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金融政策スレ

913とはずがたり:2016/04/05(火) 10:06:35
IMFが減免するようにドイツに圧力掛けたんだな。

IMF、ギリシャ支援「離脱」も ウィキリークスに文書
http://www.asahi.com/articles/ASJ432QYZJ43UHBI005.html
ワシントン=五十嵐大介 2016年4月3日20時44分

 内部告発サイト「ウィキリークス」は2日、財政難にあるギリシャ政府への支援に、国際通貨基金(IMF)が加わらない可能性を示唆する内部文書を公開した。欧州連合(EU)が昨年合意した支援策を巡り、ドイツなどEU側とIMFとの溝を浮き彫りにした形で、折り合いがつかなければ、ギリシャの債務問題の再燃につながりかねない。

 ウィキリークスが公開したのは、IMFのトムセン欧州局長やギリシャへの現地調査担当トップらによる今年3月19日の電話会議の会話とされる文書。文書によると、トムセン氏はこのIMF内部の会議で「(ドイツ首相の)メルケルさん、IMFなしで進めるのか、IMFを残すために必要な債務減免を選ぶのか、と聞くことになる。それが本当の問題だ」などと話し、IMFが支援から外れることも辞さない姿勢を示した。

 ギリシャの債務問題を巡っては、EUが昨年8月、3年間で最大860億ユーロ(約11兆円)の金融支援を実施することで正式に合意。EU側はIMFに対し支援の一部を出すよう求めているが、ギリシャへの債務減免をしたくないドイツなどと、債務減免を求めるIMFで主張が割れており、その後も協議が続いている。

914とはずがたり:2016/04/05(火) 10:08:43
マイナス金利なのに、なぜ住宅ローン金利が引き上げになるの?
http://news.goo.ne.jp/article/thepage/business/thepage-20160404-00000002-wordleaf.html
04月04日 12:00THE PAGE

 大手銀行は3月31日に4月適用分の住宅ローン金利の一部を引き上げると発表しました。

 三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行は10年固定型で最優遇金利を0.10%引き上げて年0.90%、みずほ銀行とりそな銀行は0.05%上げて年0.85%としました。

黒田日銀総裁の読みは間違っていたのか?
 日本銀行は1月29日の金融政策決定会合において「マイナス金利付き量的・質的緩和」を決定しました。日銀当座預金の一部へのマイナス0.1%の適用は2月16日にスタートしたのですが、その翌々日の18日の参院財政金融委員会に出席した黒田日銀総裁は、マイナス金利を導入している欧州では金融機関がコスト転嫁のため住宅ローンの金利を引き上げる動きがあるが、日本では「住宅ローン金利の引き上げが起きることはなかなか考えられない」と述べています(日経新聞)。

 ところが、今回4月の住宅ローン金利の一部が引き上げられました。これは黒田日銀総裁の見方が間違っていたということなのでしょうか。

長期金利は日銀が決めてるのではない!?
 住宅ローン金利の10年固定型は長期金利の動向に左右されます。長期金利とは10年国債の利回りのことを指します。つまり債券市場に委ねられていることになるのです。日銀は量的・質的緩和にマイナス金利も加え、長期金利をマイナスにまで低下させましたが、長期金利そのものは市場で決定されるため、日銀が決めているものではありません。

 その長期金利、つまり10年国債の利回りは3月18日にマイナス0.135%にまで低下し、ここがいったんボトムとなりました。これ以降の長期金利は、比較的落ち着いた動きとなっていました。つまりそれまで低下し続けていた動きがいったん止まったとも言えます。

 大手銀行が今回、10年固定型の金利を上げたのは、長期金利の低下が一服したことが要因ではないかと予想されます。今回の住宅ローン金利の引き上げについては、金融機関がコスト転嫁のため住宅ローンの金利を引き上げる動きというよりも、このような長期金利の動きを確認した上での結論ではなかったかと思われます。

 これは、超長期ゾーンの利回り低下が3月末にむけてさらに進んだことで、みずほ銀行などでは、10年固定は引き上げても、15年を超える固定型の住宅ローン金利は逆に引き下げていたことからも明らかです。

変動型の住宅ローン金利はどうやって決まるの?
 ちなみに変動型の住宅ローン金利の方は、短期プライムレートと呼ばれるものが基準となるのですが、これは短期の金利であり、日銀の金融政策に直接影響されるものとなっています。

 それでは今後も黒田日銀総裁の発言にもあったように、金融機関がコスト転嫁のため住宅ローンの金利を引き上げることはないと言えるのでしょうか。いまのところコスト転嫁は考えづらいかもしれません。それでもマイナス金利の状態がこのまま続き、マイナス金利がさらに深掘りされるようなことになると、その懸念が強まることは確かです。

 その兆候となりそうなことが生じています。信託銀大手各社は顧客の投資信託やファンドが運用する資産のうち、現金部分について新たな手数料を徴収すると報じられました(日経新聞)。

マイナス金利の個人への負担は、住宅ローン以外でも考えられる?
 公社債投信に限らず株式投信でも、換金に備えてある程度の資金を短期金融市場で運用しています。年金などの運用も同様です。特定金銭信託と呼ばれる預金口座のその資金は通常、コール市場などで運用されます。ところが短期金融市場でのマイナス金利化により、それが日銀の当座預金に積み上がっていたのです。その分はマクロ加算という区分けとなり、日銀によるマイナス金利が適用されます。

 そのため信託銀行は資産運用会社などにその分の手数料を課すことになったのです。これがもし個人に課す手数料に再転嫁されるとなれば、結果として投資信託などを保有している個人に対してマイナス金利分の手数料が課せられることになります。

 このように個人にマイナス金利による負担を課す可能性は絶対ないとは言えません。これは住宅ローン金利だけでなく、預貯金金利も同様といえます。これはあくまで今後の金利の動向と、それに対応する金融機関の出方次第となるのです。

(金融アナリスト 久保田博幸)

915とはずがたり:2016/04/05(火) 11:18:58

1万円札、1.8億枚増刷へ 「タンス預金」拡大受け?
http://www.asahi.com/articles/ASJ447FH5J44ULFA03L.html?iref=com_alist_6_01
鬼原民幸2016年4月5日10時02分

 2016年度に印刷される1万円札の枚数が12億3千万枚になることが、財務省の計画で決まった。前年度の1・17倍で、1億8千万枚、1兆8千億円相当を増刷する。世の中に出回る現金の総量が伸びており、1万円札が突出して増えていることに対応する。背景には、「タンス預金」の広がりもあるようだ。

 ここ5年の印刷枚数は年10億5千万枚で変わらなかったが、新札切り替えの対応が続いていた6年前の水準に並ぶ。お札全体の印刷枚数は30億枚と前年度と変わらず、1千円と5千円の印刷を減らす。

 日本銀行の統計によると、2月の現金の総流通量は90兆3千億円で、前年2月より6・7%増えた。03年以来、13年ぶりの高い伸びだった。なかでも、1万円札は6・9%増と伸びが目立った。5千円札は0・2%増、1千円札は1・9%増だった。

 1万円札を増刷する背景には、マイナンバー(社会保障・税番号)制度や日本銀行のマイナス金利政策を意識した動きがありそうだ。第一生命経済研究所の熊野英生氏は「『当面は物価が上がらないから、現金で持っていても何の損もない』という心理に加えて、マイナス金利はいつまで続くかわからない。資産運用をあきらめ、死蔵されている」と指摘する。国内のタンス預金の残高は、40兆円ほどと試算している。

916名無しさん:2016/04/09(土) 21:39:24
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160331-00000003-sasahi-bus_all
「一夜で1ドル250円」日銀総裁が実行すれば強力な経済政策に?〈週刊朝日〉
dot. 3月31日(木)7時17分配信

“伝説のディーラー”と呼ばれた藤巻健史氏は、日銀総裁が強烈な円安論者ならマーケット参加者はついてくるという。

*  *  *
 1998年3月17日、小さなパーティーに呼ばれた。車を降り、会場である2階への階段をのぼっていたら、耳にイヤホンをつけた体格のいい人が「すみませ〜ん」と下りてきた。その直後、10人ぐらいの集団が、どどどと続いた。その後からメモ帳片手の記者団がついてきた。圧倒されて、横にどくと、私の脇を橋本首相がさささと下りていった。

 翌日、部下のウスイ嬢に「橋本首相とすれ違ったぞ」と話したら、「なぜ、階段の真ん中に飛び出して、『ボ、ボ、ボ、ボク、フジマキ、日銀ソ、ソ、ソ、ソ、ソウサイに就任お願い!』と言わないのですか。藤巻さんってまったく機転がきかないんだから」と怒られた。

 かくして私の日銀総裁への夢は消えた。皆に「せめてダイコウ(日銀総裁代行)と呼べと、言っていたのに、最近は一字なまって『ダイコン』と呼ばれる始末である」。これは私の第1作『外資の常識』(日経BP社)の中の一節だ。

★   ★
 当時、なぜ日銀総裁になりたかったか? その回答は拙著『一ドル二〇〇円で日本経済の夜は明ける』(講談社)に書いてある。2002年1月と14年も前に書いた本の「強力な円安誘導策」についての章の一部だ。

「自分で言うのもなんだが、私は海外のマーケット、すなわち海外の有力投資家、ヘッジ・ファンドの中では、リスク・テイカーとして非常に有名である。(中略)しかも『強烈な円安論者』ということでも有名である。その私が『日銀総裁』になったと聞けば、世界のマーケット参加者は、競って『ドル買い・円売り』を仕掛けてくるであろう。一夜で1ドル=250円である」

 もちろん、私が日銀総裁になるなど「夢のまた夢」である。しかし、私の言いたいことは、「総裁が強烈な<円安論>を持っていれば、マーケット参加者はついてくる」ということだ。速水優元日銀総裁が昔、「円高論者」であったことはマーケットの常識であり、その概念にマーケットは縛られているということもある。マーケットとは、そういうものなのだ。

 ちなみにこの本では「大幅円安を進める」他の方法として「マイナス金利政策」も書いた。「数年前、マイナス金利政策論をぶちあげたら、笑い飛ばされて終わってしまった。(中略)このような世界になれば、円をドルに換えようという人も急増する。ドル預金をすれば利息が入ってくるのに対し、円預金をすれば利息を取られてしまうからである。日米の金利差は今と変わらなくても、『貰うから払うへの変化』は人々の心理状況を激変させるであろう」

 3月2日付の日本経済新聞に紹介されたフィナンシャル・タイムズ(FT)の「マイナス金利の限界」という記事の中にも、「(マイナス金利政策は)その代わり、為替レートには大きく影響する。当事国にとって魅力的だが、(後略)」とある。FTも「マイナス金利政策は円安に効く」と断じているわけだ。

 円安を誘導する方法は他にいくらでもある。円安誘導は、お金を使わずにできる、安上がりで最も強力な経済政策だ。それなのにそれを理解していないこと、そして「為替は動かせない」と思い込んでいることが日本の経済政策の誤りだ。だから日本は効果の少ない過激な財政出動に頼りすぎ、財政危機に陥ってしまったのだ。

※週刊朝日 2016年4月8日号

917名無しさん:2016/04/10(日) 11:41:15
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160410/k10010473771000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_001
1万円札8年ぶり増刷へ タンス預金の増加が背景か
4月10日 10時48分
財務省は1万円札の需要が増えているため、今年度、平成28年度の製造枚数を12億3000万枚とし、8年ぶりに前の年度よりも増やすことになりました。
財務省は貨幣の流通量を踏まえて毎年、この時期にその年度の貨幣の製造計画をまとめています。
それによりますと、今年度は1万円札を12億3000万枚製造し、昨年度と比べて1億8000万枚増やすことにしています。財務省によりますと、1万円札の製造を増やすのは8年ぶりです。
1万円札の需要が増えていることについて、金融関係者の間では低金利が続いていることから現金を金融機関に預けるのではなく、自宅で保管する「タンス預金」をする人が増えていることなどが背景にあるという見方が出ています。
一方、電子マネーの普及を受けて、小額の貨幣の使用が少なくなっていることなどから、1円玉の製造を昨年度よりも5200万枚余り減らすほか、10円玉の製造も1000万枚減らします。
金融関係者は「日銀が導入したマイナス金利によって、さらに『タンス預金』が増える可能性もあり、今後も1万円札の需要は増えるのではないか」と話しています。

918とはずがたり:2016/04/13(水) 11:00:39

ECBと日銀はいずれ、銀行株購入に踏み切る可能性も-英マン社長
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5H7RSSYF01U01
Nishant Kumar
2016年4月12日 01:13 JST

欧州中央銀行(ECB)と日本銀行は経済成長の促進を望むならば銀行株の購入を承認せざるを得なくなる可能性があると、英ヘッジファンド会社、マン・グループのルーク・エリス社長が述べた。
  同社長は11日のブルームバーグとのテレビインタビューで、「銀行をめぐる状況が経済の弱さを引き起こしており、経済の弱さが銀行の状況を作り出しているのではない」とし、「出発点は銀行が受けている圧力だ」と指摘した。
  ECBと日銀のマイナス金利政策は、非伝統的金融政策への過剰な傾斜だとの懸念を呼んでいる。日銀は今年1月にマイナス金利導入を発表した。
  エリス社長は両中銀について、「いずれ最終的に、銀行支援のために銀行株を購入することになるだろう」と述べ、マイナス金利は利益を圧迫し、日本の銀行に「ひどい」状況をもたらすと付け加えた。
原題:Man’s Ellis Says Central Banks May Buy Shares to Boost Lenders(抜粋)

919とはずがたり:2016/04/13(水) 13:59:12

ドイツ財務省、ECB「ヘリコプターマネー」への法的措置を否定
ECB側はヘリコプターマネー構想を議論していないと語る
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/04/post-4893.php
2016年4月11日(月)20時23分

4月9日、ドイツ財務省は、ECBがユーロ圏の消費喚起や物価押し上げを狙って市民に直接資金を配る「ヘリコプターマネー」政策を行う場合には法的措置を検討するとの独シュピーゲル誌の報道を否定した。写真はECB本部、フランクフルトで3月撮影(2016年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
 ドイツ財務省は9日、欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の消費喚起や物価押し上げを狙って市民に直接資金を配る「ヘリコプターマネー」政策を行う場合には法的措置を検討するとの独シュピーゲル誌の報道を否定した。

 ここ数週間、ECBのヘリコプターマネー構想が取り沙汰されてきたが、ECBのコンスタンシオ副総裁とプラート専務理事は7日、この構想は議論していないと明らかにしていた。

 週刊誌シュピーゲルは9日、財務省の匿名筋の話として、ECBが市民に直接資金を配る場合、ドイツ政府はECBの責務の限界を法的に明確にするため、裁判所に訴えることを検討する方針だと伝えた。

 これに対し、財務省の報道官は「ECBは合法な責務の枠組みの中でのみ独立している。ただ、ドイツ政府が法的措置を検討していることは真実ではない」と語った。

[ベルリン 9日 ロイター]

920とはずがたり:2016/04/13(水) 14:00:33

IMF覚書草案で「ギリシャ債務なお持続不可能、欧州側の大幅軽減不可欠」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/04/post-4893.php
2018年のギリシャ財政赤字をGDP比4.5%とEUよりも厳しい見解
2016年4月13日(水)10時58分

4月12日、IMFはギリシャ債務がなお持続不可能で、欧州が大規模な軽減策を実施することが不可欠と判断している。写真は緊縮財政に抗議するギリシャ市民。昨年7月撮影。(2016年 ロイター/ Yiannis Kourtoglou)
  国際通貨基金(IMF)は、ギリシャの債務が極めて持続不可能な水準に高止まりしており、欧州のパートナーが大規模な債務軽減策を実施することが不可欠と判断している。IMFの覚書草案をロイターが入手した。

 草案では、ギリシャに対する寛容かつ譲許的な資金支援や一段の改革計画にもかかわず、「(ギリシャ)債務のダイナミクスは引き続き極めて持続不可能な水準にとどまると予想される」と指摘。「債務の持続可能性を回復するには、改革努力に加え、欧州のパートナーがギリシャ債務の一段の軽減に向け断固たる行動を取ることが不可欠」とした。

 国際債権団の間ではギリシャの財政見通しに関して意見の隔たりがあり、これが一因となって改革状況をめぐる審査が長引いている経緯がある。

 欧州連合(EU)側は、ギリシャの財政赤字が2018年に国内総生産(GDP)比3%相当になるとしているが、IMFは4.5%を見込む。

 プライマリーバランス(基礎的財政収支)についても、EU側は2018年までにGDP比3.5%の黒字が達成できると予想しているが、IMFの覚書草案では、今年がGDP比0.5%の赤字、2017年が0.25%の黒字、2018年も1.5%の黒字にとどまるとしている。

 IMFは長期の成長率についても平均1.25%とし、前回から引き下げた。

 IMFは今回新たに定めた目標について、ギリシャの改革疲れに加え、高水準の失業率による社会的圧力を反映したと説明しており、「野心的だが現実的」としている。

[アテネ 12日 ロイター]

922名無しさん:2016/04/16(土) 15:38:29
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20160414-00000045-ann-bus_all
銀行トップが公然と批判 日銀のマイナス金利政策に
テレビ朝日系(ANN) 4月14日(木)17時6分配信
 三菱UFJフィナンシャルグループの平野信行社長は14日、東京都内で講演し、日銀のマイナス金利政策について「銀行業界にとって短期的には明らかにネガティブだ」と述べました。国内銀行の経営トップが日銀の金融政策に疑問を呈するのは珍しいことです。

 日銀はマイナス金利による市場金利の低下で、企業の投資や個人消費が活発になることを期待しています。これに対し、平野社長は「ゼロ金利環境が長く続く日本では、すでに貸出金利が低水準のため効果が出るか分からない」と反論。そのうえで「銀行はマイナス金利を顧客に転嫁できないので、利ざやが縮小して基礎体力低下をもたらす」と指摘しました。
 一方、日銀の黒田総裁はG20(20カ国財務大臣・中央銀行総裁会議)会議のために訪れたアメリカで講演し、「現在の金融政策は近代の中央銀行の歴史上、最強の金融緩和スキームだ」と強調しました。
最終更新:4月14日(木)21時25分

923とはずがたり:2016/04/20(水) 12:03:25
いきなり頓死とは言い過ぎだとは思うけどこの後進退窮まってマイナス金利の奇策を繰り出した(=小幡氏が当たってた)と云えなくも無い。

頓死!黒田日銀は進退窮まり詰んでしまった
いきなりの「補完措置」は自殺行為ではないか
http://toyokeizai.net/articles/-/97495
小幡 績 :慶應義塾大学准教授 2015年12月19日

米FEDの利上げについて書く予定が、日銀の追加緩和で想定外の流れになってしまった。米国の利上げも重要だが、自国の中央銀行が自殺を図ったときに、それを放っておく愛国者はいない。今日は、日銀が将棋で言う「頓死」してしまったことについて書かざるをえない。

補完措置という名の小規模追加緩和

12月18日金曜日、日銀は政策決定会合で、自称「補完措置」を決定し公表した。量的・質的緩和を補完する措置だが、メインは①買入れ長期国債の平均残存期間を、これまでの7〜10年から7〜12年に長期化、②ETFを3000億円買い増し、③J-REITも買い増ししやすくする、というものだ。

私自身、黒田氏は追加緩和をせず、今回も現状維持以外に何もないと思っていた。ところが、いきなりの「補完措置」。補完といっても、国債はリスクベースで言えば買い増しだし、ETFも名実ともに買い増し。J-REITは名目的な総量は増えないが買い入れをしやすくするもので、今後の買い入れ拡大もありえる。したがって、小規模の「追加緩和」と言ったほうが実質を表している。実際、株式市場、為替市場、国債市場は大きく反応し、日経平均は一時的に500円超高、直接の買い入れ対象となるJPXはさらなる大幅高。ドル円は123円となった。

しかし、その上昇は10分程度しか持たなかった。中身のせこさに市場は失望して(感情的な反発か?)大暴落となり、日経平均は366円安、ピークから900円も下げて終わった。JPXはそれ以上下がった。

黒田日銀は詰んでしまったのである。

これまでの黒田氏は、官邸とは距離を置き、自身の信念として量的緩和政策を行い、日銀総裁および日本銀行のあるべきスタンス、政策を追求して大胆な金融緩和を行ってきた。その結果が、官邸の意向と非常にうまくかみ合った2013年4月の緩和であり、消費税の絡みもあって微妙なズレをもたらした2014年10月の緩和だった。

しかし今回は違う。官邸の意向かどうかは分からないが、明らかに黒田氏の信念に反したアリバイ作りのような追加緩和だ。「何か日銀もやってます」「危機意識がないわけではありません」というポーズのようだ。こんな緩和を黒田氏がしたいはずはない。妥協の産物だろう。

その苦渋の妥協を行った結果が、市場からのしっぺ返しだ。株価を支える政策を打ったのに株価暴落、円高進行では話が違う。背後から刺されたような展開といえる。追加緩和は国債市場崩壊、円売り日本売り加速という地獄への道だと思っていたが、地獄へ進もうと半歩踏み出したところ、地獄にも行けないというパニッシュメント(処罰)を受けた。市場は日銀の異次元緩和、黒田バズーカもこれで打ち止めと判断し見切りをつけたということだ。

最悪のシナリオは、これに慌てて彼らに媚びまくって、本当に地獄への道を自ら突き進み、バズーカ第3弾を打ち出すというもの。地獄で待つ市場関係者の、いわば狙い通りになるシナリオだ。いったんは大幅上昇し、飽きたところで暴落となるだろう。

一方、市場の乱高下で儲けようとしていないまともな人々からは、なぜ今、小出しの追加緩和だったのかという疑問が出てくる。米国は利上げを始め、ついに出口の流れに完全に入った。そのタイミングで、逆方向に中途半端な半歩を踏み出すとは自殺行為ではないか。ここは我慢して緩和は一切せず、現状維持を続けながら出口の入り口を探すことが必要なのに、地獄からの出口を自らふさいでしまったのだ。

924とはずがたり:2016/04/20(水) 12:04:21
またそ>>923の前に追加緩和は無いと断言してるけど,まあこれも12月のも追加緩和では無いと日銀が云ってるからあってたのかもしれないけど実態は追加緩和であったし外れたとも云える。まあ小幡氏の趣旨は追加緩和が株屋以外には日本経済にマイナスだ(と小幡は考える)から黒田はやらない筈だ,ということなので追加緩和が日本経済にプラスだと(黒田が)考えれば断行される筈である。

日銀の追加緩和は永遠にないと断言できる
過去の発言と整合を取る必要などない
http://toyokeizai.net/articles/-/90299
小幡 績 :慶應義塾大学准教授 2015年10月29日

10月28日、米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれ金利据え置きとなったが、FRB(米連邦準備制度理事会)は経済に大きな変化がなければ、次回の12月に利上げする方向であることを鮮明に打ち出した。これは本コラムで前回予想したとおりである。日本では10月30日金曜日、日銀の政策決定会合が開かれる。

こちらは市場関係者の間、とりわけ外資系を中心に追加緩和の可能性が高いという見方が多い。しかし、追加緩和は絶対にない。永遠にない。あると言っている人々は願望を述べているだけである。ポジショントークである。しかし、その願望は実現しないだろう。なぜか。彼らの論理がいかに間違っているかを分析してみよう。

インフレ率が重要なのではない

追加緩和があるという理由の第一は、インフレ率である。日銀は物価上昇率目標を2%に設定している。黒田総裁は断固として実現すると言っていた。そのインフレ率はほぼゼロパーセントまで落ち込んだ。デフレ脱却が目標なのにデフレになってしまっては日銀政策の大失敗だ。だから、となる。

現在のインフレ率の低さは原油下落にも要因があるが、下落が止み低位安定となったとしても、インフレが起こる気配はない。そもそも、これまでインフレ率がプラスになったほとんどの理由が円安進行なので、円がここまで暴落してしまえば、さらなる円安が起きない限りインフレにはならない。このままではインフレが起きない以上、日銀は何としてもインフレを起こし、インフレ率2%を達成するために、追加緩和をせざるをえない。これが彼らのロジックだ。

しかし、このロジックは誤っている。なぜなら、黒田総裁は足元のインフレ率自体には関心がないからだ。それはありえない、と彼らは反論するだろう。しかし、追加緩和には物価は関係がない。そこがポイントだ。

追加緩和の目的は日本経済のため

追加緩和は何のためにやるのか。日本経済のためである。日本経済にマイナスになることはやらない。物価のためにすべてを投げ売って金融政策をやるのではない。日本経済のためになるからこそ、金融緩和をするのであり、日本経済のために物価を考えるのである。

現状では、追加緩和は日本経済にとって明らかにマイナスだ。日銀が追加緩和をしない理由はそれに尽きる。官邸が緩和をそれほど望まなくなったからだとか、そんなつまらない理由ではない。日本経済のためによくない。それに尽きる。

日本経済は、景気循環からすると悪くない。ここ数年良くなりすぎて、そこからはピークアウトしている。失業率は最低水準で需要不足ではない。それならば景気対策としての緩和はいらない。円安もかなり進んだ。これ以上の円安は、誰にとってもマイナスだ。為替も株も乱高下となって、それに乗じてトレーディングしようとしている人々以外は。

925とはずがたり:2016/04/20(水) 12:04:35
>>924-925
一方で、日銀がすでに国債を買いすぎていて、テク二カルに買うのが難しいから追加緩和はしないというロジックも間違っている。日本経済のために必要であれば、今度こそ、すべてを犠牲にして、金融緩和を拡大するはずだからだ。国債がダメならほかの手段を考えるだけだ。

量的緩和政策という金融政策上のクレージーなイノベーションを生み出したのは、1999年の日銀だった。時間軸政策という将来を縛る政策を編みだしたのも日銀だ。その後それを派手にやったのはFRB議長を務めたバーナンキだが、イノベーションを起こしたのは日銀であり、今後も必要なら新しい政策手段を生み出してくるだろう。

これだけ書いてしまえば、市場関係者から出てくるほかの間違った議論に言及する必要もないが、補足的に2つ述べよう。

一つは、昨年10月に追加緩和をした、現在は昨年よりも状態が悪い、昨年やって今年やらない理由はない、だから追加緩和をするというロジックである。

これは、昨年と今年は違うということに尽きる。私は昨年も追加緩和するべきではなかったと考えているのでちょっと異なるが、現在の日銀および黒田総裁の考えは、昨年は必要だったが今年は必要ではない。なぜなら、昨年はインフレ期待が高まる中での、原油の予想外の急落、しかもそれが長期にわたるトレンドとして起きたために、インフレ期待が反転して将来の物価に対する見通しが混乱するリスクを未然に防ぐために、追加緩和を行ったのである。

つじつまを合わせる必要はない

今はどうか。インフレ期待は安定している。それは、簡単に2%は達成できない、という低位の期待で安定しているのであるが、ともかく安定的である。これが追加緩和でどうなるか。安定的な期待インフレ率が急騰するのか。ありえない。

もう一つは、10月30日に経済・物価見通しの展望を日銀が政策決定会合と同時に発表することだという。そうなると、物価の見通しは下方修正され、2%の達成時期の見通しも大きく後ズレする。日銀サイドの物価の見通しが今までと変わるなら、追加緩和をして2%達成への石を見せないとつじつまが合わない、というものだ。

つじつまなどどうでも良い。日本経済に悪影響のあることをやって、過去の発言と整合を取ることなどしたら、それこそ、世間から激しく非難される。ポジショントークをしていた人々もそれに加わり、追加緩和の失敗を責め立てるだろう。もし永遠に2%が達成できず、それで日本経済に問題が生じず、順調であり、ちょうど良い緩和状態であるならば、2%になるという見通しを変えるだけのことだ。2%のインフレが望ましい経済から、それ以下の水準が望ましい経済に変化しただけなのだ。

金融政策は、経済にとってベストの政策を、それぞれのタイミングで行えばいい。物価見通しを発表して市場関係者やメディアに記者会見で責められようが、日本経済のために信念を持ってベストの金融政策を打ち出していると自信を持つ黒田総裁は、再び自信を持って、現状維持の政策を説明するだろう。

926とはずがたり:2016/04/22(金) 08:41:52

AIIB、世銀と協調融資=6月に第1号決定
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016041400014&g=int

 【ワシントン時事】中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は13日、世界銀行と協調融資の枠組みについて合意した。6月にも第1号となる融資先を決定する。AIIBは年内に世銀などと連携し、総額12億ドル(約1300億円)を融資する。AIIBが既存の国際金融機関と融資方針を確認したのは初めて。
 AIIBの金立群総裁と世銀のキム総裁が同日、ワシントンで合意文書に署名した。アジアの交通インフラや水事業、エネルギー産業など約10の融資案件を協議しており、環境面の評価などは世銀の基準を適用するという。(2016/04/14-10:47)

