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【ミ】『星屑のサラウンド』

615『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/01/20(月) 21:42:50
>>612-614(ALL)

貴方(斑鳩)の考えは、恐らく潜り抜けようとするオブジェ洞窟の中で
解法に近いだろう。『ロスト・アイデンティティ』の鎖は反応しえなかった。
ならば鉄の鎖で橋を作成すれば、何かアクシデントが生じない限りはソイルに
肉薄が可能だと思われる。
 然しながら成田の警告、それと共にオブジェが僅かながら両面に存在する者達が
微かに其の像を擡(もた)げるように動いた事もあり、四人の前進は滞っている。

 それと共に、貴方達の背後から接近する三つの歩行音は超感覚で次第に狭まり。
成田の視点では、一本道同様の通路へと、曲がり角から貴方達との間合いは
20m前後で、一つの人影が姿を現した。

 「――おっと、よぉ 元気か?」

・・・『金一』 サングラスと趣味の悪い成金を思わせる派手なスーツの男。
つい少し前、クレイモアの罠の設置もしていたであろう。十中八九
貴方達がラフィングなり、笑う奴等の一味であろう男が……まるで普通の日常で
出くわしたような調子で声をかけてきた。

?「なぁ、おい。 ――取引しねぇか?」ニヤニヤ

そう、男は不気味に口元を笑みの形に象りつつ貴方達に声をかけてきた……。

616成田 静也『モノディ』:2020/01/21(火) 18:33:27
>>615

「―――ほう、足音の主はアンタか。」

現れた「金一」をにらむように眺める。

「さっきほどは『熱烈な鉄のシャワー』をどうも。オレとしてはお礼として『拳』でお礼させてもらいたいところだが。」

「今はクソ忙しいんだ、すまないが引っ込んでてくれないかな?」

この男は既に『スマイリー・スマイル』になっている可能性が高い。ならばついさっきの『勝美さん』の時のように
罠やこちらを陥れる甘言を張っているとみていいだろう。

「こちらにも非が無いわけでは無いがそれに関しては『緊急時での特例』ってやつだし」

「さっきの件で少なくとも『おあいこ』だと思うんですかね?」

「それにアンタとオレ達は『対等』じゃあないんだぜ。」

そう言いモノディを「金一」の方に向け、拳を構える。見えているか見えていないかはこの際、どっちでもいい。

「嘘だと思うならそのまま突っ立ってな、スタンドの拳をお見舞いしてやる。」

「それが嫌なら自分の『スタンド』で防御するか、その取引を無償で快く差し出してくれるか、そのどちらかだぜ。」

そうと言っても状況的にはオレ達は不利な状況だ。だが得体の知れない相手の『取引』に応じれば間違いなく足元を掬われる。

それにこの男がスタンド使いでもそうで無くとも、『感染者』であっても無くても、ぶん殴ってやりたい気持ちはある。

だがその前にこの男の立ち位置を知らねばならない。推定『感染者』だが完全なクロでもない。

ならばそれを知ってからでも殴るのは遅くないし、何か妙な動きを『モノディ』のセンサーが感知したら即座にブチのめす。

617斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/01/21(火) 20:39:24
>>615

 (丁度『20m』……こいつ、全員の『射程外』ギリギリにいるな、何時それを知った?)
 (これがラフィングなら知る由もない事だ、レクイエムの片鱗というなら…1人1能力の原則から外れている。)
 (そして何より、『交渉』というのは対等な関係で行う物だ、今の場合は恫喝か搾取だな、或いは交渉せざるを得ない状況か……。)
 (だが、その場合だと此奴がラフィングだと言う事になる、レクイエムの石像の動きと説明がつかん、単なる偶然か?)
 (レクイエム側の代弁者として表れたのか……?それなら射程距離を知っているのも説明がつくが、何故この男をチョイスしたのか解らんな。)

馬鹿の考えは休むに似る。

 (ふむ……下手に考えるよりは目の前の問題を片付けるか。)

 「参ったな、足場が動くと進めないぞ」
 「さっきまでのは足場が動かない前提だしなあ」

根元がぐらつく橋とか誰も渡りたくはあるまい
歯槽膿漏の歯と同レベルで悲惨な事になるのが眼に見えている

 「んー……鉄球を天井に撃ちこんでブランコにするか?」
 「爆破で壊せる強度だから出来ない事は無いが、タイミングと射程が難しいな」

根元の部分が壊れてすっぽ抜けて沈みました
想像すると随分間抜けな死に方だ。

 「――やっぱ空を飛ぶか?」

物の試しにとやった爆発は起こったのだ
それもスタンド能力ではなく、現実の物理的な法則に従って
ならば出来ない事では無い、爆発の熱と炎を一点に集中すれば……。

 「でも飛距離がなあ…安定もしないだろうし」
 「石像の方を砕いて足場にするのが一番現実的か。」

少なくとも、『壊した石像』は蘇らないだろう、他の二人やベリルにさせるわけにもいかない濡れ仕事だ
自分でやるのが一番良いだろう、『天は自ら助ける物を助く』 良い言葉だ
何も行動しない奴は何も得ないという事を、その時代の道徳である宗教に絡めている。

スリングを起動、投擲の準備に入る
成田が前を警戒しているなら、ついでに此方は後ろを警戒できるのだし
まあ問題は…ないだろう。

618黒羽 灯世『インク』:2020/01/22(水) 05:51:12
>>615

斑鳩の方は・・・今自分ができる手助けは少ない。
問題は後方から迫る『金一』の方が、より大きいだろう。
彼の妨害があれば斑鳩は容易に地の底に落ちてしまう。

「…………!! 貴方は……『取引』ですって?」

取引。それ自体は敵同士でも成立する言葉だ。
記者の世界でも、ライバル記者同士、取材対象と自分、
仲間とは言えない相手とも『相互利益』のために行う。

そう・・・取引とは双方の利を確保するためのものだ。
『スマイリー・スマイル』の利はこちらの不利。
逆もまた然りだろう。なら、取引の余地は無い。

・・・それは金一にも分かるはず。
思考能力さえ失うなら別だろうが、
罠を仕掛ける程度の知性はあるのだ。

(そう、罠……この取引自体が罠の可能性が、高い。
 スタンドは使えないはずだから、言葉による罠。
 ……この場だけでの協調という可能性もある?
 矢を得るために? 論外、彼らに矢は渡せない。
 …………武器は? 今は持っていないようには見える)

(脅すために見せつけてはいない……だけ、普通は隠し持つものなのだわ)

笑う顔に意味はないだろう。
意味のないものは見ない……見るのは『手元』に限る。

「……成田くん、ベリルさん、気を付けて。
 また何か武器を持っている可能性があるのだわ」

彼の顔は見えているが、手は見えているのか? 
後ろ手に何かを隠し持っているんじゃあないか?
あるいはポケットなんかに手を入れていないか?

「彼の手には見えなくても、手榴弾とか……そういう小さいものがあるかもしれない」

記事にはあと一つ余裕がある。
話しながら『弓道部が矢を射った』・・・手元に小さく書いておく。

619『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/01/23(木) 09:35:19
>>616-618(ALL)

斑鳩が通路に対して攻略しようと行動する最中、彼を守るように三人は
20m向こうの男の行動を注視する。今のところ攻撃は通路も男のほうも無い

?「”対等”じゃない……ねぇ。そりゃ、あんた達の自虐か?
それとも状況をあんま掴んでねぇから余裕ぶっこいてる阿呆か?」

推定金一であろう男は、ポケットに手を入れてた。そして引き抜いて拳銃を……
と言う訳では無い。ライターと煙草を取り出して喫煙し始める。舐めているのか?

?「まぁ、俺達もさ。お前達みたいなちょっと邪魔な人間と無駄話する気無いから
簡潔に交渉内容だけ告げるぞ」フゥー

もはや、自分が人間でないと隠す気は無いらしく勝手に説明を始める。

?「そっちの通路を抜ければ、まず何人か脱落して動けなくなって
俺達の何割見たいになるだろう。あんた等が仲間同士なら、隣の友達が
そうなるのは心苦しいんだろう?
 俺達はそっちじゃない外への出口を知ってる。どう言う目的で来たか
知らないけど、もうこんな場所懲り懲りだろ? 無事に五体満足で
外まで連れてってやる。そして、もう二度と此処に来ないんだな」

……『医者』に会う事なく、このまま踝を返してエレベーターか何かしらの
通路で外まで出ていけ。自分達は攻撃せず見逃す。

割に合わない条件だ。貴方達の目的と合致しない……目の前の取引を
提案する存在も、これで自分達が納得すると本気で思っているのか……?

620成田 静也『モノディ』:2020/01/23(木) 15:37:17
>>619

ほほう、良い事を聞いた。つまるところやはりこいつ等も『医者』を狙うが『ソイル』の迷路を突破できていないと言うことか。

その証拠というか『金一』もとい『スマイリー・スマイル』が言った『仲間』が今オレたちの足場になっているオブジェという訳だ。

だから邪魔になるオレたちにはどいてほしいと、物量で乗り切るため割く分の兵隊を減らしたい、と。

つまり、この事態を乗り切ることさえできれば『レースのゴール』に一番近いのはオレたちという事かな?

「なるほど邪魔だから出ていってほしいか、今までになく理性的だな。」

「…最後に一つ聞かせてほしいお前たち…『スマイリー・スマイル』の目的は何だ?最終的に何を目指している?」

こいつの口から何か情報が聞き出せるかもしれない。無論聞き出せたらコイツは用済み、始末する。

無論、モノディで『金一』及び『ソイル』の防衛行動にも注意を払う。

さてと、斑鳩さんに提案をしてみるか。スタンド会話で且つ小声で話しておく。

『斑鳩さん、先ほどは動揺して粗相をしてしまい申し訳ありません。』

『で、なんですが金一の首か手首辺りに鎖はギリギリ届きませんか?』

『届くなら奴を思いっきり引っ張って沈む床に叩き落として足りない分の足場にしてやりませんか?』

『それならば斑鳩さんが先程の提案していた方法の成功率があがるかも。』

それなりに残酷な提案ではあるが、この状況を乗り切るための手札は一枚でも欲しい。

『スマイリー・スマイル』が目的を話そうが、話すまいが最期にオレ達の為に役に立ってもらうぞ。

621斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/01/23(木) 23:25:31
>>619
>>620

俺は鉄球をお手玉しながら考えていた
別に得意という訳じゃあねえが、痛いデコピンには『ため』が必要だからな。
成田の念話に、全員(少なくとも、俺から見て味方に見える全員に)答えておく。

 『えげつないのは嫌いじゃねえぜ……奴の逃走も考えて接近5m分、何とか出来ればな。』

 『俺の鎖は接続していなければ伸ばすも縮めるも出来ねぇ、繋げておくのは最大で15mまで、それも限界で先端で縛る余裕はねぇ』

 『殺すに20mを使えても、捕縛になるとそこまで器用には出来ねえな、パワー自体も大人と綱引きして、負傷込みで俺が引きずられるだろう…そもそも鎖自体動かせねえんだよ、このスタンド。』

 『それが出来れば、もうちょい幅も効くんだが』

無いものねだりはしても仕方がないが
サンタにお願いするわけにもいかないだろう
…そういやクリスマスだったっけな、今。

 『つまり、俺から提示できる能力で可能な現実的な計画は……『殺傷』か『無視』かのどちらかだ』

 『その上で「殺す」なら……この位置からやる、ただな。』

 『向こうは「スマイリーの本体として増えている」それを忘れてくれるなよ、スタンドが使えなくとも、こそこそ話(スタンド会話)は筒抜けなのは有り得るからな。』

 『その上で決を取ろうか、「やるか」?』

『ボール・ブレイカー』……改め『アッシュ・ローズ』とでも名付けよう
やはり同じアルバムの方がしまりが良い。

手には6m分の爆発する鉄球が二つ、団子みたいにくっつけて両端を確認する、『スリット』を入れる部分をだ
接続されていない鎖は伸縮できないが、任意で『消す』事は出来る。

爆発寸前まで加圧された鉄球に、スリット状の穴が突然現れたら?
そこから加圧された気体と炎が『ジェットエンジンのように』噴出する。

(鎖の射程は20m、だがその上で生み出された熱線は俺のスタンドではない、……実体化したスタンドによって起こされた『物理現象』だ、射程は関係ねえ。)

あとはスライダー投げるみたいにこの不格好な団子を投げつけるだけだ
上手くいけば射程ギリギリで炎の輪っかが奴の胴体を切断する。

失敗したら?20m地点で鎖から突如解放された熱と炎が、20mを超えてその前方にいた不幸な奴を襲う。

――過程は兎も角、結果は大変シンプルでいいことだ。

622黒羽 灯世『インク』:2020/01/24(金) 09:57:16
>>619

まず、何気ない素振りで周囲を見渡す。
具体的には、天井。『スピーカー』などは存在しないだろうか?
あるいは、通気口など『伏兵』の余地がありそうな設備は見えないか?

「少し、『舐めすぎ』じゃないの? 『状況をよく掴んでる』貴方なら……
 ここで私たちが大人しく帰るなんてありえないと分かるでしょう?
 もしそこから分かってないなら……その時点で私の方が『上』なのだわ」

(取引の技は教えてもらったことがあるけど……こういう相手にはどう動けばいいの!?
 挑発……? に、意味があるかが分からない。けど、言葉にある程度の人格を感じる。
 集合意識みたいな物で動いてるとして、言葉選びは元の人格に寄せて、もしくは任せている?
 そうよね……そうじゃなきゃ、無数の人間を溶け込ませる事は出来ない。
 それなら、反論したくなる言葉を並べて……不用意な情報漏洩を誘導出来る?)

明らかに取引になっていない。
ここから逃げるという事は希望の喪失を意味する。
それはつまり、『後で死ぬ』事を意味する。
死ぬ可能性を下げたければ確実に死ね・・・
そう言っているようなものだ。『意味がない』交渉。

それはつまり……何か、『別の意味』の存在を思わせる。

(とはいえ…………ここから私達を排除したい、というのは本当のことのはずだわ。
 いえ、私達をじゃない……感染拡大の邪魔になる存在は、地雷から考えて本当に排除したいはず。
 …………でも、今はこうして不意を打たずに、私達の前に姿を晒している。
 姿を晒して、恐らく排除のための策を動かしている……動かす必要がある。
 つまり問答無用で私達を瞬殺するような『兵器』は扱えないんだわ。
 機関銃とか毒ガスとかがあるなら、何も言わず使えば最低一人、二人は仕留められたはず)

「……雑な交渉で私たちを怒らせて、自分を攻撃させるよう誘導してる?
 それとも……話に集中させて、別の何かから気を逸らせようとしてる?
 逃げるのと進む以外の選択肢を制限しようとしてる……は、無いか。
 ま……わざわざ出て来た以上、私たちに何かの反応をさせたいんでしょう?」

「答えは『無視』よ。…………当然、無視をさせないための方法もあるはず」

成田や斑鳩は殺害を前提に考えている。それも究極的には正しい。
だが、その前……この男が、実際のところ、無駄な交渉に何を隠しているのか? それを探る。

当然ながら……相手の出した小道具、タバコに関しても注意を払う。

気をつけすぎか? 否だ。過剰な警戒ではない。回復するコーラがあった。
ならば『毒煙を放つタバコ』や『爆発するタバコ』があっても何もおかしくはない。

623『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/01/25(土) 19:24:32
>>620-622(ALL) (レス遅れ失礼しました)

>『スマイリー・スマイル』の目的は何だ?最終的に何を目指している?

?「あぁ、俺 もうすぐ誕生日なんだよ。だから大勢でバースデーソングを
歌うのに、全員みんな俺と一緒のお友達になって欲しいってわけ」

成田の言葉に、飄々と金一の体の口から放たれる言葉は真剣に答える気は無さそうだ。

>ここで私たちが大人しく帰るなんてありえないと分かるでしょう?
>もしそこから分かってないなら……その時点で私の方が『上』なのだわ
>わざわざ出て来た以上、私たちに何かの反応をさせたいんでしょう?

背後で斑鳩が『アッシュ・ローズ』と改名させた炸裂弾を密かに作りつつ
スタンドでの攻撃の機会を伺うのを隠すように黒羽の声が響く。

金一? は、その言葉を聞く素振りがあるのか。少々頷く動作をしつつ
そして、口の端を弧に描きつつ呟いた。

?「……あーーーぁ 成る程 成る程 ”進行”はそこまでって事なら
もうちょい時間掛かるが、ちゃんと影響は受けてんだな」

                  ――aaaaaaaaAAA!!!

! ……金一? より向こう側から、超感覚に頼らずとも聞き覚えのある
獣の咆哮が少し遠くから聞こえたっ。
 『ケープ』が、直ぐここまで迫ってきている……!

怪物に変じてる彼は、それを予め知ってたかのように煙草を吹かすのを止めると
何をするでもなく、ヘラヘラとした調子を変える事なく嘲る口調で告げた。

金一?「既に敵だって理解してんだから、問答無用で”俺達”の声を塞げば
良かったのによぉ〜。わかってるか? まぁ、わかってもわからなくても
お前等の結末は死ぬか 喰われるか それ以外無いがなぁ」

ベリル「耳を貸すな、お前らっ。此処は一本道だ、さっきのように運良く
天井の崩壊で足止めなんぞ出来ない。何としておも、このオブジェの通路を
抜け切るしかねぇ!」

尻を叩くような調子でベリルは急かす。ケープらしき鳴き声からして、数分も
かからず此処の通路まで辿り着くのは間違いない。
 金一? も死ぬだろうが、その次に標的とされるのは……自分達だ。

624斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/01/25(土) 21:48:24
>>623

 (そういやリス?サル?動いてたっけなアレ、目の前の石像が動いてんのは無関係って事か)
 (取り合えず貴重な教訓は学べたな…緊急時に邪魔な凡人は、さっさと始末するに限る。)

 (この後生かせるかどうかは兎も角……ま、失敗だけが人生だ。)

 (俺一人なら楽に突破する方法は思いついた)
 (ただし、その場合だと他の三人は置き去りか……。)

鉄球を分離し、両手の鎖に接続、これでスリングが両腕に1つずつ

そこから1m分の鉄球を二つ放って両足で踏みつぶすと足首の鎖に接続
これで両手に5m分の鉄球が一つずつ、両足に1m分の『ハイヒール』が一つずつ。

使用距離は全部で14m、1m分の余裕が有る

 (黒羽が沈むまでにはラグが有った、多少の粘性か浮力が有る筈だ)
 (後は時間と速度の勝負だな……俺以外の3人が何処まで走れるか)

ハイヒールを伸ばしながら沼へと走り、石像に向けて鉄球を投射する。

脚を上げると同時に鎖が伸び、沼へと沈んだ個所を千切って足場にしながら前へ蹴り走る、元が鎖な以上、途中で曲げるのもお手の物だ
置き去りにした鎖を消しながら、沈む前に前へと走る。

投射した鉄球で石像を足元から壊しながら進めば
後から来る人間への足場にはなるだろう。

残弾はおよそ50発。

場合によっては転びかけた足元へ投射して即席の足場にも出来る可能性はある

 (……だいぶ薄いがな、俺は兎も角、他は祈るしかねえ)
 (我ながら判断が裏目に出るねえ、どーも 笑えるぜ。)

 「――奴の言うとおりにしようぜ、俺の後に続け!」
 「こけても助けるつもりはねえぞ!」

625成田 静也『モノディ』:2020/01/26(日) 19:18:55
>>623

>?「……あーーーぁ 成る程 成る程 ”進行”はそこまでって事なら
もうちょい時間掛かるが、ちゃんと影響は受けてんだな」


この言葉を聞いた時、初めてコイツら…『スマイリー・スマイル』の『笑い』を聞いた時のような悪寒が背中に走った。

まさか…もう既に少しづつだが…オレたちは『スマイリー・スマイル』に成りかけている?

オレはこいつ等の目的を少しでも掴めればと思ったが、それすらコイツらの狙いだったと?

馬鹿な…そんな馬鹿な…コイツらになるのは『笑い声』をもろに聞くか、コイツら同様に『笑う』かのはず…。

否定したいところだが、そこへ先ほど嫌というほど聞いた声が聞こえる。『ケープ』だ。

またあの馬鹿力とぶつかりたくはない。だが…『金一だったもの』を生かしておきたくはない。

近くに何か、オブジェの欠片でもいい。奴に飛ばして致命になるものは無いだろうか?

奴をこの手で仕留めなければオレの気はすまない…!恐怖を乗り越えるには始末するしかない…!

斑鳩さんは先程の草原を抜けたときのようにいくつもりらしい。

「…黒羽さんはここを渡る手はありますか?」

「オレは…モノディの跳躍力でまだ残って飛び石になっている『オブジェ』を足場に跳んでいくつもりです・・・。」(跳躍距離4m)

「黒羽さん、さっき飲んだ『コーラ』のから瓶はありますか?」

「それを砕いて破片をアイツの眉間にブチ込む、それであいつを黙らせてやる…!」

「それに…ヤツが本当に邪魔をしない保証が無い以上、やはりここで仕留める…!」

『スマイリー・スマイル』に殺意を向ける。

20mの距離ならばガラス片を投擲して命中させるのはわけもないはず。(ス精AC)

626黒羽 灯世『インク』:2020/01/27(月) 07:53:38
>>623

「……………………?」

進行、という言葉が耳に残る。

自分たちが無意識の内に『スマイリー・スマイル』に取り込まれつつあるのか?
……何を根拠に? 彼らにだけ分かる兆候が、出始めているのか?

それとも、今こちらに向かってくる『ケープ』のことなのか?
……鳴き声が聞こえる前に、その到来を知っていたかのように思えた。

「……成田君、残念ながら『無い』のだわ。
 私の『インク』は下準備をしてこそ力を発揮する」

         スッ

「金一は『役目』を終えているはず。
 仕留める意味があるかは微妙だけど、
 後ろから妨害される可能性はあるかもしれない」

「役立ててね」

可能であれば、コーラの瓶を一つ渡す。
それから……オブジェで満ちる『死出の道』に振り向く。

(オブジェを渡っていけば……数分猶予があるなら、
 渡れるところまでは進むこともできるでしょう。
 そのあとは……『賭け』になるのだわ。今日だけで何回めの『賭け』かしら?)

ベリルの……そして斑鳩の言葉に従い、彼の後ろを進む。
石像、あるいは石像の破片を、あるいは鉄球を足場に、とにかく前に進む。

627『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/01/27(月) 23:16:59
>>624-626(ALL)

?「おぅ、行け 行け。どこまで足掻けるかね     」

 ビュォッ!  ガシャンッッ!

 金一? に対し貴方(成田)は彼女(黒羽)から渡された
空瓶が砕けたものを全力で投擲する。片手だけでもモノディの
力ならば瞬く間に敵の顔面目掛けて飛来する。
 金一? は回避も防御する気も無いらしく不気味な程あっさりと
直撃して背中から地面に強く倒れこみ微動だにしなくなった。
その間にも『ケープ』がこちらへ全力で駆け、咆哮音も超聴覚で
喧しい程に迫るのが聞こえてくる。もう直ぐ(レスで言えば次レス)
この通路へと姿を現すのは間違いない。

      ゴゴゴゴゴッッ。

『ソイル』のいる通路にも変化が起きた。具体的には貴方(斑鳩)が
鉄球を扱いオブジェを破壊した瞬間からだ。
 通路に生えているオブジェの幾つかがソイルの居る奥から天井や壁
床にかけて全身が出てこようとしている(スC)
 何体も外壁に同化していたオブジェの壁が密集して全て壁と化せば
如何に斑鳩の鉄球の破壊力が勝るとしても、分厚い数メートルの厚みの
あるコンクリートと同等の強度の壁が作成されると同義となる。
 今現在、一番近いであろう貴方(斑鳩)とレクイエム状態であろう
ソイルが道を閉ざそうとするポイントまで優に20m前後離れている。

このままでは……袋小路だ!

628成田 静也『モノディ』:2020/01/28(火) 17:20:18
>>627

オレは、周りが思うほどイイ奴ではない。むしろそれを変えることができれば…そう思ってきたが人間そう上手くはいかないらしい。

倒れた『金一』だったものを一瞥することもなく、『ソイルのレクイエム』の考察を行う。

反応はあの『ソイル本体』と思われるオブジェの『矢』に攻撃もとい『奪おう』とした時、
それと今の斑鳩さんによるオブジェの破壊をした時。

つまりは…

「斑鳩さん!これ以上オブジェは破壊するのはマズいです!」

「『ソイルのレクイエム』は『矢』と『オブジェ』に危害を加えるものを攻撃している節があります。」

「だから破壊するのは最後の手段にしないと、この先でも排除の対象にされる可能性があります。」

「それと黒羽さん、貴女のスタンドでオレのモノディの『跳躍の現象』をコピーしてベリルさんと一緒に跳ぶことはできますか?」

「できるならばそれでオレと同じく露出してきたオブジェを足場にここを乗り切れませんか?」

「そしてベリルさんはもしも跳んでる最中にオブジェに掴まれるか阻まれた時のためにスタンドでオブジェを砕く役をしてあげてもらえませんか?」

「できないにしろ早く行く方法を考えねば『ケープだったもの』にやられてしまいますよ!?」

斑鳩と黒羽とベリルに指示を出し、モノディによる跳躍を行う。(距離4m)

連続幅跳びで20mの距離をオブジェを足場にして無理にでも突破する。

もしもしくじっても床に沈み切る前に渡り切る。そうしなければ待っているのは確実な死だけだ。

629斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/01/28(火) 20:58:30
>>627

 「…………。」

俺は目の前で袋小路が完成されようとする中で、『俺達』は考えあぐねていた

成田の理屈は恐らく正しい
これ以上の破壊は致命的な物を招きかねないだろう

だが、現に今目の前が封鎖されかけていて
挙句の果てに後方から死にぞこないが追ってきている状況では

……俺達と成田は兎も角、背後の二人……
老人の散歩のような速度でアスレチックするのは致命的を通り越して自殺行為だ。

 (論ずるに値しない。)

眼前の能力の発露を見る限り、ソイルがやろうと思えば俺達なぞ何時でも殺せるだろう
だが目の前で起きている行動は壁を作る事のみ、消極的、かつ防衛的だ

 (おそらくは『防衛』と『進行の阻止』のみが目的か)

 (どうせなら利用できるだろうよ、あの死にぞこないをもう一度この石の海に沈めてやるのもいい。) 

だがそうなるとこのレクイエムの阻止は複雑になる
……後ろの三人を殺して自分だけ通り抜けるなら、問題は無いが

 (無意味だな、まだ使い道が有る)

並列思考を終える、袋小路の対処が先だ

位置は20m前方、既に生成されかけているが
壁の素材は元人間だ、どう作ろうと『隙間』とそれを塞ぐ『密集ための時間』は必要だろう

――それだけあれば充分だ。


 「『Lost Identity/アッシュ・ローズ』……!」


態々外殻を人間で作ってくれるというなら、最低限でも問題あるまい。
20cmを外殻に、80cmを炸薬に、オブジェの作り出す隙間に挟まる様に、壁に円を描く様に計8発を埋め込むように投擲(ス精BB)する。

山の発破作業と同じだ、外から爆破しても壁の表面が削れるだけだが
内部に埋め込み、的確に爆破すれば、僅かな爆発であろうと逃げ場のない力が周囲を破壊し、山に亀裂を生む。

後は単純だ、罅の入った脆い壁を蹴り飛ばし、次の足場を作ってやろう
これが現状では『最低限』だ。

 「『俺達』の邪魔をするな、クソ凡人共……!」

630黒羽 灯世『インク』:2020/01/29(水) 06:29:58
>>627

(……『インク』に移動を補佐するような力はない。
 成田君の『モノディ』を記事にしたところで、
 スタンドが高く遠く跳べるだけで私が跳べるわけじゃない)

(でも『試す』価値はある…………)

          スス

『モノディがとんだ』とシンプルな主述で書く。
一度ではない。継続してそれを書き続ける(スB)
今この瞬間には、『二つ』のそれを空間に浮かべる。
他の記事に関してはこの状況では無用の長物だ。

成田に関しては彼自身のスタンドだからこそ、
跳躍に随行出来たのかもしれないが……自分は違う。
同じ動きの実体化スタンド物質を作り出せるだけだ。

つまり、超高速で4mを跳ねたという、目に見えた事実。
理屈は今の自分には分からなくても、その『事実を見た』
ならば…………そこに『掴まる』事が出来れば、あるいは。

「成田君…………良いアドバイスなのだわ。ベリルさん! 私の『記事』に掴まって!!」

実行する。

自分とベリル、その両方が触れられる距離に『記事』を展開する。

モノディのパワーで二人を運べるだろうか?
それは不可能ではないはずだ。こちらも体重を預けるだけでなく、
自らも動くなら、運ばれるというより『引っ張ってもらう』ような形になる。
それなら最小限のパワーで実行できる。速度が多少落ちても徒歩よりは速いだろう。

631『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/01/29(水) 23:08:53
>>628-630(ALL)

貴方達と真逆、つまり金一が倒れてる方向から二人分の何かが
壁に激突して肉が砕ける物音と、獣の咆哮音を聞いた。
ケープと……あとは金一が連れていた仲間が一瞬で肉塊に変化した音だろうか?
振り返れば詳細も知れるが、今は目前の問題を貴方達は処理する。

『Lost Identity/アッシュ・ローズ』

斑鳩の炸裂弾。オブジェの壁に埋め込まれるような状態での爆発
謂わば科学の罅割れ現象。
 貴方の行動は的確だ。目の前の壁を破壊すると言う意味合いでは正しく適格……。
――が。

>これ以上オブジェは破壊するのはマズいです!
―――『『『ガシッ……!』』』

成田の警句が発されたと同時であっただろうか?
 斑鳩が脆くなったオブジェの壁の表面を足蹴りにして少しだけ
大き目の穴を作り、成田や黒羽とベリルが丁度能力を駆使して
宙を舞ったと同時に、その動きを止めるように急激に死角から
引く力が合わさって貴方達の前進を止める。自然と目を向ける方向……

・・
腕だ 貴方達の前進を止めたのは、地に足をつけてる斑鳩なら床から
宙を舞う三人ならば天井や壁付近から腕のみが複数突き出され貴方達の
体の衣服の襟なり足首なりを掴んでいる。
 
―――ググッ……!!

ベリル「引っ張られる……ッ! 壁に引き摺り込まれるぞぉぉ――!!」

632成田 静也『モノディ』:2020/01/30(木) 01:50:10
>>631

「クッ…懸念していないわけでは無かった…腕を伸ばすというのはそういうことだとは思ってはいた…しかし…」

「掴むのが想像以上に早い!?こちらとてのんびり跳んでいるわけでは無いはずだ。モノディのスピードに乗って飛んでいるんだぞ!?」

速度的にちんたらしていなければ掴まれることはそう無いとタカを括っていたが、まさかこんなに早くつかまれるとは…。

できる限りオブジェを破壊しないようすぐさま届く範囲で自分を含む味方を掴まれている衣服の一部分をモノディで切り離す。(パス精CAC)

絵面はとんでもないことだが緊急時故に勘弁してもらいたい。

しかし既に足首を掴まれている…これ以上の破壊はマズいがこのままの状況もマズい!

「仕方がないか…モノディ!足首を掴んでいる腕を破壊しろ!」

モノディの尋常ではないスピードならば人並み(?)くらいのパワーでもオブジェを砕くことくらいはできるはず。(パス精CAC)

しかしこの後が問題だ…こちらは掴まれて初動の勢いを殺されてしまった。

こうなれば床に落ちるしかない。沈む床に落ちたらまた腕が伸びてくるだろう。

しかし後ろからはあのゴリラゾンビもどきが迫っている。アレはオレらが沈むか引きずり込まれるよりも早く追いつくだろう。

「どうする…?どうこの状況を切り抜ける!?」

斑鳩さんならあの汎用性の高い鎖で爆風で跳ぶなりなんなりして渡り切ることは多分可能だろう。
しかしオレたちにはその術は…。

「黒羽さん!墨で足場をお願いします!急いで!」

彼女のスタンドでラフティングの侵入を遅らせる漏斗口を作ったと聞く。

ならば一瞬の足場となるものを描くことができるのでは?

一瞬の足場ができればオレたち3人も再び跳ぶことができるはず。

今度は迫りくるオブジェは全てモノディで砕いてみせる!次は誰も掴ませない。

633斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/01/30(木) 20:54:18
>>631

 「――同じ事を二度も言わせるな。」

回転、投擲(ス精BB)。
ロスト・アイデンティティの残弾には、この事態を見越して未だ10発分(2m)の余裕が有る
余裕をもって石の手に2発投擲すれば十分だろう。

 「邪魔だ。」

この石の海に何体沈んでいるかは知らないが、『ハイヒール』をもう少し延長するべきだろう
次に掴まれても、トカゲの尾のように切り離せるように。

 (俺がロボット?……馬鹿馬鹿しい)

前進しなければならない
ソイルはそう遠くない筈だ。

 (こんな諦めと効率の悪い感情的なロボットなぞ、欠陥品だろうに。)

背後からベリルの声が飛び、影の頭を其方に向ける
どうやら掴まれて動けないらしい

とはいえ、成田と黒羽は自身で如何にか出来るだろう
問題はその更に背後にある。

 (だが、まあ 沈んでいる数はそう多くは有るまい、
 壁を作った際の一度に動かせる量からすれば、今の攻撃は数が少なすぎる。)

鉄球に爆発で消滅した鎖を補充する。

 (あとは何だったかな…ケープだったか、ベーブだったか…もう一度殺すにはまだ準備がいるな、鎖が足りない。)

一々後ろの三人の足を止めるわけにもいかない、影の頭部に後ろを監視させなければ。

 (――『レクイエム』か、あまり、期待はしたくないが)
 (かといって『L・I』の奥の奥の手でも殺しきれると思えん……一番近いのは『俺達』か。)

634黒羽 灯世『インク』:2020/01/31(金) 22:03:27
>>631

「足場―――――――――それだけじゃない」

             「『次の推力』も用意する」

既に書いていた『モノディがとんだ』の文字列を前に出す。

これを足場にしてもらう。
問題はない。一つしか書いていないわけじゃあない。
先ほどから空いた手では継続して同じ記事を『書き続けている』。
本来『同じ事実を何度も再現できない』にもかかわらず。

――――それを踏み台にして『モノディ』が再び跳んだ瞬間には、
自身とベリルを引っ張る『モノディの記事』は跳躍動作を終え、
推力についても『跳んだ瞬間』ほどの物はもう、無いだろう。

「ベリルさんッ、新しい『記事』を出すのだわ!」

     「出てきたらそっちに乗り移る!!」

         「出るタイミングは……
           成田君が跳んだ次の瞬間!!」

それゆえに――――『モノディの再跳躍直後』に、『記事』としてそれを再び、再現する。
同じ内容であっても、現実で再び起きた事実であれば、再び記事にすることが出来る。

何度でも『跳んだ瞬間』の爆発的な推力を得て、自分とベリルが取り残されないように。

635『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/01(土) 19:25:33
>>632-634(ALL)

斑鳩(貴方)の『ロスト・アイデンティティ』によるオブジェの破壊。
影による後ろの確認では、既に入り口近くまでケープの形相が迫っているのが
見て取れて、その更に向こう側に壁の染みと化す警備員らしき服装の二人が
辛うじて確認出来た。多分、金一と同行していたラフィング? の残る存在。

後続で同じく、阻害する石像達を衣服を切り離すなりして
『モノディ』『インク』、そしてシンプリー・レッドも続いて抵抗を行いつつ
進んでいく。それでも、それでもだ。

       ゴゴゴゴゴゴゴッッ!!

ベリル「……っ、前にある石の人垣が……”修復”
いや、破壊されたものを無理やり継ぎ接ぎとして固めてやがる」

レクイエムか、元々のソイルの能力の一部なのかは不明ながら
貴方達が破壊するなりした石像の一部は、他の石像と繋ぎ合わさっているのが
行動する中でも見えている。斑鳩が破壊していた人の壁は勿論の事、モノディ達が
振り払ったオブジェ達もだ。

ベリル「このままじゃ……ジリ貧だっ。どうする? どうすりゃいい!
あの向こう側にいるソイルに何としても私達は敵じゃないって証明する
手段はないのかっ!?」

 自動修復される目の前の石人の障壁に、蠢き貴方達を引き摺り込もうとする
石像達。そして後ろからは、自分よりも狭い入り口を力ずくでも破壊し
オブジェに構わず暴れ狂う猿の怪物と化すケープ。

時間は一刻の猶予もない……何とかこのレクイエムの道を切り開かなくては!!

636斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/02(日) 01:35:37
>>635

 「…………」

(20m先なら兎も角、至近距離なら『支え』くらい作れる、が)

(賭けだな、ここから空を飛んで矢を回収するか、この距離でソイルに味方だと解らせるか)

 「呼びかけて目覚める気配が無いと『ジャンボリ』は言っていた、ラフィングがスタンドを使えないという知識とベリルに面識が有る前提だが、俺達は既にスタンドを目の前で使っている」

(だが反応は無い、目と耳はおそらく使えない筈だ)

(しかし今までの挙動からコイツは、『石像を破壊されている』事は感知している)

(壁の補修もそうだが、そもそも目と耳が見えずに、俺達の位置へどうやって正確に掴みかかった?)

 「そもそも、最初に鎖で橋をかけようとした時、こいつは石像を動かしたんだ。」

 「――『接触』か『振動』か『破壊』か」

回転、照準、投擲(ス精BB) 文字を書くなら正確に叩きつけねばならないだろう、弾数は……まあ足りるだろう、足りなかったら?残念でしたねってところだ。

 「何方にしろ……まあ3つは思いついたか、問題はこいつが『モールス信号』を知ってるかだな。」

『・・・ --- ・・・』(SOS)

『・・・ --- ・・ ・-・・』(SOIL)

 「破壊した石像と壁を態々修復するなら、少なくとも『破壊痕』は認識してる、それを文字の形にすれば……メンドクセェ」

 「意思が有るなら全部試せばどれか当たるだろ!」

態々目の前で修復されていくキャンパスに、左手の鉄球を叩き込んで『HELP SOIL』と文字を撃ちこみ、右手で適当な石像にモールス信号を叩き込む。
まったくスマートでもなんでもないが、少なくともアポロ13みたいにロケットごっこしてソイルに突っ込むよりは……いや、50歩100歩だな、対話を試みる方がもっと分が悪い。
だがこれが一番後続が生き残る可能性のある選択肢だ、たぶん。

指で石像に文字をなぞってやればいいんじゃないかって? さあ……?

637成田 静也『モノディ』:2020/02/03(月) 20:41:48
>>635-636

斑鳩の行動を見てなるほどと思う。

ならば自分もそれをやれば可能性は多くなるはず。

自分の拳から『音核』を抜き取り、近くのオブジェに重なるように配置させる。

いつもならばすぐに握りつぶす音核だが、潰さない場合は4分の間、モノディ以外は干渉することのできない
スピ-カーとなる。

そして音とは掻い摘んで言えば空気の振動だ。至近距離で接触するように振動が起きれば気づいてもらえるかもしれない。

抜いた音核からは拳が鳴らすノック音を斑鳩がやったようにモールス信号となるように鳴らす。

『・・・ --- ・・・』(SOS)

『・・・ --- ・・ ・-・・』(SOIL)

と。

もちろん跳躍移動は続けるし、背後に迫る『怪物』にも注意を払う。

掴もうとする手は砕くし、さっきのガラス片が残っていたら…最終手段として『怪物』の心臓辺りを目がけて発射しなければならないだろう。

・・・あの状態の奴に今更ガラス片で怯むかも怪しいところだが。

「ベリルさん、さっき話した落書きの内容に合うような組織内で緊急時のパスワードとかは教えられていないんですか?」

ベリルに問いかける。おそらくは知らないのだろうが何かしろヒントが欲しい。

『スタンドを見せる』ことはできず、声も信号も届かない時は例の合言葉に頼るほかないだろう。

638黒羽 灯世『インク』:2020/02/03(月) 23:39:13
>>635
>>636-637

「――――――『モールス信号』! 考えたわね!?」

              「なら、私は・・・」

     ササッ

『SOS』
『HELP』
『助けて』
何でもいい――――『オブジェ』や『壁』にそれを書く。

(斑鳩さんと成田君で『モールス』は打てている……!
  私はよりシンプルに、記者らしく『文字の力』で働きかけるっ!!)

『インク』の速筆は常人域をはるかに超えた『超人世界』に位置する。
また、それと同時に・・・『ケープ』の様子も視界に収めておく。

(『不死身』としか思えない……
 『毒薬』が効く可能性は低い。
 ましてこれは、恐らく『人間用』
 それでも、最悪の場合選択肢には上がる)

念のため確認しておかなければならない。
移動と、『SOS』のさなかに手が空いたなら、胸ポケットの『錠剤』が砕けていないかを確かめておく。

639『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/05(水) 00:12:11
>>636-638(ALL) (レス遅れ失礼しました)

後続で最後尾なら『黒羽』だ。視界の端に収めた『ケープ』の獰猛に
手のひら程の牙を見せつけ耳鳴りしそうな程の咆哮を轟かせる形相を視認する。
その丸太程の両腕は人が入るサイズの出入口の扉を秒単位でこじ上げる様も。

>さっき話した落書きの内容に合うような組織内で
>緊急時のパスワードとかは教えられていないんですか?

ベリル「成田っ! そんな都合良い合言葉を私が知っているとして
今のこんな危機一髪の状況になるまでに試さねぇのならっ!!
私はどこまでボンクラだって話だろうがよっっ!!」  ブォォ! ガシャンッ!!

成田の質問に対し、周囲から迫るオブジェを破損しつつベリルは怒鳴り返す。

同行者からはヒントは貰えない。前門を覆う石の海 後門は不死に近き獅子の怪物

万事休すと思える中で

 『・・・ --- ・・・』

『・・・ --- ・・ ・-・・』

……斑鳩が思考の末に思い付いた振動『モールス信号』が響く。

その刹那――


                  ギギッ……

 斑鳩の前に『差し出すような手のひらの形の腕』の石像が
目の前に生える壁から産み出された……。

640斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/05(水) 18:47:44
>>639

か細い風切りの音、甲高い金属音

俺は差し出された掌に『鍵』を放った

生憎それ以外は焼け焦げているか、持っていないか、この場所に関係無い物であるし
握手の形でもないのでそういう事でもないだろう。

勘でこれだとは思ったが、渡した所でどうなるか等とは考えつかなかった
一手、遅れたのかもしれない だが確認する時間はなさそうだった。


 (ここまで努力はしてみたが……また失敗したかね、これは。)


 (……俺達が『努力』か 馬鹿馬鹿しい。)


散々他人を利用して、今更助けて貰おうなどというのも虫のいい話ではあった
我ながらどうしようもなく醜いが、これが俺達の『個』ならば仕方のない事だ

息を吐く
右手には鉄球があり、近づいてくる利用した連中の背後に眼を向ける

さっきは確かに殺した、手応えもあった
だがあの暴走特急を二度止めるのはほぼ無理だろうとは感じていた

しかし、他に選択肢が無ければやるしかないのだ。

 (初撃は弾かれた、二度目は貫通しなかった。)
 (だが殺傷は出来た、つまり俺の鉄球が体内に『埋め込まれた』と考えていいだろう)

結合、回転、四肢の関節に狙いを付ける
二足歩行はバランスの悪い移動方法だ、足を狙えば楽に転倒が狙えるし
四足歩行なら両肩を狙えばダウンが取れるだろう。

 (奴は不死身のように見えるが、再生のための血肉は無から取り出せるわけでもない)
 (急にに燃費が良くなった車のような物なら……散々暴れた以上ガス欠が近い可能性もある)
 (四肢をもぎ取れば動くも何もあるまい、再生するというならその分時間も稼げるだろう ……誰の時間かは知らないが。)

『アッシュローズ』が回転の遠心力で円錐形の外殻と化す
貫通力を上げ、体内で爆発させる為の形状に

 (さっきの壁の壊し方が良かった、あの肉を貫通しないのなら内側から破壊すればいい)
 (埋め込み方はもう解っている)

 「後は……自分を信じるか。」

(沈まないのだから、鎖を浮き代わりに一時的に沈んでやり過ごす…という手も有るが)
(対話が出来たとはいえ、石化しかねないのであればかなり危険な賭けでしかない)

(――どうせ死ぬなら、立ったまま死にたいな。)

――投擲。(ス精BB)

641成田 静也『モノディ』:2020/02/06(木) 01:20:23
>>639-640

ベリルの言葉を聞いてその通りだ、なんてマヌケなことを言ったんだオレは…。

それと同時に起きる『ソイル』の起こす攻撃以外のアクションとそれに対する斑鳩の行動。

もはやそれに賭けるしかない。

と、なるとそれの邪魔になるのは『ケープ』だ。

「黒羽さん、ベリルさん!アイツを…『ケープ』を足止めするぞ!」

持ち物を見る。前の灼熱のせいで所持物はほとんど消えてしまった。

が、先ほどの『金一』を始末した時のガラス片ならどうだ?

残っているならば『ケープだったもの』の頭・胸等の致命ゆえに防御する場所や、足・腕など
直接行動する部分をを狙って投擲する。(ス精AC)

斑鳩さんの行動でアクションが起こるまでどれほど時間がかかるか分からない以上、
少しでも時間を稼いでみせる。

―――もし駄目だったら?その時は仲良く死ぬだけだ。

まああの『ケープ』くらいは道連れになってもらうがな。

『モノディ』、自分、それと『ケープ』くらいかな?音核を抜き取って全てを飲み込み、音響兵器としてぶっ放す。

今の状況じゃ鼓膜どころか心臓も死にそうだが。タダで死ぬよかマシだろう。

「さあ、来るなら来やがれ。」

642黒羽 灯世『インク』:2020/02/06(木) 02:56:34
>>639

「成田君ッ、投げるものはこれもあるのだわ!!」

預かっていた(>>491)メスを彼に返す。
受け取れる状況なら――――だが。

「ッ…………『インク』!」

思考を巡らせる。
だがそれより先にまず、手を動かす。

「『筆法』……『ゴースト・ストーリーズ』ッ」

『弓どうぶがヤをいった』。
『サッカーぶがボールをけった』。
『てじなぶがナイフをなげた』。

「『ストーリーズ』ッッ」

                ササササッ

           「『ゴースト・ストーリーズ』!!」
 
手を止めない――――簡素な文字で書き、再現し続ける。
『ケープ』は無敵かもしれない。だが反応までは『無』ではない。

「『事実』がある限り『記事』は書き続けるッ――――『ゴースト・ストーリーズ』ッッ!!」

『シンプリーレッドがなぐった』――――『瓦礫を飛ばす』。
『モノディがものをなげた』。

「それが『記者』の『力』」  「そうよね……いいえ」  「そう」  「そうに決まってるのだわッ」

『人型ではないスタンド』――――斑鳩の能力は再現できない。
だがそれ以外は再現できる。『玉切れ』を起こす事は、死ぬより先に心配する事ではない。

643『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/07(金) 21:20:31
>>640-642(ALL)

斑鳩は作り出されたオブジェの手の平へ鍵を投げ放つ。

カツンッ・・・と金属が跳ねる音、手のひらに収まる鍵。
オブジェは動かない……。

その間に斑鳩はアッシュローズをケープの表面積が一番大きい
胸の部分へと放つ。

  ――シュォォッ……ッ

ケープ『Guuuuuuuuu―――zUッ゛ッ!!』  ガァンッッ――!!

 !!?
アッシュローズ。先端より殺傷力を増させたロスト・アイデンティティの
炸裂弾丸を飛来するのと同時に、ケープは近くの壁に生えていた石像を
豪快に片腕で粉砕する。
 粉砕した石の礫は斑鳩までは飛ばずも、ケープの前方の空間を飛び散り
それは今放った炸裂弾にも命中し。僅かながら、その威力を衰えさせつつ
ケープの片腕に命中した! このまま斑鳩の任意で片腕を一時的に使い物に
ならないようには可能だろうが……それでも目前の怪物の破壊力は完全に殺せない!

         ――GyoooooooooooooAaaaaaaaaaa!!!!!!

咆哮が通路全体を震わせるように轟く……。


貴方達(成田・黒羽)も絶体絶命に近い。
斑鳩よりもケープ達に近い成田は、動きに支障のない片腕のみで
ガラス片を投げつけようとするも。上記でのケープの暴挙により
投げたガラス破片は破壊されたオブジェの礫により、運良くとも
破片の一部がケープの肉体に浅く突き刺さり、更に怒りを注ぐのみ。

黒羽も、軽く自分のほうまで降りかかる礫の余波が頭上から襲来するが
目立った怪我は今のところ成田共に無く、メスを渡す事は無事に行えた。
(※毒薬の錠剤の確認は、道中でアイテムがほぼ燃え尽きた斑鳩に成田共に
黒羽も無事である事は前もって確認出来て良い。何処に仕舞ってるかも
任意で構わない)

『インク』を振るう、然し再現を行うにしてもジリ貧は否めない。

  ズズッ――ッ。

? その間にも、成田の近くに『差し出すような腕』の石像が壁から生えてきた。
斑鳩の時と同じ……少し時間差はあるものの、全く同じ現象……。

644成田 静也『モノディ』:2020/02/07(金) 22:19:01
>>643

オレらの攻撃は、やはり少しの時間稼ぎにすらならなかったが、斑鳩さんは榴弾が腕に当たり吹き飛ばした。

これで時間が―――

そう思ったが『ソイル』は斑鳩さんの置いた鍵になんの反応も示さなかった。そしてこちらにもその手を差し出してきた。

『鍵』が辺りかと思ったが違うのか?何か別なものをを求めているか?それとも…。

もはや『ソイル』に敵意は無いと見える。

―――もしこれが間違っていても4人のうち1人でもたどり着けば勝ちの目ができるんだ。
オレがしくじって死んでもまだ黒羽さんもいるし、斑鳩さんも別な手をすぐに考え付くはず。

だからオレはオレの思いついたこと、『感染者ではないことを示すためにスタンドと生身の手で差し出されたオブジェの手を取る』。

これで勘があっていれば『ソイル』はオレたちを導いてくれるはずだ。

「オレはこの手を試してみます。もし成功したらみんなも!」

みんなにそう叫ぶ。

645斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/08(土) 01:58:27
>>643

 「FU〇K!あのデカブツほんと倒れねえ上に『ラフィング化』が進んでるじゃねえか!今稚拙とはいえ防御したぞ!」

悪態をつく、アイツが倒れる前に行った事は本当だったらしい
さもなければ都合よくここに現れる事も無いし、一々ガードなどしないだろう

アッシュ・ローズの欠点……岩壁を破壊する方法はまず『埋め込む』のが前提である
弾かれては表面を軽く削る程度だろう、これではほぼ意味が無い。

まあ転倒させようがそのまま慣性に任せて突っ込まれたら俺達はミンチなんだが
これだからフィジカル高い奴は困る、対処手段が限られるorほぼ無いではないか。

 「……チッ」

 (成田の行為は、他人に生殺与奪の権を握らせるのも、他人を信じるというのも、吐き気がする程イラつく俺には思いつかん案だな。)
 (最優先は1人でも生存した上で前に進む事だ……他に思いつかん以上、取らざるを得ないか、この手。)

成田のように鍵ごとオブジェの手を取る
時間稼ぎの攻撃も、既にある程度使った以上、補充には時間がかかる物だ

 (我ながら情けねぇなあ……。)

646黒羽 灯世『インク』:2020/02/08(土) 02:31:00
>>643

(正解は『モールス』――――? それとも、別の要因があった?)

           (やらないという選択肢はない)

     (やらないことは正解にならない)

                (今は『間違えない』より)

         (正解を探さなきゃならない)

                    タンタンタンッ

足を動かす。
『・・・ --- ・・・』(SOS)
『・・・ --- ・・ ・-・・』(SOIL)

筆の柄で壁を打つ。
『・・・ --- ・・・』(SOS)
『・・・ --- ・・ ・-・・』(SOIL)

「ベリルさん――――ベリルさんも『モールス信号』、振動で伝えてみてッ」

モノディが攻撃を止めれば『再現』出来る記事は、事実は有限となる。
残っている再現を終えながら、自らは足と筆でモールス信号を打つ。ベリルにも促す。

647『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/09(日) 09:34:48
>>644-645(成田PC・斑鳩PC)

 ――……。

壁から生えたオブジェの手。それを握ると同時に、貴方達は凄まじい
引力と共に生えた場所の壁面に飛び込まれる。
 痛みは無い、だが 一時的にだが意識に空白が産まれ……そして
次に覚醒した時に貴方達は二人とも同時に僅かに倒れこんだ姿勢で目を開いた。

   ――オオオオォォ……。

目の前には、胸部に『矢』が貫通し、それを両手で握りしめた格好で石と化した
『ソイル』が佇んでいる。その隣にある壁面が僅かに揺れ動くと共に
文字が刻まれた。
   
   ―オマエタチ ハ ダレ ダ

>>646(黒羽PC)

 『ゴースト・ストーリーズ』
まだ平和を謳歌してた日常があった、今日の学校に居た頃。今の死闘を演じてる
渦中では、もう大昔のように感じる過去の体験を『インク』にて再現。

部活動の人間達の攻撃にも転じられる行動。だが、その殆どは悲しきかな
人間のスペックでありパスCC 怪物を倒しうる力は無い。ケープがこちらに
迫るのを僅かでも時間を稼げている事実は存在するが、斑鳩や成田の時のように
オブジェの腕が発生するには、どうしても時間が掛かる。

ケープ『GoooooooooooooAAAaaaaaaaaaッッッ!!!!』

        ブォォォッッ――!!   ガシュゥゥ――!!




ベリル「…………ぁ………っぐ……」

それはあっと言う間だった。ベリルも奮戦し、ケープに対し散らばった破片を投擲
するなどの淡い抵抗、貴方に倣ったモールスをしたもののインクの像で複数守られてる
貴方と違って、ベリルはシンプリー・レッド一体を不調の中で動かしていたのだ。

視界の中で、ケープの丸太のように太い腕が伸び ナイフのように鋭い爪が
ベリルの脇腹に突き刺さるのを目にした。

ベリル「………………く…………ろ」

ケープ「guuuuuuRuuuuUUッッッ゛ッ゛!!」  グンッ――!!

ベリルが貴方のほうに顔を向け、何か喋ろうとした直後。ケープは
手に彼女を突き刺したまま持ち上げる……!

648斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/09(日) 18:34:10
>>647

 「…………」

 「俺ぁな〜〜スタンドだリスザルゾンビだって言われて、もう驚いたりは別にしないけどさぁ〜〜」

非常階段だってマークの一つはついてるのだから、文字が書けるのならせめてやり方くらい付随して欲しい
周囲を見渡しても黒羽がいない辺り、間に合わなかったのだろうか?これで死んでたら目もあてられないな。

その辺りの不満を飲み込まないと前にすすめない、今この瞬間だけ本当にロボットになれたら、どんなに良い事か。

 「そんで?ダレと来たか……ダレねぇ。」

乾いた唇を舐める、石像相手に話しかけている自分はまったく現実感が無い
大量の寝汗と共に飛び起きる悪い夢のようだ。

                          エクリプス                         アリーナ
 「俺が言わなくても解るんじゃねえのか?『負け犬』は真っ先にケツまくって海に逃げたし、『頼みの綱』は手繰って見たら千切れる寸前だし。」 
 「態々こんな勝ち目のない戦いに挑む奇特な『組織』なんて、もう何処にもないんだろ?」


 「――単にニコニコしてる『アレ』が気にくわない『個人』だよ。」


 「うざい、面倒、邪魔、おまけに見苦しいときたもんだ、ヘレン・ケラーだって三重苦で収めてたって言うのに」
 「おまけに本体は今も絶賛大安売り大セール中、冬のインフルエンザの勢いで増殖してると来たもんだ、ほんと節操がないぜ。」


 「どいつもこいつも何だかんだ言い訳してやりもしない、うっおとしい、だから俺達が潰すと決めた。」


 「……って、これもモールスじゃないと駄目なのか?メンドクセェなぁ。」

 「増殖元の『最初の本体』を探すために『探知系のスタンド使い』探してるんだったな…確か、今。」
 「だからそこ通してくれ」

 「って、モールス……ローマ字でいいかな、入力面倒くせぇなぁ……。」

コンコン コン コンコン……。

649成田 静也『モノディ』:2020/02/10(月) 18:01:57
>>647

なんとか第一試験を突破といった所か。ここまで長かったな…。

それにしても黒羽さんとベリルさんはまだなのか。

「すみませんが斑鳩さん、外の二人にも救いの手を差し伸べてもらえるように『ソイルさん』にお願いできませんか?」

「あいにくオレはSOSくらいしかモールス信号を知らないんです。」

斑鳩さんを通して『ソイル』に頼むようにお願いをする。

彼女らとは昨日今日の付き合いだが死線を共にした以上、情はある。

ここで彼女らを無視してみすみす『ケープ』の手でミンチになるのを見過ごすことはできない。

「ソイルさん、あの二人を助けてもらえないですか?」

まずあの二人も助けてもらってから、『医者で探知できるスタンド使い』や『グレイジャー』、『ジャンボリの最期』など
話すべきだろう。

650黒羽 灯世『インク』:2020/02/10(月) 21:30:28
>>647

「べっ ………………!!!!」

ベリルは助かるだろうか――――
今から『医者』の所に行けば――――
どうにかして辿り着ければ――――

(持っていた『記事』がなにも通用しない)

         (『ソイル』を書けば)

   (『人間』だという保証は?)

           (・・・・・・)


(そもそも『ソイル』もケープを止められていない)

価値に結びつかない思考が頭の中をめぐり続ける。
それをかき分けたところで、この脳のどこかに答えはあるのか?
振り下ろされるベリルを受け止めて、救出できるのか?

死にかけの人間一人、連れてくるのは高望みだったのか――――
そもそも自分も、ここで死ぬことになるんじゃないのか――――
『能力』も『頭脳』も通用しない相手に、どうすればいいのか――――

『私が立っていた』

                    ――――記事を書いていた。

やまない思考の中で黒羽が無意識に選択した行動は、『防御』だった。
スタンドを解除し、振り下ろされる腕を、前方に生み出した自分自身の『記事』で――――
そして、それを発現した直後に頭の前でクロスした両腕で『受ける』事だった。

無防備に受ければ死ぬだろう。何もない爪でも死ぬだろう。そうだ。これでも死ぬかもしれない。
だが、『重りの付いて鈍った腕』で、爪はベリルに刺さったまま、それなら『死にはしないかもしれない』。
大きなダメージが予想できた。回避した方が、安全かもしれないとも、間違いなく思った。
ベリルを投げてきたら? 予想以上に速かったら? 防御を捨てた回避こそ悪手にもなる。
それでもダメージを負わない可能性を選ぶべきだったかもしれない。それでも、それでも・・・『記者』は『情』を捨て損ねた。

651『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/11(火) 22:32:35
>>648-649(成田PC・斑鳩PC)

成田や斑鳩、どちらが周囲を見渡しても一つの彫像。ソイルを除き
周囲は壁で囲まれているのが見てとれる。
貴方達は各自思い思いに独白する。だが、芳しい反応は
目の前の矢に貫かれた彫像と化すソイルから返らない。
黒羽のいる方面から、激しい揺れと壁越しだが大きな咆哮音と
石材を破壊する連続した音も聞こえた。
斑鳩はモールス信号を試そうと振動を発生した最中、それは起きた。

壁に刻まれた字が陥没し、新たな文字が浮かび上がる……。
要約すると、このような文面だ。

『俺は守り人 通せるのは魂を持つものだけ。
俺は奴等を防ぐ為に五感の一つを除き全て絶った。
ただしスタンドの力と ――”矢”のみ未だ扱える。

覚悟を以って 握れ』

……そう壁面の文字は記される。続きは無い

>>650(黒羽PC)

貴方は『インク』にて『防御』を……ベリルを
か細いながら救えるかも知れない手段を苦肉の策として行使する。

対してケープは赤く鈍い眼光で唸りつつ突き刺さったベリルと言う
重しがある腕を何ら支障ないかのように、振り上げて黒羽に叩きつけようと掲げる。

ベリル「くろ……はね……」  ブゥン……ッ カチ

その最中、ベリルは掠れた声と共に貴方の名を呟いた。と同時に
『シンプリー・レッド』がケープの鉤爪のある場所に力なく腕を振り
その何ら衝撃もなく当たった箇所に鉄の輪が生えた。

ベリル「……つまらん時間だったさ…………お前と過ごした短い時間は、な」

   ギュゥンッ!    ブシュッッ――!!

