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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』

1『幸せ兎』:2017/11/19(日) 16:05:07

――――禍福は糾える縄の如し。

                    『史記 南越伝賛』

―――――――――――――――――――――――――――――

★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。

☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1455891211/

【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/

★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1427557344/
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1439137290/

771『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/22(火) 02:21:00
>>768(美作)

彼の薬指に『証拠』は見えないようだったが、
身持ちが堅そうな雰囲気を感じない事もない。
もっとも、今日は『遊び』ではなく『仕事』だ。
そして美作は『魅せる仕事』を誰より得手とする。

「エエ――――『上手く』やってください。
 とはいえこれはコンクール等ではございませんので。
 全力を尽くしたうえでの……と注釈はいたしますが、
 『失敗』もまたエンターテイメントでございます。
 至らぬ所があるのも、それを工夫で打ち消すのも、
 目の肥えた観客たちはどちらも望んでいるものでして」

              フッ

「それゆえ、あまり肩肘張らず……
 とはいえ、成功をお祈りしております。
 最も望まれているのはやはり、それですのでね」

応援の意図を感じる穏やかな笑みを浮かべ、如月は続きを話し始める。

>>769(天白)

「これはこれは、ご丁寧に。如月は『月の如く』……
 ケイジについては、『カタカナ』で通しております」

             ニコリ

高級スーツなのも間違いないようだったが、
なにより二重の意味で『身の丈に合っている』。
そういうのが『大人の風格』を纏わせるのかもしれない。

「いいえ――――『1人で』頑張っていただきます。
 『集団演技』もゆくゆくは競技化を考えておりますが、
 今回に関しては『個人技』を、三人で魅せ合い競い合う物です」

如月の答えは想像あるいは期待に反し、『個人技』を期待する物だ。
『アルビノ・ホリデイ』はどちらかといえば『応用』より『深謀』の能力だが……

「ただ、この競技のテーマの一つは『非戦闘員』の活躍。
 個人同士では完結しない能力の持ち主であられましたら、
 競技の『シチュエーション』の中で『助け舟』は出しましょう」

少なくとも『能力を活かせないシチュエーション』は無いと見てよさそうだった。

>>770(ピエール)

「では、ピエール様と。遠慮なく呼ばせていただきましょう」

                スゥッ…

「御博学のようで。――――ええ。『強さ』とは『決闘』だけに非ず。
 もちろん『正々堂々』の『武闘試合』は我々の花形ですが、
 真の『最強』への道筋をエンターテイメントとして提供する、
 我々『アリーナ』が避けて通るべきではない道……それはこの競技」

            「存分に、腕をお振るい下さい」

天白や美作には向けられていないその笑みの意味は、  
ピエールの『勇壮』な挑戦に対する『期待』にも感じられた。   
もっとも、他の二人には別の笑みが向けられており、
ピエールが特別扱いという風ではないが……意味はあるだろう。

>全員

「さて、説明を続けますが――――審査は人力で行います。
 スタンドの『使い方』について『絶対的正解』が無い以上、
 機械的判断は出来ません故、『なぜ?』と思う判定もあるでしょう。
 ですがそこは『審査型競技』の常として、ひとまずご理解ください。
 ご意見があれば、次回以降、フィードバック出来るよう『善処します』」

「審査員の内訳ですが……審査員の好み一つで勝敗が決まってしまわないよう、
 アリーナより……『スタンス』に違いが見られる『2名』のスタッフと、
 『観客投票』という形で、予想のつかない第三の視点を用意しております。
 解決法の『独自性』『鮮烈性』『確実性』の3つがそれぞれ審査されます。
 審査は単純、『可』か『不可』か。可であれば1点加点、不可は無加点。
 つまり3つの観点それぞれが、1問ごとに『3点満点』で評価される事になりますが」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(例)

吾妻 常喜『インスタントチューンズ』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』
第二問:独自性『0』 鮮烈性『1』 確実性『3』
・・・・・・
・・・・
・・

第五問:独自性『2』 鮮烈性『2』 確実性『0』

合計:独自性『10』 鮮烈性『9』 確実性『7』 

                  総計――『26』

――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

                 「……ここまで、よろしいでしょうか?」

772美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/22(火) 17:25:17
>>771

「ええ、ご忠告に感謝します」

    ニコリ

「ご覧の通り、私には彼――
 ピエールさんのような『力強さ』はありませんし、
 『アリーナ』に足を踏み入れるのも今日が初めてです。
 ですが、いかなる時でも『チャーミング』に振舞う訓練は積んできました」

堂々とした態度で、如月に言葉を返す。
実際のところ、根拠の有無は関係ない。
常に自信があるように見せる事が大切なのだ。
たとえば、ステージに立つアイドルが、
とびきりの笑顔で客席に向かってウインクしてみせる。
そうする事でファンは盛り上がり、演者自身も気分が高まるのだ。
それを恥ずかしがって出来ないようではファンを白けさせてしまうし、
演者もノリ切れなくなる。
何よりも、自分に自信を持つ事こそが第一歩だというのが、
美作くるみの信条だった。

「その点に関してギャラリーを失望させる事はありませんので、ご安心を」

『闘い』は、何も直接的なものだけじゃない。
どんな世界にだって『闘い』はある。
私がいた世界にも、それは当然のように存在していた。

(――まぁ、『負けた』んだけど。言う必要はないわよね。
 これから始まる『闘い』には関係のない事だもの)

そう、私は負けた。
だからこそ、今の自分がいる。
だけど今日だけは、少し過去の自分に返ってみるのも悪くない。

(ある意味『リベンジ』って事にも……。
 いえ――さっき言われた通り、力が入り過ぎてると、また負けるわ。
 リラックスリラックス。ラジオで喋ってる時みたいに落ち着いて掛からないとね)

「どうぞ、如月さん。先をお続けになって下さい」

採点の方式について、これといった疑問点はない。
後は、実際にやってみれば分かる事だ。
自分の才能――『プラン9』が、どこまで出来るか試すにも良い機会になる。

773天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/22(火) 19:22:59
>>771

「一人でですか……」

(大丈夫かなぁ……)

結んだ髪を指先でいじる。

(まぁ、大丈夫かな)

すぐに心を持ち直す。
自信のあるなしと出来る出来ないというのは違う。
自信があるのに出来ない人間がいるように、自信がなくても出来る人間もいる。
自分が後者であることを信じよう。

(それに色々ありそうだし)

人に見られているという事実に少しドキドキしてきた。

「……はあぁ」

色々考えているうちに上がってきたらしい。

「はい、大丈夫です!」

採点については納得した。
魅せ方というのも可能なら意識しておこう。

774音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/22(火) 21:45:52
>>771
「ああ、期待したまえ」

己への鼓舞も含めて、自信に満ちた返答を見せる。
無論、この『アリーナ』は自身が何者かは、知らないだろう。
……ちょっとは知ってるのか?  ――――まあ、それは置いといて。

     「『独自性』、『鮮烈性』は非常に解りやすい。
      強いていうなら、『確実性』が気になるな。

      百回やって、百回とも同じように出来るか?
      その場の天候とかに左右されないか、くらいの意味合いかね?」

『審査員制』である以上、ルールを細かく突っつく必要性は皆無だろうが、
そのまま突っ立ってるのも何なので、一応聞いてみる。

775『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/22(火) 23:00:36
>>772(美作)

          チャーム
「ええ、素晴らしい『魅了』をお見せください。
 私も、観客も、誰もがそれを望んでいる事でしょう」

             ニコ…

堂々たる――――『根拠のない自信』。
アイドルには、パーソナリティーには、
あらゆる『エンターテイナー』には重要な力だ。

それが結果と結びつくかは……考えの通り、これから分かる。
少なくとも、美作は三人でも突出した『魅せる経験』を持つ。

>>773(天白)

気持ちを入れ替えるも、緊張や高揚は入れ替えた気持ちにも湧く。
だが、それは『原動力』にもなり得る感情だ。『やる気十分』とも言える。
この中で最も『純白』の少年が、この競技を何を為すのか。
如月の視線には僅かな『心配』と、『見定める』ような色があった。

>>774(ピエール)

ピエールは『アリーナ』と全く無縁の人間ではない。
ここで語る事ではないが……『接点』は存在したし、
それを知っている人間がいても、まあ、おかしくはない。

「不確定要素を前提としない解法が望ましい、という意味合いです。
 例えば『人を追いかけて捕まえる』といった課題があったとして、
 標的が『振り返ってくれる』とか『足を止めてくれる』前提の解決は、
 『自分自身の行動』だけで完結した策よりは評価が落ち得るでしょう。
 極端に言えば『偶然転倒する事』を前提とする策などは、『論外』です」

「もっとも、確実さは論外でも……『鮮烈』にして、
 『独自性』に溢れた解法であれば、点数にはなるでしょうな」

答えはそのようなものだった。
審査員の匙加減一つではあるが、ある程度の『基準』はあるのだろう。

>全員

「得点の仕組みは説明しましたが、これが何を繋がるのか。
 これについてはシンプルに――――『順位』に繋がります。
 5問を終えた後の『合計点数』で、1〜3位を決定するのです。
 そして順位は『賞金』……『1位』の方には『40万』の進呈を。
 『2位』と『3位』の方にも、ファイトマネーとして『20万』を。
 一日足らずの仕事としては理外の額にも感じられるかもしれませんが、
 己の『スタンド』を世間に魅せる『対価』としては相応しいでしょう」

理外の額――――というくだりは、主に『天白』に向けられている気がした。
莫大なギャラを叩き出す、一流アイドルの経験を持つ『美作』や、
『スタンド使いの仕事』を知るピエールには『既知』範囲の金額だ。
 
「こうした腕比べに『カネ』が絡むのは『不純』という声もあるでしょうが、
 我々は清廉潔白な秩序機関ではなく、清濁併せ呑む『娯楽組織』ですゆえ」

「さて、説明は以上ですが――――最後に、何か質問などは?」

         「無関係な事以外は可能な限り、お答えしますが」

身振りを含む長い説明に乱れた襟を正しながら、如月が笑みと共に問いかける。
どこまでが無関係なのかは分からないところだが、とりあえず聞くだけ聞いても良さそうだ。

776音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/22(火) 23:32:23
>>775
『如月』の淀みない説明を聞き、得心したように息を吐いた。

    「――――よく『議論』されたルールのようだね。

     いや、驚いたよ。非常に解りやすくて、腑に落ちる説明だ。
     『採点』について、他の質問は一切ない。続けて頂けるかな」

綺麗に割れた『ケツアゴ』を揺らすように、数度頷いた。
面白い、と素直に感じている。その一方で、何処か『引っ掛かり』を覚える。
その違和感に気付く間もなく、『順位』と『報酬』の説明に思考が引き寄せられる。

    「あー、あぁー…… 金はねェー、……そうだな。

     別に、その、『報酬』のためにやってきたわけじゃあないんだ。
     いまや数少ない『全霊』を賭ける『闘争』の場で、自己を磨く。

     そーいう『気持ち』が前提として、だ……」
          . . .
     「多少、ある分には『不純』とは思わない、がね」

ケツアゴの割れ目に指先を這わせながら、たどたどしい反論を述べる。
理外の額というのは、決して『刺さらない』言葉ではなかった。

777天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/23(水) 02:17:43
>>775

如月の視線の意味を理解しているのかいないのか。
多分理解してないのだろうが、その視線と同じものを向けられた経験が天白にもあった。
少しだけ昔のことで、語るほどのことでもない。

「そ、そんなに貰っていいんですか……!」

右手の指を四本折り、今度は左手を二本折る。
興奮してきた。

(そんなにあったら色々出来るなぁ)

(何買おうかなぁ。新しいあのサプリメントとかいいかなぁ)

「頑張りますっ」

特に疑問に思うことは無いらしい。

778美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/23(水) 03:17:18
>>775

一日の仕事で最高40万。
『現役』の頃は、その何倍もの金額を稼ぎ出していた。
もちろん過去の話で、今の収入は至って平均的なものだ。

「金額についても承知しました。その『ギャラ』に見合う仕事をさせてもらいます」

金額なんて問題にならないとまでは言わない。
だけど、『舞台』に臨む上で自分にとって現金よりも重要なものがある。
それは広いステージであり、眩いスポットライトであり、大勢のギャラリー。
今の私は『月』だ。
月は自分では光を発せず、太陽がなければ輝く事が出来ない。
だからこそ、今この瞬間は『アリーナ』という舞台が私にとっての『太陽』になる。
たとえ一時だけとはいえ、『月』である私を輝かせてくれるのだから。

「私からは特に質問はありません。お願いする事があるとすれば一つだけ」

     ピッ

言葉と共に、人差し指を一本立てる。
そして、その指先をドアの方向に向ける。
正確には、指しているのはドアの向こう側だ。

「――会場までの案内をして頂く事だけです」

     ニコリ

他に聞く事はない。
心の中では、舞台に立つ前の高揚感が高まるのを感じていた。
記憶の中にある過去の自分と現在の自分の姿が重なり合う。
内容は違えど、観客を楽しませるという点では何ら変わりはない。
ただ、思い切りやるだけだ。

779『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/24(木) 03:59:04
>>776(ピエール)

「お褒めにあずかり、鼻が高い限りです。
 私一人で考えた、というわけではありませんが、ね。
 アリーナの『経験』や『試行錯誤』の結晶ですので」

「もっとも、未だ『発展途上』である点についても、
 アリーナという組織同様ではありますが…………」

感心の中の『違和感』――――それが『ルール』に対してか、
あるいは『如月』の言動に対してか、他のなにかなのか。
ピエール自身もまだ気づかないそれは如月の言葉に流されるが、
もし何かあればどんどん言ってしまっても許されそうだった。

「ええ、ええ。私個人としては『不純』とは思いません。
 『清貧』を是とする考え方も一つ立派な物ではありますが、
 自己研鑽には『遊び』も必要……というのは、私見ですな」

「もっとも、相場を外れた『暴利』は好ましくはないでしょうが」

ピエールの思想の深奥まで理解しているという風ではないというか、
ともかく『功労者に金を渡す』まではアリーナのシステムなのだろう。
その上で『金』にどの程度のウエイトを置くかは、ピエールの気持ち一つだ。

>>777(天白)

「スタンド使いの仕事とは得てして『高額』になる物です。
 遊び、買い物、貯金、社会勉強……使い道は、ぜひ天白様のご自由に」

            ニコ

素直な反応には、素直な対応が返って来た。

>>778(美作)

金以上に重要な物――――それを得られる人間は多くはない。
発言からすれば、『ピエール』もそうなのかもしれなかった。

「ええー―――畏まりました。すぐに案内いたします」

                  ニコリ

かつては『太陽』の如く世を席巻して光の道を謳歌し、、
今はこの町を穏やかに照らす『星』として生きる美作だが、
今宵は『アリーナ』のギラギラ燃えるライトと声援を浴び、
それに応えて輝く『月』となれるか――――これから分かるだろう。

>全員

美作の促しに従い、廊下に出ていく一行。
そのまま歩き出せば、ほどなくして大扉が見える。
警備員らしき黒服は、3人と如月を見るや頭を下げた。

「あちらに見える大扉を潜れば、あとは競技終了まで待ったなし。
 競技の全体は――――『スタンド』の一種の力によって形成された
 『仮想空間』で行われまして、それをステージに『投影』する形です。
 そう。皆様は入場後、『仮想空間』に突入することになるのです」

             ツカ

                 ツカ

「まあ……特に、現実との変わりはございませんがね。
 動きも、スタンドも。多少風景などに『作り物感』はありますが、
 数多のシチュエーションを、失敗も前提に用意するこの興行、、
 現実世界で全ての工程を行うのは極めて困難なのものでして」

                    『……ァァーーーー!!』
 
「複数のスタンドの組み合わせで生まれたシステム。
 まさに、アリーナの『結晶』といっても過言ではないでしょう、
 そちらを最大限利用して、様々な課題を作成しているわけですね」

     『ワー』

           『ワーッ』

闘技場への廊下を歩く一同に、如月は振り返らず説明半分の雑談を語る。
仮想空間とは大層な響きだが、要はそういう性質を持つ『スタンド空間』なのだろう。

                                   『ワァァーーーッ』

780美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/24(木) 14:09:48
>>779

「ありがとうございました、如月さん。
 次は舞台が終わった後でお会いしましょう」

   ニコッ

明るく気さくな調子で、如月に笑いかける。
感謝の印と、自分自身をリラックスさせるため。
そして、今から始まる本番に備えた『笑顔の練習』でもある。

「ああ、そうそう――」
                    ミマサカ
「既に名前は出ていますけど、私『美作くるみ』です。ピエールさん、どうぞ宜しく」

「『くるみ』と呼んで頂いた方が肩が凝らないですが、呼び方はご自由に」

競技者の一人であるピエールに、遅ればせながら挨拶を送る。
わざわざ言う必要はないかもしれないけど、礼儀ってものもある。
入った後じゃ、言う暇なんてないだろうし。

「――真尋くんも改めて宜しくね。
 ギャラリーを楽しませるっていう部分では、目的は同じよ。
 観客席を沸かせてやりましょう」

    フフッ

(さて、『ショータイム』ね。心の用意は出来てるかしら?)

(当然じゃない。いつでも行けるわ)

(オーケー、くるみ。さぁ、『舞台』に上がりましょう)

この世の何よりも誰よりも、美しく光り輝いてやる。
無根拠な自信に基づいた大袈裟な決意。
同時に切実でもある思いを胸に、大扉を抜けてステージに向かう。

781天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/24(木) 23:29:41
>>779 (GM)
>>780 (美作さん)

パタパタとついていく。
物珍しいのか怯えているのか辺りをキョロキョロ見渡しながら。

「……」

「……なるほど」

如月の言葉に頷くが全く理解していない。
大体の意味合いを理解しただけだ。
なんか、特殊な空間なんだろうなぁくらいの認識である。

「は、はい。よろしくお願いします……!」

「くるみさん。と、おとな―――ピエールさん」

ふにゃっとした笑顔のまま進んでいく。

782音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/25(金) 00:12:49
>>779
案内に従って廊下を歩いていき、大扉を見上げる。
『仮想空間』での試合と聞き、「おおっ」と驚きの声を漏らした。

だが、イマイチ『実感』に欠けることもあり、
何処か白々しく聞こえてしまうかもしれない。

   「ここからでも聞こえるくらい、
   『歓声』や『実況』で騒がしそうだが、
    それも『聞こえなく』なる、ということかね」

課題に『没頭』できるのは望ましいことだが、
折角の『晴れ舞台』を実感出来ないのは、寂しいと思う。
大扉の前で足を止めると、複雑な感情を隠さず、『如月』に問い掛ける。

>「既に名前は出ていますけど、私『美作くるみ』です。ピエールさん、どうぞ宜しく」

>「は、はい。よろしくお願いします……!」

    「あぁ、よろしく」

簡素な挨拶を返すに留める。
良く出来たルールに、直接は争い合わない『対戦者』、そして『仮想空間』。
形式で言えば『ゴルフ』や『ダーツ』に近い、何処か『遊戯』に近い感覚に、
現実味を失っている気がする。

    「いや、元々が『気負いすぎた』ということか……」

扉が放たれるのを待つ。

783『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/25(金) 03:02:59
>>780(美作)
>>781(天白)

改めて決意表明と、自己紹介を済ませ合う二人。
ピエールの返答はどこか簡素なものではあったが、
悪意などは感じられない。別の『思うところ』があるのかもしれない。

             ――――そして。


     ワ
                 『ザワ』
            ァ

                 ァ
   『ザワ』
                   ァ
                         ッ!!

        ≪――――さあッ! ついに『選手入場』ッ!!≫

                             !!!!!        

   ≪今宵、熱演にてッ! ステージを熱く盛り上げるのはこの『三人』ッ・・・!!!!≫ 
      

開いた扉の向こうから飛び込んでくるのは――――強烈な熱気。
天白には恐らく、初めての体験だろう。声は振動として肌を、肉を、骨を躍らせる。
逆に、本気の大歓声を知る美作には分かる。どことなく『煮え切らない』ようなその轟きが。

                        ・・・更に加熱するのは、二人の役目だ。

>>782(ピエール)

「観客の言葉による『助言』や『誘導』の類は、
 一種醍醐味でもありますが『健全』ではありません。
 それゆえ、そういった恣意的な音声はカットします」

       「『スポーツ』ですので、ね」

「ですが、歓声は余すところなくお届けしますとも。
 それが出来るのも、『スタンド』能力の利点。
 ……公平性のため『少し遅れて』にはなりますが」

この『ステージ』における『リアリティ』は、
文字通り『ヴァーチャル』な存在なのかもしれない。
ホンモノなのは間違いないが、真に迫りつつも、
どこか『一枚の硝子』を挟んだように踏み込みきらない。
血沸き肉躍る鉄火場というよりは、興行の側面――――

     ワ
                 『ザワ』
            ァ

                 ァ
   『ザワ』
                   ァ
                         ッ!!

        ≪――――さあッ! ついに『選手入場』ッ!!≫

                             !!!!!       

   ≪今宵、熱演にてッ! ステージを熱く盛り上げるのはこの『三人』ッ・・・!!!!≫ 
      
               ゴ       オォォーーーーーーーーーッ
                
――――それでも、開け放たれた扉の向こうから飛び込んでくる『生の声援』……今は『本物』だ。

>全体

「それでは……私が案内出来るのは、ここまでになります。
 アリーナの『最新競技』――――心ゆくまで、存分にご堪能を」

               「そしてご活躍を。お祈りしております」

そういえば最初の『控室』にいた際に『リングネーム』或いは『二つ名』の希望を聞かれていたが、
今からそれを用いて呼ばれるのかもしれなかった。三人は『どう名乗る事にしていた』んだったか……?

