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【個】『星見FM放送』【場】

1『星見町案内板』:2021/04/24(土) 01:16:44

         【施設案内】

星見町の郊外に存在する『ラジオ局』。
屋上に設置された『パラボラアンテナ』が目印。
『文化の発信地』である事を強く意識し、
建設には気鋭の建築デザイナーが関わっている。

施設は『二階建て』で、
吹き抜けのエントランスやガラス張りの壁など、
文化的で洒落た造りが特徴。
建物は芝生が張られた敷地内の中心に位置し、
各所に樹木や花々が配された緑豊かな全景は、
『自然と文明の調和』を感じさせる。
基本的に一般客が施設内に立ち入る事は出来ないが、
周囲に歩道が整備されており、敷地を歩く事は可能。

また、最近になって『改修工事』が行われ、
一階に『オープンスタジオ』が新設された。
スタジオ外にスピーカーが設けられているため、
施設内に入らずとも、生放送の様子を、
ガラス越しに見学・聴取する事が出来る。
時折、『公開放送』や『ミニコンサート』などの、
各種イベントが開かれる事もあり、
その際には一般の入場も可能となっている。

2風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/04/25(日) 19:28:04

かつて、エクリプスがあり、今は、アリーナがある。
光ある所には闇があり、照らされた場所には影がある。ホームレスは、まさしく闇と影の住人であった。
もがき始めたけれども抜け出せずにいるホームレス、風歌は『星見FM放送』フリーWi-Fiエリアで、定期巡回をする警備員の視線に晒されながらも、貰い物のスマホを弄りながらだらだら『客』を待っていた。ただ、屋根のある場所にいるだけではないから、風歌は放置を許されている。

(おせぇな……まぁ、早く来るのが面倒くせぇから、あんなサイト使ったんだろうがよ)

かすかに舌打ちをしながら、風歌は今に至る経緯を思い返す。
社会復帰を意識し始めた風歌は、気まぐれにスタンドの関わらない仕事をしてみる事にした。
とは言え、真っ当な仕事ではない。仕事の仕入先は、風歌がスマホ持ちのホームレス仲間から紹介をされた、ダークウェブに存在する『星見町密着型闇系ハローワーク』。正式名称は、覚えていない。
要するに、いわゆる、日雇いバイトの中でも『手配師』と呼ばれるような輩が持ってくる様なグレーあるいはブラックな仕事ばかりを扱うようなサイトから受けた、『並び屋』の仕事である。紹介制であったが、住所不定無職、銀行口座すらないホームレスでさえ『登録』出来るのはありがたい事であった。

(『Electric Canary Garden』の公開録音の『入場整理券』を並んで手に入れて、依頼人に渡すだけの、簡単な仕事だ)

並んで手に入れたチケットを『客』に渡し、依頼人が受け取り報告をした後で、電子通貨による報酬が支払われる流れになっている。
最も――振り込まれる報酬は千円。早くから並んだ時間、客が来るまでの待ち時間を考えた場合の時給換算は、常人ならば目眩がするだろう。
『仕事を正確にこなす』事で『ランク』が上がり、受けれる仕事の質と報酬は上がっていくとはサイトにあったが、上がろうとも今の仕事と同じく、社会的ド底辺を更に『使い潰す』が如き、悪辣な労働賃金である事は間違いないだろう。
しかし、その端金がホームレスには明日を繋ぐ、今を藻掻くためには、まずは生きる事が先決なのであった。

(スマホがあるから退屈はしねえが……公録までまだ少しあるし、待つことにはなりそうだな)

気晴らしに、『ダストデビル・ドライヴ』で自らの肩を揉みながら、風歌はスマホを見ている。

3『星見FM放送』:2021/04/26(月) 01:16:18
>>2

『Electric Canary Garden』の『公開放送』。
『オープンスタジオ』と違うのは、
パーソナリティーとリスナーの間に『ガラスの壁』がない事だ。
ゆえに、パーソナリティーの声が直接リスナーに届けられる。
当然、『その逆』も然り。
『電話』や『SNS』越しではなく、
『直接の対話』を行う事の出来るイベントだ。

会場は『星見FM放送』内の多目的ホール。
入場は『無料』だが、収容可能な人数には限りがある。
ゆえに『整理券』が発行されていた。
それを受け取るために、入口の前に来場者が並んでいる。
まだ『引き渡し』は出来ていないが、
『整理券』の入手には何の問題もない。

『Electric Canary Garden』のパーソナリティーは『美作くるみ』。
当然ではあるが、この場に彼女の姿はなかった。
今は会場で『準備中』なのだろう。

(※このスレは『場スレ』として利用可)

4大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/26(月) 07:50:19
>>2-3
興味があるので、乱入してもいいですか?

 ※①乱入OKの場合、どういう感じでレスを回しましょう?
   ②乱入NGの場合、このまま退場します。

 ※お2人から「乱入OK」が出た場合のみ、乱入します。

5『星見FM放送』:2021/04/26(月) 14:21:08
>>4

『星見FM放送』の前で、人が列を作って並んでいる。
入口前に設置された『立て看板』には、
『公開放送』の文字が見える。
その『入場整理券』を受け取るための行列らしい。
番組名は『Electric Canary Garden』。
パーソナリティーは『美作くるみ』だ。

(※その場に美作がいない場合、
  『普通の場スレ』として使って頂いて構いません。
  以後、こちらから特にレスする予定はありませんが、
  必要が生じた際にはレスさせて頂くかもしれません)

6風詩鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/04/26(月) 18:47:41
>>4
私としては問題ありませんし、どの様な形かもおまかせします

7大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/26(月) 19:00:29
>>5(星見FMさん)
>>6(風詩さん)
承知しました。ありがとうございます。

>>2(風詩さん)
黄色いリボン付シルクハットを被った、緑髪に右目が青で左目が赤で、
清月学園の黒い改造済制服に身を包んだ男装少年(女子16歳)も『公開放送』の列に並んでるよ。

スマホとBTイヤホンででラジオ(生放送)聞いてたら……。

「困ったな、あの人の『アレ』はなんだろう」

8大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/26(月) 19:00:55
>>7
すいません。途中送信しちゃいました!書き直します!

9大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/26(月) 19:13:11
>>5(星見FMさん)
>>6(風歌さん)
承知しました。ありがとうございます。
分かりました。普通の場スレと同じシステムなんですね。
『星見FM放送』さんのレスを待たずに進めさせていただきます。

>>2(風歌さん)
黄色いリボン付シルクハットを被った、緑髪に右目が青で左目が赤で、
清月学園の黒い改造済制服に身を包んだ男装少年(女子16歳)も『公開放送』の列に並んでるよ。

「うーむ、、今日もいい声してるなー。『トーク』で稼げる人ってすごいよね、尊敬しちゃう。ボクの口先三寸もそれぐらいの価値があればいいのに。」 (↓ハスキーボイス↓)

スマホとBTイヤホンででラジオ(生放送)聞きながら待っていたら……『スタンドで肩もみをしているお姉さん』を見つけてしまった。

「困ったな、あの人の『アレ』はなんだろう」 (↓ハスキーボイス↓)

    (これはもしかすると、『出ていることに気づいてない』のかも知れない)

「えーと、もしもーし。 で、出ちゃってますよ。 見えちゃってますよ。 後ろの『それ』……!」 (↓ハスキーボイス↓)

風歌さんの近くに寄って、やんわりと声をかけてみよう。

10風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/04/26(月) 20:29:05
>>9

この世には、数多奇妙があると風歌は知る。
謎の組織に超能力に、不可思議の数は数え切れない。
そして、今日もまた新たな不可思議と出会う。
スマホから顔を上げて見てみれば、なんともまぁ、けったいな格好をした……

(どっちだ?)

風歌は判断に迷った。男のような女なのか、女のような男なのか。
あるいは、いわゆる第三の性と言うやつか。何れにしろ、風歌は新たな奇妙と遭遇した。
そして、この奇妙は風歌と同じ奇妙を共有しているようである。
なぜなら――見えているのだから。

「別に、隠すもんじゃあねえしな……」

彼か彼女か判断付かぬ奇妙に、風歌は口を開いた。

「見せた所で、見えるやつにしか見えねえし、見せてるだけで噛み付いてくる怖いイヌやらオオカミには、会った事もねぇしよ」

そして、少しだけ自信を見せるような笑みを浮かべた。

「もっとも――自分の身を守るくらいの自信はあるけどな」

11大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/26(月) 20:42:25
>>10(風歌さん)
「そっか、パッと見、びっくりしちゃった。てっきり、出したまま忘れてるのかと思ってさ」 (↓ハスキーボイス↓)

「『その子』はなかなか強そうだね。ワイルドな感じ。お姉さんの自信も分かる気がする」 (↓ハスキーボイス↓)

「『ボクの子』はあんまり強くないので、なかなかそういう自信はねー……」 (↓ハスキーボイス↓)

「おっと、イヤホンつけっぱなしで話すのは失礼か。
 『ここのラジオの生放送』よりも『目の前の奇妙』の方に興味が出てきた。」 (↓ハスキーボイス↓)

   耳からBTイヤホンを取って、風歌と話しだす。

「『くるみ』さんのラジオいいよね。いい声してる。お姉さんも『くるみ』さん好きなの?」 (↓ハスキーボイス↓)

12風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/04/26(月) 21:12:58
>>11
「最近聞き始めたんだが、嫌いじゃないぜ」

ホームレスにとって最も接しやすい音声娯楽はラジオである。百均にすら売っているし、朝から夜まで延々やっている。
そして、地元のラジオは電波の拾いも良く、安ラジオでも明瞭に聞ける。風歌は、スタンドに目覚める前からラジオ自体は聞いていたのだ。
だと言うのに、くるみのラジオを聞き始めたのが最近と言うのは――理由がある。時間であった。
ホームレスとしての日銭を得るための活動時間と放送時間が重なっていたので、聞く機会がなかったのである。
そして、スタンド使いとして金を得られるようになり、余暇の時間とスマホを手にした事で――過去放送を暇な時間に聞き始めのだ。

「過去の放送のまとめ動画とか見てると、一般のリスナーとの会話が面白くてな、まぁ、全部聴いたわけじゃねえから誰が一番とかは言えねえが……」

いい声と、いい内容だと思うぜ――風歌は、そういって目の前の奇妙に同意した。

13大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/26(月) 22:21:54
>>12
「あ、ボクも実は聞き始めたのは『最近』なんだ。一緒一緒。」 (↓ハスキーボイス↓)
意気投合。

「ラジオは前から好きだったんだけどさ。
 この町へは4月の頭に引っ越してきたとこで、この放送局って『FMラジオ局』でしょ?

 なかなか聞く機会がなくてさ。
 引っ越してきてからのファンだよ。つまり?1ヶ月弱?かな?」 (↓ハスキーボイス↓)

めっちゃ『くるみ初心者』だった。

「ややや。そう考えるとボクは全然くるみさんのこと知らないな……」 (↓ハスキーボイス↓)

「でも、くるみさんの声、明るくていいよね。カナリア?ってのも納得だ。」 (↓ハスキーボイス↓)

14風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/04/27(火) 07:33:27
>>13
「同感だな、耳に残るし――耳の通りがいい」

喋る技術以前に、ラジオDJの声に求められる資質とは耳に残りやすく、かつ耳を通り抜けやすいという事だ。
内容以前に耳に残らない――例えば、ゲストとして呼ばれた学者などの声は残りにくい、くるみの声は耳に残る。
そして、通り――即ち、聞き流しやすいという意味だ。
これは、ラジオの時に環境音楽として頭に入れずに聞く事もある風歌にとっては、重要なことなのだ。

「カナリア――言い当て妙だな。意識して聞けば聴き応えがあるし、単に耳に入れるだけでも悪くねえ。喋りに外面なんてないんだろうが……こういうのも、声の上っ面っていうのかね? きっと、そいつが悪くないって才能を持ってるんだろうよ」

15大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/27(火) 08:19:40
>>14
「そうそう。『電気カナリア』がくるみさんの番組のマスコット?イメージキャラクター?なんだってさ」 (↓ハスキーボイス↓)

「面白いよね。『ラジオでいい声』だから『電気カナリア』だなんて、ちょっと洒落てる話だもん」 (↓ハスキーボイス↓)

「あ、そうだ。」 (↓ハスキーボイス↓)

  ちょっとなにかを思いついたようだ。

「ちょっとだけ『ボクの手品』をお見せするとね。」 (↓ハスキーボイス↓)

  大神が『シルクハット』を手にとり、手をかざしたかと思うと……


「Magic-Show!」 (↑魔術師のように演技めいたボイス↑)

      ぽんっ!

  『シルクハット』が『かわいい電気カナリアのぬいぐるみ』に変わった。

「タネもシカケもありません。こういうわけなわけ。
 『ボクにできる手品』ってのはこういう類。
 『戦闘』はさっぱり、でも『ボクらしさ』ってこんな感じだとも思ってる。 」 (↓ハスキーボイス↓)

16風詩鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/04/27(火) 17:42:46
>>15
目の前で起きた奇妙――恐らくはスタンド能力の行使に、風歌は眼を細めた。

(触ったモノの形を変える? あるいは、前の嬢ちゃんの能力みたいな『交換』か?)