ケープ『GyaaaaaaaaaaaaaAA!?!!  GAAaaaaa!!!!』

彼女の死に際に告げた呟きと共に、鉄の輪が縮小しケープの爪のあった
根本に深く食い込み血飛沫が舞う。切断はされぬものの見過ごせない激痛に
獣であるケープは雄たけびを上げ、ベリルを貴方のいる方面と異なる
石像が生えた壁に反射的に叩きつける。
 シンプリー・レッドが消失するのが視認出来た。

 ガシッ ガシッ ガシッ ガシッ!!

      oooooooОООッッ――!!゛

ケープの尋常ならざる破壊力は、進行中も石像の手は幾らか彼に
及んでも歯牙にもかけてなかったが、壁面を大きく抉った事により
更に石像は物量を増加させ、ケープにまとわりつく。
怪物の狒々は、怒り狂いつつ伸ばされた石像を手あたり次第に
破壊する。床、壁、天井と手あたり次第に破壊を続ける事で辺り一面が揺れ
既視感を覚えさせる嫌な揺れも周囲に立ち込める。

その間にも、黒羽のいる近くの壁から差し出される形の手が生えた……。

652斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/12(水) 19:23:36
>>651

……肩を竦める。

 「残念だが、どうやら彼は『石の如く』口の堅い男らしいぜ。」

 「あるいは、疲れ目の俺達に配慮してくれたかだな!」

文字通り石像になってまで守っていたのだ
むしろ彼自身からはほぼ情報は得られまい、今はそれで十分だ。

 「或いは、既に実行しているが……向こうが『手を取れない状況』なのかもな、あくまで『転移』…と仮称するが…は『此方が』、『手を握る』と起こる現象らしいからな。」

 「触角だけで俺達の仲間かラフィングかどうかを判別しろってのも、酷な話だろ?」


(『たられば』は幾らでも考えつくが、考えた所で過去が変わるわけでもないんだ。)

 
 「――成田、ほれ。」

手の中の『鍵』を成田君に放る
この先で必要なのはこれくらいだろう、彼(ソイル)が守っていたなら、敵がいる確率はかなり低い
1人でも恐らく…問題は無いだろう、なら時間の無駄は省くべきだ。

 「ここでぼーっとしてんなら、後ろは任せて先行けよ、ほんとにお目当ての『スタンド使い』がいるか知りたい」

 「まぁ〜〜俺は平和主義者だが?第一印象の問題ってもんは有るからな ……それに」

  ニッ

 「もう一回ケープにホームランされたくはねぇだろ?」

 「『矢』は後から持ってくよ、抜いたらレクイエム解除されました、とか失笑もんだろ。」

ニタニタと笑いながら手をヒラヒラと追い払うように振るう


(それに……僕は確かめたい事も有る。)

(レコーダーの記録から『矢』はもう1本ある筈 場所も見当がついている、が 恐らく……面倒事だな。)

『ハイヒール』と両手の『鉄球』の鎖を使い、『10m』分の『鉄球』を作り上げ、直径20cmに結合する。
そしてその鉄球に『両手』『両足』『胴体』『首』の鎖の先端を結合する。

(『奥の奥の手』か、通用するかどうか……ケープがこのまま沈んでくれると、確認も楽なんだが。)

653黒羽 灯世『インク』:2020/02/12(水) 19:51:43
>>651

「わ」
        「私が」
                 
                 「私が『記事にする』から」

「全部終わったら、私が、あなたのことを無かった事にしないから」

有能な記者に――――『ウソ』が見破れないわけがない。
ベリルがしたことの意味が分からないはずがない。

「お…… おわかりかしら? あなたのしたことの価値――――」

「私はちゃんとわかってるから――――」

だが、黒羽に出来た事は彼女の手を取る事ではなく、
壁から差し出された手を取り――――『無駄にしない』事だけだった。
言葉に意味があるのかはもはや分からないが、言わずにはいられない。

        「だから――――謝りはしない、『ありがとう』ベリルさん」

後悔は出来ない。間違いだったと悔いるのは、彼女の意志に礼を失する行為だ。壁の手を取る。

654成田 静也『モノディ』:2020/02/12(水) 20:47:42
>>651

確かにオレはこの中ではボロボロな方だろうが、それは斑鳩さんも変わらないはず。

それでも事実、あのケープに少しでも有効打を与えられるのは斑鳩さんなのも事実だ。

鍵を受け取り、死地へと赴く斑鳩に声をかける。

「…わかりました、彼女らの事を頼みます。それと…あのゴリラ、加減ってもんを知らないのでホームランされるとアホみたいに痛いですよ。」

「経験者のオレが言うんだ間違いないです。」

笑うことはできないが、ジョークを飛ばす。

「…死なないでくださいよ。」

そう呟き、一足早く先を目指す。目指すは当初からの目標である『医者のスタンド使い』だ。

そして握るのは…

『この矢を掴めってことですか?』

モノディの指でオブジェに文字をなぞる。

『そうすればオレたちが望む、医者のスタンド使いのいる道を開いてくれるのですか?』

もし『答え』が帰って来ないときはこの場で唯一握ることのできそうなもの、『矢』の柄を握る。

無論、それで無事にできるとも考えてはいない。何らかのリスクがあってしかるはず。

655『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/13(木) 18:44:47
>>652-653(斑鳩PC・黒羽PC)

斑鳩は『ロスト・アイデンティティ』の鎖を繋ぎなおす。成田に
鍵を渡しつつ、壁越しの怪物と化したケープが侵入する懸念をもった上で
壁に視線をやれば、黒羽が頭部を先に倒れこむように目の前で発現したのが
見て取れた。

黒羽は、壁の手を握った。一瞬の意識の空白、そして次に固いコンクリート床の
感覚と共に焼け焦げが見える斑鳩であろう靴の足元が見えた。
無事に、どうやら貴方も味方のほうへ合流出来たようだ。

そして……。

           ――ピキピキッ

成田が、物言わぬ石像のソイルに近づき。その握りしめた矢の柄を
手の平で握った瞬間に。

貴方達二人は、成田が『石像』となるのを視認した。

656『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/13(木) 19:24:38
>>654(成田PC)

 貴方は矢を握った瞬間に、意識が急速に何処か遠い部分へ誘われた。
視界が暗転し、空白の時間が壁に引き摺り込まれた時同様に再度発生する。

目覚める。此処は……海辺だ。
見回してみれば、そこは『遠州灘』……星見町の駅を更に下った海辺だ。
一般的な知識で、貴方はテレビなり自身の足で目にした事のある
星見町から大海原が見える浜辺。
 然し、その海は『石』で出来てるかのように波の音はなく静止している。
『石の海(ストーンオーシャン)』が屹立する異常な空間に貴方は佇んでいる。

「――ジャンボリ……グレンシャー……他の見知ったメンバーでも無いのか」

後方から声がした。振り向けば黄土色の髪の毛をした、幾らか若い容姿の
男性がジャンバーの裾に手を突っ込み、貴方を見ていた。

「……時間は一刻の猶予も残されてない」

知りえる全ての情報を君に継がせると、ソイルは告げた。


丁度、貴方が吉岡の変死体を発見した時間帯。ソイル含む星見町の異変を
調査するメンバーの数名が、スマイリー・スマイルに遭遇した。
攻撃を受けたメンバーの半分が、その場で同化。のこる半分は危険性の
大きさを理解して足止めを実行。ソイル・グレンシャー・ジャンボリ
そして残る数名は援軍を要請する為にアリーナへ仲間の能力と共に転送・帰還。

「……アリーナに帰還した時、僕達の背筋に悪寒が走った。
出迎えた同僚達の後ろ側で、奴等の虫唾の走る表情を認めたからな」

アリーナには既にスマイリー・スマイルが潜伏していた。
ソイル達が異常を感知したのを、まるで見通してたかのように潜伏してた
敵達は一斉蜂起を駆使した。奴等には奴等しか知りえないネットワークが
恐らくあり、逃げ延びた事をアリーナ方面に伝えた事で情報を全て抹消
させる為の一斉攻撃だったのだろう。

「……エクリプスと何時でも抗戦を予想しているアリーナでさえ、奴等の
あの『声』を防ぎ切る事は叶わなかった。
 こうなった僕だからこそ分るが……防ぐ事が出来なくても仕方がない。
あれは”レクイエム”……いや”レクイエム”と表現する事すら烏滸がましい。
魂の原質に近づいたからこそ、知った。理解してしまった。
 ――奴等の能力の本質は『魂の捕食』だ。

……マイマイカブリって聞いた事ある? カタツムリを食べるのに適した昆虫。
奴等の声が、マイマイカブリの消化液なら。僕たちはカタツムリさ。
人の肉体を透過し、奴等はその声と言う消化液で魂を溶解させている。
 
気づいた時には既に遅い。奴等の声が僕達の臨界点を突破した瞬間
所謂 溶けた魂は奴等の本体であろう場所に”啜られる”。
……残ったのは、消化液って言う音色が立ち込めたカタツムリの殻って言う
奴等の仲間となった成れの果て……」

おぞまし過ぎる、そう呟きながらソイルは力なく首を振って貴方へ告げる。

「……なってしまった者達を、元に戻す事は無理だ。
だが、まだ魂が原型を留めているのなら……治療は出来るかも知れない。
そして、この能力の根源となった存在の居場所も探り当てられるなら……
封じる事も出来るのかも知れない」

全ては可能性の段階だけど、とソイルは力なく溜息を吐き出す。
吐息が抜ける音と共に、彼の体にピシッと罅が入る音を聞いた。

「……もう、残された時間は少ない。やがて僕は消える
あの声を僕も幾らか浴びた。肉薄する距離で無ければ、直ぐに奴等に
魂を吸われるリスクは避けられるけど、それでも……こんな呼称は変だけど
半液状化した魂を矢で貫くのは、リスキーだったんだろうな。
この会話が終えれば、僕は消える。
 残った能力は一時間程度は保つだろうけど、それを超えれば解除される」

直ぐに下へ向かうんだ。と彼は告げた。

ソイル「……他に、何か聞きたい事はあるだろうか? 僕が知る限りの事は」

段々と亀裂が入る音が大きくなりながら、ソイルは貴方に告げる。

657斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/14(金) 21:20:59
>>655

 ――ニッ

 「――なぁんだ、言えるじゃねえの。」

(空元気かもしれねぇが…スタンドが精神力で動く以上、多少の『精神的余裕』は必要だからな、これなら成田は『問題ない』)
(ジョークの一つも回せるならまだ戦えるだろう、道中でも不満一つ零さない辺り、俺の想像よりは『タフガイ』だな。)
(問題は……)

そう、問題は2人の方だ
そう考えている間に壁の罅はますます大きくなる、後何回耐えられるのだろう?
俺が二人を引きずってくまで耐えられるといいんだが

――そんな事を考えていると黒羽が頭部を先に、倒れこむように目の前で発現したのを見た。

「……黒羽か!立てるか? よくここまでやってくれた…いや待て、ベリルは何処だ?」

見える範囲には1人だけだ、ベリル・ストックは何処にもいない。

 (黒羽とベリルは、背後を確認した時には…ほぼ同位置だった筈だ、手を取るなら『ほぼ同時』になるだろう…が、来たのは1人だけだ。)
 (逃げたのか?だがケープは今、『壁を破壊しようとしている』そもそも、逃げ場は……。)

頭の中で、一つの回答が導き出される
その答えは俺の脳に白い煙を纏ったドライアイスを突っ込まれた気分にさせてくれた
……今は冬なんだ、アイスなんか食ったら風邪をひいちまうってのに。

                ――ああ

 「――――事は全部後で聞く、今は石像の向こうに走れ!」
 「俺は他人に出来ない事をやらせるつもりはないし、自力で立てる奴に手を貸すつもりもない。」
 「そして、今出来る事を考えて、躊躇わずにやるんだ。」

そしてふと見れば成田が石像になっている ……は?冗談だろ?
『ミダス王』+『ゴルゴーン』?そんな呪いのアイテムDQにも無いぞ。 

 「…………フゥ――――。」

俺は何故こんなにもイラついているのだろう、何の得もないのに。

最初に気づいたのは、鎖で遊んでいた時だ くっつける時にそれは『すり抜けるように』融合した
鎖は鉄で出来ていた、金属の輪が重なるように結合すれば、『鉄球』を作れるという事だった。
いくらでもすり抜けて、限界が無い、僕は無限に近い『投擲』を手に入れた。

次に気づいたのは、鉄球で遊んでいる時だった
切り離した鎖は『実体化している』なら、『物理法則』に左右されると言う事だ
一つに重なった鉄の輪を鉄球に埋め込み、それを外側から振れている状態で『切り離したら』?
外殻が中身の内圧に耐え切れず、破裂する様にそれは動いた。
手に入れたのは『爆発』だった、人間相手に使うのを僕がためらう程の。

最後に気づいたのは……ついさっきだ。
  外殻7:炸薬3
外殻が内圧に耐え切れずに破裂する
なら、外殻を増やして内圧に『耐えきった場合』はどうなるのだろう?

切り外した鎖は、伸縮できない、なら外から鎖を結合させたら?
一つの鎖から、無数の先端を伸ばす事は?
罅割れる外殻を、全身から供給した鎖で修復し続けたら?

内圧は上がり続ける、温度は上昇し続ける。
実体化した金属は、割れて、赤熱化し、白熱化して、溶け始める。

縁日の水風船のように膨らみながら、溶けた中身を維持するために
割れた鎖を伸ばした鎖で覆い、割れた鎖を消し、時折中身を消して維持し、外殻を修復し続ける。

撫でた全身の纏う鎖は、それぞれが融合する様に結合し
隙間の無く、それでいて柔軟に動く金属の鎧のようになる、お蔭で空気の穴を首の裏に開けないといけなくなった
鎖のダメージフィードバックがないなら、実体化していない全身の鎧は『耐熱』としても機能するだろう

金属の殻の中で、罅割れたそれが唸りをあげている
人間相手に使うにはタメが長すぎるし、オーバーキル気味だった、不意打ち気味に殴られれば終わりで
鎖のほぼ全てを使ってしまう、射程も長いとは言えないだろう、制御を間違えれば即爆発するし、俺はオーブンでチンされる寸前だ

――だが、怪物相手になんの遠慮がいる物か。

 (今までが『できてしまった』のだ)
 (これが『できません』等と、誰にも言わせる物かよ)

俺は怒っている、ここまでの事、公園で襲ってきた市民、退廃と諦念交じりのゲーム、愛する女がいた男の死。
また一人死んだ、その筈では無かった、これからも増え続けるのだろう、違う 理不尽だ 嫌だ
邪魔だ うっとおしい 正しくない 道理が通らない 理不尽だ

 (――――そうだ、『理不尽』過ぎる、今までも、これからもだ。)

鉄の殻が悲鳴を上げる、理不尽への怒りを吠える唸りと共に
『溶解した金属の奔流』を放つ時だ。

 (――狙いを、つけなくては。)

658成田 静也『モノディ』:2020/02/15(土) 12:49:02
>>655-656

―――『矢』の柄を掴む瞬間、黒羽さんが空間に入ってきたのが見えた。

よかった…彼女は無事だった…。

そう思った瞬間、意識はここではないどこかへと飛んだ。

「―――こうして面を合わせて話すのは初めてですね『ソイル』さん。」

そして彼の残り少ない時間で遺してくれた情報を知り、最期に

「貴方の事は『グレンジャー』さんや『ジャンボリ』さんが遺したメッセージでここまで来ることができました。」

「その事に感謝と敬意を。」

「それと…『矢』なのですが、もう手持ちは無いと考えていいですか?」

「奴らが『魂を犯す』・・・話の流れから推理して『レクイエム』は『魂を支配するもの』と受け取りましたが、奴らのオリジンを知ってもそれを倒すだけでは足りない気がします。」

「奴らは…その一人が目的は『誕生すること』だと言いました、ならば奴らにもまだ『先』があるのかもしれません。」

「ならばこちらも同じ『魂』に干渉しなければ奴らに勝つことは難しいかと…もちろんここまで来たら諦めるつもりは毛頭も無いですが。」

ソイルに自分の考えを話す。もし彼が消える直前に『矢』を引き継がせてくれればそのパワーで『スマイリー・スマイル』を滅ぼすことすら可能かもしれない。
ならばいかなる代償を払うことになってもそれを試す価値は十分にあるはずだ。

659黒羽 灯世『インク』:2020/02/15(土) 15:41:52
>>655
>>657

「……………………………ッ、はぁっ……! 『生きてる』……だから『立てる』」

すぐに立ち上がる。
出来るはずだ。恩人と別れただけだ。初めてでもない。
ネガティブな精神論で動きを止める暇などどこにもない。

「お分かりかしら、私は……弱くない。むしろ強い。
 だから後でなら……『話せる』し話すつもりでいる。
 貴方も『弱くない』……貴方のやる事には意味がある」

「『後で』……話すから」

立ち上がったなら歩ける。歩けるなら走れる。
何も問題はない。今は話している場合ではない。

「…………成田君……! い……いえ、きっと『これ』は『ソイル』が何かをした」

            スゥー ・ ・ ・

「……のだわ。ここに招いたのがソイルなら、あえて石化攻撃を今仕掛けては来ない。
 それなら、引き摺り込んだ壁の中に埋めて仕舞えばいい……彼の話も『後で』聞きましょう」

斑鳩の指示に従う事にした。彼の事だ、確信があって指示をしている。
この空間に最初に引き込まれ、ソイルと何かしらの交渉をした可能性もある。
黒羽灯世は有能で、上等だが…………全能ではないし、最上ではない。
下に見られるつもりはないが…………同じくらい上にいる人間はいてもいい。

基本に立ち返る思考。離別は、そうだ。初めてではない……石像の向こうへ走る。
四方を囲まれた部屋で位置を指定する彼の目論見は、おそらく『周囲を巻き込む猛撃』だ。
寓話のように壁が開いてその先に進めるならそうするが、そうではない以上ら身をかがめ、待つ。
成田に何か進展があることを・・・あるいは、もし仮に壁を破った怪物が、討たれることを。

660『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/15(土) 22:22:07
>>658(成田PC)

>『矢』なのですが、もう手持ちは無いと考えていいですか?

貴方の質問に、ソイルは顔を悲しそうに歪め 数秒間をあけて口が開かれる。

「……グレンシャーに、もう一本を手渡したんだ。
僕の師が言ってた。矢は複数存在し、その幾つかは混じりけのない隕鉄により
魂の昇華が行う事が可能なんだと。残念ながら、僕の刺した矢は『模造品』
古い名匠による、限りなく本物を真似た物だけど真価を発揮するには足らない。
この矢は、良くて残り『一度』レクイエム化出来るかどうかと言う代物だ」

でも、僕はグレンシャーと別れてしまった。と彼は酷く悲し気に告げる。
彼女に渡したほうは、恐らく自分が刺したものより純度は高いと思うが
それでも、それがどれ程に有利に働くかは未知数であるとも。

貴方は矢を欲する。そして、これは言葉にせずとも この心象世界では
思考もソイルには筒抜けなのだろう。穏便に諭すように彼は告げた。

「僕は、僕達の仇を討ってほしいとは言わない。きっと、それは
ジャンボリも、グレンシャーも同じ気持ち……。
三人の願いは一つだけ、この町と共に寄り添って生きていく事」

ただ、それだけだと呟きソイルは、顔を石の海へ向けた。

「……この浜辺で、何時も僕達三人は暇があれば一緒に過ごしてた。
辛い事があっても、得難い喜びがある時も。この場所で分かち合った
……僕はグレンシャーを、ジャンボリを愛していた。
彼と彼女と出会えた人生に 運命に 此処に
世界を……愛し  て い たん  だ」 ピキ   ピキッ……。

涙が一筋頬から流れるのを成田は視認した。上半身から段々と彼は罅割れていく。

「ジャンボリ グレンシャー……   もう   いち  ど
また   この  浜辺で……」      ピキ   


        パキパキンッ・・・!

貴方の視界は暗転し、そして覚醒した。
 成田の目前には、石の壁が広がっている。視界を少し左右に向ければ
『斑鳩』と『黒羽』が立っているのが見える。
……怪我がそこまで酷くない片腕には『矢』が握られている。

661『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/15(土) 22:37:23
>>657-659(斑鳩PC・黒羽PC)

融点は既に貴方(斑鳩)は超えていた。荒れ狂う激情はマグマ同然であり
それは握りしめ、砕けかねないと思える程の中にはちけそうな感情を
込めた鉄球の中に込め続けながら。

 黒羽は、成田の安否は無事である可能性が高い事を唱えつつ
壁の反対側。ケープのいる方面と反対のほうに駆けて移動し身を低める。

その選択は極めて正しい。

 
         ――uuuuUッッ゛

唸り声が篭るように壁から聞こえた。そして削岩の音も。
 そうだ、ケープは未だ壁の向こう側で生き延びている。不死性に近い
性質を帯びた怪物の狒々は、ソイルのレクイエムにより壁の内部に
引き摺り込まれても易々と沈黙しない極めて暴力的且つ理不尽なパワーを
今は身に着けているのだから。

           パキィ――――zノッッ゛

壁から、大きな丸太のような狒々の腕が突き出るのと。

成田の前にあったソイルの石像、そして同じく成田の覆われた石の殻が
砕け散る音が奇しくも一致するタイミングで密閉した部屋に反響した。


……ソイルの石像が完全に細かく分散させた地点の真下の地面には
緊急時に降りる梯子式らしき脱出口であろう蓋が見えた。

662斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/16(日) 02:05:40
>>661

成田君が石像から戻って逃げるまでの時間を稼ぐ、という理屈は有る。
一時でも抑えて、腕の一本でも消し飛ばしてやれば、2人に余裕も生まれるだろう
それは僕と俺のスタンドにしか出来ない事だ、理屈としては。
そしてそれが終われば、最後に僕が逃げればよい、これでも逃げ足なら4本あるのだ(スB)

何かが背後で割れる音が聞こえた
黒羽ちゃんはもう逃げただろうか?何とか奥に出口が現れる事を祈るしかない

鉄仮面の中では息苦しい、だが問題は無い
もっと息苦しい生き方をし続けてきたのだ

壁越しにいるアレは、運がなかっただったのだろう、エクリプスに使われ、アリーナに保護され、俺に殺された
そして残ったタンパク質の塊だけが、無理やりに動かされている、僕と大した違いはない、理不尽の被害者だという点については
そんな物だと言われれば、頷く以外の選択肢がない、運などという物をどうして自分の思うとおりに出来るだろう?

壁を削る音が聞こえる、視界に捉えられずとも、狙いを付けるのに十分な目標が。

 溶解 圧縮 縮められた金属球は表面の一部を消失させれば、僅かな隙間からある現象の如く、補充された溶鉄が無くなるまで噴射し続けるだろう
ケープは壁の破壊の為に足を止めている、もはや突進の速度は無い、壁の破壊音で狙いはついた、圧縮された溶鉄は、再生する肉塊を焼いて封じ、骨という支えを消し飛ばして仕留めるためにある。

自分の中の何かが張り詰めたような感覚と、白熱化した鉄串が全身に何本も突き刺さっている
沸騰した重油が胃袋と肺を満たし、その上でなお溶けた鉛が喉を焦がしながら臓腑へと滑り落ちる……この感覚

     オ レ ノ マ エ カ ラ キ エ ウ セ ロ
 『――Lost Identity/Prominence』

それはケープが壁に穴をあけ、丸太のような腕を突き出した瞬間、頭の中で何かがぶち切れる音がした
壁の破壊音に照準を合わせ、中心まで届く十字のスリットを溶鉱炉に刻んだ、――十字が光る、『怒り』は解放される。

663成田 静也『モノディ』:2020/02/16(日) 23:10:25
>>660

目の前でひび割れゆくソイルに思わず駆け寄った。

彼らなしにここまで来ることはできなかったからだ。

「…ソイルさん、ジャンボリさん、グレンジャーさん、貴方達の『意思』は…オレたちが…引き継ぎます。」

「だから…だからどうか安心して下さい…。」

オレはこの街に来てそこまで時間が経ったわけでは無い。だがオレも彼らと同じくこの街が好きだ。

騒々しいく少し鬱陶しいところも、閑静で落ち着くことができるところも、知り合いの勧めで知ったコーヒーの味と香りも何もかも。

自分にはもったいないくらいの幸福をこの街にもらった気がする。だから彼等の好きな、オレも好きなこの街をそこに住む人々を守ってみせる。

そうしてソイルの一部が崩れ落ちると同時に意識は現実へと戻る。

その手には『矢』を託されている。

「待たせました、皆さん。状況は…あまりいいワケではないみたいですね。ならばソイルさんの示してくれた道へ退きましょう。」

「そうすれば4人全員で移動できるはず。」

そう言った後で、一人足りないことに気づく。

―――ベリルさんも…逝ってしまったのか。

だが悲しむのは後だ、今は時間を作らなければ…。

近くに大きめの瓦礫(モノディが掴んで投げることのできる大きさの最大)を探す。

それを投げつけてやれば攻撃するにしろ、撤退するにしろ1秒・2秒の時間が稼ぐことができるはず。(ス精AC)

『矢』はまだ使わない。あと一度しか使えないのならば使うのは『スマイリー・スマイル』を滅ぼす時だ。

ここで使ってパワーを失わせるわけにはいかないのだ。

664黒羽 灯世『インク』:2020/02/17(月) 03:23:20
>>661

「成田君―――――!」

           「それにこれはっ!
             ここからの出口なのだわッ!」

   バッ!

筆を高速で振るう勢いで蓋に手を掛ける。
そして、そのまま――――開く!

ケープの撃破は『困難』だ。
斑鳩の行動の意味は信じるが、
斑鳩の行動の結果を盲信できない。
自分が今すべきは援護射撃ではなく、
足止めの直後に全員で逃げ出せる『出口の確保』だ。

「ベリルさんやアリーナの人たちを、
   『事実』をここで『置き去り』にはしない……」

「――――そのためにもまずはここを出なきゃいけないのだわ!!」

成田にも、投擲物の深追いしすぎは制止しておく。
重大なのは逃げる事。逃げる事ととはすなわち、『生存し前進する』事。

665『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/18(火) 23:34:24
>>662-664(ALL)

斑鳩は投げた。――Lost Identity/Prominence
 鉄の球体自身が溶解炉の役割を果たす。つい少し前に太陽に近しいものに
焼かれたからか、或るいはもっと昔から君が受けた激怒によるものか。
貴方(斑鳩)の本来の能力の全てを出し尽くした怒りの太陽は狒々の腕に
命中すると共に強烈な閃光と熱を石の壁近くで弾け産まれさせた。
ケープの音とも言えぬ悲鳴にも似た咆哮が、貴方達三名の耳に捉えた。
 瞳を灼く光が収まると、丸太程の穴からケープの手は消失していた……。
多分、貴方の力により奈落の石の壁の中に押し戻されたのだろう。


    ――ヒュオオオオォ・・・

非常口であろう、貴方(黒羽)が開いた蓋。その先は『奈落』に等しい
黒い底が出迎えていた。
 見た所、梯子など降りる為の器具は設置してないようだが……。

ピシッ   ピシッ……。

 貴方(成田)が最初に気づく。周囲の密閉している壁
ソイルが作り上げた石牢の空間に亀裂が走り始めている。
間もなく崩壊が始まる事は音から伺える。

666斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/19(水) 00:53:45
>>665

      ―――ガラァン

太陽の燃えカスを投げ捨てると、元からそんな物がなかったかのように消え去っていく
全身の鎧が元の鎖に戻った後、俺は踵を返して非常口まで歩き出した

(――駄目か、俺の今考えつく最高出力でも押し返すのが限度と言う事だな。)

死肉が此方に突進してきた時、二つの肉塊が潰れる音が聞こえていた

(あのラフィングはあくまで死肉到着までの囮だった、黒羽から聞いた話だと、他のラフィングは全員掘削作業だった筈だ)
(……囮に2人も3人も態々使うのか?)

ソイルを通り過ぎる時に、落ちた俺のナイフを拾う
すっかり忘れてたな、これも。

(アレがそうなのではないのか?ジャンボリの言っていたもう一人のレクイエム)
(最初にドアに逃げ込んだ2人…アレが矢の持ち主では?)

天井を見る
罅割れは脆い卵の殻のように走り出している

(だがそれを確かめる時間も、手段も無い、やってはみたが……コレが俺の限度だな。)
(違う事を祈るしかねえ)

 「――行くぞ、ロスト・アイデンティティで下に降りる」

伸縮、結合、分離
貫通力を高めたスリングを撃ちこみ、杭がわりに下に鎖を伸ばす

 「下がどれほどかは知らんが、15m以上ない事を祈ってくれ」

3人分の重量を耐えるバネの作り方とかは流石に知らない
まあ落ちたらその時はその時、俺のスタンドが何とかしよう、大体なんとかなる
鉄球に始まり爆弾からビームまで撃てたしな、うん。

667黒羽 灯世『インク』:2020/02/20(木) 23:20:37
>>665
>>666

「…………分かったのだわ」

もはや行くしかない。
残れば死。他の道を探す時間もない。
例えば底の見えない奈落でも、先に進む道と信じる。

(そう、探す時間はない……)

逃げ道として用意された道だ。
偶然逃げる者が浮遊できる前提、ではないはず。
足掛かりか、なんらかの仕掛けか、あるいは無情な現実。

何かが待っている……いずれにせよ斑鳩に続き、穴へ。

668成田 静也『モノディ』:2020/02/21(金) 12:58:43
>>665

ソイルさんからはオレに『矢』は託されたが、使うとなれば第1候補は斑鳩さんだな。

ロスト・アイデンティティの新たな力、成長は目覚ましい限りだ。

そう思いながらもその鎖を手でつかみ、穴へと降りていく。

「黒羽さん、もし長さが足りていなかった時はさっきみたいにインクで足場をお願いします。」

進まねばならない、たとえ下で何が待っていようとも…。

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670『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/22(土) 10:08:19
>>666-668(ALL)

貴方達は意を決し『穴』の中に身を投げた。その直後に今まで居た
石牢が崩壊する音が遅れて捉えられた。

三人が飛び降りた場所の中は限りなく広い空間に思われた。光が全く無い
暗闇で、スマホの機能が爆発で死んでる斑鳩や成田を除いて黒羽が明かりを
手探りで灯そうとしても、その行為も無意味な程の黒が辺りを塗りつぶし
地面の感覚も、正直いってあるのか未だに自分達が落ちているのか良く分からない。

奈落の中を暫し三人は佇み続ける。

                 ボッ……

すると、暗闇の遠く遠く先でオレンジの火が灯った。あれは……

道しるべに向かって三人は進む。そして、火の輪郭は段々と
形が明確となり、大体少女であろう像を火は象ったのが近づいて理解できた。
一筋の火は貴方達の足先へと水が流れるように接近した。
 そして、火が触れると共に慣れ始めた音と共に。
           ボォォォォォ――――・・・

三人の視界の中に、スクリーンに投射された映像のように
白衣を着た人物が少女を見下ろし、傅くように嗚咽する少女が白衣の
人物を睨むように見上げている光景が見えている。

――何でっ!? 貴方、医者でしょ! みんなを治して!
矢だって、私の命だって使い捨てたって良いから……!

――連れてきた一人を、私の力で解読してみた。だが……私には
アレの肉体にも精神にも特筆して異常があると認めらないんだ。
申し訳ないが、矢はイチかバチかの賭けだ。今後の収束を後援に
望むならば私にはソレを使い捨てる勇気は無い。

――いま使わないで、何を使い捨てるって言うのよ!
上層部は、既に機能を停止した。何がなんでも特効薬を貴方に
作って貰わないといけない。

――尽力はする……使命は全うする。
ただ……あぁ、少し待て。あの笑い声がまた聞こえる。
ついさっき眠らせたんだが。

白衣の人物が三人の視界から外れる。
 少女は少し考えこんだ後に、ハッとした顔つきになり
矢を握りしめつつ顔を蒼褪めさせた。

――いけない……あぁ、私とんだ間抜けだわ。
此処に戻ってくるだろう、残る仲間達の為にも退路と進路を作らなくちゃ。
……此処のシステムは、もう全部襲撃者達が網羅していると考えて良い。
考えられる非常時のシステムが使えない。
 これじゃあ、此処に絶対に辿り着く事なんて出来る筈がない。
残って対抗している仲間も時間の問題……どうすれば、どうすれば。

少女は、矢を掲げた。そして、一瞬間をあけてから震える声で告げた。

――ジャンボリ、ソイル……あぁ、私 御免なさい。
折角、貴方たちが守り通してくれた命だけど……
        きっとある、未来の為に。

671『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/22(土) 10:31:42

      ボォォォォ――

『……ジャンボリもソイルも私を逃がす為に、その身を散らした』

『私は此処まで辿り着けた。瀕死の仲間を引き連れて、何とか
新種のウイルスにワクチンを開発させようとするように残された希望を
全て医者に注ぎ込んだ……その結果は貴方達に引き継いで欲しい』

『アリーナのアレ達を押し留めるのに、私は全ての力の殆どを
使い果たした。ソイルがそうしてくれたように、私も此処で燃え尽きるまで
奴等が出てこないようにするしか出来ないの』

だから……、と三人に対し少女の形をしたオレンジの火の胸部から
一本の”矢”が吐き出された。ソレは三人の足元に転がる。

『……アレは空虚な群れ。魂を啜る群れ、高次となった魂は
奴等の力を阻害出来る。けど、それは本当に只の時間稼ぎ。
ソレは私に様々な事を教えてくれたけど、味方でも敵でも無いわ。
”矢”はただ私達の指針をそれとなく教えてくれるだけ』

火は一筋の流れを別の方角へ進ませる。

『もう行って……医者はあっちだわ。私は火を出来るだけ長く永く
保たせるから。誰かも分からないけど、貴方達が進めるだけの時は稼ぐから』

『……また海を見に行きたいな』

そう言葉を終え、火は沈黙する。残されたのは、地面に転がる”矢”と
道標となる一筋の糸のような火の道のみだ。

672斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/23(日) 00:06:35
>>671

 「――記録から聞いた話は2本、数は合うな これで『矢』は向こうの手には渡っていない」

矢を拾いあげようとして、少し考えてから
焼け焦げたジャケットの一部をナイフで切り裂き、矢を包んで懐に仕舞い込む
うっかり指に刺さって…等というのは御免だ。

 「ここまで辿り着き、目的はほぼ達成できた 超能力が有るだけのガキが頑張ったにしては上出来だろう。」

ジャンボリの話からして、彼らはこれで全滅した
行動と決意がどうあれ、彼らは次の人間が来る事を信じ、去った
彼らにとって幸福な事が有るとすれば、最後までその内の一人が俺のような人間だと知らない事だろう。

 (前のアレが杞憂だったのは有難い、恐らくは俺達が攻撃しようとした際の伏兵か……)

彼らの結末に、僕に思う所が無いわけではない
だがここで泣いたり、悲しんでも、ソレが戻ってこないと言う事だけは、よく解っている
恐怖が無いわけでは無い、ただそれよりも恐ろしい事を知っている 何もかもが失われ、全てが無意味になる事を。

 (……さっきの一撃は、あんたらへの『手向け』にしといてやる 空の上からでもよく見えるだろ?)

か細い炎の道へ足を向ける
今僕にできるのは、それくらいだ。

673<削除>:<削除>
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674成田 静也『モノディ』:2020/02/23(日) 16:46:56
>>670-671

どこまでもどこまでも、まるで奈落へ落ちているかと錯覚する程の暗闇の中で、
『グレンジャー』さんの炎から最期の記憶と思いを受け取り、地面へと軟着陸した。

「…こういう場面でこういうことを言うのは縁起が悪いですが…この事態の収拾が付いたら、この3人で海を見に行きませんか?」

「この事態が終わっても、前みたいに戻るのはかなり難しいでしょうけれども死んでいったあの人たちのためにも。」

そのためにも生きて…勝美さんや吉岡さん…それにベリルさんが渡してくれたバトンをゴールへ持っていかないと…。

ベリルさんがこの場にいない、ワープしたのが黒羽さんだけだったということはつまり、そういうことだったのだろう。

なればこそ『スマイリー・スマイル』は最初に感じた通りに絶対に滅ぼさなければならない。

そのためにもこの炎の道の先にいるであろう『医者』に会う。

目的を再確認しながら、モノディのセンサーを働かせる。

逝ってしまった『ソイル』さんの殻は砕けてしまったのならば、片手が融解した(?)あの『ケープだったもの』が馬鹿力で無理矢理この場へ侵入する可能性は十分にある。

ゴールはもう近い。故にここで気を抜かずに完遂しなければ。

「奴らは物質的に見ているのでなく、生きている者の魂を見ているらしいのでここもすぐに感知されてしまう。」

「警戒しつつ早めに渡りましょう。」

そう2人に警戒を促す。

675黒羽 灯世『インク』:2020/02/25(火) 03:09:52
>>670
>>671 >>673

「『矢』は『教えてくれる』だけ――――
 重要なのは『矢印』自体じゃなくて、その先にある物」

          「…………行きましょう。
           『矢』が示す先に、私たちが」

散った仲間の命を背負う。
見知らぬ誰かが遺してくれた希望を紡ぐ。

『書き記すもの』である『記者』にはおあつらえ向きだ。
そこまで考えて、成田の言葉に頷く。

「冬の海も……悪くは無いのだわ。
 そうね、『終わった後も私たちにはある』
 ……背負った全てのものを降ろす場所より先がある」

先に行くためには、今を終わらせなければならない。
不本意な結末でも……だが『3人』残る事くらいは。

「お分かりみたいだけど、すべてを終わらせてから――――ね」

希望として、抱いて歩いた方がいいのかもしれない。火の道を行く。

676<削除>:<削除>
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677『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/26(水) 23:06:33
>>672-675(ALL)
(長らく、お待たせしました。少し巻き進行でいきます。それによる
PCへのリスクが無い事は保証させて頂きます)

か細く長く続く一筋の光の糸を頼りに暗黒を突き進む。
 終わりが見えないと思え始めた頃、糸は唐突に光を失った。

ピチョン・・・ピチョン

三人の耳に天井から雫が落ちる音と、苔などで良く嗅ぎ覚えある
カビ臭さと、冷気が漂うのを感じた。
辺りはコンクリートの壁。背後を振り向いても無機質な鉄の壁で覆われており
此処へとグレンシャーかソイルの力か不明ながら転移したのだと伺えた。

少し先に鈍く光源は悪いものの蛍光灯が天井に備えられているのが視認出来る。
その周辺に幾らか亀裂が走っており、幾つかの罅から聞こえてきた水音の正体である
排水管の破損によるものであろう水滴が定期的に床を鳴らしている。

それと、気にかかるものがあるとすれば『サボテン』だ……。
砂漠などに咲いている大きなものでなく、観葉植物として家に飾れるような
小さめのサボテンが蛍光灯の真下に無造作に置かれている。まるでサボテンで
形成された河のように夥しい多肉植物は、この一室に備え付けられている
貴方達から見て左側は鉄格子で閉じられた扉。それとは反対側の右側の部屋
へとサボテン河の上流が続いているようだった。


     ・・・誰かな

掠れ声で、光源が殆どないサボテンが溢れているであろう部屋の奥から
男性とも女性とも判断しかねる小さな声が聞こえてきた。

678斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/27(木) 00:04:49
>>677

サボテンだらけの地下室?何処かで見たようなシーンだ
焦げたジャケットの襟元を直して…意味があるかは知らないが…声の主に答える

 「――笑い声にうんざりした、ただのスタンド使いだ。」

事実、それ以上だとしたら此処にいる人数はもう少し多かった筈だ
残念なことに、僕は神様では無いが。

 「敵意は無い、話がしたい ……ソイルとグレンジャーのした事を無駄にしたくない。」

声の方へ歩もうとする
恐らく敵はいないだろうが、用心に越した事は無い…筈だ。
今の僕に出来るのはそれくらいなのだし。

679黒羽 灯世『インク』:2020/02/27(木) 12:50:36
>>677

「…………野生化したサボテンとは思えないけど」

(何でサボテンが……?
 とりあえず、迂闊に触れるべきじゃないわね)

異様な光景だが――――
敵意のあるものではないなら、今は何でもマシだ。

「『黒羽 灯世(クロバネ トモヨ)』よ。
 ……『グレンシャー』と『ソイル』の紹介で、ここに来たのだわ」

             スッ

筆を掲げる。『スタンドが出せる』――――非感染者の証だ。

『ソイル』。
『グレンシャー』。
彼らの導く先にいるのは・・・恐らくは『医者』のスタンド使い。

「…………そちらに行ってもいいかしら?」

拒絶されないなら足を踏み出す。拒絶されるなら、踏み出し方を考えるだけだ。

680成田 静也『モノディ』:2020/02/27(木) 17:56:56
>>677

「隣の二人と同じく。『奴ら』を滅ぼしたいと願うスタンド使いです。」

続いて感染者ではない証として『モノディ』を出し、ついでに辺りに不穏な音が無いか探らせる。

…目の前のサボテンにも注意を払う。もう植物がらみでボロボロにされるのはごめんだからな。

「2人とも、不用意に近づかない方がいいです。オレたちはここまでで植物にいい思い出がないもんでして。」

2人にもできるだけサボテンに近づかないように呼びかけ、声の方向へゆっくりと歩き出す。

「貴方が探知に関する能力を持つ『医者』のスタンド使いですか?」

「オレは成田 静也って名前です。」

名前と目的を話して警戒を下げるように努める。ここで無駄な争いはするべきじゃないし、彼等の遺志に反する。

681『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/27(木) 23:03:59
>>678-680(ALL)

 「……グレン シャー……あぁ、矢と患者を連れてきた娘か……」

戸口の向こうの闇から、くぐもった部分があるものの
そう言った呟きと共に何か引きずるような音が三人のほうへ近づく。

 「すまないがね、完全に姿を現すのは避けさせて貰おうか
――これを見れば分かるだろ」   ズッ……

闇の中から、白衣の裾と共に手らしきものが伸びた。
だが……よく見れば可笑しい。その伸びた腕は『サボテン』だ……。

 微かに、クックッと喉を鳴らし笑うような音を混じって
医者の声が闇から響く。サボテン化してる腕は闇の中に引っ込んだ。

「能力を酷使した結果だね。もう、全身がサボテンになっちまってるのさ
簡潔に説明するとね。疾患に対応させるサボテンを作り出すんだよ、私は。
いま丁度372回目の試験サボテンを作って、此処で倒れてる患者に
刺してるが……あぁ、駄目だね。失敗だ  ヒヒ   ヒヒヒ
……あぁ、まだ大丈夫さ 私は。肉体が変異してるからね まだ患者の
発症してる能力に罹らんさ……ヒヒヒ……」

「……私の研究結果だが。こりゃあ根本的な薬は『無理』だね。
こうなっちまうと、時間を戻しても元の状態に戻せるかも怪しいもんだ。
だが、肌で味わってみたが……手遅れな状態じゃあ治療不可能だが。
まだ自覚症状ない影響を受けてるが、まだまともなら進行を停滞させるが
回復させる事は『可能』だと私は見ている……。
この症状を起こさせるものを便宜上『毒』と呼称するとして。
第一段階は自覚症状なし、第二段階で恐らく軽度の無視出来る程の倦怠感
第三段階で極度の心身の孤独感及び自律神経の乱れが生じる。
まぁ第三段階まで至ってる場合、もうそれ以上アレを直接聞くか見るか
すれば完全な発症をするだろうがね……」

>探知に関する能力を持つ『医者』のスタンド使いですか?

「探知……あぁ、私じゃないよ。アレなら塞がれてる扉のほうに居るさ
……口で言うより、見たほうが早いよ。閂をとったら直ぐ開くからさ」

闇の中から観察するような視線が短く感じた。そして医者の声が続く。

「そこらに散らばってるサボテンで瑞々しいものに掌を当てるんだね。
そっちの重度の火傷と、骨折してるほうは直ぐに刺したほうがいい。
気丈に振舞ってるが、もう汗腺も死んでるだろうから早めにね」

何個か持って行っても構わんが、死体にゃ効果ないし
手遅れなアレ等には無効な事だけを忘れないでくれと医者は付け加える。

「……ヒヒヒ……次の試験だ
こいつ等の毒……音……顔の認識と、挙動を模す事による発症への促進。
興味深い……ヒヒヒヒヒ……興味深い」

「……出口は、その探知の奴が居る部屋より先の扉さ。
どうやって使うかは多分、見ればわかる」

その言葉を最後に、闇の中で医者のヒヒヒと言う声と
何かしらの作業をする音のみだけが響き続ける……。

682斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/28(金) 01:20:06
>>681

 「倦怠感?」

(コーラ…アレは確かに飲んだ、疲労は回復した筈だ、ただ…その後感じないままに症状が深刻化していたら?)
(……次は無いかもな。)

適当な瑞々しいサボテンの一つに手を当てる
話の通りならこれで治療できるらしい

 (祖父母は、どうしているだろうか 今頃……もう病院にいる両親も手遅れなのだろうか?)
 (考えると足がすくむ、僕の存在理由がなくなるのだから…それが死んでいるという事と 何の違いがあるだろう?)

医者の方は……次が有ればまた会う事もあるだろう
今は探知系だ、そして。

「黒羽、持っててくれ」

拾い上げた二本目の『矢』を渡す
僕達が持っているよりは、彼女か成田君の方がいいだろう

自分なら少しは何とか出来る…筈だ。

 「――治ったら先に行く、早くしないと終わらない。」

683成田 静也『モノディ』:2020/02/28(金) 11:41:05
>>681-682

…たしかにコーラで痛みをごまかせてもダメージはそのままなのだろう。

「ではお言葉に甘えて。」

サボテンの一つに掌を当てる。

これでもう少し持てば、事態の収拾まで何とかなるはず。

それと斑鳩さんが黒羽さんに先に『矢』を渡されるとは…彼と彼女ならば『矢』をオレ以上にコントロールし、

『スマイリー・スマイル』を滅ぼすことができるとは考えていたが彼はそうとは思っていなかったらしい。

「オレも治り次第、追っかけていきますので黒羽さんは先に扉の向こうへ。」

684黒羽 灯世『インク』:2020/02/28(金) 21:48:05
>>681

「あ、あなた自身がサボテン……!?
 そう、そういう『能力』……よく分かったのだわ」

まだ、という言葉はそのままの意味だろう。
彼は『自分自身』をタイムリミットに実験を続けている。
それを止めるとか、咎める理由などどこにもない。

彼の説明の中で、倦怠感というのは自覚がない。『第一段階』なのだろうか?
とはいえ、ドーピングをしている以上、自覚にあまり意味はないのかもしれない。

>>682
>>683

「…………分かったのだわ、これは私が持っておく」

斑鳩の単独戦闘力は最も高い。
彼が矢を使えばさらに強くなるかもしれないが、
単独では非力な黒羽が運用する方がバランスは良い。

……黒羽自身、そう捉えて矢を受け取る。

「『探知のやつ』と、先に話をしておくのだわ」

医者から教わった通り、『探知』のスタンド使いがいる奥の部屋に向かおう。

685『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/02/29(土) 22:37:50
>>682-684(ALL)

彼? 彼女? かは不明な医者の言葉を信じ、斑鳩と成田は
サボテン針に掌を深く埋め込む。

覚悟してたよりは、それ程では無い痛みと痒みが伝わった直後
二人の体には、つい先程に受けた時と同じ火傷の時と同じ感覚
成田は加えて、ケープに骨折された時と同等の激痛が襲った。
 体中に痛みが這いまわる最中、二人は鮮明に麻痺同然だった皮膚に
正常な皮膚感覚が戻っていき、死んでいた汗腺は蘇り今まで排出
出来なかったものを吐き出すように汗は体を内側から濡らす。
 成田は、満足に動かせなかった片腕が元通りに動かせるのを感じた。
(※次レスより二人は肉体のダメージは全てリセットされた状態で動いて良い)

……黒羽は、彼等から矢を渡されると鉄で出来た頑丈な扉の前に立つ。
閂は外側からされており引き抜くのは少し錆び付きがあるのか一般的な
少女としての筋力である貴方は手古摺りつつも引き抜く。

 ギィィ……。

開かれた扉、そこには背を向けつつ何か手を動かし壁に向かって
書き殴っているような人影が、ほぼ照明の機能が活きてない蛍光灯が
天井に一つ配置された一つの部屋で異様に映っている。
 地面や壁には画用紙……だろうか? それが壁紙のように
無数に張り付いているのが見えるが、暗がりで良く分からない。

 ガリガリガリガリッ……。

人影は、何かを無心に作業してるようだ。扉が開いた音には
気付いた様子は無い……。

686斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/02/29(土) 23:29:16
>>685

 「――グゥゥゥッッ!!!」

激痛に奥歯を噛み締め、頬を汗が伝う 全身の皮膚がひきつり、ひとりでに剥がれていくようだ
あの爆発の時にはそもそも気絶し、アドレナリンが鎮痛剤のような役割をしていたが
自分のダメージを改めて再確認させられる ……ここまで汗の一滴もかいていないのだ。

 「……成程、効果は確かみたいだな、これでまだ前に進める。」

手を開いては閉じ、動きを確かめる
引き攣る皮膚も無さそうだ 次の応用を考えなければ。

 (後は……黒羽の方かな、探知系か。)

『矢』の事は少し惜しい気もするが……アレは精神に関連する道具だと聞いた
なら僕が持っているのはむしろ危険でしかない事だ、何より……

 (僕の攻撃は『応用』であって、『能力』ではない、強化されたとしても、出力としてはほぼ変わりがないだろう。)
 (むしろ能力が変質した場合、今までの『応用』は使えなくなる それでは弱体化だ。)
 (レクイエムに劣るとしても……今は多数に対応できるこのままの方が使い勝手がいい。)

手首を振り、足の動きを確認する 関節にも問題は無さそうだ
充分に走ったり跳んだりできる。

 (なにより、2人が忘れているなら兎も角、僕は『多重人格者』のイカレ野郎だ、強くなったけど制御が利かなくなりました……なんて、話にもならない)
 (――人格と能力は比例しない『俺』の怒りの対象は、全員なのだから、僕よりまともな2人の方が上手く使えなくてはならない)
 (『正しい人間』が勝利しなくては、それこそ『理不尽』だろう。)

両手に『5m分の鎖を内包した鉄球』を準備し、銃をホルスターに入れるように腰の鎖に結合する
これで咄嗟の攻撃や防御には使えるだろう。

 「――よし、行くか 扉は向こうだったね。」

687黒羽 灯世『インク』:2020/03/01(日) 03:23:39
>>685

「んっ! …………………??」

(遊びの空気じゃない。考えられるとすれば、『地図』……)

閂を引き抜いて現れた光景に、細い目を丸くした。
が、暗闇を覗くべく、すぐにまた細まった。

(もしくは、『座標』の計算でもしているのか…………かしら)

とりあえず暫定・画用紙は踏まないようにする。
或いは、壁に貼られたそれには触れないように。
スタンド能力に関係している可能性が高いし、
或いは何か、そこに『美学』があるのかもしれない。
余計な手出しは……思いつく範囲では避けるべきだろう。

「…………」

(『邪魔』をして……機嫌を損ねて、
 協力が得られなくなったりしたら惨事だわ)

         (かといって無言でいるのも……)

「………………………もしもし?」

とりあえず、呼びかけてみる事にする。
来客の存在そのものを厭うような気難しい人物なら、医者もそう言うだろう。

688成田 静也『モノディ』:2020/03/01(日) 11:16:05
>>685

「ッ!なるほど…効能は完璧ですね。」

思ったよりもずっと早く治ったようだ。これならすぐにでも黒羽さんを追える。

「ありがとうございます。貴方(?)もどうかご無事で。」

そういうと斑鳩さんと共に扉へと向かう。

一応、モノディで扉のある方向の音を探らせる。

あり得無いとは思うが既に敵の手が回っていたり、あり得ることとして部屋に侵入者を排除するトラップが仕掛けられているかもしれない。

今、全ての『矢』は黒羽さんの手にある。その彼女の身に何かあったら…もしそこで切羽詰まって『矢』を使ってしまったら…。

今度こそ『スマイリー・スマイル』への対抗策が無くなってしまう。それだけは回避せねば。

『矢』はおそらく刺した時点での目標を遂行するために働くものと考えられる。

目標や標的が不完全では滅ぼしきれない上にあれが『最後の一回』なのだから。外すわけにはいかない。

689『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/01(日) 19:56:20
>>686-688(ALL)

斑鳩と成田は自身の抱えていた肉体的な負傷が全て無くなった事を実感した。
赤黒い皮膚も全て元の肌色に戻っている。ただ、当たり前だが服はボロボロだ
これに関しては買い直すか、修復可能なスタンド使いを頼らざるを得ない。

二人の目線では、黒羽が一足先に分厚い鉄の扉へと入り込むのと。
つけ加えて、成田の超感覚には依然と不気味なヒヒヒと笑う医者の声。
黒羽の入った部屋から何かを小さな刃物で壁を削るような連続音。
            ゴリ ゴリ ゴリ
……そして、天井から小さくながらも掘るような音も聞こえていた。

黒羽は部屋の中に入り込み、恐る恐ると言う調子で声を掛ける。
暗闇に少しずつであるが目が慣れた。この一室には貴方と
壁に向かって一心不乱に何かをしている探知? の持ち主以外に
人影は存在しない。室内の隅には一つだけ扉が存在していた。

>もしもし?

 ガリガリガリッ……    ピタッ

「……ぁ゛ぁ゛ 戻って  き゛ た の゛ か 
ぐ ぐぐぐれんんんんんしゃあ? 
そ そそそそそそそ傍にき  ききき て くれ
み みみみみみみ見つけ 見つけた。
見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた
見つけた見つけた見見見見見みみみ……っっっ゛っっ
あ  ああ  アレ  アレの正体  
そそ  そそそ  傍に  き きき  ききき゛゛」

人影は、錯乱めいた口調で貴方をグレンシャーと思っているようで
痙攣しつつ壁に片手をつけながら立ち上がり、そのまま手探りで
壁を何処かに伸ばしている。……目を凝らしてみると、その伸ばす先には
天井の蛍光灯の電源らしき小さなスイッチが見えた。

690斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/01(日) 22:51:56
>>689

 「――そういえば 『アレ』 どうしたんだろうね?」

もちろんスマイリーでありラフィングの事である
特に覚えるつもりはないが、ふと錆び付いた記憶の棚が軋みと共に開いた

 「黒羽……から聞いた時の話だと、とんでもない非効率的な事に従事してたんだっけ?えー……と」
 「『何処かの床を一心不乱に掘っていた』とかは聞いたけど 何のためにそんな事してたんだろうな。」

……そういえば落下したのだし、位置的にはここも地下にあたるのではなかろうか
途中で『グレンジャー』の話が入って居場所が解りづらいが。

 「もしかしてこの真上で『大脱走』みたいにまだやってたりしてね ……そんなわけないか!」

肩を竦める、ソイルの『石の海』を通れないから上から掘って穴を開けよう等と、ともすれば俺以上の『力技』だ
まさかマンパワーに物を言わせてそんな事するまい、脳みそが足りていないにも程があるではないか

……それ以外に手段が無ければ、実行しかねないとは思うが。

 「ま、黒羽が相手している内に、こっちは出口を確保しておこう 奥にあって見ればわかると言われたけど」
 「逃げ道の確保は重要だよ、今日一日でこれ以上無いほどよく分かった。」

黒羽達をスルーして奥を調べる

 「……何処?」

こういう時に僕のスタンドは役に立たない。

691成田 静也『モノディ』:2020/03/02(月) 20:24:25
>>689

「何かを…削る音かこれは?」

「斑鳩さんの考えもあながち間違っていないかも…」

奴らはパワーだけで言えば常人と変わらないが、マンパワーだけはそれこそ無限に等しいくらいある。

目的の為ならどんな労力も惜しまないことは十分にあり得る。

「急ぎましょう。」

モノディの警戒を扉の先へと集中させ、オレたちも扉を開く。もし何か音が複数あった場合は即座に臨戦態勢をとる。

692黒羽 灯世『インク』:2020/03/03(火) 01:25:34
>>689

「…………………………・」

             (まずい)

幾つもの可能性がある。
①電気をつける。『グレンシャーではない』とばれ、情報が貰えない。
②電気をつけるのを邪魔する。『敵である』と見なされ、攻撃される。
③『グレンシャーのふりをする』……これは一番危険だろう。

(私は『グレンシャー』の人柄をほとんど知らない。
 …………『ごまかせる』とは、とても思えないのだわ)

いくら錯乱していても、姿を見れば分かるはずだ。
……最悪は『騙そうとして、電気がついてバレる』事。
……最善は『電気をつけさせずに、言葉で騙しとおす』か?

それは『電気をつけるのを妨害する』『騙すのに成功する』……二手だ。
とにかく情報がない。これはどういう状態で、何が踏んではいけない線だ?

(選択肢を誤れば……全体を破たんさせてしまう可能性が高い……)

「……待って。電気は『つけないといけない』のかしら?
  ……『言葉で説明する』……それが出来る『正体』では、ないの?」

ここは一度にすべてを解決しない。
自分から『グレンシャーである』とも違うとも言わず、『電気』について問う。
無駄な雑談ではなく、関係はあるが、『直接ではない』話題から探る。

「どうしても付ける必要があるなら……私が灯してあげてもいいけど」

また、少しずつ『歩み寄る』が、急接近はしない。『緊急の事態』に備えてだ。
会話ができるのか、グレンシャーに何を伝えたいのか、そのあたりも探りたいが・・・

693『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/03(火) 09:26:12
(・・・いまミッション進行にあたって過去ログを見返しつつ
大変な事に気づいた。いいか、君達……
『グレイシャー』だ…二度と間違えるな!彼女の名はグレイシャーというんだ!
ハリーポッターのグレンジャーでもグレンシャーでもない!

いいな! 私っっ!)


斑鳩さんと成田さんが入る部屋は、多分間違いないと思いますが
黒羽さんの入った部屋で問題ありませんか? 一応居室は医者がいる部屋と
二つあって、レスの内容だと少し判断つきにくかったので。

694成田 静也『モノディ』:2020/03/03(火) 18:27:00
>>693

分かりにくいスレですみません。

成田が入った部屋は黒羽PCが入った部屋です。

それと『グレイシャ―』は了解しました。

695斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/03(火) 19:50:14
>>693

申し訳ございません

問題ありませんグレイシャー。

696『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/03(火) 22:45:22
>>694-695(回答感謝)
>>690-692(ALL)

 カチ

黒羽が灯りについて言及する合間にも、その彼か彼女か分からない
錯乱状態と見受けられる人物は電気のスイッチに手を触れ、そして押した。
 部屋の電灯は間違いなく機能した。闇が晴れて強い光が室内を満たす。
暗順応で慣れた目が急激な変化に耐えきれず目が自然と細まる。
黒羽の当然の警戒である注視した人影は、その隙をついて襲い掛かると言う様子もない。

丁度、その瞬間に成田と斑鳩も入った。黒羽も、光に慣れて部屋の全貌を見渡せる。

――その部屋のほぼ全部に画用紙で絵が飾られていた。
ソレは全て……筆舌し難いが、ただ一言で文才なき者が感想を述べるとするならば。
・・
地獄が貴方達の空間を取り囲んでいた。

苦悶に満ち溢れる溶けあった人体 マトリョーシカのようにムンクの叫びを表現するか
のような顔面が並ばれてる図 バラバラになった人体で構成された大河

どれ等も全て人智を外れた負が凝縮された絵画だった。その幾つかには、貴方達が
目にする機会が幾つもあった『奴等』のモンタージュと言える絵も貼り付けられている。
真に迫るもので、まるで今にもその声が聞こえてくるような絵だ。

貴方達は、ソレを目にした瞬間に怪我が完治した斑鳩に成田、そして黒羽も含め
吐き気と眩暈に襲われる。足元に力が入らず、自然と体が地面に横たわりそうに。

ただ、一人。狂気に陥っている『探知者』を除き。

「ぐ ぐぐぐぐぐっぐ ぐれ  ぐれいいいいいしゃぁああ゛あ゛
や や やややややっっ゛ やつ ら やつつつつやつらは
あああ  あそそそそ あそこ あそこに  いいいい  いた 
いたいたいたいたいたいたいたんだ 

ひ  いひ  いひひひ な  なな なんでも
ももももも もっと は ははははやややくき きづけ なかっ
す  すすすすすぐ いけ いけた ののののののに゛」

黒羽は、より近くに寄ったからこそ。その振り向いた顔が鮮明に見れた。
……『眼球が潰れている』
片手に握りしめている、絵画で使用するペインティングナイフが、その
凄惨たる結果の原因なのだろう。ポタポタと眼房水であろう雫がナイフを伝って
地面に垂れ落ちる音が、深淵に堕ちた存在の嘯きの合間に やけにはっきり聞こえた。

「ぐぐぐれれぐれぐれぐれぐれいいいしししししゃぁ
き きききききみも ににげ   きひひひひ
きききにげききききみも いいいいい いこお゛
とと とともももともにいいいぃ゛い゛っ」

緩慢ながら、ゆっくりと黒羽に向かい探知の使い手は歩いてくる。
黒羽との距離は、もう4、5歩で彼の人の手の獲物が脳天に
振り下ろせられる程に近距離だ。

ゴリ ガリガリッッ!

『超感覚』には、天井から掘る音が徐々に大きくなってくるのが耳を捉える……。

697成田 静也『モノディ』:2020/03/04(水) 22:21:06
>>696

まずい、彼は正気を失っている。それに目を潰している…『奴ら』対策か?

黒羽さんを『グレイシャー』と認識しているようだ。これでは『本体』の情報を聞けるだろうか…?

まあとにかくダメもとだ、とりあえずは『彼』が黒羽さんをガードするためにモノディを出して…。

「・・・?、この音はまさか…マジかよ、黒羽さん!斑鳩さん!そこの方!上から奴らが!『スマイリー・スマイル』共が迫っている!」

マジでマンパワーだけで突破してくるとはな、替えはいくらでもあるとは言え、かなり消費する手を使うとは…

やはり『奴ら』は『矢』も『本体の正体』も奴らにとって恐ろしいものなのだろう。

「チッ…イマイチ距離が分からない…まだ時間があるか?」

「アンタ、『奴ら』…『スマイリー・スマイル』の『最初の本体』の正体を知っているんだろ?」

「できるだけ早く教えてください。そうじゃなきゃ…ソイルさんも、ジャンボリさんも、グレイシャーさんの遺志も無駄になっちまうんです。」

名前を出せば、彼の注意はこちらに向かうだろうか?

