したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

【捲土重来選挙】2009年次期衆院選スレ その2

1とはずがたり:2009/04/24(金) 14:50:24

前スレhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1146286762/l50
カタコト倉庫の次期衆院選スレ http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/2410/1126609657/l50
05衆院選スレ http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1089950050/l50
07参院選スレ http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1089893576/l50
10参院選スレ http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1202752370/l50

5610名無しさん:2009/09/19(土) 17:18:24
http://www.senkyo.janjan.jp/senkyo_news/0909/0909190474/1.php
http://www.senkyo.janjan.jp/senkyo_news/0909/0909190474/img/photo184759.jpg
http://www.senkyo.janjan.jp/senkyo_news/0909/0909190474/img/photo184761.jpg
http://www.senkyo.janjan.jp/senkyo_news/0909/0909190474/img/photo184762.jpg

2009年総選挙分析(1)自民党は麻生太郎敗因論を克服できるか?
菅原琢2009/09/19民主党が大躍進し歴史的な政権交代を遂げた今回の総選挙。麻生政権が自民党の大敗を招いたとの見方が多くあるが、はたして敗因はそれだけなのか?東大先端研の菅原琢特任准教授が様々なデータから総選挙を分析する第一弾。 第12回となる今回から数回にわたり、総選挙の分析を掲載する。初回はまず総括から入ろう。

全体総括

 まず、選挙後に熊本日日新聞に今回の選挙の総括を寄稿したので、ここに引用しておきたい。ここに今回の選挙に関するだいたいの要素が含まれている。(※なお、掲載前の原稿であるため、紙上の表現とは若干異なるところがある。)

麻生政権が自民党の大敗を招いたと考える人は多い。だが、通常の政権であっても自民党は敗北していたはずである。

 自民党がかつて強かったのは、単に多く得票していたからではない。大政党のみが地域代表という立場を独占できる衆院の中選挙区制、地方の1人区を独占し複数区では最低限の議席を確保すればよい参院選、著しい定数不均衡など、極端に有利な選挙制度があったからこそ負けなかったのである。

 小選挙区比例代表並立制の導入は、地域代表という特権を自民党から奪い、衆院の定数不均衡を緩和し、野党結集の引力を生み出した。さらに投票時間延長、不在者投票要件の緩和は、都市部を中心に新しい投票者層を生んだ。野党がまとまり、これに都市部が味方すれば、自民党は不利になる。これが98年参院選の自民党大敗を生み出したのである。

 その後、自民党政権が陥落しなかったのは、都市部補強効果を持った公明党と小泉政権のおかげである。だが安倍晋三による郵政造反組復党と保守反動路線は、都市部の支持者を離反させ、07年参院選での大敗を招いた。この大敗は、小泉構造改革による農村部の疲弊がもたらした逆小泉効果だという説がまことしやかに広まったが、これは間違いである。野党間協力を主因として野党候補の得票が大幅に増えたため、1人区が自民党の金城湯池でなくなったのである。

 だが、古い自民党政治家は逆小泉効果説を盛んに唱え、地方への公共事業の配分を声高にもとめ、ますます党勢を負の方向に引っ張った。一方、民主党は社国両党との協力体制を強化することで弱点の農村部での浸透を図り、衆院選に備えた。

 自3民2という当落だけ見れば、熊本の結果は全国の趨勢とは異なる。しかし野党間協力で「戦える選挙区」を農村部でも増やす戦略の、最も典型的な例となった。農村部では、自民党議員が比例票を大幅に超えて得票し、民主党候補は比例票にも届かず惨敗するというパターンがこれまで数多く見られた。自民党議員はこれを個人票だと過信しているフシがあるが、これは違う。単なる「勝ち馬に乗る」投票である。自民党議員を積極的に支援する票ではなく、対抗馬に全く勝ち目がないので集まっているだけの票である。逆に言えば、これなら勝てるかもという体制が構築され、有力感漂う対抗馬が立てば、勝ち馬票は移動し始める。

 今回民主党は、圧倒的に自民が強かった4・5区を国社に譲り2・3区に集中した。また両野党ともよく協力し、全国有数の強さを誇っていた自民現職を相手に5区では社民候補が復活当選を果たした。今回に限れば、全区で民主党が候補を立てたほうが結果はよかったかもしれないが、今後を考えれば協力によって全て「戦える選挙区」にした意義は大きい。

