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鬼和尚の仏教購読会 別館
562
:
避難民のマジレスさん
:2019/05/23(木) 02:27:53 ID:LC3de7YgO
>>560
黄金の華の秘密
スワミ・アナンド・モンジュ訳
第十五話 かわず飛び込む水の音(つづき)
そして思考が消えると、静けさが訪れる。
その静けさのなかで、彼方なるものが地上に浸透してくる。
その静けさのなかで、未知なるものがあなたのなかへ降りてくる。
その静けさのなかで、神との出会いが起こり、
その静けさのなかで、感謝の祈り、祝福が湧き起こる。
その静けさのなかに、神の王国が出現する。
かわず飛び込む水の音 これがタオの言辞だ。
これがタオだ――素朴で、純粋で、まさにあらわだ。
この答えを聞いて、師はこのうえもなく喜んだ。
弟子がわが家に帰り着くと、 師はいつでも歓喜する。
師の喜びには限りがなく、まるで 自分が再び光明を得たかのようだ!
すでに欠けるところのない師の実存に、 さらに満ち足りたものが加えられる。
師につけ加えねばならないものは何もないが、 弟子が覚醒へと燃えあがり、炎
と化すたびに、 師はまるで自分が光明を得たかのように感じる。
師はこのうえもなく喜んだが、 まさにその師の喜びが機縁となって、 芭蕉は
光明を得た。
師の嬉しそうな顔を、 師が放つ喜びのオーラを、 師がうなずいて認めるさま
を――あるいは 何も言わずに、その静けさを天の恵みのように 弟子の上に注い
でくれるのを見て、 芭蕉は光明を得た!
なんとすばらしい光明の瞬間だろう!
これまで無数の人々が光明を得てきたが、 芭蕉のような仕方で光明を得た人
は これまでになかった。
師が喜んでいたので、まさにその 師の喜びが芭蕉の胸を剣のように貫いた。
花々が彼の上に降り注いだ。
師は微笑んでいたにちがいなちがいないからだ……
師は喜びと祝福に満ちた目で芭蕉を見つめていただろう、 きっとこれまで聴い
たこともないような音楽が聴こえていたにちがいない。
もしかすると、仏頂は踊りだすか、 それに類する気違いじみたことをやった
にちがいない。
弟子が光明を得る というのは些細なことではないからだ。
のちに、芭蕉はこの俳句を ダイヤモンドのように磨きあげていった。
彼は生涯をかけてそれを磨きあげていった ――なぜなら、これは希有な現象だ
からだ。
この小さな俳句……
古池やかわず飛び込む水の音
芭蕉自身の光明のプロセス を誘発したのはこれだった。
彼はそれをダイヤモンドのように磨きあげていった。
彼はそれをカットして、さらにもっと深みを加えていった。
彼は"古池"を加えた。
最初の句はこれだけだった……
かわず飛び込む水の音
のちに彼は"古池"をつけ加えた。
私の感じでは、古池が自分も加えて くれるようにと主張したにちがいない。
古池も加えられてしかるべきだった――
古池がなければ蛙もいなかっただろうし、その蛙が 飛び込むことも、水の音が
することもなかっただろう。
芭蕉は古池に多くのものを負っている。
彼はそれを加えた。
そこで俳句はこうなった……
古池やかわず飛び込む水の音
さらにそののち、彼は「水の」という言葉を落とした。
そうなると俳句は前のように完全な形ではなくなるが、
前よりももっと完成度の高いものになった。
それはこうだ……
古池やかわず飛び込む、音
それは前ほど完全な形ではなくなった が、より完成度の高いものになった。
より完成度の高いものになったということで、 私は何を言おうとしているのだ
ろう?
今やそれは成長しつつある現象になり、 ピリオドが打たれることはないとい
うことだ。
前のものには終止符が打たれ、仕上げがすんでいた。
それには何も加えることができなかった。
瞑想の機縁となるものは何も残されていなかった。
だが、"音"だけになると、扉が開かれてくる。
もはや終止符は打たれていない。
それはひとつの探求になる。
だから、それは完全な形は失った が、より完成度の高いものになった。
今やそれはまったく非の打ちどころがない。
成長しつつあるという意味において非の打ちどころがない。
今やそれは成長しつつある樹であり、予測することができない。
今やひとりひとりがそれに瞑想しなければならない。
そしてこれは芭蕉に従おうとする探求者 にとってすばらしい瞑想のひとつに
なった。
それは前よりもいちだんと美しいものになった。
いつも覚えておきなさい、 完全なもの、完全無欠なものは、何かを失ってし
まう ――それは死んだものになる。
優れた画家たちはみなこのことを知っている。
そして最も優れた絵というのは 少し未完のままで残されていて、 最後の一筆
は加えられていない。
最も優れた詩というのは 未完のままで残されている。
だから扉が開いたままになっており、 あなたはそのなかに入ってゆくことが
できる。
(´・(ェ)・`)
(つづく)
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