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労働運動
1483
:
チバQ
:2017/06/06(火) 20:49:48
https://news.goo.ne.jp/article/dot/bizskills/dot-2017060200048.html
「休めないなら辞めます」イマドキ20代が余暇を優先する理由
06月05日 07:00AERA dot.
「休めないなら辞めます」イマドキ20代が余暇を優先する理由
リクルートスーツに身を包む就活生。仕事以外の充実を頭に巡らせながら、活動が続く (c)朝日新聞社
(AERA dot.)
いよいよ6月から、新卒採用の企業面接が解禁される。時代とともに若者が会社に求めることは変化している。どうやら今の若者は、休みを重視する「余暇ファースト」主義らしい。世代間の価値観のギャップが原因で、職場でハレーションが起きるのは世の常。彼らの行動の背景や本音を知ることから始めよう。
頼むから、出ないでくれ──。
都内の大学に通う、就職活動真っただ中の男子大学生、横山正さん(仮名・21歳)。ここ数日、夜11時以降は、一人暮らしのアパートの部屋から“志望企業”に電話をかけるのが日課になっている。汗ばむ手でスマホを握りしめ、祈るように番号を押す。だがワンコール鳴ったところで、願いは砕け散る。
「はい、○○(会社名)でございます」
相手の声を聞き、急いで電話を切った。
「ここも、ウソつきか……」
手帳に書いた志望リストの中から、電話に出た企業名にチェックを入れる。優先順位が落ちたことを示す印だ。日曜日に電話して電話に出た企業にも、同様のチェックをつけた。明日は友達と飲みに行った後、深夜に志望企業の電気が消えているかどうか直接見に行くつもり。こうして、入社後に残業を強いられないか、週末は本当に休めるのか、企業の実態を確かめているのだ。
そこまでする理由は、企業が採用募集時に公表する平均残業時間や有休消化率を「全く信用できないから」(横山さん)だという。
「現に残業ゼロをうたっているところでも、深夜や日曜日でもワンコールで電話に出る人がいて、背後で働く人がいる様子が伝わってきたこともある。先輩からも“会社が公表する数字なんて、お飾りみたいなものだ、信じるな”って言われてきました。いわば選考に進む前の“自己防衛”みたいなものです」
横山さんのような就活生は珍しくなく、20代の若者は給料より休みを重視する“余暇ファースト”傾向があるという。今年5月、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した、「2017年度新入社員意識調査アンケート結果」によると、新入社員が会社に望むこととして、今年度初めて「残業がない・休日が増える」が「給料が増える」を上回った。同社調査部研究員の土志田るり子さんは、「将来の不安が、休み重視の姿勢を後押ししている」と分析する。
「多くの企業で給料が上がりづらい状況が続く中、若者が入社後の先行きを不安視する傾向が強い。10年後の日本の状況を悲観的に見る若者も増えています」(土志田さん)
給与については現状維持がいいところで、むしろ悪くなる可能性さえあると、多くの若者は考えている。
「だからせめて、休みくらいはしっかりほしいという考えが広がっているのでしょう」(同)
働き方改革や過労死事件の影響もあり、企業側にも世の中の風潮をくみ取り、月平均の残業時間や有休消化率といった数字を積極開示する姿勢が暗黙のうちに求められているようだ。4月に都内で開催された就活フェアを訪れてみると、「残業ゼロ! アフター5はプライベートをしっかり楽しめます!」「有休消化率98パーセント! オンオフを区別したい貴方にぴったり!」など、各企業ブースは必死に「休めますアピール」をしていた。
就活の口コミサイト「みんなの就職活動日記」運営担当の福地茂樹さん(楽天)は、こう指摘する。
「ワーク・ライフ・バランスの重視とあわせ、上昇志向の薄れという特徴も見られる。今は“ジタハラ(時短ハラスメント)”が問題視されるほど、社会全体が“残業するな”モード。一連の流れを見てきた今年の就活生は特に、残業はしない、休みはしっかり取れて当然という意識のもと入社してきてもおかしくはありません」
学生優位の売り手市場が続く中、人材集めに奔走する採用担当者は、どう感じているのか。就活フェアの出展企業で、採用担当歴6年という男性社員(44)は、今年の学生は特に「どれだけ休めるか」を面と向かって聞く傾向が強いと話す。
「少し前までは、就活の場で志望企業相手にそんなことを聞くなんて考えられなかったことですが、全く悪びれずに尋ねる様子を目の当たりにすると、それだけ時代が変わったということでしょうか。売り手市場の今、優秀な人材を確保するためには“これだけ休める”アピールをせざるを得ない状況。企業としては、どれだけ休めるかだけで勝負しても仕方がないのではと思うのですが……」
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