927とはずがたり:2016/04/22(金) 08:45:28
産経なんかは巧く行かないとぎゃーぎゃー騒いでたけど早速協調融資が決まりそうやんけ。
世銀基準を用いた協調融資でAIIBがなにか主体的に出来た訳では無いとか批判するのかも知れないけど,それが実現すれば大変結構な事じゃあ無いか。。
勿論中国が主導しているから最初は低姿勢でやっていって力付けたら徐々に中国風をごり押しし始めるだろうからその辺が気に入らんのだろうけど。

928とはずがたり:2016/04/23(土) 07:30:39

2016年 04月 23日 05:02 JST
ギリシャに追加措置要請、債権団が内部対立解消へ歩み寄り
http://jp.reuters.com/article/eurozone-greece-review-idJPKCN0XJ1DC

[アムステルダム 22日 ロイター] - ギリシャを支援する国際債権団は22日、財政目標の達成を確実にするため、同国に追加措置の策定を求めた。ただ、現時点で法制化する必要はあるが、実施については必要な場合に限るとしている。

こうした条件付きの改革案と現在協議している措置について合意できれば、凍結されている融資の実施が可能になり、債務軽減措置に道を開くとしている。合意できれば、ユーロ圏財務相は28日に再度会議を開き、合意案を承認する段取りを描く。

ギリシャ支援をめぐっては、債権団のユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)が現在の財政改革案の規模が十分かどうかで意見が対立。改革の進ちょく状況に関する審査が進まず、融資の実施が遅れていた経緯がある。今回の条件付きの改革案により、双方が歩み寄ったもようだ。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は会議後の会見で、「政策パッケージには、2018年の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字目標の達成に必要な場合のみ実施される条件付きの追加措置を盛り込むべきとの結論に達した」と述べた。

ギリシャは18年に対国内総生産(GDP)比3.5%の黒字を達成する必要があるが、国際通貨基金(IMF)は一連の改革が実行されなければ達成は不可能とみている。

デイセルブルム議長は、条件付きの改革案について、現在協議している国内総生産(GDP)比3%の緊縮策に加え、削減幅をさらに同2%上乗せするものと説明した。

ギリシャのチャカロトス財務相は、国内法はこうした条件付きの改革案の法制化を認めていないとして難色を示したが、デイセルブルム議長は方策は見い出せるとの考えを示した。

議長はまた、改革案をめぐる協議と平行して、債務軽減策の設計をめぐる話し合いに着手する方針を示した。ギリシャが求める債務削減をちらつかせることで、条件付きの改革案を支持するよう促す狙いがあるとみられている。

929とはずがたり:2016/04/28(木) 21:18:54
こいつの主張は結局此処に集約されると思うんだが,それが正しかったとして中銀との合算に関してはどうなんだ?
>先進国と比較して、日本政府のB/Sの特徴を言えば、政府資産が巨額なことだ。政府資産額としては世界一である。政府資産の中身についても、比較的換金可能な金融資産の割合がきわめて大きいのが特徴的だ。

「お札を刷って国の借金帳消し」ははたして可能か
高橋洋一 [嘉悦大学教授] 【第135回】 2015年12月17日
http://diamond.jp/articles/-/83391

かつて筆者が政府紙幣の発行を主張したこともあり、しばしばそのメリットとデメリットを聞かれる。

?実は、政府紙幣の発行と日銀の量的緩和は、経済効果という観点から見れば、両者はほぼ同じである。

?日本の経済学者は、財政学と金融論(金融政策)が縦割りになっており、政府紙幣はそれらの狭間に入るのでキワモノ扱いである。このため、日銀の量的緩和でも理解不足の人が多いのは残念である。

?まず政府紙幣はそれほど突飛なものではなく、ほぼ現行制度の中の話である。

かつて政府紙幣を生理的に嫌った与謝野馨氏は、経済財政相時代にとんでもない発言をした。

?テレビ番組で与謝野氏は、政府紙幣について「『円』っていうのは使えないんですよ。だから、『両』とかにね、しないと。信用あります??流通しないですよ」と言った。

?これは政府紙幣が現行制度で構成できることを知らずに言ったことで、ある意味法律違反の発言だ。通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(以下「通貨法」)第二条第一項には「通貨の額面価格の単位は円とし、その額面価格は一円の整数倍とする」とある。政府紙幣は法定通貨であり、その通貨単位を「両」なんて勝手に言ってはいけない。それも現職経済担当閣僚がテレビで公言するのだから困ったものだった。

 頭の体操であるものの、臨時法で10兆円政府紙幣を1枚発行し、日銀に持ち込み、政府預金を10兆円とすることもできる。これなら、新しいお札を印刷することなく、日銀券が自動的に増発できる。発行コストは、実際に大量の貨幣を作らない(一枚作る)のでほぼゼロとなる。

?政府紙幣を発行して得られた政府収入をどのように使うかは、政府次第である。冒頭の人のように、国債償還に使ってもいい。すると、政府B/Sで、資産の現預金が減少し、それと同額の負債の国債が消える。また、政府収入を国民にばら撒くことも立派な有効需要創出政策である。実際にばら撒く手間・コストを考えると、すべての人が払う社会保険料を減額することが最も効率的だ。

?日銀の量的緩和でも、政府紙幣発行と基本的には同じメカニズムになる。

?理解の不十分な人は、量的緩和で日銀は儲けていないと誤解する。負債側は無利子、資産側は有利子なので、10兆円×金利の収入増になる。金利が1%であれば、1000億円だ。中銀関係者は、これがシニョレッジと言う。

?政府紙幣の場合の10兆円との違いを言えば、1年で全部もらうのが政府紙幣、長年かけて金利相当で細く長くもらうのが量的緩和である。

930とはずがたり:2016/04/28(木) 21:19:09
>>929-930
?毎年シニョレッジをもらうか、1年で全額もらうかの違いはあるものの、政府紙幣と量的緩和は巨額のシニョレッジがあり、それが財政を通じて流れるのだから、いずれ物価が上がるのは当然である。

バーナンキ前FRB総裁が、かつて筆者に言ったことには、「それで物価が上がらなければ、中銀が国債を買い尽くしたときに、財政再建が終わって好都合だ。でも、そんな都合のいい話はたぶんない。だから、いずれ物価が上がるよ」。

デメリットはインフレになること
その限界を決めるのがインフレ目標

?2013年度末の国のB/Sで見ると、資産は総計653兆円。そのうち、現預金19兆円、有価証券129兆円、貸付金138兆円、出資66兆円、計352兆円が比較的換金可能な金融資産である。そのほかに、有形固定資産178兆円、運用寄託金105兆円、その他18兆円。負債は1143兆円。その内訳は、公債856兆円、政府短期証券102兆円、借入金28兆円、これらがいわゆる国の借金で計976兆円。運用寄託金の見合い負債である公的年金預り金112兆円、その他45兆円。

?先進国と比較して、日本政府のB/Sの特徴を言えば、政府資産が巨額なことだ。政府資産額としては世界一である。政府資産の中身についても、比較的換金可能な金融資産の割合がきわめて大きいのが特徴的だ。

?アバウトに言えば、しばしば政府の借金1000兆円とされるが、これはグロスの数字であり、ネットの純債務は500兆円である。

?しかも、これは政府の単体B/Sの話であり、日銀との連結B/Sで考えれば、純債務はさらに減少する。直近の日銀の営業毎旬報告を見ると、資産として国債326兆円、負債として日銀券94兆円、当座預金239兆円となっている。

?ここもアバウトに国債300兆円、日銀券300兆円と見れば、政府と日銀の連結B/Sでの純債務は200兆円になる。

?ここまでわかると、政府の財政状況は、あまり心配するようなものでないことが理解できるだろう。

?量的緩和が、政府と日銀の連結B/Sにおける負債構成の変化で、シニョレッジを稼げるとして、デメリットもないのだろうか。

?それはシニョレッジを大きくすればするほど、インフレになるということだ。だから、デフレの時にはシニョレッジを増やせるが、インフレの時には限界がある。その限界を決めるのがインフレ目標である。インフレ目標の範囲になるように、お札を刷ってシニョレッジを稼げというわけだ。

931とはずがたり:2016/05/04(水) 10:32:06

悩ましき日銀、金融政策「現状維持」で株価急落「追加緩和」にもリスク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160428-00000005-wordleaf-bus_all
THE PAGE 4月28日(木)18時52分配信

 日銀が28日に開いた金融政策決定会合において、現状の金融政策の維持が決まりました。2%の物価目標の達成時期についても「2017年度前半ごろ」から「2017年度中」に再び先送りしています。市場では追加緩和に踏み切るとの予想が多かったこともあり、日経平均株価は600円以上も急落。為替も一気に円高が進みました。

老後貧乏にならないために、今から準備できることは?

悩ましき日銀、金融政策「現状維持」で株価急落「追加緩和」にもリスク
日銀は28日の金融政策決定会合で、現状の金融政策の維持を決めた(写真:ロイター/アフロ)
物価目標の実現は難しいという認識に
 現在の日銀を悩ませているのは何と言っても物価上昇の鈍化です。日銀が物価目標の基準としている生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)の上昇率については、2016年度は0.5%(前回は0.8%)に、2017年度は1.7%(前回は1.8%)にそれぞれ下方修正されました。物価目標の達成時期についても再び延期したことから、市場では当分の間、物価目標の実現は難しいという認識になりつつあります。

 これまで日銀は、物価上昇が予定通り進んでいない主な原因として原油価格の下落をあげていました。原油価格の下落は消費者物価を1%ほど下げており、これが全体の足を引っ張っているという図式です。日銀としては、原油価格は今後、緩やかに上昇すると見込んでおり、その場合には、物価へのマイナス影響は2017年頃に消滅するとしています。この認識は前回の会合と同様ですが、今回の会合では、これに加えて、足元の景気低迷や賃金上昇率の低下がマイナス要因になっているとの見解が示されました。その結果、原油価格の見通しが大きく変わっていないにもかかわらず、物価上昇の時期が延期されてしまったわけです。

悩ましき日銀、金融政策「現状維持」で株価急落「追加緩和」にもリスク
急落した4月28日の株価(提供:ヤフー・ファイナンス)
悩ましいマイナス金利の効果見極め
 2015年10〜12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比で0.3%のマイナスでしたが、国内の消費低迷は続いており、2016年1〜3月期のGDPについてもマイナス成長となる可能性が高まっています。こうした状況から企業は人件費の圧縮を進めており、これが賃金の抑制につながっています。

 本来、量的緩和策が実施されれば、個別企業の状況とは関係なく、一律に物価や賃金が上がっていくはずでしたが、現実にはそうなっていません。日銀としては、とりあえずマイナス金利の成果がはっきりするまで待ちたいところですが、これ以上、現状維持を続けた場合、日銀が手詰まり状態に陥っているという印象を市場に与えてしまう可能性があり非常に悩ましいところです。一方、追加緩和に拙速に踏み切ってしまうと、効果が十分でなかった場合のダメージが大きくなってしまいます。現状維持にもリスクがありますが、追加緩和にもリスクがあるわけです。

 一部の識者からは、日本の産業構造が時代に合わなくなっており、これが景気低迷の根本原因になっているとの指摘が以前から出ていました。こうした議論は量的緩和策の登場でほとんど顧みられなくなりましたが、今後も景気や物価の低迷が続くことになった場合には、再び焦点となる可能性もあります。

(The Capital Tribune Japan

932とはずがたり:2016/05/04(水) 23:06:52
日銀審議委員に無名のエコノミスト、黒田路線強化の人事か?
https://thepage.jp/detail/20160311-00000007-wordleaf
2016.03.12 16:57

 3月末で任期満了となる日銀の白井さゆり審議委員の後任として、サクライ・アソシエイト国際金融研究センター代表の桜井真氏を起用する人事案が国会に提示されました。量的緩和策に対してより積極的と言われていますが、ほとんど無名の人物でもあり、その手腕はまったく未知数です。

 報道によると、桜井氏は中央大学経済学部卒業後、現在の国際協力銀行にあたる日本輸出入銀行に勤務。その後、大蔵省財政金融研究所特別研究員、経済企画庁経済研究所客員研究員などを経験し、現在に至っています。安倍政権の経済ブレーンとして知られ、量的緩和策の理論的な支柱となっている浜田宏一エール大名誉教授の門下生とも言われていますから、浜田路線を継承するのであれば、量的緩和策に対して極めて積極的なスタンスになることが予想されます。

 退任する白井氏は、量的緩和策については積極的だったものの、1月に導入されたマイナス金利政策については反対していました。桜井氏がマイナス金利についても前向きだった場合には、黒田路線がさらに強化されることになります。

 もっとも桜井氏は、エコノミストとしてはほとんど無名であり、市場からは「桜井氏とはどのような人なのか」といった声も聞かれます。70歳と高齢で、著作や論文も多くないため、金融政策に対してどのような考え方を持っているのかについては現時点では何ともいえません。桜井氏のスタンスが明確になるまでは、市場は疑心暗鬼に陥る可能性もあるでしょう。

 実は白井氏に続いて石田浩二審議委員の退任も6月に迫っています。後任には、新生銀行の政井貴子氏が起用されるとの報道がありましたが、今回の人事案には政井氏の名前はありませんでした。政井氏は、法政大学大学院修了後、外資系金融機関を経て現在は新生銀行の執行役員です。ただ、政井氏は為替が専門分野で必ずしも金融政策のプロフェッショナルというわけではありません。

 審議委員の選考課程は外部に漏れませんので詳細は不明ですが、人事案をめぐって多少の混乱が生じている可能性は否定できません。マイナス金利の路線が今後も継続されるのかどうかは、石田氏の後任人事が提示されるまで、不透明な状況が続くでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

933とはずがたり:2016/05/06(金) 14:33:07
AIIB開店休業でも懲りない中国の「アジア金融協会」設立
掲載日時 2016年04月23日 14時00分 [社会] / 掲載号 2016年4月28日号
http://wjn.jp/article/detail/2308783/

 先ごろ中国・海南島で開かれたボアオ・アジア・フォーラム2016年度年次総会で、中国の李克強首相が唐突に『アジア金融協力協会』を設立すると言い出した。いわく「金融危機がアジアに再現するのを防ぐ」のが狙いだという。

 アジア金融危機に備えるのであれば、広域の通貨交換システムを作るしか方法はない。しかし、こうした通貨交換スワップは強力な通貨があって初めて成り立つもの。現在、アジア最強の通貨は円だ。中国共産党は人民元の方が強いと思っているが、通貨は自由かつ大量に交換できなければ強いとは言えない。
 「人民元は中国政府が恣意的に管理しているため自由度が低く、かつ交換できる額も限られているからイザというときの使い勝手が非常に悪い。だから、日本円こそが、もしアジア通貨危機が起きた場合に事態を収拾できる通貨になり得るのです。中国としては、日本を引き入れることによってアジア版通貨スワップ協定を作ろうとしているのでしょう」(金融アナリスト)

 中国メディアによると設立は7月だという。中国からは中国工商銀行など四大国有商業銀行や証券・保険会社が参加し、日本の3大メガバンクも招待されている。もっとも、準備会合の参加者が必ず創設メンバーになるわけではない。
 「日本と米国が参加しなかったAIIB(アジアインフラ投資銀行)の二番煎じです。AIIBは当初、日本と米国の信用をバックに世界中から投資資金を集め、それを中国の息のかかった国々のインフラ整備に使い、“果実”は中国企業がいただきという虫のいいもくろみでしたが、信用度ゼロのAIIBでは投資家から資金を集めることができず、現在は開店休業のような状況になっています」(同)

 同協会も日本が参加しないと機能しないのは目に見えている。要するに、中国は日本の資金だけを目当てにしてカネを日本に出させ、運用は中国が行うというミエミエの悪巧みをしているわけだ。
 大風呂敷を広げたはいいが包む物がないとは、相変わらず滑稽な国である。

934とはずがたり:2016/05/10(火) 17:55:14
単位取得退学ってやつか?博士号取得とは違うぞ。そんな慣例しらんぞ。けど昔は殆ど博士号出さなかったからなぁ。
>このため、慣例的に博士課程修了と記す場合も多かったという。

日銀の桜井真審議委員に経歴疑惑? ネットでは「ショーンKより罪深い」の声も
http://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/160509/ecn16050921510029-n1.html?obtp_src=www.iza.ne.jp
2016.5.9 21:51

 9日発売の週刊ポストは、日銀の桜井真審議委員について日銀のホームページ(HP)上で「博士課程修了」と記載されているにもかかわらず、博士論文の存在が確認できない-と指摘した。日銀広報課は「博士課程の規定の単位を取得したことを示しており、学歴詐称には当たらない」との立場だ。

 審議委員は、日銀の最高意思決定機関である政策委員会のメンバー。同委員会は総裁と副総裁2人、審議委員6人の計9人で構成されている。

 日銀のHPによると、4月1日に就任したばかりの桜井氏と岩田規久男副総裁の学歴は、いずれも「東京大学大学院経済学研究科博士課程修了」となっている。しかし、博士課程で必要な単位を取得したものの、博士論文の審査を経て学位を取ることのないまま退学したという。

 日銀はこれまで、本人の申請に基づき、博士号を取得している委員の経歴には「経済学博士」などと明記し、単位取得退学の場合は「博士課程修了」と記載してきたという。

 文部科学省は大学院設置基準で、論文審査と試験の合格を博士課程修了の要件としている。今回のケースでは「単位取得退学」などとするのが適切としている。

 ただ、日本の文系学科では博士課程を終えても博士号をもらえないケースが多く、同省の平成27年度調査では、理工系の単位取得退学は2割程度にとどまるのに対し、社会科学では45%、人文科学では60%にのぼる。このため、慣例的に博士課程修了と記す場合も多かったという。

菅義偉官房長官は9日の記者会見で、「表現の正確性についての事柄。日銀において適切に対応していくと思う」と述べる一方、桜井氏については「国内外の経済金融政策で高い識見を有していることに変わりはない」と擁護した。

 実は、日銀の原田泰審議委員についても、HPの英語版では「博士号取得」と明記しているが、日本語版では触れておらず、首尾一貫していない面もある。

 週刊ポストは、「大蔵省(現財務省)財政金融研究室特別研究員」の経歴も同省の職員録では確認できないとも指摘した。

 桜井氏は日本輸出入銀行(現国際協力銀行)からの出向で同省に在籍したが、官庁が受け入れる出向者は非常に多く、政府関係者からは「名簿に記載がなくても不自然ではない」との声も上がる。

 日銀は、経歴の表記を変更するかどうかについて「現時点ではコメントできない」としている。

 インターネット上では、「公職にある分ショーンKより罪が重い」といった書き込みがある一方、「経歴なんてどうでもいいから今の仕事をしっかりやってほしい」、「日本の景気のほうが大切だ」との声も相次いだ。

935名無しさん:2016/05/14(土) 14:22:49
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016051200055&g=pol
日銀審議委員人事など同意=衆院

 衆院は12日午後の本会議で、日銀審議委員に政井貴子新生銀行執行役員金融調査部長を充てるなど、7機関13人の同意人事案を可決した。民進、社民両党などは政井氏の起用に反対した。
 参院では13日の本会議で採決が行われ、人事案は衆参両院で同意がそろい、承認される見通し。(2016/05/12-13:18)

936名無しさん:2016/05/28(土) 17:17:15
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160525/k10010534161000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_078
ビットコインなど規制する法律の改正案が成立
5月25日 11時21分
ビットコインなどの仮想通貨を実際の通貨と交換する業者を登録制とするなどの規制を盛り込んだ法律の改正案が、25日の参議院本会議で可決・成立しました。
ビットコインなどインターネット上の仮想通貨を巡っては、おととし、取り引きを仲介していた東京の業者が経営破綻したことなどから、政府は利用者を保護するため、資金決済法など関連する法律の改正案を国会に提出し、25日の参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。
法律では、仮想通貨の定義について、財産的な価値があり、インターネットなどを通じて不特定多数の間で物品やサービスの購入に使ったり、ドルや円などの通貨と交換ができたりするものと定めています。そのうえで、仮想通貨を実際の通貨と交換する業者に金融庁への登録を義務づけます。
金融庁によりますと、ビットコインはことし3月末の時点で国内の1400を超える店で決済に利用できるということで、取り引きが拡大するなか、今回の法改正を利用者の保護につなげることができるかどうかが課題となります。
このほか、金融と最新のIT技術を融合したフィンテックと呼ばれる新しい金融サービスの普及を後押しする規制緩和が盛り込まれた銀行法の改正案も可決・成立しました。
これらの法律は来週にも公布され、それから1年以内に施行されます。

937とはずがたり:2016/06/02(木) 20:04:08
酷いな(;´Д`)

日銀のショーンK 4枚修論を擁護する自民党の珍ロジック
NEWSポストセブン 2016年6月2日 16時00分 (2016年6月2日 16時33分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20160602/Postseven_416573.html

 なんとか追及を逃れようと政府・日銀が必死になった結果、議論はどんどんおかしな方向に展開している。
「特段、異常な修士論文ではなかった」──。
 5月19日の参院財政金融委員会で自民党の長峯誠・参院議員はそう言って、「日銀のショーンK」こと櫻井眞・審議委員を弁護した。
 本誌5月20日号では、日銀がHPで櫻井氏の経歴を〈東京大学大学院経済学研究科博士課程修了〉としていたにもかかわらず、同氏が博士号を取得していなかったなどの経歴詐称疑惑を報じた。
 なかでも話題になったのが、櫻井氏が東大に提出した修士論文が400字詰め原稿用紙でわずか「4枚」だったことだ。
 そんな人物が金融政策の舵取りを担えるのかという批判をかわすため、火消し役になったのが長峯氏なのだが、そのロジックには苦労のあとがにじみ出ていた。委員会で長峯氏は、
「私は東大に行き、当時の修士論文を全部確認した」
 と高らかに宣言。櫻井氏と同じ年(1972年)に提出された23人分の修論枚数を自ら数え上げ、一覧表に整理したのである。議員自ら何ともご苦労な作業だが、結果は次の通りだったという。
「(修論枚数は)2枚が3名、3枚5名、4枚1名、櫻井氏と同じ5枚(参考文献一覧を含む)が3名。櫻井氏は23人の真ん中あたりにいらっしゃる」
 東大紛争直後の混乱期だったため、“短い修論を出した奴は他にもたくさんいた”という論法である。
 しかし、フォローすればするほど櫻井氏が「博士号を持っていない上に、修士号もドサクサ紛れに取った」ことが強調されてしまう。ますます審議委員としての適性に疑問が生じかねないのだが……。
 他にも櫻井氏は非常勤役員だった経歴を「取締役」と書いていたり、自分が大学に入学した年を1年間違えていたりしたことが発覚し、「就任前に国会に示した経歴には9か所も間違いが指摘されている」(民進党議員)という状況だ。
 自分の履歴書さえまともに書けない人物を、なぜ安倍官邸はここまで必死に守ろうとするのか。摩訶不思議である。
※週刊ポスト2016年6月10日号

938とはずがたり:2016/06/02(木) 20:08:18
平蔵の博士号も相当怪しい癖に偉そうに。。┐('〜`;)┌

日銀審議委員の修論はペラ4枚で「こんなの見たことない…」
http://www.news-postseven.com/archives/20160510_410037.html
2016.05.10 07:00

 4月から日本銀行政策委員会の審議委員に就任したばかりの櫻井眞氏(70)の経歴に疑惑が見つかった。日銀のホームページに掲載された櫻井氏のプロフィールには、中央大学経済学部を卒業後、〈昭和51年3月 東京大学大学院経済学研究科博士課程修了〉とある。にもかかわらず、いくら探しても博士論文が東大になかったのだ。

 東大経済学部資料室の担当者が、博士課程にかかわる経歴の記載方法について、担当する同研究科庶務係に照会したところ、「『博士課程修了』は、博士号取得済(博士論文が審査を通った)を意味する」とのことだった。

 東大資料室の室長代理は、「博士号を取得できなかった場合は、『単位取得退学』や『満期退学』といった言い方をします。櫻井さんはそれにあたるのでしょう」と説明した。

「退学」という字面はネガティブな印象を与えるが、それはあくまで経歴を説明する用語でしかなく、研究者として恥になることではない。

 たとえば、櫻井氏と近い年代の武田晴人・東大名誉教授(日本経済史)の経歴を見ると、「昭和54年 博士課程単位取得退学」「昭和63年 経済学博士(東京大学)」とある(東大大学院経済学研究科編「自己点検・評価報告書」、2001年3月より)。博士課程を出たことと、論文を書いて博士号を取ることは全く別物と考えるのが、この世界の常識だとわかる。

 断わっておくと、博士号は日銀の審議委員の必要条件ではない。現在の6人の審議委員のうち、博士は元早大特任教授の原田泰氏(経済学博士)だけだ。

 ただし、「審議委員には博士を入れるべきだ」という議論があったのも事実だ。安倍晋三・首相の経済ブレーンとされる竹中平蔵・慶応大学名誉教授はかつて産経新聞のコラム「正論」でこう述べている。

〈世界の中央銀行の政策ボードのメンバーの多くはPh D(博士号)を持つ専門家だ。米連邦準備制度理事会(FRB)、イングランド銀行とも、メンバーの過半がPh D保有者か専門の大学教授である〉(2013年2月4日付)

 こうした“審議委員は博士号取得者であるべき”という議論が、日銀HPに掲載された櫻井氏の経歴の表現に何らかの影響を及ぼしたのだろうか。

 その後、さらに東大で取材を続けると、経済学図書館に収蔵されていた、『ケインズ的経済成長の動学的性格』と題された櫻井氏の修士論文に行き当たった。1972年に提出されたものだ。驚いたのは、その薄さだ。

 目次を含めて400字詰め原稿用紙にわずか「4枚」。本文は1258字しかない。他に参考文献リストが1枚ついているだけで付属資料もない。

 アブスト(要旨)のみが収蔵されているのではないかと思われたが、経済学図書館に確認すると、これが修士論文のすべてだという。

 同じ東大大学院(経済学研究科)出身者の修士論文と比べると違いは歴然だ。政府税調会長代理を務める神野直彦・東大名誉教授の修論(1978年提出)は原稿用紙231枚(約9万字)、財政制度等審議会委員の井堀利宏・政策研究大学院大学教授の修論(1976年提出)は同102枚(約4万字)。

 元日銀副総裁(2008〜2013年)の西村清彦・東大教授の修論(1977年提出)は、レポート用紙32枚(約1万6000字)と少なめだが、本文の他に、詳細な計算式やグラフが記載された大量の資料が添付されていた。長ければいいというものではないが、「ペラ4枚修論」は異例中の異例だろう。

 内容はどうか。財務省出身の小黒一正・法政大学経済学部教授(公共経済学、経済学博士)は、櫻井論文をあっという間に一読すると、「本当に本物ですか? こんな修士論文、見たことありません」と驚愕の声をあげた。

「内容は当時の経済学で示されていた課題を要約しているだけで、どこに筆者の独自の分析があるのかわからない。学部生が書いた簡単なレポートのレベルです。そもそも修士論文は冒頭で筆者の問題意識の提示があり、何に焦点をあてて分析するかの説明、先行研究の要約……といった具合に続くものですが、この論文は分量以前に、修士論文の作法にさえ則っていません。

 私が指導教官なら通さない。東大がこんな論文で修士号を与えたこと自体、不思議でなりません。100人の経済学者が読めば、100人とも同じ指摘をすると思います」
 と厳しく評価した。

※週刊ポスト2016年5月20日号

939とはずがたり:2016/06/09(木) 18:01:40
MMFほぼ姿消す マイナス金利の影響で
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160603/k10010545111000.html
6月3日 14時24分

日銀のマイナス金利政策の影響で国債の利回りが低下し投資環境が厳しくなったことから、大手資産運用会社の「野村アセットマネジメント」は3日、国債などで運用する投資信託のMMFの運用をやめて資金を投資家に返すと発表し、これでかつて人気を集めたMMFという金融商品はほぼ姿を消すこととなりました。
MMFはリスクの高い株式を避け、比較的安全とされる国債や社債などで運用する投資信託で、個人の金融資産を証券投資に呼び込むための入り口となる投資商品と位置づけられていました。
しかし日銀のマイナス金利政策の影響で主な運用資産である国債の利回りが大きく低下するなど投資環境が厳しくなったことから「野村アセットマネジメント」は3日、国債などで運用する投資信託のMMFの運用をやめて資金を投資家に返す「繰り上げ償還」を実施すると発表しました。
これでMMFを扱っていた国内の資産運用会社11社すべてが繰り上げ償還を実施することになります。
個人向けの金融商品として人気を集めたMMFは、去年12月末時点で純資産総額が1兆6400億円余りに上っていましたが、確定拠出年金向けに運用されている一部を除いてほぼ姿を消すこととなり、個人投資家の資産運用にどのような影響が出るのか注目されます。

940名無しさん:2016/06/11(土) 11:13:52
行革スレかな?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160602-48488243-bloom_st-bus_all
日本の政府債務残高、実は世界最速ペースで減少-実効ベース
Bloomberg 6月2日(木)15時27分配信