見た限りでは、実体への干渉――しかし、そのルールは解らない。
目の前のスタンド使いの外見と同様、捕らえきれずに断定しきれない。形を捕え得ぬという意味合いでは、あの『雲』にも似たスタンドであろう。
不可解を――ある種、虚飾とも取れる能力を『自分らしさ』と言えるのは、一つの強さだと風歌は思う。己を受け入れたものは、強い。己を諦めたものとは違う強さが、ある。
そして

(見せられたら、見せ返すのが『筋』だろうがよ……)

しかしながら、ダストデビル・ドライヴの能力行使は明確な『実害』を生む。渦も突風も、室内で起こせば大迷惑だ、鉄火場でもない場所でやる気はない。
故に、風歌は苦く笑うと、ダストデビル・ドライヴのヴィジョンに軽く頭を下げさせた。

「見せてもらって悪いが――アタシの自分らしさは見せられねえんだ。アンタの自分らしさに『害』はねえが……」

風歌の笑みが、自嘲のそれに変わった。

「アタシの自分らしさは、ちっとばっかし有害なモンでね」

17大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/27(火) 18:33:20
>>16(風歌さん)

     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「うん、これを無害だと思っちゃったね?」 (↓↓↓ ちょっと怖そうな低いハスキーボイス ↓↓↓)

   大神は『笑み』を浮かべた。

      ゴゴゴゴゴ……   ←恐ろしげな擬音

18大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/27(火) 18:35:06
>>17(続き)

「……って言うのは、冗談さ。
 今のは演技、全くのうそうそだよ。
 驚かせたらごめんね。
 なにも怖くないよ、『これ』はね」 (↑ 楽しげなハスキーボイス ↑)

   一転、“演技だよ”とばかりに、明るい笑顔になった。

「多分、『お姉さんの子』に『ボクの子』は敵わないよ。」 (↓ハスキーボイス↓)

「でも、『ボクの手品』って『そういうこと』ができるんだ。」 (↓ハスキーボイス↓)

「『本当と嘘』、『ホンモノとニセモノ』、『虚と実』、『有害と無害』を『曖昧』にする」 (↓ハスキーボイス↓)

「そして、1回『それ』を見ると、人間には『疑いの心』が出てきてしまう。……『見る前の考えにはもう戻れなくなる』。」 (↓ハスキーボイス↓)

「目の前にある『モノ』は『ホンモノ』か? 『ニセモノ』か? 『ある』のか? 『ない』のか? ……『そう疑わせる力』、『そう思わせる力』。」 (↓ハスキーボイス↓)

「例えば、お姉さんの持つ『有害』を一見『無害』に見せたりもできるってわけ。」 (↓ハスキーボイス↓)

      ぽんっ!

   『ぬいぐるみ』を『シルクハット』に戻し、頭に被る。

「さてさて。そうなると。さっき(>>10)のお姉さんの言葉を借りるなら。

       問題です。

       Q.ボクは『怖いイヌ』でしょうか?『オオカミ』でしょうか?」 (↓ハスキーボイス↓)

イタズラ好きそうな笑顔とともに言葉を操る。 どうにもおしゃべり好きだ。

19風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/04/27(火) 19:08:25
>>18
「見たままを信じられなくするのが能力って事か、おっかねえな」

風歌の脳裏に、昨日の戦いが過る。
変幻自在な雲、性質不明な能力――暗中模索の言葉通りの戦いの果て、かろうじて勝利条件を満たす事はできた。
眼に映るものを信じられなくする……それだけでも、十二分に脅威である。
故に、風歌にとって向けられた問への答えに、迷いはなかった。

「『オオカミ』だ。だが、怖いイヌも同じにアタシは怖いね」

――なぜならば

「どっちにしたって人間を噛み殺せる『牙』があって、見せたものを曖昧にさせ続ける『舌』がある。出刃包丁と柳刃包丁、種類は違ってもおんなじ風に危険だろ? アタシからしたら、そういうことさ」

言外に、能力の危険性を評価する形で風歌は言葉を続けた。

20大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/27(火) 19:22:15
>>19(風歌さん)

「『当たり』。
 ちょっとだけ自己紹介すると、ボクの名字は大神(おおがみ)と言ってね。
 学校では『おおかみさん』とか呼ばれてる。
 そういう意味では、ボクを『オオカミ』と言っても『間違いではない』。」 (↓ハスキーボイス↓)

「だから、『当たり』、少なくとも『外れ』ではない。」 (↓ハスキーボイス↓)

「とは言っても、見ての通り、ボクは動物の『狼』ではないから。そっちの意味で言ってたら『外れ』。」 (↓ハスキーボイス↓)

「でもでも、『恐ろしい獣』という『たとえ』の『狼』という意味まで考えると……。」 (↓ハスキーボイス↓)

「いやはや、ややこしいもんだね。ボク自身にも『正解』が分からなくなってきたけど、とりあえず『当たり』ということにしておこうか。」 (↓ハスキーボイス↓)

「この辺りは『言葉遊び』だけど、ボクの『舌』って『そういうモノ』なわけ。」 (↓ハスキーボイス↓)

「どうにもお姉さんとは『好み』が合いそうだ。『ラジオ』とか『包丁』とか。」 (↓ハスキーボイス↓)

「お近づきになってもよろしいですか? 具体的には『お友達』から。」 (↓ハスキーボイス↓)

21風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/04/27(火) 19:35:54
>>20
(連絡先……)

通常、初対面の相手に連絡先を教えるのは異常、ないしは奇妙な出来事とはされるだろう。
しかしながら、風歌はまさしく奇妙な世界に生きる女であり、その奇妙を共有するもの――スタンド使いと縁を結ぶことを好ましく思っていた。
だから、風歌の答えはYES、YES、YESである。

「構わねえぜ、番号でいいか? LINEはやってねからな」

22大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/27(火) 19:44:06
>>21
>「構わねえぜ、番号でいいか? LINEはやってねからな」

「いいよ。番号交換しよ。
 LINEは入れたほうが良いと思うけどね。」 (↓ハスキーボイス↓)

   スマホ出すよ。

「ボクの番号は XXX-XXXX-XXXX だよ」 (↓ハスキーボイス↓)

   スマホ操作するよ。   ぴぽぱぴぽ……。

「あ、ちなみにこれは『嘘』じゃないよ。
 『嘘』だと思うなら、この場でワン切りしてくれていいよ。

 いやはや、厄介だね、『真実』というやつは。どうにも、なかなか、見つけにくい。」 (↓ハスキーボイス↓)

23風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/04/27(火) 19:54:12
>>22
「見つけにくいものほど、価値があるもんさ」

番号の交換を済ませながら、風歌は口ずさむ。

「砂の中の金、ゴミの中の換金ブツ、スクラッチのアタリに薄汚れてても入れる定食屋――どいつもこいつも、見つけにくくて、価値がある」

そして――風歌はにこやかに笑った。

「『ご同類』との縁も、また然りってやつだ。どんな『関係』になるかは解らねーが、『出会い』だけは真実だ。今後ともよろしくな」

24大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/27(火) 20:04:28
>>24(風歌さん)

「うんうん、確かにこの出会いは『真実』だね。世の中、摩訶不思議でびっくりなことばかりだ。」 (↓ハスキーボイス↓)

   番号交換したよ。

「おっと、そろそろ『好きなラジオ番組』が始まる時間みたいだ!」 (↓ハスキーボイス↓)

   スマホの時計を見て、どっきり!

「ボクはこれぐらいで退場するよ、これにて閉幕(クロージング)!またね!」 (↓ハスキーボイス↓)

   シルクハットを手に、頭をぺこりと下げたかと思うと、耳にBTイヤホンをつけて、    てててっ、と歩き去っていく。   退場。


   ………………


「ところで、ボクは大神 或真(おおがみ あるま)なわけだけど、『お姉さん』のことはなんて呼べばいいかな?」 (↓ハスキーボイス↓)

   最後にちょろっと振り返って、聞いた。

25風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/04/27(火) 20:08:46
>>24
「風歌――風歌鈴音。風の歌に、鈴の音だ」

振り向いた相手に、風歌は、自らの名を名乗る。落ちる所に落ちたゴミには似つかわしくない清浄の名。
這い上がり始めた今、いつかは相応しいと思える日が来るようにと願う己の名を。

「名字の方で呼んでくれ、さん付けは要らねえよ。そんな上等な人間じゃねえからな」

26美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/04/29(木) 07:32:02

『公開放送』の後日――――。

「――――今日も、あなたの隣に『電気カナリア』の囀りを」

          〜〜〜〜〜♪♪♪

「『Electric Canary Garden』――
 パーソナリティー『美作くるみ』がお送りします!」

「実は、今日の放送は
 今までとは『ちょっと変わった所』があるんですよ〜。
 ふふふ、皆さんは何処か分かりますかぁ?」

「公式サイトでもアナウンスしているんですが、
 少し前に『オープンスタジオ』が新設されました。
 今日は、そこからの放送となっております!」

「今日の『Electric Canary Garden』は、
 『オープンスタジオ』からの『初回放送』!!
 私くるみも心機一転。
 生まれ変わった気分でやっていこうと思います!!」

『星見FM放送』――『オープンスタジオ』。
ガラス張りの壁の向こう側に、
ヘッドホンを装着した『美作くるみ』が座っている。
手元にはスタンド付の『コンデンサーマイク』。
ラジオ局の外に設置された『スピーカー』からは、
番組の音声が放送と同じように流れていた。
これらによって、施設内に入らずとも、
放送の見学と聴取が可能になっている。

「まずは、リスナーの方からのメッセージをご紹介します。
 ラジオネーム『ハルちゃん二号』さんからですねぇ」

「クラリネットを始めたんですけど、
 全然音が出せませんでした。
 でも、昨日ようやくハッキリした音が出せて嬉しいです。
 くるみさんは、
 最近出来るようになった事ってありますか?」

「――――と、いうメッセージを頂きました!
 クラリネットは、まず音を出すのが難しい楽器ですよね。
 『クラリネットをこわしちゃった』という童謡では、
 パパから貰ったクラリネットの音が出なくて、
 男の子が苦戦している様子が歌われていました。
 『壊れてる』と勘違いするくらい、
 最初は音を出しにくいんですよねぇ」

「では、くるみの『最近出来るようになった事』を発表します!
 『シロツメクサの花冠を編めるようになった』!!」

「事の始まりは、私が無垢な少女だった頃に遡ります。 
 年上の女の子達が編んでたのを、
 小さい頃に見た事がありまして。
 自分もチャレンジしたんですけど上手く編めなくて、
 悲しい記憶を背負う事になってしまいました」

「そして、ついこの前、お休みの日に散歩していたら、
 『シロツメクサ』がたくさん咲いているのを見かけたんです。
 それを見ていると、忘れかけていた幼少期の思い出が、
 フッと脳裏に蘇ってきて……」

「思い立って『花冠』を編んでみたら、
 結構すんなり出来上がったんです。
 完成した花冠を頭に載せると、
 何となくスッキリした気分になっちゃいましたねぇ〜」

「そんな訳で、
 今日は『最近出来るようになった事』を大募集!!
 リスナーの方々に、
 私くるみからの『おめでとう』をプレゼントしちゃいます!
 『もうちょっとで出来そうな事』でもオッケー!
 くるみの応援で、
 その『あともうちょっと』を届かせてみせましょう!
 いつも通り、
 テーマ以外の雑談・質問・相談も大歓迎です!!」

「さてさて――――リスナーの方(>>27)から、
 お電話が入ったようですね。
 もしもし?こちらは『美作くるみ』です!
 『お名前』か『ラジオネーム』をどうぞ〜!」

27りん『フューネラル・リース』:2021/05/01(土) 08:35:27
「初めまして、ラジオの人間さん!うちの名前はりんと申します。
 今日は5月1日、鈴蘭の日ですね。気分が良いので家族にあげるために、
 奮発してちょっと高級な肥料と美味しい水(軟水)をいっぱい買ってきました。
 水が美味しそうがだったのでうちもちょっと飲んじゃいました」

「話は変わるんですけど、実はうちには、どうしても鈴蘭を食べさせたい人間のおねえさんがいます。
 けど、そのおねえさんは普通の人間なので、鈴蘭を食べたら死んでしまいます。
 鈴蘭団子や鈴蘭クッキーも試しているんですが、中々上手く行きません。
 後もうちょっと出来そうなんですが……。
 お姉さんにも美味しい鈴蘭を味わってほしいです」

28美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/01(土) 15:38:25
>>27

「はぁ〜い!『りん』さんですねぇ〜!
 よろしくお願いしますね!」

声色から、おそらく『子供』であろう事は察しがついた。
そういえば、少し前に話した相手も小さな子だったはずだ。
この辺りの年齢層のリスナーは珍しいが、
最近は増えているのだろうか?

