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大中華世界的話題(その3)

2145チバQ:2022/07/28(木) 19:33:05
■実務家の現職副市長も参戦

 直系の蒋友柏氏は、かつて一族が台湾人を迫害したこと、国民党が共産党と和解する前に、まずはスパイとして逮捕されいわれなき罪で苦しんだ人々やその家族に謝罪すべきこと、また一族は自分の代で政治から足を洗うべきこと、巨大な蒋介石像がある中正紀念堂の存続に反対など、物議を醸す発言をしている。

 一方、傍系にあたる蒋万安氏は、蒋友柏氏ほど蒋家の行いについて、明確に反対していない。そのため、クリーンなイメージが先行する蒋万安氏だが、人々の間で煮え切らない態度で決断力や実行力に欠けると映り、選挙戦の弱点になっていると言われている。

 蒋万安氏の人気にあやかりたい国民党は、当選をより確実にするため、一部の党員が、一時、黄氏に出馬を辞退するよう迫り、黄氏を推す柯文哲市長や党首を務める民衆党に、蒋万安氏への一本化を要求したとの話が浮上した。黄氏は一蹴したが、選挙戦で惨敗が続く国民党にとって、2022年11月の台北市長選は負けられない一戦だということを、人々に印象付けたのだった。

 そもそも、台北市長は、陳水扁氏、馬英九氏ら歴代総統も経験しており、次世代の有力総統候補の登竜門と見られている。実際に、柯氏も次の総統選を見据えて民衆党を立ち上げたが、現在は勢いを失っている。

 そのような中、柯氏は副市長でもある黄氏を自らの後任とする状況になっている。

 黄氏は1998年に中国との統一を志向する新党から台北市議会議員になった。2019年に副市長に就任するまでの21年間、議員を務めたことで、議会や行政運営のすみずみまで熟知していると言われている。コロナ禍でも柯氏の片腕として活躍してきた。全国的な人気や知名度では陳氏や蒋氏に劣るものの、台北市における実務能力や実績では二者を圧倒している。

■地盤沈下の台北市復活をかけた市長選

 そんな実務家の黄氏だが、弱点として浮上しているのが、副市長を辞めずに選挙戦に入ることだ。台湾でも選挙には時間も資金も必要だ。しかし、黄氏は副市長として、他よりも効率よく、低予算で選挙運動を展開できる可能性があるのだ。公私混同をどこまで明確に否定できるか、目下、黄氏に課せられた問題だろう。

 いずれにせよ、黄氏の今後の動向は、陳氏と蒋氏の得票に大きく影響すると考えられている。

 ちなみに、今回の選挙の争点の一つとされているのが、台北市のヒト・モノ・カネの停滞をいかに他市のように成長軌道に乗せられるか、柯氏によって失われた時間を取り戻せるかだと言われている。

 筆者が住んでいた1980年代、90年代の台北は、市バスとタクシー、スクーターや乗用車が交通インフラの中心だったこともあり、職場や学校が市内にある場合、通勤通学の関係上、市内に住むのが一般的だった。だが、現在は台北メトロの充実で、交通インフラが大幅に整備された。一方で、子育て世代が、生活に比較的ゆとりのある近隣都市へ移るきっかけにもつながり、現在の台北市は高齢化と空洞化が著しいとされている。これに不動産価格が高騰し、若年層離れに追い打ちをかけているのだ。

 柯氏も市長就任当初は市の再生に力を入れていたとされるが、11月の選挙が近づくにつれ、台北市の停滞ぶりが改めて浮き彫りになり、多くの市民が憤っていると言われている。古いままで廃れてしまうのか、あるいは息を吹き返し首都としての輝きを取り戻すのか、台北市の舵取り役を決める台北市長選に注目したい。

高橋 正成 :ジャーナリスト


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