「今回、編集中に『ここに電柱の絵を加えたいんだよね、そのへんでちょっと撮ってきてよ』というようなやり取りが庵野さんと助手の子の間で発生するようなことがしょっちゅうあった。例えば、映像の1カット目は庵野さんがiPhoneで撮影したものだし、iPhoneはたぶん4Kで、ALEXIAは2.8Kで撮っているし、わざと違うカメラでバラバラの画調でストーリーが進行していくようにというのが庵野さんの希望だった。東日本大震災のときそうだったように、一歩引いた状態で状況を見守るテレビカメラがあり、市民が撮影した携帯電話のカメラがあり、両方とも映像はきれいだけど明らかに画調は合わない。映画では最終的にiPhoneの映像をメインカメラの画調に若干合わせたが、庵野さんはそれさえしなくていいと言っていた。“やんちゃなソフト”であるPremiere Pro CCは、今思えばそれらと相性が良かった」(佐藤さん)