そうすれば黒羽さんのガードもしやすいし、名前で一瞬でも正気を取り戻せば『本体』の正体を知ることができる。

正体を知ればオレと黒羽さんで『矢』を使って2つの『レクイエム』になれば、『スマイリー・スマイル』を滅ぼせるはずだ。

698斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/04(水) 22:27:02
>>696

黒羽の前に割って入る

鉄球を一つ放り、殴り飛ばす
『――触れている鎖は分離・結合できる。』
慣性で飛び散った鎖が、鉄の波として広がり、『探知者』を覆う

覆いかぶせた状態で『結合』し、息ができるように口元を『分離』、自傷させないように両手足を縛る形で『鎖』を残す
うまくいけば残るのは金属製のミノムシ…もとい…拘束した狂人とそれを引きずる鎖だ。

 「――散々苦労して、コレか、反吐が出る」

俺は何を期待していたのか、今更……人が死んでいるというのに
僕だけなら兎も角、2人は関係ないだろうに

 「殺して、死んで、生き残って……見つけたのは話の通じない狂人とはな。」

徒労の二文字が頭にちらつく
だがすべき事とできる事はある

 (コレを連れて行くにしろ、放置するにしろ、見過ごせん。)

 「ドクター!これだけイカれては話もできん!治せるんだろう、如何にかならないのか!」
 「それと、ここで使う『鍵』に覚えはあるか!『モノリスのような物体』を預ける手筈だったかになってた筈だ!」

この狂人を出口まで引きずって行かなくてはならない
まだ前進する意思がある内に。

 「……成田、俺が冗談半分で言った音が近づいてるなら言ってくれ、此奴(狂人)を黒羽に渡して最悪『矢』を使ってでも俺が迎撃しなけりゃならん。」
 「こいつを拘束しておくと使える鎖は『10m』だけか…通路が狭けりゃ封鎖も出来るんだが。」

699黒羽 灯世『インク』:2020/03/04(水) 23:44:36
>>696

「……………………ぐっ、これは……ただの『悪趣味』じゃ……ないッ!?」

悪趣味な絵で今更足は止まらない。
つまりこれは『そういう問題じゃない』という事だ。

(まずい……)

ナイフから地面に垂れた水に視線を遣る。
それから、近づいて来る者を……そして脅威が迫るという天井を。

探知者を『説得』してどうなるとも思えないが、
探知の能力による『手がかり』の発見は絶対だ。

「……………逃げるッ……!?」

(……彼が探している、グレイシャーは死んだ……『後に何かを遺すために』
 グレイシャーを進ませた人達も、きっとその人達の前にも、『炎』を継いできた)

「逃げるだけは……違う! 今ある道は『進む』事だけ……お分かりかしらッ!」

言葉を尽しても狂気の男を説得することは出来ない。
黒羽もまた狂気的に動かなければならない。

「……『逃げるわけにはいかない』…………『グレイシャー』ならそうする!
 あなたが『奴ら』の秘密を知ったなら、私もそれを知らなければならないッ」

「ここを離れるべきなのは確かよ……でも、行くべき道は退路じゃなく進路!」

それは自覚的な発言とは、黒羽自身言い切れない。
必要性が、状況が、打算で吐く言葉を狂わせる。

「あなたにまだ少しでも『意志』が残ってるなら、グレイシャーの『意志』の炎に継ぎ足しなさい!」

「私達は……あらゆるものを燃やして『前に進む』ための灯りにする必要がある……のだわッ!」

手に『インク』を持ち、構え、可能であれば『記事』を書きはじめる。
斑鳩や成田も動いてくれているが、この目眩は彼らにも効いているはず。
全員が『少しずつでも動ければ』……何とかなる可能性は上がる。この事変解決への道程と同じように。

700『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/05(木) 23:40:33
>>697-699(ALL)

まず斑鳩は、黒羽の間に割って入り『ロスト・アイデンティティ』を扱い
殴り飛ばそうと試みた。だが、>685でも記述してる通り『絵画』は
床や壁の至る所にも貼り付けられており。それが視界に入る度に
抑制し難い平衡感覚の欠如と未消化のものが込み上げてくる嘔吐感は
貴方達三人の体の内側から襲い掛かる。
二人とも、黒羽の前に出る事は出来ず前進は難しい。スタンドを傍に立たせる事は出来る。
貴方(斑鳩)の体には力が入らず鉄球を放っても、狙いは定まらず其の軌道は
探知者の肩を強かに鎖が打つに留まる結果で終わる。

 それでも、かなり肉体や精神が損傷してると思われる探知者にとっては中々の
衝撃らしく、黒羽との距離が僅かに開く事は成功した。

>ソイルさんも、ジャンボリさんも、グレイシャーさんの遺志も無駄になっちまう
>まだ少しでも『意志』が残ってるなら、グレイシャーの『意志』の炎に継ぎ足しなさい!

「……ソ ィ……ル  ……ジャ  ジャンボ……リ」

黒羽と成田の言葉、それに探知者は狂気的な振舞いを唐突に止む。
それと共に、穏やかな口調で握りこんでいたナイフの構えを変えて流暢に正常な様子で
話をし始めた。
「……えぇ、グレイシャー。わかっていますとも 
ご心配なく、町でアレ等に襲い掛かられ恥ずかしくも一人高所から転落しましたが
御覧の通り医者のお蔭で無事に頭も肉体も健常のままで御座いますよ。
えぇ、えぇ。ジャンボリ ソイル、お手数をお掛けしましたね。ご安心なさいな
私の能力は、閉鎖的な場所のほうがインスピレーションを深く下ろせますので
いま暫くは貴方がたに時間を稼いで貰わなければならないのが心苦しいですが。
貴方は貴方のすべき事をなさい。恐らくは群体型ですが、何も問題は御座いません
どのような能力とて、断片の手掛かりさえあれば、わたくしは必ず其処から本質の
部分まで描く事は時間はかかれども可能なのですから……」

恐らくは過去に実際にあった際の会話だろうか? 
まだ完全な正気には戻ってないが、彼? 彼女? は狂気を一時的にだが逸脱したようだ。

>治せるんだろう、如何にかならないのか
>ここで使う『鍵』に覚えはあるか!『モノリスのような物体』を預ける手筈だったかになってた筈だ

開けた扉から、まだ患者の治療に勤しんでいる医者に大声で質問する斑鳩への回答は
このような形の回答だった。

第一の質問については、探知能力者は能力を使用した事が裏目となり
その『毒』をもろに心身に被った。他の者達が受けた『毒』の注入とは異なる方法故に
完全に治療不可能な状態には陥ってないが、既に医者は能力を使用して精神を回復させようと
試みた。結果として精神の上限が擦り切れており、何時スマイリー・スマイルのようになっても
別段不思議でも何でも無い。だからこそ閉まり切った部屋を閂で施錠していたと。
酷い様子だが、それでも今の狂っている状態が未だマシだと言うらしい。

第二の質問については、簡潔だった。
『鍵』は恐らくアリーナのスタンド物品をしまう倉庫の鍵。自殺を試みたいのなら
上にどうにか戻って倉庫に入ってみれば良いとの事。
『モノリス』については、自分は詳細は不明なものの。確か『エクリプス』と
衝突したメンバーが押収した物だった筈だから、彼等と連絡が可能ならば
問いただせば良いだろうと答えられた。

   ゴン  ゴンゴンゴンッッ  パキッ……!

 ――天井に亀裂が入るような音が聞こえてくる。

701斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/05(木) 23:57:16
>>700

今の自分の評価はこうだ、『予想以上に酷い』
満足にスタンド自体を動かす事すらままならない、一種の前衛芸術としては破格の効果だろう
まるでこれ自体がスタンドのようだ、『毒』というのはある種的確だ。

 (飽きさせてくれないな――!)

そして確保に失敗した以上は、兎に角体を動かす事に集中せねばならない
出来る事はそう多くない、時間も無い 吐き気を抑えながら体を動かす時だ。

目を瞑ると両足の鎖を解除し、影の足と合わせて四本を使ってむりやり体を動かし、部屋の外に出る
『探知の奴が居る部屋より先の扉』 医者の言う事が正しければ、出口の場所は確かそうだった。

天井からの音は既に、僕ですら聞く事が可能な域で、罅が入り始めている
どの位置に穴が開くかも、というのは解り難いが、迎撃の準備をしなくてはならない。

 「――上に罅が入った!『連中が上から来るぞ!』 出口に向かえ!足止めする!」

大声でやるべき事を指示する

こうなると僕のやるべき事は『出口への道を確保する事だ』
両手に鉄球を再度形成し、投擲に必要な空間を確保しなければならない
……『ロスト・アイデンティティ』に同時発射の制限は殆ど無い
一度に50発を撃ち込む事も、50発分を一発ずつ投擲する事も出来るが
それはあくまで『投擲できれば』の話だ、ふらついて動けませんでしたでは話にならない。

 (問題は今の減退した精神力で、どこまで動かせるか……!)

702成田 静也『モノディ』:2020/03/06(金) 01:35:02
>>700

正気に戻ってくれたのはうれしいが、時間がない。

「その前に!すみません、『スマイリー・スマイル』攻略のカギである、『最初の本体』。その正体を教えてください!」

この人が知っていて、おそらく奴らが最も恐れているであろう『最初の本体』、その素性を知らなければならない。

まだ精神的に生きているのか、なぜこのような能力に目覚めたのか、知ったうえで滅ぼさなければならない。

モノディに上からの侵入者たちの限界点を探らせながら、構えさせる。いざ時間切れになっても最低限のガードは行う。

それと今のうちに黒羽さんから『矢』の一本をもらっておく。

「黒羽さん、『矢』の一つをオレに!」

正体が分かればうまくいけば『レクイエム』一つで、そうで無くても確実さを求めるならば二つで奴らに仕掛ける準備をしておく。

たのむこの人の正気よ、天井の壁よ、もう少しだけ持ってくれ…!

703黒羽 灯世『インク』:2020/03/06(金) 02:07:28
>>700

軽く、目を閉じる。これで状態は治まるか? どちらにせよ、すぐ開ける。

「斑鳩さん、彼を放置して出口には進めないっ!
 
 ――――――『筆法』ゴースト・ストーリーズッ

       『ここで時間を稼ぐ』為の手札は惜しめないのだわ!」

成田に、彼が求める『矢』を渡す。
今持っていても手が塞がるだけだ。

出口の方向は確認し、いつでも向かえる意識はしておきたい。
しかし……出口に逃げるより、『聞かねばならない』事がある。
『外に連れ出す』のは『いつSS化するか分からない』爆弾を、
しかも『インスピレーションが下りづらく』した上でそうする行為。
『この部屋の中で時間を稼ぐ』のが、『答えに続く道』になる。

記事を書く。『シンプリー・レッドが殴った』。
ソイルを迎撃する際に、その『現実』は何度も見ている。

(天井から降ってきて……おそらく『笑い』が来るッ!)

前後不覚でも『字』くらいは書けるだろう。
なお、天井からの音が自分の真上だったり、部屋全体の場合は流石に退避する。

704『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/06(金) 22:45:05
>>701

>『探知の奴が居る部屋より先の扉』 医者の言う事が正しければ、出口の場所は確かそうだった

誤解させるような文章になり申し訳ありません。簡潔に説明すれば薄暗いこの地下空間にある部屋は
中央をホールとすると、右側の開け放たれたサボテンが充満してる『医者』の居る室内と。
いま現在斑鳩PCとNPCの探知者含め四名いる左の絵画で囲まれている左側の室内。
〇扉〇〇〇
〇〇〇〇〇
〇〇〇〇〇
〇〇□〇●  □=対峙しあう皆さん  ●=閂の付いてる全員が入ってきた扉

と言う形で室内にもう一つ扉があり、それが医者の言う出口。と言う内容で
答えさせて頂いた形です。返信のレス内容を変更するのであれば どうぞ。

705斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/06(金) 23:25:24
>>704

>>701の行動を変更

(……出口の場所は今ので覚えた、とはいえコレを視界に入れたままでは俺達のみに不利だ)
(照明を破壊して、スタンドを十全に動かせる代わりにある程度の不利を呑むか?……いや、兎も角、地面を見ながらでもいいから出口へ向かう事だ)
(今ので十分理解した、『ここでは迎撃できない』この至近距離では成田と黒羽を巻き込む。)

視界を下に、四本の足で無理やりにでも前に進む

(――1番良いのは3人を先に行かせる事だ、だが…彼を動かしたくないという主張にも利は見える)
(ここまで来て取り逃すのが最悪の事態……ならば『兎に角出口の扉を開く』!)

右手の中に再度5m分の鉄球を用意しながら、一直線に駆け出す
何とか扉を開けて……、迎撃の準備をしなくては……通常の退避手段ならいいのだが。

(いざとなれば、無理やりにでも引っ張らなければならんか ……パワーが足りんなぁ。)

706『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/07(土) 22:26:34
>>702-705(ALL)

 パキッ   パキパキパキ――――zノッィイッ!!

天井に亀裂が入る部分の中心は、貴方達が入ってきた場所であるホール部分だ。
顔だけ向ければ、その天井部分に蜘蛛の巣のように亀裂が入ったのが見える。
直ぐ(1レス後)に其処から奴等が崩落と共に雪崩のように落ちてくるのが明白だ。
損傷など意にも介さないアレ等であれば、地面に落ちる衝撃や痛みを気にせず
瞬時にでも貴方達のほうへと迫るのは明白であろう。

「ヒヒヒ……あぁ、もう時間切れかね。
私は、此処を動く気は無い。腐っても治療を模索する患者を放って君達と
逃げれば、私が医者であると言う存在意義が無くなってしまう。
口惜しいが、私はこの症例に敗北した。どうやってもこの毒が『改善』
されるような状態には至れなかった。
 ……最後まで望みを捨てない気なら、この毒を中和する『何か』を
見つけるか編み出してくれ。――それが私からの最後の望みだ」

天井が凄まじく亀裂が走る効果音の中、医者が落ち着いた静かながら
明瞭に聞き取れる声で三人に最後へ告げた。

>『スマイリー・スマイル』攻略のカギである、『最初の本体』。その正体を教えてください!

「えぇ、えぇ。落ち着いて聞いてくださいな ジャンボリ。貴方もせっかちな方だ
…………いや、待て? ジャンボリは奴等の重火器で死に体ながら別行動に至ったのでは?
今わたしはだ
 だだだだだだだだれれれれれと  わ  わわわわたしにかたたたたりかけてくる
わわわずらら゛わしい こ゛の゛おとととととは……ッッ゛」

矢を黒羽から渡されつつ探知者へ話しかけた成田。然し、少し悪手のようだ
それに狂気に捕らわれた探求の先駆者は最初はまともに答えようとしたものの
過去の再現と思える会話と齟齬が発生したのがトリガーに至ったのが原因なのか
再度口調が支離滅裂となり体が痙攣してくの字となり発狂が再開する。
 だが、頭を抱えながらも途切れ途切れに とても小さく成田の『超聴覚』でしか
捉えられない音量で呟いた。それは 二つの単語に聞こえた

 ――アハガル山地   ――どうか絵画を持って……

黒羽は、スタンドで迎撃の用意を備えつつ背筋に走ったのは
未だ君が学園で転寝をして覚醒した直後の『謂れのない不安感』だった。

本当にこのまま、此処で時を稼ぎスマイリー・スマイル達と激突し合い
『矢』を使うなりして本体を露出させる事が百歩譲って成功するとして
それが果たして今回の世界規模の事変の解決となるのか?
 そんな感じの言葉で表現できない不安が襲う。
何か重大な事を、見落としているような……。

斑鳩は目を瞑りつつ、ロスト・アイデンティの義肢を扱い残る出口に辿り着く。
ドアノブを無心で回す……開かない。まさか鍵でもあるのか? と不安を浮かぶ
貴方が開いた目には有り触れた装飾のドアに一枚小さく張られたメモ用紙。
それと、ドアノブの中心が耳の形のようにくり抜かれた妙な形のものが映る。
 メモ用紙には簡潔に、こう説明書きがされていた。

『非常脱出口。頭の中で、行く場所を思い描き そして正確な発音で
ドアノブに囁きかけて回してください。それ以外で開閉は不可能で機能しません。
 貴方が思い描く、そして行った場所のある場所へ正確にドアは向かわせます。
注意事項:行ける場所は星見町内のみ。秘匿性の為、仲間の居る場所を選ぶか
衆人環視の出入口に通ずる場所は極力避ける事。
 
 
 この扉が使用出来るのは残り一度だ。アルキスめ、多用するなど
言っただろうが。今度注意しておかないと
 再発現をあいつに頼むのにも、時間が掛かるってのに ※※※※』

上の部分は均一な字で書かれていたが、少し空白の後に誰かへの
愚痴がなされたものは、特徴のある筆記で誰かに向けて苦言を呈しつつ
この何らかの能力者が作成した非常出口が残り一度しか使えないことを
示唆していた……。

707斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/08(日) 22:03:22
>>706

 「『スタンドの扉』……! 脱出には最適だが くそ、ご丁寧に移動可能なのは町内だけか。」

(――どうする?)

コレを使ってここを脱出するのは確定事項、だが車のトランク内のモノリス(のようなもの)を置いて行く事になる

(元々、持ち運ぶには不便な類、おいてきたのが仇になったか? 否、倉庫自体もこの施設の外だ)
(ここに『矢』が無ければ、『スマイリー』もここを占拠する理由はないはず、後で傭兵にでも倉庫の中身ごと回収させればいい)

(行き先は……ほぼ一択だな、兎に角、向こうの好悪を配慮する場面ではないし)
(拳銃相手なら兎も角、重火器相手では俺のスタンドはほぼ役に立たない)
(この施設の入口に戻るよりは……『清月学園:学生寮』、思い浮かべるのも簡単だ だが。)

(解決方法はここにもなかった、この探知系自体が何かしらを掴んでいると考えていた……或いは、あの『絵画』の中にヒントがあるのか)
(しかし肝心の本体はこの様だ、これで『一番マシ』だという。)

(……或いは、自分が『矢』を使って無理やりにでも倉庫内を確保…否、そもそも不確実すぎる)
(『自分のスタンドが重火器相手にすら勝利可能となる賭け』、『矢を制御可能であるかの賭け』、『倉庫の鍵を開けられて、その上で有効打がその中にある賭け』)
(……失敗した時はほぼ徒労、あるいは自身の死、追い詰められてはいるが、賭けるにはリスクが大きすぎる あるいは……あのゲーム女ならそれを知っているかもしれんが)

(そもそも、あのモノリス自体、誰があの男に依頼したのだ? それを探知しようにもほぼ不可能か。)

 「――結合・分離『ロスト・アイデンティティ』!入口を封鎖しろ!」

鎖の結合・分離、触れいているならばそれは自在にできる、そして 鎖を操作する事は出来ないが、分離の方向を決定する事くらいは出来る。
鉄球を鎖を結合したまま此処に入る為のドア根元部分に投射、分離の方向を制御し内部の鎖を『入口に嵌め込むように分離し、再結合する』
『10m分の鎖=金属で出来た壁』を形成する 数に何秒持つかは知らないが、ホール部分から入ってくるというなら数秒持つだけでも構わない。

(……絵画を運び出すにも、扉を開けるにも、まず『一手分』を稼がねばな ここはまだ捨て身になる場面ではない。)

(そして、囁くのは……)

 「――学生寮、『清月館』」

708成田 静也『モノディ』:2020/03/09(月) 20:11:39
>>706

しまった…ミスを…してしまった!

少ない正気の彼に急な質問は失敗だった。

ならば彼の言葉から、考察するしかないか。

とりあえず斑鳩さんが扉で行き先を言ってしまったので、モノディで素早く絵画の一つを回収する。(スA)

「・・・ありがとうございました。貴方達の遺志は無駄にはしません。必ず奴らに報いを。」

念のため、オレも扉の前で待機しておくか。もし取り残されでもしまったら助からないからな。

709黒羽 灯世『インク』:2020/03/09(月) 23:44:14
>>706

黒羽の考えはここで敵を迎撃することではない。
まして、レクイエムの発動で本体を探る気など無い。
時間がかかると言った『探知者』のその『時間』を、
少しでも稼ごうと思ったが……その考えに『不安』が走る。

「……………っ」

(『わからない』……今の不安は何に対して?
 無意識レベルで、私は何かに気付いている……
 つまり私の知ってる情報の中に答えはあるはずなのに)

    チラ

(…………どちらにしても、『時間を稼いだ』所でもう意味は薄い)

(二本の矢を敵に渡さないためにも……ここを離れなくてはならないのだわ)

探知者は成田とのやり取りで『機能停止』したらしい。
元から、していたのかもしれないが……
迫りくる笑いの群の『早さ』が想定以上である今、
彼に頼る事はどうやら正しい道では無かったようだ。

扉の前に移動しているであろう斑鳩、成田と合流する。
爆発寸前の爆弾と、覚悟に殉ずる名医を引きずる余裕は無いはずだ。

710『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/11(水) 00:02:47
>>707-709(レスを少々巻き進行でするが、影響は無し)

斑鳩の囁き、ドアノブの回す音。そして、鉄鎖での扉を完全に封鎖しようとした刹那。
崩落の音と共に扉の隙間から流れ出てくる肌色の人間の雪崩
こちらに向けてくる、あのおぞましい笑顔と大きな口が丁度成田と黒羽は見えた。

「ヒヒヒ! 来たか来たかっ 今日は患者の満員御礼だ!
丁度お前たちに贈ろうとした、たっぷりのプレゼントがあるんだよっ!!」

医者の声が良く通って聞こえた。不思議だった、奴等の『笑い声』が地面に
落ちると共に響き渡ると思えたのに、それは『聞こえなかった』……。
 だが、疑問に思う間もなく。医者の声が途切れると共に閉められた扉から
爆発の轟音が轟き、その衝撃は頑丈な鉄扉越しに三人へ襲い掛かる。

重力が消え、貴方達は前身に身を乗り出すと同時に開かれた扉の向こう側へ
放り投げられた。

・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・


「……おめぇさん達、何時戻って来たん?」
『しかも、私の見間違いでなければ。扉が開くと同時に
三人いっぺんに塊となってソファーに飛んできたように見えましたけど』

風景は、地獄めいた空間より。貴方達の内の誰かは見慣れた
『学生寮』の娯楽室となるホールの大き目のソファーに三人は身を投げ出されていた。
それを、不思議そうに覗き込む『芦田』とスタンドが一緒に居た。

どうしてこの二人、ならぬ一人と一体が学生寮で過ごしてるか理由は不明ながら。
遅れて、小さく驚きと共に駆け寄ってくるアイアン・セイヴィアーの連れだった
『アリゼ』の姿が映った。

三人とも、今まで地獄と化したアリーナに居たのが一瞬嘘かとも思える程に
見慣れた空間に居るものの。先程までの医者や探知者、魂を付け狙う怪物達の群れの真実
そして手元にある『矢』や成田が握る絵は今まであった事が決して夢でないと訴えている。

……一先ず、貴方達は無事に生還を果たせた。耐え難い犠牲も付いたが、確かに帰還出来たのだ。

711黒羽 灯世『インク』:2020/03/11(水) 03:28:04
>>710

「ッ――――――――」

無数の笑顔が降ってくる。
それはあまりにおぞましく、そして明確な『身の危険』。

      「―――――――――???」

幸いにして、それが自分に降りかかる事はなかった。

『学生寮』は我が家だ。
実家以上に安心できる、第二第三の故郷とも言える。

その平静さは……『芦田一行』のおかげなのだろう。
それは分かった。それは良い事だ。『矢』も間違いなく、ある。
分からないのは……あの瞬間だ。最後の瞬間。

(あの時『笑い声』が聞こえなかった、それはなぜ?
 戦術的にもあの瞬間、一斉に笑いかけるのは強力なはずだわ)

           (……出来なかったか、それともしなかったか?
             単に『扉』がそういう特性を持ってただけなのか)

「戻ってきたのは……今なのだわ。成田君、斑鳩さん……無事?」

ひとまず自身や、室内の様子を目で確認する。異常な点などは無いか?
喪ったものを振り返るには、まだ早い。安堵に身を沈めるにも…………

712成田 静也『モノディ』:2020/03/11(水) 17:09:20
>>710

!??

ワープするとはおおよその予想がついていたとはいえ、あまりの変化に一瞬に何が起こったのか理解できないほどだった。

芦田さんが目の前に現れてもまともに考えが浮かばずにここが学生寮かー初めて来た、とか

「あっ、はい。こんばんは(?)、芦田さん。」

といった気の抜けた返事をしてしまった。しかし目に移った『矢』と『絵画』が成田の思考を警戒状態に戻していく。

「…ええ、大丈夫、大丈夫です黒羽さん。気の抜けたところを見せてすみません。」

「・・・芦田さん、すみませんが少し距離をお願いします。感染したか否かを確かめるためにも。」

「貴方の『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』…『ウィゴー』さんはどうしました?いるならばここに呼んでくれませんか?」

「他の二人もスタンド使いならばスタンドを出していただけますか?」

「そうすれば警戒を解除します。」

モノディを出しながら、目の前の『芦田さん』と周囲に警戒を示す。

『アリーナ』で学んだ感染者の判別法、『スタンド使いならばスタンド出すことができるか』、それを確かめない限りここが安全とはまだ断言できない。

「黒羽さん、斑鳩さん、一応の警戒を。奴らは非感染に成りすますことができるので、彼が『ウィゴー』さんを見せない限り、まだ安全かわかりません。」

二人にも警戒を緩めないように言葉をかける。

713斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/11(水) 19:48:39
>>710

――ここは何処だ?

攪拌した視界と意識を、二つの頭が引き起こす
この感触には覚えがある、あのソファー、随分硬いな、もう少し金をかけたらどうだと、確か文句を……

視界に何か入ってきた、人影が2、ヴィジョンが1。

撃鉄を引き起こすように影の足を引きずり出し、跳ねるように地を蹴り飛ばす
分離、結合 近づいてくる影から距離を取りつつ、『鉄球』と『鎖』を展開する。

残弾3m、足止めに使った『10m』分は射程外で消滅しただろうが
攻撃用の鎖には15発分も有れば、人一人は容易に殺せるだろう、現にそうしてここまで来た。

 「――それ以上接近するな、『スタンド』を見せろ、出来ないのならば殺すまでだ。」
 「お前は既に、俺のスタンドの射程内にある。」

影の頭部に周囲を見張らせながら、ここは何処だと思い返す
……学生寮のホールに見えるが、他の敵は何処なのだ?射程を確認しながら、すり足で距離を取らねばならない。
まだ終わってない、次の手を考えなければならない。

714『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/11(水) 23:14:20
>>711-713(ALL)

此処は、学生寮の娯楽室だ。貴方達は大き目のソファーに身を投げ出されていた。
恐らく飛ばされてきたであろう扉は直ぐ近くにあったものの、そこから奴等が入り込んでくる
ような予感は無い。二人に離れてくれと命じた芦田が、へぇへぇと気のない台詞で下がり開けたドアの
向こうは学生寮の他の者の居室に通ずるだろう廊下が見えた事から、あのスタンド扉は三人を
こちらに送ったと同時に閉められた瞬間には、次元を捻じ曲げた出入口としての機能が消えたのだろう。

>貴方の『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』…『ウィゴー』さんはどうしました?
>――それ以上接近するな、『スタンド』を見せろ

芦田「俺 >710今さっきGМが俺と伴侶のウィゴーちゃんが一緒にお前等を覗き込んだ。
って、ちゃんとしっかり文面に書き込んだと思うんだがなぁ〜? てめぇ等の目ん玉は
節穴なのかよ?? 俺ちゃん、しっかり国語を学んでくれないのは悲しいぜ。
あと、俺を殺すのはともかく。ウィゴーちゃんに指一本でも触れたら 殺す前に
俺が化けて呪い殺してやらぁ〜 ケッケッケッ」

『なに、この本体は電波な事を行き成り喋りだしてんだ……いや、何時も通り変なんだけど
って言うか伴侶じゃねぇよボケ。私はウィゴーちゃんじゃなくて
ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトって正式名称で呼べって何度言えば良いんだ!
それと、笑うなって成田さんが言った事半日も経ってないのに忘れたのかっ!!
……と、言うか。特に男性の御二人とも、ボロボロですね。かなり気が立ってる御様子ですし
何があったんですか……?』

多分、何時も通りに突拍子のない気風の本体は成田と斑鳩にマイペースな態度で返答し。
それにスタンドは皮肉を返しつつ労わる口調で右目に付いたモノクルレンズの縁を撫でつつ
二人の様子を見つめる。その態度は、解散する前の平常な状態であると見受けられる。

アリゼは、三人の様子に少し片方の眉を上げつつも。ほれっと言う調子で
ピンク色の掌サイズなスライムのようなスタンドを発現させつつ喋りだした。

アリゼ「ハガネが、寮の正門付近で見張ってる手前 私がぐーすか眠るのも
何だか心苦しいんでね。適当に設置してるキッチンで晩酌をちょっとしたためてたら
そっちのヤバい芦田って奴が『んだ? 今の笑い声』って走るのを聞いてさ。
少し遅れて私も駆け付けたんだよ。何か随分ボロボロだけど、生きて帰ってきて何よりで。
小林とヤジって二人は、庭のほうでガソリンのタンクやら空き瓶やらで色々軽く戦争でも
しそうな準備してるよ。あそこまで用意する必要って本当にあんの? って思うけど。

……あのワン公……ベリルは一緒じゃないのかい? それとも馬が合わなくて別れたとか?」

教えた手前、多分同行してたと推察していたアリゼは犬猿の仲たる存在が三人と一緒でない事を
不思議がっている……。

715成田 静也『モノディ』:2020/03/12(木) 19:21:37
>>714

「フ?―――――――――ッ…。皆さんどうもすみませんでした、少し気を張り詰めることが多すぎましてね。」

「ワープのせいもあって気も動転してしまっていたようです。」

どうやら彼等はまだ奴らの支配下にいるわけではないようだ。

「スタンド使いが『奴ら』…『スマイリー・スマイル』に取り込まれたかを判別する方法はスタンドを発現できること。」

「取り込まれると魂が溶かされてスタンドが出せなくなるそうです。」

これまでに知った判別法を改めて彼らにも教える。

「それと前にも言いましたが、冗談でも笑うのはよしてください。」

「あいつらはそれをキーに魂を溶かすとんでもない奴なんですから。デロデロに解けていく『ウィゴー』さんは見たくはないでしょう?芦田さん?」

芦田さんを軽く諫めるように言う。

「…ベリルさんは、亡くなりました。オレは直接見たわけでは無いですが、おそらくは。」

オレは彼女の最期はまだ聞いていない。黒羽さんの方へ眼を向け、彼女の最期を教えてくれるように乞う。

「それが終わって、小林さんとヤジさんの無事を確認して…休息の時間はとれるかな…?」

あれだけのことがあったのだ、少しは休息が欲しい。

716斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/12(木) 22:45:06
>>714

 「……そうか、急に悪いな すまん。」

一々反論するのも面倒だ
こいつは確か……傭兵の片割れとキャンピングカーの奴か。

 「アンタも大変だな、ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト、同情する 人格は本体を選べないからな。」

俺ももうすこし息が出来るような本体が欲しい。
窮屈で敵わない。

 「ところで、動かせる車かバイクは?アリーナの倉庫に行く、モノリスの回収も必要だ。」
 「何が役に立つか解らない以上、使えそうな物は手元に置かなきゃならない、番号も後は手当たり次第で当てられるくらいには解ったからな」
 「それと、一番近い飛行場を教えてくれ スマホ壊れたんで調べたくても無理だ。」

6M分のスタンドの鉄球を2つ生成し、ホルスターに込めるように腰に結合する
次の手を考えろ翔、何をすべきだ?

 「成田、ソイルの『矢』を貸してくれ、場合によっては使う 連中がどうやって知ったか解らないが、『矢』を求めているなら早晩ここに来かねない」
 「籠城に意味があるとも思えん、連中は重火器を持ち出しているからな。」
 「後は……待て、芦田とか言ったなお前、『笑い声』がしたのか?さっき?」

 「聞き間違いじゃないんだな?」

 (思えば、笑い声一辺倒だった奴が、急に話し始めたのがおかしかったんだ)
 (連中にとっては意思の疎通手段、俺達にとっては笑い声)
 (『アレ』は笑い声が会話に聞こえてたんじゃないのか?それを聞いてヤツは『感染が進行している』と判断したのか?)

一応筋は通る…か、アレは足止めと『確認』だったのか
だがその場合、あの感染しかけの男、隠したか俺に話して無いと言う事か……面倒な

 「――時間は無いな、傭兵は門前だな?話してくる。」
 「暇なら『絵』の確認をしておけ、まだヒントがあるかもしれん。」

 「……先に服の代えだな、俺の部屋に寄るか。」

717黒羽 灯世『インク』:2020/03/13(金) 09:12:52
>>714

「笑い声……それは、良くないわね」

(私達には『聞こえなかった』……『進行度合い』のせい?
 ……小林さんにも『聞こえなかった』としたら、多分そうなる)

(それとも単純に、扉を使った私達には聞こえないタイミングだっただけ?)

最も進行しているであろう人間は、彼だ。
小林は一度は『なりかけ』まで行っている。
あそこまで症状が見えた人間は自分達の中で彼だけだ。
彼の安否は気になるが、話を聞く限り今は無事なら良い。

「…………」

「ベリルさんは戦って死んだわ。それは『記者』の私が目にした『事実』」

「この戦いを終わらせるために、敵を足止めするために、戦って死んだ……」

多くを語る必要は、感じない。
彼女がいなければ自分はほぼ間違いなく死んでいたし、
最悪の場合、『ケープ』の侵攻を止められず全滅していた。

感傷に浸る時間はない……伝えるのは事実だけ。

「…………………………成田君、絵を見せてもらってもいいかしら?」

自分は負傷やダメージも、他二人ほどは負っていない。
が、それは独断専行ができるという意味ではない。

斑鳩の言う通り絵の確認は必要事項だろう。彼の動いている間に見ておく。
その上で時間が余るなら、庭にいるという二人の様子も確認しておきたい。

718『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/13(金) 23:14:19
>>715-717(ALL)

貴方(成田)が体験した出来事を、かいつまんで話すと。芦田は
ふぅーん? と真面目に受け取ってるか判断つかない表情で、一先ず納得した様子で頷く。

芦田「そりゃ、マジならウィゴーちゃんのスライム化なんて洒落にもならないが。
……率直な疑問言っていいか?
 笑うなって言われてるけどよ、その笑いってどこまでアウトでどんだけセーフなんだ?
笑顔を作るか、口の弧を上げる程度の微笑でも駄目なのか……そう言うとこ
はっきりと俺に納得させる解答出してくれや」

消化不良だとイライラすんだよ、と芦田は頭を軽く掻きつつ成田に告げる。
確かに、どこまでが奴等の能力のトリガーになるのか……それが把握出来ないと
この先でも思わぬ所で泥沼に嵌ってしまう危険がある。

斑鳩には、こう半目で返した。
芦田「おぅ アハハって言う、今まで俺の人生の中では全く聞き覚えはねぇけど
恐らく笑い声としか表現出来ないもんがな」

『私も、同じくこのイカレ本体と一緒でしたので間違いないですよ。
……良ければ、私がスマホや服を直しますよ? 代わりといってはなんですけど
出来れば私は弱い身なので、一緒の時は出来る限り守って頂きたいという本音もありますが』

芦田「ウィゴーちゃん……フッ 心配すんな。俺が君の事をちゃんと……」

『いまそう言うの別にいらないです。キモい それと何度でも繰り返すけど
ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトです。ちゃんと正式名称告げてる
こっちの方の爪の垢でも煎じて飲んでくれませんかね!』

どうやら芦田のスタンドは、親切でボロボロの君達の服やスマホなどを直そうと
提案をしてくれる。そう言う利便性のある力の持ち主のようだ……。それと共に
確かに笑い声が聞こえたようだ。……つまり『君達には笑い声が認識出来てない』と言う
可能性が至極高まっている。奴等の見えない毒を、完全に認める事が不可能になっている危機が。

>…ベリルさんは、亡くなりました。
>ベリルさんは戦って死んだわ この戦いを終わらせるために、敵を足止めするために、戦って死んだ……

アリゼ「……あいつが?
………………そう、か。ハッ……何時も鼻もちならねぇで、どんな逆境でもしぶとく生き延びるような
奴だってぇのに、ザマァないよな…………そうか。あいつ、死んだのか……」

黒羽と成田の言葉に、沈痛な面持ちが垣間見え。
鼻で笑い飛ばそうとも試みたようだが、すぐにその勝気な表情を浮かべるのも失敗して項垂れた。

アリゼ「悪いね、教えてくれて。……うん、車とか移動手段はそっちの奴(芦田)の車があるし
ハガネと私の乗り物もあるし、学生寮住まいの二人(小林・ヤジ)もバイクとか持ってたと思うけど。
………御免、ちょっとだけ一人にさせて」

彼女は少し黄昏たいようで、場を離れようと廊下のほうへ背を向けて歩き出した。

黒羽が、絵を鑑賞した結果だが。その探知者が描いたものは、木炭なりで描かれた
奴等の笑顔だ。見るだけで不愉快な気持ちが胸の奥から溢れ出る現実感が存在しており
長く見続けるのは良くないだろうと自然と感じる事が出来た。
 その笑顔以外は特に何か風景が描かれてたりなどはしない。ただ、笑顔のみが映し出されてる。

719斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/14(土) 01:17:31
>>718

 「――――…………。」

 「では、頼む この『スカーフ』と『腕時計』も戻せるか? ……スカーフの方は元はマフラーだったが。」

 「それと、俺の爪の垢はやめとけ、窒息するのが関の山だ。」

 (……さて。)

直るのを待つ間に思索にふける。

恐らく自分は隔絶している。

力に置いて、自分の右に出る者はおらず、それをもってしてもこの状況は変え難い。

ここに来るまで人間性をすり減らすのも、正しい形とは到底言えまい
現に成田と黒羽……あの2人はここまでに何をしてきた?
『自分の手でしたくもない殺人を犯し』『目の前で自身を守ってくれた人が死にゆく様を見た』
もはや限界なのではないか、ここが潮時なのではないか……彼らをせめてこの道の終わりにまでは運びたい、しかし、既にこの身もすり減っている。

ソイルのあの状況は、自身の魂が溶かされたことによる弊害であると言う
であるならば、今の自分がこの『矢』を使用する事は……恐らく、自殺と同義になるだろう。

その時に抱いた『意思』を、魂を燃やして実現する……それでもなお、この洪水が止まる事は無い
解決策も何一つ見つかってはいない、解ったのは『治療は不可能』『笑いと声を食器として魂を食らう』『最初の本体の居場所』のみ。

(これでは早晩全滅する、断頭台への行進の如く。)

生者が死者を羨む事にすらなりかねない、突破口すら見当たらない
――故に、前進し続ける他は無い、他に道がないのだから。

(……これがコミックやアニメの主人公なら、『気合』と『根性』とやらで覚醒して見せる場面なのだろう。)

残念ながら、自身はそうではない
運命がどうあろうと、自身の道を選択できる『黄金のような精神』を持たず、他者、そしてなにより自身を犠牲にしてでも目的を達成する『漆黒の意思』すら怪しい物だ。

(この道行きには『泥』しか見えん、どうすればいい?)

―――― 解らず。

(……倉庫への道は死にに行くような物だとドクターは言っていた、恐らく俺も、自分を守るので精一杯、成田と黒羽を守りながら行くのも考慮し難い)
(傭兵には飛行機の操縦ができるだろうか?重火器相手に対抗できるか?その辺りも含めて聞かねばならない、時間が欲しい……。)

(力だけがこの事態を解決するなら、元より自分一人で良い話、あの2人こそがこの事態を解決に導く鍵になるだろう)
(なら、最初にすり減るのは自分であるべきだ、自己犠牲などでは無く、僕の両親の為に、もう一度だけでいいから、あの人たちの心からの笑顔が見たい。)

 (……できるか?翔 やらなくてはならない、だが)

前進するのは前提条件、勝利するのは強者の義務、死は恐ろしい、だがそれ以上に、二度と両親に会えない事が恐ろしい
けれども自分は力不足で、挙句の果てには道具に頼らざるを得ない、こんな事では引き分けにすら持ち込めない。

 (今この瞬間にも、俺よりも非力な者達が、俺以上に無力感に苛まれているのならば……)

勝利を、より圧倒的な勝利を。
治った道具が戻ってきたことに、感謝を述べながら頭を下げ
門前まで移動しようとする、道中スマホで一番近い飛行場を確認する ――アハガル山地
アルジェリア南部、サハラ砂漠にある山地。玄武岩質の火山性の台地で、乾燥と浸食による奇岩の風景が広がる場所。

(その前にエクリプス……あの女とまた会う羽目になるとは、そもそもあの場所にいるかどうか、その前にも回収が先になるか。)

720成田 静也『モノディ』:2020/03/14(土) 15:35:31
>>718

「どうぞ、黒羽さん。」

あのときとっさに掴んだ『絵画』を黒羽さんに渡す。その際に成田も軽く『絵画』を見ておく。

さっきまで完全に気が緩んでいた。気を引き締めねば。

決着をつけるまで休むことはできない。

「ハッキリ言って『笑う』だけでどれほど影響が出るかはわかりませんが、悪影響があるのは確かでしょうね。」

「『スマイリー・スマイル』の本質の一部を知った人曰く、『カタツムリを喰うマイマイカブリ』だそうですから。」

「オレたち全員があの笑い声を聞いた以上、多少なりと影響を受けて『少しずつ溶かされてる』と見るのが妥当かと。」

「『笑う』ことが『感染者』の連絡手段で、奴らを呼ぶことになっているのかもしれませんね。」

芦田さんに憶測も入っているが所感を説明する。

「さて…やることはまだ沢山だ。小林さんとヤジさんの正気を確認して、『奴ら』になっているならば始末しなければいけませんし。」

言葉にすることで最後まで付き合う覚悟を示す。

先程、こちらに目配せした斑鳩さんの目はこちらを『労わる目』だった。また一人で抱え込むつもりのような『目』だった。

一人じゃ『スマイリー・スマイル』には勝てない。それは『アリーナ』で抗っていた人たちから確かなことだ。

彼を一人にしてはいけない。

「それに彼(?)の言葉、アハガル山地…アフリカにある山だったかな?その意味を知る人物に会わなければ。」

思い当たる人物はあの酒場であった『エクリプスのオペラ』…だったか?

彼女やその仲間ならその言葉の意味を知っているかもしれない…またギャンブルを仕掛けられるか、

もう『奴ら』に取り入れているかもしれないが。

721黒羽 灯世『インク』:2020/03/14(土) 22:41:13
>>718

「何処からアウトなのか実験するわけにもいかないし、
 致死毒を『少しなら飲んで良い』なんて事はないでしょ?
 『スマイリー・スマイル』の場合、飲まれるのはこっちだけど」

芦田には見解を示す。

「とはいえ……口角まではどうかしらね。
 『笑い声』を聴かせる事が、どうもトリガーみたいだし。
 そこまでは無意識でも制御するのは難しいでしょうし。
 私だって今、自分がどういう表情かなんてあんまり意識してない」

「とにかく、『声を出して笑うのは禁忌』……これは自分で制御も出来る。
 で、なるべく『笑い』を作るのも……意識できる範囲では止めるべきだわ。
 100%の回答は誰も出来ないでしょう、なら最大限気を付けるしかない」

そして、『絵』に関しては受け取って成田に礼を返し、
一瞥した上で……これは不味いと判断して、裏返す。
意味を解釈することも、現時点では困難だろう。あるいは意味はそのままか。

一応、裏面や、あるいは二重になっているなどの要因で、
見えている表以外に何かが描かれていないかは見ておく。

「私は庭に行く。途中までは一緒に行くのだわ、悪いけれど…………」

そして、今は時間も余るだろう。
アリゼとほぼ同時に部屋を出る事になるのはやや気まずいが、中庭の小林らを見に行く。

場合によっては、今の内に何らかの対処をしなければならない……可能性はゼロではない。

722『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/15(日) 23:41:17
>>719-721(ALL)

芦田「魂の捕食者・・・ねぇ。成田坊主、俺 お前さんと最初に出会った頃合いで
何の気なしに言ったじゃん? その話が本当なら世界の終わりも近いんだろうなぁーってよ。
あん時は冗談交じりだったが……こりゃ普段はマジな話しないが、嘘から出た真って奴に
なっちまいそうだよなぁ。正体不明のマイマイカブリモンスターに人類って言うカタツムリの
群れが成す術なく捕食されるっつう面白くもなんともねぇ結末によー。
 ……カタツムリにも、カタツムリなりの意地と生きる術ってもんが普通あるもんだぜ。
アリーナの医者って奴も言ってたんだろ。手遅れな奴は介錯してやるしかねぇど
俺やお前さん方見たいな状態なら、まだ何とかまともな状態に出来る方法があるかもってよぉ」
なら、頑張ってみようぜ。と芦田は芦田なりのエールを成田を中心に三人に向けて送る。
 それと、小林とヤジは別行動とってるものの。この学生寮に半ば強引に外は危険だから
宿泊しておけと留まってた故に、あの二人が特に異常になってる様子は今のところ無いと言うのが
芦田の見解だった。そして、ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは能力を発動する。

 キランッ……シュンッ ――ズギュンッ!   ブゥ゛ ウゥ―ン゛

スタンドがモノクルレンズを片方の手で回しつつ残る翳した手が当てられた
斑鳩の形見のスカーフ、続けて成田含めた衣類をスタンドで形成された
フィルムが抜き出され、軽い唸りの音と共に見分した後にスタンドがフィルムの中に
小さく映る爆発シーンへ指で滑らすように撫でると、その部分から切り取られ……そして
一瞬後には、斑鳩の着ていた衣服、携行品のスマホ二つや腕時計に財布など病院で
覚醒した頃と同様の元の状態に戻っていた。そして、同じ所作を成田にも行い
焼け焦げてた学ランや眼鏡、スマホや小物は修復された。
(※アリーナで短期間で手に入れてたサソリ等は含まれず。リトル太陽に被爆した際に
無事だったオペラから貰った錠剤はポケットに問題なく入ってる)
『はい、終わりましたよ。能力の使用上、どう言う事があったか軽く知りましたが……
一先ず、これ以上直す前の服になる程の無茶は控えてくださいよ? 非常事態としてもです!
私の能力では、そう何度も何度も直せはしませんし生物は以ての外なんですからね』

……このスタンドの性分なのか、服がボロボロになる程に命を張った行動に対して
もっと命を大事にしろ、と言う本体の性格や思考と当て嵌まらない酷く良識的な説教が開始される。
尚、成田の呟いた地名に関して。当たり前かも知れないが芦田もスタンドも無反応だった。

黒羽は、気落ちしているのが良くわかるアリゼと無言で通路を歩き斑鳩と成田から一旦離れる。
とは言え、此処はセーフティハウス。今は何者かが危害を及ぼす心配はしなくても大丈夫だろう。
 少々気まずい、アリゼとの同行も直ぐ終わった。彼女が女子寮の一室へと歩みの向きを変えたからだ。

アリゼ「……あぁ、あの二人のヤジって奴から。適当に、女子寮の空き室は使って良いって許可は
貰ってるよ。こっちも別に今は空き巣稼業なんてしてないからさ」

軽く弁解の旨を告げて扉を閉めて彼女が部屋の中に入るのをが黒羽は見届けた。暫くは一人になって
気持ちを落ち着かせたいのだろう。世界が終わるかの瀬戸際でもあるのが、それも大事な事だ。

庭のほうに直ぐ出れる透明な大閉口の窓がある場所へ辿り着く、そこから簡単なテントらしきものが
張られており、窓を開くと鼻を突くような裏通りへ赴いた時にも小林が放ったガソリンと同じ匂いが
鼻孔を襲った。開閉音にパッと人影二人の内の一人が振り向いた。

小林「あぁ、黒羽さんですか。もう真夜中の1時に差し掛かると言ったところです。お元気な姿を
見られて安心です。あとの二人の姿は見えませんが……今こちらに?
……確か大食堂のほうへ向かったんですよね。収穫はどうでした?」

小林青年の顔が見えた。学校で見かけた通りの丁重な口調と、外の闇夜で少々分かり辛いものの
部屋の明かりも相まって表情や顔色にも特段問題は無いと貴方には思えた。
 ヤジは、屈みこみ何かを混ぜ合わせたりと忙しそうな後ろ姿が小林の奥から認識出来る……。

723斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/16(月) 01:03:06
>>722

 「ウンウン(自分の中で無茶の定義に該当する事は)モウシナイヨー。」

説教を聞き流しながら耳をほじる、なんであの本体からこんな天使みたいなスタンドが生まれてるかはついぞ解らないが
事実と正論なので反論できず、それ故に脳内で愚痴るだけだ。

 (せやかて工藤、無理して勝てる根拠も無いし、無理しなくて勝てるなら俺もそうするんだけどさ、その爆発大体俺のせいだし成田に落ち度ほぼねぇんだけど。)
 (むしろついてくると成田危機一髪の確率が上がるんだけど……アレ、ほぼ成田のダメージ俺のせいでは?)

他はケープに突撃してピンボールみたいに弾かれて骨折くらいだし……そもそも俺は火傷以外は無傷だし、同行した方が危険なんじゃねぇかなぁ等と思わずにいられない俺であった。
むしろ火傷の方が重傷まである 利用するだけしておいて気分を悪くする罪悪感が俺にもまだあった ごめんなさいねホント。

 「はぁ〜〜〜〜耳が中耳炎よかいてぇわ ――さて、目的と優先順位をきめとくか」

 「1.『モノリスの確保とその情報源との接触』何処まで意味があるかは知らねえが。」
 「2.『倉庫内の確認』これが一番優先度は低いな、そこに解決方法があるなら、とっくの昔に持ち出してるだろうしな。」
 「3.『目的地への移動手段の確保』……これが最優先かねぇ つっても解決法が解ってねえ以上片手落ちだけど。」

 「……どれも時間かかりそうだよな畜生、誰か代わりにやってくんねえかなぁ。」

スタンド使いの能力はある程度の差が有れど、基本は『戦闘』が主眼でしかない
RPゲームで言う所のファイターやメイジであって、スカウトではない 少なくともこの俺はそうだ。

 (俺が3人くらい……いやまあいるんだけれども、動かせる身体は一つだから意味ねぇし。)

1に何処まで価値があるかは解らない
2はそもそも死にに行くような物だという扱いで
3を考えなしに実行しても、じゃあそこからどうするの?という羽目になる。

 「……うわぁ、微妙な選択肢しかねえ しかも手が足りねぇから他に任せられねぇのが更に困る。」

(そもそも本体が無限増殖ってなんだよ……プラナリアかよ戦う相手としても夢も浪漫もありゃしねぇ)
(呂畑の石ころが『自分は生命である』と勘違いした定義して、無節操に奪う事だけを実行し続けているようなこのガッカリトンチキ感)
(信念もなにもあったものじゃない、単なる人類の『危機』ではあったとしても人類の『敵』にはなりえない。)

 「罪悪感がねえのが一番の…いや、別に石ころ蹴り飛ばして罪悪感も何もあったもんじゃねぇわ、ホント塵だな。」

(どうすっかな……黒羽は別行動中だし、いても荒事には……ちょっと ねぇ?1・2番チョイスするのは要はアリーナに向かうって事で、イコール敵の最中に突撃するようなもんだし。)
(かといって俺以上の戦力は傭兵以外思いつかねえし、ここの防御は必要だし、黒羽がいない間にモノリスだけでも回収してあの女に話を聞くか?)
(PBWのクソ設定キャラの如くに行殺される可能性はある、あるが……まあ既に追い詰められてるんだからあんま変わんねえな、後か先かの違いだわ。)
(そもそもあの女に話を聞こうとしてもう一度『ゲームをしましょう♪』とか言われたらキレるぞ俺ァ そんな時間ねえのに。)

 (なんだ、ほぼ『死ににいく』以外のチョイスねぇじゃん)

――そもそも感染を確認したら自殺するつもりでいたのだから、死んだところで一石二鳥という物だろう
命を『使い捨てる』つもりなど毛頭ない、元より効率的に『使い潰す』つもりなのだから。

 「っし、行くかァアリーナ!まあ無理だったら俺の代わりは傭兵が何とかするだろうメイビー 車借りるぜ 誰のか知らねえが 燃料入ってるんだよな?」

その命が他人のであれ、自分のであれ。

 「――修理ありがとうね!」

踵を返して駐車場まで移動する、目的地はアリーナだ。

724黒羽 灯世『インク』:2020/03/16(月) 05:40:38
>>722

「ええ、私も許可するのだわ。ここの住人として……解決するまでは好きに使って」

アリゼにはそれ以上何も言わない。
自分にとってのベリルは多分に『打算』の付き合いだった。
それも、一日にも満たない付き合い……アリゼの心中は察するに余りある。
立ち止まれない状況は続くが、足を休めるのは必要な事だ。

(……『親しい人』がいなくなる、その悲しさは私にも分かるけど)

黒羽灯世の記憶には消えない名前があった。
記憶が一冊のノートだとして、自分の名前以外に、唯一表紙に書かれた名前。

今は思い出さないように努めた。意味がないから。

「……」 (ガソリン……)

小林とヤジの無事には安堵する。主義ゆえに一度道を違えたが、『目的地』は同じだ。

「ええ、私よ。貴方たちも無事だったみたいで、よかったのだわ。
 ……収穫はゼロではなかったけど、『解決』はまだ見えないわね」

           「『糸口』は、見えたかもしれないんだけど。
            ……『手段』と、『手がかり』は手に入ったから」

極めて重大なアイテム、『矢』の入手。
或いは成田が口にした地名――――『アハガル山地』。
動かなければ手に入らなかった、『解決の糸口』は確かにある。

「成田君と……斑鳩さんも、無事ではないけど生きているわ。ここにも来てる」

「……今は『武器』を作っているところ、かしら? この臭いは『ガソリン』よね?」

一応、『味方』が何をするつもりなのかは知っておく必要がある。『ただのガソリンだけ』ではないだろう。

725成田 静也『モノディ』:2020/03/16(月) 17:46:15
>>722

これで身なりもばっちりだ。

「芦田さん、『ウィゴー』さん、ありがとうございます。」

「奴らに『非捕食者(カタツムリ)』も牙や爪を持っていることを教えてやりましょう。」

>>723

「アリーナに戻るのは賛成ですね。『目的の物』の事をまだ奴らに気づかれていないかもしれませんし。」

「ですがその前に小林さんとヤジさんの様子も見ておきましょう。」

「もしも『奴ら』になっていたらここが安全では無くなってしまうのはマズいですからね。」

もしそうなったらここに逃げ込んでいる『一般人』の生徒を元に『スマイリー・スマイル』の兵隊を作られ、

物量を元にここを守るスタンド使い達をすりつぶしていくのは目に見えている。

「とりあえず、確認だけすましてからにしておきませんか?」

モノディを出し、忍び寄る足音などや『笑い声』などが無いかをまず確認させる。

726『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/17(火) 00:08:57
>>724(黒羽PC)

ヤジ「――イッ キシッッ! ジョー、さぼってねぇで空き瓶とってくれ……っと
おー黒羽ちゃん、元気な姿が見られて嬉しいよ。
 今なにしてるって? ナパーム弾作成さ、それプラス簡易爆弾も作成中」

不良青年の片割れである彼は、見た所砕いた発泡スチロールとガソリンを混ぜたり。
未使用の花火の火薬や鉄くずを工作した空き缶に詰めたりなど。日常で見れば
警察案件な武器を作ってるのが良くわかる。

ヤジ「アリーナに乗り込むとして、どんだけ化け物化してる奴等が居るか不明だからさ。
出来うる限り用意は越した事がないさ。他にも一応、クロスボウなり出来うる限り
役に立てそうなもんは幾らか出来てるから、欲しかったら遠慮なく言ってくれ」

鼻水を啜り、涙を流しつつ作業を続けるヤジも最初に会った頃と同等。花粉症染みた涙鼻水を
除いては特に異常な点は見受けられない。
 そして、彼等には知る由もないから仕方がないが。既にアリーナが壊滅してる事は知らず
朝になったら、解散前に宣言した通り地下のあそこへ乗り込もうとしているようだ。

>>723(斑鳩PC)
>>725(成田PC)

成田と斑鳩は礼をウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトに告げ場を去る。
まだ説教途中のスタンドは言い足りなさそうな表情を浮かべてたが、気を利かすように
茶々を本体が入れたお蔭で、ヘイトが逸れて貴方たち二人が呼び止められる心配は無い。

外に通ずる通路の正門部分に、ハガネことアイアン・セイヴィアーであろう人影が
腕を組んで佇んでいるのが見える。学生寮の車が停まる場所まで行くなら彼の前を
通過する事になる。もっとも、芦田達が問題ないのだから彼が奴等になってるリスクは低い。
 正門を開くと、音に気付いた彼は能面のような仏頂面を貴方達二人へ向ける。

ハガネ「……転移系の能力か。お前達二人では無いな
となれば、虎穴に入り込んだか」

歴戦の戦士であろう彼は、貴方達が突如自分が守ってた屋内から出現した事に動じず
貴方達が誰かしらの能力で、こちらまで跳んだ事を察した上で嘯く。

ハガネ「戦から直帰して、また再び赴くつもりか? そこまで急を要する目的や
理由が相応にあるのなら。俺も同行するが」

傭兵たる彼は、貴方達をあえて止めるつもりも無いようだ。だからと言って
明確に危険を冒す意義が無いと判断すれば、同行の主旨も撤回するだろう。

超聴覚を駆使すると、黒羽と小林らしき会話が庭の方面から聞こえた。危険そうでは無い。
また、周囲から大勢の足音が接近するとかの危機の兆しも捉えなかった。

727斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/17(火) 20:29:15
>>725

 「いいよ、あんな奴ら……僕から見れば自分に出来ない事を他人にやれと強要したあげく、他人の為にとか言いながら自分の都合(感情)優先させまくってる連中だぜ?」
 「死ねとまでは言わねぇが勝手にやってるだろ、たぶん 好きにしろよ、俺もそうする、した 結果また犠牲が出たのはまったく笑えねぇが。」

げんなりしつつ足を正門にむける、きっとアレは僕が神様にでも見えていたに違いない
そんなわけがあるわけないし、僕だって命は惜しいのだが。

>>726

正門でハガネの台詞を聞きながら、肩を竦める。

 「冗談だろう、ハガネ 俺でもわかっちまう理屈だぜ? あんたが居なくて誰が此処を守るんだ?」

 「そんな事より、あんたの相方が酷く落ち込んでいるのだから、電話でもメールでもいいので声の一つもかけてくださいよ」
 「……見ていられませんよ僕は、女の人のあんな強がり。」

 「まさかいい年こいた大人が、『できない』とか言いださねぇよな?」

女心がわからぬ男はしんでもよい、多分ニーチェ辺りが言ったんだろう、僕はまったく知らないが。

 「それに、大した事しに行きはしませんよ」
 「ちょっとスマイリーだかラフィングだかに占拠されたアリーナに、エクリプスの落とし物を拾いに行くだけです」

 「だいたいあんな『食いカス』ごときに、手間をかけていられるか。」
 「俺達の精神はそんなに弱い代物なのか?ちげぇだろ、重火器で武装していようが関係ねぇよ。」

 「勿論撃たれれば死ぬだろう、いくらスタンドが精神の力で、その精神を実体化できても、出力が足りなければ銃弾という物質はどうにもできないのだろう」
 「だからどうしたふざけるな、それが何の理由になる?前進すると決めたんだぞ、後は実行するだけだろうが 無理だなんだと知った事か、意思のある限り殺し続ける。」

           オレ
 「――勝つのは『私』だ。」
           ボク

 「そういうわけだからオアトヨロシクハガネさん」
 「あいつらの元本体の場所は解ったんだけど、そこからどうするかわかんなくってさー」
 「元天才にそんな頭脳労働させるなって話ですよネー。」

死にに行かないために死地に赴くとはこれ如何に
困るので今すぐスタンドが成長してもいいのよ、非常事態だからはやくしてね。

 「……にしても食いカスにした精神力でどうやってあのスタンド維持してるんだろうな?」
 「スタンドが物理法則に中指突き立てている力だからって、それにも『ルール』はあるってのに」
 「全部『ラフィング』化したら餌の供給なくなるだろ? あるいはそこに勝算があるのかもしれないが。」

全滅したら意味無いしなあと顎をさする、元に戻ったスカーフが指先に心地よい、あのスタンド…ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト…の能力は本当に有難い事だ。
感謝してもしきれない、ついでに壊れた心も巻き戻して治せたらまさしく僕の女神だったのだが ……できたら真っ先に本体を治すか。

 「あ、(車の)キーあります?あのモノリスっぽいのかさばるんですよね……だからトランクに置いてきたんだけど。」

728黒羽 灯世『インク』:2020/03/17(火) 21:18:41
>>726

「あなたこそ、元気でよかったのだわ。
 そうね、武器はいくらあっても嬉しいけど……」

剣呑かつ重要な備えだが、憂いはいくらでもある。
が、これがあれば少しは『マシ』ではあるだろう。

・・・それより。

(それはそうだわ、彼らは事の顛末を知らない。
 ……今ここに来てよかった、明日の朝になって、
 知らないうちに『何もない死地』に旅立たれる所だった!)

「あのね、あのね。重要なことを話すわ。
 ……私の知る限り、『アリーナ』は、もう壊滅した。
 今から行っても得られるものはほぼ無いと思うのだわ」

「少なくとも……主要な施設は『瓦礫の中』。
 生き残ってる箇所があれば、そこは『笑いの中』だとも思う」

顛末を伝えなければならない。
情報を共有する事には大いに意味があるだろう。
彼らは目的を一時的に失う事にはなるにせよ、
『アハガル山地』へ向かい解決を目指すとして、
それを成すまでの『防衛戦力』は、いくらあっても困らない。

「それでも行く理由があるなら別だけどね。……ちなみに『化け物』はいたのだわ」

729成田 静也『モノディ』:2020/03/17(火) 21:55:37
>>726-727

斑鳩さんを一人で行かせはしない。それは決定事項なので、モノリスの回収を優先する。

その後、校門でハガネさんが同行を申してくれるが彼がいなければここで直接戦闘できるスタンド使いがこれ以上減るのは得策ではないだろう。

「オレも同意見なので、ハガネさんはここの守りを引き続きお願いします。」

ハガネさんの申し出に断りを入れる。

>>にしても食いカスにした精神力でどうやってあのスタンド維持してるんだろうな?

