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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その1

391『追跡変奏曲』:2018/02/01(木) 16:53:04
>>390追記

 『Here Today』

破壊力:― スピード:C 射程距離:E
持続力:D(A) 精密動作性:C 成長性:D

(※破壊して現れた、過去の像の持続に関しては約24時間。
物体の愛着の高低によっては、持続時間も増減する。
 生物及び、明確に能力を使用としなければ『Here Today』の鎌は
どんな物体も破壊する事は叶わない。逆に言うと、人間大より小さい
物品であれば、それがどんな硬度を持っていても『Here Today』は
その物体を破壊して、過去の像を産みだす事が可能と言う事だ)

392『オータム・リーブス』:2018/03/15(木) 09:04:59


 『貴方』は目覚める。いや、未だに微睡の中なのだろうか?

開いた瞼の中では暗黒のカーテンが四方を囲んでいた。地面と思しき所に
白く輝く小石が、星のように散りばめられている。

  「――こんにちは  ようこそ、邯鄲の夢へ  胡蝶の舞う涼風の中へ」

  「私は 紡ぎ手 貴方を今宵 一つの流動に誘う者」

  「枯葉に乗った貴方が何処へ向かうのか? ああ それは それは」

  「戯言の中で輝く竜臥のたてがみのように美しい」


 (※『氏名』『年齢』『性別』『持ち物』  『簡易プロフィール』
 また、細やかな何かしらの目的や目標など記してくださる事を希望します)

393川本連流『一般人』:2018/03/15(木) 22:58:21
>>392

ぱちり、と目を覚ます。

目覚めた瞬間はいつもこうだ。
自分が誰で、ここがどこで、何をしているのか。
いつも分からなくなる。

自分は眠る度に生まれ直しているか、
ひょっとすると今まさに、生まれたばかりなのかも知れない。

なんて。

微睡みつつも私が、私を思い出す。


-----------------------------------------------------------------

『氏名』川本 連流(カワモト ツレル)
『性別』女
『持ち物』現在は就寝中?であれば着衣以外無し。
     それ以外であれば状況に即した日用品の範囲で、
     次レスで提示させて頂けれる形だと有難いです。

『簡易プロフィール』
17歳。高2。身長167cm。バスケットボール部。
母1人弟2人の4人家族。
母が女手ひとつで自分を育ててくれたことには感謝しているし、
母の収入源がネットワークビジネスによるものであると理解しているし、
母の販売する万能薬の類に医学的根拠が無いことも心得ているし、
家族の事はみんな大好きだし最高に愛し合った自慢のファミリーだと思っている。
天真爛漫明朗快活。『自分が何を信じるか』を自覚的に選択できる。

『目的・目標』
友人を増やしたい。
この場合の友人とは心を許せる親しい人間のことであり、
母の職場で顧客を示す隠語であるところの『友人』『お友達』といった社内用語とは無関係。

------------------------------------------------------------------------

394夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/03/15(木) 23:28:42
>>392

私は起きた。
そして周りを見た。
ワケの分からない場所に意味不明の言葉。
それが私の――『アリス』の好奇心をくすぐり、冒険心を強く刺激する。
しっかりと前を見据えて、声の聞こえる方向へ歩いていく。

「 ここら辺でタイトルがフェードイン 」

 アリス・イン・ドリームランド
「 『夢の国のアリス』 」

「 ――そんな感じでどうよ? 」


◇◆◇簡易プロフィール◆◇◆
生まれつき目が見えなかったが、角膜移植手術によって視力を得る。
初めて見た光の溢れる世界に感銘を受け、あらゆるものを自分の目で見たいと思っている。
光のない世界から光ある世界に入った自分自身を、不思議の国に飛び込んだアリスになぞらえている。

395『オータム・リーブス』:2018/03/16(金) 19:43:35
>>393-394(レスが遅れて申し訳ない)

 「御二名、お二人様 ようこそ ―我が夢へ」

 
二人の視界の前に、いつしか暗闇から人の形を区切りとったように
燕尾服を着こなす女性が一人微笑んで佇んでいた。目は『星空』のようだ……

「川本様 夢見ヶ崎様、どちらも私の夢に はるばるお越し頂き感謝します。
おっと! 警戒するのは当然ながらも、そう身を固くせず。」パチンッ

 謎の女性は指を鳴らす。すると安楽椅子が三脚、テーブル付きで出現する。
それに気を取られていれば、女性は何時しか口の端を弧に吊り上げつつ
片手に西洋茶器の乗った盆を携え、ティーポットも片手に携えていた。
 座るように促しつつ、紅茶を注ぎながら彼女は話し始める。

「はてさて、世間話を交えつつ自己紹介するのも良いですが。お二人とも
わたくしを怪しむのは当然の事。簡潔に告げれば、私の開催する『ゲーム』に
お付き合いして貰いたいのです。所謂『スタンドバトル』と言うね」
 そちらは、細やかに説明せずとも解りますね? と、夢見ヶ崎に言葉と
微笑みを投げかけつつ、謎の女性は説明を続ける。川本にはスタンドの
一般的な知識(例:星見板のwikiに掲載してる範囲)を補足しつつ、だ。

「スタンドバトル、超能力を使ってのバトル。だが、川本様は一般人
夢見ヶ崎様はスタンドの使い手……このまま殺し合って下さい、などと
つまらぬ事は言いません。――単刀直入に言いますとね
お二人に『未知のスタンドを借用』して戦って欲しいのです。
 今まで目にする事のなかったスタンド。その力を解き明かしつつ
二人には戦って貰い、そして勝利を捥ぎ取って頂きたい。
 無論、アフターケアは万全です。夢の舞台での勝敗の後は
後遺症は全くゼロ! どんなに凄惨な怪我をおっても、現実に
帰れば、あら不思議! 全くの無傷! 夢の出来事はトラウマに
ならないように、こちらは配慮しますとも」

 とまぁ、こういった次第です。と付け加えつつ女性は茶で
喉を潤す。そして、ウインクするような表情で、一つだけの星空で
二人を映しつつ言葉を続けた。

 「どうです? やって見ませんか。勿論、尻込みする気持ちも
ありますでしょう。強制は致しません、嫌でしたら直ぐにどちらも
目を覚まし、元の自分の寝室で何もかも忘れて現実に返り咲くだけ。
 然しながらね。この機会を逃せば、今回だけの未知なる刺激を
味わう機会は無いだろうと、断言させて頂きますとも」

 女性は、二人の意思表示を待つ……。

(※ここは夢の中、服装に関しては強くイメージすれば其の服装で。
もっとも、防弾ベストとか有利になるのはNG。なお、持ち物も
普段使用する日常品であれば、念じれば手元に直ぐ出現する。
これも、レス内の外で星の女が説明してると考えて問題ない)

396川本連流『一般人』:2018/03/16(金) 21:13:59
>>395

「やるよ」

真っ黒な瞳をぽっかりと開き、終始闇色の女性の星空の瞳を覗き込んでいた『川本』。

未知の用語にも超常の概念にも取り立てて大きな反応を見せず、
時折何かに納得するような相槌を打ちながらもそれ以上口を挟むことをせず、
ただじっと、魅入られるように星空に見入っていた『川本』は、ころりと口を開いてそう言った。

「やる。いいよ『それ』、やってみよう」

屈託無くにっこりと笑みの形を作り、続ける。

「『ゲーム』『超能力』『スタンド』『アフターケア』に……『未知なる刺激』だっけ。
うん。いいよ。今回の私は、全部信じることに決めた」

微睡みの中で見る夢に本来『信じる』も『疑う』もあったものではない。
ないが、それでも堰を切ったように『川本』は言葉を紡ぐ。

「信じられるんだ」

そこで初めて星空の瞳から目を切り、
もう一人の少女──『夢見ヶ崎』へと視線を向ける。

「だってそっちの女の子が『対戦相手』で──『経験者』なわけでしょう?
 一方の私は『初心者』の『素人』で『挑戦者』!
 夢の中でまで逆境からのよーいどんってのが、最高に『私』なんだ。
 だからこれは間違いなく『私の夢』で」

荒唐無稽な夢こそが自分であると、強く確信するメンタリティ。
黒の瞳を爛々と輝かせ、宣言する。

「私の夢なら絶対に、面白くなるに決まってる」


------------------------------------------------
・『服装』
 昨年度の『部活T』にユニセックスブランドのパーカー。
 カーゴパンツにノーブランドのスニーカー。

・『所持品』
 プライベート通学兼用の『リュックサック』に、
 『筆記用具一式(シャープペンシル、ボールペン各2本ずつ。消しゴム。シャーペンの芯)』
 『フェイスタオル』『財布(小銭少々、ポイントカード類)』を詰めている。
 またパーカーのポケットに『スマートフォン』。

397夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/03/16(金) 22:11:48
>>395

「じゃ、遠慮なく」

「待て!『バクハツブツ』が仕掛けられているかもしれん。
 ホプキンス二等兵、確認しろ!」

「イエッサー!」

一人芝居をしながら椅子の横に片膝を突いた。
そして、入念に調べているかのように目を凝らす。
しかし、別に調べているわけではない。
ただ遊んでいるだけなので、実際はどうでもいいのだ。
どうやら、寝る前に観た『ミリタリー映画』に影響されたらしい。

「マクシミリアン大尉、確認完了でありますッ」

「よし、これより作戦行動を開始する!」

やがて立ち上がり、きわめて適当な敬礼を行い、それを受ける上官を演じる。
これで一連の『陸軍小隊ごっこ』は終了した。
さて、次にどうしたか。
もちろん椅子に座った。
そうしなきゃ、今回の物語が先に進まないからだ。

「忘れてるよ――『帽子』」

「それ以外の雰囲気は、まぁまぁ出来てるけど」

「『イカれてる』とことかさ」

遊園地のアトラクションのごとく椅子を大きく前後に揺らしながら、話を聞く。
いや、その表現は正しくないぞ。
なぜなら、私は別のことを考えていたからだ。

(昨日ファミレスで食べたアレってなんだっけ?グラタンじゃなくてピラフじゃなくて……。
 ノドのところまで出てきてんだけどな。ピラフの上にグラタン乗っけたようなアレ。
 アレアレって『アレ』じゃ何かわかんないだろ!キサマ何者だ!名を名乗れ!
 来ないなら、こっちから行くぞ!今日こそ、その正体を暴いてやる!
 ハッ!そうか、そうだったのか……。わかったぞ……。今、ようやく思い出した!)

「――『ドリアン』だ!」

微妙に間違っていた。
そして、当然だが話は聞いていなかった。
でもまあ、話を聞いていようといまいと大した違いはないだろう、たぶん。

「オッケイ!!」

何を聞かれたか知らないけど、とりあえず返事しておく。
話を聞かずに答えたからって、いきなり×××されることはないだろう。
もしそんなことになったら、この物語の作者を××××にしよう。

「よろしく!」

何をするのか分からないけど、隣の子にも挨拶しておく。
初対面だが、年は同じくらいのようだ。
話が合えば、なおよし。


◇◆◇服装◆◇◆

ブラウス、ジャンパースカート、タイツ、エナメル靴、
頭にリボン代わりのカラフルなスカーフ、両手の爪にネイルアートの付け爪、ブルーのレンズのサングラス

◇◆◇持ち物◇◆◇

肩紐付きの小さいバッグ、財布、スマホ、
ハンカチ、ティッシュ、爪の手入れに使う道具類、予備のサングラス

398『オータム・リーブス』:2018/03/16(金) 22:45:54
>>396-397

 >やるよ    >オッケイ

三者三葉……ならぬ、二人は思惑違えど謎の女の意思に対し
『YES』を表示した。満足そうに、星空を宿す女性は頷く。
 それ以前の、二人の行動や発言に対して特に反応は起こさない。
彼女? にとって、あくまで要の事以外は興味の範囲外なのだろう。

 「お二人の勇気と、その星のような輝く意思に敬意と感謝を」

「はてさて、そうなれば話は早い。ですが、いま一つ
『重要な選択』が、残りあと一つあるのです」

 女性は、両手を掲げる。その掌には……枯葉の模様が模られている。
互いの枯葉の形は、異なるようだ……細部は詳しく表示されてないが。

 「大事な事です。よく考えて『選択』してください。
『火力は低いが扱いやすい』スタンド
『火力は高いものの扱いにくい』スタンド
この、どちらかを選んで頂きたい。それだけして頂ければ
さっそく『スタンドバトル』と洒落込みましょうじゃありませんか。
 ……あぁ、付け足しておきますが。生来抱えている身体的な障害などが
あったとして、この夢の闘技場では反映されないと思っていただきたい。
それと、当たり前ですが……自分の使う能力が分からないからといって
舞台にある武器で直接相手に攻撃すると言うのは……反則ではないですが
興覚めでしょう? ですので、なるべく控えていただきたい、と忠告を」

 二人に対し……女性は選択してきた。
『火力は高いが扱いにくいもの』『火力は低いが扱いやすいもの』

どちらか一つだ……。

「それと、他に質問があれば今の内に。なければ直ぐに
この空間から、バトルの場所へと模様替えしますのでね」

(※レスの順番にて川本PCから先にスタンドを選んで頂くが
スタンドを分析出来なければ、と言う前提条件をクリアしない限り
双方にそこまで格差はない事を予め告げておきます。
 然しながら、夢見ヶ崎PCが少々不遇になる事は否めないので
闘う舞台に対して希望などある場合は、それを優先します)

399川本連流『一般人』:2018/03/16(金) 23:13:51
>>398

「もう、さ。これだから最高っていうんだよ」

笑い声こそ上げないが、それでも押し殺すように噛み殺すように、
その仕草に喜色を滲ませる『川本』。

対戦相手であるところの少女の一連の奇行を見届け、
一層の喜色をその身に纏い、続ける。

「よろしく、よろしく。
 まったくさ、もう。『私の夢』だってのに、ちいとも『私』みたくないってんだから」

『川本』はこのシチュエーションを自らの夢であると確信している。
一方で、自身には思いも依らぬ行動を取る『登場人物』を見て、

「本当に、ままならない――よね。
 寝てみるもんだ。トクしたなあ。

 しかし本当に、見た目通りに星空そのまま『がらんどう』って感じでさ。
 私がどういうつもりで何を言ってるか、全然聞いちゃいないんでしょう」

予想外を、無軌道を、不条理を、一身に受け止める構えができた。
それをそのまま、全身で示すように両腕を左右に広げる。

「『余った方でいい』――って言うに、決まってるじゃんね。
 私が見るなら『こういう』夢で、それを見るのが私なんだから」

全部選んでくれたらいい。
自分が何かを選べるなんて、夢の中ですら思えない。

400夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/03/16(金) 23:50:37
>>398

「あッあ〜〜〜」

「いま私を見て笑ったでしょ。いいや、笑ってないね。
 そんなんじゃあ笑ったとは言えない。笑うっていうのはこうやるんだ!」

大都会の摩天楼から見下ろす夜景のようにキラキラと光り輝く眩しい笑顔を披露する。
スマイルは『ゼロ円』だ。
お客様、ご一緒にポテトはいかがですか?

「じゃあさ、こうしようよ」

そう言って、財布から硬貨を一枚取り出し、手の中で軽く転がす。

「今から私がコインを投げる」

「表が出たら最初に言ったやつを私が取る、裏が出たら二番目に言ったやつを私が取る」

「残った方が、その子のモノになるってワケ」

「面白いでしょ?」

            キィンッ

言うが早いか、コインを指で弾く。
金属的な音と共に、コインが宙に舞い上がり、やがて落下する。
そして、出た面は――。


【この投稿の書き込み時間の秒数が『奇数』だった場合は表が出たということにして『前者』を、
 秒数が『偶数』だった場合は裏が出たということにして『後者』を選ばせていただきたいです】

401『オータム・リーブス』:2018/03/17(土) 20:05:12
>>399-400

 川本は、全てを受け入れると両手を大きく広げる姿勢と共に意思を示す。

それに応えるように、夢見ヶ崎は一つのコインを取り出し 宙へと弾いた。

 キィン……クルクル   カチン。

 ……出たのは『表』……つまり、星の女が最初に告げた前者のスタンド。
『火力は低いが扱いやすい』スタンドが夢見ヶ崎。

『火力は高いが扱いにくい』スタンドが川本へと、授けられる。

 「――決まりましたね。それでは、模様替えといきましょう」

       パチンッ      ズズッ

 瞬間、周囲の闇は蠢いた。段々と視界の中に反映されている黒は
揺れ動き、ブレて。そして、視界全てが暗転していく。

 平衡感覚が無くなり、自分自身が無重力の中に囚われた と感じたその時。


        パァァァ……!

 光が、射しこんだ。……重力が戻り、しっかりと大地を踏みしめる
感覚が二人の足元へと戻る。景色を見る……此処は。

402『オータム・リーブス』:2018/03/17(土) 20:05:29
>>401続き。

MAP(ttp://www.daiyu8.co.jp/images/184_fmap.gif)

 此処は……。そうだ『ホームセンター』だ……(※どの場所にいるかは
任意で決めて問題ない。また、ホームセンターにある物なら大概のものは
入手可能であると判断する)

窓から覗ける、もしくは入口近くに居るのなら解る事がある。外は完全な
映画の『ミスト』さながらに、霧が掛かっており風景は完全に視認出来ない。

 『別に霧の中に突っ込んでも良いですが。直ぐに入口に戻るだけですと
注意しておきます。まぁ、お二人の戦意ある顔つきを見れば、野暮ですね』

 『さぁ、初めてください。互いに嵐の中で舞う
枯葉(オータム・リーブス)のような激しい曲線を――!』

 
 川本は、全身が湯船に浸かったかのような熱を纏う感覚を得た。

 夢見ヶ崎は、普段体に纏う『ドクター・ブラインド』の感覚が瞬間薄れ
そして、片手だけに日光を集中して当てたような熱を得た。

 ――『感じる』。これは、自分達に『呼ばれる』事を……!


(※改めて物品に追加したいものがあれば、これが最後のチャンスですので
発現するロールと共に、所持品を記載してくだされば結構です)

403川本連流『一般人』:2018/03/17(土) 21:16:05
>>401-402

「や、違うんだって。
 笑うつもりはなかったのに、思わず……っていうか。
 ん?それなら別に違くもないのかな?
 でもま、それより」

押し殺した笑みに対して輝く笑顔を見せつけられ、
言い訳とも付かぬ言葉を漏らすと共に、

「いいね、『それ』。
 お日様みたいな、っていうんじゃあなくって、
 もっとチカチカした、キラキラした、そういうの。
 ノリがいいのも併せてさ……へへ。
 すっかりもう、楽しくなっちゃうってば」

にっかりと、笑みを返す。
楽しくって仕方がないから笑うのだ。

そのままコインの行方を見守り、
改めて両腕を広げ、納得するように頷いた。

「こんなに楽しいんだから、
 『扱いにくい』方が来るに決まってる」

あくまで笑みを浮かべたままで、『川本』の視界は暗転する――。

404川本連流『一般人』:2018/03/17(土) 21:16:51
>>401-402

――光が戻る。

ホームセンターの『家電売場』に立つ『川本』は、
しかし今更驚くでも狼狽えるでもなく、広げた腕を胸の前で組み直す。
服装も所持品も、先程までのまま。
変化があるとすればそれは――

「『熱い』ね」

――全身を包む『熱』。
焼かれるような、焦がれるような熱ではなく。

「だけど、決して嫌な感じじゃあない。
 あったかくて、段々火照っていくような。
 ずっとこのままでもいいけれど、のぼせちゃうのはちょっと怖い、かな。
 そんな、そういう『熱さ』」

自らに纏わり付く未知の感覚を、まずは味わう。じっくりと。
『未知なる刺激』が得られると、信じることに決めたのだ。

「だから多分私はこの『熱』を、
 一度全部吐き出してやらなきゃいけないと思うんだ。
 きっとそれが、『呼んで』『呼ばれる』ってことだと思うから」

体の熱を意識する。血の流れを自覚する。
上がり続ける体温が一点で爆ぜ、肉体の外側で像を結ぶイメージ。

「36度の体温じゃもういられない!
 私が――弾けるッ!」 

心が走るに任せ、自らが纏う熱を――解き放つ!

405夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/03/17(土) 22:27:13
>>401
>>402

「あぁ――」

「――前にもあったな、こういうの」

がらんとした無人のホームセンターに佇み、何気ない調子で呟く。
こうして別世界に飛び込むというのは初めてではない。
以前の二件は、どちらも『アリーナ』絡みだった。

「よし――」

     「 『 ド ク タ ー ・ ブ ラ イ ン ド 』 ! ! 」

ここまでの話の流れなど完全に忘れて、いつも通りに自らのスタンドの発現を試みる。
いつもなら『両手にメス状の爪を備えた盲目の人型スタンド』が現れるはずだ。
だが――。

  「おん?」

        「『ドクター・ブラインド』が――」

                    「 ――『 出 な い 』 ッ ! ? 」

    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

「 うおぉぉぉぉぉ!

        私の『ドクター・ブラインド』!!

                 どこいったあぁぁぁぁぁ!!! 」

そうして一人でひとしきりうろたえる。
やがて冷静になり、これまでの経緯を思い出した。
ああ、そういやなんかそんなこと言ってたっけ。

「それで、『名前』なんだっけ?まだ聞いてない?まさかないワケじゃないよねえ?
 それともなにか、『アレ』って呼べとでもいうの?『アレ』じゃ何かわかんないだろ!
 キサマ、何者だ!名を名乗れ!言わなきゃ『ドリアン』って名前つけるぞ!
 イヤだ!そんな名前つけられたくない!誰が使うと思ってんだ!私だよ!」

「――えーと、まあいいや。じゃあ、なんかわからんけど『何か』出てこいッ」

ところで、熱くなってるのは右手?左手?どっちでもいいや。
その熱くなってる手を聖火ランナーのごとく掲げてみよう。なんか出そう。
とりあえず、そのヴィジョンを確かめる。
あと、名前も確認できたら確認する。
なんて呼べばいいか分からなかったら、この先のやり取りで困る。

406『オータム・リーブス』:2018/03/17(土) 22:53:50
>>403-404(川本)

『家電製品』売り場。周囲にはデジタルテレビが陳列されている。
もう少し奥には、最新のスマホも展示してるだろう。
 川本は感覚に従い、熱を発散させる。果たして、出てくるのは
熱に比例した、強大なるスタンドか。

  ――キィィィン……。

……体の中に溜まった熱が外に放射していくのを感じる。
 目に見える視界内には、何も現れない。そう言うスタンドもあるが……?

 

   『……おい、何処見てるんだよ』 ウーーー

 
   『お前だよ、お前に聞いてんだよ。おいらを呼んでおいて無視かよ』

  ……足元から声が聞こえた。少々、唸るような鳴き声も混じっている。


>>405

 貴方は『ドクター・ブラインド』を呼ぼうとする。
だが、彼? 彼女? は現在休息中だ。何処かしらで貴方の
武勇を暖かく見守っているはずだ。

 果実の王様の言葉を唱えつつ、反乱狂で利き手に籠る熱を
引きずり出す気持ちで、貴方は未知なるスタンドを開放する。

   ――ズズズッ       
             ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ

 『マシンガン』だ。

ただのマシンガンではない、この形状は所謂『サブマシンガン』
現実の銃だと、UZI MAC11と言ったタイプだ。
 
 冷たい手触りと、人を殺せる重みが片手に圧し掛かる。

407『オータム・リーブス』:2018/03/17(土) 23:00:30
>>406(追記)

 夢見ヶ崎PCの初期位置だが、次レスで提示して頂ければ有難い。
特に希望が無いのなら、現在位置は『花苗』売り場にする。

408川本連流『   』:2018/03/17(土) 23:23:01
>>406

「『お前』じゃあないってーの」

熱を吐き出し幾分すっきりとした気持ちで、
目線だけを足元へと向ける。

「私は連流(ツレル)というんだよ。
 短い付き合いなんだろうけどさ、よろしくしようよ」

語りかけながら、声の主を見遣る。
その姿形……ひょっとして、『動物』かなにかか?

「一夜限りってのもほら、
 夢の中ならいいんじゃない?」

409夢見ヶ崎明日美『???』:2018/03/18(日) 03:28:29
>>406

「ヒュゥゥゥゥゥ〜〜〜♪」

手の中に出現した『マシンガン』を見て、思わず口笛を吹いた。
昨日の夜、『ミリタリー映画』なんて観ていたせいか?
まさか、マジで『ガン』を手にしてしまうとは思わなかった。
なんという偶然だろうか。
こんなことになるとは、この物語の作者でさえ予想しなかったに違いない。

「チャップマン二等兵、警戒しろ!敵はすぐそばにいるぞ!」

「イエッサー!」

『マシンガン』を構えて棚に身を寄せ、片膝立ちになって周囲に気を配る。
今の気分は敵陣に乗り込んだ叩き上げのソルジャーだ。
――よし、気が済んだ。

さて、まずは『コレ』について知らねばならない。
言うまでもなく、一番気になるのは『撃ったらどうなるか』だ。
ただ、大きな問題が一つある。

おそらくは、撃ったら『銃声』が鳴り響くだろうということだ。
それを聞かれると、相手にこちらのスタンドが『銃』であることを知られてしまう。
攻撃を仕掛ける前から、こっちの情報を相手に与えていいものかどうか……。

「――う〜〜〜む……」

しかし、自分の能力を知らないまま相手とぶつかることの方が危険が大きい。
今は、相手に情報を渡すデメリットよりも、自分が情報を得るメリットの方を取るべきだ。
それに、銃声を聞かれただけでは、その能力までは分かるまい。

「とりあえず『試し撃ち』しとこう」

現在地の『花苗』から移動し、『用土・肥料』へ歩いていく。
歩いている最中、『マシンガン』を隅々まで観察する。
どっかに『名前』とか書いてあるかもしれない。


【記述漏れ失礼しました。初期位置は『花苗』で問題ありません】

410『オータム・リーブス』:2018/03/18(日) 22:26:15
>>408(川本)

 貴方は自分の名前を名乗りつつ足元を見下ろす。
一夜限りの夢……的は得ている。

 フルフル 『ヘンッ よろしくだって?』

 其処に居たのは……『猫』だ。
人間の赤ん坊程より少し大きい程度のサイズ。全体的に灰色かかっており
額には薄っすら円弧めいた形の『黄色い痣』を生やしている。

 『何だって、おいらが初対面の奴に よろしくしなくちゃいけないのさ。
おいらが仕えるのはご主人様だけさ。一夜だって御免だね』

 猫は、貴方に対しつっけんどんな口調でそっぽを向く。尻尾も
不機嫌な感じで揺らしており、態度は悪い。
 積極的に離れる様子は今の所ないようだが……。

 スタンドには、視聴覚の共有をするものがあるが。今の所
貴方の目と耳には、猫の視界は写されていないようだ……。

>>409(夢見ヶ崎)
 ミリタリー映画を見た事と、携行する『サブマシンガン』から
奇縁を感じる夢見ヶ崎。なるほど、確かに『奇縁』はあるのかも知れない。

貴方は『花苗』から、『用土・肥料』のコーナーに歩く。腐葉土の詰まった
袋が貴方の頭部分まで積み重なっているのが見てとれる。

 肝心の『サブマシンガン』だが。形状や外見は貴方に専門的な知識があるかは
別として、本当に至って普通の軽機関銃だ。スタンドで出来ている事を除けば。
 だが、貴方は細部まで観察する行動を選んだ。それは『good』だ。

 ガチャ、スラ……。

 ……サブマシンガンのマガジン。

マガジンの頭部には『四つのマーク』が描かれている。
 緑・茶・赤・青。これらが四つの菱形で十字の方向に
均等に描かれている。また、マガジンには弾が入ってる様子は見受けられない。

また、謎の女性はこうも言っていた。このスタンドは『火力が低い』……と。

411川本連流『一般人』:2018/03/18(日) 23:12:40
>>410

「『猫さん』!」

『それ』を目にした瞬間、思わず声を上げる。
扱い易さも火力も関係無く、もう『それだけ』で大当たりだ。
見下ろす姿勢を取っていた自分が恥ずかしい。
即座にしゃがみこみ、目線を『猫』の高さと合わせるようにする。

「いきなり『よろしく』ってのは違ったかもね。
 だけど呼び出しに応えてくれて『ありがとう』!
 でもって可愛くあってくれて尚更『ありがとう』だよ」

川本は『スタンド』の『基礎概念』を知らされてはいるが、
それでもいわゆる『超能力』の類が『猫』の姿で、
なおかつ自身に反抗的な形で顕現するというのは余りにも予想外だ。

予想できないから楽しくて、嬉しい。

「よろしくしてくれなくてもいいけれど、
 いやできたらして欲しいのは間違いないんだけれど。
 それでも、その、私の『お願い』を聞いて欲しいんだよね」

そっぽを向いた『猫』の視線の先に回り込むように移動する。
視線をその目と合わせるように。

「『取引』って言葉を使いたくないから『お願い』って言うんだけど、
 でも、うん。
 私に『要求』があるなら言ってくれたらいいよ。
 『猫さん』の事を抜きにしたって、私はこの夜この夢で、全部出し切るつもりなんだから」

言って、強く想う。
この『猫』と、『目を合わせよう』と。

川本は『スタンド』の『基礎概念』を知っている。
これが此度の自身の『スタンド』――『精神の像』であるならば、
果たして自分の『思い』を反映して動くのか。自身の操作の範疇にあるのか。
それを試す意味でも、想う。目を合わせて話をして欲しいと。

412夢見ヶ崎明日美『???』:2018/03/18(日) 23:34:05
>>410

この私に『鉄砲』の知識などあろうはずがない。
だが、『サブマシンガン』は知っていた。
なぜなら、映画の中に出てきたからだ。
そして、それを使っていた人物は冒頭の五分の間に死んだ。
縁起わるいぞ!!

「Bloody hell!(くそッ!)弾切れだ!『地獄還り』と呼ばれたオレの命もここまでか……!」

弾のない銃など単なるモデルガンにすぎない。
できることといったら、せいぜい銃で殴りかかることくらいか。
それに、たいしたリーチがあるわけでもないので、それほど有利でもない。
しかし、念のために確かめておく意味はある。
『マシンガン』で地面やらそこらの壁やらを軽く叩いてみて、『マシンガン』の強度を確認する。

マガジンに刻まれたマークの意味は分からない。
だが、弾がなければ撃てないであろうことは簡単に察しがつく。
つまり、この『マシンガン』を発射可能にするには、何らかの方法で弾を装填しなければならないと判断する。
そして、あの女は『扱いやすい』とも言っていた。
それを考慮すると、装填の条件はそれほど難しいものではなかろう。

「こうしておもいっきり振ったら、シェイクした炭酸飲料みたいに弾が溢れてくるとか?とか??」

おもいつきのタワゴトをほざきながら、マガジンをブンブン振る。
まぁ、こんなことやって出てくると思ってるほどハッピーな頭はしていない。
これで弾が溢れ出てくるんなら、今度から貯金箱をブンブン振ってみることにするわ。
明日から私もセレブリティの仲間入りだ。
パーティードレスを用意する必要があるかもしれない。

「――ま、いいか……」

手っ取り早くやってしまおう。
用土でも肥料でもなんでもいい。
どれかの袋に銃口を押し付けて、そのまま引き金を引く。
できるだけ音を消すことを考えてここを選んだが、弾が入ってないならたぶん気にしなくていいだろう。
さて、どうなるか。

413『オータム・リーブス』:2018/03/19(月) 00:12:56
>>411(川本)

 『……な なんだよ、お前……変な人間の女だな』

『別に、そんなに強く おいらに礼儀正しく接しようとしなくていいよ』

 『猫』は困惑したような顔つきで、少し川本に後退りしつつも
少しだけ不機嫌を払拭させた様子で応答した。
 『目を合わせて欲しい』と言う願いに、どうやら『猫』は『呼応』している。
完全なる『自立』はしていないらしいが、このスタンドには己自身の確かな『意思』も
間違いなく存在している。貴方の、その尊重する姿勢は。まず功を奏したと言える。


>この夜この夢で、全部出し切るつもりなんだから

 ピクッ『……フンッ それが、お前の流儀……考えか?』

『別においらには、特に何か欲しいものはないさ。スタンドだしな
けど……ヘンッ。その考えを通せるって言うなら、見せて欲しいもんだな』

 『猫』は、貴方の出したワードに対し明確に何やら反応した。


軽く前足を舐めつつ、四足動物は周囲を軽く警戒する……今の所貴方を
放置して何処かにフラッと行く事はないだろう。

 『で? どうすんの。ある程度事情は精通してるからさ。
――戦うんだろ? おいらは正直、面倒臭いけどね
猫の手も借りたいってんなら、まぁ ちょっとぐらいは良いさ』

 貴方を見上げ『猫』は軽口を叩く。

>>412(夢見ヶ崎)
【能力の推理に進展あり ロール途中で停止】

 コツコツ。

マシンガンを壁に触れて強度を確かめる。硬さは、一般的なモデルガンに近く
幾らかは頑丈だが、人が力いっぱいに何度も鉄などに叩きつければ破損しそうだ(パC)
  
 >こうしておもいっきり振ったら、シェイクした炭酸飲料みたいに弾が溢れてくるとか?

貴方は自分でも馬鹿けた事と思いつつ、マガジンを振る…………すると。

 キィィィンッ…… キィィィンッ……

…………『緑色の菱形』が、僅かに淡く光を発し点滅した。
そして、小さくも数字が発生する……『2』。

414川本連流『     』:2018/03/19(月) 21:58:05
>>413

「えっへっへ。
 どうだろねえ。私なんて人間の女のなかでは、ずっとずっと変じゃない方だと思うんだけどね。
 だけど良かったよ」

『変な女』と言われても、照れたように笑ってみせる。
『喋る猫のスタンド』に『変だ』と言われて、嬉しくないはずがないのだ。

「気持ちが通じたみたいで、良かったよ」

『猫』を尊重する気持ちが『通じた』のか、
『目を合わせる』という思いが『通じた』のか、
あるいは両方ひっくるめてか。ただ『良かった』と思う。
少なくともある程度は、こちらの意を汲んで動いてくれる。そういう『スタンス』なのだろう。

「だから『欲しいものなんて無い』なんて言わないでよ。
 私はお願いをきいてもらうんだから、そのお返しがしたいんだよ。
 何も思いつかないっていうんなら、この最高の一夜のうちに、考えてくれたらいいよ」

そこまで言って立ち上がり、改めて周囲に目を向ける。
愛らしい猫とふたりっきりの蜜月というわけでもないのだ。
『対戦相手』に動きがないか、なにか変化や違和感は感じないか、
最低限の注意を払う。

「だけどそう。その通りなんだ。
 事情を分かってくれてるみたいで本当に嬉しいよ。
 つまりここからが私の『お願い』なんだけど」

もはや『猫』と目を合わせる事はなく、目線をぐるりと巡らせながら、言う。

「私はこれから戦うからさ。
 ちょっと、手伝って欲しいんだよね。
 君のできること、得意なことで、私の戦いを助けて欲しいんだ」

言外に『何ができるのか』『何が得意なのか』と問いかける。
先刻と同様の要領で、『答えて欲しい』と思いを募らせる。
まずは直接、聞いてみるのが早いと思ったのだ。

「お願いだよ。
 ふたりでさ、とびきりの夜にしようじゃない」

415夢見ヶ崎明日美『???』:2018/03/19(月) 22:24:40
>>413

強度は頼りない。
これで殴りかかるのは控えた方が良さそうだ。
もっとも、自分のコブシで殴るよりはいくらかマシだろうが。
そういえば、これは『実体化』しているんだろうか。
念のために透過を試み、実体化しているかいないかを確認する。

「――ふぅん」

「『パーティードレス』用意しなきゃ」

『振った』ら、『緑色の菱形』に、『2』が出た。
今の手がかりはこれだ。
ところで、さっき私は『何回マガジンを振ったか』思い出す。

そして今度は、マガジンを『軽く』二回振ってみる。
数字が変わるのか、それともそのままか、あるいは別の変化が起きるのか。
ひとまず、それをチェックする。

続いて、バットを素振りするようにマガジンを横方向に『全力』で一回振る。
これで、数字の変動に影響を与えるのが『回数』なのか『強さ』なのかを確認する。
それと、もう一つ確かめたいことがある。

    スゥゥゥゥゥゥ……
             フゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――ッ

大きく息を吸い込み、バースデーケーキのロウソクを吹き消す時のように、マガジンに強く息を吹きかける。
マガジンの方は動かさずに固定したままでだ。
その後に変化があってもなくても、一旦マガジンを『マシンガン』に戻す。
そうすることで、『マシンガン』にも何か変化がないかを確かめる。
早くブッ放したいところだけど、ここは慎重にいこう。

416『オータム・リーブス』:2018/03/19(月) 22:58:41
>>414(川本)

『何だい ヘラヘラしちゃってさ……やっぱり、変な奴だ』

『欲しいもの? …………スタンドにそんな事聞くなんて
やっぱり、お前ってば改めて言うけど すっごく変だ』

猫は、人間ならば怪訝な表情であろう目つきをしつつ貴方を見つつ呟く。
 だが尻尾の振り方や口調から、本心で嫌っての言葉ではない。

>君のできること、得意なことで、私の戦いを助けて欲しいんだ

『おいらの得意な事? そりゃ、おいらは猫だぜ? 武器って言えば【コレ】さ』
  ニュ キ……。   ガガガリィ゛

『猫』は片手を掲げる、肉球から飛び出てくるのは鋭い『黒い爪』だ。
とは言うものの、一般的な猫の爪と同じ、約一センチ程度だ。
 それで、おもむろに地面をゆっくり引っ掻く。地面は浅くだが、軽く抉れた……。
小さいながら、その強度はどうやら鉄に等しい(パB)強度を持ち合わせている。

だが、それはスタンドのスペックの一端だ……これだけでは『能力』と言えないだろう。
  
『まっ、おいらのすばしっこさと、この爪があれば大抵の奴なんて余裕さ。
けど、お前はおいらに お手伝いをして貰いたいって言うんだろ?
 ……何を手伝えって言うんだい?』

もし『戦え』などと言う単純な命令ならばスタンドプレーに走ってた可能性もある。
 そう言う意味で、川本の態度は【ファインプレー】だ……今の所、『猫』は
君の意思に未だ順応ではないものの協力の意思を示している。

>>415(夢見ヶ崎)

スタンドの『透化』は問題なく行える、これは貴方の『ドクター・ブラインド』と同じく
一般人には干渉しえないスタンド器具だ。『実体化』はしてない

『マガジン』を振ったのは大抵十回前後だった。そして、当然
何度も往復するように振れば、だ……。


貴方は『マガジン』を数回振って。また、全力で一度振った。
 ……前者では無反応だったが、後者でまたエメラルド色の菱形は強く点滅した。
そして、劇的な反応はこれからだった。

 >フゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――ッ 
    
  ――キィィィィ――ッン!!

……緑色の中に表示される数字が瞬く間に『5』へと変化する。
 それと同時に、マガジン全体に淡い粒子が舞うような感じがした。謂わば『装填完了』か

最初に振った時も、それにより『風』が発生した。
 そうだ……『緑』は『風』に反応している。

マガジンを『サブマシンガン』に装填した。今の所、銃器に目立った変化は起きてない。

417川本連流『     』:2018/03/19(月) 23:26:40
>>416

「ふ、う――ん。
 私が『変』に見えるっていうならさ、
 それは多分、私が『スタンド』ってやつの事を、
 やっぱりよく分かってないからなんじゃないかと思うんだよね」

『スタンド』の扱いが分からず、距離感が分からず、
殊更に対等以上の相手として会話を求める。そういうきらいが『川本』にはあった。

「でもって『猫さん』、さすがだね。
 素早くって、鋭くって、確かにそれで充分って感じではあるんだけど」

言いながら、地面の『爪痕』を見遣る。
目で見て分かるような変化は認められるだろうか。

「『他』もおおむね、『猫さん』って感じでいいのかな。
 耳がいいとか、鼻が利くとか……暗いところで目が見えるとか。どうなのかな」

『猫』と自身に五感の共有がない以上、
『見え方』『聞こえ方』『感じ方』に相違がある可能性はあるだろう。
これも基礎スペックの一端だとしても、確認しておきたいところだ。

「具体的に『お願い』をするには、ちょっと色々足りない感じではあるんだけど。
 でも、そうだね。試してみようか」

先の『キーワード』への反応も気になる所ではある。
額の痣が『三日月』のモチーフだと仮定すれば、『夜』か『夢』が妥当なところだとは思うが。

「まず、『対戦相手の居場所が知りたい』んだ。
 ほら、ヒゲの感度とかでさ、分かったりしないものなのかな」

どこまで『お願い』できて、どこまで『聞いてもらえる』ものなのか。
浅いところから試してみよう、と思う。

ちなみに、家電売場の『テレビ』のなかで、
ディスプレイ用に電源が入れられ、なんらかの動画を流しているものはあるだろうか。
今更ではあるけれど、念の為確認しておこう。

418夢見ヶ崎明日美『???』:2018/03/19(月) 23:34:22
>>416

「うんうん――」

「この世界でも、『アリス』のカンはなかなか冴えてるじゃない」

「――ねえ?」

これで条件の一つは確定した。
『菱形』は『四つ』ある。
『菱形』一つにつき『5』ということは、最大で『20』という可能性が高い。

残りの三つの条件はまだ不明だが、その内の一つが分かったなら、あとの三つもその内わかるだろう。
『緑の菱形』は風を象徴している。
そして、風を含む四つのものが、この『マシンガン』の力の源であることは確実だ。

          「さぁて」

弾が入った『マシンガン』が手元にある。
なら、やることは一つしかない。
反動に備えて『マシンガン』を両手で構え、狙いを定める。

   「じゃあ、どうなるか見せてもらおっかなぁ???」

用土か肥料の袋に向けて、少し離れた位置から『発砲』する。
まず、銃口から何が発射されるかを見る。
そして、それが当たったらどうなるかを確かめる。

419『オータム・リーブス』:2018/03/20(火) 00:02:05
>>417(川本)

地面に付いた爪痕、それには今の所特に変化はない。普通の猫の引っ掻きあとより
深いが、それだけだ。

 『猫さん 猫さんって いちいち、そう呼ばれたくもないね。
おいらには ご主人様から名付けられた 立派な名があるんだ。
 …………うん おいらには立派な名があったんだ』

 貴方の言葉に、皮肉気に返答をかえし……そして、急に地面を見つめ
言葉に力がなくなった……どうやら、何かこのスタンドの背景か過去に
関わるものに抵触したようだ、そして変化が起きる。

 ――スゥ……。

灰色かかった猫の体毛が、全て黒く変化していく。グレーの猫が、今や黒猫だ。
額の円弧の黄色い痣は特に変化しえていない。
 その変化に対して猫は無反応だ。貴方の言葉にゆっくり首を向ける。

『ん? あぁ……敵を見つければいいのか?
 なら、ちょいと高い所に跳ぶさ。髭は大事なもんだぜ、けど それだけさ』

 タンッ  タンッ……。

猫は跳躍する。平均的な猫としての敏捷さ(スB)で家電製品が陳列している棚を踏み台にして
一番上を見渡す。そして、直ぐにタンッと貴方の足元に再度舞い降りた。

 『土がいっぱい積んでるところに人影があったぜ』

 タタタタタタン……。

『猫』の報告と共に、肥料などのある出入口付近より、連続して銃声のようなものが貴方の耳に聞こえた……。

>>418(夢見ヶ崎)

 ――ダダダダダダンッッ!

 引き金を引く、肥料の入った袋へと狙いを定めて。短い時間ながら手を揺らす
決して弱くない振動と、そして轟音が発生する。
 これが本当のサブマシンガンなら、土袋に鉄の鉛玉が何発も命中して土砂が撒き散る事になる。
 だが、貴方の視界の中で起きたのは……不思議の国のアリスのように『ファンタジー』だ。

    フワフワ   フワフワ
 フワフワ    フワフワ    フワフワ
   フワフワ フワフワ   フワフワ

……『妖精』だ。
 全体的にエメラルドグリーンで出来た、透明な羽を生やす正しく一般的な想像通り
その妖精が総勢『500』、貴方の眼前で踊るように宙を舞っている……。

 『メイレイヲ』  『メイレイヲ』   『メイレイヲ』
      『マスター』   『 ワタシタチヘ』
 『メイレイヲ』   『マスター』

 妖精達は、口々に貴方にそう唱えてくる……。

420川本連流『     』:2018/03/20(火) 22:48:29
>>419

「『引っかくことでどうこう』って感じじゃあ、ないわけだ」

『爪痕』の様子を見て一つ呟く。
続く『猫』のリアクションを、その体毛の変化を見て取って、更に『猫』へと言葉を掛ける。

「呼ばれたい名前があるんならさ、
 教えてくれてもいいんじゃないかって思うんだけど。
 そんな気安い『スタンド』じゃあないってことなのかな。

 それにしたって『ご主人様』か――」

『ご主人様』。
先も耳にしたフレーズだ。
この『スタンド』の元々の『本体』が『そう』なのだとして、
『そういう関係』なのだとして、その辺りが『能力』に関わってくる可能性はある。
ある、が。

「――ま、今回は『私と』なんだしさ。
 もっと気楽な感じでこう、ね。
 『パートナーシップ』、『フレンドシップ』で行きたいじゃない。
 そんでもってさ」

あくまで対等公平で、やってみたいと思うのだ。

しかし体毛の変化……単に『テンション』で『色』が変わるだけということもあるまい。
外見以外の変化があって然り、と考え、もう一つ試してみる。

「さっきの、もう一回、見たいんだよね」

『床を爪で切り裂く動き』。
再びそれを行うよう、目の前の『スタンド』へと念じてみせる。

『猫』からの『報告』と『銃声』で対戦相手の居場所を大まかに捉えた川本はしかし、
その場を特に動くといったことはない。

---------------------------------------------------------
>ちなみに、家電売場の『テレビ』のなかで、
>ディスプレイ用に電源が入れられ、なんらかの動画を流しているものはあるだろうか。
>今更ではあるけれど、念の為確認しておこう。
---------------------------------------------------------

>>417のこの辺を確認してから考えても、
まあ遅いということはないんじゃないかと思うわけだ。

421夢見ヶ崎明日美『???』:2018/03/20(火) 22:58:11
>>419

       「 う ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ッ 」

     「まったく、こいつはとんでもないじゃじゃ馬だぜ!!」

実物ではなくスタンドとはいえ、映画の中で観た以上の迫力を感じる。
今の発砲で、こちらの居場所とスタンドが銃であることを知られただろう。
まぁ、それはしかたない。
同じ店の中にいることは分かっているのだし、バトルが始まればスタンドヴィジョンはすぐにバレてしまう。
それが少し早まっただけだと思えばいい。

            「 お? 」

            「 お?? 」

            「 お??? 」

しかし、これにはさすがの『アリス』も予想外。
まさか『マシンガン』から『フェアリー』が出てくるとは思わなかった。
これ、『マシンガン』の形した『魔法のランプ』だった?

『魔法のマシンガン』――無骨でありながらファンタジックなこの響き。
いうなればスイートとクールが混在した『甘辛コーデ』!
今春大注目のトレンドはこれだ!みんな乗り遅れるな!

     「『アリス・イン・ドリームランド』――」

     「そのタイトルにピッタリのキャスティング」

                「――楽しくなってきた」

とりあえず肥料の袋はどうなっているかを見る。
普通ならズタボロなんだろうけど、まったくの無傷なんだろうか?
それと、銃口から弾の代わりに『妖精』が発射されたということなんだろうか?

「『なにができる』の?」

「何十kgもある荷物を持ち上げるとか、
 100mを五秒で駆け抜けるとか、
 目を閉じたまま指先の感覚だけで針穴に糸を通すとか」

「――できる?」

まず、基本的な部分を確認する必要がある。
ようするに、『力があるか』、『素早いか』、『器用か』の三点だ。
この質問には、『妖精』と『意思の疎通』は可能かどうか、『妖精』の知能はどれくらいかを確かめる意味もある。
あと、『妖精』の『サイズ』はどれくらいだろうか。
それから、『妖精』と私の間に『感覚の共有』はありそうだろうか。

「とりあえず、私の周りを見張っててくれる?」

「『何か動くもの』が見えたら、こっそり教えてよ」

質問の答えを確認してから、『妖精』に命令を出す。
さっきの銃声を聞いた相手が様子を見に来てもおかしくない。
『妖精』の数は多い。
『数が多い』ということは『目が多い』ということだ。
それを有効活用させてもらう。

「――あと、『名前』教えて」

『500』ということは、『1』につき『100』で間違いない。
つまり総勢で『2000』と考えられる。
発射してしまった今、たぶんマガジンは空になっているんだろう。

マガジンを取り外して、『緑の菱形』から数字が消えているかどうかを確認する。
そういえば、私は自分の意思で全弾撃ち尽くしたんだろうか?
たとえば、『一発だけ撃つ』とかの微調整はできそうだろうか。

422『オータム・リーブス』:2018/03/21(水) 00:22:00
(※双方に、描写抜けがあり。謝罪と共に前レスで抜けたレスを行う。
尚、どちらにも其の影響で進行に不利な事にならない事を誓う)

>>420(川本)

電化製品コーナーに陳列されてるテレビは、主に全てが特定チャンネルで流れる
水槽を泳ぐ金魚の映像が流されている。あとは一定のBGMといったところか。

>呼ばれたい名前があるんならさ、
>教えてくれてもいいんじゃないかって思うんだけど

『【ドライ】って愛称で呼ばれてたよ。ははっ お似合いだろ』

>さっきの、もう一回、見たいんだよね

 『・・・・・・しょーがないなぁ』  ギャ  リ゛ィ

『猫(ドライ)』は貴方の言葉、意志に添って地面を引っかく。

依然、引っ掻いた痕の地面が変化を及ぼすように見えない。
ただ、最初の予行演習と異なり。上から見てV字型に今度は描かれている。

描き手の主は、軽く周囲を見渡しつつ爪を舐めつつ嘯く。


『一つだけじゃ【駄目】さ
  マーキング
着陸地点を地面より上に作らないとね』


>>421(夢見ヶ崎)

夢見ヶ崎が先ほど(>>419)目撃した詳細は。
 肥料袋に、向けて放たれたサブマシンガンの銃口から次々と
水平でなく、真上に向かうようにして舞った直系5mmか、それ以下のサイズの
妖精の群体だ。肥料袋に直撃することは無かった、『魔法のランプ』
その言い回しが正解に限りなく近い表現と言える。

>『なにができる』の?

『重いの 持てない』  『モテナイ』 『持てない』 『モテナイ』

『速く 飛べる』 『飛べる』 『トベル』 『飛べる』

『糸? 糸 イト・・・・・・』 『トオセル?』 『トオセルカモ』 『トオセナイカモ』

 質問に対し、大勢が口々に互いに囁きあったりするが。大まかに言えば
重いのは持てない 速度は保証できる 器用さは実行しないと不明な形だ。

 感覚の共有はない。ただ、貴方の吐息を元に出来た風の妖精だからか
多少生暖かい感じが、妖精達からは仄かに感じられた。

 >私の周りを見張っててくれる?

『イイヨ』 『ィィョ』 『ウン』  『ミハルヨ』 
   『ヤルヨ』   『フフフ』 『ハイ』

返答の仕方に差異はあれど、全体的に肯定の合唱がなされて妖精達は
貴方の周囲3m範囲を舞うようにして飛び交っていく・・・・・・

>『名前』教えて

『ナマエ ――シルフ』

 ・・・・・・マガジンを取り外す。緑の菱形から数字は消えていた。
『一発だけ撃てる』かは・・・・・・再装填をしない限り、まだ不明だ。

423『オータム・リーブス』:2018/03/21(水) 11:04:14
>>421(夢見ヶ崎)(追記)

『妖精』の個々の『知能』であるが。多少の差異はあれど
人間の幼稚園児程度に思える。

424川本連流『     』:2018/03/21(水) 23:17:03
>>422

「『ドライ』」

『猫』に告げられた名を、繰り返し呟いてみる。

「『ドライ』、ね。
 うん。それが愛称っていうなら、私もそう呼ばせてもらおうかな。
 『お似合い』かどうかはまだなんとも、って感じだけれど」

文字通り『ドライ』な猫なのかどうかについては、
この戦いが終わるまで保留にしておこうと川本は思う。
意外と親身な、『良いヤツ』なんじゃないかと思える部分もあったりするのだ。

例えば。

「――それが『ヒント』ってことなのかな。
 その『爪痕』が『マーキング』で、ええと、『着陸地点』?
 地面より高いとこに『着陸』っていうのはどうなんだろね」

こうして色々、教えてくれるところとか。

「聞いちゃった以上は試さないわけにもいかないよね。
 だからやっぱりその通りで、『高いとこ』を『引っ掻いて』もらいたいんだけど」

具体的には先程『ドライ』が足場にした、『家電製品が陳列している棚』。
その棚の『天板』を引っ掻くように指示したい。

「お願いだよ。
 向こうなんて『銃』撃ってくるみたいだし、おっかなくってしょうがないんだ」

425夢見ヶ崎明日美『???』:2018/03/21(水) 23:28:30
>>422

命令は簡単にする必要があるようだ。
幼稚園児並みの知能では、あまり複雑な内容を実行することはできない。
今、『同レベルだからちょうどいい』とか言ったやつ出てこいよ!

「よし、任せた」

パワーは人間以下、スピードは人間以上、器用さは未知数。
それだけ分かれば、とりあえずはいい。
あと気になるのは能力の方だ。

「ところでキミたち、まだ『何か』できるんじゃないの?」

「たとえば『風を起こせる』とか、そういう『特別な力』みたいなモノがさぁ」

私の『ドクター・ブラインド』は、俊敏な動きと正確な動作が可能で、鋭い爪と超人的な感覚を備えている。
しかし、それらは能力ではない。
『ドクター・ブラインド』の能力は『五感の移植』だ。
それと同じように、この『シルフ』にも何か能力があるはずだ。
聞いて分かるのなら、それが一番手っ取り早い。

「――で、やっぱ『カラ』か」

         フゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――ッ

先程と同じように、マガジンに息を吹きかける。
今は『シルフ』が発現中なわけだが、その状態で風を浴びせても装填はされるのかどうか。
されるんだったらしといた方がいいだろうが、これはどっちでもいい。
あと、もう一つ試したいことがある。
残り三つの『条件』についてのことだ。

「『用土』ってようするに『土』だよねぇ?」

「だったらさぁ――」

『ドクター・ブラインド』の爪があれば楽だが、今はないので代わりに自分の爪を使って用土の袋に穴を開ける。
そして、その穴にマガジンを思いっきり『ブッ刺す』。
つまり、マガジンが『土に埋まる』わけだ。
何が起きるか?何も起きないか?
それはすぐに分かる。

426『オータム・リーブス』:2018/03/22(木) 19:07:29
>>424(川本)

 >『高いとこ』を『引っ掻いて』もらいたいんだけど

『フンッ お願いなら仕方がないさ。けど 勘違いするなよ?
誰にだってほいほい 命じられたからって、おいらが簡単に承諾する奴だってな』

 ピョーン  ガリィ      キラキラキラ

 『ドライ』は、その跳躍力を活かして天板へと着陸すると、直ぐに天板を引っ掻く。
貴方の頭上で行われてる事柄ゆえに、模様までは不明ながら恐らく地面のタイルで
やったようにV字型なのだろう。そして、再度軽やかに地面に着陸する。

 と、同時に……地面に描いたマークは仄かに銀と黒を混じるように輝き始めた。

『能力が見たいんだろ? なら、やってやるさ
――【シルバー・ストリーク】』    ズ  オォ―ンッ

 地面に描いたV字に合わさるように、跳躍する体勢へと『ドライ』が移ったと
貴方が認識した瞬間、スタンドは『黒い霧状』へと変形して天板へ移行する。
 スピードも中々『スB』のもので、貴方そちらへ目にした時には
自慢気に笑うような顔つきで話しかけていた。

『どうだ。おいらはマーキング(引っ掻いた部分)をした場所へと煙になって
移る事が出来るんだ。移動してる間は、おいらを誰も傷つける事だって出来ないぜ』

【シルバー・ストリーク】……マーキングした場所に、無敵状態で跳び移れる。
なるほど、確かに強力な能力だろう。

 猫の額を見ると、変化に気が付ける。……円弧の黄色い痣は『半月』に何時しか変わっていた。

>>425(夢見ヶ崎)

 >キミたち、まだ『何か』できるんじゃないの?
>『風を起こせる』とか、そういう『特別な力』みたいなモノがさぁ

シルフ『……?』 『??』   『トクベツ?』

命令に応じず……意図的に貴方と質疑応答する為に残ってたのか
不明ながら残留していた十数匹の風の妖精達だが、貴方の言葉に対して首を傾げるばかり。
 これは、元よりそう言った力がない。と言うより、質問に対する回答を理解してない感じだ。

そんな妖精達を傍らに、夢見ヶ崎はマガジンに息を吹きかける……『無反応』だ。
 そして、適当な園芸用土にマガジンを突っ込んだ時にだ……二つの反応が起きた。

   シュゥゥ……。

まず一つ目の反応は、シルフ達の『消滅』だ。3m範囲、それ以外にも
別の遠くへ飛び交っていた妖精、目前に居た子達も緑色の光を一段と輝かせ消える。
 特に外部で何か起きた様子もない事から、『時間切れ』の可能性が高い。
発現から消滅までの時間は『一分』かそこらと言ったところだ……。

さらに、二つ目の反応であるが。

  ――キィィィィィ――ッン!!!

風の妖精達が消えた直後、マガジンの茶色の菱形は強く反応する。
直ぐに数字の『5』が浮き出た。

427川本連流『     』:2018/03/22(木) 22:55:19
>>426

「そう言いながら、私のお願いは聞いてくれるってんだから。
 えっへっへ。こんな嬉しい事もないよね」

心底嬉しそうな笑い声を漏らしながら、棚の上へと飛び乗る『ドライ』を見守る。
するとどうだろう。地面の『爪痕』が輝き、更に『ドライ』が『着陸し』――

「へ、ええ――」

『霧』へと変じるそのさまを見て、驚きつつも感嘆するような声を上げる。

「――すっごいねえ。
 まさしく『無敵』って感じだよ。
 そっか。こういうのを『能力』とか言うんだよね。
 『爪痕』から『爪痕』へ、『霧』になって移動する……のかな。
 『地面より上』にマーキングが必要ってのはどうなんだろうね。
 例えば煙が上るみたいに、『上昇』しかできないとか、あるのかな」

言って、再び念じてみよう。
今度はそう。再び【シルバー・ストリーク】で、地面の『爪痕』へと移動するように。

併せて、『額の痣』を改めて注視する。
『使用回数』の類か、あるいは他のなにかか。
ある程度試してみないことには判断のつかないところだ。

428夢見ヶ崎明日美『???』:2018/03/22(木) 23:07:21
>>426

能力に対する質問は『妖精』には通じなかった。
聞き方が悪かったのか、『妖精』達には難しい質問だったのか。
つまり、私の方が賢いってことだな!
よし、私は幼稚園児レベルじゃないぞ!
まぁ、それはおいといて。

                 「???ん???」

          「――ナルホド」

   「『二つ』分かった」

『シルフ』の消え行く様を見届け、ぱちぱちと目を瞬かせる。
少なくとも、『シルフ』が出ている間は『風のリロード』はできないことが分かった。
同時に、『妖精』の持続時間は一分間ということも判明した。
これらを念頭に置いて行動しなければならない。
そして、それ以上に重要なことが他にもある。

「――だよねぇ?」

「やっぱり『土』に反応すると思ったよ」

ドリームランド       アリス
「『夢の国』の冒険でも『私』のカンはゼッコーチョーってね」

想像した通りの光景を見て、ニヤリとほくそ笑む。
これで『マシンガン』の『装填条件』は把握できた。
『風』と『土』を含む『四つのモノ』――つまり『アレ』ってこと。
まぁ、とりあえず『装填』したんだから、どんな『妖精』が出てくるか確かめとかないとね。
両手でしっかりとマシンガンを保持して、肥料袋の周辺に『発射』する。
あと、店内の方で何か動きがないかどうかも目視確認しとく。
見張っていた『シルフ』達の報告がなかったから、まだ目立った動きはないとは思うけど。

429『オータム・リーブス』:2018/03/22(木) 23:33:46
>>427(川本)

>煙が上るみたいに、『上昇』しかできないとか、あるのかな

 その言葉と、念じに対して『ドライ』は少し真顔になる顔つきをしてから
フンッと鼻を鳴らしつつ呟く。

 『ヘンッ スタンドにヘラヘラしてる奴だってのに、妙に鋭いところもあるんだな』

 ズオォ…… スタッ……。

『ドライ』は、天板の上で跳躍姿勢に移ると。再度先程のように【シルバー・ストリーク】を
展開させた。黒い煙は、一筋の細い煙の筋を後尾に残しつつ地面へ再び高速で着地する。
 どうやら上昇下降に関係なしに、爪痕から爪痕に対して移動は可能らしい……。

『ドライ』の発言に能力を誤認する訳でなく、全貌を紐解く貴方。そのスタイルに対して
スタンド自体も多少は『認める』反応を起こしている。……『額の黄色い痣』は半月から
多少僅かに大きくなったような気がしないでもない。

 『一つだけ教えておいてやるよ。【シルバー・ストリーク】の能力はただ単に
無敵で移動できるだけじゃないって事をな。けど、あとは自分で推理しろよ。
 ――全部出し切る。って言うのは、その気楽そうな頭に入ってる脳味噌を
全部振り絞るって事だって、受け取るぜ?』

タタタタタタ……

また、入口の近くで連続して銃声が聞こえた……。

>>428(夢見ヶ崎)

――ダダダダダッ!!

 『……ソトダ』 『ソト〜』 『ネムイ……』 

 次に放たれたのは、大まかに茶色い。貴方の予想は的中している
『土の妖精』が全体的に茶褐色で総勢500でサブマシンガンの銃口から飛び出す。

 ただ、風の妖精と大きな差異がある。最初の妖精達は極めて『気分屋』な雰囲気があった
幾らかの個体は、貴方の見張りの言葉に反して別の場所を舞ったり探検したり。貴方と
会話する為に残ったりと、幾らか指示に従わない部分が存在したのを覚えてる。
 それに比べれば、この土の妖精達は全体的に『おっとり』している。
 ホームセンターの電灯の光を浴びつつ、緩やかに舞いながら貴方の指示を受動的に待っている。
直ぐに何処かへ行ったりするような個体は全体的に存在しないのが解る……。
 
店内を見渡すが、特に今の所可笑しな様子は見受けられない。相手も、まだ
自分のスタンド能力を理解しようとしてる最中なのかも知れない。

430川本連流『     』:2018/03/23(金) 22:12:51
>>429

地面への転移を披露する『ドライ』を見て、再びにっかりと笑みを浮かべる。
『猫』の額の半月とは対照的な、三日月型の笑み。

「『上下の区別は無い』んだね。
付き合わせちゃって悪いとは思ってるんだけどさ、
でもやっぱり、色々試してみるのがいいのかな」

さて、上昇下降の如何を問わない『能力』なのだとして、
先刻の『ドライ』の、『地面より上に』云々の発言は依然として謎のままとなる。

「私としてはさ、『ドライ』がまるっきりのデタラメを言うってのは、
ちょっと信じられないんだよね。
だから」

言葉を中途で唐突に切り、作業用品売り場側へと小走りに移動する

「『ドライ』はそこで待機して、『もう無理』ってとこまで私が来たら、
私に追い付いて、そこで『床』を『引っ掻いて』欲しいんだ。
そこからその『床』の、今の『マーキング』まで、『戻って』みてくれるかな」

川本は、『スタンド』の『基礎概念』を知っている。
故に、狙いは3つ。
『猫』の像との『射程距離』。
同じく『マーキング』の『射程距離』。
あわせて、『同一平面への移動の可否』。

「無駄な事してるかもって自分でも思うんだけどさ、
それでもこういうの、やった方がいいと思うんだよね。
私たちってほら、『シュジューカンケー』じゃあないわけだから」

『パートナーシップ』、『フレンドシップ』と決めたのだ。

「だから一緒に無駄な事、楽しんで欲しいんだよね」

431夢見ヶ崎明日美『???』:2018/03/23(金) 22:38:40
>>429

    「『土』から生まれるのは『土の妖精』――『トーゼン』だね」

               「 『四大元素』 」

            「――っていうんだよねぇ?」

『四大元素』――科学が発達する近代以前に、この世界を構成する存在として考えられていた四つの要素だ。
それらは、『風』、『土』、『水』、『火』の四つから成ると言われていた。
この『マシンガン』は、マガジンから『四大元素』を取り込み、それを『妖精』という形で放出する。

この点に関しては、まず間違いないだろう。
『魔法のマシンガン』という名前も、あながち的外れではなかったようだ。
あるいは、『錬金術のマシンガン』と呼んてもいいかもしれない。

それが分かったのは、『エレメンタル・フォースⅡ』のお陰だ。
星見横丁のゲーセンで稼動している、『四大元素』をテーマにした体感型アクションゲーム。
この前それをやっていたから、すぐにピンときたのだった。

「キミたち、力持ち?大きな石とか運べるかね?」

「あと、『シルフ』みたいにビュンビュン飛んだりできる?」

とりあえず、『力があるか』と『素早く動けるか』の二点を確認する。
『器用か』という部分については、やってみないと分からないようなので、今は省く。
『妖精』によって基本的な性質にも変化があるのなら、知っておかなければならない。

「とりあえず、キミたちも私の周りを見張ってて」

「あと、『名前』教えてよ」

『シルフ』に命令したのと同じように、『土の妖精』に周りを見張らせる。
その間、ポケットに入る程度の手頃なサイズの容器を探す。
『妖精』を呼び出すための土を詰めて携帯しておくためだ。
容器が見当たらなければ、持っているハンカチの中に土を包み、四隅を縛って零れないようにする。
それが済んだら店内に戻る。
手頃な容器が見つかっていなかったのなら、花苗周辺で容器を探して、そっちに土を移しておく。
それが終わるか、やる必要がなかった場合は、サービスカウンターの前を通って、お酒のコーナーへ向かいたい。

432『オータム・リーブス』:2018/03/23(金) 23:16:01
>>430(川本)

>無駄な事してるかもって自分でも思うんだけどさ、
>それでもこういうの、やった方がいいと思うんだよね

『ヘンッ 何言ってんだ。お前のやってる事は【試行錯誤】って奴だろ?
無駄な事なんかじゃないじゃないか』

 貴方は小走りに家電製品から作業用品売り場へを移動する。
『ドライ』は暫くそれを見てから声を上げる。

『おっと、そこでストップだぜ。そこが限界だ』  その距離は十メートル。
貴方に対し離れようとする仕草をするが、無理だと首を振る。射程距離は『十メートル』だ。

そして、地面を引っ掻くと俊敏に貴方の元に戻りマーキングを再度行う。
 跳躍態勢に移るが……爪痕に黒と銀の輝きは生まれない。

『まぁ 駄目だね。ご主人も試してくれたが、平面だと上手くいかない。
地面と壁だったり、さっき見たいに高低差があれば出来るけど……何でなんだろうな』

これに対する理由は、『ドライ』も持ち合わせてないらしく。悩む素振りを見せる

『……まぁ、悩んでも仕方がないか。次は何をするんだ?』

>>431(夢見ヶ崎)

 エレメント。火・水・土・風……その解釈は恐らく正しい。
君の言葉に対し、土の妖精は眠たげにゆったりとした感じで答える。

 『……ンーー……ノーム』 『しいて言うなら……くっ付くのが 得意』

 土の妖精は、周囲を飛び回り様子を観察する。全体的に統率されてるが
動きは風の妖精に比べればゆったりしてる『スC』

 夢見ヶ崎は、適当な小さめの。花苗の土を移す為に使う為のバケツだろう。
それを見つける事が出来た……。

 そして『酒コーナ』に移動する。『土妖精』達も、それに合わせて移動を開始した……。

433川本連流『     』:2018/03/24(土) 23:07:32
>>432

「『試行錯誤』ね。
うん、それは確かにだよね。
そういうところがやっぱり、良いヤツだって思うんだけど」

分かったことは3つ。
『射程距離』は10メートルで、『移動』には『高低差』が必須で、
『ドライ』はまるっきりのデタラメを言ったりはしない、ということ。

「それと『壁』でも行けるってのは、いいこと聞いたよね。
次にするのは、ええっと、『爪痕』の『射程』なんだけど」

『家電製品』売り場へとてくてくと歩み戻り、
『棚の天板』の『マーキング』を『ドライ』に確認してもらおう。
『10m』を超えた所で、爪痕も消えてしまうものだろうか。

「それともう一個、これはダメモトなんだけど」

次いで、『家電売り場』に陳列された『スマートフォン』を手に取り、
『ドライ』に『引っ掻く』ようお願いしよう。

「その『マーキング』、持ち歩けるか試してみたいじゃない。

434夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/03/24(土) 23:23:59
>>432

『ノーム』のスピードは『シルフ』に比べて遅い。
やはり、基本的な動きも『妖精』によって違うことが分かった。
本格的に対戦が始まるまでに、全ての『妖精』の性能を把握できればベストだ。

「ほうほう、『ノーム』ね」

「――じゃ、ちょっと私にくっついてみてくれない?」

その辺の棚とか商品でもいいが、やっぱり生き物に対して試してみるのが一番分かりやすい。
いわば『人体実験』というところだ。
そこまでの危険はないだろうし、問題があったら離れるように命令すれば済む。

バケツはポケットには入らないだろう。
できればポケットに収まる程度の小型の容器が欲しかったが、見つからなければ小さなバケツでも構わない。
その中に土を移して、腕に引っ掛けてぶら下げておく。
そういえば、サービスカウンターにビニール袋とかなかっただろうか?
あれば、その中に土を移しておきたい。

「広い意味でいうなら――『お酒』も『水』だよねぇ?」

「それなら『召喚可能』ってことになるんだけど」

お酒コーナーから、ポケットに入る程度の大きさで、口の広い容器に入った酒を探す。
見つかったらフタを開けて、酒の中にマガジンを突っ込む。
それによって発現中の『ノーム』が消えては困るので、念のため『ノーム』の『くっつき』を確認した後で行いたい。

435『オータム・リーブス』:2018/03/25(日) 00:04:13
>>433(川本)

>そういうところがやっぱり、良いヤツだって思うんだけど

『ハンッ! おだてたって、おいらがペラペラ能力を明かすと
思ったら、大間違いだぜ』フーッ

>『壁』でも行けるってのは、いいこと聞いたよね

『と言うより、元々壁とかにマーキングして使ってたよ。
ご主人は…………うん、そうやって使ってた』

 『ドライ』は、能力について説明しつつ、少しばかり悲哀を帯びた
口調で髭を垂れ下げて、地面を見る。

 『……んっ、あぁ。マーキングが消えてるかどうか ね』

 タッタッタッ

 『消えてないぜ。安心しろよ 床壁の修理費が嵩むだけで
痕は幾らでも射程内なら有効活用さ。破壊されない限りは』

 天板の爪痕(マーキング)は消えていない……説明通り
【シルバー・ストリーク】の射出・着陸のポイントは『ドライ』の
射程内であれば、どちらとも高低差の条件さえクリアすれば使用できそうだ……。

 貴方は、『スマートフォン』を提示する。

 『ドライ』は、何やら思惑ありげに一瞬川本を見つつも
素直に、片方の爪でスマートフォンに傷を付ける。

  『戦うんなら、もっと色んな場所にマーキングしとくべきだと
思うけどな。おいらの能力は、戦闘中にやると少々隙になるから』

 
>>434(夢見ヶ崎)

サービスカウンター。そちらにも問題なくビニール袋は置いてある。
貴方はそれをバケツの中に入れる(※嵩張るもので無いので
個数の指定は記入してないが、もし複数欲しいのなら次レスで
明記して頂ければ、その枚数入手した事を許可する)

 腕に吊り提げ、土を入れて酒売り場に到着する。アルコール度数が
高いものから低いものまで種類は様々だ。

 >ちょっと私にくっついてみてくれない?

