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Airline & Airport(航空会社・航空路線・空港)スレ

7583OS5:2025/08/07(木) 21:00:41
https://www.sankei.com/article/20250806-N5T7PWWI3JNLNMARNOECQE4U3Q/
<独自>日航機墜落事故40年 米ボーイング、修理ミスの理由説明「設置困難で部品切断」
2025/8/6 22:00
12日で発生から40年になる日航機墜落事故を巡り、米ボーイング社は産経新聞の取材に応じ、事故原因とされる接合板(スプライス・プレート)を2枚使用した機体の修理ミスが起きた理由について「設置することが構造上困難だったため」と明らかにした。当時の旧運輸省航空事故調査委員会の調査や、警察の捜査では担当者への聞き取りができず、2枚のプレートを使用した修理ミスが起きた理由は判明していなかった。


1985年8月に発生し、乗客乗員520人が犠牲になった単独機として世界最悪の航空機事故は、原因のさらなる究明に向け一歩踏み出した。


墜落した機体はボーイング747型機。墜落事故の7年前、別の事故で機体後部を損傷し、ボーイングが修理した。機内の気圧を保つドーム状の部品「後部圧力隔壁」について、修理チームは下半分を新品に取り換え上半分と接合した。

このとき、接合部にあてるプレートが指示書では1枚だったのに対し、2枚に切断されたものが使用された。隔壁はプレートを挟む形で鋲留めされたが、本来の仕様より強度が7割に落ち込み、最終的に墜落事故につながったと事故調の報告書で結論付けている。



だが、2枚のプレートを使用した理由は長く判明していなかった。ボーイングは取材に「プレートを所定の位置に設置するのが難しく、2つに切り分けて設置しやすくした」と説明した。

ボーイングは昨年9月、日航機墜落事故に関するページを公開し、この内容を示していた。米連邦航空局(FAA)も、公式サイトで「隣接する構造物との複合的な湾曲のため設置が困難だった」と記載している。

事故で機体後部を損傷した日航機=1978年6月、大阪空港
事故で機体後部を損傷した日航機=1978年6月、大阪空港
当時、事故調の調査官として圧力隔壁を調べた斉藤孝一さん(80)は「事故後の40年間で初めて出てきた情報で、大変驚いている。整備員たちが安全のために知るべき非常に重要な情報だ」と述べた。


ボーイングは取材に際し、「ご遺族の皆さまに心よりの哀悼の意とおわびを申し上げます」と改めて謝罪した。

遺族らでつくる「8・12連絡会」は「修理ミスについて、ひとつひとつ事実が分かっていくことによって、その背景を明らかにしていくことができるはずなので、さらに詳しく情報をオープンにしていってほしい」とコメントした。(織田淳嗣)

7584OS5:2025/08/10(日) 12:42:31
https://news.yahoo.co.jp/articles/39c9f74b84515b70759d065fa8e605d2366996f8
「首都圏第三空港」の議論はなぜ再燃したのか? インバウンド急増と羽田・成田の限界、示された切実な必要性とは
8/10(日) 5:51配信


Merkmal
首都圏第三空港構想の行方

羽田空港(画像:写真AC)

 羽田空港と成田空港は、数十年にわたり首都圏の空の玄関口として機能している。その次の首都圏第三空港の構想は、数十年前から検討されてきた。

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 例えば2001(平成13)年には、国土交通省に対して各業界団体から首都圏第三空港の候補地として14か所(羽田空港関連の提案が3件あり、計16提案)が示されている。候補地は以下のとおりだ。

1.木更津沖
2.西多摩地区
3.千葉県九十九里沖
4.羽田空港(東京国際空港)
5.富津岬 南
6.富津岬 北
7.横須賀金田湾
8.湾央木更津沖案(海ほたる空港案)
9.扇島地区(京浜臨海工業地域の東扇島・西扇島)
10.東京湾内の川崎・横浜沖
11.中ノ瀬
12.東京湾奥
13.川崎臨海部沖首都圏新空港
14.栃木市北西部谷倉山付近

最終的には羽田空港の拡張が軸となり計画が進められた。ただし一部の構想は今も残っている。とくに根強く議論されているのは、「2」に含まれる東京都福生市の米空軍横田飛行場の軍民共用化である。

 この空港は米軍用の大型機も発着可能な滑走路(3,353m)を持つ。米本土への直行便も運航可能だ。さらに24時間の運用が可能であるうえ、ジェット燃料を運搬する鉄道貨物線もある。これを活かして青梅線と連携した鉄道アクセスの整備も可能だ。

軍民共用化の現状と課題

調布飛行場(画像:写真AC)

 こうした背景から、長年にわたり軍民共用化の議論が続いている。直近では2019年、日本政府が東京オリンピック・パラリンピックの訪日客増加対策として推進した。当時の小池都知事も賛成の意向を示していた。

 だがこの議論はコロナ禍の無観客開催で破断した。提案当時より外国人観光客がさらに増えたことを考えれば、再提案があっても不自然ではない。

 また、空母艦載機の移動で余裕が生まれた米海軍厚木基地(神奈川県)や、茨城空港との機能交換で民間空港化を目指す海上自衛隊下総基地(千葉県)も、軍民共用で首都圏第三空港の地位を狙っている。

 首都圏には成田・羽田のほか、東京都島しょ部へのコミューター路線や航空写真撮影用小型機の離発着がある調布飛行場も含め、正確には三つの空港がある。

 しかし調布飛行場は制約が多く、広域交通の役割は担えない。したがって、新たに開業する空港があれば、それが首都圏第三空港とみなされるべきだ。航空自衛隊百里基地を強化した茨城空港は、かつて首都圏第三空港として期待された。しかし距離の遠さから地方空港とみなされ、第三空港とは見なされていない。