784美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/25(金) 19:33:56
>>783

「――――『リングネーム』?」

それを尋ねられた時、思わず聞き返した。
『芸名』なら昔あったが、それを改めて使おうという気も起きない。
少し考えてから、こう返事をした。

「そうね、『カナリア』にするわ。
 せっかくだから、もっと派手な名前にしても良いんだけど。
 でも、これくらいシンプルな方が覚えやすいでしょ」

「――何せ、これから『デビュー』なんだし」

そして、意識は現在に立ち戻る。
目の前で待つのは、広大な舞台と客席を埋める大観衆。
これこそが、自分が『アリーナ』という場に求めたものだ。

         タンッ
                 タンッ

密かな決意と想いを胸に、一歩ずつステージに足を踏み入れる。
軽やかであり、同時に力強い足取り。
頭の中では、過去に味わった栄光の日々がフラッシュバックしていた。

    「 『 HELLO EVERYBODY ! ! 』 」

客席を隈なく見渡しながらギャラリーに声を掛け、大きく手を振って歓声に応える。
さっき練習した通り、自分の中で最高のスマイルと共に歩いていく。
こんな表情を作るのは、いつ以来だろう。

             パチッ★

観客に送る視線にウインクも織り交ぜ、自分の『キャラクター』をアピールする。
比較してみると、昔ほど『キュート』には出来なくなったかもしれない。
その代わり、今の方が『色っぽく出来る』という自負はある。

785天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/25(金) 20:51:15
>>783

「リングネームか二つ名……んー……」

しばらく悩んだ後、スマホを取り出し連絡開始。
誰かに電話をしているらしい。

「うん、うん……分かりましたぁ」

外注したらしい言葉を天白真尋が口にする。

「黒い瞳(インビテーション・トゥ・プレジャー)でお願いします」

黒い瞳を静かに揺らしながらそう答えた。

「……おお」

扉の向こうに熱がある。
天白真尋の反応は興奮だ。
何かがむんむんと沸き起こる。

「はは……あは……」

ゆっくりと歩みを進める。

786音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/25(金) 22:22:56
>>783
あの時、新たな『闘争』への期待を秘めていた最中、
――――それでも、己は『肩書』も『別名』も口にはしなかった。

  「『音無ピエール』。
   私の名乗りに『二言』はない」

そう答えた時と変わらない、黙した表情のまま、


           スゥゥ...

        ジュリエット
発現した『両 刃 剣』の切っ先を、真っ直ぐに天へと掲げ、
納刀をするかのように引き下ろし、『解除』する。

787『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/26(土) 01:09:31
>>784(美作)

    ≪一人目ッッ!!!!!

       『カナリア』――――美作くるみッッ!!!!!≫

  『ざわっ』

           「ウォォオオオオーーーーーーーーーーーッ!?!?」

     「えっ」  「『美作』『カナリア』って」

         『ざわ』

                 オ

                    ォ
    「マジ?」    「本物!?」    「今!こっち見てウィンクしたでッ」

              オォォ

                「『使い手』か……!」
      オ

  「何だか知らねーが美人だッッ」

                       ォォ
                            ォォォオッ

>>785(天白)

     ≪二人目ェッ!!!!

      ――――『黒い瞳(インビテーション・マイ・プレジャー)』≫

     ワ ァ  ァ  ァ  

                  「へぇ。可愛い子ねェ」 
        ガキ
      「子供か?」  

            「……あーいう奴ほど厄介な能力」

                     ァ ァ ァ ―――――ッッ

 「ウォォォオッ」   

             
        ≪天白真尋ッッ!!!!!≫ 
 
               「油断ならない」

              ワ   ァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ

>>786(ピエール)

 ≪そして三人目ッッッッッ!!!!!!≫

    オ

        オ

           ォォォオオオオオオオオッ

                『ザワ』

           「『剣士』か!」   「いや……騎士か?」

 ワァァーーーーーッ

        『ザワ』

     「『新星』」                 「……『期待できる』」

           ≪・・・・・・音無ピエールッッッ!!!!!≫

                  ァアアアアアアア  

                        アアアア ッッッ

    『ザワ』

      「ハッタリが効いた野郎だ」

 ァァァーーーーーーーーーーーーーーーッッ
 
                「今時珍しいぜッ」

                          ウ   ォォォーーーー  ッッ

788『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/26(土) 01:09:46
>全体

轟くような実況、歓声、それに入り混じるように聞こえてくる歯に衣着せぬ値踏み。
無血の競技であるがゆえに、それでもいつもよりは大人しいくらいだったが、
会場にはどうしようもないほど生々しい、リアルな『観客』達が娯楽を待ちわびていた。

                          ヴァーチャリアリティ
だが、今から脚を踏み入れるステージは『仮想世界』。

そのギャップこそあれ、求められているものそれ自体は『闘技』と変わるまい。
すなわち『期待通りの奮闘』と、『予想を超えたスパイス』のエンターテイメント。

             ザッ

                ザッ

                       『ヴ
                           ン!』


ステージの際まで歩を進めれば、見える世界が変わったのがわかる。
無数の『光の線』が走り――――『闘技場』の輪郭を残しながらも、
明らかに現実味のない『電脳世界』のような空間に、3人は入り込んでいた。

          ワ

                ァ

                     ァ
                         ァ

  ≪・・・ この三人の『競技者』が ッッ ≫

             ≪今宵始まる新たなる『ステージ』ッッ≫


  ≪その、始まりとなる『三人』だッッ!!!

          繰り返すようだが!!!

      諸君らは今!! 歴史の始まりに立ち会っているッッ≫

         ァ

      ァ
                 ァ

どこか遠くはあったが、今はまだ実況の声や歓声が聞こえてくる。
一人一人の顔までは識別出来ないが、『観客席』と『ギャラリー』は輪郭を残している。

――――おそらく、もう、じきに『競技』は始まるだろう。アナウンスはまだだが、直観があった。

789音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/26(土) 02:32:53
>>787-788
降り注ぐ『歓声』を背にし、『アリーナ』を闊歩する。
大いに弾けた観客を尻目に、何処か冷静さを残していた。

   「(まだ、『期待』だ。
     浮つくな。闘う『意志』を見せた時点で、
     誰であろうと、この程度の『声援』は受ける―――)」

   「(まだ、私は『闘っていない』……)」

『仮想世界』に足を踏み入れた矢先、
錯綜する『光線』に囲まれれば、ギョッと身を竦ませ、
何かを隔てたように『声援』もまた遠くなっていく。

   「いよいよ、だ――――」

           スタンド
どちらの手からも『武具』を発現できるよう、
両の掌を軽く開いて、虚空を見据えて構えをとる。
『武具』を駆使する『ピエール』の基本となる戦闘態勢だ。

790美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/26(土) 17:30:14
>>787
>>788

清濁を問わず、全身に浴びる歓声が心地良い。
心と身体が熱くなり、胸が高鳴る。
今の自分は、この『ときめき』を味わう為に生きているとさえ思えてくる。

        「――――ねえッ!!みんなッ!!」

 「これからラストまで、何があっても余所見なんてしちゃダメよ!!」

        「絶対に私から目を離さないでッ!!」

   「その『目』と『耳』で、『私の全部』を見届けてよね!!」

          「『くるみと貴方の約束』よッ!!」

同時に、自分が別の世界に入り込んでいくのが分かった。
これが、如月の話していたスタンドの能力なのだろう。
だけど、そんな事はどうだっていい。
今、自分は大観衆に囲まれたステージに立っている。
それ以外の事なんて必要ないんだから。

「『歴史の始まり』――素敵な言葉だわ」

心の中は煮えたぎる溶岩のように沸騰し、さらに熱さを増していく。
しかし、頭の中まで熱くなってしまってはいけない。
『熱いハート』と『クールな頭脳』で、この競技に臨まなければ。

           (くるみ、いいわね?)

         (ええ、いつでも行けるわ)

     (始めるわよ――『プラン9・チャンネル7』)

791天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/26(土) 21:08:36
>>787-788 (GM)

「ん?」

(なんか違うような。えっと、インビテーション・トゥ……マイ……?)

まぁいいかと内心呟く。
それは重要ではない。
重要というのは、この観客たちだ。

「えへへ……」

可愛いという言葉に反応し、その相手を探す。
多分見つけるのは無理だろうが、それらしい人がいたら微笑んでおこう。

「はぁ……」

ここなら求めるものがあるかもしれない。

792『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/27(日) 23:28:10
>>789(ピエール)

                  スゥ  ・ ・ ・

明らかな高揚を形にする美作や、隠さない天白。
対照的に冷静さを軸に、風変わりな『戦場』に乗り込むピエール。

『歓声』も遠くのざわめきに変わりゆく中、『その時』が来るのを待つ。

>>790(美作)

       オ

          オオオオオッ

                  オォォォーーーーーーーッ

『パフォーマンス』の成果は十分だ。
だが、燃え滾るような心とは裏腹に、
冷静な『語り手』の美作には流れがわかる。

『つまらない演技』をすれば、この熱は全て『冷風』に変わる。

仮に『面白い演技』をしてすら、『新しさ』が薄れれば熱は落ち着くものだ。
観客とは、ファンとは、世評とは『そういうもの』だと、美作くるみは知っている。

>>791(天白)

  ≪……失礼ッッ≫

            ≪『マイ』ではなく『トゥ』≫

      ≪『インビテーション・トゥ・プレジャー』ッッ≫

                  ≪即ち≫

                  ≪『快楽への誘い』ッッ≫

『違和感』のない響きに変わった。
どうやら、素で間違えていたようだ。

     「……」

             ニヤリ

熱視線を浴びせてきたのは『中性的』な人物だ。
女性ファンか……!? それとも……どっちでもいいのか?

793『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/27(日) 23:44:21
>全体

≪―――――――――――――――さあッッ≫

             ≪この熱が『追い風』となるようにッ≫

  ≪早速始めようッ ……今回の『第一課題』は、これだッッ!!!!≫


気付けば三者は『風景』を目にしている。
周りに他の二人、ライバルとなる競技者たちは『いない』。

周囲を360℃取り囲む観客席の『フェンス』には文字が浮かび上がり、
それがどうやら『説明文』であることもわかる。内容は以下のものだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


                     STAGE 1
                  『分からせろッ!!!』

                舞台はまさにこの『ステージ』。
            無数の観客が見守る中に、キミは立っている。
    対戦相手は『格闘チャンプ』『スーパーアイドル』『ラジコンヘリのプロ』から1人。
    この中の誰か一人の『パフォーマンス』の『後』に自分のパフォーマンスを見せ、
  『明らかにキミの方が見応えあるパフォーマンスをしている』事を『分からせろ』ッッ!! 
          当然『自を高める』も『他を貶める』も等しく『力』である!!!

            キミがなんのパフォーマンスをするかは『自由』。
          相手と同じ事・同ジャンルの事をするのは『分かり易い』が、
           『同じ事をしても勝てない・つまらない』なら他でもよい。

                      相手は・・・

                 格闘チャンプは『瓦割り』。
                  持ち物は『瓦(10枚)』
            
             売れっ子アイドルは『歌いながら踊る』。
               持ち物は『ワイヤレスマイク』。
            
             ラジコンヘリのプロは『アクロバット飛行』。
               持ち物は『リモコン』と『ヘリ本体』。 
        
  ただし『妥当性』と『説得力』があれば『他のパフォーマンスをしてもらう』事も可。
      なお、『この会場にキミ以外のスタンド使いはいないものする』。

      道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
      設備:『可』。 他にこのステージやキャラクターに持ち物に、
               あるべきと思われる物は必要なら『出現』させます。
          
              いずれの場合も開始前に『指示』下さい。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

なるほど――――確かに今立っている場所はステージだし、
目の前にはそれらしい『キャラクター』が立っているようだった。
観客席も、本物の観客ではなく『モブキャラ』達が配置されている。

二種の『可』が示す通り、『求めれば』手元に道具が出るようだ。
とはいえそれに頼りきりでは評価が落ちるのは『自明』だが、
『スタンドだけ』では行動力に欠けるスタンド使いへの配慮だろう。

≪ ナビゲーター 『マトリクス・オデッセイ』 デス !≫

≪ 質問 マタハ 指示 マタハ 開始ノ 際 オ声カケ クダサイ! ≫
 
   フヨ
             フヨ
 
指示は・・・何やら近くに浮遊する『電子的なイルカ』にすればいいようだ。

そして状況から察するに、『あって当然の設備』なども求めれば出現するか、
『元からあった事になる』と思われた。これが『スタンド電脳空間』で行う所以か。

≪さあッ≫

       ≪第一の課題が提示されたァァーーッ≫

                      ≪果たして『挨拶代わり』とばかり、
                         最初に解決に挑むのは誰だッッ!?!?≫

今すぐに動き出さなければならない、というワケでもないらしい。
考えがまとまり……動き出した瞬間が『審査』のスタート、そうアナウンスされている。

794音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/28(月) 00:37:24
>>793

      「――――同じ、ステージか」

共に入場した二人は消え、『観客』達もすり替わっている。
何より、全体的な『解像度』の乏しさ、……ここが『電子空間』か。

      「『ラジコン』の経験は全くない、
       『アイドル』は論外だ。……つまり」

選択肢は唯一つ。格闘チャンプを前に、『武』で圧倒すること。
だが、周囲は全て『観客』に囲まれている。

つまり、実体化した『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』では、
『隠ぺい』を目的とした、下手な『小細工』は逆効果だ。

少しだけ思考を巡らせてから、視界の端に浮かぶ『イルカ』に声をかける。

       「……あーっ、『マトリクス・オデッセイ』。

        豪奢な『首飾り』を下げた『胸像』を、
        ……そうだな、私より頭一つ背が低くなるよう、
        高さを合わせた『台座』に乗せて、用意してくれるかね」

       「それと、パフォーマンスは、
        『入場』から始めさせてくれるかな?」

『スマートスピーカー』も広がりを見せているとはいえ、
果たして、喋るだけで『指示』が通じるのか、
おっかなびっくりで問い掛けてみる。

795天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/28(月) 04:09:57
>>792-793

「えへへ……」

少しだけ手を挙げて振る。
女性ファンであると嬉しいが。
多分、この阿呆にとってはそこはそれほど重要じゃない。
快楽に誘われるのはどちらかを考えるといい。

「あれ!? ピエールさーん! くるみさーん!」

「え、なんで?」

それから説明を受けて何となく理解した。
何となく、だが。

(アイドルにしたいなぁ……でも、あんまり酷いことはダメだよねぇ)

「ええと、ラジコンの人にしような……」

「イルカさん、椅子をひとつ、用意してもらえる?」

796美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/28(月) 04:13:09
>>792
>>793

人の心というのは、意外な程に移ろいやすいものだ。
嗜好の変化、流行の変遷、単純な気紛れ。
人心を変える要因は幾らでも存在する。
どれだけ支持されていようと、それに胡坐をかいて努力を怠るなど以ての外。
必死に自身を磨き続ける人間でさえ、『落ちる時は落ちる』のだから。

(だけど、落ちた所から『這い上がる』事だって出来るのよ)

(――私が、そうしたようにね)

這い上がった先が、今のパーソナリティーとしての自分だ。
そこには、アイドルだった頃の栄光はない。
それでも、『今の私』は『今の自分』に『プライド』を持っている。

「オーケー……『マトリクス・オデッセイ』」

「――――行くわよ」

ライバルとして選んだのは『売れっ子アイドル』だ。
こちらの所持品は相手と同じ『ワイヤレスマイク』。
かつては、これを手にしてライバルと同じように歌と踊りを披露していた。
しかし、今の自分はパーソナリティー。
この道具を選んだのは、パーソナティーとして『相応しい使い方』をする為だ。

まず、このステージが始まる前に、控え室で『アイドルのスマホ』を確認しておく。
さっきまで、自分達も同じ控え室で待機していた。
同じ舞台に立つアイドルと同じ部屋で待たされていたとしても不思議はない。
そして、控え室でスマホを弄るというのも、さほど不自然な行動ではない筈だ。
その際に、チラリと一目だけ見る事が出来れば十分。
                                   スウィーティー
「さて、お手並み拝見といきましょうか?リラックスしてね、『お嬢さん』」

ステージに上がったら、先に行われるアイドルのパフォーマンスを見物する。
それが一曲分なら数分だろう。
限られている時間は有効に使う。

「『彼女』は私のライバル」

「でも――『あなた』は私の味方よね?」

『プラン9・チャンネル7』を通して、『アイドルのスマホ』に呼び掛ける。
恐らく、今は控え室に置いてあるだろう。
『プラン9』の射程距離『120m』の範囲内には入っている筈だ。

「あなたにインストールされている『SNSアプリ』で、
 持ち主と『一番多く会話をしている相手』が知りたいわ。
 その相手との『最新の会話内容』を教えてくれない?」

家族か友人かマネージャーか恋人かは知らないが、
頻繁に会話を交わしているなら、アイドルと近しい人物なのは間違いない。
彼女と親しいであろう人間との『個人的な会話内容』を、
『アイドルのスマホ』から聞き出す。
時間的に余裕があれば、最新より少し前の会話も遡って聞き出しておく。

797美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/28(月) 04:14:24
>>796

        パチパチパチパチ

アイドルのパフォーマンスに拍手を送り、入れ代わりにステージに立つ。
ここまでは『仕込み』の段階。
今からが『本番』だ。

「――――『今日も、あなたの隣に電気カナリアの囀りを』」

手にしたマイク越しに『始まりの挨拶』を告げると同時に、音楽をかけてもらおう。
いつもラジオで使っているオープニングミュージック。
さほど重要ではないが、演出の為だ。

「『Electric Canary Garden』――
 お相手は私、パーソナリティー『美作くるみ』です!!」

「寒さ厳しい毎日、皆様いかがお過ごしでしょうか!
 今の時期は『大寒』と言って、一年中で特に寒い時期なんですって。
 今日は、そんな寒い季節をホットにしてくれる素敵な『ゲスト』をお招きしていまぁすッ!」

ここで、ライバルであるアイドルを『ゲスト』としてステージ上に呼ぶ。
そして、長くならない程度に、即興の『トークライブ』を披露する。
これは『本命』ではなく、その為の『布石』だ。

「――――アイドルっていうのは、ホントに大変なお仕事なんでしょうねぇ〜。
 もちろん詳しい事は私には分からない訳ですけども。
 アハハハハ」

「そういえば、『アイドル』と『パーソナリティー』って、ちょっと似てません?
 どっちも『声』を専門に扱う職業ですしねえ
 ちょうどルックスも同じくらいですし?いえいえ、ジョーダンですよ!」

「でも、私達は『声』だけで全てを伝えなきゃいけないんですよねえ。
 同時に、『声』だけで全てを理解しなくちゃいけない。
 そこが難しい所なんですよねぇ〜」

「ところで、ここまでの会話で、あなたの事も少しだけ理解出来てきましたよぉ?
 そうですねえ……たとえば――――」

悪戯っぽく笑い掛け、『アイドルのスマホ』から得られた情報を本人に語る。
さも会話の最中に『パーソナリティーとしての直感』で察したかのような語り口で。
これが真実かどうかは、アイドル自身にしか分からない。
しかし、この話を聞いたアイドルの『表情』や『様子』の変化は、
それを見ている観客達を納得させる『根拠』となってくれるだろう。
ライバルであるアイドルを驚かせたという事実も、インパクトとして十分な筈だ。

798『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/29(火) 00:13:05
>>794(ピエール)

勿論『あてがわれた』わけではないのだろうが、
この局面においてピエールの最大の武器は『武』。
それを以て『武』の極致とも言える存在を超える必要がある。

         ≪ ショウショウ オマチクダサイ ≫

    ≪ ショウショウ オマチクダサイ ≫

                 ≪ ・・・デキマシタ! ≫

    『フィーーー ・・・ン』

光のグリット線が引かれ、そこに形が重なるように、
粗削りながら『胸像』が出現する。台座も当然ある。

    キラン

その首には『首飾り』。
これも作り物感はあるが、デザインは間違いなく豪奢だ。

   ≪ 現在ジョウキョウ 停止中 デス ≫

          ≪ 位置調整ハ ゴジユウニ ドウゾ ≫

                    キュキューーン

イルカの『マトリクス・オデッセイ』はピエールの周りを旋回し、
それから『入場ゲート』の方へと電脳空間を泳いで『先回り』した。

>>795(天白)

天白の『アルビオ・ホリデイ』は『対人特化』能力とも言え、
まさに対人であるこの『第一課題』においてはより取り見取りだ。

    ≪ シチュエーション 確定サセマス ≫

            ≪ ショウショウ オマチクダサイ ≫

           『フィィーーーー ン ・・・』

椅子は、思い通りに出現した。
ラジコンヘリのプロと思われる『若い男風のアバター』も立っている。

上手く魅せれば、今は『ミーハー』な観客たちも魅力に搦め取って一網打尽だ。

799『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/29(火) 00:13:21
>>796-797(美作)

  『フィーン』

≪ ソレデハ シチュエーション スタートッ ≫

手にはワイヤレスマイク。
そして心には『プライド』。

         ワァーーーーーッ

                   キャァーーーーーッ

歓声鳴り響くステージで、歌と踊りを披露するアイドル。
見た目はアバターで、曲も聞いた事があまりないものだ。
だが、それは……今は『関係ない』。
すでに『ファン』の場所は分かっている。

なぜならパーソナリティー『美作』にとって、
それは己の『トークショー』の準備時間でしかないからだ。

≪ 分かりました。 それでは 会話内容を お伝えします! 
   是非とも お役立て ください。 それでは 読み始めます ≫

スマートフォンの『音声案内』のような声色で、
語られるのは『ありがち』といえばありがちだが、
一般的に言えば『赤裸々』な『表に出せない話』だ。

長い文章を読ませるのには『プラン9』は向かないが、
歌って踊る1分弱の時間があれば十分に情報は貢がれる。

           パチパチパチパチ

――――拍手と共に、美作が舞台に立つ番が来た。

アイドル同士の戦いなら、スキャンダルの利用など、
真っ向勝負を避けた邪道。だが『パーソナリティー』の仕事は、
あくまで『言葉で伝える』『声で分からせる』といったところだ。

             『ドッ』

                     『ワハハ』

(※笑い声のSEが鳴った)

プロの腕前もあってかそれなりに温まった会場において、
ゲストのスキャンダルに触れるというのも・・・ある種『当然』!