『イイヨー』    フワフワ……。

 貴方の腕に約500の内、半数程度の『土妖精』がひっ付く。
パワーは当然ながら弱い。痛みもない、ただ土の匂いは肉薄した事で
強まり、包まれた腕は当然ながら少々こそばゆい感触が包む……。

 適当な口の広い酒……となればワンカップタイプの酒なりになるが
アルコール度数の高いタイプだとスピリタスやウォッカなどもあるし
口を開けて、携行しているビニールなどを受け口として、マガジンに
振りかければ充填させる事は可能だろう……。

 チャプ……。  ……シーン。  『……?』

 貴方はマガジンに酒をつっこむが、無反応だ。
>>426でも起きた現象だが……妖精の発現中に『再装填』は出来なかった。
 夢見ヶ崎は、同一のエレメントの装填が不可能だと考えていたが
どうやら、発砲して妖精達が発現している間はどのエレメントでも
『再装填』は『不可能』のようだ。もっとも、妖精達にお願いして
『解除』を命じれば、『再装填』のタイミングも任意で行えるだろうが……。

 『土の妖精』達は、貴方の行動をじっと見守っている……。

436川本連流『     』:2018/03/28(水) 23:30:25
>>435

「別におだててるつもりはないんだけど、うん、だけどそうだね。
 こんな風に『スタンド』とおしゃべりするってのも、
 なんだかおかしな話かもしれないよね」

言いながら、軽く微笑み首を傾げる。
そもそもこの一戦だけの付き合いの相手に、
必要以上に丁寧に接する必要も無いのだろうけれど。

「ま、私が好きでやってるんだから仕方ないんだよ。
 そころでさ、『ここ』、来れるかな。
 イメージ的には『壁』とか『床』とか、
 固定された面じゃないと難しいかなとは思うんだけど」

言って、『棚の天板』から『スマートフォンの爪痕』へと、
【シルバー・ストリーク】による移動か可能か試してみる。

「それともう一つは、そう。
 その【シルバー・ストリーク】の『無敵』について、さ」

さらに再び、>>422で『床』に付けた『爪痕』へと『移動』を行う。
その際、『移動中の通過地点』へ先程傷を付けた『スマートフォン』を翳すようにする。

「『すり抜ける』感じになるのかな。
 『弾き飛ばす』ような、パワーがあったら面白いんだけど」

437夢見ヶ崎明日美『???』:2018/03/29(木) 00:21:29
>>435

発現中のエレメントと同じエレメントが装填不可能なのは既に確認済みだ。
しかし、別のエレメントの場合どうなるのかは、まだ未確認だった。
そのことが分かったのは、むしろ収穫だ。

「キミたち、ほかに得意なこととかないの?
 アイキョウがあるのはいいけど、それだけじゃインパクトがよわいなぁ。
 かわいいだけで渡っていけるほど、この世界はあまくないぞ。
 なにか『これ!』っていうものがないと、売れっ子になれないんだ。
 芸の道っていうのは長くけわしいんだ!」

『ノーム』にいい加減な説教をしつつ、改めて考える。
腕にくっついても大した障害にはならない。
くっつくことが何かの能力のきっかけになるのかと思ったが、違ったようだ。
『シルフ』の時は生温かかった。
そして『ノーム』の今は、土の匂いが強く感じられる。
このことから、発現するエレメントは媒介となった物質の性質を帯びているのかもしれない。

「キミたち、もしかしてキミたち同士でくっつけるとか?
 みんなで合体して大きくなったり強くなれるとか??そういうのない???」

念のために、一応聞いてみる。
くっつくのが得意といったからには、まだ何かあるはずだ。
あれだけで終わりなわけがないだろう。
まさか、本当にあれだけなのだろうか。
それで特技を名乗れるなら、わたしだって『ソファーに寝転んでお菓子食べながらテレビ見るのが特技』とか言えるぞ。

「ふぅむ――」

まず、土入りのビニール袋をポケットに入れる。
そんなに大量の土が必要なわけではないし、十分ポケットに収まるだろう。
その後で、アルコール度数の強い酒を選んで開封し、その中身をバケツの中に移す。
大体バケツの半分くらいのところになるまで注いでおく。
空の容器は棚に戻して放置する。

「とりあえずキミたちは帰っていいよ。
 新しい仕事が入ったら、また連絡するから。
 おつかれ〜〜〜」

質問の答えを確かめた後で、『ノーム』達に軽く手を振って『ノーム』を解除する。
そして、マガジンを酒入りのバケツに突っ込む。
さぁ、くるか?くるか??くるか???

438『オータム・リーブス』:2018/03/29(木) 20:57:40
>>436(川本)  (GM:何事もなくて良かったです)

貴方はディスプレイサイズで、爪痕が作られたスマホを
出しつつ『ドライ』に声をかける。返答は鼻を鳴らす声と共に返された。

『おいおい おいらは道化師じゃないんだ。土台が出来てるもんなら
ともかく、そんなんには着地出来ないよ 危なっかしい』

スマホに対して着地する事には明確な拒絶を示す。

 『けどさ 【いい線】はいってるぜ お前の発言』

    ズゥン   ゴォ――ッ

唱えると共に、スタンド猫は黒い霧へと変化して爪痕のついた
地面に着陸する。その過程の間で 間違いのない『反応』があった。

『スマホ』……爪痕のついたスマホは黒と銀、地面や天板に付けた
マーキングと同じ輝きを帯びる。そして、貴方の手から『飛んだ』

 パワーは、貴方の手から強引に抜けた力からいって平均男性並み。
そしてスピードも高速とは言えぬものの中々早い引力(パスCC)
黒い煙の後尾に引き付けられるようにして、スマホは『ドライ』の
着陸地点と発射地点の中間部分の地面へと到達した……。
 煙となったスタンドに対して、スマホは突き抜けたものの
どちらに対しても何かしらの損傷は起きた様子は見受けられなかった。

   ゼェ  ゼェ

『ヘ へッン  どうだっ。おいらの爪で傷つけたものや
すり抜けた物体は、全部軌道上の中間地点に引き寄せる事が
出来るんだぜ? まぁ、おいらより大きい物は結構きついけど……』

 ……『ドライ』は、少し疲弊を起こしている。
額の痣は、特に変化を起こしてない。


>>437(夢見ヶ崎)

>芸の道っていうのは長くけわしいんだ!

 『……フーン………?』

 貴方の説教に対して、500の群れの土妖精達の反応は鈍い。
おっとりと、小首を傾げて貴方を見つめるに留まる。
 知性は、本当に幼い子供ぐらいだ。長々と講釈を垂れても
この、おっとりとした子達には馬の耳に念仏だ。

>みんなで合体して大きくなったり強くなれるとか?

『……ウーン…………』  『………ムリー……』

少し考えこんだ後に、否定の返答がなされる。
 付着するだけ。確かにソレだけでは能力として弱い。

だが、『物質の媒介を大量の妖精として発現』すると言う事は
ある種の強みである。彼らはほんの少量の土にでも反応して500の
貴方に対して順応なる兵士と化す事が出来る。大群はそれだけで怖い。
 媒介とする物体、それに簡潔で相手に脅威となる命令……工夫すれば
強力な攻撃方法だって出来る筈。

 土入りのビニールを袋に入れる。適当に近くにある
ウォッカをバケツに注ぎ込んだ。そして、土妖精に別れを告げる。

>とりあえずキミたちは帰っていいよ

 『マタネ〜』 『バイバイ―』

 シュゥゥ……

土妖精達は問題なく解除される。そして、酒の入ったバケツに
浸けられた『マガジン』だが……そうだ、『きた』

 ――キィィィンッッ

 青い菱形……クリスタルサファイアマークに『5』の数字が輝いた。

439川本連流『     』:2018/03/30(金) 20:46:42
>>438

「ん。やっぱり壁や地面じゃないと難しいか。
でもその『引き寄せ』は面白いね……ちょっと想像してたのとは違うけど」

気になるのは先の『星の瞳を持つ女』による『火力がある』という発言だ。
猫の身のこなしと爪の威力、それに加えて『移動』と『引き寄せ』の能力と見てきたが、
それが直接的な『火力』に繋がるかと言えば疑問である。

「それより無理させちゃったみたいで、ごめんね。
その『移動』、あんまり連発するとやっぱりキツいのかな」

自身を超える大きさの物の『引き寄せ』が『キツい』のは発言の通りだとして、
現状の『ドライ』の疲労は能力の連続的な使用によるものなのだろう。
だろうとは思うが、声に出しておく。

「で、他に確認したいことがあとふたつ、うん、ふたつくらいあってさ。
ひとつはその『おでこの奴』なんだけど、自覚ある?なんだか分かるかな」

件の『火力』に繋がる道で、残されているのは『額の痣』だけだ。
いくつか仮説は思い浮かぶものの、まずは素直に、聞いてみよう。

440夢見ヶ崎明日美『???』:2018/03/30(金) 20:57:26
>>438

「――よし」

早く次のエレメントを確かめたいところだが、その前にやることがある。
『レジャー』の棚へ向かい、そこで『ライター類』を探す。
『着火道具』さえあれば、『火のエレメント』を召喚できるはずだ。

ライターが見つかったら、土入りビニールを入れたのとは逆のポケットに入れる。
それが完了すれば、四つのエレメント全てを召喚する用意が整う。
つまり、能力を使うための基本的な準備が終了するということだ。

続いて、『日用品・化粧品』の棚の隅まで移動し、そこに身を隠しながら中央の通路の様子を窺いたい。
対戦相手の姿が見えなければ、そのまま素早く『家庭用品』の棚まで移動する。
もし相手の姿が見えたら、気付かれないタイミングを計って『家庭用品』の棚へ移動する。

ここで気付かれてしまうと、少々面倒なことになる。
相手も能力を試している最中であれば、見つかったとしてもすぐには攻撃してこないかもしれないが、
注意するに越したことはない。
それのついでに、相手のスタンドの情報も収集できれば、さらにいい。

(こんなとき、『ドクター・ブラインド』があれば、『音』や『匂い』で居場所をつかめるんだけどな)

441『オータム・リーブス』:2018/03/30(金) 21:17:57
>>439(川本)
 
>ごめんね
>その『移動』、あんまり連発するとやっぱりキツいのかな

『………………どうして』

 『ドライ』は、貴方を当惑したような、若干の怒り、悲しみ、喜びもあるだろう
そんな複雑そうな、少し泣きそうな表情で見上げて呟く。

 『どうして、そんな事聞くんだ? おいらは……おいらはスタンドなのに。
スタンドって言うのはさ 所詮、道具なんだぜ? 乱暴に命令すりゃいいんだ。
 何で……何で、気遣うのさ。友達みたいに 相棒みたいに……
おいらは……おいらを、そんな風に扱ってくれたのはご主人様だけだ。
 けど、お前は ――ツレルは、おいらを何で……』

 >『おでこの奴』なんだけど、自覚ある?なんだか分かるかな

『…………額 痣…………おい らは……ぅ……
…………思い 出せない……』

 『ドライ』は苦しむ表情で悩んでいる。何か大事な記憶を欠落してるようだ。
額の満月より僅かに欠けた痣は未だに変化を起こさない……。

>>440(夢見ヶ崎)

『レジャー』棚。アウトドア用品が並んでる場所で点火に便利な
 『チャッカマン』が置かれている。普通のライターやマッチよりソレが一番容易だ。

『サブマシンガン』の能力を使用するには、事前に媒介とする物品を身近に置いた
ほうが便利だと考える貴方の思考は、間違っていない……。

土入りビニールを逆のポケットに入れて移動を開始する。日用・化粧品棚から中央を見るが
今の所人影はいない……もっと奥の棚にいるのか、もしくは別の場所のようだ。
 忍び足で、貴方は『家庭用品』棚まで辿り着く……。

442川本連流『     』:2018/04/01(日) 23:27:46
>>441

「あら、どういう風の吹き回しだろねえ」

『ドライ』の表情の変化を認めると同時、
視線を斜め上、天井へ向けるようにし、流れるように言葉を紡ぐ。

「私は一応その、『スタンド』ってヤツのこと、知ってはいるつもりなんだ。
 教えてもらったからね。教えてもらっただけだけど。
 私の思う通りに動いてくれる、私の『超能力』。
 思う通りに、思いが通じるんだもの」

『気持ちが通じて良かった』と言ったことがある。
『フレンドシップ』と、『パートナーシップ』と言ったこともある。
だから。

「だから『友達』って、『相棒』って言ってくれるんだよね。
 私の名前を、覚えていてくれるんだよね。
 言葉が、気持ちが、ちゃんと通じているって思うから」

そこまで口にしたところで、言葉に詰まる。
そこから先が続かず、繋がらない。

「思うから、ええっと――」

川本連流は、自分が何を信じるかを自覚的に選択できる。
自分の事を自分で決められる。独りで出来る。長女で、お姉ちゃんだから。

夢の中のキャラクターに入れ上げる益体の無さを分かっている。
超能力の像とコミュニケーションを取る滑稽さを知っている。
朝日と共に訪れるであろう別れを心得ている。
だから出来ない事がある。


「私は『ドライ』の、『ご主人様』にはなれない」


『そう』するのは簡単だ。
そうすることで目の前の『スタンド』が性能を十全に発揮して、
それで勝負に勝って、夢から覚めて、そしてその寝覚めがどんな有様なのか、想像するのは簡単だ。

そこで改めてしゃがみ込み、目線の高さを『ドライ』と合わせ、真っ黒な瞳で笑って告げる。

「『ドライ』が自分の事を思い出せないのとおんなしように、
 私もどうして『ドライ』にぞっこんなのか分からないんだ。
 分かんない同士、対等にやっていこうよ。
 どっちがどっちじゃないんだ。
 私には『ドライ』がいて、『ドライ』には私がいる。
 そういうの、戦いながら証明していこうよ」

連れ合い、連れ添う。流れるように。
そういう名前でやってきたのだ。

「だからこそのお願いなんだ。
 私はこれから戦うからさ。ちょっと、手伝って欲しいんだよね」

具体的な行動を伴わない、ただ『スタンド』と言葉を交わすだけの時間。
その時間をこそ大切にしたいと、川本連流はそう信じているわけだ。

443夢見ヶ崎明日美『???』:2018/04/01(日) 23:37:40
>>441

「――うんうん、いまどきはベンリになったもんだ!」

『レジャー』の棚からチャッカマンを一つ入手する。
これで『マシンガン』の弾には困らない。
あとは、それらの使い分けだ。

(テイサツ部隊から本部へ。周囲にテキエイなし)

(リョウカイした。そのまま前進をケイゾクせよ)

(ラジャー)

架空の通信を交わしつつ『家庭用品』棚の端まで歩き、そこから西側通路を覗き見て誰かいないか確認する。
それから、『家庭用品』の棚を見て、どういった類の商品が陳列されているか確かめる。
具体的には、片手で武器として扱えそうなものがあるかどうかだ。
あまり気は進まないが、『マシンガン』で殴るというのも、いざという時は使えるかもしれない。
『マシンガン』がスタンド体である以上、スタンド以外を殴っても壊れることはない。
だが、やはりそれでは頼りない。
近距離でまともに使える武器を調達しておくべきだ。

444『オータム・リーブス』:2018/04/02(月) 13:50:14
(昨夜はレスが出来ず、申し訳ありません)
>>442(川本)

 >私は『ドライ』の、『ご主人様』にはなれない

『わかってるよ……逆に、なってやるなんて言われたら
お断りだって返すさ』

>私には『ドライ』がいて、『ドライ』には私がいる。
 >そういうの、戦いながら証明していこうよ

『……あぁ!』

川本のの考えを、『ドライ』がどう読み取り解釈したのか。
それは本人、もとい本猫にしか分からない。だが未来の行動が回答となる。
 ギュッと、強く瞼を一旦閉じると。スタンド猫は気弱な
様子を拭い去り、最初の発現時と同じ気丈な顔つきに戻る。

 『……マーキングだ、マーキング(爪痕を付着)しないと……
それが、大事な事だったのは憶えている……』

   ガリ  ガリ  ガリ……。

呟くと、ドライは貴方の半径十メートル周りにある家電製品。
子機や、見本の携帯など。目に写る自分と同等の質量かソレ以下の
物に対し、一心不乱に傷を付け始めた。制止をかけない限りは
その行動を暫くは継続するだろう。

>>443(夢見ヶ崎)

家庭用品棚の端……MAPだと『塗料接着剤』の丁度、下角にあたる部分。
そこから貴方は左側の様子を伺う。……人影は、見えない。

 陳列してる棚だが、家庭用品だけあってキッチンで使う鍋やら
フライパンに包丁なども存在している。女性でも気軽に扱えて
殺傷力と、防御に使えるものとなれば小ぶりのフライパンだろうか?
 選ぶのは、自分自身だ……。

445川本連流『     』:2018/04/03(火) 21:27:29
>>444

「『お断り』って、うん、そうだね。
そう言って欲しかったんだよ。
えへへ……かっこいいじゃない」

川本連流は詐欺師の娘だ。
少なくとも中学に上がるまでは町内でそう呼ばれていたことを、本人も自覚している。
だから巧言令色騙くらかして『猫』に協力を取り付けることも、
ひょっとしたら可能だったのかも知れない。

「だけどこれは夢だからね」

藁にも縋る思いの相手に、母親が本当に藁を掴ませてきた事も知っている。
それでも、だからこそ、『ドライ』相手の騙しは抜きだ。

短く呟き、辺り構わず『爪痕』を付ける『ドライ』を見遣る。
『壁』でも『床』でもなく、敢えて『小物』を狙うその動きを目で追って、

「【シルバー・ストリーク】、じゃあ、ないってことかな。
そこからが真骨頂で、本気の全力って、思っていいのかな」

『自身のサイズと同等以下』で、『複数』がトリガーか。
先の『中間地点への移動』の、『自分より大きいものはキツい』の発言との絡みも感じる。

『ドライ』の行動がひと段落するまで見守り、
頃合いをみて再び『移動』を試してもらう。
まず自身の足元を『引っ掻いて』もらい、そこから>>422で付けた床の爪痕へと。

『ドライ』を見守っている間、川本自身は大きめのサイズの『展示用タブレット』を見繕っておく。
プリセットされたアプリを適当に操作しながら『ドライ』の動向を見るつもりだ。

「『確認したいこと』の、もうひとつ。
私がごちゃごちゃ動いてる間、どのくらい『ドライ』がやれるかってこと」

『同時行動』の確認を済ませればもう、あとは戦って、証明するだけなんだ。

446夢見ヶ崎明日美『???』:2018/04/03(火) 22:09:58
>>444

「――これにしよう。『料理』したいからね」

「なにを料理するかって?もちろん『テキ』を料理するにきまってる」

「こいつで『ステーキ』にしてやるぜッ」

今のようにスタンドを使っている限り、片手は『サブマシンガン』で塞がってしまう。
よって、空いている方の手で扱える品物が望ましい。
手頃なフライパンを手に取り、持ち込んだ鞄の中に突っ込む。
鞄の口を開けておいて、そこからフライパンの持ち手を出しておく。
こうしておけば、すぐに引っ張り出せるという寸法だ。

そして――。

「フッフッフッフッフッ。いまこそ、いでよ!わがシモベたちよ!」

悪の魔法使いになりきって『マシンガン』を発射し、『水のエレメント』を発現させる。
まあ、スタンドも魔法のようなものだろうが。
これで、対戦相手はこちらが店内に移動したことを知るだろう。
仕掛けてくるか??それともまだか??
『マシンガン』を撃った後は、現在位置から北上し、角から北側通路を覗き込んで様子を探る。

447『オータム・リーブス』:2018/04/03(火) 22:57:35
>>445(川本)

 貴方は自分の足元の床へと(マーキング/爪痕)を望む。
『ドライ』は、言われるままに其の場所を引っ掻く。
だが、『シルバー・ストリーク』は発動しない。先ほど(>>432)もスタンドが
説明した通り、平面状で無敵移動が発揮されなからだ……。
 展示用タブレットを操作する傍らも、スタンド猫は手あたり次第に目につく
半径十メートル内の小物に対し引っ掻き傷を付ける……その時。

    ダダダダンッ!!

『! また銃声……ッ、しかも今度は近いっ!』 シュッ タンッ タンッ!

 『ドライ』は、短い破裂音に耳を揺らすと棚の上へと跳び移った。

   『……! 見つけたっ』

>>446(夢見ヶ崎)

 貴方は悪役を気取り『サブマシンガン』を掲げて銃声を鳴らす。

 ダダダダダンッッ!!

     フワ   フワ   
  フワ    フワ   

  『……ウルウル』 『ウルウル』  『クスン』  『プルプル……』

  出てきたのは総勢500。予想通りのウォッカの琥珀色で染められた
『水妖精』だが……全体的に『弱気』だ。常に自信のないマンモー二のような。
一塊で、貴方に対し涙目で命令を待っている……。

 そして、スタンドを引き連れ北上して『家庭用品』棚から出た其の時……!

 タンッ。

 >『……! 見つけたっ』

 ――! 棚に飛び乗る影を目視した。あれは『スタンド』……!
スタンドで出来ている『猫』だ!

448川本連流『     』:2018/04/03(火) 23:17:52
>>447

「『同一平面縛り』は健在なわけだ。
 んーで、そうだね」

タブレットの操作と平行して爪痕を付ける『ドライ』を見て、
『川本』は確信する。

「『動きながら動ける』子だ。素敵じゃない」

『同時行動』の度合いは知れた。
しかし『額の痣』の真実も、『小物への爪痕』の真意も未だ判然としない。
分からない。分からなくて、分からないから、このままで。

>『……! 見つけたっ』

「行くよ」

短く呟き、即座に指示するのは『棚の天板』を『引っ掻く』こと。
着陸地点の選択肢を増やしておきたい。

「こっから先はさ、やりながら考えるから。
 ほんとはそれが一番楽しいんだよ。
 『やる』のと『考える』の、別々にしちゃうのも、勿体無いって思うんだよね」

展示用のタブレットを手に取り、目線を向けるは『銃声』の先。
そこには恐らく果たして間違いなく、対戦相手のあの子が、いるはずだって思うから。

449夢見ヶ崎明日美『???』:2018/04/03(火) 23:48:10
>>447

「おいおい、てめえら。シャキっとしやがれッ。
 これからドンパチやらかそうってのに、そんなだらしないザマじゃあナメられちまうぜッ」

「いいか、わたしはおめえらを信じてるんだから、その期待にはキチッとこたえてくれよ?
 この手でいっしょに勝利をつかみとろうぜ!」

現れた『水妖精』に対して、つい姉貴分のような態度で接した。
いや、そんなことはどうでもいい。
上だ!!上を見ろ!!
あれはなんだ?鳥か?飛行機よ!いいや、あれは『スタンド猫』だ!!

「とうとうシッポを出したな……!ボスをうらぎったおまえたちは、このわたしがシマツする!」

どこかの犯罪組織から送り込まれた刺客風に名乗りを上げる。
ちなみに、シッポを出したというのは、猫のシッポとかけたジョークだ
さぁ、遠慮なく笑ってもいいぞ!

「そう、このわたしと……わたしと……キミたち名前は?」

『水妖精』達に呼びかけつつ後退して、『スタンド猫』から距離を取る。
あんな風に上から来られては、棚に身を隠しても意味がない。
相手のスタンドの能力も性能も不明な今は、とにかく離れることが先決だ。

「――命令。半分は私の周りに散らばって、猫以外に動くものがないか探して。
 もう半分は、あの猫が近付いてきたら、あいつに向かって突っ込む。オッケー?」

退避しながら、『水妖精』に命令を出す。
猫に聞こえないように小声でだ。
もし、猫が飛び掛ってくるようなら、『水妖精』で時間を稼いでいる間に回避を試みる。

450『オータム・リーブス』:2018/04/04(水) 22:56:02
>>448(川本)

>「行くよ」

『あぁ……!』  ザシュゥ  タンッ!

 『ドライ』は、意気込みと共に天板を引っ掻く。そして、跳躍すると
貴方の傍へと軽やかに着地する。

 『前には出過ぎるなよ。前衛は、おいらが担当する』

『それと、相手だが。何だかとっても小さい、虫の群れみたいなのを
周りに置いていた……それだけは注意しておけよ』

 そう注意するスタンド猫の傍ら……貴方達のいる棚のほうへ何やら
淡く小さく輝く十数の群れが、飛来(スB)してくる……。

  『……! 敵かっ』

 『ドライ』は、飛びかかる体勢へと移る。

>>449(夢見ヶ崎)

 >そんなだらしないザマじゃあナメられちまうぜッ
>あの猫が近付いてきたら、あいつに向かって突っ込む。オッケー?
 『……ッ』  『……プルプルプルプル』

 発破をかける夢見ヶ崎、そして敵スタンドへの『迎撃』を指示する。
本来ならば、襲ってくるであろう相手へ対応させるのは全く以て正しい。
 だが、その態度と指示は『予想外』な反応を『水妖精』達に与えた……。

 『コワイ……』  『プルプルプル コワイ』 『プルプル……』

 ……ウォッカの水妖精、もとい震えつつ自己紹介した『ウンディーネ』達は
『迎撃』の指示に対して硬直して、涙目で反応しえない。
 どうやら、この水を司る妖精達は『荒っぽい指示』を実行する事が出来ないようだ……。
『風妖精』は『お転婆』 『土妖精』は『おっとり』 『水妖精』は『弱気』と、今の所
異なるエレメントによって、性格にも大きな違いがあるようだ……。
 
 残る250体の水妖精達は、ビクビクしつつも指示に従い周囲へ散って行く……。

451川本連流『     』:2018/04/07(土) 23:55:42
>>450

「『前衛』ね。かっこいいじゃない。そうだね――」

『ドライ』の頼もしい言葉に軽く頷き、僅かに考える。
確かに生身の自分が出張るよりかは『スタンド』に戦闘を任せるのが道理ではある。
ただ、『ドライ』を前に立たせて後ろから『ああだこうだ』というのが自分の望む所かといえば、
なんとも納得し難い部分もある。

だから僅かに、一瞬だけ考えて、告げる。

「今回の私はそのかっこよさに甘える事に決めた。
 小さくてたくさんいる『それ』、まず何匹が潰してちょうだい」

数には重点を置かない。深入りはしない。
飛来する集団の先頭の数匹を巻き込むように『爪』を振るい、
『ドライ』の攻撃を回避できるか、命中した場合どの程度のダメージが通るのか、
その辺りを確認するのが狙いだ。

一方でこちらは『対戦相手』を探ろう。
本体の姿は見えるだろうか。
互いの距離はどの程度で、外見に特徴や違和感はないだろうか。
その辺りからやっていこうか。

452夢見ヶ崎明日美『???』:2018/04/08(日) 00:42:39
>>450

    「――――」

       「――――――」

           「――――――――は????????」

思わず目が点になった。
与えた指示を実行できないというのは、さすがに困った。
単純な命令なら問題なく行えると思っていたが、他にも制約があったようだ。
性格によって役割分担が決まっている。
言ってみれば『喜怒哀楽』といったところか。

「こらっ!なんだその反応は!だからおまえは『甘えん坊』だっていわれるんだぞ!!
 プルプルプルプルしやがって。もういっかいベビーベッドからやり直すか!?」

つい長々と説教を始めたくなったが、そんな場合ではない。
今の状況をどうにかしなければならない。
『リロード』して他のエレメントに交代させることも考えたが、その行動は隙を作ることになる。

「もう、仕方ないな。今のは性格を把握してなかった私が悪かった。
 とりあえずキミらは私を守れるように近くにいてよ。ね?
 怖くない、怖くないよ〜〜〜」

指示を実行しなかった残りの250体に、傍で待機するよう改めて命令しなおす。
攻撃ができないというのなら、防御とか受動的な行動であれば可能かもしれない。
少なくとも、敵の近くで本体を無防備に曝しておくよりはマシだろう。

そして、『家庭用品』棚から出来るだけ大振りでよく切れそうな刃物を見つけて一つ確保する。
さらに、『ワーク衣料』の棚に移動し、適当な作業着か何かを一つ入手する。
それらが確保できたら、刃物と作業着は鞄の中に入れる。

いつ攻撃が来るか分からないのが不安だ。
できれば回避したいところだが、最悪でも防御はしなけれなばらない。
その時に『ウンディーネ』が少しは役に立ってくれるといいが。

453『オータム・リーブス』:2018/04/08(日) 13:55:30
>>451『川本』(お気になさらず。ですが、事前に点呼スレなどで
返信出来ない旨を頂けたほうが幸いです)

 >小さくてたくさんいる『それ』、まず何匹が潰してちょうだい

『お安い御用さ!』 タンッ

 ドライは跳躍すると、棚を足場に使い器用に小さな蚊柱のようなものへと
一気に接近する!

 一塊で普通の速度で接近していたものたちは、迫って来たスタンドに気づくと
泡をくったように上空、後方、真横の陳列棚の空き目から逃げようとする。

 『逃がすかよ!』  ザシュッ……!

 ドライの爪が伸びて、宙を裂く。……集団の上や下に逃げようとしたものは
爪に触れた瞬間、瞬く間に飛散した。地面に僅かに琥珀色の染みが広がる

『んっ! この匂い、酒……か? それと、ちっ……
何匹か取り逃がした。今の、虫じゃないな……凄く小さいけど人型だったぞ』

 地面と、爪に鼻をピクピク動かして感想を呟き。そして、少し顔を顰め
爪の間から擦り抜けていった者達が通った棚の間をドライは凝視する。

 『おいら達がこの棚のほうに居るの、バレちまったかもな』

スタンドが報告する傍ら。貴方も妖精達が散らばるのを見届けてから
棚の向こうの通路を覗く。

カツ  カツ・・・。

 『ワーク衣料』方面に入る人影を見た……。

>>452(夢見ヶ崎)

 水妖精の命令違反に、思わず怒鳴りつける貴方。
僅かに妖精達は震え、一層と琥珀の涙を一同が浮かべる。
 苛立ちもあるものの、収穫はある。『土』と『風』は
行動は素早くも、不規則な部分が目立つ風。そして基本的に
命令に忠実ながら、動きは緩慢な土と『反対』の性質が目立つ。
 この『水』達の行動からも、よくよく観察すれば成果はある筈だ。

 
 >キミらは私を守れるように近くにいてよ
 
 『ワカッタ……』 『クスン ワカッタ』 『プルプル ワカッタ……』

スゥゥゥゥゥ……。

 『水妖精』達は、琥珀色の半径一メートル内を円柱型で囲むようにして
夢見ヶ崎の壁となって、貴方の移動に合わせ陣形を保ったまま移動する。
 明確な『攻撃』の指示でなければ、ある程度の事はしてくれそうだ……。

棚に置いてある中で、一番使いやすい大きさだと『三徳包丁』だ。
 そして『ワーク衣料』に移動して適当な『つなぎ』を鞄へと入れた。
……すると。

   フワ  フワ……。


 『……イタ   ネコ イタ』

 『ヒト  イタ オナジ バショ イタ』

 『チイサイデンワ アルトコロ……ホカノ仲間 ネコ 切ッタ……』

 偵察に向かわせていた水妖精達だろう。散らばった数匹が、涙目で
体を震わせつつ報告をしてきた。

 尚、多少なりとも妖精達が消えたようだが……貴方は特段何処かに
小さな痛みを感じた覚えはないし、疲れなどもない。精々あるとすれば
鞄を提げる肩部分が、僅かに凝ってるぐらいか。

454『オータム・リーブス』:2018/04/09(月) 11:46:04
>>453(追記)
 なお、『水妖精』達は全体的に輝きを放って薄くなってる。
もう『時間切れ』のようだ。

455夢見ヶ崎明日美『???』:2018/04/09(月) 18:17:25
>>453

「ほうほう、うむうむ、ごくろうごくろう!!」

「そんで、ネコに切られたとき、どんな感じだった??
 グシャァッ!って感じだった??シュババッ!って感じだった??」

「ようするに、『力は強かった?』、『動きは速かった?』ってこと」

『水妖精』の報告で、敵の位置は分かった。
小さい電話、つまり携帯電話がある場所といったら家電しかないだろう。
自分が今いる所から近すぎるわけではないが、遠すぎるという距離でもない。
相手の性能次第では、すぐに距離を詰めてくる可能性もある。
それを考えれば、警戒は緩められない。

「なんかさぁ――」

「いまさらなんだけど、こうやっておしゃべりしてるのって、すっごいシンセンってかんじするよね。
 キミたち、わかる??ベイビーちゃんには、わかんないかなぁ??
 コドモには、まだはやいからなぁ〜〜〜。オトナになったらわかるよ、きっと、うんうん」

『ドクター・ブラインド』は自我を持たないスタンドだ。
言葉を喋ることはあるが、あれはあくまでも独り言に過ぎない。
無機質な呟きを、ただ機械的に繰り返しているだけなのだから。
だからこそ、こうしてスタンドと会話していることが新鮮に感じられた。
結構こういうのも楽しいかもしれない。

「さて、イッキに突っ切ってくるかと思ってたけど――」

ひとまず現在地から移動して、敵スタンドから距離を取る。
方角は南方向だ。
その際、『家庭用品』の棚から包丁を更に二本追加で入手し、合計で三本を所持することにする。
それらは、全て鞄に入れておく。
これだけあれば十分だろう。

「――ところで、そろそろ一分たったっぽい???」

『水妖精』が消えたら、こちらは無防備になる。
敵が攻めてくる前に、また『リロード』する必要がありそうだ。
『マシンガン』のマガジンを取り外し、点火したチャッカマンを近付ける。
それで反応があればよし、なければ直に火で炙るようにして『リロード』を試みる。
『マシンガン本体』が邪魔になるようなら、一旦『マシンガン』を脇に挟むなり何なりする。

456川本連流『     』:2018/04/10(火) 23:10:00
>>453

『ドライ』の爪が『それ』を引き裂く様を見て、僅かに目を細める。

「当たるし、やれるね。
 だけど、だからこそっていうのかな。
 その、たくさんいる『それ』、相手してたらキリがないって感じだね。
 しかし壊すとお酒になるってのは、なんなんだろね」

未成年の川本が持つ酒の知識は少ない。
仕事を終えて遅くに帰ってきた母親が、憤りながら、悔やみながら、時に泣きながら飲むそれだ。
そんな母親を見て、『早く自分もハタチになって、一緒に酒を飲まないとな』と決意を新たにしたものだ。

幾度か聴こえた『銃声』と、距離を詰めてこない姿勢を見るに、
銃のイメージそのまま、遠い間合いが得意なタイプと当たりを付ける。

「移動は『棚』を飛び移りながら。
 それぞれの棚を一回ずつ引っ掻くことね。
 すばしっこい『ドライ』と普通の『私』とで、それで大体足並み合うんじゃないかな。
 距離詰めながら、拠点増やして行こうか」

『作業用品』『工具金物』『塗料接着剤』、
それぞれの棚の前を通過するようにして『ワーク衣料』棚付近の『対戦相手』を目指す。

『ドライ』に出す指示は口に出した通り。
川本本体は早足で距離を詰めたい所だが、基本的には『ドライ』のペースに合わせる歩みで。
『工具金物』の棚の前を通る際、可能なら『バール』か『金槌』を入手しておきたい。

457『オータム・リーブス』:2018/04/11(水) 20:04:58
>>455(夢見ヶ崎)

 貴方はスタンドの弾丸(妖精)達と会話しつつ南方面に移動する。
すなわち『園芸用品』のある場所へとグルっと回って戻って来る感じだ。
 二本、牛刀かソレに類似したものか。控えめに見ても勢いよく人体に刺せば
当たり所によれば致命傷になりえる武器は三本になった。もっとも、この舞台は
『スタンド』がメインである故に、その直接的な攻撃が何処まで許容されるかは不明だが。

   シュゥゥ……。
 スチャ    キィィィンッッ!

水妖精達が消失する。マガジンをマシンガンから抜いてチャッカマンの火に触れさせると
直ぐに光り輝き、充填完了を表す粒子が一瞬舞った。

     タンッ    タンッ……。

 少し遠くのほうで、棚の上に飛び乗り何やら天板に爪を立てる『スタンド猫』の
姿が見えた……この位置からだと、射程距離が異常に長くない限り直ぐに攻める事はない。

>>456(川本)

 貴方は地面に軽く付着してる酒の名残と匂いに家族の思い出を巡らせる。
スタンドへと『マーキング(前準備)』をお願いする。

 『あぁ。棚の中のものにも幾らか傷を付けておくからな
そうした方が、後で能力で集める際に直ぐ済む』

  タッ   タッンッ   タッ   タッンッ
    ザシュ!         ザシュ!  

 『作業用品』 『工具金物』の天板へと『ドライ』はその敏捷性を活かして
危なげなく天板に二つの爪痕を刻む。並行して地面にも同様に同じ行動を行った
 更に、どちらの棚にもある猫より比較的小さい懐中電灯やら、バッテリー
工具であるならば、目につくものに手あたり次第に射程内を往復するようにして
ソレに触れる度に肉球から黒く輝く爪を出しては傷を付ける作業に腐心した。

 工具金物で、適当な大きさのバールと金槌は目に留まった。適当に腰に
括り付けるのも良いし、携えるのも問題ないだろう……。

458夢見ヶ崎明日美『???』:2018/04/11(水) 22:24:51
>>457

「――よしよし」

ひとまず『リロード』はできた。
発射する前に、ちょっとした作業を行う。
『家庭用品』と『園芸用品』の間辺りに身を隠し、まずつなぎの袖をくっつけ、
その先に包丁三本をまとめて縛り付ける。
難しいようなら二本でもいい。
できたら、それは一旦置いておく。

敵スタンドの動きも気になるところだ。
あそこから飛び掛ってくるつもりかと思ったが、そうでもないらしい。
何かしてる?
猫が爪とぎするのは別に不自然でもないが、相手はスタンドだ。
それだけじゃあないだろう。

そういえば『水妖精』達は、『力は強かった?』、『動きは速かった?』って質問には答えてくれてただろうか?

「ナゾナゾです。『おてんば』の反対は『のんびり屋』。じゃあ『甘えん坊』の反対は???」

敵スタンドとの距離に気を配りつつ、『マシンガン』を発射する。
『水妖精』が臆病で受動的なら、その対極に位置するであろう『火妖精』は、おそらく……。
さて、正解は??



【眠気が強いので、先にレスさせていただきます】

459川本連流『     』:2018/04/11(水) 23:33:20
>>457

『ドライ』が自主的に行う『小物』への『マーキング』。
先に見た『移動の中間地点へ物を引き寄せる性質』。
加えて此度の『能力で集める』という発言。

「多分その辺が繋がってくるはず、なんだよね……」

呟きながら、片手で携行出来るサイズの『バール』を入手し、左手に提げる。
『ドライ』への指示は継続。
先程までより歩調を早め、人影を目にした『ワーク衣料』の棚の辺りまで移動したい。

「こっちは結構派手にやってるつもりなんだけどね。
 向こうから仕掛けてくるって感じでもないし、
 やっぱり距離がある方が得意なのか、なにかの準備があるのか、かな」

小走りに駆けながら視線を『ドライ』へと向け、

「たとえばさ、これまでたくさん『マーキング』してきたエリアに引き返して、
 あっちこっち爪痕の付いた私達に有利な場所で『待ち構える』ってのは、
 ねえ、どうなんだろうね?」

薄く微笑み訪ねてみよう。
単なる雑談の類だけれど。

460『オータム・リーブス』:2018/04/12(木) 09:44:38
>>458(夢見ヶ崎)

『水妖精』達に敵スタンドの詳細について聞いた報告だったが。
彼女等は震えつつ『爪が一番強そうだった』『動きは速かった』と
たどたどしくも伝えてくれた。

 貴方は棚の間に隠れるようにして、『マシンガン』の引き金を引く。

   ――ダダダダダダダダンッッ!!

   ボォ  ボォ  ボォ  ボォ!!

『サッ』   『ラ!』
   『マンッ!!』   『ダ――ァ!!!』

  『ヤルゾ!』 『ヤルゾヤルゾ!!』 『ヤッツケルゾ!』 『ボッ ボォ!』

出てくる『火妖精』達。その振る舞いは正に『腕白』で『暴れん坊』と
いった感じの子供達だ。盛んに激しく左右に貴方の周りを飛び回りつつ
能動的に行動したいと言わんばかりに自己出張を示してる。

大人しくしてろ、等の命令は恐らく聞かないだろう。




>>459(川本)

 『ワーク衣料』の棚まで辿り着く、バールを片手に貴方は
棚に置いてあるハンガーや天板と地面に対してマーキングを行う
『ドライ』へと相談を持ち掛ける。

 大体の小物と、発射地点と着地地点へと爪痕を付けた猫は
貴方の横へと降り立つと、少し髭を撫でてから答えた。

 『敵の能力に寄るな。あの小っこいの達、さっきので全部って
訳じゃないだろうし、さっきからドンパチ鳴らしてる奴が撃ってきた
のだとしたら、おいらよりは多分ずっと遠くまで飛ばせるって事だろ?
 マーキング場所に誘導するのなら良いけど、ただボーっと待ち構えても
射程外からハチの巣にされる可能性が高いな。
 まぁ、おいらの爪ですぐ消えちまうようだから。そんなに強い奴等
でない事は確かだけどさ』

 『待ち構える』戦法に対しての賛同は消極的だ……何かしら
メリットが存在するのならともかく。岩石を容易に裂く武器『爪』を
持つスタンドからすれば、能動的に闘うほうが有利に働くと思ってるのだろう。

>>

461川本連流『     』:2018/04/12(木) 23:03:55
>>460

消極的な、それでいて的確な『ドライ』の言葉を受けて、
『微笑み』ではない明らかな 『笑み』の表情を浮かべる川本。

「良かった。『ドライ』ならね、反対してくれると思ってたよ」

戦って戦って、互いの価値を証明すると言ったのだ。
その為に駆け足で、『敵』の姿を探しているのだ。
いまさら弱気な発言を、この猫が認めるとは思えない。

「だからできればさ、『私がそんなことするはずない』って、
 そう言ってもらえたらもっと嬉しかったんだけどね」

言いながらも索敵の意志は継続だ。
姿でも音でも、敵の居場所を捉える要素はないだろうか。
先程までこの『ワーク衣料』の棚のそばに居たことを考えても、
そう遠くへは行っていないと思うのだけど。

「しかし不思議だよね。
 『ドライ』の言う通り、こっちの攻撃の届かないところから、
 『銃』で撃ってくればいいのにね。
 私達は逃げも隠れもしてなくて、しかも相手の居場所が分からないっていうんだから」

『対戦相手』の居場所を捉えることができれば、
迷わずそちらへ歩みを進めることにする。
連れているのは猫だけれど、虎穴に入らずんばなんとやらだ。

「『撃てない理由』がある、って方に、期待したいよね。
 『ドライ』の『高低差』みたいに『条件がある』とか。
 そうでなければそうだね……『同世代の女子に向けて引き金が引くのがおっかない』とか」

軽口を叩きながらも思う。
果たして自分は同世代の女子に、爪を突き立てる事ができるのか。
なんて。

462夢見ヶ崎明日美『???』:2018/04/12(木) 23:31:33
>>460

「ほうほう、ゲンキがいいな。スキだよ、そういうの。うんうん」

やはり『火妖精』は攻撃的な性格の持ち主らしい。
じっとしていてくれそうにないが、問題はない。
大人しくしていてもらうつもりで呼び出したわけではないからだ。
念のため、『火妖精』の一体に指先を近付けて軽く触れてみよう。
やはり熱いのだろうか。

それから、相手の位置を確認するため、棚の陰からこっそり様子を覗き見る。
最初に西側、次に東側だ。
そうしてから、『火妖精』に命令を出す。

「じゃあ、やっつけてもらおうかなぁ〜〜〜」

「キミらはこっちから突っ込む。キミらはあっちから突っ込む。わかるね??」

「それから、狙うのは人間の方を優先すること。オッケー??」

「――よし、思いっきりやっつけてこい!!」

『火妖精』を二つに分け、西側と東側の両方向から突撃させる。
左右からの挟撃だ。
『火妖精』の攻撃力と、それに相手がどう対応するか見させてもらう。

463『オータム・リーブス』:2018/04/13(金) 17:45:53
>>461(川本)

 >『私がそんなことするはずない』って、
>そう言ってもらえたらもっと嬉しかったんだけどね

 『おいらは……おいらは、まだツレルを完全に信用はしてないぜ。
確かに【誠意】は感じた。けど、全てを出し尽くすのは見てないからな』

 通りかかる『木材』と『衣料』にある天板と地面、小物に傷を付ける
『ドライ』の声を聞きつつ、先程(>>460)聞こえた発砲音のほうから
何かが迫って来るのを目撃した。 
   ボ  ボ   ボ   ボボッ

 『! また小さな群れ……さっきよりずっと大群だぞ!』  タンッ

 およそ『250』の小さな赤い群れが、正面から迫って来る……!(スB)

>>462(夢見ヶ崎)

 貴方は、一体の『火妖精』へ指先で触れる。
仄かに暖かい……が、火傷するような程ではない。恐らく、『妖精状態』の際は
元の元素としての状態にスタンドの膜を纏ってるような状態なのだ。
 そして、『解除』されると元の物質へと様変わりする。

>キミらはこっちから突っ込む。キミらはあっちから突っ込む
>狙うのは人間の方を優先する
>よし、思いっきりやっつけてこい!!

 『オゥ!  ヤッツケルゾ!』  『タオスゾ!』  『ヤルゾ!』
    『ボッ   ボボォォオ!』

  挟み撃ちにして、ぶっ倒せ。その、簡潔でストレートな
命令に、火妖精は呼応して元気に目標地点へ飛行する!

  瞬く間に、貴方が陰から様子を伺うワーク衣料の棚付近に
立つ敵(川本)と猫(ドライ)の元に、半分の『火妖精』達が迫り
もう残る火妖精達は、少し横から遅れるようにして突撃するのが見えた。

464夢見ヶ崎明日美『???』:2018/04/13(金) 22:19:03
>>463

現在のお互いの距離と位置は??

465『オータム・リーブス』:2018/04/13(金) 23:43:21
>>464(回答)

 約9〜10m内。

 現在の二人の位置を簡易的に表示すると。

           △=川本/ドライ   ○=夢見ヶ崎 ∴=妖精
木木木木木木      
木木木木木木
   △
ワワワ
ワワワ∴棚∴棚
ワワワ 棚 棚
ワワワ 棚 棚
ワワワ 棚 棚
      ○
園園園
園園園

466川本連流『     』:2018/04/15(日) 20:02:24
>>463

「『誠意』に『信用』ね。うん。
 そういうのってやっぱり、行動で示していくしかないからさ」

だからこその戦いで、そのための戦いなのだろう。
向かってくる『赤い群れ』を視界に捉え、呟きながら行動に移る。

「ひとつひとつは大したことないけど、
 たくさんいて、遠くまで行けるっていうなら、そうだね。
 距離を取って戦いたくなるのも分かるかな」

恐らく『ワーク衣料』の棚に陳列されているであろう『作業着』の中から、
なるべく生地が厚く頑丈そうなものを一着入手したい。
バールはポケットに突っ込み、空いた手で『作業着』を手にするイメージ。

同時に『ドライ』に『床』を引っ掻き『マーキング』するよう命じる。
敵前での『マーキング』は相応の『隙』が生じると助言を受けたことを憶えている、が。

「そこは私がちょっとだけ、体を張ることにするよ。
 どのみち大群が相手なら、『ドライ』が一匹ずつ潰していくってわけにもいかないからさ」

『群れ』が『川本』へ殺到するようなら、入手した『作業着』を振り回し払い落とす。
『スタンド』に直接ダメージを与えられずとも、透過されなければ多少の時間稼ぎにはなるだろう。

『マーキング』が完了する前に『ドライ』が『群れ』に襲われるようなら群れへの対処を優先。
『爪』で潰せる範囲の『群れ』を潰す。

『マーキング』が完了すれば即座に【シルバー・ストリーク】の能力を発動。
移動先は『木材棚の天板』か『ワーク衣料棚の天板』の『マーキング』のうち、
位置取り的により多くの『群れ』を『移動』に巻き込める方。
川本自身も位置取りを調整するよう移動し、移動の軌道上に『群れ』を巻き込むよう目論む。

「多分これでなにかがどうにか、なると思うんだけどね……」

467夢見ヶ崎明日美『???』:2018/04/15(日) 20:55:04
>>465

回等感謝します

>>463

「その意気だ、チャンプ!おまえは『サツジンマシーン』だ!めざせ、甲子園!」

思いついた適当な激励をかけつつ、『妖精』を送り出す。
さて、元気がいいのはいいけど、正面から戦っても勝ち目は薄いだろう。
敵のスタンドは素早く、強力な爪を持っているらしい。
しかし、単純な力だけでは勝負は決まらない。
たとえ小人でも、頭数が集まれば『ガリバー』も倒せる。

「で、威勢はよかったけど、じっさいどうなの??」

東側から向かった『火妖精』の後に続いて、自分も相手に接近する。
ただし、まだ棚の陰に隠れていられる程度にしておく。
棚の端辺りで止まり、そこから『火妖精』の戦いを見守る。

「あのツメ――さっき何か引っかいてたけど、
 『ドクター・ブラインド』みたいに、傷をつけたものに何かする能力か???」

『爪』というキーワードから能力を想像する。
自分のスタンドも『爪』が能力発動の鍵になっている。
だからこそ、敵スタンドも『爪』が能力に関係しているのではないかという考えが浮かんだ。

468『オータム・リーブス』:2018/04/16(月) 19:54:31
>>466(川本)

 貴方は、風を切りつつ弾速に近い速さで迫る小さな赤い大群を視認しつつ
一つの『つなぎ』を手にする。その間にも敵は距離を詰めて、貴方だけを
狙って一気に突撃しようとした。人の動きと、虫のような素早い動きでは
後者の動きが優位に立つ。然も、少し左側からも同じ程の大量の
小さな赤い群れがやって来る。作業着を振る間もなく、大群の敵が全身を覆う……。



     ――タンッ
 ……と、思ったが。
 『ツレルは……おいらのパートナーだっ』 ザシュッ!

   『例え短い間でも……それでも大切な!』 ザシュッ!

……貴方の命令を無視し、『ドライ』は貴方と敵スタンドの小さな大群に
割って入り跳び、高速で爪を振るう。微かに火の粉が飛んだ。

 『シルバー・ストリーク』を発動しようとすれば。どうしても、その間
多少のタイムラグが発動する。何より、つなぎを入手して振り回そうとすれば
その隙を狙って、大群の敵達が貴方を覆う。その危険を見過ごしてまで
『ドライ』は貴方の命令を実行する事は出来なかったようだ……。
 敵の大群は、スタンドの阻害に怯み一時的に停止する。その敵意は
邪魔するスタンド猫に対しても向けられてるようだ。

  『ジャマ!』 『ジャマ ボッ!』 『ヤッツケル!!』

「御免よ……命令を無視してさ  ははっ」
 「おいらは、やっぱり……駄目な奴だなぁ」

 『ドライ』は自嘲気味に笑いつつ、再突撃を繰り出そうとする
敵達を目にしつつ前傾姿勢をとっている……。

>>467(夢見ヶ崎)

 貴方は、棚の陰から『火妖精』達の戦いを見守る。
丁度↑で行われてるような、スタンド猫が敵の女性と貴方の
スタンドの両者に割り込んで宙を舞いつつ爪を振るう姿が見えた。
 攻撃速度は、早い(スB) 貴方のスタンド妖精の飛行速度と同等だろう。

 ブゥン ブゥン!!

『火妖精』達は、人間に突撃するのを邪魔されて怒り心頭だ。
邪魔をした『スタンド猫』に対しても、攻撃を仕掛けようとする動きをしている。
 今の妖精達の総数は、スタンド猫の牽制による爪攻撃を受けたのも含めて残るは
『480』といったところだ。まだまだ十分に戦える数は残っている……。

469川本連流『     』:2018/04/19(木) 23:51:34
>>468

「あ――」

自身と敵との間に割って入る『ドライ』を見て、
川本は呆けたように口を開け声を漏らす。

「いや、違うんだ……そんなつもりじゃ、なくって」

口をついて出る言い訳も切れ切れに、
懸命に爪を振るう猫へと呟き掛ける。

「私がいくらか酷い目にあって、
 それでも『ドライ』が動けるようなら、
 それはそれで勝てるんじゃないかって、思ったんだけどね」

これまでの『ドライ』との攻防を見るに、
相手の『群れ』にそれほど大きい攻撃力があるとは考え難い。
生身でも多少はどうにかなると踏んでみたが、それを許す『相棒』ではなかったか。

「自棄になるのは悪い癖だね――。
 四の五の抜きで一回、ちゃんとやってみようか」

今回の私は『ドライ』に甘える事に決めた。

「この『群れ』は、『ドライ』が全部潰すこと。
 逃げるやつは放っておくこと。
 私が後ろでどうにかこうにかなっても気にしないこと。
 分かるよね?」

この一合で『ドライ』が作ってくれた時間が有る。
次の『群れ』の攻撃に対して、川本自身もある程度の対応は取れるだろう。

「『力比べ』なんだよ。
 『遠くから』、『沢山』、『何度も』出してくる相手に対して、
 正面切って打ち負けるようだと、どの道しんどい勝負なんだ」

手にした『つなぎ』を握り直す。
『ドライ』の言葉と、力を信じるほか今はない。

470夢見ヶ崎明日美『???』:2018/04/20(金) 00:07:25
>>468

「しまった!じゃまされてしまったぞ!こいつはまずい!」

オーバーリアクションで大袈裟に頭を抱えつつ、『火妖精』と『スタンド猫』の戦いを見つめる。
実際には、そこまで悩んではいなかった。
むしろ、これはチャンスだ。

「がんばれ、みんな!ファイトだ、みんな!わたしもがんばるぜ!」

声援を送りつつ、棚の陰から飛び出し、第二陣として送り出した『火妖精』達の後方から接近する。
その際、正面に位置する『火妖精』達を壁のように使うことで、敵の攻撃にも幾らか対処できるようにしたい。
相手との距離に注意し、近付きすぎないように心がける。
こちらの武器が届く範囲に来たら、そこで足を止める。
武器は、つなぎの先に結び付けた三本の包丁だ。

「その動き、本体を守るつもりみたいだけど――」

「こういうのはどうかな?『チェシャ猫』ちゃん?」

つなぎの袖にまとめて結び付けておいた三本の包丁を、本体めがけて投げつける。
狙いは胴体。
末端部分だと外れる可能性が高い。
身体の中心に当たる胴体を狙えば、どこかしらに命中する。
つなぎの反対側の先端、つまり足部分の裾は手に握っておく。

「ところで、『バースデーケーキ』の気分を味わうのって洒落てると思わない?」

もっとも、この攻撃そのものでダメージを与えるつもりは余りなかった。
これは布石であり、あくまでも注意を引くための行動に過ぎない。
もし包丁を本体が防げば、その分だけ隙が生じて『火妖精』達が取り付きやすくなる。
スタンドで防いだとしても、スタンドの動きを一時的に妨害することになるはずだ。
その場合、『火妖精』達はフリーになり、当初の命令通り本体を狙って突っ込んでくれるだろう。

「 『ハッピーバースデー・トゥーユー』 」

つなぎを引いて包丁を手元に引き戻しつつ、後方に飛び退いて距離を取る。
そして、『火妖精』達が対戦相手の全身に取り付くタイミングを見計らって、
『火妖精』を『解除』(>>467 cancel=解除)する。
一つ一つは大したことのない灯火だろう。
でも、それが何百体もいれば話は違ってくる。
言うなれば、数百歳分の蝋燭が立つ『バースデーケーキ』の完成だ。

471『オータム・リーブス』:2018/04/22(日) 20:34:15
(本当にすいません。昨日は疲弊してレス投下できませんでした)
>>469(川本)
>私がいくらか酷い目にあって、
それでも『ドライ』が動けるようなら
それはそれで勝てるんじゃないかって

 『――馬鹿野郎っ!』  ザシュゥッ!

『――おいらには【お前】がいてっ 
お前には【おいら】がいる! その言葉は嘘だったのか!?
 自己犠牲なんかで勝たれても! おいらはちっとも納得しないよ!!』

 スタンド猫は声を張り上げる。そして、貴方の『群れ』への対応は
無言で爪を振るう事で応じている。然しながら、敵のスタンドは多勢だ
 100数の赤い群れが貴方の前にも飛来する。

 ――チクッ    チクッ     チクッ……。

 露出した肌へと、指より小さいサイズの群れが何度も体を走らせる。
秋などに生じる、静電気が走るような痛みが何度も走る。
 血などはまだ痛みが生じた場所には出ないが、このまま黙って受ければ
一分もすれば紙で切った程度の傷は受けた箇所から起きそうだ。

 視界の中で、スタンド群体の壁の向こう側から人影が近づく。
女性……敵の『夢見ヶ崎』だ。片手に幾つかの包丁が吊り提げた
作業着らしきものを携行している。

 >ハッピーバースデー・トゥーユー

 『――! ツレルッ……!』

 ! 群体のスタンドの壁から、つなぎに繋げられた包丁が
貴方の正面めがけて飛来する。だが、振り払おうとすれば
 赤い群体も、その隙をついて貴方の体を覆いかねない。

『ドライ』も、敵スタンドの対応に追われた結果、敵本体の襲撃に
一拍反応が遅れた……包丁の攻撃に対応出来るかは『ギリギリ』だ。

>>470(夢見ヶ崎)

 がんばれ、みんな!ファイトだ、みんな!わたしもがんばるぜ!

 『  ォウ!!   ヤッツケルゾォ!!』

 火妖精達の性格は、かなり戦闘的だ。貴方の応援に対して
頼もしく返答しつつスタンド猫へ突っ込む。
 敵本体に対しても残る軍勢は突撃する。相手の露出した顔や手へと
赤き頼もしき尖兵は素早く移動しつつ体当たりを起こしては反撃がすぐ
出来ない後方や間合いの外へと飛来する。ダメージは殆どないものの
彼らは自分自身に対して最も効果的な戦法を熟知しているようだ。

 「 『ハッピーバースデー・トゥーユー』 」

貴方はつなぎを、しなりを付けて振るい包丁を敵本体の胸元へと飛ばす!
相手も、つなぎを闘牛士のように掲げているものの。貴方のスタンド妖精に
手間取っており、この分なら攻撃は間違いなく通りそうだ。
 
尚、『解除』に関しては『任意』で出来るか微妙だ。
 命令すれば問題なく火の粉に変わるだろうが。彼らは『サブマシンガン』
拳銃スタンドから放たれた『自動操縦』方式の『スタンド』に近い。
 

(※>>467のメ欄は確認していましたが。どの部分に関しての
キャンセルか判断つかなかったので、このように処理しました)

472『オータム・リーブス』:2018/05/07(月) 23:39:46
(夢見ヶ崎PC また、もし可能なら川本PCの返信も望む)

――ジジ   ジジ・・・・・・

 『川本』 『夢見ヶ崎』

互いのスタンドの激突、死闘が幕開ける最中に二人の視界がぶれる。

 気付くと、貴方たちは闇の空間に佇んでいた。
暗闇の中に、ぽつぽつと周囲が星のように点滅している最初の空間に。


 「・・・・・・おや、これは奇異な事。
どうにも、御二人の内の一人が夢より目覚められたようです。
 何者かの邪魔か、もしくは夢から抜ける程の刺激を外部から受けたのか。
はてさて・・・・・・これはこれは、少々困りましたね。
 あははは。まぁ、このような出来事もたびたびあるのでしょう。
人生と言う、長くも一瞬に過ぎる劇場の戯言の一つ・・・・・・」

 星のような瞳と髪の女が、また面白いものを見るかのように
貴方を見ていた。

 「さて、今宵の幕間は終焉へと向かいます・・・・・・。
然しながら、今回は少々想定外に終わりますね。
 お一つ、これは提案なのですが。

今回の『記憶』は持ち帰る事をご自由に選択して頂けます。
 それと、ささやかながら小金を現実でいずれ貰う事も・・・・・・。
また、今後もこのような夢の場を開催する予定もございます。
 貴方にとっては、このように不本意で終わる事は趣旨に反すると
わたくしは思っております。
 ですので、次にまた。貴方がこの夢で踊ることを願うならば
優先的にこの場に訪れるように望みます。
 それで、今回は劇場より お別れ。どうでしょうか?」


 星の女は、貴方の答えを穏やかに待ち受ける・・・・・・。
 

(※ミッションマネー半額及び記憶の持ち帰りの任意選択。
 また、夢見ヶ崎PLの今後のミッション希望時の参加優先で
ミッションを終了したいと思います。
 今回のミッションで二人に渡したスタンドの詳細は
ミッション終了後に説明させて頂きます)

473夢見ヶ崎明日美『???』:2018/05/08(火) 00:26:25
>>472

「 お??お???お???? 」

辺りをキョロキョロ見渡す。
よし!!何も異常ないな!!
だって、クレイジーな世界でクレイジーなことが起こるのって当たり前じゃん??
元々おかしな場所だった。
正常に進む方が、ある意味おかしいのかもしれない。

「『今週はここまで!続きは来週』って??じらすのがうまいなー。にくいにくい」

その場に腰を下ろして胡坐をかき、パチパチと何度か拍手する。

「夢のことってあんま覚えてないじゃん??で、これも夢でしょ。
 だから起きたら忘れてるかもしんない。でも覚えてるかもしれない」

そう言いながら一つ欠伸をし、両手で顔を支えながらうつ伏せに寝転がる。

「何が言いたいかっていうと、起きてみないと分かんないよねってこと。
 まぁ、わたしの予想としては――」

「『何か分かんないけど、こういうヘンテコな夢みた』ってくらいには覚えてるんじゃないかなぁ〜〜〜と思う。
 そういう感じ???」

両足をブラブラと前後に動かしながら答えた。

「言っとくけど、わたしのギャランティーは高いぞ!
 出るなら主役!!メインキャストだ!!あと、今度からはマネージャー通して」


(記憶は『持ち帰り』を選択します。ありがとうございました。お疲れ様です)

474『オータム・リーブス』:2018/05/08(火) 17:35:33
>>473

>言っとくけど、わたしのギャランティーは高いぞ!
 
>出るなら主役!!メインキャストだ!!あと、今度からはマネージャー通して


 「あはは 承知いたしました。
いずれ、また。枯葉のごとく褪せた微睡の中で お会いしましょう」

 「それまで、貴方だけの獲得する劇を愉しんで。 

               また何時か 何時か……」


そして、貴方は暗闇の中で段々と意識を暗転させていった。
穏やかな女の笑い声が遠のく中で、ゆっくり ゆっくりと。

 ……   ……

「ふぅ   それにしても、ままならないものですね」

「美しき魂と魂の交錯によって織りなす色彩。
閃光のように短いからこそ艶やかなのに、見る事は本当に難しい」



― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

夢見ヶ崎は、目を覚ます。スタンドの『ドクター・ブラインド』も
問題なく発現する事は出来ており、何時ものベットの上から起き上がるだろう。

奇妙な夢で、星を模る女性は何時かの再会を予言した。
それは、微睡の中で起きた奇妙な出来事を忘れる程の長い時の後に起きるのか
もしくは、それより早い時に起きるのかは。まだ、誰にも知れない……。


『夢見ヶ崎 明日美』→『オータム・リーブス』時の記憶get!
現実内で起きた幸運により『十万』get!