「『鈴蘭の日』!!
 そんな日があるなんて、くるみは初めて知りました!
 『りん』さんは物知りなんですね〜」

「それで、ええと――――
 『鈴蘭』を食べてもらいたいんですね?」

奇妙な相談だが、
一風変わったリスナーと話をするのは初めてではない。
以前にも、
『特徴的な話し方をする医師』のリスナーと喋った事がある。
最初は『解読』に苦労したが、
コツが分かると何となく理解できるものだ。
ただ、『鈴蘭を食べさせたい』というのは、
また違ったタイプだ。
子供ならではの無邪気さが生んだ危険と呼ぶべきか。

「鈴蘭はキレイですけど、『毒』がありますからねぇ。
 それを『食べてもらう』っていうのは、ちょっと難しいかな?」

「うーん…………たとえばですけど、『りん』さんは、
 『エディブルフラワー』って聞いた事ありますか?
 『食べられるお花』の事で、
 料理の彩りや香り付けに使われるんです。
 それなら安全に食べてもらえると思うんですけどねぇ」

「ただ、その中に『鈴蘭』はないんです。
 つまり、『鈴蘭は食べられない』
 ――――っていう事になってしまうんですよね」

下手に背中を押してしまうと、この放送がきっかけで、
『不幸な事故』が起こってしまう可能性も有り得る。
それだけは絶対に避けなければならない。
ゆえに、まず『鈴蘭は食べられない』と明言する。
だが、それでは相手の心を傷付ける事にもなりかねない。
それをフォローするために、すかさず『代替案』を出す。

「そうですねぇ…………。
 こちらで少し調べたんですけど、
 『鈴蘭の日』っていうのは、
 『大切な人に鈴蘭を贈る日』になっているみたいですね」

「『りん』さんから、そのお姉さんに、
 『鈴蘭』をプレゼントしてみたらどうかな?
 『鈴蘭の日の贈り物』っていう一言を伝えるのも忘れずに」

29りん『フューネラル・リース』:2021/05/01(土) 15:59:20
>>28
「『エディブルフラワー』知ってます!
 うち、これ好きでよく色んなお花で作ってるんですけど、
 やっぱり鈴蘭が一番美味しくてよく食べてます。
 程よい刺激のある味で美味しいんですよねぇ〜。
 けど、やっぱり普通の人間には食べらないのが残念です…
 もっと研究が必要ですね…」

「『大切な人に鈴蘭を贈る日』…!
 おねえさんは、うちの事いっぱい教えてくれた、大切な人だから
 『鈴蘭畑』から選りすぐりの、うちの家族をプレゼントしようと思います!
 ラジオの人間さん、アドバイスありがと〜」

30美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/01(土) 18:40:07
>>29

「うん!きっと喜んでもらえると思いますよ!」

ひとまず『大事』には至らずに済んだ。
ただ、疑問も残る。
最初から不思議に思っていた。
まるで『鈴蘭を食べた事がある』ような言い方だ。
それも一度や二度ではなく、
日常的に口にしているような……。

「それから――――私の名前は『美作くるみ』。
 よかったら覚えておいて。
 次にお喋りする時には、
 その名前で呼んでくれると嬉しいな」

とはいえ、この子は無事でいる。
それを考えると、
本当に『鈴蘭を食べた』とは考えにくかった。
だから、今は深い追求をしない事にしたのだ。

「今日『五月一日』は『鈴蘭の日』!!
 皆さんも家族やお友達、恋人やお世話になっている人に、
 可憐な『鈴蘭』の花を贈ってみてはいかがでしょうか?
 お相手は『りん』さんでした!!」

  「『Thank you』――――」

             「『and』」

              「――――『See you again』!!」

後日、『番組特製クオカード』と、
『美作くるみのメッセージカード』を収めた封書が、
発送されるはずであった。
だが、『住所不明』のため、りんの手元には届かなかった。
その代わり、何かしらの『手違い』があったらしく、
何故か『藤原しおん』の住所に送られていたという。

     【お姉さんは喜んでくれたかな?
      私からも、りんさんにプレゼント!
      またいつかお話してね!】

『メッセージカード』には、上記のコメントと共に、
手書きの『鈴蘭のイラスト』が添えられていた。


りん『フューネラル・リース』⇒『番組特製クオカード(500円分)』Get!!
(※『音仙』の下へ届いたため、『藤原しおん』から入手する事が可能)

31美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/08(土) 13:10:26

         ザッ ザッ ザッ

仕事の合間の気分転換に、
『ラジオ局』の敷地内を散歩している。
考えていたのは、この間の放送の事だ。
『鈴蘭』を食べさせたいという少女。
あれからどうなっただろうか?
電話越しとはいえ、自分が関わっただけに気掛かりだった。

「『まさか』とは思うけど…………」

まさか『実行』していないだろうか?
いや、そもそも本気かどうかという疑問もある。
話を聞く限り、彼女は『鈴蘭』を食べた事があるという。
しかし、本当に食べたなら、
無事でいられるはずはないだろう。
常識的に考えれば、食べていないという結論が出る。

「…………分からないわね」

美作は『りん』の姿を見ていない。
『電話』で話しただけだからだ。
もし、その姿を見ていれば、
また『別の考え』を抱いたかもしれないが、
今は『不幸な事故』が起こらない事を祈るのみだった。

「――――これは『ツツジ』だけど」

          ザッ

「ちょうど今辺りが見頃ね」

白・赤・ピンク・黄・オレンジ・紫。
敷地に植えられた低木の群れが、
見目麗しい色取り取りの花を咲かせていた。
しばし疑問を忘れ、足を止めて華やかな姿を鑑賞する。

32美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/12(水) 14:53:54
>>31

「――――改めて考えても、
 この世界は、分からない事には不自由しないわね」

疑問は尽きない。
だが、時間は立ち止まらない。
残った仕事を片付けるために、『ラジオ局内』に戻っていった。

33美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/17(月) 21:04:25

「――――――最近、日中は、
 少しずつ気温が上がってきてる感じですよねぇ〜。
 でも、夜になると、まだ肌寒さが残っていて……」

「こういうの、『季節の変わり目』って言いますよね。
 暑いと思って薄着していったら寒かったりして、
 体のリズムを崩しやすい時期でもあります。
 体調管理には特に注意したいですね!」

ラジオ局の外に設置された『スピーカー』から、
よく通る『声』が聞こえる。
ガラスの向こう側に座っているのは、
メンズライクなアメカジファッションでコーディネートした女性。
『Electric Canary Garden』のパーソナリティーを務める、
『美作くるみ』だ。

「一日の終わりには、
 リラックスした気分でくつろぎたいところ。
 そんなあなたに、
 私くるみから『ホット』で『クール』なプレゼント!
 名付けて『手作りジンジャーエール』!!」

「いやぁ〜唐突ですね!アッハッハッ……。
 実は、ここしばらく、
 『ジンジャーエール』にハマってまして……」

「それでですね、すっごくカンタンに出来ちゃうので、
 皆さんにも是非試してみて欲しいなぁ〜と!」

「まず、生姜を摩り下ろすんですよ。
 あ、出来たら『新生姜』がいいですね。
 柔らかくて下ろしやすいので。
 ん〜、大体200gぐらいでしょうかね?」

「で、次は『グラニュー糖』ですね。
 こちらも生姜と同じ分量で。
 そこに『お水』を1カップ加えて、弱火で20分」

「水分が飛んだなぁ〜と思ったら、
 火を止めて『レモン汁』です。
 二個分が丁度いい感じだと思います!
 それを茶こしで漉したら密封できる容器に保存して、
 お好みで割って飲んでみて下さい!」

「くるみのオススメは『炭酸水』ですね!
 梅雨時の憂鬱な気分を爽やかにしてくれる、
 『手作りジンジャーエール』の出来上がりです!!
 寒い時は『ホット』で飲んでもいいですし」

「心と体を休めてくつろぎたい時、
 リスナーの皆さんは、
 どんな風に過ごされているんでしょうか?
 私の声が、皆様の『心の清涼剤』となれるように、
 くるみはこれからも精進していく所存ですッ!」

「――――おっと、リスナーの方から、
 『お電話』が入ったようですね!!
 さて、今日はどんなお話を聴かせて頂けるのでしょうか?
 もしもし?こちらは『美作くるみ』です!
 『お名前』か『ラジオネーム』をどうぞ〜!!」

『Electrir Canary Gerden』は、
星見町内の何処でも受信する事が出来る。
『電話の相手』は、『この街の何処か』で、
この番組を聴いているのかもしれない。
それとも、今放送を行っている、
『オープンスタジオ』の前にいたとしても、
決しておかしくはないだろう。

34三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/05/19(水) 21:27:34
>>33

「どうも、くるみさん、こんにちわー」

電話の相手はそこそこ歳を重ねた男性の声であった
口調は若々しげであり、軽妙な調子であいさつを交わす

    ミトヤサン、アソブナラドッカイケー

近くに友人か誰かがいるのか、音声の中に別の男性の声が混じる

美作にはわからない事ではあるが、三刀屋がいるのはとある漫画家の仕事場であり
今まさに、その漫画家は締め切り間際の修羅場を迎えているところだ

「いつもラジオ番組を楽しみにさせてもらってます、三刀屋です
 美味しそうな『ジンジャーエール』の作り方を教えてくれてありがとう」

「僕の癒しの時ですが、やっぱり家で漫画を読んでいる時が一番落ち着きますね
 くるみさんは何かお気に入りの漫画とかありますか?」

35美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/19(水) 23:19:24
>>34

ここしばらく『年少のリスナー』が続いていたが、
そう何度も立て続けという訳でもなさそうだった。

「『三刀屋さん』ですね?
 こちらこそ聴いて下さってありがとうございます〜!」

電話の向こうで、他の誰かの気配を感じる。
しかし、細かい事には突っ込まない。
向こうから言及されない限りは。

「あ!『漫画』ですか!いいですね!
 そういえば、私は最近ご無沙汰しちゃってるんですよ〜」
 
「昔は結構読んでたんですけど。
 地味で目立たない女の子が、
 アイドルを目指して頑張るお話とか好きでしたねぇ。
 こういうのって何て言うんでしょうね?
 現代の『シンデレラストーリー』みたいな感じでしょうか?」

確かに子供の頃は、よく読んでいた。
ただ、近頃はあまり機会がない。
忙しいというのも理由の一部ではある。
職業柄、街の流行には敏感であらねばならない。
情報収集を兼ねて、色々な場所に出掛ける事が多く、
落ち着いて本を読む時間は取りにくい生活環境にあった。

「この頃よく読んでるのは……
 読むっていうのとはちょっと違うんですけど、
 『鳥の写真集』です。
 私、趣味の一つが『バードウォッチング』なので。
 やっぱり生で見るのが一番なんですけど、
 しょっちゅう見に行ける訳じゃないですから」

「『三刀屋さん』は、どんな漫画を読まれてるんでしょうか?
 もし何かオススメがありましたら、
 ぜひ教えてもらえませんか〜?」

36三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/05/19(水) 23:37:51
>>35

「あぁ、やっぱり、くるみさんのような方にはちょっと子供っぽ過ぎましたかね
『シンデレラストーリー』物としては、僕自身いくつかお勧めしたいものもあって・・・」

と、その後に勧めたい漫画のタイトルを言おうとしたのだが、やめた
あれは自社の漫画だ・・・・コンプライアンス的な何かにひっかかるんじゃないか、と思った

「ゴホン! 失礼しました」

           \ミトヤサン、ドリンクヲクレー!/

    シュッ!  
             パシッ!

「『鳥の写真集』ですか・・・・何冊か買った事があります
 僕もカメラを少々使う事があるのですが、鳥は動きが素早くてなかなか撮れませんから
 その辺はやっぱり、プロのカメラマンが撮った写真を見る方がいいですねぇ」

「それで僕のオススメ漫画としては・・・・」

言葉を躊躇い、逡巡する
三刀屋が今一番勧めたい漫画は・・・・所直言って決まりきっている
しかし、それをこの場で勧める事が社会的に正しいか・・・・後でステマとか言われて叩かれないか・・・・
そんな事を考え・・・・ 決心する

「『ゴールデン・クロウ』・・・・それが僕のベストですねぇ」

『ゴールデン・クロウ』・・・・新進の漫画家『我孫子サトル』のデビュー作だ
北海道の大地を舞台に、主人公のフクロウ男が小金稼ぎに苦労する話なのだが
『オリジナリティがある構図』と地に足が付いた苦労話から一部の漫画好きの間で評価を集めている

「まだまだマイナーな漫画ですけど・・・・
 僕はこれが今年一番伸びる漫画だと信じてます」

37美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/20(木) 00:20:44
>>36

「アハハハ……。いえいえ、そんなそんな。
 自分で言うのも何ですけど、
 私も結構子供っぽい所がありますから。
 この前も、散歩の途中で、
 『シロツメクサの花冠』を作ったりしましたからね」

ふと、あの時の放送で話した『鈴蘭の少女』を思い出す。
多分大丈夫だとは思うけど……。
頭の片隅でそんな事を考えながら、
話す言葉は途切れない。

「『ゴールデン・クロウ』――――
 勉強不足で申し訳ないんですけど、
 何だか煌びやかなタイトルですねぇ」

正直言って、なかなか内容までは想像できない。
少なくとも、耳にした覚えはない。
やはり、まだ『売り出し中』だからなのだろうか?

「どういった種類の作品なんでしょうか?
 もしお差支えなければ、
 『触り程度』に教えていただけないでしょうか?」

「じっくりと語っていただきたい所なんですけど、
 それだと『ネタバレ』になっちゃいますからね!」

三刀屋と会話をしているのは美作だけだが、
『Electric Canary Garden』の『リスナー全員』が、
今これを聴いているのだ。
同じ時間を共有するリスナー達のためにも、
『内容』に触れておく必要がある。
もっとも、あくまで『触り程度』に留めておく。
『放送時間』の都合などもあるが、
相手の声音から『葛藤』のようなものを感じ取ったからだ。
もしかすると『何かある』のかもしれないが、
そこまで尋ねる事は出来ない。

38三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/05/20(木) 00:37:22
>>37

「ハハハ、くるみさんみたいな大人の女性でもそんな風に遊んだりするんですねぇ
 僕も何だか親近感が沸いてきそうだ」

勿論、三刀屋の方が美作よりも実年齢は一回り上だ
しかし・・・・精神年齢はどうであろうか・・・・一概には言えない

「『ゴールデン・クロウ』がどんな作品かというと・・・・」

思う、悩む、思案する
自分とまったく関係のない作品であれば適当に小一時間語る事も出来ただろう
しかし、これは『ゴールデン・クロウ』を売り出すためのチャンスでもある
(口に出してしまった以上は、もうステマ扱いを恐れず突っ切るしかない)

「『ゴールデン・クロウ』とは・・・・」

電話の前の三刀屋の口調にやや硬さが増す
ここで話す内容次第で単行本の売れ行きが左右されるかもしれないからだ
ゴクリ・・・・と唾をのみ・・・そして・・・・・

「北海道の大地を舞台に、ふくろう男の九郎くんがお金を稼ぐのに苦労する話でね
 あ、ふくろう男って言うのはふくろうの頭をした人間の事で、普段は人間のマスクを被って生活して・・・・
 そうそう、九郎くんは最初バイトして小金を稼ぐんだけど、それがなかなか
 そのうちに金塊を争奪するバトルが始まって・・・・・」


     ・・・・・・・・・ッ!?

とりとめがない! 話がぽんぽんと飛んで行く! 起承転結がはっきりしていない!
意味の分からない単語が多すぎる! 結局何が面白いのか全然わからない!

     <フザケルナ! ソレジャオレノマンガノオモシロサガゼンゼンワカンネーヨ!!

