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商業・流通

703チバQ:2009/10/31(土) 12:20:22
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 先月の全国の百貨店の売り上げは4762億円余りで、前年同月と比べると、なんと19カ月もマイナスが続いている。危機感から、日本百貨店協会の86社256店が共同の販売促進をしている。その一つが川柳の公募。<届いたよ 笑顔と分かる 母の声>。入賞作が店内に張ってある。

 銀座通りを行く人に百貨店の利用を尋ねると、統計を裏付ける答え。「定年になってからはめったに来ない。景気が悪いから高いものは買いにくい」(千葉市、男性67歳)、「2、3年前は週に5日は来ていた。今は娘から誘われるアウトレット店やスーパーに行くわね」(東京都中央区、女性63歳)。

 店内のパンフレットは英語、中国語は当たり前になった。大きな紙袋を提げた中国人グループに声をかけた。不動産業の社長という男性(39)が家族のために買ったプラダの財布三つの合計金額は19万5000円! 「中国で買うより3分の1は安い。銀座に来たんだからたくさん買い物をしたい」と話す。

 一部の百貨店では、来店するだけでカードのポイントがたまる仕組みを始めた。ワンコインランチとして、500円の弁当を売り出した店もある。格式高い百貨店の印象を変え、「毎日、気軽に来てほしい」とのメッセージをこめる。

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 続いて、東武百貨店池袋本店へ。

 寺坂さんが「新しい取り組み」と紹介するのが、3月に設けられた呉服店「十萬屋」。着物と帯で10万5000円という均一価格に加え、店員が声をかけないため自由に見ることができる。「気軽に」がここでもテーマだ。

 女性靴売り場にも変化が。牛革を使い1万円以上したパンプスを、合成皮革で6000円からにした。陳列棚に、商品の値段の幅を記した「プライスカード」を置いたのも特徴だ。広報担当の西口美穂さんは「目標の1・3倍の売り上げです。私も気に入って買っちゃいました」と話す。

 外壁に、川柳の書かれた幕が垂れ下がる。<お父さん 贈るベルトの サイズなし>。東京ドームおよそ2個分という関東一の売り場にメリハリをつけるのが、05年に入った衣料品の「ユニクロ」と、今年夏に店舗を構えた化粧品の「DHC」である。どちらも手ごろ感を前面に出すだけに、「百貨店に入れるのはどうか」との声はあったが、集客効果は十分だという。

 日本橋高島屋では、歳暮商戦が始まっていた。商品を選ぶ人、注文する人で熱気ムンムン。初日は込むらしい。200ページの贈答品カタログはずしりと重い。「申し訳ありません。80分待ちです」と、担当者が頭を下げている。

 千葉県から来た女性(63)はコンビニ店を経営する。「うちの店でもお歳暮の品は扱っているんだけど、しっかりした付き合いの家には昔からデパートの商品を贈っている」と話す。良質な商品とサービスへの信頼は根強い。

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 それならば、景気が上向けば百貨店も浮上するのか。

 寺坂さんは「難しいと思う」と話して、その理由に若者の意識の変化を挙げる。「ぼくの周りの若い人は『欲しいものだけ買えればいい』と、百貨店ではなく専門店に行く」。1カ所で衣食住のすべてがそろう「百貨」という特徴が受け入れられなくなっている。

 都心の百貨店によくある、同じような有名ブランド店やレストランが目立つ最近の造りは、そうした若者の傾向に対応しているのだろう。でも、かえって百貨店の個性が奪われているように見える。

 流通業界の取材が長い業界誌記者は「1980年代には、西武百貨店が『おいしい生活』などのコピーを掲げて、新しい価値や文化を発信した。しかし今は、多くの百貨店がモノを売るだけ。タンスがいっぱいになった消費者が健康、美容、旅行などモノ以外に関心を向けていることに気づくべきだ」と指摘する。

 寺坂さんは「デパートの店員は専門知識を持っている。伊勢丹の紳士カバンの担当者は何を聞いても答えが返ってくるし、松坂屋の靴職人には全国から修理の注文がくる。こうした専門性をもっと生かせないのか」と言う。

 名門にあぐらをかくのではなく、どれだけ挑戦できるのか。百貨店を愛する人々の期待は大きい。


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