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鬼和尚の仏教購読会 別館
402
:
避難民のマジレスさん
:2019/03/21(木) 01:32:10 ID:LC3de7YgO
>>400
黄金の華の秘密
スワミ・アナンド・モンジュ訳
第十話 結晶する黄金の華(つづき)
より抜粋
ヴィシュヌは弟子に言った。
「私が無償で与えたものに行為で報いることほどむずかしいことはない」
――なぜだろう?なぜそれが一番むずかしいのだろう?
師は弟子がまだ夢のなかにいることを、まだ自我 エゴのなかにいることを知っているからだ。
実のところ、「お返しをしなければいけない。これほどたくさんのことをして
頂いた のだから、あなたに何かをし
てさしあげたい」という考えそのも
のが自我の思いだ。
弟子が自我を落としてしまったら、 誰が返礼するというのだろう?
いったい誰が? 「ありがとう」と言う者さえいるだろうか?
誰もいない。
完全な沈黙だけがある。
その完全な沈黙のなかで、師は顔をほころばせる。
弟子はこの完全な沈黙を通して感謝を表している。
ある男が仏陀のもとへ行った。
彼は人類のために何かをしたかった。
彼は大金持ちだった。
彼は仏陀に尋ねた。
「人類のために私にできる ことを教えてください。私にはたくさんの金があり
ます。子供もなく、 妻は死に、独り身ですから、何でもすることができます」
仏陀はとても悲しげな目で男を見つめて沈黙していた。
男は言った。
「なぜ黙っておられるのですか?なぜ話をしてくださらないのですか? あなた
はいつも慈悲について語っておられます。私には何でもする用意があります。
おっしゃってくだされば何でもします。大丈夫です――私には充分な金が あり
ますから!どんな仕事でも与えてくださればやり遂げます」
仏陀は言った。
「あなたが言っていることはわかるが、私は悲しいのだ。 あなたはものごとを
為すことができない。なぜなら、 あなたはまだ存在していないからだ。 何かを
為すことができるようになる前に、人は まず存在するようにならなければいけ
ない。 問題はどれだけ金をもっているかではなく、 あ な た 自身がいないこ
とにある!」
慈悲心という質は実存の影なのだが、その実存が欠けている。
自我エゴはけっして慈悲心をもつことができない。
自我は非情だ。慈悲のゲームを演じているときでさえ、自我は非情だ。
自我が消えてしまうと……ときには 自我のない人がとても非情に見えること
がある。
が、そうではない。
彼は非情ではありえない。
彼のその非情さですら深い慈悲にちがいない。
禅師が弟子の頭を棒で打つのは非情ではない。
それはとほうもない慈悲だ。
禅師が弟子に飛びかかって殴るのは非情ではない。
なぜなら、ときおり師の一撃によって、一瞬のうちに、 稲妻が闇を切り裂くよ
うに弟子が光明を得ることがあるからだ。
仏陀は言った。
「あなたには何もできない。 金があることは知っている。あなたのことは耳に
していた。だが、あなたを のぞき込んだとき、私はひどく悲しくなった。あな
たは何かをしたがっているが、 何かを為すことができる要素が欠けている。あ
なたは夢を見ることしかできない」
だからヴィシュヌは言う。
「私が無償で与えたものに行為で報いることほどむずかしいことはない」
ゲオルギー・グルジェフが弟子たちに言っていたのはそのことだ。
彼がP・D・ウスペンスキーに最初に言ったことはそれ、まさにそれだった。
ウスペンスキーは偉大な探求者、知識の探求者だった。
はじめてグルジェフに 会いに行ったとき、彼はすでに世界的に有名な数学者、
思想家だった。
彼が書いた 最も優れた本『テルティウム・オルガヌム』はすでに出版されてい
た。
それは類まれな本だ――著者がまだ覚醒していなかったという意味でもまれだ。
こんなに美しい作品をどうして書くことができたのだろう?
覚醒した人間にしか わからないような誤りが二、三あるが、ふつうの人間なら
まず気つ゛かない。
それはまるでブッダが書いたかのように、ほとんど完璧だ。
だが、ゲオルギー・グルジェフはその本に目を通すと、あちこちの 頁をぱらぱ
らとめくって、それを部屋の外へ投げ捨て、こう言った。
「まったくのたわごとだ! 君は何もわかっちゃいない! そもそも君はいな
いのだ。 その君にどうして知ることができるだろう? 人はまず存在しなければ
ならない。 そこではじめて人は知ることができるようになる」
ウスペンスキーは師マスターを探して東洋をくまなく旅した人物だった。
これは美しい物語であり、まるで寓話のようだ。
彼はインドを旅した。彼はセイロンやビルマへ行った。
彼は僧院やヒマラヤの洞窟で 暮らしたことがある。
(´・(ェ)・`)
(つづく)
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