 近年、首都圏第三空港の議論は減少している。主な理由は、2000年代以降に進んだ羽田・成田両空港の機能強化だ。2001(平成13)年の第三空港候補提案は、羽田の沖合展開や再国際化、成田第二滑走路未完成時のものだった。

 2025年現在、羽田に4本、成田に2本の大型滑走路が完成し、必要性は薄れている。成田では3本目滑走路やターミナル建て替え、羽田でも第5滑走路構想がある。

・世界的な航空会社統合
・少子化による国内線市場縮小

を踏まえれば、新空港建設には慎重になるのも自然である。

羽田・成田の拡張限界

成田空港(画像:写真AC)

 筆者(前林広樹、航空ライター)は、羽田・成田の拡張が進む現在でも首都圏第三空港は必要だと考えている。滑走路の増設は可能でも、他に多くの問題がある。

 羽田空港は機材制約が大きい。世界最大の旅客機エアバスA380は、後方乱気流や滑走路への負担のため昼間は使用できない。旅客ターミナルもボーディングブリッジ不足など駐機スペースに問題がある。第一ターミナルのサテライト増設やリニューアルは進んだが、最古のターミナルは1993(平成5)年完成で老朽化が懸念される。改築しても空港内部の混雑解消は疑問だ。

 成田空港は第三滑走路建設やターミナル建て替えなど積極策を進めている。発着枠は1.5倍になる計画だ。しかし

・反対運動の泥沼化
・夜間運用の困難さ
・都心側の交通アクセス制約

もあり、増便が実現できるかは不透明だ。

 調布飛行場はさらに深刻だ。東京都心で唯一小型機が発着可能な空港だが、周辺自治体との共用協定で1000mの滑走路のうち800mしか使えない。2015年には滑走路ぎりぎりの短距離離陸で小型機が住宅街に墜落し、乗客と住民が亡くなる事故が起きた。以降、協定は厳格化し自家用機の運用が事実上不可能となった。騒音など住民の反発は根強く、協定見直しは容易でない。

 自家用機が使えないことは、東京の都市競争力や災害復旧の面で大きな制約となっている。早急な解決が求められる課題だ。

7585OS5:2025/08/10(日) 12:42:55
羽田混雑解消の課題

第三管区海上保安本部 羽田航空基地(画像:(C)Google)

 自衛隊や米軍基地を民用化して首都圏第三空港とする構想は、現状のままでは理解を得にくい。まずは混雑やインフラ制約による問題がある部門から徐々に移転を進めるべきだ。

 筆者が優先的に移転を検討すべきと考えるのは、

「海上保安庁の羽田基地」

である。羽田基地は沖ノ鳥島や南鳥島の外国船舶警備など国防上重要な役割を担うが、混雑激しい羽田空港では災害時の緊急対応が十分とはいえない。

 特に2024年1月2日に起きた羽田空港の衝突事故は顕著だ。前日の能登半島地震の救援に向かう海保機が誤って滑走路に侵入し、新千歳から到着したJAL機に衝突、炎上した。JAL機の乗員は全員脱出したが、海保職員5人中4人が殉職した大惨事だった。

 運輸安全委員会は、海保機が滑走路進入許可を得たと誤認したことや管制官、日航機が海保機を認識していなかったヒューマンエラーを指摘している。一方で羽田空港の混雑による管制負担の大きさも問題視されている。

 この悲劇を繰り返さないため、羽田の混雑解消は必須課題だ。緊急対応を担う海上保安庁基地の移転を検討する価値はある。発着枠の増加はわずかでも、混雑空港の枠を少しでも空けることは重要だ。

 また東京都管轄の調布飛行場も機能移転を本格的に検討すべきだ。住民感情は厳しく、延長した滑走路を生かすのは難しい。東京島しょ部の路線は羽田の未利用枠を活用して移転し、自家用機の発着は下総や木更津の自衛隊基地で認める整備が望ましい。軍民共用が難しければ、

「日産追浜工場跡地」

を自家用機向けターミナルに整備するのも一案だ。


多極化する空港戦略

飛行機(画像:写真AC)

 長期的に第三空港を盛り上げるには、そこを拠点とする別の航空会社が必要だ。

 ANAとJALはすでに東京に羽田・成田のふたつのハブ空港を持ち、路線が分散しているため、ハブ機能が諸外国の航空会社に比べ弱い。そこにさらに三つめの空港へも飛ばすのは無理がある。そのため、首都圏に成田・羽田に負けないハブ空港を作るなら、かつてスカイマークが目指した

「第三極となる航空会社」

を作ることが不可欠だ。実際、ロンドンは六つの空港を持ち、最大手ブリティッシュ・エアウェイズのほか、ヴァージン・アトランティックやライアンエアー、イージージェットなど競争力のある複数の航空会社が運用を支えている。首都圏で三つめ、四つめの空港を設けて競争力を高めるなら、

「大手以外の選択肢」

を増やす考えも必要だと筆者は考える。

 幸い、候補地には横田や厚木など成田・羽田から遠い場所もあり、強い航空会社が育てば大きな空港として機能する可能性がある。首都圏第三空港は、軍民両用化などのハード面の整備とともに、新たな競争力ある航空会社を育成するソフト面の整備も考慮して進めるべきだろう。

前林広樹(航空ライター)

7586OS5:2025/08/18(月) 18:29:31
https://news.yahoo.co.jp/articles/4f5134479f0ebed75f7c47cbf5ab9efcba3c3248
残したのは「座席・Wi-Fi・コンセント」だけ…ZIPAIRが日本で唯一の「太平洋横断LCC」で急成長できたワケ
8/18(月) 7:16配信
プレジデントオンライン