「おそらくですが『ラフティング』を増やすのは副次的なもので、主目的は人類すべての魂を食い尽くして『もっとおぞましいナニカ』へと変わるのが目的な気がします。」

『アリーナ』で『金一』だったモノが言っていたこと、『もうすぐ誕生日』。これが意味するところから考察する。

『全てを食い尽くした後』に何をするかまではまるで想像もつかないが。

「とりあえず、早くアリーナに行ってブツの回収しないと奴らは『全にして個』な奴らですから待ち伏せされるかもしれませんし。」

とは言え『奴ら』も『アリーナ』進攻にかなりの数の兵隊を犠牲にしたはず。ならばしばらくは頭数をそろえるのに大人しくしているはず。

730成田 静也『モノディ』:2020/03/17(火) 21:57:41
>>729

すみません訂正します。

×「とりあえず、早くアリーナに行って」 → ○「とりあえず、早く斑鳩さんの車まで行って」

731『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/17(火) 22:52:03
>>727(斑鳩PC)
>>729(成田PC)
(※いま現在の所持品は、参加時の持ち物以外は斑鳩が『ソイル』の『矢』を携行。
オペラの贈与品である毒薬一錠のみか確認とります。出発前に屋内から持っていきたい
ものがあれば、返信で書いて頂ければ装備品に加えて出発のロールさせて頂きます)

ハガネ「わかった。……自分の力は過信し過ぎるな 気を付けて行け」

車のキーが斑鳩に投げ渡され、ハガネは正門の扉を開け始める。

寮の駐車スペースには、芦田が乗って来たキャンピングカー。
他にはヤジや誰かのらしいバイクが数台。寮で使用するらしい小型トラック
もう一台、ハガネが車名を告げたスズキ・アルトの黒色のセダンが置いていた。
彼曰く、改造して防弾製との事だ。奴等で警察の存在に遭遇しても頼りになるだろう。

>>728(黒羽PC)

ヤジ「・・・へ? 
……うっそだろ、おい。あのアリーナだぜ? カルト教団なり星見町最大規模犯罪組織
エクリプスを壊滅に追い込んだ、あのアリーナが壊滅した……?
 生存者は? 何かしらの緊急時の退避先とかは?
本当に……何も出来ずに全滅しちまったて言うのか?」

ヤジは、貴方(黒羽)の言葉を聞くと茫然自失の言葉がピッタリの表情を象る。
小林は話を聞いて、暫く黙り込んだ後に返答した。

小林「……事態は斜め下の方向へ向かって進み続けてるようですね。
因みに私達のほうは、黒羽さん達と別れてからは学生寮でずっとPCで世界中の
発信で異常が無いか調べたり、今のように武器の調達作成に勤しんでいましたよ。
 後者はともかく、前者の成果は芳しくなかったです。
オカルト程度に、最近不気味な笑い声が頻繁に何処からが聞こえると言った投稿は
あったんですが、それ等は全て核心に迫る前に途切れてるものばかりでした。
 ……アレ等は自分の正体に迫るものを先に口封じしている。
此処は未だハガネさんが目を光らせてる為、特に問題は起きてませんが。今日一夜
この穏やかさが保つかどうかも、はっきり言って断言出来ません……」

小林青年も、そう私見を述べ口を重く閉ざす。彼等の行動も、仕方が無いが貴重な
情報などは皆無に等しい。既に事は起きて手遅れに近い状態だ。
 これから一体、何を目途として解決に進むべきか……或るいは何とか逃れる為に
ノアの箱舟に乗る方法を考え付くべきか。

732斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/19(木) 01:09:42
>>731

 「過信?しますよ、しますとも。」
 「そうでなければ意味がない、僕は犠牲が必要だと考えはしますが」
 「犠牲が軽いとは一度も思いはしませんから。」

セダンのドアに手をかけて、シートに座ると肩を回す。

 (さーてと 啖呵はいくらでもキレるが、実質過剰業務の向こう側だろ今の俺)
 (手立ては兎も角、人生に労基署とかねぇのん?訴えて勝つぜ俺ぁ。)
 (大体、スタンド使えるだけのガキ3人で世界を救えるとかほざくやつは、頭の中がおがくずなのかと言われたところで仕方ねぇだろ。)

 キーを回し、ハンドルを握る 防弾ガラスか或いはフィルムか 向こう側の景色が悪夢のように歪んで見える

 「まぁ、何の意味も無く行くわけじゃない あいつらは『アリーナの襲撃時にさえ態々倉庫に手勢を割いていたんだから』。」
 「数が多いから手を分けた?結果が矢を持ち逃げされているじゃあないか、矢さえ手に入れれば勝利というなら全戦力を投入すべきだろ?」

懐を見ればナイフが1つ、スマホが2つ、使い捨てのライター3つ
後は己のスタンドとソイルの残した『矢』が1つ。

 「そうしないのは倉庫の中に、アリーナ側は把握していなくても、スマイリー側にとっては何らかの『アキレス腱』のような物が有る」
 「そう考えるのは、ぜーんぜん……おかしな事なんかじゃぁないな。」

(とはいえ、向こうの事情を知らないのだから、楽観論に変わりはないな)
(――『矢』の使用も、今じゃ事情がまったく異なる、自分が感染しているとわかれば、使って元に戻れるか?)
(とはいえ、この先まで温存しても、その時こそ戻れる確率は低くなるだろう……怖いもんだな、死ぬというのは。)

 「成田もくるというのなら、盾くらいにはなってもらうぜ」
 「銃弾は軽い、速度を持って横から叩き逸らせば『止める』事は出来なくとも『弾く』事なら充分可能性はある。」
 「とはいえ笑い声はもう探知できない、呼吸音、足音、そういうので見分けるしかないな。」

……さて、アリーナに向かう時か?

733成田 静也『モノディ』:2020/03/19(木) 13:14:11
>>731-732

「という事でハガネさん、学生寮をお願いしますが危なくなったらみんなで逃げてください。」

「拠点も大事ですが、『守るべき人たちが残っている』。これがオレには一番大事なんで。」

どんなに辛くてもここまでやって来れたのはこの一言で片が付くだろう。

親、知り合い、友人、そしてこの町、それを守りたいからそれを汚す『スマイリー・スマイル』が許せないのだ。

「無論オレもついていきますよ。盾でもなんでも頼って下さいよ。」

少し強がりも入っているが、斑鳩さんに応える。

アリーナでモノリスを手に入れる。それで『奴ら』に致命傷を与えてやる…!

734黒羽 灯世『インク』:2020/03/20(金) 02:03:12
>>731

「まだ見ぬ生き残りがいるとか……
 私たちが回収し損ねた何かがあるとか、
 そういう可能性はゼロではないでしょうね」

知った範囲では、残せたものはごく少ない。
アリーナに他の支部があるなどすれば、
そちらでの生き残りはいるかもしれないが、
今からそれを探すなどというのは現実味ゼロだ。

「それに、何もできなかったわけではないのだわ。
 『アハガル山地』……そこに何かがある、という情報。
 それと、敵が求めていたものを『死守』してもいた……」

二つの矢は『成田』が携行していただろうか。
今ここで見せびらかすつもりも、特には無いが。

「……成田君と斑鳩さんがどうするつもりかは知らない。
 けど、『アハガル山地』……そのヒントを無視する気は起きない」

「とはいっても、飛行機でもないと行ける場所では無いけど……」

解決の余地、目途があるかは分からない。
が、一つだけ確かな事は『アハガル山地』を無視するつもりは無い。
『そこ』に、今まで背負ってきた全てを導く必要がある。

(今生きている交通手段があるとしたら、『オペラ』……『エクリプス勢力』か)

アリーナにその余力は最早ない。民間にも無いだろう。
念のため空路を検索しておくが、あまり期待はしない。通常の飛行機は『棺桶』になりかねない。

735『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/20(金) 21:51:06
(若干巻き進行でいきます)
>>732-733(斑鳩PC・成田PC)

  ブゥ―――――ゥゥゥゥゥ゛ゥ゛

セダンの車は、街灯が照らす夜の道を駆け抜ける。
 朧月とも言えそうな淡い月光が空から見えた。走らせる車の外から
慣れ親しんだ、すれ違う車の走行音や風などの環境音が聞こえてくる。

特に何事もないままに貴方達が運転する車は既に崩壊している地下アリーナが
存在する総合グラウンド体育館のある場所まで辿り着いた。
 ここまで来ると、立地の為かちらほら見えた通行人等は無く。幾つか大型のトラックや
軽自動車が数台周囲に駐車されているだけだ。確かベリルと同行していた時、これ等の
車両は無かったと思うが、別に気にする程のものでもない光景でもある。
 
 ……ブゥゥ――――ウゥゥ゛     キュ キュキュッッキュッッ゙……

総合体育館入り口に進む為にカーブする為に減速する際に、貴方達の後方から
エンジンを起動したのであろう音が成田の超聴覚では捉えられた。
 運転手である斑鳩の視点で、総合グラウンドの駐車スペースを伺ったところ
貴方達が乗り込んだ時と同様に、駐車場は至って変わらず乗って来たモノリスが
入っていた派手なスポーツカーが置かれてるのが良く見えた。
 とは、言っても。総合体育館周辺は植林や遮蔽物も多い……貴方達のいる方から
誰かが潜伏しているかどうかを詳細に知る事は難しいであろう。

>>734(黒羽PC)

貴方は『グレイシャー』の『矢』を持っている。
今は使い時では無いだろうが、いずれソレは何かしらの役割を必ず背負う気はする。

>『アハガル山地』……そこに何かがある

ヤジ「……アハガル山地? …………なんか、聞いた地名だな。
………………何処で聞いたっけ」

小林「学校での地理の授業とかでは? 
アルジェリアの砂漠地帯、ですか。流石にそこまでは飛行機を使わないと無理ですよね
……ただ、そこまで向かう絶対の理由が話を聞いた限りでは保証は少ないと言うのが
私からの考えです。あくまでも私見の意見ですのでご容赦願いますが
世界規模で奴等が潜伏しつつ増殖しているのを考えれば。そこまで向かう道中に
どこまで危険が降りかかるのが予測不可能です」

ヤジは、貴方の言葉に首を傾げ。小林はスマホで検索をしつつ彼に回答しつつ
黒羽に其の述べた地点に向かうのは無謀なのでは? と意見する。
 スマイリー・スマイルの現段階で把握出来る不可避な絶対感染と言える同化増殖。
世界中の半数、それ以上の数が今も動いていて。通常の渡航手段を使用するのは
不可能と思える状況で、わざわざ其処まで向かいこの盤面を引っ繰り返す奇跡的な
手段を見つけられるとは到底思えないというのが彼の理論だった。

二人は各自反応を終えると、作業を一休みして一旦休憩を挟む事を提示した。
貴方はコーラの影響もあり、肉体的な疲弊は少ないものの衣類には汚れもあるし
ベリルの死を間近で見たりなど、落ち着けば衝撃的な体験に精神的な疲れも降りかかる。
屋内に戻ると、戻ってきましたかとウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトが湯気の立つ
紅茶の良い香りのするポットと、茶器を今いる人数分用意してテーブルに置くところだった。

『皆さん、お疲れでしょう。私は非力ですので、こんな事でしかサポート出来ませんが』

芦田「ウィゴーちゃん……口移しを俺は望むが」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトだっつーの。おらっ いの一番に紅茶並々注いで
やるから黙って飲んでろ。暫く喋んなよ! いいかっ、振りとかじゃねぇんだからな!!』

一人と一体の漫才? を見つつヤジが一人でおっさんが奇行してるようにしか俺には見えないが
多分見えてもやばいってのはわかる。と呟くのを皮切りに紅茶に各々が口付け始めた。
その時、そんな彼が間を悪く くしゃみで鼻水は辛うじて入ってないだろうが涙交じりの
紅茶を他の面子のカップに飛ばしたのはご愛敬だ。芦田はきたねーなと軽く怒鳴り
小林は苦笑を模った表情でカップを取り換える事なく飲み進める。今は外が異常である事を
忘れる事が出来れば、スタンド使い同士の少し騒がしい交流といった穏やかな光景にも思える所。
(※別にPCは飲まなくても良い)

 コツ コツ……。

そんな折に、アリゼが溜息をつきつつ貴方たちのいる場所まで歩いてきた。女子寮の部屋から
気持ちを落ち着かせたのか出てきたようだ。

芦田「んだ、あんた。もう引き籠るのは卒業かい?」

アリゼ「だーれが引き籠りだ狂人。……いや、これ言っちゃあ悪いかも知れないけど
隣が汚部屋なのか何なのか知らないけど異臭がすんだよ」

だから出てきたと、アリゼは告げた。
 黒羽は、此処の住人であるならばわかる。確かアリゼが引き籠る部屋の両隣は
一つは空室。もう一つは『遊部』と言う人物がいた筈だったが……。

736斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/20(金) 23:44:19
>>735

 「……うむ、妨害無し 問題なく到着したな」

少し拍子抜けではあったが、むしろ妨害が有ればこちらの拠点がバレているような物だ
むしろあったら困るという物。

 「来るまでに見えたのは大型車両、軽自動車……駐車場周辺はどうも遮蔽が多いな」
 「銃弾の数発なら俺も防ぐ手段はある、が、それは敵が見えている前提だ。」

目標は既に見えている、しかし このまま突っ込むのは得策とは言えない
顎を開いた虎口に飛び込むような物か?向こうが重火器拾って数を頼みに攻めている以上、下手をすれば穴開きチーズだ。

 「……さっき見た車両を借りてくるか」                                   アッシュローズ
 「鍵をぶち壊してエンジン直結、俺のスタンドでハンドルとアクセル固定して、ガソリンタンク内に『灰ノ薔薇』放り込んで直進させよう」
 「名付けて『半径20mトラックミサイル』、向こうが理不尽で挑んできているのだから、こっちも相応の手を取ろうという物だ、遮蔽もろとも爆散させてやろう。」
 「――どうせもう『人間』はいない。」

まあ、乱暴な手であるのは確かだが
残っているのは食いカスだけだ、たとえそれがどんな形をしていようとも。

 「……或いは、様子見として『一度この駐車場を回ってみる』かだな」
 「このバン、銃撃くらいなら耐えるだろう タイヤの方はどうか知らんが……そこからは成田の索敵任せだな」
 「なにもなければそれで良し、耳で探知できなければ…まあ運が無かったのだろう。」

とはいえ、此方も穏当な手だがリスクが無いわけでは無い
ようはこの提案は、成田の精神を酷使すると言う事と同じだ、既に感染しているにしても
その聴覚で『笑い声』を拾うと言う事は、耳元で囁かれるのと同義、あの怪物に自ら食われに行くような物だ。

出来るなら前者を選びたい物だ、警察がショットガン持ってこようが、取れる手が減る事の方が痛い、と 理屈の上では言える。
感情の面では? 知らん、俺は怒るだけだ。

 「俺から提示できる手はこの2つくらいか、何もせず帰るというのは有り得ん手だ」
 「……いや、もう1つあったか。」

懐からハンカチで包まれた『それ』を取り出す
時代錯誤のそれは、この手中にあってなお、何処か現実味の無い異質な輝きを放っているように見えた。
――『矢』 あの2人が使った、非日常の象徴のような物体。

 「――最初から『コレ』を使う、ソイルの顕現させたあの規模を鑑みれば、まず敗北は無い、無いが」
 「盛大な博打だな、何方が使ってもなにが起こるか解らん。」

だが、戦うために使うならこのタイミング以外思いつかない
連中がスタンドを使えない事、感染した自らの限界、双方から考えても十全に使えるタイミングとしては他にないだろう
何より……向こうは数回使えても、こっちは使い捨てだ。

 「で、どうする? 選択肢に成田の協力がいる選択肢がある以上、決めるのは成田だ。」
 「敵がいた場合、何方にしろ俺が戦うのは確定なのだからな。」

(――或いは、このバンを鎖で動かして囮にする手も有るが)
(ここまで接近した以上はあまり意味がないな、このチョイスは無しだ。)

737成田 静也『モノディ』:2020/03/21(土) 22:49:53
>>736

さすがの奴らも自分の端末と化した人間に情報が入らなければ情報は共有されないらしい。

おかげで無事に目的地まで着いた。

「『矢』を使う気ですか?しかし、それが『残り1回』しか使えないことは斑鳩さんも承知の上ですよね?」

ソイルは託してくれた時に『矢』は不完全故に2度目の仕様後に耐えられないと言っていた。

「それに所感ですみませんが、『矢』による『レクイエム』は元の能力に加えて、魂にまで影響を与えれるほどの進化をもたらすものだと思われます。」

「しかしソイルさんとグレイシャさんの変化を顧みるに『不完全』もしくは『スマイリー・スマイル』の影響を受けすぎた『スタンド使い』では

使用した時の『想い』をひたすら遂行する自動操縦のようになるのでしょう。」

「故に同じく魂に影響を与えれる『スマイリー・スマイル』にはこちらは『きちんとした目的』と、『狙うべき対象』を絞った

レクイエムを二つ用意しなければ勝てないと考えています。」

ひょっとしたら『奴』…最初の本体も何らかで『矢』を使ったか、もしくは突然変異でそうなったか知らないが『スマイリー・スマイル』は『レクイエム』、
もしくはそれに近しい領域まで到達したものだと考えられる。

「ですから『矢』を使うならば残りを持っている黒羽さんと合流してからじゃないと完全討滅は難しいかと思います。」

『レクイエム』には『レクイエム』を、それも不完全とは言えその数が多ければ多い方が勝つのが道理。

ここは斑鳩さんに使用してもらうのはまだ我慢してもらった方が無難だろう。

738黒羽 灯世『インク』:2020/03/22(日) 23:24:06
>>735

『グレイシャーの矢』・・・『今はその時ではない』のは分かる。
いつ使うべきなのかは分からないが、『今ではない』。
不思議な感覚だが、素直に飲み込める。

     「……ありがとう」

出されたコップには手を付けない。
精神を癒すために『気になるもの』に手を付けるのは逆効果だ。
『芦田のスタンド』が裏切る可能性はほぼありえないだろうし、
唾が入ったことが『スマイリー・スマイル』に関係があるとも思えないが、気分だ。
自室には未開封の飲み物もある……そこまで干渉されてるならもうお手上げだ。

「そうね、向かって『何をどうすればいい』か分からない以上、
 今の『行くべき』は『自己満足』の感情でしかない。
 ……それでも、『終着点』はそこになる可能性は高いのだわ」

「私たち3人が……その最終局面で、そこに向かえる状態かは分からない。
 貴方たちにも『知っていてほしい』。『ニュース』は、何より大きな力になるのだわ」

「……っと、『異臭』?」

(…………そこに隣り合う部屋は、確か、『遊部』?
 顔が浮かばない……『取材対象』になるような相手ではない、
 そういう印象だけど……『異臭』を放置する人種ではないはずだわ)

少なくとも、女子寮に今まで住んでいて『そういう話』に聞き覚えは無い。
『異臭』……血の匂いなど、剣呑なものなら『アリゼ』なら気付くだろう。なんだ?

「部屋に物を取りに行くついでに、その『汚部屋』を見てくるのだわ。
  ……それが解決に関係するとは思わないけど、『気になる』から。調べたいの」

739『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/23(月) 22:55:08
>>736-737(斑鳩PC・成田PC)

 ズズッ……。

オペラ「雄のほうの小鼠ちゃん、二匹分の付けてた盗聴器は壊れちゃったのよね。
残りは、もう一匹のほうだけか」

「情報の収集は引き続き行います。移動は直ぐ開始いたしますか?」

オペラ「うーん、まだいいわ。面白い事が起きるかも知れないし、そのまま期待外れで
終わっちゃうかも知れないし……黒い雌鼠ちゃんに付けてたほうから察するに
雄の野鼠ちゃん達は、またアリーナのほうへ向かうんだっけ? 
まぁ、この町に何故か知らないけど滞在してる。最強と謳われている傭兵も一緒なら
その手も別段悪くはないのかも知れないわよね」

ビッグ・クランチ。現在エクリプスの幹部クラスと言って良い裏社会の支配層の
女性は、三人に餞別として送ったコートに密かに付けてた盗聴器で配下から情報を
入手しつつ、そう感想を述べていた。斑鳩と会話をした、自称使い捨ての人材たる
ヘルマンが酒を飲みつつ、しゃっくりと共にオペラへ告げる。

「支配人〜。仮に、傭兵も何も誰も連れずに。そのまんまほぼ無策で向かったのなら?」

オペラ「あははっ! ナイスジョークね、ヘルマンっ。でも、そこまで
頭も溶けてないでしょうに」

 ――もしも、そうなら。自分から棺桶に入りに行くようなものよ


 …………

まず『異変』を感知したのは『成田』だった。
つい先程>735聞こえた物音。
『貴方達の後方からエンジンを起動したのであろう音』の方角からカーライトもなく
エンジン音が急激に接近してくる。簡潔に告げれば大型トラックが突進してくる音を
成田は聞きつけ、少し遅れてから斑鳩にもミラー越しに闇夜の街灯が照らす輸送トラック
であろう車両が後ろから猛スピードで迫るのを聞きつけた。

次に聞きつけたのは『無数の足音』だ。これも、成田の超聴覚にしか聞こえないながらも
それがアリーナに続く総合体育館周辺の内部や遮蔽物に隠れた付近から聞こえてきた。
 小さな擦れるような足音は、100か? 200? いや、それ以上あるかも知れない。
ただ、沢山あると言う事だけは認識出来る 足音のみ。
もしかすれば、笑い声を発しているかも知れないが。今の貴方達には、それを聞き取る術は
あるかどうか不明なのだから……!
 
 貴方達が準備をして、この総合体育館に向かうまで約30分程度の時間は要したであろう。
奴等の何らかのネットワークは、わざわざ電話などを介して情報を共有するに時間をかける
必要は無いようだった。つまり、今この町で増殖しているスマイリー・スマイル達が
戻ってくるかも知れない貴方達を待ち伏せする事とて、左程 難しい事では無い……!

740『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/23(月) 23:16:38
>>738(黒羽PC)

湯気の立つ紅茶に貴方は手を付けない。だからと芦田のスタンドは
今はゆとりが無いのだろうと気遣って配慮の沈黙を貫くし。この中で
唯一、ウィゴーちゃんの注いだ茶が飲めねーのかとブー垂れそうである
スタンドの本体は茶を飲む事に集中して貴方に対し幸いにも茶を飲むのを
強制する事は無かった。

ヤジ「異臭? ゴミでも溜めこんでんのかね。
俺はこれ飲んだら、もうちょっと庭で作業するからさ。
寮のマスターキーなら、玄関口にあるぜ。今は寮母さんも他の奴等も
所用あってか、この寮にいるの俺達位だし」

小林「私も彼を手伝いますので」

不良青年達は武器の作成を続けるようだ。アリゼは気を紛らわせたいのも
あって貴方の手伝いをすると申し出て、芦田のほうは適当にテレビでも
此処で見てるから何か用あれば呼んでと告げ場を動かない。

貴方が軽く汗ばんだ衣類を私室で着替え、遊部の部屋に赴く。
(※何か用意するもの等は、目的あって外に出るか状況が急変した際に
記載して頂ければ、既に携行していると解釈するので、今は特に携行品の
詳細を記入しなくて構わない)

アリゼが、貴方が着替えた際に持ってきたのであろうキーで遊部のドアを開く。
開いて足を踏み入れた先には……。


 アリゼ「……ぅ゛ こりゃ……死体」

…………そこには既に物言わぬ躯が座っていた。
 死後一日は経過してるのか腐敗している女子生徒の遺体。
顔を伏せて表情は分からないが、口元は貴方が今まで見てきた奴等に
似た口が不愉快な笑みの形に模っているように見えた。
 胸元には、鋭い刃物が突き刺さっている。誰かが彼女に刃物を
突き立てたようだが……不思議な事に遺体には抵抗したような感じは無い。
 それと共に、備え付けられたキッチンには半分程燃え焦げている『日記』が
置いていた。読むのは、とてもじゃないが難しそうだ。

 アリゼ「たくっ、今まで色々なもん見てきたから吐きはしないが
不愉快なもん目の当たりにしちまったよ。……警察に連絡も出来ないし
どうすんだよ、これ」

ハガネを呼ぶなりして、とりあえず遺体を別室に安置させるか? と
困った様子でアリゼは室内を見渡している。

 他殺のようだが、不思議と抵抗した様子のない遊部と思われる遺体。
そして、半分程焼け焦げた日記帳。
 
 これが、この室内で見受けられる特徴的な異常だ……。

741斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/24(火) 06:51:37
>>739

ミラー越しに輸送トラックが後ろから猛スピードで迫るのを聞きつけた瞬間
俺は灰色の脳細胞に絡まってるシナプスが光る前にアクセルをべた踏みした。

空転したタイヤが甲高い叫びをあげ、猛烈なGがシートに俺の体を沈みこませる
ハンドルは真っすぐ、速度の乗ってない内に無闇に左右にハンドルを切ろうものなら車体の前と後ろがオサラバするに違いない
成田を蹴り飛ばした反動で車外に出ても良かったが、それだと手足が無くなるだろう。

 「よーし成田、今から元天才の俺が超スーパー冴えた作戦を伝えるから、耳穴かっぽじってよく聞けよ?」

とはいえ元の加速差と車体の防弾処理で速度はほぼでないだろう
数秒もすれば後ろから押されてミンチになるのは想像に難くない、つまり現時点で寿命が数秒伸びただけだ

 「今から後ろのデカブツをこの車体のケツギリギリまで引き付けてハンドルを切ってドリフトする」
 「カーブ勝負に持ち込めば重量差の遠心力でむこうはカーブが大きく膨らむだろう、後はすれ違いざまにアジトに戻る。」
 「幸いここは駐車場だ、曲がるスペースには事欠かねぇ。」

うまくいけば……勿論2台3台と突っ込んでこない限りはまあこれで逃げれるだろう
まあ、俺は逃げに来たのではないが。

 「上手く行ったら『後はオマエが運転しろ』『俺は此処でトラックと連中に勝利してからアジトに戻る』」
 「運転何度も見てんだろ?悪いが出来なくてもお前がやるんだ 俺は助けてやれねぇからな。」

成田の懐に矢を押し込んで、落とすなとばかりにはたく
使えないのなら俺が持ってても意味がない。

 「あ、反論は受け付けてねぇからドリフト時に舌噛むなよ。」

腰に付けた鉄球を(3m分)4つに分けて、両手両足に手袋とブーツのように融合させ
ハンドルとサイドブレーキに手をかける後はタイミングの問題だ。

 (ま、上手く行かなかったらそもそも此処で死ぬんだがな……いやぁ楽しいねぇ いったい何人待ち伏せてるんだ?)

笑えないのが本当に、心の底から残念だ。

742黒羽 灯世『インク』:2020/03/24(火) 12:38:16
>>740

普段着ている『振袖』仕様に改造した学生服には予備もある。
それに着替える。『正装』だ、あえて違う格好をする必要もない。

問題は――――部屋の惨状。

「うっ……――――これ、『他殺』? 待って、死体には触らない方が良い」

          「……の、だわ。何が起きるか分からない」

『死』への感覚はずいぶん麻痺してしまった。
今はそんなことを気にしている場合でもない。

「お分かりかしら? この『笑い』は……『例の敵』の影響よ。
 それなら『殺されそうになっても抵抗してない』のも分かる。
 アレはそういう『生態』……『燃やされても構わず襲ってきた』」

「でも、この日記帳は何……?
 なんでこれだけが燃えてるの?
 殺した誰かがそうした……『なぜ』?」

「ねえねえ、とても気になるわ。私の『記者の勘』が騒いでいるのだわ!」

自分で燃やした? なんのために?
あるいは『殺した誰かが燃やした』のか?
なんのために? 『何が書いてあった』?

「…………確か『芦田さんのスタンド』は『モノを復元できる』」

「今更『プライバシー』なんてどうでもいいのだわ。
 彼女の能力でこの日記帳を復元して読んでみましょう。
 ……他にも復元したいものが見つかるかもしれないし、
 こっちに来てもらった方が『話が早い』わね、きっと。
 ……私はもう少し調べておくのだわ、アリゼさんお願いできる?」

アリゼに『呼んできてもらう』ように頼む。何かあったのだから呼ぶのだ。
また言葉通り、部屋の中を回って他の何かの痕跡などが無いかは一応見ておく。無さそうだが。

743成田 静也『モノディ』:2020/03/25(水) 22:12:46
>>740

・・・ここまでの接近を許すなんて…!戻ってきてから緩みっぱなしだ…!これ以上は許されない、他でもないオレがオレを許さない!

「文句を言う資格は無いので気にせずどうぞ。」

モノディで探知しているトラックと足音以外の伏兵が無いかを探る。

「斑鳩さん『鉄球』は出せますか?出せるならば運転している斑鳩さんの代わりにオレが投げます。」

「それと場合によってはモノディの『奥の手』を使うので斑鳩さんとスタンドの声を貸してもらえませんか?」

モノディの『奥の手』…ストックできる『音核』4つを飲み込み、放つ『音響兵器』…『ハウリング・キャノン』とでも呼ぼうか?

これならば対生物相手ならば死に至らしめることができる。

ただし音量の分だけ『センサー』にダメージが行くが仕方があるまい。

「トラックは『鉄球』で、『集団』には『音響兵器』で蹴散らすんで、鼓膜を守るためになんか耳に詰めておいてくださいね」

斑鳩さんに確認をとって仕掛ける体制をとる。

もしうまくいかなければオレが運転することになるだけ…。

ここはまだ『矢』を使う時ではないはずだ。『矢』抜きで切り抜けなければ…。

744『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/26(木) 21:24:44
>>742(黒羽PC)

貴方は芦田とウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトに呼びかけつつ、室内を見渡す。
 まず目につくとしたら一つの絵画、それは死体に良くにた容姿をしてるような
涙を流して泣きじゃくる少女の絵だった。題名は『もっとも弱き原型の一つ』

他に貴方が室内を見て、推察した事は。台所の備えられた包丁の一本が無い為
それが遺体の凶器である事。付けられてる小窓などは施錠してる為に完全な密室な事。
他と言えば、日記帳は半分燃え尽きてるが。途中で何者かが覆いかぶさるか何なりで
燃やしたのを止めたように思える……と言うところか。尚、遺体の遊部の体に焦げ目や
火傷が無い事から、彼女が自分でナイフを刃物に突き立てた後に何かしら心変わりして
自分で燃やし始めた日記を消火してから力尽きて死んだ、とか言った馬鹿げた事は無い。

芦田「おいおい、SFパニックが周囲で起こり始めてるって話聞かされたら。今度は
火サスか何かかよ?」

『だまらっしゃい。……燃えたのは、フィルムの記録から察するに昨日かそう昔でもない。
うん、これでしたら復元は問題ない』

 ズギュン……。

元に戻った日記帳がスタンドの手に収まる。渡された日記帳を開くと
殴り書きに近い草書体のような文章が収められていた。
内容はこうだ。

『アリーナの指令により私はアレに遭遇した。アレはフラジールの
能力を発動すると全体が認識出来なくなることが判明したが、質量の力では
太刀打ちは困難であり、止むを得ず遁走した。
 私の中の我々となる散らばった集合体の大半は、もう既に消えた。
いや、これは啜られた 連れ去られたと表現すべきだ。私も残り数分程度で消える。
全ての中の私が消え尽きる前にフラジールへ命じ自死を試みる。
 いま、わかる事は。私達の中の多くの偽たる私達を消し去ったアレは迎合出来ないものであり
その本質は虚無であり、私に近くあるが限りなく私とかけ離れてると言う事だ。
 だが、意外な事実だが【私達の中で一番みすぼらしく、みじめな私】は十数分間にも渡り
奴等に連れ去られてないと言うのは驚異的であり不可解でもある。

恐らく、あの子が。アレを攻略する為の一つの要因に鳴り得るのだろう。だが、もう私達は
アレの声を 顔を 浴びすぎた。
 
 介錯はフラジールに任せる。ただ、口を開くと奪い去られた私達の穴を通してアレは
この記録を消せと訴えかける。だから、最後にこう遺しておこう

 舐めるなよ たかが化け物風情が』


……日記はここで終わりを迎えている。

745『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/26(木) 21:54:59
>>741(斑鳩PC)
>>743(成田PC)

背後から貴方達の車を破壊せんと大型トラックが迫る。それを認識した
斑鳩がアクセルを渾身の力で踏み抜き、急激なGを受けつつセダンの防弾車は
前にスピードを上げるが。確かに今のままでは防弾製である事を踏まえ
激突しても車が大破する危険のリスクが低いかも知れないと言う楽観を抜かしても
そのまま大型トラックの激突と言う衝撃で、今唯一の移動手段が破壊されれば
周囲から獲物の息の根を止める軍隊アリの如く闇夜に集い始める奴等によって
手も足も出ず、奈落のほうに魂が誘われるのは想像に難くない。

総合体育館の駐車場の内部へと、車はガーデニングされた植木などを突っ切り
そのまま押し進める。そして、モノリスが入ってるであろうスポーツカーが
直ぐ15m先程に駐車されてるのと……。

 ――『絶望』が、眼前に広がっているのを目視した。


      ――――ヲヲヲヲォォォ・・・

人 人 人 人
 人人人人人人人人……無数の人の群れが総合体育館の入り口
貴方達のいる東西南北のいずれにも、既に夜の3時を回る絶対に本来ならば
密集しない場所に約1000は超える人垣が姿を現していた。
 超聴覚など駆使しなくても、貴方達の車に歩みを進める音の波が耳を打つ。

一番近い人垣は貴方達から見て15m前後か? まだ遠いと思える距離とて
あと5秒足らずで人の群れは車を覆いつくさんとする。

 どう考えても、この人の群れは『奴等』だ。顔を 音を見聞きすれば
魂を融解し、最終的にはソイルが告げたように天国とも地獄にも行けぬ場所へ
引きずられていくであろう、その地獄の鎮魂歌が反響する肉塊の群れ達だ。

車のルームミラーを、ふと見ると顔が暗がりで気の所為かも知れないが
貴方達の顔色は『酷く青白い』 余りの恐怖からか手足は震えと痺れを感じ
喉が痛み始めてきている。

隣に、仲間がいると言うのに関わらず。この世界でたった独りぼっちのような
感覚を覚え始め……そして漠然と、こうも感じる。

――恐らく、このままでは『終わる』
例え、貴方達の中で最も火力のある斑鳩が切り札であるLost Identity/Prominenceや
成田が音核をクラクションなり束ねてハウリング・キャノンとやらを使用してもだ。
 この数百の魂を啜る事のみを徹底とする地獄の使途の群れには焼け石に水でしか無い。

車で突撃なりしても、構わず肉壁となる奴等が纏わりつけば。いずれ血肉が
タイヤに挟まり速度も緩まり、後方からトラックに追撃され力尽きる。

斑鳩が捨て身で車外に出て奮戦したとして、それがどれ程の時間を稼ぐだろうか?
 一分、いや十数秒保てば良いほうだろう。繰り返し述べるが、この絶望的な
状況では、例え一人が囮になったとして、もう一人が逃げ延びる事すら難しい。

生きる望みは限りなく低く、されどこのまま立ち往生すれば死よりも遥かに
過酷な結末が貴方達を待ち受ける。





……渡そうと、斑鳩が成田に伸ばした片手には『矢』が握られ
そして成田もその中央を握る形で片手は『矢』に添えられている

746斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/26(木) 23:46:25
>>745

『好きにしろ』
5秒――成田にスタンド会話でそう告げながら、その数にたまらず俺はドアを開けた

待ち伏せがある事を想定していたか?

その数がこうだと予想していたか?

――1000!1000!1000!!!
ああ、心が躍る、この『俺達』が『全力を出せる』!

喉に冷気がへばりつき孤独感が心を埋め尽くす事は否定しない絶望に対して恐怖もある
だがなおその下から溶岩のように湧き上がる『歓喜』『勇気』『闘志』

なんてすばらしい『俺はこの数相手なら、自分に嘘をつかずに済む』のだ
俺は必ず勝利する 求める物は勝利か より圧倒的な勝利なのだから

 「――ああ『最後の切り札』は文字通りこういう時まで隠しておくもんだよなぁ!」

4秒 成田の乗るバンを巻き込まないように背後に送る……思えばここに来るまでのは殆どが運試しと確認だった

最初の応用は公園で包囲された時だ
アレで『鎖同士を融合しておける』のを確認し、出来なければただ死ぬのみだった

次の応用は非常階段の攻防だ
アレで『分裂と空気圧縮からの解放による爆破』を確認した
疑問に思ったのは予想より威力が大きかった事だ

三つ目の応用はケープの腕を焼き溶かした時
『大気圧縮からの金属溶解』と『熱の遮断』と『補充での金属殻の維持』を確認した
本来ならありえない動作を『完了できてしまった』自分の勘違いに気がついた
……こうではない別の使い方がある、それが最後の応用だ、全てはこのためにあった。

 (千倍の『数』で圧殺して勝利できると思うなら億倍の『質』で蹂躙するのみ)
 (――お前は敵に回す存在を間違えた、これが俺の『切り札』だ)


3秒……鎖の素材である『鋼鉄』の『ユゴニオ弾性限界』は1.2㎬(ギガパスカル)であり、これを超える圧力を受けた鋼鉄は「個体の金属のまま液体のように動く」
そして液体のようになったこの鋼鉄を、『メタルジェット』と呼び、前述の圧力を持って投射されるそれは『メタルジェットを含有する衝撃波のビーム』と化し
その速度は『秒速8km』以上をマークする、時速に直されたそれは『28,800km/h』『マッハ24』を記録する
これは宇宙空間を飛ぶデブリ等の速度と同等であり、螺子一本がこの速度で直撃するだけで風穴を開ける


――今までの応用など児戯に等しい
天才の基準とは1(可能)を100(完璧)にする事に非ず0(不可能)を1(可能)にする事に有る


この地球上には今まで存在しなかったのだ
無から鎖という金属を無限に生成し、全ての金属原子に同じ位置にあるそれを同時に存在させ、あまつさえそこに存在する事実だけで
均等にムラ一つなく、数億分の1のズレの時間なく同時に、有り得ない圧縮を可能にする装置など今までの全ての結果で存在すると証明された

それが今、このスタンド使いの四肢に存在している
理不尽?非常識?不可能?戯言はよせ、今こそ『スタンド』という物理法則を超越した現実として此処に在る
『斑鳩 翔』と名付けられた『天才』がその悩みから生み出された『力』を手加減無く使いだす

ご都合主義はこの世に無く、理不尽こそが現実だと、眼前の千が謳いあげるというならば
当然その千さえもご都合主義など存在せず、物理法則をもって才能という名の一に理不尽に蹂躙される時が来た

――融合 分離 圧縮 解放 そのプロセスに1秒も必要はない、ただ一瞬だけで効果を得られるならば、金属による外殻の維持すら必要はなく鎖の補充は充分に間に合う、1秒も持たない?限りなく0に近い時間を持てばいい。
マッハ24の衝撃波を1秒未満靴底から放出し、気絶せぬようにGを抑えながら当然のように飛翔する、全身の鎖が融合し、甲冑のような外骨格を形成、身体を制御し(精密B)千の上空からその掌底を向ける、死の奔流を放つ銃口と不可視の拳を。
僅か数gのメタルジェット自体はスタンドの産物、20mの射程限界が当然存在し、飛散すれば威力は大きく減退し、のこのこと追いかけているトラック相手なら兎も角、現行戦車の装甲を貫通しない
だが効果が無いのはあくまで戦車に対してである、人体に掠れば文字通りに四散し、あまつさえ薙ぎ払えば本来なら飛散するそれを『融合し、鋼の刃とする』事など容易い事、失われる筈の火力は意思により現実を無視する
その攻撃に伴う『マッハ24の衝撃波』は射程限界の無い『物理現象』である、回避、防御、出来る物ならするがいい、飛来する銃弾がこの衝撃波を抜けて斑鳩に到達するなどあり得ない。
千であろうと万であろうと関係ない、相手が死ぬまで放ち、笑い声をかき消しながら潰し続ける、1秒にも満たない不可視の衝撃を拳として放つ『ラッシュ』を、魂の底から絶叫し放ち続ける。

 『――ShuraaaaaAAAAAAAAAA!!!!!』

――大気の絶叫が奏でる葬送行進曲に『お前らは十数秒保てば良いほうだ』 と。

747成田 静也『モノディ』:2020/03/27(金) 01:21:20
>>745-746

敵の数を見て甘い考えを修正する。

「いや、斑鳩さん、コイツはオレら二人じゃ無理だ。このままじゃあな…」

手に握られた矢を見る。

オレは…未熟者のオレにこの『矢』を使いこなせるか…?

いや、使いこなさなければならない!そうしなければ二人とも死ぬ…!

「だから…『矢』を使う…それでコイツらを蹴散らす!」

そのために必要な物、『スマイリー・スマイルを滅ぼすという意思』。

「斑鳩さんも巻き込むかもしれませんので何とか避けてください。」

斑鳩さんに一応の警戒を促す。何が起こるかはオレにすらわからない。

やるべきことはやったはず。…じゃあやるか。

スタンド『モノディ』に『矢』を突き立てる。必ずやり遂げる。

『スマイリー・スマイル』…この腐れ外道どもを滅ぼす。そして皆を救う。それだけを考える。

748黒羽 灯世『インク』:2020/03/27(金) 16:58:44
>>744

袖を口元に当て、得られた情報を頭の中で整える。

「……………………『自殺』」

「『フラジール』というのはこの人の『スタンド』かしら。
 それは今となっては分からないし……文章もよく分からない。
 『集合体』『偽たる私達』……きっとスタンドに関わる言葉」

「この人はスタンドで自殺をした。それ以上は分からない」

遊部の文章の意図は完全には分からない。
彼女の人格も、前提となる知識も無いのだから。

「分かるのは『スマイリー・スマイル』がこれを消そうとした事。
 つまり、ここには不都合な事実が書かれているという事だわ」

全員の顔を見回す。

「……『一番みすぼらしく、みじめな私』。
 『もっとも弱き原型の一つ』……『泣きじゃくる』?
 『悲しみ』……いえ、『泣くこと』が『笑うこと』を中和する?」

「…………泣くのが得意な人はいる?」

『インク』を取り出し、その筆先で自分の『左目』を撫でる。
涙を出すためだ。『反応』に過ぎない、感情を伴わない涙だが。

749『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/27(金) 23:35:11
>>746(斑鳩PC)

 ……う     ……う!

 「翔(しょう)っ! 寝ぼけてんのかぇっ!!」 パシンッッ

何かしらの理由で、斑鳩 翔は彼方を見遣りつつ意識に空白があった。
 後頭部に鋭い衝撃と僅かな痛みが生じる。反射的に振り向いた先には
幾らか興奮と、そして何度声を掛けても無反応だった孫に対する苛立ちと心配が
入り混じった怒りと言う複雑な表情を浮かべる祖母の顔が目に映った。

祖母の手には、何時かの日に貴方が買ったであろう宝くじが握られてる。

「ほらっ、見な! 当たってたんだよ三等がね!
100万だ100万っ! がははっ! 流石はうちの孫だよ! 金運も
大したもんだねぇ! ……どしたんだい、ぼーっとして」

しゃっきりせんかい! 当たった金はあんたのものなんだから大事に使うんだよ! と
肩を強めに叩きつつ宝くじを貴方に押し付けて、食事なりの用意へと場を離れた。

此処は貴方が今住まう祖父母の家。少し目線を別のほうに向ければ、寝そべりつつ
テレビを見遣る祖父の姿もある、何時もの日常。

ただ……。

 ――貴方(斑鳩)には、今この瞬間。その数十分後には忘れてしまう感情だが。

 ――とても、何故だか切ないような 
 ――とても、何か大切なものを喪失したような 堪らない気分だった。

  斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』⇒『100万』get!

750『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 00:01:55
>>747(成田PC)

眩暈がする、意識が段々と下がり呼吸や脈に乱れが起きてきた。
 恐らくは自から死を決心した刑事の吉岡。救急隊員なども
魂が引き抜かれる最中には、これを感じていたのだろう。
前者はもしかすれば奴等に啜られる前に、その魂は無事何処かへと
旅立つ事に成功したかも知れないが、今や周囲全てが奴等に包囲されてる
貴方の状況では、救命士と同じ末路が否でも想定される。

斑鳩が車内から飛び出すと同時に、矢を発現したスタンド
『モノディ』に突き刺した。

 ――キィーン……。

一瞬耳鳴りが、生じ。全てが無音と化した 斑鳩の咆哮 
後方から猛スピードのトラック 無数の周囲から迫る奴等の歩行音 全てが。

それと同時に、貴方の目に別のものが映っていた。
車内 窓から見える無数の人間に建物。それ等が透明化していき
赤黒や茶黒が入り混じったような濁った色合いで構成された波が貴方の鼻から
下までを覆うように揺れている。その視覚内では貴方は既に溺れかける程だが
実際にその波で息苦しさは感じられない。
 感覚的、直感で貴方は悟る。これは『音波』だ
人間や動物の可聴周波数である空中を伝播する弾性波と言われるもの
『超音波』を貴方は認識しているのだ。矢によって高次の場所へ昇華され
貴方は奴等の本質的なものを視ている。
 そして、その中で唯一薄汚さのない光の点の塊で構成されたものがある。
そう…… ――車から飛び出した斑鳩だ。

人としての視点では、無数の人垣で斑鳩に一番近い者達が人差し指を向けるのと
斑鳩がロスト・アイデンティティを広げるのは、ほぼ同時であり。

レクイエムに至る『モノディ』と同期した視点では、薄汚い色合いの大波が
轟轟と人型の煌きを、その奔流で飲み込むのも また同時だった。

貴方が、彼へ向けて制止の声や危険を告げる間もなく……。


――斑鳩の『ロスト・アイデンティティ』は貴方の視界の中で消滅し。
……無数におぞましい笑みの人波へ突撃せんと言う姿勢だった彼はスタンドを
振るおうとしたポーズで一瞬硬直し、体を弛緩させ腕を下ろして。
ゆっくりと……貴方へ向けた顔には『笑顔』が張り付いていた。

レクイエム・モノディの視覚内には既に。
光は消失し、その汚れ切った血か糞尿のような色合いの音と同色の
波で出来た塊が、その光のあった時点に在るのを認めた。



      斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』⇒『消滅』

751『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 00:15:20
>>748(黒羽PC)

芦田「俺は、別にそんな泣くのは得意じゃねぇが……
ウィゴーちゃんが泣いてくれって言うなら1ガロンでも泣くぜ」

『てめぇの泣きっ面なんて誰も見たくないし、私も期待しないから安心して。
そして頭に刻め込め! 
マイネーム・イズ・ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトっっ!!』

彼等の漫才に慣れてきたアリゼは、黒羽が肉体的な反応で片方の目から
涙を流すのを見ながら首を捻りつつ告げる。

アリゼ「んー……もうちょい何か悲しい事でも想像するか、鼻毛でも
引っこ抜くなりすれば流すのは出来るけど。
 って言うかさ。
庭のほうで滅茶苦茶今でも涙流しっぱなしの奴がいるじゃん」

風邪かアレルギーなのか知らんけどさ。とアリゼが告げる。

確かに、貴方と出会い常に涙を流し続けている人物と言えば『ヤジ』だ。
とは言え、彼は何の力もない一般人であり。奴等の音も浴びていたが
貴方達と違い、頻繁に奴等と遭遇していた訳でない。症状が何処まで
進行してるのか不明だし、中和出来ているのかも正直不明だ。

 医者は告げていた。改善した症例は未だかつて発見出来ていない……と。

この世に既に存在してないが、遊部は確かに奴等の毒とも言える攻撃を
完全とは言えないが中和は出来ていたのだ。
 その方法を解明出来れば……この地獄を脱出する事も出来るのかも。

752黒羽 灯世『インク』:2020/03/28(土) 03:10:04
>>751

芦田コンビに関してはあしらいつつ、アリゼの言葉にうなずく。

「アリゼさん、鋭いわね。私も負けちゃいないつもりだけど。
 そう言われてみればヤジさんはずっと『泣きっぱなし』だわ。
 でも……分からない。それが彼が『無事』なのと関係あるのか、
 どう確かめればいいのかしら…… そこも『分からない』……」

「『自覚症状』が無いのが、厄介なのだわ。
 それがあるころには多分もう手遅れだもの。
 …………私が今こうして涙を流しても、
 意味があるのか無いのか判断できないのよね」

念のため右目からも涙は流しておく。
意味は無いかもしれないが、あるかもしれない。
ただ泣けばいいだけなら改善した症例も出そうなものだが、
『ただじゃない泣き方』というのがどういう物かは知らない。

「この遊部という人が特別なだけ……って可能性もあるのだわ。
 どうにも、どこにでもいる普通の人ではなさそうな感じだし。
 日記帳……日記を普段からつけてるなら、昔の分も無いかしら?」

不可解な少女の『事実』を探らねばならない。
日記帳は、普段から日記を付けない人間は持たない物だ。
部屋を探索し、私物を漁ってみる事にする。

「彼女の、『人となり』を知りたい。
 ……『一番みすぼらしく、みじめな私』の意味を。
 そんな形容を自分にするなんて、ただことではなさそうだけど」

黒羽には分からない感情だ。それを抜きにしても、単純な卑下ではなさそうだが。

753成田 静也『モノディ』:2020/03/28(土) 19:00:04
>>750

斑鳩さん・・・!

もはや音は聞こえない。『奴ら』も見えない。代わりに纏わりつく『波』のようなモノ。

これは…『音波』か?

しかしこの混沌とした状況で確実にわかることが一つある。

『オレのミスで、オレのせいでたった今、斑鳩さんは死んだ』。

『「スマイリー・スマイル」共に精神をすりつぶされて、殺された』。

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

自分でも声が出ているかはわからない。

『怒り・悲しみ・後悔』、それらが入り混じった、文字通り声にならない叫びだった。

それと同時に頭には一つの仮説が浮かんだ。

『コイツらの発する気色の悪い「波」、これをオレが作る「逆位相の音の波」をぶつけてやれば消えるのではないだろうか?』

『音に音を重ねると音が消える』というものだったか。

奴らの音と『逆位相』の音をぶつけると対消滅して音が消えるというものだ。

まだこの『レクイエム』が何ができるかはよく分からないが、『スマイリー・スマイル』を消滅させる第一歩として試してみよう。

切り抜けるために、『スマイリー・スマイル』の放つ『音』と『その源』を完全に消しされ…!

『レクイエム』に命令を下す。

754『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 23:08:00
>>752(黒羽PC)

貴方は日記を捲り、重要な部分が無いか吟味する。
 書かれている内容は、至って普段何があったかを記録するものだが
気になる事と言えば、何ページか毎に文字の特徴が異なってるものがある事。
 誰か別人が記入してるような独特の筆跡である事は記者として様々な文面を
見てきた貴方なら間違えない。だが、プライベートらしい日記に
そんなに様々な人間が交換日記でも無い普通の個人の日記に記入するのかと言う
疑問が貴方には持てた。他に気になる私物と言えば、演劇部などに関わってたのか
数種類の鬘(かつら)に男装用の衣装。書籍などは哲学から児童用絵本など関連性が無い。
 まるで、この一つの部屋に大多数の人間が居住してたような……そんな錯覚を受ける。

アリゼ「一先ず、この子は適当にシーツなり包んで部屋の隅に安置させておくよ。
とりあえず、あんた達の言ってる笑顔の化け物共って奴? 
 私は実際に対峙してないから実感沸かないけど、あの鼻風邪小僧は
あんた達と一緒に遭遇してる身なんだから、直接何か無事な心当たりとか
この死んだ子についてとか聞けばいいんじゃない?」

同じ学校の子なんだろ、とアリゼは呟きつつ部屋にあるシーツなど引っ張り出し
遺体の遊部を簡易的な包装をして隅に移動させようとし始めた。

確かに、この遊部と言う少女は貴方と同じ清月学園の生徒だ。
そしてヤジは自称情報通と謳っていた記憶もある。もしかすれば、この少女について
何かしら知っている事は有り得るかも知れない……。

755『星の女』:2020/03/28(土) 23:31:26


 ギィ クルクルクル・・・    ギィ   
         …………クルクル

私は再度壊れた地球を押した。
 力が消失した母なる惑星は、当然そのままに止まるだろうと思えたが
どう言う訳か、ほんの少しだけ再び回転が行われた。
 気紛れか、気の所為と思える程に弱く緩やかだが……確かに回ったのだ。

 「ほぉ」

「やはり、この星に生きとし生ける者達は面白い」

 「日陰のままに咲き、終ぞ誰の目にも止まらぬままと思えていたものが
私でも思わぬ程に……」

「『彼』は、もしかすれば濁流に飲み干される一つの砂利ではなく」

「もしかすれば 或いは 荒れ狂う大河が生じる風に跨るままに
新たなる新天地に降り立ち、命を繋げる種子なのかも知れない」

756『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 23:47:13
>>753(成田PC)

貴方の中に様々な事が去来していた。

斑鳩 翔。普段は温和で気さくな青年でありつつも
いざ危機的状況では冷徹に事態を卸す事も可能な側面を担う存在。

彼との付き合いは決して長くは無かった。
されど、数えられる程の時の中で貴方達は褪せぬ程の体験を共に分かち合った。

そんな『仲間が死んだ』 今まさに目の前で。

その想いのままに『慟哭』する。幾ら張り叫んでも足りないと言わんばかりの
貴方は咆哮した。


     『「――――――――ッッッッ゛!!!!!」』


 ――瞬間、貴方のレクイエムの視点にて変化が生じた。
自身の体から、口からエメラルドグリーン色にも見える輝きの粒子が放散される。
 奴等に捕食され、つい今しがた奴等に成り果てた斑鳩であったモノが貴方も
同化せんと車へ張り付こうとしており、他のスマイリー・スマイル達の包囲網も
狭まろうとした瞬間だった。

 強烈なラップ音のようにも聞こえた。その音を聞く中で、車窓に伸ばそうとした
斑鳩の姿形に成り代わった存在が数メートル程後方に吹き飛び。
 また、包囲網を狭めていた奴等が。ほんの僅かではあるか確かに後退り進行を止めた。

  ・・・・・
――効いている。


 原理は未だ完全に貴方の中で解明出来ていない。本能のままに行ったゆえに
どのような力が、奴等を退けるに至ったかは未だ不確かだが……。

貴方自身の、その『咆哮』は確かに奴等を押しのける力を証明した――!


       ――ヲヲヲォォ――ッッ゛!

人垣の包囲網を形成するスマイリー・スマイル達は、貴方に接近するのを
止めて、警戒するように十数メートルの位置を維持しつつ笑顔のままに
貴方の次の行動に備えている。
 斑鳩であったモノは、吹き飛ばされた影響か。余り体が上手く動かないのか
ぎこちない様子で立ち上がろうとするのを試みている。

757黒羽 灯世『インク』:2020/03/29(日) 00:08:24
>>754

(……これは何? 『書いてること』はごく普通のことばかり。
 なのに、何もかもがおかしい。『複数人』……『私達』?
 …………荒唐無稽だけど、『あのページ』のことを考えると)

「…………違和感はある。それもかなり。
 でも確信が出来ないのだわ。
 ……そうね、彼に話を聞いてくる。
 申し訳ないけど、遺体のことは任せたのだわ」

特にアリゼの考えに異論はない。
ヤジの元に行く。日記帳は、持っていくことにしておこう。

758成田 静也『モノディ』:2020/03/30(月) 01:43:36
>>756

―――!?

何をしたのかは分からないが、効いている?やはり『レクイエム』ならば『スマイリー・スマイル』にも効果があるのか?

しかし今、オレのやるべきことは車に乗せている「モノリス」を然るべき場所へと運ぶことだ。

「―――――――――!!!」

もう一度、叫び声を轟かせる。

そのためにもこの場を切り抜けて『学寮』へ戻らねば…コイツらが今は様子見なのも『レクイエム』が長く続かないのが
分かっているからの可能性も十分にある。

周囲の音の波の様子も探る。不審な動きをする『波』が無いかを警戒する。

759<削除>:<削除>
<削除>

760『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/30(月) 23:04:32
>>757(黒羽PC)

貴方はアリゼに返答して、芦田達の間を抜けて庭に移動する。
 芦田はちゃっかり貴方に続いてホールのほうへ戻ろうとしたが
アリゼの手伝いをしろとスタンドに引き留められ、しぶしぶと遊部の部屋へ戻った。

ヤジ「おっ? 黒羽ちゃん、疲れてんだし少しでも横になったほうがいいぜ。
もう二時過ぎて夜明けまで数時間程度なんだし」

庭に出ると、案の定だが武器の工作を続けてた二人。声を掛けると作業を中断しつつ
遊部についての話を不良コンビは黙って耳を傾けた。

ヤジ「遊部……もしかして、あの子かな。
いや期待させられても困るんだけど、学校では何か他のクラスメイトから
パシリさせられてたりして、なんか虐められてんのかなーって
お節介で声かけた事あるんだけどさ。俺がこんなナリしてるからかだけど
直ぐ泣き出して謝罪一辺倒でさ……だから、かなり気弱そうな子って言う印象以外
俺は特にその子の人となりは知らないんだよな」

ヤジの話を聞くと、スクールカーストでは随分低い位置にいるような子だったようだ。
 だが、次に口を開いた小林は。また違った見解を示した。

小林「……一度、図書室なりでチラッと。その方の特徴に似た人物を見かけた事が
ありますけど、私には意志薄弱な方には見えませんでしたね。
 どちらかと言えば、冷淡な印象を抱きましたが」

ヤジ「えー? ジョー、それ誰かと見間違えてんじゃねぇの」

小林「かも知れませんけどね。ただ、黒羽さんの言う目立つ特徴の
髪型や容姿の人物が学園にそうそう何人もいるとは思えないんですよね」

遊部について聞く際、特徴的な桃色の髪の毛なり背格好など情報を開示するだろう。
頻繁に染色してるとかならともかく、普段からそう言う恰好ならばヤジと小林も
別人を間違える可能性は低い。『雰囲気が真逆』であったらしい遊部。
 
……貴方がつい先ほどまでの修羅場で、共に戦ってた仲間の一人も確か
そう言った部分が垣間見えてた気がする。

ヤジ「……つうか、その子も学生寮で。奴等の攻撃を受けて、結果的に死んでんだよな。
…………畜生、俺にもっと力があれば気が付いて助けてやれたんだろうけどよぉ」

口惜しいぜ、と呟きつつ。彼は残り少ない風邪用の市販薬を口に放り込んで
泣きながら水筒の水を飲みこむ。

小林「そう言えば。残る、お二人とも今どちらにいるんです?」

黒羽に、小林は斑鳩と成田の所在は気になったようで尋ねてきた。

761『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/30(月) 23:28:40
(※>745以降で斑鳩PCが車から飛び出した時の、二人が乗ってる車の
時速だが、植林などがスピードを軽減して人が早歩きする程度でしか
走行してない状態と受け取る。でなければ、斑鳩PCが車を飛び出した時が
時速30か40kmならば車外に飛び出た瞬間に慣性で盛大につんのめって
転倒するような非常に酷い事になりかねないので)

>>758(成田PC)

貴方は再度、取り囲もうとする地獄からの軍勢を退けようと腹に力を込めた。

音の波……それはあった。死が既に背後以外にもチラついてる故か
意識から抜け落ちていた、背後から迫る巨大な音波。
 そう――『貴方達の後ろから迫る大型トラック』の走行音。

    ――ド―――zノッオ゛ッッッッ―――!