一般人『川本』→!同上で『十万』get!


To be continued……?

475『オータム・リーブス』:2018/05/08(火) 17:54:14
夢見ヶ崎に借用して頂いたスタンド。

『サブマシンガン』のヴィジョン 非実体化スタンド。
 
マガジンに『四元素(エレメント)』に相応する物体を接触させる事により
最大五百発(匹)の『妖精』を発現させる事が出来る。
 妖精達の知性は幼稚園児並みであり、火・水・土・風によって性格に差異がある。
四つのエレメントを駆使して、君だけの『担い手』としての力を振るうのだ。

『エアリー・フェアリー・ナンセンス』

破壊力:C スピード:なし  射程距離:D
持続力:C 精密動作性:なし 成長性:B

『エレメント・フェアリー』

破壊力:E スピード:C〜B  射程距離:B(50m)
持続力:E 精密動作性:C 成長性:C


能力概要

サブマシンガンの本体に関してはモデルガン並みの強度。妖精達も
射程距離は広いものの、それ以外のスペックは微妙なもののDFはどちらにも
存在しなかった。妖精達はミッション内でも見た内容の性格であり
土→水=火→風と言った感じでスピードは風が一番あるものの命令を十分の1が
無視すると言うデメリットも存在していた。
 それ等の欠点を克服して、毒性の気体や灯油などを媒介にした妖精を活かした
攻撃方法が有力だったと思われる。遠距離からダメージを蓄積させたり、小さな
存在である事を活かしてスニーキングを活用してのトリックコンボを活かした
戦いを想像して作成したスタンドだった。
 水妖精が攻撃指示を反する理由としては、指示に順応すぎるとえげつない攻撃が
広がりすぎるから。煙草を煮込んだ液体や、洗剤など普通に日常生活では人を重傷
に陥らせる事ができるものはあるので、少々制約は多く付けていた。

ミッション内の経過に関してGMからの感想を述べさせて頂けるならば
遠距離から延々と攻撃したりする図は、余り華麗とは言えないと思うが
このスタンドは遠距離や設置での攻撃が一番活きると思うので、園芸土の
あたりで、灯油なども入手しての灯油を媒介にした水妖精など発現してたら
かなり序盤で大ダメージが予想出来たと思う。

476『オータム・リーブス』:2018/05/08(火) 18:13:23
川本に借用して頂いたスタンド

平均的なサイズの黒猫のスタンドヴィジョン。
 『半自立』型であり。このスタンドは極めて他者に
利用や、見下される事を嫌う。過去の背景としてスタンドの
本体が仲間の、そういった行為で死に至らしめられたからだ。
 額の月は欠けてしまった。彼女の『月(希望)』を取り戻す
時はもう二度とないのだろう……。

 『シルバー・ムーン』

破壊力:D(B) スピード:B  射程距離C(10m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:C

(※破壊力のBは爪の強度)

第一の能力『シルバー・ストリーク』
高低差でマーキング(爪痕)を付ける事により、射程内で
黒い霧状の移動を行える。本体ど同等の重量か以下の半径10m内の
爪痕を付けたものも、移動線状の中心に引き寄せられる(パスCC)
 それより重い物は、引き摺るようにして中心に動くが。パCで動かせる程度の
重い物なら十数cm、もっと重ければ数cm引き寄せられるぐらい。
 移動時は、スタンドの攻撃は干渉されない。また、六回使用した後は
3分ほどのインターバルが必要となる。


第二の能力『シルバー・ブレット』
 スタンド猫『ドライ』が本体(川本)と信頼関係が最高潮に達した場合
発揮させるつもりだった。ミッション内では発動ギリギリまでの関係に至っていた。
 『ドライ』に宣言した『全てを出し切る』と言う内容にそった行動を成功した時
月は満月となり、黒猫は銀色の猫となり本来の能力を発揮する。
 爪痕に対しスBの高速で移動し、その移動時に『シルバー・ストリーク』で
予め付けたマーキング品に銀色の閃光となって移動するドライが触れると
『自動追尾弾』となり、半径十メートル内の敵へホーミング弾となって
襲い掛かると言う、えげつない能力だった。
 
能力概要


…………実は川本PCの設定が『信頼』を主体としたものであった為
 最初の『ドライ(シルバー・ムーン)』との交流、行動に関しても
序盤、中盤にかけて最適解に至っていた。元々、このスタンドは
ベテランスタンド使いへのメタファーといった、スタンドは道具として
活用すればいいと言う思考の人物に対し喝を入れるために産みだしたが
川本PCは、リタイアするまで完全にスタンドの内容を網羅してるかのように
動いていた。上記の能力から見てわかる通り、今回の戦闘ではかなり
有利に立てる為に、あえてシルバー・ブレットが発動するまでの信頼に至る
速度は遅滞させていたが、GMの想定が正しければ、残り2レスか3レスで
能力が発動されて完勝する可能性も考えられた……。
 色々と、そう言う部分も含め。今回の打ち切りは遺憾な結果と思わなくもない。

477『街角のS』:2018/05/10(木) 23:14:39





     「 朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足。これは何だ? 」

478『街角のS』:2018/05/10(木) 23:23:10

その日、鈴元涼は町を歩いていた。
時刻は夕暮れ。
黄昏時の夕日が、星見町を茜色に染め上げている。

近くにいる人の数は、それほど多くない。
学生や主婦や会社員などが、時折通り過ぎる程度だ。
その中に、少年――鈴元涼の姿があった。

   《朝は四本足。昼は二本足。夜は三本足》

        《――それは何だ?》

不意に、何者かの声が聞こえてきた。
やや甲高く、よく通る男の声だった。
他の人々は、その声に気付いている様子はない。

声は、表通りに面した路地の方から聞こえてきた。
その中の様子は薄暗く、ここからでは少々見えにくい。
路地の中に少し踏み込んでみれば、声の主が誰なのかが分かるだろう。



(※鈴元PLは、外見・所持品・簡易プロフィール・能力詳細を併記して、レスをお願いします)

479鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/11(金) 00:00:55
>>478

「……」

鈴元涼は散歩をしていた。
なんということはない暇つぶしだった。
珍しいことではなく、気が向けば彼は当てもなく歩くことがある。
ちょっとした趣味だ。

「?」

声が聞こえる。
誰だろうか。記憶にはない。だけど自分に話しかけられているような気がする。
分からない。だが興味本位で路地に足を踏み入れた。

「……人間、やろか」

「赤ん坊の時は這い這いで四つ足、大人になれば二本の足で立って、歳をとれば杖をついて二足す一の三本」

外見:灰桜色の着物に羽織。
    癖のある黒髪をうなじの辺りで結んでいる。
    足元は下駄。

所持品:和傘。きんちゃく袋(中には小さな箱に入った一口大羊羹とスマホ)

簡易プロフィール:京都生まれ。思春期。和菓子屋の次男坊。

能力詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/76

480『街角のS』:2018/05/11(金) 00:36:22
>>479

聞き覚えのない声に興味を引かれ、鈴元少年は路地へ入っていった。
しかし、そこに人影らしきものは見えない。
だが、ここから声が聞こえたことは確かだ。

     《そう、その通り》

     《――ご明察》

また声が聞こえた。
高く積まれた箱の裏側から聞こえてくる。
まもなく、そこから何かが現れた。

    《この声は、同じ力を持つ者にしか聞こえない》

    《そして、君には私の声が聞こえている》

    《つまり、『出会えた』わけだ》

物陰から出てきたのは、一匹の猫だった。
ただ、普通に目にする野良猫とは大きく異なる特徴があった。
耳が大きく、全身の毛とヒゲがない。

    《――素晴らしい》

よく通る甲高い声が、猫が座っている付近から発せられる。
正確には、猫の背後に積まれた箱の裏側から聞こえてくるようだ。
こちらからは、その裏側に何があるかは確認できない。

481鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/11(金) 00:55:32
>>480

「どちらさんか知らへんけど縁があったみたいで嬉しいわぁ」

言った次の瞬間猫を見つけ硬直。
猫が嫌いなわけではない。むしろ好きだ。
しかしその見た目が見慣れないものだったことに驚いていた。

「それで、えっと……なんか御用やろか?」

箱に向かって声をかける。
箱には近づかない。

482『街角のS』:2018/05/11(金) 01:29:10
>>481

   《――『スフィンクス』さ》

   《といっても、先程の謎かけをした神話上の怪物のことではない》
   
   《私は、そういう種類の猫なのだよ。エジプトではなくカナダ原産だがね》

奇妙な姿の猫は、そのように言葉を続けた。
実際は、声を発したのは猫ではなかった。
箱の裏から静かに出てきた『それ』が、猫の言葉を代弁している。

   《失礼、『これ』は私のスタンドだ》

   《なにしろ、君と私の間には、大きく隔たる種族の違いというものがある》

   《これを通さなければ、私は君と意志の疎通を行うことができないのでね》

猫の背後に立つのは、異形のスタンドだった。
胸から上は人間の女性、体は獅子、背中には翼が生えている。
その姿を一言で表現するなら、神話の『スフィンクス』そのものだった。

   《私が君を呼び止めた理由は、私の遊びに付き合ってくれる相手を探していたからさ》

   《ただ、遊びといっても、体を動かすような類のものではない》

   《私が出す『謎』を、君に解いてもらいたいんだ》

スフィンクスのスタンドは、その場に座った状態で動きを止めている。
猫と同様に、鈴元少年との距離を一定に保ったままだ。
特に攻撃を仕掛けてくるような気配は見受けられない。

   《無理にとは言わない。君にも都合があるだろう。君が断るなら、私は別の相手を探すことになる》

   《しかし、君が承知してくれるのなら、その手間が省け、私は大いに喜ぶことになるだろう》

   《どうだろうか?私のために君の時間を割いてくれるのなら、それなりの礼はしよう》

483鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/11(金) 01:45:05
>>482

「スヒ……スフィンクス」

発音がぎこちない。
外国語は苦手だ。

「遊びも謎も別に問題はないんやけど」

そう言って近づいていく。
しかし表情は少し硬い。

「スフィンクスって問題解けへんかった人、食べるんやなかった?」

484『街角のS』:2018/05/11(金) 22:09:11
>>483

   《もし答えを間違えた時は君の命を頂戴する――》

   《君の前にいるのが本物のスフィンクスなら、そのように言ったかもしれないな》

   《だが、これはスフィンクスではない。名は『ストーン・エイジ』》

スフィンクスのスタンドから感じられる生物的な印象は、どちらかというと希薄だった。
その全体が、石像を思わせる無機質な質感を持っている。
神話に登場するスフィンクスと、エジプトに実在する石造りのスフィンクス像のハイブリッドといった雰囲気だ。

   《承諾してくれるとはありがたい。それは非常に素晴らしいことだ》

   《では、場所を変えなければな。この近くに、落ち着いて話せる場所がある》

   《ついて来てくれたまえ。そこまで案内しよう》

猫の背後にいた『ストーン・エイジ』が消えた。
そして、猫が近付いてくる。
鈴元少年の横を通り抜けて、路地の外へ出ていく。
少し歩いてから、猫が振り返った。
ついて来ているか確認しているようだ。

485鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/11(金) 23:19:26
>>484

(スタンド、かな)

恐らくそうだろう。
というか自分の知識の中ではそう結論付けるしかない。

「はいな」

猫についていこう。

486『街角のS』:2018/05/11(金) 23:47:23
>>485

少しの間、一人と一匹は通りを歩き続けた。
やがて、猫が足を止める。
そこは、一軒のカフェの前だった。
入り口に店の名前が掲げられている。
『Priceless』――そう記されていた。

   《――ここだ》

再びスタンドを出した猫が、その前足で扉を開けた。
偶然か、店内には他の客はいない。
ウッド調で統一された店内は、落ち着いた雰囲気が漂っている。

   《奥の席に座ろう》

特に遠慮する様子もなく、猫は店の中を歩いていく。
その様子を、店主らしき初老の男性が一瞥した。
瞳の色は青く、彫りの深い顔立ちで、見る限り西洋人のようだった。

「いらっしゃいませ」

すぐに視線を移した店主が、鈴元に挨拶する。
流暢な日本語だった。
口元には穏やかな微笑が浮かんでいる。

487鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/11(金) 23:59:48
>>486

(喫茶店……)

猫と喫茶店。
まるで漫画の中のような状況だ。
猫に招かれて洒落た店に来てしまった。

「どうもぉ」

微笑み返して店主に会釈。
猫についていく。

488『街角のS』:2018/05/12(土) 00:31:31
>>487

明確な非日常というほど異質ではない。
かといって、何の変哲もない日常とも少し違う。
日常の中にある、ささやかな非日常――そんな状況と呼べるのかもしれない。

   《彼はスティーヴン・ステュアート――今、私は彼の所に厄介になっている》

そう言って、猫が椅子の上に飛び乗った。
慣れているのか、店主も咎めようとはしない。
スフィンクスは、猫の傍らに控えている。

「――ご注文をお聞きしてもよろしいですか?」

鈴元が腰を下ろすタイミングで、店主が注文を取りに来た。
テーブルにはメニューが置いてある。
一般的な喫茶店で扱っているものなら、大抵あるようだ。

   《好きなものを頼みたまえ。私が奢ろう》

向かいに座った猫が、そんなことを言った。
その尻尾が左右に揺れ動いている。
……とりあえず頼んでもいいようだ。

489鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/12(土) 00:50:35
>>488

「注文……ええと」

「……」

(猫にごちそうに……?)

なんだか奇妙な感覚だ。
メニュー表に目を通すがどうにも座りが悪い。
猫と意思の疎通をしていることもそうだし、猫にごちそうされそうな現状も。

『自分で払うわ』

スタンドを出して猫にそう告げる。
貸し借りをしたくないというよりは、気を遣わせたくないという気持ちだ。

「紅茶を……」

490『街角のS』:2018/05/12(土) 01:21:14
>>489

人型スタンド――『ザ・ギャザリング』を発現した。
猫の申し出を断ってから注文を出す。
猫は納得した様子で軽く頷いた。

「はい……かしこまりました」

注文を受けた店主が、カウンターの奥へ入っていく。
まもなく、湯気の立つ紅茶が鈴元の手元に置かれた。
香り高く、質の良い茶葉を使っていることが伺えた。

   《この店の名前――『Priceless』というのは、『掛け替えのない』というような意味がある》

   《訪れる人々に、有意義な時間を提供したいという思いから名付けたそうだ》

   《そして、この『遊び』を行う時間が、私にとっては『Priceless』なのだよ》

スフィンクスを通して、猫が喋る。
心なしか、その声色には喜びの色が感じられた。

   《さて、始めよう――と言いたいところだが、まだ名前を聞いていなかったね》

   《私は『ロダン』と名乗っている。君も、そう呼んでくれ》

   《――君は?》

491鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/12(土) 22:48:32
>>490

『ええ名前やね』

掛け替えのない。
素敵な響きの言葉だ。

「僕は鈴元涼っていうんよ。よろしゅうに」

「……えっと、開始やんね?」

492『街角のS』:2018/05/12(土) 23:53:16
>>491

  《よろしく、鈴元涼》

挨拶を返しつつ、ロダンは軽く居住まいを正した。
といっても、見た目は余り変わらないが。

  《では、『ルール』を説明しよう。今から、私が問題を出す》

  《君は、それに対して質問することができる。質問はイエスかノーで答えられるものだけ》

  《質問の数は一つの問題につき『九つ』まで。答えるチャンスは『一回』のみだ》

そこまで言ってから、ロダンは一度言葉を区切った。

  《まず、軽いウォーミングアップとして、一つ『例題』を出そう。
   これは本番ではないので、練習だと思って気楽に答えてくれ》

  《――生まれているが、生まれていない。それは何か?》

これが問題のようだ。
ロダンの言葉によると、あくまでも例題らしい。

493鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/13(日) 00:15:58
>>492

(いわゆるウミガメのスープってやつやね)

何かの機会で耳にしたことがある。
推理力もそうだが質問する力も求められる。
一筋縄ではいかなさそうだ。

「……」

例題。生まれているが生まれていない。

「じゃあ質問一で……『それは生物ですか?』」

494『街角のS』:2018/05/13(日) 00:31:43
>>493

それは生物か否か。
鈴元少年の質問に対して、ロダンは少し考えてから答えた。

   《その答えは『イエス』だ》

   《答えるのに少し迷う部分もあるが、決して非生物ではない》

   《確かに、生物の範疇に含まれていると言えるだろう》

ロダンの答えは、そのようなものだった。
質問回数は、残り八つだ。

495鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/13(日) 01:36:35
>>494

「おおきに……」

(生物……少し迷う……)

犬猫などでの動物であれば迷う事ではない。
迷うというのは分ける時に生じるものだろうか。

「質問二、『それは植物ですか?』」

「質問三、『それは日常的に見られるものですか?』」

496『街角のS』:2018/05/13(日) 03:17:47
>>495

自然に考えれば、犬や猫といった動物なら迷わない。
迷いが生じるということは、それらが答えではない可能性は高い。
頭の中で思考を巡らせながら、質問を重ねる。

  《順番に答えよう。まず、二つ目の質問の答えは『ノー』だ》

  《それが植物ではないことは明白だ。誰が見たとしても、判断に迷うことはないだろう》

  《次に、三つ目の質問の答えは『イエス』だ。
   君達の普段の生活において、それを目にする機会は多い》

  《もちろん、君も見たことがあるはずだ。見慣れていると言ってもいいだろう》

ウッドテーブルを挟んで、鈴元少年とロダンのやり取りは続く。
質問できる回数は残り六つになった。

497鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/13(日) 23:08:16
>>496

「なるほど」

植物ではない。
……この際生まれるという言葉をどう捉えるのかも重要に思えた。

「質問四」

目にする機会が多い。
目に見えるもの。植物ではない生物。
もう少し的を絞ろう。

「『それは今このお店にあるものですか』」

498『街角のS』:2018/05/13(日) 23:28:52
>>497

思案し、少しずつ質問の範囲を狭めていく。
そうすることで、確実に選択肢を絞り込むことができる。
問題にある『生まれる』という言葉の意味も、導き出せるかもしれない。

  《その答えは――『イエス』だ》

  《それは、この店の中に存在する。ただし、今の君に見える範囲にはない》

軽く視線を巡らせてから、ロダンは答えた。
カウンターの奥では、店主がカップを磨いている。
残り質問数は五つだ。

499鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/14(月) 23:05:48
>>498

「……んー」

「じゃあ、質問五『それは食べられる?』」

ここにはない。ではどこだ。
倉庫か、調理場か。

一応この場を見渡して何があるか確認する。

500『街角のS』:2018/05/15(火) 00:00:14
>>499

念のために周囲を確認する。
まず手元にはティーカップとソーサー、そしてティースプーン。
もし紅茶を注文する際に頼んでいたなら砂糖とミルクもあるだろう。

テーブルの上には最初に目を通したメニューと、ペーパーナプキン。
周りには、同じようなテーブルと椅子が置かれている。
そして、カウンター席にも椅子が並んでいる。

カウンターには西洋人の店主――スティーヴンが立っている。
その向こうには、アンティーク風のコーヒーミルが設置されているのが見えた。
カウンターの奥の方は、ここからでは見えない。

  《『イエス』だ。それを君達が食べるのは決して珍しいことではない》

  《残りの質問数は四つ――折り返し地点を過ぎた。
   だいぶん答えが絞れてきたのではないかな》

見える範囲にはないが、店内にはある。
この店は、そこまで広い場所ではない。
自ずと範囲は限られてくるはずだ。

501鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/15(火) 00:39:49
>>500

「せやね……僕の予想があってればやけど」

首を傾げればそれに合わせて癖毛が揺れる。

「質問……六やっけ」

「『それは卵ですか?』」

502『街角のS』:2018/05/15(火) 01:10:34
>>501

六つ目の質問を聞いて、しばしの間ロダンは沈黙した。
鈴元少年の癖のある髪の毛と同じように、尻尾が揺れている。
やがて、ロダンは軽く頷きながら答えた。

  《それは――『イエス』だ。
   生まれているが生まれていない。それは『卵』だよ》

  《できるだけシンプルな問題を出題したつもりではいたが、
   私が考えていたよりも早く答えられてしまった。見事な解答だ》

予想より早い段階で答えが出たことに、ロダンは感心したらしかった。
先程と比べ、少し目の開き方が大きくなっている。
まもなく表情を元に戻し、ロダンが告げる。

  《では、ここからが『本番』だ。問題も少しばかり複雑になる。
   お手並みを拝見させていただこう》

  《一人しかいないならできず、二人しかいなければやっても意味がなく、三人いても二人でしかできない。
   それは何か?》

次の問題が出題された。
ロダンの言葉によると、ここからが『本番』ということだ。

503鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/15(火) 02:14:07
>>502

「正直、自信はなかったけど」

「当たったんやったらよかった」

ふぅと息を吐き胸を撫で下ろす。
自分でも確信がなかった。
だがそれが答えだった。運がよかったとも言える。

「ん……」

本番。その言葉に背筋が伸びる。

「また、難しそうやね……」

まだ答えには辿り着けないだろう。
問題文を少しずつほぐしていく必要がある。
そこから新しい部分を引き出してまた質問を続けなければならない。

「質問一『三人いても二人しかできないのは一人が二人がしていることを見ないといけないから?』」

これが肯定されるのであれば二人でしても意味が無いというのは見る側がいることが重要という認識もできるがどうか。

504『街角のS』:2018/05/15(火) 20:56:46
>>503

大きな枠の外側から徐々に範囲を狭め、少しずつ可能性を限定していく。
おそらくは、それが最も適切な方法というものだろう。
最終的に答えを導き出せるかどうかは、一つ一つの質問の積み重ねに懸かっていると言える。

  《それは『ノー』だ。その場に三人の者がいたとして、
   二人がしていることを一人が見ている必要はない》

ロダンから返ってきたのは否定の言葉だった。
見る側がいることが重要という可能性は、幾らか薄れたことになる。
しかし、また始まったばかりだ。
次以降の質問によっては、また変わってくるかもしれない。

505鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/15(火) 23:10:28
>>504

「ん……」

違うか。まだ一つ目だ。ゆっくりいこう。
焦る必要はない。

「質問二『それは運動……ええとスポーツ? ですか?』」

506『街角のS』:2018/05/15(火) 23:42:20
>>505

仮に違ったとしても、それも一つの手掛かりにはなり得る。
着実に推理を重ねていけば、思わぬところで役に立つかもしれない。
鈴元少年は、落ち着いて次の質問を出した。

  《その質問の答えも『ノー』だ。
   それをするために、激しく体を動かすというようなことはない。
   それは、運動競技の類とは全く無関係であると考えて間違いない》

ロダンの回答は、また否定だった。
これで、スポーツというジャンルそのものが選択肢から取り除かれたことになる。
確かな前進だ。

507鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/15(火) 23:59:04
>>506

「なるほど」

運動ではない。
では他の所に目を向けよう。

「質問三『それは遊びですか?』」

508『街角のS』:2018/05/16(水) 00:26:49
>>507

必要なのは、別の角度からの視点だ。
情報が少ない段階では、多角的な面から見ることが重要になる。
鈴元少年は、それを実行に移した。

  《それも『ノー』だ。それを遊びに分類する者はいないだろう。
   しかし、だからといって厳格な規則の中で行われるという訳でもない》

三度目の否定。
それによって、また的が絞られた。
少しずつではあるが、解答の範囲は着実に狭まっているだろう。

509鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/16(水) 01:10:13
>>508

(遊びでも運動でもない……)

であればもっと静的な行動か。
本当に行動かも謎だが。
続けていこう。

「質問四……えーと『それは室内でしか出来ない事?』」

「ついでに五『道具は必要ですか?』」

510『街角のS』:2018/05/16(水) 01:39:11
>>509

頭の中で、静かに思考を紡いでいく。
ここまでの情報からは、騒がしいようなものとは考えにくい。
その逆かもしれないという方向性は、少なくとも完全な見当違いではないだろう。

  《四つ目の答えは『ノー』だ。それをすることは、室内でも室外でも問題なく可能だ。
   無論、ここでもできる。『どこでもできる』と思ってくれて構わない》

『ここでも』のところで、ロダンは前足の先でテーブルを軽く叩いてみせた。
それから、さらに言葉を続ける。

  《五つ目の答えだが、これも『ノー』だ。道具は一つも必要ない。
   そこに人がいれば、それだけで行うことが可能だ》

残りの質問数は四つ――およそ半分を切った。
少しずつではあるが、この問題の終わりが見え始めている。

511鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/16(水) 02:06:25
「……」

(まだまとまらへん)

・誰かに見られている必要はない
・運動ではない
・遊びではない
・どこでもできる
・道具はいらない

半分を使い、終わりが見えてきたが全体が見えてこない。

(こういう問題で大事なんは水平思考……やっけ)

(後は納得……)

言われてみればそうだ、というのが答えになるはずだ。

「質問六『やる人は男だけ女だけでも大丈夫?』」

512『街角のS』:2018/05/16(水) 02:52:47
>>511

これまでの質問で得られた手掛かりを、頭の中で整理する。
それだけで結論が出てくるとは断言できないが、決して無駄ではないはずだ。
謎の答えに至るためには、何よりも思考の歩みを止めないことが重要であるのは違いない。

  《『イエス』だ。性別や年齢といったものは関係ない。
   それは、誰でもできることだ。とはいえ、赤ん坊には流石に無理だろう》

  《一つ補足すると、それは誰にでもできるが、多少の『傾向』はあるようだ。
   私が人間達を観察した限りでは、オスよりはメス――
   いや……『男』よりは『女』が、『大人』よりは『子供』の方が行っていることが多かった》

質問の残りは三つだ。
解答の時が着々と近付いている。
ここからは、より繊細に質問を選ぶ必要があるだろう。

513鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/16(水) 23:46:06
>>512

一旦問題文から質問しよう。
元の場所に戻るのだ。

「質問七『二人でやっても意味がないのは成立しなくなるから?』」

ここも聞いておこう。

514『街角のS』:2018/05/17(木) 00:09:04
>>513

多角的な検討。
最初に返るというのも、その一つだろう。

  《それは『ノー』だ。二人だけでも、それをすること自体は可能だ。
   しかし、普通はしないだろう。わざわざやる必要がないからだ》

  《逆に言えば、三人いる時に二人がそれをすることは意味がある》

残る質問数は二つだ。
それらを使い切るまでに、答えに辿り着かなくてはならない。

515鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/17(木) 01:00:34
>>514

「……」

(分からん……)

三人ですること。
それも子供の女の子が良くすることだ。
しかし浮かぶものは遊びに関することばかりだ。

「八『それは芸術に関係すること?』」

516『街角のS』:2018/05/17(木) 01:35:43
>>515

三人いても二人でしかできない。
やるのは二人だが、二人しかいない場合はする必要がない。
残る一人――そこに何か手掛かりがあるのかもしれない。

  《『ノー』だ。芸術とは関係していない。
   いうなれば、日常の生活の中で行われることだと言っていいだろう。
   だからといって、生活を送る上で必ず必要ということはないが》

  《それは珍しいことではない。
   そう頻繁に遭遇するものではなくとも、様々な場所で目にする機会はある。
   おそらくは――君も見たことがあるのではないかと思う。
   あるいは、やったこともあるかもしれないな》

  《――次が最後の質問だ。それが済んだ後に、答えを聞かせてもらおう》

一呼吸分の間を置いて、ロダンが告げた。
解答の時は間近だ。

517鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/17(木) 01:46:58
>>516

「……」

「九『やってない一人は参加していない?』」

最後の質問だ。

518『街角のS』:2018/05/17(木) 02:06:55
>>517

これが最後の質問になる。
この後には、解答を出さなければならない。
スフィンクスのスタンドを通して、ロダンが言葉を発する。

  《『イエス』だ。残る一人は参加していない。
   『蚊帳の外』と呼んでも差し支えないだろう。
   しかし、その一人がいないとしたら、二人がそれをする必要はない》

  《それから、君が出した最初の質問だが、着眼点はいい。
   私は『一人が二人を見ている必要はない』と言った。
   これを言い換えれば、『一人が二人を意識する必要はない』とも言えるが……。
   この場合、状況的には逆に二人の方が一人を意識していると言えるだろう。
   なぜなら、その一人がいなければ、二人はわざわざそれをしようとは思わないからだ》

そこまで言ってから、ロダンは一度言葉を区切り、また話し始めた。

  《さて――これで九つの質問を使い切った。
   答えが分かったなら、君の解答を聞かせてもらいたい。
   もし考える時間が欲しいなら、私は君の考えがまとまるまで待とう》

考えるための時間はあるようだ。
しかし、答えるチャンスは一度しかない。
今までに得た情報から推理を働かせる必要がある。

519鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/17(木) 23:31:04
>>518

(―――ん)

(二人が一人……一人は二人にとって一体何なんやろ……)
                                        (運動やない)
        (遊びやない)    

                    (子供の女の子)     

目をつむり考える。

(これは……ちゃうかなぁ……)

「誕生日、サプライズ?」

520『街角のS』:2018/05/18(金) 00:09:43
>>519

迷いながらも、深く考える。
そして、解答を出した。
その答えに対して、ロダンは少し黙った。

  《――面白い解答だ。しかし、それは私の用意した答えではない》

  《想像してみて欲しい。ここに二人の人間がいたとする。
   二人は言葉を交わしていた。
   そして、そこに第三の人間がやってきた》

  《二人は、その一人に話の内容を聞かれたくない。
   そんな時に、どうするか。
   後から来た人間に聞こえないように、小さな声でこっそりと喋るだろう》

  《一人ではできず、二人ではやっても意味がなく、三人いても二人でしかできない。
   それは――『内緒話』だよ》

  《これが、この問題の答えだ。納得してもらえたかな》

そう言いながら、ロダンが軽く片目を閉じる。
結果は不正解だった。
しかし、ロダンの様子からすると、これで終わりではなく、まだ問題は続くのだろう。

521鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/18(金) 00:25:36
>>520

「なるほどなぁ……」

頭を掻く。
外れてしまった。少しだけ残念だ。

「うん。納得した」

「それで、こん後は……」

522『街角のS』:2018/05/18(金) 00:43:40
>>521

毛の生えていない尻尾が揺れる。
そして、ロダンは口を開いた。

  《この次は――第二の問題がある。では、聞いてくれたまえ》

  《それは空にも地上にも水の中にもあり、
   時々新しく生まれたり消えてしまったり移動するのを多くの人々が認識している。
   それは何か?》

二問目が出題された。
九つの質問によって、この謎を解かなければならない。

523鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/18(金) 01:54:43
>>522

「うん……んー」

次の問題だ。
今度はどこから攻めたものか。
ひとまずは問題文を少しずつ崩していこう。

「質問一『それは目に見える?』」

524『街角のS』:2018/05/18(金) 02:07:25
>>523

まずは取っ掛かりを見つける必要がある。
そのために最初の質問を出した。
見えるものか否かだ。

  《『ノー』だ。目には見えない。
   ただ――ある意味では見えると言えなくもない。
   しかし、それ自体は、やはり目では見えないものだ》

ロダンからの返答は、幾らかの曖昧さを含んだものだった。
これで少なくとも、はっきりと目に見えるものは除外されることになるだろう。
ある意味では見えるという部分の解釈が要点になるかもしれない。

525鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/18(金) 02:28:46
>>524

「目に見えん……」

目に見えないがあらゆる場にあるものだ。
それは何か。

(目には見えん……でも見えてるといえんこともない?)

「質問二『それは気体ですか?』」

526『街角のS』:2018/05/18(金) 02:44:10
>>525

空にも地上にも水の中にもある。
見えないが見えるとも言える。
手掛かりは少しずつ増えてきている。

  《『ノー』だ。気体ではない。
   確かに気体も目には見えないが……。
   この場合の『目に見えない』というのは、もっと大きな意味で見えないと思ってくれていい》

ロダンによると、気体ではないとのことだ。
彼の説明を聞く限りでは、気体よりも見えにくいものと考えられる。
時々生まれたり消えたり移動することもあるという部分も、要点の一つになるだろう。

527鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/19(土) 23:07:35
>>526

「まぁ気体やったらあっさりし過ぎか……」

それに少し期待をしていなかった訳では無い。
近いものがあると思ったがそれは一問目の答えがだ。

「三『それは形のあるものですか?』」

528『街角のS』:2018/05/19(土) 23:56:48
>>527

空中にも陸上にも水中にあり、生まれることもあれば消えることもあり移動もする。
そして、それ自体は目には見えない。
謎を解く新たな手掛かりを得るため、自らの考えに従って三つ目の質問を出す。

  《その答えは――『ノー』だ。それは形を持たないものだ。
   しかし、多くの者が、それを明確に認識している。
   おそらくは、君も例外ではないだろう》

そのように、ロダンは告げた。
残りの質問数は六つ。
まだ選択肢を絞り込むだけの猶予がある。

529鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/20(日) 00:31:18
>>528

(形のないもん……)

となると感覚的なものなのだろうか。

「四『それは感情に関係がある?』」

530『街角のS』:2018/05/20(日) 01:08:22
>>529

形のないもの。
そこに含まれる選択肢は、多く考えられるだろう。
感情というのも、考えられる内の一つだ。

  《それも『ノー』だ。感情や衝動といった精神的なものとは無関係だ。
   言ってみれば、もっと厳密なものだと考えていい。
   分類を挙げるとするなら――ある種の『学問』……
   あるいは『政治』や『歴史』とも関わりがあると言えるだろう》

  《そして、君達がそれを認識するのは、主に『見ること』によってだ。
   最初の質問の答えと矛盾するように聞こえるかもしれないが……。
   さっきも言った通り、それ自体は見えないが、見えると呼べないこともない。
   だから、見ることで君達はそれを認識することができる》

ロダンが言うには、人々は見ることでそれを認識しているらしい。
しかし、それ自体は目には見えないという。
一見すると辻褄が合わないように思えるが、どこに答えがあるのだろうか。

531鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/20(日) 23:23:19
>>530

見るという言葉の捉え方にも目を向ける必要がありそうだ。

(学問……?)

「『それは勉強する対象である?』」

532『街角のS』:2018/05/20(日) 23:46:38
>>531

学問というなら当然学ぶものであるはずだ。
それを確認するために、鈴元少年は五つ目の質問を出す。

  《『イエス』だ。ごく一般的な学校なら、それについて生徒に教えているはずだ。
   おそらく君も習ったことがあるだろう。
   ただし、それ自体が一つの学問ではなく、ある学問の中にそれが含まれると考えた方が適切だ。
   『一要素』と言い換えてもいい》

  《それから、これは君達の世界に特有のものだが、
   我々の世界にも似たようなものはある。
   もっとも、我々の場合は、君達のそれと比べると小規模ではあるが》

残りの質問数は四つ。
およそ半分だ。

533鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/21(月) 22:57:52
>>532

(勉強か……)

既に習った可能性がある。
どの教科に関するものかがわかればより絞り込めるがどうか。
少年は腕を組んで思案する。

(……ん)

似たようなものとはなんだ。
動物と人間の間に共通するのか。

(縄張りとかかな……?)

「『それは社会に関する?』」

534『街角のS』:2018/05/22(火) 00:26:14
>>533

和装を身に纏う少年は、深く静かに思考を働かせる。
その脳裏に、『縄張り』という言葉が浮かび上がった。
動物が縄張りだとしたら、それに対応するものは何だろうか。

  《『イエス』だ。それは『社会』という分野の中に含まれている。
   『社会』という単語自体にも、密接に関わっていると言って差し支えない》

  《――残りの質問数は『三つ』だ。調子はどうかな》

質問に対するロダンの答えは肯定だった。
少なくとも、『社会』という方向性は正しいようだ。
あとは、限られた質問でどれだけ範囲を絞れるかに懸かっている。

535鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/22(火) 22:54:32
>>534

(んー)

気になるのは二つ。
問題文の水の中や空にあるという部分。
それと移動するという部分だ。

(会社……法律……)

水の中や空にある。領解や領空などであれば法律はそこにあるだろう。
しかし移動する訳では無い。
会社は概念として捉えれば移動する。
移転というものだ。しかし水の中や空にあるのだろうか。
その場合あるのは会社ではなく仕事だ。

(仕事なんか……?)

「調子はええと悪いの間やろか」

「あんさんは良さそうやけど」

「……質問『それは法律に関するもの?』」

候補である会社や職場、仕事はだいたい同じカテゴライズだ。
法律はその中では少し外れる。
ここが当たるかどうかを聞こう。

536『街角のS』:2018/05/22(火) 23:34:32
>>535

  《ほう――そう見えるかな?》

ロダンは、軽く前足を舐めながら何気ない調子で言った。
猫にとっては、特にどうということもない普通の動作だ。
一見すると、あまり様子は変わっていないように思える。

しかし、その雰囲気には変化が見受けられた。
鈴元少年の推理は、かなり近いところまで来ている。
口には出していないが、そう言いたげなものが感じられた。

  《『イエス』だ。それは法律と強く結び付いている。
   たとえばテレビをつけてみると、それを指す言葉を耳にする機会は少なくない。
   新聞の中を探せば、その言葉が一ヶ所か二ヶ所は見つかるだろう》

  《時には、それに絡んだ対立が起きることもある。
   君達の間でも我々の間でも、それは共通している。
   そして、それに関する諍いが起こった場合、争いの規模は君達の方が遥かに大きい》

ロダンの答えから、それが法律に関係していることは間違いない。
その枠の中に含まれ、空の上や水の中にあり、移動することがあるもの。
果たして、それは仕事なのだろうか。

質問の残りは――『二つ』。

537鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/23(水) 00:32:00
>>536

「見えると思うけど……」

なんとなしに言う。
少しいけずな気持ちがないでもない。

「なるほど」

結びついているということはそれそのものではない。
残り二つ、まだつかない踏ん切りをどうするか。

(……空の上、水の中。たしかに仕事はある。飛行機やら海女さんやらはそこが仕事場……)

そして移動する仕事もあるし、業務内容や業種そのものを変えることも出来る。

(一手打たんと……)

「『それは仕事ですか?』」

538『街角のS』:2018/05/23(水) 04:30:20
>>537

  《ふむ――》

  《君が正解したからといって、私が危害を加えられる訳ではない。
   君が不正解だったからといって、私が君を取って食うということはない。
   どうか気楽にやってくれたまえ》

  《私は今、この『Priceless』の時間を楽しんでいる。
   それと同じように、君にも楽しんでもらえれば幸いに思う》

緩やかに尻尾を上下に揺らしながら、ロダンが告げた。
そう言いながらも、あまり気にしているような様子はない。

  《『ノー』だ。仕事という言葉には関係がないと思ってくれていい。
   完全に繋がりがないとも言えないが、いささか強引な連想になってしまうのでね。
   一種の『概念』のようなものという点は共通しているが》

  《さっき、それに絡んだ争いもある、と私は言った。
   その結果として、この問題で述べたような現象が起きることがある。
   つまり、『新しく生まれたり消えたり移動したりする』というようなことだ》

『仕事』ではなかった。
そして、それは『概念』のようなものであるらしい。

  《次が『最後の質問』だ。
   そういえば、涼――君は『日本人』だろうね?》

ロダンは、不意にそんなことを言った。

  《最初に出会った時に言った通り、私は『カナダ原産』だ。
   だからどうだという訳ではないが……
   一般的に、日本人は諸外国人と比べて、『これ』に対する意識が薄いと言われることがあるようだよ》

残る質問の数は――『一つ』。

539鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/23(水) 23:17:08
>>538

「……ふむ」

仕事でないとするとあてが外れた。
後一問で答えを構築しないといけない。
あと一つだ。

「うん、京都の生まれやねぇ」

日本人と自称することは少ないが京都人だとはいえる。

「んー」

(こっちと異人さんの間にある溝、みたいな……)

(労働環境? それともお休みか? 歴史、社会構造、文化……?)

「質問『それは休日に関係ある?』」

540『街角のS』:2018/05/24(木) 00:04:28
>>539

  《京都――私は行ったことがないが、
   この国の歴史において重要な地位を占める地域だと聞いている。
   生憎、私が知っているのはテレビで見た程度の知識だが、興味はあるな》

ロダンは軽く頷いて言った。

  《その答えは『ノー』だ。休日に限らず、これは暦などとは無関係だ》

  《それが日本人には馴染みが薄いと言われるのは、明確な理由がある。
   この国には、『ある特徴』が存在するからだ。一言で言うなら『地理』上の話だよ。
   その点が、この国と他の多くの国との違いなのだ》

  《もっと言えば、他の多くの国の『ある場所』には『それ』がある。
   日本には『それらの国と同じ場所』には『それ』がない。
   ただし、日本にも『それ』は勿論ある。国を問わず、『それ』は必ず存在する。
   もしなかったとしたら大きな問題になるだろう》

そこまで言った時、ロダンの尻尾が止まり、椅子の上に下りた。

  《さて……以上で質問は終了した。
   空にも地上にも水の中にもあり、時折新しく生まれ消え移動する。
   『それ』は何か――君の答えを聞かせてもらおう》

質問は全て使い切った。
あとは、この謎の解答を出すのみだ。

541鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/24(木) 00:28:33
>>540

(地理かぁ……)

(概念で、外国と日本で溝がある)

「……国境?」

それが答えだった。

(いや、日本にもあるんやけど)

島国の国境は地続きではない。

542『街角のS』:2018/05/24(木) 01:04:28
>>541

『国境』――それが少年の出した答えだ。
それに対して、ロダンは深く頷いた。

  《『イエス』――それは『国境』だ。『正解』だよ。
   地上には『国境線』があり、空には『領空』、海には『領海』と呼ばれるものがある。
   そして、新しい国が誕生すれば、新たな国境も生まれる。
   その逆も然りだ。『領土』が変化すれば、それに合わせて『国境』も移動することになる》

結果は『正解』だった。
これで、例題を含めると二題を正解したことになる。

  《では――ここからは少し趣向を変えよう。
   今から、君に幾つかの『状況』を提示する》

  《それらは一見すると奇妙に思えるが、きちんとした理由がある。
   それを君に推理してもらいたい。ルールには変化はない》

ロダンが言葉を区切った。
そして、三つ目の問題が出題される。

  《制限重量ギリギリの荷物を満載した大型トラックがある。
   そのトラックが、走行中にいつの間にか制限重量をオーバーしてしまった。
   途中で荷物を追加してはおらず、新たに誰かを乗せた訳でもない。
   では、なぜ制限重量を超えてしまったのか?》

これが第一の『状況』らしい。
質問を重ねて謎を解くという点に関しては、先程までと同じ要領だ。

543鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/24(木) 22:57:31
>>542

「よかった……流石に例題だけしか答えられへんかったらちょっと恥ずかしいわ」

本当はかなり恥ずかしいと思っているけれど。

「幾つかの状況」

(ちゅうか、これって何問あるんやろか)

とにかく目の前の謎を解きに行こう。
今回も前回のように解ければいいが。

「『重量を超えたのは荷物が原因?』」

544『街角のS』:2018/05/24(木) 23:17:07
>>543

重量が超えた原因として真っ先に考えられるのは、トラックの積荷だ。
まず、その点を確認するというのは最初の一手としては妥当だろう。

  《『ノー』だ。荷物は増えていないし減ってもいない。
   従って、積荷が原因ではない》

簡潔に答えた後、ロダンは窓の外を一瞥した。
燃えるように赤い夕焼け空が見えている。

  《――それから、今の謎で概ね折り返し地点になる。
   私が用意した謎の残りは、これを含めて三つだ》
   
  《日が出ている内には終わるはずだ。もうしばらく付き合ってもらいたい》

ロダンは質問の答えに、そう付け加えた。
つまり、例題を含めれば全部で六問ということのようだ。

545鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/24(木) 23:22:25
>>544

「ふむ……」

荷物が問題ではないようだ。
では別の所か。それとも何か別の仕掛けがあったか。

「おおきに」

残りの問題の数が分かった。
折り返しか。少しずつペースをあげられればいいが。

「んー『途中で人を入れ替えた?』」

「『それは車以外に問題があって起こった?』」

546『街角のS』:2018/05/24(木) 23:42:20
>>545

荷物ではないとすれば次に想像できるのは人だ。
あるいは、その車以外の部分に鍵が隠されているのかもしれない。
それらを明らかにするために、二つの質問を出す。

  《二つ目の答えは『ノー』だ。走行中に、人の入れ替えは一切なかった。
   そのトラックにはドライバー以外の人間は乗っていないと考えていい》

  《三つ目の答えだが、それは『イエス』だ。
   重量を超えてしまった原因は、車両以外の部分にある。
   言い換えれば、『外部の要因』ということになるだろう》

残りの質問数は『六つ』。
まだ数には余裕がある。
様々な方面から推測して範囲を絞っていくことが可能だ。

547鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/25(金) 00:25:51
>>546

車両が問題ではない。
では環境から崩してみよう。

「ん……『それじゃあ、路面に問題があった?』」

548『街角のS』:2018/05/25(金) 00:41:34
>>547

トラック自体に問題がないとすれば、重量超過の原因は周囲の環境にあるはずだ。
車が走る道路も、その一つと言えるだろう。
そこに異常があったとすれば、それが原因に繋がっているというのは十分に考えられる。

  《その答えは『ノー』だ。道は平坦で、ごく一般的な舗装された国道だった。
   たとえば、何らかの事故が起きて道路の状態が悪化していたということもない。
   路面には、問題はなかったものと思って構わない》

――道路は原因ではなかった。
この謎を解くには、その他の『外的要因』に目を向ける必要がありそうだ。
質問の残りは、『五つ』。

549鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/25(金) 01:07:17
>>548

「道ではなし」

他だ。では次の一手を考えよう。

(車やから当然道路走る……)

(ただ道路でも車両の問題でもないし)

「『それは天気が原因?』」

550『街角のS』:2018/05/25(金) 01:21:35
>>549

車に問題はない。
道路にも異常はない。
原因が車の中でも下ではなかったとすれば、目を向けるべきは『上』にある
道路を走る車の上に存在するものといえば、それは空。
つまり、『天気』だ。

  《それは――『イエス』だ。その通り、原因は『天候』にある》

ロダンは、それ以上は言わなかった。
少年の推理が的確であり、特に補足することがなかったからかもしれない。
いずれにせよ、これで大幅に絞り込めたことになる。
質問の数にも余裕がある。
正解に辿り着くのは、そう難しいことではないはずだ。

551鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/25(金) 23:56:52
>>550

「……じゃあ、次」

制限重量を超える天気。
真っ先に思いつくのは積雪などだが。

「『雪が原因?』」

552『街角のS』:2018/05/26(土) 00:45:16
>>551

天気に関係し、走行中の車の重量を増やす可能性があるもの。
鈴元少年が考えたのは『降雪』だ。
ロダンは、少しだけ間を置いてから答えた。

  《……『イエス』だ。この謎の答えが出たようだね。
   こうも早く答えられることは、いささか予想外だったが》

  《うず高く降り積もった雪が家の屋根も押し潰してしまうことは、よく知られている。
   このトラックは豪雪地帯を走っていて、車体に多量の雪が積もっていたのだ。
   だから荷物や乗員に関係なく、重量が増えてしまった》

  《それにしても、またしても質問を使い切る前に答えられてしまったか。
   ――お見事だよ、涼》

感嘆した様子のロダンが、鈴元少年の解答を称える。
推理は見事に的中した。
これで、例題を含めて三問『正解』したことになる。

  《残る謎は『二つ』だ。次の問題は、より『想像力』を要することになるだろう。
   さっきのようにはいかないかもしれないぞ》

ロダンが、前足で軽く顔を洗うような動作をしてみせた。
そして、四問目が告げられる。

  《この場所で、二人の男がテーブルを挟んで座っていると考えてくれ。
   そう――ちょうど、今の我々と同じような状態だ。
   二人とも、かなりのヘビースモーカーらしく、ひっきりなしにタバコを吸っている。
   しかし不思議なことに、テーブルの上には一枚の一万円札が乗っていて、
   どちらかがタバコに火をつける度に、その一万円札を交互に指で押す動作を繰り返している。
   この奇妙な状況を推理してもらいたい》

状況の推理。
それが、この問題の要旨だ。

553鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/26(土) 01:01:33
>>552

「早いうちに天気に行きついたからやよ」

「やから、まぁ、運が良かったわぁ」

思考が運よく運んでくれた。
他の所に注目し過ぎないで済んだのだ。

「次、ね」

次もまた奇妙な状態だ。
また腕を組んで考えて、次の質問を考える。

「『お金を指で押してるんは火をつけた方?』」

「『二人は賭け事をしてる?』」

554『街角のS』:2018/05/26(土) 01:33:56
>>553

少年の頭に浮かんだのは、『ギャンブル』の類だった。
机に乗った一万円札というのは、確かに賭け事を連想させる。
筋道は通っていて、最初の想定としては無理がない推理だ。

  《一つ目の答えは『イエス』だ。
   タバコに火をつけた後で、一万円札を指で押している。
   その認識で間違いない》

  《二つ目の答えは――『ノー』だ。
   ただ、『賭け』という考えは遠くはない。
   しかし、厳密には『賭け』とは呼べないので、ここでは『ノー』と言わせてもらう》

  《補足すると、この謎の解答は、できるだけ詳しく答えてもらいたい。
   たとえば、正解が『賭け事』であったとしたら、
   『どのような賭け事か』まで推理して初めて正解ということだ。
   だからといって、物凄く細かく考えろとは言わない。
   要点さえ掴めていれば、それだけで十分だ》

二つ目の質問に対する答えは、微妙な返事だった。
少なくとも、感覚的には近いものはあるらしい。
そこを更に追及するか、それとも別の場所を当たるか。
どちらにしても、まだ始まったばかりだ。
その両方をやるだけの質問数は残っている。

残りの質問の数は、『七つ』。

555鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/26(土) 01:56:54
>>554

「……なるほど」

賭けではない。
賭けではないのか。

(じゃあなんでお金を……?)

(厳密には、かぁ。やから近くあるはずなんよね)

もう少し深く掘るべきか。
他に目を向けるべきか。

「じゃあ『お金を相手に渡してるのは罰?』」

556『街角のS』:2018/05/26(土) 15:37:19
>>555

賭けというのは、勝った側が得をするようにできている。
『得』の反対は『損』だ。
それを考慮すると、罰として渡すというのは賭けに近い発想と言えるだろう。

  《答えは『イエス』だ。しかし、それだけで正解とするのは物足りないな。
   最初に言った通り、二人は一万円札を交互に指で押している。
   そうなるに至った『経緯』を説明してもらいたい》

『罰』という点は当たっていた。
あとは、その背景を推測しなければならない。
質問は、まだ『六つ』残っている。

557鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/26(土) 23:17:52
>>556


「正解とは言えんっちゅうことは……その先が見つかれば王手、やね?」

罰というのは分かった。
では罰になった背景の確認だ。
合っているかいないか。

「『二人は禁煙しようとしている?』」

一番罰として成り立ちそうな理由だがどうか。

558『街角のS』:2018/05/27(日) 00:49:54
>>557

タバコ、そして罰。
この二つから推測できる最も可能性の高いものは、やはり『禁煙』だろう。
鈴元少年の出した答えを聞いて、ロダンは軽く唸って見せた。

  《――『イエス』だ。君は、こういった分野が得意らしいな。
   二度も続けてあっさりと解かれてしまうとは思わなかった》

結果は正解――『王手』だ。
ロダンが、ぱちぱちと目を瞬かせた。
その反応から、連続での早解きが意外だったことが分かる。

  《概ねは君の言う通りだ。二人の男は互いに禁煙を誓い合った。
   そして、それを破ったら一本につき一万円を相手に支払う取り決めをしていたのだ。
   しかし、片方の男が我慢できなくなり、タバコに火をつけて一万円札を相手の方に押しやった。
   だが、それを見たもう一人の男も誘惑に負け、タバコに火をつけ一万円札を相手に押し返した。
   あとは、その繰り返しだ。『寸劇のワンシーン』といったところだろう》

  《涼、君は賢い少年だ。見事なものだ。
   次で最後――私も、この締めくくりに相応しいものを出すとしよう。
   準備はいいかな?》

ロダンは言葉を切り、薄く目を細める。

  《――では、『最終問題』を始めさせてもらう。
   君には、ある屋敷で起こった『殺人事件』の謎を解明してもらおう》

559『街角のS』:2018/05/27(日) 01:08:03
>>558

  《――最初に、概要を説明しよう。
   ある屋敷の一室で、主人が死体となって発見された。
   現場は地下にある書斎だ。主人は胸を一突きにされており、ほぼ即死の状態だった。
   凶器として用いられたのは一本のナイフ。そのナイフは死体の傍に落ちていた。
   そして、一つしかない部屋のドアには鍵が掛けられており、その部屋の鍵は室内で見つかった。
   つまり、世に言う『密室』ということになる。これが事件の概要だ》

  《容疑者は『三人』いる。
   主人の妻、屋敷の使用人、主人の友人であるマジシャン。
   そして、涼――君が『第一発見者』だ。
   では、詳しい事件の流れを順を追って話そう》

ロダンが説明を始める。
それは次のようなものだった。

まず、主人の友人である二人――マジシャンと鈴元少年が屋敷に招かれた。
夜になり、使用人以外の四人は、リビングルームでトランプに興じていた。

十時になった時、主人が書き物をすると言って一人で書斎に向かった。
その際、主人の妻は、主人に夜食はいつもの時間でいいかどうかを確認した。
主人は夜の十一時に軽い夜食を摂る習慣があったのだ。
主人は『その時間でいい』と答え、部屋を出て行った。
それ以降は誰も彼の姿を見ていない。

十時二十分頃、マジシャンが一度部屋を出て、数分後に戻ってきた。
事件後に彼が語った証言によると、電話を掛けていたという。
個人的な内容なので、聞かれたくなかったから部屋を出たそうだ。
しかし、それを見たものがいないため、この証言を裏付ける人間はいない。

そして、十一時になった時、ゲームに熱中していた主人の妻が、
夜食を届けなければならないことを思い出した。
だが、今は勘が冴えてきているため、場を離れることに対して愚痴を零した。
それを聞いた鈴元少年が、代わりに自分が行くことを申し出た。
彼に頼むことにした妻は、少年に書斎の鍵を渡した。
書斎に篭る時、主人はドアに鍵を掛ける癖があったのだ。
そして、仕事に没頭していると、ノックしても気付かないことがあるのだという。
少年は妻から鍵を受け取ると、キッチンに向かった。

キッチンでは、使用人が夜食の準備をしていた。
皿にはサンドイッチが乗っていて、グラスにはトマトジュースが注がれている。
鈴元少年は、その二つが乗せられたトレイを持って、地下の書斎に下りていった。
しかし、ノックをしても応答はなく、ドアには鍵が掛かっている。
仕事に没頭しているのだろうと考えた少年は、妻から預かった鍵を使ってドアを開けた。
室内に入ると、中は真っ暗だった。
慎重に足を踏み出した少年は、何かに躓いて倒れてしまった。
手探りでスイッチを見つけて電気をつけると、胸から血を流した主人が倒れているのが目に入った。
少年が躓いたのは、主人の死体だったのだ。

凶器のナイフは、すぐ近くの血だまりの中に落ちている。
そして、その傍で書斎のドアの鍵も見つかった。
その鍵は主人が持っていたもので、少年が妻から預かった鍵は、その合鍵だった。
このドアの鍵は取り替えたばかりで、これ以外の合鍵はない。
また、妻は鈴元少年以外の人間に自分が持っていた合鍵を貸したことはなかった。
つまり、現場は『密室』だったということになる。

その後、容疑者である三人のアリバイが調べられた。
主人が最後に目撃された十時から、事件が発覚した十一時までの間のものだ。
マジシャンは前述の通り、一度席を立っている。
使用人はキッチンで夜食の準備をしていたと言った。
妻はゲームを続けており、一度も席を立っていない。
これが、事件発生時の三人の行動だ。

  《図らずも第一発見者となった君は、この事件の犯人ではないかと疑われている。
   この嫌疑を晴らすためには、事件の真相を解き明かさなければならない。
   『真犯人の特定と、犯人が使ったトリックの解明』――それが私からの『最後の謎』だ》

560鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/27(日) 01:25:15
>>558-559

「さいですか……」

早解きに関して過度の喜びはしない。
嬉しくないのではなく、そうするように無意識化でしている。
はしたなくないように、振る舞えるように。

「相性が良かったんやと思うわ」

謙遜。それから微笑み。
そして、最後の謎に取り掛かる。

「なんや、今までとは雰囲気がちゃうけど」

「そやね……」

この場合、席を立っている以上マジシャンが怪しい気もするがそういう単純なものでもないだろう。

「『主人の死体、その死亡時刻』」

まずはそこを確認しておこう。

「『僕が発見した時はまだ死んで間もない状態やった?』」

561『街角のS』:2018/05/27(日) 01:47:42
>>560

鈴元涼は、過剰に喜ぶようなことはしなかった。
それが尊ぶべき美徳であると考えていたからだ。
和装の少年の殊勝な振る舞いは、それを前にした相手にも何かしらの影響を与えたらしい。
その相手――ロダンも、心なしか姿勢を正したように見えた。
人ではなく猫であるため、やはり分かりにくい部分はあるが。

  《その答えは『ノー』だ。『たった今』という感じではない。
   少なくとも、死後三十分以上は経っているようだ。
   それ以上経過しているかどうかは分からないが、それ以下ということはない》

まず死亡時刻を確認するというのは妥当な判断だ。
それと各々のアリバイを照らし合わせれば、何かが見えてくるかもしれない。
あるいは、他の場所に探りを入れるのもいいだろう。

質問の残りは『八つ』。

562鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/27(日) 23:11:11
>>561

「三十分以上」

マジシャンが部屋を出たのは十時ニ十分ごろから数分の間だ。
三十数分前の出来事。まぁ一応殺せないこともない。

「じゃあ次『僕らの部屋からその書斎に行くまでの時間は数分で済む?』」

「それと『全員はその時になにしてたかを見てた人……アリバイ? の保証が出来る人がおる?』」

563『街角のS』:2018/05/27(日) 23:51:30
>>562

まず疑わしいのは、主人の退出後に席を離れたマジシャンだ。
時間的にも、それほど無理はない。
思考を進ませながら、次の質問に移る。
現場までの時間とアリバイの確認だ。

  《まず最初の答えは『イエス』だ。遠い距離ではない。
   数分あれば、君達のいた居間と書斎を往復できる。
   急いで行けば、もっと短縮することも可能だろう》

  《『アリバイの裏付けがある人間がいるかどうか』という質問なら、答えは『イエス』だ。
   主人の妻が、それに当たる。
   彼女は事件が発覚するまでの間、一度も席を立たなかった。
   主人が退出した後は君が一緒にいた。
   君が夜食を持っていく時には、マジシャンが同じ場所にいたことになる》

現場までは、そう離れていないようだ。
そして、事件発覚までの妻のアリバイは、鈴元少年自身によって裏付けられた。
これで妻の容疑は相応に薄くなったことになる。
残る質問の数は――『六つ』。

564鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/28(月) 00:43:27
>>563

「……」

一瞬思いいたる。
見落としていた低い可能性。
つまりは主人の自殺という終わりの形。
不自然なく密室を行う一手だ。

「じゃあ『書斎には扉の他に出入りできるような場所がある?』」

「『使用人のアリバイを証明できる人間がいる?』」

565『街角のS』:2018/05/28(月) 01:24:30
>>564

鈴元少年は考える。
もしかすると、犯人は主人自身ではないだろうか。
つまり、他殺に偽装した自殺という可能性も有り得るのだ。
絶対にないとは言い切れない。
それを否定するような大きな矛盾も、今のところは見当たらない。

  《最初の答えは『ノー』だ。初めに説明した通り、書斎は地下にある。
   窓はなく、出入りができるのは入り口だけだ。
   つまり、君が入室したドアのみということになる》

  《次の答えも『ノー』だ。使用人のアリバイは、本人の申告によるものだった。
   君がキッチンに行くまで、誰も彼の姿を見ていない。
   従って、彼のアリバイを裏付けることのできる人間はいないことになる》

書斎には他の出入り口はない。
よって、犯人が逃げたとすれば、そこから出るしかない。
しかし、部屋の中に鍵が残されていたという問題が残る。
席を立ったマジシャンも疑わしいが、使用人も同様だ。
誰も見ていないことを考えると、マジシャン以上に疑わしいとも言えるだろう。

残る質問の数は、『四つ』。
およそ半分だ。
出す質問も、慎重に吟味する必要があるだろう。

566鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/29(火) 00:02:05
>>565

「……」

他の移動手口はない。
正面突破のみ。密室であるという事実が強固になった。
次の手はどうするか。

「『死体は胸に傷がある以外、他の場所に傷や血がついたりはしていなかった?』」

567『街角のS』:2018/05/29(火) 00:36:46
>>566

殺人の現場は密室状態だった。
犯人が外から鍵を掛けたとすれば、中に鍵を残すことはできない。
また、中から鍵を掛けたとしたら、外へ出ることができなくなってしまう。

しかし、現に犯人は部屋の中にはいなかった。
今しがた考えたように、自殺という線も確かにある。
しかし、はっきり自殺だと断定できる根拠がないのも、また事実だ。

  《それは『イエス』だ。他に外傷はなく、傷口以外に血が付着している様子はない》

  《それから、主人の死体は入り口付近に横たわっていた。
   鍵とナイフも近くに落ちていたが、より正確に言えば、
   床の血だまりとナイフは、死体や鍵よりもやや奥側だった。
   つまり、ドアの前から見て手前に死体があり、その少し奥にナイフと血痕があったということだ》

死体には死因となったもの以外の傷はなかった。
そして、死体と血だまりの位置には、ややズレが存在するようだ。
これが何を意味するのだろうか。

残りの質問数は――『三つ』。

568鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/29(火) 23:20:41
>>567

「んー……」

そこ以外に傷がないというのは中々の状態だ。
半狂乱で襲われたとしたら他に傷がありそうだし。
そうでなかったとしても胸を刺されるという事は相手と向き合っていることだ。
刃物に気付いていればもみ合いになって他に傷もつきそうなものだが。

「……」

気付かなかった可能性はある。
もしくは気付いたが対処しきれなかったか。

「『死体……えっと、ご遺体に引きずられた跡とかはあった?』」

569『街角のS』:2018/05/30(水) 00:22:36
>>568

死因となった傷以外の傷が見当たらない。
決め手はないが、可能性は幾らも考えられる。
問題は、それが密室の謎を解く上で必要なのかどうかだ。

  《『イエス』だ。よく観察すると、そのような痕跡が見受けられた。
   つまり、死体が入り口付近に移動させられた形跡があったということだ。
   死体が本来あったらしい場所は、もう少し部屋の中心寄りだった》

  《仮に……死体が動かされていなかったとしたら、君は躓かなかったかもしれない。
   繰り返すが、死体は入り口の手前に横たわっていて、
   部屋は明かりが消えて真っ暗な状態だった。
   ――だから、君は死体に躓いてしまったのだ》

死体に引きずられた痕跡は確かにあった。
それが真犯人の仕業であることは、まず間違いない。
では、何のために動かしたのか。
何の意味もなく動かすはずはない。
重要なのは、その目的だ。

残る質問の数は――『二つ』。

570鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/30(水) 01:16:33
>>569

「遺体の移動……」

動かした理由だ。
完全に移動させ切ったわけではない。
密室を作れる計画性があるのなら移動させる必要はないはずだ。

「『ご遺体が移動したのは何かを隠すため?』」

571『街角のS』:2018/05/30(水) 02:07:04
>>570

犯人は、何かを隠すために死体を動かしたのではないか。
鈴元少年は、そのように推理した。
『可能性』はある。
それを確かめることは全くの無駄にはならないはずだ。
この質問で事件の核心を突くことができれば、より最良だろう。

  《答えは『ノー』だ。しかし、死体の移動が密室を作り上げる上で重要だったと考えて構わない。 
   その位置――ドアの手前に死体を置く必要があった。
   補足すると……『死体が動かされた理由』は『明かりが消えていた理由』と大きな関わりを持っている》

死体の移動は何かを隠すためではなかったが、それが重要な行為であったことは間違いない。
しかも、『その位置』に置いておく必要があったとのことだ。
部屋の明かりが消えていたことも、それと関係しているらしい。

  《――ところで、覚えているかな。死体を発見した際、君は『夜食』を運んでいたことを。
   そして、死体に躓いて倒れてしまった。
   その時、君は『夜食の乗ったトレイ』を持っていたわけだが……。
   君が倒れたということは、当然それらは床の上に投げ出された状態になっている》

鈴元少年が運んでいた夜食のサンドイッチやジュース。
ロダンが話したように、それらは倒れた時に投げ出されて散乱しているらしい。
この点については、改めて確認の質問をする必要はないように思える。

  《さて……推理の調子はどうかな?
   次が『最後の質問』――最後の問題の最後の質問だ。
   その後は『この事件の犯人』と、『犯人が使ったトリック』に関する君の見解を聞かせてもらう。
   涼――ここまで私の遊びに付き合ってくれた君に敬意を表し、
   君の出す『最後の解答』を楽しみにさせていただこう》

残った質問の数は――あと『一つ』だけ。
次が最後の一手だ。
その後は、この密室殺人の謎を解き明かさなければならない。

572鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/30(水) 23:33:21
>>571

「……罠にかけるためやろねぇ」

動かして電気を消す。
光が消えた状態で動けば自分のように死体にけつまずくことになる。
それで第一発見者となり、密室状態が判明すれば罪をなすりつけられる。
自殺の線は完全に消えている。他殺。では誰がやったか。
妻は暫定的にシロだ。
怪しいのはマジシャンか使用人。
問題はこの主人が部屋にこもるのをあらかじめマジシャンが知っていたかだ。
知らなかったのなら犯人は消去法的に使用人になり、手口を考える段に入る。
しかしこれを質問するとその手口を考える質問が打てないのが事実だ。

「……んー」

「『書斎の鍵穴もしくは鍵に何か付着されたり細工をされた痕跡はあった?』」

573『街角のS』:2018/05/31(木) 00:22:00
>>572

真っ暗な室内で足元に死体があれば、それに躓いて体勢を崩し、倒れてしまう確率は高い。
それで事件が発覚すれば、第一発見者に真っ先に疑いが掛かることになる。
死体が動かされている以上、自殺ではない。
アリバイがある妻を除くと、考えられるのはマジシャンか使用人だ。
そのどちらが犯人なのかを特定しなければならない。

  《それは――『イエス』としておこう。
   鍵穴には特に何もなかったが、鍵は『濡れていた』。
   鍵は赤い液体で濡れている。
   血ではなく、『トマトジュース』だ。
   君が夜食として運んできて、躓いた拍子に落としたものだ》

  《補足すると、今の質問は良いところを突いている。
   トリックの解明において、かなり重要な部分だからだ。
   君が言ったように、電気を消したことと死体の移動は『罠に掛けるため』という点は当たっている。
   それで君は第一発見者となったのだから》

  《しかし……ここには、もう一つ『重要な意味』が隠されている。
   君を死体に躓かせたのは、君に罪をなすりつけるためだけではない。
   このトリックを成立させるためには、それが『絶対に必要』だったのだ》

一通り話し終えると、ロダンは少しの間を置いた。

  《さて――これで質問は終了したが……最後に少しヒントを出そう。
   今まで出てきた情報だけで、密室のトリックを推理することは可能だ。
   そして、そのトリックが解明できれば、同時に犯人も特定することができる。
   そのトリックを仕込める人間は一人しかいないからだ》

ロダンが言うには、現在までの情報だけで、トリックを推理することは可能らしい。
そして、それが分かれば犯人も特定できるという。
この謎を解くには、手口を突き止めてから犯人を特定するという順番が適切かもしれない。

  《では、考えてみてくれたまえ。
   犯人の使った『密室トリック』と『犯人は誰か』――その二つを推理して欲しい。
   そして、君の解答を聞かせていただこう》

574鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/31(木) 01:21:11
>>573

「……」

もう一度考える。

・死体は死後30分以上経過している
・居間と書斎は数分で移動できる
・妻のアリバイは立証されている
・書斎は地下にあり他に移動できる場所はない
・使用人のアリバイを立証するものはいない
・死体に他の外傷はない
・死体を動かした痕跡がある
・死体を動かしたのは何かを隠すためではないが、明かりが消えていたことと関係している
・鍵にトマトジュースが付着していた

「……鍵にトマトジュース?」

血ではないのか。
ナイフが死体の近くにあるのは偽装の為だとは思うが、鍵が死体の近くにある理由はなんだ。
血だまりが出来ているという事は恐らく主人はが死んだあと、動かすまではそこに死体があったという事だ。

「マジシャンは多分シロ……奥さんも……」

マジシャンが犯人だとして、数分でことを済ませられるだろうか。
たしかに急げば書斎までの時間は短縮できるが、密室の仕込みが出来るほどの時間があるかという事だ。
最も、密室の種が分かっていないためそうは断定でいないが。

「ちょっとだけ待ってもらえる?」

575『街角のS』:2018/05/31(木) 16:42:24
>>574

鍵には『トマトジュース』が付着していた。
『床の上にあった鍵に鈴元少年が落としたトマトジュースが掛かった』とも考えられる。
現場の状況を見れば、それは不自然な解釈ではない。
しかし、それが必ずしも間違っていないとは言い切れない。
見方を変えれば、そこに別の意味があるとも思える。

床の血だまりは、最初は死体がその位置にあったことを示している。
ナイフが死体の近くにあるのは、それを誤魔化すための偽装である可能性が高い。
では、なぜ鍵が死体の傍にあるのか。
あるいは、それはトマトジュースが鍵に付着していたことと関係しているのかもしれない。
『死体』と『鍵』と『トマトジュース』――この三つの関連性が明らかになれば、推理の助けとなるだろう。

アリバイのある妻が犯人である可能性は限りなく薄く、時間を考慮するとマジシャンにも難しい。
そうなると、残っているのは使用人ということになる。
仮に使用人が犯人だとすれば、どのようなトリックを使って密室を作り上げたのだろうか。
使用人にはアリバイがないが、事件が発覚する前に、鈴元少年は彼に一度会っている。
その時に、使用人が『どこで何をしていたか』を思い返せば、何かが見えてくるかもしれない。

  《――分かった。考えがまとまったら声を掛けてくれたまえ》

ロダンは待つ姿勢のようだ。
考える時間は十分にある。
その時、不意に店の扉が開き、一人の客が来店した。

「いらっしゃいませ」

店の主――スティーヴン・ステュアートが挨拶する。
やって来たのは、二十歳前後の若い女性客だった。
見たところ大学生だろう。
スティーヴンに軽く会釈し、彼女は席に着いた。
メニューに目を通し、注文する。

「何にしようかなあ……。ええっと……それじゃカプチーノで」

「はい、かしこまりました」

注文を受けたスティーヴンが、カウンターの奥へ向かう。
女性は、鞄を膝の上に乗せ、何かを探していた。
なかなか見つからないらしく、しきりに手を動かしている。

「わっ――」

ふと、勢いよく手を引き抜いた拍子に鞄が引っくり返り、逆さまの状態で床の上に落ちてしまった。
その際に、鞄の中に入っていたものが、床の上に散乱する。
鈴元少年の足元にも、その内の一つが転がってきた。
銀色に光る金属製の小さな物体――『鍵』だ。
おそらく自宅の鍵か何かだろう。

「あぁ、またやっちゃったぁ」

言葉から察するに、よく同じようなドジをやるようだ。
そそっかしい性格なのかもしれない。
女性は席を立ち、散らばったものを拾い集めている。

576鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/05/31(木) 23:33:14
>>575

鍵。死体。トマトジュース。
トマトジュース……トマトジュースか。
血の偽装になるかは微妙だが。
しかし死体の傍に置く必要は無い。
この鍵さえなければ密室の証明にはならなかった。
この鍵がこの場になければ鍵を持ち出した誰かがいたということなのだから。

「落ちましたよ」

思考の隙間、入ってきた外からの刺激。
迷わずに鍵を拾って女性に手渡す。

(鍵、かぁ……)

悩まされているものだ。

「他になんか、落ちてないです?」

「鞄から……なんか……」

鞄からこぼれた。鍵が、落ちた。

(トマトジュース……あれは……)

(初めからついてたん……?)

