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【個】『学生寮 清月館』

1『星見町案内板』:2016/01/24(日) 23:51:17
月面を連想させる『灰色』のレンガで出来た『洋館』。
親元を離れた子供達だけでなく、一般学生もしばしば遊びに来る。
『自立心』、『向上心』を培う為、多くの『家事』は学生自身で行っている。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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619ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/09(金) 23:14:09
>>618

小学校だとしても低学年だろう外見。
普通に考えたら寮の住民ではない。


「なんじゃ? 大丈夫じゃが?」


怪我人を見たときのようなリアクションをされても、
子供自身は別に痛くも痒くも無いので急に話しかけられて不思議そうにしているだけだ。


「自分で拭けるんじゃが……」


談話室にドライヤーを持ち込むのは私物だろうが、
言われてみれば共同浴場があるなら備え付けタオルもあるだろう。
単に知らなかったのか気づかなかったのか、この子供は持ってきていないようだが。

自分で拭けると言いつつも、かといって抵抗するほどでもないと思ったのか、のこのこと近づいていく。

620飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/09(金) 23:24:08
>>619

「ごめんね、すごくびしょびしょだから心配で。
 タオルドライしっかりしないと風邪引いちゃうよ」

私はそう言いながらこっちに来てくれた子を拭いてあげる。
近付くと白に近い金髪に露が伝って、なんとも神秘的な……女の子…だよね?
服を着てるなら服もびしょびしょになってないかな…。

「えっと…ここの子じゃ…ないよね?
 誰かお兄さんかお姉さんのところに来たの?」

もしかしたら迷子かもしれない。

621ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/09(金) 23:36:42
>>620

子供の髪は柔らかい。
先ほどの光景を見た限り手入れは乱暴のようだが、
幼さゆえにか、特に傷んだ様子は無い。


「そうだったのか……心配をかけたようじゃの」


この年齢だとそう性差は無いが、女の子だろう。髪も長い。
服装は、夏だからか大き目のシャツを一枚着ているだけで、
確かに見て見れば多少濡れているようだった。
シャツの下には何も来ていないのかうっすら肌の色が透けている。


「いや……うーむ……まあ、そんなところじゃ。
 ここに来るまでに濡れたのでな、うろついてたらいい感じの湯があったので入ってしまった」


そもそも風呂に入る前から濡れていたらしい。
梅雨の時期だ。いつ雨が降ってもおかしくはない。

622飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/09(金) 23:50:45
>>621

「勝手に心配しちゃっただけだから」

私は髪を拭きながら言葉を漏らした。
髪質は柔らかで、しっかりドライヤーをかければふんわりと仕上がりそう。きっと可愛い。

よくよく見るとこの子の服はシャツ一枚で…いくら小さい子だからってちょっと問題がありそうな気がする。
世の中には幼い子供にしかいろいろできない変な人もいるらしいし…このままにしていられない。

「そっか、今日雨だったもんね…」
「……えっと、着替え持ってる?
 髪の毛濡れたまま出てきちゃったから服濡れちゃってるし…。
 このままじゃ風邪引いちゃうよ」

すこし、部屋にある服のことを考える。
流石に私の服をそのままは着れないと思う。あ、でも『ロングTシャツ』ならワンピースっぽく着れるかも。

「私の服でよければ、貸してあげようか…?」

623ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 00:07:11
>>622

「ん、服は……『記録』にないの。ふあ」


髪を拭かれて心地よさそうだ。
少し眠そうな声と共に、小さくあくびを漏らした。


「風邪になる?
 それは……確かに困るの。薬の『記録』も無いし……
 いままでは風邪になったことは無かったんじゃが……
 うむむ、迷惑でなければ頼もうかの」


『ロングTシャツ』……まあ、今の服装とそう変わらないだろう。
元々サイズの合わない大人もののシャツを着ているだけのようだ。

624飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 00:19:42
>>623

「迷惑なんかじゃないから大丈夫。私の部屋こっちね」

私はそう言いながらタオルとドライヤーを持って、小さい子の手を引いて部屋に連れて行った。

ベッドが一つに、勉強机、食卓として使う折りたたみ式のちゃぶ台、飲み物用の小さな冷蔵庫。
勉強机には教科書や勉強用の本、ベッドにはくまのぬいぐるみがある、いつもの私の部屋だ。

収納から『薄桃色のロングTシャツ』を取り出して渡してあげる。

「はい、これどうぞ。着替えてこれる…?
 ……あ、もしかして…下着も、濡れちゃってる…?」

流石に子供サイズの下着はないから…もしそうなら脱いでもらってドライヤーで乾かしてあげよう。

625ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 00:39:33
>>624

握った子供の手は柔らかく、儚いほど小さかった。
それこそ飯田の細腕でも力を込めたら折れてしまいそうだ。


「うむ、すまんの」


子供はその場で着替え始める。
着ているものはシャツ1枚だけだったらしい。一時的に裸になる。
外見的な性差は無いと書いたが、実は男の子という事もなく、ちゃんと女の子だった。


「髪も拭いてもらって世話になったの。
 牛乳は無いが代わりに……これは服と『交換』じゃ。あちち」


と、リュックから取り出したのは『ホットココア缶』だ。熱いらしい。
じめじめしているが、気温自体はそれほどではない。ホットでも飲めないことはないだろう。
まあ、嫌なら冷蔵庫に突っ込んでおいて後で飲めばいいのだし。


「服はええと……後で洗って返すぞ」

626飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 00:47:09
>>625

は、はだか!??
私は驚いてついじっと見ちゃった…。内心謝る。
…流石に…上はともかく下がないのはよくないよね…。
ばい菌が入ったら大変だし…。

私は慌てて収納からまだ開けていない予備の下着と、針と糸を出して下着をその子に履かせてからサイドを縫って縮めようとする。

「ごめんね、ちょっと大きいのしかないから縫っちゃうね」


「ココアありがとう。
 服は返さなくてもいいから、ちゃんと着てね…?」

本当に変な人の餌食になりかねない。
この子の保護者はどこにいるんだろう…。

627ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 01:01:48
>>626

「なんじゃ? うん? 危ないぞ」


突然下着を履かせられて子供は慌てるが、ヘタに動くと針が怖い。
大人しくしている事にしたようだ。
何故かホールドアップして推移を見守る。


「それではわしがちゃんと服を着ておらんようではないか。
 まあ、しかし、わしの服は爺のじゃからの……
 学校行ってる子らとは違うのは気になっておったが」


大き目の服はお爺さんのおさがりらしい。
見るとリュックも、大人ものの大きいサイズだ。
仮にこのサイズのリュックにパンパンにつめたら子供には背負えないだろう。
あと学校には行っていないらしい。

628飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 01:12:40
>>627

「急に縫っちゃってごめんね。でも、女の子なんだから。
 ちゃんと下着は履かないとこわーい男の人に連れてかれちゃうよ?」

急に変なことをしたからびっくりさせちゃったみたい。
でも、流石に女の子を『ノーパン彼シャツ』状態で放置するわけにはいかないし…。

「お爺さんと住んでるの?
 学校に行ってる子とは違うって……もしかして学校行ってないの?」

日本では滅多に見ない髪の色、細い手足、下着も着ていない、びしょ濡れ、学校に行っていない。
これまで目を逸らそうとしていたことがはっきりと浮かんできた、ような気がする。

「……もしかして…困ってることとか、ない?
 私の知り合いに『地域課の巡査』さん…警察の人がいるから、ちょっとお話ししてみない…?」

629ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 01:31:58
>>628

「なんじゃ、通り魔だの『えくりぷす』だの、怖い男だの、ぶっそうな話じゃな。
 なにかごわごわするが、これを着ておけば襲われんというなら、着るがの……
 というわけで、このケーキと『交換』じゃ。良いか?」


何が「というわけ」なのかわからないだろうが、子供の中では自明なのだろう。
リュックから『抹茶ムースケーキ』を取り出して、ちゃぶ台の上に置いた。


「いんや、爺は死んでしまっての。
 学校は行っておらん。
 警察は……なにかバレるとまずいことになるんじゃないかの?
 よく分からんが……テレビとかを見ると……
 別段困っておるというほどのことも無いしの」


日本語に違和感は無いが、金髪は染めているというわけでもなく、地毛だろう。
目の色も青い。普通に考えれば日本人ではない。
詳しい事情はともかく、テレビ由来の漠然としたイメージだが、
警察に目を付けられるとまずいのではないかとは思っているらしい。

630飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 07:17:11
>>629

「よくわからないけど…ちゃんと着てくれるなら『交換』するね」

この子の中の遊びのルール…かなにかかな…?
出しっぱなしはよくないから冷蔵庫の中に入れておく。

……聞けば聞くほど、よくない状態じゃないかな…。
お爺さんは死んでて、警察に知られたらまずいかもしれないって知識だけで今まで避けてすごしてたの…?

「警察に知られても怖くないから大丈夫だよ。
 警察のお兄さんは『市民の安全を守るのが我々の役目』って言ってたし、
 もし知られても、守ってくれるはずだよ」

外国人の子供が保護者を亡くして一人で生きてるよりは警察に保護してもらった方がマシだと思う…。
私は、クソ親父が来て家から出されて『放置子』になった時も保護してもらえなかったけど…。
以前ここに来た桐谷さんはそんな人に見えなかった。

631ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 13:35:46
>>630

「これで下着については心配はなくなったの」


Tシャツをめくって下着を確認している。
どんな下着なんだろうか……
なおこれは、後の場スレ描写の参考にするためであり、セクハラでは無い。
赦して欲しい。


「そうじゃろうか……
 でもドラマじゃと、警察が守るのは、税金を払っていて日本国民だからと言っておったぞ。
 わしは……当てはまらんような……
 これは秘密じゃが、国籍? とかそういうの、無い……ような気がする、多分……」


『市民の安全を守るのが警察の役目』なのだろう。
しかしこの女の子は、自分が市民であるかどうかという時点で自信が無さそうだ。
実際に町に住んではいるのだが、住民票はあるのか? というと、怪しい。


「わしはこの町を離れられん。
 理由は説明できんのじゃが、この町じゃないとダメなんじゃ」


それでも法治国家の警察だ。賄賂と暴力が横行しているとか、そういう腐ったことは無い。
国籍が無いとしてもそう酷い事にはならないだろう。
が、保護されるということは、身柄を委ねるということだ。
もしかしたら町外の施設に預けられるかもしれない。
この子供自身にもよくわからないが――『ベター・ビリーブ・イット』が正常に能力を発揮できるのは『星見町』限定なのだ。

632飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 15:03:48
>>631

「女の子がそんなことしちゃダメだよ!?」

慌ててシャツをめくる彼女を止めた。
決して、中学生にもなって『前にリボンのついた薄桃色の綿パンツ』を私が持っていたことが恥ずかしかったんじゃない。
小さいとはいえ、女の子がそんなことをするのは流石にちょっとよくないかなって…。
(下着の参考資料 これの左右を縫ってすこし縮めたもの ttps://tshop.r10s.jp/mhfield/cabinet/mh/10-2493-454-6.jpg?fitin=720%3A720 )

「国籍がないし、離れられない…?
 そっか、それで『警察にバレるとまずいことになる』んだね…」

私は考え込む。
学校に行ってないのもたぶん『戸籍がない』から行ってないことを怪しまれないのが大きいと思う。

「それなら今度、私が『知り合いの話』ってことで警察に電話かけてみようか?」
「知り合いの子供がお爺さんと住んでたんだけど、
 お爺さんが死んでしまって一人になってしまったんですがけど、
 この街で保護してもらえるところはないですか?」
「こんな感じで話して、もし大丈夫そうなら…えっと、君に伝えるってことで」

話してて気付いた。
そういえば私、名乗ってないしこの子の名前知らない!
ついでに連絡先があるのかもわからない!

633ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 15:17:59
>>632

「男ならよいのか? 女は色々面倒じゃな」


と無意味にへらず口をたたきながらも、素直にTシャツを下した。


「うむ……? 別にわしは今のままで困ってはおらんがの……。
 電気とか水道とか、自動引き落とし? そのまま使えるし、
 電話も、爺を勝手に使っておるが、動くし」


そう言うと、リュックからスマホを取り出す。ちょっとヒビが入っているが、使えるらしい。
色々と心配されているが、そもそも困っていないようだ。
親切心なのだろうが、保護してもらったとして、今より良くなるのか? というと絶対とは言い切れない。
いや、戸籍とか学校とか、将来を考えると今のままというのは良くないのだろうが。


「あ、爺が死んだことがバレると、なにか色々と面倒になると思って、
 庭に埋めておいたんじゃが……これは大丈夫じゃろうか?」


2人しかいない部屋の中で、無意味に耳に近づいて、ヒソヒソ話す様子は、
『凄い秘密だからこうやって話すもの』というようで、微笑ましいかもしれないが、その内容は犯罪だ。

634飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 15:39:17
>>633

「男の子もよくないけど…。
 女の子はそういうことすると怖い男の人に酷いことされちゃうかもしれないからね。
 ちゃんと下ろせて偉いね」

頭を撫でながら話す。
タオルドライだけだったけどもうかなり乾いてるしドライヤーまでは必要なさそうかな?

「今は困ってなくても、お爺ちゃんのお金がなくなっちゃったら電気も水も止まっちゃうよ?」
「お爺ちゃん、埋めてあげたんだね…。
 お墓を作ってあげるのはいいことだよ、偉いね。
 ちなみにお家ってどのあたりかな…?」

こ、子供のしたことだし、死体遺棄でも許してもらえるのかな…?
とりあえずご遺体を確認しないと…。今の時期だと腐って臭いが出てるかもしれない…。

「あ、スマホ持ってるんだね。
 連絡先交換しよっか、私は『飯田咲良(イイダサクラ)』っていうの。
 君の名前は?」

スマホを取り出して交換する。

635ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 15:49:33
>>634

頭を撫でる。柔らかく細い髪質のようだった。
完全に乾いているというわけではないが、気にならない程度だ。


「うむ。じゃから次の家候補を探したりもしておるぞ。
 家は……」


家は湖畔近く……町はずれの方にあるようだ。
少なくとも庭はあるらしいので、一軒家なのだろう。


「わしはユキシラとか、ナイとか……そんな感じで呼ばれることもあるの」


交換した連絡先によると、『雪白 権六郎』というらしい。
これは本来の所有者である爺とやらのデータだろう。

636飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 16:00:59
>>635

「おうちはあっちの方なんだね。
 今度寄らせてもらってもいい?」
「次のおうちかぁ…。おうちって借りるの難しそうだね…。
 子供だとどうやっても契約できないだろうし…」

考え込む、やっぱり無理っぽい?
次のおうちを見つけたくても、基本的にこんな小さい子に家を貸す人はいない。
家出人だと思われて通報されちゃうのがオチ…。

「ナイちゃん…ナイちゃん、時々ここに泊まりに来ていいよ?
 おうちだとひとりでしょう…?」

このなんとも危なっかしい生活をしてそうな子の予備の家になった方が安心かもしれない。
たぶん洗濯とかもできてないだろうし…ホームレス一歩手前…。

637ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 16:23:52
>>636

「まあ、よいが……結構うろうろしておるんで、居るからはわからんがの」


家は教えたものの、あまり歓迎していない声色だった。
死体を埋めた家だ。出来れば来てほしくないのかもしれない。


「おお、そう言ってもらうのは2度目……3度目? じゃ。
 ここのな……七篠先輩ちゃんにも、入って良いと言わておるんじゃ。
 爺の家には冷房が無いからの。
 知っておるか? 七篠先輩ちゃん」


そんな事を言いながら鍵を取り出す。
その鍵の部屋番号に見覚えは……あるのだろうか?
同じ寮なのだから、別に知り合いでも全然不思議ではないだろう。
それ以上の関係などこの子供が知る由も無い。

638飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 16:34:07
>>637

「『七篠』…!?
 え、えっと、待てよ私…。もしかしたら同じ名字の別人かもしれないし…」

私は早鐘を打つ心臓に手を当てて、深呼吸をする。
私の『腹違い』の『お姉ちゃん』。私がここに来た理由。追いついて、追い越したい相手。

「えっと、七篠先輩『ちゃん』ってことは…女の人…で合ってる?
 私より年上の、ちょっと背が高くて焦げ茶っぽい髪の…」

『七篠』はかなり珍しい名字でそうそう同じ名字の人はいないと思うけど、念のため確認してみる。
さっきまでのナイちゃんのおうちの問題は、私の頭の中からすっ飛んでた。

639ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 16:47:21
>>638

「ん?」


知り合いでは無いが、見知らぬわけでもなさそうな、妙な反応に首をかしげる。


「うむ。女の人じゃ。年上……? かどうかは……わからんが、
 髪も……まあ、そんな感じじゃったと思うが……」


どうもふわふわした返答が続く。
自分より年上だと全員お姉さんという認識なのか、
見た目で年齢を察するスキルがあまりないのかもしれない。


「よくわからんが、同じ苗字の知り合いがいる、というコトかの?
 七篠先輩ちゃんは、名前は……ユズリハと言っておったと思うが……」


特徴はハッキリ答えられなかったが、名前は憶えていたらしい。
背丈や髪色は変化する可能性があるが、それより名前の方が明白だろう。

640飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:09:45
>>639

「『ユズリハ』…!??」

「そ、そうなの。
 私の『知り合い』でここに越してきてるのは知ってたから…ちょっとびっくりしちゃって…」

『七篠譲葉』が『お姉ちゃん』であるということ。
そう話してもこの子にはぴんとこないことかもしれない。だから敢えて知り合いだって言ってみた。
性的なことを理解してそうにないこの子に『腹違い』なんて説明できる気が私にはしなかった。

「ちょっと、鍵をしっかり見せてね」

手にとって部屋番号を覚える。
……織姫様、彦星様、ありがとうございます。まさかこんな早く叶うなんて…。

 ┌───────────────┐
─│ お姉ちゃんに、会えますように │
 └───────────────┘

641ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 17:17:58
>>640

「ほう、そうじゃったか」


素直に鍵を渡す。
ここまでの飯田の態度もあり、警戒心はゆるゆるのようだ。


「では今から行ってみるか? おるかもしれん。
 いなくとも、合鍵があるということは、いつでも入ってよいということじゃし」


むん、と腕を組んで頷く子供。
そもそも常識がゆるゆるなのかもしれない。
少なくとも、まともな教育を受けていないのは確実だ。

642飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:23:37
>>641

「い、今…!?
 でも、『善は急げ』って言うし…」

流石に合い鍵で勝手に入るのはよくないけど、部屋に行って確かめるのなら…いいよね…?
確認した合い鍵をナイちゃんに返しながら立ち上がる。

「……行ってみよっか。」

643ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 17:30:08
>>642

「うむ」


飯田の部屋を出て、
ぺたぺたと小さな素足が音を立てながら進む。


「やっぱり廊下はちょっと暑いの。
 いるじゃろうか?
 いなかったら冷房が効くまで時間がかかってしまうの」


のんきな事を言いながら、あっという間に『七篠譲葉』の部屋の前だ。
徒歩数分もかからない。同じ建物内なので当然だが。


「おるかー?」

644飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:39:14
>>643

ナイちゃんの声と同時にノックをしてみる。
心臓の音が早くなるのがわかる。

…。
……。
………。

へんじがない。

「る、留守みたいだね。
 どこかに出掛けてるのかな…。それとも…お風呂とか…」

ちょっと早口になりながらナイちゃんに声をかける。
会いたいけど、久しぶりすぎてなんだか会いたくない気持ちもあるみたいで…。
このもやもやは…なんなんだろう…。

645<削除>:<削除>
<削除>

646ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 17:48:14
>>644

「入らんのか?」


不思議そうに首をかしげる子供。
飯田の葛藤など知る由も無い。


「わしは……どうしようかの。
 まだ雨は降っておるか……」


ナイは別段、部屋に入る事に躊躇は無いらしい。
まだ雨は降っているとなれば、濡れて帰るということもない。
となれば、七篠の部屋で休むのだろうか。
その場合、帰ってきた部屋の主に、今日あった事を話したりするのかもしれない。

あるいは飯田が誘えば飯田の部屋に泊まっていくだろう。

647飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:59:25
>>646

「ちょっと、躊躇っちゃって…」

場所は確認した。
また来たら…今度は会えるかもしれないし…会えないかもしれない。

「ナイちゃん、もしよかったら私の部屋に止まっていく?
 狭いかもだけど、ぎりぎり二人寝れるかなって」

ナイちゃんに簡単な女の子向けの防犯について教えることを心に決めて、部屋に戻ることにした。

648ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 18:08:55
>>647

「ふうむ?」


子供には世の中のことは理解できない事が沢山だ。
不思議そうな顔をしたものの、いちいち追及はしなかった。


「うむ?
 ではお言葉に甘えようかの」


ナイに誘いを断る理由は無い。
小さな手が飯田の指を掴んで、2人は連れ立って部屋へ戻っていったのだった。

649七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 09:52:11
> 「おるかー?」
>        コンコン

 …。
 ……。
 ………。

 その日、七篠は本当は部屋にいた。
 明かりもつけず、布団にくるまり部屋で一人、耳を離れない『野太い声援』と戦っていた。
 男の下卑た声が耳を離れず、そんな場所で年下の男の子が戦っていたのを見たショックで誰とも会いたくないようだった。

――男の人って、ああいうのが好きなの…?