「…………!!」
                      シーーー  ・ ・ ・ ン

言われたくない事を言われたアイドルの顔もやはりつくりものだが、分かる。
これは『屈辱』や『混乱』――――そしてそれを聞いたファンたちの顔は『やや失望』!

   『ハハハ…』 (※これもSE)

        ライブの価値は多少なり毀損され・・・その後も美作の弁舌は冴え渡る!
        これはおそらく、『得点』を期待できるだろう。あとは他二人の結果待ちだ。

800音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/29(火) 00:59:52
>>798
ポリゴンじみた『胸像』が組み上がるのを確認し、
一応、『首飾り』と一緒に、触ったりしてみる。

       「『バーチャル・リアリティ』というのも、
        中々どうして、バカに出来たものじゃあないな」

出来合いは掴めた。後は『ジャケット』の袖を外し、
踵を返して、自身が出てきたように、『入口』から再入場する。

          ・       ・       ・

『入口』の扉をゆっくりと『開ける』。
会場を照らす『スポットライト』、満員御礼の『観客』、『熱源』は十分にある。
『外』と『中』では寒暖差が生じているはずだ。――――つまり、『風』が生まれる。

       「さぁ、皆の者! ――――ご覧頂こう。

        ここに飾られしは、おぞましき呪いの『首飾り』。
        我が祖国に君臨せし、『悪女』の『奢侈』が成れの果て!」

       「『民』を飢えさせ、子女の涙と無辜の血によって象られ、
        それでも尚、あぁ……。憎たらしい程に美しいィィ〜〜〜〜ッッ!!」

脱いだ『ジャケット』をマントのように振るい、その陰に隠して発現した『盾』。
『ザ・リックス』で発生した『風』を受け止め、『攻撃』として吸い込み、『紋章』にする。
会場の『熱気』が起こした『風』ならば、『ピエール』の『攻撃』とは見なされないだろう。

陶酔した『熱弁』、大げさな『パフォーマンス』の最中、
その場に跪き、『ジュリエット』を対の手中に発現する。
一瞬だけ、ジャケットに隠した『盾』に『ジュリエット』の柄を触れさせ、
『紋章』を『柄』に移動させ、『盾』を解除。やおら立ち上がる。

ジャケットを投げ捨て、『両手』にて『ジュリエット』を構える。

       「時は流れ、権威も移ろい、
        ――――残るは! 『怨嗟』の宿りし『宝飾品』!

        ……そして、なんということか! 何も知らぬ、麗しき婦人が、

        ――――今、おぞましい『呪い』を一身に浴びようとしているッ!」

       ブワッ!
                ――――ビュォッ!

すかさず、『ジュリエット』を振るい、『風』の『過程』と『斬撃』の『結果』を合体。
『盾』に集約された『サーキュレーター』のような『突風』が『胸像』目掛けて放たれ、
豪奢な『首飾り』へ真っ先に命中し、『真っ二つ』に切り裂かれるだろう。

(※『風』が最初に当たるのは、身体の真正面にある『首飾り』だ。
  『乱打』であれば、『一撃目』にのみ『結果』が生じるため、
  『胸像』を傷付けることはなく、『首飾り』にのみダメージが与えられる。)

       「悪しき『因縁』は断たれ、これが歴史の始まりとなる――――」

『ジュリエット』を解除し、投げ捨てた『ジャケット』を引っ提げて、会場を後にする。

『拳』に対し、『剣』が破壊力で勝るのは当たり前だ。
『不可視』かつ『不可触』、そして『不殺』の斬撃により、既存の『武』を圧倒する。

801美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/29(火) 02:29:32
>>799

 ソング        トーク
(『歌』じゃあなくて『喋り』――これが『今の私』のやり方よ)

目の前にいるのは、いわば『過去の自分』の幻影。
私は『今の自分』として、それに対峙した。
もっとも、『過去の自分の経験』も、ほんの少しだけ活かしたのだけど。

(でも、まだまだよ。今の私は、こんなものじゃない。
 もっともっと光り輝かなきゃ満足できないんだから)

(そうよね――――『プラン9』)

結果を待ちながら、次の課題にも思いを巡らせる。
『プラン9・チャンネル7』の力が何処まで通用するかというのは、
自分にとっても未知数の部分が多い。
全力を出し切って課題に挑む事が、何よりも今の自分自身を輝かせてくれるのだ。

802天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/29(火) 03:29:03
>>798

「じゃあ、お願いしまーす」

『アルビノ・ホリデイ』を発現し、相手のパフォーマンスを見る。
その間、自分は椅子に座っておく。
『アルビノ・ホリデイ』を足へと移動させ、右足の太ももから椅子の足に向かって糸の弾丸を放つ。
椅子の足に付けた蜘蛛の巣に『アルビノ・ホリデイ』自体を移動させる。
下準備だ。

「……すごいなぁ」

相手のパフォーマンスが終わったら拍手をしながらそう伝える。

「ラジコンの操作、お上手なんですねぇ。あ、僕のはちょっと貴方にお手伝いしてもらいたいんですけど……」

「そうですね……ええっと」

右足を上げ、足を組むような体勢に。
すると、椅子の足に移動した『アルビノ・ホリデイ』の前から障害物がなくなる。
視聴覚共有によってより正確に相手を見ることが出来る。

「人間ラジコンってどうでしょう?」

半ば不意打ちの形でプロに向かって糸の弾を撃つ(パス精CBC)

「あぁ、大丈夫ですか!?」

「多分疲れてるんですよ、椅子に座ります? 僕もパフォーマンス中座ってましたし」

別に椅子に座らせる必要はない。
が、椅子をもって接近する。
その間にプロの頭上の巣に『アルビノ・ホリデイ』を移動させる。
糸の弾丸を警戒していたとしても、すでに移動しているので蜘蛛は見えず証拠はない。

「じゃあ、命令しますね。服を脱いでください、なるべく迅速に」

『捕食』が完了するまでカウントをしてもいい。
別に服を脱いでもらいたくはないが、人前で自発的にする動きではなく、かつインパクトのあるものがいい。
『捕食』が完了したら宣言通り服を脱ぐ、なお下着は履いておこう。
意識が移る以上見たくはないし。
余裕があったら畳んでおこう。

803『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/30(水) 14:53:47
>>801(美作)

演技を終えると――――当初のような『光の線』の世界に戻っている。
しばらくすればそこにピエールが、そして天白の姿が戻ってくる。
おそらく『待機時間』はこの場所で過ごす事になる、ということだろう。

過去を超える『今』として、美作は演技を終えた。
次の課題は不明だ。競技であることを考えるなら、
『プラン9・チャンネル7』でも攻略は可能だろうが、
それをどこまで『鮮やかに』出来るかは『腕次第』か、
あるいは『課題の運次第』といったところ、だろう。

         「お見事!」

    ワァ              「流石カネ取れる『トーク』だ」

           ァァァァーーーーーッ

  「『情報系』のスタンド……まずは序の口か」

                         「顔と声がイイッ」
     
観客席から上がる歓声は、競技中よりもずっとクリアに聴こえる。
もちろんどこか遠い響きではあるのだが、この熱量なら十分耳に届く。
恐らくされているであろう実況解説は聴こえてこないが、これは『公平性』を考えれば自然な事か。

>>800(ピエール)

≪ 再現性ニハ 自信ガアリマス ≫

≪ 今日ハ イツモヨリ オオク 演算シテイルノデ ≫

どうにも専門用語とかを素人に語りたがるイルカらしい。

銅像は鑑定士などが見れば『違う』と分かりそうだが、
競技に使う小道具としてはそう悪くない再現度だ。
見た目にせよ、質感にせよ。

そして――――いよいよ音無ピエールの『舞台』が幕を開ける。
入口から外に出る都合、格闘チャンプの演技は目に出来ないが、
これについては何をするのか分かっているし、気にする必要もあるまい。

       ザッ

           ザッ

    ぎ
         ィ
             ぃ

                『ボフゥッ』

   キィン!

寒暖差により生じる『風』もまた、『競技』には問題なく吹く。
ピエールの『ザ・リックス』が攻撃として受け止め――――
風のピクトグラムを思わせる、『横向きの〝J〟』めいた『紋章』を刻むにも、問題ない。

        ブワッ!

              ――――ビュォッ!

その『紋章』は――――『風の刃』を生み出し、首飾りを斬り飛ばす。
力と技で瓦を叩き割った『格闘チャンプ』の腕前も悪い物ではないが、
技巧の域を超え、異能の域に立つ『超絶』の剣劇に及ぶものではあるまい。

スタンド能力を自然に活かすためと思われる芝居がかった動作もまた、
見る者を満足させる『演技』の域。まず間違いなく『点数』と『喝采』が待つ。

           オ

               オ

                   ォォッ

競技が済めば、『電脳空間』は『リセット』されるように元に戻り、
光の線が舞い踊る『最初の空間』が周囲に広がり始める。
あれだけの『仮想世界』を維持し続けるのは、燃費が悪いという事か。

                「素敵ッ」

       ワァァ

  「ハッタリだけじゃなさそうだなァッ『伊達男』ッッ」

                 ァァァーーーーー ッ

        「どういう能力だ!?」
                   「『飛ぶ斬撃』……!?」

そして先の光景を見ていたであろう、観客たちの歓声が耳に飛び込んできた。
薄壁越しのようなやや遠い響きは間違いないが、『生の歓声』を疑うほどの熱量がある。
審査員とやらは知らないが、最大多数の『観衆』の心を、まずは掴んだ――――という事だ。

804『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/30(水) 14:53:57
>>802(天白)

          ≪ シチュエーション スタート ! ≫

まずはラジコンヘリのプロが『アクロバット飛行』を魅せる。
恐らくプロの動画か何かを流用しているか、まねているのだろう。
恙なく披露されるテクニックはそれなりに見応えがあるものだ。

  ストン

     パシュッ
               『ベチャッ』

人が座っている椅子の脚まで見るような人間は、まずいない。
そして、誰も見ていない場所にこそ、仕掛けは潜むもの。
静かに、密やかに――――天白の蜘蛛糸は計略を編み上げる。

             パシュッ

                     『バ  ン』

展開された蜘蛛の巣には――――『とんぼ』が引っかかっているようだ。
獲物は訳も分からず、撃たれた箇所を抑えるが……『演技中』ならまだしも、
それを終えた後に多少身体を抑えたからといって、周囲は違和感を覚えない。

          「……!?」

      『ピョンッ』

                 『バリ』    『ムシャ』

方向的に、天白に視線が行くが・・・それが意味を持つ前に。

       「……」

            ヌギ

                  ヌギ

――――『アルビノ・ホリデイ』は侵略を完了し、『辱める』。
見ている側からすれば『天白は敵の突如の露出に驚いて動きを止めた』くらいに見える事請け合いだ。

  「いいぞッ」

              「中々悪くない」
         キャ

                   アアアーーーーッ     「『人間ラジコン』……悪趣味だわッ! 素敵ッ」

      「ギャハハハッ」

演技が終わった後、耳に飛んできたのは『黄色い悲鳴』と『そうでもない悲鳴』と『歓声』だ。
こういうのに抵抗がある若い女性とかが多い、という風でもないので、点数には問題無いだろう。

周囲を見渡すと空間は光の線が無数に走る『最初に足を踏み入れた状態』になっており、
先ほどまでの『アリーナ』のような空間や、ラジコンヘリ、偽者の観客たちは全て『なかった』かのようになっている。
このあたりの『リセット』の容易さが、電脳空間のスタンドをステージ演出に選んだ理由なのかもしれない。

805『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/30(水) 14:55:53
>全員

≪第一課題ッ これにて三名ともに終了ゥゥーーーーーーーーーーーーーーッ≫

    オ

   ≪『採点』の集計も≫
                 オォォ

             ≪――――――ただいま完了したッッ!!!!≫

                       ォォーーーーーーーーーッ


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『カナリア』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『1』

音無ピエール
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』

『黒い瞳』 
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一歩抜きんでたのは――――『能力』により『確実で』『鮮烈な』解法を魅せたピエール。
果たしてそれが『スタンドの応用性』ゆえか、それを活かす確かな『本体の応用力』こそかは、
ここから明らかになっていくだろうが……まずは一歩抜きんでた。これは紛れもない『事実』だ。

点数は先の例示に比べ大盤振舞に見えるが、『初回』ゆえの『ご祝儀』だけでは説明できまい。
それぞれがスタンド能力を活かし、確かな解法を示した――――だからこそ『喝采』が響いている!

≪まずは全員が己の『スタンド能力』の在り方を魅せた―――――というところかッッ!!
 オレとしては『カナリア』氏の演技は――――素晴らしいッッ!!! 本体の技とスタンドの融合、
 非戦闘タイプのスタンドを活かした『計略』! ―――――ぜひ、もっと魅せてくれッッッ!!!!!≫

≪――――さて、ここで一旦審査員にマイクを振ってみようッ!……『吾妻』ッ≫

モニターには『白スーツ』を着た青年が映し出され、愛想のいい笑みを浮かべながら手を振る。

               アガツマジョーキ
≪どーも、審査員その1『吾妻常喜』です。今日は『審査』のほう任されちゃってまーす!≫

         ワァァーーッ

       ≪その『カナリア』さんは『相手が偶然仕事の直前までスマホ触ってて』
        『偶然それがオフでも使ってるスマホで』『偶然恥ずーい内容の会話』
         ……ってゆーのが重なったからこれだけ凄ーい演技が出来たわけで!
         ひとつ歯車ズレたら『上手で事情通なトークショー』で終わっちゃって、
         それも素敵なんですけど、『応用の確実性』はちょっとハテナって感じでしたね≫

    エェーッ     「厳しくねーかッ」
          
            ≪ま、多分そうなっちゃうのはお題と能力的に『仕方ない』んだろうけど!
             そこで点数つけちゃうと、このあと全部つけることになっちゃうかなって≫

                  ≪でも、独自性と鮮烈性は文句ナシ。流石『プロ』ですね!≫

≪ピエールさんはちょっとどういう能力かまだわかんないけど、『華がある』けど『そつがない』感じでいいですね!
 『本人のスター性』もアリーナじゃ大事ですし、それだけじゃなくて『スタンド』の『隙』とかを演技で補って来てる。
 こーいう事が出来る『エンターテイナー』は、某『セクション』筆頭に『アリーナ』では引く手あまたってところですよね!≫

        ≪天白くんは、これも『なんとなくしか分からない』系の能力なんですけど!
          まずは『出来る事が何か』をちゃんと見せて来たって感じなんじゃないですかね。
           これも『自分のスタンドでなら絶対できる』事だろうから、独自性と確実性はばっちり!
            見かけによらず『悪知恵』が働くって感じなんですかね! 『頭脳派』って感じで!
             あ、服脱がせちゃうのはちょっとビビりましたけど、ある意味『鮮烈』ではありますよね。
              もう一人の審査員はかなり推してるみたいなんで、次も『策略』巡らせちゃってください!≫

    「もっと悪趣味なのが見たいワッ」

≪いや〜ルーキー三人とは思えないくらい、最初から『堂に入ってる』ステージでしたよ! この後も楽しみにしてますっ!≫

・・・などと、所感を述べ、小さくお辞儀をすると、カメラが横にずれて『桜島』に再び切り替わった。
直観だが、このあとはすぐに第二課題が始まるだろう。今準備できる事はおそらく少ないが、何かあれば今の内ではある。

806美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/30(水) 19:46:25
>>805

(ふぅん)

心では興奮しつつも、頭の中は対照的だった。
こんなものか。
初出場で最初の課題だから、これでも上出来。

――なんて甘ったれた考えは、私にはない。
バーチャルリアリティだからって、自分に都合よく考えすぎたようね。
もう二度と同じミスは犯さない。

       チュッ★

審査員席に『投げキッス』を飛ばす。
別に『賄賂』って訳じゃない。
ステージの上では、常に『何かしら』しなければならない。
課題の最中であろうと、そうでなかろうと関係なく。
そして、それは『チャーミング』でなければならないのだ。
もちろん、そんなルールはないだろうし、やった所で審査に影響はない。
これは、私が自分自身に課した『エンターテイナーとしての義務』だ。

「みんな――――ッ!!応援ありがと――――うッ!!」

       チュッ★

続いて、客席席の方向にも『投げキッス』を送る。
しかし、アピールにはメリハリが必要。
ただ単に『甘さ』を振りまくだけではダメだ。

「ああ、そうそう…………」

「『カナリアの囀りなんて所詮こんな程度のものか』」

「そう思った貴方は、今すぐ私から『視線』を外してくれて構わないわよ」

おもむろにスタジャンを脱ぎ去り、腰に結び付ける。
その下はタンクトップだ。
言うまでもなく肩までが露出し、首周りも広い。

「――――すぐに『後悔』させてあげる」

こうして、『甘さ』の中に少々の『毒』を織り交ぜる。
一つの面を見せ続けるだけでは、飽きられるのも早い。
多様性こそ、『一発屋』で終わらない秘訣なのだ。

「さあ、早く『次』を出してちょうだい」

「私の『力』は、まだまだこんなものじゃないんだから」

807天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/30(水) 21:16:38
>>804-805

「むぅ……」

一人だけ鮮烈性が2だ。
勝負である以上はそういう部分が気になってしまう。
その場にしゃがみこんでちょっと頬をふくらませてみる。

「悪知恵じゃないですよぉ……」

本人的にはちゃんとしたものらしい。
脱衣をさせるのが悪知恵でないと思う者がこの場にどれだけいるのだろうか。

(まぁでもいいかな……)

「ぶい」

吾妻の映る画面に向かってピースサイン。
恐らく、もう一人の審査員というのが見ているのだろうし。

808音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/30(水) 23:33:37
>>803-805
「・・・恥ずーい会話でトークショーだの、
 『脱がす』だの、何をやってくれたのかね・・・」

若干引いたように身じろぎし、二人を横目でみやる。

『満点』に心躍らないわけではない。
だが、今の『審査員』のコメントを受ければ、
決して『安心』は出来ない。

「(『独自性』と『鮮烈性』、この二つがハッキリした。
  参加者の手前、トボけてる可能性もあるが、
  彼らは我々の『スタンド能力』を知らないという前提で、
  設問への『解答』を見てる、と考えていいだろう・・・)」

他の者も遅かれ早かれ気付くだろうが、
この一点は大きく異なる。
『氷結』の能力で敵を凍りづけにするのと、
『気圧操作』で同様の現象を起こすのも、大差ない審査結果となるのだ。

「(つまり、『ネタ』が割れたら最後だ。
  この闘いは『持久戦』、引き出しの温存がカギを握る!)」

遅かれ早かれ、この仕組みに他の参加者も気づくだろう。
故に、初回で『満点』だろうと『慢心』には至らない。

二度、三度と同じ手を使えば、『鮮烈性』は薄れるのだ。
そして、ありふれた手を打てば、『独自性』など容易く失われる。

809『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/31(木) 23:14:35
>>806(美作)
>>807(天白)
>>808(ピエール)

           ワ
                     「いい度胸だァ姉ちゃん」
 「生意気ッ」        ァ
    
    「次も魅せてくれよ〜!」     ァ  
                        ァ
                            「もっと悪趣味なのが見たいわッッ」

美作の『鮮烈』な言葉に、観客は更に沸き立つ。
天白のポーズも届いているかどうかは分からないが、客にはウケたようだ。

対してピエールは考える。この戦いの『法則』……『勝利』への道筋を。

≪―――――――ではッッ≫

        ≪早速、『第二課題』に行ってみようじゃあないかッッ≫

                ≪『鉄は熱いうちに打て』!!
                 『マトリクス・オデッセイ』……頼む!!≫

三者三様に結果への思いを滾らせ、あるいは口にする中――――

                           『キュキューーーー ーン』
  『ヴ

        ンッ』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  
              STAGE2
              『盗み出せ!』

         打って変わって舞台は『倉庫街』!
     キミは『アリ―ナ』の一員として『犯罪組織』を追い、
          ついに、そのアジトへ到達した。
     すでに住所も、間取りも、敵情も把握しているが、
       出入口には常に見張りが一人立っている。

        窓はあるが『内側から鍵』がかかっており、
      迂闊に侵入は出来ない……中には更に敵が二人!
   目的の『機密データ』が入ったパソコンは窓から見えないが、
   先に入手していた間取りを考えれば『敵C』が動けば見える。
  
         どいつも『スタンド使い』ではないが、
     策なしで突っ込めば流石に『華麗な解決』は困難だ。
     強引すぎる突入の場合、『時間をかけてしまえば』
    その間に中の人間が機密データを消してしまいかねない。

    必要な装備は『アリーナ』から支給されるが、どう動く!?
  