ZIPAIR Tokyoの西田真吾社長 - 筆者撮影

格安航空会社に長距離路線は不可能とされていた。それが航空業界の常識だったが、ZIPAIRは「太平洋を横断する国内唯一のLCC」として2022年に黒字化を達成。いまでは国内6位の輸送力を持つエアラインになった。初フライトから5年で、なぜ急成長することができたのか。ZIPAIR Tokyoの西田真吾社長に、航空ジャーナリストの北島幸司さんが取材した――。

【写真をみる】ZIPAIR機の座席

■太平洋を横断する国内唯一の国際線LCC

 太平洋を横断するLCCで黒字化を実現した――。その事実だけでも、ZIPAIR Tokyo(以下ZIPAIR)というエアラインがいかに特異な存在かがわかる。

 長距離を低価格で運航するビジネスモデルは、航空業界において長らく「成功しない」とされてきた。燃料費や人件費、空港使用料といった固定費の比重が大きく、短距離での多頻度ならともかく、長距離運航では採算が取りにくいからである。

 特に太平洋路線は距離が長く、フルサービスキャリア(FSC)との競争も激しい。1日24時間で航空機が成田に戻ってこなければ、機材の効率的な運用にならない。過去には、欧米を中心にいくつものLCCがこれらの壁に挑み、そして撤退していった。

 しかし、JALグループの一員として2020年6月に就航(新型コロナの影響で乗客ゼロの貨物便だった)を開始して以降、そうした業界の“常識”を覆すことに成功した。同年12月には成田―ホノルル線、21年12月には初の太平洋横断となる成田―ロサンゼルス線を就航した。

 そして初フライトからわずか数年で、ZIPAIRは日系エアライン6位の輸送力を持つまでに成長し、2022年度から単年度黒字化を実現している。

 「当初ZIPAIRの社内、特に企画部門にはJALの出身者が多かったのですが、まずは全員にJALでの成功体験を封印してもらって、自由に作りたいものを作らせてもらいました。更地に家を建てて良いと言われたのだから好きにしようと思ったのです」と西田真吾社長はすがすがしい顔でこう話した。

 しかし、ZIPAIR急成長の過程は決して順風満帆ではなかった。なぜZIPAIRは国際線LCCで成功できたのだろうか。

■どん底からの出発

 2018年5月、JALは新たな国際中長距離型LCCの設立を発表。翌年3月、新しいエアラインブランド「ZIPAIR」が誕生した。2020年夏に予定されていた東京五輪に合わせ、就航準備を進めていた。2020年5月14日に成田―バンコク線、7月1日に成田―ソウル線を開設する予定だった。これが新型コロナでずれ込んだ。

 2020年に入り、新型コロナウイルス感染拡大で人的流動が止まり、航空需要が激減した。JALグループ内からも「就航を延期すべきではないか」という声が上がったが、西田真吾社長は貨物便を飛ばすことを決断する。同年6月、待ちに待った初フライトは乗客ゼロ。機械部品など13トンを載せ、タイ・バンコクに飛んだ。

 「飛んでこそエアラインです。だからこそ暫定的ではありましたが、貨物だけでも飛ばそうと決めました。飛ばさないエアラインに、未来はありません。コロナが明ければ必ず需要は回復すると信じていました」(西田社長)

 同年12月には成田―ホノルル線を開設する。それに必要なETOPS(双発機の洋上飛行認可)を取得するにも、6月の運航が欠かせないという事情もあった。

 その後、ZIPAIRは貨物を運びながら旅客便の運航もスタートする。ソウル線の初フライトはわずか乗客2人、ホノルル線は26人だった。

 西田社長はホノルル線就航時の会見で「readyの状態にしておく」と語っている。コロナ後の航空需要を確実に取り込むための雌伏の期間と考えていたのだろう。コロナ後を見据えたこの姿勢は、ZIPAIRがこれまで準備してきたコンセプトとあいまって、奏功することになる。

7587OS5:2025/08/18(月) 18:29:49
■3つのブレイクスルー

 新型コロナの影響で異例のスタートを切ったZIPAIRだが、その後の成長は冒頭で示した通り、目を見張るものがある。成功した理由は、旅客需要の回復でも、単なる価格の安さでもない。そこにはZIPAIR誕生時から練ってきた“異色の”コンセプトにある。整理すると、3つの構造的ブレイクスルーがあったことがわかる。

 ①「眠らない飛行機」の運用

 まずは機材と運航の効率性である。西田社長は、「当初より太平洋を越える距離を飛ぶにはWide Body機でないと実現不可能であることがわかっていました。そこで、ZIPAIRはJALで機材数が多く運航経験が長い、燃費に優れた中型機・ボーイング787を選定し、夜間も空港に駐機させず、24時間稼働させる体制をつくりました」と語る。

 飛行機が地上で眠る時間は利益を生まない――。この発想を徹底的に追求し、旅客と貨物の効率的な搭降載を実施し、90分のターンアラウンドタイム(TAT)で機材を回している。この「眠らない飛行機」が、長距離LCCで黒字化を可能にする最大の鍵となった。

 ②残したのは「座席」「Wi-Fi」「コンセント」だけ

 第二は、サービスの脱・パッケージ化である。ZIPAIRでは、運賃の解釈を一旦「移動だけ」としてスタートした。どうしても外せない「座席」、加えてWi-Fiと充電設備は基本運賃として残している。食事やドリンク、アメニティ、受託手荷物、食事の提供時間オプションも含めすべてが有料オプションである。

