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欧州情勢・西洋事情

2724とはずがたり:2018/07/25(水) 19:12:22
>>2723
「英政府の新たな立場とEUの立場のあいだには、依然として大きなギャップがある」と、英調査会社ユーゴブのピーター・ケルナー社長は警鐘を鳴らす。

欧州単一市場でのパートナーシップといっても、「加盟国であることとイコールではありえない」と同氏はシンクタンクの外交問題評議会がニューヨークで催した会合で述べている。

これでは誰の目から見ても、消耗を伴う大混乱である。

メディアでこうしたテーマが話題になっていることに気付いたトランプ米大統領は、上機嫌で英国訪問中にこの騒ぎに便乗。外交の常識から外れて、英紙サンに対し、メイ首相のプランでは米英間の貿易協定を結ぼうとしても「恐らくだめになる」、ジョンソン前外相ならば「偉大な首相になるだろう」、そしてメイ首相にブレグジット交渉について進言したものの「聞き入れられなかった」と語った。

トランプ大統領のパフォーマンスは翌日、ガラリと変わり、サン紙のインタビューは「フェイクニュース」とこき下ろし、米英関係は「最も高いレベルで特別」だと述べ、「いまここにいる驚嘆すべき女性は、驚くべき偉大な仕事を進めている」と語った。英政府としては、トランプ発言のどちらかを信じるか、どちらも信じないか、単にすべて無視するか、という選択肢となった。

だが今回、評論家らが以前からずっと嘆いていた問題は解消された。つまり、根本的に重要な問題をめぐる民主的な討論がこれまで欠けていたのだ。現状は確かに混乱しているが、「EU残留」に1票を投じた筆者としては、この混乱がもたらす利点もあると考える。

第1に、ブレグジット支持派が、自国議会に権力を取り戻すという原則に基づいて戦っていることが明らかになった。

これは、より強苦言えば、EU内部で起きている全般的な動きと同じ流れだ。中欧諸国、そして現在ではイタリア政府の立場がその証拠だ。また、オランダのルッテ首相が今年ベルリンで行った演説を見ればいい。それは多くの小規模国家を代弁しているようでもあり、統合推進を求めるマクロン仏大統領の構想とは明らかに対立している。

EU離脱という英国の決定は、ルッテ首相の立場を大きく進めるものだ。英国の動きが一般的な見解に沿ったものであることをEUが認識し、EU内部で、能力と権限に関する総合的な議論が開始できればよかったのだ。ブレグジットをめぐる国民投票を実施したキャメロン前首相時代にそのような議論が行われていたら、EUは無傷のまま残っていたかもしれない。

第2に、ブレグジット支持派に国家主権という原則があるならば、EU残留派にも原則が必要だということがが明らかになった。それは、(十分な根拠があるとはいえ)経済的な混乱への懸念や、漠然とした一体感への願望といった、「EUはいかにあるべきか」というしっかりした提案に欠ける主張では、不十分だ。

国民投票の結果を覆してEUに残留すべきだと主張するならば、「EUに残る」ことが何を意味するのか、明確でなければならない。それは、統合継続と、各国からEUレベルへという権限委譲の継続を承認するという意味なのか。もしくは、より緩やかな結合で、各国が主権を維持しつつ、密接に協力するという意味なのか。

したがって、ここは混乱するに任せよう。

それはつまり、民主主義に任せようという意味でもある。最終的には妥協点が見つけられなければならないし、実際にそうなるだろう。というのも、われわれが民主主義について語る場合、そこには力強い市民社会が伴っているからだ。市民社会には、人々に根付いた十分な力があり、現実のカオスに突入することは避けられる。


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