 道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
 設備:『可』。 他にこのステージやキャラクターに持ち物に、
         あるべきと思われる物は必要なら『出現』させます。

      ┏━━━━━━━━━━━┓
      ┃ ★                 ┃
      ┃           C    ┃
      ┃                窓
      ┃    B           ┃
      ┃                ┃
      ┃                ┃バ
      ┃草              草┃
      ┗━━━━━扉━━━━━┛
               A


A:見張り。筋骨隆々な男。それなりに強そう。腕時計をしている。
B:中年の男。携帯電話を手に、ソワソワした様子。武器などは見えない。
C:柄の悪そうな女。スマホ弄り。こいつが窓とパソコンの間を遮るように立っている。
草:観葉植物だ。
車:連中の物らしいバイクが駐輪されている。
★:目標のパソコン。ノート型で、デスクに置かれている。

〇室内の備品や内装なども、『マトリクス・オデッセイ』に注文可。
  エアコン、机やいす、時計など自然にありそうなものは、
  『あるもの』として扱ってレスを行う形でもかまわない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――風景が切り替わり、立っているのは『夕暮れの倉庫街』を思わせる情景。

先ほどと同じく、『1人だけ』の世界にナビゲーターのイルカが浮いており、
今は見張りなどの動きも停止している。『シチュエーションスタート』の前だからだ。

倉庫街でこそあるが、周辺の建物はターゲットとなる『小さめの倉庫』を除きディテールは荒めだ。
恐らく中に入る事は出来ない、『隠れ場所』としてか『雰囲気出しに見かけだけ』の設置なのだろう。

       ビュ

           オ オ オ ・ ・ ・

冬とは思えない常温の『仮想風』が吹く『仮想倉庫街』で、『仮想イルカ』が三人それぞれの『動向』を待つ。

810『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/31(木) 23:29:54
>>809(訂正)
誤記があるので訂正します。

× 車:連中の物らしいバイクが駐輪されている。
〇 バ:連中の物らしいバイクが駐輪されている。

811音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/01(金) 02:56:13
>>809
「あれだけステージで大見得を切った後だが、
 今度は『目立たず』にやり遂げなければ……」

『一対一』であれば『制圧』は容易いが、『複数人』への対処は難しい故に、
この難関を乗り越えるには『奇策』が必要となる。
吹きすさぶ『風』は有難いが、工夫なく利用すれば『既視感』は免れない。
それでも必要な『道具』は唯一つ。『ノートパソコン』を持って帰る『鞄』のみだ。

   「失礼。……『N H K』の者だが」

『ピエール』自身も痛手を被った経験のある、『徴収員』の振りをしながら、
『A』の眼前に掌を突き出し、『ザ・リックス』を発現。一気に押し込む。

   「――――悪事の代償を『徴収』しに来たッ」

盾で『顔面』を押さえる『理由』は三つ。まず、『声』を封じること。
そして、『視界』を封じ、対の手に発現した『ジュリエット』の柄尻を、
確実に『A』の『喉元』にぶち込み、『気道』を断って気絶させるためだ。

   「どれ、ちょっと『借りていく』からな」

気絶する『A』から『上着』ごと『スマートフォン』を奪い、『指紋認証』を解除。『無音』に設定。
そして、バイクを窓傍まで押し進め、『サイドミラー』を調整し、
鏡越しに窓から室内を覗けるようにしてから、窓の下へと屈む。

リアルタイムな『B』、『C』の位置や様子は、『窓』から確認できたと考えられる。
よって、多少『窓』に近づいたとしても、二人にはバレないと信じたい。

       Pi Pi      Pi   Pi . . .

『A』から奪ったスマートフォンから、直近の通話履歴や連絡先にひたすら電話し、
『B』、『C』のスマートフォンの着信を『ミラー』越しに確認できるまで、ワン切りしまくる。
その間、地面の砂を風にのせて撒くように、窓の付近に放る。

   ≪ガホッ、   『黄砂』が、ヒドいな……
    お湯を、一杯くれるが ?  ゲホッ≫

どちらかが電話に出たのを確認したら、わざとせき込みながら、
『声』を誤魔化すように喉を掠らせ、悲愴な声でおねだりをし、通話を切る。

この部屋には『観葉植物』がわざわざ『二つ』も用意されている。
つまり、水をやるための『給湯室』がある。白湯の一杯くらいは用意できるだろう。
『見張り』をわざわざ立てる以上、コンビニや自販機に行かれても困るはずだ。
何かの間違いで『ドア』を開けようにも、凭れた『A』が邪魔をして開かないだろう。

『B』か『C』がスマートフォンで返事をくれるか、あるいは窓に近づくか、
いずれにせよ、『窓』の真下に陣取った『ピエール』には、二人が近づくタイミングが解る。

          フッ . . .

『ザ・リックス』に浮かんだ、『A』の『紋章』を『ジュリエット』に移す。
そして、電話を受けたどちらかが『窓』を見た時に立ち上がり、
『剣先』を己が眼前に差し構え、ゆっくりと振りながら『紋章解放』をする。

         「『アルセーヌ・ルパン』とは比べられんが、
          ほんの一瞬であれば、『真似事』は容易いさ……」

『三つ目』の理由。『ジュリエット』に押し付けられた『A』の『顔面』がもがき暴れる様を『過程』とし、
ゆっくりと振った剣に『顔面』が暴れる過程を重ね、その悲愴に強張った顔を『Aの仲間』に晒す。

着こんだ『Aの上着』と相まって、上半身のみの『変装』を見せつけ、
もう片方の手では、『白湯』の催促をするかのように、ひたすら『鬼電』をしまくる。
『表情』と『行動』、両方が合わされば『無反応』ではいられないだろう。

『過程』が消える直前に、己は『窓』から僅かに離れて身を隠し、
『A』の仲間が『窓』を開けた瞬間、

        「『黄砂』はウソだが、
         『災い』が来たのに代わりはないぞ」

窓の傍に持ってきた『バイク』を踏み台にし、『ザ・リックス』を突き出しながら、
『A』の仲間の持った『コーヒー』ごと、盾で『押し込む』ように室内へと滑り込む。

        「『ジュリエット』ッ!」

『A』の仲間のコメカミを『剣』の柄底でぶん殴り、気絶させる。
もう一人、事態に気付いた『残党』が『パソコン』へ駆け寄る前に、

        「――――そう、『風』よッ!」

満を持して、室内に流れ込む『風』を『ザ・リックス』で受け止め、
『紋章化』させ、『ジュリエット』から『風の刃』を放ち、残党の『脚』を切りつけ、
倒れ伏させてから、『ザ・リックス』の側面を首筋に叩き込み、気絶させる。

        「では、確かにもらっていくぞ」

三人のポケットを探って、バイクのキーとヘルメットを手に入れたら、
『ノートパソコン』を鞄に入れ、盗んだバイクで『倉庫街』を後にする。

812美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/01(金) 21:08:10
>>809

所持品は『スマホ一台』のみ。
動作音などは、事前に全て切っておく。
窓の近くに身を隠し、挑発的に唇を舌で舐める。

「『カナリア』は誰にも気付かれずに『獲物』を手に入れる」

私にとって、見張りの男は問題にならない。
処理すべきなのは、中にいる男女。
おそらくは、外見通りの性格だと思っていいだろう。

(ここは『彼』に役に立ってもらいましょう)

「――――あなたの『メールアドレス』を教えてくれる?」

『プラン9・チャンネル7』を発現。
中年の男の『携帯電話』を『支持者』に変えて、『メールアドレス』を貢がせる。
そして、そのアドレス宛てにシンプルなメールを作成する。

       < お前は『死ぬ』 >

             pi

要するに悪質な『迷惑メール』だ。
これを男の携帯に送信する。
それだけなら『単なる悪戯』で終わるだろう。

    pi pi pi pi pi pi pi pi pi pi

だから、『単なる悪戯』では終わらせない。
メールを繰り返し再送信して、同じ内容のものを連続して何通も送りつける。
狙いは、男を動揺させる事。

落ち着きがないのは、敵を警戒しての事だろう。
そこに『奇妙な出来事』が起これば、何らかのリアクションが期待できる。
男を動揺させ、それに対して女に反応させる事が目的だ。

邪魔な女さえ退かしてしまえば、気付かれる事なく情報をゲットできる。
その為に、気の弱そうな男を利用する。
更に、これは敵襲などではなく、あくまで『気味の悪い出来事』でしかないのだ。

女が動くか身体の向きを変えるかするタイミングを見逃さない。
パソコンを視界内に収めた瞬間、『プラン9』で『カナリア』の『支持者』に変える。
後は『パソコン自身』に機密情報を差し出させれば、踏み入る事なく任務は完了。

813天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/02(土) 02:34:26
>>809

『ホース』と『ジッポライター』『バケツ』を用意しておく。

「んぐっ……んぐっ……」

バイクの給油口にホースを突っ込んでストローのように吸う。
これで中のガソリンを吸い上げられる。
ちょっとガソリンを飲んじゃう可能性があるけど。
吸い上げたガソリンはバケツに入れるなどして倉庫の壁などに撒いておく。

「きゅぅ……」

その間に『アルビノ・ホリデイ』は糸の弾丸を放つ。
一度目はバイクの位置から下の角を少し飛び出たくらいの位置。
次はそこからAの腕時計に向かって。
腕時計に巣を張ったら、次はA自身に向かって撃つ(パス精CBC)
一度目は無機物、二度目は油断している相手、三度目は腕時計を見た相手の顔面を狙えば、そんなに難しい狙撃では無いはずだ。

「よっと」

顔面に攻撃を食らった相手は警戒しているだろう。
その隙に捕食開始。
本体は火をつけたライターでガソリンを燃やしてからAの元へとダッシュして意識をこちらに向けさせよう。

「おい! ヤバいぞ! 嗅ぎつけられてる、仲間に連絡しろ!」

捕食が完了したらAの振りをしてドアを蹴破り、中に入る。
外の炎が窓から見えれば説得力も増す。

「伏せろ!」

Cに全力でタックルし、動きを封じる。
時間がまずいので飛ぶように踏み切って操作が解除されてもいいようにしておく。

「……」

操作が解除されれば『アルビノ・ホリデイ』は一番近い巣に飛ぶ。
Aの腕時計だ。
状況的に連絡をしろと言われれば連絡をする。
手に携帯を持っているならそうしてもおかしくない。
あるいは警戒して辺りを見渡しているかもしれない。
だから、狙いやすくなってるはずのBに糸の弾丸を放つ。
現場はてんやわんやだ。
Bの捕食が完了したらパソコンを持ち出す。
そして、パソコンを倉庫から出し、内側扉を閉めて終了だ。

「いただきます」

814『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/03(日) 01:35:11
>全体

       ≪ シチュエーション スタート!! ≫

それぞれの望む道具、状況が用意された上で――――『演技』が始まった。

>>811(ピエール)

「…………うちには、テレビなんて無」

          『ドボォッ!!』

               「!?!?!?」

   ドサッ!

まずは徴収員を装っての強襲――――『成功』。
腕を振りかざしたりすれば『叫ばれる』可能性もあるところを、
自然な動きから『口を封じ』『喉を封じ』意識を刈り取る事で、
一挙に解決して見せた。ほとんど『芸術的』な手口と言ってよい。

さらにそのまま押し入るのではなく『スマホ』による誘導を行い、
そのために『バイクのサイドミラー』を用いるのも『無駄が無い』。
更に変装などは、『ピエールのスタンドを知る人間』でも驚くべき業。
初見の、スタンド使いでもない人間が『訝しむ』事は出来ても対応など不可能。

                  ―――『成功』。

      ヒュンッ

            ドガッ!!

    「……!!」

                『ビュオオッ』

     ――――ザシュゥッ!!

あるものは全て活かす――――『評定』に含まれる基準かは不明だが、
審査員は『人間』であり、『心証』を稼ぐに越した事はないのだから。
それは流れるような『向上』もだし、騎士道的な『不殺』の手筈もそうだ。
手筈に用いたバイクを最後まで利用し『演じ切る』姿勢も、何もかも。

――――『成功』。            

          ワァ

               ァァァァーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!

鮮やかに三人の悪党を制圧し、『パソコン』ごと盗み去って魅せたピエールに、
先ほどと同じように『元に戻った』光景と共に割れるような喝采が浴びせかけられる!!

>>812(美作)

――――――――『カナリア』が狩りをする姿を、知る人間は少ない。

      pi

          pi pi pi pi pi pi pi pi pi pi

メールアドレスの『漏洩』などは『プラン9』の最も得意とする『工作』。
容易に明かされた秘密を啄み、さえずるかのような音は、一つ一つが『死の宣告』。

         「!?!?」

                 ポロッ

                        「〜〜〜ッ!?」

当然そのような事態になれば、相手もおとなしく見てはいない。
おとなしく見てはいないから――――本当に狙われている『獲物』が何か、気づけない。

    ≪ 『ヒミツケイカク』ノ ショウサイ オシエチャイマス!!! ≫

                  ≪ ケッコウジカンハ 23時 !! ≫

    ≪ シュウゴウバショハ カンラクガイ ノ バー !! ≫

パソコンが嬉々として機密情報を貢ぎまくってくるのを耳にしていると、
風景は『倉庫街』から元の『アリ―ナ』へと戻っていく。つまるところ『おしまい』だ。

              ワァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   ッッッ!!!!!

大歓声は先に終えていたらしいピエールへのものもあるだろうが、美作へのそれも明らかに聞こえる。

815『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/03(日) 01:35:56
>>813(天白)

天白が仕掛ける次なる策略の網は――――極めて『危険』で『鮮烈』なものだ。

用意した道具は比較的多いが、『ガソリン』を抜き取る手段としては合理的だ。
そして、当然、それだけに頼った安易な仕掛けをするような『黒い瞳』ではない。

           パシュッ

              パシュッ

                  パシュッ!

糸の弾丸は次々に『生息圏』を広げ、『見張り』の頭に浮かぶ『兵隊蟻』はもう逃げられない。
弾丸を当てる順序も計算し尽くしたものであり――――『見事』と言える手口だ。

「なッ」

           「何っっ!?」

そこからが『アルビノ・ホリデイ』の真価だ。
第一課題で魅せた『辱め』も勿論、重要な使い道ではあるが、
人間を傀儡として操る『糸蜘蛛』は人間関係の糸を容易に辿り拗らせる。

     「オゴッ!?」

             「なッ何してんだ  ぎゃッ」
 
  「……」

        スッ

         「ま、待てっ、どこに」

                   バタン
                       ガチャ

                         「待てェェーーーーッ ・・・」

空しく響く制止の声を聴きながら元の体に戻った『天白』の意識は、
燃え盛り始める扉の前に無事に転がる『パソコン』を目にし……
そして、そのまま周囲の光景が『アリ―ナ』のそれへと戻っていくのを目撃する。

        オ
              オォ
                    オ
                          ォ―――――ッ

そしてピエールと美作が浴びていた声援に、天白の名を含むものが一気に織り込まれた!

816『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/03(日) 01:36:25
>全員

≪第二課題ッッッ これにて終了だァァァーーーーーーーーーーーッ!!!
 三者三様の素晴らしい『解決』ッ!! とくと見させてもらったぞッ!!!!≫

      ≪今回の『採点』は如何に≫

                  ≪――――――ご覧いただこうッッ!!!!≫

             オ   オ  オ  オ   ォォーーーーーーーーーッ

結果は・・・

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『カナリア』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『1』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』

音無ピエール
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』

『黒い瞳』 
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

≪―――――――――――――満点ッ!!!≫

        ザワ   ザワ
                          ザワッ

               ≪満点ッッ≫
   「マジかッ」
                    ≪全員が『満点』の評価だァァ―――――ッッ≫

             「いきなり!?」
                        「いや、序盤だからこそか……!?」
 
     「とにかくスゲェェーーーッ」
 
最初の課題で惜しくも『穴』を突かれた美作と天白も、見事にそれを補って見せた。
それゆえにか、純粋に解決策が評価されたか、点数はこの二度目にして『最高値』を叩き出すッ!!

≪この競技に『予定調和』は存在しないッ!! 『闘技試合』に『栄誉の引き分け』があるのと同じッッ≫
 
      オ オ
            オォォーーーーッ
           
            ≪全員が己の限界を突き詰めた『解決策』を示せば≫

                                    『ワーーーッ』

                    ≪全員に『最高』の評価が付くという事ッッ!!!
                      奇しくもこの第二課題で証明され、感嘆しているッッ!!!≫

      『キャーッ』

講評や、次の課題の発表もすぐに行われるだろう。

この満点――――輝かしい結果であると同時に、否応なく上がる『ハードル』を感じなくもない。
一度『最高』が出た以上、この先は『維持』出来るか、それとも『削られる』か。減りゆく手札の中で、ピエールも予期した『持久戦』になり得る。

817天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/03(日) 02:02:43
>>815-816

「やった……全員満点!?」

点数の開示に思わずそんな言葉が口から出る。

(巻き返せてないし……)

点差のあたりは相変わらずだ。
満点だからこれ以上の上はない。
次以降も頑張る必要がある。
巻き返せていたとしても頑張らないといけないが。

「まぁでもいっか」

「ぶい」

ピースサインを上げておこう。

818音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/03(日) 02:51:50
>>814-816
全ての『手筈』を完璧にこなし、
割れんばかりの『拍手』を受け止める。

最も、それは他の二人も同様のようだが。

     「――――『スマートフォン』を扱う能力、
      そして、他人を『全裸』にして操る能力、

      今のお題は、君たち向け、だったということかな」

『一回目』の講評から伺える、『スタンド能力』の片鱗、
それに対してわざわざ言及するのは、己も無意識に抱いた、
――――『対抗意識』によるもの。

     「今の課題で、『審査員』に凡その『スタンド能力』は知られた。
      観客の中でも、大体の『目星』を付けた者もいるだろうな……。

      この闘いは、『一滴』の血も流れることはない。
      だが、確実に言えるのは、他者への『妨害』も『工作』もなく、

      ――――純粋に『己』を磨く! そのための『競技』といえようッ」

『入場時』、そして第一回目の『講評』とは違う、
雄々しくも喉奥を震わせて、真っ新な『アリーナ』の中央で叫ぶ。

819美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/03(日) 05:54:12
>>816

     「――――ハァ…………ンッ…………」

              ドサッ

その場に座り込み、両手を地面について全身の力を抜く。
無防備なポーズと気だるげな表情。
これも『パフォーマンス』の一部だ。

「この程度じゃあ満足できないわ」

「ねえ、もっと痺れさせてよ?」

         フフッ

客席と司会者と審査員席に向けて、微笑みながら同じ台詞を投げ掛ける。
客席に対しては『声援』を、『アリーナ』側に対しては『難問』を求める。
この大舞台で『美作くるみ』という名の『月』が輝くには、それが必要だ。

「足りないの。もっと欲しいのよ」

「私は『欲張り』だから」

今よりも激しく、沢山の『歓声』が欲しい。
意識がブッ飛んでしまう程の『声援』と『拍手』に包まれたい。
だから――――。

     こんな程度じゃ――――ちっとも『足りない』ッ!!

820『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/04(月) 16:46:38
>全体

  「天白ッ」
                  「もっと見たいッ」
       「天白ッ」         「『悪趣味』なだけじゃないわッ」
               「策略家だわッ」

    オォォォ

  「ピエールッ」

               「『カナリア』ぁぁーーーーっ」
       「ファンになりそうだ……」 
                       「エロい!」

言葉やポーズでパフォーマンスを魅せる天白と美作、
対して己の中の『熱』を、ぶつけるように叫ぶピエール。
    
        オ     
     オ                       「美作サァーーン!」
  オ
    「良いぞ『ピエール』ッ」
       「『闘技』でもアイツが見たい!」      オォッ

 「試合予定は無いのか!?」
 
            オォォーーーーーーーーーーーーーーーーッ

≪全員満点――――という事でッ≫

      ≪まずは審査員の『講評』からだッッ≫

             ≪――――『冬川』氏ッッ≫


               フユカワ コゴエ
≪――――どうも。アリーナの『冬川凍』です≫

画面に映し出されるのは『執事服』風のスーツを着た若い男だ。

        ワァ ー ー ー ッ

              ≪今日は審査員という事で招かれている。
               僭越ながら、今の課題についてコメントを≫

≪全員満点をつけたが、それぞれの良さがあった。
 『ピエール』選手の『流れる』ような手筈は実戦でも発揮されるだろうし、
 『カナリア』選手の策は『スマート』だ。初回で吾妻が指摘していた、
 『確実性』について全く隙が無い。こういう『改善』が出来る使い手は『強い』。
 そして……それは『天白』選手にも言える事。初回の手立ても私好みだったが、
 『脱がせる』のは『派手』であっても『鮮烈』かどうかは、評価が分かれる所。
 今回は道具ありきとはいえ映える『炎』を使い、『スタンド』の使い道も『流麗』だ≫

           ≪――――二度の攻略である程度の『能力』は見えてきた。
            ここからが正念場と言えるだろう……第三課題、楽しみに見させてもらう≫

ピエールの言葉通り、目の肥えた観客たちもだが、
多くのスタンドに触れるであろうアリーナスタッフの『審査員』は、
深く隠した『奥の手』でもなければおおかたの能力を『知った』らしい。

≪講評に感謝するッッ この『勢い』を切らないよう、さっそく次の課題へ進もうッッ!!!≫

                 ≪STAGE3≫

   ≪『己の限界』はまだまだ遠いかッ!?≫
                             ≪それとも常に限界を極めて戦っているかッッ≫

 ≪いずれにせよ講評通りィィッ≫

                        ≪ここからがッッ  正念場だァァァーーーーッッ≫

       ≪超えてみせてくれッ!! オレの想像の限界をッッ!!!≫

  『キュキューン』

821『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/04(月) 16:49:50
>つづき

               ヴ

                ン

――――広がる光景は『星見横丁』の『通り』を再現したようなものだ。

違いがあるとすれば『車道』が無く、まるで『歩行者天国』のような様相を呈している点だが、
これについては競技を円滑にするためか、『幅』を広げるための『アレンジ』といった所だろう。

      そして発表される課題は――――今までとはまた違う『解決』を求められるものだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                 STAGE3
                『逃げ切れ!』

       ストリート・ミュージシャンの演奏がBGMの
      夜の『星見横丁』で……キミは『追われている』!
      
       重要な『情報』の入った『USB』を手にして、
     敵の『組織』から逃げて『合流ポイント』に向かっている。
     追手は人間だが――――今までの人間とは様子が違う。
       黒いサングラスを掛けた『黒服』の男が『2人』。

          1人は後ろから迫ってきており、
        もう1人は進行方向に待ち伏せしている。

     彼らはさながら『スタンドが見えている』ように振る舞う。
     もっとも彼ら自身が何か能力を使って来るという事はないが、
     『見えている』相手を倒すなら今まで以上の『策』がいる!
       回避もするし、身を守ってくるかもしれないし、
      あまりにも『分かり易い』使い方をしてしまえば、
      『能力』を敵の組織に共有されてしまいかねない。
     成功条件そのものには無関係だが、スマートではない。

     あるいはこの『包囲網』をすり抜ける何らかの策を講じるか?
 それなら後ろからの追手は『対処』しなくても、見張りさえ抜ければ問題は無い。
     いずれにせよ……状況が始まれば、あとはもう待ったなしだ!