■JAL会長でも予約が取れない

 フルフラット座席を選んでも、いわゆるビジネスクラスの特典は一切ない。「シートに対価を払うだけ」という潔い設計は、業界の常識とは異なる。シートが機体前方に位置し、座席がフルフラットになるZIP Full-flatの運賃の決め方もユニークだ。専有面積を測り、スタンダード席の3倍を使用することから運賃は3倍とした。

 それでも、この18席しかないフルフラット席のロードファクター(有償座席利用率)はスタンダード席よりも高い90%に達する。西田社長はこう胸を張る。

 「実際、このシート自体はKLMやエールフランスで使用されているビジネスクラスシートと同じものです。人気があり、売り出しとともに完売になることも良くあります。JALの赤坂(祐二・現会長)が米国出張でZIPAIRを使ってくれることがあります。秘書がネットでZIP Full-Flatを予約しようとしても、完売して乗れないことが何度もありました」

 ③「乗客に優劣をつけない」サービスモノクラスという設計思想

 そして第三が、モノクラスという心理的ブレイクスルーである。ZIPAIRは、クラスをカーテンで仕切らず、優先搭乗も存在しない。全員が同じ空間を共有する。この設計思想は、心理的な剥奪感や階層意識を排除し、機内トラブルのリスクさえ低減させている。

 実際に、トロント大学の研究でも「前方のファーストクラスを通ってエコノミーに搭乗すると、乗客の感情的な爆発リスクは2倍以上になる」と報告されている。ZIPAIRの機内は、そのような軋轢を生まない空間が意識されている。

■「サービスを一度全部取っ払ってゼロにする」

 こうしたアイデアはどこから生まれてきたのか。

 西田社長は、ZIPAIR設立時のエピソードを明かしてくれた。JALの役員会議でLCCの将来展望を議論していた時だった。当時会長だった植木義晴さんに「鶴丸を守れる社員は社内にいくらでもいる。君らは自由にやって来い」と送り出されたという。

 当時社長だった赤坂祐二さん(現会長)は役員会の席上で、「フルサービスキャリアならプロだがLCCをやったことない。だから、君らは絶対にZIPAIRには口を出すな」と役員たちに釘を刺したという。

 「社内で援護を得ることができてありがたかったですね」と西田社長。JALトップの後押しが、アイデアを生み出し、形にする大きな原動力になった。

 さらに西田社長は参考にしたLCCがあると明かしてくれた。アジアでの成功事例とされている「スクート」だ。シンガポール航空のグループ会社で、同型機のボーイング787を運航している。西田社長はこう振り返る。

 「創業前、何度も乗って参考にしました。チャンギ空港(シンガポール)のターミナルビルからランプを見て、地上作業の動きをずっと眺めていました。そこで学んだのは効率的なターンアラウンドタイム(TAT)です。そして考え出したのが、サービスを一度全部取っ払ってゼロにすることでした」

7588OS5:2025/08/18(月) 18:30:23
■辛ラーメンを「禁断の機内食」と呼んでいる

 これが、ZIPAIRの「新幹線の駅弁持参方式」の始まりであった。予約時に選べる機内食はカレーや鰻、牛丼など最大30種類あるが、コンビニ弁当や空港にある空弁を持ち込んでも構わない。アルコール以外であれば飲み物の持ち込みさえOKとした。

 持ち込みできるにもかかわらず、機内では“奇妙な現象”が起きるという。

 「機内は『辛ラーメン』(500円)を販売しています。誰かが注文すると面白いようにどんどん同じものが売れるんです」。限られた空間を共有する環境ならではの光景である。同社では、辛ラーメンを「禁断の機内食」と呼んでいるほどだ。

 フルサービスキャリアでは当たり前についている機内モニターも削った。その代わりに全席にUSB用と、ユニバーサル電源とタブレットホルダーを装備している。あらかじめ出発前にダウンロードして用意した動画を楽しめるようにした。いわゆるBYOD(Bring Your Own Device)方式だ。モニターを無くすことによって機体重量は軽くなり、燃費効率も上がるという。

■唯一充実させたのは「Wi-Fi」

 利用者にとっても不便はない。機内モニターを装備し、5000チャンネルを超える番組を用意しても、他言語ばかりで見ることのできないこともある。押しつけのエンタメ・プログラムより、ネット上にある無限の番組から自分の好みに合ったコンテンツを選べるほうがいい。

 「年頭に米国出張に行った際、機内で外国の若い方々がスマホで日本のアニメを見ていて、驚きました。自由に、好きな番組を見られるほうがよっぽどいい移動時間になりますね」(西田社長)

 これまでサービスを最小限度まで削ってきたことに着目したが、ZIPAIRが設備を充実させたものが一つだけある。機内Wi-Fiだ。

 Wi-Fiは基本運賃に含まれており、追加料金なしで利用できる。エンタメのためだけではなく、飲み物やアメニティの注文も、乗客のスマホからできる「タブレット居酒屋」と呼ぶシステムにも活用している。注文がスムーズにでき、収益源にもなっている。西田社長によると、こうした仕組みを実装しているのはZIPAIRだけだという。

 2025年度中には衛星通信「スターリンク」を導入する予定だ。エアバス機やカタール航空のボーイング777では実装が始まっているが、国内ではJALやANAにもない。地上より速い通信環境があれば、飛行機内でオンライン会議も可能になる。リモートワークやゲームも当たり前になるだろう。