「え、いや待ってくれ・・・・ここからが本番で」

電話の向こうでどたばたと暴れる音が聞こえる
放送事故ギリギリの時間が流れた後・・・・

「おっとすいません、実は僕は口下手でしてねぇ
 なかなか上手くまとめる事が出来ませんでした、失礼しました」

39美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/20(木) 04:07:41
>>38

「――――――なるほど!」

一見すると纏まりに欠けた説明を、
自分の中で噛み砕いて消化していく。
聞いた感じだと、
シュールなリアリティを強調した作風なのだろうか?
表面的にはさりげない風を装い、
頭の中をフル回転させて、そのように解釈した。

「あはは……どうぞ、お気になさらず。
 『ゴールデン・クロウ』の雰囲気は十分に伝わりましたよ。
 それに、私は『聞き上手』ですからね!」

「とっても独創的なお話で、すごくユニークですね〜。
 輪郭を伺っただけですけど、
 空想の存在と現実の世界が、
 こう――融合しているような印象を受けました。
 日常と非日常って、
 意外と近い所にあるのかもと思えるような作品ですねぇ」

場合によっては、
『放送事故』にもなりかねなかったかもしれない。
だが、不測のトラブルは未経験ではなかった。
初めて『稲崎充希』と喋った時もそうだったし、
最近では『鈴蘭少女』にしてもそうだ。
予想外のアクシデントが起ころうとも、
『トーク』でサラリと乗り切ってみせる。
美作くるみには、そういう『自信』があった。

「鳥好きとして『フクロウ』というモチーフは気になりますし、
 耳寄りなお話を聞かせて下さってありがとうございます〜!」

言葉を返しつつ、三刀屋の『後ろの声』が引っ掛かっていた。
彼の近くにいるのは、
どうも『ゴールデン・クロウ』の『作者』らしい。
という事は、『三刀屋自身』は……?

そこまで考えたが、
今ここで細かな『事情』を追求するのは控える事にした。

「ふふ、漫画を読む時のお供には『ジンジャーエール』もどうぞ!
 よろしかったら『お友達』の方も是非!!」

そして、この会話も『締めくくり』に入っていく。
特に何もなければ、そろそろ終了に向かう予定だ。
もちろん、最後に言いたい事があれば、
それを聴く用意はある。

40三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/05/20(木) 22:13:59
>>39

「ははは・・・僕自身、要領の得ない説明過ぎて、ちょっと引いてますよ」

自分が言った話のあまりの質の悪さに、思わず乾いた笑いが出る
と、そこに、美作からピンポイントで搔い摘んだ感想が発せられた
流石はラジオパーソナリティ・・・・・プロの能力はやはり違うね、と舌を巻く

「ありがとうございます! 僕が言いたかったのはその通りですよ
 ふふ・・・・一段落着いたら、『ジンジャーエール』でも作って、『友達』にも振舞う事にします」

「くるみさん、本日は貴重なご意見をいただきありがとうございました
『ジンジャーエール』を作ったらSNSにも上げてみますね、それでは」

と、この言葉を締めくくりの挨拶として電話を切った


そして後日・・・・
某SNSにおいて、番組専用のハッシュタグに一枚の写真が上がった
手作りジンジャーエールの写真なのだが、生姜の繊維が明らかに残っていたり、
溶け残りの砂糖が底に沈んでいたりと、とても褒められた出来ではない
しかし、前後の発言から『友達』と楽しんで飲んだ事が伺われるような・・・・そんな写真であった

41三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/05/20(木) 22:27:11
>>39

42美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/20(木) 23:25:49
>>40

「こちらこそ大変興味あるお話で、私も勉強になりました!
 三刀屋さんのお陰で、
 何だか一つ賢くなれたような気がしますよ〜」

自分にとって、こうした会話の一つ一つが『学び』だ。
トークの『引き出し』を増やし、
パーソナリティーとしての価値を高める事に繋がる。
だからこそ、出会いは大事にしたい。
たとえ一期一会であっても、
それらは同時に掛け替えのない時間でもある。
もちろん、どこかでリスナーと『再会』出来たとしたら、
それに勝る喜びはないだろう。

「お時間のある時に、またいつか電話してきて下さい!!
 『お友達』にも、よろしくお願いしますね〜!
 今回のお相手は『三刀屋さん』でした!!」

  「『Thank you』――――」

             「『and』」

              「――――『See you again』!!」

数日後、三刀屋の下に一通の封書が届けられた。
中身は『番組特製クオカード』と『メッセージカード』。
カードには以下の文面が綴られていたという。

【お写真拝見しました!
 手作り感に溢れている感じで、
 とっても温かい感じがするなぁ〜と思いました。
 これを機会に、
 料理にチャレンジされてみるのもいいと思います!】


三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』⇒『番組特製クオカード(500円分)』Get!!

43眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 19:17:41
【場】『 大通り ―星見街道― 』 その2
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1586906856/630-638
より移動

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 スクーターに先導されるように、バイクが星見町の郊外にある『ラジオ局』の側へとやってきた。
 緑のヘルメットを被った女性――眠目はこのあたりまで来たことがないようで、周囲を見回しながら走っている。

――緑が綺麗で、素敵なところですねぇ。

44美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/03(木) 19:37:53
>>43

             バァァァァァ――――――ッ

美作の乗ったスクーターと眠目が乗ったバイクは、
閑静な郊外に差し掛かった。
この辺りは街の中心地から外れているせいで、
大通りや歓楽街と比べると緑が多い。
ちょうど自然と文明の境目辺りと言えるだろう。

       バァァァァァ――――――ッ

「――――あの道ですよ」

ややスピードを落としながら美作が告げたのは、
国道の並木道だった。
幅が広くて見通しも良好の、長い直線の一本道。
今は走行している車もおらず、
まさに絶好のツーリングスポットだった。

  バァァァァァ――――――ッ

そして、その先に『星見FM放送』は位置していた。

45眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 19:56:40
>>44

 初夏の日差しの中、並木道の木々が青々とした葉で道に蔭を落としていた。
 長い直線を風を切っていく。バイク乗りの楽しさを詰め込んだような道だ。

「ここ、ですかぁ。
 すごく気持ちよく走れる道ですねぇ!」

 彼女の言う『穴場』。
 車の少なさも道の楽しさも、先達である彼女の言葉も納得だ。

「あの建物ぉ、なんだか珍しいですねぇ。
 なんでしょう。『パラボラアンテナ』…?」

46美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/03(木) 20:31:16
>>45

「フフ、いい場所でしょう?
 実は、近くに『仕事場』があるんです。
 それで知ったんですよ」

    バァァァァァァァァァァ――――――ッ

初夏の通りを、二台の二輪車が颯爽と駆け抜ける。
先に見えるのはモダンな造りの建物だった。
特に目を引くのは、やはり『パラボラアンテナ』だ。

「あれは『ラジオ局』ですよ。
 『星見FM放送』っていうんですけどね」

「駐車場がありますから、
 あそこまで行ったら停めて休憩しましょうか。
 お休みの日なんかは、
 そこを散歩してる人も結構いらっしゃいますね」

  バァァァァァ――――…………ッ

                  ――――――キィッ

           「ふぅっ」

並木道を抜け、来客用の駐車場にスクーターを停める。
『星見FM放送』の周りは、ちょっとした庭園のようだった。
広い敷地内には芝生が敷かれており、
多くの木々や花々が効果的に配されている。

47眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 21:10:15
>>46

「『仕事場』…ですか?
 ……誰とも知らない相手に仕事場とか教えちゃ危ないですよぉ?」

 互いに女性であるから、そうそう問題にはならないだろう。
 信頼の証だと考えると少しこそばゆいが、それ以上に眠目は心配になった。

「『星見FM』…?
 あぁ、流れていたのを聞いたことがあるかもしれません」

「駐車場、自由に使える感じですかぁ?」

 眠目はヘルメットを外しバイクに下げ、手袋を鞄に片付けながら会話を続ける。
 手袋に隠されていた手にはビタミンカラーの柑橘類をモチーフにしたネイルが見える。夏仕様だろうか。

 片付けが終わり、庭園のようなそこを楽しそうに眺める。
 緑は目玉の色でなくても綺麗なものだ。

48美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/03(木) 21:36:19
>>47

「あはは……そうですね」

    ――――スッ

「でも、まぁ『お仲間』ですから」

大して気にした様子もなく、シートから降りる。
ここが仕事場というのは、
『番組公式サイト』にも載っている情報だ。
自分にとっては周知の事実であるため、
意識から抜けてしまっていた。

            ザッ

「大丈夫ですよ。何日も停めてるとかじゃなければ」

            ザッ

「そういえば、まだ挨拶もしてませんでしたね。
 私、『美作くるみ』って言います。
 お姉さんのお名前は?」

声を掛けつつ、軽い足取りで敷地を闊歩する。
近くには、彩り鮮やかなツツジの花々が咲き誇っている。
その時に、手袋の下からネイルが見えた。

「綺麗なネイルですねぇ。
 『ビタミンカラー』って好きなんです。
 明るくて元気が出る色ですよね」

明るい印象のビタミンカラーは自分の好きな色であり、
服装や持ち物にも多い色だった。
今、羽織っている『スタジャン』もビタミンカラー。
愛車である『ヴェスパ』も『カナリアイエロー』だ。

49眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 22:04:58
>>48

「ふふ、『お仲間』だからですかぁ。
 なんだか嬉しいですねぇ」

「『美作くるみ』さん…。
 『みまさか』って珍しい名字ですねぇ、名字の珍しさも『お仲間』かもしれません」
「私は『眠目倫(サッカリン)』と言いますぅ。
 ね? 珍しさも『お仲間』ですよねぇ」

 美作について歩きながら、庭園のようなここを満喫する。
 ツツジ前線はだいぶ北に上がった時期とはいえ、まだ花は元気なようだ。眠目の故郷でもツツジが見られる季節だ。

「ふふ、女の人は『ネイル』に気付いてくださる方が多くてぇ、なんだか嬉しいです。
 男の方だと指先って、あんまり気付かないんですよねぇ」
「『ビタミンカラー』は明るくて楽しくて、オフに外に出かけるときにはよくするんですぅ。
 実はこれ、セルフネイルなんですよぉ」

 プロの仕事に見えるネイルを見せながら微笑む眠目はどことなく自信を滲ませていた。

「もしよければぁ、今度『お仲間』さんな美作さんにもネイルしちゃいますかぁ?」

 特に強い理由はない。
 せっかくできた『お仲間』と、施術という時間を通してツーリングの話ができたらなぁといった程度のものだ。
 仕事というよりも、オフとして。
 友達にネイルをちょこっとして遊びたいと思う眠目だった。

50美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/03(木) 22:33:42
>>49

「『サッカリン』――――眠目さんですね。
 確かに珍しい苗字で、そこも『お仲間』ですね」

『サッカリン』というのは、どこかで聞いた覚えがある。
何だったかすぐには思い出せないが、
『甘味料』の一種だっただろうか?
変わった名前だと思ったが、失礼に当たると考え、
表情には出さなかった。

「へえ!スゴイですね。全然そうは見えないですよ。
 とってもお上手なんですねぇ〜」

「いいんですか?
 それじゃ、またいつか『オフ』の時にお願いしちゃいます。
 楽しみにしてますね!」

同性で同じ趣味を持ち、年齢も近く、話も合う。
こういった出会いは大いに『引き出し』を増やしてくれる。
そういった意味でも、とても良い出会いだと思った。

          ――――ザッ

「あれが『オープンスタジオ』ですよ。
 ここから『番組』を放送して、
 この街の色んな場所に届けているんです。
 今は準備中ですけど」

美作が指し示した先には、
ガラス張りの『オープンスタジオ』があった。
その向こう側で、スタッフ達が働いている姿が見える。
制作の舞台裏といった雰囲気だ。

51眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 22:53:38
>>50

「『オフ』が合えば、是非ぃ」

 もしこれが『お仲間』ではなく『営業』相手であれば、財布に入れてある予備の名刺を渡すところだったが、
『ネイリスト』ではなく眠目個人として付き合うのであれば今は渡す必要はないだろう。
 学校を卒業してしまえば、そうそう新しい友人は増えない。
 せっかくの出会いを、今は楽しみたかった。

「これが『オープンスタジオ』…!
 私、こういうところに来るの初めてですぅ。こんなところまで見せちゃうなんて、このラジオ局って太っ腹ですねぇ」

 スタッフが動き回るようなところが見られる場所はどれくらいあるのだろう。
 メディアは裏方を見せたがらないイメージがあった眠目はあちこちを楽しんで見ている。

「それにしてもぉ、美作さんはここのことすっごくよく知ってらっしゃるんですね…?」

52美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/03(木) 23:26:36
>>51

「実際に番組が放送されてる所を見てもらえれば、
 『ラジオ』がもっと身近に感じられるんじゃないかと。
 リスナーとの距離を縮めようっていう意図ですね」

「それだけじゃなくて、『宣伝』にも丁度いいですから。
 時々『ゲスト』が来る事もありますし」

「あっちが『ブース』で、その向こう側が『サブ』です。
 大体の説明になりますけど、
 ブースはパーソナリティーが喋る所で、
 サブは音の調整をする所ですね」

『オープンスタジオ』は、
大きく分けて二つのエリアから成っているようだ。
一つは『ブース』で、もう片方は『サブ』。
ブース内のテーブルには、
重厚な『コンデンサーマイク』が置かれている。
一方のサブには、多彩な音響機器が並んでいた。
ディレクターらしき人物が指示を出している様子も窺える。