【記者:Enda Curran、ジェームズ・メーガ】

日本は国内総生産(GDP)比で世界最大の政府債務残高を抱える国として長年知られてきた。しかし、実情は変わりつつある。

実効ベースで見た場合、公的借り入れ負担は年間にGDPの15ポイントに相当するペースで急減しているとの推計もあるためで、そうだとすれば一段と管理可能な水準に向かっていることになる。

変貌の謎を解く鍵は日本銀行による先例のない日本国債買い入れだ。一部エコノミストはこれを政府債務の「マネタイゼーション(貨幣化)」と呼ぶ。政府のバランスシートに国債の負債は残るが、もはや民間部門が保有するわけではないため、実効ベースでは関係ないというのが、一部識者の見方だ。

富士通総研のシニアエコノミスト、マルティン・シュルツ氏は「日本は民間保有の公的債務がどこよりも急速に減っている国だ」と指摘した。

日本の政府債務残高はグロスベースで現在、GDPの2倍余りと推計されるが、日銀統計を使ったシュルツ氏の算定では、銀行や家計など民間部門から日銀に保有が移行しつつあることで大きな影響が生じている。同氏の推計によれば、政府債務残高のうち、民間保有分は2012年末の第2次安倍晋三内閣発足直前のGDP比177%から、向こう2-3年で同100%程度に低下する見通しだ。

日本が借り入れを減らしている訳ではない。安倍政権はさらなる財政刺激策を準備中で、その資金は国債発行で賄われる。安倍首相は1日には、17年4月に予定していた消費増税の再延期を発表した。

日銀保有の政府債務の少なくとも一部が償却されるということが明確になれば、家計のセンチメントを向上させる一因になるだろう。日本の消費者がグロスベースの政府債務全てを負担するわけではないと理解することにより、ムードは改善する可能性がある。

英金融サービス機構(FSA、英金融行動監視機構 =FCA=の前身)の元長官で、現在は新経済思考研究所の会長を務めるアデア・ターナー氏は、「日本の政府債務が通常の意味で返済されるとの信頼できるシナリオはないと確信する」とコメント。「公的債務の一部は日銀によって恒久的にマネタイズされるため、全ての返済は不要だと日本の国民に明確にするのが有益だろう」と語った。

現状では、政策当局者が完全な財政の貨幣化に一歩近づく用意があるとの兆候は見られない。JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、財政規律を重視する財務省で財務官を務めた黒田東彦日銀総裁がそのような構想を支持することは決してないだろうとみる。

菅野氏は、明示的なマネタイゼーションは外国人投資家による円相場押し下げを促し、インフレ高進につながる可能性があると分析。ただ、それが最終段階でどのような効果をもたらすかが大きな懸念材料だとして、自殺行為に等しい政策だとの考えを示した。

具体的には、日本政府と日銀の信認を意図的に損ねることで、当局者は借り入れコストの急上昇を招く危険を冒すことになり、特にインフレ目標が達成され、日銀が引き締め策に転じる場合にはそのようなリスクが高まると菅野氏は指摘した。

原題:Japan’s Debt Burden Is Quietly Falling the Most in the World (1)(抜粋)

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 松田英明 hmatsuda18@bloomberg.net翻訳記事に関するエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net記事に関する記者への問い合わせ先:Hong Kong Enda Curran ecurran8@bloomberg.net;東京 ジェームズ・メーガ jmayger@bloomberg.net記事についてのエディターへの問い合わせ先:Christopher Anstey canstey@bloomberg.net

Enda Curran, James Mayger

941名無しさん:2016/06/11(土) 18:08:36
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016060600321&g=pol
円高進行「必要なら対応を」=菅長官

 菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、米国の利上げ観測の後退を受けた円高・株安の進行について、「投機的な動きが継続することのないよう、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要なときにはしっかり対応してもらいたい」と述べた。
 菅長官は「急激な変動は望ましくなく、為替の安定が極めて重要だ。こうした対応は先進7カ国(G7)、20カ国・地域(G20)の合意内容だ」とも指摘した。(2016/06/06-12:14)

942名無しさん:2016/06/11(土) 18:39:56
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160611/k10010553191000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_003
マイナス金利で財政投融資の金利引き下げ検討
6月11日 16時47分
日銀のマイナス金利政策の影響で、国債の利回りがマイナスになっていることから、政府は政府系金融機関などを通じて民間プロジェクトに貸し出す、財政投融資の金利を引き下げる方向で検討に入りました。
財政投融資は、国が主に国債の一種の債券を発行し、調達した資金を政府系金融機関などを通じて貸し出しているものです。

政府系金融機関などに貸し出す金利は市場の金利水準によって変動しますが、日銀のマイナス金利政策の影響で国債の利回りがマイナスになっていることから、融資期間が24年以下の場合すでに定められた下限の0.1%にまで下がっています。

このため、政府は財政投融資で貸す金利の下限を引き下げる方向で検討に入り、この秋にも取りまとめる予定の経済対策や来年度の融資計画などに反映させたい考えです。引き下げが実現すれば、政府系金融機関から融資する民間のプロジェクトや、独立行政法人を通じて貸し出す奨学金などの返済額が減ることになります。

一方で、財政投融資の金利の引き下げには金融業界などから「すでに金利水準は低く融資の拡大につながるのか」とか「民間の業務を圧迫しかねない」などといった指摘もあるため、政府は今後、有識者の意見も聞きながら検討を進めることにしています。

943名無しさん:2016/06/18(土) 22:09:37
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016061600390&g=pol
為替安定へ「必要なら対応」=菅長官

 菅義偉官房長官は16日午前の記者会見で、為替市場で円高が進行していることについて、「急激な変動は望ましくなく、為替の安定が極めて重要だ。投機的な動きが継続することがないよう、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要なときにはしっかり対応していく」と強調した。
 米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げを見送ったことに関しては、「今後、各般の情勢を踏まえて適切に対応されることを期待したい。米国の経済動向および金融政策はわが国に直結するので、しっかり注視していく」と述べた。 (2016/06/16-12:07)

944とはずがたり:2016/06/19(日) 22:40:53

2016年 06月 6日 08:34 JST
コラム:ヘリコプターマネーが招く「金融大混乱」
http://jp.reuters.com/article/global-cenbank-breakingviews-idJPKCN0YP102?sp=true
Edward Chancellor

[ロンドン 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 量的緩和と超低金利は、今もまだ当初の約束を果たせていない。マイナス金利の効果は、さらに期待外れで終わっている。先進国の経済成長はあいかわらずパッとせず、各国中央銀行の当局者は、しつこいデフレに頭を抱えている。

こうした状況下、金融実験室が生み出す次の作品が、いわゆる「ヘリコプターマネー」であっても不思議はない。空から大量の現金をばらまくことで経済の問題を解消するかどうかはさておき、想定される結果の1つは、金融資産の大量破壊である。それを思えば、これほど多くの投資家があのような政策を激賞しているのは驚きと呼ぶほかない。

中銀当局者(そしてその一挙手一投足を執拗に追いかける投資家)たちの見える範囲では、自らが繰り出す金融政策の実験結果を予想することはできないことは、今や当たり前となっている。

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グローバル金融危機以降、金融当局が証券を買い入れ、ゼロ金利政策を導入したことで、富の格差拡大や、年金の支払い不履行、生産性の低下、デフレなど、予期せぬ多くの影響が生じた。

何よりも、欧州と日本が導入したマイナス金利は、意図していた効果とは真逆となる、現金資金の退蔵を促し、同時に市中銀行の貸出意欲を減退させてしまっている。

他のすべての政策がうまく行っていないように見えるだけに、「ヘリコプターマネー」というアイデアは支持を集めている。これは1969年に経済学者ミルトン・フリードマンが生み出した用語で、実質的に国民に直接現金をばらまくことにより、インフレと経済生産を加速させるというアイデアを指している。

複数の投資家が、このアイデアを支持する意見を表明している。かつて「債券王」の異名を取った、資産運用会社ジャナス・キャピタル・グループのビル・グロス氏は、最新の月報で、ヘリコプターマネーの近日実施に楽観的な態度を見せている。

「ヘリコプターマネーは乱暴な終わりを迎えるだろうが、だがそれをやらなければ緊縮というリハビリがすぐに到来し、長期リセッションに突入するだろう」。13億ドル規模の「ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファンド」を運用するグロス氏は先月、こう書いている。「政府と中央銀行は、死ぬくらいなら飛んでみる方を選ぶのではないかと思う」

だが、グロス氏をはじめ、中央銀行の実験的手段として最後に残された「ヘリコプターマネー」を主張する人々は、この革新的な政策が金融市場にもたらす潜在的な悪影響について十分に考え抜く必要がある。

「ヘリコプターマネー」に熱を上げる人には、いくつかの思い込みが見られる。第1に、この作戦が行われる経済には、余剰生産能力がたっぷりあるものと想定されている。第2に、現金のばらまきによって生み出されたインフレが制御不能になることはないと想定されている。第3に、どこからともなく現金を生み出すことで逆に経済的に苦しくなる人々はいないものと考えられている。

つまり、ヘリコプターマネーはコストのかからない、いわゆる「フリー(無料)ランチ」だと思われているのである。GAM(ロンドン)でストラテジストを務めるマイケル・ビッグス氏がこの政策を主張する最近の記事タイトル「ヘリコプターからマナが降る」で示唆したように、神からの授かり物なのである。

だが、こうした想定は疑わしい。まず、ある経済の余剰生産能力をリアルタイムで正確に測定することは難しいことで有名である。近年の先進国経済が伸び悩んでいるからといって、活用されていない資源が大量にあるとは限らない。

945とはずがたり:2016/06/19(日) 22:41:11
>>944-945
むしろ、金融緩和時期に資本配分が適切ではなかったこと、また先進国市場において低調な投資水準が維持されたことで、潜在的成長率が低下した兆候かもしれない。従来の通念が米国など先進国における余剰生産能力を過大評価しているとすれば、いくら多量の現金を投下しても、短期的にはそれほど成長を刺激しないだろう。

こうした状況では、ヘリコプターマネーは予想されるよりも大きな価格上昇を引き起こす結果となろう。インフレが実現するとして、なぜそれが中央銀行の目標である2%付近で推移するはずだと言えるのか、その理由ははっきりしない。

要するに、ヘリコプターマネーが中央銀行にとって最大の悪夢、つまりインフレ期待に「歯止めがきかない」事態となっても不思議はないのだ。

ヘリコプターマネーの支持者が約束する「ランチ無料券」にも疑問がある。資本主義のシステムは、膨大で複雑な、相互に関連するバランスシート網で構成されている。その名前が示すように、バランスシートは「収支が合う」ことを想定している。

ヘリコプターマネー主義者は、中銀はこの原則の例外だと主張する。何しろ、米連邦準備理事会(FRB)など各国中銀は、紙幣を印刷して負債を返済することができるのだ。こうした考え方で行けば、会計上、中銀が債務超過に陥っているとしても何の問題はない。

これでは何だか話がうますぎるように聞こえる。なぜなら、そのとおりなのだ。ヘリコプターマネー実施後、中銀のバランスシートが「バランス」しない場合、その損失は誰かに転嫁されなければならない。

唯一の問題は、それが誰かということだ。最初に犠牲になるのは資金の保有者、つまり銀行の預金者である。パイ・エコノミクスのティム・リー氏が書いているように、ヘリコプターマネーは「純粋なインフレを意味している。それは単なる貨幣価値の破壊である」

もう1つの潜在的な犠牲者は銀行である。銀行は、中銀がゼロ金利しか支払わないとする準備預金の維持を義務づけられているからだ。

さらに、もっと心配なのはインフレ期待の上昇が債券市場に与える潜在的な影響である。近年、短期金利がゼロ近くまで低下する状況に対して、投資家はより償還期間の長い、高利回りの債券を購入することで対応してきた。デュレーションのエクスポージャーが増大しているため、長期金利が比較的小幅に上昇するだけでも、巨額のポートフォリオ損失につながる可能性が生まれている。

さらに、ブリッジウォーター・アソシエイツなどのヘッジファンドが推進している、人気の「リスク・パリティ」戦略によって、多くの機関投資家が債券市場でレバレッジ・ポジションをとっている。これによって長期金利が予想外に上昇した場合の投資損失の見込みが膨れあがっている。

債券市場が総崩れになる可能性は、投資銀行が伝統的なマーケットメイクの役割からの撤退を進めているという事実によって、さらに増大している。流動性が枯渇するなかで、債券市場はますます不安定になっている。ヘリコプターマネーの投下後に長期金利が急上昇すれば、低金利時代に市場価格が上昇した資産、つまり株式、不動産、ジャンク債や新興市場債などさまざまな「キャリートレード」対象の商品のほぼすべてが潜在的リスクに晒される。

インフレ率の回復と金利上昇は、先進国の硬直化した経済にとって、何らかの長期的な利益をもたらす可能性は十分にある。インフレ率の上昇は、多年にわたって積み上がってきた過剰債務の負担を軽減してくれるだろう。資産価格の崩壊は、かつてないほどの資産格差の拡大傾向を急激に反転させる。住宅価格はもっと手頃になる。金利上昇によって年金基金の支払い能力は改善され、保険会社の苦境も緩和される。

長期的には、金利上昇は資本の配分を改善し、生産性と所得の成長を加速させる可能性さえある。

だが、理論上は経済的メリットがあるにもかかわらず、ヘリコプターマネーの実施は金融市場の大混乱を招く可能性がある。この政策を推奨している投資家は、自分たちが公共サービスに携わっていると思っているのかもしれない。だが、投資家の仕事は投資リターンを確保することだ。中銀の「ヘリコプター」部隊が離陸する姿勢を見せているなかで、その仕事はひどく難しくなろうとしている。

946とはずがたり:2016/06/21(火) 14:18:21

2%物価目標2年で達成できなかったが、早期実現変えず=日銀総裁
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/reuters-20160620058.html
06月20日 20:11ロイター

[東京 20日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は20日、都内で講演し、量的・質的金融緩和(QQE)の導入当初に約束した2年程度での物価2%は達成できなかったとしながらも、今後も早期に目標を実現するとのコミットメントを変える必要はないとの認識を示した。

2013年4月のQQE導入から3年余りが経過したが、総裁は、物価2%目標を当初見込んだ「2年程度で達成することはできなかった」と認めた。

一方で、導入当初に「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する」との強いコミットメントを示し、大規模な国債買い入れを中心としたQQEを推進してきたことで「デフレという状況ではなくなったというところまで来た」とし、「プラス効果はあった。やはり強いコミットメントが必要だった」と評価した。

足元の消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)の前年比上昇率がゼロ%程度と低迷する中、「2%の物価安定目標の実現は道半ば」とし、「今後とも、できるだけ早期に2%の物価安定目標を実現するとのコミットメントは変えるつもりはないし、変える必要もない」と強調した。

これまでの日銀の金融政策はサプライズを狙ったものではないかとの指摘に対し、経済の実情や見通しを踏まえ、必要ならちゅうちょなく追加緩和措置を講じるという「あくまで政策反応関数を示している」と主張。

そのうえで「いつ何をするかということは、金融政策の本質上、事前に示すことは適当ではない」とし、「サプライズを狙って金融政策をしていることはない」と語った。

金融政策の有効性確保には「民間部門が予想していないショックを与えることではなく、一貫性・予見可能性の高い政策対応を継続していくことが重要」としたが、「現実的には、さまざまな不確実性が存在している。あらかじめ政策オプションを提示しておくことは難しい面がある」との認識も示した。

また、主要先進国では、長期停滞論(Secular Stagnation)のように「さまざまな要因によって定常状態そのものが、下方シフトしている可能性について活発に議論されている」ことを紹介。日本でも「潜在成長率の低下とともに、景気に中立的な自然利子率も、低下傾向をたどっていたと考えられる」と語った。

自然利子率が恒常的に低下すれば、実質金利低下による経済活動の刺激が弱まり、「金融政策の有効性が大きく低減する」ほか、潜在成長率の低下によって所得予想が低下する「負の所得効果」が生じれば、「経済活動の下押し圧力が生じることも考えられる」と指摘。定常状態をめぐる不確実性と金融政策運営の関係は「各国中央銀行が共通している課題」との見解を示した。

(伊藤純夫 編集:田巻一彦)

947とはずがたり:2016/06/21(火) 14:38:25
2009.11.11[マクロ経済] メディア情報
第十一回「貨幣と金融政策」
「ゲーデルの貨幣」-自由と文明の未来- 危機編 『週刊金融財政事情』 2009年10月26日号に掲載
http://www.canon-igs.org/column/macroeconomics/20091111_197.html
研究主幹 小林 慶一郎
[研究分野]マクロ経済

マネーが経済をゆがめた

シカゴ大学のロバート・ルーカス教授が示した見解、すなわち今回の金融危機の本質は銀行取付け(Bank Run)と同型のメカニズムによるマネーの消失である、とする見方は、経済学者の間で市民権を得つつあるように思われる。ルーカス氏だけではなく、ゲーリー・ゴートン氏など金融経済学の専門家も、今回の金融危機は銀行取付けと同じメカニズムである、と主張している。
この場合、消失したマネーとは、経済取引における交換媒体のことである。この連載で論じてきたように、交換媒体としての役割を中心に据えてマネーを経済モデルのなかに導入する議論は、政策分析の主流では起こらなかった。過去十数年で金融政策分析の主流の地位を確立したニュー・ケインジアンの枠組みでは、ほとんど「物価の硬直性」が、実物経済に対してマネーの存在が影響を与える唯一のルートと前提されてきた。
しかし、今回の金融危機は、物価の硬直性を通じた経済変動の増幅ではなく、交換媒体としてのマネーが消失したことで、大きな経済変動が起こりうるということをマクロ経済学者に再認識させたわけである。
これまで、交換媒体としての貨幣の性質を政策分析で使おうとした(おもに新古典派の)研究からは、現実の世界とはあまりにもかけ離れた政策提言が出てきた。このことが、マネーを交換媒体として導入する経済理論が政策分析の主流にならなかった大きな原因と思われる。その新古典派的な政策提言とは、「デフレを起こすのが最適な金融政策だ」というものであり、マクロ経済学の世界では、「フリードマン・ルール」と呼ばれる有名な話である。マネタリストの総帥として名高いシカゴ大学のミルトン・フリードマン教授が、「貨幣が市場にもたらす摩擦をなくすには、貨幣のリターンと他の金融資産のリターンを同じにすることが最適だ」と述べたことからその名がついた。
フリードマンの議論は次のようなものである。経済取引の交換媒体として貨幣をもつ必要があるために生じる経済のゆがみは、貨幣に利子がつかないことから生じる。経済取引のために貨幣をもたざるをえない人は、債券を保有すれば得られたはずの利子が得られず、その分が遺失利益になる。これが経済全体にゆがみをもたらす。このゆがみを除去するためには、実質的に貨幣に利子がつくような経済政策を行えばよいが、物価を下落させる政策は、まさしく貨幣に利子をつける政策と同じである。したがって、交換媒体としての貨幣がもたらす経済のゆがみをなくすための最適な金融政策は、徐々に貨幣供給量を減少させ、物価水準を下落させるデフレ政策になる。これがフリードマンのロジックであった。

948とはずがたり:2016/06/21(火) 14:38:37
>>947-948
フリードマン・ルールの難点
フリードマンや新古典派の経済学では、価格の粘着性のない理想的な経済モデルを考える。そこでは、債券などの実質利子率は、経済の生産力や家計の選好によって市場均衡で決まるので、金融政策をどのように動かしても、変化することはない。一方、貨幣の実質利子率は、デフレ率と同じになる(たとえば2%のデフレが起これば、貨幣の実質利子率は2%になる)。したがって、デフレを引き起こす金融政策によって貨幣の実質利子率を変化させて、債券の実質利子率に一致させるようにすることができる。フリードマンは、貨幣による経済のゆがみを除去するための最適な政策は、債券と貨幣の実質利子率を同じにすること、すなわち債券の実質利子率(これは金融政策を変えても変化しない)と同じ率のデフレを引き起こすことである、とした(その場合、債券の名目利子率はゼロになる)。
フリードマン・ルール、すなわちデフレ政策が最適な金融政策になるという結果は、非常に頑健な結果である。価格の硬直性を理論の根幹においたニュー・ケインジアン理論以外は、ほぼすべてのマクロ経済理論でフリードマン・ルールすなわちデフレ政策が最適な金融政策になってしまう。それは、たとえば、貨幣を交換媒体として導入しているキャッシュ・イン・アドバンス・モデルのような新古典派のマクロ経済モデルであっても、次回解説する貨幣サーチ理論であっても同じである。
 しかし、容易にわかるように、現実の中央銀行の金融政策の議論で、フリードマン・ルールがまじめな政策の処方箋として取り上げられることはない。現実の世界で、中央銀行が故意にデフレ政策をとれば、経済活動は失速し、失業率を上昇させる。フリードマン・ルールが最適だという議論の前提には、債券や資本の実質金利は均衡の結果として定まり、金融政策で実質金利は変化しない、という仮定がある。この仮定が現実的ではないわけである。現実の世界では、デフレ政策(貨幣供給量を減少させる政策)は、利上げ政策を実施することであり、短期的には、企業や家計が直面する実質金利も上昇させることになる。その結果、生産活動が低下し、投資や消費も減少して、失業率が上昇してしまうことになる。いずれにせよ、フリードマン・ルールを最適政策と位置付ける新古典派の貨幣理論は、残念ながら「空理空論」という批判を免れることはむずかしく、現実的な中央銀行の政策論議に使えるようになるとは考えにくいわけである。
 金融政策(つまり、名目金利の変更)が、実質金利の変化をもたらすという結果を得るためには、価格の硬直性を仮定することが一つの方法である。それがニュー・ケインジアンであり、その枠組みは、過去十数年にわたって金融政策分析の研究で使用され、政策分析の標準的な枠組みとしての地位を確立した。しかし、リーマンショック後の金融危機で、その限界が露呈したわけである。
 フリードマン・ルールの呪縛を回避し、交換媒体としての貨幣の役割と現実の政策分析を結びつけるためのもう一つの方向性は、貨幣として紙幣や硬貨など(外部貨幣)だけではなく、信用貨幣を中心に据えることである。

952とはずがたり:2016/06/25(土) 22:55:50
アジア投資銀、81カ国へ=加盟国でADB上回る
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160625-00000070-jij-cn
時事通信 6月25日(土)17時23分配信

アジア投資銀、81カ国へ=加盟国でADB上回る
アジアインフラ投資銀行(AIIB)の第1回年次総会で記者会見する金立群総裁=25日、北京市
 【北京時事】中国主導の計57カ国によって発足したアジアインフラ投資銀行(AIIB)の第1回年次総会が25日、北京で開かれた。

 来年初めに少なくとも24カ国が新たに加わり、加盟国数は日米主導のアジア開発銀行(ADB)の67カ国・地域を上回る81カ国に達する見通しだ。

 金立群総裁は総会で「2017年初めから新メンバーが加わることを楽しみにしている」と期待を示した。創設メンバーに続く第2陣の加盟申請は今年9月末に締め切るが、既に24カ国が参加意向を伝えてきている。新規加盟する具体的な国名は現時点で不明だ。

953とはずがたり:2016/06/26(日) 13:34:09
友愛だ♪
お飾りだろうけど宇宙人を採用すると色々大変だぞw

鳩山元首相がAIIB顧問=中国、日米切り崩し狙う
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160626-00000012-jij-cn
時事通信 6月26日(日)8時37分配信

 【北京時事】鳩山由紀夫元首相が、中国主導で設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)の顧問となる「国際諮問委員会」の委員に就任することが、25日分かった。

 金立群総裁が確認した。日本は米国とともにAIIB参加を見送っており、中国側には、日本の首相経験者を迎え入れることで、日米を切り崩す狙いがありそうだ。

 同委は今秋、初会合を開く。金総裁や副総裁に対し、幅広い分野にわたって第三者の立場で助言する役割を担う。非加盟国を含め、元首や首相の経験者10人程度で構成する見通しで、金総裁が中心となって鳩山氏以外の人選を進めている。

 日本国内では昨年、英国、ドイツ、フランス、イタリアなどに歩調を合わせ、創設メンバーとしてAIIBに参加すべきかどうかをめぐり、賛否が分かれた。鳩山氏は参加を主張していた。

 AIIB筋によると、設立準備事務局長だった金氏は昨秋、北京で鳩山氏と会い、委員就任を要請した。12月に正式にAIIBが設立された後、組織内で諮問委員会の詳細が協議されてきた。

 AIIBには、アジアの途上国や欧州の先進国など計57カ国が参加。他に少なくとも24カ国が参加の意向をAIIB側に伝えている。加盟国数は来年早々にも、日米主導のアジア開発銀行(ADB)の67カ国・地域を上回るのは必至だ。

954とはずがたり:2016/06/27(月) 22:53:56
銀行員は皆知っていた、アベノミクスで貸し出しが増えない理由。 (塚崎公義 大学教授)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160627-00010003-scafe-bus_all
シェアーズカフェ・オンライン 6月27日(月)5時46分配信

銀行員がみんなしっていたこととは?
黒田日銀総裁は、就任に際し、2年で2%のインフレを達成すると宣言しましたが、達成時期は大幅に後ろ倒しされていて、未だに見通しが立っていません。そこで今回は、2年で2%が達成できると考えた根拠と、それが誤りであった事について記していきます。

最初に、経済初心者向けの解説を記しますので、一般の方は飛ばしてお読みいただいても結構ですし、復習のために一読していただいても勿論結構です。

■日銀総裁は消費者物価指数を上げたいの?・・・経済初心者向け
消費者物価指数というのは、私たちが消費している様々な物やサービスの値段が全体としてどれくらい上がっているのか下がっているのか、調べた統計です。消費者物価指数の上昇率をインフレ率と呼びます。つまり、インフレ率を上げたいという事は、物やサービスの値段を上げたいということです。それは困る、と思った人も多いでしょう。では、なぜ黒田日銀総裁は物価を上げたいと思っているのでしょうか。

それは、インフレの反対すなわちデフレになると、景気が悪くなって失業が増えてしまうからなのです。物価が毎年上がっている国では、もしも金利がゼロならば、借金をしてでも来年買う予定の物を買う人が大勢いるので、物がよく売れて、景気が良くなります。

一方で、物価が毎年下がっている国では、金利がゼロだとしても、借金をせずに来年まで待った方が得ですから、物を買う人が少なく、景気が良くなりません。金利から物価上昇率を差し引いた値を「実質金利」と呼びますが、物価が下がる国では実質金利が高くなるので、物が売れないのです。

なお、現在日銀はマイナス金利を導入していますが、これは異例のことですから、通常は金利はゼロより下がらないと考えておいて良いでしょう。

他にも、物価が下がると、既に借金をして設備投資をしてしまった会社が、製品が安くしか売れず、一方で銀行はデフレでも借金は減らしてくれず、倒産に追い込まれる場合もあるでしょう。

■物価が下がるのは困るとして、ゼロじゃダメなの?・・・経済初心者向け
日銀は、物価を下げるのは得意です。物価を下げようと思ったら、金利を高くして景気を悪くすれば良いからです。景気が悪くなれば、買い注文が減るので物の値段は下がります。一方で、物価を上げるのは日銀にとって難しいのです。物価が下がっている時は人々が買い物をしないので、景気がよくならず、物価も上がらないのです。

日銀は、インフレの目標どおりに物価を調節できるわけではありません。どれくらい景気を上げるとどれくらい景気が悪くなって物価がどれくらい下がるかを正確に予想することは無理だからです。

従って、目標を定める時には、目標から外れる可能性も考えておく必要があります。日銀がインフレ目標を2%に定めたとして、結果としてインフレ率は0%から4%の間になるとしましょう。特に大きな問題は起きません。

しかし、日銀がインフレの目標を0%に置いたとしましょう。インフレ率が2%になれば、これをゼロにする事は難しくありませんが、インフレ率がマイナス2%になってしまった場合には、これを目標の0%に戻すのは大変なのです。

そうした事を総合的に考えて、黒田日銀総裁はインフレ率を2%にする、という目標を立てたわけです。消費者にとっては迷惑な話ですが、日本経済が元気にならないと、消費者の収入も増えませんから、仕方ないですね。
■日銀の金融緩和って何ですか?・・・経済初心者向け
かつて、日銀の金融緩和というのは、安い金利で銀行に資金を貸し出すことでした。しかし、今では大量の資金を銀行に渡すことを言います。具体的には、銀行が持っている国債(日本政府の発行した借用証書)を日銀が買い取って、代金として札束を銀行に渡すことで、世の中にお金を出回らせようとするわけです。これを買いオペ(国債を買うオペレーション)と呼びます。

世の中に大量のお金が出回れば、高い金利でお金を借りたいという人がいなくなりますから、金利は下がります。金利は貸したい人と借りたい人の数(厳密には金額)が等しくなるように決まるからです。

もっとも、黒田日銀総裁が就任する前から日銀は大量の資金を買いオペで供給していたため、金利はゼロでした。したがって、黒田日銀総裁が大胆な金融緩和(前任者を遥かに上回る巨額の買いオペを行なうこと)を行なっても、銀行同士の貸し借りの金利(市場金利と呼びます)は下がりませんでした。