■必要なものを、自分で選べる納得感

 乗客が「必要な分だけ」対価を支払う構造は、「若い時に流行った自由に部品を選べる組み立てパソコン、BTO(built to order)のようなもの」(西田社長)という。客が納得して財布の紐を緩めるものを追求し、コンビニの棚のように商品を入れ替えることで収益につなげている。

 実際、ZIPAIRはアンシラリー(付帯)収入だけで全体の20%を稼ぎ出している。これは業界平均を上回る水準である。しかも、これらはすべてキャッシュレス決済で完結し、運用コストも削減できている。

 気になる航空運賃だが、例えば8月時点で秋の閑散期の成田―ロサンゼルス間往復で、ZIPAIRのスタンダード席は10万円、フルフラットは40万5000円。同時期の日系他社の料金はエコノミーは16万7000円で、ビジネスクラスは72万3000円だった。

 繁忙期である年末年始はどうか。同区間往復で、ZIPAIRのスタンダード席は16万1000円、フルフラットは50万3000円だ。一方、上記の日系他社ではエコノミーは23万9000円、ビジネスクラスは112万3000円だった(いずれも8月14日現在)。

 ちなみにZIPAIRは燃油サーチャージは不要。全ての決済はオンラインで完結する。予約、追加オプション、支払い、機内の注文もすべて自身のスマホからできる。

 搭乗者の約7割は外国人である。マニラからサンフランシスコ、ソウルからシンガポールへそれぞれ成田空港経由で向かう利用者など、LCCながら国際線乗り継ぎに使う動きも加速している。

7589OS5:2025/08/18(月) 18:30:51
■口コミで広がった利用者

 「プレミアムはやらない」。それがZIPAIRの基本方針である。

 豪華な専用ラウンジや高級ワインはない。だがその代わりに、必要なものにだけお金を払う「納得感のあるサービス」を提供することに注力している。選ぶ楽しさと、自分らしい旅のあり方──それがZIPAIRの掲げる「NEW BASIC AIRLINE」の本質だと西田社長は語る。

 エアラインがサービス競争の渦に取り込まれ過剰になると、価格は上がるし、乗客にとって本当に必要な価値が見えなくなる。ZIPAIRは、それを一つひとつ見直した会社なのだ。それはエアラインの常識を打ち破ることにほかならない。「LCCは短距離」「フルサービスでなければ長距離は無理」という暗黙の了解を、座席、Wi-Fi、電源を除くあらゆるサービスをゼロベースで見直してきた。

 乗客が選ぶ自由を尊重し、過剰なサービスを押しつけない。その分、必要な人には正当な対価で質の高い選択肢を提供する──それがZIPAIRの“哲学”である。これは、単なる価格競争の武器ではなく、空の旅そのものを民主化するための根幹となっている。豪華なシートも、高額なチケットもない。ZIPAIRは、世界の航空マーケットにおけるLCCとFSCの中間領域を切り拓こうとしているのだろう。

 コロナによる海外渡航制限が緩和されるにつれ、ZIPAIRの成長は勢いを増した。広告宣伝に金をかけず、口コミで利用者が広がった。22年4月には初めて“満席便”が飛んだ。初めて満席便を出した日を西田社長はこう振り返る。

 「私はもちろん、社員みんなで喜びを分かち合い、嬉しい気持ちでいっぱいでした。コロナ禍では感じることができなかったですが、やっとお客さまにご支持いただいたということを実感できた瞬間でした」

 23年には米サンフランシスコ線、フィリピン・マニラ線が就航し、機体は3機増え(うち2機は新造機)、現在は8機体制となっている。

■「日本発の航空ビジネスモデルを海外に広げたい」

 ZIPAIRは他国を拠点とした国際展開の可能性も見据えている。実際に「ZIPAIR Thailand」など、他国へのブランド展開を念頭に置いたフランチャイズ構想が考えられる。

 筆者は、なぜ社名に「Tokyo」と付くのか不思議に感じていたが、他国の都市名が付けばフランチャイズエアラインになるのではないかと考えるようになった。同社は最初からその可能性を考えていたのかもしれない。

 西田社長は、「いずれはZIPAIRを“日本発の航空ビジネスモデル”として世界に広げたい。例えばアジアの都市でZIPAIR流の運航を地元企業とともに実現する。そこに我々のDNAが残ればいい」と構想を明かす。

 2032年には追加機材をボーイング787-8から787-9に大型化し、20機規模体制に拡大予定である。ANA・JALに次ぐ「第3のエアライン」として、単なるLCCを超えたポジションを築こうとしている。「アメリカとアジアの就航地拡大を見据え、バランスを見ながら進めていきたい」と西田社長は意気込む。

 「航空を“贅沢品”から“日常の選択肢”に戻す」。ZIPAIRは、そんなビジョンのもと、今日も太平洋を越えて飛び続けている。

7590OS5:2025/08/18(月) 18:31:05
■フルフラットで米ヒューストンへ

 筆者は、最新路線で最長の成田―ヒューストン線に搭乗してみた。

 片道はZIP Full-Flatを選んだが、新鮮な体験だった。長時間のフライトではもちろん睡眠時間を取るが、フルサービスキャリアでは当たり前にあるブランケットやアメニティはない。アメニティセットは別料金で、2500円を払えば、タカシマヤのタグが付いた肌触りの良いブランケット、耳栓、アイマスク、ネックピロー、スリッパが手に入る。この5点セットは必須だ。

 また、機内食を2食頼むのであれば、2食目の配膳時間は追加料金250円を払って到着の2時間前にすべきだろう。筆者は手配を忘れ、2食を同時に受け取った。1食を置いておいたら、美味しいのだが、豚肉が硬くなって困ってしまった。機内のWi-Fiを利用してZIPAIR提供のプログラムの中から映画『トップガン マーヴェリック』を観た。途中、映像が止まることもあったが、概ね快適に視聴できた。