背後からのけたたましい衝撃音、腹にくる肺の空気が無理やり吐き出される苦しみ。
 前に体の重心が傾く。座ってた助手席のダッシュボードに運悪ければ
頭か額を打ち付け、目から火花のように衝撃が走っただろう。
 銃弾も防ぐ頑丈な装甲に改造しているお蔭か、かなりのスピードで
後ろから激突されたものの完全に乗用車は大破してない。
 また、シートベルトも外してなかった事と不幸中の幸いか今の勢いで
トラックに押されつつ貴方達がモノリスを運んでたスポーツカーのある
地点まで目の鼻の先の距離へと到達した。

 とは言え、現状は『悪い』

今の衝撃の所為か、貴方達の乗るセダンの防弾車は動かぬ置物へ変わった。
 車から何とか降りる事は出来そうだが、周囲には奴等が取り囲んでいる。

貴方が先程した『叫び』を警戒してか、多勢で迫り攻撃は未だ起こさないが
遠巻きの動かぬ笑みを模した顔は、決して穏便に現状を解決する気は無い。

  ドクドクドク……。

追突した時だろう。ガソリンが漏れる音が超聴覚で捉えられた。
 更に、こちらへ迫る歩行音……斑鳩がいた地点から一人。

それと、頭上から何かが飛行するような翼の音もだが辛うじて聞こえた……。

762成田 静也『モノディ』:2020/04/01(水) 13:23:20
>>761

「トラック…音で止まったわけじゃ…なかったのか…。」

何とか手早く体制を整える。

状況は最悪だな。

周りの『ラフティング』はまだ周囲を囲んでいるし、『斑鳩さんだったモノ』の方から聞こえる音は恐らく『ソレ』が立ち上がって向かってきているんだろうな。

それにガソリンが漏れている…最悪爆発でコイツらの手で無くとも死ねるな。

しかし死ぬならやれること全て試みた上で死ぬべきだ。

まずは後ろのトラックは停止したのかと歩き始めた奴以外のラフティングの同行を確認する。

トラックが停止しておらず2度轢きなんてご免被るぜ。

次に潰れたトランクから「モノリス」を取り出せるかだな。取り出せるなら取り出すが、無理なら諦めるほか無いな…。

最後に上の飛翔音、鳥だろうか?いや、こんな状況で近くを飛ぶ鳥はいないだろう。

ならば『誰かのスタンド』かもしれない。目の前の藁にすがってみるか。

「そこで見てる人、ちょっと助けてくれないですかね?かなりピンチなんですよ。」

我ながらアホらしい姿だ。

もし駄目なら最期の手としてガソリンに火をつけて爆風に紛れることに賭けるしかない。

運が良ければその後に音波で怯ませて強行突破してやる。

763黒羽 灯世『インク』:2020/04/01(水) 18:00:35
>>760

「心配はいらないのだわ。
 話が終わったら一休みするから。
 貴方たちも根を詰めすぎないように」

出来る状況なら、だが。
それより、気になるのは話の内容だ。

「………………………『多重人格』! 」

思わず零した言葉は斑鳩を思い出させる。
しかし……彼でさえ『笑い』への『特効薬』にはなっていない。
知能、戦力ともに『上等』で、自分達と組んでいる彼でさえだ。
『多重人格だから』は理由ではないし、解決の糸口とも思えない。

「一人の人間にいろんな面があるのは普通だけど、
 日記の内容、部屋、その話からして、
 先天的か、それとも『そう振舞ってたのか』知らないけど、
 遊部さんには……『人格』が複数あったと考えられるのだわ!」

「多重人格……『解離性障害』はファンタジーでもメルヘンでもない!
 身近にいても、なにもおかしくはない……偶然彼女が『そう』だった」

「そして、その中の『泣き虫な人格』だけが『長く生き延びた』。
 あなたが会った『気弱そうな』彼女がそれである可能性は高いわね」

「でも……・『魂』ってものが、人格ごとに1つあるとは思えない。
 そうなると……魂が、人格ごとに細かく分かれていた?
 それで最後の一かけらとして啜り遺された? ……謎は尽きないのだわ。
 新聞記者じゃなくって『探偵』……いえ『オカルティスト』の気分ね、これは」

                          ルール
         「能力である以上、何かの法則でそうなったはずだけど……」

遊部の『人格の特質』がそれを引き起こしたのか?
魂という概念の『性質』か? 敵の『能力』のルールか?
いずれにせよ、ここで話していて答えが出る気が起きない。

それより・・・

「……そうだわ、そういえばあの二人はどこに行ったんだったかしら?」

さきほど彼らを残してヤジらの様子を見に来て……それから見かけていない。
彼らの動向を誰かから聞いた覚えもない。『敷地内』にいるなら、見かけそうなものだが。

764『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/01(水) 21:41:19
>>762(成田PC)
(スタコンも開催してますし、ゆっくり熟考しての返レスで構いません)

貴方は現状をレクイエム及び肉眼の視点で状況を探る。
 まず、第一に激突した後ろのトラックは今現在動いてない。運転してたと
思われるラフィングの運転手は、貴方達の車を大破する事さえ出来れば自分の
肉体がどうなろうと構わなかったらしく、フロントガラスに一人分の罅と流血らしき
形跡が見られた事から、運転席にいた奴はまともに動く事は出来ないだろう。

円状に貴方を囲むラフィング達は、その笑顔のまま微動だにせず傍観している。
そして、斑鳩だったモノであるラフィングが貴方に近寄るでもなく
ガソリンが零れ出ている場所で立ち止まるのが聞こえた。

スポーツカーのトランクは、奴等が調べた為か開かれている。窓ガラス越しに
『モノリス』は問題なく、開かれたトランクの中に収納されてる無事を確認出来た。

頭上を確認する。アレは……『コンドル』のような大型の鳥が旋回するように飛行してた。
然し、本来そのような鳥獣がこんな異常な状況で。ましてや、この日本に居る筈もない。

……And so I ran Away from there
And right behind Me was that bear…♫

死の極限が迫る中、『森のくまさん』がコンドルの口から謳われるのが聞こえた。


それと肝心の貴方の体の調子だが、トラックの衝撃による為か奴等の能力が深刻化してるのか
『上手く声が出せない』 叫ぼうとしても、口から出す前に其の力強さが失われていく。
先程のような咆哮を繰り出すのは難しいようだ……。

(※今、現在の立ち位置は自由に決めて構わないが。トラックの荷台の上など
余りにも不自然なのは却下。乗ってたセダンの車周辺か、モノリスのある
トランク付近など細かい指定をお願いする)

765『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/01(水) 22:02:06
>>763(黒羽PC)

『多重人格』 思わずと言った調子で、少し面を食らったヤジを差し置き
大き目に呟いた貴方には、遊部の正体が斑鳩の既視感と重なり自然と納得が出来た。

だが、貴方も想定している通り。斑鳩は貴方と同じようにスマイリー・スマイルの
能力の影響を受けていた。奴等の笑い声を認識出来なくなっていたようであったし
それは人格が切り替わっていても同じようだったように思える。

ヤジ「俺には、黒羽ちゃんの話は唐突でちょっと理解が追い付かないけど。
えっと……遊部って娘も俺見たいにずっと泣いていたから、奴等の攻撃を
何とか凌げたって事を言いたいんだよな?
 でも、奴等が笑ってからって。だから怖いーって泣いたら無効化される??」

そりゃ、ちょいと安直過ぎるんじゃないの。とヤジは首を捻る。
 小林は少し考えてた様子だったが、彼の感想の後に口開いた。

小林「生きてさえいれてくれれば、真相にも辿り着けたでしょうが。
無いもの強請りをしても仕方がないです。
 ……魂の溶解、ですか。
私は一度、ほぼ0距離で味わった時。アレの音が頭の中の大部分を占め
非常に深刻な孤独感を味わいましたが……あの感覚が魂を溶かされると
言うものなのでしょうね」


『……あのお二人ですか? 確かアリーナへ向かうとか言ってましたけど。
モノリスとか、情報源を確保とか呟いてたような』

二人と会話を終え庭からホールへ戻る。すると、遺体安置の作業を終えたらしく
欠伸をする芦田と、手を軽く拭うスタンドが居た。
 そして、ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトから彼等の行き先を聞いた。

どうやら、貴方に告げる事なく。再びアリーナへ舞い戻ったようだ……。

766黒羽 灯世『インク』:2020/04/03(金) 12:56:40
>>765

「私の中では唐突でもないの。それらしい状況証拠はいくらかあるのだわ。
 ただ……そう、そこに違和感がある。泣くだけで良いならこんなに広がらない。
 こんな恐ろしい状況、泣かない私が『強い』というだけなんだから……」

「あるいは小林先輩の言う『孤独感』に慣れてる、耐えられるのが重要……?
 可能性の話しか出来ないわね。実際に試せるわけでもないし……本人にだって、
 どういう理屈で『持ち堪えてたのか』は、日記を見る限り分かってなかったんだし」

ヤジと小林の懸念意見は、正論……ごもっともという他無いだろう。
わずかな情報から全ての答えを得られるとは思わないべきだと、考えを改める。
もちろん、覚えてはおく……『泣く人格』が生きながらえていた、その結果だけは。

「アリーナに……!? 情報源……? 確か『モノリス』っていうのは、
 斑鳩さんが言ってた気がするのだわ。私は詳しく知らないけど」

「……まずいわね。二人だけじゃ危険すぎる」

何か意図がある……のだろう。が、危険性は甚大だ。
二人は『無事』ではないかもしれない。

「今から……『追いかける』にしても、私一人で行った所では犬死にだわ。
 二人だけじゃ危険すぎるけど、二人は私より『戦闘力』は上……
 一応聞いておくけれど、『ハガネ』さんは今も正門前にいたかしら?」

767成田 静也『モノディ』:2020/04/04(土) 16:33:43
>>764

!?声が…出ない…やはりソイルやグレイシャと同じく、『レクイエム』は完全なコントロールはできていなかったか…!

それに音波を出すにもダメージか、レクイエムの限界か、弱くなってきている。

引き続き、音波の動きに注目しながらトランクへと近寄る。

とりあえずトランク内のモノリスが無事でよかった。

トランクのモノリスを入れていたケースがあるならそこに詰めてから、なければそのまま取り出す。
そのついでに発煙筒も詰んであればそれも取り出し、トラックの方へ隠れやすいようにと少しだけ離れる。

乗っていた車が爆発してもトラックを盾に爆風を多少は凌げるはず。

そして上の鳥はやはりスタンドか操作された鳥かのどちらかだろう。

しかもあの歌…助けの神がよりにもよってあの『エクリプス』のオペラだとはな…。

弱っていく『レクイエム』に音波のモールス信号で『SOS、取引しよう。』となるように鳥に当てる命令をする。

これで気づいてくれればいいのだが、気づいてくれず何のアクションもなければ
予定通りトラックの下に隠れて、発煙筒を使ってガソリンに火をつけて爆破する。

もしガスが漏れているのがバスの方だったら?その時は諦めるほかあるまい。

768『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/04(土) 22:20:25
>>766(黒羽PC)

>あるいは小林先輩の言う『孤独感』に慣れてる、耐えられるのが重要……?

貴方の推測に対し、彼はゆっくりと横に首を振った。

小林「いえ……別に私は孤独に慣れてるわけでも無いです。
…………こんな状況ですし、別に隠し立てする事もないので告白しますが。
私は多分、少々変わった経歴と言うか過去がありましてね。多分人よりも
『魂が希薄』なんだと思います。どうなって、そうなったかと言うのは
今の出来事には無関係だと思いますし省きますよ。
 ですから、スタンド越しの音でも私は皆さんより影響を受けましたでしょうし。
……正直、コンビニのほうまで逃げ延びてる間も脈は乱れて喉は痛み手足は震え。
こうして皆さんと落ち着いて過ごしてられるのは正直不思議だと思ってます」

ヤジ「おいおい、んな事一言も言ってくれなかったじゃねぇかジョー」

話てくれないと。と少し怒った口調の相棒に、心配を余りかけたくなかったですからと
小林が穏やかに返すやりとりを貴方は見た……。

ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは、確か居る筈だと呟き。少し遅れてから
参上したアリゼは。貴方たちの会話を拾い、正門で今も立っているから
用事があるなら直ぐに会えるし、何なら呼ぶけど? と告げた。

少し移動すれば、玄関口より向こうの外で。施錠されてる門に不動で佇む
ハガネの後ろ姿が見えた。
 彼はどうやら、二人に付いて行く事はしなかったようだ……。尤も
この砦(学生寮)を守るよう告げてたし、アリーナへ舞い戻った彼等も
此処が襲われる事を懸念して未だ戦う姿は見た事ないものの最高戦力だろう
ハガネを連れて行く事は得策じゃないと判断したのだろうが。

769『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/04(土) 22:38:06
>>767(成田PC)

貴方の中に焦燥が産まれる。確かに肉体のダメージは些か存在するのは否定出来ない。
 だが、貴方のモノディは『レクイエム』の影響を確かに今も持続して帯びているのは
実感が出来る。声が上手く大きく出せないのは、トラックの激突によるダメージが起因と
言うよりは、レクイエム前に受けたスマイリー・スマイル達の多勢による音波の影響が
大きく関わっているほうが可能性ありそうだ。現に、何とか力を籠めれば大声を
発せれそうな気がするのだが、口からソレを吐き出す前に形を成さず溜息に似た残骸に
至ってしまう。今のままでは、どうやっても先程のような退ける力は発揮されない。

開けっ放しのトランクには、同じく開かれたケースに入っている人間大サイズの
傷一つないモノリスがアリーナに決行する前のままに収められている。
(※既にスタンドなりに携行させていても構わない。モノディのスペックならば
辿り着いた瞬間に、素早く持ち抱える事も可能であろうから)
 発煙筒を探したり、上空で貴方や奴等の様子を伺っているであろうオペラが従える
スタンドコンドルに合図をなす前に、だ。

     ――カチ カチ……     ボッ

……貴方が下りたセダンの防弾車より、少し後ろのトラックのある付近。
 恐らく、いや十中八九。数分、いや数十秒前は貴方と死出に足を並べていた
斑鳩だったモノが何かを取り出して、点火させた音。

 そう言えば   彼は 

   確か……  使い捨てライターを

      ――ジジッッッ゛゛!!!

770黒羽 灯世『インク』:2020/04/04(土) 23:48:40
>>768

「あら……そうだったのね。
 無神経な言い方だったようだわ、
 小林先輩。……………?」

(小林先輩……待って。そういえば小林さんは、
 進行状態からの『回復例』なんじゃあ…………?
 少なくとも一瞬は『ほぼ取り込まれかけていた』所から、
 今、こうして『通常通り会話できる』所まで戻っている)

「でも……そうね、確かに『不思議』かもしれないのだわ。
 『いい意味で』……小林先輩の状態は例外的な気がする」

(……小林先輩の『行動』『精神性』に、『意味』がある?)

とはいえ、考えていても答えは出てこないだろう。
実際には単なる『小康状態』に過ぎないのかもしれないし、

『自分達』も笑いの悪影響を受けながら今、『平常』を保ってはいる。
それほど大きな『例外』という訳では無い可能性も、十分に高い。

いずれにせよ移動し、ハガネの姿を見た。
つまり『連れて行かなかった』という事。

「……」

(斑鳩さんは、ハガネさんを残していくべきだと考えたんだわ。
 彼は上等な人。『完璧』とは限らない。けど、常に『考えて動ける』人。
 もし……『間違った判断』だとしても、『意味のある判断』なのでしょう)

             (成田君も、その判断を支持したようだし)

「ハガネさん、お疲れ様。……二人は随分前に出て行ってしまったのかしら?」
  
この問いには……『価値』があるかは分からない。だが、彼と話しておく『意味』はある。

771成田 静也『モノディ』:2020/04/07(火) 16:20:57
>>769

・・・オレはやっぱり斑鳩さんたちみたいに、上手くはいかねえな。

オレは頭が悪いんだろうな…。

そう思いつつ、急いでトラックの下へと駆け込み、耳を塞ぐ。

これで爆発してもトラックに誘爆しない限り、多少のダメージを防ぐことができるはず。

まさか考えていたことを先にやられるとはな。

ついでに焼け石に水だろうが、モノディに音の壁を作れるだけ作らせて爆風に備える。

もしこれで生きていたら爆風で囲んでいる『奴ら』にも多少の『穴』が生じるはず。

それに乗じて包囲網からの脱出を図る。その最中で発煙筒を使って上空の『鳥』とコンタクトを取ればいい。

無論、生きていればの話だが。

772『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/07(火) 21:33:59
>>770(黒羽PC)

貴方は小林を注視する。顔色は依然と変わらず普通の人間と同じ血色は通っており
スタンドは、先程の武器作成でガソリンを移し替えるなりで使用してたので
既に奴等化してる可能性は無い。
 彼は、医者が言っていた症例の中で。今まで貴方が目撃した中では確かに唯一の
『回復例』であろう。暗がりの通路で、貴方が奴等から遁走する最中は彼の顔色は
青白く、コンビニのほうまで辿り着く先まで呼吸に乱れがあった事は思い出される。
 そこで小休止をとった後は、うろ覚えではあるが彼の顔色は元に戻っていたが……。

ハガネに声を掛けると、彼はチラッと腕につけられた時計を一瞥してから
出発して十五分程度は経っているなと簡潔に告げた。

十五分……決して短い時間とは言えない。この学生寮から車をフル稼働して
アリーナのある総合体育館まで向かうとすれば、もう辿り着いて可笑しくない。

ハガネ「……日が昇るまで待つが。それでも帰って来なけいか連絡が無ければ
もう手遅れだと思ったほうがいい」

 少しは体を休めとけと彼は告げ、再度体を正門に向ける。
コーラの影響で眠気はないものの動き続ければ体は確実に消耗する。
彼の意見も正しいが……。



――丁度その時、貴方がふと何の気なしに夜空を見ると。
雲の切れ間から一筋の流れ星が通過するのを見届けた。

773『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/07(火) 21:59:00
>>771(成田PC)

 ドォンッッ!!

    「あっ! すみませーんっ!」

鋭い爆音にも似たような音を聞いて、貴方は飛び起きた。
 此処は何処だ? ……銀行だ。
意識が半覚醒な貴方は混乱しつつ、音のほうを見ると清掃員らしい
人物が倒れた幾つかのボトル等を慌ててバケツに戻しているのが見える。
 先程の落下音はこれが原因だ。

体は汗ばみ、長い事悪夢を見ていたような気がした。 
 まるで、ついさっきまで死と隣り合わせの場所に居合わせていたような……。
無意識に咄嗟で警戒態勢で発現させたのであろう『モノディ』も心なし
普段よりも研ぎ澄まさった表情で、一回り大きいような気さえした。
 そんな不思議な高揚と緊張感で汗ばんた手には、『150万』相当の宝くじが
握りしめられている。そうだ、貴方はつい数日前に高額の当選番号が数枚当たり
換金の為に宝くじへと来ていた事を思い出した。

受付へと赴き、金額が金額の為に色々な手続きをする為に少々の待ち時間で
転寝をしたのだろう。先程までの、思い出せないが多分悪夢だった内容も
きっと急な大金を手に入れた不安や興奮が見せた幻影だ……。

       コツ  コツ   コツ   ピタ……。

    ……ギシッ。


そんな折、貴方は自分の隣から歩き。少し間隔を空けて座る音を捉えた。
 そちらへ顔を向ければ、革ジャンに赤い手作りのような少々古びた感じのする
スカーフかマフラーのようなものを首に巻き付けた。貴方と大体同年齢らしい人物

彼の手にも、奇妙な偶然だが宝くじがあるように見えた。

 そして……これも奇妙な事だが。

 ――彼の顔を見ると。
 
赤の他人のはずなのに関わらず。泣きたくなるような 安堵の笑みを浮かべたくなるような
 まるで死別した旧友に再会したかのような、切ない音が貴方の胸を横切るのだった。

 成田 静也『モノディ』 ⇒『150万』get!
 危難BC相当の経験値 get!

774『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/07(火) 22:12:01
>>771


 コンドル(オペラ)は目撃した。その顛末を

上空を優雅に舞うスタンドの鳥は、地上にてサバトよりもおぞましい存在達が
跋扈する中で、一人奮戦する存在がトラックの中に滑り込むようにスタンドと
共に逃げ込むのを目撃した。

 そして、それに劇場支配人は 憐れな、と冷笑をビッグ・クランチで浮かべた。


爆音と、轟音。高度を上げた空からの視界では小さく見えるが周囲にいる
スマイリー・スマイル達の包囲網が幾らか弾けて一瞬亀裂が起きる程の
衝撃が外界にて起きたのが雄弁に物語っている。
 アレではまず助からないであろう。
『レクイエム』は魂の次元を昇華すると言えど、人の肉体までトラックや車を
燃料とした爆発に耐えうる程の強度には至らない。
 ……もし、その爆発を凌げるとすれば。彼の伝説の傭兵の担う鋼のスタンドか。

 『……あら、あの燃える中でも全く傷一つないは あの箱は』

大型車両と、追突された車も含めた爆発地点の業火の中で。何事もないかのように
地面に放り捨てられた形ながら、焼け焦げ一つないモノリスが見えた。

 『……アレ達には開く事は無理でしょう。回収する気も起きないわ』

砂糖に群がる無数の蟻のように、黒い点が轟轟とオレンジや赤の火柱に集う。
 あの箱を何処かに持っていって、それで扱えないとわかれば誰にもわからない
場所に埋めるなりして二度と見つからないようにするのだろう。
 役に立たないようなら、結局用無し。そう言う結末しか起こせない下等な存在だ。


……燃え広がる場所に、既に炭化して倒れ伏す人影が三つあった。
 その正体は凡そ知れるものの、何も言わずコンドルは反転し主の居る場所へと
霞む月を背にして翼を再度はためかすのだった。

 成田 静也『モノディ』 ⇒『死亡』

775黒羽 灯世『インク』:2020/04/07(火) 23:14:55
>>772

小林の事例は『謎』だ――――『あの時』。
特別な何かがあったとは、思えない。
『ヤジ』と『自分』と『小林』三人の行動は、
ごく普通だった。小林に特殊な働きかけもしていない。
あるいは……『小林とヤジは常に行動を共にしていて』
ヤジは常に『泣いている』……そこにヒントがあるのか。

いずれにせよ、今はハガネに応える。

「……そうね。『今から追いかけたい』とも思えない」

「明日に備えるのだわ。
 釈迦に説法も承知だけど、
 あなたもちゃんと休んでね」

ハガネの『戦局眼』は自分より『上等』だろう。
経験が違う。新聞を書くのは自分の方が上手いと思うが。

「……『流れ星』」

「『私達』が負ければ、あれに『願いを託す』
 そんな『文化』もこの世から消えるのでしょうね」

            「…………そうはさせないのだわ」

ひとまず屋内に戻る。
状況が動いている、という期待は流石にしていないが、戻らない理由は無い。
感傷に駆られて独断専行をすれば、『戦えない』黒羽には『何もない』のだ。

776『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/08(水) 23:02:53
>>775(黒羽PC)

……それから、約三時間程が経過した。

私室で手持無沙汰な貴方は、自室なり寮に置いてあるPCを使うなり
テレビを見るなりしても構わない。少なくとも、その間には敵の襲撃は
全くなかったし、その兆しも見当たらなかった。
 ……斑鳩と成田は、結局連絡は無く帰還する事は終ぞ無かった。

アリゼ「気休めな事は言わない質だからね。もう、二人の生還は絶望的だと思う。
……あと、もし仮に二人が。その例の化け物見たいなものに変貌してるとして
そうなっても此処を襲って来ないのはハガネの事を少しなれども知識にあるから
じゃないかな。自慢じゃないけど、ハガネは本当に強いから」

二人の安否に関し、諦めるほうが賢明だと告げつつ。彼女は此処が襲われないのは
一重に、アイアン・セイヴィアーが存在するのを脅威と見てではないかと予想する。
 何でも、彼の戦場での功績は大多数の軍隊にも一人でほぼ無傷で圧倒させた事が
あるとの事だった。それが本当ならば、奴等の中に彼を目撃したものが居るなら
警戒するのも当然であるとは考えられる。

 数時間程度、仮眠した残りの者達が食堂に集う。
小林・ヤジ・アリゼ・ハガネ・芦田……貴方を含めて今六名が、世界を覆いつくす
スマイリー・スマイルの脅威を大小あれど認識し対抗しようとする勢力だ。

小林「一先ず、これからどう動くかは難しいところですね。倒すにしても、能力の
根幹や弱点も今のところ見いだせない。物理的な火力で圧倒するにしても、黒羽さん達の
話から察するに世界規模で十数億が私達を襲える存在に成り代わっている」

ヤジ「完全に、多勢に無勢…………だよな。
アリーナは壊滅したらしいし……エクリプスには、頼りたくねぇな。
お二人さん、傭兵なんだっけ? じゃあ上の者とか頼れない?」

アリゼ「ハガネは、今はフリーランスなんだ。多少は知り合いに組織的な幹部とか
顧客はいるけど、信用出来るに値するかと言われると素直にYESと言えないし。
 ……どうなの、ハガネ?」

ハガネ「……余り芳しい予感がしなくてな。幾らかの者には援助は要請したが
期待はもたないほうが良い。……他の者達も、自分の身を守るのに手一杯だろう」

スマイリー・スマイルを倒すかどうか。何処ぞの組織に今からでも避難が可能か
 議論は進まない。そんな者達を芦田は欠伸交じりに尻目で眺め、貴方に顔を向ける。

芦田「とりあえずよー。こん中で、その化け物共と一番多くて間近で衝突したのって
その学生二人(小林・ヤジ)を除けば、嬢ちゃんだけなんだろ?
 敵の内情を一番知ってんのは、あんたなんだからよー。
とりあえず、方針とか語ってくれよ」

 面倒くせーから、俺はあんたに従うぜ。尤も、一番はウィゴーちゃんの意見だがな。
それに対し、スタンドは慣れた調子で自分の正式名称を名乗り。少し本体と同じ意見なのが
不承不承とばかりな様子を見せつつ、自分も黒羽の意見を一番として行動すると明言した。

四人も、その言葉を少し考えてから異論ないと首を縦に振った。
 ……今この場で一番の発言力は貴方だ。

777黒羽 灯世『インク』:2020/04/08(水) 23:45:46
>>776

「…………………『確かめていない』のだわ」

「だから、『偲ばない』……非情だからじゃあないのだわ」

内心ではほぼ、確信している。

聡明な斑鳩が。
理性的な成田が。
何も言わず戻らないなら、それは『戻れない』のだ。
だが、あえてそれを受け入れない。『仲間』の『死』は重過ぎる。

それ以上、彼らのことは口に出さない。

「……『レクイエムの矢』がある。
 そして『アハガル山地』というキーワードもある。
 逆に言えば、『それだけ』しか得られなかったけど」

「この『矢』は、解決のためのカードになると思うのだわ」

矢については全員に知っていることを共有しておく。

「『アハガル山地でレクイエムの矢を使う』……これが『プランA』。
 つまり一番『浅慮』で『すぐ動ける』パターンだけど、問題は山積み」

飛行機が無い。
現地からアハガル山地への交通手段も無い。
そこで使って解決する確信すらない。

「『プランB』は……『まだ多少は私たちより知識がある者に頼る』かしら。
 『エクリプスのオペラ』は完全に信用できるような存在ではない。頼りたくはない。
 でも知ってる事は私たちより多い。……これの問題は『悠長』なのと、『教えてくれるとは限らない』」

「一応聞くけど、『プランC』……いえ、AやBの補強でもいい。『何か意見』がある人は?」

778<削除>:<削除>
<削除>

779『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/10(金) 00:15:23
>>777(黒羽PC)

『アハガル山地』に関し、ハガネやアリゼも特に芳しい反応は無かった。
 ただ、そう言う地名は確かあると言った普通のリアクション。
ヤジは多少深く考え込んでいたものの、彼もそれ以上そのワードに言及してない。

『レクイエムの矢』に関し、噂で聞いた事あるが実物をこの目で見る事になるとはなと
ヤジは少々驚き、かなりのお宝じゃんとアリゼも少し目の色を変えた。知る人ぞ知る
貴重な価値ある存在である事が二人の反応からも改めて理解出来る。

ハガネ「……最初のプランは『危険すぎる』
俺やアリゼは普通の旅客機でこの町に来た……プライベートジェットは、やろうと思えば
チャーターは出来るが。ほぼそれを誰にも悟られずには不可能だ。
 その『奴等』が一般的な知識を有してるなら、俺達が乗り込む事は遅かれ早かれ必ず
知られるのは間違いない。……アルジェリアの上空を通過する際に撃墜されない保証も無い」

ヤジ「オペラってのは、アリーナの下働きの俺でも聞いた事あるぜ。
エクリプスからも半ば厄介者扱いされてる、独りよがりでめちゃ気分屋の女王様気どりの
やべー奴だって話だからさ……真面目に頼み込んでも、おちょくられて最悪終わりって事も」

アリゼ「んな事一々くよくよ考えても仕方がないんじゃない?
ハガネも居るし、この大所帯で行けば。無理くり聞きたい事全部ゲロさせるのも意外と
簡単かも知れないし。Bプラン、悪くないと思うけどな」

話し合いの感じでは、AよりはBを全体が推す感じだ。
 そんな中、空気読まない感じで芦田が片手を上げ告げた。

芦田「じゃあCプラン。『さっさと矢を使ってみる』
……おいおい、おりゃあマジだぜ?
襲ってくるかも知れん、その奴等が世界規模って事以外は
攻撃に関する詳細や、その対抗策もまったく整ってねぇ。んでもって嬢ちゃんは
その攻撃の毒で、随分と手痛いダメージ負ってるときたもんだ。
それなら、ワンチャン イチかバチか狙ってレクイエムの矢ってぇので
打開する力が引き出せるのを期待するのも悪くねぇだろ?」

……完全には無視し辛い意見だ。
レクイエムの矢。精神を高みへ至らせる神秘の産物……これに頼り
スマイリー・スマイル突破の鍵が手元へ手繰り寄せられる可能性も少なくないのだ。

780黒羽 灯世『インク』:2020/04/10(金) 02:41:23
>>779

(アハガル山地に私の知らない『事情』がある、
 そういう線は薄そうだわ。もしあるとしても、
 彼らさえ知らないなら調べるのは至難か……)

この中でも『手練れ』はハガネとアリゼだ。
彼らの知らない線は、『今から知る』のは難しいだろう。
取っ掛かりがあったり、向こうからきてくれるならともかく。

「そうね、『プランA』は私も見込みは薄いと思う。
 危険すぎるし時間もかかるわりに、『結実するとは限らない』。
 しかもそこで解決しなければ、時間的にもリソース的にも次はない」

「『オペラ』を尋ねるのは空路を行くほどは危険じゃないし、
 『彼女』も『世界滅亡』を積極的に望んではいないはず。
 おちょくられて終わっても、『そこでおしまい』にはならないのだわ」

大方の『流れ』はそちらにあるようだし、
黒羽としても『怪しいから』といった感情論で、
オペラという巨大な力を避ける局面ではないと感じる。

――――それよりも。

「……なるほど、考えてもみなかった『C』なのだわ」

『矢』を見つめる。

「私の『インク』は『空間に文字を書く』のが大元の能力。
 仮に『スマイリー・スマイル』の根源にたどりついて、
 首尾よくそこで『レクイエム化』したとして……
 能力が、即座に『解決』出来る手段に進化するとは限らない」

「それなら『根源を見つける』までの『力』にするのも、悪くないか。
 あなた、なかなか『発想力』があるじゃない。……検討の余地はあるわね」

「一応確認するけど、私以外に『矢を使いたい』人はいるかしら?
 『インク』より、あなたたちの能力の方が『期待値』が高いという事もあるかも」

781『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/10(金) 22:52:26
>>780

貴方の『矢』の使用に対し、ヤジは『一般人だし、聞きかじった噂では
スタンド使いでないものが刺せば、スタンド使いになるらしいが
適正がなければ即死、なれても数日は高熱などになるから無理』と告げ。
小林・アリゼ・芦田は能力が戦闘向きでなし、またスマイリー・スマイル達の
魂を融解する声を止めるのに適したような力でも無いから止めておくと言う
内容で貴方に拒否の回答を下した。

ハガネ「……俺は、既に自身の力を認めている。これ以上の力を望まないし
過ぎたるものは身を亡ぼす」

例え、世界が破滅に繋がっていたとしても。と、彼なりの持論があるらしく
矢を使おうとする意志は無い。
 この中でレクイエムとなるグレイシャーの矢の使用権は貴方のみだ……。

芦田「とりあえず、そのオペラって奴に会うんならキャンピングカーの
点検だけ済ませておくぜ」

ヤジ「なら、おっさん。用意した特製爆弾なり積むから俺も手伝うよ」

小林「同じく」

Bプランがほぼ確定の空気でもあった為、芦田がそう声を上げると
不良コンビも外の駐車されてるほうに向かう為に立ち上がった。

ハガネは外で引き続き見張りを行い。アリゼは冷蔵庫の食糧をあるだけ
寮にあった段ボールで詰めるようだ。

アリゼ「此処も、どれ程安全かわからないからね。必要だと思えるものが
あれば私室から持ってきたほうがいいよ」

最低限の物資を車に詰めて出発する気なようだ……。
貴方は他にも良い案があるなら、方針を撤回するのも構わないし
有言実行で矢を使用してみるのも良いだろう。

782黒羽 灯世『インク』:2020/04/11(土) 23:06:19
>>781

(……私の能力も、別に戦闘向けではないのだけど。
 でも、矢は『意志』に応えてくれるように『推測』出来る。
 『グレイシャーの炎』も『ソイルの構造』も、単なる強化じゃない。
 『あの場でスマイリー・スマイルの好きにさせない』為の能力)

(『止めておく』人間に矢を使っても、効果は薄そうだわ)

考察もそこそこに、『グレイシャーの矢』を掲げる。

「なら、残るのは私だけね。
 『適任』だったと、後で言わせて見せましょう。
 念のため少し開けた場所で『使って』来るのだわ」

「使わずにいれば、選択肢は増える。
 例えば、『協力の対価』として提示するとか。
 でも……『オペラ』にこれを渡す選択は、
 この戦いの『後』を考えればありえない。
 なら、彼女の元に持っていく自体がリスクを生む」

「逆に……今ここで私が使っておけば、
 私も彼女に対する『抑止力』になれるかもしれない」

向かう先は『中庭』なり『外』なりで、
他の誰かに干渉しない場所にする。
発動時に『爆発』でも起きないとは限らない。
 
「どういう力を得たかは後で教えるのだわ。車に乗ってからでも」

他の面々にはその間に準備をしておいてもらう。持ち出す私物は、自分には特にない。

783『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/11(土) 23:35:49
>>782(黒羽PC)

貴方は庭へ出た。 
 ……静かだ。当たり前ながら周囲には人気が無く、まだ夜が明けたばかり故か
辺りからは車が走ったり等の環境音も聞こえない。冷たい風が頬を撫でる。
 ふと、冷たい空気を肺に満たして『矢』を刺す心構えを作っていると
静寂ゆえに研ぎ澄まされた感覚が、横から何かを通過する気配を感じ取り
目線をそこに向ければ、赤い蝶々が一羽空を飛んでいた。ヒメアカタテハと
呼ばれる蝶のようだ……特に危険は見受けられない。

 意を決し、貴方は(※特に要望は無ければ、一番傷が少ない手の甲等を刺す
描写で進行する。これで何かしら不利益は発生しない)その鏃の先端を皮膚に刺した。




 ――痛みを覚悟して、一瞬瞑った瞼の裏に光が過ったと感じた直後真っ暗な闇も感じた。
開いた視界には、先程まで居た庭と異なる別の風景があった。
 黒板 机 椅子……横には窓と、そこから見えるグラウンド。
此処は……清月学園? まさか、転移の能力でも得たのかと考えた矢先 背後から声がする。

      「――黒羽 お前に尋ねておく。これからの歩む先に覚悟があるか」

   「……そして今此処で柄じゃないが詫びておくよ。最後の別れ台詞が悪態だったのをな」

 背後から 女性の声が聞こえた。

 貴方と出会った時間は、かなり短くも……未だ色褪せない声だった。

784黒羽 灯世『インク』:2020/04/13(月) 00:59:39
>>783

『ヒメアカタテハ』――――見かけない蝶ではない。
だが、そんなもの一つにも『意味』を探してしまう。
自分は『追い詰められている』側だと、再確認する。


「……………」


意を決するまでに、逡巡する思いが無かったとは言えない。
己に記者の道をくれた『彼』のことを思い出す。
あるいは、そう、『彼女』の――――――


「…………っ」


『彼女』の声が聞こえた。
周囲の風景が『変わった』事に気付いた。
ここは、『分岐点』――――そう思った。

「私は……『常に覚悟してる』のだわ。
 『日常』は簡単に崩れて『取り返しがつかなくなる』って。
 でも、『崩す覚悟』は、今までできていなかったかもしれない。
 『矢』を使って、『スマイリー・スマイル』を滅ぼす……
 その先にあるのが『元通り』の世界じゃないという覚悟は」

矢を刺した手の甲を見る。
『覚悟』――――『元通り』じゃあないのは、『自分自身』だろう。

「……今、声を掛けられなければ、曖昧なままだった。
 『ありがとう』……私も、貴女のように『気高い』道を行きたい」

         「貴女は私の人生で、『最上』の『仲間』の一人よ」

785『星の瞬きに 世界が終わる日に:2020/04/13(月) 23:31:55
>>784(黒羽PC)

「…………そうか。無粋な問いだったな」

「『ありがとう』は、私の台詞さ。
本来、途絶えていた筈だったんだ。私の道は、あの店で……」

振り向いた先には、教室の椅子に腰かける女性が居た。朱色のコート
耳には幾つかのピアス。ケープに壁に圧し潰された『ベリル』の生前が。
 ……少しだけ、忘れがたい其の人物の容姿に微妙な差異はあった。周囲の
教室や外の風景もだが、色が付いてない……全て『モノクロ』だ。
 真っ白な世界を、インクの黒のみで構成しているような世界に貴方とベリルは
二人っきりで向かい合っている。

少しだけ、沈黙を守った後に彼女は貴方を見詰めて口を開いた。

「此処は、黒羽。お前の心象風景……お前が生き抜いた精神の断片。矢によって引き起こされた
内側の現象の中で微睡んでいる……。
 私は、死んだ。だが、お前は『忘れない』と告げた。だから、私は此処に居られる」

そう長くはいられないが、と。彼女と短い同行の中では決して浮かべなかった悲しそうな微笑を
貴方に見せながら話は続く。

「単刀直入に告げよう。奴等を倒す術を、奴等の能力に抗う術を知りたい筈だ。
……私は、神様でないからな。ソレの答えを持ち合わせてない。
だが私の能力は、確か教えたよな? 嘘を見抜き、裁く……。
 つまり、謂わばソレは  ――『真実の看破』だ」

              ――ドクンッ

空間に揺らぎが生じた。すると、教室の中の机や椅子等の備品……いや、『インク』で描かれてた
であろう黒い構成物は取り払われ、全てが白に染まったかと、思うと空間全体に文字が浮き出た。

……これは、どうやら貴方達の今までの体験談を記した文章のようだ。
斑鳩・成田・そして貴方(黒羽)が奴等と遭遇し、ここまで歩んできた記録。
(※メタ的に言えば>177から星の女やPL・GМの質疑などを抜かせたレス内容を抜かせたもの)

「……私のシンプリー・レッド、第二の能力 通称『RRoD(レッドリングオブデス)』 」

ベリルは血に濡れたような深紅のスタンドを傍らに発現させ、そして鉄輪が
両腕に二つずつ嵌められた両腕を地面に埋め込むように振り下ろした。

 ……すると、無数の記録の中から四つの文が浮き上がる……

・[It is not in the stars to hold our destiny but in ourselves.]
(私たちの運命を握っているのは星の中ではなく、私たち自身の中だ。)

・>332[The Show Must Go On]

・>753[逆位相]

・>770[精神性]

この、四つの文字が紅のように眩しく輝いていた。

 
           ――カツ  カツ   カツ

……気づけば、ベリルは貴方に背を向け遠くへと歩いている。
 その先には目を凝らすと、教室の引き戸のような扉が見える……。

786黒羽 灯世『インク』:2020/04/15(水) 07:04:08
>>785

「…………私は『未練』深いのよ、こう見えてもね」

「諦めが悪い、とも言い換えられるかしら?」

モノクロを見る必要はない。
朱色だけでいい。

モノクロは本質的に『己の力』だと理解できる――――

「これは……私達に起きた、『事実』……なら、あの二人は……」

浮かび上がる文字は、自分自身すら知らない『事実』の列挙。

「…………『私たち自身の中』」
「『ショーは終わらない』……『逆位相』『精神性』」

そして謎めいた四つの言葉。
それも、『意味』は分からない。
『それらしさ』を求める事は出来ても、それは答えではないだろう。

「……行くのね、ベリルさん」


             ザッ

「あなたのくれた『真実』も、私はこの先に持っていく。
 それがどこに辿り着くかは分からないけど……私は『強い』わ。『無駄にはしない』」

『笑いの逆位相』は『悲しみ』――――『それだけ』とは思えない。
斑鳩は『涙を流していた』 成田は『悲しみに叫んだ』――――『それ』を繋がなければならない。

787『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/15(水) 23:00:08
>>786(黒羽PC)

ベリルは引き戸のある場所まで辿り着いた。
 天国か、または別の何処かなのか……それは通過したものにしか解らない。
ただ、彼女の魂は無事に、奴等の手に届かない向こう側へ旅立てるのだろう。

ベリル「黒羽……覚えてるか? 斑鳩と成田、あの二人と別れて通路を散策してた時の事」

戸に手をかけた彼女は、ふと気が変わったかのように振り向き、そんな事を呟いた。

ベリル「あの時、一緒にコーラを飲んだよな。真っ黒で、お前の翳す力と同じ色合いの」

ベリル「……美味かったよ。本当、可笑しみを感じる位に美味かったんだ。
また、別の形で。何時か何処か違う場所で、また飲み合えたら良いな……」

ベリル「お前は『強い』さ……でもな黒羽。たまには弱さを見せたって良いんだ。
強さ、弱さの意味を履き違えるな」

        「――忘れるな。私は何時だって、お前が名を記してくれれば……」



  ・   ・   ・

視界が暗転する。貴方は立ち尽くした状態で、少し手の甲に切り傷が見える片手と
少し神々しい色が淡く見えるが、次第に弱まっていく矢を握っていた。

『ヒメアカタテハ』と思える小さな影は、強く羽ばたき寮の壁を越え
空の彼方へと飛び去って行った……。

ヤジ「おぉーーーい! 黒羽ちゃんっ、こっちは準備完了だ!
 何時でもオペラのほうへ突撃出来るぜ!」

呼びかけがホールから聞こえた。彼等の準備は完了したようだ。

788黒羽 灯世『インク』:2020/04/15(水) 23:31:34
>>787

『強くあれ』――――それを『学んだ』日があった。
黒羽一族の寵児ではなく、『黒羽灯世』として。

「…………あなたは私の最上の仲間。
 そして、『二人目』の『先生』だったのかも、しれない」

                「……行ってきます」

その考えが消える事は無い。
『弱さを見せることは記者にとって致死を意味する』

だが――――『弱さを見せられない』事も『弱み』ならば。

「…………!」

「ここは……」

周囲を見渡す。
矢は、『役目』を終えた――――それが分かる。
『インク』がどのように変わったのかは未知数だが。

「ええ、私も準備は出来た、のだわ。すぐそっちに行く」

……『ヒメアカタテハ』を目で追う事はしない。

ホールに向かう。『インク』を確かめるのに時間を割く余裕はあるまい。

789『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/16(木) 23:17:35
>>788(黒羽PC)

 ブロロォ……。

キャンピングカーは芦田を運転手として発進した。後部には段ボールに詰められた
密封してても可燃性特有の匂いがする瓶なり空き缶爆弾なりが詰められている。
中央には、貴方達五人が少し息苦しさを感じつつも自分なりのスペースを確保して
道なりを曲がる時の揺れを自力で支えつつビッグ・クランチ向けて走っていた。
 もう少し走れば、総合体育館 アリーナ地下拠点のある場所を通過するだろう。

ヤジ「……出来れば、緊急性高い時の連絡網なりのリストを回収したかったが」

小林「無い袖は振れませんよ、親友。
……黒羽さん、そのオペラ氏に情報を求めるとして。恐らく高い可能性で
取引などの交渉が求められると思いますが……どうします?」

ヤジは、少々名残惜しく自分が勤務していたアリーナのある場所を窓越しに
眺めつつ呟き。それを小林は諫めつつ貴方に到着次第の方針を振った。

確かに、大食堂の場所で従者たちに囲まれていた彼女が素直に貴方達へと
情報を出すとは思わない。ザ・カード・チートが裏社会の上級層である事を
仄めかしてたのを考えれば、大体のものは自分の力で保持してると考えられる。

若しくは、強硬手段で戦力未知数の彼女に戦いを仕掛け脅迫するなり
他の方法もあるだろうが……。

790黒羽 灯世『インク』:2020/04/16(木) 23:51:18
>>789

「確実な『世界滅亡』の瀬戸際に、ゲームに興じるような手合だものね。
 素直にハイ、じゃあ話しますとは行かない。かといって差し出せるものもほぼ無い」

「『アドリブ』で行くしかないでしょうね。『これを出します』なんて、
 決め打ちできる『正解のカード』は、少なくとも私には思いつかない……」

いずれにしても『強硬策』は『最後の手段』でしかない。
レクイエム化した『インク』も、無敵ではないだろう。
そもそも問答無用で殺すような力があったとして、
それを発動してしまえば『吐かせられない』なら無意味。

「偶然あるとしても、『私たち自身がそれの価値を知らない』カードは提示出来ないしね」

珍しいものといえば『使い終えた矢』くらいのものだろう。
いずれにせよ、今から足掻いてもモノは増えない。到着を待つ。

791『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/18(土) 00:10:56
>>790(黒羽PC)

   ブロロロォ……キキィ。

キャンピングカーは、特に障害なくビック・クランチへ辿り着く。
 スマイリー・スマイルの奇襲は懸念にあったが。今のところその兆候は見られない。
奴等に斑鳩や成田が取り込まれているなら、この車の情報なりもある筈。まだ、それが
全体に行き届いてないだけかも知れないし、別の理由も考えられるが……。

アリゼは、ある程度の食物を自分のスタンド ピンククリーム・69へ摂取させ車内で
成人男性程度の大きさのピンクスライムの大きさへ変貌させ食堂玄関口へ堂々と降り立つ。

アリゼ「私のスタンドなら、矢でも鉄砲でも受けきれるしね。先頭は任せろって」

無言で、そんな彼女をそれとなく庇える位置で人サイズの規格外な黒い包丁のような
鉄板のヴィジョンを背負うハガネが続き、貴方の隣に爆弾なり忍ばせたヤジと小林。
貴方達の後ろを芦田がやる気なさそうに続き、そんな挙動に何時も通りと言った感じで
スタンドが小言を本体に呈じしている。

黒羽御一行が大食堂の入り口となる階段を上がろうとした束の間、その玄関は開け放たれ
数人の油断ならない目をした若者たちが出迎える。

アリゼ「あらあら、1日振りねぇ小鼠ちゃん達。顔ぶれを変えて、今日はどんな御用事?」

従者達の列の後ろから、そう陽気な声でゴスロリの少女……『オペラ』は
何もかも知りぬいたような笑みと瞳で黒羽達を見下ろした。

アリゼ「まぁ、要件は大体わかるけどね。
――何を貴方は差し出せるの?」

黒羽だけを見詰め、オペラはそう訊いた。

792黒羽 灯世『インク』:2020/04/18(土) 02:44:54
>>791

まず自分以外の全員を手で制する。
彼らはここまで自分に『選択権をゆだねて来た』のだ。
ここでも自分の『選択』を損なわせてほしくは無い。

「『何が欲しいのか』――――それが分からないとどうにもね。
 『サンタクロース』だって『お手紙』がなきゃプレゼントを決められない」

「――――けど、『記者』っていうのは結構『贈り物』が得意なのよ」

               スゥ

『矢』を見せる。
もちろん『使った後の』だが、『無価値』ではないだろう。

「『レクイエムの矢』」

「これはあげられない。『私自身に使った』
 貴女は『何でも持っていそう』だけど、
 ……『スタンド』は『替えが効かない』。
 まして、『レクイエム化』したスタンドはね」

が、価値を知らないカードを提示はしない。
提示するのは、己がよく理解する価値。

「それを使う本体……『私の価値』は、既に、少しは示したわね」

すなわち。己の『強さ』だ。

『オペラ』には一つだけ間違いのない『事実』がある。
それは、彼女が『人間』を協力者にしている事だ。
自分が動くのが面倒なのか、人を使うのが好きなのか、
それとも純粋に必要なのか、理由は無いのかは知らないが、
彼女は常に『他者』を動員している。『自力だけに頼らない』。

推論でしかないが、『道理』だ。

「貴女に『身を捨ててでも、全身全霊で私の目的を助けろ』なんて、
 そこまでお願いしに来たわけじゃない、それは分かってくれてるはず。
 今『手を貸して』欲しい……その分、私は『この後で手を貸しましょう』」

「『スマイリー・スマイル』……これが『終わった後』にあるのは『平穏』じゃないわよね。
 『表社会』もだけど……あなたの遊び場、『裏社会』にこそ、『動乱』が待ってるんじゃない?」

「貴女は既に戦力を持っているかもしれない。
 でも、『私という大戦力を確保するアテ』はまだ無い……」

――――『スマイリー・スマイルを倒したので世界は平和になりました』。
そんな甘い話は無い。最低でも『アリーナ』の消えた『空席』は『火種』になるし、
『エクリプス残党』の有力者も、『解決できた事態から逃げた』という事実は『立場を崩す』。
動乱は必ず来る。それは今回のような『災害』ではなく、『スタンド使いの戦争』という形のはず。
武力行使をしあうのか、テーブルの上で行うのかは知らないが、『戦い』はやまないだろう。

無論だが、単に今手を借りるために未来を安売りしているのではない。むしろ『先も見ていた』。
黒羽は、『この事件を終わらせた後』――――『素知らぬ顔』で日常に戻れるとは考えていない。
自分は知りすぎた。背負いすぎている。恐らくは、望まずとも来たる『動乱期』の『当事者』になってしまう。
『弱さを自覚する』……抗っても恐らく『オペラ』には勝てない。だが、『近付いておけば、監視する事は可能』だろう。
また、少なくとも事件を解決した直後にいきなりオペラによる奇襲を受けるとか、そう言う心配も減らせる。

――懸念は『ヤジらの反発』など幾つかあるが、彼らに『代案』は無いだろう。あるなら話は別だが、まずは惜しまず、このカードを切る。
日和って『安全・安心そうな無難で安いカードから切っていく』のでは、このオペラという狂気の女王をテーブルにさえつかせられまい。

793『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/18(土) 19:54:57
>>792(黒羽PC)

「…………」

オペラは、貴方の話に茶々を入れるとか口を挟むなどするでもなく静かに耳傾ける。
 『未来』……この世界が変革する規模の能力。スマイリー・スマイルの終末を
押し留められると言う自信を暗に秘めての交渉。隣にいるヤジなどは、何か
言いたげな顔をするものの貴方の邪魔をする事は無かった。

 「――ハッ」

「あは……あっはっはっはっはっはっはっはっ!!!
 ははは……あー、可笑しい。って、ストップストップ
なに問答無用で攻撃仕掛けようとしてるのよ」

目を瞑り、黙り込み貴方の言葉を吟味していたオペラは。
数秒後に眉間を震わせたと共に哄笑を放った。
 すかさず、笑い声にトラウマのある面子である小林やヤジ
情報のみだが危険性を理解してるセイヴィアー達も臨戦態勢に移るが
アリゼは笑いを抑えると、軽く手を振って自分が正気? であると告げる。

一息つくとばかりに、控えさせてる者達の一人から適温の紅茶が入ったカップを
受け取って一口味わうと、冷笑と共に貴方の交渉に感想を述べた。

「……不確定で 不確実で 不安定で 不慥かな話ねぇ。
まるで、この終息が貴方の中では既に決定事項みたいな話し振りじゃない?
『記者』なんて辞めて作家におなりなさいよ、貴方。その頭の中の絵空事を
文章にして出版すれば、きっと大ベストセラー間違いなしよ」

まぁ、もうベストセラーになる程に読者となる人類がこの世界には居ないでしょうけど
と、彼女は自分のブラックジョークに先程よりも小さいが再度笑い声をあげる。

「……まっ、いいわ。『貴方の知りたい事、聞きたい事』
教えてあげるわよ」

笑い声を収めた彼女は、唐突にそう答えた。
 
「どう言う風の吹き回し、って思ってそうね?
あのね、私には正直『どちらでもいいのよ』
世界が終ろうとも、このまま続こうとも。
 終わるなら終わるで、最後の最後は派手に周りが壊れるまで
遊びまわるだけだし。終わらないなら、終わらないで、その後の
誰かさん達が作る枠組みの中を突っついて嘲笑って生きてくだけよ」

お判り? 敏いと自分で思ってる野鼠ちゃん。そう彼女は謡いつつ告げる。

「ずっと……何でも求めたら大体手に入る、そんな飽きがくるこんな世界に退屈してたわ。
貴方達には判らないでしょう。でも、当たり前よね。自分の心を理解してくれるのなんて
自分以外に存在しないわ、私は一人例外を知っているけれど。
 そんな飽き飽きした世界が、どう言う形とて終わる。こんな素敵な事ってそうそう無いでしょう?」

ヤジ「……いかれてるぜ、あんた」

思わずと言った拍子に、小さく貴方の隣で不良青年が涙と流れる鼻水を拭き取りつつ呟く。
 目敏く、オペラはそんな彼を鼻で笑いつつ返答した。

「どう思われても構わないけどね。……それでね、野鼠ちゃん
つかぬ事を聞くけど、どうやって貴方。件の崩壊を終わらせようと思ってるの?」

大小判を押したからには、何かしら確証あってのプランなのでしょうね。と
呟き、貴方の答えを待つ。

 オペラは、何であれ知りたい事を彼女が知る範囲で情報を開示してくれる
気分なようだ……この機は逃せない。

794黒羽 灯世『インク』:2020/04/20(月) 02:22:19
>>793

「あなた……『推理小説』の追い詰められた犯人みたいな事を言うのね。
 まあ、私の文才は『フィクション』にだって、もちろん対応してるはずだけど」

黒羽は己の知性に自信を持っている。
そして、『前進』『上昇』の志向にもだ。
根拠など必要ない。『才が無い』と断じる事は出来ない。
進もうと……上ろうとしようとする限りは。

「……『感染拡大の防止』は『必須』。
 今無事な人間は、一人でも多く生存すべき。
 それから『敵の減少』は『必要』ね。
 こっちに伝染はしなくても、世界が奴らに
 埋め尽くされていたら『生活』が立ち行かない。
 その減少方法としては……『能力の除去』が理想」

「拡大防止の条件については……多少のあたりはついているわ。
 実験なんてしてる暇はなかったから、本当に『あたり』だけだけど。
 『涙』……『泣く』『慟哭』……『笑うの逆位相』の『精神』に鍵がある」

「それを解き明かせば、まず『問答無用の全滅』は避けられる……はずよ」

795『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/20(月) 22:49:26
>>794(黒羽PC)

>それを解き明かせば、まず『問答無用の全滅』は避けられる……はずよ

オペラ「なーんだ……結局、全部貴方の中の推論で たら ればの域を出ないって事ね?」

肩透かしをくらった、と言う顔付きにオペラはなる。

オペラ「能書きは良いのよ。証明をしてみなさいな
貴方達の中の一人が、能力で変貌する前に回復したって言うのが偶然で無く
誰か見聞きしても納得できる説明を」

アリゼ「あん? どうやって、その情報知ってんのさ
私達の誰も、んな事話さなかった筈だけど」

オペラ「私は全知全能なのよ、子猫ちゃん。……冗談はさておき
野鼠ちゃん、私が無償でコートを上げるような慈善家では無いって事よ」

小林の回復例……それに関して、どうやら貴方のコートに盗聴器が
取り付けてあったのであろう事が伺える旨を彼女は告げる。

オペラ「それと、こんな寒空の下で長話する程に私は気が長くないの。
慈悲深い私はもう一度だけ言ってあげるわ。
『貴方の知りたい事、聞きたい事教えてあげる』」

そう告げて、彼女は紅茶を啜る。
……これ以上は、オペラは貴方達の話に対し関心を向け
良い方向へと行動を取ろうとする気紛れは起きなさそうだ。

796黒羽 灯世『インク』:2020/04/21(火) 00:36:12
>>795

「『結論』が分かるなら、もう行動してる。
 裏どりなんてしている場合じゃないもの。
 『推論』しかないから、『聞きに来てる』の。
 『知りたいこと』『聞きたいこと』をね」

「単刀直入に聞く。『笑いの感染』を防ぐ手段、貴女は知っているの?
 あるいは『回復できる手段』。もしくは『根絶』……『解決策』」

回りくどい言葉のやり取りは『勝ち目』は無いだろう。
盗聴器を調べる手段は存在しないし、
それ以外の情報力も相手のそれは不明だ。

ならば遜って見下され続けるより、ストレートに聞いた方が早いだろう。

797『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/21(火) 22:39:45
>>796(黒羽PC)

>『笑いの感染』を防ぐ手段、貴女は知っているの?

アリゼは、頬杖をつきつつ。若干呆れ声で返答する。

オペラ「しーらない。と言うより、知っていたら他の皆が
海のほうに避難なんてしない筈だって、分からないかしら?
 まぁ、特定の攻撃をシャットダウンするとか。そう言った
防御系の能力者はエクリプス内に居た筈だけど」

私、そこまで組織の者に深く関わらないし。と彼女は区切る。

>『回復できる手段』。もしくは『根絶』……『解決策』

オペラ「それこそ、そっち側が理解してるんじゃないの
『回復できる手段』の前例が、そっちの控えてる誰かでしょ?」

彼女は、黒羽の傍にいる者達をズラッと見つつ、話しを続ける。

オペラ「少しも興味が無い、とは言わないわ。
もし、その回復手段が解明されるなら。私も悪魔じゃないんだし
助ける取引は可能よ。とは言っても、世界中がスマイリー・スマイルに
侵されるタイムリミットも……残り一日あるかどうかって感じだし。

『根絶』? 私のほうが聞きたいところだけど。
『解決策』だって全くないから、こんな場所を占領して気ままに
遊び耽ってるって言うの見て分からないのかしら?」

オペラは段々と表情と声につまらなさと不機嫌さが見え隠れしてきた。
 貴方(黒羽)との会話に、楽しみが持ち得なくなってきている……。

798黒羽 灯世『インク』:2020/04/21(火) 23:34:54
>>797

「成る程、確かに『全知全能』じゃあないのね」

『小林は、なぜ回復したのか』――――
それが分からないゆえに聞きに来たわけだが、
それが分からない限りは助力を求められないという事か。

                チラ

……背後に控える人間たちに、何らかの期待をする気は湧かない。
『戦力』は頼りになるだろうが、『状況』がそれを許すまい。
『斑鳩』『成田』の喪失は大きい……彼らも『判断ができる人間』だった。
が、悔やみは無用。この空間で唯一『上』を向く自分が。やらねばならない。

(……『小林先輩自身』にも『心当たり』が無い。
 『ヤジさん』のように『仲のいい人間』でも同じ。
 『インク』の新たな力……その片鱗でわかったのは、
 4つの単語……[The Show Must Go On][逆位相][精神性]
 そして[It is not in the stars to hold our destiny but in ourselves.])

(『私たち自身の中』……
 『自分の中で、笑いと逆位相の感情を止めどなく保つ?』
 『笑いとは逆の感情』……私たちは『常に』そうだった……)

(『確証』……そう言えるものがそこから導き出せる?
 導き出せたとして、『証明手段』がどこにあるかしら……)

自分がどの程度『進行している』のかが分からない。
他に進行している可能性があるのは『小林』だが、
それもやはり、進行度が分からない以上『治療の実感』が無い。

「……」

         ス

可能性があるとすれば――――『インク』の中にあるのではないか。
『墨の量が増える』『造形が出来る』が、あの光景が『全て』と断定はできない。

スタンドを発現する。『インク・レクイエム』は――――『何が出来る能力』だったろうか?

799『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/22(水) 23:45:31
>>798(黒羽PC)

貴方は『インク』を発現する。『矢』に刺す以前と、そのヴィジョンは
特別に形が変わっているようには見られない。
 スタンドを発現した事に、少しだけオペラに従属する者達は警戒の色を
空気に濃くしたが、直ぐにリーダーである彼女が手で何もしないように
示唆した為に動く事はない。

オペラ「ふぅん? それがレクイエム化したって言うスタンド……ね」

目で彼女は語っている。『豪語したからには、実際にその力量を示せ』……と。

(※いま黒羽PCの能力は、詳細にも記されている基本的なスペックは変わっておらず
『ゴースト・ストーリーズ』も変わらず使用は出来ると感覚的に理解してる。

『レクイエム』としての能力を引き出すとして、『明確に何を望む』か『何を再現』
するかをスレ内で記入して頂ければ、GМがそれを見た上での行動処理を行う。

※:他にも引き出せるものは存在する。ベリルとの最後の台詞がヒント    )

800黒羽 灯世『インク』:2020/04/24(金) 02:07:40
>>799

『インク・レクイエム』――――『何が出来る』のかが分かった。

「……」

            シャッ

『ゴースト・ストーリーズ』は変わらず使えるようだ。
が……『インク』は『スタンド能力』を再現できない。
『ゴースト・ストーリーズ』で『小林の快復』を再現しても、
それは『スマイリー・スマイル』の影響を省いたもの。
つまり無意味に近いのは、『変わらない』だろう。

そもそも『あの快復は見た目には何の変化もなかった』。
あの様子を見せる事が仮に『偶然そういう成長で』出来たとして、
『なぜなのか』は分からないまま。それでは『納得』は得られない。
『出来るかも分からないし意味も恐らく無い事』を今する時間は無い。

(つまり……その先。『レクイエム』の領域に『踏み込む』必要がある)

    (『スタンド能力の再現』は……出来ても意味がない。
     『スマイリー・スマイルの能力という事実』は、
     この世界の誰もが知らない可能性が高いのだから。
     あるいは斑鳩さんや成田君、ベリルさん……
     彼らのスタンドにも『答えを出す』効果は無いし、
     治療に使えても『効き目を証明する手段』は無い……)

         (なら例えば……私があの時見た『光景』。
          『私が知るはずのない光景』。
          『斑鳩さんや成田君の心情』まで読めた)

            (……でもアレは『各々の主観』。
             『状態』は各々には分からない。
             『ゴースト・ストーリーズ』は『1度に1つ』。
             小林先輩を出して、それで終わりにしかならない)

(それなら、あるいは……『小林先輩のそれ』とは違って、
  極めてハッキリ『精神を向上させる』効果があるものなら?)

(『知らないし答案の無い方程式』を追い続けるより、
 ……強力な『精神作用』を持つ、『アレ』を『再現』出来ない?)

ハッキリ言って――――『逆位相』も『精神性』も『主観性』の強い概念だ。
意味するところは立ち位置次第で大きく変わるし、『証明』の手段に乏しい。
運よく『治療に使える効果』を帯びた『何か』を再現したとして、
それが小林や自分に効いたとして……それも『主観』の範疇だ。
感染していないであろうオペラ自身に『客観的に証明して見せられない』。

それに対し黒羽は戦いの中、唯一、『精神に効くことが誰にでもわかる』ものを知った。

                         ――――『コーラ』。
                               ベリルと飲んだ『アレ』を、出せないか?

801『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/25(土) 21:02:48
>>800(レス遅れ失礼しました)

『スマイリー・スマイルの能力という事実』
貴方はそれの再現を考えるものの、直ぐに思い直す。
 『レクイエム』化した『インク』は、スタンド能力も再現出来るかも知れない。
然し、仮に再現したところで。今この場で、その能力が自分達に影響を齎すのか?
 そしてオペラを『納得』させられるのか? 様々な不確定要素が山積みにされている。

そこで貴方は『コーラ』を思い至った……。

   シャララ

             キィィ――zノイン・・・!

