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欧州情勢・西洋事情

2562チバQ:2018/03/05(月) 20:12:19
https://mainichi.jp/articles/20180301/ddm/007/030/129000c
揺れる「国民国家」
2018イタリア総選挙/下 「五つ星運動」正念場 政権視野に現実路線模索
毎日新聞2018年3月1日 東京朝刊
「中国は港を買いあさり、港には偽物産品があふれているのに、欧州連合(EU)は何の対策も取ろうとしない」。イタリア南部ナポリ近郊の港町で2月12日、新興政治団体「五つ星運動」の創設者で元コメディアンのグリッロ氏(69)が漁師や大型船乗組員らの前で気勢を上げた。グリッロ氏は、ギリシャが2016年に国内最大港の管理権を中国の国有企業に売却したことを問題視。批判の矛先をギリシャの財政再建を支えるEUに向けた。

 インターネットで集めた寄付金を運営に充て、議員報酬の一部を中小企業対象の小口融資に回すなど「クリーンさ」と「庶民性」をアピールして支持を拡大してきた「五つ星」。05年にマフィアとの癒着の発覚で市長や市議が解任されたローマ南郊のネットゥーノ市では16年、市長の座を民主党(中道左派)から奪った。民主党支持者だった飲食店従業員のロベルト・チッバーティさん(40)は「政権を担ってきた右派も左派も私利私欲で動いてきた。現状への失望が続く限り、五つ星は支持を広げる」と言った。

 財政赤字を国内総生産(GDP)比3%未満に抑えるEUの財政規律による緊縮策が景気を悪化させたと考える有権者も多く、EU批判の展開も「五つ星」が有権者の受け皿となってきた理由だ。

 だが、党内の空気は微妙に変わってきた。

 グリッロ氏が立ったのと同じ壇上で、「五つ星」のディマイオ代表(31)はEU批判を封印。「我々が政権を担えば最低限の収入を保障する」と訴え、貧困層を対象に月額780ユーロ(約10万円)の「ベーシックインカム」(基本所得)を支払う目玉公約をアピールした。グリッロ氏とディマイオ氏の違いは、世論調査の支持率で個別政党では首位を走る「五つ星」が、政権参加も視野に、路線変更するか否かという問いに直面していることを示す。

 選挙を前にディマイオ氏はこれまで訴えてきた単一通貨「ユーロ」圏からの離脱を問う国民投票の実施を公約から除外。また、EUの財政規律を順守する方針を示すなど「現実路線」を印象付け始めた。「五つ星」に詳しい伊紙スタンパのヤーコプ・イヤコボーニ記者(45)は「親EUの有権者の取り込みも図りたい日和見主義的な態度の軟化」と論評する。

 目玉政策のベーシックインカム導入は簡単ではない。政府の債務残高のGDP比はEU加盟国ではギリシャに次ぐ高さで、早急な財政健全化が求められているが、国立統計研究所は導入には149億ユーロ(約2兆円)が新たに必要と試算しているからだ。イヤコボーニ氏は「選挙に勝てば政治経験不足から混乱を招き、負ければポピュリズム(大衆迎合主義)路線に原点回帰するだろう」と予測。揺れる「五つ星」の動向は選挙後のイタリア政局にこれまで以上に影響を与えそうだ。【ネットゥーノ(イタリア中部)で賀有勇】

 ■ことば

「五つ星運動」
 2009年にグリッロ氏が創設した新興政治団体。17年9月からディマイオ代表が率いる。シンボルの五つの星は団体が重要視する水資源の保存▽持続可能な開発▽交通機関▽環境主義▽インターネット社会--を象徴する。既成政党批判を繰り広げ、オンラインによる投票で候補者を選出。13年の総選挙で躍進し、連立政権には加わらず最大の野党勢力となった。


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