 七篠はあの『アリーナ』の送迎の女性から『男性常連選手』が来ると聞いたことを思い出す。

――12歳の、一抹くんですらあんなことを期待されるようなところなんだから…。
――もし…何度も来てる、大人の男の人だったら…。

 七篠の知識は少ない。せいぜい『少女マンガ』程度だ。
 そんな16歳の少女にはショックが強かった。
 新たに生まれたこの『トラウマ』に七篠は立ち向かえるのか。

              ――to be continued.

650石動織夏『パイオニアーズ・オーバーC』【中3】:2021/07/13(火) 10:16:29
> 「おるかー?」

「む、誰かが俺を呼んでいる」

シャチのヒレのような頭をした少年が寮の前を通りがかった。オルカくんだ。

「……気のせいか」

そのまま通り過ぎていった。彼は寮住まいではなく、実家住まいなのだ。

651一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 14:32:16
>>649
「七篠先輩! 帰って来ましたよ!」

四回のノック後に合鍵で七篠先輩の部屋に侵入する。
どうせ、怒られるなら好き勝手するのが一抹だ。
インド風の伸びるアイスを手に七篠先輩に歩み寄る。

「冷房付けますねー」

652七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 14:45:47
>>651

 ドアの開く音に布団に籠もった七篠がびくっと震えた。小さく衣擦れの音がする。
 続く一抹の声にガバッと布団から出て一抹の元まで駆け寄り確認する。

――怪我…してない!

「い、一抹くん…!?
 あれ、さっきの試合で怪我して入院したんじゃ…?」

 七篠は訝しむ。
 合鍵を渡している相手だから帰ってくるのはおかしくないが、軽傷とはいえ入院した相手がこんなに早く帰ってくるのはおかしいと思っているようだ。

653一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 14:58:50
>>652
「前に教えたじゃないですか。秘密の『第五外科』
 お金を万単位で支払えば、如何なる傷も治せます」

「ただし、『夢』の中で受けた霊障なるものは不可。
 それのせいで私は『夢』を見れません」

トルコ風アイスを七篠先輩に渡して自分の分を混ぜて
遊び始める。
12歳の多感さの欠片もなく好き勝手にする。

「さては七篠先輩、最中派の試合を見てヘタレてました
 ね? 七篠先輩は分かりやすいです」

654七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 15:08:46
>>653

「そういえば…聞いたような…?
 でも、一抹くん、『オジロ』の時はしっかり一週間入院してましたよね…?
 あ、もしかして学校サボる口実に…!?」

「夢が見れなくなる、ぞっとしますね…」

 七篠は見様見真似でトルコ風アイスを混ぜ始める。食べたことがないようでひたすら混ぜている。

「へ、へたれ…。
 そうかもしれませんけど…。
 むしろ一抹くんはなんにも思わないんですか…? その…」

 七篠はあまりにいつも通りの一抹の姿にすこしばかり呆気にとられているようだった。

655一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 15:38:53
>>654
「七篠先輩は襲われる側だから怖いですよね。
 私も二回拉致されたり命を狙われること数回。
 甲乙つけがたい悩みです」

「ちなみに『オボロ』の時は純粋に忘れてました。
 今回は七篠先輩がヘタレてそうだから早目にです」

殺し合いに慣れた一抹も人の内心を察する感性はある。
頼りないスタンド使い後輩のために『十万』程度は安いものだ。

「生まれたての私はゴミ袋に入れられて捨てられてました。そこを義父母に拾われたわけですが見た目と教会暮らしが祟って迫害されるように…」

「つまり、殴られ慣れてるから何が来ても怖くありません。聖職者の息子だから炊き出しをしたり路上で苦しみ抜いた末の孤独死とか見てるので…」

幼少期から『死』は当たり前のように転がっていた。
懺悔室で富める者や病める者の後悔も山ほど聞いた。
大切なものは祖父母ぐらいしかない。

「私にとって怖いのは誰にも必要とされず役にも立てず
 無意味に死んでしまうこと」

「七篠先輩は平常運転で良いんですよ。
 そっちの方がおも…可愛らしいですから!」

『インダルジェンス』を出して七篠先輩の肩に触れさせて『鎮静』を発動。
今回はちょっと刺激が強すぎたのかもしれない。

「アイス食べたら一緒に寝ましょうね!」

656七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 16:22:34
>>655

「そう…ですね…。
 いや、流石に男の人に襲われた経験はないので…。
 拉致されたり死にかけている一抹くんの方が大変だと思います…」

 七篠は年下の先輩に想定以上にハードな経験が多いことと、どうやらこれは慰めらしいと理解して微笑んだ。
 どうやら『鎮静』が効いたようで穏やかな表情をしている。

「大丈夫ですよ、一抹くん。
 私は一抹くんがいてくれて助かってますし、救われています。
 ……必要です。だから死んだり、死に急いだらダメですよ?」

「……一抹くん? もしかして『面白い』って言いかけましたか?
 酷いです!」

 七篠はすこし怒るようなポーズを取る。
 もちろん『鎮静』されているので怒ってはいない。これはあくまで怒ったフリのようだ。
 本心を話したことを誤魔化そうとしてるのかもしれない。


 七篠のアイスは練りすぎてもはや伸びるどころか溶けつつある。ストローで吸えそうだ。

――『ウツギ』が作れれば、ストローみたいに使えるのに…。

 七篠は『落葉広葉樹』のことを考えながら、どうにかしてアイスを食べ進めた。

657一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 16:55:42
>>656
「と、言っても七篠先輩の方が強いのですが…
 そこは私が上手いこと『枝』を使いますね」

「スタンド使いも死ぬ時は死ぬから運次第ですね。
 死なないために戦闘センスを磨く努力をしないと」

『インダルジェンス』で自分の口元にトルコ風アイスを運びながら『鎮静』を続ける。

「まぁまぁ怒らずに。可愛らしいということで。
 どんどん食べて肥えてくださいね!」 

「さぁさぁ、七篠先輩は疲れてるのです。
 ベッドで寝て精神的に回復しましょう」

アイスを食べ終えたら七篠先輩をスタンドで持ち上げてベッドにポイして寝かせる。
上手いこと『鎮静』が効いて眠ってくれるだろう。

658七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 17:20:20
>>657

「私なんて、全然強くないですよ。
 『オジロ』の時から一抹くんに頼りっぱなしです」
「戦闘センス…。練習あるのみですね」

「もう! やっぱり私を肥えさせようとしてたんですね!」

 七篠は怒ったフリを続けながら『リルトランク』を発現させて『インダルジェンス』に抵抗を試みる。
 …が、能力差で『リルトランク』も引きずられていった。
(『リルトランク』パD 『インダルジェンス』パB)

「……一抹くんも、一緒に寝るんでしょう…?
 今日は疲れたでしょうし…」

 横にさせられた七篠は掛け布団を軽く持ち上げ、一抹に中に入るように促す。
 『男性への恐怖』という悪感情が『鎮静』されているからか、それとも一抹が最中の『アリーナ』で行為に至らなかったからか。
 七篠は変わらず一抹のことを『恐れるべき異性』とは認識していないようだった。

――……一抹くん、すぐいなくなっちゃいそうだから『木の枝』で手錠みたいにできないかな…。
――でも『インダルジェンス』がいると『枝』折られちゃうし…。

659一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 18:05:43
>>658
「大丈夫。血を流せば良くないものは出て痩せますよ!」

「抵抗力がよ、弱い…どっこいしょ…」

失礼な事を言いつつ『インダルジェンス』で七篠先輩をベッドにポイする。
『リルトランク』の非力さに寄らば、絶対に負傷不可避な技の必要性を感じる。
既にナイちゃんさんが有効活用しているかもしれないが…

「ここ最近は轢かれたり不審者を斬って赤メッシュさん
 と決闘しかけたり、最中に捕まって戦ったりと休む
 暇も無かったので隣に失礼します!」

「『インダルジェンス』で良い夢を…!」

遠慮なく隣に侵入して『鎮静』を自動発動させたまま寝る。
私は『夢』を見れないが七篠先輩は『鎮静』によって余計な要素の省かれた理想的な夢を見るだろう。

「後で、抜け出して『音仙』のところに行かなきゃ…」

660七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 18:19:31
>>659

 七篠は一抹を抱き枕にしていい夢を見たらしい。

              今度こそ to be continued.

