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【ミ】『想貌』

1『敗残者』:2019/01/18(金) 00:26:01
彼らは何処へ消えたのか――――

【過】『武闘列伝』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453728318/

56『スリル!』:2019/02/05(火) 23:20:19
>>55
「このまま『高速』に乗りますが、
 『アヴェンダドール』を呼ぶタイミングは任せます」

      ブロロロロロロロ ・ ・ ・

カバーの裏で寝そべるように『荷台』に乗った『平石』。
トラックは走り出し、その傍に『ロンドン・コーリング』が近づく。

        「あらかじめ『荷物』を置いておくなら、
         ゆっくりと走って目的地まで向かいます」

        「ですが、『アヴェンダドール』を呼ぶとなれば、
         『加速』を掛けて、呼び出しましょう――――」

既に『夜』だが、夜明けまでは時間的な余裕もある。
『アヴェンダドール』の出現コースを『2〜3周』は容易いだろう。

57平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/07(木) 23:40:29
>>56
燃料は大丈夫だよな。


ごそ  ごそ

高速に乗るまでに(相当の時間はかかるが大丈夫だろう、ということだ)、ハーネスを着け、命綱で車体と自身を繋ごう。

「そうだな…」
「さっきも言ったが、やはり『直接叩き込む』。飛ばしてくれ」

『ロンドン・コーリング』にそう頼む。

58『スリル!』:2019/02/08(金) 21:55:52
>>57
窓からチラリと見えた燃料タンクは『満タン』だ。
そして、それは『発電機』も同様である。

     ガチャッ

『緒方』もそれなりにスピードを落として運転をしているが、
『荷台』の上というのは、それなりに揺れるし、居心地はよろしくない。
『ロンドン・コーリング』は揺れなどないかのように振る舞っているが、
それはスタンドの『追従性*1』を用いた結果に過ぎない。

           キィィィ――――
                              ガタッ
                                    ゴッ!

『緒方』が急ブレーキを掛け、『発電機』が大きく揺れる。
『命綱』と『荷造り』は完璧とはいえ、肝を冷やす一瞬だ。
外から聞こえる会話から察するに、『高速道路』の通行券を受け取ったらしい。

          「『ETC』、ありませんでしたね……」

『緒方』は惚けたことを呟いている。
……『戦場』への『門』、『平石』は確かに潜ったのだ。

          「参りましょう。
           ――――お望み通り、『加速』します……」


         ブロロロロロロロロロロッッ!!!

                                   ボブッ!
                                         ブススッ!

中古車が故の奇怪な『エンジン音』を発しながらも、
『トラック』は加速していく。――――間もなく、『120km/h』だ。




*1:本体の移動に従い、スタンドもまた移動する特性。
   高速で動く乗り物の上でも、本体を軸として自在に動ける。

59平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/09(土) 23:51:20
>>58
「車に酔う方じゃなくて良かったよ」

人間の『乗り心地』など期待できるものではないが、愚痴と強がりを混ぜる。
そして、まさにここからは『戦地』に他ならない。
二度目だ。用意は充分…だと思う。
少なくとも、『やる気』だとかそういうものは不足していない。

「来い」

『キック・イン・ザ・ドア』を傍らに、『敵』を待つ。
エンジンの結索を一つ外し、スタンドで押さえる。その分のパワーは充分あるし、すぐ『戦闘』に移れるようにだ。

60『スリル!』:2019/02/10(日) 00:03:27
>>59(平石)

       バササササッ――――

車体のスピードによって、『平石』に被さるシートがはためく。
そして、風圧によってシートの末端がめくれ、


                 ォ  ォ  オ  オ――z____

    「来た……。
     『アヴェンダドール』ッッ!」

捲れたシートの隙間から、朧げな『アヴェンダドール』が覗ける。
『トラック』の『背後』からヘッドライトを照らし、みるみる内に接近する。

    「まずは『130km/h』、そして『140km/h』……

     一気にぶっ放して、『加速世界』に『入門』します」

『ロンドン・コーリング』越しに『緒方』が告げる。
エンジンの『結索』を外し、『キック・イン・ザ・ドア』がそれを押さえる。

61平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/10(日) 00:45:15
>>60
「ああ――」

しっかりと見据える。
『実体化』するのは大前提だが、可能な限り確実に叩き込まなければならない。
ひきつけて、外さずに。

「なにせ、ぶつけられたらひとたまりもないものな」

ボロ軽だ。『アヴェンダドール』も疑いなく真っ直ぐに追突コースで来てくれれば最高に良いが、
さて、『加速』のときだ……

62『スリル!』:2019/02/10(日) 21:05:42
>>61(平石)

     ヴォヴォヴォヴォヴォヴォォォォンンン!!!

『アヴェンダドール』は異常な『加速』により、
瞬く間に『軽トラック』との距離を詰めていく。

         ブロロロォォォオオンッ!!!

一方、『緒方』の運転する『軽トラック』もまた、
アクセルを踏み込み、そのスピードが『130km/h』へと到達する。

             ォ    「『アヴェンダドール』、実体化ッ!
              オ   
           .ォ      逃がさない――――、『加速』は続行するッ!」

そして、『実体』を取り戻した『アヴェンダドール』は、

         フォッ
                  ――――グォォゥン!!

『軽トラック』の背後に張り付いてた『アヴェンダドール』は、
同一の『追い越し車線』から、『第一車線』へと車体を滑らし、
またしても『タックル』によって、『軽トラック』を押し込もうとする。

      「――――何のこれしきッ!」

『緒方』の運転する『軽トラック』が、その一撃を『加速』によって避ける。
『アヴェンダドール』の動きを読み、『加速度』を温存していない限り、
決して出来ない行為だ。先程の『カーチェイス』を経て、ドラテクが増している……!

      「『ロンドン・コーリング』、『ゾウの時間、ネズミの時間』で、

       一時的に『体感速度』を加速させていますが、長くはもたないッ!」

      「『平石』さん、『奥の手』をッ、早く!」

『アヴェンダドール』は勢い余った車体をガードレースに擦り、
『実体』を残したまま、『軽トラック』の背後に張り付いている。
『緒方』の呼び声通り、今が絶好の『隙』だ。

63平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/13(水) 20:43:30
>>62
「スゴいな緒方!」

どんなタネでも、どんな仕掛けでも、今の『回避』運動はスゴかった。
そしてそのお陰で――

「『キック・イン・ザ・ドア』」「十秒!」

『歯車』を発現、『エンジン』に装填! 未始動のエンジンはそれすら出来ない『停止』状態に。
力任せにトラックシートをはねあげながら、『スタンド』は立ち上がる。『アヴェンダドール』に。

「ブチ」
   「かませッ!!」

二枚目の『歯車』を装填!しつつ、その『フロントガラス』めがけて、エンジンをブン殴り飛ばす!(パス精BBC)
『暴走』の反発の影響を考慮しても――一瞬の衝撃――外す距離では無いだろう。
ただ『暴走』するだけでは『爆発』を発生させることはムズカしい。今時の機械は『安全』だからだ。
なので殴って壊して燃料漏らして配管歪ませて、その上でひたすら狂ったように『点火』させ続ける。
フロントガラスから飛び込んで、車内で炸裂する…のを狙ってだ。『第二弾』の用意にかかりつつ、着弾とその結果を見定める。

64『スリル!』:2019/02/13(水) 22:50:09
>>63(平石)
『歯車』を『エンジン』に押し込み、『発電機』は完全に『停止』する。
そして、トラックシートを翻しながら、『キック・イン・ザ・ドア』は立ち上がる。

     ギャギャギャギャギャッッ!!!
                         ガリリリリッ

『軽トラック』の荷台に噛り付く『アヴェンダドール』。
その『フロントガラス』目掛け、ヴィジョンは拳を振り上げ……


        バッギャァァァ!!
                      ドバァ〜〜〜ッ!!


『歯車』を装填しつつ、『発電機』を思いっきりぶん殴る。
不安定な『荷台』から転がり落ちた『発電機』は、
異臭と黒煙を纏いながら、『アヴェンダドール』にぶつかり、

  | l /
  ト
    ツ   \ i /
       \/ ォ   オ  才 ――――z______ ンンッ!!


       「や、……やった―――!?」


強烈な『爆発』が『ボンネット』で炸裂し、
『爆風』を叩きつけられた『アヴェンダドール』は大きく車体を曲げ、

      ギャリリリリリリッッ!!

                     ゴスッ!

       ガゴッ!
                ゴォッ!!

車体を『ガードレール』にぶつけながら、
もがき苦しむように蛇行運転を続けていく。

       「や、やりましたね、『平石』さんっ」

『アヴェンダドール』に合わせるようにスピードを落とし、
『ミラー』に車体を捉えたまま、運転を続ける『緒方』。

65平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/14(木) 19:11:37
>>64
着弾と爆発、そして蛇行運転。それは『追跡』を諦めていないように見えるだろうか?
もし、そうだとしたら、

「『スピード』はそのままで頼む、『緒方』ッ」
「普通の車ならこれで終わりだと思うが、コイツは違う。『スタンド』だよな」「少なくとも」
「『120キロ』で、敵が健在なら、まだ一方的に激突できるってことだ」

正確に速度をはかる術がないので目測に頼るしかないが、『120キロ』の領域が最もヤバい。すり抜けるからだ。
そのスピードをまだ出せるのか? 出してくるのか? 壊れて走れないか? 『加速世界』はまだ解除されないか?
だからスピードを落とすことには反対する。『アヴェンダドール』の動向も注意だ。

「消えるか? 来るか? 備えて悪いことは無いんだからな」

ひとまず『歯車』を一枚、二つ目のエンジンに装填。『十秒間停止』状態にしておく。

66『スリル!』:2019/02/16(土) 20:56:56
>>65(平石)

     「えっ――――?」

     ブロロッ
               ォォォオオオオンッ!!!


『緒方』が聞き返すよりも早く、
『アヴェンダドール』が唸りを上げ、『トラック』へ飛び掛かる。
そのスピードは『遅い』。『80km/h』と言ったところだが、
それでも尚、体勢を立て直し、『軽トラック』を追跡する。

             スチャッ

『歯車』を『エンジン』に装填する。
『アヴェンダドール』は『120km/h』の時の『朧』な像ではなく、
ひしゃげたボンネットや割れたフロントガラス、
焼け焦げた『タイヤ』といった『故障』が見て取れる、『実体』だ。

67平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/17(日) 00:33:54
>>66
「どういう理由かは知らないが」「実体のようだな」

大事なことはそれだけだ。
今、『アヴェンダドール』には『攻撃が通る』だろう、ということ。
『エンジン』を振りかぶる。狙うのは『運転席』だ。

「『もう一発』だッ!」

向かってくる『敵』めがけて、『エンジン』を投擲する(パス精BBC)!

68『スリル!』:2019/02/18(月) 00:12:09
>>67(平石)

    ブォォォンンッ!!!

迫り来る『アヴェンダドール』、それを真っ直ぐに見据え、
『キック・イン・ザ・ドア』は、その『エンジン』を高々と掲げ、


          ゴスッ
                  ―――――ドォォォォンンンッッ!!!

強烈な『爆風』が『平石』の鼻先を掠め、
真下の『アヴェンダドール』を『炎』が包むッ

          ガゴッ
                         ゴスッ

『アヴェンダドール』の鼻先が『荷台』に突き刺さるが、互いに走行中の身。
マトモなダメージさえ負わず、炎上する『アヴェンダドール』は停止し、
見る見る内に遠ざかっていく。

……ボロボロにひしゃげた『車体』が朽ちるのを、
『平石』は軽トラックの荷台で、見送っていく。

          ≪『アヴェンダドール』、『停止』してます。

            ――――あれではもう、『再起不能』でしょう。
            ……本当に、どうなるかと思いましたが。≫

          ≪『平石』さん、お疲れさまでした。≫

間近の『ロンドン・コーリング』を介して、『緒方』が労いの言葉を掛ける。
『トラック』はスピードを上げ、追い越し車線を走っていく。

69平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/19(火) 23:46:36
>>68
「…」「……」

「終わり?」「ぶっ壊したか? 突っ込んできたのは『最後ッ屁』ってやつか」

緒方に応えつつ、エンジンを下ろして、それでも後方に気をつけつつ、姿勢を低くする。
高速道路に軽トラの荷台でエンジン持ち上げてるヤツなんて不審人物以外の何ものでもない…と気付いたからだ。
トラックシート被れるなら被っておこう。

「ああ、アンタもな…運転お疲れさん」「礼を言うよ。オレ一人だったら、最初のときで事故ってただろうな」

70『スリル!』:2019/02/20(水) 00:10:13
>>69(平石)
>「礼を言うよ。オレ一人だったら、最初のときで事故ってただろうな」

  「二度とはゴメンですけれど、
   ――――無理した甲斐が、ありました」

     ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・ ・

『エンジン』は既に、二台とも投げ捨てている。
背後を振り向くが、『アヴェンダドール』は既に彼方だ。
街頭に照らされた『白煙』だけが辛うじて見える。……『致命傷』だろう。

あの走行の最中、『トラックシート』も吹っ飛んでいるようだ。
やむを得ず、『屈む』に留める。加速する車体に対し、安定する姿勢だ。

  「そう、貴方は『一人』でやってきた。

   ――――あの『曳舟』は『需要』と『供給』を繋げる、
   『アナーキー・イン・ザ・UK』のスタンド使い。

   『危険』の予想される、スタンド使いの『討伐』なら、
   数人は連れてくると思いましたが、貴方は『一人』でやってきた」

『ロンドン・コーリング』を通じ、静けさを帯びた『緒方』の呟きが零れる。

  「『曳舟』の手腕を疑いましたが、……今ならその理由が解ります。

   『アヴェンダドール』のパワーとスピードには、
   真っ当な『ヴィジョン』では、対抗できません。

   貴方は、たった一人で『暴走車』に立ち向かい、
   『破壊』し、打倒した。……貴方でなければ、ならなかった」


                     ロ ロ ロ ロ ロ ロ ォ ォ ォ 


冷たい荷台から響く『エンジン音』は、身体を直に震わせる。
そのまま寝そべるように腕を伸ばし、『平石』の掌は、


                ベトッ


悪趣味な色彩に輝く、『蛍光塗料』に触れる。


       ゴ
                      ゴ


              ゴ

                          「ニィ   を
         ゴ

                           だすけ、   なきゃ.  .  .」


          ズルッ

                      ルルゥゥ


皮膚の禿げた『青年』が、醜面を『荷台』の縁から突き出した。
身体を這いずらせ、『軽トラック』へよじ登っていく。



.