955とはずがたり:2016/06/27(月) 22:54:08

「金利は下がらなくても、世の中に大量の資金が出ていくことに意味がある」と考えていたのが、黒田日銀総裁でした。同様の考え方をする人々は、「リフレ派」と呼ばれています。

一方で、金利がゼロの時に大量の買いオペを行なっても、あまり効果は無いだろう、という人も(筆者を含めて)数多くいました。この論争は、非常に興味深い結果に終わったのですが、その話はまた後日。

■黒田日銀総裁が考えていたこと
黒田日銀総裁は、「大胆な金融緩和をすれば世の中にお金が出回って、物の値段が上がるだろう」と考えていました。こうした考え方をする人を「リフレ派」と呼びます。

世の中では、多くあるものは重宝されず、少ないものが大切にされます。水よりダイヤモンドが価値があるのは、少ししかないからです。そうだとすると、世の中に出回っているお金の量と物の量の比率を変えれば物価が変わるはずです。

世の中に出回る物の量が変わらずに、大量のお金が出回ったら、人々はお金より物を大切に思うでしょう。つまり、多くのお金を出しても物を買いたいと思うでしょう。こうして物価が上がっていく、というのがリフレ派の基本的な考え方です。

そこまでは良いのですが、問題は世の中にどうやってお金を出回らせるか、ということです。

■現金は銀行から日銀に戻ってしまった
日銀は大胆な金融緩和によって、日銀から銀行に現金を移しました。兎にも角にも現金が日銀から外に出て行ったのです。リフレ派はこれを、「世の中に大量の資金が出回った」と考えました。日銀から出て行った資金の額を「マネタリーベース」と呼びますが、これが急増したのです。

リフレ派は、「銀行は受け取った現金を貸出に用いるはずだから、銀行から更に外へ資金が流れていくだろう」と考えていました。銀行から更に外へ流れていった資金の額を「マネーストック」と呼びますが、これも増えると考えていたわけです。

しかし、そうはなりませんでした。銀行は、日銀から受け取った現金をそっくり日銀に送り返し、日銀に対して預金(銀行が日銀に預金している口座のことを準備預金と呼びます)してしまったのです。それは、資金需要が無かった(銀行から借りたいという客がいなかった)からです。銀行が貸したくない赤字会社は借りに来ましたが、銀行が貸したい黒字会社は借りに来なかったのです。

銀行の外に資金が出て行かなかったため、世の中に出回っていっる物の量と資金の量の比率も変化せず、従って物価も上がりませんでした。黒田日銀総裁の予想は、こうして外れたのです。

じつは、黒田日銀総裁が考えていたのとは別のルートで物価が上がり始めています。景気が回復し、賃金も上がり始めたからです。景気がよくなれば物価も上がりますが、それには時間がかかります。そこで、2年以内にインフレ率2%という目標のタイミングには間に合わなかった、というわけです。

このまま景気回復が続けば、いつかはインフレ率が2%に達するでしょう。そうなれば、「金融緩和による景気回復が物価を上昇させた」という事になるでしょう。金融緩和で物価を押し上げるのは、無理なのではなく、長い時間を要することなのです。

■銀行員の経験と勘が経済学者に勝った
じつは、筆者には黒田日銀総裁の予想が外れることがわかっていました。筆者は元銀行員ですから、「日銀が追加で金融緩和をしても、銀行の貸出は増えないだろう」と容易に予想できたのです。これは別に筆者が偉いわけではなく、多くの銀行員が同じことを考えていたわけです。

黒田日銀総裁が就任する前から市場金利(銀行間で貸し借りする際の金利)はゼロでした。それなのに、銀行の貸出は伸びていませんでした。それは、資金需要が無かったからに違いありません。

そもそも、黒田日銀総裁が就任される前、銀行は大量の国債を保有していました。あんな金利の低いものを喜んで持っていた銀行などありません。借り手が見つからないから、仕方なく持っていただけです。それが現金に置き換わったからと言って、急に貸出が増えるはずがありません。

というわけで、なんと銀行員の「勘ピューター」が「経済学理論」に勝ってしまいました。もっとも、こうした事は珍しいことではありません。経済は複雑すぎるので、経済学理論だけでは充分に説明できないのです。

100年後くらいには、経済学が進歩して世の中の出来事を説明したり予測したりできるようになると期待していますが、当分の間は筆者等の「勘ピューター」が活躍する余地がありそうですね。

塚崎公義 久留米大学商学部教授

956とはずがたり:2016/06/29(水) 16:27:42

イギリスEU離脱が早めるQQEの限界:金利ターゲットに移行せよ --- 小黒 一正
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160629-00010004-agora-bus_all
アゴラ 6月29日(水)15時10分配信

先般(2016年6月23日、日本時間24日昼頃)、イギリスのEU離脱に関する国民投票の結果が明らかとなった。投票結果は、投票地区382すべての投票率72.2%で、EU離脱に賛成が51.9%(17,410,742票)、反対が48.1%(16,141,241票)であった(出所:UK Electoral Commission)。これは、イギリス国民の半数以上が離脱に賛成の意を示したことを意味する。

もっとも、今回の国民投票に法的拘束力はない。また、リスボン条約50条でEU離脱の手続きは通告を受けて開始するルールになっているが、イギリスがいつEU離脱の通告を行うかも明らかでない。そもそも、3.8%ポイントの僅差で「EU離脱」が勝利したため、国民投票のやり直しを求める声が上がってきている一方、残留派が多数を占めるイギリスの下院で離脱に向けた新協定の締結等に関する議決がスムーズに進むとは考えられない。

このため、イギリスのEU離脱の方向性については不透明感が漂っており、何も確定的なことは言えないが、日本経済に及ぼす影響で一つだけ明らかなことがある。

それは2014年10月31日のQQE(量的・質的金融緩和)第2弾、すなわち「黒田バズーカ2」以降、日本経済で進んだ株高・円安の流れを完全に吹き飛ばしたことである。

そもそも、黒田バズーカ2が本当に株高・円安を引き起こしたか否かについては冷静な議論が必要だが、2014年10月31日以降、ドル円レートは109円から一時は120円台まで円安が進んだことは確かである。

だが、イギリスのEU離脱に伴う国民投票の結果、先般(2016年24日)の日経平均株価は1000円超も下落し、ドル円レートは現在(2016年6月27日時点)で黒田バズーカ2以前の101円台まで円高が進行中である。このような状況の下、日銀に対する市場からの追加緩和の要求も強いが、QQEの限界が指摘される中、日銀は完全に追い詰められている格好である。

追い詰められている理由は単純である。2015年度末で国債発行残高は約800兆円であったが、既に日銀は300兆円超の国債を保有している。毎年80兆円の国債買いオペレーションや約30兆円の保有国債償還分を考慮すれば、単純計算でも、約10年間で日銀はすべての国債を保有し、国債市場は干上がってしまう。もっとも、民間銀行や保険・年金基金などは資金運用のために一定の国債を保有する必要があり、2018年頃にQQEが限界に達する可能性も指摘されている。

他方、マイナス金利政策の拡充もあるが、三菱東京UFJ銀行が国債のPD(プライマリーリーダー)資格返上を表明する中、他の大手行の追従を防ぐためにも、マイナス金利の深掘りには一定の限界がある。にもかかわらず、市場からの追加緩和の要求に対応し、QQEやマイナス金利を拡大すれば、日銀の金融政策の限界を早めてしまう。

これを回避する方法は、あまり残されていない。一つの方法は、デフレ脱却は一定の成果を上げたと宣言しつつ、例えば日銀総裁の任期が切れる2018年を一つの契機として、「金利ターゲット」に方向転換することが考えられる。金利ターゲットとは、「ある特定の金利を一定水準または範囲に誘導することを金融政策運営上の目標とする方式」をいう。長期金利が急上昇することがないように市場との対話を入念に行いつつ、この方式に改めることができれば、毎年80兆円の国債買いオペレーションを行うという重圧から日銀は解放され、より自由度の高い金融政策を展開できるはずである。

(法政大学経済学部教授 小黒一正)

957とはずがたり:2016/06/29(水) 19:01:01
ドラギECB総裁、世界の中銀に「政策の連携」呼びかけ
ロイター 2016年6月28日 18時09分 (2016年6月28日 23時06分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20160628/Reuters_newsml_KCN0ZE0RG.html

[シントラ(ポルトガル) 28日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は28日、世界の中央銀行は経済の不安定化が広がるのを防ぐため、金融政策で連携すべきとの見解を示した。ECBフォーラムで語った。
先週の英国民投票で決まった同国の欧州連合(EU)離脱に関しては言及しなかった。
一方で、各国で異なる金融政策の副作用に言及、新興国市場などで見られている為替相場や資本フローの急変動を例に挙げた。
総裁は「金融政策が必然的に不安定化の波及を招いている。特に景気循環に差がある場合はそうだ」と指摘。
「正式な政策協調は必要ないかもしれないが、政策の連携から恩恵を受けられる。私が意味する連携とは、われわれすべてが影響を受ける問題の根本的原因に関する診断を共有し、その診断に基づいて国内の政策を確立することへの共通したコミットメントだ」と語った。
また、経済政策の他の分野での連携も呼び掛け、20カ国・地域(G20)が目標に掲げた世界経済の成長押し上げに向けた対応はこれまでのところ期待に沿っていないと指摘。
「G20は構造政策で世界経済の成長率を2%押し上げることにコミットメントを表明したが、その成果が期待に沿っていないことは目的と行動のずれを示す一例だ」と述べた。
その上で、「各国に具体的な行動を義務付けることはできないものの、共通の利益という認識を共有することが協調措置としての機能を果たす」と語った。

958とはずがたり:2016/07/01(金) 13:02:50
今ふと思ったけどバンクオブブリテンじゃあないんですな〜。

英中央銀、臨時の資金供給を継続へ 短期市場の混乱回避
http://www.asahi.com/articles/ASJ712FCMJ71UHBI00L.html?iref=com_latestnews_02
ロンドン=寺西和男2016年7月1日12時35分

 英国の中央銀行、イングランド銀行(BOE)のカーニー総裁は6月30日の講演で、市場でポンドが不足しないように、6月から行っている臨時の資金供給を9月末まで続けることを明らかにした。

 BOEは通常は月1回の、金融機関向けの資金供給を6月は計4回実施した。英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた後に行った資金供給では、金融機関からの需要が離脱決定前と比べて大幅に増加した。金融機関がお金を貸し借りする短期金融市場で混乱が起きないように、今後も週に1回のペースで資金供給を続ける。

 また、カーニー総裁は離脱で経済の見通しが悪化するとして「夏に金融政策の緩和を求められるだろう」と述べ、近く追加緩和に踏み切る可能性を示唆した。利下げや、国債を買って市場にお金を流す量的緩和の拡大が選択肢になるとみられる。(ロンドン=寺西和男)

959とはずがたり:2016/07/01(金) 16:28:58
仏中銀総裁には悪いけどパリじゃ無くてフランクフルトになりそう。。

2016年 06月 26日 18:53 JST
英金融機関、EU離脱で「パスポート」失うリスク=仏中銀総裁
http://jp.reuters.com/article/britain-eu-ecb-idJPKCN0ZC0CI?rpc=188


[パリ 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は25日、欧州連合(EU)からの離脱に向けた交渉において、英国が欧州市場へのアクセスを引き続き確保できなければ、英金融センターのシティは現在享受している「EUパスポート」を失うことになる、と述べた。

ロンドンに拠点を置く銀行は、「EUパスポート」と呼ばれる制度の下で、制限を受けることなく欧州の資本市場で業務を行っている。

同総裁は「英国がEUから離脱すれば、ロンドンの金融機関はこのパスポートを持ち続けることはできないし、クリアリングハウスもロンドンに存在していることはできないだろう」とフランスのラジオに述べた。

また、不透明性を最小限にするため英国のEU離脱交渉は速やかに行うべきだとし、「前例がある。ノルウェーモデルなら英国は単一市場へのアクセスを維持できる。しかし、すべてのEUルールを順守すると確約する必要がある」と語った。

さらに、「EUを離脱する一方ですべてのルールを順守するというのはやや矛盾しているが、英国が単一市場へのアクセスを維持したいのであればひとつの解決策だ」とした上で、もしこの方法がうまくいかなければ、パリを含む他のユーロ圏の金融センターにとってチャンスだと指摘した。

一部の銀行はすでに、英国がEUから離脱すれば英国での業務をユーロ圏に移す意向を示していた。

960とはずがたり:2016/07/05(火) 08:55:08
1351 名前:チバQ[] 投稿日:2016/07/04(月) 23:01:25
http://www.sankei.com/world/news/160703/wor1607030007-n1.html
2016.7.3 01:16
【英EU離脱】
シティー地盤沈下か 金融機関など移転やリストラ拡大も

 【ロンドン=岡部伸】英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決め、ロンドンの金融街シティーに拠点を置く金融機関や企業が欧州大陸への移転やリストラを検討する動きが広がってきた。世界屈指の金融センターの地盤沈下と経済への影響が懸念されている。

 一部英メディアは1日、英格安航空(LCC)のイージージェットが本社移転を検討中と報じた。英携帯電話大手ボーダフォンも欧州大陸に本社を移す可能性を示唆する。英金融大手HSBCは、ロンドンの本社従業員のうち最大千人をパリへ移すことを検討。米銀大手JPモルガン・チェースも欧州事業を見直す。

 シティーは金融街としての伝統と緩やかな金融規制を武器に、世界からマネーと人材を集めてきた。EU域内の金融業のシェアは英国が約25%で、2位ドイツの約15%と大差がある。

 だが、離脱で国境を越えた経済活動がどのような形になるかは予断を許さず、企業は浮き足立っている。1加盟国の免許でEU域内の営業が可能になるEUパスポート制度も問題だ。英国で認可を受けた金融機関が制度を利用できなくなる恐れがあり、英国外に欧州統括の法人を移す検討を始めた金融機関もある。

 一方、EU離脱がシティーに有利に働く部分もあるとの指摘もある。欧州債務危機を受けEUは金融規制を強化しているが、離脱後はEUの動きに縛られずにすむという見立てだ。

 ただ、EU側も警戒を強めている。英国は非ユーロ圏だが、ロンドン市場のユーロ取引量は世界最大。欧州中央銀行(ECB)幹部は仏メディアに対し、欧州経済地域(EEA)には残って資本の移動を原則自由に保つ「ノルウェー型」の離脱方法を採らない限り「ロンドンに決済機関は置けない」と牽(けん)制(せい)した。

961とはずがたり:2016/07/05(火) 08:58:32

2016年 07月 5日 06:53 JST
伊首相、国内銀問題でECB総裁批判 「90年代に対処怠った」
http://jp.reuters.com/article/italy-banks-renzi-draghi-idJPKCN0ZK23Y

[ローマ 4日 ロイター] - イタリアのレンツィ首相は4日、国内銀行の財務不安問題に関し、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が財務省の要職を務めていた1990年代に一段と踏み込んだ措置を講じておくべきだったと批判した。自身が率いる民主党の会合で述べた。

首相は中道左派政権が1998年に協同組合銀行に関する措置を実行していれば、国内銀行が問題を抱えることはなかったと指摘。

ドラギ氏は当時のチャンピ経済相の時代に、財務省の幹部を務めていたとし、「人々が政治を銀行システムから切り離す力と知性を持ち合わせていれば、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)のような問題は発生していなかった」と述べた。

モンテ・パスキはこの日、ECBから今後3年で不良債権を40%削減するよう求められたと明らかにし、株価は上場来安値を更新した。

962とはずがたり:2016/07/06(水) 21:54:54
1773 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/07/02(土) 21:49:15
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160702/dms1607021000002-n1.htm
【日本の解き方】AIIB、拠出金頼みの融資には限界 市場原理と社会主義の矛盾
2016.07.02

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、アジアの4つの事業に対し総額5億900万ドル(約520億円)規模の融資を承認したと発表した。これが設立後初めての案件である。

 具体的には、バングラデシュの送電網改良や拡張に1億6500万ドル、インドネシアの貧困地区の住環境改善に2億1650万ドル、パキスタンの高速道路建設事業に1億ドル、中央アジアのタジキスタンで道路の改良事業に2750万ドルだ。

 このうち、単独案件はバングラデシュの送電網だけで、残りは世界銀行やアジア開発銀行(ADB)らとの協調案件である。世銀やADBと協調している姿を見せる意味もあるが、単独融資ができないという事情もあるのではないか。

 国際金融機関は、融資の原資を各国からの拠出金と債券発行によって賄う。そのときポイントになるのが信用力だ。中国主導で日米が参加しないAIIBの信用力は、後ろ盾になっている中国の国債と同じ程度で、資金調達コストは日米主導のADBより1%近くも劣るだろう。

 信用力は、例えば格付けという形になって現れるが、AIIBでは「格付けなし」という、国際機関では異例のスタートとなった。少なくとも筆者は聞いたことがない。

 このため、単独案件では、融資条件は世銀やADBに比べて見劣りするはずだ。こうした事情から、単独案件が1本、しかも小規模にならざるを得なかったのだろう。いくらスタート段階とはいえ、鳴り物入りで設立されたにしては寂しいものだ。

 それに加えて、興味深いニュースも入ってきた。鳩山由紀夫元首相がAIIB諮問委員会の委員就任を要請されたというのだ。鳩山元首相といえば、中国の「南京大虐殺記念館」を訪れたり、ロシアが実効支配したクリミア半島を訪問したり、韓国の日本植民地時代の刑務所跡を訪問したりして、そのたびに政府や出身母体の民主党を困らせてきた。

 中国は日本の元首相ということで、箔(はく)をつけたいのだろうが、これではかえって逆効果になるだろう。

 いずれにしても、日米がAIIBにきちんと参加しない限り、まともなレートでの債券発行ができず、拠出金に頼った融資運営にはいずれ限界が出てくるだろう。

 こうした状況は、中国主導というAIIBの基本的な性格とは相いれないものだ。中国主導のままでは、低い資金調達レートは無理なので、国際金融機関にふさわしい融資条件が得られないのだ。

 中国は、市場原理が貫徹する国際金融市場を見くびっていたのだろうか。しかも、国際覇権をとりたいという野望だけが先行して、グロテスクな国際金融機関を作ってしまった。市場原理と基本的に矛盾する社会主義体制で、国際社会の動向を無視することも少なくない国らしい出来事といえよう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

963とはずがたり:2016/07/07(木) 10:05:05

韓国、新興国で初めて先進債権国会議「パリクラブ」に仲間入り
http://www.recordchina.co.jp/a143778.html
Record china配信日時:2016年7月4日(月) 11時40分

2016年7月1日、韓国が主要債権国会議「パリクラブ」に常任国として加盟したことについて、聯合ニュースなど多くの韓国メディアが「新興国として初めてのこと」と強調し伝えた。

韓国企画財政部の崔相穆(チェ・サンモク)次官は1日(現地時間)、フランス・パリで行われたパリクラブ60周年記念式典で、韓国のパリクラブ加盟文書に署名した。パリクラブは経済協力開発機構(OECD)主要加盟国など20カ国が加盟する主要債権国の協議体で、世界経済危機の際に公的債務の調整交渉を行ってきた。韓国は「開発途上国出身国家」として初めて、21番目の常任国となった。

韓国政府は先月行われた仏韓首脳会談でパリクラブへの加盟意思を表明していた。企画財政部は今回の加盟について、韓国が保有する対外公的債権の回収可能性が高くなるほか、国際社会における韓国の役割が拡大するなどの効果を見込んでいる。

964とはずがたり:2016/07/07(木) 10:28:31

>すでに言及したように、これまでは「リスクオフ・モード」で、日本の金融政策がより消極的であったことが、円高をもたらした可能性が高い。
>そして、この「リスクオフ・モード」の局面での円高は、日本経済自体にも深刻なダメージをもたらしたことは言うまでもない。
>このように、「リスクオフ」局面での円高は、同局面において日本の金融政策が機能しないことを投資家(特に海外投資家)が見透かしているために発生していると思われる。

「日本円=安全資産」神話はウソだった! リスク回避局面で「円高」になる本当の理由
投資家に見透かされた日銀の無能
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49114
2016年07月07日(木)
安達誠司「講座:ビジネスに役立つ世界経済」

「日本破綻論」はどこへいったのか

今回のBrexit問題においてもそうだったが、グローバル規模の外的ショックがマーケットを席巻すると、円やスイスフランが他の通貨に対して増価する(すなわち円高になる)現象がよくみられる。

メディアでは、このような局面の説明として、「安全通貨といわれる日本円を購入する動きが強まった」などと表現されることが多い。

円高は、基本的には、外国為替市場で日本円を買いたいと考えている投資家の数が日本円を売りたいと思っている投資家の数を上回っているために起きる現象である。そのため、正しいといえば正しい表現ではあるのだが、筆者はこのフレーズを耳にするたびに、なんともいえない違和感を持ってしまう。

その理由は明らかである。つい先月までは、安倍首相の消費税率引き上げの見送り決定について、ほとんどすべてのメディアが、「日本破綻論」を唱えていたからだ。

「日本経済は財政破綻寸前の危険な状態にあり、ここで増税しないと日本の国家財政はもたない」とか、日銀が追加緩和を実施するたびに「これ以上、日銀が国債を購入すると、財政規律が緩んでしまい、日本の財政赤字に歯止めがかからなくなるため、やがて財政破綻するリスクが高まっている」といった話である。

当たり前のことだが、国の財政が破綻すれば、日本円の価値は大きく毀損してしまうだろう。すなわち、「円暴落」が起きるはずである。

ついさっきまで、財政規律の緩み、過度の金融緩和(この場合は国債の大量購入によるマネタリーベースの拡大)が、円を暴落させかねない要因だとさかんに喧伝していたメディアが、手のひらを返したように、日本円が世界で最も安全な通貨の一つであるかのような表現を用いるのは不思議な現象だ。

ただ、無数にあるニュースに日々追われまくっているメディアが、その場限りの「条件反射」をするのは致し方ないとも思う。だが、全く同様の解説を、経済の専門家であるエコノミストや為替アナリストが平気で行っているのには正直いって閉口する。

まあ、TVニュースや雑誌で垂れ流されるその手のコメントは信じないに越したことはなく、結局は自分で考えて納得のいく結論を導き出すしかないのだが(その場合は、自分が間違っていても納得がいくし、なぜ、自分が間違っていたかを後から反省することができる)、それでもなお、気になることがある。日本円は本当に「安全通貨」なのだろうか?

965とはずがたり:2016/07/07(木) 10:28:40

そもそも「安全資産」とは何か?

最近の為替レートの理論に、「Safe Haven」という考え方がある。これは、日本語に訳すと、「安全逃避先」という意味である。

つまり、世界のマーケットが何らかのショックによって、「リスクオフ・モード」になる(投資家がハイリスク・ハイリターンの投資戦略を回避すること)と、一般的には株が売られ、国債が買われ、同時に通貨投資では、ある特定の「安全通貨」が買われる傾向がある。

筆者の記憶では、この「リスクオフ」という言葉は、リーマンショック後に普及したように思うが、その前から、グローバル規模で大きな外的ショック(例えば、「ブラックマンデー」のような株の大暴落や「9.11同時多発テロ」のような大事件)が発生すると、世界の投資家は損失を最小限に抑えるために、「安全資産」といわれるものに資産を逃避させていた。

そして、代表的な「安全資産」の一つとして、従来から、日本円やスイスフランが選択されることが多かった(ちなみに今回の「Brexit」問題が起こるまでは、これにイギリスポンドが含まれることが多かった)。

さらに、もう一つ、忘れてはならない逃避先の代表格としては「金」が挙げられるだろう。

筆者は、居住地の通貨(すなわち、日本でいえば、為替リスクがない日本円のキャッシュということになる。ただし、インフレによる目減りのリスクは考慮しない「名目」の世界であるが)以外で、本当に世の中に「安全資産」なるものが存在するのかどうか確信が持てない。

そこで、ここでは、いわゆる「リスクオフ・モード」の局面での「安全資産」の代表格といわれる日本円、スイスフラン、金の3つに投資した場合、どの程度の収益が得られるのかを、1990年1月から2016年5月までの期間について計算してみよう。

収益率がプラスとなったのは日本円のみ

重要なのは、「リスクオフ」をどのように定義するかであるが、ここでは、CBOE(シカゴオプション取引所)におけるVIX指数の対前月比上昇率が37%以上(VIX指数が前月比で37%以上上昇する確率は統計学的に5%未満である)である局面を「リスクオフ」とした。

ちなみにVIX指数とは米国のS&P500を対象とするオプション取引の「ボラティリティ(価格変動のちらばり)」を元に算出された投資家の先行きの投資心理を示す指数であるとされている。このVIX指数が急上昇した場合、投資家は「リスクオフ・モード」に入ると考えてよいだろう。

対象期間は月ベースで合計317あるが、そのうち、この定義での「リスクオフ・モード」の期間は全部で10回存在した。その10回の「リスクオフ」期間におけるドル円レートの平均変動率は前月比年率換算で12.9%の円高であった。また、同じくスイスフランは6.2%のスイスフラン安、金は6.0%の下落という結果となった。

すなわち、「リスクオフ・モード」でこれらの3つの「安全資産」に資産を移した場合、収益率がプラスとなったのは日本円のみという結果になった(ちなみに「リスクオフ・モード」ではない期間の平均変動率は前月比年率換算で、日本円が0.7%の円高、スイスフランが1.9%のスイスフラン高、金は4.4%の上昇であった)。

次に、この「リスクオフ・モード」における日米のマネタリーベース比率の対前月比上昇率をみると、平均で+2.4%の上昇であった。ここでのマネタリーベース比率は「米国÷日本」で計算しているので、マネタリーベース比率の上昇は、米国の増加率の方が日本の増加率よりも高かった。つまり、米国の方が金融緩和の度合いがより高かったことを意味している。

966とはずがたり:2016/07/07(木) 10:29:09
>>964-966
ちなみに、「リスクオフ・モード」ではない期間の平均は+0.1%の上昇であった。また、スイスフランでも同様の計算を行ったが、マネタリーベース比率は、「リスクオフ・モード」の期間と、そうではない期間とで大きな差はみられなかった。

また、日銀が現在の黒田総裁の体制になって以降、この定義での「リスクオフ・モード」は一回もない。

「リスクオフ」局面での円高が意味するもの

ちなみに、「リスクオフ・モード」を先ほどのVIX指数の対前月比上昇率から、VIX指数の水準に変更すると、「リスクオフ・モード」は13回に増える。だが、結果は同じである。

「リスクオフ・モード」において、日本円は12%の円高、スイスフランは7.5%のスイスフラン安、金は5.8%の下落となっている(いずれも対前月比年率換算)。また、その期間の日米のマネタリーベース比率は平均で5.5%の上昇であった。

ここでのマネタリーベース比率は「米国÷日本」で計算しているので、相対的に米国のマネタリーベースの拡大ペースが日本を上回った。すまり、米国が「リスクオフ・モード」の期間ではより積極的な金融緩和を実施していたことを意味している。

また、「リスクオフ・モード」ではない局面では、日本円は平均で0.6%の円高、スイスフランは2%のスイスフラン高、金は4.5%の上昇であった。日米マネタリーベース比率は平均で0.1%の下落であった(日本の金融緩和が米国よりも大きい)。

この検証結果から言えることは、リスクオフでの円高局面の解説で、メディアの報道等でよくいわれる「比較的リスクの低い安全資産である円が買われる動き」は必ずしも正しくないということだ。

すでに言及したように、これまでは「リスクオフ・モード」で、日本の金融政策がより消極的であったことが、円高をもたらした可能性が高い。

そして、この「リスクオフ・モード」の局面での円高は、日本経済自体にも深刻なダメージをもたらしたことは言うまでもない。

このように、「リスクオフ」局面での円高は、同局面において日本の金融政策が機能しないことを投資家(特に海外投資家)が見透かしているために発生していると思われる。

今こそ追加緩和を実施すべきとき

そして、このインプリケーションがなお有効であるとすれば、「Brexit」以降の円高進行は、日銀が有効な追加緩和策を打てないと海外投資家が考えているために起こっているのではないか(もっといえば、「マイナス金利」は従来のQQEが何らかの事情でできなくなった証左だと考えているのではないか)。

「Brexit」以前から、米国景気の先行きにやや不安要因が台頭し、FRBによる利上げが見送られるどころか、マーケットでは「利下げ」の可能性すら出始めている。米国の金融政策に対する見通しは極めて短期で右往左往するため、これが再び、「FRBの利上げ近し」という見通しに変わり、また再びドル高・円安要因になる可能性もある。

だが、筆者個人の見解としては、もし、これ以上の円高進行が、日本経済にとってネガティブであると考えるのであれば、日銀は、「QQEでの追加緩和はまだ可能である」というスタンスを見せ付ける必要があるのではないかと考えている。

967とはずがたり:2016/07/09(土) 22:45:23

2016.7.9 20:49
韓国、AIIB副総裁ポスト失う ミサイル配備決定で中国の報復との臆測も
http://www.sankei.com/world/news/160709/wor1607090056-n1.html