 道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
         ただし『乗り物』と『衣装』は、今回『禁止』となります。
 設備:『可』。 ただし黒服の持ち物は『見た目を損なわない範囲』に限ります。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

822『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/04(月) 16:50:12



                                          │      人      │
                                          │             │
──────────扉───────扉───────扉──┘             └────扉─────
    人   〇                   人            ◎              B          人    ☆
       〇                                                                 ☆
A      〇                                                                 ☆
       〇             人                                                   ☆
       〇   自  バ                   人                                     ☆
────―────────扉────────扉─────―┐             ┌────扉─────
                                              │    人 人         │
                                              │             │
                                              扉             扉

A:黒服。後ろ10mほどから追跡(スC 歩く速さ)してくる。スタンドが見えるようだ。
B:黒服。見張りをしていて、辺りを見渡している。スタンドが見えるらしい。
〇:スタート地点。どの位置からでもかまわない。
☆:ここまで行けば『データ』を受け渡すべき人間と合流できる(初期位置は☆の範囲で自由)
  彼を動かしても構わないが、理由が無いと動かない。
  また、動かすにせよ見張りである『B』の前を通らせるのは危険だろう。
  USBを彼に渡せるなら、自分自身は辿り着かないのもなしではない。
自:放置自転車だ。鍵などは無い。
バ:またバイクだ。ただし今度は『電子錠』がされている。

人:通行人。特徴などはないが、『注文』すれば付加される。進行方向も自由。
◎:ストリート・ミュージシャンだ。ギターとマイクスタンドを置いて歌っている。
扉:道沿いの建物の扉。基本的に施錠などはされていない。何の建物かは『注文』出来る。

823美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/04(月) 21:50:43
>>822
通行人の特徴の『注文』は常識の範囲なら可能と考えてもよろしいでしょうか?

824美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/04(月) 23:02:19
>>822
その場(星見横丁)にあっても違和感のない設備であれば、『注文』可能と解釈してよろしいですか?

825『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/05(火) 06:15:02
>>823-824(美作・回答)
>通行人の特徴の『注文』は常識の範囲なら可能と考えてもよろしいでしょうか?

『常識の範囲』なら可能。
多少逸脱していても『いないとは言い切れない』なら可能だが、
あまりに珍しすぎる場合『確実性』に関わる可能性はある。

>その場(星見横丁)にあっても違和感のない設備であれば、『注文』可能と解釈してよろしいですか?

可能。『黒服』の見た目や装備のみ『制限』がかかっている。
ただしこちらも、『ありえなくはないが珍しすぎる』場合は『確実性』に関わり得る。

826美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/05(火) 19:37:33
>>825
回答に感謝します。

>>821

「 『 A t t e n t i o n P l e a s e ! ! 』
 この会場の全員に、可憐に響く『カナリア』の『歌声』を聴かせてあげるわッ!!
 耳を澄ます用意は良いかしら?」

          フフッ

「――――さあ、始まるわよ」

所持品は『スマホ一台』のみ。
それだけあれば十分に事足りる。
先程と同じく余計な音は切ってある状態だ。

「『プラン9』には、目の前の敵を叩きのめせる力なんてない」

「だけど、何の問題もないわ。そんな物は必要ないんだから。
 腕尽くに頼らず、この状況を切り抜ける為にはね」

「『プラン9』なら――――それが出来る」

スタート地点は最下段付近の位置
前方からは通行人が歩いてくる。
自分も前に向かって一定のペースで歩みを進めていく。

     チラリ

そして、視界の端で『ある物』を捉える。
『それ』は、どこか私自身と似通っている物。
かつては多くの人から大事にされていたけど、今では見向きもされなくなった。

視線の先にあるのは――――『電話ボックス』だ。
携帯電話の普及で数は減ったものの、災害時に安定した通話が行える利点から、
現在でも一定の台数が維持されている。
それを『マトリクス・オデッセイ』に『注文』しておいた。

「ねえ、教えて欲しいの。あなたの『電話番号』は?」

『プラン9・チャンネル7』を通して、『公衆電話』に語り掛ける。
『公衆電話』にも『電話番号』は存在するが、悪用される事を防ぐ為に、
一般には公開されていない。
『プラン9・チャンネル7』なら、その『非公開情報』を手に入れるのは容易い事だ。

スタンドを発現する際には、
通行人と通行人の間に入る事で肩の上のヴィジョンを隠し、
『電話番号』が分かった時点で解除する。
『プラン9・チャンネル7』は小さなヴィジョンであり、
発現の時間も短くすれば視認される危険性を抑えられる。
たとえスタンドが見えていても、『プラン9』の発する『スタンド音声』は聞こえない。

「私が、あなたを輝かせてあげるわ。あなたの存在を皆に知らしめる事でね」

「だから――――あなたが私を輝かせてちょうだい」

         pi

後の手順は簡単だ。
見張りにギリギリ気付かれない程度の距離に入ったタイミングを見計らって、
自分のスマホからボックス内の『公衆電話』に電話を掛ければ良い。
番号を打ち込んだスマホをジーンズのポケットに移し、ポケットの中で発信する。

通常、番号が公開されていない『公衆電話』が着信する事は起こり得ない。
『普通でない出来事』が起これば、周囲の人間の注目を集める事が出来る。
それは『黒服』も例外ではないだろう。

『電話ボックス』の場所は、十字路の上方付近。
そちらに見張り役の注意を誘導して隙を作り、
近くの通行人も遮蔽物として利用しながら、歩調を速めて通り抜ける。
残った仕事は、目的の相手に『USB』を受け渡す事だけ。

「――――ほら、『忘れられたカナリア』の可憐な『歌声』が聴こえたでしょう?」

827音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/05(火) 21:16:04
>>820-822
「(たった今、全員に『最高得点』が課された。
  ――――これより先は『減点方式』ッ!)」

   「つまり、今までにない『剣技』、『盾捌き』を魅せる必要がある――――」

『USBメモリ』は『ケース』に入ってるものとしたい。『自転車』を押して歩く。
MAP左下にある『扉』の傍に『自転車』を立て掛け、入店するのは『酒屋』。

『自動ドア』をすぐに潜り、『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』を発現。
右側のドアレールに『ジュリエット(剣)』を挟み、左側の『ドアレール』上に『ザ・リックス(盾)』を立てかける。
『盾』は『ドア』の動きを『吸収』し、『剣』はつっかえ棒となって『ドア』を閉ざす。
追ってきた『黒服A』は開くはずの『ドア』に阻まれ、『入店』が出来ない。(『盾』は手放しても使える。)

      「店長、すぐに『ビール瓶』を『1ケース』ごと売ってくれッ! ビール掛けだッ!」

『一万円札』を数枚渡し、『ビールケース』をヨタヨタと持ってくる『店長』に両手を差し出し、

      「助かったッ! 後は『自転車』で運べるから、『離して』くれるか?」

『自転車』の『後輪』を指さし、『自動ドア』の傍まで引き下がり、足元の『剣』と『盾』を解除。
再発現した『盾』を『店長』の抱える『ビールケース』の下に滑り込ませ、『受け取らない』。
手放されたビールケースの『落下』を『攻撃』と看做し、『盾』で実体ごと『吸収』し、踵を返す。
『店長』からは、背中を見せた『ピエール』が『ビールケース』を抱えたように見えるはずだ。

      「――――ま、待ってくれッ!
              . .
       ……これが『欲しい』んだろう、ほらッ!」

ドアが開く瞬間、追ってきた『黒服A』に、中身を抜き取った『USBケース』を緩く放り投げる。
本来なら在り得ない行為。『黒服A』が反射的に『掴む』か、『反応』を見せた時。
                      . . . .
『盾』を掠めるように、『剣』を『発現』しながら『黒服A』へ押し込む。
放り投げる挙動のまま、発現した『剣』を押し込む、『器具型』独自の瞬間攻撃だ。
『剣』の切っ先が触れた瞬間、『盾』から移した『ビールケース』の『紋章』を解放。

              ――――ドスンッ!!

おおよそ『27kg』の『ビールケース』を抱えさせ、よろめかせる。
そのまま一直線に押し込んだ『剣先』をケースの隙間を捻じ込み、
中に入った『ビール瓶』を次々に破砕し、肉体に触れた時点で『剣』を解除。

『剣』を押し込んだ『掌』で襟首を掴み、身体ごと『盾』を押し込み、
『黒服A』が手放す『ビールケース』を吸収しながら、『大内刈』で確実に『転倒』させる。
『気絶』すれば御の字だが、一般人であっても肝が据わっていれば、そう容易くはないだろう。

    「あ、あぁー……、大丈夫かね……
     先行ってるからなァ……、お騒がせしましたァァ〜〜〜ッッ」

発現してた『剣』と『盾』は『ピエール』の背中に隠れ、
『ビールケース』を抱え損なった『黒服A』が転倒したように見せかける。。
『盾』を前カゴに入れ、『ミュージシャン』の真向いにある『自販機』へ『自転車』で向かう。

事態に気付いた『黒服B』は愚か、回復した『黒服A』も追ってくると想定する。
『自販機』の傍に『黒服B』をおびき寄せ、『2m』に至った時、『盾』を投擲し、『解除』する。

            ブアシャァァァッッ!!

飛び出した『ビールケース』をぶつけ、破砕したビンから『ビール』をまき散らす。
『黒服B』をよろめかせて足を止め、『ビールまみれ』にするのが目的だ。
そして、『黒服A』と共に、『ピエール』を捉えようとした時――――

          ブツッ
                   ――――――バビビビビビビッッ!!!

『自販機』の裏に手を伸ばし、『剣』を発現。刀身の重みで『電源ケーブル』を切る。
そして、地面に広がった『ビール』を通じ、『ビールまみれ』の『黒服A、B』は『感電』する。

         「――――『優勝記念』は、気を急ぎ過ぎたかな」

『両脚』に通電すれば、しばらくは行動出来ない。
周囲からは『ビールケース』を落とした上、『漏電』した自販機に触れて『感電』した、
哀れな通行人として映るだろう。――――『事件性』を消し、無駄な騒ぎは起こさない。

    「(見せて当たり前の『第一回』、見られて当然の『第二回』とは違う。
      決して『見せない』、このステージで新たな『価値』を提示するッ!)」

悠々とゴール地点に『凱旋』する。

828天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/06(水) 00:09:50
>>821-822

口を開けた『カバン』の中に『USBを入れたケース(透明)』と『空のUSBケース(黒)』を入れておく。
『アルビノ・ホリデイ』を発現。
体中に蜘蛛の巣が出るので自分がスタンド使いだと間違いなくバレる。
自転車に走って進みながら『USB入りのケース』『空のUSBケース』に糸を吐き出す(パス精CBC)。
ケースをカバンの中に入れる振りをしながらなら分かりにくいだろう。
『アルビノ・ホリデイ』を頭の上に移動させ(スB)、前かごにカバンを入れる。

「れっつごー」

自転車をこぎだす。
後ろの黒服に糸の弾丸を吐いて牽制しつつ、自転車をこいで前方へ。
距離があるから軽く牽制すれば距離は開けられる。
それにいくらスタンドが見えていても、この速度の弾丸を人間が即座に判断してかわせるだろうか。
大きく飛べばかわせるかもしれないが、そうなれば回避に相手は時間を割くことになる。
途中、ストリートミュージシャンにも糸の弾丸を当てておく(パス精CBC)。

「さてと」

前進しながら片手を離し、カバンの中に手を突っ込んで『空のUSBケース』をBに投げる(パス精CCC)。
色的に中身が入ってるかどうかは分からないだろう。
相手がキャッチにしに来たらUSBケースに『アルビノ・ホリデイ』をジャンプさせる(スB)。
『アルビノ・ホリデイ』に面食らって動かないのならそのまま『糸の弾丸』を顔面に撃って脇を素通り。
取りに来るなら『アルビノ・ホリデイ』をストリートミュージシャンにジャンプさせながら『糸の弾丸』をBに撃つ(パス精CBC)
USBケースのキャッチ、糸の弾丸による攻撃、そして天白自身もBに向かって突進する。
自転車との衝突は少なからずダメージになるだろう。
ぶつからなかったらそのまま素通りするし。

その隙にストリートミュージシャンの巣から捕食を開始する。

「うわわっ」

ぶつかれば自転車のバランスも崩れるだろう。
倒れたら開いたカバンの口から中身をぶちまけてしまうかもしれない。
その時に足を負傷してしまったら渡すのが遅れてしまうし、Bのダメージ回復が速いかもしれない。
そのためにストリートミュージシャンを乗っ取る。
思い切り走り込み、意識があるならBをギターかマイクスタンドで強打(ギターにストラップがついているならギターでいい)
そのまま『USB入りのケース』を手に取って待ち合わせる人物に投げる。
多分、乗っ取りの時間的にそれが一番手っ取り早い。

829『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 01:13:52
>>826(美作)

美作の愛鳥、『プラン9・チャンネル7』は『戦い』には向かない。
だが、『秘密裏に』『ひっそりと』情報を奪い去る。そういう狩りをする。

           ザッ
                  ザッ

――――『電話ボックス』は珍しいものでもない。

          ≪ XXXX-XXXX-XXXX デス ≫

      ≪ オヤクダテ クダサイ ≫

  pipo 

  ≪ ワタシノ 情報 オシエルノハ 惜シクナイ。 アナタノ ファンダカラ! ≫

極めて小さく、動く事もなく、スタンド音声で必要な情報を手に入れられる。
  
                 〜〜〜〜♪
 「何?」 
      ザワザワ
             「電話?」
                     「……!?」

一般的な通行人には多少気になる程度の『異常事態』でも、
気を張っている見張りには『気にしなくてはいけない事態』。

「…………くっ、『着信音』か」

         「…………!?」

             「しまった……『通られた』ッ!
              なんてタイミングだ…………!?」
           
その隙を突き――――ヴィジョンすら晒していない美作は、検問を突破する。
派手ではない。しかし『知識』と『能力』を活かした、他にはまねのできない『解法』。

   ワーー ーッ

          ワ ァ ァ ァ ァ  ――――――― ッ

                    ワーーーーッ


アイドル時代とはまた違う、パーソナリティとして浴びる声援とも違う。
容姿や声、磨いたトークだけではない。明確に『スタンド使い』としての・・・『強者』への歓声ッッ!!

830『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 01:14:08
>>827(ピエール)

既に二度の満点を獲得しているのは、唯一ピエールのみ。
それはすなわち、その演技を見る目はどんどん『ハードル』を上げていくという事。
それゆえに選んだのは、『見る目』を変える魅せ方――――今までとは違う『毛色』!

これまで魅せて来たのは『剣』による『剣舞』。
対してこの第三課題、魅せるのは――――『盾』の最大活用!

               『ギュン』

     『ズギュウン』

ドアの閉まる『衝撃』を受けるのは序の口。『ビールケース』そのものを『吸収』し、
それをこれまでと同じく『剣』に移しての『解放』――――『物体の吸収と放出』の側面。

        「!?!?」
                              ァァーーーーッ

今までに見せていない、非常に大きな手札は遥か遠くに遮断されているはずの『歓声』が漏れ聞こえる程だ。
もちろんというか、ピエールの予想通り『黒服A』はそれだけでノックアウトとはいかなかったが、
無事に再び回収した『中が砕け散ったビールケース』は、再び盾に収まり、

       「貴様ッ」
 
                「ぶ、無事で済むと思うな……ッ」

       ダダッ

挟み撃ちにするかの如く迫りくる二人の黒服に対して三度の解放――――そして『水びたし』に『感電』。
             
                             バ!

                   「「!?!?!?!?」」

            バ!
                     バ!
 
特筆すべきはその『見せずに魅せる』という『方向性』の徹底。勿論剣や盾がカメラに映る事はあったが、
それを捉えて指摘できるのは相当な『手練れ』――――それも『第三者視点で見ている』から、に過ぎない。

スタンドが見えている相手に対して、スタンドを明確には見せない。
そこに『合理』がある。意味のない『演出』ではない、そこに『価値』がある。
設定した『舞台』や道具も無理のないもので、『ステージギミック』も活かしている。
そして『この後』の事を、スタンドも、手段も、言葉も、全てで考慮に入れている。

だからこそ。

      オ
           オ

               オォォォォーーーーーー
                            オーーーーーーッ


飛び込んでくる……感嘆や驚きの歓声が。USBケースを渡し終え、世界が戻ったピエールの耳に――――『大歓声』が!!

831『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 01:14:25
>>828(天白)

           ズ  オ ォ

「……!」

          ザッ ザッ

スタンド使いと確信できるターゲットを、無言で追い続けるのは『黒服A』。

           パシュ パシュ

自転車に乗ったターゲットを追う……飛んでくる『白い弾丸』は謎めいているが、
運転しながら直撃させて来るような精度ではないようだし、掠めても痛みは薄い。
大きめに動いて回避しながら追う。『見張り』の男と挟み撃ちに出来る所まで。
 
    パシュ  
         ドチュン!

            「ウ ギャッ」
 
ストリート・ミュージシャンは直撃を受けているが『致命傷』ではなさそうだ。
気になるのはこの、『蜘蛛の巣模様』だが――――直ちに影響はなさそ、

     『ポイッ』

          「!?」
                「おいッケースだッッ」
   「拾え!!」

            バッ               『ピョン』

  「な」 「蜘蛛――――」

            パシュ!               「ぐっ」

       ダダダダッ

   「……!? なッなんだ」
                      『バキィィッ!!!!!』

見張りのBが撃たれた。キャッチが遅れた。そこにターゲットが自転車で突っ込み、
なぜか『ストリート・ミュージシャン』がマイクスタンドで見張りに襲い掛かり、
そしてターゲットが落とした『別のUSBケース』を、謎の人物に投げ渡して・・・

          ・・・
             ・・・
                    気が付けば、黒服達は包囲網に失敗していた。

その後の事を彼らが『上』にでも報告しても、無関係のストリート・ミュージシャンの凶行もあり、
天白も『どこまで関与していたのか』が分からないという事になるだろう。『糸蜘蛛』の脅威はそこにある。

         ワ
             ア 
                  ァァァーー ーー ーー  ーー ーー ーッ

歓声は流れるような『暴力』と『謀略』への畏怖も、それなりに含んでいる。彼らはそれを楽しみに来ているのだ。

832『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 01:28:20
>全体

             /  /                 /  /            「ピエールがスゴいッッ」
       lー ''''" ̄ ̄"    ̄ ̄`'、       lー ''''" ̄ ̄"    ̄ ̄`'、
      ∠,,、 -z    ,r――― ''"      ∠,,、 -z    ,r――― ''"
      、 '"´,、ィ   /              、 '"´,、ィ   /            「アイツは何者だ!?」
     、 '" ,、 '":ツ   /      |^l     、 '" ,、 '":ツ   /      |^l
  、-' ,、 '´   /  /     /'''',,,," 彡  、-' ,、 '´  /  /     /'''',,,," 彡
  | ,、 '´    /  /     `゙^ _,| │  | ,、 '´    /  /     `゙^ _,| │                      |^l
  '´     / /l/     .,/,_ |   '´    / /l/     .,/,_ |      ;‐i          /'''',,,," 彡
       //        .l_,'" | .|     lニ ニ//       l_,'" | .|    lニ ニl    ;‐i    `゙^ _,| │
                       {_,l゙    .〈/!_|     lニ ニl      {_,l゙     .〈/!_|   lニ ニl   .,/,_ |
                                〈/!_|                〈/!_|   .l_,'" | .|
                                                             {_,l゙ .
     「『天白』ゥゥーーーーーーーーーッ」

                 「良いぞッッ」   「もっとやれェェーーッ」

大歓声がうねり、三選手の名を呼ぶ声や、
思い思いの雑談などは既に薄れつつある。

     「美作ッ」 
   
           「素敵よカナリアっ」


それでも、思い思いの歓声は聴こえてくるものだ――――そして。


≪第三課題、これにて『集計』完了ゥゥーーーーーーーーーッ!!!≫

        オ
            オ
                オッッ

                       ≪講評はオレから述べさせて貰うがッッ≫

≪ここに来て三者の『方向性』が見えて来つつあるッッ!!
 スタンドの性質に合わせた『魅せ方』の自己理解は、
 まさにこの競技のキモとも言える部分だが……!!≫
 
≪『情報系』スタンドの『静かな脅威』を示す『カナリア』選手ッッ!
 『魅せるプロ』は流石と言った所か。『熱』とは騒ぐだけに非ず。
 第三課題においても最小限の動きで課題を突破している……美しいッッ!!≫

≪『射撃』と、恐らく『他者操作』の能力の『悪辣さ』と『バイオレンス』。
 下手に振るえば、見苦しい……残酷すぎるやり方になりかねないが≫

           ≪それを『ベビーフェイス』に秘める『天白』選手!!
              天性の『バランス感覚』があるッッ!!! そう言えるな!≫

≪そして――――ピエール選手ッッ!!! 『剣』と『盾』のスタンドの応用性もさることながら、
  素晴らしいのは『飽きさせない』その見せ方だッ!! スタンドの手札の多さを、本人の発想が活かしているッ≫

                            ≪この第三課題……彼の『真価』を垣間見た。底知れない『使い手』だな≫

桜島は興奮冷めやらぬと言った顔で、マイクを一旦置いた。ポイントと、次の課題の発表は――――もうじきだろう。

833天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/07(木) 02:27:32
>>831-832

「はっ、あぁ……!」

全身で浴びる声の波に背筋が伸びる。
思わず口角が上がってしまう。
もっと、もっとだ。

「もっと下さい……!」

(放送コードを超えちゃうくらいイイのを――――)

834美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/07(木) 06:23:28
>>832

半ば曖昧な、ぼんやりした意識の中で、桜島の言葉を聞いていた。
今までに味わった事のない類の大歓声。
まるで日光浴でもするかのように、その熱気を全身に浴びながら立ち尽くす。

「アハッ――――」

「良い気分だわ。こんなに気持ち良いのは久しぶりよ」

     クスクスクス

「――――おかしくなっちゃいそうなくらいにね」

恍惚とした表情で笑み、言葉少なに現在の心境を語る。
この気持ちを、どう表現したら良いのだろうか。
パーソナリティーにあるまじき事だが、それ以上の言葉は出て来なかった。

835音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/07(木) 19:41:09
>>829-832

      「いいぞ……!」

結果への『手応え』を覚える。
自分がバラまいた『ビール』でも引っかけたいくらいだ。
『採点』を待つ。

836『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 23:38:30
>>833(天白)
>>834(美作)
>>835(ピエール)

≪さあッッ 気になる点数は――――――――ッッ≫

                  ≪これだァァッ≫

――――――――――――――――――――――――――――――――

『カナリア』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『1』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』

音無ピエール
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』

『黒い瞳』 
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『3』

――――――――――――――――――――――――――――――――

≪…………!?≫

          ≪オレならば全員に投票したところだったがッッ≫

    ≪流石目の肥えた観客諸君に、審査員たちッッ≫

              ≪何か『粗』を見つけてしまった――――か!?!?≫

  ≪或いは『もっとスゴイ物を見たい』という『挑発』なのかァァァーーーーーッ!!!!!≫

恐らくはこれが『減点法』に移行したが所以――――ささいな『瑕』にさえ、
点数を『入れるべきじゃあないんじゃないか』という『先入観』が生まれてしまう。

≪いずれにせよ、競技はあと――――『2つ』ッッ≫

             ≪泣いても笑っても『勝者』はじきに決する事になるがッッ≫

    ≪現在の合計点数は――――――≫

        『カナリア』:24点
        音無ピエール:26点
        『黒い瞳』:24点

≪ピエール選手が一歩リードッッ!!! だが点差はわずかに『2点』―――――逆転の目は、まだまだあるッッッ≫

                     ≪さあ、行ってみようじゃあないか『第四の課題』ッッ≫

   『キュキューーン』

                            ≪――――『マトリクス・オデッセイ』!!!≫

837『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 23:42:04
>全体

広がる光景は――――

         ワイ
                 ワイ

     「ハァッ」

                          「ハァッ」

これは、『大通りの一本道』だ。先ほどと同じで全体が歩道になっている。
そして、目につくのは……『約20m』ほど先にいる『挙動不審』なキャラクター。

                      『ジャキン』

その両脚には『イルカ』をモチーフにしたような『ローラーシューズ』の……『ヴィジョン』!
今は決まった動作をただ繰り返すだけの『待機状態』だが、こちらの姿を認めれば……?