71平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/21(木) 20:08:33
>>70
『緒方』に返答する。

「そうなのか? 『真っ当』ってのがよくわからないが  」

「とにかく」

べとつく。『蛍光塗料』を確認する。
すぐに起き上がろう。
そんな気はしていた。『これで終わりなのか』という疑問。直感(これは『メタ』いが)はあったが行動はしなかったし確認もしなかった。


「彼は、何だ。ああ。『チャオ』だったっけ?」「『健在』のようだな」


生きてるのか死んでるのか分からないが、『まだ戦おうとする』状態を『健在』と言おう。
『蛍光塗料』に濡れた手に『異常』を感じるだろうか。
『荷台』に『塗料』が飛び散っているのだろうか。あるいは『出現してきている』? 掌だけ?

『確認すべきことはたくさんある』。だが最短最速即決で『やること』は一つだ。何よりもまず、

「『キック』!」

突き出した『青年』の顔面を『スタンド』の全力で蹴っ飛ばすことだ。(パス精BBC)
骨まで砕く。『スタンド』だろうが『生身』だろうが、『キック・イン・ザ・ドア』のパワーなら――タダでは済むまい。その筈だ。

72『スリル!』:2019/02/21(木) 21:09:49
>>71(平石)

>「彼は、何だ。ああ。『チャオ』だったっけ?」

                「えっ!?」

>「『健在』のようだな」

                「なに、を――――」

    ギラッ

                「ギャアアアアァァァァ〜〜〜〜ッッ!!!」

皮膚の剥がれた屍鬼の形相を目の当たりにした『緒方』は、
絶叫とともにブレーキを踏み込んだ。


                「なっ、     ――――効いてないッ」


焦燥する『緒方』、棒立ちの『ロンドン・コーリング』。
『蛍光塗料』は奇妙な『グラフィティ』を描いており、
それは『荷台』だけではない。ボディや、……見えてないが『フロント』も同様だろう。
異様な『発光』を始める『塗料』、傍から見れば『電飾』にも見える『明度』だ。

――――無論、そんなことより、『平石』は、


               「『キック』!」

                             バオッ!!

『キック・イン・ザ・ドア』を発進させ、強烈な『蹴打』。
『荷台』の上であれば、その全てが『ヴィジョン』の射程内となる。
顔面を思いっきり、押し破るように『足裏』をぶち込み、


         ガキィッ!

                     「ォ レ は」

                     「兄貴ヲ ォ   オ  ォ――――」


弾かれる。
亡霊となった『チャオ』、透けた『肉体』に被さるように、
エネルギーの塊が、『腕』の形を成して、蹴りを弾いたのだ。

――――『平石』と同じ、『ヴィジョン』を持つ存在ッ!


                スタッ!

                        荷台に、『チャオ』が立つ。

73平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/21(木) 21:52:37
>>72
「オレは」「『命綱』を外してないが」

『急ブレーキ』に、敵は動じていない。

「君に『慣性』は働いていないみたいだな。こっち」自分を指さし「より、こっち」『キック・イン・ザ・ドア』を指さす「ってわけだ」
「能力は『車を操る』っていうより、この『蛍光塗料』か?」
「『車』を壊したのに君は健在で『塗料』を撒いてるもんな」「そりゃそうだよな。こっちが『能力』だ」「ところで会話は出来るのか?」

「無理そうだな」と言う代わりに、

  ギァ リン!

『歯車』を一枚。手裏剣のように『チャオ』の顔面に投擲する!
蹴りを弾いたなら『視覚』はあるのだろうし、反応もする。『防御の必要性』もあるという意味だ。
コイツは『機械ではない』。生身というわけでもないだろうが。『塗料』の能力は不明だが『長引けば長引くほど不利になる』気がする。
ならば可能な限り単純かつ素早く、殴るか蹴るかして制圧するべきだ――と、思う。
だから顔面に投擲する。当たればタダではすまない。防御をするだろう(しないなら脳天に歯車が食い込んで終わりだという自信はある)。
防御をするなら足下には集中できない。そこにローキックなりを叩き込む段取りだ。
スピードの差が大きければこれは問題だが…『出たとこ勝負』だ。どのみち先攻で速攻する以上に良い手はない。殴り合いなら。

74『スリル!』:2019/02/21(木) 22:00:36
>>73
描写漏れ失礼しました。
『急ブレーキ』は全く効いておらず、
トラックは現在も『高速』で走行中です。

75平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/21(木) 22:17:05
>>74
読解が不十分で申し訳ありません。
>>73の最初の五行を


>「オレは」「『命綱』を外してないが」
>『急ブレーキ』に、敵は動じていない。
>「君に『慣性』は働いていないみたいだな。こっち」自分を指さし「より、こっち」『キック・イン・ザ・ドア』を指さす「ってわけだ」
>「能力は『車を操る』っていうより、この『蛍光塗料』か?」
>「『車』を壊したのに君は健在で『塗料』を撒いてるもんな」「そりゃそうだよな。こっちが『能力』だ」「ところで会話は出来るのか?」


から


「なるほど」「君の能力は解除されてないようだな。この『塗料』がそうなのか?」
「『車』のヴィジョンじゃあなくて、こっち(塗料)がさ…ところで」「会話は出来るのか?」


というふうに変更しても良いですか?(行動自体には変更無しです)

76『スリル!』:2019/02/23(土) 22:07:50
>>73(平石)

>「なるほど」「君の能力は解除されてないようだな。この『塗料』がそうなのか?」
>「『車』のヴィジョンじゃあなくて、こっち(塗料)がさ…ところで」


    バシュッ!


『平石』は語り掛けながら、『歯車』をヴィジョンに投擲させる。
※特に指定がなければ、『最大サイズ』とします。

       ガッキィィンッ!!

                         ズォリッ!

『チャオ』のヴィジョンは『歯車』を両腕で防ぐ。
そこをすかさず『ローキック』を放つが、
その腿裏を掬い上げるように『蹴り上げられる』。

――――『格闘戦』において、両者は全くの『互角』ッ!

>「会話は出来るのか?」

                     「コイツには、出来ねぇよ――――」

立ち上がった『チャオ』、その手に『ロープ』で縛られ、
吊るされるように掴まれた『何か』を、『平石』は目撃する。


           「ゔっ ……あ、れは」

『首』だ。
思いっきり『引き千切られた』かのように、
ズダズダの断面をした『生首』が、『思念』によって『平石』に語り掛ける。


           「『生きて』ます……。

            ハムスターよりも、か細い『バイタルサイン』、
            それでも、あのままで、生きているなんて――――」


      ドゥッ!

タックルを仕掛けるように、『チャオ』は駆け込みながら、
『キック・イン・ザ・ドア』にぶちかましのような『拳撃』を放つ。
身を捩れば避けられるが、背後には『ロンドン・コーリング』がいる……。

77平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/24(日) 01:02:19
>>76
※申し訳ないです。指定無ければ最大サイズでお願いします。


>       ガッキィィンッ!!

>                         ズォリッ!

『互角』!――いや。
対応の『素早さ』そのものか、あるいは格闘の『経験』か。総合的な戦闘能力という意味では

「(一歩劣るな…『こっちはずぶの素人だ』って感じが)」

>      ドゥッ!

そして迫る『チャオ』に思う。『戦力』『経験』『思念』『妄執』、すべてに於いて劣っている。
負けはしないと断言できるのは『キック・イン・ザ・ドア』の能力。それと

「―――『君』には出来るのか?」「『兄貴』かな?」
「ひとつ明確にしておく。オレにとって『誰が死んで生きていようと』それ自体は心底どうでもいい」「会話が成り立つって意味だろうから伝えてるだけだ」
「大事なことは、『曳舟サンのメンツ』と『緒方の安全』と、『オレの能力と収入』。その四つだけだ」

一晩で『百万円』という大金が発生する。
ならば当然そこには不文律として、当然の処置/期待として、依頼主(その身内――つまり緒方を含む)の安全が見込まれているに決まっている。
それをひっくるめて、理屈は不明だが、曳舟はこの平石基に『依頼』を持ち込んだ。
「(そしてオレはこの機会に確かめようとした。オレと『キック・イン・ザ・ドア』の有用性をだ)」

  ギ  ァ ッ!

飛び込んでくる拳を、だから『キック・イン・ザ・ドア』の両腕をクロスさせた形で『防御』する。
蹴りと投擲で『力』だけならば張り合える確信があるからだ。純粋な殴り合いならば、純粋に場数と経験値で不利だが――
防御しながらでも、手から『歯車』は発現できる。それは投擲でも殴りながら差し込むわけでもない。ただ発現するだけ。ぽろりと、下に落ちて行くだろう。
『殴り掛かってくる』なら、目立たない。気付かないかもしれない。気付いたところで『今』何かできるわけでもない。
良く分からないし、単純な推測に過ぎないが――

『バイタルサインが感知できるなら、その生首は本物(実体)なんだろう』。

78『スリル!』:2019/02/24(日) 23:16:07
>>77(平石)

>「―――『君』には出来るのか?」「『兄貴』かな?」


   「ああ、コイツはそう呼んでたな」

   「『吉仲』、貴方は『タダヒト』さんが――――」

異様な光景ながら、『緒方』は『ロンドン・コーリング』越しに口を挟む。

   「……誰だぁ? まぁ、いい。
    すんでのところで、『チャオ』に救われた、ってわけだ」

   「救われた、と言えた姿でもないでしょうに……」


  ギ  ァ ッ!

                    ゴゴォッ!

両腕をクロスし、『チャオ』のヴィジョンによる一撃を『防御』する。
『チャオ』は接近し、対の腕が『平石』へと伸び、


              グワシッ!
                             ―――ボロッ


『喉輪』をかまされるように、ヴィジョンの『左掌』が、
『平石』の喉を締め上げていく。――――これは、『締め上げる』に留まらない。
まるで、『もぎ取る』かのように、握力を強めていく。

落ちた歯車を気に留めることもなく、
『チャオ』は腕力を強め、『吉仲』は語り続ける。


      「これから、救われるんだよォ……。

       お前は長々と喋った後だが、俺が大事なのは『一つ』だけ。
       ――――『身体』だ。『加速世界』の影響によって、
       死の寸前を生き永らえているが、……いずれは死ぬ」

      「だから、『チャオ』に命じて、次の『肉体』を探させた。
       だが、『アヴェンダドール』で『死体』を作るってのは、
       牛刀で鶏を割くようなモンでなァァ〜〜〜〜〜ッッ」

      「――――『五人』も無駄に殺しちまったよ。
       まあ、こうやって『高速道路』で暴走する車ってのは、
       俺だけでもねぇ〜〜〜みてぇ〜〜〜だし、対して騒がれねェ」


      「お前をこの場で『殺せ』ば、無駄な犠牲者は出ねぇしなぁ」



.

79平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/02/28(木) 22:54:58
>>78
『加速世界』の能力が『チャオ』。
死んでも動かす――ゾンビ?――の能力が、『吉仲』というこの生首。逆か?
首を掴んで…引きちぎって、すげ替えるつもりか? 『次の肉体』ってわけだ。中々便利そうだが…

「グッ」

息が詰まる。声が出せないから『スタンド』で話そう。

「だから『走らせ続けている』のか?」「『緒方』はブレーキを踏んだ――効かないってのはそういうことで、理由は一つだよな」
「『停めさせない』ように。意外と焦ってるのか? 『加速世界』のお陰で生き延びてると言ったな。今、その『下限』を超えるとどうなるんだ?」

歯車は落ちた。トラックの荷台に。

「遅くなったが説明しておく。スタンドの名前は『キック・イン・ザ・ドア』」
「『機械を停める』能力。エンジンだろーとギアだろーとシャフトだろーと、『機械を停める』。歯車を噛ませてな」
「足下のこれだよ」

防御の姿勢はそのまま、スタンドで『歯車』を踏み、『軽トラに装填』!『停止』させる!

80『スリル!』:2019/03/03(日) 21:41:21
>>79

    ≪……クズがッ!

      『吉仲』、貴方はもう、『生きて』すらいない。
      唯、『死』をバラまくだけの貴方は、既に死んだも同然ッ≫


    「『甦る(リ・ボーン)』って言ってるだろーが、

     別にテメェの身体でもいいんだぜ、話を訊かねぇヤツだな」


        ググ・・・ッ

『キック・イン・ザ・ドア』に対抗出来るだけあり、、
『平石』の首を締め上げる、ヴィジョンのパワーは相当だ。

    「そのまま『締め上げろ』、
     ――――『ファブ・カトル』、そのままだ……」

『吉仲』が命じるままに、『チャオ』はヴィジョンで首を締め上げる。
このままでは『死』も危うい中、『平石』はヴィジョンのガードで、
首を握る腕を押し上げながら、『歯車』を踏みつける。


               グゥンッ!


『歯車』は抵抗なく、『トラック』に押し込まれる。
そのまま『減速』に移行するが、――――『想定』よりも下がらない。


    「ブレーキが利かないってことはだなァ、
     テメェのトラックが、『ユービック』の支配下にあるってことだ」

    「『加速』は止まらねェ、そうだろォ?  チャオォ?」


                        「. . ォ  ァ、ァ ア ・ ・ ・」  
 

『停止』を指示する『キック・イン・ザ・ドア』と、
車体を加速させる『ユービック』、『スタンド能力』同士が『拮抗』している。
このままでは、『平石』の『意識』が無くなるのが先か―――― 

         ≪『ロンドン・コーリング』ゥ !≫


          ブ ワ ァ ァ!

『ロンドン・コーリング』が、その脆弱な腕を振りかざし、『ファブ・カトル』に殴りかかる。
が、『ファブ・カトル』は対の腕を振り回し、『ロンドン・コーリング』を振り払った。

この一瞬、首に掛かる手のガードが緩む。


                   ブ  ロ   ロ   ロ  ・  ・  ・


車体の『減速』により、周囲の状況も把握できるようになった。
隣接する車線にいる何台かの車両が、トラックに近づいてくる。

81平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/05(火) 23:03:05
>>80
「(助かった…『緒方』…)」

一連の現象から、掴んできているコイツが『ファブ・カトル』、
(おそらく飛び散った蛍光塗料を含めて)車体に取り憑くのが『ユービック』、
そして『加速世界』から減速しても、死に損なった『吉仲』と死ねない『チャオ』のコンビは平気なのだ、
ということを理解する。少なくとも、今すぐ時間が元に戻って死ぬわけじゃない。

 ギ !

