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欧州情勢・西洋事情

392名無しさん:2015/04/11(土) 20:42:20
>>391

■サルコジの「復活」

 改めて言うまでもなく、今回の県議会選挙の最大の敗者は社会党であり、勝者は保守中道派、とくにUMPである。昨年11月にUMP党首に返り咲いたサルコジ前大統領の「復活」となった。

 与党社会党はこれまで全国101県のうち61の県議会を制していたが(前回選挙は2011年)、今回の選挙で半減、その数は34県にまで大幅に後退した。逆に野党保守中道派連合は、過半数を制する県議会数を選挙前の40県議会から67県議会にまで拡大した。

 ヴァルス首相は完敗を認め、とくに左派の分裂が最大の要因だとした。旧共産党勢力や環境派、さらに社会党内部での選挙協力は十分ではなかった。加えて、国民の苦しい声を吸い上げられなかった政府の失敗であることも認めた。

 サルコジ前大統領は「第5共和制になって県議会選挙でこれほどの勝利はなかった」と勝利宣言を行った。社会党の領袖であるオランド大統領(コレーズ県)、マルチーヌ・オブリ前第1書記(ノール県)、ヴァルス首相(エソンヌ県)の地元をはじめ、従来の社会党の選挙基盤で保守派が勝利した。コレーズ県は本来シラク元大統領の地盤で、オランドが保守派からはぎ取った地盤であった。保守の巻き返しは明らかだった。今回の選挙結果でサルコジが次回の大統領選の候補者として最有力に躍り出たという見方もある。

■2017年大統領選挙を見据えるFN

 FNは今回勢力拡大した兆候を示したとはいえ、前途が容易でないことは確かである。パリ政治学院のレニエ教授は、「次回の大統領選挙で決選投票に残れなかったら(第2党に食い込めなかったら)、そのときにFNは限界を露呈するだろう」と述べた。次期大統領選挙がFNの正念場であることは確かだ。

 しかし、FNは比例代表制選挙や国民投票型の選挙には強い。今年の12月に予定されている州(地域圏)議会選挙は比例代表選挙である。FN票が更に伸びる可能性は高い。そしてその先に国民投票型の大統領選挙がある。FN が今後しばらくフランスの政局の台風の目であることには変わりはない。


東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授・渡邊啓貴

Foresight(フォーサイト)|国際情報サイト
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