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蟲づくし・禽づくし・獣づくし・魚づくし

22とはずがたり:2009/05/13(水) 22:17:14
>>21-22
 ヒトコブラクダは砂漠に生えている固くて水分の少ない草も食べる。籠やむしろを食べて飢えを満たすこともある。スーダン東部では藁屋根や、アシの壁を食べてしまうラクダから、自分たちの住む小屋を守らねばならない。  一方、必要な時にはラクダはたいへんな量の水を飲む。10分ほどで数十リットルの水を飲むという。ラクダの体はみるみる膨らんで、再び歩き始めると、腹に溜まった水が、半分ほど水の入った樽を揺り動かす時のような、水音をたてる。これだけ飲むと、暑さのしのぎやすい冬なら1週間は水無でいられる。
 ラクダは一度に体重の3分の1から4分の1の水を飲んでしまう。体重202kgの若い雌が、1度に66.5リットル、235kgの雄が104リットルの水を飲んだ例がある。ラクダは水を飲むと数時間後には全身が水ぶくれになる。こんなに急激に大量の水を飲めば、他の動物では血球が壊れてしまう危険があるが、ラクダの赤血球は特別抵抗力が強い(中川志郎、1972)。

 ラクダは草食動物では珍しく、犬歯が発達している。顔に似合わず猛獣で人が噛まれて大けがをすることがある。農耕用のラクダでは、口輪がはめられていることが多い。

フタコブラクダ

 フタコブラクダはヒトコブラクダよりも脚が短めでずんぐりとしていて、毛深い。原産地はトルキスタンからモンゴルにかけての地域で、やはり数千年前に家畜化されたと考えられる。
 ゴビ砂漠には数百頭の野生のラクダがいるが、これが真の野生種かどうかは疑わしいといわれる。地域によっては放し飼いにしているので、逃亡して野生化する可能性があるからだ。
 フタコブラクダはヒトコブラクダよりも歩くのは遅いが、もっと頑丈で250kgの荷物を載せて1日に30〜40kmを歩く。冬ならば水なしで8日、食物なしで4日、歩き続けても平気であるという。しかし暑さにはあまり強くない。

 乾きに強い動物はラクダだけではない。キリンやシロイワヤギ、野生ヒツジ類は数日間は水を飲まないでいられる。ジリスやカンガルーネズミなどステップや砂漠に棲む小動物にもろくに水を飲まないものがいる。しかしラクダのように重労働を課せられたら、水を飲まないわけにはいかないだろう。

 フタコブラクダの雄とヒトコブラクダの雌を交配させて生まれた雑種を現地ではデュルと呼ぶ。ひとつのこぶはかなり発達するが、もう一つのこぶはごく小さい。
 この雑種は繁殖能力がない。一代限りだ。これは両者がごく近縁ながら別種であることを示している。雄でも発情期に凶暴になることがないので、使役に広く使われている(中川志郎、1972)。


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