インクによって、宙に書かれた『コーラ』と言う字は、収束されて
一つの硝子瓶とキャップ。その中に黒い液体が並々と詰まっている。

あの時のコーラ……ベリルと一緒に飲んだ精神の活性化のコーラだ。

オペラ「……ふぅん」

そのコーラは『実体化』されていた。ヤジも行き成り現れた物体に
目を瞬いてる事がソレを証明している。
 おもむろに、オペラは階段を降りると無造作に貴方が発現された
コーラを周りの従者が制止の声を上げる間もなく口にした。

 ゴクゴク…… プハッ

オペラ「…………ふぅん」

数秒の沈黙、そしてコーラを冷ややかに向ける視線は貴方のほうにも向けられる。

オペラ「……『再現』か。『再現』ねぇ……野鼠ちゃんの詰まっている
脳味噌の中に、この迫りくる終焉を止める『真実』を『再現』出来る可能性は
あるって言う訳? …………ふぅん」

 オペラは、余り面白くなさそうな表情で貴方を見遣る。
その纏う空気は面白くなさそうで刺々しさがあり、周囲が口出し出来ない高圧さがある。

オペラ「……『アハガル山地』には、『入ってはいけない洞窟』があるって言う話があるわ」

数秒、睨むような半眼を向けてた彼女は。そう、ぼやくように階段を上がり同じ位置に
戻りながら貴方へ告げた。

オペラ「『入ってはいけない洞窟』に入ると、どうなると思う?
ま、誰も戻ってこないのだから確かめようがないけどね。
 けど、サン族の言い伝えではこう言われてるらしいわ。
その洞窟には、人一人分の割れ目があって『地獄』へと通じている」

まぁ、少数民族の良くあるありふれた言い伝えだけど、と彼女は区切りつつ
貴方に対して、嘲るような口調で告げた。

オペラ「仮に、あのスマイリー・スマイル達の本体がアハガル山地の
『入ってはいけない洞窟』に落ちた何者かで、その落ちた最中に
発現したのがスマイリー・スマイルだった……って言うのなら」

この今も、世界を地獄絵図に水面下で広げてるのも、何だか納得出来そうじゃない?
 と、オペラは妙に説得力のあるような仮説を立てた。

802黒羽 灯世『インク』:2020/04/26(日) 00:22:34
>>801

『ぶっつけ本番』――――『アドリブ』というほどきれいでもない。
『インク・レクイエム』が『偶然』これを可能にしていた『だけ』。

だが、それで『負けない』なら悪くは無い。

「『可能性はある』――――わ。
 『インク』は『私の想像』を超える『事実の力』がある」

「『何もできずには終わらない』……」

今の『インク』は、黒羽の『記者の信念』さえ超えた能力だ。
己の確かめていない真実を『確かに知っていた』。
それこそ、『レクイエム』足る力なのだろう。

「……『入ってはならない洞窟』?」

僅かに気圧されながらも、謎めいた言葉を反芻する。
『地獄』に繋がる洞窟……『眉唾』だ。

だが、この『災害』もまた『眉唾』……『妙な説得力』だ。

「成る程…………『それ』を探すことは、『解決』に繋がるかもしれない」

「『地獄』は、『人間の心』が生んだ概念だけど……
 もしあるとすれば、まさにすべての『人間の心』と繋がるもの。
 心を通じて『全世界』に拡散されるだけの謂れはある」

「何の情報もナシで『アハガル山地』に行くよりは、よほど指針になりそうだわ」

803『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/26(日) 22:17:09
>>802(黒羽PC)

>何の情報もナシで『アハガル山地』に行くよりは、よほど指針になりそうだわ

オペラ「何しに?」

 彼女は、差し出された紅茶のカップを軽く回しつつ貴方へ訊いた。

オペラ「その地獄へ繋がる場所を岩か何かで塞ぎに?
それとも、其処へ飛び込んで貴方のその筆で本体を倒しにでも?
 冗談は休み休み言いなさいな、野鼠ちゃん。

貴方や、その御仲間たちで。どう其処まで無事に辿り着いて
どうやって能力を解除するおつもり?
 レクイエムのパワーで、なんでもかんでも解決出来ると思ってるの?」

皮肉気な笑みを向けつつ、彼女は嘯く。

オペラ「まさか、私がそこまで連れてってあげるとか期待してるのなら
先に言うけど拒否するし無駄よ。
 貴方のヒーローショーに付き合う気は毛頭ないわ。
もう知りたい事は全て教えたと思うけどね?」

くるりと、彼女はゆっくり背を向けてビック・クランチに戻ろうとする。

アリゼ「おい、まだ……」

ハガネ「やめておけ……呼び止める権利があるのは、その娘(黒羽)だけだ」

控えてる勝気な彼女は、話は終わってないと告げようとするが。そこで
一段とオペラを中心に空気が終わるのを最強の傭兵が感じ取り、制止する。

これ以上はオペラも話に付き合う気が無いようだ。
 何か関心を向けられる要素が、最後に2、3 交渉の場に表立った貴方が
乞えば何かしら聞けるかも知れない……。

804黒羽 灯世『インク』:2020/04/27(月) 20:38:13
>>803

「『何もしない』なんて事はあり得ない……それだけ。
 貴女に理解してほしいとも、してもらう必要もないわ」

「貴女は『情報』をくれた。『知った』ことは『動く』理由になる」

オペラは『神』ではない。
結局は『スマイリー・スマイル』の『被害者』の一人でしかない。
彼女の『意向』に沿わない事は『意味がない』……そんなわけはない。

ここでの話は『終わった』……彼女は『これ以上知らない』。
少なくとも『スマイリー・スマイル』攻略に直結するような、
大きなヒントなどは持っていないか、『言おうとしない』だろう。

「いえ……いいわ、呼び止める理由は私には思いつかない」

それ以外の『彼女について』や『彼女の所感』等を聴いても、
そもそものスタンスが違いすぎる事、そして現状への意味を考えて、
『妙な地雷を踏んで彼女から妨害を受ける』リスクとの天秤には乗らない。

必要なのは『確度のある情報』だ。
彼女自身言っていたように、『解決につながる情報』は無いのだろうから、
これ以上の干渉は余計なリスクを増やすだけだろう。呼び止めない。

805『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/28(火) 00:29:36
>>804

He looked at me I looked at him〜♬
He sized up me I sized up him〜♪

 ……ゾロゾロ バタンッ

ヤジ「……はーっ 生きた心地があんましなかったな
こっから、どうすんの黒羽ちゃん? 学生寮に戻るかい」

オペラは、森のくまさんを口ずさみつつ貴方達の視界から消えた。
不良青年は、オペラと従者たちが全員大食堂の中に戻るのを見届けると
大きく溜息をついて、貴方にそう声を掛けた。

アリゼ「唯一、なんか知ってそうな奴から聞いた情報は
価値があるのかないのか、いまいち不明だったが……その、アハガル山地に
本気で行くって言うのなら、何とか飛行機を手に入れる伝手を探すしかない。
となると、空港まで直行で行ってみる?」

ハガネ「……実力行使で飛行機を略奪出来たとして、運転はどうする気だ?」

アリゼ「ぅ゛ ま、ちょ ちょっと誰かしら脅せば何とかならない、かなぁ……」

控えてる他の者は、各々と自分の考えは口にするが。この現況では指針が無いゆえに
進むべき目標が出来ていない……。

小林「一先ず、何処へ向かうべきか……ですね。話から察するに総合グラウンドの
アリーナは、行くのが余りに危険すぎる。
 ……親友、他にアリーナの支部がある場所は?」

ヤジ「倉庫街とかにも、ある筈だが……あそこら辺は俺もほぼ出入りしてないから
場所こそ大体検討つけていても、安全なのかどうかわかんねぇよ。
 ただ、まぁアリーナの機能が生きてんなら自家用ジェット機とか手配出来る
可能性は、今の状況を話せばワンチャン借用可能……かねぇ」

そう言った話を不良コンビは伝える。ただ、その情報源が期待出来るかは
未知数である事は言うまでもない……。

806黒羽 灯世『インク』:2020/04/28(火) 02:22:30
>>805

「『貴方たちも皆来なさい』とは言わないけど、
 『何もせずに終わりを待って遊ぶ』よりは、
 『死地に飛び込む』方が私は『上』だと思うわ」

座して死を待つつもりは無い。
無意味に暴れ回る気も無いが、
意味があるかもしれないなら動かない理由は無い。
『時間の無駄』かもしれないが、動かない時間にも意味は無い。

「……『アハガル山地』に謎を追いに行くか、
 それとも『治療法』の実験でもやってみるか。
 あの場で『オペラ』を納得させられる根拠が無かったのは、
 『インク』の挙動を完全に理解できていないから、というのも大きかった。
 それと、どれだけ試しても『確たる証拠』にはならない、っていうのもね」

繰り返すようになるが、『スマイリー・スマイル』の症状は無自覚。
『治ったという証拠』などというものは、『存在しない』可能性が高い。
外から見ても『わかる』状態の患者を用意できるならば別だが、
あの場では調達できない(『インク』次第だ。試す余裕は無かった)

――――時間を取れるなら、幾つかの前提は覆る。

「もしくは、例の『地獄への裂け目』みたいな話が、
 『国内にも無いか』でも調べるか……っててところかしら。
 『地獄』とやらに通じる穴が、世界に一つだけとは限らないのだし……
 これをやるなら、今言った『治療法の実験』と並行してもいいかもしれない」

『何もしない』ことは停滞だ。『可能性』がある限りは『動く』ことが、『上等』なやり方だろう。

807『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/28(火) 22:55:47
>>806

ヤジ「となれば、だ。どちらにしろオペラ女王様の話の信憑を高めるのと
移動手段を確保する為に『倉庫街』へ行くのが一番ベスト……だな」

貴方の話を聞いて、方針は決まった。行き先は、アリーナの他の支部があると言う
『倉庫街』へとだ……。

車を走らせる道中、何の気なしに芦田は備え付けてるキャンピングカーのラジオを付ける。
 そこからは、幾分興奮した声でこう話し声がなされていた。

『……皆さんっ 今日は世界中にとって大きな記念日になるのかも知れません
世界中への平和が、人類の夢が叶う一歩を私達は目にして……』

芦田「んぁ? なに言ってんだ、この司会者」

アリゼ「……おいおいおいおいっ、なんだこのニュース?
おい、あんた達。スマホ見てみろっ」

彼女は、手持無沙汰なのを埋める為に取り出したスマホのニュースを
見た瞬間に顔付きを引きつらせつつ、黒羽含む全員に促した。

そこには、大々的にこう表示されている。

『……北〇〇 アメリカが和平の為に会談を動き出す』

『中東テロ 〇〇の指導者降伏を宣言』

『北方領土返還の意をロシアが示す』

……世界各国で起きている対立が解消されようとする動きがされている。
 全体未聞の朗報だが、これが劇的な奇跡などと日和見な感想を今この瞬間
このキャンピングカーの全員誰も抱きはしなかった。

小林「……もう、一刻の猶予も無いんでしょうね」

既に、『奴等(スマイリー・スマイル)』に国家の大部分は支配されたのだろう。

暗い呟きが車の中を満たす。依然 倉庫街を目指して街並みをキャンピングカーは駆ける……。

(※特に何かアクションを起こさないのなら、次レスで目的地の描写へ移る)

808黒羽 灯世『インク』:2020/04/29(水) 23:29:17
>>807

「…………『世界平和』……『そのための能力』だとでも?」

『日本人』である自分にも『分かりやすい』道筋。
或いは、この現象の最初の本体も、
近い文化圏に生きる人間だったのだろうか。

(平和な世界を望むのはそこで『生きる』ため……
 この能力の行き着く先は『無』であって『平和』じゃあない)

           (…………)

               ギリ

何もできる事は無い。『目的地』に到着する事を、待つ。

809『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/30(木) 23:26:57
>>808

ヤジ「世界平和……な。黒羽ちゃん あん時、俺達死に物狂いで
あの笑顔の奴等から逃げたじゃん? あいつ等がそんなん1パーでも
叶えようって言うのが真実なら、俺は剃髪して坊主にでもなるよ」

小林「親友の軽口はともかく……まず、そんな目的ではないでしょうね。
大きなイベントで、まだ非感染な人物を集合させ。あの声の能力で一斉包囲し
感染を増幅させる……と言うのが狙いでしょうね」

貴方の言葉に、不良コンビがそう仮定を繰り出すと。運転していた芦田が
振り向いて、呟いた。

芦田「なんかめんどーな事を世界規模でやってんだな。テレビなり何なりで
その能力使用すればいいだけの話だろーに」

ヤジ「それが出来ないから集めてんだ…………あっ そうか!」

芦田の言葉に、ヤジは膝を叩いた。

ヤジ「て事は、あいつ等。まだ機械とか通して能力を拡散するの
出来ないんじゃねぇか!?」

ハガネ「……有り得なくはないな」

そう、推論を重ねたところでキャンピングカーは倉庫街に到着した。

参考画像↓
(ttps://www.photolibrary.jp/img87/24691_291501.html)

車は数台置かれている……輸送用のトラックや乗用車などもある。
 まだ早朝だからか? 人気は無く、随分と静かだ……。

ヤジ「此処ら辺の支部については、言った通り、俺は初めてだからな……
手あたり次第に散策するか?」

芦田「めんどくせー。どの倉庫入ればいいんだよ?」

全員が一先ず車から降りた……肌寒い風が貴方達の顔を叩く。

目的地まで辿り着いたが、肝心の倉庫の場所は把握出来ない。
適当に歩き回れば、それらしい出入口を発見出来るかも知れないが……。

810黒羽 灯世『インク』:2020/05/01(金) 00:29:06
>>809

「ええ。あんなものが『世界平和』を詠う世界は、
 『真実』なんてない『欺瞞』だけの世界……だわ。
 これもおおかた、小林先輩のいう通りの『策謀』でしょう」

努めて『重く』なりすぎないように、口を開く。
黒羽灯世は無敵ではないが、『上』を取り続ける。

「……つまり『放送』とかまでは警戒しなくていい、という事ね」

『機械を通しての感染』は懸念事項だった。
それがつぶれた――――と思われるのは意義が大きい。

そして倉庫街。町でも『治安の悪さ』をよく聞く地域。
だが、今となってはそんな『噂』に意味は無いだろう。

「いつどこで『敵』が奇襲をかけてくるとも分からないわ。
 とはいえ……常に『警戒』し続けていても探索が進まない。
 悩ましい所ね。……でもとりあえず、ここで考えていても始まらないか」

『アリーナ』の施設そのものは見つからずとも、何かしらの痕跡などはあるかもしれない。
無意味に歩き回る、と言えば気は進まないが、『意味』を見つけるにもまず『動く』事が必要だ。

811『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/01(金) 22:45:48
>>810

ヤジ「……あれ、でも確か黒羽ちゃん あの笑い声って奴聞こえないんだっけ?
機械で録音とか出来ても、聞こえるのかな」

小林「私達にも鸚鵡返しで言える事柄です。あの一件以来、此処に居る方達を除き
他者と接触してませんからね。あの声がもう聞こえなくても不思議じゃないですよ」

そんな会話を背後に聞きつつ、貴方(黒羽)は倉庫街に足を運ばせる。
 一番前にある倉庫を一番倉庫と呼称して……二番、三番と当たり前であるかも
知れないが施錠されており中を伺うのには、曇りガラスが邪魔で中の様子も不明だ。
 強いて目立ったものを挙げるとすれば、二番倉庫の南京錠は比較的新しめと
言ったところだが……それ以外で倉庫の外観に不審な点は無い。

芦田「おっと、俺の出番かぁ〜? いっちょ窓ぶっ壊すか」

『なんで強行突破の発想に移るのっ。それなら私の能力でドアが開放した状態の
過去に改変しますよ』

芦田「つってもウィゴーちゃん、中で訳わかんねぇ化け物がうじゃうじゃいたら
こえぇ〜よぉ〜」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトだってーの。さりげなく抱き着いて
こようとこようと近寄ってくんな! ……然しながら、ゴミ本体の意見も一理あるか。
黒羽さん、闇雲に倉庫の中を改めるのも確かに危険です。既に敵の手中と思って
行動するのが妥当でしょうからね』

そう芦田のスタンドが警告する傍ら、傭兵のハガネやアリゼは十メートル程離れた
地点で警戒をしている。黒羽の死角からの襲撃は、彼等が阻止してくれるだろう……。

812黒羽 灯世『インク』:2020/05/02(土) 17:49:08
>>811

「『聴こえない』……はずよ。『録音』ならどうでしょうね。
 『試してみる』のは、あんまり気が進まないけれど」

倉庫の中は伺えないようだ。
『透視』のような能力は自分には無いし、
扉なり、穴なり『開ける』必要はあるだろう。

「そうね、何があってもおかしくはない。
 目についた扉から開けていくわけにはいかない」

「『生き残ってる』なら、籠城しているはずだし……
 何か『人の残っている痕跡』が、あればいいんだけどね。
 後は何か、特徴? 例えばこの『南京錠』とか……」

比較的新しく見える。
『最近買い替えた』と見てもいいだろう。
つまり『使われていない倉庫』では無い。

「……開けるなら、ここからが良い気がするわ」

もっとも、プロが素人目にも分かる『不自然』を残すか?という疑問はある。
入っているのはアリーナの手とは限らない、最悪は『スマイリー・スマイル』だろう。

813『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/03(日) 22:23:09
>>812(レス遅れ失礼しました)

ヤジ「ま……虎穴に入らずば って言うしな」

芦田「よっしゃ、そんじゃあいっちょ俺がぶっ壊
『だから鉄板ネタみたいにすんな!』」


アリゼ「……あんた達もうちょい警戒心もちなよ。
いいよ、私が開けるよ」

呆れた面持ち、騒がしい男とスタンドを押し退けてアリゼは
『ピンク・クリーム69』を南京錠の鍵穴へと差し込む。少し
ピンク色のスライムの色が濃くなると、カチッ……と言う音と共に外れた。

キキィ……。

ヤジ「……資材が沢山あるな。建築用の倉庫か」

重く鈍い音と共に開かれた中には。土嚢や鉄筋 木材に鉄パイプなどが
山高に積まれているのが見える。建物の広さは100m程あるので
資材の少し入り組んだほうにも未だ奥があるのは安易に予想出来る。

 扉から覗き込んだ限りでは、人気は全くなさそうに見えるが……。

小林「何か手掛かりがあるかも知れません。私のスタンドで先行させましょう」

 フワッ……。

小林が、携行していた水筒の中からビー玉状のスタンドを浮遊させて
建物の天井を飛行させる。上から建物内を偵察出来る位置まで飛行を
終えると、軽く眉を顰めて彼は呟いた。

小林「……何でしょう? 時計のようなものが鎮座しています。
それと黒電話……?」

他にも小物のようなものが置いてるようですが、と言葉を終える。
 それと共に、誰も建物内には潜んでない事だけは確かだと貴方に
報告を告げた……。

814黒羽 灯世『インク』:2020/05/03(日) 22:54:29
>>813

「……? 妙な取り合わせだわ。
 『資材置き場』に『時計』はともかく『電話』?
 人が常駐してるなら『置き電話』も便利でしょうけど、
 多少広いとはいえ『仕事場』って雰囲気じゃあない。
 こんなところに置く理由は……『何かありそう』ね」

「それに、時計も……」

ここに荷物を取りに行かせた誰かと連絡が取りたいなら、
どう考えても携帯電話を持たせておいた方が良いだろう。
時計も同じだ。ここに来た人間が時間を確認したいなら、
腕時計でもあれば問題ない。あえて鎮座させる理由は無い。

「普通に考えれば、『普段は誰かが常駐している』か、
 もしくは……『誰かが必ず来る、と想定している』か」

「少なくとも……『スマイリー・スマイル』が即席で仕組んだ罠にしては、
 引っかける気が見えない。それなら扉の中に待ち構えるだけで十分でしょうし」

『斥候』は小林のスタンドに逆立ちをしても勝てまい。
彼の報告は信じるに値する。『足を踏み入れる』事にする。『脚を動かしてこそ』だ。

815『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/04(月) 20:54:08
>>814

ヤジ「罠の可能性は極めて低いんじゃね? 待ち伏せしているようなら
少なくとも俺達が車から降りた時で何かアクションあって可笑しくないしな。
 それでも、気は抜かないほうがいいし……おい、おっさん
俺達は入り口で待機しようぜ。ジョーとブロンドのねーさん含めた三人だけで
中を調べるのは十分だ」

アリゼ「わたし? まっ、いいけどね。そんな5、6人塊りで入るような場所
でもないし、ハガネが外で見てくれれば問題ないよ」

入り組んだ通路の横幅は人が一人か二人ぎりぎり並んで通れるほどの手狭だ。
 小林が頭上に浮遊させたスタンドでルートを確保しつつ、アリゼが緊急時に
ピンク色のスライムで防衛できるようマフラーのように自身のスタンドを
待機させるのを尻目に貴方達はその不思議な物体が設置していた場所に辿り着く。

『黒電話』 そして 『時計』 どちらも資材を積むためのコンテナボックスの
上に置かれていた。

『時計』は11:45分頃を指している、大きさフリスビー程度で装飾も特にない
極ありふれたもののように見受けられる……が、壊れているのかどうなのか
黒羽が見る中で、約二分ほど一気に長針が12のほう目掛け進んだ。

一方『黒電話』は、これも至って普通の形状だが。ダイヤルの回す数字部分の
代わりに干支の字が刻まれている。旧式のままに、コードがあるが
何処かにコンセントなどあるわけでもなく、黒い線はボックスに重力に逆らわず
垂れさがっているのが見受けられた。

小林「他に目立つものは特にないですね……使い古された安全靴やケースなど
転がってますが、何か役に立つものが残されてません」

アリゼ「うーん、何だかいかにもっ て感じに存在感放ってるけど
どうにも役立つように思えないし、外れじゃ」

   ジリリリリリッッ!!

アリゼ「って、わぁΣ 
……ぇ、これ黒電話の形してるだけか? ってか、警報機か!?」

特に誰かが触れたわけでもなかった。だが、その黒電話は鳴った。
アリゼは、壊す事も選択肢に含めてスタンドを攻撃態勢に移り
小林は、警報装置の類なら外で何か起きてるかと首を出入口に向けて
仲間へと声をかける。

小林「親友! そっちで何か異常はー!?」

ヤジ「いやっ! 特に何も起きてねぇが……何かあったかのか!」

小林「……いえ! 因みに電話の音は聞こえてます!?」

ヤジ「あーんっ!? 携帯鳴らしてんのか!?? 聞こえないぞー!」


小林「……彼には聞こえない。では、この電話は……」

 ジリリリリッッ!
  ジリリリリッッッ!!

……依然、喧しく黒電話は音を鳴らしている。

816黒羽 灯世『インク』:2020/05/05(火) 13:17:56
>>815

ヤジの言っていることは全面的に賛同出来る。
罠を張るには、あまりにも『回りくどい』。
それはそれとして、『危険』が無いとは言えない。
手元の『インク』を、意識には留めておく……

「…………!!」

「この音……ヤジさんには『聞こえない』?
 スタンドだわ。この電話そのものか、音だけか……!
 少なくとも『ただの黒電話』なんかじゃあないっ」

鳴り響いたタイミングも、あまりに『丁度』すぎる。
偶然デザインと音の変わった電話が置いてあり、
偶然自分たちが来た今、鳴った……とは思い難い。

「これを……『取らない』手はないわ。
 トラップの可能性もゼロじゃないけど、
 スタンドである以上『スマイリーS』は無関係。
 『救い』とは限らないけど、『意味』はあるはず」

鳴り響く電話を、取る。
時計も気になるが、今は目の前の出来事を優先する。

817『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/05(火) 23:15:00
>>816

ジリリリリッッ! ガチャ

?『あっ やっと繋がった! ハロー ハローッ! 聞こえる!?
いま電話に出てるのは【僕】だよねっ! そうだよね!?』

電話の主は、聞き覚えのない中性的な感じの声だった。
 取ると同時に、焦り声の早口で貴方に対し決めつけ話しかけるが
その内容も初っ端から意味が不明だ。自然に、貴方が
どう言う事なのか、と返答すると。電話の主は軽く呻き声を上げた。

?『あー、そっちも【僕】が居ないのかっ。
いいっ、よく聞いてね! 多分この通話も長くは保たないから。
この電話は【別の平行世界から掛けている】!
 意味がよくわからないかも知れないけど、それが僕のスタンド能力!
其処は多分アリーナ支部だろうけど、周りはどんな感じ!?
 資材だけなんだね! って事は既に襲撃があった世界線か……っ』

電話の主は、と言う事は既に襲撃に対し事前に察知出来たか失敗したんだと
早口で独り言のように呟きつつ、貴方に対し会話を続行する。

?『君が何者なのかどうかとは省くよっ。代わりに僕が何者なのかとか
余計な事は省くよっ。史上最悪といって良い規模の笑いの能力!
 こう言えば伝わるよね!? うんっ、僕のいる場所って言うか世界も
いま、その脅威に晒されている! それで、まだ何とか保っているけど
こっちは籠城して何時奴等に突破されるかどうかと切羽詰まってる!
 ――君の持ってる情報を僕に教えてくれ! その代わり、この僕が
見聞きした情報を君に授ける!』
 
 ……緊迫した謎の中性的な声の主は、貴方に対しスマイリーSに対しての
情報の提供を求めてきた。
 その対価として、謎の人物が持つという情報を教えてくれると言うらしい。

彼女? 彼? 曰く、その世界では奴等から籠城してるが崩壊寸前で
この電話も、この世界線の通話の主が生死不明な事から何時まで通話出来るか
わからないようだが、多分 そう長くは保たない……。

818黒羽 灯世『インク』:2020/05/06(水) 23:39:52
>>817

「……!? 『良く分からない』……でも『分かった』わ。
 少なくとも、あなたに話す事が『不利益』にはならない」

「知っていることを話すわ。
 あいにくあなたが何を知りたいのか、
 そこは分からない……だから『全て話す』」

『スマイリー・スマイル』について知ることを全て話す。
自分の言葉で話す必要は、特に無いだろう。
世界中に散らばる寄生型のスタンドであること。
そして『ソイル』が語った(>>656)情報を伝える。
つまり『奴らのみに通じるネットワーク』があり、
『声という消化液で魂を溶かして食らう怪物』であること。
また、『遊部』という少女の『末路』に関わる推論――
あるいは『インク』で得た『真実』から導ける推論――
すなわち、『逆位相』の『精神性』についても、
真に受けすぎないように、とは付け加えて話しておく。
話す順番も今挙げた順だ。『途中で切れる』可能性も高い。

そう。『時間がない』のはなんとなく『分かる』。
逐一『何を知ってるか』を聞いての一問一答より、
『とにかく知り得る情報を話す』事が重要な状況だろう。

819『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/07(木) 20:52:12
>>818

?『有難うっ! 話が早くて助かるよ。
……よし! それじゃあ早速だけど僕が他の僕や違う相手が
応じてくれた情報を統合したものを君にあげるよ!』

謎の黒電話なスタンドの本体である主は、早口で礼を告げつつ
貴方に対し回答を繰り出す。

?『僕のスタンドは簡潔に告げると、君と少し違う道筋を辿った
場所の世界。そう大きく異なった結果では無いから、君が欲しい
奴等を倒す解決策は僕にもわからない!

けど、推測なら出来る!
 まず、奴等の本体を倒すか能力の消滅。
【これは不可能に近い】と考えて良い!
 他の僕達で、そのアハガル山地へ向かうといった僕とは既に
繋がらないから、その世界は失敗してる……!

 最有力は【能力の中和及び無効化を見出す】事!

奴等の笑顔、笑い声、同調。それによる侵攻を喰いとめるんだ!
 あの怪物達について追加で僕や僕達が知ってる事だけど。
【奴等は感情が無い】! 吸収し傀儡となった奴等には生前の
視覚的な情報は残っていても、感情に基づいたものは残ってない!
それと、【逆位相】に、…く事がきっと鍵だ!
 君がくれた情報、凄く価値があった! 何とかこっちも頑張る!

――それと、気を付けて。その電話の場所に僕が居なくて電話のみ
残ってると言う事は。僕は消えてる可能性が高い。
 多分 もう    奴等になって――ザザ』


 
ヤジ「……ありゃ何だ!!!!??」

 電話が途切れかける、そして出入口を見張ってるヤジが
緊張を伴った、こちらまで聞こえる叫び声を放った。

外で何かが起きたか、起きようとしている。

820黒羽 灯世『インク』:2020/05/08(金) 14:34:22
>>819

アハガル山地への『決死行』は意味がない。
それが『はっきりした』のは大きい事だ。

「『中和』による食い止め……『逆位相』……」

逆位相。

『難しい言葉』だと黒羽は考える。
成田がそれを使ったのは『音』についてだ。
逆位相の音をぶつけると、『消音』が起きる。
だから『笑いの逆位相』を想定していた。

しかし……『敵には感情が無い』以上、
それは『感情の逆』ではないのだろう。
『なんの逆位相なのか』……それが分からない。

「あなたの話も役に立ったわ。……気を付けて」

いずれにせよ。

「……!! 『何か』来ているの!?」

『インク』で文字を書く――――『モノディが殴った(>>447)』

連打とは分解すれば『無数の一撃』。
一撃単位で『再現』すれば、大量の『手札』になる。

821『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/08(金) 23:30:31
>>820

?『ザザ ……僕の世界では 『遠州灘』   ザザ 『天文台』……』

      プツッ

謎の黒電話のスタンド使いとの通話はそこで途切れる。どのような示唆で
その地名と場所を告げたか考える間もなく、ヤジの危機感溢れる声に反応して
出入口に向かうと、彼の声に同様に駆けて手の届く範囲で黒い鋼のスタンドを
背負うハガネは不良青年と同じ少し向こうの上空を睨みつけていた。

アリゼ「おいっ、何だってんだよ坊主にハガネ……も」

倉庫より出た中で彼女は開口一番に尋ねたが、その方向を見れば
回答は不要だった。

 ――『鳥』だ。

カラス それにトンビなど、だろうか? 細かい種類について
今は問題でない、重要なのはその数だ……『万は優に超えている』  

それは黒い影の塊で、大河の如く空をうねっている。数万の塊の
空を横切る異常な鳥の大群はどう考えても自然では起こり得ない現象であり……。

ヤジ「き……聞こえる あの『笑い声』が」

アリゼ「……嘘だろ。人間にしか引き起こさない能力なんじゃ」

ハガネ「…………俺にも聞こえる」

小林「……私もです」

驚愕、慄きを大小あれど含めた声で四人は空を泳ぐ鳥獣の『奴等』を見て呟く。
 黒羽は『聞こえてない』が、彼等には聞こえてるようだ。

そして、一番問題なのが……『その群れは着実にこちらへ接近している』事だ。
未だソレは遠方を飛行しているものの見続けてる最中にも像は肥大化している。

 ――キキィ。
上空の危機を、ヤジと同時に察知した芦田は迅速に車に乗り込み貴方達の
いる場所に停車させて窓を少しだけ開き、声をかける。

芦田「おっしゃあ、とりあえず逃げるかよ」

ヤジ「いや、車じゃあ無理だ……! 相手は鳥なんだぜ!?
キャンピングカーじゃ、どうやったって追いついちまう!
 つうか、ありゃあ完全に街の非感染者纏めて同化させようって魂胆だぜ!」

小林「此処は倉庫街……隠れられる場所は多いですが、アレの
声を完全に塞げるような都合の良い部屋を今から見つけるのは
流石に難しい……この倉庫に逃げても、壁は幾らか老朽して
どうやっても外からの音は聞こえる」

ハガネ「……あの質量では、俺の能力では迎撃は難しいな」

アリゼ「っそうだ! ピンク・クリーム69なら、密封した空間にして
疑似的に無響室みたいに出来るかも……っ
 あぁっ……でも、今の質量じゃ私を含めて二人ぐらいしか入れられない!
今から栄養を摂取させて大きくさせようたって時間が……!」

全員が口々に、上空から迫る逃れられないスタンドの攻撃に対応しようと
口にするものの良い案が浮かばない。

 ……どうする?

822黒羽 灯世『インク』:2020/05/09(土) 20:00:53
>>821

「『遠州灘』…………見た記憶がある。
 成田君の経験した『事実』の中に…………!」

「……!? 『鳥』!? 哺乳類ですらないじゃない!」

その意味を知るには、ここを切り抜けねばならない。
鳥の大群。あまりにも『想定外』だ。
これでは『船』でさえ避難場所どころか棺桶だろう。

「『インク』で『爆弾』なら出せるはず……だけど、
 指向性のある地雷じゃあの数には対応出来ない。
 『栄養』の塊みたいな『コーラ』も出せるけど、
 飲ませる時間が足りないって事の解決にはならない。
 …………『一か八か』の策が、あるとすれば」

『インク』は元々『人型スタンド』を再現出来る。
スタンド能力は再現出来ないのが欠点だったが、
先ほど明らかにスタンド由来の『コーラ』を出せた。

ならば。

「『逆位相』……成田君の力を借りれば……『あるいは』」

『スマイリー・スマイル』の足を、唯一止められた力。
つまり、『モノディ・レクイエム』の『咆哮』もまた、
再現出来る可能性は、十分にあるのではないだろうか?

「時間を稼げるかもしれないわ。可能性は高くない賭けだけどね」

書く文字は『モノディは、成田君は叫んだ』……『出来るだろうか』?

823『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/09(土) 22:37:06
>>822

 シャッ   シャシャッ!

本来ならば、『レクイエム』の状態のスタンドを発現する事など
まず間違いなく不可能だ。そう、本来の貴方の力ならば。

だが……高次元の域へと矢を使用し足を踏み入れている黒羽ならば……。

――モノディ  成田君

      キイイイイィ

 『……ぁ? えっ オレ……』


――『成田』が、あの時のベリルと心象風景の中の時と同様
インクによって象られたような形ながらも確かに意思を伴った
成田 静也が傍へ降り立った。
 周囲の小さな驚きを他所に、本人は少し困惑した様子だ。
確か爆発に巻き込まれて……と言った感じで。彼には少なからず
意思があり、死亡するまでの記憶が残っているような状態のようだ。

 成田『黒羽さん? ……っ! あの鳥達の笑い声は……。
つまり、そう言う事なんですね……』 ズンッッ

インクで描かれた成田はスタンドを発現させる。険しい目で
高速で空を舞って接近する空を制する奴等となった鳥獣を睨む。

既に1km圏内を空の大群達は迫ってきている……。
 記録が正しければ、レクイエム・モノディはその逆位相の
音波で毒となる笑い声を相殺は可能な筈だが……。

――一つ貴方の心の中に疑問が生じた。
『相殺した後に……どう奴等(鳥達)は動くだろう?』

(※799で告げてた『レクイエム・インク』の伏せていた能力。
貴方が邂逅した中の人物であれば、その名をインクに記載すれば
生死の有無、スマイリー・スマイルの捕食など関わらず発現可能。
 ただし、記録の中での性格など投影されるので。ケープのような
自我が無い存在などは命令をきかず無差別に暴走する状態で再現
される危険性がある。またレクイエム状態の為、本体である黒羽が
気絶・死亡するか。発現した生物が行動継続不能になる程のダメージを
負わない限り、任意で解除しない限りは自動で解除されない)

824黒羽 灯世『インク』:2020/05/10(日) 20:07:58
>>823

「!? これ、は………………これが、『レクイエム』」

「『死者』を働かせる『鎮魂歌』だなんて……『上等』な皮肉ね」

これは。そうだ。成田本人ではない。
その事は何となく察せられた。
彼は己の『主観』の中の仲間でしかない。
『記者』としては、失格の能力だろう。
だが……黒羽自身には自嘲の色を帯びた納得がある。

「私の心から蘇った貴方に『指示』はいるのかしら。
 いるのなら……お願いするわ、『あれら』を止めて」

納得を超えなければならないとも思う。
だがそれは、『全てが終わってから』で良い。

(……問題は。問題は『その先』にある。
 成田君の攻撃は『足止め』にはなるけどそれだけ。
 世界の鳥類を絶滅させられるとは、とても思えない。
 そもそも、笑いを止めても『鳥自体はどうなるの?』)

少なくとも……『ここにいる数万』は、何とかせねば。
そのためには『殲滅』か、『中和』が必要なのだろう。
中和……言うは易し。だが、『道筋』が未だ見えない。

(…………『斑鳩さん』の力を借りる?
 彼のスタンドの鎖は広範囲を薙ぎ払うことも出来る。
 でも、それでも足りない。『万単位』……)

「…………今から成田君が音波で笑いを相殺する!
 『笑いが効かない』と見たら『襲ってくる』可能性が高い……
 屋外で全方位から攻められるよりは、屋内の方がマシだわ!」

全ての正解をすぐには出せない。
違う結果もあり得る。まず『動く』事にする。
『モノディ』の『レクイエム』で起きる現象を、
戦力に長けるであろうハガネを始め全員に共有しておく。

その上で、可能性としては鳥の『特攻』を想定し、
屋内……あるいは車内に駆け込めるよう、位置関係を確かめておく。
少なくとも、そうなった場合の迎撃に即応出来る手札は思いつかない。
斑鳩やベリルを呼び出し『数』を増やす程度か……それも確実性に欠ける。

825『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/10(日) 23:46:13
>>824

貴方の言葉に対し、力強く応じ『インク』によって召喚された成田は
同色のモノクロなスタンドである彼のモノディを発現し、大きく叫ぶ

咆哮、慟哭とも言ってよい叫び声。迫って来た鳥達の羽ばたき以外に
黒羽の耳には不快な音は拾わぬものの。他の者達の顔付きが未だ
問題ない事から『相殺』は成功したと感じられる。

倉庫へ避難し、十数秒後……予想されていた攻撃が開始された。

 ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴッッッ゛

ヤジ「うぉぉ゛っっ だ、大丈夫か……!?」

小林「多少は老朽化しても、元々は資材を守る倉庫だ。
高速で急降下してくる鳥獣の体当たりとは言え、突き抜ける事は難しいですよ」

ハガネ「……突き抜けられても 迎撃には問題ない」

倉庫の屋根は大きく全体的に陥没がなされた。間違いなく貴方達の肉体を
殺傷する目的での自爆に対する躊躇のない特攻だ。
 然し、元々が只の鳥である事も踏まえ屋根を貫通して威力を保ったまま
貴方達を傷つけられる程のパワーは宿していない。

暫く心休まらない激突音が続いたものの、十数秒してから
インクの成田が呟いた。

成田『オレの耳に、大きく遠ざかっていく羽ばたきが聞こえます。
どうやら、街の中心に去っていったようです』

……どうやら、一先ず危機は去ったようだ。

小林「街へ……となると防御手段のない星見街の住人の殆どは
壊滅されると判断して良い」

ヤジ「黒羽ちゃん、どうするよ?
一刻の猶予もねぇ感じだぜ。そろそろ奴等に対する打開策思いつかねぇと。
 そっちのスタンドで蘇った成田が幾ら、あの化け物共の声を防げるって言う
アドバンテージあってもよ。あいつ等が本気で兵器とか運用してきたら
そっちの伝説の傭兵とかが居てくれてもよぉ……勝ち目は無いんじゃないか?」

貴方達の危機は一先ず回避した。だが、街の命運は絶望的だ。
 
このままでは、奴等の浸食を指くわえ見守るのみだ。

 カチ カチ カチ ――チッ

あの『時計』のほうを何の気なしに視線をやると
『11時54分』に針が動いていた。当然ながら、今の時刻は
午前中ながらも、この時計の表示とは異なっている。

……『黒電話』は、既に消失していた。

826黒羽 灯世『インク』:2020/05/11(月) 22:24:39
>>825

小林の言葉には少なからず心は痛む。
だが、そうだとして、そうするしかなかったのだ。
自分達が死んだとしても結果は同じだった。
町内放送で成田に吼え続けて貰いでもすれば別か?
……意味がない仮定だろう。

「……どうする、って」

(『打開策』……この状況。認めなきゃいけない)

         (『思いつかない』という事を)

ヤジの言葉はいかにも他力本願だが、
スタンド使いではない彼に求めるのは酷だろう。

「電話で聞いた……『遠州灘の天文台』にでも、行ってみる?」

自分にも、『逆位相』の意味が、いくら考えても分からない。
『逆位相』――――『感情の無い』連中に働きかける以上、
それは例えば『感情の乗った声』なんかじゃあないのだろう。
小林の治療についても、そのような経緯は一切なかった。
ただ単に、彼が『自分で壁に頭をぶつけた』というだけだ。
位相も何もあるまい。そして『再現性』があるかも怪しい。
その後の寛解にこそ『経緯』があるのだとすれば、
それは小林自身には分かっても自分には分からない。

・・・『手詰まり』の文字が頭に浮かぶ。『認めたくはない』。

「これは――――――『終末時計』 ってところかしら」

思わず零す。弱みは、見せたくないのだが。
謎めいた時計は、安直に考えればそんな『暗示』を感じた。
無論、そんなものが置かれている意味は無いだろうから、
『時計のずれ』をそう考えてもしまうほど『弱気』になっている、と自覚する。

827『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/11(月) 23:01:07
>>826

>『遠州灘の天文台』にでも、行ってみる?

ヤジ「天文台と遠州灘? ……ちょい待ってくれ。
天文台はH湖近辺だったよな、なぁ?」

小林「えぇ、天文台はH湖の方面です。……電話で、そう言ってたのですか?」

貴方は先程の平行世界の電話の主の言葉を思い出す。
途切れ途切れに『天文台』と『遠州灘』と発していた。切羽詰まった状況で
報せたからには、間違いなくその地名には大切な事柄が秘めてるとは思える。

ヤジ「遠州灘は……つまり、海岸って事だろ?
天文台は、天体観測で何回か足を運んだ事あるが。いま行く程に
重要な場所なのか?」

小林「少なくとも、電話の主は私達よりも情報を多く持っていた。
ならば行くべきでしょう……残された時間は少ないのだから」

ハガネ「……この倉庫街から向かうとすれば。街を突き抜けるか
その遠州灘に近い海沿い。どちらか二つの道から天文台に向かうべきだな」

アリゼ「そんなん、人が余り居ないだろう海沿いを車で走らせるのが当然っしょ」

ハガネ「……既に街が変貌しているのなら、どう奴等が動くかで海沿いであろうと
街中であろうと地獄には変わらないだろう」

遠州灘は、謂わば海岸沿いだが。特徴のある建造物かあるでもないし
何かしら手掛かりを探すのなら『天文台』だろう。
 ただし、今から向かうのであればだ。怪物と化した鳥達の攻撃を受け
ほぼスマイリー・S化した星見町の住民、いや 生物と対峙するのは避けられない。

街を突き抜けるルートも、迂回して向かうルートにするにしても
危険はつき纏う……。

828黒羽 灯世『インク』:2020/05/13(水) 01:25:12
>>827

「……そうね? 言われてみたら『天文台』なんて、湖畔にしか無い。
 でも、遠州灘……『どういうつもり』でその地名を出したのかしら……」

無意味なノイズだった、とは考えない。
あるいは『誤解』を伝えられた、とも。
……可能性はもちろんあるが『最悪の可能性』だ。

「……電話先の人間が、あの状況で『謎掛け』をしたとも思えないわ。
 よほどじゃなきゃ『何かがある』地名だからこそ口に出した、はず。
 あの時電話が切れかけているのは向こうも理解していたんだから、
 最後の最後に滑り込みで伝えたい、その程度の『意味』はあるはず…………」

はず。はず。……はずだ。
なにもかも可能性でしかない。
ヤジの懸念は分かるが『じゃあ何をするのか』だ。
考え続ければ急に全てが分かる段階とも、思えない。

「……町中は確実にもう汚染されてる。私も海岸沿いの方が賢明だとは思うわ」

「敵に読まれてる可能性はあるけど……町中は、読まれようがなかろうが危険だもの」

座して、頭で考えて、或いは遊んで滅びを待つよりはずっと『納得』出来る道だ。
上等であると信じる道を行く。上には、向かい続けなければならない。

829『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/13(水) 19:57:57
>>828

芦田「海岸沿いから、天文台かい? 
おっしゃあ、ウィゴーちゃん。かっ飛ばすぜぇ〜!
なんか襲撃あって車が大破しかけたら、よろちくびー」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトだってぇの。
未曾有の危機が町中、いや世界で蔓延ってんのに何時も通りに
頭可笑しい胆力だけは尊敬してやるわ』

ヤジ「……おっさんはすげぇな そのマイペース振り、尊敬しねぇけどよ。
へ へーくしゅっ!!
……くそっ、ちょいと気が抜きかけたら。まーたくしゃみと鼻水に涙が
出てきたぜ。ジョー、残りの薬いくつあるよ?」

小林「10錠あるかないかですね……」

ヤジ「くっそ、昨日やっぱ買い溜めしとくべきだったな」

不良青年の片割れは、鼻水をティッシュでかみつつ小林から
受け取った薬を一粒、涙を水筒の蓋を受け口に落としながら水と
一緒に飲み込んで車へと乗りこむ。

 ――ブロロロォ……。

車は走らせ始めた。少ししてから水平線が見渡せる海沿いの道沿いを
キャンピングカーは走行する。

ヤジ「……そう言えばよ、クシュン。
星見町には自衛隊の駐屯地とか、あったっけ? ……ないよな」

小林「あるとして、せいぜい銃砲店か警察署ぐらいですよ。
この街で行き成り襲撃されるとして、想定される危険は」

走りつつ、不良一組は想定される これからの危険を空の鳥達は
除外して話し合う。

ヤジ「まぁ、だよな。行き成りミサイルぶっ放されるとかは
心配しなくて良いわけだ。さっきの、化け物鳥達も脅威は脅威だけど
成田が居てくれりゃ、心配はしなくて良いわけだろ?
 最強の傭兵もいてくれる訳だし……」

そう会話する口振りは途中で途絶えられる。窓から見える風景に
異常さが見えていたからだ。

狐 イタチ……野犬などの森に生息しているであろう生物達が
貴方たちの走る道路の横沿いの森林のある周辺から数えるのが億劫な程に
ジッ……とこちらへ視線を向けているようで、動く事なく貴方達の乗る
車に対し体を向けて動かないでいる。

小林「……襲い掛かってはきなさそうですが」

アリゼ「気に入らないね……まるで私達が感染してないのを理解しながら
黙認して素通りしてるようだ」

動物達も感染化しているのは明白……然しながら、彼等も黒羽達の戦力を
理解してる故に、考えなしに特攻を仕掛けようとはしてない。
 ただ、自分達(スマイリー・スマイル)にとっての不純物の動きだけは
捕捉しておこうとしているかのように、車窓から小さくなっていく物陰の
視線は何時までもこちらを追っていた……。


そのまま貴方達を乗せた車は海岸 『遠州灘』の方面に辿り着いた。
時節は寒い時期だからか、人気は幸い殆ど無い。
 沖へ向かう為のものか、小さなモータボートが数台鎮座している……。

アリゼ「なんも無さそうだね、ボートも車から見る限り異常なし。
電話じゃ何かあるって言ってたようだけど、この辺とにかく一通り
何かあるか探してみる?」

幾らか減速して、海岸の周りをゆっくり見渡しているが各々
異常は発見出来なかったようだ……くまなく調査すれば、もしかすれば
別の結果もあり得るかも知れないが。

830黒羽 灯世『インク』:2020/05/15(金) 02:08:22
>>829

ふと、水筒に落ちた『それ』が気になった。

「……『涙』が薬なんていうのは、洒落すぎるかしら」

泣くことにとって、涙は『象徴的』だ。
唯一の治療例である『小林』は、
『感情は関係ない』のだとしても――
むしろ奴等にも存在しない『感情』とは無関係に、
常に泣き続け、文字通り『涙を飲む』ヤジと行動を共にしている。
何も確証はない事だが、『小林の飲料にも混入していておかしくはない』。

(試す甲斐くらいは、あるわね)

          シュッ   ペロ

己の左目を擦り、涙を筆先に付け、
それを経口摂取する。ほんの試しだ。
『自覚出来る作用』は無いかもしれない。

「……『成田君のレクイエム』については、
 すでに共有されていると見ていいんでしょーね。
 上等だわ、襲ってこないならそれはそれで好都合」

遠州灘に到着するまでは、少なくとも安全という事だ。
だからこそ、先に挙げたような『試し』が出来るわけでもある。

「そうね……今の所は、『ゴール』も無い。
 『何かある可能性があるところ』は、『寄り道』じゃなく『目的地』」

「とはいえ、『見てわかる範囲』以上を調べるのは意味が無いでしょうけどね」

見て分からない物は調べても分からないだろう。『見える範囲を探る』くらいは、しておく。

831『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/15(金) 22:54:31
>>830

『涙』……そうだ、確か貴方とヤジに小林。あの裏路地で命からがら
逃走し終えた後、ヤジは嗚咽まじりに薬と水を飲み干し。そして小林も
その水筒を回し飲みしていた……。

それからだったのではないか? 確か、彼(小林)の体調が改善に
至ったのは……。

然し、今のところ貴方は奴等の声は鳥の襲撃の時は聞こえてなかった。
 次の襲撃によっては、今の行動が正解か否かわかるかも知れないが
今の生理的な反応によって摂取した涙は、各段に気分が良くなるような
自覚症状を感じはしなかった……。

芦田「りょ〜うかい。そんじゃー、適当に海岸調べっかー
真夏なら、ウィゴーちゃんと海水浴楽しめんのになぁー
ウィゴーちゃんの水着とか、すげー綺麗なんだろうなー」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトです。
もう、何もその馬鹿馬鹿しい内容についてはコメントしねぇわ』

キキ……ッ。

ハガネ「ボートは調べておこう」

アリゼ「二、三艘しか無いし。あと他に特筆として目立つもん無いし
直ぐに済むよ」

ヤジ「……ちょいと小休止がてら、腹ごなししておくか。天文台に
辿り着いた途端、行き成り四方八方から襲い掛かられても不思議じゃねぇ」

気を張り詰め過ぎても仕方がないとばかりにヤジは軽食、小林も軽く水分
補給を行い。ハガネとアリゼが率先して二人でボートを調べる。
モータボートは大体三名程乗れるボートが三台程度鎮座していた。


芦田「……なぁ、黒羽ちゃん」

休憩がてら、一本煙草に火を点し紫煙を揺らす男性は
何時になくおちゃらけた雰囲気を少なくした声色で、貴方に声をかけた。

芦田「おめーさん、『矢』っての刺したじゃん?
んでさ、今はそいつ。効力失ってんだよな?
 ちょいと、俺達に渡してくれてもいいかい?」

……何か意図があるのか、芦田は貴方から『矢』を貸して欲しいらしい。

832黒羽 灯世『インク』:2020/05/17(日) 01:33:22
>>831

(『自覚症状』が無い以上、『治った自覚』も……か)

今は、考えない。
他の全てと同じだ――――『確証』は無い。
正しかったかどうかわかるのは、その時が来てからだ。

「そうね。その間はここで待っておく。
 ……『休める』時に休むのも、良い事だわ」

「……」

     ス

芦田にだけ見えるように、『矢』を示す。

「『ふざけている』ようではあるけど、
 なんだかんだで『協力』してくれてる」

「『他意』は無いと思うけど……『意図』は、何?」

無理やり奪ってでも使う『確信』があるなら、かまわない。
だが、『説明』を彼が望むのであれば、それを聴く時間はあるだろう。

833『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/18(月) 00:06:01
>>832

芦田「……どうよ? ウィゴーちゃん」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトですって。
そうですね、無理だと思いますよ。効力を取り戻すのは』

芦田「そうかい、まぁ女神も万能じゃねーってか。
いやさ、『矢』の力が失われてんなら。ウィゴーちゃんの能力で
元の力が戻せれるのなら、まだ何かしら出来るかも知れないからよ」

どうやら、彼(芦田)は矢を強奪して何かしら悪用と言うよりは
自身の片割れで使用可能な状態に戻せるか知りたかったようだ。
 ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトに名前の訂正と女神の呼称を
文句と罵りに何時ものふざけた笑みで対応しつつ話を続けた。

芦田「実感なかったけどさ。あの化け物鳥達と あの声を直接目と耳にしてよ。
俺らしくねぇけど……こりゃ、駄目なのかもなぁって思わず納得しかけてなぁ。
でも、黒羽ちゃんは諦めてねぇんだし。ウィゴーちゃんも最後の最後まで希望を
捨てるとは何事だって言ってからさぁ……やれると思える事は全部やるしかねぇんだろうな」

本当、俺らしくねぇんだがと芦田は嘯きつつ煙草を吸い終える前に告げた。

「――あんたの力なら『矢』も呼び起こせるかもな」

……そこで、ハガネとアリゼがボートに異常はなし。海に出る事になれば
問題無く使用出来ると報告して車へと戻った。

 
        ブロロォロロロ……

ヤジ「H湖近くに差し掛かったな……周り一面木々だらけだ。
さっきの山犬なり野生の動物も気にかかるし、より一層気を付けようぜ」

 既に舗装道路でない自然の道路をキャンピングカーは走る度に幾らか
ガタガタと揺れつつ走っている。もう後少しで天文台に辿り着くと言う所だが。

   ――キキィ……!!

アリゼ「うぉ……っ!? なにっ! 敵襲っ!?」

芦田「……いや、こっから先はもう車は使っちゃいけねぇとさ」

……車窓から見ると、多くの木が打ち倒され道を塞いでいる。
遠目だが、木々のバリケートの向こうも、似たりよったりの障害物が垣間見えた。

芦田「ウィゴーちゃん、過去改変でどうにか出来そう?」

『やろうと思えば……しかし、向こうも明らかに塞がれてますし。
一々降りて時間をかけるよりは密集して徒歩で向かうのもありかと』

一応やろうと思えば、障害物を貴方達の力で強引突破して車で
目的地まで辿り着けるだろう。徒歩で向かうにしても……この様子なら
明らかに先で何か待ち伏せがありえそうだが。

834黒羽 灯世『インク』:2020/05/18(月) 01:11:03
>>833

「『矢』――――そうね、出来るかもしれない。
 私の『インク』は、とびきり『上等』だもの」

理屈で言えば『可能』には思えた。
なにせ、『成田』が呼び出せるし、
そのスタンドさえ行使できるのだ。

「……『乱用』する気には、あまりなれないけどね。
 やるなら『誰が使うか』決めて、『使うときに出す』。
 出しっぱなしで持ち歩いて、連中に奪われでもしたら終わりよ」

「でも、選択肢には入れておく。『やれることは全部やる』
 ――――あなた、思っていたより、けっこう『上等』だわ」

―――――『なんでもできる』とさえ、思える。
それが全能感に結びつかないのは、ひとえにそれ以上の『脅威』ゆえだ。

もっとも、最終的には『上』に立つつもりではいる。『折れてはいない』。

「『クレイモア地雷』を出しましょうか。……出せるかしら?
 成田君に、『逆位相』の音で『消音』を頼めればいいんだけど」

「『レクイエム』とはいえ、2つ以上のものを再現できるかは、まだ試してないわね」

なので試そう。『ここでは使わない』としても、今の内に試しておこう。
成田は今も出ているのだと思う(自動解除されないため)が、『クレイモア地雷』(>>483)を出せるか?

835『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/18(月) 21:03:17
>>834


 シュッ ――シャッッ シャッ    キィーンッ……!

『クレイモア地雷』……直視した訳ではなかったが、貴方や貴方の仲間が
あわや体中蜂の巣より酷い事になりかけた指向性の地雷。
問題無く発現された。ただ、感覚的に半自立と言う感じで貴方に付きそう
成田を除き、指向性の地雷は解除か役目を遂げない限りは次の『再現』は
出来ないような気がした……。

ヤジ「うぉ、おっかねぇの出したな。……この車の近辺に設置して
何か来たら発動させる感じ?」

小林「こちらも、一応持てる限りの武器は携行していきますが。
ソレなら天文台まで辿り着いても明瞭に音が出るし、良い方法とは思いますよ」

芦田「上手く嵌ってくれるかは神頼みだけどな『茶化すな!』 うぇーい
『まったく……とりあえず、車付近の木々ぐらいは撤去しときましょうよ』
そうだねぇ、ウィゴーちゃんの奉公精神にゃあ頭が下がるよ
『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』だっ!」

芦田とスタンドは、ひとまずバリケート化してる木々を撤去しようと近寄る。
その周辺は酷く木々が埋もれ、腐敗した木屑が地面を覆っている。

ハガネ「地雷の知識ならある。設置する場所に悩むなら手伝うぞ」

アリゼ「ピンク・クリーム69。食い溜めだっ こっから先は何か起きても
迅速に対処出来るように一杯食べな」

傭兵は貴方に近寄り、アリゼは車に詰め込んでいた食事をスタンドに摂取させ
何時でも攻防可能な準備をしてる。小林とヤジも車の中で携行する武器を
選別してる最中だ。

836黒羽 灯世『インク』:2020/05/18(月) 21:24:05
>>835

「……これを起爆するか解除しないと、
 別の物とかは『再現』出来ないようね」

一応口に出して言っておく。
味方にも共有しておくべき情報に感じた。

「バリケードの除去に使うつもりだったけど……
 そうね、対人地雷にさせる役割じゃないかしら。
 ハガネさん、『軍事』の知識で張り合う気は無いわ。
 あなたの考える最良のポイントを教えてちょうだい」

流石に、本職に知識でマウントは取れないだろう。
地雷自体詳しくないのだ……いわんや設置の基準をや。

「それと……一応、奇襲だけは気を付けましょう。
 まあ、改めて言うことでも無いとは思うけど」

周囲の木屑には注意を払う。
まだ『虫』までは支配されていないと思いたいが、
毒を持つそれらが飛び出てこないとも、限らないからだ。

837『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/19(火) 19:28:25
>>836

ハガネ「ああ。この地形ならば……」

キャンピングカーの後部にある地面を指し、角度を教える傭兵と
それを見る貴方。傍らにはレクイエムで発現されてる成田も周囲を
見渡しつつ、ぽつりと呟く。

成田『……嫌なぐらい静かだ。生き物の音が殆どしない』

 カツ カツ カツ カツ

成田『まるで、この森そのものが。オレ達を狙って
息を潜めてるような……』


    ズボォォ―――!

芦田「ぁ?」『へっ』


           ―――ゴォォッン――zノッドギャッ゛ッ゛!!

……芦田が、そのバリケートとなる木々の周辺の木屑に足を踏み込んだ
瞬間だった。地面の崩落する音、彼とスタンドが間の抜けた声を上げた束の間
その大人一人とスタンドの姿は地上から消え、そして重く鈍く耳障りな
幾らか柔らかいものが固いものに叩きつけられる音を聴いた。

急変に、顔色を変えて車内の面子も貴方へ指導していたハガネもその
穴へと駆け付ける。見下ろせば、約3,4m程の真下で彼は居た。


芦田「……ァ゛……ゴフッ……ッ゛ こ……りゃ゛……っ」

口から血の泡を吹きつつ、痙攣しつつ胸部から鋭い岩を生やしつつ
彼は仰向けで自分の体に突き刺さっている岩肌を無駄な抵抗と
知らずか知りながらか触れている。その傍らには、DFを受け同じく
痙攣しつつウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトも穴の壁面に
寄りかかるようにして呻いていた。

『……ワナ……ワナ…………気付……け……なかっ』

芦田「う……うぃ……ごー……ちゃん、しゃべ……喋っちゃ……いけ ね」

口を動かすたびに、彼の顔からは血の気が引きチアノーゼが見え始めてる。

ヤジ「っ早く助けねぇと!」

成田『っ! 待ってくれ……聞こえる。無数の何か小さな音が一斉に
森全体で動いている……凄い数だ!!』

  ――もう直ぐこちらへ迫ってくる!!

芦田は、人為か地上に潜む生物によってか作成された落とし穴で
瀕死の負傷を受けた。
 そして、超感覚を担うレクイエムの成田は森全体で彼が罠にかかったのを
受けて一斉に何かがこちらへ向かおうとしている事を感知した……。

838黒羽 灯世『インク』:2020/05/19(火) 20:09:27
>>837

「…………!?!? 『落とし穴』ッ……!!」

          「……………!」

(こ、このサイズ! 明らかに『事前準備』している!
 私たちが来ることを読んでたのは間違いないとして、
 数十分で済む作業とは思えない……『ここに何かある』)

(けど、それより!)

芦田は、『死ぬ』。
それがわかる。

だが…………『分かった』から何もしないのか?
それは『スマイリー・スマイル』に降伏するのと同じだ。
クレイモア地雷を、『任意解除』して消し去る。

「『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』は過去を変えられる。
 …………『そのレクイエムなら』ッ! 間違いなく『今がその時』だわ……!!」

再現するのは、『レクイエムの矢』。
意味があるかどうかを考えている時間など無い。
それを『スタンド側』に、躊躇いなく投げ、突き刺す!

恐るべき大群が迫るより早く、『戦力』を……『仲間』を取り戻す。

839『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/19(火) 22:36:22
>>838

 ――シュンッッ  シャッ シャシャッ――zノッシャァッ!

『クレイモア地雷』解除 そして、貴方がインクで呼び出したのは
黒でほぼ構成されつつも、淀みない輝きが目にされる『矢』だ。
 それを躊躇なく……『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』へ刺す。

    ドシュッッ   パ   ァァア ・ ・ ・ !