スタンドで緩んだ『ファブ・カトル』の手を振り払いたい。その余裕はある筈だ。
振り払うその手の中に、『歯車』を一つ発現する。

「………」
「『減速』はしている」「確かに、優位かどうかは判断しかねる状況だが」
「『歯車』は噛む。それは確実だ」

最も大事なことを理解できた。そして『吉仲』も『チャオ』も、『二枚目の歯車』が何を現象するかは知らない。
正確に体験したことはない。「だから」

「君たちの『加速』は、ここで終わるよ」

82『スリル!』:2019/03/08(金) 22:05:30
>>81(平石)

         バキャァッ


   「脆弱だなァ、ザコがッ!」


                   ―――バァンッ!       ≪ぅぐ!≫


『ロンドン・コーリング』が振り払われ、
その『ダメージフィードバック』を受けた『緒方』が『シート』の背凭れにぶつかり、
荷台に繋がる小窓に後頭部を打ち付け、鈍い音と悲鳴を発する。

             バシッ!

だが、そのダメージは無駄ではない。
『ファブ・カトル』の腕を払い、『平石』は拘束から逃れる。
そして、その掌に『歯車』を発現した。


 >「君たちの『加速』は、ここで終わるよ」


      「終わらねェんだよ、俺達も……『エクリプス』もッ」


      「そうだろォ、『チャオ』ッ!?

       『ユービック』ゥゥゥ―――z_______]


      ブロロロロロロロロォォォォッッ!!!!!

『キック・イン・ザ・ドア』による『減速』に抵抗するかのように、
『蛍光色』を輝かせる『真っ赤』なトラックが、『エンジン音』を響かせる。


            ブォォ―――z_____


隣接車線から『大型トラック』が迫ってくる。

83平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/10(日) 14:10:33
>>82
「往生際が悪いのは」「良いことだ。諦めることは簡単だものな」

その『精神性』だけは尊敬するべきだ。他の全部がそうではないとしても。
諦めずに、戦い続ける、その点だけは。

「でも終わりだ。『君たちは、命綱、つけてないだろ』」

   ガ ン ッ

軽トラの荷台を叩く。『二枚目の歯車』を押し込む。二枚目だ。暴走命令を装填する。『フルブレーキ』。緒方も踏みっぱなしだろうが。
それ以外の操作を受け付けない。そして『接触』するだけでも、―――


  >『ハンドル』、『アクセル』、『シート』の全てから、
  >『拒絶』の衝撃を受けた『緒方』が悲鳴を上げる。

  >それは、『平石』も例外ではない。
  >まるで『振動』によって弾かれるように、全身を『衝撃』が襲う。


『弾かれる』。
吹きっさらしの、走行中の、荷台から、だ。『命綱』の大切さを解こうと思ったが、

「緒方に言い忘れてたな」

相談も合図も無しだったことを思い出し、あとで謝ろう、と考えることにした。

84『スリル!』:2019/03/12(火) 00:03:18
>>83

   グ ゥ  ゥ ンッッ!!

二枚目の『歯車』がトラックに装填され、
『フルブレーキ』の命令を下すが、――――車体は『止まらない』。


    バ ォ オ 


         ブロロロロロロロロォォォォッッ!!


「『ユービック』、既に『車体』は染めあがったッ

  ここから、テメェらを『加速世界』に招待し、」


       ドバッ
                  「て」


     バ
       シ   「な、、  ぁあ !!!」

     ィ


『フルブレーキ』を無視する『トップスピード』への移行、
その刹那、『チャオ』の身体が、弾かれたように『浮き上がる』。
たたらを踏み、辛うじて堪えるも、――――致命的な『隙』だ。


    「チャオ!

     耐えろォォォ――――z_____」


     「ァ   ニ……」


既に、『キック・イン・ザ・ドア』の射程内だ。

85平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/13(水) 00:13:55
>>84
「せっかくだけど」

『キック・イン・ザ・ドア』、既に『射程内』に敵を収めている。
さっき言ったことの通りに、『加速』を終わらせる。あの『世界』はもう、

「二度とゴメンだ」


ギ  ァ  リ ッ ッ ッ


丁重に断りながら、剛腕、一閃!
たたらを踏んだ『チャオ』の体を、その手に括った『吉仲』の首ごと、『路面に叩き落す』ッ!!
可能な限り…『大型トラック』が迫る…隣接車線に、落ちるように。
『生きてるか死んでるか分からない』ようなことの、無いようにだ。

86『スリル!』:2019/03/15(金) 23:15:56
>>85(平石)

          ギ  ァ  リ ッ ッ ッ

『キック・イン・ザ・ドア』の剛腕が、空を薙いだ。
その掌峰が『チャオ』の霊体を、容易く『真っ二つ』に割いて、


               バシッッ!!


     「ン  ァ  ぁ  あああ!!」


『吉仲』の首は荷台から滑り落ち、
断末魔を轟かせながら、『大型トラック』に吸い込まれ――――


              ブ 
                    チャッ


振り薙いだ『一閃』は、確かに『生死』に一線を引いたのだ。


           ド
                    ォ     オ  ―――z_____ ンン!!


チャオ『ファブ・カトル』
吉仲『ユービック』⇒『消滅』、『再起不能』

87『スリル!』:2019/03/15(金) 23:16:23
>>86


       「―――――― 何か、

        『合図』を、決めておくべき、でしたね……」


ボロボロの軽トラックがサービスエリアに停泊すると、
運転席から降りてきた『緒方』は、細い首項を抑えながら、
顰め面を浮かべて、荷台へと歩み寄ってきた。


       「ですが、……『チャオ』も、『吉仲』も、滅しました。

        もう、『犠牲者』が出ることはないでしょう」


むち打ちになった『緒方』だけではない。
『平石』もまた、締め上げられた『首筋』や、打ち据えた脇腹、
身体の節々に鈍痛を覚える。――――だが、やっと終わったのだ。

88平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/16(土) 23:32:57
>>87
「…スマン。何しろ急で」

言い訳がましく、荷台から降りる。体が痛い。伸びをしたり、屈伸したりしてみよう。

>       「ですが、……『チャオ』も、『吉仲』も、滅しました。

>        もう、『犠牲者』が出ることはないでしょう」

「そうだな。うん、良かった。それにしても、た」「っ」「と」
「とんでもないヤツらだったな。『死んでも動く』って、本当にあるもんなんだな」

言いかけたのを言い間違えたことにして、とんでもない敵だったことの話題。
『チャオ』と『吉仲』に、義憤めいた感情(だと思う)を以て戦った緒方の前では言い辛かった。
自分でも良く分からない。殴り合いのケンカも小学生以来、格闘技も高校の体育で柔道やったっきりだ。
なのに、ふと口をつきかけた。『それにしても、楽しかった』。本心だ。楽しかった。
徹頭徹尾、『殺されそうになって』、『やりかえして』、『叩き落した』、要するにあれは『殺し合い』だ。
ちょっとどころじゃなく『日常生活』とはかけ離れた異常事態だ。そうだ。
よく考えれば、『曳舟』の話を聞いたときから、楽しみだった。

「………」
「もう『犠牲者』は出ない。うん。一安心だ」

89『スリル!』:2019/03/17(日) 22:45:46
>>88(平石)
奥底から浮かんだ『高揚』を隠しながら、
『平石』は『緒方』からの言葉に受け答えをする。


   「私も、訊いたことはありませんが、

    『幽霊』が実際にいるなんて、
    ……想像にも、及びませんでしたね……」


身体の痛みを紛らわせるように、足腰を伸ばしていく。
しばらくは『通院』が必要だろう。


    「本当なら、『病院』まで送っていきますが、

     もう、零時を回ってますから、
     今日は家まで送っていきます」

    「報酬は、車の中で渡しましょう。

     ――――それにしても、『チャオ』が乗り込んでくる前に、
     私が言ったことは、少しだけ『訂正』しないといけませんね……」


安全帯を外し終えた『平石』が、せっせと柔軟体操をするのを背にし、
『緒方』は何事かを言い残せば、運転席へと乗り込んだ。

90平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/17(日) 23:57:58
>>89
「ああ」

『スタンド使い』でも、『幽霊』は珍しい――というより『想定外』か。
超能力をもってても人間は人間、死んだら死ぬのが当たり前ってところだろう。
そりゃそうだ。

「ありがたいね。最初に会った『公園』の近所だ。そこでお願いする」

『送ってくれる』という申し出はありがたく受け取ろう。
車内で、『報酬』もありがたく受け取るとしよう。車に乗る。

「で、『訂正』って?」

正直、内容をあまり覚えていないが、気になったので、それは訊く。

91『スリル!』:2019/03/18(月) 23:16:03
>>90

      ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・

『平石』はトラックの助手席に座った。
無理の利いたエンジン音を響かせながら、
インターチェンジを抜けたトラックは、高速道路を後にする。

>「で、『訂正』って?」

    「『ヴィジョン』を超えた『破壊力』こそ、
     『曳舟』が『アヴェンダドール』の撃破に必要とした、と――――」

    「私はそう、貴方に言いましたが、

     ……ひょっとしたら、スタンドの性質なんてものではなく……」

赤信号で停車したのを切欠に、
『緒方』は封筒に収めた『札束』を、
ダッシュボードに滑らすように、『平石』に押し出した。

    「『加速世界』という未知の空間、
     『幽霊』という未知の存在、――――これらを前にして、

     尚のこと、立ち向かえる『好奇心』こそ、
     貴方の持ち得る、最大の『武器』だった」

>「ひとつ明確にしておく。
> オレにとって『誰が死んで生きていようと』それ自体は心底どうでもいい」

    「『ロンドン・コーリング』は、
     『バイタル』を聞き取る能力。
                         ス リ ル
     ……貴方の内から湧き上がる『高揚感』は、
     彼女を通じて、私の『耳』に及んでいるのですから」

冷たく、確かな語気が、断じるように『平石』に届いた。
だが、それを放った唇が、フッと柔らかく弧を描いた。

    「ですが、『チャオ』と『吉仲』の『抹消』は、
     それが無ければ、決して成し得なかったでしょうね。

     ……ハアァァァ〜〜〜〜〜ッッ

     なんだか、肩肘を張ってた私が、
     バカを見るような話でしたねェ――――」

脱力するように大きく息を吐いて、
『緒方』は呆れたように愚痴り始める。
もうしばらく、付き合わなければならないだろう――――

平石基『キック・イン・ザ・ドア』⇒『首に青あざ』、『脇腹、他各所に打ち身』、『全治二週間』
                    報酬額は『100万円』。

92『スリル!』:2019/03/18(月) 23:46:59
能力は『人馬一体』。
正しく言うならば、『スピード』を乗りこなす能力。

『高速』である程、ヴィジョンの『精度』は高まり、
それは『運転技術』にも応用される。

―――――『超高速』であれば、
人知を超えた『分子レベル』での『技巧』を発揮し、
新鮮な『遺体』との縫合による『死者蘇生』さえ成し得ると、
『吉仲』は『チャオ』に告げ、『凶行』に駆らせていた。

無論、それが『真実』かどうかは、やって見ないと解らない。

『ファブ・カトル』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:E 精密動作性:速度次第 成長性:E

93『スリル!』:2019/03/18(月) 23:48:36
車体に憑依する『ボディペイント』のヴィジョン。
『概念』として存在する『加速世界』へと入門し、
『現実世界』に『加速のヴィジョン』を発現させる。

『加速のヴィジョン』は車体と同一の動きを取り、
自身より明らかに『低速』の物体からは『干渉』されず、
『加速世界』に足を踏み入れた物体にのみ、その影響を受ける。
(※あくまでも『移動速度』であり、『動作速度』は含まれない。)

『140km/h』に到達した『現実世界』の物体は、
『加速世界』に『加速のヴィジョン』を発現させる。
物体と同一の動きを取り、その『知覚』は『加速世界』に移行する。

『死』の直前、『加速世界』へと入門した『本体』は、
『走馬灯』の流れる『体感時間』で『魂』が固定されており、
自身が『高速』で移動する間、『死』に向かう時間が引き延ばされている。

『ユービック』
破壊力:なし スピード:B 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:D 成長性:完成

94『スリル!』:2019/03/18(月) 23:49:14
『チューブ』や『管』で構築された人型のヴィジョン。
身体の一部を解きほぐし、『極細』のチューブとして、
その射程距離を伸ばすことができる。

射程内の『バイタルサイン』を『聞き取る』能力。
『バイタルサイン』は『魂』が醸し出す『息吹』そのもの。
周囲に存在する『生命体』の数や大きさを、
一人ひとりの『脈動音』の大小によって『把握』できる。

『カクテルパーティー効果』の増幅により、
過去に聞いた『異常』と同質の『脈動音』であれば、
群衆の中であっても、その位置を『正確』に聞き取れる。

また、『心音』を直接『聞き取る』ことを条件に、
『嘘』、『緊張』、『好意』、『確信』などの『心理』の変化さえ、
『バイタルサイン』の範疇であれば完璧に理解できる。

無論、『吉仲』の『真意』もまた、彼女は完全に『理解』していた。

『ロンドン・コーリング』
破壊力:D スピード:D 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:A 成長性:D

95<削除>:<削除>
<削除>

96『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/29(金) 20:20:36
>鉄 夕立『シヴァルリー』
>塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』

ある日の夕方、二人は『歩道橋』を渡っていた。
ゆっくりと、互いがそれぞれすれ違おうとした時――――


    「ヘッヘッヘッ、『夕立』の坊ちゃんに、
     『犀川』の姐さん、……お待ちしておりやした」


橋の中央、手すりに捕まって佇んでいた、背むしの男。
一目で『浮浪者』と解る、みすぼらしい風体をしていた。


    「スタンド使いのお二人に、頼みてェお仕事がございやす。

     ――――盗まれた『現金』を、取り戻してほしいんでさァ」


         スススゥゥ――――


せむしの身体を丸めて、卑屈なまでの辞儀と共に、
差し出された二枚の『名刺』には、こう書かれている。


         <仲介人  曳舟利和>


     「恐らく、盗人は『スタンド使い』。
      お巡りさんでも、手の回らねェ『犯罪者』。

      ソイツらの手を後ろに回すには、
      お二方のご助力が、必要になんでさァ」

据えた臭いを放ちながら、『曳舟』は卑屈な言い回しで、二人に話しかける。

97塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/29(金) 20:54:01
>>96
名前を呼ばれ、ふと立ち止まる長身の女。