661うわさばなし:2021/07/13(火) 23:06:34
どこかで、2人の学生が言葉を交わしている。

「なあ、オタクに優しいギャルって実在すると思うか?」
「おめー、頭が平成初期のおっさんか? リア充オタクなんて今時普通だ。漫研の男どもは大半ワンピ全巻持ってるガチ勢なくせに彼女持ちも珍しくねー。それも、スクカ上位のな」
「じゃあ、根暗はどうよ」 
「あー、それアメ研? アメコミ同好会のオタクくんと……」
「正解、できてるって噂のギャルだよ……まだらの……」

まだらと口にした少年は、僅かに声を細めて言葉を続けた。

「パパ活やってるって噂の……」

パパ活――売春の隠語を耳にしたもう一人の少年は、呆れた顔をした。

「ツラのいい女の外見が派手ならパパ活? ちょっとおめーの良識疑うぜ。ないのは知ってるけどな」
「外見だけじゃねーよ! あの金遣いだよ!」

片方は興奮し、声を荒げる――もうひとりはうるさそうに顔を顰めた。

「カスみてーな金しか降りねーから、使うもんは自腹で買うのが同好会だ、いいか、あのまだら、出てる邦訳アメコミ『全部』買って『同好会』に寄付してんだぞ 安くても二千円の本だぞ? 毎月いくら飛ぶと……」
「バイトでもしてんじゃねーの」
「そんなキャラじゃねーよ。一人称あーしの女をどこが雇うんだよ」
「キャラ立ってるし、遊園地じゃね?、ほ?し?みランドとか、ポ……」

もう一人が二軒目の施設の名前を告げようとしたのを遮って、片方が再び声を潜めた。

「……実は、俺、見たんだよ。まだらがあの風俗ビルに入るの」

風俗ビル――滅びゆく世界の一つ。
いつか、いつかと少年たちが憧れ、時に貯めた金を握りしめて挑む桃源郷。
そのビルに入る女は――大抵が、従業員だ。
 
「ぜってーにフーゾクかパパ活だって! な!!」

興奮を強める一方とは真逆に――もう一人は、溜息を付いた。

「実はな、俺も見たんだよ」
「何を」
「その近くのジャズ喫茶でバイトしてんのな、まだら。オタクくんと」
「は!?」
「俺、場末マニアだからさ。巡るんだよ、銭湯とか、立ち食いそば屋とか。そしたら制服着た2人が駄弁ってんの見た。後で調べたら、ジャズ喫茶と風俗ビルと持ち主が同じだったんだ。おめーが見た時は、まだらは面接でもしにいったんだろ」
「……まじか」
「嘘ついてどーすんだよ。俺にあいつを庇う理由があるか?」

それを懸命に探している様子の少年に、もう一人は言葉を続ける。

「客が来ないの承知で遊びでやってる店だから、給料はかなりいいらしいぜ?、まだらとオタクくんが普段何に金使ってるにしろ、2人の『バイト代』合わせりゃアメコミ買う余裕くらいあんだろ。ウチはバイトありだし、疚しくはねーだろ」

もうひとりの言葉を受けた一方は――がくりと肩を落とした。

「つまんねーの、マジなら割引してもらおうとおもったのに」
「おめー、ホントクズだよな」
「でもダチだろ」
「一応な」

662御影憂『ナハトワハト』:2021/07/16(金) 18:58:42

風呂上り――タオルを頭に巻いて談話室に座っていた。
前髪を上げているため、顔が完全に露出している。
知り合いであっても、誰だか分からない可能性が高い。

         パラ…………

手に持っている雑誌を捲る。
ここに置いてあった星見町のタウン誌だ。
歓楽街周辺の記事を、それとなく眺める。
『ロングヘアの宿命』として髪を乾かすのは容易ではない。
そして、今は『別の問題』も抱えていた。

663円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/17(土) 03:48:03
>>662

「それじゃーまた来るね! バイバーイ!!」

――――知った声が聞こえた。

……少し離れたところから聞こえたそれは、
すぐにその主の足音に変わって近付いて来る。
とにかく、騒がしい存在だった。

制服の上に薄いパーカーを羽織っており、
学校帰りに遊びに来ていたのを伺わせる彼女は、
道順の問題か、談話室の前を通って…………

         じっ

「……あれあれーっ?」

猫のような視線を御影の方に向け、立ち止まった。
普段と異なる装いのためか、まだ気付いてはいない。

664御影憂『ナハトワハト』:2021/07/17(土) 15:58:52
>>663

『別の問題』とは『ドライヤーが壊れた』事である。
ゆえに『タオルドライ』を徹底する他なかったのだ。
しかし、『髪の長さ』ゆえに気の遠くなるような時間が掛かる。
ここで雑誌を読んでいたのは暇潰しのためだった。
『狩場』にしている歓楽街の情報も、
ついでにチェックしておこうという考えもあった。

「………………」

(あ………………ヤバ………………)

雑誌に隠れて様子を窺いつつ、平然とした態度を装う。
だが、内心は『不味い』と感じていた。
苦手な相手だ。
出来れば避けて通りたかったが、既に見られている。
どうするべきか…………。

(『どんな』だったっけ………………)

「えっと――――何ですか?」

自分でも忘れかけていた『素の声』で応じる。
御影憂は『本当の自分』を見せる事を好まない。
それは『弱さ』を見せる事に繋がるからだ。
自分は『恐怖を与える側』であり、
『恐怖する側』であってはならない。
普段の呟くような喋り方は、
ファションやヘアスタイルと同じく、
『恐怖』を煽るための『演出』。
しかし、あまりにも長く続けてきたせいで、
それが身に染み付いてしまっていた。
『元々の声』を出すために、
『演技』をしなければならない程だ。

「私の顔に何か付いてます?」

(今は………………気付かれたくない………………)

外見と相まって『別人』で通せるはずだ…………多分。

665円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 00:00:18
>>664

御影の内心を知ってか……いや、知らずだろう。
しばらくその顔を見ていたが――――

「あはーっ、ごめんネ、勘違い勘違い!
 お顔には何にもついてないでーす。
 あたしの友達に似た人いるから、
 その人が『イメチェン』したのかなーって!」

いずれにせよ見た目だけでなく、
声も違えば、セララも他人だと認識したらしい。

            トコトコ

「ねえねえーっ、それって何の本……ですかー?」

                ストン

「あ! 星見町の本ー? あたしにも見せて見せて!」

が、それがセララを退けるという結果にはならない。
躊躇いない動きで、一つ離れた席に腰を落とした。

別に知らない人なら知らない人で、
談話室にいるなら話しかけて良いと言う考えだった。

666御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 00:47:04
>>665

御影憂の素顔は、特に恐怖を煽るような印象ではない。
『眉根を寄せる癖』のせいで、
いつも困ったような表情をしているように見える。
それだけ見ると、むしろ『恐怖を与えられる側』の顔立ちだ。
顔を隠す最大の理由は『恐怖を与えるため』である。
同時に、『素顔が怖い顔に見えないから』でもあった。

「あ、そうなんですか」

そのまま話を切り上げようとした。
多分『どこかに行くのだろう』と思ったからだ。
しかし、あろう事か隣に座られてしまった。

(あぁ………………)

(セララ………………『こういうヤツ』だった)

心の中で、自分自身の『考えの甘さ』を痛感する。
御影憂と相対する者は、
一度は『恐れ』を抱かなければならないのだ。
初対面から平然と近付いてくる人間など、
決して存在してはならない。

(絶対いつかビビらせてやる………………)

                 (………………『いつか』)

だが――――とりあえず『今』を乗り切らねばならない。

       「はい、いいですよ」

            スッ

そのために『演技』を続ける。
表面上は至って自然な態度を装いながら、
広げた雑誌をセララの前に差し出す。
歓楽街周辺のスポットが紹介されているページだ。
記事の一隅に『ホラーをテーマにした飲み屋』が載っていた。
テーブルに料理を運ぶ女性店員の写真も掲載されている。
格好が『死装束』なのは、この店の趣向らしい。
写っているのは他でもない『御影憂』だった。

667円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 01:12:38
>>666

セララは、その顔に何かを言うでもない。
何も知らないからだ。

「あはーっ、ありがとうございまーす! 失礼しまーす」

              ズイッ

「えーっと、どれどれー。
 わ、大人のお店ばっかりだー。
 あたしも大人になったら行ってみたーい」

身を乗り出して雑誌を見る。
円谷世良楽は誰にでもこんな調子なのだろう。
    
「あ! うそーっ、ねえねえ見て見て……くださーい!
 この人ー! あたしの『友達』が写ってる! あはーっ」

                   ピ

目ざとく『御影』を紙面に見つけると、
その写真を指差して『知らない人』に笑う。

「先輩……あ、先輩ですよねー?
 あのねあのね、この人に似てると思ったんですよ! すごい偶然ー!
 んー、でもでも、こーやってみると全然違うかも! 髪型とか……」

違う訳はないのだが……雑誌で見る仕事中の人間と、
直接見るオフの人間、しかも装いが違えば、そう思うのも不思議はない。

668御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 01:47:19
>>667

御影の写真が使われたのは、
『最も雰囲気に合っていた』からだった。

「え、うん――――」

「『すごい偶然』――――」

「――――だね」

言う言葉が思いつかず、ただ相手の言葉を繰り返した。
『バイト先』の記事が載っていたのは予想外だった。
そういえば、少し前に『取材』が来ていたような…………。

「『友達』なんだ」

(セララで助かった………………)

「ちょっとだけ似てるかも」

そもそもセララでなければ何の問題もなかったのだが。

「似てる人は『世の中に三人はいる』って言うし」

「『その内の一人』……だったりして……」

相手はセララだ。
よほどドジを踏まない限りバレる事はない。
だが、意味がないと分かっていても、
どうしても焦ってしまう気持ちは否定できない。

「あの――『その人』って、どんな人?」

『何か言わなければならない』と考えた結果、
口から出てきた言葉が『それ』だった。

669円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 02:28:20
>>668

「ねー、ねーっ!あたしもびっくりー!
 同じ顔が3人いるって、『ドッペルゲンガー』でしたっけ。
 この前テレビでやってたかも。会ったら死んじゃうって!
 怖いよねー。先輩気を付けた方がいいですよ、あはははーっ」

ホラーな話題だが、怖れてはいないのだろう。
笑顔のままで写真を見ていたが……

「この人? えっとねー、大学部の先輩で、心理学やってるんだって!
 カッコいいですよねー心理学って!
 ほらほら、メンタリストってやつですよ! テレビに出てくる!」

以前にも聞いた事のある事を言うのは、
セララが特に心理学に詳しくないから、
それしか言える事が無いのだろう。

「それでね、すっごい面白くってさー。良い人でー。
 ファッションちょっと変わってるけど、おしゃれですし。
 あとあと、迷子の子を助けてあげたりとかするし!
 あたしのことも、いつも優しくしてくれるんですよー。あはーっ」

他意はどこにも存在しない。

           「お菓子くれたりとか、お話聞いてくれたりとか、
            あたしがいないとこで褒めてくれたりとか」

「すっごい大事なお友達ー。他の友達のみんなも、同じくらい大事ですけどネ」

深い響きもない。考えもない。単にそう思ってるからそう言ったのだろう。

670御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 03:07:02
>>669

何しろ相手はセララだ。
褒め言葉など大した意味を持たない。
どうせ考えもなしに言ってる事は分かりきっている。
単なるリップサービスでしかない。
適当に聞き流しておけばいい。

       ソッ…………

だが、何となく顔を背ける。
別に深い意味はない――――はずだ。
ただ、ほんの少し照れくさくなっただけで。

「そういえば……歓楽街で『通り魔』があったんだって」

しかし、セララは『利用価値』が高い事も事実だ。
こちらが何を聞こうが疑問を抱く事はないし、
呆気ないくらい簡単に誤魔化す事が出来る。
そこが『サクラ』とは違う所だ。
彼女も人を信じやすい方だが、『思慮』がある分だけ、
セララほど動かしやすくはない。
ただ、個人的な感覚だけで言うと、
苦手なセララとの接触は多くしたくないのが本音だが。

