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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

2171とはずがたり:2016/04/10(日) 22:07:38
>>2169-2171
蓄電できる燃料電池

 レドックスフロー電池は、リチウムイオン蓄電池とはかなり異なる原理で動作する。

 どう違うのか。発電をになう「反応セル」の外部から連続的に反応物質を供給して動作することだ。これは燃料電池と同じ仕組み。水素を利用した燃料電池と異なるのは、充電が可能なこと。反応物質が閉鎖系に閉じ込められているからだ。つまり蓄電可能な燃料電池と言えるだろう。

 EFEはレドックスフロー電池の特徴をこう言い表している。出力(kW)を決める「反応セル」と、容量(kWh)を決める「タンク」が分離されているため、設計の自由度が高く、顧客の要望にあった容量を容易に実現できるという利点だ。リチウムイオン蓄電池のように、固体に電気を蓄積するタイプでは、両方を一度に大型化しなければならない。大型化すればするほど、レドックスフロー電池が有利だという主張の根拠はこれだ。

 一般的なレドックスフロー電池の構成を図5に示す。中央にある四角柱が反応セル、両側にある円柱がタンクだ。負極(アノード)溶液と正極(カソード)溶液は別々のタンクに分かれている。タンク容量を増やせば蓄電システムの容量が増えることが分かる。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20160404RF_struct_590px.png
図5 レドックスフロー電池の一般的な構成 出典:Electric Fuel Energy

酸化還元反応で充放電

 レドックスフロー電池はどうやって蓄電(充放電)するのだろうか。電極自体は変化せず、正極側と負極側の溶液に含まれる活物質の酸化還元(REDuction/OXidation)反応で充放電が進む。このため、溶液のサイクル寿命が非常に長くなる。蓄電池自体の長寿命化に役立つ性質だ。

 現在最も研究開発が進んでいるレドックスフロー電池は活物質にバナジウムイオンを用いるタイプだ。EFEは商業生産が可能なレドックスフロー電池の競合企業を5社挙げており、そのうち2社(住友電気工業と米Prudent Energy)がバナジウムイオンを採用している*3)。

 EFEは活物質に鉄(Fe)を用いた。図6にあるように放電時は負極で鉄が水酸化鉄に変化して電子を放出、負荷を経由した電子を正極側で受け取り、フェリシアン化物イオンの価数が変化する。

*3) 残りの3社は亜鉛・臭素を利用する。レドックスフロー電池の研究開発は1974年に始まった。同年にNASAが原理を発表、1978年にはNASAが鉄クロム系のプロトタイプシステムを開発している。1985年にオーストラリアのニューサウスウェールズ大学の研究チームがバナジウム系を開発した後は、エネルギー密度が鉄クロム系の2倍に向上、同系の研究開発が最も進んだという経緯がある。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20160404RF_react_590px.png
図6 EFEのレドックスフロー電池の充放電動作 出典:Electric Fuel Energy

 EFEの技術を採用するとコストが低くなるのは、バナジウムではなく、安価な鉄を利用したためだという。同社はレドックスフロー電池に関する主要な特許を2つ取得しており、そのうち1つが鉄負極に関するものだ(図7)。

 同社の鉄負極は、低コストであり、性能が低下することがなく20年(3000サイクル)にわたる充放電が可能な他、過放電・過充電にも耐えるという。なお、鉄複合正極は1980年代に当時の米ロッキードが亜鉛レドックスフロー電池向けに開発した技術を改善したものだという。


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