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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

2807とはずがたり:2017/02/01(水) 16:59:52
>>2606-2807
洋上風力発電の開発に国家予算75億円

 国土が狭くて海に囲まれている日本では、将来に向けて再生可能エネルギーの導入量を拡大するうえで洋上風力発電に期待がかかる。洋上風力発電の実施方法には、設備を海底に固定する「着床式」と海面に浮かべる「浮体式」がある。水深が50メートル以内の海域では着床式が一般的で、建設費や運転維持費が浮体式よりも安く済む利点がある。

 着床式の洋上風力は2014年度から固定価格買取制度の対象にも入った。1kWh(キロワット時)あたりの買取価格は36円(税抜き)で、陸上風力の22円と比べて1.5倍以上である。陸上風力よりもコストが高い代わりに、洋上では風速が速いために設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)が高くなる(図5)。

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図5 陸上風力と洋上風力(着床式)のコスト比較。出典:資源エネルギー庁

 政府は2016年度の予算案の中に総額75億円で「洋上風力発電等技術研究開発」を盛り込んでいる。2015年度の予算でも総額79億円を投入した。浮体式では発電システムの実証研究に取り組む一方、着床式は事業者の開発プロジェクトを支援して実用化を加速する方針だ(図6)。

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図6 「洋上風力発電等技術研究開発」の対象事業。出典:資源エネルギー庁

青森県と茨城県では2018年に運転開始へ

 すでに助成対象になっている青森県むつ小川原港は太平洋側にある。原子力関連施設で有名な六ヶ所村(ろっかしょむら)の沿岸部に立地する。この港をはさんで沖合の2つの区域に、最大で40基の風車を設置して80MWの電力を供給する計画だ。

 現在は環境影響評価の第3段階にあたる準備書の手続きに入っている。計画では2016年内に着工して、2018年に運転を開始する予定だ。このプロジェクトは青森県が事業者を公募して推進した。特定目的会社の「むつ小川原港洋上風力開発」が事業者に選ばれて開発にあたる。

 2013年度に助成対象の第1号になった茨城県・鹿島港沖の開発プロジェクトでは、4段階の環境影響評価の手続きを完了して建設作業に着手した。発電能力が5MWの大型風車20基を設置する計画で、合計100MWの発電設備が2018年の初めには稼働する見通しだ。

 設備利用率を28%と想定して、年間の発電量は2億4500万kWhを見込んでいる。一般家庭の電力使用量(年間3600kWh)に換算して6万8000世帯分に相当する。事業者は特定目的会社の「ウィンド・パワー・エナジー」である。周辺地域で風力発電事業を手がけるウィンド・パワー・グループが設立して、ソフトバンクグループのSBエナジーとオリックスが出資している。


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