「『犯人』は『身長160cm』くらいの『若い女の人』らしいよ」

「気を付けてね」

だが、一応の『仕事』は果たしておく。
『情報の流布』――
『危険なスタンド使い』に対する『プロパガンダ』だ。
戦いにおいて『情報戦』はつきもの。
馬鹿正直に正面からぶつかるだけが戦い方ではない。
『情報』を握っているという事は、
そいつの『首』を抑えている事と同義。
スタンド使いが『一人の人間』に過ぎない以上、
どんな能力を持っていようと、
『身動きを封じる方法』など幾らでもある。
それが御影憂が属する『組織』の戦い方だ。

671円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 03:29:43
>>670

「えー!? 通り魔ー!? こわーい。
 そんなニュース初めて聞きましたよ、先輩って情報通ー!
 でもでも、160cmの人ってたくさんいるし気を付けづらーい!
 130cmとか、190cmくらいあってくれたらよかったのにネ。あはーっ」

疑う事や悩む事はあまりなかったが、
今回については情報が少なすぎた。
当てはまる人間は無限にいるだろう。
とはいえ、だからこそ深刻みはなく、セララは笑う。

             ―♪

「あ! 先輩ごめーん、あたし連絡来たからそろそろ行かなきゃでーす」

          サッ

ポケットに入ったスマートフォンから短い着信が鳴ると、
雑誌から指を離し、椅子からそそくさと立ち上がった。
連絡が来ること自体は、決まっていた事なのだろう。

いずれにせよ、セララは過ぎ去るようだ。

「この後ご飯だからー、パパとママが迎えに来てくれるって!
 あはーっ。ねえねえ、先輩は今日の晩御飯、もう食べました!?
 あたしは今日ねー、お寿司! 楽しみ、楽しみー!」

                「それじゃーまたネ、先輩!
                 あ! 先輩も大学部だと思うし、
                 もしあたしの友達に会ったらよろしくー!」

陽が沈めば夜が来る。髪もじきに乾くだろう。また、御影の時間はやってくる――――

672御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 17:14:20
>>671

『情報』は強力な武器だが、
一度出してしまえばそれで終わり。
今は出すタイミングではない。
今は、まだ。

「いってらっしゃい」

「――――バイバイ」

話の大半を聞き流し、去っていくセララを見送る。
同時に、『乗り切れた』事に密かに安堵した。
何の躊躇もなく正面から踏み込んでくる。
やはり、あの手のタイプは苦手だ。
雑誌を閉じて、テーブルに置く。

      スルゥッ

           バ サ ッ

タオルを解くと、異様に長い前髪が溢れ出し、顔を覆った。

「………………」

     スッ

おもむろに指を髪に通すと、
湿り気を帯びた感触が指先に伝わる。

「まだ………………乾いてない………………」

『夜』までには乾くだろうか。
いっそ、このままというのもいいかもしれない。
新たな『演出』としては悪くない。

(でも………………髪が痛みそう………………)

          ソッ…………

一人になった後、静かに自室へ引き上げていった。

673村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/19(月) 21:44:09
パタパタパタ…
       パタパタパタ…

「こんなもんでいいかな。あとは端から済ませていこうか・・・」

寮の裏庭で『七輪』を複数持ち出し、『炭』を焚いている。

674小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/20(火) 12:50:49
>>673

「何をなさってるんです? 村田さん……」

別に煙がこちらの開放してる窓に入ってきたわけで無いが、こうも多いと
流石に匂いが来て原稿に文章を埋める手も中断してしまう。

何より、最近は余り夢見が悪いと言うか、何か大事な事を眠りの中に
埋めてるようだが掘り起こす事が出来なく。つまり、簡潔に説明すれば
寝てはいるが、眠った気がせず寝不足に近い感じで目の下にも隈が少し生えてる。

「何かお手伝い出来るなら、しますが……」

少し足がふらつくものの、外靴へ履き替えて村田さんの元に赴く。

「それと、一つ話したい事が村田さんにはあったんです。
電話でなくて、直接ね……」

丁度いい。『あの時』の事について懸念を告げる事にしよう。

675村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/20(火) 18:02:40
>>674

 「よお、小林か。
 じきにキャンプシーズンだ。スキレットのシーズニングでもしておこうかとな。
 何、大した仕事でもねえ。」

見れば、いくつか鋳鉄製のフライパンが転がっている。

 「奇遇だな。おれもお前にキチッと話を通しておかにゃならんと思っていたところだ。
 大方、この間のゲーセンでのことだろ?
 あの時は余裕がなかったからな。腰据えて諸々喋るには、いい頃合いだ。」

676小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/20(火) 19:32:33
>>675

「えぇ、話を擦り合わせるのにはね。
電話で相談しようかとも思いましたが、万が一通話を傍受される
可能性を考えれば、こうやって偶然会える時を狙って話し合いたかった」

地面に転がるフライパンを一瞥しつつ、村田氏の隣に立つ。

「私が、あの事件で村田さんが見えない場所にスタンドを飛ばした時
気になるものを見たんです。
――『蝙蝠』
 星見町で、単に生息してるか抜け出したペットの可能性もありますが
確かに、あの時。私は、そちらより自分達を観察する意思を知った」

携行してるマスカットティーから、ビー玉サイズの水槽を発現して
手の中で転がす。無機質なブリキ金魚は手の中で回っている。

「本当なら、私一人でも行方を追うべきだったのでしょうが……如何せん
蝙蝠のスピードと私の能力では地力が競り負ける。
 もう少し違ったアプローチは出来たかも知れませんが……」

あの時、居合わせた違和感について。こちらは告白した。

「村田さんは、どのような話を?」

677村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/20(火) 19:56:45
>>676

「『蝙蝠』ね…そう珍しい生き物じゃないが、お前がそう言うならそうなんだろう。
 なんにせよ、おれたちのことは向こうに割れてると思っていいだろうな。」

フライパンを一つ拾い上げて炭火にかけ、多めの油を注ぐ。

 「実はな、『刀傷持ち』のスタンド使い…過去に倒したことがあったんだ。
 言っただろ、『チンピラをシメた』って。その時の首魁が『それ』だったって訳だ。」

 「図らずも二度、おれは奴さんの企みを挫いたことになる。そしておそらく、相手も挫かれたことに気づいている。
 となれば、だ。今までと同じ手を打ってくることはないはずだ。」

678小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/20(火) 20:16:21
>>677

「『刀傷持ち』を……」

つまり、奇しくも。あの時の事件以前から村田さんの運命に絡みついてたのだろう。
その見えぬ相手と彼を繋ぎ合う縁が。

「……私は、私なりに。今回の事件を追ってみようかと思います。
そうすれば……どうも、最近。何か大事な事を忘れていると言う事を
自覚出来始めたんですよ。ですから、思い出せるなら……それがどのような事であれ」

思い出したい。そう村田さんに告白する。

「……私は非力です。リュウカさん達を追い込んだ首謀者と偶然遭遇しても
止める事は出来ないかも知れませんが……それでも、やれる範囲で
出来る事はしてみようと思います」

「その時、手を貸して貰えるのなら。村田さんにも声をかけます。
村田さんも、一人で全てやろうとは思わないでください。
 こんな取り柄の少ない私でも、多少の助力は出来るでしょうから……」ニコッ

679村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/20(火) 20:49:04
>>678

 「『追うな』と言って聴くわけもないだろうから、一つだけ忠告しておくぞ。
 このヤマは、おれたちが思っているよりはるかに底の知れねぇ話だ。
 なんせ『アリーナ』が手出しをこまねいているワケだからな。」

 「『深追い』はするな。これだけは肝に銘じておけ。
 ・・・文字通りにお前の『骨を拾う』ことになるのはゴメンだぞ、おれは。」

『ゲンマ』と『リュウカ』の顔に深々と走る刀傷を思い出しながら、苦々しく顔をゆがめて言い放つ。
ぶっきらぼうな物言いだが、小林のことを慮っていることはわかるだろう。

 「これは勘だが・・・今まで『黒幕』は見境なく『切って』、端から目覚めさせていたんだろう。
 『ゲンマ』も『リュウカ』も、およそ企みとか闘いに向いた性格をしていなかったからな。
 目覚めさせたスタンド使いたちが起こす事件の物陰に隠れて、何かをしようとしていたはずだ。」

 「だが、それはおれたちが挫いた。だからおそらく、今度からは『切る相手を選ぶ』はずだ。
 闘い、策謀、悪意・・・そういうのに長じた人間を狙って切り、より指向性を持たせて来る。
 なんだかわからんが、『黒幕の企み』を成就させるために。」

徐々に熱され、煙を上げ始めるフライパンと炭火を眺めながら口を開く。

 「もしかしたら、『黒羽』が何か掴むかもしれない。
 独自の情報網をもっているようだから、奴にナシをつけておくのも手かもしれないな。」

680小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/21(水) 19:25:08
>>679(レス遅れ失礼しました)

>『深追い』はするな。これだけは肝に銘じておけ。
>お前の『骨を拾う』ことになるのはゴメンだぞ

「以前、子供の頃に。手痛い経験は済んでますので、安心して下さい。
村田さんにはご迷惑かけませんから」

忠告が届いてるのか、通じてないのか。依然、小林の微笑は崩れない。

「そうですね、黒羽さんなら。まだ何処かで思わぬ拍子で今回と似た話を
仕入れるかも知れません……まぁ、その時は村田さんの方にも連絡を
入れてくれると思いますよ」

彼女は聡明ですから、そう言葉を終えて。暫く次の話題に頭を巡らせてから
一つ約束していた話題を、村田さんに振る事にした。

「話を大きく変えますけど。今、粗大ゴミでも何でも構いませんか
捨てるのに困ったものとかあります?
 いえ、私の知人がゴミ処理を扱える能力者でして。人の為に役立ちたいと
言う事で適当な相手を探してるんですよ」

村田さんでなくても、知り合いで気軽に困ってる方がいれば引き受けてくれるでしょうと
友人(千草)と交わしていた約束事を彼に告げた。

681村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/21(水) 21:26:15
>>680

 「・・・まぁ、分かっているならいい。
 当面なにがし波風が立つこともねぇだろうから、おれたちにも牙を研ぐ時間はある。
 『アリーナ』に預けたあいつらにも、時間が必要だろうからな。」

『タツ』はともかく、『ゲンマ』と『リュウカ』は己の牙を研ぐ理由がある。
いずれ彼らの力を借りることになるかもしれないことを考えれば、準備期間は必要だ。

 「『ゴミ』か。おれの『能力』もその辺の処理は得意だから、持て余したモノの覚えはねぇな。
 お前も見ただろうが、あのときやった『爆破』の要領でだいたいのものは・・・」

フライパンに注がれた油を新聞紙にしみ込ませ、『棒化』。
それを炭火で炙ったあと宙へ放り投げ、解除。すると・・・

 ヴォ  ワン!

