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欧州情勢・西洋事情

1とはずがたり:2014/05/26(月) 18:46:47
平沼騏一郎や福沢諭吉に限らず西洋・欧州・EUその他あの辺綜合スレである。

前スレhttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1116784031/l50より欧洲ネタを独立。

歴史ネタは西洋史スレhttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1165050511/l50

2139とはずがたり:2017/06/12(月) 14:28:02

メイ首相は「要らぬギャンブル」で敗退した
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170610-00175589-toyo-bus_all
6/10(土) 4:00配信 東洋経済オンライン

4月18日にメイ英首相が突如、解散総選挙の方針を発表した直後、筆者は東洋経済オンラインに「メイ英首相が突然の解散総選挙に動いた理由〜再び「絶対に負けられない戦い」に挑む〜」と題する記事を執筆し、以下のように述べた。

総選挙を巡るシナリオは、(1)与党大勝、(2)現状維持、(3)与党敗北の3つである。結論から言えば、メイ首相にとって(1)以外は「負け」である。「負け」の場合は離脱交渉に甚大な影響が及ぶ。その意味で勝率は高いながらも、今回の総選挙はメイ政権にとって絶対に「負けられない戦い」であり、負けることは恐らく想定されてもいない。だが、思い起こせばキャメロン元首相も同じことを思ってEU離脱を国民投票に問うたはずである。国家の命運を左右する話をむやみに世論へ投げてはいけないことは昨年、痛いほど学んだはずなのに、同じことが繰り返されようとしている。

 国民投票から約1年、英国の政治家はまた「要らぬギャンブル」に打って出て、世論に裏切られることになった。

 与党・保守党の議席数は318議席と選挙前の330議席から減少し、過半数(326議席)を割り込んだ。対抗軸である労働党の262議席を上回り第1党の座は維持したものの、現有勢力(330議席)からのさらなる上積みを狙い、370議席も視野に入れていた解散決定(4月18日)時を思い返せば、想定外の敗戦である。

 もちろん、昨年の国民投票や米国の大統領選挙に比べれば、ある程度予見できたことではあったが、サプライズであることには違いない。党内基盤の拡充を確信して解散を決断したメイ英首相にとっては悪夢としか言いようがない結末だろう。

■決勝点となったオウンゴール

 今後はブレグジットに対する考え方の近い民主統一党(DUP)と連立を組んで辛うじて政権を維持する可能性が最も高そうである。メイ首相の求心力低下は不可避であり、現段階では公表されていないが、保守党が政権を維持するにせよメイ首相がその座に座り続けるのは困難と見られる。仮にそうなれば英国の首相は2代続けて党内基盤拡大のために「不要なギャンブル」を行った結果、職を追われるという構図になる。

 策を弄する者は最後まで謙虚かつ用心深くなければならないが、世論の空気を見誤ったマニフェスト(政権公約)で自爆した格好である。


 選挙の流れを変えたのは5月中旬に公表された両党のマニフェストであった。インフラ投資拡大、福祉予算の充実、最低賃金引き上げ等、左派色をふんだんにアピールした労働党に対し、保守党も付加価値税増税の凍結や低所得者向け光熱費の上限設定など「保守党なりの左派色」を打ち出して対抗したのは確かである。だが、マニフェストに含まれた高齢者介護負担の増加などが一部の層の逆鱗に触れ、支持率の低下につながったとの分析は多い。同公約は直ぐに撤回が発表されたが、そうした日和見的な立ち居振る舞いも支持者が離れていった理由の一つだろう。

 そもそもブレグジットに連なる自国第一主義は、労働党が打ち出すような「大きな政府」のコンセプトと親和性が高い。それだけに、結果論ではあるが、世論の空気を読み損なったマニフェストで「勝てる勝負」を落としてしまったメイ首相の責任は軽くない。一連の選挙戦の流れは、さながら試合中盤のオウンゴールがそのまま決勝点になったような印象である(保守党のマニフェスト公表は選挙戦中盤の5月18日に公表された)。なお、9日、オズボーン元財務相は選挙を受けて前倒し総選挙の実施やマニフェスト、選挙キャンペーンの方法に関し詳細な事後分析が必要と述べ、やはりマニフェストに責を帰する見方を示している。

■空費される離脱交渉の時間

 現段階では連立政権の組み合わせを筆頭として政局の流れが判然としていないので確たることは言えない。だが、1つ確実に言えることは、ただでさえ足りないとされていた離脱交渉の時間がさらに足りなくなるということだろう。例えば、5月下旬にはバルニエEU離脱交渉首席交渉官が離脱条件に関する英国との最初の協議は6月19日週に実施されるとの見方を示しており、日が迫っている。