「ふーん………。
良くわかったね。『スタンド使い』。そっちの君も?
私のことを知っている奴は、そう多くない筈なんだけどな……」

『鉄』を一瞥したのち、値踏みをするように『曳舟』を見下ろす。
名刺の一枚を受け取った。

「楽しそうなハナシだな。
詳しく聞きたいね」


-----------------------------------------------------------------
ガラス細工の鳥のスタンド。群体型。
身体を擦りつけた物にガラスの羽を植え付け、『ガラス化』させる。
また、頭部に核があり、破壊されるなどで露出したこれに触れた物は、
大きな物、分厚い物などであっても一気に『ガラス化』されてしまう。

『クリスタライズド・ディスペア』
破壊力:E スピード:B 射程距離:B(12m)
持続力:E 精密動作性:C 成長性:B

【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/177

--------------------------------------------------------------
【持ち物】
ハンドバッグ・財布・スマートフォン・手帳・ボールペン・文庫本


【簡易プロフィール】
長身痩躯の長髪の女。24歳。
見るものを委縮させるきつい顔立ちだが、身に纏う雰囲気は緩い。
高級そうなスーツを着崩した、アンバランスな服装。
職業はなし。宿もなく、男の家に寝泊まりしている。

98鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/29(金) 22:32:22
>>96

「・・・・・・・・・・」

名前を呼ばれ、振り返る。そこにいたのは、恐らく一度も会ったことのない『浮浪者』のような男性だ。
まさかだろ、という感じだが。もしそうだとしたら、『早過ぎる』。
音無さんから話を聞いたのが昨日、覚悟を決めたのがその夜。そして出会うのが、まさかの今日?
そう、あるいは勘違いというセンもあった。この『名刺』を受け取るまでは。


「…『曳舟』さん」
「これがあなたの…『需要』と『供給』を操る能力ですか?」
「ああ、話は伺わせて頂きます」

「・・・・・」 チラリ
ペコリ

共に声をかけられた女性の方へと顔を向け、視線を外しながらも一礼した。



-----------------------------------------------------------------

視認した『刃』から殺傷力を奪い、なまくらにする。
奪った殺傷力は、その『刃』の形を成して手に発現出来る。
奪う際にも殺傷力が刃の形を成してこのスタンドに飛来し、それを吸収する。
その飛来経路に無生物があっても透過し、生物がいれば容赦なく切り裂く。

『シヴァルリー』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E(2m)
持続力:B 精密動作性:B 成長性:B

【記】『スタンド能力詳細まとめスレ』
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/103

-------------------------------------------------------------
【持ち物】
竹刀袋(鍔と竹刀入り)、スクールバッグ(筆記用具、財布、勉強道具、小型ポーチ[鉄釘、75mm、15本入り])、スマホ
【簡易プロフィール】
『清月学園高等部二年生』、『剣道部』。
右目にかかる、斜めに切られた前髪が特徴的なショートヘア。目は切れ長で細め。身体もやや細身。
女性が苦手で、初対面だと特に目も合わせられない。緊張が原因なので、非常時など他に強い意識が向いている時は、その限りではない。

99『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/29(金) 23:54:48
>>97(塞川)
名刺には『曳舟』のフルネームのみが記載されている。

    「素晴らしい『即断』でごぜぇます。

     アタシの粗末な身なりじゃあ、
     まずは『警戒』されるモンですがねェ……」

    「そこを行くと、『塞川』の姐さんは、
     見かけ通り、肝が据わっていらっしゃる」

『曳舟』は何本かすっこ抜けた『乱杭歯』を晒しながら、
唇を緩めた締まりのない笑みを『塞川』へと向け、おべっかを並べる。

>>98(夕立)
>「これがあなたの…『需要』と『供給』を操る能力ですか?」

    「これはこれは、お耳が早いことで。

     アタシのような下賤の身であっても、
     『夕立』の坊ちゃんにも知られているとは……」

    「ヘッヘッヘッ、老いさらばえても何でも、
     長く生きてみるものですなァ」

遥か年下の『夕立』に対しても、
『曳舟』は卑屈な態度を曲げず、ハエのような揉み手を欠かさない。


>ALL

    「事の仔細は、アタシからお聞かせしたいのですがねェ、

     今回に限っては、『クライアント』が直接関わりたいと、
     そーいう『要望』でさァ、すいませんねェ、ヘッヘッヘッ……」

話を聞く姿勢を見せた二人だが、
『曳舟』はへりくだった態度のまま、フケまみれの頭を垂れる。

    タッタッ
            タッ

    「おっと、……それじゃあ、アタシはこれにて」

『曳舟』は丸めた背中を二人に見せると、足早に去っていく。
彼とすれ違うように、スーツを着た大柄な中年男性が、二人の前に現れる。

    「あっ、『曳舟』さん。
     ちょっと、ちょっと待ちなさいよ」

彼は去っていく『曳舟』を大声で呼び止めようとするが、
離れていく『曳舟』を諦めたように見送り、二人へと向き直る。

    「あー、君達が、その、『スタンド使い』ということかな?

     ……そうなんだろうな。『曳舟』さんの『名刺』を持ってるってことは、
     彼を通じて雇われた、そう考えていいんだよな。うん?」

疲労の影が残る強面、鋭い目に鷲鼻、胸襟が不自然に広がったスーツ。
185cmを優に超える巨躯、一目でその筋の者という印象を与える。

    「私は『立石晴人』。『三課』の刑事、といえば解るかな?」

『立石』は不躾に歩み寄り、二人に『警察手帳』を突き付ける。

100塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/30(土) 00:11:42
>>99
「ふん、自分の事がわかってて、
あえてそういう態度を崩さない……。
『泥棒』とかより、よっぽど手ごわそうなヤツだよな、君の方が」

にやにやと笑って、『曳舟』に話しかけた。
名刺の裏表を確認している内に……相手が変わったようだ。


「ケージ……刑事か。
うーん、ま、雇われたって言や、雇われたかな。
そーだよな、『夕立』クン」

目を細めて、『警察手帳』を眺めた後、
隣の『鉄』の背中をばんばん、と叩いて同意を求めた。

「私は『塞川』という。
何だって? あんたらがお手上げの『盗人』が居るんだって?」

101鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/30(土) 01:36:46
>>99-100

「・・・・・」

謙虚さは美徳だが、『曳舟』さんほどまで行くと、あまり美しさを感じない。
自分より遥か年上にも関わらず、こんなにも鮮やかに依頼を取り付けたにも関わらず。
あくまで『卑下』する姿勢を崩さない。だからこそ、彼に対する警戒心を崩せない。


>    「事の仔細は、アタシからお聞かせしたいのですがねェ、

>     今回に限っては、『クライアント』が直接関わりたいと、
>     そーいう『要望』でさァ、すいませんねェ、ヘッヘッヘッ……」

「『クライアント』?」「……姿が見当たらないようですが」「あっ」

言い終えるより早く、曳舟さんは素早くその姿を翻していく。
そして入れ替わりに現れた、大柄な男性。お膳立てされたかのような登場だ。
とはいえ、この男性にその意思はないだろう。それもあの曳舟さんの能力の一部なのだろうか?
個人的に曳舟さんに訊ねたい事があったのだが、それも今は難しそうだ。
なら、依頼を受けた後で訊ねればいいか。『需要』と『供給』を操る能力、
自分が『需要』を作り出せば、後は彼が『供給』をしてくれるかもしれない。

>    「私は『立石晴人』。『三課』の刑事、といえば解るかな?」

「…警察の方でしたか」「オレは鉄 夕立、17歳の高校生です」「よろしくお願いします、立石さん」

改めて、挨拶をする。この手帳が偽物でない限り、国家公務員までもがあの曳舟さんを、
そして『スタンド使い』を頼りにしているというわけだ。事態の重大さを感じ───

>そーだよな、『夕立』クン」
>隣の『鉄』の背中をばんばん、と叩いて同意を求めた。

「ひゃいっ!」 ブンブン

唐突な異性からの接触に驚きながらも、顔を縦に振って同意をする。
声が多少裏返ったかもしれないが、気にしない。…気にしないことにする。

102『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/30(土) 21:28:35
>>100(塞川)
    「ああ、……恥ずかしい話だが、
     我々だけでは太刀打ちできそうにない」

『立石』の醸し出す雰囲気は物々しいが、
助力を求める声は、低く押し殺されていた。

>>101(夕立)
「?」

裏返った『同意』に訝しむ『立石』。
その表情が険しさを増すが、すぐに鳴りを潜める。

    「何、別に取って食うわけじゃあない。
     私はむしろ、君に『協力』をしてほしいんだ」

『警察官』への物々しさに怖気づいた、とでも解釈したか、
『立石』は多少は声を和らげて、改めて『夕立』へ伝える。

>ALL

    「詳しくは、『車』の中で話そう。
     尾いてきてくれるか?」

『警察手帳』をそそくさとしまい、
二人に背中を見せた『立石』は、『歩道橋』を下っていく。

ハザードの焚かれた、シルバーの『ミニバン』が停車している。
俗に言う『覆面パトカー』というものだろう。『立石』が開錠した。

    「『夕立』君の竹刀は、
     一番後ろに置いておいてくれ」

二人が乗り込んだのを確認し、
『ミニバン』は走り出す―――――

103『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/30(土) 21:29:01
>>100(塞川)
>>101(夕立)

  ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ . . .

    「正直に言って、この事態は『イレギュラー』だ。

     私が『スタンド』という存在を知ったのも、
     この一週間かそこら、『未知』の領域になる」

    「だが、『超能力』でも用いない限りは、
     あの『事件』は絶対に説明が付かない、……そう『確信』している」

『カーステレオ』を収める箇所に、謎の『無線機器』が配備されている以外、
『パトカー』といえど、普通の車両と変わりのない内装だった。

    「私の所属する『三課』は、
     『窃盗犯』を主担当としている」

    「スーパーの『万引き』、『空き巣』や『ひったくり』は、
     この町の何処かで、毎日起こっている」

    「―――――今回は、『空き巣』だ。

     捜査鉄則として、『空き巣』は物証が残りやすく、
     過去の事件と『手口』が類似する傾向が強い。
     本来であれば、早期に片付く事件のはずだった」

『ミニバン』は国道を走り、『立石』は静かに事件の概要を話していく。

    「全く、見たことのない『事件』だ。

     いずれの現場も、頑丈な『金庫』が置かれていた。
     だが、犯人は『指紋』一つ残さずに『金庫』を開錠し、
     中に収められた『現金』と『通帳』、『重要書類』に至るまで、
     全てを奪い取って、モノの『15分』かそこらで消え去った……」

『立石』の語調は、苦々しい。
前例のない『事件』であると、ハッキリと強調している。

    「既に、『上』からは捜査方針の『転換』を指示されている。

     『外部犯』ではなく、『身内』若しくは『本人』の自作自演、
     そう決め付けている。……私も、疑っていないわけじゃあない」

    「だが、似たような事件が、
     管内で立て続けに『三件』も起こっている。

     これが『偶然』だとは、私にはどうにも思えない」

104塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/30(土) 22:24:07
>>102
「ふーん……ずい分とカワイイな。
誘ってるのか? ン?」

『鉄』の肩に手を回し、
『立石』をそっちのけで顔を覗き込む。
にやにや笑いを消さずに、先導されるままに車に乗り込んだ。

「17さいだっけ?
イイよな、一番いい年齢だ。
『剣道』?やってんだよね、体つきもいいし、
よく見りゃルックスもイケメンだよなぁ〜」

車内でも『立石』の話を聞いているのかいないのか、
べらべらと『鉄』に話し掛けている……。
と言っても、真面目そうな『鉄』の方が、
あらかた話は進めてくれるだろうが。
『立石』の方は、怒るかも知れないな。

105鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/30(土) 22:31:57
>>102-103

「・・・・・」 フゥー

奇妙な返事については、優しい勘違いをしてくれたようで良かった。
これから仕事の一部を任せようという人間があまりに情けない姿では、立石さんに心配されてしまいかねない。…が。

>「ふーん……ずい分とカワイイな。
>誘ってるのか? ン?」

「えっ」「あっ、いや、そのっ」「仰ってることが、ええと…」

近い。距離が近い。ものすごく。熱くなった顔を背けながら、両手だけ塞川さんの方へ向ける。
これがこの女性流のコミュニケーションなのだろうか。大人とは難しい。
ひとまず立石さんの指示に従い、逃げるように車内へと入る。言われた通り、竹刀袋は最後部へと置かせてもらおう。

「すみません、突然のことで荷物が多くなってしまいまして…」

呼吸を整え謝罪をしつつ、今回の仕事に関する話を伺った。
立石さんは『スタンド』を知って日が浅いらしい。自分よりも、だ。
そして事件の内容を把握する。つまり、『スタンド』を用いた『空き巣』ということか。
しかし、自分は内容と同じくらい気になったことも別にある。
『窃盗』ほどの犯罪なら、この街では毎日起こっている、という点だ。
犯罪とは、ニュースで聞くどこか遠いことのように思ってしまっていたが。
確かに音無さんの言う通り、悪意を持つ人間は、そう珍しいものでもないらしい。
気を引き締めた。

「恐らく犯行に使われたのは、『スタンド能力』です」「そういうことができる能力があっても、おかしくありません」
「ちなみに、『金庫』のロックはどういった形式でしたか?」

立石さんに訊ねる。

>「17さいだっけ?
>イイよな、一番いい年齢だ。
>『剣道』?やってんだよね、体つきもいいし、
>よく見りゃルックスもイケメンだよなぁ〜」

「きょっ、恐縮です」

視線を合わせずに、一礼をした。
褒められているし、これから仕事をする上でコミュニケーションをするのは大事なのだろうけど、
ちょっと距離を詰めるのが早過ぎて、また自分には対応できない。

106『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/30(土) 23:03:14
>>104(塞川)
事件の概要には反応せず、
もっぱら『夕立』をイジることに終始する『塞川』。


