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大中華世界的話題(その3)

1891チバQ:2022/01/16(日) 22:15:43
■実は「物理的に廃止できない」

 いったいどうしたのか。これにはいくつかの理由がある。簡単に言ってしまうと、現時点では物理的にフアランポーン駅を廃止することはできないのである。

 第1の理由は、フアランポーン駅に隣接して気動車のメンテナンス工場が存在することである。バンスーに駅機能を移転しても、長距離運行を終えた気動車をフアランポーンの工場まで回送しなければならず、バンスーで運転を打ち切ることはできない。これが、SRTがフアランポーン駅廃止に反対している最大の理由と推測される。

 バンスー中央駅の高架からはフアランポーン方面にアプローチする線があり、在来線とも接続しているため、列車を回送すること自体は可能である。しかし、バンスー中央駅のすべての番線から接続しているわけでもなく、このアプローチ線は、東本線からの列車をバンスー中央駅に入線できるようにするのが本来の設置目的とみられている。

 第2に、レッドライン経由でバンスー中央駅に乗り入れできる車両が限られていることである。同駅は従来の客車用の低床ホームでなく電車用の高床ホームのため、従来車両は扉ステップの埋め込みを行うなどして乗り入れ対応を図っている。この改造を施した車両はかなり出そろっているようだが、まだ問題がある。

 バンスー中央駅は屋根で覆われており、換気に難がある。そのため、同駅開業に先立って直火調理を行っていた旧型客車の食堂車を全廃したほか、従来より排煙と騒音の少ない新しい発電エンジンを積んだ電源車を改造で順次導入しているが、まだ十分ではないようだ。

 そして、避けて通れないのがトイレ問題だ。ほとんどの車両が垂れ流し式であることから、「黄害」が発生する可能性がある。コンクリート道床のレッドライン区間でトイレ使用を禁止する以外、抜本的対策がない。

 第3に車両の安全性の問題である。SRTの客車列車の大半は老朽化が進んでおり、扉も手動で自由に開閉ができてしまう。それ以外の客車、気動車、機関車を見ても十分にメンテナンスがなされているとは言いがたく、ATSなどの保安装置も設置していない。

 かたや、線路を共有するレッドラインの電車は最新技術を盛り込み、設計最高速度は時速160kmで、当然ながら保安装置も設置している。同じ線路上を性能もシステムもまったく異なる車両が走行すると、よほど厳格な運行管理を行わない限りダイヤ通りの運行はできず、事故のリスクも避けられない。実際に、試運転時は長距離列車の車両をレッドライン経由で走行させていたものの、1月中旬時点ですべての長距離列車は地平の旧線経由で運転されている。

 第4に、バンスー中央駅へのアクセスには難がある。今後、長距離列車利用者はフアランポーン方面からバンスーまでMRTを利用することになる。しかし、このMRTはSRTの在来線に比べて迂回しており時間がかかるうえ、わずか3両編成で慢性的な混雑が問題になっている。運輸大臣がフアランポーン駅発着の列車をすべて廃止すると発言した際は、通勤客用に代替バスを用意するとしていたが、バンコクの道路渋滞状況を見れば用をなさないのは明らかだ。


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