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大中華世界的話題(その3)

2186チバQ:2022/08/18(木) 08:08:41
 例えば習主席の肝煎による、「国有企業をより大きくより強くする」という政策方針の貫徹や、「共同富裕」や「内循環」という名の経済政策の推進は、誰から見ても、要するに鄧小平の改革開放の向こうを張るような正真正銘の「習近平路線」であろう。

 したがって、今年の「北戴河会議」がいよいよ終盤を迎えた8月13日に、人民日報がその1面トップで珍しく、「改革開放」を全面的に打ち出してそれを絶賛した記事を掲載したことの意義は決して過小評価できるものではない。ある意味ではそれは、重大なメーセッジを含んだ「政治的事件」であって今回の「北戴河会議」の結果を強く示唆した出来事の1つである。

李克強、深圳に現る
 そしてその2日後の8月15日、人民日報は今度、紙面の第5面においては再び、「改革開放を以て経済発展の原動力となす」と題する「本紙評論部」の論評文を掲載した。それはまた、経済の視点から「改革開放」のより一層の推進を力説した文章である。

 このようにして、突如現れた人民日報の「改革開放礼賛」は1つの流れとなっていく様相を呈しているが、そこから「北戴河会議」の動向の1つを垣間見ることができる。すなわち、この会議において改革開放を逆行する習近平路線が批判された上で、「改革開放政策」の重要性に対する認識が再び、共産党上層部のコンセンサスとなったのではないか、ということである。

 実際、「北戴河会議」が終わった直後の8月16日、改革派の李克強首相は早速、それこそ「改革開放の聖地」である深圳で姿を現した。この象徴的な行動はやはり、「北戴河会議」において、改革開放路線が再び優位を勝ち取ったことを示していると思う。

 もしそうであれば、それは習主席自身の政治上の大いなる挫折であると同時に、今後の中国共産党政権が習近平路線を修正した上で鄧小平時代の改革開放へ回帰する流れとなっている可能性が大である。

 前述の孫春蘭副総理から「ゼロコロナ政策堅持」の言葉が消えたことと合わせて考えてみると、どうやら「北戴河会議」の結果、中国共産党はある程度、習近平路線からの政策転換を図ることができた、ということである。

習近平続投!
 しかしそれでは習近平氏の続投はどうなるのか。

 8月14日、人民日報と同様に中国共産党中央委員会が発行する「光明日報」という新聞紙は、中国共産党中央党校の元副校長である李君如氏の署名文章を掲載した。「"2つの確立"の中で継往開来的に党大会を迎えよう」というタイトルである。

 ここでの「2つの確立」とは習近平政権下で誕生した政治用語である。「習近平総書記の党の核心としての地位の確立」と「習近平思想の党と国家の指導理念としての確立」、の2つである。つまり習近平の最高指導者としての地位の確立という意味合いである。

 問題は李氏がここで使っている「継往開来」という言葉である。「継往」とは「今までのものを継承する」という意味だが、「開来」とは要するに「未来を開く」という意味合いである。

 したがって李氏の文章はここで、習近平氏の指導的地位についてそれを「継承」するだけでなくまさに「未来」へとつなげることを明言しているが、党大会の前でこのような言い方をするのはもはや「習近平続投」を示唆した程度のものではない。それは堂々と、「習近平続投」を宣言しているのである。

 習主席自身と習近平陣営が「習近平続投」を目指していることは公然の秘密であるとはいえ、少なくとも今までは誰一人が公の場でそれを公言したことはない。前述の李君如文章は実は、「習近平続投」を公然と叫んだ第1号である。そして例の「北戴河会議」が終盤を迎えた8月14日、人民日報と同様に共産党中央が発行する「光明日報」がそれを掲載したことはやはり意味深である。

 そこで1つの可能性として考えられるのは、「北戴河会議」における激しい闘争と駆け引きの結果、引退した長老を含めた党内各勢力は、「習近平続投」に同意するのと引き換えに、習氏に改革開放へ回帰やゼロコロナ政策の放棄を迫ってある程度の成果を手に入れた、ということである。

 逆に言えば、要するに、習氏と習近平陣営は党内大半から習近平続投への賛同を取り付けるために政策路線の転換を余儀なくされた、というわけであるが、このような駆け引きによる妥協の結果は暫定的なものであるかどうかは依然として分からない。

 秋の党大会閉幕までは全てが流動的である。

石 平(評論家)


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