル」
「あんた、ハーフか?」

デリカシーに欠ける質問をするが、単に少し気になっただけだ
答える必要は無いし、いきなりここでブチギレてもソラはあまり気にしないだろう

774『良薬口に苦し』:2024/03/30(土) 19:55:16
>>773
>>772


30万を受け取り――ジャージ女は、この場を『去る』
無言である、『去る』というよりは、『逃げる』というのが相応しい態度であった。
彼女と君たちが再び縁を紡ぐかどうか、それは、本当に誰も、分からない。

……君たちの会話が終わった時。
この物語は、終わりとなるだろう。

775白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/03/31(日) 04:25:32
>>773(ソラ)
>>774(GM)

「『藤原』さん……と、言うのですね。
 教えてくれてありがとうございます。
 ……透き通るような、素敵な名前だと。トーリは思います」

      ペコリ

その名は『ソラ』にとって特別な意味を持っていても、
トーリは『藤原』という姓を詳しく知らない。
ただ、『そういう名前なんだ』と、思うだけだった。

        あるいはそれは祝福なのかもしれない。

「……ハーフ。ああ……そう、ですね、トーリは。
 生まれたころの事を、あまり覚えていないのです。
 けれど、トーリ……いえ。ノエルに名を与え、育てた人は、
 そうだと言っていたのを覚えています。……忘れないように」

            ジ…

深い青色の瞳は、海を渡った血の証明にはなるのだろう。
あるいは柔らかな茶の髪も――――
『言葉』を除けば、異邦人と見ても不思議はない。

「今となっては、思い出の……それより、もっと遠くの話で」

         (『トーリ』ではなかったころの……)

育ての親は――――枷として既に『取り外され』失われた。
今となっては、自分のルーツを知るすべはないのかもしれない。

「よすがにするには。頼りない……けれどきっと、大事な話なのです」

                 (枷と、指針の、たったひとかけら)

少しだけ両眼を閉じる。返答を求めるというよりは、噛み締めるような言葉。

776ソラ『ステインド・スカイ』:2024/04/01(月) 18:51:16
>>775
「そうか」

生まれた頃の事を覚えていないというのは
大体の人間はそうだろうが、この場合はそういう事じゃないだろう
名を与えた人…
親のようなものかもしれないが、
言い方からして本当の親ではないのかもしれない

ある意味自分と似ているか
そんな風に少し親近感を覚えるが

「…全然違うか」

そんな事を誰に言うでもなくボソッと呟く

赤い眼とは正反対の青い眼
全く似ていない

トーリは誰かの示した指標に従いたがるが
自由気ままに空を漂う雲のように自由気ままにソラは動く

…正確には、雲は自分で動く事はなく
風の動きによって流される
ある意味、何かに動かされているものなのだが


「まぁ、送ってくか?」

この時間、表通りに出ても女の独り歩きは危ないだろう
…もっとも、モモの腕を粉砕せしめた鋼鉄の翼を持つトーリには無用の心配かもしれないが

777白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/04/02(火) 03:09:52
>>776(ソラ)
>>774(GM)

「…………」

彼女が零した言葉の意味は、まだ分からない。
根掘り葉掘り聞くべきでもないのだろう。
少なくとも……それを求められていない限り。

「……もしよければ、喜んで。
藤原さん、ありがとうございます」

         スッ

『ソラ』を見送るべきに見える絵面だが、
そうでは無いということを既に知っていた。

            クル

「……」

      「行きましょう」

『男女』が倒れていたあたりに少しだけ視線を向ける。
『どうしようもなかった』と、誰でも言うはずだ。
トーリも、そう思えた。思いたかったから。

『ソラ』が特に用を持たないなら、二人でこの場を立ち去るだろう。

778ソラ『ステインド・スカイ』:2024/04/02(火) 18:09:50
>>777
「おう」

行くか
そう声をかけようとトーリの顔を見る

男女が倒れていた場所を少しだけ見るトーリ
後悔しているのか何なのか、それは本人にしか分からない事だ

出来るだけの事はやったんだ
あまり気にするな、キリが無いぞ

そんなような事を言ってやるべきか?
だがソラはそういう言葉はかけてはやらない

「気の済むまで気にしてろよ」

気にするなという方が無理な話だろう
どうしたって心残りだとかそういうのは残る
なら気の済むまで考え続ければいい
それは長い間、ひょっとしたらずっと心に残り続けるかもしれないが…
考える事をやめて苦しむよりはいいだろう