          「グォ   ホンッ!」


怒の籠った咳払いが、運転席から飛んできた。

>>105(夕立)
>「恐らく犯行に使われたのは、『スタンド能力』です」
>「そういうことができる能力があっても、おかしくありません」

    「やはり、そうか。

     ……『曳舟』さんから、スタンドがどういう力は聞いている。
     が、イマイチ『実感』を得てなくてね。

     例えば、なんだが。
     これはあくまでも『イメージ』として、だが、
     君の『スタンド能力』なら、同じような『盗み』が出来るのかい?」

刑事らしからぬ、余りにも『浅慮』な質問が飛んできた。

>「ちなみに、『金庫』のロックはどういった形式でしたか?」

    「被害者によりけり、だな。
     プッシュキーの形式もあれば、
     『指紋認証』の金庫もあったぞ」

    「そして、『開錠』されたという、
     『電子的』な記録もなかった……」

>ALL

二人は『後部座席』に座っている。
『立石』の私物であろう、大きなバッグが『助手席』を占領していたからだ。
先程の質問といい、余り気の利くタイプではなさそうだ。

    「これから、君達は『警察官』の振りをしてほしい。

     ――――犯行現場に向かい、
     被害者達に聞き込みの傍ら、
     その『スタンド能力』で『現場』を見てほしいんだ」

    「『指紋』の一つも残っていない現場だが、
     君たちの『インスピレーション』で、
     何かが解るかも知れない。……そう考えている」

場当たり的な『捜査依頼』だが、
スタンド能力に関しては素人同然であることが有り有りと解る。

やがて、『市営スポーツセンター』に停車すると、
運転席から下りた『立石』は、二人に『スポーツバッグ』を差し出す。

     「中に警察官の『制服』が入っている。

      ――――『曳舟』さんの手配だが、
      どうやら、サイズは『ピッタリ』らしい……」

     「とりあえず、着替えてからまた来てくれ」


       ジパァー
                       ジジジ……

疑わしそうに、もう一度バッグを開けて中身を確認してから、
不思議そうに首を傾げながら、『立石』は二人にバッグを差し出す。

107鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/30(土) 23:19:23
>>106

>     例えば、なんだが。
>     これはあくまでも『イメージ』として、だが、
>     君の『スタンド能力』なら、同じような『盗み』が出来るのかい?」

「…率直に言って、難しいですね」
「オレの『シヴァルリー』は、戦闘向けの能力です」
「人よりも器用な動きはできますが、盗みの技術を動かすオレが知らないと、話にならないので」

顎に手を当て、真剣に考えてみたが、あまり上手くできそうにない。
透明な箱の中に尖った鍵が入っている、とかの限定的な状況なら活躍することもできるだろうが。
それは立石さんの言う、同じような盗みには当てはまらないだろう。

「『解錠』された記録もなかった、ですか?」
「『デジタル』に干渉するスタンドか、密室の中に入り込むスタンドなどでしょうか」

大まかな予想を口にする。とはいえ、この時点ではあまり決定的なことは言えなさそうだ。
恐らく、これから聞き込みの流れになるのだろうが───。

>    「これから、君達は『警察官』の振りをしてほしい。


「・・・・・・・・・・・・・・・」

本気らしい。嘘をつくのは心苦しいが、被害者たちが『スタンド』能力を知らない以上、
警察官が現場に二人の一般人を連れて行く方が不自然か。
バッグを受け取り、着替えに赴くとしようか。

108塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/30(土) 23:33:08
>>106
「はっは、まあ待ちなって。
折角の若いツバメをさ」

立石の反応に、クスクスと笑って前を向く。

「じゃ、私からも話をすると......」

「まず1つ。
『スタンド能力』の『推理』は、
人の心を覗き込むようなもんだ。
『心』に決まったカタチが無い以上、
『スタンド能力』も無数にある。
故に、当たりゃご喝采。
わかんなくても、文句は言うなよって事」

「ふたつ目。
『報告』は正確にしな。
『開錠されていたかどうか?』
あんたは『中の物が無い』ことから開錠って言葉を使ったんだろうが......。
『開錠され、中の物が無くなった』事と、
『中の物が無くなった』じゃあ、全く別って事だ。
この意味がわかるか?」

「そして3ツ目は.....ま、これはいいか。
今回の話は、私にも役得がありそーな話だ。
大人しく従うよ」

鞄を引っ掴んで眼前の建物を一瞥し、
車の扉に脱いだ服を引っ掛け始めた.....。

109『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/31(日) 00:09:40
>>107(夕立)
>「『解錠』された記録もなかった、ですか?」

    「ああ、『抹消』したのだろう。

     『開錠』の時間によって、
     犯行時刻の特定を恐れたか……」

『立石』は歯切れの悪い口振りで、『夕立』へと返答する。
バッグを受け取り、『夕立』はスポーツセンターへ向かう。

>>108(塞川)

>『開錠され、中の物が無くなった』事と、
>『中の物が無くなった』じゃあ、全く別って事だ。

    「んん? 何を言っている。

     『金庫』から出さないと、
     『現金』は持っていけないだろう」

ピンと来ていないのか、
『立石』は愚問を返すが……

    「――――  ―― あッ!

     まさか、出来るってのか!?」

一拍遅れて、『テレポート』にピンと来たようだ。
しかし、『塞川』が服を脱ぎ始めると、

    「酔っ払いか!

     わざわざロッカーのある施設まで、
     車を出したんだから、向こうでやれ!」

『塞川』を怒鳴りつける。

110『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/31(日) 00:10:02
>ALL
紆余曲折ありながらも、『警察官』の制服に袖を通し、
二人は駐車場に再集合した。

『交番』で見かけるような、一般的な『制服』だ。
『立石』の言う通り、二人の体格にジャストフィットしている。
胸ポケットには『警察手帳』も入っている。

唯、腰に付けた『拳銃』や『警棒』、『無線機』については、
精巧な『贋作』であると、触れただけで判別が付いた。

    「うーん、中々似合ってるな」

『立石』はなおざりな感想を述べると、
再度、『運転席』へと乗り込んだ。

    「まずは『箱根誠一』の事務所へ移動する。

     古くから『星見町』に住む一族だが、
     中でも彼は、郊外の広大な土地を所有する『地主』だ」

    「あの『スカイモール』を建設する際にも、
     用地所得に多大な協力をしたと聞いている」

二人が乗り込むのを確認してから、『ミニバン』が発進する。

    「被害総額は『1000万円』。

     加えて、管理している『重要書類』、
     通帳の類も盗難されている。
     本件の一番の『被害者』といっても、過言じゃあない」

111塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/31(日) 00:23:03
>>109-110
「職務に熱心なヤツだな、やれやれ」

紆余曲折あり、着替えた。
着崩したりはしていない、今のところは。
どお? 似合ってる? などと『鉄』に話し掛けたりしている。

「1000万、金庫にあったって事か?
キャッシュで?」

移動中、何気なく質問をしながら、スマホを操作して、箱根誠一について調べる。
来歴や、まちのニュースに最近上がってないか?などだ。

112鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/31(日) 01:02:38
>>110-111

着替え終えて、鏡で姿を確認してみる。我ながら、馬子にも衣装といった感じだ。
なるべくクラスメイトに会わないことを祈るしかない。
腰に手を当て、装備を確認する。贋作か。とはいえ『拳銃』は手に余る武器であるし、『無線機』はスマホがあればいい。
『警棒』も『シヴァルリー』がいれば、さほど大したものではない。

「お待たせしました」 ビッ

とりあえず警官らしく、敬礼をしてみる。

>どお? 似合ってる? などと『鉄』に話し掛けたりしている。

「えっ」「えっと、その… 」チラリ
「ッ」「とても、よく、お似合いだと…」

直視はできないが、適当に返事をするのもよくない。一瞬だけ視線を送って、そして直ぐに逸らした。
見知った顔が(とはいってもついさっきだが)警官の制服に身を包んでいるのは、なんとも奇妙な感じがする。
だが、似合うと言うのはウソではない。
兎にも角にも、ミニバンの中に再度入り込む。


>    「被害総額は『1000万円』。

「いっせんまん、ですか…ッ?!」

あまりの金額に、思わず口が開いてしまう。高くとも数十万円を想定しただけに、これは流石に予想外だ。
『空き巣』と聞くと少々ケチな雰囲気がするが、これは完全に大犯罪だろう。

「ちなみにその『重要書類』とは、仕事に関わるモノだったんですか?」

113『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/31(日) 01:33:04
>>111(塞川)
>「1000万、金庫にあったって事か?
>キャッシュで?」

    「ああ、『100万円』の札束で10個。

     ご丁寧に、札束をまとめる『帯封』を抜いて、
     万札だけをすっぽ抜いて、盗み取ったようだ」

『箱根誠一』で検索を掛ける。
残念ながら、来歴は載っていない。

小中学校の『備品寄贈者』のページや、
複数の『各種団体』に名前が載っている。
『奉仕精神』に富んだ性格のようだ。

>>112(夕立)

    「うむッ」
            ビッ

『立石』から敬礼が返された。

    「仕事上の『書類』から、
     賃貸契約書のような、私的なものまで、一切合切だ」

    「あくまでも、事務所に置いていたのは『写し』だったから、
     業務上の被害は出なかったが、……たまったものじゃあないな」

>ALL

    「ここが、被害者の事務所だ」

『ミニバン』はマンションの駐車場へと停車した。
タイル張りの『五階建て』のマンション、何の変哲もない。
入口はオートロックであり、まだ真新しい。


       カツ・・・
               カツ・・・

『エレベーター』を利用し、『3階』へと移動する。

114『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/31(日) 01:33:16
>>111-112(塞川&夕立)

『立石』は『箱根地所』と表札が掲げられたドアの前で、
インターホンを押し、その要件をドア越しに告げる。

    ガチャ・・・

     「『立石』さん。どうもどうも。
      どうですかね、何か解りましたか?」

撫で付けた髪、整えられた口ひげ、
ダブルスーツを着た、恰幅のいい老人が、
おずおずと『立石』に話しかける。

     「未だ、目星は付いておりません。

      今回は更なる『捜査』のため、
      改めて現場を『見分』したく、参りました」

『立石』は冷静に告げる。

     「ええ、上がってください。

      ……それにしても、
      何も出てくるとは、思えませんが……」

不安そうな表情ながら、
『箱根』はドアを押し開けて、三人を招き入れる。

     「此方のお二人は、
      『立石』さんの部下の方で?」

     「ええ、早期解決のため、
      人員を増やしておりまして」

     「左様ですか。

      ――――『箱根誠一』と申します。
      今回はね、ご迷惑をお掛けしてますが、
      ……本当に、何がなにやら……えぇ、ねぇ……」

『箱根』は困惑の色を隠せない。
今回の事件について、どう接していいか解らないようだ。

115塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/31(日) 01:49:29
>>113-114
「ふん、なるほど。
金持ちのやる事は、わからんね。
因みに、『盗られていないもの』は?」

『ハンドバッグ』は……仕方ないから置いていこう。
中身を適当にポケットに突っ込んで、欠伸をしながら『立石』についていく。
道中で質問を投げかけながら。

「ヤア、こんにちは。
あなたが箱根さん?
娘の小学校に、あなたの名前がありましたよ。
寄贈品は……えー、何でしたっけ?」

ネットで数分前に仕入れた知識を披露しながら、
適当に挨拶して、部屋にずかずかと入っていく。
中心に立って部屋中を見渡す。

116鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/31(日) 20:06:27
>>113-114

立石さんに敬礼を返されたことにより、自分が『警察官』であるという自覚が湧いてくる。
いや、実際はただの学生で、妄想に過ぎないのだが。

「他の被害者たちの状況にもよりますが…最初から『重要書類』目当てで、
 大金を盗んだのはそのカモフラージュの線もあり得るでしょうか」

自分には、そういった書類が一般的にどの程度価値を持つのかは分からないが。
帯封を残すほど几帳面な性格なのに、金になるか分からないものまで持っていくのは妙かもしれない。
犯人にとって重要だった可能性もあるか?
色々と思考を巡らせながら、マンションの中へと入る。

「あなたが箱根さんですね、よろしくお願いします」 ペコリ
「繰り返しになるでしょうが、オレたちにも『最後に金庫の中身を確認した時間』、
 『中身が消えていたことを確認した時間』、そして『その時の家の状態』を教えて頂いてもよろしいでしょうか?」

一礼しつつ、辻とか村上とかの偽名を名乗っておくべきかと思ったが、やめた。
警察手帳は恐らく鉄 夕立で作られているのだろう。下手な嘘はやめておこう。
事件の後に街で出会ったら、そっくりさんということにしておけばいいか。

117『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/01(月) 22:24:03
>>115(塞川)
「印鑑の入った『木箱』、
 書類をまとめていた『クリアファイル』、
 事務所やマイカーの合鍵の入った巾着は、
 『金庫』の中に入ったままだった――――」

『立石』は振り返らず、『塞川』の質問に答える。
そして、ドアを開けて姿を現した『箱根』に対し、
適当な挨拶をしながら、『塞川』は室内に入っていく。

     「え、ああ……」

咄嗟のことに、『箱根』は口を閉ざしている。
その間に、『塞川』は部屋の中心へと到着した。

>>116(夕立)
「その可能性は、あるかも知れない。

 ……が、今一つ決め手に欠ける。
 不動産に関連する『重要書類』とはいうが、
 そこまでして『盗む』ものかと言うと、な……」

この様子だと『重要書類』の関連人物は、既に当たっているのだろう。
――――そして、その聞き込みは『事件』の真相には結びつかなかった。

    「ええ、此方こそ。よろしくお願いします。

     先ほど、奥へ行った婦警の方と一緒に、
     お話をさせて頂きましょうか。―――どうぞ、此方に」

部屋の主に案内されるがままに、
『夕立』は事務所の奥へと足を進める。

118『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/01(月) 22:24:36

【箱根の事務所】
■─┬──┬─[ 出  窓 ]─――――■
│便│水□│植┌───┐□□机□棚│     ☆:金庫。『1m』の立方体。
│所│場□│□│応接用│□□机椅棚│
└□┴─□┤□└───┘□□机□棚│     植:観葉植物。おそらくバオバブ。
│□□□□扉□□□□□□□□□□☆│
■─扉──┴─.[飾り棚]-─■棚□机机■  応接用:ソファとローテーブルのセット。
                  │棚□□椅│       どちらに座っても、出窓を眺められる。
                  ├─扉──┤
                  │□□□□│  ..飾り棚:営業許可書や、県からの感謝状など、
                  ■────■          華やかな褒章が飾られている。