2140とはずがたり:2017/06/12(月) 14:28:20
>>2139-2140
 だが、総選挙の結果を受けて財政担当のエッティンガー欧州委員が「英国とのEU離脱交渉が予定通りに始められるかは不確か」と述べたことが報じられている。実際、新たな連立政権において、ブレグジット担当大臣が現任のデイビッド・デイビス氏になるのかどうかもよく分からない。少なくとも6月12日週に新しい政権が樹立され、十分な体制で19日週からの交渉に挑めるとは考えられない。初回協議は延期される公算が大きい。

 なお、既に述べたように、保守党のハードブレグジット路線に与する政党は、北アイルランドのDUPくらいであり、この助力を得て政権を確保する道はある。だが、今後の交渉過程で必要になる法案に関し、野党の協力を仰がなければならない展開も予想され、今までよりは時間がかかることは否めない。限られた時間の中で効率的な交渉が求められていたところ、事態は明らかに時間を空費する方向へ傾いてしまっている。

■高まるクリフエッジ・リスク

 ブレグジットに関し想定される最悪の結末はEUとの暫定合意を伴わない「なし崩し」離脱(通称クリフエッジ、cliff-edge)であり、在英企業のビジネス環境が一夜にして激変を迫られる事態である。このケースでは、2019年3月末をまたいでEU加盟国としての権利を失ったその日から英国は「普通の国」としてWTO協定に基づく関税や通関手続きなどに則ってEUと貿易することになる。

 巨大なビジネスパートナーである欧州大陸との特恵的な通商関係が一夜にして消滅するクリフエッジ・リスクは在英企業が最も回避したい展開である。いわゆるハードブレグジットを支持するメイ首相もそこまでは望んでいない。単一市場や関税同盟から撤退しつつも、あくまで目指すのは「秩序だった離脱(orderly exit)」というのがメイ首相の公式スタンスである。

 本来のメインシナリオを具体的に挙げるとすれば、2019年3月末までに離脱に伴う未払い分担金1000億ユーロ(俗に離婚費用)を含めた離脱協定に決着をつけ、そこから先の新たな通商関係を規定する自由貿易協定(FTA)交渉は2019年4月以降に始めるというものだったと考えられる。2019年4月以降の、FTA交渉中(約2〜3年間との声が多い)は「移行期間」という名の激変緩和措置を設け、現行の通商関係を維持するという算段である。これでクリフエッジ・リスクは回避される。

 しかし、それも大前提となる離脱協定がまとまらないことには進まない。例えば未払い分担金1000億ユーロを踏み倒す相手に対し、EUが激変緩和措置を施してやる道理はない。基本的に英国は守勢に回るしかなく、落とし所もある程度見えているのだから、家計や企業への不安を考えたら早く話を進めるべきなのだが、保守党主導の連立政権ではクリフエッジ・リスクも辞さない超強硬離脱派が幅を利かせる恐れがある。今回の選挙は圧勝の上でその恐れを払拭することが目的だったが、失敗した。

 一縷の望みとしては、新たに樹立される連立政権が労働党主導のものとなった場合、中途半端な保守党主導の政権よりはクリフエッジ・リスクが後退すると言われている。その場合、ポンドには買い戻しが入るだろう。

■ポンドドル相場は、なお1.20台が視野

 以上のような選挙結果を受けてポンドドルは前日比約2.0%急落しており、一時1.27台を割り込んだ。もともとポンドドル相場は昨年のブレグジット決定以降、徐々に値を切り下げ、昨秋を境にようやくボトムアウトして、堅調な地合いにあった。しかし、選挙を経て一気に手放す動きが強まった。

 これを購買力平価(PPP、消費者物価指数ベース、2000年Q1基準)からの乖離という観点で見れば、昨秋のポンド最安値近辺では歴史的な下限と見られる20%程度(≒1.20付近)まで一時乖離しており、これが戻ってきたという過程でもあった。そのため、足許からはまだ下げ余地があるという見方もできるかもしれない。現段階ではクリフエッジ・リスクが払拭されていないどころか増大している可能性もあるため、やはり今後1年で1.20を視野に入れた値動きを警戒しておく価値はあると考えたい。

 それにしても「要らぬギャンブル」の成れの果てとして残ったものは、不安定な政治と不安定な為替相場、そしてその結果としての動揺する実体経済だけだった。恐らく、今後の英経済はポンド安経由のインフレを受けて実質所得環境が悪化し、減速してくる可能性が高いのだろう。英国の政治家は今度こそ「国家の命運を左右する話をむやみに世論へ投げてはいけない」と痛感することになったのではないか。唯一良いことがあったとすれば、英国が混乱するほど、EUは「見せしめ」を手に入れることになり、域内の結束を強めやすくなるということだろうか。


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