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大中華世界的話題(その3)

605チバQ:2020/05/18(月) 11:42:30
 公平かつクリーンな政治を標榜し、市民を中心とした大衆主義の色が強い政策を多く打ち出すことで、ジョコ・ウィドド氏はまず地方政治において一躍その名を轟かせた。小さな港町ソロの市長からジャカルタ都知事にまで上り詰めた後、勢いはさらに増した。都知事就任後わずか2年で、2014年7月の大統領総選挙で華々しく勝利した。今もなおインドネシア政治の舞台で現役を続けている「新秩序」出身の政治家たちとは無縁のジョコ・ウィドド氏は、スハルトの右腕だったプラボウォ氏に圧勝を収めた。

■ まるでスハルト「新秩序」の続編

 ジョコ政権は、まず汚職撲滅の進展で成果を出し始めたように見えた。Transparency Internationalが公開したCorruption Perception Indexはジョコ・ウィドド氏が着任した2015年の36点(100点満点)と比較して、2018年には38点まで上昇。別の機関PERCが公開した同等指標においても、ゆるやかに汚職リスクのスコアを改善した。

 しかし、周辺国のフィリピンやマレーシアと比較すると、インドネシアの水準は劣位が続いている。

 ジョコ・ウィドド氏の大統領着任4年目の2018年は、汚職撲滅委員会(KPK)にとって苦難の絶えない1年だった。2月に国民議会(下院)はKPKを「国政調査権(Hak Angket)」の適用対象とした。これによって、およそ181億円に上る住民登録証の開発費用の横領を巡る調査が妨害されるようになったと専門家は指摘した。

 さらに、4月には同横領事件を巡る調査の最中に、KPKの捜査官の一人が酸を振りかけられて左眼を失明した。1年を経てようやく実行犯人の特定に至ったが、真相はいまだ不明のままだ。ジョコ・ウィドド大統領は、国民の期待とは裏腹に自身の公約である「汚職撲滅委員会(KPK)強化」を放置していた。

 言論の自由に関して言えば、ジョコ政権はかえって望ましくない方向に走っている。「新秩序」の勢力に乗っ取られるかのように、就任後早くも言論の自由を制限する兆しを見せた。

 ジョコ・ウィドド大統領は前大統領任期中に発効された「情報および電子商取引に関する 2008 年度法令第 11 号(UU ITE)」における「名誉棄損」に係る項目の削除案を却下した。この法律では名誉棄損の成立条件が曖昧なため、政府や大企業などによって恣意的に使われかねないと批判の声が殺到していた。

 実際に2020年3月までには少なくとも10人がジョコ・ウィドド大統領への侮辱的発言・行為を理由に逮捕された。その数は、民主化後の歴代政権の中でも最多だ。これを受け、インドネシアの民主の成熟度を測るフリーダムスコアは、「完全自由」から「部分的に自由」に降格。インドネシア中央統計局(BPS)が2017年に発表した民主スコアも72点から70点に下がったのだ。

 過去の人権問題の解決においても、進展は見られなかった。特にパプア州では、軍人による先住民への圧力が今もなお続いている。さらに、1998年の学生デモ隊への暴力や東ティモールでの人権問題に関わりを持つ容疑者を大臣に抜擢したことも、ジョコ政権に多くの疑問が持たれることにつながった。

■ 国民のさらなる懸念を招く3つの法案

 2019年の総選挙で再度出馬したプラボウォに勝ち、ジョコ・ウィドド氏の再選が決定されると、事態はさらに悪化。同年の8月から10月、ジャカルタを中心に数万人の大学生による反対運動が全国で勃発した。きっかけは、3つの問題法案だった。

 2019年9月、KPKの独立性をさらに脅かす「汚職撲滅機関に関する2019 年度法令第 19 号(UU KPK)」が可決された。発効後、特別機関だったKPKは行政機関として区分され、証拠の入手や聞き込みなどを含むあらゆる捜査行為は立法機関である国民議会(下院)への事前報告が義務付けられた。ジョコ・ウィドド大統領は可決を取り消す大統領令の発行を拒んだが、これまでのKPKと国民議会(下院)の対立関係に鑑みれば、賢明な決断とは言い難い。

 同年に国民議会(下院)が提出した新しい刑事法(UU KUHP)法案には、問題が多い項目が多く含まれるとして議論が紛糾した。同案には、大統領への侮辱行為が刑事罰の項目として明記された他、共産主義・社会主義等に関わる書籍の売買禁止や、中絶・婚前交渉の禁止など国民の自由を軽視する項目が含まれていた。

 そして同じく国民議会(下院)から提出されたサイバーセキュリティ法(UU Keamanan Siber)にも、国民は危機感を持った。これが可決されると、国家サイバー暗号庁「BSSN」が持つネットワーク監視の権利が強化され、政府は国民のインターネット情報を自由に閲覧する権利を手に入れることになる。

 ジョコ・ウィドド大統領はこれら法案の策定に関与していなかったと公言し、UU KUHPおよびUU Keamanan Siberへの署名を延期としたが、同内閣の法務・人権大臣が法案策定プロセスに関与していると報道されている。


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