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情報メディア綜合スレ

289名無しさん:2016/09/05(月) 22:57:52
>>288

 「今回、編集中に『ここに電柱の絵を加えたいんだよね、そのへんでちょっと撮ってきてよ』というようなやり取りが庵野さんと助手の子の間で発生するようなことがしょっちゅうあった。例えば、映像の1カット目は庵野さんがiPhoneで撮影したものだし、iPhoneはたぶん4Kで、ALEXIAは2.8Kで撮っているし、わざと違うカメラでバラバラの画調でストーリーが進行していくようにというのが庵野さんの希望だった。東日本大震災のときそうだったように、一歩引いた状態で状況を見守るテレビカメラがあり、市民が撮影した携帯電話のカメラがあり、両方とも映像はきれいだけど明らかに画調は合わない。映画では最終的にiPhoneの映像をメインカメラの画調に若干合わせたが、庵野さんはそれさえしなくていいと言っていた。“やんちゃなソフト”であるPremiere Pro CCは、今思えばそれらと相性が良かった」(佐藤さん)

 例えば、これらは作中で「政府」と「巨災対」が織りなす演出の差に表れている。政府側の撮影ではドカンとした安定したカメラアングルを用いたのに対し、巨災対が映るシーンでは、あえて“変なカメラワーク”を意識したという。

 撮影ではどんな編集にも耐えられるよう、絵コンテを作った意味がないほどにいろいろな角度を押さえ、あらゆる素材を記録に残した。編集室に送られてくる撮影元データ量はゆうに100TB超え。これは邦画ではありえないほどの素材量で、メインで使用するMac Pro1台、Appleから機材提供を受けたiMac2台、佐藤さんの私物であるMac mini1台の計4台でPremiereを同時に立ち上げ、毎日編集が続いていたという。

 「最初のゴジラ上陸から逃げていくシーンまで、全ての時間設定が決まっている。何時に上陸し、何時に会議が行われ、何時にニュースが発表され、何時にヘリコプターが出ていくのか。その全てが設定され、それに合わせて合成部が時計を作る。『戦後初の防衛出動命令が下されました』という場面では、『昼のニュースでも時刻のスーパーは出るよね?』という確認が庵野さんからあり、13時何分かの時間でスーパーを入れた。ジャーナリストとの密会をしているシーンでも、時計の時刻を合わせている」(佐藤さん)

 シン・ゴジラの映像の裏には、従来の映画業界の常識に捉われない制作者たちの挑戦が隠れていた。

(太田智美)

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