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商業・流通
4746
:
OS5
:2025/06/24(火) 15:45:04
https://news.yahoo.co.jp/articles/34cf348c0ade036f21daf162547fddcd79bad932
閉店決定→一転して継続→そして再開発は「頓挫」 長崎・佐世保の中心市街地、老舗百貨店の紆余曲折
6/24(火) 6:03配信
西日本新聞
記者コラム「あらかぶ」
再開発断念に伴い、佐世保玉屋は7月以降も営業を続けるという
長崎県佐世保市の老舗百貨店「佐世保玉屋」を核とする中心市街地の再開発が「頓挫」した。昨今の資材高騰や混迷を深める社会・経済情勢によって、先行きが見通せなくなったのだという。18日、再開発準備組合の理事長を務める田中丸弘子・玉屋社長が正式に発表した。
【写真】「佐世保玉屋」の初売り福袋売り場で列を作る客(2022年)
準備組合は2021年に発足。計画通りに進んでいれば、玉屋や周辺の商店など建物は既に撤去され、来年からは建設工事が始まる予定だった。
準備組合発足の翌年、ロシアがウクライナに侵攻。これに端を発する原油高で物流や石油化学製品の価格は高騰している。田中丸氏によると、再開発では魅力あるテナントの誘致のほか、マンションを整備する構想もあったという。実現していれば、物価高にあえぐ市民が購入できる価格ではなかったかもしれず、そもそも完成までたどり着いていないかもしれない。断念という判断は正しいように思える。
ただ、ここに至るには紆余(うよ)曲折があった。関係者によると、2年前まで準備組合の理事会はほぼ月1回のペースで開かれた。市もオブザーバーとして参加し、再開発と地元商店街との連携が図れれば補助金を活用できることを伝えるなど支援してきた。
だが、肝心な再開発ビルの商業コンセプトが定まらず、議論は停滞。理事会開催の頻度も落ち、理事や市は「連絡も報告もない。どうなっているのか分からない」と嘆いた。
再開発の構想が定まらない中、佐世保玉屋は24年春、取引先に同年7月末での閉店を告げる。老朽化した建物の耐震診断をするよう市から指導を受けており、取材には「取引先などの不安がる声を考慮した」と応じた。ところが、営業フロアを縮小することで耐震診断の対象外となる「手法」を考えつき、一転して継続を表明。一貫性のない姿勢が見て取れる。
今年4月には再開発の構想に見通しが立ったので注力したいとして、6月末での閉店を新聞の折り込みチラシで公表。しかし、わずか2カ月で断念し、7月以降も営業することにしたのだという。市民も行政も報道機関も振り回され続けている。
周囲を混乱に陥れるも、結果的に最悪のタイミングでの再開発というリスクを回避した玉屋。その前身、佐賀発祥の田中丸商店が佐世保に進出して今年で131年。世紀を優に越える百貨店の「心底」は、常人には知るよしもない。
(重川英介)
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