「ええ、もう何度も来てますから」

「実を言いますと、私の職場っていうのが『ここ』なんです。
 あの場所に座って『声』を届けるのが私の仕事です」

       ――――スッ

片手を上げて、ブースを指差す。
『パーソナリティー』が座る席だ。
今は、まだ誰も座っていない。

53眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 23:43:40
>>52

「ラジオ局の、顧客獲得戦略だったんですねぇ。
 接触回数を増やすことがぁ、好感に繋がりますし、納得です」

「『ブース』に『サブ』、ふむふむ。
 お話に作業音とか混ざったら困りますもんねぇ。
 分けておかないといけないのはとても納得ですぅ」

 まるで学生時代に行った社会科見学のような気持ちで眠目は美作の言葉を聞く。
 ネイルをしているときの話のタネにしようと考えているようだった。

 そして続く美作の言葉に、考えていたことは8割方すっ飛んで行った。

「ええ!? 美作さんはもしかして、そのぉ……『パーソナリティー』さん、だったんですかぁ???
 『パーソナリティー』さんって、『アナウンサー』みたいなぁ…番組の顔ですよね…?」

 眠目は普段あまり見開かれることのない目が大きく開き、驚いた。
 なかなか芸能人…というのだろうか、メディア関係の人とは本来遭遇することができないものだ。
 とても嬉しく、同時に驚愕だった。

54美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/04(金) 00:01:46
>>53

「あはは…………まだまだ未熟者なので、
 あんまり大きな事は言えないですけど、、
 『パーソナリティー』のはしくれをやらせてもらってます」

照れたように笑い、軽く頭を下げた。
いわゆる『芸能人』というジャンルとは少々異なるが、
トークという『芸』を仕事にしているという意味では、
似た部分もあるのかもしれない。
大きく違う点といえば、
『顔』よりも『声』の方が知られている事だろうか。

「そうそう――――良かったら休憩がてら、
 眠目さんも『聴いて』いって下さい」

           スィッ

オープンスタジオの一角に視線を向ける。
そこには『スピーカー』が設置されており、
放送の内容は建物の外に向けて流される。
オープンスタジオの前にいれば、
実際に放送される風景を眺めながら、
番組を聴く事が出来るようになっている。

「これから『私の出番』もありますからね」

         ニコリ

少々おどけたように言って、茶目っ気たっぷりに明るく笑う。

55眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/04(金) 02:14:17
>>54

「えぇ、いいんですかぁ?
 ……え、もしかしてぇ、出番があるって急がなきゃなんじゃぁ?」

 眠目は先程まで美作がスクーターがご機嫌斜めで困っていたことを考える。
 あのようなトラブルを想定して行動していた可能性もあるが、
そうでない場合、予定が押しているかもしれない。

「私はぁ、ここで聴いていますからぁ。
 楽しみですぅ。」

 そう言って、眠目はいそいそとスピーカーの近くで放送がよく見える場所に移動した。

56美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/04(金) 02:32:00
>>55

「その辺は大丈夫です。
 職業柄、『時間』にはキッチリしてますから」

「それじゃ、もう少しだけ待っていて下さいね」

       ――――スッ

軽く手を振り、『星見FM放送』に入っていく。
それから少しの間を置いて、
『オープンスタジオ』に美作が姿を現した。
スタッフ達と言葉を交わして席に座り、
ヘッドホンを装着してマイクのスイッチを入れる。

「――――今日も、あなたの隣に『電気カナリア』の囀りを」

          〜〜〜〜〜♪♪♪

「『Electric Canary Garden』――
 パーソナリティー『美作くるみ』がお送りします!」

そして――――ギャラリーの『眠目』に見守られながら、
『Electric Canary Garden』の放送はスタートしたのだった。

57眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/04(金) 06:12:25
>>56

「ここで、楽しみに聴かせていただきますぅ」

 眠目は美作を見送ると彼女の明るく楽しい放送に聞き入った。

 『電気カナリヤ』という名も納得のよく響く、耳に心地よい声が『スピーカー』を通して周囲に響く。
 彼女の身につけていた『ビタミンカラー』によく似た、元気がもらえる声だと眠目は思った。

――カナリヤの絵をぉ、ネイルできるように練習しなきゃねぇ。

 次オフで会ったときに美作に施すネイルを考えながら、時間は過ぎていった。

58『エド・サンズ』:2021/09/08(水) 23:10:05


『本体ガイナイ俺ダカラコソ出来ル事ッテノハヨォ・・・・
 結局ノ所、コウイウ仕事ナンダロウゼ
 コソコソトヤルッテノハ気ガ進マネーガ、「夏の魔物」ヲ倒スニハ人手ガ必要ダカラヨォ・・・』

『ソレモ「スタンド使い」ノ人手ガアレバナオイイゼ!』

ここは星見町郊外に存在する『ラジオ局』
その中でも一階にある『オープンスタジオ』はこの町に流れるローカル放送の収録を行う事で有名だ

そこに『和風の意匠を持つ人型のスタンド』が佇んでいた

『町内ノ「スタンド使い」達ニ呼ビカケルナラヨォォ〜〜〜
 コウイウノを使ッタ方ガ格段ニ便利ダゼ〜〜〜〜ッ!』

一般人に知覚される事のない自身のスタンドとしての特性を利用してこの場所に入り込んだのだ
『エド・サンズ』の目の前では、スタンドを知覚する術のない一般人のスタッフが忙しそうに歩き回っている
それもそのはず、これからまさに『ラジオ放送』を始めようというタイミングだからだ

    「放送入りま〜〜〜す」
      「3」
          「2」

              「1」
                  「・・・・・・!」

そして始まる生放送
『エド・サンズ』の目の前ではパーソナリティが軽快な口調でトークをしている

     ズズイ・・・

そんなパーソナリティの真後ろに『エド・サンズ』は立つ
偶然にも、今回の放送にスタンド使いのスタッフはいないようで、誰もその姿に気付かない
『エド・サンズ』はスタンド使いにしか聞こえない『声』をマイクに乗せる

『ヨ〜〜〜ウ、星見町ノスタンド使い達・・・元気カ?
 今、俺ハ「スタンド使い」ニシカ聞コエナイ声デお前ラニ話シカケテルゼェ』

『知ッテル奴モイルカモシレネエガ、コノ町ニハ「夏の魔物」ッツーヤバイスタンドが存在スル
 一夏ニ一人カ二人クライ・・・・無差別ニ攻撃シテ、ソイツノ存在ヲ消すヤベー奴ダ』

『今マデハスタンドを使エネー一般人ガ攻撃サレテ、人知れず姿ヲ消シテイタガ・・・・
 今回は「スタンド使い」ガ襲ワレタ・・・・オカゲデ発見スル事ガ出来タンダケドナァ』

『コイツの弱点ハ「冬の風物詩」ダ
 ダカラ俺達ノ仲間ガこの町ニ「冬の風物詩」・・・・「クリスマス」ヲ広メルタメニ動イテイル
 ハッ・・・・季節外れの「夏のクリスマス」ッテ奴ダゼ!』

『オイ! ソコノお前! 「夏のクリスマス」ナンテ馬鹿ラシイ、ドウセ俺ニハ関係ナイナンテ思ウナヨ?
「夏の魔物」が生キテイル限り・・・・次に標的にナルノハお前カモシレナインダカラヨォ!
 ダカラ・・・・・コノ放送ヲ聞イテイル「お前」・・・・「星見町のスタンド使い」デアル「お前」ニモ協力シテモライテェンダ!』

『俺達ノ仲間ハ「駅前の掲示板」ヲ使ッテ情報ヲヤリトリシテイル
 ・・・・この町ニ潜む悪意・・・・「夏の魔物」ヲ打ち倒すタメニモ、是非協力シテ欲シイ』

『以上ダ 頼ムゼ、「星見町のスタンド使い」』

59『エド・サンズ』:2021/09/08(水) 23:10:56
>>58

まるでスタンド使いにしか聞こえない『副音声』のように
『エド・サンズ』はラジオ放送をジャックして、伝えるべき事を伝えた

そして、それに満足したようにひっそりとこの場を去って行った

60一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/09(木) 00:16:49
>>58-59
(それが『日記』に書かれた答えですね。『さんずさん』
良いことを知りました。私も星見町のスタンド使い)

(実現可能とは思えませんが『雰囲気』が変わった場合、
私もやる事をやらせていただきましょう)

あちらには中心となる『リーダー』格が居ないらしい。
こんなにも足並みの揃わない活動など恐れるに足りない。
なぁなぁでやっている間は見逃してあげよう。

「いざというときは氷山先輩でも食べに行きましょうか。
 人質にするも良し、食べるも良し…」

61美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/20(月) 19:23:32

「これ、何だか調子悪いみたいで。
 倉庫に予備があったでしょ?
 そっちと交換しておいて欲しいの」

「あぁ、こっちは私が持って行くから。
 ええ、よろしくお願いします」

―――――――――――――――――――――――――

「――――さてと…………」

       コトッ

『星見FM放送』内の静かな休憩スペース。
ソファーに座り、テーブルの上に『マイク』を置く。
『不法侵入スタンド』が使った『コンデンサーマイク』だ。

「『ちょっといいかしら?』」

肩の上に『機械仕掛けの小鳥』を発現する。
『プラン9・チャンネル7』。
その『能力』は、
本体の声を聞いた音響機器を『ファン』にして、
『情報』を貢がせる事。

《ハイ!私ハ貴女ノ『ファン』デス!
 ドンナ事デモ全部オ答エシ致シマス!》

「少し前の放送中に、
 あなたの前で『人型スタンド』が喋ったと思うんだけど、
 その内容を教えてくれる?」

《イエッサー!!》

『ファンの言葉』を聞きながら、ソファーに身を沈める。
『ファン』は嘘をつかない。
本体の『支持者』になった『マイク』は、
二つ返事で『情報』を貢ぎ始めた。

《ヨ〜〜〜ウ、
 星見町ノスタンド使い達・・・元気カ?
 今、俺ハ「スタンド使い」ニシカ聞コエナイ声デ
 お前ラニ話シカケテルゼェ》

《知ッテル奴モイルカモシレネエガ、
 コノ町ニハ「夏の魔物」ッツーヤバイスタンドが存在スル
 一夏ニ一人カ二人クライ・・・・
 無差別ニ攻撃シテ、ソイツノ存在ヲ消すヤベー奴ダ》

《今マデハスタンドを使エネー一般人ガ攻撃サレテ、
 人知れず姿ヲ消シテイタガ・・・・
 今回は「スタンド使い」ガ襲ワレタ・・・・
 オカゲデ発見スル事ガ出来タンダケドナァ》

《コイツの弱点ハ「冬の風物詩」ダ
 ダカラ俺達ノ仲間ガこの町ニ「冬の風物詩」・・・・
 「クリスマス」ヲ広メルタメニ動イテイル
 ハッ・・・・季節外れの「夏のクリスマス」ッテ奴ダゼ!》

《オイ! ソコノお前! 
 「夏のクリスマス」ナンテ馬鹿ラシイ、
 ドウセ俺ニハ関係ナイナンテ思ウナヨ?
 「夏の魔物」が生キテイル限り・・・・
 次に標的にナルノハお前カモシレナインダカラヨォ!
 ダカラ・・・・・コノ放送ヲ聞イテイル「お前」・・・・
 「星見町のスタンド使い」デアル「お前」ニモ協力シテモライテェンダ!》

《俺達ノ仲間ハ「駅前の掲示板」ヲ使ッテ情報ヲヤリトリシテイル
 ・・・・この町ニ潜む悪意・・・・
 「夏の魔物」ヲ打ち倒すタメニモ、是非協力シテ欲シイ》

《以上ダ 頼ムゼ、「星見町のスタンド使い」》

ラジオ局内は、基本的に一般立ち入り禁止だが、
例外もあった。
『入館許可証』を首から下げた『見学者』であれば、
中に立ち入る事が出来る。
それがスタンド使いなら、
『プラン9』から発せられた『スタンド音声』を聞く事も可能だ。

62美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/20(月) 19:41:29
>>61

「――――…………」

(大体は『彼女から聞いた話』と同じみたいね)

(とりあえず『連絡』しておきましょうか)

        ゴソ

スタジャンのポケットからスマホを取り出し、
『眠目倫』にメッセージを送った。

「…………『駅前の掲示板』」

生憎、『スタンドの正体』を特定する情報は見当たらなかった。
だが、一つ気になる単語がある。
『駅前の掲示板』というワード。
そこに行けば、新しい手掛かりが得られるかもしれない。
確かめる価値はあるだろう。

(ふぅん…………)

胸の前で腕を組み、人差し指を頬に添えて思案を巡らせる。

63大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』@自室:2021/09/21(火) 00:03:04
>>58-59(のラジオを聞いての反応なので、大神さんはこの場にはいない。寮の自室で聞いた)

「なんだい、これ?副音声?同時通訳?」(↑びっくりボイス↑)

「どうにも紛らわしいと言うか面妖だ。
ボクのラジオの故障かい?
それともラジオ局の故障かい?」(↓ハスキーボイス↓)

   〜しばらくお待ち下さい〜

「ふむふむ、スマホのラジオアプリでも、ラジオ単機でも聞こえるところからして、ボクのラジオの故障ではないね、これはラジオ局の問題だ」(↓ハスキーボイス↓)

「いやはやなんともおかしな事をおかしな人が言ってるけども
どうにも、これは七篠クンの言ってた魔法の話と似ているではないか?」(↓ハスキーボイス↓)

「まさか、この面妖な放送も、七篠クンの魔法の話も、本当のことを言っているというのか?
うーむ、なにやらこれは摩訶不思議の匂いがする」(↓ハスキーボイス↓)

「後で七篠クンにでも聞いてみるか」(↓ハスキーボイス↓)

〜〜〜閑話休題〜〜〜

聞きながらアプリで録音シタゾッ……!と言いたいところだけど
スタンド会話って録音できるのかな……?
そのへんはこう……もうマイクで拾われて電波に乗ってるし……?
でも、録音できると動画サイトで『怪奇!ラジオで聞こえた未だ成仏できない江戸っ子霊の怨嗟の声!この声が聞こえたら貴方の後ろには……』とかなりそう。

