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大中華世界的話題(その3)

2611OS5:2023/07/12(水) 10:48:23
のたうち回る候氏
 ただ、台湾の元テレビ局幹部によると、侯氏が国民党の総統候補に選出された後、マスコミから対中国関係など政策に関する取材を受ける中で、大して内容のある話ができなかったことなどがより大きな要因だという。

 「万年3位」のレッテルが張られつつあった侯氏は、思い切ったカードを切ってきた。馬英九前総統の懐刀でその鋭利な発言や行動から「金小刀」との異名をとる「金溥聡」氏を選挙チームの執行長(CEO)に起用したのである。金氏は馬英九政権で与党国民党の秘書長(幹事長)をしていた時、党改革を推進して無能な人材や汚職議員の排除にあたり、特に国民党の支持基盤である地方派閥に対し厳しく対処、台南市議会議長、基隆市議会副議長、新竹県議会副議長などを次々と党籍剥奪の処分にした実績がある。

 しかしこれは国民党の二大支柱ともいえる「外省人」「地方派閥」のうち後者にメスを入れるという、いわば「劇薬」にもなりかねないもので、見方を変えると、侯氏がそうした「賭け」に出ざるを得ないところまで追い込まれているということもできる。しかも国民党の朱立倫主席は、党の総統選挙チームが「朱オーナー、金監督」という言い方をされることについて、選挙戦指揮の実権を奪われかねないと見てか不快感を示しており、この「賭け」は二重の意味でリスクがある。

 もともと国民党支持層の中には、侯氏ではなく電子機器の受託生産大手鴻海(ホンハイ)創業者の郭台銘氏を支持する勢力や、前回の総統選挙に立候補した韓国瑜氏を支持する勢力などがあって、郭氏も韓氏も侯氏支持を明言してはいない。郭氏の最近の活動ぶりを見ると、自らのPRに熱心で、侯氏の支持率が伸び悩み続けるなら、自らが取って代わって国民党の候補に収まる、もしくは仲良しに見える台湾民衆党の柯氏とペアを組んで立候補するといったシナリオを考えているようにも見える。

中、米にいい顔をするが
 そうした中、侯氏は2枚目の「賭け」のカードを切った。7月3日、「中華民国憲法に合致した『92年コンセンサス』を支持する」と発言したのである。「92年コンセンサス」の詳細については、2022年5月11日の拙稿「台湾が一方的に破ったと中国が非難する『92年コンセンサス』とは何」 をご参照いただきたいが、当時から30年経った現在の台湾人の考えの主流は「92年コンセンサス」は「Agree to disagree」、つまり主権についての立場が異なることについての合意に過ぎないというものである。

 だからこそこれまで有力視される3候補とも「92年コンセンサス」への支持を表明していなかったのだが、侯氏が「中華民国憲法に合致した」という修飾語を付けながらも支持を表明したことは、報道される際に往々にして「中華民国憲法に合致した」が抜け落ちることを考えると、やはり大きな「賭け」といえよう。

 もっとも、先述の台湾のテレビ局元幹部によると、この発言は郭氏支持層による「侯下ろし」に対抗するため、当面民進党の頼氏よりも郭氏の支持層から支持を奪い、国民党公認の座を固めるのを優先しているのだという。

 いずれにせよ、この発言で中国の覚えが良くなるのは間違いない。筆者の30年来の中国人の友人に先般、台湾総統選挙の話題を振った際に、彼は「侯友宜が92年コンセンサスを受け入れていないのがねえ……」と渋い顔をしていたので、侯氏の“軌道修正”は中国にとっては高く評価できるものだ。

 ただその一方で侯氏は、アメリカへの配慮をにじます発言もしている。蔡英文政権は中国の軍事的威圧を受ける中、18歳以上の男性に義務付けている兵役期間を4カ月から1年に延長することを昨年末決めたのだが、侯氏はこれまで延長に反対の意向を示していた。ところがアメリカからこの問題に対する「関心」が侯陣営に示されると、とたんに「反対はしていない」と発言を変えたのである。アメリカと中国双方の顔色を窺わざるを得ない台湾の苦しさがうかがえるが、「腰が据わっていない」との批判が出てくるのは避けられないだろう。


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