「答え、ええ?」

577『街角のS』:2018/06/01(金) 00:15:07
>>576

現場には『鍵』が落ちていた。
その事実が、殺害の現場が密室状態であったことを示している。
しかし、『逆に言うと』、その鍵さえなければ現場は密室とは呼べなくなる。

たった一つの鍵が、密室か否かを隔てる唯一の物的証拠なのだ。
それが死体の傍にあり、『トマトジュース』が付着していた。
そこに、この謎を解く大きな手掛かりが隠されているのかもしれない。

「あっ、ごめんなさい。ありがとう」

女性は感謝の言葉を述べ、鈴元少年から鍵を受け取った。
床には、もう何も落ちていない。
どうやら、他の物は全て拾ったようだ。

和装の少年は、落ち着いて思考を巡らせる。
鞄から鍵が落ちた。
『鍵』というのは、少年が取り組んでいる謎との共通点でもある。

「――えっ?」

鈴元少年の声を耳にした女性が、小さく聞き返した。
自分に対して何か言ったのかと思ったらしい。
その時、カウンターの方からスティーヴンが歩いてきた。

「お待たせ致しました」

「え?あっ、はいっ」

「――どうぞ、ごゆっくり……」

女性のテーブルの上にカプチーノの入ったカップとソーサーが置かれる。
それをきっかけにして、彼女は自分の席に戻っていった。
それを見送ってから、ロダンは口を開いた。

  《ちょっとしたアクシデントがあったが……推理はまとまったようだね。
   では、君の解答を聞かせてもらおう》

鍵に付着していたトマトジュースは、本当に後から掛かったものなのか。
あるいは、そうではない可能性もある。
そして、そうでないとすれば、それは何を意味するのだろうか。

犯人はどのようにして現場を密室に仕立て上げたか。
そして、その犯人は誰か。
解明しなければならないのは、この『二点』だ。

578鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/06/01(金) 01:20:02
>>577

「うん……」

席に着き直す。
それから髪の毛をかきあげる。
癖のある黒髪が揺れた。
しかし瞳は揺れずまっすぐに前を見ている。

「はじめに手口やね?」

「結論から言うと『これは密室でなかった』」

「鍵にトマトジュースがついてた。僕はそれを僕がこぼしたせいやと思ってた」

だが逆転の発想だ。

「『鍵はジュースの中にあった』トマトジュースは色が濃ぉて中に何が入ってるか分かりにくかったんやと思う」

トマトジュースが鍵についていて当然だ。
中にあったのならば、だが。

「暗い中で遺体に躓いてジュースをこぼす。中の鍵が部屋に落ちたら二つしかない鍵が室内にひとつあったことになる」

「ほんなら、奥さんが鍵持ってるから密室に思わせられる。やから、僕なこけてもらう必要があった」

そのために電気を消したのだろう。
運がよかったのは先に電気がつけられなかったことだ。

「それで、僕が書斎に行く時までにその鍵を隠す仕込みができるんは一人」

「使用人さんが犯人やね?」

579『街角のS』:2018/06/01(金) 02:14:58
>>578

結論を得て、少年は再び席に戻る。
テーブルを挟んだ向かい側には、先程までと同様の姿勢で猫が座っている。
二人――正確には一人と一匹の視線が、空中で交差した。

そして、鈴元少年は自身の推理を語り始める。
鍵は、あらかじめ『トマトジュースの中』に仕込まれていたのだ、と。
犯人は死体を移動させ、室内の明かりを消した。
それは、部屋に入ってきた人間を躓かせるためだったのではないか。
そうすれば、鍵はグラスから飛び出して床の上に落ちる。

  《ふむ……》

その後で電気をつければ、鍵は既に部屋の中に存在していることになるのだ。
鍵がトマトジュースから飛び出る瞬間を見られていない限り、これは密室だと思わせることができる。
トマトジュースが鍵に付着していたとしても、それは『後から掛かったのだ』ということにしてしまえる。
しかし、鈴元少年が言うように、これは実際には密室ではなく、そう見せかけていただけのことだ。
死体の傍に鍵が落ちていたのも、死体に躓いた際にトマトジュースから零れたからだと考えれば納得できる。

  《なるほど――》

使用人はキッチンで夜食の準備をしていた。
『トマトジュースの中』に鍵を隠せるのは、使用人以外にはいない。
必然的に、『犯人は使用人である』という推理が成り立つ。

  《涼――君は私が出した『最後の謎』を解き明かした。
   文句なしに『正解』だ。『トリック』と『犯人』の両方とも当たっている。
   実に、お見事だった》

満足げに告げると、ロダンは一際深く頷いた。
鈴元少年の出した答えは紛れもなく『正解』だったのだ。
最後の謎は、こうして終わりを迎えた。

  《拍手を送りたいところだが……生憎と私の体では少々難しい。
   代わりに、こちらから拍手を送らせていただこう》

そう言うと、ロダンは自分の傍らに視線を向けた。
そこに座っているスフィンクスのスタンド――『ストーン・エイジ』が前足を軽く突き合わせ、
鈴元少年に拍手を送る。
やがて、ロダンは再び少年に向き直った。

  《さて――これにて『謎解き』は終了だ。いかがだったかな?》

  《私の『ささやかな遊び』に付き合ってくれたことに、改めて感謝する。
   君のお陰で、私は非常に有意義な時間を過ごすことができた。
   願わくば、君も同じように感じてくれていたなら幸いだ》

ロダンが少年に語りかける。
……ふと、『ストーン・エイジ』の尻尾が動いた。
その先端が丸まっている。
そして、その丸まった内側に何かがある。
どうやら、尻尾の先で何か小さな物を掴んでいるようだ。

580鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/06/01(金) 22:20:39
>>579

「おおきに」

軽く頭を下げる。
今回も運に恵まれた。
あの時、この場所でカバンの中身がひっくり返っていなかったらたどり着けなかっただろう答えだ。

「けっこう、難しかったわぁ……普段使わん頭の所を使っとる気ぃがして面白かった」

素直にそう答えた。

「えっと、それは」

視線が尻尾の方に動いた。

581『街角のS』:2018/06/01(金) 23:50:31
>>580

幸運でもあったかもしれない。
しかし、鈴元少年が思考を止めなかったからこそ、正しい答えに辿り着けたのだ。
だからこそ、これは少年が自分自身の力で得た結果と言えるだろう。

                                    プ  ラ  イ  ス  レ  ス
  《それは良かった。頭脳を駆使する遊びは、私にとって『何者にも変えがたい楽しみ』だからね。
   それを君と共有できたことは真に喜ばしいことだ》

  《ああ、これは――私からのささやかな贈り物だ》

『ストーン・エイジ』の尻尾が掴んでいたものがテーブルに置かれる。
それは何の変哲もない小石だった。
店に入る前に拾っていたようだ。

    ――スッ

その小石に、スフィンクスの翼が覆い被さる。
一瞬の後に翼が離れると、テーブルの上にあった小石は消え、代わりに黄緑色の宝石が現れた。
中央に光の筋のようなものが見えている。

  《『鉱物を変化させる』――それが『ストーン・エイジ』の能力だ》

              キャッツアイ
  《そして……これは『猫目石』と呼ばれているもので、宝石の一種だ。
   私にとっては綺麗な石以上の価値はないが、君達の世界では、それなりの値打ちで扱われている。
   これを君に進呈しよう》

  《私の能力によって変えられたものは、私がもう一度変えない限りそのままだ。
   君に渡した瞬間に石ころに変わることはないから、その点は安心してくれたまえ》

黄緑色の『猫目石』が、鈴元少年の前に置かれている。
どうやら、これがロダンが最初に言っていた謝礼のようだ。
受け取っても問題ないだろう。

  《私は町の中にいることも多いが、大抵の場合はここにいる。
   君さえよければ、お茶を飲むついでに、またいつか遊びに来てくれると嬉しい》

お茶は飲んだ。謎は解いた。
ふとしたことから始まった『街角のスフィンクス』との邂逅にも、これで幕が下りる。
会計を済ませて家に帰るか。それとも、もう少し残るか。
それは鈴元少年の自由だ。

582鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/06/02(土) 00:32:15
>>581

「ん。おおきに、はばかりさん」

猫目石を手に取り、光に当ててみる。
綺麗な色が光を通って見えるだろう。

「うん。また、相手してもらおかな」

「あんさんが良ければ、やけどね」

そう言って鈴元が微笑んだ。

「……そろそろ時間やから、僕帰るね?」

583『街角のS』:2018/06/02(土) 01:09:55
>>582

『猫目石』を光に翳すと、美しく光り輝いた。
アーモンドのような丸みを帯びた楕円形の中に、白い光の筋が通っている。
その様子は、名前の通りに『猫の瞳』のようだ。

  《『はば』……?私にも、まだまだ知らないことが多いようだ。
   君から一つ学ばせてもらった》

鈴元少年の発した言葉は、彼の知らない言葉だったらしい。
ほんの少し小首を傾げつつも、ロダンという名の猫は鈴元少年を見送る。

「――ありがとうございました」

会計を済ませた少年に、スティーヴンが微笑と共に軽く頭を下げる。
後は、家路に就くだけだ。

  《さようなら、鈴元涼。君の名前は覚えておこう。
   では――またいつか》

少年が入口の扉に手を掛けた時、ロダンの声が背後から聞こえてきた。

584鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2018/06/02(土) 01:58:52
>>583

「恐れ入ります、ぐらいの意味やわ」

はばかりさんだ。
彼の故郷の言葉であった。

「はい、またいつか」

鈴元涼は家に向かって歩き出す。
今日の事はしばらく忘れられないだろう。
この非日常を胸に鈴元は生きていく。
今日も明日も明後日も。
覚え続けている限りはずっと。
ずっとだ。

585『街角のS』:2018/06/02(土) 02:33:24
>>584

     ――カランカラン

扉を開けて、店の外に出る。
それは、この小さな非日常の終わりを意味していた。
夕焼け空の下を、鈴元涼は歩いていく。

それにつれて、和装の少年は普段通りの日常の中に戻っていく。
今日の出来事は、少年の長い人生の中の、ほんの一ページだ。
しかし、それでも記憶の一部であることには変わりがない。

遠くの方で、鳥の鳴き声が聞こえた。
空を見上げれば分かるだろう。
きっと、明日も良い天気だ――。

                   『街角のS(スフィンクス)』⇒完


鈴元 涼『ザ・ギャザリング』⇒『十万円相当の猫目石』Get!!

586『街角のS』:2018/06/02(土) 02:48:04

街角のスフィンクス『ロダン』のスタンド

『ストーン・エイジ』Stone Age

人間の女性の上半身・獅子の胴体・鷲の翼を併せ持つ知恵の獣『スフィンクス』のヴィジョン。
有機的ではない石像のような質感を備えた姿は、
伝説上の怪物スフィンクスと実在する石造りのスフィンクス像のハイブリッドを思わせる。

翼で触れた『鉱物』を別の『鉱物』に変化させる能力を持つ。
一度変化させた『鉱物』は、スタンドを解除しても元に戻らず、変化後の状態が保たれる。

破壊力:C スピード:B 射程距離:D
持続力:A 精密動作性:A 成長性:C

587『注文の多い独居房』:2019/07/08(月) 00:00:18

「梅雨はまだ明けないというが……
  いやはや、さすがにもう暑いね」

 ―――初夏。

額にうっすら汗を滲ませ歩くのは、
栗色ソフトモヒカンサマージャケットの不動産屋、『門倉良次』。

そのすぐそばに居るのは『日下部虹子@セブンティーン』。
『門倉』に舞い込んできた『引きこもり男子を外に出してほしい』
という依頼を共に解決する事となり、歩いているのだが―――

『星見駅』からバスで20分ほど。
『郊外』の閑静な住宅街に降り立ってから更に10分ほど歩いたか。
時折、『門倉』が『タブレットPC』で目的地を確認している。

 「もうそろそろ着くと思うんだけどね―――」

『門倉』のその言葉は当てになるんだかならないんだか………

導入のやりとり
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647631/724-752n)

※『プロフィール』『能力詳細』『持ち物』
 『外見』『エロとグロについてどう思う?』を提示・返答しつつ、レス下さい※

588日下部『アット・セブンティーン』:2019/07/08(月) 23:40:02
>>587

日下部虹子について、前に見た時と大きく変わっていたのは髪の色だった。
なんでも『10万円貰えるから』と散財し、その際に染めたらしい。
バニラフレーバーのアイスクリームのような色で、匂いもそれに近かった。

「ね、ね、良次さ〜ん、着いたら『飲み物』とか出ると思う?」

          「自販機で何か買おうか、迷うんだけど〜」

    トコッ トコッ

日下部が歩くのは、門倉の少し後ろだ。
こいつは『門倉により生まれる日陰』に身を潜めて歩いている・・・

「『10万円』もくれるお家なんだし、
 『ペリエ』とか出してくれないかなあ〜」

「『ペリエ』・・・別に好きじゃないけど、お金持ちの家にありそうじゃなあい?」  

カバンから出した『冷感タオル』で顔を拭きつつ、周囲の家宅をせわしなく見まわして歩く。

「あ、それでね、確認なんだけど〜……その『依頼主』って『どういう人』なんだっけ?」

               「着く前に改めて聞かせてよ〜、良次さぁん」

『プロフィール』
17歳を自称し、実際それくらいの年齢に見える、欲深い少女。
目に見え、数値化できる『価値』にこそ人生の真理を見出しているようだ。

『能力詳細』
肉体内部に発現する何匹もの『ベニクラゲ』のヴィジョン。
本体の細胞と同化しており、負傷を『若返り』によって治療する。

『アット・セブンティーン』
破壊力:C スピード:C  射程距離:E
持続力:E 精密動作性:B〜C 成長性:B

●URL●
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/113

『持ち物』
スマートフォン、カバン。手に長めの冷感タオル。
カバンの中はハンカチやティッシュ、化粧ポーチ、メモ帳とペン。

『外見』
バニラホワイトの髪をボブヘアにしている。垂れ目気味で、童顔。体格は小柄。
服装も髪と同じく白を基調にしており、フリルの付いたマントブラウスが特徴的。
全体的に、どこか『カイコガ』を彷彿とさせる、名前に反して真っ白な姿の少女。

『エロとグロについてどう思う?』
18禁については、17歳なのでノーコメント。
(これは嘘。本当はエロは『目に見える愛』として理解を示し、グロにもおおむね抵抗は無い。『死』は忌避する)

589『注文の多い独居房』:2019/07/10(水) 00:02:16
>>588(日下部)

「『飲み物』ね………まあ、普通に考えれば出るんじゃあないかな。
 『ペリエ』―――おそらくあるだろう。おそらくね」

  『門倉』は曖昧に答えつつ、チラリと『日下部』を見やる。
  その髪の色の変化がやはり気にはなるらしい。
  郊外の『住宅街』は『高級住宅』とまではいかなかったが、
  一般的な一軒家が立ち並んでいる。

「そして、『依頼主』。
 そうか―――そうだね。
 じゃあ『依頼内容』を改めて伝えておこう。」

   『門倉』は『タブレットPC』を操作し、『情報』を『日下部』に伝える。

「依頼としては『引きこもりの男の子を外に出してほしい』という事。
 『依頼主』は『飛江田 伶子(ひえだ れいこ)』―――『引きこもりの子』の母親らしい。

 ひきこもり本人の名前は『飛江田 昌也(ひえだ しょうや)』、現在『17さい』。
 去年、高校に入ってすぐに『不登校』になり、今に至るというわけだ。

 同居する家族構成は父親・母親、兄、妹、そして当人―――」

   ここまで話す間に、二人は『自販機』の横を通り過ぎようとしている。
   何か買っておくなら今のタイミングか。

590日下部『アット・セブンティーン』:2019/07/10(水) 01:16:24
>>589

「良次さん、黒は『熱』を吸収するんだよ? 知ってる?」
「でねえ、白はその逆の色だからきっと『夏』に向いてる」
「そう思うんだよね〜」

           ニコッ 

知性に欠ける発言をしつつ髪をかき上げる日下部。
ともあれ、説明に耳を傾けてはいて、時折相槌を挟む。

「ふ〜ん、これで『ヒエダ』って読むの〜?」
「『同年代』だけど・・・」「知った名前じゃないね」
「『不登校』の『引きこもり』くんか〜〜〜」

「ねえ、ねえ、その家族たちはこの時間、家にいるのかなぁ」
「お母さんは、いるんだろうけど」「その辺の事情は聞いてる〜?」

「っと、自販機自販機〜」

自販機に向かい、『缶ジュース』を2本ほど買っておく。

「飲み物出るとしても〜、今暑いしやっぱ買っとこう」
「良次さん、私ね、『10万円』もらえるから1本奢ってあげてもいいよぉ」

591『注文の多い独居房』:2019/07/11(木) 22:46:45
>>590(日下部)
「なるほど……だから本日は『白』を基調としているってわけかい?
 じゃあ『冬』になったらカラスみたいな『黒一色』に?
 いやまあ、それも面白いけどね―――」

  『門倉』は『日下部』の言葉に応じていく。

「今日は『日曜日』だから子供たちは居るんじゃないかな。
 父親は………仕事が忙しいとの事だから、居ないかもしれないが」

 多分に推測を交えた『門倉』の返答。
 『情報』にはそこまで細かい特記はないようだ。
  ちなみに今は、午後四時少し前、天気は晴れ。

 ………

自販機で『缶ジュース』を二本買っておく『日下部』。

 「いいのかい? むしろ俺がおごろうか?」

『日下部』が買ってしまってから、『門倉』がそんな事を言い出す。

592日下部『アット・セブンティーン』:2019/07/12(金) 16:17:19
>>591

「あとはね、私、『白』がなじむんだよねえ」
「んふふ、似合うでしょ」「似合うよね〜」

         ゴソッ

「髪まで白くするのは初めてだけど」
「『新しい私デビュー』って感じかなあ」
「そうだね、冬になる頃にはまた違う色にするかもね」

缶ジュースの片方をカバンに入れて。

「なるほどね〜。『仕事が忙しい』のはしょうがないよねえ」
「日曜にお仕事……『休日出勤』っていうやつか」「そういう仕事なのか」
「まあ、これ以上は実際見てみないと分かんないかな」

門倉に押し付けるようにしてもう1本を渡す。笑いながら。

「ね、良次さん、このお仕事終わったらねぇ。ご飯奢ってよ」

        「超安いのでもいいからさ」    「それでお返しにして〜」

そろそろ到着するだろうか――らしき家が見えたら髪や服のしわを直す。

593『注文の多い独居房』:2019/07/17(水) 00:00:06
>>592(日下部)
「ご飯―――いいね! 実にいい!
 むしろこっちからお願いしたいくらいだよ。

 少し気の乗らない仕事だったが、
  終わった後のお楽しみが出来たな―――」

『門倉』もまたジュースをビジネスバッグにしまい込みながらそんな事を述べる。

 「そして………だ。
     たぶん、アレが目当ての家だね」

ほどなくして、『門倉』がそう告げる。

このあたりは『建売住宅』というヤツだろうか、
同じような一軒家がズラリと軒を連ねている。
『門倉』はそのうちの一軒を指している。
少し遠目からだが『飛江田』という表札が掲げられているのが見えた。

二階建てで、少し細めの、どこにでもありそうな家―――

594日下部『アット・セブンティーン』:2019/07/17(水) 01:35:03
>>593

「私はね〜、『10万円』も楽しみだし」
「ご飯も楽しみだしさ〜」
「全部楽しみだよ」「あるものは全部ね」

       キョロッ
             キョロッ

「ふ〜〜〜んほんとだ、『飛江田(ヒエダ)』って書いてるねえ」

なるほど、何処にでもありそうな家だ。
窓が割れてるとか、そうした異常もないだろうか。
もちろん、『原因』があっても外からは見えないようにするだろうけども。

「良次さぁん、家の周り見て回ってもいい?」
「それともお呼ばれしてる時間にけっこうぎりぎりだったりする〜?」

窓の位置なども調べておきたいので、許可が出れば家の外周を一回りしたい。
昼間からカーテンを閉めている窓などあれば、特に記憶しておきたいのだ。
塀などでそれが出来ない並び方をしているなら、色々な角度から見るだけにとどめておく。

595『注文の多い独居房』:2019/11/13(水) 19:34:50

―――当ミッションは『打ち切り』―――

   以下、ご自由にお使い下さい。

596『注文の多い独居房』:2019/11/13(水) 19:35:02

―――当ミッションは『打ち切り』―――

   以下、ご自由にお使い下さい。

597『注文の多い独居房』:2019/11/13(水) 19:35:53

―――当ミッションは『打ち切り』

       以下、ご自由にお使い下さい―――

598『火はなくとも煙る』:2020/05/06(水) 23:57:41

>中務PC


 清月学園。
 二年棟にて。


「……真相の究明。手伝ってもらえますか?」


 『見覚えのある同学年の生徒』が貴女のもとを訪れたのは、金曜日の昼休みのことだった。
 ここ数週間、学園を俄かに騒がせている『飲酒』騒動について、相談事があるという。

 何故、貴女を頼りにきたのか?
 そう尋ねると、『演劇部』に所属する知人から紹介された、と応えた。

 『脚本』に『大道具』、更には『舞台』に上がることもあるという、器用な部員―――『中務千尋』のことを。

 事実として、陰ながら頼りに思われているのか。
 或いは、単に厄介ごとを押し付けられたのか。
 知人とやらの名前を聞きそびれた貴女は、知る由もなかった。

「……今日の放課後。『図書室』で待っています。詳しい話は、そこで」


>白町PC


 清月学園。
 校門前にて。


「……真相の究明。手伝ってもらえますか?」


 『西洋人と思しきブロンド髪の生徒』が貴女のもとを訪れたのは、金曜日の早朝のことだった。
 ここ数週間、学園を俄かに騒がせている『飲酒』騒動について、相談があるという。

 何故、貴女を頼りにきたのか?
 理由を聞かずとも、その内容を聞けば察せるだろう。

 風紀委員会の奇人、是正の鬼。或いは――――『白町千律』。

 その噂に自覚的であるかどうかは、本人のみぞ知ることだ。
 ともあれ、その肩書を頼ってきたのであれば、用向きにもだいたい想像がつくというものだろう。

「……今日の放課後。『図書室』で待っています。詳しい話は、そこで」

599『火はなくとも煙る』:2020/05/07(木) 00:01:44

>両名


       キーン            カーン
              コーン             コーン・・・


 『放課後のチャイム』が鳴り響く中、貴女は『図書室』の前に佇んでいる。
 どうやら隣にいる『女生徒』も、似たような用件で呼び出されたらしい。

 『図書室』の入り口には、『利用禁止』の張り紙が貼られている。
 件の『飲酒』騒動があって以降、図書の貸出等は行われていないらしい。

 だが、扉の奥からは、人の気配が伝わってくる……。

 さっさと用件を済ませるため、足を踏み入れてもいいが……

       チラ

 袖振り合うも他生の縁。
 呼ばれたもの同士、軽く言葉を交わしてみてもいいのかもしれない。


----------

『告知スレッド』にて提示していた、【ミッション用 簡易プロフィール】の記入をお願いします。
また、ミッション開始前にPC同士の交流や挨拶などがあれば、どうぞ。

600白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/07(木) 21:31:08
>>598-599(GM)
>中務

 
              スゥ ― ・・・


その少女は――――張り紙を見て、大きな目をわずかに細めた。

「対応が早い。『素晴らしい』…………わたくし、感心です!」

                  ピッ

それから、指を『ドア』に向けた。
より正確に言えば、『ドアの奥の気配に』向けていた。

「こんにちは」

そして。

「あなたは、『風紀』や『生徒会』では見かけないお顔なのですが、
 わたくしと同じく……今回の『事件』の『是正』に携わる方ですね?
 なんて『素晴らしい』正義感なのでしょう……好きに、なれそうです」

言葉は、『女生徒』に――――『中務』に向けていた。 

「ああ……中で『待っている』ようですので、『手短』に自己紹介を。
 わたくし、『白町 千律(しろまち せんりつ)』は……『風紀委員』の、一人なのです」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

1、白町 千律(しろまち せんりつ) 【高3】/女
2、跳ね気味のショートカット。見開いたような大きな目。華奢な体躯。
  参考:ttps://download1.getuploader.com/g/hosimi_001/42/Siromachi.png
3、薄手のブランケット(羽織済み)、手帳ケースのスマホ、ハンカチ。

4、『YES』
5、『家庭の事情』で、飲まされた事がある。

601中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/07(木) 21:49:37
>>598-599
>>600

横目に隣の女生徒を見る。
なんとも言えない感覚だ。
確か風紀委員会の人間ではなかったか?
そうこうしているうちに自己紹介されて、こちらも言葉を返す。

「あぁ、どうも……」

「ボクは高等部二年、演劇部の中務千尋ッス」

なにやらヤバそうな雰囲気を感じる人間だ。
行動や言葉選びから微妙ににじみ出る感覚というのがある。

1、中務千尋、高二、女性
2、着崩していない学生服、眼鏡。
3、500mlペットボトル
4、yes
5、「子供の頃に親戚にジュースって言われて……(あとは酔った演技の勉強に)」

602『火はなくとも煙る』:2020/05/07(木) 23:04:22
>>600(白町)

 『図書委員会』による自粛か、それとも教師や経営陣による措置か。
 いずれにせよ、その対応の早さに感心しつつ、隣の女生徒にも丁寧に挨拶をする。

 眼鏡をかけた少女は、言葉少なに白町の挨拶に応じた。
 中務 千尋、という名らしい。


>>601(中務)

 記憶を辿る限り、『風紀委員』と思しき女生徒。
 扉の張り紙を見て、なにやら感じ入っている様子だ。
 警戒心を抱いている中務とは対照的に、どうやらこちらに好感を持って……いや、持ちかけている、らしい。

 やや跳ねている髪と、大きな瞳が印象的な少女だ。
 白町 千律、と名乗っている。


>両名


   セイゲーツ!!

           ファイ     ファイ      ファイ
              オッ      オッ       オッ・・・


 窓向かいの学校の外周を、ジャージ姿の部活生が走り込んでいる。
 先程までは大勢の生徒でごった返していた廊下も、今は疎らだ。

 『放課後』。校舎内から、少しずつ生徒の数が減っていく。
 『図書室』の扉の向こうには、相変わらず人の気配はあるが……物音は、ほとんどしない。
 まるで、二人が自ら扉を開けて、部屋に入ってくるのを待っているかのようだ。
 とはいえ、もし他に交わす言葉があれば、多少時間に遅れるくらいは許されるだろう。

603白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/08(金) 00:33:06
>>601(中務)
>>602(GM)

「演劇部、文化的ですね。素晴らしい!
 演劇とは『集団』によって成立する芸術。
 『個人技』を磨くのももちろん素敵ですが、
 わたくし、『個』より『集』が好きなのです。
 中務さん、どうぞ、よろしくお願いしますね」

             ニコ ォ

白町は、笑みを浮かべる。

「さて……」

それから、ドアに手を掛ける。

「それでは入りましょうか、中務さん。
 『是正』は、早ければ早いほど良いのですから」

『中務』さえよければ、図書室に入るつもりの動きだった。

604中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/08(金) 01:08:04
>>602
>>603

「あぁ……どうもっス……」

どうにもやりにくい。
ほんの少し言葉を交わしてみてそう思った。
距離感というか、なんというか。
中務千尋が相手をしてきたタイプとは違うズレ。

「はい、是正っスね」

それだ。
是正だ。
役割柄、中務は言葉に多少敏感だ。
隣の彼女は短期間に二度その言葉を発している。
口癖なのかなんなのか。
自然にその言葉を選んだのか?
それとも、意図的にそう言っているのか?

「入っちゃいましょうか……あんまり長引かせるのも悪いっスから」

中に入ろう。
少なくとも彼女は今回の件を解決するのに乗り気なのだから、早く乗ってもらおう。

605『火はなくとも煙る』:2020/05/08(金) 01:49:32
>>603(白町)

 中務に感じた好印象に笑みを浮かべ、ドアに手をかけた。
 彼女の反応は変わらないが、室内に入ることには同意のようだ。

>>604(中務)

 やりにくさを感じながらも、言葉を返す。
 と、白町がドアに手をかけた。中に入るつもりらしい彼女に追従する。


>両名

     ガラ   ラ  ラ ・・・


 『図書室』は、本来そうあるべき静寂を保っている。

 壁一面の本棚。
 一定の距離を保っている自習机。
 本を日焼けさせないためだろうか、カーテンの布地は分厚く、窓も他の教室と比べて小さい。
 木製の家具と、古い紙の匂い。苦手な人は苦手だろう。

 時計が針を刻む音、そして換気扇。それ以外には、何の音もしない。
 学園モノのドラマや、舞台セットなどで見るような、『一般的な学校の図書室』だ。

「…………」 チラ
                 パタ ン

 入口の真向かいにある貸出カウンターには、一人の女生徒が座っている。
 相談事を持ち掛けてきた、あの『金髪の西洋人』だ。

 『ハードカバーの書籍』を読んでいたようだが……

 二人の声と、扉を開けた音に気付いたのだろう。
 本を閉じ、顔を上げて視線を寄越している。

「……自分で頼んでおいて、なんだけれど」
「無視して帰っても、よかったでしょうに。人が好いのね、二人とも」

 ……皮肉めいた口ぶりだが、あざ笑うような色はない。
 むしろ、どこかホッとしたような表情だ。

 女生徒は貸出カウンターから出てくると、手近な椅子を二つ引っ張ってきて、その前に並べた。

「……どうぞ、腰かけてください。先ずは、『弁明』をしなくちゃ」
「例の、『飲酒』の騒動について……」

606白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/08(金) 03:35:56
>>604(中務)
>>605(GM)

『是正』――その言葉を確認するように、中務に頷き、入室する。

そして白町は図書室内を見渡す。
ここで『よからぬこと』が起きているとは、とても思えない光景。
そう思える環境は『図書委員』や教員の不断の努力で築かれ、
そして、今、不届き者によって脆くも破れようとしている。

――――『是正』を、しなくてはならない。それを確認する。

「安心なさい。『約束』は、守るものです。
 ――――お待たせを、いたしましたね。
 『風紀』の白町千律、『是正』に参りました」

                ペコリ …

「お気遣いをどうも。失礼、いたしますね」

        ストン

頭を下げて、椅子に座る。

「さて……委員会やせんせい方を通さず、
 『直接』わたくしを頼ったこと。『弁明』という言い方。
 なにか『やましい』思いが、あるのですね。
 風紀として耳に挟んではおりますが、
 図書室は『巻き込まれた側』でしょうに、
 なんという責任感なのでしょう……素晴らしい」

「ぜひ、お話しください。そうしたらわたくし、心して聞かせていただきます」

607中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/08(金) 10:45:54
>>605-606

(安心するなぁ……)

図書館にはよく来る方だ。
何かと世話になる場所だからこそ、今回の騒動の解決を引き受けたところもある。
この匂いこそは本を愛するものにとっての玉露の香り。
なんともかぐわしい。

「図書室閉鎖されてるとボクも困るので……どうも、演劇部の中務っス」

別に演劇部の部分は要らなかったな、と思った。
白町に引っ張られてしまったのだろう。
彼女は風紀委員なのだからそれを名乗るのは場に合っているのだ。
演劇は関係ない。
中務もまた、椅子に座る。

「弁明ってまたまた……」

「あー……何か落ち度でも?」

608『火はなくとも煙る』:2020/05/08(金) 21:04:42
>>606(白町)

 使命感に駆られながらも、恭しく頭を下げる。

「……『噂通り』ね。だからこそ、貴女を頼ったのだけれど」
「……そして、『図星』。先生方には、頼れない『事情』がある」

 女生徒は、やや緊張した面持ちだ。

 年上の風紀委員である貴女の前では、行儀よくしないといけない、と、気を張っているのか。
 或いは、年下だからといって舐められたくない、と、肩肘を張っているのか。
 いずれにしても、表情は硬い。

「……でも、あまり褒められたものではないんです。
 責任感というよりも、もっと『個人的な』感情だから」

「……それに、どちらかというと。
 私が、貴女たちを『巻き込んでいる』。
 それについては、申し訳ない、と思っているわ」


>>607(中務)

 慣れ親しんだ匂いに、気を解す。
 同学年と思しき『図書委員』の女生徒は、貴女の顔を一瞥した。

「中務さん、って名前だったのね。
 カウンター越しによく顔を見かけてはいたのだけれど」

 中務としても、貸出カウンターにいる彼女を、もしかしたら見かけたことがあるかもしれない。

「『落ち度』……どうかしら。
 私は、『図書委員』の落ち度だとは思っていないわ」

「責任逃れの『言い訳』、というよりも……そうね。『無実の証明』がしたい、というコト」


>両名

「……エヴァレット・ローレンス。二年、図書委員」
「もう知っているかもしれないけれど、一応。『礼儀』は大事よね」

 二人の自己紹介に応じるように、女生徒も名前を明かす。
 『ハードカバーの書籍』を机の片隅にずらすと、エヴァレットは居住まいを正した。

 ちら、と、入り口付近の掛け時計に視線を送る。

 高等部の三人は、今日は六限目の授業を終えての放課となった。
 現在、時刻は『15:47』。
 夕方というには、やや早いだろうか。

「……先ずは『飲酒』騒動について、事実を共有するわね。
 特に、『風紀委員』の白町さんは、詳細までご存知かもしれないけれど……」

 物語を読み聞かせるように、とつり、と、語り始める……。

609『火はなくとも煙る』:2020/05/08(金) 21:09:38

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 およそ、一か月ほど前。

 私立清月学園の高等部に通う一人の男子生徒に、謹慎処分が下された。
 学園の敷地内で、「未成年飲酒を行った」という疑いがあるためだ。


 時間帯は、『金曜日の放課後』。

 『千鳥足』で廊下をふらついていたところを、通りかかった教師に発見されている。
 教師曰く、顔は『赤らんでおり』、『呂律』も回っておらず、相当な『アルコール臭』もしていたが……
 当人は、飲酒の疑いをかけられて、相当に動揺していたという。


 その翌週、やはり『金曜日の放課後』。

 同じような時間帯に、未成年飲酒を行ったと思しき女生徒が現れた。
 彼女の場合は、急激な『体調不良』を訴え、保健室に駆け込んできたとのこと。

 『激しい動悸』や『吐き気』を訴えており、自力で立つことも難しいほど。
 やはり『アルコール臭』がひどく、傍目に見ても、明らかに『泥酔』していたが……
 飲酒の疑いをかけられると、取り乱し、泣きわめいて否定したそうだ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…………それから、同じような『騒動』が立て続けに起きたの。
 最初は、その生徒個々人の問題だと思われていたみたい。
 けれども、何度も続いてしまったせいで、学園の偉い人がカンカンに怒ったみたいで……」

「……先生方も、最初の頃は、他の生徒への注意に留めていただけだったんだけど。
 これ以上の再発は防がなきゃいけない、というので、対策のために色々と動いているみたい」


 ……二人は、今週のホームルームが、普段よりも長かったことを思い出した。

 もし、教師の話を真剣に聞いていたのであれば……
 『飲酒』という具体的な単語や、謹慎処分を受けた生徒の話は避けていたものの、
 未成年の犯罪リスクに関する話や、素行についての説教をしていたことも、覚えているだろう。


「……ここまでが、『事実』ね」

「PTAの会報なんかには、しっかり載っているわ。
 騒ぎにならないように、生徒にはあまり知らされていないけれど……
 『風紀委員会』では、既に問題になっているかもしれないし、
 情報通の生徒が近くにいれば、詳しく知っていたかもしれないわね」


「……一息に話してしまったけれど。分かりにくい説明や、不明な部分はあったかしら?」  チラ

 エヴァレットは、『時計』を気にしている……。

610白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/08(金) 23:40:18
>>607(中務)
>>608-609(GM)

「『礼節』と『礼儀』は『社会』を円滑にするのです。
 それを弁えていらっしゃるあなたは『素晴らしい』
 わたくし、そういった『心遣い』が好きです。
 どうか『自罰』し過ぎず……そして包み隠さず話しなさい」

         パサ

緊張する様子と、『申し訳ない』という言葉。
羽織っていたブランケットを膝掛にしつつ、
そのように言葉を返した白町は静かに話を聞く。

「……成る程」

そして一通りを聴き終えると、小さく頷いた。

「『エヴァレット』さん、お話ありがとうございます」

               ペコリ
 
「それにしても、なんて、お話がお上手なのでしょう。
 『噂』はもとより、『先生の話』以上に『要点』が掴めました。
 やっぱり『本』を読んでいると、『語彙』が増すのでしょうね。
 ふふ……わたくし、すっかり聞き入ってしまいました」
 
「もちろん『完璧』ではありません!
 ですがそこは、『是正』すればいいのです」

             ピッ

そして、手を挙げた――――『挙手制』ではないのだが。

「話していただきたいのは『同じような騒動』について、なのですよ。
 それもまた『金曜日の放課後』……あるいは、『16時以降』でしたか?」

611中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/08(金) 23:49:39
>>608-609

「はぁ、なるほどっスね……」

そう呟く。
まぁなんとも不思議な話だ。
何がどうなってそうなったのか気になるところである。
また、弁明という言葉の意味も理解した。

「……」

質問はひとまず白町に任せる。
彼女が時計を見ていたし、自分もそこが気になるところだったからだ。

612『火はなくとも煙る』:2020/05/09(土) 18:42:35
>>610(白町)

「……あまり、褒められたものでは、ないです」

 白町の褒め殺しに、エヴァレットの頬がじわりと赤くなる。
 居心地悪そうに視線を泳がせていたが――――

「……そんなに、分かりやすかったかしら。
 それとも清月の『風紀委員』は、そんなところまで把握しているモノなの?」

 手を挙げて推論を述べた白町に、目を丸くする。

「……ええ、ご名答。いずれも、『金曜日の放課後』に起きている」
「時間については、……そうね。もう少し後で、説明をさせて」


>両名

「……ここからは、虚実の入り混じった『噂』。その境界線がどこにあるのか、私には分からない」

 時刻は、『15:49』。

 分針が進むたび、エヴァレットの表情に焦りが浮かぶ。
 まるで、『時間制限』でも設けられているかのように。

「……けれど、私だけが知っている情報もある。
 そして、私はソレが、『弁明』をするための『鍵』だと思っている」

「……『図書室』が『利用禁止』になったのには、理由があるの」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 『飲酒』騒動には、奇妙な点がいくつかあった。

 その一。

 『飲酒』疑惑の学生たちが摂取したと思しき、『アルコール飲料』の痕跡が見つかっていない。
 校内の『ゴミ箱』や敷地周辺を探しても、空き缶のひとつさえ出てこなかったという。

 このため、彼らに下された処罰は、『退学』や『停学』といった公的な罰則ではなく……
 あくまで素行不良による『謹慎』として、その内容には触れずに留まっている。
 明確な証拠がないため、警察沙汰などにもなっていない。この辺りは、私立校の閉鎖体質だ。

 その二。

 『飲酒』疑惑の学生たちは、いずれも放課後に『図書室』を利用していた。
 うち二人は『図書室』の中、それも自習席で、酩酊状態にまで陥っていたという。

 ……もしも、これが『連続した類似の事件』でなかったならば。
 それは『偶然』だとか『見落とし』といった言葉で、片付けられてしまっただろう。
 しかし、並列に揃えたことで、『共通点』というひとつの繋がりとなってしまった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

613『火はなくとも煙る』:2020/05/09(土) 18:44:19
>両名


「……先生方のうち何名かは、『図書委員会』の怠慢だ、と思っている」


     たかが、学校の委員会。
     そうやって侮って、手を抜いていたのではないか。

     もし、真剣にやっていたのなら。
     図書室内で、生徒が酒を飲んで悪ふざけをしていたのに、気付けたのではないか。
     気付いていれば、未然に防ぐことも出来たのではないか。


「……、的外れだとは言わないわ。でも、よほど自分たちが責任を被るのが、怖いみたいで」

 エヴァレットは、わざとらしく、大きな溜息を吐いた。
 平静を装って見えるが、言葉の端々が震えている。

「……むしろ、『図書室』こそが事件の温床だ、と睨んでいる先生もいるの。
 『利用禁止』になっているのは、そういうコト。
 担当をしていた生徒が、……彼らに、手を貸していたんじゃあないか、って」

「……そして、金曜日は、私が当番だった」

 その瞳には、暗い炎が宿っている。
 雪辱。その感情を薪木として燃える、粘性の炎だ。

「……『イギリス人は日本人と比べて、真面目に仕事をしない』んですって」

「……私は、日本生まれじゃあないし、日本の人々の勤労精神は、心から尊敬している」

「問題を解決するために、疑わしくなってしまう気持ちだって、理解しているつもり」

「…………でも。犯してもいない罪の汚名を被せられるのは。とても、悔しい」

 ふと、エヴァレットが時計を見上げる。
 時刻は、『15:51』。

「…………ごめんなさい。少し、感情が乗ってしまった。
 どうでもいいコトね、少なくとも、今は。
 大事なのは、『16時ちょうど』に何が起きるかと……私が、犯人の目星がついているということ」

「あと少しだけ、説明が続くわ。長くなってしまったけれど、今のうちに確認しておきたいところはある?」

614白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/10(日) 01:54:16
>>611(中務)
>>612-613(GM)

「褒め過ぎてしまいましたか。わたくし自制しますね」

泳ぐ視線に、笑みを僅かに抑え、挙げた手を降ろす。

「わたくし、『完璧』ですので。
 すべての風紀委員がわたくしのようではないのです。
 もちろん、そうなれば、いいのですけど」

それは『良くない』気はするが……
白町にはそれくらいの自負がある、のだろう。

「さて、お話の続き、お聞きしましょう。
 わたくし、褒め過ぎないようにしますが、
 内心は褒めてますので、『機嫌を損ねた』わけではないです」

両の手を膝の上に置いて、
再びエヴァレットの話に聞き入る。
そうして、『確認』を取られたときに改めて口を開いた。

「そのような『濡れ衣』は『是正』すべきですね。
 『文化』の違いは事実としてあっても、
 『人種』の違いだけで物事を決めるのは、 
 わたくし、とても、間違っていると思うのです。
 日本人とて、『さぼり』に走る者も多いですし……」

「『中国人』『インド人』『アメリカ人』『インドネシア人』
 『パキスタン人』『ブラジル人』『バングラデシュ人』
 『ロシア人』『メキシコ人』……勿論『日本人』も『イギリス人』も、
 『人類』は、77億皆等しく、『是正』するべき存在なのです!」

やや熱の入った口調だった。
自覚があるのか、少女は次の句の前に呼吸を挟む。

「『説明』を続けなさい。確認する事は、今は無いです。
 それと……わたくしは、あなたの『感情』、好ましく思っています」

褒め殺しを控えてはいても、白町は付け加えるように、エヴァレットを『肯定』する。

615中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/10(日) 20:46:01
>>613-614

(やっぱりこの人、ヤバいって……)

白町の言葉に絶句していた。
七十七億総是正だ。
褒め殺しするほどの肯定感を持ちながら、同時に全てを是正する感覚を持つ。
彼女の中でどういうバランスが生まれているのかが中務には分からなかった。

「ボクも特には……」

「ていうか、その、もしかして……ここに酔っ払った生徒が来る、とか思ってるっスか……? なんて」

彼女が時計を見ているのを確認してそう呟いた。
いや、まさか。
だってここは立ち入り禁止の場所なのだから。

「ま、まぁ……続けてくださいっス」

犯人に目星がついているらしいのも気になるが、とにかく話の続きを聞こう。

616『火はなくとも煙る』:2020/05/10(日) 23:35:35
>>614(白町)

「ええ、そうね……。ちょっと、心臓によくないから……」
「私も、気分を害した訳ではないわ。気を悪くしないでくださいね」

 褒め殺しにブレーキをかけつつ、貴女は『是正』の信念を高らかに主張した。

 エヴァレットは、そのスケールの大きさに少し身じろいだが……
 『濡れ衣』とはっきりと言い捨てた貴女に、微かな笑みを向ける。

「……ありがとう。他人にそう言ってもらえると、少し……楽になる」
「……ちょっと、『度が過ぎている』とは思うけれど」


>>615(中務)

 白町の主張は、貴女にとっては常識の埒外だった。
 言葉を失いつつも、ひとまずは話の続きを促す。

「……いいえ。私の狙いは、少し違う」

 話の本題を思い出したかのように、真剣な表情でエヴァレットが応じる。

「生徒たちの身に何が起きたのかは、私も分からない。
 けれど、何かが起きたのだとしたら……それは、確かに『図書室』の中だと思うの」


>両名


 そこまで話すと、エヴァレットは大きくひと息をついた。
 表情が曇り、僅かに逡巡する。

 しかし、意を決したように力強い目つきで、二人と視線を交わす。

「…………今から、私の話が少しでも『胡散臭い』だとか、
 『信用に値しない』と思ったら、すぐに『図書室』を出て行ってかまわないわ」

「……そうではなくて、『身の危険』を感じたりだとか……
 『どうしてそんなことに付き合わなくてはいけないんだ』、と理不尽に思ったら、そう教えて」


「――――但し、『16時』よりも、前に。それを過ぎてしまうと、間に合わないかもしれない」


 時刻は、『15:53』。
 彼女の示した『時間制限』まで、あと『7分』。

「…………『金曜日の放課後』。『16時ちょうど』」

 その耳が、再び赤く染まる。
 緊張か、それとも羞恥か。


「この『図書室』には、『幽霊』が出る。私は、それが、悪さをしているんだと……思って、る」

617白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/11(月) 01:26:23
>>615(中務)
>>616(GM)

「わたくし、それくらいで気を悪くはしませんよ。
 むしろそのお気遣い……素晴らしいものです!
 ……おっと。失礼しました、『自制』という『是正』をせねば」

『度が過ぎている』という言葉や中務の反応には、
白町も『無視』を決め込むことは無い。が、響いたかは謎だ。

そうして話を聞き続けていたが――――

「『幽霊』――――――ふふ。……とても、興味深いです」

白町は笑みを絶やさない。
が、嘲る笑みではない。
意図の読めない笑みは、
あるいは『素』の顔なのだろうか。

興味深い――――その言葉は『他意』を帯びていない。

「たしかに『この図書室の中』に『原因』があり、 
 なおかつ、それが『何も見つからない』以上は、
 目に見えないところにこそ答えがあるのでしょう。
 それは『幽霊』を疑う気持ちも、分からなくはないのです。
 ……ですが、それ以外にあり得ないという、程ではない」

「あなたも分かっているはずなのです」

             シュル ・・・

「その上で、恥じてまで可能性を口にした。
 ……何か、あなたなりの『根拠』があるのですね。
 それがとても、興味深いのです。よければその続き、わたくし達に聞かせなさい」

膝掛けにしたブランケットを、片手で僅かに持ち上げながら、促した。

618中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/11(月) 03:19:51
>>616

中務は持ってきていたペットボトルに口をつけて中の水を飲む。
視線は前にいるエヴァレットから外さない。
胸の中の内側が痒い。
なんとはなしに、嫌な予感がしている。

「幽霊っスか」

引っかかる。
あるいはモヤモヤする部分。
この場に酔った人物が来るのでは無いのなら……いや、そもそもアルコール飲料の痕跡がないのなら、なにかカラクリがある。
そのアルコールの出処はどこだ。

「……まぁ、信じない訳じゃないっスけど」

「耳、赤いっすよ」

619『火はなくとも煙る』:2020/05/11(月) 18:49:38
>>617(白町)

「…………」

 貴女の笑みの真意を探るように、エヴァレットの視線が値踏む。

 しかし、ややもせず、息を吐いた。
 どうやら、その表情からは意図は読めなかったらしい。

「『根拠』」

 その言葉の重要性を強調するように、はっきりと呟いた。

「……今、貴女たちに提示できるような『証拠』のようなものは、ないわ」

「というのも、すべて私の『主観』に過ぎないから。
 『16時』まで待ってもらえたなら、向こうから勝手に現れてくれる」

「……そういうコトではなくて。
 私自身が『幽霊の仕業』だと確信した理由について、というコトなら……

 一つ、『他の人にはまったく見えていないようだった』。

 二つ、『それが見えるようになった時期と、飲酒騒動の始まりが重なる』。

 ……こんなところかしら。
 悪霊のいる場所で、不思議と具合が悪くなる、なんて、よく聞く話でしょう?」


>>618(中務)

「……ええ。現実味のない荒唐無稽な話というのは、私も理解している」

 エヴァレットに視線を合わせたまま、ペットボトルに口をつけた。
 まだ冷たさの残る液体が、乾いた喉を滑り落ちる。

 貴女の指摘に促されたかのようにして、エヴァレットは自分の耳を触る。
 冷たい指で、火照りを冷まそうとしているようだ。

「……本当にこっそりお酒を飲んでいた、というオチのほうが、まだ現実味がある」
「私が貴女の立場だったら、疑うもの。鼻で笑われないだけでも、ありがたいわ」



>両名

「……話は、ここまで。
 要は、『飲酒』騒動の真相について、一緒に解き明かしてほしいということ。
 そして、あの『幽霊』が、きっとその真相に深くかかわっているはず。
 そのうえで、『飲酒』騒動がもう起きないように事態を解決出来たら、御の字といったところかしら」

「……今まで私にしか見えていなかった『幽霊』が、二人にも見えるのかは分からないけれど」

「私の叔母は、『霊感』の強い体質だった。
 そして、私も。
 他の家族や親戚には、『見えないもの』が見えたり……
 ちょっと変わった人や、奇妙な体験ばかり引き寄せてしまう」

「……だから、『誰か』を頼ろうとして、貴女たち二人に行きついたのも、偶然じゃないと思ってる」

620『火はなくとも煙る』:2020/05/11(月) 18:55:40
>両名

「……私は、『無実の証明』がしたい。
 謂れのない罪で、もう責められたくない。
 ……けれど、相手が幽霊なら、私一人にはどうにもできない。

 だから、せめて真相を解き明かしたいの。
 原因は何なのか。どうやったら解決できるのか。
 そもそも、本当に幽霊の仕業なのか。

 ……とはいえ、もし私一人で解き明かしたとしても、なんの慰めにもならないわ。

 【エヴァレット・ローレンスは、飲酒騒動とは無関係だった。】

 その真実を共有している、『誰か』が必要。
 口だけの慰めじゃあなくって、それが真実だと知ってくれている、『誰か』。

 そうじゃないと、納得はできない。
 もしかしたら、頭のおかしくなった私が、自分に都合のいい妄想をしているだけかもしれないもの」


   『15:55』。

   彼女の示した時間まで、残り『5分』。
   エヴァレットの口調が、いよいよ捲くし立てるかのように早足になる。


「……もう一度だけ、繰り返すわ。
 私の言っていることが、荒唐無稽なホラ話だと思ったら、席を立って構わない。
 或いは、そんなことに付き合わされたくない、と思ったら、『16時ちょうど』までに『図書室』を出て」


   自ら突き放すような口調だが、その視線に込められた思いは、言葉とは真逆のように思える。


「……それでも、残ってくれるなら。
 私は今度こそ、本当に、貴女たちを巻き込んだことになる。
 『幽霊』になんて、何をされるか、分かったものじゃあないわ。
 その危険を承知で、手を貸してくれるなら……『お礼』なんて、温(ぬる)いコトは言わない」

「……『貸し一』。貴女たちが困っているときに、無条件で手を貸す。それで、どうかしら」

621白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/11(月) 19:59:13
>>618(中務)
>>619-620(GM)

「―――――いいえ」

「提示できる『証拠』は、ありましたね。
 今の話が『根拠』たりえるのです。
 わたくし、その話、信じましょう。
 『わたくしに声を掛けたのは正解です』」

            シュル

「『冤罪』の証明――――
 そして『真相』の究明。
 それすなわち、学園の是正!」

「わたくし、手を尽くさせていただきます。
 それは、是正のためというだけではなく」

膝掛を膝から完全に持ち上げ、
最初そうしていたように『羽織る』。

「『貸し一つ』――――くふ。
 『風紀委員』の『役目』を引き合いに出して、
 無条件に協力させることも、できたでしょう」

             「ククッ」

「そうしなかった――――そこが『素晴らしい』
 わたくし、やはり、あなたのことも……好きなのです」

笑みを一段と深め、うなずく。それから『中務』を見て、彼女の答えを待つ。

622中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/11(月) 22:21:00
>>620-621

「……ボクにも信条ってものがあるので」

そう、言葉を返した。
荒唐無稽と思うかどうかは中務自身が決める。
そしてそうは思わないと決めたのだ。

「貸しは別にいいっスよ。ボクは図書室にお世話になってるので、もう一度使えるようになるのがお礼で」

正直、手を貸してもらうような状態になるかどうかが分からない。
だからそういう貸し借りを作るのはちょっとばかり面倒だ。
なぁなぁにしても仕方ないのだけれど、学生間のことに関してそこまでビジネスライクにもなれない。

「……なんでこっち見てるっスかぁー」

白町がこちらを見ているのに気づいてそう言った。
照れくさいのかなんなのか微妙そうな顔をして眼鏡をいじった。

623『火はなくとも煙る』:2020/05/12(火) 18:35:40
>>621(白町)

 膝掛を肩に羽織る貴女に、エヴァレットが笑いかける。

「……貴女、笑い方がちょっと怖いわ」

 手酷いコメントが飛んできた。
 或いは、信頼の証なのかもしれない。

「……『善意』にどれだけの値札を付けるかで、その人の価値も決まるでしょう」

「……汚名を雪ぐというのは、私にとっては大切なこと。
 そのために危険を冒してくれるなら、当然報いなくてはならないわ」

「『風紀委員』という肩書があったから、貴女を頼ったのは事実だけれど……
 その『役目』や『善意』を盾にして気楽に取り戻せるほど、安っぽい名誉ではないつもり」

「……とはいえ、『貸し一』が限界。学校で、金銭のやり取りもできないものね」


>>622(中務)

「……そう。『無欲』なのね。いえ、『達観』というのかしら?」

 自身の心情に則って返答する。
 『貸し一』にも首を振ると、エヴァレットは感心したように頷いた。

「……分かった。
 それなら、私が勝手に『借り』だと思っているわ。
 貴女は、何とも思わなくていい。それで、納めてもらえるかしら」

「……図書室も、ね。
 早いうちに再開するように、掛け合ってみる。
 ……当然だけれど、これは『貸し一』には含まないわ。」


>両名

 『15:57』。
 いよいよ、『残り3分』を切った。

 学園の是正という大義を掲げながら、エヴァレットを肯定した白町。
 慣れ親しんだ居場所、という一片の恩に報うために応諾した中務。

「……ふたりとも、ありがとう」

 小さな声だったが、その感謝の言葉は、はっきりと貴女の耳に届いた。

 ……コチ、と、軽い音を立てて、掛け時計の分針が揺れる。
 特に行動を起こさなければ、このまま『16時』を迎えることになるだろう。

624白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/13(水) 01:14:12
>>622(中務)

「失礼、わけなく見ていたわけでは無いのです。
 どう返事をするのか、気になっていました。
 事態はわたくしの『想定』を超えておりますし、
 あなたは『風紀委員』でも、生徒会でもない。
 断ったり、謝礼を釣り上げても、不思議はない」

「ですが……その『奉仕精神』ときたら!
 ああ、なんて素晴らしいのでしょう……
 手を組む協力者が、あなたのような方で良かったです」

どうやら、白町側では『組む』準備は万端らしい。
深い笑みを浮かべる表情は、少なくとも今は純粋に笑っている。

>>623(GM)

「ふふ……それは『是正』を、せねばなりませんね」

       グイ

指先で口角を軽く押さえる仕草。
真に受けてはいない、という事かもしれない。

「『貸し一つ』……それだけで『十二分』なのです。
 それを差し出してくれる、そのなんと尊い事でしょう!」

そして、席から立ち上がった。
その見開いたかのような双眸が、図書室全体を見渡す。

それは、この部屋の『窓』の位置を探っていた。
扉以外の出入口であり……『カーテン』を備える。

「…………わたくしに。いえ。わたくし達に、任せなさい!」

感謝の言葉には、よく通る声で、はっきりとそう返した。
中務という『仲間』を、白町は『信頼に値する』と考えていた。

625中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/13(水) 21:23:32
>>623-624

「ここまで話聞いてやめたってのはなしっスよ」

白町に言葉を返す。
その笑みは彼女らしい笑みだと受けとった。
かなり純粋な子なのだろう。

「無欲でも奉仕精神でもなんでもいいっス」

「ボクにはボクの理由ってわけで」

ペットボトルのキャップを閉め、立ち上がって伸びをする。

「そろそろっスね?」

その時を待つ。

626『火はなくとも煙る』:2020/05/13(水) 22:17:06
>>624(白町)

 中務の『奉仕精神』に感じ入りつつも、立ち上がって『図書室』を見渡した。

 私立一貫校である清月学園の『図書室』は、【東西】に広い。
 【南】の壁の両端に入口の扉があり、向かいとなる【北】の壁の中央に貸出カウンターがある。
 壁一面に敷き詰められた本棚以外は、自習用の机が等間隔に並べられている。

 『カーテン』を備えた窓は、すぐ近く。
 【北】の貸出カウンターの左右にあった。日照の悪い、北向きの部屋ということになる。


>>625(中務)

 白町の賛辞を受け流し、ペットボトルのキャップを閉める。
 立ち上がって伸びをした。少し、身体が解れたかもしれない。


>両名


   コチ・・・    コチ・・・   コチ・・・

                         ビィィィン・・・


 『分針』が、ひときわ大きく震える。


       キーン            カーン
              コーン             コーン・・・
  

 『16時ちょうど』。

 放課を知らせる、いつものチャイムが鳴り響く。

627『火はなくとも煙る』:2020/05/13(水) 22:18:08
>>624(白町)


   「…………、見え、ますか」


 エヴァレットの強張った声が耳に届くよりも、一足先に。

 『図書室』を見渡していた貴女は、『ソレ』を視認した。



      『ズ』

                『ズ  ズズ  ・・・ 』


 『図書室』の中央。


 西洋風の顔立ちをした、男性の姿。
 或いは、『絶世の美少年』とも呼ぶべき、黄金比の美貌。

 現代においては、やや時代錯誤的にも思われる、その衣裳。


          『 ド ド ド ド ド  ・・・ 』


 直感する。これは、『幽霊』ではない。『スタンド』、そのヴィジョンだと。


>>625(中務)


   「…………、見え、ますか」


 貴女の正面に座っているエヴァレットの顔から、血の気が失われる。
 恐ろしいものでも目の当たりにした、と言わんばかりの表情の硬直。

 その視線は、貴女の後方。

 横長に広い『図書室』の、ちょうど中央辺りに注がれている……。

628白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/14(木) 15:16:35
>>625(中務)
>>626-627(GM)

部屋の位置関係を。そして中務やエヴァレットを。

「ふふ……『理由』がなんであっても、
 その『結果』の行動が素晴らしい――――」

    スッ
 
              「――――ああっ!」

 
「エヴァレットさん、わたくし、見えます。
 ――――『あれ』が『そう』なのですね!」

巡った視線は、最終的に、『それ』に止まる。
大きな目が、いつも以上に見開かれる。
指をさし、『自分にも見える』事を二人に示す。

「なんて、綺麗なお顔なのでしょう。
 素晴らしい……まるで『絵画』のよう!
 是正すべきところを探すのが、難しいくらいです」

ブランケットの端を持ち上げ、口元を覆いながら褒める。
『アルコール』を散布するような『能力』を警戒する。

「中務さん、そのまま後ろを向きなさい。
 あなたに、見えるかは、分からないのですが」

「わたくしには『見えます』。
 エヴァレットさんと同じものです。
 もし見えないならすぐに逃げなさい」
 
「あれは、『見えない』者には、どうにも出来ないものなのです」

   「ですが『見える』わたくしには、『どうにかできる』でしょう」

『生まれついてのスタンド使い』である『白町千律』は――――動揺しない。

629中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/14(木) 21:56:10
>>626-628

「大丈夫っスよ」

「ボクの予想が正しいなら、後ろの正面に立ってるそいつが何なのか」

「分かっているはずっスから」

白町の言葉に呼応するように肩越しに後ろを確認する。
それと同時、中務の足元にはうずくまるような像。
体を丸めて、そこにいる。

「『エイミー・ワインハウス』」

ペットボトルを手放し、顔を上げさせたスタンドにキャッチさせる。
『エイミー・ワインハウス』にそこにいるだろう存在と自分たちの距離を測る。
接近しているようならこちらも何とかしないといけない。

630『火はなくとも煙る』:2020/05/14(木) 23:14:49
>>628(白町)

「え、えぇ。そう」
「……見えるのね、白町さん」

 まさしく、宗教的な『絵画』のような美しさの男性像を褒め称える。
 ……エヴァレットからは、困惑したような声音が返ってきた。

 ブランケットで口元を覆い、中務にも警告を発し――――、


         『  ニ ィ ・・・  』
                           フッ…

 ……そこで。

 貴女の視界から、『スタンド』のヴィジョンが消える。


           『  ピ タ ・・・ 』


 ……僅かほど遅れて。
 『何か』が、片頬に触れた感触を覚える。

 刺激のした方向へ、反射的に視線を向けると――――、


 『いる』。


 先程まで、視線の先に居たはずの、その『彫像』的な美しさを誇るヴィジョンが。
 貴女の、すぐ隣に。
 その『細腕』を伸ばし、『小枝』のような指先で、貴女の頬に触れている……。


       『   ニ ィ ・・・  』


 ……ひどく、『自己陶酔的』な笑みだ。

631『火はなくとも煙る』:2020/05/14(木) 23:15:35
>>629(中務)

 白町の言葉に応じ、振り向きながら『スタンド』を発現する。

 『エイミー・ワインハウス』。
 貴女が手放したペットボトルを、先ずは難なくキャッチした。


         『  ニ ィ ・・・  』
                           フッ…


 振り返った貴女の視界の端に、男性像らしきヴィジョンが映ったが……

 それも、『一瞬』のこと。
 完全に後ろを振り向く頃には、貴女の視界に『スタンド』のヴィジョンはなかった。

 ……しかし。

 しゃがみ込んだ姿勢から顔を上げていた、『エイミー・ワインハウス』の視覚は。
 それを、しっかりと捉えている。

 貴女自身が振り向くのと前後して、姿を消したはずのヴィジョンが――――


 『いる』。


 今度は、はっきりと視認できる。
 まるで神話の『挿絵』でも見ているかのような、肉体美を兼ね備えた『美少年』が。
 ほんの『一瞬』のうちに。
 貴女と、白町。そのちょうど間に姿を現している。


           『  ピ タ ・・・ 』


 気付けば、その華奢な手が貴女の頬に触れていた。
 目で追うのも困難なほどの所作。コイツ、恐ろしく速い――――!(スA)


       『   ニ ィ ・・・  』


 ……なんとなく、『気障ったらしい』印象を受ける笑みだ。

632『火はなくとも煙る』:2020/05/14(木) 23:20:05
>両名

                フッ…


 『触れられた』。

 それを知覚すると、ほぼ同時に、ヴィジョンが再び視界から消える。


「ふ、二人とも……」


 目の前の出来事に圧倒されていたのか。
 かなり遅れて、エヴァレットの引き攣った声音が耳に届く。


「……無事、よ、ね?」

「…………中務さん、その、ソレ」

「………………、何……?」

 どうやら、中務の足元に出現した人型のヴィジョン――――『エイミー・ワインハウス』について、問うているらしい。

633白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/15(金) 01:54:52
>>629(中務)
>>630-632(GM)

「ああ、『速い』……とても見切れない速力、素晴らしいです。
 触れるだけという事は、『触れて発動する』能力なのですね。
 わたくし、あなたのことを、もっと理解していきたいです。
 良い所をたくさん見つけさせてください。『是正すべきところも』」

「まずは……フフッ。その笑いは『是正』すべきですね」

触られた頬に、指先で触れる。
何か『触れてわかる変化』が無いかを確かめるためだった。
見た目の変化がないかは――――『中務』の顔を見て判断する。

「中務さん、『それ』は、アレより速いですか?
 わたくしの『それ』は、アレに追いつける速度はありません。
 それと……あなたの『それ』について、ぜひ説明してあげてください」

白町の『ハード・タイムス』は、速力にも、膂力にも長けていない。
『エイミー・ワインハウス』はどうだろうか。取り得る戦略は彼我の戦力で決まる。

「エヴァレットさん、わたくしは無事です。
 御心配いただいて、わたくし、嬉しいです。
 そして……もし荒唐無稽に感じても、『信じなさい』」

「今起きていることは、『心霊現象』などではないのです。
 ほぼ間違いなく、『人心』が引き起こす――――『人災』」


                    ―――  シュピン


        わたくしの手
「ゆえに、『ハード・タイムス』で、是正可能なのです」

『ハード・タイムス』を、発現する。
その手で自身の両肩に触れ、一つずつ『刻印』する。

説明は質問を受けた中務に任せ、白町は視界を巡らせ『ヴィジョン』を探す。
『神速で触れてくる』――――そこに『泥酔』の謎があるのは、間違いないだろう。

問題は『発動条件』だ。一度触れられた、現時点でも『酔い』は感じるだろうか――――?