 自民党が万年野党とならないためには、都市部の票を再度取りにいく必要がある。そのために古い政治家、路線を一掃する必要がある。それができるか、見守って行きたい。

5611名無しさん:2009/09/19(土) 17:18:50
>>5610

 以上を簡略化して言えば次のようになる。自民党は、本来もっと前に負ける予定だったが、小泉政権により都市部での支持を回復し、しばらく政権を維持することができた。これが古い自民党政治に戻ったので、当然のこととして負けたのである。

 このことは、今回の敗北を単純に麻生太郎政権のみに帰することが間違いであるということを意味する。もちろん、景気対策の名の下にハコモノ主導の大型補正予算を組むなど、親小泉的な支持層が反発するような政権運営を行ったという点について、一定の責任はあるだろう。しかし、こういう路線に政権を向けさせたのも、そして麻生太郎を総裁として選び出したのも、古い路線に固執する古い自民党政治家たちである。古い自民党のままでは、都市部の投票者を獲得できず、敵失をただ待ちぼうけするだけの政党となってしまうだろう。

都市部の新しい投票者

 図1は、全国を90年以降比較可能な1906の地域に分け、各地域の第1次産業従事者数と建設業従事者数の全就労者に占める割合が高いほうから有権者数約10%ずつのグループ(農村度10、9、・・・1)に分け、各グループでの投票率を示したものである。ここでは一般的な投票率(投票者数÷有権者数)ではなく、無効票を除いた有効投票率(得票総数÷有権者数)を用いている。90年と93年を除き、いずれも比例区でのデータである。都市と農村の格差を見やすくするためにそれぞれ底を50%、35%としている。

 農村度について、もう少しデータを明確にしておこう。農村度1から10の地域それぞれの第1次産業・建設業就業者割合は、7.2%、9.3%、10.3%、11.1%、12.5%、14.3%、16.3%、19.6%、26.3%、38.8%となっている。全体平均は16.6%である。各グループについて、イメージをつかむために東京都の具体的な地名で見ると、島嶼部の一部が農村度10となり、本土だと檜原村は農村度8、奥多摩町は7となる。昭島市や府中市、東村山市などは農村度3となり、八王子市が2、あきる野市が5あたりで、特別区はほぼ1である。農村度10の地域のほとんどは小規模な地域であり、有権者数が最多なのは弘前市、次に一関市となっている。1990年のデータでは弘前市の就業者のうち30.6%が第1次産業か建設業に従事していた。

 図1の投票率のデータには、自民党にとってなぜ都市部での支持が重要であるのか示されている。中選挙区時代の自民党は、複数候補による地域対抗型の集票活動によって農村部の広い面積を持つ選挙区で圧倒的な強さを誇った。これは投票率にも反映され、衆院の農村部での投票率はかなり高くなっていた。選挙制度改革は、この効果を緩和することになり、都市と農村の投票率格差を縮めることとなる。

 一方、6時までの投票時間、厳しい不在者投票要件は、特に都市部の有権者にとって「規制」となっていたが、98年参院選以降、これが8時までとなり、要件や手続きが徐々に緩和されて期日前投票へと発展するなど、投票の規制緩和が進んだ。これによって参院選では大幅、衆院選では小幅、都市と農村の投票率格差が縮まる。一時は衆参の投票率がほぼ並んだが、「投票しやすさ」の浸透は、選挙への関心が高まるときに投票率がより上がりやすくする効果を持った。このため、前回と今回の衆院選では投票率が大幅に伸びるとともに都市と農村の投票率格差がさらに縮まる結果となったのである。


 この、新たに加わってきた票は、それまで投票していた票と比較すると、政治関心は低く、政治に不満があり、自民党支持率が低い層である。だから98年参院選で都市部を中心に負け、2000年衆院選では「無党派は寝ていてくれれば」という願いも空しく与謝野馨をはじめとする東京都の大物議員が比例復活も出来ずに負けたのである。
◇     ◇     ◇

5612名無しさん:2009/09/19(土) 17:19:19
>>5611

農村依存に戻ったものの農村に裏切られた自民党

 図2は、自民党の農村度別比例区得票率の変遷を示している。左の絶対得票率からまず見ていくと、前回選挙と比べれば都市部ほど大幅に下落しているが、2003年などと比較すると最も農村的な地域を中心に得票率が落ちていることがわかる。これを古い自民党政治家は「小泉さんへのアンチテーゼ」と表現するのかもしれないが、本当に反小泉であれば公共事業予算が削られた2003年、2005年で下落が見られ、大型補正予算で公共事業を増やした今回減るというのはまことに不思議である。2004年参院選でもやはり小泉時代直前の98年に比較しての下落は見られない。