 機内で実際に働く客室乗務員に話を聞いた。なかでも印象的だったのは、バッジネーム・RIONAさんのエピソードである。「ある日、家族4人が搭乗して来られました。祖父母はフルフラット席でぐっすり休み、子と孫はスタンダード席でそれぞれの時間を楽しんでいらっしゃいました。あのフライトはまさにZIPAIRらしさを体現していると思います。一人ひとりが無理なく選べるというのは、本当にすごいことだと思います」と優し気な目で振り返る。

■自宅のリビングのような自由な空間

 さらに、客室乗務員の中には「空港で対応したお客様が、機内でも自分を見つけて声をかけてくれた」と話す人もいた。同社の乗務員は地上業務との兼務というLCC業界でも極めて珍しいユニークな働き方で、彼らは空の上と地上の接点を自らの仕事の中でつないでいた。

 フライト中、照明が落された機内を歩いてみた。眠る人、スマホやタブレットで好きな映画を見たりゲームをしたりと、各々が穏やかな時間を過ごしていた。

 日本では初の長距離LCCの機内は、フルサービスキャリアでも見られない自宅のリビングで過ごすような自由な雰囲気の空間であった。これが西田社長の求めていたLCCの姿なのだろう。ZIPAIRの挑戦はこれからも続く。



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北島 幸司(きたじま・こうじ)
航空ジャーナリスト
大阪府出身。幼いころからの航空機ファンで、乗り鉄ならぬ「乗りヒコ」として、空旅の楽しさを発信している。海外旅行情報サイト「Risvel」で連載コラム「空旅のススメ」や機内誌の執筆、月刊航空雑誌を手がけるほか、「あびあんうぃんぐ」の名前でブログも更新中。航空ジャーナリスト協会所属。
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航空ジャーナリスト 北島 幸司

7591OS5:2025/08/19(火) 08:37:50
https://news.yahoo.co.jp/articles/25cd230293f6e21ccb41088def7cb4220d413bb9
北陸新幹線に対抗、小松―羽田便割安運賃で利用増 日航、全日空
8/19(火) 5:00配信

北國新聞社
 日本航空北陸支店と全日本空輸金沢支店は18日、旧盆期間(8〜17日)の利用実績を発表した。主要路線の小松―羽田便は、日航が前年同期比6・2%増の1万7532人、全日空が16・1%増の1万2897人といずれも前年を上回った。両社は特別な運賃設定やセールにより北陸新幹線と同水準の価格で座席を提供したことが利用増につながったとみている。

 日航は5月、予約変更ができない代わりに割安になる「セイバー運賃」を小松便は搭乗日当日まで購入できるよう変更。大人片道1万4千円台で利用できるようになり、担当者は「事前の購入は低調だったが、直前の予約が伸びた」と語った。

 全日空は旧盆期間も適用期間としたタイムセールを4月から開始。1万円を切る価格で販売した。担当者は「早い段階から予約を獲得することができた」とした。

 提供座席数は日航が7・8%増の1万9632席、全日空が12・1%増の1万3840席だった。昨年は台風の影響で欠航が多かったことが影響した。

 このほかの小松発着便では、日航の那覇便が3・7%減の2763人、全日空の札幌便が2・4%減の3209人、福岡便が1・1%減の5381人だった。1日2往復の能登―羽田便は昨年1往復だったことから、約2・4倍の5627人が搭乗した。

 ●富山―羽田便、16%増

 富山空港発着便では、主要路線の全日空羽田便が前年同期比16・0%増の9083人だった。同支店は「価格が低い早期から予約を獲得でき、堅調に推移した」としている。

 期間中の羽田便の提供座席数は13・5%増の1万119席だった。7日前までに予約すると、新幹線と変わらない1万3千円台で購入できたことなどが利用を押し上げた。

 1日1往復の札幌便は15・3%増の3785人だった。

7592OS5:2025/08/23(土) 07:00:25
https://news.yahoo.co.jp/articles/4ffbcf400f4cf47317669c5a3edcb6754916507e
AL・ANAに立ちはだかる「新幹線の壁」。お盆は好調でも、実は「国内線が実質赤字」の深刻度
8/22(金) 6:36配信


BUSINESS INSIDER JAPAN

JALとANAの旅客機。

日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)、スカイマークの航空3社がお盆期間(8月8日〜17日)の搭乗実績をそれぞれ発表した。JALとANAは国内線・国際線ともに利用者数が前年超えを記録。国内線のみ運行のスカイマークも同様に前年超えしており、2025年のお盆は業界上位3社全てが利用者数で前年超えした(詳細は記事最後にまとめた)。

【図から分かる苦境】JAL・ANAの国内線売り上げと赤字路線の状況、国内6社の国内線収支の状況、国内線インバウンド利用の詳細(全12枚)

お盆実績だけを見ると「大手航空会社は好調」というようにも読める。が、実は、各社とも国内線の経営に苦しんでいる事実は、まだあまり知られていないかもしれない。

記者が直近で決算取材をしたJAL、ANA両社とも「国の支援がなければ国内は実質赤字」だという趣旨の発言を語っていたほどだ。

Business Insider Japanの取材に答えたJAL・ANA2社の広報(後述)の話を総合すると、「お盆期間などの繁忙期に一時的に利用者数や搭乗率が上がったからといって、赤字を解消できるという単純な問題ではなく、構造的な問題が複合的に絡んでいる」ということだ。

