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大中華世界的話題(その3)

3428OS5:2025/01/30(木) 11:42:50
■流行する「チープな観光」

観光地でスマートフォンを構え、思うままに写真撮影を楽しむ外国人の姿は、各地でおなじみとなった。人気漫画「スラムダンク」のアニメ版の聖地として知られるようになった鎌倉市腰越の江ノ島電鉄の踏切や、コンビニエンスストアの上に富士山がそびえたっているかのような写真が撮影できる山梨県富士河口湖町の「富士山ローソン」でも、観光客が交通の妨げになるなどの問題が多発。行政が対策に追われた。

オーバーツーリズム問題に詳しい城西国際大の佐滝剛弘教授(観光学)はこうした観光地がインスタグラムなどのSNSによって「写真映え」するスポットであるとして、「SNSの影響で全く予想外の場所にキャパを超えた多くの人が来てしまう。対策は対症療法になりがちだ」とする。

佐滝氏は問題の背景には「チープな観光」の流行があると指摘。「自分も(SNS上の写真と)同じ写真を撮りたいという動機でその土地に行き、住民と交流することもないまま写真を撮れたら満足してしまう人が多い。観光の在り方を根本から変えていかないと、同様の問題は場所を変えて続いていくだろう」と話す。

美瑛町の事例や江ノ島電鉄踏切のように、公道や私有地などと切り分けられず人員受け入れが難しい観光地での対策には一層の工夫が求められている。九州大アジア・オセアニア研究教育機構の田中俊徳准教授(環境政策)は、「情報通信技術(ICT)を活用し、情報を『与えない』という方法もある」と提言。田中氏によれば観光客の多くは地図アプリを活用して目的地に向かうため、混雑するバス路線をあえて表示させないよう地図アプリや検索サイトの運営会社に要請する手法があり、実際、スペイン・バルセロナなどで一定の効果を挙げているという。

■観光「嫌われ者に」 求められる地域社会との共存

オーバーツーリズムの弊害は地元住民らとのトラブルにとどまらない。観光客が押し寄せる京都市ではホテル進出ラッシュが進むことで地価が上昇し続け、子育て世代が離れている実態がある。昨年発表された女性1人が一生に出産する子供の数を示した「合計特殊出生率」(市区町村別)の5年間(平成30年〜令和4年)の全国平均下位10位の自治体を見ると、いずれも外資系ホテルが多い京都市東山区など同市内の3区が入っている。

昨年の訪日外国人旅行者数は約3687万人と発表され、旅行消費額は8兆円を超えた。政府は12年までに6千万人の観光客を呼び込む「観光立国」を目指すとしているが、佐滝氏は「数を増やすことを目的にせず、(観光が)地域住民の生活のプラスになっているかどうかを考えなければいけない」と話した。

田中氏も「現在のままでは観光が嫌われ者になりデモや反対運動に発展しかねない」と指摘。地域住民との軋轢(あつれき)を生まないためにも「観光の利益が市民に還元されていると実感してもらうための施策が必要」とし、その上で「観光振興ばかりでなく地域社会や環境を守ることにも真剣に取り組むべきだ」と強調した。(藤木祥平)


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