『火綿』のように急激に発火し、火柱を上げて灰すら残さず消失する。

 「この通りだ。殴って壊すしか能のない力だが、こういうところだけは便利に使わせてもらってる。」

682小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/21(水) 21:53:36
>>681

「なるほど、あの時の爆発は……この要領でしたのですね」

『ディズィー・スティック』 村田さんの力は今まで目にしたスタンド使い
の中でも卓越している。あり得ないが、彼と自分が戦闘するとして
直接的にぶつかっても数秒で敗北を喫するだろう。これに限っては
村田さんでなくて、別のスタンド使いでも同様の結果だが。

ジェルマン、ブルバックス。どちらに関しても自身一人では太刀打ちする術は
無理だった。前者は居合わせた善意と力を有する二人により。
 後者は手も足も出なかったのが現状だ。

「謙遜せずとも、それだけ突出していれば村田さんは容易に誰かれに
襲われる事があっても逆に相手を返り討ちに出来るじゃないですか。
 逆に、一芸どころか覗き見する以外の用途だと周りに都合の良い道具が
無ければ私は何も出来ませんよ」

微笑を苦笑の形に変えつつ、懐から前もって携行してる飲み物を入れた
『水槽』を取り出す。今日も猛暑に近い

「どれか飲みます? 前もって冷やしてる『麦茶』『ファンタ(グレープ)』
『カルピスソーダ―』が本日のラインナップですよ」

三つの水槽を手の平で転がしつつ、要望を聞いた。

「……私の能力も、液体を内包する以外で何か出来ればいいんですけどね」

683村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/21(水) 22:53:55
>>682

 「『戦士』に必要な才能と、『詩人』に必要な才能は違う。
 そのくらいのことは、お前が一番よくわかってるんじゃねえのか。」

 「少なくとも、あの戦いでお前はお前にしかできないことをした筈だ。
 伴ってなかったのは力の大小じゃない。お前の『覚悟』の問題だ。違うか?
 あの瞬間、おれとお前の間に決定的な差があったとすれば、目的のためには妥協しない『覚悟』だけだ。」

先の戦いを思い出す。小林は敵を打倒する意思に欠けていた。
『リュウカ』にずいぶん入れ込んでいたようだし、彼らを敵として認識できていなかったのかもしれない。
とはいえ、最終的には小林にしかできない手段で手を下した。
もし最初からその気であれば、おれが何もせずとも彼らを制圧するに足る『能力』ではあるはずだ。

 「剣でしか倒せない敵がいるなら、詩句でしか倒せない敵もいる。
 ・・・お前のすべきことは自嘲じゃない。研鑽だ。『それ』がおまえの『才能』ならな。」

宙に浮かぶ水槽を眺めながら言う。
かつて背中を預けた男にだからこそ、あえて厳しい言葉を投げるのだ。

684小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/21(水) 23:26:02
>>683(宜しければ次で〆させて頂きます)

「ジェルマンと言う怪盗にも詩人と言われましたが。
そんなに、私は詩人のような体裁で過ごしてますかね?」

詩情を解するのも、唱えるのも好んではいる。
 だが、こう出逢った人物に言われると不思議に感じる。
一応、自分では普通にしてるつもりなのだが……まぁ、これについては
置いておこう。

「……『覚悟』か。
村田さんは『無慈悲』になれ、と言いましたよね。

例え、その相手が自身にとって代え難い存在と敵対したとしても……
そんな状況は、無い事こそ一番良いですが。
 それでも村田さんは…………いえ」

忘れて下さい、今の言葉は。と彼に問いかけるのを止めた。

あの時、彼の『覚悟』は十分 瞳に焼き付けた。

「了解しました、研鑽つとめます

……リュウカさん達に、また会える機会があれば。快癒した後にでも
再会を村田さんがしたら、私から、あの時は手伝えず申し訳なかった事と
お相手出来た事の感謝を告げて下さいね」

彼女からすれば、余計な事かも知れませんが……。

685村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/21(水) 23:59:54
>>684
 「・・・言いてぇことはなんとなくわかる。だから、言っておこう。
 おれがその無慈悲を以て守りたいのは『おれの世界』そのものだ。
 その平和を守るためなら、障害はすべて破壊する。脅威はすべて叩いて潰す。元凶はすべて排斥する。
 ・・・たとえそれが、『おれ自身』であったとしてもだ。」

 「何もかも捨てて、諦めてきたような男だ。
 今更『自分自身を捨てる』ことに、何の未練もありゃしねぇ。」

問いを止めた小林に対して、あえて続ける。
ぎらりと光る鋭い視線が小林を突き刺す。自己を顧みない過剰な覚悟が言葉から滲む。

 「『リュウカ』については覚えておく。
 だがもし、お前が『アリーナ』の『漣派』と呼ばれる連中と会うことがあったなら、『直接』伝えられるだろう。
 これもただの勘だが、彼らの口ぶりからいって『アリーナ』にも色々あるらしい。
 ・・・すこしはマシな顔した『リュウカ』が見られるだろうよ。多分な。」

686常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/08/04(水) 23:19:55
「うおおおおおおおおおお夏休み突入!!!」
「お坊ちゃま方…お嬢様方…宿題は進められておりますか!?!?
 いやそんな物はどうでもいい!!!!!たっぷり遊んでください!!!!」

「そしてたくさん食べてください!!!!」
「素麺を茹でましたよ!!!」
「そしてスイカを!!!!!スイカを切りましたよ!!!!!!!」

昼。食堂。
野太い声が響いている。暑苦しい雰囲気。

687氷山『エド・サンズ』:2021/08/06(金) 20:52:39
>>686

   ゆらぁりぃ・・・

―――真夏の昼の食堂
直射日光こそ遮られているものの、熱気と湿度がムンムンに籠るこの場所で
常原は背後から殺気を感じるかもしれない

   ゆらぁりぃ・・・

振り返れば、手ぬぐいを覆面の如く目元に巻き、
両手で一振りの木刀を持った少女が手に持った獲物を上段に振りかぶっていた
服装を見るに清月の高校生のようだが・・・・・これは!?

688氷山『エド・サンズ』:2021/08/09(月) 23:10:38
>>687

    パアアアァァァァァンッ!!

その少女は常原のすぐ傍を突風の様に通り抜けると
彼の背後に置かれていた『大玉スイカ』に向けて木刀を振り下ろした

   『爆発四散!!』

残骸を回収し、言葉もなく彼女は去って行った

689常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/08/10(火) 01:07:08
>>688
「ぐおおおッ  何奴!?!?」

突然のアンブッシュ。飛沫が散り白いエプロンが赤く染まる!!!!


「……………何だかわかりません……いってらっしゃい!夏休みを楽しんで!!!」

690甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/20(金) 09:13:58
真夜中の学生寮
真っ暗闇の中、蠟燭の灯りだけが部屋を照らす
百物語も佳境に入って来た
次は誰の番だったかな…

691甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/21(土) 20:57:29
>>690
???「トリは私が飾ろう」
青白く、生気の無い顔の女が語り始める

――――――――――――――――――――

???「そして医者がうっかりお腹に入れたまま忘れてしまったメスが
   体内をズタズタに切り裂いて主人公は死んでしまいました、めでたしめでたし」
あま「泣ける話だった…」

フッ

100本目の蝋燭が吹き消され、部屋は完全に暗闇に包まれた

信玄「ところで、あいつ誰だ?」
あま「知らない」
秀吉「百物語は99話目で終わるのが普通だろ、何で100話目やるんだよ」

ザッ――――
ゴロゴロゴロゴロゴロ

突然、大雨が降りだし雷が落ちて来た

信長「てめぇは…?」
???「クックック…」

その時、天井から突如大きな手が現れ、一同に襲い掛かって来た!

あま「…青行燈…!」

絶対絶命かと思われたその時だった

「そこまでだ」聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ
「破ぁ!!」
その叫び声とともに青行燈は消し飛んだ行った
やっぱり寺生まれはスゴイ、改めてそう思った

おわり

692ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/08/26(木) 22:27:51

「びっくりしたの」


この子供、学校に通っていないし、当然寮の住民でもないが、
特に用事もなく来て、友人の部屋に(勝手に)入ったら、血まみれで荒らされていた……
ので中庭に戻ってきた。


「まあ、ええか。
 わしも自分で涼めるようになったしの」


実体化したミニチュアの『屋敷』を出現させ、中に入る……
まるでおもちゃのようだが、スタンドパワーによって冷暖房も完備だ。
もし通りかかりの者が覗き込めば、ちっちゃい金髪の女の子が窓から見えるかもしれない。

693ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/08/27(金) 22:17:12
>>692

ちなみにナイが見た血まみれの部屋は、七篠 譲葉の部屋である。
【場】『自由の場』 その2(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1621051851/292-350)


  バシュバシュバシュ


「ワハハ」


窓から花火を撃ちだしたりして遊んでいる。
ミニチュア状態で発射した花火が外に出て原寸大に戻るのは、中から見ると大迫力だ。

694ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/08/28(土) 22:22:02
>>693

「……ふが」


暑さで目を覚ます。
どうやら寮の中庭で寝ていたようだった。
『屋敷』は快適だが、中で意識を失う(寝る)と、解除されてしまう。
結果、外で寝ていることになってしまうというわけだ。


「家じゃが住めん、というのが問題じゃの……
 帰るか……」


ふらふらと去っていった。

695七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 00:10:41
 『ハイエース』から女子高生ぐらいの焦げ茶の髪をした少女――七篠が降りてきた。

――ひとまず、『氷山さん』を安全なところへ…。

 七篠は手に持った『かき氷の器』ではなく『カバン』に軽く意識を向けながら『寮』の台所へと向った。

――私の部屋、一抹くんとナイちゃんに『鍵』を渡してるから…。
――部屋の冷蔵庫に置いておくと遊びに来ちゃうかもしれない。

――これは台所の冷凍庫の深いところに隠す…。
――『空のペットボトル』に『氷山さん』を移したのはあくまで応急措置。
――そのまま入れておくと誰かに食べられちゃうかもしれないし、『開封済のペットボトル』に入ってる『氷』ならわざわざ食べようとする人はまずいないはず…。

