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大中華世界的話題(その3)

1214チバQ:2021/02/10(水) 09:08:09
 今回はスー・チー政権の選管だ。「不備」は予測できる。調査要求を一切拒否したというなら民主主義のプロセスを無視したことになり、ミン・アウン・フラインの主張にも「一理」はある(とは言えクーデター正当化の理由にはならないと思うが)。

■見逃せないロヒンギャ問題

 ミン・アウン・フラインが最高権力者の地位にこだわった個人的理由の1つとして、ロヒンギャ問題は見逃せない。国軍は、ロヒンギャ武装組織への掃討作戦に対し、国連や米欧から「民族浄化だ」と厳しい非難を浴びてきた。作戦は、武装組織による治安部隊への同時多発テロが引き金となったが、国際司法の場でミン・アウン・フラインら国軍幹部は訴追の対象だ。権力を手放せば、2期目に入ったスー・チー政権が国際的な圧力に屈し、拘束などのリスクにさらされる可能性が生じる。
 スー・チーは、オランダでの国際司法裁判所の審理に出廷し、国軍の作戦に「行きすぎ」を認めたが「ジェノサイド(集団虐殺)の意図」は否定した。スー・チーも国際的な非難を浴びて「堕ちた偶像」とまでこき下ろされた。

 これに対しSNS上では当時、こんなうわさが駆け巡った。スー・チーはミン・アウン・フラインにこう告げる。「次の審理にはあなたが出廷しなさい。あなたの指揮した作戦ですから」。これがクーデターの伏線になったというわけだ。スー・チーはロヒンギャ問題で自国の立場を主張せず、沈黙してきた。彼はそんなスー・チーへの苛立ちを募らせていたと。
 2人の確執の深さは、スー・チーが最高権力を手中にした経緯を知ることで容易に想像できる。

 スー・チーのNLDは2015年総選挙で大勝、国会議席の過半数を占めた。NLDが出す副大統領が大統領に選出されることになった。大統領は憲法上、国家元首である。スー・チーは自分がなりたかったが、憲法の国籍条項が阻んでいた。息子が外国籍だからだ。

 そこで彼女は「大統領の上に立つ」と宣言し、ミン・アウン・フラインと水面下で攻防を繰り広げた。私は当時ヤンゴンで、NLD法律顧問で最高裁の法廷弁護士だった人物からその推移をフォローしていた。スー・チーは国籍条項の一時凍結案を国会で通して「正式な大統領」になるウルトラC案を突き付ける。しかし「憲法の守護者」を任じるミン・アウン・フラインの抵抗は強く、最終的にスー・チーは「国家顧問」という超法規的ポストを創設、「大統領の上」に君臨する最高指導者となった。「憲法が禁止していないから問題ない」という驚くべきレトリックだった。


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