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499名無しさん:2015/11/09(月) 22:24:39
>>498

●「本当に自分はプロになれるのか?」不安になった三段リーグ

―― そして入った奨励会。『或るアホウ』1巻では四段に昇段してプロになるための、長く厳しい三段リーグが描かれていました。これは、監修の橋本さんの実体験なんでしょうか。

橋本 僕の実体験ではないんですが、実際ああいう感じでした。プロになるまでの過程って、6級から初段に上がって、三段リーグに到達するまでで半分くらいと言われるんです。

―― つまり、三段リーグがそれだけ過酷であると。

橋本 半分いかずに辞めていく人はそこまで痛みがないかもしれないですけど、三段で辞めていく人は多いし、すごく痛みがある。この将棋に負けたら奨励会を辞めなきゃいけないという試合に負けて、泣きながら指していた人も見ました。僕も、三段のときは、正直「本当に自分はプロになれるのか?」と心配になりました。

―― 意外です。橋本先生はすごく順調にプロになったのかと。

橋本 三段まではとんとん拍子に進んで、そんなに苦労もしてなかったと思うんですよね。でも三段リーグには、自分より強い人がいっぱいいて、その人たちはやっぱり「力が違う」という感じ。根性だけで勝っているような時期がありました。しかも僕より2個下の渡辺明さんが、もうひょひょいのひょいって先にプロになっちゃった。

―― 渡辺さんは史上4人目の中学生プロ棋士……!

橋本 自分では一生懸命頑張っているんだけど、「こんなに勉強してるのに力がついてない」とどんどん自信がなくなってきて、手が伸びなくなってきて……で、ある日のリーグで、時間切れで負けちゃうんです。

―― 時間切れ。

橋本 1回指そうとして、駒をおっことしちゃった。慌てて指しなおそうとしたんだけど、時計は秒読み。そのまま時間切れで反則負け。そのときはもうめちゃくちゃショック。「俺の半年がまた終わっちゃった!」と将棋会館のそばの神社で大暴れしちゃいました(※)。
 漫画にも似たようなシーンがありましたよね。偶然なんですけど、本当にあんな感じだったのでびっくりしました(笑)。
※三段リーグは半年単位で行われる。

―― どうやって反則負けのショックを乗り越えたんですか?

橋本 「こんなんで負けてちゃ、四段はこの年は無理だな」と思いました。そうしたら、自然とプレッシャーから解放されて、びゅんびゅん駒に手が伸びるようになったんですよね。それまでの自分は気づかなかったけど、「何が何でもプロになりたい、勝たなきゃ」ってことばっかり考えて、「実力がついてるのか、ついてないのか?」という冷静な把握ができてなかった。

―― 反則負けで、逆に自分の立ち位置が見えるようになった?

橋本 そうですね。三段までって、若さの勢いやガッツや根性でなんとかなっちゃう。でも三段リーグはプロになる最終関門だから、ごまかしがきかないんです。出だしでつまずいちゃったことで、逆に自分の実力をつけるようにと考えるようになって、勝ち方もつかめてくるようになりました。そこからは人が変わったみたいに大爆発でした。

―― 「自分は絶対にプロになれる」と思ったのはいつごろですか?

橋本 その反則負けをしちゃったリーグ戦ですね。最初の借金が多すぎて上位争いには絡めなかったけど、心が切り替わったおかげで、最終的に5位くらいまでは上がれました。「そろそろこれは自分の番だな」と確信をもちました。


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