決算資料と取材からは、「国内が実質赤字」の背景に、(1)ビジネス需要の低迷、(2)インバウンドの取り込み不足、(3)「新幹線」との競合 ── という3つの要因が複合的に関係していることが見えてきた。

航空業界の課題を浮き彫りにする「決算資料」
お盆期間という短期間では好調だった国内線だが、事業単位や通年で見ると苦しい状況が浮き彫りになっている。

JAL・ANAの2026年3月期第1四半期決算では、JALの国内線旅客収入が1342億円(同7.6%増)、ANAの国内線売上高が1619億円(同6.8%増)。一見すると好調のように思えるが、その実情は苦しい。主な要因が人口減少やビジネス需要の低迷だ。賃上げに伴う人件費の増加や、円安による燃料費の高騰も続き、経営を圧迫している。

国内線に対し、国際線はインバウンド需要などを背景に好調だ。JALの国際線の旅客収入は1849億円(前年同期比11.4%増)、ANAの国際線収入は2062億円(同8.8%増)だった。客単価が異なるため単純比較はできないが、売り上げの数字だけ見れば、国際線が上回っている。

(参考記事:ANAの新規就航「欧州3路線」、予約率8割で好調な滑り出し。“空白地帯”埋められるか)

実は国内線「政府支援ないと赤字」
苦しい国内線を支援するため、政府は空港使用料の減免や航空機燃料税の軽減などを行っている。これに加え、監督官庁の国土交通省は現在、国内線の今後について検証する「国内航空のあり方に関する有識者会議」を開催している。国内線について「安定的な事業継続が困難になりつつある」と判断したためだ。

国交省とJAL・ANAは有識者会議でどのようなことを議論したのだろうか。

樋口 隆充 / Takamitsu Higuchi[Business Insider Japan記者]

7593OS5:2025/08/24(日) 18:57:49
5月末に開催された第1回会合で、国交省は「主要6社(JAL・ANA・スカイマーク・AIRDO・ソラシドエア・スターフライヤー)の国内線事業に関しては、旅客数はコロナ禍前と同水準まで回復しているものの、実質的な営業損益では赤字に転落。特に、主に国内専業の航空会社は厳しい経営状況となっている」との見方を示した。

出典:国交省の有識者会議の資料
出典:国交省の有識者会議の資料
資料によると、ANAは会合で「国内線の収益性は低下の一途をたどっていくことが予測される」と現状を説明。中でもビジネス需要はコロナ前から1割減少しており「テレワーク定着で、比較的高単価のビジネス需要は減少し、コロナ前水準への回復は見込めない状況」としている。

出典:国交省の有識者会議の資料
出典:国交省の有識者会議の資料
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新幹線など他の公共交通機関との競争も激しい。「需要の低い日付・便において訴求力のある価格で販売する戦略を取らざるを得ず、国内線マーケットは供給過多の状態。政府支援がなければ、実質赤字」(ANA)とした。国内線の赤字路線も58%(2023年)と半数以上に上る。

同社が2025年5月に発表した2024年度輸送実績を見ると、「札幌〜稚内」(搭乗率59.4%)のように通年での搭乗率が5割台の地方路線が散見され、「東京〜能登」(同49.1%)のように5割を下回る路線も存在するのが実情だ。

出典:国交省の有識者会議の資料
出典:国交省の有識者会議の資料
JALも同様に「コロナ前には国内線事業がJALグループ全体の営業利益の約4割を占めていたが、現状は、費用増に見合う収入増が実現できておらず公的支援がなければ実質利益がなく、赤字構造だ」と窮状を訴えた。特に羽田発着の地方路線と大阪発着路線の収益性低下が顕著だという。

出典:国交省の有識者会議の資料
出典:国交省の有識者会議の資料
インバウンド競争に立ちはだかる「新幹線」の壁
国内線の需要を増やし、実力で黒字化するためのカギとなるのが「訪日観光客(インバウンド)の取り込み」だ。国交省は、観光庁「インバウンド消費動向調査」を基に「国内線旅客数のうち、インバウンド旅客の占める割合は数%にとどまる」と推計する。JALが1Q決算で明らかにした国内線のインバウンド利用比率は4%。ANAも「約4%」(広報)としている。

出典:国交省の有識者会議の資料
出典:国交省の有識者会議の資料
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インバウンド比率が低い主要因として、「新幹線の存在」がある。インバウンド客は、新幹線や特急を含むJR全線(「のぞみ」「みずほ」除く)で使える周遊型切符「ジャパン・レール・パス」を使って移動することが多い。

Shutterstock
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7日券で大人5万円から利用でき、対象外の「のぞみ」なども約5000円ほどの追加料金を支払えば利用できるという仕様だ。インバウンド客にとって訪日旅行に欠かせない移動チケットとなっている。

7594OS5:2025/08/24(日) 18:59:01
JAL、ANAともに有識者会議の資料のなかで、新幹線競合路線では航空運賃の価格転嫁が難しい構造があると指摘している。特にJALは「新幹線運賃への対抗が必要」とまで言及しているほどだ。

JALの斎藤祐二CFOは1Q決算の会見で新幹線について「日本の魅力の1つ」とした上で「出発30分前に空港に着いても搭乗できるくらい、日本の国内線の移動のスムーズさは海外の空港に類を見ないレベル」と国内線の魅力を強調する。

続けて「新幹線で行けないエリアがたくさん存在する。特にオーバーツーリズムなど都市部に集中している観光需要を、どのように分散させていくかが、インバウンドの分野を伸ばしていく時にキーになる」とした。


インバウンド需要を喚起するため、海外のOTA(Online Travel Agent、オンライン旅行代理店)、コードシェア、地方周遊商品の告知を強化しているという。JALは2025年の数値目標として、2019年比で172%増となる150万人のインバウンド客利用を掲げている。

