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欧州情勢・西洋事情

771名無しさん:2015/10/05(月) 22:06:52
>>770

 ドイツは1990年代、東ドイツという負の遺産を引き継ぎ、思うような成長ができなかった。だが1990年代の後半からドイツはめざましい成長を実現し、単一通貨ユーロの導入以降、ドイツの成長はさらに加速することになった。ドイツはもともと西ドイツ時代から圧倒的な工業製品の競争力を誇っていたが、ユーロによってドイツは為替リスクなしに欧州全域に製品を輸出できることになった。

 ドイツの国際収支は先進国としては極めて異例である。日本をはじめ、多くの先進国が貿易赤字を所得収支(投資収益)でカバーしている構図だが、ドイツだけは安定的に貿易黒字をキープしている。欧州域内の貿易においては圧倒的にドイツの輸出超過が続く状況だ。

 ドイツ経済は内需の少ない輸出主導型となっており、同国は輸出をテコにGDPを15年間で約2倍に拡大した。同じ期間のGDPの成長は米国が1.6倍、日本はほぼ横ばいであることを考えるとドイツの成長は突出している。

 EUはもともとフランスによるドイツの政治的な封じ込めを目的として作られたという側面がある。だが皮肉なことに、EU創設とユーロの導入は、ドイツを欧州における盟主に祭り上げる役割を果たしてしまったようである。

■ 戦後賠償を回避したドイツのしたたかな政治力

 経済的基盤が確立するにしたがい、ドイツは政治的リーダーシップも発揮するようになってきた。ギリシャ支援問題については、欧州各国がドイツの顔色をうかがう状態であり、英国のEU離脱問題においても、その発言が注目されるのはドイツのメルケル首相である。

 こうしたドイツのスタンスは日本にも及んできている。このところドイツの日本に対する風当たりが強まってきているのだ。

 3月9日、ドイツのメルケル首相が日本を訪問したが、日本側は歴史認識問題をめぐって完全にドイツ側に翻弄された。あまり知られていないが、ドイツは厳密な意味で第2次世界大戦の戦後賠償は行っていない。ドイツは大戦後、米ソの対立によって東西ドイツに分裂したが、西側諸国は1953年「ロンドン債務協定」を結び、最終的な賠償については東西ドイツの統一後、平和条約を締結するまで棚上げにすることについて合意したからである。


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