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北極報道の検証と地球温暖化問題

1管理人:2008/11/16(日) 04:28:48 ID:YCT9Yzq60
今まで、こんなに北極が注目されたことがあるだろうか。
一ヶ月に何本もの北極に関する記事が出る。

もちろん、温暖化脅威論の文脈の中で、北極は語られるのだ。

いわく、
北極の氷が溶けたら、洪水になるかもしれない。
北極熊は絶滅の危機だ。
北極の気温は、異常高温だ。
北極の氷が史上初なくなるかもしれない。

報道と現実がずれていないだろうか?
報道に嘘が混じっていないか?
検証してみたいと思う。

2管理人:2008/11/16(日) 04:29:33 ID:YCT9Yzq60
一番初めに、北極報道の嘘に警鐘を鳴らしたのは、武田邦彦教授だと思う。*1
「北極の氷が解けても海面上昇は起こらない。アルキメデスの原理で明らか。
こんな嘘の報道が堂々とまかり通り、それにだまされるようでは、科学立国が危うい」
実は、私もだまされていた。北極の氷が溶けると、海面が上昇すると思っていた。

3管理人:2008/11/16(日) 04:30:40 ID:YCT9Yzq60
もう一人。北極報道によるミスリードに警鐘を鳴らし続けている人がいる。
赤祖父俊一氏。北極の権威。 曰く、

It is necessary to mention here another kind of “misleading” piece of information. It has been widely reported that sea ice in the Arctic Ocean would disappear in the summer of 2040.
It is a computer simulation result of one scientist based on a particular theory.
There are a number of other results that indicate that sea ice will remain until 2100 or after 2300.
However, news media report sensationally only the 2040 case, so that the public is informed only one side of the story. In a sense, such reporting is “misleading.”
http://people.iarc.uaf.edu/~sakasofu/misleading.php
(拙訳)
もう一つ「ミスリード」の例を挙げねばならない。「北極の氷は、2040年の夏に消滅する」という報道だ。これは、あちこちで報道されている。これは、ある一人の科学者のある特定の理論を基にしたコンピュータ シミュレーションの結果でしかない。複数の研究結果に目を通せば、北極の氷は、2100年または2300年まで残るというということが分かる。にもかかわらず、メディア報道は、2040年に氷がなくなるというケースのみをセンセーショナルに報じている。一般大衆は、一面的な情報のみを伝えられている。「ミスリード」である。

4管理人:2008/11/16(日) 04:31:20 ID:YCT9Yzq60
インターネットの時代になって、大手メディアの報道を検証することができるようになりました。
報道のさらに情報元を見て確かめることができます。
英文記事と日本語記事を比較して誤訳を指摘することができます。
科学的な生のデータを参照することもできます。
それらの検証作業を通じて見えてくるものは何でしょうか。

一緒に考えたいと思います。

5管理人:2008/11/16(日) 04:32:25 ID:YCT9Yzq60
【検証例1】
【北極の氷、今年の夏は消滅する可能性高いと 米研究者CNN】2008.06.28

地球温暖化の影響で北極の氷は今年の夏、9月までに消滅する可能性が非常に高いと、米国の研究者が警告した。 この夏の北極圏の氷を左右するのは今後数週間の天候次第で、氷が残るか消滅するかは五分五分の可能性だとしている。

米国立雪氷データセンターの研究者マーク・セリーズ博士によると、北極圏の氷はここ数年でどんどんと薄くなり、昨年の夏には観測史上、最も薄い状態になった。そのため、これまで流氷や氷山のため使えなかった北西航路が、砕氷船なしで航行可能になっていたという。また、数年前までは、夏に北極の氷が消滅するのは2050年から2100年ごろと考えられていた。最近では この予測が2030年ごろと見直されたが、現実にはこれを上回る速度で氷が減少していると指摘している。

過去数十年で北極の氷は徐々に減ってきているが、進行している急激な減少は周期的なものではなく、地球温暖化の影響が強いとしている。さらに、低温な気候が数年続けば、一時的に氷の量が回復することはあるかもしれないが、現在の状況が続けば、北極から氷が消滅することは避けられないという。