斎藤CFOは「業界全体の国内線が非常に収益が下がってきている。業界全体として各社の収益が上がっていくようなスキームというか対応をどう作るかっていうところがポイント」とし、国に対して「国内線の方が負担が大きい部分もあるため、国内線についての持続性を高めていくような施策をこれから検討いただきたい」と求めた。


最後に、直近のお盆実績の詳細をまとめた。

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国際線はJALが提供座席数26万1382席(前年比109.6%)、総旅客数23万1366人(同110.5%)、搭乗率88.5%(同0.7ポイント増)。ANAは提供座席数29万9514席に対して、26万4129人が利用し、搭乗率88.2%(同1.5ポイント増)を記録し、2社とも国際線の好調ぶりをうかがわせる結果となった。

出典:JALプレスリリース
出典:JALプレスリリース


出典:ANAのプレスリリース
出典:ANAのプレスリリース
国内線では、お盆開始時に前年割れと苦戦が予想されたJALとスカイマークの2社が巻き返した。JAL国内線の提供座席数132万4131席(前年比104.7%)に対し、総旅客数は118万4958人(同105.9%)、搭乗率89.5%(同1.1ポイント増)。お盆開始時は提供座席数134万2874席(同99%)、予約数104万2929人(同98.5%)、予約率77.7%(同0.4ポイント減)だったため、実際の利用者数は大きく伸びたことになる。

出典:JALのプレスリリース
出典:JALのプレスリリース
JAL・ANAの国際線好調の余波で苦戦が予想されたスカイマークもお盆前(8月1日時点)の提供座席数は27万9660席(同99.7%)、予約数は22万3478人(同92.7%)、予約率は77.9%(同6ポイント減)だったが、実際は提供座席数27万4704席(同101.9%)、総旅客数24万7321人(100.2%)、搭乗率90%(同1.5ポイント減)だった。


搭乗率こそ前年より減少したとはいえ、2024年度の平均搭乗率が82.3%だったことを考えると上出来の数字といえるだろう。スカイマーク広報は「多くの路線で駆け込み需要があり、利用者が増えた」としている。

7595OS5:2025/08/24(日) 18:59:24
お盆開始時の数字で「戦略勝ち」となっていたANA国内線はどうか。提供座席数175万6888席(104.6%)、総旅客数159万1033人(同107.4%)、搭乗率90.6%(同2.4ポイント増)。お盆開始時の提供座席数は175万3777席(前年比98%)、予約数は149万7395人(同102.5%)、予約率85.4%(同3.8ポイント増)だったため、3項目いずれも数字を伸ばした。

出典:ANAのプレスリリース
出典:ANAのプレスリリース
ANA広報によると、国内線の搭乗率最多は、大阪・関西万博開催中の関西方面で93.3%。提供座席数12万8821席(同104.7%)に対して、12万139人(同109.5%)が利用したという。ベストシーズンの北海道方面(同91.2%)「ジャングリア」が開業した沖縄方面(同92.1%)も多くの人が利用した。

7596OS5:2025/08/25(月) 19:45:51
https://news.yahoo.co.jp/articles/eec0743776562b0eb23cf4c4a8685f43a9a217c6
苦境続く国内線、冬ダイヤで路線網見直しの動き…新幹線と競合の羽田―小松線など減便も
8/25(月) 19:29配信

読売新聞オンライン

JALとANA機

 国内航空大手が、国内線の路線網見直しを進めている。10月以降のダイヤ改正で、競争力が高い羽田―札幌線などを増便する一方、新幹線と競合する路線や地方間を結ぶ路線で減便・運休する。出張利用の減少や地方の人口減を受け、路線網見直しによって収益改善を図る。(仁木翔大)

 ANAホールディングス(HD)は、冬ダイヤ(10月〜来年3月)で羽田―小松線を1日4往復から2往復に半減する。この路線は14年度に年間約88万人が利用したが、北陸新幹線が15年3月に金沢まで延伸し、24年度は約36万人に落ち込んだ。平均搭乗率も68・4%と、ANAの国内平均74・9%を下回った。

 山陽新幹線と競合する伊丹―福岡線も5往復に1往復減らす。期間限定ではなく需要が回復しなければ、便数を戻さない方針だ。

 日本航空は1日2往復している福岡―仙台線と、1往復の福岡―花巻線を冬ダイヤで運休する。代わりにフジドリームエアラインズ(静岡市)が路線を引き継ぎ、日航が共同運航(コードシェア)に参加する。

 一方で、ドル箱路線の羽田―札幌線については、ANAが1往復増やして18往復とし、日航も来年1〜2月限定で18往復に1往復増便する。ANAは羽田―福岡線も1往復増やして20往復とする計画だ。

 航空大手が路線網を見直すのは、人件費や整備費が高騰し、収益が悪化しているためだ。国土交通省の分析では、空港使用料の減免など公的支援を除いた場合、国内主要6社の国内線事業は25年3月期に実質的な営業赤字だった。26年3月期も「国内線は赤字になるだろう」(ANAHDの中堀公博取締役専務執行役員)と厳しい状況が続く。

 一方で、新幹線との競合により値上げは難しい。国内線の旅客1人当たりの単価は10年以上、ほぼ横ばいが続く。日航は25年4〜6月期に整備費など営業費用が7%増えたが、旅客当たりの単価は5%下がった。

 航空大手は、訪日客の増加で好調な国際線で収益を確保しているが、国内路線網を全て維持するのは難しくなっている。国交省は5月に設置した有識者会議で航空大手と対応策の検討を進める。


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