64美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/21(火) 17:52:26
>>62

返ってきたメッセージを確認してから、スマホをポケットに戻す。
彼女は貴重な相談相手だ。
スタンド使いには『少年少女』が少なくない。
彼や彼女が話しにくいとは思わないが、
同じ『大人』だと会話も自然とスムーズに進む。
『眠目倫』のような『自分と近いスタンド使い』とのコネは、
これからも大事にしておきたい。

「何にしても、まずは『現地』に行くしかないでしょうね」

方針を決めてソファーから立ち上がり、
『コンデンサーマイク』に片手を添える。

「――――『お疲れ様』」

         フ ッ

『プラン9・チャンネル7』を解除し、
マイクを手にして局の廊下を歩いていった。

65美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/10/08(金) 06:54:51

『オープンスタジオ』から番組を放送している。
今は『クリスマスソング』を流している所だ。
この時間に『ラジオ』を聞いていたなら、
その後に続く『パーソナリティーの話』も耳にしているだろう。

「――――――はい!ただ今お聞きいただいた曲は、
 『マライア・キャリー』の『All I Want for Christmas Is You』でしたぁ!
 日本では『恋人たちのクリスマス』として知られている曲です」

「私も、ぼちぼち『いい人』を捕まえたい所ですねぇ。
 こんなに魅力的なのに、どうして放っておくんでしょう?
 世の中には、本当に不思議な事が多いですよねぇ〜。
 あはははは…………」

「さてさて、私のプライベートは棚に上げまして…………。
 『不思議な事』と言いますと、
 リスナーの皆さんも『不思議』に思われているんじゃあないでしょうか?
 どうして今の時期に『クリスマスソング』を流すのか!?
 決して目隠しして選曲した訳じゃありませんよ。
 これには『深ぁ〜い理由』がありまして」

「今、若者達の間で『プチブーム』が起きているそうなんです。
 『夏のクリスマスブーム』っていうんでしょうか?
 ここ最近、『クリスマスグッズ』を求めてお店にやってくる人が、
 じわじわと増えてるっていう話なんですよ」

「私もお休みの日に街を歩いてたら、
 『クリスマスの飾り付け』がしてあったり、
 『クリスマスキャンペーン』をやってるお店も見かけました」

「『サンタの格好をした女性』も何人かいましたねぇ。
 私もやってみようかしら?
 それがきっかけになって、『素敵な出会い』が見つかるかもしれませんね!」

「残念ながら、まだ『出会い』は見つかっていないんですが、
 代わりに『別のもの』が見つかったんです。
 『クリスマスブームの発端かもしれないもの』を」

「コホン――――――『ラッコ』です」

「もう一度言います。『ラッコ』なんです」

「私もビックリしちゃったんですけど、
 この町に『野生のラッコ』が現れたんですよ!
 スゴい事じゃないですか!?」

「それがどう『クリスマスブーム』に繋がるのか?
 実は、そのラッコが『クリスマスを感じさせる姿』だった所から、
 『クリスマスブーム』が始まったみたいなんですねぇ〜」

「どうやら、『クリスマスグッズの詰まった袋』と一緒に見つかったみたいなんです。
 その中に入っていたらしいサンタの帽子を被って、
 クリスマスグッズで遊んでいる所を目撃されたのが、
 『クリスマスブーム』の始まりだとか。
 気に入ったんでしょうかねぇ?
 ひょっとして同じ場所から流されてきたのかも?
 ほら、ラッコも寒〜い所に住む生き物ですし」

「もしかすると『サンタの国』からやって来たのかもしれませんねぇ。
 遠い北の海からやって来た『あわてんぼうのサンタさん』。
 ふふ、そんな風に考えると癒されますよね」

「さて、なんと…………ウチの番組で『クリスマスラッコ』を『取材』してきました!
 もうご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
 『番組公式サイト』に写真を掲載してありますので、まだの方は是非ご確認を!
 本当に抱きしめたくなっちゃうくらい可愛いですよ!」

「そして!次週からの『Electric Canary Garden』はスペシャル企画!
 題して『冬を先取り!ちょっと早めのクリスマス特集』!!」

「『あわてんぼうのサンタさん』にあやかって、残暑を吹き飛ばしちゃいましょう!
 私くるみがチョイスした『クリスマスソングセレクション』をお届けしながら、
 『SNS連動クリスマスラッコ大喜利』を開催します!!」

「『公式アカウント』にアップされる『クリスマスラッコ』の写真を見て、
 それに関係したコメントを投稿して下さい!
 画像から感じた事や、写真のタイトル、
 『クリスマスラッコ』の台詞などなど何でもOK!
 リスナーの皆様からの投稿をお待ちしていまぁす!!」

「そんな所で、お別れの時間が来てしまいました!
 この次も、貴方の隣に『電気カナリア』の囀りを。
 『Electric Canary Garden』――――お相手は『美作くるみ』でお送りいたしました」

  「『Thank you』――――」

             「『and』」

              「――――『See you again』!!」

放送と平行して、
『Electric Canary Garden』の『番組公式サイト』に、
『あわてんぼうのサンタクロース』と題して、
『クリスマスラッコ』の写真が掲載された。
放送終了後、
SNSの『公式アカウント』にも別の写真がアップされ、
『SNS連動クリスマスラッコ大喜利』の告知が出された。
さらに、動画サイトの『公式チャンネル』にも、
『クリスマスラッコ』の動画がアップロードされた。

66眠目倫『ノワール・デジール』:2021/10/09(土) 07:34:09
 眠目は『Electric Canary Garden』のSNSにアップされた『ラッコ』の写真を確認した。

 写真に写っているのは可愛らしいラッコが海辺で過ごしている姿だ。
 ラッコは『サンタクロースの帽子』に『サンタの上着』を着崩して羽織り、首には『銀で出来た星のペンダント』を掛けている。
 横には漂流してきたのであろう、『白い袋』が口から『プレゼント』を零して横たわっている。

 また、『Electric Canary Garden』の動画サイトの公式チャンネルも確認すると、
 同じラッコがプレゼント袋の中を覗き込み、クリスマスグッズと戯れる動画がアップされていた。

 眠目は個人のアカウントで写真を以下のように引用する。

[うわぁん! プレゼントおとしちゃったよー…。
 たりなーい! どこいっちゃったのー]

 そして更に店舗アカウントで拡散し、こうコメントをつけた。

[可愛らしいサンタさんですね!��
 『Quince Nail』では現在冬����ネイルを割引中!
 ラッコ����とサンタ��モチーフなんて素敵かも?��]

 これを見た人が更に拡散してくれることを祈りながら眠目は次の放送を楽しみにしているようだ。

67眠目倫『ノワール・デジール』:2021/10/09(土) 07:36:53
[可愛らしいサンタさんですね!(キラキラしてる絵文字)
 『Quince Nail』では現在冬(雪だるまの絵文字)ネイルを割引中!
 ラッコ(ラッコと足跡の絵文字)とサンタ(サンタの絵文字)モチーフなんて素敵かも?(ネイルの絵文字)]

68合歓垣 瑛『ブラス・コンストラクション』:2021/10/10(日) 10:50:22
 父親が流しているラジオから流れてくる『クリスマスソング』に『あわてんぼうのサンタクロース』の手伝いをするつもりの合歓垣はなんとなしに親近感を覚えながら聞いていた。
 マライア・キャリーという名は知らなくとも、この曲は以前のクリスマスでも聞いたことがあるようだ。

「ねぇ、パパー。
 サンタのラッコさんなんて本当にいるのかなー?」

 言外にヤラセじゃないか、嘘じゃないかと匂わせながら合歓垣はスマートフォンを操作し、『えれくとりっく・かなりあ・がーでん』を調べた。
 『ラッコ』に『サンタ帽』、『プレゼント袋』。その可愛らしい見た目に疑心など飛んでいったかのように合歓垣はぴょんこぴょんこと跳ねながら笑った。

「すっごくかわいい! ねぇパパみてみて!!
 あ、そうだ、パパもかくさん?しよっ!」

 そう言いながら合歓垣は写真を引用し、こんな文章を書いていた。

[ほしみまくろうとぼく、どっちがかわいいかなっ?]

 ご丁寧にアンケート機能付きだ。
 対立軸はいつの時代も広がりやすく、話題を呼ぶ。
 その書き込みはクラスメートによって広げられ、清月の低学年ではキモカワvs季節外れという謎の話になった…かもしれない。

69『Electric Canary Garden』:2022/08/11(木) 20:39:34

『Electric Canary Garden』公式サイトでは、
過去に放送した内容を『アーカイヴ』でお聴きいただけます。

―――――――――――――――――――――――――――――――

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/339-351】
リスナー:鈴元 涼『ザ・ギャザリング』。
『ドキッとした事』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/352-364】
リスナー:溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』。
『失敗した事』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/365-376】
リスナー:城生 乗『一般人』。
『最近の趣味』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/379-391】
『納涼企画』の『怖い話』。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/443-444】
『幻のクリームパン』の『食レポ』。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/464-468】
リスナー:稲崎 充希『ショッカー・イン・グルームタウン』。
『マイブーム』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/469-483】
リスナー:今泉『コール・イット・ラヴ』。
『休みの過ごし方』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/490-491】
『夏にまつわる話題』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/533-547】
リスナー:蝶名林ルロイ紗英『ボブモ』。
『秋の話題』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/562-563】
『バレンタインの話題』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/578-579】
リスナー:シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』
『部活動』について。

【ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/934-943】
リスナー:小翠『タキシードムーン』。
『理想の自分』に関する相談。

【ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1619194604/26-30】
リスナー:りん『フューネラル・リース』。
『鈴蘭料理を食べさせたい』という相談。

【ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1619194604/33-42】
リスナー:三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』。
『オススメの漫画』について。

―――――――――――――――――――――――――――――――

(※上記の一覧は『PC単位の知識』として活用可能です)

70『Electric Canary Garden』:2022/08/28(日) 08:03:28

『星見FM放送』では、随時『広告主』を募集しております。
『公序良俗』に反しない限り、『宣伝内容』は『自由』です。
具体的な形式につきましては、以下をご参照下さい。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

・『Electric Canary Garden』の枠内で『ラジオCM』が放送される。
・基本的には『20秒間』の『スポットCM』。
・『制作費』と『放送料』を合わせて『一本』につき『二万円』。
・大きな問題がない限り『内容』は『自由』だが、『規定の尺に収まる程度』を推奨。
・『CM』を希望される方は、『放送内容の原稿』を持参の上、『美作くるみ』まで。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

*実働に際しての大まかな流れ*

①『CM希望』の旨を添えて、『星見FM放送』スレッドに書き込んで下さい。

               ↓

②『美作くるみ』が応対し、『放送したい原稿』を確認させていただきます。

               ↓

③『内容』や『長さ』に問題がなければ、そのまま『放送』されます。

(※放送された内容は『PL単位の知識』として利用可能です)

71美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2023/06/26(月) 00:15:12

ラジオ局――――『星見FM放送』。
『電波』に乗った声が、星見町に『伝播』する。
町の何処かで流れる『ラジオ』を誰かが聴いている。

「――――――今日も貴方の隣に『電気カナリア』の囀りを」

    〜〜〜〜〜〜♪

「『Electric Canary Garden』!!
 パーソナリティー『美作くるみ』がお送りしまぁす!」

「いよいよ『夏』ですねぇ〜。
 私、夏って大好きなんですよ。
 もちろん四季折々の楽しみはあると思うんですけど、
 その中でも夏はエネルギーに満ち溢れているというか。
 この時期はイベントなんかも多いですし、
 自然とテンションが上がってきちゃいます!」

「くるみは久し振りに『海』へ行きたいですねぇ。
 やっぱり『スタイルの維持』には『見られる事』が大事ですから。
 『ビーチの視線を独り占め』…………とまではいかなくても、
 『三分の一占め』くらいは欲しい所ですね!」

「あはは…………ちょっと欲張り過ぎたかもしれません…………」

「さてさて、本日のテーマはズバリ『夏』!!
 夏にまつわるアレやコレやを、
 リスナーの皆さんと一緒に思う存分語っていきましょう!」

「早速リスナーの方(>>72)と『電話』が繋がったようです。
 もしもし?こちらは美作くるみです!
 『お名前』か『ラジオネーム』をどうぞ〜!」

72美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2023/07/01(土) 04:38:56
>>71

「――――ラジオネーム『ハルちゃん二号』さんからでしたぁ!
 お電話ありがとうございます!」

「夏のイベントには色々ありますけど、皆さん何か忘れてません?
 ほら、『七月七日』といえば…………」

「名残惜しいですが、そろそろ時間が来てしまいました。
 また明日、このチャンネルでお会い致しましょう」

  「『Thank you』――――」

          「『and』」

             「――――『See you again』!!」

73美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/02/11(日) 05:28:36

それを聴いているのが誰なのかは分からない。
今どこにいるのか、どうやって聴いているのかも。
ただ一つ確実なのは、この瞬間に『ラジオを聴いている』という事だ。

「今日も貴方の隣に『電気カナリア』の囀りを」

       〜〜〜〜〜〜〜〜♪

「『Electric Canary Garden』!!
 パーソナリティー『美作くるみ』がお送りしまぁす!」

「私は『電波』を通して皆さんにお話ししていますが、
 技術の進歩は著しいものがありますよねぇ。
 誰もが使っている『スマートフォン』なんかは、一番身近な例ですよね。
 多分、それで聴いているリスナーの方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?」

「『スマートウォッチ』に『スマートホーム』などなど、
 世の中には色々な『スマート』が登場してきました。
 そんな『スマート化』の時代に、こんな変わり種もお目見えしています」

「その名も『スマート街路灯』!
 『スマートポール』と呼ばれる事もあるようですね。
 これは何かと申しますと、私くるみがバッチリご説明いたします!」

「一言で表現するなら『スマート化した街路灯』です。
 説明になってない?あはははは…………」

「いえいえ、きちんと説明させていただきますよ。
 要するに『多機能な街路灯』なんですね。
 街灯として使われるだけじゃなく、
 ネットワークカメラやデジタルサイネージ、
 スピーカーなんかの機能を持たせて、
 街の安全や賑わいを支援する為に使われるんです」