>ALL
前情報に反し、『箱根』の事務所は質素だ。
『1LDK』に必要最低限の調度品を配備している。
掃除は行き届いており、『書類棚』にもホコリは目立たず、
出窓の傍に飾られた『観葉植物』も、瑞々しい香りを醸し出している。

『出窓』の隣には『星見町』の地図がデカデカと貼られ、
『棚』には『経営』や『法律』、『地学』に関する分厚い書籍が並び、
その正面には革張りの『肘掛け椅子』に、年季の入った『社長机』が鎮座する。

『社長机』の脇には、ノートパソコンの置かれた『事務机』が在り、
傍にある本棚には『経理』に関する書籍や、黒ファイルが並んでいる。
『箱根』の他に、もう一人誰かが頻繁に来ているようだ。

室内に入ると、問題の『金庫』は真っ先に発見できた。
『卓上プリンター』の置き場所にこそされてはいるが、
『ダイヤル』の目立つ鉄の箱は、誰が見ても『金庫』だった。

     「あれは、『三日前』のことでした。

      私は、『17時ごろ』に『事務所』を出た後、
      近所の駐車場に停めた車で、家に帰る時でした」

     「『車』の『電子キー』が利かなくなりましてな……。
      理由は解りませんが、まぁ『壊れた』と考えまして、
      とりあえず、『金庫』から『合鍵』を取ろうと、事務所に戻しました」

     「事務所を出てから『15分』くらいでしょうか。
      娘に電話して、『開錠番号』を確認してから、
      『金庫』を開けたら、……無くなっていたのですよ」

     「『土地』の売買に必要な、書類が何から、
      それに『通帳』、ましてや『現金』が全て!」

     「事務所の『窓』も、『扉』も、全て『施錠』されてました。

      ましてや、『金庫』の中身は、
      『事務所』を出る直前に、ハッキリと見ていたのに……」

『箱根』は狐につままれたような様子で、三人に話しかける。
『立石』の表情に変化はない。話の内容に『変わり』はないようだ。

119塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/01(月) 22:46:21
>>117-118
「なるほど、なるほど。
その『盗まれた書類』………
全て、『金庫』に入ってたモノだけか?
机の中にもあるよな、重要なモンは」

喋りながら『飾り棚』の傍まで歩いていき、
その中身を興味深そうに眺めながら質問をする。
営業許可証や感謝状を。

「そりゃ、奇妙な話だな。
『電子キー』は、その後使えるようになったワケ?
ま、これはあんまり関係ないような気もするけどな……」

120鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/01(月) 23:15:40
>>117-118

「…なるほど」
「その『金庫』は、解錠した時の履歴が残るタイプですか?」

もっとも、履歴が残っていないのは知っているが。
仮に残るタイプなら、後から消されたか、開けずに中身を奪われたわけだが。
消すとしても、誰にでも出来るわけじゃないだろう。それも暗証番号が必要なのか。

「それと、暗証番号はあなた本人はご存知なかったのですか?」

121『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/01(月) 23:37:20
>>119(塞川)
「他のものは『手付かず』だった。

 ……そうでしたね、『立石』さん?」

話を振られた『立石』が、重々しく頷く。
『営業許可証』や『感謝状』は、いずれも『額縁』に収まっている。
『塞川』に何か『見識』や『意図』があるのであれば、
より突っ込んで『注視』することもできだろう。

    「『金庫』の中身以外、盗まれたものはない。

     犯人は『指紋』一つ残さず、
     『金庫』の中身だけを奪っていったわけだ」

    「無論、さっき言ったように、無事だった品物もある。
     『電子キー』の合鍵は、手を付けられたはいなかった。
     ……『ディーラー』に問い合わせたら、『故障』だったらしい」

「キーを差して『運転席』に入って、
 『発進』させようと『電子キー』を翳したら、
 ……まぁ、ウンともスンとも言わんでしてなぁ。
 やっぱり、“ハイテク”には慣れませんなぁ……」

とりあえず、『電子キー』は偶然にも壊れただけのようだ。

>>120(夕立)
「『ダイヤル式』ですから、
 そのような『履歴』は残りません。

 腕のある『技師』であれば、
 ダイヤルの微かな『音』で判別が付くとか、
 前に『テレビ』で見た記憶がありますが……」

    「その番組は、私も見ましたな。

     しかし、その『金庫』は真新しい様子。
     何度も『ダイヤル』を回し、『劣化』した上で、
     発生した『異音』を聞き取る『メカニズム』でしたな」

『箱根』の思い付きを、『立石』が補足する。
金庫はアナログな作りで、電子的な『履歴』は残っていないようだ。

「お恥ずかしながら、『ド忘れ』してしまいまして。

 『手帳』も『車内』へ置きっぱなしでしたので、
 変に弄らないよう、『娘』に電話を入れました」

そそっかしいが、妙なところで『冷静』な老人だ。
元々は『用心深い』性格だったのだが、
年を経るにつれて、老いが目立ってきたのだろうか。

122鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/01(月) 23:55:05
>>118

完全にアナログ式の金庫か。いや、解錠はアナログで、デジタルに記録を残すとかあるのか知らないが。
先ほど立石さんが言っていた記録云々は、この箱根さんのことではないようだ。

「ちなみに、その『三日前』より以前にも、何か妙な出来事はありましたか?」
「比較的、最近のことでいいんですが」

しかし15分以内に、痕跡一つ残さずに、金庫の中身を抜き取る。実に鮮やかな手並みだ。
ならば、既にある程度下調べをしていたのではないか?
例えば現場を下見したりする際に、『スタンド』で偵察をしていた可能性もある。遠隔操作型ならば、だが。

123塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/02(火) 00:03:44
>>121
「『電子キーの故障』は、犯人の立場としては不利なだけ……。
意図的に起こされた筈はない。何かの影響って可能性も……ま、無いだろうな」

『他に盗まれたものはない』……という部分までを聞いて、
飾り棚を見るのは一旦やめて、金庫の前に戻ってくる。
『箱根』と話をする『鉄』の方をちらりと見た。

「じゃ、次は『金庫』を見せて貰おうか。
『指紋』とかはもう調べたんだろうが……一応ね」

そう言って金庫の開錠を待つ傍ら、『鉄』に話しかける。

>>120
「………私達の『立場』を忘れるなよな。
重要なのは『どうやって?』、の、その一点。
それ以外の事は、コイツらがやってくれてんだから」

ぴっ、と『立石』を指さして。

「基本的に犯人には、必要以上に『急ぐ』理由は無い。
『15分』という制限時間……。 それが偶然だった以上はな。
それを『メチャクチャ手際がいいプロ』と考えるより……
『一瞬』でできる、『遠隔』でできる…・…そう考える方が『私達の真実』には近いよな?」

「それを考えるんだ、感覚の目で良く見なよ。
あんたにも、期待してんだから」

124『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/02(火) 00:19:35
>>122(夕立)
「……『妙』なこと。

 うーむ、これと言って思い当たりませんな」

不可解な事件に巻き込まれているにも関わらず、
『箱根』は思い当たらない、と口にしている。
……おそらく、本当に『解らない』のだろう。

>>123(塞川)
>「『電子キーの故障』は、犯人の立場としては不利なだけ……。
>意図的に起こされた筈はない。何かの影響って可能性も……ま、無いだろうな」

    「確かに、『電子キー』が壊れてなければ、
     『盗難』の発見はもっと遅れていたからなぁ……」

同意を示した『立石』は、巨躯を折り畳むように、『金庫』の前に屈みこむ。
既に『捜査』の過程で、『開錠番号』を聞きこんでいたようだ。

>ALL
『塞川』は『金庫』の開錠をしている『立石』を指さし、
『夕立』目掛けて激を飛ばす。

――――確かに、『急ぐ』理由はない。
そして、常軌を逸した『手段』だったからこそ、
二人に宿った『感覚の目』が、真実に至る一助となるだろう。


         ガチャッ

唯一の『物証』である『金庫』は、事件発生時から『保全』されている。
『立石』が話した通り、中には『帯封』がちらばり、
空っぽの『クリアファイル』や『ゼムクリップ』が散乱している。
そして、『印鑑箱』や『巾着』は手付かずのまま、置きっぱなしになっている。

「すみませんね。『箱根』さん。
 唯一の『証拠』とはいえ、『保全』へのご協力を頂き……」

    「いいえ、どうせ入れる『中身』はありませんから……」

『箱根』は物寂しい返答を、ボソリとこぼした。

125鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/02(火) 00:33:34
>>123-124

「どうやって、を知るのにもっと効率の良い質問があるということですか?」
「…ひょっとして、既にある程度目処が立っていますか?」

塞川さんの言葉に、体を向けつつも明後日の方向を向きながら質問をする。
『瞬間移動』でどこにでも現れることができるなら、犯人を捕まえることは不可能に近い。
それならば打つ手なしだが、『音泉』さんの言葉を聞く限り、無制限に強力なスタンドというのはあまりないようだ。
つまり、この場合金庫から中身を取り出すにあたって何らかの仕込みか、
あるいは犯人に都合のいい状況があったというのが自分の推測だ。
それが『瞬間移動』や、過去の解錠を『繰り返す』能力などかは分からないが。
自分はそれを知りたいが故に質問をしているが、あるいはこの女性は既に何らかの推測ができているのかもしれない。

「何かお気付きになりましたら、よろしくお願いします」

自分はこういった『探偵』のようなことは初めてだ。できればご教授願いたい。
そして『金庫』の中身を屈んで見る。
『帯封』を触らずに調べてみよう、これも紙製だろうか?

126塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/02(火) 00:42:18
>>124
一応『手袋』をして、金庫の中を覗き込む。
『帯封』『クリアファイル』『ゼムクリップ』の状態を確認。
力が掛かって外されたのか?すっぽ抜けた感じなのか? 程度はわかるはずだ。

「『書類』に『札束』……。
総量としては、どんなもんなわけ? 重さは」

内側を覗き込むのは一旦止めて、
しゃがみ込んだまま、金庫の外見を触れながら、
周囲とぐるりと回り、なんらかの痕跡が無いかどうかを確認する。

>>125
「推測………いや、『妄想』ってレベルなら、無いことはない。
だが、まずは確かな事を拾っていかなきゃあな。
この状況、犯人がノコノコ『部屋に入ってきた』可能性は、あまり高くない……と、私は考える。
偶然の『時間的制約』もそうだが、手口が『鮮やか過ぎる』。
単純に『泥棒の七ツ道具』の延長線上のような『能力』なら、警察に全く影も踏ませない…・…とはならないはずだからな」

127『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/02(火) 00:50:09
>>125(夕立)
「ああ、すまない。
 君の制服には、入れ忘れてたみたいだな」

『帯封』を注視していると、『立石』が手袋を差し出した。
証拠品に触れるために用いる『真っ白』な手袋だ。

『帯封』は『フィルム製』だ。
『星見信用金庫』とロゴが入っている。

>>126(塞川)
「『1,000万円』の札束、ああ、いや……。
 『帯』は解かれているから、『1,000万円』のお札か。

 少なくとも『1kg』、書類を合わせても『1.5kg』ほどだ。
 持って逃げる上では、『重量』よりも、かさばる方が厄介だろうな」

『ひっかき傷』や『マーキング』のような『痕跡』は見当たらない。

128鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/02(火) 01:06:30
>>126

「なるほど…警察の目を欺けるレベルは、通常の侵入では難しい、というわけですね」
「こっそり『電子キー』を壊し、箱根さんが金庫を開けたところで
 『時間を停止』したり、『超スピード』で中身を抜き取った…なども想像してましたが」
「それだと確かに多少なりとも『痕跡』が残ってもおかしくないですね」

立石さんには失礼だが、警察の捜査力を侮っていたようだ。
並大抵の泥棒なら、痕跡を見つけられるほどの力があるらしい。
神業級の潜入力+『解錠のスタンド能力』よりも、塞川さんの言う通り『スタンド能力』単独で
金庫の中身を直接抜き去ったと考える方が自然だろうか。

>>127

「ありがとうございます」

感謝して手袋を受け取り身につけて、『帯封』を見た。
イメージ的には紙製のものだったが、こうして触ってみると『フィルム』製のようだ。
あるいは紙製のものもあるのかもしれないが。
部屋の中に小さな紙製の『メモ用紙』などがあれば、金庫の中身を崩さないように、そっと中に入れてみたい。

129塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/02(火) 01:07:01
>>127
>>126 の上3行については、特にわからなかった、ということでいい?
具体的には、帯封は切れていない? 等

「……他を調べるか」

立ち上がって、『飾り棚』の方へ。
がたがたと棚を揺すって、『立石』へ声を掛ける。
『箱根』に言っても、理由がわからないだろうからな。
『立石』は、『わからない事を調べている』事をわかっている為、何でも応じてはくれるだろう。

「この『棚』……これは、開けられるのか?
中の『感謝状』の状態が見たい……重要度は低いけどな。
虱潰しに探っていくぞ。 」

「そっちの『地図』もだ。
何か『痕跡』はないか?」

そっちは『鉄』に調べてもらおうと、声を掛ける。

130『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/02(火) 01:20:00
>>128(夕立)
業者のFAXチラシを裏紙にした、手製の『メモ帳』が事務机にある。
それを一枚破り取ると、『金庫』の中へと入れてみる。

      シーン...