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
                 STAGE4
                『つかまえろ!』
 
      先ほどとは違い、今度はキミが『ターゲット』を追う番だ!
      そしてターゲットも先ほどまでとは違う――――なぜなら。
 
             奴もまた『スタンド使い』だからだ!

     ここは『大通り』を思わせるそれなりに広い『一本道』。
     時間はお昼過ぎで、平日だが人通りは『そこそこ』にある。
    今は追手であるキミに気づいていない。20mほどの距離がある。
    それに、キミが隠れて追う事の出来る『遮蔽物』も近くにある。
    たとえば店の看板や、店頭マネキンの影、その他もろもろだ。

        敵の能力は――――自動車並みの『高速移動』!
        疲労を伴うそれを、敵は軽々しく連発はしない。
       だが、追手であるキミの姿を発見し、危険を感じれば、
      即座に発動し――――常人では追えない速度で逃げられる。
 
            考えられる手は『4つ』ある。
       1つ。環境に紛れて気付かれずに忍び寄り、捕まえる事! 
       1つ。近寄る事なく、何らかの手段で敵の動きを止める事!
       1つ。この場では逃げられても後で捕まえる策を打つ事!
      そして1つ。『見つかってでも逃げられる前に打ちのめす』事!

       あるいは・・・スタンド能力で何か別の手を探すか?
   逃げるだけが能じゃあない、スタンド使いとしての『真価』を魅せてやれ!

    道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
    設備:『可』。 他にこのステージやキャラクターに持ち物に、
            あるべきと思われる物は必要なら『出現』させます。
            ただし『乗り物』については存在しません。

    MAP:『一本道』で、『歩行者天国』のような状態(車道が無い)
        道の両脇にある『店』や、人通りその他の配置物などは『任意』。
        ただし『バイク』や『自動車』については必ず存在しない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

          ≪ タイキチュウ ≫

                         ≪ タイキチュウ ≫

――――ここまでくれば、あとは『どう解決するか』を考えるのみ。桜島の実況通り『あと2問』。

                                       ・ ・ ・どう、切り抜ける!?

838美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/08(金) 23:17:02
>>837

採点のハードルが上がっているというのは、
裏を返せば期待されているという事でもある。
望まれている期待に応えるのは『エンターテイナー』として『当然』の『義務』。
『美作くるみ』にとって、そこに一片の疑問も入り込む余地はない。

 「『この課題はカナリア向きじゃないな』」

     「『カナリアの能力は情報を引き出す事だ』」

         「『人間より速い相手を捕まえる事なんて出来っこない』」

             「――――大方そう思ってるんじゃない?」

『一発屋』にならない為に大事なのは『多様性』。
だけど、そこには『芯』が通っていなければいけない。
たとえるなら、色々な方向に『枝』を伸ばす『樹木』のようなもの。
『幹』という主軸がなければ、『枝』が伸びる事は有り得ない。
『芯』のない『多様性』は、進むべき方向性を見失った『迷走』と同じ。
『情報系』という『キャラクター』が、『スタンド使い』としての『美作くるみ』の『芯』。
安易で軽々しい『路線変更』に縋る者に、『栄光の女神』は決して振り向かない。

                チッチッチッチッ★

    「とくと拝ませてあげるわ。『プラン9』の『スペードのエース』をね」

片目を閉じて不適に微笑みながら、立てた人差し指を軽く左右に振る。
所持品は必要ない。
設備の『注文』も不要だ。

         ザッ

適当な街路樹の陰に身を隠し、視線を向ける。
方向はターゲットではなく、その前方。
正確には、そこから見て両脇に位置する建物だ。

通りを挟んで向かい合う、複数階建ての『ショッピングセンター』。
喫茶店やヘアサロン、雑貨屋など様々な種類の店舗が入居している。
私が目を付けるのは、『携帯電話』を扱う『キャリアショップ』だ。

それらは『ショッピングセンター』の上階に出店しており、通りに面している。
店内の窓からは、私達のいる通り全体が見渡せるだろう。
そして、そこには最新モデルの『携帯電話』が陳列されている。

          「 『 Hello Darling 』 」

『プラン9・チャンネル7』を発現し、
左右から通りを見下ろせる位置に置かれた二台の『携帯電話』に囁き掛ける。
これらの『携帯電話』は『カメラ』を搭載している。
『擬似人格』と共にスタンドを捉える『視覚』を付与し、事前の準備は全て完了。

     「――♪〜〜♪〜〜♪〜〜♪〜〜♪〜〜」

自身のデビュー曲『Canary Song』を口ずさみながら、
ターゲットに向かって軽やかに歩いていく。
こちらの姿を見つけたターゲットは逃走するだろう。
そうするように『仕向ける』のだ。

「『ローラーシューズのスタンド使い』――――見えるわよね?」

「――――今どの辺りにいるか教えて欲しいな」

近くのベンチに腰を下ろし、肩の上の『小鳥』に声を掛ける。
その先にいるのは、通りを見張る二台の『携帯電話』。
悠然と脚を組み、『ファン達』と『楽しいお喋り』に興じる。

  「どの方向に向かってるの?」

     「軌道は?真っ直ぐ進んでる?」

        「スピードは一定のまま?」

          「まだ走ってる?それとも止まった?」

            「あなた達から見て、どれくらいの距離にいるのかしら?」

              「今、何をしてるの?どこかに隠れてない?」

                「疲れている様子はあった?その度合いは?」

                   「スタンドに何か変化は見える?」

次々に質問を投げ掛け、『彼ら』からターゲットに関する情報を逐一収集する。
当のターゲットは、観察されている事にさえ気付きはしない。
何故なら、見張っているのは普通の『携帯電話』でしかないのだから。

「――――さてと、どう料理してあげようかしらねえ?」

得た情報を元にして、逃げ切ったと考えているターゲットを追跡して不意を突く。
ターゲットと敵対する者がいるなら、入手した情報を『リーク』する事も可能だ。
どちらにしても――――『生殺与奪』は、既に私の手の中だって事よ。

839音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/09(土) 00:05:59
>>836-837
ビールでも一杯引っ掛けて楽しもうと、
『ピエール』がすっかり余裕をぶっこいている時だった―――

>第三問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』

        「な、ァ  にィィィィ〜〜〜〜〜〜ッッ」

今の解答は『確実』ではなかった。果たして、何処が……。
一問目、二問目と思い起こせば、その『原因』は明らかだった。

        「(『店主』を利用し、黒服の二人を『感電』させる。
          一見、スマートな解決だったが、その解法に対し、
          明らかに『人間』を『駒』として使いすぎたかッ!)」

例えば、『黒服A』が『USBケース』に手を出さなければ、
『黒服B』が『ビールケース』を回避できなければ、『感電』に繋がらない。
かくも移ろいやすい人の心を定めなければ成立しない策など、『確実性』に欠ける。

       「(慢心したか、『音無ピエール』ッ!
         『原点』に戻れ、『人』に頼るな……)」

       「(最も確実に、『任務』の為に『道具』を使え――――)」
  . . . .
 たらればで『人』を操るなど、下の下でしかない。
 そう確信したからこそ、『ピエール』が向かう『店』は。

      ゴゥン     ゴゥン    ゴゥン  ・  ・  ・

――――『コインランドリー』。
既に洗い終わったか、まだ洗濯中の『シャツ』や『ジーンズ』を回収し、
裾同士を縛って一本の『濡れ縄』を作り上げ、自販機で購入できる『洗剤』をぶちこみ、
『ぬるぬる』にしてから、稼働中の『洗濯乾燥機』へと向かう。

             ゴスッ!

プラスチック製の『丸扉』に『剣先』を突き立てて『穴』を生み、扉を開ける。
しばらくは『ドラム』が運転するが、機械音が鳴って回転が静まっていく。
そこに『濡れ縄』を放り込み、『回転』を再開させる。

             「――――『ザ・リックス』」

『盾』では自身の攻撃を『吸収』できない。
だが、誰かが稼働させた『乾燥機』の回転は、『ピエール』の攻撃ではない。
そこに自身の作った『濡れ縄』を投入し、回しても自身の『攻撃』とはならないのだ。

だから、すぐに『最高回転』へ達する『ドラム』の中に、
丸扉から手を伸ばし、発現した『盾』に触れた『濡れ縄』全てを『紋章』に出来る。

            ドスッ!

そして、『洗濯乾燥機』の『排水ホース』を切り裂き、
勢いよく漏れ出る『排水』を『ザ・リックス』で吸収する。
この『排水』を『吸収』できるのは、『濡れ縄』と同じ理論だ。

そして、『看板』や『マネキン』を利用しながら、『10m』の距離まで近づき――――

            ジョボボボボボボ ロロロロロロロォォォォ〜〜〜〜〜ッッ

『ジュリエット』がアスファルトの地面を突き、地を這う『排水』の『過程』。
追手の『足元』に触れた瞬間、


             ゴォォンッッ!!
                           ――――ズバァッ!!


実体ある『濡れ縄』が『回転』によって、『逃走者』の足に暴れ絡み、
それを『過程』として、『ジュリエット』自身の『斬撃』による『結果』も乗せ、
自慢の『足』を思いっきり切り裂き、ダメージを与えながら、動きを阻害する。
仮に無理矢理『爆走』すれば、洗剤で滑る『布』同士が擦れ、スリップは必至だ。

――――『過程(排水)』→『過程(濡れ縄)』×『結果(斬撃)』ッ!
未だに『ピエール』が見せていなかった、『奥の手』の内の一つである。

            「逃がすかッ!」

『動き』が止まった瞬間、『7m』の距離まで駆け、
『ジュリエット』を投擲し、『逃走者』に思いっきりぶつける。
『ピエール』は軽やかに振るえる『刀身』も、他者には『鉄塊』と変わりない。
『二の矢』で確実に『痛撃』を与え、至近まで近づいた瞬間、
『ザ・リックス』を利用し、『逃走者』を抑え込む。

            「この方法なら、『百回』やっても『成功』する――――」

『人』に頼らず、『道具』を使いこなし、完膚なきまでに『敵』を打破する。

840天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/09(土) 02:35:12
>>837

「むぅ」

相手を乗っ取れば終わらせられる気がする。
が、そうするとあまり評価が高くない気がする。
それでいいと言えばいいが、悪いと言えば悪い。
自分に出来るのは乗っ取りと糸の弾丸の射撃。
裏返すとそれ以外はからきしだ。
だから、それをとことんまで突き詰める。

「じゃあ人間ラジコン・パート2で」

頬にピースサインを当ててアピールした。

少し近づいて身を隠す。
道行く人に狙撃し、ジャンプ。
乗っ取りがしたいのではない、狙いたい場所がある。

(あった)

街灯だ。
そこに糸を吐き、街灯に取り付く。
敵の動きを観察し、死角に当たる場所にいる人間を二人撃ち、巣を生み出す。
まだジャンプしない、ジャンプするのは逃走者の足か膝を撃って姿勢を崩してからだ。
膝の裏とかを撃てば多分簡単だろう。

相手は警戒している。
だから当然、自分がいると思って確認するかもしれない。
だが蜘蛛は街灯にいたのだ。
そこに蜘蛛はもう居ない。
どこにいるか? 事前に仕込んだ巣だ。
逃走者を撃ったら通行人の巣にジャンプして乗っ取る。
そして、行動する。

(ごめんなさい)

「ッラァ!」

逃走者に思い切り跳び蹴りをぶち込む。
自分と乗っ取った通行人で挟む位置関係で行う。
蹴りをしたら体を掴んで押し倒そう。
通行人と自分で挟むのには理由がある。

通行人(敵)から離れようとすれば自分の方に来なければならない。
一応の保険だ。
一本道だから近づいてくれたら直接捕まえやすい。
押し倒せば解除時のジャンプで逃走者の巣に行ける。
捕食する。

(予告通り。人間ラジコン・パート2)

服を脱ぐぞ。
男だか女だか知らないが脱ぐぞ。
ズボンとかは下ろすだけにし、足に絡まらせて動きにくくするぞ。
自撮りもするか。
意識が戻ったら多分、すごく注目されてると思う。

もう一人、通行人に巣を作ってた。
逃走者の乗っ取りが終わった時に、そこに飛べるなら飛ぼう。
飛べない位置にいるならそれでいい。
やることがひとつ減るだけだ。
捕食出来たら逃走者に近づいてこう言う。

「逃げられると思わないでくださいね?」

時間が余ると思うから殴るなりなんなりしてもっと注目を集めよう。
乗っ取りが終わったらスタンドを解除し、ロングカーディガンを脱いでかけに行く。

「ど、どうしたんですか、こんな所で」

知り合いのフリして保護する。
周りからすれば変なやつらだが、相手には分かるはずだ。
この白々しい子供が自分をこうしたのだと。

「次はもっと酷いですよ?」

小さく、そう耳打ちを添えて。

841『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/10(日) 01:10:36
>>838(美作)

観客からの答えは――――美作の耳には入ってこない。
だが、『アイドル』も『パーソナリティ』も、
他人の心を、あるいは文脈を掴むのが肝要な仕事だ。
その『見立て』は、そして立案するプランは『正しい』だろう。

「!!」   「み、美作ッッ」

   「情報屋のお前が」

            バ  ヒュ!!!!!

          「俺を捕まえられるかよッ」

超高速の逃走で、ターゲットは表通りを一気に駆け抜けていく。
あっというまに、『美作の視界からは』消えてなくなってしまった。
だが……シチュエーションは『失敗』として崩壊せず、尚も続く。

今回その力を借りるファンは――――『携帯電話』。

                ・・・だが普通の携帯ではない。

通行人の電話などを使っていれば容易に見失っただろうし。
もっと言うならそもそも携帯電話をしまわれてしまう可能性もあった。
だが、『上階の』『窓際の』『展示品』という条件さえそろえば。

  ≪西! 西!≫ ≪北西!!≫

       ≪蛇行シテマス!≫  ≪ジグザグ!≫

    ≪周囲ヲ警戒シテルモヨウ≫ ≪歩クヨリ速イ程度≫

  ≪今止マッテマス≫  ≪周囲ヲ見渡シテ≫

                 ≪動キ出シ≫ ≪アッ≫

――――当然のように、『大通り』の広域を常に監視できる。

     ≪急加速!≫ ≪疲レテソウデス!≫

               ≪ブーツが発光シテ≫

             ≪ ≪――――『北北西』ヘ離脱!!≫ ≫

もっとも『上等』な『監視』は――――『気付かれない』事だ。
気付かれない限り相手は『油断』するし、それが長い時間続けば、
相手を撒けた――――そういう安心と優越感がさらなる油断を生む。

       「へ」

            「へへっ」

                 「追ってきてないな……!!」


通りを出る寸前、逃走車の男は誰に言うでもなく独り言ちた。
・・・高空から見張る二台の『監視衛星』が、その情報を無尽蔵に貢いでいるとも知らずに。

もちろん『大通り』を出た先の逃げ道については分からないし、
窓際に陳列された携帯電話は『展示品』である以上人の手にも触れ、
偶然『カメラが窓を向かなくなる』可能性だってあるかもしれない。

だが、そうなれば他の携帯電話だって位置は認識しているのだし、
もっと言うなら町中には無数に『機械』があふれている――――
最初の手が封じられたなら美作は迷いなく、そちらに移れるだろう。
そもそも大通りから向かう方向さえわかれば、あとはその方向に向かい、
道端に存在する機械に聴いて回ればいい。美作には、それが出来る能力がある。

                       ――――すなわち、『詰ませた』のだ。

元の世界では観客たちが忘我するように歓声を、喝采を上げて、美作の名を声に出せない声で叫んでいた。

842『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/10(日) 01:12:28
>>839(ピエール)

      ゴゥン     ゴゥン    ゴゥン  ・  ・  ・

観客の気まぐれか。審査員の好みか。そうした『逃げ道』を選べた。
これはあくまで『競技』――――今の一回は忘れる事も出来た。
だがピエールはあくまで自省し――――己の中に『改善』の道を求める。

             ゴスッ!

            ドスッ!


            ジョボボボボボボ ロロロロロロロォォォォ〜〜〜〜〜〜ッッ

そしてその道は『初志』を貫いてさえいる。
隠し続けてきた『手札』の解放――――『持久戦』を視野に入れたからこそ、
終盤を迎えた今、切る事の出来る『初見』の札。ただ初見というだけではない。

コインランドリーがある以上、そこに服があるのは当然のこと。
洗剤があるのも当然。『動いてる機体』があるのもごく当然。
そして――――いくつもの当然を束ね、『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』は奥の手を繰り出す。

           『過程』――――『結果』――――それだけではない。
           『過程』で届かせた刃に、『過程と結果』を載せる一撃。

奥の手だからえらいのではない。人間を警戒する敵に足元の水は気づけない。

    「なッ」         「こ、これは」



             ゴォォンッッ!!
                           ――――ズバァッ!!

                  「ぐ」「アアアアッ!?!?」

そして――――斬り付けるだけではなく『拘束』をも済ませる。その全てを、『一つの施設』と能力だけで。


「お前は……ッ」 「お……音無ピエールッッ!」


        ドガッ!!!
                 「ウゲッ」
                         ドサッ!!    「は、放せェェ〜〜ッ・・・」

まさしく『百戦百勝』の手立てで、逃走者はもはや逃げられる筈もない。そしてもはや『喝采』が消える事もない!!

843『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/10(日) 01:21:57
>>840(天白)

         ワァァァーーー

喝采が遠ざかり、演技が始まる。

人間ラジコン――――それは『王道』であり『求道』だ。
難しすぎる課題ではなく『簡単にも思える課題』にこそ、
魅せて勝たねばならないこの戦いの『穴』が潜んでいた。
それを天白は理解しているから――――『出来る事』をさらに工夫する。

    パシュ

   「ウッ……!?」

       パシュ       ピョンッ

               パシュ パシュ

                「ギャ!」  「いたっ!?」
   パシュ

「――――ぐあっ!? あ、脚を……『狙撃』」
     
         「いやっこの糸はッ!?」

                 「て……天白の『アルビノ・ホリデイ』!?」
   「くっ」

         「ど、どこに」    パシュ  
                            「ウゲッ……ッラァ!」

             ドカアッ!!!!

   「うぎゃあっ!?」    ピョンッ  「…………」   ヌギ ヌギ

蜘蛛は銃ではない。『本体』と因果関係のない『射線』を引く『工作兵』。
速く逃げるとはいえ、地を駆ける敵にはどこから撃たれるか追いきれない。

                       ・・・動き回り、絞らせない。

飛び蹴りは『素人』に使わせるには隙が大きく、予備動作もあり、派手で、
土壇場で回避される可能性はもちろんあったが……鮮烈には違いない。
天白自身が『挟む』役目を担う事で、最低限のフォローも出来ていただろう。

「……!?」 

「な、なんだこれは……ふ、服が脱げて」「オレも操られて……はっ!?」

             「ヒッ」

                    「ヒィィィッ……!!!」

こうして蜘蛛の動きに翻弄され、ボコボコにされた男を、
助け起こす天白の瞳―――――男は、そして観客たちはそこに、『悪魔』を見て震えた。

844『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/10(日) 01:29:49
>全体

≪さァァァーーーーーーーーーッどうだッッ!!!!≫

            ≪どうだ今の『名演』揃いはッッ!?!?
              オレは今、心の底からッ震えているぞッッ≫

   ≪これがッッ 『スタンド使い』!!≫

                 ≪これが『アリーナ』ッッ!!!≫

 ≪これが『カナリア』の魅力ッッ!!≫

                     ≪これが『黒い瞳』の策略ッッ!!!≫

    ≪これがッ! 『ピエール』の絶技ッッ!!!≫
 
 ≪これがアリーナが届ける新しい『エンターテインメント』の形だァァァーーーッッ≫

                  ワ

                     ァァァ

                         ァァーーーーーッッ!!!!