 【ソウル=藤本欣也】中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)で、創設メンバー国の韓国が副総裁職を失うことになった。日米が不透明な運営を問題視する中、朴(パク)槿(ク)恵(ネ)政権は対中関係を重視し参加を決断した経緯があるだけに、韓国国内では失望の声が上がっている。

 韓国メディアによると、米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の国内配備を決めた韓国に対する中国の報復ではないか-との見方まで出ている。

 AIIBは中国元財政次官の金立群氏を総裁に、今年1月に開業。韓国は出資比率3・5%で、中国(約26%)、インド、ロシア、ドイツに続く5番目の地位を占める。副総裁(5人)の一角に洪(ホン)起(ギ)沢(テク)・韓国産業銀行会長を送り込み、投資リスク管理担当の副総裁(CRO)を務めてきた。

 しかし韓国造船大手の粉飾事件の余波が洪氏にもおよび、同行会長時代の責任を問われた洪氏はこのほど副総裁を休職。中国側の強い圧力があったとも報じられている。AIIBは8日、CROのポストを副総裁から局長級に格下げし、洪氏の後任を公募することを明らかにしたという。

968とはずがたり:2016/07/11(月) 23:28:11
2016年 07月 7日 08:51 JST
アングル:英金融ビジネスめぐる「領土争奪戦」、焦点は清算機関
http://jp.reuters.com/article/uk-financial-idJPKCN0ZM07U?rpc=188&sp=true

[ロンドン 5日 ロイター] - 英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めたのを機に、他のEU諸国は英国から金融ビジネスを奪おうと目を光らせ始めた。中でもユーロ建て証券の清算(クリアリング)事業は、今後の離脱交渉で焦点となってきそうだ。

英国とEUとの離脱交渉では、金融機関がEU全体でサービスを提供できる「パスポート」権、自由な人の移動、単一市場へのアクセスの3つがキーワードとなる。

これらの交渉に失敗すれば、世界の金融センターとしての英金融街シティの存在感は縮小し、英国は大きな税収減を他国に奪われかねない。

シティの有力者によると、昔ながらの「領土争奪戦」が始まる気配だ。

清算機関LCH・クリアネット・LSEを所有するロンドン証券取引所グループのドナルド・ブライドン会長は「英国から素早くお株を奪おうとする動きが既に見られる」言う。

LCH・クリアネットはコメントを避けた。

フランスのオランド大統領は英国民投票の直後、ユーロ建て証券はロンドンではなくユーロ圏で清算すべきだと述べた。

欧州中央銀行(ECB)も清算機関をユーロ圏に移した方が金融安定に資するとの見方を表明している。

現在、ロンドンで清算が可能なのは、銀行や証券取引所、清算機関がEUから「パスポート」を付与されているからだ。

<移動の自由か、パスポートか>

ロンドンの銀行は単一市場から締め出されることを恐れ、英国のEU離脱後もパスポートを維持できるようロビー活動を展開しているが、全面的に維持できる見込みは薄い。

英HSBCのダグラス・フリント会長は「最も重要なのは、われわれには単一市場への全面的なアクセスが必要だという前提で話を始めることだ」と言う。

英バークレイズ銀行のジョン・マクファーレン会長は「何が起ころうと、われわれは乗り越えられるだろう。以前のような良い状態ではなくなるかもしれないが」と話した。

ドイツ、フランス、EU当局者らは既に、英国が単一市場への全面的アクセスを望むなら、ユーロ圏の金融規則に従うだけでなく、EU市民の英国での居住、労働を許すべきだと主張している。

EU高官らは、人、資本、モノ、サービスの自由な移動を認めない限り、それに付随する「パスポート」は機能しない、と述べた。

パスポートを失えば、ロンドンがユーロ建て証券の清算を続けるのも難しくなる可能性がある。

しかしホールセール市場ブローカー協会のデービッド・クラーク会長は、イングランド銀行(英中央銀行)とECBが金融危機の際にそれぞれの通貨を供給し合う協定を結んでいる限り、清算機関がロンドンに留まれない理由はない、と見ている。

業界筋によると、LCH・クリアネットの半身であるクリアネットは既にパリに拠点を置いているが、現在は株式の清算しか行っていない。大規模な市場であるユーロ建てスワップの清算も行うには規制上の認可が必要になる。

また、清算機関の会員金融機関がデフォルト(債務不履行)を起こした場合に備え、より多額の資金準備が必要になるため、会員に数百万ユーロのコストが発生する。

バークレイズ銀行のマクファーレン会長は「ロンドンで清算が行われているのは、その方が機能するからだ」との見方を示した。

(Huw Jones記者)

969とはずがたり:2016/07/12(火) 12:18:33
泥船AIIBを仕切る中国 ADBの役割を「補完」どころか「破壊」している
http://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/160704/ecn16070422420027-n1.html?obtp_src=www.iza.ne.jp
2016.7.4 22:42

 【お金は知っている】

 英国の欧州連合(EU)離脱を支持する国民投票結果が、国際金融界を震撼させている最中の6月25日、北京では中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の第1回総会が開かれた。総会で韓国代表、柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相兼企画財政部長官が「AIIBは金融危機緩和に役立つ」とはよくぞ言った。AIIBは資金調達力がなく泥舟同然なのだ。

 金立群AIIB総裁は参加国数が同じくインフラ支援を行うアジア開発銀行(ADB)をしのぐ情勢だと胸を張るが、肝心なのは資金力である。AIIBは国際金融市場での信用に欠け、資金源は中韓の外貨準備をあてにするしかない。金総裁は中国政府がAIIBの特設ファンドにポンと5000万ドル(約51億円)を提供すると言うが、年間で5000億ドル(約51兆円)以上も外貨が減る中でやっとひねり出した。韓国はAIIB債を一部引き受けたそうだが、外貨不安がつきまとっている。

 AIIBに助け船を出したのはADBである。ADB総裁の中尾武彦氏は財務官出身で、「現役当時からかなりの親中派として知られる」(財務省OB筋)。金総裁は鳩山由紀夫元首相に諮問委員会の委員就任を打診したそうだが、中尾氏ら対中協調派を目立たなくするための目くらまし工作なのだろう。

 ADBはこのほど、パキスタンの高速道路プロジェクトでAIIBとそれぞれ1億ドル(約102億円)を受け持つ協調融資を取り決めた。AIIBはこのほか3件のプロジェクトに融資する計画を発表したが、単独融資はバングラデシュ向けの1・65億ドル(約168億円)だけである。残りは欧州開発銀行や世界銀行との協調融資で、合計4件でのAIIB融資額は5億900万ドル(約519億円)。

 さてこの資金はどこからくるのか。

 ADBの金融報告書によると、昨年末時点でのADBからの最大の借り入れ国は中国である。その未実行額は76・7億ドル(約7827億円)もあり、昨年中に承認した新規分は20・5億ドル(約2092億円)もある。これらの融資はもちろん中国のプロジェクト用だが、なんか変だ。そもそも、みずからの主導でAIIBを設立し、「豊富」と自称する外準を使って他国にカネを貸すゆとりがあるのに、なぜ新規に借り入れるのか。

 ADB対中新規融資額はAIIB融資額の4倍にも達する。北京がADB資金を流用すると断じるわけではないが、ADBから入ってくる外貨を利用すれば、外準を減らさなくても悠々とAIIB資金を工面できる計算になる。

 借金国が他国にカネを貸してもおかしくないし、AIIBは膨大なアジアのインフラ資金需要に対応できないADBを補完できる、と中尾氏はAIIBを一貫して擁護してきた。ならば、中国はADBからではなくAIIBから融資を受ければ済むし、ADBは中国に融資せずに、インフラ資金の不足している国にそっくり融資するのがスジというものだ。AIIBを仕切る中国はADBの役割を補完するどころか、破壊している。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

970とはずがたり:2016/07/14(木) 10:01:52

三菱東京UFJ銀、7月15日付で国債市場特別参加者資格を取り消し=財務省
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20160713/Reuters_newsml_KCN0ZT0L7.html
ロイター 2016年7月13日 16時17分 (2016年7月13日 21時06分 更新)

[東京 13日 ロイター] - 財務省は13日、三菱東京UFJ銀行が国債市場特別参加者資格を返上したことに伴い、15日付で同行に対する指定を取り消すと発表した。特別参加者は21社となる。

971とはずがたり:2016/07/14(木) 19:32:39
安倍ちゃん日本を実験場にしてくれちゃうのかな!?(;´Д`)興味深いけどw
俺ならヘリマネは保育士や介護士や渋滞交叉点周辺の地主にばらまくけど自民党にやらせると土建屋や農民や商店主にばらまくからな。その後成長しない。

アングル:安倍・バーナンキ両氏の持論組み合わせ、実質ヘリマネ効果の声も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160713-00000071-reut-bus_all
ロイター 7月13日(水)16時17分配信

[東京 13日 ロイター] - 安倍晋三首相とバーナンキ前米連邦準備理事会(FRB)議長との12日の会談で、ヘリコプターマネーが議論されたのではないかとの観測が一部で浮上し、政府関係者は困惑の表情を見せている。ただ、2人の持論を組み合わせると、実質的にヘリマネ的効果が出るとの声が政府部内にもあり、今後は政府が打ち出す経済対策の中味と財源に市場の関心が集まりそうだ。

安倍首相は12日午後、関係閣僚に大胆な経済対策の策定を指示した。その直前にかつて、ヘリマネに言及したことのあるバーナンキ氏が安倍首相を表敬したことで、市場の一部に「ヘリマネ観測」が急浮上した背景がある。

政府関係者の1人は「このタイミングで安倍首相とバーナンキ氏の会談が思惑を呼んでいるのは、承知している」と明かす。

しかし、バーナンキ氏の来日は、資産運用会社PIMCOのアドバイザーとして、13日に都内で講演するのが主要な目的とされる。

別の政府関係者は「このタイミングになったのは偶然。官邸や日銀を素通りするのも変なので、会談がセットされたに過ぎない」と、困惑の色を隠さない。

複数の政府筋によると、安倍首相が冒頭に「デフレ脱却に向けて道半ば」との認識を示すとともに、構造改革と合わせ、積極財政をやっていくと語った。

これに対し、バーナンキ氏は「金融政策に限界はない」と述べたという。

菅義偉官房長官も12日夕の記者会見で、会談の場でバーナンキ氏から「財政政策で名目GDPを上げるとともに、それと協調して金融政策はやるべきで、日銀には金融を緩和するための手段はまだいろいろ存在するという指摘があった」と語った。

この会談に同席した内閣官房参与の浜田宏一・米イエール大学名誉教授は「ヘリマネに関する具体的なやり取りはなかった」と記者団に語った。

ただ、先の政府関係者は、金融緩和の推進と積極財政の実施によって、事実上ヘリコプターマネーに近い効果を持つと、一部のマクロ専門家が主張していることは認めている。

バーナンキ氏と安倍首相が、ヘリコプターマネーの導入で見解一致を見たという事実はないにしても、安倍首相の主張する「積極的な財政政策」とバーナンキ氏の見解である「限界のない金融政策」がクロスした場合、何が起きるのか。

マクロ経済の専門家の中には、財源の制約を理由に財政出動の規模に限界が設けられるという事態を回避する「政策手段」の登場が可能になると予想する声がある。

「一億総活躍」のための政策には、個人への直接的な給付を含む財政資金の散布的な手段が含まれている。

国内銀行のある関係者は「今後、どのような具体的政策が、何を財源に打ち出されてくるのか。その点が多くの市場関係者の注目を集めるだろう」と述べている。

(ポリシー取材チーム 編集:田巻一彦)

972とはずがたり:2016/07/14(木) 19:36:30
「消費増税延期、相当な理由づけが必要」山本・元金融相
http://www.asahi.com/articles/ASJ5R7RLHJ5RUTFK013.html?ref=yahoo
2016年5月24日00時18分

 消費増税は1回先に延ばしているので、これ以上延ばすことに対して、相当な理由づけがないといけない。うそつきになりたくないということは、(安倍晋三首相の考えかたとして予定通りの増税が)政治的にあると思う。

 賃金が3年連続上昇。設備投資もそう低くない。経済は好転する。出口が見えたとするなら、私はこのまま10%になることは十分ありうると思う。

 (財政出動を)やったほうがいいと、どうも安倍さんは思っている。連休にサミットの根回しで各国をまわった。第4次産業革命と言われるAIやIOT、ビッグデータなどにお金をかけていく。日本がリーダーシップをとれる分野で思い切った財政出動をする。

 日本だけでなく全世界がやってくれないかなと。これが安倍さんの悲願だ。安倍さんも日本で(サミットを)やる以上、これにかけたいと勝負に出た可能性はある。(サミットで)財務相会合以上のものがひょっとしたら出てくるのではないか。(BSフジの番組で)

973とはずがたり:2016/07/17(日) 18:55:55

2016年 07月 16日 15:58 JST
コラム:円の価値を「叩き壊す」ヘリマネ議論=唐鎌大輔氏
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-daisuke-karakama-idJPKCN0ZV0R2?sp=true
唐鎌大輔みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

[東京 15日] - バーナンキ前米連邦準備理事会(FRB)議長の突然の来日と安倍晋三首相との会談を受けて、ヘリコプターマネー政策(以下、ヘリマネ)という言葉をにわかに見聞きするようになった。

こうしたヘリマネ騒動を背景に、ドル円は急伸しているが、積み上がった投機筋の円ロングを巻き戻す口実に使われているだけだろう。菅義偉官房長官など政府要人もこれを否定しており、一時の取引材料として消費されて終わりと考える。

ヘリマネの定義は一様ではないが、「政府の財政出動を中銀の紙幣発行で補う政策」との説明がイメージに一番近いかもしれない。要するに、通常の財政出動を行いつつ、その原資を「日銀による国債の直接引き受け」によって調達することをヘリマネと呼ぶことが多い印象である。この点、新発債のほとんどを日銀の量的・質的金融緩和政策(QQE)で購入している現状が「実質的なヘリマネ状態」という評論は当初から頻繁に見られてきた。

両者の違いを見出すならば、消費税引き上げを中止ではなく延期としているなど「財政再建の旗」を降ろしていない点だろうか。「ヘリコプターからばらまく」というイメージに沿えば、ばらまいたお金を回収するという意思は想定されない。だからこそ満期の無い永久債発行が取り沙汰されるのである(返済期限のないゼロ金利の国債に金融資産として価値があるのかは十二分に考える必要があるが)。もちろん、財政政策自体の中身も両者を分かつものになるかもしれない。

一昔前ならば口にすることすらはばかられた同政策に関し、その可能性を前向きに検討する機運が生じていることは率直に驚く。足元では、ヘリマネを肯定的に捉える本田悦朗・元内閣官房参与(現駐スイス大使)などの高官発言も報じられており、それゆえに市場でも注目される材料となっている。

しかし、後述するように、ヘリマネは円の価値を「押し下げる」というよりも「叩(たた)き壊す」政策に近い。一度手をつけたら簡単に原状回復はできない覚悟が必要だ。この点、浜田宏一・内閣官房参与(米イエール大学名誉教授)が14日のロイターとのインタビューで「制度として認めるわけにはいかない」と述べたことは明らかに正しい。

また、7月12日に行われた安倍・バーナンキ会談について、菅官房長官は「(ヘリマネに関し)特段の言及があったとは承知していない」と述べており、また、黒田東彦日銀総裁も4月の国会質疑で「(財政・金融政策を)一体としてやるのは法的枠組みと矛盾する」と述べるなど、政策当局から正式にそのような話が浮上しているわけでは全くない。しかし、現段階で市場がこの話題に浮き足立っているのも確かである。

<コストとリターンが釣り合わない>

最近の一部報道では、新たな経済対策に関し国債増発が検討されるとも伝えられており、これが「政府・与党による財政拡大+日銀による国債購入増」との憶測を呼び、ヘリマネという言葉につながっているように見受けられる。

だが、「政府・与党による財政拡大+日銀による国債購入増」は従前通りの枠組みでもあり、画期的な局面変化があるとは思えない。それが真の意味でヘリマネの形を取るためには、家計・企業部門に資金を直接配布するような政策(定額給付金など)が採用されたうえで、原資は日銀による直接引き受けで調達される構図が一番イメージに合う。冒頭述べたように、この原資としては永久債という言葉が一番多く取り沙汰されている。

974とはずがたり:2016/07/17(日) 18:56:10
>>973-974
ここまでやれば恐らく物価は上がるし、円安も進む。結局、中央銀行は金融部門におけるベースマネーを増やせても、実体経済におけるマネーサプライを満足に増やすことはできなかった。実体経済におけるマネーサプライが増えないのだから、貨幣1単位当たりの価値が毀損する筋合いはない。よって物価は上がらないし、円安も持続しない。QQEは円安に効いたように見えたかもしれないが、それはFRBが正常化プロセスを進めている限りは、という条件付きだった(この点は、年初来の相場を見れば多くの説明を要しない)。

しかし、ヘリマネは、マネーサプライを直接増やし得る政策であり、だからこそインフレにも円安にも効く筋合いが出てくる。そうしてヘリマネが奏功し始めた時点では通貨の信認が喪失した状態であると考えられるため、「一度限りで止める」という微調整は基本的に難しい。それがヘリマネの本領とも言える。円の価値を暴落させた後に相当な勝算がない限り、実施される道理はないだろう。

では、勝算はあるのか。2013年以降、円の価値は最大で約50%減価したが、同年1月から16年3月までの13四半期中、5四半期がマイナス成長だった。これをプラス3%ポイントの消費増税だけで説明するのはいくらなんでも乱暴だろう。円の大幅減価が輸入物価上昇を通じて実質所得の毀損につながり、個人消費を抑制した側面にも着目すべきだ。

かかる事実を踏まえるだけでも、この期に及んで円の価値を叩き壊すことに関して、コストに見合ったリターンがあるとは到底思えないし、恐らく思ってもいないというのが実情だろう。安倍・バーナンキ会談後、菅官房長官が明確に否定しているという事実が全てと思われる。

<自暴自棄になってはならない>

変動相場制移行後の「円の歴史」は「円高の歴史」だった。この間、金融・通貨政策面では世界で初めてゼロ金利政策、量的緩和政策(QE)に着手し、それでも止められない円高に対しては円売り介入で立ち向かってきた。今年はマイナス金利導入にまで踏み切ったが、やはり円高の流れは止まらなかった。

また、財政政策面では消費増税を先送りにしても、それを格付け会社が指弾しても、そして政府債務残高が累増しても円の価値は劣化しなかった。さらに、未曾有の大震災や大津波、原子力発電所の事故という国難にあっても円の価値は下がらなかった(それどころか上がってしまった)。

やはり年間の経常収支が安定的に黒字であり、その結果として世界最大の対外純資産を積み上げ、ディスインフレ状況ゆえに実質金利が下がりにくく、国債も国内の資金循環で消化できてしまう状況にあっては、通貨価値の毀損は難しいのだろう。こうした通貨高との悪戦苦闘の歴史の末に、「もう円の価値を下げるには叩き壊すしかない」という発想に至るのは自然の成り行きとも考えられる。

だが、ここは冷静になりたい。過去3年で大幅円安が進んだ結果、多くの財・サービス価格が引き上げられたのは記憶に新しい。その際、市井の人々は相当な不平不満をもらしたはずである。ヘリマネの先に想定される円安やインフレは過去3年の比ではないだろう。自暴自棄になって通貨価値を叩き壊す前に、頑健な通貨価値を基盤として何ができるのかを考える方が賢明ではないか。

政府債務が先進国中、最悪に近い状況にあるとはいえ、幸いにも、上述したような資金循環構造を踏まえれば、まだ日本には時間がある。勝算の低い不要な「賭け」に出るよりも、「第3の矢」として提示されている成長戦略(例えば雇用規制改革など)を地道に検討し、実行に移していくことが、遠回りに見えて、最も手堅い道になるのではないだろうか。どうしても財政政策で対応するならば減税措置の方が、まだ現実的な効果をもたらすようにも思われる。

金融政策依存を脱却したいという発想は評価されるべきだが、それがヘリマネである必然性はないはずである。

975とはずがたり:2016/07/17(日) 21:53:01
2016年 07月 16日 15:57 JST
コラム:金融政策の限界、英利下げ温存が暗示=田中理氏
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-osamu-tanaka-idJPKCN0ZV0S8?sp=true
田中理第一生命経済研究所 主席エコノミスト

[東京 15日] - 英国の欧州連合(EU)離脱は、ことの重大性の割に経済的な影響が今ひとつ見えないイベントだ。その影響の大きさを測りかねているのは、英国で事業活動を展開する企業関係者や、筆者を含めた民間エコノミストばかりではないようだ。

イングランド銀行(英中銀、BOE)は14日、大方の市場予想に反して緩和を見送った(わずか2週間ほど前にカーニー総裁が「夏場に追加緩和が必要になる」と明言していたにもかかわらず)。

BOEの金融政策委員会(MPC)は、1人の政策委員が0.25%の利下げを主張したが、カーニー総裁を含む残り8人の委員が現状維持に投票し、賛成多数で追加緩和を見送った。同時に、「(次回8月4日の会合では)大半の政策委員が追加緩和を予想している」との異例の声明を発表し、8月の追加緩和を強く示唆した。3週間後の緩和実施がほぼ決定しているにもかかわらず、今回見送ったのは一体なぜだろうか。

それは、離脱リスクに対する金融市場の動揺が収まりつつあり、経済的な影響の大きさを精査し、必要な政策の組み合わせを検討する時間的な余裕ができたためだろう。夏場の緩和が必要と訴えたカーニー総裁の発言は、投票後の市場の動揺が続く6月30日だった。不安が先行する市場にまずは安心感を提供する必要があった。

投票結果を受けて、企業の設備投資や採用計画の手控えなどの伝聞情報は聞かれるが、投票後を調査期間としてカバーする経済データは、家計や企業マインドの慎重化、不動産市況の冷え込みを伝える一部のサーベイ調査を除いて、まだ発表されていない。より多くの経済データを確認したうえで、8月会合に合わせて発表される定例の「物価レポート」で新たな経済・物価見通しを作成し、必要な政策措置を発表する算段なのだろう。

<長期戦に備え、前のめりの緩和を回避>

13日に就任した英国のメイ新首相は、インフラ投資など財政支出の拡大に意欲を示している。ハモンド新財務相は14日、BOEの政策発表に先駆けてカーニー総裁と会談し、経済安定や国民生活の防衛に向けて、BOEとの間で政策協調を模索する方針を示唆した。

早期に緊急予算を取りまとめる予定はなく、夏場に協議を進め、恒例の「秋の財政声明」で新政権の経済政策や財政運営方針を発表する。今回の緩和見送りには、新政権との間で最適なポリシーミックスを模索するうえで時間が必要だったことも影響した模様だ。

カーニー総裁による「夏場の緩和」示唆後、市場参加者の間には7月に7年半ぶりとなる利下げを再開し、8月に連続利下げと量的緩和の再拡充に踏み切るとの観測も高まっていた。緩和観測が独り歩きするのを防止する狙いも、今回の緩和見送りにはあったと考えられる。ただ、単に緩和を見送るのでは失望が大き過ぎるため、8月の緩和を強く示唆する声明とセットにしたわけだ。

976とはずがたり:2016/07/17(日) 21:53:17
>>975-976
緩和期待を反映したポンド安は、輸出企業の業績改善につながる一方、輸入物価の上昇を通じて家計や企業の負担増を招く。国民投票後に対ドルで13%余り下落したポンドは、2014年央のピークと比べれば25%近くも下落している。貿易赤字国の英国では、少なくとも短期的にはポンド安による実質購買力の目減りの方が、経済的なダメージが大きくなる。

BOEの政策金利は現在0.5%。カーニー総裁は過去に、銀行収益圧迫などマイナス金利の副作用を警戒する発言を繰り返しており、当面の利下げ目処はゼロ%か、それをやや上回る水準にあると考えられる。BOEの過去の利下げの最小単位は0.25%で、7・8月に連続利下げをすれば、利下げ余地はほとんどなくなってしまう。国債や社債を購入する量的緩和策(資産買い入れプログラム)を再開する場合も、10年物の英国債利回りが0.8%前後と史上最低圏にある現在、金利高騰時ほどの効果は期待できない。

EU離脱リスクの英国経済への影響が本格化するのは年後半以降と見られている。初期の離脱ショックが一巡した後も、市場を覆う不確実性は向こう数年にわたって消え去ることはないだろう。離脱協議は最低でも2年続くとされるが、ハモンド新財務相は12日、離脱協議が6年程度続く可能性があると発言した。長期戦に備える必要があるBOEは、前のめりで緩和を打ち出していては、すぐに弾切れとなる恐れがある。

<相次ぐ危機に中銀の対応能力も限界へ>

こうしたBOEの苦悩は、他の主要国中銀にも伝播する可能性がある。サブプライム危機に端を発した世界同時不況、ギリシャ危機に始まる欧州債務危機、その余韻が冷めやらぬうちに起きた今回の英国EU離脱危機など、相次ぐ危機に各国・各地域の財政当局や中銀は対応能力を使い果たしつつある。リーマン・ショック時には巨額の財政出動と大胆な金融緩和を総動員して難局を乗り切ったが、その余力はほとんど残っていない。

米連邦準備理事会(FRB)に次いで利上げに踏み切ると目されていたBOEがその機会を逸し、自ら政策金利の下限としていた水準から利下げを再開し、EU離脱リスクの長期戦に挑もうとしている。どうにか利上げにたどり着いたFRBも、次の一歩を踏み出すのに躊躇(ちゅうちょ)している。

株式市場は先日の米雇用統計での「ほど良い数字」に安堵し、適度な経済成長と早期の追加利上げ見送りによる「ゴルディロックス相場(過熱せず冷めすぎてもない、ちょうど良い状態)」への期待を強めている。だが、FRBがこのままズルズルと利上げを先送りしていけば、次の景気後退局面が米国を襲った場合、政策対応余地はどれだけ残っているのだろうか。

相次ぐ金融緩和と原油価格の底入れ後も、ユーロ圏の期待インフレ率が低迷しており、欧州中銀(ECB)は今後も追加緩和を迫られそうだ。預金ファシリティ金利をマイナス0.4%まで引き下げたECBにとって、さらなる利下げは銀行収益圧迫や運用難加速の副作用との戦いとなる。来年3月に終了期限を迎える量的緩和を再延長するには、ドイツを中心に買い入れ可能な国債が不足する問題を解決する必要がある。

そして、BOEのさらに先を行く日銀は、「ヘリコプターマネー」や「永久債の日銀引き受け」と言った異例の政策議論が盛り上がる有り様で、金融政策の限界を露呈している。

*田中理氏は第一生命経済研究所の主席エコノミスト。1997年慶應義塾大学卒。日本総合研究所、モルガン・スタンレー証券(現在はモルガン・スタンレーMUFG証券)などで日米欧のマクロ経済調査業務に従事。2009年11月より現職。欧米経済担当。

(編集:麻生祐司)

977とはずがたり:2016/07/18(月) 07:39:50
欧州・米国・日本・中国から出すとして,ポストは専務理事(欧)・筆頭副専務理事(米)・専務理事(4人内2人が日,中から)と云う構図か。

IMF、中国の副専務理事退任へ
任期満了で7月
http://this.kiji.is/118101126652052980?c=110564226228225532
2016/6/22 06:31

 【ワシントン共同】国際通貨基金(IMF)は21日、中国出身として初めて副専務理事に就任した朱民氏が5年間の任期を満了し、7月下旬に退任すると発表した。既に後任の人選に着手。後任も中国出身者になれば、4人いる副専務理事の一角が中国の指定席化しそうだ。

 副専務理事は、組織のトップでフランス出身のラガルド専務理事を支える要職。朱氏のほかに、ナンバー2に当たる筆頭格の米国出身リプトン氏、日本の財務省出身の古沢満宏氏、ブラジルとイタリアの国籍を持つグラッソ氏がいる。

 専務理事は欧州、筆頭格の副専務理事は米国、副専務理事の一人は日本から出すことが慣例となっている。

978とはずがたり:2016/07/18(月) 07:48:09
IMF報告書
市場、混乱再燃の恐れ 中国に改革要請
http://mainichi.jp/articles/20160414/k00/00m/020/123000c
毎日新聞2016年4月13日 22時45分(最終更新 4月13日 22時46分)

 【ワシントン清水憲司】国際通貨基金(IMF)は13日、世界の金融情勢を分析した金融安定報告書を公表した。世界の金融市場は年明け以降の混乱から落ち着きを取り戻したものの、各国が追加的な措置を打ち出さなければ「再び混乱に陥る恐れがある」と警告。中国に企業の過剰債務(借金)対策などの経済改革を呼びかけた。

 年明けから続いた世界的株安について、IMFは「(最近は)大部分が値を戻した」としながらも、混乱の余波として「(経済の先行きへの)信認が低下し、金融の安定にもマイナスの影響が及んでいる」と分析。混乱が再燃すれば、企業が資金を借りにくくなって景況感が悪化し、一段と市場が不安定化する「悪循環に陥る恐れがある」と指摘した。