634中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/15(金) 23:44:24
>>630-633

「うわぁ……そういうのは横のお嬢様たちにやって欲しいっスね」

辟易したような顔でそんなことを言う。
消えてしまったから聞こえたかどうかは分からないが。

「これはあれほど早くないっスよ」

『エイミー・ワインハウス』の速度について言及しつつ、エヴァレットの方を向く。
そして、なるべくゆっくりと落ち着かせるように言った。

「えぇっと……これは『エイミー・ワインハウス』っていうっス」

「ワインハウスっスけど、酔いとは関係ないんで、安心していいっスよ」

触れられた頬に触れてみる。
何とも言えない感覚が残っている。

635『火はなくとも煙る』:2020/05/16(土) 00:50:54
>>633(白町)

 先ず、触られた頬に指を伸ばした。
 ……特に、触れて分かるような変化はない。少なくとも、今は。

 次いで、中務の顔に視線を移す。
 こちらも目立った変化はないが……なんとなく『血色』がいいような気がする。

「…………『人災』? あの幽霊が、人の手で作られたモノ、とでも……」

 エヴァレットに心構えを説くも、目の前の光景に、まだ困惑している様子だ。


 そして、『ハード・タイムス』。

                          ―――  シュピン

     ビクッ
         「 !! 白町さん、の、隣にも…… 」


 羽織るようにしていた『膝掛』の上から両肩に触れ、『Φ』を刻印した。


             『 スッ 』
                          「白町さんッ!」

 ……しかし、それより僅かほど先に。
 貴女の隣に、再び『美少年』のヴィジョンが現れる。

 その『細枝』のような手指が、今度は貴女の右手を掴もうとしている……


>>634(中務)

 今は何もない空間にむけて、ぼやいてみる。


        『 ・・・・・・ 』


 答えは返ってこない。
 ただ、あの『熱に浮かされた』ような笑みの残像が、どうも頭に残っている。

 自身の『スタンド』についてエヴァレットに説明しながら、頬に触れる。
 撫でられたような感覚が、まだこびりついている……ということは別にないが、
 そんな気分にはなっているかもしれない。『残穢』のようなものだろう。

「……『エイミー・ワインハウス』……?」

 名を告げたものの、エヴァレットは困惑したままだ。

「……関係ない、のは、いいんだけど……」

「…………あまり、深く聞くべきでは、ないのかしら。
 だって、あの『幽霊』……のような、アレと、似たようなものに感じる、」


             『 スッ 』
                          「白町さんッ!」


 言葉を途中で区切って、エヴァレットが叫んだ。
 反射的に視線を向ければ、白町の隣に、再びあのヴィジョンが佇んでいる――――!

636白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/16(土) 14:55:45
>>634(中務)
>>635(GM)

「エヴァレットさん、わたくしの『これ』は『わたくしのもの』です。
 『わたくしはこれを操れる』のです。中塚さんは『それを操れます』」
 
「『あれを操れる誰か』も、いるのでしょう」

状況が状況――白町の『説明』は、核心にだけ触れるようなものだ。

「中塚さん、お答えありがとうございます。
 『策』を考え、是正していく必要がありますね。
 安易に行くなら、『触れに来る瞬間』を狙う――――」

              「例えば『今』です」

白町は、羽織の裾を掴む。
それに並行し――――両肩のマークから『引っ張る』。
左側からは『パスBB』で、右側からは『パスEB』。
『張力』をどう調整しようが、結果は『繊維が真っすぐになる』だけ。

だが、『不均衡』な力は『片側への強いひっぱり』を生む。
『繊維はそれでも真っすぐになる』……そういう能力だから。

「ああ、『視界』の外から一瞬で、ここまで!
 あなたの動作は、とてつもなく『速い』。
 手の動きだけでなく、恐らく『移動速度』も!
 素晴らしい『スペック』に、わたくし感嘆しています。
 もしくは……それ自体が『能力』なのでしょうか?」

重要なのは、引く力が不均衡な場合、『布は引く勢いで、強い力の側へと動く』。
その『動く力』が人を超えた物であれば……『布に付属する物』も、また動くだろう。
それにより、『ブランケット』で覆った自分自身の体を『左側』へと無理やり動かす。
足で動くのではなく、それをやると『思考』した、その瞬間に『動きを発生させる』。

「では……『反応速度』は、どうでしょう。
 『本体』が人間であれば『反応』は人間並みのはずなのです。
 『あなた自身』の意志で動くならば、話は変わってくるでしょうが」

「――――わたくしの考え、ぜひ、超えてくださいね」

掴む動作を、空振らせたい。
もし最悪、上記の動作が『掴まれてから』になっても、
それはそれで『掴んだものがいきなり動く』ことになる。
あの細い腕を考えれば、十分『意表』を付けるだろう。『中塚が攻撃する隙を生ませる』。

637中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/16(土) 23:12:45
>>635

「安心していいっスよ」

「ボクのはそんなにヤバくないっスから」

頭に残像が残る。
なんとも言えない気持ちを残しながら。
残穢、明らかな違和感。

「んぁ……ストーカーっスかぁ��!」

白町の隣にヴィジョン。
あの速度を考えれば『エイミー・ワインハウス』では間に合わない可能性の方が高いか。
だが、投擲だともっと届かないだろう。
だから中務はそのまま突き進む。

『エイミー・ワインハウス』は相手に向かってタックル気味に攻撃する(パス精CBB)
しゃがんだ状態で発現したはずなので、いちいちしゃがむ必要は無いはずだ。
上半身が動いている以上、下半身は多少は疎かになっていると思いたい。

638『火はなくとも煙る』:2020/05/17(日) 15:42:16
>>636(白町)

         『 ピン ! 』


 両肩に羽織った膝掛の裾を引っ掴み、能力を発動した。

 刻印された2つの『Φ』……『留め針』のような小さなマーク。
 その両端が、不均衡に引っ張られる。


              『 グ  ン ッ ! 』

      ビリッ…
                            『 ピ ト ・・・ 』

 人の腕力を優に超える、布の張力。
 『膝掛』ごと、貴女の身体は左方向に吹っ飛んだ!


       『  ニ ィ  』
                  フッ

                     ガ タ ァァアン !


 布が伸び、わずかに破れたことで、その『猛獣のような力』は減衰する。
 しかし、強制的に体を動かすほどの強い力であることに変わりはない。
 急に真横に吹っ飛ばされ、『自習机』に腰を強く打ち付けてしまった。……鈍い痛みが走る。

 ……だが、見合う『収穫』もあった。

 白町の認識通り、『スタンド』の速度はあくまで行動の速度。
 任意によって操作しているのであれば、反射神経はあくまで発現主の意識に依存する。
 (『星見板』における【スピード】:ttps://wikiwiki.jp/stand0wiki0/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB#m9d76e8e)

 しかし、『美少年』は。
 ノーモーションで突然吹っ飛んだ貴女の『右小指』にも、難なく触れてみせた。

 もし、この『スタンド』の主が任意で操っていたのであれば……
 初めて見るはずの貴女の動きを、『予測』や『警戒』もなしに反応することは可能だったろうか?

       『 ドッ 』
                 『 ドッ ドッ ドッ ドッ ・・・ 』

 ……自分の体の『酔い』を気にかけていた白町(>>633)は、心臓の『動悸』に気づく。


>>637(中務)

 白町の隣に執拗に現れる、『美少年』のヴィジョン。
 その『スタンド』に向けて、貴女は突き進んだ。

 ……しかし、一歩踏み出すよりも早く、『美少年』は姿を消す。


          『 グ ォ ッ ! 』
                          フッ…


 『エイミー・ワインハウス』のタックルも、空振りに終わった。

 ……攻撃を仕掛けた中務は、『美少年』が『躱した』のではなく、『消えた』のだと感じる。

 それも、貴女の『タックル』を回避するために、ではなく。
 『目的』のために出現し、その『目的』を終えたので消えた……そんな感じだ。

 いずれにしても、ほとんど『一瞬』でいなくなってしまった。
 そして、両者のスピードにも圧倒的な差がある。
 攻撃をブチ当てるのには、かなり苦労しそうだ……。

639『火はなくとも煙る』:2020/05/17(日) 18:04:20
>両名

 『ハード・タイムス』の繊維を操る力で、緊急離脱を試みた白町。
 『エイミー・ワインハウス』のヴィジョンで、攻撃を仕掛けた中務。

 しかし、いずれも『気取ったような笑み』を浮かべた『美少年』の犯行を妨げることはできなかった。

 姿を見せてから、白町の手に触れて、再び消えるまで。
 ほとんど『一瞬』とも呼べるほどの、超速の出来事だったといえる。


      「白町さん……!」


 やや遅れて、急に吹っ飛んだ白町を心配してか、エヴァレットが傍に近寄ってくる。


                『  ニ ィ ・・・  』


 しかし、彼女が辿り着くよりも、もっと早く。
 『自習机』と衝突した白町の隣に、『美少年』が佇んでいる――――!

 ……どうやら、『目に見えぬほどの高速で近づいてきた』というよりも、『急に現れた』ような感じだ。

640白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/17(日) 22:51:36
>>637(中務)
>>638-639(GM)

「――――素晴らしい。『超えてきましたね』」

               ニタァ ・・・

吹き飛んだ先で、自習机に手をついて立ち上がる。
真っすぐ立てない可能性が、あったからだ。
自覚する――――『酔っている』。

「わたくしも、もっと『現状理解』を『是正』しないと、
 あなたに応えられません。わたくしなら、出来ますけどね。
 ……・エヴァレットさん、心配はいりません。わたくしに任せなさい」

――――佇む『美少年』。『佇んでいる』……『触れてこない』。

「中務さん。わたくし、ここまでで『気になった』事があるのです!」

白町には、ふと、それが気になった。
『まだ動いて来ない』だけなのだろうか?
今すぐ触ればさらに『酔わせる』事が出来るはずなのに。

「アレの『攻撃』は、とても、ほれぼれするほどに『速い』ですね。
 わたくしの『回避』を上回る速度、しかも『迷い』が無かったです。
 わたくし、感嘆せざるを得ません、素晴らしい『スペック』です!
 ――――それなら、なぜ、その場で『連打』をしないのでしょう?」

「あるいは、なぜ、『全員を攻撃しない』のでしょう。
 わたくしはコレで3回。中務さんは1回、エヴァレットさんは0回です。
 『エヴァレットさんだけ0回』なら、『貶める意図』があるのでしょう。
 『中務さんやわたくしだけ』なら、『一人ずつ戦力を削る』のでしょう。
 あまりに多すぎる『是正の余地』は、『正解は別にある』事を示すのです」

「『消えて現れる』ような行動。攻撃の不可解さ。『認識』を是正すべきは今!」

立ち上がれたら、羽織ったブランケットを『ハード・タイムス』に手渡す。
『謎が解けない限り、美少年の犯行はどうせ防げない』。

「『遠隔自動操縦型』――――中務さんは、出会った事がありますか?」

「もちろん『仮説』ではありますが、 この敵は『操作はされていない』のです。
 『条件を満たした時に、満たした人間だけを攻撃する』――――『ルールで動いている』
 つまり、『ルールさえ把握すれば、発現を誘導する事も出来るかもしれない』のです!」

それは、事件ともつじつまが合う。
『自動操縦型のスタンド』であることはほぼ間違いない。『エヴァレットを襲わない理由』は、何か。

641中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/17(日) 23:56:16
>>638-640

「くぁー!」

鳥のようなよく分からない声を出す。

「自動操縦! あぁ、そういうパターンっスね。なんか、それっぽいっすね」

「急に消えるの、普通に考えたらおかしいっス」

「ただ、なんで白町さんが狙われてるかが問題っスけど!」

白町に向かって言葉を投げる。
条件を見切らねば駄目だ。
攻撃して迎撃しようなどという欲をかくな。

「この場合、エヴァレットさんはしてなくて、ボクらがしてることを当てないといけないっス」

「ボクもワンタッチ……あぁ」

スタンドにペットボトルを白町へと投げさせよう(パス精CBB)

「それ飲んだら酔いはマシになるっすかね」

「接触系っスよね? 触りに来てるんだから?」

642『火はなくとも煙る』:2020/05/18(月) 20:29:12
>>640(白町)


       『 ピ ト ・・・ 』
                       フッ…


 『美少年』は白町の膝小僧を撫でると、やはりすぐに消える。
 あの『自己陶酔的』な笑みが、やけに残像に残る。

 負けず劣らずの笑みを浮かべ、貴女は立ち上がった。


                『 ぐらっ 』
     『 ぐらっ 』


 ……真っすぐに立てない可能性を危惧して、机に手をついた判断は『正しかった』。
 立ち上がった時点では感じていなかったが、今は『ふらつき』を感じる。


         『  ニ ィ  』


 立ち上がって間もなく、再び『美少年』が現れた。
 この『スタンド』、しつこい――――!


      『 ひゅっ 』 
                カロ ン


 と、貴女の足元に、『ペットボトル』が転がった。
 先ほどまで、中務が口をつけていたものだ。中身がまだ残っている……。


>>641(中務)

 白町の推論に納得する。

 せめてもの助けに、『エイミー・ワインハウス』。
 掴んでいた『ペットボトル』を、白町に向けて投げ――――


       『 ひゅっ 』
                カロ ン


 ……わずかに、的が逸れた。

 傍から見れば、『ペットボトル』を問題なく投げたように見えただろう。
 しかし、貴女が想定していた『放物線』よりも、誤差程度に軌道が低かった。

 いつもの『エイミー・ワインハウス』の動作性と比べると、微かに『鈍い』ような気がする。

643『火はなくとも煙る』:2020/05/18(月) 20:30:21
>両名

「……つまり、そうなのね」
「……『アレ』が。『アレ』を動かしている『誰か』が、みんなを酔わせていた」

 白町の推論を掻い摘んで、エヴァレットもようやく現状を理解したらしい。
 とはいえ、その言葉のすべてを理解したワケではなさそうだが……

「!」

 中務が『ペットボトル』を投げたのを見て、エヴァレットが貸出カウンターに戻る。
 そして、自分の『学生鞄』を漁ると、『水筒』を持ち出した。

「……『水分補給』」


   キュ キュ キュ       カ ポ!

                         ジョロロロロロ……


「白町さん、飲んで。顔色がひどいわ」

 エヴァレットは、『緑茶』の入ったカップを差し出している。

「……私がやっていなくて、中務さんが『一回』。白町さんは、……今の『ソレ』を含めると、『四回』」
「その『条件』を満たせば、自動で攻撃されてしまう。そういう『ルール』というコトね」

「……他に、何か手掛かりはあるかしら?
 貴女たちから見て、あの『スタンド』に感じる違和感だったり、共通点のようなモノ……」

644白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/18(月) 21:15:25
>>641(中務)
>>642-643(GM)

「ふ……ふふ、ふふふっ。『触るたびに酔いが進行する』のですね」

ふらつく脚には、確かな『酔い』がある。白町は笑う。
笑い上戸というわけではない……積み重なる『是正』の悦楽にだ。

「くふ……エヴァレットさん、流石です。理解がお早い。そこで是正をひとつ。
 ――アレや、わたくし達のこれらは『スタンド』と総称されます。
 『そばに立つ者』『立ち向かう者』……『大切な合言葉』なのです」

「ぜひ、覚えておきなさい。あなたの心の役にも立つでしょう……!」

手で机を支えにしたまま、やはり攻撃の回避や防御は試みない。
それは無意味であり、より悪い結果を誘発しかねないと、白町は考えているのだ。

「ふふ……『推論』を重ね『仮定』を立て、『是正』によって『正しさ』を目指す!
 互いのスタンドによる『戦闘』 ああ! 時にはそれも『素晴らしい』」

『美少年』は見ない。『笑顔が気になる』。『ペットボトル』を、しっかり見ている。

「いち。『被害者』たちは、スタンド使いではないはずです。
 スタンド戦を試みるのは言うに及ばず、『アレを視認する』ことや、
 反応すること、触れること、言及! このあたりは『違う』のです」

アレが見えたのは、エヴァレットだけだ。
つまり、見えなければならない『行動』はトリガーではない。

「に。『ごく自然に達成できる』かつ『エヴァレットさんは満たさない』条件。
 偶然か、それとも貶めるための故意か。一度も満たしていないのですから」

また、図書室で異常行動をしていればエヴァレットや周囲が気付くだろう。
異常でなくても、特徴的な行動なら気付く。図書室で自然に出来る事が、トリガーだ。

「さん。『条件を満たした者は、泥酔するまで攻撃を受けている』
 わたくし、現時点ではまだ、倒れるほどの泥酔には至っていません。
 つまり『被害者はこれ以上さらに攻撃を受け続けた』のです」

一度ならず、二度、三度と満たす。『攻撃は偏るもの』らしい。

演説のように、通る声で『持論』をさらに展開していく白町。
酔いで呂律が回らない可能性もある。『早口になりすぎない』ように意識をしている。

「エヴァレットさん。わたくしに『干渉』するのを一旦、止めなさい。
 『被害者がした共通の行動』ではなく『されたこと』の線があるのです。
 全員に共通し、『あなたには当てはまらないこと』は、『あなたによる干渉』」

「いいですね? 『名前を呼ぶ』ことも、してはいけないのです」

『あえて』エヴァレットの厚意を拒否する。
そして……中務の水をスタンドで拾い、飲む。

まだまだ『偶然』の可能性も高いが……白町は常に考えている。
『美少年』の出現や攻撃は、エヴァレットが自分を呼ぶタイミングに近い。
彼女に罪を着せるのが狙いだとしたら、攻撃条件としても『お誂え向き』だ。
とはいえ初回出現は違ったし、『中務が呼ばれたが何もなかった(>>632)』事もある。
まだ断定はしないが、ここは『従ってもらう』…………『是正』のためには、必要なこと。

645中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/18(月) 22:54:41
>>642-644

「あー?」

首を傾げる。
おかしい。
自分が投げたのならば分かるが、『エイミー・ワインハウス』の精密性は人間のそれを凌駕する。
だからこれは『酔い』の影響で間違いないだろう。
たった一度でこれだ。
蓄積された白町はかなり危ういところだろう。

「推論、補強するっスよ」

「一、時間でこのスタンドが動いている謎。
 つまりは、16時にある種の鍵がある可能性は否定できないっス」

「二、もしもそれが図書館に関係のあるものだと仮定すると、会話とかがトリガーになり得るっス
 あとはエヴァレットさんとの身体的な違いとかはありそうっスね」

項目三については沈黙だ。
そこに関しては考えがない。

「それと、個人的な感じっスけど」

「あのスタンドの『熱っぽい笑顔』が気になるっス」

「熱を移すのか、それとも君の瞳に乾杯……みたいな文学的な面からのアプローチなのか」

「まぁこの辺はあんまり気にしないでいいところかも知れないっスけど」

646『火はなくとも煙る』:2020/05/19(火) 02:00:08
>>644(白町)

「…………『スタンド』。傍に立つもの」

 緑茶のカップを手にしたまま、エヴァレットは貴女の言葉を繰り返す。


         『 ピ ト ・・・ 』
                      フッ…

 『四度目』。

 触れられた瞬間、これまでとは比べ物にならない『症状』を自覚した。

 足がたたらを踏む。
 呼吸が浅く、速くなる。
 胃の中から、こみ上げてくるものを感じる――――。

 攻撃や回避、激しい運動を避けたのは、正しい判断だったかもしれない。

「―――――、……」

 エヴァレットは、貴女の指示を受けて、頷いて見せる。
 『条件』がある、そして自分自身がその『トリガー』となる可能性もある。
 その説明を受けて、正しく理解したようだ。

 そして、中務の『ペットボトル』……

 『ハード・タイムス』の手で拾おうとすると、かなりの『ふらつき』を覚える。
 揺れる地面の中、ゆっくりと手を伸ばして、どうにか拾うことが出来た。


       キュキュキュ
                 カロ


     ゴク ゴク ゴク ……


 『蓋』を開いて、口を付ける。

 水が口の中を満たし、喉の奥へと落ちていく……止まらない。
 気付かないうちに、かなり喉が渇いていたようだ。
 そのまま、『ペットボトル』を空にしてしまった。

 …………心なしか、『吐き気』が収まったような気がする。

647『火はなくとも煙る』:2020/05/19(火) 02:08:39
>>645(中務)

 『エイミー・ワインハウス』の不具合に首を傾げる。

 今のところは、修正可能なレベルの『違和感』だが……
 白町の様子を伺う限り、あまり楽観はできそうにない。

 そして、自身の推論を並べた。


 『会話のトリガー』。


 貴女は、自分で呟いたその言葉が、妙に引っかかった。

 思い返してみれば。
 例の『美少年』は、いずれも『話している最中』に現れたような気がする。

 エヴァレットは、貴女から受け取った『ペットボトル』を夢中で飲み干したようだ。
 中身は、あっというまに空になってしまったようだが……
 少しだけ、顔色がマシになったようにも見える。

「私との、身体的な違い……」

 西洋人のエヴァレットは、背はかなり高い方だ。
 しかし、それ以外の身体的な特徴は、貴女や白町と変わりないように見える。


>両名

 『美少年』の浮かべている笑顔が気になる。
 二人は、脳裏に浮かんだ残像、その特徴に思いを馳せた。

 少年のヴィジョンは、息を呑むほどに『芸術的』な美しさではあったが……
 しかし、その『笑顔』には本能的な『不快感』のようなモノを感じる。


 『自己陶酔的』で、『気障ったらしい』。

 『熱っぽい』ようで、『鼻につく』ようで、『舞い上がって』いるようで……自分が『美しい』と分かっている。


「……多少の自信は、誰しもが生きていく上では必要だろうけど……
 あれは、それを通り過ぎている。『自惚れ屋』の笑い方、そんな感じね」


 エヴァレットも、二人と同様の感想を抱いたようだ。

648白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/19(火) 02:39:38
>>645(中務)
>>646-647(GM)

「……ゲホッ。けほ……ふぅ、助かりました」

         「『4回目は不味い』」

         「――――『5回』が限度ですね」

保健室に駆け込めるとすれば『4回目』段階か。
あれより一段酷いとなれば、『動けない』もあり得る。

「……『今は出現していない』。
 とどめをさせたにもかかわらず、『ヒット&アウェイ』に徹する。
 筋が通った『自動操縦』のようです。『律儀』で素晴らしい」

独り言のように、白町は話しだす。

「『図書室』――自習室を使っていて、普通に4〜5回は満たす条件。
 なおかつ、自習も本も関係のないわたくしが『4度』も満たした条件。
 ――――『私語雑談』? 図書委員が『図書室でしゃべらない』のは当然」

「とはいえ、今などしゃべってはいますね」

持論は前提でひっくり返っている。

「あの笑み! 美しい笑みでした。根底を揺らぶられるような。
 ですが『あれ自体』は『一般利用客』に見えない以上、攻撃条件ではないはず。
 気になります。無論、自信は『良い』ことです!しかし、気になるのです」

「『自惚れながら、触ってくる』のは『褒められて気をよくした』から?」
 
「しかし利用者が褒めようにも、姿は見えません。
 『自意識過剰』だから自分宛てでない言葉を拾った?
 ふっ……『遺憾』ですが、わたくし自身、試しに口を閉ざしてみます」

それを最後に、一旦、口を閉ざす。
一言もしゃべらなければ、それでも『美少年』はやってくるのだろうか?

649中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/19(火) 18:47:01
>>646-648

「……私語、あながち間違いでもないかも知れないっスけど」

「身体的な違いってほら、体温とかアルコール分解能力とか、まぁ確かめようないっスけど」

背の高さだけで判断してることはないと思いたい。
会話のトリガー、それを真とするならば、話しているか否かよりも内容に問題があるのかもしれないが。

「自動操縦……自分の意思はあるのか無いのか……うーん……」

「……あぁ、自分に酔ってるって感じっスか? あれは?」

白町が静かにする分、こちらが話す。
これで彼女が狙われるのならばより深く考えないといけない。

650『火はなくとも煙る』:2020/05/19(火) 21:26:32
>>648(白町)

 僅かな時間ではあったが、危機感を覚えるほどの『ふらつき』。
 ひと息つきながらも、推論を止めることはない。
 口に出して、整理し続けるが……今度は、『美少年』は現れなかった。


 ……ふと、貴女は自分の推論の中に、奇妙な『予感』を得る。


 着実に、照準が的へと近づいている。
 もう少しで、『射程距離内』に入りそうな――――そんな、確信めいた『予感』だ。

 正鵠を射てはいないものの、大きく外してもいない。
 『偏差』を修正すれば。或いは、修正せずとも。
 ボタンのひとつ掛け違うだけで、あの不快な『笑顔』の意味に届くような。


>>649(中務)

 身を挺するようにして、自らも推論を述べる。
 私語の有無、或いはその内容、外見だけではない体質の差異。
 様々に思考を巡らせるが……今度は、『美少年』は現れなかった。
 しかし、


 『自分に酔っている』。


 貴女は、ふと口にした『表現』が思いのほか、腑に落ちるのを感じた。
 『自己陶酔』。

 白町は、あの『美少年』を『遠隔自動操縦型』と想定していた。
 そして、定められたルールに従って仕事し続ける、機械的な『スタンド』ではなく。
 あの『笑顔』に見て取れるように、意思や感情を持っているタイプの『スタンド』のように思える。

651白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/19(火) 22:47:50
>>649(中務)
>>650(GM)

(ああ!)

白町千律は……喧伝こそしていないが、『ドールハウス』の作成を趣味としている。
配置に是正を繰り返す内、『理想通り』になる『瞬間』がある……(その後、理想は高まる)

(……『見えてきた』のです。『是正』の先……『正しさの白』が!)

その時に近い、感覚を覚えた。『是正』が『一区切り』される時の、そういう感覚だ。

          チョイ チョイ

白町はエヴァレットを指で招く。改めて『お茶』を、無言のまま要求する。

(『褒めない』ことはトリガーではない……エヴァレットさんは『褒めていない』
 『構わない』ことがトリガーなら、図書室の利用者全員が被害者になる)

(『自己陶酔』をする者が、他者を攻撃するとしたら?)

『それではない』 ……だが遠くない答えがあることを、どこか確信しつつある。
それを、『行動』に変えようとしていた。『白町自身の行動に』ではない。

「中務さん、ぜひ試したいことが。
 あなたの策に差し支えがなければ、わたくしを褒めなさい」

「それとエヴァレットさんも。あなたは、自分自身を褒めなさい」

『協力者の行動に』……だ。白町は『個より集を好む』。

能力が明かされていない今……白町は言葉少なに、中務とエヴァレットに要請する。
『4回目』に至るのは、極めて危険だと理解したのだ。まだ安全域の彼女らに『任せる』。

652中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/20(水) 01:13:55
>>650

(ん、む……)

中務千尋は多くの役割を担っている。
脚本家であり、舞台装置担当であり、演者担当である。
多くのものを発想から作り上げる点は共通している。

「……自己陶酔、自分に酔ってるのは間違いじゃないっスかね」

まだ分からない。
小さな声でそう呟いた。

「褒める……あぁ、いいっスよ」

「そーゆーの苦手じゃないっスから」

そう言って、新たな自分の役割をこなす。

「白町さんって素敵な人っスよねぇ」

「是正の精神は山よりも高く美しい」

「模範的で白町さんみたいな人を『風紀委員』って言うんでしょうねぇ」

言われた通り、褒める。

「あと笑うと特徴的で素敵っス」

653『火はなくとも煙る』:2020/05/20(水) 21:31:10
>>651(白町)

 『是正』の臨界点を目指し、二人に指示を飛ばす。
 まだ多少の『ふらつき』は残っているものの、その程度ならば容易い。


「……」 スッ

 エヴァレットは貴女の意図を察して、先ほどの緑茶の入ったカップを差し出した。
 両手で触れると、まだ温かい……。
 芳しい茶葉の匂い。口をつけたなら、また『ひと息』で飲み干してしまいそうだ。

 中務は、貴女の指示に従って、そつなく誉め言葉を並べているが……、
 『美少年』は現れない。他の条件があるのだろうか?


>>652(中務)

 『美少年』の自己陶酔的な笑みは、まさしく『自分に酔っている』。

 自らの口にした表現に、腑に落ちる感覚がした……ような気がしたが、やはり否定した。
 まだ分からない。見落としや、他の可能性があるかもしれない。

 白町の指示に従って、彼女への賛辞を並べてみるが……
 『美少年』は姿を見せない。他にも、策を試してみるべきだろうか?


>両名

 白町から『自分を褒める』ように指示を受けた、エヴァレットは……

「…………えっと、」

 少し、まごついている。

 演劇で舞台に上がることも多いからだろうか、
 すらすらと台詞を並べ立てることが出来た中務と比べて、アドリブは『苦手』のようだ。

「私は……すごいわ。そう、すごい」
「どうすごいのか、と言うと……………………、『礼儀や礼節を弁えていて、心遣いができる』」


       『   ズ    』

                   『   ズ ズ    ズ  ・・・・・・   』


 その瞬間、

          「!!」
                 『  ニ ィ ・・・ 』


 はたして白町の企図した通りか、エヴァレットの傍らに姿を現した。


 『絶世の美少年』。
 『自己陶酔的』な笑みを浮かべている、西洋人風の衣裳。

 その視線は、攻撃対象となったエヴァレットに注がれているようだ。
 若木のように細い腕を伸ばして、指先で触れようとしている。

654白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/20(水) 22:02:22
>>652(中務)
>>653(GM)

「ふふ……ふ、中務さん、褒め上手なのですね。
 言葉一つ一つが、わたくしの心に響いてます。
 好きになって、しまいそう……ああ、『出ましたね』!」

『ハード・タイムス』の手で、出現した『美少年』を殴打する(パス精DCB)

「素晴らしい! 『期待に応えてくれる』…………ククッ!」

スピード差がある。当たる可能性は殆ど無い。が、『当たらないとも限らない』。
『攻撃される』と分かっていても、始めた動作は止められないはずだから。

「これで『発現』は誘導可能!
 戦況は一つ『是正』されたのです」

「『自画自賛』または『エヴァレットさんを褒める』
 それがこの存在の、攻撃条件と考えていいのでしょう」

重要なのは、『いつ・誰の横に出るか』を、誘導出来るという事。
勿論100%ではない……未知の『要因』が無いとは言い切れない。

「断定は、しません。ですが『出るタイミングを決められる』なら十分!」

お茶を飲み干す。『回数2』に下げておけば、『自分』も択に上げられる。

655中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/20(水) 23:37:24
>>653

「……うへぇー」

言っててなんだかむず痒くなってしまった。
なんだろう、不思議な感覚だ。

「出たっスね」

(……エヴァレットさんの発言)

(礼儀、礼節……心遣い)

(私はその方面は触らなかった)

だとすると、トリガーを引けていないのは自分の方だ。
西洋人風のスタンドヴィジョンを視界に捉える。

『エイミー・ワインハウス』を移動させ、エヴァレットを引っ張りたい(パス精CBB)

656『火はなくとも煙る』:2020/05/21(木) 21:43:36
>>654(白町)

 『ハード・タイムス』の拳が、『美少年』へと振るわれ――――


       『 ぶ ン ! 』
                   フッ……


 その『残像』を薙ぐようにして、空を切った。
 やはり、『視認』してからの攻撃で捉えるのは難しそうだ。

 だが、奇妙な『予感』が『確信』へと変わる。


      グ ビ  ィ  イ ―――――ッ!


 エヴァレットから受け取った『緑茶』を飲み干す。

 茶葉から抽出された『カフェイン』! そして『ビタミンC』!
 体内のアセトアルデヒドだかなんだかが分解されていく……ような気がする。
 ふと気づくと、先ほどまでの『ふらつき』を感じない。
 机に手をつかずとも、立っていられそうだ。


>>655(中務)

 自分自身の言葉に形容し難いむず痒さを覚えつつも、『美少年』を視界に捉えた。

 そして、『エイミー・ワインハウス』。
 エヴァレットの元へと向かわせて、腕をつかんで引っ張る。


    『 ピ ト ・・・ 』
                フッ……


                         『 グ イ っ ! 』

            「……あっ!?」

 『美少年』の手際は、目にも止まらぬほどに速い(スA)。
 その指先がエヴァレットの頬に触れ、そしてヴィジョンが消える。
 『エイミー・ワインハウス』がエヴァレットの身体を掴んで体を引っ張ったのは、その後ということになる。

「……び、びっくりした……素早いのね、『エイミー』さん」

 『エイミー・ワインハウス』とて、機敏な『スタンド』と呼べる部類に違いない。
 しかし、スピードは向こうの方が上だ。
 相手を『視認』してから動かすとなると、どうしても『後手』を掴まされてしまう……

657白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/21(木) 22:49:08
>>655(中務)
>>656(GM)

「ふふ…………『是正』の余地は、まだまだあります!」

笑みを浮かべる。酔いが覚めることを知覚していた。

「まず、『誰のそばに出るか』は決められても、
 人の『そば』は、周囲360°あるのです。
 これだけでは、決め打ちで当てることは難しい」

「ですが!」

白町は『いす』を手に取る。
図書室には無数にあるはずだ……動かせる椅子が。
それを、最低で『7個』ほど集めておく。

「アレは、『すぐ触れる位置』に現れますよね?
 少し離れたところに現れ、詰めて来たりはしない。
 いつも手を伸ばせば触れる位置に出るからこそ、
 わたくしたちの行動が『間に合わない』のです!」

「では、触れる位置が、『一箇所』しかなければ。
 そこに現れざるを得ないのでは、ないでしょうか!」

白町がしようとしている事は、その言葉通りだ。
発現が『ルール』なら、『嫌でも現れざるをえない』。
どうにかしてでも、『触れる位置』に出現せざるを得ない。

「例えば。エヴァレットさんの『目の前』以外の『手を伸ばせば届く位置』が、  
 全て物で埋まっていれば? それでもアレは、出ざるを得ないはずなのです」

それを、誘導しようとしている。『触れる位置』を、減らす事によって。

658中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/21(木) 23:33:07
>>656

「んーやっぱり無理っスね」

とはいいつつ、『エイミー・ワインハウス』はエヴァレットの傍だ。
敵が来た時の迎撃のためには傍にいた方がいい。

「おっ、いいっスね。それ」

椅子を集めるのを手伝い、適当なメモ(なければスマホのメモ機能)を使ってエヴァレットにメッセージを送る。

『礼儀、礼節、心遣いを一つずつ使って褒めて下さい』

『礼儀正しくて素敵、礼節をわきまえてて素敵、ぐらいでいいです』

『あれが何をきっかけに出てきているかを絞ります』

『それら全てがきっかけの可能性もありますが』

659『火はなくとも煙る』:2020/05/22(金) 18:00:30
>>657(白町)

 一手ずつ、着実に。『王手』に向けて、駒を詰めていく。

 自習用の『椅子』は木製の簡素なもので、簡単に動かせる。
 意図を察した中務が手伝ったこともあって、すぐに『7個以上』は集まるだろう。


         『  ズ  ズ ・・・ 』


 中務がエヴァレットにスマホの画面を見せると、エヴァレットが何かを読み上げた。
 その傍らには、やはりあの『美少年』が出現している……。


>>658(中務)

 白町が椅子を集めるのを手伝う。
 二人がかりの作業で、彼女が目標としている数はすぐに集められたようだ。

 そして、エヴァレットの傍に『エイミー・ワインハウス』を待機させる。

「…………」

 『自分を守るために戦力を割いてもらっている』と理解したのか、申し訳なさそうに押し黙っている。
 しかし、スマホで作成した文章を読ませると、その表情はすぐに強張った。

「…………つまり、さっきと同じような内容、でいいのよね」
「あの……『スタンド』というのを、私の傍に呼び出すためには」

 文章を読み終えたエヴァレットは、やや躊躇いがちに指示に従う。


「…………ええと……、『私は礼儀正しくて素敵』」


         『 ズ  ズ ・・・ 』


 その傍らには、やはりあの『美少年』が出現している……。

660白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/22(金) 19:59:08
>>658(中務)
>>659(GM)

「お手伝い、ありがとうございます。
 わたくし嬉しいです、中務さん。
 あなたは『協調性』がある……素晴らしい。
 それに……『独力』の方もまた、優れている」

「完全に『言わされた自賛』も、『条件』を満たすのですね」

中務の機転により、『釣る』ための餌は最早溢れ変えるほどだ。
遠隔自動操縦の弱点は、そのような状況でも『やめられない』こと。
スタンドを引いて対策を練るためには、『本体が見ている』必要がある。
逆に言えば……あの『美少年』の本体は、ここを見てはいない。

白町は確信を深め、深まったそれは屈託なき笑みとして顔に浮かぶ。

「中務さん。『挟み撃ち』に、いたしまょう。
 わたくしの『ハード・タイムス』と、
 あなたの『エイミー・ワインハウス』の配置の話です。
 『エヴァレットさんの側』と、『前方・人二人分ほど』に」

「アレは『触りに行く動き』に乗せてわたくし達の行動を躱します。
 実に無駄がなく素晴らしい行動です……そして、厄介でもあります。
 左右から挟んで攻めるのでは、発現タイミングが分かっていたとしても、
 万一の場合『前に進む速度』に対して、空振る可能性があるのです。 
 ですが前後であれば……進行方向からの一撃は、回避不可能でしょう。
 万一目の前に迫る拳に身を引こうとすれば、その場合は後ろからの拳に倒れるのです」      

               ウットリ

「ふふ…………『是正』の余地が、全く無いとは、思いませんがね」

白町はスタンドも用いて、椅子7つを『コ』の字に並べる。
この状況。敵の能力がなければ、間違いなく『賛美』の言葉を吐いていただろう。

661中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/22(金) 20:31:23
>>659
>>660

「どうも……ワンマンでやれない人間は協調性持ってないと演劇出来ないっスからね」

そう呟いて美少年を見やる。
まだ動いてないのは少し疑問だ。
出て直ぐに触れてくるかと思ったが。
少しラグがあるものなのだろうか。

「挟み撃ちっスか」

「じゃあボクは傍の方にするっスかね」

白町の準備を待って、準備が整えばエヴァレットに続きを読んでもらおう。
もし今来るのなら迎撃したい。

(ん……? 会話のトリガーにしても……今までいた生徒がそれを満たしてるってことになるけど)

(該当する生徒、そんなにいたの?)

662『火はなくとも煙る』:2020/05/23(土) 00:02:17
>>660(白町)

 中務の協調性やアドリブ力に感じ入りつつ、挟み撃ちのための策を練る。

 『遠隔自動操縦型』。
 本体の意思に寄らず、『条件』を満たせば出現する。
 そして、その『条件』と思しき手札も揃った。

 『迎え撃つ』には、十分な材料と言えるだろう。
 『ハード・タイムス』の手も借りつつ、椅子を『コ』の事情に並べる。


>>661(中務)

 白町の賛辞に応じつつ、その策に応じる。

 『美少年』はエヴァレットの右手に触れると、あっという間に消えてしまう。
 これまでと同様、現れてから消失までは『一瞬』だ。(※)

 その姿を視界で捉え、認識する分には苦労はないが……
 やはり、『視認』してからの迎撃となると、かなり難しい。

(※『スタンド』が現れてから消えるまでは、これまでの描写通り『一瞬』。
  現れてから消えるまででレスを分けているのは『描写の都合』。あしからず)


>両名

「……準備が整ったら教えて」
「『続き』も、……読み上げるから」

 『スタンド』を警戒してか、エヴァレットは言葉少なに白町に呼びかける。
 能力の影響か、顔は赤く、息も上がっているが……まだ『余裕』はありそうだ。

663白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/23(土) 23:39:14
>>661(中務)

「ふふ……その『謙虚』な態度もまた、素晴らしい」

「そして、そんな謙虚なあなただからこそ、
 わたくし以上に『疑り深く』状況判断が出来るのです!
 ――――中務さん、何か『懸念』は、おありですか?」

白町の問いかけは、心を読んだわけではない。
あくまで『王手』に近付くため、『必要』だった。
自分とは違う視点を持てる、中務への『最終確認』が。

よほどエヴァレットが酒に強いのでなければ、
チャンスは数回だけ。『懸念』は、潰せるなら潰したい物だった。

>>662(GM)

「エヴァレットさん、もう少しだけ待ってください。
 わたくし、『是正』を最後まで重ねたいのです。
 チャンスは『有限』……『一度』で、済むように!」

『ハード・タイムス』に持たせた布は、
あらかじめ肩にかけ、背中側に垂らすよう持ち変える。

「個人的にも、風紀委員としても、
 あなたが『苦しむ』回数は、
 少しでも少ない方がいいのです」

持っている箇所は、『四隅』の一つだ。
四隅には全て、予め『マーク』しておき、
そのうち一つの隅のマークを掴んでいる。

非力を以て『一撃で決める』ための攻撃手段は、既に『是正』済だ。

664『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 00:10:41
【確認事項】

>>663(白町)

>『ハード・タイムス』に持たせた布は、
>あらかじめ肩にかけ、背中側に垂らすよう持ち変える。

この『ハード・タイムス』に持たせている布は、先ほどまで肩にかけていた『膝掛』ということ?

665白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/24(日) 00:33:27
>>664(GM)
この『布』と『膝掛け』は同じものであり、
>>640で渡している『ブランケット』とも同じです。
度重なる表記ブレ、大変失礼いたしました。

666『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 00:54:56
>>665(白町)

把握しました。だいじょうぶです。

667中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/24(日) 01:54:43
>>662-663 (詳細な描写に感謝)

「懸念……」

「なんていうか、この自賛したら来るって、座りが悪いって言うか」

「この条件満たした生徒、そんなにいたんスか?」

なんとなく思っていたことを発する。

「まぁ、とりあえずこっちの処理っスけどね」

美少年を出させよう。
出てきたら蹴ってやる(パス精CBB)

668『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 16:58:46
>>663(白町)

 エヴァレットは、貴女の指示に頷いて返した。

「……この中では、私だけが唯一、対抗策を持たない。
 それに、私から二人に頼んだのだもの。
 『解決』してもらうためなら、これくらいの『リスク』は負わなくちゃ……」

 どうやら、自分に言い聞かせているようだ。

 未知の脅威、『スタンド』。
 自らその対象となることに、少なからず不安を感じていたようだが……
 貴女の言葉の端に感じ取れる『気遣い』に、かなり安堵したようにも見える。


      ――――シュパパパッ


   『Φ』        『Φ』

         『Φ』        『Φ』     ふぁ さ ・ ・ ・


 『ハード・タイムス』が、布の四隅にマークする。
 そのヴィジョンの手で一角を握り、片肩から背中にかけて、背負うように『膝掛』を垂らした。
 今のところ、『下ごしらえ』は順調に進んでいる。

 と、その準備を進めている間に、中務から疑問が飛んできた。
 どうやら、『発現条件』について思うところがあるらしい……。


>>667(中務)

 『金曜日の16時以降』。
 『図書室』内で、『自賛』をした人間の傍らに現れて、『酔わせて』いる。

 …………『何故』?

 貴女は、その『発現条件』への懸念を呟いて、首を傾げた。

 単純に、条件に対して被害者が多すぎると思ったのか。
 それとも、『自賛』⇒『酩酊』、という流れを不自然に感じたのか。

 或いは――――


   本来はあるはずの情報が、『どこか欠けている』、のか。


 まるで、『推理小説』だと思って読み始めた本が、
 犯人の動機やトリックをすっ飛ばして、結末を語り始めたかのように。


「……? 謹慎になった生徒は、『そんなに』はいないわ。4〜5人くらい、かしら」

 その推論を聞いていたエヴァレットが訂正した。

 そういえば、この『飲酒』騒動が起きたのは、『ひと月ほど前(>>609)』からだ。
 そして事件が起きるのは、決まって金曜日の放課後。
 仮に、毎週一人ずつ被害者が出ていたとすると……その程度の人数になるだろう。

「……とはいえ、『図書室』は基本的に『私語厳禁』、だけど……」

669『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 17:01:05
>両名

「…………その。
 これは、『陰口』のようになってしまうから、
 言うべきかどうか、ずっと迷っていたのだけれど……」

 白町の準備を待つ間。
 エヴァレットが、申し訳なさそうに口を開いた。
 白町の主張する『自賛』のトリガーを踏まぬよう、丁寧に言葉を選んでいる。

「……『飲酒』の疑いをかけられた生徒たち、ね。
 はっきり言って、……あまり『素行の良い』生徒ではなかったみたい」

「……全員、『飲酒』疑惑については否定しているの。
 でも、先生方の多くは、『彼らがウソをついているに違いない』って……
 普段の行いが褒められたものではなかったから、聞く耳を持ってもらえなかった……って」

「……私も、面識があるわけじゃないから。これも、『噂』程度の情報よ」


 その噂を言い換えるなら、こうだ。
  、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
 『私語厳禁の図書室でダベっていても不自然ではない』、そんな生徒たちだった。


 しかし、同時に。

 ただでさえ、『飲酒』の濡れ衣によって傷つけられた、彼らの名誉。
 その傷口に塩を塗り込み、追い討ちをするかのような難癖だ、ともいえる。


 火のない所に煙は立たぬ。


 そんな、教師たちからの謂れのない冤罪に傷ついた、エヴァレットだからこそ。

 必死に罪を否定している生徒たちに、自らも疑いをかけるような真似は、到底出来なかったのだろう。
 或いは、「尋ねられるまでは明かすまい」と、心に秘していたのかもしれない。

「……ごめんなさい。私が、もっと早くに、これを打ち明けていたら」
「もう少し、早く。正解に辿り着けたかもしれない、のに」

 ……とはいえ、自らの都合で、重要な情報をひとつ伏せていたことに変わりはない。
 その自覚もあるのか、エヴァレットはひたに詫びている。

 しかし、これで『被害生徒の共通点』、という情報が明らかになった。

 『情報収集』という名目で、事前に『根掘り葉掘り』聞いていれば、
 他にも明かされていた情報があったのかもしれないが……

 しかし、中務の『直感力』と白町の『策』によって、既に『王手』は目前だ。
 今となっては、些事かもしれない……。

670白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/25(月) 00:14:10
>>667(中務)
>>668-669(GM)

「なるほど――ごもっともです、中務さん!
 やはりあなたの着眼点は素晴らしい……
 図書室は、『話す場ではない』ですものね」

「そして、それを満たす理由もまた、ごもっともです!」

中務の持っていた疑問、そしてエヴァレットの答えはどちらも納得がいく。
火のないところに煙は立たぬ。『火があるところを選んで煙を立てた』。

「エヴァレットさん。気にすることはないのです。
 なにせ誰も倒れていない。倒れるのは『悪徳』のみ。
 誰も悪くはないのです。悪いのは『ここにいない者』のみ」

「素行が悪いからといって、冤罪をかけられていい理由はないのです。
 正しい罪をもって、正しく裁き、正しい形に是正する! そうあるべき!」

位置取りを予定通りに取り、
中務と二人でエヴァレットを挟むようにする。
膝掛けを肩にかけた『ハード・タイムス』は、構える。
その一撃はエヴァレットには当たらないように、
真後ろでなく、ほんの少しだけ横にズレた位置に立つ。

「わたくし、『幕引き』を提案します。
 『ハード・タイムス』の『絶技』の一を以て、
 次の『出現』と同時に確実に仕留めます!」

出現のトリガー、『エヴァレットの自賛』の開始と同時に肩にかけた膝掛けを抜き放つように前に振るう。
つまり、『掴んでいる一隅』以外の『三隅』が、自分の体より前方向に位置するように、振るう(精B)


その状態で『掴んでいる一隅』からは『最低の力』で。
『他の三隅』からは『最大の力(パスBB×3)』で。


「もっとも、これもまだまだ『是正』出来る技では、あるのです」 


膝掛けは、結果的に引きちぎれるだろうが…………『引っ張る』。

その勢いに乗せ、『ハード・タイムス』の身体を前に『突っ込ませる』。
白町自身が最初にそうしたように。あの時の、『三倍』の引っ張りによって。

671『火はなくとも煙る』:2020/05/25(月) 12:58:26
>>670(白町)

【確認事項】

>位置取りを予定通りに取り、
>中務と二人でエヴァレットを挟むようにする。

この『予定通りの位置』というのは、>>660

> あなたの『エイミー・ワインハウス』の配置の話です。
> 『エヴァレットさんの側』と、『前方・人二人分ほど』に」

この位置にスタンドを配置する、という理解でよいか。
それとも、『挟むように』というように、それぞれのスタンドをエヴァレットPCの両隣に配置するということか。

(※尚、現在『エイミー・ワインハウス』は>>661よりエヴァレットPCの隣に位置している。)

>出現のトリガー、『エヴァレットの自賛』の開始と同時に肩にかけた膝掛けを抜き放つように前に振るう。

このレス内に該当の台詞等はないが、エヴァレットの『自賛』を指示した、という理解で進めてよいか。
また、>>657>>660にて『コ』の字状に並べた椅子については、
以降の言及がないが、『コ』の字の中央辺りのスペースにエヴァレットを誘導していた、という理解でよいか。

672白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/25(月) 14:55:46
>>671(回答)
全面的にGMの理解で間違いございません。
『エヴァレット』NPCへの指示は完全に書き忘れのため、
申し訳ございませんが>>670を以下に修正させていただければ幸いです。

-----

>>667(中務)
>>668-669 >>671(GM)

「なるほど――ごもっともです、中務さん!
 やはりあなたの着眼点は素晴らしい……
 図書室は、『話す場ではない』ですものね」

「そして、それを満たす理由もまた、ごもっともです!」

中務の持っていた疑問、そしてエヴァレットの答えはどちらも納得がいく。
火のないところに煙は立たぬ。『火があるところを選んで煙を立てた』。

「エヴァレットさん。気にすることはないのです。
 なにせ誰も倒れていない。倒れるのは『悪徳』のみ。
 誰も悪くはないのです。悪いのは『ここにいない者』のみ」

「素行が悪いからといって、冤罪をかけられていい理由はないのです。
 正しい罪をもって、正しく裁き、正しい形に是正する! そうあるべき!」

中務と二人で『出現位置』を前後に挟む位置を取る。
具体的に言えば、白町本人はエヴァレットの後方。
そして『ハード・タイムス』はエヴァレットの側に立つ。

 中
●☆●  ●:『椅子』。なるべく隙間を開けず配置。
●エ/ハ●  ☆:ここに『美少年』が出現すると『決め打つ』。
●●●   中:中務の立ち位置は、ここが良いと考えている。
     エ/ハ:エヴァレットのすぐ側に『ハード・タイムス』。
         この二人が収まる以上の隙間は、絶対に作らない。

エヴァレットの側には『ハード・タイムス』1人分以上の空間は絶対に作らない。
可能な限り椅子の位置をそのように詰めておく。それが出来てから、始動する。

「わたくし、『幕引き』を提案します。
 『ハード・タイムス』の『絶技』の一を以て、
 次の『出現』と同時に確実に仕留めます!」

「エヴァレットさん、『椅子の陣』の中へどうぞ。
 ちょうどその、『コの字』に収まるように立つのです。
 わたくしの『スタンド』の側に。隙間を空けず。
 そして……ぜひ、始めなさい。最後の『自賛』を!」

出現のトリガー、『エヴァレットの自賛』の開始と同時に肩にかけた膝掛けを目の前の空間へ振るう。
つまり、『掴んでいる一隅』以外の『三隅』が、自分の体より前方向に位置するように、振るう(精B)

その状態で『掴んでいる一隅』からは『最低の力』で。
『他の三隅』からは『最大の力(パスBB×3)』で。


「もっとも、これもまだまだ『是正』出来る技では、あるのです」 


膝掛けは、結果的に引きちぎれるだろうが…………『引っ張る』。

その勢いに乗せ、『ハード・タイムス』の身体をエヴァレットの前の空間に『突っ込ませる』。
白町自身が最初にそうしたように。あの時の、『三倍』の引っ張りによって、タックルを仕掛ける。

673中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/27(水) 11:07:37
>>668
>>672

「まぁ、ボクらも聞いてなかったんで仕方ないし……」

「……ん、む」

そうか、そういうことか。
なんとなく、動線のようなものは見えてくる。
動機と言ってもいい。
そういう人間を狙っている可能性は否定できない。
それをすることによって得られるものがあるのかもしれない。
それは立場によって生まれるもの。

「まぁ、とりあえず処理しちゃうっスよ」

「犯人探しがしたいなら、その後で」

どうせこの場にはいない人間だ。
エヴァレットにスマホの文字を読み上げるように促そう。

「……僕の能力は使い所ないっスかねぇ」

「まぁ、とりあえずはやることを」

白町の指定する場所に待機。
美少年が現れたら殴る(パス精CBB)

674『火はなくとも煙る』:2020/05/27(水) 21:01:28
>>672(白町)>>673(中務)

 白町が先導し、『美少年』を打ち負かすための陣形が整った。

 七つの椅子、その中央にエヴァレット。
 すぐ傍らに、布を構えた『ハード・タイムス』。
 『美少年』の現れるための一か所を空けて、
 その正面には中務と『エイミー・ワインハウス』。

 『神出鬼没』のスタンドだが――――『タネ』が割れてしまえば、攻略は易い。
 『いつ』、『どこに』、現れるのか。その条件さえ、明かされてしまえば。

「…………読むわね」

 エヴァレットの顔に、先ほどまでの不安はない。
 これが『王手』へと繋がるという確信を、二人の言動から得たのかもしれない。


    「……『私は、礼節を弁えていて、素敵』」



       『 ズ  ズズ    ズズズ   ・ ・ ・    ! 』



   バ リ ッ !!

                          グ!  グ!!   グン !!!

675『火はなくとも煙る』:2020/05/27(水) 21:03:02
>>672(白町)>>673(中務)

 ただでさえ『一瞬』で消えてしまう『美少年』のビジョン。
 その姿を視界に捉えてから、『後出し』で攻撃を放ったとしても、当たる前に消えてしまうだろう。
 どれほど素早い『スタンド』だろうと、それを動かすのは人間の意識だ。
 その差異こそ、この『スタンド』――――『アルコホリック・フェイス・ミッション』が遠隔自動操縦型である、という論拠であったように。


 ならば。
  、、、、、、、、、、、
 『攻撃を置いておけばいい』。

 白町千律と中務千尋は、もう知っている。
 この瞬間、ここに来ると 『知っている』!


       ぐ   ぉ ン ―――――――――― !!


 エヴァレットが読み上げるのと同時に、『ハード・タイムス』が仕掛ける。
 その手に掴んだ『膝掛』が、前三方向に『引っ張られる』。


        み  し ッ  ・ ・ ・ !


 ……急に激しく靭帯を引き延ばされ、腕や肩が悲鳴を上げた。
 『膝掛』も、その中央から三方向に引き裂かれた。その攻撃は、


 ――――裏を返せば、それほどの『破壊力』!


       『  ニ ィ   
                   『  ┠゛ コ゛ ォ  ッ  !!! 』

676『火はなくとも煙る』:2020/05/27(水) 21:06:09
>>672(白町)>>673(中務)

 渾身のタックルを見舞われた『美少年』が吹っ飛ぶ!

 その姿は……消えない。
 先ほどまでならば、『一瞬』のうちに接触を済ませ、姿を眩ませていたはずだ。

 『ハード・タイムス』が与えた、その捨て身の攻撃のダメージか。
 或いは、一連の動作が途中で中断されてしまったためか。

 ただそこにいるだけの、ヴィジョンならば――――!


        バ  キ ぃ っ! 
 

 『エイミー・ワインハウス』の振るった拳が、その顔面に突き刺さる。
 今度は過たず、そのヴィジョンを捉えた……『クリーンヒット』、というやつだろう。


     『 ・ ・ ・ オ 』

                 『  オ ロ  ロ 〜〜〜〜 〜 ン ・・・ ! 』


 悲鳴、のようなものを上げて、『美少年』が這いつくばる。
 もはや、あのうすら寒い『笑み』は浮かべていない。
 信じられない扱いを受けた、とでも言わんばかりに、涙目で二人を見上げている。

 恨めしそうな視線を残したまま、『美少年』の身体が薄れていく。
 今までのように『一瞬』で消えるのではなく、存在感が少しずつ希薄になっていくような感じだ。
 『強制解除』、というやつだろう。

 ……ふと、貴女たちは、それまで自分の体の中にあった『不調』や『ふらつき』が、消えていくのを感じた。

 思考はクリアになり、火照りも冷めて、心なしか気分も良い。
 互いを視れば、肌の赤らみも消えている。


「……お、終わったの……?」

 エヴァレットが、おずおずと尋ねている。

677白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/27(水) 23:00:31
>>673(中務)
>>674-676(GM)

『ハード・タイムス』そのものは『非力』なスタンドだ。
だが『白町千律』は『18年』の『経験』により、
最大の破壊力を引き出す術を、痛みと共に学んでいる。

「ああ痛い……それに、『ブランケット』が破れてしまいました。
 特に思い出の品などではないのですが、使い心地がよかった。
 わたくし、とても悲しい……ですがこの損失もまた『素晴らしい』!」

「希望ある未来の『是正』に伴う痛みは、崇高なのです!」

              シュル

笑顔で高らかに宣言する。『勝利』をだ。

引きちぎれた膝掛を手に取って一塊にまとめ、
『ハード・タイムス』を解除する。『終わった』からだ。

「エヴァレットさん、お疲れ様でした。中務さんもご協力感謝します。
 ふふっ。事件の元凶――――『スタンド』は、これで討伐完了です」

            ニコォ ・・・

話しながら、椅子を片付ける。

「あとは『犯人』を、探すのです。
 『ホンモノの霊』でもないのなら、
 これをけしかけた人間が、いるのでしょう。
 それを是正せねば、事件はまた起きるかもしれません!」

「スタンドに与えたダメージが、フィードバックしていれば、話は早いですが」

678中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/28(木) 01:32:26
>>674-677
>>677

「ははっ、ぶち抜いてやったっスねぇ」

今日の自分たちの役割は勝者。
敗者の役割を持ったのは相手の方だ。
『エイミー・ワインハウス』はうやうやしく礼をした。

「そうっスね。まだ、ラジコンを叩いただけっスから」

「操縦してるのを叩かないといけないっス」

「ただ、そこに関しては結構絞れるとは思うっスけど」

『エイミー・ワインハウス』に椅子を持って来させて座ろう。
その位の楽は許されるだろう。

「要は、その不良風のやつらを狙いたい人間だとは思うっスけど。そいつらが落ちるのを見たい、的な?」

「まぁ、あくまで予想っスけどね」

679『火はなくとも煙る』:2020/05/28(木) 20:53:01
>>677(白町)

 『ハード・タイムス』から逆流する、ビリビリとした片腕の痺れ。
 お気に入りの『ブランケット(膝掛)』も、四片に寸断されてしまった。

 ……或いは、これくらいの『苦み』も。
 『勝利の美酒』にとっては、ちょうどいいアクセントかもしれない。

「……それは、『こちらの台詞』ね。お疲れ様、白町さん。
 椅子の片付けくらい、後で私がやっておきます。今は休んでいて」

 ところで、その引きちぎれた『ブランケット(膝掛)』だが……
 等方向に均等に引っ張られたためか、断面にほつれ等はない。

 もしかして、布と繊維の張力を自在に操る『ハード・タイムス』の器用さなら、
 『縫い糸』と『裁縫道具』さえあれば、キレイに直せるのではないだろうか……?


>>678(中務)


      シュ ビ !
                   バッ !


 キレのある一礼!

 『エイミー・ワインハウス』も、本来の調子を取り戻したらしい。
 先ほどまでの微かな『不具合』は一切感じられない。
 優雅に、もしくは淑やかに、椅子に腰かけているのだろう。

「……『ラジコン』。なるほどね。
 電波の届くようなところから動かしていた、と。
 さっき言っていた『遠隔自動操縦』って、そういうことよね?」

 分かりやすい例えに、エヴァレットも得心がいったようだ。


>両名

「……二人とも、改めてお礼を言わせて」

 ひと息ついたところで、エヴァレットが居住まいを正す。

「貴女たちにとっては、自分の『信条』に則った行いだったのだろうけれど」

「……私にとっては、これ以上にない『無実の証明』だった。
 訳も分からないおかしな事件について、疑いをかけられて……
 正体も目的も知らない、『幽霊』のせいにして……
 私の頭がおかしくなったんじゃあない、って、『自分自身に証明できた』」

680『火はなくとも煙る』:2020/05/28(木) 20:53:57
>両名

 もし、この事件に、犯人と呼べる人物がいるのならば。
 真の解決を図るためには、その正体を明かして、公正な罰を受けさせるべきだろう。

 ……しかし、『スタンド』の罪を裁く法はない。
 正義なき力は、ただの暴力だ。

 ――――では、今回の一件は。

 『酔い』を振り撒いていた、傍迷惑なあの『スタンド』を懲らしめたのも、『暴力』なのだろうか?

 それは、二人の『正義感』次第だろう。ただ、


      「……今はもう、『真相』を知っている。 『だから』、迷わない。
       『図書委員』だから怪しい、『イギリス人』だからサボってる……
       そんな噂で肩身の狭い思いをすることなんか、これっぽっちもないんだって」


        「……誰に恥じ入ることもなく、心の底から、そう思えるわ」


               ペコォ――――ッ


          「…………ありがとう……!」


 ……少なくとも。
 貴女たちに救われた『彼女』は、そんなことは微塵も思っていない。

 二人の『スタンド使い』による予想外の介入は、『牽制』にはなっただろう。
 『図書室』は、静謐を取り戻すはずだ。……少なくとも、当面の間は。


       キーン            カーン
              コーン             コーン・・・


 再三、放課のチャイムが鳴る。

 貴女たちは、用が済んだのだから、と『図書室』を後にしてもいい。
 或いは、多少駄弁っていってもいい。
 せっかく図書室に足を運んだのだから、何か『貸出』てもいいのかもしれない。

 ……今は『利用禁止』だが、そのくらいの融通は利くだろう。

681白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/28(木) 23:05:02
>>678(中務)
>>679-680(GM)

「狙いはエヴァレットさんでは無かった……
 確かに言われてみれば、その可能性もありますね。
 中務さん、その発想の転換…………『素晴らしい』」

「今すぐ探したい、ところですが」

下手人を追うにしても、今すぐは厳しいだろう。
タネが割れたとはいえ『侮る』理由はない。
是正を忘れるものはいずれ負ける。
正義の衝突は畢竟、『暴力』と『論理』の衝突。
それらを研ぎ澄ます事が『是正』につながる。

――『白町千律』は、それが可能なら、武力解決を厭わない。

「そうですね。ここは少し休みましょう。 
 わたくしの『ハード・タイムス』は、疲れるのです」

直したばかりの椅子に座り、エヴァレットに笑みかける

「エヴァレットさん。
 わたくし……あなたの『真面目さ』が好きです」

「ですからこそ…………『是正』を、するのです。
 今日あなたはひとつ、『スタンド』について知る事が出来ました。
 ……『スタンドが見える者』は、『己のスタンド』にいつか出会う。
 それがいつになるかは、わたくしにはわかりませんが……覚えておきなさい」

チャイムが鳴り響く中、千切れた布を鞄に収める。
体力が回復したならば…………『次なる是正』へと、動き出そう。

682中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/29(金) 00:22:55
>>679
>>680

「まぁ、エヴァレットさん狙いの可能性もありますけど、不良の方が狙われた数多いっスからね」

足を組み、伸びをする。
まぁ、とりあえずひと仕事は終えたわけだ。

「……この先もこんなこと、あるかもしれないっスよ」

「でもエヴァレットさんなら大丈夫っス」

「また白町さん頼ってもいいんだし」

そう言って立ち上がる。
貸し出しをしたい本があるのだ。
だからそれを済ませてから帰ろう。

「お疲れ様っス」

683『火はなくとも煙る』:2020/05/29(金) 17:18:44
>>681(白町)

 椅子に腰かけると、それまでの疲労がどっと押し寄せてくる。
 エヴァレットは、貴女の忠告に言葉少なに返した。

「……そう。そんな日が、来るのかしらね」

 今回の『是正』は、一先ずの終着点を迎えた。
 風紀委員としての活動記録に、見えない一ページが刻まれたということだ。

 夕日が暮れる頃には、息も整うだろう。貴女は、次の『是正』に受けて足を進める――――。


>>682(中務)

 ひと伸びをして、体を解す。
 貴女の言葉に、エヴァレットは言葉少なに頷いた。

「……そうね。大丈夫、だといいのだけれど」

 『図書の貸出』を申し出ると、エヴァレットは快く応諾した。

 肌になじむ革の表紙の手触り。
 焼けてくすんだ紙の色。
 貸出を待つ間の、時計の針の、刻む音。

 憩いの場でもあった『図書室』、その平穏が帰ってきたことを実感する――――。


>両名


 ―――――『後日』。


 貴女は、たいへんな幸運に見舞われることになる。
 『宝くじ』に当たったのか、『財布』を届けて謝礼をもらったのか。

 いずれにせよ、その『金額』は学生にとっては、ちょっとしたものだった。


【 RESULT! 】

 白町千律『ハード・タイムス』 ⇒ 『20万円』 + 『3万円』 GET!

  ・『遠隔自動操縦型(特定の法則に基づいて動いている)』だと見抜いた(>>640) +1
  ・『発動条件(自賛)』に気づいた(>>648>>651) +1
  ・『攻略法(現れると思しき位置に、先手を打って攻撃を仕掛けておく)』を実践した(>>672) +1

 中務千尋『エイミー・ワインハウス』 ⇒ 『20万円』 + 『2万円』 GET!

