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大中華世界的話題(その3)

507チバQ:2020/04/26(日) 00:38:00
 ◇民意を恐れる政権

 18年までは悪循環で何をやっても裏目に出ていた蔡政権。しかし19年の習氏の演説がターニングポイントとなり、好循環期に入った。陳時中氏や唐鳳氏ら今になって高く評価されている閣僚は、政権初期から内閣の一員だった。かつて批判の対象だった内閣が、今では称賛されている。

 陳建仁副総統も当初はあまり目立つ存在ではなかった。しかし、陳氏は台湾大感染症研究所長も務めた台湾有数の防疫専門家。02〜03年に大流行し台湾で37人が犠牲となった重症急性呼吸器症候群(SARS)問題では担当閣僚として現場を指揮した経験もあり、今回のコロナ対策で的確な助言をしている。

 陳其邁・行政院副院長(副首相)は18年11月の高雄市長選に敗れた後の19年1月、副院長に就任した。当時は「選挙で負けた人がなぜ政府の要職に就くのか」と激しい批判を浴びた。陳氏も台湾大で公衆衛生学の修士号を取得した感染症対策の専門家で、今では政権の好感度を上げる存在に変わった。蔡政権が感染症の拡大を予想してこの2人を要職に就けたわけではなく「偶然の適材適所」と言える。台湾のコロナ対策の成功は、こうした一連の好循環の延長線上にある。

 では、こうした好循環の要素を抜きにした、台湾の強さはどこにあるのか。歯切れの良い政治分析で知られる台湾大の張佑宗教授に話を聞きに行った。

 張教授は私の疑問に対し、こう指摘した。「台湾民衆はいつも政権を厳しく監視しているが、日本ではこの監視の力が弱い。だから安倍晋三首相は思いのままの政治を進めてきた。台湾人は政治はどうあるべきかを熱く語る人が多いが、日本人は政治と自分たちの生活は関係ないと考えている人が多いと私には見える」

 私は張教授の指摘に膝を打った。台湾でタクシーに乗れば運転手が政治談議を始めることは日常茶飯事だ。日本に比べ「政治が自分の生活を左右する」ととらえている人が多いと感じる。蔡政権が大敗した18年の統一地方選で投票所の取材をした際は、多くの有権者が私にこう言った。「今の政権に失望したら、私たちの1票で新しい人に代えればいいだけだ」

 20年1月に総統選と同時にあった立法委員(国会議員)選で、比例得票率は民進党34.0%、国民党33.4%で接戦だった。国民党は一定の支持基盤を維持している。政権の側は「失敗すれば政権を失うかもしれない」と民衆の目を恐れるため、民衆の生活や思いに必死で寄り添おうとし、政策の改善に生かす。陳時中氏が毎日、専門家と共に欠かさず記者会見を開き、記者の質問が途切れるまで答え続けるのも、民意重視の表れだろう。

 台湾ではデモが日常的に起きる。民意は揺れ動きやすく、政治はしばしば混乱する。だが、こうした有権者の政治に対する熱い視線こそが、民主主義を前に進めるエネルギーだろう。SNSでは「日本にも、台湾のように優秀な専門家の大臣がほしい」という嘆きをよく目にする。しかし参考にすべき点はむしろ、政治を動かす民衆のチェック能力だと思う。


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