2008.06.28 Web posted at: 19:01 JST Updated - CNN/AP
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200806280021.html (リンク切れ)
http://news4vip.livedoor.biz/archives/51185865.html(転載保存のあるページ)

6管理人:2008/11/16(日) 04:33:51 ID:YCT9Yzq60
CNN英文元記事 June 27, 2008
North Pole could be ice-free this summer, scientists say

By Alan Duke
(CNN) -- The North Pole may be briefly ice-free by September as global warming melts away Arctic sea ice, according to scientists from the National Snow and Ice Data Center in Boulder, Colorado.
"We kind of have an informal betting pool going around in our center and that betting pool is 'does the North Pole melt out this summer?' and it may well," said the center's senior research scientist, Mark Serreze.
It's a 50-50 bet that the thin Arctic sea ice, which was frozen in autumn, will completely melt away at the geographic North Pole, Serreze said.
(後略)
http://edition.cnn.com/2008/WORLD/weather/06/27/north.pole.melting/index.html

7管理人:2008/11/16(日) 04:34:42 ID:YCT9Yzq60
1)比較
【日本語記事】地球温暖化の影響で北極の氷は今年の夏、9月までに消滅する可能性が非常に高いと、米国の研究者が警告した。この夏の北極圏の氷を左右するのは今後数週間の天候次第で、氷が残るか消滅するかは五分五分の可能性だとしている。

【英文】The North Pole may be briefly ice-free by September as global warming melts away Arctic sea ice, according to scientists from the National Snow and Ice Data Center in Boulder, Colorado.
"We kind of have an informal betting pool going around in our center and that betting pool is 'does the North Pole melt out this summer?' and it may well," said the center's senior research scientist, Mark Serreze.It's a 50-50 bet that the thin Arctic sea ice, which was frozen in autumn, will completely melt away at the geographic North Pole, Serreze said.

【拙訳】米国のthe National Snow and Ice Data Center の科学者によると、地球温暖化の影響で北極点の氷が今年の夏9月までに、短期間溶けてなくなるかも知れない。
Mark Serreze上級研究員は以下のように語った。
「私たちは、センターで私的な賭けをやってるんです。」「北極点の氷がこの夏、消えるかどうかという賭けです。そして、その可能性はあります。」 「薄い極地の氷に関する五分五分の賭けなんです。極地の氷は秋に凍りますが、地図上の北極点にある氷が完全に溶けてなくなるかどうかということです。」

8管理人:2008/11/16(日) 04:35:17 ID:YCT9Yzq60
2)分析検討
(Ⅰ)重要な部分の誤訳、脱落、付加、すり替え。
A)「警告」(付加)
B)「消滅する可能性が非常に高い」(may beまたはit may wellを誤訳?)
C)「北極の」(北極点The North Pole を誤訳)
D)「9月までに消滅する」(9月までに短期間消滅する。brieflyの脱落)
E)「五分五分の可能性」(私的な賭け事のレートが科学的な確率のように扱われすりかえられている)
(Ⅱ)日本語記事自体としておかしい。
F)「五分五分の可能性」なのか、「可能性が非常に高い」のか?

9管理人:2008/11/16(日) 04:35:59 ID:YCT9Yzq60
3)誤報
例1)「地球温暖化の影響で北極の氷は今年の夏、9月までに消滅する可能性が非常に高いと、米国の研究者が警告した。」
★Mark Serreze上級研究員は、そのような警告を発していない。この件に関して彼の言ったことは、”it may well”。可能性があると訳すべき言葉である。
★地球温暖化の影響で【北極の氷】が、今年の夏、9月までに消滅する可能性は、ほぼゼロであったと推測される。今夏、北極の全ての氷がなくなるわけはない。【北極点の氷】がこの夏、短期間なくなる可能性ならあったかもしれない。記事は、北極点と北極の使い分けができておらず、読者に間違った情報を流している誤報である。

例2)「氷が残るか消滅するかは五分五分の可能性だとしている。」
★五分五分なのは、 私的な賭け事のレートであって、北極点の氷が溶ける確率ではない。


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