  ・キーワード『自分に酔っている』に至った(>>649) +1
  ・『酔い』の解除(『水分補給』など)を行った(>>641) +1

684『火はなくとも煙る』 〜真相〜:2020/05/29(金) 17:21:07

----------

【スタンド能力の開示】

遠隔自動操縦型。人型。接触発動。

西洋風の顔立ちをした、『絶世の美少年』のヴィジョン。
宗教絵画に描かれるような、神秘的で幻想的な外見。
美しさと若さを兼ね備えており、絶えず自己陶酔的な表情を浮かべている。
所作がいちいち気障ったらしく、なんとなく鼻につく感じもする。

彼は、自分の外見があまりに美しいので、ギリシャ神話に登場する『ナルキッソス(※)』だと思い込んでいる。
すなわち、『自分に酔っている』。そして、同じように『自分に酔っている』と思しき人間を見つけると、

「もしかして水面や鏡に映った自分自身の虚像なのでは?」

と勘違いして、愛撫などを迫ってくる。
彼に勘違いされた状態で愛撫(接触)を受けると、本当に「写し鏡」のように、その『酔い』まで移ってしまう。
その後、自分以外の人間にはあんまり興味がないので、愛撫を終えたらさっさと消える。
『自分に酔っている』、と判断されてしまう基準は――――『自分語り』。

『自分』を『語る』……すなわち、自身に対して肯定的な発言を『口にする』ほど、対象は『自分に酔う』ことになる。

具体的には、「私には〇〇できる」だとか「僕は××だと知ってるよ」だとか「俺は△△な人間だぜ」といった、
自分の能力・性格・知識などについて自信に満ちた言葉、肯定的な自己言及は、すべて『自分語り』と認識されてしまう。

発言者の意図は関係ないので、実際には自信を伴っていない発言や、誰かの質問に答えただけでもアウト。
その機微が分からないのは、彼自身も『酔っている』から、なのかもしれない。

『アルコホリック・フェイス・ミッション』

破壊力:E スピード:A 射程距離:A
持続力:B 精密動作性:B 成長性:E

(※『ナルシスト』の語源となり、水面に映った自分自身に恋をして、口づけしようとして溺れ死んだ美少年。諸説あり。)

----------

【スタンド使い】

酒本樽美(32)

会社員。独身。
外資系保険会社にて、営業職を担当。
その過酷な業務に精神が追い詰められており、今回の『スタンド』の暴走に繋がった。

毎週金曜日、営業先⇒直行直帰⇒宅飲みのスーパーコンボをキメている彼女は、
「明日から休みなので思いっきり酒が飲める」という歓喜のあまりに、
自身の『精神の発露』である『アルコホリック・フェイス・ミッション』を暴発。
その結果、自宅の借家近くに位置していた清月学園の『図書室』で、ヴィジョンが暴走してしまっていた。

彼女当人は、自分の『スタンド』能力に無自覚。
或いは、今回のミッションで暴走中のヴィジョンを打倒されたことで、何かに『気付いた』かもしれない。


――――最近、とある『製薬会社』の治験アルバイトに、会社には内緒で参加していた。

685『火はなくとも煙る』 〜真相〜:2020/05/29(金) 17:22:59
『アルコホリック・フェイス・ミッション』

破壊力:E スピード:A 射程距離:A
持続力:B 精密動作性:B 成長性:E

----------

『自分語り』、すなわち自己への肯定的な言及を対象に発動する。

発現⇒接触⇒消失までは『一瞬』。
ヴィジョンを目視してから『後出し』で攻撃を行っても、よほどの工夫がない限りは、攻撃が間に合わない。
特に、酩酊状態の人間は判断力や反射神経が鈍っているため、徒手空拳の精度も落ちる。

『酔っている』人間からは、後述の深度別症状のほか、実際に『アルコール臭』などもする。
この『スタンド』を打倒した時点で、『酔い』は一気に回復する。

1、基本的な攻略方法

発動条件を理解して逆手に取り、「ヴィジョンが現れる瞬間に合わせてあらかじめ攻撃を置いておく」。
すなわち、相手の動きを先読みして『先手を打っておく』ことで、スピードの不利を打ち消すということ。

(但し、この『先手を打つ』という攻略法に至れば、発動条件は正しく理解していなくても構わない。
 最悪、「喋っている途中に現れたぞ」程度の理解度で、適当に話しながらラッシュ攻撃をしたとしても、
 その会話の中に『自分語り』が含まれていれば、有効な攻撃として扱う。……見栄えはかなり悪いが。)

2、ややメタな攻略方法

本来であれば、ヴィジョンが現れた際の会話の内容から『共通点』を探し出す、というのがGMの想定する解決法。
但し、ヴィジョンが現れた際のレス内の会話と同じ言葉を繰り返して、どの時点で『スタンド』が出現したのかを探ることも出来る。

3、その他の攻略方法

接触発動型のため、『スタンドコーティング』が対策としては有効。
『酔い』を醒ますために有効とされている一般的な手法(水分補給など)での対処も可能。

4、酔いの深度について

『爽快期(深度1)』……心なしかさわやかな気分。他人が見ると、皮膚が少し赤らんでいる。自覚症状はない。
『ほろ酔い期(深度2)』……体温が上がり、肌が汗ばむ。脈が速くなる。自覚症状は「少し動悸を感じる」程度。
『酩酊初期(深度3)』……立っているとふらつく。呂律がちょっと怪しい。はっきりと自覚する。
『酩酊期(深度4)』……まっすぐ歩けない。何度も同じことをしゃべってしまう。吐き気、動悸も激しい。
『泥酔期(深度5)』……まともに立つことも出来ない。言語能力はほぼ機能しない。
『昏睡期(深度MAX)』……揺り動かしても起きず、意識はほとんどない。無理をすれば、生命に関わる。

※『自分語り』に反応しているので、言語能力を失った『泥酔期(深度5)』以降はそもそも発動しない。

参照:ttps://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/kids/library/page02/details.html

686『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 21:14:02

 失敗したからって何なのだ?失敗から学びを得て、また挑戦すればいいじゃないか  

 ――ウォルト・ディズニー

687『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 21:23:34


金一「 ――25歳のブロンドヘアー
ナイスバディなアメリカン教師の衣類をズダズダに切り裂いて
脱衣KO勝利するヒール役を務めてくれって言ったら。
 アルカラ 了承してくれるか?」

金一「ついでに言っておくと今回のルールは所持品の持ち込みは禁止な。
言うて、別に今回は何か道具なくても勝てる可能性は十分高いぞ」

とてもセンスの悪い色柄な派手なスーツにサングラスをした男
貴方と奇妙な縁が出来たアリーナの貴方の専属スポンサーを自称する
銭の亡者が総合グラウンド地下闘技場についての新たな試合を耳にした
貴方(夢見ヶ崎ことアルカラ)に久しく顔を会わせたと思ったら
唐突にそんな寝ぼけてるのかとち狂った事をほざいてきやがった。

意図を聞くのも良いだろう。恒例のように殴り飛ばすのも手かも。


(何時も通りの簡単な外見とプロフィールと能力詳細。
上記の通り、今回は所持品はいらないから記載しなくても結構)

688アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/12(金) 22:09:17
>>687

     ――――ドスゥッ!!

出会い頭に、『金ナントカ』のケツを勢いよく蹴り上げる。
『まえのアリーナ』といい、『たくじしょ』のときといい、
もともとジョーシキのないヤツだったけど、
アタマが『ネツボーソー』して、
とうとうマジにイカれちまったのか??
『アツ』がちかいせいか、さいきん『ナツい』からな〜〜〜。

「ベツにいいけど。ヒマだし」

コイツ、まえからサングラスしてたっけ??
こんなヤツと『おそろい』なのがしぬほどイヤになるぜ!!
どうでもいいけど。

☆★☆外見☆★☆
セミロングの金髪、『アリス』をパンキッシュにアレンジしたファッション、
サングラス、カラフルなネイル、リボンのように巻いたスカーフ。

★☆★簡易プロフ☆★☆
生まれつき目が見えなかったが、最近見えるようになった。
その背景から『アリス』を自称する少女。
好奇心の赴くままに、今日も『ウサギ(興味の対象)』を追い求める。

☆★☆能力詳細★☆★
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/56

689『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 22:25:02
>>688

金一「いや、俺もアルカラが名勝負を血の猟犬(ベリル)としたお蔭で
優秀な若手ランカー発掘したって些か有名になると自負してよ。
 ちょいと良いサングラス買って顔が割れないようにしてみたぜ!(ドヤ顔)」

ついでにサングラスが割れる勢いでケツ+顔をぶん殴ってやるのも良いだろう。
 会話して十数秒で結構ボロボロの様式美となったアリーナのサポーターは
試合について詳しい説明をする。

金一「今回、アルカラの相手は『レーン先生』
ランカーとしての名前とかじゃなくて、マジで塾の講師で。元々アリーナの
選手でもなんでも無かったが、トントン拍子で何故だが知らんが上位ランカーと
此処で対戦して、なんと無傷で勝ったと言うトンでも経歴の持ち主なのよ。
 つっても、その一勝以外でアリーナの戦績は無いんだが。
何でこのアリーナに戻ったのか、とかは本人に聞いてくれ。
 うん? 相手の能力は大まかに言うと……アレは砲台系って言うのが正解か?
謂わば『初見殺し』な。俺からの説明は以上! 
因みにレーン先生はガチの殴り合いは全くした事ねぇのは保証する!
 だから衣服を切り裂いて、中に着てるであろう水着姿にしてやれば
観客の男共の熱狂もピークに達する! 録画映像だって高値で売れるだろう!
だから脱衣koを(俺の記録売買の為 ※無論違法)頑張って狙ってくれよな!」

(※金一をぶちのめす以外で特にする事なければ、すぐ次の描写から
試合シーンに移る)

690アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/12(金) 22:39:26
>>689

    「ふーん」

          「ほうほう」

                 「へー」

テキトーな相槌を打ちながら、一応ハナシだけは聞いてやる。
全く『興味』がない訳でもなかった。
後半の『脱衣うんぬん』は意味不明だが、
久々に『試合』をするのは面白そうだ。

「よし!!いっちょ、やってやるか!!」

「あ、そのまえに――――――」

     ドシュンッ

  バババババババババババババババババババババババ
  バババババババババババババババババババババババ
  バババババババババババババババババババババババ
  バババババババババババババババババババババババ
  バババババババババババババババババババババババ
  ァァァァァァァァァァ――――――ッ!!

『ドクター』を発現し、『レーン先生の服』をズタズタにする前に、
『金一のスーツ』をズタズタに切り裂いておく。
特に意味はないが、ムカつくからやった。
ついでに、もう一発ケツに蹴りを入れてから、
『現場』に移動しよう。

691『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 22:59:48

〜〜〜地図〜〜〜

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□レ□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□柱□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□柱□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□ア□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。
レ:『レーン先生』 
ア:アルカラ『ドクター・ブラインド』

―――――――――――――――――――――――
貴方は金一を恒例通り叩きのめし『ステージ』に立つ。
 向かい側では、半袖にジーパンと言った軽装で眼鏡をかけた
ブロンドの発育が色々と目立つ女性が観客席に手を振りアピールしている。

ワァァァァァァァアアアアアァァァァ!!!!

『レディィィィィィスゥゥゥゥ &!! ファッキン玉無しガイ共!!!
今宵このアリーナ地下で闘うのは、以前中位ランカーである『深紅の猟犬』こと
ベリル・ストックを打ち倒したぁぁぁああああ!!! 
あるるるぅぅぅぅぅからぁぁぁあああああ!!!
 そして、今日は副実況のゲストとしてべりぃぃぃいいいいるぅぅ!!!
彼女も同伴して頂いてるぜぇぇええええ!! いぇぇぇえええいいい!!』

ベリル『冷静な実況が欲しいと運営側に頼まれたからな。言っておくがちゃんと
試合に今後も参加してアリーナ戦績トップを狙うから安心してくれ。
さて、本日の試合は殺害は勿論ながら禁止。降参にリングアウトによる勝利も含む
気絶させるなり何なり、まぁ何時も通り落ち着いて選手には頑張って欲しい』

向こう側にいる、貴方の対戦相手が観客の声やアナウンスに負けず快活に告げる。

レーン先生「hey! you アルカラねーっ! キョ―はサイコーにスリリング!
エキサイティングなバトルを見せましょーね イエーイ!」

片腕を突き出して笑顔でウインクしながら貴方にそう言った。
どうにも緊張感に欠ける女性だ。

ベリル『さて、ゴングが鳴ってから開始だ。
アルカラ、試合前に観客や対戦相手に言っておきたい事があれば今の内だからな』

(※次レスで試合開始)

692アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/12(金) 23:24:54
>>691

「イィエェェェ〜〜〜スッ!!
 マイ!!ネェェェェェム!!イズッ!!『アルカラ』!!」

       バッ

「エキサイティング・バトル!!エンジョイ・アリーナ!!」

           クルッ
 
「イッツ・ショ〜〜〜タァァァァァイムッ!!」

                ザンッ

適当な単語を並べながらアドリブでポーズを取り、
その場で一回転して床を踏みしめる。
ところで、『試合』の前に、やることが一つある。
そのために、金一のスーツの『きれっぱし』を拾っておいた。

       ――――――ドシュンッ

『メス』の如き『十本の爪』を持つ『盲目の人型スタンド』――
『ドクター・ブラインド』を発現する。
『試合前に出しちゃいけない』とは言われてない。
『爪』で『きれっぱし』に『傷』を付け、『超聴覚』を移植する。
別に攻撃のためじゃなく、『騒音対策』だ。
前に来た時から思ってたけど、ここは『うるさすぎる』。

      ギュッ

『超聴覚』を移植した『きれっぱし』を、本体の手に握っておく。
こうすることで、
ある程度は『騒音』をシャットアウト出来るはずだ。
『アリーナの喧しさ』が、
『超聴覚』に『悪影響』を与える可能性を、今の内に潰しておく。

693『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 23:41:06
>>692


          ――カーンッッ!!!

試合のゴングが高らかに鳴り響く! 服の上からでも目立つ双方の谷間を
軽く揺らしつつ、レーン先生は親指をグッドの形で突き出し高らかに宣言する。

レーン先生「うんうんっ!! 気合十分 グッドねー!
――それじゃあ!! MEと授業デース!!!」
     『My Way』!!

そう、告げるとだ。レーン先生の片手に『指揮棒』が発現された。
音楽用と言うよりは、よく授業で黒板等の重要な部分を指す時に
使用する感じの指揮棒と言った感じのヴィジョンだ。

レーン先生「それじゃ行きますよアルカラぁ!!
 ready――――――LESSON!!!」

   タン タンッ トンッ タンッ ターン!

!!? な、何と!? レーン先生が宙を指揮棒で叩くと
『赤く輝く光球』が二つ 『青く輝く光球』が一つ産み出され
最後に二つの白金色に輝く電車のレーンのようなものが発現された!!

レーン先生「IT'S SHOWTIME!!」 ブンッ!! ゴォ―――ォ!!!

そのまま、レーン先生がバットを振るように指揮棒を振りぬくと
赤と青の光球はそのレーンを通過し、互いに混じり合い
バランスボール大の『灰色の光球』になると、超高速(スA)で
何と貴方の元に寸分たがわぬ軌道で突っ込んできた!!



アナウンス『ワ―――オォォォ!! レーえええええぇぇン!!
早速行き成り派手にスタンドを放ってくれるねぇ!!』

ベリル『私は詳しくあの選手の能力を知らんが、凄まじい速さと正確さ!
ただ単純に逃げるのは難しいぞ! アルカラ……っ!』

694アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/13(土) 17:20:41
>>693

「なッ――――」

『かてるカノウセイはジューブンたかい』だとォ〜〜〜??
メチャクチャはやいし、ねらいもセーカクじゃねえかよ……!!
あのボンクラ、またフカシやがったな!!

    「なんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?!?」

金一のアホによると、
『レーン先生』は『初見殺し』だってハナシだ。
言い換えると、『外見から能力が想像しにくい』と予想する。
やられてみて初めて分かる。
『初見殺し』というのは、大体そういうモノだ。
しかし、まずは迫る『光球』をどうにかせねばなるまい。

「『ミス・レーン』!!
 『ファーストアタック』はくれてやるよ!!
 これからのジンセーいっしょうカンシャしながらうけとれ!!
 ついでに『まわらないスシ』と『スイーツバイキング』もおごれ!!
 そのあと『ゆうえんち』にもつれてけ!!」

このスピードでは、見てからの『回避』は不可能に近い。
だからといって、無防備に食らうのは危険だ。
消去法として、『防御』を選択する。

         ババッ

自分と『光球』の間に『ドクター』を割り込ませ、
ガードを試みる。
いくら超高速とはいえ、
『本体が指揮棒を振る』という予備動作が入る以上、
その間に動くコトは十分に可能だ。
正直『得体の知れないモノ』に触れたくはないが、仕方がない。

ただし、タダでは食らわない。
その際に、どの程度の『パワー』があるのか計っておこう。
同時に、『一番近い柱』に走り込み、『追撃』に備える。
もし『飛び道具』がメインなら、
距離を取って延々と撃ってこられるのが一番厄介だ。
遮蔽物に隠れながら接近するという『セオリー』を踏襲する。

格上の相手に無傷で勝利したという『レーン先生』。
よほど『相性』が悪かったのか。
それとも、一度食らえば『ハメられる』ような能力かもしれない。
そういうタイプは、
『一度受ける側に回ると弱くなる』可能性はある。
今は『当たった後』のコトを考え、そのための行動を取る。

(『レッスン』……。まさか『ジュギョーするスタンド』か??
 イズミンの『センセー』みたいに。
 いや、『センセー』は『ジュギョー』しねーけど)

695『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/13(土) 19:16:04
>>694

――ババッ!

『ドクター・ブラインド』を前面に出しての防御! 相手の光球が
超高速で生身の回避が不可能ならば、スタンドで庇うしかないとの判断。

   ――ブブーッ!!

!?

まず、その行動で理解出来た事は二つあった。
貴方(アルカラ)が口上を述べ、スタンドを動かした時。バランスボールサイズの
その光球は貴方とスタンドの前で『一時停止』をした。
更に、理解出来た二つ目。その行動を見届けたと言わんばかりに
灰色の光の球からテレビの番組などでも馴染みある『間違えた音』が発せられた事。

スタンドに光球は直撃……いや、しなかった。接触しても光球でダメージは発生せず
そのまま貴方ごと光球は飲み込む! 視界一面が灰色の光で満ちると共に……。

 ――ドゴォーンッ!

『おぉーーーっとぉぉぉ!! アルカラ、レーンの攻撃が直撃ぃぃ!
そのまま後ろの金網に激突ぅぅぅ!!! このダメージは大きいかー!!?』

光の球に飲み込まれたと認識した瞬間『頭部にかけて拳骨のような痛み(パC)』
そして真後ろにあるフェンスへ吹き飛んだが、その吹き飛んだ衝撃による
身体的なダメージはほぼ無い……背中が金網に強めに当たった痛みがあるが
明確な攻撃と感じたのは頭部のみ。恐らく、あと5発ぐらい同じダメージが蓄積すれば
流石に痛みのショックで気絶するかも知れないと感じられた。
(※地図上の立ち位置に変化は無い)

レーン「oh!! アルカラぁー!! その行動はNO NO! bad ね!
それと、ジャパンの寿司、スイーツ 私も好きですけどyouに奢れませーんっ
因みにランドはジャパンより本場のカリフォルニアが一番っ!
今日のウィンマネー、パピーマミーに久々に会って親コーコーに使うネーッ!」

アンコールねーっ とレーン先生は、指揮棒を再度宙向けて叩く。

     タン タンッ トンッ タンッ ターン!

まただ……『赤色の球二つ』『青色の球一つ』『白銀色の縦線二本の棒』

ベリル『……妙な能力だ。スタンド能力の中では最速と称して良いが
反面、ダメージが余りに低い。どう言う仕組みなんだ……?』

レーン「さぁーアルカラぁー! Good Answer Please!!」

先生が指揮棒を振りぬこうとする……!

696アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/13(土) 22:28:11
>>695

    ザッ

とりあえず立ち上がる。
今の衝撃で若干ズレた『サングラス』を真っ直ぐ掛け直す。
もしキズが付いてたらベンショーさせてやろう。

        「 『Naru-Hodo』 」

なるほど、分かった。
『仕組み』を理解しない限り『これ』を永遠に続けられて終わり。
大体そういうコトだろう。
逆に言えば『レーン』に出来るのは『これしかない』と見ていい。
『ドクター』の射程内に入りさえすれば、『アルカラの勝ち』だ。

「『ミス・レーン』ってさぁ〜〜〜。
 『なぐりあい』はしたコトないんだよねェ〜??」

「わたし、まえココにきたときさぁ〜〜〜。
 ソコにすわってる『ベリル・ストック』と、
 『ガチなぐりあい』したコトあってさァ〜〜〜」

「『おかえし』に、こんどはコッチが『レッスン』してあげるよ」

      「――――『レッスン29』!!
     コレでショシンシャもアンシン!!
  『ダレでもできるハジメテのブンなぐりキホンこうざ』!!」

    ダッ!!

『本体の動き』を妨害したいトコだが『モノ』がない。
今は、とりあえず遮蔽物に入って――――
と言いたい所だが『そのまま直進する』。
要するに『全速力でレーンに向かって突っ込む』というコトだ。
こういう『リスクの高い行動』は、
『最初のウチ』にやっておいた方がイイ。
情報を得たいというのもあるが、
コイツ相手にチマチマ時間を掛けるのは危険だと判断した。

      ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ

おそらく、また『灰色の光弾』が放たれるだろう。
そして、『ソレ』は『一時停止』する。
どれだけスピードがあろうと、
止まっていれば対応するのは容易い。
『一時停止』を見越し、停止した瞬間に『スライディング』して、
『灰色の光弾の下』を潜る。
後ろから『追尾』してくる可能性もあるが、
その時は――――。

697『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/13(土) 22:59:24
>>696

レーン「『My Way』! 『My question』!!
アルカーーーラァー! Show me your full power!!」 ブンッ!!

    ブォ―――――zノッッオォン!!

先程と同じだ。
赤と青の光が、二本の同じ長さの縦線に沿って走るように飛び出すと融合し
バランスボール大の灰色の光球が貴方(アルカラ)へ飛来。
そして、再度肉薄する距離で『一時停止』! すかさずスライディングしつつ
レーン先生へ距離を詰めようとするが……。

レーン「oh……bad answerネー」

 ブブーッッ!  ギュォン゛ッ
     ――ドゴォーンッ!

!! 同じだ……『同じ結果』だ!

スライディングして光の球を通過しても、高速(ス精AA)で
球は貴方を包み込み。そして、再度レーンと反対側
つまり試合開始地点のある金網まで吹き飛ばし、更に頭部に強い痛みが走る。
吹き飛ぶ衝撃によるダメージは軽微だが、頭は先程よりも痛い!!
だが体感で収穫も出来た。この『吹き飛ばし』は指向性に偏った
レーンが攻撃されない為だけの代物だ。相手を再起不能に至らしめるものじゃない。

『うぉおおおお!! レーンのスタンドにアルカラ 回避を試みるが失敗!
上位ランカー、ジャイアントキリング 一戦一勝無敗のレーンを踏破するには
余りにも無謀だったとでもいうのかあああああ!!!!』

ベリル『……やはり、どうも妙なスタンドだ。
指揮棒? 赤い球二つ 青い球一つ……なんだ、何か見覚えがあるような』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※観客席

ヤジ「いやぁ、強いね。流石レーン先生って言うところか。
ただ……能力が解明されたら『俺でも勝てるから』なぁ」

小林「ほぉ? そんな特殊な能力なので」

ヤジ「あぁ」

698アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/13(土) 23:15:27
>>697

「うるせえ」

『レーンびいき』の実況に軽い突っ込みを入れる。
あとでアイツのケツにケリをいれてやる。
まぁ、ソレはどうでもいいとして――。

「ショージキ『まだ』わからん。わからんけど――――」

「オメー、まともにアイテすると『バカ』をみるタイプだろ??」

『まっとうに戦う』のは止めた方が良さそうだ。
とりあえず、まだレーンは『振ってない』。
だから、手近な柱の陰に入って様子を見る。

699『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/13(土) 23:31:35
>>698

レーン「oh? かくれんぼー ですカー?
私も、たまに塾のkidsとしますネーッ!
 けどぉ! 今は『授業』デース!
さぁ、Ready GO――!」

タン タン タンッ トンッ タンッ ターン!

! レーン先生が今度繰り出したのは『赤い球三つ』『青い球一つ』
そして、先程と同様の白金の均等の長さの線が浮かぶ。

レーン「Exciting problem!」 ブゥン  ブォ――ン!

異なる対極な色合いの球が再び融合し合い、バランスボールサイズとなり
貴方目掛け飛来する! 柱の遮蔽など関係ないとばかりに超高速で追尾して!

700アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/14(日) 19:51:11
>>699

質問です

レーンが持っている棒の長さと太さはどれくらい?
出現直後の赤い球、青い球、線は具体的にどういう形に配置されている?
レーンは棒を片手で振っている?
レーンが棒を振る速度は人並み?
灰色の球が一時停止する時間はどれくらい?

701『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/14(日) 22:56:50

>レーンが持っている棒の長さと太さはどれくらい?
oh! 私の『指示棒』は大体120㎝ネー!

>出現直後の赤い球、青い球、線は具体的にどういう形に配置されている?
ソレッ『good question』ネ! 正面から見た限り
『赤い球』『青い球』そして『縦線二本』ネー!

>レーンは棒を片手で振っている? レーンが棒を振る速度は人並み?
野球見たいに両手で振ってるネーッ YESッ 人並みネー!

>灰色の球が一時停止する時間はどれくらい?
one phrase one actionをアルカラがする程度の時間ネーッ

702『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/14(日) 22:59:47
>>レーンは棒を片手で振っている? レーンが棒を振る速度は人並み?

oh sorry! ちょっと誤解ある文章だったのね訂正ネー!

球と棒を出現させたり等の時は片手で振って、射出をする時のみ
野球見たいに両手で振ってるネーッ!

703アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/17(水) 21:48:15
申し訳ありません。
質問を追加させて下さい。

・縦線の長さは大体どれくらい?
・縦線はレーンからアルカラに向かうようにして伸びている?
それとも地面から天井に向かうような形で伸びている?
後者だった場合、棒は浮かんでいる?
・発現から射出までの間、棒に変化はない?
・赤球と青球のサイズは同じ?

704『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/17(水) 22:44:52
>>703
oh〜! それじゃーいっぺんに回答するネー!

赤球、青球、縦線。全部約1m前後の大きさだと考えていいネーッ
YES I a〜〜mッ! 二本の縦線 赤球と青球と同じ位置で
ふわふわ浮かんでるネーッ
 そして再び『good question』ネッ!
私が指示棒(『My Way』)を振った瞬間は縦線二本の棒
『横線の棒』になって赤と青の球を射出してるネーッ!
 射出後は、また再び縦線に戻ってるネー!

705アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/21(日) 22:38:14

・『縦線』が『横線』になるとは、
 『直立していた縦線』が、
 『前方に倒れたような状態』になるという認識で合っている?

・『球』は『直径1m』で、『棒』は『長さ1m』と考えていい?

706『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/21(日) 22:44:59
『縦線』が『横線』になるとは、
 『直立していた縦線』が、
 『前方に倒れたような状態』になるという認識で合っている?

>oh! その着眼点は『NICE』ね!
正確に言えば『11って言う感じの縦線が=って感じになって
そこを通って灰色の球が射出されるネー!

・『球』は『直径1m』で、『棒』は『長さ1m』と考えていい?

大体そんな感じネ! ン〜〜! ただMy Wayの能力的に
球や棒の長さはそこまで難しく考えなくていいネ!

707アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/23(火) 23:40:19
>>699

「ベティちゃん、『かいせつやく』だろ??
 おどろいてばっかりいないで『かいせつ』しろよ。
 『アルカラ……どういうノウリョクのモチヌシなんだ……?』とかあるだろ!!」

『停止時間』は、こちら側が『ワンアクション』を行うか、
あるいは『ワンフレーズ』を発する程度の時間。
その間に『解答』を行う。
おそらく、それが攻略法であろうことは理解できる。
レーンが『授業』と呼ぶ点を踏まえれば、この点は間違いない。
問題は、『何を問われているか』だ。

「チッ、かんがえてもしかたがねえ。
 さいわい、あと『3かい』はチャンスがある。
 ソレをユウコウにつかったほうがよさそうだ」

『赤』・『青』・『数字』・『線』・『指示棒』。
いくつかの想像が浮かぶ。
『ビンゴ』・『静脈と動脈』・『算数セット』・
『床屋の前でグルグルしてるヤツ』・『リトマス試験紙』etc……。
それぞれの『色』を『数字』とし、『縦線』を『イコール』、
『横線』を『プラス』として考えれば、『算数』が怪しいが確証はない。
『青球』の数が現状『固定』で『赤球』だけが増えたのは任意か、
あるいはこちらが姿を隠したからなのかも分からない。

       ビッ

『ドクター』の『指』を『四本立てる』。

708『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/24(水) 00:26:02
>>707

貴方は、迫りくる灰色の球に対し臆する事なくピッ! と『4』本の指を提示する。


  ・・・ブ――――ッ!!   シュンッッ

 ドガァァンッ!

だが……駄目だ! 灰色の球は再度 ×の表記を繰り出すと貴方を包み込み
そして頭部に強い衝撃と痛み。そして体は再度コーナーの元の時点に吹き飛ぶ。

レーン「oh〜〜アル カラーッ。very very very 今のは残念賞ネーッ!」

レーン先生は本当に残念そうに、指示棒を左右に小刻みに振りつつ呟く。

―――――――――――――――――――――――――
※観客席

小林「……あぁ、成程。赤が正で……」

ヤジ「青が対極ってね。本当、小学か幼稚園で習う程度だが
まさか闘技場でこんなもん出るなんて思わないだろう?
 全員ドツボにハマってレーン先生の完勝が出来てしまうって言う寸法な」

―――――――――――――――――――――

レーン「それじゃあ復習ネー!」

タン タンッ トンッ タンッ タンッ  ターン!

『赤球二つ』 『青球二つ』 そして縦線二本が宙に浮かび……。

レーン「shall we〜〜〜〜LESSON!!!」 ブンッッ!

その縦線が横の線へと変わり、赤と青が融合し合い灰色の球となって
アルカラ目掛け一直線に飛来する!(ス精AA)

『おおぉぉっっと〜〜〜!!! レーーーンッッ
ここで駄目おしとばかりにスタンドでの猛襲ぅぅぅ!!
アルカラ、手も足も出せずにこのまま敗北を喫するのかぁ〜〜〜!!?』

ベリル「あいつがそんな簡単に負ける筈がないだろうっ!
アルカラ、そんな能力特化だけの球なんぞに負けるなよ!!」

709アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/24(水) 22:28:57
>>708

「――――――ッ!!」

成す術もなく吹き飛ばされ、
背中から叩き付けられて地面に倒れ込む。
圧倒的な『スピード』と神業的な『精密性』。
余りにも『性能』が違いすぎる。

    「うッ…………」

         ザッ……

            「くッ…………」

                 ズザッ……

気力と体力を振り絞って、
『ドクター・ブラインド』と共に立ち上がる。
敵は未だ無傷であり、こちらのダメージは決して小さくない。
それでも、ここで膝を折る事など出来なかった。
自分自身が背負った『アルカラ』という名前のために。
そして、好敵手であった『鮮血の猟犬』の名に、
泥を塗らぬために。

          「はぁッ…………」

       「はァ――――…………ッ」

   「はァァァ――――――………………ッ」

顔を上げ、凄絶な勢いで迫り来る『灰色球』を見据える。
『灰色』とは『不透明』を象徴する色だ。
この戦いの『決着』も、まだ『ついてはいない』。

      (『ソレ』じゃあない……か……)

    (なら……もう『コレ』しかない……)

           ス ゥ ッ

半身である『ドクター』が『両腕』を持ち上げた。
両手ともに、『人差し指』と『中指』だけが立てられている。
その『形』は――――――『ダブルピース』だ。

710『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/25(木) 21:00:50
>>709(※どうも難し過ぎるのかも知れないんで、ヒントと共にワンチャンス)

 ゴォォ――!!  

貴方のほうへ灰色の球が勢いよく迫る。残る体力は少ない、この一撃が連続で二回受ければ
さっそく意識はどう抗っても無くなる。チャンスは残り二回だ。

ドクター・ブラインドの研ぎ澄まさった感覚のお蔭か知らぬものの、そのモーションは
ゆっくりと遅くなるように感じる。遠くから、アルカラ 負けるなーっと告げるベリルの声も届く。

そう言えば、貴方は以前親交が出来たベリルと雑談でこんな事をした時があった気がした。

『……ん? アルカラ、私が何でそんなに真っ赤な服を良く好んでるかって?』

『しいて言うなら、縁起を担ぐ見たいなもんかな……。
ほら、赤色ってさ。太陽だとか熱い炎だとか【+のイメージ】があるだろ?
風水とかでも、赤は生命力の強さとか表すって言うしな。
 まぁ、私の場合能力的に、真っ赤な嘘とか、そう言った言葉遊びを掛けたりもしてるが……』

そんな、他愛のないやりとり……それと共に現実では灰色の球は。

 ゴォォ――  ピタッッ!!

貴方の前で急停止をした。

(※今のを元に回答をしてみて下さい)

711アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/26(金) 23:00:55
>>710

おい。
おいおいおい。
おいおいおいおいおい。
おいおいおいおいおいおいおい。
おいおいおいおいおいおいおいおいおい。

せっかく『チョーシリアスっぽいフンイキ』かもしだしたのに、
まったくのムダじゃねーの!!
どうしてくれんだよ??
この『なんともいえないビミョーなクウキ』をよォ〜〜〜!?
いっそ、このままムテイコウでくらって、
そのまんまココでねてやろうか??
そんで、レーンのヘアスタイルを、
『アバンギャルド』にするユメでもみてやろう。
いや、むしろ『コレ』がユメなのかもしれないな……。
じゃあ、ぎゃくに『おきるべき』なのか??
『モーニング』はトーストとハムエッグと、
あとコーンスープをたのむ。

もうこうなったらグレてやる!!
これがきっかけで『ヒトのミチ』をふみはずしてやる!!
かつてのトモとのトツゼンのサイカイ……。
しかし、ソレはかなしいタタカイのハジマリだった……。
じかい『アリス・イン・ダークサイド』にごきたいください!!

はぁ〜〜〜そろそろマジメにかんがえるかぁ。
あと『2かい』くらったら『アウト』っぽかったっけ??
なら、あと『1かい』はふっとべるってコトだ。
でもさぁ、うかばねえんだよなぁ〜〜〜。
マジで。
マジのマジのマジで。
マジのマジのマジのマジのマジで。

このキモチをあらわすために、
『あたらしいコトバ』をハツメイしたくなる。
それくらい、なんもおもいつかん。
ベティは『どこかでみおぼえがある』とかいってたけどさぁ、
ゼンゼンねーよ!!
みたコトもきいたコトもたべたコトもないぞ!!
ドコでみたんだ??『オーストラリア』か??
さいきん『コアラ』がみてみたいとおもってる。
『イマのキモチをあらわすコトバ』だけど、
『コアラ』っていうのどう??

そういえばさ、
このまえベティと『ミシュラン1つぼしのレストラン』にいって、
メシおごられてやったんだよな。
『トマトとモッツァレラのカプレーゼ』だっけ??
あれはよかった!!
やっぱりトマトとチーズは、
こんせいきサイコーのタッグだよな〜〜〜。
まぁ、ソレはおいといて。
メシくってるときに、わたしは『あんなコト』や『こんなコト』を、
ベティからききだすコトにセイコウしたのだ。
『めいたんてい』といわれた、
わたしのカレイなるテクニックで!!

レーンの反応を見るに、『指で数を示す』という行動自体は、
『遠くはない』と判断する。
そこから想定できる可能性として最も有り得るのは、
『数字が違った』という可能性だ。
まず、『この路線』を前提として考えることにする。
『残り回数』が少ない以上、
多くの可能性を検討するような時間はないからだ。
少しでも『掠った』なら、それを推し進めていくのが賢明。
しかし、『数』を絞り込むのは難しい。
イチかバチか『適当な数を上げる』という手もなくはないが、
当たる確率が低すぎるし、
それで正解したとしても『邪道』だろう。

『レストランで交わしたベティとのやり取り』を思い出す。
今なぜ『これ』を思い出したかは不明だが、
何となく『引っ掛かり』を感じた。
これを手掛かりにして、『数』の特定を試みる。
とりあえず、『真っ先に思いついた数字』を指定する。
『感覚的な要素』が強いが、他に浮かばない。

       ――――――スッ

『ドクター』の親指と人差し指を合わせる。
『お金』を表す時に使うボディランゲージだ。
これによって表す『意味』は違うが。

ナゼこうおもったかって??
これがセイカイだったらセツメイする。
また『ビミョーなクウキ』になったら、きまずいからな!!

712『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/27(土) 22:22:47
>>711

貴方は『まる』を指で作った。
1 2 3……そんなに秒数が本当に経過してはいないかも知れないが
硬直した灰色の球を目と鼻の先で睨み合う貴方には随分長く感じる緊張の一瞬。


   ――パンパヵパァ――――zノァアンッ  パ―ンッッ!!

!!! ファンファーレの音と共に、灰色の球は弾け、煌びやかな虹色の
閃光が球のあった部分を中心として華のように咲き誇る。
当然ながらアルカラにダメージは存在しない。

レーン「oh アルカァ〜ラ! congratulatio〜〜〜〜〜n!!!
花丸ネ〜イェーイ!!」

『おおぉおおおおおおおおとぉぉぉ!!!!!
アルカラ どうやら能力の解明に至ったらしくレーンの攻撃を切り抜けたぁ!!
このまま逆転劇が繰り広げられるのかぁああああああ!!!!』

ベリル「ふぅ……私に勝ったんだアルカラは、これ位は当然だ」

『hahahaha!! ベリルッ そう言う割には凄い手の平を握りしめてたぜぇーイ!』

ベリル「黙れ」


――――――――――――――――――――――――
※観客席

小林「おっ どうやら能力の解明に至ったようですね?」

ヤジ「理解すればな、だが……このままレーン先生がそのまま
終わるって言う感じにも思えないんだよなぁ」

――――――――――――――――――――――――――

ニコニコ

レーン先生「アルカラ わーたし、とっても教師として嬉しいネーッ!
それじゃあ
――ここから本当の『LESSON』の始まりねーィ」

 ゴゴゴゴゴゴ……。

何やらレーン先生に凄みが出始めた……。

713アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/28(日) 20:54:27
>>712

「ココがドコだかわかってねーようだな」

「ココは『アリーナ』だ。『キョウシツ』じゃあない。
 アンタは『キョウシ』かもしれねーが、
 アタシはアンタの『セイト』じゃあねー」

          ビ シ ィ ッ

「そんなに『ジュギョウ』がやりたけりゃあ、
 『オーストラリア』でやってろよ」

『ドクター』が人差し指を立て、レーンに突きつける。
当たったのはいいが、正直かなり『不公平』な状況だ。
外したらダメージを受け、正解だったらノーダメージ。
つまり、こちらが正解してもレーンは『無傷』のまま。
『じゃあいつ攻撃させてくれるんだ』って話になる。

それとも、『この間』に近付けばいいのか。
正解しながら徐々に距離を詰めていって、
最終的に『射程内』に入ればいいってことなのか。
でも、こっちが近付く分だけレーンは離れるだけでいい。
『飛び道具使い』なら、普通そうする。
だが、考えていても仕方がない。

  ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!

レーンめがけて走る。
それ以外にする事はない。
そして、『この後の展開』も予想出来る。

「――――どうせブッぱなしてくるんだろ。さっさとしろよ」

714『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/28(日) 22:43:33
>>713

レーン先生「わーたしっッ 生粋の生まれも育ちもアメリカンでーすっ!」

プンスカと、オーストラリアについて否定するレーンを他所にアルカラは駆ける。
当たり前だ、貴方にとってレーン先生は明確な『対戦相手』だ。
 そして、余裕なのか。または背水の陣と言うべきか。立ち位置的に後退したり
するのが難しい場所であるのも踏まえ、貴方が迫ってもレーンは移動しない。

〜〜〜地図〜〜〜

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□レ□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□柱□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□柱□■∴
∴■□□□□□ア□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴


レーン先生「oh youは可愛いAliceっぽいのに、雰囲気はwhiteKnight!!
okぇええええ!! meもheart heatネーーー!!!」

タン タンッ  テンッ  トンッ タンッ タンッ  ターン!

! 『赤色の球が二つ』『青色の球が二つ』 更に、少し空間を空け『赤色の球が三つ』

そして、前者の赤と青が重なり『紫色』へ変化し、そのまま其の融合した紫の球と
赤色の球が横線二本の棒を通過し灰色の球がアルカラ目掛け……。

 ――ゴォッッ!!

レーン先生「Let's show American spirit!!!」

同じ展開。灰色の球が豪速球で貴方へ迫り……そして目前で停止する。

715アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/29(月) 19:56:44
>>714

そういや、レーンはバトルに関しては『ドシロート』だった。
だから距離を取ろうとしないのか。
まぁ、どうでもいいや。
離れる気がないんなら好都合。
このまま真っ直ぐ進めばいいだけだ。

「あぁ、ウッカリまちがえちゃった。ゴメンゴメン」

「――――『ロサンゼルス』だったよな!!」

『ドクター』は射程限界まで先行させ、
自分の『5m』前方を走らせる。
こうするコトによって、
『目的地』到達までの時間を短縮させる狙いだ。
その前に、『コレ』に答えなきゃならないワケだが。

「『ムラサキ』――ココで『ナツのシンショク』トージョーかよ。
 『イロ』をふやして『ゴマカシてる』つもりなんだろうけど、
 もう『タネ』はワレてんだぜ」

「『サイショ』はナンだっけ??
 『アカが2コ』で『アオが1コ』。ソレは『1』だろ。
 『ツギ』が『アカ3コ』と『アオ1コ』か??ソレは『2』」

「ギャラリーのために、アルカラのワンポイントアドバイスだ。
 『ムラサキ』は『チューセーショク』。
 『ダンショク』でも『カンショク』でも『どっちでもない』。
 ようするに『ナニもナシ』ってコト」

「『アカ』と『アオ』。その『あいだ』の『ムラサキ』。
 そして、『こたえ』の『ハイイロ』。
 ソレで『ゼンブ』。もう『ツギのイロ』はない」

「――――そうだろ、『レーン』??」

『赤2』と『青2』で『紫』。
ソコに『赤3』を加えた『灰色』。
なら、『コレ』しかない。

            ビ
            シ
            ィ
            ッ

『ドクター』が右手を掲げ、指を『三本』立てる。

716『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/29(月) 23:33:10
>>715

【 『赤二(+2)』『青二(-2)』 】←紫色
赤三(+3)=3

そう、貴方(アルカラ)は確信をもって答えのサインを駆けつつ示す。

――だが……。

       
         ブーーーーーッ!!

!!?

灰色の球が×印を示し、そして案の定と言うべきか瞬きする間には
其のグレーの光に包まれると共に、頭部への痛み。吹き飛ばされ
コーナ部分まで戻される。

『ohhhhh NOoooooo!!!! アルカラッ、窮地を脱したと思いきや
またもや致命的なダメージぃいいいいい!!! こいつはHeavyだぜ!!』

ベリル「……ッ 恐らく、最初の能力に関しては算数の足し算引き算ってのは
間違いないんだ。そうでなきゃ辻褄があわん」

――――――――――――――――――――――――
※観客席

小林「紫色は、どうやら(a+b)-c=とかの()
とかでは無さそうですね」

ヤジ「もう、そうなると算数の域じゃなくて数学だからな。
赤と青……混ざった色、か。もっと単純に考えて良いのかもな
つまり、あれだ。赤と青が混ざって紫って事だろ?」

―――――――――――――――――――――――――

レーン「ふっふ〜〜〜ん!! わーたしの『授業』は誤魔化しnothing!!
全部に意味を込めての『My Way(私なりのやり方)』ネ!!
仕上げといきまスーか、アルカラ!!」

タン タンッ  テンッ  トンッ タンッ タンッ  ターン!

『青色の球二つ』『青色の球二つ』 更に少し空白を空けての『青色球三つ』……縦線二本。

『青色の球二つ同士が融合して一つの紫の球』になり『青色球三つ』と共に
横の線に変わった線のレールを通過し……灰色の剛速球となりアルカラへ飛来する!!

717アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/30(火) 01:58:44
質問です

・玉を出した時の音に違いがあるか?(色によって違わないか)

718アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/30(火) 10:41:13
>>717

719アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/30(火) 18:20:00
>>716

         「プッ…………」

      「フフフフフ………………」

 「ア――――ッハッハッハッハッハァ――――ッ!!」

     「ふぅ――――」

             「――――よいしょっと」

          ド
            サァッ

手足を大きく広げて床に倒れたまま、突如として笑い出す。
ひとしきり笑うと、その場に胡坐をかいて座り込んだ。
曇りのない笑顔を絶やさず、
片手で頬杖を突きながら『灰色球』を見つめる。

「『レーン』さぁ〜〜〜。
 ジツをいうと、ないしんアンタのコトちょっとナメてたんだ。
 でも、わたしがまちがってた。アンタ、ツヨイわ」

「いままで『ハンザイソシキのボウレイ』だの、
 『イカれたサツジンキ』だのと、
 やりあってきたわたしがいうんだから、ジシンもっていいぜ」

「アルカラ、さいきんチョーシのってたかもしれない。
 いろんなトコにクビつっこんできたせいで、
 ちょっぴり『クレオパトラ』になってたっていうか」
 
「いまのイッパツで『めがさめた』。
 『トースト』と『ハムエッグ』と『コーンスープ』がないけど。
 まぁ、ソレはいいや」

「きょうココで『アンタとあえてよかった』っておもうワケ。
 だから、まけても『クイ』はない」

       ――――――グッ!

『アルカラ』が『親指』を立てた。
『サムズアップ』だ。
迫り来る『灰色球』越しに、レーンに笑い掛ける。

720『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/30(火) 22:45:05
>>719

 ゴォォォ  ピタッ。

灰色の球が眼前で急停止する。それに対し破顔しながらのサムズアップしつつの
親指立て……つまり『1』

 ――パンパヵパァ――――zノァアンッ  パ―ンッッ!!

『お   っとぉぉぉおおおお!! アルカラッ
覚悟を決めたジェスチャーと思いきや、レーンの能力をまたまた突破あああ!!
 これはぁあああ!!? もしや、もしかしてぇぇのおぉお!!?
能力の全貌に気づいたとでも言うのかぁyeeeeeeeeee!!』

「……中立故に、私は落ち着いて解説するぞ。レーンの能力では相手を直接
致命傷にさせる事は難しい。だが、積み重ねれば昏倒は可能だろう。
アルカラは既に計四発受けてる。もう残り一発受ければアウト
……だが、レーンの能力は解明されれば。もう、それ以上の事は出来ないだろう。
だから    ――次で決まる」

レーン「……アルカラ、私も教師冥利に尽きるネ。
japan 毎日exciting 生徒達も可愛い 毎日幸せだとme 思います。
けど、私。時々フッと自分が生徒にちゃんと大切な事を教えてあげられてるか
ふと不安 思いまーす。
 ――だから、貴方に私の全部。教えるネ!
meとのlesson(授業)で、全身全霊 私のsoul!!
 last round!!! fight!!!!!」

 タンタンタンタンタンッ  テンッ  トンッ タンッ タンッ  ターン!

! レーンの繰り出した球は……!!
『赤色十個』空白『赤色十個』 それが混ざり『ピンク色の一つの球』となり。
更に『青色一個』空白『青色一個』それが混ざり『紫色の一つの球』となる。
そして、縦線二本だ!!

レーン「アルカラ!! my soul  best answer!!!」 ブンッ!!

横線になった二本の線を通過し、目に慣れ親しんだ巨大な灰色の球が目前へ迫る!!

(※>719で回答出来たので、その後直ぐにレーンに突っ込める状況に至ったと
解釈し、この攻撃『問題』がクリア出来たら射程距離内に入り自動勝利可能と
考えて構わない。出来ない場合は、頭のダメージも相まって気絶して敗北)

――――――――――――――――――――――
※観客席

小林「また、新たに色が出ましたね……」

ヤジ「いや、無理に難しく考えなくていいってジョー
てか、今さっきのわかった?」

小林「まぁ、恐らく」

ヤジ「単純に考えれば直ぐ解ける小学一年レベルだからな。
だから、新しい色も消去法で考えればな。
幾らポンポン球を出しても、答えはすげー単純だぜ」

721アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/01(水) 22:42:18
>>720

    ザリッ…………
              ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ

「おい、レーン。いままで、さんざんコケにしてくれてアリガトよ。
 そのレイに、こんどはアタシがテメーにおしえてやる。
 『ナニ』をおしえるかわかるか??」

軽く頭を掻いて、億劫そうに立ち上がる。
そして、別に走るでもなく悠長に歩き出した。
迫る球体を前にしても、表情は落ち着き払っていた。

「――――――『ハイボク』だ」

『アルカラ』の『人差し指』と『中指』が立っている。
写真を撮る時に、よく見かけるボディランゲージ。
『ピースサイン』。

722『それじゃあmeと授業デース!』:2020/07/01(水) 23:00:11
>>721


 ―パンパヵパァ――――zノァアンッ  パ―ンッッ!!

『う
うおおおおおぉぉ!! アルカラ、落ち着き払いつつ再度能力突破ぁぁああ!!
どうやら、マグレでなく完全に能力を見抜いたようだぜ イエェェ!!』

ベリル「……決着はもう着いたな」

――――――――――――――――
※観客席

小林「なるほど、つまり赤が白で薄まる……『割られている』」

ヤジ「そう言うこった。
レーン先生が勝つほうに二千円賭けてたんだがね」

小林「程ほどにしてくださいよ。まぁ、貰ったお金で何処か
食べにでも後々行きましょう。折半しますから」

――――――――――――――――

レーン「アルカラ……わたし モーレツに感動してるネー

貴方ワー very very 教え甲斐ある生徒だったネー」

そう、レーン先生は感動した様子で2、3度深い微笑を浮かべた後。

レーン「…………けど、わたーしも只じゃ転ばないネー!
日本諺ー! 死中 活みーダスッ rat catをattackー!(※窮鼠猫を噛む)

アルカラーー! これでもワタシ! peach太郎サムライ毎週視聴してるネー!」

うおおおお!!! と、雄叫びを上げつつレーン先生が
手持ちのスタンドの指示棒を上段で構えつつ破れかぶれと言わんばかりに
貴方(アルカラ)目掛け突撃しようと走る!!

――どう考えても素人の構えで、余裕で迎撃出来ると確信を貴方は抱く。

723<削除>:<削除>
<削除>

724アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/02(木) 11:17:16
>>722

「アタシは、いままで『イロんなセカイ』にクビつっこんできた。
 そのなかでも、
 『サイコーにヤバかったケイケン』をおしえてやる」

「『ナイフのスタンドをもったサイコパス』と、
 イノチがけでヤリあったコトがあるぜ。
 『ヒトゴロシ』を『イキガイ』にしてる、
 『コンジョーのくさりきったサイテーのクズヤロー』だ。
 ソイツはな、アタシのユビを『4ほん』きりおとしやがった」

「ソイツを『ブッコロス』ために、
 アタシが『ナニをした』とおもう??
 『トラック』を『バクハ』して、
 ジブンもろともソイツを『マルヤキ』にしてやった」

        ――――――チョンッ

「ソレにくらべりゃ、テメーの『チープなトツゲキ』なんざ、
 『ようちえん』の『おユウギはっぴょうかい』みてーなもんだ」

『避ける必要』など『ない』。
『レーンの額』を『ドクターの人差し指』で『小突く』
(パス精DBB)。
その際に、『レーン』に『超人的聴覚』を『移植』する。

「サービスで『もうイッコ』おしえてやるよ。
 アタシの『ドクター・ブラインド』は、
 『チョージンテキ』に『ミミ』が『イイ』。
 だから、『このバトルがはじまるまえ』から、
 すでに『タイサク』は『カンリョウずみ』だ」

この戦いが始まる直前の時点(>>692)で、
既に『アルカラ』は、『ドクターの聴覚』を、
『スーツのきれっぱし』に『移植』する『対策』を行っていた。
だから、熱気に満ちた『アリーナの大歓声』の中でも、
『耳をやられずに済んだ』のだ。
『だが』――――――。

「 『 テ メ ー 』 は 
  
     ど う な ん だ ァ ァ ァ 〜 〜 〜 ? ? 」

だが――――――『レーン』はどうだ?

 サラウンド
『全周囲』から襲い来る『爆発的な大音響』。
それらが『両方の耳』を通して、
『一瞬の内』に『脳』へ『叩き付けられる』のだ。

                   メガボリューム
『Doctor Blind』――――――『Megavolume(大音量)』。
これを食らえば、もはや『突撃どころではない』。

「 ツ ラ か っ た ら

       『 ミ ミ 』 を ふ さ い で も イ イ ぜ 」

「 こ の て い ど で 

   『 キ ゼ ツ 』 し て も ら っ ち ゃ あ

            こ ま る か ら よ ォ 〜 〜 〜 」

「 『 ミ ミ 』 を ふ さ い だ シ ュ ン カ ン

   『 テ メ ー 』 は ア タ シ の

        『 サ ン ド バ ッ グ 』 に

   な っ ち ま う け ど な ァ 〜 〜 〜 ! ! 」

725アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/02(木) 11:18:46
>>724

いきなり『猛烈な爆音』が響き渡れば、
誰だって反射的に『耳を塞ぐ』。
それは人間なら当然の反応だ。
だが、『レーンのスタンド』である『My Way』は『指示棒』。

『両手で耳を押さえた状態』で『指示棒』が振り下ろせるか?
答えは『ノー』だ。
『指示棒』を振ろうとすれば『爆音』に襲われ、
『爆音』を防ごうとすれば『指示棒』は振れなくなる。

どちらを選ぼうが、『結果』は『同じ』だ。
『唯一の武器』を失った『レーン』は、
『完全なる丸腰状態』に陥ることを余儀なくされる。
『一切の抵抗』を『封殺』され、『当然の帰結』として、
ただ打たれるためだけに存在する『サンドバッグ』と化す。

「 ま だ 『 オ ネ ン ネ 』

              す る ん じ ゃ あ ね ー ぞ 」

「 『 テ メ ー 』 に は

     た ァ 〜 〜 〜 っ ぷ り と

           『 ツ ケ 』 が た ま っ て ん だ 」

「 ア タ シ の 『 ス ト レ ス 』

  っ つ ー 『 ツ ケ 』 が よ ォ ォ ォ 〜 〜 〜 」

さっき『アルカラ』は、『レーンに会えて良かった』と言った。
それは『ウソ』ではない。
だが、『ソレ』と『コレ』とは『話が別』だ。

「 さ ぁ

    『 ア ル カ ラ セ ン セ イ 』 の

                     『 レ ッ ス ン 』 だ 」

「 こ れ か ら

      『 レ ー ン 』 は

           『 ど ん な め に あ う 』 ? ? 」

『聴覚移植』は、『次の行動』のための『布石』に過ぎない。
まだ、『やること』がある。
『それをやる』まで、この試合は『終わらせない』。
『ヒント』は『>>711』だ。
あたったら、あとでジュースおごってやるよ。

726『それじゃあmeと授業デース!』:2020/07/03(金) 22:54:19
>>724-725(もしかしてアバンギャルドヘアーですかぁ〜〜〜!!!?)

>――――――チョンッ

レーン「――what‘s!!!!!!??」hauッッ!!!

『ドクター・ブラインド』の超聴覚の『移植』

これによりレーン先生は貴方の予想通り、指示棒を片手に添えたまま
突如の周囲の観客席の怒号の音の洪水をまともに浴びて白目を剥き硬直する。
隙だらけだ、どうとでも料理は可能だろう。

>こ れ か ら 『 レ ー ン 』 は
>『 ど ん な め に あ う 』 ? ?

レーン「I iii  it cccc can not bbbb be understood……!!!
(り りりりりり理解できませーん……!!!)」

――――――――――――――――
※観客席

金一「うぉっっしゃあああああアルカラーーーー!!!
そのままレーン先生の衣服をバラバラにしてゴールデンタイム
視聴不可能な姿にするんだーーーー!!!」

ヤジ「どわっΣ!!? おっさん、何時から其処に!?
……って言うか、何で短パンにシャツなんだ」

金一「へっ! ちょっとアルカラと綿密な打ち合わせをしてたら
トラブルになってな。うおおおおぉぉ!! 我がDVD販売の為に!
アルカラいけぇえええええ!!!」

小林「……ふぅ」
――――――――――――――――

727アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/04(土) 22:09:43
>>726(Yes!!Yes!!Yes!!)

「 よ く 『 カ ミ は オ ン ナ の イ ノ チ 』

        っ て い う よ な ァ ァ ァ 〜 〜 〜 」

      「 じ ゃ あ さ ァ 〜 〜 〜 」

  シ ャ キ ィ ィ ィ ッ ! !
               
         シ ャ キ ィ ィ ィ ィ ィ ン ッ ! !

『ドクター・ブラインド』が両腕を構えた。
指先に光る『メス』の如き『鋭利な爪』。
『十本の刃』の切っ先が一斉に『レーン』に向けられる。

「 じ ゃ あ

   『 ソ レ 』 が な く な っ ち ま っ た ら

 ど う な る の か な ァ ァ ァ 〜 〜 〜 ? ? 」

   >>711
   >そんで、レーンのヘアスタイルを、
     『アバンギャルド』にするユメでもみてやろう。

今この場において『やることは一つ』。
だが、これは『夢』ではない。
あくまでも『現実』だ。

  ヘ  ア  カ  ッ  テ  ィ  ン  グ
「 『 H a i r C u t t i n g 』 だ ! ! ! 」

   ド ッ 
        シ ュ ゥ――――――――――ッ ! !

         《 『 L(エル) 』 》

       シ ュ ッ
              バ ァ ッ ! !

728アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/04(土) 22:11:29
>>727

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ
 
バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

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バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

《 『 L(エル) 』 》

     《 『 I(アイ) 』 》

           《 『 G(ジー) 』 》

                  《 『 H(エイチ) 』 》

                        《 『 T(ティー) 』 》

バ ァ ァ ァ ァ――――――――――ッ ! ! ! !

両手を駆使した『爪のラッシュ』で『レーンの髪』を切り刻み、

                   ア バ ン ギ ャ ル ド
まだ誰も見たことがないような『 前衛的なスタイル 』に、

ヘアカット
『改造』する(パス精DBB)。

具体的に言うと、全体に『無数の十円ハゲ』を作りまくって、
『穴ボコだらけ』にする。
フハハハハッ!!!!『ミステリーサークル』だッ!!!!
しばらくのあいだ、
『ボウシなしでソトをあるけないカラダ』にしてやるぜェェェ〜〜〜!!!!
ただいま『サービスきかんちゅう』となっておりますので、
『ヘアカットだい』は『とくべつかかくサンジューマン』でイイぞ!!!!

 キ ン イ チ
『どっかのアホ』がナンかさけんでるけど『ガンムシ』する。
ロクデナシのフトコロあっためてやるギリはねぇ。

729『それじゃあmeと授業デース!』:2020/07/04(土) 22:42:16
>>728-729(これ以降、したい事も無さそうなら次レスで〆ます)


  ヘ  ア  カ  ッ  テ  ィ  ン  グ
「 『 H a i r C u t t i n g 』 だ ! ! ! 」


レーン「I(し)
I n c r e d i b l e〜〜〜〜〜〜NOООО!!!!!

(しんじられな〜〜〜〜〜い嫌ああああああああ!!!!!)」


レーン先生は、闘技場の響き渡る程の大声で悲鳴を上げたものの
アルカラの猛ラッシュカッティングに対し成す術はない。
 前衛的アートは、衆人環視の元 無事行われた。

『うおおおおおおおおおお!!!! けぇえええちゃっっっく!!
勝者は、そう!!! アーーールカラァァァイエェェェ!!!」

ワー!!!    ワー!!!!!

ベリル「……流石だ」 パチパチ……

実況の勝利の宣言、副解説のベリルが控えめに拍手して、本当なら公平さ抜きに
貴方を褒め称えたいのをグッと我慢しつつ一言のみで貴方を評価する。

頭の痛みすら忘れ去られそうな勝利の心地よさと、耳が麻痺しそうな
拍手の嵐に囲まれ、貴方は今宵のアリーナの勝者となった……。


尚、レーンは自分の惨状に。魂を口からはみ出しつつ地面に伸びている。

730アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/04(土) 23:31:30
>>729

「 ふ う ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ 〜 〜 〜 〜 〜 ッ 」

          『スッキリした』。

 モ   ヤ   モ   ヤ
『アトアジのワルいモノ』をのこすと、キブンよくないし。
やっぱ、サイゴはこうでなくっちゃな!!

「ヘイヘイッ!!
 ギャラリーのみんなァ〜〜〜??みてるかァ〜〜〜??
 イマそこでノビてるのが、
 『じょういランカー』を『カンプウ』したっていう、
 『ウワサのレーン』だ」

地面に倒れた『レーン』を指差し、会場の全員に語り掛ける。
その『じょういランカー』ってのが、どんなのかはしらんけど。
『じょうい』っていうからには、タブン『つよいヤツ』なんだろう。

「そして『ソレにかった』のが、この『アルカラ』だ!!!!
 そこんトコロをよォ――――――ッ!!!!
 キチッとおぼえてかえってくれよなァ――――――ッ!!!!」

「――――――アイしてるぜ!!!!みんな!!!!」

ブンブンブンブンブンッ!!
                  ブンブンブンブンブンッ!!

『ドクター』と共に大きく両腕を振り、
集まった観客達に『アピール』する。
その最中、一瞬『解説席』の方に視線を向ける。
勝利の余韻の中で、『これでベティにも顔向け出来る』と、
ほんのチョットだけ思った。
あとは、おわってから『あのアホ』がナニをいってくるかだが。
まぁ、『ムシ』するけど。

731『それじゃあmeと授業デース!』:2020/07/05(日) 22:34:14
>>730
    ワーーーーー!!  ワーーーーー!!!
  ピー  ピー!   アルカラァー!!

『OKぇええええ!!! 今宵のアリーナもvery niceなbattleだったぜ!
次回もまたthrillingに!! see you again!!!』

絶賛雨あられの健闘と賞賛の拍手に囲まれて、貴方は勝利者となった。

帰りがてら、通路にあった窓口のような場所から奇妙な視線のみ送られもしたが。

「怪我の感じは、頭部の打撲のみ。大した事ないし痛みだけ鎮静させてやるよし。
んな怪我、寝て半日もべたべた頭を触んなきゃ治まるさ」 パシュッ!

そう、ぶっきらぼうな言葉と共に小さな針のようなものが貴方を突き刺し。一瞬激しい痛みが
頭を過ったものの、直ぐに今まであった頭部の痛みは消え去り。気づけば窓口も無くなっていた。

その後、何時ものスポンサー(金一)か。『もうちょいエロハプニングも見せてくれよぉ〜!』と
文句を垂れていたが、貴方の爽やかな(肉体的)返答により無事沈黙へと返った。

人生はlesson。これから先もアルカラたる貴方には色々な問題があるだろうが……今はそんな事
関係なしに、この夜は貴方を優しい色で照らしている。



アルカラ(夢見ヶ崎)『ドクター・ブラインド』⇒『30万』get!
 頭部にかけ、数日程の打撲もあったが……寝て半日も過ぎれば完治したぞ!

732『それじゃあmeと授業デース!』:2020/07/05(日) 22:58:16
塾講師『レーン先生』

日本に渡来し、色々と観光した際に起きた負傷によってスタンドを発現した。
それを切っ掛けとして、スタンドに所縁深いアリーナにも面識を持ったが
異能関係の事件にも殆ど遭遇せず、自身の生活にも特に変化も起きない。
生徒大好き、授業も大好き。日本の文化も大好きと言う、スタンド使いになっても
生活パターンが全くブレない、ある意味とても強い人である。

『My Way』

破壊力:D(C) スピード:E(A) 射程距離:E(A)
持続力:C 精密動作性:E(A) 成長性:C

(※かっこ内は能力の光球。破壊力は相手が答えを間違った時のダメージ)

『指示棒』の形のヴィジョン。器具型で破壊されてもDFはなく、再発現に掛かる時間は
約一日程。指示棒などで、十数cm伸ばす事も出来るが特に意味は無い。

能力の全貌は『算数の問題を簡略した形で出現させ、それを問題(灰球)として飛来させる』
赤(+) 青(-) 紫(掛け算) ピンク(割り算)と言った具合で
>>693の答えは +2 -1で答えは1
>>699 +3 -1で答えは2
>>714 +2×-2 +3 答えは-1
>>720は既に承知の通り(10÷10)(-1×-1)で1+1=2

余談だが、最初は〇 〇 =と言った具合に指示棒によって発現されると
書こうと思ったが。それだと流石に直ぐ看破されると思い、攻撃(問題提示)の
前は〇 〇 || と言う具合に分かりにくくしたが、それだとチャット内でも
余り反応が芳しくなかった為、難し過ぎると考え途中でヒントも挟めた。

今回は能力特化な為、GМのセンスが問われたもので。色々不備も自覚出来たので
次ミッションでは格闘戦を中心とした対戦をしたいと思う。

733『It's dirty work』:2020/07/07(火) 18:26:35
あらすじ:『才能ある漫画家』から受け取った『原稿』を湖に落としてしまった三刀屋と知覧
このままでは『彼』の漫画が世に広まる未来が消えてしまう!
さらにいえば、この事が公になれば三刀屋は勤めている出版社をクビにされるだろう!
『未来の読者の笑顔』と『保身』のため、彼らは『原稿』の『完全再現』を目指す・・・


駅前にある喫茶チェーン店
昼前という時間帯にも関わらず、客はまばらである
そんな店の一角に深刻な雰囲気をした二人の男がテーブル席で顔を突き合わせていた

三刀屋「いいかな?知覧くん・・・今から30分後に『漫画家の彼』が来る
まずは作戦を立てていこうじゃあないか・・・・知覧くんの『手袋』をどうやって『彼』にはめさせるか」

スーツを着た壮年の男――『三刀屋』の手にはよれよれの『原稿』が握られている
一度湖に落ち・・・・乾かしたものだ、以前は『漫画』が描かれていたが、今は線が滲んで迫力が失われている


「君の『能力』に全てがかかっているよ・・・」

734三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/07(火) 18:33:59
☆外見
紺色のスーツ姿にアンダーリムの眼鏡をかけた壮年の男

☆持ち物
財布、腕時計、新品の原稿用紙、Gペン・インク・トーンなど各種執筆用具を入れたカバン、『よれよれの原稿』

☆スタンド:『ブラック・アンド・ホワイト』
動作を書き込んだコマを設置し、コマ内で記録した動作を必ず行える人型のスタンド
詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1519310970/99-100

735知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/07(火) 22:02:12
>>733-734

-----------------------------------------------------------------
精密動作性を向上させる手袋を着けたスタンド。
この手袋は実体化しており、他の誰かに付け替える事も可能。
何かしらの『技能』を持った存在がこの手袋を着けた場合、
手の甲部分に『職』を象徴するような『ロゴマーク』が浮かび上がり、
その状態の手袋を着けていると、対象の技能を『手』に限り『完全再現』できる。

『モンキー・ビジネス』
破壊力:C スピード:C    射程距離:C(8m)
持続力:C 精密動作性:A(C) 成長性:B
※『手袋無し』の場合、また手以外の部位の精密動作性は『C』

【供】『心音サイフォン』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/349-350

【服装/持ち物/外見】
雑なTシャツ、スマートフォン、釣り竿。
のっぺりとした顔の青年。ニート。
-----------------------------------------------------------------

「『漫画家』の手に『手袋』をハメるって、
 冷静に考えると、ちょっと難しいというか……」

アイスココアを注文し、席に座る。
季節は『夏』。手袋が入用な季節ですらない。

「そもそも、理由もなく『手袋』をハメさせるって、
 その時点でハードルが高いんスよねェェ〜〜〜ッッ」

「ましてや、一番大事な『商売道具』じゃないッスか。
 ――――待てよ、これを逆に『利用』すれば……」

原稿用紙や執筆道具一式は、『三刀屋』が用意している。
件の『漫画家』を騙す道具、それさえ用意できればいい。

「『三刀屋』さん。
 その『漫画家』さんの『趣味』って何かあります?」

「特に、『プラモデル』とか『骨とう品』とか、
 『コレクション』で目がないヤツ!

