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鬼和尚の仏教購読会 別館

188避難民のマジレスさん:2019/01/01(火) 01:15:29 ID:LC3de7YgO
>>185
黄金の華の秘密
スワミ・アナンド・モンジュ訳
 
第四話 光を輪のように巡らせる(つづき)
 より抜粋

聞いた話だが―昔あるところに優れた儒学者が住んでいた。
彼は八十歳に近い紳士であり、 その博学な知識と理解において、彼の右に出る
者はないと言われていた。
ところが彼の有する知識よりももっと深い、新しい教義が遠くで生まれた とい
う噂が広まった。
老齢の紳士はそれを黙認できなくなり 、この問題に黒か白か決着をつけなけれ
ばならないと思った。
老齢にもかかわらず、彼は長旅に出かけた。
数ヶ月もの厳しい 旅路を終えて目的地に着くと、彼は自己紹介をして来意を告げ
た。
主人は新しい禅の流派に属する師だったが、ただ次のような句 を引用した。
「悪しき行いを避け、あたうるかぎりの善を行なう。
これがあらゆる覚者ブッダたちの教えだ」
これを聞いた儒学者の老紳士はかっとなった。
「老齢の身に鞭を打ち、 生命の危険を冒してまで長く険しい旅をしてきたのに
、三歳の子供でも そらんじるようなささいな句を引用するだけとは!私を馬鹿
にしているのか?」
だが禅師は応えた。
「貴方を馬鹿にしているわけではありません。 確かに三歳の子供ですらこの句
を知っていますが、八十歳の老人でさ
え それを実行できないことに思いを
致してください!」
宗教が問題にするのは知ることではなく、それを生きることだ。
宗教とは生であり、それを生きないかぎり、 それが何であるのか何ひとつ知る
ことはできない。
そして宗教を生きるためには、哲学をすべて落とし、 実際に試してみることを
はじめなければならない。
人は実験室にならなければいけない。
科学者の実験室は外界にあるが、宗教的な人の実験室は その人自身の存在―そ
の人自身の肉体、その人の魂、その人の心だ。
科学者は実験の対象となる事物に精神を集中しなければならない。
科学者は目を開けて仕事をしなければならない。
宗教の仕事は目を閉じて行なわなければならない。
自分自身に精神を集中しなければならない。
(p121)
そしてそれは一筋縄ではゆかない。
というのも、宗教の世界では 実験する者と実験の対象が同じだからだ。
それゆえにそれは入り組んでいて、風変わりで、解釈しがたく、非論理的なも
のになる。
宗教の世界では知る者と知られるものは同じだ。
科学の世界では知る者は分離している。 知られるものは分離している。
ものごとは明確に分けられており、境界が定められている。
だが、宗教ではあらゆるものが融合し、互いに溶け合っている ―知る者ですら
分離したままではいられない。
宗教は知る者から 遊離した知識など与えない、知る者から遊離した体験など与
えない。
それが与えるのは知る者の本質エッセンスそのものだ。
(´・(ェ)・`)
(つづく)


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