――『器』も、『かき氷』から戻る時に必要になるかもしれないから、こっちは…私の部屋に…。
――『器』だけなら…たぶん、一抹くんもナイちゃんも気にしないし…。

 真顔で考え事をしながら『冷凍庫』深くに『氷山さん』を隠す七篠。
 冷凍庫の深いところを掘るようにものを取り出している姿は異様かもしれない。

696大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/05(日) 00:32:02
>>695(七篠さん)
するとそこへ、黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)がやってきました。

「くぅくぅ おなかが なりました」(↓ハスキーボイス↓)

「なんということでしょう。
 はらぺこの おおかみの とうじょうです」(↓ハスキーボイス↓)

「こんにちは あかずきんさん。
 れいぞうこに おいしい おやつを かくしているのかい?」(↓ハスキーボイス↓)

七篠の悩みは知ってか知らずか、いつも通りの大神的演劇口調で話しかける。

697七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 00:44:28
>>696

「あ、お久しぶりです。大神さん」

 七篠は『氷山さん』が一番下になるようにしてから『冷凍庫』に入っていたものを慌てて戻しながら挨拶をする。

「か、隠してなんて、いないですよ…?
 ちょっと以前友達が作ったデザートをここに入れていたなと思いまして…」

 七篠はそう言うと『もっちり偽アイスプリン』を取り出し、大神に見せる。残り二つだ。

698大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/05(日) 21:38:13
>>697
「ほほぅ、それはまさかの『もっちり偽アイスプリン』……しかも個数は2個」(↓ハスキーボイス↓)

「それは、つまりズヴァリ、こういうことかね、七篠くん」(↓ハスキーボイス↓)

大神のオッドアイ(コンタクトレンズです)が妖しく光る!!!

「ズヴァリ『他の寮生たちには秘密で、キミとボクの二人きりでこっそり2個の賄賂プリンを食べる秘密のお茶会をして、プリン共犯と言う名の口裏合わせの口封じを行い、プリンの証拠隠滅をしようぜ、ここには最初からプリンなんて無かったさ、お化けなんてないさ、お化けなんて嘘さ』というわけだね?」(↓ハスキーボイス↓)

ポンコツ〜ん    ←ぽんこつ探偵の擬音

699七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 21:51:05
>>698

「そ、そうですね。
 また二人だけの『秘密』が増えちゃいますね」

 七篠はなにか隠しているような焦り方をしながら『もっちり偽アイスプリン』を片方差し出し、台所の引き出しからスプーンを取り出した。

――一抹くんが置いていった『プリン』…。
――結構時間経ってるけど冷凍だから大丈夫だよね。

「あ、そうだ。『お茶会』の話題として聞いてほしいんですけど、
 この『寮』に『クリスマス』用品とかってあったりしませんか?
 ちょっと季節外れでなんなんですけど…」

 七篠は手にしたスプーンを渡しながらそう口にする。

700大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/05(日) 23:06:21
>>699
プリンを受け取る。プリンだ!イェーイ!という心は隠しておく。

「そうだよね、背徳の罪は美味だからね、しょうがないよね、ダイエットとかダイエットとか」(↓ハスキーボイス↓)

「ふむ、修学旅行の夜が如き、ひっそりお茶会のこっそり話とはなんだい……ってクリスマス用品?」(↓ハスキーボイス↓)

「ふむ……困ったな。
だってさ、なにぶんボクもまたこの4月に寮に来たところだから、そのあたりは詳しくないのだよ。
『寮備え付けのクリスマス用品』となるとおそらく、センパイや常原クンの方が詳しいだろうね」(↓ハスキーボイス↓)

「だが、求めているものが『ただのクリスマス用品』と言うなら……」(↓ハスキーボイス↓)

   パンッ   ←手を叩いた音

「ボクの方で『心当たり』がないこともないね」(↓ハスキーボイス↓)

大神の手の間から『☆型のクリスマス飾り』が出てきた。

「Magic Show」(↓ハスキーボイス↓)

701七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 23:25:35
>>700

「……ダイエット…。その言葉はちょっと聞きたくなかったかもです…」

――…水着、ちょっとおなかが気になってたんだよね…。
――海でもラッシュガードで隠してたし…。
――……それもこれも一抹くんがお菓子を持ってくるからで…。
――あれ、もしかして最近の私にやってくる問題って一抹くん絡みばっかり…?

 七篠はすこし俯き、手に持ったアイスプリンに視線を落としながら考える。


「…あ、そうなんですね。
 うーん、『常原さん』という方が詳しそうな感じなんですね。お会いしたことがないです…」

 七篠が『常原』という名前をしっかりと覚えなければと決心している内に大神の手の中に『クリスマス飾り』が現れていた。

「あ、えっ!?
 この間お話しされてた『手品』…ですか?
 全然タネがわかんなかったです…!」

 七篠はそう驚いたように言った後、小さくつぶやいた。
 近くにいる大神には聞こえているかもしれない。

「……『奇術師』ってすごく『クリスマス』っぽいかも…。
 『街にクリスマスを満たす』ののお手伝いをお願いする…? でも…」

702大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/06(月) 23:14:27
>>701
「うむ?この寮にいて、常原クンを知らないのかね?会ったことがないのかね?
常原クンは『料理・洗濯・掃除が得意な武芸百般の隻眼メイドガイ』さ。
多分、姿を一目見れば分かると思うよ」(↓ハスキーボイス↓)

「おそらくだけど、あの常原クンならクリスマス料理なんかも作れるんじゃないかな。
ああ見えてもかなり器用な人なので『飾り付け』や『お裁縫』もできそうなものだが……」(↓ハスキーボイス↓)

「なので、この寮でパーティをしたいなら、常原クンを探すといいかもしれないね」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクにできるのはせいぜい『上っ面のゴマカシ手品』ぐらいなものなのさ」(↓ハスキーボイス↓)

   パン!   ←手を叩く音

とか言いつつ大神の手の上に『手のひらサイズのクリスマスツリー』が現れた。

「Magic Show」
先程の『クリスマス飾り』はどこかへと消えている……。

703七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/06(月) 23:54:39
>>702

「そんなに特徴的な人なら見てるのなら覚えてそうなんですけど…。うーん…?
 『武芸百般』で『隻眼』の『メイドガイ?』ってなんだかすごそうですね…」
「料理とか飾り付けもお得意だなんて本当に万能な方なんですね」

 七篠はそう言いながらまだ見ぬ『メイドガイ?』に思いを馳せているようだった。

「わっ!?」
「……今度はツリーなんて…。それにさっきまでの飾りは…?」

 七篠は思わずと言ったようにつぶやいた後、何度か頷いてからまた口を開いた。

「『手品』本当にすごいです。
 二回目なのにタネが全然わかりませんでした」

「その…ちょっと三月兎みたいに変な話なんですけど、
 今『街中』を『クリスマス』にする方法を探しているんです。
 もし、タイミングが合えばなんですが…『クリスマス』を一緒にしませんか…?」
「きっと『手品』で『クリスマスショー』みたいな感じにできそうだなって…。いえ、忘れてくださいっ!
 本当に変なこと言っちゃってますね…」

 三月兎、『アリスのお茶会』とこの『お茶会』にかけた言葉なのかもしれない。
 『夏』を『冬』にする方法を探しているという異様な話な上に、
 さらに一緒に『街中』を『クリスマス』にしようと誘っている。まさに三月兎――『気でも違えた』ような話だ。

――一抹くんがいつ『夏の風物詩』になっちゃうかわからないからって…。私、焦っちゃってる…。
――スタンド使いなら経緯を話せば協力してもらえるかもしれないけど…。
――私じゃ大神さんみたいな普通の人にうまく説明できない…。

704大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 00:09:19
>>703
大神がオッドアイ(偽)をぱちくりとさせる。

「なんだって?街中をクリスマスに?」(↓ハスキーボイス↓)
人をびっくりさせるのが大好きな大神にしては珍しく自分がびっくりしているようだ。

「アレかね。それは『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』や『グリンチ』のようなお話かね?」(↓ハスキーボイス↓)

「『街をクリスマスに変えよう』なんて実に大した魔法(マジック)じゃないか。
不思議な奇跡、荒唐無稽の奇妙奇天烈を起こすのはずいぶんずいぶん魔法(マジック)だ」(↓ハスキーボイス↓)

「興味深い。もっと詳しく教えてくれたまえ」(↓ハスキーボイス↓)

コポコポコポ……お茶のおかわりを入れた。

「お茶会(なんでもない日パーティ)を続けようじゃあないか」(↓ハスキーボイス↓)

705七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/07(火) 00:33:40
>>704

 七篠は意外にも興味を持たれ、目をぱちくりさせてから悩んだように切り出した。

「えっと…『クリスマス』を盗む『グリンチ』より、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』…。
 いえ、むしろ『美女と野獣』や『カエルの王子様』に近いかもしれません」
「これから話すことは荒唐無稽なので…
 半分『お茶会』のジョークだと思って聞いてもらえると助かります」

 七篠はそういって言葉を切り、お茶を一口飲んでからまた続けた。

「私の友人たちが『夏の魔法』にかかってしまっているんです。
 その『魔法』を解くには『街中』を『冬』にしないといけないみたいで、私はその方法を探しているんです」
「『クリスマスソングを流す』、『モミの木の香りを広げる』、『飾り付けをする』…。
 まだこのくらいしか決まってないんですけど、
 もしそこに『奇術師が手品を披露する』が入ったらとても『クリスマス』っぽいかななんて思いまして…」

 七篠はそう言うとプリンを口に運び、お茶を飲みながら大神の様子を窺った。

706大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 20:10:11
>>705
「ふむ、まず……『荒唐無稽な点』については安心したまえ。ボクは荒唐無稽が大好きなんだ。

 なので、『クリスマスの魔法』(マジック)に、ボクが協力するのは『やぶさかではない』」(↓ハスキーボイス↓)

紅茶を飲みながら、『シルクハットをかぶったキ〇〇イ帽子屋』の大神は話していく。

「ただ、『実現の現実味が薄い』と言うのも事実だね。
 正直、『ボクらがちょこちょこ活動したところで、街中に冬の魔法をかけるなんて無理』じゃないかね?」(↓ハスキーボイス↓)

「となると必要なのは、もっと『大規模で抜本的な作戦』、

 『タネに気づかれないように、大勢を魔法(マジック)に巻き込む』ような作戦。

 僕らだけで、小規模にやっても『それ』の達成は無理だ。

 それとなく、大勢を巻き込んで、いつのまにか街中をクリスマスの魔法(マジック)にかけてしまう……

 これを、【この季節に、この街に『クリスマスブーム』を起こしなさい】みたいな問題だとすると……

 たとえば、『ラジオ局』は当たってみたかい?