 中国は景気減速に伴って企業が抱える多額の借金が問題になっている。報告書によると、返済できない恐れのある借金は1兆3000億ドル(約140兆円)に上る可能性がある。中国の銀行が7560億ドルの損失リスクを抱えるほか、投資会社が高利回りで資金を集めた「理財商品」など、銀行以外の「影の銀行(シャドーバンキング)」などにも多額の損失が及ぶ恐れがあり、早急な不良債権処理を求めた。

 また、市場の混乱で欧州の銀行株が大きく売られたのは「長く残る負の遺産に市場が再び注目しているため」として、不良債権の抜本処理や銀行再編の必要性を訴えた。

979とはずがたり:2016/07/18(月) 16:44:53
中国の負債額「GDPの2.5倍」 政府系シンクタンク
http://www.asahi.com/articles/ASJ6K4JMQJ6KUHBI01H.html?iref=com_alist_8_02
北京=斎藤徳彦2016年7月18日13時06分

 中国全体の負債額が国内総生産(GDP)の2・5倍にのぼるとの試算を、中国の政府系有力シンクタンクが発表した。国際通貨基金(IMF)も「切迫している」と警戒を強める借金問題に、中国政府が抜本的な対策を示せるかが注目を集めている。

 借金の総額は2015年末時点で168兆元(約2650兆円)。GDPの249%に達し、うち企業分が156%を占める――。

 中国社会科学院国家金融・発展実験室の李揚理事長は先月、こうした試算を公表し、「企業の債務に問題が生じれば、銀行にも波及する」と警鐘を鳴らした。

 IMFの見方は「今日の借金問…

980とはずがたり:2016/07/18(月) 18:52:10
中国主導のAIIBは大丈夫? 待遇悪すぎ人材集まらず…韓国人副総裁は不祥事で退場
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160718-00000505-san-bus_all
産経新聞 7月18日(月)9時12分配信

 中国の主導で年初に発足したアジアインフラ投資銀行(AIIB)が求人難に苦しんでいる。AIIBの給与や福祉の水準が他の国際機関より低く、人材が集まらないのだ。AIIBでは今月に入り、韓国が送り込んだ副総裁が韓国造船大手の粉飾事件の余波で職を失うなど、人事関係でつまずきが表面化しており、機能不全を心配する声も上がっている。

 AIIBが6月末に開催した初の年次総会には、既に加盟している57カ国に加え、新規参加を希望する24カ国の代表も出席。参加が実現すれば、日米が主導するアジア開発銀行(ADB)の67カ国・地域を上回る規模となる。ただ、規模が大きくなっても中身が伴っていない。

 今回の年次総会では発足後初の融資案件として、バングラデシュの電力網整備など4事業に計5億900万ドル(約520億円)を投じることが報告された。

 ただ、4事業のうち単独融資はバングラデシュの事業(1億6500万ドル)のみで、パキスタンの高速道路建設(1億ドル)やインドネシアのスラム街の環境改善(2億1650万ドル)など3件は、アジア開発銀行(ADB)などとの協調融資に頼り、独自の資金調達は先が見えないのが実態だ。

 さらにAIIBの求人難も先行きに疑念を抱かせる。韓国経済新聞を翻訳した中央日報日本語版によると、AIIBの関係者の話としてAIIBは1月の発足当時、年末までに計100人の人材を採用する方針を決めたという。 

 採用対象は、ADBや世界銀行、国際通貨基金(IMF)などで勤務した経歴、またはグローバル投資銀行のインフラ関連プロジェクトのファイナンシング分野で勤務した経験がある専門家だ。だが、発足から5カ月余りで、採用者は33人にとどまる。

 採用者が集まらないのはAIIBの待遇にあるらしい。報道によると、AIIBの関係者は「AIIBの待遇が他の国際機関に比べてよくないため高級人材が志願しない」と説明。AIIBを主導する中国政府は当初、職員の給与を他の国際機関より10%高く設定したが、発足前に各国代表で構成された理事会は「給与が過度に高い」という批判が提起されると、他の国際機関より10%低くしたという。職員に住居費と学費も支援しないことにした。

 ちなみに、フィリピンのマニラに本部があるADBは、職員の住居費と国際学校の学費全額を支援している。米ワシントンDCにあるIMFは国際学校の学費を支援する。

 子供を学校に通わせている専門家らが、AIIBに手を挙げない理由はここらへんにありそうだ。

 AIIBの人事関連のつまずきはまだある。今月、創設メンバー国の韓国が副総裁職を失うことになったのだ。

 出資比率で中国、インド、ロシア、ドイツに続く5番目の地位を占める韓国は、副総裁(5人)の一角に洪起沢(ホンギテク)・韓国産業銀行会長を送り込み、洪氏は投資リスク管理担当の副総裁(CRO)を務めてきた。

 しかし韓国造船大手の粉飾事件の余波が洪氏にもおよび、同行会長時代の責任を問われた洪氏はこのほど副総裁の休職に追い込まれた。

 洪氏は朴槿恵大統領の経済ブレーン。中国側の強い圧力があったとも報じられている。経営モラルが疑われる不祥事によるAIIB開業後わずか半年での洪氏の「退場」は、中韓関係に影響する可能性も指摘されており、AIIBの先行きに影を落とす恐れもある。

981とはずがたり:2016/07/19(火) 21:37:14
教科書的な知識では高橋財政が日本の景気を下支えしたと云う事だけどニューディール政策も最近じゃあ大恐慌からの恢復に役立ったとは云えない(→結局戦争により恢復)と云う実証研究結果も出てる様だがそういうちゃんとした実証研究の結果なのかね?

高橋是清蔵相の生涯と死に見るヘリコプターマネーの功罪
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-07-19/OAJJCW6JTSEK01
Rich Miller、Enda Curran
2016年7月19日 12:25 JST

「ヘリコプターマネー」採用に向けた圧力に直面する日本銀行の黒田東彦総裁は、戦前の高橋是清蔵相の生涯、そして死をぜひとも思い起こすべきだろう。
  高橋蔵相は1930年代前半、日本経済の立役者として日銀による国債引き受けという、ヘリコプターマネーに相当する政策を打ち出した。金本位制からの離脱と相まって、高橋蔵相のリフレ策は「日本を大恐慌から見事に救った」と、当時米連邦準備制度理事会(FRB)理事だったバーナンキ前議長は2003年の来日時の講演で指摘した。円相場の急落も寄与した。
  残念ながら話はここでおしまいとならない。高橋蔵相はその後、軍事費削減による赤字抑制を目指したが、1936年の二・二六事件で反乱軍の将校に暗殺された。財政規律の破綻とインフレ高進に見舞われた日本は、第2次世界大戦に歩みを進めることになった。
  そして今、デフレ的な落ち込みを回避しようと黒田総裁が努める中、どのような教訓を導き出すべきだろうか。
  バーナンキ氏の言う通り、高橋蔵相の施策は効果を発揮した。だが、その後の歳出引き締めはできずじまいとなり、日本の財政と経済に悪影響を及ぼした。
  ノーベル経済学賞受賞者の故ミルトン・フリードマン氏が1969年に考案したヘリコプターマネーという言葉は、財政政策と金融政策の融合の簡略表現となった。政府が市中で国債を発行するのではなく、中央銀行から直接的に資金を引き出し、減税ないし歳出の形で経済にそのまま資金を投入する。それがどのように機能するか、正確な動きは十分に定義されていない。
  日本の場合、金融政策それ自体で経済に対してできることが最も限界に近づいており、ヘリコプターマネーに関する議論の最前線にある。だが、FRBのイエレン議長や欧州中央銀行(ECB)のプラート理事を含め他の中銀当局者も、事態が極めて切迫した場合は、こうした急進的な戦略の採用の可能性を排除していない。
  問題は、ヘリコプターマネーが破滅への道につながりかねない点だ。繰り返し活用されれば最終的にハイパーインフレーションに陥ることとなる。1861-65年の米南北戦争時の南部連合や2000年代のジンバブエの例が挙げられる。
  それこそがまさに、日銀をはじめとする中銀の多くがそうした措置を強く否定している理由であり、黒田総裁も4月に国会で、既存の法的枠組みの変更がない限り、ヘリコプターマネーは不可能だと語った。
原題:Helicopter Cash Clues Lie in Life and Death of Japanese Viscount(抜粋)

982とはずがたり:2016/07/21(木) 13:20:07

BRICS開発銀行、本格始動 新興国通貨で資金を調達
http://www.asahi.com/articles/ASJ7N4F53J7NUHBI01Q.html?ref=goonews
上海=斎藤徳彦2016年7月20日20時58分

 中国やインド、ロシアなど新興5カ国の共同出資で昨年、設立された「BRICS開発銀行」(正式名・新開発銀行=NDB)が20日、上海で年次総会を開いた。出資国の通貨建ての債券発行で資金を調達して融資を増やす方針で、新興国経済が減速する中でも存在感の発揮をねらう。

 総会では、初年度の融資として、ブラジルと南アフリカを含む出資5カ国それぞれの新エネルギー事業に合計9・1億ドル(約970億円)を貸し出すことを決めるなど、業務が本格始動したことが報告された。

 開幕式に出席した中国の張高麗(チャンカオリー)副首相は、「世界経済における途上国の地位は高まっているのに発言権は不足している」と強調。先進国主導の既存の国際金融機関に対して、NDBが「途上国同士が協力する新時代を切り開く」とした。

 総会前には、同行初となる債券…

983とはずがたり:2016/07/22(金) 00:34:28
文春砲またも炸裂♪

鳥越氏の文春報道に堀江氏と橋下氏が見解
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160721-00000076-nksports-pol
日刊スポーツ 7月21日(木)13時23分配信

 東京都知事選に出馬している鳥越俊太郎氏(76)について、21日発売の「週刊文春」が女性についての疑惑を報じていることを受け、ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏(43)が「女性問題とかで叩くのもういい加減止めにしない?」と自身の考えを示した。 同誌は、当時20歳だった女子大生に対し鳥越氏がキスを迫ったとする疑惑を報じている。

鳥越氏 文春報道に「一方的な証言」、抗議文を掲載

 堀江氏は20日にツイッターで「20歳は淫行じゃないっしょ笑」とツッコミを入れ、同記事による鳥越氏に対する批判の声を「もてない爺さんの嫉妬でしょ笑」と切り捨てた。

 堀江氏は「鳥越さんの政策とか一ミリも賛成できんけど」と前置きした上で、「女性問題とかで叩くのもういい加減止めにしない?」と政策に無関係なスキャンダルで立候補者を批判する風潮に疑問を示した。

 一方、前大阪市長の橋下徹氏(47)は21日にツイッターで、鳥越陣営が同誌に対し刑事告訴の準備を進めているとを明かしたことについて、「鳥越さん あれだけ報道の自由を叫んでいたのに自分のことになったらちょっとケツの穴が小さくないか?」と批判。「一方的な証言だけで僕の出自を差別的に取り上げた週刊誌に対して、鳥越さんは『連載を打ち切るな、覚悟を持って報道しろ』のように言っていた。今回の文春なんてチョロい記事。ちゃんと釈明しなさい」「政治家に対しては差別報道・人格攻撃を除いて、とことん報道するのが民主主義。鳥越さん、訴える前に、いつも政治家に言っていた説明責任を果たしなさい」と勧告した。

984とはずがたり:2016/07/31(日) 09:57:43
黒田の売国奴め。消費税増税延期した売国奴の安倍を刺す為に毅然と協調金融政策しないと宣言しろよなぁ。

小幡 績
転機の日本経済
日銀は死んだ
http://www.newsweekjapan.jp/obata/2016/07/post-9.php
2016年07月29日(金)18時52分

日銀は死んだ。

 自殺である。

 個人の自殺は、些細なことで行われてしまうことが多く、なんてもったいない、と第三者は思うし、周囲はやりきれない気持ちが残る。

 今日の日銀の自殺もまったく同じだ。

 なんのために自殺したのか。

 全く理解できない。


 金融政策の目的とは何か。日本経済の健全な発展に資することである。物価の安定を図り、景気に不安があれば、金利の低下を通じて、企業や家計の消費や投資を刺激し、需要を増やすことである。

 株価のつり上げはどこにもない。株価を上げて、日本経済に何の意味があるのか。

 株価は低いより高い方が良い。消費も刺激される。しかし、それは株価を無理に引き上げること、バブルを作ることではない。それは持続的でないし、実体経済はついてこれないから、実際の経済には恩恵がない。経済が良くなって、その結果、企業の価値が上がり、株価全体が上がるということでしか、経済は良くならないのである。

 デフレ脱却と株式の買い支えと何の関係があるのか。

 ない。

 投機家が、政策によって株価が動く、しかも需給に直接響く、これは乱高下するネタが増えた、と喜ぶだけだ。今後も、政策決定会合ごとに、ETFの買い増しを催促する相場となるだろう。買い増しがなければ失望で暴落させ、あれば急騰させ、また催促のために材料出尽くしで下げさせる。それだけのことだ。

 株価変動が大きくなることは、経済にマイナスだ。不安定性を自ら増すことになる。

 そのコストとリスクを払って、実体経済には無関係な政策をとった。

 日銀は、実体経済を支える組織ではなく、「株価支援機構」に成り下がったのである。奇しくも、我々の年金資金を運用し着実に増やすことを委託されたGPIFが、株価支援機構に成り下がった結果、5兆円以上の損失を昨年度出してしまったことを発表した丁度まさに同じ日に、「株価支援機構」というニックネームを日銀は自ら進んで引き継いだのである。



 今後、日銀はまったく政策の効果を発揮できなくなるだろう。中央銀行として、自らの存在意義、自国経済の健全なる発展という目的を捨て去り、存在意義を自ら葬り去ったのだから。

…そもそも、中央銀行で株式を購入しているのは、世界で日本だけである。日銀だけである。世界的には理解不能なのである。

 欧州はリスクのある国債を買って、国債市場の流動性を確保、金融の機能不全を解消し、米国では、金利低下で住宅投資を支えるために、住宅関連の長期債券を国債とともに買い入れた。しかし、社債を買い入れて、債券市場の金利低下を促すことはあっても、株式を中央銀行が買う例はどこにもない。しかも、6兆円という多額である。さらに日本の株式市場は、英国のEU離脱による下落を回復し、それ以前の水準に戻っているのに、である。世界的には株価は米国などで史上最高値を更新しているときに、である。

985とはずがたり:2016/07/31(日) 09:58:10
>>984-985
 まったく意味不明の株式買入という追加緩和だ。

 これを行った理由を、あえて日本銀行の執行部の立場に立って考えると、以下のようなストーリーしか思い浮かばない。



 ETFの買い入れなら、またマーケットの流動性はあるから買い入れは出来るし、額からいってもたいしたことはなく、ほとんど実害はない。日銀の財務にとっても値下がりするとしても多少のことであり、減損額は生じたとしてもほとんどない。しかも、株式市場は喜ぶ。米国にも為替操作と言われない。誰にとっても悪くない。経済政策として意味はないが、誰にも迷惑はかからない。非難されない。副作用という実害ももっとも小さい。ほとんどない。

 これでアリバイ作りをしよう。

****

 こういうことではないか。

 それが最悪なのだ。

 実害は、日銀への信頼と金融政策の理念の死。

 自殺である。

ETFを買って何になる。

 短期的な株価上昇だけだ。

 何のためだ。

 投機家たちを喜ばせるだけだ。

 最悪だ。

 株式市場、金融市場を弄んで、自分たちの利益のためだけに、金融政策を動きづらくする。そのような投機家のためだけに尽くす金融政策とは、いったんなんなんだ。

 マーケットに屈したのか。それは考えられない。マーケットに屈する必要は1ミリもないからだ。

 では、マーケットに屈した官邸に屈したのか。慮ったのか。

 株価対策以外に説明できない金融政策。

 最悪だ。

 そして、株価にもすぐに見放されるだろう。

 総会屋、ゆすりに屈したのと同じだ。

 たとえそれが官邸経由、あるいは勝手にそれを増幅させた日銀内部の慮りが理由であっても。それを振り払うために、マーケットを支配してきた黒田総裁がいたのではなかったか。

 日銀も、エコノミストも、経済学者も、まともな経済策論争も、言論も、すべて、今日死んだ。

 本当の終わりが始まった。

 ヘリコプターマネーよりは実害は少ないが、日銀は、精神的に殺されてしまったのだ。

 日銀にとっては、終わりの始まりではなく、終わりだ。

 今日は日銀の命日にとして歴史に刻まれるだろう。

986とはずがたり:2016/08/02(火) 17:10:43
栄養取らずにカンフル剤ばっか打ってたら死んでまうぞ(;´Д`)

日銀追加緩和は有害なのか、現実的なのか 各紙「社説」の評価がバラバラ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160802-00000002-jct-bus_all
J-CASTニュース 8月2日(火)15時26分配信

 日銀は2016年7月29日に開いた金融政策決定会合で、上場投資信託(ETF)の買い入れ額を現在の年3.3兆円から6兆円に倍増する追加金融緩和を決めた。

 黒田東彦総裁は同日の記者会見で、政府が8月2日に決定する経済対策と追加緩和が両輪となって「相乗的な効果を発揮する」と強調した。

■毎日「ゆがみ目立つ」、朝日「今や有害」

 ただ、市場には、政府の財政を日銀が事実上、丸ごと面倒をみる「ヘリコプターマネー」といった超大胆な政策に踏み切るとの予想まであっただけに、マイナス金利と国債購入ペースも現状通りでETF買い増しだけとした今回の決定はいかにも小幅緩和と受け止められた。大規模な経済対策を打ち出す政府との協力を演出しつつ、マイナス金利などの緩和策の副作用に配慮する必要があったというのが大方の見方だ。また、9月の時期決定会合に向け、より大規模な追加緩和を行うための布石との見方と、緩和姿勢は後退するとの見方が交錯。金融市場では円相場が一時、1ドル=101円台に円高が進み、その後も102〜103円台の水準で推移している。

 この日銀の決定を新聞はどう論じたのか。7月30日朝刊で各紙一斉に掲載した社説(産経は「主張」)を読んでみると――。

 「毎日」は「大規模な緩和を3年以上続けてもデフレ脱却の道筋は見えない。さらに小出しの緩和を加えても効果は乏しいのではないか。異次元緩和の限界をうかがわせるような決定だ」と指摘したうえで、「むしろ異次元緩和のゆがみが目立つ。......異次元緩和の軌道修正こそ急ぐべきだ」と、政策転換を要求。朝日も「企業や家計にとって、行きすぎた金融緩和は今や有害だ。マイナス金利政策では、金融機関だけでなく運用計画が狂った年金基金も悲鳴をあげている。日銀は正常な金融政策に立ち戻るため、早く異次元緩和からの出口政策を検討し始めるべきだ」と、早期の出口戦略の必要を説いた。

987とはずがたり:2016/08/02(火) 17:10:57
>>986-987
日経「現実的な判断といえる」
 「産経」は、「日銀が、経済対策を講じる政府との協調を強める必要はあろう」と一般論では言いつつ、今回の決定には「政府や市場の緩和圧力に応じざるを得なかったためだとみるほかない」と批判的でもあるが、「『バズーカ』と評されるような本格的な政策を9月の次回会合以降に温存したい思惑もあったのだろう」と書き、むしろ秋以降の大規模な追加緩和に期待する姿勢といえそうだ。

 これに対して「日経」は、「効果と副作用を踏まえ、緩和策をどこまで進められるのか、丹念に検証すべきだ」と、大規模緩和のマイナス面を指摘しつつも、「東証株価と連動するETFの買い入れ増は市場安定に一定の効果があろう」「マイナス金利の拡大を強行すれば、金融機関の収益悪化の懸念で株価下落を招きかねない。緩和策は現実的な判断といえる」と、基本的に今回の決定への支持を鮮明にしている。

 「読売」は全体に「緩い」書きぶりで、英国民投票後の金融市場の混乱が「ひとまず沈静化している」と、現時点の緩和の必要に疑問を示しつつ、政府との協調や市場の期待の高まりといった状況を踏まえ、「日銀として『ゼロ回答』は避けた方が良いと判断したのだろう」と、日銀の胸の内を推察。市場への「サプライズ」で政策を動かしてきた黒田総裁に対し「今後は......より丁寧に市場と対話を重ねていくことが求められよう」と注文するにとどめている。

「日銀の独立性」では各紙が懸念
 今回、麻生太郎財務相らが追加緩和への期待を公言していたこともあって、日銀の「独立性」という点も1つの注目点だった。これについて「朝日」は「政権の意を受けて追従したと見られても仕方あるまい」と断じ、「毎日」も、今後のも含め「政府の圧力でさらなる緩和を余儀なくされると見られかねない」と批判。「産経」も「主張」とは別の一般の解説記事で「日銀内では『独立性が脅かされつつある』(幹部)との不満もくすぶる。今後は政府との距離感をどう保ち、協調していくかが問われることになる」とくぎを刺しているほど。「読売」は「閣僚からも緩和を求める声が相次いでいた」と、わざわざ指摘して独立性への懸念をにじませた。

 さらに、「朝日」は今回のETF購入増反対が9人の審議委員のうち2人だけだったことに話を進め、「委員の任期が来るたびに、政権がアベノミクス賛成論者に替えてきたからだ。......今後ますます政権にとって都合のよい金融政策に傾きかねない点も気がかりだ」と、委員構成にも踏み込んで懸念を表明している。

 後世、批判にさらされない中央銀行の歴史を重ねられるか、1980年代にバブルを生んだ「戦犯」とされたような汚名を再び歴史に刻むのか。今回の「追加緩和」は、中身は小さいものだったが、日銀が歴史的な岐路にさしかかっていることを暗示しているのかもしれない。

988とはずがたり:2016/08/04(木) 08:01:30
長期金利が急上昇 日銀の決定会合後、国債手放す動き
http://www.asahi.com/articles/ASJ824Q7NJ82ULFA012.html
藤田知也2016年8月3日03時42分

 長期金利の上昇が続いている。2日の東京債券市場では、指標となる満期10年の新発国債の利回りが、一時、約4カ月半ぶりの水準となるマイナス0・025%をつけた。日本銀行が7月29日の金融政策決定会合で次回9月の会合でこれまでの緩和策を総括すると公表したことをきっかけに先行きの金融政策に不透明感が増し、国債を手放す投資家の動きが続いている。海外市場では円高が進み、一時、約3週間ぶりに1ドル=100円台後半をつけた。

 長期金利は今年1月の会合でマイナス金利政策の導入を決めた後、急激に下落。2月9日には史上初めてマイナス圏に突入した。6月24日に英国が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めると、リスク回避の姿勢を強めた投資家が比較的安全な資産とされる国債を買ったことでもう一段低下。おおむねマイナス0・2%台後半で取引されてきた。

 ところが、7月29日の日銀の決定会合後は上昇が続く。日銀は追加緩和に踏み切ったものの、その手段は上場投資信託(ETF)の買い増しにとどまった。さらに次回会合でこれまでの緩和の効果や副作用などを検証すると表明したことが市場で「検証結果次第でこれまでのように国債の買い入れやマイナス金利政策を続けられない可能性もあると受け止められた」(みずほ証券の丹治倫敦氏)からだ。

 これを受け、これまでのように…

989とはずがたり:2016/08/06(土) 12:40:13
英中銀総裁・副総裁、追加利下げの必要性を示唆
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20160806/Reuters_newsml_KCN10G2D0.html
ロイター 2016年8月6日 06時43分 (2016年8月6日 11時06分 更新)

[ロンドン 5日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行、BOE)の約7年ぶりの利下げから一夜明けた5日、英中銀のカーニー総裁とブロードベント副総裁は相次いで金利はさらに低下する必要があるとの考えを示した。
カーニー総裁は、必要に応じて金利は一段と引き下げられる可能性があるとの考えをあらためて表明。ブロードベント副総裁は追加利下げを支持するとの立場を示した。
英中銀は4日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ過去最低の0.25%としたほか、国債買い入れ枠を3750億ポンドから4350億ポンドに拡大。欧州連合(EU)離脱決定によって揺らいでいる安定性の回復に向け「必要とされるあらゆる行動を取る」方針を鮮明にした。
ブロードベント副総裁はこの日にロイターが他の報道機関2社と合同で英中銀で行なったインタビューに対し、「(金融政策委員会の)大半が英経済が予想通りの展開となった場合、再利下げに投票するとの見方だった。私もその一人だ」と述べた。
このほか、カーニー総裁はLBCラジオに対し、中銀が新たに導入した刺激策にもかかわらず、英国の失業者数は向こう数年間で約25万人増加するとの予想を示している。
エコノミストの間では、英中銀が一連の措置を導入したものの、政府が改革を推し進め一段の公共投資を行なわない限り、EU離脱決定を受けた下向き圧力に対応できないとの見方が大勢となっている。
ブロードベント副総裁は、減税や財政支出による追加刺激策や金融政策をもってしてもEU離脱に伴う悪影響を完全に相殺することはできないと指摘。「経済に対する構造的な影響を相殺するために金融政策、および通常の財政政策にできることには限界がある」との認識を示した。

990名無しさん:2016/08/07(日) 12:16:51
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160802/k10010618811000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_082
麻生副総理と黒田総裁が会談 デフレ脱却へ緊密連携を確認
8月2日 18時40分
政府が新たな経済対策を決定したことを受けて、麻生副総理兼財務大臣と日銀の黒田総裁が2日夕方に会談し、デフレからの脱却と持続的な経済成長の実現に向けて緊密に連携していくことを改めて確認しました。
麻生副総理兼財務大臣と日銀の黒田総裁の会談は2日午後4時半ごろから都内のホテルで行われました。このなかで麻生副総理は、2日に閣議決定した事業規模で28兆1000億円程度の経済対策について説明しました。
また黒田総裁は、先月29日に日銀がETFと呼ばれる上場投資信託の買い入れ額をほぼ倍増させる追加の金融緩和に踏み切ったことを説明しました。
そのうえで、麻生副総理と黒田総裁は、デフレからの脱却と持続的な経済成長の実現に向け政府・日銀が3年前に結んだ「共同声明」に基づいて、今後も緊密に連携していくことを改めて確認しました。
会談のあと麻生副総理は記者団に対し、「デフレ脱却や経済成長に向けて、率直に意見交換をした」と述べたうえで、今の極めて低い金利環境を生かして長期の資金供給を行うため満期までの期間が40年の国債の発行を増額することを市場関係者と協議して決めたいという考えを明らかにしました。
また、黒田総裁は「政府の経済対策の押し上げ効果は大きい」と述べたうえで、記者団から『金融政策を決める次回9月の会合で今の金融緩和策を検証し緩和を縮小する方向となるのか』と問われたのに対し、「2%の物価目標をできるだけ早期に実現するという観点からの検証であり、そういうことにはならない」と述べました。

991とはずがたり:2016/08/08(月) 16:35:32

イタリアを格下げ方向で見直し、国民投票めぐる不透明感で=DBRS
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160808-00000008-reut-bus_all
ロイター 8月8日(月)7時21分配信

[ミラノ 5日 ロイター] - 大手格付け会社DBRSは5日、現在「A(low)」としているイタリアの信用格付けを格下げ方向で見直す方針を明らかにした。イタリア政府はこれに反発し、異議申し立てをする可能性を示唆した。

主要格付け会社4社で現在、イタリアを「A」としているのはDBRSのみ。4社の格付けは、欧州中央銀行(ECB)が各国銀行に資金供給する際の担保要件設定に活用されており、格下げされれば、国債を担保にECBから融資を受けている銀行にとってコスト増につながる。

DBRSは、国民投票をめぐる政治的不透明感、銀行への圧力、ぜい弱な景気回復、海外環境の不安定化を理由に、見直しを定例のスケジュールに縛られずに実施することを決定したと説明。

この決定を、イタリア経済省はルール違反と批判し、異議申し立てを検討していると発表した。

DBRSのソブリン格付け責任者、ファーガス・マコーミック氏はロイターに対し、さまざまな要因によって「累積した懸念」が生じたとし、中でも国民投票が決定の決め手となったと述べた。

DBRSは3カ月程度で見直し結果を発表する見通し。「格下げする場合、2段階以上引き下げることはない」としているが、1段階の引き下げでも「BBB(ハイ)」となりA格を失うことになる。

992とはずがたり:2016/08/12(金) 23:02:26
日銀、株価を狙った政策に陥るも結果は不発
一本足打法で手詰まりを露呈
http://toyokeizai.net/articles/-/129771
山田 徹也 :東洋経済 記者 2016年08月01日

緩和の限界と、目標に到達できない苦しさを強くにじませる決定だった。日本銀行は7月29日、金融政策決定会合を開き、ETFの買い入れを増額し保有残高の増加ペースを従来の年間約3.3兆円から約6兆円とすることを柱とする追加金融緩和策を決めた。

今回の決定を市場がどう受け止めたのかは、右往左往する株価の動きが象徴している。同日午後1時前に決定が伝わると、日経平均株価はいったん300円を超す下落。その後リバウンドし、終値は前日比92円43銭高の1万6569円27銭で引けた。

