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大中華世界的話題(その3)

266チバQ:2019/12/16(月) 10:34:36
 ◇お互いに、もったいないなあ

 12月に入ってから訪れたソウル市中心部にある長崎県ソウル事務所。韓国勤務3度目という坂庭雅史所長が「県事務所のスタッフは私1人だけですけども」と控えめに出迎えてくれた。応接室には、江戸時代の儒学者で、対馬藩に仕えた雨森芳洲(あめのもり・ほうしゅう、1668〜1755年)の肖像画がかかっている。朝鮮通信使に2度随行し、「誠信(せいしん)の交わり」(互いを欺くことなく、誠意をもって交わること)を説いた人物だ。

 「対馬への観光客が増えていた理由は、複合的ですね。とにかく近いので、気軽に、安く外国気分を味わえること。テマドという韓国名で、しっかり認識されていることも大きくて、釜山だけでなく各地から足を運んでくれていた。韓国の経済力が増し、往復する船も増えた。釣りやツーリング、トレッキング、日本食、免税店でのショッピングも楽しむことができるのも魅力です。韓国は、釣り好きの人が結構、多いのですよ」

 長崎県は2013年、10年ぶりに県ソウル事務所を復活させた。日本では西の果てに位置するが、その分、中国や韓国には近い。そんな地の利を生かし、東アジアからの訪日観光客(インバウンド)を増やす。県人口が減少し、少子高齢化も進む中で打って出たのだろう。

 坂庭さんも、11月下旬に対馬を訪れたのだという。「長崎は日本で一番、海がきれいな県です。対馬はもちろん、壱岐や五島列島も素晴らしい。韓国からのお客さんが戻ってくるのは時間がかかるかもしれないけど、応援をどうぞよろしくお願いします」

 下宿先へと戻るバスの車内。長崎県の観光地をアピールする日本語版や韓国語版のパンフレットを手に率直に感じたのは「実にもったいないことが、日韓双方で起きている」ということだった。

 ソウルへの帰り道、釜山で立ち寄った韓国最大の魚市場「チャガルチ市場」も、対馬に負けず劣らず、素晴らしかった。潮の匂いと、作業服を着たおばさんたちの威勢の良いかけ声、そして、区分けされた水槽で生かされた無数の魚たち。まるで水族館のようだった。目をこらすと、カニやヒラメ、ハマチ、アワビなどの魚介類は、日本の魚屋でも見たことがあるものばかりで、「日韓はやはり隣人なのだ」と実感した。ただ、日本人観光客らしい人影は、シーズンオフとはいえ、お世辞にも多いとは言えなかった。韓国経済が減速するなか、韓国の旅行、航空会社も打撃を被っている。

 ◇ソウルで飲んだ対馬の焼酎はうまかった

 それにしても、長きにわたり、日韓交流の先頭に立ち、大きな役割を果たしてきた対馬と釜山が、その近さゆえに、政治対立の波しぶきをもろに受けるというのは何と皮肉なことだろう。

 「ボールは韓国側にある」という日本政府の主張は全くその通りだ。だが、外交的な解決に100対0はまずないから、「政治の知恵」を水面下で出し合い、糸口を見いだすしかないのではないか。さまざまな人が事態打開に向けて力を尽くしているが、日本では外交・安全保障政策の首相官邸主導が強まり、韓国も大統領府(青瓦台)の力が圧倒的。最後は、下関を選挙区にする安倍晋三首相と、釜山で育った文在寅大統領という「朝鮮通信使」とも決して無縁ではない2人のリーダーの「誠信の交わり」にかかっている気がしてならない。

 それはさておき、対馬で唯一の酒蔵である「河内酒造」の麦焼酎「対馬やまねこ」は、大いに役立った。「最近、日本人の学生が全然来なくなった」と嘆きながらも、何くれとなく気遣ってくれる下宿先のオーナーのおばさんに手渡すと、予想以上に喜んでくれた。早速、封を開けて、自分だけでなく、こちらにもついでくれたので、もう少し滞在すればよかったと悔やんでいた対馬の魅力をソウルでもう一度、味わい直すことができた。


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