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なぜエスペラントは普及しないのか?

25松戸彩苑:2008/01/20(日) 20:16:35
>>24
ベダウリンデさんがお読みになったのは、「エスペラントよろず相談室」の administranto
さんが投稿した「私が好きなザメンホフの演説」(投稿日:2008年1月13日(日)01時45分5
秒)に引用してある文章のことだと思います。

これは、1906年にジュネーブで行なわれた第2回世界エスペラント大会におけるザメン
ホフの演説の一部ですね。

この演説のこの箇所はひじょうに有名なものなんですけど、同時に、たいへんな誤解をさ
れてるものでもあるんですね。
いや、「誤解」と言うよりは、はっきり言って「意図的な曲解をされている」と言ったほうが正
解だったりします。

この部分の意味を正確に把握するには、この部分だけではなく、この部分の前後にある文
章をも読まないといけないんですが、「理念」が大好きな人たちは、意図的にこの部分だけ
をクリッピングして、あたかも自分たちのやってることが、ザメンホフの遺志を正しく受け継
いだものであるかのように主張してるんですね。
---

この演説の全文を邦訳したものが >>23 で紹介した『国際共通語の思想』という本に収録
されている(同書197〜211ページ)ので、できればそちらを読んでいただきたいんですが、
ここではザメンホフの真意をかんたんに紹介しておきましょう。

まず、「エスペラントを実用に使うこと」と「エスペラントを理念のために使うこと」というのが
問題になってるわけですが、これを次のように図式化します。

(1) 実用のみOKで、理念は禁止。

(2) 実用も理念もOK。

(3) 理念のみOKで、実用は禁止。

で、ザメンホフがこの演説で言ってるのは、(1)「実用のみOKで、理念は禁止」というのを
主張する人たちに対して「それは絶対に受け入れられない。(2)「両方OK」でなければなら
ないんだ」と反論しているだけなんですね。

ということで、ザメンホフは決して(3)「理念のみOKで、実用は禁止」などと言ってるわけで
はないのですが、先ほども申しましたように、理念が大好きな人たちは、演説の一部分だ
けを取り出して、ザメンホフがまるで(3)「理念のみOKで、実用は禁止」と言ったかのように
思わせようとしているわけですね。
---

それから、この部分でザメンホフが少々常軌を逸したように激しく激昂してるのにも、わけ
があります。

じつは、この演説がなされる何ヶ月か前に、ロシア各地でポグロムが発生して、ザメンホフ
の住んでいた町でも暴動が起こるんですね。

ロシアはそういう状態なのに、西ヨーロッパのエスペランティストたちは、そういったこととは
まったく無関係ですから「理念みたいなものは無いほうが良いよな」みたいに思う人がいた
らしいんですね。

ザメンホフは、それに激しく反対しているわけです。

そういった事情が判らないと、頭がおかしいのかと思ってしまうのでしょうが、けっしてそうで
はないのです。


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