         ≪ゴホンッ≫

≪・・・さて、只今集計中だが――――ここでオレから、提案したいッッ≫

            ≪この第四ステージィ!!≫

≪接戦を極める今、もし獲得票をこの場で公表した場合!!!
 場合によってはそれが第五ステージで埋まらない差という事も有り得るッッ!!!≫

                  ≪――それは『意気』に関わる!
                    関わらないつもりでいても、
                    価値の決まっている勝負や、
                    勝てない勝負には――
                    燃えない人間も、多いだろう≫

    ≪ゆえにッッ≫

≪ここでのポイントは―――
 『第五ステージ』のポイントと同時発表!!!≫

        ≪それを以て勝者を決するとするつもりだがッッ≫
  
                 ≪如何だろうか!!!≫

                    ≪――――選手諸君の意見を聞こうッッ!!!!≫

845音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/10(日) 20:49:03
>>841-844

     「『続行』だッ!」

     「このまますぐ、『最終ステージ』に移るといい!」

846天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/10(日) 21:03:08
>>844

「え……」

自信が無い。
個人的には負けてる勝負というのは厳しいものがある。
ただ、今までの流れなら、そんなに点差は開いていないと思いたい。
それに今この場は天白は自身の自信のなさや不安よりも、熱狂を優先すべきだと考えた。

「ラスト一本を下さい」

最後まで、とことんまで、天白真尋を見せつける。

847美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/10(日) 21:59:48
>>844

「 『As you like(お気に召すように)』 」

        パチッ★

桜島の提案に対し、言葉とウインクで応じる。
せっかくのフィナーレが『消化試合』になっちゃあ、ギャラリーも盛り下がるでしょうし。
そうなるのは、興行的に考えても良くない事だものね。

「――――で、次が『ラスト』なのよね?」

桜島に向けていた視線を、おもむろに観客席の方へ移す。
そこに並んでいる観客達を、端から順番に眺めていく。
『ファイナルラウンド』の前に、最後の盛り上げに一役買っておこう。

「みんな――――ッ!!!!泣いても笑っても次が『最後』よッ!!!
 『最後の最後』まで、最高に『ホットなハート』でついて来てね――――ッ!!!!
 瞬きしてる間に置いて行くわ!!!あなたと私の約束よ――――ッ!!!!」

大きく手を振りながら、客席に向かって腹の底から叫ぶ。
これによって、自分自身のテンションも上げておこうという意図もある。
何しろ、次が『最終戦』なのだから。

(必要なのは『熱いハート』と『クールな頭脳』――行くわよ、『プラン9』)

848『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/12(火) 00:10:36
>>845(ピエール)
>>846(天白)
>>847(美作)

  「天白くん頑張れ〜〜〜〜ッ」   「かわいいね!」
        「まだよッッもっともっと悪趣味なのを魅せてッッ!!」

                「美作サァーーーーーーーーン」

   「くるみちゃんッ」
       「ついていくよぉぉーーーっ」

                          「ピエェェーーーールッッ」

   「男らしいぞッッ」  「騎士道精神かッッ」

                        「早く見せろォォォーーッ」
 
    ≪  その意気や良しッッッ!!!!!!!!  ≫

割れんばかりの歓声の中――――『喜色』に溢れた桜島が叫ぶ。

   ≪それでは行くぞッッ最終ステージ……『マトリクス・オデッセイ』≫

                    ≪始めてくれッッッ≫

    キュ    キュ ゥ ――――――――――――――ン

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

                   FINAL STAGE                       
     
                      『魅せろ!』   
                                                    
                                                       
        数々の課題を突破してきた今日の『スター』達の最後の舞台!
            それは『駅前広場』を模した、やや開けた場所。
         そして、スタート地点からそこに辿り着くまでの『駅前通り』だ。
         20mほどの通りの両脇にはさまざまな店があり、通貨もいる。
      終点・広場の周囲にはギャラリーが円形に並んで、対峙する二人を見守る。
        中にはカメラで撮影しようとするものなどもいる。多種多様だ。

            相手となるのは『ちょっと芸がある一般人』ではなく、
         『パワーもスピードも精密動作性もある万能のスタンド使い』!
         短い射程を除き、あらゆる能力が『スゴイ(B)』域にある強敵だ。
         
                だが、彼には『ないもの』がある。

                それは――――『固有の能力』。
                それは――――『考える頭脳』。
                それは――――『魅せる発想』。

             こちらが何をしても対応してくるだけだろうし、
             向こうから意外な攻めを打ってきたりもしない。

         最後の課題はこの『平凡なスタンド使い』を『相手』にし、
           キミのスタンドの『応用』を!『特化した強み』を!
       観客たちに改めて提示する事――――必ずしも、倒す必要はない。
                                            
            そして舞台に立つまでの『仕込み』もまた自由だ。
          スタート地点から、ギャラリーの集う『広場』までの間は、
          敵は攻撃への対処こそするがそれ以外のなにかはしない。
    
        最終課題――――出し惜しみなく、全ての手を使って魅せ付けろ!!

        道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
        設備:『可』。 他にこのステージやキャラクターに持ち物に、
                 あるべきと思われる物は必要なら『出現』させます。
    
          敵:パス精BBB,射程は1mの人型スタンドを発現している。
             こちらから分かり易い攻撃を仕掛ければ反撃はする。
        
        MAP:STAGE4に近い一本道が『20m』ほど。。
            その先に半径7mほどの円形の広場がある。
            設置物などもSTAGE4に近いが、乗り物もある。
            広場に一度はいるとギャラリーに囲まれてしまうため、
            再び一本道に逃げるには何かしらの手段は必要。
   
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

849音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/12(火) 22:09:41
>>848
長い闘いが終わろうとしている。
指定されたステージは『広場』へと至る大通り。
その場に屈み、朗々とした声色にて口上を唱える。

     「――――ある一人の『青年』がいた。
      彼は穢れた『富』を憎み、幾星霜と続く不平等を『呪った』……」

立ち上がって空手を振るい、その手に『刃』を発現させる。
さながら、『首飾り』を砕いた『第一ステージ』を誇るように。

     「彼は剣を振るい、『悪事』の代償を『徴収』した。
      まるで『災い』を焼き付けたように、『王』は恐れを抱いた」

振るった『剣』はゆっくりと、『貌』を横切らせる。
まるで、『悪漢』に扮した『第二ステージ』を想起させる。

     「無論、彼は追われる身となったが、
      刺客を次々に打破し、苦難の道から『凱旋』する」

振り切った『刃』を解除し、悠々と大通りを闊歩する。
即ち、全ての『追手』を倒した、『第三ステージ』のリバイバル。

     「――――しかし、彼もまた『立場』を変じた。
      人を頼らず、人を捕らえ、人を圧するようになる」

罅割れた『鐘楼』、それを象った『紋章』を刻んだ『盾』を発現。
そして、それを大きく突き翳すのは『第四ステージ』を踏襲したもの。

全てを委ねられた『最終ステージ』で何を『魅せる』か。
『音無ピエール』に流れる『血脈』は、『物語』を選んだ。
――――いや、それは『最初』から決まっていたのかもしれない。

  ┌──────────────────────────────
  │  ≪その、始まりとなる『三人』だッッ!!!
  │
  │          繰り返すようだが!!!
  │
  │      諸君らは今!! 歴史の始まりに立ち会っているッッ≫
  └──────────────────────────────

『広場』の中央へと至り、『スタンド使い』と対峙する。

       Mise en abyme.
    「『重なり、より深く』。

     星々が連なり『神話』を紡ぐように、
     人との交わりが『歴史』であるように、
     瞬間の集合こそ、『物語』となる――――」

『刃』を発現し、『スタンド使い』目掛けて振るう。
無論、この攻撃は『弾かれ』、手痛い『反撃』を受けるだろう。
それを『盾』で受け止め、『紋章化』する。――――『五度』、繰り返す。

     「堕ちた『英雄』は、腐った『革命家』は、

      ――――どんな『末路』を迎えるだろうか?」

『鐘楼』の大紋章、『五つ』の小紋章で完成された『紋中紋』。
『三つ』の『紋章』を『吸収』し、『スタンド使い』の反撃を『理解』する。
『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』が秘匿していた、最後の『能力』を開示する。
そして、『パターン化』している『反撃』の軌道や威力を、完璧に見切り、

     ブォンッ!

『六度目』。
『ジュリエット』を斬り上げ、『スタンド使い』の反撃を誘う。
真っすぐに振るわれた『拳』に重ねるように、その身を飛び込ませ、

             i /
            ス    冷たい『刃』を、
            ダ    己が『首筋』に押し込ませる。
             ッ

『剣柄』に移した二つの『紋章』を『解放』。
『スタンド使い』を襲うはずの『反撃』の『過程』から、
更に『反撃』の『過程』を『真逆』に発生させ、『ピエール』へと『攻撃』する。

『ヴィジョン』の放った『反撃』と全く同じ軌道を描いて、
『反撃』の拳は『ピエール』の首筋に到達し、『斬撃』の『結果』を与える。
『第四ステージ』で見せた、『過程(反撃)』→『過程(反撃)』×『結果(斬撃)』だ。

深々と切り裂いた『首根』に追い打ちを掛けるように、
『反撃』の拳が『ジュリエット』を押し込み、喉笛を断って、

          ド
           サ
            ッ

『広場』の中央にて『群衆』に囲まれながら、その生涯を終える。
仮初の『舞台』で幕を下ろす。魅せるのは『死』、物語の『終着』。

850美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/12(火) 22:13:40
>>848

『プラン9・チャンネル7』と敵スタンドは、まさしく対照的と呼んでいいだろう。
『プラン9』には、そもそもパワーやスピード自体が存在しないのだから。
そして『プラン9』の真価は、単純な力や速さや精度が及ばない領域にあるのだ。

所持品は『スマホ一台』。
ただし、自分が使う為じゃない。
あらかじめ『ロック』を掛けて、開錠しないと操作出来ない状態にしておく。

「さてと――――始める前に、皆に少しだけ『お手伝い』を頼んでもいいかしらッ?
 マジシャンだって、お客さんに手伝いを頼む事があるでしょう?
 ただ見てるよりも、せっかくなら参加出来た方が楽しいじゃないッ!」

「手伝いっていっても、わざわざ前に出てきてもらう必要はないわ。
 今すぐ、自分の携帯電話を『ロック』してちょうだい。
 もう『ロック』してあるって人も、ちゃんと出来てるかどうか確かめておいてねッ!!」

周囲を取り囲んでいるギャラリーに対し、そのように告げる。
目的は二つ。
一つは、言葉通りに『ロックを掛けさせる』事。
もう一つは、携帯電話を『取り出させる』事。
取り出された全ての携帯電話を視界内に収め、密かに『能力対象』として捕捉する。

「ホラ、これが私のスタンドよ。小さいでしょう?
 私の肩から動かないから、パワーもスピードも精確さもハナから持ってないわ。
 それに引き替え――――」

「あなたのスタンドは凄いパワーとスピードと精確さを併せ持ってるんですってね。
 それだけ揃ってれば、何だって出来ちゃうんでしょうねえ」

          スッ
                   コンッ

「たとえば、『ロックの掛かったスマホを覗き見する』とかね?
 それだけの力があれば簡単な芸当よねえ?」

自分のスマホを地面に置いて、相手の方へ軽く蹴って滑らせる。
『情報系』である『プラン9』には、欠伸をするのと同じくらい簡単に出来る。
しかし、単純なスペックを誇るだけの相手には決して成す事が出来ない。

「だって――――この『プラン9』にも出来る事なんだもの」

その声をギャラリーの『携帯電話二台』に送り、『ファン』に変える。
事前に全ての位置は確認済み。
出していなくても、能力下に置ける。

「ねえ、『あなた達』私のコト好きでしょう?何でも教えてくれるわよね?」

「最後に通話した相手と時間は?」

「電話帳の一番最初に記録されてるのは誰?」

まず、最初に『ファン』にした二台に別々の質問をする。
当然、まだまだこんな程度じゃない。
思考を切り替えて新たな二台に声を送り、更に『ファン』を増やす。

「最新のメールの内容は?」

「閲覧履歴の一番新しいページは何?」

新たな『ファン』に、また別の質問を投げ掛ける。
続けざまに、また新しい携帯電話に声を送る。
次々に『ファン』を増やし、ギャラリー全員の携帯電話を『虜』にして見せる。

「あら?どうなさったのかしら?
 その中には、私の『個人情報』が山ほど入ってるのよ。
 どうぞ、遠慮なく見てくれて構わないのに」

「――――その『ロック』をどうにか出来ればの話だけどね。
 『分解』でもしてみる?近くの店でドライバーを探してきましょうか?」

男を横目で見やり、皮肉めいた調子で言葉を投げる。
もし、これが単純な『力勝負』なら、万に一つの勝ち目もないだろう。
しかし『能力勝負』であれば――――『プラン9』が負ける道理は万に一つもない。

851天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/13(水) 01:51:42
>>848

プラスチックのコンテナボックスに350mlの瓶入りコーラを四本。
大瓶のビール瓶を一本。
液体洗剤のボトルを一つ入れておく。
目的地に行く前に、瓶コーラ三本とコンテナ内部にクモの巣に付けておく。
また、巣を付けた瓶コーラ二本はポケットに入れておく。
もう一本の巣付きコーラは手に持つ。

「どうですか? 僕は未成年なので飲めないですけど」

そう言ってビール瓶を持ち上げて地面に置く。

「こっちならいけますけど」

コンテナから巣のないコーラ瓶を取り出す。
奇襲。
巣のないコーラ瓶を投擲する(パス精CCC)
当然、防がれるだろう。
キャッチされるか砕かれるかは分からないが、それは予測出来る。
悔しげな雰囲気で天白は『アルビノ・ホリデイ』をコンテナ内の巣に飛ばし、コンテナを相手の方に蹴り飛ばす。

「じゃあ今度はこっちで……!」

『アルビノ・ホリデイ』のいるコンテナに敵の意識が向いてれば上出来だ。
投擲で空いた手で、巣の付いたコーラ瓶を一本抜き取り、投げる。
一投目は低く、続いて元から持っていた方の手で少し高い二投目(パス精CCC)

「貴方も操作する」

コンテナ内から接近してきた一投目の瓶にジャンプ。
即座に二投目にジャンプしつつ、一投目の対処をスタンドにさせている本体を狙い、糸の弾丸。
当たったとして、『アルビノ・ホリデイ』は瓶ごと攻撃される可能性がある。
それを助けるものがある。

「もう一手」

ポケットに入れておいた三本目の巣付きコーラ。
二本目を投げた後に投げておけば間に合うはずだ。
そこにジャンプして攻撃を回避し、本体の巣にジャンプ。

「……」

置いたビール瓶を掴み、走り出す。
頭上の巣に対処するなら、本体にジャンプさせつつビール瓶で殴り倒す。
もし本体の方を叩くと言うなら、相手にビール瓶を投げて捕食を続行。
ビール瓶で殴ればKO出来るはずだ。
乗っ取りに頼らずとも闘える。
ビール瓶が決まらず捕食出来た時は

「人間リモコン・パート三、未必の故意ならぬ未必の誤飲ってどうですか」

液体洗剤のボトルに口をつけ、わざと飲みに行く。
自分にもフィードバックされるので怖い時は咥えた状態で後ろに倒れ込んで飲まざるおえない形にする。

「これで終わり」

852『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/14(木) 22:56:18
>>849(ピエール)

この男は――――『音無ピエール』は誰よりも理解していた。
5つの過程、それは独立した物でありながら観客には連続した演技。
であれば『演じる側』もその『連続性』を、己を飾り立てる輝きに変えられる。

        ザッ

或いは『主催者』である桜島達以上に――――競技を理解していた。

           ザッ

                ザッ        ―――ザッ

最後の舞台で、剣戟と拳撃が躍り、『5度』の反撃が『盾』に刻まれる。
電脳故か痛みもどこか上滑りする物だが、確かな衝撃に襲われている。
観客は期待する・・・今まで魅せて来た『盾』による『攻撃吸収』からの、
『剣』による放出、そのトリックが生み出す華麗なる『逆転劇』を、

             i /
            ス    
            ダ    
             ッ

          ド
           サ
            ッ

刃は、二つの『過程』により極めて綺麗に、そして無慈悲に己の首を断った。
単なる自害ではなく、状況を、スタンドを、全てを活かし切った――――『幕引き』。

己の『スタンド』だけではない。
用意された『環境』だけでもない。
自前の『物語性』だけでもない。

全てを活かし、『五問』を『一筋』で『一流』の物語にまとめ上げた。

 
      シィ  ――――――――――――――  ン ・・・

ギャラリーとなる観衆が『電脳』のそれからアリーナの観客たちに移り変わっても、
あれほど騒いでいた彼らはまるで水を打ったかのように、殊勝に静まり返っていて。

                   『パチ』

       『パチパチ』

                   パチパチパチパチ

      ウ
         ワァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ

それはさながら直後の『歓声』を引き立てるかのような――――ごく短い沈黙に終わった。

853『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/14(木) 22:56:35
>>850(美作)

             「お手伝い?」  「なんだなんだ」

      「構わねーぞ」  「まあ出来る事なら……」

                     pi

              pi

無茶な要求をすれば――――運よく通ったとしても確実性は低いだろう。
だが、意図の読めない、手軽な要求ならばほとんどの者は従うし、
少なくとも『携帯電話を取り出す』……つまり『獲物』を晒させる事は出来る。

「………………………」

              ビュン
                       ビュンッ

          ビュンッ

                   パシッ

敵は己の人型スタンドで美作のスマホを『蹴り止め』――――それを拾う。
最早何も手などないぞと。『お前に勝ち目はないぞ』と告げるかのように。
だが、続く言葉……『情報戦』へのいざないに、当然敵は乗る事が出来ない。

        ≪ハイッ ダイスキデス!!!≫

                ≪ ママ ト 2時間ホド 昨日ノ 夜10時ニ! ≫

  ≪ 仕事場ノ デンワバンゴウデス! バンゴウハ、XXX-XXXX-XXX!! ≫

≪メール デスネ ヨミアゲマス !!≫
     
             ≪『仮想通貨』系ノ キュレーションメディア デス!!! ≫

そこからはもう、美作の独壇場だ――――幕が下りるまで、そのトークは終わらない。
そしてトークが続く限り、命なきファンたちはいくらでも、命より大事な持ち主の情報を貢いでくれるのだ。

仮に今からスタンド使いの男が美作を叩きのめして、それは本当に勝ちなのか? 答えは――――戦慄するギャラリーが示す。

854『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/14(木) 22:56:49
>>851(天白)

コーラと、ビール瓶と、『洗剤』のボトルと――――瓶コンテナ。
甘い誘惑と危険性を秘めた爆弾たちに、当然下準備もしておく。
巣とはひそかに張られ、気づかないまま通りかかる哀れな羽虫を捕らえるものだ。

      ヒュンッ
                バリンッ

   『ピョンッ!』

        ドカッ
           ヒュンッ
                        『ピョンッ!』

                ドグシャァァァーーーーーッ!!!

       パシュッ

   「…………!?」

                   ――――ヒュンッ

          ダダダッ

                          ド   ガァァッ

      ガシャンッ

残ったのはいくつもの割れた瓶と……木霊する破砕音。ビール瓶か、頭蓋か。
仮に頭上の巣ではなく、敵が天白自身を狙っていても、それに対応する策はあった。
瓶から瓶の乗り移りなど、やや曲芸めいて集中力のいる場面もあったが緻密な策だ。
そしてここまでのステージとは違い、『アルビノ・ホリデイ』の機動性を押し出し、
捕食という――――妙な言い方だが『王道』を行かなかったのも興味深い。

・・・天白が『5つのステージ』で示したのは、『戦士』より『策士』のありかた。
現実に立ち返ったとき、ますます増えるきいろい悲鳴のような応援が、その証と言えた。

855『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/14(木) 23:08:21
>全体

喝采はもはや尽きる事はない。競うように声を張り上げ、
残る結果発表のときまで、三人の名は絶えず叫ばれ続ける。

≪――――――――――選手諸君ッッッ≫

          ≪まずは健闘とッッ≫

  ≪良い物を魅せてくれた感謝を込めて≫

               ≪――――ありがとうッッッ≫

  ワァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ

 ≪講評は後に回そう……皆が知りたいのは『結果ッ!』≫
 
           ≪さあッッ≫

                 ≪過酷な五つの試練を乗り越え、
                   己の『価値』を魅せた選手諸君のッ!≫

  ≪その頂点に立つのは果たして――――華麗なる『騎士』かッッ≫
 
                ≪暗夜を飛ぶ『カナリア』かッ≫

    ≪『黒い瞳』の謀略家かァッッ≫

            ≪それでは――――――――――――開票ッッッ!!!!!≫

――――――――――――――――――――――――――――――――

『カナリア』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『1』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』
第四問:独自性『2』 鮮烈性『3』 確実性『1』
第五問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
合計:39点

音無ピエール
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』
第四問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第五問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
合計:44点

『黒い瞳』 
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『3』
第四問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』
第五問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』
合計:40点

――――――――――――――――――――――――――――――――

モニターに・・・結果が映し出された。それはもう変わる事のない『灼熱』のあかしだ。
それが映し出された瞬間、観客の喝采は火が入ったかのように――――爆発するッッッ

  ≪優勝はッッ≫

        ≪音無ピエェェェェーーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!!≫

856音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/14(木) 23:35:07
>>852-855
「ヴァーチャルとはいえ、ゾッとしない手段だったが……

 ――――その甲斐はあったと見える」

喉の渇き、手足の痺れを覚えるような『幻痛』。
それすらも忘れるほどに湧きあがる、『歓声』。

      グッ

片拳を天に突き上げ、己を包む『嵐』に応える。

857天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/14(木) 23:49:52
>>852-855

「ダメだぁ……」

ぺたりとその場に座りこんで天井を見上げる。

「おめでとうございます……」

そう言ってピエールに拍手をした。

858美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/15(金) 01:31:19
>>855

「――――『また負けた』」

力なく、ただ一言だけ呟いた。
結局、私は引き立て役の一人に過ぎなかった。
良くて『バックコーラスの端っこ』程度。

私は捨てられた存在。
私は一人。
私は――――。

そこまで考えた時、涙が溢れて零れ落ちた。
負けたからじゃなく、自分が堕ちた本当の理由に気付いたような気がしたから。
私は自分一人だけで闘っていると思っていた。

だけど本当は違っていて、私を応援してくれている人達だっていた。
当時を振り返ってみれば、私は彼らの声を無視していたようにも思える。
切羽詰って必死になる余り、ファンの声が耳に入らなくなっていたのかもしれない。

      ぐしっ――――

手の甲で涙を拭う。
泣き顔さらしてお情けかけてもらうなんて真っ平ゴメンよ。
桜島から司会者のお株を奪い取る勢いで、会場の全員に向けて絶叫する。

「さぁさぁッ!!!!!お集まりの皆さんッ!!!!!
 ニューヒーローの誕生よッ!!!!!ピエールに盛大な拍手をッ!!!!!」

859『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/15(金) 23:32:20
>>856(ピエール)
>>857(天白)
>>858(美作)

ピエールは無言のまま『拳』を天に突き立て、
天白と美作は――――秘める思いはあっても、それを讃える。

                        |l|_|l
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                        |l| |                ////
                         |l|              //


スポーツマン・シップを体現したかのような、
それでいて確かに決した『勝敗』の姿に、
観客たちはいっそう、大きな歓声を上げた・・・!!