しかし、特に何かが起こるわけではない。
見るに見かねた『立石』が、そっと『夕立』に耳打ちする。

      「『夕立』君。
       一体、何を狙ってるんだ?」

>>129(塞川)
『帯封』、『クリアファイル』、『ゼムクリップ』に変形や破損は見当たらない。
中でも『帯封』は『輪』を保ったまま、金庫内に散乱している。

     グイ
                ググ・・・

『飾り棚』を揺すってみるが、ビクともしない。
『耐震対策』がしっかりしているのだろう。

      「おい、何をやってるんだ?」

『立石』が小声で耳打ちをする。
『飾り棚』は棚板が剥き出しになっており、『ガラス戸』などはない。

      「あの、あまり荒らすような真似は――――」

『捜査』の手が『飾り棚』に及ぶと解れば、
見かねた『箱根』が、おずおずと『口出し』をする。

131鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/02(火) 01:33:27
>>130

「『スタンド』には一定の法則があります」
「『超能力』だからといって、何でもできるわけではありません」
「『札束』も『重要書類』も紙製なので、例えばそれらだけを抜き取る仕掛けがあるかと思いましたが…」
「ハズレか、あるいは仕掛けは取り去った後のようですね」

立石さんに同じく、小声で話す。メモ帳は取り除き、スマホと同じポケットにでも入れておこう。

>>129

「こちらですか?」「了解しました」

塞川さんの指示に従い、出窓付近にかけられた地図を調べる。裏側なども見てみて、異変がなければ
次は観葉植物だ。部屋の中に入り込む、あるいは金庫中身を取り出すために
何らかの能力が使われている、その為には何かを使っているはずだ。

132塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/02(火) 08:19:03
>>130
「何って、『捜査』だよ。
あんた達のやり方とは違うだろうがな」

耳打ちする立石に、更に一歩詰め寄り、
超至近距離でボソボソと呟く。
『箱根』には聞こえないように。

「私達が『狂人』に見えるかァ〜〜?『立石』。
ならそれは、あんたも同じだ。
こうやって私達に依頼したって事はな」

『箱根』をチラリ、と見て、額縁ごと感謝状を手に取り、
裏面を触って中身を取り出そうとする。

「こんな『事件』、常識で考えれば『狂言』が本線だ。
だがあんたは違った。
自分の中の『感覚』の方を信じたんだ。
刑事としての『常識』よりもな」

「なら、最後までそれを信じろーーッ!
そうしたら、全ての現場であんたのやる事は、
私達の邪魔をする奴を止めとく事だ。
そして、早速『仕事』のようだぜ」

やや乱暴に『立石』の胸板を叩き、会話を終わらせる。
『妄想』の内容とは『夕立』の言う通り、
『紙に作用する能力』ではないか?という事だ。
ピン留めされた地図、額縁に入った表彰状、ファイリングされた書類....
全て固定されているから盗まれなかっただけではないか?
そういう観点から、捜査を続ける。
感謝状を確認したなら、次は事務机の書類もチェックしにいくつもりだ。

133『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/02(火) 23:22:23
>>131(夕立)
「確かに、盗まれたモノは、
 全部『紙』で出来ているな……!」

納得したように、『立石』が嘆息を漏らした。
『夕立』はメモ帳をポケットにしまい、
『塞川』の探索を手伝う。

『地図』を確認するが、表裏のどちらにも珍しいところはない。
そして、『観葉植物』にも何ら変わった点はない。
『仕掛け』を取り去った後か、あるいは最初から何もなかったか。


>>132(塞川)

    ズオオオォォォ―――z____

            「グッ」

                   「うぅ...」

大柄な『立石』の醸し出した『迫力』に一歩も引かず、
『塞川』は煮え切らない『立石』の尻を叩くかのように、
啖呵を切るような気炎を吐いた。

            ドンッ!

    「た、立石さん。

     ……何をしているんですか、止めて頂けませんか?
     じ、『15分』で金庫を漁った上に、  . . . . .
     地図や書類をイジるようなマネ、誰もするはずが――――」

    「いや、彼女の言う通りだ……。

     『はず』じゃない、が通じないんですよ。
     痛くない『腹』を探られるような話でしょうが、
     根掘り葉掘りの精神で、徹底的に洗わせてもらう」


        ガバッ!


『塞川』は額縁を外し、『感謝状』を抜き取った。
しばらく確認し、何の変哲もない『感謝状』だと解った瞬間、
事務机の書類をバラバラと捲っていく。

背後では『夕立』が壁に貼られた『地図』を調べ、
すぐ近くでは『立石』がゴミ箱をひっくり返している。


>ALL


      目に付く場所を徹底的に『捜査』した結果、

      二人にはハッキリと解った点がある。

      この部屋には、『不審』な点は何一つない。


         プルプルプルプルプル...


      部屋の主である『箱根』は震えている。
      『怒り』か、それとも『落胆』か……。


      「気は、済みましたか。
       ……隠している『現金』なんて、どこにもない」

      「妻も、娘も、私を疑って、
       『脱税』だ、『所得隠し』だの、
       遠まわしに言っては、『自首』を促してくる」

      「違う、私じゃない……!

       ――――とても、私自身が言い切れんのです。
       昔のようにいかない。頭もボヤけて、思うがままにならない」

      「海千山千のディベロッパーと対等に競り合って、
       先祖代々、居を構えてきた、この町の発展に尽力し、
       二十七校の小学校に、『二宮金次郎』の銅像を寄贈した……」

      「私は、いつまでも、真っ当に生きられるつもりだった。

       ――――こんな、人様をダマしてまで、
       お金と書類を隠して、大騒ぎをするようなマネ、
       私が、『箱根誠一』が、やったとでも、いうのですか……」

深く、息を吐くように、静かな独白が、室内を支配した。

134<削除>:<削除>
<削除>

135<削除>:<削除>
<削除>

136鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/02(火) 23:49:57
>>133

「異常なし、ですね」

どうやら異常な痕跡は何一つないようだ。
『スタンド能力』を知る自分たちから見ても、能力の痕跡やキッカケになるものはないと思われる。


>      「私は、いつまでも、真っ当に生きられるつもりだった。

>       ――――こんな、人様をダマしてまで、
>       お金と書類を隠して、大騒ぎをするようなマネ、
>       私が、『箱根誠一』が、やったとでも、いうのですか……」

「…心中お察しします」
「ですが、ご理解頂きたい。我々は、あなたが『無実』だと思っているから、こうしているんです」
「その為のきっかけを、これから同じ被害者からも探していきます」

箱根さんへと一礼する。家族からも疑われるというのは、あまりに辛いだろう。
また家族も、なるべくなら疑いたくはないが、最近衰えつつある箱根さんを見て、信じきれないのかもしれない。

「最後に二つだけ、お聞かせ下さい」
「先ほど(>>121)、暗証番号を記した『手帳』は車内に置き忘れたと言いましたが、
 塞川さんとのお話では、『運転席』で電子キーをかざした、と仰っていました」
「車内には入ることができた、そういうことで間違いありませんか?」

「それと、ここの『経理』を担当している方は、身内の方ですか?」

事務所に出入りするもう一人の人間についても、訊ねておこう。

137塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/02(火) 23:52:45
>>133
「………何も『出ない』、か。ふん、残念。
ま、そんな簡単に行くわけもないってのは、
最初っから覚悟はしていたけどな」

白けたように伸びをして、周囲を見回し、
二人も、何の成果も得られていないことを確認した。
感情を吐露する『箱根』を横目で見て、無言でその横を通り抜けて部屋を出ていく。

(別にカワイソーとは思わんし……
励ますような言葉を言ってやるようなキャラじゃあないんでね、『私は』)

138『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/03(水) 00:21:02
>>134-136(夕立)
『箱根』に質問をするが、答えは返ってこない。
『動揺』しているのだろう。

>>137(塞川)
先んじて『玄関』に出て、靴を履き始める。


>ALL
老人にしてはシャンとしていたはずの背筋を情けなく震わせ、
『箱根』は『淀み』ともいえる、混沌とした感情を吐き出し、立ち尽くす。

荒んだ心情を労わるように、『夕立』は語り掛ける。
その一方で、『塞川』は踵を返し、用済みの現場を後にする。

    「彼の、言う通りです」

        バンッ

『夕立』の肩を叩き、その傍に『立石』が連なる。

    「我々が、必ず『犯人』を捕まえます。
     ――――『箱根』さん、ご協力に感謝します」

『立石』は一礼し、三人は『現場』を後にした。
それぞれが『ミニバン』に乗り込むと、『立石』が大きく息を吐いた。

    「二人とも、始めての『捜査』。ご苦労だったな。
     結局、あの『金庫』以外に、何の異変もなかったが。

     ……だが、『紙』が怪しいというのは、大きな収穫だな。
     『犯人』は『密室』に侵入し、『金庫内』の『紙』だけを奪い取った」

    「わざわざ『帯封』や『クリップ』を抜いた理由が解らなかったが、
     『紙』だけを奪うスタンド能力、という可能性も、あるのだろう?」

    「ルパン三世の『五右衛門』は、コンニャクだけは切れなかったが、
     ちょうど、その『真逆』とでもいうのかな。……うーん、この言い方でいいのか……」

慣れない『スタンド』の概念を何とか説明しようと、
四苦八苦しながら、『立石』が車を走らせる。

    「いずれにせよ、もう今日は遅くなった。

     また『明日』、協力してもらいたい。
     次の被害者は、漫画家の『切江ギヤマン』だ。

     彼の『アトリエ』にある『金庫』が被害にあった。
     本人曰く、被害総額は『100万円』だ。
     なんでも、漫画の『資料』で札束を使っていたそうだが」

そう遠くない場所であれば、『立石』が家路に送ってくれるだろう。

139塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/03(水) 00:44:31
>>138
「………わかってきたなァ、『立石』。
そのとーり。あらゆる『可能性』があるってことだな。
発想は、ジューナンに」

後部座席に座り、スマートフォンを操作して、
地図を表示した画面を、運転席の立石に見せる。
駅に近い、『高級マンション』と言っていい建物の住所が載っている。
そこへ行け、という事らしい。

「しかし『漫画家』か……
私達には知ったこっちゃないが、
当然、被害者同士の共通点なんかは、もう調べているんだろ?
節操のないヤツだな、犯人も」

「いや、違うな………
私達が調べる『共通点』は、そんな事じゃあないか。
被害者の人となりでなく、『ロケーション』の共通点……
つまり『能力を行使しやすい』条件が揃ってた。
とかって方向性の方かな………」

ぶつぶつ、とつぶやいていたが、
思い出したように『鉄』の方を見る。

「何か感じたか?
今日の『場所』、『箱根の事務所』について………。
私の方じゃ、もうアイデアがない。そっちの『意見』が聞きたいね」

140鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/03(水) 00:54:16
>>138-139

答えは返ってこなかった。この男性も、幾分心が折れかかっているということか。
回答を頂けた方が犯人逮捕へと僅かでも近付ける可能性があるのだが、仕方あるまい。
合理性だけでは動けないのが人間というものだ。この場を切り上げて、車へと戻る。

「『漫画家』…ですか」「『共通点』を上げるなら、『紙』に値打ちがあることでしょうか」
「とはいえ、最近はPCで描いたりする作家さんもいるらしいですから、まだ確定ではないですが」

塞川さんから意見を求められる、口にする。

「現場に怪しい痕跡は全くなかったようなので、何か外部から必要なものを持ってくるタイプではなさそうですね」
「能力の『キー』となるのは、元からそこにあるものを使うタイプか、あるいはそれを必要としないのか」

膝下を見ながら、自分で感じたことを口にする。
理解度に関しては、恐らく自分も変わらない。現時点では、これ以上分からないというところだ。

ちなみに下ろしてもらう場所は、家から少し離れたところだ。
荒事に関わっている以上、念のため少し歩いてから家へと向かいたい。

141『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/03(水) 01:37:34
>>139(塞川)
「『被害者』の共通点は、ほとんどない。
 三人は『顔見知り』ですらないからな」

『スマートフォン』の画面を見ると、
それだけで『立地』を把握したようだ。
僅かな頷きを見せると、車両を左折させる。

   「『共通点』を無理矢理付けるとすれば、

    いずれも『老齢』であること。
    『個人事業主』かつ、仕事場が狙われたこと。
    そして、『金庫』があること、くらいか……」

   「星見町内で『条件』に当てはまる人物は、
    ……まぁ、『50人』はいるだろうな……」

   「最後の被害者、『吉本花南』さんは『専業農家』だ。
    それを加えれば、『100人』は超えるだろうな」

範囲を『市内』に広げれば、より人数は増えるだろう。

>>140(夕立)
「以前、現場で訊いた限りでは、
 『切江』先生は『手描き』で執筆されてるようだ。

 本人は『パソコン』を全く使えないらしい。
 『東京』にいる編集者と、打合せとか出来るのか聞いたら、
 それは問題ないそうだ。……まぁ、アシスタントはパソコンも使えるしな」


>ALL

       ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・


まず、『スポーツセンター』で着替えを終えてから、
二人は改めて、それぞれの家路へ送り届けられる。

果たして、どのような『スタンド能力』で犯行に及んだか。
……そして、それを解明出来たとしても、
『法』の力によって、犯人は捕らえられるのか。

――――まずは『一日目』が終わる……。

(※次レスはGMより行います。)

142『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/03(水) 23:14:33
>ALL
次の日、時間はまだ『午前9時』ごろ。
『星見横丁』にある『雑居ビル』の前に到着する。

    「ここが『切江ギヤマン』の仕事場だ。

     『漫画家』が籠るには、ちと騒がしいが、
     ……まぁ、個人の好き好きなんだろうな」

『立石』を追って、二人は集合玄関から階段を昇る。
『内廊下』の雑居ビルには空きテナントも目立つが、
『ラウンジ』や『スナック』の看板が散見される。

三階の角部屋で立ち止まると、『立石』はチャイムを鳴らす。

    ピーンポーン


    「はぁい。

     ――――あッ、『刑事』さんじゃないッスか。
     どーしました? 犯人、捕まりましたァ?」


『切江』と表札の掛かったドアから、
『アームカーバー』を付けた、中肉中背の男が顔を覗かせた。

    「ああ、『木山』さん。

     もう一度、『捜査』のお願いにと上がりまして。
     『切江』先生はいらっしゃいますかね?」

    「今日は午後からなんスよね。
     いいッスよ。先生には、俺から行っときますから。

     ――――あれれ、若い人も来てるじゃない。
     今日は『新任研修』でも兼ねてるんです?」

    「ままま、上がってくださいよ。
     狭苦しいところですが、勝手に見てってください」

『木山』は軽薄な口振りで三人を招き入れる。

143『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/03(水) 23:15:43
>ALL

モダンな壁紙の貼られた室内には、
『紙』と『インク』の匂いが充満している。
『イラスト』の書かれた『原稿用紙』が、
机上や作業台、L字デスクのあちこちに置かれている。

     「ちょっと『原稿』を片しちゃうんで、
      ソファーで待っててもらっていいッスか?」

目当ての『金庫』は林立する『本棚』の端、
オフィス用の『複合機』の傍に置かれている。
『指紋認証式』の『ブラックパネル』が貼られ、
いかにも『最新式』に見える……。


■────────────■
│机椅□□机机□□本棚本棚│
本机机□□机机椅□□□□□│
棚□□□□机机□┌──┬□┤
本□作□椅机机□□  水│便│
棚□業□□机机□□  場│所│
本□台□□□□□└─┬┴─┤
棚□□□┌───┐□扉□□│
☆□□□│応接用│□│□□│
│複合□└───┘□├──┤
│機〇□□□□□□□│□□│
■─────扉───┴ 扉 ┘

144塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/03(水) 23:26:00
>>142
「……………眠っ。
まだ『9時』ってさ……」

集合した時からずっと変わらず、
ぶすっとした顔つきで、2人に遅れるようにして部屋に入る。
ソファーに深く腰掛けて、やる気なさそうに部屋を見渡す。

「ね、『切江ギヤマン』って、有名?
漫画とか見ンの? 『夕立』君」

145鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/03(水) 23:43:43
>>142-143

「ここが『二件目』の被害家屋ですか」

既に制服に着替えて、ビルの前に立つ。今回は『竹刀袋』は置いてきた。
スクールバッグも使わないので、同じく家にある。ただ、ポーチだけは一応車の中に置かせてもらった。
大したスペースではないので、これくらいは許してもらおう。
立石さんの後に付いて、ビルの3Fへ到着した。ドアが開く。

「はい。自分たちは、『立石』さんや被害者の方々の力になれるように、やってきました」
「よろしくお願いします」

嘘をつかないように、言葉を選んで口にする。これなら堂々と言える。
案内に従い、『ソファ』へと座った。

>「ね、『切江ギヤマン』って、有名?
>漫画とか見ンの? 『夕立』君」

「うぅん、『週刊少年ジャンプ』なら毎週買っていますが」
「それ以外は、あまり見たことはありませんね…」

塞川さんの質問へ、頷いて答える。
『切江ギヤマン』さんの作品は、週刊少年ジャンプに載っていただろうか?思い出してみよう。
そして、部屋の中も同時に見渡してみる。

「・・・・・」
「『箱根』さんの金庫も、近くに『卓上プリンター』がありましたね」
「『複合機』とは少し違いますが」

「『紙』というキーワードと合わせるなら『FAX』のような感じでしょうか…」
「後ほど、かけた電話番号の履歴でも見させてもらいましょうか」

とりあえず、木山さんの準備が整うのを待とう。

146『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/04(木) 00:11:28
>>144(塞川)
「コラッ、シャンとしろっ」

気の抜けた様子の『塞川』を見かねて、
『立石』が注意を飛ばした。

    「そのソファ、ヤバくないッスか?

     前の住人が置いてったヤツなんスけど、
     マジに座り心地が天国仕様ッスよ」

『木山』の雑な表現通り、『ソファ』の座り心地は極上だ。
彼は取っ散らかった『原稿』を回収し、丁寧に『ファイルケース』に収めている。

>>145(夕立)
「お巡りさんもジャンプ読んでるんスか。

 『こち亀』、終わっちゃって残念ッスねェェ〜〜〜ッッ
 やっぱ、読むとしたらあーいうのッスか?」

――――現行の連載陣を思い返すが、
『切江ギヤマン』の作品は、『少年ジャンプ』には載っていない。

    「先生の『漫画』は、『時代劇』ッスからねェェ〜〜〜ッッ

     隔週の『青年誌』で、ずっと連載してるんスけど、
     お巡りさん達じゃあ、ちょっと解らないンじゃないッスか」

      シグレカワズ
    「『 時 雨 蛙 』は拝見しました。
     
     『雰囲気』に味がある、素晴らしい作品でした。
     それにしても、あの『筆致』で十五年も描き続けるとは……」

    「あざっす。『時雨蛙』は、ありゃあ、
     先生の『ライフワーク』ッスからねェ」

件の作品を、『立石』は既読済のようだ。
話に出た『こち亀』までとはいかないだろうが、
それでも長期にわたって連載を続けているらしい。

>ALL

    「お待たせしゃーした。

     先生、モノの置き場所とかニブいんで、
     マジで好きにやっちゃってください」

吹けば飛ぶような、余りにも軽い『木山』のスタート合図。
『夕立』が目を付けた『複合機』は、コンビニの『コピー機』に近い。
これなら、初見であっても簡単に操作できるだろう。

147鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/04(木) 00:26:57
>>146

>「お巡りさんもジャンプ読んでるんスか。

> 『こち亀』、終わっちゃって残念ッスねェェ〜〜〜ッッ
> やっぱ、読むとしたらあーいうのッスか?」
>    「先生の『漫画』は、『時代劇』ッスからねェェ〜〜〜ッッ

「最近の作品だと個人的に好きなのは『鬼滅の刃』ですね」「しかし、『時代劇』ですか?」

テレビでなら、『鬼平犯科帳』や『剣客商売』はよく見ていた。
漫画で『時代劇』があることは一応知っていたが、実際にこれから会う人の作品となると、興味がわく。

>     隔週の『青年誌』で、ずっと連載してるんスけど、
>     お巡りさん達じゃあ、ちょっと解らないンじゃないッスか」

「いえ、とても面白そうです。今度拝見させて頂きます」

立石さんの評価も高いようだ。名前を覚えておこう、『時雨蛙』。
さて、ここからは仕事に集中する時間だ。まずは最初に目を付けた『複合機』を、手袋を付けてチェックする。
外部からの接続は、Wi-Fiだけだろうか?あるいは個人での使用だから、その機能もない可能性もあるか。

148塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/04(木) 20:34:12
>>146
「んー、ヤバい、ほんとヤバイ……私、寝てちゃダメ?
それか、コーヒー買ってきてよ、『立石』………」

ずぶずぶとソファに沈み込んで、そんなことを言っている。

「フー……それじゃ、やるかな。
そして、『コピー機』、鋭く見てるね。エライぞ、『夕立』くん。
確かに『あった』………気づかなかったな」

仕方なく立ち上がり、『金庫』に近づく。

「ところで、その『先生』の作業場がココってのは、そんな有名な話?
『漫画家』の職場なんて、知ってる人間、限られてんじゃないの?」

「そして、盗られたのは、『カネ』だけ?」

149『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/04(木) 23:33:06
>>147(夕立)

>「最近の作品だと個人的に好きなのは『鬼滅の刃』ですね」

     「お巡りさんも、結構『子供』っぽいんスねェ」

『皮肉』とも言えない、純粋な『感想』が『木山』から返ってくる。
作品のタイトルを心に留めながら、『夕立』は『捜査』を開始する。

    ピッ

『複合機』のスイッチを入れると、『スリープモード』から再起動する。
画面の左上には、『Wi-Fi接続中』を示すマークが点灯している。

表示されるアイコンは、『コピー』や『ファックス』、『スキャン&メール』、
『プリンター』といった基本的なコマンドが並んでいる。

>>148(塞川)

     「おいおい、甘ったれるんじゃあないぞ」

『立石』が呆れた声を発する。
一方、『木山』はいそいそと『台所』へと歩いて行った。
ひょっとしたら、『コーヒー』を入れてくれるかもしれない。

     「場所も場所、ッスからねェ。
      人の口に戸は立てられねぇですし、
      『水商売』とか通じて、知ってる人は知ってるッスよ。

      それでもファンが押しかけたりしないってところが、
      先生のじみィ〜〜〜〜なところなんッスけどねェ」

『台所』から『木山』の声が返ってくる。
それを受けて、『立石』も補足を告げる。

     「『聞き込み』の結果だが、
      このビル内では『周知の事実』だった。

      『話のタネ』にもしやすかったんだろうな。
      話題に出した、というホステスや店主も珍しくなかった」

間近で見ると、真新しい『金庫』だと良くわかる。

     「あぁー、多分『カネ』だけッスねェ。
      ……実を言うと、俺も『中身』は詳しく知らないんスよ。
      唯、カネを入れたはずの『金庫』を開けたら、スッカラカンだったんで、
      マジにビビって『通報』したんスよねェ〜〜〜〜ッッ」

      にしても、『100万円』なんて、わざわざ何に用意したんだか。
      結局、すぐに持ってかれて、マジに運が悪いなぁー、って感じですよォ」


                コトッ


『木山』が三人分のコーヒーを入れてくれたようだ。

150鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/04(木) 23:51:47
>>148-149

「ありがとうございます」ペコリ

塞川さんからの賞賛に一礼をする。
たまたま自分が先に気付いただけで、恐らくこの女性もすぐに気付いていただろうが、
それでも褒められるのは嬉しいものだ。

>     「お巡りさんも、結構『子供』っぽいんスねェ」

ギクリ

「は、はは。よく言われます」

まだ『学生』ですから、とは口が裂けても言えない。
『複合機』を操作しながら、内心冷や汗をかく。
調べたいのは、『履歴』だ。
『FAX』の送信履歴、『メール』の送信履歴や添付されたデータなどを調べたい。
接続中のWi-Fiを表示する機能があれば、それもだ。

151塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/04(木) 23:57:36
>>149
「ふーん、そんなモンか……。
この金庫はいつから? 結構、新しいっぽいけど」

金庫が空くのを待つ傍ら、作業台を眺める。

「なんか、わかんないことが多いんだな。
 『先生』には、一回事情聴取はしたんだろ?」

『立石』に問いかける。

「その辺、なんて言ってんの?
『漫画の資料』以上の事は無し?」

152『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/05(金) 23:05:43
>>150(夕立)
「ハハハッ、まだ若造ですからな」

『立石』がフォローを入れる。
それを背にし、『複合機』を操作する。

『スキャン・メール』を確認するが、
『送信履歴』には『木山』の名前しかない。

『FAX』を確認するが、
『西東社』との送受信がほとんどだ。
他出版社の名前も散見されるが、多くはない。

    「メールは『資料』をパソコンに取り込んで、
     デジタル化して『作画』に使ってるんスよ」

    「FAXは、先生が『ネーム』のやり取りに使ってるッス。
     逆に、そっちは全然使ってないッスね。俺の方では」

履歴を確認してみるが、それなりの量がある。
ある程度絞り込まなければ、情報を得られないだろう。

>>151(塞川)
「あー、二週間前からッスね」

『金庫』を開けるのを待っているが、
『木山』は不思議そうな顔をしたまま、待ちぼうけている。
……が、何を求められてるか気付けば、バタバタと両手を振り回す。

    「――――あっ!

     ダメダメ、俺もう開けられないんスよ。
     先生が『指紋認証』を消しちゃったんで、
     今は先生しか、中身は見られないんですって」

    「なッ!?

     参ったな。これじゃあ調べられないぞ」

『立石』は難渋に顔をしかめて、腕組みをする。

>「なんか、わかんないことが多いんだな。
>『先生』には、一回事情聴取はしたんだろ?」

    「……言い方は悪いが、
     この件で一番『非協力的』な被害者だ。

     まぁ、『芸術家』というのは、
     そーいう気難しい面もあるとは思うが。

     『札束』も『漫画を描く用途で下ろしてきた』と言っていたが、
     ――――『時代劇』に『諭吉』が出るシーンがあると思うか?」

『立石』はヒソヒソ声で『塞川』に話しかける。
一方、『携帯電話』を取り出した『木山』は、席を立った。
どうやら、『金庫』を開けるよう、『切江』に電話をしにいったようだ。

153鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/05(金) 23:22:45
>>152

「なるほど」
「『木山』さん。最後に『百万円』を確認した時間と、盗難に気付いた時間。
 そして、その前後で現場に何か変化はありましたか?」

一応木山さんに訊ねてみるが、既に電話をしていたら、『立石』さんに訊ねよう。
覚えてくれている範囲でいい。
そしてその時間の間に何か送信されていないか、チェックしてみよう。
今の話を聞く限りだと、なかなか奇妙な漫画家のようだ。

154塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/05(金) 23:26:14
>>150 >>152
「『送信履歴』と『受信履歴』……。
事件当日のヤツに、怪しいトコはある?」

複合機をいじる『夕立』へと問いかける。
『木山』と入れ替わりで、金庫の前へ。

「そして、弱ったな……。
『金庫』を開けられないんじゃあ、どーしようもないぞ」

大げさに頭を振って、バシン、と金庫を叩く。

「情けないな、何のために『捜査』に来たんだか……
出来る事ってーと、こーやって『覗き込む』……くらいか?
天井を透過して……」

『クリスタライズド・ディスペア』は、既に発現している。
スタンドの像を金庫に密接させて能力を行使。
透明になった『金庫』の中身を覗き込む。

155『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/06(土) 00:15:17
>>153(夕立)
「『木山』さんが『札束』の盗難に気付いたのは、『五日前』だ。

 ――――『盗難』とはいうが、『被害届』も出されていない。
 本来であれば、『事件性なし』とするところだが……」

    「立て続けに、他にも『二件』の空き巣があった。
     ご存知、昨日の『箱根地所』と、もう一か所の事件だ。
     同一の『手口』であれば、『証拠』が残っているはずとして、
     『切江』先生には無理を言って、『捜査協力』を頂いている形となる」

「『時間』は不明だ。

 だが、『朝』に『現金』を入れたのを確認し、
 『夕方』にはそれが、もぬけの殻だったそうだ。

 どちらも『午前中』には『打合せ』で出払っていたから、
 おそらくはその時にやられたのではないか、と――――」

『立石』の言葉に従って、『五日前』の『午前中』の履歴を探す。
『西東社』を始めとする、複数の出版社から『FAX』が来ている。
――――そして、その中に『非通知』の『送信履歴』を発見する。

    「『FAX』が、どうかしたのか?」

『受送信履歴』に固執する『夕立』に、『立石』は不思議そうに問い掛ける。

>>154

         ズアッ

                   ――――シュ カ ァ ァ . . .


      「おい、何をして、」

『立石』には見ることさえ敵わない、硝子製の『鳥像』。
羽ばたきによって舞い落ちる『羽毛』が触れた時、
『金庫』の板金にポッカリと『ソフトボール大』の穴が開く。

      「――――ッ!

       『金庫』に『覗き穴』ッ!?
       まさか、これが『スタンド』ってヤツか!?」

仰天する『立石』。身を乗り出して覗き込む。
無論、『穴』が空いているわけはない。そのように見えるだけだ。
『クリスタライズド・ディスペア』のスタンド能力は、『硝子化』。


>ALL

          キラッ

                   「何か、中にあるな……」

『立石』が『マグライト』を取り出し、『硝子窓』を照らす。
そこにいたのは、『顔』。いや、『一万円札』だ。


          ブワサァァァァ〜〜〜〜〜〜ッッ


まるで、敢えて『散らかした』かのように、無造作に押し込まれている。
かなりの枚数だ。『万札』に交じって、『ビジネス書類』のようなものが、
これまた乱雑に押し込まれている。


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