幻視かも知れないが、突き刺さると同時に芦田のスタンドが一瞬輝いたようだった。

それと同時に、モノクルのスタンドの胸部にぽっかり空いてた穴は塞がり
光の粒子をスタンド像の周りに舞わせつつウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは
壁に寄りかかり硬直してた状態から浮き上がり、半覚醒といった様子でまじまじと
自分自身も再起不能状態だった部分をまじまじと見る。

『これが…… 矢 の効果……? 
――繋がりが  切れて、る? それでも 動け てる? ……はっ!?』

…………『芦田』は未だ設置されていた自然の鋭い岩に貫かれている。
血の泡を吐き、既に瞳孔は焦点をあっておらず全身に痙攣が周っている。
 その様子を認めると、急ぎ駆け寄りスタンドはその華奢な手を体に伸ばす。
DFが共有されない、そして発言を鵜呑みにすれば そう言う事なのだろう。

『――ッ! 駄目っ 駄目っ! 駄目っ!!
大丈夫、大丈夫だよ……いま、無かった事にするから。私の力で、助けるから!』

 ズギュン……フッ  ズギュンッ……フッッ  ズギュンッッッ――フゥ――

貴方は、必死に何度も愚かしく十数秒すれば死ぬ芦田にフィルムを引き出そうと
試みるも出来ないスタンドの姿を見て無意識に悟る。
 恐らく、あの様子では『過去改変』は無機物のみに適用とされる能力なのだろう。
生物を治療するといった前提で使用出来る能力をスタンドは備えてないのだ。
それを理解してか、してないのか何度も今やレクイエムの影響で自立可能となった
スタンドは元本体へ能力の適用化を無駄に試みている。

ズギュンッ フッ―! ズギュンッッッッ フッッ――!!

『発現してよフィルム……頼むからっ 頼むから発現してよぉおおおおおお!!』

  ……ウィゴー……チャン

絶叫するスタンドに対し、芦田はか細い声で名を唱えた。それに対して反応した
ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトが顔を寄せるとボソボソと芦田はスタンドの
耳付近に最後の力を振り絞ってか顔を寄せて何かを囁いた。

           ……カクン

そして、彼は僅かに自分のスタンドに笑いかけると。そのまま瞳から光をなくし
首の筋肉は解けて重力のままに首は下へと折れ曲がっていった。

840『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/19(火) 22:53:41
>>839

ヤジ「何がだよっ! 何が近づいてくるって!?」

成田『もう直ぐ来る……ッ 30m……20mっ!』

小林「―リヴィング・イン・モーメントッ」

落とし穴周辺で、成田の声に呼応しつつヤジは手製の爆弾。
小林は可燃性の液体水槽を四体程を付近に浮遊させる。
アリゼやハガネも手持ちのスタンドを構え、迎撃態勢へ移った時だった。


 
 ――ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ
ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ
ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ
ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ

それは大量の『鼠』だった。
野鼠やドブ鼠など種類関係なく。その大群は貴方達目掛け洪水よろしく
接近する。対し、貴方達の仲間も案山子ではない。

   ボゴォ――zノッ!!    パリンッ  ボオオオオォ!!

迫る茶や黒の大河に対して爆弾や手製の焼夷液を振りまき
大火の防波堤を即席で結成する。幾らかは、その炎の前に貴方達に
辿り着く前に死に絶えるが、しつこく全身火達磨になりつつも接近してくる
幾つかはハガネのアイアン・セイヴィアー 
アリゼのピンク・クリーム69が薙ぎ払っていくが……終わりが見えない!

ヤジ「くそったれ!! このまんまじゃ、こいつ等の餌食にされるか
笑いの音波吐かれて、お仲間になるかだ! まだならねーのは成田が
いるのをあっちが知ってるからかぁ!?」

アリゼ「ちっ……キリないね! こいつらジワジワと嬲り殺すつもりだっ」

彼等も手持ちの力や武器で果敢に応戦するがジリ貧だ。
 どうにかして、突破口を開かなくてはいけない……!

841黒羽 灯世『インク』:2020/05/20(水) 22:33:33
>>839-840

「……………………………………やるしか、ない」

「それでもやるしかない……『やらない』よりはずっと上」

『レクイエム』は都合の良い『神』ではない。
それは理解している……それでも『するべき』と思った。

芦田は『死んだ』。……『事実』だ。
彼のスタンドの行動、それが無意味なのも『事実』。
それでも、彼女は『そうしなくてはならない』。
死んで消えるべきだったとも考えない。

「『インク』…………まだ、やれるのだわ」

レクイエムの矢は『使った』。
役割を果たしたなら『枠が空く』。

(生きていても死んでいても『筆法』は『再現』する。
 生きていてもなら、『この場にいても』出来るはず。
 筆法は元々、その場で見た事実を再現する技……!)

「…………『最強の傭兵』を、『もう一人』!
 『ゴースト・ストーリーズ』……これで戦況を打開する!」

『ハガネ』――彼を『再現』する。
彼がどういう人間なのかはよく知らないが、『最強の傭兵』だ。

半端な火力を増やすより……現状の『最大火力』を、二倍にする。

842『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/20(水) 23:47:18
>>841

貴方は筆を振り翳し 『ハガネ』と名を描く。

 シャッ――zノッシャッッ……ッ   ヴォオ゛ン゛

全身が黒で構成される寡黙ながらも姿形は今も貴方達に終わりを
与えんと押し寄せる存在に応戦する傭兵の姿が降り立つ。

だが、この瞬間貴方には成田を招来した時と異なる手応えを感じた。
新鮮な再来と言うよりも、普段の用途で使用していたゴースト・ストリーズ
ソレと同様の能力を使用した時のような……。
(※『レクイエム・インク』による記録の中の人物の投影だが、いま現在
一人召喚してる為、更にもう一人の召喚を長時間発現するのは困難。
事前に、能力説明をしてなかった為今レスでは行動を通すが
次レスからは記録の人物の投影に関しては、解除しない限り新たに
人物の投影は出来ないとする)

ハガネ「っ俺か……なら、少し荒業も出来るな……全員下がっていてくれ」

 キィン   ググッ

傭兵の呼びかけで貴方達が引き下がると同時に、その黒い鋼の剣のヴィジョンは
物干し竿か定規のように細く、とても長い形状へと変わる。
 彼は、二の腕に血管を浮き上がらせつつ体を捻り其のヴィジョンに手を添え
大きく大きく振りかぶり……。

 ハガネ「――おおおぉ゛ッッ!!!!」

     ドォォォォ゛ォ゛ッッ゛ ゴォ゛オ゛ッッッ゛ンン゛ッッ!!!!

一瞬残像で、その変化したスタンドを振りぬく姿を視認したと同時に
爆発音のような轟音と共に傭兵の前の地面が浅くも抉れて、スタンドの剣が
走ったと思われる部分に亀裂が走り夥しい小さな死骸が散乱していた。
 それは、反対側に立つレクイエム・インクで投影されたハガネも鏡合わせの
ようにまったく同じ動きをした為、半円形状に貴方達へ押し寄せていた鼠の集団の
半数が死滅した。だが、まだ向こう側では衝撃によって著しく変形した大地を
乗り越えつつ其の集団が蠢いているのが見える。

ヤジ「……は、はは  す、すげぇ! よっしゃあもう一発今のをやれば
あいつ等全滅させられるぜ!」

ハガネ「無理をすれば可能だろうが……見ろ」

 ……ジジッ

傭兵が一瞥した視線の先には、レクイエムで投影された傭兵自身のヴィジョンが
霞んで今にも消失しようとしている。『時間切れ』らしい
 これ以降は、成田を解除しなければ傭兵を呼び出すのは難しいだろう。
更に、敵の動きにも変化が起きている……。

 ゾゾ      ゾゾゾゾ     ゾゾ
   ゾゾゾゾ       ゾゾ

小林「どうやら……分散している?」

アリゼ「今のハガネの攻撃で、一塊で馬鹿見たいに突っ込むのは
自殺行為って気づいたんだろうさ。ちっ! 学習能力は高いらしい」

ヤジ「だけどチャンスでもあるんじゃねぇか?
今なら無暗やらたに攻撃して来ないから天文台へも行けるだろうし」

このまま目前のリスクを潰す為に、無軌道で遠目に見える鼠を潰すか。
それとも無視して天文台へ向かうかは貴方の判断が決め手となる。

尚、今までの一部始終が終わった所で。芦田の元半自立スタンドは
顔を伏せた様子で落とし穴から上がり、無言で貴方達の近くへ降り立った。

843黒羽 灯世『インク』:2020/05/22(金) 00:14:13
>>842

「『スマイリー・スマイル』は『集合意識』なら、
 ここにいる個体を仮に『全滅』させられても、
 いえ、全世界のネズミを『絶滅』させたとしても、
 天文台を調べている内に『別の生き物』が来る。
 少なくとも、『鳥』はもう掌握されてるのだから」

「――――行きましょう、天文台に」

ネズミを潰す事には『意味』を見出せない。
むしろ一刻も早く目的を果たすべきと考える。

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』には声は掛けない。
――――何を言っても『虚飾』にしかならないだろう。

844『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/22(金) 23:55:06
>>843

ヤジ「鳥の大群、んで今は鼠。
お次は野犬か冬眠中なのを無理やり起こされた熊か……。
まぁ何か出ても、今みてぇなので追っ払えるし。大丈夫だよな?」

小林「楽観視はいけませんよ。それと、芦田さんを罠に陥れたように
また落とし穴があるとも限らない……慎重に。
 ……成田さんを先導に進んで頂くのが得策では?」

アリゼ「まぁ確かに。状況が状況だし、肉盾にするようで申し訳ないけど」

芦田を死に追いやったような罠が道先に突如あっても可笑しくない。
ロストしても、レクイエム・インクなら再度召喚出来るであろう事と
行き成りスマイリー・スマイルの音波攻撃が襲来する事も考えて成田を
先頭に進む事を提案する。彼も異論ないと返答し、その形で進み始めた。

キャンピングカーのあった場所から、天文台まで目測で5、600m。
その半分まで、遮る倒壊した木々をハガネのスタンドで撤去及び
芦田を死なせたのと同様の落とし穴も2,3発見しつつも貴方達は回避出来た。
慎重を期す為、歩みは若干遅いものの半分程の距離まで無事に道なり進んでいる。

ヤジ「落とし穴とか以外だと、拍子抜けな程に何も仕掛けてこない……不気味だぜ」

アリゼ「息つかせずノンストップで延々と攻撃されるよりはマシ
……って言いたかったが」

 また、何か出てきたよ。と嫌そうな顔で彼女は前方の一つの木々を指す。

  ……キッ   キーッ

小林「猿、ですね……何か背負ってる?」

彼はスタンドを浮遊させ、少し先を観察した所。猿は何かリュックのような
ものを背負ってるとの事だ。

成田『あの方角以外からも聞こえる、オレ達を取り囲むように
 ……鳴き声は約40匹程だと思います』

ソレ以外は今のところ生き物の音は聞こえないと彼は報告した……。

      カサカサカサッ! パッ!!

成田『っ! オレ達の歩いてる道の両脇の茂みの直ぐ近くまで
猿達が歩いている音がします』

アリゼ「ケッ! 笑い声が脅威だってのは百も承知だが、肉体まで
変質してないなら、ただの猿さっ。返り討ちにしてやる」

一人、彼女は息巻くが。他の面子でヤジは貴方と最初に奴等に
遭遇した時に撃った水鉄砲らしきものを構えたり、また別の者達は
スタンドを構え警戒をしている。

  ――カサカサ

845黒羽 灯世『インク』:2020/05/24(日) 03:38:52
>>844

「リュック……………あるとすれば、『武器』?
 人間用の武器を動物に使わせるなら、 
 サルほど適任はいない、でしょうけど」

(――――『ネズミの大群』を対処された後よ?
 ただのサルなんて、こちらの攻撃傾向からして、
 的が大きいし数は少ない……有効と思えない)

「…………」

             スッ

『インク』により、『水鉄砲』を再現して自分も持つ。
分かりやすく使いやすく、そして『強い』武器だからだ。
単発の弾丸しか撃てない『実銃』以上だろう。

(……『音』の対策をしていない? 『なぜ?』

  ……『諦めて人海戦術』……削るなら、アリか。

   ……『音』……私たちは判断を音に頼っている?)

        バッ


『上』を見る。
『茂み』を警戒するなら『下』と『横』は皆が見ているはず。

『樹上』――――は樹が無いとしても、『上空』はあり得るだろう。
敵には鳥がいる。飛行機も恐らくある。『何でもあり得る』なら全方位警戒がいる。

846『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/24(日) 22:06:52
>>845

シャッ――キィン!

貴方は『水鉄砲』を発現する。ヤジは捕捉として説明を早口で行う

「そいつは、アリーナ製の特注品さ! 5〜6m位なら、大の男が
ふらつく程度の威力の水弾丸が出るし。肉薄してりゃ、前見た事あると
思うけど、力士の渾身の掌底をぶち当てられた程度にゃあ威力があると
考えていいぜ!」

彼が言うには、残弾は水がある限りと言う制限付きだが。幾らか連射も効き
威力は実銃よりは劣るものの相手の動きを牽制する程度のダメージは期待
出来ると言う。猿にどの程度効くかは未知数だが……


 バッ!!  キキィ――ッ!!

そうこうしている内に猿達は躍り出てきた。
 貴方の認識される中では、3匹程度が獣並みの速度で迫る(スB)

そして、片方の手に握ってるのは鉄串? のようなものだ。先端に部分は
何か布で包まれてるようだが、先は尖っているし直撃すれば痛いのは間違いない。
指に挟みつつ、貴方に向け突進する……。

(※要約すれば、何かしら武器をもった猿三匹に対処せよ。
NPC一人程度なら、声掛けすれば自分に対処してくれるし。成田も
ほぼ間違いなく貴方の盾になってくれる)

847黒羽 灯世『インク』:2020/05/25(月) 14:13:38
>>846(GM・質問)
質問です。

> 貴方の認識される中では、3匹程度が獣並みの速度で迫る(スB)

・三匹の猿との距離は?

・三匹の猿が黒羽に向かってきているようだが、黒羽以外に向かって来る別の猿はいる?

・一応の確認だが、『上方向』には現時点で何ら異常はなかった?

848『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/25(月) 20:09:03
>>847

・三匹の猿との距離は?
5〜6m

・黒羽以外に向かって来る別の猿はいる?
凡そ40匹の猿の内、黒羽に向かって突撃しているのは三匹のみ。
他の残りは仲間達目掛け襲い掛かってきている。

・『上方向』には現時点で何ら異常はなかった?
異常はない。

849黒羽 灯世『インク』:2020/05/25(月) 23:02:22
>>846

「頼もしいわね……何より『扱いやすい』のが良い」

これが効かないなら他の武器も効くまい。
より正確に言うのであれば、
効く武器は他を巻き込むことになるだろう。

(速い……至近からの弾丸を回避は出来ないにしても、
 考えなしで撃ち続けるだけじゃ『間に合わない』)

「筆術…………『薄雲(うすぐも)』」

水鉄砲とは逆の手に持った『インク』を、振るう時だろう。
後退しながら、筆を何度も何度も何度も細かく振い(スB)続ける。
その間、二度までは途切れて良いが、筆先から墨は出し続けている……
つまり黒羽前方の空間に、極めて入り組んだ一筆書きの『筆跡』を、いくつも刻み込んでいく。
言わずもがな足止めのためだ。綺麗に引いた一本線などでは、猿は容易に飛び越すだろう。
迷わせる、あるいは即断でも迂回を選択させて黒羽までの到達の時間を稼ぎたい。

それは、あくまで足止め……もう片手も休ませない。『水鉄砲』を乱射する。
細かな線を・たくさんにするのは『片手ずつ違う動きをするため』でもある。
集中するのは、どちらかと言えばこちらの手だが……それも深い狙いでは無い。
猿は小さく素早い。動き回る事も考慮し、『今いる一点』を突くのではなく、
猿三匹に『弾幕』を貼って『面制圧』するようなイメージで『連射』して対応する。

850『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/26(火) 23:01:54
>>849

 ――ガァァ゛ァ゛    キィィ゛ィ゛アッッ゛

>筆術…………『薄雲(うすぐも)』

シャァ―――zノアァ シャッ シャッッ シャッ シャッッッ!!

笑い声でない、獣特有の声と共に猿三匹は貴方に対し飛び掛かろうと試みた。
 そして、その対処としての行動は『最適解』だ。

『インク』による高速で筆を振り空中に留めた即席の防壁。
レクイエムの効果もあってか、ガラス強度だった筆の軌跡も少し厚みをもっており
破壊を試み突進した猿の内の一匹は、ガンッと言う鈍い音と共に唸りながら後退し
貴方の水鉄砲によって悲鳴を上げつつ後退する。

  パシュッ‼ パシュッパシュッパシュッパシュッ……!!

『キィィゥゥウ゛』

猿達は、その鉄串? のようなものを投擲しようとする素振りもあったが
貴方の作成した防壁とアリーナ製の水鉄砲乱射により、それも叶わない。

完全に硬直し貴方の水鉄砲の勢いが少し弱まり、どうやら残量が切れかけたと
思えた瞬間。猿達の頭は一斉に突如消し飛んだ。

 見回せば、既に他の敵を討伐し終えたハガネが貴方の横に立って
少しだけ血を滴らせるアイアン・セイヴィアーの形を長方形から何時もの形に
戻す様子を見せていた。

ハガネ「……他は怪我は?」

ヤジ「お、俺は問題ない」

小林「私は少し手に彼等の武器が当たりましたが、問題はないですよ」

アリゼ「私もちょっと太腿を掠ったぐらい。さっさと天文台で
こいつ等の能力を解除出来るもん探そう」

成田『オレも、問題ないです。……バックの中一応確認します?』

『……やめておきましょう。こいつ等の事だから、開けた途端に
何かしら仕込んでたものが発動するかも知れません』

ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは、未だショックは引き摺っている
様子ながら、しっかりした声でそう成田の言葉に助言する。そして貴方に振り向く。

『……私は大丈夫です。バックをこの生物達が背負ってたと言う事は、それを
用意した者達もいると言う事。何処に潜伏してるか知りませんが
立ち止まってる暇はありません。先を急ぎましょう』

そう促す。……天文台はもう後一歩で到着する距離だ。

(※何かしたい行動がなければ、そのまま次のロールで天文台へ
到着する描写へ移したいと思う)

851黒羽 灯世『インク』:2020/05/27(水) 01:59:12
>>850

「……助かったわ、ハガネさん」

「そうね、リュックについては触れなくていいと思う。
 『こっちが得するもの』が、入ってるとも思えない。
 もし、仮に、それに何か意味があるにしても、
 『自爆特攻』用の『爆弾』なんかが入ってるリスクが勝つ」

猿たちにそんなものを持たせる理由は無い。
『スマイリー・スマイル』は『道楽』で攻めてくるわけじゃあない。
持たせる道具は全てこちらを『害する』ためのものだろう。

「……『傷を貰った』所は意識しておいた方がいいわね。
 意味もなく、『武器』の先端をわざわざ布で覆うとは思えない。
 突き刺すより意味のある何かが『ある』と考えた方が自然よ」

「なにか、後から危険な症状とか、出てくるかもしれないわ」

『症状』を回復できる存在に当てはある――――が、最終手段だ。
成田を解除せねば『それ』は出せないし、出して解決するとも限らない。

「とりあえずは……行きましょう、天文台へ」

(※特に行動ありません)

852『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/27(水) 22:31:30
>>851

貴方は小林やアリゼの『傷』を懸念しつつも、そのまま天文台へ
行く事に賛同して歩みを進める。

・・・着いた。時間にすれば未だそれほど時間が経ってない筈だが
随分と長く過ごしたように感じつつ凡そ3階建ての天体観測可能な
施設が忽然と佇んでいる。

観測の為に直接上に行ける階段と、他の設備が付属した一階の入り口があり。
どちらの扉も今は閉じられている。

アリゼ「…………さて、ようやく……これで何か手掛かり」


  ……ガ   ㇰ

アリゼ「……ぅ゛」

全員がその場所へ辿り着いた時、アリゼの体調は急変し膝から崩れ落ち
大地に手をつく。その顔面には脂汗が噴き出て、両手足が痙攣している。


 ―ガㇰ

ヤジ「!? おい、ジョーっ」

小林「……っ゛」

見れば、小林も崩れ落ちていた。彼も同じく手足が痺れ、筋肉が麻痺しており
動く事が出来なくなっている。

貴方の脳裏に過るのは……先程猿達の襲撃によって受けた『傷』だ。

853黒羽 灯世『インク』:2020/05/28(木) 00:28:59
>>852

果たして想定より早く、『それ』は表れた。

「…………っ、毒ね。布は『染み込ませるため』」

「ここで……更に二人が脱落するのは痛すぎるわ。
 動ける人たちは周囲を警戒していて。
 私は『治療法』を……『インク』で探してみる。
 すぐ治せるなら、それをしない理由はない……」

…………第一手段。インクで『赤いサソリ』と書く。
自分で見たものでは無い(>>546)が……『知っている』。
アリーナが作り出した、極めて高度な『道具』を。

(問題は、効くかどうか……)

効くとは限らないが、少ない手数ならやる価値はある。
毒を消す手段が手元にあるならば、使う方が合理的だ。

確実な手段ではないが……効かないならそれはそれで『当て』はある。

854『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/28(木) 22:09:09
>>853

貴方は『赤いサソリ』を発現する。
 直ぐ傍にいたのはアリゼだったであろう。周囲の警戒に狼狽えつつも
ヤジは素直に、頼む 治してくれと懇願しつつ辺りを見回し。
ハガネも心配気に一瞥しつつ熟練の戦士ゆえに気配を鋭く変える。

仰向けになり、秒ごとに顔色が段々悪くなる彼女にサソリを突き立てる。

 ズギュンッ

アリゼ「ハッ……ハッ……良く、ちょっとだけ、なっ……ガフッッ!」

一瞬だけ、土気色になりつつある顔に赤味が差し込んだように思えたが
直ぐに赤黒交じりの液体を口から噴出する。

記録の中では、サソリは肉体をドーピングするものだった……小林や
アリゼの回りつつある毒を治せるものでは、無い。

アリゼ「ヒュッ ヒュッ……気に、すんなよ くろ、はね……ヘ
ヘマ したの…私……だからな」

アリゼ「……ハ ガネ……に、もっと色々……新しい事
教えて やり……」


 ……目から光が失った。傍で同じく倒れこんでいた小林も同様である。

『……嗚呼』

ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは天を仰ぎ、小さく神よと唱える。
背を向けるヤジは未だ気づいてる様子はない。ハガネのほうは、ピクリと
肩を震わせた為、悟っているようだ……。

855黒羽 灯世『インク』:2020/05/28(木) 23:59:39
>>854

手を間違えた、のかもしれない。
あの『サボテンの医者』であれば…………
だが彼には『解析』の時間が必要なようでもあった。
無条件でなんでも治せるというわけでもないなら、
発症からこれほど早く死に至る毒には手が及ぶまい。
成田を解除する必要があるのも、著しく危険を感じる。

「…………」

黒羽は立ち上がる。
『やらなくてはならないから』だ。

「天文台へ。…………行きましょう」

言葉のままに動く。探索に過程を飛ばす意味はない。一階へ。

856『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/29(金) 22:30:51
>>855

確かに『サボテン医者』であれば、傷を受けた段階の時に発現すれば
直ぐに二人の命は救われたかも知れない。
 だが、時間は戻らない。それを貴方は承知している。

ヤジ「…………ぁ? おい、ジョー……んだよ、おい。
ジョー、ジョーってば……おい、冗談きついぜ 起きてくれよ……ジョー」

ハガネ「止せ」

ヤジ「っ離してくれよっ! おい、ジョー起きろって!?
お前がこんな所で死ぬような奴じゃないってわかってんだ。
目ぇ覚ましてくれ……おい、頼むから……!」

ヤジは涙を零し続けながら小林を揺さぶっている。ハガネはそれを諫めようと
したが彼は振り払い意味のない行為を続けている。

『…………私は先に調べてますよ』

ハガネ「……俺はこいつを見ていようと思う。
……アリゼも、出来れば土の上でない場所で寝かしてやりたい」

ヤジは動けない。ハガネも、貴方の護衛を仰せつかっているが
流石に今まで連れ添っていた女性の死は応えるらしく、ヤジと既に事切れてる
アリゼのほうに居るほうに決めたようだ。


貴方はそのままウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトと共に
天文台へ入る。その中は幾らか整頓されたオーロラや天体の写真のある
展示室となっている。上の階には天体観測の望遠鏡があるのだろう。

『……特に何もない? いえ、そんな筈はない! なかったら、今までの
行動が全部無意味になってしまう!
 黒羽さん、何か手掛かりはないんですか?
電話の主が伝えようとした事を……どうか!』

元芦田のスタンドは、貴方に必死な様子で問いかける。

此処には何かある筈。だが、『天文台』のワードだけでは何も得られない事も
確かではある。ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトの過去改変もレクイエムの
力は得ているが、それがどの程度 事態を良好へ進ませるかも分からない……。

(※成田は貴方の傍に黙って付き添っている)

857黒羽 灯世『インク』:2020/05/31(日) 02:41:50
>>856

「……ええ、分かったわ」

ハガネらの気持ちは分かる。
連れだった者の死は、簡単には受け止められない。

「私は――――神さまじゃない。『記者』よ。
 まだ何も調べもしないのに、何を答えるというの?」

「『スマイリー・スマイル』でもわかるような、
 つまり……『目立つ』ヒントは残さないはず。
 探すわ。あなたは『壊れてる物』でも探してみて」

まず上の階に行き、望遠鏡を調べる。
それ以外でも、『目立つ』ものがあれば記憶にとどめておく。

858黒羽 灯世『インク』:2020/05/31(日) 16:55:09
>>856

「それと……成田くんはここに残っていて」

天文台内に伏兵がいる可能性はあるが、
外で待機する面々の方が危険性が高いだろう。
成田を残しておくことで、襲撃にはある程度備えておく。

859『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/31(日) 20:25:25
>>857-858

『……そうですね。すみません、私もどうしようもない人でしたけど
本体だった彼を失って知らず知らず気が立っていたようです。
なら、一階を……』

沈んだ声でウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは展示室や備えてるであろう
トイレなどの探索を開始し始めた。

更に『成田』を一階の出入口付近で待機させる事にする。



二階には天体観測用の大型望遠鏡が設置していた。
とても、大きな望遠鏡だ。それが人サイズの大理石らしい石に載せられて
設置されている。

 ……パタパタッ

? ……蝶が、紅色の蝶が望遠鏡の台座に止まっていた。だが、貴方の
接近に気づくと直ぐ、少しだけ開放されていた窓の方向へと飛んで行った。


二階付近をあらかた貴方は探索した。
だが、特筆する程に違和感のあるものは存在しないように思える……。

860黒羽 灯世『インク』:2020/06/01(月) 21:10:02
>>859

成田は『外』の様子が見える位置に待機させている。
ハガネらが『スマイリー・スマイル』に襲われたら、
音波を放って少なくとも『笑い』は無効化出来るだろう。

「…………」

簡単に見て分かる答えがある、とは考えない。
ひとまず、『望遠鏡』を『覗いてみる』事にする。

台座に関しても、細かい作りなどに違和感が無いか見ておこう。

861『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/01(月) 21:53:47
>>860

貴方は天体観測の大型望遠鏡を覗き込もうとする。
 太陽は未だ東の方角に輝いてる為に目が失明するような事態には
至らないものの、その空には特に不思議なものは映りこんでいない。

『台座』には少々違和感があった……『真新しい』


 ――ガシャンッ

成田『――黒羽さんっ! 動物だっ、無数の動物達が此処ら辺一体を
取り囲むように集まっているのが聞こえてくる!』

出入口を閉める音と共に、成田が緊張した声で一階から告げる声。
 下を見れば、ハガネとヤジが出入口を封鎖して入ってきたのが確認とれた。

ヤジ「袋の鼠か、俺達」

ハガネ「突破は出来るだろう。だが、情報の入手が先決だ……」


事態は動いている。『スマイリー・スマイル』も、貴方達が何かしら
浸食に対し大きく障害となるものがあると踏んでるからこそ妨害して
貴方達を抹殺したいからこそ動いている……。

862黒羽 灯世『インク』:2020/06/02(火) 11:03:19
>>861

「『窮鼠猫を噛む』……袋の鼠も結構よ。
 この包囲網は相手の『作戦』じゃあなく、
 あくまで私たちの行動を恐れての『対応』のはず。
 つまり……ここに来たのは、『無意味』ではない。
 この望遠鏡……なぜかしら、『台座だけ新しい』わ」

「天体望遠鏡の『台座だけを交換する』……
 望遠鏡が劣化しない内に台座だけ……なんて、ある?」

台座は動かせるだろうか?
あるいは、引き出しなどはないだろうか?
最悪破壊も視野に入れて、その『手がかり』を調べる。

「それと……これは『無意味かもしれない』から、
 そう思うならしなくてもいいわ……『臨床試験』もしてないしね」

そして……調べながら、ハガネとヤジに語りかける。
それは、『涙』がこの事態を一時的にでも抑えられる薬である事。

「……小林さんが症状を脱した時のことを考えれば、他人の涙が良いのかもしれない。
 とはいえ……あの日記の『泣き虫』が症状を抑えてたなら、自分のでも、問題はないのかしらね」

強要はしない。涙を流すための行動は隙になると言えばそうだし、
今は成田がいる。笑い声による攻撃は、一応抑えることが出来ている。

が、もし……涙が効能を見せるのなら、より攻撃性の高いスタンド使いを呼び出す事も可能だ。
もっとも、症状が『根絶される』とは限らない以上、過信は禁物……そもそも効くかも分からないのだから。

863『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/03(水) 09:26:56
>>862

ヤジ「涙がぁ!? そりゃあ、さっきから俺は涙出まくりだけどよ」

ハガネ「そうなのか?」

貴方の言葉に、言われずとも流し続ける涙を舌でヤジは舐めとり。
ハガネは、僅かに指で目元に触れると。反応の涙を一筋流し口に入れる。

『台座が新しい? なら、私が調べますっ……っあの音が!』

成田『大丈夫。オレが封じ込めますから、その間にでも……っ』


     ガシャン……ッ!!   タタタッッ!

成田『……入って!!?』

突如、一階の窓を突き破り入って来たのは野犬のようだった。
その程度なら成田とモノディでも十分対処出来たであろう。
 だが、咥えてたものがいけなかった。『爆弾』らしきものを咥え
ソレが成田に突撃したのを対処出来なかったのは。奴等の『笑い声』に
意識を彼等が割いてたのも大きな要因の一つだろう。


成田と犬を中心に広がる閃光と赤い光。不幸中の幸いながら二階にいる貴方に
負傷させる程の余波は来なかった。
 爆音が轟く。建物を揺さぶるような振動と共に二階に上がり終えようと
していたウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトが蹈鞴を崩し。
黒煙が漂う中にハガネとヤジは姿を消したが……。
 そこに気を取られる余裕は無い。

『あぁ……あの音が建物中に響き渡っている!』

発症の進行が低かったであろう元芦田のスタンドが呻くように呟く。
 気の所為かも知れないが、精神体であるその輪郭が薄まってるように
見えるのは間違いでないのかも。

貴方も、体が段々低温となり呼吸が乱れていくのが感じ取れた。


『成田』は爆発によって破壊されただろう。レクイエム・インクは
万能であれ、破壊された存在を再発現させる行為は。破壊された瞬間に
直ぐと言うのは難しい。

このままでは、『記録』にも書かれた貴方の仲間達のように奴等との
『同化』が完成してしまう。魂が奴等の元に引き摺り込まれるだろう。

864黒羽 灯世『インク』:2020/06/03(水) 19:34:23
>>863

「っ…………………」

(聞こえない……! 『涙』だけで完治はしない……)

『インク』で「水のコップ」(>>760)と書く。
ヤジの持っていた水を、コップに注いだ状態で再現し、
それを飲むことで改善しないかを試したい。

今、それ以外のことに意識を割くのは間違い無く危険だ。
集中し、速やかに、行動する。分かる範囲で手を打ち続ける。

865『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/03(水) 23:25:58
>>864

貴方は『水の入ったコップ』を具現化する。インクで構成された黒い
コップには並々と水が入り、それを啜る。

……駄目だ。体の中にじわじわと震えが走る 
冷たさが胸の中に広がり、意識が少しずつだが確実に沈みゆく感覚が走っている。

『く・・・ろ・・・はね・・・さん』

ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは精神体故か、足先から幽霊のように
消えかかりつつ、必死な様子で貴方の助けになろうと這いつくばるように近づくが
今の状況では手助けは殆ど期待出来ない。

『こんな……形で、まだ……あの人が言った約束も……果たせず』

口惜しさを含む呟きと、その顔の目元には涙が浮かんでいた。

状況は絶望的だ。そんな貴方の脳裏に走馬灯のように情景が浮かぶ。
学園で覚醒してから、今までの出来事が脳裏に。

ヤジと小林と裏路地から逃げのび、ヤジが泣きながら小林と回し飲みした事。
斑鳩や成田とアリーナに潜伏した事。オペラとの対峙、様々な出来事が浮かぶ。

【お前は『強い』さ……でもな黒羽。たまには弱さを見せたって良いんだ。
強さ、弱さの意味を履き違えるな】

心象風景の中で、ベリルが最後に告げた言葉……。

866黒羽 灯世『インク』:2020/06/05(金) 03:13:31
>>865

「…………っ、………………!!!」

(あ……諦めるのは『停滞』……

  てい……っ……停滞は『落ちる』のと同じ)

浮かぶ記憶の光景。
黒羽灯世の記憶は『ここで終わる』のか?
志半ばで……自分の志だけではない。

(ベリルさん…………あなたは『強さ』を理解してたの?)

(…………、さん……私に教えてくれた『強さ』は…………)

      (『絶対の強さ』じゃない……『相対……)

悔悟か? 無念か? 涙が溢れる。
筆の先につけるまでも、無いだろう。口に流れ込むのは。

筆は、最後まで遊ばせない。
『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』の涙を取る。
穂先に付けたそれをも口に運ぶ。

強さと弱さを履き違えるな。その『意味』は、分かっていなかった。
ベリルが黒羽の考える『強さ』を完全に理解していたかも、今は分からない。

確かなことは……不格好に見えても、黒羽灯世は常に『上』を狙う。行動を止めない。

867『星の女』:2020/06/05(金) 22:40:45


   クルクルクルクル    
            クルクルクル    ……ギィ  

「…………さて」

「この終焉の世界線に降り立った三つの星屑。
二つの内、一つは呑まれ、一つは空へ還った」

「彼女は、その二つの道を辿るのか。或いは……

868『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/05(金) 22:52:00
>>866

まず、貴方(黒羽)は『自身の涙』を摂取した。
 これに対する自分自身の体の変化だが。
『少しだけ、体の震えが収まり活力が戻る感じ』だった。
だが、まだ体の震えは残り 冷感が纏っている。然しながら
貴方が『インク』を振るい、次の行動を成功させる余力を持たせた。

そして、ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトの『涙』だが……。


    ――『アハハハハ!!!!』……

! 『聞こえた』
時間にすれば、恐らくまだ半日程度か その前に聞いた『笑い声』
それが全方位から建物の外からであろう大音量で放たれる音が……!

だが、その音波による影響が持続してる為にだ。また声が途切れる
否 正確には毒が再度こちらを蝕む為に緩和したであろう症状が
再度発生したのだ。

 
『…………」

ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは既に動く気力もない程に
その精神体が欠けている。
 上半身から下半身も透けており、辛うじて口元部分がしっかり
発現出来てるかどうかと言った瀕死体である事がわかる。

   ――ガシャンッッ!!

窓を突き破り、数羽のカラスらしき物体が飛び込む。
貴方達向けて口を開いた状態へ至る。

ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトの涙はもう手に入れられない……ッ。

869黒羽 灯世『インク』:2020/06/07(日) 00:53:27
>>868

間違っていなかった。
『集中攻撃』を受けていないのであれば、
涙を摂取し合う事で『人間』は『負けない』。

――――『感情』の零すそれこそが『特効薬』!

「まだ……『まだ落ちてない』
 ……私が負ける事はないッ」

      「『インク……レクイエム』」

最初に――――『ハガネ』を呼び出す。
カタカナ3文字、体が動けば『再現』は容易。
彼にとっての『烏の迎撃』は、それ以上に容易だろう。

そして。

「この『災害』で……泣いた人間が『尽きる』事なんてない。
 私は『記者』としてそのすべてを、『事実』を……世界に書き刻むッ!」

斑鳩(>>326)は泣いていた。
ソイル(>>660)は泣いていた。

『涙』を『再現』する。それを連続で行い、摂取を続ける。
インクの『筆記』は『高速(スB)』――――『後れを取る』事は考えない。

870『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/07(日) 22:30:57
>>869

――そうだ 『感情の涙』だ。

あの時、奴等『スマイリー・スマイル』から無事逃げた『ヤジ』は
『小林の無事に安堵し、裏路地の知り合いの喪失』を想って泣いた。
 それが回し飲みする水筒へと入っていた。

紅茶を振舞われた時も、落ち着いた中で幾らか過去の回想で
誰かを想った涙は、くしゃみによるものと共に紅茶へ混じっただろう。

 ――『…アハハハハ……ハハハ……ハハハハハ!!!』

涙を口から摂取する度に、断続的に笑い声が耳へ劈くように聞こえ、止まり
聞こえ、止まると繰り返される回復と中和、浸食が交互になされてる証拠だ。
 少なくとも、これにより貴方が短時間で奴等の仲間となる可能性は大幅に減った。

貴方は『真実』を知る。『ハガネ』をインク・レクイエムで呼び出す。

『……外から……西が一番煩い か』 ブゥン!! ガシュッッ゛!!

インクにより呼び出された『ハガネ』は突き破った鳥達を一閃し薙ぎ払う。
 
 カクン……ッ。

『……なるほど この発現された状態でも影響あるのか』

レクイエムで現れたハガネは、貴方と同じ笑いの渦中にいる。
基本的に感情を表に発露しない彼はウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトのように
足先から薄れる。だが、貴方が真実を知った手前 無抵抗に消える事もなく
その目の片方から一筋涙が出ると、それを舐めとり。再び像がしっかりとした
彼はスタンドを担ぎ窓に足をかける。

ハガネ『少し時間が掛かるが……源を殲滅する』 タンッ。

貴方が命令するより早く、彼は地上へと躍り飛び出た。

そのタイミングと同時だったろうが。

  ――ブォンッッ!  ドンッ

「ハッ ハッ ハァ……いてて。あっ く、黒羽ちゃん
ぶ、無事か? 俺の事はいいから、早く手掛かりを」

まだ粉塵が舞う一階から打ち上げられるように、貴方のいる二階の床へ
腰を強かに打ち付けつつ転がりながら出てきたのは『ヤジ』だ。
 随分汚れてるが負傷は少ない様子。どうやら爆発前に近くに居た
ハガネがスタンドで被害を極力抑えてくれたのだろう。そして、この瞬間に
投げ飛ばして貴方のいる場所へと強引に転送させたといったところか。

腰をさすりつつ俯せな状態で、貴方に片手で気にせずしたい事をしてくれと
ジェスチャーしつつ、自衛の為に用意したのであろう腰にしまっていた
改造銃を残る手で掴む。

そうだ、『台座』の『手掛かり』

それを一番調べられるとすれば『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』だ。
 その存在は、今やもう口元部分のみ見える形で完全に沈黙状態で
1,2m程向こうの床に転がっている。今ならば、涙を口にいれてあげる事も可能かも。

871黒羽 灯世『インク』:2020/06/08(月) 23:33:51
>>870

「あなたの事も『よくない』わ――――『後に回す』けれど!
 優先順位を決めるのは『私』……『上に立つ』この私よ」

「『捨てないといけない』なら捨てる。
 でもそうじゃあないなら持っていく。
 『強い記者』っていうのはそういうもの」

               シュッ

自分の涙(>>866)。
ヤジの涙。
ソイルの涙。
斑鳩の涙。

生物ではないそれらはハガネを解除せずに再現可能だ。
『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』に有無を言わさず連続摂取させる。
万一発現出来ない場合も考え、『まだ一度も再現していない』自分のそれを優先する。
むざむざ見殺しにはしない。『絶対にやる』。

「ヤジさん、今ので完全に分かった。
 感情を持たない笑いに対抗できるのは、
 『感情を伴った涙』……それが『特効薬』になる!」

「完治したり笑いの『抗体』が出来たりはしない。
 でも、十分な人数と『物理攻撃』に対抗する戦力さえあれば、
 『持続的に』笑いの影響を免れる事が出来る……!
 なにせ、こんな状況で『泣かずにいられる』人間なんてそうはいないもの」

高らかに宣言する。
ヤジに聞かせるためでもあるし、
『聞いているかもしれない』……あの『オペラ』にも聞かせている。

あの女は『いけすかない』が、『この事実』を知る事に意味はあるだろう。
『エクリプス』残党どもの天下を招く可能性はもちろんゼロでは無いが、
もし仮にこの状況を何かの手段で監視しているなら、どうせ把握されるのは同じ。

「これは間違いなく、この状況を打開する……『収穫』よ! この私のね」

                 『高らかに宣言』……その意味は一つ。これは『マウント』だ。

872『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/09(火) 00:19:31
>>871

貴方は『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』に対し、『インク』により
『感情あるであろう涙』を再現させ流し込む。
 つまり、今の貴方は元芦田の現自立スタンドに対し注視し無防備だ。
もっとも自分自身は誰かの事を想い涙して口に含めば、未だ周囲に鳴り響く
『スマイリー・スマイル』の魂を溶解する音波を防ぐ事は出来る。
インクのハガネも、ソレを殲滅せんと動いてる。

>ヤジさん、今ので完全に分かった。感情を持たない笑いに対抗できるのは、
『感情を伴った涙』……それが『特効薬』になる!

涙を摂取すると、急激に巻き戻すように目の前のスタンドは五体の部分まで
幽体が広がり復元しようと開始をし始めた。ただ、もうあと一歩遅ければ
消滅したであろう状態の為、まだ少しだけ時間掛かりそうだが。

>完治したり笑いの『抗体』が出来たりはしない。
でも、十分な人数と『物理攻撃』に対抗する戦力さえあれば、
『持続的に』笑いの影響を免れる事が出来る……!
なにせ、こんな状況で『泣かずにいられる』人間なんてそうはいないもの
これは間違いなく、この状況を打開する……『収穫』よ! この私の

 敵となる存在は建物周辺には今誰も



     カチッ      ――パァァァッッンッッ゛

……突然、真横から頭にかけて『男性に思いっきり殴打』でもされたような
衝撃、そして濡れる感触。そして遅れて頭部から望遠鏡の台座の硬い石へと
ぶつかる痛みが起きた。『インク』は手に持っている。

何が起きた?? 敵なんて、いない筈……そう、此処にいるのは
瀕死から回復しようとする『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』と……


 コツ カツ コツ……

     「……ハァ 成程    何故同化しないか ようやく理解できた」


   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………ッッッ

 敵……は。

     「つまりは。『お前』だ。『お前』さえ除去すれば済む」

           ――『ヤジ』


(※現在の状況↓

 □□□□□
 □□ヤ□□  ヤ=ヤジだった存在 見た限り水鉄砲以外の武器は所持してない
 □□□□□
 □ウ□□□  ウ=ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト
 □□□□□    涙の摂取で全身の像は確かになったが未だ起きれてない
 □□黒□□
        黒=黒羽 状態は望遠鏡の台座の壁に横たわる形で転倒

873黒羽 灯世『インク』:2020/06/09(火) 00:32:26
>>872
確認。

・ヤジとの距離は何m?

・水鉄砲は何度か使ったため把握できていると考えるが、『弾速』はどの程度?

874『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/09(火) 00:45:02
・ヤジとの距離は何m?
□=約1mです。よって互いに3m程間合いがあります

水鉄砲は何度か使ったため把握できていると考えるが、『弾速』はどの程度?
連射速度に関してはB相当。弾丸の威力と合わせ5〜6mでパスCC
>846でも掻い摘んだ説明をしたが、1〜2mであればCの中でも最大威力の
ダメージを繰り出せると考えて良い。

875黒羽 灯世『インク』:2020/06/09(火) 12:25:47
>>874
回答感謝。

>>872

「っ………………………」

ヤジへの意識を完全に消したわけではなかった……
声をかけてはいた、しかし『油断があった』のだろう。
仕方がない、と考える。気を割ける事には限界がある。

(ヤジさんを……完全に乗っ取った、ということ?
 今までの『スマイリー・スマイル』とは……違う。
 つまり敵にとっても、今は『看過できない』状況……)

今、重要なのは……『連射』が『高速』だとしても、
到達までの速度は『人並み』でしかないということ。
つまり弾丸の到達より早く、この行動は可能だ。
そして『黒羽灯世』は倒れており、『的が小さく』、
狙える箇所というのは限られてくるということ。
つまりこの行動によって、大部分をカバー出来る。

スタンドを維持できている。
意識も掠れているような覚えはない。
ダメージを受けたのは、頭部だけ。

記者は、足で稼ぎ…………………手を動かす。

         シャシャシャシャシャシャシャシャッ

筆を、逆手に持ち、振るう。(スB)
縦。曲線と横線。点に、縦。縦と曲線。複雑な、曲線。
そこまでで『一塊』の筆記を終え、また同じ動きをする。
高速で振るう『鉄並みの強度』を誇る筆と、引く線。
繰り返し、重ねて同じ線を引きまくり、『防壁』とする。

まともに受ければ死ぬかもしれない。だがこれで『一定量は防げる』。
後の先を狙って撃たれてから防ぐのではなく、まず最初に防壁を作り、
頭を打った消耗からの完全な回復……そして『反撃のための布石』を打つのが狙いだ。

876『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/10(水) 22:54:05
>>875

もう、貴方の知る仲間(ヤジ)は居ない。
 そう理解すると同時に走らせた『インク』 
ヤジが無表情で躊躇なく引いた銃の引き金と水弾の発砲はほぼ同時だった。

 シャシャシャシャッ     パシュパシュッパシュッッパシュッッ゛

レクイエム化による強靭となる筆で描く防壁。単純にえして今は頼もしい盾
必死に振るう筆の向こう側で夥しい水の跳ねる音と連続して反響する弾丸が
当たる音が響く。強化された筆の壁は不動に貴方を守る。
 だが、実体化した墨の壁がどこまで保つかは未知数だ。
(※能力詳細には『空中に書いた線や文字』が何時まで発現可能か書かれてないが
レクイエム化も踏まえ一分弱は発現可能と考える)

奴等は乗っとった者達の記憶も保有し得る。前にその情報を貴方は受け継いだ。
 元々一般人だった『ヤジ』は、直接貴方のスタンド像を認識せずとも今までの
共闘で貴方の能力がどう言うものか大凡理解してるだろう。インクで呼び出した
ハガネが帰還するであろう事も考えれば、自ずと短期決戦に繋がる。

  ――タタッ   タン――ッ     ジジジッ

不意に、墨の防壁の向こう側から水音が止んだ。それと共にこちらへ駆ける音と
跳躍音……ともに、何かに火が連続して点いてるような音が……。

877黒羽 灯世『インク』:2020/06/11(木) 00:28:00
>>876

ありとあらゆる行動より『早く』『速い』ものがある。
それは『思考』――――すなわち『能力の発動』だ。

「『筆術』――――『夕霧』」

防壁は『反撃のための布石』。

>・本体が見た『事実』を文章として書くことでその『行動を再現』する能力。
>・最低でも主語述語のあるものでないと文章と認められない。


縦。      『I』

曲線と横線。『f』
点に、縦。  『i』
縦と曲線。  『r』
複雑な曲線。『e』


壁を描きながら『文字を潜ませる』術を、黒羽はそう名付けた。
―――――『日本語でなければならない』ルールは無い。


「『筆法・ゴースト・ストーリーズ』。
 筆術(どりょく)で筆法(さいのう)を活かす……私の戦術に『上限』は無い」


『I』 私は。 『Fire』 発砲した。(.>>849
己自身の行った『水鉄砲』の乱射を今、ここに『再現』。
『ヤジ』を目論見の成就より『早く』打ち倒す。

また、自分自身の目の前に現れる『墨の再現体』は、万一の場合最低限の『盾』にもなるだろう。

878『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/11(木) 22:45:10
>>877

 ――タンッ   ジジジッ……。

視界の中には、跳躍しつつ胸元に導火線のついた空き缶などで工作された
簡易爆弾が認識された。生前に彼が工作し、此処までの道程でも鼠の大群
などで撃退に使用していたであろう威力は中々のものだった彼の切り札。

もしも、貴方がいまこの瞬間に認識してから筆術で迎撃を描いたとしても
間に合わなかっただろう。だが、黒羽は『上位』だ。

  パシュッ パシュッ パシュッ!!!

猿達を迎撃した時と同様の乱射、貴方自身の面での制圧連射は
自爆特攻を試みたヤジに対しても同様に進撃の妨害が着実に功を奏した。

 
       ――ド――――zノッゴォオオオッッ゛

連撃の水の弾丸に、苦悶やそれ以外の表情を浮かべる事なく
表情が無の彼だったものは前に爆弾を突き出しつつ着火したそれと共に
自爆した。その余波は貴方の元まで降りかかるも、それは『インク』の
貴方自身がダメージを代わりに引き受ける。

爆発の影響を中心から受けたソレは、焼け焦げになりながら二階の手すりに
激突し、そして頭から一階へと墜落した。見送った限りでは、頭部は黒ずみ
人の形を辛うじて留めていただけだ。這い上がって此処に戻る事は無い。
 周囲からは、未だ笑い声はちらほら聞こえるものの。インクのハガネが
成果を上げてるらしく、徐々に声の勢いが衰えてきていると感じられた。

『……ハ……ハッ、もう、敵は周りには本当に居ません、か?
黒羽さん……貴方は黒羽さんで大丈夫ですよね?
 いえ、馬鹿な事を聞きました……私は、役目を果たします』

ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは回復し、ヨロヨロと流れる涙を
含みつつ台座からフィルムを引き出す。

『――此処』  ズギュンッ   キ ィ―――ンッ

フィルムを抜き出し、ある部分に指を滑らせたスタンドと共に
台座のある部分が瞬く間に円形の黒い穴が出現した。そしてスタンドが
手を伸ばし、そこから引き抜いたものは何かのメッセージとかでなく
ある種異様な物体だった。


         ――『仮面』

『……この、異様なものは一体? これが、手掛かりなんでしょうか』

更にスタンドが台座の中に隠されてた穴を探るものの、それ以上に何も
隠されていない。あるのは『仮面』のみだ

879黒羽 灯世『インク』:2020/06/11(木) 23:55:25
>>878

「…………あなたも『持っていく』」

聞こえはしないだろう。構わない。自分に言い聞かせただけだ。

「まだ油断はできない……でも『今この瞬間』は大丈夫。
  ……『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』。貴女の力を貸して」

ゆっくりとでも立ち上がる。
万全では無くとも、動けるくらいには回復しているだろうか?
頭を打った、という事実はあまり軽視したくはない。

「……これは……?」

仮面を調べてみる。

「この仮面にも能力を使って……いえ、まずは見てわかる所を調べてから」

既製品か何かだろうか? 『材質』……仕掛けなどが無いかも、探る。

880『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/12(金) 00:20:58
>>879

上体を起こし、立ち上がる。不意の一撃を受けた手前 全く頭が
痛まないと言うわけにはいかないが、少なくとも僅かに頭が痛い事以外に
今のところ変調はない。周りから聞こえる笑い声と言うのを除けば。

貴方はじっくり『仮面』を観察してみる。
 既製品と言うには材質は随分と古めかしく、知識にある範囲のものと
実物の手触りでは噛み合わさらない。貴方の知る限り、この『仮面』は
地球上の物質で構成されてるような気がしない。
 どちらかと言えば、隣で一緒に観察している自立型スタンドのように
スタンドで出来ているとか、未知の物で作られたように感じられる。

『フィルムの引き出しが……力が上がってる私でも出来ない。
これは、只の仮面では無い』

レクイエム化しているウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトでも
その過去を見通す事は難しいようだ。つまり、当たり前だが普通の
仮面でないと言う事だけは確かだ。

『……宜しければ、私がこの仮面を被ります。
何が起きるのか不明なら、私がお役に立ちます』

何か文字を書かれているでもない。だが、その用途を顧みれば
最終的に顔に装着するべきだろうと判断して力強く言い切る。

貴方には二つの選択肢が提示されてる。
自分で被るか。またはスタンドに任せるかだ。

881黒羽 灯世『インク』:2020/06/12(金) 00:26:08
>>880

「……………『仮面』の役目は『被る事』、でしょうけれど」

手に取る。

「『自立型スタンドが被る事を想定した仮面』なんて、
 さすがに回りくどすぎる……恐らくこれは『人間用』」

     「私が被るべきな『可能性』が高い」

そして――――――『自分で被る』。

「……先に一応言っておく。
 私に何かあっても諦めないでね」

仮面を被った事で、何か変調はあるだろうか?
それも『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』に任せづらい理由だ。

『自分のみに起きた事』であれば、余さず把握できる――――『死ななければ』。

882<削除>:<削除>
<削除>

883『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/12(金) 21:55:39
>>881

貴方は『仮面』を被る。ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトの
心配気な眼差しに見守られつつ、視界が狭まり顔にそのマスクは気持ち悪い程
フィットした。口元は遮蔽されてるタイプ故に呼吸はその瞬間出来ない。

それでも普通の仮面ならば外す事は簡単だろう。何か接着の薬品が付いてるとか
頭に固定するような紐なども無いのだから。だが、どう言うわけか貴方には
外そうとする意志が、それを装着した瞬間に忽然と頭から消えていた。

意識が急速に現実から引いていく。この『感覚』は……知っている。

『レクイエム』の矢の時と同じ……また貴方は何処かしら知らない空間に
引き摺り込まれるのを実感した。




……暗闇が世界を覆っている。以前のような心象風景の学校とも違うようだ
此処を一言で表現するとすれば、『宇宙空間』……だろうか?
 辺り一面には星を表現するような塵のように小さな輝きが少なからず見える。

そして、貴方の前に一つの手で掴めるサイズがあるかないか程度の石ころと
同等の小さな輝きが接近すると共に、それは人の形へと移り変わった。

  ――『貴方』だ。それは貴方の姿形をしている。

だが、その姿は少々今の黒羽と異なっている。服装こそ同じだが
若干ながら背が高く、少しだけ歳を経た出たような。まるで未来を
映し出してるかのような貴方だった。

 『……』

その未来なのか不明ながら、少し成長を帯びた黒羽は無言で少々
疲れか、哀愁かは判別つかぬものの微笑を向け。そして『インク』を発現した。

『Abbey road』 そう、筆で走らせてから口開く。

黒羽?『【遠州灘】に辿り着いたら、そのまま止まっているボードで
真っ直ぐ水平線のある場所へ向けて走らせて。
 【エクリプス】が、貴方を迎えてくれるから。
……どうしてかって? あのいけ好かない女も多少は義理堅かったって事』

黒羽?『きっと最初は貴方を受け入れるかどうか難色を示すでしょうけど。
貴方が見聞きした全てと、このインクのワードを告げれば大丈夫。
 ……辛い事実は未来にある。でも、貴方は私だもの』


     ――黒羽灯世は……常に 上を…………


――――――――――――――――――


 ガシャン!!

貴方の意識は覚醒した。黒羽さんっ と元芦田のスタンドは少々
声を裏返す形で大丈夫か!? と暗に秘め声をかける。

体調に異常は無い。ただ、仮面は一人でに貴方の顔から離れ地面に
落下して粉々になったようだ。

もう『仮面』は使えない。だが、仮面の内側の中で貴方は『真実』を聞いた。

海に向かって進め。そして彼等(エクリプス)の元に必要な合言葉は
今の『Abbey road』と言う単語なのだろう。

884黒羽 灯世『インク』:2020/06/13(土) 20:04:40
>>883

「……私が言うなら、正しいんでしょうね?
 それに……その『分かったような顔』!
 貴女が今の私より『下』だったら承知しないわ」

「私は常に、上に行くのだから」

そう溢した時にはもう光景は消えている。
『芦田』の遺したスタンドの問いに頷いて、
外に出るべく『一階』に下ることにする。

言うまでもないが、敵襲には警戒……具体的には、
『ヤジの水鉄砲(>>872)』を再現し、持っておく。

「…………行きましょう『遠州灘』へ。そこで全てを運びましょう。
 着いてきてくれるかしら、『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』」

『Abbey road』……意味はわからない。
だが、意味を分からずとも動くことはできるというのは、
この戦いが始まってから何度となく考えた通りのことだ。

遠州灘までの道のりが『安全』とは言えまいが……今はただ目指す。

885『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/13(土) 22:35:53
>>884

『着いてきてくれるかしら? 何を言ってるのです、黒羽さん。
――嫌と言われようとも、最後まで御供します。
これは貴方に対しての恩義とかの理由でなく、私自身の意思です』

一階へと下る。そこで発見したのはヤジの死骸は勿論だが
ハガネの死体もだ。レクイエムでなく、本物のハガネの死体。
彼は、どうやら自分で胴体をスタンドで貫いたらしい。膝をついた状態で
もしかすれば、また動き出しそうとも思える何時もの寡黙な顔つきで
胸の一点から蛇口を軽く捻った程の勢いの血が彼を中心に血の水たまりを
形成していた。笑いに対し、感情のない涙を摂取しても中和が出来ない事から
彼は対抗手段を見出せず、傀儡になるぐらいなら死を選んだ、と言う事だろう。

『……っ もう少し早ければ……。
ヤジさんを上に飛ばしたのは、早めに同化したが為にハガネさんへ二階にいる
黒羽さんを助ける等の旨を告げたのを鵜呑みにしてしまったんでしょう』

死因と、敵と化したヤジを黒羽の元に強制移動させた理由を推測しつつ
天文台から貴方達は出る。
 笑い声の勢いは、弱まっているか……いや、これは途絶えてる?

『……止んだ? 私も、黒羽さんも感情の涙は摂取してます。
症状の進行とは思えない』

困惑するウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトを他所に。周りを見渡せば
倒壊した木々や陥没して地形が幾分変化した大地が見える。
インクで呼んだハガネが大いに暴れた結果だと見えた。

           『――走れ! 車のほうまで!』

そこで、西の方角からであろう。ハガネの怒声に近く命じる声が轟いた……。

886黒羽 灯世『インク』:2020/06/13(土) 23:12:14
>>885

「貴女も『上等』―――――」

       ザッ

   「…………『走り』ましょう」

本物のハガネの『死』を見届け、
己の創り出した彼の声に従う。

『インク・レクイエム』は『死者のための力ではない』。
『自分のために死者を借り出す』ものだと、改めて思う。
だが、それに何かしらの感情を抱くより先に、足を動かし、『西』へ走る。

887『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/13(土) 23:38:02
>>886

すみません、書き方で語弊がありました。

正確に言うと、レクイエムのハガネが西の方角で戦闘してる辺りから
怒声に近い声で、車のある元来た道まで走れ。と言う形の描写です。

それを受けて、レクイエムのハガネが戦闘する地帯まで向かうか。
此処まで来るのに移動手段としてたキャンピングカーのある場所まで
向かうかのレスは任せます。

888黒羽 灯世『インク』:2020/06/13(土) 23:45:35
>>887
では、キャンピングカーの方まで走ります。

889『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/14(日) 23:15:31
>>888

 ――『ソレ』は『浸食』を惑星の生き物たちに対し粛々と行っていた。
ウイルスのように機械的に、ただただ同化と言うプロセスを全ての対象に
作動させて同化を続けていく。最初は人、それが過半数を超えれば
別の種類の生物、果ては虫 植物……やがては無機物へと。

ただ、その中で一つ問題が生じた。

ソレは『貴方』だった。何の問題もなく浸食を行い変わりない同化の
プロセスが妨げられ、どれだけ試みても成功しない。
 そして、貴方の発言を聞いて『全体』は思った。

       ――コレは『除去』しなくてはいけないものだ、と。


――――――――――――――――――――――――――――


『……ッ! ヘリの音……でしょうか?』

 
   ――ババババババッッ

それは、貴方達のいる天文台より東側。街のある方角から聞こえた。
空を見上げれば、未だ距離は遠いものの幾つかの民間用なのかも知れない
ヘリがこちらへ向けて飛んできている。

 更に両隣の森のほうの茂みからも音が聞こえ、姿を現した生物達が居た。

猪……熊……狐……鹿……山犬。ありとあらゆる森に生息していたであろう
星見町の生き物達が姿を現している。
 本来ならば決して同じ場所に共同しないであろうソレ達は、貴方を視認
するや否や、走り出そうと身を低めている……。

 『――ッ!! 急いでッッ!!』

 キャンピングカーまで 残り『50m』

無数の生き物達、否 無数の生き物で『あった魂亡き残骸達』は
貴方をこの町から決して出す事なく、この世界から肉体を破壊させ
抱えている真実を表に出さないようにしたいのだ。

ハガネは、まだ遠方で戦っている。此処まで戻るのには時間が掛かる……。

890黒羽 灯世『インク』:2020/06/15(月) 00:00:08
>>889

「ここまで来て――――――止めさせはしないッ!」

まず最前提として、走る。『50m』は『10秒未満』で十分に駆け抜けられる。
準備に『筆記』の時間がかかる『インク』をヘタに使うより、走る方が早い。
が、『10秒以内に追いつかれる』という事は十二分にありえる。
茂みから奇襲を受ける事もあるだろう。『無策で走る』のは、死ぬ。
ゆえに、走るだけではなく……『走りを補助するための手段』を用いる。

――――――『捕獲された赤いサソリ』(>>550)。

インクにより『それ』を再現し、即使用する。
『肉体出力のドーピング』を以て、この『苦境』を乗り切る。
反動による肉体の停止は、殺される事による永遠の停止より万倍マシだ。

50mを走りきったなら、即座にキャンピングカーに乗り込み『遠州灘』を目指す。

891『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/15(月) 22:40:19
>>890

  シャシャッッ    ――ズギュンッ!

