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大中華世界的話題(その3)
2329
:
チバQ
:2022/11/29(火) 00:15:50
https://www.tokyo-np.co.jp/article/216348?rct=world
「独立志向」民進党の政権維持に黄信号 台湾統一地方選で敗北 蔡英文総統の求心力低下
2022年11月27日 06時00分
投票所で投票を終えた後に取材に応じる蔡英文総統(AP)
投票所で投票を終えた後に取材に応じる蔡英文総統(AP)
台湾の統一地方選は、与党民進党が苦戦し、野党国民党が勢いを保ったまま投票日を迎えた。今回の選挙結果を踏まえ、両党は2024年年初の総統選に向けた候補者選びを本格化させる。対中融和路線の国民党が統一地方選での勢いを維持すれば、独立志向の強い民進党の政権維持を脅かす可能性もある。(台北・石井宏樹)
【関連記事】台湾統一地方選 与党・民進党が大敗 蔡英文総統は党首辞任表明 台北市長選は「蒋介石のひ孫」国民党候補が勝利
◆「冷静な市民感覚」
「中国は台湾の自由と民主に挑戦している。毎回の(選挙での)決断が大切だ」。蔡英文さいえいぶん氏は25日夜、台北市長選の民進党候補陳時中ちんじちゅう氏の応援に駆けつけ、大雨でずぶぬれになりながら中国の脅威を訴えた。
蔡氏は反中感情を追い風に史上最多得票で圧勝した20年総統選にも触れ、「過去に蔡英文を支持した人たちは迷ってはいけない」とも強調した。選挙戦終盤に蔡氏の人気に頼る「総統カード」(聯合報)は、「対中国」の外交問題を争点化する戦略と表裏一体だ。
しかしこうした戦略は奏功していない。台湾政治に詳しい杏林大の渡辺剛教授は「地方選挙と中央選挙を分ける台湾の冷静な市民感覚」の影響を指摘する。選挙戦では対中姿勢よりも、交通や福祉、若者の流出など身近な生活問題に関心が集まった。両党とも相手候補の人格攻撃が目立ち、民進党は桃園市長選の候補者選びでの混乱もあった。
大学院生の沈さん(25)は「若者は自分の就職や給料、住宅高騰に危機感を持っている。国民党が握る自治体では住民の要求を聞いてくれるとの評判もある」と語る。結果として民進党は、県・市長選で改選前の国民党13自治体、民進党7自治体という劣勢を挽回するのは難しくなった。
◆「ポスト蔡」選びが焦点に
蔡氏は敗北を受け、26日夜に党主席(党首)を辞任する意向を明らかにした。今回選挙での候補者選びを主導しており、党主席としての責任問題は不可避だった。2期目の蔡氏は24年総統選に出馬できず、「ポスト蔡」選びで党内が対立する可能性がある。
蔡氏は、18年の統一地方選でも惨敗を受けて党主席を辞任。台湾政府トップの総統は続けたため、20年総統選を機に党主席に復帰するまでの間、総統と与党トップが別の人物となった。台湾メディア関係者は「当時、総統か党主席かどちらの指示を聞くべきか、党内が混乱した」と振り返る。
民間シンクタンク、台湾民意基金会の先月の世論調査では蔡氏の支持率は51.2%と回復基調にある。民進党は今回選挙でも蔡氏の人気頼みだっただけに、総統選に向けて党勢の維持に苦慮しそうだ。蔡政権の求心力低下も避けられない。
◆統一目指す中国が「揺さぶり」強める可能性
一方、国民党の朱立倫しゅりつりん主席(党首)は統一選での勢いを維持して党内での求心力を高め、総統選での政権奪還を目指す戦略を描く。多数の県・市長ポストの確保は、総統選に向け選挙基盤の強化にも有利となる。
中国共産党は10月の党大会で、党規約に「台湾独立に断固反対して抑え込む」と明記し、台湾統一への圧力を強化している。中国は独立志向の民進党を敵視しているが、今回の選挙に関しては表向きは静観の構えだ。対中融和姿勢の国民党の伸長を機に、中国が蔡政権への揺さぶりを強める可能性もある。
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