779『良薬口に苦し』:2024/04/03(水) 20:13:57
歩みだす君たちは、冬の夜を逝く。
ここでない何処か、時に死者を生む冷たい夜を。
それを、月光だけが冷たく照らしていた。

――――フィナーレ
――『報酬・30万円』――拒否

>>778
>>777

780『良薬口に苦し』:2024/04/03(水) 20:14:41


本体名:百屋錦華(ももやにしか)

スタンド『ザ・ハーフ』

『毒牙と伸縮』の機能を有する『毒蛇の腕』と『薬酒』のスタンド。
ヴィジョンは存在せず、スタンドを発動した瞬間から、本体の右腕が『関節消失』『3mの伸縮』を可能にする『毒蛇の腕』と化す。
毒は『皮膚への接触』で十分に感染するが、『無伸縮状態の腕で爪を食い込ませる』ことで、毒の進行を高速で侵攻させることが可能。皮膚接触の場合、余命は十〜一五分程度。『食い込み』の場合は十秒。
皮膚接触の場合、『再接触』に伴って症状は進行。わかりやすく言うと、五発食らうと死ぬ。
この腕は『鞭』の如く扱うことも可能な上、『スタンド干渉力』もある――いわば、毒の肉鞭。
精密動作性と速度も相まって、『並大抵の小細工抜き』(破ス精:CCC以内)は『完璧に捌ききれる』


毒の症状は『高熱→呼吸困難→全身への激痛→立つのも困難な脱力感→絶命』。食い込みだろうと接触だろうと、どちらであれ『即死(一レス死)』はしない。
本体の意思によって『進行状況』を止めることは可能だが、『スタンド解除による治癒』は不可能。『毒』が対象に残っている限り『毒手』は毒手で在り続ける。
毒手は『毒』が残っている限り『解除不能』であり、『本体の失神、死亡を問わず』解除不能。
また、この毒は皮膚接触により『伝染』し、本体が薬液を呑まない限り、伝染は無尽蔵に拡大する。

そして、この『毒』は右腕を毒手化した『本体』も『皮膚接触』に等しい速度で侵蝕するが、『毒』を打ち込んだ瞬間から、本体の『左腰』に『薬酒の瓢箪』のヴィジョンが顕現。この薬酒(スタンド液体)を『右腕に振りかける』ことで毒の本体への進行を抑えることが可能。
『飲む』ことも可能だが、その場合は『毒の消滅により毒手を受けた人間』の毒も即座に消える。毒手を受けた人間に飲ませても『同様』。この薬酒は『ザ・ハーフ』の毒にのみ有効。


DFは『右腕』は当然に右腕
『薬酒瓢箪』に関しては『なし』――なのだが、『再生に一日』掛かるため、毒の治療手段がなくなる

破壊力:C スピード:A(鞭の速度)B(腕状態)  射程距離:A(毒の効果範囲)D(毒手の射程距離)
持続力:C 精密動作性:B 成長性:E

781『良薬口に苦し』:2024/04/03(水) 20:15:28
感想会は、希望いたしますか? 
その場合近隣ですと、金曜の夜が可能です。

782白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/04/03(水) 20:37:52
>>781
お疲れ様でした。
GM様がお望みであれば開催出来ればと思います。
多忙のためあまり時間は取れず申し訳ございませんが、
金曜であれば22時以降に2時間程度なら可能です。

783ソラ『ステインド・スカイ』:2024/04/03(水) 20:47:00
>>781
お疲れ様でした、楽しかったです
自分も金曜の夜なら大丈夫です

784『良薬口に苦し』:2024/04/03(水) 21:09:27
>>782
>>783

では、金曜よる22時、チャットでお会いしましょう

785『良薬口に苦し』:2024/04/05(金) 23:15:08
余談だが、君たちは30万円の当たりくじを引いたかも知れない……これは、任意だ。
引いた場合、書き込んで入手表明をしたほうが、いいだろう。

786ソラ『ステインド・スカイ』:2024/04/06(土) 09:44:50
>>785
ちょっとした運試し程度に買ってみた宝くじだが、見事に30万円当選した
この前受け取るのを拒否した金も30万
何か作為的なものを感じるが、気のせいだろうか?

日頃の行いが良かったからかと言うと、別にそんな事もないし
最近行った善行といえば、迷子で泣いている子供をあやして交番まで連れてってやったり
捨て犬を保護して里親を探すまで面倒みたりしたくらいだ(犬はその後、信用出来る里親に引き取られた)

善行らしい善行もあまり行っていないので、神様がくれたご褒美なんて事もないだろう
だからこれは、単に運が良かっただけなのだろう


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