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欧州情勢・西洋事情

3931とはずがたり:2021/10/15(金) 16:57:12
>>3930
このように各地のスタンドに長い列ができ、ドライバーどうしで殴り合いのけんかが起こったなどという話まで伝えられています。

これと同じことが、スーパーや医療施設などへの配送でも起きているのです。

人手不足はわかっていたのに
この運転手不足、実はいつ起こってもおかしくないと言われ続けてきた問題です。

背景にあるのがイギリスのEU離脱です。

EUからの労働者はこれまで、大型トラック運転手をはじめ、レストランやホテルといったサービス業などさまざまな分野で、イギリスの経済活動を支えてきました。
しかし、ことし1月の完全な離脱を受けて、イギリスはEUからの移民の受け入れを厳格化。

低賃金の労働者にとっては、ビザの取得、英語力など、イギリスで働くためのハードルが上がりました。

このため、離脱すればEUからの労働者が減少すると指摘されていたのです。

さらに、新型コロナの感染拡大で多くの労働者がイギリスから自国に戻ったことが追い打ちをかけ、予想以上に影響が広がる事態となりました。
「国内で人材育成を」そんなに簡単?
業界団体は、大型トラックの運転手不足はイギリス全体で10万人規模にのぼると推計し、EUからの労働者に対するビザの要件を緩和するよう求めています。

ただ、ジョンソン首相は、離脱を成し遂げ、移民を規制することを公約に掲げておととしの総選挙で勝利しただけに、移民規制の緩和を簡単に認めるわけにはいきません。

ジョンソン首相
「イギリスの経済が、低賃金でスキルも生産性も低いかつてのようなやり方に戻ることはない」

ジョンソン首相はこう訴えて、企業はEUなどからの低賃金の労働力に頼るのではなく、人材育成などに投資し、みずから人を育てるべきだと強調しました。

今は、高賃金で高いスキル、そして高い生産性による経済への移行段階だというのです。
政府は短期的な対策で混乱を乗り切ろうとしています。ガソリンの輸送を支援するため軍を投入したほか、大型トラック運転手およそ5000人を対象に期間限定のビザを発給するとしています。

しかし、これだけで運転手不足の解消にはなりません。政府が主張する国内での人材育成には、そもそも時間がかかります。

結局、なんとか運転手を確保しようという動きが強まって給料も高騰。なかには一気に40%も賃金が上がったという運転手の話まで伝えられています。

ジョンソン首相が「高賃金」の経済を目指しているといってもこれは極端で、急激な変化が社会に混乱をもたらしているのも事実です。

さらに、給与が高いとしても、たった数か月の短期間の仕事のために、わざわざイギリスまで来る労働者をどれだけ確保できるかもわかりません。
クリスマスに向け広がる不安
今、イギリスの人たちの間ではさらなる懸念が広がっています。

1年でもっとも大切なクリスマスへの影響です。

クリスマスは家族で集まって、食事をともにしますが、食卓に欠かせない七面鳥や豚などの加工にあたる人が足りず、不安視されているのです。

豚などは出荷できなければ処分するほかないということで、業界からは政府への怒りとともに、対応を求める声が強まっています。

去年のクリスマスは、変異ウイルスの拡大で、家族での集まりさえ制限されました。

新型コロナの規制はほぼなくなり、ことしはようやく家族で過ごすことができると人々は楽しみにしています。そんな期待に水を差しかねない状況です。

EUから完全に離脱して9か月余り。負の影響が、じわりとイギリスを締めつけています。

ロンドン支局長 向井 麻里
1998年入局 国際部やシドニー支局を経て現在はイギリスの政治や社会問題など担当


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