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欧州情勢・西洋事情

780名無しさん:2015/10/11(日) 11:20:11
>>779

ドイツと中国の共通点は「商売至上主義」
 それにしても、なぜ、ドイツと中国はこれほどまでに仲が良いのか? そういった質問はよく受ける。

 私なりに考えるなら、たとえば、中国はドイツから遠いので、核兵器をもっていようが、直接の軍事的脅威にはなりえないこと。また、過去に敵対したこともなく、1930年代、蒋介石の国民党は、ドイツ軍事顧問団の全面的な支援を受けながら日本軍と戦った経緯がある。

 中国にはもちろん、反独の動きもない。それどころか、中国人はドイツ人には最高に好意的だ。昔、夫の会社が中国でたくさんのプロジェクトを持っていたのだが、そこで見る中国人ビジネスマンは、これが反日をやっている人たちと同じ民族なのかと目を疑うほど親切で、紳士的だった。おだて方も堂にいっており、ドイツ人が心をくすぐられることは間違いない。

 ドイツ人の中国に対する認識は、「人間の数から環境汚染まですべてが桁外れの、世界第2位の経済力とほぼ無限の市場を持つ、必ずしも民主主義的ではないが、少し神秘的な凄い国」というふうに要約できると思う。

 人権無視や法律違反や賄賂などは、世界を見渡せば、どこにでもある。つまり、別に中国の専売特許ではない。ロシアでもサウジアラビアでも、言論の自由は制限され、同性愛が罪だったり、男女が同権ではなかったりする。メキシコだって、腐敗にかけてはおそらく中国に劣らない。

 かつてのイランでは、一気に国体が変わり、外国資産は没収された。しかし、それらの国々とも、皆(もちろん日本も)、友好的に付き合い、貿易をする。多少のことは、「仕方がない」として干渉はしない。商売がうまくいけば、多くのことに目を瞑るのはどこの国も同じだ。

 あえて違いを挙げれば、ドイツのように、そういう国とあそこまで「大親友」のように付き合うかどうかだが、今思えば、まさに「商売至上主義」こそが、ドイツと中国の共通点だったのかもしれない。

ミスマッチを強調しようとした報道の「意図」
 ところが、である。私の予感では、これから恐らくドイツメディアの中国報道のトーンは急速に変化していく。私に長期予想を立てるほどの才覚はないが、短期的予想としては自信を持っている。

 これからは今までのように、中国の経済大国としてのダイナミズムだけをひたすら好意的に評価して、希望的観測を流し続けることはやめるはずだ。また、軍事的覇権拡大への批判も始めるだろう。そして、人権問題や環境問題を取り上げるとき、それは中国という国の抱える構造的な問題とは別個のように扱うやり方も、少なくなっていくと思う。

 なぜ、私がそう確信しているかというと、それは9月3日、抗日戦勝70周年の記念式典の報道が、今までとあまりにも違っていたからだ。正直、びっくりした。

 ARD(第一テレビ)とZDF(第2テレビ)の両国営放送が揃って、天安門での大規模な軍事パレードの映像を流しながら、そこに習近平国家主席の演説(ドイツ語訳)を重ねた。習近平氏は、「世界各国は共に国際秩序と国際体制を守るべきだ」とか、「中華民族は一貫して平和を愛してきた」とか、「中国は永遠に覇権を唱えない」とか、「領土を拡張しようとはしない」などと豪語していた。

 しかし、どう見ても、彼の言葉と大軍事パレードの映像はミスマッチだった。そのミスマッチを強調しようという報道の「意図」が、私にはありありと感じられた。そのとき、「ドイツにおける中国報道の潮目が変わった」と思ったのである(この演説の全文は、こちらのサイトで読むことができる)。

 思い返せば、数ヵ月前から少し、その兆候はあった。控えめにではあるが、中国の成長停滞、景気減退、シャドーバンクの存在などを伝える報道が出始めていた。これまでは、日本でしばしば取り上げられるような中国経済の危うさというものは、少なくとも一般向けのニュースではほとんど報じられなかったのだ。

 ひょっとすると、ARDとZDFは、あまりにも偏向してしまっていた中国報道の軌道修正をするチャンスを待っていたのではないか? 
 もし、そうならば、この戦車の行進の映像と習近平のスピーチというコンビは、まさに千載一遇のチャンスであった。これなら、局がコメントを入れる必要もなく、視聴者の自主的判断に委ねる自然な形でかなりの軌道修正できる。きっとそうに違いないと、私は思った。


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