 漫画家って、モデルガンとか集めてるイメージあるし、
 なんか一つくらい、その手の趣味、あるんじゃないかなー」

736『It's dirty work』:2020/07/07(火) 22:32:17
>>735
三刀屋「確かに・・・僕だって『彼』とは数回会ったことしかないからね
こんな怪しげな『手袋』を嵌めてみろなんて・・・・怪しすぎて普通に頼むだけなら、まぁムリ筋だねぇ」

メロンソーダをズゾゾと啜りながら三刀屋は言う
漫画を描くための基本的な道具は先ほど準備をしたが、
まだ『彼』を騙すための準備は万全ではない

「『趣味』かい? 
直接聞いたことはないけど・・・彼の作風を見る限り『食事シーン』にはかなりのこだわりを感じるね
ほら・・・・ここ 『捕まえたイノシシを捌くシーン』とか描写が細かいよねぇ」

よれた原稿の中から該当するシーンが見せられる
動物が解体されるシーンについては、臓器の配列や筋肉の切れ方まで細かく描写されている
また、解体に使われる道具も・・・・詳しくないとわからないが現実に存在してそうな道具が描かれていた

737知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/07(火) 23:08:57
>>736
「こういう『おこだわり』を感じさせる漫画家って、
 新人とはいえ、『そーさくしせー』にうるさそうだしなぁ。

 バレたら、『三刀屋』さんの『クビ』だけじゃあ済まないかも……」

『イノシシ』の解体を己のバッドエンドに重ね合わせ、
思わず身震いをした。激怒する巨漢が脳裏に浮かんでいる。

「しかし、『サバイバル』が趣味って感じか……。

 なんだろーな、『化石』、『流木』もしっくり来ないな。
 うーん、――――よし、一丁デッカく仕掛けてやるか!」

今から『三十分以内』で用意できる『市販品』、
尚且つ一目で『サバイバル趣味』の人種が興味を惹くモノ……。

「『三刀屋』さん、『ルアー』だ。

 釣具店にある一番高いヤツ!
 ぶっちゃけ種類はなんでもいいぜ、
 とにかくピカピカ光って高そうなヤツだ」

ここから『三十分』で用意できるかは賭けだが、
『モンキー・ビジネス』でハメるなら、一番可能性が高いアイテムだ。

「買ってきてくれないッスか?
 ソイツを使って、『釣り上げる』ッスよ」

738『It's dirty work』:2020/07/07(火) 23:23:23
>>737
「言われてみれば結構ガタイが良かったねぇ、彼
『実体験を基にしている』って言われれば、この描写もしっくりとくるね

ま、まあ、流石にこんな街中で殺生沙汰なんて事には・・・ならないといいなぁ」

三刀屋の体もぶるっと震える
駅前とはいえ『喫茶店』の中に人は少ない、咄嗟に『何か』を向けられたら・・・

「ほうほう・・・・ルアーか、いいねぇ!
確か駅前のデパートの中にそういうのを売ってる店があったからなんとか・・・・ギリギリで間に合いそうだ!
『彼』がここに来るまでには必ず戻る! 君は『彼』を迎える準備を整えていてくれ!」

そういうや否や三刀屋は駆け足で喫茶店を去っていく
『彼』との待ち合わせ時間まで残り『25分』・・・・。

(とくにやる事がなければ時間を飛ばします)

739知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/07(火) 23:32:39
>>738
「うわっ、やっぱりパワー系かぁ。
 やっぱり、出口に近い席にしようかな……」

及び腰になって、思わず席替えを検討したが、
込み入った話をするなら、やはり奥の席がやりやすい。

「スタンド使いってことはなさそうだけど、
 一応、『モンキー・ビジネス』は隠しとくか……」

『モンキー・ビジネス』を発現し、
その射程距離を活かし、カウンターの内側に隠しておく。
実体化した『手袋』だけを、己の膝上に置いておきたい。

後は、『三刀屋』が到着次第、ルアーを受け取り、
漫画家の来訪を待つ。

740『It's dirty work』:2020/07/07(火) 23:50:06
>>739
『モンキー・ビジネス』を発現し、カウンターの内側に隠す
幸い、現時点では店の中にスタンド使いはいないようだ
とくに騒がれることなく、スタンドは隠された


――――25分後

「知覧くん・・・・これで本当に上手くいくかなぁ?」

三刀屋のお使いは無事に終了した
知覧の手元にはリアルな光沢のグラデーションをした『ルアー』がある
三刀屋の話によると1万円くらいする高級ルアーだそうだ
(それ以上のものはデパートには売っていなかった)

二人は億のテーブルで横並びになって『漫画家』の到来を待つ


――――そして

       カランコロン・・

「なあ、『三刀屋さん』、話ってのは何だ?
俺の『漫画』については会議の後に電話で連絡するって話だったが・・・・誰だお前?」

件の『漫画家』が現れた
身長は180cmくらいはあるだろうか、かなり大柄だ
男にしては長めの黒髪を総髪のように後ろに流し、紐でくくっている
だが、目につくポイントはもう一つ・・・・

 ・・・・
『学ラン姿』だ
かなり若く高校生くらいに見える

741知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/08(水) 00:07:22
>>740
「おおー、上出来上出来。

 任せてくださいよ、『三刀屋』さん。
 多分、恐らく、上手く行く、はず」

イマイチ頼りない言動のまま、ルアーを受け取る。

『高級ルアー』ならば、化粧箱にでも入っているだろう。
箱に入れたまま、釣り竿袋のサイドポケットに入れておく。

>       カランコロン・・

  「(うわっ、マジでデカいな。
    最近の高校生、普通にガタイいいもんなぁ)」

  「うおー、この人が例の『漫画家』さん?
   オジサン、高校生だってなら、先に教えてよ。

   初めまして、『知覧吉彦』です。
   いやー、デカいねぇー。なんかスポーツしてるの?」

『三刀屋』とは『親戚』であると暗に告げて、
警戒心を醸し出す『高校生』に対し、呑気な自己紹介をする。
生来ののっぺりとした顔立ちから来る、人畜無害そうな雰囲気によって、
少なくとも『ナメられる』、くらいには警戒心を解いていきたい。

742『It's dirty work』:2020/07/08(水) 00:21:44
>>741
「『知覧吉彦』・・・さん、か」

知らない人物(知覧)の存在に困惑してはいるが、
高校生らしからぬ堂々とした態度でテーブルの対面へと座る

                ・・
「俺の名前は『我孫子サトル』・・・・まだ『漫画家』ではない
それよりもどういう事だ三刀屋さん
出版社の人間ならまだしも、彼は完全に部外者ではないのか?」

静かな口調ではあるが硬い口調からは少しずつ不信感が滲み出る
会社の中の人間ならまだしも、三刀屋の個人的な付き合いでは不信を抱くのも無理はない


三刀屋「あー・・・それはだね、我孫子くん 
君の漫画についてのレビューをアウトソーシングして改善すべきイシューをだね・・・」

  チラ   チラ  


三刀屋の目線が泳ぐ
知覧に向けてアイコンタクトを向けているようだが・・・・

743知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/08(水) 20:58:45
>>742
『ルアー』を使って『手袋』を使わせる。
この『結論』は出ている。後は、どうやって使わせるか。

   「『サトル』君、かぁ。

    ――――君さぁ、『釣り』って興味ある?」

たまたま所持していた『釣り竿』、
『食事シーン』への拘り、特に獲物を『解体』するシーン。
『サトル』は『狩猟』などのサバイバルに興味があると、
そう踏んでの会話を展開していく。

   「『三刀屋』さんと『狩猟』の描写が細かい、
    漫画家がいるって話になってさぁ、

    今度、遠州灘まで『海釣り』に行くんだけど、
    是非、君も一緒にどうかな、と思ってねぇー」

   「ほ、ほら、『取材』も兼ねて、さぁ」

内心では心臓を高鳴らせながら、そう提案をする。
釣りはやっているが、『船』を出すほどの『海釣り』を、
『知覧』はまだ経験していない。向こうの知識が上回れば終わりだ。

   「(こ、ここまで来たら後には引けないぜ……。

     漫画界の未来のために、ニートの尻に火ィつけてやる!)」

744『It's dirty work』:2020/07/08(水) 21:59:20
>>743
サトル「『釣り』・・・・か
確かに『狩り』に関しては昔、じいさんに大分仕込まれたから、それなりだが
『海』についてはまったく門外漢だ・・・・面白ぇ」

三刀屋「そうそうそうそう! そうだよね!
君のおじいさんって確か『猟師』をやってたんだよねぇ!
うんうん、思い出し・・・・・いや、覚えてたよ!もちろんね!
『原稿』も完成してるんだから、この辺で『取材』ってのもありじゃないかな?」

『釣り』の話を持ち出され『サトル』も若干の興味を覚えたようだ
本人も言うとおりに、釣りに関しては素人なのだろうが
若さ・・・そして、作家特有の好奇心がありありと顔にみえる


「そういえば・・・海釣り、とくに船釣りをやる人間ってのは懇意の船宿があるって話を聞くが
知覧さん・・・・あんたがいつも使ってる船宿を教えてもらってもいいか?
いや・・・・・参考までにな」

    ゴゴゴゴゴ・・・・


サトルの手にはポケットから取り出された『スマホ』が握られている
画面に映るのは・・・・・誰もがよく使う『検索サイト』だ
調べようというのだろうか・・・・・今、この場で

745知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/08(水) 22:19:53
>>744
「(よし、いいぜッ 『三刀屋』さん!

  その気にさせてくれェェ〜〜〜〜ッッ)」

まずは『釣り』に興味を持ってもらった。
次の核心に切り出す、とルアー入りの化粧箱を手に取った時。

>「そういえば・・・海釣り、とくに船釣りをやる人間ってのは懇意の船宿があるって話を聞くが
>知覧さん・・・・あんたがいつも使ってる船宿を教えてもらってもいいか?
>いや・・・・・参考までにな」

   「(ク、ォォォ…… し、知ってるわけねェじゃん!

     こっちは湖畔の隅っこで、フナとか釣るしか出来ねェんだって!
     社会に繰り出せないニートが、地元とはいえ『海原』に船を出すわけ―――)」

ズゾゾゾゾゾゾゾォォ――――

粘り気を帯びた緊張の汗を噴き出し、アイスココアを思いっきり飲む。
一気に冷たいドリンクを胃の中に流し込み、乾いた笑いを浮かべる。

   「ハッ、ハッ、ハハッ」

   「『サトル』君、『船宿』は着いてからの『お楽しみ』だよぉー」

   「今はテレビやネットでなんでも下見が出来ちまうけど、
    それって、やっぱり俺はどうかと思うんだよねぇー」

   「生きた情報を『体験』してほしいってのが、
    人生の先輩としての『老婆心』というかさァァ〜〜〜〜ッッ」

アイスココアを口の端から垂らしながら、
テレビやネットで大体済ませてきたニートが、
『サプライズ』という名目を作って、追求から逃れようとする。

746『It's dirty work』:2020/07/08(水) 22:37:37
>>745
三刀屋「ハッ、ハハハ!そ、そうだとも我孫子くん!
実際に現地に着いたからこその『衝撃』を事前情報で薄めてしまうのはよくないとも!
クリエイティブな発想にはいつだって新鮮な驚きが必要だからねぇ!
(知覧くん・・・・このまま上手く誤魔化してくれよぉ・・・!)」

サトル「ふむ。」

カラン、とココアの中の氷が音を立てる
何事かを考えてるかのように動きを止め、そしてスマホの画面を消した

サトル「確かにこういったサプライズは嫌いではない


・・・・・・・・・・店員さん、俺にもアイスコーヒーを頼む

知覧さん、その『海釣り』・・・・俺にも同行させてもらおうか」

急に緊張し始める知覧に若干の不信感を覚えながらも
『サプライズ』という言葉に諸々の違和感を飲み込んだようだ

「いつ・・・・行く? そして何を用意すればいい・・・?」

747知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/08(水) 23:02:50
>>746
>知覧さん、その『海釣り』・・・・俺にも同行させてもらおうか」

「や、やりぃ……!

 ――――や、やりたくなった時が吉日だぜぇー。
 大歓迎だよ! 一緒に楽しもうな!」

つい、口が滑ってしまったのを、慌ててブレーキを掛ける。
日取りを訊かれれば、ああ、とか、ええ、とか言い出して。

「し、潮の都合もあるからさぁ、
 また調べて、『三刀屋』さんから伝えるよ!」

「道具もこっちで用意するから、身一つで着てくれよなー。
 た、例えばさ、こーいう『ルアー』を使って、一本釣りだって出来るぜ!」

ピカピカの『ルアー』を取り出し、『サトル』に見せる。
『海釣り』に興味がある。そして、彼は『道具』にも拘りを持つタイプだ。
よく解らない解体道具を細かく描くような『作風』だからだ。

「折角だし、ちょっと手に取って見なよー。
 ――――と、『ケガ』したらマズいもんな」

そういうと、膝上に置いていた『手袋』を取り出し、

     「これ、使ってくれよ」

返し針のついた『ルアー』に触れるのに、
手指を大事する『漫画家志望』なら、多少は警戒するはず。
よって、『手袋』を使って掌を防護させれば、安心して触れられる。
―――――というストーリーだぜバカヤロー! ここまで仕込みだよ!

ピッカピカのルアーに触れるのにも、高級品じゃね? って頭過ぎるじゃん。
だから『手袋』があれば躊躇なく触れる。古い壺とかといっしょ! ほら、触れ!

748『It's dirty work』:2020/07/08(水) 23:25:59
>>747
サトル「なるほど・・・『海釣り』ではこんな『ルアー』を使うのか
ありがとう・・・・今後の参考にさせてもらうぞ」

「それにしても・・・意外にしっかりした道具を使うのだな
ルアーというのは糸が切れれば海の中に消える『消耗品』だと思っていたが
これは・・・・なかなか凝った造りをしている・・・」

サトルはしげしげと知覧の手元の『ルアー』を見つめる
『興味』は・・・・・・明らかにこの興味深い『釣り具』に向かっているのだ

三刀屋(いいよぉ・・・知覧くん・・・・上手く安孫子君の興味を引いているようだねぇ
これで、作戦通りに『手袋』を使わせる準備が出来たみたいだ・・・・!)


『手袋』をはめさせる仕込みを行う知覧を見つめ、固唾を呑む三刀屋
緊張する展開が続きテーブルの下で『元原稿』を持つ手も震える・・・・そして

サトル「ハハッ・・・準備のいい人だな! ありがとう、使わせてもらう」


サトルの手が・・・・『手袋』に伸び・・・・目論見通りに受け取る・・・・・・・ッ!


―――――――その瞬間。


ウェイトレス「アイスコーヒーお持ちしましたァ!」

先ほど、サトルが頼んだ『アイスコーヒー』を店員が持ってきた

三刀屋「(タ・・・・タイミングが悪い・・・! でも、この瞬間を逃すわけには・・・・!)
あ、あ〜〜〜・・・店員さん、僕が受け取るよ、安孫子くんが頼んだアイスコーヒーだよねぇ?」

     ガタッ
                  スルッ!
                          シュサァッ!
「あっ!」

『タイミング』が悪かった 本当に『タイミングが悪い』
そうとしか言いようがない出来事が起こる!

三刀屋がテーブルの下で汗が出るくらい握りしめていた『元原稿』・・・それが
アイスコーヒーを受け取った拍子に机の上に乗り上がりしゅっと滑るようにサトルの方へと向かう・・・・ッ!
このままではサトルの視界に『よれよれとなってしまった原稿』が飛び込んでしまう・・・・・ッ!

749知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/08(水) 23:38:14
>>748
「(う、うわわわわわわ、チクショー!
  『三刀屋』さん、それは流石に仕舞っといてくれよォォ〜〜〜ッッ)」

マズい、『ドボン原稿』が白日の下に晒されれば、
今までの苦労が水の泡。海釣りどころか、大海原にドボンされる!

瞬間、『知覧』が思い付いたのは、
このまま『アイスコーヒー』を『原稿』へと叩き落し、
全てを『ウェイトレス』のせいにして、逃げ切るという一手だ。

「(だが、だがそれは出来ない……!

  このウェイトレスさんに、
  罪の十字架を背負わせるわけにはいかない――――)」

どう考えても『知覧』と『三刀屋』に非があるため、
そんなのは当たり前の話だが、何故か決意めいて心を固め、

「(『モンキー・ビジネス』ッ!

  行くぜ、インチキを貫き通す……!)」

『カウンター』の裏に隠れている『モンキー・ビジネス』、
ソイツを立ち上がらせ、カウンターに乗ったカップやソーサー、
なんでもいい、腕を振り回し、思いっきり床に叩き落す。


      「うわッ!  『店員』さん!」


指で示し、発生する物音で『店員』と『サトル』の注意を惹き寄せ、
瞬間、テーブル上の『原稿』を思いっきり引っ張り、テーブル下に仕舞う。

750『It's dirty work』:2020/07/08(水) 23:52:58
>>749
三刀屋(ごめんよぉぉ〜〜〜知覧くぅぅん!)

                ツツルツル―――――ッ!!

                            サトル「む・・・・?」

テーブルを滑る『よれよれ原稿』・・・その軌道はサトルの方へと向かう・・・!
サトルはゆっくりと『視線』を原稿の方へと・・・・

      ガッシャァ――ンッ!

               ガシャガシャ!
                    ガッシャ――――ンッ!

「うわあああ!」   「なんだ!?」
       「地震でも起きたのか!?」   「揺れてねーぞ!」

                 「あいや――――――ッ!?ワタシのウェッジウッドが!」

サトル「何だ・・・・・?」

隠れていた『モンキー・ビジネス』が立ち上がり、
カップやソーサー、高そうなティーセットも含めて色んなものを叩き落とす!
突然起きた『騒動』に店内の客たちは一斉に音のした方向へ視線を向けた  ――――無論、『サトル』もだ!

シュバッ!


その瞬間を狙って『原稿』を思い切り引っ張り回収する!
おめでとう!君は見ず知らずの『ウェイトレスさん』に罪を被せずに済んだ!
(一部、店のオーナーの悲壮な叫びは聞こえたが)

751知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/09(木) 00:06:48
>>750
『モンキー・ビジネス』をしゃがませ、
再び周囲の目からスタンドを隠す。

   「あ、ありゃりゃー。不幸な事故だねー」

   「ウェイトレスさん、こっちはいいから、
    ほら、あっち手伝った方が良さそうじゃない?」

大金が転がり込んできたら、この店には週一で通おう。
そう、全く目途の立たない『罪滅ぼし』を心に誓った。

  「さ、さーて、気を取り直して」

  「ルアーて言っても、使い捨てってわけじゃあないんだぜ。
   ――――結果的に『使い捨て』になっちゃう時もあるってだけで、
   むしろ使い込んだ『キズ』が乱反射して、より『魚』の興味を惹いたりさ」

  「(た、頼むゥゥ〜〜〜〜ッッ

    ほら、ハメ、ハメるんだよォォォ〜〜〜〜ッッ!!)」

『ルアー』の話に戻して、なんとしてでも『手袋』をハメさせようと腐心する。

752『It's dirty work』:2020/07/09(木) 00:17:49
>>751
   ワーワー
        キャーキャー

サトル「ふむ・・・カウンターの立て付けが悪かったのかな、何にしても災難な店だ」


サトルの反応を見る限り・・・・『モンキー・ビジネス』に気づいた様子はない
再び、テーブルの上に視線を戻すサトル・・・・・その上にはもう『よれよれ原稿』はない・・・・そして

   きゅっ
            きゅっ

「ほう・・・・確かにこれはなかなか良いもののようだな
『釣り具』には俺も詳しくはないがそれでも細工を見る限り、量産品という感じではない
うむ・・・・・これは参考になるな」

サトルの手にとうとう『手袋』がはまった・・・・!
手袋をはめた手で丁寧に『ルアー』を眺めるサトル
そして・・・・・

           ヒュゴォォォォオオオオ・・・・・!

『手袋の甲』に念願の『ロゴマーク』が浮かび上がる!
『ペン先とコマ枠を組み合わせたような』そのマークは正しく『漫画家』のロゴだろう!

三刀屋「ハ・・・ハハハ・・・・気に入ってくれて嬉しいよ、サトルくん
(やったよぉぉぉぉ〜〜〜〜知覧くぅぅん! これで作戦の『第一段階』はクリアしたよォォォ〜〜〜〜!)」

753知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/09(木) 23:27:08
>>752
「フ、フフフッ、い、いやぁぁ〜〜〜〜ッッ

 こ、これは楽しいフィッシングになりそうだね――――」

『手の甲』に浮かんだロゴマークへ視線を遣り、
冷や汗を掻きながらも、何とか胸を撫で下ろした。

「『サトル』君、そう決まったら話はお終いだ。
 こっちも、未来有る若者を無為に引っ張り回しては
 いられないからさぁ。――――ああ、会計もいいからさ」

君も忙しいだろう、と万年暇人は余裕を見せながら、
『サトル』が手袋を外し、喫茶店から去るのを待つ。

754『It's dirty work』:2020/07/10(金) 14:15:36
>>753
三刀屋「ハ、ハハ、そうだね、次は連載用のネームを考えないといけないからねぇ!」
サトル「何ッ? という事はつまり俺の作品が・・・・!」
三刀屋「ま、まだだよ! まだだけどさぁ! たぶん大丈夫なんじゃないかなぁ?」
サトル「なんだそれは?」

   ワーワー      ワイワイ   ガヤガヤ

いくらかの問答の末、強引な三刀屋の論調が押し勝った
サトルはアイスコーヒーを手早く飲み干し、帰り支度を始める

サトル「じゃあな、知覧さん 今度必ず連れて行ってもらうからな!
    連絡を待っているぞ!」

手袋を外し、サトルは喫茶店から去っていく・・・・・・・そして!


        ゴゴゴゴゴ・・・・・



『漫画家のロゴがついた手袋』がテーブルに残された
大変な苦労をしたがようやく手に入った念願の品である・・・・

三刀屋「ここまでは何とかなったねぇ・・・・知覧くん」

755知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/10(金) 20:42:50
>>754
「ああ、よろしくなー」

去り行く『サトル』を見送り、
テーブルに置かれた手袋を拾い上げる。

   「ここまで肝っ玉が冷え切ったのは、
    お袋が『ヨットスクール』の話題を出して以来だぜ……」

額の冷や汗をおしぼりで拭き取り、
念願の『手袋』をしげしげと眺め、両手に嵌める。

   「だが、――――上手くやり切ったぁぁ〜〜〜〜ッッ

    ……って、わけじゃあないんだけどさ。
    『三刀屋』さん、最後の押し切りは助かったッ」

肩の荷が下りたように息を漏らしたが、
序盤に過ぎないと思い返せば、やおら立ち上がる。

   「ここは人目に着くから、場所を変えよう。

    ――――隣の『カラオケルーム』に移動しようぜー。
    あそこからワンドリンクフリータイムで、
    好きなだけ『作業』が出来るからさ」

756三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/10(金) 22:51:57
>>755
「知覧くん・・・・ここまできたら後は『やりきる』しかないよ
『彼』のためにも・・・・・『我々』のためにもねぇ」

知覧に促され、『カラオケルーム』へと移動する
茶器や食器を割ってしまった事はまあ・・・・次に来た時に埋め合わせする事にしよう
それくらいの良心は残っている

「さあ、『道具』は用意しているよ・・・後は君の『技』が頼りだね」

757『It's dirty work』:2020/07/10(金) 23:08:45
>>756(三刀屋)

     ゴ    ゴ


       ゴ    「じゃあ」
                              ゴ
                    「やるぜ」         ゴ
                              ゴ

二階の個室に通された『知覧』と『三刀屋』。
マイクとデンモクにも触れず、テレビ音量もミュートにする。
そして、卓上に並べられた『インク壺』に『原稿用紙』、


      ドシュッ!
                 シュバッ!

―――――『Gペン』ッ!
『手袋』をハメた『知覧』はネームを切ることさえなく、
迷いなく『ペン入れ』を施し、瞬く間に『原稿』を仕上げていく。

    「ヤ、ヤッベェぞこれ!」

    「俺の手じゃあないみてぇーだッ!

     手が、勝手にトレースを『補正』してくれるッ
     こりゃあ『コミスタ』なんかより、よっぽど上だぜェェ〜〜〜ッッ」

『モンキー・ビジネス』の持続時間は『2時間』だ。
どんなプロであろうと、『1ページ』の漫画原稿を完成させるのに、
どう見積もっても『1〜2時間』は掛かるのが当たり前だ。

しかし、『我孫子サトル』は『トーン』を使わない作風だ。
極端な話、『Gペン』さえあれば『トレース』は可能。
ましてや、一度はその『技術』によって描いた『漫画』、
『12ページ』の読み切りであれば、ギリギリで仕上げられる――――

      「基本の『絵』だけ、どんどん仕上げさえすればッ
       モノローグや台詞なんかは、後から『写植』すりゃあいいッ!

       スッゲェ、気持ちいいくらいにドンドン描けるぜェェ〜〜〜〜ッッ
       俺、漫画家になれるんじゃないか、ってカンちがいしちゃうってぇー!」

『知覧』は一心不乱に『Gペン』を振るっていく。

         P R R R R R r r r . . .

『三刀屋』のスマートフォンから着信音が鳴る。
『サトル』からだ。ついさっき会ったばかりなのに、電話で呼ばれている。

758三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/10(金) 23:26:52
>>757
>      ドシュッ!
>                 シュバッ!

「す、凄い・・・・やはり僕の見立てに狂いはなかった・・・彼は『天才』だッ!
明らかに『異常』過ぎる・・・・知覧くんのスタンドの持続時間が
『2時間』しかないと聞いたときは不安しかなかったが・・・逆だ、いけるよ、これなら!」

「僕は経験上、何人もの『漫画家』を見てきたが・・・・
『彼の才能』はそれらのいかなるもブッちぎりで超越している・・・・取れるね、天下」

知覧の振るう凄まじいまでの『Gペン捌き』に思わず、スタンディングオベーションで歓声を上げる
不安だらけの心中が眩いばかりの光明に満ち溢れていた!

>         P R R R R R r r r . . .


そんな三刀屋の心に陰りをもたらしたのは電子音、そして表示画面であった

「安孫子くんか・・・・何か・・・嫌な予感がしてきたね」

      ピッ


不安を抱えながら、電話を取る

759『It's dirty work』:2020/07/10(金) 23:36:39
>>758(三刀屋)
『知覧』の手によるものとはいえ、紛れもない『天才』の仕事。
若々しい才能に圧倒され、成功を確信する『三刀屋』の心中を、
じょじょに立ち込める『薄霧』のように、不安が満たしていく。

   P R R R R R r r r . . .

    ピッ
         「ああ、『三刀屋』さん。
          さっきの今でスマンが、ちょっと話があってな」

         「生憎、『手』が離せないんだ。
          大人を顎で使うようで申し訳ないんだけど、
          ちょっと『家』まで来てくれないか……?」

先程と変わらない無骨な話し方だが、
幽かな『焦り』を感じられる。申し訳ないとは、確かに思っているようだ。

『サトル』のアパートはこの近くだ。
高校生だが、『漫画』に本気で打ち込みたいのだと、
両親を説得した上で、一人暮らしをしている。

※この説得には『三刀屋』も駆り出され、一緒に両親の下に同席している。

760三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/10(金) 23:50:35
>>759
「知覧くん・・・すまないけど、少し席を外すよ
ちょぉぉぉ〜〜〜っとばかし、我孫子くんの方がトラブルにあっているみたいだ」

『執筆作業』を続ける知覧に語りかけ、部屋を出る
スマホを耳に当てたまま、サトルとの話を続ける

「わかった 今すぐに行くよ
道すがら、何の用なのか教えてもらってもいいかな?」

アパートの場所は覚えている
道すがら、話を聞き、どんな用件があるのか情報を集める

761『It's dirty work』:2020/07/11(土) 00:09:16
>>760(三刀屋)

   「あらら、なんだろーね?

    画材も揃ってるし、こっちは大丈夫だって。
    変に断って、俺達を探されてもマズいしさー」


     ブシュッ
              バシィッ!

余裕の態度を見せる『知覧』だが、
呑気に話しながらも『ベタ』を塗り上げていく。

>「わかった 今すぐに行くよ
>道すがら、何の用なのか教えてもらってもいいかな?」

カラオケボックスから『アパート』まで、歩いて『4〜5分』だ。
無論、『三刀屋』の腹積もりも、サトルのアパートが近いからこそ、
この近辺を『待ち合わせ』に指定したのもあるのだろう。

     「ああ、『作業中』になるから、
      ちょっと止まったりするかも知れないが」

     「『三刀屋』さん。――――カラスの『雄雌』ってさぁ、
      どう見分けるか解るか? ……『紫外線』なんだってよ。

      カラスは『紫外線』が見えるから、
      雄と雌は、実は別々の色で見えてるんだよ。
      俺達には同じ『真っ黒』に見えるから、全然解らないけどな」

『サトル』は脈絡のない言葉を呟いている。

     「……そうだ。昔、ある本で読んだことがあるんだが、
      『鳩』ってのは、『漫画』が読めるらしいんだ。

      『鳩』はマンガで描いた『鳩』を、
      自分と同族だって、認識できると書いてあった。
      だから、『鳩』は他のマンガ文法も理解できるかって、
      『トゲトゲ』したフキダシを付けたり、効果線を引いたり、
      そーいう驚かすような『演出』があれば、鳩の行動も変わるのかって、
      わざわざ実験した『漫画家』もいたらしいぜ。結果は、どうだったかな……」

『サトル』の言葉は止まらない。
ふと、確信を切り出すように、『サトル』は声を潜めた。

     「なあ、『三刀屋』さん。
      貴方もこの世界は長いだろ、一度聞いてみたかったんだ」

     「――――『トレース』だよ。
      人のマンガを映して、パクって発表するヤツ」

     「そーいうヤツ、貴方はどう思う?」

762三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/11(土) 00:24:01
>>761
「・・・・へぇ、凄いね、うん、まさに動物奇想天外って感じだね
それで・・・・・動物関連おもしろトリビアが言いたくて僕を呼んだわけじゃないだろう?
君はそういう意味のないことはやらない人間だからね」

『カラス』?『鳩』?
サトルの意図が分からず、焦燥感ばかりが膨れ上がる
サトルは動物に関して多くの事を知っている、それはわかっている
だが、意味のない話をする人間ではない・・・何かの前座か?あるいは・・・


>     「――――『トレース』だよ。
>      人のマンガを映して、パクって発表するヤツ」

>     「そーいうヤツ、貴方はどう思う?」

  ぶわっ と冷や汗が止めどもなく出てくる
背筋が一気に冷えた・・・・まさか、気が付いているのか?



いや、そんなはずはない!

「サイテーだと思うよ、僕は
パロディとか二次創作とか、そーいうのなら作品として昇華しているって思うけどさ
人が描いたのをパクるのはダメだよねぇ〜
(あ〜〜〜・・・・言っちゃったああああ! これで後には引けないぞ!)」

「それで・・・・・そろそろ本題に入りなよ
何も剽窃がどうだの、海賊版がどうだの、そういう小賢しい社会問題を語りたくて電話したんじゃないだろ?
君が電話をしてくるって事は・・・・もっと直接的なことなんじゃないかい?」

763『It's dirty work』:2020/07/11(土) 00:39:17
>>762(三刀屋)
>「サイテーだと思うよ、僕は
>パロディとか二次創作とか、そーいうのなら作品として昇華しているって思うけどさ
>人が描いたのをパクるのはダメだよねぇ〜〜〜」

    「そういうと思ったよ」

勿体ぶった質問に付き合った、『サトル』の反応は素っ気なかった。
本題に入ろうとする『三刀屋』の問い掛けにも、しばしの沈黙を保ち。

    「……ああ」

    「単刀直入に言うよ。
     ――――あの『原稿』、返してくれないか?」

      ド
                    ド

            ド

    「世の中には、『カラス』や『鳩』よりも、
     見る目を養えてない連中が多すぎる」

    「だから一度、修正しなくっちゃあならない。
     頼むよ。そう、時間を取らせないからさ」

『サトル』の居る『アパート』が見えた。
二階建ての木造アパート、その『101号室』に住んでいる。
暑いからか、ドアも窓も開けっぱなしだ。開いたドアから『サトル』が見える。

    「今、描いてるからさ――――」

『サトル』は一心不乱に、『原稿用紙』に鉛筆を走らせている。
『ネーム描き』だ。本気で『原稿』の一部を差し替えようとしている。

764三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/11(土) 00:57:50
>>763
「ふぅ〜〜〜・・・・」

ドアの奥、サトルの姿を視認した
もはや、電話を使う必要もないだろう、電話を切り、玄関の前で直接話をする

「理由を聞いてもいいかい?
僕が見る限り、あの作品は『完璧』・・・
技術的には修正する必要がまったくないくらいサイコーな作品だと思ったけど?」

ドアの前に身を置きながら、部屋の中を覗き込む
部屋の中に怪しいものはないだろうか、前来た時と違う点はないだろうか?

「まあ、どっちにしろ今すぐに君に『原稿』を返すことはできない
君も知っているだろ?あーゆー物は社内で大事に保管されてさ、なかなか返却できないんだよねぇ」

「(僕はそれ破っちゃったわけだけどね・・・・・あー・・・・)」

「理由を聞こうか そういうルールを破ってまで『修正』したい理由を」

内心では自分の過去の罪を思い出して、軽い自己嫌悪に襲われつつも
表情は変えず、毅然とした編集者の表情でサトルと応対する

765『It's dirty work』:2020/07/11(土) 01:20:02
>>764(三刀屋)
玄関に立った『三刀屋』。
『六畳間』に台所が付いたワンルームだ。
エアコンも、風呂場もない。部屋の隣に『共同トイレ』がある。
吹き込む風だけを涼として、『サトル』は原稿を描いている。

>「理由を聞いてもいいかい?

    「貴方は、そう思うんだろう。
     俺だって、別に『完璧』を求めちゃあいない。

     だが、『完璧』じゃあ困るんだよ。
     それじゃあダメなのか――――」

部屋の中を覗き込む。
『作業机』と『本棚』、申し訳程度の『卓袱台』と『座布団』だけが置かれた部屋だ。
卓袱台の上には、真新しい付箋の貼られた『単行本』がズッシリと積まれ、
『作業机』には『原稿』を書くのに用いた、様々な『資料』が置かれている。

>「まあ、どっちにしろ今すぐに君に『原稿』を返すことはできない
>君も知っているだろ?あーゆー物は社内で大事に保管されてさ、

    >「なかなか返ky

               「『ウソ』を吐くなァ!」

      ゴォウ!

『サトル』が吼える。
その両目は血走って、一直線に『三刀屋』を睨み付ける。

    「『三刀屋』さん。
     アンタ、『原稿』を持ってたよな?

     ――――『喫茶店』で、確かに持っていたよな?
     今は持ってないな。『鞄』に入れて、何処かに置いたのか?」

『執筆道具』の詰まった『鞄』は、カラオケルームに置いてある。
確かに、『三刀屋』は『原稿用紙』を持つ手を滑らせていたが、
それは『知覧』の機転と店主の『損害』によって、
『サトル』の目には映らなかったはずだ。

    「アンタの持ってる『原稿』を、
     こっちに寄こすだけなんだ」

    「『原稿』を寄こさなきゃあ、
     ――――俺は、俺は……」

『サトル』は作業の手を止め、机上から一枚の紙を取る。

766三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/11(土) 01:37:23
>>765
「ハハハ・・・少し冷静になってくれよ、我孫子くん」
(この反応・・・・さっきの喫茶店の時にもしかしてチラッとみられたのかな
 だとすると・・・・下手にすっとぼけるのは逆に危険か)

突然の剣幕に内心ビビるが、この程度の『逆ギレ』に動じる程『やわ』ではない
過去に経験した『マジでヤベェ漫画家達』とのやりとりを脳裏に思い起こし、勇気を得る


「確かに僕は今日『原稿』を持ってきてしまったよ、コンプライアンス違反を犯してね
こーゆーのがバレると凄く厄介な事になるから黙ってたんだけどねぇ」

ここは認めよう
自分がコンプライアンス違反を犯すような不良編集者である事は彼も知っている
ただし・・・・・

「でもさ、『保管した原稿の持ち出し』程度ならバレなきゃなかった事に出来るけど
『保管した原稿の改竄』は・・・・ちょっとバレずにやるのは『不可能』だよ」

『コンプライアンス』という言葉を盾にして、『原稿』を渡さない理由をでっちあげる
もし天に神がいて、三刀屋の行動を見つめていたとしたら「お前が言うな!」と言うであろう図々しさで


「だから冷静に・・・・・なんだい、その紙は?」

サトルの持つ紙を見つめる

767『It's dirty work』:2020/07/11(土) 23:55:41
>>766(三刀屋)
>「だから冷静に・・・・・なんだい、その紙は?」

   「『三刀屋』さん。理由を説明することは出来ないが、

    この世には『モバイルバッテリー』や、
    『スマートフォン』が急に『燃え上がる』ような、
    不幸な事故ってのが、時たま起こるじゃあないか」

『サトル』が手にした紙は、『漫画原稿』だ。
水没した『原稿』と瓜二つ、描き直したかのように『そっくり』な一枚。
その『枠線』が大きく『歪み』、

      ブワッ
               サァァァ〜〜〜〜ッッ!!!

まるで『ハチドリ』のように小さな『火の鳥』が、
一羽、二羽、――――合わせて『六羽』、原稿用紙から飛び出した。

    「きっと、そういう事故が、
     『三刀屋』さんの『鞄』にも起きると思う。

     ――――『ガソリンスタンド』には、
     まさか『鞄』を置いちゃあいないよね」

思い詰めたように、『サトル』が確認を取る。
飛び出した『スタンド』、『サトル』はその存在を教えぬまま、
『原稿』を焼却しようとしている――――

768三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 00:19:36
>>767
「へえ、まるでコピー機にかけたかのようにそっくりな『原稿』だね?
確かに凄い技術だって関心はするけどさ、そんな芸を見せられて心変わりするつもりは・・・」

>      ブワッ
>               サァァァ〜〜〜〜ッッ!!!


「な、何ィ―――――――ッ!?」

サトルの取った行動に驚愕する
同じような『能力』を持っていた事・・・・それだけではない
サトルが自分の『納得』のためなら『作品』すら焼く男だと気が付いたからだ

                 ・・・・
「それは・・・・・・その『能力』は・・・・『僕と同じ』・・・・!」

「彼を止めろ!『ブラック・アンド・ホワイト』ォォ!」

玄関に一歩踏み込み、そのままの勢いでスタンドだけを前進させる!
そのままの勢いでサトルが手にした『原稿』に手刀の『突き』を入れて破いてやりたい パス精CCB

「(彼の言動が何のブラフでもないなら、『描いた原稿』と同じ物を焼く『能力』か?
 ガソリンスタンドの心配をするところを見ると、宛先の状況は彼自身確認できない、はず
 まずはあの『スタンド』を止めないと!)」

本体は後ろ手で開いた玄関のドアを閉じようとする

769『It's dirty work』:2020/07/12(日) 20:44:03
>>768(三刀屋)

>「彼を止めろ!『ブラック・アンド・ホワイト』ォォ!」

    バシュゥゥ!!!

発現した『ブラック・アンド・ホワイト』。
その手刀が真っすぐ、『サトル』の手に持つ『原稿』へと伸びる。

       シュボッ!

触れた『手刀』が炎上し、右腕全体に燃え広がる。
『熱』も痛みも感じられない。だが、熱の入った『炭』のように、
右腕がボロボロと崩れていくのが解る。

―――――この『原稿』は、スタンド能力の保護下にある。

    「驚いたよ、『三刀屋』さん。
     アンタも『スタンド使い』、だったとは……」

心底の驚愕を、『サトル』は両目を開いて表現していた。
その間、『三刀屋』は後ろ手に玄関の扉を閉める。

    バタムッ
              ブワァァ――――

『火の鳥』は回れ右をし、開けっぱなしの『窓』から逃げようとする。
僅かではあるが、時間を稼げたのは間違いない。

     「俺のスタンドは、『トレース』を燃やす。
      たったそれだけだ。他の何も出来やしない」

     「だが、たったそれだけでいいんだ。
      多くは求めちゃあいない。俺がこの道で生きるには、

      『ニセモノ』は全部燃やし尽くす、灰からは『本物』だけが残る」


      クルッ
                 シュバッ

『サトル』は背を向け、窓から飛び降りる。
ここは『1階』だ。逃げるだけなら容易いだろう。
作業机、漫画、それだけが室内に残る。

770三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 21:08:20
>>769
質問です

・『火の鳥』はまだ室内にいますか?
・サトルが新たに描いた『原稿』は1枚だけですか?
・『火の鳥』の速さは目測でどの程度です?

771『It's dirty work』:2020/07/12(日) 21:51:55
>>770
>・『火の鳥』はまだ室内にいますか?
窓から外に出る直前です。

>・サトルが新たに描いた『原稿』は1枚だけですか?
一枚のみです。

>・『火の鳥』の速さは目測でどの程度です?
『スピード:B』です。

772三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 22:14:09
>>769
「フ・・・フフフ・・・いいねぇ、我孫子くん
その『決断力』、その『爆発力』、やはり君は次代を代表する漫画家になれる!
そして、もう一つ、僕にとってとても素晴らしいGood Newsがあったよ!

我孫子くん・・・・君の『技術力』はまったく同一の『原稿』をもう一つ作る事が出来る程卓越していた!
素晴らしい朗報だ、僕たちの未来を保証してくれるくらいに、ねぇ」

『火の鳥』の速さはかなり素早い・・・
『ブラック・アンド・ホワイト』で叩き落としにしても、必ず『何体か』は取り逃がしてしまうだろう
では・・・・・どうするか?

             ピッ

スマホを起動し、電話をかける
相手は現在も絶賛作業中であろう『知覧』だ

「あ〜〜、知覧くん、時間がないから簡潔に言わせてくれ・・・・我孫子くんは『スタンド使い』だった
そして、理由は詳しく語れないけど君の持っている『元原稿』を狙って『火の鳥のスタンド』を『6体』放った

それで頼みなんだが・・・・君の持っている元原稿と、トレス原稿の該当ページにベタで大きく『×』をつけてくれ!
該当するページは・・・・」


知覧に向けて、サトルが描いた該当ページに×を付けるように依頼する
サトルのスタンドが『自動追尾型』だとすればその条件は『同じ絵』であることの可能性が高い
まずは『同じ絵』をこの世から消す!

×を描くだけなら恐らく後でまた再度描くのも簡単なはず・・・

773『It's dirty work』:2020/07/12(日) 22:45:53
>>772(三刀屋)

    P R R r r . . .

         ピッ

   「で、オニオンリングとハンバーガー、
    オードブルセット盛り合わせで――――」

   「おっ、『三刀屋』さーん。
    こっちはバッチリよォー、2ページ目が仕上がるぜ」

デリバリーを注文していたであろう、
『知覧』が呑気な口振りで電話に出てきた。
あれからの時間を考えると、『2ページ』の完成は上々な進捗だ。

>「あ〜〜、知覧くん、時間がないから簡潔に言わせてくれ・・・・我孫子くんは『スタンド使い』だった
>そして、理由は詳しく語れないけど君の持っている『元原稿』を狙って『火の鳥のスタンド』を『6体』放った」

   「えっ、えええェェ〜〜〜〜〜ッッ!!

    ま、マジかよ。やべぇじぇねェか!!
    何、ここにいるってバレてるのかよ!?」

慌てふためく『知覧』だが、『三刀屋』の指示を聞く。

    「クッソぉー、折角仕上がったばっかりなのに!

     あーもー、おりゃあ!」

『知覧』は覚悟を決めて、大きく『×』を付けたようだ。

    「じゃ、じゃあ先に『3ページ目』を描きゃあいいのか?
     しっかし、なんで自分の描いた『原稿』を狙うんだよ。
     『火の鳥』って、要は『燃やす』ってことだろォォ〜〜〜〜ッッ」

    「なんかマズいモンでも描いてあるのかよぉ?」

       バッ

何かを蹴り上げるような音が聞こえる。
『自転車』のスタンド脚、『サトル』は自転車でスタンドを追うようだ。

774三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 23:01:50
>>773
「なんでせっかく描いた『原稿』を自分から燃やすか気になるかい?
僕にもまぁ〜〜〜〜ったくわからない でもさ、ときどきいるんだよねぇ
・・・・・・・そーいう『情熱』が溢れちゃったヤツがさぁ」

    バッ!

窓から外に出て『火の鳥』、そして『サトル』の様子を見る
『火の鳥』はまだ迷いなく行動しているだろうか?


「他のページも狙われてるかどうかわからないけどさ
とにかく、急いで他のページも仕上げてくれ! 時間内に終わらなかったら・・・・彼にバレるかもしれない!
自分の『原稿』を燃やそうとするクレイジーな男だ・・・・何をされるかわからんぞ」

『火の鳥』の様子が確認出来たら、サトルを走って追う
追いつくことは出来ないかもしれないが、出来るだけ長くサトル達の様子を観察するためだ

775『It's dirty work』:2020/07/12(日) 23:17:47
>>774(三刀屋)

    バッ!

飛び出した『三刀屋』は『サトル』を視線で追う。
『自転車』に乗ったサトルは、既に『10m』は離れている。
『火の鳥』達は依然として飛行を続けている。

>自分の『原稿』を燃やそうとするクレイジーな男だ・・・・何をされるかわからんぞ」

     「ひ、ひぇェ〜〜〜〜ッッ

      なんだってんだ、もー!」

既に『サトル』に走って追い付くことは出来ないだろう。
部屋の中には『作業机』と『漫画』の詰まれた『卓袱台』が置いてある。

776三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 23:23:17
>>775
「ダメだね、『射程距離外』だ・・・彼自身をどうこうするのは難しい
それにしても・・・・『火の鳥』がまだ飛び続けているのが気になるね
『同一の絵』であること以外にも何か・・・・・・見落としているものが・・・?」

部屋の中に戻り、『作業机』と『卓袱台』を見てみる
彼は直前まで何をしていたのだろうか・・・?

777『It's dirty work』:2020/07/12(日) 23:31:07
>>776(三刀屋)
既に追い付くことは難しいだろう。
物理的に『サトル』を止めるのは困難だ。

>『同一の絵』であること以外にも何か・・・・・・見落としているものが・・・?」

コピー機でも使わない限り、『同一の絵』を描くことは出来ない。
事実、『サトル』の原稿は元に比べれば『そっくり』というレベルだった。
単純な『絵』ではない、何か別の『トリガー』があるのは間違いなさそうだ。

まずは『作業机』に目を向ける。
祖父か父親と『狩猟』に行った時の写真が、
イノシシの牙と一緒に飾られている。

机には原稿用紙、Gペン、インク壺が並んでいる。
他にもスクリーントーンのファイル、雲形定規など、
漫画を描くための道具一式が並んでいる。

『卓袱台』に乗っているのは、漫画の単行本だ。
いずれも『サトル』が好きだと言っていた漫画ばかりだ。
どれもページの所々に真新しい『付箋』が貼られている。

778三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 23:38:54
>>777
「困ったねぇ・・・困ったねぇ・・・早く彼らを止めないと知覧くんが燃やされてしまう
彼のスタンドが『原稿』を狙うための『条件』を突き止めないと」

サトルが描いた『原稿』のページを思い起こす
どんな場面のページだっただろうか?

「これは・・・我孫子くんが好きな漫画だね
『付箋』が張られてる・・・何かの研究をしていたのかな?」

漫画を手に取り『付箋』のついたページを捲ってみる
彼は直前に何を参考にしていたのだろうか?

779『It's dirty work』:2020/07/13(月) 00:04:17
>>778(三刀屋)
『サトル』の掲げた『原稿』のページを思い起こす。
確か、『2ページ目』だ。

所謂、『終末モノ』と呼ばれる類のマンガだ。
主人公が狩猟をし、肉を食べながら世界を思う。
単純な内容だが、世界情勢の映し方、構図の妙、
狩猟者の独白する台詞、それらがアマチュアとは一線を画していた。

アバンギャルドな構図は、この『2ページ目』からも主張されている。
『三刀屋』は漫画を手に取り、付箋のページをそれぞれ捲っていく。

漫画自体に統一性はなく、ページの内容もバラバラだ。
だが、どれも奇抜なコマ割り、凝った構図、派手な描画、
とどのつまり、漫画家のセンスが炸裂しているページばかりだ。

780三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/13(月) 00:13:45
>>779
「よく読めているね、我孫子くん
漫画の『エッセンス』を捉えるのが上手い・・・勉強はちゃんとしているみたいだ
でも、これはあんまり関係なさそーだね」

付箋の漫画を元の位置に戻す

「さて・・・・あと怪しいのは彼の作業机だけど・・・」

作業机の上の道具を調べてみる
一般的に売られている(三刀屋が知覧に与えたような)道具以外に何かおかしなものはあるだろうか?

「そういえば我孫子くん、おじいさんとよく『山』に入ってたって言ってたね
うん、『経験』が生きてるなぁ」

781『It's dirty work』:2020/07/13(月) 00:37:59
>>780(三刀屋)
付箋の漫画を元の位置に戻す。

>「す、凄い・・・・やはり僕の見立てに狂いはなかった・・・彼は『天才』だッ!

>「僕は経験上、何人もの『漫画家』を見てきたが・・・・
>『彼の才能』はそれらのいかなるもブッちぎりで超越している・・・・取れるね、天下」

>僕が見る限り、あの作品は『完璧』・・・
>技術的には修正する必要がまったくないくらいサイコーな作品だと思ったけど?」

『三刀屋』は『サトル』の才能を信じている。
――――故に、『三刀屋』はそれに気付けなかった。

作業机の道具を見るが、怪しい点は見当たらない。

782三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/13(月) 00:44:37
>>781
質問ですが
『参考にした漫画』と『サトルの原稿』の構図やコマ割に似通った点はありますか?

783『It's dirty work』:2020/07/13(月) 00:49:57
>>782
>『参考にした漫画』と『サトルの原稿』の構図やコマ割に似通った点はありますか?

じっくりと見ないと解らない。

784三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/13(月) 17:47:30
>>781
「・・・・・・・・?」

ほんの少しだけ・・・些細な『違和感』があった
三刀屋は自分自身を『信用』していない・・・故に往々にして他者を『信用』しがちだ
(それは多くの場合自分自身の無責任さからくる『信用』なのだが)

もし・・・・それが根本的に間違えていたとすれば?
この騒動における一番の『悪』とは三刀屋自身だと思っていたが・・・

 ・・・     ・・・        ・・ 
『もしも』・・・・・・『サトル』にも何らかの『瑕疵』があったのだとすれば・・・・?


「まさか、ね? 彼は『完璧』で『最高』で『清廉』な『漫画家』さ
 そんな事はあるはずがない」

疑念を振り払うべく、もう一度『付箋のページ』と『サトルの原稿』の構図を確認していく
『サトルの原稿』はこの場にはないが、あの不思議な『道具屋』で何度も『トレス』している(結局はあきらめたが)
構図については何も見ずとも覚えているはず

785『It's dirty work』:2020/07/14(火) 20:52:56
>>784(三刀屋)
疑念を振り払うべく、
『三刀屋』は付箋の書かれたページを開く。

   パラ

┌──────────────────────────┐
│『三刀屋』が気付けなかったのは、無理もなかった。       .│
│それは決して、無責任な信頼感だけを指した訳ではない。   │
└──────────────────────────┘

           パララ

┌────────────────────────────┐
│作り手の意図的な『剽窃』、または意図せぬ『ネタ被り』を、       .│
│編集者が見付けられず、出版されてしまうケースは珍しくない。   │
│それは新人どころか、ベテランにだって起こり得る。           .│
└────────────────────────────┘

>「出版社の人間ならまだしも、彼は完全に部外者ではないのか?」
>静かな口調ではあるが、硬い口調からは少しずつ不信感が滲み出る。

『三刀屋』の思った通り、『サトル』の才能は完璧だった。
――――『完璧』だった。狩猟と解体で培った『観察眼』は、
線の強弱さえ反映した、完璧な『トレース』を『肉眼』で可能とした。

描画技術だけではない。コマ割りは『ツギハギ』を感じさせず、
異なる漫画の『構図』同士でさえ、淀みなく読ませる『センス』が光る。

『三刀屋』の脳裏に浮かぶ『原稿』の構図と、
『真新しい』付箋の貼られたページの構図は、奇妙なまでに一致する。

これが『剽窃』なのか、意図せぬ『ネタ被り』なのか、
それはまだ、『三刀屋』には解らない。

     ┌───────────────────┐
     │だが、この類稀なる『共通性』を、         .│
     │世間は決して見逃さないだろう――――     │
     └───────────────────┘


.

786三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/14(火) 22:53:18
>>785
    パラ・・


ページを捲るたびに『疑念』が『確信』へと変わってしまう
『疑念』を抱いているうちはガンガンと頭を打ち鳴らすような焦燥感だけがあった
『確信』に変わってからは胃に重いものが詰め込まれるような緊張感がそれに加わった


「参った・・・・ね・・・・・」

前提が変わる 今日の『サトル』の様子を思い返すと一つの筋が通ってしまう
サトルが何故『原稿』を燃やそうとするのか・・・・『理由』がわかってしまう

『初対面の知覧に対する不信感』・・・・当然だ
『原稿』を読む人間が増える程に『この事実』に気づく可能性が高くなる

恐らく、彼は気づいてしまったのだろう・・・いずれ誰かが『この事実』に気づいてしまう、と

>「サイテーだと思うよ、僕は
> パロディとか二次創作とか、そーいうのなら作品として昇華しているって思うけどさ
> 人が描いたのをパクるのはダメだよねぇ〜」

サトルに言ってしまったセリフが想起させられる
『三刀屋』は確かに・・・・『否定』してしまった

  ・・・・・・・・・・・
『 完全に否定してしまった 』のだ

「『罪悪感』・・・・・彼が今動いている理由はそれか?
だとしたら、僕が彼の行動を止める理由はあるのかな・・・?」

サトルを止めなければ、自動的に『原稿』は燃えて無くなるだろう
サトル自身も『この事実を含む原稿』が燃える事で満足する
諸々の罪を『なかったこと』にできるチャンスだ
『原稿を無くした罪』 『原稿を湖に落とした罪』 ――――『剽窃の罪』。
絶好の機会を不意にする理由がどこにある?


「・・・・・・・・・・・あるね
ここで全てが『なかったこと』になると・・・彼は『何も学ばない』
悪い事をして何かを得ようとして、バレそうになったからなかったことにする

それじゃあ・・・・いずれまたどこかで『同じように繰り返してしまう』!
『僕たち』は向かい合わなきゃあいけないみたいだね・・・・・・罪とその結果に」

そうと決めたからには行動を起こさなければならない!


「我孫子くんは言ってたね 『ニセモノ』を全て焼く、と
なら・・・・・『本物』が消えてしまったらどうなる?」

ビリリィィ―――――――ッ!

卓袱台の上に積まれた『参考漫画』たち
それらの『付箋がついたページ』を完膚なきまでに破り捨て、バラバラにする!

787『It's dirty works』:2020/07/14(火) 23:34:09
>>786(三刀屋)
『三刀屋』は『盗作』を真っ向から否定した。
『サトル』の原稿は勿論、『知覧』の原稿も『剽窃』に過ぎない。
双方を『なかったこと』にしてしまえば、それに越したことはない。

   ド

┌────────────────────┐
│しかし、『三刀屋路行』は許さない――――   .│  ド
└────────────────────┘

              ド

    ビリリィィ―――――――ッ!

決意を固めたかのように、『付箋』のページを破り捨てる。
何かが変化した様子はない。――――媒体は『漫画原稿』だ。
これらの参考資料に、スタンド能力は作用していないだろう。

引き千切ったページをバラバラにしようとした時、

    P r r r r . . .

『スマートフォン』が鳴り響く。
『知覧』が電話を掛けてきている。

788三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/14(火) 23:47:24
>>787
    ビリリィィ―――――――ッ!



               シ―――――――ン・・・・

「あ、あれぇ? せっかく気合い入れてかっこつけてみたけど、これも違うのかい?」

意を決して『ページ』を破り捨ててはみたが特に変わった様子はない
このままでは・・・・まずい 何か打開する手段が必要だが・・・

>    P r r r r . . .

「はい!もしもし、三刀屋です!
ごめんよ、知覧君! 『火の鳥』の進行をまだ止められてないんだ!」

知覧からの電話を取るや否や
開口一番に『ヤバイ』事を伝える

789『It's dirty works』:2020/07/15(水) 00:20:54
>>788(三刀屋)
>「はい!もしもし、三刀屋です!
>ごめんよ、知覧君! 『火の鳥』の進行をまだ止められてないんだ!」

    「やっ、やっぱりッ!」

    「もう、ドアの外に『一羽』いるんだよー。
     ドアを開けたり、燃やしたりするパワーはなさそうだが、

    ――――『サトル』君にドアを開けられたら、
    折角描いた『原稿』が台無しだぜェェ〜〜〜〜〜ッッ」

半ば『悲鳴』に近い声色で『知覧』は捲し立てる。
先行して『火の鳥』だけが到着したようだが、
この分だと『サトル』の到着は時間の問題だ。

手元には引き千切った漫画のページがある。
どれも『サトル』の『トレース元』となった漫画ばかりだ。

――――『サトル』の言う『ニセモノ』を追尾し、
『火の鳥』によって『焼却』させるのが『サトル』の狙いだ。

何を基準とした『ニセモノ』なのだろうか。
『知覧』がバツ印を付けても『追尾』が続く以上、
単純な『絵』そのものではないのは間違いない。

>『三刀屋』の脳裏に浮かぶ『原稿』の構図と、
>『真新しい』付箋の貼られたページの構図は、奇妙なまでに一致する。

790三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/15(水) 00:43:50
>>789
「不味いね、もう到着しているのか・・・」

知覧の狂騒から『ヤバイ』状況は伝わってくる
『火の鳥』を避ける方法・・・・『自動追尾』の条件を外す方法を考えなければ


「いいかい、知覧くん
詳しい話は後から伝えるけど、サトルくんは『ニセモノを燃やすスタンド』を使う
だからさ・・・・その原稿を『ニセモノではない新しい何か』にしないといけない」

脳裏に一つの『条件』が思い浮かぶ
奇妙なまでに似通った『構図』・・・ 『構図』? これか?


「『元原稿』と『キミの原稿』・・・・そう『例の2ページ目』だけどさ
『ホワイト(修正液)』を使って『描き直してくれ』 ・・・まったく別の構図、ポージングになるように
なぁに、君なら出来るさ 何せ・・・・我孫子くんの『手』を持っているのだからね」

サトルは・・・『剽窃』をしていたとしてもその技術力は確かだ
その『技術』があればこの程度の『即興』、どうにかしてくれるはず


「僕はぼくでちょっとこっちで頑張ってみるからさ」

     ズギュンッ!


サトルの作業机に座って『ブラック・アンド・ホワイト』を発現する・・・そして

「さぁて、『トレス』なら僕もそれなりに頑張れるからね
一丁、知覧くんを援護する『オトリ』でも作ってやろうじゃないか」

     カキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキ!


『問題の2ページ目』・・・それを
先ほど破り取った『参考文献』を参考にして自分でも似たような原稿を書いていく! パス精CCB

791『It's dirty works』:2020/07/15(水) 22:22:28
>>790(三刀屋)
「つまり、全く『別物』にすりゃあいいんだな。

 よっしゃ、さっさと鳥公を追っ払ってやるかー」

『知覧』は納得し、作業に取り掛かったようだ。
一方、『三刀屋』は破り取ったページを元に、
『オトリ』を作りはじめる。

あくまでも『構図』のみをトレースするのであれば、
『ネーム』程度の書き込みで事足りる。
そう、時間は掛からないだろう。

┌─────────────────────────────────────┐
│貴方は漫画家ではありませんが有効的な『コマ』の使い方を知らなければならない。   ..│
│何せ貴方は編集者、なんですから。                                .│
└─────────────────────────────────────┘

トレースに使用する『コマ割り』をしながら、
ふと、『道具屋』の言葉が脳裏を過ぎていった。
ある意味では、この展開を予言していたのだろうか――――

792三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/15(水) 22:31:25
>>791
「知覧くん、『火の鳥』はまだそこにいるかい?」

『別物』に変えた『原稿』と『トレースの囮』
考えられる妨害策はとりあえず打った・・・・後はこれがどう転ぶか

「それにしても・・・『コマ』の使い方にここまで頭を悩ませる事になるとはねぇ
事実は小説よりも・・・・いや、漫画よりも奇なりって感じだね」

『火の鳥』がこちらにやってくるかもしれない
周囲を警戒しながら、知覧の待つカラオケルームに戻ろうとする

793『It's dirty works』:2020/07/15(水) 23:28:21
>>792(三刀屋)

   シュババッ バッ

       ――――ボォゥ……

しばらくして、『三刀屋』は『構図』を切り終えた。
ふと、触れた『構図』が熱を持っているのが伝わって来る。
『囮』としてスタンド能力の対象になったのは、間違いないだろう。

   「ひ、引いてくぜ――――」

『知覧』がホッとしたかのように声を漏らした。
それを聞いてから、『三刀屋』はカラオケルームへと向かうべく、
来た道を真っすぐ戻っていく。

   バサァ
              バササァ

途中、『火の鳥』が『三刀屋』の頭上を通り過ぎ、
まっすぐに『アパート』へと戻っていくのが見えた。
『サトル』の自室に置きっぱなしの『トレース構図』を
追っていったのは、火を見るよりも明らかだった。

794三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/15(水) 23:37:53
>>793
「安心してくれよ、知覧くん
『火の鳥』は無事に無力化できたようだ、君はこのまま『原稿』を描いてくれ
もっとも・・・・・『必要はなくなった』かもしれないけどね」

無事に『火の鳥』による攻撃を防いだことにほっとしつつも
『電話』を続けながら歩き続ける

「知覧くん、巻き込まれた君にも聞く権利はあると思うから伝える
我孫子くんが何故こんな凶行に及んだか、そのあらましをね

彼は・・・・他人の漫画を参考にしていた、参考にし過ぎていたんだ
彼の部屋を漁ってみたらね、『構図の参考にした漫画』がいくつも出てきた
要するに『今の君と同じことをやっていた』という事だよ

僕は彼の行動の理由は『罪悪感』から来ていると思っている
だからこそ、僕たちは彼と話をしないといけない、そんな気がするんだ」

「巻き込んでしまって悪かったね、知覧くん」

795『It's dirty works』:2020/07/15(水) 23:55:13
>>794(三刀屋)
『三刀屋』は『サトル』がスタンドを使った理由について、
推察を交えながらも、ありのままに『知覧』へと説明した。

   「そ、そうか。……まあ、でもそうだよなー。

    十代にして『天才』なんて、
    なんか『裏』がある方が当たり前だよなー」

     ブツッ

何処か『やっかみ』も混じった感想が返ってきたが、
事態を理解したのか、『知覧』は通話を切った。

そして、小さな『児童公園』に横倒しになった自転車と、
遊具の前で途方に暮れたように立ち尽くす、『サトル』の姿があった。

    「待ってたよ。……『三刀屋』さん。

     ――――『バーニング・エアラインズ』。
     俺のスタンド能力が解ったってことは、
     ……俺のしたことも、解ったってことか……」

『バーニング・エアラインズ』を誘導した以上、
原稿の『トレース』を新たに複製したのは明白だった。
それは即ち、『トレース』の元を発見したということに他ならない。

    「俺は、ずっと『本物』になりたかった。
     ボロいアパートに漫画道具だけ持ち込んで、
     学校に通いながらも、ずっと執筆に熱中していった」

    「本物になりたいから、好きな漫画じゃあなくって、
     センスが光って唯一無二の漫画だけを集めていた」

    「本物になりたいから、わざわざ『狩猟』に同行して、
     狩った獲物を解体して、生命のリアリティを探求しようとした」

    「――――やればやるほど、本物から遠のいていった。
     そりゃあ、そうだよな。鳩やカラスは最初から飛べるのに、

     俺はずっと、鳥のマネをして『両腕』を振り回していただけだった」

   ポタ……

『サトル』は長身を項垂れて、やるせなさを吐露していく。

796三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/16(木) 00:58:15
>>795
「だとしても・・・・彼の『才能』は最高だ
それは『彼の技術』を使った君の方がよくわかっているはずだよ?
だからこそ、彼に直接会って話をしてくるよ」

      ブツッ

「『話をする』・・・・かぁ〜
どうしたもんだろうねぇー・・・ 僕自身、偉そうな事言える立場じゃないんだけどねぇ
ねぇ、その辺どう思う?知覧くん」

「切れてる」


ふと、倒れた自転車が見えた
サトルが乗っていた自転車によく似ている
首を振ると公園で項垂れるサトルの姿があった

「やあ、追いついたよ」

サトルの目の前に立つ 彼の表情は見えない
立ったまま 彼の独白を聞く


>俺はずっと、鳥のマネをして『両腕』を振り回していただけだった

「なるほど、ね
君は・・・・『ニセモノ』でい続ける事に耐えられなくなったのか」


サトルの本心の吐露
そんな彼を『正しい道に導くための言葉』を考え・・・・考えるのをやめた
そんな『おりこうさんの論理』はまったく性に合わない


「『本物は努力なんてしない』『ライオンが強いのはライオンだからだ』
そんなトートロジーめいた言葉はさぁ、僕、嫌いなんだよねぇ」

語り始める 自分自身の性格のように『でたらめででこぼこな言葉』を

「それじゃあさ、『学ぼうとすること』は悪なの?『鍛えること』はニセモノなの?
シーン・・・という擬音を最初に漫画に使い始めたのは、『漫画の神様』だといわれているけどさ、
『それ以降の漫画家』がそれを使う事は『ニセモノ』かい? いいや違う!」

「それらは『普遍化』したんだ!
『優れたもの』を皆が取り入れ、改良し、世の中に広めて、『当たり前のもの』として使うようになった
より面白い漫画を作ろうとした漫画家たちの情熱がその『流れ』を動かした」


「だから・・・・その・・・なんだ・・・・上手くは言えないけどさ
君が漫画を面白くするために、他の漫画を学んだこと自体は・・・・・・悪い事じゃないと思う
だって、君の『才能』はそうやって鍛えられたんだからさ」

797『It's dirty works』:2020/07/17(金) 00:21:43
>>796(三刀屋)
『サトル』の技術に間違いはなかった。
『三刀屋』の表現するところの『完璧』かつ『最高』の才能だ。

だが、それは『アーティスト』として飛翔するための『翼』ではなかった。
優れた『才能』が必ずしも、活躍できる場所が宛がわれるとは限らない。

それを理解した上で、『三刀屋』は半端に寄り添うことを止めた。
耳を傾けていた『サトル』はたどたどしい言葉達を最後まで聞き遂げ、

    「『三刀屋』さんさぁ、何が言いたいか解らないけど、
     ……俺はまだ、『漫画家』を目指していいんだよな」

      バサァ
                  バササァ

夕暮れの空を飛ぶ『火の鳥』達が、『サトル』の下へ集っていく。
スタンド能力を『解除』したのだろう。スタンドは己の傍で解除できる。

    「今回のは、丸パクリになってしまったが、
     俺はまた、描くよ。俺が『才能』に頼らないで、

     『才能』が俺に息づいて、『当たり前』になるまで、
     描いて描いて、……きっとそれが、俺の『オリジナル』になる」

798三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/17(金) 00:41:15
>>797
「うん! やっぱり慣れない事はやるもんじゃあないねぇ
人に何かを『伝える』というのはやっぱり難しい、君たちは当たり前のように使ってる技術だというのにね」

伝えたいことを伝えたいように言葉にする事の難しさ
久々に他人に『本気で』何かを伝えようとしたため、
思ったように言えたか自信はない


「我孫子くん、僕はさ、だからさ、君のその『技術』は本物の才能だと思ってるよ
バラバラの個性を繋ぎ合わせて作品を作ったのに、何の違和感もなく僕たちに『伝える』事が出来た
それは・・・・とても素晴らしい事だと思う

丸パクリはいけないけどさ・・・・そのくらいの欠点なら僕が支えられるよ
『ネタ出し』とか・・・・『超えちゃいけないセーフティラインの見極め』とかね
だからさ、作っていこうじゃないか、僕らで
また初めから・・・・・ね?」

一言一言、言いたい言葉を汲み上げながらサトルに伝えていく
そして、サトルの肩を ぽんっ と叩いた

799『It's dirty works』:2020/07/17(金) 21:20:38
>>798(三刀屋)
『三刀屋』は『サトル』の才能を素直に褒め、
その上で助力を申し出る。肩を叩き、彼への信頼を示すように。

    「ああ、……ありがとうな。『三刀屋』さん。
     また、一から付き合っちゃあくれない、ですか」

ぎこちない敬語を交え、『サトル』は協力を頼みこんだ。
漫画家と編集者。ビジネスである以上、その付き合い方は様々だ。
だが、たった今。二人は互いを認め合っている。

『三刀屋』は『サトル』の危うくも若々しい『才能』を。
『サトル』は己の才能に気付く程に強烈な、『三刀屋』の『執念』を。

    「それだったら、やっぱり『原稿』は描き直させてくれないか?
     トレースしたの俺から言うのはおかしなことだとは思うが、
     あの『漫画』が世に出たら、編集部だって困るはずだ」

    「――――ああ、いや。この件を編集部にしっかりと、
     説明をしなくっちゃあいけないから、虫のいい話だとは思っている」

    「どの道、あの『原稿』は、『破棄』しなくっちゃあならないよな。
     俺の手で、ってよりは、『三刀屋』さんが処分した方がいい」

そしてやはり、『サトル』は『原稿』の描き直しを再度申し出てきた。
『三刀屋』が天才と見込んだ『原稿』ではあるが、まだ『編集部』には提出していない。
コピーもデータ化も為されていない以上、他の編集者が見る余地もなかった。

    「おーい、ここにいたのかよー」

二人を探していたのか、『知覧』がノコノコと現れた。
手には『三刀屋』の鞄。そして、『原稿用の封筒』を持っている。

800三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/17(金) 22:45:26
>>799
「『編集部』には僕の方から説明しておくよ
君はほら、『新作』、書かないといけないだろう?」

『原稿』はまだ編集部に見せてないから・・・やろうと思えば握りつぶせるけど
ここでそんな事しちゃったら流石にダメすぎるなぁ、と思いつつ
サトルの信頼には応えてやらなきゃなぁ、と再度決意する

「(あれぇ? どうやら『いい感じの和解ムード』っぽい感じになってきたね
 この流れなら・・・・言っても怒られないんじゃない?)」

「あー・・・ゴホン、実は僕も君に『告白』しなきゃあならない事があるんだけどね
おっ?ちょうどいいところに来たね おーい!知覧くぅーん!」

「あー・・・まあ今となっては割とどうでもいいことかなぁって思うんだけどね
ちょっと君に謝りたい事があって・・・・こういう事なんだよ」

     バッ

言うや否や、知覧の持つ『封筒』をひったくり『中の原稿』をブチまける
そして、『よれよれになった原稿』を見つめて、言う

「実は僕・・・・君の原稿を湖に落としちゃったんだ、ごめんね」

801『It's dirty works』:2020/07/17(金) 22:56:34
>>800(三刀屋)
>「あー・・・ゴホン、実は僕も君に『告白』しなきゃあならない事があるんだけどね
>おっ?ちょうどいいところに来たね おーい!知覧くぅーん!」

『知覧』が近づいてくる。
手にした『原稿』を見る『サトル』の表情は強張ったが、
何故か『濡れた』後があるのを見つけると、不可解そうに眉を顰める。

    「なんか、心なしか濡れてないか?」

至極当然の疑問を口にする『サトル』だが、
中の原稿をぶちまけられると、その両目が丸くなる。

    「こ、これ……。ビショビショじゃねェか……」

>「実は僕・・・・君の原稿を湖に落としちゃったんだ、ごめんね」

    「そ、そーなんだよー。
     だから、俺のスタンド能力で、
     何とか『描き直そう』と思ってさー」

『知覧』が『三刀屋』の鞄から、
描き終わっていた原稿の一ページ目を取り出す。

    「と、トレースの再トレース!?

