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商業・流通

591千葉9区:2009/06/03(水) 22:28:33
 群馬県・中之条店。ここで96年に店長となった小澤三夫氏(現販売部地区担当部長)は、思い切って縦割り組織を変えた。野菜売り場、総菜売り場など4カ所でバラバラに売っていたサラダを、1カ所にまとめた。ヤオコーの人気売り場「サラダステーション」の第1号だ。ほかにも、普段の食卓に上らないローストビーフや馬刺しなどを料理提案、「いろいろ遊ばせてもらった」と小澤部長。そして、これが吉と出た。

 03年、本社に程近いショッピングセンター内に川越南古谷店を出店する。800坪に及ぶこの大型店は、家賃や人件費を入れると年30億円売らないと採算が取れない。が、近隣の商圏規模から見て年間20億円前後がやっと。確かに外部環境は厳しいが、本社に近い便のよさから、ゆくゆくは大型旗艦店にしたいという願望が込められた出店だった。

 この難題を任されたのが、“いろいろ遊んできた”元中之条店長の小澤部長。さっそく、サラダステーションの導入から、フォアグラなど小さな非日常を演出する料理提案、さらにおかずのバイキング販売など、プラスアルファの売り上げづくりを矢継ぎ早に打ち出した。

 結果、初年度は採算ラインを超える35億円を達成。その後も40億円、42億円と成長。開店から6年間、一度も前年を下回ったことがない驚異的な店の礎を築いた。「中之条店で自分で考え、実験、実証してきたことが生きた」と小澤部長。ライフスタイル提案型で、不可能を可能にするチャンスを示した。続く翌年オープンしたワカバウォーク店(埼玉)もひとまず成功したことで、経営陣も現場も個店経営に自信を深め、現在のスタイルを確立したのだ。
個店別・全員参加経営で既定路線からジャンプ

 店舗数が100店を数え組織も巨大化した今、個店経営の理念をしっかりと継承・浸透させることがひときわ重要になっている。さらに「連続の増収増益で、無意識のうちに油断もある」(川野会長)。昨年4月には全店長が参加する「店長塾」を開設。塾長の一人には小澤部長が抜擢された。「大手にできないことをやろう。個店勝手で結構。まずはチャレンジだ」と檄を飛ばしている。

 実はこの18年間、増収増益が途切れそうになった年が何度かあった。だがそんな危機に直面的すると、「現場の目の色が変わる。店の売り場がガラリと変わり、数字も一変する」と川野会長は話す。パートナー社員は、「この商品では利益は出ない」と、コストや売り方に対し意見することも躊躇しない。従業員間の信頼関係、そして経営状況を共有しているからこそできる芸当なのだ。

 ヤオコーが目指すのは500店体制、年商1兆円。その過程で、隣接する最大激戦地・東京、神奈川への出店は不可避。そこで今期、同地域に照準を合わせた500坪弱の店を、所沢と青梅に実験出店する。

 52年前、八百屋の「八百幸商店」からスタートし、取扱商品が増えるにつれ、売り場は300坪、450坪、600坪と拡大。旗艦店の川越南古谷店とワカバウォーク店は800坪を超える。店を広げることで、店内をラクに見渡せる低い商品棚を設置でき、広い通路でゆとりのある買い物を実現してきた。通常なら置けない、お客の要望商品の棚も特設できた。いつしか社内には、店を大きくすることで顧客ニーズに応えられるという発想が根付いていた。

 そうした“既定路線”を棚上げにしての初挑戦。しかも競合状況が完全に異なり、目標達成のキーストーンである大都市圏進出がかかっている。ハードルは並大抵のものではない。前期には本業周辺の子会社を清算、すべての資源を集中して大勝負に打って出ようとしている。


(鈴木良英 撮影:梅谷秀司、尾形文繁 =週刊東洋経済)


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