日銀は黒田東彦総裁の下で2013年4月に異次元緩和(量的・質的金融緩和)をスタートさせ、年間マネタリーベースが60?70兆円増加するように、国債の買い入れを行い、合わせて、ETF年1兆円、REIT年300億円を買い入れることを決めた。この時、2年程度の期間でのデフレ脱却を念頭に、「政策の逐次投入は行わない」としていた。

しかし、2014年10月には国債買い入れ規模を拡大しマネタリーベースを年間80兆円増加させ、ETFとREITも買い入れ規模を3倍に拡大するとした。2016年1月にはついにマイナス金利政策を導入。マイナス金利導入時には、量、質、金利の3つの次元で緩和手段を駆使して金融緩和を進めていく、としていたが、黒田総裁になってから4回目の金融緩和は、ETFの買い入れ増額、いわば「質」のみの一本足打法にとどまった。

記者会見の質問は「総括的な検証」に集中

声明文では「経済・物価動向や政策効果について総括的な検証を行う」と記された。会合後の記者会見では、次回9月20、21日に行う、この「総括的な検証」がどのような内容であるかに質問が集中した。異次元緩和がうまくいっていないことをついに日銀が認め、3年3カ月にわたる異次元緩和を大きく方向転換する可能性が示唆されたからだ。

だが、黒田総裁は会見で「2%の目標がまだ実現されていない。2%をできるだけ早期に実現するために何が必要なのかという観点から、総括的な検証を行い、その検証結果に応じて、必要なら必要な措置をとることに尽きる」と繰り返した。「量的・質的金融緩和を導入後、すでに3年以上経過していることは事実だが、2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現する方針に変化はなく、今後もこれを変更する考えはない」とも付け加えている。

これらを素直に聞くと、2%の旗をおろさない以上、目標に向けて異次元の緩和手段を一層強化するかのように受け止められる。過去何度かサプライズを演出してきた黒田日銀だけに読みにくいが、これまでの異次元緩和の枠組みを大きく見直し、国債買い入れを減額したり、マイナス金利政策を撤廃するといった金融緩和の出口を探る可能性は低そうだ。

今回の決定後、市場関係者から「市場の金融緩和の催促をまったく無視する決定」と残念がるコメントも流れた。しかし、期待外れでよかったのではなかろうか。

6月のBrexit(英国のEU離脱決定)以降、世界の金融市場は一時的に不安定さを増した。しかし、その後市場は落ち着きを取り戻している。7月26〜27日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文では「経済の見通しに対する足元のリスクは減少した」と記された。FRB(米国連邦準備制度理事会)幹部からも「Brexit投票後、市場はきわめて秩序正しく推移している」(アトランタ連銀のロックハート総裁)というコメントが飛び出している。

993とはずがたり:2016/08/12(金) 23:02:37
>>992-993
黒田総裁「財政ファイナンスでもヘリマネでもない」

日本国内に目を転じると、個人消費は冴えず、高収益をあげているのに企業の設備投資意欲は鈍い。しかし、異次元緩和をさらに異次元の領域に踏み込むほど、日本経済は危機的な状態なのだろうか。

7月の月例経済報告の景気判断は「このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」だった。景気が悪化しているわけではない。実質GDP成長率が0%台程度と低いのは、そもそもの潜在成長率が低いせいだ。

6月に2017年4月に予定されていた消費税率10%へ引き上げの延期を決めたり、28兆円という、リーマンショック直後に次ぐ規模の経済対策を決めた政府の判断には、株価に一喜一憂して、今の経済を無理矢理持ち上げようとしている点で共通するものがある。しかし、こうした金融・財政政策は需要の先食いでしかない。

7月にバーナンキ・前FRB議長が来日し、安倍晋三首相と会談して以降、日銀がヘリコプターマネー政策に踏み込むのではないか、という観測が浮上した。さまざまな定義があるが、ヘリマネ政策とは、国債ではなく、返済予定のない貨幣でファイナンスした財政政策のこと。29日の記者会見でもヘリマネ政策に関する所見を尋ねる質問が出た。

中央銀行が金融緩和政策、政府が財政支出を拡大し、これらの相乗効果によって景気刺激効果をより強めることを「ポリシーミックス」と呼ぶ。29日の会見で、黒田総裁は「こうしたポリシーミックスは、政府による財政資金の調達を手助けすることを目的とする財政ファイナンスでもないし、中央銀行マネーの恒久的な増加を原資として財政支出を行う、いわゆるヘリコプターマネーともまったく違うと考えている」と述べ、現在年間80兆円のペースで国債を買い上げる政策は財政ファイナンスでもヘリマネ政策でもないと説明した。

だが、日銀がすでに国債の発行残高の3割超、400兆円近くを保有(7月20日現在で380兆円)していることを考え合わせると、もはや政府と日銀を一体として考えることが適当だろう。この点、29日の声明文で「きわめて緩和的な金融環境を整えていくことは、政府の取り組みと相乗的な効果を発揮する」と明記されたのは意味深長だ。

実態は財政ファイナンスではないのか

決定会合の3日前の26日、最新の内閣府による『中長期の経済財政に関する試算』が経済財政諮問会議に提出された。10%の消費増税を2019年10月に見送ったのにもかかわらず、2020年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)は5.5兆円の赤字、対名目GDP比で1%まで縮小することが示された。

しかし、これは名目で3%以上、実質で2%以上という相当無理のある高い成長率を前提とした試算だ。日本経済の実力により近いベースラインケース(名目1%半ば、実質1%弱)だと、20年度の赤字は9.2兆円、対GDP比で1.7%も残る。

今のところこれらの赤字をどうやって埋めるのか、明確な説明やプランはない。黒田総裁がいくら否定しようと、「国債を年間80兆円ペースでどん欲に買い上げる日銀」と「流れる赤字を止血しようとしない政府」という組み合わせは、財政ファイナンスというよりほかないのではなかろうか。

995とはずがたり:2016/08/12(金) 23:09:12
sageてもた。

996とはずがたり:2016/08/13(土) 00:49:49
田代尚機のチャイナ・リサーチ
中国経済が示すヘリコプターマネーの問題点
http://www.moneypost.jp/73014
2016年7月29日 16:00

 中国は流動性の罠に陥っている。

 中国人民銀行調査統計司の盛松成・司長は7月16日、2016年中国資産管理年会に出席した際、「(マネーサプライの)M1とM2の伸び率の差が大きく拡大している。中国企業はすでに流動性の罠に陥っている」などと発言、投資家の関心を集めている。

 M1とは“現金預金+預金通貨”から成り立っているが、こちらは6月末時点で前年同月比24.6%増となった。一方、“現金預金+国内銀行などに預けられた全預金”から構成されるM2は、11.8%増にとどまっている。

 M1はこの1年で伸びが大きく加速している。一方、M2は今年1月には14.0%増まで高まったが、その後は鈍化が続いている。

 この点について盛司長は、「資金は企業に流入しているのだが、企業は資金を抱えて投資をためらっている。企業は適切な投資プロジェクトを見つけられないでいる。だから、大量の資金が預金通貨(要求払い預金-保有小切手・手形)に滞留してしまっているのだ」などと分析している。

 18日の中国本土・毎日経済新聞の記事によれば、証券系アナリストの分析として、「資金が供給されても、それは実体経済に向かわず、たとえば不動産などに向かっており、資産価格上昇を引き起こしている。売買成立によって、企業、個人預金は不動産会社の要求払い預金に振り替わるが、不動産会社は次の投資に資金を向けられず、資金はそのまま要求払い預金に滞留している」などといった意見を紹介している。

 また、「工業企業の収益が回復しつつある。キャッシュフローが増えているのだが、使い道、有望な投資先・案件が見つからない。そのことが、要求払い預金の増加につながっている」などといった見方も紹介している。

 こうした状況では、資金を市中に広くばらまく形での金融緩和は、効果が薄いということだ。

 さらに、当局は、金利操作や公開市場操作、預金準備率操作といった伝統的な金融政策について、限界を感じているようだ。

 中国人民銀行は2014年9月にMLF(Medium-term Lending Facility、中期貸出ファシリティー)を創設している。これは、特定の金融機関に対して、国債などの担保を取ったうえで、3か月、6か月といった中期の資金を貸し出す方法である。特定の金融機関は当局の意向を受けて、零細企業、三農(農村、農業、農民)など経済的弱者に対して集中的に資金を供給する。

 不特定多数ではなく、特定の金融機関に対して資金を供給する方法であるSLF (Standing Lending Facility、常設貸出ファシリティー)、PSL (Pledged Supplementary Lending、担保補充貸出)などといった新たな金融調節手段も使い始めている。

 こうした中国金融市場の状況や中国人民銀行の政策スタンスは、日本にとっても参考になるはずだ。

 まず、中国のように、実質経済成長率(2016年4-6月期)が6.7%もあって、金利は1年物貸出基準金利が4.3%もある国ですら、流動性の罠に陥っている可能性があるという点に注目する必要がある。

 また、ゼロ金利政策のように、不特定多数に向けた政策は、当局が望むようには資金は流れていかない。中国では金融緩和の結果、株式市場や不動産市場、あるいは背後に強力な政治的発言力のある重厚長大産業に属する企業だけに資金が流れてしまったといった苦い経験がある。潜在成長力の低い日本では、中国以上に実体経済への資金供給は難しいだろう。

 実体経済に資金が流れなくとも、株価が上がれば資産効果が働くはずだといった意見もみられる。しかし、多数を占める海外投資家がより多くの利益を得るような市場においては資産効果も小さい。

 日本企業には、中国やアメリカ企業のように背後に大きな市場がない。また、少子高齢化で日本市場は縮小に向かっている。その上、多くの日本人は変化を嫌い、多くの経営者はアニマルスピリットをなくしている。経済成長といった観点から言えば、市場環境、供給サイド、社会そのものに根本的な問題がある。

 いろいろな側面から、ヘリコプターマネーに関する議論が進められている。残念ながら、日本銀行が無尽蔵に資金を供給し、その資金で政府が公共投資を行うといったスキームでは、日本経済の病巣を取り除き、安定成長を取り戻すのは難しい。

文■TS・チャイナ・リサーチ 田代尚機

997とはずがたり:2016/08/17(水) 10:06:38

マイナス金利半年
消費底上げ限定的…目立つ副作用
http://mainichi.jp/articles/20160817/k00/00m/020/146000c
毎日新聞2016年8月17日 08時40分(最終更新 8月17日 09時35分)

功罪入り交じるマイナス金利政策

 日銀がマイナス金利政策を導入し、16日で半年が経過した。企業向け貸し出しや住宅ローン金利が過去最低水準に低下した結果、不動産投資は拡大したが、設備投資や個人消費は活発にならず、期待された効果は限定的だ。一方、金融機関の収益悪化など副作用も目立ち、日銀への風当たりは強まっている。【安藤大介、和田憲二】

 「銀行や信用金庫から、低金利での融資の打診が増えている。しかし、仕事が増える見通しが立たなければ企業は設備投資に踏み切れない」。東京都大田区の製造業者などでつくる大田工業連合会の舟久保利明会長はつぶやいた。

 日銀は2月16日に導入したマイナス金利政策で、金利を引き下げて企業の設備投資や家庭の住宅購入を活発にする効果を狙った。実際に、企業向け融資や住宅ローン金利は過去最低水準に低下したが、消費も投資も盛り上がらない。

 日銀にとって不幸だったのは、年初から円高・株安が進む中、中国の景気減速や英国の欧州連合(EU)離脱などのリスクが顕在化し、企業や家計の心理が悪化したことだ。企業は積極的な投資に踏み切れず、国内銀行の貸出残高はマイナス金利導入後も、従来と同じ前年同月比2%増のペースが続く。

 逆に目立つのが、マイナス金利の副作用だ。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは一時マイナス0.3%まで低下。国債を中心に運用していた投資信託の販売停止が相次ぐなど、投資家は資産運用難に直面した。企業の退職金や年金の運用が難しくなり、業績を圧迫している。

 主要銀行の普通預金は過去最低の0.001%に低下。100万円預けても1年間で利息は10円しか付かない水準だが、6月末の個人の預金残高は441兆円と過去最高を記録した。マイナス金利導入前から貯蓄性の高い保険商品の販売停止が相次ぐ中、株安で投資先が消滅。ファイナンシャルプランナーの前川貢氏は「国債金利がマイナスとなったことで安定的な資産運用が困難になり、行き場のないお金が預金に逃げ込んでいる」と指摘する。

 生活防衛を迫られる家庭は、消費を増やす余裕を失った。6月の家計調査では2人以上世帯の実質消費支出は前年比2.2%減少。「利息収入の減少や年金・退職金の運用難が預金者の将来不安を呼び、家庭が財布のひもを引き締めている」(メガバンク幹部)との指摘も出ている。

 例外は不動産市場だ。国内銀行の貸し出し全体はペースが上がらないのに、不動産向け融資は6月末時点で68兆3206億円と過去最高を記録。総貸出残高に占める不動産向けの割合も14.7%と過去最高となった。高利回りをうたったマンション向け投資などが活発だが、どれだけ景気を押し上げるかは見通せない。

 日銀の黒田東彦総裁は4月の記者会見で、マイナス金利の効果が表れるのに「半年も1年もかかるものではない」と述べた。期待された効果が限られる中、日本経済は副作用の重しにさらされている。

銀行の貸し渋り警戒…日銀、来月に検証
 日銀は9月20、21日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和の政策効果の「総括的な検証」を行う。一段の金融緩和が必要との結論になれば、マイナスの金利幅拡大も議論されそうだが、マイナス金利が金融機関の収益を悪化させ、経済に悪影響を及ぼす懸念も強まっている。

 邦銀の2016年4?6月期決算では、本業のもうけを示す実質業務純益が軒並み減益となった。銀行にとって、もうけになる貸出金利が過去最低水準まで下がる中、コストである預金金利を引き下げる余地がほとんどなく、貸し出し利ざやが一段と縮小したためだ。

 資金運用の中心だった国債の金利も、償還(返済)まで10年の国債だけでなく、20年の国債までマイナスに転落。満期まで国債を持てば逆に金利を払わなければならず、信組の資産運用担当者からは「外国債券など為替変動リスクのある資産に手を出さざるを得ない」との悲鳴が上がる。

 マイナス金利による収益悪化が長期化すれば、銀行が「貸し渋り」に走る可能性もある。金融庁幹部は「マイナス金利をさらに引き下げれば、お金の貸手と借り手をつなぐ銀行の機能が失われかねない」との懸念を強める。

 日銀内でも「国内経済がよほど悪化しないかぎり、マイナス金利の追加引き下げのハードルは高い」との見方が出てきた。黒田総裁は7月29日の記者会見で「まだまだマイナス金利を深掘りする余地はあり得る」とマイナス幅拡大の可能性に言及したが、その手足は縛られつつある。

998とはずがたり:2016/08/17(水) 10:08:08
糞サンケイめ,ちゃんと批判しろよなぁ(;´Д`)

マイナス金利の功罪相半ば 導入半年、日銀検証へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160817-00000036-san-bus_all
産経新聞 8月17日(水)7時55分配信

■住宅ローン活発も物価下落、利ざや縮小

 日銀が「マイナス金利政策」を導入してから16日で半年を迎えた。市場金利の大幅な低下で住宅ローンや投資が活発になる一方、金融機関は収益悪化にあえぐ。また、消費者物価はマイナス圏に沈み、最大の目的である2%物価目標の達成は見通せない。「マイナス金利の功罪は相半ば」(エコノミスト)しており、日銀は9月の金融政策決定会合でこれまでの金融政策を総括的に検証する。

 「金利の引き下げ効果は非常に大きく、実体経済にもプラスの影響を及ぼしつつある」。日銀の黒田東彦総裁は追加の金融緩和を決めた7月末の会合後の記者会見でこう強調した。

 実際、1月末のマイナス金利導入決定前に0・2%程度だった長期金利(新発10年物国債利回り)は7月に一時マイナス0・3%まで低下(価格は上昇)。国内大手5銀行は8月に適用する住宅ローン金利(主力の固定型10年最優遇)を過去最低の水準に設定し、中でも三井住友信託銀行は前月比0・05%低い0・35%とした。

 この結果、1〜6月の新設住宅着工は46万戸強と前年同期比5・2%増えた。

 こうした超低金利環境を受け、JR東日本やJR西日本、三菱地所は満期40年の社債を国内企業で初めて発行。将来の設備投資を見据えた企業の長期の資金調達が活発化し始めた。

 その一方、導入から半年が経過しても消費者物価(生鮮食品を除く)は4カ月連続で前年比下落し、上昇する兆しは見えない。

 本来、マイナス金利は海外との金利差を広げ、円安を招く効果を持つが、中国や欧州など海外の景気不安から安全資産とされる円が買われ、円高で企業業績は悪化。個人消費も預金金利の低下などでなかなか上向かない。

 金融機関の貸出金利と預金金利の差である利ざや縮小も問題視されている。金融庁は3メガバンクの今期業績について、「マイナス金利は合計3千億円程度の減益要因になる」と試算した。

 9月の総括検証は、マイナス金利の評価も焦点の一つ。SMBC日興証券の森田長太郎氏は「金融庁の試算がマイナス金利の深掘りを牽制(けんせい)しているのであれば、市場は日銀の追加緩和カードがなくなるとみなし、円高圧力が増す」と指摘した。

 「(金融機関の)資金調達コストは下がり、保有国債は評価益が出ている。それなりの評価はあった」

 麻生太郎財務相は15日の記者会見で副作用に触れつつ、日銀をこう擁護した。(藤原章裕、万福博之)

999とはずがたり:2016/08/17(水) 10:10:05
総括的な検証するなら此迄の政策効果の否定と其れを受けた黒田総裁の責任取っての辞職しかないやろ。

国債購入の柔軟化検討=買い増し額に幅、年限緩和―日銀
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160806-00000034-jij-bus_all
時事通信 8月6日(土)8時1分配信

 日銀が9月の金融政策決定会合で、金融緩和の「総括的な検証」をするのに併せ、国債買い入れの柔軟化を検討することが5日、明らかになった。購入している国債の平均年限(現行7〜12年)基準を緩和したり、年間の買い増し額(同80兆円)に「70兆〜90兆円」など一定の幅を設けたりする案が浮上している。債券市場の金利動向を踏まえた弾力的な国債買い入れを可能とし、市場機能の維持を狙う。

 日銀がマイナス金利拡大など一段の金融緩和に踏み切った場合、すべての国債の利回りがマイナスになる恐れがある。日銀は、償還までの期間が最長の40年物超長期国債の利回りまでマイナスになれば副作用が大きいとの懸念を強めている。年金基金や生命保険などは資金運用が困難となり、企業が将来の退職金支払いに備える退職給付債務の負担増大などの弊害もあるためだ。

 日銀は国債の平均年限を維持するため、超長期国債を一定額買い入れている。超長期債の利回りがマイナスに陥る恐れに備え、購入額を柔軟に減らせるよう平均年限の基準緩和や撤回に加え、一時的に基準を逸脱するのを容認するべきだとの意見もある。

 一方、国債の買い増し額の柔軟化に関しては、上限と下限を設定することが考えられる。単純な減額は、市場で「緩和の縮小」と受け止められ、長期金利が上昇する恐れが強く、日銀内では否定的な意見が多い。

 日銀は長期金利を特定の利回り以下で推移させることを狙い、一定の金利水準で購入額に制限に設けず国債を買い入れる「長期金利ターゲット」を導入する可能性もある。

1000とはずがたり:2016/08/17(水) 10:10:28
sageてもた。

1001とはずがたり:2016/08/17(水) 10:16:50
酷い言説が罷り通ってるなあ(;´Д`)

日本再生には「バブルへGO」政策しかない?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160817-00131781-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 8月17日(水)8時0分配信

セゾン投信・中野社長の「バブルによる日本経済復活」は平成バブルとはどう違う?(写真:ジュリアナ東京、HOSAKA NAOTO/GAMMA/AFLO)

 旧聞に属する話だが、あえて言うと、7月末の日銀金融政策決定会合の内容は、「残念」だった。マイナス金利を深掘りしたわけでもなく、マネタリーベースの供給額も年間80兆円で変わらず。少しだけ見どころがあったとすれば、ETFの買い入れ額を年間3.3兆円から6兆円に倍増させたことくらいだった。

 だが「ETFの買い入れ倍増」は、1年を通じてのものなので、株価を下支えする効果しかない。むしろ私は逆に思い切った金融緩和政策をとるべきだと考えている。マイナス金利をもう一段深掘りしたうえに、マネタリーベースの供給額も、年間80兆円から100兆円まで増額させる。さらに、銀行が日銀当座預金に預けている準備預金に適用される金利を、全面的にマイナス金利にする。

■ 「日銀当座預金金利」はすべてマイナスに

 もちろん、この積極的な金融緩和政策は、「劇薬」的な側面もありそうだ。たとえば銀行にとっては、かなりの収益悪化につながる。

 ただ、今のところ、マイナス金利が適用されているのは、日銀当座預金残高のごくごく一部に過ぎない。具体的な数字を挙げて説明すると、日銀当座預金残高は276兆円程度。このうち、今でも0.1%の金利が付いている部分が210兆円程度もある。また、金利がゼロ%の部分が約45兆円もあるので、マイナス金利が適用されているのは、21兆円程度に過ぎない。

 マイナス金利が適用されて以降、個人の定期預金に適用されている利率は、預入期間の長短、預入金額の多寡にかかわらず年0.01%でしかないが、銀行が当座預金に預けている資金の大半に適用されている利率は、それよりもはるかに高い年0.1%なのだ。しかし、この0.1%部分も含めて、日銀当座預金の適用利率をすべてマイナスにすれば、否応なく、おカネが動かざるをえなくなる。

 日銀当座預金の適用利率をすべてマイナスにするのは、「劇薬だ!」とお叱りを受けそうだ。なぜなら、ほとんどの銀行においては、この0.1%がきっちり予算化されている。それがなくなるどころか、マイナスになるわけだから、「銀行の経営に大きな影響を及ぼす」と批判されそうだ。

 それだけではない。一般企業が銀行に預けている預金の金利についても、実質的にマイナス金利が適用されることになるだろう。そうなった時、おカネはどのように流れるのか。さすがに「タンス預金」というわけにはいくまい。おそらく、銀行口座に滞留している余裕資金があぶり出されるだろう。マイナス金利の適用によって、企業が預けている銀行預金が目減りする事態になれば、企業は銀行預金を引き出し、一部の資金を株主への配当増や、自社株買いなどに回すはずだ。自社株買いはROE(株主資本利益率)の向上につながり、株価を押し上げる効果をもたらす。

1002とはずがたり:2016/08/17(水) 10:17:15
>>1001-1002

 また、日本企業の旧来的な資本政策にも変化をもたらす。多くの日本企業は、内部留保を厚くすることこそが、経営の安定化につながると考えてきたが、マイナス金利が常態化したら、外部からの資金調達を積極化させたレバレッジ経営が、改めて見直されるだろう。マイナス金利下では、資金を借りたほうが明らかにトクであり効率的だからだ。実際、一部の大企業はすでに、長期の資金調達を積極的に行っている。

 「貯めるよりも使うほうがトクだ」という価値観が世の中に広まれば、消費は伸びる。アベノミクスがスタートした時、日銀の黒田総裁は、「2015年までに期待インフレ率を2%上昇させる」と宣言したが、その目標は未達のまま、2016年も半ばを過ぎた。

 しかも直近の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合で見ると、3月から前年同月比でマイナスの状態が続いている。これだけ金融を緩和し続けているのに、インフレになるどころか、逆にデフレ色が濃くなっている。もはや大抵の金融緩和策では、物価は上昇に転じないのではないだろうか。小出しの金融緩和では毒にも薬にもならない。ここまで冷えてしまったインフレ期待を再び盛り上げるためには、劇薬を注入するくらいでちょうど良い。

■ 日本経済に必要なのは「バブル政策」しかない? 

 より本格的なマイナス金利の導入によって、株価が再び上昇軌道に戻ったら、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)の手法を用いて、空港や高速道路など、国が保有している資産を民間に売却すれば良い。必ず買い手が現れ、おカネが動く。日本の社会インフラは、かなりの程度、老朽化が進んでおり、それを修復するためには、公共工事を必要とするが、問題はその財源確保だ。いうまでもなく、今の日本は1000兆円規模の政府債務を抱える借金大国と化している。

 しかし、PFIも含めた民営化政策の推進で政府資産を売却すれば、財政再建への道筋が開けるだけでなく、新たな公共工事を行うための財源も確保できる。こうして需要を創造すれば、景気は再び回復軌道に乗る。この手の政策は経済のバブル化を招く、という意見もあるだろう。しかし、今の日本経済を回復させるためには、財政健全化にもつながる構造改革を絡めたこれくらいの荒療治が必要だ。ここで経済がデフレ化したら、日本経済は再起できず、アベノミクスは失敗に終わる。

 もし、本当に経済がバブル化したら、その時にこそ消費税率を、現行の8%から10%に引き上げれば良い。恐れずに「バブルへGO!!」(2007年の映画のタイトル)政策を実施すると宣言することから、最後のアベノミクスの挑戦がスタートする。

中野 晴啓

1003とはずがたり:2016/08/20(土) 18:41:32
>今回「苦し紛れの悪手」を放った日銀にとっての唯一の「救い」は、市場がすでに「日銀の追加緩和は効果がない」ことを織り込んでいたことかもしれない。
日銀無能やろ(;´Д`)
知り合い一人日銀で頑張ってるけどどう思ってるのかなぁ??

日銀はついに「ヤバイ」領域に足を踏み入れた
追加緩和で外国人も日本から遠ざかる?
http://toyokeizai.net/articles/-/129633?utm_source=yahoo&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=related
近藤 駿介 :金融・経済評論家/コラムニスト 2016年07月29日

市場の大方の予想通り、日銀は追加緩和に踏み切った。

内容は「ETFについて、保有残高が年間6兆円に相当するペースで増加するよう買い入れを行う(現行の約3.3兆円からほぼ倍増)」(7月29日付日本銀行「金融緩和の強化について」)という、ETFの買入れ額をほぼ倍増させるというものだ。

一方で、金融政策の目標となっているマネタリーベースについては「マネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う」と、現状維持とした。

「金融緩和の目標は株価」と暴露したも同然

日銀は、追加緩和に踏み切らざるを得ない状況に追い込まれていた。その日銀が今回打ち出した「苦し紛れの追加緩和」は、追加緩和手段が限界に達したことを示すとともに、中央銀行の信頼を失墜させる悪手だった、と筆者は考える。

なぜ悪手なのか。日銀は今回「マネタリーベース増加ペース(年間約80兆円)の現状維持とETF買入れ額倍増」という追加緩和策を打ち出したが、これは日銀の政策目標が「マネタリーベース」ではなく「株価」にあるという本音を暴露したようなものである。

中央銀行のタブーの一つは、「株価」を金融政策の目標にすることだ。「株価」を金融政策の目標においてしまう、あるいはおいていると見做されることは、株式市場の変動に合わせて金融政策の変更を迫られるようになるからだ。

株価が下落する際には市場で緩和期待が膨らみ、日銀がその期待に応えた政策を打ち出さなければ、さらなる株価の下落を招くという悪循環に陥ることになる。今回の「ETF買入れ額の増額」に対して、木内委員が「株価を目標にしているとの誤ったメッセージになる」として反対票を投じたのは当然のことである。

もしETFの買入れ額を3兆円増やすのであれば、少なくともマネタリーベースの増加ペースを83兆円に拡大するべきだったといえる。日銀は3兆円など、80兆円に比較したら誤差の範囲であり、緩和効果に大きな影響を及ぼすものではないと考えたのかもしれない。

日銀は「異次元の相場介入」の領域に足を踏み入れた

しかし、マネタリーベースの増加ペースを維持する中でETF買入れ額を増やすということは、国債の買入れ額をその分減らすということである。これは、国債の買入れによるマネタリーベースの増額が限界に達したこと、国債の買入れ額を減らしても金融緩和効果は変わらないというメッセージでもある。これは、これまでの緩和策の限界を認めるようなものである。

1004とはずがたり:2016/08/20(土) 18:41:47
>>1003-1004
今回の追加緩和によって、「マイナス金利付き量的・質的緩和」は「異次元の金融緩和」から外れ、中央銀行にとってタブーとされる「異次元の相場介入」の領域に足を踏み入れたといえる。

メディアではほとんど触れられていないが、今回ETF買入れ額増額とともに決まった緩和策に、「企業・金融機関の外貨資金調達環境の安定のための措置」がある。

これによって「企業の海外展開を支援するため、最長4年の米ドル資金を金融機関経由する制度」の総枠が現行の120億ドルから240億ドルへと倍増された。

これは日本の企業や投資家がベーシススワップを利用して外貨を調達する際の上乗せ金利が上がってきている(ドル調達コストが上昇している)ことに対応した措置だ。この措置によって、国内企業や投資家のドル調達コストは低下する可能性が高い。しかしそれは海外投資家からみれば、円の調達コストが上昇するということでもある。

日本国債の利回りは15年債までがマイナス金利となっている。こうした現象は、日銀が準備預金の一部にマイナス0.1%の金利を付利していることとは直接的には関係ない。

市場金利がマイナスになっているのは、日銀がマイナス金利下でも国債を積極的に買い入れている(日銀がマイナス金利に伴う損失を被る)ことに加え、海外投資家の円調達コストがマイナスになっていてマイナス利回りの国債を購入できる状況にあることを反映したものだ。

海外投資家は今後ますます日本に投資しなくなる?

