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科学と疑似科学とを判別する(2)

107diamonds8888x:2021/08/02(月) 05:44:11 ID:Qix9q/lA
>>96,>>93 【4色問題】
 4色問題は地図の塗り分け問題です。地図は国の数を指標に分類できて、国の数が決まれば可能な地図の数も決まりますので、原理的には国の数が有限な地図のすべてでの4色問題の成否は虱潰しに調べられます。国の数が増えるほど、対応する地図の数も爆発的に増え、いわゆる組合せ論的爆発が起きますし、国の数が多い地図では、塗り分けできるか否かを調べる作業も困難さを増しますけれど。
 けれど塗り分けられたことは誰でも観測的に確認できるという、具体的な問題であることは間違いありません。ま、ここはKenさんも同意みたいですが。

 むろん数学者達はひとひとつの地図を調べるなんてことは実際にはしていません。もっと論理を使い、地図を性質別に区分して、「この区分の地図ならどんなに国の数が多くても塗り分けできない」という証明をしながら網を絞っていったのです。ただ、この区分の数が過去の多くの数学問題と比べて遥かに多くなり、コンピューターを使わないとできないような事態になりました。なので、「コンピューターを使ったステップを含む証明が真の証明と言えるのか?」という物議を醸したことでも有名です。

 さてここで例えば「百万個以下の国を含む地図については全て、塗り分けできないことが確認できたから、自然科学の問題なら十分だろう」と言えるかどうかです。

 例えば生物学では100匹程度のネズミでの実験結果でも、ネズミ全体に当てはまると考えて十分でしょう。いや実験テーマによっては、哺乳類全体、生物全体に当てはまるという予測さえ正当なものになります。その理由は、他のネズミも実験した100匹程度のネズミと似たようなものだということがわかっているからです。テーマ(細胞の機能とか)によっては動物全体でも似たようなものだということがわかっているからです。

 しかし地図の場合は、10個の国を含む地図と1万個の国を含む地図とでは、たぶんネズミと人間以上の違いがあります。まして、百万個以下の国を含む地図については全て塗り分けできないことが確認できたとしても、百万個✕百万個の国を含む地図では圧倒的な質の違いが生じる可能性が高いので証明にはなりません。

 地図の集合について帰納法が適用できないのは、地図の集合が似た者同士の集まりではないからであって、数学の問題だからではありません。生物学で言えば、ヒト以外の大部分の生物を調べて、「地球上には完全直立歩行(*)する生物は存在しえない」と結論するようなものですね。

(*)完全直立歩行:鳥や恐竜のように体は水平な形やペンギンのように膝を曲げているものは含めない。まあサルの中には含めてよさそうなのもいそうな気もしますが、専門的にはそうじゃないらしい。


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