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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1とはずがたり:2008/11/20(木) 23:44:28
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メモ
http://members.at.infoseek.co.jp/tohazugatali/energy/index.html

2169とはずがたり:2016/04/10(日) 22:07:05

2016年04月04日 15時00分 更新
蓄電・発電機器:
蓄電できる燃料電池、リチウムよりも大容量・安価
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1604/04/news098.html

イスラエルの企業が「鉄」を利用した蓄電池を開発した。「米テスラのリチウムイオン蓄電池Powerpackよりも安い」と主張する。同社が採用する技術はレドックスフロー。どのような蓄電池なのか、コストや技術の特徴を紹介する。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 イスラエルElectric Fuel Energy(EFE)は2016年3月、大容量蓄電システムとして最も安価な技術を開発し、市場に投入すると発表した*1)。1キロワット時(1kWh)当たりの設備投資費用(CAPEX)が200米ドルと低いことをうたう。

 EFEの蓄電技術は、レドックスフロー電池に分類できる。レドックスフロー電池は、大規模化に適しており、安全で環境負荷が低いことが特徴。加えて、今回の発表によって他の方式を採る大規模蓄電池よりも設備投資費用が低いことが特徴に加わった(図1)。

*1) Electric Fuel Energyは、米Arotechの子会社として設立された企業。Arotechは、軍事や医療、航空、産業用パワーシステムを20年以上にわたって開発・生産する企業。Arotechは重量が85gから1.5トンという幅広い蓄電システムを開発してきた。リチウムイオン蓄電池システムや空気亜鉛電池システムを主に扱う。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20160404RF_capex_570px.png
図1 代表的な大規模蓄電池の設備投資費用 EFEの技術は従来のレドックスフロー電池はもちろん、リチウムイオン蓄電池よりも低コストであると主張する。出典:EFE社の資料から本誌が作成

 EFEの示した数値(図1の左下)に幅があるのは、システム規模によって設備投資費用が異なるからだ。システム能力の上限で12時間の充放電が可能な場合(出力1MW、容量12MWh)は160米ドル/kWh、6時間では194米ドル、4時間では260米ドルだ。

 図2に6時間システムの費用構成を示す。後ほど説明する反応セルとモジュールの費用が半分近くを占めることが分かる。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20160404RF_cost_450px.png
図2 EFEの蓄電池の設備投資費用の内訳 出典:米Arotech

テスラのPowerpackよりも低コストをうたう

 大規模蓄電池システムは運転時にもコストが掛かる。これはシステム運用期間中、一部の消耗部品を交換しなければならないからだ。大規模蓄電システムを導入する場合、設備投資費用だけではなく、ライフサイクルコスト(全コストを生涯の充放電量で割った値)を比較する必要がある。

 EFEは2020年時点のライフサイクルコストの目標を13米セント/kWhとした。同社の分析によれば米Tesla Motorsの「Tesla Powerpack」は2020年時点で15〜16米セント。EFEの技術はコスト競争力があると主張する。

2170とはずがたり:2016/04/10(日) 22:07:19

レドックスフロー電池の用途は2つ

 レドックスフロー電池の優れた性質を2つ挙げるとするとこうなる。充放電を繰り返してもほとんど劣化せず寿命が長いことと、規模を大きくすればするほど低コスト化できることだ。欠点もある。小型化には向いておらず、エネルギー密度にも限りがある。携帯型機器でリチウムイオン蓄電池に勝負を挑むことはできないだろう。

 このため、太陽光や風力、水力といった再生可能エネルギーを利用した発電所と組み合わせたときに最大の力を発揮できる。発電所は扱う電力の規模が大きく、20年以上稼働し、頻繁な充放電を繰り返すからだ。

 再生可能エネルギーと組み合わせる場合の用途も2つある。1つは大規模な系統に接続されていない地域の自立電源システム(マイクログリッド)と組み合わせる場合だ。EFEはマイクログリッドでの採用が多いディーゼル火力発電とコストを比較している。ディーゼルのライフサイクルコストは、31〜34米セント/kWhであり、同市場ではレドックスフロー電池が有用だという。

 もう1つは大規模な系統で再生可能エネルギー由来の電力の「揺れ」を吸収するというもの。同市場ではNAS電池(関連記事)に実績があり、大容量リチウムイオン蓄電池の導入も始まっている*2)。

 EFEは最初にマイクログリッド市場、次に系統接続市場に参入する計画を明らかにした。現在、同社はイスラエル本社(図3)でプロトタイプ設備を動かしており、2016年内に容量10kWhの概念検証パイロットプラントを完成するとした。2017年には150kWhの系統接続可能なシステムを展開する計画だ。実証実験などを終え、2019年には最初の商業システムの導入を予定している。想定市場規模は2000億米ドルに上るとした。

*2) レドックスフロー電池の実用化では住友電気工業が先んじている。まずは規模だ。北海道電力と協力して再生可能エネルギー由来の電力の変動を吸収する世界最大級の蓄電システムの実証実験を2015年12月に開始している(関連記事)。システムの規模は、出力15MW、容量60MWh。もう1つは応答時間。同社は1秒単位の放電が可能なシステムを構築しており、太陽光発電システムの細かい出力変動の平滑化が可能だとする。

他の蓄電技術との関係は?