≪改めてッ!! 素晴らしい『舞台』を! ありがとうッッ!!≫

           ≪勝者は決したが≫

   ≪決して独りの舞台ではなかったッ≫

      ≪『良い勝負』を魅せてくれてありがとうッッッ≫

≪――――――これにて今日の興行は『閉幕』となるがッッ≫

           ≪最後に『総評』を兼ねた講評を行おうッッ≫

                        ≪まずは――――審査員ッッ≫

カメラが切り替わり、映し出されるのは再び、審査員の吾妻。

≪いや〜〜〜〜お疲れ様でした! 見応えありましたよ!
 オレとしてはやっぱ、ピエール選手は『抜群』でしたね!
 スタンドの応用性が一番高そうってのはあるんですけど、
 そこに奢らず『物語』を作ってきたのがヤバくないですか?≫

≪オレらも見つけてなかった競技の奥深さが見えたっていうか。
  次からの参加者は、これはハードル上がりますね!
   もちろんスタンドの応用も手札の切り方が上手いのなんの≫

         ≪文句なしの一位ですよね。おめでとうございます!!≫

そして次に冬川。

≪『カナリア』さんは完全に『情報特化』のスタンド。
  課題によっては解決策が悩ましい部分もあったと思うが、
  最後まで『スタンド』を使っていたのが非常に印象がいい。
  桜島さんも言っていたが、『方向性』が見えて一貫している。
  使い方についても、情報収集という解決に直結しない力を、
  うまく話術……言葉選びや、状況把握で補っていたと思う。
  スタンドに己の本職や才能を活かす、こういう使い手は『伸びる』≫

≪天白選手も、スタンド自体は『応用』タイプではないのだろうが、
  使い方が堂に入っていた。『手札の切り方』と吾妻が言ったが、
  その点についてはピエール選手にも劣らない物があったと思う。
  ピエール選手が『温存』の上手さなら、天白選手は『再利用』の上手さだな≫

≪いずれにせよ――――『スタンドを最後まで使い抜いた』。
 その点は三者ともに素晴らしい。『独自性』の高得点が、それを物語っている≫

それらの話が終わると、最後に桜島がマイクを取る。
完全に閉幕すれば退場する事になるだろうし、
何か他にリアクションがあるなら、今が良いかもしれない。

860美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/16(土) 00:16:43
>>859

勝負の世界は結果が全て。
何を言おうと変わらない。
それに対して出来る事は、ただ受け入れることだけ。

「――――『Thanks』」

自分の弱さを受け入れる事は簡単じゃない。
だけど、私にはそれが出来る。
何故なら、私は『プロ』だから。

「勝負の世界は勝って負けての繰り返し。
 勝った人間が次も勝つとは限らない」

「次に勝つのは『カナリア』よ」

「――――いつか必ず戻ってくる」

「その時まで私を忘れちゃダメ」

「私を支えてくれるのは『あなた』しかいないの。
 そう、『あなた』よ」

      「『Good bye』――――」

             「『and』――――」

                 「――――『See you again』」


最後に観客席に語り掛け、退場する。
控え室に戻ったら、やる事がある。
『出演料』を受け取る事だ。

861天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/16(土) 02:27:34
>>859

「えへへ……ありがとうございます」

コメントに照れ笑い。
戦士らしさなどこの男にはない。
ぼうっと日常の延長線上を歩いているだけだ。

「まぁでも……いいかな」

優勝出来る気はしなかったが、いい経験にはなった。
実地で使わないと分からないことも多い能力だ。
それに天白にとっては優勝の栄光よりも大切なことがある。

「にへへ」

ちらちらと観客の方を見る。
笑いながらも、探している。
自分の広げる蜘蛛の巣模様の人間模様の中に入りそうな人間を。
天白真尋は純粋で純白な少年だ。
白々しいほどに真っ白なのだ。

「またね、ですね?」

そう言って手を振って帰ろう。

(あ、ピエールさんとくるみさんからサインもらお)

(何かの記念になるかもしれないし)

862音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/16(土) 21:15:14
>>859
掲げた拳を下ろし、その場でアリーナをグルリと見回す。
正確には、己を囲んでいる『観客』、『審査員』達を、だ。

     「『血』も、『汗』も流れぬ、『虚構』の闘いだったかも知れない。

      だが、与えられた課題で『己』を磨き、
      『他者』と切磋し、『皆』によって『精査』される。
      紛れもなく、我々はこの『五戦』を闘い抜いた――――」

去り行く『美作』を一瞥し、再び向き直る。
ピエールもまた同じ心積もりだからだ。

     「それでも尚……これはまだ、『歴史の始まり』に過ぎない。

      『三百年』という歳月、『刃』によって成した『業』ッ
      『咎負』と『応報』を意味する『盾』と『刃』を、
      
      私もまた、更なる『実戦』で磨かなければならないッ」

何度となく叫ばれた歓声に反し、『音無ピエール』は『騎士』ではない。
その父も、祖先も同じく。だがらこそ、『真っ当』でなければならない。

      「私は、誰の『挑戦』でも受けようッ!
       よもや、種の明かされた『ドン・キホーテ』に、
       憶する者はいないだろうなぁッ!?

       ――――『六つ目』の『試練』を、愉しみにしているッ!」

声高に『挑戦状』を叩き付け、会場を後にする。

863『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/16(土) 23:57:07
>>860(美作)

  「美作ぁぁーーーーっ」

       ワァ

                  「また来てくれよォ〜っ」
 
           ァァァァーーーーーーーーーッ

プロ意識――――『魅せる』『聴かせる』プロとして、
最後の最後まで観客たちを『期待』させながら舞台を去る。
声援が背中について来るような感覚を覚えながら、控室へ戻る・・・!

            ・・・もちろん、プロとしての対価のためだ。

>>861(天白)

観客席の人間たちは、入場してきた当初や途中経過とは違い、
天白がどういう人間か理解した――――したつもりで、
歓声を送るものと、そうではないものに分かれた。前者が『獲物』だ。

  「あの子イイわッ」
     「『将来性』があるなァ〜〜〜ッ」

        ワァ  ァアァァアアアアアアーーーーーーーーーッ

             「キャァァーーーッまたねェェェ〜〜〜〜〜〜」

>>862(ピエール)

          「挑戦だとォッ」
            「こいつは期待出来るッッ」

   オ
              「オレだッオレにヤラせろォーーーーッ」
      オ

    「生意気なヤローーだァ」  「だが面白ェ」
 
                「あやつは『A級』の器じゃッ」「儂には分かるッ」
                      「どうかな。口だけじゃねえのは確かだが」

          オ

  「あいつの次のカードはいつだ! 誰になる!?」

          「見たいッ」  「仕事休んででもッッ」

               オォォォーーーーーーーーーーーッ

 「待ってるぞピエェーーーーーーーーーーーールッッッ」

挑戦状を叩き付けたその瞬間、優勝者への『賞賛』や『感心』の幾らかが、
そのまま『スーパールーキー』への『戦意』『好奇』にすり替わった。
清廉潔白の騎士を夢想するような目ではなく……一人の『戦士』への値踏みの目に。

幾重もの『戦い』に飢えた『チャレンジャー』達の視線を浴びながら、
ピエールもまた、颯爽と会場を後にする――――あとは報酬を得るのみだ。

>全員

≪――――三者三様、戦闘に限らない『スタンド使い』の『活躍』ッ!!
  『問題解決』ッッ!! 『作戦』と『行動』の競争ッッッ!!
  オレの見たかったものを、第一回からハイレベルで魅せられたッ!!!!≫

               ≪だがッ≫

     ≪当然これで終わりではない!!!
        オレはまだまだ見たりないッ!!!!≫

                    ≪天白氏ッ 美作氏ッ そしてピエール氏!!≫

   ≪それだけではないッ! この会場にいるスタンド使い諸君!!
     あるいは未だ町に息を潜める、まだ見ぬ実力者たち!!
     一対一の戦闘には長けずとも深謀遠慮を武器とする策士ッ!
     あるいは戦闘だけではない己の価値を示し、磨かんとする猛者ッッ!!≫

            ≪諸君らの、更なる挑戦と活躍をオレは期待するッッッ≫

  ≪そしてッ 期待しているのは――――オレだけではないだろうッッッ!!!≫

  ≪次回開催を心待ちにしようッ≫  ≪或いは次に舞台に立つのは―――君だ!!≫

           オ  オ   オ 

                  オ   オ   オ

                         オ  オ   オ  オォォォォーーーーッ!!!!!

864『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/16(土) 23:57:55
>全体

≪それではッッッ 以上を以て記念すべき第一回のステージを『閉幕』とするッッ!!!!≫

             ≪来場者の諸君は忘れ物、落とし物の無いようにッ!!!!≫

会場では桜島のアナウンスが鳴り響く中――――
舞台を終えた選手たちは控室で、『如月』に迎えられた。

「いやはや、見事なステージでした。初回とはいえこの盛り上がりも、
 皆様の健闘あってこそのもの……アリーナの一員として、心からの感謝を」

            ペコォーーッ

ドリンクなどは用意されているが、
あまり長居するような雰囲気ではない。

「勿論、感謝は口先だけでは済ませません。
 事前の約束通り――――こちらが『賞金』になります。
 高額の手渡しは不安という事であれば『小切手』や、
 口座への振り込みという形でも対応しておりますので申し付けを」

給料袋、というよりは格調高い雰囲気の『封筒』が、三者に差し出される。
これを受け取れば、ひとまず今日の仕事は終わる……ということだ。
もちろん、望むのであれば今後も『アリーナ』での仕事は回ってくるだろう。
それについては如月が口にするでもなく、会場の声援と興行の性質から自明だろう。

「さて……最後に皆様の方から何か『感想』や『ご意見』などはございますか?」

「当競技、そしてアリーナはまだまだ『発展途上』の組織。
 内側で決めた『決まり』や『流れ』だけでは、更なる成長は見込めますまい……
 当事者である皆様の声が、より盛り上がり、より燃えるアリーナの柱となりますのでね」

何も言わずに帰るのも、当然可能だ。如月の声にも、無理に引き止めるような意図は感じない。

865美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/17(日) 01:51:56
>>864

今回は『メインヴォーカル』を引き立たせる『バックコーラス』に甘んじた私だけど、
大きなステージの上で、多くの歓声や食い入るような注目を浴びる事が出来た。
それがイカレちゃいそうな程に気持ち良かったのも、また事実だ。
この感覚が病み付きになって、仕事に支障が出ないと良いんだけど。

「こちらこそありがとうございました。
 大変貴重で素晴らしい経験をさせて頂いた事に、
 改めて心からの謝意を申し上げます」

高揚感も程よく冷め、両手を差し出して恭しく封筒を受け取る。
中身の確認をする必要はないだろう。
今ここでやるのは失礼だし、やる意味もない。

「では僭越ながら、感じた事を少しだけ。
 『力尽く』が出来ない能力が輝ける場を設けるという趣旨は、
 非常に尊いものだと考えています。
 『力尽くが出来ない事はない』という以外の能力にとっては特に、
 こうした場は非常に貴重でしょう。
 問題は、この催しが『メインの箸休め』という地位で終わらず、
 メインストリームの一部になれるかどうかですね。
 願わくば、こういった『単純な力のみに拠らない競技種目』が、
 『最後は力が物を言う試合』と同等の地位を獲得する事を期待させて頂きます」

そこまで言ってから、言葉を切る。
このアリーナに足を運ぶ気になった理由は、再び輝きたかったからだ。
だけど、もう一つ『別の理由』もある。

「そして、ここからは個人的な『ビジネス』の話になるのですが――」

「私の『職業』はご存知ですね?
 単刀直入に申しますと、この会場に集まるギャラリーに、
 『私の番組』を『宣伝』して頂きたいのです」

『新規リスナー』の獲得。
それがアリーナを訪れた『第二の目的』だった。
たった今受け取ったばかりの封筒を、そのまま如月に差し出す。

「私からお願いしたいのは、『20万円分』の『宣伝』です。
 形式は問いません。いかがでしょうか?」

『ギャラ』の『20万円』を全額『宣伝費』として突っ込む(>>860 promotion20)。
コストパフォーマンスを考えれば、十分な利益が期待できるだろう。
後は、この提案が先方に受け入れられるかどうか――――。

866天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/17(日) 02:26:12
>>864

天白は節操なしだ。
衝動に任せられるのなら、後者も狙い目ではあった。

控え室に戻って、ドリンクを手に取る。
残ったら持って帰るつもりだ。

「お疲れ様でしたー」

にこやかな顔で頭を下げた。

「感想……?」

「楽しかったです。あぁ、もっと華やかでキラキラしたものが見たいです」

「極限まで危ないのを」

何を言っているのだろうか。

「今日はどれも解けない問題ではなかったから、危なげなかったです。結構悩みましたけど 」

「あ、あと色紙とペンを貰っていいですか? くるみさんとピエールさんからサインを貰いたくて」

867音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/17(日) 22:42:17
>>864
「『感想』や『意見』、か。

 私は、他の『二人』の闘いも見てみたかった。
 例えば、『審査後』にその『映像』が流れるように、
 取り計らったりは出来るだろうか。

 ……これは、『感傷』の話だけにあらず」

『封筒』を受け取って鞄に仕舞い込み、
『感想』を訊かれれば忌憚なく口にする。

「他者の『能力』を知れれば、必然的に利用した『戦略』が組まれる。

 前回の『解法』を利用した、『パスティーシュ』としての『解法』や、
 能力から予想される『同一』の『解法』をぶつけるなどすれば、
 交わらないはずの『個々』の試合に、『繋がり』が生まれる」

「最後の得点表を拝見したが、中々の『僅差』だったじゃあないか。
 『差』を広げる別の手段、それが新たな『燃料』になると思っているのだが、
 君はどう思うかね。――――『欠点』もあるとは思うが、一考してくれるかな」

>>866(天白)
「サイン? 正直に言えば、やったことはないのだが……。

 日本語で書いた方がいいかね、それともフランス語?
 しかし、名前だけだと味気ないように見えるが、
 『家訓』や『座右の銘』も、横に付けておこうか――――」

渋々な感じで近寄ってくるも、ペンを渡されるのを待っている。

868『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/18(月) 00:05:42
>>865(美作)

「勿体ないお言葉です、美作様」

「『経験』――――現代社会において『死闘』を経験できる場は多くはない。
 まして、戦闘ではなく調略などに力を割くスタンド使いであれば尚更でしょう。
 我々がその役目の一端を果たせているとすれば、これほど光栄なことはありません」

                スゥーッ

丁重なお辞儀と共に、感謝の言葉は受け取られた。
その後の『競技』の『在り方』への意見も納得の籠った頷きと共に、
明らかに好意的に受け止められていたのだが――――『宣伝』の話には。

「宣伝、ですか。これはお節介ですが……
 アリーナはとても、『輝かしい』組織です。
 それは間違いないにせよ……それだけではない。
 表舞台に名が上がる事は決してありえませんし、
 社会や政府から、何かの認可を得ている訳でもない」

やや表情が陰る。険しいとか威嚇するようなものではないが、真顔とも違う渋面だ。

「我々は、いわば――――星も太陽も月も無い、
 光の届かない世界に根を張る……『地下組織』というものです。
 ここでの宣伝は決して、『輝かしいもの』だけを呼び寄せはしません」

           「それで良ければ、私から上に掛け合います」

宣伝については如月は否定こそしない物の、難色を示している。
アリーナはグレーゾーンではあるのだろうが『非合法』の匂いがするし、
個人の『ネットラジオ』などであれば問題もないかもしれないが……
事務所や局が絡んでくる『ラジオ番組』の宣伝は、やや危険かもしれない。

もちろん、美作の個人的な活動の宣伝なのであれば、リスクはあっても問題はないだろう。

>>866(天白)

「ええ、お疲れ様でした」

「それは、それは……何よりでございますね。
 選手の『モチベーション』はアリーナの重要課題。
 より楽しめる『難問』や、『危険な状況』の用意も、
 今後充実させていけるよう、取り次いでおきましょう」

最初はどこか値踏みする用だった天白への目も、
今ではピエールや美作に向けるそれと変わらない。
一人の、油断ならないスタンド使いを目にする視線だった。

「天白様含め、ゆくゆくはアリーナに名を轟かせる可能性もあるお三方。
 サインの価値は――――金銭的なものはともかく、確かなものでしょうな」

得心した様子の如月によって、ペンと色紙はすぐに用意される事となる。

>>867(ピエール)

「成る程――――技術的には、不可能ではありませんな。
 持ち帰って検討する価値は十二分にあるアイディアかと。
 主催達も競技の幅を広げる案には積極的でしょうから、
 すぐにでも試験的に運用されるかもしれません……
 試してみてはじめて、見えてくる瑕疵もありますのでね」

「とても興味深い意見でした。心より感謝致します」

              スッ

競技のシステム自体に関わる『具体案』はやはり、歓迎される。
試さずとも見える欠点もあるだろうが、利点が上回れば採用も有り得るだろう。

――――サインペンについては、すぐに用意された。あとの内容は考え次第だ。

>全体

「貴重なご意見、心より感謝申し上げます――――
 これをもって、本日の『競技』は終了とさせて頂きます」

                スッ

ギャラを渡し終え、三人から得た意見をメモし終えた如月が、
自分のものであろう荷物を手元にまとめ、改めてそう告げた。

「――――『競技』も『試合』も、我々は常に『挑戦者』を待っております。
 皆様とは今後も良い関係を築いていければ……それに勝る幸いはございません」

            「本日は、ご参加ありがとうございました。
             そして……ようこそ、『アリ―ナ』のある星見町へ」

喜色を含む如月の目は、この『競技場』に新たに浮かぶ三つの星を確かに映していた。
特に何かそれ以上なければ――――会話が終わるとともに、解散という事になるだろう。

869美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/18(月) 03:57:43
>>868

「お話は分かりました。ご親切な忠告に感謝します。
 何分、まだ『アリーナ』の事情には明るくないもので。
 不勉強な申し出をしてしまった事はお詫びします」

『アリーナ』に足を踏み入れる事自体も、ある程度の危険は承知の上だったので、
『毒を食らうなら皿まで』という思いだった。
だけど、毒を食らうのは自分だけでなければならない。
万が一にも、周りの人々にまで危害が及ぶような事は避けなければならない。

「では、『私自身』を宣伝して頂く事は可能ですか?
 今日デビューしたニューフェイス『カナリア・美作くるみ選手』の名前が、
 出来る限り認知されるような紹介をお願いしたいのです。
 金額に関しては、先程と同じです」

それらは既に公開されている情報だ。
未知の危険を呼び込むリスクは限りなく抑えられる。
当然リターンも相応に減る事になるが、後は自分の『魅力』でカバーすれば良い。
長期的な視点から、徐々に『ファン』を増やす。
この美作くるみには、自分自身の『魅力』で『それ』が出来る『自信』があるのだ。

「失礼して、封筒はこちらに置かせて頂きます。
 この話が通らなかった場合は、『寄付』として扱って下さい。
 今後の『競技』の発展に対する私からの『心付け』と考えて頂ければ幸いです」

>>866

「サイン?もちろん良いわよ。『真尋くんへ』って入れた方がいいかしら?」

       サラサラ

ペンと色紙を受け取り、慣れた手付きでサインを綴る。
自分の名前と相手の名前を書き入れ、片隅に小鳥のイラストを添えた。
出来上がった色紙を、笑顔で少年に手渡す。

「――――はい、どうぞ。大事にしてね?約束よ」

870美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/18(月) 04:14:16
>>869

「『またの機会』を心から楽しみにさせて頂きます」

「――――お疲れ様でした」

帽子を取り、如月に頭を下げて挨拶する。
その表情に曇りはなく、どこか晴やかだった。
それから他の二人に向き直り、同じようにして頭を下げる。

「――――お疲れ様でした」


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