今回国内企業・投資家の米ドル調達コストを下げるための措置によって海外投資家の円調達コストが上昇し、海外投資家による国債や日本株への投資意欲は衰える可能性があることには注意が必要だ。これは日銀のETF買入れ額増額による効果を打ち消すものになるからだ。

「英国のEU離脱問題や、新興国経済の減速を背景に、海外経済の不透明感が高まり、国際金融市場では不安定な動きが続いている。こうした不確実性が企業や家計のコンフィデンスの悪化につながることを防止する…」(日銀)

日銀は今回追加緩和に踏み切った理由をこのように説明している。しかし、英国のEU離脱ショック後の世界の金融市場は、米国株式市場が史上最高値を更新、新興国株価指数も5%近い上昇、日本株も英国のEU離脱ショック前の水準を上回るなど、不安定な動きどころか安定的な動きを見せている。

懸念されるのは、日銀が誤った世界経済認識に基づいて金融政策の舵取りをしているということだ。6月の時点では、英国民投票による米国経済や金融市場への混乱の可能性が指摘されていたにもかかわらず、7月26〜27日に開催されたFOMC(米公開市場委員会)ではFRB(米連邦準備制度理事会)が「短期的な経済見通しへのリスクは低下した」という認識を明らかにしている。

にもかかわらず、日銀は「英国のEU離脱問題や、新興国経済の減速を背景に、海外経済の不透明感が高まり、国際金融市場では不安定な動きが続いている」という理由で追加緩和に踏み切ったわけだ。

験を担いだのか、今回日銀は2013年4月の「異次元の金融緩和」と同様に「ETF2倍、米ドル資金2倍」という緩和策を打ち出した。しかし、世界経済に対する「異次元の認識」を示した日銀は、これで海外投資家からの信頼を回復することが出来るのだろうか。

今回「苦し紛れの悪手」を放った日銀にとっての唯一の「救い」は、市場がすでに「日銀の追加緩和は効果がない」ことを織り込んでいたことかもしれない。

1005とはずがたり:2016/08/20(土) 18:42:56
もう市場はカンフル剤頼みのヤク中患者にとっくになりさがってるやろう。。(;´Д`)
安倍が消費増税延期で財政再建の旗を降ろした以上付き合って金融緩和は出来ないと政策転換すべきである。

日本株は「日銀ETF中毒」の一歩手前だ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160820-00132518-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 8月20日(土)14時0分配信

 8月19日の日経平均株価は1万6545円で終了した。前週末比では2.21%下落。史上最高値を更新していたNYダウや、年初来高値推移だった英FTSE100指数など主要国の株価指数もそろってマイナスとなった。

■ 「日銀ETF買い」の有無に振り回される日本市場

 英米株価指数は高値圏での利益確定が入ったようだが、日本は事情が違う。日銀による上場投資信託(ETF)買い入れ実施のタイミングが不透明となったことが要因にある。お盆入りで薄商いとなった東京市場は「日銀ETF買い入れの有無」に振り回されっぱなし状態だ。「日銀の呪縛」によって東京市場は、身動きが取れなくなっている。

 確かに政府主導による官製相場は、一定の安心感を生み出す。だが、日銀によるETF買い入れなど金融政策は一時的なカンフル剤に留めておくべきだろう。「すでにそうなっている」という指摘もあるが、このままだと追加緩和を常に欲する「患者」のような状態になってしまうのではないか? 

 それはさておき、まずは日銀のETF買い入れに関する動きから再度確認しておきたい。

1週間前に寄稿した「日本株『みせかけの好調』の後に来るもの」では、日銀会合以降、市場で発生した3つの変化として、「日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)の低下」「NT倍率の拡大」「ドル建て日経平均の高値更新」を紹介した。 これらの事象には、日銀によるETF買い入れ幅の拡大が根底にある。日銀は、4日と10日には707億円のETF買入を実施した(設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF買い入れ12億円は毎日入るので除く)。

 日銀が下落局面でETFを大量に購入するためリスク・プレミアムが低下(日経VIの低下)し、日経平均へのインパクトが大きい銘柄が先行して上昇(NT倍率の拡大)。そして、円高進行にもかかわらず、官製相場による作られた株高となる(ドル建て日経平均の高値更新)という一連の流れを説明した。

日銀の買いパターンに「異変」、市場は混乱
 実は7月28日までは「前場、TOPIX(東証株価指数)の下落率が-0.2%よりも大きかったらETF買い入れが実施される」というパターンが確認されていた。
 
このパターンが明確だったことから、売り方は後場買い戻しを入れるなど、一定の抑止力となっていた。もちろんETF買い入れを飲み込むレベルの売り崩しは何度もあったが、それでもパターン通りに動いてくる日銀を市場は「信頼」していた。

1006とはずがたり:2016/08/20(土) 18:43:19
>>1005-1006
 異変があったのは、ETF買い入れ幅が拡大された後の8月16日だ。前場のTOPIX下落率は前日比-0.38%していた。市場はランチタイム辺りから「日銀ETF買い入れが入る」と見越して先物買いに動いた。だが、12時過ぎ、トレーダー筋から「どうやら日銀は買わないようだ」と伝わると、後場一気に崩れる格好となった。日銀がETF買い入れに動く水準が不透明となったことで、市場は疑心暗鬼となり、積極的に動けなくなっている。

■ 日銀が日本株を大量に抱え込む必要はあるのか

 そもそも、日銀がこれほどまで日本株を抱え込む必要はあるのだろうか? 15日に発表された4-6月期GDP速報値は、前期比年率+0.2%と成長率は1-3月期の+2.0%から大幅に減速した。個人消費の伸びが低迷したほか、企業設備投資が予想を下回ったことも成長鈍化の要因となった。

 証券業界に近い場所で仕事をしていると、日経平均の動向だけで日本経済を判断してしまいがちだ。筆者も含め証券関係者の一部には「株が上がっている=日本の景気はいい」という単純なロジックをベースに生活しているフシがある。

 株は期待(警戒)先行で上下する特性があることから、アベノミクス相場スタート時の上昇ピッチは非常に早かった。ただ、「株高=景気回復」という構図はなかなか実現できていない。

 確か当初は株高による一定の浮揚効果はあった。一方、個人投資家はすそ野こそ徐々に広がっているが、欧米と比較するとまだまだだ。確定拠出年金制度の利用者にしても同じだ。幅広い層に景気回復、デフレ脱却を実感してもらうには、株高政策だけでは限界がある。

 日銀によるETF買い入れ実施の有無、9月の日銀会合での追加緩和期待など、足元、金融政策への関心は異常なほど高まっている。

 2013年4月に異次元緩和がスタートして早3年半経過したが、景気回復、デフレ脱却はなお道半ばだ。筆者は根本的には成長戦略の見直しが必要と考える。農業、医療、雇用など様々な規制緩和の実施が必要だと思うが、結局のところ「一丁目一番地」は人口減少への対応だろう。

 人口が減少している国の経済成長率を高めようとする時点で、「力業勝負」となり歪みが生じる。人口が減少しているのであれば、少子化対策を推進するか、移民を受け入れるかの選択となるだろう。この場合、移民受け入れは、日本独特な心情的な問題が発生する可能性もあり、実現は難しいが、少子化対策は積極的に取り組む価値は十分にあると考える。即効性は無く、効果が出るまで試行錯誤もあるかもしれないが、国力を強めるためには重要なことだ。

 確かに、金融政策を打ち出せば、目先の日本株は上昇するかもしれない。だが、あくまでも「カンフル剤」に留めておくべきだろう。金融、財政政策で地盤を固め、政治力で成長戦略を推進するという構図が10年、20年先の日本経済もしくは日本株を考えると、結局は一番望ましいはずだ。

田代 昌之

1007とはずがたり:2016/08/20(土) 18:55:48
日銀総裁インタビュー 総括検証、即時公表へ 来月会合 “サプライズ”修正か
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160820-00000046-san-bus_all
産経新聞 8月20日(土)7時55分配信

 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は、19日までに産経新聞の単独インタビューに応じ、9月の金融政策決定会合でまとめる金融緩和の「総括的な検証」の結果を、会合の声明文と同時に公表する考えを表明した。総括的な検証の公表時期が明らかになるのは初めて。また、総括的な検証は金融政策の「予見可能性」に配慮した意味合いがあるとも説明、これまでの“サプライズ演出”の手法を大きく修正する可能性が出てきた。

 市場参加者は、総括的な検証がどのような形で進められるか注目している。

 黒田総裁は「(日銀)執行部の作業結果を聞き、政策決定会合で議論する。どのようなものになるかは現時点で申し上げられないが、基本的には声明文とともに検証の結果を公表する」と語った。

 一方、日銀はこれまで金融政策を先読みさせず、投資家を驚かせる“サプライズ演出”を得意としてきた。こうした演出は当座のインパクトは強いが、市場は徐々に日銀の説明を信じなくなり、金融政策の効果が出にくくなる。逆に、欧米の中央銀行は、金融政策の方針を丁寧に説明し、市場へのサプライズを極力避けている。

 黒田総裁は「かつては『予見可能性』や『市場との対話』を重視しないという考え方が各国の中銀で強かったが、この数年はむしろ重視する考え方が出てきた」と説明した。

 その上で、総括的な検証について、「政策決定会合で決まる内容を事前にアナウンスするという予見可能性のものではない」と強調したものの、「金融政策のあり方をよく示すという意味では有益だ」とも述べた。

 導入から半年が経過したマイナス金利政策については、効果を強調するとともに「マイナス金利の限界にはまだ到達していない」と述べ、深掘りの可能性を改めて示唆した。

1008とはずがたり:2016/08/20(土) 18:57:09
「日銀ショック」で日本株が追い込まれる日
「必要なら追加緩和」は言い続けられない
http://toyokeizai.net/articles/-/129649
窪田 真之 :楽天証券経済研究所長兼チーフ・ストラテジスト 2016年07月29日

日銀は追加金融緩和を決定、なんとか面目を保った。だがいつまでもETFや国債などを買い支えることはできない。どこかで買い増し額の減額をいう瞬間がやって来る(写真:長田洋平/アフロ)
株の買い支えに徹する日銀

7月29日昼過ぎに、日銀の金融政策決定会合の結果が発表された。市場が期待する大規模緩和はなかったが、ETF(指数連動型投資信託)の買い入れ額を年間3.3兆円から6兆円に増額する、大規模な株買い支え策が発表された。

大規模緩和がなく円高は防げなかったが、株(ETF)の買い支え策発表が効いて、株安は防ぐことができた。ドル円は7月29日の午後3時20分時点で前日比1円62銭円高の1ドル103.66円だった。日経平均は前日比92.48円(0.56%)上昇して、1万6569.27円で引けた。

一方、マイナス金利の拡大がなかったことを好感して銀行株が急騰した効果で、TOPIX(東証株価指数)は前日比1.20%上昇した。

4月28日、6月16日は、日銀が「追加緩和なし」を発表した直後に、円高・株安のダブルショックに見舞われた。4月28日の日経平均は前日比624円安、6月16日は同485円安であった。今回の7月29日も、円高を嫌気して一時日経平均が302円安になる場面があったが、株買い支え策の発表が効いて、その後、上昇に転じた。

ただ、株安は防いだものの、円高は防げなかった。また3回連続で大規模緩和の期待を裏切ったことで、日銀の緩和策の限界を感じさせる結果となった。

さすがに「ヘリマネ」には踏み込まなかったが・・

市場の一部では、ヘリコプターマネー(ヘリマネ)のような大規模緩和を期待する声も出ていた。ヘリマネ自体は、財政法で禁止されていて、できないことはわかっていたが、日銀のやっていることは、少しずつヘリマネに近づいていた。

ヘリマネの定義は必ずしも明確ではないが、日銀が「政府が発行する無利息・無期限の債券を引き受けること」との解釈が一般的だ。これは、実質、日銀が政府にマネーを譲渡するに等しい。それは財政法で禁止されている。

今回、市場で期待が広がっていたのは、日銀が「ヘリマネのような」緩和を行うことである。たとえば、以下のような財政・金融策の協調がイメージされていた。「政府が大規模財政出動を決め、新規に40年国債を発行する。日銀はそれにあわせて、40年国債の大規模買い増しを発表する」。

日銀が無利息無期限の国債を直接引き受けるわけではないので、ヘリマネではないが、40年という超長期の低利回り国債を大量に買い入れれば、それは限りなくヘリマネに近い金融政策となる。日銀は、今回は、そうした財政出動と連携した大規模緩和には踏み込まなかった。

黒田日銀総裁は、29日の記者会見で「必要な場合は、量・質・金利の3次元で追加緩和を講じる」と従来通りのコメントを述べ、先行きの追加緩和の期待を残した。デフレ色が強まる中、毎回、大規模追加緩和を見送り、「必要なら追加策を行う」と言い続ける、いつものパターンだ。

日銀は、2016年3月時点で総資産が405.6兆円まで膨らんでいるが、純資産は3.5兆円しかない。日銀券を刷り続けることで、資産規模を膨らませ続けることはできるが、純資産をすり減らすマイナス金利の国債買い取りには、いずれ限界が来る。

日銀は、3月末時点で、日本株ETFや不動産投資信託などを、すでに約9兆円持っている。ここから、年6兆円のペースでETFの買い増しを続けると、純資産に比べたリスク資産の保有はいずれ過大になる。

「日銀ショック」が訪れるときはいつか

日銀は、自らの財務を痛める大規模緩和を制限しなければならない日が来る。「年80兆円のペースで買い増ししているマイナス金利の国債を、年70兆円に減額しなければならない」といったことを議論しなければならなくなる。そうなると、金融市場に大きなショックをもたらすことになる。

米FRBが大規模緩和を終了した時のプロセスが参考になる。2013年5月、当時、米FRB議長であったバーナンキ氏が、「将来、金融緩和を縮小しなければならない」と発言しただけで、世界中の株が暴落した「バーナンキ・ショック」が起こった。

黒田日銀総裁が今、「将来、国債買い増し額の減額が必要になる」と口にすれば、同様のショックが東京市場に起こるだろう。黒田総裁は、日銀の「出口」を誰にも意識させないためにも、「必要ならば、追加緩和をする」と言い続けなければならなくなっている。

1009とはずがたり:2016/08/20(土) 19:01:09

>「リフレ政策に理解のある委員は(9人中)5人いる。1回限りであれば、総裁らが反対しても大胆な量的緩和を可決することは可能だ」
総裁以外に9人ボードメンバー居るんだっけ??

日銀「クーデター」のシナリオとは… 追加緩和不発で黒田総裁“崖っぷち”
http://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/160803/ecn16080322350034-n1.html
2016.8.3 22:35

 日銀が7月29日に決めた追加金融緩和策は、市場の期待を裏切る内容だった。黒田東彦(はるひこ)総裁は9月にも一段の緩和を示唆するが、後がない。専門家は、黒田総裁が対応を誤れば次期総裁人事に影響が出てくるほか、日銀内での「クーデター」の可能性についても言及する。

 日銀は上場投資信託(ETF)の買い入れ額を年3・3兆円から6兆円に増やしたが、市場に供給するお金を年間80兆円のペースで増やす「量的緩和」は拡大せず、出し渋りの感は否めない。

 日銀の金融政策をウオッチし続けてきた上武大教授の田中秀臣氏は、「批判の矢面に立たないようにETFを増額するが、量は増やさないというやり方は、昔の日銀の発想に戻ってしまったようだ」と批判する。

 黒田総裁は、2013年以降の金融緩和について検証したうえで、9月にもさらなる緩和を実施する可能性があるとした。サプライズ狙いから、市場との対話路線に転じる構えだが、効果は不透明だ。

 前出の田中氏は「日銀の組織防衛的なスタンスが続けば、安倍政権自体も追い込まれかねない。次の決定会合に政府側の委員として位の高い人物を送り込むほか、日銀法改正をちらつかせるなど政治的なプレッシャーをかけることがありうる。18年の次期総裁人事では、積極的な緩和論者である本田悦朗スイス大使を起用する可能性も高まったのではないか」と指摘する。

 田中氏は、黒田総裁や日銀事務方のスタンスが変わらない場合、理論上は、決定会合で「クーデター」を起こせるという大胆な仮説を立てる。

 「リフレ政策に理解のある委員は(9人中)5人いる。1回限りであれば、総裁らが反対しても大胆な量的緩和を可決することは可能だ」

 黒田総裁にとっては、9月が信頼を取り戻すラストチャンスかもしれない。

1010とはずがたり:2016/08/23(火) 18:36:05
黒田総裁は何を指示したのか “意味深な一文“から日銀の思惑を読み解く
https://thepage.jp/detail/20160819-00000005-wordleaf?page=1&utm_expid=90592221-68.lfBehu-SRAaVoElq1eS33g.0&utm_referrer=https%3A%2F%2Fthepage.jp%2Fdetail%2F20160819-00000005-wordleaf%3Fpage%3D4
2016.08.22 08:00

「2%の『物価安定の目標』をできるだけ早期に実現する観点から、次回の金融政策決定会合において、『量的・質的金融緩和』・『マイナス金利付き量的・質的金融緩和』のもとでの経済・物価動向や政策効果について総括的な検証を行うこととし、●議長はその準備を執行部に指示した」

 金融市場の話題は日銀が7月29日の声明文に記載した上記一文の解釈に集中しています。これが何を意味しているのか、市場関係者の間では三者三様の見方が示されており、予想が割れています。7月29日の総裁会見では、この一文について記者からの質問が集中しましたが、総裁はほとんどヒントを与えませんでした。そこで本稿では、議長(総裁)が執行部(いわゆる事務方)に何を指示したのかを予想するとともに、現在、市場で示されているいくつかの見方を整理し、その妥当性を第一生命経済研究所の主任エコノミスト・藤代宏一さんが検証していきます。

いちばんわかりやすいマーケット予想

<参考>総裁の回答で主要な部分(抜粋)

海外経済・国際金融市場 を巡る不透明感などを背景に、特に物価見通しに関する不確実性が高まっている状況を踏まえて、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現する観点から、次回の金融政策決定会合において、この 3 年強の間の色々な金融緩和の下での経済・物価の動向、あるいは政策効果について、総括的な検証を行うことにしました。もちろん、スタッフは常に分析をしているわけですが、「量的・質的金融緩和」を導入して 3 年強、そして「マイナス金利」を導入して半年――1 月に決定して実際に適用されたのは 2 月からですから半年位―― というところで、「総括的な検証」を政策委員会において行うということです。 政策委員会の全てのメンバーがこうしたことが望ましいと言われまして、この公表文に示したということです。具体的に、「総括的な検証」を行った後の金融政策については、「総括的な検証」を行ったうえでのことですが、明確なのは、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するために何が必要かという観点から、「総括的な検証」を行うということです。

「量的・質的金融緩和」の導入にあたっては、「できるだけ早期に」という際に念頭に置いている期間として、2 年程度という期間を示しました。「量的・質的金融緩和」の導入後、すでに 3 年以上経過しているのは事実ですが、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するという方針に変化はありませんし、今後もそれを変更する考えはありません。

 以上は「総裁会見の抜粋」です。

この一文は「追加緩和の布石」と読むべきなのか

 まず最初の分岐点は、この記事の冒頭で提示した一文が、「追加緩和の布石」なのか否かです。「議長が執行部に指示」という文脈を見て真っ先に連想されるのは欧州中央銀行(ECB)ドラギ総裁が得意としている追加緩和の「予告」です。ドラギ総裁は、ECB内部の意見調整、追加緩和期待をつなぐという目的もあって、次回会合における追加緩和を強く示唆するという手法を採ってきました(たとえば量的緩和導入時など)。この手法は次回会合までの1カ月ないしは2カ月の間、市場で追加緩和を巡る憶測が飛び交うことで、そのこと自体が緩和効果を生み出すという利点がある一方、期待が膨らみ過ぎると失望を誘うリスクが高まるという弱点があります。この一文にはそうした意図がこめられているのでしょうか?

 筆者の見解はNOです。こうした見方(=とは註:●が追加緩和の「予告」)を示しているのが(おそらく)少数派であることを先に断っておく必要がありますが、これまでの黒田総裁の言動を踏まえると「検証の結果、金融緩和が不十分だったので今回新たに○○を追加する」などといった具合に過去の誤りを認めるような見解が示されるとは考えにくいからです。2013年4月以降の検証、つまり3年4カ月前との比較という視点で金融政策を評価すれば、「所期の効果があった」と結論付けることができるでしょう(「所期の効果」という言葉は日銀が好んで使います)。

1011とはずがたり:2016/08/23(火) 18:37:06
>>1010-1011
 この間、コアCPI(生鮮食品を除いた消費者物価指数)は原油価格の影響をダイレクトに受けたので参考にならないとしても、●コアコアCPI(食料・エネルギーを除いた消費者物価指数)が一時1%に迫る上昇を記録したほか、日銀版コアCPI(生鮮食品・エネルギーを除いた消費者物価指数)が一時1%台半ば付近へと水準を切り上げたことは、金融政策に太鼓判を押す証拠として十分でしょう。最近のコアコアCPIの減速については、7月29日の追加緩和(3兆円から6兆円へとETF購入枠を拡大)で対処したから問題なしとの見方が示されるのではないでしょうか。

「サプライズ型」から「予告型」で、より大胆な緩和策を導入するという見方も

 一方、●この記事の冒頭で提示した一文を「追加緩和への布石」と捉える向きは多いです。日銀が追加緩和をほのめかすような一文を挿入したのは今年1月29日のマイナス金利導入があまりにも唐突で、そのサプライズ感が金融政策の不透明感を通じて投資家マインドに悪影響を与えたとの反省から「サプライズ型」のコミュニケーションに区切りをつけ、「予告型」に変更したとの見方です。

 今回、採用が見送られた「マイナス金利深掘り」、「長期国債の買い入れペース増額」は、その突発的な発表が債券市場のボラティリティ(変動率)上昇や銀行株の急落といったネガティブな事象に直結する可能性があります。それに配慮してECB型の予告をしておけば事前の織り込みが進むため、大胆な緩和策が導入できるというわけです。

 来月9月会合でマイナス金利深堀り(▲0.1%→▲0.3%)、長期国債の買い入れ増額(80兆円→100兆)が加わり、2会合越しでフルパッケージの追加緩和が完成するとの予想もあります。

7月のETFのみの追加緩和は、日銀の自信か?

 ただし筆者は今回日銀がETF単独の追加緩和を採用した理由を、●日銀が名目金利の低下に満足したことにあるとみています。その見方が正しければマイナス金利深堀り、長期国債の買い入れペース増額のような金利に影響を与えるオプションが9月会合で採用される可能性は低いとの結論にたどりつきます。そのほかでは、(1)量・質・金利という現在の枠組みを抜本的に見直す、(2)マイナス金利撤回、(3)テーパリング(≒量的緩和縮小)を示唆、など多くの憶測が飛び交っています。

 まず(1)については、金利の操作目標を翌日物金利から5年・10年といった長期ゾーンに時間軸を伸ばすといった枠組み変更が選択肢として考えられますが、すでに超長期ゾーンまで日銀のコントロール下にある現状を踏まえると、それをすることによって得られるメリットがあるのか疑問です。(2)ついては「マイナス金利は副作用が大きい」との結論が示されることを意味するため考えにくく、(3)については、「金融政策に限界は感じていない」との黒田総裁の発言に完全に逆行するため、その可能性は極めて低いでしょう。

日銀の掲げる目標、”2年”と”2%”についての再確認

 また、これはとは別の議論で「(物価目標達成の時期として)2年を放棄するのではないか?」、「2%の目標に柔軟性をもたせるのではないか?」といった観測も一部で生じています。

 まず前者に関しては、●そもそも日銀が2年という期間を目標にしていないという事実を再確認する必要があります。時間的目標はあくまで「できるだけ早期」で、2年というのは分析に基づく物価目標達成時期の「予測」という位置づけです。日銀が2年を撤回するとは、そもそも可能性がゼロです。

 後者については、2%というピンポイント目標から2%±0.5%へと幅を持たせる、あるいは一段の金融緩和に否定的な見解を持つ木内委員が主張するように「2%の『物価安定の目標』の実現は中長期的に……」といっ具合にトーンを弱める可能性が指摘されていますが、2%目標の撤回は購買力平価説(PPP)に基づく通貨高を容認することになるので、そのハードルは極めて高いと判断されます(PPPでは物価上昇率の低い通貨ほど通貨価値が高くなる)。各国中銀がおおむね2%のインフレ目標を掲げるなか、日銀だけがそのコミットを弱めれば為替市場で「デフレ通貨」のレッテルが貼られ、強烈な通貨高にさらされることは想像に難くありません。

 以上みてきたように、●9月会合で示される「総括的検証」が追加緩和の予兆であるかは疑わしいと考えます。市場では9月会合における追加緩和が意識されていますから、「ゼロ回答」だった場合の失望は大きいでしょう。もっとも、このような追加緩和期待が生じることを承知のうえ、なぜ日銀が“意味深”な一文を挿入したのかという疑問は残ります。追加緩和や抜本的な枠組み変更の可能性が否定できないのも事実です。9月会合までに得られる日銀関係者(正副総裁はじめ審議委員含む)の発言等を精査し、考えを整理していきたいと思います。

1012とはずがたり:2016/08/24(水) 00:20:22
>>1010-1011の記事は日銀に阿りすぎにしてもこの記事だと疑問が20も(;´Д`)アリスギヤロw

2016年 08月 23日 08:44 JST
コラム:黒田緩和検証、20の疑問=河野龍太郎氏
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-ryutaro-kono-idJPKCN10X0EV?sp=true
河野龍太郎BNPパリバ証券 経済調査本部長

[東京 22日] - 日銀は次回9月20―21日の金融政策決定会合で、2013年4月に開始した量的・質的金融緩和(QQE)、16年1月に開始したマイナス金利政策(マイナス金利付きQQE)の政策効果について総括的な検証を行う。当初、2年程度で2%インフレを達成するとしていたが、3年以上が経過しても、達成のめどがつかないためだ。

現在、日銀は2%インフレの達成時期を「17年度中」としている。この意味するところは、18年3月(黒田東彦総裁の任期満了は18年4月8日)には2%インフレが達成されるということだが、今では金融市場の多くの人が、それは単なる努力目標で、再度の先送りは不可避と考えている。

これには、政策手段はいくらでもあるという黒田総裁発言とは裏腹に、マイナス金利政策を含めQQEは限界に近づいていると多くの人が見なすようになっていることも影響している。

では、9月の検証で日銀はどこまで踏み込むのだろうか。量的ターゲットなどの操作目標の見直しやマイナス金利政策の撤回もあり得るのか。あるいは、2年で2%インフレ達成という政策目標自体に変更が施されるのだろうか。

<明らかに矛盾する政策思想、操作目標見直しの必要性>

Q1)そもそも、なぜ検証を行うのか。

2015年5月には日銀企画局が「量的・質的金融緩和:2年間の効果の検証」というレポートを公表した。今回、当時と同じように、企画局のレポートだけで済ますことができないのは、金融市場では、黒田総裁の5年間の任期をかけても、目標達成が難しいと強く疑われるようになっているためである。

つまり、「2年程度で2%インフレの達成」という政策目標そのものの実行可能性、妥当性を検討せざるを得ない状況となっている。

Q2)量的ターゲットは限界なのか。

14年10月の追加緩和の直後から、筆者は早ければ16年末には年80兆円の長期国債購入はスムーズにいかなくなり、いずれ年80兆円増のマネタリーベース・ターゲットの達成そのものが難しくなると主張してきた。

16年1月末に追加緩和として日銀が打ち出したのは、予想していた通り、長期国債の購入増ではなく、マイナス金利政策の導入だった。日銀がマイナス金利政策を導入したのは、量的ターゲットが限界に近づいている何よりの証拠である。

Q3)操作目標の見直しが必要なのか。

問題は量的ターゲットが限界に近づいていることだけではない。その象徴であるマネタリーベース・ターゲットは、マイナス金利政策と本質的に矛盾するという問題も抱えている。

前者は、民間金融機関に超過準備の保有を促そうとするものだが、後者は増加した超過準備にペナルティを賦課する政策である。日銀は付利を三層構造とすることで取り繕おうとしているが、政策思想は明らかに矛盾している。

日銀は現在、マネタリーベース・ターゲットという「量」、長期国債・上場投資信託(ETF)・不動産投資信託(REIT)購入という「質」、マイナス金利という「金利」の三次元で対応しているが、操作目標について、整理し直す必要がある。


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