     し、しかし、なんだって『湖』に原稿を落とすんだ?
     まっすぐ『編集部』に届けるわけでもなく、――――『三刀屋』さん」

     ギロ・・・

『サトル』の双眸が怪しく光る。
その両目は二人を代わる代わる睨み付けている。

802三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/17(金) 23:13:38
>>801
「ハッハッハハ・・・」

「(あ、あれぇ〜? さっきまで結構いい感じの雰囲気だったのに
 なんだか雲行きが怪しくなってきたなぁ・・・どういう事だい?知覧くん)」

    ヒソヒソヒソヒソ

知覧と目配せをしながら、サトルの顔をちら〜と見る
ヤバイナー コワイナー 

「えー・・・ごほん、『マジでやばい原稿』だなーっと思って・・・・
開放感のあるところで読みたいなーって思っちゃって・・・・
『野外』で読んでました・・・・・ごめん」

「で、でもさぁ!おかげで知覧くんとも出会えたんだよ!
見てくれ!このとてつもなく精確な作画!
彼の能力で描いたものなんだけどさぁ・・・・この『技術』なら
将来、君のアシスタントとしてどうかなぁ!?」

サトルの目が怖い・・・・
言葉の勢いでごまかすためにメチャクチャにまくし立てる

803『It's dirty works』:2020/07/17(金) 23:27:08
>>802(三刀屋)
>「(あ、あれぇ〜〜? さっきまで結構いい感じの雰囲気だったのに
> なんだか雲行きが怪しくなってきたなぁ・・・どういう事だい?知覧くん)」

焦りによってチラつく視線を『知覧』に送るが、
当の本人も同じように冷や汗を掻いている。

トレースした『原稿』を提出したのは確かだが、
それが不当な扱いをされたのは、また別の話なのだろう。

>見てくれ!このとてつもなく精確な作画!
>彼の能力で描いたものなんだけどさぁ・・・・この『技術』なら
>将来、君のアシスタントとしてどうかなぁ!?」

    「『技術』どころか、俺の筆致そのままだな。
     なんだこれ? どーいう能力なんだ……?」

    「その、手袋をハメた方から、
     技術を丸コピするスタンド能力でして……」

    「ほう」

『モンキー・ビジネス』のスタンド能力を聞き付けた『サトル』は、
二人に近づき、その両肩を叩く。
                      . . .
    「将来と言わず、――――『今から』やろうじゃあないか。

     何故か、『原稿』を描く道具も揃ってるみたいだしなぁ。
     その手袋、俺にやったみたいに、『他人』にもハメられるんだろ?」

     ズギャッ
              ブワッサァァ――――

『サトル』は原稿の一枚を拾い、『バーニング・エアラインズ』を発現させる。
炎上した『火の鳥』は地面を滑空し、『知覧』の描いた『トレース』に突撃。
『トレース』は瞬く間に燃やし尽くされる。

    「俺の『パクリ癖』がなくなるまで、『原稿』を描き続ける。
     トレースかどうかは、『バーニング・エアラインズ』が判断する」

    「えぇー、ニートの俺が『労働』なんて……」

    「トレースした『構図』さえ修正できれば、あの原稿を提出できる。
     ――――どうした。『三刀屋』さんにも付き合ってもらうぜ。

     最終的には、アンタの『判断』が必要になるからな」

804三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/17(金) 23:48:17
>>803
「フ・・・・フッフフフ! 望むところだよ!
我孫子くんの欠点をしっかりと評価出来るのは僕しかいないからね
3人で最高の『漫画』を作ってやろうじゃあないか!」

聞くも間抜けなミステイクから生まれた今回の騒動だったけど
こんな風に終わりを迎えられるなら『ちょっと頑張ってみた』価値はあったなぁ
無責任でいい加減な僕だけどさ、少しはマシなところもあるみたいだね

心の中に爽やかな風を吹かせながら三刀屋はそう思う
ダメな大人の『汚い仕事ぶり』から生まれた騒動だったが
全力のぶつかり合いの中で、虚飾も汚濁も振り落とされ、『輝けるなにか』だけが残っていた

805『It's dirty works』:2020/07/18(土) 00:25:16
>>804(三刀屋)

    「え、ちょ、俺はそーいうのは」

    「いいから来てもらおうか」

すっかり『サトル』に顎で使われている『知覧』。
三人は連れ立って、ボロアパートへと閉じこもった。

    ・

    ・

    ・


    シュボォォッ!!


   「ダメだ! まだ一コマ、『トレース』してやがる……。
    『知覧』、描き直しだ。14ページ、スクリーントーン用意!」

   「だ、ダメだァ〜〜〜ッッ もう寝かせてくれェー!
    だいじょーぶだって! 1コマくらいパクったって――――」

   「休んでもいいが、絶対に寝るなよ。
    『手袋』さえあれば『三刀屋』さんがサポートできるが、
    『モンキー・ビジネス』を発現し続けてなくっちゃあならないからな」

   「う、うげェェ〜〜〜〜〜ッッ」

    ・

    ・

    ・

三日後、何処に出しても恥ずかしくない形で、
『サトル』の原稿は完成した。

この作品がどう評価されるかは『読者』次第だ。
今、『原稿』を手にした『三刀屋』に、その評判は予想できない。
編集長の肝入りで挑んだ企画がモノの見事に滑ることもあれば、
代原で乗せた読み切りが大反響を巻き起こすこともあるのが、この世界だ。

決して日の目を見ることのない、失敗の連続が生み出した事件。

         works
お互いの『 剽 窃 』によって起こった騒動は、こうして幕を閉じる。

    三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』 → 新たな『原稿』を編集部に提出。
         知覧『モンキー・ビジネス』 → 帰ってから泥のように眠った。
我孫子サトル『バーニング・エアラインズ』 → 自らの『才能』と向き合った。


   『It's dirty work "s"』 → そのどちらも『未完結』。

806『It's dirty works』:2020/07/18(土) 00:38:33
『漫画』から発現する『火の鳥』のヴィジョン。
おおよそ5〜6羽ほどの『群れ』で発現される。

『トレース』を『焼却』する能力。
発現した『漫画』と同じ『構図』を『第六感』で探知し、
『火の鳥』は『トレース』を追って飛翔する。

『トレース』を『3m以内』に収めた時点で、
『火の鳥』は激しく炎上し、『トレース』目掛けて突っ込み、
着弾した『原稿』は跡形もなく『焼却』されるだろう。

あくまでも『構図』自体を対象とするため、
コマ同士を切り合わせた『コラージュ』や、
下書きだけであっても、『追尾』の対象となる。

本体は『トレース』の才能に長けており、
無意識ながらも『構図』を真似ていることに気付いていた。
強烈な『自罰感情』を源にしたスタンド能力。

『バーニング・エアラインズ』
破壊力:E スピード:B 射程距離:A
持続力:C 精密動作性:C 成長性:A

807『星見町の終わらない夏』 〜ウインターじいさん編〜:2021/10/10(日) 19:47:55

―――『商店街』の片隅にある古ぼけた『おもちゃ屋』。

『昭和の時代』からありそうなその佇まい。
余計なお世話だが商売として成り立っているのだろうか。
店前には1mほどの『サンタ人形』がおいてあり、
外からでも『クリスマスの玩具』が置いてある事が分かる。
これは『三刀屋』達の働きのおかげか、
あるいは『ウインターじいさん』というくらいだから元からこうなのか。

そう、『三刀屋』は『百目鬼』を誘い、
『巨大クリスマスツリー』を出してもらいにおもちゃ屋の『店主』、
『ウインターじいさん』に会いに来たのだった。

 ………

             ガラァ――――ッ

『三刀屋』と『百目鬼』が店に入ると、レジに一人の老人の姿が見える。
サンタの恰好をし、ふわふわの『白い髭』を蓄えた老人。

「フォッフォッフォ、君が『三刀屋さん』かねェ?
 ようこそ、ようこそ! ワシが『ウインターじいさん』じゃあ!」

『ウインターじいさん』というより『サンタじいさん』と行った方がふさわしいか―――?
そしてレジの左隣には、しかめ面をして腕組みをするもう『一人の老人』が存在する………。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
※フィールドワークミッション『終わらない夏休み』絡みの単発イベントです。
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/445-449n
基本は『会話』となるため、参加者のレスを待たない形で進めます。
究極的には片方が『黙ったまま』でもイベントが終わる可能性がある事をご承知ください。

808百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/10(日) 20:21:13
>807

「こりゃあ『天然記念物』だね。
 懐かしいというか何というか……」

店の概観を見て、そんな感想を抱いた。
自分の幼少期には、まだ多かったが、
今の世の中で、こんな店が残っているとは驚きだ。
ともかく、三刀屋と共に『入店』した。

「――どうも、こんにちは」

(おやおや、また偉いのが出てきたもんだ)

「アタシは『百目鬼』で、こっちが『三刀屋』だよ」

(このじいさんに町を歩いてもらっても良さそうだねぇ)

現れた『ウインターじいさん』を前にして、
さすがに驚きを感じるが、表には出さない。
普段通りに挨拶し、会釈を送る。
まさしく『サンタ』のような風貌は、
『クリスマスの雰囲気作り』にも利用できそうだ。
だが、おそらくは店の仕事があるだろうし、無理は言えない。
客観的には、忙しそうには見えないが。

「ここで『クリスマスツリー』を管理しているって話を、
 耳にしたんだけどねえ」

先だって口を開いてから、三刀屋に視線を向ける。

809三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/10(日) 20:39:36
>>807-808

「こんにちわ。急な申し出にも関わらずご丁寧な対応をいただきありがとうございます」

趣のある店構えを見回し、この店の歴史に思いを馳せる
店前にどんっと置かれた『サンタ人形』に『クリスマス玩具』・・・・
『クリスマスツリー』が預けられたのはただの『お役目』というだけではなく、
店を持つ本人の趣味嗜好も関係しているのだろう・・・・

「僕がご連絡を入れました『三刀屋路行』です
 本日は『クリスマスツリー』の使用許可を願いたく参りましたが・・・・
 ところで、そちらにいらっしゃるお方は?」

『ウィンターじいさん』に挨拶を行った後、首をレジ横のご老人へと向ける

810『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/10(日) 21:35:15
>>808-809(百目鬼&三刀屋)

「フォッフォッフォッ。
 確かにワシが『クリスマス好き』な関係で、『クリスマスツリー』の管理もしておる。

 そして、最近、流行ってきてるじゃろう? 『クリスマス』。
 君達に言われずとも出そうと思って、
 つい先日の『商店街の会合』でもアピールしていたんじゃよ」

思わぬところに野生の味方がいたものだ。
『夏の魔物』が居れば、『冬好き』『クリスマス好き』もまた居る。
たとえば個人で『イルミネーション』を飾るような家も結構ある。
今更だが、そういう『冬好き』達を探して、
そこを着火点にするという方法もあったのかもしれない。

「フォッフォッフォッ じゃがのう………コイツが猛烈に反対しておっての。
 あ、コイツは何を隠そう、向かいの『定食屋』のジジイじゃ」

『ウィンターじいさん』が説明がてら老人を紹介する。
『定食屋の老人』は軽口を叩く『ウィンターじいさん』を睨んでいる。

「………こんなまだ暑い盛りによォ、
 『クリスマス』なんて、ちィと早すぎるんじゃあねェかァ?
 若い衆が何を考えているかは知らねェが―――」

『定食屋の老人』はそう言うと、今度は『三刀屋』と『百目鬼』を睨む。
確かに彼からしてみれば、二人は『若い衆』といえるか―――

「オレァ、反対だねッ! 『夏が好き』って事もあるし、
 コイツの『冬キチガイ』ぷりも前々から気に入らねェからなァ―――」

どうやらこの『定食屋の老人』が障害となっているようだ。

811三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/10(日) 22:12:56
>>810

「なるほど、『ウィンター』さんにとって今のこの『ブーム』は絶好の機会ですね
 僕もこの町の学生さん達と話す機会があったのですが、『クリスマスブーム』が確かに来ているみたいです
 せっかくの機会なので僕の会社でもクリスマスフェアをやっている所ですよ」

スマホの画面を見せて自社で行っているキャンペーンの画像を見せる
各漫画の『クリスマス回』が無料公開されている画面だ

「まあまあ、夏が好きというのもわかりますよ
 僕だって夏の暑い盛りには海で磯遊びをしますしねぇ」

嘘である
三刀屋は暑いのも寒いのも嫌いなので、真夏はたいてい空調の利いた室内にいる

「でもですねぇ、夏なのに冬っぽい事をするのもなかなか面白くはないですか?
 ほら、冬場なのにアイスを食べたりするようなもので・・・・」

「っと、話が逸れてしまいましたね
 それで『クリスマスツリー』を使わせていただく事は・・・・?」

812百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/10(日) 22:13:27
>>810

「こんにちは。さっき名乗ったから、
 自己紹介は省略させてもらうよ」

理由はどうあれ、『若い』と言われる事に悪い気はしない。

(おっと、今はそんな事を考えてる場合じゃあないか)

『冬キチガイ』というのは言い得て妙だ。
もし『冬の魔物』なんていうのがいたとしたら、
相当な『危険人物』になっていただろう。
『夏キチガイ』でなくて良かったという所か。

「まぁ、確かに『時期』には早いね。それは認めるよ」

「ただ――世の中で『クリスマス』が流行ってるんなら、
 それを取り入れる事は、
 商店街の『利益』に繋がらないものかねえ」

まず切り出すとしたら、この辺りだろう。
だが、自分が見る限り、この『定食屋のジジイ』は、
『計算』よりも『感情』で動くタイプに思える。
流行に流されず、気骨がありそうな所は尊敬に値するが、
今回ばかりは厄介だ。

(しかし、なんでこう『ジジイばっかり』に縁があるのかねぇ)

813『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/10(日) 22:47:51
>>811-812(三刀屋&百目鬼)
「『クリスマスツリー』は管理こそワシがやっておるが、
 『商店街』のものである事には間違いない。
 ワシもそうじゃが、そこのジジイも『商店街』ではそれなりの立場におるからの。
 コイツが拒否している以上、出すのは難しいのォ」

『三刀屋』の話に『ウィンターじいさん』は残念そうにそう答える。

「『利益』―――

            『利益』ねェ。

 ………

 そうなんだよなァ、オレも『商売人』だし『商店街』の一員だ。
 まァ、儲かるってンなら、『ツリー』くらい寛大な心で
  目を瞑ってやってもいいんだが………」

『定食屋の老人』は『利益』という言葉に強く反応する。
文字通り現金な話だが、『金銭』は『感情』に大きく影響を与えるものだ。
『定食屋の老人』の『冬嫌い』は強い信念というものではなく、
単純に『ウィンターじいさん』あたりへのやっかみなのかもしれない。
だが、途中で口ごもってしまったのはどういうわけか―――

「フォッ フォッ フォッ。
 コイツ、親の代からずゥっと同じ『定食メニュー』出してるもんだから、
 『クリスマス』だとか『冬』の『メニューの発案』なんて出来ないんじゃよ。
 ただし『市販の料理本』なんかに載っているメニューなんかはイヤだと来た。
 どうせやるなら『唯一のもの』をなんて一丁前に考えておるみたいなんじゃ。

 さっきは恰好よさげなタンカを切っておったが、
 つまるところ、この『ブーム』に乗れないってのが一番の反対理由ってことじゃの」

『ウィンターじいさん』が笑いながらそう告げる。
『定食屋の老人』は舌打ちをするが、反論はしない。
おそらく説得の過程ですでにこの話は出ていたのだろう。

『冬やクリスマスのメニュー』………
別にプロのレシピじゃなくても『料理上手』の
発案したものでもいけるのかもしれないが、
『三刀屋』や『百目鬼』にその知識があるのかどうか―――

「あ、後はついでじゃ。

 『商店街』の中には他にも、どうやって『クリスマス』に便乗すればいいか悩んでいる連中がおる。
 店内で扱う商品や飾りが余っておったり、何かアイディアがあれば
 分けてもらえれば、そういった連中に貸してやったり、教えてやったりも出来るんじゃが―――」

814百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/10(日) 23:11:31
>>813

「ははぁ、なるほど」

(詰まる所は『先立つ物』か)

いかにも筋金入りの頑固者という風情が漂っていたが、
思っていたよりも反応があったようだ。
意地を張るだけでは世の中は渡っていけない。
『定食屋の老人』も、その辺りは理解しているという事だろう。

(何だろうねぇ。嬉しいやら悲しいやら)

説得に骨を折る必要がないのは良かった。
だが、目の前の現実と向き合う老人の姿には、
何処となく物悲しさを覚えた。
もっとも、現実と向き合わなければならないのは、
こちらとしても同じ事だ。

「つまりは、『そこでしか味わえない冬らしい料理』を、
 どうにか捻り出せばいいって訳だ」

「参考までに聞きたいんだけど、
 アンタの『定食屋』は何ていう名前なんだい?」

『定食屋の老人』に尋ねながら、三刀屋に視線を向ける。

「『飾り』に関しては、学生達が色々やってるようだから、
 その辺りからでも調達できないかねえ」

815三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/11(月) 00:00:41
>>813-814

「なるほどねぇ・・・・」

店を営む者にとっては切実な願いだ
それだけにブームに乗れる者と乗れない者、商店街の中で格差が生まれてしまう

(商店街の分断はちょっと嫌な感じだからねぇ・・・・)

「うーん・・・・僕は自炊なんてほとんど出来ないし、料理については門外漢ですけど
『うなぎ』・・・・・なんてものはどうでしょうか?」

「『うなぎ』はこの町の名物ですし、
 定食屋を営んでいる方には釈迦に説法かとも思いますが、
 うなぎは夏の食べ物・・・・だと皆には思われていますが、実際の旬は『初冬』・・・・冬の食べ物です」

「その辺を町の人達にアピールすれば、『冬』らしい感じになりませんかねぇ?
『クリスマス』とはちょっと違いますけど、それも商店街の人情ある愛嬌って事で」

「他の方々に対しては・・・・どうしましょうか?」

816『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/11(月) 00:10:48
>>814(百目鬼)
「『さま食堂』ってンだよ。サマーってのが夏だろ?
 だからオレは『夏好き』で、この『冬キチ』と
 相性が悪いじゃあないかと思ってンだがね」

『定食屋の老人』がシシシと笑う。

「繁盛しそうな『献立』を考えてくれりゃあ、オレは文句ねェよ。
 『献立』つってもこう見えて『50年』ずっとメシ作ってきたんだ。
 そんなに細かくなくても『こういう感じのモン』って、
 アイディア言ってくれりゃあ後はサッと作ってやらあ」

『頭がコッチコチじゃから流行りそうなメニューなんて考えられんのじゃよ』
などと『ウィンターじいさん』が混ぜっ返す。

>>815(三刀屋)
そんな中、『三刀屋』が『うなぎ』を提案するが………

「フォッフォッフォ。うなぎは旬はともかく、
 やはり『夏』のイメージが強すぎないかの?
『クリスマス』ぽくないし………『冬』をアピールしてる間に
 『ブーム』が終わってしまいそうじゃ」

なぜか『ウィンターじいさん』の方から駄目だしを食らってしまった。

とりあえず『クリスマスツリー』のために「『冬のメニュー』が必須。
その他の物品などは、あれば結果的に『商店街』の
クリスマス化が強まる形となるというところか。

今すぐ解決できるのならそれでもいいが、
一度持ち帰って『知り合いたち』と相談してもいいのかもしれない。

817三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/11(月) 00:32:55
>>816

「うーん・・・・イメージが重要なら『ラッコ』をモチーフに使ってみるのはどうでしょう?
 ご存じでしょうか?今起きている『クリスマスブーム』
 その大本の一つはSNSでバズったこの画像にあるという事を」

三人に『Electric Canary Garden』公式アカウントの『ラッコ画像』を見せる

「『ラッコ』をイメージした見た目の料理を作ればSNS映えも狙えますし、
 折角のこの機会に乗らない手はないですよ」

「例えば、普通のハンバーグ定食の上に飾りの貝・・・この辺だと『あさり』が名物でしたよね
 それを乗せて、ニンジンとブロッコリー、それにポテトサラダを使って赤緑白でクリスマスカラーを作ってみるとか」

「メインはハンバーグ定食なのでさま食堂さんにとってもそれ程手間にはならないでしょうし
 ハッピーセットみたいに袋詰めしたおもちゃを配ったりすると
 お子様にも、子供にニンジンを食べさせたいお母さまにも喜ばれるんじゃあないでしょうか?」

「あるいは、おもちゃを配るというのは商店街の皆さんが公平にやれるキャンペーンかもしれませんねぇ
 『ウィンター』さんの店ならそういうアイテムがたくさんあるんじゃないですか?
 それを提携店に融通して配ってもらうとか・・・・」

818『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/11(月) 00:57:22
>>817(三刀屋)
「フォッフォッフォ、孫から聞いたのォ。
 『ラジオ』とか『いんたーねっと』で流行っているとか」

『クリスマスラッコブーム』について『ウィンターじいさん』は知っているようだ。

「『オモチャを配る』、なるほどのォ。
 ただ、どうせ配るんなら『サンタ』が配った方がよさそうじゃな。
 ワシが『サンタ』になって配ってもいいんじゃが………ウチの孫にバレちゃうからのォ。
 『サンタ』信じとるからの、ウチの孫」

『サンタ』を信じる頃合いの純真な孫が居るのだろう。
まあ、この祖父がいれば信じているのはむしろ当然か―――

 ………

「なるほどォ、『ハンバーグ』で『ラッコ』、ソイツが砕く『貝』を乗せるって寸法か。
 さすが若ェヤツのアイデアは一味ちがうね」

『さま食堂の老人』は早速、『三刀屋』のアイディアをメモし始める。
とりあえず一案………『老人』はもう少しアイディアが欲しそうな顔をしている。
確かにタマは多い方がいいか―――

819百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/11(月) 00:58:43
>>816-817

三刀屋のスマホを見て、『ラッコの画像』を確認する。
その存在は、どこだかで聞いた覚えがあった。
典型的な『便乗商法』ではあるものの、
だからこそ売れるかもしれない。

「『さま食堂』――――『名は体を表す』とは良く言ったもんだよ」

「『夏』と『冬』じゃあ、確かに『水』と『油』だね」

そうは言うが、ここまでのやり取りを見ている限り、
そこまで険悪という訳でもなさそうだ。
良きライバルといった所だろうか。
張り合いのある相手がいるのはいい事だ。

「『冬らしい献立』だと、ちょっと範囲が広すぎて難しいねぇ」

「『クリスマス』に絞ると……見た目だけでもいいなら、
 『クリスマスツリー』の形に盛り付けるとかさ」

真っ当な『冬らしさ』を出すには邪道な気もするが、
三刀屋の言うように、そういうのも一つの手段だろう。

「それを『冬らしい食材』でやれば、
 説得力が増すかもしれないよ」

820『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/11(月) 01:10:00
>>819(百目鬼)

「フォッフォッフォ。今来てるのは『クリスマスブーム』らしいから
 確かに、『クリスマス中心』のメニューがいいのかものう」

『ウィンターじいさん』が『百目鬼』に賛同する。

「形くらいは盛り付けられるが、『冬らしい食材』ねェ。
 ウチのメニューは年中一緒だからなァ」

料理人ならばその食材くらい自分でアイディアを出してほしいものだが、
『さま食堂の老人』は全てこちらにお任せにするつもりらしい。
二人で話し合って煮詰めてもいいし、
誰か、『料理が得意そうな』知り合いがいればそこに聞くのもいいか―――

821百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/11(月) 01:13:34
>>819

「いや……今『ブロッコリー』って言ったね」

「ブロッコリーを『クリスマスツリー』に見立てるってのはどうだい?
 多分、見た目のクリスマスらしさはあるんじゃないかねぇ」

「ブロッコリーを積み上げてツリーらしい形にしてさ。
 そこに飾り付けをする。
 要するにサラダの一種だよ」

「星型に切った野菜だとかチーズだとかベーコンだとか何でもいい。
 色んな色を取り入れて、出来るだけ派手にするんだ」

「ま――これだと『単品メニュー』になっちまうか」

822百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/11(月) 08:41:26
>>821

「あとは、適当なドレッシングを細く引いて、
 電飾の代わりにしてもいいね。
 マヨネーズでもケチャップでも、
 見栄えが良ければどんなものだっていいんだ。
 細かい部分は作る側に任せるよ」

823三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/11(月) 08:56:10
>>818-822

「おじいさん、おじいさん、お孫さんの事ならきっと大丈夫ですよ
 最近の子供は賢いですからねぇ、『サンタ』の事を信じていても、
 そうじゃない『商業用サンタ』がいるって事も受け入れてますよ」

クリスマスシーズンになれば街中にサンタ衣装の客引きが多く出回る
サンタを信じている子供達も、それら全てが本物だと信じているわけではないだろう

「なるほど、『クリスマスツリー』をイメージしたサラダ盛りですねぇ
 山盛りにしたサラダを皆でシェア出来る形式にしたら
 見た目が派手で映えそうですし、皆で盛り上がりますねぇ」

「ちょっとした一工夫で出来るものとしては『七面鳥』を意識してみるのはどうでしょう?
 普通の鳥の照り焼きやチキンステーキでも、添え物のポテトサラダを二段に積み重ねて雪だるまみたいにしたり、
 あとはクリスマスカラーのリボンやヒイラギの小枝を飾り物に使えば、
 意外とクリスマスっぽい感じになりますしねぇ」

824『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/11(月) 20:32:10
>>821-822(百目鬼&三刀屋)

「『ブロッコリー』を『クリスマスツリー』、
 ドレッシングが『電飾』―――
 なるほどねェ……ヤングな発想だな! それはよォ。

 あとは『七面鳥』ってのもシャレてるねェ―――
  色んな食材で『クリスマス』を再現してくってわけか。

   おお、段々、上手くいきそうな気がしてきたぞッ!」

『さま食堂の老人』の目が輝いてきた。
二人のアイディアはなかなか好評なようで、
この分だと意外とスムーズに『許可』が得られそうだ。

「まァ、『ニセモノのサンタ』………
 君がいう『商業用サンタ』が居るというのは
 さすがの孫も理解しているようじゃがの。
 それはそれとして『ホンモノのサンタ』がいると信じているようじゃ。
 まァ、ワシの孫じゃし、血筋と環境のタマモノかの」

 『ウィンターじいさん』はそういうとフォッフォッフォと笑う。

「そういえば、『クリスマスツリー』を飾るとして、いつがいいとかあるのかの?
 ワシはずっと出しておいてもいいんじゃが、
 メンテナンスもあるし、一番、効果的な時に出したいって意見も多いんじゃよ」

825三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/11(月) 20:43:38
>>824

「いいですねぇ!その調子ですよ!」

『さま食堂』の主人の語気をみる限り、どうやらなかなかに『その気』になってきているようだ
ご老人とはいえとても頭の柔らかい方で良かった、と三刀屋は思う

「ハハハ、『ホンモノのサンタ』ですか
 いや〜、僕も会えるものなら会ってみたいですねぇ・・・・でも」

ふと『ラジオ局の怪電波』を思い出す
ラジオ番組をジャックした『彼』なら・・・・あるいは・・・・・

「案外、会えるかもしれませんよ?本物に」

「・・・・っと、そうそう、『クリスマスツリー』を飾る日程ですね
 そうですね・・・・どうも『〇〇日(Xデーの日)』にイベント事が集中しているみたいですからねぇ
 その日の1週間前から当日にかけて飾るというのはいかがでしょうか?」

826『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/11(月) 23:48:42
>>825(三刀屋)
「『ホンモノ』に会えたらワシも嬉しいのォ〜〜〜。
 この恰好を見ればわかるとおり、『ファン』じゃからのォ〜〜」

『ウィンターじいさん』がまたもや笑う。
『さま食堂の老人』も熱心にメモをしている。

「〇〇日といえばもうすぐじゃのッ。コイツも納得してくれたようじゃし、
 じゃあ早速、『商店街』の他のヤツらにも掛け合ってこようかのッ!」

どうやら『巨大クリスマスツリーの設置』は上手くいくようだ。
『さま食堂』の新たなメニューや『商店街』の他の面子への融通などは、
後でこの『ウィンターじいさん』に伝えてもいいだろう―――

827三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/12(火) 00:13:24
>>826

「ハハハ、『ウィンター』さんも是非この日は外を出歩いてみてください
 もしかしたら・・・・何かが起こるかもしれませんよ」

スタンド使いがこれだけの人数動いているのだ
『サンタ』に限らず、何か面白い事が起きる可能性は高いだろう

「では、『ウィンター』さん、『さま食堂』さん
 真夏のクリスマスフェアを皆で盛り上げていきましょう」

『巨大クリスマスツリー』に関してはこれでなんとかなりそうだ
後の事は若い子達に任せて、見物に回るのも悪くはないだろう
そう思いながら、三刀屋はこの場を収めて帰路につこうとする

828『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/12(火) 00:43:54
>>827(三刀屋)
「フォッフォッフォ。何やら楽しみじゃのォ〜〜〜。
………ところで、さすがに『あだ名』ばかりで、
     名をなのらないのも失礼じゃな」

『ウィンターじいさん』はそう言うと、

「ワシの名は、『かつま たじみ』。
 漢字はホレ、そこに書いてあるじゃろ」

手近にあった帳簿のようなものを見せて、名乗って来る。
漢字で書けば、『勝間 多治三』という名のようだ。

 ………

つまりは『勝』が英語で『ウィン』、『たじみ』の『た』と合わせて『ウィンター』、
そしてうしろの『治三』で、『じいさん』という事か?
『ウィンターじいさん』―――思った以上に下らない『あだ名』だったようだ。

しかし、こんな名前を持っていれば『冬を愛してしまうのは必然』かもしれない。
『冬を愛するもの』と腹を割って話をし、その協力が得られれば『夏の魔物』を倒す一助になる。
………本人にその自覚はないのかもしれないが。

『百目鬼』の準備が整えば、『三刀屋』はここから出ていくだろう。

829百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/12(火) 23:51:20
>>823-828

「これにて一件落着。話が早くて助かったよ。
 商店街の利益が上がれば、地域の活性化にも繋がる。
 願わくば、町全体の景気が良くなる事を期待したい所だねぇ」

「準備の邪魔しちゃ悪いし、アタシらは引き上げるとするか。
 『クリスマスツリー』を出してくれる事に感謝するよ」

ここでするべき事は終わった。
二人の老人に礼を言って、踵を返す。
帰る途中、おもちゃ屋から十分に遠ざかったタイミングで、
三刀屋の肩を軽く叩く。

「アンタに言ってなかったね。実は――――」

自分は直接参加していないが、
知人の『小石川』が行おうとしている行動を伝えておく。
既に全容は決定しているらしいので、
三刀屋に協力を求める訳ではない。
だが、知らないよりは知っていた方がいいだろう。

830三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/13(水) 00:23:13
>>828

「え? 『WIN』と『た』だから『ウィンター』・・・・・?
 っぷ! ははははははは! お爺さんそれ凄く受けますねぇ!
 鉄板ネタで使えますよ! それ!」

思いの外大爆笑する三刀屋
そう・・・・彼もまた『昭和』の生まれであり・・・・『ウィンターじいさん』に近いセンスなのだ

>>829

「へぇ・・・『小石川さん』という方が動いているのですね
 流石に・・・今から参加するには遅すぎますけど・・・・成功を祈っていますよ」

言外に『自分は参加しない』というニュアンスを滲ませる
緊急事態とはいえ、『アロマ』を無許可でばら撒く作戦は法的にちょっと・・・な部分もある
それなりに社会的地位もある大人としては、そこまでのリスクを取るわけにはいかない、という打算もある

831『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/13(水) 02:16:31
>>829-830(百目鬼&三刀屋)

『百目鬼』と『三刀屋』は、自分たちの目標が
存外早く達成された事に安堵しながら『おもちゃ屋』を後にする。
それぞれの立場からそれぞれやれる事をやる。
その集合体がきっと、『クリスマス』を呼び寄せ、『夏の魔物』を倒すのだ―――


 ……… ……… ………


「………そういや、ウチの孫、まだ、『多三子ちゃん』とつきあっているのか?」

 二人が帰った後、『さま食堂の老人』、『佐間』が、
 『ウィンターじいさん』こと『勝間』に問いかける。

「………うんにゃ、孫がつきあうのは毎年『クリスマス』の時だけじゃからの………。
 『クリスマスの時に恋人がいるのって、いかにもクリスマスっぽいでしょ!』という理屈らしい。
 『クリスマス』の時だけ、付き合って別れて、をここ数年ずっと繰り返しているようじゃ。
 それに振り回される『応太くん』も可哀相じゃのォ〜〜〜」

「へえェェえ……… ろくでもねえ冬の『織姫と彦星』って感じだなァ。
 そんなのにつきあう『応太』も人がいいっていうか、情けねェっていうか」

「うちの孫はワシが名付け、ワシが育てた『冬のサラブレット』じゃからの。
 本当はサンタにちなんで『三多子』にしようと思ったんじゃが、さすがに、嫁に叱られての。
 逆さにして『多三子』という事でなんとか納得してもらったのじゃ。」

「別に『三番目の子』でもなんでもない一人っ子だってのに、それじゃあ歪むわなァ」

「近頃は『冬の女王』なんて名乗って、関わっている『文化祭』に
 密かに『冬』を忍ばせているとかなんとか。
 ワシはとんでもない『クリスマスモンスター』を生んでしまったのかもしれん。
 よくよく考えると、これは恐ろしい事じゃあ………」

「………まァ、今の『クリスマスムード』にはあってんじゃねえのかい?」

                                  ………

    ―――そんな二人の会話はしばらく続いた―――

832『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/06(土) 23:16:53
自分の命に付いた値段を考えない日はなかった。

それは仕事で、仕事だから、いつまでも頑張れて、
どこまでも我慢できるはずだと、そう信じていた。

そうして行くところまで行ってしまった自分のことを、
決して後悔してはいない。今を以ってなお、そう言い切れる。
 
ただ、それでも。

行き着いた先で、辿り着いた先で、ふと振り返ってしまった時の事を思い出すと、
腹の底になにか昏い気持ちが淀むのも確かだった。

あの夜の、まるで冴えない暗く青い月のような。
差し掛かった十字路で投げ掛けられた、群青色の声のような。

今でも思い出せる。
あの時の自分は、それがどんなに不吉な誘いだったのか気付けなかったけれど。
だからこそ、救いの言葉に似たそれを、信じてしまったのだと思う。
 
 
奴は短く挨拶を済ませて、慇懃に腰を折りやがった。
 
たっぷりと抑揚をつけて、淀みなく台詞を読み上げやがった。
 
互いの損得を、嘘偽りなく数字を交えて唱えやがった。
 
薄く笑って、その言葉を口にしやがった。
 
 
「おいで。助けてあげよう」
 
 
そう言って背後に佇む『それ』に、目を合わせやがった。

833『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/06(土) 23:17:55
 
【『平石基』】

【君に】

【頼みがある。時間がない】
 

土曜日の日中、『平石』の持つスマートフォンへ一通の『ショートメール』が入る。
発信元の電話番号は通知されているが差出人に心当たりはなく、
悪戯と切って捨ててもおかしくない文面だった。
 
  
【『スタンド使い』と見込んで、頼みがある】
 
【『10万円』】

【俺に出せる精一杯だ。使える『リソース』に限りがある】

【やる気が無いなら、それでいい。返信だけでも寄越してくれ。
 すぐにでも、他を当たらないとならない】

【倒してほしい奴がいる。取り戻してほしい物がある】
 
 
矢継ぎ早に送られる一方的なメッセージは、勿論信頼に足るものではない。
それでも、着信は続く。
 
 
【君のことを知るのに、良くない手段にも頼った】

【それが気になるなら、俺を殴りに来るだけでもいい】
 

『平石』の名と、その身に宿す『能力』について、知る者がどれだけいるだろう。
無下にすることでなんらかの『不利益』を蒙るかも知れない、と予感させるには十分な物言いだ。
 

【戦える『スタンド使い』を探してる】
 
 
細切れのメッセージから差出人の心情まで汲み取ることは難しい。
『平石』の性格と、スケジュールと、気の向きと……様々な要因で、どんな対応もあり得るだろう。
 
 
【俺は『更山 好晴』】
 
【弟の仇を、討てる『スタンド使い』を探してる】
 
 
(※『平石』はスタンド能力、容姿、所持品、現在地の開示をお願いします。)

834平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/07(日) 20:58:40
>>833
見知らぬ相手、意味不明なメッセージ、無視するべきか…

>【戦える『スタンド使い』を探してる】
 
>【俺は『更山 好晴』】
 
>【弟の仇を、討てる『スタンド使い』を探してる】

フリック入力。

【やってみよう】
【どこに行けばいい?】




体の所々が歯車で構成される人型のヴィジョン。
手から『歯車』を生み出す。
『歯車』を機械に差し込むと、機械は『歯車』という異物に反応する。

『キック・イン・ザ・ドア』
破壊力:B スピード:B  射程距離:E
持続力:C 精密動作性:C 成長性:D

能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/90


平石基:
身長189cm。スーツに革のトレンチコート着用。履物は同じく革製の登山ブーツ。
所持品は『スマートフォン』『財布(免許証と保険証とポイントカードが2枚と、1542円)』『煙草とライター』。
現在地は自宅(住宅地の隅っこにある安アパート)。

835『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/09(火) 23:29:24
>>834
 
【話が早くて助かる】
 
続く着信。
間隔は短く、確認したそばから次のメッセージが表示される。

【地図情報を送るから、それを頼りに来てくれりゃいい】
 
併せて送られるURLの先を見れば、そこには町内のとある建物が示されていた。

『城址学区』の北部に位置するその建物に、平石は心当たりがあるだろうか。
特徴的なクリーム色の外壁をした、八階建のその建物に。
 
【『受付』で、『更山』の名前を出して貰えばすぐだ】
 
『アポロン・クリニックセンター』。
町内屈指の総合病院で、メッセージの主が待っている。

836平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/09(火) 23:43:40
>>835
地図を確認してから、フリック入力。

【総合病院。わかった】
【読みかたはサラヤマさんでいいか。間違ってたら悪い】

アポロン・クリニックセンター。世話になったことはない。
以前ケガをしたときは、近所の適当な…ナントカ医院で湿布をもらっただけだ。
ほかで医療機関に用があるというのも、せいぜい歯医者くらい。

「……まあ」

仕事が続いていれば『健康診断』くらい行く機会はあったかもしれない。
今までなかったことを考えても仕方がないし、『治療』とは真逆の目的のためなら、猶更だ。

「行くか。おっと」

その前に、と買い物袋の中身を冷蔵庫に放り込み、コートを脱ぐ間もなくドアを開けて、出かけるとしよう。
行先はもちろん、『アポロン・クリニックセンター』。

(移動手段は『原付』としたいがよろしいでしょうか?)

837『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/10(水) 00:17:28
>>836

>【読みかたはサラヤマさんでいいか。間違ってたら悪い】

【ああ、そう。『サラヤマ』だ】
 
【自分の名前って、相手も読めるモンだと思っちまうから、参るよな】
 
【面会が20時まで……いや、土曜は18時までだったか。
 それまでには、頼むぜ】
 
現在時刻は13時を少し回ったところで、
どんなに寄り道をしたところで面会時間には十分間に合うだろう。
 
心当たりのない病院だったところで既に地図は手中にあり、
ましてや地域でもそれなりに存在感のある『総合病院』だ。
近くまで行けば『案内板』の類いも出ている。
 
『原付』での移動であればそれほどの時間をかけることもなく、指定の場所へ着くはずだ。

道中で特別の用事がなければ、程なくして『アポロン・クリニックセンター』へと到着することになる。

838平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/10(水) 00:37:16
>>837
「…」

ビィー(走行音

「……」

   カッチ カッチ  ブルルン(ウィンカー、一速のまま右折

「………」

 キ    カチャ(停車。

キーを抜き、周りと地図とを確認。天をあおぐ。

「……来た事あるな」

『ナントカ医院』じゃなかった。あれっ……? 「こんなデカい病院だったっけ」

ついでに頭の検査もしてもらったほうがいいのか、一瞬本気で考えた。
すぐに切り替えて、用事を済ませよう、と思った。
『受付』に出向き、『更山』の名前。これは覚えている。当然だ。

――とにかく、『受付』。

「すみません」「平石と申しますが」
「えー、『更山』さん…先生?…、『更山』という方にお会いしたいのですが…」

若干、ぎこちない感じになっている。

839『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/10(水) 01:03:51
>>838
 
慣れた調子で原付を駆り、トラブルなく目的地へと到着する『平石』。
オートバイ用の駐車場へ原付を停めると、見覚えのある『正面玄関』をくぐり『受付』へと向かう。
 

>「すみません」「平石と申しますが」
>「えー、『更山』さん…先生?…、『更山』という方にお会いしたいのですが…」
 
ぎこちないながらも端的に要件を伝える平石に対し、 
 

「『更山』……?」
 
 「あっ……ああ!」
 

受付の若い女性スタッフはやや怪訝そうな表情を見せつつ、
次の瞬間には合点が行ったように声を上げる。
 
「『平石様』ですね。うかがっております。
 右手奥のエレベータから『4階』まで──」
 
受付の女性が左手の指を揃えて指し示す先に、『エレベーターホール』があり、
大きく各階の案内図が掲示されている。
 
それに拠れば、『4階』に位置するのは『整形外科』。
 

「『403号室』の『病室』で、『更山様』がお待ちです」

840平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/10(水) 01:17:03
>>839
「4階、『403号室』ですね。わかりました。ありがとう」

復唱・確認。
了承と、お礼はスムーズに言えただろう。
まだまだ『社会復帰』は余裕というわけだ…

「(病院。陰気なイメージがあるが、あれは昔の映画とかの印象が強いのかな)」
「(全然明るいっていうか。映画より記憶かな。小さい頃は、薄暗ーくてイヤな場所だった)」

今時の小さな子供は、少なくとも薄暗いというマイナスイメージからは解放されているのかもしれない。
そういうのはうらやましい気がする。時代の進歩というやつだ。
そういえば最近は、歯医者に行っても大して痛いわけじゃないしな。科学の勝利だ。

「(おっと…独り言になってないよな。何か程よく静かだからか、色々思いつくな)」

エレベーターを待って、乗って、4階のボタンを押そう。
もちろん自分以外の人、とくに患者や医療関係者を最優先だ。
まあ、待ち人はいるが、ここは病院。健康な自分は一番あとだ。

841『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/10(水) 01:51:39
>>840
 
平石の言葉に、受付スタッフは小さくお辞儀で返す。
淀みのないお礼、違和感のないやり取りであったと、平石は確信する。
 
大規模な増築工事を経て建設された『新病棟』は、
平石の印象通りに明るく、清潔で、怪我や病を連想させることのない内装仕上げであった。
 
大規模な総合病院という性質上、
病室のドアを一枚隔てた先にはどれだけの重症患者がいるとも知れない建物ではあるのだが。
 
あるいはそれを、時代の進歩と呼ぶのかも知れない。
誰が傷付き病んでいるか知るとも知れない、そんな時代かも知れない。
 
 
平石が思いを巡らせる内にエレベーターは『4階』へと到着する。
エレベーターから出れば、向かって左が『401号室』。正面に『402号室』。

すぐ右手に、『403号室』の扉が見える。
 
幸いというのか、エレベーターホールから特に近いその病室に向かうのに、
他の患者や見舞客、病院スタッフとの接触はなさそうだ。
周囲へ気を遣いつつも、数歩で『403号室』の扉の前へたどり着ける。
 
 
と、『平石』がエレベーターを降りたそのタイミングで。
  
 
「やあ──はじめまして」
 
 
『403号室』の扉の、その内側から、声が響いた。

ハイトーンな、ともすれば女性のそれとも聴こえかねない調子だが、
一方で無理矢理に裏声を作っているかのような硬質な声音。
 
 
「『平石サン』──だろ」

842平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/10(水) 02:08:15
>>841
「…――はじめまして。ああ、『平石基(ヒライシ ハジメ)』だ」

正直なところ、面食らった。わかるものだろうか。
顔も見ず、どころか、病室にいて、エレベーターから出てくるのが誰なのかを――

一歩ずつ、部屋に近づこう。

「あなたは『更山』さん、で間違いないかな。だったら部屋を間違えずに済んだってことだ」
「いや、誰かが『同性』の他人を呼んだのを、自分のことと勘違いして返事をしていたら恥ずかしいなと思ってね」

部屋の扉の前に立つ最後の一歩。
別に止められる理由は無いだろうが、一応。

「入ってもいいか?」

承諾は得ようと思った。OKなら、扉を開けて入室しよう。

843『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/10(水) 02:22:43
>>842

「ん?ああ……」
 
「あれで『ハジメ』と読むんだな。
 いや、俺も漢字が苦手ってコトは無いと思うんだが、人名となるとどうもね」
 
平石の言葉に対し、扉の向こうからはピントのズレた答えが返ってくる。
心中の驚きはもっともだ。
扉越しに相手を認識できるというのは、明らかに常識では有り得ない。
 
「ただ、そう──俺が『更山』で間違いないよ。
 恥をかくのは俺だけでいいんだ。君は何も間違っていない」
 

>「入ってもいいか?」


「どうぞ。
 それに、ようこそ、だ」

844『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/10(水) 02:36:49
>>842
 
平石が扉を開けたそこは、4人の入院患者を収容できる病室だった。
部屋の四隅にそれぞれ簡素なベッドと、仕切りとなるカーテンが配置されている。
 
しかしその4つのベッドに患者の姿は見当たらず、病室の中央には、
 
 
「こんにちは」
 
 
スチール製の椅子を、背もたれを入り口側に向けるように置き、
 
 
「改めて、俺が、『更山』だ」
 
 
椅子に腰掛け、その背もたれに体重を預けるように前傾になり、
 
 
「こんな……自分で言うのもおかしいが、『こんな誘い』に応じてくれて、
 君には本当に感謝してるんだ」
 
だらりと下げた両腕の先に『スマートフォン』を一台ずつ握り、
  
 
「『事情』があって、ここから一歩だって動くことのできないこの俺の代わりに」
  
 
室内にも関わらず、薄いオレンジ色のサングラスで顔を隠し、
 
 

「俺の『弟』の仇を討ってくれるんじゃないかっていう君に」
 
 
 
病室にも関わらず、『入院着』ではなく緩く胸元の開いた臙脂色のシャツに身を包んだ、
 
 
「俺は本当に、感謝しているんだ」
 
 
一人の、白い肌をした男が待ち構えていた。

845平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/10(水) 21:16:58
>>844
「こんにちは」

病室の真ん中。そこに座る男の風体。
最初は謎のメールの送り主で、ここの医療関係者かと思って、病室にいるなら患者のほうかと思い直したところなのに。
見て頭に浮かぶのは、結局、初めのイメージとあてはまる単語だ。

「ああ、こちらこそ、興味深いメールをありがとう。思った通り」
「怪しげなやつだな、『更山』さん」

できるだけ冗談めかして本心から声をかけながら、一歩入室。
扉は――閉めるべきだろうか。まあ、閉めるべきだ。
それに今、こちらから言うべきことはもう言った。
『用事があるのは彼の方だ』。

「(オレは『好奇心』で、やってみようと思いついただけだからな)」

服装や姿かたちではない、『動けない事情』と、『弟の仇討ち』。
『スタンド使い』が絡んでいるのは承知しているから、
『彼が何か話したり、促したりしないかぎり』、こちらからこれ以上話したり、動いたりすることもない。
立ったまま、一服しながら窓の外に目線を向けるように、そんなふうに『更山』を眺めていよう。

846『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/12(金) 20:59:30
>>845
 
>「こんにちは」
 
>「ああ、こちらこそ、興味深いメールをありがとう。思った通り」
>「怪しげなやつだな、『更山』さん」
 

「そう言ってもらえて、嬉しいぜ」

挨拶と、軽口に載せた本音を口にしながら『403号室』へ入り込む『平石』。
後ろ手に扉を閉めるその様子を、目の前の男はその言葉通り一歩たりとも動くことなく、
ただ見ていた。
 
「『怪しい』と──『興味を持って』もらわないとならなかったンだ。
 だってそうだろ?本来『10万』ぽっちで頼めるようなことじゃあない」
 
目の前の男は脱力したように椅子にもたれながら、口元に笑みを浮かべつつそう語る。
 
「『家族』の『カタキウチ』をお願いする金額じゃあ、ないもんな」
 
ヒヒヒ、と小さく上げるその声には僅かに自嘲の色が混じっているが、
それに平石が気付くかは当人次第と言ったところだろう。
  
 
「まあ、話は実際単純なンだ。
 ああ、立ち話もナンだし、その辺のベッドにでも腰掛けてくれよ。
 どうせ誰も使っちゃいないンだ」」
 
顔は平石の方へ向けたままその両手の指だけが忙しなく動き、
両手にそれぞれ握られた『スマートフォン』のディスプレイを撫でている。
 
「それでさ。ある『スタンド使い』をとっちめて、
 『弟』の『遺体』を──もう『遺骨』かな──を、取り返してきてくれよ」
 
「居場所も、どんなヤツかも分かってる。
 俺だって、できる限りのバックアップはする」
 
「君が『戦える』『スタンド使い』だって言うンなら、
 そう難しいコトじゃあないハズなンだ」 
  
恐らくはこれが『本題』で『核心』なのだろう。
それでも男はこれまでとまるで変わらぬ調子で、煙を吐き出すようにそう言ってみせた。 
 
「頼まれちゃ、くれないモンかね」

847平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/12(金) 23:56:12
>>846
一通り、『更山』の言葉を聞き終える。
煙草を取り出そうとして、やめた。病院の、しかも病室だからだ。喫煙室で吸うべきだ。
少なくともここじゃない。

「意外なことを言うんだな、更山さん」

だから深く息を吸って、それから長く息を吐いて、それから、
できるだけ落ち着いて、そう見えるように、何でもないことのように、思ったことを言う。

「頼まれるつもりでここにきた。オレはあなたに『面接』されるつもりだった。
 『弟さんのかたき討ち』なんて大事なことを頼むのに、オレが相応しいのかどうか、ってことをだ。
 まあ、だから、立ったままでいいよ。立つのは慣れてるし、何より好きだからね」

彼が動かない(動けない?)なら、ベッドに座ると、真正面で向かい合ってお話ができない。
それは大事なことだ、と平石基は考える。

「確かに、相手の居場所が分かっているのはたいへん結構なことだ、と思う。そのうえで、『難しいことじゃない』かどうか、だ。
 それはあなたが判断するべきことだと思うから、言っておく」

   ズ

『キック・イン・ザ・ドア』を、傍らに。はた目に見ても屈強な、『歯車』の意匠の人型スタンドだ。
できるだけカッコつけたしぐさにならないよう(平石なりに)気をつけて、その掌を示し、500円玉大の『歯車』を一枚、発現してみせる。

「名は『キック・イン・ザ・ドア』。『歯車を差し込んだ機械を、停止させる能力』だ」
「予め知ってくれていたら、余計なことだったかな。でも直接見てもらうのも大事だと思って。『面接』気分だから」

戦闘経験だとか、何人殺しただとか、そんなことも言うべきだろうか。あるいはすでに知っているだろうか。
いや、「(まあ、別に関係ないといえば無いよな。カーチェイスだのゾンビだの、あってもなくても、出来るやつは出来るから)」考えなくてもいい…。
金の話は実際興味もないし、突っ込んで話すことも無い。十万円。大きいが、貯金はまだあるわけだし。

「あなたの眼鏡にかなうなら、ぜひやらせてもらいたい、と思っている」

848『臨時商用特殊車輌運用会議』:2022/05/23(月) 22:00:59
>>847
 
>「意外なことを言うんだな、更山さん」

その言葉を聞いて、初めて『更山』は明確に動揺を示す。
勿論サングラスに覆われてその表情こそ隠されてはいるが、
それでも醸し出す雰囲気が大きく揺らいだことを、平石は感じ取れるだろう。

「意外、なのは俺の方だぜ、『平石サン』」

その言葉に嘘はないのだろう。『意外』というフレーズに相応しい狼狽具合だ。

「俺には支払える報酬が、『リソース』が……『10万円』ぽっちしかない。
 その上使える『時間』も『伝手』も殆どない。
 いいか?俺はそもそも、『選り好み』できるような『立場』じゃあない」

いっそ開き直ったように立て続けに言葉を吐き出す『更山』。
その台詞からは既に動揺は感じられず、代わりに僅かな自嘲の響きがあった。
 
「だから『ダメモト』って奴のつもりだったんだ。
 端金で俺の『お願い事』を聞いてくれる相手が、
 『スタンド使い』で──『戦えるスタンド使い』、で」

言いながら、その輪郭に重なるように姿を見せる『力のビジョン』。
全身が酷くひび割れた、恐らくは『飛行機』の意匠をイメージしたであろう人型の『像』。

「そんな君が『家族のかたき討ち』を『大事なこと』だと言ってくれたのが、すごく意外だ。
 俺は癇癪を起こして八つ当たりをしようとしているっていうのに、それを、そんな風に」

発現された『更山』の『スタンド』は、『更山』自身の顔面に手を伸ばし、
震える指でその両目を覆う『サングラス』を摘み上げる。

「そんな風に、言ってくれたことがとても嬉しい。
 君を見るのに眼鏡はナシだ。是非ともこちらから、よろしくお願いしたい」

レンズ越しでないそのグリーンの瞳を『平石』へ向け、どこか泣き出しそうな声でそう告げた。
同時に右手に持つ『スマートフォン』を僅かに持ち上げ、『平石』へと向ける。

「俺の『イルーシヴ・エデン』は動けない。
 もし本当に頼まれてくれるなら、この『スマートフォン』を受け取っちゃあ、くれないモンかね」
 
機械越しの握手が、恐らくこの場で契約の意味を持つのであろう。
そういう意思の宿った、言葉であった。

849平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2022/05/23(月) 22:15:17
>>848

「あぁ」

『事情』がある。誰にでも、ある。
自分のことや、他人のこと――家族、恋人、友だち、個人で、仕事で、その他諸々。
そういう、いろんなことに関わる『事情』がある。
大体のことは、普通に片付く。
諍いがあったり、愛しんだり、事務的だったり、情熱的だったりするんだろう。
そうした普通の手続きがあって、それで普通に終わっていく。大抵、そうだ。

 『スタンド使い』が『戦う』ことは、そうではない。

だから来た。そう、平石基はここでは言えない。
平石基にとって、その理由とこの感情は、完全に個人的だ。勝手だ。自分の都合だ。
他人の事情によってしか、今はまだ、理由をつけられないからだ。
だからこそ、とても大事なことだ。戦う理由と、その事情は、平石基にとって最も尊重するべきことだ。
それは、オレのものじゃ無い。

「大事なことだよ。お互いに」

少し本心が漏れる。口数が多い方でも無いつもりだが、余計なことは言い忘れない。
自嘲に見えぬよう気を付けて、笑い顔を向け、『更山』の目と、『イルーシヴ・エデン』を順に見て、

「だから、うん。頼まれた。じゃあ、借りるぞ」

『スマートフォン』を受け取ろう。

850『臨時商用特殊車輌運用会議』:2022/05/23(月) 23:21:05
>>849
 
「ヒヒ……」
 
『スマートフォン』を受け取る『平石』を見て、
どこか諦めたような寂しげな笑みを零す『更山』。

「契約成立だな。改めて宜しく、お願いするぜ。平石サン。
 その『スマートフォン』にはちょうど今回の『ターゲット』の、
 『公式サイト』の――」

 
『更山』が言うが早いか、『スマートフォン』の『スピーカー』から大音量で流れる『それ』は、

 
 ♪♪♪〜♪#〜♪♪♪

       ♪〜〜♪♪〜♪〜♭
     ♪♪#〜♪♪♭♪〜〜〜♪#♪〜〜〜♪♪


           ♪♪♪〜〜♪♭♪〜♪♪#♪〜〜〜♪♪♭♪♪


 ♪♪〜〜♪♪#♪♪〜〜♪♭♪♪


             ♪#♪♪〜〜♪♪〜〜〜♪♭♪


チープな音源でありながら、何かを鼓舞するような力強い曲調で流れる『それ』は、
 
「『社歌』のページを開いてたトコだ。
 つまり平石サンに相手して欲しいのは、 ある『企業』」
 
「────『スカイ・スパイス・スター』と名乗ってる。

 具体的には、そこの『取締役』を一人とっちめて、
 俺の『弟』の『遺骨』を取り戻してほしい」

言いながら一度顔を伏せ、体を震わせ、堪えきれない様子で笑い声を漏らす。

「フザけた会社だろ……今ドキ、モバイルサイトに『社歌』なんか載せるかね。
 舐めてんだよ、完璧に。なあ、平石サン」

「『協力者』がいるんだ。
 『標的』の居場所も、奴が一人でいるタイミングも、分かってる。
 マップはその『スマートフォン』に入ってるし、
 常に『スピーカーホン』で通話を繋いでおいてくれれば、こっちからもバックアップできる」

言いながら更山は左手のスマートホンのディスプレイを素早く撫でる。
殆ど同じタイミングで、平石の手の中のスマートホンが震え出す。
眼の前の更山からの『着信』だ。
 
「その『スマホ』は特別製だ。きっと平石サンの助けになる。
 俺はこう見えて結構、機械に強いお兄ちゃんなんだぜ。

 それを踏まえてここまででなンか……聞きたいことはあるかい」

851平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2022/05/23(月) 23:49:48
>>850
着信。通話状態。音量設定、胸ポケットに入れて、声が問題なく聞こえる程度。
マップはどれか、探して、開く。位置確認だ。スマートフォンは、触ってれば分かるように出来ている。
分からなければ訊く。
『協力者』や『タイミング』についても、『バックアップ』に含まれるという意味だろう――必要なことを。

「……分かった。更山さん。通話は繋いでおくよ。独り言が多いかもしれないが、気にしないでくれるとありがたい」
「『スカイ・スパイス・スター』か」

反復。聞き覚えのある社名だろうか。
つまり、その会社が、かたき討ちの、

その『取締役』が、仇なのか?と訊こうとしてしまって、開きかけた唇を少し舐める。
『バックアップ』。『居場所とタイミング』。『相手』。『目的』。『スタンド使いを呼んだ意味』。
十分だ。それ以上の『事情』は彼のものであってオレのじゃない。
笑っちまうほどの事は、なにも面白い事だけじゃない。

「確かに、今どき『社歌』は古くさいな」

だから軽口にした。

「それと、その『取締役』とやらの能力なんかは、分かっているのか?」

軽口だけだともったいないから、気になることも訊いておくことにした。

852『臨時商用特殊車輌運用会議』:2022/05/29(日) 10:40:36
>>851
 
受け取った『スマートフォン』の設定を手早く済ませる。
初めて触れる機種の上、見慣れない『インターフェース』ではあったが、
画面に並ぶアイコン等は既知のものと大差なく、直感的に操作が可能だ。
 
『マップ』のアイコンをタップすると見慣れた地域の地図が開いた。
『星見駅』の周辺を示す地図の、駅からさほど遠くない地点に『ピン』が打たれている。

「もし『イヤホン』の類いを……有線でも、無線でも、持ってるンなら、
 勿論繋いでくれてもイイんだぜ。
 いや、『俺の』を貸すのはお互いな、アレだろ?
 『新品』を用意できなかったのは、俺の手落ちッてトコではあるが」

「独り言だって、好きにしてくれて構わないんだぜ。
 俺は今回の件で平石サンの何を知ったところで決して口外しない……し、
 できない、からな」
 
「証明できるわけじゃあ、ないけれど」
 
平石の連絡先やそもそも『スタンド使い』であることを知った経緯など、
あまりに不可解な点の多いこの男の手を、それでも平石は取った形だ。
決してそれが信用に基づくものではないとしても。
 
「そう。『株式会社スカイ・スパイス・スター』。
 県内で何店舗か店を出してる『カレー屋』だよ。聞いたことあるか?
 時々駅前に『キッチンカー』を出して、『移動販売』みたいなマネもしてるらしい」
 
「フザけた歌を作るワリに、古い会社ッてワケでもない。
 ここ最近になって、SNSやらで宣伝するようになって多少伸びてるようだけどよ、
 『法人』としてはまったく、大した規模じゃあない」
 
平石がグルメ情報に詳しければ、ひょっとすると名前くらいは知っているかもしれないし、
実際に店舗に足を運んだこともあるかもしれない。
ただ、『街の誰もが知っている』という規模の人気店ということもなかった。

「この『株式会社』が俺の八つ当たりの相手だ。
 そこの取締役の──『瀬輿 星那(セゴシ セナ)』ッてのが、
 今日、これから、本社の事務所で一人になる。
 マップに印のある通り……ここしかないッてタイミングだ」

そこまで立て続けに口にして、白い肌をしたその男は一度言葉を切った。
 
  
「『車』の。 
 『自動車』の『スタンド』を使うと聞いている。
 詳しい『能力』までは分からない──アイツは、結局『それ』を使ったことがないそうだから」
 

「『株式会社スカイ・スパイス・スター』は、
 俺の死んだ弟の『スタンド』を使うと、聞いている」

853平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2022/05/29(日) 12:55:52
>>852
「イヤホンか…便利かもしれないな」

だが持っていない。無線のやつは、ハンズフリー通話ができる。それは知っている。
病院を出るときにでも、コンビニで探そう。(だいたい病院にはコンビニがあると思うが、許可をいただけるなら、調達しておきたい)
それに、何を知られたところで、だ。そんな大した秘密は無い。
しいて言えば『スタンド使い』ってことだが、それは既知だ。

「『キッチンカー』の『カレー屋』……」
「ああ。見たことがあるな。買ったことはないが」

『スカイ・スパイス・スター』で試しに検索してみると、確かにSNSは確認できた。
更新は止まっている。味や店そのものの評価なんかも、皆無だ。
なるほど、『大した規模じゃない』ことが分かった。

「本社の事務所」

「『車』のスタンド能力。…(縁があるな。車)」

つぶやくように復唱。『弟のスタンド』には反応しない。覚えておくだけだ。
それは、何度も繰り返すが平石基にとっては関係が無い。
『弟』と、その『スタンド』まで奪われて、八つ当たりだと自嘲しながら言う彼が、
無作為とはいえ平石基に声をかけ、面白そうだとその手を取ったこのオレが、
目の前に座る怪しい男に、更山好晴と名乗る彼に何か言うべきことがあるならば、
それは好意ではなく憐みでもなく、愚痴でもなく軽口でもなく、まして感謝や虚勢では無く、

「分かった。お互い、大して知った仲じゃないが」 「手は抜かないよ」

ただの事実であるべきだ。


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