 現在利用可能な「蓄電」システムを図4に挙げる。図4の縦軸は放電の応答時間だ。最も応答が早いのはキャパシタ技術。ミリ秒単位の応答が可能だ。レドックスフロー電池は応答が最も遅くなっている。瞬時に放電する用途には向かないとされてきた。横軸は出力(パワー)。キャパシタ技術は大型化したとしても1MWまでだが、右上の揚水技術を利用すれば1GWまで対応できる。

 図4からレドックスフロー電池と競合する技術はNAS電池やリチウムイオン蓄電池、先進的鉛蓄電池(Advanced Lead - Acid Battery)だと分かる。図1でこの3種類の電池を挙げたのはこれが理由だ。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20160404RF_timeW_590px.png
図4 各種蓄電技術が適する用途 縦軸は応答時間、横軸はシステム規模(容量)。一般にレドックスフロー電池は応答が遅いものの、大規模化に向くことが分かる。 出典:米EPRIが2010年に公表した資料「Electricity Energy Storage Technology Options」より、EFEが作成

2171とはずがたり:2016/04/10(日) 22:07:38
>>2169-2171
蓄電できる燃料電池

 レドックスフロー電池は、リチウムイオン蓄電池とはかなり異なる原理で動作する。

 どう違うのか。発電をになう「反応セル」の外部から連続的に反応物質を供給して動作することだ。これは燃料電池と同じ仕組み。水素を利用した燃料電池と異なるのは、充電が可能なこと。反応物質が閉鎖系に閉じ込められているからだ。つまり蓄電可能な燃料電池と言えるだろう。

 EFEはレドックスフロー電池の特徴をこう言い表している。出力(kW)を決める「反応セル」と、容量(kWh)を決める「タンク」が分離されているため、設計の自由度が高く、顧客の要望にあった容量を容易に実現できるという利点だ。リチウムイオン蓄電池のように、固体に電気を蓄積するタイプでは、両方を一度に大型化しなければならない。大型化すればするほど、レドックスフロー電池が有利だという主張の根拠はこれだ。

 一般的なレドックスフロー電池の構成を図5に示す。中央にある四角柱が反応セル、両側にある円柱がタンクだ。負極(アノード)溶液と正極(カソード)溶液は別々のタンクに分かれている。タンク容量を増やせば蓄電システムの容量が増えることが分かる。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20160404RF_struct_590px.png
図5 レドックスフロー電池の一般的な構成 出典:Electric Fuel Energy

酸化還元反応で充放電

 レドックスフロー電池はどうやって蓄電(充放電)するのだろうか。電極自体は変化せず、正極側と負極側の溶液に含まれる活物質の酸化還元(REDuction/OXidation)反応で充放電が進む。このため、溶液のサイクル寿命が非常に長くなる。蓄電池自体の長寿命化に役立つ性質だ。

 現在最も研究開発が進んでいるレドックスフロー電池は活物質にバナジウムイオンを用いるタイプだ。EFEは商業生産が可能なレドックスフロー電池の競合企業を5社挙げており、そのうち2社(住友電気工業と米Prudent Energy)がバナジウムイオンを採用している*3)。

 EFEは活物質に鉄(Fe)を用いた。図6にあるように放電時は負極で鉄が水酸化鉄に変化して電子を放出、負荷を経由した電子を正極側で受け取り、フェリシアン化物イオンの価数が変化する。

*3) 残りの3社は亜鉛・臭素を利用する。レドックスフロー電池の研究開発は1974年に始まった。同年にNASAが原理を発表、1978年にはNASAが鉄クロム系のプロトタイプシステムを開発している。1985年にオーストラリアのニューサウスウェールズ大学の研究チームがバナジウム系を開発した後は、エネルギー密度が鉄クロム系の2倍に向上、同系の研究開発が最も進んだという経緯がある。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20160404RF_react_590px.png
図6 EFEのレドックスフロー電池の充放電動作 出典:Electric Fuel Energy

 EFEの技術を採用するとコストが低くなるのは、バナジウムではなく、安価な鉄を利用したためだという。同社はレドックスフロー電池に関する主要な特許を2つ取得しており、そのうち1つが鉄負極に関するものだ(図7)。

 同社の鉄負極は、低コストであり、性能が低下することがなく20年(3000サイクル)にわたる充放電が可能な他、過放電・過充電にも耐えるという。なお、鉄複合正極は1980年代に当時の米ロッキードが亜鉛レドックスフロー電池向けに開発した技術を改善したものだという。


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