「このカメラが凄いんです!
 『AI』と連動していて、そこを通る人の性別や年齢や移動先を割り出した上で、
 『オススメのお店』を教えてくれたりする訳なんですねぇ〜」

「そんな『スマート街路灯』が『星見町』にもあるんです。
 この前、私も行ってきて、雰囲気のいい『カフェ』を紹介してもらいました。
 気軽に『近未来』を感じられるスポットなので、
 一度は足を運んでみてもいいかもしれませんねぇ」

「もっともっと進歩したら、
 『理想の恋人』も探してくれたりするんでしょうか?
 なるべくなら、私があんまりお年を召さない内に、
 実用化されて欲しい所ですが…………あはははは」

「さてさて、今回のテーマは『未来』です!!
 明日の予定、いつか叶えたい目標、これから先の世界に纏わるエトセトラ。
 くるみが『あなたの未来』を全力で応援しちゃいます!」

「――――リスナー(>>74)の方と『電話』が繋がったようですね。
 もしもし?こちらは美作くるみです!
 まずは『お名前』か『ラジオネーム』をどうぞ〜」

74谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2024/02/12(月) 12:43:50
>>73

「お、おぉ、繋がった。
 あー もしもーし。ラジオネーム 『やみやみ♰ひめたん』です。
美作さん、何時もラジオお疲れさまでーす。楽しく聞かせてもらってますー」

 少女っぽい細く、少し低い声が電話より流れてくる。

「えーっと、『未来』 応援してくれるって聞いて。
あの、実はめっちゃ悩んでる事あるんですよー。
 『バレンタイン』 もう、明日じゃないですか? 
実はー、うちクラスではだいぶモテるんですよー。
 それで、この前アパレルショップで同性のクラスメイトに壁ドンまがいに
好きだって言われて。そこまで熱っぽく迫られたら悪い気はしないって言うかー。
 へ、へへ/// あっ、べ、別にこっちはマジでラブになってるとかじゃないです!
 で、でもバレンタインだし、せめてチョコぐらいは上げないと悪いと思ったり??」

「と、言うわけで美作さんにアドバイスして貰いたいんです。
どうにかこうにか、こう、上手い具合に成就……いや、成就って言うか
バレンタインを良い日にする為の秘策って言うのを」

75美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/02/13(火) 06:13:19
>>74

「『やみやみ♰ひめたん』さん、お電話ありがとうございます!
 『バレンタインデー』といえば、『恋の駆け引き』が繰り広げられる一日。
 渡す側も渡される側も、ドキドキしちゃうイベントですよねぇ」

「最近は『友チョコ』も流行ってますからね。
 『特別な友チョコ』を差し上げるのも、
 ステキなプレゼントになると思いますよぉ」

「ちなみに私はですねぇ…………ディレクターにミキサーに構成作家に…………」

「あはは、やっぱり今年も『義理』だけになっちゃいそうです!
 実は『特別な義理』をあげようかなと思う人はいますけどね。
 仕事上の付き合いで、プライベートな交流はないんですけど」

「まぁ、そんな私の話は置いといて、くるみに任せて下さい!
 しっかり応援しちゃいますからね!」

「たとえば、さりげなく手紙を忍ばせるとか、
 渡すタイミングや場所を工夫するとか、色々ありますよ。
 でも、『敵を知り己を知れば百戦殆うからず』です」

「やっぱり相手に合わせたアプローチをするのが大事ですね。
 人によって何が琴線に触れるかは違いますし。
 よかったら、お相手の方について、もう少し教えてくれますか?
 きっと『やみやみ♰ひめたん』さんにピッタリなアドバイスが出来ると思いますよ」

76谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2024/02/13(火) 09:45:21
>>75

>相手に合わせたアプローチをするのが大事ですね
>お相手の方について、もう少し教えてくれますか?

「うーん、あか……相手の性格は『一匹狼』って感じですね。
なんて言うか周りとは違う、って言う言動とオーラを何時も放ってるて言うか。
 んでもって軟弱な男とかよりも男って感じのスタイリッシュです。
 声や顔も良いですね。あと初対面の相手を子猫ちゃんって言う感じに
惑わせるような魔性さも備えています」

 「それと、学年は同じでクラスも一緒ですけどー。そんなに
普段あんまり話をしないから、あんまりグイグイこっちから迫っても
ちょっと困惑されるかなーって思うんですよね。だから、さりげなく
チョコを上げれる且つ、あんまり噂にならない感じの方向性で……。
 色々注文つけ加えて、すいません」

77美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/02/14(水) 06:06:44
>>76

「いえいえ!大丈夫ですよ〜。
 色々お話してくれたお陰で、よぉく分かりましたから。
 これで『プラン』が纏まりました!」

「英語の諺に『You are what you eat』というのがあります。
 『あなたはあなたの食べた物から出来ている』という意味なんです。
 それを踏まえた上で、こんなアイディアはいかがでしょう?」

「『猫と狼』がキーワードですね。
 くるみがプロデュースするテーマは、ズバリ『二面性』です!」

「溶かしたチョコレートに『ジンジャー』や『ブラックペッパー』を混ぜ込むんです。
 味のアクセントなので、ほんの少しだけにしておきましょう。
 『甘味と辛味』のコントラストは、大人っぽい方には気に入って頂けると思いますよ!」

「それから、中身だけじゃなくて、包装にも一工夫してみるといいかもしれません。
 そうですね――――『折り紙の手紙』なんていいんじゃないでしょうか?
 パッと見は『折り紙』ですけど、
 開くと『手紙』になるっていう『二面性』のある仕掛けですよ」

「チョコの包装紙に、折り紙で作ったワンポイントの飾りを添えておくんです。
 どういう形にするかは『やみやみ♰ひめたん』さんのセンスでいいと思いますけど、
 『ハートの形』なんかは初めての人でも簡単に折れてオススメですねぇ」

「渡し方は…………面と向かって渡しにくいなら、
 例えば『机の中に入れておく』というのもアリだと思います。
 『言葉では伝えられない事を伝える』というのも、贈り物の大切な役割ですからね」

78谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2024/02/15(木) 18:57:24
>>77(レス遅れ失礼しました。次レスぐらいで
宜しければ〆させて頂きます)

「な、なるほど。やっぱり余り話もしてないし、机の中が無難か。
! 折り紙の手紙! 良いですねー、うんっ。それなら難しくないし
相手にそんな引かれる事ないし」

 ( めぐみ……この前は手紙有難うな、嬉しかったよ。
これを機に、君ともっと友情を深めようって言う気になれたよ 

 フッ それにしても中々大胆だね、君と言う子猫ちゃんに対して
私が内なる獣を曝け出さないとでも思ったのかい?

 とか言われたりして! へ へへへへっ///// 
って危ねぇ!Σ ラジオじゃ実名出せねぇから!)

 一瞬人に見せられないニヤケ顔をしたものの、頭をぶんぶん振って気を収める。

   ゴツンッッ☆

「ふんぎゃぁ!!

……あ゛ 有難うございばびた、くるみ さん。
そのプラン通りに、とりあえず当日はやってみたいと思います。
成功するように応援お願いします」

 一瞬なにか机にぶつかるような凄い音が電話から聞こえたが
『やみやみ♰ひめたん』は少し震えた声で礼を告げた。

79美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/02/16(金) 05:37:28
>>78

「おっとっと、何だかスゴい音が聞こえましたけど大丈夫ですか?
 でも、『気合い十分』みたいですねぇ。
 そうそう!その意気ですよ!」

「大切なのは『気持ち』ですからね。
 でも、熱くなりすぎないように注意しましょう
 ハートは熱く、頭脳はクールに!
 それが成功の鍵です!」

「さてさて!では、最後に私くるみから『応援のメッセージ』を送りますね!!」

美作が喋るブースの外には、ディレクターとミキサーと構成作家がいる。
そして、ディレクターの指示を受けたミキサーが、
手元のミキシングコンソールを操作した。
マイクに『エフェクト』を加える為だ。

「『やみやみ♰ひめたん』さん。
 あなたは『心』を撃ち抜く一発の『弾丸』です。
 冷静に『狙い』を定めたら、あとは『一直線』に突き進むのみ」

『エコー』が掛かって反響する声が、『女神の天啓』さながらに降り注ぐ。

「はい!ご清聴ありがとうございましたぁ!
 良かったら、またお電話して下さいね。
 番組のSNSアカウントもよろしくお願いしまぁ〜す!」

「SNSでもお知らせしてるんですが、
 最近『Electric Canary Garden』のリスナーさんが増えて下さっているという、
 嬉しいお知らせがありまして――――」

大きな理由として挙げられるのは『夏の魔物事件』。
あれには多くのスタンド使いが協力したが、
『夏のクリスマス』が一般人にまで浸透したのは、
美作がラジオや動画サイトを使って町中に広めたからだ。
結果的に、『Electric Canary Garden』にとっても、かなりの宣伝効果になった。

「今回の放送から、お電話を下さったリスナーさんには、
 お好きな『番組オリジナルグッズ』をプレゼントする事になりました!!
 ちなみに『番組特製クオカード』は『前回まで』です!
 もし持ってらっしゃる方は大事にしてあげて下さいね?」

「現在のラインナップは『ステッカー』と『キーホルダー』と『クリアファイル』。
 それから『アクリルスマホスタンド』に『スマホリング』です!
 『やみやみ♰ひめたん』さんは、どれがお好みですか?」

80谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2024/02/18(日) 12:40:47
>>79(遅くなって申し訳ありません! こちらこそありがとうございました!)

>現在のラインナップは『ステッカー』と『キーホルダー』と『クリアファイル』。
 それから『アクリルスマホスタンド』に『スマホリング』です!

 「へ へへへへ、お 応援よろしくおねがいしみゃす(小声)
 おぉ〜、オリジナルグッズ!
あ、あの……」

(お、お揃いにする為にペアで二つ欲しい……とかは流石に欲張りだよなぁ〜。
 う、うーん、それじゃあ)

 「す、ステッカーで。お、お願いします。
『Electric Canary Garden』に今日は相談出来て良かったです。
こ、これからも応援してますんで!」

 (ステッカーなら、流石に複数……一枚だけって事は無いよな?
へへ、えへへ。手紙と一緒にステッカーも貼り付けるんだ。お揃いにするんだ)

81美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/02/18(日) 15:32:28
>>80

ラジオ番組がステッカーを配り始めたのは1970年代頃まで遡る。
アマチュアバンドの演奏コーナーを設けていた番組が、
オーディションに参加したバンドにオリジナルのステッカーを渡していたらしい。
こうしたステッカー文化の大元を辿ると、行き着く先はアメリカだ。
日本とは比べ物にならないくらい放送局の数が多く、
各局が趣向を凝らしたデザインのステッカーを考え出し、宣伝の手段として活用した。
ラジオにおけるステッカーは、歴史の長い由緒正しきオリジナルグッズと言える。

「はぁ〜い、『ステッカー』ですねぇ〜。
 一週間以内にお手元に届くと思いますから、楽しみにしていて下さい!」

「『Electric Canary Garden』は、リスナーの方々に楽しい時間をお届けする為に、
 これからもフルスロットルで駆け抜けていきますよ。
 『やみやみ♰ひめたん』さんも、しっかりとついてきて下さいね?」
 
「お電話ありがとうございました!
 改めまして、今回のお相手は『やみやみ♰ひめたん』さんでしたぁ〜!」

  「『Thank you』――――」

             「『and』」

                  「――――『See you again』!!」

後日、谷の家に『郵便物』が届いた。
中身は『番組ロゴ』と『電気カナリア』をあしらった『オリジナルステッカーセット』。
さほどコストが掛からないので、たくさん作れるのだろう。
全体的にポップなデザインで、なかなか洒落ている。
また、美作の一言コメントが書かれた『メッセージカード』が添えられていた。

    【HeartをShoot!!もし成功したら結果を教えてね!】



谷『フォビドゥン・エンチャントメント』⇒『オリジナルステッカーセット』Get!!