 『新聞』は当たったかい? 学級新聞レベルから始めてもいい。

 つまり、『マスコミ』を使う作戦だ」(↓ハスキーボイス↓)

「大人を巻き込んだほうがいい。ボクらだけじゃ、無理だから」(↓ハスキーボイス↓)

707七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/07(火) 20:46:12
>>706

「ありがとうございます。
 協力してもらえたら本当に助かります」
「……そうなんです、少ない人数でちまちまっとやっても街全体が『クリスマス』にはならないですし、
 『冬』にするにもとても足りないんです…」

 そしてふむふむと大神のアイデアを聞きながら七篠はいつの間にかカバンから取り出したらしい『手のひら大の付箋』にメモを取り始めた。

「『マスコミ』、第四の権力ですね」
「『ラジオ局』は他の人と話してるときに案に上がったんですけど、
 『街中』となると『町内放送』みたいなのじゃないと難しいんじゃないかって話になったんです。
 でも、0より1ですし問い合わせてみるのもいいのかもしれないです」
「『新聞』…。『校内新聞』ってそういえば見たことがあるかも…。
 確か学園に『新聞部』がありましたよね。
 学生から広めればそこから家族やバイト先なんかに『クリスマスブーム』が広がっていきそうですね…!」

 七篠は一つ一つメモに起こし、アイデアをまとめていく。

「お手伝いしてくれそうな大人の人が私が知る限り2人います。
 今、いろんな人が連絡して回ってくれてるみたいなので、もしかしたらもっと増えてるかもしれません。
 いろんな人の力を借りたら…『荒唐無稽な夢物語』も『現実』になるかもしれないです…!」

 七篠の言う大人の人は芦田と小石川のことのようだ。

 七篠はちらりと時計を見た。
 『寮』に到着してからだいぶ時間が経ってしまっていることに気付いたのだろう。小石川が『学校』に来ると言っていたことを考えるとそろそろ動き出さなければ待たせることになると考えているのかもしれない。
 七篠は残りのプリンをすこしペースアップして食べ始めた。
 
「あ、そうだ…。
 大神さん、もしよければ連絡先交換しませんか?」

708大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 21:02:17
>>707
「でもでも、それってば、逆に考えるとさ」(↓ハスキーボイス↓)

 大神はくるりと頭の上の『帽子』をひっくり返す。 大神の頭の上でシルクハットが逆立ちしている。

「その『友人』ってのは『街1つを犠牲にするに足る存在』なのかい?」(↓ハスキーボイス↓)

「魔法が解けないことで、『友人』はどう困るんだい?」(↓ハスキーボイス↓)

「右の天秤には友人、左の天秤には街中の人々」(↓ハスキーボイス↓)

 大神は頭の上で、逆さまのシルクハットのバランスを取り始めた。

「はたしてはたして、なにが正解か、どっちが正解か、どれが正解か、そもそもこの中に正解があるのか 」(↓ハスキーボイス↓)


「さてさて、ボクと連絡先交換かい。いいよ。オッケーさ」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクの真名は大神 或真(おおがみ あるま)。

 連絡先はXXX-XXXX-XXXX。

 LINE IDは[USO_800]。

 って、わけなのさ」(↓ハスキーボイス↓)

スマホを取り出し、連絡先を交換する。

709七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/07(火) 21:20:59
>>708

「『友達』が『街』を犠牲にするに足る存在か、
 なぜそれをしないといけないのか。ですか…」

 七篠はスタンド使いでないであろう大神に詳細を話すことはあまりよくないだろうと考え、また口を開いた。

「……『大切な人』のために『世界を犠牲にする』物語って時々あるじゃないですか。
 それって理屈じゃないですし、『正解』も『不正解』も関わらずそうしたいからするんだと思います」
「……私は…その『友達』にいなくなってほしくないみたいです」

「連絡先、ありがとうございます。
 前の時は名字しか名乗ってなかったですね…。
 私は『七篠 譲葉(ナナシノ ユズリハ)』といいます」

 七篠はそう言って軽く笑い、『お茶会』の後片付けをしてから『氷山さんの器』を自室に隠しにいった。
 
――……キーウィのぬいぐるみとガチャピンのぬいぐるみの後ろに隠しておこう。
――棚だったら見つかっちゃいそうだし…。

710大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 21:34:01
>>709
「おっと、それは早計、早とちり」(↓ハスキーボイス↓)

「逆の逆。 『犠牲』と言う『ボクの口先三寸』に騙されちゃダメ」(↓ハスキーボイス↓)

逆立ちになったシルクハットを更に逆さまにする。

「こう考えてみたらどうか、ってこと。

 『街は楽しい』、『友人も助かる』、
 『どっちかが犠牲のバッドエンド』じゃなくて、『両取りのハッピーエンド』。

 やれるなら『Win-Winにしたい』とボクは思うんだよね」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクとしては、街を楽しい魔法(マジック)にかけたいわけ、
 その上で友人の魔法が解ければ、全員ハッピーでしょ?」(↓ハスキーボイス↓)

「楽しい魔法(マジック)の方が、街に広まるのも早いだろうし、その辺りも含めて、考えたいね」(↓ハスキーボイス↓)

「じゃねー、七篠さん、プリンおいしかったよ」(↓ハスキーボイス↓)

お茶会の後片付けをして、自室に帰っていく。

711赤月『サクソン』:2021/09/14(火) 20:29:31

カナカナとひぐらしの声が遠くに聞こえる夕暮れ時
星見町の気候はまだまだ暑い盛り・・・・『残暑』が燻るように続いている

「『会場』のあてはついたとはいえ、それだけに頼っているわけにはいかないな
 草の根的に・・・・私の方でも『クリスマス』を広めておくか」

そんな中、中学校の制服を着た女子が学生寮の中の飾りつけをしていた
飾り付けるリボンの色は赤と緑、100円ショップで買った星の飾りも散りばめている
『クリスマスカラー』の飾りつけだ・・・まだまだ冬は遠く、ハロウィンさえまだだというのに・・・?

712???:2021/09/15(水) 05:03:41
>>711
生まれて間もなく受けたのは真冬に捨てられる明確な『殺意』。
見た目ゆえに義理の両親と大きく違うので橋の下から拾われたと絶えず罵倒された。
とある派閥の長は観客たちと煽動者に噛みつく彼を『鬼』と呼ぶ。
12年間も親殺しの『憎悪』を滾らせる精神性は復讐者を越えた復讐鬼に。

     バタンッ
                カタッ

学生の少ない真っ昼間の寮に『誰か』が居る。
それ自体は不思議ではない。音の発生源は台所だ。
共用スペースで『冷蔵庫』が置かれているが…

    クスクスクス…
              クスクス…

聞き慣れない少年の笑い声が聞こえた。
そして、ノートを手にした少年のヴィジョンが廊下の飾りつけの影に発現して楽し気に絵日記を書いている…
影だけで構成された少年のヴィジョンは台所を向いているようだ。

713夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/15(水) 06:30:16
>>712

『友達』に会いに来た。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/284-287
イズミンいるかな??

714赤月『サクソン』:2021/09/15(水) 07:15:31
>>712

――冬はそれほど嫌いではない
『クリスマス』は赤月にとって『特別な日』だからだ
普段は『仕事』で家にいない兄も、1年に1度のこの日だけは必ず『家』に帰ってきてくれた

外の世界の光景・・・・雪で遊ぶ子供達や一緒に買い物に行く家族連れを見ていると少しだけ寂しい感じがしたけれど
『この日』だけは必ず兄が帰ってきてくれる・・・・

(だから昔は毎日が『クリスマス』ならいいなって思ったっけ・・・・)

「ん・・・・・?」

学生が少ないこの時間帯に『何者か』の気配を感じた
クリスマスカラーのリボンと星飾りを制服のポケットに納めて台所に向かう

「何だこれ・・・・・・?
『アリーナ』の刺客・・・? 『夜警』の仲間・・・? それともまさか・・・・!?」

「話に聞いた『夏の魔物』・・・・・!?」

   ――――『ズギャンッ』!!

自身のスタンド『サクソン』の『コート』だけを発現して、慌てて台所の方を向く
また、近くに『唐辛子』や『胡椒』などの刺激物があればそれを回収しておきたい

>>713

まだ気が付いていない

715大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/15(水) 08:39:24
>>712
するとそこへ、黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)が……

※乱入してもいいですか?

……と見せかけて、ボクは寮住みなので『むしろ乱入してきたのはキミである』と言えるのではないだろうか?はてさて?

716一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 08:59:37
>>713
人の気配は無い。玄関から先に入れば会えるかもしれない

>>714
影だ。少年のような形をした影が『ノート』を手に『何か』を書いている。
明らかに攻撃が通るとは思えないヴィジョンのスタンド。
そいつの先には一抹が居た。既に『夏の風物詩』化が進んでいるのか白い肌が『煙』のようになっている。

「見つけた。リスクを誰も取りたくないから七篠先輩が
 持ったままになって、困った彼女は食べられたくない
 から別の容器に移す」

「各々がバラバラに意見を纏めずにクリスマスをする。
 だが、もう遅い。今からでは間に合わない」

『かき氷』と化した氷山先輩の入ったペットボトルを手にしながら振り返る。
冷蔵庫の蓋に映る赤月の姿を見ながら『インダルジェンス』が『ポケットショット』を構える。
既にスーパーポールが『一発』入っている。

「駅前の広場で七篠先輩の筆跡を真似た偽装工作も
 行った今、誰も寮には来ない。間に合わない」

『乱入』について。
赤月ちゃんに続いて1人だけ乱入可能です(キャパの問題)
夜まで『乱入』を受け付けます。乱入すると一抹の装備数が増えて危険な行動が増えます。
事件の中枢に近い人物、ミッションに関わったのが早い順で選ぼうと思います。

717<削除>:<削除>
<削除>

718一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 09:10:30
>>714
テーブルの上に望む調味料が置かれているのを見つけた。
走れば1レス以内に取って『暗器』化が可能な距離。


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