 実のところ、小泉構造改革路線が自民党の大敗を招いたという論法は、古い政治家が自らの一部支持者への利益誘導ために唱えて回っているものであり、自民党の党勢回復を図るための冷静で意味のある分析がもたらしたものではない。

 今回の選挙における農村部での自民党得票率の2003年に比べての下落は、今のところ仮説としておくが、民主党の農村部での浸透が進んだことと、自民党が与党でなくなることがだいぶ前から予見されていたことによる勝ち馬の乗り換えが要因であると考えられ、小泉への反発という成分は小さいだろう。これは、小選挙区のほうがより顕著に出ている。連載の中で再度触れてみたいと思う。

 都市部では、2000年段階に比べれば健闘しているように見えるが、投票率が大幅に伸びたことによる効果も含まれ、右の相対得票率では最も都市部以外は2000年と2009年とで大差がないか、大きく下落している。農村部の地域であっても投票率が伸びた分、新しい投票者層は、基本的に自民党政治に不満を抱いている層であり、これがストレートに出るようになったと、今のところは簡単に解釈しておこう。

 いずれにせよ、逆小泉効果的な動きはあったとしても小幅で、小泉路線を捨てたことによる都市部での得票減のほうがよほど大きいということは明らかである。仮に農村部での投票率増加分が新しい投票者層ではなく旧来の投票者層と同質と仮定し、老化による政治離れも無視し、農村重視の公共事業分配路線に都市部住人が反発しなかったとして、自民党が1996年レベルの相対得票率を獲得できたとしてみよう。そしてその分、民主党が得票率を減らしたとしてみよう。それでも、民主党には少なくとも4ポイント程度の差をつけられて負ける計算となる。都市部で得票できないと自民党は負けるのである。

5613名無しさん:2009/09/19(土) 17:19:33
>>5612

民主党の一党優位体制?

 最後に、他党についても見ておこう。図3は、2009年衆院選における各党の農村度別比例区絶対得票率であるが、圧倒的な得票率もさることながら、民主党が都市も農村も区別無く得票していることに驚かされる。以前は都市部中心の政党であったが、選挙を経るごとに都市依存を弱め、ついに全地域で自民党を引き離す結果となっている。

 一方、共産党やみんなの党は都市部に強く、公明党は都市度1を除き全体的にフラットな傾向が見られる。社民党や国民新党は農村のほうが若干強い。ただしブロックによっては名簿を出していない政党もあるので、もう少し細かく見る必要がある。このあたりの政党については今後の連載の中で触れていく。

 半分繰り返しになるが、自民党が挽回するためには、古い政治家の言うことを聞いて農村部対策を声高に叫んでいてはいけない。もしこれをすれば、都市部住民はますます離れる。与党に付きたい農村の人々も帰って来ないだろう。そもそも、自民党が強固な支持基盤としてきた第1次産業や建設業の就業者の割合は、すでに就業者全体の15%を切っている。巨大与党・民主党に対抗するのに頼るべきは、普通の有権者である。もっとも、二大政党の一角を占める政党は、どこの国でも平均的な有権者を狙うのが当たり前である。自民党もその当たり前の政党に仲間入りすればよいだけである。

 注意すべきは、再び小泉構造改革路線に戻れば万事解決、というものでも無いという点である。小泉時代にある程度改革は進んでおり、またそう思われている。改革の進展に応じて有権者の意識も変化している。そうすると、次の一歩をどこに定めるかの問題となり、小泉と全く同じことを言っていても大きなプラスにはならないことは明らかだろう。自民党の次期総裁は、その一歩を決める立場となる。したがって来る自民党総裁選は、単なる党首選びに留まらず、日本の政党政治の今後を決めるという重要な意味を持つことになる。各候補がどのように総選挙での惨敗を総括し、次の一歩をどこに定めるか、注意して見ていきたい。
◇     ◇     ◇
■プロフィール
すがわら・たく――1976年東京都生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科修士課程、同博士課程修了。博士(法学)。専門は政治学で、「日本政治における農村バイアス」(『日本政治研究』第1巻第1号)ほか、統計分析を中心とした国政や選挙に関する論文多数。 東京大学教養学部でゼミを開講し、データの見方、利用法を教える傍ら、2008年より当社『ザ・選挙』の技術アドバイザーを務めている。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板