アリーナにあった『赤いサソリ』 発現と同時にサソリは貴方の腕
絡みつくようにして尾の針を突き刺す。
 少しだけの痛みと共に、体の内側から迸るような熱が広がっていく。
今の貴方は短距離の世界大会に出場しても負けない程の運動能力を肉体に帯びている。

 タタタッ   バンッ!!

『成功』だ。間一髪に近かったが、キャンピングカーに乗り込み扉を閉めた。
少し遅れて、多数の獣達が体重をかけて体当たりを仕掛けて車体が大きく揺らぐが
頑丈な車を一度で大破させるのは難しい。何度も連続して攻撃を行い破壊される前に
『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』が運転席のキーを回しアクセルを踏み抜くと
急発進を行った。それでも構わず攻撃を続けようと獣達の幾つかは纏わりつこうと
必死に車体に爪を突き立てるが。そこは自立スタンドが運転テクニックで振りほどき
『遠州灘』へと目指して走る。
最初に『遠州灘』から天文台に着くまでの時間は約『20分』程度だった。
20分……今は限りなく気が長く感じる時間でもある。

後方を見れば、大多数の獣達が道を犇めくようにして貴方達を追っている。
上空のヘリも、着実とだが距離を狭めているのが視認出来た。


            ド――ゴォォォォ……!!

その時、天文台の方面から爆発音が轟いた。
 音源のほうを見てみれば、段々離れていく天文台近くの森林が
大きく炎上しているのが確認出来た。それと共に、貴方のレクイエムから
何か欠けていくのが実感出来た……。
(※レクイエムのハガネがロスト。これにより、成田とハガネの召喚は不可)

『遠州灘……あのボートが例え、先回りして壊されても私の能力なら問題ありません。
だけど、もし奴等が待ち構えていたら……いえ、弱気になってはいけませんよね』

貴方達は走る。『未来』へ 希望の種火と言う情報を届けなくてはいけない。

892黒羽 灯世『インク』:2020/06/15(月) 22:47:56
>>891

「……待ち伏せは『無い』方が不自然なくらいよ。
 そうでなくても、ヘリコプターには追い付かれる。
 当時の目的地までに最低であと一戦は『あるもの』
 そう考えておいた方が、準備はしやすい……………」

20分。
限りなく『長い』……つまり『準備が出来る』。

「『時間を掛ければ火力を出せる』人が2人いる。
 ボートを壊してもいい、って考えれば……決まりね」

        スラスラ

「…………貴方の『怒り』を、私の力にさせて」

――『斑鳩』を呼び出しておく。

目的地に着くまでに彼に『攻撃』の準備をして貰えば、
到着後の敵はおそらく、『一掃』する事が可能だろう。
また、最悪の場合『ヘリ』への対空火力も彼なら放てる。

それ以外では『手製の爆弾(>>840)』を一つほど、再現しておく。

893『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/15(月) 23:05:33
>>892

斑鳩『ロスト・アイデンティティ』を招来させる事に対して
問題はありませんが。能力に関しては、主に弾丸のような正確無比の
鎖弾は可能として、鎖の爆弾(ボール・ブレイカー)なり
溶解炉程の高温の鎖攻撃(アッシュ・ローズ)などは質疑で不可能と
されたと思うので、攻撃は主に鎖弾や鎖鞭などでの行動で動くと思いますが
それでも宜しいですか?

894黒羽 灯世『インク』:2020/06/15(月) 23:18:07
>>893(回答)
能力が黒羽視点で不明瞭かつリソースが必要らしい『アリゼ』や他のスタンド使いに比べ、
斑鳩PCは数分準備をすれば確実に一定以上の火力を出せる点で優れるため、行動に変更は無いです。

895『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/17(水) 23:21:50
>>894(回答感謝)
>>892(レス遅れ失礼しました)

     スラスラ   キィィ――ンンッ

 『……変な感覚だよね。自分だけど自分じゃないって言う感じ
まるで他人の家で、その衣服を少し拝借して着ているような、そんな風に』

 『――口よりも手、だ』 ジャラジャラ

レクイエムより招来した『斑鳩』 ロスト・アイデンティティを発現すると
共に鎖での投擲攻撃の用意をし始める。

ヘリのパラパラパラ……と言う音は次第に大きくなってる。後もう少し(1レス)
でキャンピングカーに追いついても可笑しくない速度だ。

『私が見た限り、ヘリは四台程こちらへと飛んでいます!
例え爆弾が降り注がれたとしても、合図さえしてくだされば直ぐに
回避しますよ!』

ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトはハンドルを制御しながら告げる。

周囲の木々や茂みの間隔が次第に薄まり、もう少しすれば
星見駅の線路が見える距離だ……。

896黒羽 灯世『インク』:2020/06/18(木) 21:00:16
>>895

「車の中からじゃ取れる手は少ない……運転に期待してるわ」

窓の外は、見ておく。

『空爆』や『機銃掃射』は考えたくないが、
理屈だけで判断出来る敵では無いのは分かっている。

また念のため、ドアはすぐ開けられるようにしておく。

897『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/18(木) 22:18:05
>>896

  ブゥゥゥゥゥ―――ッ

『線路を横切れば、あと十分もすれば遠州灘に到着します!
海に出るまでにヘリも何とか対処すれば奴等の手から逃れ……』

   ウゥゥ……。

星見駅の線路、木々の視界が開け其処まで凡そ200mかそこらで
キャンピングカーの速度が急速に緩まった。
 ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトに変調が起きた訳ではない。
レクイエムの斑鳩も、少し乾いた音色で感想を紡ぐ。

『・・・僕は良悪関係なしにパニックホラーは見てきたけど。
実物のこんな有様を見ると稚拙な感想も言えないね』


 ――線路が『新幹線と大多数の武器を掲げた群衆』で封鎖されてる。
全長400mもある頑丈な車体がレールの上で停車され、そこに
ぎゅうぎゅう詰めであらん限り乗り込んでいたのだろう。もはや
慣れしたんだと言って良い笑顔を浮かべる、数えるのも馬鹿らしい人数が
刃物や鈍器を構えて貴方たちのキャンピングカーを待ち受けている。
 不幸中の幸いは、遠距離で放てる小火器を携えているような自衛官などの
奴等は居ない事だけだろうが。中には警察官の姿も入り混じっている為
拳銃などを携行してる者もいるだろう。
 そもそも、無数にいる集団の波で突撃されれば。幾ら頑丈な車両に乗っていても
このままでは覆いつくされて数の暴力で文字通り圧死されかねない。

 空も問題だ。ヘリ達が密集している、そして今は未だ点ほどにしか
見えないが何かが投下されたようなものが辛うじて視認出来た。

『迂回……出来るでしょうかっ。いや……しなくてはっ!!』

運転するスタンドは必至になってハンドルを回し何処か抜け穴が無いか
探すものの、奴等がそれを許すとも思えない。

発現した爆弾、レクイエムの斑鳩。
ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトと貴方の『インク』

これで何とか奴等の悪夢めいた猛攻撃を切り抜けるなり何なりの
手段を思いつかなければならない……!

898黒羽 灯世『インク』:2020/06/19(金) 23:28:56
>>897

何度目のピンチだろう? もはや『心が動く』ものではない。

まず、一切迷わず爆弾を投げつける(ス精CC)
狙うのは『警官』、かつ一番前に出ている者だ。
即断できないなら狙いやすい位置でいい。投げる。

「斑鳩さん、鉄球を『掃射』してあいつらの『先頭』を崩して!
 全員を殺すのは無理、先頭集団を崩して『足止め』するッ!」

口だけじゃあない、手も動かす。『インク』で――――

爆弾を作り、投げる。
爆弾を作り、投げる。
爆弾を作り、投げる。

滅ぼすつもりの小手調べ。『ただの人の群れ』……いや『笑いの群れ』に、
次々投じられる『爆弾』と『鉄球乱射』を処理できる手があるなら、早期にその手札は『引きずり出す』。

899『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/21(日) 22:47:45

>一切迷わず爆弾を投げつける(ス精CC)

これは助手席の窓を開いてと言う形で宜しいですか?

900黒羽 灯世『インク』:2020/06/22(月) 01:10:49
>>899
その認識で構いません。開けるのはごく僅かにします。

901『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/22(月) 22:44:37
>>900(回答感謝)

>斑鳩さん、鉄球を『掃射』してあいつらの『先頭』を崩して!

「崩す? いや、違うね ――崩すじゃなく 毀(こわ)すんだ」

 ジャッッ   ヴュュ゛ゥゥオォッッ――ッ!!

>手も動かす。『インク』で――――

      ボガンッ  ボガン゛ッ  ボガンッッッ゛!!

レクイエムの斑鳩は扉を半開きにすると、そのロスト・アイデンティティの
鎖弾を斉射させ、迫りくる集団の前線の頭を吹き飛ばし永遠に沈黙させる。

更に、インクによる爆弾の投擲。それによって更に集団の一部が吹き飛ぶが……・。

 タタタタッッッ!!  ガンッガンッ!!

『……ッ このっ……離れろ!!』  キィィ――ドンッ!!

質量が余りにも多すぎる。新幹線に詰め込まれるように乗り込んでいた
何百もの集団を殲滅させるには、鎖弾やインクの爆弾だけでは処理出来ない。
 奴等にとって自分達の命を惜しむような恐怖や忌避は存在しない。
ただただ貴方(黒羽)をこの世界で全て同化させる為の障害として駆除する。
その一念のみで動いている群れは、キャンピングカーに辿り着く矢先に
鈍器を振り翳して攻撃を繰り返す。
 ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトも応戦して車を操縦して
車体に攻撃する者達へと逆に当てる事で幾人かを振り払うが確実に
キャンピングカー自体にダメージが入っている。

『大丈夫ッ……例えタイヤが壊されても私の能力で直ぐに修復出来ます。
このまま、新幹線を迂回して海のほうまで』シュゥゥゥ……ッッ!!

『え? なに、上から……』


     ――ゴシャアアアアンッッ!!!


……車の屋根の方面から、何やら風を切る音が聞こえたと共に
貴方達が何が落ちてくると認識したのと同時にフロントガラスが大きく変形し
そして一つの塊がガラスを突き抜けて嵌ったのを見た。

それは元人間であったであろう肉塊だ。遅れて気づくのは、それが
恐らくヘリから落ちてきたであろう存在だと言う事だ。
 常軌を逸しているのは、随分前から起きてる現象だが。もはや
表現するのも烏滸がましい程に、奴等は貴方を、魂ある生物が自由に
行動しようとするのを何としてでも阻止している。

『……ぅ……ぁ』

「ちっ……考えられる中で最悪なパターンの一つだね」

不幸は連動する。高度何百mからの場所から車体を貫く勢いで振ってきた
人間の塊の激突だ。ガラスは大破し 更に運転していたスタンドはその
衝撃を受けて一時的かも知れないが脳震盪のように体をぐったりさせている。

 ガンガンガンガンッッ!! 

「……僕(俺)を解除して、その伸びてる彼女を発現すれば
車は修復出来る。けれど、そうすると今度はどうやってこの取り囲む
スピルバーグ作品な奴等を駆除するかって言う問題が出てくるけど」

斑鳩は、キャンピングカーの出入口を強固にしつつ貴方に告げる。

状況は絶体絶命だ。ヘリからの人間爆撃が再度起きなくても未だ
100かそれ以上の奴等である集団がキャンピングカーを包囲するように
囲んでおり、各々の武器で外装を無理やりにでも破壊して開こうとしている。

爆弾や、斑鳩の攻撃では焼け石に水だ。だからと行って集団を殲滅させられる
であろうハガネは、もう呼び出すのは難しい……。

902黒羽 灯世『インク』:2020/06/24(水) 23:34:34
>>901

「こんッ……………な、事……で!! まだ諦められないッ」

『手札』は、敵に敵わない。
無限に拡大する能力は、無限のリソースを生む。
人間爆弾をやらかす『発想』まで備えるなら、
やはりこの場に留まるのだけは『死ぬしかない』手だ。
つまり、『戦力を傘増しして防衛優先』は『無い』。

「斑鳩さん……可能性が高い方に『賭ける』わ」

巨大な車体は動く事が『防衛』になる。そちらに賭けるしかない。
再現するのを、『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』に切り替える。
防衛のためには毎回『ドアや窓を開ける』必要があることを考えれば、
今『武器』なりなんなりを再現し、攻撃している余裕はとても無いだろう。

903『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/25(木) 21:15:03
>>902

斑鳩『わかった、それじゃあ また後で』 シュンッ

 シャシャッ―――zノァ キィィィンッッ!!

『……変な感覚ですね。倒れてる自分を見るって言うのも
えぇ、わかってますよ黒羽さん。無駄口を叩く余裕なんてないですものね』 ズギュンッ

レクイエム・インク・斑鳩を解除し。再度招来するのは『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』

モノクルを回し、キャンピングカーから抜き出したフィルムに対し手で弄ると
一つの部分を切り抜くようにした後に挿入する。
 すると、どうだ? 一瞬にして大破したフロントガラスは勿論、著しく変形していた
車のドアに関しても元通りになった!

『これで、再び動かせ……ッ』

      ――ガンッッ!!  ㇷ゚シュゥ――ッ

『……ッると言いたい所でしたが、敵も馬鹿ではありませんね』

キャンピングカーが走行が問題なくなったと同時だった。車外の窓を見れば
鋭利な刃物らしきものを持った幾人かの奴等達が一斉にタイヤを狙い破壊した。

『けど、何故瞬時にタイヤを狙える判断を。
――! そうかっ、私の能力を成田氏や斑鳩氏は理解していた。彼等が同化した時に
その記憶を持ってるならば、どう動くのかを予測して動けてる……!』

絶体絶命のピンチは、幾らか延命が出来たものの好転はしていない。

車は多少持ち直せる状態まで戻ったが、再びタイヤが破壊された。
レクイエムのウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトならば幾度かもしかすれば
破壊された車を何度が元通りの状態に出来るかも知れない。だが、二の舞は見えている。

囲まれてる奴等をどうにかしなければ、車は動かせない……ッ!

904黒羽 灯世『インク』:2020/06/26(金) 11:50:35
>>903(確認)
破壊されたタイヤは『ナイフで刺されて破裂』したと認識して良いでしょうか?

905『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/26(金) 22:30:26
>>904(回答)

正確には鈍器、長物の刃物など持った幾人かによってタイヤをバーストさせた
と言う形。ナイフで刺して破裂したと言う認識でも問題はない

906黒羽 灯世『インク』:2020/06/27(土) 00:48:24
>>905
回答に感謝します。

>>903

「――『ニュース』は力ね、改めて『確信』したわ」

『刃でタイヤがハレツした』。
そう書いて(スB)、爆弾投擲に用いていた隙間から、
車外へ出す……『片腕』で出す。そしてすぐ引っ込め、
即座に『窓』を閉じる。無理なら窓から離れるでも良い。
もっとも、先の『破裂』で車内には被害がなかったため、
『それ』は『遮蔽物』があれば然程の被害は無いのだろう。

「車の『死亡事故』にはもちろん『轢かれた』とか、
 『横転した』『追突した』『転落した』…………
 つまり『運転』が原因となるものが『有名』だけれど」

――――『タイヤの破裂(バースト)』。
それは、ただ空気が抜けるのとは訳が違う。

「タイヤの『破裂事故』も、恐ろしい……年間で10件以上の重軽傷者を出し、
 人を『即死』に至らしめることもままあるそうよ。もちろん『専門家がやっても』……ね」

お手製の爆弾よりも、ずっと洗練された『兵器』――
本物の『手榴弾』に匹敵すると謳われる、殺傷力。
そうでありながら『爆炎』や『破片』の破壊力でなく、
ただ『風圧』により、人間を簡単に殺傷する『大事故』。

それを引き起こしてでも『車を止める』選択は、
彼らの『無知』……『傀儡』ゆえの『強さ』だろう。
もちろん敵は無数、数名の犠牲は問題ないだろうが、
それが『連続』すれば……車の周囲の『駒』は、減るはずだ。

907『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/27(土) 22:11:37
>>906

 シャシャシャッッ・・・ボォンッ ボォンッッ!!

黒羽 灯世は『聡い』 その機転による応用で、現状で有効に至れるであろう
文章)の爆発(タイヤ破裂)を再現させる。

ニュースでも取り上げられる、死傷者も稀に出す事故の再現。予測通り
幾らかの者達を巻き込み、その爆風で動けなくなる奴等も出るが……。

 タタタッガンガンッッ゛!!

『ッ黒羽さん このままじゃあジリ貧です! 過去の改変が出来る程度の間は
出来ますが、敵が多すぎる……多すぎるんです!』

 今の構図は、軍隊アリに包まれんとする丸まったアルマジロと言うところか。

ある程度の者達を払う事は出来る。だが、それを押しのけるように鈍器を
持った集団がタイヤを、外壁に対し息つかぬままに攻撃を連続して行ってる。

レクイエムで招来されたウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは何とか
貴方の攻撃の間を縫って、無事な状態のキャンピングカーを再度動かして
奴等を突破しようと試みるも、動こうとする寸前で攻撃が繰り出されると言う
悪循環が続いてる。敵はフロントガラスで見る中でも未だ人の海を形成してる。

 ヒュゥゥゥ―――!!

『ッまた頭上から音が。伏せてっ 黒羽さん!!』

 また、人間爆弾だ。直撃すれば、キャンピングカーの屋根なり
ガラスに再度大きな損傷を残すのは間違いない。
それに余りに時間を掛け過ぎては、天文台で襲い掛かって来た獣達なり
町から増援が来るのも想像に難くない。

……何か大きな一手が必要だ。この状況を好転するに相応しい大きな一手を。

908黒羽 灯世『インク』:2020/06/29(月) 00:09:58
>>840

伏せていては『間に合わない』だろう。
車に人が落ちてくるだけで『死にはしない』だろうが、
揺れによって頭をぶつける、なんてこともありえる。
伏せても好転はしない。『前進』のため、窓の外へ記事を放つ。

「なら『殲滅力』を上げるしかないわ……
 本当は『エクリプスの舟』での、保険に考えていた。
 これの『残弾』は、そう多くはないんだから」

        シャッ

『ハガネが群れをなぎ払う(>>840)』

                ロスト
レクイエムのハガネは『喪われた』した。
だが、それは『ハガネの行動再現』には関係ない。
これは『普段のゴースト・ストリーズ、ソレと同様の能力』
その事はくしくも、先の失敗(>>842)こそが証明している。
行動再現は、レクイエムの『召喚』とは、関係ない。

もっとも、『ゴースト・ストーリーズ』は一つの事実に一度切り、一発切り。
また、再現に過ぎない以上『味方を巻き込む』危険性も常に存在した。
しかし、もはや出し惜しんでいる場合でも、車の周囲を気にする必要もない。

909『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/29(月) 23:47:50
>>908

貴方(黒羽)は、鼠達を崩御へと導いた『ハガネの薙ぎ払い』を再現させた。
確かに、あの時の破壊力を見れば。この包囲網の奴等を一時的に切り開く要因となれる。
そう……なれる筈だが。

   ――ドォォゴォォォンンンッッッ!!

二つの大きな衝撃音が聞こえた。一つは、窓の向こうから見える貴方が再現させた
ハガネの薙ぎ払いの行動。

そして、もう残るほうは『頭上から屋根を突き抜けた元は人であった肉塊』だ。

ゴースト・ストリーズの再現は忠実な再現。鼠達を殲滅させる時の再現は少なくとも
ハガネは頭上からの攻撃でなく前方から襲来する生物達に向かってスタンドを振るってたであろう。

それ故に、再現のハガネがキャンピングカーの屋根に振り落ちてきた奴等を防ぐ事は出来ない。
貴方は、直撃ことせぬものの。その余波による大きな衝撃を受けて転倒する。
 レクイエムのウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトも蹈鞴を崩して似たような体勢となる。

『くッ……か、改変……改変を。いま車を修理』 ブルルルゥゥ 『……ッく』

窓の向こう側から、大多数の車両が線路に沿って走ってくるのが辛うじて起き上がろうと
体を起こす貴方にも認識出来た。
 今のハガネの再現で、幾らか敵は減った。それでも、未だ敵が走り寄ってくる音が
周囲に響き渡っている。……このままでは、どう見積もっても一分足らずで奴等の群れに
覆いつくされるのが目に見えている。

910黒羽 灯世『インク』:2020/06/30(火) 00:20:24
>>909(確認)
『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』の能力詳細から『切り取り』に時間は掛からないと認識しているが、
伏せていた彼女も黒羽以上に深刻なダメージを受け、現在は『切り取り』が行えない状態……という認識で正しい?

911『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/30(火) 00:53:30
>>910

衝撃により『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』も転倒を受け
『切り取り』を満足に出来る状態でなかったと認識して貰って良い。
次レスからは『切り取り』も可能である。

ダメージに関しては黒羽も『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』も
転倒により幾らか四肢に痛みを覚えるものの、我慢すれば通常の行動は可能。

黒羽のほうに関しては、『サソリ』の影響もある為。常人以上の運動能力は
いまも健在している。

912黒羽 灯世『インク』:2020/06/30(火) 01:49:05
>>911
回答に感謝。

>>909

「そうよ、改変をお願い……っ! 『車』……!」

「やっぱり出し惜しみは出来ないわね」

『ハガネがサルたちを蹴散らした(>>850)』

敵が寄ってくるまでに書いて準備しておく。
今すぐ使っても無駄撃ちになる可能性が高いだろう。
もっとも、窓の外に既に迫る敵がいるなら使っておく。
数匹の猿相手の攻撃だったので、『敵が多すぎ』ても効果は薄いはず。

913『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/06/30(火) 23:00:27
>>912

 ズギュン  ――キィィンッッ

『改変完了、けど また直ぐに奴等に……ぇ? 何もしてこない??』

怒涛の襲撃、ソレに変化が起きた。『奴等の車に対する攻撃が止んだ』
諦めた? そんな筈はない。そして、直ぐにその答えは前方を見れば明らかとなる。

『……ッ』

フロントガラスの向こう側から多くの自動車が走って来ており……。
それと共に、その中に混じっているのは『大型タンクローリ』だ。
中身が空っぽな筈も無いだろう。それが時速120 130……と言う具合に
こちらのキャンピングカー目掛け突っ込もうとしている。

『ば、バック・・・く、黒羽さん、後ろからも……!』

奴等によってキャンピングカーが立ち往生となった時間。そのタイムロスによってだろう
天文台のあった方角、走って来た方角から多くの生き物達が迫っている。
前方は、大型熊なり狼にしがみつくように重火器を背負った人間も入り混じっている。

『逃げ場がありませんっっ! 右側は新幹線による壁! 前方からはタンクローリ!
左側にある森林地帯を抜けようにも、木々で阻まれるし。後ろは後ろで奴等の大群ッ』

このままでは終わる。バックしようにも迫る奴等が襲い掛かれば、質量で遅かれ少なかれ
キャンピングカーが急停止を余儀なくされタンクローリが突撃される。
右や左に逸れて逃げるのも困難、だからといって前方へ走るのは自殺行為に近い。

……希望があるとすれば、タンクローリが突っ込んだとして。その爆発にも耐えうる術を
見つけるか。もしくは、聳え立つ新幹線と言う障害物を乗り越える策であろう。

914黒羽 灯世『インク』:2020/07/01(水) 02:12:58
>>913

「…………!?!?」

タンクローリー。
いつの間に来ていたのだろうか――――
今更『逃げる』には時間が足りない。

「――――――最期まで、『賭ける』しかない」

自身の能力さえ正確な把握は出来ていない状況。
取れる策は全て『賭け』の側面を持つことになる。
まして『他の能力』を当てにするなら、余計にだ。

(タンクローリーの『大爆発』が起こってしまえば、
 この大集団はほぼ間違いなく『私たちもろとも壊滅する』
 逆に言えば、爆発をしのげば『この場は切り抜けられる』)

             (『生き残る事だけ考える』)

「不幸中の幸いか、『肉』はある……『アリゼ』さん、貴女のスタンドに賭ける」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』を一時ひっこめ、
>>791『防御力に優れ』 >>821『2人くらいなら収容できる』防壁を作れる、『アリゼ』を呼び出す。

「これで耐えきれるかは分からない……でも『何もしない』訳にはいかない」

                  「私たちはずっと、『そういう風に』やって来たのだから……ッ」

915『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/07/01(水) 22:06:30
>>914

――ブロォォォォオオオオオォォ゛ォ゛ッッッ゛

タンクローリが猛スピードで突進をキャンピングカー目掛け迫る。
周りにいる人間達、いや『スマイリー・スマイル』の群れは貴方や元芦田のスタンドが
乗車する周囲を動かない。突撃に対し、車から降りて逃げようとすれば瞬時に取り押さえるなり
攻撃を仕掛けて爆発に万が一でも逃れないようにする為だ。

 タンクローリ接触まで、10 9 8 7 6 5 ……。

――――――――――――――――――――――――――

『直ぐ私を消せ。簡潔に言うぞ ――私の能力では無理だ』

シャシャッ――zノシャッ、と招来された『アリゼ』
それは瞬時に状況を見抜くと、貴方に険しい顔で告げた。

『ピンク・クリーム69は確かに防御能力は高い。だが、忘れてないか?
あんた【達】を包み込む事は出来るかも知れんが、私は間に合わない。
私は幾ら傷ついても良い。けど、もう残ってるのはあんたと【気絶してる娘】なんだ』

……そう。此処には貴方(黒羽)と、もう一人 否 一体。
未だ覚醒出来てないが『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』が居る。

アリゼは自身が既に視認であると理解してる。そして、これ以上誰かを犠牲にしてまで
自分と黒羽のみ生かすと言う選択肢は望まないらしい。

『それに、私の能力でも。タンクローリの大爆発となると完全に衝撃を消しきれるか
今からスタンドで栄養吸収し成長させても博打でしかない。
 キャンピングカーも巻き込んで連鎖的に此処ら一帯周囲は火の海になる。
衝撃であんたが気絶しても、私が気絶しても。そうすりゃお陀仏だ。
 だから、もっと【確実な生還】を考えるんだ。
……ハガネも、他の奴等も。あんたを遠くだけど、直ぐ近くで応援してるから』

要約するならば、自分の能力ではタンクローリの自爆攻撃を防ぎ切る自信はない。
自分を解除し、もっと有効な手を編み出せと発破と共にアリゼは言った。

確かに、今すぐにでも迫る火薬庫となった奴等が操作する爆弾車両を
アリゼ一人で貴方と元芦田のスタンドを守り抜けるかは一かバチだ……。

なら……何を呼び出せばいい?

916黒羽 灯世『インク』:2020/07/02(木) 03:46:47
>>615

「…………………………………『そう、それは仕方ない』」

『アリゼ』を解除する。
『感情』は、抑えて来た。

(最前提は『スタンドを知っていて、私の味方であること』
 全能に近い存在でも『私の味方じゃない』なら無意味だし、
 『私の味方』でも、スタンドが『不明瞭』なら意味がない。
 たとえば『オペラ』をここに呼び出したとしても意味がない。
 『協力してくれる』可能性はゼロではないかもしれないし、
 『大爆発から三人を守る能力』という可能性もゼロではない。
 でも……意味がある可能性があるとして、それは『賭け』。
 それなら今すぐアリゼを呼び戻して『守らせる』のと変わらない)

ベリルの死を通り過ぎても。
芦田の命を切り捨てても。
小林とアリゼを救えなくても。
ヤジを殺しても。
ハガネを見殺しにしても。

(考えるのよ……『止める』のは意味がない。
 『斑鳩さん』じゃ守るのは無理、『芦田さん』ももちろん無理。
 『ベリルさん』も身を守るような能力ではないし、
 『ソイル』や『グレイシャー』の能力は『賭け』の範疇を出ない。
 少なくともグレイシャーについては『物理実体』は遮れないし、
 『ソイル』も、瞬時に物体を引き込めるようには思えなかった……)

『死別』は黒羽には『未経験』ではないが、
それでも、何もかも『殺して』ここまで来た。
『窮地なら誰もがそうできると信じていた』。
黒羽灯世は改めて、自分が『上』だと確信した。

「ああ」

――――だから『泣き言』は、言わない事にする。
上位の実力者である自分なら『5秒』で正解を出せる。

「『非常事態』から脱出する手段は、『非常口』に決まってるじゃない」

『非常脱出口(>>706)』と書く。

あの時はまだ、『使えた』。なら再現しても『使える』。
行先は『遠州灘』だ。再現が出来次第、『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』を引っ張り、入る。

917『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/07/03(金) 23:10:20
>>916


 ――キーン コーン カン コーン
    キンコン カーン コーン。

……終鈴の鐘の音。貴方は未だ半覚醒だった。
 此処は……? あぁ、そうだ『清月学園』だ。

辺りを見回すと人気は無く、貴方は一人だけで視聴覚室等の
PCの置いてある椅子に寄りかかっており、その画面上には作業途中の
貴方が作成していた記事が休止画面から移行した中に移っていた。

そう言えば、自分は未だ作業が残ってるからと。部活の他のメンバーが
帰る中で居残り、仕上げの為に残っていたのだ。

夕暮れの色合いが窓から差し込んでいる。そろそろ帰ったほうが良いだろう。

――カサッ。

携行してる学生カバンを提げ直そうとすると『宝くじ』が落ちた。
 以前、大通りで取材などしてた時。誰かしらに、どうせ当たらないからと
押し付けられるように貰ったものだった筈だ。

……後日、貴方は自分自身が『250万』の大金を得た果報な学生と
ローカル記事の一面に載る程の幸運を得る事になる。

だが、望外の喜びと裏腹に。貴方は、ふと

自分自身が、何か大切な成し遂げなくてはいけないものを亡くしたような。
そんな『虚無感』もフッと時々感じるのだった。

黒羽 灯世『インク』⇒『250万』get!
危難BB相当の経験値 get!

918『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/07/03(金) 23:27:20
>>916

シャラシャァ――zノッシャ  キィィ……ンンッ。

『インク』によって描く非常脱出口。アリーナの何者かは不明ながら
一度きり使用可能だった物体。どこでもドアのように便利な代物は
瞬間的に遠州灘へ行くのも遥かに用意だろう。
 発現は問題なく可能だった。後はドアノブに遠州灘と囁き開くだけ。

ガチャッ!! ……見えたのは『何の変哲もないキャンピングカーの内装』

貴方の脳裏に、記憶がフラッシュバックする。
>>714
『恐らく飛ばされてきたであろう[扉]は直ぐ近くにあったものの、そこから奴等が入り込んでくる
ような予感は無い。二人に離れてくれと命じた芦田が、へぇへぇと気のない台詞で下がり開けたドアの
向こうは学生寮の他の者の居室に通ずるだろう廊下が見えた事から、あの[スタンド扉]は三人を
こちらに送ったと同時に閉められた瞬間には、次元を捻じ曲げた出入口としての機能が消えたのだろう』

そうだ、あの『スタンド扉』は学生寮の『扉』とリンクしていた。

遠州灘には……『スタンド扉とリンク出来るような扉』は存在してなかった。
モータボート等は、あるものの。それが扉の備え付けてるようなものか貴方は明確に確認してない。

蒼褪め、別の行き先を唱えようと扉を閉める間にも……。

 ――ブロオオオオオォォォッッッ    ――ガッッッッ゛ッ゛!!!!

背後からの轟音、衝撃により体が宙に浮かぶ感覚。

後は、何が起きたか理解出来なかった。
 吹き飛ぶように、天井に体が打ち付けられる激痛と視界が回る中で最後に
貴方が見たのは、罅割れたフロントガラスから生じる閃光と、タンクローリが盛大に
破壊されされ、燃え盛る爆炎がこちらへと迫る映像のみだった。



黒羽 灯世『インク』 ⇒『死亡』

919『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/07/03(金) 23:37:59
場所:???

 ――ジジジ

?「……盗聴機器が完全に途絶えました」

オペラ「そう、野鼠ちゃん。頑張ったのだけどね
私も、もう少し頑張ったら手助けぐらいしようかと、気紛れを考えたけど」

?「アレ等の能力に関して、組織へと送信しますか?」

オペラ「…………どうしましょうかね。
――いま、この瞬間。私のみが、奴等の命運がどうなるか主導権を握ってる。
これを、海の中を泳ぎ静観する組織や。未だ息を潜め希望を求めてる世界に
居るだろう残る群れに、私が送るだけでも世界の定めが変わっていく……。

野鼠ちゃん。いえ 『黒羽』ちゃん。

聡いつもりの彼女が最後に私を世界の命綱にしようとしたのは。
上位と貫禄の羽織を纏った意地かしら?

……ねぇ ザ・カード・チート」    

 ブォンッ  『何でしょう、今代の主様』

オペラ「賭けましょうか、世界の明日を。貴方の黒太陽タロットで
一枚のみ、捲りましょう。
 それによって、私が希望の種を撒くか、撒かないか」

  
          ――ペラッ


劇の支配人は運命(札)を捲る。星の瞬きに 世界が終わる日に


オペラ「そう、つまり  ――答えは



―――――――――――――――――――――――――


 『星の瞬きに 世界が終わる日に』  完

920『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/07/04(土) 00:13:19

『星(輝ける魂)』を吸いつくし、やがては『惑星』を
『笑い(虚無)』へ変えるスタンド

『スマイリー・スマイル』

破壊力:-  スピード:- 射程距離:E(現在はB)
持続力:∞ 精密動作性:-  成長性:?(測定不能)

本体は、恐らくアルカラ山脈の『堕ちたら天国も地獄にも行けない』裂け目に居る。
死亡後の発動による自動操縦型。同化した順から、その同化した生物の知識を有するが
感情の伴った記憶の認識が出来ない為、肉親など近い関係の非同化の生物には別の
存在であると看破されるリスクもあるが。この能力の場合、それより先に浸食される
メリットがデメリットを完全に上回っている。
能力の発動は、推測となるが裂け目に堕ちた本体が何かしら運命の悪戯により発動した為
このような予測不可能な力を得たが、本体自身も元々人間として何から大切な部分が
欠落していた可能性は非常に高い。
この能力である笑顔と笑い声(※人にはそう見えるだけで、実際は本当の笑顔でも
笑い声でもない、全く別の形のものであると思われる)を『毒』と仮称し
その『毒』の進行のトリガーは模倣〉聞く>見ると言う形で進行速度に差が出る。
また、『毒』は蓄積していき通常のスタンドによる精神や肉体の治癒では解毒不可能。
代わりに、完全な解毒は出来ないものの『感情を伴った涙』の摂取のみ初期状態までの
中和を可能とする。一般人参加も可とした理由は、この解毒方法が大きく含まれる。

作中では、既に世界の半数が『スマイリー・スマイル』により浸食されてる為
本体であるだろう存在を破壊して能力の解除を行う等しての解決は実質不可能。
生存ルートは作中でも仄めかしたように、エクリプスの拠点とする海中を移動する
箱舟と謂われた移動型の能力や、或いはルートによって出た可能性もある
きらきら星の異次元の工場など。浸食を回避出来るセーフティゾーンに逃げる以外に
現時点で方法は無い。その後、PCが獲得した能力を中和する方法が世界に蠢く
『スマイリー・スマイル』の殲滅。または能力を解明し、吸収され狭間に飲み込まれた
魂を解放出来る未来を暗中模索しつつ、今は箱舟で足を休めると言う次第でエンディングとなった。

作中では、魂の捕食による肥大化の成長で霊長類から哺乳類、鳥類にまで支配が及んでいた。
それ以上日数が嵩めば、節足動物や原生生物。果ては植物や無機物にも同化する可能性もあったが
斑鳩・成田 そして黒羽PCの奮闘により、世界の明日の命運は未だ暗雲は大きく膨らんでるものの
完全に闇に閉ざされていると言うわけでも無い……。

921『微睡め輝き 星屑にて』:2020/07/21(火) 00:16:24

星の女「……」 パラッ パラッ

星の女「うん? あはは ようこそいらっしゃいました。
こんばんわ、それとも、おはようございますでしょうか?
あはは まぁ、戯言はさておき」

星の女「少しだけ、お話をしましょう」

星の女「貴方の悩み 貴方の望み 貴方の生き様
何であれ呟きたい事 普段は抑圧している心を……」

(備考※基本的にどのようなミッションをしたいかなど
かっこ内で記入してくれれば良い。また、それと共に
参加したいPCの設定の掘り下げなど希望する場合
星の女と会話すれば、開催するミッションでその設定を
加える可能性もある。ただ単に挨拶だけして 別れて
かっこ内でバトルしたい、推理系をしたいと記すだけでも構わない)

922両角 晶『アモン・デュール』:2020/07/22(水) 21:14:14
>>921
いつも通り眠ったはずだ。眠ったはずだったのだ。

「……なんだ、ここは?」
いつもの『獣の悪夢』にしてはなにかが奇妙だ。

「そこのお嬢さん……ここはどこでしょうか?」
『星の女』に話しかける。

【希望】
バトル希望。とりあえず戦ってみたい。

【キャラ設定】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453644099/100
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/102
※『産まれなかった妹』がいるという設定を掘り下げてもいいし、掘り下げなくてもいい。

【スタンド詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453644099/101-102
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453051228/179
※【『本体』に『血』を通わせ、『戦闘』を行った時】に隠された『秘密』があるようだ。

923『微睡め輝き 星屑にて』:2020/07/22(水) 22:19:07
>>922(ご意見感謝)

その空間は全てが闇。だが、10数メートルの半径にある地面や
佇んでいる髪の毛や瞳が星空のような女は、明瞭に認識出来ると言う
異様さも認識出来る空間だった。貴方を除き存在する、その星のような彩を
宿す女は、一つの椅子に座って机で何か書物を捲ってたが。貴方が声を
かけると顔を上げ、嬉しそうに微笑を浮かべて本を閉じて話し始める。

星の女「あはは ようこそ、おいでなさってくれました」

星の女「此処は『微睡み』 貴方が普段見る悔恨が映し出す心象の欠片なり
ストレスによって脳が見せる無意識の映像とも酷似してるが、掛け離れてる……。
あはは まぁ、此処も只の『夢』ですよ。起きたら 全て忘れ去られる」


星の女「――歓迎しますよ 両角 晶さん。
貴方の経歴なり、進んできた軌跡は……とても関心寄せられるものがある。えぇ」

星の女「もう少し、話すゆとりがあるのでした。私に聞かせてくださいな
今 貴方自身が望む ささやかな事 それ以外でも、なんでもね」

(※バトル希望了承。
期間は出来る限り短期間で終わるほうが望ましい? 
舞台としては星見町の幾らか自身の能力以外でも応用出来る場所
『例:廃工場など何かしら道具が寄せられそうなど』を好むか?
個人でミッションに挑みたいか、複数人でも構わないかなど
細かい部分で要望があれば、それ等の事情も踏まえシナリオを作成いたします)

924両角 晶『アモン・デュール』:2020/07/22(水) 22:54:33
>>923
「……???」

「失礼、お嬢さん。
 僕の名前を知っているということは、どこかでお会いしたことがあるのでしょうか?」

「職業柄、一度会った人は忘れないようにしているのですが……
 正直、貴女のような奇妙な方は初めて見ました。
 僕のささやかな望みはそうですね……貴女の名前をお伺いしても構いませんか?」

(希望は以下になります。
 期間:できれば短期間がよい。長期間でも大丈夫。他の方がいるならそちらに合わせる。
 舞台:できれば廃工場など、能力を使える物品があるとよい。他の方がいるならそちらに合わせる。
 人数:できれば複数がよい。他の方がいないようなら単身でもよい。)

925『微睡め輝き 星屑にて』:2020/07/23(木) 07:59:36
>>924

星の女「私の名ですか? そうですねぇ、以前は星羅と名乗った事もあります
破滅の使者等と、大仰な名を付けられた事もあります。
けど、私にはさして自分の呼称は。戯言の範疇にあたりましてねぇ あはは」

とりあえず、寛いでくださいな。と、貴方に対し謎と奇妙さ そして不気味さも
纏わせつつ。指を鳴らし、柔らかそうなソファーなり
貴方好みのテーブルや、飲み物に食べ物等も望めば出してくれるだろう。

星の女「うん……まぁ『整いました』
もう少し、待ち人達の席を設けても良いのですが。余りに輝きが多すぎても
視点がぶれるのでね。うんっ、何の事ですって?
あはは いえ、こちらの話。少々 未来(さき)の事についての有意義さを
伴った建設的会話、と言う奴ですね。あはは」

星の女「はてさて、私はもう少し貴方が打ち明けたい事があれば付き合いますよ。
その意思も無いのでしたら、ただ私から視界を外し瞼を閉じれば
直ぐに貴方を必要とする世界。現実のほうへ帰れますのでね」

(複数人 短期間 応用出来る舞台への希望 了承。
1〜2人程度のミッション。一人のみでも進行は問題ない形でシナリオは
7月の末頃にでも開催したいと思います。
このまま、こちらで何を応答する事なく黙って去って頂いても構いません。
何かしたい事、聞きたい事などもあれば お付き合いします。
こちらでの記憶については、持ち帰る事が出来ない事だけお願いします)

926両角 晶『アモン・デュール』:2020/07/23(木) 20:45:26
>>925
「星羅さんですか。また夢で逢えたら、よろしくお願いします。」

「僕が打ち明けたいこと……特にはないかな。」

「それでは、おやすみなさい……。」
ただ瞼を閉じて現実へと戻る。

(よろしくお願いします。特にこれ以上したいこともないので、ここで去ります。)

927『微睡め輝き 星屑にて』:2020/11/17(火) 23:05:20
星の女「……ふむっ」 パラッ パラッ

星の女「遊園地などにご招待するのも良いかも知れませんね」

一人の女が星屑が散りばめられたような夜空のみが包み込む空間で
安楽椅子へと腰かけて雑誌を読み耽っている……。

928俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/11/20(金) 21:30:12
>>927

何だここ。


まぁいいヤ。…今この瞬間、俺はこの夜空の下にいる…夢も現も違いやしない…
…むしろ夢の方が好ましいな……目を覚ませば忘却の彼方…
…余計な記憶を背負わずに済むってもんさ…



「…あー…良い夜ですね?」

「そのォ…迷い込んじゃった。…ここ、俺居ていい感じ?」
「メーワクだってんなら…帰るが。帰って寝て忘れる。」

(これ飛び込んでいい感じのヤツですか?)
(違うぜ!って感じだったら申し訳ない。撤退して寝ます。)

929『微睡め輝き 星屑にて』:2020/11/21(土) 00:33:47
>>928

「おぉ! よくぞ、いらっしゃいました」 バタンッ

「一拍お待ちを、どうぞ お寛ぎくださいな」 パチンッ

雑誌を少し勢いつけて閉じた女性は、にこやかに指を鳴らすと共に
座り心地が良さそうなソファーを不思議な空間に出現させ、テーブルにも
貴方好みの飲料水と菓子を皿一杯に盛り付けて促す。

「ちょうど、お暇をしてたんですよ」

「宜しければ私の雑談にでも付き合ってくださいな……そうですね
今、何か差し障りない軽い悩みや、望みなどあれば聞きたいかと」

(参加有難う御座います。次回開始ミッションにて『優先権』を贈呈します)

(また、このかっこ内で戦闘や謎解きなどの希望。その他に何か
やりたい事があれば記入して頂けるとGМとしては有難いです)

930俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/11/21(土) 01:39:16
>>929

「…や、気をつかわせちゃって申し訳ェ…」

 >パチンッ
    ガシャア(金属音)

…うわ…カフェイン入り缶飲料がやたら山盛り出てきた…何で…?趣味悪ぅ…
カフェイン中毒か何かなのかこの人…真夜中に起きてるために頑張ってるのかな…

俺的にはありがたいけど。頂いちゃお。 カシュ


「悩み、望みィ…」
「…まぁ……せっかく貰った『モノ』を…こう、使い切れてる気がしないんだよな…」

   ギシィ…

「例えるなら…舗装された道路を法定速度で転がしてる時…みたいな…宝の持ち腐れ感?」
「サーキットとかの無制限にブッ飛ばせる道とか…夜道、山道、獣道とかの悪路…
 …そういう道でこそ、車の限界が見えて来るワケ…」


「…俺と『モノ』の、そういう悪環境での試運転、まだやってねえなぁ…って。」
「サーキットなんて高望みは言わないケド…砂利道ぬかるみでも見えるモノはあるはず…」

「…なんかそういう、『道』との出会い、ねえかなぁ…って、ぼんやり。」
「…それこそ遊園地にでも行って、ゴーカートとかコーヒーカップにでも乗ってみるかぁ…?」

(プロフィール
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(能力詳細
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(・当方、正直申し上げますと全く不慣れなものでございまして。
 バトル一回ミッション一回のド初心者でごぜえやす。だからこう…サクッとしたミッションだと嬉しいです…)

 (・『振り返ってはいけない小道』とか『ノトーリアスBIG』とか『カツアゲストリート』みたいな…
  道多いな。そういう『謎』に巻き込まれたいです。)
 
 (・いや全く…こう…ミッションへの…『自動車』の持ち込み…って、許されるものなのか?

 …持ち込みがしたいって訳では無いんすよ。そりゃあ活用できるなら活用したいもんだが、
 それってアレじゃん、ジョニィPCが「俺はジョッキーだから日常ミッションでも馬を持ち込むぜー!」
 とか言い出したら嘘だろ承太郎!?ってなるじゃん?いや自分はなる。なってる。
 俺は走り屋だからミッションに車を持ち込むぜー。嘘だろ承太郎。

 別に自分のスタンドって車の存在を前提とするわけでも無いし、
 むしろ愛車無しでの立ち回りって今後も必須の技能だろうから、
 それを練習したい。車を持ち込みたいって訳じゃ無いんですよ。
  
 …ただそのォ……フレーバー的な奴で十分なんだ…
 …1シーン…導入の一レスぐらい…自分の車に乗りたいなァ〜〜!って欲望なんです。)

931『微睡め輝き 星屑にて』:2020/11/21(土) 11:41:38
>>930

「ほぅほぅ、つまり貴方は『レーサー』としての逆境を
自身のマシンと共に乗り越えつつ相手に勝ちたい、と」

「お話を私なりに噛み砕くと、そう言う訳ですね。
いえいえ、別に無理なご注文と言うわけでは御座いません。
命を賭けた戦いをしたいとか言われたら、それはちょっと困りましたけど。
むしろ、そう言った相手をご用意……いや、もっと相応しい言葉があります。
そう言った貴方と同じ欲望(苦しみ)を抱える者と引かれ合うように
整えるのが、まぁ 神たる私の役目と言えば宜しいかと。
あはは まぁ神なんて言ってますが、貴方の為に目覚めた時に眠気スッキリの
飲料水と後を引かない甘味のケーキや茶菓子位しか用意出来ない神ですがね。
あはは まぁ、戯言です。戯言 はい」

そう、あどけない笑い声混じりに。星のような瞳と髪をした女は一度閉じて
自分の隣に置いていた雑誌を再び手に取る。
 
「……ふむ、それじゃあ一つ尋ねますが」

「――貴方は『悪魔』を御存知で?
『デヴェル・シックスティーン』ならぬ『デヴェル・シックス』を?」

そう、星の女は雑誌の一つのページを貴方に見せつけるようにして聞いてくる。

↓画像
ttps://ameblo.jp/bank-jp/entry-12615892583.html

932俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/11/21(土) 14:19:04
>>931

「…そんな積極的な話でもないさ…
 レースである必要もねえし、テメェのマシンである必要もねえし、勝つ必要もない…」

「ただ…オレと『ボディ・アンド・ソウル』…貰いモノの名前さ…が、どこまでやれるのか…
 それを確かめる事ができる、道とか、出来事とか…相手とか……」


「…まぁ、そうだよ。姉さんの言う通り、『逆境』との出会いさ…
 『逆境』を乗り越えようとあがいて、自分を磨きたい…」



ケーキ齧ろ。
   ガジガジ…

「んあ…『悪魔』ぁ?知らん…レーサー自称しときながら恥ずかしい話ですけど。」

首を伸ばして覗き込む…

「……。16気筒…富豪向けって感じのエンジンだな…5000馬力…560㎞/h…モンスターって感じ…」
「雑なロマンだよな16気筒…現実的じゃないけど、やっぱ妙に胸が高鳴りを…」


「……え車両重量2.3k!?16気筒っつったらブガッティな所はあるがあいつは1.9kまで抑え込んでたぞ、
 500㎏も差があるようだけどこれいったい何でこんな重いんだよ……速くしようと出力上げて、それで
 重量増えて遅くなるからまた出力を上げて。そうやってブクブク膨れ上がっていった結果か。こんなん
 タイヤが耐えられる訳ないじゃんか。ハンドル切った瞬間に路上でクルクル回るでかいコマの完成。カ
 ーブは想定してませーんドラッグレース用でーすとでも言いたいんだろうがだったらアクセル入れた瞬
 間の挙動を良くするためになおさら軽い方がいいだろうが。そもそも純粋に速さを求めるんなら別にエ
 ンジンに拘る必要ないと俺は思うねそれこそジェットエンジンでも積みゃいいじゃねーか。それじゃ飛
 行機じゃねーか?そうだよ飛行機だよスピードメーターに現れる数字だけ追っかけてる連中はとっとと
 車降りて飛行機のライセンス取りに行きゃいいんだ俺たちレーサーが求める速さってのはそういう事じ
 ゃねえだろまっすぐ走るだけならロボットでも出来る本当の速さってのはカーブでの位置取りとか地面
 に応じた適切なハンドリングとかそういう瞬時の判断を俺たちドライバーが……………………」

 

「…………ハイ………興味あります……スイマセン…………」スン…

 16気筒には勝てなかったよ…

933『微睡め輝き 星屑にて』:2020/11/21(土) 19:39:55
>>932

俵藤は雑誌に掲載された怪物馬力の車の情報に目を通すと
熱中して口早に自分の趣味を混ぜて感想を述べる。
『走り屋』なら無視出来ない内容なのだから当たり前。そんな貴方の
熱のある空気に、あはは と軽やかに笑いつつ星のような女は呟く。

「最高時速は560km、そしてエンジンは自動車の域を軽く無視した
エンジンの搭載。浪漫溢れますが、貴方のおっしゃる通り
実用性・利便性において全くこの車は大衆が好むレースに不相応。
その感想の通り『カーブなどのコース』に適してない直線コースのみ
走れれば恩の字と言うのが『デヴェル・シックスティーン』」

ですが、と少しわざとらしくタメを作ってから燕尾服の胸元を整え
彼女は蠱惑的な微笑と共に告げる。

「ですが……この車が最高速度を維持したまま
『急なカーブ及び高度なドライビングテクニックが要求される道』を
走る事が可能な車両及びレーサーを。
私は1名だけ知ってます。
その人物のあだ名こそ……」

――『デヴェル・シックス』。そう抑揚つけた調子で名を唱える。

「……無謀と思えても、挑戦したくありません?」

「貴方の愛車、大体64馬力程の『EP2M1カフェラッテ』が
5000馬力、カーブでのクラッシュと言うリスクを問題視しない
『デヴェル・シックス』を見事に差し押さえ一位の冠をとる。
まぁ あははは。中々難しいし事故も怖いでしょうから
もし自信がないのなら、遊園地の設置してるロデオマシーンが
暴れてるのを何とかする難事件でもご用意しますよ」

――『デヴェル・シックス』の力の正体を暴き、超えて一位を取れ。

そう言った『試練(ミッション)』を所望とあらば用意しようと
星の女は告げる。拒否する事も可能であろう

934俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/11/21(土) 21:50:31
>>933

「…この、サイボーグのイノシシみてえにファットなクルマを
 …御すドライバー…?」

マシンスペック見る限りは…不可能。
ドライバーの腕とかじゃねえ…設計思想の話だ…曲がれる『ワケが無い』。


「…が、現世に実在すると…路上の都市伝説とかじゃなく…?」

「馬鹿みてえな車に馬鹿が乗ってやがるぜ…『デヴェル・シックス』…」
「そして馬鹿みたいな怪物に、馬鹿みたいな挑戦…」

缶飲料を啜る…馬鹿みたいな話だぜ…

 ズズ…

     ニィ―――――…

「……いいじゃんか…」

「…姉さん…そりゃあ……、
 俺みたいな、速度でしか自分を癒せない馬鹿には、拒めやしない魅力的なお話だぜ…」

「…『自信』ァ?馬鹿が…俺の意思なんぞ関係ねえ…
 『速いヤツ』がいる…走り屋が勝負を挑む理由なんて、その程度で十分なのさ…」


 …グシャアァ

飲み終わった缶を握りつぶし、夜空みたいに底の見えない女の眼を見る…
こいつこそ悪魔か何かじゃないのか?何考えてんだ…

…俺的にはありがたいけど。『話』に乗ろう。

935『微睡め輝き 星屑にて』:2020/11/21(土) 23:19:24
>>934

>俺みたいな、速度でしか自分を癒せない馬鹿には、拒めやしない魅力的なお話だぜ…

>『速いヤツ』がいる…走り屋が勝負を挑む理由なんて、その程度で十分なのさ…

「――流石
この微睡みの中に呼ばれる『資格』を貴方は備えてる。
嗚呼 とても素晴らしい その口上だけでも、貴方『本物』であるかもと
期待と躍動感で、私の中にある唯一の感慨も見て分かる形で奮えます」

ね? と。一層と夢の中で貴方に話しかける未知な女の瞳と黒い髪の中に散りばめられた
星屑のような輝きが強まるのを認識した。

その輝きを見ると共に、俵藤 道標の意識が急速に引いていく……。

「私の名、それこそ『戯言』 悪魔 邪神 破滅の紡ぎ手
色々と批難の轟きを受けつつも、望む事は今も昔も未来も変わらず。
人の中に埋もれてるかも知れぬ無色の礫が、夜空に輝く星となるか観測する事。

――それでは来るべき日まで、今一度安息を貴方に……」


(了承 ミッション開始まで今暫くお待ちを。現在参加していたミッションの
感想戦終了次第、希望のミッションを行いたいと思います)

936俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/11/22(日) 00:17:15
>>935

「『本物』だと、『価値』が生まれちまう…『価値』は、『重さ』だ…」
「…『バッタもん』のが好みだな、俺は……安いし、軽いから……」


嫌な輝きだ…夜の山道ですれ違う対向車のハイビームみたいな…
目を向けていれば眩さで視界を失い、道を見失う。気を張らなきゃ崖下へ真っ逆さま…
かと言って目を逸らすと正面衝突の大事故だ…


…視界から色が消えていき、意識もホワイトアウト…
…目を開こうと抵抗するが…叶わず…
…手の中の空き缶の感触も薄れ…
…安息…
……



(ロールプレイにお付き合い頂き、感謝。撤退します。報せを寝て待ちます。)

937『残暑巳舞い』:2022/09/25(日) 15:45:52

  チチチチ チチチチ 

 「それで」

「遊部さん。つまり聞かれた事によると
夏の魔物は消滅し、痕跡は全て消えた。犠牲者であった者たちは解放され
アリーナに回収された。要約すると、それが全てだと」

遊部「纏めると、だな」

 既に蝉の音は薄れ、聞こえるのは鳥の囀りや遠くで聞こえる工事音に人々が
織りなす車の走行などの環境音。そんな日常で起こり得る代わり映えのない音が
壁越しに聞こえつつ、一人の瞼を閉じて白状の頭を撫でる女は溜息をついていた。

「少々、落胆したというのが私の心情です。
貴方は町側の人間で、人と溶け込むのも、やろうと思えば可能の筈」

遊部「小石川 文子は、私の症状を共闘した時に知ってしまった数少ない人間なんでね。
それに彼女はアリーナとの関わりも多い。藪蛇を突くのは、そちらも本意でないだろ」

「全力でテロにでも勤しめば、今でも町民を半壊させる事は可能ですよ。
あの女が邪魔しなければね。まぁ、ルールはあちら側も設けられてます。
 目的が達成出来るならば何年でも私は待てますが、それでも私は弱い人ですのでね。
出来うる限り、果報が早く来てくれればと願っていまして」

遊部「それは『レコーダー』として?」

「私としての、願いですね」

……『レコーダー』。『エクリプス』が瓦解して以降、散らばった悪の種の一つは
別の名へと変えて、一人の内通者と話し込んでいた。
 リーダーと呼称される盲目の女と遊部は話す。周囲にも、幾人か自分の趣味や
作業に没頭する者たちを一同として。

938『残暑巳舞い』:2022/09/25(日) 16:00:54

「一先ず、貴方の成果が芳しくない事はさておき。
街の動きには、私達も幾らか目を光らせてましたのでね。
 『アリーナ』は『フーヴィアン派』が色々とイベントに手を出している。
まぁ、あそこは興行に力を注いでる。犠牲者の回収もアリーナの信用を
街の外部に知らしめると共に誇示しようと下心あってでしょうし。
 ……町民の動きで特筆すべきは。
やはり『小石川 文子』。彼女の動きは星見町の中心として動いてるように思える。
 彼女は『特異点』なのかも知れません」

『特異点』。聞きなれぬ言葉に、仲間の一人が呟くように疑問の声を上げれば
リーダーは丁寧に答えた。

「物事の全ては、ある種の法則に基づいでおり、その事柄は運命と称する程に
流れが決まっている。ただし、例外もある。
 時に大河のように決まっている命運ある事象に対しても流れず自分の意思で
勝手に動く存在。それが『特異点』と称せる存在です。
 ……小石川 文子。彼女のこれまでの行動や夏の魔物との関わり合い。
少々関心を覚える。ある程度の注意は必要かも知れませんね」

遊部「他に、目を光らせなくてはいけない人物はいるか?」

その言葉に、そうですね……と彼女は評価を続ける。

939『残暑巳舞い』:2022/09/25(日) 16:19:45

 「一抹 貞世。能力は感情の鎮静化、特に悪感情を抑制するでしたか」

遊部「それでいて、夏の魔物の件の発端となった人物でもある」

 「誰であれ、犠牲者に成り得たでしょう。それに正確には氷山、でしたか?
その女性が最初に憑依されたのでしょう。
ただ、スタンドの方は半自立か自立型で随分と色々動いてたようですね。
 余り精力的に動くスタンド使いは好ましくないですね。
何をするのか、何処で我々の仕掛けに当たって暴発させかねないか不安で
夜も余り眠れず、今じゃすっかり朝5時ぐらいで起きる老人ぐらいにしか
睡眠がとれません。そこまで健康的な生活は求めてないのですけど」

リーダーのジョークに、周りの半数から少し小さな笑いが出たが
発した方も、遊部にも笑顔はなく無表情だった。

「ただ……一抹 貞世。悪感情の鎮静化、ですか。
精神に干渉しえる、その力は厄介ですね。貴方にも漏れず
私達の計画にもだ。本当なら住まいの教会とやらにでも不審火を偽装して
始末したいが、あの女やアリーナも許しはしないでしょう」

遊部「私も要注意人物として目は光らせてるよ。機会を見るしか今はない」

「神頼みは、私達はしないんですよ。既に神は居ないですし
私がこの世で信ずる人はただ一人です。この先も、これ以前も、この今瞬間もね」

 リーダーが信ずる人物に対して言葉を紡ぐ度に。空気が重くなるように感じた

心の琴線に触れる話題であったのだろう、周りも暴発しかねない空気に
少し動きが見えかねたが、その前に遊部は続けるように促して危うい気配も薄らいだ。

遊部「……他には?」

 「他? ……そうですね、他は―」

940『残暑巳舞い』:2022/09/25(日) 16:51:13

 「鉄 夕立……この彼も、幾らかの事件に深く関与してるようです。
能力までは正確に把握してませんが、動向が少し気にかかる。
 芦田……まぁ、この人物は何時も町で目立ってるので説明は不要。
悪い意味でも良い意味でも目立ちますし、進んで我々に敵対する形でも無いでしょう」

「――村田 瑛壱
この彼も注意しないといけないですね。
 アリーナに忍ばせてる者から、彼の戦力は馬鹿に出来ないと聞かされてる。
能力抜きの接近戦になれば、私達の何名かは再起不能を免れないでしょう。
 何より、彼は能力の活用が上手いようですから。敵に回るとなれば
覚悟しておかなければいけません。……とは言え、私達の中で敵に対し
容赦を持つ者や、覚悟を持たない者なんてね?
 居ないと思ってるので、そこは安心してますよ。皆さん」

遊部「仲良しなのは良いとして、だ。それで、これからどう動く?」

リーダーの労いに対しても、遊部は人形のようにただ方針を提示する。

黙考してから、彼女は告げた。

941『残暑巳舞い』:2022/09/25(日) 17:08:53

 「……今の我々にとって、頭痛の種は色々あるものの
目下のところ、優先順位は『アリーナ』です。
 お分かりの通り、アレ等の支配が町のスタンド使いの座標となっている。
善人なり、悪人なり、そうでなくとも……こそ泥のように人目を憚って
会合するしか出来ないような弱小組織に好き好んで入るものは居ません。
何らかの手段や力を使用しない限りはね」

遊部「その手段や力もあると言う感じだがね」

 「外道や外法を探せば幾らでも肥大化出来る。けれど、そう言ったものは
代償が大きい。リスクに対してリターンは見合わないんですよ遊部さん。
 ……ですが、そうですね。
貴方の話の中で、少しだけ使えそうな『種』はあった。

――小林 丈、でしたか。
 貴方の引き抜いた情報だと、村田と言う方と衝突した後に
行方は不明なのは間違いないと?」

遊部「アリーナに引き抜かれて、教育でもされたのでなければ
学校の高等部三年のクラスじゃ長期の休みだ。それ位は軽い噂になって
誰でも知ってる秘密だ。学生特有の皆の秘密と言う奴さ」

 「貴方の裏付けだと、理由不明の休学状態でしょ?
となるとアリーナのサポートなしに失踪したと言う形だ。
 ……推測は、自ずと誤りでないのなら。私達の『牽制』も幾らか
効果を出すかも知れませんね」

遊部「……動くのか」

 「えぇ、特に不都合もこれならば生じ得ない」

 ――巳(へび)が動く時節、と言う事ですよ。


                チチチチ チチチチ 


                  ――『残暑巳舞い』 終


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