82美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/06/01(土) 11:02:43

『家の中』かもしれないし、『車内』かもしれないし、『街中』かもしれない。
一つだけ確かなのは、何処かで誰かが『ラジオ』を聴いているという事だ。
『星見FM放送』にチャンネルを合わせていれば、
『カナリア』を思わせる澄んだ声が耳に届くだろう。

「――――――今日も貴方の隣に『電気カナリア』の囀りを」

          〜〜〜〜〜〜♪

「初夏の香りが漂う今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?
 『Electric Canary Garden』――――
 パーソナリティーは『美作くるみ』がお送りしまぁ〜す!」

「今回はリスナーの皆さんから『オススメのスポット』を募集しています!
 くるみのオススメは『海沿いのプロムナード』ですかねぇ。
 運動を兼ねて時々サイクリングするんですけど、
 これからの季節は海からの潮風が気持ちいいですよ!」

『魔法使い試験』という大きな案件を抱えている間も、
『普段の仕事』に穴は開けられない。
『二足の草鞋』を両立させるのは簡単ではないが、
必要とされていると思えば『やり甲斐』もある。
それに、この仕事は『天職』だと以前から考えていた。

「採用された方には『番組オリジナルグッズ』をプレゼントしちゃいます!
 色々ありますから、お好きな物を選んで下さいね!」

「早速『リスナーの方(>>83)』と電話が繋がったようです。
 もしもし?こちらは美作くるみです。
 最初に『お名前』か『ラジオネーム』をどうぞ〜!」

電波に乗せて『声を届ける』と同時に、
『街の声』にも耳を傾ける『ラジオの仕事』は、
自分にとって欠く事の出来ない大切な『生活の一部』なのだから。

83佐良 猟果『マンティコア』:2024/06/01(土) 19:04:21
>>82

「もっ」

「もしもし?あれっこのまま喋っちゃっていいです?」

緊張もあって、引き絞られた細い声帯から出たのは10代の少女と思しき声だった。

「いつも楽しく聴いてます!
 全部じゃないですけど、時間合う時は!
 動画は学校行くときにずっと流してるんで、たぶん全部です!」

徐々に弾む声が、その興奮すら伝えていた。

「ラジオネーム『ミルク綿菓子』にしようと思ってます!
 オススメの、『紫陽花園』のお話をしたくてえ!」

弾む声が、お題に言及する。
梅雨の時期に咲くそれの。

84美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/06/01(土) 21:12:07
>>83

「お電話ありがとうございます!はい、そのままで大丈夫ですよぉ。
 『ミルク綿菓子』さんですねぇ〜。よろしくお願いしますねっ!」

『Electric Canary Garden』は幅広い年代をターゲットにしているものの、
主に中心となるリスナーは若い層だ。
つまりは『ミルク綿菓子』も含まれている。
この電話を取る瞬間が好きだった。
何度か掛けてくれるリピーターもいるが、やはり『一期一会』になる場合は多い。
それら一つ一つを大切にしたいと思っている。

「いつも聴いていただけて、とっても嬉しいです!
 『動画』も観て下さってるんですね!
 ありがとうございます!」

有名動画サイトには『番組公式チャンネル』に加えて、
『美作の個人チャンネル』があるが、どちらでも嬉しい事には変わりない。

「『紫陽花園』!風流ですねぇ。
 ちょっと外出しにくい梅雨の時期にも、
 『その時ならではの楽しみ』があると、
 ついついお出掛けしたくなっちゃいますね」

花の話題に触れていると、ふと『鈴蘭畑』を思い出した。
そういえば鈴蘭も今頃が開花時期だ。
順番的には、鈴蘭と入れ替わるようにして、紫陽花が開花する形になる。

「今後のスケジュールに入れておきたいので、
 ぜひ『ミルク綿菓子』さんオススメの『紫陽花園』について教えて欲しいです!」

85佐良 猟果『マンティコア』:2024/06/02(日) 21:01:36
>>84

「よろしくおねがいしますっ!
 えっと、そもそもって感じのそれなんですけど......!」

ラジオ配信される生通話なんて勿論初めてで、当然の緊張が声に乗る。
きっとそれも悟られているのだろうな、という思いが更に緊張を加速する。

「元々動物が大好きだったんですけど!最近こう、色々......!
 色々あって!植物もいいなって思って、ハマってるんです!」

動物より植物を好きになる『色々』が、本当にあった。

「それで調べてみたら、ウチからはちょっと遠いんですけどお!県内に!
 すっごい『紫陽花園』があったんです!
 まず、すっごい高くてすっごい長い吊り橋を渡らないとたどり着けなくって」

語彙を選ぶ余裕すらなく、感情のままに捲し立てる。

「その先に、すっごい紫陽花園があるんです!ほんとにいっぱい紫陽花があって!
 紫陽花に品種があるとか私考えたことなかったんですけど、こう、フルーツみたいにいろんな品種があって」

「そこでしか見れないオリジナルの紫陽花とかあるんですよ!」

熱を帯びた声は、既にそれが放送に乗ることすら忘れている。
そこまで熱くなる理由が、いくつかある。

「『覇王』って品種なんですけど!
 なんでも育てた方が手相に『覇王線』を持ってるのが由来って!
 そんな漫画みたいなことあります!?」

あってたまるか、とは思う。
でもあるのだ。

86美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/06/02(日) 22:14:05
>>85

電話を通して伝わる確かな『熱』を感じ、『アイドルになる前の自分』を思い出す。
引っ込み思案で内気な性格だった美作は、
入院中の心細さを埋める為に『ラジオ』を聴き始めた。
『パーソナリティー』の声に励まされ、少しずつ自信を持てるようになれたのだ。
今、自分は『あの時のパーソナリティー』のように、
番組を聴いてくれるリスナーを応援できているのだろうか。
『アイドル』を引退して『ラジオ局』で働く事になったのも、
子供時代からの『縁』だったのかもしれない。

「『植物』って、同じ花でも沢山の種類があって、
 ホントにビックリしちゃいますもんねぇ。
 『動物』と違って動き回る事はないですけど、
 お世話した分だけ育って応えてくれますし、
 『ちゃんと生きてるんだ』っていう『健気さ』が感じられて、
 見ているだけでも癒やされますよね。
 そこが魅力的な所だと思います!」

『言いづらそうな気配』は何となく察せられたので、
『色々』に対しては深く言及しなかった。

「『吊り橋の先にある紫陽花園』ですかぁ〜!
 アハハ、本当にスゴそうな場所なんですねぇ。
 ちょうど『見頃』を控えている今、これは要チェックですよ!」

「『オリジナル品種』!
 私は『そこにしかない』っていう言葉に弱いんですよ〜。
 しかも『覇王』なんてインパクト抜群の名前を聞いたら、
 鑑賞したくなるに決まってるじゃないですか!
 漫画には詳しくないんですけど、『覇王線』は『成功者の相』と言われてますし、
 これは『ご利益』も期待できそうですねぇ」

『大きな仕事の成功』は、まさに今の自分が求めている物と一致する。
『紫陽花園』の情報を知る事が出来たのは僥倖かもしれない。
時間が空いていれば、『成功祈願』に訪れてみるのも良さそうだ。

「その『紫陽花園』では『ショップ』なんかも営業されているんでしょうか?
 何か記念になりそうな『おみやげ』があれば、忘れずに買って帰りたいですね!」

おそらく『パートナー』も、この放送を聴いているだろう。
『覇王』という名前に限って言えば、むしろ彼の方が喜びそうだった。
その光景は何となく想像できる。

87佐良 猟果『マンティコア』:2024/06/04(火) 19:41:44
>>86

「ほんとにそうで!
 小学生の時に育ててたプチトマトがあっという間に延びていったときも、
 『えーこいつめっちゃ生きてる!』って思って」

収穫して食べるとき、妙に寂しくなったことを思い出す。
その鉢植えがそのあとどうなったかは、あまり覚えていない。

「あっすみません!『紫陽花園』のお話でしたよね!
 私は『覇王線』のことも知らなかったから、絶対ウソだ〜!って思ったんですけど」

「やっぱり物知りなんですね!手相も詳しいんだ!」

他のラジオ番組なんて聴かないから勝手もわからず、思い付いたままに言葉を並べてしまう。

「『おみやげ』............は、こう、小さい木のチャームに、『紫陽花の種』が一粒、くっついたやつが有名で。
 それぞれにいろんな一言メッセージが書いてあって、ちょっと『おみくじ』みたいな感じなんです。
 丸ごと植えると木の部分も土に還って、うまく育てれば花が咲く、みたいな」

現地で橋から投げるイベントもあって、そこで手放してしまったので手元には無いのだけれど。

「『プレゼント』にもなるし、いい感じかもって思います!」

88美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/06/04(火) 21:11:01
>>87

「お花に『願掛け』するなんて、ロマンがあって素敵な趣向じゃないですか〜。
 見事に咲いたら、運勢も『右肩上がり』になってくれそうです!
 私も色んな事に挑戦していきたいので、
 『覇王』のパワーを分けてもらいに行きたいですねぇ」

自分がリスナーだった時は『聴く立場』で、
アイドルだった頃は『聴いてもらう立場』だった。
今の自分は、同時に『両方をこなす立場』。
それがパーソナリティーという職業だ。

「『ミルク綿菓子』さんの『プチトマト』、見てみたかったです。
 きっとツヤツヤした色合いだったんでしょうね。
 私、トマトの明るくてビビッドな色って大好きなんですよ。
 エネルギーに溢れていて、見ていて元気になれますから!」

だから、リスナーの方から出してくれた『話題』は、積極的に活かす。
ラジオにも『台本』はあるが、『アドリブ』の要素が強い媒体ゆえに、
最初から最後まで筋書き通りに進む事はまずない。
また、相手の話に乗る事によって、心理的な距離を縮める意図も含んでいた。
美作の好きな色は『ビタミンカラー』で、鮮やかな黄色やオレンジ色を好む。
『トマトの色が好き』と言ったのも本当だ。

「フフッ、つい『脱線』しちゃいました。
 気を取り直して、お話ありがとうございます!
 これで『週末の予定』が決まった方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
 ここでしか見られない『特別な紫陽花』――見頃を迎えている今、
 皆さんも是非チェックしておいて下さいね!」

やり取りに区切りをつけるには、この辺りが丁度いいタイミングだろう。

「そして!お相手の『ミルク綿菓子』さんに、くるみからの『プレゼント』!
 『Electric Canary Garden』の『オリジナルグッズ』を差し上げちゃいます!」

「ラインナップは『ステッカーセット』に『キーホルダー』と『クリアファイル』。
 『アクリルスマホスタンド』や『スマホリング』もご用意していますよぉ。
 どれでもお好きな物を選んで下さい!」

89佐良 猟果『マンティコア』:2024/06/04(火) 22:11:09
>>88

「お花って枯れちゃうから悲しいかもって思ってたんですけど、
 『育っていくのが楽しみ』って思えば、『前向き』って感じですもんね!
 くるみさんの色んな挑戦も、応援してます!」

もっと上手く話せたらいいのに、できないのは残念だけど。
おいおい頑張っていけばいいのかな、と通話越しの声を聴いて思う。

「トマトも『夏野菜』ですから、これから時期が来ますもんね!
 雨の時期もいいけど、梅雨明けからも楽しみがあって、ずっと楽しいですね!
 私も梅雨が明けたら、『海沿いのプロムナード』行ってみます!」

それまでに新しい自転車を買おう。どうせなら派手な色したヤツがいい。

「『グッズ』!
 『ステッカー』がいいです!
 大事なものに貼ったり、貼らずに大事にしたりしたいので......!」

90美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/06/04(火) 23:05:05
>>89

『魔法使い試験』以外にも、やりたい事は多い。
『アイドルショー』を進めなければならないし、『それ以外の企画』も進行中だ。
後者に関しては、この番組内でも『ちょっとした布石』を打ってあった。
『電波の不正利用』をした訳ではなく、あくまで『モラル』と合致する形で。
『サポーター』としての仕事が入ったので、結果的には後回しになってしまったが……。

「もしかしたら『ミルク綿菓子』さんと、
 いつかバッタリ出会っちゃうかもしれませんねぇ。
 フフフ、また一つ『楽しみ』が増えました」

そういった経験は初めてではなかったので、『可能性』は十分に有り得るだろう。

「はぁ〜い!『ステッカーセット』ですねっ!!
 マスコットの『電気カナリア』と、
 『Electric Canary Garden』のロゴが入っていますから、
 これを見る時には番組の事を思い出して下さいね?
 一週間以内に届きますから、どうぞお楽しみに!」

ステッカーはラジオ番組が作るグッズの代表選手。
今も昔も変わらず根強い人気がある。
自分も見習いたいものだ。

「最後になりますが、何か『ラジオを通して言いたい事』はありますか?
 今日の感想や普段の生活で思ってる事などなど、
 どんな内容でもオーケーですよぉ〜。
 もし『頑張っている事』があれば、私から『ミルク綿菓子』さんに、
 この場を借りて『応援メッセージ』を送らせていただきます!」

締めくくりとして『コメント』を求める。
過去の自分を勇気づけてくれたパーソナリティーのように、
聴いてくれるリスナーを応援したい。
その気持ちは、ラジオの仕事を続ける原動力の一つだった。

91佐良 猟果『マンティコア』:2024/06/05(水) 00:33:33
>>90

「『バッタリ出会う』なんて......そんな!
 私も、そんなことがあるなら、楽しみです......!
 『ステッカー』も、毎日見えるところに貼ります!」

上擦った声をそのままに、『最後のコメント』を考える。
感想なんて言えない。普段の生活もつまらない。
『頑張っている事』も......。

「『頑張っている事』は無い......無かった、んですけど。
 『頑張りたい事』ができて、まだ頑張ってないから言えない、んですけど」

言葉を探すようないかにも拙い声色で、だからこそ『本音』だと、伝わることもあるかもしれない。

「そういう人って、私以外にもいると思うので!
 頑張りたいこと今から見つけて、頑張ってもいいんだぞって」

「私以外にもリスナーさんみんなのこと応援してくれたら嬉しいなって!
 ......お願いできますか?」

締めの挨拶には不似合いな、具体性の欠片もない『お願い』だった。

92美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/06/05(水) 04:28:47
>>91

『雄弁は銀、沈黙は金』という諺が表すように、
時として『流暢な表現』よりも『言葉にならない言葉』の方が、
より強く心に響く場合があるものだ。
この時もそうだった。
最初に聞いていた『色々』と相まって、言い回しの端々に『真実味』が感じられる。

      「大丈夫ですよ」

                「よく分かります」

悪戯に緊張を煽らず、妨げにならない程度の相槌を打ち、最後まで聞き終わった。

「では!くるみからの『応援メッセージ』をお届けしますねっ!」

声のトーンを少し変えて、
柔らかく落ち着いた声色を意識しながら、
目の前のマイクに向き合う。

「熱中できる物がある人もいれば、まだ探している途中の人もいます。
 何かを始めようとする事に『遅い』なんてありません。
 日々の生活の中で、色んなものを見て聞いて感じて、
 『自分の心』と会話してみて下さい。
 いつの日か、あなただけの『特別な何か』――
 『Something Special』が見つけられるはずですよ」

電波に乗った言葉は『星見町』に伝播していく。
この放送を聴いている全員に伝わっただろう。
それを言い終わると、再び明るい声を作る。

「ありがとうございました!お相手は『ミルク綿菓子』さんでしたぁ〜!」

  「『Thank you』――――」

             「『and』」

                  「――――『See you again』!!」

後日、ポップなデザインの『ステッカー』が郵送されてきた。
手書きの『メッセージカード』が添えられている。
そこには次のように綴られていた。

  【ミルク綿菓子さんへ。楽しい時間をありがとう!
   また今度、一緒にお話しましょうね!】



佐良 猟果『マンティコア』⇒『オリジナルステッカーセット』Get!!


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